2020年ナンバー1の胸キュン韓国ドラマ『愛の不時着』が展示会として日本に上陸!年明けの1月8日から東京・渋谷で、さらに大阪・福岡・名古屋で『愛の不時着』展が順次開催されます。名シーンの再現や小道具の展示など、あのラブストーリーを全身で体感できるドキドキのイベントをご紹介!『愛の不時着』に再会!【女子的アートナビ】vol. 191『愛の不時着』は動画配信サービス『Netflix』で2020年2月から配信され、空前の大ヒットとなった韓国ドラマ。韓国の財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン)がパラグライダー事故で北朝鮮に不時着し、北朝鮮の将校リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)と出会って恋に落ちる、サスペンスタッチのラブストーリーです。初回からスリリングな場面が多く、中毒性の高いドラマにハマる女子が続出。クールなのに恋愛には純朴なジョンヒョクがとにかくステキで、韓国ドラマならではのロマンティックなシーンも魅力的です。SNSでは“愛の不時着ロス”や“ヒョンビン・ロス”も話題となりました。そんなロスの方にぜひ訪れてほしいのが、『愛の不時着』展。会場では、ふたりの出会いから再会までの名シーンが再現されます。パラグライダーが登場!ドラマと同じように展示会もパラグライダーのシーンからスタート。なんと、本物の木の枝にセリが実際に使ったパラグライダーが展示されます。心憎い演出ですね~。また、ジョンヒョクの家のリビングや別れの国境などのセットも登場。お気に入りの場面をいろいろ思い出しながら、映像の世界をリアルに体験できます。衣装展示も見逃せません。パラグライダーのシーンでセリが着用していた衣装や、ジョンヒョクの軍服なども日本初公開。実際に使われていた衣装なんて、想像するだけで興奮しちゃいます!自転車もピアノも!名シーンの小道具も多数登場。ロマンティックな夜のデートで2人乗りした「自転車」や、ジョンヒョクが弾いた「ピアノ」も展示。さらにフォトスポットでは、スイスでふたりが再会したシーンが再現されています。あの場面で写真が撮れるなんて、感涙ものです!写真や映像も惜しみなく公開されます。本編映像はもちろん、約250点の未公開カットを含む450点超のカットが登場。ドラマを何度もループして見たというツワモノさんでも満足できる、充実した展示内容です。グッズもすごい!『愛の不時着』展にはオリジナルグッズも多数用意されています。定番のクリアファイルやマグカップ、Tシャツのほかに、マスクやマスクケースなども販売。個人的に気になるのは、「ゆらゆらアクリルスタンド」¥1,000(税込)。パソコンの隣にジョンヒョクを置いて、仕事の合間につんつんしたいです。また、クレーンゲームもおもしろそうです。1プレイ¥500(税込)で、オリジナル缶バッチやスマホグリップなどがゲットできるかもしれません。展示会は1月8日から開催。東京会場のjingでは1時間ごとの時間指定入場となっています。詳しくは公式サイトでご確認ください。Information「愛の不時着」展【東京 jing】会期:2020年1月8日~2020年2月27日開館時間:10:00~22:00(最終入場21:30)※1時間ごとの時間指定入場会場:東京 jing観覧料:¥1,800※未就学児無料©CultureDepot. ©STUDIO DRAGON CORP.
2020年12月25日東京・竹橋の東京国立近代美術館で『眠り展:アートと生きることゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで』がはじまりました。芸術家たちの創造を刺激した「眠り」にスポットをあてたユニークな展覧会のプレス内見会を取材。さらに、同時開催中の美しき『男性彫刻』もご紹介!『眠り展』とは?【女子的アートナビ】vol. 189『眠り展:アートと生きることゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで』では、「眠り」をテーマにした古今東西33作家による絵画や写真、映像、インスタレーション作品など119点を展示。17世紀のバロック絵画から現代アートまで多彩な作品を見ることができます。そもそもこの展覧会は、全国各地にある国立美術館6館による合同展。幅広いコレクションのなかから作品を厳選し、紹介しています。なせ「眠り」?なぜ美術の展覧会で「眠り」をテーマにしたのでしょうか。企画者の東京国立近代美術館研究員 古舘遼さんによると、「眠りというのは、夢とうつつ(現実)をつなぐ創造の源泉である」とのこと。また、本展の象徴として使われているゴヤの作品《理性の眠りは怪物を生む》について、古舘さんは次のように解説しました。古舘さんこの絵は、眠る芸術家の周りにさまざまな動物が集まり、そのなかのフクロウが、銅版画制作に必要な針を芸術家に手渡すことにより芸術が生まれる、という趣旨の作品。眠りが芸術を生み出す原点、ということを表しています。「眠り」がいっぱい!会場は序章・終章を含む7章で構成されています。まず、シンプルにかわいいのが、幼い甥っ子たちの寝顔を描いたルーベンスの作品《眠る二人の子供》。無防備な表情やぷくぷくした赤い頬が愛らしく、見ていると自然に頬が緩みます。ルーベンスとは対照的にドキッとするのが、塩田千春の映像作品《落ちる砂》。砂ぼこりが立つ息苦しそうな部屋で、女性がベッドに横たわるシーンなどが流れています。窓からの光が不穏な室内を照らし出し、なんともいえない不安な気持ちにさせられます。河口龍夫の《関係―種子、土、水、空気》は、一見すると眠りとは関係なさそうに思えます。黒い鉛の板に埋め込まれたタマネギや麦などの種子が壁一面に掛かり、床に置いてある管には、植物に必要な土や水などが閉じ込められています。これらは「植物の種子を保護する」というメッセージが込められた作品。『目覚めを待つ』と題された第4章で見ることができます。『眠り展:アートと生きること』の会期は2021年2月23日まで。男の裸がいっぱい?!『眠り展』のチケットで入館当日に限り見られる同時開催中の展覧会が2つあります。本記事では、2階のギャラリー4で開催中の『コレクションによる小企画男性彫刻』をご紹介。小さな一室で開かれている企画展ですが、凝ったパンフレットを見るだけで並々ならぬ気合いが感じられます。この小企画では、20世紀はじめから1940年代にかけて日本で制作された男性の彫刻を展示。展示室内は「強い男」「賢い男」「弱い男」の3コーナーに分けられ、荻原守衛、朝倉文夫、平櫛田中など有名彫刻家の作品が並んでいます。「強い男」たちの彫刻は、ほぼ裸体。筋骨隆々の肉体をさらけ出しています。上の画像は、長崎にある「平和祈念像」の制作者として知られる北村西望の《怒涛》。モチーフは、荒波に立ち向かう漁師です。胸板のたくましさに見惚れますが、体と対照的に表情がゆるい感じ。これは口笛を吹いている顔とのこと。近くで見ると、妙にリアリティがあります。聖書や神話の人物をモデルにしている西洋彫刻なら全裸でも違和感ないのですが、一般東洋人のリアルな全裸彫刻は、なにか生々しくて気恥ずかしさも感じます。なぜ裸にするのでしょう?解説によると、明治時代の彫刻家は西洋彫刻を規範に全裸彫刻の日本定着をもくろんだとのこと。ただ、風紀を乱すという理由で検閲にひっかかった時代もあり、男性器を切断させられ、そもそも目立たないようにつくったりしたこともあったそうです。男性彫刻をまとめて見られる機会はめったにありません。ぜひ『眠り展』と合わせて、こちらもご覧ください。Information『眠り展:アートと生きることゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで』会期: ~2021年2月23日(火・祝)休館日:月曜[2021年1月11日(月)は開館]、12月28日(月)~2021年1月1日(金・祝)、2021年1月12日(火)開館時間:10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで会場:東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー観覧料:一般¥ 1,200、大学生:¥600※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等を提示。※本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、「コレクションによる小企画男性彫刻」(2F ギャラリー4)も観覧可能。※本記事の写真は、プレス内見会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年12月10日人気イラストレーター長場雄さんの個展『The Last Supper』が12月11日から渋谷MIYASHITA PARKのギャラリー『SAI』ではじまります。貴重なアートピースをはじめ、さまざまな限定グッズも登場!注目の個展をご紹介します!「最後の晩餐」が…!【女子的アートナビ】vol. 189まもなくスタートする長場雄さんの個展『The Last Supper』では、大小さまざまな形のキャンバスに描かれた作品や初披露の立体作品が集結。なかでも注目されているのが、4メートルのキャンバスにアクリル絵の具で描かれた代表作《The Last Supper》です。日本語にすると「最後の晩餐」となる本作品には、あのレオナルド・ダ・ヴィンチの同名作品と同じように横長のテーブルについた13人の人物が描かれています。中央にいる黒い帽子を被った人物の左右にさまざまな人が配置されていますが、これらの登場人物は、音楽やファッションの世界で後世に影響を与えた有名人。テーブルに置かれている小物がヒントになっています。『anan』でもおなじみ!イラストレーターでアーティストの長場雄さんは1976年生まれ。少年期をトルコで過ごされ、現地で画家に油絵を習った経験から美術大学に進み、デザイナーとして活動したあと独立。現在は人気アパレルとのコラボや雑誌、広告、コンサートのツアーグッズなど、幅広い分野で活躍されています。雑誌『anan』でのコラム挿画でもおなじみですよね。ミニマルで無駄のない線で描かれた作品は、スタイリッシュなのにどこか懐かしい感じがします。その理由は、映画やミュージックシーンなどで見たことのある人たちが描かれているから。人物の特徴をとらえたシンプルな造形は、ポートレートやカリカチュアといった従来のジャンルを超えた、魅力的な現代アートになっています。クリスマスプレゼントに!展示会場では、作品だけでなくポスターやステッカーなどさまざまな限定グッズも登場。さらに、シルクスクリーンポスターや作品の抽選販売も予定されています。また、長場さんといえばUNIQLOやBEAMSなど有名ブランドとのコラボコレクションを思い浮かべる人も多いと思いますが、今回も展覧会限定のアパレルアイテムが登場。長場さんのグッズは男性ファンも多いので、彼へのクリスマスプレゼントが見つかるかもしれません!さらに、この12月に京都で開催されたばかりの人気アートフェア「artKYOTO 2020」で発売されたアンダーカバー(UNDERCOVER)とのコラボアパレルも販売。黒のロングスリーブTシャツは、写真で見るだけでもかっこいいです!ほかにも、ポストカードやピンズ、サコッシュなども販売予定。自分へのクリスマスプレゼントとしてもよさそうですね。会期は12月27日まで。ぜひ足を運んでみてくださいね!Information「The Last Supper」会期:2020年12月11日(金)~12月27日(日)時間:11:00~21:00会場:サイ住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 レイヤード ミヤシタパーク サウス 3階【問い合わせ先】サイTEL:03-6712-5706
2020年12月10日残虐な王さまや酒浸りの女王など、クセのある人物を多く輩出した英国王室。今なお注目を浴び続けるロイヤルファミリーの歴史を肖像画でたどれる『ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING & QUEEN展』が上野の森美術館で開催中です。描かれた人物の生きざまにドキドキしたり、華やかなドレスにうっとりしたり、さまざまな楽しみ方ができる肖像画の世界をご紹介!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 188この展覧会では、肖像専門美術館ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーから来日した肖像画・肖像写真など約90作品を展示。16世紀のテューダー朝から現在のウィンザー朝まで、5つの王朝のドラマチックな歴史を肖像画でたどることができます。会場では1階にテューダー朝からハノーヴァー朝までの油彩画を中心とした作品が並び、2階にはヴィクトリア女王の時代から現代のウィンザー朝までの写真などが展示されています。※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。展覧会日本側監修の東京藝術大学大学美術館准教授 熊澤弘さんによると、肖像画には「王室の人々の姿を記録するだけでなく、国王のイメージを紹介するという目的もあった」とのこと。古い時代には国王が雄大な姿で描かれ、近代になると親しみやすいものに変わっているそうで、時代によってイメージが変わっていく点も見どころのようです。また、本展のナビゲーターをつとめる作家・ドイツ文学者の中野京子さんは「描かれている人がどんな人かわかっていると、肖像画はおもしろい。最低限の知識をもって鑑賞すると楽しみが増す」とコメント。会場には、中野さんの視点で書かれた王さまたちのストーリーがところどころに掲示されています。肖像画と王の物語をセットで楽しむのがポイントです。妻2人を斬首!それでは、特に濃厚なストーリーをもつ国王の肖像画をピックアップしてご紹介していきます。もっとも強烈な王さまは、ヘンリー8世(在位1509-47)。この肖像画は、1536年に画家のハンス・ホルバイン(子)が描いたオリジナルの複製。服装や宝飾品がゴージャスで、権力者の貫禄が漂っています。彼は自分が離婚するために宗教改革を起こし(当時カトリックでは離婚が禁止されていた)、結局6回も結婚しました。妻たちの運命がとにかく悲惨で、男子が生まれないなど気に入らないことがあると離縁され、ひどいときには斬首。6人の妻は順に、離婚・斬首・死亡・離婚・斬首と続き、最後の妻だけ生き残りました。会場には、処刑された妻の肖像画や彼女たちの物語も展示されています。ダイアナ妃のご先祖さま!続いてご紹介するのは、チャールズ2世(在位1660-85)の肖像画。カリスマ性があり国民に愛された王さまで、たくさんの愛人がいたことでも有名です。その愛人との間にできた子どもの子孫がダイアナ元皇太子妃。あの美しい元妃のご先祖さま、と知ってから肖像画を見ると、がぜん興味がわきます。ちなみに、カミラ夫人のご先祖さまの写真も会場2階で見ることができます。酒びたりの女王さま…最後にご紹介するのは、アン女王(在位1702-14)の肖像画。1707年にイングランドとスコットランドを統合したことが功績として語られていますが、中野さんの解説によるとアルコール依存症だったとのこと。17回ほど妊娠したのに流産や死産などで子どもが育たず、その悲しみでお酒におぼれてしまったそうです。この肖像画は王位につく前に描かれたもの。きらびやかな衣装を身につけていますが、表情はあまり晴れやかではありません。未来を予見しているのかもしれません。本記事では伝統的な肖像画をピックアップしましたが、会場では近現代のロイヤルファミリーを撮った写真も数多く展示されています。美しいポートレートと、描かれた人のストーリーを一緒に楽しめる展覧会、どうぞお見逃しなく!Information会期: ~2021年1月11日(月・祝)休館日:会期中無休開館時間:10:00~17:00 ※金曜日は20:00まで。ただし、1月1日(金・祝)は17:00まで会場:上野の森美術館観覧料:平日:一般¥1,800、高校・大学生:¥1,600、小・中学生:¥1,000、土日祝:一般¥2,000、高校・大学生:¥1,800、小・中学生:¥1,200、※会場にて午前10時より当日券を販売。入場前日午後5時まで日時指定券の事前販売あり。
2020年11月24日東京・京橋のアーティゾン美術館で『琳派と印象派展』が開催中です。日本美術のなかでも人気のある琳派と、みんな大好きなフランスの印象派作品約100点が集結。あの有名すぎる国宝もご紹介!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 187『琳派と印象派東西都市文化が生んだ美術』は、17世紀~19世紀の京都、江戸、パリという大都市から生まれた多くの作品を、東西の都市文化を比較しながら楽しむことができる展覧会です。会場には、石橋財団コレクションと国内の寺院や博物館などの作品を合わせた約100点が集結。そのなかには国宝2点と重要文化財7点も含まれています。さらに、アーティゾン美術館の新収蔵作品12点も初公開。見どころ満載の企画展です。京の景色からスタート!まずは序章「都市の様子」からご紹介。ここでは、京の都市文化をテーマにした作品が展示されています。(前期は京、後期は江戸に展示替え)華やかな《洛中洛外図屛風》からはじまり、絵巻や扇絵などを見たあと第一章「the 琳派」へと進みます。琳派とは、江戸時代初期に京都ではじまった芸術様式。華やかな色彩と、装飾的で大胆な構図が特徴です。会場には、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一など、まさにthe 琳派の絵師によるゴージャスな作品が勢ぞろい!例えば、尾形光琳の《槇楓図屛風》は、木や枝がうねるように配置された大胆な構図で、金地に鮮やかな赤と緑が映え、うっとりするほど美しい作品です。琳派と印象派がコラボ?!続いて、第二章「琳派×印象派」へ。時代も文化もまるで違う2つのジャンルが一緒に展示されていますが、違和感がなく心地よい空間になっています。例えば、「水の表現」にスポットをあてた展示では、ぜひ尾形光琳の《流水図広蓋》(前期展示)とクロード・モネの《睡蓮の池》を比べてみてください。光琳の水は線で描かれたデザインのようで、モネの水は光の明るさを感じることができ、描き方の違いが際立っています。さらにおもしろいのは、人物をモチーフにした琳派と印象派のコラボ展示。手前はエドガー・ドガの《右手で右足を持つ踊り子》、奥にあるのは俵屋宗達の《舞楽図屛風》(前期展示)です。人物のリアルな動きをとらえたドガの彫刻と、舞っている人物の構図がユニークな宗達の作品。タイプの異なる作品を一緒に見ることで、新たな発見があるかもしれません。第三章「the 印象派」では、アーティゾン美術館の印象派コレクションを中心とした作品を展示。琳派の装飾的な作品を見たあと印象派の油彩画を見ると、特に光の描き方に目を引かれます。あの国宝は12月に登場!この展覧会では前期と後期で展示替えがあり、後期の12月22日から有名な国宝、俵屋宗達《風神雷神図屛風》が登場します。誰もが知っている作品ですが、描かれている風神雷神とはどんな神さまなのか、ご存じですか?展覧会を監修した美術史家の小林忠さんによると、風神雷神は「もともと仏教の千手観音の両脇で観音さまを守る鬼の神だった」とのこと。そんな鬼神を、宗達は風と雨をコントロールして、耕作の恵みを与えてくれる“人に優しい神”として描いたそうです。(小林さんの解説は、展覧会公式サイトの動画で視聴できます)前期と後期、どちらも見逃せない展覧会は2021年1月24日まで開催。Information会期:~ 2021年1月24日(日)前期2020年11月14日(土)〜2020年12月20日(日)後期2020年12月22日(火)〜2021年01月24日(日)休館日:月曜日(11月23日、1月11日は開館)、11月24日、年末年始(12月28日ー1月4日)、1月12日開館時間:10:00–18:00(最終入館時間 17:30)会場:アーティゾン美術館6階、5階展示室観覧料:日時指定予約制ウェブ予約チケット¥1,700、当日チケット(窓口販売)¥2,000、学生無料(要ウェブ予約)*ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売*中学生以下の方はウェブ予約不要*この料金で同時開催の展覧会をすべて観覧可能※同時開催:~ 2021年1月24日(日)『石橋財団コレクション選』(4階展示室)特集コーナー展示青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち
2020年11月20日世間的にはモテないどころか、地雷臭を感じる女子っていますよね。でも、そういう「ヤバそう」な子が、案外彼氏に愛されているもの。そこで今回は「男性が一度ハマるとゾッコンになる女子の特徴」についてご紹介します。■ 自分だけを特別扱いしてくれる「俺にだけ別のお土産をくれるとか、あからさまに優しくしてくれるとか。女子からすると『そんな女やめとけ』って感じでしょうが、俺はコロッといっちゃう(笑)好意がわかりやすいのが、男からすれば安心なんです」(27歳/販売)もちろんグイグイくるアプローチを警戒する男性もいます。でも“特別扱い”となると、やはり優越感に浸れますよね。好意がわかりやすいので、男性もその子が気になりだすようです。周囲からは「そんな計算高い女やめておけ」と言われても、好きな気持ちが勝ってしまうみたいですよ。■ 軽いグチを言ってくれる「俺は根暗な部分があるので、常にポジティブな子が苦手。逆に、飲んだときに『仕事って疲れるよね(笑)』と軽くグチをこぼしてくれるような子に親近感を持っちゃう。こちらも素をさらけ出しやすいです」(33歳/営業)「笑顔でポジティブな子がモテる」なんて印象がありますが、人間なのですから常に明るくはいられません。彼のテンションを察して、ときにはダークさも出したほうが関係性も深まるみたい。もちろんずっとグチはNGなので、空気を読む力は必須でしょう。■ SNSで匂わせる「彼女は俺があげたプレゼントや二人の食事をSNSにアップする『匂わせ女子』。実は嬉しいんだよね。『プレゼント喜んでもらえてよかった。今度は何をあげよう』って思えたし。顔写真は載せたくない俺への配慮も嬉しい」(25歳/IT)女子ウケが悪い“匂わせ”がどうして減らないのか……。彼をアピールしてマウントを張りたいのはもちろんですが、その匂わせを一定数喜ぶ男性がいるからでしょう。逆で考えても、彼が自分の存在をSNSで匂わせたところで、そんなに悪い気がしない女性もいるのでは?なんなら匂わせ写真を載せることで、彼女が男性から言い寄られることも減ります。彼からするとそんなにデメリットもないのかも。■ 恋愛は常識が当てはまるわけではないみんなに平等にしましょう、グチはやめましょう、匂わせは印象が悪いなど……。どれも常識で考えればそうなのですが、恋愛で通用するかといったらまた別問題。むしろ周囲の目は関係なしに、自分が特別扱いされることに価値を見出す男性もいます。世間の常識ではなく、気になる彼には何が一番刺さるのかを知ることが、恋愛成就の秘訣かもしれませんね。(和/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年11月13日緑に囲まれたオープンテラスがあったりドラマのロケに使われたり、美術館のカフェは知る人ぞ知るおしゃれな場所。展覧会のあとに訪れると、その楽しみは倍増します。今回は、食&芸術の秋に訪れたい都内の美術館を3つご紹介!東京都庭園美術館『生命の庭』【女子的アートナビ】vol. 186まずは、東京都庭園美術館。アール・デコという装飾様式で統一された建物も見どころのひとつとなっているこの美術館は、目黒駅から徒歩圏内にありながら、周りは緑豊かな庭園に囲まれている最高の立地。四季折々の自然と芸術作品を一緒に楽しめるぜいたくなスポットです。こちらで現在開催されているのが、現代アートの展覧会『生命の庭―8人の現代作家が見つけた小宇宙』。内装もおしゃれな洋館のなかで、日本を代表する8人の作家(青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、志村信裕、山口啓介)による絵画や彫刻、インスタレーションなどが展示されています。展覧会を担当した学芸員の浜崎加織さんによると、アール・デコ様式の建物と現代美術は相性がよく、この場所でしか体験することのできない展示空間ができるとのこと。自然に囲まれたなかで、自然と人間の関わりをテーマにした展覧会をしたいということで、今回の企画展が実現したそうです。思わず悲鳴が…例えば、山口啓介さんの《花波ガラス》は、透明のカセットにドライフラワーや種子などの植物を入れ樹脂で固めたものが積み上げられている作品。見た瞬間、あまりに美しくて悲鳴をあげそうになりました。背景にある庭園の緑とカラフルな植物が一緒に目の中に飛び込んできて、夢の世界のような光景を生み出しています。もうひとつ、悲鳴をあげそうになったのは、加藤泉さんの立体作品《無題》。人面飛行機のような、ちょっとグロい造形物で、上部にプラモデルの飛行機がたくさん乗っています。この美術館のなかでも特に壮麗な空間に展示されているので、不気味さと美しさのギャップにしびれます。加藤さんは、人型に似せた彫刻や絵画などを制作されている作家さんで、今展では美術館の入り口をはじめ、会場内のさまざまな場所に作品が展示されています。どれも、一瞬ギョッとするシュールな造形ですが、見慣れてくるとカワイイと思える不思議な魅力があります。カフェには人面スイーツが…東京都庭園美術館に併設されているのは、『café TEIEN(カフェ庭園)』。こちらは、美術館の入場料を払った人だけが入れる穴場カフェ。庭園に面したガラス張りの明るい店内で、スイーツやドリンク、軽食も楽しめます。現在、『生命の庭』にちなんで、8人の現代作家とコラボしたスイーツを展開中です。そのなかでアヤシイ雰囲気を出しているのが加藤泉さんの作品をイメージした「人型シュー」(税込¥660)。あのシュールな人面をスイーツにしてしまうなんて、カフェ庭園さん、ステキです!府中市美術館『日本の美術を貫く炎の筆《線》』続いてご紹介するのは、府中市美術館。こちらも自然豊かな都立府中の森公園のなかにあり、さわやかな秋の散歩と芸術鑑賞を一緒に楽しめます。現在開催されている展覧会は『日本の美術を貫く炎の筆《線》』。作品のなかにある「線」にスポットをあて、縄文時代の火焔土器から令和の最新アートまで、絵画、刀剣、書、漫画、工芸品など幅広いジャンルの作品が紹介されています。例えば、メインビジュアルにも使われている丸田恭子さんの油彩画《マイナスの質量》は、線の力強さが目の前に迫ってくるようなインパクトのある作品。じっと見ていると近未来の異世界へ連れていかれそうな気分になります。また、椛田ちひろさんの2点も迫力ある線作品です。どちらも紙の上にボールペンで描いたもので、近くで見ると無数の線がびっしりと引かれていてちょっと感動します。細い線が集結したパワフルな作品です。森を感じられるカフェ府中市美術館内にあるカフェの名は、『府中乃森珈琲店』。府中の森などをイメージしたオリジナルのコーヒーや日替わりランチなどもあり、美術館を見たあとに立ち寄るのにぴったりです。上の写真は、お店イチオシのドリンク「自家製ジンジャーカフェラテ」(税込¥650)。スパイスの効いたチャイのような味を楽しめます。日差しの降り注ぐ店内もいいですが、秋の晴れた日は緑豊かなテラス席がおすすめ。ずっと座っていたくなる、居心地のいいカフェです。三菱一号館美術館『開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展』最後にご紹介するのは、東京・丸の内にある三菱一号館美術館。オフィスビルに囲まれた都心の角地に建つ赤レンガの瀟洒な建物です。三菱が1894年にジョサイア・コンドルの設計で建てた「三菱一号館」を復元し、2010年に美術館として開館しました。現在開催中の展覧会は、《開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展》。三菱一号館の建設年である1894年にフォーカスし、その前後の時代に活躍した画家たちの作品を展示しています。特に、タイトルにもなっているルドンとロートレックの作品群は見ごたえ抜群。三菱一号館美術館が所蔵する作品に加え、本展の共同企画である岐阜県美術館所蔵のコレクションも展示されています。本展では油彩画や版画など常時約120点を超える作品が集結していますが、なかでも目を引くのがルドンのパステル画《グラン・ブーケ(大きな花束)》。フランスのブルゴーニュ地方にあるロベール・ド・ドムシー男爵の城館の食堂を飾るために依頼された装飾画のひとつです。描かれている花々はまるで奇妙な生き物のようで、ちょっと妖艶な雰囲気。色彩も美しく、いつまでも見ていたくなる作品です。(前期・後期で展示替えがあります)ドラマや雑誌に出てくるカフェ三菱一号館美術館に併設されているカフェ・バー『Café 1894』は、ドラマや雑誌の撮影で何度も使われているおしゃれな場所。クラシカルな空間は、銀行営業室として使われていた場所を復元したもので、落ち着いた内装のなかで食事やスイーツを楽しめます。展覧会とタイアップしたメニューも魅力のひとつです。今のおすすめは見た目も豪華な「おとなのグラン・ブーケ」(税込¥990)。作品を見たあと、余韻にひたりながらいただくと格別です。秋は美術館へ!秋におすすめの美術館3選、いかがでしたか。コロナの影響で外国から作品が借りられなかったり、展示内容が変更となったりしている展覧会もありますが、どの美術館も所蔵コレクションなどを使って工夫しながら楽しい企画展を開催しています。ぜひこの秋は、美術館に足を運んで本物の作品に触れてみてくださいね!Information『生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙』会期:~ 2021年1月12日(火)休館日:毎月第2・第4水曜日(10/28、11/11、25、12/9、23)年末年始(12/28-1/4)開館時間:10:00–18:00*入館は閉館の30分前まで会場:東京都庭園美術館(本館+新館)観覧料:一般¥1,000、大学生(専修・各種専門学校含む)¥800、中学生・高校生¥500、65歳以上¥500『日本の美術を貫く炎の筆《線》』会期:~11月23日(月)休館日: 11月23日を除く月曜日開館時間:10:00–17:00*入館は閉館の30分前まで会場:府中市美術館観覧料:一般¥500、高校生・大学生¥250、小学生・中学生¥100『開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展』会期:~2021年1月17日(日)※展示替えあり※本展覧会の会期は変更となる場合があります休館日:月曜日*と展示替えの11月24日(火)、25日(水)、年末年始の12月31日(木)、2021年1月1日(金)*月曜日が祝日の場合と11月30日(月)、12月28日(月)、2021年1月4日(月)は開館開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで会場:三菱一号館美術館観覧料(音声ガイド付き):一般¥2000、高校生・大学生¥1000、小学生・中学生は無料
2020年11月03日10月20日からBunkamura ザ・ミュージアムで『東京好奇心 2020 渋谷』がはじまります。この展覧会では、100人の写真家たちが撮影した作品約200点が集結。今回、同展キュレーターの太田菜穂子さんに取材し、見どころなどをうかがってきました。東京好奇心って?【女子的アートナビ】vol. 185「東京好奇心」とは、「写真が社会のために何かできるのではないか」という思いをもって活動しているNPO東京画が2018年に立ち上げたプロジェクト。東京をキーワードに100人の写真家が撮影した作品をまとめ、世界に発信しています。2018年にはパリ市4区庁舎で、2019年にはベルリン市庁舎とベルリン日独センターで展覧会を開催。そして、いよいよ2020年秋、『東京好奇心 2020 渋谷』がスタートします。今回、NPO東京画のファウンダーで、同展のキュレーターも務める太田菜穂子さんにお会いし、写真展のお話をうかがってきました。どんな100人?展覧会の公式サイトを見ると、参加作家はアジアから欧米、南米まで16の国と地域にわたり、年齢もさまざま。巨匠と呼ばれる人から若手まで、個性的な100人が集まっています。そんな写真家たちについて、太田さんは次のように語りました。太田さんこの100人全員は、みんな私と実際に会った人たちです。写真は、ドキュメンタリー・建築・風景、アート系、エンターテインメントからコマーシャルまで、多くのカテゴリーに分かれています。同じ時代を生きていても、フォトジャーナリズムの写真家とファッションやコマーシャルの分野で活躍する作家間にはまったく交流がありません。私はさまざまなケースでのキュレーションをする機会があり、自由な関係性のもと、垣根を越えて多ジャンルの方々が「東京好奇心」に興味をもち、集まってくださいました。20代から80代まで、東松照明さんや上田義彦さん、森山大道さんなど有名な方もいれば、無名の新人写真家もいます。普通の展覧会ではスター写真家に焦点をあてることが多いのですが、この展覧会ではみなさんを平等に扱い紹介しています。写真はどう見ればいいの?会場構成は、テーマごとに13の壁がつくられ、作家ごとに原則ひとり2点の作品が展示されるとのこと。約200点も並んでいると、どんなふうに見ればよいのか、迷いそうです。そこで、写真の見方についてお聞きしてみたところ、次のように教えてくれました。太田さん200点近いプリントや映像があるので、最初から全部をわかろうとするのは無理です。いくつか好きなものがあれば、それでいい。人生は、欲張らないほうが幸せです(笑)。でも、たくさんあるなかから自分で選ぶ習慣をもたないとだめ。自分で考え判断する習慣をもって、「これが好き」と感じ、発言していくことが大切です。100人の写真家が主役のようですが、本当の主役は実は“見る人”。“見る人”が「これが好きだ」「これ、わからない」「こんなのでいいの」「この人と話をしてみたい」と感じ、写真の後ろ側にどんな物語があるのか、どんな意味合いを指しているのかなど、想像する力を養ってもらいたいのです。例えば「東京ってこうだよね」と今まで自分が思っていたことが、写真を見ることで「あれ?」と思ったり、自分から積極的にかかわろうとする当事者意識をもって新しい発見をしてほしいのです。会場では、自分の感受性を思いっきり解放してみてください。とはいえ、展覧会では各章のはじめに、写真への理解が深まる短い解説を設置していますし、今回はJ-WAVEの4人のナビゲーターの解説もオーディオガイドとしてご用意しています。4人のナビゲーターのことばからの“気づき”は、きっと新しい写真との出逢いをつくってくれるはずです。女子におすすめの作品は?好きな作品を自分で選ぶことが大切、というお話に心から納得しました。でも、やはり具体的な作品の鑑賞方法なども知りたいですよね。そこで、太田さんにおすすめの作品と見どころポイントを語っていただきました。太田さんまず、第1章では東京の近過去を撮った写真からはじまります。ここではマーク・リブーさんの《日本の女性たち》にぜひ注目してください。女性が口に手をあてて笑い、その手前にマネキンの手が写り込んでいます。当時、女性は口を隠してエレガントな仕草で笑っていたのです。まだ戦後の影が残る街で、女性たちが美しい洋服を着て笑いながら街を歩いている姿はいかに華やかであったか、想像してみてください。彼女たちの姿に、元気をもらった人たちもいたでしょうね。見てはいけない…神々しい作品とは?太田さん次の章では、上田義彦さんの一対のヌード作品の前にたたずんでください。“女性の美しさとは何か”、その原点に想いがゆくはずです。ひとつめの鮮明に写し出された黒バックのヌード。このモデルは色素がない、真っ白な女性です。金髪碧眼の女性が美の究極イメージとしてありますが、何が本当に美しいのか、ということを新しい形で見せてくれています。もうひとつの対になる作品は、雪の森に赤いボートがあり、そこにヌードの女性が立っている写真。フォーカスアウトでぼんやりと写されています。これらの二点は私にとってヌードの最高傑作のひとつ、黒バックの作品は見れば見るほどミステリアス。そして雪の中のヌードは、圧倒的に美しい存在が目の前にあるのに、“神々しく”て見てはいけないと感じさせる力を秘めているようです。太田さん次は、瀧本幹也さんの作品、一年がかりで森を撮影した「LOUIS VUITTON FOREST」シリーズから今回は夏と冬の二点。季節によって風景はがらりと変わります。一回見ただけではわからない、自然界の奥深い美の姿を感じてみてください。これらの写真は大型クレーンを立てて、地上を見下ろす神の目の視点から描かれています。太田さん大和田良さんの作品は数百年を生き抜いた盆栽、後ろには光を反射する金屏風。実は、一か月ごとに撮影した複数の写真を合成した作品です。金屏風は月ごとの光の変化を見せていますが、木は一切変わらない。さらに盆栽は生と死の共存が生み出す造形美です。そんな盆栽を愛でる感覚は日本的なるもの。ヨーロッパ人は満開の花の状態が一番美しいと評価する“完全”という基準がありますが、日本には異なる美のありようを追究する姿勢があり、それが写真のなかにも見出されます。最後は、希望の作品太田さん最後に、澄毅さんとルイーズ=クレール・ワーグナーさんの写真を紹介します。写真はリアリティを克明に撮るものと理解されがちですが、フォトグラフィーの「フォト」とは“光”、元来は“光画”を意味します。光を求めた若い作家たちの写真をここではご覧ください。太田さんコロナ禍の現在、私たちは暗闇の底にいるのかもしれません。でも、これからみんなで力を合わせ、誠実に一歩を踏み出せば、きっと希望を託せる時代がくるはずです。この展覧会をご覧になり、未来への希望となる“光”を感じてもらえたらうれしいです。インタビューを終えて…「若い女性たちにぜひ見に来てほしい」と熱く語ってくれた太田さんは、キュレーターをはじめ、さまざまな仕事をされているキャリアウーマン。東日本大震災のあと、被災地の方々がアルバムを探す姿を見て、「未来を生きるために過去が必要で、その過去を保証するのが写真」と気づき、東京画の活動をはじめたそうです。各国のアーティストと交流され、世界でもっとも重要な現代写真家のひとりといわれた故ロバート・フランクさんからは、「写真家と社会をつなぐ仕事をすべき」といわれたとのこと。太田さんは、世界の写真家たちから信頼される存在です。そんな太田さんが心をこめてつくりあげた『東京好奇心 2020 渋谷』は10月20日から開催。ぜひ会場に足を運んで、自分の好きな写真を見つけてみてください。Information会期 : 10月20日(火)~11月12日(木) ※会期中無休 時間 : 10:00-18:00(入館は17:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム入館料:一般¥1,000、高校・大学生¥500、中学生以下無料音声ガイド:この展覧会では、自分のスマートフォンとイヤホンを持参すれば、音声ガイドアプリ「33Tab/ミミタブ」をダウンロードして、無料の“音声ナビゲート”を聞くことができます。J-WAVEのナビゲーター4名(ジョン・カビラさん、クリス智子さん、ハリー杉山さん、マリエさん)が、展示作品からご自分の視点で作品を選び、自らの言葉で語ります。問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年10月18日アートのなかでも、ちょっと難しそうなイメージのある日本美術。今まであまり興味がもてなかった人にも見ていただきたいのが、現在サントリー美術館で開催しているリニューアル・オープン記念展II『日本美術の裏の裏』。同展では、展示方法に工夫を凝らし、日本美術の“裏技鑑賞法”をさまざまな形で伝えています。どんな内容なのか、たっぷりご紹介します!入り口で滝の音が…【女子的アートナビ】vol. 184『日本美術の裏の裏』、まず入り口から凝っています。さわやかな滝の音が流れ、天井からは木々の緑があしらわれたロールスクリーンが垂れ下がり、マイナスイオンまで感じられそうな雰囲気。期待が高まります。そろりと足を踏み入れていくと、一幅の掛け軸が目の前に。展示されているのは、江戸時代に活躍した絵師、円山応挙の《青楓瀑布図》です。迫力ある滝つぼの様子を描いた本作品は、縦182センチほどもあるので、ほぼ実物大。音響効果と相まって、リアルな滝を見ているようです。次の部屋との仕切りには、襖が使われています。第1章「空間をつくる」の展示室に入ると、華やかな屛風が出現。室町時代の《四季花鳥図屛風》です。四季の花や木の合間に鳥や蝶が描かれています。屛風の手前にある床には、蝶々がひらひらと舞っていました。心憎い演出です。続いてご紹介するのは《洛中洛外図屛風》。この種の作品は教科書などでおなじみですが、方角や建物をどう見たらいいのかわからない人も多いと思います。ここで、裏技鑑賞法の登場!京都のどのあたりを描いているのかイメージできるよう、床を使って図解で詳しく説明されています。風景を見たあとは、ミニチュアの世界に入ります。第2章「小をめでる」では、日本人が大好きな小さくてカワイイものが集結。ミニチュアの漆器や陶磁器、絵巻などが並んでいます。上の写真は雛道具。小さいけれど、かなり精巧につくられているのがわかります。江戸時代後期の人形屋で販売されていたもので、大名や裕福な町人たちが購入したそうです。ジワる名作絵本!続いて第3章「心でえがく」へ。室町時代の絵巻が展示されているのですが、ここでは、ぜひ学芸員さんの「言葉」にも注目してみてください。まず、章解説のボードには、次のような一文が書いてあります。“当館所蔵の「かるかや」は、一度見たら忘れられない、ジワジワと心を奪われる逸品です”いったいどんな作品なのか、ワクワクします!「かるかや」は、仏教説話を語り聞かせるためにつくられた絵本。花見の席で無常を感じ、身重の妻と娘を捨てて出家した主人公の刈萱道心(かるかやどうしん)と、父を知らずに育った息子の物語が展開します。作品横にある解説には「絵は正直下手」と身もふたもないお言葉が…。実際、美術館に展示されるものとしてはちょっと稚拙。でも、見ていると作品世界にジワジワと引き込まれていきます。ストーリーが理解できるよう、絵の下には場面解説も書いてあるので、ぜひ読んでみてください。素朴な絵と、悲劇的な物語のギャップに魅了され、ラストはちょっと感動します。お気に入りを探す!次は第4章「景色をさがす」へ。タイトルにある「景色」とは、陶磁器を焼くときに偶然できあがる形や色つやなどの表情のこと。鑑賞するとき、どの部分が好きか、自分で「正面」を探してみるのが鑑賞のポイントになるそうです。会場では、作品を360度どこからでも見られるように展示されています。例えば、野々村仁清の《色絵鶴香合》で自分が好きな景色を探してみます。このような動物の香合は「顔を正面にして飾るのが基本」らしいのですが、後ろから見る姿もエレガントです。和歌はラップ?続いて、第5章「和歌でわかる」へ。美術工芸よりもさらに難易度が高そうな和歌の世界。ですが、ここでもハードルを下げる工夫がされています。まず章解説に「かつての日本人は、ラップのように和歌でバトルを繰り広げていた」と書いてあり、一気に親近感アップ!和歌は、当時の恋愛やコミュニケーションに欠かせないツールで、和歌の名手はアイドルのような存在だったとのこと。彼らを集めたグループも結成されていました。平安時代に選ばれたのは、36人の歌人たち。会場には、36人のメンバー全員を描いた絵巻を分割した《佐竹本・三十六歌仙絵源順》も展示されています。最後の第6章「風景にはいる」では、風景画に描かれている小さな「点景人物」に注目して、作品を楽しむ方法が紹介されています。例えば、江戸時代の人気絵師、池大雅の作品《青緑山水画帖》第8図「漁舟楊柳図」では、ぜひ船に乗った人物を探してみてください。さらに、どんな場面なのかを想像し、心のなかで話しかけてみるとよいそうです。日本美術が身近に!今まで、日本美術の楽しみ方がわからなかった人でも、この会場をひとまわりすれば、きっと興味がもてるようになるはず。昔から日本人が大切にしてきた美意識に、改めて気づくこともできると思います。会期は11月29日まで。Information会期 : ~11月29日(日) ※前期・後期で作品の入れ替えがあります時間 : 10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)※11月2日(月)、22日(日)は20時まで開館(入館は閉館の30分前まで)休館日 : 火曜日(※11月3日、24日は18時まで開館)入館料(税込): 一般¥1,500、大学・高校生 ¥1,000、中学生以下無料会場:サントリー美術館
2020年10月14日六本木の森美術館で『STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ』が開かれています。世界で活躍する6人のアーティスト(草間彌生、李禹煥〈リ・ウファン〉、宮島達男、村上 隆、奈良美智、杉本博司)による初期作から最新作まで見られるゴージャスな展覧会、その詳細をレポートします!トップバッターは、あの巨匠!【女子的アートナビ】vol. 183『STARS展』、入場するとまずは現代アートの巨匠、村上隆のかわいいフィギュア作品がお出迎え。さらに広い空間に出ると、村上ワールドが全開です!壁には、おなじみのポップな花のキャラクターが描かれた最新作《ポップアップフラワー》が掛かり、中央には巨大な像が2体、展示されています。さらに展示室を進んでいくと、全裸少年のフィギュア彫刻が目の前に!少年は左手で男性器を握っていますが、その先から精液のような物体が頭上まで吹き出しています。本作品は1998年作の《マイ・ロンサム・カウボーイ》。同名作品が2008年に約16億円で落札されて話題となりましたが、実物を間近で見るとインパクトがすごいです。肉体が妙にリアルなので、作品を凝視してよいものか、ちょっと心がざわつきました。このような作品は、どう解釈したらいいのでしょう?わからないときに役立つのが音声ガイドです。同展では、自分のスマホに音声ガイドをダウンロードして聞くことができます。(税込¥500)作品解説だけでなく、アーティスト本人のインタビューも収録されている豪華版。さっそく村上さんの話を聞いてみると、《マイ・ロンサム・カウボーイ》のような性をデフォルメした作品は、日本美術の「浮世絵」とも関係があるとのこと。詳しくは、ぜひ会場で作品を見ながら音声ガイドを聞いてみてください。割れたガラスと石が…次の展示室に入ると、一転して静かな雰囲気に様変わり。韓国で生まれ日本で活動しているアーティスト、李禹煥(リ・ウファン)の絵画と立体作品が展示されています。割れたガラスの上に大きな石が置いてある作品《関係項》は、初期につくられた代表作のひとつ。木や石など素材そのものを提示する「もの派」と呼ばれる芸術動向の思想が現れた作品です。ありていにいえば、単に物体が置いてあるだけなのですが、何か静かに訴えてくるものがあり、村上作品とは違う意味で心がざわつきます。ふたりの個性派作家の作品を見たあとは、アーカイブ展示のコーナーへ。ここでは、6名のアーティストたちが出展した展覧会のカタログや展示風景写真など、彼らの活動歴を見ることができます。さらに、海外で開かれた日本の現代美術展の概要や展示資料なども紹介されています。草間彌生&宮島達男続いて登場するのは、草間彌生の作品群。アメリカで活動していた1960年ごろの初期作品から2019年の作品まで、絵画や立体作品、鏡のインスタレーションなどが展示されています。ひとつの空間に各年代の草間作品が集結している光景は、まさに圧巻!個性的な作品のひとつひとつがぶつからず、見事に調和した展示方法もすばらしいです。ちなみに、この展覧会は一部を除いて写真撮影OK。カラフルな草間作品は、「映え」ること間違いなしです!草間ワールドを抜けると、今度は少し暗めの空間が待ち受けています。この作品は、宮島達男の《「時の海―東北」プロジェクト(2020東京)》。東日本大震災の犠牲者を鎮魂し、震災の記憶を継承していくことを願って制作されたインスタレーションです。緑や青のLEDランプは海のイメージを表しているとのこと。実はこのLEDはすべてデジタルの数字カウンターで、1から9、あるいは9から1へとカウントして0のときは暗くなります。この暗闇になる瞬間が「死」で、作家のコンセプトである「時間」や「生命の永遠」を表現しています。本作品は、東北の被災された人たちと一緒に制作し、現在も進行しているプロジェクト。今後も発展し、最終的には東北沿岸部の海の見える場所に設置することを目指しているそうです。奈良美智&杉本博司続いて、奈良美智の展示室へ。初期のドローイングや新作の大型肖像画、さらに巨大なインスタレーション作品も見ることができます。こどもや動物などがモチーフになっていて、色彩もパステル調なので、優しくあたたかい感じがする奈良作品。一見すると「かわいい」のですが、こどもの目がうつろだったり、悲しそうだったりして、あまり幸せそうには見えません。ちょっと闇を抱えているような彼らの表情を見ていると、想像力をかきたてられます。最後は、杉本博司の展示室へ。初期の代表的な「ジオラマ」シリーズの写真作品や、2020年に制作された初映画作品《時間の庭のひとりごと》などを見ることができます。写真家のイメージがあるアーティストですが、建築や造園、古美術や古典芸能にも造詣が深く、パリ・オペラ座で舞台演出をしたり、展覧会の会場構成を手がけたりと、多彩な活動をされています。2017年には、彼の創作活動をまとめた「小田原文化財団 江之浦測候所」が小田原にオープン。70代になっても、世界から注目を集め続けている現代美術家です。刺激的な展覧会へ!この展覧会には現代美術界のスター6人の作品が集結しているので、どの展示室も濃くて見ごたえがあります。作品から出てくるパワーも刺激も強いので、体調を整えてから見に行くことをおすすめします。なお、森美術館では入館前に検温チェックなどがあります。9月末現在、事前予約は不要となっていますが、最新情報を公式サイトで確認してからお出かけください。Information会期:~ 2021/1/3(日)会期中無休時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)場所:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)チケット:一般¥2,000、高校・大学生¥1,300( 9月21日(月)~10月31日(土)は「STARSの学割」を実施、特別割引料金¥650)子供(4歳~中学生)¥700、65歳以上¥1,700公式サイト: www.mori.art.museum
2020年10月02日スマホに自分の好きなアートを自由にコレクションできたら、楽しいと思いませんか。そんな夢をかなえてくれるのが、美術鑑賞アプリ『PINTOR(ピントル)』。今回、その新サービス発表イベントに参加し、新しいアート体験のお話を聞いてきました!PINTOR(ピントル)って?PINTOR(ピントル)とは、約20万点という世界中のアート作品の中から好きな絵を探したり、スマホにコレクションしたり、自分の感想をシェアすることもできるインタラクティブな美術鑑賞アプリ。20万点という膨大すぎる数字なので、画家の名前も紹介しきれないのですが、中世の画家から印象派、ナビ派、ラファエル前派、ロスコも歌麿もバンクシーの作品までもありました。普段なかなか見られないような有名作品をスマホでゆっくり見ることができる、まさに“手のひらサイズの美術館”です。美術系日本一YouTuberとトーク!イベントでは、PINTOR代表取締役社長の高橋大地さんが登壇。高橋さんはお母さまが画家という家庭で育ち、昔からアートに興味があったそうです。「美術館で一方的にアートを見るだけ、という現在の美術鑑賞の状態をこわし、新しいアート鑑賞体験をつくりたい」とPINTOR創業の思いを語りました。また、PINTOR顧問で美術系YouTubeチャンネル日本一のYouTuberいとはるさんも登壇。西洋美術の解説動画をYouTubeに配信するほか、イベントでキュレーターもされているいとはるさんは、ユーザー目線でPINTORにアドバイスをしているとのこと。「美術は娯楽のひとつ」という思いから、若者にもアートを楽しめるような工夫をして活動されているそうです。そんなおふたりのトークセッションがはじまりました。日本の美術館はしーんとして…まず、なぜ高橋さんが美術鑑賞アプリをつくったのか、その経緯などを語りました。高橋さん美術館に行って絵を鑑賞したとき、感想を友達と話したりすることに楽しさを感じている人が多いですよね。そんな体験をシェアできるサービスが日本にも海外にもなかったので、つくりたいと思いました。PINTORは世界初の試みで、食べログのアート版みたいなものです。いとはるさんPINTORはレビューもシェアしあうこともできます。鑑賞体験を共有できる点がほかのアプリとは違います。それに、現代アーティストの作品が見られるのもいいですね。高橋さん日本の美術館はしーんとしていて静かにしなければならない雰囲気。特に今はコロナもあり、集団で行くことは難しいです。そんなときでも、PINTORならアートを発端に会話したり、ほかの人の意見を知ったり、音声コンテンツで学ぶこともできます。(※学習コンテンツは10月中旬リリース予定)この前、(上野で開かれている)ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に行ったとき、PINTORに絵の感想を書きながら見たら充実感があったし、おもしろかった。こんなふうに、新しいアート鑑賞体験を楽しんでもらいたいですね。いとはるさん学生のとき、美術鑑賞の課外学習で、ワークシートに感想を書いたりしましたけど、それと近いところがあります。アウトプットの意識を持つだけで、自分で主体的に考えて見ようとしますよね。ぼーっと見るのと違い、作品の魅力を言語化するきっかけにもなります。トイレットペーパーから生き物!?続いて、アーティストの更科あかねさんが登壇。4歳ごろから絵を描いていたという更科さんは、陶芸家のお父さまから「勉強すると自分の殻を破れなくなるから、勉強せず思い浮かんだものを描け」という教えを受けたとのこと。実際、美大などに行かず独学で絵を学び、画家になったそうです。更科さんは、ご自身の創作について、次のように語りました。更科さん物心ついたときから描くのが好きで、頭に浮かんだものを絵にしています。トイレットペーパーとか壁を見ていたら生き物が出てきて、それを全部紙に描いていたら父親から「おもしろいね」といわれて(笑)。感情的に描くこともありますけど、だいたいは頭に浮かんだもの、壁やキャンバスを見て思いついたものを絵にしているので、空想画家といわれています。イベント会場では、更科さんの色鮮やかな作品《Time Zone》のデジタル画像が披露されました。PINTORの「オンライン企画展」には、更科さんのファンタジックで美しい作品がたくさんアップされています。アプリ、使ってみた!イベント後、さっそくアプリをダウンロードして使ってみました。とりあえず自分の好きなイタリアの画家を検索してみると、ジョットからはじまり、ルネサンスのラファエロ、バロックのカラヴァッジョ、20世紀のボッチョーニやモランディまで、気になる作品は全部ありました。お気に入りの作品を「コレクション」に保存して見ることもできますし、AR(拡張現実)機能を使って作品を自宅の壁に映し出し、バーチャルな雰囲気でアートを楽しむことも可能。しかも画像が高画質なので本物の名画を見ているような気分になれました。PINTORは、「美術館に行くのは好きだけど、いまいちアートがわからない人」に向けてつくられたアプリ。まずはスマホで自分だけの美術館をつくってみては。InformationPINTORの主な機能1. 約20万作品を検索できる機能2. 作品を自宅の壁などに映し出して楽しむAR機能3. 自分の感想をシェアしたり他者の感想を閲覧できるレビュー機能4. 感想に対して“ いいね” や“ コメント” ができるSNS機能5. 自分の好きな作品をフォルダ化できるコレクション機能6. 現代アーティストを中心としたオンライン企画展機能
2020年09月19日原宿駅前のWITH HARAJUKU HALL で、大人気のイラストレーター“Chocomoo(チョコムー)”さんの展覧会が開かれています。“絵を見てくださった人が笑顔になってほしい”……そんな思いで描かれた、かわいいイラストが会場に集結。元気が出る作品や内覧会レポートもご紹介!ご本人もキュート!Chocomooさん【女子的アートナビ】vol. 182Chocomooさんは京都出身のイラストレーター。ポップでかわいいイラストをモノトーンで描く独自の画風で、日本だけでなく海外でも大人気!国内外のアパレルブランドとコラボしたり、著名ミュージシャンのCDジャケットにイラストを提供したりと、さまざまなジャンルで活躍されています。作品もかわいいですが、ご本人もとってもキュート。絵の中から飛び出してきたような、明るい笑顔のすてきな女性です。元気になれる作品が集結!3年ぶりに開かれた今回の展覧会『Chocomoo EXHIBITION -OUR SECRET PARTY- Supported by WITH HARAJUKU』では、73点の作品を展示。そのほとんどが描きおろしの新作や未発表作品です。こどものころから絵を描くのが好きだったChocomooさんは、“絵を見てくださった人が笑顔になってほしい”、“1通のラブレターみたいな感じで見てもらいたい”という思いをこめ、イラストを描いたそうです。好きなことをすればいい…!会場では4つのカテゴリーにわけられ、作品が展示されています。例えば「THAT’S A PARTY」というカテゴリーでは、2009年に韓国で開催された個展の出品作品を展示。イラストには「好きなことをすればいい」「すべてうまくいく」など前向きな言葉が英語で盛り込まれています。また、「DIARY OF A MOMENT」というカテゴリーでは、Chocomooさんが新しくチャレンジした作品を展示。例えば、背景に色を使うというのも新しい試みのひとつで、モノトーンのイラストとはまたひと味違う、おしゃれな雰囲気です。報道内覧会では、Chocomooさんがライブペインティングを披露。白いキャンバスに、次々とかわいいモチーフが生み出されていきます。必見!黄色いピアノ会場には、キャンバスに描かれた作品だけでなく、ピアノの全面にイラストが入った作品も展示されています。この鮮やかな黄色いピアノは、「LovePiano5号機」。ヤマハが展開している「LovePiano」は、街角などに設置され、自由に弾くことができるストリート・ピアノのシリーズ。8月23日まで、黄色いピアノはHARAJUKU HALL前のテラスに設置され、誰でも弾くことができました。(現在は会場内に展示されているので、弾くことはできません)その他にも、フリー撮影スポットやライブペインティングコーナー、さらにはオリジナルグッズの販売コーナーなどもあり、楽しいChocomooワールドを満喫できます。作品にこめた想いとは…最後に、ギャラリートークでご本人が解説した作品《THANK YOU》をご紹介。このイラストは、新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間中に制作されたもので、Chocomooさんは次のように語りました。Chocomooさん医療関係の方々やみなさんの前に立って働いてくださっている方々に感謝の気持ちを伝えたいと思い、あまりダイレクトに描くとつまらないので、お礼の思いを込めて、FREE の音楽のパーティーが開催される、といったイメージでミュージックイベントの開催をテーマに仕上げてみました。今こそ見たい!コロナ禍で不安やストレスをためこんでいる今、Chocomooさんのイラストは見ているだけでパワーを与えてくれます。展覧会は9月28日(月)まで開催。日時指定チケットになっていますので、まずは公式サイトをチェックしてみてくださいね。Information展覧会名:「Chocomoo EXHIBITION -OUR SECRET PARTY- Supported by WITH HARAJUKU」会期:~9月28日(月)会場:WITH HARAJUKU HALL休館日:会期中無休観覧料:<日時指定チケット>一般¥1,200、高校・大学・専門学生(高・専・大生)¥1,000、中学生¥800(税込)販売期間:・8月15日(土) 0時より 対象日程:8月27日(木)~9月9日(水)・8月29日(土) 0時より対象日程:9月10日(木)~9月28日(月)
2020年09月02日8月24日、横浜市役所で『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』のプログラム発表イベントが開かれました。会場では、地元の小学生に向けた公開授業も実施。イベントの様子とパラトリエンナーレの魅力についてご紹介します!パラトリって?【女子的アートナビ】vol. 181『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』とは、障害のある方と多様な分野のプロフェッショナルが芸術表現を創造・発信するアートプロジェクト。横浜美術館を中心に開催される国際芸術展『横浜トリエンナーレ』にあわせ、3年に1度開催されています。パラトリの初開催は2014年。2回目は2017年に開かれ、どちらも来場・参加者数が約10万人以上を記録したビッグなイベントです。奇跡のメインビジュアル『ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020』の開催テーマは「our curioCity ―好奇心、解き放つ街へ」。メインビジュアルに使われているのは、アメリカ在住の写真家ブルース・ホールさんの写真です。生まれつき視覚障害のある彼は、重度の自閉症をもつ双子の父親でもあります。今回の写真は、息子さんが水をつかもうとしている瞬間をとらえた一枚。美しい青と少年の姿が混ざり合って、見たこともない不思議な世界が表現されています。この写真は、ヨコハマ・パラトリエンナーレ総合ディレクターの栗栖良依さんがセレクト。「既存の常識では考えられないような写真でビジュアルを作成したい」と考えて選ばれた、奇跡の写真です。コロナ禍だからこそやりたい!『ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020』は、新型コロナウイルスの感染拡大を機に企画内容を見直し、オンラインとリアルが融合したプロジェクトとして開催されます。今回のプログラム発表イベントでは、総合ディレクターの栗栖良依さんが登壇。ご自身も脚に障害を抱えながら活動を続けてきた栗栖さんは、「コロナ禍で大変な状況だからこそ、孤立しがちな障害者もアクセスできる形でパラトリエンナーレをやりたい」と意気込みを語りました。2020年のパラトリは、プレ会期が8月24日(月)からスタートし、コア会期は11月18日(水)から 11月24日(火)まで、横浜市役所アトリウムにて開催される予定です。(おもなプログラムは最後のInformationをご覧ください)小学生のコメントに涙…イベントには、みなとみらい本町小学校5年生のこどもたちも参加。会場では、ドキュメンタリー映画『sense of oneness とけあうところ』(監督・撮影・編集:池田美都)の一部が上映されたあと、ディスカッションが行われました。(※この映画は、障害や国籍の壁をこえて多くの人たちがパフォーマーとしてイベントに参加している様子を記録したものです)ここで、栗栖さんと小学生たちによるディスカッションの一部をご紹介します。栗栖さん この映画を見てどう思いましたか?小学生Aさん 車いすを使うからこそできるパフォーマンスがいいなと思いました。小学生Bさん 男女関係なく、車いすでも自分の個性を生かして演技して踊っていました。差別がなくていいと思います。栗栖さん アカンパニストになるのに必要な要素とはなんだと思いますか?(※アカンパニストとは、障害のある人と一緒に創作活動をする人のこと)小学生Cさん 周りの状況を見て何が求められているか、その人が今何をしたいのかを考え、周りと人の考えを埋めることが必要です。小学生Dさん いろいろな人を想える心があったら、どんな人でもアカンパニストになれる。思いやりがあれば、経験したことのない人でもできると思います。いかがですか?小学生のみなさんのコメント、どれも本当にすばらしいですよね。聞いていて涙が出そうになりました。みんなで一緒につくりあげていくパラトリの魅力が存分に伝わるイベントでした。パラトリのプレ期間は、8月24日からはじまっています。まずは公式サイトをチェックしてみてくださいね。Information名称:ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020会期:プレ会期8月24日(月)~コア会期11月18日(水)~ 11月24日(火)場所:オンライン、横浜市役所アトリウムチケット:無料 ※一部有料。詳しくは公式サイトをご確認ください。『ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020』のおもなプログラム:1.パラトリテレビ:ヨコハマ・パラトリエンナーレの魅力を伝えるオリジナル番組をYouTubeで配信。車椅子インフルエンサーの中嶋涼子さんがナビゲーターをつとめます。2.BOOK PROJECT「そのうち届くラブレター」:障害のある表現者とアーティストによる読む展覧会。本の形式で編まれ、横浜市役所で作品展示をするほか、公式サイトでも展開されます。3. 「サーカスアニメーション」/「パラトリみらいサミット」:両足義足のサーカスアーティスト、エリン・ボールさんや日本初のソーシャルサーカスカンパニーSLOW CIRCUS PROJECTのメンバーが「サーカスアニメーション」をつくり、オンラインで配信。さらにコア会期には、SLOW CIRCUS PROJECTのメンバーと、みなとみらい本町小学校5年生のこどもたちが議論を交わす「パラトリみらいサミット」が開かれます。4. パラトリラボ:「フード」と「メディア」のふたつのテーマでオンラインゼミが開催されます。
2020年08月30日六本木のサントリー美術館で、リニューアルオープン記念展I『ART in LIFE, LIFE and BEAUTY』がはじまりました。今展では、化粧道具や髪飾り、メイク指南書など、女子の心をがっちりつかんでくれるアート&工芸品が登場。その華やかな世界をレポートします!隈研吾デザインでリニューアル!【女子的アートナビ】vol. 1802019年の秋から改修工事のため休館していたサントリー美術館が、7月にリニューアルオープンしました。まずは、改修工事後の新しいエントランスをご覧ください。受付カウンターは「水」をイメージしたもので、建築家の隈研吾さんによるデザインです。そもそも、この美術館の内装を設計したのも隈さん。なので、エントランス全体が調和のとれた心地よい空間になっています。それでは、展示室に入ってみます。展覧会名にもなっている「ART in LIFE(生活の中の美)」とは、サントリー美術館の基本理念。1961年の開館以来、同館では絵画などの芸術作品だけでなく、日常生活の中で使われていた美しい調度品や道具なども収集し、公開していました。リニューアル後初となる今展では、そのコレクションの中からセレクトされた「生活を彩る美しいものたち」が紹介されています。江戸時代のメイク指南書!展示室では、「装い」「祝祭」「異国趣味」のテーマ別に着物や工芸品、絵画などが並んでいます。まず注目したいのが、江戸時代の化粧道具。婚礼調度のひとつとして用意されたもので、漆地に平蒔絵が施されていてとても豪華です。道具類を見ると、鏡や櫛、ブラシ類などはおなじみのものですが、珍しいのが「歯黒箱」。いわゆる「お歯黒」をするための道具です。今は白い歯が当たり前なので、黒い歯なんて大昔の風習…と思ってしまいそうですが、お歯黒禁止令が出たのは明治になってから。ほんの150年前まで、成人・既婚女性などの歯は「黒」が主流だったのですね。こちらは、『化粧眉作口伝』。上流階級の女性に欠かせない眉メイクテクが、図版入りでわかりやすく書かれています。眉を剃って、おでこの上部に黒い点のような眉を描く、あの「まろ眉」にもテクニックがあったのですね。どの位置に、どんな濃度で眉を描けば自分が美人に見えるのか、真剣に研究したのかもしれません。江戸時代女子たちのメイク時間を想像してみるのも楽しいです。こちらは、ヘアスタイルを図解したもの。明治維新後、西洋の女性たちの髪形に影響を受けた「束髪」が普及。日本髪に比べて手軽で、自分でも結えるということで、「イギリス結び」などさまざまなスタイルがあったようです。各図の上にある囲みも要チェック。鏡が描かれ、別の角度からの見え方もわかるようになっています。必見!リアルな戦国武将今展では、古美術と現代作家による作品のコラボも見どころのひとつになっています。例えば、桃山時代の伝・豊臣秀次所用《朱漆塗矢筈札紺糸素懸威具足》と同じケースに展示されているのは、現代美術家の野口哲哉さんが制作したリアルなミニチュア戦国武将。単にビジュアルとして見るだけでもユーモアがあり楽しいのですが、作品のコンセプトを知ると、さらに興味が持てます。サントリー美術館が所蔵する具足は、豊臣秀次伝来といわれていますが、歴史的資料の裏付けはないとのこと。制作年も桃山ではなく江戸時代という意見もあるいっぽうで、具足には実戦痕もあり、謎が残されています。そんな経緯がある具足とコラボすることになった野口さんは、具足の伝来を推測して「木下利房」という武将を着用者と仮定。本作品《WHO ARE YOU~木下利房と仮定~》が誕生したそうです。こちらは、17世紀の作品《賀茂競馬図屛風》との野口さんのコラボ。まるで侍たちが屏風に描かれている競馬を楽しんでいるようです。(※賀茂競馬とは平安時代より行われている神事)ほかにも、現代美術家の山口晃さんや山本太郎さん、若宮隆志さんが出品。ウィットに富んだ現代アートと古美術のコラボは想像以上に刺激的です。昔の屏風や工芸品などにあまり興味がない人でも、きっと新たな楽しみ方を発見できると思います。この展覧会は途中で展示替えがあります。ぜひ前期と後期、二回にわけて楽しんでみてください。会期は9月13日まで。Information会期 : ~9月13日(日) 時間 : 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)休館日 : 火曜日(9月8日は開館)入館料(税込): 一般¥1,500、大学・高校生 ¥1,000、中学生以下無料会場:サントリー美術館※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年08月11日現在、上野にある2つの美術館で、日本文化を楽しめる展覧会が開かれています。さまざまな時代のきものが集まる特別展『きものKIMONO』と、世界最高水準の浮世絵を楽しめる『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』。会場の様子と見どころをレポートします!アートな「きもの」がずらり!【女子的アートナビ】vol. 179まずは、東京国立博物館で開催中の特別展『きものKIMONO』からご紹介。この展覧会では、篤姫や信長など日本史でおなじみの人物が着用したきものや、現代デザイナーが手がけた最新きもの、さらには国宝の絵画作品などもあわせ、鎌倉時代から現代までの作品、約300件が展示されています。会場には、将軍家のお姫さまや遊郭の太夫など、時代や身分も異なるさまざまな人たちのきものが勢ぞろい。刺繍や絞り、あるいは友禅染などを施されたきものはアートそのもの。うっとりと見入ってしまいます。クールな衣装を着たヒーローは誰?女性だけでなく、信長、秀吉、家康など男性が着用したきものも見ごたえがあります。特に筆者の目を引いたのが、たくさんのドクロがデザインされたクールな衣装。背中側はこちら。能楽の「船弁慶」を題材にしたデザインが施されています。このような刺子の半纏を着ていたのは、江戸時代の火消たち。火事の多かった江戸の町では、とび職の人たちが火消として活躍。燃え盛る火に立ち向かい、人や家財を守ってくれる彼らは、町の人たちにとってあこがれのヒーローでした。ちなみに、これらの派手なデザインは裏地だけで、表側は地味な無地。火消たちは、無事に火を消すことができると半纏を裏返し、それぞれ凝った図柄を見せながら意気揚々と市中を歩いたそうです。火消半纏が壁一面に並んでいます!人気絵師、歌川国芳が描いた錦絵をもとにした図柄もあり、原案となった錦絵も一緒に展示されているので、見比べるのも楽しいです。YOSHIKIの「きもの」も…!展覧会の最後に登場するのは、YOSHIKIがデザインしたYOSHIKIMONO。老舗呉服店を営む家庭で生まれ育ったYOSHIKIは、日本の伝統文化であるきものを世界に紹介するため、自らデザイナーを務めるブランドYOSHIKIMONOを展開。現代の日本女性だけでなく外国人にも似合うきものを目指しているそうで、どれも超クールなデザインです!特別展『きものKIMONO』は8月23日まで。世界最高水準の浮世絵が集結!続いては、東京都美術館ではじまった『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』。タイトルにある「三大浮世絵コレクション」とは、太田記念美術館(東京・原宿)、日本浮世絵博物館(長野・松本)、平木浮世絵財団のコレクションのこと。この3館の作品が一緒に展示されるのは今回がはじめてということで、展示数も半端ではありません。前期・後期にわたり、各館から約150点、あわせて約450点の名品が集まっています。絵師の数は、なんと約60名。江戸時代初期に活躍した浮世絵の祖・菱川師宣から、幕末の人気絵師、歌川国芳まで網羅されています。彼らの代表作をまとめて見られるのも貴重な機会。しかも、どれも保存状態がよく、色もなかなかきれいです。神田伯山さんの怪談話も…!この展覧会は、会場デザインもおしゃれです。壁面のところどころに穴があけられているので、換気対策にもよさそう。また、三密回避のため、ひとつのフロアに細長い部屋がいくつもつくられています。日時指定入場制も導入されているため、距離を取りながら作品を鑑賞できそうです。展覧会の音声ガイドナビゲーターは、声優の杉田智和さんが担当。さらにスペシャルトラックには講談師の神田伯山さんが登場し、浮世絵に描かれている人物や物語などを紹介してくれます。例えば、葛飾北斎の作品《百物語シリーズ「こはだ小平二」》のスペシャルトラックでは、絵の主題である怪談話の一部が講談独特の口調とリズムで語られます。神田さんの怪談話を聞いてから再び北斎作品を見ると、描かれている幽霊に親近感がわきました。単に「絵」として見るだけでもいいのですが、ガイドや解説を通して作品の背景を知ると、さらに浮世絵鑑賞が楽しくなります。『The UKIYO-E 2020』は9月22日まで開催。Information特別展『きものKIMONO』会期 : 6月30日(火)~8月23日(日) 前期展示:6月30日(火)~7月26日(日)後期展示:7月28日(火)~8月23日(日)時間 : 9:30~18:00最終入場は17:00休館日 : 月曜日、8月11日(火)※ただし8月10日(月・祝)は開館会場:東京国立博物館平成館入館料: 一般¥1,700、大学生¥1,200、高校生¥900、中学生以下無料※オンラインによる事前予約制。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください。※会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』会期 : ~9月22日(火・祝) 前期:7月23日(木・祝)~8月23日(日)後期:8月25日(火)~9月22日(火・祝)※前期・後期で作品は全て入れ替わります。時間 : 9:30~17:30休室日:8月17日(月)、8月24日(月)、9月7日(月)、9月14日(月)会場:東京都美術館入館料: 一般¥1,600、大学生・専門学校生¥1,300、高校生¥800、65歳以上¥1,000、中学生以下無料※日時指定入場制です。詳しくは展覧会公式サイトをご覧ください。問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年08月10日7月上旬、西新宿に新しいアートスポット、SOMPO美術館が開館しました。ゴッホの超有名な作品《ひまわり》を間近で見られるこの美術館。リニューアル後初の開館記念展『珠玉のコレクション―いのちの輝き・つくる喜び』を取材してきましたので、新しい美術館の内部をたっぷりご紹介します!SOMPO美術館オープン!【女子的アートナビ】vol. 178SOMPO美術館の前身は、現・損保ジャパン本社ビル42階にあった「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」。1976年から43年間もの長い間、ゴッホや東郷青児の所蔵作品を含めたさまざまな企画展を開催していました。同館は2020年3月に閉まり、本社ビル敷地内に建設された地上6階建ての新美術館棟に移転。名称もSOMPO美術館に変更し、この7月にオープンしました。開館記念展では、所蔵作品のなかでも特に人気のある作品約70点を展示。フランス近代絵画や日本画など、多彩なコレクションを楽しめます。5階からスタート新しい美術館の展示室は3つ。エントランスを抜けると、まずはエレベーターで5階に上がっていきます。第1章「四季折々の自然」では、東山魁夷や岸田劉生など日本人画家による作品を紹介。植物や動物、風景を描いた油絵などが並んでいます。この展示室の出口付近にはSOMPO美術館の建築を紹介したコーナーもありました。新しい美術館は、特に外観のフォルムがころんとしてかわいらしいのですが、解説によると「建物自体をひとつの彫刻のようにとらえた」とのこと。訪問の際には、ぜひ美術館の外観もチェックしてみてください。ピカソとも交流…東郷青児って?4階では、第2章「『FACE』グランプリの作家たち」からスタート。『FACE』とは、新進作家を支援するために2012年度から毎年開かれている公募コンクールのこと。そこでグランプリを受賞した現代作家たちによる感性豊かな作品7点がセレクトされています。続く第3章「東郷青児(1897-1978)」では、昭和時代に活躍した画家、東郷青児の作品が並んでいます。1921年から7年間フランスに留学し、ピカソらとも交流のあった東郷の作品は、幻想的な雰囲気の漂う油彩画や甘美な女性像などさまざま。彼の作品のひとつ、《超現実派の散歩》は、美術館のシンボルマークにも使われています。ちなみに、SOMPO美術館は東郷青児の作品約240点を収蔵。1930年代、損保ジャパン(当時の東京火災)は、顧客配布用のカレンダーに東郷の作品を載せたことから画家との付き合いがはじまり、最終的に彼の作品や資料が遺族などから寄贈されたそうです。ゴッホ《ひまわり》が近い!3階の展示室では、第4章「風景と人の営み」、第5章「人物を描く」、第6章「静物画―花と果物」と題して、アメリカの国民的画家グランマ・モーゼスやフランス近代絵画を紹介。ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌにルノワールなど、巨匠の作品も次々と登場します。例えば、ルノワールの《浴女》(写真右)は保存修復された新しい姿で登場。古いニスが除去され、特に肌の部分などかなり明るい色彩になっています。最後を飾るのは、美術館の至宝、ゴッホの《ひまわり》です。以前、42階にあったときには、ほかの作品と一緒に少し高い位置にあり、見上げるようにして鑑賞したのですが、リニューアル後は一点のみ、目線の高さで展示。作品までの距離も近く、花弁の絵の具がこんもりと盛り上がっている様子や勢いのある筆触など、間近で見ることができます。鑑賞後のお楽しみ…鑑賞後は、ぜひ2階のミュージアムショップへ。ひまわり作品のグッズや絵ハガキなどが手に入ります。居心地の良い休憩スペースもあるので、展覧会の余韻を味わいながらひと休みすることも可能。設備も新しいので快適です。なお、SOMPO美術館は日時指定入場制を採用し、入り口では手指の消毒と検温が実施されています。ご来館の際にはマスクもお忘れなく。Information会期:~9月4日(金)休館日:月曜日(ただし8月10日は開館)時間:午前10時~午後6時(最終入館は午後5時30分まで)会場:SOMPO美術館料金:一般 ¥1,000/大学生 ¥700/高校生以下無料※日時指定入場制10時~11時11時~12時12時~13時13時~14時14時~15時15時~16時16時~17時半※時間入替制ではありません。※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年07月17日自粛生活も緩和され、各地で少しずつ展覧会もはじまっています。久々の本連載では、東京・京橋のアーティゾン美術館で開催中の展覧会『ジャム・セッション石橋財団コレクション×鴻池朋子鴻池朋子 ちゅうがえり』をレポート。国内外で活躍する現代美術家、鴻池朋子さんの作品と19世紀フランス絵画がコラボした展示室の様子や、学芸員さんのお話もご紹介!アーティゾン美術館、再開!【女子的アートナビ】vol. 177ブリヂストン美術館を前身とするアーティゾン美術館が誕生したのは2020年1月。館名も建物も新しくなったこちらの美術館では、「創造の体感」というコンセプトのもと、石橋財団コレクションの多彩な作品群を個性的な企画展で紹介しています。1月に開催された開館記念展のあと、緊急事態宣言の発出によりしばらく休館していましたが、6月23日から3フロアで待望の展覧会がスタート。本記事では、6階展示室で開催中の『ジャム・セッション石橋財団コレクション×鴻池朋子鴻池朋子 ちゅうがえり』をレポートします!見たことのない空間が…展示室に入ると、目の前に不思議な空間が現れます。一般的な展覧会の入り口に置いてある「作品リスト」が見当たらず、また順路案内もないので、どこから見たらよいのか一瞬戸惑います。(※作品リストは展示室出口にあります!)でも、すぐに「どれを見ようかな~」とワクワクした気分に変わりました。やはり、一番気になるのが足場スロープのある大きな作品。これは何?と回り込んでみると、なんとすべり台が見えてきました。しかも、実際にすべることができるのです!こちらが、すべり台の上から見た景色。モノクロームの襖絵を見ながら一気にすべります!(急傾斜なのでけっこうなスピードが出ました…)野生のニオイが…すべり台で興奮したあとは、薄暗い展示コーナーに向かいました。ここには動物の皮が何枚も天井からだらりと垂れ下がっています。まともに歩くと、毛皮が顔に引っ付きそうになるので、頭を下げて中腰で入っていきます。これらの毛皮も作品のひとつ。害獣駆除で殺されたオオカミやシカ、熊などの毛で、鴻池さんが北海道の毛皮なめし工場から譲り受けたそうです。見上げると、天井にも作品があります。毛皮に愛しさを感じて画材にしたという鴻池さん。死んだ動物たちのエネルギーが狭い空間からびりびり伝わってきます。ほかにも、絵本の原画やさまざまなオブジェ、刺繍や映像作品など多彩なアートが楽しめます。学芸員さんに聞いてみた!あまりにも刺激的なこの展覧会、いったいどんなふうに企画されたのでしょう?その舞台裏を、担当学芸員の賀川恭子さんにおたずねしてみました。――今回の展覧会では、鴻池さんと美術館側がセッション(対話)を重ねたとのことですが、具体的にどんなふうに進められたのですか?賀川さん鴻池さんは、美術館関係者への取材やインタビューというかたちで「セッション」されました。対話を重ねながら、展覧会が構成されていくかたちでした。鴻池さんは模型に配置しながら全体をご覧になっているのですが、拝見するたびに配置が異なり、作家さんがあれこれと試行錯誤されている様子が印象的でした。なぜフランス絵画?――鴻池さんの作品と一緒に展示されているコレクション作品3点(クールベ、コロー、シスレー)は、賀川さんが選んだそうですが、なぜこれらの絵を選ばれたのですか?賀川さんフランス近代美術を専門とする学芸員として、19世紀から現代までの「森」をテーマとした企画をかねてから構想していました。「森」をテーマに当館のコレクションを選び、鴻池さんの作品と一緒に展示できれば嬉しい……と思い、最初にお目にかかったときにご提案した作品のうちの3点が、今回展示されることになりました。ざわざわしています…――すべり台の作品は、実際にすべりながら襖絵を見ることもでき、楽しかったです。この作品の誕生エピソードを教えてください。賀川さん今回展覧会の中心に襖絵を……というお話が出てから、襖絵の枚数や配置はいろいろと変わりました。スロープとすべり台の案をうかがったときには、とてもおもしろい展覧会になりそうな予感がしました。準備の段階で、施工業者さんが建具にうまく襖絵がはまるか試したり、照明実験をしたりしていたのですが、全体像が見えるのは、展示室内での施工時でした。全体がどのように見えるのか、ワクワクドキドキでした。――この展覧会では展示室を「ざわつかせること」を期待されたそうですが、一番ざわついた作品はどれですか?賀川さんどれかひとつの作品が……というのではなく、展示室の空間全体が、これまでとは異なる風景に変わっていて、「ざわざわ」しているように思います。インスタレーションの作品ですので、写真ではなく、ぜひ展示室で空間を体験していただければと思います。クレーや印象派も!6階で鴻池さんの作品を楽しんだあとは、ぜひ下の階の展覧会もご覧になってください。5階展示室では、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展『Cosmo-Eggs|宇宙の卵』、4階展示室の『石橋財団コレクション選』ではパウル・クレーや印象派の女性画家たちの作品が展示されています。アーティゾン美術館では、1枚の入場チケットで3フロアの異なる展覧会を見られるので、とってもお得。チケットは日時指定入場制なので、来館前にウェブ予約してください。また、入館前には体温測定とアルコール消毒が実施されています。エネルギーを浴びに美術館へ!おこもり生活中はネットやテレビで国内外のアート作品を見ていましたが、やはり本物の作品から放たれるパワーは全然違います。特に、鴻池さんの作品からあふれるエネルギーはかなり強く、視覚、嗅覚、聴覚など体のさまざまな器官を刺激されワクワクしました。作家さんのエネルギーを全身で浴びることができる美術館に、ぜひ足を運んでみてください。Information会期 : ~10月25日(日) 時間 : 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで) ※当面の間、夜間開館は中止。休館日 : 月曜日(祝日にあたる 8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日入館料(税込): 日時指定予約制一般ウェブ予約チケット ¥1,100、当日チケット(窓口販売) ¥1,500、学生無料(要ウェブ予約)※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売。会場:アーティゾン美術館展示室案内 :6F 『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり』5F 『第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 Cosmo-Eggs宇宙の卵』4F 『石橋財団コレクション選』特集コーナー展示新収蔵作品特別展示 パウル・クレー特集コーナー展示印象派の女性画家たち
2020年07月03日同性に人気がある人って、自然と異性からもモテるものです。女子からしても、男子の中でも中心人物とか、頼られてる人って魅力的に思えてしまいますよね。では、男子が「この子、同性からも好かれてそうだな」って感じる女子は、どんな特徴があるんでしょうか?20代男子30人に聞いてみました。■1.男子に媚びない「男子に対して猫かぶってるような女子って、決まって他の女子から『あの子裏表あるからねー』って嫌われてるよね。そして、そういう子は男子もやっぱり苦手です」(公務員/26才)まあ、こういう子は当たり前のように女子から嫌われがちですよね。男子としても、猫かぶってる表の状態がかわいくっても、付き合ったりすると、その裏の顔が絶対に出るって思うから、怖いのかもしれません。■2.女子会も行く「ちゃんと、女子との集まりを大事にしてる子っていいと思う。友達大事にするって、大切だよね。男子でも、そういう人が人望あるもん絶対に」(大学生/22才)例えば、女子が来る飲み会の出席率と、男子だけの飲み会の出席率に圧倒的な差がある男子。あまりに女好きな感じが透けて見えて、嫌な感じですよね。その感覚は男女共通なよう。ちなみに女子会も、男子の悪口ばっかり言って盛り上がっていそうな強めの女子会じゃなくて、本当になんでもないような話をしつつ、彼氏がいる子のノロケ話で盛り上がりまくってるような女子会の方が、好感度が高いそうです(笑)。■3.陰口絶対言わない!「男子が、女子の友達関係で一番嫌いなのは、友達同士なのに平気で陰口を言っちゃうところだと思う。そこは、男子は本当に敏感に嫌いだと思うよ」(営業/28才)実際にそうかどうかはさておき、男子から見ると「陰口言ってる女子とか、絶対に他の女子から嫌われてるよね・・・・・・」と思えてしまうんだそう。実際には、言ってることがバレないからこそ「陰口」として成り立つわけですが、本人にはバレなくても、あなたが陰口を言っているのを聞いてる周りの男女からは、評価が激下がりですね。口は災いの元です。■4.癒し系「女子からかわいがられるようなタイプの女子って、男子の目から見ても100%かわいいと思う」(美容師/25才)男子の目から見てもかっこいい男子は、女子の目からみてもかっこいいのと似ているかもしれませんね。これって結局、1から3までを実践してる女子に多い気がします。かわいがられる人って、男女平等で、友達を大事にして、あとは、友達に対して、かっこつけたりせずに自分の弱い部分を見せることができる人じゃないでしょうか。そういう人は、近くにいても肩の力を抜いていられるんですよね。■おわりにどうでしょう、自分の同性関係を振り返ってみて。きっと、同性から人気の人は、男子にもモテていると思いますよ。けど、「うわー、どうだろ、私」って思う人は、まずは同性との関係構築から始めてみてもいいかもしれませんね。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年06月05日東京・上野の国立西洋美術館で、3月中旬に『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』のプレス内覧会が開かれました。現在、美術館は臨時閉館中ですが、取材時に撮影した作品画像の一部を本記事でご紹介。おこもり生活の気分転換に、ネットで名画をご覧になってみてください。ロンドン・ナショナル・ギャラリーとは?【女子的アートナビ】vol. 176ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、1824年に設立された世界屈指の美術館。ロンドン中心部にある同館には、13世紀から20世紀はじめまでの西洋絵画が展示されています。ヨーロッパにある有名美術館は、王室が集めた美術品がベースになっているところが多いのですが、ロンドン・ナショナル・ギャラリーは英国民の力で創設。「西洋絵画史を網羅するコレクションをイギリスに作る」という目的で収集されているので、質の高い作品がそろっています。200年近い歴史をもつ美術館ですが、今まで館外で大規模な所蔵作品展をしたことはなかったとのこと。今回は61点もの作品が来日し、史上初の展覧会としても注目されています。天の川の起源は…会場では、テーマ別に7章構成で絵画作品が展示されています。本記事では、そのなかから3点をピックアップします。まず第1章「イタリア・ルネサンス絵画の収集」でご紹介するのは、ヴェネツィアで活躍した画家ティントレット(1518頃~1594)の《天の川の起源》。この絵に描かれている場面は、神々の王ユピテルが息子ヘラクレスを抱き、正妻ユノ(最高位の女神)の乳を飲ませようとしているところです。ヘラクレスは人間のアルクメネと浮気したときにできた子どもだったので、不死身ではありません。そのためユピテルは、ユノの乳を飲ませ、息子に永遠の命を与えたかったのです。しかし、ユノは寝ていたときに乳を強く吸われたので、驚いて目を覚まし、ユピテルがヘラクレスを急いで引き離そうとします。そのとき母乳が天空に飛び散り、乳の道ができた……という物語がMilky Way(天の川)の起源。この絵画では、ユノの乳首から母乳が吹き出し、流れ星のようにきらきらと天に輝く様子が鮮やかな色彩で描かれています。恋人を待つ女性?続いて、第2章「オランダ絵画の黄金時代」でピックアップするのは、フェルメール(1632~1675)の作品《ヴァージナルの前に座る若い女性》。「ヴァージナル」とは、15世紀頃からヨーロッパで使われていた小型鍵盤楽器のひとつ。その楽器に手を置いた若い女性がこちらを見つめています。弾いている途中に、誰か親しい訪問者がやってきたのでしょうか。女性の表情がちょっと意味深です。写真では見づらいですが、女性の背景に一枚の絵画が掛かっています。そこに描かれているのは、売春婦と男性客、取り持ち女。さらに、ヴァージナルの手前には、ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器も置いてあります。風俗画に描かれる楽器には、男女関係や性的な意味合いも含まれているとのこと。この絵の読み解き方はいろいろあるので、想像を膨らませながら見てみると楽しいです。人気画家は盛り上手!?最後は、第3章「ヴァン・ダイクとイギリス肖像画」から、アントワープ出身の画家ヴァン・ダイク(1599~1641)の作品をご紹介します。描かれている二人の女性は、セレブな子爵の娘たち。これは二重肖像画です。画面右の女性は、妹のエリザベス。彼女は、古代に花嫁が着たといわれるサフラン色のドレスを身につけ、キューピッドからバラの入った籠を受け取っています。この絵は、エリザベスの結婚祝いのために制作されたと考えられているそうです。姉妹はともに大きな真珠の耳飾りをつけ、衣装も豪華で、表情も威厳と気品にあふれています。画家ヴァン・ダイクは、まるで神話に出てくる美しい女神のように「盛った」人物を描くのが得意で、肖像画家として当時とても人気があったそうです。公式サイトでは無料動画も公開中会場には、ほかにもベラスケスやゴヤなどのスペイン絵画、イギリスを代表する画家ターナーの風景画やゴッホの《ひまわり》など、傑作がたくさん来日しています。現時点で開幕日は未定ですが、展覧会公式サイトでは作品画像が見られるほか、展覧会監修者の川瀬佑介氏(国立西洋美術館主任研究員)が作品解説してくれる動画も無料で公開されています。展覧会公式サイトで作品画像や動画を楽しみながら、開幕日を待ちましょう。Information会期:開幕日未定~6月14日(日)※休館日は月曜日※開幕が延期となりました。開幕後も混雑対策のためチケットの販売方法や展示室への入場方法が変更となる場合がございます。最新情報を展覧会公式サイトで必ずご確認ください。時間:午前9時30分~午後5時30分(金曜日、土曜日は午後8時まで)※入館は閉館の30分前まで会場:国立西洋美術館料金:一般 ¥1,700/大学生 ¥1,100/高校生 ¥700中学生以下無料
2020年05月02日まるで本物のようにリアルに描かれた写実絵画の傑作が集まる展覧会が、3月中旬にBunkamura ザ・ミュージアムではじまりました。現在、美術館は臨時休館中ですが、展覧会の開幕にあわせて出品作家の島村信之さんと、アイドルの和田彩花さんが対談を実施。写実絵画の本質や、裸婦像を描く画家の気持ちに和田さんが迫ります!撮影:Yuya Furukawa和田さんも感動!『超写実絵画の襲来ホキ美術館所蔵』左:和田彩花さん右:島村信之さん【女子的アートナビ】vol. 175この展覧会では、ホキ美術館が所蔵する写実絵画のなかからセレクトされた傑作が一堂に集結。写実絵画とは、対象を見たままリアルに描くことを基本とした絵画のことで、作家たちは長い時間をかけて一枚の絵を仕上げていきます。2010年に世界初の写実絵画専門美術館として開館したホキ美術館(千葉県)は、日本を代表する現代作家たちの写実絵画約480点を所蔵。今回の展覧会では、同館の人気コレクション約70点が展示されています。展覧会の開催にあわせて、出品作家の島村信之さんと、大学院で美術史を学んだアイドルの和田彩花さんが対談を実施。写実絵画やヌード画などについての疑問を、和田さんが直撃してくれました!アイドルが画家に直撃!まずは、島村さんが写実画家になったいきさつについて、和田さんがたずねます。和田さんどうして絵画の道に進まれたのですか?島村さん今は絵描きをしていますが、もともとは運動ばかりやっていました。器械体操や陸上をしていて、体育大学に行こうとしていたのです。和田さん何がきっかけで絵のほうに?島村さん絵は好きでしたので、本屋に行ったときにいろんな画集を見ていました。入り口は、イラストレーターである長岡秀星さんの画集です。この人の絵がおもしろいなぁと思って、こんなふうに描いてみたいと憧れて、趣味として描いていました。和田さんいつから写実絵画を意識されるようになったのですか?島村さんもともと写実の方向が好きで、きっちり見たように描ける能力があったらいいなと思っていました。でも美大に入ってからは、自分の表現は別のところにあるのではないかと悩み、写実の方向ではないものを考えていました。ですが、スペインのリアリズム絵画を扱った展覧会に行ったとき、日本の写実とは違い、現実を超えているような感じがしたのです。例えば、壁の表現でも、重みとか力強さが、現実よりも絵画のほうがもっとリアルで。それを見たとき感動して、自分でも表現してみたいと思いました。写実とは…画家の意見は?続いては、『写実』の意味するところについて、和田さんが島村さんに迫ります。和田さん写実って「本物そっくり」というイメージが強かったのですが、そっくりに描くことだけではなく、リアルな質感のなかで見えてくる概念とかも写実絵画にはあるのかな、と気づきました。島村さん基本的に、写実という考え方以前に、絵画としてどうなのか、ということだと思います。僕は自分が感動したものを伝えたい。まずは自分が感動することが必要ですし、それを見てくれた方も、同じような体験ができればいいなと思います。それが絵画の役割として重要だと思っています。和田さん実際、目に見えるとおりに描かれるのですか?例えば、光は見えるけど、手に触ることもできないものだから、どう描くのだろうと不思議に思います。島村さん光を感じるためには影が必要です。通常は、絵画を逆光で描くことは少ないのですが、逆から見ると光が当たるところが強く出て、光を意識できるのがおもしろくなり、僕はある時期から逆光で絵を描くようになりました。でも、それが生涯の画風とも思っていません。自分のマンネリ化をどうやって脱却しようかと常にアンテナを張ってネタ探しをしています。数百匹飼っていた!?さらに、島村先生の虫作品について、話題が展開していきます。和田さん先生は女性像を多く描かれていますが、最近のテーマは虫ですか?島村さん女性像もひとつの方向として研究していますが、マンネリ化したくないので、虫も描いています。もともと、子どものときよく生き物を採りに行って、それを絵に描いていました。同じことを、この年齢になってもできるのはおもしろいですよね。感動をそのまま絵に表現できるのが、画家の一番いいところです。昆虫は、描くだけでなく、探しに行ったり、数百匹を同時に飼ったり、コレクションしたり、昆虫標本会に行ったりして、もう完全に趣味です(笑)。ヌード画について直撃!最後に、女性のヌード画を多く手がける島村さんに、和田さんが直球質問をぶつけます。和田さん私は絵画のヌードをけっこう見なれていますが、絵画を見慣れていない若い女性は、リアルな写実絵画を見たらどう感じるのかな、と気になります。恥ずかしいという気持ちを持ったりするかもしれません。島村さん自分が関わる人は、美大などを出ていたりするので、ヌードに麻痺していると思います。でも、僕が高校生のとき、女子校の文化祭に行って美術室でヌード作品を見たときは、すごく気恥ずかしかったです。和田さんなぜですか?島村さんだって十代の男の子がはじめて見る裸婦像は衝撃で、ドキドキしたというか、気恥ずかしい感情はありましたよ。おそらく、美術の世界に慣れていない人にとっても、ヌード画を見るのは気恥ずかしいという感覚があるのかなと思います。僕も、美大受験の予備校に入ってはじめて裸婦の前で絵を描いたときは、手が震えました(笑)。和田さん私は、同世代の女の子が写実のヌード画をどう感じるのか知りたいです。島村さん僕は娘もいるけど、彼女も慣れているから(笑)。うちにモデルさんがきて、それが絵になっていくことは娘も知っていたので。逆に、自分も絵のモデルになりたいという意識があり、自分を描いてほしいと言ってくれていましたね。それに、描いている側としては、裸婦も、ロブスターなどと同じように、かっこいいとか憧れの気持ちをもって描いていて、その気持ちをどう美しく表現するのかということを構図などで探っていっています。和田さん先生のなかで、美しさはどんな感覚ですか?島村さん僕はあまり挑発的なものは避けていて、常に安らぎとか、自分も楽に見られる絵を目指しています。目に見えたものをそのまま描かないで、一回自分で咀嚼します。形はモデルだけど、自分のなかでは違う色彩になり、イメージ化する方向にいっています。作家の心が伝わるような作品を、生涯描いていきたいですね。注:今回の展覧会で島村さんのヌード画作品は出品されていません。会場で販売中の『島村信之画集』(求龍堂¥4,180税込)に多数収録されています。和田さんからメッセージ!対談後、和田さんから、ananweb読者のみなさんにメッセージをいただきました。和田さん一般的に、美術に触れる機会が少ない人は、写実絵画を見て「本物そっくりだ」という感想を持たれる人が多いと思います。でも、「本物そっくり」という印象を超えた何かが写実絵画にはあります。それが何かというのは、実際に絵を見たときの人それぞれの感覚だと思います。写実絵画というのは、精緻で細かいところまで描き出して、まさにリアル。でも実際の作品を見たら、それだけじゃないパワーがあると思うので、そこまで楽しめるのが超写実絵画だと気づきました。女性のヌード画も、恥ずかしいという思いだけじゃ決して済まないのが絵画のもつ魅力と思うので、ぜひ同世代の女子にも見てほしいです!公式サイトをチェック!この展覧会の最新情報は、美術館の公式サイトで確認できます。展示作品の画像も多数アップされているので、ぜひサイトをチェックして、超写実絵画の美しさをご覧になってみてください。Information会期:現在臨時休館中。会期は5/11(月)まで。※新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため5/6(水・祝)まで臨時休館。(今後の予定は公式サイトをご確認ください)*4/14(火)は休館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般 ¥1,600/大学生・高校生 ¥900/中学・小学生 ¥600
2020年04月12日ちょっとミステリアスな風景画を描く画家の日本初個展『ピーター・ドイグ展』のプレス内見会が2月下旬に行われました。現在、美術館は臨時休館中ですが、取材時に見た作品はどれもすばらしいものばかり。この記事で一部の作品をご紹介しますので、こちらから、ぜひご覧になってみてください。写真・田代わこ幻想的!『ピーター・ドイグ展』【女子的アートナビ】vol. 174この展覧会では、スコットランド生まれの画家、ピーター・ドイグ(1959-)の初期作から最新作までを一堂に展示。世界で最も注目されるアーティストのひとりといわれるドイグさんは、ロンドンで美術を学び、2002年より、幼少期を過ごしたカリブ海の島国トリニダード・トバゴに拠点を移して制作を続けています。彼の作品は欧米の名だたる美術館に収蔵され、美術オークションでも高額で取り引きされるほど大人気。今回は油彩画を中心に、幅3メートルを超える大型作品も展示されています。ゴッホやマティスなどの近代画家の作品や映画のワンシーン、さらにドイグさんが暮らした場所のイメージなどを組み合わせて制作された絵画は、どこかミステリアスで魅力的。プレス内見会では、ドイグさんと学芸員さんが作品の見どころやポイントについて、語ってくれました。美しいのに怖い…学芸員も感動!同展を企画された東京国立近代美術館 主任研究員の桝田倫広さんによると、ドイグ作品には「どこかで見たことがあると誰もが感じるような不思議な魅力がある」とのこと。例えば、《のまれる》という作品は、桝田さんが以前、福島県の五色沼で見た景色にとてもよく似ていると感じたそうで、次のように語りました。桝田さん息をのむほど美しいのにちょっと怖い、そんな五色沼の雰囲気そのものがドイグ作品の性質と似ているのです。ドイグさんは、具体的な場所やパーソナルな経験を描いているのではなく、私たちの記憶と関わる“感覚そのもの”を描いています。だから、見る人は彼の絵に懐かしさを感じるのです。原点となった作品は…画家がナマ解説!プレス内見会では、ドイグさんが自身の作品や画業について語りました。そのなかから3点をご紹介します。ドイグさん《天の川》は私が学生だったときの出発点となった重要な作品です。それまで風景画を手がけたことはありませんでした。一回限りのものと思って描き始めたのですが、これが出発点となるとは思いませんでした。1989年から90年代の前半は、アートにとっておもしろい時代でした。当時人気だったジャンルはコンセプチュアル・アート(前衛芸術運動)で、“絵画はおもしろくない、すでに死んだ昔のもの”と考えられていました。自分の作品を展示してもらうには難しい時代でしたが、私のように好奇心にあふれた画家にとっては、実験できる大切な時代でした。日本に縁のある作品も!次は、日本に関連した作品についての解説です。ドイグさん《スキージャケット》は、トロントの新聞に掲載されていた広告記事の写真をもとに描きました。その写真は、日本のスキーリゾートを撮ったもので、見出しには「法外な価格で、日本のサラリーマンはレジャーでもストレスをため込みすぎている」と書いてありました(笑)。はじめは日本の掛け軸のように、風景を縦長のパネルに描いていました。でも数か月経ったあとに絵を見たとき、あまりにも動きがないと思い、左に拡張させ、結果的に左右が合わせ鏡のようになりました。ライオンの後ろに描かれているものは…?最後は、ある建物とライオンが描かれたカラフルな作品についての解説です。ドイグさん《ポート・オブ・スペインの雨(ホワイトオーク)》に描かれている建物は牢屋で、トリニダードの首都、ポート・オブ・スペインの中心部にあります。もとはイギリス植民地時代に建てられた拘置所で、今でも使われています。この牢屋から20分ほど行ったところに動物園があり、そこに行ったときにライオンが檻の中に入れられている様子を見て、牢屋と似ていると思って描いてみることにしました。ライオンは、トリニダードの人たちにとって多くのことを象徴しています。例えば、ユダの獅子は宗教的運動のシンボルにもなっていますし、街中のグラフィティやTシャツなどにも描かれています。イギリスとトリニダードの社会では、ライオンに対する感じ方が異なっているのです。公式サイトをチェック!ドイグさんの作品、いかがでしたか?ほかにも、映画『13日の金曜日』などからインスピレーションを得た作品や、日本の映画から影響を受けた作品などもあり、色彩もさまざまで見ごたえ抜群です。また、展覧会の音声ガイドナビゲーターは、のんさんが担当されています。作品のストーリーなど優しい語り口で案内されています。まずは公式サイトをチェックして、ドイグさんのさまざまな作品や解説などご覧になってみてください。臨時休館情報も載っています。Information会期:現在臨時休館中。会期は6月14日(日)まで。時間:10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー料金:一般 ¥1,700/大学生 ¥1,100/高校生 ¥600※本記事の写真は、プレス内見会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年04月02日2020年4月から開かれる『ボストン美術館展芸術×力(げいじゅつとちから)』の記者発表会に、俳優の要潤さんが登場!世界有数のコレクションを誇るボストン美術館から来日する作品の見どころや、アートの楽しみ方について語りました。半数以上が日本初公開!『ボストン美術館展』【女子的アートナビ】vol. 1692020年に設立150周年を迎えるアメリカのボストン美術館は、古代エジプトやアジア、ヨーロッパ、アメリカなどの古代から現代までの美術作品を収集し、50万点近いコレクションを所蔵しています。今回の展覧会では、そんな歴史ある美術館から来日した約60点の作品を紹介。その半数以上が日本初公開です!同展のテーマは「芸術と力」。権力を誇示するため芸術の力を利用したり、パトロンとして芸術家を支援してきた権力者たちと、芸術のもつ社会的な役割に焦点をあてながら、さまざまな作品が紹介されます。必見は、お殿さまの作品!来日するのは、古代エジプトのファラオ像や平安時代の貴重な絵巻、イギリスの宮廷画家ヴァン・ダイクによる肖像画など、実に多彩。古今東西のさまざまな時代に生み出された作品が見られる展覧会ですが、今回もっとも注目されているのが増山雪斎 (ましやませっさい1754-1819)の≪孔雀図≫です。この作品は今回の展示に合わせて修復が行われ、この度はじめて日本で公開されます。神戸市立博物館の学芸員、石沢俊さんによると、作者の増山雪斎は江戸時代の伊勢長島藩第5代藩主、つまりお殿さまで、画家などを支援するパトロンだった、とのこと。大名でありながら自らも筆をふるう芸術家だったそうです。さらに石沢さんは次のように解説しました。石沢さんこの≪孔雀図≫は、江戸時代中期以降に流行した南蘋(なんぴん)風花鳥画です。1725年に中国から長崎にやってきた中国人画家、沈南蘋(しんなんぴん)がもたらした新たな花鳥画で、南蘋風花鳥画は、例えば伊藤若冲や円山応挙といった江戸時代を代表する画家たちも魅了しました。≪孔雀図≫は、ただ孔雀や花を美しく写実的に描いているだけでなく、そこには一家一族の吉祥や繁栄への願いが込められていることがわかります。オフィシャルサポーターは要潤さん!記者発表会では、オフィシャルサポーターに就任した俳優の要潤さんも登壇。連続テレビ小説『まんぷく』で画家の役を演じ、さらに『新美の巨人たち』にアートトラベラーとして出演されるなど、アートに関する番組でも活躍されています。要さんは今回の就任について「ボストン美術館は日本との関わりが深いと聞いているので、150年の歴史にこうして携わることができ大変光栄」とうれしそうに感想を語りました。また、楽しみにしている作品について問われると、「増山雪斎の≪孔雀図≫です。増山さんは昆虫を描いたりもされていますし、孔雀も有名なので、孔雀の羽の感じとか色づかいとか、すべてじっくりと見たいです」と回答。美術に造詣が深い要さん、日本画についてもお詳しいです。絵との距離感が大事!さらに、美術作品の楽しみ方については、次のように話しました。要さん番組を通して各国の美術館を訪ねたことがありますが、絵との距離感がすごく大事だと思います。まずは引いたところから見て、どんどん近づいて詳細を見ていく。画家の方は、まず薄いところから色を塗っていく、と聞いたことがあります。引いたところから見ると、まず濃い色が目に入ると思うのです。そして近づいていくにつれて、薄い部分、細かく塗られた部分も見ていく、という楽しみ方があるのではないかと思うんです。家庭の権力者は…また、展覧会のテーマ「芸術と力」にちなみ、現在、要さんが力を入れていることについて問われると、「いま油絵に挑戦しだしたので、これから力を入れたい」とコメント。最後に、家庭での権力者は誰か? と質問されると、「やっぱり妻じゃないですか。妻のおかげで家庭が成り立っています」と少し照れながら回答。夫としてのステキな一面も見せてくれました。東京では4月16日スタート『ボストン美術館展芸術×力』は4月16日からスタート。現在、お得な前売り券が発売中です。特にオススメは、スペシャル音声ガイド付きチケット(税込¥2,200)。同展の音声ガイドは、おもな作品を「オモテ」と「ウラ」の2つの視点で読み解く新しい音声ガイドになっています。見どころや技法などの解説が聞ける「オモテ」ガイドのナレーターは、声優の鈴村健一さん。名品に隠された権力者たちのエピソードが聞ける「ウラ」ガイドは声優の櫻井孝宏さんが担当されるという何ともぜいたくな内容です。ぜひチケットを準備して、春がくるのを楽しみに待ちましょう!Informationボストン美術館展芸術×力(げいじゅつとちから)会期:2020年04月16日(木)〜2020年07月05日(日)会場:東京都美術館料金(当日券):一般 ¥1,600/大学生・専門学校生 ¥1,300/高校生 ¥800/65歳以上 ¥1,000 中学生以下無料
2019年12月25日ハリウッド・スターや大物アーティスト、スポーツ選手、タレントなど、さまざまな有名人と“触れ合えるような”体験がでちゃう話題のスポットが、12月13日より一部リニューアル!さっそく体験してきました!大物セレブが目の前に…!【女子的アートナビ】vol. 168今回ご紹介するのは、東京・お台場にある『マダム・タッソー東京』。レディー・ガガやジョニー・デップ、羽生結弦など有名人の等身大フィギュアと腕を組んだり、一緒に写真を撮ったりすることもできる、とっても楽しい体験型アトラクション施設です!こちらは2013年にオープン。ananwebは初潜入ということで、見どころをたっぷりお届けします!さっそく中へ!入場して、まずエレベーターに乗ろうとすると、ど真ん中に先客の姿が……。あまりにリアルなので、一瞬、外国人観光客かと思ったのですが、よく見るとフィギュア。ハリウッド・スターのブルース・ウィリスでした。そして、エレベーターを降りると、目の前にはジョニー・デップ様が!たくさんのカメラマンに囲まれて、レッドカーペットを歩こうとしているところのようです。一気に夢の世界へと引き込まれていきます。遠くから見るだけでなく、おヒゲに触ったり、抱きついて一緒に写真を撮るのもOK。本当に精巧につくられていて、近くで見ても実にリアルです。ちなみに、フィギュアは一体につき2000万円ほどかけて制作されているとのこと。まさにアート作品ですね!なりきり体験&コスプレも!見るだけでなく、体験できるのもマダム・タッソーのおもしろいところ。例えば、英国王室のエリアでティアラをつけて撮影したり、ホワイトハウス執務室のエリアでオバマ前大統領と一緒に写真を撮ったりすることもできます。(写真モデルは、PR担当のトムリンソンさん)さらに、クリスマスムードいっぱいの空間で、レオナルド・ディカプリオやブラッド・ピットと腕を組んで恋人気分になることもできちゃいます!また、ミュージシャンのエリアでは、歌手のマドンナに変身できるコスプレグッズや、X JAPANと共演できるようなステージが用意されているので、流れる曲に合わせて気分ノリノリで楽しんでいるお客さんもいました。ガガさま、草間さん、羽生選手も…!そして、こちらが今回リニューアルされた“レディー・ガガ”のエリア。ヒット曲『テレフォン』からイメージしてつくられた新しい空間では、鮮やかな黄色に目を奪われます!肌の質感も肉体も生々しく、本物のガガさまがいるみたい。フィギュアと一緒に撮影してSNSにアップするのが王道の楽しみ方ですが、リアルに作り込まれた顔や指先など、細部をじっくりと鑑賞してみるのもおすすめです。また、私が個人的に好きだったのは、草間彌生さんの水玉エリア。以前、展覧会の取材でお顔を拝見したことがあるのですが、本当にそっくり。感激しました!ほかにも、羽生結弦選手などスポーツ選手やハリウッド女優、モデルのフィギュアもあり、テンションが上がりまくり。写真もどんどん撮れるので、本当に楽しいです!(ちなみに、羽生選手のスケートシューズやアクセサリーはご本人から提供されたものです!)ナポレオンとも会っていた!?ところで、マダム・タッソーには長い歴史があるのをご存じですか?創始者のマダム・マリー・タッソーは1761年にフランスで生まれ、フィギュア製作の技術を習得。フランス革命前にはマリー・アントワネットやルイ16世のフィギュアもつくっていました。1801年にはナポレオンにも直接会って、製作のため測定を行ったとのこと。その後イギリスに渡って各地でフィギュア作品のコレクションを展示し、1835年にロンドンで常設展示を開始。今では、世界24か所でマダム・タッソーの世界観を楽しむことができます。とにかく遊べます!マダム・タッソー東京、いかがでしたか?取材前は、フィギュア展示を見る場所、というイメージだったのですが、実際に行ってみると、体験できるアトラクションが多いのでびっくりしました。バーチャルゲームを楽しんだり、トリックアートのような写真を撮ったり、モデル気分でランウェイを歩いたりと、とにかく遊べるアトラクションがいっぱい。インスタ映え写真もたくさん撮れます。特に、今の時期はクリスマスの雰囲気を味わえる展示エリアもあるので、ぜひこの機会にセレブたちと楽しい体験を味わってみては?Information
2019年12月22日イルミネーションが美しい東京駅エリアで、現在2つのアート展が開催中です。ひとつは、トップクラスの西洋近代絵画を見られる『世界に誇る吉野石膏コレクション展』。もうひとつはクールな抽象画がそろう『坂田一男 捲土重来』。キラキラの夜景と一緒にご紹介します!イルミ&ライトアップにうっとり【女子的アートナビ】vol. 167まずは、東京駅・丸の内エリアの最新イルミネーションからご案内!美しくライトアップされた東京駅から撮影スタートです。上の写真は、丸ビルと新丸ビルの間にある行幸通りからスマホで撮りました。こちらは、シャンパンゴールドのLED・約100万球がきらめく「丸の内イルミネーション2019」。丸の内仲通りでは、220本を越える街路樹が優しい色に輝いています!こちらは、丸の内ブリックスクエアにあるオブジェです。スター・ウォーズの世界観を表しているそうで、ちょっと近未来的。ほかにも大手町仲通りや有楽町エリア(国際ビル、新国際ビル前)でもさまざまなイルミネーションを楽しめます!三菱一号館美術館へ現在、丸の内ブリックスクエアに隣接する三菱一号館美術館では、『印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展』が開催中です。この展覧会では、国内有数の “吉野石膏コレクション”のなかから選び抜かれた72点の西洋絵画を展示。ルノワールやモネ、ドガなどの親しみやすい作品が集結しています。吉野石膏コレクションとは、石膏建材メーカーの吉野石膏株式会社が長年収集してきた美術コレクションのこと。特に西洋絵画のコレクションは、世界に誇る質の高い作品がそろっています。この貴重なコレクションが本格的に東京で紹介されるのは今回が初めてのこと。印象派を中心とした西洋近代美術のエッセンスがつまった必見の展覧会です。西洋近代美術の流れがわかる!展示は三章にわかれ、西洋近代美術の流れを見渡すことができる構成になっています。最初は印象派の先駆けとされるバルビゾン派のコローやミレーの作品からはじまり、マネやモネなどの印象派、ポスト印象派のゴッホやセザンヌと続きます。さらに、第二章ではナビ派のボナール、フォーヴィスム(野獣派)のマティス、キュビスムのピカソやブラック、素朴派のルソー、抽象絵画のカンディンスキーなどが登場。最後の第三章ではエコール・ド・パリ(パリ派)のユトリロやキスリング、そして吉野石膏コレクションの目玉であるシャガール作品10点も堪能できます。見どころはパステル画!なかでも見どころは、パステルで描かれたやわらかな色彩の絵画たちです。粉末顔料を粘着剤で固めたパステルは、お互いの色が混じることなく、顔料の明るい発色をそのまま生かせるのが特徴の画材。例えば、ルノワールの作品《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》では、青い衣服を着た少女の姿が軽やかなタッチで描かれています。同じパステルを使っても、あたたかい印象になったり、幻想的な雰囲気になったり、画家によってそれぞれ個性が違っています。今回、三菱一号館美術館の収蔵品であるルドンが描いたパステル画《グラン・ブーケ(大きな花束)》も展示されているので、ぜひ画材にも注目して作品を見比べてみてください。『印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展』は1月20日まで開催。続いて、東京ステーションギャラリーへ東京駅丸の内駅舎内にある美術館、東京ステーションギャラリーでは、現在『坂田一男 捲土重来』が開かれています。日本における抽象絵画の先駆者として評価されている坂田一男(1889-1956)の全貌に迫る初の展覧会です。クールな抽象絵画が勢ぞろい!坂田は医学者の息子として岡山市に生まれ、画家を目指して第一次世界大戦後の1921年に渡仏。フランスの著名な画家、フェルナン・レジェに師事し、10年以上フランスで画家として活躍します。1933年の帰国後は岡山で活動しますが、生前はあまり注目されることはなく、没後に高く評価されるようになりました。この展覧会では、坂田とともに、同時代に活躍したル・コルビュジエやジョルジオ・モランディ、ジャスパー・ジョーンズなど国内外の画家たちの作品も組み合わせて展示。造形作家の岡﨑乾二郎氏が監修し、抽象絵画の可能性を追求しつづけた坂田の画業を約200点の出品作で読み解いていきます。『坂田一男 捲土重来』は1月26日まで。夜の丸の内へ!どちらの美術館も、金曜日など夜間まで開館している日が設けられています。イルミの美しいこの時期は、ぜひ夜の丸の内に足を運んでみてくださいね!Information『印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展』会期:~2020年1月20日(月)時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで(1月3日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで)休館日:月曜日(ただし、祝日・振替休日の場合、1月20日、トークフリーデーの12月30日は開館)会場:三菱一号館美術館料金:一般 ¥1,700/高校・大学生 ¥1,000/小・中学生 ¥500展覧会のキャンペーンやフォトスポット、タイアップなどスペシャルな情報は下記サイトをチェック!※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。『坂田一男 捲土重来』会期:~2020年1月26日(日)時間:10:00〜18:00 ※金曜日は20:00まで開館※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし1月13日、1月20日は開館)、12月29日~1月1日、1月14日(火)会場:東京ステーションギャラリー料金:一般 ¥1,000/高校・大学生 ¥800/※中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年12月13日華やかなドレスやジュエリーを身につけたプリンセスたちの肖像画などに出会える『ハプスブルク展』が上野の国立西洋美術館で開催中です。王女や皇妃の美しい姿を見ながら、彼女たちのドラマチックな運命にも触れてみます!ウィーンから名品が集結!【女子的アートナビ】vol. 166『ハプスブルク展600年にわたる帝国コレクションの歴史』では、世界有数の美術館のひとつ、ウィーン美術史美術館から来日した絵画や版画、工芸品、武具など100点を展示。歴史の教科書で見たことのある絵画や大きなタペストリーなど、見ごたえある作品が並んでいます。ウィーン美術史美術館の主なコレクションは、ヨーロッパ随一の名門貴族、ハプスブルク家の人たちがオーストリアを拠点にして築き上げたもの。15世紀後半から本格的に芸術品の収集をはじめたのは、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(1459-1519)です。マクシミリアン1世は名門貴族との婚姻政策により領土を拡大し、ハプスブルク家隆盛の基礎もつくりました。武具も好きだったようで、本会場には彼の甲冑なども展示されています。叔父さんに嫁いだプリンセス…こちらは同展の必見作品で、スペインの巨匠ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)の傑作《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》です。絵のモデルは、スペイン国王フェリペ4世の娘、マルガリータ・テレサ。彼女が8歳のころに描かれた作品です。ハプスブルク家は16世紀中頃、オーストリア系とスペイン系に分裂しますが、両家は婚姻関係などでつながっていました。王女マルガリータも幼くして自分の母親の実弟、つまり叔父である神聖ローマ皇帝レオポルト1世(1640-1705)に嫁ぐことが決められていました。この肖像画は、未来の夫となる叔父に王女の様子を伝えるためのいわば「お見合い写真」のようなもの。現代の常識で考えると、叔父と姪の結婚などありえないと思ってしまいますが、当時の貴族たちは血統を守ることを第一に考えていたので、近親婚は当たり前のように行われていました。王女はゴージャスなドレスに身を包み、美しく気品あふれる姿で描かれていますが、あまり健康的には見えません。実際、彼女の両親も近親婚だったため、マルガリータも身体が弱かったそうです。彼女は15歳でスペインからオーストリアに嫁ぎ4人の子どもを産みますが、結局21歳の若さで亡くなりました。美貌を保ち続けたプリンセスもう一点、見逃せない作品は、歴史画家ヨーゼフ・ホラチェク(1830-1885)が描いた《薄い青のドレスの皇后エリザベト》。モデルは、16歳でオーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に嫁いだエリザベトです。シシィという愛称で知られるエリザベトは、絶世の美女といわれるほどの美貌の持ち主。彼女は皇帝に見初められて結婚し、当初は幸せな宮廷生活を送りますが、姑との確執や息子の自殺など苦労が続き、60歳のとき無政府主義者に刺されて亡くなるという悲劇的な最期を遂げます。また、エリザベトは美貌を保つ努力を惜しまなかった女性としても知られています。日々の生活に食事制限やトレーニングを取り入れ、つねにコルセットでウエストを締め付けていました。彼女のウエストは50センチともいわれ、展示されている絵画でも胴体の部分はかなり細く描かれています。会期は1月26日まで!会場には、ほかにもフランス王妃マリー・アントワネットの肖像画や、レンブラント、ティツィアーノ、ヴェロネーゼなど巨匠たちの作品も並び、ハプスブルク家の華麗なコレクションをたっぷり堪能できます。会期は1月26日まで。Information「ハプスブルク展600年にわたる帝国コレクションの歴史」会期:~2020年1月26日(日)時間:9:30~17:30毎週金・土曜日:9:30~20:00ただし11月30日(土)は17:30まで※入館は閉館の30分前まで会場:国立西洋美術館料金:一般 ¥1,700/大学生 ¥1,100/高校生 ¥700/中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年11月24日タレントのビートたけしさんが、上野の国立科学博物館ではじまった特別展『ミイラ』のプレス内覧会に登場! 世界中から集まったミイラを見た感想や文化遺産の話など、深いテーマについても語ってくれました!特別展『ミイラ』スタート!【女子的アートナビ】vol. 165この展覧会では、エジプトやヨーロッパなど世界各地から集まった43体のミイラを中心に、副葬品や棺などを展示。ひんやりとした薄暗い会場に、何ともいえない独特の世界が広がっています。布で包まれて縦置きされているミイラや、腐敗防止措置をされた幼い子どものミイラ、ペインティングを施された頭蓋骨など、写真を撮るのがはばかられるようなものもあります。とはいえ、もちろん怖がらせるために展示しているのではありません。「ミイラを科学する」をキーワードに、最先端技術を使ってミイラの内部を調査したり、骨密度から死亡年齢を出したりしてさまざまな謎を解明していく、神秘と科学が融合した興味深い展覧会です。ビートたけしさん、登場!この展覧会のスペシャルサポーターを務めるのは、タレントのビートたけしさんです。専門家の解説を聞きながら会場をひと回りされた後、フォトセッションと囲み取材に応じてくれました。――会場をご覧になって、いかがでしたか?たけしさんおもしろいなと思いました。やはり今の技術が進歩しているので、ミイラの中までどうなっているのかわかるんですね。人間は、永遠の命が求められなくなると、その人をしのぶように、どうにか入れ物だけでも作ろうか、とかいろんなことを考えるんだね。文化的にあらゆる方面のものがあり、ひとつのミイラによって、いろいろなことがわかってくるのはおもしろいと思う。ちょっと震え上がったね…――どの作品がおもしろいですか?たけしさんお坊さんがお経を上げながら死んでいくとミイラになるという“即身仏”や、「ミイラになる」といって(自ら)ミイラになった人のものは、ちょっと震え上がったね。すごい精神世界。まだ神の存在とか仏教とか、相変わらず未知の部分だけれど、ないがしろにできないというのは今もずっとある。今の時代は、かつての時代の建物とかの名残はわかるけど、人間自体がどんな格好で身長だったとか、いっさいわからない。唯一の手掛かりは、生きているときの形をやや保っているミイラなんだよね。ミイラを燃やした時代がある――誰に見てほしいですか?たけしさん子どもがいちばんいいのだけれど、でもいくつになっても、「もうちょっと知りたい」という知識欲はあるからね。だからグーグルの検索とかすごいのだろうけど、やはり実物を見るのは写真とは違う感じがあり、妙な迫力があるね。――全部で43点のミイラがあります。たけしさんよく持ってきたね。これ保険大変だと思うけど(笑)。どこが運ぶんだ?日通か?よくぞこれだけ集めてミイラ展ができたね。できるだけみんなに見てもらって、子どもは特に興味をもってくれれば第二、第三の吉村作治(エジプト考古学者)がでるかもしれない(笑)。産業革命のときイギリスはよくミイラを燃やしていたよね、って専門家の先生に言ったら笑っていたけど、世界経済が発展を遂げると、過去の残すべきものを簡単に処分してしまう時代がくる。ミイラを燃やした時代があるっていうのがちょっと恐ろしいなと。歴史的価値のあるものを全部お金に換えてしまうことも過去にはずいぶんあったことだけれど、割と早めに教育をして、文化遺産を大切にするような風潮が高まればいいなと思う。かわいいグッズもあります!たけしさんが説明されたような生々しいミイラだけでなく、会場にはネコやトリなど動物のミイラもあり、ミュージアムショップにはかわいいグッズも揃っています。ぜひ会場で、本物の迫力に触れてみてくださいね!Information特別展『ミイラ 「永遠の命」を求めて』会期: 〜2020年2月24日(月・休)※休館日は月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、12月28日(土)〜1月1日(水・祝)。ただし2月17日(月)は開館時間:9:00〜17:00(毎週金曜、土曜は20:00まで)*入館は閉館30分前まで会場:国立科学博物館料金:一般・大学生 ¥1,700/小・中・高校生 ¥600
2019年11月15日女優の上白石萌音さんが横浜美術館で開かれた『ルノワールとパリに恋した12人の画家たち』展の取材会に登場!役者だけでなく歌手としても活動する上白石さんが美しい歌声を生披露し、大好きなアートのことを語ってくれました。どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 164『横浜美術館開館30周年記念オランジュリー美術館コレクションルノワールとパリに恋した12人の画家たち』では、ルノワールやマティス、ピカソ、モディリアーニなどの名作が一堂に集結。現在、パリのオランジュリー美術館が改修工事中のため、69点もの作品がまとめて来日しています。オランジュリー美術館の基礎を築いたのは、画商のポール・ギヨーム(1891-1934)。彼は、当時まだ売れていなかったモディリアーニなどの若い芸術家たちを支援し、彼らの作品を購入したり展覧会を開いたりしながら、新しい絵画の流れを開拓していきました。ポールは自邸を美術館にする夢を持っていましたが、42歳の若さで他界。財産を引き継いだ妻のドメニカが有名建築家ジャン・ヴァルテルと再婚し、作品収集を続行します。しかし再婚相手もその後、謎の事故死。最終的に絵画コレクションはドメニカが国家に売却し、1960年代からオランジュリー美術館で一般公開されるようになりました。ちなみに、ドメニカは養子から暗殺未遂で訴えられたり、ふたりの夫を死に追いやったと騒がれたり、スキャンダルが多かった女性です。会場では彼女の肖像画も展示されているので、ぜひご覧になってみてください。上白石萌音さん、生歌唱!横浜美術館で開かれた取材会には、同展の音声ガイドナビゲーターを務める上白石萌音さんが登場。イケメンの人気ピアニスト、福間洸太朗さんのピアノに合わせ、音声ガイドにBGMとして収録されているエリック・サティ作曲の『ジュ・トゥ・ヴ』をフランス語で披露してくれました。福間さんが弾いているのは、ルノワールの作品《ピアノを弾く少女たち》に描かれているとも言われる、同時代に制作されたプレイエル社製の貴重なピアノです。笑顔で楽しそうに歌う上白石さん。会場には美しく伸びやかな歌声が響き渡りました。ド緊張でした~演奏を終えたお二人に、インタビューが実施されました。――演奏されてみて、いかがでしたか?上白石さん緊張しました~。はじめてフランス語で歌を歌い、ルノワールの絵にあった当時と同じ年代のピアノがあり、しかも福間さんがお弾きになっているという……。先ほど、はじめてお会いして、はじめて合わせたので、ド緊張でした。フランス語のご指導もいただいて、何とか歌えました。福間さん私も少し緊張しました。なかなかないシチュエーションですので。上白石さんもいい表情で前を向いていらしたので、全力でサポートしたいと思いました。サティの曲は、パリのおしゃれな雰囲気や若いカップルの情景が思い浮かぶのですが、それをよく表現してくださいました。フランス語もバッチリでした。上白石さんよかったです! 福間さんはフランスにいらしたので、直前まで発音もたくさんチェックしていただきました。夢がかなった!――音声ガイドの収録はいかがでしたか?上白石さん私は美術館に行くのが好きで、いつか音声ガイドができたらいいなと夢を描いていたので、今回夢が叶って本当にうれしかったです。しかも、私の大好きな画家ばかり。すごく好きな時代ですし、一度生で見てみたいなと思っていた作品がたくさんありました。その作品を私の声でご案内させていただけるというのは本当に念願がかなったという感じで、楽しみながら心を込めて読ませていただきました。また、音声ガイドでBGMとして流れる音楽がすごくステキで、音楽と絵が融合していると思います。家で収録の練習をするときも、福間さんの演奏を流して聴きながら練習していました。福間さん私も絵画が大好きです。特にフランスのルノワールをはじめ印象派が好きで、たくさんの刺激、インスピレーションを受けていました。高校卒業してからパリに留学し、4年間住んでいたのですが、その時期オランジュリー美術館は改装工事をしていて入れなかったのです。今回拝見できて、すばらしいと思いました。音声ガイドでは、演奏だけでなく解説もしてほしいとのことで、私のような声ではお耳汚しで申し訳ないのですが、うれしく思いました。ふわーっと全身鳥肌が…――ルノワールの作品《ピアノを弾く少女たち》の感想を教えてください。上白石さんこの絵を目の前にして立った瞬間、ふわーっと全身鳥肌が立つような感じがしました。以前、妹(女優の上白石萌歌)とふたりでピアニストの役をやったことがありまして、そのときにこの絵を見て、ああ素敵だな、とインスピレーションをもらっていたので、今回この絵の前に立てて、ようやく会えたんだと思いました。福間さんルノワールは私にとって大切な画家で、私の人生で最初に覚えた画家の名前なのです。両親が絵画好きで、父が(ルノワール作の)イレーヌ嬢の絵のコピーを額に入れてリビングに飾っていて、私が物心つく前からそれがありました。今回、彼の原画を前にして、色彩、光と影など微妙で繊細な色づかいをされていると感じることができました。1月13日まで開催!上白石さんと福間さんが絶賛されたルノワールの絵画をはじめ、大人気のルソー作品が5点も揃うなど、かなり見ごたえある企画展になっています。横浜美術館は館内も広く、作品をゆったりと鑑賞することができますので、ぜひ時間をかけて名画を堪能してみてください。Information会期:~2020年1月13日(月・祝)※休館日は毎週木曜日(12月26日は開館)、2019年12月28日[土]~2020年1月2日[木]時間:10:00〜18:00※会期中の金曜・土曜は20:00まで開館(ただし、1/10〜12は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで会場:横浜美術館料金:一般¥1,700/大学・高校生¥1,200/中学生¥700
2019年11月08日みんな知っている名作『不思議の国のアリス』の魅力がいっぱい詰まった展覧会が、現在横浜で開かれています。会場には、原作者ルイス・キャロルの自筆画から、現代のアーティストたちによる作品まで約200点が集結。さらに、アリスの物語世界に入り込める「リアル脱出ゲーム」も体験できちゃいます!『不思議の国のアリス展』とは?【女子的アートナビ】vol. 163この展覧会では、1865年に初版が出版され、150年以上たった今なお読み継がれているルイス・キャロルの世界的ベストセラー『不思議の国のアリス』の魅力を堪能できる多くの作品を紹介。会場は、横浜のそごう美術館です!日本初公開となるキャロルの直筆画や、初版本の挿絵を描いたジョン・テニエルの原画、さらに物語の独特な世界観に没入できる草間彌生や清川あさみ、エリック・カールなど国内外で活躍する現代アーティストたちの作品も展示されています。同展を監修した筑波大学名誉教授で日本ルイス・キャロル協会会長も務める安井泉さんによると、アリスの物語は「研究していくと少しずつ謎が解けていくが、ひとつ謎が解けるとさらにその向こうに、もうひとつ謎があることがわかり、どんどん深みにはまる」とのこと。「その謎を解いていくときにひらめいた人たちがコラボしたり、他の作品に昇華したりして作品が広がっていったのではないか」といい、「キャロルをより身近に感じることができる展覧会なので、会場を隅々まで見てほしい」と語りました。リアル脱出ゲームとコラボ!また、今回同展では「リアル脱出ゲーム」との初コラボも実施。特別な謎解きキット(税込み¥1,500)を別途購入すれば、展示を見るだけでなく、アリスの世界の謎解きも楽しめます。ということで、謎解き体験しながら会場を回ってみることにします。まず、入場して専用エリアに行き、序章の謎解きを開始。少しネタバレになりますが、最初の謎として、物語でおなじみのシロウサギが登場します。アリスになった気分で、消えたシロウサギを追いかけながら、展示を楽しみます。第1章では、『不思議の国のアリス』の初刊行版本やルイス・キャロルの直筆原稿、さらに人気挿絵画家ジョン・テニエルの作品が登場。展示室の雰囲気もステキです!書斎で足止め…第1章の展示を楽しんだあと、アンティーク風の書斎が現れました。ここで、次なる謎解きを開始。ある暗号を解かなければならないのですが、ちょっと難解です。椅子も用意されているので、しばらく座って頭をひねってみました。その間、次々と謎解きコーナーに人がやってきますが、みなさん解けないで苦戦している様子……。取材時間も限られているので、いったん謎解きは保留にして、次のコーナーへ移動します!アリスやキャラたちがいっぱい!第2章では、世界で活躍する7人のアーティストたちが描いたアリスの物語を楽しめます。ルイス・キャロルが創作した物語『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』には、シロウサギやチェシャネコ、ハンプティ・ダンプティなど、アリスを困らせたり助けたりする個性豊かなキャラクターたちがたくさん登場します。絵本画家や挿絵画家たちが描いたキャラクターたちの作品は、どれも魅力的。水彩でカラフルに仕上げられた絵もステキですが、墨で描かれた作品もクールです。ぜひ、お気に入りのキャラクターを探してみてください。そして、アリスの迷宮に迷い込むような通路を通って、最後のコーナーに移動します。必見!アリスの靴第3章では、アリスの世界観に没入できる作品を展示。現代アーティストを中心にした個性的な作品やインスタレーションが並んでいますが、特に目を引くのが舘鼻則孝さんの 《Heel-less Shoes Series, “Alice Blue Shoes”》。レディー・ガガ愛用の靴を制作したことでも知られている舘鼻さんが「もし、アリスからオーダーをもらったら……」というストーリーを思い描き、この展覧会のために制作したそうです。写真は正面からのものですが、ヒールレスシューズなので、会場ではぜひ横からのスタイルも眺めてください。とってもおしゃれです!不思議百貨店へ!アリスの世界にどっぷりつかれる展覧会、いかがでしたか?作品鑑賞に集中してもいいですし、謎解きして遊びながら見るのもOK。また、現在、そごう横浜店では全館で「不思議百貨店」をテーマに「不思議・驚き・可愛い」アイテムをそろえているそうです。展覧会を見終わったあとも、不思議気分を味わえるそごう横浜店に、ぜひ足を運んでみてくださいね!Information会期:~11月17日(日)会期中無休開館時間:10:00 ~ 20:00※入館は閉館の30分前まで※最終日は17時閉館謎解きキット販売時間:13時~18時(最終日は15時まで)ゲーム開催時間:13時~20時(最終日は17時まで)会場:そごう美術館(横浜駅東口そごう横浜店 6階)料金:大人 ¥1,500/大学生 ・高校生¥800/中学生以下無料一般お問い合わせ:そごう横浜店電話045(465)2111大代表
2019年10月25日女子憧れのハイジュエリーメゾン、カルティエの現代作品に焦点をあてた大規模展覧会が東京・六本木の国立新美術館ではじまりました! ジュエリーや時計だけでなく、展示会場そのものも美しく幻想的。うっとりするようなアート空間が楽しめる話題の展覧会、その見どころをご紹介します!二度と見られない!?個人所蔵の作品が集結!【女子的アートナビ】vol. 161『カルティエ、時の結晶』では、カルティエで制作された宝飾品や時計などのうち、1970年代以降の現代作品に焦点をあてて紹介。展示作品約300点のうち、半数近くが通常公開されることのない個人所蔵作品です。展覧会の会場構成を手がけたのは、新素材研究所の杉本博司さんと榊田倫之さん。木や石などの素材を使い、伝統的な職人さんたちの技術と最新技術を合わせて生み出されたデザインは、まさに空間のアート。展示室すべてが芸術作品のような美しさです。まずは時計からスタート!それでは、会場に入ってみます。入り口で出迎えてくれるのは、巨大な時計のインスタレーション。1908年製造の時計を逆行化させたもので、杉本博司さんの作品です。序章『「時の間」ミステリークロック、プリズムクロック』では“時を刻む芸術品”といわれる目の錯覚を利用した時計「ミステリークロック」などが展示されています。この空間デザインを担当された新素材研究所の榊田さんは、「広い空間で小さな作品を見ていただくため、空間的な抑揚や視線の移ろいなどにも考慮した」とコメント。とっても幻想的な展示室です。仏師とカルティエがコラボ!?続く第1章『色と素材のトランスフォーメーション』では、素材づかいや色彩の観点からみたカルティエの表現方法に着目。ティアラやネックレス、イヤリングなど、心ときめく作品を見ることができます。また、ネックレスが飾られているデコルテ部分のトルソーにも注目してみてください。これは仏師の方が今展のために彫ったとのこと。仏像は宝飾類を身につけていることが多く、宝石のもつ悠久の時間を表現するのにぴったり。それで仏像づくりのプロである仏師にトルソー制作を依頼したそうです。使われている素材は、屋久杉や神代杉など日本の伝統的なもので、ほのかに木の香りも楽しめます。ぜひ、ゆっくり時間をかけてご覧ください。石と地球の空間も!第2章『フォルムとデザイン』では個性的な形をした作品を展示。この空間は大谷石などの石で構成され、洞窟のような雰囲気の中で素朴な石と貴石のコラボを楽しめます。また、最後の第3章『ユニヴァーサルな好奇心』では、世界のさまざまな文化や自然から着想を得たカルティエ作品を展示。地球に見立てた大きな展示ケースの中に、アジアやアフリカ、エジプト、さらに花や昆虫などからインスピレーションを受けた個性的な作品が並んでいます。伝統を守りながら、新しいデザインや可能性に挑みつづけるカルティエ。その美の世界を心ゆくまで堪能できる展覧会です。どうぞお見逃しなく!会場構成:新素材研究所(c) N.M.R.L./ Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki SakakidaInformation会期:~12月16日(月)※休館日は毎週火曜日(10月22日(火・祝)は開館、10月23日(水)は休館)時間:10:00 ~ 18:00※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで会場:国立新美術館 企画展示室2E料金:一般 ¥1,600/大学生 ¥1,200/高校生 ¥800/中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年10月19日俳優の小泉孝太郎さんが、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムではじまった展覧会『建国300年 ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展』の開幕イベントに登場! 展覧会の感想やコレクションしているモノについて、熱く語りました!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 160この展覧会では、ヨーロッパのリヒテンシュタイン侯国から来日したルーベンスやクラーナハ(父)などの油彩画、エレガントな陶磁器などさまざまな作品を展示。会場には優美な宮廷文化の世界が広がっています!リヒテンシュタイン侯国とは、スイスとオーストリアにはさまれた場所に位置する小さな国。1719年からリヒテンシュタイン侯爵家が統治する「侯国」で、今年建国300年を迎えました。面積は宮古島と同じくらいの小国ですが、侯爵家は領地経営で成功して富を築きあげ、美術収集を積極的に行って世界屈指ともいわれる個人コレクションを形成。同展では、リヒテンシュタイン家の所蔵品からセレクトされた珠玉の約130点を紹介しています。小泉孝太郎さん、登場!この展覧会の音声ガイド・ナビゲーターを務めるのは、俳優の小泉孝太郎さんです。プレス向けに開かれた開幕イベントで、インタビューが実施されました。――会場をご覧になって、いかがでしたか?小泉さん一枚一枚絵画の前に立ち、本物を生で見られるというのはぜいたくな時間だと思いました。ほんの少しの時間で見たのですが、僕にとっては最近味わっていなかった時間で、満喫できました。――展覧会の目玉となっているヴァルトミュラーの花の作品はいかがでしたか?小泉さん実は、個人的にはヴァルトミュラーの風景画が好きでして、高原から湖を見下ろした景色を描いた作品が気になっていたのですが、実際に今回はじめて花の作品の前に立ったとき、すごく好きだと思いました。絵が持つ雰囲気がすてきで、引き込まれました。ここまで作品に魅入ってしまうのは、はじめてです。――風景画は、どこがお好きですか。小泉さん風景画は、実際に旅に行けなくても、その絵の前に立ったとき旅行しているような気分になれるので、好きですね。実家に伝わるお宝は?――『リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展』にちなみ、小泉家に代々伝わる至宝はありますか?小泉さん昔の掛け軸とか、ちょっとした絵とかはありましたけど、リヒテンシュタイン家と比べられるようなものはないと思います(笑)。――有名な政治家の方の掛け軸もありましたか?小泉さん正直、ありましたね(笑)。歴史の教科書でしか見たことがないような、歴代総理の掛け軸がありました。詳しくはいえないですけど(笑)。でも、こうやってみなさんに見てもらって、飾らなければだめと思いました。――小泉さんご自身のコレクションは?小泉さん美術館がすごく好きで、地元に帰ったときは横須賀美術館に立ち寄るのが好きなのですが、自分で所有するとなると管理の問題もありますので、やはり美術館で観るのが好きですね。自分にとっての至宝は、父と一緒に撮った写真とか仲間と撮った写真、父が色紙に書いてくれた言葉などを大事にしていますね。――何か身近なもので集めているものはありますか?小泉さんアロマオイルですね。10種類くらいもっていて、季節によって変えています。毎日家に帰ったら、リビング、トイレ、寝室それぞれにあったものを使っています。基本かんきつ系が好きですが、最近はヒノキの香りにハマっています。年齢とともに好きな香りが変わってきますね。久々に頭の中が疲れて…――音声ガイドの収録はいかがでしたか。小泉さん学生のころの世界史の授業を思い返すような感じで、気をつけることがたくさんありました。中世ヨーロッパのカタカナの名前などは、普段の会話で話すのと音声ガイドに吹き込むのとは違って神経を使います。久々に頭の中が疲れる感じがありましたが、やりがいがありました。――最後に、メッセージをお願いします。小泉さん一枚の絵画の前に立った時、ひとつの陶磁器の前に立った時の、そのぜいたくな時間というのをぜひ味わってほしいです。忙しい日常のなかで、日常を忘れてどこか旅に行くような気分になれます。まさに宝石箱に包まれるような感覚がありますので、そういう時間をたくさんの方に味わっていただきたいです。ヨーロッパの宝石箱へ!小泉さんのメッセージにもありましたが、本当に宝石のような作品たちが会場にそろっています。ルーベンスをはじめとした北方芸術の巨匠たちによる宗教画や、グイド・レーニなどイタリア・バロックの作品もあり、絵画ファンも満足できるラインナップです。また、ウィーンの磁器工房で製作された華やかな陶磁器も必見。絵画と一緒に展示されている空間はまさに宝石箱のような美しさです。ぜひ一度、足を運んでみてくださいね!Information会期: 〜 12月23日(月)※休館日は11月12日(火)、12月13日(火)時間:10:00〜18:00(毎週金曜、土曜は21:00まで)*入館は各閉館30分前まで会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般¥1,600/大学・高校生¥1,000/中学・小学生¥700※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年10月19日