私は歯並びが悪く、矯正も途中でやめてしまい、大人になった今でも歯並びに自信が持てないでいます。子どもにだけはそんな思いをさせたくない、できれば歯並びよく育ってほしい……という願いもむなしく、娘は生後6カ月の時点で受け口(反対咬合)気味でした。 受け口の矯正というとヘッドギア型の矯正をイメージする方もいるかもしれませんが、我が家の場合はヘッドギア型の矯正は避けたいと思い、早いうちからなんとか治療できないかと探して見つけたのがマウスピース型の矯正でした。 生後6カ月くらいには受け口の傾向が生まれたばかりのときは受け口という感じはしなかったものの、生後6カ月のときには、下顎が上顎より前に出ることが多くなりました。 そこで、生後6カ月の歯科健診のときに「受け口になるでしょうか?」と相談したところ、「まだわからないが、受け口になる可能性はある」という回答を得ました。その後、1歳6カ月の歯科健診でも相談してみましたが同じような回答で、「まだ特にできることはないので、様子を見るしかない」と言われました。 2歳ごろ見つけたのがマウスピース型矯正一般的には、矯正は歯が生えかわる時期に始めるものとされているそう。しかし、できることなら早いうちから最善を尽くしておきたい。生えかわりまで待てない! とせっかちな性格も後押しし、娘が2歳のころに、幼児にできる矯正はないか調べることに。すると、3歳ごろからできるマウスピース型のムーシールドとプレオルソという矯正を見つけました。早速、かかりつけの歯医者に相談したところ「まだ受け口になるかわからないから歯が生えかわり始める6歳ごろまで様子をみましょう」と言われました。その後、別の歯医者さんにも相談したところ、「まだ、受け口になるかはわからないし、マウスピース型の矯正をやっても戻ってしまう可能性もあるから」ということで、やはり「歯が生えかわり始める6歳ごろまで様子を見ましょう」と言われました。 矯正専門の歯科へ相談どうしても諦めきれないわたしは、矯正専門の歯科へ相談しました。矯正歯科の先生に言われたのは、・ムーシールドやプレオルソをやっても、治らない場合がある・いったん治っても、全ての歯が永久歯に生えかわるときと、思春期くらいのときに戻ってしまう可能性がある・ただし、今からムーシールドやプレオルソをやっておけば、たとえ戻ってしまったとしても、その後の治療はラクになる可能性が高いということでした。戻ってしまう可能性がある(しかも2回も!)ということで悩みましたが、娘の現在のかみ合わせを見てもらったところ、受け口が原因で奥歯の上下の歯の間に空間ができてしまっており、奥歯がきちんと噛み合わせできていないということがわかりました。つまり、奥歯では食べ物をきちんと咀嚼できていなかったのです。 マウスピース型の矯正をすることを決意そこで、やはりマウスピース型の矯正をすることにしました。我が家は、先生と相談し、ムーシールドを選択。早いとムーシールドを着け始めてから約3カ月後には効果が出るといわれているそうで、娘も装着し始めて3カ月後には前の歯が下の歯に覆いかぶさるようになりました。 1日の間でもできるだけ長時間装着したほうが効果は高いようですが、なかなか昼間に装着するのは難しく、我が家の場合は主に夜寝ているときのみ。娘に聞いたところ、装着しても全く痛みはないとのこと。それでもうっとうしいようで、やはりすすんでは着けたがりません。ここは親が毎日装着させるよう子どもを促す覚悟も必要です。まだまだ、戻る可能性が高いので油断はできませんが、私はやってよかったと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年12月18日国立保険医療科学院「平成26年度・全国乳幼児歯科健診結果」 によると、おおむね乳歯が生えそろう3歳児歯科健康診断において「咬合(かみ合わせ)異常」が認められた子どもは全体の約11%。まだ乳歯で、これから大人の歯である永久歯に生え変わるとはいえ、歯並びが大丈夫なのかは気になりますよね。3歳の頃には、どんなかみ合わせの異常があって、その場合、どんなことに注意すればいいのか。まとめてみました。■「受け口」や「すきっ歯」の注意点は?現在、全国の多くの自治体で「3歳児歯科健康診断」が実施されています。赤ちゃんの頃から歯が少しずつ生えてきて、3歳は20本の乳歯が生えそろう時期。虫歯の次に気になるのが、歯並びです。正しい歯並びとかみ合わせになっていない場合、どんなことに気をつければいいのでしょうか?1.受け口(かみ合わせが上下反対)正常な歯のかみ合わせは、上の歯が下の歯にかぶさるように前へ出る形になりますが、子どもの歯を見ると、下の歯が前に出ている場合があります。一般に「受け口」ともいいます。2.すきっ歯になっている乳歯が20本そろっても、歯と歯の間にかなりのすき間があって、ごはんつぶやコーン、お菓子などがはさまってしまうこともありますよね。はたしてこのすき間はそのままにしていいのでしょうか? 日本小児歯科学会 のホームページの「子どもたちの口と歯の質問箱」では、受け口について「永久歯交換期に自然に治ることもありますが、遺伝的要因があると自然には治りにくいです。あごの大きさの問題なのか、歯の傾きが原因なのか4~5歳頃になると精密な検査ができ、治療することも可能」と回答しています。さらに、すきっ歯については「この年代(※3歳)では歯と歯の間にすき間がある(発育空隙という)ことが正常です。乳歯より大きい永久歯が生えてくることを考えると、すき間のあるほうが都合がいいのです。このすき間は、永久歯が生えかわる時、利用され閉鎖していきます。時々、あごに対して歯のサイズが小さいためにすき間が生じることもあります。その際は永久歯列になってからの処置によって治すことができます」と回答されています。■「歯ぎしり」「歯欠け」…乳歯期にありがちなトラブル子どもが寝ている間に歯ぎしりをするのは、よくあること。就寝後や早朝、目覚める前にギリギリと音を立てて歯ぎしりをしている姿を目にするママパパも多いでしょう。しかし、「こんなに毎日、歯ぎしりをしていたら、歯がすり減ったり曲がったりしてしまうのでは?」と心配になりますよね。そういった場合は一度、歯科医に相談してみたほうがよさそうです。前述の「子どもたちの口と歯の質問箱」では、歯ぎしりについて「ほとんどは一時的なもので、子どもの気持ちが満たされないストレスとしておきていることがあります。年齢とともになくなっていくことが多いです」と解説しています。そして、経過観察をしていてもよいが、「歯並びに問題があったり、歯が過度にすり減ったり、あごを痛がったりするようであれば、小児歯科専門医に相談してください」とアドバイスしています。また、幼児にありがちなのが、顔から転んで歯ぐきから血が出たり、ひどい時は歯が欠けたり折れたりしてしまうこと。また、歯をぶつけて抜いた場合も注意が必要です。「子どもたちの口と歯の質問箱」では、「受傷した年齢や程度にもよりますが、永久歯の位置や歯に形成の悪い部分ができることもありますので、永久歯の生える頃まで定期的にかかりつけ歯科医でみてもらってください。また、失った部分を補う処置(乳歯義歯や保隙装置)もあります」と回答されています。 ■小児歯科医にかかるとき、子どもを怖がらせずスムーズにクリニックに連れていくには?虫歯と同じく、かみ合わせの異常があったらいずれも乳歯だからといって軽く見ずに、歯科医を受診し経過を見ていくことが大事です。日常生活に支障がない場合、歯のことはついつい先送りにしてしまいがちですが、永久歯を正しい状態に導くためにも、歯の健康チェックを心がけておきたいですね。いざ診察と思っても、歯科選びは悩ましいところです。もちろん、親の行きつけの歯医者でもいいですが、できれば少し遠くても小児歯科の専門医がいる病院の方が何かと安心です。ママ友ネットワークで、子どもの診療が得意な歯医者さんを教えてもらうのも有効。初めて小児歯科にかかる時は、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか? 日本小児歯科学会では、以下のようなアドバイスをしています。1.幼児の治療は体調の良い午前中に受診することをおすすめします。昼過ぎや夕方になると疲れて機嫌が悪くなることが多いものです。2.なるべく嘘をついて連れてこないようにしてください。かえっていやがる原因になります。そのかわり治療の後は、たくさんほめてあげてください。3.幼児は歯科治療でいやがって泣いたり暴れたりすることもあります。汗をかきますので特に冬場などは下着などの着替えを用意してきてください。また治療中はTシャツなど身軽な服装にさせましょう。4.待合室ではなるべくリラックスさせるように保護者の方が本を読んで聞かせたり、おもちゃで遊ばせてあげてください。歯科医院で、口を大きくあけたり、器具を差し込まれたりするだけでも、子どもにとっては大きなストレスになります。しかし、予防医療が有効な歯だからこそ、親はできるだけ、かみ合わせ異常や虫歯から子どもの歯を守ってあげたいですよね。なかなか小さな子どもに理解させるのは難しそうですが、「歯のチェックをすることは大事だ」ということをちゃんとさとしたうえで、治療を受けることが望ましいといえそうです。 ・国立保険医療科学院「平成26年度・全国乳幼児歯科健診結果」 ・公益社団法人・日本小児歯科学会
2018年07月04日