小学生の子どもに「勉強しなさい!」と声をかけて机に向かわせても、なかなか勉強に集中しない…。そんな悩みを抱えているママは多いのではないでしょうか? どのようにしたら子どもが勉強に集中するのか気になるところですよね。今日から実践できる方法をご紹介します。■勉強する環境を整える机周りの環境は大事です。大人でも散らかっているデスクだと仕事に集中できないのだから、小学生だとなおさら。勉強に関係ないものは、机の周りに置かないようにしましょう。スマホや漫画、遊びに関するものは、目に入らないところに片づけます。教科書やノート、えんぴつ、消しゴムなどは、定位置も決めておくといいですよ。せっかく勉強に集中していても、「あれ、どこに置いかな?」となってしまうと、集中力も一気に低下してしまいます。デスクランプは白色の蛍光灯がオススメです。蛍光灯は脳を活発に活動させるといわれており、集中力キープにもってこいなのだとか。また、子どもが勉強しているときは親もテレビを見ないなど、家族全員で静かな環境をつくるように心がけましょう。■時間は短めに、目標を低めに設定「1時間半勉強しよう」「今日中にここまで進めよう」とはじめから目標を高くしすぎると、「やっぱり無理…」とお子さんが挫折してしまうことも。最初は時間を短めに、目標を低めに設定します。学校の授業時間より少し短めがよさそうです。机に向かった時間の長さより、勉強にどのくらい集中できたかを重視するといいでしょう。達成できたら、また小さな目標を立てます。大きな目標を掲げるより、小さな目標を少しずつ立てて、自信を積みあげていくほうが、子どもにとってプラスになります。■勉強のやる気スイッチを入れるしくみをつくる勉強のやる気スイッチは、子どもによってもさまざま。たとえば、勉強がはじまる10分前になったら、いつも同じ音楽をかけてみるのもいいでしょう。「勉強しなさい!」とガミガミいうより効果的かもしれません。苦手科目や問題を克服したいときは、漢字練習や簡単な計算問題など単純な勉強からスタートするのがオススメです。目安は15分くらい。お子さんが「もっとやりたい!」と言っても15分でやめるのがポイントです。苦手科目が後回しになってしまい、結局できなかったということになりかねません。ちょっとした工夫でお子さんの集中力は高まります。子どもにとってのスイッチはなにか、お子さんを観察して見つけてみるといいですよ。 (阿部裕子<フォークラス>)
2016年10月09日(Photo by Flickr)子どもの力は絶大だ。 それは時に、とてつもなく素晴らしい経験と実力を持つ人の判断よりも、正しい判断を導くことができる。 私たちは、今一度あの頃の気持ちに戻ることが必要なのかもしれない。 「タバコ」を「4歳児」に吸わせたワケ(Photo by Facebook)(Photo by Facebook)ベルギーの女性カメラマン、フリーク・ジャンセンがこの度発表した作品は、なんともヒヤリとするものだ。 彼女がカメラを通して写し出したもの、それは、「タバコ」を吸う子どもたちの姿であったのだ。 子どもたちの年齢は4歳から9歳までと幼い子たちばかり。 もちろんタバコを吸うなど、とんでもない年齢である。 なぜ、彼女はこのようなことをしようと思ったのか。 実はこの写真、喫煙をどう思うか、「子どもを通して考えて欲しい」という想いから作られたものなのだ。 撮影に使われたタバコは本物ではなく、チョークやチーズなど無害なもの。 煙もキャンドルで再現しており、すべてが撮影用のフェイクだから安心して欲しい。 ヨーロッパにおいても、「タバコは悪習である」という風潮が高まっている。 しかし、それでも禁煙は簡単ではなく、喫煙者が多いのも事実だ。 そこでフリークは、あえて子どもにタバコを吸わせ、この姿をどう思うか人々に考えてもらおうと思ったそうだ。 単なる禁煙ポスターよりも、インパクトは絶大だ。 「ライフル協会」の思わぬ失態(Photo by NRA)また、アメリカでは子どもを使って大失敗してしまった例がある。 この事例を作ったのは、アメリカの銃愛好家団体『全米ライフル協会』だ。 彼らはライフルの重要性を説くため、誰もが知っているおとぎ話に出てくる登場人物に、ライフルを持たせた動画を制作したのだ。 彼らが作った動画の中では、あの有名なヘンゼルとグレーテルの二人も、赤ずきんちゃんも皆、ライフルを持って敵を追いやってくというライフルの素晴らしさを称えるものであった。 協会側はこれを制作した意図について、「身近な物語を通じて、家族でライフルの大切さに気が付いて欲しい」と語っている。 しかし、この動画が公開されるや否や、今までライフルに賛成だった人やライフルに対してそこまで興味を持っていなかった人をも巻き込み批判が殺到。 「子どもにこんな姿を見せることはできない」、「大人としての品位が問われる」などと大いに非難された。 「学ぶ」という「悪」の経験(Photo by Flickr)子どもにタバコを吸わせたり、ライフルを持たせたりすることによって、今まで先入観を通して大人たちが見ていたもののフィルターがいったん外れ、物事の本質に迫ることができたようだ。 もしかしたら「子どもの目線」で何かを見ることによって、物事のいい部分、悪い部分がクリアになってくるのかもしれない。 大人になると様々なことを学び、経験してしまうので、多くの先入観に囚われてしまう。 もしかしたらそれによって正しい判断を狂わせていることもあるかもしれない。 時に学ぶことは悪となる。 学んでいくと次第に大人という「普通」の完成形に近づき、先入観やその場の雰囲気を重視して物事を判断してしまうのだ。 もちろん、これらの圧力は社会の安定化を図るために、ある程度必要なものだ。 しかし、大人になるとそれが「押しつけられる」形で自分の中に存在してしまうのではないだろうか。 「子ども」になることのススメ(Photo by Flickr)「子供」を使ったことによって、今まで禁煙に見向きもしなかった人たちがハッとさせられたり、ライフルに大賛成であった人たちが一気に批判的になったりした。 私たちは何かの結論を出す際に、理屈や分析を並べて考えることを優先しがちだ。 しかし、すべてを「子どもの視点で見る」ということも忘れてはならないポイントなのかもしれない。 先入観が入ってしまうと、自分の思い込みによって判断を誤ってしまうということもあり得る。 しかし、子どもは無垢だ。 何かを考えるときに足かせとなるムダとなる知識を子どもは「持っていない」のだ。 先入観を持たないためには、思い込みや決めつけを失くすこと。 できるだけ自分を疑うことが大切である。 特に重要な決断をするときには、先入観が邪魔になることが多い。 しかし、失敗を避ける最大の策は自分は常に「嘘つき」だと疑うことだ。 要するに、無駄な知識や経験に囚われることのない「子ども」のようになるということである。 via. TOXEL.COM, frieke, Gawker, スクルドエンジェル保育園, モンテッソーリのお店, 茨城教育委員会, 岡山県, Blogos, スキルアップ堂 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「校庭」を食べる子供たち。 「アメリカでは、4分に1人、肥満が原因で死亡」「イギリスの子供達は、トマトを見てポテト、ナスを見て梨と回答。」これらの事実を明らかにしたのは、イギリス人シェフで... ーBe inspired!
2016年08月26日娘が学校に行かなくなった出典 : 一見普通に学校に通っているように見える子ども。でも、人間関係がうまくいかない、いじめにあっている、授業についていけない、部活がつらい、進路に不安があるなど、隠れた悩みを持っているかもしれません。特に発達障害のある子どもは、特に心が繊細で学校という場に潜む問題にいち早く気づくようです。発達障害に理解のない先生から適切な支援を受けられず、つらい状態で頑張って学校に通う子どもも多いでしょう。アスペルガー症候群のある私の娘は、「どうしてみんなは先生の言うことを聞かないのか」、「どうしてケンカばかりするのか」、「なぜ先生はケンカや言うことを聞かない子を放置するのか」といった学校の問題に悩み、心を痛めていました。そして学校という場になじめなくなり、力尽きるように行けなくなってしまいました。今回は、不登校になってしまった娘と私の夏休みについてお話します。夏休みの終わりに娘が出したSOSサイン出典 : 私の娘は不登校になってから7年が経ちます。娘が学校に行かなくなったばかりのころは、「本当は怠けているだけなのではないか?」「頑張れば行けるようになるのではないか?」と考えていた時期がありました。夏休みの終わりごろは特に、「新学期になれば娘は学校に通うのではないか」と期待する自分がいました。今思うと、これは無意識のうちに娘へのプレッシャーになっていたでしょう。不登校の娘も、「新学期になったら行かなくちゃ」と親の期待に応えようと苦しんでいたと思います。学校へ行かない娘にとって、夏休みはやっと来た休暇であり、ホッとできる期間でした。でも2学期がいよいよ始まるという夏休みの終盤は、娘はとてもストレスを抱えていたようです。例えば娘は、・宿題をやっていない・気力がない、腹痛や頭痛がよく起こる、体調不良を訴える・夜に眠れず昼間に寝てしまい、昼夜逆転生活になる・身なりに構わなくなる・視線を合わせないといったSOSサインを出していました。夏休みが終わることにおびえていたのです。9月1日、子どもは追い詰められている娘がSOSを出していたにも関わらず、私は「また学校に行って欲しい」という期待をもとに娘に厳しく接してしまいました。すると娘はますます学校に行く気力を失い、心身ともにどんどん弱っていきました。実は、夏休みが終わった次の日の9月1日は、18歳以下の子どもの自殺が1年の中でも多い日になっています。Upload By ヨーコ夏休みが終わるころ、子どもたちはそれほどまでに追い詰められているのだと思います。私が参加している不登校の親の会でも、私と同じように子どもに厳しく接してしまい、子どもが不登校のままという方が大勢います。みなさん「あの時厳しく子どもを責めなければ良かった…」と言っています。SOSを出している子どもに厳しくしてしまうと、親子の信頼関係が崩れてしまうのだと痛感しました。子どものSOSサインに気づいたら、決して問いただしたりはしないで、さりげなく「困ったことがあったら話してくれてもいいんだよ」と伝え、注意深く見守ってあげてください。親に必要なのは、子どもを休ませる勇気出典 : 去年話題になったこの記事。覚えている方も多いかもしれません。「学校が死ぬほどつらい子は図書館へいらっしゃい」。夏休みが明けるころに子どもの自殺が増える傾向があることから、神奈川県鎌倉市立の図書館の公式ツイッターが26日、こうつぶやいた。共感を呼び、13時間で4万回以上もリツイートされている。私は、図書館だけでなく家庭こそ、「学校が死ぬほどつらい子」を受け止める場所でなければならないと思っています。でも子どもが「学校へ行かない」と言った時、親が怒ったり、責めたり、泣いたりしていたら子どもは家で心を休ませることができません。自分の子どもが学校に行かないことを認めるのは簡単なことではありません。そこには、「学校へ行かないと学力がつかない、社会生活ができなくなる、集団生活ができないと社会人として生きていけない。」という親自身の価値観があるのだと思います。そういった価値観は社会が親に押し付けているものでもあると私は思います。だからこそ、周囲や学校からの声に親もつらい思いをするのです。私も子どもの不登校を7年経験していますが、正直言ってまだこの「普通の価値観」を捨てきれていないと思います。だけど、心身ともに疲れ果てている子どもには、せめて家で休むことを認めてあげることが必要なのではないでしょうか?子どもの不登校を認めるのは大変なことですが、どうか子どもを休ませる勇気を持ってほしいと思うのです。エネルギーがたまると子どもは動き出す出典 : ストレスや恐怖から解放されて、再びエネルギーがたまるまでゆっくりと休むと子どもは変わります。娘も、学校へは行かないけれど長い間しなかった勉強を少しずつ始めました。今は進路も子どもによって様々です。学校に行かなくても仕事についている人はたくさんいるし、道は一つではないのです。生きていてくれてこその未来です。
2016年08月19日パズルを解く際、思い込みすぎの「ガチガチ脳」になっていると、なかなか解くことはできないもの。しかしそこに「想像力」をプラスすれば、すんなり解けてしまうことがあります。つまり、難しい計算や数学の知識は一切必要ないのです。そこで、問題をひとつご紹介します。問題文を読んだら、ほんの少しだけ、答えまでの道のりを想像してみてくださいね。■ガチガチ脳になっているかを試されるパズル・問題編では、問題です。ここに1枚の紙があります。この紙を、カッターナイフを使って100枚に切り分けることになりました。カッターは、まっすぐに入れて切るのを「1回」と数えます。ただし、2枚以上同時に切ったり、折ったり丸めたりしてはいけません。紙の大きさは統一していなくても、バラバラでもかまいません。さて、最低何回切れば紙は100枚になるでしょうか?■ガチガチ脳になっているかを試されるパズル・解答編「縦・横・斜め……」と、頭のなかで紙を何回も切り刻んだ方や、「1枚が2枚に、2枚が4枚に、4枚が8枚に……」と計算をされた方、お疲れさまです。これは、難しく考えれば考えるほど正解から遠ざかってしまう単純なパズル問題です。1枚の紙を100枚に切り分けるためには、「99回」のカットが必要となります。「なぜ、そんなに?」と驚いた方は、もう一度問題文を読んでみてください。「2枚以上同時に切ってはいけない」ということは、「1枚増やすためには、必ず1回まっすぐに紙をカットしなくてはならない」ということ。すなわち、紙が2枚に増えるのは、最初の1カット目だけだったということです。*これがすぐに解けたかたは、かなりの想像力があるといえます。普段、人からよくアイディアマンと言われているでしょう。ただ、解けなかったかたにとっては、なんだか意地悪問題のような、頭を柔らかくすれば解けたような、少し悔しい気持ちになるパズルでしたね。この機会に、普段から「ガチガチ脳」にならないよう、気をつけて過ごしてみませんか?(文/中田蜜柑) 【参考】※快活脳!思考の罠と脳の基礎知識※老年若脳※IQ脳.net【パズル】※北村良子・・・パズル・クイズ作家。書籍の他、企業、新聞、TV番組、雑誌等向けに作成。著書は『大人のIQパズル』(彩図社)『60歳からのボケないための思い出しパズル』(永岡書店)他。お問い合わせはフォームからお願いします。【画像】※BAR SEA-TURTLE』からどうぞ!
2016年07月19日■子どもの可能性がぐんぐん伸びる! 夏のイベント&スポット4つ子どもたちが待ちに待った夏休みがスタートします。おでかけの予定をこれから立てる方は、せっかくのお休みを利用して、各地でおこなわれる子どもの発想力を刺激するイベントやスポットに足を運んでみてはいかがでしょう。楽しめて、知的好奇心を伸ばせて、そのまま自由研究のテーマにもできる、一石三鳥な夏休みのイベント、スポットをピックアップします。■サイエンススクエア(東京都)国立科学博物館が毎年開催している、科学とふれあう体験型のイベントです。電気のひみつ、光や音のつたわりかた、摩擦×謎解きといったやさしく身近な科学から、けん玉やはんこ、万華鏡、ロボットまで実際につくってみる工作系など、子どもの好奇心を刺激するワークショップがもりだくさん。また、そのほとんどが材料費ゼロで参加できるのも魅力のひとつです。ここで学んだり、つくったりしたものを、そのまま自由研究の課題として提出することもできそうです。毎年大人気のイベントのため、参加にはウェブでの申し込みが必要で、その後抽選がおこなわれます。8月3週目の申し込みは2016年7月19日(火)17:00まで。気になる方はお早めにウェブサイトをチェックしてみてください。・ サイエンススクエア ■Tech Kids CAMP(全国主要都市)ゲームやスマホアプリに夢中になっているわが子の姿を見て、「その集中力を勉強に向けてくれたらいいのに…」と思うことはありませんか? それなら、いまはプレイする側を楽しんでいる子どもたちに、「つくる側」の視点を提案してみてはいかがでしょう。「Tech Kids CAMP」は小学生向けのプログラミング入門ワークショップで、毎年夏には3日間、5日間、7日間から選べる短期集中プログラムが組まれます。全国の主要都市で行われ、アプリ開発、2D、3Dゲーム開発、今子どもたちに大人気のマインクラフトのプログラミングまで、コースもさまざまです。普段からパソコンやゲームに慣れ親しんでいる子はもちろん、あまりいじったことがない子でも大丈夫とのこと。楽しい学びを通して、子どもたちの意外な才能が開花するかもしれません。・ Tech Kids CAMP ■こども国際フェスタ(東京都)グローバル化が叫ばれる昨今、せっかくなら子どもたちにも世界のさまざまな人々と交流するチャンスを広げておきたいものです。外務省後援で催される「こども国際フェスタ」は、そんな親の願いが実現するイベントです。夏休み中には、大使館をめぐり各国の文化や食にふれる「大使館訪問」や、各国からの留学生とふれあいながら、楽しく英語を学べる交流会、さらには5日間の国内留学などの多彩なプログラムが用意されています。夏休み中のプログラムはいずれも事前予約が必要で、参加費用は5,000円から(プログラムによって異なります)。休み明けではありますが、2016年9月3日(土)に東京・恵比寿でおこなわれるフェスタ当日は入場無料で、ワークショップも用意されます。貴重な国際交流体験は、自由研究のテーマとしてもぴったりです。・ こども国際フェスタ ■北野工房のまち(兵庫県)兵庫県・神戸市にある「北野工房のまち」は、使われなくなった小学校を「ものづくり」体験ができる施設へとうまれかわらせた、いま注目の廃校利用のスポットです。工房の名のとおり、施設内には手芸系のクラフトから、食品サンプルづくり、和ろうそくづくりなど、ここでしか体験できない手作り体験メニューがたくさん。ビーズブレスレットやぬいぐるみのアクセづくり、スノードームづくりなど、小学校低学年くらいの子でも取り組めるメニューはもちろん、話題のフルーツカービング、本格的なシルバーアクセサリーづくりなどのおとなが夢中になってしまいそうなメニューも数多く、親子そろって楽しむことができそうです。夏休み中には、「夏休み体験広場」第2弾も予定しているそう。事前にチェックしてみてはいかがでしょう。・ 北野工房のまち 長いようで短い夏休み。せっかくなら、さまざまな体験をさせてあげてあげながら、悩ましい自由研究の課題もスムーズにすすめられるよう、工夫できるとよいですね。
2016年07月16日『4歳~9歳で生きる基礎力が決まる! 花まる学習会式 1人でできる子の育て方』(箕浦健治、高濱正伸著、日本実業出版社)の著者は、1993年に「花まる学習会」を立ち上げた人物。ご存知の方も多いと思いますが、「花まる学習会」は「生きる力」を育み、「メシが食える大人=自立・自活できる人」、「モテる大人=魅力的な人」を育てることを最終目標にしているユニークな学習塾として知られています。いわば著者は、幼児から大学生まで、教育の現場で数多くの子どもたちを見てきた実績を持っているということ。興味深いのは、そうした経験に基づき、生きる力を育むうえで最良の時期は「4歳から9歳」の幼児期だと主張している点です。■人間は成長すると全く違う生き物になる子どもについて話すとき、花まる学習会では「人間は“変態”する生き物である」ということからはじめるのだそうです。変態とは、「全く違う生き物になる」こと。たとえれば、9歳くらいまではオタマジャクシ。個人差はあれど、10歳くらいは足の生えたオタマジャクシ。そして10歳以降は、しっぽの短くなった“ほぼカエル”=大人になるのだということ。オタマジャクシである9歳の子どもに「陸の上で飛び跳ねなさい」といっても、子どもにとってはつらいだけ。オタマジャクシがカエルのように振る舞うことは、どんなにがんばっても無理だからです。だからこそ、そのことを理解しない親の過度な叱責や期待は、子どもの自信喪失につながると著者は訴えています。自信を失った子どもは、時期が来ても陸に上がらず、水のなかで過ごすカエルになってしまうかもしれないとも。■4~9歳の子どもはできなくて当たり前著者はよく、4~9歳の子どもを持つご両親から「うちの子、じっと座っていられないんです」「何回いってもわからないんです」というような相談を受けるそうです。でも、それこそが4~9歳の特性。そう考えれば叱る理由はなくなり、「できなくて当たり前なんだ」と思えるはず。親にとってつらいのは、まれに「できる子がいる」ことだとか。そういう子がいると、したくないのに我が子と比較してしまい、「うちの子はこのままでいいのか」と心配になってしまうわけです。でも、子どものことはなんでも心配になるのがお母さんで、それが「母という生き物の特性」。たしかにそう考えると母としての自覚を持つことができ、子どもと向き合うことができるのではないでしょうか。子どもとは、母とは、どういう生き物なのか?その特性を知れば子育てが楽になり、子どもの成長の芽を伸ばす工夫ができるようになるということ。■両親の声かけや温かなまなざしが大事!個人差こそあるとはいえ、子どもは9歳ごろまでは、「自分はなんでもできる」と思っているのだそうです。でも実際は、できないことだらけ。生まれてすぐは立って歩くことすらできないのに、なんでもできると思っている。だから、はじめは臆することなく挑戦できる。挑戦した結果、できなかったとしても、お父さんやお母さんからのプラスの声がけや温かなまなざしがあれば、「自分はいつかできる」と思うことができ、また挑戦できるわけです。つまり、お父さん、お母さんがプラスに受け止めることで、子どももプラスに受け止めることができるという考え方。ここからもわかるように、4~9歳は、生きる基礎力が育まれる時期。そのため、「思いやりの心」「たくましい心」を“生きる基礎力”として身につけられるような経験、そしてまわりの人の態度や言葉が重要だというのです。■4~9歳は「経験の総量」を増やすべし私たち大人は経験上、「なにが大変でなにが危ないか」をわかっているもの。そのため子どもに対しても、つい先回りをして準備したり、子どもの行動を止めたりしてしまいます。たとえば雨が降りそうだと思ったら、傘を準備しておく。ケンカになりそうだと思ったら、ヒートアップする前に止めてしまうなどがそれにあたるわけです。しかしそれでは、いつまでたっても子どもは「わからない」まま。空がどんな色をしていたら、空気がどんな匂いだったら雨が降りそうなのか。相手にどんなことをしたらケンカになるのか、どんなことをいったら相手は起こるのか。経験しなければ、自然のことも、相手の気持ちもわからないまま。だとすれば結果的には、相手を思いやることができない大人に育ってしまうでしょう。そこで4~9歳の幼児期に、「経験の総量」をできるだけ増やしてあげることが大切だと著者はいいます。親としてはつい手を貸したくなりますが、4~9歳の子どもは激しいケンカをしても翌日にはケロッと忘れてしまうもの。「忘れやすい」「恨みを持たない」「自分はなんでもできると思っている」時期だからこそ、子どもに自由にやらせてあげることが大切。いいかえれば、この時期に「思いどおりにならない経験」をたくさん積むことが、子どもにとっても成長のチャンスだということ。*花まる学習会式の考え方は、ひとつひとつが核心を突いていて痛快。読んでみれば、気づけなかったことに気づくことができるかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※箕浦健治&高濱正伸(2016)『4歳~9歳で生きる基礎力が決まる! 花まる学習会式 1人でできる子の育て方』日本実業出版社
2016年07月02日高齢出産で仕事をしながらの妊娠生活、里帰りもできない。できることなら出産も産後もラクに乗り切りたい。そのためなら多少費用が掛かっても、やっぱり無痛分娩でしょ! そんなわたしの経験談をお話します。■いざ出産! 想像以上に壮絶だった無痛分娩言われるがままに計画分娩となったわたし。午後に入院、夕方にはウワサの痛くて太い注射を打たれ、子宮口を広げるラミナリアという処置をしてもらいました。これがすでにとっても痛い…。この時点でギブアップしそうになるなんて、やっぱり無痛分娩にしてよかった…と心から思いました。その後、陣痛促進剤を入れて「子宮口が5センチになったら、麻酔を入れますよ~」と言われ、しばらくベッドで安静にしていました。当初は余裕で、スマホで実況中継動画を撮ったり、家族と冗談を言いあうぐらいだったのですが、徐々に子宮口が開いてくると、鈍い痛みが襲ってくるように…。そして、ついに生理痛の比ではないほどの痛みが、数分おきにやって来るようになったのです!■子宮口が4センチから開かない!!その病院では、子宮口が5センチになると麻酔を入れることになっていました。しかしなぜか私は4センチから開いてくれず、そこから数時間信じられない痛みを耐えることに…。その間、何度も「ま、麻酔を入れてくれ~!」と叫ぶほどの状態でした。何のために無痛分娩を選んだのかわからないぐらいの痛みだったので、もう耐えられない! と鬼の形相で直訴、ちょっぴりフライング気味に麻酔を入れてもらいました。するとウソのように痛みがすぅっと消えて、無痛状態になりました。■いよいよ分娩台へ!その後もなかなか赤ちゃんは降りてこず、14時間後ついにその状態のまま分娩台へ移動することに。人生初のストレッチャーに乗せられても「痛くない」という安心感のおかげで冷静でいられました。初めての分娩台はドラマで見るような空間。助産師さんから呼吸のリズムやタイミングを教わりながら、あとはひたすら指示通り「エアいきみ」!さすが無痛なだけあって痛みはまったく感じないものの、この「一応いきむ」というのが不思議な感覚でした。おなかに力を入れて、女優気分で何度もいきむ。頭が出てきていることは教えてもらったものの、どこかが引っかかっていたらしく、最終的には吸引分娩になりました。力士級の巨体先生が応援に駆けつけ、わたしのおなかをぎゅうぎゅう押す。同時に主治医が吸引。わたしはひたすら「エアいきみ」。そんな壮絶な状況なのに、全然痛くないという不思議…。間もなく出てきたわが子は、明らかにむすっとした顔をしていました。もっとおなかにいたかったとでも言いたげに…。すべての光景が本当にシュールでしたが、無事に産まれたわが子を見て、安心した気持ちで満たされました。■ナメていた…大変だった産後ヘビーな分娩を終えた夜9時。個室にもどり、ベッドで大仕事を終えた余韻にひたっていました。ところが家族を見送った直後から麻酔が切れはじめ、股に激痛が…。吸引分娩で縫合した痛みか、子宮が収縮してもどっていく痛みか、とにかく信じられない痛みが襲来!あまりに痛みが激しすぎて眠ることもできず、個室でひとり「おかあさ~ん…」と子どものように泣きながら朝を迎えたのでした。■同じ無痛分娩でもこんなにも差が!個人的には「意外と痛い思いをした無痛分娩」でしたが、友人は無痛分娩で産んだ直後に笑顔でエアロバイクをし、お祝い膳をたらふく食べていたので、こればかりは個人差があるようです。また別の友人は、ラミナリアの処置をしても子宮口が開かず、一度ラミナリアを抜いて翌日に再処置をしたにもかかわらず、結局帝王切開となりました。無痛の予定がカイザー…そんな展開もあるようです。お産って本当にわからないものですね。■まとめると…わたしの結論では、高齢出産×ハードワーク×里帰りナシでも、なんとかなりました!里帰りナシについては、産前産後の仕事がスムーズだったこと以上に、パパのスタートダッシュ効果が大きかったです。最初から育児に対して積極的に、主体的に動いてくれると後々とても助かります。無痛分娩でも、確実に計画分娩をするならば、24時間365日OKの病院にこだわる必要はないかもしれません。(もちろん想定外の早産など、いろんなケースを考える必要はありますが)むしろ“どんな状態になったら、麻酔を入れてくれるのか”を確認すべきかも…。無痛分娩だからといって、必ずしもまったく痛みがないとは言えません。正直私はナメていました。友人のように痛みなく余裕だった人もいれば、わたしのように産む前後で想定外の痛みを感じることも。これから検討される方は、いろんな人の体験談を聞いてじっくりリサーチされることをおすすめします!
2016年05月05日子どもには勉学の知識だけでなく、深い人間性や感受性も身につけて、心の豊かな人になってもらいたい。そう願う人も少なくないでしょう。そんな心の豊かさを育むための良い刺激となるのが、芸術です。「芸術なんて子どもには難しすぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、ヨーロッパではどの国でも、子ども向けの芸術プログラムがたくさん準備されています。そして、最近では日本の美術館も、子どものためのプログラムに力を入れているところが多くなってきました。子どものための芸術プログラムってどんなもの?ただ鑑賞するだけではわかりにくい美術や芸術。特に、まだ知識の育っていない子どもにとって、「これは素晴らしい絵でしょう」と言われても、首を傾げることのほうが多いはず。けれども、プログラムやワークショップを通じて芸術に親しめば、親近感が沸き、より理解が深まります。加えて初対面の人と繋がったり、アーティストとコミュニケーションをとれたりするのも、子ども向けプログラムならではのいいところです。都内近郊を中心に、子ども向けプログラムのある美術館をいくつかピックアップしてみました。国立西洋美術館「どようびじゅつ」対象:6才~9才の子どもと同伴の大人 (子どものみの参加は不可)西洋美術館に常設されている絵や彫刻を、子どもたちみんなで学芸員の解説などを聞きながら楽しみ、その後それをモチーフにしたバッグや紙細工や絵など、自分でも創作を楽しみます。・ ファミリープログラム|国立西洋美術館 東京都美術館「とびらボード」対象:中学生までの子ども特別展の開催期間中、子ども向けに無料でお絵描きボードを貸し出してくれるサービス。お絵描きボードは描いたり消したりが自由自在なので、展示されている作品をじっくり観察して、スケッチすることができます。また、描いた絵をポストカードとして印刷し、持ち帰ることも可能(※ワークショップ「とびらでGO」開催時のみのサービスです)。そのほか、各展覧会に合わせて塗り絵や缶バッジ造り、謎解きイベントなど、さまざまなワークショップが開催されるので、逐次情報をチェックしておくとよさそうです。・ とびらボード|東京都美術館 ・ ワークショップ|東京都美術館 東京都現代美術館「ギャラリークルーズ」対象:プログラムごとに異なる ギャラリークルーズは、学芸員と一緒に美術館内や展示室をめぐり、体験的に作品鑑賞をおこなうプログラムです。しかも、ただ見るだけではなく、変わった趣向(たとえば、コップの裏に穴をあけて、そこから絵を見てみる)を凝らして絵を鑑賞することも。次はどんなことをするのか、そんなワクワクも手伝って人気のあるプログラムです。・ 普及プログラム「ギャラリークルーズ」|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO サントリー美術館「エデュケーションプログラム」対象:プログラムごとに異なる サントリー美術館では、日本美術の楽しさを伝えるためのさまざまなプログラムを開催しています。日本画の画材について解説する親子向けワークショップや掛け軸、屏風づくりの体験型レクチャーのほか、夏休みには子ども向けプログラムを実施するなど、日本美術という限定的なジャンルながら、プログラムの内容な実に多彩。月に一度程度は実施されているようなので、随時チェックしてみては。・ まなぶ・体験する サントリー美術館 横浜美術館「子どものアトリエ」対象:幼児(年長児)/小学校低学年/小学校高学年対象年齢を分けて開催している「子どものアトリエ」。部屋一面の大きな画用紙に思いっきり絵を描いたり、土粘度で好きなかたちをつくったり、銅板に絵を描いて、それを版画にしてみたり、立体絵本をつくったり。プログラムはかなり多岐に渡るので、子どもが興味を持ちそうなものがあれば、ぜひ申し込んでみましょう。・ ワークショップ | ワークショップ | 子どものアトリエ | 教育・創作体験 | 横浜美術館 (関連記事)・ 美術館は大人だけのものじゃない! 子どもがアートとふれあえる、横浜美術館の「子どものアトリエ」 名古屋市美術館「びじゅつ びっくり たまてばこ」子ども向け美術プログラムが充実している名古屋市美術館。「美術の"び"は、『びっくり!』の"び"」を合言葉に、美術館を玉手箱に見立て、さまざまな驚きが飛び出してくるプログラムを2ヶ月~3ヶ月に一度程度開催しています。また、毎年夏休みには「夏休みこどもの美術館」と題した特別プログラムの開催もあり、人気を博しているようです。・ キッズプログラム|名古屋市美術館 子どもの時期に感じた美術への感受性は、大人になっても身についているはず。さまざまな美術館を訪れて、たくさんのプログラムに参加して、豊かな心が育まれるといいですね。(ふじなみまき<フォークラス>)
2016年03月31日「最近の若者には、指示がなければ何もしない『指示待ち族』が多い」と揶揄されることもあります。わが子を指示待ち族にしないために大切なのは「思考力=自分で考える力」です。思考力を育てるのに最高なのがオープンクエスチョン。そのオープンクエスチョンの上手な行い方を紹介します。オープンクエスチョンって何?オープンクエスチョンの反対語は、クローズドクエスチョンです。これらは、どのように違うのでしょう。簡単に言えば、クローズドクエスチョンは、「はい」と「いいえ」で答えられる質問。オープンクエスチョンは、聞かれた相手が答えを自由に選べる質問です。オープンクエスチョンでは、自分を省みて質問に対する答えを探し、それを言葉にすることが求められます。相手が子どもであれば、親がその答えを受け取り、意を組んでさらに膨らませることができれば会話は盛り上がり、子どもは「もっと話したい」「もっと聞いて欲しい」という気持ちを持ちます。すると、子どもはこれまでに培ってきた語彙を最大限に駆使し、頭の中にあることを精一杯伝えようとするのです。子どもの言葉を待ちましょう子どもは大人に比べて語彙数が少ないため、その分、考えをまとめづらいものです。ですからオープンクエスチョンに対して、パパッと簡単に答えることができません。ただし、答えたいという気持ちは大人と同様に持っています。ですから、大人は子どもの言葉が出てくるまで待ちましょう。「大丈夫だよ」という思いを込めてその子のことを見つめながら、じっと質問の答えを待つのです。間違ってもスマホなんていじってはいけませんよ。子どもが心を開き、自分の気持ちを言葉にしようと頑張っているのですから、大人もそれを受け止める準備をしましょう。オープンクエスチョンを何度も繰り返すことで語彙力が強化されるオープンクエスチョンは一度では足りません。何度も何度も重ねることによって、自然と考える力が身につき、豊富なバリエーションで答えを返してくれるようになります。そして、それはいつ始めればベストだというものでもありません。これまで子どもに対してオープンクエスチョンでの質問をしてこなかったという家庭でも、今から始めれば大丈夫。子どもというのはいつの時点からでも伸びるものです。しかも、さまざまな場所で言葉のシャワーだけは常に浴びているので、自分の中には語彙がたまっている子も多くいます。語彙力がつくかどうかは、それを吐き出せる力があるかどうかにかかっています。オープンクエスチョンを繰り返すことによって、語彙力を強化し、自分で考える思考力を身につけさせていきましょう。(ふじなみまき<フォークラス>)
2016年03月31日【ママからのご相談】小3男子のママです。子どもがなんでも途中で放り投げてしまって、「物事へのモチベーションややりぬく力が育っていないのでは?」「将来の受験は大丈夫?」と心配です。モチベーションを上げてやりぬく力を身につけるポイントはありますか?●A. 子どもの“やりぬく力”は親の適度なサポートで育まれます。こんにちは、遊びと学びの専門家大根はじめです。やりぬく力は非認知スキル の一つですね。職場の専門学校でも、やりぬく力がある学生の方が早い時期に希望の会社への内定を手に入れる傾向が強いです。将来なりたいものになるための決定力とも言える能力だと現場で強く感じます。今回は、やりぬく力を育むポイントをご紹介します。●まずはモチベーションを高めるムーギー・キムとミセス・パンプキンの著作『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』では、やりぬく力を身につけるために家庭でできるのは、『モチベーションを高めて真剣に最後まで続けさせること』と指摘しています。モチベーションの起点は自主的な挑戦にあります。ゲームのハマる仕組みでも心理学でも“自主的にはじめる挑戦”がモチベーションを高くする ことが知られています。まずはお子さんに「○○しなさい」ではなく自分が言い出したことに挑戦させることです。お子さんの「やってみたい」の声に耳を傾けできるかぎりチャレンジさせてみてください。春休みはお子さんのやってみたいを試してみるよい機会になると思います。●応援し、適度な期待感をもつ子どものモチベーションを維持し続けるには、まずは親が応援団になるとよいでしょう。挑戦できる場をつくること応援する気持ちを伝える、言葉でのサポートがあるとよいでしょう。また、わが家の経験になりますが、応援団の規模を広げることも効果的です。自分で始めた習い事の成果を子どもからおじいちゃんに電話報告するようにしたところ以前よりもモチベーション高く取り組んでいます。期待感をもって接することも重要です。期待感を親が持ちすぎると重圧になりますが、なさすぎても子どもは味気なくさびしく感じるものです。子どもの希望や特性を無視した期待(例えば本人が望まない職業へ就くことへの期待など)ではなく、子どもの努力を認めて、(喜ぶ親の愛情を子どもが感じられる)適度な期待 を持つとよいでしょう。自分の挑戦に対する正のフィードバックは、ゲームの仕組みでもモチベーション維持に関係する項目です。●真剣に続けさせる子どもの好奇心はあちこちに広がるので「やってみたい!」も多く生まれることと思います。なんでも体験させてみた後は継続する挑戦を選択していくのも重要です。「本当にやりたいことか?」 子どもの本気度をお互いに確認しましょう。習い事や塾ならば、親は子どもの本気にお金を出してサポートするということを表明するのもよいでしょう。時には叱ることも必要です、叱る基準は子どもが真剣に取り組まなかったとき、度を超えた怠慢のときです。真剣に取り組んでいるときはそれを認めた言葉がけをし、真剣に取り組まなかったときは勇気をもって叱ることでやりぬく力を育てます。子どもが途中で投げ出しそうになることがあっても、すぐに途中でやめるクセをつけないようにしましょう。わが家では、「半年続けること」を習い事を始める条件に、「一年間続けること」を次の習い事が始められる条件に設定しています。まずは「基礎を身につけるまでは続ける」など家で目標を設定し、励ます言葉をかけ続け“継続する”経験 を子どもにさせてみましょう。そして、子どもの失敗は叱らず、原因を子どもに考えさせ、次につなぐ気持ちを持てるようにしてください。感情的に子どもの失敗を叱ると、子どもが固く委縮してしまいます。息を深く吸って気持ちを落ち着けてから叱りましょう。【参考文献】・『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』ムーギー=キム/ミセス=パンプキン・著・『ビジネスを変える「ゲームニクス」』サイトウ=アキヒロ・著●ライター/大根はじめ(マンガ家)
2016年03月18日「ママ、一緒に遊んで~」「ママ、これやって~」という、子どもからのリクエスト。時間があれば、いつも子ども応えてあげたいのですが、きょうだいがいる場合は下の子の面倒を見たり、夕飯の支度や掃除など家事をしなければならなかったり、正直いつも一緒に遊んであげるのは難しいですよね。できれば少しの間でも、子どもに1人遊びをして欲しいというのがお母さんの本音かもしれません。そこで今回は、子どもに1人遊びをどうさせればいいのか、1人遊びを習慣づけるためのポイントをご紹介します。年齢は何歳からでも一般的に子どもが1人遊びをできるようになるのは、何かに集中できるようになる生後2~3ヶ月からと言われています。ただし、もちろん個人差はありますし、その時期を逃したからと言って、大きくなってから1人遊びができないというわけではありません。子どもに1人遊びを習慣づけるのは、何歳からでも可能です。五感を刺激する遊びをさせよう赤ちゃんの頃は、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」といった五感を刺激するもので遊ばせると集中して遊ぶと言われていますが、もちろん年齢が大きくなってもそれは変わりません。どの年齢の子どもでも五感を刺激する遊びをさせれば、かなり集中して遊んでくれます。乳幼児や幼児であれば、何かゆらゆらと揺れる物、ぬいぐるみや積み木などシンプルな玩具を好んで遊びます。3~4歳以上の子どもには、パズルやレゴなどがおすすめです。1人遊びをしながら、ひらめきや想像力も発達することでしょう。短時間でも集中できる、五感を刺激する遊びをさせることが、1人遊びの習慣をつけるキーポイントのひとつです。ただし、タブレットや携帯電話で動画を見て子どもがおとなしくしているのは、1人遊びには入らないので、あしからず。毎日少しずつ1人遊びを習慣づけてみる子どもは時間の感覚がわかりません。毎日規則正しい生活をすることで、生活のリズムが作られていきます。初めから1人遊びができないのはあたりまえです。まずは、毎日少しずつ一人遊びをさせることを習慣づけることから始めてみましょう。たとえば、朝10:00~10:30までは1人遊びの時間にできるよう1日5分から始めてみる、といった具合です。うまくいったら徐々に時間を長くして、ママのために使える時間を作っていくとよいでしょう。邪魔をしないで1人で遊ばせる1人遊びに慣れていない子どもに1人遊びを習慣づけようとするとき、一緒に遊びにつき合いながら「黄色い車だけを集めてみようか?」「この花は●●という名前なのよ」など、何かを子どもに教えようとする人がいますが、1人遊びを教える過程では、できるだけ何かを教えることはやめましょう。とにかく、邪魔をしないで温かく1人遊びを見守り、「邪魔をしない」。これが子どもに1人遊びをさせるゴールデンルールです。子どもの性格や年齢によって、1人遊びの内容もスタイルも変わってくるでしょう。どんな子どもでも1人遊びは想像力や集中力を高めるだけではなく、自身自分と向き合える大切な時間です。この機会に、お子さんに1人遊びデビューをさせてみてはいかがでしょうか?(徳武加奈子)
2016年03月09日子どものやることは奇想天外で驚かされることが多いものです。でも、子どもが楽しんでいるのなら見守って、最後までやらせてみましょう。自由にやれることで子どもには、自分で考え、決める能力が身についていくのです。「色は混ぜすぎるとキレイじゃない」私が小学校の教員だったとき、低学年の子どもたちに数種類のカラフルな紙粘土を与え、自由に作品をつくらせる、という図工の授業をしたことがあります。ところが、紙粘土の色混ぜを子どもたちがそれぞれ好きなようにやった結果、何色も混ぜすぎて最終的にくすんだグレーのような色になってしまい、その粘土は使えなくなってしまいました。その出来栄えにがっかりした子どもたちは、何色も混ぜると綺麗ではないということがわかったようで、その後は同じようなことをする子はいなくなり、2~3色をほどよく混ぜて好きな色を作り、作品を仕上げました。また、私の子どもは、カラフルな紙粘土をあれこれと混ぜ合わせできた色で色図鑑をつくり、私に見せてくれたことがあります。並べられたオリジナルの色に親子で「カステラ色」や「落ち葉色」などと名前をつけていきます。これは私も夢中になって遊ぶことができました。安全面をクリアしたものならば、自由にやらせてみよう文科省の小学校学習指導要領の一般方針では、「児童に生きる力をはぐくむことを目指し、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくむとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かす教育の充実に努めなければならない」と掲げています。紙粘土の経験のように安全面がクリアできたものであれば、子どもたちには素材を与えて、自由に試させてあげましょう。それが、子どもたちが自分で考え、やってみて、その結果どうするかを自分で決めることになるのです。また、自分で思うようにやれるということは、子どもの満足感を高め、さらにいろいろなことに挑戦したい気持ちを育てることにもつながります。大人は子どもを「見守る力」を身につけて子どもたちのすることは、予想外のことがたくさん。そんな子どもワールドをぜひ一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか? もちろん、自由にやらせることで、時にハラハラすることもあるでしょう。でも、そこはグッとこらえて見守りましょう。たとえ結果は失敗に終わっても、子どもたちは自分の思い通りにやってみた満足気な笑顔をママに見せてくれるでしょう。そして、そんな笑顔のわが子をみたら、ママもハッピーな気持ちになることができますよ。自由にやることで学べることはたくさんあります。子どもの力を伸ばすためにも、親はぜひ見守る力を身につけていってください。(のりこ<フォークラス>)
2016年03月05日子どものお片付けが、ママにとって大きな悩みの種であることは言うまでもありません。このサイトでもこれまで、子どもとお片付けをテーマに、いくつもの記事を公開してきました。・ お片づけは「生きる力」を磨く!? 【前編】 ~片づけさせる前に考えたいこと~ ・ 部屋を片づけられる子どもを育てる方法とは? ・ 「捨てる」のではなく「大切にする」、子どもに片付けを教えるためのヒント 今回は私の体験談から、子どもが自主的にお片付けするようになるかもしれない、声かけのヒントを紹介します。想像力や理解力が身についてきた、4歳~5歳くらいの子におすすめです。片付けないと、おもちゃが家に帰れないわが家の息子は現在5歳。まったく片付けをしないわけではありませんが、基本的に言われなければやりません。私に「片付けないんだったら、おもちゃ捨てるよ!」と怒鳴られないと、部屋いっぱいに広げたおもちゃを片付けなかったことだって、一度や二度ではありません。そんな息子と先日、一緒におもちゃの片付けをしていたところ、息子がふいにこんなことを言いました。「(お片付けして)おもちゃをお家に帰してあげないとね」…ん? このフレーズは使えるかも。そう思った私は、息子に向かってこう言ったのです。「そうだね。おもちゃを片付けないってことは、おもちゃがお家に帰れなくなっちゃうってことだもんね。帰れなくなったら悲しいよね。だから、帰るお手伝いをしてあげようね」その言葉で、息子は自分が家に帰れなくなって悲しい状況を想像したのでしょう。目に涙をいっぱい溜めて(息子は泣き虫)、こう言いました。「うん、お家に帰れなくなったら悲しいから、僕お片付けするね」それからというもの、息子は以前のように私に怒鳴られなくても、ある程度自主的に片付けをするようになりました。無論、いつでもすべて完璧に片付けているわけではありませんが(それは大人でも同じですよね)、少なくとも親の私が怒鳴らずに済むほどには片付けをしています。片付け=お家に帰してあげること。子どもならではの、なんともピュアでかわいらしい発想ですよね。お子さんのタイプによって、響く言葉はそれぞれだと思いますが、皆さんの育児のヒントになれば幸いです。(Woman.exciteママ編集部)
2016年02月25日前編 では、赤ちゃんが持つ短期記憶と論理的思考力について説明しました。今回はその続きとして、遊びを通じて赤ちゃんの記憶力と思考力をトレーニングする方法を紹介します。「いないいないばあ」をするなら顔全体を隠そう玩具隠しと同じように、「いないいないばあ」にも赤ちゃんの脳をトレーニングし、記憶力を発達させる効果が見込めます。「いないいないばあ」をされて赤ちゃんが大喜びするのは、自分にとって大事なお母さんが急に消えてしまって不安になったものの、すぐまた見つかって安心することによるものです。繰り返しやっていると、記憶力が育ってくるため、お母さんが「いないいないばあ」をして顔が見えなくなっても、「どこかすぐ近くにいるはずだ」という考え方ができるようになってきます。こうした記憶力のトレーニングという意味では、「いないいないばあ」をするときに目だけを隠すのは意味がありません。赤ちゃんからお母さんの顔が見えなくなり、お母さんが一瞬いなくなったと思わなければ意味がないからです。目は隠れていても顔の全体像が見えていては、赤ちゃんでもお母さんがいなくなったと感じません。このため、記憶力のトレーニングも兼ねるのであれば、「いないいないばあ」をする時にはお母さんの顔全体が隠れるようなかたちで行いましょう。たとえば、赤ちゃんの前に布を垂らしたり、自分の顔の前に新聞紙をもってくる、といったようなやり方をすると簡単にできるでしょう。赤ちゃんの視界からお母さんの顔を一度完全に見えなくするところがポイントです。生後半年もすると、赤ちゃんはようやくお父さんのことを意識できるようになるので、「いないいないばあ」をお父さんがやってもいいでしょう。しかし、この頃になると人見知りが始まる子もいます。このため、あまり頻繁に顔を合わせない人(おじいちゃん、おばあちゃん、親戚の人など)がいきなり「いないいないばあ」をすると怖がってしまい、泣き出してしまうことがありますので注意が必要です。幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておこう「短期的記憶力」というのは、脳科学では「ワーキングメモリシステム」と言われています。例えば、人から用を言われメモするまで覚えておく、買い物で買ってくるものを覚えておく、というような、少しの間だけ覚えておけば後は記憶しておく必要のないことを記憶するシステムです。ワーキングメモリシステムは、日常生活を送るには必須であり、学習のスキルアップにも重要なファクターとなってきます。そのため、できるだけ幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておくことがベターだと言えるでしょう。(子育ての達人)
2016年02月12日子どもが将来、自分自身の力で幸せになるためには、どんな能力が必要なのか。その能力を育むために、どんな子育てをすればいいのか。発達心理学などが専門の内田先生にこれまで伺ったお話をまとめ、さらに大切なポイントを加えてご紹介します。親が「安全基地」になることで、子どもは安心して能力を伸ばせる子どもが幸せに生きるために、内田先生は次の力が大切だとおっしゃっています。●創造的想像力●自律的思考力(自分で考える力)●探究心・意欲●自尊感情(自分を大切にする力)●精神的回復力(レジリエンス)これらの力を育むために、親はどんなことをすればいいのでしょう。「子どもが伸びる、共有型しつけ(※詳しくは 子どもの学力格差は幼児期に決まる? 親の「しつけスタイル」が重要な理由 ~「幸せ力」の育て方vol.11~ )を心がけましょう。子どもの気持ちに寄り添って、とにかくかわいがってあげてください。自分を大切に思う気持ちは、親から愛されることで育ちます。それは精神的回復力につながります。子どもは親から大切に見守られ、肯定されることで『きっと、なんとかできるんじゃないか』と前向きな気持ちになり、それが探究心や意欲を伸ばすことになります」子育てに大切な3つのH「ほめる、はげます、(視野を)広げる」子どもは毎日、小さな発見や成長を積み重ねています。「兄弟や友だちと比べずに、その子自身の進歩をほめてあげてください。失敗を叱らず、子どもが進歩したときを逃さず見つけて、『ほめる、はげます、(視野を)広げる』3つのHの言葉をかける」強制型しつけを行っている親30人の様子を観察したときには、この3つの言葉が一度も発せられなかったそうです。「すべてに定義や解説を与えることはやめましょう。お母さんは辞書でもなければ裁判官でもありません。判決を下さない。禁止や命令ではなく『~したら?』と提案してあげる」それなら、子どもが考えたり判断したりする余地があります。「このように、大人が子どもの主体性を大事にした関わり方をすることによって、子どもが自分で考える自律的思考力や創造的想像力が育つのです。教育学者のグルーナーは、教育者や親が子どものためにできることは足場をかけるところまでだと言っています。その足場を登るかどうか、登って何をするか、決めるのは子ども自身です」五十の文字を覚えるよりも、百の「何だろ?」を育てたい「そもそも『頭がいい』とは、文字が書けるかどうかではありませんよね。大切なのは、文字で表現したくなるような内面の育ちです」その通りですね。では、豊かな心と知性を育むには、どうすればいいのでしょうか。「第一には、絵本の読み聞かせ習慣。小学生になった子どもには読書を勧め、親子で図書館通いをするといいですね。第二に、家族の団らん。何でも話せる雰囲気をつくり、親子で会話をたくさんしてください。第三に、遊びを通して、楽しい経験を一緒に共有すること。遊ぶことと遊ばせることとは違います。何かをさせることは強制することと同じ。そうではなく一緒に楽しんでください」ただし、ひとりで何かに熱中する時間も大切ですから、お子さんが夢中になっているときには、そっと見守ってあげることがいいそうです。これまでご紹介したことを意識して子育てをしていけば、将来、学校の授業や教材からはもちろん、遊びや家族との時間の中からも、さまざまな学びを得る力が育っていることでしょう。「子育てに『もう遅い』はありません」と内田先生は言います。今からでもいいのです。お子さんが伸び伸びと能力を伸ばし、自分の力で幸せになることができるよう見守りながら、お子さんと一緒の時間を楽しんでください。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2016年01月04日「自分で考える力=自律的思考力」は、子どもが勉強するためにも必要ですが、将来、仕事をしたり、人生の問題を解決したりするためにも欠かせません。自律的思考力を育むにはどうすればいいのか、子どもの発達心理などの研究を行っている内田伸子先生にお話を伺いました。子どもに質問されたとき、親の答え方次第で「考える力」が育つ「考える力を育むことについて、いいお話があります」と内田先生は、植物学者の渡辺万次郎さんのお話をされました。渡辺さんは幼稚園に通うお孫さん2人に、ある花の名前を聞かれました。それは「みやこぐさ」という花でした。しかしその時、渡辺さんはあえて教えずに、その花を持ち帰らせ、庭でよく似た花を探させたそうです。すると、子どもたちは自力でその花によく似たエンドウの花を見つけました。大人の力を借りずに、自分たちの力で見つけられたことに大喜びしたそうです。エンドウの花には、豆がなっていました。それを見た子どもたちは、みやこぐさを指差し「こっちの花にもお豆がなるの?」と質問しました。渡辺さんはその質問にも答えずに、「来週確かめてみよう」と提案したのです。そして、子どもたちは花が咲いたあとに小さなお豆を発見し、大喜びしました。先回りして教えすぎない。考える余地を残す「お孫さんたちは、『花の形が似ているから、同じように豆がなるかもしれない』と自分の頭で考え、おじいちゃんに尋ねたのです。すばらしい問いですね」大人は質問に答えることはできますが、質問の仕方を教えることはできません。「質問は、未来を導く道筋です。疑問を持つこと、探求すること、考える力を育てておけば、将来、たいていのことは解決できます。質問に答えることも大切ですが、親が先回りして何でも教えすぎると、自分で考える余地がなくなります」時には答えを持ち越し、一緒に考えることを提案してみるといいですね。これからの子どもたちに必要な思考力はさらに内田先生は「思考力は、2種類あります」と説明してくださいました。1つは、答えが1つに収束するような、収束的思考力。覚えた知識や経験をそのまま取り出し、「アメリカの独立記念日はいつ?」「5+8はいくつ?」というような問題に答える能力です。もう1つは、答えが複数あり、答えにたどりつくまでの道筋も複数ある、拡散的思考力。知識や経験を加工して、類推を働かせたり、因果推論を働かせたりして、暗記では解決できない文章問題などに答える能力です。「どちらの思考力もベースには知識や経験が必要です。ただし、今のお子さんたちが大きくなるころには、拡散的思考力を問う課題が増えてくると思います。大学入試も、二次試験は拡散的思考力がないと解けません」と内田先生は言います。遊びや経験が「考えるもと」になる拡散的思考力を使うと、答えからさらに問いが生まれ、思考がどんどん広がっていきます。前述した渡辺さんのお孫さんたちは、自然に触れ、観察するという体験を通して、この拡散的思考力を発揮していました。子どもは幼児期の遊びや経験を通して、自分で考えたり、工夫したりすることを学ぶのだそうです。たくさん遊ばせて、さまざまなことを経験させて、その中で生まれた疑問に答えたり一緒に考えたりしながら、「自分で考える力」を育てるサポートをしていきたいですね。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年11月29日前回 、「想像力が大切」というお話を内田伸子先生に伺いました。ほかにも幼児期から伸ばしておきたい大切な能力があります。それは、自分で考える力「自律的思考力」です。ところが早期教育や習い事によって、この自律的思考力が失われることがあるそう。内田先生のお話をもとに詳しくお伝えします。早期の詰めこみ教育は百害あって一利なし「子どもの頃の知能が大人になっても維持されるのか、心理学ではずいぶん昔から研究されてきました。その結果わかったのは、早くから先取りの学習をすることは、大人になってからの成功や幸せを保証するものではないということです」小さい時の知能は、「よい学校に入学し、よい会社に就職して、経済的にゆとりのある生活ができるかどうか」または「自己実現にむかって充実した人生を送れるかどうか」ということとはあまり関係がないのだそうです。「それどころか、先取り学習は子どもの成長にマイナスの影響を与えることがあります」と内田先生は警鐘を鳴らします。せっかく訓練をしても、何もしなかった子たちに追いつかれる「『子どもの発達研究の分野のパイオニア』といわれるアメリカの発達心理学者、アーノルド・ゲゼルが、幼児期の一卵性の双子たちを別々にした比較研究をしました。1つのグループには階段の昇り降りや積み木の遊び方を訓練し、もう1つのグループには何の訓練もしませんでした。直後に行ったテストでは訓練をした子どもたちのほうが成績がよかったのですが、3ヵ月ほど経つと訓練しなかった子どもたちが追いついたのです」これは、訓練をしても意味はない、というだけではありません。その後、これらの子どもたちを思春期まで追跡調査したところ、驚くべきことがわかりました。暗記学習や訓練は子どもを「指示待ち族」にしてしまう「自分で判断しなければならない局面に立たされた時、訓練を受けた子どもたちは、大人の顔色を見て指示を待つような行動がとても多かったのです。大人から指示を受けてきた子どもは、『~しなさい』と言われないと何もできない子になる可能性があるのです」大人が指示をしたり、子どもに暗記をさせたりすることが多い学習や習い事を早くから始めると、子どもが自分自身で考えたり、工夫したり、判断したりする「自律的思考力」が奪われてしまう危険があるのですね。自分で考える力がないと、将来、困るのは子ども自身小学校の低学年までは暗記で解ける問題が多くありますが、高学年になると思考力が問われる問題が増えてきます。その時期になって勉強についていけなくなり、成績が急に落ちたり、学校嫌いになったりということでは困りますよね。「人生で体験する問題のうち、暗記で解決できる問題はひとつとしてありません。ですから、子どもの幸せを願う親が本当にすべきことは、早くから文字や計算を教え込むことではないのです」と内田先生は言います。では、子どもが幸せに生きるために、自分で考える力を育むためにはどうすればいいのでしょうか。次回の記事でお伝えします。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年11月28日自分の子どもが大人になったとき、「勉強はできるけれど、就職できない」「就職したけれど、仕事がつらくて病気になりそう」「収入は高いけれど、友だちがいなくて孤独」などという状態にはなってほしくありませんよね。子どもが将来、幸せになるためには、どんな能力が必要なのでしょうか。子どもの言語習得や発達心理について研究を行っている、内田伸子先生にお話を伺いました。子どもが幸せに生きるために必要な創造力は、生後10ヵ月から育っている「生きていくうえで大切なのは、創造的想像力です」と内田先生は言います。創造的想像力とは、知識や体験から何かをイメージし、そこからまた新しい何かを生み出す力のことです。「子どもの想像力が働き始めるのは、生後10ヵ月ごろからです。この頃にはイメージが誕生し、『見立て遊び』や『延滞模倣』が見られるようになります。見立て遊びとは、見ているものとは別のものをイメージして遊ぶことです。たとえば、つみきを車に見立てて動かしますよね。延滞模倣とは、見たり聞いたりしたことをイメージとして頭の中に入れ、時間が経ってから思い出してマネをすることです。たとえば、お母さんがブラシで髪をとかしているのを見て、あとから自分の髪にブラシを当てたりします」1歳に満たない早い時期から、子どもは遊びの中で想像力を発揮しているようです。「想像力」は「生きる力」になる「想像力が豊かな人は、生きる力が大きいと思っています」と内田先生は言います。そう思うきっかけになったのは、ユダヤ人医師ヴィクトール・フランクルの著作『夜と霧—ドイツ強制収容所の体験記録』(みすず書房、1961年)を読んだことだったそうです。「フランクルは第二次大戦のときにドイツ・ナチスに捕えられ、強制収容所でつらい体験をしました。囚人たちは水のようなスープとパンのかけら一個で強制労働させられ、体が弱ってくると毒ガス室に連れて行かれる。そんな過酷な状況の中で生き残ることができたのは、想像力の豊かな人たちだけでした」体力のある人ではなく、場合によっては繊細とも思える想像力の豊かな人たちが生き残ることができたのはなぜでしょうか。精神的な自由が人生を豊かにする「創造力の豊かな人は、過酷な現実の中で精神的に破壊されずにすみました。想像力を働かせることで、精神の自由を守り、目の前の悲惨な状況から内的な豊かさへ逃れることができたのです。人間には想像力がある、自由意志がある、それが生きる力になるのです」強制収容所でなくとも、社会には厳しい現実がたくさん待ち受けています。つらいことに直面したとき、想像力によって乗り越えられるということなのですね。同時に、想像力は自由で豊かな心を育み、相手の気持ちを思いやったり、新しいものを創造したりする力にもなります。たしかに、生きていく上でもっとも大切な力かもしれません。子どもの想像力を育むためには、どうすればいい?「想像力を育てるには、遊びが一番です。子どもが泥だんごを『ハイ』と差し出したら、『いただきます』と受け取りましょう。『このお団子にはあんこが入っているのかな』などと言ってみてください。『こっちはクリームが入っているの』『こっちはチョコレート』と想像の世界が広がっていくことでしょう」おままごとや泥んこ遊び、お絵かきなど、子どもがやりたがる遊びを自由にやらせてあげることが、想像力を育むことにつながるようです。ときには、パパやママも一緒に子どもの想像の世界を楽しみ、子どもの想像力をどんどん膨らませてあげてくださいね。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学—ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年11月27日社会人になってからも、集中力があるのとないのとでは仕事のはかどり方、そして仕事の出来栄えにも大きな差が出てきますよね。世界で活躍するビジネスパーソンの多くは「集中力が大切なキーポイントの1つ」と話しています。大人になってから集中力を一気に養うことは、なかなか難しいですが、好奇心が旺盛な幼児期であれば、集中力をゆっくりと、無理なく高めることができます。今回は、日々の生活の中で子どもの集中力を伸ばすヒントをご紹介します。子供の集中力を伸ばすために習慣づけたいこと(1)深呼吸をさせるリラックス効果もある深呼吸。知人のカウンセラーは、セッション前には必ずクライアントに、目をつぶって鼻から息を吸い、口から長く息を吐く深呼吸を何度かさせます。深い呼吸は緊張している人の心と体をほぐす作用があるのです。よく「子どもの落ち着きがない」ということがママたちの会話で話題になりますが、深呼吸はそういった心のざわめきを沈める効果をもたらすテクニックの1つです。子どものテンションが高くなったかなと思ったら、まずは深い呼吸を3~4回させてみせてください。そうすることによって、心の落ち着きを取り戻し、次第に集中力もアップしていくことでしょう。子供の集中力を伸ばすために習慣づけたいこと(2)興味がある遊びを飽きるまで続けさせる集中力を養う教育として知られているモンテッソーリーの幼児クラスでは、1日のカリキュラムがあり、それによって子どもが使用する教具が変わりますが、子どもが同じ教具を使っていたいようであれば、その子が飽きるまでその教具を使わせます。それと同じようにご家庭でも、子どもが同じ遊びを繰り返ししたいのであれば、それを中断させずに温かく見守っていてあげましょう。子供の集中力を伸ばすために習慣づけたいこと(3)寝る前に読み聞かせをしよう集中力を高める遊びに「サイレントゲーム」というものがあります。これは、子どもたちに目をつぶってもらい、先生が「風が吹いてきました。そこに1枚の葉っぱが落ちてきます…」といったお話をしてもらい、それぞれの子どもが頭の中でその場面を想像するというゲームです。想像することに意識を集める=集中力を高めている状態を作り出すというのがこのゲームのねらいですが、小さな子どもにこれをやってもらうのは難しいかもしれません。しかし、このゲームと同じ環境をご家庭で簡単に作ることができます。それが、おやすみ前の読み聞かせです。リラックスした状態での読み聞かせは、子どもの想像力を一層高めてくれることでしょう。頭と心がつながった状態で考えて行動する小さな子どもは、何事においても純粋であり、頭だけで物を考える大人よりも、何十倍も柔軟に集中力を養う事が可能です。今回ご紹介した習慣を日々の生活の中で継続的に取り入れ、子どもの集中力を無理なく高めてみてください。(徳武加奈子)
2015年10月19日女子力ってどんな意味か、端的に答えられますか?言葉の定義って、反対語があればやりやすいんです。たとえば、「右」の意味を国語辞典に書くとすれば、どう書くか?想像してみてください。「左」が先に定義されていれば、左と逆が右とすぐに書けますが、左がまだ定義されていなかったら困りますよね。ちなみに、著者の手元にある三省堂の国語辞典には「アナログ式の時計の文字盤に向かったときに、1時から5時までの表示のある側」と定義されています。さすが金田一先生!■女子力とは女子力は、wikipediaに載っていて、しかもちゃんと英語で「women’s power」というと書かれています。women’s powerと聞けば、女性の人権を激しく主張している女性たちのめちゃめちゃ濃いパワーのようにかんじますが、それはさておき。wikipediaによると、女子力とは・・・・・・・輝いている女子が持つ力のこと・じぶんのセンスの良さや美しさを誇示する力・男子からチヤホヤされる力の3つが書かれています(意訳しています)。■ホントの女子力とは?この定義に沿って、ホントの女子力とはなにか?を考えたとき、それは「嫉妬をしない心」ではないかと思います。女子が輝こうと思えば、嫉妬心を持っていたら無理ですよね。センスを磨いたり、美を追求しようと思えば、嫉妬心は邪魔になりますよね。いつもまっすぐな純粋な心で、ありのままに事実を見つめる。こういう姿勢からしか、美は生まれてきません。男からチヤホヤされようと思えば、同性に嫉妬しているようでは当然無理だし、「あの男子、あたしに隠れて浮気しやがって」と思っているようでも無理ですよね。ま、浮気の2つや3つ、見逃してあげて、一緒にごはんを食べるときくらい、楽しくいなくっちゃ・・・・・・究極の状況を言えば、こういうことになったりします。■昔からある女子力とは・・・嫉妬をしないというのは、「私情をはさまず、事実をありのまま思いやりを持って見ることができる」ということです。こういうことは、昔から帝王学が提唱しています。ひとの上に立つひとが身に着けておくべきことをまとめてくれているのが帝王学です。部下を私利私欲的に使ってはいけない、ちゃんと聞く耳を持って、多様性を認めつつ、事実をありのままに見つめなさい、みたいなことを教えています。■つまり、ホントの女子力とは帝王学のことです。となれば、女子力を磨こうと思えば、人間力を磨かなくてはならないということになります。これははっきり言って、ものすごい苦痛を伴います。人間力が磨かれているように見えるひとって、誰が思い浮かびますか?たとえば恋愛相談や人生相談などでテレビによく出ている美輪明宏さんが浮かぶひともいると思います。美輪さんは、たいへんご苦労をなさっています。そんな苦労をするくらいなら、女子力なんていらん!そう思う女子がいて当然でしょう。ただ、「私情をはさまず、事実をありのまま思いやりを持って見る」というのは、思考の訓練でもあるので、毎日ちょっとずつ、そういうことを意識しておくと、自然に磨かれるのが女子力なのかもしれません。(ひとみしょう/ライター)(古泉千里/モデル)(柳内良仁/カメラマン)
2015年10月10日昼間の読み聞かせや夜の寝かしつけ。子どもと過ごす大事な時間に香りをプラスしてみてはいかがですか?香り(嗅覚)は、情動や記憶と結びつきます。子どもが小さいうちは特に、五感をフルに使った読み聞かせを行うといいでしょう。絵本の内容に合わせて精油を選ぶたとえば、森が出てくるお話を読む時にはウッディ系の精油を、野原や草原が出てくるお話の場合にはハーブ系、そのほかにもフローラル系や柑橘系の精油を、シーンに合わせて使ってみると素敵ですよね。方法は簡単! 精油を1滴、ティッシュペーパーに染み込ませるだけの芳香浴。ほのかに香るティッシュペーパーを側に置いて、絵本の読み聞かせをします。 すると、香りとお話の相乗効果によって、優しい気持ちになったり興奮が落ち着いたり、逆に気分が上がってドキドキワクワクしたりと、子どもの想像力を高める効果もあります。成長して大きくなった後でも、香りを嗅ぐことによって、読んでもらった絵本の内容や、その時の感情、状況などを思い出すことでしょう。昼と夜とで香りの使い分けもおすすめ精油がもたらす香りには、集中力を高めたり、リラックスさせたりする効果も期待できますので、ぜひ試してみてください。 ・昼間の読み聞かせにおすすめ=<集中力を高める精油>レモン、ベルガモット、ローズマリー、レモングラス、ユーカリ、ペパーミントなど・寝る前の読み聞かせにおすすめ=<リラックスする精油> マンダリン、カモミール、ラベンダーなどさきほど紹介したように、ティッシュペーパーに1滴垂らして空気に香りを漂わせると、簡単に芳香浴ができます。この方法なら、寝る前の読み聞かせでも火を使わず、安全にアロマテラピーが楽しめます。ただし、精油の濃度が濃くなりすぎないようにお気をつけください。香りがほんのり伝わる程度で十分効果が期待できるでしょう。子どもとの大切な時間にぜひ香りを取り入れてみてはいかがでしょうか?◇ハーブの出てくるおすすめの本・「 ピーターラビット 」シリーズ・「 ハーブ魔女の不思議なレシピ 」シリーズ(中山真澄)
2015年09月08日Zebra Japanが運営する雑貨ストア「Flying Tiger Copenhagen(フライング タイガー コペンハーゲン)」は9月から、キッズファッション雑誌「ミルクジャポン」と共同で、子ども向けの参加型教育プログラムを開講する。9月から開講される「"Classroom" Flying Tiger Copenhagen by Milk Japon」は、クリエイティビティーあふれるユニークな講師と一緒に、子どもたちがさまざまな自己表現をする参加型の教育プログラム。「学校や塾では教えてくれないけれども、将来生きるために本来絶対に必要なこと」をテーマに、子どもたちの教養の新しい扉を開くような「教室」を月1回のペースで開いていく予定だという。9月12日に開かれる初回の「教室」のテーマは「書く」。書家の華雪(かせつ)氏を講師に招き、東京都世田谷区の「IID 世田谷ものづくり学校」で11時からと14時からの2回(各回20組)に分かれて実施される。5歳~12歳の子どもと親が対象で、参加費は無料。ミルクジャポンのWEBサイトから応募できる。応募の締め切りは9月2日。
2015年08月26日はじめまして、データアーティスト 代表取締役の山本覚です。ここ10年ほど、ビジネスにおけるデータサイエンスに携わっています。今回から、「想像力を掻き立てるデータサイエンス」と題して、マーケターに役立つようなデータ分析・データ活用についてお話をさせていただきます。さて、読者のみなさんは「データサイエンス」と聞いて、どのようなイメージを持つでしょうか。一般的には、「ロジカルでちょっと堅苦しくて、"想像力"や"クリエイティブ"とは縁がないもの」と想像する方が多いのではないでしょうか。しかし実際は、「煩雑な業務を自動化し、アイディアを生み出すなど "人間にしか出来ないこと" に集中する時間を作ることができる手段」であると言えます。いわば、想像力を掻き立てるためのツールだと言っても過言ではありません。本連載では、マーケターの皆さんに向け、データサイエンスの新潮流となる「ディープラーニング」を活用することで、施策・戦略の考案やクリエイティブイメージの発案などに注力できるということをお伝えできればと思います。○そもそも、ディープラーニングとはなんだ?!2006年からジェフリー・ヒントン氏らによって研究されている「ディープラーニング」は、2013年ころから「なんかgoogleが、その、猫の顔を、自動的に、あれでしょ?」というような具合で、都市伝説的に有名になりました。そもそも、この「ディープラーニング」とは何でしょう。ネットで調べればすぐ出てくるのですが、端的に言うと「脳の中の神経細胞となる"ニューロン"の繋がりをシミュレートしたもので、ニューロンがつながってできた層をディープに重ねましたというもの」です。「うーん? つまりどういうこと?」と思われるかもしれません。要は、ニューロンのつながりを最適化する計算方法がスマートになったため、ニューロンの層をディープに重ねるということ (ディープラーニング)を実現したということです。それでは、もっと噛み砕いて説明します。○人間の10年分の作業を一瞬で行う?!このディープラーニングの何がすごいのか。それは、「データを見せるだけで、データの特徴を勝手に学習してくれる」という点です。これは、これまでの人工知能ではできないことでした。猫の顔を学習する際のプロセスの違いを例に、具体的に説明したいと思います。従来の人工知能では、猫の画像を直接人工知能にかけることができず、事前に目・鼻・口の位置を認識するプログラムを作成し、人工知能にかける必要があります。つまり、目や鼻、口それぞれ個別に認識させてからでなければ、人工知能の力を発揮できない状態でした。これは猫だけではなく、例えばポストを認識させたい場合には、投函口などポストらしさを表すものを認識させるプログラムを作らねばならない ―― 認識させたいものに合わせた前準備が必要とされたわけです。このように、従来の人工知能は、データの変更に対し、膨大な手間がかかります。加えて、人によって"猫らしい"と考える特徴が異なるため、特徴を考える人の手腕次第で認識の精度に著しく影響が出るという課題がありました。特徴の判断が属人化するため、人工知能の性能が高くても「特徴を抽出する人の限界」を超えられないのです。一方、ディープラーニングの場合は、猫の画像に対し、特徴を抽出する前処理が必要ありません。"猫らしい"特徴の抽出も含め、勝手に学習をしてくれるため、人工知能に直接データを渡すことが可能となります。しかも、人間があれやこれやと考えた場合と比較し、圧倒的に高い精度を出すことが可能です。とある画像認識の大会では、人間がさまざまな特徴を考えて1年に1%ずつ、精度をこつこつ上げて来たのに対し、特段前処理の工夫をせずに最初からディープラーニングを使った場合では、10%も精度が改善したという実績があります。すなわち、10年分の改善が一瞬で行われたというわけです。「人間がデータの特徴を考えなくて良い (前準備なく活用できる)」ということは、マーケターにとって非常にありがたいことではないでしょうか。例えば、ディープラーニングにより、「自社サイトの画像と類似する画像をWebから自動で探し出す」ことが可能となり、マーケターは「ABテストを継続的に行うPDCA自動化ソリューションの考案を行う」というように、マーケティングの話だけに集中することができるようになります。まさにこれこそが、想像力を掻き立てるデータサイエンスです。もし、データの特徴を人間が考えていた場合、そのために多くの時間がとられることになります。「うちのサイトには猫の画像が多いから猫の特徴を調べよう!」「耳のとんがり具合を強調したほうが猫の検出程度が高くなります!」「大変です!! 来週から急きょ犬の特集が始まります!!」「イヌ・・だと・・・?」というようなことになってしまうかもしれません。○順番に関する情報全般に適応できる……かも?!さて、このようにすごい技術であるディープラーニングですが、実際には、どのような領域で活用されているのでしょう。研究が始まった2006年以降の「ディープラーニングに関する論文」2,586本をすべて調べてみました。下の図の左側にある花火のようなものは、内容の似ている論文同士をどんどんつなげていき、つながりが密になっている所をグルーピングした「学術俯瞰マップ」と呼ばれるグラフです。このグラフを用いることで、ある研究領域にどのような詳細なテーマが存在するか、さらにそれぞれのテーマに含まれる論文数や、テーマ同士の近さなどが分かります。このグラフに出てくるグループ(赤は定性データ対応、黄色は時系列データ対応など)は、さまざまな研究テーマに対応しているのですが、今回は青のグループに注目してください。青のグループはディープラーニングが得意とする「特徴の自動抽出」のグループです。さらに、この特徴の自動抽出のグループを同様の手法でグループ分けしたところ、画像認識に関するグループが半分以上の割合を占めました。一方、マーケティングに対する直接的な応用例のグループなどは現状見受けられません。これは、「まだ研究されていない」ということを意味します。このままディープラーニングの行く末は、「猫の顔分析マシーン」となってしまうのでしょうか……?ここで私が注目したのはタンパク質の構造分析です。タンパク質というのは、20種類以上あるアミノ酸が順番につながった紐のようなもので、最後にくるくるっと折りたたまれて機能を発現します。「タンパク質の分析がマーケティングの何の役に立つのだ?」と思われそうですが、マーケターは日々、「サイト内で○のような行動をした人は、××を買いやすい」ということを考えていますよね? これは、「アミノ酸がつながる順番からタンパク質の形がわかる」というシチュエーションと似ていませんか?ユーザーの行動パターンを分析する中で、「最初に見たページが一番大事なのでは?」「いやいや、直近の3ページが大事だ」「待て、このページを見たあとで、あのページを見たのでは印象が違うはずだ」というマーケターそれぞれの意見を、エンジニアが頭を捻って対応することは多いと思います。ディープラーニングは、こうした悩みを解消できます。ゴールとなる「好みの商品 (タンパク質の形)」と、ゴールを決めるWebページの閲覧順序(アミノ酸の順番)をデータ化するだけで、ユーザー行動のパターン分析は格段に楽になります。そのあとは、ディープラーニングがWebページの閲覧順序から、ユーザーの好みの商品を自動でさがしてくれる、かもしれません。○執筆者紹介山本 覚 (やまもと さとる)東京大学 博士課程 在籍時に松尾豊准教授の研究室で人工知能を専攻。その後、アイオイクス株式会社のLPO事業にプロダクトマネージャーとして参画し、導入者数300社超のLPOツール「DLPO」の全アルゴリズムを開発する。データマイニングを用いたWebページの改善実績は100社以上。「論理化されたものはシステムで処理し、人が人にしかできない営みに集中する環境を作る」ことを理念とし、データアーティスト株式会社 代表取締役社長に就任、現在に至る。
2015年08月25日子どもは大人の会話の中から単語を拾って語彙力を伸ばしていきます。周囲の人間からすれば大人の会話で使うような単語を発する子どもに対して、それと同等の理解力・精神力があると勘違いしてしまうことがありますが、子どもの記憶力は大人の記憶力に比べて5分の1以下程度と言われるほど。まず最初にロボットのおもちゃで遊んでいて次に車で遊んでいたとしても、最初に何で遊んでいたかと聞くと、「くるま!」と、もっとも印象が強かったものを答える傾向にあります。そのため、出てくる単語が一定になったり、発した単語が正しい意味で使えるようになったりするのは、まだまだ先のことなのです。子どもの語彙力を上げる一つの大切なルールは、耳と目、両方に訴えることです。車を教えるときは車を見せる、水を教えるときは水に触れさせる。ヘレンケラーとサリヴァン先生のイメージです。そのほかにも、例えば何か欲しいときに「ちょうだい」と言えるようにするためには「ちょうだい」と何度も言わせるのでなく、ちょうだいと人に言ったらどんなことが起きるのかも一緒に教えてあげることが大切なのです。現実と願望を同時に感じる子どもの能力突然子どもが「公園に行ったんだよ」「アイスを一緒に食べたよね」なんて身に覚えのないことを言い出すことはないでしょうか? そんなときは「そうだね、今度一緒にいこうか」と笑顔でお返事してあげてください。どうしてこのような突拍子もないことを言うのでしょうか、それには子どもらしい言葉と記憶のメカニズムがあります。現実世界と願望、すなわち夢見る世界が子どものあたまの中では介在しているのです。「アイスクリームをたべたいな~」と思ったとしても、「~したい」と未来を表す言葉の使い方は過去を表す言葉よりも後に理解するようになるので、唯一理解している過去を表す言葉「~した」を用いて記憶するのです。すなわち、見に覚えの無い「公園に行ったんだ」「アイス一緒に食べたよね」などの経験談は子どもの願望を表しています。嘘だと思って叱ったり否定するようなことをしてしまうと、子どものサインを見逃すことになるので、是非これをきっかけに子どもの希望をキャッチしてあげてくださいね!
2015年07月29日今回は、子どもと一緒に想像力を働かせたい時に読みたい英語絵本、『 If You Give a Mouse a Cookie 』/Laura Joffe Numeroff(著)、Felicia Bond(イラスト)をご紹介します。連想ごっこにぴったりな内容の絵本ですよ。エスカレートする要求に答えると…最後はどうなる!?このお話は、男の子がネズミにクッキーをあげるところから始まります。もらったクッキーを食べたら、ネズミはのどが乾いてしまい、ミルクを欲しがります。コップに入れたミルクをあげると、今度はストローを欲しがります。ストローをあげると、次は紙ナプキンを…というように、話がどんどん展開します。エスカレートするネズミの要求に答えていくと、最後は一体どうなるのでしょうか!?おすすめポイントネズミが次から次へと欲しがるさまが、ハリウッドの映画「エアフォース・ワン」のセリフにも引用されているほど、アメリカでは有名な絵本です。テンポよく展開するストーリーは読み聞かせるのにちょうど良く、子どもも「絵本のネズミは、次は何を欲しがるのかな?」と推測しながら楽しめます。推理しながら読み進めることで、子どもの想像力を育てることができます。絵本の英語から~今すぐ使える英語のフレーズ~「If You Give a Mouse a Cookie, he’s going to ask a glass of milk.」(男の子がネズミにクッキーをあげたら、ネズミはミルクを欲しがりました)を応用して、「If I Give you a Cookie, what will you ask for?」(もしあなたにクッキーあげたら、ほかに何が欲しい?)と聞いてみるのもいいですね。また、日常生活に登場する英単語や英語フレーズもたくさん出てくるので、語彙力アップにもつながります。たとえば、mirror(鏡)refrigerator(冷蔵庫)glass of milk(コップ一杯のミルク)sweep(掃除する)take a nap(お昼寝する)drow a picture(お絵描きする)ask for(要求する)など、日々の生活で接した時や声かけの時に取り入れてみてください。英語を語学として学習する年代がくる前に、日常に英語をうまく組み込むことで、より自然に英語に親しめるはずです。そのためにも、絵本というツールを通して、英語でコミュニケーションを図ることが大切になるでしょう。英語の絵本を読み聞かせを取り入れて、親子の時間をもっと楽しいものにしていってください。
2015年07月18日「子どもの頃にお話を聴く」という経験には実は、その後の人生を大きく方向づけるほどの影響力を持ち、人生を生きていく手がかりになるのだとか。子どもにお話をしてあげていますか?■昔話には、子どもたちの生や死への関心に応える作用がある私が子どもの頃、帰省するとよく祖母が仏壇の前でお話をしてくれました。物語というより、「人は死んだらどうなるのか」とか「どう生きるべきか」といった話でしたが、全身の神経を集中して聴き入っていた記憶があります。お話の具体的な内容はおぼろげにしか覚えていませんが、方言によるやさしい祖母の言葉に、心に浸み込んでいくような心地よさがあったことは、今でも印象に残っています。祖母のお話には、目に見えないものを信じたり、生や死に強い関心を寄せたりする、子どもならでは好奇心を刺激してくれるような、そんな感覚もありました。大人になって振り返ると、祖母のお話で聞いたことが、今でも心の核になっているように感じられることもあります。自分の子どもにもそんな経験をさせてあげたいと思っていた時、大人向けのお話講座を見つけたので、通ってみることにしました。■昔話の魅力は、言葉のリズムと隠れた悲哀講座では、昔話の魅力やお話を語る上で大切なことなどが解説されました。それによると、お話を語ったり歌ったりする際にもっとも大切なことは、「言葉のリズムと響き」なのだそうです。言葉を覚えたての小さな子どもは、言葉を意味ではなく「リズムと響き」で受け止めます。講座で教えてもらった創作話の1つに「ごきぶり五郎兵衛」(注)という、みんなから疎まれる「ごきぶり」という存在の哀しさを描いた、うた仕立てのお話があるのですが、このお話の中に登場する「ごきぶり五郎兵衛ゴロゴロベエ」という唱え言葉は、小さな子どもにとても人気です。(注)「 とらおおかみ 子どもらの心が生んだ物語 」川手鷹彦 地湧社より「ごきぶり五郎兵衛ゴロゴロベエ」と言葉に発するだけで、楽しい気持ちになるので、ごきぶりの存在をまだ知らない小さな子どもでも、唱え言葉のリズムと響きだけでお話を楽しむことができるのです。「ごきぶり五郎兵衛」では、みんなに疎まれたごきぶりは最後、「追われる者」として月に還ります。生きとし生けるものへの慈しみと哀しさや滑稽さ。一見楽しいお話に見えるものの、描かれているテーマは深い、それこそが昔から繰り返されてきた物語の智慧なのではないでしょうか。言葉のリズムや響きを楽しむとともに、「人はどう生きるべきか」「死んだらどうなるのか」といった根源的なテーマへの問いの答えを、子どもたちが楽しい歌や物語の中からおぼろげに感じ取ることができること、それが昔話の魅力なのだということを、参加した講座で学ぶことができました。■夜寝る前に、子どもたちにお話を子どもを夜寝かしつける時に、1つでいいので、お話を聞かせてあげてください。ママやパパがおもしろいと思ったお話で構いません。そして、できれば本を読むのではなく、ご自身の言葉で語ってあげてください。本に書いてある内容と全然違ってしまっても構いません。よくある昔話ではなく、自分で思いついたお話でも構いません。子どもたちはお母さんやお父さんが、お語をしてくれているというだけで幸せになれるのです。たとえば、「昔むかし、あるところに小さな女の子がいました。女の子は大きなお家に1人で住んでいましたが、ある時、お友達を探しに旅に出ました、続く~」といったように、こんなに短くても大丈夫です。続きは次の日に、また思いついたことを話しましょう。難しく考えずに、想像の翼を広げてみると、これまで忘れていた豊かな「お話の世界」に辿り着けるかもしれません。そうして語られたお話は、子どもたちの心に深く浸み込み、豊かな想像力によって、人生を歩む手がかりとなるに違いありません。
2015年04月09日子どもが成長してくると、「子どもの集中力をアップさせたい」と考える親御さんも増えてきます。子どもの集中力を上げるには、環境を整えたり、睡眠をしっかりとったりするのが大切なのはもちろんですが、それ以外にもいくつか有効な方法があるようです。そこで今回は、集中力を向上させるのに効果的といわれる方法を4つご紹介します。■子供の集中力をアップさせる方法(1)青色を取り入れるまず注目してもらいたいのは、色です。色にはそれぞれ意味があり、心や身体に特定の効果をもたらすといわれています。集中力を高めることができる色は「青」。青系の筆記用具を使ったり、マーカーやペンの色を青にしたり、部屋のカーテンなどのアイテムを青系にチェンジしたり、青色を取り入れていきましょう。なお、青色にはリラックス効果もあるので、勉強によるストレスや緊張を感じている時にも有効です。■子供の集中力をアップさせる方法(2)音楽を取り入れる人間が集中をすると、脳から「α波」(アルファ波)という脳波が出ます。それはつまり、α波が出やすい状況を作れば、自然と集中力が高まりやすいということ。α波を出すために有効な方法が、音楽を聴くことです。特に波の音やクラシック音楽などが良いとされていて、スポーツジムやヨガスタジオなどでも、そうした音楽が用いられていますインターネット上で無料配布されている音源もあるので、それらをかけて、まずは一度トライしてみては?■子供の集中力をアップさせる方法(3)匂いで集中力アップアロマテラピーも、集中力アップに一役買ってくれます。集中力アップに良いとされるアロマオイルは、ローズマリーやユーカリ、ペパーミント、バジル、レモンなど。気持ちもリフレッシュされ、頭も冴えるので一石二鳥になるはずです。複数のオイルをブレンドして、オリジナルの香りをつくったり、子どもと一緒に好きな香りを探したりするのもよいでしょう。ただし、3歳未満の子どもがいる場合は、精油の使用に注意が必要です。★子どもへのアロマテラピーの注意については、 こちら を参考にしてください。■子供の集中力をアップさせる方法(4)集中力アップに効果的な食材を取り入れるママがわが子のためにできることと言えば、食事作り。栄養バランスの整ったおいしい食事を作り、集中力もモチベーションもアップさせましょう。ビタミンB12には、集中力や記憶力の向上に働きかける効果があるといわれています。ビタミンB12は、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品をはじめ、シジミ、あさりなどの貝類に豊富に含まれている栄養素なので、そういった食材を取り入れてみるのもいいですね。とはいえ、集中力を高めたいあまり、そればかりを食べさせて栄養が偏り過ぎてしまうのはよくありません。適量を保ちましょう。今日からでも取り入れられる方法もあるので、ぜひ参考にして、親子ともども集中力を高めていってください。
2015年03月30日子どものイマジネーション=想像力は、親が思っている以上に豊かで、無限の可能性を秘めています。その力を学校以外の場所で育み、楽しめるという知育コンテンツが、このほど日本に上陸しました!■教育機関推奨! 「ナイトズーキーパー」ってどんなアプリ?2012年、イギリスで誕生した同アプリは、「ナイトズーキーパー」=夜の動物園の管理人という名前の通り、自らが不思議な動物園の管理人となるところからスタートします。動物たちをつくり、育てながら、悪さをたくらむモンスターと戦い、動物園を守っていくという内容のゲームアプリで、対象年齢は5~12歳。基本無料でWEBブラウザ、iOSアプリなどで遊ぶことができます。ゲームといっても、イギリスでは800以上の学校で教育プログラムとして取り入れられており、想像力を育てる教育プログラムとなっているようです。このアプリ、魅力はどこにあるのでしょう?■知育アプリ「ナイトズーキーパー」の魅力(1)すべてを自分の手でうみだす、オリジナル性ゲームに登場する動物に限らず、管理人となる自分の顔、細かなアイテムを含めすべて自分の手で描くのが、このゲームのシステムです。 子どもの頭は、想像力にあふれています。イメージを目にみえる形に「お絵かき」することで、想像力の開花をサポートします。また、ゲーム内ではほかのユーザーが描いた動物を見ることもでき、仲間にすることも可能。さまざまな空想の動物を目にすることで、子どものインスピレーションは刺激されっぱなしです! ■知育アプリ「ナイトズーキーパー」の魅力(2)進化し続けるキャラクターたちお絵かきツールを使って自分だけの動物を描くと、描いた動物が今度は「おねだり」をするようになります。何をおねだりしているのか、欲しがるものを想像して描いてあげることで、動物はどんどんレベルアップ、モンスターとのバトルで有利になります。 ほかにも、さまざまなミッションに挑むことで、動物たちはどんどんパワーアップ。育成シミュレーションの要素も多く合わせ持っています。■知育アプリ「ナイトズーキーパー」の魅力(3)襲いくるモンスターを倒す、刺激的なバトルモード「ナイトズー」では、ほかの動物に助けを求めながら自分のエリアを広げるために、モンスターと戦います。勝てばエリアが広がり、さらに描ける動物が増えるのです。動物たちと協力し、敵を倒して動物園を守りぬくことは、立派な使命のひとつ。どのような戦略を立てるかが、このアプリの知育コンテンツたるポイントだといえるでしょう。■知育アプリ「ナイトズーキーパー」の魅力(4)描いた絵が絵本の1ページにデジタル絵本をつくるためのミッションでは、場面を想像しながら自由に絵を描きます。描かれた絵は絵本の1ページになるため、完全オリジナルな絵本が完成。自分の絵が物語のワンシーンを彩る感覚は、少しくすぐったいような、誇らしいような気分になることでしょう。描いた動物は、プリントしてグッズにすることもできるというこのアプリ。わが子の自由な発想を記録できる、良い機会かもしれませんね! ナイトズーキーパーの不思議な動物園
2015年03月27日お医者さん、販売員、先生、消防士、ビジネスマンなど、職業は異なりますが、どの分野でも共通して必要になってくるのが「想像力」だといわれています。職業だけではありません。現代社会で一番重要になってくる人間関係、つまり、一般生活の基盤になっているのが、実は「想像力」です。同時にその想像力は、記憶力を高めるためにも欠かせない能力だと聞いたことがあります。脳科学者の茂木健一郎さんもかつて、とあるTV番組で「記憶力と想像力は繋がっている。」というお話をされていました。豊かな想像力は記憶力とは切っても切れない関係のようです。子どもにも幼い頃からこの2つの力を上手に伸ばしてあげたいもの。ということで、今回は、想像力&記憶力をお家で気軽に伸ばせる簡単な遊びをビジネスマネージメント分野で多くの著書があるスティーブ・ベネットと、造園家であるルース・ベネットが書いた本『子どもが育つ親子あそび365』の中から、いくつかご紹介しましょう。■想像力、記憶力を育てる遊び(1):食卓を描く<必要なもの>大きな紙<遊び方>食事の用意をしながら子供と一緒にあそびましょう。テーブル全体に紙を広げます(端をテープで留めるといいでしょう)。家族の席の前に一人分ずつ、クレヨンでお皿、コップ、スプーンやフォークの絵を描きます。お母さんやお父さんは、台所で料理をしながら、いま何を作っているのか説明します。子どもはそれを聞いて、みんなのお皿に料理を「描いて」行きます。家族がふだん食べる量に合わせて盛り付けましょう。■想像力、記憶力を育てる遊び(2):10のヒント<必要なもの>時間だけ<遊び方>キーワードを決めて、ヒントを10個だします。いくつ目で正解がわかるでしょう。ヒントの内容は子どもの年齢に合わせます。小さい子どもを焦らしすぎると、泣きべそを書いてしまいますよ。】■想像力、記憶力を育てる遊び(3):マッチングゲーム<必要なもの>卵のパック2つ、そこに入る小物(2つずつ)<注意>小さいものを子どもが口にいれないように!<遊び方>子どもの記憶力を伸ばす遊びはたくさんあります。ここでは卵のパックを使いましょう。紙の卵パックの一列に一つずつ、小ものを入れます。クリップ、ミニカー、ブドウの粒など、いろいろな種類のものを選びます。子どもに中を見せてから、蓋をして、何も入っていない卵パックを渡します。さっき見たパックを思いだしながら、同じ場所に同じものを入れます。入れるものの数を増やしたり、制限時間を決めたりしてもいいでしょう。パックの中に入れる小物は、色違いなど似たものを用意すると、さらにむずかしくなります。】※いずれも『子どもが育つ親子あそび365』スティーブ&ルース・ベネット/著、矢羽野薫/訳(ポプラ社)より引用小さな子どもがいると、家事をしている間、控えたいと思いつつもDVDを見せたり、タブレットを使ってゲームで遊ばせたりすることがどうしても多くなってしまうのですが、これなら家事をしながらでも、子どもとコミュニケーションがとれる上、子どももお母さんと遊べると大喜び! 子どもも、安心して遊びに夢中になり、豊かな想像力を自由にはぐくんでくれます。皆さんもご家庭でぜひ遊んでみてください。 『子どもが育つ親子あそび365』スティーブ&ルース・ベネット著(ポプラ社)
2015年02月26日イワシは、オメガ3脂肪酸と言われるDPAやDHAが青魚の中でも1番豊富な食材として有名です。オメガ3と言われるこのフィッシュオイルは、子どもの脳や神経の発達を助け身体を強くして免疫力を高めるので積極的に取り入れたい良質な油です。しかし、臭くて、骨は固いし、子どもに食べさせにくい・・・という欠点もあります。今回は、イワシの臭みをとって、骨まで十分柔らかくして全部食べてしまえる優秀レシピをご紹介します。イワシの旬は、一般的には6月~10月といわれるので、ちょうどおいしくいただける時期ですね。(4人分)☆ イワシ 10匹☆ 醤油 大3☆ 黒糖 大1☆ 酒 大2☆ 生姜 大1つ☆ 出汁パック 1袋☆ 水 適量☆ 梅干し 5つ1. イワシは、頭と内蔵を取り、3等分くらいに切ります。2. 生姜は、丸々1つを千切りにします。3. 圧力鍋にイワシを並べます。4. そこに生姜をまぶし入れ、梅干しを均等に置いていきます。5. イワシが少し浸るくらいに水を入れ、出汁パックを入れます。6. 醤油、酒をかけます。7. 黒糖をまぶします。8. 蓋をして、強火で沸騰させ、弱火にして1時間圧をかけていきます。9. 1時間したら蒸らして、できあがりです。鍋に食材を入れて調味料を入れたあとは特に混ぜたりする必要はなく、そのまま蓋をしめてしまって大丈夫です。1時間で自然と混ざり合って全体的にしっかりとした味がつきます。もしもしょっぱいと感じたら、子どもには一回お湯をくぐらせると丁度良い味になるでしょう。1時間圧をかけるので、骨はとろけるように柔らかくなり、子どもの喉にひっかかる心配もありませんし、カルシウムがたっぷり摂れます。イワシの臭みは生姜と梅干しで完全に取れますし、更に生姜が梅干しとマッチして甘くなり、大人も嬉しい美味しい味になります。子どもも大人も一緒に楽しめる、和食のイワシ料理では一押しのレシピです。
2014年07月02日