離婚する夫婦が珍しくなくなった現代。離婚までいかなくとも、パートナーに対して不満が募っているというかたもいるでしょう。しかし、不満を抱えた夫婦生活というのはストレスも溜まるもの。できれば夫婦円満で過ごしたいですよね。2016年、NPO法人ファザーリング・ジャパンは、小学生以下の子どもがいる既婚者男女2060人に対し、円満夫婦と不満を抱えている夫婦との違いを調べるためのアンケート調査を行っています。今回はこのアンケート結果から、円満夫婦と不満夫婦の違いを考えてみます。 1. 時間の使いかたが、夫婦円満度に影響する調査によると、円満夫婦ほどコミュニケーション時間・配偶者の家事育児の分担時間が多かったそう。また、「よりよい夫婦関係のために必要だと感じていることはなんですか?」という質問にて、夫で1位、妻では2位に選ばれたのが「配偶者とのコミュニケーション」でした。これらの結果から、円満な夫婦はふたりともが「コミュニケーションは重要な要素だ」と考えていることがわかります。では、円満夫婦は普段どれくらい会話時間を設けているのでしょうか。平日は約1時間円満夫婦の平日会話時間は「58分」でした。仕事で帰宅する時間が遅かったり、小さな子どもを寝かしつけなければいけなかったりすると、この約1時間を確保するのも大変ですよね。食事を一緒に取ったり、可能ならばお風呂に一緒に入るといった工夫をしてみましょう。直接会話する時間をどうしても増やせない場合は、LINEなどを活用してコミュニケーション頻度を増やしてみても良いかもしれません。休日は約2時間円満夫婦が休日に会話している平均時間は2時間程度。意外と平日と休日の差が少ないことがわかります。夫婦それぞれが自分の時間を過ごすことも、大切にしているのかもしれませんね。ただし、不満を感じている夫婦の会話時間は42分と、1時間に満たないという結果。そう考えると、この「2時間」という時間の大切さがわかりますね。 2. 家事育児の分担はどれくらい?家事育児の分担は、夫婦間でしばしばトラブルを起こしがち。まだまだ妻が中心的に担っている家庭が大半でしょう。では、夫はどれくらいの時間を家事育児に割いているのでしょうか。家事は平日30分、休日1時間円満夫婦では、夫が家事をする時間は平日で30分、休日で1時間という結果になりました。これは妻が専業主婦家庭のケースも含みます。反面、不満を抱える夫婦では平日24分、休日39分と、どちらも円満夫婦より短いようです。全体では、共働き夫婦でも34%の夫がまったく平日に家事をしていないと答えています。平日30分の家事負担は意外に大きいですが、大切なことのようですね。育児は平日1時間、休日3時間円満夫婦の夫の育児時間は平日で56分、休日で2時間29分。不満を抱える夫婦では、平日40分、休日1時間56分と、こちらも円満夫婦よりも短いです。平日・休日ともに家事よりも育児時間のほうが長いのは、父親として子どもと関わりたいという夫自身の気持ちもあるでしょう。また、夫が子どもの世話をしている間に妻が家事をやるといった分担方法もありますね。専業主婦家庭の妻は平日、子どもに掛かりきりになりながら合間合間に家事を進める生活を送りがち。そういった背景があるため、休日に夫が育児を中心的に担うと、妻側のリフレッシュにもつながるのではないでしょうか。 働き改革などと言われてはいますが、定時に帰宅して、会話や家事育児に満足に時間を割ける状況にない夫も少なくないでしょう。そうした「歯がゆさ」や「つらさ」も含め、「じゃあどうしようか」と夫婦で考えるために、コミュニケーションは大切です。「もっと分担したいけれど、今は仕事が多忙でできない」といった状況も、伝えなければわからないもの。妻も辛さやしんどさを抱え続けていると、それがいつしか不平不満になって爆発してしまいがちです。「これだけなら分担できる」「最近、子どもが言うことを聞いてくれなくて、精神的に疲れている」など、いいことも悪いことも普段から伝え合える関係性を築いていきたいですね。参考:「結婚生活」と「離婚」に関する意識調査報告
2018年04月02日子ども一人を育てるのに1000万円以上かかる言われる今、トップアスリートを育てるとなったらそれ以上の投資が必要になります。もし、子どもがスポーツ選手になりたいと言ったら、親としてどこまで応援してあげますか?Q.お子さんがスポーツ選手を目指したいと言ったらどうしますか?1.全力で応援する 33.7%2.才能があるなら全力で応援する 43.4%3.成績や金額などの条件をつけるが応援する 18.6%4.諦めるよう諭す 1.7%5.その他 2.6%もっとも多いのは、才能があるなら全力で応援するという回答でした。そして次に多かった回答は、全力で応援するというもの。今どきのパパママ世代は、子どもの夢はどんなに大きくても受け止めてあげたいと思っているようです。■親としてできることは協力したい!子どもの夢を全力で応援したいという親がたくさんいました。お金は大変かもしれないけど、子どもが頑張っている以上は続けさせてあげたいというのが、今どきのパパママの考え方のようです。「どんなときも全力で応援します! 若いんだもん、失敗してもやり直せる!」(滋賀県 30代女性)「本人がやりたいと言ったことには、親として全力で応援します。お金の工面は親としてなんと頑張ります」(千葉県 50代女性)「根拠(今までの実績や経緯)があってのことなら、全力でバックアップします。ただの思いつきや一時の気の迷いなら、軽く流しますが。今のところ我が家は後者なので、茶飲み話レベルで終わっています」(神奈川県 40代女性)「何事でも全力で取り組んだことがあれば、必ず将来の何処かで役に立つと思いますので、応援してあげたいです」(鳥取県 40代女性)「努力は裏切らない! 頑張っている以上、支えて応援します。迷いはありません!」(神奈川県 40代女性)■学力やお金など条件をクリアすれば応援する条件なしでは応援できないという親も。スポーツで成功できるのはたった一握りの人たちなので、プロになれなかったときのことも考えておくのが親の役目という人も。もしくは、お金が続けば…という人もいました。「本人がやり切ったと思うまで、応援して支えると思いますが、生活していけるほどのプロになるのはほんの一握り。潰しが利くように、学力はつけさせておくと思います」(神奈川県 40代女性)「全力で応援したいです。でも、やはり金銭面など心配ではあるので条件はつけるかもしれません」(千葉県 30代女性)「頑張っているなら応援します。我が家の家計が続く限り…」(福島県 40代女性)「やりたいことはやらせる。それでも文武両道が前提。礼節などができずにプロになったら、本人が一番困る」(千葉県 30代男性)■結局、続けるのかやめるのかは自分で決断するしかない小学生で判断するのは難しいけど、中学生や高校生になれば自分のレベルもある程度わかってきます。厳しい世界でこのまま続けるのか、やめるのかは本人が決めるしかないのかもしれません。「現在、全力で応援中。小学1年生から打ち込んでいるスポーツがあります。中学2年になり、自分の実力がどの程度のものかわかり、先の進路を悩んでいます。自分で悩んで、出した答えに対して、親としてはこれからもできる限り応援したいです。競技から離れたとしても、その姿勢は絶対にその後の人生で無駄にはならないと思います」(香川県 30代女性)「本人のやる気があるのなら、まずは全力で応援する。できる限りのバックアップもする。中学生くらいになれば、本人も実力がわかり始めると思うが、まだこのときは乗り越えることをすすめる。高校生くらいになると視野も広がるし、実力の差はかなり出るはず。やれるやれないは自分で判断すると思う」(神奈川県 50代女性)Q.お子さんがスポーツ選手を目指したいと言ったらどうしますか?アンケート回答数:4736件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年03月14日「子どもに片づけてと言っても、片づけてくれない」「何回注意しても歯みがきしない」なんて経験はありませんか?「困った」行動をする子どもに対して、ママはイライラしてしまいがちです。どうすればイライラせずに、子どもに関わることができるのでしょうか?アドラー心理学を取り入れ、ほめない・怒らない・比べない「アドラー式子育て」を推奨し、勇気づけ親子教育専門家として1万5000人以上のママを勇気づけてきた原田綾子さんに、子どもとの関わり方のコツを教えてもらいました。※アドラー心理学とはウィーン生まれの医師、アルフレッド・アドラー(1870~1937年)が提唱し、後継者たちが発展させてきた心理学。フロイト、ユングと並ぶ三大巨匠。軍医として第一次世界大戦に関わったアドラーは「二度と戦争を起こさないために人間の心を変えなければならない」と考え、お互いに尊敬し、信頼し合う「よこの関係」を結び、圧力や暴力ではない民主的な方法で問題を解決することを提唱しました。■子どもの「困った」行動の原因探しは必要ない?子どもが言うことを聞いてくれないと、「なんで私の言うことを聞いてくれない(なかった)の?」と、ママは子どもが「困った」行動をする理由探しをしてしまいがち。ところが、原田さんはこういいます。「原因を探しても、『厳しく言い過ぎたかも』など過去の自分を責めてしまうことに。アドラー心理学は未来に向けていまからできることを考えて行動する未来志向の心理学。未来に考えを向けていくためにも、子どもの困った行動の目的に注目してみましょう。『困った』行動をするのはズバリ、親や周囲の気をひきたいから。ママのことが大好き♡アピールなんですね。困ったことをすれば、ママは僕(私)のことを見てくれる。そうやって安心感を得ているのです」■ママが注目するのは「できないこと」ではない子どもが困った行動をしたときは、ママに注目してほしいから。だからダメな行動に注目すると、ダメな行動を増やすことになります。だから子どもが普段できているところに目を向けて、「いつも応援しているよ」「大好きだよ」が伝わっていれば、子どもは親の注目を引くために、わざわざ困った行動をしなくてもすむのです。「たとえば、子どもが部屋を散らかしてしまったとき。『散らかした』というダメなところにだけ目が向いてしまうと、ほかにもどんどんダメなところが目についてダメ出し批判ばかりしてしまうことに。意識して、『できたこと』に目を向けられるよう、トレーニングしましょう。子どもにダメ出しではなく、ヨイ出しをすると、子どもの良い部分が増えていきます」アドラーは、おもちゃを散らかした子どもに出会ったとき、「上手におもちゃを広げたね。じゃあ集めてみようか」と声をかけたそう。なんて神対応なんでしょう!でも、なかなかそこまでは言えないママも多いはず。そこで原田さんのおすすめはコチラ。「わー! 楽しく遊んだね~! 一緒に片づけようか♪」「この音楽が鳴り終わるまでに片づけよう!」こうやって声かけすることで、子どもも気分よく片づけをするようになります。ポイントは、このように、子どもに楽しい雰囲気が伝わるようなゴキゲンな声かけをすること。アドラーみたいな『神対応』は難しくても、これならできそうだと思いませんか?■自分から行動できる子にするためには「子どもには将来的に、自分で考えて自分で行動できる子になってほしい」と、願うママは多いもの。社会を生き抜いていくための基本ともいえる、「自立した人」になること。そこで大切になってくるのが、子どもが小さいころからの、日々の声かけです。「『~しなさい!』など指示や命令よりも、『~したらどうかな?』『ママはこう思うけど、あなたはどう思う?』など提案をするようにしましょう。そして親子で話しあって、最終的には子どもが自分で決める経験をすることが大切です。」少し先のようにも思えるママもいるかもしれませんが、何歳ごろからこういった声かけを始めたらいいのでしょうか?「子どもが2、3歳でもできることはいっぱいあります。遊び一つをとってもそう。『折り紙にする? DVDを観る?』など、小さな選択も自立への第一歩なんです。『小さいうちは親が決めて…』と思わずに、まずはできることから始めてみましょう」■今回のお話を伺った原田綾子さんのご著書 『マンガでやさしくわかるアドラー式子育て』 ¥1,512(税込)(日本能率協会マネジメントセンター)子どもが言うことを聞かなくて困っている/感情的に子どもを怒ってしまう自分を変えたい/「自立した子」に育てたいけれど、何をどうしたらいいのかわからない……。そんな悩みを抱えるママたちに、「あるある」と思わずうなずいてしまうようなマンガと解説で、アドラー心理学による子育てをわかりやすく紹介しています。原田綾子さん勇気づけ親子教育専門家。株式会社HeartySmile 代表。1974年生まれ。埼玉県在住。二女の母。小学校教員時代、子どもを伸ばすには母親自身の心がイキイキしていることが重要だと気づき、教員退職後、「勇気づけ」をベースとした子育て講座、講演活動を開始。関東だけではなく、全国各地に受講生が多数おり、10年間でのべ1万5000人以上に勇気づけを伝えている。著書に『アドラー式「言葉かけ」練習帳』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。原田綾子さんオフィシャルブログ:
2018年03月12日「せっかく○○しようと思ったのに…」というときや、うまくいかないことが続いたときなど、“心が折れてしまう瞬間”は、誰にでもあるもの。もちろん、ママも同じ。とある育児掲示板に投稿されたのは、「小学校高学年の娘とのケンカ」で心が折れたというもの。小学校高学年ともなれば、いわゆる反抗期の入り口。親子のケンカも増え、年頃であることも理解できてはいるのですが、わかっていても心が折れてしまう。そんなとき、世のママたちはどうやって対処しているのでしょう?心が折れるとネガティブになるママは多いネット上には、「子どもとのケンカが原因で心が折れた」というママの悲痛な叫びが散見されますが、多くのママは「子どもが悪い」「子どもがムカつく」ではなく、「自分はダメな母親」「子育てしていく自信がない」と感じているよう。心が折れてネガティブになってしまうママは多いのかもしれません。話を聞いてくれる存在が必要そんな、心が折れてネガティブになっているママたちの悩みには、様々なコメントが寄せられています。特に目立っていたのは、「話を聞いてくれる人の存在」について。「自分だけで抱えているから余計につらく感じるけれど、誰かに話すだけで幾分楽になる」との理由から、夫や実母、ママ友、子育て支援センターのスタッフなど、“悩みを共有できる存在”に頼っているママは多い様子。気晴らしにお出かけなかには、ケンカしたままではお互いがしんどいので、タイミングを見て2人で気晴らしに出かけるというママも。ケンカにはストレス発散的な側面がありますが、カラオケでさらにストレス発散したり、ドライブに連れ出して冷静になる時間を設けたり。もちろん、気まずいまま出かけて、気まずいまま帰ってくることもあるようですが、普段話してくれない子どもの本音を引き出すことができることもあるそうです。悩んだら寝るのが一番!?子どもとのケンカで心が折れたとき、先述のようにネガティブになるママは多く、親子関係以外に「妻としての自分」「娘としての自分」の存在についてもどんどん悪いほうにしか考えられなくなり、“負のスパイラル”にはまってしまうことも…。そんなとき、「起きているとそういうことを考えてしまう」とのことで、たとえ家事が途中でも寝るとスッキリするという意見も。たしかに、よっぽどのことがない限り、朝起きたら忘れているなんてことはよくあります。単純ですが、すぐにできる対処法としては有効かもしれません。ここまでママたちの折れた心の治し方を見てきましたが、これらはあくまでも一例。「ゆっくりお風呂に浸かる」「ひとりで散歩する」「ビールを1本飲む」など、ほかにも気の紛らわし方はありそう。自分に合った解消法を見つけて、毎日明るく過ごせたらいいですね。(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年03月01日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「子どもに友達を作ってあげられない」という、ななこはるさん(40歳・専業主婦)に、心屋塾認定講師の福田とも花さんからアドバイスをいただきました。■ななこはるさんのお悩み子どもにお友達を作れない母親は、子どもにどうしてあげたらいいでしょうか。「自分が母親じゃなければ」とか、「自分自身いなければ良かったのに」と、プライベートで遊ぶ人たちを見ると、死にたいくらい辛いです。助けてほしい。誰か助けてほしい。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾認定講師の福田とも花さんよりななこはるさん、ご相談ありがとうございます。子どものお友達が、親子で幼稚園以外の時間も約束をして一緒に遊んでいる様子を見ると、「私がお友達を作ってあげられないせいで、ごめんね」と罪悪感を感じてしまうお気持ち、とても良く分かります…。私も少し前までは、子どもの夏休み前などに、ほかのママ達が約束をしている会話を聞き耳を立てては、心が凍りつき、落ち込むことの繰り返しでした。けれど、ななこはるさんも、そんな辛さから必ず抜け出すことが出来ますよ!それでは早速ですが、ななこはるさんが幼稚園生ぐらいの子どもに戻ったつもりで、口に出して次の言葉を言ってみて下さいね。「お母さん、私お友達がいなくて寂しいよー」「お母さん、私が寂しい気持ちに気付いてー」「お母さん、お友達ができないようなダメな子でごめんね」「お母さん、寂しい顔を見せて、心配させてごめんね」「お母さん、こんな私でガッカリさせてごめんね」言ってみて、どんな気持ちが湧いてきましたか?子どもの頃のななこはるさんは、お友達を自分からたくさん作ることができていましたか? もしかしたら、人見知りだったり、数少ない決まったお友達とだけ遊んでいたのではないでしょうか?自分からお友達に声をかけるのが恥ずかしかったり、怖かったりした時、本当はお母さんにどうして欲しかったですか? 何て言って欲しかったですか?こちらのご相談にも『死にたいくらい辛いです。助けてほしい。誰か助けてほしい。』と書かれているように、ななこはるさんは、死にたいくらい辛くならないと、人に助けを求めてこなかったのではないでしょうか。小さい頃に、お母さんにちょっとした事ですぐに助けを求めてしまうと、どんな顔をされそうで怖いですか? 何て言われそうですか?・迷惑をかけてしまいそう?・心配をかけてしまいそう?・嫌がられてしまいそう?・甘えるなって怒られそう?子どものななこはるさんは、自分だって寂しかったのに、そんな自分の気持ちより、お母さんに迷惑をかけたくないとか、心配をかけたくないという、お母さんの気持ちの方を優先させてきたのかもしれませんね。いつもいつも、自分は後回し。そして「友達を作れない自分がいけないのだから、寂しいだなんて助けを求める価値なんてない!」と、寂しがる自分さえも責めていたのではないでしょうか。そんな寂しさや自分を責めて苦しかった小さな自分と、目の前のわが子が重なって見えるから、「あの時の自分と同じ思いを味わわせたくない!」「助けてあげたい!」「助けなければ!」と、死にたくなるぐらい必死に自分を追いつめているのかもしれませんね…。『子供にお友達を作れない母親は、子どもにどうしてあげたらいいのでしょう』と書かれていましたが、助けてあげるべきは、目の前の子どもではなく、ななこはるさん自身なのかもしれませんね…。それではひとつ、ワークをしてみたいと思います。お友達をうまく作れなかった、子どもの頃の自分を、お水を救うようにして手の平に乗せてみて。そして、大人のあなたから手の平の子どもの自分に、こう話しかけてみて下さいね。「お友達が作れなくて、寂しかったね。」「お友達の輪に入って行くのは、怖かったね」「そんな寂しさや怖さに、気付いてあげられなくてごめんね」「こんなに寂しいのに、お母さんに心配かけさせないようにと、助けてと言わせてあげなくてごめんね」「あなたに我慢させ続けて、ごめんね」「助けて欲しかったら、助けてと言ってもいいよ」「もう一人きりで頑張らなくていいよ」「あなたの気持ちを、教えてくれてありがとう」手の平の子どもの自分は、どんな表情になりましたか?お友達が欲しいのは、もしかしたら目の前の子どもというよりは、ななこはるさんの方なのかもしれませんね。ななこはるさんが、ひとりきりで頑張らなくてもいいのだとしたら、どうしたいですか? もし、助けを求めてもいいのだとしたら、もし寂しいと言っていいのだとしたら、誰に何て言いたいですか?今、頭に思い浮かんだその人に、とっても勇気が要るし、とっても怖いと思いますが、小さい頃の自分が言えなかった言葉を、大人になった自分が今、自分のために言ってみてあげませんか?お子さんは自分のために、ママがママ自身を責めて苦しむことを、望んでいないのではないでしょうか。まずは、ななこはるさんが「寂しい」と言ってみましょう! 「助けて」と言ってみましょう!ママが一人きりになることを終わらせると、子どももママの背中を見て学び、子ども自ら助けを求め、声を上げられる子どもになります。ママが子どものためにできることは、自分で自分を幸せにする姿を見せてあげることです。幸せなママの背中を見せてあげることです。ななこはるさんが、周りの人から愛され助けられながら、親子で幸せに過ごされることを、心から応援しています。 ・このカウンセラーのサイトを見る
2018年02月01日人には話しかたや笑いかた、選ぶ言葉の癖があります。人と人が交流するうえでとても大切な話しかたで嫌悪感を持たせてしまうのはもったいない。そこで、男性ががっかりしてしまう女性の話しかたを聞いてみました。文・三谷真美男性が嫌がる話しかたとは?すぐにタメ口「たとえ年上でも、初対面なのにタメ口で話すのは偉そうに感じて嫌です。特に部下扱いする人は “女性” とは思えない。店員さんに横柄な態度も無理です」(28歳・不動産業)つい年下男性にいつものノリで部下扱いしていませんか? せっかくの出会いを無駄にしないためにも、最初のうちはていねいな対応が必要そうです。また男女ともに嫌われる “店員さんに偉そう” な態度。フレンドリーなキャラだとしても、他人にはNG。酔っ払うと口調が強くなる女性もいるので気をつけて下さい。早口&極端なリアクション「早口にたたみかけてくる人はおばちゃんっぽい(笑)。手を叩きながらガハガハ笑う人も女性らしさをまったく感じられません。かといって平坦なトーンでずっと話すような感情が読めない人も苦手です。『つまんないのかな』って気になるし、適度なリアクションのある子のほうが親しみやすい」(34歳・IT関連)テンションが上がるとつい早口になってしまうことってありますよね。ですが親戚や近所のおばちゃんっぽく、たたみかけるように話すのはやめましょう。あえてゆっくり話すことで、女性らしいやわらかさやセクシーさを演出できます。また、無反応な人は冷たく感じられ、リアクションが大きすぎると下品に思われるので、程よいテンションで話しましょう。ゆっくりていねいな口調で好みは人それぞれですが「ゆっくり話す=女性らしい」「ていねいな口調=上品」というイメージがつきやすいので、男性と話すときは意識してみてください。さらに相づちやリアクションをうまく使って、会話を盛り上げましょう。(C)hoozone/Gettyimages(C)Wavebreakmedia/Gettyimages
2018年01月25日2016年に出版した『「賢い子」に育てる究極のコツ』が10万部を超えるベストセラーになった脳医学者・瀧靖之先生。16万人の脳の画像データを診断し、賢い子どもを育てる秘訣は「好奇心」にあると考える先生は、5歳の息子さんのパパでもあります。好奇心を持つ子どもに育てるために、親は何をどうがんばればいいのでしょうか。先生ご自身の子育てのお話もうかがいながらアドバイスをいただきました。■「やらせる」ではなく「一緒に」で育つ、子どもの好奇心─ 子どもの好奇心を育てることがとても大切だそうですが、ご自身の子育てではどのようなことを意識されていますか?とにかく子どもと一緒に楽しむこと。博物館も一緒に見に行ったり、NHKスペシャルの科学や生物番組も一緒に見たりしています。そして、本や図鑑だけは、子どもが欲しいと言えば買います。おもちゃは誕生日とか記念日の時だけにしていますが、本だけは買いますね。漫画は基本ダメなんですが、科学漫画の「サバイバル」シリーズ(朝日新聞出版)だけは買っています。図鑑はほぼ無条件で買っていますね。─ただ図鑑を与えるだけではなく、一緒に図鑑を見たり、図鑑を親子で楽しんだりすることが大切なんですね。私は図鑑の内容をクイズにして、子どもに時々質問します。わざと答えられないくらい難しいクイズを出して、子どもに考えさせます。でも、難しければ難しいほど、子どもはがんばりますよ(笑)。子どもって機械的に暗記することは大人以上に優れているので、驚くほどすごいんです。NHKの番組「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説」とかで珍しい鳥や魚が出てきたら、「これ、あそこに載っていた」と言って図鑑を広げて持ってきますからね。─ 親が子どもと一緒に楽しむと、子どももどんどん楽しくなるんですね。とにかく親も一緒に、ということが大切ですね。僕が徹底しているのは極力、何をするにも子どもだけでやらせないようにしています。図鑑も一緒に見ますし、ピアノも30分ずつ一緒に習っています。あと英会話や空手も一緒です。忙しくても必ずそういうところは一緒にやります。─ 子どもだけでやるのと、親が一緒にやるとでは、何が変わりますか?全く違うと思いますよ。物への向き合い方が変わります。重要なのは、親ががんばっている姿を見せるということ。そうすると、子どももがんばります。例えば、ピアノ。うちの場合、先に自分が弾きたいという気持ちがあるので、子どもが弾かないなら「お父さんが弾くぞ!」とピアノを占領してしまうんです。そうすると子どもは「僕も!」ってやりたくなるから、ちょうどいいんです。■親のもうひとがんばりで、何歳からでも子どもは伸びる─ 共働き家庭が増える中で、子どもと関われるのは平日の夜と土日くらいという親も増えています。どうすればいいでしょうか?土日とか、やれる時にがんばればいいんです。子どもが小さい時に一緒にがんばって基盤を作ったほうがラクですよ。中学生、高校生になってがんばるのは、子どもも親も大変ですから。─ 「今」というのは何歳くらいを指しますか?小さければ小さいほうがいいですが、何歳でもいいんです。子どもの頃にいろいろなことに好奇心を持って取り組んでいれば、勉強は勉強と思わず生きますし、仕事を仕事と思わず生きます。とにかく楽しんで勉強や仕事ができる人間が育つ。だからいかにそれを早い段階で始めるかですね。─ ごはんを作って、子どもを園に送って、というように毎日の生活でいっぱいいっぱいのお母さん、お父さんも多いと思います。そこは、もうひとがんばりすれば、後で大きな効果があるんですね?その通りです。本当にうちなんかも「子育てってこんなに大変なのか!」って感じますが、そこでもうひとがんばりするか、しないかだけだと思います。ただし、あくまでも親ができる範囲で。親が悲壮感を漂わせながらがんばってもしょうがないので。─ 親の悲壮感は子どもにも伝わってしまいそうですね。結局は、親がどれくらい一緒に楽しむかです。何かさせようと思っても、子どもはやらないですからね。親が楽しんでやれば子どもも楽しむので、わが家ではそこを徹底していますね。─ それでは、親も生まれ変わって自分の好奇心を広げるつもりでやればいいでしょうか?子どもの好奇心や学力を伸ばそうと思ったら、親が自分で努力するしかないんです。でも、それを子どもが小さいうちにやっておけば、後は子どもが自分で走り出すので、費用対効果はいいですよ。僕も、子どもの頃に望遠鏡や顕微鏡を買ってもらって、親に手伝ってもらいながらいろいろなことをやりました。やっぱり子どもの頃に自分が興味を持ったことは面白くてしょうがないから、後は自分でどんどん勉強していきました。だから最初だけ、きっかけ作りだけ、親ががんばればいいんです。─ 最初だけ、とにかくちょっと親ががんばればいいんですね?そうですね。でも、自分も興味を持ちだすと楽しくなりますよ。一緒に博物館に行っても、わかる・わからないで、面白さは全然違います。前もって子どもと一緒に本を読んでいれば、嫌でも恐竜のことなど詳しくなりますから、そうすると見るのも楽しくなります。─ 親が「これだったら一緒にハマれるかも」っていうのでもいいんですか?それで全然いいんですよ。そこから広げればいいので。図鑑を全部一緒に読んで、博物館行って、図書館行って、水族館行って…って理想的な関わりができるのならいいですが、現実には難しいですよね。僕もそうしていますが、子どもと一緒に体験することをできるだけ優先するように努力できていればいいんです。 ■「もっと知りたい!」欲求が生み出す、正のスパイラル─ やはりバーチャル(知識)とリアル(現実)が結びつく体験を親子で楽しんですることがとても重要なんですね?「これが、これなんだ」という五感にうったえる体験をすると、知れば知るほど楽しくなる正のスパイラルに入ることができます。知識が増えてくると「これはどうなっているの」「あれはどうなっているの」とますます知りたくなりますから。逆に何も知らないと、興味が持てない、つまらない、と負のスパイラルに陥ってしまいます。─ 知ることで、どんどん人生が好転する正のスパイラルになるんですね?やっぱり人間って最低限の知識が必要だと思うんです。それがあれば、社会をわたって行くうえで、すごくラクになるんですよ。おそらく勉強も仕事も。その知識を得るのも、イヤイヤやるのではなくて楽しんでやるのが重要。やはり、そこで生きてくるのが、知的好奇心をいかに子どものうちから伸ばすか、です。そのために図鑑と体験で、バーチャルとリアルを結びつける。最終的にはここに帰するんです。─ そのために親がした方がいいことがあるんですね?子どもが「好きだ」ということには、どんどん背中を押してあげることです。自分が無理矢理引っぱるのではだめ。もし、引っぱるのであれば、そのお膳立てはさりげなく、しっかりしておくことが大切です。─ お膳立てですか?ストラテジー、戦略を覚えるのはすごく大事です。何かを極めようとするとまず本を読む、もっと難しいことがあると人に聞く、みたいな感じです。僕の場合は蝶だったんですが、極めようとするといろいろなものが無限にあるわけですよ。そのうち洋書の図鑑を買ってきたり、あるいはいろいろな人に聞いて調べたり、全然違う植生学や地理を勉強したり。そうすると、どんどんいろいろなことがわかってきます。そして、結局は勉強につながります。どうやったら点数がよく取れるのか。その次に、今度は仕事につながるんです。どうやったら、研究がうまくいくのか、営業がうまくいくのか、会社の経営がうまくいくのか、とか。ストラテジーは全部同じです。─ そのストラテジーを覚えるための手助けを、最初は親がするんですね。僕も子育てやっているからわかりますが、子育て世代って時間がないうえに仕事も忙しい時期じゃないですか? だから本当につらい。だけど、そのつらいところでもう一歩だけでも努力する。「バッターボックスに立たないとホームランは絶対打てない」とよく言われますけど、やらないと絶対できません。─ では、忙しい中でも一定期間と思ってがんばればいいんですか?いや、一定期間とは考えずに、日々、もう少しがんばる。そのうち、子どもは自分で走りだすから、その時期まで続ければいいんです。そうすれば自分も知識が増えて生活が楽しくなるから。─ そうですよね。子どもと何かやると世界が広がりますよね。もう一回自分も育っているような…。全くそうですよ。図鑑なんか見ていると幸せです。昔の図鑑と比べて今のはすごいですから、隔世の感があります。図鑑を見ているだけで本当にうれしいですよ。子どものおかげだなあって。─ もう一度こんな図鑑の世界が味わえたっていう?本当にそうです。子どもがいなかったらこんなことはできなかったって思うと、もう非常にありがたいです。ただ、そうは言ってもお父さん・お母さんは日々忙しくて、それどころじゃないのもよくわかります。ちょっと頭の片すみに入れておくだけでもいいんです。1時間なかったら30分、30分なかったら10分、10分なかったら3分と、子どもの好奇心を伸ばす種をまくといいですね。多忙な研究活動の中、お子さんとの時間を優先していらっしゃる瀧先生の子育て生活に驚きました。「親が悲壮感を漂わせず、楽しめる範囲」で、でも「ちょっとだけきっかけ作りをがんばれば後で大きなリターンがある」という先生のお話は、お子さんを大切にして子育てに向き合っている父親としての姿と、脳医学者ならではの合理的な視点の両方を感じました。ただでさえ大変な現代の子育て。その中で、子どもの好奇心を育てるタネを巻く、ということは、「やらなければ」と思うとつらくなってしまいそうですが、「親子で楽しもう」と思えば、楽しんでいるうちに親も子どもも「もっといろいろなことを知りたい」と思えそうです。「何歳からでも遅くない」と言っていただいたので、もう子どもが小学生のわが家もできる範囲で、今から好奇心のタネまきを親子でしようと思いました。先生によると好奇心は認知症予防の特効薬の可能性もあるとのこと。40代の筆者も自分の好奇心もついでに育てて、認知症の予防をしようと密かにもくろんでいます。瀧靖之 プロフィール1970年生まれ。医師。医学博士。 一児の父。東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 副センター長・加齢医学研究所 教授。東北大学加齢医学研究所及び東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳MRIはこれまでに16万人にのぼる。「脳の発達と加齢に関する脳画像研究」「睡眠と海馬の関係に関する研究」「肥満と脳萎縮の関係に関する研究」など多くの論文を発表。学術誌はじめ新聞・テレビなど、マスコミでも数多く取り上げられ注目を集めている。『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)は10万部を超えるベストセラーに。編集協力: 「#のびるこラボ」 株式会社ベネッセコーポレションが運営している、誰でも参加できるFacebookの公開グループ。「伸びる子」のヒミツを学者・保育士・専門家と一般の方々とで徹底解明していきます。幼児期に伸ばしたい一生役に立つチカラと自信を育むために親として何ができるか、考えるきっかけ作りをしていきます。取材・文/まちとこ出版社 石塚由香子
2017年12月29日2016年出版の『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文嚮社)が10万部を超えるベストセラーになった脳医学者・瀧靖之先生は、5歳の息子を子育て中のお父さん。16万人の脳の画像データ診断をした経験から、賢い子どもを育てる秘訣は「好奇心」にあると考え、自ら「好奇心を育てる子育て」を実践中です。瀧先生によると、好奇心は脳の最高の栄養素。そして子ども時代だけではなく、生涯を通して健康な脳を維持して幸せに生きるための秘密兵器と言えるそうです。どのような子育てをすれば子どもの脳が育つのか、仙台の東北大学加齢医学研究所にお邪魔して、瀧先生にお話をうかがいました。■好き嫌いが生まれる前に、いろいろなことに触れて「脳の道路工事」を─ 著書で人間の脳を道路工事に例えられていましたが、イメージがわきやすかったです。脳はまず工事をしてどんどん道路(ネットワーク)を拡張した後に、今度は使わない部分をどんどん壊していき、脳の効率を上げるんですね。赤ちゃんの頃はあらゆる物に興味を持ちます。石や草など何を見ても反応している時期がありますよね? 脳内では道路工事(ネットワークづくり)をさかんに行って道路を拡張していきます。しかし、次第に興味を持つ対象が限定されていき、「使わない部分」が出てくるとそれを壊して、脳を効率的に使うようになります。─ まだ個人的な好き嫌いが出ていない時期、つまり使わない道路が増えないうちに、いろいろなことに触れておくことが大切なのですね?一度どこかで触れておくと、中学や高校で同じ経験をしたとき、それがすっと入ってくるんですよ。これはまさに親密度というか。物事って最初になんでも見たり聞いたりする時は障壁がありますが、小さい頃に一度触れておけば、成長してからもずっと楽に理解できます。─ なるほど! 一度触れておけば、忘れているように見えてもどこかに残っているんですね。そうです。だから子どもの頃にたくさんのことに触れておくことが大切です。■好奇心を育てるには「図鑑」が一番という理由─ 好奇心が賢い子どもを育てると考え、好奇心を育てるのに瀧先生は図鑑を特にすすめていらっしゃいますね。図鑑のいいところは、いつ見ても新発見の宝庫であるところです。何歳になっても図鑑は好奇心を刺激してくれます。─ 先生は赤ちゃんへのプレゼントにも図鑑をおすすめしています。図鑑は動物や虫、鳥、星など身近な自然科学のテーマが多く、自然はどこまでも奥深いからです。例えば、恐竜だって単に名前を覚えるだけではなく、ジュラ紀や白亜紀といった時代、その中で肉食恐竜がどうだったか、アジアからアフリカにわたったらしいとか…好きになるともう知りたいことはいくらでも出てくるんですよ。どうやって恐竜に羽毛が出てきて、そこから鳥類に進化したとか、もう無限です。ゲームやスマホは面白いので一度はどの子どももハマりますが、自然は人間の作ったものより深いことにいずれ気づきます。ゲームにハマる前に自然科学に触れさせておけば、自然の面白さに必ず戻ってきます。■子どもの脳を育てるのは、バーチャルとリアルが結びついた時のワクワク─ 図鑑で見た電車を実際に見に行くなど、本の知識を実際に確かめる体験をすすめていらっしゃいますね。大切なのは、バーチャル(本などで得た知識)をリアル(現実の体験)と結びつけること。電車図鑑を買って読んだ後は実際に電車を見に行く、深海魚図鑑を見たら博物館に行くなどです。「これが本で見たあれなんだ!」とバーチャルだった知識がリアルな体験に結びつくと、子どものワクワクは大きくなり、「知ること」が楽しくなって、どんどん知りたくなります。─ そして、バーチャルとリアルを結びつけるには、時には道具を使うのがいいんですね。どのような道具がいいのでしょう?虫が好きな子どもには虫取り網、星が好きな子どもには天体望遠鏡などです。必ずしも必要なわけではありませんが、道具があることで子どもがより熱中することもあります。子どもが図鑑で夢中になっているものをもっと楽しく体験させてあげたい。そのために何か道具が必要かな。そうやって親が一緒に考えてあげるのは、とてもいいことだと思います。 ■まずは身近なテーマから、初めての図鑑選び─ ちなみに、本屋さんに行くと図鑑がたくさん並んでいます。どうやって選べばいいでしょうか?親でも子どもでも興味を持つものがあれば、どんな図鑑でもいいと思いますが、子どもって身近にあるものに興味を持ちますよね? 虫、動物、魚、植物など身近にあるものから始めるのがいいのではないでしょうか。─ 子どもが生活の中でも出会いやすいものからですね?そうですね。ただ子どもって不思議なものが大好きなので、恐竜とか深海魚とか、そういうものでも子どもが興味を持ったらいいと思います。ただ身近なものの方が親も関わりやすいし、バーチャルとリアルを結びつけやすいですよね? ─ ウェブでもいろいろな情報が見られますが、やはり紙の図鑑がいいのでしょうか?ウェブはまだ年月が経っていないので難しいところですが…。パっと見ていろいろ調べられるところはウェブのいいところです。逆にいろいろなところにリンクで飛べるので、注意散漫になり、集中して見るのが難しい、というような意見もありますね。─ ウェブは、子どもの好きなものへの気持ち、好奇心が育ちにくい面があるのですか?まだはっきりとはわかってはいません。ただ一長一短なのは確かです。紙の図鑑は重すぎて出かける時に持って行けないから、そういう場面ではウェブの図鑑を利用すればいいと思います。だけど、目が疲れず、必要のないページに飛ぶ心配がない、注意散漫にならない、というのが紙の図鑑のいいところですね。─ やっぱり好きなだけ集中する、というのがものすごく大事なんですね?熱中体験は重要です。僕自身、家の隣の空き地で蝶取りをしていたのが、全ての原点になっていますから。■子どもの好奇心を広げて伸ばすのが親の役目─ 親は図鑑を子どもに与えて好奇心が芽生えるきっかけを作り、その後はどうすればいいのでしょうか?例えば、恐竜が好きな子どもには恐竜だけで終わらせるのではなく、そこから爬虫類や鳥類に興味を向けさせたりしましょう。恐竜は鳥類が進化したもので、そこから脊椎動物や哺乳類へ…といったように、親が子どもの興味や知識を広げてあげるといいですね。子どもは物事をふかんして見られないので、そこは親が背中を少し押してあげましょう。─ 先生のご両親も図鑑で好奇心を育てる子育てを実践されていましたか?うちの親のいいところは図鑑を惜しまず買ってくれたことですね。「図鑑を買ってほしい」と言うと、それだけは買ってくれました。読み終わって次のが欲しいと言ったら、また本屋で買ってくれて。それでどんどん知識が広がり、親の書斎にあった百科事典も見るようになり、もうボロボロになるまで読みあさりましたね。─ 同じことを今、5歳の息子さんもなさっているんですか?うちの息子も漢字をルビなしで読みます。それは、漢字の勉強をしたわけでもなんでもなくて、単に図鑑を読んでいると漢字が目に入ってくるから、嫌でも覚えちゃうんですよ。それこそ究極の勉強。私から見てもびっくりするような文章をルビなしで読みます。やっぱり好きだから覚るんですね。─ 最初の頃は先生が読み聞かせをしていたんですか?いやいや。ルビがある普通の図鑑を読んでいるうちに、大人が読む百科事典のような図鑑を一人で読み始めて。それこそ僕が父の書斎でやったみたいに、うちの息子も僕の書斎に入ってきて、本当はあまり折り目をつけて欲しくないような大切な本も勝手に持ち出して見ています(笑)。─ そういう意味では「子どもには子ども用とは思わないで、興味を持ったらどこまでも」ですね。子どもの興味、好奇心をどこまでも突き抜けさせるべきです。子ども用でごまかしてしまったら、「世の中こんなものか」と子どもも感じて面白くなくなってしまいます。ルビがあろうがなかろうが関係ないんです。うちの子もなんだか難しい本を買っていますよ。─ 先生ご自身も子どもの時に読んだ図鑑が後の勉強に役立ったとか?僕も幼稚園の時に図鑑を読みあさっていたので、中学生で惑星などの勉強になった時、「幼稚園の時に覚えたことを、なんでこんなに大きくなって、もう1回やるんだろう」って不思議なくらいでした。受験勉強も、すでに小さい頃に覚えたこと、理解したことにいろいろ肉付けしていくだけですみます。数学はちょっと異なりますが、自然科学、歴史、地理などは子どものうちに頭へ入れておくと、その教科で出てくる言葉への親密性が高くなります。─ うちの子はもう小学生ですが、今すぐ図鑑を買いたくなりました。早ければ早い方がいいですが、何歳からでも大丈夫。遅すぎることはありませんよ。新しい情報に触れれば、脳は何歳からでも刺激を受けて成長します。 第一線で脳科学の研究をしながら、自ら「好奇心を育てる子育て」を実践されている瀧先生。脳はそれぞれのエリアの働きに適正な時期があり、好き嫌いが出る前にいろいろなことに触れておく大切さを実感しました。今赤ちゃんを育てている方はぜひ、この「図鑑で好奇心を育てる子育て」を試していただきたいと思いました。2000円~3000円する図鑑は決して安くはありませんが、いろいろなことに好奇心を持てる子どもが育つのなら費用対効果は十分に感じます。すでに子ども2人が小学生の筆者は、「もっと早く知っていれば」と後悔する反面、「何歳からでも遅くない」という先生の言葉を励みに、今日からできることを実践していこうと早速図鑑を購入してみました。瀧靖之 プロフィール1970年生まれ。医師。医学博士。 一児の父。東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 副センター長・加齢医学研究所 教授。東北大学加齢医学研究所及び東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳MRIはこれまでに16万人にのぼる。「脳の発達と加齢に関する脳画像研究」「睡眠と海馬の関係に関する研究」「肥満と脳萎縮の関係に関する研究」など多くの論文を発表。学術誌はじめ新聞・テレビなど、マスコミでも数多く取り上げられ注目を集めている。『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)は10万部を超えるベストセラーに。編集協力: 「#のびるこラボ」 株式会社ベネッセコーポレションが運営している、誰でも参加できるFacebookの公開グループ。「伸びる子」のヒミツを学者・保育士・専門家と一般の方々とで徹底解明していきます。幼児期に伸ばしたい一生役に立つチカラと自信を育むために親として何ができるか、考えるきっかけ作りをしていきます。取材・文/まちとこ出版社 石塚由香子
2017年12月28日新しい年の始まり、お正月。皆さんはこれまでどんなふうに過ごしてきたでしょうか? 子どものころにやったことのある遊びといえば、百人一首やカルタ、福笑いに凧あげなどがありますね。近ごろはそんな遊びも少なくなってきたように思いますが、一年の始まりをすがすがしくむかえる気持ちは変わっていません。そこで今回は、親子で楽しめるお正月絵本をご紹介。こんなお正月をうちでも過ごしたい! と思える楽しい内容の絵本を厳選してみました。■あけましておめでとう作:中川 ひろたか/絵:村上 康成/出版社:童心社 「あけましておめでとう」 かどまつ、おとそ、おせち、おぞうに、たこあげ… などなど、お正月にちなんだキーワードがたくさん登場する絵本がこちら。たくさん、とはいっても文字数は少なめ。その分、とっても分かりやすく、スッと頭にはいってくる短い言葉たちは小さなお子さんへの読み聞かせにもぴったりです。シンプルなイラストと明快な言葉の組み合わせは絶妙で、何度読んでもクセになります。「おとそ」は年の若い人から飲むなどの説明もあり「知らなかった!」と意外な事実に驚いたママも。お正月アイテムが勢ぞろいしたユニークな絵本です。■もうすぐおしょうがつ作・絵:西村 繁男/出版社:福音館書店 「もうすぐおしょうがつ」 おじいさん、おばあさんの家でお正月をむかえることになった、ある家族のお話です。ガラスを磨いたり、障子を張ったり、大掃除をしたりとお正月をむかえるための準備はみんな総出で大忙し! 大みそかになると朝から市場へ買い出しへ行き、家に帰ってお餅をお供えしてしめかざりを飾ったり、年越しそばを食べてからお参りに行ったり… とまさに年末年始の家族の過ごし方がリアルに再現されています。せわしなく、やるべきことも多い年末ですが、みんな新しい年を心待ちにしているものですよね。家族で過ごす年末が待ち遠しくなる作品です。■十二支のおはなし作:内田 麟太郎/絵:山本 孝/出版社:岩崎書店 「十二支のおはなし」 十二支にまつわる絵本は数多くありますが、こちらは登場する動物たちのキャラクターがとにかく濃い…! 姿かたちもユニークにデフォルメされているので、とても個性的で迫力があります。お話は「十二支の由来」がベースになっているので、読み聞かせするにも年末年始のタイミングがぴったり。ゆっくり読んで聞かせるというよりは子どもたちが自分でページをめくって先を読みたがる絵本になってしまうかも!(笑)。お楽しみ要素がつまっていることに加え「話がきれいにまとまっている」と大人目線でも納得の仕上がりとなっているようです。■どんぶらどんぶら七福神文:みき つきみ/絵:柳原 良平/出版社:こぐま社 「どんぶらどんぶら七福神」 7人の神さま「七福神」をテーマにした絵本がこちら。神さま1人1人を説明してくれているので、絵本を読むまでは7人すべての名前が分からなかったというママも、お子さんと一緒に読むことで覚えられるメリットがありそう。くっきりとしたカラフルな色使いがキレイです。ちなみに作者の柳原さんは小さいころから七福神に親しんでいたそうで、神さまの人形で遊ぶこともあったといいます。とっても神聖な「神さま」という存在も、こんなにやさしい笑顔を見せてくれたら身近に感じることができそうですね。■おせちのおしょうがつ作:ねぎしれいこ/絵:吉田朋子/出版社:世界文化社 「おせちのおしょうがつ」 お正月料理「おせち」に命が吹きこまれ、大冒険劇を繰り広げているのがこちらの絵本です。鏡餅の家に向かうため車を走らせるかずのこ、途中で出会うこぶまきや海老、ごまめにきんぴらなどのおせち料理たち。けれど橋を渡っている最中に黒豆が川に落ちてしまい、助けようとおとそが飛び込んで…。果たしておせちのみんなは無事鏡餅の家に行くことができるのでしょうか。おせちにはそれぞれ意味が込められていますが、すべての意味を理解している人は少ないのではないでしょうか。この絵本を読めば、それぞれの料理の由来が自然と覚えられるはず。おせち料理に興味をもつお子さんもいるかもしれませんね。いつもとは何だか違う、非日常感が味わえるお正月。「あけましておめでとう」と言い合うと、何だか良いことが起こりそうな予感がしてきます。「ママ(パパ)は子どものころ、こんなふうに過ごしていたよ」とお正月の過ごし方についてお子さんと語り合ってみるのも楽しそうですね。
2017年12月26日■スタイリング剤はヘアスタイルと髪質に合わせて最近はさまざまなタイプのスタイリング剤が出回っています。ワックス、スプレーなど用途や仕上がりの質感が違うものから、ワックスムースのように、元は異なるスタイリング剤の複合バージョンの製品もあります。美容師としても選ぶのが楽しみであり、難しくもあるなぁと思います。今回は、それぞれのスタイリング剤の特徴をお教えします。■スタイリング剤といえば、万能な「ワックス」多種あるスタイリング剤の中でも、一番ポピュラーなワックス。一度は手に取ったことがあるかと思います。ワックスは一般的には、油性、クリーム状で、軽いセット力からハードにキープできるものまで、いろいろなタイプが存在します。最近ではドライに仕上がるもの、ウェットな質感を持たせるもの、遅れて固まってくるもの、など質感もコントロールできるような商品もラインナップされていて、形状もジャータイプの容器に入っているもの、スプレータイプのものなど多岐に渡ります。簡単に説明すると、蝋を中心とした固形油を乳化によって安定させてあるものです。手で伸ばしたときの温度で柔らかくなり、整髪後に髪をキープして固くなってくるものが多いと思います。基本的に手に伸ばして髪に塗布して使い、揮発はほぼないため髪に整髪料をつけている感じが少なからず残るものです。毛先の束感を表現したり、パーマのウェーブ感を出したり。根元付近からしっかり髪を立ち上げる、さらには乾燥毛に対してのボリュームダウンにも有効です。セット力の強弱と質感を選べば、まず万能なスタイリング剤といえるでしょう。■使いやすいフォームタイプな「ムース」ムースは整髪成分を泡状にしたもので、シリコンによってツヤが出るものが多く、保湿成分を多く含んでいて、スタイリング力のないタイプなど、多様なラインナップがあります。使う前に振って容器から出たときに泡状に変わります。そのため、成分の粘性などに制限なくスタイリング剤を何種も配合することができ、いろいろなタイプを作りやすいメリットがあります。他のスタイリング剤に比べて水分量が多いので、パーマのウェーブを再現するのに適していて、長さを問わず使いやすいスタイリング剤です。リンス成分やUVカットなど、ヘアケア的な要素を備えた商品なども多く発売されています。フォームを手に取り、握り込むようにして髪に塗布します。髪に満遍なく馴染むように少量ずつ何回かに分けて塗布すると、1箇所に固まることなくスタイリングしやすいと思います。たくさんの種類が作られて出回っているので、髪質に合わせてチョイスすれば、どんな髪質にも対応させやすいスタイリング剤です。■手を汚さず使える「ヘアスプレー」昔からあるスタイリング剤のヘアスプレー。ハードにガッチリ固まるタイプ、固まらずに再アレンジしやすくするためのワックススプレータイプ、ツヤに特化して静電気なども抑制するグロススプレー、などさまざまなタイプがあります。よく振って中の成分(油分やシリコン樹脂など)を混ぜ合わせ、直接髪に噴射して使うため、手がベタつくこともありません。粒子が軽いためにスタイリング剤の重みでペタンとしづらく、軽い質感を好む方にもおすすめです!エアリーな巻き髪のスタイルにふんわりとワックススプレーを、他のスタイリング剤で全体をスタイリング後にハードスプレーでしっかりキープなど、仕上げ的な要素で使用されることも多いです。シリコン含有量が比較的多いので、湿度を含みにくくなり、クセで髪がうねりやすい方もキープしやすいかと思います。■ボリュームダウンやウェットな質感には「ヘアオイル」髪に油分を補って、ツヤと滑らかさ、柔軟さを与えることを目的として作られたヘアスタイリング用のオイルです。スタイリング力(キープ力)はないですが、揮発してパサつかないように成分を調節し、シリコン系のポリマーによって少し束っぽくまとまる効果があります。長めのスタイルや膨らみやすい髪質に向いていて、動きのあるスタイルではなく“つるん”とさせたいスタイルにぴったりです。毛先を軽く外ハネさせたボブにも◯。全体にしっとり馴染ませれば少しウェットな質感が出せます。最近では、手に残ってもそのままハンドバームや保湿クリームのようにしっとりさせられるオーガニック系の商品も増えています。シアバターやアロマ精油とミツロウをミックスさせたものも安全で人気が高いです。硬毛、多毛、クセが弱い髪質にとても向いています。逆に細毛、軟毛、クセが強い髪質には活かしにくいかもしれません。■それぞれの特徴を生かしてスタイリング上手に!いろいろなスタイリング剤をご紹介しました。それぞれの特徴を踏まえて、ヘアスタイルと髪質に合わせて、使い勝手のいいものをチョイスすることが大切です。ご参考になれば幸いです!
2017年12月07日「ようかい体操第一」や「宇宙戦隊キュウレンジャー」、NHKの「いないいないばぁっ!」や「にほんごであそぼ」など、数々の子ども番組でヒットを生み出している、天才振付師ラッキィ池田さん。その驚きの発想術を、著書『「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」』(新潮社)で明かしてくれました。それによると、ヒットメーカーたちの発想術に共通するのは、「子ども力」にありとのこと。「子ども力」とは、子どものように自由な発想力を持って、やりたいことを突き通し、新しい扉を開ける力のことです。永六輔さんや岡本太郎さん、秋元康さんなど、ラッキィ池田さんの周囲にいる、人の心をわしづかみにするすごい仕事を成しとげている人たちは、みな、その「子ども力」を持っているといいます。本来、すべての子どもが持っているはずの「子ども力」。大人になっても失わず、上手に育んであげるために、親としてできることは? お話をうかがいました。■子育てはすべてを楽しくリニューアルできる最高のチャンス――著書を読んで、正直最初は、働く大人向けの内容だと思いました。でも、角度を変えてみると、子育てにも役立つヒントや大切なお話がいっぱいあって、子育て中の身としても非常に面白かったです。ラッキィ池田さん(以下、ラッキィ):子育てって、すべてのことを楽しくリニューアルして面白く生きる最高のチャンスですよね。僕も含めて大人にとっては、今この社会にあるモノって、それがあることが当たり前だからあまり疑問を感じないけど、これから生まれて育つ子どもたちにとっては、すべてのことがはじめて。だから、すべてのことに「なんでだろう?」って疑問を持ちます。それを、ママとパパが一緒になって考えてワクワクしながら体験すると、非常に面白い発見がいっぱいあると思いますよ。――親も、子どもと一緒になってワクワクすることが大切なんですね。ラッキィ:例えば、僕の仕事関係の話でいえば、宝塚。ご存じでしょうけど、あの劇団は女の人しかいません。でもこれって、ちょっとひいた目でみると、すごく異常な世界じゃないですか? きっと子どもが見たら、「どうして女の人が男の役やってるの?」とか「なんで大きな羽根つけてんの?」っていう質問がいっぱい出てくると思うんですよ。それを、「宝塚はそういうものなの」で片づけるんじゃなくて一緒に考えてみる。なぜ宝塚には男の人がいないのか? そもそも宝塚の魅力は何なのか? って一つ一つ。そうすると、宝塚の魅力が再発見できてもっと楽しめると思うんですよね。――恥ずかしながら、私は「そういうものなのよ」で片づけちゃってた方かもしれません(汗)。ラッキィ:ちなみに、僕が思う宝塚の魅力って、女が男を演じることによって成立する、一つのカオスの世界。ポンと飛べる瞬間っていうのが宝塚にはあって、どんなリアルな男の俳優がやっても、宝塚の男の俳優の嘘にはかなわないんですよ。――なるほど…。私も宝塚は好きですが、「よくわかんないけど理由なしにかっこいい!」という程度で、そこまで深くは考えていませんでしたね(苦笑)。大人が子どもの疑問に対して、一言で片づけちゃう時って、自分でもよくわかってないことが多いような気がします。でも、それでは示しがつかないから、子どもの疑問にフタをしてごまかしてしまう。ラッキィ:それはもったいないことですよ! これって、スマホに例えてみるとよくわかるんだけど、スマホって何かをインストールしないと何も開かないですよね? いろいろインストールすることによって、はじめて、映画が観れるようになったり音楽が聴けるようになったりする。これって、人間でも同じなんです。――人も、どんどんインストールするってことが大切ということですか? ラッキィ:例えば、感情についていうと、ある時「なるほどそうか! お年寄りってそこがさみしいところなんだ」って感情がインストールされた瞬間、すべてのお年寄りに声をかけられるようになったり。逆に、電車ではお年寄りに席をゆずる必要があるとインストールされてない人は、どんなお年寄りが近くにいてもまったく無関心だったりする。インストールする前ってゼロの状態なんで、とにかくわからないんですよ。――まだ経験が少ない子どもは、インストールされていない状態と同じということ?ラッキィ:そうです。子育てって、まずそれに自分も気づき、子どもと一緒にさらにインストールしていく最大のチャンス。例えば、子どもと一緒に公園に行って「今日は何があるんだろう? 何をして遊ぼう?」っていうことを一緒になって対等にワクワクする。そうすると、すべてのことが楽しくリニューアルされて、常に面白く生活できると思いますよ。■好きなことはとことん! 親がコントロールしようと思わない――でも、親(私?)って、一緒にワクワクするどころか、つい現実的になって、「子ども力」を削ぐようなことをしがちです。例えば、先日もママ友と話していて、子どもが「サッカーがもっとうまくなりたいから毎日練習する!」と言った時に、お母さんは「熱中するのはいいけれど、将来サッカーで食べていける人なんてほんの一部。少しはほかの勉強もしてほしいのに…」とこぼしていました。この気持ち、ちょっとわかる気もしますよね。ラッキィ:大切なのは、その子がサッカーそのものをいかに楽しむかということ。その子はただ楽しいから打ち込んでいるだけであって、将来プロサッカー選手になってお金を稼ぐことが目的じゃないと思うんですよ。たとえプロになれなくても、サッカーに打ち込んだ経験がある人は、テレビの試合観戦の楽しみ方ひとつとっても、ずっと豊かになるはず。「あのタイミングであのパスはすごい!」とか「このフォーメーションできたか!」とか、まるで自分がフィールドに入ったつもりで楽しめると思うんです。この感動は、やってない人には絶対わからないよね。――確かに。私はサッカーをしたことがないので、日本でワールドカップが開催された時も、「日本が勝った」とか「あの選手、イケメン!」程度にしか楽しめませんでした。サッカー好きの友だちが、監督の采配や選手の動きを解説者のように語って大盛り上がりしているのが、正直うらやましかったです。ラッキィ:好きなことは、本人が「やっぱり俺、もう無理だわ」って言うまで、好きにやらせればいいと思いますよ。たとえ、自分が下手なのを気づかないでずっとやっていたとしても、真剣にやることで必ず何か得るものがあると思いますよ。スポーツに限らず仕事でも趣味でもなんでもね。――変に、親がコントロールしようと思わないことですね。ラッキィ:演劇の世界でもそうなんだけど、演出家が俳優を全部自分の色に染めていこうとすると、その人のやりたいことをやってるだけになって、どんどん狭まって、結局つまらなくなっちゃうんですよね。それよりも、僕が好きなのは、セットも何もなくて、お面だけつけてやっているような、子どもの発表会みたいなの。観る側のイマジネーションをどんどんかき立ててくれるんですよ。これって、子育てでも同じことがいえるんじゃないかな? ■間違いを好んで求めよう! カオスの中でしか新しいモノは生まれない――話はちょっと変わりますが、「子ども力」がなくなっているのは大人だけではなく、子どもにも感じています。例えば、最近では低学年の子たちですら、授業中にあまり手をあげないそうですよ。「こんなこと言ったらみんなに変に思われる」とか「間違えたら恥ずかしい」って。高学年になると、もっとそうなっちゃうみたいです。ラッキィ:そういうクラスは、多分、先生が「間違い」ってことを決めつけがちなんじゃないかな? まずは、間違いを認めてあげることが大切。子どものキャパシティって、間違えをしていくことによって、どんどん広がっていくんだと思います。子どもが間違えたら、「その答えいいね! なかなかたどり着かない!」って、座布団1枚あげるくらいのことをやってあげましょうよ。――なるほど。そうやってほめられれば、間違うことも全然恥ずかしくなくなりますよね。ラッキィ:消去法で答えをどんどん消していっちゃったら、イマジネーションなんてわきませんよ。そしたら、どんどんつまんない社会になっちゃう。今、社会が成熟して、どんどん子どもが減って縮小していますが、それを打ち破るには、間違いを好んで求めることしかないと思うんですよね。――著書にも、「振り付けを制作する過程で一番大切にしていることは、ERROR=エラー」「子どもの正義を呼び起こすのは、ERROR=エラー」とありましたね。ラッキィ:子どもの間違いを好んで求めるって、親や先生からしたら面倒くさいことだと思いますよ。でも、そのカオスの中でしか新しいものは出てこないし、「いいこと(正解)」ばかりでは正義は育たないんです。だから、僕は、非常にエラーを大切にしています。失敗してもいいから、親も学校の先生も、子どもの好きにやらせてみましょうよ!(笑)。――あんまり好きにやらせて、暴走したり学級崩壊したりしませんか?ラッキィ:いえいえ、それが不思議と、必ずあるどっかの到達点で、崩壊せずに良い方向に向かってまとまるっていう瞬間が来るんですよ。親や先生がそこを信じてさえいれば。信じずに、「こいつらを世に出してはいけない」っていうふうにやってると、間違いなく学級崩壊しますけどね(笑)。――大人の力量も試されますね。ラッキィ:映画監督でも、ある一線を越える判断っていうのは非常に難しいんです。だから、みんな、その一つ下の成功を求めて、なんとなく無難なところにおさめちゃう。でも、それだと新しいモノは出てこない。それを打破するには、一回ぐちゃぐちゃにして、それを良しとしていく突破口が必要なんです。――どんどん失敗してぶっ壊す…! なかなか勇気がいることですね。ラッキィ:学校では難しいかもしれないけど、僕は、むしろ今は、そういうことができるチャンスの時代だと思っています。大企業も頭打ちで、何がどうなっていくのかわからない。みんな手探りで一つ一つ打破していっている状況ですからね。これまでのやり方ではない方向に変えていく、すごくいいチャンスです。個々のエネルギーが伸びていく力が必要になって、既存のメディアに頼らず発表したり創作したり、会社をおこしたり、自由な世の中になると思うので、こんないい時代はないと思いますよ!――今までのやり方にとらわれず、頭を柔らかくして、新しい方向へ…。ラッキィ:大人が唯一子どもに勝っているのは、経験です。だから、ついそれを押し付けがちになるけど、自分たちのたかだか何十年の経験を、子どもに押し付けないでほしいですよね。だって、必ずしもそれが正解ではないのですから。例えば、私たちの親世代に良しとされていた生き方が、今、通用していますか? もちろん、経験として話すのは良いですよ。でも、それよりも大人がやるべきことは、子どもと一緒になって考えていくことだと思います。これからの未来を創るのは、子どもたちにしかできないことなのですから。子どものような自由な発想力や、大人の事情にとらわれずそれを突き通す力である「子ども力」。その重要性を説いた本は、これまでもあったかもしれません。でも、その「子ども力」の大切さをうったえるにあたって、ラッキィさんほど説得力のある人はいないと思いました。なぜなら、実際にお会いしてお話を聞いて、ラッキィさんは存在そのものが「子ども力」の塊のよう。魅力的なお人柄で、さまざまな方面で生き生きと楽しそうにされています。ラッキィさんのお話を通して、なくしかけていた「子ども力」を、私も、ほんの少し取り戻せたような気がしました。 「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」 (新潮社)「大人の事情」や「過去の慣例」にとらわれずヒットを生み出すには、子どものような自由な発想=「子ども力」が必要。小さな子どもから大人にまで通じる、この力の引き出し方・伸ばし方を綴った一冊。 振り付けを手がけたAKB48のプロデューサー秋元康、舞台「カンコンキンシアター」を主宰する関根勤、24年半の間ラジオ番組で共演した重鎮・永六輔などのヒットメーカーたちの「17の成功発想術」を紹介。ラッキィ池田 プロフィール1959年生まれ。80年代より独創的な発想の振り付けが各界の注目を浴び、これまでテレビ番組、CM、映画、舞台など数えきれないほどの作品を手掛ける。近年はアニメ『妖怪ウォッチ』の「ようかい体操第一」「ゲラゲラポーのうた」が子供たちに爆発的な人気となる。現在、NHK、Eテレ『いないいないばぁっ!』『にほんぼであそぼ』の振り付けをレギュラーで担当する他。作詞、雑誌連載、吉本総合芸能学院(NSC)講師など多彩なシチュエーションで活躍中。取材・文 まちとこ出版社N
2017年11月27日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「我が子と他の子どもを比べてしまう」という、ちむさん(37歳・派遣社員)に、心屋塾認定講師の小野美世さんからアドバイスをいただきました。■ちむさんのお悩み初めまして。 私には7歳の息子と3歳の娘がいます。 特に上の子に対してなのですが、勉強や運動が他の子より少しでもできないと感じると、とてもイライラしてしまいます。 「子どもを通して優越感に浸りたいだけだ、うちの子は良いところもいっぱいある!」と頭では分かっているのですが、どうしてもモヤモヤしてしまいます。 どうしたら他の子と比べることなく、我が子をありのまま認める事ができるでしょうか? 子どもをちゃんと受け入れる事ができず、とても苦しいです。■心屋塾認定講師の小野美世さんよりちむさん、こんにちは。心屋塾認定講師の小野美世です。私にも7歳ともうすぐ3歳になる子どもがいるので、すごくお気持ちがわかるなと思いました。7歳なら小学校に入って、勉強や運動を「評価される」こともはじまる時期。親の立場としても、他の子と比べてしまいますよね。さて、ちむさんがイライラされているのは、「自分の子どもが、勉強や運動が他の子より少しでもできないと感じるとき」とのことですが、ちむさんご自身に、子育てや家事の能力、お仕事に関して、こんな思いはないでしょうか。・他の人よりできてて、当たり前・できない自分なんてありえない・できない人ってかわいそうねさらに、ちむさんご自身が、小学生くらいだったとき、こんな風に感じていませんでしたか?・1番とらないと意味がない・100点とれなかったら、お母さんががっかりする・できるようにがんばらなきゃ無意識にでも、「あぁ、他の子よりできていたら、お母さんお父さんが褒めてくれるんだ」と思ったり、親の期待を感じて、「できるようにがんばろう」と努力する子どもではありませんでしたか?もしも、この思いに心あたりがあるのなら、ちむさんがイライラしているのは、目の前にいるお子さんのように見えて、実は「他の人よりできない自分」なのかもしれないと、考えてみてください。ちむさんが、ありのままを受け入れられないのは、目の前のお子さんではなくて、実は自分であるということです。私も子育ての中でよく経験しますが、特に上の子は、自分自身が小さかったときの記憶を全部呼び起こしてくれます。・できなかったら、お母さんに怒られたなぁ・できていたら、お母さんは嬉しそうにしていた・そうか、ちゃんとしてたらお母さんは安心してくれるのか・じゃあ、できるように頑張ろう「お母さん」には、お父さんや、先生、が入るかもしれません。勉強、運動、家でのしつけ、などひとつひとつが積み重なっていくのです。「他の子よりできない我が子」を見るときに、私たちが思い出しているのは、できるように頑張ろうとしていた自分自身、できないことを排除しようとしていた自分自身である場合があります。そこで、「あーー、そんな自分じゃダメ!」となり、イライラが起こります。そのイライラを、「目の前の子どもに感じてしまう」ように感じる、のです。ちむさんにプレゼントしたい魔法の言葉は、次の通りです。・私、他の人よりできなくてもいいや~・優越感は、他の人にあげてもいいや~・完璧じゃない私も、好きだよ・できない私も、好きだよ・お母さん、できない私でも好きって言って・お母さん、あの子よりダメな私でも好きって言ってお子さんを通して、自分との仲直りをする機会が、今、ちむさんの目の前にあるのだと思います。お子さんと一緒に、自分のことも抱きしめてあげてくださいね。応援しています。 ・このカウンセラーのブログを見る
2017年11月23日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「子どもに恵まれなかったことを、気にして生きるのがつらい」という、カレンさん(49歳・会社員)に、心屋塾上級認定講師の志緒村亜希子さんからアドバイスをいただきました。■カレンさんのお悩み結婚しましたが子供に恵まれませんでした。その事についてずっと気にして過ごしてきました。夫婦関係は円満で、主人はとても優しいです。人と接する仕事を長年続けていますが、家庭の話題、特にお子さんの話題になることが多く、「さみしいでしょ」「旦那はいなくても子供はいてよかったよ」といった他者からの言葉に傷ついてしまいいます。父親にしてあげられなかった主人にも心配をかけたくなく、自分がつらい場面にいるとき「あぁ、主人もこんな思いしているのかな」と思うと、つらいです。長年「気にしていない自分」で過ごしてきて、いつも主人にどこか悪かったな~と思ってしまい、この事について誰にも言えずにきました。仕事や健康面に影響しているわけではありませんが、どうすれば心が少しでも楽になりますでしょうか。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師の志緒村亜希子さんよりこんにちは。ずっと口にすることができなかった、大切な大切な本音を言葉にしてくださり、ありがとうございます。お互いを思い、支え合う、とても素敵なご夫婦の姿が浮かびました。ご主人の優しさゆえ、子供を授かることのなかった責任や悲しみを、カレンさんはひとりで背負おうとされてきたのですね。その背負った荷物が重たく感じられるときがあっても、彼の心を守るために、無防備にはその胸に飛び込めずにきた――。だからこそ、無意識に我慢が積もってきてしまい、苦しかったですね。「本音が言えない」ということは、お互いがお互いの気持ちを「想像」するしかない状況の中で生活している、ということ。相手の気持ちをおもんばかるのは、愛があるからこそ。一方で、想像が想像を呼び(妄想とも言います)、思わぬ方向に膨れ上がった状態で、「相手はこう思っているはずだ」と決めつけてしまう場合もあります。あなたがひとり悶々としている間、彼は彼でどんなことを感じていたでしょうか。それは聞いてみないと分かりません。子どもを授かることのなかった人生を彼なりに受け止めていることもあれば、その寂しさ以上に、あなたとの人生を前向きに進んでいこうと思っているかもしれません。カレンさんは、彼との今後の人生をどんなふうに歩んでいきたいと思っていますか? 「子どもがいてもいなくても、彼と幸せになりたい」という思いは、あなたの中には、変わらずあるのではないでしょうか。ここにご相談くださったことをきっかけに、勇気を出して、ご夫婦で心の内を打ち明けあってみませんか。あなたの本音とは、ここに書いてくださったような「やわらかい心の内」のことです。彼に対して「叶えてあげられなかった」とあなたが感じていること。申し訳なさや、罪悪感で自分を責めてしまうこと。心ない言葉を言ってくる他人への腹立たしさ。そのあとに襲ってくる無念さ。そして、あなた自身の純粋な気持ち。会いたかった。愛したかった。お母さんになりたかった。彼をお父さんにしてあげたかった。悲しい。寂しい…。そして改めて、今カレンさんにご提案させていただけますか? それは、心に嘘をついてまで明るく振舞うのをやめること。「本当は寂しかったり、こわかったり、悲しかったりするのに、元気なふり」を、少しずつやめていくチャレンジです。いきなりご主人に対してが難しい場合は、外での人間関係からで構いません。今までの「ひとりで抱える」「私が守る」という頑張りを、これからは「彼の器の大きさを信じてみる」「守られる」という方向に使うことで、やっとご主人には、あなたのヒーローになれるチャンスが与えられるように思います。このことをきっかけに、お二人がますます絆を深めていかれますよう、心から応援しています。末永くお幸せに。 ・このカウンセラーのブログを読む
2017年10月31日アラサーというと、公私共に曲がり角で悩みが多い時期ですよね。仕事に恋愛、夢…これからどうなるのか、どうしたいのか、そんな壮大な悩みも多いお年頃ですが、一方で恥ずかしくて人に言えないような小さな仕事の悩みも意外とあるもの。そんな些細な悩みこそ、自分の中で積もりに積もってしまい、ストレスの元となりがちです。そこで今回は、誰にも相談できないような些細な仕事の悩みについて解決法をご紹介します。時短勤務など家庭のある社員ばかり優遇されている20代前半のころは、遠い存在だった「ママ社員」や「既婚社員」の先輩たち。先輩と後輩という立場だったからこそ、彼女たちの産休、育休、時短勤務などのしわ寄せが来ても「そんなもんだな」と受け入れられたでしょう。でも、アラサー世代となった今、自分以外の同期や後輩たちがどんどん産休、育休、時短勤務などを利用しはじめ、そのフォローを一手に引き受ける立場になると、なんだか不公平感を感じてしまうという大人女子は少なくありません。家庭には優しい旦那様や可愛い子供が待っていて幸せいっぱいな同期や後輩を横目に、なぜ独身でひとり寂しい私がこんな目にあうの?という考え方もあるでしょう。でもここはちょっと考え方を変えてみてはいかがでしょうか。いやな顔ひとつせず、彼女たちのフォローをしてあげましょう。そうすると、上司や同僚からの評価は確実にあがります。また、産休や育休、時短勤務者からも感謝され、いつかあなたが結婚し子供を持ったときにも喜んであなたのサポートやフォローをしてくれるはずですよ。情けは人のためならず。結局、誰かを助けることは、自分のためになるということです。女性だからという理由でお茶だしや掃除をさせられるこれって地味に頭にきますよね。同じ職種で入社したのに男性の同期にもお茶を出したり、後輩の男性社員の分もお茶を入れたり、会議のたびにどんなに忙しくても応接室にお茶を出しにいったり…。「お茶だし」と言えば女性の仕事と思っている古い会社はまだまだ多く存在します。お茶だしだけでなく、社内の掃除も女性だけにさせることもあるようです。グローバル化がさけばれている現代で、日本はこういった面で非常に遅れていて恥ずかしいことだと私は思います。こういった小さな不公平感は蓄積されて大きなストレスとなり得ます。「まあ、仕方ないか」と受け入れてしまわずに、一度声をあげてみてはいかがでしょうか。ただ「お茶だし」「掃除」をしたくない!というと、ただのワガママだと思われてしまいますので、あなたを始めとする女性社員の業務時間のうち、どのくらいがこの雑務に費やされているかを集計し、上司に訴えてみましょう。「この作業のために、私たちの生産性が落ちている。会議室に給茶機を設置し、各自担当者がお茶を出してはどうか」などと前向きな提案をしてみてはいかがでしょうか。若い社員と同じ制服を着るのが苦痛会社によっては、女性社員だけ制服着用が義務づけられているところがあります。若いうちはこれでもよかったのですが、新卒の新入社員と同じ制服を着るのが恥ずかしいというアラサー大人女子もいるのではないでしょうか。本来、女性だけ制服を着るというのも、ちょっと時代錯誤のおかしな話ですが、制服があるということは、出勤時のファッションは自由ということになりますよね。洋服にお金をかけなくてもいいことや、通勤ラッシュにヒールやスーツなどを着用しなくてすむことなど、メリットも多いのかもしれません。とはいえ、確かに若い女性向けに作っている制服を、アラサー、アラフォーの女性たちが着るのは抵抗もあると思います。そんなときは、アクセサリーやヘアスタイル、羽織物や、社内履きなどで、若い女子とは一線を画す工夫をしてみてはいかがでしょうか。若いということが、すでにひとつのアクセサリーになっている新卒女子たちと同じ土俵には立たず、少しこだわった小物や、手を加えたヘアスタイルなどで、ワンランク上を目指すのです。垢抜けない制服でも、工夫や心がけ次第では、素敵に着こなせるかもしれません。若い後輩たちからみても「あの先輩はオシャレ」と羨望のまなざしで見てもらえるような大人女子ならではの着こなしを考えてみましょう。ただし、サイズや丈などは年齢や体型にあったものを着させてもらいましょう。ミニスカートやタイトすぎるシルエットになってしまうのは、大人女子としては少し恥ずかしいかもしれませんよ。小さな凹みこそ、早めに切り替えを!いかがでしたか?仕事のやりがいがない、結婚のタイミングがわからない、キャリアプランが定まらない…などの大きな悩みはクローズアップされがちですが、こういった小さな悩みは、給湯室やランチタイムでの愚痴になるだけで、なかなか根本的な解決は難しいものです。だからこそ、些細なことで悩んだり、へこんだりしたときに、気持ちを切り替える方法を知っておくことは大切です。今回紹介したようなことを始め、気持ちの持ち方や行動を、ほんの少し変えるだけで、悩みがぱっと晴れ渡ることがあります。一度へこんだからといって、どん底に停滞するのではなく、気分や考え方を切り替えるあなたなりの方法を持っておくことをおすすめします。
2017年10月04日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は「休日に子どもをほったらかしして寝てばかりな自分が嫌です」という、かなさん(39歳・パート)に、心屋塾上級認定講師の志緒村亜希子さんからアドバイスをいただきました。■かなさんのお悩みバツ2で、3人の男の子の母です。平日は子どもたちは学校、私も仕事があるので頑張って起きていますが、帰宅後は疲れきって何とかご飯を作っています。土日になるとグッタリで、何もしたくありません。子どもたちは外へ遊びに行ったり、ビデオを見たりしており、朝・昼はパンやお菓子を食べさせて、私はずっと寝ています。夕飯は簡単なものを作って、あとはお風呂に入って寝ます。昼間ずっと寝ているのに、夜はしっかり寝られます。以前は、休日に布団を干したり洗濯をしたり、部屋を綺麗にしていた時期もありましたが、ここ2〜3ヶ月、起きられなくなりました。「色々やらなければいけないのに」「子どもを公園にも連れて行きたいのに」なとと思いながらも起きられません。そんな自分が嫌ですし、生活していくことに疲れました。子どもたちにも強く当たってしまい、毎日とても疲れます。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師の志緒村亜希子さんよりかなさん、毎日よく頑張って来られましたね。本当にお疲れ様です。何もする気になれない状況のなかで、ここにご相談くださったこと、ありがとうございます。今回のように弱みをさらけ出したり、心の内を開いたりという行為が、かなさんを支えていってくれるのではと感じました。それができたならば、きっともう大丈夫ですよ。起き上がれなくなるくらいに限界いっぱいまで頑張ってこられたと言うことは、身体はもちろん、心もとても疲れていることでしょう。もともと頑張り屋なのに、今の状況になって「さらに頑張らなければ」とご自身を奮いたたせてこられたのだろうと思います。休日に寝ているとき、頭の中にはどんな言葉が浮かんでいますか? 自分にどんな言葉をかけていますか? 「私がもっと○○すれば」「私が△△だからいけないんだ」など、ご自身を責める言葉がぐるぐると回っていないでしょうか。もしそうだとすれば、いつ頃からそんな言葉を自分にかけるようになりましたか? もしかしたら、過去に誰かに何かを言われたことで、「自分は△△な人間なのだ」と信じ、それはダメなことだと思うようになっていませんか?頑張り屋気質の人は、心の奥には頼ったり甘えたりしたい気持ちがあるのに、「自分の中の厳しい条件をクリアしてからではないと、他人に頼ってはいけない」と決めている人が多いようです。ところが、ひとりで頑張れば頑張るほど、その条件のハードルは高くなり、他人に頼るきっかけを見失ったまま「私がもっと頑張りさえすれば」と、ますます自分を孤独に追い込んでしまう傾向があります。そうしていると、今度は他人にも「もっと頑張れるはず」と求めてしまうようになります。本人は苦しいながらも「頑張れる人」として生きていると、他人の弱さを見せられることに、強い拒否反応が出てきてしまうのですね。もし、かなさんに心当たりがあるならば、いつ頃から頑張り屋さんになったと思いますか? 何があってそう生きようと決めましたか? 子どもの頃に頑張っていると褒められた経験からかもしれませんし、甘えたくてもそうできなかった経験からかもしれません。仮にそのとき、かなさんが「もう頑張れない」「助けて」「分かってほしい」と言っていたら、周りの大人たちはどんな顔でどんなことを言ったと思いますか? 大人たちの顔色を想像して「私は頼ってはいけない、自分が頑張ればいいんだ」と決めたのではないかとも推測します。でも、それはかなさんの勘違いという可能性もあります。頼らせてもらえず悲しかった思い出があったとしても、「かなさんが誰にも助けてもらえない人」というわけではありません。人はひとりでは生きていけません。必ず誰かに支えられて生きています。息子さん3人も、かなさんがいないと生きてはいけないのと同時に、かなさん自身も、息子さんたちがいるから今日までやって来られたのではないでしょうか。「子どもたちに負担をかけているのでは」と申し訳なく思っているかもしれませんが、もしかしたら彼らは「もっともっと頼ってほしい」と思っているかもしれません。「まさか彼らに頼るなんて」と抵抗を感じるならば、なおさら「弱い自分を見せる」という挑戦をしてみていただけませんか? そのように抵抗感がある行為こそ、自分を救う「答え」である可能性が高いからです。「ママ、もう頑張れなくて、そんな自分が悲しいの」「疲れちゃってて、君たちにごめんねって思っちゃうんだ」「我慢させちゃうね。少しだけ待っててね」などなど、彼らに不満をぶつけるのではなくて、「こう思ってるんだよ」と心の内を見せるイメージです。もしも泣きたくなったらそのまま泣いてください。加えて、「君たちがいてくれるだけで、支えになってるよ」「元気になったら、また一緒に公園に行きたいな」といった嬉しい言葉も、もし思っているようであればぜひ伝えてあげてください。できそうだったらで構いません。男の子は、大好きな人を支えるヒーローでありたいと言われています。伝えるのが恥ずかしいと思っても、彼らはその言葉を聞いて「ママを支えるチャンス到来!」と元気を出すかもしれません。一番身近な子どもたちに頼ることができたら、周りの人たちにも少しずつ頼っていけるようになるはず。かなさんがそうすることで周りも勇気をもらえるし、その力がまた、かなさんの力になっていくことでしょう。あなたは何もできなくても、頑張れなくても、愛される人です。「結婚がうまくいかなかった」と思っておられるのかもしれませんが、自分はもっともっと幸せになっていいんだと信じてみてください。「ひとりで何とかしなきゃ」という頑張り屋さんを手放して、ありのままの自分と仲直りしてあげてくださいね。 ・このカウンセラーのブログを読む
2017年09月19日今回は、飲み会や合コンでも使えそうな、「気になる男子に話しかけられるきっかけの作りかた」に迫ります。お話は、夜ごと、話すきっかけを作るのがお仕事のOL兼キャバ嬢のみなさんにお聞きしました。さっそくご紹介しましょう! ■ 1:笑顔で「こんばんは」「笑顔でこんばんはと言えば、たいていの男子は話しかけてきます」たしかに、このテク1つで十分なのかもしれません。話をするきっかけをつかむまで、男子だって緊張しているわけですから、笑顔でこんばんはだけで、緊張がほぐれて、あとの話題は男子のほうが振ってくる……こういうパターンも飲み会では多いかと思います。 ■ 2:ライターを探すふりをする「あたし、タバコを吸うんですが、喫煙所でイケメンの前でライターを探すふりをしました。ちゃんとライターを貸してくれたし、交際するまでになりましたよ」(22歳・モデル)タバコを吸う女子は、このテク、かなり使えると思います。喫煙場所って、タバコを吸う以外にやることがないので、男子、暇なんです。 ■ 3:書類を落とす「自動車教習所の待合室みたいなところで、かっこいい男子がいたので、彼の前で書類を落としてみました。彼、拾ってくれて、そこから話をするようになって、今付き合っています」(24歳・メーカー)あざといけど「あり」でしょうね。思えば自動車教習所って、恋のきっかけをゲットするところなのか? と思うくらい、こういうきっかけにあふれていませんでしたか? ■ 4:遠くからチラ見する「飲み会で、遠くに座っている男子をチラ見し続けていたら、彼のほうから話しかけてきた……こんなのしょっちゅうです」(21歳・大学生)この女子は、高校生のころから、教室で気になる男子をチラ見し続けていたそうです。退屈な数学の授業中に、チラ見をすることで彼氏をゲットして、高校を卒業したということです。いろんな人生があります。 ■ おわりにいかがでしたか?話しかけられるきっかけを作ることすら、緊張してうまくできないという女子は、以下のことを知っておくといいかと思います。話のきっかけを作るまで、男だってしっかり緊張している、ということです。presented by愛カツ ()
2017年09月11日子どもが生まれてから部屋が散らかって、片づけられない。がんばって片付けてもすぐ元に戻ってしまう、という人は多いようです。部屋は心を映す鏡。部屋を通して、あなたの心のバランスに注目してみましょう。こんにちは。心屋塾認定講師のおむらちもです。私は、心理カウンセラーになる前、大手ハウスメーカーでインテリアコーディネーターをしていました。昔から片づけが大の苦手で、インテリアコーディネータだった時も、自分の部屋をキレイに保つことができませんでした。そんな私ですが「心」にアプローチして、思い込みのブロックを外すことで、小さい子どもがいても楽に片付けができるようになりました。そして今では、数々のインテリア雑誌にも掲載されるようになりました。今回は、子どもがいてもキレイな部屋をキープできる、「心の持ち方」をお伝えしていきます。■いまの生活、「子ども中心」になりすぎていませんか?子どもが生まれると、どうしても子ども中心の生活になりがちです。家の中の「物」も、子どもの物が多くを占めるようになります。かわいくて、つい色々とおもちゃを買ってあげたくなりますよね。ママになれば、そのような気持ちを持つのは自然なことです。でも、人によって、その気持ちのバランスは異なります。子どもが生まれてから部屋が片付けられなくなった人の多くは、そのバランスが「子ども中心」に傾きすぎています。リビングも子どもの物で埋め尽くされ、あなたの時間も手間もお金も、すべてが「子ども中心」。そうなってしまうと、あなた自身が、知らないうちに見えないストレスを抱えてしまいます。そして、それが片づけのやる気を阻んでいる場合があります。「子どもを優先してあげたい」という優しいママさんだからこそ、自分にも、もう少し優しくして欲しいなと思います。例えば「子どもの物を少し減らして、自分の好きな物を部屋に置く」など、自分の心が喜ぶことにも注目してみてくださいね。■子育ての「べき」を見直してみる「子どもをちゃんと育てたい」と思うのは当然のことですよね。でも、子育てにはマニュアルがありません。自分の経験や今まで信じて生きてきたことを、自分の子育ての「方針」として取り入れる人は多いと思います。しかしその中で、さまざまな「べき」を作ってしまうことがあります。・子育てはこうするべき・子どもをこんな人に育てるべき・親は子どもの見本になるべきこの「べき」は、部屋にも反映されます。例えば「子どもの意見を尊重するべき」と強く思っている人の中には、おもちゃを欲しいと言われたら「買ってあげなきゃ!」 と、どんどん家の中に子どもの物を取り込んでしまう人がいます。「子どものおもちゃが多すぎて嫌!」と言いながらも、自分の中にある子育ての「べき」のために、その行動をやめられないのです。また、子どもに「ちゃんとするべき」と一生懸命教えている人は、片づけができない子どもに対してイライラして、常に「部屋」と「子ども」を見張ってしまっているかもしれません。でも、子どもが片付けないことは実はすごく自然なこと。おもちゃを出す時には楽しい動機があるけれど、キレイな部屋になってほしいというのは、親の動機で、子どもにとっては関係ありません。なので「ちゃんとするべき」より「キレイになったら気持ちいいね」と子どもに声をかけながら、気楽にやっていきましょう。また「親は子どもの見本になるべき」という思いが強い人は、いつも部屋をきれいに保たないといけないと考えているかもしれません。でも、部屋は自分だけでなく、子どもや家族が毎日生活している場所。生活しているということは、時には物がたくさん出ていることも「自然」で「当たり前」なのです。いつも片づいている状態が「正しい」のではなく、時には散らかっている状態も「正しい」のだと認めることも大切です。自分では当たり前だと思っている「べき」は、実は自分の思い込みから生まれた「べき」なのです。このことを少し意識して緩めることで、部屋だけじゃなく子育てもスムーズにまわりはじめますよ。■「いいお母さん」を目指すより、大切なこと多くの女性が、子どもを産んだら「いいお母さん」になりたいと考えています。しかし、それを意識するあまり、現実と理想のギャップが大きくなり、悩み事になってしまう人が多くいます。例えば、子どもがいても素敵な部屋を保つお母さんに憧れて…、でも、実際はうまくできない。自分ってダメだなぁっと思ってしまう。私のところに相談に来られる人の多くは、こういう一生懸命で、向上心がある人です。ですが、常に高い理想を持ち、自分に喝を入れてがんばることは、時には大きなストレスになり、行動する元気さえなくしてしまいます。実は、私も昔はそうでした。しかし今は「いいお母さん」「素敵なママ」という理想を意識することは、ほとんどありません。部屋に対しても、理想ではなく、自分の「快適」や「ワクワク」を追求していくことを大切にしています。「いいお母さん」は幻想かもしれません。そこを目指すのではなく、自分が「快適」に「楽しく」なるために行動し、それができたらしっかり自分を褒めてあげてくださいね。この3つのことを意識して、片付けが苦手な自分を応援しながら、少しずつ行動してみてください。自分が味方になったら人は強いです。今まで苦手だったことや、辛かったことが軽くできるようになることもあります。だから、苦手なこと、うまくいかないことこそ、自分に優しい声をかけてあげてくださいね。 ・このカウンセラーのブログを読む
2017年08月17日*画像はイメージです:夫婦で子どもを育てていたらふと「子どもが自分に全く似てない……?」などと疑問を持ち、DNA鑑定をしてみたら、自分の子どもではなかったというケースが意外にも結構な割合であるようです。育てていた子どもが自分と血がつながっていなければ受けるショックは相当なものでしょうし、離婚を考えたくなっても当然かもしれません。離婚する場合、基本的には収入に応じて養育費を払うことになりますが、この場合も養育費を払う必要があるのでしょうか?解説していきたいと思います。 ■子どもが自分の血を引いていなかった…離婚はできる?自分の血を継いでいると思っていた子が、実は自分と血がつながっていなかったと夫が知った場合、妻に対する信用を失い、離婚を希望することもあると思います。では、その場合に離婚できるかどうかですが、妻が離婚に応じれば、当然、離婚できます。しかし、妻が離婚に応じない場合に、裁判所が離婚を認めるかどうかについては、確実に離婚が認められるとまではいいきれませんが、妻が婚姻期間中に不貞行為をしたことが明らかであれば、離婚が認められる可能性が大きいと考えられます。また、妻が、他の男性の子どもであることを隠して「あなたの子どもよ」と虚偽の説明をしていたような場合は、そのこと自体が「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると判断され、離婚が認められる可能性もあります。一方で、婚姻前に妻が他の男性と関係をもったことにより生まれた子であったが、妻も夫も、自分たちの子どもだと信じていたような場合等、妻に大きな非が認められないような場合は、離婚が認められない可能性もあると考えられます。 ■こんなケースで離婚したら養育費は払う必要がある?夫婦が離婚しても、親子関係に変わりはありません。そして、親子関係がある以上は養育費を支払う義務があります。したがって、養育費の支払い義務を免れるためには、親子関係がないということを確定させる必要がある、ということになります。親子関係がないことを確定するための手段としては、(1)嫡出否認の訴えと(2)親子関係不存在確認の訴えの2つがあり、主に子どもが生まれた時期によって使い分ける必要があります。 (1)嫡出否認の訴え子どもが“婚姻の成立の日から200日を経過した後あるいは婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内”に出生した場合には、嫡出否認の訴えによらない限り、親子関係を否定できません。婚姻期間中の性行為で生まれた子どもは、通常この場合に該当することが多いでしょう。この訴えは、訴えを提起できるのは夫だけという制限の他に、「子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない」という非常に厳しい制限があります。したがって、1年を過ぎてしまって嫡出否認の訴えが提起できなくなると、理屈としては、もはや裁判で「その子は自分の子ではない」と認めてもらうことはできなくなります。ただし、上記の期間(“婚姻の成立の日から200日を経過した後あるいは婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内”)に出生した子どもであっても、妻が妊娠した時に夫は海外赴任していた、服役していたといったように、夫の子どもではありえない外形的・客観的な事情がある場合は、夫は親子関係不存在確認の訴え(後述)を提起することが認められています。これに勝訴すれば子どもとの親子関係を否定でき、制限の厳しい嫡出否認の訴えを使う必要はありません。 (2)親子関係不存在確認の訴え“婚姻の成立の日から200日を経過した後あるいは婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内”に当てはまらない時期に出生した子ども(ex.離婚日から350日後に生まれた子ども)については、親子関係不存在確認の訴えで父子関係を争うことになります。親子関係不存在確認の訴えは、“夫と子どもに親子関係がない”という点について、法律上利害関係を有する者なら誰でも訴えを提起できますし、出生を知ってから1年以内というような期間の制限もありません。すなわち、嫡出否認の訴えに比べると、訴えを提起するための制限は緩やかです。 ■判例のご紹介嫡出否認の訴えを提起できなくなった後に夫の子ではないというDNA鑑定結果が出たという場合に、夫が親子関係不存在確認の訴えを提起したケースがあります。※1最高裁は、結論としては、親子関係不存在確認の訴えを認めませんでした。「法律上の父子関係が生物学上の父子関係と一致しない場合が生ずることになるが」、民法は「このような不一致が生ずることをも容認している」とも述べています(夫としては、そんな風に開き直られても困ると言いたくなるでしょうが……)。結局、夫は、DNA鑑定で自分の子ではないと判明しているにもかかわらず、法律上の親子関係を否定することができなかったのです。 婚姻成立日から200日経過後あるいは婚姻解消日から300日以内というのはかなり広いため、子どもが生まれたのはこの期間中という場合がほとんどです。子どもが自分の血を引いていなかったからということで妻と離婚できるとしても、1年の期間制限を過ぎてしまい嫡出否認の訴えを提起できず、したがって養育費だけは支払わなければならないということになってしまう可能性も高いです。離婚についてはともかく、親子関係を否定したいなら悠長なことは言っていられませんので、注意しておく必要があります。 ※1:最高裁平成26年7月17日判決*著者:弁護士 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)【画像】イメージです*cba / PIXTA(ピクスタ)
2017年08月11日夏休みの宿題の中で特に気が重くなりがちなのが、読書感想文。「何でもいいからさっさと書きなさい! 」と、休みの終わりごろに子どもに無理矢理書かせるパターンを、今年こそ脱したいと思いませんか? 情報化社会で生き抜くための独特な情報編集術を、ネット上で教えているイシス編集学校。固定観念にとらわれず、自由な発想を引き出す術を教えてくれると評判の高いこの学校が、子ども向けのワークショップ『大好きな本の伝えかた 読書感想文の編集術!』を開催していました。筆者も親子で早速参加して、ヒントを学んできました!オリジナリティあふれる読書感想文を書くポイントは、「出す」「選ぶ」「分ける」「つなげる」の4つの工程だといいます。詳しくご紹介しましょう。■まずは本を好きになるヒント!「誰かに似た本」を探してみる!?以前こちらの講座を受けたことのあった筆者は、小6の長女を連れて参加。古典的な名作は一切読まず、今どきの軽めの本ばかり読む長女がイシス編集学校でどんなことを学ぶかと楽しみでした。ウォーミングアップは、「誰かに似た本を部屋いっぱいの蔵書から3分で探す」というもの。 「本が誰かに似るってどういうこと?」と頭がかたくなりかけてとまどう長女の横では、自由な発想で楽しそうに本を探す子どもたち。本は中に書かれている文字や内容だけではなく、表紙の色や文字、触った感じなどいろいろな情報を伝えているものであることを感じる試みのようでした。「花が好きな母親に似ている」と草の絵の表紙の詩集を選んだり、「青い空の表紙写真が親友のイメージにぴったり」とおのおのの感性で選んでいました。本嫌いな子どもも、このように本の違う面に注目したり、もっと自由に本を楽しんだりしていいと思ったら本が好きになるのかな、と感じました。■コツ-1:「出す」―発想を広げるキーワードとホットワードを出す続けてキーワードを聞いてどんなことが思い浮かぶか発想を広げる練習。「りんご」のキーワードからは「甘い」「赤い」などの形容詞から、「アダムとイブ」「白雪姫」「ピコ太郎」までありとあらゆる思い浮かぶ言葉をどんどん書き出してみます。キーワードから思い浮かぶそれらの言葉を「ホットワード」と講座では呼んでいました。 読書感想文を書くにあたっても、その方法を使います。読んだ本の中の好きな登場人物や好きな場面などをキーワードとして選び、そのキーワードから思い浮かぶ「ホットワード」をどんどん書き出してみるのです。「この子のここがかっこよくて好き」「この場面が好きな理由」「この場面を読んでこんな気持ちになった」など、ホットワードはなんでもいいのです。■コツ-2:「選ぶ」―「誰に伝えたい? 」出したホットワードから選別次に大切なのは「誰に伝えたいか」テーマを決めること。たくさん出たホットワードの中からテーマに合ったものを選びます。例えばりんごの説明であれば、「りんごを見たことのない人」と「りんごが大嫌いな人」に伝える時では、選ぶ言葉が変わるでしょう。りんごを食べたことのない人には「赤い」「甘い」など特徴の説明が必要ですし、嫌いな人には「火を通すと食感が変わる」など説明したくなるかもしれません。読書感想文でも同じ。「誰に伝えたいか」を決めると、「何を伝えたいか」が思い浮かびます。「この場面のことを先生に一番伝えたい」「読んでワクワクした気持ちを友達に伝えたい」などとテーマを決め、書き出したホットワードの中から合うものを選んでいきます。■コツ-3:「分ける」―伝えるためには順番が大事なポイント作文のカギとするホットワードを選んだら、次に決めるのは「人に伝えるための順番」。講座では4コマのイラストを並べ変えてストーリーを作るという作業を通して、並べ方次第でストーリーも印象もまったく変わるということを体験してみました。ついつい同じような書き出しにしがちな読書感想文も、順番を考えて言葉を並べ変えるだけで、内容も印象もグンと変わりそうです。 ■コツ-4:「つなげる」― つなげる言葉を紡ぎ、感想文を仕上げる順番を決めたら、あとはそれぞれをうまくつなげて感想文を仕上げます。講座では、各自が持参した大好きな本を人におすすめするためのキャッチフレーズを考え、それを記したオリジナルの帯を子どもたちが一人一人作りました。選んだホットワードからズバッと伝わる言葉を紡ぎ出すのです。限られた文字数の中で、「あっ! この本読みたいな」と読み手に思わせるキャッチフレーズを考えられたら、印象に残る読書感想文も書けそうです。本が好きな親子が集まっているだけあって、本をテーマにした2時間半の講座もみんな夢中で作業しているうちにあっという間。「出す」「選ぶ」「分ける」「つなげる」の4つを使って自分の大好きな本のキャッチフレーズを考え、帯を作ったところで終了しました。大人では思いつかない心に響く言葉を考え出す子どももいて、ライターをしている筆者も思わず感心してしまいました。帰宅した長女は早速、3歳下の妹にポストイットを使ってキーワードとホットワードを書き出させて、作文を書かせていました(まず自分でやらず妹にやらせてみていることに驚きましたが、とても有効な方法を学んだ、と思ったようです)。そう、このやり方は読書感想文だけでなく、作文や大人の仕事でも使えそうです。白紙の原稿用紙の前でうんうんうなった挙句、「とにかく書きなさい! 」とやみくもに書かせてしまう前に、まずはポストイットを用意して楽しく取り組んでみましょう。どんどん言葉を出していくところから始めて、今年の読書感想文を仕上げてみませんか? 取材協力:イシス編集学校 編集術を身につけるネット上の学校。ユニークな手法で生活から仕事まで幅広く生かせる情報の編集スキルを伝授。学生から社会人まで多くの生徒を持つ。ネットで無料体験できる「編集力チェック」も実施中。共催:(公財)せたがや文化財団 生活工房後援:世田谷区、世田谷区教育委員会
2017年08月10日こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。子育て相談の中でたびたび話題となるトピックがあります。それは、“共感する心はどうやったら育つか?”というものです。そこで今回は、“共感性の育て方”について考えてみます。●共感とは何かはじめに少し専門的な話になりますが、実は、共感はさまざまな心理的な要素が集まっている心の働き だといわれています。それらの要素は、大きく分けると「認知的側面」と「感情的側面」です。ここでいう認知的側面とは、相手の立場に立ってモノを見たらどのように見えるかを分析・理解することを指します。そして感情的側面とは、他者が感じていることを自分自身の感覚のように感じることを指します。少し日常場面に置き換えて考えてみると、“注射を嫌がり泣き叫ぶ子ども”がいた場合、それを見て「怖い気持ちでいるんだろうな」というのが認知的側面であり、「自分自身も自然とつらい気持ちになる」というのが感情的側面だといえます。●共感の必要性これまでの研究から、共感の高い子どもほど他児への“援助行動”を行いやすいことがわかっています。また共感は、“道徳性”を高めたり、“攻撃性”をコントロールしたりすることも知られています。これらの知見が得られた理由としては、物事を相手の視点から捉えたり、他者の思いを自分のことのように感じたりする共感力があれば、相手を助けたいという気持ちになったり、自分がされて嫌なことを他者にしようとは思わなかったりするからだと考えられます。こうした背景からも、子どもの共感を育てることはとても重要視されています。ただし、共感の能力が強すぎると、人の感情や思いに振り回されてしまい 、自分らしく行動できないことも指摘されています。●共感力を育てるためにママができること共感に関する心の働きを可能にする土台には、“相手が見ているモノを相手の視点で見る”という物理的な視点から、“相手の気持ちに立って考える”という心理的な視点を自分に取り入れる“視点取得(してんしゅとく)”が重要になります。なぜなら、視点取得がうまく働かないと、自分の視点だけで考えてしまい、人が感じていることをうまく感じとれず、自己中心的な状態になってしまう恐れ があるからです。ですから、はじめはお子さんに「ママの目から見ると何が見えるかな?」という物理的な視点の移動(取得)を促し、その後は「ママは今、どんなことを考えているかわかるかな?」といった心理的な視点を取り入れていきましょう。特に、相手の立場からモノを見ることが少し苦手なお子さんには、相手の気持ちに立って考えることを促すことが大切です。たとえば、もし、お友達のおもちゃを奪い取ってしまったときには、まずは「ママが○○ちゃん(自分の子どもの名前)のおもちゃを急に取っちゃったら、どんな気持ちがする?」とその子の気持ちを確かめます。もし「嫌な気持ち」と返ってきたら、「お友達も同じ気持ちだったんじゃないかな?」とお友達の気持ちに気づける具体的な関わりをします。相手の立場からモノを見ることが苦手なお子さんにとっては、視点取得はたやすいことではありませんが、ひとつひとつの状況において丁寧かつ具体的にサポートしていくことで、“相手の立場に立って考える”という視点が少しずつ促されていくと思います。また、普段の遊びでも視点取得は鍛えられていきます。その代表的な遊びが“ごっこ遊び” です。ごっこ遊びでは、「ママはこう言うだろうな」「お姉ちゃんはこうするだろうな」など相手の視点に立つことが求められるからです。一方、ブルース・D・ペリーの『子どもの共感力を育てる』では、共感を育てる方法として“本の読み聞かせ”も有効だと言われています。ペリー(2012)は読み聞かせについて、『読者は登場人物の立場に身を置き、登場人物がうまくやればわがことのように喜び、その苦しみをわがことのように感じる』と述べています。これらのことは、私自身の子育て経験や子育て支援の現場からも感じます。多くの子どもは、楽しい物語のときは楽しそうに、悲しい物語のときには悲しそうに、登場人物の経験を自分と重ねあわせているように見えます。ペリー(2012)が言うように、“読書はまさに共感の練習”です。ただ一つママに知っておいてほしいことは、共感力が強いお子さんほど、登場人物の感情に巻き込まれてしまう傾向があるということです。ですから、悲しい物語などを題材に使うときは、お子さんの様子に十分配慮しながら 本を選んでいくことが大切です。また、就寝前は明るい気持ちでお子さんが眠れるように本を選んでいけたらいいですね。さらに、物語の主人公と現実世界の自分とは“別の人間”だということもしっかりと理解させるとよいでしょう。----------いかがでしたか?今回は“共感性の育て方”について考えてみました。お子さんの健やかな成長を心より応援しています!【参考文献】・『子どもの共感力を育てる』ブルース・D・ペリー、マイア・サラヴィッツ(著)●ライター/今井千鶴子(臨床心理士)●モデル/椎葉咲子(苺乃ちゃん、胡桃ちゃん)
2017年08月08日子どもの身体と脳は未発達で、年齢による脳細胞の数の変化によって発達や成長をしていきます。細胞が増える時期に早期教育をつめこんでも脳が未熟で覚えることができずに、「自分に自信が持てない脳」を育ててしまうことになってしまいます。脳の仕組みに沿った子育ては、就学以降に実力を発揮できる脳の素質を育むことにつながります。脳の発達を理解した上で、時期ごとにどんな遊びを取り入れるとよいのか知っておきましょう。乳児期:気持ちが伝わる脳に育てる脳の成長第一段階となるこの時期は、人に気持ちを伝える脳の仕組みを鍛えることがとても大切です。遊びにもそういったことを意識したものを取り入れましょう。会話の内容が理解できない時期なので、目と目を合わせて気持ちを込めた語り掛けをすることが大事です。会話は分からなくても、大人の表情や声のトーンからしっかりと情報を受け取ります。乳児期の視野は大人が思う以上に狭いので、しっかり見える位置で目を見て伝えます。絵本の読み聞かせにも気持ちを込めます。「まだ理解できないだろう」と判断して手を抜いてしまうと、気持ちを込める脳に育てることはできません。子どもにまだ意味が分からないことでも、思いっきり気持ちを込めて繰り返し読んであげることで、脳に大きな反応や変化が起こります。目を合わせることとあわせて、体に触れて遊ぶことも脳の変化に重要です。ベビーマッサージやリトミックはまさに最適です。この時期の遊びとして積極的に取り入れましょう。 1~3歳:間違えない脳に育てる3歳まではさらに脳細胞が増え続けます。引き続き気持ちが伝わる脳を育むことは大事ですが、正誤・類似性を判断できる脳を育むコミュニケーションを取ることを取り入れていきましょう。理解・判断力を司る本能は、同じ行動を繰り返すことで鍛えられます。よく、子どもは同じ遊びを何度も繰り返していますよね。子どもは本能に従って無意識に、統一・一貫性を磨いています。「いつまでやってるの!」と叱ったりジャマをしたりしないようにしましょう。絵本の読み聞かせも、つい「色々な話を聞かせたい」とたくさんの種類を用意してしまいますが、大切なのは量より質です。同じ本を繰り返し読んであげましょう。繰り返すことで、物事を正しく判断する能力の基盤が出来上がります。間違えない脳を育むと、微妙な違いを見抜く鋭い直観力が磨かれます。そのためによい遊びは間違い探しです。簡単なものから始めて、徐々に複雑なものに挑戦しましょう。慣れてきたらママと競争するのも効果が高くなります。3~7歳:勉強ができる脳に育てる脳細胞が減少するこの時期は、不要な細胞を減らすことで必要な細胞同士がつながっていきます。この時期は脳に悪い習慣を止め、空間認知能力を鍛える遊びを取り入れ「勉強できる脳」へと育みましょう。空間認知能力を鍛えることは、文武両道の才能を伸ばしてくれます。効果的な遊びは、積み木やブロックです。丸・三角のものより、立方体や直方体を使用します。どの方向から見ても形が一貫しているため、空間認知能力が鍛えられるのです。オセロや将棋などの正方形のマス目を使う遊びもおすすめです。お絵描きをする際も空想のものを描くよりは、実際のものを見て写す写生の方が、空間認知能力を鍛えるのに効果があります。親子でさまざまな写生に取り組んでみるのも楽しいですね。身体を使う遊びとしては、目をつぶってその場でジャンプすることが効果的です。空間認知能力が低いと同じ場所に着地できません。床に印をつけて同じ位置に着地できるか、という遊びで鍛えられます。脳の細胞が3歳以降は減少しているというのは意外ですよね。幼児教育も年々低年齢化していますが、細胞が増加する時期には記憶力よりもコミュニケーションが大事なのだと改めて感じます。小児科で「生後7か月までの関わり方が、成長した時の親子関係に大きく影響するからたくさん抱っこしてあげて」と言われたのを思い出します。乳児期に密度の濃いコミュニケーションをたくさんとることで、子どもの脳は満たされ発達していくのですね。脳の仕組みなどを知って子育てすることは、子どもの可能性を最大限に効果的に発揮できるための一助となります。参考になさってください。
2017年06月08日新生活が始まり1ヶ月が過ぎましたが、慣れてきたころに連休に入り、日常生活に戻った時に集中力を欠くことも多くなるかもしれません。この時期に関わらず集中して物事に取り組むことは大事なこと。日常生活に取り入れられる集中力アップ法を家庭で取り組んでみましょう!子どもの集中力は思う以上に短い子どもは飽きっぽいと感じる親御さんは多いと思いますが、実際にはどのくらい集中力が続くものでしょうか?幼児期の集中力は年齢プラス1分と言われています。4歳であれば5分ということです。こんなに短いとは驚きですね。これを知らずに「うちの子は集中力がない」と決めつけて、周りの子と比較してはいけません。個人差もありますし、取り組んでいることでも変わってきます。積み木で遊んだり絵本を読んだりするなど、子どもが好きなことをしている時に時間を計って、集中力がどのくらい続くのか確認してみましょう。集中力が長続きする時、なくなる時子どもの集中力はどんな時に長続きし、どんな時になくなるのでしょうか。長続きするのは楽しい時です。さらに同じ遊びをしていても、親と一緒に過ごすことで長い時間続けることができるはずです。親との時間は子どもが「楽しい」と感じ、集中力が続くきっかけとなります。一人で遊んでいても、途中で一緒に本を読むなど、一緒に過ごす時間を増やしてみましょう。逆に集中力がなくなるのは次の3つです。・他のものに興味が移った・外からの刺激で集中力がきれる・心の中で別のものが気になっている急に集中力がなくなったと思ったら、子どもの様子を観察してみましょう。子どもの集中力を高める5つの場面日常のさまざまな場面で子どもの集中力を高めるきっかけはあります。どんな時にどうすればよいのでしょうか。1.身支度をする時子どもの身支度は時間がかかるので、つい親が手を出してしまいがちですが、実は集中して取り組んでいる時間です。常に時間に余裕を持ち、じっと待つようにしましょう。「やって」と言われたら手を貸してもいいですが、全てを手伝うのではなくできるところとできないところを見極めて最低限の手助けに留めましょう。2.「何で?」と聞いた時幼児期には「何で?」「どうして?」という質問攻めに合うことが多いと思います。すぐに答えるのではなく、子どもが内に持っているかもしれない答えをまずは聞いてみましょう。集中してものを考えるという意欲につながります。「どうしてだろうね」と一緒に考えてみる時間も、子どもにとって楽しい時間になります。3.指先を使う時指先を使うことは、器用になるだけではなく集中力も鍛えられます。ビーズ遊びや折り紙など、指先を使う時は親が見本を見せて一緒に取り組みましょう。4.遊ぶ時特に体幹を鍛える遊びをする時は、集中している時です。一本橋や平均台を渡ったりする遊びは、バランスを崩すと失敗してしまうので集中力アップに効果があります。家の中でも布団などで不安定な場所を作り、はいはいで渡らせるなど、工夫してバランスを取る状況を作ることができます。5.遊びを切り上げる時遊びに夢中になっている時に声をかけてしまうと、せっかく続いていた集中力が途切れてしまいます。声をかける際は、集中が途切れた頃を見計らいましょう。一つの目安は、子どもが「ふうっ」と息を吐いた時です。日々のトレーニングで集中力は少しずつアップできます。読み書きや勉強なども子どもが楽しいと思える工夫をしながら、少しづつ取り組ませるようにすると段々集中できるようになります。子どもの集中力の土台を作るのは7歳までと言われています。楽しいことを増やしながら、集中力アップを図りましょう!
2017年05月11日子どもの姿勢が悪いことを気にしているママは8割近くいるといいます。「ゴロゴロしない!」「背筋を伸ばしなさい」と注意しても中々治らないな・・と嘆いていませんか?実は姿勢が悪いのは子どもが悪いのではなく、姿勢を保つための筋肉が育っていない可能性があります。それは体幹です。“体幹”と聞くと、体を鍛える人やスポーツ選手などが気にするものという印象がありますが、子どもにもとっても大切なものです。体幹を鍛えることは姿勢を正す他にも大切な効果があります。体幹の効果と育て方を知りましょう。体幹とその効果について体幹とは、背骨から腰にかけての姿勢を正す筋肉のことです。外側ではなく内側の筋肉であり「インナーマッスル」と呼ばれます。筋肉は何層にも重なってできており、体幹はその一番深層部にあります。体幹を鍛えることで姿勢がよくなるのはもちろんですが、他にも色々な効果があります。まず、最近園児のケガが増えていますがこれは体幹が弱いために起こります。体幹を鍛えて姿勢が良くなると顔もしっかりと前を向くため、視野が広がりケガを減らすことができます。さらに、体幹が安定するとバランスが良くなるため、椅子に座った時も姿勢をキープすることができます。それにより工作や勉強に集中したり、先生の話をしっかりと聞けるようになります。このように集中力にも大きく影響するのです。大人にとっても体幹を鍛えることは、肩こりや腰痛が解消でき、若々しい体を維持するためにも必要不可欠です。遊びながら体幹を鍛えよう体幹トレーニングと聞くと、難しそう、飽きてしまいそうと思うかもしれませんが、遊びの中にトレーニングを取り入れていけば、楽しく飽きることなく続けられます!体幹を育てるには、不安定な状況を作りバランスを保つようにすることが効果的です。バランスボールや、可能であればトランポリンなどで積極的に体を動かすことができるといいです。バランスボールは幼児用の直径30~40cmのものも販売されています。バランスボールで3分程度座ることができればOKです。必ず固い床の上で行いましょう。バランスボールや道具がなくても簡単に取り組める遊びをいくつかご紹介します。・片足ではねる、立つ片足で立ちぴょんぴょん跳ねます。足が床から完全に離れるのを意識しましょう。さらに、片足だけで両手を広げて立ってみます。3~4歳は30秒、5歳は1分間立てればOKです。慣れたら目をつぶってみてもいいですね。・けんけんぱ実は、体幹がしっかりしていないとできない “けんけんぱ”。体幹を鍛えるのにうってつけです。継続するためには、雨で外に出られない時などに家の中で行ないましょ。その際はマスキングテープを利用しましょう。廊下にけんけんぱスペースを作り、親子や兄弟で取り組んでみてください。一緒にテープを貼るのもまた楽しいです。・手押し相撲両足を揃えて立ち、二人で向き合います。互いに両手で押し合いますが、両手以外には触ってはいけません。バランスを崩したら負け。強く押すだけではなく、引いてフェイントをかけるなどすると盛り上がります。・ロデオごっこ大人が四つんばいになった上に子どもがまたがります。落とすようにわざと揺さぶることで、子どもがしがみつき体幹だけでなくバランス感覚も鍛えられます。・お布団ごろごろ布団の上をごろごろ転がるだけでも効果があります。必ず同じ姿勢を保つことがポイントです。棒のように転がることに慣れたら、片足だけあげたり両足を浮かせたりするなど、難しい姿勢にも挑戦しましょう。うつぶせになり、手足だけを挙げてスーパーマンのようになる姿勢も効果があります。朝起きた時に布団から出る前に取り入れるようにすれば、毎日続けられそうですね。「体幹を鍛える」というと、トップアスリートが行うようなきついトレーニングを想像してしまいがちですが、遊びとして取り入れると幼児も楽しんで取り組むことができます。毎日続けると半年ほどで効果があらわれますので、一緒に取り組んでみましょう。
2017年04月06日朝ごはんを作ってから職場へ、仕事から帰ってきたら次は急いで夕飯の支度。あと、明日の朝ごはん、お弁当もどうしよう…! 共働き世帯が増えた今、毎日子どもにご飯をあげること、育てることの大変さを感じている悲鳴、あなたは聞こえますか? 時代は変われど、大事にしたい生活の基本は同じ。現代の子どもたちは食とどう関わっているのでしょうか。4月1日(土)午後8時から、NHK Eテレで生放送される番組、 くうねるあそぶ こども応援宣言「こどもごはん」 では、子どもたちのリアルな食事情を取材しています。例えば、放課後の塾でお弁当を食べるのは、4月から小学六年生になる男の子。20分の休み時間を使って夕食を済ませているそうです。また、母子家庭の小学二年生の女の子は、インスタントのお味噌汁やご飯を半分食べて、お母さんが仕事から帰ってくるまでの間の空腹を満たしていると言います。そして、ご飯が買えなくてお腹を空かせている子どもたちもいるのです…。家族そろって食卓を囲むことがますます難しくなっている現代。子どもたちは、この現実をいったいどう思っているのでしょうか。その取材から聞こえてきた、意外な、そしてリアルな声が紹介されます。「こどもごはん」のために、今大人は何ができる?そんな中、大人たちには何ができるのでしょうか。番組では、子ども一人でも入れ、温かいご飯が無料で地域の人と食べられる「子ども食堂」や学校での取り組みなど、大人たちが始めた新たな挑戦も登場。生放送中に視聴者からも、「こどもごはん」についての悩み、大切にしたいこと、心配なことなど、メール&FAXを募集し、こども大人とこどもも一緒になって考えます。子どもがいないからこそ考えられる「子どもの問題」があるそして、司会を務めるのはあさイチでもおなじみの有働アナウンサー。番組への思いを語ってくれました。「子どもの問題って、実は司会者として私のネックかもしれません。子どもは大大大好きで、若いころは野球チームを作るくらい産みたいって言っていたほどだけれど、残念ながら機会に恵まれなかった。でも、こどもの問題については一人の大人として関心はあるんです。ただ、なんとなく“子育てもしていないのに”議論などに参加していいのかどうか、こちらも遠慮があって、逆に子どもが居る人たちの、子どもがいない人への気遣いというか遠慮も少なからず感じたりして。でも、実は子どもがいない私たちだからこそ考えられる、はっきりと言える「子どもの問題」ってあると思うんです。子どもがいると、やっぱり自分のこどもが何よりも優先されはず。でも、私にはそれがないから、すべての子どもが元気に育ってくれるためには、何が必要なんだっけ? 何ができるんだっけ?と。子育ての苦労や実感はないけれど、母性や問題意識がないわけではないんです。しがらみがない分、親が言いにくいことも、親に代わって問題の指摘もできるかもしれないし、アイデアも出せるかもしれない。そんなこと、おこがましいかな、図々しいかなって思っていたんだけど、もう遠慮してる場合じゃない。これだけ子どももお母さんも悲鳴をあげている時代。親まかせにせず、私たちも図々しく、でも堂々と参加したいと思っています。だから今回の番組の司会、本当にできるのか?と不安な半面、とってもうれしいんです。正解はないし、簡単に結論は出ないし、間違った答えを出すかもしれないけれど、子どもを守るアイデアを、みんな一緒になって一生懸命考える時間になるということは間違いないです」。くうねるあそぶ こども応援宣言「こどもごはん」 NHK Eテレ 4月1日(土)午後8:00~9:30MC:有働由美子アナウンサー、又吉直樹さんゲスト:松岡修造さん、千秋さん
2017年03月31日春は引っ越しシーズン。「パパの転勤で」「入園、入学を機に」など、この春引っ越しをする家庭もあるかもしれません。引っ越しによる環境の変化は、ママやパパはもちろん大変ですが、子どもにとっても大きなストレスになってしまいます。新しい環境で安心して生活をスタートさせるために、子どもの心もしっかりフォローしてあげたいですね。■「引っ越しの理由」子どもにどう話す?小さな子どもは、引っ越しをしなければいけない理由がまだきちんと理解できません。中には、知らない家に遊びに来ているだけだと考え、引っ越しから数日経ったころ「(前の)おうちに帰ろう」と言い出す、なんてことも。だからといって子どもにきちんと話をしないまま引っ越しをすると、急な環境の変化がストレスを与えてしまいがちです。「パパのお仕事の場所が変わるから、みんなで新しいおうちに行くんだよ」「このおうちとはさよならしなくてはいけないんだよ」など、子どもに分かる言葉できちんと説明しましょう。園や近所にお友達がいる場合は、「おうちが変わってもずっと友達でいられるよ」「また会えるよ」と、不安を取り除いてあげてくださいね。■引っ越し後の「ポジティブなイメージ」を伝えよう引っ越しはママにとっても大変な作業です。荷造りや手続き、新しい土地での生活のことなど、不安なことも多いですよね。でも、その不安が子どもに伝わると、大きなストレスになってしまうことが。ママの不安を解消するためにも、引っ越し先の場所のことを事前に調べておきましょう。「広い公園がある」「美味しそうなレストランがある」など、子どもが喜びそうな情報は親子でシェア。もし遠方でなければ、子どもと一緒に引っ越し先の土地に一度足を運んでみると、新しい生活をイメージしやすくなりますよ。■子どもと一緒に荷造りを引っ越しで大変なのが荷造りです。「できれば子どもが寝た後や園に行っている間に、パパッと済ませてしまいたい」と考えるママも多いかもしれません。でも、子どもにとっては、知らないうちに自分のおもちゃなどが段ボールに詰められて、部屋がガランとなっているのはとても寂しいもの。少し時間がかかるかもしれませんが、できれば荷造りは子どもと一緒に行うようにしましょう。「新しいおうちではこれをどこに置こう」などと話ながら荷造りをすれば、引っ越しに対する子どもの不安も軽くなるはずです。■引っ越し後は親子で挨拶回り引っ越し後に行うご近所への挨拶回りは、できるだけ家族みんなで行いましょう。周りにどんな方が住んでいるのかが分かれば子どもも安心しますし、近所に同じ年頃の子どもがいれば知り合うきっかけにもなります。買い物や散歩などにも親子で出かけ、新しい土地のことを知っておきたいですね。大きな道路や交差点など、危険な場所のチェックも忘れずに。引っ越し後は荷ほどきや片付けなど、ママはやることがたくさん。でも、新しい場所ではできるだけ親子でゆっくり過ごし、子どもに変わった様子がないか気を配ってあげましょう。子どもを不安にさせないために、積極的にスキンシップをとるようにしてくださいね。■転園を伴う引っ越しの場合は?転園をする場合は、可能であれば新しい園を事前に見学させてもらいましょう。これから通う園の様子を知ることができれば、子どもも新しい生活をスムーズにスタートしやすくなります。新しい園に通い始めたら、新入園のつもりで気長に慣れるのを待ちましょう。前の園でできていたことができなくなることもありますが、叱ったり責めたりするのはNG。とくに転園してすぐは、先生達も子どもの様子に注意を払っているはずです。しっかり園とコミュニケーションをとり、心配な点があれば積極的に尋ねるようにしてください。一般的に、子どもは年齢が低いほど環境の変化への適応力も高いものです。引っ越しによる子どものストレスを和らげるために、しっかりとフォローをしてあげたいですね。
2017年03月08日お手伝いは子どもの生活力を育む良い機会となりますが、この20年で子どものお手伝い参加率は減少しています。お手伝いしないことが当たり前になると、何もできないまま成長してしまいます。お手伝いすることのメリットを知り、習慣化させるためのポイントをおさえておきましょう。子どものお手伝い参加が減少している理由お手伝いへの子どもの参加はなぜ減少しているのでしょうか?まずは、家事を手助けする製品やサービスの充実により、そもそもの家事の総量が減っていることが影響しています。さらに親の負担が減る中、子どもは塾や部活動などで家にいる時間が減っています。帰宅後も、宿題、夕食、入浴をするとあっという間に就寝時間となりお手伝いに参加する時間が取りづらいという理由があげられます。他にも、手伝ってもらうことで余計に時間も手間もかかってしまうということで、あえて親がお願いしないということもあるでしょう。お手伝いをすることで得られるメリットお手伝いをすることは、家事ができるようになるだけではなく色々なメリットがあります。1.責任感や自己肯定感が育つお手伝いを任せられると子どもは責任感を持つようになります。また、お手伝いを行い親に感謝されることで、自分に自信を持つことができるのです。2.自立につながるお手伝いが習慣化することで、自然と家事の流れを覚え自分の身の回りは自分でできるようになります。自分で生きていく基礎力を、幼児の頃から身につけましょう。3.親子間のコミュニケーションになるお手伝いをさせることで余計な時間や手間がかかるかもしれませんが、その分親子が向き合う時間は増えます。お手伝いをさせる時に大事なのは一緒にやること。見守られていることで、子どもはやりがいを感じます。また、一緒にやることで親の行動が自然と子どもの見本となります。子どもは親をしっかりと観察しているものです。お手本がいれば上達も早いですね。4.考える力や行動力が身につくやったことをないことを初めて行うのは非常に頭を使います。お手伝いが習慣化していると、何かあった際の状況判断を自分で行えるようになります。お手伝いを普段からすることで「こういう状況ではどうしたらよいか」と考え行動する力がつくのです。お手伝いを習慣化させるポイントお手伝いをしたくない子に無理強いをしたり、続かなかったりするようであれば意味がありません。大事なのは生活の中に無理なく取り入れ習慣化させること。そのためのポイントを知っておきましょう。まずは、終わったら感謝の言葉を伝えることです。「えらい」「よくできた」とただ褒めるだけではなく、「助かったよ」「ありがとう」「お掃除したらきれいになって気持ちがいいね」などの感謝の気持ちを伝えることで、パパやママの笑顔を見たいという気持ちが子どもの意欲を高めます。時間がかかったり失敗しても、絶対に叱ってはいけません。完璧にできていなくてもいい、という気持ちでお手伝いをお願いしましょう。完璧にできていなければ、次につなげるチャンスでもあります。感謝の気持ちを伝えた上で、親が見本を見せたり「どうしたらもっと上手にできるか」を一緒に考えたりしましょう。また、お仕置きや罰としてお手伝いをすることはご法度です。お手伝いをネガティブなものと捉えてしまい、嫌がってしまい習慣化することが難しくなるからです。幼児から小学校低学年くらいまでは遊びの延長で良いので、子どもの興味があるものを優先に簡単なことからやらせてみましょう。中学年くらいになったら「〇曜日はお風呂当番」などと役割を与えると、責任感を持って取り組むようになります。そういったお手伝いを続けていくと段取りや計画性が身につくので、学習にも役立ちます。子どもだからとなんでも親が手助けしてしまうと、子どもは何もできないまま成長してしまいます。子育てのゴールは自立です。大きくなってから洗濯物を畳めない、白米を研ぐことができない、などとなっては子ども自身が困ることになります。生活力を身につけ自分で考えることのできる子どもに育てるために、積極的にお手伝いをさせるようにしていきましょう。
2017年02月16日小学校に入ると求められる「整理整頓」のスキル。通知表でも「身の回りの整理整頓」というような評価項目を目にするようになります。しかし、学校では注意されたり、整理整頓スキルを評価されたりすることはあっても、整理整頓の方法はなかなか教わらないのが実情です。そこで、子どもが楽しくできる片づけのコツを、整理収納アドバイザーのカール友波(となみ)さんに聞きました。■筆箱の片づけで、子どものやる気スイッチをオン!小さな成功体験を重ねることで、子どものモチベーションがあがるのは勉強も片づけも一緒。まずは家や学校で毎日使う「筆箱」で片づけの基本を身につけるのがおすすめだそうです。たかが筆箱の片づけとはいえ、そこには片づけに必要なエッセンスがしっかり含まれているので、片づけ方をしっかり学ぶことができます。片づけの基本は同じなので、筆箱の片づけで自信を持ったら、ランドセル、机の引き出し、本棚、おもちゃ、子ども部屋などのほかの場所の片づけへも進めていけます。■STEP 1:全出しまずは中身をすべて出すのは片づけの基本。筆箱の中に入っているモノを全部出して、何が入っているか確認しましょう。小さな空間でもゴミから宝物までいろいろ入っているかもしれません。全部出したら、筆箱をキレイに拭きましょう。■STEP 2:仕分け片づけで大切なのは、持っているモノを仕分けること。モノがあふれている現代の日本社会では「いる」「いらない」、「使う」「使わない」など自分で基準を設けてモノを分けるスキルは身につけたいところです。おもちゃや本だと即決できなくて迷いそうですが、筆箱はスペースも限られ、本来入るべき「必要なモノ」は明確なはず。筆箱に入っているモノを「筆箱にまた入れる」「処分する」「ほかの場所にしまう」の3つに迷わず仕分けることができれば、「基準を持って自分のモノを仕分ける」スキルが身につく第一歩となります。■STEP 3:正しい場所にしまうモノを正しい場所にしまうのはやはり片づけの基本。仕切りのついているタイプの筆箱なら、迷うことなく筆記用具を筆箱にしまえます。この時に、「赤鉛筆は1番右」などとしまう位置を決めれば、いつも同じ場所に戻す練習にもなります。このように筆箱の片づけをしていくと、片づけの基本が身を持って理解できます。小さなスペースに入っているモノの数は限られるので、飽きっぽい子どもでもやり遂げられます。勉強に集中するためには、妨げになるモノを視界に入れないことも大切。筆箱の片づけで、整理整頓スキルが身につくだけでなく、勉強もより集中できるようになるかもしれません。■わが子が「片づけられる子」になる! 4つのコツ「モノを仕分ける」ことは片づけの基本ですが、子どもが自分のモノを仕分けられるようになるためのコツを教えていただきました。コツ1:モノを仕分ける主導権は子どもが持つコツ2:モノをすべて出してながめてみるコツ3:子どもに合わせた分け方を考えるコツ4:迷うモノのために「あいまいBOX」を用意するおまけでもらうオモチャや子どもの作品など、ついつい親がこっそり捨ててしまったりしますが、ずっと子どものモノの管理を親がしていくのは無理な話。小さな頃から子どもが自分で判断できるように育てていくことが大切なのですね。そうすれば、片づけ以外のことの判断の練習にもなりそうです。 編集協力: 「子どもがどんどん整理整頓したくなるお片づけ帖」 (永岡書店)子どもが散らかしてばかりで部屋が全然片づかない…。そんな悩みをお持ちの方に向けて、子どもが自分から楽しく片づけをしてくれるようなノウハウを写真やイラストを多用してご紹介。子どもが無理なく自然にお片づけができる “しかけ” を多数掲載しています。カール友波(となみ) プロフィール大阪芸術大学デザイン学科インテリア専攻卒業。整理収納アドバイザー1級。整理収納アドバイザー2級認定講師。子育てが一段落した後、大手家事代行会社のお片づけ部門を立ち上げ、様々なお客様のニーズに応えながら整理収納サービスに邁進。独立後、埼玉県内、都内、首都圏を中心に整理収納アドバイザー2級認定講座、「親子で学ぶおかたづけ」などのセミナーを開催。日本ではじめて生涯教育としてのお片づけ=「かたいく」を提唱し、普及に努めている。 <子どもの片づけ教育「かたいく」記事一覧>・ 子どもの片づけは ″しかけ” が9割! しからなくても片づけられる子どもを育てるコツ ・ 子どものやる気スイッチをオン! “片づけられる子” に育てる「かたいく」とは? ・ 子ども部屋って必要? 勉強机は? 新1年生に必要な準備とわが子の片づけ教育法
2017年01月18日「子どもが小さくて家がなかなか片づかない」「いつも子どもが散らかした物を拾って歩いている」こんな悩みを持っていませんか?自分がやった方が早いからと大人が片づけてあげたり、「片づけなさい!」と口頭でしかったりするだけでは、子どもはいつまでたっても片づけられるようにはなりません。「片づけで人生に役立ついろいろなスキルが身につけられる」と「かたいく」(お片づけ教育)を提唱している整理収納アドバイザーのカール友波(となみ)さんに、しからなくても子どもが片づけるようになるしかけを教えてもらいました。■子どもが思わず片づけたくなる “しかけ” とは?やみくもに「片づけなさい!」としかっても、どうやって片づければいいかわからないと、根本的な解決はできません。「ただしかっていても、子どもに片づける力はつきません。ずっとしかり続ける生活から抜け出るためには、まず子どもが楽しく片づけられる “しかけ” を作ってみるのがおすすめ」とカール友波さん。「片づけるためにはモノに定位置を作ってあげることが必要ですが、その定位置は小さなお子さんでは自分で決めるのは難しく、まず大人が決めてあげなければいけません。この時に、子どもが最も簡単に戻せるような場所を用意することが、お片づけ教育の第一歩になります」“しかけ” とは、子どもが思わず戻したくなる収納場所、収納方法を子どもの年齢やクセ、性格を見極めながら大人が作ること。「思わず子どもが片づけてしまうしかけを作る」というのは、子どもとの知恵比べのようで、なんだかちょっと楽しそうです。■まずは「靴」を思わずそろえてしまう “しかけ” から 一例として、今日からできる玄関の靴そろえのしかけを教えていただきました。靴そろえは、できるかどうかでその家のしつけの判断材料にまでされてしまうこともある重要な課題。逆に、靴をそろえられるようになるだけで子どもの評価も上がりそうです。子どもだけでお友だちの家の行き来が始まる小学生前に、ぜひ身につけておきたい習慣です。子どもが小さいうちはつい大人がそろえてあげてしまいますが、自分で靴の着脱ができるようになったら、実は小さな子どもでもそろえることはできるのです。■置く場所を決めたらあとは「視覚」に訴えるしかけのポイントは、2つ。まず、子どもにとってそろえやすい置き場所を決めること。子どもはちょっとしたことで面倒と感じがちなので、移動したり、扉を開けたりといったアクションの必要ない場所を子どもの靴の定位置と決めましょう。定位置を決めたら、あとは「目で見てすぐわかるように」靴の場所を明示してあげるだけです。▼STEP 1:チョークで靴形の絵を描く▼STEP 2:絵の上に靴を置くいつでも消せるのでチョークで描くのもおすすめです。その他に、テープを目印に貼ったり、紙やクリアファイルに絵を描いて置いたりなど、各家庭に合った方法を試してみてください。▼STEP 3:いつの間にかそろえて置くようになる!小さな子どもには、「ひと目で分かる」しかけの方が言葉よりも効果的。どんな “しかけ” が自分の子どもに合うか、楽しみながら試していけば、親子の片づけストレスもなんだか減りそうです。■“しかけ” づくり 4つのコツ玄関以外の場所も “しかけ” を作っていけば、散らからなくなりそうです。しかけを考える時に知っておきたい片づけのコツは次の4つ。実はこれは大人の片づけでも必要なコツですね。このコツを頭に入れながら、楽しんで「子どもが思わず片づけてしまうしかけ」を作っていきたいものです。1:片づけるための動線(人やモノが動く線)と動作がシンプルになるように考える2:よく使うモノの定位置は取り出しやすい場所にしまう。3:同時に使うモノは一緒にしまう4:いつも同じ場所で管理する編集協力: 「子どもがどんどん整理整頓したくなるお片づけ帖」 (永岡書店)子どもが散らかしてばかりで部屋が全然片づかない…。そんな悩みをお持ちの方に向けて、子どもが自分から楽しく片づけをしてくれるようなノウハウを写真やイラストを多用してご紹介。子どもが無理なく自然にお片づけができる “しかけ” を多数掲載しています。カール友波(となみ) プロフィール大阪芸術大学デザイン学科インテリア専攻卒業。整理収納アドバイザー1級。整理収納アドバイザー2級認定講師。子育てが一段落した後、大手家事代行会社のお片づけ部門を立ち上げ、様々なお客様のニーズに応えながら整理収納サービスに邁進。独立後、埼玉県内、都内、首都圏を中心に整理収納アドバイザー2級認定講座、「親子で学ぶおかたづけ」などのセミナーを開催。日本ではじめて生涯教育としてのお片づけ=「かたいく」を提唱し、普及に努めている。<子どもの片づけ教育「かたいく」記事一覧>・ 子どもの片づけは ″しかけ” が9割! しからなくても片づけられる子どもを育てるコツ ・ 子どものやる気スイッチをオン! “片づけられる子” に育てる「かたいく」とは? ・ 子ども部屋って必要? 勉強机は? 新1年生に必要な準備とわが子の片づけ教育法
2017年01月17日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「息子に恵まれながらも、娘を育てたい思いが募り苦しい」という、まさともさん (35歳・主婦)に、心屋塾上級認定講師の小林威之さんからアドバイスをいただきました。■まさともさんのお悩み私は3人の息子に恵まれました。でもずっと娘を育てたいと思っていたので、3人とも男の子で、正直ショックです。 女の子を連れてる人を見ると羨ましくて、胸が苦しくなるくらいです。なぜ私には男の子しか生まれないのか? すごくすごく心が苦しいです。健康で生まれてきてくれたことに感謝しなきゃいけないのに、女の子じゃないことに不足の想いを抱いてしまいます。■心屋塾上級認定講師の小林威之さんよりまさともさん、こんにちは。心屋流カウンセラーの小林威之です。お子さんが3人いらっしゃって、3人とも男の子なのですね。子育て本当にお疲れさまです。私は男兄弟2人の家庭で育ちましたが、いつも母が「男の子は手がかかる」とか「女の子だったら家事も手伝ってくれて楽しく暮らせたのに」とか言っていたのを覚えています。男の子2人でも手がいっぱいなのに3人も育てていらっしゃって本当に素晴らしいですね。女の子を育てたい、娘と一緒に暮らしたい、と願うのはごく当たり前の感情です。とくに男の子が3人もいたら、女の子がいてくれたらいいのに…、と思ってしまうのが普通です。私の母もよく言っていました。まさともさんは、もしかしたら「女の子が生まれてきたらよかったのに」と思ってしまうのが、いけないこと、ダメなこと、だと思っていませんか? 元気な男の子が3人もいるのに、それに満足できない自分を責めてはいませんか?もし今、まさともさんが女の子が生まれてこないことで、自分自身を責めてしまっているのであれば、まずは「女の子が欲しかった」という自分の気持ちを優先してみてください。「女の子が欲しかったなぁ」「女の子がいるお母さん羨ましいなぁ」「女の子と暮らす生活は楽しいだろうなぁ」など十分にその感情に浸ってみてください。そしてできれば、娘さんと暮らしている生活を想像してみてください。そんなことをして何の意味があるのか、と思われるかもしれませんが、ぜひ「女の子が欲しい」「娘がそばにいて欲しい」というその欲求や感情を、まさともさんの心に感じさせてあげてほしいのです。人は感情や欲求を我慢すればするほど、どんどん大きくなってどこかで爆発してしまいます。その爆発がまさともさん自身を傷つけることもあります。そうなる前にちょっとずつ発散してほしいのです。時には息子さんや旦那さんの前でも「私女の子が欲しかったなぁ」とつぶやいてしまっても構いません。イヤな顔をされるかもしれませんし、ムッとされるかもしれませんが、家族の前でも、自分の欲求や感情を我慢することなく優先してみてください。それくらい、自分の心は大切ですし自分で守ってあげる必要があるのです。私がカウンセリングをしてきてわかったことは、どんな感情や悩みや欲求でも、大切なメッセージがある、ということです。まさともさんが今感じている「娘を育てたい」という気持ちは、まさともさんへの大切なメッセージなのです。周りの人には理解されにくい悩みなだけに、心の奥底にその気持ちを押し込めてしまいがちですが、まさともさんが悩んでいるのは、間違いのない事実。まずは、その悩みとちゃんと向き合ってみてほしいのです。「私娘が欲しかったんだ」という気持ちがどうして生まれたのか、その理由がいつか理解できるようになります。そしてその時にまさともさんへの大切なメッセージ、まさともさんがやってみたいことや夢や幸せの形が見つかると思います。
2016年12月27日もうすぐクリスマス。クリスマスといえばやはりサンタクロースを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。子どもにとってサンタさんは憧れの存在。子どもとサンタさんについて、考えてみました。いつまでサンタを信じていた?子どもは何歳までサンタさんを信じているのでしょうか?あるアンケートでは、4~6歳まで、という意見が最も多く、小学校の学年があがるにつれて信じている割合は減っていきます。園児までは信じているというのが平均でしょうか。中には、毎年パパがサンタのふりをしてプレゼントを渡していたら、小学校にあがったタイミングで「サンタはパパでしょ?」と言われ、実は3歳の頃から顔や隠していたサンタの衣装を見つけたことで気づいていたという告白をされたという方もいました。数年はパパだと分かっていながら信じるフリをしていたとは、驚きですね。サンタさんの存在を疑いだしたらどうする?成長と共に子どもがサンタの存在を疑いだす時期があると思います。「ばれてしまった」と慌てる前に、どんな対応をするとよいのでしょうか?子どもがサンタさんについて聞いてくるということは、どこかでまだ信じたい気持ちがあるということ。聞いてきたら逆に聞き返してみましょう。「サンタさんっていないの?」と聞かれたら、「なんでいないと思ったの?」と聞いて話を広げていきましょう。「だって一人であんなにプレゼントを配れるわけないよ」と言われたら「え、サンタさんは一人だと思っているの?」と大げさに驚いてみましょう。「プレゼントは本当はパパやママがくれるんでしょ」と言われたら「え?ママが小さい頃は違ったよ。本当にサンタさんが来てくれたんだよ!」など。オーバーに驚いたり真剣に話す大人の姿を見て、子どもはサンタさんは本当にいるんだと感じることができます。信じているうちは子どもの夢を壊さないでいてあげたいものですね。サンタクロースは親の愛情の象徴子どもが寝た後に親がこっそりプレゼントを枕元に置いたり、サンタのフリをして手紙を書いたりという行為は、子どもの喜ぶ顔を想像して行うことです。子どもを心から喜ばせてあげたいという気持ちがサンタさんという形になっているのではないかと思います。プレゼントをもらう子どもはもちろん、贈る側の大人もワクワクするというのはステキなことではないでしょうか。高価なプレゼントをすることが大事なのではなく、親子で一緒に想像を巡らせたり、話したりするコミュニケーションが大切だと思います。親が子どもを喜ばせたいという気持ちが強いほど、サンタさんは子どもの中で強く長く存在し続けることができるのではないでしょうか。いつかサンタさんがいないという事実を子どもが知っても、ささやかな贈り物をしたり、カードを贈ったりという習慣を続けるようなステキな親子関係が続くといいですね。
2016年12月08日