朝晩が寒くなり、乾燥が気になってきました。これから冬にかけて流行してくる感染症として、インフルエンザやノロウイルスなどがあります。東京都感染症情報センターによると、すでにインフルエンザとみられる症状で学級閉鎖になった都内の小学校もあるとのことで、これからの季節、流行が心配されます。また、ひどい吐き気や下痢といった、つらい症状を引き起こす、ノロウイルス。家族間で感染しやすく、肉体的ダメージが多いこともあり、私のママ友の間でも「子どもにかかってほしくない感染症」で上位にランクインしています。免疫力の弱い小さいお子さんを持つママは、特に心配ですよね。そんな感染症の予防法はというと、まずは「手洗い・うがい」です。しかし、ちゃんとした手洗い・うがいってできていますか?親指も忘れずに! 正しい手洗いの方法まずは正しい手洗いの仕方から。1.水で簡単に汚れを落とした後、石けんをつけます。2.泡立てた石けんで、手のひら・手の甲・指の間を洗います。3.次は爪を洗いましょう。手のひらに爪を立てるようにしてこすり洗います。ここで、ポイント! 手のひらのしわや溝の部分にこすりつけ、汚れをかき落とすようにすると、さらに効果的です。4.忘れがちなのが、親指です。特に、親指と人差し指の間には汚れやばい菌がたまりやすいので、しっかり汚れを落としましょう。親指を握るようにして洗うときれいになります。指しゃぶりなどが多い小さなお子さんは、特に気をつけて洗ってあげてくださいね。5.最後に手首まで洗っておしまい。水で流しましょう。 実はこのようにしっかり洗おうとすると20~30秒くらいかかります。お子さんが飽きてしまわないように、横についてあげて、一緒に歌を歌いながら洗うと、時間が経つのも早くておすすめですよ! たとえば「チューリップ」の歌の1番を歌うと、20秒ちょっとかかります。そのほか、幼稚園や保育園では、正しい手洗いを歌で教えているところもあります。楽しく歌うことで、正しい手洗いが習慣になるといいですね。小さな子供は「ぶくぶくぺっ」の練習から、正しいうがいの方法まずは、口をゆすぎます。そして口の中をきれいにしてからうがいをするのが、正しい方法です。小さいお子さんも、まずは「クチュクチュうがい」から始めてみましょう。水を口に含んで、「ぶくぶくぺっ」の練習です。それに慣れてきたら、水を口に含んだまま顔を少し上に向けて「あー」と声を出す練習をしてみましょう。これで「ガラガラうがい」ができるようになります。横で数を数えてあげたりすると、「何秒できた!」という達成感があってお子さんも嬉しいかもしれませんね。感染症を防ぐには、とにかく「手洗い・うがい」が大切です。しっかりした手洗い・うがいでこれからの季節を元気に過ごしましょう。(あい)
2015年11月01日国立感染症研究所は10月20日、10月5~11日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が、昨年末からこれまでに全国で5万人を超えたことが判明した。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。同研究所によると、生後1歳までに半数以上の子どもが、同2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するという。感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。症状はさまざまで、風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりすることもある。だが、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から10月5~11日(第41週)の期間中に報告があった全国の感染者数は3,696人。第39週の1,997人、第40週の2,643人と比較してみると、患者が急増していることが伺える。都道府県別での感染者が最も多いのは東京都(398人)。東京都は第39週に209人だったが、第40週に303人、そして今回398人と2週間で倍増している。東京都に次いで多かったのは大阪府(266人)で、以下に神奈川県(187人)、北海道(159人)、埼玉(158人)と続いている。逆に患者が少ないのは沖縄県(4人)、山梨県(6人)、和歌山県(10人)、茨城県(16人)などとなっている。全国のRSウイルス感染症患者の累積数は、第41週の数値を合算して5万2,756人となり、昨年よりも早く5万人を突破した。全国的な感染が拡大していることを受け、Twitter上では「RSウイルスっての流行ってるから3歳未満の子が居る人気を付けてくださいね」「今回RSウイルス、インフルエンザより厄介なことがよーくわかった」「ジリジリとRSウィルスがやってきたか」などの声があがっている(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年10月20日国立感染症研究所は10月13日、9月28~10月4日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、流行性角結膜炎(はやり目)の患者が前週に比べ、全国で約1.3倍に増加していることが判明した。流行性角結膜炎は、「アデノウイルス」に接触して感染することによって発症する。同ウイルスの感染者が目を手でこするなどして、その手でドアノブやパソコンのキーボード、紙幣などに触れると感染が広がっていきやすいという。主な症状として「目の充血」「大量の目やに」「目のゴロゴロ感」などがある。ウイルスの潜伏期間は7~14日とされており、突如として充血や大量の目やにに悩まされてもいつ・どこで感染したかわかりにくい特徴を持つ。9月28~10月4日(第40週)の期間中の全国の患者報告数は749人。定点医療機関当たりの患者数は1.09で、前週の第39週(9月21~9月27日)の数値(0.84)に比べて約3割増加している。都道府県ごとの数値は宮崎県(8.33)が最多となっており、以下熊本県(7.56)、鳥取県(6.0)、福岡県(3.15)、長崎県(2.75)と続く。東京都は1.18で、前週の第39週(0.64)に比べて2倍近いものの、第37週(1.08)、第38週(1.11)と比較すれば同程度の数値となっている。第40週だけを見ると、都内では中央区(7.0)、葛飾区(6.0)、荒川区(3.0)などが定点医療機関当たり報告数が多い。アデノウイルス対策としては手洗いやうがいでの予防が肝心で、「トイレを使用したら手を洗う」などの習慣づけが必要となってくる。全国的な拡大傾向を受けて、Twitter上では「ヤバい、はやり目の可能性がある」「過去に2度痛い目に遭ったから『はやり目』怖い」などの不安な声が多数見られている(コメントはすべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年10月14日国立感染症研究所は9月24日、9月7~9月13日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が前週に比べ、約1.3倍に増加していることが判明した。RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症であるRSウイルス感染症は、生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返す。ただ、同研究所は生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスの初感染を受けるとしている。飛沫(ひまつ)感染と接触感染がRSウイルスの感染経路となる。風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりと症状はさまざまだ。しかし、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の小児科から9月7~9月13日(第37週)の期間中に集まった感染報告数は、2,652。前週(第36週)の2,083からおよそ3割、さらにその前の週(第35週)の1,683からおよそ6割増加している計算になる。感染者が多い5地域は福岡県(304人)、東京都(247人)、大阪府(162人)、宮崎県(125人)、広島県(123人)となっている。東京都だけで見ると、第35週(106人)に初めて100人を超え、172人(第36週)、247人(第37週)と直近3週間で約2.3倍に増えている。逆に第37週の感染者が少ない地域は、群馬県(1人)、山梨県(1人)、富山県(2人)など。RSウイルス感染症は例年、冬場に報告数のピークが見られるが、2011年以降は7月から報告数の増加傾向がみられている。今年の第37週までの累積報告数は4万1,360で、昨年同時期(3万2,495人)に比べ、約1.3倍となっている。
2015年09月25日国立感染症研究所は9月15日、8月31~9月6日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、RSウイルスが原因による「RSウイルス感染症」の患者が、前週に比べて約1.2倍に増加していることが明らかになった。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返すが、同研究所によると、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスの初感染を受けるという。症状は、発熱や鼻水などの風邪に似たようなものから、重度の場合は肺炎や気管支炎までとさまざまだ。ただ、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の小児科から8月31~9月6日(第36週)の期間中に集まった感染報告数は、2,083。その前の週の1,683から1.2倍以上に増加している。特に多い地域としては、福岡県(295人)を筆頭に、東京都(172人)、大阪府(108人)、広島県(101人)で感染者が100人を超えている。東京都だけで見ると、35人(第33週)、68人(第34週)、106人(第35週)、172人(第36週)と推移しており、3週間前に比べて約5倍となっている。RSウイルス感染症は例年、冬場に報告数のピークが見られる。だが、2011年以降は7月から報告数の増加傾向がみられている。厚生労働省によると、2014年の報告数は第30週から徐々に増加傾向となり、第34週から第37週にかけて急速に増えたという。今年も第34週から1,119人、1,689人、2,083人と着実に増加しており、昨年と似た傾向となっている。RSウイルスの感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。そのため、「マスク着用」「子どものおもちゃなどのアルコール消毒」「手洗い」などが予防策となる。全国的に患者が増えていることもあり、Twitter上では「乳幼児の咳には要注意」「RSウイルス、流行の兆しね」「次はRSウイルスが流行っているのか」といった不安や戸惑いのコメントがみられる(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年09月16日国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は9月15日、神経難病である多発性硬化症(MS)患者の腸内細菌叢について解析を行った結果、細菌叢構造の異常、特に特定の細菌で著しい減少がみられることを明らかにしたと発表した。同成果はNCNP神経研究所 免疫研究部部長兼センター病院 多発性硬化症センターの山村隆 センター長、東京大学の服部正平 教授、麻布大学の森田 英利教授、順天堂大学の三宅幸子 教授の共同研究チームによるもの。9月14日(現地時間)に科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。MSは脳や脊髄、視神経に繰り返し炎症性の病変が生じる慢性疾患。視力障害や手足の麻痺、高次脳機能障害などの神経症状を伴う再発を繰り返しながら、徐々に神経障害が進行していく神経難病で、患者は全国に約2万人いると推定されている。日本では過去30年間で患者数が約1000人から2万人近くまで増加しているが、まだ原因ははっきり分かっていない。近年、さまざまな自己免疫疾患に腸内細菌叢などが関与している可能性が注目されており、MSも自己免疫疾患の1つと考えられていることから、同研究グループは、患者数増加の背景に日本人の食生活の変化などが腸内細菌に影響を与え、発症しやすくなったのではないかという仮説を立て、MS患者の腸内細菌を構成する菌について研究を開始した。今回の研究では、NCNP病院に通院中の20名の再発寛解型を示すMS患者の寛解期の糞便を解析し、糞便を構成する数百種類の菌種の同定、多様性の評価などを行った。その結果、MSの腸内細菌叢では健常者と比べて、炎症性のリンパ球に対して抑制的に機能するリンパ球を効率よく誘導する細菌と同じグループに属する細菌が減少していることが判明。この腸内細菌叢の異常が発症の危険因子になっている可能性が考えられるという。再発頻度や再発症状の重症度などMSは個人差が大きい。同研究グループは今後、より多数の多様な背景をもった患者の腸内細菌叢の解析を進めることにより、同疾患の多様性を説明する因子が発見できる可能性があるとしている。
2015年09月15日国立循環器病研究センター(国循)は9月9日、開心手術が困難な重症僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療の国内第一症例治験に成功したと発表した。僧帽弁閉鎖不全症とは、左心房と左心室の間にある僧帽弁の閉鎖機能が悪くなり、本来の血液の流れとは逆に、左心室から左心房に血液が逆流してしまう状態のことで、進行すると左心室の動きが悪くなり心不全につながってしまう。心不全の状態になると、弁逆流を治療する手術の必要性が高くなるが、左心室の動きが悪い中での手術は危険性が高く治療が困難である場合があった。今回、僧帽弁閉鎖不全症で心不全を繰り返す開心手術が困難な80代男性に対して、同センターのハートチームが、AVJ-514というカテーテルによる治療を実施。僧帽弁逆流の程度を重度から軽度に改善することに成功した。AVJ-514は、カテーテルを使って足の静脈から僧房弁に到達し、「クリップ」で弁をつかんで引き合わせることにより、逆流量を減らす治療法。体にかかる負担が少ないため、年齢や合併症などのために、手術を断念せざるを得ない症例に対しても治療が可能となる。同治療法は近年、欧州などで外科的手術が困難な症例に対し使用されており、海外での試験では開胸手術と同等の弁逆流および心不全の改善が得られたと報告されている。
2015年09月10日東京都感染症情報センターは9月2日、都内のデング熱報告数の推移などを明らかにした。蚊を媒介して感染するデング熱は、デングウイルスを原因とする急性の熱性感染症。主な症状として発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などがある。症状は1週間程度で回復するが、ごくまれに感染者が死亡するケースもある。昨年は8月中旬頃から東京都をはじめとする関東圏で、70年ぶりとなるデング熱の国内感染者が続出。8月末から厚生労働省が感染者数の公表に追われ、最終的な国内感染者は160人を数えた。昨年9月4日にデングウイルスを保有している蚊が東京都の代々木公園で確認されたことなどもあり、同公園や国立オリンピック記念青少年総合センター、新宿御苑などの施設が閉鎖された時期もあった。今年は国内感染者がいまだ報告されていない一方、海外での感染者は増えている。8月30日時点での東京都における感染報告数は53人。2011年以降の推移と比べると、国内感染者が続出した2014年を除けば2番目に報告数が多かった2012年と、今年8月時点の数値がほぼ等しくなっている。このまま増えていけば、2012年や2013年の報告数を上回る可能性もある。厚生労働省が「海外の流行地で感染し帰国した症例が近年では毎年200名前後」見られるとしているように、元来、デング熱は主に東南アジアや南アジア、中南米などで感染者が多く報告されている。実際、同センターも「推定感染地域別報告数」を公表しているが、今年の東京都の感染者数の大半がインドネシアやフィリピン、タイなどで感染したと見ている。今後もこれらの地域に渡航する際は、注意が必要といえそうだ。なお、世界保健機関の西太平洋地域事務所によると、今年のマレーシアのデング熱の感染者は8月15日時点で約7万6,000人となっており、昨年同時期に比べて3割近く増加している。ベトナムは8月16日時点で感染者が2万5,000人近く報告されており、昨年同時期に比べて5割以上も多くなっている。同じくフィリピンもやや増加傾向にあるとのこと。一方で、中国は7月の感染者数は過去3年と似たような傾向にあり、オーストラリアの感染者数も昨年とほぼ同様となっている。※画像はすべて東京都感染症情報センター提供
2015年09月03日新潟大学は8月20日、若年性認知症の原因疾患である「HDLS」の診断基準案を策定したと発表した。同成果は同大学脳研究所神経内科の今野卓哉 医師、西澤正豊 教授、同遺伝子機能解析学分野の池内健 教授らの研究グループと厚生労働省の共同研究によるもので、第56回日本神経学会学術大会で発表した。HDLSは65歳未満で発症する認知症である若年性認知症の原因疾患の1つで、大脳白質が病変の主座となる。HDLSを診断するためには、病理組織学的な検索が必要とされ、診断が困難だった。2012年に原因遺伝子が発見されてからは遺伝子解析による診断が可能となったが、大脳白質が侵される白質脳症の原因疾患は多岐におよび、実地臨床における鑑別診断はなおも難しい現状がある。そのため、数ある白質脳症の中からHDLSの可能性を見出し、効率よく遺伝子診断につなげるためには、HDLSの臨床的特徴を反映した臨床診断基準が必要となる。今回、研究班でこれまでに解析した変位陽性22家系24症例と、文献検索によって得られた変位陽性50家系77症例の臨床像を解析し、HDLSの臨床像と画像所見の特徴を系統的に抽出した。その結果、発症年齢は43±7歳、死亡年齢は52±9歳、死亡までの罹患期間は5±3年と、比較的若年発症で進行が速く、初発症状は認知機能障害が最も多く、次いで精神症状、運動症状の頻度が高いことがわかった。また、頭部画像では白質病変のパターンや脳梁の菲薄化、脳内石灰化病変などの特徴が見られ、これらの特徴に基づき、definite、probable、possibleの判定基準を持つ、臨床診断基準案を作成した。同案を用いると、変位陽性例を95%以上の感度でpossible以上と診断でき、ほかの白質脳症との鑑別においては、解析に用いた変位陰性白質脳症53症例のうち42%を鑑別することができたことなどから、同案はHDLSの臨床診断に十分寄与しうると考えられるという。
2015年08月21日ギネスブックに「人類史上最も感染者の多い感染症」として登録された病気があります。それは「歯周病」。「命に関わるような病気でもない」と軽く考えるのは禁物。自覚症状のない歯周病は、気づいたときには抜歯しかすべがなかったということも多くあるのです。歯周病の現状と予防法などについて、歯科衛生士の土屋和子先生(スマイル・ケア代表)にお聞きしました。あなたも感染している!?歯周病――歯周病は「感染症」なのですか。土屋先生:歯周病の元となる歯周病菌は、最初は感染によって人の口内に入り込みます。虫歯菌と同様、親子間の接触で感染したり、成人になってからも唾液を介して、キスなどで感染することもあります。いったん感染すると口の中の歯周病菌を完全になくすことはできません。ですから、ほとんどの人が感染しているといっても過言ではないでしょう。――親子間で感染するということは、若い人でも歯周病になる可能性があるのでしょうか。土屋先生:実は、歯周病菌は赤ちゃんが生まれるときに通る産道でも見つかっています。それくらい小さな頃から私たちの間で蔓延しているのです。子どものうちは影響を受けにくいのですが、遺伝的要素が高いと、早い人では乳歯の段階から歯周病が出ることもあります。歯科の予防医療が進んでいるアメリカやヨーロッパでは、15~18歳ごろから歯周病に気をつけるよう指導されています。「若いから歯周病にはならない」と思っていてはいけません。ほうっておくと怖い!歯周病――歯周病の症状について教えてください。土屋先生:歯周病菌の働きによって歯茎が炎症を起こし、やがて歯を支える骨にまで進行していきます。骨の組織が破壊されると、最終的には抜歯をしなければならない状態になります。気をつけなければならないのは、歯周病は初期の自覚症状がまったくないということです。歯茎が腫れている、歯が動く、噛むと違和感がある……、そのような状態になったときは、すでに手遅れのことが多いのです。――歯周病を、初期のうちに自分で発見する方法はないのでしょうか。土屋先生:「歯周病かな?」と思う以前に、口内に少しでも気になることがあればすぐに歯科を訪れた方がよいでしょう。中高年になると抜歯を経験される方も増えてきますが、ご自分が抜歯をした原因を覚えていない人が少なくありません。実際、歯周病が原因で抜歯をする方はとても多いのです。歯周病が骨まで進んでしまった場合、元の状態にするのは多くの場合不可能です。歯周病を防ぐには?――歯磨きをきちんとしていれば防げますか?土屋先生:日々のケアももちろん重要ですが、それだけで歯周病を防ぐことは不可能です。検診も含めて定期的に歯科に通い、歯根周囲のプラーク(歯垢)や歯石を除去することがなにより重要です。プラークや歯石のもとは細菌で、まさに歯周病の病原ですが、これらは歯科で専門的な処置をしなければ除去することはできません。これを放置しておくのは、歯周病を育てているようなものです。歯が丈夫な人は、「自分は虫歯がないから歯周病にもなっていないだろう」と思うかもしれませんが、これも危険です。虫歯がないために歯医者に通う習慣がなく、歯周病の発見が遅れてしまうというケースも多くあります。唾液ケアが大事――定期的な歯科検診が最重要ということですね。ほかに、自分で予防のためにできることはありますか?土屋先生:唾液が少ない状態になると歯周病のリスクが高まるので、気をつけた方がよいですね。唾液は歯や粘膜を保護し、抗菌作用によって歯周病菌が増殖しないようコントロールしてくれます。いまはパソコン画面の見すぎなどによるドライアイが流行していますが、実はドライアイの人はドライマウスの疑いがあります。唾液が少ない人はとても増えてきています。――唾液を増やす方法はあるのですか?土屋先生:唾液は、口の中の唾液腺を刺激することによって多く分泌されますから、まずは食事のときによく噛んで食べましょう。一口あたり30回くらい噛むのが理想です。また、ガムを噛むなどもおすすめです。そして、口呼吸の人が最近増えていますが、口の中の乾燥の原因となりますから、鼻呼吸を習慣付けるとよいでしょう。――口腔衛生の管理には、さまざまな視点が必要なのですね。土屋先生:菌の暴走を抑えるという点では、全身の健康管理も重要です。睡眠をしっかりとる、バランスのよい食事をする、ストレスをためすぎないなどに留意してください。ふだん元気な人が体調を崩したときに、歯周病も急に進行してしまうことがあります。「歯科は、虫歯ができたり歯の調子が悪くなったりしたら診てもらうところ」と思っている人がまだ多いかもしれません。しかし、予防をしっかりして虫歯や歯周病にならないようにすることが、長い目で見て体への負担も経済的な負担も小さくすむものです。歯に関する悩みや疑問があったら、どんなことでも歯科医師や衛生士に相談してみてください。<プロフィール>株式会社スマイル・ケア代表土屋和子先生【出身】兵庫県神戸市【経歴】1977年 歯科衛生士ライセンス取得1982年~ 日本におけるフリーランスプロフェッショナルハイジニスト第1号数多くの歯科医院、病院、施設にて勤務現在まで、約350名の歯科医師、約1,400回の講演に関わる2007年 株式会社スマイル・ケア設立2011年 全米NLP協会公認トレーナーライセンス取得2012年 LABプロファイル®公認トレーナーライセンス取得2014年 日本歯科医療人育成協会設立理事デンタルNLP®・ぺリオマネージメント®主宰現在 Dr.土屋賢司・Dr.植松厚夫・Dr.北原信也のオフィス勤務
2015年08月19日国立感染症研究所はこのほど、最近の感染症の発生状況をまとめた「感染症発生動向調査」を公表し、手足口病の感染者が増加していることを明らかにした。手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とする病気で、手や足、口内などを中心に水疱(すいほう)を伴った発疹が出ることが特徴。37~38度の発熱や喉の痛み、食欲の低下などの症状が出る。乳幼児に発症例が多く、潜伏期間は3~6日間、症状は2~4日間ほど続くとされている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から報告される患者数は、2014年第44週以降は過去5年間の平均と比較して多い状態が続いていた。2015年に入ると第23週(6月1~7日)頃から急増。第29週(7月13~19日)には、定点当たり報告数が10.16となり、全国での患者数が3万1,920人となった。この数値は、過去10年間で最も報告数が多かった2011年第28週の定点当たり報告数11.0(報告数3万4,216)に次いで多いという。地域別にみると、最近は東日本での患者数が増えているという。定点当たり報告数の上位10位に入る東日本の都道県数は、第26週(6月22~28日)が3県、第28週(7月6~12日)が4県、第29週(7月13~19日)が7都県と増加している。第31週(7月27~8月2日)の手足口病の定点当たり報告数は10.26で、前週(9.38)より1近く増加。都道府県別では、宮崎(19・61)、新潟(19・59)、宮城(18・73)、山形(18・67人)が同期間中の上位となっている。なお、東京都は14.09、大阪府は11.26と比較的高い数値となっている。
2015年08月12日関西福祉大学の勝田吉彰研究室はこのほど、感染症とメンタルヘルスについてまとめた「パンデミック症候群~国境を越える処方箋~」(著者: 勝田 吉彰)を出版した。同書の著者は、外務省医務官として24か国で海外医療の世界を経験した渡航医学の専門家。著者は2003年のSARS流行渦中の北京で大使館医務官として対応にあたり、社会のパニック状態への対処を経験してきた。同書ではその経験から、今後日本に「耳慣れない感染症」が入ってきたときに何を伝え、何を知ってもらう必要があるのかを的確に記している。また、医学系の書籍は著者の専門により、分野別に分かれているのが一般的だが、同書は「感染症」「メンタルヘルス」「海外医療事情」を1冊で網羅した。致死率の高いエボラ出血熱や、蚊によって媒介されるデング熱など、これから日本に入り脅威となる病気や、海外進出にあたって注意が必要な感染症とメンタルヘルスに加えて、途上国の医療事情やアンテナの張り方まで1冊にまとめている。海外に行く際に気をつけたい情報についても記載。今後、国境を越える人に向け、海外旅行や出張の際に備えておきたい病気の知識、海外勤務で自分の身を守るための情報も掲載した。価格は972円(税込)。
2015年08月07日楽天は7月29日、インターネットの未来を予測し、新たなテクノロジーを創出するための研究機関「楽天技術研究所」の海外拠点を、シンガポール(楽天技術研究所 Singapore)と米国ボストン(楽天技術研究所 Boston)に新設した。「楽天技術研究所」は、所属する研究者たちの専門性を生かした活動を支援し、インターネット全般における先進技術を革新的なサービスにつなげる研究機関で、インターネット企業の技術研究所として産学連携にも積極的に取り組んでおり、教育機関と人材交流を図りつつ、アカデミックな知識を取り入れながら研究を進めている。同社はこれまで、東京以外の研究所として、2010年6月にニューヨーク、2014年2月にパリに設立しており、今回の新設で4カ国5拠点での展開となる。今回新設した「楽天技術研究所 Singapore」は、心理学や行動科学、モバイルソーシャル分野を研究領域の主体とし、これらの知見に基づいた顧客満足度を高めるインターネットサービスの研究を実施。同成果は同社の各事業にフィードバックし、さらなるサービスの向上を図る。一方、「楽天技術研究所 Boston」の研究領域は、機械学習や深層学習、AI分野を主体とし、特に人工知能分野の研究を推進。世界の各開発拠点にいるビッグデータチームとも連携し、ビッグデータ活用のさらなる高度化を図る。また、新設の両研究所は、シンガポールおよびボストンを中心とした海外の大学・研究機関と積極的に連携し、海外における研究者の採用を進める。その第一弾として、「楽天技術研究所 Singapore」では同日より、アジア各国・地域のデータサイエンティストを対象に、楽天の子会社となるVikiの保有するデータを用いた課題解決のコンテスト「Rakuten-Viki Global TV Recommender Challenge」を行っていく。
2015年07月30日富士通研究所、富士通デザイン、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリは、富士通デザインが開設している新たな価値づくりなどに取り組む場「HAB-YU platform」にて8月よりから来年3月まで、富士通研究所が開発した部屋全体をデジタル化するUI技術と富士通SSLが開発した共創支援アプリケーションの実証実験を実施すると発表した。富士通研究所が開発した部屋全体をデジタル化するUI技術は、持ち込んだスマート端末とその場に設置された表示機器が自動的に連携してUIをその場全体に拡張させる技術。プロジェクターとカメラを組み合わせた装置を複数設置して壁や机などの広い空間を一つのウィンドウシステムとして機能させることができるという。また、ユーザーが持っているスマート端末の位置を認識しIDを特定するセンシング技術や大画面と人の動きが連動した直感的なUI技術も開発している。ユーザーが持っているスマート端末の位置を認識しIDを特定するセンシング技術では、カメラなどで構成された環境センサーとスマート端末内のセンサーの連携により、ユーザーの位置と持っているスマート端末のIDを同時に検出できるもの。位置を正確に検出できるが端末IDは認識できない環境センサーと、位置はわからないが端末IDは取得できる端末内の慣性センサーの情報を歩く、止まるなどの人の行動を用いて紐付けることで、位置とIDのセンシングを実現した。これにより、個人とスマート端末を紐付けることができるため、特定のスマート端末の画像を共有・表示することなどが可能になるという。一方、大画面と人の動きが連動した直感的なUI技術では、決められた簡単なジェスチャで、目の前の壁に自分の使用するスマート端末の画面を転送したり、アプリケーションを呼び出したりできるという。また、壁に投影された画面上に手書きでメモする操作、手書き文字を選択して文字認識する操作、認識結果の文字を付箋サイズで表示する操作など、大画面でのアイデア創出を補助する手書き文字をベースとしたUIを開発した。実証実験では、HAB-YU platform(東京都港区六本木 アークヒルズサウスタワー3F)に設置された表示機器と持ち込んだスマート端末を動的に連携する技術を開発し、その技術を使って、アイデア発想のワークショップに参加した複数のメンバーが、様々な人のアイデアを共有することで効率よく活発な議論が行えることを検証する。富士通研究所は今後、「HAB-YU platform」での実証実験において抽出した課題から技術開発をさらに進め、富士通SSLと共同で富士通SSLがすでに販売している共創支援&学習支援ツール「WebコアInnovation Suite」への適用を進めていく。
2015年07月27日©Singapore Tourism Boardシンガポールで最古の博物館「National Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)」。シンガポールの歴史と人々の生活様式を展示する傍ら、年間を通して様々なイベントを催すドーム型の屋根が特徴的な同館は、独自の文化を象徴する、シンガポール人の誇りとなっている。シンガポール最古の博物館©Singapore Tourism Board厳かな外観とドーム型の天井が目を引くシンガポール国立美術館は、1819年にイギリスから上陸したラッフルズ卿が夢見ていた「文学と歴史について学べる機関の設立」という意思を継いで、彼の没後1849年に図書館兼博物館としてスタートしたのが始まり。エントランスのある「旧館」は、1887年に建設された。ラッフルズホテルと同じ、ネオパラディアン様式の旧館は、ロビーの屋根部分を彩るステンドグラスも印象的。無料日本語ガイドツアーも開催!シンガポールを深く知ろう旧館に増築する形で、モダンな新館が誕生したのが2006年。旧館と合わせて18,400平方メートルもの敷地面積を誇り、現在ではシンガポール最大の博物館として、シンガポールの歴史を重んじながらも、常に革新的な展示で人々を魅了し続けている。2015年7月現在「SINGAPURA:700YEARS」と題し、14世紀からのシンガポールの歴史を辿る展示が開催中。(※2015年8月10日まで)館内では、在住日本人ボランティアによる日本語無料ガイドツアーも実施される。月~金の10:30、第一土曜日の13:30に地下のExhibition Galleryに集合すれば、誰でも無料で参加可。せっかくの機会に日本語でシンガポールをじっくりと学ぶのもよいだろう。(※集合場所は季節によって変わる可能性もあるので、公式HPを確認)©Singapore Tourism BoardNational Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)・住所:93 Stamford Road Singapore 178897・営業時間:10:00~18:00(最終入場は17:30)・電話:(+65) 6332 3659 / (+65) 6332 5642・入場料金:建物への入場のみは無料。展示の見学は、大人S$6学生S$3・アクセス方法:ブラスバサ駅、ドービーゴート駅からそれぞれ徒歩5分。※国立博物館を含む3か所のミュージアムを巡回するシャトルバスサービス有り。詳しい時刻表や乗り場は公式HP参照。
2015年07月26日今、美術館が丸裸になっています。’10年「陰影礼讃」展に続く第2回となる、国立美術館5館による合同展「No Museum,No Life?-これからの美術館事典国立美術館コレクションによる展覧会」。約170点の名作が集結していますが、ラインナップはもちろん、その展示方法も要注目なのです!今回のテーマは“美術館事典”。百科事典のようなアルファベットごとのテーマ分けで、それに沿って作品を展示します。面白いのが、普段表舞台に出ない、美術館の裏側もテーマになっているところ。例えば「Wrap(梱包)」では布で包まれて中身の見えないクリスト作のオブジェなど“梱包”にまつわる作品とともに、運搬に用いる梱包材も並び、「Money(お金)」では美術館の収益データまで公開!貴重なアートと、それを支える道具などが一緒に並ぶのは、見たことない光景です。遊園地の裏側を見ちゃうようにがっかりするんじゃ…と思う方、心配ご無用。アートをアートたらしめる美術館という空間そのものについて深く知ることで、作品への見方も変わり、新たな鑑賞体験を得られるはず。36項目の中から、注目テーマをピックアップしてご紹介します!■Artist【アーティスト】権威的な美術界を嫌い、自由な芸術活動を行 おうと画家らに呼び掛けたルソーの絵画。これが今、美術館に展示されるのも皮肉的?アンリ・ルソー ≪第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神≫ 1905-06年、東京国立近代美術館■Beholder【観者】美術館そのものがテーマとなる本展を象徴する“ルーヴル美術館でアートを観る人々”を写した写真作品。他にもミレーの『落ち穂拾い』を鑑賞するタイの農民たちを映した映像作品など。トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫1989年、京都国立近代美術館(C)Thomas Struth■Light【光、照明】上の現代アートをはじめ、“光”にフォーカスするこの項目。美術館で用いられる照明の紹介もあり、絵画の見え方への理解が深まる。ダン・フレイヴィン≪無題(親愛なるマーゴ)≫1986年、国立国際美術館(C)Stephen Flavin/ARS, New York/JASPAR, Tokyo E1582■Earthquake【地震】地震を表現した絵画や写真と並んで、なんと建物の土台に用いられる免震台が。貴重な作品を展示する美術館においても、地震は脅威的な存在。その対策とともに紹介します。■Guard【保護、警備】自身の絵画を展示する際に、柵を設けるなどして作品と鑑賞者の間に距離を設けるよう求めたフランシス・ベーコンの作品を展示。意図して(?)この項目のそばにも監視員さんが。■Storage【収蔵庫】展示されていない作品を保管する“収蔵庫”。この項目では、画家・藤田嗣治の作品を所蔵している4館の収蔵庫内の写真を背景に、本物の4作品を展示します。◇information 東京国立近代美術館東京都千代田区北の丸公園3-1開催中~9月13日(日)10:00~17:00(金曜は~20:00、入館は閉館の30分前まで)月曜休(7月20日は開館、7月21日休)TEL:03・5777・8600一般1000円◇権威的な美術界を嫌い、自由な芸術活動を行 おうと画家らに呼び掛けたルソーの絵画。これが今、美術館に展示されるのも皮肉的?アンリ・ルソー ≪第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神≫ 1905‐06年、東京国立近代美術館◇美術館そのものがテーマとなる本展を象徴する“ルーヴル美術館でアートを観る人々”を写した写真作品。他にもミレーの『落ち穂拾い』を鑑賞するタイの農民たちを映した映像作品など。トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫1989年、京都国立近代美術館(C)Thomas Struth◇上の現代アートをはじめ、“光”にフォーカスするこの項目。美術館で用いられる照明の紹介もあり、絵画の見え方への理解が深まる。ダン・フレイヴィン≪無題(親愛なるマーゴ)≫1986年、国立国際美術館(C)Stephen Flavin/ARS, New York/JASPAR, Tokyo E1582※『anan』2015年7月15日号より
2015年07月14日フラワーアーティスト・東信による花や植物を題材とした実験的なクリエイションを行う「東信、花樹研究所」と、日本の伝統・技術を活かしたものづくりを行う「丸若屋」による共同プロジェクト「花器研究所」が始動。その第1弾として名窯・辻精磁社とのコラボレーションによる花器を発表した。古来より美術品としても人々に愛でられ、様々な文化や時代性を取り込みながら発展を遂げてきた花器。「花器研究所」は、“花”と“器”という2つの側面から花器に注目し、そこに現代の感性を加えることで、花器の本質的な価値を再発見することを目的として発足されたものだ。辻精磁社とパートナーシップを組んだプロジェクト第1弾では、禁裏御用達として天皇や皇族のための器のみを生産し、“幻の名窯”と謳われてきた辻家の名品の中でも一際存在感を放つ大壷「四君子」にフィーチャー。春夏秋冬それぞれを代表する4つの植物がひとつの絵に収められたこの大壷に、“現代の四季”の植物のモチーフを新たに4つ加えて「四君子」ならぬ「八君子」という概念を構築して表現した。十五代・辻常陸による古来からの繊細な筆使いで描かれた青い花々が、器の中で永遠の命を宿したように躍動している。
2015年07月14日東京都福祉保健局はこのほど、海外旅行における感染症の注意点などをまとめた「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」を同局のホームページにて公開した。エボラ出血熱をはじめとする国内未確認症例を含め、海外にはさまざまな感染症が存在する。そこで、海外旅行者が増えると見込まれる夏休みシーズンを前に、海外旅行における感染症の注意点などをコンパクトにまとめたガイドを東京都が作成した。「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」には、感染症予防のポイントや帰国後の健康状態をチェックできる独自の体調管理シートなど、すぐに活用できる情報が一目でわかるようになっている。例えば、旅行前に行う準備として、旅行先の感染症情報の収集方法や、必要な予防接種と受けられる医療機関の探し方が記されている。旅行中に気をつけるポイントとしては、「手洗いが基本」「生水や氷、カットフルーツ、サラダに用心すべき」「はだしでの水遊びは禁物」などが挙げられている。また、海外旅行から帰国した後に「発熱」「下痢」「皮膚の異常」などの症状が出た場合、どのような状態が続けば医療機関を受診すべきかもまとめられている。同ガイドは7月17日より、都内のパスポートセンター4カ所(有楽町、新宿、池袋、立川)において、無償で配布する予定。なお、東京都福祉保健局のホームページからも自由にダウンロード可能となっている。
2015年07月13日カリモク家具が、東京・国立競技場のスタンドに設置されていた自由席シートを新たに椅子として生まれ変わらせた、「SAYONARA国立競技場"FOR THE FUTURE" MEMORIAL GOODS デザイナー with カリモク家具」を7月4日から販売している。1958年に開場した国立競技場。1964年には東京オリンピックのメインスタジアムとして使用された後、2014年に閉場した。「カリモク家具」は、解体作業の際に保存しておいたスタンドの自由席シートの座面を使い、デザイナーのドリルデザイン(DRILL DESIGN)、白鳥浩子、鈴木元とともに新たな椅子を設計・製造した。ドリルデザインがデザインしたスツール「TOKYOスツール(3万2,400円)」は350脚、白鳥浩子がデザインした背もたれ付きのチェア「ponyチェア(4万3,200円)」は150脚、鈴木元がデザインした2人掛けのベンチ「KOKURITSUベンチ(5万4,000円)」は200台の個数限定販売となっている。どの椅子も木製の枠組みに、あの青いスタンドの自由席シートが見事に調和し、どことなく心を和ませるデザインに仕上がっている。取扱いは「チケットぴあ」Webサイトにて。
2015年07月09日夏は、熱中症や夏バテで体調を崩しがち。でも、それだけでなく感染症にも注意が必要だというのをご存知ですか?感染症と言えば、インフルエンザなど冬のイメージ。ところが、夏に流行る感染症もあるので油断は禁物です。そこで今回は、医師の佐藤留美先生に夏に気をつけるべき感染症について聞いてみました。「夏にとくに注意したいのは、子どもがかかる感染症。咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナなどがあります」佐藤先生は7歳の男の子のママ。あまりなじみのない病名が挙げられましたが、これらは珍しいものではなく、子どもを持つママは知っておいたほうがいいものだそう。「どの病気も高熱が出るのが共通する症状です。さらに、咽頭結膜熱(プール熱)では、ノドや目が充血したり、ヘルパンギーナではノドの奥の扁桃に小さいプツプツができて腫れたりします。手足口病は手や足、口の周りに水泡ができたりもします」咽頭結膜熱(プール熱)は、だいたい3~5日ぐらいで熱も下がり、症状は落ち着くと言いますが、手足口病やヘルパンギーナといった病気の原因となるウイルスは、夏から秋にかけて流行します。エンテロウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスといった聞きなれない名称ですが、実はこのウイルスは、こういった手足口病やヘルパンギーナといった病気を引き起こすのではなく、髄膜炎を引き起こすウイルスなのです。さらに、エンテロウイルスは「便」として排出されて、口の中に発疹ができるので、非常に痛がり水分が取れず脱水症状になる可能性も。そのため、熱が下がらなかったり、頭痛や嘔気・嘔吐などの症状があるときは、早めに医師の診察を受けられてください。「髄膜炎を合併したりすると、即入院して、安静、点滴などの治療が必要」とのことなので、怖いですね。夏の感染症や夏風邪にかからないために大切なのは、冬と同様予防をすることです。ただし、インフルエンザのようなワクチンはないそう。そこで、佐藤先生は、「手洗い、うがいは冬のイメージですが、夏も大切です」と言い、ご自身が実行するのはもちろん、息子さんにも徹底されているとか。さらに、「睡眠や栄養を十分にとり、抵抗力をつけることや、二酸化塩素を主成分とする除菌剤など除菌グッズを使って、手やよく手の触れる所などの除菌、空間除菌をすることが大切」とアドバイスをいただきました。これらは子どもがかかる感染症ですが、実は子どもから大人に感染することもあるので、大人も注意が必要だそう。また、感染すると大人のほうが重症化するケースが多いそうなので、特に気をつけたいですね。まだ子どもがいなくても、甥っこや姪っこ、女友達の子どもなど、小さな子どもに接する機会は意外にあるものです。そんなときは、手洗いやうがいなどを意識的にして、注意を払いましょう。冬は、ウイルス対策をして、インフルエンザなどの感染症を予防している人は多いはず。けれども、夏でも感染症に注意する必要があるというのは、いつかママになる日のためにも知っておきたいですね。もちろん、手洗い、うがい、空間などの除菌といった予防対策についても、今からしっかり覚えて、意識的に実行しておきましょう。<佐藤 留美先生プロフィール>2002年医師免許取得、2012年医学博士号(甲)取得。現在は、呼吸器内科にて常勤医。日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、インフェクションコントロールドクター、「日本感染症学会感染症専門医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌認定医・指導医、肺がんCT検診認定医」。Doctors Meにて、女性の健康や美容などについての記事を執筆中。二酸化塩素を使用した除菌剤「クレベリン」製品ページは こちら
2015年06月15日理化学研究所(理研)は6月11日、エリンギに「眠り病」と呼ばれる感染症の病原体に特異的に結合するタンパク質が存在することを発見したと発表した。同成果は、理研小林脂質生物学研究室の石塚玲子 専任研究員、小林俊秀 主任研究員らの共同研究グループによるもので、6月9日付け(現地時間)の米科学誌「The FASEB Journal」に掲載された。「眠り病」は吸血バエが媒介する寄生原虫「トリパノソーマ」が引き起こす感染症で、病状が進行すると患者は昏睡して死に至ることが名前の由来となっている。病原体であるトリパノソーマに対する特効薬は開発されておらず、ワクチンや抗体療法による予防や治療が考えられている。しかし、トリパノソーマは抗原変異を繰り返すため、今のところ成功していない。トリパノソーマは血流中に存在するとき「セラミドホスホエタノールアミン(CPE)」という脂質を細胞表面に発現することが報告されている。脂質は遺伝子変異の影響を受けないため、抗原変異が起こりにくいため、CPEは眠り病の診断や治療薬のターゲットとして有用であると考えられる。今回の研究では、エリンギ由来の「プロロトリシンA2」「エリリシンA」、ヒラタケ由来の「オステリオリシン」という3つのタンパク質がCPEとコレステロールの複合体と非常に強く結合することを発見した。このうち、「プロロトリシンA2」と「オステリオリシン」はトリパノソーマだけでなくヒトの細胞にも結合したが、「エリリシンA」はヒトの細胞に結合せず、血流型のトリパノソーマに特異的に結合した。「エリリシンA」とトリパノソーマの結合は数分で発生するため、今回の結果は同タンパク質がトリパノソーマ感染の1次診断に利用できる可能性を示すものとなった。また、「エリリシンA」は「エリリシンB」の存在下では、細胞膜に孔をあける毒素として作用するため、この性質を使ってトリパノソーマ感染の治療に応用できる可能性がある。
2015年06月11日不眠症の総合研究所があるのをご存知でしょうか? いったい何をするところなのでしょうか? ある研究所では、「脳の疲労」に不眠症の原因があると見出して、それを解決するための治療を実施しているそうです。不眠症の総合研究所とは?今回は、ある不眠総合研究所のご紹介です。「不眠症の研究所」というと、どんなことをやっているのか、とても気になりませんか?その研究所では、不眠症の原因は「脳の疲労」にあるという考えのもと、「脳を休めて、心身のバランスを整えることが不眠症解消につながる」と説いています。疲れがとれない、リラックスできない、緊張状態が続くなどの状態は「脳からの休みたいというサイン」なので、これを取り除いてあげることが重要なのだそう。脳はサインを出している?そこで、その研究所では「頭と体の血流をよくすること」に力を入れているそうです。主に行われている施術は2つで、頭のマッサージと整体です。頭のマッサージをすることで、脳の血流が改善し、脳の疲労解消に効果があるそう。また、整体で筋肉の緊張をほぐすことで、体は自ら正しいバランスを取るようになるのだとか。現代社会は誰もが多忙で安らげる時間が少なく、脳も体も常に緊張状態、心身のバランスが乱れている人が多いと言われています。確かに頭と体を整えることが治療の第一歩なのかもしれませんね。不眠症の人が陥りやすい罠ある研究者の話によると、不眠症の人はベッドに入って眠れなくても、そのままの状態でじっと我慢したり、本を読んだりして、何とか寝ようと努力をすることが多いと言います。でも、不眠症の人は、寝ようと努力すればするほど眠れなくなってしまったり、本を読む(活字が目に入る)だけで脳が覚醒してしまったりするそうです。つまり、これらの行動が逆効果というわけですね。では、どうしたらいいのでしょうか?おすすめは「眠れなかったらベッドから出ること」だそう。ベッドに入っても眠れない状態が続くと、「ベッド=眠れなくて苦しい」という意識が頭に刷り込まれてしまって、悪循環に陥ってしまうからなんだそうです。photo by pixabay
2015年06月10日サイバーエージェントの連結子会社で、小学生向けプログラミング教育事業を行うCA Tech Kidsは5月26日、国立情報学研究所に協力し、6月12日~13日に開催される「国立情報学研究所オープンハウス 2015」にて、小学生向けプログラミングワークショップを実施すると発表した。「国立情報学研究所オープンハウス 2015」は、国立情報学研究所が取り組んでいる研究や事業の内容を、小中学生や高校生を含む一般から研究者まで幅広い層の人に向けて紹介するイベント。CA Tech Kidsは、小学生向けプログラミングワークショップである「情報学ワークショップ」を国立情報学研究所と連携し、提供する。このワークショップ「くまを動かそう:楽しいプログラミング講座」は、小学5~6年生が対象で、定員は60名。6月13日11:15~12:15に学術総合センター2Fの小会議室で開催される。初学者が楽しくプログラミングを学習できる手法の研究を行っている国立情報学研究所アーキテクチャ科学研究系の坂本一憲助教が講師を務め、坂本氏が開発したプログラミング教育用アンドロイドアプリを利用して、画面の中のキャラクターとぬいぐるみを同期させて操作する体験を行う。CA Tech Kidsは、教材の開発と講師の派遣、ワークショップの運営で協力する。
2015年05月27日春はあたたかいので感染症の流行する季節ではない……。そんなふうに思っている人も多いかもしれません。でも、女性はとくに気をつけたい病気「風しん」は、5月が流行のピークを迎えることが多いのだそうです。“女性はとくに”と書いたのは、妊娠したときに風しんにかかっていると、おなかの中の赤ちゃんに影響を及ぼすことがあるから。耳が聞こえなくなったり、重い心臓病になってしまったりする「先天性風しん症候群」を発症する恐れがあるからです。発症してしまった場合、完治する手立ては今のところありません。だから、予防接種をきちんと受けて、体の中に抗体をつくることが大事なのです。と、ここで「あれ、私はワクチン接種してるのかな?」と思った人もいるのでは?そんな人は、下記の関連リンクでチェック。この中の表を見れば、自分がどの時期に予防接種を受けた可能性があるかわかります。これをもとに、ご両親に聞いたり、ご自身の母子手帳を見たりして、ぜひ確認してみてください。今の子どもたちや24歳くらいまでの人は、風しんワクチンを2回接種した世代ですが、25歳以上の人たちは、1回接種。シロタ産婦人科名誉院長の久保隆彦医師によれば、1回接種の人たちは、2回接種の人たちよりも抗体が弱く、もう一度接種したほうがいい場合もあるとのこと。「両親に聞いても覚えてなかった」「母子手帳が見つからなかった」などという人も含めて、これらの人たちは抗体検査を受けるとよいでしょう。妊娠を希望する女性なら無料で受けられるので、おすすめです。最後にもう一つ。男性は妊娠する生き物ではありませんが、風しんに感染し、それを女性にうつしてしまう可能性はもっています。中でも、36歳以上の男性は定期接種のなかった世代なので、より注意が必要です。自治体によっては、男性の抗体検査が無料の場合も。パートナーと先天性風しん症候群の話をして、一緒に抗体検査を受けるとよいでしょう。将来の赤ちゃんのために、みんなができること……。自分事として考えていきたいですね。◇「風しん」予防は社会、職場全体の問題風しんワクチンの接種はなぜ大切? Vol.2(妊娠出産インフォ)
2015年05月27日東北大学は5月25日、1970年代以前によく見られ、一旦は収まっていた感染症「レプトスピローシス(ワイル病)」が近年、東北地方で再発生していると発表した。同成果は東北大学災害科学国際研究所 災害医学研究部門・災害感染症学分野の研究グループによるもので、5月1日付けの「Tohoku Journal of Experimental Medicine」に掲載された。レプトスピローシスは、古くから存在する人獣共通感染症で、重症型はワイル病として知られる。重症化すると急性腎不全、肝不全、脳症などを起こし、死に至る場合もある。感染源はラットなど動物の尿で、それがヒトに経皮感染すると考えられている。世界では年間30万~50万人の患者が存在し、洪水などで増加することが報告されており、2009年にはマニラの洪水のあとに大流行したとされる。日本では1970年代以前に宮城県でよく見られたが、その後農業の機械化や衛生面の改善により患者数は減少した。近年では2008年に秋田県で1例報告されるに留まっていたが、2012~2014年の間に4例の感染報告がされた。中には、ネズミに噛まれて発症した例があったという。東北大学は、今回の発病と災害は直接の因果関係がないとしつつも、災害時に被災者が自然界に近い生活を強いられるため「東北地方にお住まいの方々は、災害時、このような疾患が起こりうるとの知識を持っておくことが大切です。また、医療関係者も、発熱疾患を診た際は、この疾患の可能性を考えることが大事です」とコメントしている。
2015年05月25日ペンタセキュリティシステムズ(ペンタセキュリティ)は5月18日、IoT(Internet of Things)分野のセキュリティを専門とする研究所「Penta IoT Convergence Lab(ピックル)」を設立したと発表した。IoTの技術を搭載する端末は、今後もさまざまな業種で普及が見込まれている。その一方で、インターネットに接続した端末がサイバー犯罪者にとって格好の餌食になると危険視もされている。例えば、スマートカーが搭載するIoTデバイスが外部からセキュリティ侵害された場合、コントロールを奪われ、最悪、搭乗者の人命に関わる恐れもある(関連記事:スマートカーのセキュリティ事故は「人命に関わる」)。同社は、IoT製品用の防御ツールがセキュリティ市場の主軸となると判断。同社が保有する既存の研究所に加え、IoT分野のセキュリティ研究を進めるピックルを新設した。ピックルでは当面、ペンタセキュリティが保有する暗号化技術をIoT向けに最適化し、製品開発に注力する。同社の最高技術責任者であるDS Kim氏は、「IoTにおけるセキュリティは、最も注目されている分野」とコメント。続けて「自動車の情報セキュリティやマシンラーニングといった新規技術を研究開発し、市場をリードする」と、IoT市場にかける意気込みを述べた。
2015年05月19日リクルートホールディングスは4月15日、「Recruit Institute of Technology」を人工知能(AI)の研究所として再編し、AI分野の世界的権威を新たにアドバイザーとして迎え、リクルートグループ各社と連携したグローバル規模のAI研究を開始したと発表した。同社は「2020年に総合人材サービス領域でグローバルNo.1、2030年に人材領域・販売促進支援領域でグローバルNo.1」という中長期な戦略ビジョンの実現に向け、破壊的技術(Disruptive Technology)としてのAI研究に着目し、2015年4月1日より、AI分野の研究所として新生RITをスタートさせたという。今回、同研究所のアドバイザーとして就任したのは、Tom M. Mitchell氏(米カーネギーメロン大学教授)、Oren Etzioni氏(Allen Institute for Artificial Intelligence CEO/元・米ワシントン大学教授)、David M. Blei氏(米コロンビア大学教授)の3名。米カーネギーメロン大学のMitchell教授は、黎明期から機械学習の基礎・応用に幅広く取り組んできた代表的な研究者で、機械学習の代表的な教科書『Machine Learning』の著者でもある。あわせて、同社は米マサチューセッツ工科大学メディアラボのコンソーシアム研究所のメンバーになっており、Alex ’Sandy’ Pentland教授のもとに客員研究員を派遣してビッグデータ分析の新しい取り組みの研究を開始している。同社はすでに米国やイスラエルのAI関連企業と協業を開始しており、これらの結果も順次報告していく予定だ。
2015年04月16日リクルートホールディングスは4月15日、「Recruit Institute of Technology(RIT)」を人工知能(AI)の研究所として再編し、グループ各社と連携したグローバル規模のAI研究を開始することを発表した。RITでのAI研究は2015年4月1日付で開始。アドバイザーには、AI分野の世界的権威で機械学習の代表的な教科書である「Machine Learning」の著者でもある米カーネギーメロン大学のTom M. Mitchell教授、ならびに米国人工知能学会(Association for the Advancement of Artificial Intelligence:AAAI)フェローで元 米ワシントン大学教授のOren Etzioni氏、膨大なデータの中からパターンを見つけるための代表的な機械学習手法であるトピックモデルの第一人者である米コロンビア大学のDavid M. Blei教授らが就任。すでに米マサチューセッツ工科大学メディアラボのコンソーシアム研究所メンバーとして、客員研究員を派遣してビッグデータ分析の研究を進めているほか、米スタンフォード大学にもコンピュータフォーラムメンバーとして、客員研究員を派遣して自然言語処理研究を行う予定だとしている。なお今後は、世界のAI研究人材の採用を積極的に行いながら、各有識者の指導のもとAI研究を推進していく予定だとしている。
2015年04月15日デング熱をはじめとした蚊媒介感染症についての情報を発信するため、このほど「みんなで防ごう! デング熱プロジェクト」が発足した。ウェブサイトもオープンし、対策法や最新情報について情報を公開している。2014年8月、約70年ぶりに日本国内でデング熱感染者が確認された。デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、感染すると潜伏期間を経た後に発熱や激しい頭痛、関節痛などの症状が出る。日本では2014年10月31日時点で感染者数は160人と報告されていたが、世界的に見ても、最近の数十年間でデング熱にかかる患者数が増加している。同プロジェクトは、デング熱をはじめとした蚊媒介感染症および害虫リスクへの予防意識を高め、虫よけ活動をサポートすることなどを目的に立ち上げたもの。ウェブサイトでは、デング熱など蚊媒介感染症に関する正しい知識や対策、最新情報を掲載している。4月中旬からは、蚊や害虫専門家の嘉糠洋陸教授(東京慈恵医科大学)や、皮膚科医の馬場直子先生などによるデング熱対策や、虫よけの必要性に関するコラムも掲載予定とのこと。早期からの対策の重要性や具体的な対策法について啓発を行っていく。そのほか、マダニなど蚊以外の害虫リスクも掲載する。
2015年04月14日電気化学工業は3月31日、グループ会社であるデンカ生研が北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人 教授と共同で、エボラウイルス迅速診断薬を開発したと発表した。同診断薬は、デンカ生研が製造・販売している感染症迅速診断キット「クイックナビ」シリーズのプラットフォームをベースとし、血清を検体とした測定を実施する。米国の施設で実施された試験では、約15分でエボラウイルス感染の有無を判定することができた。「クイックナビ」シリーズが採用するイムノクロマト法は特別な器具や装置を必要としないため、簡便かつ迅速な検査が可能。そのため、今回開発されたエボラウイルス診断薬は電源が十分でない地域での活用が期待される。
2015年04月01日