皆さんのお子さんは、骨折したことはありますか?近年、ちょっとしたことで骨折してしまう子どもが増えています。骨が弱い子どもは、将来的に骨粗しょう症になりやすくなるリスクもあるんです。そうならないために、子どものうちから意識的に骨を丈夫にしていくことが重要です。今回は、子どもの骨が弱くなっている原因や、骨を丈夫にするための生活習慣について紹介しましょう。骨折する子どもが増えている!?独立行政法人日本スポーツ振興センターが保育園児・幼稚園児、小学生、中学生、高校生を対象にした調査によると、2016年度の子どもの骨折は、25年前に比べて約1.4倍にも増えています。また、従来ではお年寄りに多いとされていた、加齢によって筋肉や骨、関節が弱くなり運動機能が低下する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称:ロコモ)」が、子どもの間でも増えているのだとか。埼玉県医師会が、平成22~25年に、県内の幼稚園児~中学生1,343人に運動器の検診を行なった結果、なんと約40%の子どもにロコモの疑いがあったそうです。こうした現状について、NTT東日本関東病院手術部長の大江隆史先生は、次のように述べています。昔だったら、子どもではあり得なかったような、関節の硬さ、体の硬さ、バランスの悪い子どもが現れていてそれが目立つようになってきている、というのが最近の子どものロコモティブシンドロームと言われる状態。例えば、すぐ転んで体の柔軟性がないばかりに骨折をしてしまう子どもや、体が硬くて普通にしゃがみ込めないという報告が出てきている。運動の機会が極端に減っている子どもがいて、運動する子供と全くしない子供、状況が二極化している。(引用元:TBSラジオ|転んだら即骨折!?ケガしやすい「ロコモ」な子供が増えている!)子どもの骨が弱くなっている原因子どもの骨が弱くなっている原因には、どんなものがあるのでしょうか?運動・食事・睡眠の3つの背景から解説します。・運動運動して骨に負荷をかけると、それが刺激となって、骨の成長はもちろん、筋肉・運動能力の発達や体力の向上、心肺機能の強化も促進します。しかし、最近の子どもは、放課後は塾や習い事に行かなくてはならなかったり、ゲームやインターネットなどの家にこもる遊びを好む傾向があったりすることから、運動不足になりがちです。そのため、骨がしっかりと育たず、些細なことで骨折しやすくなります。・食事原宿リハビリテーション病院 名誉院長の林泰史先生は、子どもの骨が弱くなっている原因として、野菜類や小魚類といったカルシウムをとらなくなっている点を挙げています。昔と比べて食生活は豊かになったものの、コンビニやファストフード店で食事を済ませることが増え、栄養バランスが崩れがちになっているのだそう。特に子どもには、栄養バランスのとれた健康的な食事を意識的に用意してあげることが大切です。・睡眠人は睡眠中、体の中でさまざまなホルモンを分泌しますが、その中で骨の成長に大きくかかわっているのが成長ホルモンです。成長ホルモンは、骨を強く成長させる役割があるため、子どもの頃からしっかりと睡眠時間を確保し、その分泌を促すことが大切。しかし、現代の子どもは幼少期から睡眠不足になりがちです。世界17の国と地域で、0〜3歳児の睡眠時間を調査したところ、日本の子どもの睡眠時間は最も短かったのだそう。これは、OECDが31ヶ国の15〜64歳の働く世代に向けて実施した調査でも同様。日本人の睡眠時間は31ヶ国の中で最短でした。日本人は、子どもも大人も睡眠時間が短いのです。明治薬科大学准教授駒田陽子氏は、その原因として、日本人が睡眠を重要視しない傾向にあることを挙げています。駒田氏いわく、日本人には寝る間を惜しんで働くことを美徳とする考えがベースにあるため、子どもに睡眠が大切だという意識も低くなってしまっているのだとか。また、欧米では子どもと親が別々の部屋で寝るのが一般的であるのに対し、日本は子どもと親の寝室が同室であることが多いため、親の就寝時間に子どもが左右されやすいという点も原因のひとつなのだそう。親が遅くまで起きていると、子どもも夜更かししたくなってしまうものです。子どもが早く寝られるよう、親も早く寝るように心がけるなど、子どもの睡眠時間をより意識して確保する必要があるでしょう。子どもの骨を強くするためのポイント子どもの骨を強くするためには、以下のポイントに注意しましょう。・カルシウム、ビタミンD、ビタミンKをとる先にも登場した原宿リハビリテーション 名誉院長の林泰史先生は、骨を強くするためにはカルシウムはもちろん、カルシウムを骨に吸着させやすくする、ビタミンDやビタミンKをしっかりと摂取することが大切だと述べています。各栄養が多く含まれている食材は、以下の通りです。普段の食生活に積極的に取り入れましょう。カルシウム……牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品などビタミンD……鮭、うなぎ、サンマ、メカジキ、イサキ、カレイ、シイタケ、キクラゲ、卵などビタミンK……納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなど・適度に紫外線を浴びるビタミンDは、紫外線を浴びると体内でも作られるようになります。公益財団法人・骨粗鬆症財団は、夏なら木陰で30分、冬なら1時間程度の日光浴で、ビタミンDが十分に作られると述べています。熱中症や日焼け対策を忘れずに紫外線を浴びる習慣を作り、骨を強くしましょう。・運動習慣を作る公益財団法人・骨粗鬆症財団いわく、骨を強くする運動について、重量挙げといった骨にかかる力が大きく、繰り返しが多い運動は効果が高いのだそう。しかし、お子さんの体力的にも、あまり現実的ではないですよね。その場合には、ウォーキングや水泳といった骨にあまり負荷がかからない運動でも、継続して行なえば効果が出るのだとか。子どもの体力や興味に合わせた運動を習慣にし、骨を強くしていきましょう。***子どもの骨は、普段の生活習慣を工夫するだけでも強くすることができます。骨に良い食事や運動を取り入れて、親子で強い骨を作っていきましょう。文/田口 るい(参考)ミライマジン|子どものうちに丈夫な骨をコツコツ骨ラボ|食生活の変化と子供の骨づくりAll About|子どもの骨折の原因・症状・対処法MONEY PLUS|子供の骨折増加。骨が弱くなっている?その原因はTBSラジオ|転んだら即骨折!?ケガしやすい「ロコモ」な子供が増えている!THINK LIFE暮らしを豊かにする、住まい実例|快眠は人生を充実させる公益財団法人 骨粗鬆症財団|日光浴はどのくらい必要?産経ニュース|「老化」する小中学生つまづいて骨折和式トイレでかがめないこどもまなびラボ|“世界一寝不足” な日本の子ども。「11時間37分」が示す、眠りにまつわる切実な問題
2019年07月24日「ウチの子には、どうも自主性が足りないみたいで……」という悩みをお持ちの方は多いかと思います。自主性とは、子どもが一人立ちし立派な大人になっていくため、なくてはならない要素です。できないことはすぐに親に頼ったり、なかなか自分から勉強を始めなかったりするわが子の姿を見ると、親としてはつい心配になってしまいますよね。本記事では、そもそも自主性とは何なのか、子どもの自主性を伸ばすためにはどうすればいいのか、詳しく解説していきます。自主性とは自主性とは、課題に対して自ら積極的に取り組む姿勢を指します。つまり「人から言われる前に、やるべきことをやる」力のことです。例えば「言われる前に宿題をやる」「ゲームがやりたいけれど、自分の意志で我慢する」というのが、自主性がある行動として挙げられます。自主性の獲得は、学習能力の向上や人格形成に欠かせません。教育方法などを専門に研究する井上史子教授(帝京大学高等教育開発センター)らが2004年に行った「自主性」に関する調査では、「自主性の下位尺度」として以下の10項目が挙げられました。ひとくちに「自主性」といっても、さまざまな要素で構成されていることがわかりますね。独立性:自習のときでもまじめに勉強する.主体性:やって良いことと悪いことをできるだけ自分の考えで決める.自律性:自分で発言しようと思ったら誰にいわれなくても進んで発表する.自発性:遊びやスポーツに自から友達を誘う.自己主張:自分が正しいと思えば仲良しの友達とでも口論する.判断力:自分がやろうとすることが人の迷惑になるかよく考えてからする.自己統制:おしゃべりをしてはいけない時にもついしゃべって注意される(※).責任性:皆で決めたことはどんなことがあっても守るよう努力する.役割認知:皆の役に立つことであれば進んでその仕事を引き受ける.独創性:新しいことを自分で考え出すことが不得意なので人のやったことをそのまま真似る(※).(※この行動をとる傾向が弱いほど、自主性が高いということになる)(引用元:J-STAGE|中学校における自主性尺度項目の開発)自主性と似た言葉に「主体性」があります。ほとんど同じ意味で用いられることも多いのですが、実は自主性と主体性の意味は微妙に異なります。例えば自主性が「言われなくても宿題をやる」状態を指すのに対し、主体性は「宿題がなくても自ら勉強する」状態です。つまり主体性は、自主性の次のステップであると言えます。主体性をもった子どもは、親や先生から課題を与えられなくても、自分でどんどん学びを深めていくことができるのです。とはいえ小学生以下の段階なら、ひとまず自主性を身につけられれば十分合格ラインでしょう。自主性がない子どもとは自主性がない子どもとは、どのような子どもを指すのでしょうか?具体的には以下の特徴が挙げられます。「嫌だ」と言わない「嫌だ」と言わない子は、親の目から見れば一見、いい子かもしれません。しかし「嫌だ」は大切な自己表現の一種。「嫌だ」を言えないということは、自分の意志が弱くなっているか、意志を押し込めてしまっているのかもしれません。嫌だと言えない傾向は「親からどう見られるか」を過剰に気にする優等生タイプの子どもによく見られます。親に自分の言葉を否定されたり、価値観を押し付けられたりした経験から、親が不機嫌になることを恐れるようになったのです。優等生タイプの子どもは、親の顔色をうかがっているうち、親が期待する答えを自分の本当の願望だと錯覚してしまっています。無意識に本当の思いを抑圧しているため、何かのきっかけで突然、感情を爆発させやすいという傾向もあります。言動が受け身例えば子どもに夕食に何を食べたいか聞くと「何でもいい」なんて答えが返ってくることはないでしょうか?子どもの「何でもいい」という言葉には、「(親が食べたいものなら)何でもいい」というニュアンスが含意されています。つまり、答えは人が与えてくれるものであり、自分はそれに合わせていればいい、という思考パターンが身についてしまっているのです。「良い子にしなさい!」「できるようになりなさい!」と高圧的な躾をしていると、子どもは自分の意見を発するのが怖くなり、「何でもいい」という受動性を身につけてしまいます。親の期待に応えられるよう、自己主張を抑えているのです。受け身の言動しかできない子どもに対しては、まず自分の気持ちを把握し、はっきりと主張できるよう促す必要があります。親は、子どもがストレスを感じる躾け方をしていないか、子どもの気持ちを無視してしまっていないか、見直してみましょう。感情表現が乏しい何かを嬉しいと感じたり、悔しいときに泣いたりするのは、立派な自己表現です。感情表現が乏しい子どもは、自分の好き嫌いがわからなかったり、周りの目を気にして自分の思いを抑圧したりといった可能性があります。感情は他者とのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、やる気や好奇心の源でもあるため、自主性の発達と深く関係しています。例えば、トライ&エラーを繰り返した末に何かを成し遂げたとき、「やったー!」という強い喜びの感情を覚えますよね。自分で判断し、自分の手で何かをすることによって初めて、喜怒哀楽の感性は磨かれていくのです。もし親が、子どもに試行錯誤させることなく「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」「そんなことしたらダメだよ」などと最初から手を貸してしまったら、せっかくの学びの機会が失われてしまいます。子どもの感情表現が乏しくなる原因のひとつは、親の過干渉にあるのです。「『嫌だ』と言わない」「言動が受け身」「感情表現が乏しい」という特徴が子どもに見られた場合は「自主性が弱いんじゃないか?」「自主性を妨げるような育て方をしていないか?」と少し疑ってみましょう。では、自主性のない子どもは将来どうなるのでしょうか?「指示待ち人間」になる自主性のない子どもは将来、自分から行動を起こせない「指示待ち人間」になってしまうかもしれません。判断力や実行力がない「指示待ち人間」は、世の中で活躍することが難しそうです。例えば、会社の上司や先輩は、学校のように「あれをやれ、これをやれ」といちいち指示をくれるわけではありません。一人前の大人として働くには、指示を待たずとも何をやるべきか判断できる能力が求められるのです。特に、人工知能(AI)が発達しつつある現代においてはなおさらです。「指示通りに動く」ことが求められる作業は、近い将来、ほとんどが人工知能に取って代わられてしまうでしょう。これからの時代には、自主的にやるべきことを考え、「自ら学ぶ」「自ら考える」姿勢を持つことがいっそう重要になってくるのです。自主性のない人間は、そのような時代を生き残っていけるのでしょうか。失敗を人のせいにする自主性のない子どもは、他人にばかり判断を委ねるので、すべての物事が「他人事」になっていきます。大事なことは人任せにし、言われたことしかやらないという姿勢は、学生時代にはまだ通用するかもしれませんが、社会に出るとそうはいきません。仕事においてもプライベートにおいても、自分から行動を起こし、行動の結果に責任を持つ必要があるのです。自主性がないままだと、責任感がなく、当事者意識の希薄な人になってしまう恐れがあります。失敗を他人のせいにし、チャレンジから逃げてばかりいる人にとって、社会の中で活躍することは困難です。子どもを社会で活躍させたいのなら、幼いうちから自分で選択・判断する経験を積ませて自主性を養うことが必須です。人に合わせてばかりになる社会生活を送るにあたって、自主性は欠かせません。会議で意見を述べたり、率先して仕事を進めたりなどはもちろんですし、自分から積極的にならない限り人間関係を築くこともできません。自己主張をして初めて、社会はその人の存在を認識し受け入れてくれるのです。そのため、自主性のない子どもは将来、社会から置いてけぼりにされたり、孤独感を感じたりすることになってしまいます。相手の期待に沿うコミュニケーションしかとれず、うまく自己表現ができなくなるかもしれません。自主性というものが、子どもの自立にとっていかに大切なステップか理解していただけたでしょうか。自主性を重んじる教育とは子どもの自主性を重んじた教育を施すには、なるべく子どもに対する束縛を少なくし、自分の力で物事に取り組ませましょう。かわいそう、まだ早いから、と何でもやってあげていると、いつまでも子どもの自立は促せません。あくまで、子供の意志や興味を最優先にし、親はそれを陰でサポートするだけ、という形がベストなのです。例えば、時間がかかっても服は自分の力で着てもらう、こぼしたり汚したりしてしまうとしても自分でご飯を食べさせるなど、やれることはできる限り任せるようにしましょう。子供の自主性を重んじた代表的な教育メソッドとしては、「モンテッソーリ教育」があります。モンテッソーリ教育は医師で教育者だったマリア・モンテッソーリが発案した方法論で、「子供には、自分自身を育てる力が備わっている」という教育方針のもと、子供の自発的な学びを尊重しています。モンテッソーリ教育に特徴的なのが、専用の「教具」(ブロックやタイルなど)です。教具で遊ぶことを通じて子どもの好奇心が育まれ、遊んだ後に自分で片づけさせることによって、自立心が高められます。ほかにもモンテッソーリ教育では、指導する際には決して命令口調を使わない、興味が向いたことを満足いくまでやらせてあげるなど、子どもの自主性を育てる保育を徹底しています。子どもの自主性を高める方法では、子どもの自主性を育む実践的な方法を見ていきましょう。口出しをせずに見守る自主性を育てるには、子どものやることになるべく口出ししないようにしましょう。親があれこれと先回りしてしまうと、子どものせっかくのやる気が奪われ、自主性が育ちにくくなってしまいます。わが子のためと思うとつい干渉したくなってしまいますが、ぐっとこらえてみてください。ただし、子どもに対し「無関心」になれ、というわけではありません。子どもから完全に目を離すのではなく、何か危険が迫ったときにすぐ飛び出せるよう、きちんと見ていてあげることが大切です。親の見守りがあってこそ、子どもは安心して自主性を伸ばすことができるのです。自分で考えさせ、選ばせる自主性を育む方法の2つめは、なるべく子どもに、自分で考えたり選んだりする機会を与えることです。例えばおやつの時間には、単にお菓子を渡すのではなく「どっちがいい?」とあえて複数から選ばせる。また、子どもが「わからない」「どうやればいいの?」などと頼ってきたときは、すぐ答えを教えずに「あなただったらどうする?」と思考を促す、といった小さなことを積み重ねましょう。『世界最高の子育て――「全米最優秀女子高生」を育てた教育法』の著者・ボーク重子氏によると、親は子どもに決して意見を押し付けることなく、あくまでも自由に考えさせることが、自主性を伸ばすためには何より大切なことなのだそうです。ニュースについて子どもの考えを聞く子どもが自主性を持って学ぶようになる方法としては、「毎朝、ニュースについて意見を交わす」というものがあります。小学生以下の子供にはまだ早い、と思われるかもしれませんが、考え、興味を持ってもらうことそのものが重要なのです。『家でできる「自信が持てる子」の育て方』の著者で教師の沼田晶弘氏は、自身が担当したクラスで毎朝、政治問題を取り上げています。「この問題はどうしたら解決できると思う?」などと問いかけると、子どもたちは知識がないなりに考え、自分なりの答えを出そうとするそうです。子どもを子どもと侮らず、対等に接することもまた、自主性を身に付けさせる秘けつなのですね。子どもの興味を肯定する自主性を育てる最後の方法は、子どもの興味を肯定してあげることです。興味を持つということは、何か特定のことをやりたい、特定の何かについて知りたいという欲求が芽生えているということ。その興味が親に肯定されると、子どもは自分自身の存在まで肯定されたような気になり、やる気はますます高まります。子どもの興味を肯定するだけでなく、「カマキリを捕まえられてすごいね。じゃあ図鑑で調べてみようよ」など、子どもの興味がさらに広がるような声掛けをしてみましょう。例えば、「図鑑に熱中するうちに漢字が覚えられた」というように、興味を追求することで、ほかの学習分野にも良い影響が及びます。自主性の向上を邪魔しないよう、子どもの興味は自由に伸ばしてあげましょう。***子どもの自主性を育む方法を解説しました。よかれと思ってやったことでも、過干渉は子どもの自主性や個性の発達を妨げてしまいます。子どもをコントロールしようとするのではなく、適切な距離感を保って接してみてくださいね。文/佐藤舜(参考)J-STAGE|中学校における自主性尺度項目の開発こどもまなび☆ラボ|心理学者が指摘する “いい子症候群” たちの未来――自主性のない子どもの特徴5つこどもまなび☆ラボ|「ママがやって」と言われたら黄色信号。子どもの考える力を奪う親のNGワードこどもまなび☆ラボ|“49” の失敗体験が子どもの挑戦力につながる!過干渉にならない会話のコツこどもまなび☆ラボ|子どもをぐんぐん伸ばす「早期教育」の意外なデメリット。危険なのは親同士の“ライバル心”!?こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】こどもまなび☆ラボ|「モンテッソーリ」とは?子どもの才能を伸ばす教育メソッドを徹底解説こどもまなび☆ラボ|過干渉していませんか?子どもの「自主性」を伸ばすための4つの声かけこどもまなび☆ラボ|叱らなくても、子どもの「自主性」はどんどん育っていく――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart1こどもまなび☆ラボ|「典型的ないい子」を育てるよりも大切な、伸ばしてやるべき子どもの「考える力」こどもまなび☆ラボ|子どもの「やる気」と「地頭」が育つ親の言葉とは?
2019年06月28日成長とともに子どもにかかる費用は増えていくため、将来に向けて積み立てをしたいと考えているパパママは多いでしょう。ただ、子育て中は何かと出費が多く、コツコツ貯金するのは容易なことではありません。どのように積み立てをすれば、子どもの将来のためにうまくお金をためることができるのでしょうか。今回は、子どもにかかるお金のため方について考えてみます。■パパママは子どもの積み立てどうしてる?アンケートでは、子どもの将来のための積み立てをどのように行っているか質問しました。 Q. 子どものため積み立てはどうやって行っている?学資保険 40.9%子ども名義の口座 37.3%積み立てを行っていない 14.2%親名義の口座 3.9%その他 3.1%タンス預金 0.7%回答のうち、もっとも多い40.9%のパパママが「学資保険」と答えました。また、「子ども名義の口座」が37.3%、「親名義の口座」が3.9%となり、口座での積み立てをすると回答した人は合わせて41.2%。「学資保険」、「口座」で積み立てすると回答した人がほぼ同じくらい、さらに合わせて82.1%ということからこの2つが多数を占めていることがわかります。■なぜ学資保険に支持が集まるのか?回答した人がもっとも多かった学資保険は、なぜこんなに支持されているのでしょうか。「自分ではなかなか積立できる自信がなくて、引き落としされる学資保険にしました」(青森県 40代女性)「2人分、学資保険をしています。児童手当をその費用にあてています」(千葉県 30代女性)「3人の息子たちが大学に行くことを考えて、公立の小学校に通っている間に倹約してためて、全期全納で学資保険に入りました」(東京都 50代女性)「学資保険、やっていてよかった。高3からの1年間で、受験、入学金に授業料、引っ越しなどで、18年積み立てた200万が1年で消えたが、このおかげでほかから回さないで済んだ」(茨城県 40代女性)コメントを読むと、「自分で積み立てる自信がない」という意見が多く寄せられました。毎回、貯金する金額やためる頻度など、自分で管理する口座での積み立てと比べると、学資保険はすでにある商品から自分たちの希望に合ったものを選べるというメリットがありますよね。また多くの保険は自動で支払いされるように設定できるため、最初からその分の金額がなかったものとして考えられる、自然にためられるといった点もパパやママの支持を集めているようです。■口座での積み立てを選ぶメリットとはアンケート結果では、約4割の人たちが「子ども名義の口座」もしくは「親名義の口座」で積み立てすると回答しました。「生まれてすぐに口座を作り、毎月の誕生日に自動送金しています。ずぼらな性格だから、先取り貯金しないとたまらないとわかっていたので」(静岡県 40代女性)「子ども名義の口座に、祝い金やお年玉などを貯金しています。上の子の授業料は、この口座でまかなっています」(愛媛県 40代女性)「児童手当は全額子どもの貯蓄へ。このほかに、毎月定額を貯蓄しています。それでも大学進学となると足りません」(神奈川県 40代女性)「長女が産まれたときに、「学資保険を」と思ったが、どこもいいと思えず、月々の支払いもきつかったのでやめた。まとまったお小遣いやお年玉などのお金、ボーナス、お祝い金などをためておく個人名義の通帳を作りました。毎年たまっていくのを楽しみにしていて子どもが独り立ちするときに渡したいと思っています」(神奈川県 40代女性)口座での積み立てと一口に言っても、先取り貯金や親口座から子ども口座への自動送金など、自分たちの生活に合わせた方法をとっているようです。「毎年たまっていくのが楽しみ」というコメントからもわかるように、お金がたまっていく様子が目に見えてわかることも口座で積み立てるメリットなのでしょうね。また、学資保険と比べたうえで、自分たちの希望したようなものがないという理由から、口座積み立てを選択している人たちもいることがわかります。まとめてお金が入ったタイミングで積み立てたいなど、自由度が高いことから、自分たち流で積み立てをしたいという人にはピッタリの方法かもしれません。■いくら積み立てれば正解なのか?アンケートでは積み立ての方法を一つだけ選択してもらいましたが、複数の方法で行っているというパパママからのコメントも集まりました。「両親や周りの人たちが『中学生からお金がかかるからそれまでにためておきなさい』と口をそろえて言うので、学資保険をして、さらにお祝い金やお年玉を子ども名義の通帳へ貯金しています。お金の不安は夫婦げんかの元になるので、今からがんばってためています」(千葉県 30代女性)「子ども名義の口座・学資保険・子どもの年金、できる限りしておきたい! うちは子どもが1人なので、毎日がんばって働いて何とかできています」(埼玉県 40代女性)「学資保険と子ども保険、掛け捨ての子ども傷害保険、子ども名義の毎月積立と、全国どこでも使える郵貯の口座を作りました。まだ親が管理していますが、そのうち銀行など利用の仕方を教えるつもりです」(神奈川県 50代女性)「大学進学を諦めた私は、子どもの夢を諦めさせる親になりたくなかったので、子どもが生まれてからの祝金、お年玉も含めすべて子ども名義で預金してきました。 学資保険も加入し、毎月積み立てもコツコツ入金しました。はっきり言って積み立て貧乏(笑)。それでも十分とはなりませんでしたが、子どもの夢を応援できる親にしてもらえました」(大阪府 40代女性)「子ども手当てやお年玉などを少しずつ。あと学資保険も!いくらためても安心できないのが貯金」(広島県 40代女性)さまざまな方法を併せづかいして、もはや積み立ての達人ではないかと思えるようなコメントも多く見られました。「いくらためても安心できないのが貯金」という言葉、本当にごもっともで、いくらためればいいのか正解がわからないのが子どものための積み立てですよね。必要になるタイミングを見極めて、そこに向かってコツコツためる貯蓄上手なパパママたちの意見は参考にしたいところです。■「積み立てる余裕がない…」パパママの切実な懐事情うまく積み立てる人がいる一方、なかなかできないというパパママたちの切実な懐事情もわかってきました。「積み立てをしたいけど生活に余裕がなくできない。今月は少し余裕があるかなと思っても、何かしら急な出費がある」(奈良県 30代女性)「死活問題ですね。老後の貯金どころでもなく、毎月自転車操業です。学資保険などでいいプランがあっても、かけられるお金のない世帯なので、考えるだけ不安で見ないようにしています」(愛知県 40代女性)「お義父さんの施設にかかる費用、家のローンで余裕がまったくない。貯金するどころではない。毎日やっと生活している」(静岡県 40代女性)パパママたちの中には、自身やパートナーの親の生活費や家のローンの支払いなどに追われて子どものためだけに貯蓄ができない人もいるという実情が見えてきました。なかには「今の生活費でいっぱいいっぱいなのが現実」というコメントもあり、切実な懐事情がわかります。子どもが将来どのような学校に行き、どのような職業に就くとしても、あらゆる可能性を見据えて積み立てをしておきたいというのは、多くのパパやママが願うことでしょう。ただ家庭の事情や価値観はそれぞれに異なっていて、さまざまな家庭があります。たしかに将来のための貯蓄は大切ですが、「今」を生きることは何よりも大切。積み立てをしたくてもできないという現状があるのであれば、その先どうすればいいのかをしっかりと夫婦で話し合うことも必要となってくるでしょう。夫婦が同じ方向に進むことができれば、よりスムーズな資金計画ができるかもしれません。もしかしたら、すでに何らかの貯蓄を行っている場合でも、定期的に見直して、修正していけるとよりその家族にとって理想的な積み立てが見つかるかも。そうすると、この先いくら必要となってくるのか、親ができる範囲はどこまでなのか、などこれまで漠然と考えていた自分たちや子どもの将来がリアルに考えられるのではないでしょうか。場合によっては、パパママの働き方、子どもの進学についてなど、お金だけではないそれぞれの家庭にあったスタイルが見えてくるかもしれませんね。 Q. 子どものため積み立てはどうやって行っている?アンケート回答数:4903件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年01月20日子どもが就学年齢近くになると、気になってくるのが「習い事」。楽しいのはもちろん、できれば将来子どもが勉強や仕事をするうえで役に立つような習い事をさせたいものです。そして、習い事を始めるなら新年が明けたばかりの今が最適!そこで今回は、イー・ラーニング研究所が子どもがいる20~50代の親世代に聞いた「年末年始の子どもの習い事アンケート」の結果から、今はどんな習い事が人気なのかをご紹介しましょう!■ 2018年の習い事1位は「学習塾」! 興味がある習い事は?調査ではまず、「2018年、学校以外に習い事をさせましたか」と質問。すると、「はい」が65%、「いいえ」が35%で、去年は大多数の子どもたちは何らかの習い事したという結果となりました。習い事の内容は、1位が「学習塾」(54人)、2位が「スポーツ系」(49人)、そして3位が「英会話スクール」(34人)という結果でした。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)しかし、実際に去年子どもがした習い事と、「本当は気になっていた」習い事には大きな差があるようです。ocsa / PIXTA(ピクスタ)「2018年、保護者間で話題になった習い事は何ですか?」と尋ねると、1位は何と圧倒的に「プログラミング教室」(59人)という結果でした!以下、2位は「英会話スクール」(45人)、3位は「スポーツ系」(24人)という結果となりました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)みなさんは「実はプログラミングを習わせてみたい」と思いつつ、無難な学習塾に通わせている……というのが現実かもしれません。■ 2019年に子どもに挑戦させたい習い事1位は?調査では61%の親が「2019年に新しい習い事をさせたい」と答えています。今年親が子どもにさせたい習い事1位は「プログラミング教室」と「英会話スクール」が並んで58人という結果に。よっしー / PIXTA(ピクスタ)以下、「スポーツ系」(34人)、大差で「音楽系」(17人)が入っています。m.Taira / PIXTA(ピクスタ)次に、「なぜその習い事をさせたいのですか(させる予定なのですか)」と尋ねると、1位は断トツで「将来のためになると思ったから」(79人)。2位は「2020年の教育改正に向けて」(39人)、そして3位は「本人が希望したから」(30人)という結果でした!2020年からは大学のセンター試験が廃止されることもあり、親たちも「学習塾ではなく、もっと将来役に立つ実用的なスキルを深く学ばせたい」という気持ちが強いようですね!よっしー / PIXTA(ピクスタ)■ プログラミング教育を重視する文科省調査の結果、多くの親たちが「2020年の教育改革に先駆けて、子どもにプログラミングを習わせたい!」と興味津々なようです。文部科学省、総務省、経済産業省ではプログラミングのポータルサイトを開設し、2020年から小学校で必修科目となるプログラミング教育の重要性と内容について発信しています。同サイトによると、2020年からはこの教育改革の一環として、小学校ではプログラミング教育が必修化されます。Greyscale / PIXTA(ピクスタ)21世紀は「IT」の時代。コンピューターやインターネットを熟知し、それをビジネスに応用している人々が経済的な大成功を収めている場合が多く、世界の大富豪もアマゾンやマイクロソフト、フェイスブックなどの創業者・最高経営責任者(CEO)で占められています。また、子どもが将来どんな道に進もうと、世界に通用する舞台では英語習得が必須。2020年になる前に、今からプログラミングと英語に親しませておけば、もしかしたら将来「第二のビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)」になれるかも……!?【参考】※子どもがいる親世代に聞いた「年末年始の習い事アンケート」2018年に話題になった子どもの習い事、2019年にさせたい習い事の第1位は、どちらも「プログラミング教室」に※文部科学省・総務省・経済産業省小学校を中心としたプログラミング教育ポータル
2019年01月17日これからの子どもたちに必要とされるのは、テストだけでは測ることができない力――「非認知能力」だとされています。もちろん、将来の夢を子どもが叶えるためには、いわゆる学力である「認知能力」も必要でしょう。ただ、子ども教育のプロフェッショナル育成に携わる増田修治先生は、「認知能力を育むためにも非認知能力が重要」だと語ります。まずは、現在の教育現場が直面する問題から語ってもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)日本の教育が抱える「見えない貧困」問題いま、日本の教育は「貧困」という大きな問題に直面しています。「世帯収入が高いほどその家庭の子どもの学力も高い」という調査結果は、ニュースなどを通して耳にしたことがある人も多いことでしょう。貧困にはふたつの種類があります。ひとつは「絶対的貧困」で、もうひとつが「相対的貧困」。絶対的貧困にあたるのは世帯年収が約60~70万円を下回る世帯。月収が5万円以下で、食べものや着るものにも困るほどです。一方の相対的貧困は、世帯年収が120万円ほどの世帯。この相対的貧困は「見えない貧困」ともいわれていて、わたしは大きな問題だととらえています。この世帯の子どもは、食べものは食べているし衣服に困るほどではない。つまり、見た目は普通なのです。でも、その世帯の子どもたちは、さまざまな機会を奪われている。どんな機会かといえば、サッカーをしたくてもサッカーシューズは買ってもらえないし、バレエを習いたくても月謝を払ってもらえない。当然、学習塾に行くこともできません。この相対的貧困にあたる世帯の割合が、いまの日本ではどんどん増加しているとされています。「子ども食堂」というものを聞いたことはありますよね。貧困世帯の子どもたちを集めて食事を与え、同時に勉強も見てあげるという社会活動です。そこに来る子どもたちは、やはり学力が低い傾向にある。貧困世帯の子どもは、先にお伝えしたように学習塾には通えません。となると、自分で勉強しなければならない。でも、学習教材など自分で勉強できる環境が整っているわけでもないわけです。となると、その子どもにとって勉強できる唯一の場所は学校です。ところが、子ども食堂に来る子どもたちのなんと約8割が学級崩壊を経験しているというではありませんか。学級崩壊したクラスでは、まともに授業を受けることができません。そういう子どもたちは、勉強する機会を完全に奪われているのです。逆に、学級崩壊によって勉強する場所がないから、子ども食堂に通っているとも言えます。非認知能力の育成に欠かせない、子どもの声に耳を傾ける姿勢では、貧困家庭に育つと学力を伸ばすことができないのかというと、そうではありません。貧困世帯の子どもにも、貧困ではない世帯の子どもと遜色ない学力を持つ子どもたちがいます。彼らの共通点はなにかというと、「非認知能力が高い」ことです。非認知能力には、「朝ごはんを毎日食べる」といった生活習慣、「毎日の勉強時間の目安を決めている」といった学習習慣、あるいは、つらいことや困ったことがあったときに学校の先生に相談できるなどのコミュニケーション能力といったものも含まれます。これらは、一般的には貧困ではない世帯の子どものほうがしっかりと身につけている傾向にあるのですが、貧困世帯に育ちながら学力が高い子どもも、こういった基本的な習慣、非認知能力を身につけているのです。これがなにを表しているかというと、「非認知能力が認知能力を発達させる」ということです。2000年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者、ジェームズ・ヘックマンらは、40年にわたる長期追跡調査の分析により、「非認知能力がその後の認知能力の発達を促し、その逆は確認できない」と結論づけました。非認知能力が高い子どもはテストの点数もあがるが、テストの点数がいいからといってその子どもの非認知能力が伸びるわけではないのです。となると、今後の乳幼児教育や小学校教育は大きく変わっていく必要があります。いつまでもテストで高得点を取ることだけが素晴らしいと評価する教育では駄目なのです。もちろん、これは学校などの教育現場だけの問題ではありません。家庭教育も、「非認知能力を伸ばす」ことを意識しておこなうべきでしょう。とはいえ、身構えるような必要はありません。大事なのは、「子どもの話をきちんと聞く」こと。教育に熱心な親ほど、子どもの言うことに耳を貸さず、「これが子どものためになるんだ」と勉強や習い事を押し付ける傾向にあります。それでは、まったくの逆効果。まずは、「なにかやりたいことある?」と子どもに聞いて一緒に考えること。そのなかで、互いに折り合いをつけていくべきでしょう。宿題ひとつ取っても、「●時になったから宿題をやりなさい」では駄目。「何時になったら宿題に取り掛かれる?」と子どもに聞いてください。そうして決めた時間は、親が決めたものではありませんよね?これはつまり、子どもに選択権を渡しているということ。そうすれば、親からすれば「あなたが決めたことでしょう?」と言えるし、子どもからすれば「自分で決めたのだからやらなくちゃ」と、自発性や意欲、責任感を養うことにもなる。多くの親は、その過程を省いてしまっているように感じます。そうではなくて、親と子どもそれぞれが納得する「一致点」をつくるコミュニケーションをたくさん取ってください。そういったことが、子どもの非認知能力を育んでいくのですから。『遊びにつなぐ! 場面から読み取る子どもの発達』増田修治 著/中央法規出版(2018)■ 子ども教育のエキスパート・増田修治先生 インタビュー一覧第1回:クイズで育む!?子どもの「人生を決める」非認知能力の伸ばし方第2回:非認知能力が高い子どもは、「認知能力」も伸びていく。ではその逆は――?第3回:子どもの自己表現力を伸ばし、自己肯定感を高める「親子コミュニケーション」(※近日公開)第4回:“おなら”に“裸”、なにを書いてもOK!?「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力(※近日公開)【プロフィール】増田修治(ますだ・しゅうじ)1958年3月8日生まれ、埼玉県出身。1980年、埼玉大学教育学部卒業後、小学校教諭として埼玉県朝霞市内の小学校に勤務。「ユーモア詩」に取り組み、子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図るとともに、楽しい学級づくり、保護者とのコミュニケーションづくりをおこなう。2002年にはNHK『にんげんドキュメント 詩が躍る教室』が放映され反響を呼んだ。2008年3月末で小学校教諭を退職し、同年4月より白梅学園大学准教授。現在は同大学子ども学部子ども学科教授。『小1プロブレム対策のための活動ハンドブック』(日本標準)、『「いじめ・自殺事件」の深層を考える—岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として—』(本の泉社)、『先生! 今日の授業楽しかった!—多忙感を吹き飛ばす、マネジメントの視点—』(日本標準)など教育関連の著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月02日子を持つ親であったら、正しい金銭感覚を子どもに身につけさせたいと誰もが思うはず。しかし近年は、インターネットを介して現金を持たずに買い物することは日常。お金を使っている実感がないせいか、大人の私たちでもその使い方で失敗するということも……。そんな背景もあるからでしょうか、「株式会社イー・ラーニング研究所」が行ったある調査によると、将来の子どものお金の使い方に不安を感じるという親がなんと74%にものぼることが判明しました。子どものお小遣いの有無や、お小遣いの額、その管理方法など、他のご家庭がどのようにされているか気になりますよね。今回は、「子どもとお金」についてのお話です。■ 月2,000円がトップ!イマドキの「お小遣い事情」よっし / PIXTA(ピクスタ)調査対象の親たちは、子どもにお小遣いを渡している人とそうでいない人が半数ずつ。その内、お小遣いを渡しているという親の半数は、月額2,000円以下に金額を設定していることが分かりました。気になるお小遣いの行方は「子ども自身」にその管理を任せているという回答がトップですが、お小遣いで何を購入するのか?何をするのか?についてはある程度親が意見している家庭も多く存在するようです。確かにお金を稼いだことのない子どもに、計画的にお小遣いを遣うことを望んでしまうのはちょっとハードルが高い気も。Kazpon / PIXTA(ピクスタ)1か月分のお小遣いをゲームセンターで1日で使い切ってしまった!などは、いまでもよく聞く話ですし、ある程度の助言やルール決めは必要であると筆者も思います。清十郎 / PIXTA(ピクスタ)■ いま必要とされる”子どもの金融教育”とは?”お金”は生活に欠かせないものです。人は生まれてから死ぬまで「つかう、貯める、稼ぐ、借りる」などお金と深く関わって生きていきます。このお金の使い方を誤ってしまうと、損をしたり、悲しいことに不幸になったりすることもあるのです。HAKU / PIXTA(ピクスタ)大切な家族と幸福に生きていくためには、若いうちからのお金や金融の働きを理解し、それを通じてしっかりとした意思決定ができるような知識を身につけなければなりません。現代では、そんな“金融教育”が必要とされています。実際に、今回の調査でも「子どもの金融教育は必要だと感じますか」という質問に「はい」と答えた親は100%。よっし / PIXTA(ピクスタ)また、金融教育をスタートさせたいと思うタイミングは、「小学校1・2年」がトップで、約6割が小学校低学年までに、子どもの金融教育が必要だと感じていることもわかりました。幼いころから、便利なものに囲まれすぎている子どもたち。子どもが電子マネーで買い物をすることがある、と答えた親は約6割にものぼりますし、現金のやりとりなしでお金を使うことは今後は更に当たり前になるでしょう。お金の量感も質感も感じないまま育ってしまえば、労働意欲がない人間に育ってしまったり、カードローン地獄に陥ってしまったり、なども考えられるのではないでしょうか?Naoaki / PIXTA(ピクスタ)お金の価値を知ること、金融の仕組みを知ることは、生きる力を養うこと。子どもの自立と将来の豊かな生き方のためにも、まずは大人の私たちが”お金を大切に使う”お手本を見せられるようになるべきですね。【参考】※子どもがいる親世代に聞いた「子どもの金融教育に関するアンケート」子どももキャッシュレス化!?約6割の子どもが現金以外の決済手段を使用!金融教育を始めるタイミング、第1位は「小学校1・2年」※金融教育について-金融広報中央委員会
2018年10月17日専門家・プロ:藤田由美子今回は、高等学校の総合的な学習の時間(以下「総合」という。)における次期学習指導要領の改訂のポイントを紹介します。高等学校で探究型学習が十分に実施されていない現実次期学習指導要領は、高等学校における「総合」をさらに充実させようとしています。生徒が地域の活動に参画し、地域の活性化につながるような事例が生まれている一方で、「総合」でめざしている探究型学習を実現できていない学校もあるからです。小学校・中学校での取組みの成果のうえに高等学校にふさわしい実践をめざしています。高等学校の「総合」の名称を「総合的な探究の時間」と変更する案も検討されています。探究型学習を押し進めようとする意思がこめられています。次期学習指導要領は、「探究の見方・考え方」※1を働かせて課題を解決し、自分の生き方を考えながら、以下のような資質・能力を育成しようとしています。課題の解決に必要な知識や技能を身につけ、探究の意義や価値を理解する。実社会や実生活のなかから問いを見いだし、自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現する力を育成する。主体的・協同的(協働的)に課題を探究し、自分や他者のいいところを生かしながら、新たな価値の創造やよりよい社会の実現に努める態度を育てる。※1各教科等の「見方・考え方」を組み合わせながら、広範な事象を多様な角度からふかんしてとらえ、実社会や実生活や自分自身の生き方と関連づけて問い続けること。実社会の課題を探究し、キャリア形成につなげる次期学習指導要領では、「総合」で育成をめざす資質・能力について、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱で整理しています。「高等学校総合的な学習の時間において育成を目指す資質・能力の整理」 (出典:中央教育審議会「答申別添18-1」をもとに作成)とくに高等学校では、「学びに向かう力・人間性等」に関して、自己のあり方や生き方に向き合い、キャリア形成と関連づけようとしています。つまり、実社会や実生活から見いだした課題を探究しながら、自分が得意なことを見つけ、将来なにをしたいのか、どんな仕事をするのに向いているのかに気づき、キャリアの方向性を見つけることにつなげます。また、学んだことを生かしどのように社会に還元するのかを考えさせようとしています。地域の団体と連携して「総合」を充実させる高等学校の「総合」では、国際情勢、情報、環境、福祉・健康などの教科横断的な問題をはじめ地域の人々の暮らし、地域の伝統文化、歴史など、テーマを広く設けています。「総合」では体験活動にも取り組んでいます。たとえば文化・芸術体験、ボランティア活動、就業体験、自然体験、ものづくり生産体験などを行なっています。そうした活動を通じて、生徒は正解のないテーマに向き合い、①課題の設定⇒②情報の収集⇒③整理・分析⇒④まとめ・表現の一連の探究のプロセスを体験します。生徒が、実際に観光客向けに地域の観光地のガイドをつとめた事例、地域の活性化プロジェクトに参画し、アイデアを市長に提案した事例、地域の野菜を使ってジャムなどの製品を開発し販売した事例などがあります。このような活動を実践するために、地域のNPO法人や地域の文化を継承している団体や企業、地域ボランティアなどの協力をあおぐことがあります。各学校が、地域の人材とうまく連携することが求められます。また、保護者や地域の人も学校運営に参加して、「開かれた学校」を実現することが求められています。コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)※2を利用して、学校と地域が連携するのも有効です。※2学校と保護者や地域の人たちがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させながら協働して子どもたちの成長を支えるしくみ。次期学習指導要領は、これまでの実践事例、スーパーサイエンスハイスクールやスーパーグローバルハイスクールでの探究学習の事例などを参考にしながら、「総合」をより充実させようとしています。高等学校での探究型学習を生涯学習につなげる高校生が地域や世界の課題を探究する経験は、将来のキャリア形成につながり、生涯にわたって学び続ける姿勢を築く土台になります。また社会に参画し、社会貢献しようという気持ちを抱くきっかけにもなります。高等学校での実践事例を蓄積し、各学校が情報を共有し、学校教育での集大成としてほしいものです。藤田由美子(ふじたゆみこ)株式会社ユーミックス代表取締役社長。1993年の創業以来、コンピューターリテラシー教育を数多く手がける。「生きる力」「社会力」の育成をめざして、子ども向けICT教育のカリキュラム作りにも力をいれており、大手携帯電話会社のケータイ安全教室の企画立ち上げ、ネット安全利用推進プログラムの開発など、実績多数。
2018年09月10日こんにちは、美佳です。少し前まで銀座でホステスをしてた筆者、いろんな男子を見てきて思ったのですが、出世する人や起業して成功する人など、将来飛躍する人には特徴というか、共通点があるんですよね。付き合うなら、やりたいことが見つからず職を転々とする男子や、フリーターやヒモになる男子より、将来飛躍する男子の方がいいでしょ?ということで今回は、将来出世する男子の特徴について、いくつか述べたいと思います。■健康的な生活を送っているまずね、将来出世する男子は高確率で健康的な生活を送ってます。偏った食事ばかりで運動なんて一切しない、深酒して翌日をダメにする・・・・・・という男子が将来出世すると思います?まぁ元からポテンシャルがずば抜けて高い人なら、そんな生活でも出世するかもしれませんが、普通の人ならそんな生活送ってたら全力なんて出せないから、出世なんて難しいですよ。もし今、気になる彼が大手企業でバリバリ働いていても、不健康な生活なら、いずれ没落するんじゃないですかね?不健康な生活で長年全力出すって、普通の人間は無理ですから。■自分の世話は自分でできるいい歳こいて、自分の身の回りのことが自分で出来ない男子、例えばお金の管理や役所の手続きなどもわからず母親に丸投げしてる男子などは、申し訳ないですが飛躍なんて出来ないかと・・・。自分のことすら自分で出来ない人が、仕事ができると思います・・・?普通に考えて出来ないですよ。自立できてないオトナが社会で輝くことはそうないですから。「誰かがやってくれる」じゃなく、「自分でやろう」じゃないとダメなんです。■努力家であり、一つのことを熱く長く続けられる飽き性で一つのことが続かない人も微妙ですね。例えば職を転々としている、転職のたびに職種まで変わっている。ダイエット宣言したのに続いた試しがない。恋愛も毎回短期で終わってしまう・・・・・・など、何においても長続きしない人が将来飛躍って・・・どこかで才能か開花するなら別ですが、なかなか難しいものです。筆者、いろんな男子を見てきて思ったのですが、出世する人はみんな努力家!で、一つのことを熱く続けられる人ですね。一つのことを極められる人。言っときますが、「NO. 1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」という曲もありましたが、世の中 輝けるのは「何かを極めたNo. 1」か「代えのきかない存在になれたonly one」ですから。■年上に可愛がられるタイプ自分で起業するのではなく企業に属しての出世となると、もちろん能力もそうですが、人格も大事になってきます。まぁ世の常ですが、上の人に可愛がられるか否かも出世に響いたりしますね。なので、能力があっても上の人からそう可愛がってもらえないタイプだと出世は難しいですよ。じゃぁどんな人が上から可愛がられるか ですが、まず自分から挨拶ができるのは絶対でしょう。コミュニケーション能力に長けていて、先輩の話をダタ聞いているわけではなく、「聞いてほしいところ」を上手に聞き出せる力がある人は気に入られます。手を抜くタイプだったり、場の空気を壊すタイプだとまぁ出世は難しいでしょうね。とはいえ、彼の会社での仕事ぶりや上からの好感なんてそうわからないもの。まぁ、プライベートの人間関係でミスらないなら、仕事の人間関係もある程度大丈夫かと。■■終わりに上述に当てはまってても、女心を知らなさすぎて恋愛において女子の地雷を踏みまくるタイプもいるし、二人の相性問題もありますからね・・・・・・。「なるべく安定した生活を送りたいから飛躍する男子希望!」というのなら上述の特徴がある男子はオススメです。(美佳/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年08月31日専門家・プロ:高橋大洋小学生の将来なりたい職業として最近おなじみのユーチューバー。大人はどう受けとめれば良いのでしょうか。人気職業としてのユーチューバー小学生がよく見るネット動画に、「ユーチューバーの番組」があります。ユーチューバーとは、自らYouTubeに公開した動画の再生回数に応じて支払われる広告収入のみで暮らしている人のことをさします。ヒカキンやはじめしゃちょーといった有名ユーチューバーの年収は1億円を超えるとされます。ふだんから彼らの動画を楽しむ子どもたちが、憧れをもつのはごく自然なことでしょう。ユーチューバーの番組の多くは、「商品の紹介」や「ゲーム実況」「やってみた(歌う、踊る、食べる、作る、出かけるなど)」です。手作り感あふれる内容が多いのですが、いかにおもしろく、視聴者に飽きられず、再生回数を増やし続けるのか、企画はもちろん、字幕や編集にさまざまな創意工夫をこらした動画が日々つくり出されています。「子どもユーチューバー」も人気です。未就学から小学校低学年の子どもが新作のおもちゃを紹介したり、アミューズメント施設を訪問したりする内容で、同世代の子どもたちには宣伝効果が絶大です。出演しているのは子どもですが、保護者が企画・撮影・編集から対外折衝まで一手に引き受けているようです。実在の人物ではなくCGキャラクターと声優の組み合わせによる「バーチャルユーチューバー」も同様ですが、ユーチューバーの世界も、個人のアイデア、タレント性や編集能力に頼るのではなく、企画やプロデュースなど組織力での勝負になりつつあると言えるでしょう。ユーチューバーは子どもの良いお手本かわたしたち保護者にとって、子どもが将来の職業としてユーチューバーに憧れても、素直に応援しようという気持ちになるのは難しいところがあります。収入のしくみがよくわからないうえ、安定した職業にはみえないからです。実際、ユーチューバーが、CMのように「好きなことで、生きていく」のは、やさしいことではないのです。広告収入の分配割合はサイトの運営元に一方的に決められ、いつ広告単価を切り下げられるかわかりません。英語圏と比べると、日本語を解する視聴者の数が圧倒的に少ないのも再生回数のうえでは不利だと考えられます。一方、短い時間で他者になにかを伝えるという点で、人気ユーチューバーに学べることは少なくありません。北米の幼稚園・小学校などで行なわれているShow & Tellという授業について聞いたことはありますか?自宅にある好きなおもちゃなどを教室に持ち込み、クラスメイトに「なぜ、どう好きなのか」などを説明し、質問に答えるという、プレゼンテーションの基礎訓練のようなものです。ユーチューバー動画は、その究極の形だと見ることもできます。家庭ではどう対応したらよいかユーチューバーの番組を子どもといっしょにじっくり見たことがあるという保護者は少ないでしょう。最初からつまらないものと決めつけず、まずは子どもが好きなものをいっしょに楽しんでみてはいかがでしょうか。「好きな動画を2つ見たら終わりにしよう」などの約束をして、そのとおりに終わらせられたら、たくさんほめてあげましょう。またユーチューバーの動画の表現や工夫のどこがスゴイのか、どういうしくみで収入を得ているのかについて、お子さんと話をする機会をもつのもいいでしょう。ユーチューバーとして大成功したければ、日本語だけでなく英語も使えると有利だと伝えると、英語の学習のはげみになるかもしれません。Photo by Duangphorn Wiriya on Unsplash漫然とユーチューバーの番組を見ているだけでは、得られることは少ないので、家庭内でのShow & Tell実践として、スマホやタブレットを使い、ユーチューバー風の動画を自分たちで作ってみるのも楽しいでしょう。収録だけでなく編集もスマホの無料アプリでかなりのことができます。「子どもユーチューバー」のように再生回数を増やすことが目的ではないので、子どもの自由なアイデアを親が撮影などで支えてあげましょう。でき上がった作品は、YouTubeにアップする必要はなく、家族で楽しんだり、祖父母に送ったりするのが良いですね。次回は、ネット動画とのつきあいかたで最大の悩み、長時間利用との向き合いかたについて考えます。高橋大洋(たかはしたいよう)株式会社ミヤノモリ・ラボラトリー 代表取締役。2008年より、「子どもとインターネット」領域での保護者や学校支援に取り組んでいる。「ネットとのつきあい方をオトナにもわかりやすく」をモットーに研修講師、教材開発、執筆、自治体の会議委員など幅広く活動中。子どもたちのインターネット利用について考える研究会(子どもネット研)事務局。ピットクルー株式会社インターネット利用者行動研究室 室長。一般社団法人セーファーインターネット協会 主席研究員。2児の父。
2018年08月24日子どもがいると何かと物入り。これから子どもが大きくなり、学費や塾といった習い事でますますお金がかかるようになってきます。毎月の収支を見ていると「こんな家計で将来大丈夫?」「年間いくら貯金すればいいのかしら?」と不安なることも。お金のことはお金のプロに聞くのが一番! そこで、子育てサークルへ出張講座に来ていたファイナンシャルプランナー荒井要雄さんにお話しを聞きました。「家計を見直すタイミングは今すぐ! お金を貯めるなら子どもが小さいうちに計画すると楽になりますよ」子どもが幼稚園や保育園に通っている今こそチャンス! 家計を見直すポイントを教えてもらいました。家計を見直す4つのポイント(1)通信費・食費・お小遣いなどの生活費を見直す一番手軽に見直せるのが生活費。中でも見直しやすいのが通信費です。固定電話は必要なかったら解約する、格安携帯に乗り換えるなど、夫婦で料金プランを一度見直してみるのもいいかもしれません。通信費以外の生活費はなかなか下げるのは難しいかもしれませんが、食費やお小遣いは見直す余地は十分にあります。「お小遣いを削りたくない!」という人も、将来の家計のことを考えると下げざるを得ませんよね。例えば生活費を月1万5千円ダウンさせることができれば、年間では18万円。15年間で考えると270万円にもなるので頑張りたいところです。(2)余ったら貯金はNG! 先取り貯金で手堅く貯蓄する「収入から月々の支出を引いた額=貯金できるお金」ではありません。生活をしていると冠婚葬祭のような急な出費や、家電の買い替えといった予定外の出費、用途不明金が必ず出てきます。ざっくりした生活をしていると、年度収支額の約50%はなくなると考えましょう。貯蓄額を増やすには、残ったら貯金ではなく先取りして貯める。しっかり貯めたいなら、収入から支出を引いた残りの70%は貯金できるように頑張りましょう。「貯金が苦手で・・・」という人は、貯蓄型の保険に入るのもひとつの手。余ったら貯金しようという考えでは、なかなか貯蓄できません。先取りして強制的に貯蓄できる仕組みを作ってしまうといいですよ。(3)大きな買い物のタイミング、金額を考える車や旅行などの大型の出費は、家計の見直す大きなポイントになります。車の購入金額を変えずに、購入時期を先伸ばしするだけでも効果的です。自分の家族の大きな買い物の必要性や購入時期などについて、今の収支で叶えられるか、叶えるにはどうしたらいいか、この機会にじっくり話し合ってみましょう。(4)保険を見直す保険には10年毎に更新していく「定期型」と、30年といった期間を決めて長期の契約をする「定期型」、保障が一生続く「終身型」があります。更新するタイプは、若いときは保険料が安いのですが、更新の度に保険料が上がります。それに比べ保障期間の長い定期型や終身型は保険料が変わりません。長い期間保険料を払い続けると、保険料の累計は更新するタイプの方が高くなる場合があります。どちらがいいか見直してみましょう。また、生命保険の掛け金をいくらに設定すればいいか迷う人もいるかもしれません。そんなときは、保険者の収入が0になったと考えて、残された家族は月々の収入がいくらあれば生活していけるかと考えましょう。生命保険にはさまざまなタイプの保険があります。受け取り方は、一括なのか月々に分けて受け取るのか。保障期間は、一生涯なのか、子どもが大学を卒業するまでなのか。例えば、子どもが大学を卒業するまでと期間を決めて、月20万円受け取られる「収入保障保険」に入る。家族に残す分として200万円が受け取られ、一生保障が続く「終身保険」に入る。老後に月10万円受け取られるように「低解約返金型」の保険に入るなど、用途に合わせた保険を上手に組み合わせる加入する必要があります。全ての保険を自分で調べて把握するのは難しいので、ここはプロに頼ることをおすすめします。家計見直しに役立つキャッシュフロー家計を見直す前にやっておくべきことはあるのでしょうか。「家計を見直すときは1年2年先を見るのではなく、老後までのお金の流れをしっかり把握することが必要です。お金の流れを把握するには、キャッシュフローを作っておくといいでしょう」キャッシュフローとは、これから起こるライフイベント、それらにかかる費用を想定してお金の流れを把握できる表のこと。老後までのお金の流れを把握することで「いつ、どのくらいお金が必要になるか」を知ることができ、資金計画や家計の見直しがしやすくなります。我が家で活用しているサイトでは、家計の見直しに便利なツールがダウンロードできます。「家計の収支確認表」や自分で作れる「キャッシュフロー」もダウンロードできるので、家計を見直したいと思っている人はぜひ活用してみてくださいね。日本FP協会のサイト「家族構成や、ライフイベントは変わるものなので、一度家計を見直したからといって安心してしまわないこと」と、最後にアドバイスをもらいました。自分たち理想の生活を叶えるためにも、定期的に家計を見直すことが大切ですね。<文:フリーランス記者三浦麻耶/取材協力:TSプラザマネジメント株式会社代表取締役社長荒井要雄>
2018年05月18日思春期になってくると、自分の将来について具体的に考え出す子もいます。でも大半の子どもは、まだ将来をぼんやりと思い浮かべているだけだと思うのよ。そんな中、大人になること自体への不安を抱えている子もいるでしょう。特に、いまは子どもが夢をもちにくい世の中です。大人の口から出てくるのは、暗い話ばかりだもの。勝ち組負け組、格差社会、株の大暴落など、夢も希望もあったもんじゃない…。ただでさえ将来の不安を抱えている思春期の子どもたちは、ますます未来に希望がもてません。これじゃ、まるで人生はつらいだけのものみたいじゃない? 大人になりたがらない若者が増えるのも当然です。もちろん、人生は甘くありません。苦しいことのほうが多いと感じる人もいるでしょう。ただ、人間のすごいところは苦しい人生も自分次第で豊かなものに変えられるところ。「若いうちの苦労は買ってでもしろ」なんて言葉があるけど、過去がつらいものであればあるほどいまのしあわせをかみしめることができます。何が何でも自分はしあわせになるんだ、という強い気持ちで努力すれば必ずしあわせになれるんですね。不幸を幸福に変えられる力が人間にはあるの。楽しいことばかりの人生もないけど、つらいことばかりの人生もない。人生バラ色とは言わないけど、一生懸命生きていれば自分なりのキレイな色をつくることができる、ということをもっと子どもたちに教えてあげてほしいと思いますね。ただ、それには親自身が人生を楽しんでいなくちゃいけません。暗い顔の大人が、いくら「人生捨てたもんじゃない」なんて言っても説得力がないでしょ? もちろん、人生を楽しむといっても、おもしろおかしく暮らすという意味じゃないのよ。 人間らしくイキイキ暮らすということです。お金の問題、夫婦の問題、教育の問題…、現実にはいろいろ悩みがあるでしょう。でも、だからといって「お先真っ暗」ということではありません。先が明るくなるのも暗くなるのも自分次第だし、人生を積み重ねる中で見つけられるしあわせもたくさんあります。生きているといいことがたくさんある、大人になるって素敵なことだよ。こんなふうに親が言ってあげれば、子どもの不安も少し軽くなると思うのよ。子どもにとって、いちばん身近な大人は親です。親が人生の暗い面ばかりを強調しすぎると、子どもはますます不安になります。人生の先輩として「人生って悪くないよ」と、子どもに話してあげてちょうだいね。 ≪新しいあなた≫への第一歩!【最重要◆転機】恋/仕事/お金/人脈
2017年10月27日いろいろな職業を紹介した中学生向けの絵本が数年前ベストセラーになりました。子どもが中学生くらいになったら、親子で職業について話し合うといいんじゃないかしら?職業を話し合うというより、働くことの意味を親が子へ伝える必要があると思うのです。現在は「働く喜び」が見えにくい時代。激しい競争社会のため必死で働かなければならず、働く喜びを感じる余裕もなかなかありません。かといって、やりがいのある仕事を求め続け職を転々とすれば技術が身につかず、働く喜びどころか働く場所さえ失うかもしれませんね。どちらにしても、働く喜びを見つけにくいことに変わりありません。こんな時代だからこそ、自分の子どもには喜びを感じられる仕事についてほしい、と親が必死になるのも当然です。もちろん、自分の子どもが何に向いているかじっくり観察して、子どもの才能を伸ばす方向へ導いてあげることは、とても大切なことよ。でも、親の願望や理想だけで、子どもの将来を決めないこと。本人の力で歩いていけるようサポートするのが親の役目なのよ。厳しい人生を生き抜いていくのは、子ども自身。将来、自立できなくて困るのは、その子本人なんですからね。特に、ヒラメキ型で行動派の三碧木星のお母さんは要注意。自分の思いつきを子どもに押しつける傾向があります。子ども自身の考えを尊重し、親はあくまでもサポート役に徹することが大切よ。確かに好きな仕事で食べていければ、こんな幸せなことはありません。でも、好きな仕事で生活している人は、ほんのひと握りです。圧倒的多数の人は、そうじゃない…。でも、だからといって仕事に喜びを見いだせないかというと、そんなことはありませんよね。 理不尽なことや苦しいこともあるけど、その中で成長することもできるし、やりがいを見つけることだってできます。働く喜びを見つけるのも見つけられないのも本人次第。どうせ働くなら、自分の能力が必要とされていることや社会の一員として役立っていることに感謝して働いたほうが幸せですよね。「仕事って楽しいことばかりじゃないけど、働くことは自分の喜びになるんだよ」「仕事は人生を豊かにしてくれるんだよ」こう子どもに伝えてあげてください。働くことの意味を親子で話し合うことが大切だと思いますよ。 【伝説級の奇跡的中】あなたの“結婚/貯蓄/老後まで”◆豪華人生鑑定
2017年07月21日みなさんは子どものころの夢を覚えていますか? 私が小さいころの人気な将来の夢は、パン屋さん、花屋さん、アイドルにお嫁さんでした。でも、夢は成長するにつれ変化するもの。小学生・中学生になったとき、どのように変わっているものなのでしょうか。このほど実施されたアンケート調査により「親が子どもに就いてほしい仕事」と「子どもが就きたい仕事」がそれぞれ明らかになりました。■親の希望は堅実的! 子どもに就いてほしい職業No.1は?アデコ株式会社が、全国の小・中学生の子を持つ父母1000人と、その子ども1000人を対象に「就いてほしい・就きたい仕事」についてアンケートをおこないました。<親(父親・母親)が「将来子ども(男女)に就いてもらいたい仕事」(n=1000)>「将来就いてもらいたい仕事」および「将来就きたい仕事」(アデコ株式会社)その結果、親が子どもに就いてほしい仕事第1位は「公務員」。第2位は「会社員(サラリーマン・OL)」、第3位は「医者」という結果となりました。去年実際レた同様アンケートと、7位までが同じ結果に。しかし、昨年8位だった「経営者」が10位にランクダウン。かわりに「自営業・個人事業主・フリーランス」が8位にランクアップしました。また昨年はランク外だった「パティシエ(お菓子職人)」が9位にランクインする結果となりました。■親と子どもの希望は一致する? 子どもの就きたい仕事No.1は?<小・中学生が「将来就きたい仕事」(n=1000)>「将来就いてもらいたい仕事」および「将来就きたい仕事」(アデコ株式会社)親の希望と子ども自身が就きたい仕事は、どのくらい一致しているものなのでしょうか。小・中学生が就きたい仕事の男子・女子総合ランキング1位は昨年同様「会社員」。2位は「医者」、3位は「パティシエ(お菓子職人)」、4位は「公務員」と続きます。男女別にわけたランキングでみると、女子はあらたに「専業主婦」が、男子は「ゲームクリエイター」がランクイン。「自営業・個人事業主・フリーランス」は男女両方でランクインする結果となっています。■今年の傾向、今後の傾向子どもが就きたい仕事は、親の希望第2位にもなっている会社員。親の希望を感じとって応えようとしているのか、「会社員が妥当だよね」とリアルに考えているのか…。ランク外だったものの今年からランクインした「自営業・個人事業主・フリーランス」は会社に雇われることなく、自由に仕事するイメージを高く評価する子どもが多いのかもしれません。男子にランクインしている「ゲームクリエイター」は、別の調査でも男子中学生がなりたい職業として上位にランクアップされています。『Pokémon GO』のようなゲームが一大ブームとなった2016年の結果が反映されているのかもしれませんが、子どもにとっては身近なゲームが将来の夢につながるのかもしれませんね。そんな独立志向、起業思考を持つ子どもがいる一方で、専業主婦(主夫)として家庭にはいりたい、と考える子どもが多いのもおもしろい結果。小学校では今後プログラミング教育が必修となってきます。そうなると「プログラマー」などのIT関連が小学生の夢に登場する日もくるかも。仕事をとおして「なりたい自分」になることが大切なのかもしれませんね。ちなみに将来の夢を私の7歳の息子に聞いてみたところ「魔王」という回答が…。「世界征服したい」という野心あふれる心意気をこれからも見守っていきたいと思います。<参考サイト>アデコ株式会社 「将来就いてもらいたい仕事」および「将来就きたい仕事」に関する調査の結果
2017年05月21日反抗期ど真ん中!ナイフのような息子とまともに話すことなんて…Upload By かなしろにゃんこ。気性の荒いADHDがある息子。中2の頃は口を開けば反抗的で悪たれをついて、親の言うことはなに一つまともに聞いてはくれなかったです。荒くれ息子が、突然頭を下げて相談してきた!Upload By かなしろにゃんこ。あるとき、絵を教えてほしい、人物を描けるようになりたいと相談されました。絵を描く仕事をしている私は、息子の図工の作品を見て驚き!!まるで絵心がない!!息子は人間が描けません。それがコンプレックスになり人間の絵をなるべく描かずに避けてきたのです。息子のチャレンジ精神は嬉しいのですが、描けるようになるには時間がかかりそうだと感じました。正直、道のりは長く険しそうだ…。なんで突然「絵が描きたい」なの?Upload By かなしろにゃんこ。息子が、苦手なはずの「絵を描くこと」に挑戦しようと思ったきっかけは、同じクラスの女の子でした。我家は異性の話はオープンに交わす家庭なので好きな女の子の話を聞いてみると、どうもその女の子と重なり、好きなのかな?と思わせる話しぶりでした。マンガのキャラクターを描くのが上手な女の子のようで、その子と同じ趣味の話ができるように絵も上手になりたいと考え、できたら頭を下げたくない母親の私に相談してきたのでした。全身全霊かたむけて母の話を聞いてくれている…Upload By かなしろにゃんこ。絵の描き方を一から教えていきました。人間の体をバランスよく描くコツの話を「うん!うん!」と一生懸命聞いて覚えていきました。そして細かく指摘されながら直し直し、人間の絵を描けたときの息子は嬉しそうでした。「もっと早くお母さんに教わっておけばよかったな~」と言います。教えたって反抗して聞いてはくれないじゃないの!と内心思いますが…笑女の子がきっかけで息子の新たなライフワークが生まれた瞬間でした。着々と師弟関係築いています(笑)Upload By かなしろにゃんこ。それから絵にどっぷりハマっていった息子は、少しずつ絵の練習を積み重ねて、まぁまぁ描けるようになっていきました。たまに私に「こんなに描けるようになったぜ!」と自慢に見せにきますが、私は少しだけ褒めた後に体のバランスの悪い部分を細かく突っ込んで注意して赤ペンで添削をして返します。もっと上手になってほしいので厳しく言いたくなってしまうんです、これは親心でしょうね…。息子は自信があったのに私があまり褒めないので「そう言われると思った…」と悔しそうにします。母に宣言した将来の夢小学校のときの絵に比べたら上達したとは思いますが、息子が目指すところはもっと高いところでした。高校生のときに「漫画家になりたい」と言い出しました。私は反対しましたが、この4年間あまりコツコツ絵の練習する根気を見ていたら、この子がこんなに飽きないでやれるってことは、本物なのかしら?と思えてきました。4年後学校を卒業してもまだ絵を続けていたのなら漫画の構成や描き方を伝えていこうかな~と、反対ばかりせず応援しようかと考えています。風景画も練習中です。Upload By かなしろにゃんこ。
2017年04月18日「将来、自分が何をしたいか」ということを知る事は、将来への道となります。でも、その目標に向かって進んでいる時に遭遇するいろいろな障害。これらは、どのように避けることができるのでしょうか。そして、乗り越えるにはどうすれば良いでしょうか。あなたの「目標」は、本当にあなた”らしい”?今日のテーマは「なりたい自分が本当に望んでいるものと一致しているかどうか」目標や将来に向かって進んでいく感覚を知ること。これは、この時期もう一度確認してみたいことです。どうしてこの時期かというと、2月になり新しい年にも少し慣れ始め、新年度の4月に少しずつ近づいてきました。この新しい年度のスタートは、正しく過ごし、改善するきっかけになるからです。時には、将来のことを考えると不安に思ったり、先が見えなくなったりします。そんな時には、まず、自分の中にある本当に欲しいもの、必要としているものが何かを、改めて知ることが大切です。成功するためには、ぼんやりとした漠然なものではなく、しっかりと目標を定め、明確にしておくことが必要です。そして、それを大切にして進めていく上で忘れてはいけないことがあります。それは「自分らしさ」。しっかり”自分らしく”いながら、進めていくことです。一歩一歩進めていく時に、「目標」が「地図」のようになり、道を示してくれます。その前進している間にいろいろなことが起こり、まっすぐに進めない時もあるかもしれません。でも、たとえ回り道をしたとしても、間違った方向に行かないように、しっかりと心の中にコンパス(羅針盤)を持っておかなければいけません。何が障害となるか知っていますか?どんなことが障害になるのでしょうか?これはとても大切な質問です。何が障害となるかを知って、備えていると、将来に向かって進むときの舵を取れるようになり、しっかりと自分を進めていくことができます。そして、障害が襲ってきた時でも、乗り越えるようになるまで絶対に失ってはいけないものがあります。失ってはいけないもの希望信用前向きなエネルギーこの3つは、いつも持っておきましょう!もちろん、障害が来た時には、落ち込み、ダメだと思うことがあります。でも、この障害はどこからやってくるのでしょうか。いろいろなタイプがありますが4つのタイプに大きく分けることができます。Thich Nhat Hanh氏による見解を見てみましょう。これは仏教の教えにも基づいていることで「viparyasa」と言われる「間違った知識の視点」によるものだと言われています。では早速4つを見てみましょう。1. 停滞(Nitya)すべての事柄、人、感情、考え、シチュエーションにおいて、「始まり」があり、「終わり」があります。物事において、この「始まり」も「終わり」も、とても大切です。でも、私たちはあまりどちらも大切なものだと重要視していません。このことは障害となっている場合があります。時の流れや目標に向かっている時に、「停滞」している事はありません。2. 幸福(Sukha)よく、「幸福感」がある時でも、自分にとってマイナスとなることがあります。例えば、甘いものを食べている時は幸せだけどカロリーを摂りすぎてしまう。お酒を飲むと楽しいけど、体にはあまり良くない。満腹感が過度になってしまうと体にとってはよくないことなど食べ物による間違いも起こります。それ以外にも欲しいもの買ったから幸せだけど、お金がなくなるなど…。言い出すとキリがありません。でも、これらの事は「幸せ」を感じたとしても「一時的な幸福感」です。その時は何かと引き換えで幸福な気持ちを手に入れますが、時間とともにそれはなくなり、後になると不健康(心にも体にも)につながることがあります。これは恋人との人間関係においても同様のことが言えます。仲良くいる時は幸せな気持ちを作り上げることができます。でもしっかりとお互いが仲良して育まないと壊れてしまい、失恋という心の傷や悲しみを生んでしまいますよね。幸せや快感に思う気持ちに注意しましょう。何が長く続く幸せか、どうすると長く続く幸せになるのかを知っておく事は、障害を避けることができるとても大切なことです。3. 自分自身(Armani)人はみんな自立していると思っていますが、環境、周りの人、社会の中でいろいろな結びつきを持って過ごしています。周りに人に起こすアクション、毎日の過ごし方が全て自分に返ってくるということを忘れてはいけません。4. 恐怖心(Shuddhi)毎日を良く過ごすためには、不健康、苦しみ、失望感を持つべきではありません。仏教の教えでは、蓮の花(幸せ)はいつも泥水の中から生まれる通り、問題は当たり前のように起こり、人生の上にはあって当たり前なものです。喜びの種は、この泥水(障害)があることを受け入れることで芽生え、つぼみをつけ、花を咲かせます。そして、その花は時に枯れることもありますが、諦めずに手をかけることで、また新しい花が咲きます。信じる心は、目の前にある闇を綺麗に取り払ってくれます。失望する気持ちは、方向を失わせることがあります。障害があって当たり前。辛いことがあるから、幸せなことが「幸せ」だと感じれるようになるのです。障害は起こってはいけないことではなく、毎日を過ごす上であって当前なのです。
2017年02月16日親だからこそ、子どもにはいろいろな経験をして、将来の夢やなりたい職業につなげてほしいと思うもの。子どもがもつ個性や可能性、創造力を広げる体験事業を行っている「FULMA(フルマ)」は、今年の7月に設立したばかりの会社。代表取締役である齊藤涼太郎さんは、まだ大学2年生。高校2年のときに、子ども向けのボランティア団体を立ち上げたことをきっかけに、「補助金や助成金などに頼らずに、好きなことを仕事にしたい」と思い、2016年に起業しました。「FULMA」の特徴は、その多彩なプログラムです。毎月6回ある体験プログラムは、縄文土器作りや大道芸人体験、吹きガラス体験やスパイ体験など、他では見たことがないような珍しいものばかり。子どもだけでなく、大人も興味津々の内容です。プログラムを引率するスタッフは、齊藤さんともう1人のスタッフ山根春輝さん(同じく大学生)。基本的に親は参加せず、大学生のお兄さんたちがプログラムのサポートをしてくれます。子どもたちを、子ども扱い・お客さん扱いしないという点も特徴のひとつ。大人と変わらない対等な扱いをすることで、自ら学び、自立や成長につなげるというものです。注目の「FULMA」のプログラムに、小学校1年生の娘が参加してみました。子どもだけで参加し、課題に集中して向き合う3時間娘が参加したプログラムは、10月末に開催された「ハロウィンを君の手でデザイン!〜お花とキャンディでフラワーアレンジメント〜」。ハロウィン用のフラワーアレンジとキャンディアレンジを作るものです。駅で待ち合わせし、参加する子どもたちが集合。引率する齊藤さんと山根さんが、子どもたちを会場に連れて行ってくれます(親はここまで同行しますが、会場には一緒に行きません。今回は取材ということで、私も同行しました)。教室では、フラワーアレンジを教えてくれる、子ども向けのお花教室「お花遊び」を主宰する、しまだゆみ先生が待っています。先生と「FULMA」のスタッフの自己紹介の後、プログラムがスタート。まずは、今回のテーマであるハロウィンの概要を紹介した後、絵本『ハロウィンのランプ』を読んで、気分を高めます。その後、アレンジに使う花の紹介です。ガーベラ、スプレーバラ、スプレーギク、ヒペリカム、レモンリーフ、ドラセナ。花やグリーンの名前をちゃんと覚えていないので、大人の私もためになります。まずは、アレンジに使うかぼちゃのデコレーション。マジックやシールを使って、顔を描きます。「どんな顔だっけ?」「ハートをつけるとかわいいよ」と、それぞれ思い思いの顔に。かぼちゃの下をくりぬいて、木の枝を刺し、オアシス(土台部分)に挿します。次は、花を飾ります。先生が「枝や茎は斜めに切ると、オアシスに挿しやすく、花も水を吸収しやすいです」とアドバイスすると、子どもたちもそれに習って手際よく切っていきます。他にも、「オアシスが隠れるように、花や葉っぱを挿す」「大きな花や葉の間に、小さな花や葉を置くと奥行きが出てきれいに仕上がる」と先生が教えると、子どもたちはすぐに実行していきます。葉っぱの魔女の帽子、すすきのほうきなど、植物を上手に使って、ハロウィンらしい飾りを手作り。完成したら、ラッピングをして仕上げます。花が終わったら、次はお菓子のデコレーションです。キャンディやチョコレートを、ハロウィンのかぼちゃ型の容器に詰めていきます。好みのお菓子を、積極的に工夫しながら詰めていく姿が子どもらしく、みんなとても盛り上がっていました。プログラムでは、大人と同じ技術を学び体験し、挑戦してみる実際に体験してみて感じたのは、子どもが体験するものでありながら、大人と同じレベルの技術を教えるということ。茎を斜めに切ったり、オアシスを完璧に花で隠したりすることは、子どもには少し難しそうでした。しかし、先生や大学生のスタッフに助けられながら、こつこつとじっくり向き合っていたのが印象的でした。時間もプログラム全体で3時間と、長めに設定されているので、集中して楽しめるのも良いなと思いました。今後の「FULMA」のプログラムが気になりますが、これから「子どもたちのやりたい!を実現させる」内容に方向を変えていくそう。第一弾として考えているのが「ユーチューバー」。今の時代らしいセレクトに納得です。「私たちは子ども達のやりたい!という純粋な思いを実現させていきたいと考えています。僕らはユーチューバーを育てたいのではなく、サッカーや野球の少年団やクラブがあるように、子どもたちのやりたい!をかなえる場を提供していきたいと思います」と、代表の齊藤さんは語ってくれました。少年団やクラブと同じような立ち位置で、子どもたちのやりたいを叶える「FULMA」。塾やおけいこもいいけれど、実際の仕事に近い体験は、子どもたちにも大きな刺激になるはずです。子どもたちの将来は、子どもたち自身が切り開いていくもの。「FULMA」のプログラムが、新しい仕事との出合いや、人生を見つけるきっかけになったら良いなと感じました。取材協力:「FULMA」<文・写真:フリーランス記者武田由紀子>
2016年11月22日いつか子どもを産みたいけど、そのタイミングは今じゃない!でも年齢を重ねると卵子も老化してしまい、子どもが産めなくなるかも……。35歳くらいになると、将来子どもを産むかどうか考えることもありますよね。皆さんは、「卵子凍結保存」について考えたことはありますか?今回は、卵子凍結保存について「水天宮コパレディースクリニック」の小林裕介先生にお話を伺いました。卵子凍結保存って何?卵子凍結保存って言葉は聞いたことあるけど、実際どのようなものか分からないですよね。一体、卵子凍結保存とはどういうものなのでしょうか?「卵子凍結保存とは文字通り、卵子を取って凍結させることにより老化を防ぐことを意味します。卵子を一旦取り出し、子どもを産みたい時期に合わせて再度卵子を体内に入れるんです。元々は、癌の治療が必要な患者さんが利用していたんですよ。治療法によっては卵子の機能を低下させてしまう薬が必要だったりするので、そのような女性が治療の前に卵子を取り出し治療が終わったら体内に戻すことができます。病気になってしまって今すぐ子どもが産めない女性や、将来子どもを産みたいから、健康な卵子を持っているうちに保存しておきたいという女性には、よい治療法かもしれませんね」卵子を凍結しておけば、好きなタイミングで産むことができるということになります。今は産みたくないけど、将来子どもを産みたいという女性にとっては魅力的な話ですよね!卵子凍結保存のメリット・デメリット卵子が老化すると、染色体異常の可能性も高くなります。卵子凍結保存を利用し卵子の老化を防ぐことで、たとえ高齢出産でも健康な子どもを産む可能性が高くなると言われています。また、現在パートナーがいなくても卵子を保存できることが魅力です。このように将来の不安や結婚の焦りをなくすことができるというのがメリットなのですが、一方でデメリットも多いようです。保険が適用されないので、費用は大体70万〜100万かかります。病院にもよりますが、卵子1つにつき保存費用は1万円。解凍して体外受精するときにも更に30万〜50万円かかります。また、妊娠する可能性も100%ではないので、いくら卵子凍結保存を使ったからといっても安心はできません。卵子凍結保存は未知の世界費用が高くても、やはり独身女性には魅力的な話。小林先生に、卵子凍結保存の安全面について聞いてみました。「実際、今はまだ研究段階なので未知の世界なんですよね。卵子凍結保存で、実際に生まれて来た子ども達はいます。でも、卵子凍結保存による子どもへの害や発症する病気などの結果がまだ出ていないんですよ。ですので、絶対に安全だという保証はないです」すでに日本でも卵子凍結保存が可能な外来はあるものの、まだまだ研究段階で、安全が完全に担保された状況ではないようです。「もちろん癌やその他の病気になってしまったため、一旦卵子を取り出して治療が終わったら戻す方もいます。ですが、将来高齢でも子どもを産みたいという理由であれば、卵子凍結保存を考えるよりも卵巣や卵子の健康を保つことが大事です。そのためにもしっかりと子宮の検査をすることをおすすめします。お腹に命が宿るということは、 簡単ではありません。「仕事を優先したいから」や「今は産みたくないから」という考えで卵子凍結しても、妊娠できるとは限りません。将来、本当に子どもを産みたいと考えているのであれば、「卵子凍結保存があるから大丈夫」という考えを捨て、信用のできる産婦人科を見つけて体の健康をしっかり管理することが大切です!【小林裕介】Photo by 水天宮コパレディーズクリニック水天宮コパレディーズクリニック院長・医学博士。2007年 日本大学医学部医学科卒。2016年 5月11日より水天宮コパレディースクリニックをオープン。
2016年10月28日いまや社会的な問題となっている肥満。最近では大人だけでなく、子どもの肥満の問題も増加傾向にあるようです。小さいうちからの生活や食事の習慣が、将来の肥満リスクを招く原因になることもあるのだとか。気づかないうちに子どもの肥満リスクを高めてしまっていないか、普段の生活習慣を見直してみましょう。■夜更かし&睡眠不足子どもの健やかな成長には、睡眠が大きな関わりをもつということはよく知られています。さらに睡眠は、子どもの将来の肥満リスクにも影響するのだとか。睡眠不足になると、食欲や、脂肪の蓄積を抑制する「レプチン」というホルモンの分泌が低下し、反対に食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増加するといわれます。また、夜更かしをして起きている時間が長くなると、それだけ間食を食べる機会も多くなりがちです。子どもの肥満防止のためには、生活リズムを整え、きちんと睡眠をとることがとても大切だといえます。■おやつを袋ごと与えるおやつにスナック菓子などを食べるとき、大きな袋ごと子どもに渡してはいませんか?お菓子を袋ごと渡してしまうと適量が分からずに食べすぎてしまい、一度に全部食べきってしまった、なんてことも。市販のお菓子は袋ごと与えずに、食べる分だけを皿などに取り分けるようにしましょう。子どものうちは、間食も食事の一部。栄養バランスをとるために、スナック菓子ばかりではなく、乳製品やフルーツなどと組み合わせるのもおすすめです。また、お菓子などの買いだめはできるだけ避けて。子どもがいつでもお菓子に手が届く環境をつくらないようにしましょう。■家のお手伝いをさせていない現代の子どもは、昔に比べて運動量が減っているといわれています。環境によっては外遊びができる場所も少なく、友達と遊ぶ際もテレビゲームなど座ったまま、ということも珍しくありません。さらに、子どもにあまり家のお手伝いをさせていないと、運動不足に拍車をかけることになってしまいます。「お手伝いよりも勉強」と考える家庭もあるかもしれませんが、少しでも体を動かすため、役割を決めて積極的にお手伝いをさせるようにしてみましょう。運動不足が続くと、体を動かすことそのものが億劫になってしまいます。ポストまで郵便を取りに行く、お風呂掃除をする、など、まずは簡単なお手伝いからはじめてみてはいかがでしょうか。■整理整頓の習慣がない部屋が汚い人は太りやすいといわれます。それは、「面倒だから後回しにしよう」という気持ちが食生活にもあらわれるほか、散らかった部屋が知らず知らずのうちにストレスになって食べすぎてしまうからなんだとか。子どものうちからきちんと整理整頓をする習慣をつけておかないと、大人になっても部屋が汚いままになってしまう可能性も。また、リビングなど家族の共有スペースがいつも散らかっていると、その状態を「当たり前」と思いながら育ってしまい、片づけられない大人になってしまうかも。小さいうちからきちんと、「使ったものは片づける」という習慣づけができるように心がけましょう。子どもが片づけやすいように、収納の場所や高さも工夫してあげるのも効果的です。子どもの肥満リスクには、食事の内容や量だけでない、意外な要因が関係していることも。子どもの将来の健康のために、思い当たる点がないかチェックしてみてくださいね。(かとうともみ)
2016年09月30日親が子どもの発達障害を受け入れられるようになるまで出典 : お子さんに発達障害があることが分かったとき、まず最初に「なんとかしたい」「どんなことをしてもいいから、普通の子にしたい」と考える親御さんも少なくないと思います。でもそんな親でも、専門家の先生から「子供に無理にストレスを与えてはいけません。逆効果です。」「子供のあらゆる行動は、子供の『こうしたい』という自己主張なので、子供の全てを受け入れて抱きしめて下さい」と言われると、当初の「普通の子にしたい」という思いから、「発達障害を何とかしようというのは間違っていた。子どものすべてを受け入れなければならないんだ」という気持ちにだんだんと変化していくようです。本当にお子さんの「障害を受け入れて」いますか?出典 : この気持ちの変化は、お子さんのありのままを受け入れて、お子さんに本当に必要な教育やトレーニング、支援方法は何なのかを考え得るために大切なことです。しかし、お子さんの「障害を受け入れる」ということの意味ををはき違えてしまっている保護者の方も多いように思われます。例えば、障害がない兄のことは厳しく育てていたのに、弟に発達障害があると分かった途端に何もしなくなり、なんでもその子の自由にさせているご両親がいました。その子が人の物を壊しても、「この子はこうしたかったんです。分かってください」といって、子どもに「謝る」というコミュニケーションをまったく教えようとしません。他にも、「この子は今まで大人しかったが、最近は癇癪がでてきた。これも立派に自己主張するようになったということ。成長を感じるよ。」と言っている保護者の方がいました。もちろんそういった場面でお子さんの成長を感じる場面はあると思います。でも、その方はあまり嬉しそうな顔をしていませんでした。これは本当にお子さんの「障害を受け入れている」と言えるのでしょうか。子どもの発達障害に向き合うということ出典 : 私は、「発達障害を何とかしよう」と考えることは、「障害を受け入れていない」ということにはならないと思います。むしろ、子どもに障害があることが分かった後「この子は障害があるから」と言って、その子が社会に適応するための支援や教育を何もしないことこそ、「障害を受け入れていない」ことになるのではないでしょうか。そういった親の教育の仕方は、問題を後回しにしているだけのように私は思います。私の娘は学校での勉強を習得するのに、他の子どもたちの何倍も時間がかかります。もしかすると、娘は他の子どもたちと同じように勉強ができるようになることは難しいかもしれません。でも私は、発達障害を理由に娘の成長を諦めたわけでは決してありません。私は娘に、勉強はほどほどにして家事を教えることにしています。娘には、洗濯物を干してもらったり、味噌汁を作らせたり、ご飯を炊いてもらったりしています。障害のある私の娘には、こういった社会に適応するための教育こそが必要なのです。確かに今はできなくても、成長とともに出来るようになることもあります。しかし、親が子どもの障害をきちんと受け入れられれば、子どもが将来自立して生きていくためには何を教えればよいのかが見えてくるのではないでしょうか。子どもが将来、社会の一員として生きていくために出典 : 障害のある子どもでも、将来は社会の一員として自立して暮らしていく必要があります。そしてそのように生きる権利もあります。そのため、障害があろうとなかろうと、社会で生きていくうえで最低限必要なスキルやマナーは身につけている必要があると思います。もしかすると、障害のある子どもとない子どもの育て方は違うと考えている人が多いのかもしれません。しかし、「その子の得意な部分を見つけて伸ばしてあげるようにすること」が親の役目だとするならば、基本的には変わらないと私は考えています。子どもにいろいろなことを経験させることで、その子のの得意不得意が分かると思います。その経験をさせるきっかけを与えたり、その後に子どもにとって適切な支援は何なのかを考えることが、本当に親がやらなければならないことではないでしょうか。どんな子どもでも、社会で生きていく1人の人間として育てる事に変わりはありません。子どもの障害を本当に受け入れられたのであれば、社会で生きるために必要なことを一つずつ教えていくのが、親の役目だと私は思っています。
2016年08月09日■子どもを育てるのはとても素晴らしいこと。子育てにかかる費用をうまく管理することでさらに楽しみが増えます子どもを授かったお母さんお父さんは、子育てにとても熱心。でも、子育てが家計にどのくらい影響があるかについて、考えたことはありますか?米国フィデリティによると、平均的な1家族の全支出を大きな項目ごとに分けると、「住宅」が30%でトップ、子ども一人の養育・教育費(大学費用は含まない)は18%で2位となっています。約2割という大きな比率は当然、家計全般に与える影響も大きいということになります。もちろん、子育てにいくらお金をかけられるかはそれぞれの家計の状況によって異なります。でも共通していえるのは、その支出をできるだけうまく管理していきたいということです。そのためにはいくつかのちょっとしたコツがあります。■1.新たに生じる可能性のある「少し先の費用」を予測し準備するたとえば、子どもが大きくなれば、もっと広い部屋が必要になります。子育てのために仕事を辞めるとすると、家計の収入が減ります。反対に仕事をしながら育児をしている場合でも、託児所などの預け先を考えなくてはならない場合も出てきます。これらはいずれも「新たな出費」につながるもの。全部を予測するのは難しいかもしれませんが、できるものから予測して、その「新たな出費」の確保のために不必要な出費は抑えるといったことを日常的に心がけてみましょう。■2.突然の出費に備えた資金作りをできれば、突然の出費に備えて、3ヶ月~6ヶ月分の生活費を蓄えておきたいですね。なかなか大変ではありますが、毎月の生活費の中から少しずつ蓄えていく工夫をしましょう。たとえば毎月一定額の自動積み立てから始めてみては? 非常用資金口座として、毎月一定額、現金や換金性の高い運用商品を積み立てるといった方法です。 ■3.家を持つ場合は慎重に家を持つ、というのは一般的な家庭にとって最も大きな出費のひとつでで、とてもエキサイティングなイベントですが、あまり過剰な出費をすることは抑えましょう。家族で所有している不動産が家計の収入に見合っているか、年間の収入から無理なく負担できる範囲かどうか確認しながら進めましょう。 また、不動産を持つと、自動的にそれに伴う支出(税金、公共料金、修繕費用など)が多くなります。大きな出費の際には、とかく付随するコストを忘れがちになりますが、それも念頭において計画を立てましょう。■4.保険に入り、家族を守ろう最近若年層では生命保険に入らない方が増えていると聞きます。でも、「あなたの収入に頼っている誰か」ができたら、生命保険に加入することも、家族を守れる有効な手段となるでしょう。若ければ若いほど、健康であればあるほど、掛け金の負担は少なくなります。また、意外と知られていないのが、「所得補償保険」です。企業に勤めるサラリーマンや自営業者等、働いて収入を得ている方が、病気やけがで働けなくなった場合に収入の減少を補てんするための保険で、「入院や手術といった支出に備える医療保険ではカバーしきれない収入減に備える」という位置づけになります。子どもや家族を守るという観点からは役に立つ保険のひとつです。ただし、会社に勤めている人は、社会保障制度の一環で会社から一定の補償が得られる場合があります。まずは自分ないし配偶者が、仕事ができなくなった時にどのくらい保障が得られるのかを整理しておくといいでしょう。■5.子どもの大学入学に向けて、今からコツコツ資金作りを子どもが大学を受験する18歳に向けて、できるだけ早い時期から必要資金を積み立てはじめましょう。そのために活用したいのが2016年4月からスタートした「 ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度) 」です。子どもが18歳になるまで毎年上限80万円まで非課税で投資でき、投資した結果の収益は5年間非課税です。18歳までは引き出しに制限がつきますので、まさに家庭で子どもの大学資金にむけて税優遇をうけながらお金を作っていくのに適した制度です。子どもを授かったとき、それにともなう費用のことを真っ先に考える必要はありません。でも、親が将来について考え計画することは、子ども選択肢や可能性を広げることのできるとても大きなプレゼントのひとつです。子どもにぜひ素敵なギフトを差し上げてください。
2016年07月05日子育てをする親にとって、子どもの将来は楽しみでもあり、不安でもありますよね。いい大学に入学し、希望の職業に就けるよう、幼いころから習い事や受験に力を入れている人も多いでしょう。しかし、いい大学を出たからといって自分にぴったりの仕事ができるかというと、そうとも限らないもの。「30オトコの本音に向き合う」ビジネスマン向けサイト『R25』のアンケート調査で、「現在の仕事が自分の“天職”だと思うか?」という問いに対し、30~40代男性ビジネスマンの60.8%が「いいえ」と回答しています。「仕事が楽しくない」「自分の力を発揮できない」「他にできる仕事、やりたい仕事がある」というのがその理由。つまり、今の仕事が天職だと思っている人は39.2%しかいないのです。では、天職につくことができた人と、そうではない人はなにが違うのでしょうか?『一流の育て方』(ムーギー・キム&ミセス・パンプキン著、ダイヤモンド社)では、単に勉強ができるだけではない、ビジネスの世界でリーダーシップを持って活躍できる人を育てるための習慣や環境のつくり方について述べられています。特徴は、一流大学のなかでも特に優れたリーダーシップを発揮する200人以上に、幼少期の過ごし方についてアンケートをとっているところ。そのコメントも掲載されているので、リアルな声として参考になるはずです。今回は、本書に掲載されている「7大方針55か条」のうち、「視野を広げ、天職に導く」という方針の内容についてご紹介します。■子どもの視野を広げるのは親の努力次第著者のムーギー・キム氏は、フランスやシンガポール、中国で留学したことで人脈が広がり、視野が広がったといいます。世界中から集まる人たちの多様な価値観に触れ、また彼らが世界各地で活躍する姿を見ることで、自分も幅広い機会から天職を探そうという気持ちが強まったというのです。幼少期からさまざまな経験を通して視野を広げることは、親が子どもにできる最も重要な教育のひとつといえます。視野が広がり、自分の好き嫌いや強み、弱み、価値観を理解できると将来天職に近づきやすくなるのです。受験勉強だけをしてきた人は視野が狭くなりがちで、自分への理解も浅いことがあります。そのため自分の適性とは違う分野に進んでしまい、迷走することも少なくありません。子どものころ、自分で視野を広げるのは難しいもの。親の努力が子どもの可能性を大きくするといっても過言ではありません。■「知的充足感」は学習のエンジンになる「私の親は、生物や化学、歴史、文学など様々な分野の話をそのときどきの年齢に合った言葉で話してくれた。その中で興味を持ったことを語り合う相手になってくれた」。アンケートのコメントにあるように、自分で学ぶことの楽しさや知的充足感を覚えると、子どもは自分から学び、自律的に成長していくようになります。これは学習を続けていく上でのエンジンとなるので、できるだけ早期から身につける必要があります。■読書の習慣で自分から勉強する子になる「親に本の読み聞かせをしてもらっていた」「本はたくさん買ってもらえた」「いつも家に本があふれていた」。一流大学に進学した学生の多くは、このように幼少期から読書の習慣があったといいます。読書で視野が広がると、好奇心や読解力、集中力が養われ、自主的に勉強するようになるのです。子どもに読書の習慣をつけるのにもっとも効果的なのは、親が読ませたい本ではなく、子どもが関心を示す本を選ぶこと。車やアニメのキャラクターの本でも、虫の図鑑でもかまいません。とにかく、子どもの興味の延長線上で活字に親しむきっかけをつくってあげることが大切なのです。■親からの応援が「継続する力」を育む!「小さなころから、興味を持った習いごとはなんでもさせてもらえた」「理科に興味がある私に、市のイベントなどの情報を欠かさず教えてくれた」。そんなふうに、子どもが興味を持ったことをサポートするのが親の大切な役目です。たとえ学校の教科や習いごととは関係のないことであっても、親はそれを応援してあげましょう。親からの応援は子どもにとって大きなモチベーションとなり、継続する力を育みます。それに、好きなものに夢中になる過程で、子どもには「積極性」が芽生えます。自分からやりたがるようなことは、どんどん体験させてあげることが大切なのです。たとえば著者の息子は幼児期から生き物に興味を持ち、文字も読めないうちから図鑑を夢中でん読んでいたそう。やがて小動物を飼うようになり、それを通じて生き物に対する思いやりや、自分で世話をする自主性、責任感を学んでいたといいます。そして、好きなことに打ち込むことで自然と自分に自信がつき、将来の天職へのヒントも得られるのです。*本書には他にも「主体性」「やりぬく力」「コミュニケーション能力」など、自分の道を切り拓いていくために重要なスキルを身につけさせる方法が掲載されています。子どもの努力だけでなく、親もそれ以上の努力が必要。本書は「親の教科書」として、長く活用できるはずです。(文/平野鞠) 【参考】※ムーギー・キム&ミセス・パンプキン(2016)『一流の育て方』ダイヤモンド社※中堅ビジネスマン222人に聞いた!会社員が「天職」に出合う確率は?-R25
2016年06月24日前編 では、不規則な生活が子どもに与える悪影響について解説しました。後編ではそれを受けて、そうならないためにはどのようにしていけばよいのか、具体案をご紹介します。平日も休日も、生活リズムを守る規則正しい生活を送ることが、子どもの脳や健康、将来の生活を守ってくれます。具体的にどのようにすればよいかをご説明しましょう。以下に、小学生の場合の生活リズムの例を紹介します。まずは朝、遅くとも7時には起床しましょう。その後、朝食をきちんととり、着替えや身支度を整えて、余裕を持って登校します。夕食は遅い時間にならないようにし、低学年の場合は21時、遅くとも22時には就寝します。そして、このリズムを休日も守るようにするのです。「平日は学校があるから仕方ないけど、休日まで!?」と思う気持ちもわかります。いつも忙しい毎日を送っているのですから、親も休日くらい休みたいですよね。でも、これは一生続くことではありません。わが子が親の手助けを必要としている時期だけは、何とか頑張って、規則正しい毎日を送るように頑張ってほしいのです。それがもっとも大切なことです。子どもが集団生活に入る時期は、特に大切特に大切なのは、幼稚園や学校といった集団生活に入る時期です。最初からしっかりと正しい生活習慣をつけてあげることが、親としてもっとも重要な仕事と言っても過言ではありません。このことは、決して簡単なこととは言えないでしょう。何しろ毎日続くことですから…。これは父親だけでもできないし、母親だけでもまた、難しいことなのです。夫婦がしっかりと規則正しい生活の大切さを理解し、それを一緒に実行していかなければなりません。たとえ父親が休日の朝、いつまでたっても起きてこなかったとしたら、そこは「疲れているからかな」なんて言わずに起こしましょう。そして、休日でもなるべく決まった時間に、家族みんなで朝食をとるのです。平日の仕事の疲れが残っているのなら、後で昼寝をしてもよいでしょう。子どもがまだ小さいうちは、夫婦で一致団結して、何よりもまず子どもの生活を規則正しいものにする努力をしていきましょう。やっていくうちにわかることですが、子どものためと思ってしてきたことが、結果的に親たちの健康にもつながっていくのです。家族みんなで規則正しい生活を送ると、そんなメリットもあるのです。
2016年03月26日現代人は不規則な生活を送りがちです。残業で夕飯の時間も就寝の時間も遅くなり、外食をしがちになり…。そんな生活を送り続けているため、生活習慣病になってしまったり、ストレスがたまって精神的にも病んでしまったりするのです。しかし、それは大人の世界だけの話だと思っていませんか? 夜更かしや朝食抜きの生活は、子どもたちにも増えてきているのです。「でも、病気になっているわけではないし、そんなに気にしなくてもいいのでは?」と思わないでくださいね。子どもの将来にも大きな影響を与える問題なのです。引きこもりを作る要因は生活習慣の乱れにもある規則正しい生活を送っていないと、子どもの体と心はいろいろな影響を受けてしまいます。夜更かしをして朝寝坊をし、朝食を食べずに慌てて学校へ行くため、便秘がちになる。睡眠不足で授業に集中できない。そんな話をよく聞きます。もっとショッキングなことに、子どものうちから規則正しい生活をしておかないと、将来引きこもりになるかもしれないという研究結果があります。もちろんほかにも、家庭に問題があったり、その人のコミュニケーション能力に問題があったりして、原因が複雑ではありますが、原因のひとつとして生活習慣の乱れも考えられるというのです。不規則な生活を続けていると、子どもの体はいつも疲れを感じるようになり、朝起きるのが非常につらくなって、体を動かすことさえうまくいかなくなります。さらに、免疫システムもうまく働かなくなって、病気にかかりやすくなってしまうのです。つまり、不規則な生活は子どもの体全体に悪影響を与えているということなのです。学校に行こうと思うのに、体が動かなくなるあるとき急に、「学校に行かなければと思うのに体が動かない」と、引きこもりになった子どもたちがたくさんいます。その中には、家族とも、友だちや先生ともトラブルがなく、理由がわからない、というケースがあります。その子たちの共通点となるのが、「不規則な生活を送っていた」ということなのです。塾通いなどのために夕食の時間が夜中になったり、その後もなんとなくだらだらと夜更かししてしまったり…。平日はきちんとしていたのに、休日に夜更かしや朝寝坊をしていたことが、引きこもりの原因となってしまったという子どももいるのです。「単なる朝寝坊や夜更かしが、引きこもりにまで発展する?」と疑っている方もいるかもしれませんが、これらの現象は実際に起こっていることです。大人ならよくあることかもしれませんが、子どもの脳には確実に悪影響を与えるということを肝に銘じて、自分の子どもの生活を正しい方向に導いてもらいたいのです。< 後編 に続く>
2016年03月26日【ママからのご相談】小3男子のママです。子どもがなんでも途中で放り投げてしまって、「物事へのモチベーションややりぬく力が育っていないのでは?」「将来の受験は大丈夫?」と心配です。モチベーションを上げてやりぬく力を身につけるポイントはありますか?●A. 子どもの“やりぬく力”は親の適度なサポートで育まれます。こんにちは、遊びと学びの専門家大根はじめです。やりぬく力は非認知スキル の一つですね。職場の専門学校でも、やりぬく力がある学生の方が早い時期に希望の会社への内定を手に入れる傾向が強いです。将来なりたいものになるための決定力とも言える能力だと現場で強く感じます。今回は、やりぬく力を育むポイントをご紹介します。●まずはモチベーションを高めるムーギー・キムとミセス・パンプキンの著作『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』では、やりぬく力を身につけるために家庭でできるのは、『モチベーションを高めて真剣に最後まで続けさせること』と指摘しています。モチベーションの起点は自主的な挑戦にあります。ゲームのハマる仕組みでも心理学でも“自主的にはじめる挑戦”がモチベーションを高くする ことが知られています。まずはお子さんに「○○しなさい」ではなく自分が言い出したことに挑戦させることです。お子さんの「やってみたい」の声に耳を傾けできるかぎりチャレンジさせてみてください。春休みはお子さんのやってみたいを試してみるよい機会になると思います。●応援し、適度な期待感をもつ子どものモチベーションを維持し続けるには、まずは親が応援団になるとよいでしょう。挑戦できる場をつくること応援する気持ちを伝える、言葉でのサポートがあるとよいでしょう。また、わが家の経験になりますが、応援団の規模を広げることも効果的です。自分で始めた習い事の成果を子どもからおじいちゃんに電話報告するようにしたところ以前よりもモチベーション高く取り組んでいます。期待感をもって接することも重要です。期待感を親が持ちすぎると重圧になりますが、なさすぎても子どもは味気なくさびしく感じるものです。子どもの希望や特性を無視した期待(例えば本人が望まない職業へ就くことへの期待など)ではなく、子どもの努力を認めて、(喜ぶ親の愛情を子どもが感じられる)適度な期待 を持つとよいでしょう。自分の挑戦に対する正のフィードバックは、ゲームの仕組みでもモチベーション維持に関係する項目です。●真剣に続けさせる子どもの好奇心はあちこちに広がるので「やってみたい!」も多く生まれることと思います。なんでも体験させてみた後は継続する挑戦を選択していくのも重要です。「本当にやりたいことか?」 子どもの本気度をお互いに確認しましょう。習い事や塾ならば、親は子どもの本気にお金を出してサポートするということを表明するのもよいでしょう。時には叱ることも必要です、叱る基準は子どもが真剣に取り組まなかったとき、度を超えた怠慢のときです。真剣に取り組んでいるときはそれを認めた言葉がけをし、真剣に取り組まなかったときは勇気をもって叱ることでやりぬく力を育てます。子どもが途中で投げ出しそうになることがあっても、すぐに途中でやめるクセをつけないようにしましょう。わが家では、「半年続けること」を習い事を始める条件に、「一年間続けること」を次の習い事が始められる条件に設定しています。まずは「基礎を身につけるまでは続ける」など家で目標を設定し、励ます言葉をかけ続け“継続する”経験 を子どもにさせてみましょう。そして、子どもの失敗は叱らず、原因を子どもに考えさせ、次につなぐ気持ちを持てるようにしてください。感情的に子どもの失敗を叱ると、子どもが固く委縮してしまいます。息を深く吸って気持ちを落ち着けてから叱りましょう。【参考文献】・『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』ムーギー=キム/ミセス=パンプキン・著・『ビジネスを変える「ゲームニクス」』サイトウ=アキヒロ・著●ライター/大根はじめ(マンガ家)
2016年03月18日いまの時代、どんな職業ついたとしてもコミュニケーション力は大切です。大人になってからいきなり身につけようと思っても、かなりの労力がかかってしまうもの。子どものうちから、遊びの中で身につけていくことがいちばんの方法だといえるでしょう。明治大学文学部教授の齋藤孝さんは、著書『遊ぶ力は生きる力齋藤式「感育」おもちゃカタログ』(光文社)のなかで、「大学生を見ているとよくわかりますが、いい遊び体験をたくさんしてきた人は間違いなくコミュニケーション上手になります」と語っています。そこで今回は同書のなかから、子どもの成長に必要な「家庭の遊びルール12条」をご紹介したいと思います。これらのルールを取り入れて、子どもにいい遊び体験をたくさんさせてみましょう。■1:「思いっきり」を体感させて「前のめりパワー」を身につける遊びで「思いっきり」の充足感や達成感が得られれば、濃密な時間が堪能できます。「思いっきり」をたくさん味わっておくと、勉強でも部活でも仕事でも、常に最良の姿勢で取り組むことが可能。「前のめりパワー」が身につくはずです。■2:家族で一緒に遊ぶ「思いっきり」の姿勢を教えるには、大人も一緒に遊んで楽しむことが大切です。家族と楽しく遊べば、子どもはそこで得た遊びの経験値を友達づきあいにも応用できてきます。■3:子ども→おもちゃ→親の「三角形を作る」子どもと自然にコミュニケーションを取りたいなら、「なにかを媒介して三角形をつくる」こと。たとえば子どもとアニメ番組を一緒に見たら「どのキャラが好きなの?」と聞いてみる。向き合うのではなく、ベクトルを同じ方向にして、そこに感情を投影させるのが大切です。■4:遊びに「縛り」をかけてみる子どもが飽きてしまったパズルやゲームも、家族だけの特別「縛り」ルールなどを設ければ、また新鮮な感覚で遊べます。たとえばしりとりなら、「好きな食べものくくり」にするなど。すると自然と遊びを工夫して考えることができるようになるでしょう。■5:質問で創造力をかきたてる創造力をかきたてる質問をわざとするのはよいことです。説明しようとすることで言語化能力が鍛えられ、子どもの興味もわかります。自分の頭で考えて答えることの楽しさが、きっとわかってくるでしょう。■6:対人関係における反射神経を上げる遊びのなかに、時間感覚を入れることをおすすめします。ゲームで自分の番が回ってきたら「必ず○秒以内に答える」など、常に制限時間の中でテンポよく答える習慣をつけるのです。問いに対してパッと答えられる能力は、今後の対人コミュニケーションにおいても大切な要素となるからです。■7:直面した現実に対応できる「機転力」を培う対人関係における「創造力」や「機転力」が弱いと、社会では「使えない」といわれることがあります。子どものころから人とたくさん遊ぶことで、社会に適応していく人間関係能力がついていきます。■8:キレない子にするための呼吸とマッサージ怒りっぽくてすぐキレてしまう子は、一様に呼吸が浅くなっています。腹底からの深い呼吸の仕方を教えてあげましょう。また、親子のスキンシップが足りないと情緒不安定になり感情に飲み込まれやすくなるようです。幼児だったらギュッとハグ、小学生になってハグを恥ずかしがる場合はマッサージをし合うのもいいでしょう。■9:異種混淆で免疫を高める対人対応力は、いろいろな人とたくさん接触してコミュニケーションすることで練られていきます。キャンプなどに参加して、いつもと違う人たちと濃く触れ合うなどはおすすめ。異質な環境や考え方のなかで遊ぶなど、人間関係にタフのなっておくことも成長には必要です。■10:時には混乱させてみる遊びには「競争、運、模倣、めまい」の要素があると、フランスの作家ロジェ・カイヨワ氏はいいます。めまいとは、回転してクラクラする状態をおもしろがるような「パニックの追求」のような意。混乱するようなワクワク感を求めていくことが、遊びの本質かもしれません。■11:よいおもちゃを与える五感や身体感覚が磨かれたり、いろいろな遊び方を自分で考えられたり、他者とコミュニケーションが深められるようなおもちゃがおすすめ。その意味でも、積み木やトランプはコストパフォーマンスが高めです。また、おばあちゃんに昔ながらの折り紙、あやとりなどを教えてもらうのもいいでしょう。■12:自発性を尊重する遊びはただおもしろいからやるものであって、スキル上達が目的ではありません。親はそこを勘違いせず、子どもの自発性をバックアップするような環境づくりをすることが大切なのです。*その他、『遊ぶ力は生きる力齋藤式「感育」おもちゃカタログ』には、「子どもがぐんぐん伸びる『おもちゃ厳選リスト』」など、育児中の親が知っておきたい情報が満載です。子どもの遊ばせ方をもっと知っておきたい親御さんは、ぜひ参考にしてみてほしいと思います。(文/齊藤カオリ)【参考】※齋藤孝(2015)『遊ぶ力は生きる力齋藤式「感育」おもちゃカタログ』光文社
2016年01月25日アデコは1月6日、アジア太平洋地域で事業を展開するアデコグループの6つの拠点(韓国、香港、台湾、シンガポール、タイ、ベトナム)で、子どもを対象にした「将来就きたい仕事」に関するアンケート結果を発表した。日本の子どもが将来就きたい仕事の1位は、男子が「会社員」(10.2%)、女子が「パティシエ」(11.0%)となった。日本では、男子が将来就きたい仕事の1位は2013年に本調査を開始して以来、2年連続で「サッカー選手」だったが、今回、「サッカー選手」(10.0%)は僅差で2位となった。女子の1位となった「パティシエ」は、3年連続での1位だった。日本の男子のランキングでは4位に「公務員」が入り、女子のランキングでも「会社員」が3位、「公務員」が5位という結果に。同社は、国内景気の長期的な停滞感が続くなか、夢を追いかけるのではなく、安定した生活を志向する子どもが増えている可能性を指摘した。また、日本の男子では「エンジニア・プログラマー」が9位に入った。昨年の5位からランクダウンしたものの、現代の男子にとってデジタル関連の職業が将来の夢として一般的なものになりつつあることが伺えるという。日本の女子では、昨年ランク外だった「服飾デザイナー」と「ピアノやお稽古事の先生」が、今年は7位と8位にそれぞれランクインしている。日本を含むアジア太平洋地域の7カ国・地域では、「先生」と「医者」が人気の職業となった。「先生」と「医者」は、どちらも3カ国・地域で、将来就きたい仕事の1位に選ばれた。日本でも「先生」と「医者」は人気の職業で、それぞれ2位と3位にランクインしていたが、「会社員」が将来就きたい職業のトップ3に入ったのは日本のみだった。同社は、経済成長の著しいアジア太平洋地域各国および地域と、すでに成熟市場となっている日本との違いが、子どもの将来に対する考え方にも現れているのではと分析している。調査対象は、日本全国の6歳~15歳の1000名(男女各500名)、アジア太平洋各国・地域(韓国、香港、台湾、シンガポール、タイ、ベトナム)の7歳~14歳の各150~1500名。期間は2015年11月~12月。
2016年01月07日自分の子どもが大人になったとき、「勉強はできるけれど、就職できない」「就職したけれど、仕事がつらくて病気になりそう」「収入は高いけれど、友だちがいなくて孤独」などという状態にはなってほしくありませんよね。子どもが将来、幸せになるためには、どんな能力が必要なのでしょうか。子どもの言語習得や発達心理について研究を行っている、内田伸子先生にお話を伺いました。子どもが幸せに生きるために必要な創造力は、生後10ヵ月から育っている「生きていくうえで大切なのは、創造的想像力です」と内田先生は言います。創造的想像力とは、知識や体験から何かをイメージし、そこからまた新しい何かを生み出す力のことです。「子どもの想像力が働き始めるのは、生後10ヵ月ごろからです。この頃にはイメージが誕生し、『見立て遊び』や『延滞模倣』が見られるようになります。見立て遊びとは、見ているものとは別のものをイメージして遊ぶことです。たとえば、つみきを車に見立てて動かしますよね。延滞模倣とは、見たり聞いたりしたことをイメージとして頭の中に入れ、時間が経ってから思い出してマネをすることです。たとえば、お母さんがブラシで髪をとかしているのを見て、あとから自分の髪にブラシを当てたりします」1歳に満たない早い時期から、子どもは遊びの中で想像力を発揮しているようです。「想像力」は「生きる力」になる「想像力が豊かな人は、生きる力が大きいと思っています」と内田先生は言います。そう思うきっかけになったのは、ユダヤ人医師ヴィクトール・フランクルの著作『夜と霧—ドイツ強制収容所の体験記録』(みすず書房、1961年)を読んだことだったそうです。「フランクルは第二次大戦のときにドイツ・ナチスに捕えられ、強制収容所でつらい体験をしました。囚人たちは水のようなスープとパンのかけら一個で強制労働させられ、体が弱ってくると毒ガス室に連れて行かれる。そんな過酷な状況の中で生き残ることができたのは、想像力の豊かな人たちだけでした」体力のある人ではなく、場合によっては繊細とも思える想像力の豊かな人たちが生き残ることができたのはなぜでしょうか。精神的な自由が人生を豊かにする「創造力の豊かな人は、過酷な現実の中で精神的に破壊されずにすみました。想像力を働かせることで、精神の自由を守り、目の前の悲惨な状況から内的な豊かさへ逃れることができたのです。人間には想像力がある、自由意志がある、それが生きる力になるのです」強制収容所でなくとも、社会には厳しい現実がたくさん待ち受けています。つらいことに直面したとき、想像力によって乗り越えられるということなのですね。同時に、想像力は自由で豊かな心を育み、相手の気持ちを思いやったり、新しいものを創造したりする力にもなります。たしかに、生きていく上でもっとも大切な力かもしれません。子どもの想像力を育むためには、どうすればいい?「想像力を育てるには、遊びが一番です。子どもが泥だんごを『ハイ』と差し出したら、『いただきます』と受け取りましょう。『このお団子にはあんこが入っているのかな』などと言ってみてください。『こっちはクリームが入っているの』『こっちはチョコレート』と想像の世界が広がっていくことでしょう」おままごとや泥んこ遊び、お絵かきなど、子どもがやりたがる遊びを自由にやらせてあげることが、想像力を育むことにつながるようです。ときには、パパやママも一緒に子どもの想像の世界を楽しみ、子どもの想像力をどんどん膨らませてあげてくださいね。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学—ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年11月27日子どもが将来、自分の人生を切り開いていけるだろうか、結婚し、周囲の人々ともうまくやり、幸せな人生を歩めるだろうか――親なら誰もが、愛する子どもの将来に思いを巡らすもの。そんな子どもの将来の方向性が、2歳の段階で予測できるとしたらどうでしょう?今回は、イギリスのニュースサイト『Daily Mail Online』を参考に、2歳児とその子の将来性についての意外な関連に迫る研究について見ていきたいと思います。■8,600人超のデータを分析して分かった傾向アメリカ・ペンシルバニア州立大学などの研究チームが、「子どもの2歳時点でのことばの習得状況を見れば、その子が将来成功するかどうかがわかる」という学説を発表しました。子どもを持つ親にはかなりショッキングな説ですね。研究チームによると、2歳時にことばの習得が充分にできている子どもは、幼稚園に入る時点で字が読めている、数の概念を理解できているなどの学問的基礎を備えることができ、さらに成長してからもより高い教育を受け、結婚し、より高い経済的地位を得られる可能性が高いのだそう。この研究のポイントは、将来の学習能力や生活力の基盤をかなり早い段階で判断できるとする点、そして、その判断基準として“ことばの習得”に注目している点にあります。この研究は、アメリカ全土で8650人の子どもたちを対象にしたデータを基に行われました。2歳時点でのことばの発達状況については両親への調査を、幼稚園での学習状況は文字を読む能力と数字への理解度をもとに判定しています。また、子どもたちを2つのグループにわけ、ことば習得と家庭環境についての調査も行っています。この調査によると、経済的に困窮していない家庭で、かつ、きちんと手をかけて育てられた子どもたちのグループは、2歳になった段階で、そうでない子どもたちのグループよりもより多くのことばを習得していたのだといいます。また、母親が病気がちな場合、子どものことばの習得が遅れがちであることもわかりました。研究チームはさらに3年後、5歳になった子どもたちに追加調査も実施。2歳のときに多くのことばを身につけていた子どもたちのほうが、読む力や数字を理解する力が身につき、自分の感情をコントロールできるなど、幼稚園に上がる準備が整っていたそうです。■習得のペースは個人の能力の問題ではない!研究チームによると、2歳児のことばの習得にばらつきがある理由について、子ども自身の能力や親の経済的な背景だけでは充分な説明ができないとのこと。それらよりももっと大きく影響しているのが、両親の子どもへのかかわり方だといいます。研究の筆頭著者、ペンシルバニア州立大学のポール・モーガン准教授はいいます。「ことばの習得と生育環境について、はっきりしていることがあります。ストレスを感じたり、働きすぎていたり、社会の手助けをあまり受けられていないと感じる両親に育てられると、その子どもも話したり読んだりすることが少なく、ことばの数も少ない、ということです」両親がほかのことで頭がいっぱいだと、子どもとのかかわりが減り、自然ことばの習得にも影響が出てくるということのようです。では、もしわが子のことばの習得が遅れていたらどうでしょう?あきらめるしかないのでしょうか?この疑問について、共著者でカリフォルニア大学アーヴァイン校の教育学教授、ジョージ・ファルカス氏はいいます。「はっきりとしたことばの習得の違いが初めて現れてくるのが2歳ごろ。この2歳という早い段階で子どものことばの習得を手助けすることで、幼稚園に入る頃には読む力や数を理解する力を高めることが可能です」子どものことばの習得は、親のサポートで後押しすることが可能なのです。■自治体の支援サービスも賢く利用しよう!ことばを話し始める2歳前後の時期に両親がよく手をかけて育て、ことばのシャワーを浴びせて習得を促してあげることが、そのときだけでなく将来にわたって、子どものさまざまな能力や機会に影響を与えていくのだということ。よく話しかけてあげたり、遊びの時間や寝る前に絵本を読んであげたりすることもとても大切です。ゆっくりと、繰り返し語りかけてあげることで、子どもは聞き取ったものから自分のことばにしていきます。こどものことばの発達については、自治体の発達相談や小児科などの医療機関でも相談することができます。周囲のサポートを受けながら、わが子にとって一番よいかかわり方を見つけてあげることが、その子の将来をよりよいものにしていくことにつながります。子どもを育て上げることは、本当に偉大な仕事ですね。(文/よりみちこ)【参考】※Why your toddler’s vocabulary at age TWO can predict their success in later life―Daily Mail Online
2015年09月02日親なら誰もが、我が子によりよい人生を歩んでほしいと願うもの。でも、子どもが小さいうちから、将来のためにしてあげられることはあるのかしら?そう悩む未就学児ママのヒントになる研究がアメリカで公表され、熱い視線を浴びています。カギは「保育園時代」と「社会的スキル」。『Daily Mail Online』で紹介された記事を参考に、詳細をチェックしてみましょう。■保育園児の社会的スキルを8項目で評価アメリカのペンシルベニア州立大学が、保育園児を約20年間にわたり追跡調査して行った研究結果を公表しました。それは、幼児期に高い社会的スキルを身につけた子どもたちは、将来人生が“うまくいく”確率が高い、というもの。ここでいう社会的スキルとは、コミュニケーション能力や協調性のことです。研究ではまず、20年ほど前に保育園の先生たちに協力してもらい、約700人の子どもたちの社会的スキルを「他の人に優しくできる」「ものを分け合える」「友だちとの問題を自分で解決しようとする」など8項目について5段階で評価しました。さらに、その子どもたちが25歳になったとき、「教育・就職状況」「公的扶助の利用状況」「逮捕歴」「薬物やアルコールの乱用の有無」「精神の健康状態」の5項目について現状を調査し、保育園児時代の評価と比較したのです。かなり気の長い研究ですが、幼い子どもを持つママは結果が気になるのでは?そう、幼年時の社会的スキルのスコアと、25歳時の評価には関連があったのです。■たった1ポイント増で大学卒業率は2倍!20年近くをかけたこの研究で、保育園の先生たちに「社会的スキルを身につけている」と太鼓判を押された子どもは、25歳になったときに違いが見られました。そうでない子どもにくらべると、大学を卒業していたり、フルタイムの仕事に就いたりしていることが多く、逮捕歴を持つケースも少なかったというのです。具体的には、保育園時代の社会的スキル8項目の評価が1ポイント増えると、その子が将来大学に行き卒業する確率は2倍に。25歳までにフルタイムの職を見つける確率も、そうでない場合にくらべ46%増加していました。また、この評価が1ポイント減ると、その子が将来、25歳までに罪を犯し逮捕される可能性は67%も増加し、25歳までに(低所得者向けの)公共住宅に申し込んでいる確率も82%も高まっていたのです。つまり、子ども時代に社会的スキルを身につけることが、将来のよりよい人生に直結しているようなのです。■思いやりある子に育てることの効果とはこの調査は、ペンシルベニア州立大学を含む4つの大学が共同で行った「ファストトラックプロジェクト」に参加した子どもたちが対象になっています。このプロジェクトは、人種や家庭の経済状況など、さまざまなリスクを抱える子どものための特別プログラム。そのため調査結果も、そうしたリスクに影響を受け、振り幅が大きめなようです。とはいえ、幼いころの気質が将来に大きくかかわっているという調査結果は、子どもを育てていく上でかなり重要なヒントを提供してくれていると思いませんか?調査に携わった研究機関の主任研究員、デーモン・ジョーンズ氏はいいます。「この調査とほかの研究とを組み合わせると、子どもたちの社会的スキルを高める手助けをすることが、将来の成功のチャンスを拡大させているといえます」幼い子ども時代にいかにコミュニケーション能力や協調性を身につけさせるかは、幼児教育の現場でこれまでも重視されてきた大きなテーマ。長い間研究され、たくさんの書籍が出版されていますし、保育士さんたちのノウハウ蓄積もあります。それらを活かせば、わが子の将来をよりよい方向へと導くことができるというわけです。ジョーンズ氏は、「社会的、感情的なスキルは磨くことが可能です。そして今回の研究で、そのスキルは幼児期に簡単な方法で測ることができると証明されたのです」と話します。わが子が思いやりのある子になるように心を砕くことが、子どものよりよい将来のための第一歩なのかもしれません。(文/よりみちこ)【参考】※Children who demonstrate social skills at a young age more likely to have a good job -Daily Mail Online
2015年08月12日クラレは6月22日、子どもが「将来就きたい職業」と、その親が「就かせたい職業」の調査結果を小学校入学時と卒業時で比較して発表した。小学校入学時の調査は2008年5月上旬~12月31日、2009年4月に入学した子ども4,000人とその親4,000人を対象に、アンケートはがきで行われた。卒業時の調査は2015年1月12日~3月31日、今年3月に小学校を卒業した子ども977人とその親853人を対象にインターネット上で行われた。男の子の「将来就きたい職業」は、入学時と卒業時のどちらも「スポーツ選手」が1位になった。しかし、回答比は入学時が28.6%だったのに対し、卒業時は18.6%と大きく低下している。入学時と卒業時で10位以内に入ったのは、「スポーツ選手」と「医師」「警察官」「運転士・運転手」の4つ。卒業時に2位になっている「研究者」(9.8%)は、入学時ではランク外だった。同じように、「会社員」も入学時はランク外だったが、卒業時には2.6%の回答を得て8位になっている。次に、男の子の親に聞いた「就かせたい職業」では、入学時に16.0%で1位だった「スポーツ選手」が、卒業時には4.1%で8位まで下がっていた。男の子の回答で、入学時と卒業時のどちらも1位だったスポーツ選手。スポーツ選手志望者の競技種目に注目してみると、入学時と卒業時では「サッカー」「野球」の比率に大きな変化はなかった。サッカーが4割強、野球が3割強の回答を集めている。一方で、親には大きな変化があった。入学時は「サッカー」と「野球」がともに3割だったのに対し、卒業時にはサッカーが6割を占め、野球は1割まで低下していた。女の子の「将来就きたい職業」は、「ケーキ屋・パン屋」が入学時に34.7%の回答を得て圧倒的な人気だったが、卒業時には5.5%まで下がっている。「リケジョ」の象徴である「研究者」(4.1%)が7位にランクインしたのは、「研究職に就く女性や大学の理系学部へ進学する女性が年々増加傾向にあり、『リケジョ』を身近に感じられる機会が増えたからではないか」と調査は分析している。女の子の親が子どもに「就かせたい職業」では、入学時1位だった「ケーキ屋・パン屋」(12.1%)が、卒業時にはランク外になっている。さらに、入学時は女の子と親の志望する職業が7つ一致していたが、卒業時には5つまで減少していることが分かった。
2015年06月24日