行楽シーズン。この夏はママ友と家族ぐるみで旅行に行くことに! 子どもたちは楽しみにしているけど、少し心配事が。ママ友の旦那さんと一体何を話せばいいんだろう…。気を遣いそう…。レジャー後も良好なママ友関係でいるために、気をつけることはあるのでしょうか。「そんなつもりはなかった」大後悔の夏ママ友3家族で花火大会に行ったという恵美さん(3児の母・50代)には、手痛い失敗の経験があるのだそう。「トイレに行こうと立ち上がったら、ママ友の旦那さんが俺も行くと。行列になっていたので、ふたりの時間が長くなってしまいました。気に入られたみたいで、シートに戻っても私だけに話しかけてママ友も子どもも無視。ママ友たちの刺すような視線の中解散しました」しかし、それだけでは終わらなかったよう。「翌日、その旦那さんからラインが来て。浴衣似合ってたよ、とか今度飲みに行かない? とかお誘いが…。それをママ友に見られたようで、人の旦那に色目を使ったと園で噂になり、それ以来ママたちの見る目が変わってしまいました。クラス替えのない園だったので、卒園まで孤独な園生活で辛かったです」と恵美さん。優子さん(1児の母・30代)にも痛い経験があります。「仲良しのママ友一家と温泉旅行に行きました。ママ友の旦那さん、ほとんど話さないんです。ウチの夫が気を遣って、お刺身美味しいですねーって話しかけたんです。そしたら「ですよね! なのにウチの嫁は好き嫌いが多いから子どもも偏食になって困ってるんですよねー! 」ってママ友サゲが始まったんです。それはそれはうれしそうに。ママ友は泣き出してしまうし、子どもたちもつられて泣くし、もう料理の味なんて全然覚えていません…。その後、なんとなくママ友と距離ができて、それっきりになってしまいました」怖い。怖すぎます!友人の旦那さんには特別な危機管理が必要おふたりに「こうすればよかった」を聞いてみました。「ふたりきりにならないように。上手なママさんは、自分の夫やママ友を間に挟んで会話をしていました。あと、料理や飲み物をサーブしない」と紗希さん。「どんな反応がくるか分からないので、余計な気を遣わない。ママ友の旦那さんが楽しめていなかったとしても、大人なんだから自分で努力するか、妻が気にすればいい」と優子さん。物理的にも心理的にも適度な距離を取りながらも気さくに接する。愛想良くはNG、という感じでしょうか。トラブルに巻き込まれないためにも、心がけつつ楽しんでいきましょう!PHOTO/Fotolia
2018年08月11日「あれは?」「これは何?」と、子どもの興味は本当につきることがないですよね。でも、なかには、どう答えればいいのか悩んでしまう…という質問も少なくありません。そのひとつが「赤ちゃんはどうやってできるの?」と、そこから派生する質問ではないでしょうか。答えてあげたいけれど、どう説明したら良いのだろう…。今回は、具体的な子どもからの質問を例にあげて、最良と思われる答えを、幼稚園「りんごの木 子どもクラブ」代表の柴田愛子先生にうかがいました。お話をうかがったのは…「りんごの木 子どもクラブ」代表 柴田愛子先生「子どもの心により添う保育」をモットーにした「 りんごの木 子どもクラブ 」代表。絵本作家。 保育者。育児書の執筆、雑誌への寄稿だけでなく全国で保育者向けセミナーや母親向け講演会をおこない支持を得る。NHK『すくすく子育て』出演。園で行っている「子ども達のミーティング」はテレビ・映画で取り上げられ「子どもの力を最大限に引き出している」と話題に。■赤ちゃんは「できる・つくる」ではなく「授かる」もの「どういう子に育てたいか」ではなく「子どもはどう育とうとしているのか」を見ることが大事、と考えている保育のプロ、柴田先生に、子どもの答えにくい質問への応じ方、親としての気持ちの在り方などを教えてもらいました。――よろしくお願いします。早速ですが息子が幼稚園くらいのときに「赤ちゃんはどうやってできるの?」と聞かれたことがあったんですが、いきなりだったので返事につまってしまったんです。本人は素朴な疑問だったと思うのですが「どう答えるのが正解なんだろう」と悩んでしまって…。柴田愛子先生(以下、柴田先生):私は赤ちゃんができる、つくるという言葉が使われることをちょっと残念に思っているんですね。人間には、そこまで厚かましくなって欲しくないと思うんです。人間業ではどうにもならない大きな力といいますか、神秘といいますか。理屈や科学で解明できないものを感じていたい。特に子どもは授かるものだと伝えたいと思っているんです。だからこういう時は「お父さんとお母さんが仲良しで赤ちゃんが欲しいなって思っていたら、神様が大事に育ててくださいねって授けてくれたんだよ」と伝えたいですね。子どもは『神様が見てるよ』とか『バチが当たる』といった未知の世界やお化けの世界も信じていますよね。理屈じゃない答え方もありだと思うのです。――赤ちゃんはどこから来るの? という質問にはコウノトリが運んできてくれるんだよなんて答え方を耳にしたことがありますが、柴田先生のおっしゃるように神様という存在の力を借りても良いんですね。お父さんとお母さんが仲良しで…というのも、子どもはうれしく思ってくれそうですね。■「弟や妹が欲しい!」の言葉にはどう答える?――なかには、兄弟姉妹のいるお友だちを見て「自分も弟や妹が欲しい!」と思った子が「どうしたら弟や妹ができるの?」と質問することもあるかと思います。こんな質問にはどう応じるのが良いのでしょうか。柴田先生:そうですね。こうした質問があった時は、まず子どもの気持ちに共感してあげてほしいですね。「どうして欲しいと思うの?」って。そして、質問への答えを探すというより「どんな弟がいいかなぁ。あなたのおもちゃをとったらどうする?」なんて例え話を持ち出して、一緒に想像して会話を楽しんでみると良いですよ。お子さんの赤ちゃんの時の写真を引っ張り出してきて当時を一緒に振り返ってみるのも良いですね。そのうえで「ママが勝手にはつくれないの。神様が考えているからね」と話してみる。事実にとらわれず、お話の世界に入りながら答えても、子どもの心は満たされますから。――子どもの質問に答える時間は、その気持ちを知って共感する機会でもあるんですね。柴田先生:そうですね。それに、子どもの願いに応えられない場合もあると思います。そんな時は「神様、ちっとも赤ちゃんくれないね。あなたを大事にしてくださいねって言っているのかもしれないね」でも良いと思います。必要以上に説得しようとしなくて良いし、また罪悪感を感じることもありません。子どもと共に自由な空想の世界を楽しんでみましょう。今回、お話をうかがって感じたのは、一緒に考えたり「こうだったら良いね」と気持ちを伝えあったりすることも「応える」ことになるんだということでした。「質問にしっかり答えなければ」という義務感に縛られる必要はなく、会話を楽しもうと肩の力を抜いてみる。そうすることで「なんだか面白い話ができたかも」と貴重な親子の会話として楽しめるようになるのかもしれませんね。
2018年06月23日「自分の子どもは人の話を聞かない」という悩みを持つママは少なくないと思います。いうことを聞かないならまだしも、話を聞いてすらいない場合、どう対処したらいいのか…。そんな話を聞かない子どもとの接し方について調べました。なぜ人の話を聞かないのか子どもが人の話を聞かないのにはもちろん理由があります。まずはその理由を把握することが大事。例えば本人の性格がのんびり屋なのに、テキパキとした性格のママがしょっちゅう急かすような言葉を投げかけていれば、子どもは親の言葉を聞き流すようになってしまうそうです。また、子どもの言語能力は当然ながら大人ほど高くないため、子どもの理解できない言葉が続くと話の途中で飽きてしまうのだとか。このように、子どもが人の話を聞かないのを「ただ単に性格のせい」と結論付けるのは難しそう。性格以外にも、なにか原因がある可能性をしっかり理解する必要があるようです。聞き流す子どもにさせないために子どもが聞きたくない一番の声はやはり親の怒った声。普段から細かいことまであれこれ指示をしたり、怒ることで自分のストレスだけを発散していては、かえって聞き流すことばかりを習得してしまいます。こういった状況を防ぐには、子どもに対して何かいいたくなっても、9割は飲み込んで、本当に大切な1割だけをいうように意識するのが良いようです。また、片手間で離れたところから話しかけたり、何かをしながら話をすると、子どももまじめに聞かなくなってしまうこともあるので、子どもの近くで話をすることも大切なこと。話し上手は聞き上手言語能力を高めるには、話すことを上達させるのが一番の早道。そのためには、人に伝えることを前提とした会話能力を育ててあげることが大事。それを実現するためには、大人が子どもの話をしっかり聞いてあげることが重要です。子どもが何かを伝えようとしているときには、しっかり目を見て話を聞き、伝わったと子どもが理解できるようはっきりとリアクションをしてあげるようにしましょう。話を聞けない我が子に匙を投げる前に、話を聞ける子にするために親ができることはあるようです。話を聞かない原因をしっかり突き止め、まずは親自身の子どもに対する態度から変えていくことが大事かもしれません。(文・姉崎マリオ)
2018年06月15日生後半年を過ぎたころから、積み木やパズル、ままごとなど、だんだんとおもちゃを使って遊び始める子どもたち。この時期、自宅だけでなく、商業施設のキッズスペースや子育て支援センターなども利用するようになってきますよね。こうした場所に行くことは、ママにとっての息抜きや情報交換にもなるし、子どもにとってもほかの子どもたちと遊ぶいい機会ですが、時にはトラブルになることも…。その一例といえば、「おもちゃの奪い合い」。もしも自分の子どもがほかのお友だちが遊んでいるおもちゃを奪ってしまったら、どう対応していますか?今回は、ネット上の先輩ママの声を集めてみました。「おもちゃを横取りする子ども」に悩むママは多い育児の相談などができるネット掲示板にも、同様の悩みを抱えるママの投稿が散見され、なかでも「1歳児ママ」からの質問・相談が多い印象です。それらの投稿には、さまざまな意見が寄せられていて、多くのママは「うちの子も同じ(だった)」と、「子どもがおもちゃを横取りしてしまう」という状況に共感している様子。「まったく同じおもちゃだったとしても、なぜか誰かが使っているほうを使いたがる」、「お友だちから奪ったおもちゃを取り上げるとギャン泣き」など、ママたちの実体験もチラホラ見受けられます。では、こうした経験を踏まえ、世のママたちはどう対応してきたのでしょうか?「やさしく注意派」と「厳しく接する派」1歳の子どもに注意しても理解できないとは思いながらも、「お友だちが遊んでいるんだから、後にしよう」「順番だよ」「無理に取ったらお友だちが悲しむよ」など、根気強く、やさしく注意し続けるというママは多いよう。しかし一方で、そうした行動にイライラするとの意見も…。言い方は大げさかもしれませんが、おもちゃを取られたお友だちはいわば“被害者”。被害を被っている人がいるのに、やさしく言い聞かせるだけでは、甘すぎるということのようです。まだ言葉を理解できないのは仕方がないことですが、「手をぴしゃっと叩く」「おもちゃを奪った時点ですぐ帰宅」「次の日はおでかけなし」など厳しくするとの意見も少なくありません。場所を変えるのも有効?また、「そもそもほかの子がいるようなところにばかり行かなくていいのでは?」との意見も。ママは、「子どもがおもちゃを奪わないかどうか、常に見張っていなければならないストレス」、子どもは「わざとそうしているわけではないのに叱られるストレス」、それぞれがストレスを感じるような場所にわざわざ行く必要はないというのが、理由のようです。実際、そうしたストレスを感じたくないため、「近所の小さい公園で、2人で遊ぶ」などのコメントもありました。自分のおもちゃなのか、そうでないのかがわかっていなかったり、自分の気持ちを言葉や態度でうまく表現できなかったり、幼いうちは少々乱暴な行動に出ることもあるでしょう。しかし、成長していくにつれて、きっと学んでいくはずです。自分の家庭では、どんな方針で子育てをしていくのか、今一度考えなおしてみれば、何かヒントが見えてくるかもしれませんよ。(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年04月16日子どもが成長するにつれて話す言葉も増え、コミュニケーションがとりやすくなる一方で、子どもの「言葉遣い」は気になるところ。幼稚園・保育園にあがる頃には、「うんち」や「おしっこ」、「おちんちん」などのなるべく人前で言ってほしくない言葉を使いたがったり、どこで覚えたのか「バカ」や「アホ」などの人を傷つける言葉を使い始めたり…。ママやパパがどんなに気を付けていても、子どもの言葉遣いが悪くなってしまうことはありますよね。気づいた時には注意をしてやめさせようとしますが、子どもは天邪鬼だから、余計にエスカレートしてしまうこともしばしば。では、こうした状況になった時、先輩ママたちはどうやって対処してきたのでしょう?自分の言葉遣いを振り返る言葉だけに限りませんが、子どもは身近にいる大人を手本にして成長していきます。実際、自分の口癖が子どもにうつっていた…なんてドキッとした経験があるママも少なくないのでは?「ムカつく」「クソ!」といった乱暴な言葉は、ママやパパが言っているのを聞いて覚えた可能性も否定できません。もし、自分自身がそういった言葉を使ってしまっているなら、いくら子どもに「やめて」と言い聞かせてもあまり効果はなさそう。今一度、ママ自身やパパの言葉遣いに注意を払ってみるのも、子どもの言葉遣いを正すためには、重要なことですね。園や学校と自宅での様子を比較してみる家では甘えん坊だったり、暴れん坊だったり、手がかかるような子どもでも、園や学校では問題なく過ごしているという話は意外とよく聞きます。言葉遣いに関しても、同じように捉えるママは多いようです。むしろ、「汚い言葉を使うことでママが注意してくれる」=「“ママに構ってほしい”サインだ」と考えるとの意見もありました。「自宅では言葉遣いが悪くても、家族以外の大人やお友だちに対しては正しく話せているならOK」と、あまり深く考えすぎずにいることも対処法のひとつと言えそうです。どうして“いけない”のかを説明する子どもの言葉遣いについて注意する際、ただ「やめなさい!」と言うだけで終わっていませんか?大人の言動をどんどん吸収していくとはいえ、やっぱりまだまだ子ども。その言葉を「どうして」使ってはいけないのか、「いつ」使ってはいけないのかをきちんと説明しながら注意することでわかってくれることもある。そう実感するママの意見も散見されました。「やめなさい!」と言っても全然聞いてくれない子どもは多いものですが、「やめなさい!」の前後にプラスα付け加えるよう心掛けるだけで、子どもの態度も変わるかも!?場合によっては、「いじめ」に発展してしまうこともある「言葉遣い」。自分は特に気にしていなくても、相手にとっては傷つく言葉かもしれない…。「言葉遣い」って、大人になった今でも難しい問題ですよね。だからこそ余計にナーバスになるママの気持ちも痛いほどわかりますが、焦らずゆっくり解決していきましょう!(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年04月08日子育てをしていると、「うちの子ってどうしてこうなんだろう」「親としてどんな声掛けをしてあげたらいいんだろう」そんな悩みを抱えることはありませんか?そこで、ウーマンエキサイトは毎日子どもとの相性を診断し、子どものやる気を引き出す方法やその子にあった叱り方、褒め方などを教えてくれる動物系占いと共同開発した「おやこ診断」をリリースしました。「かぞくの本質」、「今日の関係性」、「ファミリー診断」の3つのコンテンツで構成された「おやこ診断」は、ウーマンエキサイトアプリ限定のコンテンツで、iOSは2018年3月13日、Androidは2018年3月22日より配信されます。 iOS ウーマンエキサイトアプリ Android ウーマンエキサイトアプリ はじめに家族の情報を入力! すぐに診断開始はじめに、ウーマンエキサイトのアプリをダウンロードし、ホーム画面からアプリを起動。緑色の画面に出る「早速やってみる」をタップします。次に下記の(1)~(3)の情報を入力します。(1)あなたの生年月日 (2)パートナー(パパ)の生年月日(3)子どもの生年月日、性別※子どもの登録は最大3人まで可能です。まずは家族一人ひとりの本質を知ろう!かぞくの本質は「動物占い」発案者の前田知則氏監修のもと、生年月日や男女の性別に隠された性格や特性等を、統計学に基づいて分析、診断しています。登録が完了したら、まずはかぞくの本質をチェックしましょう! 自分の基本性格や行動・感覚パターンの診断結果が表示されています。旦那さんとの関係性や、お子さんから見たあなたのイメージ、母親としての傾向などを細かく分析します。顔のイラスト部分をタップすると、家族それぞれの診断結果が見られます。子どもの診断結果は、基本性格に加え本人の得意分野や才能、適正能力を診断します。毎日ママの頭を悩ます子どもをやる気にさせる方法や、適切な叱り方・褒め方、思春期の行動と対策なども紹介しています。きっと子どもが成長していく過程のヒントになるはず。また、子どもと同じ本質を持った有名人も分かります。今日の親子の関係性は?次に、画面上の中央にある「今日の関係性」では、ママと入力した子どもやパパとのその日の関係性が見られます。ハートの数が少なければいつも以上に気にかけてあげたいサインです。また、この画面から顔のイラストをタップすると、一人ひとりのその日の運勢が。息子の今日の運勢は「門限ギリギリに帰ろうとすると、信号が赤だったりと小さなトラブルで間に合わない、なんてことになりそう。少し早めに遊びを切り上げておうちに帰るようにしよう」とのこと……! 早く帰るように連絡しておかなくちゃ! ずばり!あなたは○○なファミリー!そして、登録した家族を全24パターンから診断! 「あったかママのマニアックファミリー」「秘書系ママの気配りファミリー」「切れ者ママのミステリアスファミリー」など、あなたがどんな家族かを診断します。有料診断が今なら無料に! 家族のことを詳しく知ろうそして、今なら「かぞくの本質」画面の有料ページを無料で見ることができるチャンス! 通常は、家族の情報を入れると、以下の枠線内にあるあなたの本質診断までが無料で見られます。【無料コンテンツ】■あなた(パートナー)の本質診断 内容・基本性格・行動パターン ・感覚パターン ・同じ本質を持った有名人--■子どもの本質診断 内容・基本性格・行動パターン・感覚パターン・同じ本質を持った有名人そして、今なら以下の有料コンテンツが無料!【有料コンテンツ】■あなた(パートナー)の本質診断 内容・あなたから見たパートナーの関係性・母親としての傾向・子どもから見たイメージ--■子どもの本質診断 内容・やる気にさせる方法・思春期の行動と対処法・叱り方、褒め方・得意分野・才能・能力適正あなたの家族はどんな診断が出るのか、「ウーマンエキサイト」のアプリでチェックしてみてくださいね。無料キャンペーン期間は2018年6月27日(水)までです。>>iOSアプリのダウンロードはこちら iOS ウーマンエキサイトアプリ >>Androidアプリのダウンロードはこちら Android ウーマンエキサイトアプリ
2018年03月12日子育てをするお母さんお父さんを困らせる、子どものイヤイヤ期。すでにこの時期を迎えているご家庭もあれば、我が子がいつからイヤイヤ期に突入するのかと心配されているご家庭もあるのではないでしょうか。そんな困った時期を乗り越えるために、親御さんが知っておきたい子どもへの接し方や対応についてご紹介します。『魔のイヤイヤ期』はいつから?子どものイヤイヤ期は、2歳前後から始まります。子どもによって時期が早まったり遅れたりするため、思わぬタイミングでイヤイヤ期が始まることも少なくありません。この時期の子どもは、「イヤ」という言葉を使って、身の回りに起こるさまざまなことへ反抗するのが特徴です。たとえば親御さんが与えた食事を「イヤ」と言って食べなかったり、抱っこをするのも歩くのも「イヤ」と否定したり、外出先で癇癪を起こしたり……何をしてもイヤイヤと否定されてしまうため、お母さんお父さんはヘトヘトに疲れてしまいますよね。イヤイヤ期の子どもは、思っていることを上手に伝えられずに、それらが「イヤイヤ」という言葉や態度に変換されているのです。そのため、“抱っこをするのも歩くのもイヤ”という矛盾した状況に陥ってしまうことがあります。しかし、このように反抗するのは、子どもが自己主張を覚え始めた証拠でもあるのです。親御さんは、子どもとどう接したらよいのか分からずに困ってしまうかもしれませんが、イヤイヤ期はお子さんが1人の人間として成長するために欠かせない時間でもあります。対応や接し方に工夫をして、この時期の育児を乗り越えていきましょう。イヤイヤ期の子どもへの適切な対応・接し方イヤイヤ期の子どもへの対応が難しいのは、子どもの言うことをすべて聞き入れて屈するのも、その反対に怒って押さえつけようとするのもNGだからです。子どものやりたい放題にさせてしまうと、“泣けば何でも思い通りになる”という風に覚えられてしまうため、却って良くありません。だからといって、「イヤ」と言う子どもを押さえつけてしまうのは、自我の発達を妨げることにつながるため、教育上でも問題があります。そんなイヤイヤ期の子どもへの対策としては、まず子どもに共感してあげることが大切です。「イヤ」と言われたら「そうね、イヤだよね」と言って、まずは子どもの気持ちを受け止めてあげてください。あるいは、抱きしめたり背中をさすったりして、スキンシップをはかってもよいでしょう。お子さんの気持ちが落ち着いてきたら、子どもが自分で納得してから行動をするように、誘導してあげます。「××しなきゃだめでしょう」と怒ってしまうと、子どもは反対に意地になってしまうことがありますから、なるべく「××してみようか?」と子どもに選択肢を与えるような声がけをしてください。それでも気持ちが落ち着かないときは、あとはじっくりと待ってあげるしかありません。親御さんが対策をしたところで常に上手くいくとは限りませんが、いつも辛抱強く子どものことを待ってあげられるような心の余裕を持てるといいですね。イヤイヤ期の乗り越えるための具体的な対策最後に、親御さんがイヤイヤ期を乗り越えるための対策をご紹介します。■嫌がることを遊びに変換してあげるもしも子どもが嫌がることがあったら、それを遊びに変換して伝えてみましょう。「お風呂でお母さんと一緒に遊ぼう」「お出かけをしたあとに公園で遊ぼう」など、子どもが嫌がることに楽しい遊びを加えて、提案してみてください。子どもの遊びたい気持ちや、楽しいことを続けていたい気持ちをとらえて、納得してから行動できるように誘導します。■抽象的な言葉を使わないで指示をする子どもからの問いかけに、つい抽象的な言葉で対応してしまっていないでしょうか。たとえば「ちょっと待ってね」「早くしてね」は、子どもにとって分かりにくい指示です。言われた側は「それってあとどれくらい?」「どれくらい早くすればいいの?」とイライラしてしまうかもしれません。「片付けが終わったらね」「これからお出かけするからお靴を履いてね」と、具体的な言葉を使って指示してあげましょう。■叱るラインを定めるあらかじめ子どもを叱るラインを決めておくと、親御さんの気持ちの上での負担が減りますし、子どものわがままが増長されてしまうのを防げます。分かりやすい線引きとしては、癇癪を起こしているのかわがままを言っているのかの違いがあります。癇癪を起こすというのは、自分の感情を上手にコントロールできないことですから、子どもが落ち着くまでゆったりと見守ってあげましょう。反対に、相手が困ると知りながら言うわがままは、適切に叱る必要があります。■するべきことができたら褒めてあげる子どもが泣いたり癇癪を起こしたりせず、するべきことができたときは、しっかりと褒めてあげましょう。イヤイヤ期を乗り越えた子どもは、少しずつ自分の感情をコントロールできるようになってきます。親御さんが子どもの「イヤ」を受け止めて、できたことを1つずつ褒めてあげることで、自己肯定感を育んであげてください。まとめ子どものイヤイヤ期を乗り越えるための対策をご紹介しました。何をしても「イヤ」と言われてしまう状況に、お母さんお父さんが、ついカッとなって怒ってしまうこともあるでしょう。しかし、この時期が子どもの成長に欠かせないものであることを理解すると、お子さんとの接し方が変わるかもしれません。ご紹介した対策を利用しつつ、上手にイヤイヤ期を乗り越えていきましょう。青木いくこ:もうじき6歳になる娘と、2匹の猫と一緒に暮らすママライター。子育てにお悩みのママたちが、読んで少しでも楽になれるような記事を目指して執筆中。
2017年11月15日こんにちは、栗原達也です。今回は「気の合わない部下との接し方」について話をします。「気の合わない部下がいるんです。どうつきあったらいいですか」…そういう相談を受けることがある。誰とでも仲良く、楽しくやっていけたら、どんなにいいだろうと思うよね。一日の大半、人生の長い時間を過ごす職場環境において、そこは人づきあいのトラブルがない場所であってほしいものだ。実際は、人にはそれぞれ事情があるし、なにか悩みごとを抱えていたり、体調が悪かったりということが影響して、人間だからね、うまくいかない日だって当然ある。誤解したり、ケンカしたり、人間関係っていうのはたくさんのドラマにあふれているものだ。だからといって、気が合わないという理由で避け続けるわけにもいかないよね。それはいずれ職場の雰囲気を悪くしたり、仕事がうまく回らなくなったりと、大きな問題に発展する可能性を秘めている。なんとかしようと思うのは当たり前のことだ。どんな困難にも解決策は必ずあるもの。僕はさっきのような悩みを打ち明けられたとき、次のようにアドバイスしているんだ。 たとえば、気の合う部下に対する態度について考えてみよう。自然と励ましたり、「頼りにしているよ」と声をかけたり、なにかしてもらったら感謝の気持ちも素直に出てくるだろう。おたがいにわかりあえているという安心感と信頼がそこにはあるから、その関係性をよりいいものにする振る舞いがスッと出てくるんだよね。でも、そうでない場合は、同じような態度ではないだろう。できるだけ事務的に済まそう、波風を立てないように、あまり関わらないようにしようと遠ざけてしまう。それでは、やはりいつまで経っても、関係性は改善しないし、避けているぶん、なにか見落としてしまったり、連絡ミスなどがあったりして、業務そのものにも支障が出てくる可能性もある。では、どうすればいいかというと、気の合う部下と同じように接することだ。つまり、平等にすることが大事。苦手な部下ほど意識的に話しかけよう。「こいつ、イヤだな」と思った時点で、もう不公平さが生まれてしまっているものだから。うまくやっていけている部下と同じように声をかけて、「よろしくね」「ちょっと確認してもいいかな?」などと仕事を媒介としたコミュニケーションをするんだ。そうすればそのうちおたがいのいいところ、仕事に対するスタイルなどがわかりあい、認めあえるだろう。誰だってストレスは抱えたくないもの。ちょっとした気づかいで、環境が変わるってことはよくあることだし、カンタンにできることだよ。 当たりすぎ! 完全鑑定16項目【あなたの人生、この先こうなる!】
2017年06月30日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。新入学・進級などにより、子どもたちが今までとは違った環境に身を置くことになる日々へ突入する時期になりました。初めてのことばかりで、子どもにとっては不安を感じやすくなってしまう時期でもあります。新しい環境というのは未知の世界ですから、当然ですよね。子どもたちが不安を感じやすいこの時期、親は子どものちょっとしたサインを見逃さないようにしたいものです。●SOSサインにはこんなものがある!ちょっとした不安を感じた場合でも、子どもはサインを出します。しかし、子どもからしてみると無意識のうちにやっている(出ている)ことが多いです。しかも、繰り返すことがある ため、注意して見てあげましょう。【SOSサイン】・急に寝起きが悪くなる(それに伴って学校へ行くのをしぶる)・めまいやふらつき・表情が暗い(表情が乏しく、あまり笑わないなど)・食欲がない・やる気が起きない(ゲームをしなくなる・ぼーっとしているなど)・親のそばを離れたがらない(1人になるのを怖がる)・体の痛みやかゆみを訴える(腹痛・頭痛・皮膚をかきむしるなど)・小さい物音でも驚くようになるこういったサインは、ストレスが関係して起こってしまっていることがあります。ただし、体に症状が出ている場合は一度小児科を受診して、病気が隠れていないかを診てもらうことが必要です(自己判断は危険です)。●子どもは親に不安を打ち明けたくない!?子どもは親を愛しています。「親が大好きだから心配をかけたくない 」という気持ちがどうしても働きます。親は子どもの表情が暗いと、「どうしたの?」と聞きますよね。素直に話してくれる子どももいますが、「心配をかけたくない」という気持ちが強い場合、「別に」とか「何でもない」などのような短めの言葉でその場を離れてしまう子どもが少なくありません。年齢が上がれば上がるほど、その傾向が強くなっていきます。これで放っておいてしまうと、子どもの不安は強くなったり、学校に行くことが怖くなったりとSOSサインが強く出てしまうこともあります。決して見放さず、不安を少しだけでも和らげてあげることができるようにしてみましょう。●不安を感じている子どもへの対処法かまい過ぎて“過干渉”になるのはよくありません。無理に聞きだそうとするのも、逆に口を閉ざしてしまう原因になってしまいます。SOSサインが何度も見られたら、次のような対処法を試してみましょう。●(1)話を聞く不安を感じている子どもと2人きりの時間を過ごせるファミレスやカフェ、公園などに出かけます。いつもと違う環境で大好きな親と2人でジュースなどを飲みながら話せることが望ましいです。最初は世間話から始めて、そのうちに気になっているサインについて話してみましょう。子どもが話したがらないときはその話はやめ 、「お母さんは味方だからね」と優しく包み込むようにし、無理に聞かないようにします。子どもが話し出したら最後まで口を挟まず、相づちを打ちながら聞きましょう 。子どもはまず自分の思いや不安を聞いてもらうことで安心を得たいはずです。とにかく聞き役に徹します。ここで、つらかったと言っていた部分を“おうむ返し”(相手が言ったことを同じように言って返すこと)すると、子どもは「話を聞いてもらえた」「わかってもらえた」という気持ちを強く感じられます。子どもが親に意見を求めてから、「お母さんだったらね、」と話しましょう。●(2)愛情を求めてきたらしっかり返す特に年齢が低い子どもに多いのですが、親に抱っこを求めたり、手を握ったり愛情を確認するような行動を起こす場合があります。このときは、その場でしっかり対応してあげましょう。家事をしている最中でも家で仕事をしている最中でも、不安を感じた子どもは時と場合を考えずに愛情を求めてきます。このときに、「忙しいから後でね」と言ったとしても、「今じゃなきゃいや~」となる子もいれば、「じゃあいい」と素直に引き下がる子もいます。心配なのは、素直に引き下がってしまう子です。聞き分けがいいのではありません。我慢している のです。大好きなお母さんが困らないために、これ以上自分が嫌われないために。ですから、愛情を欲してきた場合は、その場ですぐに対処してあげましょう 。わかってもらえたという気持ちが、安心感になり、心の支えとなるのです。●おわりに親が自分のためだけに時間を作ってくれたという気持ちは、子どもにとって最高の安心感となるのです。特に不安がある子にとっては、なおさらです。「お母さんは僕(私)を見てくれている!」と感じます。新生活での不安は、放っておくと五月病になったり、中1ギャップに変化していったりすることが懸念されます。放置より、今しっかり対処してあげることを大事にしてあげてほしいと思います。【参考リンク】・「子供の心のケアのために」(保護者用) | 文部科学省(PDF)()●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年04月19日新年度が近づいてきました。お子さんを保育園に入れ、この4月から復職するママも多いのではないでしょうか。兼業ママにとって、無事に入園と復職を果たせるのはひと安心といったところ。でも一方で、ママが働きだすことによって、子どもに寂しい思いをさせるのでは……と胸がチクチクすることもあるでしょう。共働き家庭のなかで、子どもに寂しい思いをさせないようにするには、ママの接し方が重要になってきます。今回は先輩ママたちが取っている対策や、接し方のコツなどを紹介しましょう。●(1)乳児持ちママたちの接し方0歳から2歳まで。保育園では「乳児さん」と呼ばれる子どものママたちから聞けた話です。『0歳から保育園に入れています。一緒にいるときは、可能な限りスキンシップを取るように心がけています。抱っこを求めてきたら、家事の手を止めてでも、できるだけ応じるよう心がけています』(20代女性/1歳半女の子のママ)スキンシップは母子の愛着形成にとても重要なこと。子どもたちは昼間ちょっぴり寂しかったとしても、夕方ママに抱っこしてもらえればグーンと元気が出てくるものです。抱っこがどうしても無理なときは、手をつなぐ、背中をさすってあげる、オデコをくっつけるなど、体のどこか一部分を密着させる ようにしてもいいですね。言葉を理解できるようになってきたお子さんには、こんな接し方も有効です。『引き渡すとき必ず、「ママはお仕事に行くけれど、必ずお迎えに来るからね」と言ってます。毎日繰り返すことで、「ずっと離れているわけではない。夕方になったらママに会える」ということが理解できるようになったようです』(30代女性/2歳男の子のママ)毎日繰り返し伝える、という点がポイントです。私たち大人は「昨日言ったから、今日も分かっているはず」と思いがちですが、小さな子どもにそれは通用しません。子どもの不安がなくなるまでは、説明し続けてあげましょう。そして、約束した通りお迎えに行きましょう。約束が守られた、ママが来てくれたという事実の繰り返しが、子どもの心を強くしていきます。●(2)幼児持ちママたちの接し方3歳から小学校入学まで、「幼児クラス」のママたちはどうしているのでしょうか。『送り迎えのときは“2人の時間”として、娘の話に耳を傾けるようにしています。適当に聞き流しているとバレてしまい、しつこくスネるので余計やっかいです。聞くときは集中して聞くのがいいと思います』(30代女性/5歳女の子のママ)『誰とどんなことをして過ごしていたのかを重点的に聞いています。これくらいの年齢になると、少しずつ友だちとの関係も増えてくるころ。ママが自分の友だちに興味を持ってくれるのって、子どもにとっては嬉しいみたいですよ』(30代女性/4歳男の子のママ)このように、お子さんの話をよく聞いてあげるようにする、というママが多くみられました。気をつけたいのは、その聞きかた。子どもの話はアチコチ飛ぶし、ヤマもオチも特にないことが非常に多いもの。そのため、余裕がなかったり、疲れていたりするときは思わず「だから何なの?」「ああ、○○だったんでしょ?」と結論を急いでしまいそうになりますが、それはNGです。子どもたちは「ママに話を聞いてもらえた」という実感を持つことができません。口を挟みたくなってもグッと我慢して、子どもの思うままに語らせてあげましょう 。もしかしたら、思いもよらないことをポロリと呟くかもしれませんよ。●(3)小学生ママたちの接し方小学生にもなるとずいぶんシッカリしてきますが、ママが恋しくなってしまう瞬間も時おりあるようです。そんな微妙な年ごろを、ママたちはどんなコツで乗りきっているのでしょうか。『勤務が不規則で、子どもが寝てから帰ることもあります。コミュニケーション不足解消のため、わが家では交換日記をはじめました。これが思いのほか楽しいようで、私が休みで家にいると、「えー、日記かけないじゃん。仕事行ってよー」と不服そうにすることまでありますよ(笑)』(40代女性/小学3年生女の子のママ)交換日記や置き手紙を活用している家庭は多いようですね。どうせなので、パパにも一役買ってもらい、より一層盛り上げてみては?これらを「パパには絶対ナイショ」ということにして、たまにパパにあからさまに羨ましがってもらいましょう。「ママと自分だけのヒミツ」を持てる喜び は、この年代の子どもにとって格別になるはずです。もうすこし大きなお子さんのママからは、こんな話も聞けました。『ヘタにごまかしたり、取り繕ったりせず、まっすぐ素直に感謝を伝えるようにしています。「いろいろ我慢させていることもあると思うけれど、おかげさまでお母さんはお仕事ができています。本当にありがとうね」と、大人に伝えるように言ってますね。嬉しいようなくすぐったいような、神妙な顔で聞いていますよ』(40代女性/小学6年生男の子のママ)----------参考になりましたか?いずれ子どもは親の手を離れ、ちゃんと子どもの世界を確立していきます。ママの不在に、今はちょっぴり寂しさを感じることもあるかもしれません。でもいつか、仕事をしながら自分を育て上げてくれたママの大変さ、偉大さに気づく日がくるはず。それまではできる限りの工夫をこらして、コミュニケーション豊かに接するよう心がけましょう。●文/パピマミ編集部●モデル/赤松侑里(さゆりちゃん)
2017年03月29日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。欲しいものが手に入らないと泣き叫ぶ、一度機嫌が悪くなるといつまでも不機嫌が続く、自分がこうと決めたら他の意見に耳を貸さないなど、びっくりするくらいの頑固さをみせる子どもがいます。そんなときに周囲の大人はどう対応するべきなのでしょうか?戸惑うところですね。今回は、「子どもの頑固さ 」をテーマに3人のママの意見を聞いてきました。●(1)頑固は個性、上手に伸ばしてあげるべき日本人のご主人との間に2人のお子さんをもつアメリカ人ママRさんは、流ちょうな日本語で『頑固は個性よ』と言います。日本ではどちらかというと好ましくない性質として取られがちな「頑固」も、アメリカではそれだけ「自己主張をはっきりできる・議論に強い 」という意味にもなり、上手にのばしてあげるべき才能の1つと考えられるそうです。ただ、泣いたり叫んだりで表現するのはやっぱり間違いで、『主張したいことは言葉にしなければ伝わらないと教えることが大事よ』と教えてくれました。●(2)頑固は損、結局損をするのは自分だと学ばせる『頑固を貫き通したところで、損をするのは間違いなく本人!』と言い切るのは、海外駐在中の日本人家庭のママTさん。2歳の一人息子Eくんは、駄々っ子真っ最中。きっかけはたいていすごく些細なことなのだそうです。『でも、いったん始まるともう泣き叫び疲れて寝るまで大騒ぎ』と思い出してイライラ顔のTさんですが、ある工夫で駄々こねの時間がグッと短くなったそうです。『コレ買ってと駄々をこね始めたら、選ばせるの。コレは買ってあげられないけど、今泣き止めばアレしよう。でも泣き続けるなら何もなしって』。駄々をこねると損をする ことを学べるように工夫したというTさん。ただ、アレとはEくんお気に入りの公園へ行って遊ぶことや、手作りのオヤツなど、お金では買えないものを提案することで、Eくんのご機嫌もママの懐もプライドも守れると教えてくれました。●(3)頑固は放置、自然とおさまるのを待てばいい『子どもが頑固になっているときに大人が真剣に相手をすればするほど、もっと頑固になると思わない?』と疑問を投げかけてきたのは、ニュージーランド人のご主人との間に3人の男の子がいるNさん。『最初の子のときは余裕があったから、子どもの頑固にも根気強く相手をしたけれど、2人目、3人目となるとそれどころじゃないし、床で大の字になってワァワァ言っていても、放置しておくと知らぬ間に治まっていることがほとんど。結局、相手をした長男のときより、放置していた後の2人のほうが扱いやすかったわよ』と経験談から、頑固は放置が一番の解決方法 だと主張してくれました。●まとめとしてまさに三人三様。ただ、子どもの頑固をそのまま受け入れない点では共通していました。頑固を個性と考えて議論力をつける方向へ導く、子どもに頑固は損だと学ばせるための選択肢を与える、放置することでやはり頑固の無駄加減を学ばせるなど、子どもの性格、時間や家族構成などの大人の都合にもよるのでしょうが、実生活で困り切ったときにはぜひ試してみたいですね。●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)●モデル/藤本順子(風悟くん)
2017年02月11日2歳に近づいてくるころからはじまる「アレやだ」「コレもいやだ」「やだ・やだ・やだ」のイヤイヤ期。第一次反抗期といわれることもある2歳児は“魔の2歳児”とも呼ばれています。まさにイヤイヤ期真っ盛りのお子さんをもつ方もこれから始まるイヤイヤ期にドキドキしている方も必見の、2歳児のイヤイヤ期を上手に乗り越えるためのコツを6つご紹介します。2歳児のイヤイヤ期とは? 子どもは、2歳前後から、「○○しようね」と促しても「イヤだ」と自己主張するようになってきます。それまでは、素直にママやパパなど周りの大人の言うことを聞いていたのに、反抗しているような様子を見せてくるのが、イヤイヤ期と呼ばれる状態です。▼なんでも自分でやりたがるまだうまく自分でできないことでも、自分でやりたがるようになります。たとえば、“靴下を履く”“お茶をコップに注ぐ”など、これまで大人がやってあげていたようなことを「自分でやる!」と主張しはじめるのはイヤイヤ期の大きな特徴です。主張はするものの、まだまだできないことも多いため、挑戦したもののうまくいかずにイライラして泣いたり、暴れたりします。それでも、自分でやらないと気が済まないのが2歳頃のイヤイヤ期なのです。▼まずイヤがるママやパパから何か提案されると、本当はやりたいことであったとしても、まずは「イヤ」と否定してしまうのもこの時期の特徴です。「お散歩に行こう」「ヤダ」、「ごはん食べようか」「イヤ」と何を聞いても、最初に返ってくる答えは「ヤダ」や「イヤ」なので、一緒にいて疲れてしまうというママやパパも多いのではないでしょうか。「イヤ」と言ったものの、本当はやりたかったことである可能性も高いため少し経ってから「やっぱり行く/やる」と言い出すこともしばしば起こります。そんなときにも「そういう時期だから仕方ない」と割り切った対処法にするようにしましょう。▼夜泣きをすることも授乳することもほとんどなくなり、離乳している子も多い2歳のイヤイヤ期に突然夜泣きがはじまることがあります。2歳過ぎからはじまる夜泣きは、怖い夢を見たり、昼間にあったことを思い出していたりすることが理由だと言われています。特にイヤイヤ期は、日中に「イヤイヤ!」と激しく興奮したことで、夜中にその気持ちを思い出して泣いてしまい、夜泣きしやすくなる時期です。ひどいときには、一度起こして「大丈夫だよ」と安心させてあげると収まることがあるため、試してみてくださいね。▼イヤイヤ期って結局どんなものなの? 早い子で1歳半頃からその兆候が見られるようになってくることがありますが、2歳を過ぎ2語文(2つの単語を組み合わせること)以上の長い文を話せるようになってくると、より主張する機会が増えてきます。それは、それまで「こうしたい」という自我がなかったり、自分の思いを言葉で表現したりできなかった状態から、「ぼく/わたしは、こうしたい」という思いが芽生え、言葉で言い表せられるようになってきた証拠でもあります。イヤイヤ期の様子を“魔の2歳児”と表現し、「言うことを聞かなくなる手のかかる時期」だとする見方も多くありますが、これは“自我の芽生え”という大事な成長過程のひとつです。「イヤイヤ」が出てきたら「自我が芽生えてきたな」「順調に成長している証だ」と考えて受け止めてあげましょう。イヤイヤ期はいつから始まっていつ終わるのかイヤイヤ期は「この日からはじまって、○週間で終わる」という決まった期間はありません。個人差も大きいため、同じ兄弟でもイヤイヤ期があっとう間に終わってしまう子もいれば、「まだ終わらないの」と長く感じてしまう子もいます。一般的に、自我が芽生え、言葉が出てくる2歳頃からはじまり、3〜4歳頃にかけて徐々に収まっていくといわれています。終わるタイミングも、ある日突然「イヤイヤ」と言わなくなるのではなく、徐々に自分でできることが増えていき、自分の思いとそのときしなければならないことの折り合いを心のなかでつけることができるようになっていくことで、少しずつ変化が現れるようになっていきます。「いつかはイヤイヤとの格闘も終わる」と気長に構えておくと、ママやパパの気持ちもラクになっていきます。それまでは、コツを押さえた対処法で乗り切るようにしましょう。2歳児のイヤイヤ期にしつけは必要? 「2歳児のイヤイヤ期でのしつけがその後にかかってくる」と言われることもありますが、2歳の自己主張をすべてわがままと捉えて叱ってしまうと、ママやパパも疲れてしまいます。家庭のルールを決め、主張している内容によって必要なときにはしつけをするスタイルを取れるように、まずはママとパパとで話し合っておくのがおすすめです。具体的には、「自分で何かしたい」という欲求から、大人がやってあげようとしたことを「自分でやる」と主張しているときにはできるだけ聞いてあげるようにしても、夜寝る時間になっても「○○したいから寝ない」という主張を通そうとするのは「いけない」こととして言い聞かせるようにするなどです。イヤイヤ期の自己主張は、成長の過程においては重要なポイントとなるものです。ただのわがままなのか、成長のために必要な自己主張なのかの判断は難しいところもありますが、「言うことを聞かせたいのは、ママやパパの思い通りにしたいからではないか」「家のルールに沿えていないことなのか」を常に意識しながら対応し、必要なときにしつけをするようにしていきましょう。2歳児のイヤイヤ期に上手に対応する6つのコツ2歳児のイヤイヤ期にも上手に対応するためのコツを押さえておくことで、ママやパパも笑顔で気持ちよく過ごすことができるようになっていきます。まずは、そのコツを知り対処法を変えてみるようにしましょう。1.時間に余裕をもつと心のゆとりが生まれる イヤイヤ期に、大人がイライラさせられてしまう原因のひとつが“時間”です。特に朝は、サッと準備をして家を出たいのに「靴下や靴を自分で履きたい!」と主張し、やってあげようとするとイヤイヤされてしまうと、待っている間中、大人はイライラしてしまいます。このイライラを解決するコツは大人が“時間に余裕をもつこと”です。家を出るには15分かかると見込んで計画を立てておけば、スムーズに準備ができて5分で出られたらラッキーと思えるようになります。さまざまな場面で想定の倍以上の時間がかかると予想し行動していると、大人がイライラしてしまう回数も減っていき、心のゆとりができるため笑顔で対応してあげることができます。イヤイヤ期には、とにかく時間に余裕をもてるようにすることを最優先にして考えておくのがおすすめです。2.“急がばまわれ”で気の済むまでまずやらせる 急いでいるときほど、「自分でやる!」と言われても「時間がないからママ/パパがやるね」と、自分でやらせずに手を出したくなってしまいます。自分でやりたいと思っているのに、手を出されると子どもは泣いて暴れることもありますよね。結局、やってあげることもできず時間だけがどんどん過ぎてしまったり、無理やりやってあげてしまったことでその後ずっと子どもが不機嫌になっていつもならできることもできなくなったりというパターンも多く見られます。急いでいるときに、「自分で」と主張されたら、まずは気の済むまでやらせてみましょう。まだ自分でうまくできないことであっても、まずはやりたいという気持ちを受け入れてやらせてあげ、途中で「手伝ってもいい?」と声をかけてから手をだすようにします。子どもが自分から「ママやパパにやってもらいたい」という気持ちになるよう、うまくできなくてイライラしてきそうなタイミングを見計らうのがコツです。 “急がば回れ”と心でつぶやきながら、まずは見守るようにしてみましょう。3.選択肢を提示して”選ばせる”「○○して」と声をかけると「イヤだ」という答えが返ってきてしまいます。そのため、何かをやらせたいときには、「自分でやるのと、ママ/パパがやってあげるの、どっちがいい?」と視点を“すべきこと”をするかしないか、ではなく“だれがやるのか”に変えた質問するようにしましょう。イヤイヤ期の子どもにとって大切なことは「自分で選んだ」という事実です。「○○しなさい」「ママ/パパがやってあげる」と伝えてしまうと、「イヤだ/いいよ」の2択から選ぶことになってしまい、多くの子どもは「イヤ」を選んでしまいます。ところが「自分でやるか、やってもらうか」の2択を提示されると、“自分でママやパパにやってもらうことを選んだ”ことに満足してくれるため、無理やりやってあげようとするよりも、スムーズに受け入れてくれることも多くなるのです。選択肢はどちらも“やってほしいこと”にするか、“自分でやるかやってもらうか”にしておくと失敗せずに促すことができます。4.イライラしたら深呼吸あれこれ対策をたてていても、イヤイヤ期にはどうしてもイライラしてしまうものです。特にひどいイヤイヤ状態に陥って、どこでも寝そべってイヤイヤしてしまうようなときには、イライラも増していきます。イヤイヤ期の子どもと接していて、イライラしてしまったときにはまず深呼吸をするようにしましょう。特に、鼻から息を吸い、口からゆっくり吐き出す深呼吸方法がおすすめです。子どもが危なくない状況であれば目を閉じて深呼吸するのも効果的です。5.多少泣かせてもひとりになって落ち着く時間をつくる家のなかでイヤイヤされてイライラして怒ってしまいそうになったときには、多少泣かせたままにしても、トイレや別の部屋に行って、ひとりになる時間をもちましょう。何十分も離れてしまうのは危険ですが、5分程度であれば安全性を確保している部屋に置いておいても大丈夫です。思わず手が出そうになってしまったときにも落ち着く時間をもつことは効果的です。息が詰まりそうだと感じたときには、別室でひとりになるようにしましょう。6.イヤイヤは大事な成長過程だと理解するイヤイヤ期は、心の成長にとってとても大事な成長過程のひとつです。自己主張をし、自分でやろうとする気持ちが育ってきた証拠でもあり、“自分の気持ちとすべきこととの折り合いをどうつけていくか”や“我慢を覚える”ということにもつながっていきます。イヤイヤ期真っ盛りには、とにかく早く終わってほしいと願うものですが、面倒な時期ではなく、子どもの成長を強く感じられる期間だと考えを変えて対応するようにしてみましょう。イヤイヤしている姿を見て、「自己主張できるようになってきたなんて順調に成長しているな」と思えるようになったら、ママやパパにとってもこの時期が楽しいものとなっていくはずですよ。イヤイヤ期にパパにしてほしいこと子どもと接している時間はママのほうが長いというケースも多く、イヤイヤ期に対応するのもママであることは多いものです。何もかもが一筋縄ではいかないイヤイヤ期には、ママもイライラしたり、フツウに過ごすだけでもぐったり疲れてしまったりします。そんなときに、パパにしてほしいことは「大変だということを理解する」「ママと話し合って家庭のルールを認識しておく」の2つです。まずは、どうしてママがそこまで疲れているのかイヤイヤ期の大変さを理解してあげましょう。子どもと一緒に過ごすことで大変さを知ることもできますが、まずはママの話を聞いてあげるのがおすすめです。日々どんな大変なことがあったのかを聞いておくことで、子どもの姿をイメージしやすくなります。話を聞くときにはアドバイスしようとするよりも、ただママの話を聞いてあげるようにすることもポイントです。また、ママを休ませてあげたいと子どもと一緒に過ごすときに、パパがママとは違った対応をしてしまうと子どもは「どちらが正しいのか」がわからず混乱してしまうことがあります。ママと話し合って家庭のルールを把握し、イヤイヤ期の接し方を身につけておきましょう。2歳児なのにイヤイヤ期がない!? 2歳を過ぎてしばらく経ってもイヤイヤ期が一向にやってこないように思える子もなかにはいます。「イヤイヤ期がなくていい子だな」と思っていたら自己主張がうまくできない子だったということもあるため、まったくないときには注意して見てあげることも必要です。しかし、なかには、ママやパパの自然な対応が子どもに合っていて、自己主張はしっかりしているものの、いわゆるイヤイヤ期と言われる状態になっていなかったり、それをイヤイヤ期だと認識していなかったりするケースも見られます。イヤイヤ期は、絶対あるものでも必ず大変になるものでもありません。「イヤイヤ期がないかも?」と思ったときには、「自分はこうしたい」「自分でやってみたい」という自我がしっかり芽生えているかを見てあげ、問題なく成長している様子が見られれば心配ありません。「ないと思っていたら突然はじまった」ということもあるので、「そのうちはじまるかもしれない」とおおらかな気持ちで構えておくことをおすすめします。イヤイヤ期の子どもと接していると、イライラしたり、つい叱りすぎてしまったりとママやパパも疲れてしまいがちです。今回ご紹介した6つのコツを押さえて上手に乗り越えて、家族みんな笑顔で過ごせるようにしていきましょう!<参考>『乳児保育の実践と子育て支援』榊原洋一・今井和子編著/ミネルヴァ書房/2007年4月20日初版第4刷発行
2017年02月01日知的障害とは出典 : 知的障害とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態を指します。厚生労働省は知的障害を以下のように定義しています。知的障害は精神遅滞とも表される、知的発達の障害です。知的機能や適応機能に基づいて判断され、知能指数により分類されます。様々な中枢神経系疾患が原因となるため、正しい診断を受けて、早期に治療・療育・教育を行う必要があります。本人のみならず、家族への支援もかかせない発達障害のひとつです。知的障害(ID: Intellectual Disability)は、医学領域の精神遅滞(MR: Mental Retardation)と同じものを指し、「知的発達の障害」を表します。すなわち「1. 全般的な知的機能が同年齢の子どもと比べて明らかに遅滞し」「2. 適応機能の明らかな制限が」「3. 18歳未満に生じる」と定義されるものです。中枢神経系の機能に影響を与える様々な病態で生じうるので「疾患群」とも言えます。知的障害を引き起こす原因はさまざまです。病気や障害の合併症としてあらわれることもあり、その症状や知的障害の程度、苦手なことも一人ひとり異なります。また、よく学習障害(LD)と同じ障害だと思われがちですが、学習障害は知的発達に遅れがない発達障害です。知的障害は「知的機能(IQ)」の数値のみによって診断がくだされるという印象がありますが、「適応機能」という日常生活能力、社会生活能力、社会的適応性などの能力を測る指数とも合わせて診断が下されます。アメリカ知的障害・発達障害学会(AAIDD)では、適応能力を知的機能と別に考え、適応機能の程度を実生活に必要なサポートの大きさによって定義することを提案しています。適応能力をアセスメントするため、日本でもVineland-Ⅱ適応行動尺度やASA旭出式社会適応スキル検査、S-M社会生活能力検査など、評価ツールも活用されるようになってきています。このように、現在では知的機能だけではなく知的障害のある人の適応能力を重視し、支援を行っていこうという流れになりつつあります。家庭においても子ども一人ひとりの適応能力を伸ばしたり、より生活しやすいように環境調整をすることで、日常生活の困りごとを減らしていくことが大切です。参考文献:Intellectual Disability: Definition, Classification, and Systems of Supports (11th Edition)(AAIDD,2010)知的障害の子どもの生活における4つの困難とは出典 : 知的障害のある子を育てる場合、どのような困りごとがあるのでしょうか?知的障害の場合、個人差が大きいため症状や苦手なことは人それぞれですが、以下に共通してみられることの多い困りごとをご紹介します。注意力が散漫で、今行っている作業に集中できないこともあります。また、落ち着きがなかったり、人の言うことを集中して聞くのが難しいこともあります。知的障害のある人は、記憶していられる量が比較的少ないと言われています。そのため一度に複数のことを伝えても、一部しか覚えていられなかったり、長期間覚えているのが難しかったりします。知的障害の程度によっても異なりますが、学校の授業についていくのが難しかったり、書類の意味がわからない、お金の計算がわからないなど、覚えられないことで日常生活で困ってしまうこともあります。一度聞いただけでは忘れてしまうが何回か絵カードを見れば覚えられるなど、その子がどれくらい覚えていられるか、どうしたら覚えやすいかといった記憶の特徴も一人ひとり異なります。知的障害のある子どもは、自分の身の周りにある具体物を基本として外界を認識する傾向があります。そのため、時間や数といった概念的なものごとの理解や、いま目の前にないものを頭のなかで考えることが難しい場合があります。たとえば「静かに」と伝えても話し続けてしまう子が多くいます。静かに、という抽象的な注意では「何をしたらいいのか」が分かりにくく、結果的に手持ち無沙汰でまた歌い始めたり話し始めてしまう場合が多いです。言葉という概念が理解することがなかなか難しく、言葉がスムーズに覚えられない場合があります。知的障害のある子どもの中には、言葉の遅れが目立ったり、自分の気持ちを上手く言えずに手を出してしまう子もいます。知的障害の子どもへの接し方は?子育てのコツ7選出典 : 知的障害のある子どもへの接し方で基本となるのは、以下の3つのステップです。1.成功しやすい指示を出す子どもにとってわかりやすく、具体的な指示を出します。課題はスモールステップで難しくない、興味があるものだと取り組みやすく、成功を実感しやすくなります。2.行動子どもがやってみて、できない場合は少し待ってから成功に導くための適度なサポートをします。失敗体験をさせないこともポイントです。3.ほめる「できた」ときにほめることで、子どもは「いいことをした」「うまくできた」と感じます。この成功体験を繰り返すことで、習慣化し、さまざまなことが身につきます。さらに具体的なコツを以下にご紹介します。知的障害のある子どもは、目に見えないことや抽象的なことを理解するのが苦手な場合もあります。そんな時は、絵や写真などの視覚的情報を用いて伝えると理解しやすくなるかもしれません。例えば、物のしまってある場所を覚えられないとき、引き出しにアイテムの写真を貼ってあげるのも一つの工夫になります。また、手順が覚えられないときには絵カードを使うのもおすすめです。出典 : 知的障害の子どもの中には、曖昧な表現が苦手な子もいます。できるだけ抽象的な表現や曖昧な表現は避けて具体的な手順や方法を伝えることも大切です。記憶しておくことが苦手な場合は紙に書いて壁に貼っておくなどの方法もよいでしょう。その場合、絵や写真で理解できる、文字が読める、簡単な文章が読めるなど、本人の発達に合わせて伝える工夫をしましょう。複雑な状況判断を求めるよりも、パターンを繰り返してある程度覚える方が得意なお子さんもいます。何かを習得してもらいたいときは、スモールステップで一つずつ伝え、パターンを繰り返すとよいでしょう。少しずつ、パターンを学ぶことで比較的記憶に結びつきやすく、何度も繰り返すことで定着していきます。お金や時間といった生活や自立に必要なスキルは生活の中で根気よく教えていきましょう。その際に分かりやすいルールを設けることも覚えやすさにつながります。大切なことは、ルールを設けるのに終始せず、「ルールを守ったから上手にできた!」という経験を多く積んでいくことです。また、コミュニケーションの場面でも、気持ちを伝えるフレーズをいくつかパターンで学ぶという方法があります。気持ちが一杯いっぱいになっている時に、あれこれ考えるのは大人でも難しいことです。「そういうこというのやめて」「僕のだから返して」など短めの文章でいくつか引き出しを持てるといいかもしれません。伝えてもわかってもらえない場合には先生に相談する、など次の方法までパターンで学べるとより良いでしょう。次第に自分が経験したことであれば、その経験を通してものごとを理解したり考えるなどできるようになります。そのような体験を積むことで、認識できる世界を広げていきましょう。出典 : 知的障害のある子どもの中には運動の発達の遅れから、手先が極端に不器用な子もいます。作業療法など訓練をしてもよいですが、練習をするときは、日々の生活を通して、日常的に手先を使うのもおすすめです。その際も、スモールステップに分けて子ども自身がやりやすい方法で、「できた」を実感できるようにすることが大切です。服の脱ぎ着なども大きなボタンとボタンホールの服を用意して、ボタンが難しい場合は最初の一つだけはずす、など、目標をちょっと頑張ればできることにするとよいでしょう。できないこと全てできるまで練習する、など過度な練習にならないようにします。出典 : 子どもに成功体験を味わって自信をつけてもらうことが大切です。できたことは、明確に褒めることを意識していきましょう。「靴下は上手にはけたけど、ズボンはもっと頑張らないとダメだね」など、褒められたのか注意されたのか曖昧では「できた!これで合ってるんだ!」と確信を持ちにくくなってしまいます。一つ一つできたものから子どもにとってわかりやすい表現と態度で、きちんと伝えて褒めてあげましょう。できたら「ごほうびシール」を貼るなど、視覚的なものを使う「トークンエコノミー」という方法もおすすめです。できないこと、苦手なことに目をむけてばかりいると、子どもも「僕はなんにもできないんだ」と自信を無くしてしまうかもしれません。夢中になれることや、得意なことを見つけたら存分に取り組める環境を用意したり、思い切り褒めてあげましょう。「できることがある」「これは大丈夫!」という気持ちは、苦手に取り組んでいける自信にも繋がっていくのではないでしょうか。例としては、知的障害の子どもに限りませんが、欲しいものを与えないとひっくり返って大泣きしたりしてしまう子どももいます。根負けしてお子さんの望みを受け入れるしかない場面もあるでしょう。しかし、何度かそのような経験をすると、今後の生活でもかんしゃくを起こせば要求がかなえられる、と誤って学んでしまいます。例えば、お菓子がほしいとねだっている時。対処法として、事前に「今日はお菓子は買わないよ」と伝えておきましょう。しかし、事前によく約束しても、いざ目の前にお菓子があれば欲しくなってしまうものです。そこで、次の対処法としては、買い物リストを子どもに渡し、かごに入れる役割を任せたり夢中になって取り組める仕事をお願いしましょう。ただ、どんな対処法をとっても、思い通りにならない状況に泣き出してしまうこともありますよね。その時は、泣くことに対して叱ったりする前に、「そうだよね、欲しかったんだよね」と一言共感するというのも大切です。出典 : 適応能力を上げるためにできることとして、子どもの能力をトレーニングするだけでなく、環境をやりやすいように整えたり、さまざまな便利なツールを使うことで「できる」を増やすという方法もあります。集中力がない場合はおもちゃを勉強部屋から片づけるなどの集中しやすい環境を作ったり、タイマーやスケジュールを利用して一つの作業を短時間で切り替えるなどの工夫をするのもいいでしょう。また、今はさまざまな便利なツールがサポートしてくれます。たとえば、かつては電車に乗る、ということも、行き先を路線図から探して窓口で切符を現金で買い、駅員さんに切符を切ってもらうという複雑な能力が必要でした。現在はスマートフォンの音声機能とアプリを使えば経路と乗り場を教えてくれますし、ICカードがあればタッチするだけで改札を通れます。こういった補助ツールを積極的に使うことで適応度を上げ、社会的経験値を上げていくことができるのです。スマートフォンの地図アプリや録音機能をメモ代わりに使ったり、デジカメでメモをとるなど、本人がやりやすくなるツールを積極的に使いましょう。知的障害のある子どもの教育面でのポイントは?出典 : 知的障害がある子どもが受けることのできる特別支援教育には、知的障害特別支援学校、知的障害特別支援学級があります。これらの特別支援教育では、知的障害児に応じた教育課程編成や適切な教科書での学習ができます。通常学級に所属した場合も、困りごとに応じた合理的配慮を受けられるように相談してみると良いでしょう。できたら通常の学級で…そうお考えの方もいらっしゃると思います。学校に入ってからの経験は子どもにとって非常に大切です。学級規模にもよりますが一般的に通常の学級はクラスの人数も多く、障害の特性に合わせたきめ細やかな支援が受けにくい場合があるかもしれません。一方、支援級の中では出会える友達も人数に限りがあるかもしれません。それぞれのメリット・デメリットや、実際に進学する学区・学校ではどのような支援が行われているかを確認することをお勧めします。学びの場を選ぶときは医師や専門家の意見を聞くことはもちろん、子ども本人とも相談を重ねることも考慮しながら、子どもにとって学びやすい環境を選ぶのが大切です。どのクラスに進学しても、学校の先生に協力してもらうことが大切です。例えば、席替えでは静かで気が散りにくい前列にしてもらう、教室移動が苦手な場合は一声かけてもらうなど工夫をお願いしてみましょう。また先生に家庭での取り組みや、今伸ばしているところ、伸びてきたところなどを知っておいてもらうことで、子ども本人の過ごしやすさも変わるかもしれません。家庭の中だけで取り組み続けると、親御さんに負担が大きいだけではなく子どもが誤った学習をしてしまうこともあるかもしれません。療育指導の場を使って子どもの成長を促すだけではなく、家庭での取り組みを一緒に検討したり、園や学校との連携を検討するのも一つです。療育に限らず、地域の資源を上手く活用していくことはとても大切な視点といえるでしょう。就学前の場合は児童発達支援が、小学校入学から18歳までは放課後等デイサービスなどの通所支援など、公的支援を受けることもできます。発達ナビ地域情報|地域の施設情報が検索できるコーナーです知的障害のある子どもの子育てに悩んだらサポートを出典 : 子どもへの接し方を変えるだけで改善できることはたくさんあります。ですが、子育てをしていると、悩むことやつらいことがあるのは当然です。最初からうまくいくことばかりではありませんし、周囲に気を使ったり、子どもの様子に気を配ったり、体力的にも精神的にも毎日へとへとになるパパ・ママも少なくないでしょう。これでいいのか、子育てに自信がなくなることもあるかもしれません。家庭の中だけで頑張り続けると、疲れてしまいます。親御さん自身が、疲れて辛くなってしまわないよう、児童相談所や専門機関に相談したり、療育センターや親の会など同じ悩みを持つ方に出会える場所を使うのも一つです。専門家の意見だけでなく、親同士の繋がりの中からもより良い方法や工夫の発見があるかもしれません。ぜひ、一人で抱え込まず周囲の人を頼ってください。子育て全般に言えることでもありますが、そんな時は、親御さんが一人で抱え込まないことがなにより大切です。公的支援をはじめ、さまざまなサポートがありますのでご紹介します。◇専門機関に相談する地域の子育て支援センターや児童発達支援センター、児童相談所などでは、子どものことや子育てについて、気軽に相談ができます。必要があれば医療機関や療育施設などの専門家を紹介してくれます。また児童精神科や小児神経科に相談したり、療育を受けることで、子どもの特性がわかり、対処法を教えてもらえます。知的障害のある人向けに専門の相談ができる制度もあります。・知的障害者相談員…知的障害者と保護者の相談に応じ、指導、助言など、必要な援助を行う民間の協力者です。電話や訪問で家庭での接し方を相談したり、必要な関係機関との連絡などのサポートをしてくれます。サポートを受けたい場合はお住まいの自治体の福祉担当窓口に問い合わせてください。・ペアレントメンター…ペアレントメンターとは、親による親のための相談者を意味します。カウンセリングの研修を受けた同じ障害のある子どもを育てた経験のある先輩の保護者が当事者目線で相談に乗ってくれます。地域によって導入されているかどうかは異なりますが、お住まいの自治体の障害者発達支援センターなどで紹介してもらえますのでお問い合わせください。◇親の会に参加する知的障害の家族を対象とした家族会やサポートグループが全国にあります。親の会は障害のある子どもを持つ親同士がつながり、障害について学んだり情報交換をしていく活動です。また、発達ナビのQ&Aコーナーやコミュニティでも、子育ての悩みを相談することができます。同じ経験をした人の話を聞いたり、具体的なアドバイスを聞いたりすれば、見通しがもてるでしょう。誰かにつらい気持ちを話すだけでも、気持ちが楽になり、一人で悩みを抱え込まずにすみます。◇ペアレントトレーニングを受けるペアレントトレーニングとは、親が子どもとのより良いかかわり方を学びながら、日常の子育ての困りごとを解消し、楽しく子育てができるよう支援する、パパ・ママ向けのプログラムです。子どもをのばすほめ方、環境調整の仕方、指示の出し方、行動の教え方などを具体的に学べます。◇レスパイトケアで意識的に休息をとるがんばりすぎて、余裕がなくなっているときは、リフレッシュが必要です。育児を軽減するサポートを利用するなどして、自分の時間をつくりましょう。児童発達支援、放課後等デイサービスの中には預かり型の支援サービスもあります。また、障害児を受け入れているファミリーサポートもあります。一時的預かりのサービスを行っている地域もあります。地域の福祉相談窓口などで相談してみてください。ペアレントメンター研究会知的障害者相談員全国の育成会|全国手をつなぐ育成会連合会あなたの子育てに関する疑問や悩みを質問してみましょう!|発達ナビQ&A地域の児童発達支援・放課後デイサービスを検索|発達ナビ地域情報ポイントをつかんで、お子さんの良い部分を伸ばしてあげましょう出典 : 今回、知的障害の子どもに対する子育てのコツや困ったときの対処法をお伝えしました。知的障害の子どもを目の前に、「どうしてうちの子はできないんだろう」と思ってしまうこともあるかもしれません。できないことばかり目がいってしまう時も、できることを見つけて「できてるね」と子どもに伝え、一緒によろこぶことから始めてみてはどうでしょうか。できることを増やすことは心の面でもとても大切で、不登校やうつ病など二次障害の予防にも繋がるといわれています。また、自分だけで考えるのが難しい場合は、療育指導などの専門家の支援を受けることも大切です。一人ひとりの個性や環境によって対処法も様々で、こうすれば必ず上手くいくという方法はありません。周りの力を借りたり、相談しながら進んでいけるといいでしょう。
2017年01月30日「家庭」は社会の最小単位だとよくいわれます。子どもは、親やきょうだいとの関係を通じて、他者とのコミュニケーションを学んでいくもの。だから家庭でのマナーは必要です。隠しごとなく何でも相談しあい、いつも安心して一緒にすごせる親子関係が理想。でもそんな関係を築くのは簡単ではありません。子どもへの接し方について、マナーという観点からあらためて考えてみましょう。■子どもの部屋に入るときにチェック!家庭の中でも、尊重されるべきプライバシーがあります。それは、子どもであっても同じ。「子どもを守り、助け、育てていくためにはプライバシーなんて言っていられない」と思うこともあるかもしれません。子どもを守ることは親の務めですが、それでも子どものプライバシーを尊重することも大切です。家庭によって時期は異なると思いますが、成長にあわせて「子ども部屋」を用意する家庭は多いでしょう。子どもが自分の部屋ですごしているときに、突然ドアを開けて入室するのはやはりマナー違反。プライバシーを尊重し、ノックや「入るよ~」という声かけを忘れないようにしましょう。中高生になると、「勝手に部屋に入られたくない!」という意識が強まってくるものです。しかし、自分の部屋を与えられたときからノックや声かけが習慣化されていると、「勝手に入ることはない」と親に対して安心と信頼感を持つことができます。そうすると、部屋に鍵をかけたがるなど、必要以上にプライバシーを気にすることがなくなるかもしれません。■子どもの物を借りる・移動させるときにチェック!物を借りたり触れたりするときに承諾を得るのは、大人同士ならあたり前のこと。しかし、自分の子どもの持ち物となると、ついそのあたり前が忘れがちです。子どもの持ち物を借りるとき、また移動させるときは、ひと声かけて承諾を得るように心がけましょう。これは、子どもに「自分の持ち物は、自分できちんと管理する」という意識を持たせることにもつながります。「おかたづけ」ができるようになるのは生後10ヶ月くらいから。「片づける」ということの意味がわかるようになるのは1歳前後といわれています。パパ・ママは早い段階から子どもの持ち物の扱い方を意識しておくと良さそうです。■何かをしてもらったときにチェック!家族だからこそ、基本的なあいさつは大切。朝の「おはよう」から「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」「ごめんなさい」、そして夜の「おやすみ」まで。しっかりお互いの顔を見てあいさつする習慣を身につけておくと、子どもが学校など外の社会に出たときに、きっと役立ちます。とくに「ありがとう」は、きちんと言えない大人も多いため要注意。たとえば、「ちょっとティッシュとって!」と言ってティッシュの箱をこちらへ渡してもらったとき。受け取る際に、自然に「ありがとう」の一言が出ていますか?家庭の中では、物を取ってもらう・借りるなど、誰かに何かをしてもらう場面がたくさんあります。そんなときについ、お礼の言葉を忘れてしまうパパ・ママも多いのでは?どんなささいなことであっても、「してもらって当然」ということはありません。まずはパパ・ママが、子どもへのお礼の言葉を忘れないようにしましょう。0~1歳ごろは、身近な大人の発する言葉を懸命にとらえようとする時期だといわれています。赤ちゃんのうちから、パパ・ママが「ありがとう」の言葉を積極的に使うよう心がけていれば、子どもにも自然に身についていくでしょう。■名前を呼ばれたときにチェック!「名前を呼ばれたら、元気な声でお返事しようね!」子どものころ、誰もが教わったはずですが、これも大人になるとつい忘れがちです。たとえば、「ママ~」と呼びかけられたとき、スマホを見ながら「何~?」なんて返事をしていないでしょうか? パパ・ママ間で、きちんと相手を見て返事をしていますか?家庭で返事の習慣を身につけていない子どもは、幼稚園や小学校で突然「お返事」を求められたときに、困惑してしまうかもしれません。まだ会話でコミュニケーションを取れない小さな子どもでも、パパ・ママの様子はしっかり見ているもの。まずは自分自身が「返事」の習慣を見直してみませんか? マナーとは、相手に不快な気持ちを起こさないようにする立ち居振る舞いで、相手への感謝や敬意も示すものだと思います。親子間のマナーを大切にするということは、子どもをひとりの人間として尊重し、敬意を払うということにもつながります。家庭で身につけたマナーは、きっと学校・職場などの社会へ出てから役立つはずです。
2017年01月17日こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。「自分の子どもには友達がたくさんいる明るい子どもに育って欲しい」多くの親御さんがそう望まれているかと思います。その一方で、お子さんの人見知りに悩む親御さんも少なくありません。そこで今回はお子さんを人見知りにしないための育て方について心理学からご紹介したいと思います。●乳幼児期の人見知り赤ちゃんの人見知りは早い子で生後5か月ごろから始まり1歳くらいでおさまるケースから、1歳を過ぎて始まり2〜3歳でおさまるケースまで、非常に個人差があるようです。かつて人見知りは母親と他人の区別がつくようになった証だと言われていましたが、そうではないことがわかっています。『東京大学』の岡ノ谷一夫教授らの研究によると、人見知りの強い赤ちゃんは人見知りをしない赤ちゃんよりも相手の目を見る時間が長く、相手と目が合ったときに凝視するような目の動きをするとのこと。そして人見知りの赤ちゃんは相手の視線や顔の向きに敏感なのではと考え、自分と向き合っている顔とよそ見している顔を見せたところ、よそ見している顔を長い時間みていたというのです。このことから、乳幼児期の赤ちゃんの人見知りは相手に近づきたいけれど、相手から離れたい という感情が複雑に入り乱れた状態であることがわかったそうです。この研究結果から考えると、赤ちゃんの人見知りに対しては、「びっくりしたね!」などと過剰な反応を見せず、「大丈夫だよ。優しい人だからね」とお母さんが優しく抱きしめながら語りかけてあげること が大切だと考えられます。●学童期の人見知り成長して学童期になっても人見知りをする場合は、相手にどう思われるかが気になって仕方ない、嫌われたくない、否定されたくない、傷つけられたくないという心理から自分を守るために人に近づくことを恐れてしまうことで人見知りをする傾向が強くなります。自分に自信がない とそう考えてしまうのは、大人になっても変わらない傾向があります。ではどうしたらいいのでしょうか?物心がついたころから、することなすこと、「そんなことしちゃダメでしょ!」「そうじゃなくて、こうでしょ!?」「どうしてそんなこともできないの!?」と頻繁に親に言われたら、自分に自信のある人に育つでしょうか?当然、自分に自信がなくなり、他人からどう思われるかが心配で仕方なくなってしまいますよね?そこで、言葉の置き換えをしてみてはいかがでしょうか?「そんなことしちゃダメでしょ!」は、「そんなことしたらどうなるかな?」に。「そうじゃなくて、こうでしょ!?」や「どうしてそんなこともできないの?」は、「どうしたらうまくできるかな?」と自分で考えて答えを出すような声掛けに。そうすることで、子どもは自分で考え答えを出してその成功体験から自信を積み重ねていきます 。1度や2度失敗しても、「そのやり方じゃうまくいかなかったね。次はどんなふうにやってみる?」と根気よく見守る親の努力も必要となってきます。●「子どもだからわからない」は大人の思い込み子育てのご相談を受ける中で、「子どもだからまだわからないだろうし」という言葉をよく耳にしますが、それは大人の勝手な思い込みに過ぎません。まもなくお正月ですが、たとえばおじいちゃんおばあちゃんの家に行ったとき、子どもは誰におねだりをしますか?一番自分に優しいおじいちゃんやおばあちゃんのそばに行き、甘えていませんか?子どもは大人が思っている以上に大人を観察し、自分にとって優しい人なのか厳しい人なのかを見切って行動しているのです。そして大人の言葉をちゃんと理解しています。理解しているからこそ、ダメ出しをし、子どもに考えることをさせないでいると、自分に自信が持てず他人からどう思われるかばかりを気にして、傷つくのを恐れ、人見知りになってしまうのです。子どもに考えさせる というのは大人にとっても根気のいることですが、育児は育自だと思ってお子さんと一緒に成長してくださいね。【参考文献】『面白いほどよくわかる臨床心理学ーストレス社会が引き起こす心の病をケアする手がかり』稲富正治・著【参考リンク】・Shyness in Early Infancy: Approach-Avoidance Conflicts in Temperament and Hypersensitivity to Eyes during Initial Gazes to Faces()●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)
2016年12月29日自閉症とは出典 : 自閉症(Autism)は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴があると言われています。世界保健機関(WHO)の診断基準である『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では広汎性発達障害というカテゴリーのもと、自閉症という障害名が使われています。一方、2013年に発行されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)において自閉症という障害名は廃止され、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害という名称に統合されました。そのため、今後自閉症という名称での診断は少なくなることが予想されますが、自閉症という名称は現在も一般的であり、また発達障害者支援法などの法律や文部科学省・厚生労働省などの行政でも使用されています。以上をふまえ本記事では、下記の文部科学省の定義で示されるような概念における「自閉症」についてご紹介します。自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。自閉症の原因は、まだはっきりとは解明されていませんが、生まれつきの先天的な脳機能の偏りであると考えられています。親の育て方や接し方、愛情不足によって自閉症になるのではないことが医学的にわかっています。自閉症の子どもはその特性に応じた工夫が必要であり、通常の子育てとは違う自閉症の子どもに合った方法にしたほうがうまくいくこともあります。つまり、自閉症の根本的な治療は現在のところできませんが、親が周りの環境を整えたり、接し方を変えたりすることで、症状や困りごとを緩和できる場合も多いのです。ここでは自閉症の子どもが生活する上で生じる困難と、親の接し方や対処法についてまとめました。自閉症の子どもに接するときの4つの基本出典 : 感覚や考え方は主観的なものなので、親といえども子どもの感じ方を完全に理解することは難しいのではないでしょうか?自閉症のある人の中には、定型発達の人と比べて特定の感覚に過敏性や鈍さ(鈍麻)がある方が多いと言われています。また、独特の理解の仕方や受け止め方がある場合もあります。そのため、子どもが「自分とは違う感じ取り方をしているかも」ということを意識し理解することが重要です。「このくらい言わなくてもわかるだろう」「この程度の音なら我慢できるはず」と思わずに、子どもがどう感じているか、何に困っているかを想像して接するようにしましょう。自閉症の特性のひとつに言葉でのコミュニケーションが苦手、ということがあります。言葉でくどくど説明しても、子どもは混乱してしまうだけです。子どもにとってわかりやすい指示や対話の方法は一人ひとりの特性によって違います。本人が理解しやすいやり方を考え、説明して納得させてあげてください。以下は代表的な方法です。◇短い言葉で具体的に指示する「椅子に座って」「靴を履いて」など、短い言葉で具体的に伝えます。状況や理由などの説明をしたり、一度にあれこれ指示をしたりするとわかりにくくなってしまいます。シンプルなステップに分け、一つが終わってから次の指示をします。◇視覚的な方法で説明する自閉症の子どもは、耳で伝えられる情報はなかなか理解することが苦手ですが、絵や写真といった視覚的な情報は理解できることが多いようです。言葉の指示や説明に加えて、絵や写真を補助的に使用すると、言葉だけでなく視覚でも理解ができるようになります。言葉でのコミュニケーションが苦手な自閉症の子どもにとって理解しやすい環境になり、何をして欲しいのか明確にわかるようになります。予定や約束ごとなども、絵にして知らせると、理解しやすく安心できます。自閉症の子どもに教える上では「ほめる」ことが大きなポイントになります。◇スモールステップで「できた」を増やす日常生活などのできないことは少しずつ、ステップごとに教えていく方法が効果的です。まずは手順を細かくわけ、分かりやすい方法で一つひとつ説明します。やってみて、一つできたら思いっきりほめたりごほうびをあげたりします。子どもに「できたら嬉しい」「自分にもできる」ことがある、という成功体験をたくさん味わわせることがとても重要なのです。◇のぞましい行動をほめる自閉症のある子どもは相手の言葉の意図をくみ取ることが難しい場合があります。そのため「してはダメ」なことを叱るよりも、「してはいけない」ことはできるだけスルーし、「してほしい」ことをしたときにストレートな表現でほめるほうが効果的です。うまくいったことや頑張ったことがあれば、どんな小さなことでも思い切りほめます。同じことでも何度もほめることで「よい行動」が印象づけられ、定着していきます。自閉症のある子どもは変化がとても苦手です。「いつもと違う」ことに強い不安と拒否感を感じます。例えば、時間割が違う、いつもと違う道を通った、部屋の家具の位置が違うといった、ほかの人には些細に思えることでも気持ちが動揺しパニックになってしまうことがあります。◇見通しを持たせて安心させる先の見通しを立てられるように予告しましょう。これから何をするか理解し、予測できると安心して行動できます。そのためには絵などを使って子どもが分かりやすい方法で、かつその子が安心できるタイミングで伝えるようにしましょう。伝えるタイミングは直前だとパニックの原因になりますし、早すぎると意味がなくなったり、他のことが手に付かなくなったりすることもあります。◇不安からくる行動を理解する臭いを嗅いだり、くるくるまわったり、ジャンプを続けたり…。変わった行動やくせがあると、親としてはやめさせたくなりますが、その行動は不安や緊張をやわらげるためにしている場合が多いのです。無理に止めるといっそう落ち着けなくなります。危険な行動や人に大きな迷惑がかかることでなければ、落ち着くために必要であることも理解し、ある程度は容認してあげることも大切です。また、年齢とともに不安に対する適切な対処法、例えば深呼吸、散歩、音楽を聴く、ヨガをするなど、それらの行動に代わる行動として教えていくとよいでしょう。自閉症のある子どもは、何もすることがないと時間をもてあまして不安になる傾向もあります。病院の待合室や電車の中などで手持ち無沙汰を解消できるよう、絵の描けるホワイトボードやパズルなど、好きな遊びを準備しておくと落ち着いて過ごせます。自閉症の子どもの生活における7つの特性による困難と対処法出典 : 障害の無い人が日常的につかう抽象的な表現や、発言の意図を理解しにくい傾向があります。たとえば「ちょっと」や「きちんと」などがなにを指すのか、「少し」と言われてもどれくらいの程度なのかを理解することを難しく感じます。電話口で「お母さんはいますか?」と言われて「います」とだけ答えて電話を切ってしまうこともあります。電話がかかってきた意図を理解できなかったりします。また言葉をそのままうのみにしてしまうこともあります。例えばクラスメートにふざけて言われたひとことを真に受けて落ち込んでしまうこともあります。周りの人が理解している「当たり前」や「常識」を理解するのを困難に感じる人がいます。例えば、人と人との対人的距離に関して、人の領域と自分の領域の境界線を理解することを苦手とするので、過度に接近してしまったり、距離をとり過ぎたりしてしまうことがあります。また、自閉症のある子どもは、親や先生などの微妙な表情や態度から他者の気持ちを察知することが難しい傾向にあります。そのため、「周りの空気を読んで言動を調整する」ことが難しく、例えば周りが静かにしていても喋り続けてしまったり、怒られている最中でも面白いことがあれば笑ってしまうことも少なくありません。【対処法】なによりも大切なのが、指示を分かりやすく伝えることです。慣用句や代名詞、冗談などを理解するのが困難に感じる子が多いです。例えば静かにしなければいけない公共のシーンで自閉症の子は大きな声で喋り続けてしまうことがありますが、「図書館では静かに本を読みます」と具体的に言われた場合は指示に従うことができる子が多いです。何をしてほしいか、どのように行動すべきかを明確に伝えてあげましょう。また、命令形で指示を出されると、そういうトーンで言われてなかったとしても、怒られているのではないかと感じ、不安に思う子もいます。たとえば「はやくお風呂に入りなさい」という言葉を提案的な意味合いで言ったとしても、本人は怒られているのだと感じてしまうこともあります。「5分後にはお風呂に入リましょう」などと、できるだけ本人に誤解を与えない言葉を使って会話をするように心がけましょう。自閉症の子は、自分の中で決めたルールを守ろうとしたり、物事に強いこだわりを持っていることが多いです。自閉症の子どもの中には、急な変化を苦手とする子が多く、日々同じルーティンで物事を行ったり、自分のこだわりで物事をやり遂げることに安心感を感じます。「決まったルールは必ず守らなくてはいけない」という思いがある子が多く、柔軟に状況に合わせて行動することが難しい場合があります。【対処法】自閉症のない人たちのなかでは、ルールは例外的には破られることもある、という認識が共有されやすいですが、自閉症の子の場合、そのような意識ができていないことが多いです。この「例外がある」ということを理解してもらうためには、関わる人のことを安心して信頼できる状況が必要です。この関係性を大切にしながら「例外」の変化に対して安心感が持てるようにしていきましょう。全ての自閉症の子に共通して言えるわけではないですが、感覚過敏のある子どもが多いといわれています。感覚過敏には様々な種類があり、五感以外にも重力や回転を感じ取る「前庭感覚」や、筋肉や関節に関係する「固有感覚」などが敏感な場合もあります。感覚過敏の症状はさまざまですが、よく見られる症状として、特定の音を嫌がったり、触られるのを嫌がったり、特定のにおいを過度に嫌がったり、逆に好んだりするなどが挙げられます。赤ちゃんの頃に抱っこを嫌がったり、手をつなぐと拒否したりする行動も見られたりします。このような症状は、感覚過敏の1つの触覚過敏の可能性があります。また、感覚過敏は1つの感覚だけでなく、複数の感覚に生じることもあります。【対処法】上記のような行動がみられた時には、感覚過敏である可能性があることをまず知りましょう。その場合、環境調整を行ったり、個人的に防ぐ手立てを用いたりします。例えば聴覚過敏であればイヤーマフなどで音を遮断できるようにして、嫌な刺激を減らしましょう。人とコミュニケーションを取るのを苦手と感じる子がいます。上で述べたように人の表情から感情を理解することが難しいということにも関わってくるのですが、表情やジェスチャーを使ったコミュニケーションや、会話がうまくできない子もいます。また言葉をなかなか話さなかったり、同じことを何度も発言したり、会話が一方通行になりがちな傾向があります。これに付随して、あまり他の人に興味を示さないというのも自閉症の子の特徴です。そのため交友関係を広げにくいことがあります。【対処法】音声のコミュニケーションを苦手としても、とても素敵な文章を書いてくれたり、論理的であったりすることが多いです。言葉にすることを苦手にする子が多いので、言葉の代替となるものをみつけてあげるのもよいと思います。例えば、絵カードや、ICT機器などです。また、言葉をあまり発さないからと言って伝えたいことがないわけではありません。親が子どもの感情によくアンテナを張り、気持ちの変化などに気付いてあげるようにしましょう。出典 : 自閉症のある子どもは、いきなり大声をあげたり感情が爆発してコントロールができなくなることがあります。周囲からは急にパニックを起こしたようにみえますが、原因の多くは強い不安や緊張、興奮といったストレスです。パニックが強くなると頭を打ち付けたりたたいたり、腕をかむなどの自傷行為に至ることもあります。【対処法】パニックが起きたらおさまるまでしばらく見守ってあげましょう。頭を壁に激しくぶつけるなどして危険な場合は壁にクッションを当てるなどしてけがをしないようにします。自閉症の子は強いこだわりを持っている子が多いので、自分の落ち着けるスペースを決めている場合は、そこに連れて行きます。しばらくして落ち着いたらおもちゃなど子どもの好きな物を出して、気分が切り替えられるようにします。パニックを起こす要因として、なにか原因が背景にあるはずです。落ち着いたら「なぜパニックになってしまったんだろう」と本人の気持ちを探り、日頃から本人をよく観察し、パニックを起こさなくても済むように環境調整をするなど、対応するように心がけましょう。そもそも自閉症のある子どもは自分が「困っている状況」だということが理解できず、パニックになったり固まってしまう場合もあります。自閉症のある子どもは自分ではうまくできず、困る場面が多くあります。ですが、コミュニケーションをとるのが苦手です。そこで、困ったことや、できないことがあったときに、子ども自身が自分でサインを出して助けを求められるようになることがとても大切です。【対処法】まずは子どもに「いらいらする」「どうしたらいいのかわからない」「涙が出る」など、自分の感覚や感情がどんなときに「困っている状況」なのかを教えます。そして困った状況になったら誰に助けを求めればいいかを教えます。「どうしたらいいのですか?」「わからないので教えてください」など、具体的になんと言えばよいかも説明するとよいでしょう。自閉症の子どもは時間的な見通しを持つことがとても苦手です。一方で予測できない変化を嫌うため、わかりやすい見通しがないととても不安になります。わかりやすいスケジュールなどがあるとスムーズに動けることが多いです。【対処法】◇時間を把握するためには?自閉症の子どもの中には時間の感覚を理解することに困難さを持っている場合があります。ですから1日のスケジュールを見やすいところに貼り、何時に何をするのかを目で見て確認できるようにします。慣れるまでは大変かもしれませんが、慣れてしまえば自分から行動することができるようになります。時計が読める子どもには、時計を使い説明すると、本人も理解しやすくなります。個人差があるので本人に合った方法を探る必要がありますが、本人がわかりやすい方法を選んでください。◇夢中になるとやめることができない夢中になっている時に何かをやめさせるのは難しいですが、何かを始める前に「始める時間」と「終わる時間」を決めておきましょう。そうすると終わりの時間がはっきりしていますので、やめさせる時にパニックになりづらくなります。視覚的に残り時間が表示されるタイマーなどを使うとよいでしょう。◇睡眠障害を軽減させるには?自閉症の子どもの中には睡眠障害に陥ってしまう子もいます。生活リズムが崩れている場合、急に戻すことは家族や本人にも負担がかかってしまいますので、焦らずにゆっくり正常に戻していくことが大切です。昼間に沢山遊ばせる、体を使った遊びをするなどし、夜になったら眠たくなるように生活のリズムを整えていきましょう。自閉症の子どもに接する際に注意するべきこと出典 : ◇感情的に怒らないこちらが感情的になると、いつもと違うできごとに不安を感じ、混乱させてしまい逆効果になってしまいます。何かを伝えたい時は、冷静に短い言葉で簡潔に伝えることを心がけてください。できるだけ否定的な言葉は使わず、「○○してほしい」「○○しましょう」と言い換えるようにしましょう。感情的に怒りたくなる気持ちもわかりますが、自閉症の子どもにとっては、どうして怒られているのか理解することが難しく、パニックになってしまう場合もあります。パニックになると落ち着くまでに時間がかかりますし、その間は周囲の大人が何を言っても聞く耳を持つことができません。しかし、ゆっくり感情的にならず説明すると、理解しやすくなります。◇好きな行動を始めたら途中で邪魔しない自閉症の子どもは1つのことに夢中になると、周りが見えず没頭する傾向があります。夢中になっている時に邪魔されることは、子どもにとっては急に予定変更をされることと同じです。自閉症の子どもが何か行動を始めた時に邪魔をしてしまうと、何が起こったか理解ができずにパニックになってしまいます。パニックになると落ち着くまでに時間がかかりますので、本人も周りの大人も体力を消耗してしまいます。その行動をやめてほしい時は、やめる時間をあらかじめ子どもと決めておくか、終わったタイミングで注意するようにしましょう。自閉症の子どもと接するときは、上記のようなことを少し気をつけるだけでお互いに生活を送るのが楽になります。自閉症のある子どもの子育てに悩んだら出典 : 子どもの接し方を変えるだけで改善できることはたくさんあります。ですが、子育てをしていると、悩むことやつらいことがあるのは当然です。最初からうまくいくことばかりではありませんし、周囲に気を使ったり、子どもの様子に気を配ったり、体力的にも精神的にも毎日へとへとになるパパママも少なくないでしょう。これでいいのか、子育てに自信がなくなることもあるでしょう。そんな時は、誰かに相談したり頼ったりしましょう。公的支援をはじめ、さまざまなサポートがあります。◇専門機関に相談する地域の子育て支援センターや児童発達支援センター、児童相談所などでは、子どものことや子育てについて、気軽に相談ができます。必要があれば医療機関や療育施設などの専門家を紹介してくれます。また児童精神科や小児神経科に相談したり、療育を受けることで、子どもの特性がわかり、対処法を教えてもらえます。◇親の会に参加する自閉症の家族を対象とした家族会やサポートグループが全国にあります。親の会は障害のある子どもを持つ親同士がつながり、障害について学んだり情報交換をしていく活動です。また、発達ナビのQ&Aコーナーやコミュニティでも、子育ての悩みを相談することができます。同じ経験をした人の話を聞いたり、具体的なアドバイスを聞いたりすれば、見通しがもてるでしょう。誰かにつらい気持ちを話すだけでも、気持ちが楽になり、一人で悩みを抱え込まずにすみます。◇ペアレントトレーニングを受けるペアレントトレーニングとは、親が子どもとのより良いかかわり方を学びながら、日常の子育ての困りごとを解消し、楽しく子育てができるよう支援する、パパ・ママ向けのプログラムです。子どもをのばすほめ方、環境調整の仕方、指示の出し方、行動の教え方などを具体的に学べます。◇意識的に休息をとるがんばりすぎて、余裕がなくなっているときは、リフレッシュが必要です。育児を軽減するサポートを利用するなどして、自分の時間をつくりましょう。児童発達支援、放課後等デイサービスの中には預かり型の支援サービスもあります。また、障害児を受け入れているファミリーサポートもあります。一時的預かりのサービスを行っている地域もあります。地域の福祉相談窓口などで相談してみてください。あなたの子育てに関する疑問や悩みを質問してみましょう!|発達ナビQ&A地域の児童発達支援・放課後デイサービスを検索|発達ナビ地域情報まとめUpload By 発達障害のキホン自閉症がどのような障害で、どのようなことに気をつけるべきかを理解するまでは大変かもしれません。しかし一緒に過ごしていくうちに、その子の癖や特徴をつかむことができ、子育てにおいて気をつけた方がいいことがより見えてくるはずです。あまり難しく考えずに、その子に合った接し方をするように心がけましょう。どんな時にパニックになるのか、こういう時に友達に手を出していたなど、きっとパターンがあり、理由があります。本人も、周囲に迷惑をかけるぐらいの大きな問題行動を起こしている時は、精神的に不安定になっていることが多く、ストレスを抱えています。その理由とパターンをしっかり把握し、対処が解れば問題行動はなくなります。子育てをしていく中で、目指したいのはその子に合った方法を見つけ、その子が自立した生活ができるようにサポートをすることです。スモールステップで成功体験を積みながら、親子で向き合っていきましょう。
2016年12月11日【ママからのご相談】小学校2年生の女の子がいます。クラスで意地悪な子がいて、娘にきつい言い方をしてくるそうです。娘は毎日その子がいるから学校が面白くない、とぼやいています。私も、そんな意地悪な子がいるなんて!と怒り半分心配半分で落ち着きません。でも、わざわざ学校に言うのもモンペっぽいし……。こういうときってどうすればいいでしょうか。●A. まずは気持ちに寄り添ってあげること。でも“大ごと”にするのはちょっと待ってこんにちは。ライターのakiです。子どものお友達関係は、成長するにつれてややこしく複雑になっていきます。大人でさえ未だにそうなのですから当然ですよね。相談主さんのように、お子さんをご心配なさるのももっともなのですが、これから先も小さなお友達トラブルはたくさんやってきます。病院へ行くほどのケガをしていたり、お子さんが登校拒否になったりするレベルであれば別ですが、それ以前のものであれば「たかがケンカ」と乗り越えていくことも必要なのです。そのため、今回の問題も軽視はせずとも大ごとにもしない。それがいいと思います。では、母親はどのような対応をとればいいのでしょうか?子どものマイナーお友達トラブルの際のお母様の対応テクニックを紹介したいと思います。●話を具体的に聞いて共感してあげるまずは、じっくり話を聞いてあげましょう。たとえば、子どもが「○○ちゃんがいきなりぶってきた」と言ってきたら、以下の手順で話を聞きましょう。(1)繰り返す:「○○ちゃんがいきなりぶってきたのね」(2)言い換える:「○○ちゃんが突然叩いてきたのね」(3)共感する:「痛かったね、かわいそうに」この(1)〜(3)の聞き方を、『カウンセリングマインド 』と言います。こうすることで、子どもは気持ちを落ち着けることができます。子どもは別に相手に文句を言ったり、母親が学校に言いつけて事を大きくするのを望んでいるわけではありません。大好きなお母さんに話を聞いてわかってもらえればそれでいい のです。それだけで安心するのです。●“オロオロお母さん”ではなく“ニコニコお母さん”になる子どもが意地悪されていると聞くと、親も当然心配になります。でも、共感してあげるときに悲壮なムードになって「つらいね……なんで意地悪されちゃうんだろうね」などと言って一緒にジメジメしていては親子ともに気が滅入るだけです。ここは、“オロオロお母さん”から“ニコニコお母さん”になることが大事。話を十分に聞いてあげたら、ぱっと気持ちを切り替えて「好きな本を読んであげようか」「おいしいハンバーグを作ったよ」などと、子どもの暗い気分を変えてあげる のです 。そのほかにも普段から、母親は視野を広げることが大事です。仕事でも趣味でもなんでもいいので、自分のやりたいことを楽しくやってみる。そんな母親を見ていると、子どもも少しぐらいの人間関係でいちいち気にせず、「自分の好きなこと、楽しいことに目をむけよう」と世界を広げ前向きになれるのです。●“いつもどおりの家”がわが子の気持ちを救うあるアンケート調査で、自殺を思いとどまった理由の断トツ1位が、『自分をかわいがってくれたお母さんに申し訳ないから 』というものだそうです。いじめや受験、その他多くの失敗……これから先も子どもたちはさまざまな挫折や苦労を経験することになります。時には、死にたいと思うぐらいつらいことが起こるかもしれません。でも、母親の顔を思い出して思いとどまる……そんな存在になりたいものです。そのためには、どうすればいいのでしょうか。とても簡単です。子どもが安心できる家を作ること が大切です。それは、いつもどおりの日常を大切にするということです。子どもに困ったことがあれば、話を聞いて共感してあげる。母親は楽しそうに自分のやりたいことをやって生活を楽しんでいる。学校や外で傷ついても家で癒される。そんな“この家にいれば安心”という感覚、いつも通りの家をキープしてあげることが、少々のことなら乗り越えられる強い子どもに成長させるコツなのです。もちろん、子ども間の意地悪がいじめなどの深刻なレベルになれば学校への相談をすべきだと思います。でも、それ以前のものであればドッシリと母親がかまえて、少々のことではへこたれないお子さんに育てることも大切なのです。【参考文献】・『伸び続ける子が育つ お母さんの習慣』高濱正伸・著●ライター/aki(中高英語教員)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年12月03日ママになり独身時代とは関わりあう人たちも様変わりをしてきます。旦那様やお姑さん、ママ友など。上辺では仲良く振る舞っていても、心の中では「苦手」と思う人もいるのではないでしょうか?今回は、1分でできる、かんたんな心理テストであなたの深層心理を見ていきたいと思います。Q.次の人達のなかで、あなたがもっとも「苦手」と感じる人は誰でしょう。深く考えずに直感でお答えください。1、気の弱い旦那様2、お節介なお姑さん3、調子のいいママ友4、気難しいお舅さん選べましたか? それでは、答えを見てみましょう。今回の心理テストで分かるのは、あなたが対人関係や子育てをする上で「避けたいシチュエーション」です。苦手と感じる人には、この「避けたいシチュエーション」が反映されているのです。1、「気の弱い旦那様」を選んだあなた「気の弱い男性」を苦手と感じるあなたは、物事の白黒をはっきりとつけることを好みます。「どっちでもいい」状態や、意見は出るがまとまらない会議などにストレスを感じるタイプ。子供が駄々をこねたりするようなときにもすぐイラッとしてしまいがちなので上手にストレス発散を心がけましょう。2、「お節介なお姑さん」を選んだあなた「お節介なお姑さん」を苦手と感じるあなたは自由人。基本的に一人が好きなので、大勢での飲み会などでは気を遣いすぎて疲れ果ててあまり楽しめないタイプ。一方、子供に対しては思い切り自分のやりたいように接するので、時として過干渉になりがち。少し気をつけましょう。3、「調子のいいママ友」を選んだあなた「調子のいいママ友」を苦手と感じるあなたは、他人に頼りにされることが多く行事の幹事などまとめ役を任されがちなのですが、実はその状態をとてもストレスに感じるタイプ。期待されればつい頑張ってしまうので、なおさら疲れてしまいます。子供にもつい「勉強もスポーツも」とハッパをかけすぎることもあるので抑えめにしましょう。4、「気難しいお舅さん」を選んだあなた「気難しいお舅さん」を苦手と感じるあなたは、一見そう思われていなくても実は人前で自分の意見を求められたリ評価されたりという状況にとてもストレスを感じるタイプ。自分の子供と他の子を比べがちで「うちの子はダメだ」と落ち込むことが多そう。あまり他人の目を気にしないようにしましょう。いかがでしたか?自分の「避けたいシチュエーション」を知って、子どもへの接し方も気をつけたいものですね。もっと深く知りたい方のための、詳しく見る心理テストをご用意していますのでご覧下さい。 「自分では気づかない”あなたの子育てトラウマ”とは?」 あなたのその子育て、自分自身が親から受けたトラウマが原因かもしれません。
2016年11月09日普段どんなに陽気な彼も落ち込むときはあるもの。彼が仕事やプライベートなことで自信を失っていたら、あなたならどうやって彼を励ましてあげますか?あなたの励まし方によっては、彼はあなたとの相性の良さを実感するかもしれません。彼の心をどう支えてあげられるのかって、関係を維持するためにも大切なポイントになりそうですよね。そこで今回は、彼が落ち込んでいるときに効果的な接し方についてリサーチ。ぜひ押さえておきたいポイントをまとめたのでご紹介します。■1.とりあえず話を聞いてあげる「話して楽になることってあると思うから、解決はできなくてもとりあえず『どうしたー?』『悩んでいることがあれば、吐き出しちゃった方が楽だよー』って促してあげます」(24歳/女性/販売)誰かに話しを聞いてもらうだけで、だいぶ自分の気持ちが楽になることって多いですよね。彼がどんなことで悩んでいるのか、それは分からなくても、とりあえず彼がいつもと違う様子だと察知して、あなたなりに心配しあげることって、とても大事です。また、話を聞いてあげる際はなるべく彼が話しやすくなるように、あなたの頼もしさを感じさせられると◎。「何かあったなら話してごらん。力になれるかもしれないし、なれないかもしれないし」と、ちょっと茶化しながらも聞く姿勢を示してあげると、迷っていた彼も話そうという勇気が持てると思います。■2.彼の気持ちに寄り添ってあげる「私は似たような体験があれば話してあげます。あとは、彼がどんな悩みを抱えていようとも、彼の味方になってあげることかな。彼が打ち明けるのを渋っているときは、そのことを言ってあげますね」(26歳/女性/サービス)彼の悩み事によっては、アドバイスが難しいこともありますよね。たとえば彼の仕事のこと。彼と仕事内容が違う場合、下手にアドバイスをしたら、彼のプライドを傷つけてしまうかもしれないし、かと言って何も声を掛けてあげられないのも、恋人としては辛いものがありますよね。そんなときは、彼がどういう言葉が欲しがっているのか、よく観察してみましょう。そのうえで、たとえ具体的なアドバイスを送れなくても、「何かあったらいつでも話してくれていいからね。〇〇の味方にになってあげるから」と言ってあげられると、彼もあなたの気持ちを嬉しく感じて、プレッシャーが和らぐのでは。■3.食べ物で癒す「彼がひとり暮らしなら、大好きなものを作ってあげます。自炊している男性でも、落ち込んでいるときって作りたくないと思うから」(21歳/男性/大学生)食事が喉を通らないほど、悩んでしまうことってありますよね。そんなときって悩み過ぎていることが多いですが、本人にとっては大きな悩みを抱えているもの。頭からその悩みが離れない状態で、しんどくなってしまっているはずです。彼がひとり暮らしなら、彼の好物のアイスや食べ物を買ってプレゼントしてあげてもいいですし、家に上がってから揚げやコロッケとかを作ってあげるのもいいのでは?彼の好物を聞き出して「じゃあ、作ってあげるよ!」と提案できるだけでも、彼はあなたの行動に背中を押されて、「もう一度頑張ろう」と思うかもしれませんね。■4.一緒に散歩をする「部屋のなかにいると、ずっと悩みっぱなしになっちゃうと思うから、コンビニに買い物に出掛けるとか。散歩をするとか。彼を誘って外に足を運ぶと、案外リラックスするんじゃないかな」(24歳/女性/大学院生)彼が仕事やプライベートのことで悩んでいて、デートする気力がない。そんなときは「気分転換に散歩いこ!」と誘って、彼を積極的に外に連れ出してあげて。彼が乗り気じゃなくても「コンビニの〇〇、すごくおいしいよ。一緒に買いに行こう?」と誘って、ちょっと強引に連れ出してみては。一歩部屋から外に出るだけでも、外部からの刺激を受けて頭のなかがシャキッとするので、グルグルと考えていた彼の頭のなかがスッキリしそうです。■おわりにいかがでしたか。難しく考えず、こうしたポイントをちょっと意識できるだけでも、彼はあなたの配慮に喜んでくれるのではないでしょうか。(柚木深つばさ/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年09月22日こんにちは、子育て研究所代表の佐藤理香です。2016年8月26日、女優の高畑淳子さんが、息子の高畑裕太容疑者の事件について謝罪会見を行いました。記者からの質問は辛辣なものが多く、中には育て方の悪さに言及するものもありました。高畑家では、思春期に大きな対立や葛藤があったということはご本人が話しています。この思春期は第2反抗期ともいわれ、だいたい10歳~18歳くらいに相当します。親子で激しく対立するケースも多く、「こんな子じゃなかったのに……」「育て方を間違えたかしら……」と、心配を募らせる親も多くなります。そこで今回は、思春期で反抗期を迎えた子どもとのコミュニケーションについてお伝えします。●反抗するのはなぜ?天使のようにかわいかったわが子。それが、あるときから突然、あるいは徐々に変わってしまうのが思春期です。思春期の子どもは思考力が育ち、ある程度、物事を自分で判断できるようになっています。自分だけでなく、親に対しても客観的に見るようになります。そのため、それまではよく言うことを聞く子だったとしても、親の言動に疑問を抱くようになる のです。また、多感な時期なので、「あの人のようになりたい!」「環境をよくしたい!」「新しく何かしたい!」などさまざまな欲求が芽生えます。ところが、解剖学的な理由から、思春期の脳はパニックになりやすく未完成である こともわかっていますし、そもそも人生経験が少なく、欲求を満たせる能力には乏しいのが実情です。このため、“何とかできないか”“何とかしてほしい”というストレスが発生します。ストレスを伝えることができる相手がいる場合は、その相手に打ち明けることになります。打ち明け方はいろいろで、キレるケースもあれば、泣きながらという情緒不安定なことも多いのです。●反抗しないのはラッキー?「うちの子、反抗しないわ」という方もいるかもしれません。手がかからない、心配も少なくて安心……と思いきや、ある日突然、大爆発するケースも耳にします。子どもが反抗しない場合は、“反抗を許してあげる状況 ”を作れているか、より注意してみましょう。本来、子どもは親に当たっても、トラブルを起こしても、親はわかってくれると根拠のない自信をもっているものです。どんな子どもでも、多かれ少なかれ親の顔色はうかがっています。ただ、顔色をうかがいすぎて言いたいことが言えない、親の忙しさや経済状況、時間の無さを目の当たりにして“迷惑や心配をかけたくない”と思いを吐き出せない子どももいます。現段階で内面を外に出せずに悩んでいる場合、将来も同じような悩みに直面するかもしれません。思春期という今、子どもが適切な時期で反抗できることは意味があるのです。●親の接し方は?「子どもと対話しましょう」。これは思春期の親子関係でよく言われるフレーズです。親子で対話できる状況なら、親の心配も半減するところです。ところが、この対話が成立しない家庭も多いのです。何か話せば、すぐ声を荒げる。「ウザい」「うるせえ」「死ね」と言われる。何かと八つ当たりされる。用事を伝えても無視される(聞いているのかわからない)……これらは多くの親が悩む問題です。子どもの成績や友人関係、素行など、親が気になることがあれば「どうだった?」「どうして?」と追及していませんか。子どものほうから用事で話しかけられた際に、スマホをいじりながら聞いていた、自分の意見を押し付けた、子どもの話を笑ったり叱ったりしたということはありませんか?親は大人なので、物事を善悪で判断しがちです。人生経験も豊富なので、行く末が想像できるだけに、手っ取り早い解決策を教えたくなってしまうものです。しかし、ここでちょっと我慢。まずは、子どもの反応を受け止めることが重要 です。子どもが言っていることを、そのまま全面的に素直に受け止めましょう。それが子どもの現実です。向かい合い、話を落ち着いて聞くだけで子どもは安心します。家族だからこそ、態度も言い方もすべてが不満に感じるかもしれません。ただ、思春期の子どもにとって“伝える相手”がいるのは大きな支えで、信頼関係があるからこそです。反抗的な態度になる場合もありますが、子どもの思いを“伝えることができる相手”が親であり、第三者に影響がなかった、子どものストレスを発散させてあげられるし、大事な子どものイライラを受け止めるのが私でラッキーだったと、思考を転換できるようになれば気持ちが軽くなります。“子どもの考えを素直に受け止める ”。頭でわかっていても、つい別の行動をとってしまう……。そんなこともたくさんあるでしょう。親だって、完璧にはなれません。子育ての悩みや葛藤、そんなところも思春期の子どもに率直に伝えてみるのもいいかもしれません。あと数年で子どもは巣立っていきます。きっと考え悩んだ子育てが懐かしくなるときがきますよ。【参考文献】・『10代の脳反抗期と思春期の子どもにどう対処するか』フランシス・ジェンセン、エイミー・エリスナット(著)●ライター/佐藤理香(株)
2016年09月08日緘黙症(かんもくしょう)とは?出典 : 緘黙症(かんもくしょう)とは、発声器官には問題がなく、言葉を理解したり、言語能力があると分かっている人が、ある特定の場面や状況で話すことができなくなってしまう精神疾患です。たとえば、家庭の中や家族とは元気よく話せるが、幼稚園や学校では無口になり、話すことができなくなってしまいます。これは、言葉の遅れや、発声障害で話すことができないのではなく、精神的な原因があるのではないかと言われています。緘黙症には、場面緘黙症(選択性緘黙症)と全緘黙症の2つの種類があります。場面緘黙症の場合、話すことを期待されている特定の場面で、話す言語能力があるにも関わらず話せなくなってしまいます。全緘黙症とは、どの場面でも話せなくなってしまう場合を指す言葉です。緘黙症は、医学的な診断名としては「選択性緘黙症」と名付けられていますが、日本では「場面緘黙症」と呼ばれるのが一般的です。"選択"という日本語が、能動的に本人が場面や状況を選んで黙っているような印象を与えやすいため、誤解を避けるために「場面緘黙症」と呼称する人が多いようです。実際、場面緘黙症のある本人は、話したくても話すことができません。医学的な診断名が"選択"性緘黙症となったのも、場所を選ばされざるを得ないという意味合いで"選択"という言葉が使われていると考えられます。このコラムにおいては、比較的一般的な呼称である場面緘黙症を用いて症状や対策等を詳しく説明していきます。場面緘黙症の症状出典 : 主な症状は、ある特定の、話すことを求められる社交場面や状況で話すことができなくなることです。場面緘黙症のある子どもの多くは、家族に対してや、家庭では活発に話しますが、学校やそのほかの社交場では話すことができません。また、家庭の中や家族などの親しい人とも、あまり話すことができない場合があります。話さない代わりに、擬声音を出したり、指をさしたり、筆談したりすることもあります。場面緘黙症のある子どもの年齢が低い場合、つきまといやかんしゃくを起こすこともあります。場面緘黙症の診断出典 : 診断基準には、大きくわけて、2014年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計のマニュアル』第5版)と世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の二つがあります。ICD‐10では、小児期の情緒障害に含まれています。これは、ICD-10では、場面緘黙症は、子どもが発症する疾患という見方が強いことを示しています。一方、DSM-5 において場面緘黙症は、不安障害の一種とされており、不安や恐怖心が一因になっているのではいかという見方をしています。今回はDSM-5の診断基準をご紹介します。1.ある特定の状況、場面以外では話すことができるが、そのある特定の社会的状況、場面では常に話すことができない。2.この疾患により、学業上、職業上の成績が適正に評価されない、または対人コミュニケーションを円滑に行えない。3.この疾患が少なくとも一カ月続いている。4.場面に応じた知識があり、会話の楽しさを知っているが、話すことはできない。5.コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症)ではうまく説明されず、自閉スペクトラム症、統合失調症またはその他の精神病障害の経過中にのみ起こるものではない。場面緘黙症は、5歳前後で発症することが多いですが、話す機会の増える学校へ行き始める時期まで、症状が顕在化しないことが多いです。研究では、成長とともに場面緘黙症の症状が改善するというものもありますが、研究段階であり、確証はありません。一方、青年期、成人でもまれに場面緘黙症を発症します。場面緘黙とその他の疾患との関係出典 : 場面緘黙症は不安障害の一種と考えられていますが、その他の疾患・障害との併存もしやすいようです。以下では、場面緘黙症との併存が多い疾患・障害について説明していきます。場面緘黙症の併存症で最も多いものは、他の不安障害との併存です。不安障害群の中でも、社交不安症が最も多く、次いで、分離不安症や限局性恐怖症が多いと言われています。2000年にアメリカの学会でクリステンセンが発表した説によると、発達障害は、不安障害と同じくらい場面緘黙症と併存しやすいと言われています。コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、軽度精神発達遅滞、アスペルガー症候群などとの併存が多いようです。夜尿症(Kristensen, 2000)、聴覚に関する疾患(Bar-Haim, et al., 2004)などを合併している場合が、場面緘黙症でない子どもに比べて多いという報告もあります。参考: Kristensen, 2000, Selective mutism and comorbidity with developmental disorder/delay, anxiety disorder, and elimination disorder.場面緘黙症の相談先出典 : 場面緘黙症は、発症時期である5歳前後だと、まだ学校に通っておらず、他人と話す機会がそもそも少ないため、症状が見落とされがちです。また学校に通い始めてからも性格の問題だと片づけられてしまうこともあります。ですが、場面緘黙症は、本人が好きで黙っているわけではなく、本人が話したくても話せない状態であることに注意が必要です。子どもが場面緘黙症かもしれないと心配になったら、以下で紹介する相談先に早めに相談に行くことをおすすめします。保護者や周りの人が少しでも早く症状に気づければ、困難の乗り越え方を手助けすることも可能になりますし、生活しやすい環境を整えてあげることができるかもしれません。一方、支援や治療を受けずにいると、症状改善が遅れたり、社交不安障害などの二次障害が発現するリスクが高くなります。家族だけで抱え込まず、専門家や周りの人たちの協力を得ながら、本人にあった接し方でサポートすることが大切です。1. 保健センター市区町村ごとに設置された、地域の健康づくりの場です。保健師さんが常駐しており、子どもの発達に関する悩みの相談を受けてくれます。場合によっては医療機関や療育施設の紹介をしてくれます。2. 子育て支援センター子育て家庭の支援に特化している機関です。自治体運営や医療機関に委託運営されており、保健師さんまたは看護師さんが相談に乗ってくれます。中には、療育指導を実施をしている子育て支援センターもあるので、お近くのセンターに問い合わせてみてください。3. 児童相談所都道府県ごとに設置されており、児童福祉を専門とした機関です。医師、児童心理士、児童福祉士がおり、相談に乗ってもらえます。必要に応じて発達検査を行ってくれる場合もあります。また、全国共通児童相談所ダイアルがあり、189番にかけると24時間365日、児童福祉に関する相談を受けてくれます。青年・成人の方で場面緘黙症のある方にとっては、電話や対面での相談はなかなかハードルが高いと思います。webで予約できる相談機関、病院や、メールで相談に乗ってくれるところを探すことをおすすめします。1. 精神保健福祉センター都道府県ごとに設置されており、精神保健の向上を専門とした機関です。ここでは電話相談、施設によってはメール相談を受け付けているところもあります。また、精神障害者向けのデイケアを行っているところもあります。以下は全国の精神保健福祉センターの一覧です。全国の精神保健福祉センター一覧2. 心の耳厚生労働省が行っている、働く人向けの心のポータルサイトです。ここでは、メール相談を受け付けており、場面緘黙症の症状でうまく話せない方や、電話や面接に大きなハードルを感じる方におすすめです。以下はそのリンクです。働く人の「こころの耳メール相談」3. 相談事業所など上記の他にもお住まいの地域の自治体に相談窓口が設置されている場合がほとんどです。電話や対面での相談が多いのですが、お住まいの地域の自治体に確認してみましょう。場面緘黙の治療・支援機関出典 : 上記の相談先で紹介された病院へ行くことをおすすめします。直接病院へ行く場合は、心療内科や精神科を受診してみましょう。その上で、必要があればカウンセリングを受けていきましょう。この他にも、子どもに対しては療育施設や発達支援センターで療育を行うことで、場面緘黙が緩和されるケースもあります。場面緘黙症は情緒障害の一つとして、公的な支援が受けられます。情緒障害児短期治療施設では、情緒障害を持つ児童に対して医学的な観点から、心理治療を中心に生活、教育支援を行う場所です。最近では虐待を受けていた児童や、不登校の児童が多く治療・支援を受けているようですが、場面緘黙症による不登校を抱えている児童もいるようです。詳しくはこちらを参照ください。情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設)ネットワーク家庭でできること出典 : 子どもが安心できる環境をつくる子どもの不安を取り除いてあげましょう。リラックスし、安心した環境を整えることが重要です。2. 答えや反応を無理やり求めることはしない話せないからといって、強制的に声を出させたり、答えさせるとかえって不安感、不信感が増します。そして話さないからといって、声をかけない、無視するのもよくありません。積極的に声をかけ、言葉による反応がなくても、表情や動きでコミュニケーションをとれるように工夫してみましょう。3. 非言語コミュニケーションの活用言葉を発することができなくても、ジェスチャーや筆談でコミュニケーションをとってみましょう。例えば、首の動きで、うなずいたり、首を振ったりして、YES、NOの意思表示ができるように促すことも一つの方法です。4. できたことを褒める今まで話すことや、感情表現できなかった場面や状況で、話すことや感情表現ができた場合は、どんな小さなことでも褒めてあげましょう。本人の自信につながります。場面緘黙症を取り巻く環境出典 : 日本では、場面緘黙症という疾患に対する治療法は確立されておらず、研究もまだまだ進んではいません。しかし、場面緘黙症のある子どもや人を支援する団体や。情報発信機関は多くあります。以下では、そうした支援団体の取り組みを紹介します。場面緘黙症を持つ方々の生活の役に立つかもしれません。場面緘黙症は、教育法上の情緒障害とされており、特別支援教育の対象です。具体的には、通級や支援学級で適切な支援を受けられます。通級とは、在籍は普通学級ですが、週1、2度、普通学級を抜けてその子に合った特別支援を受けられます。特別支援学級とは、在籍は支援学級となり、子どもの障害などに合わせた教育が受けられます。学校教育法「かんもくネット」という団体が提供している、「状況によっては声が出づらいです」と書かれたカードです。公共交通機関の使用時や、災害などの非常時に、周囲の人に場面緘黙であることを知らせる上で役立つかもしれません。以下からダウンロードして印刷し使うことができます。当事者用提示カード1. Free candle息を吹きかけてろうそくを消すゲームのアプリです。声が出ない場面でいきなり声を出す練習をするのではなく、息を吐くところから徐々に慣れていく練習をすることが出来るのが長所です。 おしゃべり猫のトーキングトム話しかけると、猫のキャラクターがおかしな声で返してくれるボイスチェンジャーです。ゲーム感覚で声を出す訓練ができます。その他にも、ボイスレコーダーアプリや筆談アプリなどあるので、必要に応じて探し、活用してみてください。まとめ場面緘黙症は、単にその人が内気であったり人見知りというわけではなく、本人が話したくても話せなくなってしまう状態です。性格のせいだと決めつけず、心配な場合は一度相談に行くと良いでしょう。直接相談に行くことが難しい場合は、メールを活用した相談窓口も活用してみましょう。場面緘黙やその治療法の研究はまだまだ発展途上ですが、支援グッズや、地域ごとの支援団体は多く存在します。本人に合うツールを活用して、コミュニケーションの支援をしていきましょう。本人が安心できる環境を整えたり、ジェスチャーやうなずきなどの非言語コミュニケーションも織り交ぜながら、焦らず、本人が伝えたい気持ちを受け取り、寄り添っていくことが大切です。
2016年09月05日知的障害とは?出典 : 知的障害とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態を指します。単に物事を理解し考えるといった知的機能(IQ)の低下だけではなく、社会生活に関わる適応機能にも障害があることで、自立して生活していくことに困難が生じる状態です。知的障害は発達期の間に発症すると定義され、発達期以降に後天的な事故や認知症などの病気で知能が低下した場合は含みません。この発達期とはおおむね18歳までを指しますが、知的障害は障害の状態を指すため、障害が現れる道筋は人によってさまざまで、具体的な発現時期も人により異なります。知的障害は、知的機能および適応行動(概念的、社会的および実用的な適応スキルで表わされる)の双方の明らかな制約によって特徴づけられる能力障害である。この能力障害は、18歳までに生じる。(AAMR,2002)。(栗田広・渡辺勧持/訳『知的障害定義、分類および支援体系』2004年,日本知的障害福祉連盟/刊p17より引用)知的障害の原因は?出典 : 知的障害の原因は一つではありません。脳障害を引き起こす疾患や要因すべてが、知的障害の原因となりうると考えられています。また、知的障害を発症する道筋も一つではありません。原因不明の知的障害の人も多いとされていましたが、最近になって少しずつ原因解明の研究が進んでいます。2014年にも脳内タンパク質の遺伝子変異が知的障害の原因の一つとなるという研究が発表されました。知的障害の原因は十分には解明されていない状況ですが、主な要因は病理的要因・生理的要因・環境要因の3つの面から分類できると考えられています。病理的要因とは、病気や外傷など脳障害をきたす疾患のことで、これらの合併症として知的障害が一緒に起きることがあります。この中にはてんかんや脳性まひなどのほか、ダウン症などの染色体異常による疾病も含まれます。一方、特に疾病などがなくたまたま知能水準が知的障害の範囲内にあるといった場合、生理的要因と呼ばれます。環境要因は、直接の原因となるわけではありませんが、脳が発達する時期に不適切な環境であることで知的障害の症状が悪化したり、脳の発達が遅れる原因になったりすると言われています。中日新聞 「脳内タンパク質の遺伝子変異、知的障害の原因に」 2014年知的障害を引き起こす病理的要因としては、主に以下のような病気・けがが挙げられます。・感染症によるもの(胎児期の風疹や梅毒、生後の脳炎や高熱の後遺症など)・中毒症によるもの(胎児期の水銀中毒や生後の一酸化炭素中毒など)・外傷によるもの(事故や出産時の酸素不足など)・染色体異常によるもの(ダウン症候群など)・成長や栄養障害によるもの(代謝異常や栄養不良など)・その他(早産、未熟児、仮死など)病理的要因を考え、もしその要因が治療可能であれば、知的障害の程度を最小限に抑えることができるかもしれません。また、その要因が及ぼす影響を予防したり、支援の方向性を検討したりできます。出典 : 知的障害の原因はどのように発現するのでしょうか?出生前・周産期・出生後の3つの時期ごとにご説明します。この中には、まだ詳しい原因やメカニズムがわからないものもあれば、医学の進歩で一部原因が解明されたり、発症を防げるようになったものもあります。■胎児期胎児期に発現する遺伝子変異や染色体異常といった先天的な原因が知的障害を引き起こす場合があります。また、まれに知的障害の素因となる遺伝子が親から子へ伝わることもあります。フェニールケトン尿症などの先天性代謝異常やダウン症、脆弱X症候群(FXS)などが胎児期に発現する知的障害の素因としてよく知られています。ダウン症などの染色体異常が原因の場合、出生前検査などでその可能性がわかる場合もあります。また胎児期はお母さんのおなかの中で身体や脳などの器官がつくられる大切な時期です。この頃にお母さんを通じて感染症や薬物、アルコールなどの外的要因が胎児に影響したり、お母さんの代謝異常などで栄養不足になったりして脳の発育が妨げられ、知的障害を引き起こす原因となる可能性もあります。■周産期出産前後の事故などによって脳に障害が現れることがあります。母体の循環障害、へその緒がねじれるなどで赤ちゃんの脳に酸素がいかなかったり、出産時に頭蓋内出血が起こったりして脳に障害が残る場合があります。また低体重や早産などにより、脳が未発達のうちに生まれることも原因の一つとなる可能性があります。これらの出産前後のトラブルは周産期医療の進歩や充実によって少なくなってきています。■出生後脳が未発達なうちはけがや病気の影響を受けやく、乳幼児期の感染症や頭部の外傷などが原因になることがあります。日本脳炎や結核性髄膜炎、ポリオ、麻疹、百日咳などに感染し重篤化して脳炎になると知的障害を引き起こす場合がありますが、予防接種により感染の危険を減らすことができます。また乳幼児期に栄養不足だったり、不適切な養育環境に置かれることで脳の発達が遅れることもあります。フェニールケトン尿症は出生後すぐの新生児マススクリーニング検査の対象疾患となっており、そこで自動的に検査されます。疾患が見つかったらすぐに食事療法によって血液中のフェニルアラニンを一定の範囲にコントロールすることで、発症を予防することができます。参考:宮本信也・武田一則/編著『障害理解のための医学・生理学』(明石書店/2010年刊)浜渦辰二「ケア䛾臨床哲学 ー障がいとそ䛾ケアー (8)知的障害」 2013年知的障害って治療できるの?出典 : フェニールケトン尿症など一部の病理的要因は、食事療法や薬物投与といった治療法で発症を防げる場合があります。その他の知的障害については、今現在医学的治療法は確立されていません。障害を完治させることはできませんが、対応法を工夫したりすることによって、困難さを軽減し、子どものよい部分を伸ばしていくことは可能です。また、学齢期においては特別支援教育をはじめとする支援をうけることで、その子に合った学びの環境を整えることができます。成人後は就職支援なども受けることができます。知的障害のある方でも、このようにサポートの活用により職場を見つけ働いている方は大勢います。知的障害の治療・療育の判断基準は?いつから始めるべきなの?出典 : 知的障害の症状として、言葉を覚えるのが遅い・会話ができないなどの言語能力の遅れ、首すわりが遅い・洋服の着脱が異常に遅いなどの運動能力の遅れ、友達ができない・1人で遊ぶことが多いなどの社会性の発達の遅れなどが特徴的な要素として挙げられます。また、出産直後に身体的異常などが見受けられ、知的障害を発症するリスクが高いと診断されるケースもあり得ます。身体的異常であれば出生時に分かることも多いですが、ほとんどの場合は保育園や幼稚園、小学校に通い始めてから知的障害と気づくケースです。多くの方は言語能力の遅れに違和感を覚え、児童相談所や医療機関などへの相談・受診知的障害と診断されています。上記のような症状が見られる場合はまずは児童相談所などで相談してみることをおすすめします。知的障害はダウン症や自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害など様々な障害の合併症状として現れる場合も少なくありません。原因によって障害がわかるタイミングもかなり差があります。そのため、治療や療育を始める年齢や症状も、それぞれのケースで異なります。したがって、何歳からという基準はありませんが、症状や困りごとが見られた場合は専門機関に相談し、できるだけ早期に治療や療育を開始するのが望ましいと言えます。上でも述べましたが、知的障害を根本的に治す治療法はありません。そのため、治療を終える判断基準はありません。療育などについてはできる限り早い年齢で始めることで言語能力や運動能力、社会性が向上し、子どもがよりよい生活を送れる可能性が増えます。知的障害の治療法・療育法は?出典 : 療育とは、言語能力や身体能力の発達に遅れが見られる子どもに対し、自立して生活できるよう、専門的な教育支援プログラムに則って教育やトレーニングを行うものです。では知的障害に対してはどのような療育方法が効果的なのでしょうか?療育方法は施設や障害の程度によって異なりますが、遊びを通して他の子たちと交流し、言語や運動、社会性の発達を促すプログラムが一般的です。食事やトイレ、洋服の着脱などのトレーニングや、一人ひとりに合わせた教育も行なわれます。また、診療所を併設している施設も多く、症状によって診療を行なったり、検査を行なうことができます。知的障害に関する相談も行なっており、保護者が家庭内でどうすればいいのか学ぶペアレント・トレーニングやアドバイスを受けられる場合もあります。軽度の知的障害のある子どもの場合「他の子に比べてなぜ自分はできないのだろう」と自信を失い、精神的に不安定になる場合もあると思います。また保護者も子育てに不安を抱える方が多いです。療育やペアレント・トレーニングを受けることによって、対処法を身につけたり、同じ悩みを抱える親と交流できたりして、療育の時間が落ち着く・楽しいといった感想を持つ方もいらっしゃいます。そのため、早期療育は子どもにとっても親にとっても心の面で大切と言えるでしょう。知的障害の原因であるダウン症候群などに対して、現在様々な研究が進められている段階です。2013年、2014年にダウン症による知的能力を改善する初の治療薬を使った臨床試験が日本で開始されました。効能が認められるまでに時間がかかりますが、認められれば知的能力が改善できる可能性があると期待されています。しかしながら、知的障害の原因は様々で、解明されていないことが多い状態です。今現在、知的障害を根本的に治す薬はありません。【中外製薬】ダウン症候群治療薬、国内で治験開始|薬事日報中外製薬HPエーザイ、ダウン症治療で国内初の治験|日本経済新聞(2013/6/29)知的障害のある人が、周囲から適切なサポートを受けられなかった場合、知的障害の主症状とは異なる症状や状態を引き起こしてしまうことがあります。このような合併症状や状態を、一般的には「二次障害」と言います。例えば、知的障害のある子どもの場合、話の内容や指示を理解したり、自分で判断して行動することが苦手です。そのため、周りに馴染めず、友達ができなかったり、いじめにあってしまう場合もあります。そこから引きこもりや不登校、うつ病や不安障害になってしまう場合があります。また、理解できないことを隠そうと反抗的な態度を取り、非行に走ってしまうケースもあります。このような症状や状態が現れた場合には、それらに対する治療を行うことが必要となります。また、このような症状を引き起こさないためにも、知的障害の早期発見と、早期からの支援が重要です。うつ病に対しては抗うつ薬などの治療方法がありますが、まずは周りの人が知的障害であることを気づき、障害への理解と適切なサポートが大切です。接し方で大きく変わる!知的障害の子どもへの接し方のポイント出典 : 知的障害のある子どもは話や言葉を理解するのに時間がかかったり、記憶するのが苦手ですぐに忘れてしまう子どももいます。絵や文字を紙に書いて伝えることで理解しやすくなることがあります。また、ルールを書いた紙を目に付くところに貼ることで常に意識できるような状態を作ると効果的な場合があります。まねをするのが得意な子どもも多いので、その場合、実際にやって見せるとよいでしょう。これを、「モデリング」と言います。自分で判断して動くことも苦手な場合があるため、できるだけ曖昧な表現は避けて具体的な指示をすることも大切です。どういう手順にすると良いのか、どんなことが悪いかなど、わかりやすい言葉で簡潔にはっきりと伝えるようにしましょう。その際の伝え方は上記のように、手順を絵や文字にしたり、図表で説明します。悪いことは悪いと伝えるだけでなく、よいことはよいと褒めることも大切です。知的障害のある子どもはできないことが多いために叱られることも多くなってしまいます。ちょっとしたことでもよい面を見つけて褒めるようにし、子どもの長所を伸ばすよう心がけてみてください。できることをお願いして「ありがとう」とお礼を言うのもおすすめです。自分は何でできないんだろうと自信をなくす子どもも多くいます。自信をなくすと、うつ病や不登校などのいわゆる二次障害にも繋がってしまいます。好きなものはなにか、何が得意分野なのかを見つけたり、できることを増やすことで、子どもに自信をつけさせることも大切です。不安や心配でストレスを抱え、心に余裕がなくなる保護者の方もいらっしゃるかと思います。心に余裕がないと、子どもに接する時にもイライラしてしまって八つ当たりしてしまうこともあります。家族に協力してもらったり、周りに相談することで少しでもストレスを解消することも大切です。まずは「知的障害」をよく理解することから始めましょう出典 : 知的障害の原因は不明なことも多く、根本的な治療方法もありません。しかしながら、知的障害であることに気づき、子どもへの接し方を変えることで、うつ病やひきこもりなどの二次障害を予防することは可能です。うちの子は他の子に比べて言葉の発達が遅いな、周りと上手く遊ぶことができていないなと感じたら、まずは保健センターや子育て支援センターなどの専門機関に相談してみてください。早期発見・早期療育は子どもにとっても保護者にとっても心のケアに繋がります。同じ悩みを抱える親同士で相談したり、子どもが友達を作れる環境を整えることも大切です。子どもがよりよい生活ができるよう、知的障害と向き合っていきましょう。参考書籍:日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院/刊参考書籍:栗田広・渡辺勧持/訳『知的障害定義、分類および支援体系』2004年,日本知的障害福祉連盟/刊参考書籍:有馬正高/監修『知的障害のことがよくわかる本』講談社/刊
2016年09月04日お菓子売り場やオモチャ売り場で、「買ってー!買ってー!」と泣き叫びながらひっくり返るわが子……育児をしていれば一度や二度は経験するはず。そんなとき、あなたはどうしていますか?根負けして買い与えてしまう人もいれば、何とかして黙らせようとする人もいますよね。家庭によって対応は千差万別です。では、子どもの将来のためにはどのような対策を取るのがベストなのでしょうか。今回は発達心理学を参考にしながら、子どもの“買って買って攻撃”への対処法を学んでいきましょう。●『抱きかかえてでもスグにその場を離れる』……街のママたちの対処法まずは、街のママたちがとっている一般的な対処法を見ていきましょう。『困ったときのジジババ頼み。「今度おじいちゃんにお願いしてみようね〜」と言って受け流しています』(20代女性/3歳女児のママ)『大泣きして床に転がってしまったら、抱きかかえてでもいいからスグにその場を離れます。周囲の目がキツいのもあるけど、場所を変えれば子どもも気が変わるし諦めがつく みたい』(30代女性/2歳男児のママ)『“モノを買うにはお金が必要”と分かったらしく、「ゴメンね、ママお金ないの」と言うと納得してくれるようになりました』(30代女性/4歳男児のママ)確かに、どれもスーパーやデパートなどでよく見る光景ですね。しかし、これらは本当に正しい対処法といえるでしょうか。子どもの要望を丸投げされたおじいちゃん・おばあちゃんは困惑するでしょう。問答無用で抱きかかえて店の外へ連れ出すことができるのも、子どもが小さいうちだけです。「ママお金ないの作戦」に至っては、ウソを見ぬかれるのも時間の問題。バレてしまったらかえって厄介なことになりそうです。なんだかどれも、その場限りのごまかしのように感じられてしまいます。では、発達心理学的にはどのように対応するべきと考えられるのでしょうか。●(1)出発前にすべきこと:事前の約束をし、先の見通しを持たせる子どもが先の見通しを持って行動できるようになってくるのはおおよそ2歳です。“約束”を理解するようになるのもこの頃から 。買い物に行く前に、今日はお菓子や玩具を買う日ではないのだということをしっかり説明しておきましょう。説明する際は、子どもと目線を合わせ、ゆっくり丁寧な言葉を使って話しかけるのがポイント。ただし子どもはすぐに忘れてしまうので、一度言っただけでは効果がありません。“家を出るき”、“お店に入るとき”、“売り場を通りかかる直前”のそれぞれで言い聞かせましょう。●(2)ねだり始めたらすべきこと:共感「そうだね、すてきだね」+約束「でも今日は買わないよ」何度言い聞かせても、売り場に入ると「買ってー!買ってー!」が始まってしまうことはあります。そのとき頭ごなしに叱ったり、すぐ否定したりするのはあまり得策ではありません。というのも、その騒ぎは早めの共感ひとつでおさまることがあるからです。子どもの「買って!」という言葉。実はそれ、ほんとうに欲しいわけではなく「自分が気に入った商品をママにも見てほしい」「いいものだと一緒に認めてほしい 」という願いの表れであることもしばしばなのですね。もしおねだりが始まったら、まず一緒にその商品を見に行ってください。そして「ああ、これが欲しいんだね。これってどんなものなの?」「すごいね、確かにステキだね、これは欲しくなっちゃうよね」共感してみましょう。それだけですんなり静かになるかもしれません。おねだりが静かになったらすかさず、「でも、今日は買わないって言ったよね」と念押しです。低いトーンで、冷静に伝えるよう気をつけてくださいね。●(3)泣きはじめたらすべきこと:泣いてもムダだと学習させる「買って!」がエスカレートして泣き出してしまった場合、ママが心がけるのは一点だけ。「その泣きには絶対に屈しない」ことです。泣いている途中で根負けし、買い与えるのは絶対NG。“泣けば買ってもらえる ”という誤学習が行われてしまいます。そして、いちど誤学習されたものを書き換えるのは至難の業です。重要なのは、泣くという行為では願いを叶えられないのだと学習させること。そのためには心底まで泣かせ、自力で泣きやませるのがベストです。可能であれば周りの迷惑にならないところで、気が済むまで泣かせてやりましょう。●(4)泣き止んだらすべきこと:たっぷりほめて行動を強化させる親が毅然とした態度でいれば、子どもはいずれ泣き止みます。泣き止み、欲しいものをガマンすることができたらたっぷりほめてあげましょう。こうすることで、“買い物に行っても泣かない ”という行動を強化できます。ハグや抱っこをしてあげてもいいですし、自宅に戻ってからささやかなご褒美をあげてもいいでしょう。シールのようにどんどん溜まっていくものなら視覚的にも分かりやすく、小さな子どもでも達成感が味わえます。----------いかがでしたか?発達心理学に基づいた接し方を理解しておけば、イザというときにもぶれずにお子さんに接することができるはずです。子どものダダこねにも決して屈しない、正しい強さを持っていたいものですね。●文/パピマミ編集部
2016年08月22日梅干しは、夏バテ予防に最適な食材。暑いときにもさっぱり食べられますが、この酸味が苦手な子どもは少なくありません。そこで今回は、子どもにも食べやすい梅干しの食べ方を紹介します。■子どもに食べさせたい梅干しの選び方梅干しは体にいいとはいえ、子どもに食べさせるとなると塩分が気になるところ。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、子どもの食塩の摂取目安は次の通りです。子どもの食塩摂取の目安・1~2歳: 男児3.0g未満、女児3.5g未満・3~5歳: 男児4.0g未満、女児4.5g未満・6~7歳: 男児5.0g未満、女子5.5g未満昔ながらの梅干しの塩分は20%前後が一般的で、1粒あたり4~5gの食塩が含まれているのだとか。これだけで1日の目安量をオーバーしてしまうので、10%以下の減塩タイプを選んだほうがいいでしょう。はちみつ漬けの梅干しは塩分が少ない傾向にあり、子どもにも食べやすい味なのでおすすめです。 ■梅を食べやすくする工夫梅干しとマヨネーズを混ぜると、独特の酸味がマイルドに。砂糖やハチミツを少し加えれば、より子ども好みの味わいになります。これを野菜のディップにしましょう。分量は、梅干し1個に対して、マヨネーズ大さじ1が目安。最初は梅干しの量を少なくして、徐々に慣れさせていくといいでしょう。青梅が手に入るなら、シロップを作ってみては? 水に1時間ほどつけてアクを抜いた梅と同量の氷砂糖を煮沸したビンに入れて、1週間前後待つだけで完成です。水で薄めるだけでもおいしいですが、かき氷にかけてもOK。ヨーグルトにも合います。■肉や魚と一緒に食べよう梅干しは、魚との相性も抜群。イワシやサンマを煮るときに加えると臭みがとれて、さわやかな風味もプラスしてくれます。梅干しにも魚の旨みが染み込んで、ご飯のおともにぴったりです。梅干しを入れるタイミングは、煮汁が煮立ったとき。圧力鍋を使う場合は、ひと煮立ちさせてからイワシと一緒に投入します。肉が好きな子どもには、ささみの梅チーズフライを。ソースをかけずに食べられるので、お弁当のおかずとしても活躍する一品です。私の甥は小さいころから梅干しが大好きで、そのまま食べるのがお気に入り。珍しい子どもだと思っていたのですが、甥の友だちにも梅干し好きが複数いるようです。酸味の強いフルーツが好きな子どもなら、ちぎったものを食べさせてみてもいいかもしれませんね。
2016年08月20日広汎性発達障害(PDD)とはUpload By 発達障害のキホン広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:略称PDD)は、コミュニケーションと社会性に障害があり、限定的・反復的および常同的な行動があることを特徴として分類される発達障害のグループ です。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の診断カテゴリでは、このグループには自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット症候群、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害という5つの障害が含まれています。広汎性発達障害の中でも特に自閉症やアスペルガー症候群がよく知られていますが、自閉症の半数以上が知的障害を伴うのに対して、アスペルガー症候群は言葉の発達の遅れが伴わない「知的障害のない自閉症」と言われています。また、知的障害のない自閉症は「高機能自閉症」とも呼ばれますが、アスペルガー症候群との定義の違いが曖昧で、専門家によって異なります。さらに、広汎性発達障害は、最新の診断基準であるアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版テキスト改訂版)では自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害というカテゴリに変更されています。広汎性発達障害の障害名、症状の中には自閉症スペクトラム障害の概念では除外されたものも含まれています。ですが、行政や医療機関で広汎性発達障害の名称を使用している場合も多いこと、すでにこの名称で診断を受けた人も多いことから、本記事では『ICD-10』の診断カテゴリに準拠して広汎性発達障害の名称でご説明します。広汎性発達障害の子どもの生活での4つの困難と対処法出典 : 広汎性発達障害の主な症状は・対人関係・社会性の障害・コミュニケーションの障害・特徴的なこだわりや興味の3つが挙げられます。その他、広汎性発達障害のある人の多くに「視覚」「聴覚」「味覚」「触覚」などの感覚に対して特定の刺激に苦痛や不快感を感じる「感覚過敏」や感覚の鈍い「感覚鈍麻」という症状が見られると言われています。このような特徴を持つ広汎性発達障害の人は、どのようなことを困難に感じるのでしょうか。以下に4つの困難と対処法を述べたいと思います。広汎性発達障害のある子どもは、人の感情を読み取って人の気持ちに共感したり、想像したりすることが難しい傾向にあります。また、比喩やたとえ話も理解しにくい傾向があります。そのため相手の気持ちを考えずに、思ったことをストレートに口に出してしまって相手を傷つけたり怒らせたりしてしまうこともあります。対人関係を築くのが苦手でコミュニケーション障害もあることから、広汎性発達障害の子どもにとって友達を作ることは困難な作業です。例えば、一緒に遊びたいなと本人が思ったとしても、友達を誘う方法自体が分からないこともあります。【対処法】「君太ってる」「あのひと臭い」など、相手を傷つけるような発言をした場合は「そんなこと言っちゃダメ!」と抽象的に叱らずに「太ってると言われると○○さんは悲しいと思うから言わないで」と相手の気持ちを推測できるように促し、具体的に何を言ってはいけないかを提示してあげましょう。相手の気持ちを理解する練習をすることで、言っていいことと悪いことの区別をつけさせるのが大切です。他人とのコミュニケーションをとるのが難しい場合、具体的に友達の誘い方を教えてあげたり、親が遊びの場を作ってあげることも大切です。例えば療育機関などで、社会的スキル訓練や、集団療育を行うことも有効です。広汎性発達障害のある子どもの多くは感覚の過敏性や鈍さを抱えています。電車の音や騒音などにとても強く反応してしまうことがあります。赤ちゃんの泣き声などにも強い拒否反応を示し、自分が癇癪を起したりパニックになったりする子もいます。また、体に触れられることを嫌ったり、温度に敏感でお風呂に入りたがらなかったりなど、少しの刺激でも本人のストレスに繋がってしまい、パニック状態を起こしてしまうこともあります。【対処法】無理に触ろうとはせず、機嫌がいい時や心の準備ができているような時に声かけをしてあげましょう。「今からお風呂にはいろうね、お風呂で○○して遊ぼうか」「今から背中を触るね」など、いきなり体を触らずに声かけしてあげると心積もりができるようになります。にぎやかな場所へいく場合はイヤーマフを使用してみたり、なぜその音が鳴るのか、どうして賑やかなのかを落ち着いているときに説明してあげるとよいでしょう。それでも嫌がる場合は無理をせず、苦手なものを避けてあげるのも一つの手です。広汎性発達障害のある子どもは、こだわりが強く、変化が苦手な場合が多いです。規則や法則など、一定の安定したルーティーンを好むため、少しでも自分のマイルールが侵されることを嫌がることがあります。よって、イレギュラーな対応や予定の変更についていくことができず、癇癪やパニックを起こしてしまうこともあります。【対処法】「○時になったら○○するよ。約束ね」と一緒に時計をみて確認し、一つひとつ理解を促すようにスケジュール管理を行うようにしましょう。言葉で言っても理解しづらそうなときはイラストや写真などを使うのも有効です。見通しが立つと安心することが多いので、予定をあらかじめ把握し、お子さんに伝えてあげるようにしましょう。広汎性発達障害のある子どもは、集団内で暗黙に共有されている「常識」や"空気"を理解するのが難しい傾向にあります。人との距離感や場に合った振る舞いなど、抽象的で境界線がはっきりしないことについて理解が難しく、友達が表情で悲しさや怒りを伝えてきても、感情を読み取れないこともあります。【対処法】指示は分かりやすく伝えるようにしましょう。例えば静かにしなければいけない場面の場合、具体的にルールを短い言葉や文字で示してあげることが大切です。また、「会場内は静かにしましょう」というアナウンスだけでは、何をすべきかがわからないので、「お絵描きしながら静かに待ちましょう」など具体的にどうすればいいかを指示の中にいれると良いです。広汎性発達障害の子どもへの日常の接し方のコツ9選これまで、広汎性発達障害の子の困難とそれらの対処法をご紹介してきました。以下では、広汎性発達障害の子の日常生活の子育てにおいて、どのようなことに気をつければ良いかを紹介します。出典 : 広汎性発達障害のある子どもは聴覚刺激よりも視覚刺激を利用すると効果的な場合もあります。紙に文字を書いて説明するのもよいですが、言語能力の発達に遅れが見られる場合は絵や写真、図表にして説明すると理解しやすくなります。例えば、時間管理をする際はタブレット上に大きいタイマーを表示して、視覚的に「あと何分あるか」を提示しながら取り組んだりするといいと思います。耳よりも目から入った情報の方が記憶にも残りやすいと言われているので、遊びやスポーツのルールを伝える際も紙に書いて説明するとよいでしょう。曖昧な表現を理解することが難しいため、できるだけ具体的な表現や手順を使うことが大切です。例えば、「ちょっと」ではなく「何分、何個」という具体的な数を使って話したり、片付けの際も「ちゃんと片付けて」「キレイにして」ではなく「おもちゃ箱におもちゃを入れる」といった具体的にやるべきことを伝えます。ついつい曖昧な表現を使いがちですが、どうすれば伝わりやすくなるかを常に頭に入れて指示するようにしましょう。その際、上記で挙げた絵や写真を使うのも効果的です。広汎性発達障害の子どもを持つ保護者は、できないことや、やめさせたい行動が多く目につき子育てが不安になってしまうこともあるかもしれません。ですが否定的な言葉を使ったり、大声で叱ることは控え、できるだけ褒めることを心がけることも子育てのコツの1つです。褒めることで「褒められた→嬉しい→またやろう」とやる気を促すことにも繋がります。また、子どもによっては大げさに褒められることを嫌う子もいますので、その子にあった褒め方をしていきましょう。広汎性発達障害のある子どもは、他人と比べて自分ができていないと感じて自信を失ったり、自暴自棄になってしまうケースもあります。子どもの得意分野を見つけて、できることをさらに増やし、成功体験を積むことが大切です。例えば食べ物が好きな子であれば調理やお菓子作りを教えたり、家事を手伝ってもらったりすることも今後の生活に役立ちます。広汎性発達障害のある子どもは、人の気持ちを理解するのが苦手な傾向があります。そのため、嬉しいことは嬉しい、嫌なことは嫌と、気持ちをはっきり言葉にして伝えることも大切です。友達とケンカした際も相手がどう思っていたかを伝え、どう対処すれば良かったかなどを、絵や文字にして具体的に教えることが大切です。頭ごなしに否定してしまうと、やる気をなくしたり、物事自体を拒否するようになってしまいます。まずは子どもの気持ちに寄り添い、なぜそういうことをしてしまったのか子どもの考えを聞いたり、どうすればよかったのかを一緒に考えることが大切です。子どもが興奮したり、泣きわめいてしまった場合、落ち着いてから話をするようにします。広汎性発達障害のある子どもは、急な予定の変更や初めての場所が苦手です。場合によってはパニックとなってしまう可能性もあります。こういった状況を避けるため、できるだけ予定を早めに伝えておき、初めての場所でも子どもが安心できるように、事前に写真やビデオを見せるなど、工夫をしてみましょう。広汎性発達障害のある子どもは、推測することが苦手な場合が多いです。そのため遊びの中でルールを自然に理解することが難しいこともあります。あらかじめ、絵や図にしてルールを予習をしておくと、子どもが理解しやすくなります。また、自由時間といった何をすればよいか曖昧な時間も不安になってしまうことが多いので、何をするとよいか、選択肢を提示したり、選ばせてあげるとよいでしょう。自分ひとりだと子育てのコツが掴みづらい場合は、ペアレントトレーニングのような子育てトレーニングや療育相談を受けることも有効です。専門的なトレーニングを受けた講師から、子どもにあった子育て方法を学ぶことができます。これらのプログラムでは、子どもが危険な行動をとったときに上手に止める方法や褒め方のコツなどを知ることができます。広汎性発達障害の子どもに接する際に注意するべきこと普通の子には当たり前にとる対応や反応でも、広汎性発達障害の子だとパニックを起こしてしまうこともあります。以下のポイントを頭に入れておいて、広汎性発達障害の子とよりよいコミュニケーションがとれるようにしましょう。出典 : ついつい大声で叱りたくなる気持ちも分かりますが、大声は広汎性発達障害のある子どもにとってトラウマとなる可能性があります。怒られるという恐怖心で何もできなくなってしまうこともあります。一度深呼吸をして落ち着く、感情的になったら一度その場を離れるなどして、冷静になってから具体的に悪いことを伝えて、どうすればいいかを指示するようにしましょう。手をひらひらさせたり、ぴょんぴょん飛び跳ね続けたりするなど、広汎性発達障害のある子どもの中には同じ行動を長時間続ける常同行動が見られる場合があります。これらは視覚支援によって見通しを持てる環境を作ったり、コミュニケーションスキルを学んだり、適切な遊びにかえることなどで改善することが多いです。無理に止めさせようとするとパニックに陥ることもあるため、何回やったら終わりと決めたり、何か違うことに集中するための課題などを与えてあげたりするとよいでしょう。何度伝えても伝えたことができない場合、「どうしてできないんだろうか」と悩んでしまう人もいますが、「今日はできなかったな」ぐらいの気持ちで受け止めてみることも大切です。また、自分では上手く伝えていると思っていても、子どもにとっては理解しづらい可能性があります。絵や図などを使い、伝え方を変えてみるなど工夫してみましょう。他の子にとっては当たり前でも、広汎性発達障害のある子どもにとって困難なことは多々あります。親としてはつい他の子と比較したり、同じことができないことに悩んだりすることもあると思います。しかし大切なのは、子どものできることや、頑張っていることに目を向けることです。それらのことを褒めたり認めていくことは、子どもの成長に繋がっていきます。まとめ出典 : 広汎性発達障害のある子どもの子育ては、その子の特性を理解し、視覚的な情報の活用や事前の予告など、工夫を学んでいく必要があります。一人で悩まずに、療育機関や支援センターなど周りの環境を上手く利用しましょう。ペアレントトレーニングや療育相談など、様々なサービスがありますので、地域の情報を探してみましょう。参考文献: 田中康雄 (2014) 『発達障害の子どもの心と行動がわかる本』 西東社
2016年08月18日絵を描くのが上手だったり、お歌を唄うのが上手だったりと、小さなころから“才能”の片りんを見せはじめる子どもは多いもの。「ウチの子、どんな才能があるの?」そんな素朴な質問に、エキサイト電話占いの 神花(かか)先生 が答えてくれました! 子どもの誕生年でわかる「秘めた才能の伸ばし方・育み方」、ぜひチェックしてくださいね。■「本命星」の出し方子どもが生まれた西暦を10以下になるまで足し算する。「1」で出た数から11を引いた数が子どもの「本命星」です。1:一白水星、2:二黒土星、3:三碧木星、4:四緑木星、5:五黄土星、6:六白金星、7:七赤金星、8:八白土星、9:九紫火星例)1974年生まれの場合1+9+7+4=21 ⇒ 2+1=3 ⇒ 11-3=8(八白土星)■「本命星」から子どもの秘めた才能をチェック【本命星:一白水星】・秘めた才能忍耐強さは九星中No.1。静かに潜行して、進む。寡黙でマイペースな哲学者タイプ。・才能の伸ばし方、育み方全体的にゆっくりしているので、成長もゆっくりペース。あれこれ指図するとかんしゃくを起こしてしまうこともあるので、待ってあげることが大切です。話しかけるとき、ゆっくり話すように心がけるとお子さんが安心できますよ。【本命星:二黒土星】・秘めた才能やさしさ、世話焼き。コツコツ目標に向かって進む。あれこれ人の世話を焼くのが大好きな奉仕家タイプ。・才能の伸ばし方、育み方お手伝いが大好きなので、家事を一緒にやってもらうといいでしょう。お手伝いをしてもらうなかで、「ありがとう、助かったわ」と言うと、さらにやろうとするタイプです。勉強に関しては、一番を目指すガリ勉タイプではありませんが、好きなものにはトコトンこだわるタイプです。【本命星:三碧木星】・秘めた才能陽気でのびのびとした性質。良く動き、良くしゃべり、感情表現が豊かなスポーツマンタイプ。・才能の伸ばし方、育み方運動不足がストレスになるので、倒れるくらいまで体を動かすことが、精神的な発達にもつながるタイプです。ずっと走りつづけていても、疲れを感じずさらに動こうとするくらい、動いたり、しゃべったりすることが大好きです。【本命星:四緑木星】・秘めた才能独立独歩。何ものにもとらわれず、自由を好むタイプ。・才能の伸ばし方、育み方気ままな自由さがあり、型にはめられることが嫌いなので、伸びたい方向へ好きなだけ伸ばしてあげると、才能を発揮するでしょう。グローバルスタンダードな教育がとても向いているタイプです。世界を意識した育て方をすると良いでしょう。【本命星:五黄土星】・秘めた才能強気は九星中No.1。義理人情に厚い、グループのボスタイプ。・才能の伸ばし方、育み方非常にガンコで、言いだしたら絶対に聞かないところがあるため、手を焼くことがあります。自分の決めたとおりの生き方をするので、よく話しを聞いてあげることが大切です。整理が苦手なので、より良い方向へ導くなど、思考の整理ができるようなアドバイスをすると良いでしょう。このとき、上から目線はうまくいかないので気をつけてくださいね。【本命星:六白金星】・秘めた才能静かでクールな感性の持ち主。知的なリーダータイプ。・才能の伸ばし方、育み方プライドが高く、頭が良く、研究熱心です。明朗な性格のため、多角的なものの見方が出来るようにサポートすると才能を発揮します。経営、政治経済、株式など、有識者的な教育の方向性を持つと良いでしょう。【本命星:七赤金星】・秘めた才能おしゃべり、楽しいことが大好きなブルジョワタイプ。先天的な審美眼を持っており、非常にユニークな発想の持ち主。・才能の伸ばし方、育み方芸術的な才能があるので、美しいものやダンス、音楽など、さまざまなジャンルのものを観たり体験したりして、感性を高めるサポートをすると良いでしょう。やみくもな努力はまったくしませんが、自分の好きなことには打ちこむため、何が好きかを早く見つけてあげることが大切です。【本命星:八白土星】・秘めた才能真面目、大きな器。万全の信頼を得る位置で力を発揮するNo.2。・才能の伸ばし方、育み方温厚な性格で、山を感じさせる懐の深いものを持っています。全体を把握することを得意とするので、見晴らしの良い場所を好みます。小さなことよりも、大きなことを見るのが得意です。小の集積が大になることを学ぶと、さらに飛躍するので、日々の小さな努力の継続をサポートするといいでしょう。【本命星:九紫火星】・秘めた才能華やかな輝き。魅惑的な性格と才能で、ファンをつくるアーティストタイプ。・才能の伸ばし方、育み方モデル、タレント、芸術家など、人から注目されることを好みます。発表会などの人前に出るようなチャンスを多くつくってあげると、自信が芽生えて、大きな成長をするでしょう。美しいもので着飾ったり、人とはちがうファッションセンスを持ったりするなど、自分の独自性にこだわりを持っている性格です。自分で着るものなどを選べるようにサポートをしてあげると良いでしょう。「あれ? この子、こんな一面もあったの?」なんて、小さな驚きが才能発見につながるかもしれません。子どもの才能をいち早く見つけて、良いところを伸ばしてあげたいものですね。●取材協力:エキサイト電話占い 神花(かか)先生
2016年08月11日「そういえば、今日何か褒めたかな?」と、叱ってばかりの子どもを褒めていないことに気付いたことはありませんか? 叱る機会が多いと、ママは「言いすぎたかな」と後悔したり、子どもは「また叱られるかも」とかまえてしまったり。でも、大人も子どもも基本はみんな「褒められて伸びるタイプ」と私は思っています。叱るべきところは叱りつつ、1日1回以上子どもを褒めてみてはいかがでしょう。褒めること自体が苦手という人や、褒めるところが見つからないという人に、褒めポイントの見つけ方と上手な褒め方を紹介します。やって当たり前でも褒めるたとえば、子どもが毎日1人で起きられるようになっていても「ママが起こさなくても起きれたね!」と褒めてみましょう。あるいは「もう準備できたの!? 早いね! さすが!」と、いつもより時間がかからずにできたことや、いわなくてもできたことを褒める。普段であれば「褒め対象」ではないことも、積極的に褒めポイントとしてとらえてみましょう。何でもないことでも褒めるなかなか褒める理由がないと困っている人は「何でもないこと」でも褒めるようにしましょう。たとえば、わが家では月に1回子どもが散髪した後に「やっぱり○○(子ども)の坊主頭は最高だね!」と褒めるようにしています。ほかにも「その色の洋服、やっぱり似合う!」「本を読んでるときの顔がシブくてかっこいい!」など、主に子どもの外見や表情を見て感じたことを「褒め」にして伝えています。自分が「いいな」と感じた瞬間に褒めるようにすると、何通りもの褒めポイントが見つかるかもしれません。結果じゃなく、やってきたことを褒める運動会のリレーで子どもが3位になってしまったとき、1位を目指していた息子に「毎日ちょっとずつ、かけっこの練習がんばったもんね!」と声をかけました。結果がでないことはたくさんあります。だから結果がだせなかったときは「どうがんばってきたか」を褒めるようにしてみてはいかがでしょうか。あるいは泣かなかった、あきらめなかった、気持ちの切り替えが早かったなど「できなかったけれど、したこと(しなかったこと)」を褒めるのもいいですね。ささいなできごとも、声にだして褒める。これだけで家の中の雰囲気がとても明るくなります。こうした親子関係のベースがあれば、叱られてしまったときも子どもは必要以上に落ち込んだり、すねることが少なくなるのではないでしょうか。できれば1日1回、子どもを褒めるようにしましょう。そうすれば子どもを育てる親にも、気持ちの余裕が生まれると思います。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
2016年08月04日子育て研究所代表の佐藤理香です。先日、お子様が思春期を迎えたママが「もう小さな子どもでもないし、大人でもないし、接し方が難しい!」と言って嘆いていました。子どもが思春期に入ると、これまで以上に衝突したり、 葛藤したりする機会が増えると思います。口をきかない、全く話をしなくなったというケースも聞きます。これは思春期特有の心理状態が影響しているためで、成長のための重要なプロセス です。子どもの心の状態を理解できれば、反抗的な態度や不安定さにも慌てることなく対応できます。今回は、思春期の子どもの心理と接し方をお伝えしていきます。●思春期を迎える子どもの心思春期のとらえ方は男女差があるようですが、おおよそ10~18歳ごろといわれています。この時期の子どもには、次のような変化がみられるようになります。●依存と自立に揺れる思春期の子どもは、依存(甘えの行動)と、自立(反抗的な行動など)の行ったり来たりが激しくなります。親に干渉されて「うるさい」と怒鳴ることもあれば、「聞いてよ~」と甘えてくることもあるなど、子ども自身が葛藤する時期 なのです。精神科医の明橋大二氏によれば、“甘えない子が自立する”のではなく、“甘えた子が自立する”のだといいます。親に依存しながら甘えてくる言動も、反抗的な行動も、子どもの自立につながるステップなのですね。●自我意識の強まりこの時期の子どもは、大人への準備をし始めるので体に大きな変化が見られるようになります。体毛や胸のふくらみ、初潮など外見的な変化とともに、異性への関心も強くなります。また、交友関係が複雑化し、友達の言動から大きな影響を受け始めます。自分と他人の違い、自分は周囲からどう見られているかなど、他人との比較や競争で劣等感や敗北感を感じることもあり、心理的にはストレスが多く不安定な状態になりやすい時期 といえます。●子どもとの接し方思春期の心の変化をお伝えしましたが、一緒に生活する親御様はやはり心配になるものだと思います。続いては、子どもとの接し方と、その前提となる考え方についてお話しします。●親にはどう接してほしいか? 子ども目線で再考するご自身が中学生や高校生だったころを思い出してください。学校生活や部活動、友達に遊びと、思い出すことは家庭以外のことが多いのではないでしょうか。この時期は、周囲の環境から影響を受けやすいので、記憶のインパクトは家庭外のことが多くなります 。では、親との関係はどうだったでしょうか?「いつも叱られてた!」という人、「親は何も言わなかった」という人、中には「記憶がない」という人もいることでしょう。これは、親からの干渉を嫌っていた表れともいえます。しかし、親は要所要所で関与してくれたはずです。べったりではなく、子どもが必要とするときに支えてあげるというスタンスが大切なのです。●子どもはただ受け入れてほしいだけ!?思春期の子どもは、知恵や知識、思考力がついてくるので、物事に自分なりの考えを持つようになります。思春期は“対話が重要”と言われることが多いですが、対話すらままならないということもあります。そのような場合でも、子どもからの発信が必ずあるものです 。その発信がどのようなものであれ、はじめから否定したり、話を遮ったりしたら子どもが心を閉ざしてしまいます。大人は正解を知っていることが多いので、考えを誘導したり、押し付けたりしたくなりますが、まずはそこをガマンすることがポイントです。子どもが話しだすのを待つ、そして落ち着いて聞くという受け入れの心を持ちましょう。●家庭は甘え&リラックスができる場所に子どもを尊重して対応しようとしてもうまくいかないこともあります。感情のタイミングや個性、家庭の事情もありますので通り一遍の正解はありません。しかし、これだけは重要だということがあります。親の愛情 です。家庭では甘えてよい、好きなようにリラックスして時間を過ごせるのだという安心感が必要です。そして、子どものことを愛していて、どんなときも必ず味方であること、これを言動で継続的に示すことが大事なのです。ふと子どもがもらす悩みや葛藤、心配や不安をキャッチできるように、喜びを共感できるように、家庭は子どものすべてを受け入れるという場所になるとよいですね。【参考文献】・『見逃さないで! 子どもの心のSOS 思春期に がんばってる子』明橋大二・著●ライター/佐藤理香(株)
2016年08月04日小さい子どものいる家庭って、毎日が戦争ですよね。とくに、朝や夕方の時間帯などはバタバタするあまり、子どもについ「早くしなさい!」と叱ってしまう方も多いのではないでしょうか?2015年の『保育科学研究』によると、全国の保育園・幼稚園などで保護者3,669名に社会福祉法人 日本保育協会 保育科学研究所がアンケートを実施したところ、子どもに「早くしなさい!」と言うことが「よくある」「時々ある」と回答した人が83%にものぼっています。でも、実は「早くしなさい!」と親が子どもに言うのは逆効果なんです。そこで今回は、7万部のベストセラーを記録した『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)の著者shizuさんに、叱らなくても未就学児の子どもが自分から動いてくれる声かけのコツについてお伺いしました。■子どもも心地がいいと恩返しをしたくなるたとえば朝、子どもがなかなか起きないとしますね。その寝ぼけ眼なところで「じゃあ、絵本を読もうか」と親が声をかけて、その子が好きな絵本を読んであげる。目が覚めてきたところで、「お着替えができたら、もう1冊読もうね」と声をかけると、叱らなくても朝の準備がスムーズにいくのだとか。「子どもといえども、心地いい気分にさせてもらったら恩返しをしたくなるもの。モチベーションが上がれば、行動にもうつしやすくなるんです」とshizuさん。しかし、「もう1冊読んであげるから、着替えなさいよ」のような声のかけ方だと逆効果になってしまうので、言い方には注意が必要です。また、ホワイトボードを利用したお仕度表で視覚的に自分から取り組みやすくする方法もあります。■子どもが心の準備できるような声かけを!たとえば公園で遊んでいるときに、帰る時間になっていきなり「帰るよ」と言っても、子どもの心はついていきません。「子どもにも心の準備というものが必要なんです。『ママ、ご飯作らないといけないから、30数えたら帰ろうね』などと、事前に話をしてあげてください」とshizuさんは言います。ただしこのとき、子どもが聞き流していたら意味がありません。そのため、目線をしっかり合わせて言うのがコツなのだそうです。「わかった?」と子どもに質問して、しっかり「うん」という返事をもらいましょう。子どものほうも、「自分が言ったことには責任を持たなきゃ」と思うようになるので、ちゃんと約束を守ってくれるようになるのだとか。■非言語でほめることでも子どもは落ち着くshizuさんは著書の中で、「1日30回ほめる」ことを推奨されています。この数字だけ見ると、「1日30回もどうほめたらいいの?」と思われるかもしれませんね。しかし意外にも、回数は重要ではないとshizuさんは言います。「これはあくまでも目安。特に発達障害の子どもを抱えるママはどうしても子どもの『できない』部分に目が行きがち。だからその意識を変えたかった。30回は無理でも、『10回はできた!』なんて思ってもらえたらうれしいですね」(shizuさん)たとえば『宿題、がんばっているね』『○○ちゃんの笑った顔かわいいね』などの具体的な言葉はもちろんですが、子どもと目線が合ったときにニコッとしてあげるということも『ほめる』ことになるそうです。「そういった『非言語でほめる』ことも、子どもを認めてあげることにつながります。すると、子どもの絶対安心感が高まり、子どもは落ち着いて行きます」(shizuさん)言葉で表さなくても、「あなたを見ているよ」というメッセージを発することによって、「できる・できないに関係なく、あなたの存在自体が大事だよ」と伝えることができるんですね。■子どもの心に届きやすい声かけのコツとは子どもというのは、大きくなるにつれてだんだんと自我が目覚め、親の思い通りにはならなくなってくるもの。子どもに自ら行動してもらうようにするには、子どもも一人の人格として尊重した上で、声かけをしていくことが大切だとshizuさんは言います。「例えば、『早く着替えなさい!』という命令形の言葉は、『早く着替えようね♪』『お着替えできたかな~?』という丁寧語や疑問形に変えていくこともポイントです。そうすれば子どもも『責められている感』がなくなり、動作が早まります」(shizuさん)あとは、きちんとママの気持ちを説明することもいいそうです。「『ママね、◯◯ちゃんが××してくれないと、会社に遅れちゃうかもしれなくてドキドキしてるの』と話してあげると、子どものほうも『しょうがないなぁ。じゃ、やろうか』という気になるんですよ」(shizuさん)「キレイなママ」より、周りに何を言われても動じない「肝っ玉母ちゃん」になりたいというshizuさん。そんなshizuさんが本の中で紹介している声かけの方法は、どれもすぐに実践できるものばかり。全国のパパ・ママのみなさん、ぜひ今日から実践してみてくださいね。(取材・文/あさき みえ) 【取材協力】※shizu・・・自閉症療育アドバイザー、『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)の著者。2児の母。講演会などで、子どものことで悩んでいる保護者に、日常生活のなかでできる楽しいかかわりや言葉かけを紹介している。 【参考】※shizu・平岩幹男(2013)『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』講談社※発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活※叱らなくても子どもがサクサクやることをしていく仕掛け(やること表)-発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活※ABAで発達障害の子どもと楽しく生活する7つのコツ-発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活
2016年06月17日もしあなたが同僚の男性と体の関係を持ってしまったとき、あなたはどんな行動をとりますか?思いがけずそんな関係になってしまった場合、どう接してよいかわからなくて悩むこともありますよね。毎日職場で顔を合わせるわけですから、急になれなれしくしたり、変に冷めた態度をとって相手の男性に「困るなぁ」なんて思われたら嫌ですよね。では、体の関係を持った後「男性はどんな風に接してもらえるとありがたいのか?」男性たちに“本音”をヒアリングしてみました!圧倒的に多かった意見は?一番多かったのは「今まで通り普通に接してほしい」という意見でした。当然ながら男性は職場の人間関係がギクシャクするのは絶対に避けたいと思うもの。変に避けられたり、逆になれなれしい態度をとられるのは困るということでした。ましてや男性が既婚者であれば「周囲に勘ぐられるような態度は本当に勘弁してほしい」と思うようです。ところが、表面上は今まで通りに接してほしいけど、「誰も気づかないレベルで親しげな態度をとられると、ちょっと嬉しい」といった意見もありました。誰も見ていないところでさりげないボディタッチがあったり、二人っきりのときにポロリと敬語ではなくタメ口が出たりする瞬間に、ドキっとすることもあるそうなのです。あまり連絡しない方がいい?意外にも「気まずいからもう顔を合わせたくない」「連絡は取りたくない」といったネガティブな反応を示す男性はほとんどゼロ。むしろ「あわよくば、そういった割りきった関係でもう一度…」と考える男性が多いようです。他の男性と仲良くされるのはイヤ?また、関係を持った後に、その女性が他の男性社員と仲良くすることに対して、「嫉妬する」「嫌な気持ちになる」というような意見は特になし。むしろ「自分だけが、彼女のあんな一面を知っている」というような優越感を感じることもあるそうです。しかしこれはあくまでも、相手の女性に自分もそれなりの好意を持っている場合のみ。お酒の勢いで、苦手なタイプと想定外の関係を持ってしまったような場合は、嫉妬を誘うような行動をされると困惑してしまうでしょう。もちろん「酔った勢いとはいえ、苦手なタイプとはさすがにそういう関係になりません」という男性がほとんどでしょうが……。結論、今まで通りの態度をとることが一番無難な方法と言えそうですね!
2016年06月09日