■前回のあらすじ実母に気を使いながら娘の服の好みを電話で伝えようと苦心していると、いきなり娘がストレートに「ヒラヒラの服より木登りできるズボンがいい」とド直球に伝えてしまい…。 >>1話目を見る ■ママが思い込んでいただけ?あれだけママがなんて言おうか悩んでいたのに、自分の好みをあっさり伝えてしまった娘。そんな孫娘ちゃんの奇襲に、母は…!?孫のお願いをあっさり受け入れた母!そして実母の切り替わりの速さに驚きのママだったのですが…。自分の母は“こんな人”という思い込みがあったけど、話してみたらわかり合えた!「いろんな人がいて、いろんな個性があって、いろんな好きがある」そんな「好き」を大事にしていきたいと思いながらも、身近な人こそ「こう思っているんだろう」と決めつけてしまうことが起こりがち。でも、それって話してみなければわからないこともたくさんある。例えば「女だから・男だから」「若いから・年を重ねているから」「〇〇出身だから」そんな決めつけから解放されると、ずっと楽になることもあるのかもしれませんね。ママは、これからさらに楽しく子育てがしていけそう!
2021年07月03日■前回のあらすじママが想像する実母の考えは、もしかしたら思い込みなのかも…と話すパンダ。そして「ヒラヒラの服は好きじゃない」と自分の好きなものを自分で選べる娘ちゃんの想いをママは…。 >>1話目を見る ■どう言ったらママの気持ちをわかってもらえる?実母から届いた娘のためのヒラヒラの洋服。でもほとんど着ていない、もらった服に対してママも思うことがあって…。娘ちゃんの「虫推し」の話が続く中、まごまごするママ…。そのとき、まさかの奇襲が…!娘ちゃんの早技!さてどうなる!→次回に続く!
2021年07月03日■前回のあらすじお母さんの示した「良いお嫁さん」の選択に進んで後悔はないけれど、でも「人生の選択肢は狭めたかも」と考えるママは…。 >>1話目を見る ■子どもには「好き」を大事にしてあげたいけど…自分の経験から、ママが子育てで意識していることとは…。みんなが思い浮かべるパンダの色は「白黒」。それってもしかしたら思い込み?白とピンクのパンダの意見を聞いたママは…。娘ちゃんの好きのパワーが溢れてる~!「好き」と「好きじゃない」をハッキリわかっている娘ちゃん。そんな娘の気持ちをママは自分の母に気持ちを伝えられるの…?→次回に続く!
2021年07月02日■前回のあらすじ虫捕りが大好きな娘宛に実母が送ってくるのは女の子らしい服。嬉しいけれど娘は着なくて…。■「女の子だから」と言って育てられたママは…パンダと一緒に実母から送られた服を眺める母娘。でもママは困り果てていて…。自分が母にしてもらった子育て振り返るママ。「女の子だから」と育てられたママの想いは…?今は幸せ! だけど、人生の選択肢が少なかったかも…と思うママ。そんなママが娘に対して大切にしていることとは…?→次回に続く!
2021年07月02日ピンクのパンダが親子を救う…かもしれない。今回は、ある母親と娘、そして祖母のお話です。■実母から届けられる荷物が悩みの種…ヒラヒラの服が届いた!それに対して娘は…。パンダが登場!さてどうなる?→次回に続く!(全5回)
2021年07月02日世界各国で、セクシュアルマイノリティ(通称:LGBTs)など、いろいろなマイノリティに対する考え方は徐々に変わってきています。「人権や多様性を尊重する」というのは、一見当たり前のように感じるもの。しかし根深い差別意識や偏見によって、なかなか社会に認められないのが現状です。2021年5月24日、自民党はLGBTsへの理解を促進するための法案について審査を行いました。議論では肯定的な声も多い中、「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTsは背いている」という意見も。懸念について国会で議論することを条件に、法案は了解されました。日本の『多様性への理解』に有働由美子アナがズバリ同日に放送された情報番組『news zero』(日本テレビ系)では、今回の審査について特集。そこで、1本の動画を紹介しました。映っているのは、2013年にニュージーランドで行われた、同性婚を認める法案審議での議員の発言。議員は「私たちがやろうとしているのは、愛し合う2人の結婚を認めることだけ」「この法案は関係のある人には素晴らしいもので、関係のない人は今まで通りの人生が続くだけだ」と、同性婚に肯定的な意見を述べました。このスピーチは以前からネットで何度も話題になっており、多くの人から議員の言葉を称賛する声が上がっています。番組のメインキャスターである有働由美子アナウンサーは「まさにこの言葉に尽きるんじゃないかと思う」とスピーチに共感。続いて、解説の小野高弘さんはこのようにコメントしました。今自民党の会合で話し合っているのは、『差別禁止』よりもっと手前の段階ですよね。「理解を促進しましょう」っていう、そういう法案についてなんです。もう、それですら揉めてきたわけですよね。news zeroーより引用紹介したスピーチは8年前のものであり、性的指向に対する差別を禁ずる国が多数存在する現状。小野さんの言葉を受け、有働アナは最後にこのような言葉でコーナーを締めくくりました。まあ、この段階の議論で揉めている日本で、あと2か月で多様性を掲げたオリンピック、パラリンピックが開催されます。news zeroーより引用東京五輪はコンセプトの1つとして『多様性と調和』を掲げています。「LGBTsへの理解を促進する」という段階で議論をしている日本への皮肉ともいえる有働アナの言葉は、ネットでまたたく間に話題になりました。・最後にさらっとキレキレなブラックユーモアをいう感じがかっこいい。・リアルタイムで番組を見ていて、このひと言で「おお!」ってなった。・本当に、かなり遅れた段階で揉め続けてるんだよね…と思うと悲しい。人はいろいろな性質を持って生まれてきます。異なる人生を歩む人が幸せになったからといって、自分の幸せや権利が妨害されるわけではありません。多様性を認めるということは、1人でも多くの人が幸せになれる社会につながるのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2021年05月28日発達障害がある人の「働く」を描いたコミックエッセイーー『発達障害で問題児でも働けるのはワケがある!』漫画家かなしろにゃんこ。さんの新刊『発達障害で問題児でも働けるのはワケがある!』は、ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太さんが就職し、働き始めるまでを描いた作品です。小さなころからのりものが好きだったリュウ太さん。中学校卒業後は、自動車整備士の国家資格取得を目指して専修学校で学びます。現在は社会人として働くリュウ太さんですが、振り返ってみると、アルバイトや家庭でのお手伝いなど、社会人になる以前から「働く」ことの土台を積み上げてきていたのです。それぞれの経験を通して学んだことが、社会人生活にも活きているようです。全9話の体験談コミックに加え、各章末にはキャリアアドバイザー・石井京子さんの解説もついており、プロの視点からも働くことについて考えることができます。将来お子さんが「働く」ことを見据えて、どのような関わりをしていけるとよいか、ヒントが詰まった一冊です。感じ方や考え方は違っていい!「脳の多様性」に注目した『ニューロダイバーシティの教科書』「ニューロダイバーシティ」とは、neuro(脳・神経)とdiversity(多様性)をつないだ合成語で、「脳や神経、それに由来する個人レベルでのさまざまな特性の違いを多様性と捉えて尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方を含む言葉です。例えば本書の中では、自閉スペクトラム症の人の特性について、ニューロダイバーシティの視点から捉え直しています。また、生活の中で身近な「教育」「職場」「家庭」などにおいても、ニューロダイバーシティの視点で考え、よりその人の特性にあった環境を提供する必要性があることについても解説されています。その人の内側に存在する特性を正確に理解し、多様性に柔軟な環境づくりをしていくために必要な「ニューロダイバーシティ」の視点は、支援や教育に携わる人はもちろん、発達障害の当事者や家族も知っておきたいもの。本書を入門書として、手にとってみてはいかがでしょうか。学校や家庭で実践できるーー「ソーシャルスキルトレーニングの考え方とコツ」本書の著者は、星槎大学共生科学部の教授で特別支援教育・心理学を研究する西永堅さん。この本では、「発達障害の子どもの特徴」や「必要なスキル」などを紹介したうえで、学校や家庭などで実践できるソーシャルスキルトレーニングの考え方とコツをまとめています。ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、「あいさつをする」など、対人関係などで必要なスキルを身につける練習を指し、発達障害がある子どもたちへの効果的な支援方法です。本書はレイアウトも工夫されており、1項目見開き2ページで統一されています。ポイントが理解しやすく、支援者や保護者の方の最初の1冊にぴったりの入門書となっています。ぜひ手に取ってみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月09日© Courtesy of Burberry _ Rafael Pavarottiバーバリーは、コミュニティ、クリエイティビティ、そして未来への声を称え、新しいキャンペーンを発表いたしました。今回のキャンペーンではファッション、ダンスそしてスポーツが融合した、ダイナミックで多様かつ自由な世界観が一体となった「バーバリー・ユニバース」を表現しています。「今回のキャンペーンは、前を向き未来を見据えることをコンセプトとしています。若いエネルギーにインスパイアされ、異なる才能を持つ人々が一体となり、世界が一つになる様を描きました。情熱、コミットメントそして愛を通して一つになり、若い人々の夢を称え、前進していくことをキャンペーンで表現しています。またこのたび、バーバリーがイングランド代表のサッカー選手であり若き活動家であるマーカス・ラッシュフォードとパートナーシップを組み、世界中の若者をサポートできることを光栄に思っています。その取り組みをベースに、このキャンペーンでは真の自由、そして未来を切り拓いていくことを表現したかったのです。限界や可能性を押し広げるためには、大胆不敵なスピリットや想像力が必要です。それが正にバーバリーの精神なのです」リカルド・ティッシ、バーバリー チーフ・クリエイティブ・オフィサー© Courtesy of Burberry _ Rafael Pavarotti© Courtesy of Burberry _ Rafael Pavarottiキャンペーンのフィルムは、クリエイティブ集団であるMegaforceとのコラボレーションで制作されました。ディレクターのKatelin Arizmendi、(LA)HORDEによる振り付けによって、4人のダンサーがイギリスの美しい景色を背景に、都市から海へと誘っていきます。また本編とともに、ビハインド・ザ・シーンでも、若きダンサーである、Kevin Bago、Robinson Cassarino、 Chantel Foo そして Zhané Samuelsがそれぞれのキャラクター、パーソナリティ、希望と夢を表現しています。スチールの撮影はRafael Pavarotti、スタイリングはIbrahim Kamaraが担当し、スポーツとファッションそしてダンスをフュージョンしたフィルムを反映させています。ファッションのキャンペーンとしては初となるマーカス・ラッシュフォードとともに、モデルとダンサーたちを見事にとらえています。キャンペーンでは、バーバリーのアイコニックなアウターウエアや トレンチコートを含むシグネチャーハウスコード、ダイヤモンドキルトのバーンジャケット、リサイクルナイロン製のフーデッドパッファージャケットをフィーチャーしています。アクセサリーには、アーカイブにインスパイアされたキャンバスにトップステッチが施されたレザーディテールのポケットバッグが着用されています。© Courtesy of Burberry _ Rafael Pavarottiまたバーバリーはこのキャンペーンの一環で、世界中の若者の未来をサポートするチャリティ団体の支援をしています。バーバリーが地域を支援するという利他主義的な発想は、ブランドの創業者であるトーマス・バーバリーより根づかれたものです。トーマス・バーバリーは21歳にしてバーバリーを設立し、その成功を社会への貢献という形で生涯を通して捧げてきました。本キャンペーンを通して、より良い未来のため地域のコミュニティをサポートすることがバーバリーにとって重要であることを伝えています。バーバリーとマーカス・ラッシュフォードとのパートナーシップに関してバーバリー公式サイトBurberry.comLINE @burberry_jpInstagram @BurberryTwitter @Burberry_JapanFacebook @BurberryJP企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年11月11日前回 からのあらすじ(全3回)親友に「男の子らしくと子どもに言うのは親の押し付けだ」と言われたけれど、夫は根っからの体育会系ノリで…。「男の子なんだから泣いちゃダメ」「女の子なんだから料理ぐらいできないと…」こんな言葉を、何気なく日々使っていた私。そのことに最近まで疑問も持っていなかったのですが、友人の「らしさよりも個性を大事にした方がいい」の言葉で、これまで持っていた思い込みから少しずつ脱却し始めていました。しかし「男らしくありたい」と考える夫には言い出せずにいて…。そんなある日 夫が珍しく早く帰ってきたので一緒に夕食を食べていると…。親が思い込みをなかなか脱却できなかったのとは違い、息子はすでに性差で型にはめようとする違和感からいち早く抜け出していたのです。この食卓での会話をキッカケに 夫婦でも「男らしさ」と「女らしさ」について考え直すことができました 改めてテルキが何をやりたいのか家族で話し合った末に…。私も夫もすぐには変われないけれど…。よくテレビでも言われている「多様性」について身近に考える良い機会になりました。子どもたちには、自分の個性を大事にして欲しいと思っていました。でも、無意識に古い価値観を押し付けてしまっていたことに気がつけて良かったと思っています。※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・高尾/作画・マスハタ
2020年10月31日前回 からのあらすじ(全3回)競争心がなく穏やかな息子。男の子らしくなってほしいと思っていたのだが…そんなある日、高校時代からの親友で、大きな企業でプロジェクトを率いるほど活躍するマコと会う機会がありました。マコのような活躍できる人に子どもたちもなってほしくて、息子のテルキのことを相談したところ…。どうやったらテルキが強くたくましくなるかを相談したはずが、マコから出た言葉は思ってもみなかった内容でした。マコの話を聞いているうちに、「『女の子らしい』『男の子らしい』って何だろう?」と思い始めていました。親友のマコは女性だけれど、バリバリ仕事して、その姿は素直にカッコいいと思えます。「女性なんだから、そんなに仕事しなくても…」とは思わないのに、どうして息子にはそんな風に思ってしまったのか。私があまり考えもせずに言っていた「男の子らしく、女の子らしく」は、子どもたちを傷つけていたのかも…そう思いながら帰路につくと…。これまでは夫と同じように男は強くたくましくという考えを持ってきた私。マコの言葉で、私たち夫婦は子どもたちの可能性を狭めているかもしれないことに気が付きました。しかし夫は根っからの体育会系で「昭和の男らしさ」を信条に掲げるようなタイプ。さて、夫にどうやって理解してもらえばいいのか…。次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・高尾/作画・マスハタ
2020年10月30日私の名前はアスカ 37歳の専業主婦です 11歳の息子と9歳の娘がひとりずついて 夫は大手銀行に勤める会社員です。夫のリキヤは、体育会系で、「男は男らしく! 女は女らしく!」という昔ながらの価値観を持っています。私も、わかりやすく男らしい人が好きだったため、何も疑問を持たずに結婚しました。息子はあまり運動が得意ではなく、また「負けないぞ!」といった闘争心もあまりありません。夫の強い要望もあってサッカーチームに入れたのですが、あまり試合には絡めず、かといってボールを取られても悔しさを爆発させることもありません。そんな夫とは異なる息子に、私は少しヤキモキすることもありました。ママ友にも「テルキ君は優しい」「穏やかだね」と言われると、遠回しに「弱い男の子」と言われている気がしてしまい…。コーチに怒られると、泣いてしまう息子。競争が嫌いな優しい性格のテルキを好ましく思いながらも、「このままで大丈夫かな」と心配もしてきました。娘と一緒にクッキーを焼いていると…。私はお菓子作りが趣味で、よく子どもたちとクッキーなどを焼くのですが、娘を褒めていると、そこには不服そうな顔をした息子が立っていました…。次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・高尾/作画・マスハタ
2020年10月29日LGBT、障害、多文化。違いを認め合うコミュニケーションを実現するために、本当に大切なことは、意外にもシンプルでした。そんな“多様性コミュニケーション”を学ぶことのできる本をセレクトしました!少しの知識と関心を持つことが多様な社会でつながる極意。ダイバーシティ社会に対するビジョンを提案する電通ダイバーシティ・ラボの伊藤義博さんが紹介してくれた3冊を読むと、さまざまな指向、困難、バックグラウンドを持つ人の存在を知れる。しかし、いかに多様な人々がこの世界に生きているのかを知れば知るほど、コミュニケーションの難しさも感じてしまう。「『つながりの作法』には、障害者同士であってもすべてをわかり合うことの限界が書かれています。かといって、“わからない”“難しい”で終わらせるのではなく、読書で最低限の基礎知識を得ておくことは、各領域で共通して重要です。また『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』では、多様性はいいことかと息子から聞かれた著者が“多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う”と答えます。多様性について、核心をついた回答です」『総務部長はトランスジェンダー』で扱うジェンダーを含むダイバーシティには、肌の色など表層のダイバーシティと、見えない深層のダイバーシティがあるそう。「はるかに多い深層に対して、どれだけ想像力を働かせられるかが、コミュニケーションのスタート。その上で、僕が多様な人たちと話す時は、“トランスジェンダーはこう”といった先入観を捨てようと意識しています。誰でも“こういう人”と決めつけられたら気分が悪いですよね。自分が嫌なことを人にしないといったシンプルなことが、多様な社会では、さらに大切になってくると思います」多文化『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ多文化社会で生きる母子のノンフィクション。日本人の母とアイルランド人の父を持ち、ロンドンの中学校に通う息子の成長記録。多文化社会であっても偏見がある中で、自らのアイデンティティを見つけていく。新潮社1350円障害『つながりの作法同じでもなく違うでもなく』綾屋紗月、熊谷晋一郎障害当事者が他者とつながる困難を深く考察。アスペルガー症候群と脳性まひ。障害当事者で、東大先端科学技術研究センターの准教授と研究支援員である二人が、他者や世界とつながるのに必要なことを提言する。生活人新書700円LGBT『総務部長はトランスジェンダー父として、女として』岡部 鈴女性として生きることを選択した妻子持ちの実話。家庭ある広告代理店の総務部長が、50歳を前に、葛藤しながらも女性として生きることを決意。カミングアウト後、妻や子ども、同僚らは、さまざまな反応を示す。文藝春秋1600円押さえておきたい“多様性”ワードを伊藤義博さんが解説!LGBTレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの英語の頭文字からとったセクシュアル・マイノリティの総称のひとつ。電通ダイバーシティ・ラボの’18年の調査では、11人に1人がLGBT層という結果が出た。その4つに当てはまらない人もいるため、性自認や性的指向を定めないQ(クエスチョニング)、身体の性別を断定しにくいI(インターセックス)、恋愛感情や性的欲求を抱かないA(アセクシュアル)を含め、「LGBTQIA+」と表記されることも増えてきた。ポリティカル・コレクトネス性別、人種、民族、宗教などに基づく差別や偏見をなくし、政治的・社会的に、中立的な表現を用いること。政治的公正、政治的妥当性などと訳される。日本では以前、男性を看護士、女性を看護婦と区別していたが、看護師と統一され定着したのがその一例。欧米を中心に少数派への配慮として広がっていったが、最近では行きすぎという意見もある。伊藤さんは「あくまで個人的な意見ですが、単に言葉を言い換えればそれでいいという考えになってしまうと危険」と指摘する。社会モデルと個人モデル障害のある方を傷つけるという理由から、障害を「障がい」と表記する動きがあったが、障害の“社会モデル”という概念が浸透しつつある。これは、たとえば、車椅子の人が階段を上れないという困難に直面するのは、階段以外の代替手段がないという環境に原因があり、社会がその人の移動に障害を与えていると捉える。対して、“個人モデル”はその人の足に障害があるとする、これまでの考え方。障害者とは、社会にある障害に向き合う人であり、社会から障害を取り除いていくべきなのだ。伊藤義博さん電通ダイバーシティ・ラボ代表。設立準備から携わる電通ダイバーシティ・ラボ(DDL)にて、ダイバーシティを社会や企業に根づかせる活動を行う。ユニバーサルフォント「みんなの文字」などを開発。※『anan』2020年6月3日号より。写真・大内香織取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2020年06月01日筆者は、ライターとして教育記事を手掛けることが多いのですが、とりわけ特別支援教育に関心があります。なぜなら、私には広汎性発達障害の診断を受けた息子がいるからです。彼は、小学校の低学年の時に支援学級(通級)に通い、適切な特別支援を受けることができました。そのおかげで、今は通常学級のみの在籍で楽しそうに学校に通ってます。》 「「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら」 発達障害の子、LGBTQの子、外国にルーツのある子など、教室のなかには多様な子どもたちがいます。それぞれの子のニーズに合った支援の必要性が、ようやく認知されるようになってきました。そういう意味で、最近の教育現場では、「多様性」がキーワードのひとつになっています。【LGBTQとは】L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)、T(トランスジェンダー)。そして「Q」はQuestioning(自分の性別がわからない、もしくは意図的に決めていない人)、Queer(セクシュアルマイノリティの総称、枠組みに囚われない人)として使われています。■クラスの中にLGBTQの子どもたちはいる筆者は、ある教育雑誌の記事に「13人に1人がLGBT。この数字は日本の左利きの人口とほぼ一緒です」というフレーズを書きました。割合から推測すれば、LGBTQの子どもたちはクラスに2~3人はいるのかもしれません。そんな子どもたちが安心して過ごすために、大人ができることは? パナソニックセンター東京で行われた、教育関係者を中心とした『LGBTQ』のワークショップに参加してきました。私が参加したワークショップグループのメンバーは、「養護教諭」、「ユニバーサルデザインに関心がある建築家」、「企業のダイバーシティ推進室所属の会社員」、「当事者の発信者」、そして教育ライターの私の5人です。さまざまな立場の人が、それぞれの立脚点から、このトピックに関心を寄せていることがわかります。質問に対して、グループのみんなで話し合い、その後、登壇者の方たちも、同じ質問に回答をするという形式で進められました。 ■LGBTQの子どもたちの苦しみとは最初の質問は、「映画を見た感想を語り合いましょう」。オーストラリアの映像作品でトランスジェンダーの少女(出生時男性→女性)が主人公の映画『新入生』(原題:First Day)を見たあと、グループに分かれてワークショップを行いました。【映画『新入生』とは…】トランスジェンダーの少女ハナーは小学生の時、男の子として過ごしていました。進学は本当の自分になるチャンスです。ところが、入学初日が近づくにつれて、ハナーは不安になっていきます。トランスジェンダーだということが他の生徒に知られてしまったらどうしよう?登壇したそれぞれの方の「背景」が垣間見えたので、それを含めてご紹介します。小林 りょう子(こばやし りょうこ)さん子どもからカミングアウトを受け、性的マイノリティの子の親として、LGBT当事者や家族の支援活動を行っている。小林さんの38歳になる息子さんは、出生時の性は女性でした。小林さんが映画の中で最もグッときたのは、ハナーちゃんが制服を着た時の表情だったそうです。息子さんに、「男性の制服を着せてあげたかった」と、涙ぐんでいらっしゃったのが印象に残りました。浅沼 智也(あさぬま ともや)さんトランス男性(出生時女性→男性)。看護師。LGBTQであり、精神疾患や発達障害、依存症などの複合的な問題を抱える当事者のぴあサポートをしている団体カラフル@はーと代表。浅沼さんは、「自分は何も悪いことをしていないのに、トランスジェンダーということは隠し通さなければいけないと感じてしまう、その苦しさを思い出した」と。浦田 幸奈(うらた ゆきな)さんトランス女性(出生時男性→女性)。 愛知県の中学校教諭。2017年、学級・学年・職員に性同一性障害をカミングアウト。2018年度より女性名・女性の装いで教壇に立つ。特定非営利活動法人ASTA所属。浦田さんは、映画の中での、いわゆる「誰でもトイレ」の話に言及。「『男子トイレ(たくさん)』『誰でもトイレ(ひとつ)』『「女子トイレ(たくさん)』。 この『たくさん・ひとつ・たくさん』とあった時の、『ひとつ』を使うということは、隅に追いやられている感じがして、思った以上に孤独感を味わう」と。「映画の中では、ハナーの事情を知らない同級生が、『今度私もそこに行きたい!』言うのですが、その発言に歩み寄るというか寄り添う感じがした」とも。知花 梨花(ちばな りか)さんトランス女性(出生時男性→女性)。ジェンダークリニックで看護師をしながら女優として活動。ジェンダークリニックで性に違和感を抱える方のケアをされている実感として、「性別を移行するということは、世間体、家族、会社などとの関係性もあり、長い時間を要します。現実として、『女性ホルモン(男性ホルモン)を打てれば幸せなんです』と、外見の見た目は変わらないという人も多いです」と。■「無知」が多様な性を阻害している次の質問は、「多様な性を阻害しているものは、何だと思いますか?」。私たちのグループから出た意見は、「無知」「世間体」「旧態依然とした制度」の3つでした。登壇者の方からの意見も大別すれば、この3つのどれかに含まるのでは? と、感じました。小林さんからは、「無知である」ということを象徴する具体的なエピソードとして、「文部科学省から2016年4月1日に教員向けの手引書が出されているのに、現場の先生に浸透していない」という問題が指摘されました。手引書は、ネットで誰でも見ることができるので、ぜひご覧ください。教育現場のLGBTQの子どもたちへの対応については、情報インフラがまったく整っていないと感じます。私が取材を通じて遭遇した教育現場の現実をいくつかご紹介しましょう。■共生社会をつくるには「多様性を目指す教員の会」の勉強会に参加したときのこと。多様な性に関する教育現場などでの発信をされている中島潤(なかじまじゅん)さんのお名刺に、「生まれた命が、生き抜ける社会を」と印刷されていました。中島さんは、「今年から、この文言を印刷しました」とおっしゃっていました。どんな現実があるのか、ぜひ今後、ウーマンエキサイトでもご紹介していきたいと考えています。▼性を揶揄する言葉が教室内で使われている当事者の子どもたちは、性を揶揄(やゆ)する言葉で傷つくことが多々あるそうです。そうした言動を、先生方が見て見ぬふりをしているというのは、LGBTQの子どもたちや保護者の集まりで必ず話題になる事柄だそうです。▼性に対しての配慮と合理的配慮の混同LGBTQの子への配慮が合理的配慮と混同され、診断書の提出を求められることが多いことも教育現場の混乱のひとつでしょう。合理的配慮を受ける場合は、たしかに診断書が必要です。ただ、性に対しての配慮は、合理的配慮とは別物です。たとえば、「名前シールで、赤・青といった性別二元論ではない対応をして欲しい」というのは、けっしして「わがまま」という範疇の話ではないのです。■すべての子がありのままの自分でいられるためにこうした教育現場の現実を踏まえ、最後の質問に突入します。「すべての子どもがありのままの自分でいられる社会を実現するために必要なことは?」私たちのグループから出た意見は「まずは、知ることなのでは?」ということでした。私は今年に入ってから多様な性に関する記事を書くようになりましたが、正直なところ、いまだ「手探りで書いている」という状態です。2019年現在、多様な性を知るための情報が、圧倒的に少なすぎる…。浦田さんは、「知ることで、できることが見えてくる。多様性を知ることを楽しみつつ、その人たちが笑顔になるために自分ができることを考える人が増えたらうれしい」と、おっしゃっていました。ワークショップのチラシには、「目に見える違い、見えない違い、それぞれの人が『人と人との違い』にさまざまな思いを持ちながら過ごしています」と、書いてありました。「知らないこと」に対しては、誰だって身構えてしまいます。そんな自分を、「だから悪いんだ」と思うのではなく、「何に対して自分は身構えているのだろう?」 そういったことから、ゆっくりと自分と対話を始めてみようと思いました。知花さんが、「今日感じたことを、まずは、みなさんの言葉で伝えて、広げていって欲しい」と、おっしゃっていました。私が感じたことの何かひとつでも、皆さんの心に届くとうれしいです。<参考サイト>●文部科学省: 「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、 児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」 (教職員向け)[pdf]●多様性を目指す教員の会: 公式HP DIVERSITY&INCLUSIONイベント第6弾『LGBTQ』~すべての子どもがありのままの自分でいられる社会を目指して~
2019年12月01日「乳がんは初期に治療できれば治せる病気です。しかし、進行してしまうとがん細胞が多様化したり、薬剤耐性などの問題が起こったりする可能性が高まります。検診を受けることと、乳房に変化を感じたらすぐに病院を受診することが大切です」そう早期検診の重要性を力説するのは、静岡県立静岡がんセンターの西村誠一郎乳腺外科部長。美智子さまの乳がん手術の治療方針を決定する会議・キャンサーボードに参加した医師の一人だ。8月、美智子さまの左胸に乳がんが見つかったと宮内庁が発表し、日本中に衝撃が走った。しかし、幸いなことに腫瘍はステージIの早期乳がんだった。美智子さまも「早い段階で見つけていただき、ありがたい」と話されていた。「9月8日に摘出手術を受けられた美智子さまですが、術後の経過は良好だそうです。がんは完全に切除され、再発リスクは非常に低いという診断でした。現時点では放射線治療を行う必要性はないと判断され、現在はホルモン治療を継続されています」(皇室担当記者)手術が行われたのは東大病院だったが、乳がん発見から手術まで大きな役割を果たしたのは、静岡県立静岡がんセンターの医師たちだった。執刀医の1人だった高橋かおる乳腺センター長は、’07年に宮内庁から依頼を受け、毎年乳がん検診を担当してきた。美智子さまが乳房超音波検査を受け、MRI検査でも乳がんの疑いありと診断されたのは今年7月。そして「針生検」と呼ばれる精密検査を担当したのは植松孝悦医師だった。本誌は植松医師と前出の西村医師に、乳がん“早期発見の極意”を聞いたーー。植松医師はマンモグラフィー(乳房のX線写真)などの乳房画像診断と乳腺インターベンション(超音波などで確認しながらの針生検)の両方が専門。静岡がんセンターにしかない乳腺画像診断科の部長を務める。「画像診断で病変が見つかっても、実際には乳がんではないという場合がかなり多いのです。そこで、発見した病変が乳がんなのか一部を採取して判別し、どのような治療法が有効なのかも決めるために行うのが針生検です。超音波でリアルタイムに病変の位置を確認しながら直接、針を刺して組織を取ります。小さい病変であっても正確に診断できます。慣れた医師であれば10分もかかりません。患者さんの負担も小さい検査です」(植松医師)植松医師の針生検と、東大病院の病理診断、静岡がんセンターの病理検査により、美智子さまの腫瘍は乳がんと診断された。続いて、この検査結果をもとに静岡がんセンターキャンサーボードが開催され、治療内容が検討された。西村医師にキャンサーボードの役割を聞いた。「医師が独りよがりの治療をすることを避けるため、多職種を集めたチームで多角的な視点から治療の方針を決定します。患者さんがどんな生活を望んでいるのか、抗がん剤の使用を望んでいるのか、さらには年齢や収入などさまざまな要素から検討します」ただ、治療法の決定は最終的には患者自身に任せられる。西村医師は、その判断にあたって注意してほしいことがあるという。「たとえば乳がん患者によるブログには、乳がん当事者の心の隙間を埋める言葉がいくつも掲載されています。それらに共感するあまり、ブログの執筆者と自分の状態が違うのに部分手術にこだわったり、医学的根拠がない民間療法に頼ったりする方も少なくありません。ただ、ほかの乳がん患者の経験を実際に聞くことは有益です。体験者から具体的な話を聞くことができる患者会をおすすめします」乳がん検診といえば、近年普及したのがマンモグラフィー検査だ。だが、この検査も決して万能ではないという。「乳がん検診は“対策型検診”と自主的な“任意型検診”に分けることができます。対策型検診は市区町村が実施している、40歳以上の女性を対象とした2年に1度のマンモグラフィー検査です。検診マンモグラフィーによる死亡率の減少という利益は証明されています。しかし、乳がんがあるのに発見できない“偽陰性”や乳がんでないのに要精査となる“偽陽性”など、検診マンモグラフィーによる不利益もあります。マンモグラフィー検査を含めて、100%すべての乳がんが見つかる検査はありません」(植松医師)美智子さまもマンモグラフィー検査を継続的に受けてこられたが、左胸の病変が発見されたのは今年7月の超音波検査でのことだった。西村医師は、マンモグラフィー検査と超音波検査を組み合わせることもすすめている。「今は2年に1度行われている対策型乳がん検診ですが、発見のタイミングを逸してしまうケースも見受けられます。増殖が速いタイプの乳がんであれば、発見できないほど小さな病変が、2年間で2〜3センチの腫瘍にまで大きくなることもあります。心配な方は2年に1度のマンモグラフィー検査の間に超音波検査を任意型検診として受けることもよいかもしれません。治療に不利な状態になる前に発見できる可能性が高まります」進行してしまった乳がんの治療は、医師の立場からも難しく、患者にとっても負担が大きいという。「抗がん剤による脱毛といった副作用、乳房の切除や再建手術の負担、さらに末期がんでのモルヒネでは消せないほどの治療の痛み……。闘病の苦しみをがんになる前から想定できている方はほとんどいないのが実情です。しかし、発見が早ければ治療もスムーズです。そういう意味で上皇后陛下のケースは理想的でした。一般の方が上皇后陛下と同じ水準の検査や治療をすることは難しいですが、まずは一人でも多くの方に検診を受けてもらい、検診率を100%に近づけていくことが大切だと思っています」(西村医師)美智子さまに学び、読者の皆さんもぜひ、早期発見のための乳がん検診を!
2019年11月11日タエ アシダ(TAE ASHIDA)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月20日(水)に東京・六本木のグランド ハイアット 東京にて発表された。今季は、“多様性”をテーマの中心に据え、時代の変化に基づく社会の流れ、人そのものや行動の多様化にフレキシブルに順応できるファッションを表現している。多様性に順応する“多様化されたファッション”今シーズンのスタイリングは、アーバンティックなスタイリングがある一方で、エスニックなスタイリングもある。ナチュラルな素材もあればハイテクな素材もある。シルエット、素材、ディテール、どれをとっても多様性に溢れている。そして、メンズルックの提案が、より一層“多様性”を強調している。メンズルックが登場ファーストルックで登場したのもメンズルック。パープルのフェイクファーを用いたオーバーコートに、デニムパンツ、そしてナイロンパーカーをあわせ、1つのルックの中でカジュアルとラグジュアリーを交錯させた。序盤を象徴するピクセル化されたボタニカル柄のグラフィックは、今季のキープリントのひとつで、ピンクとパープルまたはパープルとイエローの色合いで登場している。今季はカラーパレットもベーシックからヴィヴィットまで様々だが、それよりもなおファブリックの多様性は心を躍らせる。自然を象徴するアニマル柄は、“多様性”を表すために欠かせなかった。中盤以降から展開されたヒョウ柄は、フェイクファーコートとして、あるいはシースルートップスへ落とし込んだ。はたまた、シワ加工の民族調のメンズパンツにあわせたシャツには、ピーコックの羽根、可憐なスカーフ柄のワンピースには、自由に舞う蝶やトンボを描いている。そして、ナイトシーンを想起させる黒いロングドレスにも、同じニュアンスを組み込み、フェザーをビジューとともにをあしらった。ファブリックとスタイリングに見る自由な表現ダマスク柄やベルベットは重厚感を与えるものとして、メンズ・ウィメンズともにアウターに採用。特に、ベルベットのセンシュアルな光沢は、メンズジャケットに色気をも漂わせる。これらはアニマルモチーフとは対照的に都会的な印象を与えるものだ。ミラーボールのようなスパンコールのタイトドレス、アコーディオンプリーツがなびくトレーンを引くほどのロングドレスなど、その表現は多岐にわたる。流れる時代に添うファッション時代の多様性にも触れた今季のランウェイには、スポーティーなエッセンスを加えたモダンなスタイルもあれば、アーバンティックなジャケットスタイルもある。そして後半を印象付けたドレス群はファッション史の銘品を顕著に受け継ぐものたち。スタンドカラーのシースルーブラウスとハイウエストミニスカートまたはスラックスの組み合わせ、スパンコールで煌めくエンパイアラインのドレスなど、クラシックな装いにも目を向けている。
2019年03月23日2月になり日曜朝のアニメが新しくなりましたね!娘も、放送前から楽しみにしていたんですが、黄色担当の褐色肌の女の子を初めて見て一言「この子は肌が茶色いからから変! 好きじゃない!」4歳の素直な反応なのかもしれませんが、日本に住んでいると、幼少期に肌の色の違いについて知る機会が少ないですよね。それ以外にも、最近は「ピンクは女の子の色、青は男の子の色」「男の子はズボン、女の子はスカート」どこで覚えてくるのか、いつの間にかそんな事を言うようになってました。自分の子には、できればもっと自由に生きて欲しいのと、見た目や生き方の違いで人を判断するような人にはなって欲しくないと思い、ある映像を見せる事に…。娘に見せたのは、私が今応援している海外のドラァグクイーン(男性が、自由に女性らしさを表現するパフォーマンス)のランウェイ。言いたかった事が伝わったかどうかわかりませんが、もし娘が将来、人との付き合い方や自分の将来について悩んだ時、ふと思い出してくれたらいいなと思っています。そして、放送が始まった娘の反応は…「黄色の子かっこいい! すき!」優しくて強い黄色の子が一番大好きに…。結局、娘の何気ない一言に過剰反応しすぎたような気もしましたが、親子で多様性について話すいいきっかけになったと思っています。 ↑ウーマンエキサイトベストコミック大賞はこちらから!
2019年03月12日相手の気持ちや状況を理解することは、人と付き合う上でとても大切なこと。今回は、さまざまな境遇のママたちのコメントを紹介。そこから見えてくる思いを、あなたならどのように受け止めますか?ダイバーシティー=多様性、変化する家族の姿近頃よく聞く「ダイバーシティー」という言葉。直訳すると「多様性」という意味で、日本では会社における女性活用など、人材活用に関して使われることが多いようです。でも、ふとまわりを見まわしてみると、いろいろな家族の形があると思いませんか?専業主婦のママに専業主夫のパパ、共働き家庭や外国人のパパやママ、シングルマザー、障害を持つ子どものいる家庭など…。家族のありかたは千差万別です。子どもたちが育つこれからの世界では、きっともっと多様になっていくはず。今こそ、家族のありかたや付き合い方について、考えてみませんか。こういう時はどうすればいいの?幼稚園での出会いを、大切にしたいと思っているママはきっと多いはず。でも、こんなときはどう対応すればいいの?● なんでいつもパパがお迎えに来ているんだろう?と思っていたら、専業主夫のパパでした。どう話し掛けたらよいのか分からず、いまだにぎこちない接し方になっています。(岐阜県・年中ママ)● 離婚したらしく、苗字が変わった親子がいます。わが子に「どうして〇〇くんは名前が変わったの?」と聞かれ、何と答えたものか困りました。本人に聞くわけにもいかないし…。(埼玉県・年長ママ)● 日本語を話せない外国人のママ。子どもたちはどんどん仲良くなるけれど、親同士は会話も盛り上がらず…。どう声を掛けたらいいか、迷ってしまいます。(神奈川県・年少ママ)● シングルマザーの幼稚園のママ友。ランチ会に誘っても、忙しいからとたいてい断られてしまいます。かといって、誘わないと仲間外れにしているようで…。(埼玉県・年中ママ)● 障害を持つお子さんのママとの会話は気を使います。話は聞けても当事者の気持ちにはなれないので、“普通” という言葉は使わないようにしています。(神奈川県・年長ママ)こんなことがありましたいろいろな人がいるのは分かっているけれど、相手の発言や態度に悩むこともあります。そんなママの気持ち、聞かせて!● 私がシングルマザーだと知らずに、目の前で母子家庭の悪口を言う人がたくさんいます。そのせいで幼稚園では誰にも打ち明けられず、友達すら一人も作れません。(神奈川県・年中ママ)● 「なんでこんなこともできないの?」という無言の視線が一番つらいです。直接言ってもらえれば、説明することもできるのに。(大阪府・年長ママ)● パパが外国人で、子どももすぐにそれと分かる外見です。そのせいか、ほかのママたちにチヤホヤされてしまい…。子どもによくないな、と少し困ります。(大阪府・年少ママ)● わが子に向かって、「普通に見えるのにね」と言われた。今でも怒りがこみ上げるし、悲しいです。(兵庫県・年長ママ)● 言葉の遅い息子に対し、お友達が心無い言葉を掛けていたのに、その子のママは知らんぷり。子どもは仕方ないと思いますが、親御さんからは何か一言あってもいいのに…。(福岡県・年少ママ)“違う=合わない”は思い込みかも、どんな家族の形もアリ!大切なのは向き合う姿勢自分とは違う境遇の人に出会うと、どう付き合っていくか戸惑うことってありますよね。でも、〝違うから合わない〞わけではありません。自身もひとり親で息子を育てつつ、さまざまな形の家族に出会ってきた大塚玲子さんに、話を聞きました。お話を聞いたのは:大塚玲子さんおおつか・れいこ/ライター・編集者。主なテーマは「いろんな形の家族」と「PTA・学校」。ひとり親家庭や再婚家庭、里親家庭、LGBT 家族、などの取材を通し、家族の形が「なんでもアリ」の社会にするため、「定形外かぞく(家族のダイバーシティ)」を主宰する。著書は『オトナ婚です、わたしたち』『PTA をけっこうラクにたのしくする本』など。共著に『子どもの人権をまもるために』など「こうあるべき」は本当?その気持ちを疑おう幼稚園などで出会うたくさんの親子。その中には、自分とは育ってきた環境や家族構成、置かれている状況が違う人もたくさんいます。仲良くなりたいと思いつつも、実際に自分と違う境遇の人に会うと、戸惑ってしまうこともありますよね。知らないから、分からない。分からないから、付き合うことをためらってしまうこともあるかもしれません。事情を抱えた当人にしてみても、「話した方がいいのか、どこまで話せばいいのか」と悩んで周囲に打ち明けることができず、理解が得られないこともあるでしょう。そんなときは、「どんな形の家族でもいい。なんでもアリだと思ってもらいたいです。どんな家族でも上下はない、という気持ちを持ってほしい」と、大塚さんは話します。例えば、「大黒柱は男性であるべきで、働かないなんて有り得ない」と考えていれば、専業主夫の人に対してつい否定的な目で見てしまうかもしれません。でも、「こうあるべき、こうじゃなきゃおかしい」という前提が間違っていることもある、そのことに気付いてほしいと言います。子どもに恥じない大人であれ読者のコメントに、「子どもの友達の心無い言葉に傷付いた」というものがありました。反対に、「子どもたちは大人同士の付き合いに関係なく、仲良くなった」というものも。子どもたちは、良くも悪くも親の影響を大きく受けるものです。ママやパパの態度や言葉が正しいものと思い、それを自分もまねしようとします。親である大人たちは、わが子に「こう育ってほしい」「こういう行動はしてほしくない」と思うその姿勢を見せていくことが、大事なのだと思います。大塚さんは、「事情のある側も、できる範囲で伝えていったほうがいい」と考えているそう。全てを話さずに「何か事情がある」とにおわす、ゆるいカミングアウトをする程度でも、「踏み込んでほしくないことへの線引きもできるし、相手も付き合いやすくなると思いますよ」。相手を理解しようと努力し、誠実に向き合うことは、どんな人間関係だって大切なことですよね。「自分とは違うから」と最初から背を向けてしまわずに、まずは声を掛けてみることから始めてみませんか。うれしかった、助かった!ママたちの気持ち相手に対する気遣いや、理解しようとする態度は、どんな人間関係にも大事なこと。それをきちんと見せることが、関係を育む第一歩かもしれません。● シングルマザーになってから「何かあったら手伝うよ」とはよく言ってもらいますが、実際はなかなか頼りづらいです。そんなとき、「これやるよ!」と具体的に言ってもらえたのはかなりうれしかったです。(東京都・年少ママ)● 落ちつきのなさが気になる息子がいます。ママ友がとても理解のある人たちで、「少し預かろうか?」「子どもだけで泊まりに来ていいよ」など、親切に声を掛けてもらえて安心しました。(京都府・年中ママ)● 娘に発達障害があることを知った上で、仲良くしてくれるお友達とそのママたち。気さくに声を掛けてくれたり、幼稚園でこんなことをしていたよ、などうれしい情報をくれて、本当に感謝しています。(埼玉県・年長ママ)● 夫が外国人なのですが、その出身国について幼稚園の子どもたちが興味を持ってくれて、とてもうれしかったです。(埼玉県・年少ママ)illustrationSHIBATA Keiko
2019年02月07日『人のセックスを笑うな』という小説がある。大人になったいまも不意に思い出し、やっぱり優れたタイトルだなぁと改めて感心する。と同時に、あれは「人の性的嗜好を笑うな」というメッセージだったのではないか、とも考える。縛られると興奮する。逆に相手を縛ると興奮する。胸板が厚い人に抱き締められると興奮する。目隠しをされると興奮する、などなど。人の性的嗜好、つまり性的な事柄に関する好みは、人の数だけある。しかも、ひとりにつきひとつずつ、というわけではなく、ひとりが複数持ち得るものでもある。■性的嗜好を示したら、笑われた昔、男から「ひとりで(セルフプレジャーを)する姿を見せてほしい」と言われたことがある。別の男からは「お風呂で俺と同時におしっこしてほしい」と提案された。その度に、彼にはこんな一面があったのかと、新たな発見をしてうれしくなった記憶がある。みんな、それぞれの人生経験から、いろいろな性的ファンタジーを醸成している。どんな性的嗜好であれ(人の心身をお互いの同意なく一方的に傷つけるものは論外だけど)、他人が否定したり軽蔑したりすべきものではない。それは性という枠内にある「趣味」のようなものだから。昔、男に「手首を柔らかく縛ってほしい」と伝えたら、「えー、SM好きなの!?」と笑われた挙げ句、スルーされたことがある。バカにされているようで、すごく虚しい気持ちになった。純粋に楽しみたかっただけなのに。性的嗜好を開示しても、取り合ってもらえず、ただ冷笑されて、変態扱いされる。私の経験はささやかで、たいして傷つかなかったけれど、もっとひどいこと、攻撃的なことを言われたことがある人だっているだろう。一度でもそんな経験をすると、次にセックスする相手に対して、自分の性的嗜好を明らかにしづらくなる。本当はこうしたいのに、言うと変な空気になるんじゃないかと思うあまり、言い出せないために、心から満足するセックスができない。そんな弊害があると思う。■女性が風俗店を利用するのは変ですか私は心から満たされるセックスをした経験が数少ない。原因は、自分の性的嗜好を明示できていないことにある、と考えている。そんなとき出会ったのが映画『娼年』だった。原作の小説『娼年』(石田衣良,集英社,2001年)は20代半ばで読んでいた。男性に体を売る女性が「娼婦」だから、女性に体を売る若い男性は「娼年」。文字通り、女性に対してサービスをする男性が主人公の作品だ。『娼年』を手にとったのは、もともと性風俗産業に興味があったから。人類から性欲が枯渇しない限り、潤い続ける業界だから。それに、「性」には「生」という文字が含まれる。生きているあいだは、自分自身も性と付き合っていかなければならないような気がした。男性が風俗店を利用するのはおかしなことではないという見方がある。その一方で、女性が風俗店を利用すると露骨に引く人がいる。女性が性欲を表に出せば、「ビッチ」と揶揄される……そんな不平等への不愉快な感覚や疑問が長いこと私の中に蓄積されていた。以上のように、性への興味・女性の性をとりまく環境への不満を抱えていた私は、映画『娼年』で描かれた世界に舞い降りたくなった。■自分の欲望を満たすだけのセックス『娼年』の主人公、森中領(以下、リョウ)は大学生。松坂桃李演じるリョウは、感情の振れ幅が少ない日々を過ごしている。大学には週1回しか顔を出さず、バーテンダーのアルバイトを淡々とこなす生活。優秀な大学の学生で、見た目も整っているため「高スペック男子」として女性にモテて、セックスの機会には事欠かないけれど、自分の欲を満たすだけのセックスしかしたことがない。「女なんてつまんないよ」「セックスなんて、手順が決まった面倒な運動」と、淡々と口にする。一夜を共にしても、相手の名前すら覚えていない。まるでオナニーのようなセックス。女性を性欲を発散する「道具」として使っているように見える。どこか寂しく、傷ついているかのようで、光が見えない、空洞のような瞳をした若い男――それが私が抱いたリョウの第一印象だ。しかし、転機は思いがけないときにやってくる。リョウの幼なじみでホストをしている田島進也(小柳友)が、売上に貢献してくれる「太客」になりそうなお金持ちの女性を、リョウが働くバーに連れてきたのだ。リョウの運命を変える御堂静香(真飛聖)との出会い。静香は会員制ボーイズクラブ、言い換えると出張ホストクラブのオーナーで、リョウがお酒を作るのを見て、スカウトしようと決意する。バーの閉店時間、外で待っていた静香は、リョウをクルマに乗せる。■女はつまらなくなんてないし、セックスは面倒な運動なんかじゃない行き先は静香が経営するLe Club Passion。静香はリョウにこんなミッションを課す。彼女の娘・咲良(冨手麻妙)とセックスしなさい、と。これはテスト。リョウが女性に対し、どんなセックスをするのかを見て、クラブで働いてもらうかどうかを決めるのだ。咲良は生まれつき耳が聞こえない。静香という傍観者がいる前で、リョウは戸惑いながらも、咲良を抱く。体への触れ方がときに雑だったり、痛がる咲良への配慮が足りなかったり、未熟と言ってもいいセックスだったが、なんとかギリギリ合格したリョウ。セックス中に言葉を交わし合うという、自分が慣れ親しんだコミュニケーションができないなか、リョウは不器用ながらも咲良の反応を目で追い続けて、そこから情報を得ようとしていた。クラブに所属するホストの一員になったリョウは、指名される度に女性客との待ち合わせ場所へ出向き、話(要望や雑談など)を聞いて、ニーズを理解した上で、一人ひとりが望む形のセックスを提供するようになる。ときどき交わされる静香との会話や女性たちとのコミュニケーションを通じて、女性という性の奥深さやセックスが単なる運動ではないと悟るのだった。彼女たちがお金を支払ってホストと肌を合わせる理由は一人ひとり異なっていること、それぞれが性に関して悩みや悲しみを抱えていることをリョウは目の当たりにする。そして、一人ひとりの心に優しく寄り添うのだ。女性たちとの距離感を大事にしながら、踏み込みすぎないように、ほど良い間隔をあけて隣に座る、といった感じだから、リョウの指名本数は増えて、人気は高まっていく。■女性たちが一人ひとり抱える性の苦しみ映画公開時期に、松坂氏が『ナタリー』でインタビューを受けている。「女性たちが彼のどんなところに惹かれるんだと思います?」とインタビュアーから尋ねられ、松坂氏はこう答えている。リョウ自身が傷を抱えている人物だというところでしょうか。女性客1人ひとりが誰にも触れられたくない柔らかな心情を自分の中に持っていますが、彼は無意識的に彼女たちと同じ目線に降りていって、心をほぐすことができる。女性にとってはお互いの繊細な部分を差し出し合うことができる存在となったから、彼は必要とされたのかなと思います。出典:リョウは幼い頃に母親を亡くしている。最後にかけられた言葉は「温かくして、いい子でいてね」というもの。幼いころに母親を失った彼のショックは計り知れない。母の面影を静香に感じて、リョウは静香を慕い、自分に生きる理由、自分が他者から必要とされるきっかけを与えてくれた彼女に愛情を抱くようになったのだろう。『娼年』では丁寧に描かれたセックスシーンが続く。夫に彼女がいる女性。妻が他の男性とセックスする様子を見たいと望む性的に不能な男性(実は不能ではなく、「寝取られ」が趣味な男性だと判明)。夫とセックスレスの女性……。性的に満たされたくても満たされない女性たちの姿が描かれ、皆それぞれ性に対してしんどさを感じ、もがいているのだなと感じさせられる場面ばかりだ。■女性がおしっこする瞬間を見届けるひとつとして同じセックスはない。人それぞれ性的嗜好が異なるから、すべてのセックスには個性がある。リョウはそれらを肯定も否定もすることなく、ただフラットに受け入れて、女性たちと向き合ってきた。「放尿する瞬間を見られることでエクスタシーを感じる」という女性とも真摯にコミュニケーションを交わす。彼女はリョウに勇気を出して打ち明けた。私がおしっこをするところを見ていてほしい、と。過去に付き合った男性に頼むと大抵引かれ、気持ち悪がられてきた。「リョウくんも引くかもしれない」という彼女の不安を打ち消すように、リョウは「見せてください」と言う。居間に立ったまま、彼女はリョウの前で勢いよく放尿し始める。リョウはそれをただただ見つめ、彼女がすべてを出し切ったあと、近くに寄って頭をそっと撫でた。笑顔で。ギョッとしたり、「おしっこ?何言ってんの?」と否定したり、バカにしたりするシーンかもしれないけれど、リョウは最後の最後まで見届けた。自身の性的嗜好を雑に扱われたり、踏みにじられたりして、かつて傷ついたことのある女性が見ると、心が癒やされるシーンなのではないかと思う。『娼年』はリョウというひとりの若い男性の成長物語であり、多様な性的嗜好がこの世に存在していること、女性が性欲を満たしたいと思うのは当然であること――そんな見過ごされてきた、スルーされがちな「性のあたりまえ」を伝えてくれる作品だ。Text/池田園子画像/Shutterstock
2018年11月24日今までの障害を扱う番組とは違う!?「u&i」の企画に共感して監修委員に2018年にNHK Eテレで始まった「u&i」。私は民間企業にて障害児者支援をする立場から、多様性をテーマにした教育番組の監修委員を担当しています。「u&i」は感覚過敏や身体障害、発達性協調運動障害、そして今週は学習障害をテーマに、生きづらさを感じている人と周りの人の気持ちを対話しながら探る番組です。Upload By 野口あきな「多様性を大切にする社会づくりのための番組を本気でつくるんだな」それがu&iの企画について、NHKのディレクターさんにお話をお伺いした時に思った印象です。この10年間、実際の就労支援や教育現場において多くの「障害のある人」と日常的に関わる中で、社会の側にある「差別」や「偏見」というものに何度も何度もぶつかってきました。それをなくすためには、障害のある人を取り巻く社会環境の変革していく必要がある。障害のある人に日々接する機会がない人、これまで出会ったことのない一般の人に障害を広く知る機会を提供するためには、メディアの存在が重要であることは言うまでもないでしょう。一方、これまで「障害」に関する番組やメディアは、「障害のある人も頑張っている」「理解をして助けてあげよう、応援しよう」といった趣旨のようなものが多かったように思います。それに対し私自身、嫌悪感を持つことも少なくありませんでした。「障害のある人は困っているから、理解して助けよう」的なメッセージの番組だったら嫌だな、と思っていたのですが、企画を聞くとu&iは私がこれまで目にした番組とは趣旨が異なることがわかりました。多様性やちがいを大切にする社会は、綺麗なことばかりではない。その難しさに真正面から向き合い、それもそれを子どもに伝えるための番組を本気でつくるつもりだ、と思い、その気概に感激し私も監修委員としてかかわることになりました。「障害」について描くことの難しさUpload By 野口あきなメディアはその時代の人が持っている「障害者像」を反映しているように思います。あるいは、逆にメディアが時代の「障害者像」をつくっているという見方もあります。いずれにしても、多くの人が目にするメディアで「障害」が扱われる時、その番組の趣旨や描き方により、誰かが深く傷ついたり誤解を招いたりする可能性が大きくあります。例えばコメディアンのステラ・ヤングさんは健常者の感動を呼ぶために障害者をメディアに取り上げる風潮を批判し、「自分たちを『感動ポルノ』として消費しないで」と社会に投げかけました。たとえメディアをつくっている側としては、差別や偏見をなくそうという趣旨でいたとしても、日常的に障害のある人と接することのない人がその番組を見ることで、障害者像を固定化してしまったり、視聴者の感動を誘うような描き方が誰かを傷つけたりします。一言で「障害者」と言っても、実際には一人ひとり本当に異なります。例えば、車いすにのっている、同じ診断名の身体障害のある人でも、身体的な障害の状況は異なり、そして当然その人の持っている価値観や思い、感じている困難さは異なります。しかし、これまで身体障害のある人に出会ったことのない人がテレビでとある身体障害のある人を見て、その人しか知らなかったら、「すべての身体障害のある人はこういう生活をしている」と過度な一般化をしてしまう可能性があります。目に見えづらく、かつ本当に一人ひとりによって異なる「発達障害」についてあつかうことは、偏見をなくしたり必要な支援につながったりするよりも、「あの人も発達障害じゃない?」などと逆に新たな偏見を生んだり助長したりしてしまう可能性もあります。「障害」は描き方によって、それは「その場限りの感動ストーリー」で終わってしまったり、固定的なイメージをつくってしまったりします。そうなってしまうと差別・偏見をなくすような、多様性を大切にするような意識改革や行動変容にはつながりづらい。メディアに「障害」を描くことにはこのような難しさがあります。私は、それによって傷つく当事者がたくさんいる可能性を認識した上でメディアでの発信をしていかなければならない、と強く思っています。そんな中、u&iは絶妙なバランスで「障害」や「ちがい」を描いています。以下は私が思っているu&iのこだわりポイントです。「障害名」ではなくそのひとりが困っている状況とその理由にフォーカスUpload By 野口あきなu&iには、ユウとアイという登場人物が出てきます。アイはユウとの関わりや困難な状況に悩んでいます。例えば第1回の「授業に集中したいのに…(感じ方のちがい)」では、ユウの落ち着かない授業中の様子が気になり、授業に集中できないことにアイは悩んでいます。夢の世界に住むサルの妖精、シッチャカ・メッチャカと共にユウのこころの内を聞くことができる「ココロの電話」で、ユウがなぜ困っているか?を聞いてみると、ユウには画鋲がものすごく光って見えたり、太陽の光がまぶしすぎると感じることで、授業中落ち着きがなくなってしまうことが分かります。教室にいる落ち着きのない子。学校でよくある場面です。実際にはこのような状況が起きたとき、「この子は発達障害だから落ち着きがない」とその子にラベルを付けて、その子の障害を原因においてしまいがちです。そして、そのようにその子の障害に原因を置いてしまうと、具体的な解決策につながりづらくなってしまいます。しかし、u&iには障害名は出てきませんし、その子を「〇〇障害」とラベルを付けることはしません。そのため、障害名にフォーカスされず、アイとユウが実際に困っている状況、そしてその理由にフォーカスが置かれます。このような描き方により、「発達障害=〇〇」のような過度な一般化はされません。そして、アイとユウの悩んでいる状況とその理由が具体的に提示されることで、どのような工夫をしたら困らなくなるか?の具体的な解決策を考えることができます。ユウとアイは「ちがう」けど「同じ」u&iでは、ユウとアイにはちがいがあるけれど、かけ離れた存在ではないことを描いています。たとえば、第1回では、アイが悩みの解決策を考えているとき、人間の子どもに詳しいジローはかせが出てきて、「感じ方は人それぞれ」であることを「同じカレーを辛いと感じる人も甘いと感じる人もいる」と自分にも当てはまる身近な例で伝えています。ここでもし「障害」の言葉を使って説明をしたり、自分とはかけ離れた例で伝えてしまうと、あまりにもかけ離れた存在であるという印象を持つでしょう。感じ方は一人ひとり違う。そしてそれぞれ苦手なことも得意なこともある。お互いのちがいを知ることで、お互いにきもちよく過ごすことができる。「普通の人」と「普通じゃない人」がいるのではなく、だれもがちがっていて、なおかつ同じ存在であるというメッセージがちりばめられています。ユウとアイは対等で、流動的な関係性Upload By 野口あきな社会の中には障害のある人は「助けてあげるべき存在」と思っている人はすくなくないでしょう。私はそのような番組や学校の授業に非常に違和感を持っています。「助けてあげるべき存在」という考え方そのものが障害のある人を下に見ているからです。みなさんがもし街中で困っている障害のある人に出会ったとき、「助けよう」と思うと思います。それは、「困っているから」助けるのでしょうか。もしくは「障害があるから」助けるのでしょうか。たとえば障害のない、困っている人がいたらどうしますか。私は、困っているその人に障害があってもなくても助けたい、と思います。そして自分が困っていたら誰かに助けてもらいたい、と思います。私はこれまで多くの障害のある人に助けられてきました。u&iはアイとユウの対等な関係性を描いています。状況によってアイがユウを助け、ユウがアイを助ける。ユウがアイを困らせることも、アイがユウを困らせることもある。どちらかが「助ける側」、どちらかが「助けられる側」という固定的な関係性ではなく、状況によって、流動的で対等な関係性を描いています。解決策を考え続けることこそが一番大切な解決方法Upload By 野口あきなu&iの特徴的なところは、「このように接したほうが良い」や「こうするのが正しい」のように、断定的に解決方法を提示しないことです。シッチャカ・メッチャカとの会話の中で解決方法はたくさん提案されますが、「唯一の正しい答え」は提示されません。障害のある人もない人も、当然一人ひとり違う思いや考えを持っています。そしてそのときの状況や相手によって望んでいることは異なります。そのため、相手が困っているときに勝手に解決方法を決めつけてしまうのは失礼です。困っている理由も解決策も一人ひとり違う。それを前提としたとき、唯一の解決方法は、どうすればいいか、共に考え続けることではないでしょうか。キャラクターが生み出すコミカルさと親しみやすさUpload By 野口あきな「障害」や「ちがい」による困難さについてのトピックや番組は、どうしても「感動」や「重い」雰囲気に描かれがちですが、u&iでは非常にカジュアルに描かれています。冒頭からシッチャカ・メッチャカがユーモアを交えた会話をしており、見ている側はくすっと笑ってしまいます。コミカルな会話の中にさりげなく「ふつうって何?」のような本質的な問いが出てきたりします。「夢の世界」という設定や、シッチャカ・メッチャカやジローはかせの存在が、親しみやすさを感じさせているのでしょう。そして、声優をきゃりーぱみゅぱみゅさん、伊野尾慧さんがしてくださることにより、これまでこのようなテーマに触れることのなかったたくさんの方たちが見てくださっています。さいごにu&iは大人が見ても感じることがたくさんあります。そして、子どもたちには、大人の考えや感想に邪魔されずに見てほしいです。その上で、感じたことを対等にお話してもらえると嬉しいです。私は本当はこのような番組がなくても、日常的に多様なちがいと接し、知ることのできる機会がある社会をつくりたいです。そして、テレビにも映画にも障害のある人が特別ではなくふつうに出演していることが当たり前の社会にしたいです。そのために自分ができることを、u&iの監修を通じて考え続けたいと思います。【放送】Eテレ 毎週水曜 午前9:00~9:10(全10話)【声の出演】伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)、きゃりーぱみゅぱみゅ、笹野高史【脚本】西田征史(朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」などで知られる人気作家)【音楽】サキタハヂメ(Eテレ「シャキーン!」をはじめ、ドラマ、CM、舞台などで活躍)毎週水曜日の放送後はインターネットの「NHK for School」でも配信されます。下記リンクをご参照ください。 | NHK for School第4回サブタイトル「なんで覚えられないの?」(放送日:2018年11月21日、28日)テーマは「読み書きの苦手」。知的に問題がないにも関わらず、文字を読んだり書いたりすることに苦手を抱える子どもは少なくないが、努力が足りないと勘違いされることも。アイは学芸会の劇で、ユウがセリフを覚えないことにいらだっていた。だが、ユウの特性や努力などを知り、一緒に苦手を克服する手立てや、ユウの得意なことをどう活かすかを考えていく。
2018年11月19日「ここ10年で葬儀の仕方にも大きな変化が表れてきましたね。身内だけで葬儀をするなど、簡略化が進み、かつ多様化してきています。これは、正社員が減って、企業が参列に参加しなくなり、香典の額が下がり、費用的に厳しくなったことも一因です」 そう話すのは、日本における地域の葬儀の違いを考察した『葬式格差』(幻冬舎新書)の著者・島田裕巳さん。葬儀に関するサービスを行っている「鎌倉新書」の’17年の調査によると、葬儀費用は全国平均で約178万2,000円だったという。葬儀に200万円近くかかってしまうというわけだ。とはいえ、同調査では、’15年は約183万9,000円、’13年は約202万9,000円だった。葬儀にかかる費用は低くなっているようだ。 葬儀の後は、火葬すると法律で決まっているが、問題はその後の遺骨についてだ。金銭面や後継者問題などでお墓を持てない人が増えている。格安で済ませる方法はないだろうか。 そんな場合には「本寿院」(東京都大田区)で行われている「送骨・お骨仏」という方法がある。申し込みをすると、「送骨セット」が代引きで送られてくるので、それにお骨を詰めて郵送し、仏様にしてもらうもの。送骨セットの郵送代や送骨代は地域などにより多少前後するが、全部で約3万3,000円で済むというものだ。 「本来、お骨はご持参されるものですが、ご高齢により、骨が大きくて運べない、車がないなどの声が多くなり、’10年に送骨を始めました。送られてきた骨は、現在は本堂の仏様の胎内に納骨します。毎日9〜18時の間でしたら、いつでも予約なくお参りしていただけます」(住職・三浦尊明さん) お寺に毎日読経もしてもらえるため、遠方などでなかなかお墓参りに行けない人も安心だ。こちらでは、ネットのフォームに生前の人柄などを書き込んで送れば「戒名証」が遺族に送付されるサービスも。戒名といえば高いイメージがあるが、なんと。一律3万円というから驚きだ。 また、聖徳太子が建立した由緒正しきお寺である「四天王寺」(大阪府大阪市)では、宗派を問わずに、合同墓を行っている。遺骨は納骨堂で仮安置し、年に3回「納骨総祭法要」で供養をし、供養塔の下へ納骨される。その納骨のための、回向料として1万円以上。個別に回向の場合は3万円以上。ただし……。 「基本的にはお墓に納骨をしていただきたいんです。墓じまいをされる方などの、受け皿が四天王寺であればと思っています」(同寺・瀧藤康教さん) 新しい供養のかたちが、「かねみつ石匠」(岡山県笠岡市)の「自宅墓」。骨壺を石棺に入れて自宅で保管するというものだ。霊園にお墓を構えると、墓地の永代使用料や管理費など費用がかさむ。自宅墓があれば、いつでも供養でき、使用料や管理費を払う必要はないという。骨壺の大きさによって値段も変わってくるが、4寸の骨壺が入るいちばん小さいSだと10万5,000円(税込み)だ。 「霊園にお墓を建てるよりもぐっと安く上がるのはもちろんですが、『いつでも故人に話しかけられる』と話題になり、年々反響が大きくなっています。お墓の掃除をしなくていい、遠くに行く必要がない、亡くなった人との絆が強く感じられるなど、うれしい声も寄せられています」(同社・岡増正治さん) 工夫をしたのは重さとか。 「素材は重い石材なので、軽くなるように心がけました。Mサイズ(21万円)で35キロぐらいです」(岡増さん) 4つに分割でき、いちばん重い部分でも15キロぐらいで済む。そのため70代の女性でも、持ち運びが可能だという。忙しい現代人にとっては、わざわざ外出する必要がなく、便利な供養の形かもしれない。
2018年06月01日第33回「多様性上等」のグローバル化(c)つめをぬるひと今回は「よくひとりで海外旅行に行くのですが、意外と海外ってひとりでいることに同情的なんですよね。それに比べ、日本は『おひとりさま文化』が発展している国だなあとつくづく思います。」という投稿について。治安の問題もあるのかもしれないが、文化・慣習的に絞って見ても、確かにそういう側面はあるかもしれない。私は昨年、台湾へ行った。雑貨市に参加するのが目的だったので、観光はあまりしていない。海外に行くのが10年ぶりというのもあり、日本では1人ラーメンや1人カラオケをこなしている私でも、海外となるとさすがに怯んだ。1人で行動なんてしたら私は生きて帰れるんだろうか、と不安しかなかった。実際は、現地の人がとても親切だったし、一緒に参加した作家さん達もいたので、何一つ不安に思うことはなかったが、それは結局1人にならなかったから心強かった、というのも大きかっただろう。海外に1人で行くことはハードルが高いことだと思っていたが、ここで私はある人とした話を思い出した。その人は「海外にはよく1人でも行くけど、ライブは1人で行けない」と言っていた。もう何年か前の話なので、今は違うかもしれないが、1人ライブは行くけど1人海外は行ったことがない私とその人とでは、1人でなにかをすることに対するハードルの高さが人によって違うことを知ったのだ。日本でおひとりさま文化が発展しているのは、「多様性上等」な文化が発展しているからだと思う。そもそも日本は、お正月やお盆を始めとする文化や慣習・伝統を重んじながらも、クリスマスやハロウィンは渋谷にDJポリスをブッキングさせるほど盛り上がり、経済的にも日本の行事以上に高い効果を見せている。それを“自然なこと”として受け入れ、どちらも楽しもうとする意識は昔から浸透している。そこへさらに「いろんな人がいて当然」という多様性を受け入れる意識が広まると、それはおひとりさまにとって居心地の良い環境になるだろうし、今度もっとそうなることを期待したい。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<深夜に書く文章も、回り回って悪くない>もチェック!深夜に文章を書くことは、あながち悪くないかも。テーマは「文を書くことの本懐」です。【つめをぬるひと個展「サードパーティー」】渋谷ANDERCURRENT東京都渋谷区桜丘町9-17-303(渋谷駅徒歩6分)2/10(土) 12:00-18:002/11(日)11:00-17:00つめをぬるひと初の個展です。つけ爪の展示販売や、初めて一緒に制作させて頂く方とのコラボ作品、連載記事の原画イラスト展示販売などを予定。
2018年02月05日初めまして、徳永 啓太(とくなが けいた)と申します。私は先天性脳性麻痺というマイノリティな障害で車椅子を使用しているジャーナリストです。“健常者”という言葉がマイノリティを生み出すまた、私なりにいろいろな方とお会いして見えてきたのは、“健常者”という言葉の壁です。世間では障害者と分けるためにわかりやすいように使われていて、違和感がないかと思います。しかし、この言葉が自然と人を分ける記号になっているのではないかと思います。辞典では「心身に障害のない健康な人。健全者。」とあります。健全者という定義に決まった事項もなく、健康な人というのもぼんやりとしていると感じます。つまり、ぼんやりとした定義にも関わらずほとんどの方が自分のことを健常者だと認識し、身障者は健常者に少しでも近づくことが“良し”とされている風潮があると思います。2020年東京オリンピック・パラリンピックが決まって以降、各地で様々な福祉活動やイベントが行われるようになり、2017年は「ダイバーシティ(多様性)」という言葉が話題になって、男女、LGBT、障がい者、人種と多様な価値観を受け入れる街にしようと企業の活動、講演会が活発に行われてきました。渋谷区は多様な人と仕事のあり方などを積極的に受け入れようと体制を整えています。しかし、日本は人間の多様性を受け入れる度量があるのか。健常者という言葉もあるように、日本は国際化を長年掲げつつ変わらない環境で、同じ価値観を持った小さな島国であって、違う国の価値観や考え方を表面では理解できても感覚として受け入れにくいのかなと思います。 このようにダイバーシティという言葉と現状には乖離があります。多様性を認めるのであれば、まず健常者という言葉に流されることなく身体の形や考え、国籍などマイノリティと呼ばれる方を尊重し、生きやすい世の中になるにはどうすれば良いか考える必要があると思います。私はそんな日本の現状を悪いといいたいわけではありません。これが日本であると受け入れながら、理想とする多様性に向けて日本人はどのようなことを理解し、共存しなければならないか。それを探っていく必要があると思います。2020年まで国の予算がオリンピック・パラリンピックを名目に公共施設や様々な人を受け入れるための福祉イベントなどに使われている現状、いわゆる“福祉バブル”が起きており、変わろうとしている日本。私もマイノリティの1人として、様々な価値観を持ち人生を歩んできた方を毎月取材し、Be inspired!で「日本の多様性」を受け入れるため何が必要で、何を認めないといけないか私の価値観を含めたインタビュー形式の連載『車椅子ジャーナリスト徳永 啓太のkakeru』を来月からスタートします。この連載名には、自分の価値観と誰かの価値観を”掛け合わせて”新しい価値観を提案すること。そして、人生を“賭ける”、“駆ける”人をインタビューするという意味を込めています。記事を読んでくださる方々に、新しい価値観を提供できるような記事を執筆していくので、よろしくお願いします!Keita Tokunaga(徳永 啓太)Blog|Instagram脳性麻痺により電動アシスト車椅子を使用。主に日本のファッションブランドについて執筆。2017年にダイバーシティという言葉をきっかけに日本の多様性について実態はどのようになっているのか、多様な価値観とは何なのか自分の経験をふまえ執筆活動を開始。
2018年01月29日「多様性を求める声」がいつの間にか「排外主義」に陥るこのご時世、本当の意味で平和を作るためには何が必要なのか。もちろん暴力ではない。言論だけでは足りない。何か、市井における具体的な行動が必要だ。今回Be inspired!が紹介するのは、20ヵ国以上の人々が共同生活を送る、1973年、栃木県の那須塩原に創立されたアジア学院。そこで教員をつとめる山下 崇(やました たかし)さんは、「平和は食卓から作る」と言う。いったいどういうことだろうか。栃木の片田舎から全国へ。平和を作る達人たちの取り組みについて聞いてみた。真ん中に立ち、指導しているのが山下さん知る人ぞ知る、“草の根の農村指導者”を育成する学校。アジア学院は、「公正で持続可能な社会」を作るための実践的な学び(後述)を提供し続けてきた。来年で創立45周年を迎える学院の卒業生は、現在1300人以上。彼らは世界中に点在しており、そのネットワークは今も広がり続けている。「食卓から平和を作る」とは。アジア学院での実践的な学びの核は、「フードライフ」と呼ばれる、「食べ物といのちは供に切り離すことができない」という理念を体現した毎日の生産作業(フードライフ・ワーク)にある。アジア学院は複数の田畑や家畜小屋を所有しており、ほぼ自給自足(一部の調味料を除く)で運営されているのだが、それらを耕し、育て、収穫し、解体し、再び循環のサイクルに戻すのは学院に関わる全員の役目だ。毎日の生産作業と消費作業を通して、食べものといのちの繋がりを肌で実感する。この時間を全員で共有することが大切なのだと山下さんは言う。みんなで食卓を囲んでいる風景っていうのは、絶対的にピースフルであるとおれは思うんだよね。人間は食べものがなければ、死んでしまうし、気が立って争いを起こしてしまうから。平和を表す象徴的な部分が、この食卓を囲むという風景なんだけれど、さらにそこに至るまでのプロセスをみんなで共有できればもっと良いよね「多様性社会」の実現のために。アジア学院から学ぶ、私たちにできること。現政権が掲げた「2020年までに訪日外国人4000万人」が達成できるのかは置いておいて、近年日本を訪れる外国人の数は爆発的に増えている。(参照元:HUFFPOST)東京や大阪といった大都市はもちろん、地方でもその姿を見かけることがもはや珍しくない。労働人口の減少による外国人労働者の必要性が議論されていることなども含め、島国日本は今、確実に変換期を迎えている。(参照元:YAHOO!ニュース)その中で懸念されていることの一つが文化的摩擦であるが、こればかりはすぐに解決できるものではない。それこそ草の根の地道な活動が必要になる。じゃあ私たちに何ができるのか?とりあえず、「ご飯食べに行こうよ」と言うことぐらいはすぐにできるだろう。これは何も、文化圏の違いに限った話ではない。自分の意見と反対の人を誘ったって良い。日本人の議論下手は指摘されつつあって、確かに議論が平行線を辿ると「この人は私と合わない」という結論に至ってしまう人が多い気がする(自戒を込めて)。でも、一つの意見が食い違うというだけで、その人と私の関係を終わらせてしまうのは違う気がする。そんな時に、「じゃあご飯行こう」と言えるかどうか。そういう選択の積み重ねが、近い将来嫌が応にも訪れるであろう多様性社会で、うまく生きていけるかどうかにつながる。というのは言い過ぎだろうか。少なくとも、アジア学院の理念は世界中に平和の種を蒔き続けている。そろそろ筆者も、その種蒔きに参加してみようと思うのだが、あなたも一緒にどうだろう?***アジア学院
2017年11月14日バーバリー(BURBERRY)2017 セプテンバーコレクションが、イギリス・ロンドンで発表された。選んだ舞台は、250年の歴史を持つオールド・セッションズ・ハウス。かつて裁判所としての役目を担ったその場所は生まれ変わり、これからイベントスペースへと姿を変える。今回のショーはそのこけら落としなのだ。ペット・ショップ・ボーイズの音楽は、今後、若者たちに向けた場所となろうランウェイにふさわしく、さらにモデルたちの足取りをより軽快なものへと変えていく。序盤に登場したレインコートは、温もり溢れるフェアイルを包み隠し、バーバリーのシンボルであるチェックに覆われる。足元にはアーガイル柄のソックス、頭にはクラシカルなベージュチェックの帽子をかぶって。このエクレクティックなランウェイに例外はないらしい。さらに、遊び心を想わせるのは、チェック柄の使い方。どこを取っても、いつもよりもポップなのだ。コートは裏地がチェック柄で、時には表裏を逆に着てるように見紛うコートも登場している。巨大なトートバッグは今シーズンのアイコニックな存在。こうしてあらゆる形で登場するバーバリーの象徴は、たくさんの色を纏う。60年代に使われていたヴィンテージチェック、タータンといった伝統的なパターンや素材がそこに掛け合わさり、見事に融合している。男性的力強さを出すナポレポンジャケットのようなディテールは女性らしいミニスカートへと転換され、センシュアルなレースはレインコートを被ったり、ワークジャケットとあわせたりとカジュアルな表情。性差を越えた表現も、時代を超えたものから生まれている。そんな今季のテーマは「British Photography」だという。イギリスの伝統を切り取り、モダンなエッセンスと混ぜ合わせるコレクション。大胆に混ぜ合わせられた幾多のものが斬新で、ポップな装いを可能にしている。
2017年09月18日第89回アカデミー賞に多種多様な人種がノミネートされた。昨年、白人ばかりのノミネートで物議を醸していた同賞だが、今年は俳優に対する賞の20人のノミネートのうち7人は白人以外の人種となっている。『フェンス』のデンゼル・ワシントンが主演男優賞、『ラビング愛という名前のふたり』のルース・ネッガが主演女優賞にノミネートされているほか、『ムーンライト』のマハーシャラ・アリが助演男優賞、同作品のナオミ・ハリス、『ヒドゥン・フィギュアズ』のオクタヴィア・スペンサー、『フェンス』のヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞に名を連ねている。同じ年に主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞の各カテゴリーに黒人俳優たちがノミネートされることは史上初である。そのほかには、バリー・ジェンキンスが『ムーンライト』で監督賞、エイヴァ・デュヴァーネイの『13th 憲法修正第13条』が長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。今年度のアカデミー賞のノミネートが発表される前、『ムーンライト』のマハーシャラは、有色人種の俳優たちがノミネートされることが「普通になっていく」ことを望んでいるとコメントしていた。その一方で、昨年のアカデミー賞ノミネートリストにおける人種の多様性の欠如に苦言を呈し、授賞式にも参加しなかったセレブの1人であるジェイダ・ピンケット・スミスは、今年度のノミネートリストに称賛のコメントを発表。昨年は夫ウィル・スミスらとともに授賞式をボイコットしたジェイダは、ヴァラエティのインタビューに「最高の気分よ。このノミネートを見ることができるなんて素晴らしいわ。今年度は特別な映画がたくさんあったからね」「『ヒドゥン・フィギュアズ』『フェンス』『ムーンライト』のような作品が認識されて選ばれた事をうれしく思うわ。今朝はとても誇り高い気分になったわよ」と語る。さらに、アメリカのドナルド・トランプ新大統領就任のこともあり、「現在のこの国の状況において、アーティストとして私たちがステイタスを使って、この国がどのように周囲から認識されたいのかという点に注目を注ぐ手助けをすることが重要だと思うわ」と意見。「だから今回のノミネートはその素晴らしい第一歩になったと私は見ているのよ」「どのような形でこの国を象徴したいのか、世界に届けたいメッセージとは何なのかという、この国のこの時代に生きるアーティストとしての参加の形なの」「私たちには力強い影響力があるわ。私たちは国のアイデンティティにおいても力強いイメージを作りだすことができる」と続けた。(C)BANG Media International
2017年01月26日(Photo by Flickr)今、海外を中心に「さまざまな性」をテーマにした絵本が増えている。 幼い頃、誰もが読み親しんだ絵本。 そんな絵本を通して、子どもや大人に「性」を考える機会を作る試みを追った。 性的マイノリティへの理解が課題の現代社会(Photo by Flickr)昨年ある大学生が、自分が同性愛者であると友人にばらされる「アウティング」を苦に、自殺したという悲しい事件が日本で起きていたと分かった。 今年に入り裁判に発展し、友人たちが「同性愛者は生理的に受け付けない」という類の発言をしていたことや、大学側の対応の実情が明らかになった。 同性愛者のカミングアウトの難しさ、アウティングによる精神的苦痛が浮き彫りになり、ネット上では議論が起きている。 このように、日本ではまだ性的マイノリティの人々の存在が「当たり前」として受け入れられていない。 大学生のような若い世代においてさえもこの現状である。 その原因の一つに、テレビなどのマスコミやインターネットで性的マイノリティの人々を「イジる」風潮が根強く残っているという点があるのではないだろうか。 それを当たり前のものとして受け入れてしまえば、その風潮が普通だという認識のまま、大人になってしまうのも無理はない。 日本だけでなく、世界でもLGBTQだという理由で、人々がいじめや偏見の対象になってしまうような理解の薄い地域は沢山ある。 世界で注目される「性についての絵本」で、幼いころから性を知ろう(Photo by Flickr)しかし今、日本や世界の出版業界で、「絵本」でこの現状を打破しようという動きがある。 そのうちのいくつかをご紹介しよう。(Photo by Amazon)今年4月に、子供向けの「性」について知る児童書、『いろいろな性、いろいろな生きかた』が出版された。 全3巻で、多様なセクシュアリティの現状や悩み、すべての人が生きやすい社会について訴えている。(Photo by Amazon)邦訳版も出版されているオランダの絵本『王さまと王さま』は、お姫様に興味を示さない王さまが、花嫁候補の付き添いでやってきた王子に恋をする物語だ。 「王さま同士が結ばれるおとぎ話もあっていい」というメッセージが伝わってくる。(Photo by goodreads)LGBTへの関心が高い北欧スウェーデンで出版されている絵本『Blompojken(お花の男の子)』。 この作品の主人公はスカートを履き、花冠をつけた男の子だ。 周囲から「ヘンだ」「強く、たくましくなれ」といわれる男の子を、「ありのままのあなたですてきなんだよ」というメッセージが優しく包む。 こうした絵本を通じて子どもの頃から性の多様さを知るのは、「いろいろな人がいて当たり前」という考えを持つ上でとても大切なことだ。 さらに、現に自分の性に悩みを抱えていたり、いじめの標的になっていたりする子どもたちの心の支えにもなるのではないだろうか。 まだ間に合う。大人が読んでも遅くはない(Photo by Flickr)絵本は決して子どもたちだけの物ではない。 子どもに伝わるように言葉を選んで書かれた文やイラストだからこそ、大人の心にダイレクトに刺さるメッセージがある。 「多様なセクシュアリティ」という大きなテーマを私たち大人がどのように知り、受け入れ、伝えていくべきなのか、その一つのツールとして、絵本があってもいいのではないだろうか。 日本ではまだ出版数の少ないLGBTQについて描かれた絵本だが、多様性への理解が問われる現代において、その需要は増していくだろう。 via. Huffingtonpost,産経ニュース,BUZZFEED この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「結婚」も「性別」もない時代 「ゴールデンウィークをレインボーウィークに!」初夏を感じさせるような日々がつづく東京。連休に合わせて「Tokyo Rainbow Pride2015」が開催中された... ーBe inspired!Texted by Minori Okigaki
2016年08月24日サイバーエージェントのアドテクノロジー分野を担うアドテクスタジオは1月7日、多様なデータを柔軟に組み合わせたターゲティング配信を実現するDSP「BitBlend(ビットブレンド)」の提供を開始した。同社によると昨今、スマートフォンRTB広告市場は拡大を続け、効率的な広告運用を可能にするDSPの需要が高まっているという。今回提供を開始した「BitBlend」は、企業が保有する顧客データや広告配信データ、データパートナー企業のデータなど多様なデータを柔軟に組み合わせてユーザーセグメントを設計し、BitBlendが保有する月間約1,000億インプレッションの広告配信在庫へ広告を配信することが可能だ。また、付加価値の高いプレミアム広告配信を開発中であり、その第1弾として、位置情報を活用したリアル行動ターゲティングの動画配信を提供開始。企業の顧客データや広告配信データに位置情報を組み合わせることで、ユーザーの行動や生活シーンに応じた最適な動画広告配信を実現する。
2016年01月08日何が人を美しくするのだろうか? 美の基準はどこにあるのか? それはその人が住んでいる地域によってさまざまだ。さまざまな文化が地球上に彩りを持たせているのと同様、美の基準の違いもまた地球の多様性の表れでもある。国それぞれ、海岸線一つとっても、明らかな服装の違い以上に、私たち人間は極めて多様な異なった価値観を持つ傾向にある。心を開いて違う文化を少しだけ理解すれば、誰でも世界の果てにしかないような最高の美も敬うことができる。それを証明するために、世界各国のゴージャスな女性たちの写真を紹介しよう。これらの写真は、The Atlas of Beauty(美のアトラス)と名づけられたプロジェクトのため、世界中を旅しているポーランド人写真家ミハエラ・ノロックによって撮影された。写っている女性たちは、美は世界のいたるところにあり、みんな違ってそれぞれの美を放っていることをまさに証明している。化粧品、金銭、人種、社会的地位など関係なく、その人自身であることが重要なのだ。世界的なトレンドというものは、みんなに同じものを見せ、同じ行動をさせるが、わたしたちは皆、それぞれ違うから美しいのだ。○1.マラムレシュ(ルーマニア)鮮やかな配色が、この国の女性の伝統的な衣装にインパクトを与えている。女性の表情は笑みを秘めているようにも見えるが、それで十分だ。○2.シラズ(イラン)イランは西洋人が思っている以上に開かれた国だ。もちろん女性も保守的な宗教衣装で顔をすっぽり覆うことを強要されてはいない。イランのすばらしい歴史と現在の姿をもっと知ってほしい。○3.チベット高原(中国)古い中国は、わたしたちにチベットのことなど気にかけないようにさせようとしているのかもしれないが、ダライラマが長年追放されているこの問題の地は、母国や他の国とは遺伝子構造の大きく違う文化を持つ、なんとも魅力的な国だ。○4.オモ川流域(エチオピア)この女性のヘアスタイルやカラーリングはアメリカ人にとっては奇妙かもしれないが、彼女の笑顔が時間を超越した美を全面に表している。カラフルなネックレスもとてもすてきだ。服や髪のスタイルは西洋人にとっては風変わりかもしれないが、エチオピアの美の最高の例だろう。○5.バルト海(フィンランド)大きな船のデッキに立つこのブロンドの美女は、典型的なスカンディナビア女性の美を証明している。長身でブロンドの美しい人は、この名高い半島をすぐにでも訪れてみたい気持ちにさせてくれる。○6.リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)ブラジルは、米国のようにさまざまな人種が入り交じった南米最大の国だ。地元のラテン系はもちろん、ヨーロッパ系やアフリカの血を引いている人もいる、この人類のるつぼは、それこそさまざまで美しい。このシンプルな服を着た黒髪の女性の頭上には、自国の国旗が飾られている。○7.ヤンゴン(ミャンマー)ビルマとしても知られるこの国は、軍事政権に統治されてはいるが、国民は活気にあふれ、美を謳歌している。仏教寺院で撮られたこの写真からは、この国の人々がいかに穏やかで平和に暮らしているかがわかる。○8.コルカバレー(ペルー)ペルーの伝統衣装は、大胆な色彩と複雑な模様で有名で、この若い美しい女性はそれを完璧に証明している。この国の文化は、ほとんど外国と接点を持たない土着の人から、現代ファッションの最先端をいく人までさまざまなだ。○9.ケチュア族(アマゾン熱帯雨林)先住民のケチュア族の女性。伝統的な衣装は西洋のものとはまったく違う。撮影者のために、伝統的な結婚式の衣装を身に着け、顔に印象的なメークをして写真を撮らせてくれた。○10.エルパイコ(チリ)大きな黒い瞳でじっとこちらを見つめるこの美しいチリの女性は、分厚い手編みのショールを羽織っている。チリは南北に長く、熱帯から山岳地帯までありとあらゆる気候が体験できる。そのため、さまざまな気候に対応できる服が必要なのだ。○11.リガ(ラトヴィア)なにも知らないで見たら、このラトヴィア人女性はアメリカ人かと思うかもしれないが、彼女の文化も言語もアメリカのものとはまったく違う。服は比較的どこでも見られるもののようだが、彼女の名前はアガテという。○12.ナシール・アルムルク(イラン)うっとりするようなこの写真は、美しいイラン女性だけでなく、まばゆい光の洪水が注ぎ込む世界的に有名なナシール・アルムルクモスクがすばらしい。伝統衣装に身を包んだ彼女が、ステンドグラスの窓から差し込む七色の光を浴びて文字通り輝いている。○13.エチオピアこの女性はかすかに首にタトゥーを入れていて、神々しいほどの自信に満ちているような表情をしている。このようなアップの写真では、どうしても最初に顔に目がいってしまい、服装や風習など色あせてしまう。○14.リトルインディア(シンガポール)小さな半島の国だが、人種は多様化していて、文化のるつぼになっている。この女性は伝統的なインドの衣装や宝石を身につけている。○15.ニューヨーク(アメリカ)この街は真の国際都市の一つかもしれない。市民の気質がそれを表している。この女性は確かに大陸から大陸に受け継がれてきた風貌をしているが、実際にはどこにでもいる女性のようにも見える。もちろん、それが彼女をよりニューヨーカー的にしている。○16.ハバナ(キューバ)アメリカの南の隣国キューバは、大国からのビンテージ文化をリバイバルして大いに楽しんでいる。クラシックカーの軍団がいまだに蒸し暑い通りを走り回っている。しかし、服装は古いアメリカのものではなく、このショートヘアの美人が着ているように、カラフルで遊び心満載のものだ。○17.オックスフォード(イギリス)イギリスは赤毛の美人が多いことで知られている。全世界的に、アイルランド、スコットランド、イングランド出身の美人たちが特別な魅力をもっていることは否定できない。○18.チェンマイ(タイ)タイはビーチも女性も美しいことで知られているが、やはり女性のほうに軍配が上がるかもしれない。この写真の女性のように、シンプルな白い服でビンテージホテルの一室にいるだけで、見る者をくぎづけにしてしまうのだから、その理由もよくわかる。○19.チベット高原(中国)再びチベットに戻って、この地の独特な美人の例を見てみよう。中国の人とは明らかに違い、チベットの人たちは独自の服のスタイルをもっている。山岳気候環境に完璧に適応した服に、チベットの女性たちは鮮やかな色を使う。○20.ボゴタ(コロンビア)とても自由奔放な気質をもった国。青い一輪車で遊んでいる、この写真の女性からもそれが伝わってくる。水玉、つぎはぎ、紫のスニーカーの取りあわせという見事にワイルドな服装だ。○21.ハバナ(キューバ)再びハバナのホットなストリートへ。カラフルな花柄のパンツ姿の女性と原色の車。この国は近隣の国の中でも特に大胆なことで知られ、強烈な配色が目立っている。○22.メデリン(コロンビア)本物の美をめでるには、至近距離でその瞳を直接のぞき込むのが一番だ。この女性の顔には、ただため息がもれるばかりだ。○23.モーラミャイン(ミャンマー)再びミャンマー。この国の人々とファッションセンスの別の面を見てみよう。この女性は、アメリカかカナダの家の中で着ているような、シンプルな格子柄のシャツを着ているが、目を引き、そそられるのは、顔の白いペイントと彼女の魅力的な笑顔だ。○24.サンフランシスコ(アメリカ)赤毛美人はイギリスだけではない。北カリフォルニアの有名なサンフランシスコ湾のそばにたたずむこの美人をアメリカは誇ることができる。○25.タシケント(ウズベキスタン)この国ではあちこちで見られる旧ソ連時代の建物の間で、自信ありげに立つウズベキスタン女性。シンプルな黒いタートルネックが驚くほど効果的。旧ソ連のこの国は、モスクやマウソロス霊廟、古代シルクロードの遺物で知られる。○26.シドニー(オーストラリア)独特な野生動物の宝庫であり、世界的に有名なサンゴ礁やアドベンチャー的なアウトドア文化でも知られる。もちろん、ふさ飾りのついた西洋風ジャケットを着て海のそばに立つこの女性も輝いて見える。○27.オタバロ(エクアドル)ラテンアメリカは、ユニークで魅力的な文化の宝庫。このエクアドル女性は、伝統衣装を身につけて野原に座っている。わたしたちがはるかかなただと思っている国々のさまざまな面を見るのはとてもすばらしい。○28.サンペドロ・デ・アタカマ(チリ)チリにはさまざまな遺産があり、多様な人がいる。レンガの壁にもたれかかっているこの女性は、張り詰めたような表情をしていて、思わずどうしたのか事情を知りたくてたまらなくなる。次の瞬間、興味の尽きないこのチリ美人はまったく別の面を見せ、こちらを面食らわせる。○29.トビリシ(ジョージア)東欧の端に目を向けると、明るいブルーの瞳に黒髪のはっとするようなジョージア女性に会った。隣のロシアとヨーロッパの影響にはさまれて、たびたび大混乱に巻き込まれてきたが、人々は歴史と美人の確固たる土台の上にしっかりと立っている。○30.マオリ・マラエ(ニュージーランド)マオリの人々は、何千年もニュージーランドに続く誇り高い土着の文化だ。時とともに、自分たちの文化が西洋世界と混ざり合っていることが彼らにはわかっている。映画『ロード・オブ・ザ・リング』の影響もあって、ニュージーランドの映画産業はブームになっていて、世界中がマオリの人々にもっと注目しようとしている。○31.スマトラ島(インドネシア)インドネシアもまた驚くほど多様な国家だ。タトゥーをいれたこの女性は、古いコンクリートの建物に囲まれ、家族の靴が置いてある玄関前の階段に座っている。完全に世界的な影響を受ける中、やはり異文化の混合が見られる。彼女の伝統的なタトゥーは、どこかなじみがあり、郷愁を誘うように思える。○32.ニューヨークハーレム(アメリカ)ニューヨークの文化や生活がいかにモザイクのように多様かを強調することはできない。おびただしい伝統の融合以上に、この町は最先端のファッションで有名だ。この女性も、現代的な装いの先端をいっている。○33.マンコラ(ペルー)新たなペルーの一面。現代的なありがちな色合いのセーターを着たロングヘアのこの女性に、こんなはっとするような表情をされたら、不意をつかれるのも当然だろう。○34.ジャワ海(インドネシア)インドネシアは服装から民族性までそれこそさまざまだと強調してきたが、美人の数も半端ではない。海に出るフェリーの上で撮られたこの写真は、大胆なファッションセンスにはっとさせられた美人。少なくとも、後ろにいる男性の一人もこちらと同じ気持ちのようだ。○35.リマ(ペルー)ペルーの現代的なイメージを表した一枚。この女性の来ている服は、北米のどこでも見られるようなもの。グローバリズムが私たちの生活を個性のないものにしている一方、それぞれの国の美人の特異性は損なわれることはない。○36. メデリン(コロンビア)コロンビアの人は大胆で、冒険好きな雰囲気を持っているが、この女性の服装は特にユニークで大胆だ。外の世界にはよく知られているありきたりのファッションかもしれないが、これほど圧倒的な美しさがあれば、なんの疑問も持たないだろう。○37.北部ルーマニアこのプロジェクトにとって、ルーマニアはなじみの国だが、それには十分な理由がある。伝統的な衣装をつけたこの女性の刺すような視線に思わず引き込まれる。彼女は知覚のベールを貫いて、まっすぐにカメラを見つめている。○38.イスタンブール(トルコ)トルコの首都イスタンブールでパレードの中に立つ威勢のいい女性。もっとも古い都市の一つであるこの町は、活気にあふれる文化や生活の中心。にやにやしている機動隊の顔が、いい時代であることを物語っている。○39.夏河(中国)漢族の女性。中国には極端に異なるさまざまな民族のグループがいるが、漢族はもっとも一般的だ。伝統的なドレスを着て、西洋人の前では遠慮がちに見えるが、ほかにはない魅力を秘めているのがわかる。○40.シラズ(イラン)伝統的なタイルの壁の前に座るイラン女性。壁にはカラフルで複雑な模様が施されており、多くの人々にとっての国家の美をはっきり見せている。彼女のアクアマリンブルーのドレスと透けた薄衣が、明るくすばらしい色合いを一層際立たせている。○41.メデリン(コロンビア)眼下に広がる町を眺めながら、考えにふけるこのコロンビア女性は、自由で生き生きした文化を強調している。彼女のまわりには、この国の生活の基盤があり、丘にずっと続く家々の向こうのきらめく青空に見事なグラフィックが対峙している。世界の美しい女性たちの写真から、驚きやインスピレーション、憧れでもいい、なにかが感じ取れるはずだ。世界は驚くほどさまざまに違う。このギャラリーにおさめられている写真は、氷山の一角にすぎない。海そのもののように、魅力の定義はあまりに広すぎて、多種多様、常に変動しているのだ。カラパイアブログ「カラパイア」では、地球上に存在するもの、地球外に存在するかもしれないものの生態を、「みんなみんな生きているんだともだちなんだ」目線で観察している。この世の森羅万象、全てがネイチャーのなすがままに、運命で定められた自然淘汰のその日まで、毎日どこかで繰り広げられている、人間を含めたいろんな生物の所業、地球上に起きていること、宇宙で起きていることなどを、動画や画像、ニュースやネタを通して紹介している。
2015年08月23日東邦大学はこのほど、2011年3月の東北地方太平洋沖地震に伴う巨大津波によって、大規模な撹乱を受けた仙台湾沿岸の海岸林において、「津波によって生み出された多様性」があると発表した。これは同大学理学部生命環境科学科を2014年3月に卒業した遠座なつみ氏および同 西廣淳 准教授らの論文で報告されたもので、2014年11月発行の日本生態学会の研究誌「保全生態学研究」に掲載された。遠座氏、西廣准教授らは、2013年7月および10月に津波による撹乱を受けた海岸林の管理方針の検討に資することを目的として、津波の影響を受けた海岸林の植生調査を実施した。その結果、調査対象となった地域では、津波により「倒木した場所」と倒木せずに「残存した場所」が50m程度の幅で交互に成立しており、「倒木した場所」では草原の植物が、「残存した場所」では撹乱以前と共通した植物が生育していた。また、津波以前より存在した湿地はほとんどダメージを受けていなかった。このように、海岸林として環境が均質であった場所が、撹乱によって環境の異なる場ができたことで、全体として多様な種の育成が可能となったことがわかった。さらに、海岸林を構成していたクロマツが津波により倒れたことで生じた窪地が、イヌセンブリなど絶滅危惧種の生育場所になっていた。現在、このような海岸林では、2-3m程度の盛土をし、新たにクロマツを植林する事業が進められている。同研究の結果は、生物多様性保全の観点からは植林事業が問題が大きいことを示している。
2015年01月07日グローバル化が進む中、企業の中でも、国籍や人種の枠を超えた人材の多様化が進んでいる。今回は、そうした人材の多様化を意味する「ダイバーシティ」に積極的に取り組んでいるアクサ生命の執行役兼人事部門長の岩崎敏信氏に、ダイバーシティの意義や取組み状況についてインタビューした。――あらためて「ダイバーシティ」の意味するところを教えていただけますでしょうか?性別、国籍、年齢、障害など、変えようのない個人の属性に対しての差別や偏見をなくして、あくまで本人の能力などをベースに、その能力をフルに発揮してもらえる組織を構築することであるととらえています。例えば、新卒採用か中途採用かを分けて考えることも、差別や偏見の一種だといえます。なぜなら、新卒か中途採用かは、入社した時点で決まっており、本人にとってはどうしようもないことだからです。そういった考えを全部なくして、個々人の属性にとらわれずに能力にフォーカスして対応していくことが、「ダイバーシティ」といえるのではないでしょうか。――なぜ「ダイバーシティ」が重要視されるようになったのでしょうか?かつてIBMが経営不振になった時に、異業種のRJRナビスコからルイス・ガースナーという人が経営者となり、「ダイバーシティ」を推進したのが有名です。当時のIBMの社員は全世界に数十万人もいました。ガースナー氏は、属性にとらわれない人種や国籍を超えて人材を登用する「ダイバーシティ」を推進することで急激に業績を回復させ、それが一つの成功事例となって、「ダイバーシティ」という考えが世界に知られるきっかけとなったといえます。それが2000年前後のことで、米国の場合は、アファーマティブ・アクションなどの動きもあり、性別や人種に応じて、それぞれ一定割合を採用しなければならないということになりました。――なるほど。米国から「ダイバーシティ」が広がっていったのですね。日本でも、米国の影響を受けて「ダイバーシティ」に関し、女性管理職を一定割合以上にするといった、数値目標を設定する企業も一般的になりました。ただ、欧州では、数値目標を掲げるといったことはあまりなかったのです。それは、あくまで、属性にとらわれずに能力をみていくという考えと、性別や人種などの属性ごとに一定割合以上にするといった考えが、必ずしも同一ではないからです。――米国流の属性比率を重視する考えと、「ダイバーシティ」のとらえかたが少し違うというわけですね。では、アクサグループでは、いつごろから「ダイバーシティ」に取り組んできたのでしょうか?2006年です。株主には米国の資本家もいるわけですから、経営層がフランス人の男性ばかりというのはよくないなど、株主からの要望もありました。また、欧州の中でも、北欧の国々は閣僚の一定割合を女性にするなどの動きもあり、アクサグループとしてもダイバーシティに取り組まないわけにはいかないと。ただし、先ほども申し上げましたが、グループとしては、ある属性ごとに一定割合以上にしなさいということは掲げず、あくまで、属性にとらわれずに能力を見ていくという基本理念に沿った方針をとってきました。――なるほど。数値目標より、理念を重視しているのですね。では、日本のアクサ生命においてはどうでしょうか?これまでは世界のアクサグループ全体について話をしてきました。アクサグループはダイバーシティに関する枠組みを世界のグループ各社に提案し、それを受けて、各拠点で実践するというやり方をとっています。トップダウンではなく、グループ全体でベストプラクティスを共有するとか、そういうやり方です。一方、日本のアクサ生命についていえば、2009年3月下旬、障害者雇用に関し、法定雇用率が1.8%だったのに、雇用率が1.0%すれすれであることが判明しました。これは、生命保険業界の中では最下位レベルだったわけです。100%出資の特例子会社を作ってそこで障害者を雇用し、法定雇用率を達成する方法をとる会社もありますが、アクサ生命では、「ダイバーシティ&インクルージョン(受容・共生)」を理念としていますので、障害者という属性を一箇所に集めるのではなく、他の属性と同化させる方法をとることに決めました。女性マネージャーが、「障害者の方が求めているのは、チャリティではなくて、チャンスなんだ」と熱く語ってくれたのを印象深く覚えています。つまり、障害者を「能力が欠けた人」と見るのではなく、「異なる能力を有する人材」と見て、その能力を活かして会社や社会に貢献するチャンスがあることが重要であることに彼女は言及したのです。――岩崎さんは、それにどう応えたのでしょうか?彼女の情熱に打たれた私は、彼女にダイバーシティのマネージャーをしないかと提案しました。彼女はそれを快諾し、現在はアクサ生命のダイバーシティ推進において、活躍してくれています。推進する上ではリソースが必要ですから、専任の担当者から成るダイバーシティ推進室を設置し、きっちり予算も付与し、精神論で終わらない取組みを行っています。――具体的には、アクサ生命では、どのような推進制度があるのでしょうか?まず、「ダイバーシティ&インクルージョン・アドバイザリ・カウンシル(DIAC)」という司令塔的な役割を担う組織があります。CEO自らがチェアパーソンを務め、主要ビジネスユニットを代表する6名の役員と部長がダイバーシティ・マネージャーとともにメンバーとして参加し、外部のダイバーシティ・コンサルタントも交え討議しています。そこでダイバーシティの方向性を決め、各部門で障害者の方をダイバーシティの推進とインクルージョンするための活動を積極的に行えるようにしています。ここで大切なのは、各部門でもダイバーシティ推進者を選任していることです。トップや人事が決めたことにただ従うというだけでは、真の意味のダイバーシティは実現しないのです。重要なのは、部門の特性や実情にあった取組みをすることで、ダイバーシティの推進が人材の活性化やビジネスに役に立っているということを感じてもらうことです。そのために、各部門が積極的に取り組むことが必要なのです。――各部門で積極的に参加してもらう仕組みが大切なわけですね。例えば女性の活躍推進については、非営業部門では女性管理職割合が20%近くに達していますが、営業部門では2%足らずと大きなギャップがあります。一方で人材を見ると、営業部門には業績を挙げている女性営業社員の潤沢なプールがあります。このような部門の特徴を踏まえ、現在営業チャンネルでの女性管理職登用に力を入れています。先日もある営業チャネルでは管理職候補の女性営業社員の懇談会を実施し、そこに社長も加わり「アクサ生命では女性に『ガラスの天井』はありません、将来皆さんの中から私の後任が出ても不思議ではありません」とスピーチし、参加者の士気が大いに盛り上がりました。そのほか、手話教室など障害や障害者を理解するためのプログラムを実施していまして、2010年9月に法定雇用率1.8%を達成、現在は2%を超えています。――業界では最下位レベルだったアクサ生命が、今や業界トップレベルにまでなったのですね。今回策定した「カルチャーアクション」という取組みでも、ダイバーシティはその中の大きな項目の一つです。「カルチャーアクション」では、ダイバーシティのほか、社員満足・コンプライアンス・企業の社会的責任などを包括的に捉え、改善すべき問題点に対して、同じ解決方法=アクションをとれるものは、同時に行っていくというものです。――カルチャーアクションによって、ダイバーシティ推進も加速しそうですね。最後に、御社におけるダイバーシティ推進上の今後の課題を教えてください。本社と本社以外でダイバーシティの理解に大きな差があることですね。「ダイバーシティについて知っている」と答えた社員の割合は、本社の80%に対し本社以外(主として営業社員)では20%でした。営業社員こそがダイバーシティの意義を理解し、アクサを代表して誇りをもってそのスピリットをお客さまに伝えることができること、これができなければ会社にとって大きな機会喪失だと考えています。ただ、一朝一夕にはできないことですから、まずは、小さな成功から積み重ねていき、それを体感してもらうことで、ダイバーシティを「インプルーブ(発展)」させていくことが重要だと認識しています。――御社と岩崎さんのダイバーシティに対する取組み・熱意が大変よく分かりました。本日は本当にありがとうございました。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月19日