いざ本番というときに、脱いだら幻滅されてしまった…なんて事態は絶対に避けたい!男性目線での魅力的なカラダとは…?そそるカラダをつくるには、男目線を意識してケアをするべきだとタレントの橋本マナミさん。「まずは、痩せすぎないこと。男性は見た目にも触り心地にも柔らかさを求めるので、ハードすぎる運動は逆効果かもしれません。そして、1日1回、全身鏡に裸を映してチェックすること。私の場合、お尻が垂れてきたな、と思ったら、重点的にエクササイズします」自分のカラダを観察するのはちょっぴり勇気がいるけれど、必須事項だと医師の喜田直江さんも。「たとえばデリケートゾーンを自分で見たことがない女性がとても多い。でも、自分のカラダを知らなければケアのしようがないですよね。実際に、膣も年齢とともにたるんでいきます。普段から保湿などのお手入れをしておくことで、膣の老化予防になるんですよ。結果的に、将来のハッピーな性生活にもつながります」ここでは、男性200人にアンケートを実施し、意外に知らない男性のチェックポイントを大調査!その結果から、男性は女性のパーツを思いのほか見ていることが判明。実際の意見を分析して、欲情させるカラダづくりの参考にして。好みのカラダはありますか?YES…84%、NO…16%セックスの前に、女性のカラダを見て冷めてしまったことはありますか?YES…47%、NO…53%セックスのとき、どのパーツが一番気になりますか?1位:バスト…53%結局、男性はおっぱい星人。小さくてもハリで勝負を。大きい胸は、不動の人気。ただし、女子の気にする小ささ、硬さよりも不評なのが、垂れた胸。マッサージを習慣にし、ふっくらバストを目指そう。2位:お尻…16.1%ぷりっと上向きの小尻は男性の大好物。耳が痛いけれど、引き締まった小尻が好きという男性が多数。不人気なのが、たるんだお尻。スクワットやマッサージでヒップアップ計画を!3位:ウエスト…11.9%キュッと引き締まった、S字カーブに男性はドキッ。女性らしさのシンボルでもある、メリハリのあるウエストにそそられるという男性が多数。寸胴と筋肉質はセーフながら、ムダな脂肪がついたハミ肉はNG。引き締めマストです。4位:脚…8.3%5位:デリケートゾーン…7.7%もはや処理は常識。デリケートゾーンはツルツル派も。「遊んでると思われちゃうかも」なんて懸念は不要。男性は、ツルツルに処理されているデリケートゾーンを望んでいるとの結果が。今や、未処理を支持する男性は半数という結果に。6位:その他…3%【肌の質感】すべすべの素肌は触っていたくなる最大条件。ほぼ100%の男子が、すべすべの肌を支持。また、多少汗ばんでいるのはいいけれど、吹き出物やニキビのブツブツやザラつきは改善してほしい!との要望が。【ムダ毛】産毛はあっても許せるけど、チクチクはNG。理想は、肌が触れ合ったときのすべすべ感。ふんわりとした産毛は気にならないけれど、幻滅するのが剃った後のチクチクという意見多数。彼と会う前に再度チェックを。※アンケート回答者の80%%以上がOKならば「理想」、50%以上80%未満を「セーフ」、50%未満は「要改善」に分類しています。はしもと・まなみタレント。1984年8月8日生まれ。メリハリのあるふんわりボディは、男女問わず憧れの的。10月1日スタートの連続テレビ小説『まんぷく』(NHK)に出演。きだ・なおえ銀座なおえビューティークリニック院長。京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩、手術等を経験。さらに、美容外科、美容皮膚科全般も修得。※『anan』2018年8月15・22日号より。イラスト・ボブa.k.a.えんちゃん取材、文・安田光絵(by anan編集部)
2018年08月18日ほとんどの人が悩んでいるといっても過言ではない「SEX」。けれどセックスの話題はまだまだデリケートで、解決しづらい。そこで、Q&A形式で性のスペシャリストたちにこたえてもらいました!Q:挿入が痛い!【A:ちゃんと濡れてから。病気の可能性もあります】考えられる原因はいくつかあるよう。「まずは、十分に濡れていないことが挙げられます。その場合は、声や仕草で“前戯をもっとして”というムードを出して彼を導きましょう」(婦人科医・池下育子先生)そして、男性経験はあるはずなのに、なんと処女膜が切れてないというケースも!「処女膜は輪のような形で膣口の近くにあり、入り口をギュッと締めていますが、一度セックスをすると切れ目が入って、その後はスムーズに挿入できるように。ところが、処女膜を巻き込んでピストン運動をしたり、初体験の男性のペニスが細かったりすると、処女膜が切れずに挿入できてしまいます。そのためほかの男性とセックスした時は痛いんです。改善法は、潤滑ゼリーを使い、ゆっくり挿入してもらうこと」また、病気で痛みを感じることも。「カンジダの外陰炎や膣炎、ヘルペス、尖圭コンジローマなど病気があると痛い可能性が。婦人科の受診が不可欠です」Q:精液って飲んでも大丈夫?【A:タンパク質なので大丈夫。でも、清潔には留意して】「精液はタンパク質の塊なので、基本的には飲んでも体に害はないといわれています。精液の中に雑菌が含まれていたとしても、胃酸によって死滅するため、お腹の中がバイ菌だらけになることはないと思います。ただ、清潔には留意し、性感染症にかかっていたり、その疑いがある場合は避けましょう」(池下先生)Q:自分の性欲が強すぎる気がします。【A:女性は365日、性欲があるものです】「動物は年2回など発情期が決まっていますが、人間の中でも女性は動物と違ってホルモンにコントロールされていないので、言ってしまえば365日が性欲の日々。強すぎるということはありません。パートナーがそれを受け入れてくれるなら、問題ナシ」(池下先生)一方、不特定多数の人と次々関係を持つのは心配。「セックス依存症の可能性があります。何かに抑圧された反動などが考えられるので、一度、心療内科や婦人科に相談してみるといいでしょう」Q:セックスがご無沙汰すぎて、不安です。【A:脳と体のセックストレーニングを忘れずに】まず気になるのは女性器の機能面のこと。「40代以上になると、女性ホルモンの分泌量が減って、膣が萎縮。しばらくセックスしていないと挿入時に痛みを感じる場合が。ただ、20~30代ならそういうこともなく、痛みがあったとしても緊張による濡れにくさから。次第に感覚を取り戻してスムーズになるでしょう」(美容婦人科医・喜田直江先生)では、セックスする予定はなくとも、今後に向けて、何か備えておけることは?「ご無沙汰どころか2~3週間セックスをしていないだけで、しなくても事足りる体になってしまうので、放っておくとどんどん感覚を取り戻しにくくなります。そこで取り入れたいのが、週に3回はセクシーなものに触れること。たとえばH な漫画やAVを見て自然に濡れる感覚をクセづけて。体がそれに反応して興奮したり、濡れたりしたら、胸や性器などに触れてひとりHをしてみましょう。ひいてはそれが相手を求める気持ちにつながり、恋愛もしやすくなるはずです」(コラムニスト・ベッツィーさん)Q:締まりがいい=名器ですか?【A:締まりよりも、収縮性が大事!】“名器”とは聞くけど、どういうこと?「先天的なものかは分かりませんが、挿れただけで勝手に中が動いてペニスが引き込まれそうになるなど、名器と出合ったことがあるという男性の話を聞いたことがあります。“締まりがいいと名器”ともいいますが、それを期待して膣トレをやりすぎても、鍛えられるのは膣口がメインという傾向が。入り口ばかりがきついと男性にとっては硬く感じ、あまり気持ちよくないとも聞きます。それよりお互い気持ちいいのは、膣の収縮性が高いこと」(ベッツィーさん)「そのためにはタンポンのような専用の器具を膣に入れて、落とさないようにするというトレーニング方法があります。もっと手軽に収縮性を高めたいなら、ハーフブリッジや、肩を壁につけて行う、お尻とお腹を引き締める運動も効果的。また、セックス中にできることとしては、挿入に合わせてお尻を締めると即席名器に」(池下先生)池下育子先生婦人科医。いけした女性クリニック銀座院長。婦人科診療はもとより、性の悩みにも寄り添ってくれる。喜田直江先生美容婦人科医。なおえビューティークリニック院長。産婦人科医としての経験のもと、女性器診療を行う。ベッツィーさんコラムニスト。“アラサービッチ”を自称し、恋愛サイト「AM」に「素敵ビッチのたのしい性活」を連載。※『anan』2017年8月16・23日号より。写真・中島慶子イラスト・山中玲奈取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2017年08月10日私のセックスって普通なの?デリケートゾーンに性感染症、避妊法…と、気にし始めたらキリがない!人には聞けないセックスのお悩みを、性のスペシャリストたちが解決します!最近のセックスのお悩みトレンドは?セックスのお悩みがある人は、なんと95%!誰かに相談しづらい話題だけに、一人で抱え込んでしまう人が多いのかも。「挿入時に痛い性交痛など、肉体的なお悩みもその一つ。どう解決したらいいのか、友達など人に聞くこともなかなかできず、とかく男性任せにしてしまいがちです」(婦人科医・池下育子先生)男性任せといえば、“彼が下手”“相性が合わない”など、相手に原因を求めてしまいやすいお悩みが多かったのも特徴といえそう。「たとえば相性は、お互いの信頼関係があれば合わせていくことができます。数回で“合わない”と諦めてしまうのは早計です」(美容婦人科医・喜田直江先生)また、セックスのお悩みは、気持ちの問題が影響するケースもあると、臨床心理士の山名裕子先生。「セックスに集中できなかったり、途中で冷めてしまうという人は、もともとマジメで自分を解放できていない可能性が考えられます」そしてこちらもかなり多かったのが、“中イキしたい”という声。「第一歩は自分で自分の体を知ることから。ひとりHが有効です」(コラムニスト・ベッツィーさん)ほかにも避妊や性感染症のお悩みなど、バスターズが総力解決!Q:体の相性って本当にありますか?【A:気持ちやタイミングなど相性はさまざまです】「おそらく“相性”と聞くと、まるで鍵穴がピタッと合うように、男性器と女性器のフィット感が抜群にいいことを想像する人もいると思いますが、そういった意味での相性は医学的にはありません。膣はゴムのように伸縮するので、ある特定の男性器のカタチだけにはまるというものではないんです。体の構造より、お互いに愛し合っているかという心の問題のほうが、相性に関わっていると思います」(喜田先生)より幅広い捉え方なのがベッツィーさん。「カタチや気持ちはもとより、イクまでの時間が合う、肌質が合う、においが合うなど、何かが合っていれば“相性がいい”といえるでしょう。また、セックスの流れ的なことでいえば、最初の1~2回合わなくても、回数を重ねるごとに相手の好みも分かってくるので、次第に相性を合わせることができるのです。ただ、ちょっとキビシイのは、女性が小さくて男性が大きいなど性器のサイズ差。でも、潤滑ゼリーを使ったり、体位を工夫することで克服可能」Q:途中で冷めちゃいます。【A:理性を解放して、楽しみましょう!】「マジメだったり、恥ずかしがり屋の人に多いケース。理性が邪魔をして、セックスに集中できないんです。こういう人は普段から緊張感が強い傾向がありますが、お腹の下あたりにある“丹田”に意識を集中してする“丹田腹式呼吸法”なら、副交感神経が優位になり、体がリラックス。オンとオフが切り替えられ、セックスが楽しめるように」(山名先生)また、過去のトラウマがあるケースも考えられる。「元彼に何か言われたなど男性への怖さや不信感で、心にブレーキがかかることも。その傷を信頼できる第三者に話すと気持ちが解放され、解決につながります」Q:彼のセックスが下手!【A:自分の気持ちいいほうへ誘導していきましょう】「私は経験人数が少なくないほうですが、相手のセックスが下手だと思ったことはない」とベッツィーさん。「というのも、セックスは自分が気持ちのいいやり方に、いくらでも相手を誘導できるからです。つまり、彼のセックスが下手だと言うことは、自分のセックスが下手って言っているのと同じ。誘導の仕方としては、気持ちいいと思ったら声で反応。そうすると彼も楽しくなります。違うと思ったら、体を動かしたり、言葉で気持ちいいほうへ誘導。演技は逆効果です!」Q:生理の終わりかけ。SEXしてもいい?【雑菌が病気を誘引。少し我慢しましょう】大丈夫かな、と思いがちだけど深刻なリスクあり。「経血の量が少ないとはいえ、まだ内膜がはがれ落ちている時期。そんな時にセックスをすると、流れ出る経血が逆流し、それが骨盤に飛び散って、子宮内膜症になることも。また、生理の時は局所が不潔になりやすいので、その菌をどんどん中に入れることにもなります。ひいては子宮の炎症や卵管炎を発症する可能性もあるので、終わるまで我慢して」(池下先生)池下育子先生婦人科医。いけした女性クリニック銀座院長。婦人科診療はもとより、性の悩みにも寄り添ってくれる。山名裕子先生臨床心理士。やまな mental care office院長。『ナカイの窓』(日本テレビ系)などメディアにも多数出演。喜田直江先生美容婦人科医。なおえビューティークリニック院長。産婦人科医としての経験のもと、女性器診療を行う。ベッツィーさんコラムニスト。“アラサービッチ”を自称し、恋愛サイト「AM」に「素敵ビッチのたのしい性活」を連載。※『anan』2017年8月16・23日号より。写真・中島慶子イラスト・山中玲奈(by anan編集部)
2017年08月09日女性特有の悩みの1つに「膣(ちつ)のゆるみ」がある。産後の女性に多く見られるが、運動不足も原因になるため、出産経験のない若い女性も気をつけたい症状だ。今回は、膣のゆるみに悩む数々の女性を救ってきた、なおえビューティークリニックの喜田直江院長に、若わかしい膣を維持するために自分でできる「膣トレ」についてうかがった。○治療も大切、予防はもっと大切「お風呂からあがったときに膣からお湯が出る」「尿漏れ・頻尿」などの症状に心あたりのある女性はいないだろうか。これらは膣がゆるんでいるサインかもしれない。膣のゆるみは、子宮や膀胱(ぼうこう)、直腸を支える「骨盤底筋群」の筋力が、出産や加齢、運動不足などによって衰えることが原因で起こる。悪化すると、子宮が膣から出てしまう「子宮脱」という疾患を引き起こす場合もあり、注意が必要だ。なおえビューティークリニックでは、膣のゆるみを改善するための治療が受けられる。治療法には、膣縮小術や高周波治療、磁気治療など複数の選択肢があり、出産予定の有無や年齢に応じて最適な治療法を選ぶことが可能。実際にクリニックを訪れる女性の年齢層も、20代から70代ぐらいまでと幅広いそう。「症状の改善のためには適切な治療が大切です。しかし、それ以上に重要なのは、予防すること。40歳を過ぎたら膣がゆるんでくるという自覚を持ち、膣トレを始めることをおすすめします」と喜田院長。ここでの「膣トレ」とは、自宅でできる膣を引き締めるトレーニングのこと。では、1日3分でできる膣トレのやり方を紹介しよう。○1日3分で膣美人になれる「膣トレ」足を肩幅に開いて立つ。ゆっくりと息を吸いながら(約5秒)、膣を引き上げるようなイメージで肛門周辺を締めていく。限界まで締めたら息を止め、締めたまま5秒間キープする。※トイレで尿を止めるときの感覚。息を吐きながらゆっくりと膣をゆるめていき(約5秒)、元の状態に戻る。まずは5セットを目安に毎日行ってみよう。個人差はあるものの、およそ1カ月前後で効果が現れ、性交渉もスムーズになる人が多いという。膣のゆるみ以外では、尿もれ・頻尿や子宮脱の予防、月経前症候群(PMS)や不感症の改善にも効果が期待できる。また、骨盤底筋群を鍛えることで、ウエストシェイプやヒップアップにもつながるという。ただし、トレーニングをやめてしまうと再び筋力は低下してしまうため、頑張って継続してみよう。○自分で「締まる感覚」を知ろう膣のゆるみで悩む女性の中には、パートナーから指摘されてクリニックを訪れる人もいる。もともと自覚がないため、クリニックの治療が終わっても、本当によくなっているのか不安に感じる女性も多いとのこと。喜田院長は「もっと自分の体を知りましょう」と語る。そして、膣の締まり具合を確認する方法として、「バスタイムに自分の指を膣に挿入し、締まる感覚を体感してみてもいいでしょう。その際は、湯船から出て指を十分に洗浄してから行ってください」とアドバイス。なお膣を締める感覚がわからない人は、膣トレ用の専用グッズを使ってみてもいい。膣トレグッズは「インナーボール」などの名称で販売されている。膣が締まる感覚を自覚することも、自分の体の状態を知るうえで大切なこと。状態がチェックできれば、膣トレの効果やキープできているかどうかも確認できる。デリケートな部分なので、安全面や衛生面に十分注意して行ってみよう。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 喜田直江(きだ・なおえ)2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。2003年からは形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。2006年より大手美容外科に勤務し、美容外科・美容皮膚科全般において経験を積んだ。特に婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。2011年10月、東京都・銀座でなおえビューティークリニックを開院。婦人科形成医療を通して多くの女性患者の悩みを解消し、"女性であることの幸せ"を提供し続けている。
2016年01月14日最近、お風呂からあがったときに膣(ちつ)からお湯が出てくる、くしゃみや咳(せき)で尿漏れする……。こんな症状は膣がゆるんでいるサインかもしれない。今回は、他人には相談しにくい「膣のゆるみ」について、なおえビューティークリニックの喜田直江院長にうかがった。○出産、加齢、運動不足がゆるみの原因そもそも膣がゆるんでいるかどうかは、自分で気づけるものなのだろうか。症状がなかったり気づきにくかったりする場合もあるそうだが、一般的に次のような症状がある人は膣のゆるみを疑ってみるとよいだろう。・お風呂やプールで膣にお湯や水が入る。・トイレに行く回数が増えた。・お尻のたるみが気になる。・性交時に空気が入って音がする。・パートナーが最後までイケなくなった。・尿漏れを感じたことがある。膣がゆるむメカニズムには、「骨盤底筋群」の筋力低下が関わっている。骨盤底筋群とは、骨盤の底にあり、子宮や膀胱(ぼうこう)、腸を支えるハンモック状の筋肉のこと。その筋力が低下すると、膣のゆるみを引き起こすという。そして、膣がゆるむ原因として一番多いのが「出産」だ。出産で広がった膣は出産後も完全には元に戻らず、膣壁と膣まわりの骨盤底筋群などの筋肉が引き伸ばされて膣の内部が広がると、締める力が低下する。出産回数より年齢に深く関係し、高齢出産ほど元に戻りにくいとのこと。そのほか、加齢や運動不足も膣のゆるみの原因になる。「性交時の感度が悪くなった、自分では気付かなくてもパートナーに膣のゆるみを指摘されたという相談をよく受けます。出産経験のある40代前後の女性が多いですが、運動不足も原因になりますので、出産未経験の20代女性の来院も少なくありません」と喜田院長。○放置すると「子宮脱」のリスクも膣のゆるみをそのままにすると、症状が進行し、筋肉が衰えて支えられなくなった子宮が膣から出てしまう「子宮脱」を引き起こすこともあるという。子宮脱は50代以上に多い病気で、膣内の異物感や、頻尿・排尿困難(尿が出にくくなる)などの症状が代表的だ。発症した場合は、手術などの治療が必要となる。大きな赤ちゃんや双子の出産経験者、出産回数が多い人、高齢出産の人などはリスクが高いといわれている。また、骨盤底筋群は立っているだけでも重力の影響を受けており、そこに内臓脂肪の重さや力が加わるとダメージが増すため、肥満ぎみの人、排便時に強くいきみがちな人、立ち仕事や重い物を持ち上げる仕事をする人も注意が必要だ。○クリニックで行う治療法では、膣のゆるみはどうしたら改善できるのだろうか。専門のクリニックなどではいくつかの治療法を取り入れており、カウンセリングを行ったうえで、出産予定の有無や年齢などに応じて最適な治療法を選択できる。■膣縮小術ゆるんだり断裂したりした膣まわりの筋肉を修復する約1.5時間の施術で、もっとも効果が高いという。約2カ月のダウンタイム(回復期間)が必要であり、その後は通常どおり性交渉も可能。ただし、膣が狭くなると出産が難しくなるので、出産予定のない人に適している。30代以上に人気。費用: 約50万円■ビビーブ(高周波治療)麻酔やメスを使わず、高周波により膣壁のコラーゲンを増やし、若わかしい膣を再生する治療法。痛みや出血を伴わない30分程の治療でダウンタイムもないため、若い世代から40代に人気が高い。ただし効果は一時的なので、一年に一度の定期的な治療が必要。費用: 約25万円■ペルビックトレーナー(磁気治療)ゆるんでしまった骨盤底筋群を筋肉トレーニング装置で刺激し、鍛える方法。服を着たまま椅子に座って行い、痛みもない。1回の治療時間は約20分。1~2週間に一度の通院を継続することが望ましく、3~5回で効果を感じる人が多いという。年代を問わず人気があり、高齢の場合は尿漏れの改善にも効果的。費用: 7万6千円 / 10回■フィラー注入(パールフィラー、ボリュームフィラー)膣壁の下にゼリー状のフィラーを注入して膨らませ、切開手術なしで膣内部を狭くする方法。フィラーには2種類あり、パールフィラーは吸収されないので1回の治療で半永久的に効果が持続する。一方、ヒアルロン酸を注入するボリュームフィラーは、吸収されるので一年に一度、定期的な治療が望ましい。吸収されないパールフィラーは、出産時に赤ちゃんと一緒に出てくるため、抵抗がある人は効果が一時的なボリュームフィラーがおすすめ。どちらもダウンタイムはなく、施術後1週間程度で性交渉が可能に。20代から70代まで幅広く人気。費用: パールフィラー約40万円、ボリュームフィラー約25万円■エッジワン(炭酸ガスレーザー)ビビーブと同じく、膣壁のコラーゲンを増やして若返らせる方法。ビビーブほど深達度はないため、1~2カ月あけて2回の照射がおすすめ。性交痛の改善のほかに尿もれ改善効果もあるため、高めの年齢層に人気。費用: 約10万円女性であれば誰にでもなる可能性がある、膣のゆるみ。なかなか他人に相談しづらい悩みだが、ひとりで抱え込まず、まずは信頼できる医師に相談してみよう。クリニックで適切な治療を受けて女性としての自信を取り戻せば、パートナーとの関係が一層深まるかもしれない。※画像は本文と関係ありません※治療費はクリニックによって異なります○記事監修: 喜田直江(きだ・なおえ)2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。2003年からは形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。2006年より大手美容外科に勤務し、美容外科・美容皮膚科全般において経験を積んだ。特に婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。2011年10月、東京都・銀座でなおえビューティークリニックを開院。婦人科形成医療を通して多くの女性患者の悩みを解消し、"女性であることの幸せ"を提供し続けている。
2016年01月13日性交渉のときに生じる痛みを「性交痛」という。デリケートな問題であるため、性交痛で悩んでいても誰にも相談できずにいる女性も多いのではないだろうか。そこで今回は、女性の性交痛の原因と治療法について、なおえビューティークリニック・院長の喜田直江医師に伺った。○妊活にも影響しかねない「性交痛」とは?通常、最初の性交渉で処女膜が破れるときに痛みが生じるが、一度破れてしまうと痛みはなくなるものとされている。喜田医師によれば、仮にしばらく性交渉をしていない期間があったとしても、処女膜が元に戻って痛みが復活することはないという。一方、何らかの理由で性交渉のたびに性交痛があるという女性もいる。痛みがあると、性交渉が楽しめないどころか、苦痛や恐怖心を伴う可能性もあるので深刻な問題だ。そもそも性交痛を理由に婦人科を受診してよいものか、という疑問を持っている人もいるかもしれない。これに対し、「性交痛の症状でクリニックに来られる女性も多いですね。中には、妊娠はしたいのに性交痛によって性交渉ができずに悩んでいる方もいらっしゃいますので、切実な問題だと思います」と喜田医師。○性交痛の原因と治療法性交痛の原因は、主に次の2つが考えられるという。原因1.処女膜のつっぱりが強い「処女膜強靭(じん)症」まず、処女膜の形状に問題があって痛みが生じている場合だ。「処女膜はリング状なのですが、通常であれば薄いので簡単に破れてしまうものなんです。最初の性交渉時に破れる女性が多いですが、実は手で触るだけで破れる人もいるほど。一度破れてしまえば、処女膜が膣の大きさまで広がるようになるので、痛みもなくなります」と、喜田医師は解説する。一方で処女膜が厚すぎて破れない場合もあり、これを「処女膜強靭症」という。「処女膜強靭症の方は、処女膜のつっぱりが強くて簡単には破れないので、強い痛みを伴うことが多いです。また、何回も性交渉を重ねたからといって自然に破れるものではなく、手術が必要になります」。その手術を「処女膜切開術」といい、人工的に処女膜を切ってつっぱりを取り除く内容となる。手術時間は15分から20分ほどで、術後1カ月くらいで痛みを伴わずに性交渉ができるようになるという。原因2.更年期による「女性ホルモンの減少」40代以降で更年期にさしかかると、次第に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌は低下していく。それも性交痛の原因の1つだという。「女性ホルモンが減少すると、膣粘膜からの分泌物の量も減り、うるおいがなくなります。さらに膣壁のコラーゲンも減少するので、膣が萎縮して硬くなり、乾燥することに。そうした膣の状態が性交痛を引き起こしているのです」。治療では、症状に応じて、潤滑ゼリーでうるおいを与える処置や、女性ホルモンの量を増やすためのホルモン補充療法などが行われる。なお症状が重い場合は、レーザー治療も選択肢の1つ。炭酸ガスレーザーを照射して膣を若返らせる方法で、膣壁の血流を改善し、膣分泌物を増やしてうるおいをもたらすという。これら2つの原因以外にも、「小陰唇肥大」といって、膣の入り口の左右にあるヒダ(小陰唇)が大きいために、性交渉時に巻き込まれて痛みを伴うこともあるそうだ。この場合は、小陰唇の大きい部分を切除する手術をすれば痛みは改善されるとのこと。また、ストレスなど精神的なことが影響して膣のうるおいが低下し、痛みが生じている可能性もあるという。○産後の女性ホルモンと性欲の関係一方で産後の女性は、女性ホルモンの影響により一時的に性欲が減退するといわれている。そこに育児の忙しさや疲労などが重なると、膣のうるおいがなくなって痛みの原因になるほか、性交渉そのものに興味がなくなったり、嫌悪感を抱いたりすることもあるという。ただ、これは産後の女性であれば誰にでも起こり得ることで、一般に授乳期間を過ぎれば元に戻るので心配しなくてもよいとのこと。ただし、「その間のパートナーとのコミュニケーションには配慮が必要です」と喜田医師。「男性はホルモンの影響を受けていないわけですから、女性側がただ拒否する態度を取ってしまうと、夫婦間に壁ができてしまったり、セックスレスの原因になったりすることもあります。お互いに理解し合うことが大切ですね」。性交渉に関する悩みは、家族や友達など親しい間柄であっても相談しづらいものだろう。ただ性交痛の場合は、肉体的にも精神的にも負担が大きく、ずっと続くようであればトラウマ(心的外傷)にもなりかねない。気になる症状がある人は、1人で悩まずに婦人科を受診してみよう。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 喜田直江(きだ・なおえ)2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。2003年からは形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。2006年より大手美容外科に勤務し、美容外科・美容皮膚科全般において経験を積んだ。特に婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。2011年10月、東京都・銀座でなおえビューティークリニックを開院。婦人科形成医療を通して多くの女性患者の悩みを解消し、"女性であることの幸せ"を提供し続けている。
2015年09月16日