多動傾向の息子、力の加減が分からずお友達トラブル多発小学2年生の息子は診断はありませんが、幼少期から多動傾向が強いと感じています。また、特性なのかは定かではありませんが、基本的に何を持つにも力が入りすぎていて、筆圧も強めです。年少の春、お友達が捕まえたバッタを強く握ってしまい、バッタは動かなくなりました。息子もお友達も悲しい顔をしていました。年少の夏、昆虫に憧れていた息子。「見つけた!」とセミの抜け殻を手にするとそのままグシャっと握って粉々にしてしまいました。「そっとだよ」と伝えても何度も同じことを繰り返してしまい、いくつものセミの抜け殻が潰れてしまいました。息子は、がっかりしながら「家に帰る」と言いました。年中の頃、片づけに熱心だった息子は、本を出しっぱなしにしていたクラスの子に「本をしまってないよ」と教えようと背中をたたいて泣かせてしまい、泣かせてしまったことがショックで息子も泣いてしまうということがありました。お友達には故意にやったことではないと分かってもらえましたが、また強くたたいてしまわないように「友達に気づいてほしいときの力加減」を家で練習しました。Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談筆圧が強くてワークブックはボコボコに……先生に心配されて年長の頃、幼稚園で週に一度文字を書く授業がありました。初めはワークブックにある一直線をなぞる、波線をなぞるというような内容だったのですが、息子は書いた部分に穴が開いてしまうほど強い力で書いていて驚きました。きっとまだ始めたばかりだから力の加減ができないのかなと思っていましたが、新しい文字を習うたびに息子のワークブックは、ボコボコになっていきました。息子はこだわりも強く、お手本をなぞるときに少しでもずれたり、自分の書いた文字がお手本通りでないとひどく嫌がっていました。でも力の加減がうまくいかないので線はズレてしまうことが多く、消しゴムもうまく使えず紙がグシャっとなってしまい、すでにボコボコになっている紙に書く文字は息子の思い描いた形にはならず……。1つのページに同じひらがな1つを8回書くというものだったのですが、息子はいつも30分以上かかっていたようです。小学校入学を翌年に控えていたので、先生方からもとても心配されていました。Upload By ユーザー体験談お茶碗を頻繁にひっくり返してしまい、「行儀が悪い」としかられ……小学生になる前には、生き物や壊れやすいものを強く握ってしまうことはほとんどなくなりました。筆圧は相変わらず強く、消しゴムを使えばプリントやテストが破れてしまうこともありますが、以前よりはいくぶんか良くなりました。今はできることも増えてきた分、食事の時に力加減の難しさが目立ちます。コップに入った飲み物や、スープが入った器など、運ぶときに高確率でこぼします。ご飯が盛られたお茶碗もうまく持てず、かきこむように食べるか、持っている器が手からすべり落ち、ひっくり返ってしまうこともよくあります。去年は息子の茶碗を1年間で5回買い換えました……。夫には「行儀が悪い!」「集中していないからだ」としょっちゅう怒られています。ただ、本人はいつも必死で、ボーッとしているわけでもありません。どうやら「持つ」ということがうまくいっていないようです。Upload By ユーザー体験談もしかして不器用なのかな?腑に落ちた瞬間先日、発達ナビで「不器用が原因でブランコに乗れない」というコラムを読みました。息子は小学2年生ですが、いまだにブランコにうまく乗ることができません。息子自身ブランコに乗れないことで困っていなかったので気にしたことがなかったのですが、今までの困りごとも「不器用」だからなのかなと私の腑に落ちた瞬間でした。食事の時、必死に頑張っていても夫に頻繁にしかられる息子が、かわいそうでしたが「不器用なのかも」と思ったらこれから工夫ができる気がしてきました。ほかにも日常のちょっとした場面で力が強すぎたり、物の持ち方がうまくいかなくて困ることのある息子ですが、少しずつスムーズにできることが増やせていけたらいいなと思います。イラスト/keikoエピソード提供/カワカワ(監修:森先生より)発達障害のある方には、不器用な方、運動が苦手な方も多いと言われています。発達性協調運動障害(発達性協調運動症)といって、一つひとつの身体能力としては問題がなくても、脳が身体の動きをうまくまとめることが難しいと考えられています。そのため、スムーズに運動することができないのです。たとえば足を曲げる、のばすという一つひとつの動作はできても、階段を昇るとかスキップをするときには足がもつれる、といった具合です。発達性協調運動障害はおよそ10人に1人程度の子どもに認められると言われており、発達障害のある子どもには半数近くに認められるとも言われています。本人は真剣なのに、周囲からはふざけていると思われたり、からかわれたりすることもあり、つらい思いをしますよね……。怒られたりしかられたりしても、本人はどうしたらいいかわからなくなってしまいます。一つひとつの動作を自宅で練習してみて、力の入れ方やタイミング、力の強さなどを具体的に教えてあげることは、とっても良い方法ですね。コツをつかめば学校でも上手にできるようになるでしょう。参考:平成24年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業) 就学前後の児童における発達障害の有病率とその発達的変化 :地域ベースの横断的および縦断的研究 分担研究報告書 「身体機能障害の観点からの発達小児科学的アプローチ」|厚生労働省(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年09月12日太郎の特性は自分のせい?看護師の仕事のほうは育休明けから時短勤務にしていた。1日7時間勤務とは言えど私はヘトヘトだった。私が疲れ果てて家で全力で太郎の相手をできていない事や、一緒に過ごす時間が短い事が、太郎の保育園で多動、緘黙に影響しているのかな、働いている私のせいかな……。自分を責めるような思考にもなった。Upload By まゆん主治医の先生からはそうではないと説明を受けていたし、それだけではないと頭では分かってはいた。それでも、私が太郎と関わる時間を増やすことで太郎が落ち着くなら……。Upload By まゆんそう思い一大決心、さらに勤務時間を短くしパートに切り替えようと考えた。職場の上司からは「もったいない、時短勤務・正社員のままでいいのでは?」とアドバイスがあった。私も、職場の立ち位置が主要メンバーではなくなるという疎外感を多少なり感じるだろうと予想していた。だが、私が仕事をしている事で愛情が足りていないせいで太郎の情緒が不安定になっているという可能性が少しでもあるならば、太郎と関わる時間を増やそう!と決めた。Upload By まゆん私の勤務時間が短くなり、太郎はどうなったかというと……。結論、なにも変わらなかった。むしろ、保育園に早めに迎えに行っても太郎は園庭を駆け回っており「帰りたくない!」と汗を流して言われるほどだった。太郎の言葉で気持ちが楽になった。楽しそうにしている太郎を見ていて気づいたことがあった。私との時間も大事だけど、保育園で過ごす時間も太郎にとって同じくらい大事なものなんだと。Upload By まゆん保育園の先生たちに対して、悪いなという思いは残った(加配が必要と告げられているため)。それでも、太郎の遊び回る姿を見ていて、親子それぞれの時間も大切にしようと思えるようになった。パート期間を終えてパートの期間はおよそ1年間で終わりにした。その後は正社員に戻り夜勤も週に1回入るようになった。特に両立が大変だった時期は、小学校4年生の音楽発表会前。行き渋りもなく普通に登校していた太郎が連日急な嘔吐で呼び出しがあった。たまたま私が日勤だったため、上司に事情を話して太郎を迎えに行くということがあった。夜勤ではなく本当に良かった……。現在の職場でも、面接の際に自閉スペクトラム症のある太郎の特性について話をした。療育センターに通っていることや中学生だけれども社会的な部分は小学生の低学年か年長さんほどということ。情緒面で不安定さが多いことも伝えた。また、私の母がほぼ同居状態ではあるが、太郎の体調不良時はなるべく私が傍にいて様子を見たいため休みをいただくことも伝えた。私の家庭環境や太郎の特性を理解してもらうためには、自ら行動して納得してもらう必要がある。直接的ではないが、こういう執筆活動もその一つだと思っている。あとがき中学生になった今、夜勤業務をセーブしています。社会的な面で、太郎と周りとの成長の差が気になることがあり、学校から帰宅したあとの太郎の様子を見ていたい気持ちがあるからです。学校からの呼び出しは劇的に減ったけれど、「吐きました」「固まりました」「急に泣きだしました」といった情報共有の電話は何回もあります。いまでも働き方は悩むところがあります。ずっとずっと太郎との関わり方については考え続けています。結構しんどいときもありますが、太郎ファーストで進んでいる私です。執筆/まゆん(監修:鈴木先生より)私の外来でも母親への告知のあとに必ず「お母さんの育て方のせいではありませんよ」と優しく伝えます。さらに、「ここのスタッフはみんなお母さんの味方で応援団ですから困ったことがあったら遠慮なくおっしゃってくださいね」とも伝えます。ほとんどの母親がここで涙を流します。今まで一人で抱え込んでいたからです。母子家庭でない場合も父親の関わりが薄く、実家でさえ相談に乗ってくれない事情を抱え、ずっと一人で悩んでいる母親が多く見られます。父親ではなく母親がお子さんと向き合うために仕事をパートへ切り替えているケースも多く見かけます。身近では地域の保健師や園と学校の先生が相談に乗ってくれる場合もありますが、向き合い方は人それぞれです。時には同じ障害があるお子さんの保護者が集まる親の会を紹介して仲間をつくることも提案します。悩みを一人で抱え込まずに地域のみなさんと一緒になって子育てに関わっていくことが大切なのです。
2023年08月30日手足をバタバターー赤ちゃん時代〜歩き始め39週3400gで生まれた息子。ミルクをよく飲みうんちもご立派、よく寝るタイプではないのに声を出したりモゾモゾしたり、「元気いっぱいだなぁ」と思いました。元気いっぱいな子だとは思っていましたが、生後1ヶ月半でこんなに動くの?というほど手足を激しくバタつかせて遊んでいました。Upload By ネコ山ずりばいで息子の行動範囲が広がってきたのでテレビの周りを柵で囲うと、その柵でつかまり立ちを始めました。そして伝い歩きを始めると、柵に沿ってずっとサイドステップを踏んでいました。大好きな子ども向けの番組がついてるし「落ち着いて止まって見たら?」と声をかけたくなります。1歳ちょうどで歩き始めた息子は「自由に好きなところに行ける!」と気づいたのか、止ることなく目についた興味のあるところに向かって歩いて行きました。しかしのんびり歩いていたのは最初の1週間ぐらい。走れるようになると息子の移動は常に駆け足になりました。まだ歩き始めたばかりで転ぶことが多いので「手を繋いでほしいな」と思っていましたが、手を繋ぐと逆に歩きにくいのかまったく手を繋いでくれません。最も多動な時期ーー1歳半~3歳頃1歳半~3歳が息子が最も多動な時期で、外出時がすごく大変でした。歩行が安定していき、走ると本当に速くなりました。興味を引くものが目に入ると一目散に突進、振り返りもせずに走っていきます。走っていった先では親がいなくても不安にならないのか、私が背後に立ってもしばらく気づきません。そんな多動の息子なので、屋外に出かけたときは事故に遭ったり、変なところに入って行かないように神経をすり減らしていました。公園でさえもいっときも目が離せません。遊んでいても1つの遊びに集中することなく次々と場所を移動するため、私は一緒に行ったママ友と話していても、必ず途中で追いかけることになっていました。ちょっと目を離したら、なぜか魚を手にしていたこともあります(公園内に川や池がないので鳥が落としていったものと思われる)。Upload By ネコ山息子のあまりの多動っぷりや公園から帰るときに起こす癇癪に疲れ切った私は、近所の公園に行きづらくなっていました。バスや電車は大人しくしていられないのが予想されるため怖くて乗れません。チャイルドシートだったら息子を固定できるので、私の息抜きを兼ねてドライブがてら遠めの公園へよく遠征していました。お昼どきや早朝が狙い目で、人が集まらない時間帯に公園を貸し切るのです。「お友達と一緒に遊べたらいいな」と思っていましたが、息子のハチャメチャぶりにどうにも叶いそうもなかったので、このときは人目を気にせず自由に遊ばせることを優先しました。もしかして発達障害?家の中では手に届く範囲のもの全てを触りたがります。「やめてね」「触らないで見ててね」など声掛けしても伝わりません。1日中怒っていたくないので、リビングの出入り口をベビーゲートで完全に封鎖、戸棚などには全てチャイルドロックを設置、ゴミ箱もティッシュも息子が届かないところに移動しました。これでリビングが完全に息子仕様になりました。おしゃれな家にはほど遠く……。小さい子どもがいても素敵な小物や植物が置かれているお宅もあるのに……。きっとそんなお宅の子は「触らないでね」と言えば伝わる子なんだろうな……と羨ましくなったこともあります。公園でも家の中でも、ほかの子と比べて明らかに動き方が激しく制御不能、言葉で注意しても伝わらないため「もしかして発達障害……?」と頭によぎったのがこの頃でした。飛び出し・迷子、あわや交通事故!きょうだいができ大変さ倍増息子が3歳頃、妹である娘はちょうど1歳半でした。娘も活発に動く時期で意思表示も強いタイプなので、公園では2人ともが各々好きなところに行き手に負えませんでした。右目で息子を、左目で娘を見る日々。多動がある子にきょうだいが増えると、さらに大変さが倍増しました。そんなある日事件が……!気晴らしにパン屋さんのパン食べたいなと思っても、息子が売り物のパンを触りまくることが予想されるのでほとんどのパン屋さんは行けません。しかしコンテナ型のパン屋さんを発見。ここなら入店せずに店外からショーケースを見てパンを注文できるので、よく利用していました。外出先では常に息子の手を握ったり体の一部を掴んでいましたが、お会計のときはそうもいきません。苦肉の策で、足で息子の動きをガードしていましたが突破されてしまいました。初めは近くのポストなどをいじっていましたが、急に道路に向かって急発進!道路に飛び出す直前で私が捕まえてことなきを得ました。私が追いつくのがちょっとでも遅かったら……、または息子がもっと足が速かったら……と思うと背筋が凍る思いでした。気晴らしに行ったパン屋さんでも気が抜けず、むしろより疲れてしまったことがありました。その後も同じような状況の場所(例えば電気屋さん)で息子は走りたくなるらしく、事前に注意するようになりましたが……。Upload By ネコ山Upload By ネコ山息子が幼稚園入園前の春、もう完全に手に負えなくなり私も疲れ切っていたのだと思います。とうとう動物園で迷子になりました。小さい子どもがたくさん集まった小動物とのふれあいコーナーで、ついに息子を見失ってしまったのです。幸い5分くらい周囲を探すとトボトボと歩く息子を発見できましたが、たった5分でも息子1人にしてしまい「怖い目に遭わなくて本当によかった」と思いました。そして不謹慎かもしれませんが、息子が私から離れてしまったことにしょんぼりした様子だったので少し安心した気持ちがありました。今まで私がいなくても気にする様子がなかったので……。落ち着きだしたーー4歳~5歳頃3歳までは息子の多動に神経をすり減らしていましたが、4歳を過ぎた頃から急に落ち着いてきて無駄に立ち歩いたりしなくなりました。以前は目についたおもちゃで次々と遊び散らかしていましたが、興味のあるものに集中するようにも。その集中力はなかなかすごいもので、私が声をかけても気づかないほどです。バスや電車でも静かに座れるようになったので、お出かけの幅も広がりました。そしてクラシックのコンサート(未就学児入場可のもの)さえも静かに最後まで座って鑑賞できるように……!Upload By ネコ山一体何があったのでしょうか……以前SNS上で、うちの息子と同じように多動がある子どものママたちから「多動はそのうちおさまるから大丈夫!」と言われていたことは本当だったようです。もっと先だと思っていましたが、その時が来たのかもしれません。「落ち着いているね」と決して言われるような子ではないけど、体の多動がおさまり興味のあることに集中したり、いろんなところに出掛けられるようになり、息子の成長を感じられました。執筆/ネコ山(監修:室伏先生)乳幼児期の息子さんのご様子とそれに対するネコ山さんの工夫や苦労を具体的に共有していただき、ありがとうございました。息子さんの成長、嬉しいですね!とっても大変な時期を過ごされたことと思いますが、ネコ山さんが耐えた日々は、息子さんが好奇心のおもむくままにさまざまな経験を積み、大きく成長することの礎となったのですね。先が見えないので、親御さんは、この状態がいつまで続くのかとご不安になられることが多いかと思うのですが、注意欠陥多動症のお子さんも、多動の症状は幼児期が一番強く、落ち着いてくることが多いように思います。しかし、お子さんによっては衝動性や不注意などが目立ってくることがあります。成長段階によって困りごとも変化していくので、都度対応をしながら見守ってあげることが大切です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年08月16日脱水症や熱中症対策として、フレーバーも機能もさまざまなドリンクが発売中。シーンごとに上手に使い分けて、日々効果的な水分補給を!水分、塩分、ミネラル摂取にうってつけ。脱水症・熱中症対策ドリンクいろいろ。汗でどんどん失われていく体内の水分。補給しないと、脱水によって血液の循環が悪くなり、体温調節に悪影響が出て、熱中症リスクも高まる。「日常生活では、喉が渇いたと感じる前に、ミネラルウォーターや麦茶などを摂取。一気に摂ると、尿によって排出されやすくなるので、こまめに少しずつがポイントです。大量の汗をかくスポーツ時は1プレーごとなど、ジョギングやウォーキングなら信号で足を止めるたびに飲むくらいがちょうどいいでしょう。水分と同時に塩分も摂れるドリンクもおすすめです」(医師・久手堅司先生)汗をかくことに抵抗を感じて、水分を摂らないのはNG。「汗をかくことは体温調節に必須。また乳製品を摂っている人のほうが汗をかきやすいというデータが。飲むヨーグルトを日常的に摂るのもよいでしょう」【夏フレーバードリンク】塩分やミネラルをおいしくチャージ。季節にぴったりのフルーツフレーバーから、体にやさしいトマトジュースや甘酒など、夏ならではのドリンクが勢ぞろい!【森永製菓】冷やし甘酒酒粕のコクと米麹のやさしい甘さを活かした、冷やしておいしい甘酒。熱中症対策に欠かせないナトリウムが含まれている。隠し味の黒みつなどから、エネルギーとなる糖分も補給できる。190g¥135*編集部調べ(森永製菓お客様相談室 TEL:0120・560・162)【アキュアメイド】塩&柑橘“和製グレープフルーツ”とも呼ばれる愛媛県産の河内晩柑の果汁を使用。さっぱりとした甘さが特徴。後味には、伯方の塩の苦みをほのかに感じられる。アキュアの自販機などで販売。500ml¥160(アキュアメイド)【キリン】世界のKitchenから ソルティライチ旬の果物を塩漬けにして、氷と自家製シロップで作るタイのデザート“ローイゲーオ”がヒントに。沖縄の海水を使い、伝統の平釜製法で作った塩が、手摘みライチのおいしさを引き出す。500ml¥177(キリンビバレッジお客様相談室 TEL:0120・595・955)【伊藤園】冷梅ナトリウム量と、1800mgのクエン酸が含まれた清涼飲料水。梅の名産地・和歌山県産の南高梅の果汁を使用。アウトドアやスポーツシーンで、冷凍して持っていくのにもぴったりで、冷たさをキープ。500g¥172(伊藤園お客様相談室 TEL:0800・100・1100)【ダイドードリンコ】さらっと。トマトトマト果汁30%のエキスを使い、トマトのコクが感じられながらもフルーティでさらっとした口当たりで飲みやすい味わい。熱中症対策になる食塩量と、トマト1個分のリコピンが含まれる。350g¥151(ダイドードリンコお客様相談室 TEL:0120・559・552)【アサヒ飲料】カルピス THE RICH北海道産乳原料をリッチに使ったカルピスに、焦がし砂糖をプラスした上質な濃さがポイント。熱中症対策に対応する食塩量が含まれているので、暑い時もこの贅沢なドリンクでほっと一息ついて。490ml¥173(アサヒ飲料お客様相談室 TEL:0120・328・124)【タブレット】「水しかない!」時の優れもの。軽くて持ち運びがラクなタブレット。水しかない状況でも手軽に塩分を補給できるので、上手に活用しよう。【カバヤ食品】塩分チャージ タブレッツ1粒当たり食塩相当量0.11g、カリウム15.7mgを配合。クエン酸も171mg含まれているので、長時間の運動にも。日本学校保健会推薦商品。スポーツドリンク味の他、塩レモン味も。81g(個包装込み)オープン価格(カバヤ食品お客様相談室 TEL:0120・24・0141)【無印良品】ソルティタブレット グレープフルーツ今年4月から、無印良品の塩分補給アイテムの新作として加わったソルティタブレット。酸味と苦みが効いて、さっぱりとしたグレープフルーツ味のタブレットに、塩をプラス。食べやすく、1粒ごと個包装されている。50g¥190(無印良品 銀座 TEL:03・3538・1311)【水分補給ドリンク】炎天下での外出や作業のお供にも。糖質やカロリーオフの商品も続々登場中。大量に汗をかくシーンや、炎天下では、汗で失われた成分を効率的に補給できるドリンクを選んで。【日本コカ・コーラ】アクエリアス NEWATER(ニューウォーター)水分吸収のメカニズムから見直した新商品。水分やミネラルを効果的に浸透させるためアミノ酸を使用、糖質&カロリーゼロを実現。優れた水分補給が可能に。500ml¥176*編集部調べ(日本コカ・コーラお客様相談室 TEL:0120・308・509)【赤穂化成】熱中対策水 レモン味赤穂の天塩や、海洋深層水ミネラルで汗に近い成分を調整。失った塩分や水分を補給でき、体内のイオンバランスをキープ。マグネシウムも120mg配合。カロリーゼロ。500ml¥173(赤穂化成株式会社お客様相談室 TEL:0120・40・4139)【サントリー】グリーン ダ・カ・ラ白ぶどう、レモン、トマト、みかん、シークワーサー、ゆず、塩の7種類の素材が1本に。汗で失われるカリウムの量を増やし、補給感アップ。日本健康スポーツ連盟推薦。600ml¥162(サントリーお客様センター TEL:0120・139・320)【経口補水液】水と電解質を速やかに吸収!医学的知見から、水、電解質、糖質がバランスよく配合された経口補水液。水と電解質を吸収するスピードが速いので、軽度から中等度の脱水症や、脱水を伴う熱中症時などの対処に。【大塚製薬工場】経口補水液オーエスワンスポーツドリンクよりも電解質濃度が高く、水と電解質を素早く吸収するために糖濃度が低い組成の、軽度から中等度の脱水症に適した飲料。高血圧や腎機能が低下している人は、飲む前にお医者さんに相談を。500ml¥216(大塚製薬工場 TEL:0120・872・873)久手堅 司先生せたがや内科・神経内科クリニック院長。気圧予報を踏まえた体調管理アプリ「頭痛ーる」を監修。著書に『気象病ハンドブック 低気圧不調が和らぐヒントとセルフケア』(誠文堂新光社)など。※『anan』2023年8月2日号より。取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年07月30日高温多湿の日本の夏で、脱水症や熱中症になってしまう人が年々増加中。脱水症や熱中症って一体どんなもの?しっかり学んで対策しよう!誰もがかかるリスクあり。対策&処置はぬかりなく!気象庁によると、8月の気温は全国的に平年より高く、厳しい暑さとなる見込み。9月の気温も平年より高い所が多くなるそうで、脱水症や熱中症の対策がますます重要に!「これだけ蒸し暑い環境下では、体力に自信がある健康な大人も含めて、誰がどこでなってもおかしくない状態。自分だけは大丈夫という油断は禁物です。特に、以前、熱中症になったことがある人は、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えが上手くいかず汗をかきにくいなど、熱を放出しにくい体質の可能性があります。入念な対策を」と、気象病や自律神経に詳しい医師の久手堅司先生。脱水症も熱中症も、放っておくと危険な状態に陥ることも…。「脱水症なら口や皮膚の乾き、熱中症ならめまいや筋肉のしびれなど、初期のサインは意外と気づきにくいもの。なんとなくこのくらいなら大丈夫…と放置した結果、あっという間に症状が進むことも。室内でも不調をキャッチしたら、素早く処置を」【脱水症】汗をかかなくても、無意識の内に体内の水分は抜けていくと心得て。脱水症とは、体内の水分が足りず、日常生活や生命活動に支障をきたしている状態。汗をかくと水分とともにミネラルも抜けて、だるさを感じてくる。「体内の水分は、排泄や汗以外にも、皮膚や呼気などから気づかないうちに蒸発していきます。その量は、成人では900~1000mlにも及びます。夏は気づかないうちに軽い脱水になっていることも多いので、渇きを感じる前から水分補給するクセをつけましょう」CHECK・喉が渇いている。・唾液が出ず、口がパサパサしている。・体がだるく、脈が速くなっている。・尿の色が濃く、少量しか出ない。もしなってしまったら…【ACTION1】水分と塩分を速やかに補う。【ACTION2】湿度が低く、涼しい場所に移動。【ACTION3】吐き気や下痢などを起こし、体調が回復しない場合は医療機関へ。喉やくちびる、皮膚に乾きを感じたら、何はともあれまずは水分の補給を。夏場の脱水は、発汗によって水分とともにミネラルも奪われるので、何も入っていない真水よりも、ナトリウムやカリウムが入ったスポーツドリンクや、水分吸収が早い経口補水液がおすすめ。めまいやふらつきなどの不調を感じたら、水分補給後に涼しい場所で安静に。“ペットボトルのふたを自分で開けられない”“水分を補給し、涼しい場所で安静にしていても、だるさや吐き気などの症状がやわらがない”といった時は、迷わず医療機関へ。【熱中症】体温調節ができなくなり熱っぽく感じたら要注意。体温の調節機能が上手く働かなくなり、体内に熱がこもって、さまざまな症状が出る熱中症。「私たちの体は、汗によって体温調節を行っており、サラサラした汗がかける状態が理想的。しかし、高温多湿の環境によって、汗では対処しきれなくなり、体に熱がこもってきた感じがして、立ちくらみやこむら返り、頭痛などさまざまな症状が現れます。炎天下の屋外でなく、家の中でじっとしていてもなってしまうことがあります」CHECK・体に熱がこもっている感じがする。・頭痛やめまいがある。・大量に汗をかいている。・意識が混濁している。もしなってしまったら…【ACTION1】横になり、襟を開いたり熱を逃がしながら、安静にする。【ACTION2】水分と塩分を速やかに補給。それでも回復しない時は、医療機関へ。熱中症らしき人を見かけたら?・呼びかけに応えない場合、救急車を。・意識があれば、屋内や日陰に避難。症状や重症度にかかわらず、熱中症が疑われる時は、風通しのいい日陰や、クーラーのきいている室内など、涼しい場所へ移動しよう。さらに服や下着をゆるめ、濡らしたタオルや氷、保冷剤などで体を冷やすのが基本の処置。水分を補給し、安静にして、それでも症状が回復しない場合は病院へ。もし熱中症と疑われる人がいて、呼びかけに応じないなど意識がはっきりしない場合は救急車を呼ぼう。また、水分を自力で摂取できない状態の人に無理に飲ませるのは、気道に流れ込む可能性があるのでNG。医療機関で点滴などの処置を受けて。久手堅 司先生せたがや内科・神経内科クリニック院長。気圧予報を踏まえた体調管理アプリ「頭痛ーる」を監修。著書に『気象病ハンドブック 低気圧不調が和らぐヒントとセルフケア』(誠文堂新光社)など。※『anan』2023年8月2日号より。イラスト・たきたて玄米取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年07月29日40代、50代となると少しずつ親が要介護になる人も増えるのではないでしょうか。要介護になると急速に進行するのが「認知症」。国内認知症患者の数は2050年には1000万人以上にもなるという推計もあります※が、その中に自分が入らないためにできることはあるのでしょうか。介護付有料老人ホームの嘱託医である医師・駒形依子先生に聞きました。※「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学 二宮教授)を元に推計(厚生労働省)。各年齢の認知症有病率が上昇する場合の将来推計。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:厳格だった父が認知症に。たったひとりで介護をしていた母が電話口で泣いていて…【1】腸内環境を整える認知症を予防する食品として、よくEPAやDHAなどの成分が挙げられますがいかがなのでしょうか。「サプリメントなどでどんなに体にとって良い成分をとっていても、腸内環境が乱れていると十分に栄養を吸収できません。まずは便秘や下痢などをなくし、腸内環境を整えることが大切です。40代、50代女性で腸内環境が整っている人はほとんどいないと言っても過言ではありません。乱れた食生活や添加物などの影響はもちろん、更年期に入ると女性ホルモンのエストロゲンが減って組織が硬くなり、腸も硬くなっていくためです。腸内環境を整えるためにヨーグルトや納豆などが推奨されますが、体質によっては合わないこともあります。便秘や下痢にならない食習慣は人によって違うため、自分の体に聞いてみる、つまりいろいろな食品を試してみて便通が整うかどうかを確認することが大切です」(駒形先生)。【2】グチを言い合える仲間を持つ認知症予防としてよく言われるのが人との交流です。「もちろん、認知症予防に人との交流は欠かせませんが、特に必要だなと最近感じるのが、グチを言える友人の存在です。クリニックでも、医師や看護師にグチをこぼす方が多くいらっしゃいます。グチを言うことは悪いことではなく、広い視野で見れば認知症予防にもつながると思います」(駒形先生)。グチと認知症予防……。どのようにつながるのでしょうか。「40代、50代の更年期はイライラしやすい時期です。イライラをためこむと自律神経の交感神経が優位になり、血管がぎゅーっと収縮した状態になります。つまり、イライラした状態が続くと血流が滞り、脳への血流も悪くなります。血流バランスが悪いと、認知機能に関わる神経伝達物質も運ばれにくくなり、それが積み重なれば支障が出てくるのです。イライラを解消することで血管の弛緩が促されれば、血流バランスがよくなります。グチをこぼしてイライラを解消することが、認知機能の低下を抑えることにつながると言えます」(駒形先生)。【3】睡眠環境を整える睡眠環境と認知症も関係があるのでしょうか。「大いに関係があります。なぜなら、寝ないと人はリラックスできませんよね。脳の血流バランスを整え、神経伝達物質を運ぶためには、良質な睡眠をとってリラックスすることで副交感神経を優位にすることがとても大切です」(駒形先生)。良質な睡眠のために必要な要素をいくつか教えてください。「ここでは特に重要な5つを挙げましょう。①1人で寝るやはり同じ布団やベッドで寝ていると相手を意識してしまいます。深い睡眠には寝返りが必要ですが、相手に気をつかって寝返りができない方もいます。また、適温と感じる室温も違っていたりと、寝るときは1人の環境がベストと言えます。②スケジュールにこだわらないこの時間に寝ないとダメ、この時間に起きないとダメ、とルールが多すぎると、それができなかった場合ストレスになります。スケジュールはゆとりを持たせることが大切です。③食事は寝る3時間前までに済ませる寝ているときは、消化吸収機能が最低限の力で動いています。それが食べたものが胃腸に残っていると仕事が増えてしまいます。例えば疲れを取るという仕事を体がしようと思っていたのに、追加で消化吸収の仕事が来るとエネルギーが奪われれ、疲れを取るという仕事ができなくなってしまうのです。胃腸の疲れ=体の疲れなので、胃腸に追加の仕事を与えないことが大切です。④夕刻以降のアルコール・カフェイン・ニコチンは控えるアルコール・カフェイン・ニコチンは交感神経を優位にしてしまい、リラックスができません。寝るときはリラックスした環境が必要です。⑤夕刻以降の過剰な水分摂取は控える過剰な水分摂取は頻尿の原因になるので控えましょう」(駒形先生)。まとめ認知症を少しでも防げる方法として「腸内環境」「グチが言える仲間」「睡眠環境」の3つを駒形先生に挙げてもらいました。取り入れやすい方法をできる範囲で始めてみてはいかがでしょうか。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/mido(50歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年07月09日性感染症予防として、コンドーム以外の対策があることをご存知ですか?実は、あるワクチンが性感染症の予防に有効なんです。みなさんの中にも、接種したことがあるかも……?監修医クイズを通して確認しましょう!早速クイズ!解説!“子宮頸がんワクチン”として知られているHPVワクチン。HPVとは、性交渉により感染するウイルスのこと。女性の50~80%が一生に一度は感染すると言われています。このようにHPVはごく身の回りにありふれたウイルスですが、まれに病気に進行することも。HPVが原因で感染する病気は、子宮頸がんや肛門がん、尖圭コンジローマなどがあります。尖圭コンジローマって?尖圭コンジローマという名称は、初めて聞く方もいるかもしれません。陰茎や腟や肛門にイボができる病気で、性感染症のひとつです。治療しても根本的に治すことはできないため、予防することが大切でしょう。このように厄介な性感染症ですが、HPVワクチンの接種により予防することが可能です!ただし注意点がHPVワクチンは接種時にすでに感染しているHPVは排除できず、すでに生じているHPV感染症の進行予防効果もありません。そのため、HPVに感染するリスクである性交渉を経験する前にHPVワクチンを接種することが望ましいとされています。また、HPVワクチンはすべてのタイプのHPV感染を予防できるわけではないため、HPV接種後も定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。さまざま病気をカバーするHPVワクチンHPVワクチンというと子宮頸がん予防の印象が強いですが、それだけではないんですね。今回は、HPVワクチンは性感染症にも有効です、という話でした。あなたの身体を守るために、しっかりと頭に入れておいてくださいね。もちろん、性感染症予防の基本であるコンドームの着用もお忘れなく。ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月05日3歳児の発達の目安は?わが子の多動の原因は?ADHDの可能性がある?3歳ごろの子どもは、基本的な運動動作が一通りできるようになり、生活習慣の自立も進みます。ことばによるやり取りもできるようになり、社会性も育ってきて、徐々にお友達と関わりながら遊ぶことも増えてきます。3歳になって、幼稚園に入園するなど初めての集団生活を経験することになり、わが子とほかの子どもの様子を比べて「わが子は多動かもしれない…」「もしかして、ADHDの可能性がある?」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。このコラムでは、・3歳児の多動の原因・多動と発達障害の関連性・困ったときの相談先などをご紹介し、多動にまつわる保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生にアドバイスいただきます。【小児科医に聞く】3歳児の「多動」に関する悩みーー落ち着きがない、集団行動が苦手、発達障害との関係は?医師が回答(質問)3歳の子どもがじっとしていられず、外でもすぐ走り出してしまいます。落ち着きがなく、幼稚園に入れるのか不安です。多動は、もう少ししたら落ち着くのでしょうか?(回答)3歳だと、自宅など家族がいる場面では落ち着きがないように見えても、幼稚園や保育園などでは落ち着いて過ごせているお子さんもいます。しかし、家でも外でも落ち着きがない場合には、心配かと思います。多動が落ち着く時期は、お子さんによってもさまざまです。多動の原因は、さまざまな要因が組み合わさっていることがあります。注意欠如・多動症(ADHD)などの脳の発達・機能の異常が関与していることがあります。ADHDに自閉スペクトラム症や知的障害が併存していることによる場合もあります。また、家庭環境の不安定さ、過度のストレスがかかったなどの環境要因が関連することもあります。言葉の遅れがあり、落ち着きがない場合には、言葉の発達に伴って落ち着いてくることもあります。言葉が遅れていないが、落ち着きがない場合には、いろいろな物事に興味が移り変わりやすく、多動が長く続くこともありますが、小学校の中学年以降には多動は落ち着いてくると言われています。幼稚園や保育園での集団生活で、お集まりのときにじっとしていられないなどがある場合には、発達支援センターやかかりつけ医に相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)幼稚園の年少(3歳児)の子どもが、落ち着きがなく、指示も通らず、集団行動ができません。どのくらいの程度の多動の場合、発達障害の可能性が考えられるのでしょうか?医師に診てもらったほうがいいのでしょうか。(回答)まだ3歳ですとADHDなどの発達障害の可能性があるかどうかは、判断がつけられません。じっとしていられない、静かにすべきところで静かにすることができない、気持ちのコントロールがつきにくく癇癪が激しい、物の扱いが乱暴、動きが多く目が離すことができないなどの様子から、ADHDの疑いがあるということで、専門機関に相談されることがあります。入学前でも、家や園でも落ち着きがなく、日常生活や園生活に支障がある場合には、専門機関に相談することをおすすめしています。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもがじっとしていないので、買い物や外食にも行けません。子どもの発達のことを相談できる人もおらず、不安です。(回答)じっとしていないと、買い物も外食にも行きにくいですね。多動が激しい場合、外出先で注意ばかりで疲れてしまうというお声を聞くこともよくあります。外出先でお子さんがじっとして待つのが難しく、負担がかかる場合には、お子さんが園などに行っている時間内に用事を済ませるのも良いでしょう。一緒に行かざるをえない時には、○分買い物をします、など見通しを立ててから出かけ、少しでも待てたら、待てたねと、できていることに注目して声をかけましょう。しかし、まだ3歳ですと、待つのも難しいときも多々あるかと思います。買い物や外食が、親子一緒に必ず行かなければならないものなのか、お子さん・親御さんに負担がかかるものではないかを振り返ってみましょう。声かけなど工夫しても、お子さんが落ち着かず、対応について困る場合には、幼稚園・保育園の先生、保健センター、かかりつけ医、地域の発達支援センターなどに相談すると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン多動にまつわるコラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月03日ADHD(注意欠如・多動症)とはADHD(注意欠如・多動症)は発達障害の1つで、不注意、多動性、衝動性などの特性があり、日常生活に困難を生じます。特性の多くは12歳以前にあらわれますが、幼い子どもにみられる特徴と区別することが難しいため、就学期以降に診断されることが多いと言われています。また、個人差はありますが、成長に伴って多動性が弱まるなど、特性のあらわれ方が変化することもあります。ADHD(注意欠如・多動症)に見られる特徴は、「人の話に集中できない」「落ち着きがない」「ものを良く壊す」「順番が待てない」「なくしもの・忘れ物や遅刻が多い」などです。ADHDの特性があらわれ始めるのは2歳ごろで、幼稚園~小学校に入学するころから目立つようになることが多いと言われています。さらに、特性のあらわれ方によって、多動・衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、多動・衝動性と不注意が混在しているタイプの3つに大別されます。ADHD(注意欠如・多動症)は生まれつきの脳機能障害です。乳幼児期の育て方によって発症するものではありません。ADHDのある人の脳では、前頭葉や線条体と呼ばれる部位において、ドーパミンなどの神経伝達物質の機能障害が起きていると考えられています。また、遺伝的要因も関連していると言われています。参考:e-ヘルスネットADHD(注意欠如・多動症)の診断基準には、アメリカ精神医学会の「DSM-5」(「精神疾患の診断・統計マニュアル」第5版)が多く用いられています。ADHDには、話を集中して聞けない、作業が不正確、なくしものが多いといった「不注意」、体を絶えず動かす、離席する、おしゃべり、順番を待てないなどの「多動性」「衝動性」の特性があり、日常生活に困難を生じます。また、これらの症状が12歳になる前に出現します。しかし、定型発達の場合でも、2~3歳ごろまではじっとしていられず、集中力も長くは続かない子どもが多いため、上記の条件を満たしていても就学期ごろまで診断がつかないこともあります。ADHDの診断は、医師が診察において患者の行動特徴を観察し、その結果と診断基準を照らし合わせ、ほかの精神疾患と鑑別された上で行われます。参考:厚生労働省「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」ADHD(注意欠如・多動症)の治療には、療育や教育などの心理・社会的アプローチと、薬物療法などの医療的アプローチがあります。療育では、環境調整・ソーシャルスキルトレーニング・ペアレントトレーニングといった手法が用いられます。このような発達支援は、発達障害専門の病院や公立・民間の「児童発達支援」「放課後等デイサービス」などで受けることができます。現在、ADHDを完全に治癒させる薬はありません。しかしながら、不注意・多動性・衝動性の症状を緩和する対症療法としての薬物治療はしばしば行われています。ADHDの治療に主に用いられているのは、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)、アトモキセチン(ストラテラ®)、グアンファシン徐放錠(インチュニブ®)です。また、2019年12月からは、リスデキサンフェタミン塩酸塩カプセル(ビバンセ®)が使用可能になりました。それぞれの薬剤は用量、用法や、効き方、副作用などが異なるため、状況に応じて使い分けられます。障害者手帳とは、障害のある人が取得できる手帳の総称です。身体障害者手帳(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など)、療育手帳(知的障害)、精神障害者保健福祉手帳などの種類があります。障害者手帳を取得することで、障害の種類や程度に応じてさまざまな福祉サービスを受けることができます。ADHD(注意欠如・多動症)や、二次障害としての精神障害が原因で日常生活へ支障がある人は、精神障害者保健福祉手帳を取得できる可能性があります。また、知的障害を伴う場合、療育手帳の対象となることもあります。精神障害者保健福祉手帳の申請には医師による診断書が必要ですが、療育手帳の申請には医師による診断書は不要です。詳しくはお住まいの市町村にお問合せください。ADHD(注意欠如・多動症)と併存しやすい障害や疾患と、症状の例ADHD(注意欠如・多動症)はさまざまな併存症があると言われています。自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害・限局性学習症(LD・SLD)、発達性協調運動症(DCD)、知的発達症(知的障害)、うつ病、双極性障害(躁うつ病)なども併存することがあります。自閉スペクトラム症(ASD)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の1つです。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)は、学習における技能に困難さがみられる発達障害の一つです。読むことやその内容を理解することの困難さ、書くことの困難さ、数の理解や計算をすることの困難さなど大きく3つの分類があります。これらの困難が、知的発達症(知的障害)によるものでないこと、経済的・環境的な要因によるものでないこと、神経疾患や視覚・聴覚の障害によるものではないこと、学習における面のみでの困難であること、という場合に限り診断されます。学校教育が始まる就学期になって診断されることがほとんどですが、就学前の段階で言語の遅れや数えることの困難、書くことに必要である微細運動の困難などがあることでその兆候に気づかれることもあります。参考:学習障害(限局性学習症)|e-ヘルスネット参考:学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について|文部科学省発達性協調運動症(DCD)とは、日常生活における協調運動が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。別名、不器用症候群とも呼ばれていました。知的発達症(知的障害)とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力・社会適応能力の発達が全般的に遅れた水準にある状態を指します(発達期とはおおむね18歳までを指し、それ以降に事故や病気などで知的機能が低下しても、知的障害とは言いません)。うつ病とは気持ちが落ち込み、その感情を抑えることができずいつも通りの生活を送ることができなくなる精神疾患です。双極性障害(躁うつ病)は、気分が著しく昂揚した状態の「躁状態」と、そもそも楽しさを感じない、楽しい出来事に興味がわかない状態の「うつ状態」の2つの精神状態が繰り返し現れる病気です。ADHD(注意欠如・多動症)のある子どもとの生活の様子は?特選連載コラムADHD(注意欠如・多動症)のあるお子さんをもつ発達ナビの連載ライターさんの厳選コラムをご紹介。「あるある」と共感したり、今の悩みを解決するヒントが見つかるかも…?大人のADHD(注意欠如・多動症)関連コラム大人の場合は、ADHD(注意欠如・多動症)の症状と考えられる特性によって日常生活や仕事にさまざまな支障をきたしてしまい、自分自身では解決できないという状況がおこりえます。その他のADHD(注意欠如・多動症)関連コラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月21日「男の子だからこんなものか」が「何かあるかも」に変わった親子遠足1歳から保育園に入った息子は、保育園も問題なく過ごし、1歳半健診、3歳児健診で指摘をうけることもなく、親である私自身も息子にADHD(注意欠如・多動症)があるとは気づきもしませんでした。落ち着きのなさはありましたが、「男の子だからこんなものか」と思っていました。ですが、年少で行われた初めての親子遠足で私は「息子には何か特性があるかも」と違和感を抱いたのです。出発前に子どもたちが園庭に並んで先生の話を聞いていたとき、息子だけが列から脱走して園庭にある遊具で遊び始めたのです。乳児時代の保育園は大きな行事や団体行動がなかったため、周りのお友達と息子を比較できるような機会はありません。それまで私は、「3歳の子どもなんて、並んで話を聞けないのが普通」だと思っていたのですが、このとき初めて周りのお友達の成長を知り、明らかに違う息子の様子に衝撃を受けました。Upload By ユーザー体験談私は、すぐに保健センターに連絡しましたが、発達相談は約半年待ち。結局、年少の秋から地域の療育センターへ通えるようになったのですが、息子の問題行動は増え、私はどんどん追い詰められていきました。保育園でトラブル多発!どん底まで落ち込んだ年中時代団体行動が増えた保育園で、息子はよくトラブルを起こすようになりました。まず、息子は団体行動ができないので、いつも途中で脱走してしまいます。当然、運動会の練習にも参加できませんでした(ただ、練習には参加していなくてもどこかで理解しているようで、本番ではうまくできているのが不思議でした)。また、遊んでいたら途中で切り上げることができず、やめさせようとすると、泣いて暴れてしまいます。園では、みんなが席についたら給食を食べ始めるという決まりがあったのですが、給食の時間になって周りのお友達は席について準備をしていても、息子は前の活動をやめることができないため席につくことができませんでした。Upload By ユーザー体験談自分のペースを崩されると暴れたり、叩いたりしてしまうので、友達に手が出てしまうこともしょっちゅう。また、暑さ寒さに弱いので、屋外の活動がスムーズにできませんし、体幹を保つのが難しいのか、どこでも寝転んでしまいます。特に年中になってから、これらのトラブルはひどくなっていきました。私は、療育に通ってもなにも改善しないと焦ったり、保育園からなにか指摘されれば怒りを覚えたり、その一方で、息子が友達に手を出したという報告を受ければ、私たち親子は価値がないと思い込み、すべてを捨ててどこかに行ってしまいたいとまで追い詰められていきました。同級生や同級生の親御さんたちに会うのがつらくて、保育園の送迎を夫に頼んだ時期もありました。葛藤しながら通い続けた療育に救われた私ただ、そんな中でも療育には通い続けました。トラブル続きの中、藁にもすがりたい気持ちがあったからでした。実は、息子に「何かあるかも」と感じた親子遠足のころ、私の会社に自閉スペクトラム症のある方が障害者採用で入社してきました。その方は大学に入るまで自分の障害を知らず、療育なども受けず、生きづらさを感じながら人生を過ごしてきたと教えてくれました。そして、自分ももっと早く気づけて支援につながれていたら、ここまで生きづらさを抱えることはなかっただろうとも話してくれたのです。それを聞いた私は、息子の特性に早く気づくことができたのだから、療育を受けさせなければと強く思ったのです。息子は年少の秋から地域の療育センターに通い始め、年中までの間は月に1回作業療法(OT)と理学療法(PT)を受けました。コミュニケーションの改善より、体幹が弱くゴロゴロしてしまうことを課題とされていたので、トランポリンや平均台を使った体幹を鍛えるトレーニングが中心でした。私は、公的な支援を受けられて良かったという思いと、本当にこれで良くなるのだろうかという不安の間で揺れ動き、複雑な気持ちを抱えていました。当時はきちんと息子の障害を受容できていなかったということもあり、通所受給者証の書類にある「障害児」という言葉を見ると、改めて「息子は障害児なのか」と落ち込んだこともありました。Upload By ユーザー体験談そんな中、年長になった息子は、それまで通っていた地域の療育センターから、民間の児童発達支援の教室に移り、週1~2回の頻度で通所するようになりました。ここで、私たち親子に転機が訪れました。この児童発達支援では、母である私も先生に悩みを聞いてもらうことができたのです。障害を受容できないこと、息子の他害…悩む私の気持ちに共感をしてもらうと、それまで一人で抱えていた不安や焦燥感が消えていき、とても心が楽になりました。また、親子参加型の療育もあったので、初めて同じ境遇のお母さんたちと友達になることができました。保育園のお母さんとは違い、同じ悩みを持つ方とつながることができたことで、本音で語り合うことができました。本当に救われました。そのお母さんたちとは今でも仲良くしています。暗いトンネルのようだった障害児育児に、光が差し始めたときでした。Upload By ユーザー体験談小学校は通常学級へ入学。中学でも療育を継続しています年長の夏、特別支援学級と通常学級の授業を見学しにいき、息子にとっては通常学級がいいだろうとの判定を受け通常学級への入学、同時に通級を利用することになりました。そして、小学校入学から卒業までの間、息子は放課後等デイサービスで支援を受け、中学に入った現在も1ヶ所継続しています。保育園時代はとても大変でしたが、幸いにも息子は児童発達支援の教室や、放課後等デイサービスが大好きでした。とくに年長のときに通っていた児童発達支援では褒められることも多く、自信もついて、行動も良い方向へと変わっていきました。療育に行っていなければ母である私も悩みを打ち明ける場所がなく、毎日途方にくれるばかりで、息子との関係ももっと良くない状況に陥っていたと思います。勇気を出して相談して、息子にとっても私にとっても居場所となる教室や放課後等デイサービスと出合え、通い続けることができて良かったと心から感謝しています。イラスト/keikoエピソード提供/カプゴジラ(監修:鈴木先生より)保健センターの発達相談で半年待ちなど時間がかかる場合は、気軽にかかりつけ医に相談することをお勧めします。行けばすぐにでも話を聞いてくれる医者がそこにはいます。かかりつけ医が専門でなくてもどこかにパイプがあるはずです。それが医療連携です。特に地域の医師会に入っている先生であれば必ずどこの先生がそういう問題に強いかをご存じのはずです。ただ、専門の先生の外来も半年以上待つかもしれません。しかし、かかりつけ医からの紹介状があれば比較的早く診てくれる可能性はあります。これも医療連携なのです。各地域にはADHDや発達障がいの親の会があります。そういう場で同じ悩みを持った親同士の触れ合いができるのでこの機会に参加してみてはいかがでしょうか。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月13日不安しかない⁉ADHD小2の息子が結婚式に招待されて息子は、ADHD(注意欠如・多動症)があります。気が散りやすく、興味があることにすぐ気を取られてしまいます。そんな息子が、小学2年生のとき、私の弟(息子にとっては叔父さん)の結婚式に出席することになりました。飽きっぽく、じっとしていられない息子が、結婚式、披露宴と長い時間落ち着いていられるのか…。さまざまな心配事が浮かんできました。ですが、息子は今回結婚する私の弟のことが大好きなのです。弟は、息子をとてもかわいがってくれていました。家が離れているので3ヶ月に1度くらいしか会えませんが、一緒にお出かけをしたり、遊んだりしてくれる叔父さんに会える日を息子はいつも心待ちにしていたくらいです。私は、息子に叔父さんの結婚式に行きたいか聞いてみました。息子は、結婚式がどういうものか分からないようでしたが、大好きな叔父さんに会える!と出席を快諾。さらに、なんと息子はリングボーイのお役目を務めることになったのです。私は息子にそんな大役が務まるのかとハラハラしましたが、息子は、大好きな叔父さんやみんなにいいところを見せたいと、張り切っていました。慣れないタキシードでリングボーイを立派に務めた息子窮屈だと嫌がりながらも、慣れないタキシードに着替えた息子。服は気になるようでしたが、結婚式へ行くことは楽しみでたまらないといった様子でした。順調に式場へ到着し、我々はリングボーイのリハーサルに参加しました。実際に式を行う教会の中で神父様と指輪を運ぶ息子。神妙な顔で一生懸命に取り組んでいる真剣な姿を見て、私は立派だな、頑張っているなとうれしく感じました。その後の本番は大成功!落ち着いて役目を果たした息子は、大役が果たせたことが自信につながったようです。最初は不安でしたが、とてもいい経験をさせてもらえました。Upload By ユーザー体験談大役が終わって気が抜けた…?だんだんと落ち着きがなくなっていって…その後始まった披露宴。最初はスムーズに参加できていたのですが、大人でさえ長く感じることもある披露宴です。ADHDのある息子はもっと長く感じているでしょう。スタート時点はよかったものの、ある程度食事も食べ終わり、スピーチが続くようになったころからソワソワし始めました。息子はやることがないままただ座っているということが難しいので、どうしたらいいか困りました。もっと小さいころは、シールブックや絵本などを与えていましたが、もう小2ですのでそういうものには興味を示してくれません。ですが、さすがに結婚式場でゲームをやらせるわけにもいきません…。披露宴が中盤に差し掛かるころには、蝶ネクタイは苦しいと外し、いつのまにかズボンに入れていたシャツは外に出ている…という状態の息子。なんとか上着は着ていてくれましたが、それもいつ脱ぎたいと言い出すか分からない状況でした。Upload By ユーザー体験談飽きてしまった息子を救い、周りも笑顔にしたアイテム…それは!?なんとかしなければと思った私は、息子に自分のデジタルカメラを渡し「カメラマンになって、いい写真撮ってきて!」とささやきました。すると息子はパッとイキイキとした表情になったのです。これが大成功!「写真を撮る役割」をもらって、息子はうれしかったようです。カメラをもって新郎・新婦のところへ行ったり、来賓客のテーブルをまわって写真を撮りだしました。本人も楽しそうだし、周りの方も「ちびっこカメラマンだ!」とかわいがってくれました。新郎・新婦もピースサインで、満面の笑顔。ほかにも息子は、プロのカメラマンさんの横にちゃっかりお邪魔して一緒に撮ったり、小さい体を生かして人の隙間へ入って行って、最前列で写真を撮っていました。仕事を与えて暇をつなぐという方法が、息子には見事にハマったのです。Upload By ユーザー体験談叔父さんからの「ありがとう」に喜びと自信をもらった息子披露宴の終わり、叔父さんから「ありがとう!」と言ってもらえた息子は、とてもとてもうれしそうでした。大好きな叔父さんの結婚式で役割を果たせたことは、息子にとって、とてもいい思い出にもなりました。最初は不安でしたが、出席して本当によかったです。Upload By ユーザー体験談その3年後、小5になった息子は、今度は夫の弟の結婚式に出ることになりました。3年前より落ち着いてはいますが、飽きっぽいところは相変わらずな息子。このときも前回の経験を生かしてカメラマンをお願いしました。ただこのころには、落ち着かなくなると自分でロビーに退出するなどコントロールが取れるようになっていたので、前より問題なく終えることができました。息子の成長を感じた出来事です。イラスト/taekoエピソード提供/カプゴジラ(監修:新美先生より)冠婚葬祭の場に子どもを連れていくことはなかなかハードルが高く感じることもあります。例えば本人がよく知らない親戚の葬式など、モチベーションも持てなくて、内容も我慢することばかりなら、出席しないという選択肢もあるかもしれません。今回のように、本人が大好きな叔父さんの結婚式ということで、ご本人に出席のモチベーションがあることが何より成功ポイントですね。リングボーイの大役が果たせて、ご本人も、叔父さんも、親御さんもみんなうれしかったですね。読ませていただいてこちらまでほっこりしました。しかし、披露宴は長時間にわたり、よく知らない人の長いスピーチなど、じっと聞いていられない場面も続きます。「何もしないで待つ」ということは子どもにとって苦痛でしかないことです。そんなとき、カメラマンの役割を任せるというのは、なんとも素晴らしいアイデアですね!これは、披露宴に限らず、学校の行事(運動会、音楽会)でも応用できるアイデアだと思いました。お子さんの状況によっては、中座する、そもそも出席しない、リモート参加するといったことも選択肢にはなりますが、このようにふさわしい役割をもらって、本人も充実感を持って参加できるという工夫は素晴らしいと思いました。ありがとうございました。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月06日あやしても笑わない赤ちゃんだった息子息子は2歳半で自閉スペクトラム症と診断されました。今思えば、産まれてすぐから反応が少なかった息子。「赤ちゃんはママがあやしたら笑う」なんてのは都市伝説じゃないかと思うくらい本当に笑わない子どもでした。渾身のいないいないばぁも、ただただ私の独り劇場で終わる始末。Upload By 海乃けだま5歳でやってきた「誤飲の心配」と、「おままごとブーム」そしてなんでも口に入れてしまう乳児期も食べ物以外全く口に入れませんでした。当時は誤飲の心配も少なく「めっちゃ楽やん?」と深く考えず…楽天家な旦那に至っては「めちゃくちゃ賢いや~ん!」と親バカが炸裂していました。が、なんと5歳になった今…洗面所でつけ置きしていた洗面器の水をペロッとしている姿を目撃してしまいました。(絶叫)※現在、つけ置きの洗面器はお風呂場へお引越し、さらに扉に鍵をかけて厳重に管理しています。Upload By 海乃けだま最近のブームは私が夕飯の準備をしている横で、おもちゃの料理道具を持ってきて本格的な料理の真似をすること。最中はものすごく微笑ましく、「このまま料理に目覚めて料理男子になってくれたら…」なんて淡い妄想を抱いたりしてます。※なお、料理を終えた後のリビングは…Upload By 海乃けだま息子と全く違った娘の乳児期。「育てやすい子」と思っていたら…一方娘は3歳9ヶ月のころにADHDと診断されました。娘の乳児期は息子のときと打って変わって、ものすごく反応があり、2ヶ月のころにはあやすとニコニコとよく笑う赤ちゃんでした。都市伝説だと信じきっていた「いないいないばぁ」にもしっかりと喜んでくれて…母親としての育児の自信を取り戻したような気さえしました。しかもすごくよく寝る。お昼寝中にどれだけ息子が騒いでいても、ほとんど起きることもありませんでした。息子のときは膝がパキッとなるだけで起きる繊細さだったので、「なんて育てやすい子なんやぁ!!」と感動したほどです。Upload By 海乃けだまそんな育てやすかった娘も、1歳を過ぎてひとり歩きできるようになったころから現在のおてんばガールの片鱗を見せ始めます。家の中でも常に駆け足、朝起きてからベッドに入るまでずっと喋り続けています。さらに好奇心旺盛で何にでも興味を持つ娘は、狙った獲物(おもちゃ)は何が何でも手に入れないと気が済みません。おっとりなお兄ちゃんからよくおもちゃを奪い取っては泣かせていました。今では息子も負けじとおもちゃを奪い返して…喧嘩の仲裁が私の日課です。Upload By 海乃けだまおっとりマイペースな息子とぐいぐい積極的な娘、真逆のような性格の二人。産みの親である私たち夫婦も、先々のことを考えて心配してしまう私と「なんとかなるやろ!」と楽天家な旦那で真逆です。でも、そんな二人だからこそお互い苦手な部分と得意な部分を刺激し合えたり、補い合えているんじゃないかと感じていたりします。喧嘩も頻発しますが、毎日ふざけ合って笑い転げている仲良し兄妹です。性格は違っても仲良しな兄妹。二人の診断に戸惑いもあるけれど…正直、子どもたちの診断を受け入れられているかと言えば、まだ受け入れられていません!メンタルも浮いたり沈んだりを繰り返していますし、受け入れられていません!!(大事なことなので2度…)ですが、それでもここまで来れたのはたくさんの人に支えてもらっているからだと思っています。まだまだ勉強中ですが、もし私の経験が読んでくださった方の支えになれば幸いです。これからよろしくお願いします!執筆/海乃けだま(監修:新美先生より)それぞれに個性の強いお子さん二人と、真逆のご夫妻のエピソードをとても楽しいイラストとともにご紹介くださいましてありがとうございます。「まだまだ受け入れられていません!」と2度おっしゃっていますが、こんな素敵なエピソードに昇華されている海乃さんのご姿勢がパワフルで素晴らしいなと思いました(感想です)。同じ両親が基本的に同じように育てても、子どもはそれぞれの個性を発揮するものですよね。世の中の「親のしつけガー」とかいうめんどくさい人たちに見せてやりたいエピソードだと思いました。子どもも大人もそれぞれの個性があるから大変で、そして楽しいものです。それぞれの個性でぶつかったり、悩んだり、工夫したり、愚痴ったりしながら、家族内でもそして他人ともいろんな形で共有していけるのは、とてもいいなと思います。これからまたいろんなエピソードを聞かせてもらえたらうれしいです。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月19日3歳で気づいた周りの子どもたちとの差わが家の小6の息子は、6歳のときにADHD(注意欠如・多動症)の診断がおりました。息子は1歳から保育園に通っていました。自分の興味がないことはやりたがらず、特にダンスや体育などみんなでやることが嫌いで参加しようとしませんでした。また、切り替えの苦手さもあり、好きなことを始めたらやめることができない、片づけなどをダラダラしてやらない、保育園に迎えに行っても遊びに夢中でまったく帰ろうとしない…といったこともありました。私が同年代の子どもたちとの差に驚いたのは、年少の遠足のときです。出発前にクラスのみんなはきちんと並んで先生の話を聞いているのに、息子だけ脱走して遊具で遊び始めてしまい、じっと話を聞くことができませんでした。それまでは、「男の子だし、3歳だし、こんなものなのかな」と思っていたのですが…。Upload By ユーザー体験談「自閉症の可能性」から「ADHD」と診断されて3歳児健診では特に指摘は受けませんでしたが、保育園でのクラスメートとの違いにショックを受けた私は「早いうちに発達支援を受けさせたほうがいい」と思うようになり、保健センターに相談しました。そして、心理士さんに心理検査をしてもらいました。数値的には気になる点はないとのことでしたが、飽きて逃げ出したりなど集中できていない様子が見られたので、「もし気になるのであれば」と療育センターの紹介を受け、通うことに。そして、児童精神科の先生に「自閉スペクトラム症(ASD)の疑いがある」と言われました。私は少し意外な感じがしました。そのころ、目立っていたのは衝動的な行動の多さだったからです。ですから、ASD(自閉スペクトラム症)ではなく、ADHD(注意欠如・多動症)だろうと考えていたからです。息子は、じっとしていられず道路に飛び出す、お友達に手を出す、押す、かみつく…。公園で遊んでいると必ずトラブルを起こすので、自転車に乗って誰もいない公園を探し、人が来たらまた移動し…の日々。スイミングスクールにも通っていたのですが、隣のコースに入ってしまったり、順番を守れず飛び込んだり、プールから脱走してしまうこともあり、クビのような状態で辞めました。Upload By ユーザー体験談そんな息子の様子から、ADHD(注意欠如・多動症)の特性に当てはまることばかりだなと思っていたのです。ただ、服薬していたわけでもなく、医師も「診断名にこだわらず様子をみていきましょう」という感じだったので、そのときは特に確認をしませんでした。その後、就学に伴い療育センターから大学病院に転院になり、大学病院の小児精神科医に「ADHD」と診断されました。ADHDについては、未就学児は分かりづらいために就学後に診断されることも多いし、ASDと併発することもあるのだと、のちに知りました。「クラスに居場所がない」通常学級からの脱走小学校に入学し、通常学級に通い始めました。ところが、席に座っていられず教室から脱走したり、クラスの友達に手を出したり、言い争いになって上級生のメガネを壊したりということが続きました。しまいには「クラスに居場所がない」と感じるようになったようで、特別支援学級の教室に逃げ込むように。通常学級在籍なので、本来であれば特別支援学級で過ごしたり、授業を受けたりすることはできないのですが、先生方のご厚意で息子の一時避難場所として過ごせるようにしてくれました。特別支援学級は少人数で先生が寄り添ってくれて、好きなときにおもちゃで遊べるのもうれしかったようです。好きなときに好きなことができない、好きな教科以外の勉強をしなければいけない、というのが息子には苦痛のようでした。そしてストレスが重なったのか、風邪をこじらせて喘息の発作を起こし、小1の6月の終わりから2週間ほど入院することになってしまいました。その様子を見て、「この子はみんなと違うんだ。母である私がそのことを受け止めて、私がしっかりと向き合わなければ、息子を追い詰めてしまう」と目が覚めた気がします。Upload By ユーザー体験談「通常学級に戻りたい」という息子の思い入院中、うれしい出来事もありました。通常学級の友達が寄せ書きをくれたのです。息子はそれを見て、「またクラス(通常学級)に戻りたい。そのためには迷惑をかけたくない」と思ったようでした。7月初めに退院しましたが、夏休みも近かったので登校は最低限にして早めの夏休みに入ることにしました。私はフルタイム勤務だったので、息子が赤ちゃんのころから夏休みの平日など遊びに行くことはほとんどありませんでしたが、ちょうど下の子の育児休業中だったので、一緒に思いっきり遊びました。また、「みんなと同じことができるようになりたい」という息子の意思が強かったので、投薬を開始しました。はじめはADHDの治療薬であるインチュニブからスタートしたのですが、眠気がひどく昼休みに校庭で寝てしまい帰ってこないということが起きてストップ。医師に相談してコンサータに切り替えました。食欲は落ちるようですが、多動性が抑えられるので現在も学校に行く日のみ服薬しています。息子のことを誰も知らない環境で再チャレンジ11月からは、通級指導教室を開始しました。週1回、朝1~2時間目に他校で授業を受けてから、自校に戻るというスタイルで、小6の今まで通い続けることができています。あれだけ衝動的で多動だった息子ですが、今では大人しいくらいです。また、以前は絶対にやらなかった学校行事にも積極的になり、任意の陸上大会や球技大会にも参加するようになりました。ただ特定の友達はおらず、放課後に遊ぶようなことはありません。今までは自分のことしか見えていませんでしたが、年齢とともに周りにも目を配れるようになりました。その分、周りとの差も感じ始めているようです。息子にはADHDの告知もしていて、「できないことはできない。できることを伸ばそう」と伝えています。それでも、できないことが気になって自己肯定感が低く、同級生に助けてもらうことが当たり前になってしまっています。「このままでは本人の自主性・自立性が育たない」と思い、環境を変えようと決意。勉強は得意なので中学受験をし、息子のことを誰も知らない環境で一から頑張ることにしました。入学が決まった中学校は、通級指導教室の先輩も通っている学校で、息子の特性のことも伝えてあります。息子は、4月から新しい環境で、素晴らしい友人に会えることを楽しみに、最後の小学校生活を頑張っています。これからも自分の特性と付き合いながら、それをも強みにして得意分野をたくさんつくってほしいです。Upload By ユーザー体験談イラスト/吉田いらこエピソード参考/カプゴジラ(コメント:鈴木先生より)ADHDの診断・治療は6歳になってからです。ASDとADHDはカードの表裏のように繋がっている場合が多く、就学前であっても親御さんやご本人が困っていれば療育や薬物療法で調整は可能です。早めに小児科の神経外来の受診をお勧めしています。医師でないと正確な病名を告知できないからです。しかし、今回のように、医師によっても知識や経験の差があるのは否めないので、ネットで調べて神経発達症の診断・治療に経験の多い専門医を選ぶといいでしょう。ただ、そういう先生の外来は混んでいてなかなか予約が入らないのが現状です。きちんと診断して適切なADHD治療を行えば自尊心は上がっていきます。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年02月25日多動だった太郎Upload By まゆん太郎が3歳のころの保育参加。太郎は教室内での催しの際、いきなり教室を1人飛び出して大好きなお兄ちゃんがいる年長クラスへ駆け出した。その行動は注意したからといっておさまるものではないとすぐに分かった。根本的に周りの状況を理解していないのが分かった。私は一応太郎のあとを追いかけたが、私にとめられるような多動ではなかった。その後、なんとか教室へ戻って来た太郎。だが。固まる太郎Upload By まゆん次は保護者と子どもがペアになりスキンシップをとりながら運動をするという時間があった。私のところに太郎が来ないので私はポツンと座っていた。太郎はというと長机の下に隠れて黙って教室のみんなを見ていた。呼んでも、手招きしても出てこない。私とも目を合わさない。ずっと教室にいるたくさんの人をみていた。そしてそのまま固まって動かなかった。そんなとき、私の膝に保護者が保育参加に来ていない園児が座りに来た。それでも太郎は私のことを見向きもしない。Upload By まゆんつらかった。なぜつらかったのだろうか。明らかに周りと違う太郎をまだ受け入れられていなかったのかもしれない。周りとの違いを目の当たりにし衝撃を受けたのは事実であった。そして「ひとり」を感じる私がいるのに、私の存在がないかのような様子の太郎を見るのもきつかった。あまりにもつらく、当時夫に「保育参加に一緒に参加してほしい」と言ったが、夫は1度も参加することはなかった。さらに「ひとり」を感じた。Upload By まゆん感情があふれた瞬間保育参加は4ヶ月に1回ほど行なわれていた。別の保育参加の日も、太郎は変わらず自分のペースで動いていた。もうつらくて私も呆然としていた。そのとき。「太郎ちゃんママ、大丈夫?」声を掛けてくれたのはママ友だった。誰にもこのつらさを伝えられてなかったのにママ友は気づいてくれた。自分の子どもが可愛いくて、夢中で見ていたいはずなのに私のことを気にかけてくれた。Upload By まゆんそんな声かけに一気に涙があふれた。「大丈夫じゃない」「だよね、つらいよね」Upload By まゆん太郎は4歳のときに、自閉スペクトラム症の診断がおりました。3歳のころは「発達障害ではないか」という不安を感じていたものの診断前だったので周りの人にも伝えられておらず、というかまだママ友らしき人もほぼいない状態だったので相談する相手もいませんでした。みんな働いている保護者だったこと、交流の場が少なかったことも要因だったと思います。今回の「大丈夫!?」の声かけは忘れられない言葉の一つです。この一言は私をいっきに癒すものとなりました。「ひとり」を感じて、自分でもわけが分からなくなっている感情を表に出させてくれたものとなりました。その後、保護者との交流も自然と増えていき太郎について理解をしてもらうきっかけが多くなりました。そうなることで私の気持ちも楽になり、保育参加へのつらさも次第に軽減されていきました。保育参加へのつらさの原因はなんだったのか…今振り返ってみると、ほかの園児と違う行動をする太郎をどんな風にみたらいいのか分かからなかったからだと思います。どんな風に対応したらいいのか悩みました。保護者として「おちついて」と注意しなければという問題でもないし、でも周りは「なんであのお母さん自分の子どもなのに注意しないの?」なんて思われてないだろうかとか。太郎を見る目、周りの目、いろいろと悩む時期でした。(執筆/まゆん)(監修:藤井先生より)ママ友からの問いかけに「大丈夫じゃない」と言ったまゆんさんの言葉は、悩んでいるまゆんさんのSOSだったのかもしれませんね。そこから、少しずつほかの保護者さんとの交流も増え、保育参加のつらさも軽減されてよかったですね。保育参加、運動会見学、お遊戯会を見るのがつらいという相談は発達外来でもよく聞かれます。周りからどう見られているかという不安、パートナーが一緒に育児をしてくれない寂しさ、子どもの特性を受け入れいれられない自己嫌悪など、さまざまな感情が混ざっていて、親御さん自身でもどうしたら良いのか分からないということもあると思います。今回はママ友と話すことをきっかけに、感情を表に出すことができ、ご自身の気持ちの整理が少しついたのかもしれませんね。パートナー、友人、園の先生、療育先のスタッフ、主治医などに、お子さんを見ていてつらいことを話すことで、親御さん自身の気持ちが整理できて、一歩前に進むことができることがあります。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年02月20日落ち着きのない息子。3歳児健診で多動症疑いと言われて…。1歳になる前から落ち着きのなさが気になっていた息子。3歳児健診で保健師さんに相談してみたら、多動症の疑いはあるものの、身体面や言語面には特に遅れが見られなかったため「まずは幼稚園に入ってから、しばらく様子を見ましょう」と言われました。幼稚園はのびのびした自由保育のところを選んだのですが、息子が集団生活に馴染めるのかとても不安でした。そして迎えた幼稚園の入園式。泣いている子や写真撮影のときにウロウロする子もいたので、「目立つのは息子だけじゃない」と少しホッとしました。しかしすぐに現実の厳しさを思い知ることに…。脱走、癇癪、お友達トラブルで幼稚園から毎日電話!幼稚園生活が始まると、先生から毎日のように電話がかかってくるようになりました。教室から脱走、自由遊びの時間が切り上げられず癇癪、お友達とのトラブル…。2学期にはついに、息子の対応に手が掛かるせいでほかのお子さんの保育に影響が出てきてしまい、加配の先生が息子につくことになりました。そのうち幼稚園をやめてくださいと言われてしまうんじゃないかと思っていたので、ショックを受けるより、ほっとした気持ちが大きかったです。そして、私は「このままではいけない」とすぐさま発達支援センターに連絡を取りました。息子は運良くすぐに療育に通えることになりました。Upload By ユーザー体験談加配の先生、幼稚園への対応に感謝…私にできる恩返しは?息子のために新たに先生を増やして対応してくれた幼稚園には感謝しかありませんでした。加配の先生との相性も良く、息子は幼稚園に行きしぶりもなく通うことができていました。そんなある日、息子が幼稚園から来年度の父母会役員募集のお手紙を持って帰ってきました。まだ乳児だった下の子の世話もあり忙しい時期ではあったのですが、お世話になりっぱなしの幼稚園に何か恩返しをしなくては…と思い、思い切って父母会役員に立候補することに!Upload By ユーザー体験談実は当時、ほかのお母さんたちは息子のことをどう思っているのだろう…と密かに気になっていました。いま住んでいる地域へは産後引っ越してきたので、息子に加配の先生がついたことや、療育に通っていることを話すような間柄のママ友もおらず、しかもコロナ禍ということもあり、そもそも会う機会がほとんどありませんでした。もしかしたら私が把握しているよりもずっと、息子がクラスの友達にたくさん迷惑を掛けているかも、嫌な思いをさせてしまっているかもしれない…。その反面、「父母会役員やる余裕があるなら、もっとちゃんと自分の子どもを見てよ!」って思われないかな…?という不安もありました。父母会に入ってみると…驚きの事実判明!しかし、実際に父母会に入り、仕事が始まると、驚きの事実が判明…!なんと私以外の父母会役員の中に、お子さんに特性がある人が複数いたのです。お互いに子どもの発達に悩みを抱えていることが分かり、父母会の集まりに行っては愚痴や悩みを言い合う時間がいい息抜きに。「迷惑をかけている分、恩返しをしなくては」という義務感から引き受けた父母会活動でしたが、いつの間にか楽しみにさえなっていました。息子の園での様子も間近で見ることができて、以前より先生と気軽に話せるようになったことも大きな収穫でした。また、父母会活動を頑張ることで、幼稚園やほかの保護者に対する心苦しさも少し軽くなったような気がしていましたUpload By ユーザー体験談父母会で得られた繋がりは小学校が離れた今でも続き…その後、父母会活動がきっかけとなり、一人悶々と悩んでいた時間が嘘のように、役員以外のママ達にも気軽に息子の発達に関する話ができるようになりました。すると表面上は何も困っていなさそうに見えたママさんから「実はウチも悩んでてね…」と、相談を受けることも。また、息子はコミュニケーションが一方的になりがちで、同年代の子どもと遊ぶのが苦手なので、幼稚園のお友達と降園後に遊ぶことはそれまで一度もなかったのですが、父母会役員を一緒にやったママたちとは、休日に子連れで遊ぶほど仲良くなることができました。Upload By ユーザー体験談現在、息子は幼稚園を卒園し、地元公立小学校の特別支援学級に在籍しています。幼稚園で仲がよかったお友達とは校区が違うので小学校は離れ離れになってしまいましたが、幼稚園の父母会で得られた繋がりは切れることなく、今でも交流が続いています。つくづく、あのとき思い切って役員を引き受けて良かった…と思っている私は、来年また今度は小学校のPTA役員をやる予定です(笑)イラスト/SAKURAエピソード参考/あかクレヨン(監修:鈴木先生より)話の分かるママ友同士で今でも交流が続いていることは大変素晴らしいと思います。父母会の一つ上の段階に地域の親の会があります。いずれそういった組織とも繋がると、いろいろな情報が入ってきて子育ての役に立つことが多くなると思います。ただ、気をつけなければいけないのは、PTA役員に多くの時間を取られると、どうしてもお子さんと向き合う時間が減ってしまうことがよくあります。なるべくお子さんとのコミュニケーションを大事にしつつPTA役員をやることが重要だと思われます。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年02月17日ゲーム・スマホに夢中で親の声が届かない!ADHDのある子ども発達障害の専門家が出会った子どもたちの抱えていたリアルな「困った!」をもとに、子どもたちの状況を変えた対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、ゲームやスマホに夢中で親の声が耳に入らない、生活が整わないADHD(注意欠如・多動症)のある子どものエピソードです。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談マンガ/NEGI解説:本人に決めさせることやスモールステップを意識ーー子どもとの関わり方で大切なポイント今回は、ADHD(注意欠如・多動症)のある中学生のお子さんに関する「家庭での悩み」エピソードをもとにマンガ化してお届けしました。学校から帰宅すると、ゲームやスマートフォンが手放せず、宿題やお手伝いなどやるべきことができていなかったり、生活リズムが乱れてしまったりしているお子さんも多いことと思います。今回のように、ゲームやスマートフォン中に声かけをしても無視されてしまう、機嫌を悪くして自室に戻ってしまう場合、次のポイントを押さえて関わることをおすすめします。1.ゲームやスマートフォン中は指示が入りにくいので、それ以外のタイミングで話し合うようにするお子さんが何のゲームをしているのかをまず知ることが大事です。好きなゲームについての話にも付き合ってあげる、そのゲームの良さなども共通理解しておくことが話し合いの前提となります。2.ゲームをする時間を本人に決めさせて、しっかり約束をする親がしてほしい時間と本人がしたい時間にかなりのギャップがあることが多いと思います。1である程度のゲームに対する共通理解をしておき、それを前提に時間帯やしてよい時間について約束をしていきましょう。一度決めた約束は、その場の気分やノリで変えるのではなく、例えば3日間など最初は短めの期間を決めて実行し、期間ごとに見直すようにしていくと良いでしょう。3.お手伝いはスモールステップで取り組めるように提案し、ちゃんとできたらお小遣いをプラスするなども一つの方法学校の勉強やお手伝いなど身の回りのことを一度にやらせようとしても、うまくいかない場合もあります。そのときは、本人の取り組みやすい活動に絞って、例えばお小遣い制度を連動させることでやる気を引き出すのも一案です。
2023年02月10日自閉スペクトラム症のある娘の病院受診、準備は前日から自閉スペクトラム症と知的障害の診断を受けている娘のまゆみは、身体の一部に生まれつきの赤アザがあります。痛みなどの症状はありませんが、傷あとが残ってしまう可能性があるため、3ヶ月に一度のレーザー治療を受けています。問題になるのが、元気いっぱいフルパワー状態の娘を連れての病院受診。どの場面を切り取っても困りごとの連続で、受診日が近くなると母の心に緊張が走り始めます。Upload By にれ今回は、わが家の病院受診の際の事前準備と、それでも起こる困りごとについてご紹介したいと思います。前日から当日の朝、まゆみが落ち着いているときに、病院へ行くことを繰り返し伝えます。Upload By にれ自閉スペクトラム症のある子どもへの対応でよく言われるのが、「見通しが立たないと不安になるため、予定を本人にきちんと伝える」というもの。4歳半の現在、まゆみは言葉での意思疎通が難しいため理解できているかは分かりませんが、事前に伝えておくことで心構えができるかもしれない・今は分からなくても伝え続けていたらいつか分かるかもしれないと思い、事前に告知しています。病院に到着するも困りごとの連続でまゆみに事前に病院に行くことを伝え、病院へ向かいます。まずまゆみは、車の窓から病院が見えた時点で大泣きします。もう何回も治療のために病院に来ているため、まゆみ自身も「行かなくてはいけない」との意識があるらしく泣きながらエントランスまで歩いてくれますが、広々としたホールに入ると走り出さずにいられません。受付の機械を操作する間にも手を振りほどいて飛び出してしまいます。「走りません、歩きます。病院には具合の悪い人がいっぱいいるから、静かにね」と伝えますが、ほとんど収まりません。病院の受付のために専用の機械に向かいます。今にもどこか行ってしまいそうなまゆみ。仕方ないので、まゆみには機械と私の間に入ってもらい、両ヒザでまゆみを挟んで逃げ出さないようにガードしつつ、受付を済ませます。Upload By にれ長丁場の待合室。いろいろな「時間つぶしグッズ」を持参して受付を済ませ、待合室に到着します。病院での困りごとの中でも長丁場になる場面です。予約をしていても呼ばれるまでに早くて20分。問診のあと、患部に薬剤を塗ってからレーザー照射まで30分を置かなくてはいけないので、トータルで1時間近く待合室で過ごすことになります。まゆみは活発で動き回るタイプなので、放っておくと走り回ったり、ソファの上で飛び跳ねたりしてしまいます。ここでも「走らないよ。ママと座ろうね」と伝えますが、聞こえていないような顔。そこで、あらかじめ興味を引くような時間つぶしグッズを用意しておきます。わが家では以下のようなものが主流です。Upload By にれ【病院の待ち時間に役立つグッズ】・シールブック・マグネットブック・手遊びに便利な色とりどりのシアー素材の布・プリントアウトした家族写真特に家族写真は、人にあまり関心のなさそうなまゆみも興味を示すので、家族への愛着も深まって待合の時間つぶしにもなるという一石二鳥のアイテムです。スマホ画面で見せてもいいのですが、まゆみの場合はスマホを前にするとアプリや動画を見たがってしまうので、デジタルメディアを緊急時の最終手段にしておきたい考えのわが家はプリントした画像を見せています。これらもしばらくは楽しんでくれますが、そのうち飽きて席を立ってしまうので、私も一緒に立ち上がって歩きます。多動傾向のある子にとってずっと同じ姿勢でいるのはつらいだろうと思ってのことですが、周りの方々に迷惑をかけないよう手はしっかりとホールド。お世話になっている病院は廊下と一体型の待合室なので散歩する感覚で歩くことができますが、待合の小さな病院などではトイレへ行ったりすることで気分を変えることも。とにかく身体を動かして呼ばれるのを待ちます。それでもやはり不安なのか、待っているうちパニックになってしまうことがあります。こうなると移動も抱っこも拒否するので本人が落ち着くのを待つしかありません。院内で騒いでしまい申し訳なくなりますが、本人も自分で自分を励まそうとしているのか、涙と鼻水まみれの顔を真っ赤にしながら「がんばろー!がんばろー!」と全身を硬直させて叫んでいるのを見ると私も涙が出そうになります。いよいよ処置室へ。じっとできない娘の診察はなかなか困難長い待ち時間が終わり、いよいよ処置室に入ります。処置中、母親は室外待機となるので、ドアの向こうのまゆみの叫び声を聞きながら待つのみとなります。レーザーを受ける際はじっとしていないといけないのですが、まゆみが動き出してしまいそうになるので看護士さんが三人がかりで押さえているそうです。ハラハラしますが、できることがないので出てくるのをひたすら待ちます。まゆみの診察時の困難として・指示に従えない・自分の症状を上手く伝えられない・じっとできないなどがあります。アザ治療は行う処置が決まっているのでまだよいのですが、これが何かほかの体調の問題だったらもっと困るだろうな…といつも怖くなります。レーザー治療も、本当は押さえつけたり拘束せずに済めばよいのですが、3ヶ月に一度で流れ作業のように進んでいく大きな病院での治療なので、先生との信頼関係を築いていくのも難しく感じています。Upload By にれ数分でドアが開いて大泣きのまゆみが飛び出してくるので、しっかり抱きとめて思いっきり褒めるのが恒例になっています。まゆみも母親の存在に安心するのか、次第に落ち着いてくるので、なだめながら医師の話を聞き、会計へ向かいます。受付と同様、まゆみをホールドしつつ手早く会計処理します。会計が上がってくるまで時間がかかりそうなときは、売店へ行ってお菓子を買ってあげるなどご褒美タイムにしています。病院がつらい記憶ばかりになると次回にも響いてくるので、全体を通してなるべく楽しく過ごさせたり、うれしいことがあったりするように工夫しています。自閉スペクトラム症のある娘の受診で大切にしている4つのこと以上が、わが家における定期受診の流れです。どの場面を切り取っても内心では汗だくになっていますが、治療を始めたころに比べるとかなりスムーズに処置を受けられるようになりました。大事なことは、準備をしっかりとしておいて子どものペースに巻き込まれないことだと思います。また、あらかじめ障害があることを伝えておくと病院側も相応の準備をしてくれるので、私は初めてかかる病院には必ず伝えるようにしています。・本人に事前に伝える・時間つぶしのための綿密な準備・病院側の協力・つらい記憶ばかりが残らないような工夫(次回の受診に備えて)自閉スペクトラム症のある娘の受診には、この4つが大切だと感じています。困りごとの紹介がメインになってしまいましたが、少しでもお子さんの受診を控えてお困りの方のお役に立てればうれしいです。どの保護者さんもお子さんも、診察を乗り切った後はクタクタになっていると思います。病院を受診した日は、ご自分のこともお子さんのことも大げさなくらいに褒めてほしいと私は思っています。執筆/にれ(監修:三木先生より)ご本人もお母さんもよく頑張っておられますね。いろんな方法を用意して時間を乗り切る工夫をされているのは素晴らしいと思います。また記事でも記載のあるとおり病院との連携も大事な準備の一つです。最近では対応を嫌がられることは少ないと思いますので(というか嫌がるところは願い下げでOKです)、頼んでみましょう。
2022年11月28日静かな多動Upload By まる息子リュウの発達障害が分かったころから「これは多動なんだな」と思うような動きが見えてきた。座っていられない、大人の静止を聞かずに動き回る、興味の移り変わりが激しく次から次へと興味の対象に向かって動いてしまう。「多動」というとドタバタと足音うるさく走り回ったりするイメージがあったが、息子は静かにフラフラといなくなる。言葉も遅く穏やかな息子は周りからも「静かな多動」と言われてており、「気づいたらいなくなっているので気をつけています」と保育園から言われたことも。初めての新幹線Upload By まる電車や新幹線が大好きな息子。新幹線に乗せてあげたい!と思い、友人親子と新幹線に乗って旅行に行くことになった。ただ多動なことが分かっているのでポータブルDVDやお菓子、ちょっとしたおもちゃなどたくさんアイテムを持参して行くことにした。新幹線のホームに着き、息子はうれしそうに行き来する新幹線を眺める。今まで新幹線は見るだけで乗ったことはなかったので、しばらくして到着した新幹線に「これに乗るよ」と伝え乗り込むととてもうれしそうな顔をしたことが印象的だった。新幹線に乗り込みそこから到着まで約3時間。思っていたより大変だった。その3時間、ほとんど座席に座っていられず歩き回りデッキで過ごすことになったのだ。お菓子もすぐに食べ尽くされ、お気に入りのDVDもおもちゃも興味なし、座席に戻ってもすぐに抜け出してしまう。座席横の通路をひたすらウロウロするのもほかの人に迷惑なのであまり人が来ないデッキにいるのは良かったのだが、移動時間が長かったので付き添っていた私がぐったりしてしまった。私は旅行好きなので全国いろんなところに連れて行きたいけど、飛行機に乗れるのはまだ先だなと実感した。ホームでグルグルUpload By まる息子は現在4歳。休みのたびに電車を見に駅に連れて行くのだが、駅のホームでもひたすら歩き回っている。1ヶ所でじっくり見ることはなく、ちょっと座ったと思えば歩き出し、自動販売機に興味をもったと思えば到着した電車に喜び、反対方向へ歩いたり、階段を登って別のホームへ行ったり「こっちーこっちー」と電車に乗りたいと訴えたり。私としては電車を見たいならベンチに座ってゆっくり見ればいいのに…と思うが仕方なくついて回っている。特に目的がないときは息子が行きたい方向へ電車に乗って行ってみることもよくある。このように飽きるのが早いので、少し電車を見たら電車に乗る → 降りる → また電車を見る → 駅を出るなどと忙しない(ただ息子自ら駅から出たいというのは行き慣れている駅のみ)。1日一緒に出かけると息子について回るのでヘトヘトになってしまう。目的地へGO!Upload By まるところが最近、ちゃんとそれに目的があることが分かった。よく行く数駅先の駅で改札を出て、どこに行くのかと思いながらついて行くと好きなアイスやさんに向かっていってお店の前でうれしそうにしていたり、じぃじの住んでいる駅に降りて自分でじぃじの家の前まで迷わずに行き入りたいと言ったり(仕事で不在だったので会えず、息子は泣いていた)。乗り換えもあるなかなか遠い駅に息子の先導で連れて行かれて、まさかと思ったらたまに行くお店の電車の模型を見たかったようでちゃんとたどり着いたことも。途中でいろいろと寄り道はするけども、息子なりに好きなものにたどり着く道順が分かっているようだ。多動の息子と出かけると一瞬目を離した隙にいなくなるし、ママの買い物に付き合うことがものすごくイヤなようで逃げ回ってしまい、ゆっくり買い物もできずイライラすることも多い。でも息子がきっちり乗り換えをして目的の駅で降り、自ら方向を決めて歩きたどり着いた先に「あっ、これが目的だったのか…」というものがあると息子の「好き」が分かってうれしくなる。それまであっち行くこっち行くと散々振り回されて疲れていても、よくここまでの道を覚えていたね、そんなに好きなんだねと笑顔になってしまう。執筆/まる(監修:藤井先生より)「静かな多動」の動きの中には、リュウさんの目的があったことに気がついたのですね。まるさんが、リュウさんのペースを大事にしながら、見守ってきたからこその発見ですね。一日中お出かけするとヘトヘトになるとのこと、リュウさんの好きを大事にしながらも、まるさんが無理しすぎないように、第三者(療育やクリニックや園など)とも連携しながら、リュウさんの成長を見守っていけるといいですね。リュウさんの「好き」を一緒に楽しむことがこれからもできますように。
2022年08月26日息子の発達障害、誰に伝えてる?むっくんが発達障害の診断を受けて5年半ほど経ちました。現在、むっくんの家族や親戚はみんな診断があることを知っています。祖父母などよく会う家族には診断がついたことは早々に伝えました。また、年に数回会う親戚にも徐々に伝えていきました。発達障害について、知識のある人もいますし、発達障害をよく知らない人もいますが「そうなんだねー」くらいの反応で、伝えたことで何かもやっとすることを言われたり、関係にしこりが残るようなやり取りを経験したことは私にはありません。また親戚で集まると、つい「学校どう?」なんて話題が出てしまうので、不登校を選んだことも早々に家族にも親戚にも伝えました。こちらも「そういう選択もありだよね~」という反応で何か言われることはなく、私もむっくんも心地よく過ごすことができています。私と家族や親戚はもともと信頼関係がしっかりできていましたし、親戚にはユニークな人が多く、価値観が多様な人も多いことをこれまでの付き合いから知っていたので、私は安心して息子のことをみんなに話すことができたのだと思います。Upload By ウチノコどんなふうに伝えた?私は発達障害のことを他者に話すとき、診断名だけ伝えても大切なことは伝わらないと考えています。なぜなら診断名が同じでも特性のあらわれ方は人それぞれ異なっているからです。発達障害の知識がある人にだって、診断名だけ伝えてもむっくんのことは何も伝わりません。そのためむっくんのことを他者に説明するとき、私はむっくんの行動に対して【むっくんの具体的な特性】【その背景についての私なりの解釈】【これから行う対処とその理由】を順序だてて説明するようにしています。小さなころの話ですが、いくつか例をあげてみると…祖父母の家で走り回って部屋や押し入れなどを確認したがったときは…【具体的な特性】この子はとっても好奇心旺盛でいろいろ気になりがちでね、でもその背景には分からないことや知らないものに対して不安を感じやすいっていう理由があるの。【私なりの解釈】おばけやしきって仕掛けが分からないと怖いけど、どこで何がでてくるか分かったら不安も和らぐでしょ?そんなふうに、自分の不安を和らげたくて動き回って、見えない引き出しや押し入れの中を確認して安心しようとしているんだと思う。【対処とその理由】しばらく確認したら安心できて落ち着くと思うから、今は見守らせてもらえると助かります。いとこなどと遊ぶうちに楽しくなりすぎて興奮から癇癪につながりそうなときは…【具体的な特性】些細なことでも感情の振れ幅がとても大きくなるの。悲しいときはものすごく悲しいし、楽しかったら楽しすぎちゃう。【私なりの解釈】楽しすぎてハイテンションになって、あとからどっと疲れる経験ってない?そんなふうなのかなって私は考えていてね。今日は楽しすぎるを通り越して癇癪を起こしてしまいそうなんだと思う。【対処とその理由】今は自分の力だけで落ち着くことが難しいから、音や光の少ない静かな部屋に行って落ち着けるように休んでくるね。周囲の音に疲れ果ててしまったときは…【具体的な特性】とても音に敏感で、自分に必要のない音まで聞きすぎてしまうところがあるんだよね。【私なりの解釈】この部屋も話し声やテレビの音、食器の音、たくさん音があるけれど会話に集中するとほかの音って少しミュートされるでしょう?むっくんはその機能があまり働かなくて音を聞きすぎて疲れちゃうときもあって。【対処とその理由】疲れたときは静かな場所で好きなことをさせてあげるのがいいから、今日はもう家へ帰って休ませようと思うよ。Upload By ウチノコ伝わるように伝えるこれらの特性は多動衝動、易刺激性、感覚過敏などと言われる特性ですが、こういう聞きなれない言葉では伝わるものも伝わらなくなってしまうので、できるだけ日常的に使うイメージしやすい言葉で伝えるようにしています。また「自閉スペクトラム症があるから切り替えが難しい」や「ADHDがあるからじっとできない」などという、理屈を省いた伝え方では誤解や差別を生みかねないと感じていました。私の言葉を起点にそういったものが広がっていくとしたら、それはとても恐ろしいことです。だから私はできるだけ、【具体的な特性】【私なりの解釈】【対処とその理由】と言葉を尽くし、順序だてて伝えることを心がけています。実はこの伝え方は、むっくんに物事を伝えるときの言い回しなんです。むっくんに伝わりやすい言葉選びは、ほかの人にも伝わりやすい。発達障害のある子への適切な関わり方というのは、誰に対しても大正解なんだなーと感じています。さらに、人によって理解しやすい伝え方が違うこともあります。イラストの方が伝わる人、文字が伝わりやすい人。言葉だけで十分なのか、図の方が理解しやすいのか、その辺りも相手に合わせて使い分けることも意識しています。そういう見えない背景を伝えてきたことが、家族それぞれむっくんの行動について背景を考える意識を持つきっかけになり、むっくんの成長を温かく見守る今の環境をつくることにつながっているのだと思います。Upload By ウチノコ何のために伝えるのか子どもに障害があることを他者に伝えるとき、私は【何のために伝えるのか】という目的を明確にすると【何を】伝えるのか言葉にしやすくなる気がします。私の場合は、むっくんのことをみんなで見守っていく環境をつくることことが何より大切で、そのためには診断名よりもむっくん自身のことをできるだけ分かりやすく伝えることが大切でした。「どう伝えよう?」と悩んだときは「何のために伝えるのか?」という目的から考えてみると、自分なりの答えが見えてくるかもしれません。執筆/ウチノコ(監修:初川先生より)とても素晴らしいですね…!診断名だけでは何の説明にもならないのは本当にその通りです。診断名を聞いた人がイメージするその障害のありようがさまざまですし、実際のむっくんの様子における特性の強さの色合いもさまざまです。「何のために伝えるのか」を考えて伝える。むっくんをみんなで見守ることができる環境をつくるために伝える。そして、その伝え方は、むっくんが自分自身を理解するのに役立つ言葉と文脈で伝える。どれもとても良いと思います。お子さんの理解と周りの理解がずれないこと、お子さんでも理解できる平易な言葉で説明すること、とても大切です。何より、ウチノコさんのあたたかいまなざしが、周りの方々へと伝播しますね。それがとてもいいなぁと感じました。
2022年08月04日体温を超える気温を記録する日本の夏。毎年のことながら、この時季は子どもの熱中症が特に心配になりますね。近年、熱中症予防方法については、啓蒙が進んでいることもあり、水分補給の知識などある程度は知ってはいるものの、実際に熱中症になったときにはどうしたらいいのかはわからないことばかり、という親御さんも多いようです。そこで、「熱中症予防声かけプロジェクト」実行委員長の帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・三宅康史先生に、暑さでぐったりとして帰ってきた子どもがするべき自宅での対処方法を教えてもらいました。前編では、子どもが熱中症かどうかをはじめ、暑さによるダメージを受けている状態かどうかや、家庭でのケアで様子をみて大丈夫かどうかを見極めるコツを、後編では食事をはじめとした家庭での対処法や親御さんの見守り方をご紹介します。(取材・文:小林博子)写真は少年サッカーのイメージ■「熱中症かも?」と思ったら、迷わず早めの対処を夏の暑い日に帰宅した子どもがいつもよりぐったりとした様子だと、まっさきに熱中症を疑い、とても心配になるはず。熱中症が重症化すると怖いというのは周知の事実ですし、子どもが最も成長すると言われる夏に、熱中症で練習を休ませてしまう日が続いてしまうのは避けたいという気持ちもあるかもしれません。少しでも効果的なケアをしてあげたいと、まずは「熱中症かどうか」を見分けたいと思うかもしれませんが、三宅先生によると「こんな症状を訴えたら熱中症です」という明確な線引きは難しいと言います。また、「風邪気味」などのように「熱中症になりかけている」という状態であるかどうかも、はっきりとはわからないことがほとんどだそう。「夏にぐったりとしていたら、すべて『熱中症の可能性あり』と思って正解。熱中症も他の病気と同じく、『早期発見・早期治療』が最も有効なので、早めに対処できることが大切です」(三宅先生)つまり、子どもの様子が熱中症を疑うような状態だったら早めに対処してあげることが重要ということです。最新ニュースをLINEで配信中!■こんな状態だったら「熱中症の可能性あり」具体的には、ぐったりとしている子どもが以下にあげるような様子を見せているときは、熱中症を疑う状態と考えられます。・発熱している・体がほてっている・頭痛や下痢などの体調不良がある・食欲がなく、食べられない・ふらふらとしている・目つきがうつろ・顔色が悪い・元気がない・眠れずに寝不足状態になっているなど基本的には「いつもと違う」と、毎日接している親御さんが感じるならすでに「可能性あり」だと思っても良いかもしれません。日々見守ってあげている親御さんの目がとても頼りになります。猛暑や酷暑と言われる夏に、炎天下でサッカーをして帰ってくることを思うと、熱中症の時季は特に、しっかりと様子を観察してあげることがまずは大切だと言えます。■医療機関に連れて行く必要があるケースもなお、子どもが何も食べられず水すら飲めない、高熱を出している、だんだん意識が朦朧としてきたなどあまりにもぐったりとしていたら、迷わず受診しましょう、と三宅先生は言います。熱中症以外にも、食べられないことによって低血糖を引き起こしている可能性もあり、医療機関で専門家に早めに診てもらうべき状態とのこと。かかりつけの小児科や、時間が遅ければ夜間救急などへ早めに連れて行ってあげてください。小見出し)体が「暑さダメージ」を受けていると心得て三宅先生によると、「熱中症の可能性」を疑うときは、少なくとも「暑さダメージを受けている状態」であることは確かとのことです。そうであれば、暑さ対策をしっかりしてあげることが大切です。子どもがどんなに「大丈夫」と言っていても、水分をはじめとする栄養の摂取や部屋を涼しくするなどの基本的な対処はまっさきに行ってあげてください。サッカー少年少女の親の心得「サカイク10か条」■定期的な体重測定で体調管理を!短期間で減少したら注意子どもの体調チェックをしてあげる親御さんの「目」が、熱中症の『早期発見』につながることがわかりますね。親の直感はもちろん頼れる目安ではありますが、毎日子どもの様子を見守ることのほかにできることはあるでしょうか。三宅先生に伺いました。その答えは「体重測定」。人間の体の大半は水分なので、熱中症の時季に体重が減ってきているときは「体の水分が減っている=熱中症の疑いがある」という目安にもなるそうです。どんなに成長期でも数日で急激に身長が伸びて体重も増えるということはないので、短期間での体重が増減している場合は「体内の水分量」の影響が大きいからです。なお、体重測定は、毎日決まった時間に同じ状態で行うべきとのこと。例えば、朝起きてトイレに行った後すぐなど、体重計に乗る時間を決めてルーティンにしてあげてはいかがでしょうか。体重測定の習慣を続けた場合、そのデータが来年の夏にも役立つと三宅先生は言います。「去年はこれくらい減ったときに熱中症とみられる症状が出た」などの貴重な資料になるからだそうです。前編である今回は、熱中症かどうかの判断の目安についてご紹介しました。夏場のぐったり感は「熱中症の可能性あり」だと思ってお子さんの様子を見てあげてください。後編では、具体的にどんなことをするべきなのかを詳しくご紹介します。三宅康史(みやけやすふみ)帝京大学医学部救急医学講座教授/帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長、熱中症予防声かけプロジェクト実行委員長東京医科歯科大学卒業後、公立昭和病院脳神経外科・救急科(ICU)・外科医長、さいたま赤十字病院救命救急センター長・集中治療部長、昭和大学医学部救命救急センター長など歴任し、2016年帝京大学医学部救急医学教授・同附属病院救命救急センター長に着任。2017年からは同高度救命救急センター長を務める。熱中症予防声かけプロジェクトサッカー少年少女の親の心得「サカイク10か条」
2022年07月08日大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)は、感染症に関する情報発信サイト「+CiDER(プラスサイダー)」と、感染症に関する教育コンテンツ配信サイト「CiDER-EDU(サイダーエデュ)」の2つのサイトを公開しました。「+CiDER」URL 「CiDER-EDU」URL ●サイト概要◆「+CiDER」感染症情報をわかりやすく発信するサイトです。文理融合型総合拠点であることの強みを活かし、研究動向、ワクチン・治療薬等に関する医療情報に加えて、感染防御行動による社会経済や社会心理への影響、感染リスク分析や、数理モデルによるシミュレーションなど、感染症に関する多角的な情報を発信します。科学的エビデンスに基づいた信頼性の高い情報を動画コンテンツなどを用いて、幅広い世代の方々にわかりやすく伝えます。+CiDER(プラスサイダー)◆「CiDER-EDU」感染症に関する情報を幅広く動画形式で提供する教育コンテンツ配信プラットフォームです。感染症診療の最前線で活躍している医師らの手によるコンテンツであり、一般の方々から医療従事者まで、いつでも、どこでも、どなたでも、随時追加されるコンテンツを自由に受講できます。CiDER-EDU(サイダーエデュ)【概要】名称 : 大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)拠点長: 松浦 善治創設 : 2021年4月拠点HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月10日今回ご紹介するのは、「主婦が考えた 省スペース多機能まな板」です!まな板ってただでさえ場所を取りますし、いろいろな物がキッチンに出ている中で「あ!あれ切り忘れた!」というときに、まずはまな板のスペースを作って……とやっているととても億劫なんです……。しかしこの省スペースまな板は、そんな時でもササっと出して狭いスペースでも食材を切ることができ、とても重宝しています。省スペースの利用だけでなく、トマトなど水気でまな板が一発で汚れてしまうものや、ニンニクなどにおいが残りやすいものを別で切ったりするのにも最適です。そして多機能というところがまたポイント!ただ真っ直ぐなまな板ではなく、2辺が起き上がっており食材がまな板の外へこぼれ落ちないよう工夫されています。普通のまな板よりも小さいためこぼれ落ちやすそうなものですが、こういった細かい気遣いがより便利さを増してくれています。水切り用の穴や、フック等に引っ掛ける穴まで開いているのもかなりありがたいです。さすが多機能まな板!!これだけでもかなり便利だったのですが、ビッグサイズとロングサイズが出たことで、また便利さがグーンとアップ!もうちょっと大きめだったら野菜も選ばずに切れるなとか、ナスやキュウリ等の長い野菜も切れるなと思っていたのですが、この2つのサイズが出たことで、全ての要望をカバーできたのではと感じています。食洗機OK!抗菌!まさに最強のまな板が100円です!!あわせて読みたい🌈良すぎて二度見!ダイソー「折り畳めるコルクストレージBOX」
2022年03月25日ペットを飼っている人の中には、犬や猫を複数匹飼う『多頭飼い』をしている人もいることでしょう。多頭飼いをしていれば、主が外出で家を空けている時に、ペットが孤独を感じることはなく、一緒に遊ぶことで運動不足の解消にもなるなど、メリットがあります。しかし、それは仲よくなればの話。ノルウェージャンフォレストキャットのチャチャくんと暮らす、P子(@cha_cha_emon)さんは、多頭飼いをする前から、「無理かな…」と感じてしまう出来事があったといいます。ぬいぐるみを買っていったところ?P子さんが、ホワイトタイガーのぬいぐるみを購入した際のこと。ホワイトタイガーはチャチャくんと同じネコ科の動物で、ぬいぐるみということもあり、サイズ感もそう変わりません。自分と似た見た目をしたぬいぐるみを前に、チャチャくんがとった行動とは…。ヌイグルミを買ってきました。多頭飼いは無理かな… pic.twitter.com/4MIr4nAd3c — P子 (@cha_cha_emon) February 23, 2022 何度も猫パンチを繰り出すチャチャくん!容赦がありません…!しかし、その後はぬいぐるみをいたわるかのように、優しく近寄り匂いをかぐ様子も。もしかしたら、敵対心をむき出しにしているわけではなく、単に初めて見るぬいぐるみに好奇心があふれただけのようにも思えます。P子さんは、チャチャくんが普段さびしがっているのではないかと思い、ぬいぐるみを買ってあげたそうですが、少なくともまだ多頭飼いの必要はなさそうですね…![文・構成/grape編集部]
2022年02月24日フォロワー数約4000人のスリーコインズ店員である3coins_maikoさんがご紹介する、スリーコインズのおすすめアイテムをみなさんにお届け!1つで何役も担ってくれる優秀な多機能ぶりは、330円以上のクオリティかも♡(1)【スリコ】「多機能スライサー」出典: Instagram今回ご紹介するスリーコインズの「多機能スライサー」は、330円(税込)で販売されていて、その多機能ぶりにみなさんも驚くかも♪それでいてコンパクトに収納できるそうなので、キッチンの収納場所があまりない人にも嬉しいアイテムのようです。それでは、早速「多機能スライサー」を詳しくチェックしていきましょう!(2)シーンに合わせて使える5種類の刃出典: Instagram「多機能スライサー」のケースの中には、シーンに合わせて取り替えられる刃が5種類入っているそうです。大根やしょうがなどをすりおろせる「おろし」、サラダなどで活躍してくれる「細切り」や「太切り」、フルーツの果汁を絞れる「フルーツ絞り」、そして定番の「スライス」の5種類とのこと。(3)取り替え方は簡単です♪出典: Instagram刃の取り替えは簡単で、スライサーの真ん中部分を使いたい刃に入れ替えるだけなんだとか!それぞれの種類をひとつずつ買っていると収納場所の確保が大変で、その数だけお金もかかるかもしれません。この「多機能スライサー」なら、これひとつでそれを叶えてくれそう♪(4)安全ホルダー付きが嬉しい!出典: Instagram「安全ホルダー」が付いているとのことで、小さいものをスライスするときや、スライスする食材が残り少なくなってきたときにも安心ですね♪指を刃で切ってしまう心配もなく、安全に使うことができるかも。なにこれ優秀すぎ♡スライサーを買うならスリコで!出典: Instagram5種類のスライサーが1つで完結してくれるなんて、スライサーを買うならスリコで決まりな予感♪手に入れたいと考えている人は、売り切れてしまう前にスリコでGETしてくださいね。本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※こちらの記事では3coins_maikoさんの投稿をご紹介しております。記事内の情報は執筆時のものになります。価格変更や、販売終了の可能性もございますので、ご了承くださいませ。また、店舗ごとに在庫が異なるため、お立ち寄りの店舗へお問い合わせください。フォロワー数は12月8日時点のものです。"
2022年01月07日どう接したらいいのか分からない1~2歳のむっくんは言語発達や身体的な発達は一般的な目安通り進んでいましたが、歩くようになったころから多動が強くなり、じっとすることが難しくなりました。何かに興味を示したら、手を振り払って道路に飛び出そうとしたり、手が振り払えないように強く握っていると今度は自分の腕が抜けるまで引っ張ったり。いつも本気で追いかけていないと身の安全を守ることができませんでした。また偏食、入眠の難しさや、たびたびの激しい癇癪に途方に暮れることもありました。私は育児に疲弊しきって、1歳半健診で医師に相談しましたが元気な子だねと言われただけ…。2歳過ぎには当時住んでいた市の育児相談先にも相談しましたが、お子さんから離れる時間をつくりましょうというアドバイスのみ。このころは出かけることも億劫になり、自宅でひたすら子どもへの接し方をネット検索していたように思います。Upload By ウチノコ発達障害があるに違いないあるときふと思い立ち、困っている内容に『発達障害』というワードを組み合わせて検索してみました。すると次々とヒット!当時の私はむっくんに発達障害があるか否かには興味はなく、とにかく現在の困り感を緩和したい気持ちでいっぱいでした。ようやく求めていた情報に出合うことができて、未来が明るくなったような気持ちさえしたものです。Upload By ウチノコただ当時は夫の転勤で引っ越したばかり。慣れない土地で勇気を出した相談も「大丈夫」と言われてしまい、心が折れていました。再び第三者に相談する勇気が持てないまま、日々をなんとかやり過ごしていたように思います。そんな中、夫が3年間海外に行くことになり、私は子どもと共に実家に身を寄せることに決めました。住み慣れた土地に戻り、両親の助けが得られるようになったことから少しずつこわばっていた心もほどけていきました。Upload By ウチノコ集団生活の始まりやがて3歳になった息子は園での集団生活を始めます。すると、家庭以上に接し方の難しさが目立つようになりました。教室から脱走はしょっちゅうで、そもそも自分の席に座りつづけることが周囲の子どもたちのようにはできませんでした。製作などみんなと同じ活動を行うことを嫌い、自分の好きなように自由にふるまうことも多かったようです。癇癪も相変わらず起こしやすく、先生や周囲の子に手が出てしまうこともありました。Upload By ウチノコただ入園したことで、息子への関わり方の難しさを保育士さんと共有することができました。私はやっとむっくんのことを安心して第三者に相談できるようになったのです。保育士さんに相談するうちに発達障害がある子のための支援がいろいろとあることを知りました。支援体制を整えるためには専門の病院にかかり息子に必要な手立てをアドバイスしてもらうことが必要だと知り、3歳過ぎにやっと専門病院にかかることができたのです。診断の先にあったものその後、むっくんは自閉スペクトラム症(ASD)とADHDの診断を受けました。さらにむっくんは感覚過敏が強く、つらい思いをすることが多いだろうとの指摘を受け、今まで関わりが難しかった理由を私はやっと知ることができました。Upload By ウチノコむっくんのように理由の見えにくい癇癪や他害が目立ってしまうと、周囲から繰り返し叱責されるなどの「無理解による不適切な対応」を受けやすくなります。結果それが本人を苦しめることになり、ますます状況が悪化することもありえます。診断前は、私もたくさん「不適切な対応」をしていました。だけど、診断を受けて発達障害を学ぶことで、息子への「不適切な対応」を少しずつですが変えていくことができました。また、保育園では保育所等訪問支援などの専門家による支援を受けて、適切な対応の周知や環境改善を行っていき集団生活での状況も確実に変わっていきました。診断のおかげで、周囲の大人が知識を得て変わることができ、むっくんのつらさが和らいで状況が変わっていったのだと思います。今、悩んでいる方へ育児の悩みを人に相談することは、なかなか勇気が必要です。その上、多動があると子どもから目を離しにくいため落ち着いて相談する時間さえ取りにくかったり、他害は周囲の目が気になってしまい相談しにくいこともあります。私はなんとか相談したものの受け入れられず、結局孤立を選びました。だけど、孤立は人を必要以上に追い詰めます。追い詰められた中で状況を変えることはとても難しいです。だから、私は発達障害があるか否かを考えるよりも、まずは安心して相談できる場所や人を諦めずに探すことが大切な気がするのです。私が保育士さんに出会えたように、理解してくれる人は必ずどこかにいます。今、育児に悩んでいる方が安心して相談できる誰かと繋がっていることを私は願っています。執筆/ウチノコ(監修:鈴木先生より)本来はすべての自治体で専門的に相談できることが理想ですが、なかなか医療とのつながりがありません。診断することで「不適切な対応」が少しでも変えられれば、早期介入・診断が重要となります。本来なら1歳半や3歳児健診のようなメジャーな健診で専門医につなげる必要があるのですが、人脈などのパイプが担当医や担当保健師さんにないと「様子を見ましょう」という決まり文句で経過を見ないで終わっている現実があります。自治体で専門医による定期的な神経発達症の勉強会が行われていないことが問題なのです。
2021年12月16日危険が分かっていないわが子の行動にヒヤヒヤする日々…自閉症のある息子のPは激しい多動があるわけでもないのですが、目に入ってくる情報や刺激が人一倍強いので、気になる物が目に入った瞬間に、そこへ向かって突然走りだしてしまうようなことがよくありました。手をつないでいても振り払ってしまうし、一瞬でその場から走り去ってしまうので何度もヒヤリとした体験をしていました。Pは何の前ぶれもなく突然行動することがあるので、前もって危険を回避したくても予測が困難なことばかりでした。これまでに1番ヒヤッとしたのは、道路の向こう側に電車が走っていたのをPが目にした瞬間に、歩道から道路へ急に飛び出したときです。道路と歩道の境界にはガードレールがあったので私も少し油断をしてしまっていたのですが、たとえそばを歩いていたとしてもとっさには防ぎきれないことがあるかもしれないことを実感しました。Upload By みんそんなこともあり、3歳ころまではリュックに紐がついているタイプのハーネスを使っていたのですが、ハーネスをつけていると何となく周りの人の目が気になるなと感じていました。ハーネスを使っている私たちに「それ便利そうね!私が育児をしていたときにも使えば良かった」と言う人もいれば、「犬の散歩をしているみたいじゃない!自由に歩かせてあげられないの?」と言う人もいました。私も子どもを持つ前なら「ハーネスってそんなに必要なのかな?」と、ハーネスを使う親子を見かけたら不思議に思っていたかもしれません。でも自分が親になって初めて、ハーネスが怪我や事故の防止になり、周囲にも迷惑をかけずに済む場合があることを痛いほど理解できました…というより必要に迫られたのです。Upload By みんPにはなかなか指示が通らなかったし、手をつないでいても振り払い平気で走り去ってしまったり、自分では危険を認識できていなかったりなど、ハーネスがなければ防ぎきれなかったであろう場面がたくさんあり、実際ハーネスには何度も救われました。ハーネスは迷子になることを防止するためだけのものではなく、私にとってはどちらかというと子どもの「命綱」のようなイメージになっていました。そしてPが4歳になり身体が大きくなってくると、小さい子が使うようなリュックに紐付きのハーネスという見た目が少し気になり始めたので、次は手をつないだ上でさらに保険になるよう手首にもハーネスをつけるようにしました。でも5歳を過ぎてからは大分落ち着いて歩けるようにもなってきたので、ハーネスは交通量の多い場所や、海や川など危険な場所で限定的に使うようになりました。私たち親子にとってハーネスは安心してお出かけする為のお守りですUpload By みんこうして最初は人の目を気にしてしまっていた私は、いつからか「子どもを守るために必要だからハーネスを使っているんだ」と、人の目は気にせずに堂々と使えるようになりました。子ども用ハーネスに対する理解が少しでも増え、ハーネスが必要な親子が安心してお出かけできるようになると嬉しいなと思います。執筆/みん(監修:初川先生より)突発的な行動があるお子さんにとって、ハーネスは心強い味方ですね。確かに見た目から犬の散歩のように見え、心ない言葉をかける人もいるかもしれません。が、お子さんの安全を守れるのは行動を共にする保護者だけなのですよね。また、ハーネスの存在によって、必要以上に子どもにきつく叱ることもなくて済む面もあると思います。言葉で言って聞かせてもまだまだ自分で行動を制御するのが難しい年齢の場合は、上手にハーネスを使うことで危険と折り合いをつけつつ“自由に歩く経験”ができるのではないかと思います。
2021年10月25日ひたすら追い掛け回す日々むっくんの多動は歩き始めた生後10ヶ月ごろから始まったように記憶しています。何か気になるものが目に入ったら一直線! 私がついてきているかなんて確認もせず突っ走る。よく言えば好奇心旺盛な子ですが、車道への飛び出しやぶつかりなどの危険を回避するために神経をすり減らしながら「少しはじっとしてよ!」と怒っていたような記憶があります。いつも追いかけていないといけないため、誰かと子育ての会話もできませんでした。ときどき、ほかの子と自分の子を比較して落ち込むというエピソードも聞きますが、比較しようにもほかの子の様子を観察することもできず、幸か不幸かそういう落ち込みも感じられない。そんな幼児時代でした。Upload By ウチノコ身の安全が守れないむっくんは動きたいときに抱っこや手つなぎで行動を制されると癇癪を起こし、手を振り払って車道へ飛び出しそうになることもありました。当時は逃げられないように苦肉の策でこんな手のつなぎ方をしていました。Upload By ウチノコしかし、このつなぎ方にもデメリットがありました。それは、とっさに手が離せないため、子どもが腕を引っ張られすぎて肘に亜脱臼を起こし肘内障になってしまう可能性があること。むっくんはとても力の強い子な上、痛みの感覚が少し鈍いところがあるので、自分で怪我をしないよう加減することが難しく親側が加減を判断する必要がありました。Upload By ウチノコ手を離せば危険、手をつなげば肘内障で本当に困りました。肩は抜けにくいので上腕固定でつかまった宇宙人のように歩いたり…。2歳過ぎにはむっくんの安全を守る自信がなくなり、親子で家に引きこもりがちになりました。幸いむっくんは外出が好きではない子だったので、外に連れ出さない私はダメな親だと、私が自己バッシングしていたくらいでむっくんはご機嫌で過ごせていたことが幸いですね。Upload By ウチノコ今思う多動の理由当時は何故突然走り出してしまうのか、出先でじっとできないのかわからず。なんで私はこんな大変なんだろう?しんどいしんどい、つらいつらい。と思っていました。だけど今はその理由がわかるような気がしています。むっくんは8歳の今でもさまざまな刺激に対して不安を感じやすく、感覚過敏の強い子です。見るもの、触るもの、聞こえるもの、全てが初めての幼いころは今よりもっと過敏だったのだろうと思います。例えば初めて行った場所でよくわからない音が聞こえたら、不安になり確認したくなるのは当然です。見たことのないものがあれば、安全を確認することで安心できると思います。Upload By ウチノコ私はその刺激が何なのかを知っているから不安も感じないし、刺激に気づきもしません。だけど過敏なむっくんは小さな刺激にたくさん不安を感じて反応してしまい、それが「多動」という状態を招いていたのだと考えています。本当にしんどくて、つらかったのは私ではなくてむっくんだった…だから外出を好まなかったのだと今ならわかるのです。感覚過敏を知ってからむっくんは3歳のときに発達障害の診断を受けました。その後は発達障害を知り、感覚過敏を知り、私の接し方を変えることができたおかげで大変さはずいぶんと変わりました。私が接し方を学ぶ前の1歳半と、学んだあとの3歳児検診ではこんな変化も見られました。Upload By ウチノコUpload By ウチノコUpload By ウチノコもちろん年齢の違いはありますが、ああ、こういうことだったんだなと。この子はずっとただ調べたかった。ただ確認したかった。ただ安心したかっただけなんだなと、今はむっくんのことをそんな風に捉えています。無知だった自分への後悔当時の私は発達障害のことも感覚過敏のことも知識がなく、むっくんの世界を理解しようとしませんでした。自分のことばかり考えて、むっくんの行動を一方的に押さえつけました。当時の写真や映像には不安そうな顔のむっくんが写っていて、自分の無知が申し訳なくて情けなくて涙が出てきます。仕方なかった。だけどもし、むっくんの目線で世界を見る努力ができていれば・・・もっとほかにやりようがあったとも思うのです。むっくんの多動は6歳ごろに落ち着きました。いろいろなことを知り、知識で自分の行動をコントロールできるようになったのだと思います。そのころ手のつなぎ方を一般的なつなぎ方に戻しました。久々にすべての指でぎゅっと握ったむっくんの手は、大きくて分厚くてしみじみと成長を感じました。今もときどき必死で握りしめたあの小さな手を思い出して、もっと楽しめばよかったと寂しくも思うこともあります。だけど、今のむっくんは昔の自分の多動話を聞くとものすごく喜んでくれて、それがなんだか私の救いになっているのです。Upload By ウチノコ執筆/ウチノコ(監修:三木先生より)服装や手のロックなど、できることを一通り試す姿勢は素晴らしいですね。そういう不安や葛藤を自分たちで乗り越えてきたからこそ分かることもあると思います。こういう痛みをおぼえているからこそ、手が大きくなったことを実感する喜びもひとしおなのかもしれませんね。
2021年09月17日少しでもハラハラ要素を減らしたい!Upload By koto娘の癇癪や多動、危険行為が激しかった1~4歳前ごろ。例えば、ガラスを割ろうとしたり、玄関から外に出ようとしたり、家具に登ったり、テレビを叩いたり…。動き回り、次から次へと手を出すので、たとえ家の中でも気を抜くことは許されませんでした。それに加えて、謎のこだわりや強い要求など、感情を爆発させ続ける娘。あまりに泣き声や絶叫する声が大きくて長いので、通報されるのではないかとハラハラしながら過ごしていました。そんな中で、少しでも心が乱れる機会を減らすためにした、対策の数々。まず、食器はすべてプラスチックやメラミン、木製の物など割れにくい素材に替えました。大人が使う物もすべて割れない食器に。娘のコップは、マグを卒業してもずっとフタつきの物を使い、娘が不注意でコップを倒してもこぼれず、落としても割れる心配がない物にしました。パンクするかもしれないと思ってUpload By kotoまた、断捨離を行い、触って欲しくない物や危険な物を極力なくし、安全な玩具以外は置いていない、ガランとした家にしました。テレビ付近には人工芝を裏返したもの(踏むと痛いので近づかなくなる)を置き、ベビーゲートもあちこちに置いて、自分がトイレへ行くときなどは少し目を離しても大丈夫なように、できる限りの工夫をしていました。それでも、「最低限のことをするために少し目を離せるようになった」だけ。少しの休憩やリラックスするほどの時間は取れません。娘が寝ているときに、SNSで同じような思いをしている人の投稿を見つけたり、療育で知り合った人と励まし合ったりすることで少し気が紛れるようになったのですが、今思えば、当時は娘の感情にまっすぐに向き合い、すべて受け止めようとしていたように思います。それでは、母親といえどもキャパオーバーして当然です。夫は帰宅が夜になることも多く、私1人ではパンクしてしまう、そう思ったころから、理解ある友人に声を掛けて会ってもらったり、安全対策万全の療育園の園庭で遊ばせたりして、積極的に少し気を抜く時間をつくるようになりました。”耳でつながる”外の世界Upload By koto私が唯一、子どもの様子を見ながらできた気晴らしは、ワイヤレスイヤホンでラジオや音声配信を聴いたり、音楽を聴くことでした。子どもと2人きりの家の中でも、他人の声を聞いたり、好きな曲を聴きながら寝かしつけ等をすることで、少しリラックスした気分を味わうことができたのです。有線のイヤホンは、娘が気づくので使えませんでしたが、無線で片耳だけで聴けるイヤホンは、つけていることに気づかれにくく、もう片方の耳は娘の声や動きの音を拾えるので、安全かつ快適に気晴らしをすることができました。私が現在、ライブ配信や音声配信をさせてもらっているのも、自分自身がそういったことでかなり救われた部分があるからです。目を離せない、息抜きできない、手を離せない…。そんなときでも、耳は外の世界と繋がっている。コロナ禍で密室育児になりがちな方たちにも、オススメのリラックス方法です。執筆/koto(監修:井上先生より)kotoさんのお子さんのように、家の中で物を壊すなどの危険な行動をしてしまい、親御さんが1日中片づけてまわらなければいけないという悩みはよく聞きます。kotoさんが工夫されたように、被害を最小限にしたり、暴れていい場所を限定したりといった環境調整をすることが有効なのですが、インテリアを変えるなどの部屋の整理や断捨離は思い切りが必要になります。インターネットを通じて同じ立場の親御さんと支え合う、旦那さんなど周囲の応援を求める、自分自身の余暇を工夫してリラックスすることも大切です。この記事を参考に、できるところから始めてはいかがでしょうか。
2021年08月16日今年も暑い夏がやってきます。お子さんの熱中症対策は十分に行っていると思いますが、忘れてはいけないのが、大人の熱中症対策です。テレワークが続き、外に出る時間が減っている。ついついお酒を飲みすぎてしまう。仕事が忙しくて十分な睡眠時間が確保できないなど、大人ならではの事情が、熱中症に影響を及ぼすこともあるようです。そこで今回は「熱中症予防 声かけプロジェクト」実行委員であり、筑波大学体育系准教授の渡部厚一さんに「大人の熱中症対策」について、話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之)夏場の熱中症リスク、子どもより大人の方が高い?どんなことに気を付けたらいいのかを聞いた(写真はサカイクキャンプより)■「息苦しさ」を感じたら熱中症の症状かも「熱中症予防 声かけプロジェクト」は2011年に誕生したプロジェクトで、今年で10年目を迎えます。官民一体となり、声掛けを通じて熱中症を予防しようという取り組みです。Webサイトには熱中症対策も含めた情報が掲載されていて、一見の価値ありです。渡部さんは呼吸器内科医として医療活動にあたり、スポーツドクターとして、水泳を中心に選手のコンディショニングなどをサポートしています。「呼吸器内科医の観点から、熱中症の症状としてよく見られるのが、呼吸の乱れです。選手から『息苦しい』と相談され、診察すると、脱水症状が原因で呼吸が苦しくなっているケースがありました。サッカーであれば、夏場の試合終盤に過度に呼吸が苦しくなるのは、代謝が亢進しているうえに汗によって脱水が生じ、体から失われた水分や電解質がうまく補給できていないことが、原因のひとつとして考えられます」■普段汗をかきなれてない人は、高湿度の日も注意熱中症は急に気温や湿度が上昇するときになりやすいと言われています。気温が30度を越えたり、体感として暑い日は熱中症対策にも意識が向きやすいですが、渡部さんは「湿度の高さにも、目を向けたほうがいい」と教えてくれました。「近頃は『暑さ指数』なども発表されますが、気温だけではなく、湿度も関係します。いわゆる蒸し暑い日、熱気がまとわりつくような、モワッと暑い日は注意が必要です」普段の生活で汗をかきなれていない人は、熱中症対策に必要な「暑熱順化」ができていないことがあります。人間は汗をかき、気化熱を発生させることで体温を下げますが、汗腺が開いておらず、体の外へ汗が流れていかないと、体内の温度が上昇したまま、下がっていきません。それが熱中症の原因にもなります。「東京五輪のWebサイトに『暑熱順化には1~2週間かかります』と書いてあるように、少なくとも1週間程度前から、暑い環境に慣れておくことが必要です。それをせず、急に暑くなった日に長時間外に出て運動などをすると、熱中症になるリスクは高まります」■水分補給ではなく、失った汗の成分を補給する感覚で「熱中症予防として、必要なのは水分補給です。暑い中でサッカーの試合を見ていると、じっとしているだけでも汗が出ます。常に飲み物を携帯して、お子さんの試合中に給水タイムなどが設けられていると思いますので、それに合わせて電解質の含まれた飲み物を飲むと良いと思います。最低でも、ペットボトル1本は持っていってほしいです」さらに、こう続けます。「汗の成分には、塩分やミネラルが多く含まれています。そのため、水分に加えてそれらの要素も補給しましょう。水分補給ではなく、失った汗を補給する感覚がポイントです」熱中症には、だるさ、頭痛、嘔吐といった熱疲労の症状や、一過性意識消失といった熱失神の症状のほかに、大量の発汗による脱水時の不適切な補正により、電解質異常、特に低ナトリウム血症に起因する有痛性の筋痙攣(いわゆる熱痙攣)が起きることもあります。これらの予兆が出たら、要注意と言えるでしょう。■睡眠不足も熱中症の大敵熱中症予防の観点からは、サッカー観戦の場所にも意識を向けたいところです。「体の外から入ってくる熱を輻射熱(ふくしゃねつ)と言うのですが、コンクリートの上で観戦するのと、芝生など、熱を吸収してくれるものの近くで観戦するのとでは、熱の伝わり方が違います。なるべく自然の中で、熱を吸収してくれるものの近くで観ることをおすすめします」サッカー観戦時、長時間外にいるだけでも体力を消耗します。そのため、体調管理に意識を向けることも、熱中症予防の観点からは大切なことです。とくに大人は不規則な生活になりがちなので、生活習慣も含めて見直す、いい機会かもしれません。「肥満者は熱中症のリスクが高いので、とくに気をつけていただきたいと思います。体調管理という意味では、睡眠不足も大敵です。自律神経系が滞ってしまいます」■朝ごはんもしっかり食べよう朝食を食べずに外に出て、暑い中で長時間活動するのも避けたほうが良さそうです。「朝食を抜くと血糖値が低いままなので、体が疲れやすくなります。また、食事をしていないと、十分に水分を摂取できていないこともあるので、その観点からも食事は大切だと思います」熱中症予防としては、規則正しい生活をして、食事、水分をしっかりとり、観戦中は日陰で見ながら、こまめに電解質の含まれた飲料を飲む。そうすることで、熱中症のリスクを軽減することができそうです。あわせて暑さに慣れることも忘れず、たまには外に出てウォーキングやランニングなどをしてみてはいかがでしょうか。汗をかき慣れておくことも、暑さが本格化する前の時期に必要なことのようです。後編では「お酒」が熱中症に及ぼす影響や、高齢者の注意点などをうかがっていきます。渡部厚一(わたなべ・こういち)筑波大学体育系准教授筑波大学医学専門学群卒業後、筑波大学附属病院にて医師として勤務。筑波メディカルセンター病院や国立療養所晴嵐荘病院、国立病院機構茨城東病院を経て2012年より国立大学法人筑波大学 体育系に着任。筑波大学水泳部チームドクター。スポーツドクターとして世界水泳選手権大会日本代表水泳チーム(2007)、夏期オリンピック大会水泳チーム(2012)帯同。2011年より「熱中症予防声かけプロジェクト」の実行委員を務める。
2021年05月17日愛猫とのエピソードなど、日々の出来事を漫画に描きTwitterで紹介している、ぬら次郎(@nurajirou)さん。自身も3匹の猫と暮らしているため、多頭飼いを検討している飼い主から相談を受けることがあるそうです。ぬら次郎さんは、すでに先住猫が大きく成長している場合、2匹目を迎える時はきちんとお見合いをさせることをすすめています。その理由を分かりやすく描いた漫画に、反響が上がりました。猫同士を会わせる時に、想像してほしいことネコちゃんって数匹で飼うと超かわいい…猫同士を会わせる時多頭飼いする時はこのことを想像してみてね pic.twitter.com/EHg2BQGz3H — ぬら次郎@ねこパン日記!!3巻2/12発売!! (@nurajirou) May 13, 2021 飼い主からすると、成長したオス猫でもかわいらしい赤ちゃんのように感じるため、多頭飼いも大した問題ではないと感じてしまいがちです。しかし、猫を人間に例えて想像すると、見知らぬ中年男性同士がある日突然、同じ空間に暮らす状況になるのと同じ。猫たちの衝撃の大きさは計り知れないことが分かります…。投稿を見た人たちからも「納得した」といった声が寄せられていました。・オッサンの描写がリアルすぎてツボってしまった。お見合いの必要性に納得した。・うちも2匹目を考えていましたが、これを肝に銘じて慎重に検討します…!・めちゃくちゃ分かりやすくて参考になりました!猫たちが戸惑って過度にストレスを感じないよう、飼い主が前もって配慮する大切さを、改めて理解できますね。[文・構成/grape編集部]
2021年05月14日