「言葉」で書いて「絵」で届ける子どもに「表現力のある作文を書かせたい」と思っている親御さんは多いでしょう。実は子どもの表現力を磨くことは、そう難しいことではありません。それどころか、コツさえつかめば、とても簡単です。表現力が磨かれていくと、作文能力も飛躍的に伸びていきます。何よりも子ども自身が書くことを「楽しい」と感じるようになります。ポイントは、「『言葉』で書いて『絵』で届ける」ことです。表現力のある作文ほど、読んだ人の頭のなかで、パっと絵(場面)が思い浮かぶものです。この書き方ができるようになると、読む人が作文の内容に興味をもちやすくなります。もちろん、内容の理解も深まります。「絵」で届ける方法のひとつが「オノマトペ」の活用です。「オノマトペ」とは、「擬声語」のことで「擬音語」と「擬態語」を合わせたものです。【擬音語:物が発する音や声を描写した言葉のこと】例→グラグラ、ガタガタ、ドテッ、クシャ、ドッカーン、ガチャン、チャリン、プップー、ドドドッ、ヒューヒュー【擬態語:状態や心情、様子など、音のしないものを音として描写した言葉のこと】例→びくびく、ハラハラ、そわそわ、グダグダ、イライラ、とぼとぼ、しくしく、うとうと、キョロキョロ、シャキッオノマトペの絶大な効果とは?以下、【1】と【2】の文例を読み比べてください。【1】はオノマトペを使っておらず、【2】はオノマトペを使っています。【1】めのまえに、ふじ山が、あらわれたのです。【2】めのまえに、ふじ山が、ドーンとあらわれたのです。【1】ぼくは、おそばをすすりました。【2】ぼくは、ズズズッと、おそばをすすりました。【1】ごはんを食べたら、げんきが出た!【2】ごはんを食べたら、モリモリッとげんきが出た!【1】足がしびれて立ち上がれなくなりました。【2】足がジンジンして立ち上がれなくなりました。【1】きずがいたむ。【2】きずがズキズキいたむ。【1】クルマが走りぬけていきました。【2】クルマがビューンと走りぬけていきました。【1】犬のなき声が聞こえました。【2】クンクンと犬のなき声が聞こえました。【1】ジュースをのみました。【2】ジュースをゴクゴクのみました。【1】ひとりで家にいたら、しずかで、さみしくなりました。【2】ひとりで家にいたら、シーンとしていて、さみしくなりました。【1】おともだちが、ぼくの手をひっぱりました。【2】おともだちが、ぼくの手をグイッとひっぱりました。いずれの文例も、「絵」としてイメージしやすいのは、【1】よりも【2】ではないでしょうか。もっと言えば、【2】には【1】にはない「躍動感」や「リアリティ」が感じられます。どちらが表現力のある文章かは言わずもがなでしょう。子どもたちが大好きな漫画でもオノマトペは効果的に使われています。主人公の顔の横に「ビクっ」と書かれていると、驚いた顔の表情と相まって、主人公の驚きがより増幅して伝わります。ものによっては、いっさい吹き出し(台詞)がなく、オノマトペだけで、場面説明するようなページも少なくありません。ときにオノマトペは、文章による説明以上に、読む人にリアルな情報を届けてくれるのです。漫画を例にあげるまでもなく、子どもたちは感覚的にオノマトペが大好きです。たとえば、男の子であれば、ヒーローに変装して登場するときに「ジャーン」などと言うのではないでしょうか。あるいは、アクセサリーが好きな女の子であれば、「この宝石はキラキラしていてかわいいでしょ?」などと言うのではないでしょうか。子どもが日常のなかで自然と使っているオノマトペを、作文のなかに取り入れない手はありません。オノマトペに正解はない「あしたはクリスマスだからワクワクする」「さむくてブルブルふるえました」など、オノマトペには、お約束的な表現も少なくありませんが、子どもにオノマトペを書かせるときは、できるだけ子どもの自由な発想・感性に任せましょう。めのまえに、ふじ山が、ドーンとあらわれたのです。先ほど紹介した文例のひとつです。この場合のオノマトペも「ドーン」が正解というわけではありません。・めのまえに、ふじ山が、バキューンとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、バコッとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ジョジョッとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ブゥオーンとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ニョロッとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ジジッとあらわれたのです。・めのまえに、ふじ山が、ブ~~~ンとあらわれたのです。オノマトペに間違いはありません。くれぐれも「『ジョジョ』なんておかしいでしょ?」などと無粋なことは言わないでください。大事なのは、その子が自分でその言葉を選んだという事実です。人とは違うオノマトペが出てきたときほど「すごいね」「いいね」「かっこいいね」「すてきだね」と子どもを褒めてあげてください。文豪・宮沢賢治も愛したオノマトペもっとも、まだ作文慣れしていない子どもに「オノマトペを使って書きなさい」と言っても、難しいかもしれません。仮に「めのまえに、ふじ山が、あらわれたのです」と書いたとしたら、「どんなふうに現れたのかな?現れた様子に音をつけてみようか!」と自然な形で誘導してあげてください。また、日頃から、オノマトペを使うゲームを、親子で楽しむのもおすすめです。バナナを食べながら「食べている様子を『モグモグ』以外の音で表現してみよう」とか、「お父さんが怒っているときの様子を音で表現してみよう」とか。どんなお題でも構いません。親子のコミュニケーションも促されるうえ、情景や様子、自分の気持ちなどをオノマトペで表現するいいトレーニングにもなります。かの文豪、宮沢賢治は、オノマトペの名手としても知られています。「風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました」(『注文の多い料理店』より)などが一例です。彼の作品が老若男女に愛されたのは、その独特でリアリティのある情景・感情描写にあったのかもしれません。賢治のみならず、世の子どもたちもまたオノマトペの名手です。自由な発想に彩られた子どものオノマトペは、作文の魅力とクオリティを格段に高めます。もちろん、オノマトペで表現する楽しさを知った子どもは、作文を書くことが好きになるでしょう。
2018年11月28日テレビ番組の影響もあって、俳句人気が高まっています。今や全国で子どものための俳句大会が開かれるほど子ども俳人が増えているのです。俳句には、語彙力や表現力を向上させる学びの要素がたくさんあります。短い文の中に思いを込める難しさと面白さ、知れば知るほど奥深い俳句の世界は、子どもの素直な感性を生かすのにぴったりです。「俳諧は三尺の童にさせよ。初心の句こそたのもしけれ。(三冊子)」と、あの松尾芭蕉も子どもに俳句を詠ませることを勧めています。そんな俳句の魅力に迫ってみましょう。俳句の歴史室町時代末期に広まった連歌、俳諧。17世紀に松尾芭蕉の『おくのほそ道』で確立された「蕉風俳諧」が俳諧のその後の流れを大きく変えました。江戸時代末期には衰退していた俳諧でしたが、明治時代に正岡子規を中心に盛り上がった文学運動(俳句革新運動)により、俳諧は俳句へと発展したのです。正岡子規が創刊した文芸誌『ホトトギス』は現在の俳句界の礎を築いたと言われています。俳句の魅力次に俳句を詠むことの魅力を詳しく見てみましょう。■感受性が育まれる俳句には季語があります。季節を表す句を作るためには、まず観察が大事。ものを見て、そのものや季節を感じて、表現する、その細やかな心に感性が宿ります。眺めているうちに愛着が湧いたり、興味が湧いたり、日常にワクワクを発見することで、そこからさらに世界が広がっていくかも知れません。■豊かな言語感覚が身につく俳句は五七五の17音に想いの全てを込めなければなりませんので、無駄を無くし、言葉を選ぶ必要があります。自分の言いたいことにぴったりな言葉を探しながら様々な語彙や表現に出会うでしょう。その過程で言葉の美しさに気づき、豊かな言語感覚が身についてくるのです。■年齢は関係ない俳句は季語などのいくつかの“決まりごと”さえ知れば、誰でも作ることができます。特別な道具はいりませんし、場所も選びません。親子で一緒に楽しむことができるのも魅力ですね。ピクニックに行った公園や、好きな食べ物のことなど、同じお題で句を詠んで、お互いの句を楽しんでみましょう。■心の拠り所になる得る聖路加国際病院名誉院長・日野原重明さんとの俳句の文通で話題になった小林凛くん。彼は壮絶ないじめの苦難を、俳句を綴ることで乗り越えました。俳句に心情を吐き出すことでなんとか自分を保つことができたのです。“表現する”ことは子ども自身の心の拠り所になり得ますし、親がそれを見て、子どもが何を考え、どう感じているのかという心の機微に気づくことができるツールにもなるのです。小学生が俳句を作るときの3ステップ俳句といってもどう始めればいいのか、俳句を作る“コツ”もよくわかりませんよね。子どもが作る俳句の魅力はのびのびと自由なところ。決まりごとがあるといってもあまり難しく考えず、子どもらしい感性で作っていいのです。俳人の金子兜太氏は著書の中で「俳句は遊びの延長であってほしい」と話しています。また最近は俳句を小学校の授業で取り入れている学校もあるようです。実際に小学生に俳句の指導をされた前田正秀先生の例がとてもわかりやすいのでご紹介します。(1)七五調のリズムを味わう「古事記」「日本書紀」の時代から続く日本古来の叙情形式である五七調と七五調は昔から日本人には心地よいリズムなのです。まずそのリズム感に馴染むことが俳句への第一歩。そのためには俳句の音読が有効だそう。手拍子も合わせるなど楽しくリズムを取ってみましょう。江戸時代の3大俳人である、松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶、明治時代の正岡子規の名句を鑑賞することは、俳句を始める際とても役に立つでしょう。ぜひお子さまと一緒に手拍子を取りながら音読してみてください。(2)「自分だけの発見」を俳句に最初は17音に言葉をはめることに集中しますが、慣れてくると内容にもこだわろうとするようになるのだそう。そんな時アドバイスするとしたら、「自分だけの発見」にこだわること。見たものを写生するように言葉する、体験を具体的に、家族や友達を題材にするなど。まずは興味を持った身近な題材から始めてみましょう。(3)気持ちを書かずに気持ちを表す題材が見つかったら、次は表現方法でのコツです。子どもは素直に嬉しかったこと、悲しかったことをそのまま言葉にするかもしれません。しかし俳句では直接表現よりも間接的な言葉でその感情を表して読者に想像してもらう方がいい句となります。初げいこ心も竹刀もまっすぐに(引用元:金子兜太監修(2014),『子どもと楽しむ俳句教室』p102, 誠文堂新光社.)このように場面を詠むだけで清々しい心意気の心情が表せると素晴らしいですね。ポイントは、「気持ちを書かずに気持ちを表す」ですよ。(4)俳句を鑑賞し合う俳句を作った後はお互いの句を鑑賞し合いましょう。友達同士でも親子でも、自分が作った句が褒められれば嬉しいですし、次の励みにもなります。人が作った様々な句に触れれば俳句を見る目も育ちます。子どもの俳句番組に出演した教育評論家の尾木直樹氏は、俳句を作る過程で心が解放され、イキイキと変わっていく子ども達の表情に感動されています。大人のものに比べるとひねりはあまり効いていませんが、率直な表現が心にストレートに響くのです。まずは素直に一句、始めてみましょう!***今の俳句人気の立役者と言える俳人、夏井いつき先生もおっしゃっています。「センスや才能がなくても誰でも簡単にできる。自分が思ったことやしゃべったことを俳句にできるとおもしろくなってくる」。夏井先生の元には小学生からもたくさんのファンレターが届くそうです。俳句は子どもたちをも魅了してしまう証拠ですね。俳句を詠むことで、日本語の幅が広がり、表現豊かになります。国際化が進むいまだからこそ、日本語の美しさを再認識し、言葉を大切にできる人が増えることはとても大事なのではないかと思います。(参考)心揺さぶる算数の授業をめざして|総合的な学習の時間「俳句づくり」Woman excite|感性を磨く俳句づくりのコツ文春オンライン|尾木ママが語る俳句の魅力「思わぬ自分、思わぬ他者を発見できる」毎日新聞|子育て親子 秋晴れに 言葉紡ぐ目 閃閃とコトバンク|三冊子金子兜太監修(2014), 『子どもと楽しむ俳句教室』, 誠文堂新光社.
2018年11月17日専門家・プロ:牧野直子秋の魚といえば「秋刀魚(さんま)」。出回る時期が限られているので、旬の時季には食べたいもの。新鮮なものなら刺身もよいですね。定番は塩焼きですが、小さい子どもは骨に苦戦してしまいます。骨をとりながら食べる練習も必要ですが、食べやすくして魚料理を食べるハードルを下げることも大切です。今回はさんまを3枚におろしたものを使います。もちろん、身の中央の小骨はしっかりとりましょう。また、魚の生臭さが魚嫌いの理由のひとつなので、下味をつけることで食べやすくします。しょうが汁と少量のにんにくを使うのがポイントです。わが家では、肉でも魚でも竜田揚げにするときは、このレシピの下味に漬けます。下味に漬けた食材の汁気をふけば、冷凍しておくこともできます。揚げるときには、冷蔵庫に移すか、保存袋のまま流水解凍してから使います。さんまは良質なたんぱく質源。そして脂質にはDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸が含まれます。いずれも血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす働きがあります。また、DHAは脳の神経伝達に不可欠な栄養素で、脳の活性化に役立つため、脳の老化抑制はもちろん、子どもの脳の発育、さらには「脳力アップ」を支えます。DHAやEPAは「あじ」や「いわし」「さば」「ぶり」などにも多いので、さんまがない時季は、ほかの青魚で補うようにしましょう。そのほか、さんまにはビタミンB2やB6が豊富です。いずれも口内炎や吹き出物の予防に欠かせません。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDもたくさん含まれています。成長期の子どもはしっかりとってほしい栄養が豊富なさんまを、上手に食卓に取り入れましょう。栄養まとめ(さんま)DHAやEPAが豊富。DHAは脳の神経伝達に不可欠な栄養素で、脳の活性化に役立つ。子どもの脳の発育、さらには「脳力アップ」を支える。質の良いたんぱく質源。口内炎や吹き出物の予防になるビタミンB2やB6、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富。さんまがない時季は「いわし」や「さば」などの青魚で、DHAやEPAを補いましょう。サンマの竜田揚げ1人あたり328kcal 塩分1.0g材料(4人分)さんま大2尾A(しょうゆ大さじ1、酒大さじ1/2、しょうが汁少々、おろしにんにく少々)片栗粉適量さつまいも50g揚げ油適量作り方1)さんまは3枚におろして、中骨をとり、1切れを3等分に切る。Aに20分くらい漬ける。2)スティック状に切ったさつまいも、揚げ油をフライパンに入れてから、火にかけ、カラリと揚げる。(低温から揚げることで、さつまいもによく火が通る)3)2)の揚げ油を170度にし、1)のさんまの汁けをふいて、片栗粉をまぶしてカラリと揚げる。4)3)とさつまいもを盛り合わせる。牧野直子(まきのなおこ)管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。
2018年11月13日ウーマンエキサイトで連載中のちゅいママさんの記事 「小4長男が考えた、悪口を言われても傷つかない方法」 で、“スルースキル”に関するアンケートを実施しました。ちゅいママさんによれば、“スルースキル”とは、人間関係のトラブルが起きた際、「相手は変えられないものだ」と受け流して、自分の心を乱さないようにする力のこと。ちゅいママさんの長男くんは、友だちから心ない言葉を言われ嫌な思いをした経験から、こうして受け流すスキルを身に着けていったそうです。そんな息子を母親は「たくましくなった」と思う一方で、父親であるご主人は「なんでもスルーすればいいってもんじゃない。反骨精神も必要なのでは?」と疑問を投げ掛けます。子どもにとって“スルースキル”は必要なのでしょうか? “スルースキル”について、ママ、パパの考えを探ります。■98%がスルースキルを“必要”と回答アンケートで「子どもにスルースキルは必要だと思いますか?」という質問を投げかけたところ、圧倒的に「必要」との声が集まりました。Q.子どもにスルースキルは必要だと思いますか?ある程度必要だと思う 71%とても必要だと思う 27%あまり必要ではないと思う 1%全く必要ではないと思う 0.5%その他 0.5%「ある程度必要だと思う」71%、「とても必要だと思う」27%を合わせると、「必要」と思う人が98%にもののぼりました。仕事の人間関係など、大人が使うイメージのスルースキル。なぜいま、子どもにも必要と思われているのでしょうか。■スルーする“強さ”があれば、いじめは減る?今回のアンケート結果を最初に見たとき、じつは筆者は少し違和感を覚えました。というのも、「スルースキルは必要」と答えた人が圧倒的に多いにも関わらず、コメントでは「●●の場合はアリ」などのように、“条件付き”の支持コメントが多く、手放しで「スルースキルに賛成」という人が極端に少なかったからです。この結果が示しているものは何なのでしょうか。まずは、ママたちがスルースキルにどんなプラス面があると考えているのか、見ていきましょう。スルー力、とてもいいと思います! 身につけておくといじめの数も減りそうな気がします。嫌なこと言う人と無理に仲良くなる必要もないし、ケンカする必要もないと思います!反骨精神なんて、誰もが持てるわけではない。持ちたくても持てない人もたくさんいる。クヨクヨするくらいなら、スルーできる方が良い。スルーできるのも強さの一つだと思う。ネット社会があたり前のいまを生きていく子どもたちには、必要な力だと思います。目に見えない相手に対してすべて真っ向から立ち向かうなんて無理だし、大人になればなるほどスルースキルって必要に感じます…。でないと身が持たない。笑相手に嫌なことを言われて反発できる子もいれば、できない子もいる。そんな子が、自己防衛のひとつとして“スルースキル”を持っていれば、最悪の事態を防ぐことができると考える人が多いようです。現に、かつての自分を思い出し、「子どもの頃、このスルースキルがあれば傷つかずに済んだかも…」というママの切ないコメントも。私自身はスルーできず、気にしすぎて落ち込む方です。でも、気にせず堂々としていれば、いじめにも合わずにすんだ気がします。傷ついて泣いたりすると、またからかわれ、もっとひどくなります。息子には、自分と同じようにならないで欲しい。そうならないためにも、しっかり心の居場所になってあげたいと思います。■スルースキルで起こる弊害もある一方で、子どもがスルースキルを使うことに対して、難色を示す意見がありました。そのなかには、「スルースキルは必要」と答えた方もいます。現代の社会において、「スルーすること」はたしかに大切だと思います。さまざまな価値観、考え方があるなか、相手のことを尊重できない人たちからの攻撃は、スルーが一番のような気がします。しかし、こちらが嫌な思いをしていることが相手には一向にわかってもらえないといった、「スルーすることでつきまとう弊害」があることも事実だと思います。しつこく絡んでくる人(子どもも)が、いますから。子どものうちは、「嫌なことは嫌!」と言える術を身につけるべきではないかと思います。相手もまだ子ども。悪気がなく友だちを傷つけます。スルーしてしまうと、「自分の言動が他者を傷つけた」ということを気がつかないままとなるのでは。そしてスルーし続けた子どもは、我慢ばかりの人生になりそうです。ときには自己主張を!スルーばかりしていると人の意見を取り入れない人間になってしまうのではないか、「悔しい!」と思う気持ちがなくなってしまうのではないか、そんな懸念も寄せられました。またスルーされた人は、自分の行動を見直すチャンスがなくなってしまうことも。こういった心配ごとが、スルースキルを“完全に支持”できない理由になっているようです。■「スルーする、しない」を判断する力も必要では、スルースキルはどんなときに使い、どんなときに使わないほうがいいのか。そんな“条件付き”でスルースキルを必要と答えたコメントをご紹介します。●相手によって決める自分に関係のないその他大勢の意見はスルーしてもいいと思うけど、身近で大切な人の意見はちゃんと向き合っていかないといけないと思う。そこをはき違えている人も多い気がする。大切な人とはぶつかり合ってもスルーしてはいけないと思う。●自分で変えられること、変えられないことで判断する「自分では変えようとしても変えられないこと(生まれた環境とか肉体的なこととか)」はスルーできる力がある方がいいと思います。「努力して変えられること」はスルーでなく、自分の力に変えられるといいな。それを決めるのも本人がきちんと考えられるといいな、と思います。●指摘された内容、事柄で判断する何でもスルーすればいいとは思いません。自分のなかで「スルーすべきか、聞き入れるべきかを判断する力」をつける必要があると思います。実際、一緒に働いていた方ですべてスルーする癖がついていて、仕事場でも人の意見が聞けないという人がいました。ある程度スルーするスキルは必要ですが、そこをうまく選別できる能力が必要だと思います。■「心が折れない子」を育てるためにスルースキルも必要?深い心のダメージを受けるくらいならスルースキルで回避してほしい。でも、なんでもスルーしたら子どもの成長にならない。そんな相反する複雑な思いを抱く人が多かったからこそ、冒頭の「子どもにスルースキルは必要だと思いますか?」で、71%もの人が「ある程度必要だと思う」と答えたのではないでしょうか。しかし、コメントのなかにはこんな体験談もありました。私は、子どもの頃はいろいろ思っても、我慢したり気にしたりしないようにする力を覚えました。しかし、家族ができて子どもが生まれて、変わりました。自分のことはスルーできても、大事な家族を泣かせる人が現れたとき、スルーできませんでした。「守ろうとする力」が生まれました。きっと、私のベースには愛情を受けて育ってきたというものがあったからだと思います。だからいまは、家族の愛情をたくさん知ることの方が大事だと思います。困難にぶつかること、失敗することは、これから生きていくうえで避けて通ることはできません。そんなとき前に進めなくならないように、「心が折れない子」を育てていきたいと親は望むでしょう。「スルースキル」は、生き抜くためのひとつの力となるかもしれません。でもそのスルースキルを使うべきか、立ち向かうべきかは、子どもが日々の生活のなかで学び、培っていくのではないかと思います。その過程では、つらい思いをしたり、失敗することもあるでしょう。そんなとき、ちゅいママさんが言う「自分の居場所」や「自分を絶対的に愛してくれる人がいる」という安心感が子どもにあれば、悪い方向にはいかないと信じたいです。Q.子どもにスルースキルは必要だと思いますか?回答数:1,273Q.スルースキルについて、エピソードやご意見があれば教えてください。回答数:164アンケート集計期間:2018/10/11~10/22
2018年10月26日「健康によくない」「ダイエットの敵」として認識されがちな脂質。実は、脳の機能を維持し、集中力や記憶力に欠かせないということをご存じですか?脂質は、重量にして脳の50~60%を占めています。特に重要なレシチン・オメガ3・コレステロールについて解説します。3つの種類と効果1.レシチンレシチンという脂肪酸は、記憶に関係する脳内物質「アセチルコリン」と「ミエリン鞘」の原料です。アセチルコリンは記憶力に関係する脳内物質です。人の顔は覚えているのに名前を思い出せないなどという記憶力の低下は、アセチルコリンの不足によるものです。ミエリン鞘は脳細胞同士の情報リレーをサポートする物質です。レシチンが不足し、ミエリン鞘が弱くなると、次の脳細胞に情報が届かなくなります。すると、買い物に出かけ、いざお店に着いたときに何を買おうとしていたか忘れてしまうなどの物忘れが起こります。2.オメガ3DHAやEPAなどのオメガ3とよばれる種類の油は、脳神経の発達や機能の維持に欠かせません。 特にDHAは脳の伝達情報に必要な神経細胞を活性化し、判断力や集中力を高めてくれます。また、EPAは血中の中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする働きがあります。脳内の血管の若々しさを保ち、幸せホルモン「セロトニン」の働きも良くしてくれる物質です。3.コレステロール体内のコレステロールのうち、4分の1が脳に存在します。脳の神経細胞は高度な情報処理をしているため、複雑な形をしています。その細胞膜の形と柔軟性を維持しているのがコレステロールです。ストレスに強い体をつくる副腎皮質ホルモンや性ホルモンもコレステロールを原料にしています。脂質のとり入れ方のコツ5つ1.卵を食べる卵黄に含まれる卵黄レシチンは、脳内の神経伝達物質のもとになります。また、卵はコレステロールを多く含む食材として知られているため、気になる方は避けがちですが、食事からとるコレステロールで、すぐに高コレステロールになることはありません。2.大豆製品をとり入れる大豆にはレシチンが含まれています。最近、大豆製品をとれていないなという人は、間食に豆乳を飲んでみて下さい。3.魚を食べる魚の中でも、さんまやさば・マグロやいわしなどの青魚にDHAやEPAが多く含まれています。特にイワシにはDMAE(ジメチルアミノエタノール)が含まれており、脳を活性化します。DHAやEPAは熱に弱く酸化しやすいので、お刺身で食べるのがベスト。煮魚やグラタン、缶詰などもいいいですね。天ぷらやフライなど高温で加熱する調理法は、貴重な脂肪分が半分以上流出してしまいます。4 .亜麻仁油やしそ油を使う細胞の機能を正常に保つには、オメガ3とオメガ6のバランスが大切です。しかし、日常的に使われる食用油や市販のドレッシング、加工食品で使われているのは、オメガ6のリノール酸がほとんど。そのため、オメガ6系の脂肪酸が過多になりがちです。オメガ3の亜麻仁油やしそ油を使い、積極的にオメガ3脂肪酸を補いましょう。オメガ3とオメガ6の理想の割合は1:1。現代の日本人は1:4でオメガ3の摂取量が少ないので、意識してとり入れたいですね。(※1)5 .チアシードをとるチアシードは、オメガ3脂肪酸であるα‐リノレン酸が豊富。グレープフルーツジュースやオレンジジュースに浸して吸水させ、塩こしょうや亜麻仁油・しそ油などを加えて味を調えるとデリ風サラダドレッシングが作れます。少しの工夫でオメガ6をオメガ3に置き換えることができます。記憶力を維持・向上するために、脳に必要な脂質をしっかり補って、健やかな毎日を過ごしたいですね。【参考】(※1)生田哲「食べ物を変えれば脳が変わる」PHP新書(2012年P62)生田哲「食べ物を変えれば脳が変わる」PHP新書(2012年P6,40,148)姫野友美「心療内科に行く前に食事を変えなさい」青春出版社(2016年P108~115) 【執筆者】衞藤敬子/管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
2018年09月20日トップライター:川筋真貴「PARADE!」は、イヌやウサギ、カメなどのさまざまな動物たちとのリズムバトルに勝って仲間をふやし、パレードを大きくしていくリズムアクションゲームです。バトルの内容は、動物が刻むリズムを再現すること。上手にマネして勝利するとその動物がパレードに加入して仲間になります。難しいけどハマっちゃうリズムゲームに、お子さんとチャレンジしてみませんか。タイトル画面、ストアでのアプリ検索結果の画面PARADE!アプリアイコン画像リズムを完コピして、みんなでパレード。リズム感と記憶力を高める、リズムアクションアプリ「PARADE!」は、自分のキャラクターの前を歩く動物が刻むリズムをおぼえて、画面をスワイプしたりタップしたりしながら再現する、リズムアクションアプリです。からだ全体でリズムにのって、ノリノリでプレイするのがステージクリアのコツ。リズムバトルに勝って、仲間をふやして、にぎやかに大行進しちゃいましょう。くり返し遊ぶうちに、リズム感だけでなく、短期記憶や反射神経も鍛えられること間違いなしです。親子で楽しむ使い方Androidでアプリをインストールし、Google Playに接続されると、「PARADE! によるリクエスト」が表示されます。「許可」をタップしましょう。チュートリアル画面で、キャラクターを設定します。※プレイヤーは、トップ画面の右上にある「人」→「プレイヤー画面」で変更できます。ゲームをはじめるまえに、「スタート」の左側のボタンで、難易度を選びましょう。最初は、タップ操作だけで遊べる「EASY」がオススメです。ゲームがはじまると、リズムバトルの対戦相手となる動物が登場。鳴き声でリズムを刻んだあとに、矢印やコインのアイコンが現れます。※EASYモードでは、矢印は現れません。基本操作は、上下左右のスワイプとタップだけ。矢印やコインとプレイヤーのキャラクターが重なった瞬間に、画面をスワイプしたり、タップしたりすると、動物のリズムをマネできます。青い下向きの矢印は、下へスワイプ。赤い上向きの矢印は、上へスワイプ。紫の左右向きの矢印は、左右のどちらかへスワイプします。スワイプするタイミングでスコアが変わるので、気をつけて。コインは、タップでゲットできます。※集めたコインは、背景のアンロックなどに使えます。リズムバトルに勝つと、動物はプレイヤーのキャラクターの後ろへ移動してパレードの仲間になります。失敗が続くと、動物は煙になって消えてしまいます。1回ミスするとUFOが近づいてきて、連続ミスが続くとUFOに連れ去られてゲームオーバー。結果発表の画面では、スコアとゲットしたコイン、仲間を確認できます。「BOSS」が出てくるステージで、ちょっと長めのリズムを二回連続でクリアすれば、ステージクリア。「BOSS」のメーターがゼロになるとボスも仲間になります。パレードの途中で、新しい動物が仲間になると写真を撮影する画面に切り替わります。「カメラ」→「つづける」をタップしましょう。ゲームスタート時に「3体仲間にする」「動物が出すコインをゲットする」などの「チャレンジ」が表示されます。チャレンジをクリアするとレベルが上がります。学ぶアプリ案内人のツボリズムゲーム初心者でもすぐにプレイできるシンプルなゲームですが、EASYモードでもなかなか手ごわい! EASYモードでリズムのコツとノリをおぼえてからNORMALモードにチャレンジするのが良さそうです。学生のころ夢中になって遊んだリズムゲーム、いまは手のひらの中で楽しめるなんて感激です。【DATA】アプリストアのスクリーンショット3点アプリ名:PARADE! – The Rhythm Battle[iPhone・iPad]PARADE![Android](Tilt Games)価格:無料アプリ内課金アリ対象学年:すべて【iPhone・iPad】カテゴリー:ゲームAppレーティング:4+【Android】カテゴリー:音楽&リズムコンテンツレーティング:3歳以上※紹介した手順・情報は執筆時のものです。川筋真貴(かわすじまき)中学校の国語教員を経てライターに転職。女性向けの媒体での執筆が多く、IT関係からファッション・ペット・インテリアまで、女性のライフスタイルに役立つ記事の作成を得意としている。趣味は長年続けている茶道と御朱印集め。東京都在住。
2018年08月29日書く力を育てるために大切なのは、子ども自身に「自分が肯定されている」という感覚を味あわせてあげること。そう教えてくれたのは、花まる学習会の竹谷和(たけたにかず)さん。子どもの心に寄り添いながら「書く力」を育ててきました。今回は、ついつい親がやってしまう「書く力」を育てるために「やってはいけないこと」、反対に、親が「書く力」を育てるために「やってあげたいこと」についてお話しを伺います。【花まる式:子どもの“書く力”の育て方】 Vol.1 読書感想文、親はどう関わればいい? 「言葉の力」を「生きる力」にする Vol.2 「書くこと」が苦手な子をサポートするには、親の意識改革が必要 ■やってはいけないこと その1.言葉を先に引き取る「これは、いわば、『わが子が言葉を発するのを待ってあげられない』ということです」(竹谷さん)。「はい。それは私です!」と、思わず取材中に挙手してしまいました(笑) たとえば、こんな日常会話をしていませんか?子:「えっと、もってくの忘れちゃった」母:「カバンにすぐにしまわないからから連絡帳を忘れちゃったんでしょう?」子どもの言葉には、「何を」「どうして」が抜けているのに、それを指摘せず、補足しきった質問で「確認」だけをしてしまっている…。「こういう会話が日常的になると、子どもから『自分で最後まで意思を伝えきる』という機会を奪うことになってしまいます」(竹谷さん) 普段の会話を、親が「引き取り(補足)」続けている子にとって、「作文を、『自分で終わらせる』こと」は、とても難しい事柄に感じるそう。そういう子は、ダラダラ何十行も一文を書いてしまったり、普段の会話を完結させられないこともあるそうです。「作文を終わらせるためには、言葉を探さなければなりません。子どもが区切りのつけ方を経験できるようにしてあげてください。『いつも必ず』は難しいかもしれませんが、できるだけ最後まで子どもに会話を締めくくらせましょう」(竹谷さん)■やってはいけないこと その2.ほめ「過ぎる」「作文で危ないのは、『評価』です。これが、じつは一番の落とし穴だとすら思います。評価されすぎると、『人のために書く』作文になってしまいがちなのです」(竹谷さん)書きたいことを、手を抜かずに、書く。これが大事で、同時に難しいところでもあります。本当は、ただ楽しくてクレヨンを動かして描いた絵と同じように、自分が書きたくて書くこと。書く動機は「外の誰か」ではなく「内なる自分」にある、という感覚。「褒められること=成功体験」が本当に大事であるということには、疑う余地がありません。けれども、過剰にほめすぎて、評価という軸がないと書けないというような、見返りをもとめて書くような子にはしたくないですね。そのために親ができることは、何なのでしょうか? 「お子さんが書いたものについて、『すごいね』『上手だね』だけでなく、『この言葉選びがいいね』「ここからここまでが読んでいて、一番ひきこまれたよ」など、具体的に、ご自身がいいと感じたことを言葉にして伝えてあげてください」(竹谷さん)日常生活の中で、何気なくやっていることが、じつは「やってはいけないこと」だった…。指摘を受けて、「ハッ!」としましたが、「そこを、気をつけよう!」と思うキッカケになりました。今度は、「やってあげたいこと」を教えていただきます。 ■やってあげたいこと その1.「親子インタビュー」の時間を作る「子どもに『書く力』をつけてあげたいなと思ったら、インタビューをしてあげるのが、おすすめです」(竹谷さん)自分から何でも話す子はそのままでいいのですが、学校や外でのことをあまり話さない子も多いと思います。聞いても「忘れた!」とすぐに言うタイプです。いろいろなことを経験して感じているはずなのですが、それをわざわざ思い出して伝えることには価値を感じていません。そういう子には、1分でもいいので、できるだけその日にあったこと=子どもが思い出しやすいことをテーマに聞いてみてください。本人が話したくなるような好きなことを切り口にしてみましょう。また、「お母さんとお子さん。一緒に日記を書いても良いですね」(竹谷さん)。低学年の子どもたちは、ママと過ごす時間が多いはずなのに、親子で日記の内容は面白いほど違うそうです。「お母さんが、『子どもと私、これだけ違うものを、見ているんだ!』ということを感じるだけでも、とても意味があります。一日1行でもいいですよ」(竹谷さん)。■やってあげたいこと その2.「思わず観察してしまう時間」を確保する「作文(文章)を書くときには、まずは丁寧に観察できているかどうかが、すごく大事です」(竹谷さん)。この「ものを見る目」というのは、感性とも言い換えられそうです。同じ場所から同じものを見ても、感じること、思うこと、気づくことというのは、人によって千差万別です。では、観察が上手になるには、どうすればいいのでしょうか? 「もっとも必要なのは、『思わず、観察してしまう』というような時間や環境を、確保してあげることです」(竹谷さん)。これは言い換えると、子どもが、ぼーっとしたり道草をしたりといった、ルールのない時間です。それは大人からすれば一見意味のない時間のように思えるかもしれません。けれども、今、大人が意識して作ってあげないと、「予定のない時間」を持つことができない子も多いのです。「書くことを支えているのは、じつは五感を伴う体験と、それに付随する知的な思索です。大きくなったときに、『あの時の、あれって、めちゃくちゃ楽しかったよね』といった心動く経験があるかどうかが大切です。長いお休みのときは、意識して子どもたちにそういう時間をぜひとも作ってあげて欲しいと思います」(竹谷さん)いかがでしたか? 「子どもの『書く力』を伸ばさなきゃ!」と思うと、ついつい肩に力が入ってしまいます。けれども、竹谷さんのお話しを伺っているうちに、「ゆったりした気分で、子どもの言葉を大切にしていけばいいのかも」という気持ちになりました。そんな解脱の境地(!?)、ママと子どもたちが過ごせることを願っています!■今回のお話を伺った竹谷和さんのご著書『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』花まる学習会 高濱正伸 竹谷和著/実務教育出版 ¥1,400円(税別)●高濱 正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: ●竹谷 和さん千葉県生まれ。一橋大学卒業。花まる学習会教材開発部。現場を持ちつつ、年中から中学3年までの幅広い学年に対しての教材開発・各種出版に携わる。社会に出て生きていくために、読み書きをベースとした言葉の力が欠かせないという問題意識のもと、講演会、出版、読書感想文講座等を通じて、言語表現に関する親と子の橋渡しをしている。
2018年08月09日「読書感想文、どうしよう?」。子どもに相談されたことがあるママも多いのではないでしょうか? 「○年生なのに、こんな作文でいいの?」「書くことを、面倒くさがる」。わが子の作文問題、気が重いですよね…。そこで、花まる学習会の現場で子どもたちを見つめ、「書く力」を育ててきた竹谷 和(たけたに かず)さんにお話しを伺ってきました。●今回のお話を伺った竹谷 和さんのご著書『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』「花まる学習会」とは数理的思考力・読書と作文を中心とした国語力に加え、野外体験を三本柱として、将来「メシが食える大人」そして「魅力的な人」を育てる学習塾。代表は、数多くのメディアでも紹介された高濱正伸さん。竹谷 和さん花まる学習会で、語彙や言葉のセンスを磨く「特国」コースを担当。多彩な指導経験と言葉の力を活かして、講演会も行っている。■「言葉の力」は「生きる力」になる竹谷さんは言います。「私は、子どもたちを、『言葉の力を備えた状態』で社会に送り出してあげたいと思っています」。言葉の力とは、つまり、「生きる力」そのものです。卑近な例を引くと、中学受験、高校受験、大学受験、就職試験。社会で活躍できる人を採りたい場面では、言葉の力は、有利に働くことでしょう。「文章という表現手段を自分のものにできている人は、行動に加えて言葉で人を説得し、人を動かすことができます」(竹谷さん)子どもが言葉の力を備えるための、「根っこ」は、何なのでしょうか? それは、「書くことはおもしろい」と、子ども自身が思えていることです。本連載では、「子どもが書くことをおもしろいと感じるようになるために、親はどうすればいいのか?」を、考えてみます。■子どもと大人。文章指導の方法はまったく別!竹谷さんは、花まる学習会の現場で4歳児から中学3年生までの子どもたちを見てきました。その経験から、あることに気がついたそうです。「『ある時期』までの子どもへの文章指導は、大人と同じ方法である『べきではない』んです。端的に言えば、『ある時期』までの子どもの書くものに対して、親が持つ欲求や希望をそのままぶつけてもあまり効果がありません」(竹谷さん)■「赤いハコ」と「青いハコ」という考え方では、どうしたら良いのでしょうか? 「ある時期」を語る前に、その大前提として、花まる学習会の考え方である「赤いハコ」と「青いハコ」というものさしをご紹介しましょう。「赤いハコ」というのは、大体4歳~9歳ごろのいわゆる「幼児期」。そして、「青いハコ」というのは10歳ごろから18歳ぐらいまでの「思春期」を含む時期です。■「話す」より、「書く」ことの方が難しい「赤いハコ」の子をイメージしながら、下の表を見てみて下さい。表にしてみると、同じ「発する」という行為でも、「話すこと」と「書くこと」では、「話し言葉」と「書き言葉」という違いがあるのがわかります。●「書く」の位置づけを整理結論からお伝えすると、「赤いハコ」の子にとっては、まだまだ「書く」ことは、「話す」ことより、随分とハードルの高いことなんです。この「ハードルの高さ」を、親がしっかりと認識しておくこと。ここが、「書く力」を育てるスタート地点です。■言葉のキャッチボールをできるようにするにはその次に必要なことは、何なのでしょう? 「それは、子どもに“受け手”としての実体験をたくさん積ませてあげることです」(竹谷さん)受け手としての実体験とは、どういうことでしょうか? 竹谷さんは、キャッチボールを例にお話しをしてくれました。「普段の生活や仕事で、“相手を言い負かす”ことが必要な人ってほとんどいませんよね。相手の意図を汲み取って反応したり、自分の言いたいことを相手に伝わるように発する。そんな風に、相手ありきで言葉をつかう、コミュニケーションができることの方が大事なのではないでしょうか。野球に例えると、相手に打たれない剛速球ではなく、相手がしっかり受け取れる球を投げられることの方が大事なのではないかと思います」(竹谷さん)。「キャッチボールが上手にできるためには、この速さだったら受け取れるかな、とか、この軌道はどうかな、こう投げたら面白がってくれるだろうな、といったように、相手への想像力が必要です。その想像力のベースとなるのは、自分がこれまで“ボールの受け取り手”としてどれだけ経験を積んできたかということです。言葉もキャッチボールと同じで、じつは“受け手側”としての経験が多い人ほど、「この言い方なら、相手に伝わるかな」「このテーマってみんなわかるのかな?」といった想像を働かせることのできる範囲の広さを持てているのです」■子どもの文章を修正するより大事なこと「子どもが書いた文章について、あれこれツッコミを入れ赤入れすることは簡単です。すぐに指摘だけで真っ赤になるでしょう。ただ、それでは、どうすればいいのかは子どもに伝わりません。それよりも、『赤いハコ』の時代を生きている子どもたちにとっては、受け手として実体験をどれほど積ませてあげられるか? そちらの方を、大切にしたいと思っています」(竹谷さん)。「赤いハコ」の時代に、“豊かな受け手”としての実体験を重ねることは、いい発し手になるための大事な土台なのだそう。「“発し手”として、『書き言葉』を操れるようになるまで、いかに、『書く』ということに対して、子どものやる気を失わせずにいられるか? そこの橋渡しを上手にしてあげたいと考えています」(竹谷さん)。どう子どもに接すれば、この「橋渡し」を上手くできるのでしょうか? 次回は、子どもの「書く」という意欲を育てる具体的なヒントについてお話しを伺います。■今回のお話を伺った竹谷和さんのご著書『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』花まる学習会 高濱正伸 竹谷和著/実務教育出版 ¥1,400円(税別)●高濱 正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: ●竹谷 和さん千葉県生まれ。一橋大学卒業。花まる学習会教材開発部。現場を持ちつつ、年中から中学3年までの幅広い学年に対しての教材開発・各種出版に携わる。社会に出て生きていくために、読み書きをベースとした言葉の力が欠かせないという問題意識のもと、講演会、出版、読書感想文講座等を通じて、言語表現に関する親と子の橋渡しをしている。
2018年08月07日良好な人間関係は、幸せを感じる上でもっとも重要な条件のひとつ。共感力のある人は、そうではない人より成功の度合いが大きいことも研究からわかっています。共感力を身につけることで、他人も自分自身も、より尊重できるようになるそう。今回は、そんな「共感力」についてお伝えします。【世界一幸せな国デンマークの子育て】連載 Vol.1 日本の子育ては、子どもを「幸せな大人」にできるのか? Vol.2 困難に負けない「折れない心」を育てるために、親ができること ■共感力って、何ですか?共感力とは、他人の気持ちに感情移入できる力。その感情を理解するだけではなく、気持ちに寄り添うことができる力のことを言います。「共感力がありすぎると、いまの世の中、かえって生きづらいんじゃないの?」。そんなふうに思うかもしれませんね。でも、ちょっと想像してみてください。成功している人は一人で働いてはいません。人生においてプラスの結果を得るためには、他人のサポートが必ず必要です。たとえばママが「この人と一緒に仕事をしたい!」と思う人は、どんな人でしょうか? きっと自分の感情に、きちんと向き合ってくれる人なのではないでしょうか?■完璧なママの子どもは、共感力が低くなる?じつは、「何でも、ちゃんとできちゃうママ」は、子どもの共感力の発達に悪影響を及ぼすことがあります。「わが子に失敗させたくない」「嫌な思いをさせたくない」と、子どもの前の石ころをせっせと拾い、子どもの願いをすべてかなえてあげようとするママ…。完璧なママとして弱い自分を子どもに見せないと、子どもが持つ「他者の感情を読み取る能力」の発達をさまたげ、ひいては共感力を減退させてしまいます。過保護な家庭に育った子どもはナルシシズム、不安障害、うつ病になりやすい傾向があるそうです。なぜなら子どももまた「完璧な自分」を作り上げようとしますが、そのための行動と、本来の自分の感情とが一致しないために、自己調整がうまくいかないからです。■子どもの感情を受け止めるでは、どうすればいいのでしょうか?デンマークの親は、子どもと話をする前に、子どもの感情をまず受けとめることを考えます。「どうしたの? なぜ泣いているの?」その後、親の目線から見える内容を伝えます。「あなたは怒っているのね。どうして怒っているの? あの子がおもちゃを取ったから? あの子はまだ小さな赤ちゃんなの。わざとやったとはママには思えないわ。あなたは、どう思う?」子どもの感情に常にもっともな理由があるとは限らないですし、簡単に解決できる方法が見つかるとも限りません。しかし、少なくとも子どもの感情を受け止めて批判しないように努めれば、親は子どもに「人を尊重すること」を教えることができます。■デンマーク流「共感力」の育て方自分が何かを思うたびに「ばかばかしい/不必要/間違っている」と批判され、「こう感じるべきだ」と強要されたら、ちょっと、いや、相当イヤな気分になりますよね?(笑) デンマーク流の共感力の教育の大きな柱は、批判しないことなんです。デンマークの親は、自分の子どもやその友人や家族に厳しすぎる批判をしません。一番声が大きい人だけではなく、家族の全員に、「意見を尊重してもらう権利がある」と考えているからです。自分にも他人にも、「寛容であること」が最優先。子どもは、ママのマネをします。寛容なママの姿勢は、子どもを「他者への批判が少ない大人」に成長させる助けになることでしょう。この「他者」は、ほかならぬママ自身も含まれています。■日本のママはどうしたら感情を受け止められる?そうは言っても、日本のママにとって「批判なく子どもの感情を受け止める」のは、なかなか難しいこと。なぜなら、自分が「批判なく感情を受け止めてもらった経験」が、あまりないからです。まずは、自分の共感力のスタイルを理解することから始めましょう。次の質問について考えてみたり、パパと話し合ってみたりするのも良いかもしれませんね。<「共感力」のヒントへの問い>・私にとって、共感力はどんな意味を持つ?・私のパートナーにとって、共感力はどんな意味を持つ?・私は、自分と他人に批判的? パートナーは、自分と他人に批判的?・そのことが、言葉の使い方にどのように反映されている?・もっと共感力を強めて批判を減らすために、言葉遣いをどう変えればいい?■壊れた人間関係は、心理的ダメージを受ける壊れた人間関係は、肉体的・心理的なダメージの原因になることが証明されています。共感と許しは、脳の同じ領域を活性化させるため、共感力を磨けば、「許す・許される」が楽にできるようになります。大切な友人や家族との良好な人間関係。これはお金よりもはるかに大切な、真の幸福を決定づけるもっとも重要な要因のひとつなのです。■デンマーク企業で働く女性たちの声デンマーク人の子育てが、日本人の私が「無意識に伝承していた子育て」と大きく違うことにカルチャーショックを受けました。これぞ異文化体験なのでしょうか!? この記事を書くためにデンマーク企業で働く女性たちにお話しを聞いてきました。ある人は、「デンマーク人の上司は、私に寄り添ってくれます。『必要なことがあったら、サポートをするから遠慮なく言ってね』というのが、彼らの基本スタンスなんです」とおっしゃっていました。毎日、子どもを叱ってばかりで苦しい。そんなとき、「子どもが『未来の幸せな大人』になるために、適切なサポートって何だろう?」。ちょっと立ち止まって、考えてみることができると良いですね!■今回の記事の参考文献 『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』 ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー/イーベン・ディシング・サンダール 著/鹿田昌美 訳/集英社 ¥1,500(税別)ジェシカ・ジョエル・アレキサンダーさんアメリカ人の作家、コラムニスト、文化研究者。デンマーク人と結婚して13年になり、常に文化の違いに強い関心を持ってきた。イーベン・ディシング・サンダールさんナラティブ・セラピーの認定療法士など資格を持ち、コペンハーゲン郊外で個人診療を行う。専門は家族と子どものカウンセリング。翻訳者 鹿田昌美(しかた まさみ)さん国際基督教大学卒業。訳書に「フランスの子どもは夜泣きをしないーパリ発『子育ての秘密―』(集英社)など多数。
2018年04月20日こんなに「子どもが、子どもとして存在する」映画はこれまであっただろうか? ひと言でいえば、映画『泳ぎすぎた夜』は、そんなことを思わせる作品です。描かれるのは、少年の過ごすたった1日のこと。その日になにか特別なことが起きるわけではありません。ごくごくありふれた日常でしかない。でも、主人公の少年の一挙手一投足から目が離せなくなる。この映画を観ると、「親は子どもの持つ力をもっと信用しないといけないのでは?」と、問いかけられている気がします。世界の映画祭でも“いままでにない、子ども映画”と高い評価を受けた本作の五十嵐耕平監督とダミアン・マニヴェル監督に話をお聞きしました。■大人にコントロールされない本当の子どもの姿とは『泳ぎすぎた夜』で驚かされるのは、少年のほんの些細で日常的な行動になぜか目を奪われてしまうところ。子どもの世界や子どもの時間そのものが作品に刻まれています。どうやったらこんな子どもの自然な姿をとらえられるのだろうか。――どうして子どもを主人公にした作品を撮ろうと、思ったのでしょうか?五十嵐耕平監督(以下、五十嵐):二人の意見で、「雪国での少年の物語」ということになったんですが、僕が「子ども」という題材に取り組みたかった理由は、その存在の曖昧さというか。ひと言でいうと、子どもって次にどんなことをするのかリアクションが読めないから。たとえば大人だったら取っ手のある荷物を持つとなったら、迷わずその取っ手をつかんで持ち上げる。その行動はこちらの想像の範囲内で収まります。でも、子どもの場合は、想像に収まらない。取っ手があってもそれをつかまないで、もちあげようとするかもしれない。そんな子どもの意外性のある感性が引き出すことができたら、おもしろい作品ができるんじゃないかなという漠然とした考えがありました。ダミアン・マニヴェル監督(以下、ダミアン):ただ、子どもを主人公にした映画ではあるんだけれど、通常のアプローチとは違うものにはしたかった。五十嵐:通常の映画に出てくる子どもは、ほとんど子役です。映画の撮影というのは、基本的にすべてにおいて大人の都合で進んでいく。何時から何時までというスケジュールから、セリフを言うタイミングまで大人の指示。子どもの役を任された子役はその指示どおりに動くわけです。ふと、「そこにほんとうの子どもの姿が存在しているの?」と疑問に思ったんです。僕たちが撮るのであれば、子どもの本質をとらえたい。大人にコントロールされていない子どもの本来の姿を映画の中に落とし込めないものかと。ダミアン:コントロールできないということはリスクがあるということ。撮影が滞りなく進むとは限らないし、最悪、映画が完成しない可能性も否定できない。でも、子どもはすごくクリエイティブ。被写体としては最高で、そこに賭けてみようと思ったんだよね。■「子どものルール」は大人とはまったく異なる?監督たちは、「いまどきの子どもはシャイでおとなしい」といったイメージを持っていたそうだが、主人公を演じる古川鳳羅(こがわ・たから)くんはそのイメージとまったく違ったと話します。鳳羅くんは、自分の想いを体ごとぶつけてくるエネルギーを持ち、次の瞬間、何を考えてどう動くのかまったく予想できなかったとか。――演技経験のない彼を起用して映画作りに取り組まれたわけですが、子ども本来の姿をひきだすため、どんな創作がなされたのでしょうか?五十嵐:鳳羅くんに出会ったことで、はじめて形になっていたことが多いですね。子どもの純粋な姿を撮りたいと思っていたわけですけど、鳳羅くんに接するようになって、子どもには「子どものルール」があるということがわかってきました。ただし、大人が考えたルールからは完全にはみだしているんですけど(苦笑)。時間の使い方、何に目的意識を持つのか、何に興味を持つのか。これらが大人とはまったく違う。同じ風景をみても、大人が考える範囲以外のところを見ていて、まったくの別世界を感じていたりする。それを映し撮りさえすれば、自然と目指すものになるのではないかと思いました。ダミアン:僕は鳳羅くんの中に、喜劇王のチャップリンを見いだしていました。彼ならきっと人とは違う世界を見せてくれる。たぶん彼が次にどんなリアクションをするのか楽しみで目が離せなくなると。五十嵐:僕ら大人はもう子どものころの感覚って、忘れてしまっている。考えたところで浅はかなアイデアでしかない。だから、そこに頼るよりも、鳳羅くんを信じる。こちらの枠にあてはめないで、彼に自由にやってもらう。そうすれば、なにか彼から子どもならではのことが出てくるだろうと。たとえば犬を相手にほえ合うシーンがあるのですが、犬にほえられたら、本能的な反射で彼はほえ返す。それだけなんだけど、もう目がくぎ付けになる。最終的には、僕たちが、鳳羅くんの世界に入っていって、そこで映画を撮る感覚でした。■「子どもの正しい判断力」を親は奪っていないか少年は父の仕事場を探して、寒さ厳しい雪の中、道をトコトコ歩いて、電車にのって記憶をたよりに目的地を目指します。しかし子を持つ身としては、ついつい“危ない”とか“気をつけろ”とか思ってしまう。しかし一方で、もっと子どもの本能を信用しなければいけないという気にもさせられます。筆者自身、「寒いから手袋して」、「マフラーまいて」とか、本人任せにしてもいいことまでついつい口を出してしまっている気がします。でもそんなこと言わるまでもなく、「子どもには子どもの正しい判断力」があって、過度な干渉は必要ないのではないか? といったメッセージが作品から伝わってきます。五十嵐:雪が降っている中で、子どもがひとりで出かけるというのは相当危険な行為だと思います。道をわたるのも危なっかしいし、電車に乗るのも大丈夫かなと思いますよね。子どもにとっては大冒険。ただ、こうした経験を多かれ少なかれ僕らも子ども時代に体験しているんじゃないですかね。海で泳いでいたら、想像以上に沖に出てしまったとか(笑)。それで初めて身をもって危険を感じる。そういったことはいまでもふと頭をよぎる瞬間があって、忘れてはいない。こういう判断力って自分で実際に経験して初めて実感として体得していくような気がするんです。それが自分の生きていく上での力にもなる。危ないことは知識として知っているけど、「どう危ないのかわからない」ことが本当は危ない気がする。もちろん経験することの限度はあると思うけれど、危険なことをすべてシャットアウトしてしまうのはどうなんだろうと個人的には思います。僕自身も今回、鳳羅くんをとおして、子どもの判断力や自立心をもっと信じてあげてもいいんじゃないかなと思いました。ダミアン:そして子どものときの自由な時間、ひまな時間ってすごく長い。大人になると、「子どものとき、あんなに時間があったのに、なんでなにもしなかったんだろう」って思ったりするぐらい(苦笑)。この「自由に想像をめぐらす時間」も子どもには必要なんじゃないかなって思いました。こういう自由な時間が持てるのも、じつは子どものときだけなんじゃないかな。だからこそ大切にしてあげたい。実際の日本についてはよく知っているわけではないけれど、なんとなく日本の子どもにはあまり自由がない印象がある。フランスはもうちょっと自由がある。ただ、怒るときは世界共通で、親はものすごく怖いけどね(笑)■「子連れのお母さんを見守りたい」と思える作品本作を撮るときに、監督たちは鳳羅くんと男同士の約束を交わしたと言います。たとえば「今日は終わったら一緒に遊ぶから、あとワンシーンは撮ろうね」と。それを鳳羅くんが守れないときは、きちんと叱ったそう。「映画とか僕の都合ではなくて、人と人が約束したこと。僕と鳳羅くんの問題だから。」と五十嵐監督は話します。――今回の作品をとおして、自身の少年時代といまの子どもたちと比べて、感じた違いはありましたか?五十嵐:たとえばスマホといった社会や時代で表面的なことは変わっている。でも、本質的なところでは、あまり変わってないんじゃないか。子どもは子どもでしかなくて、じつは僕たちが子どものときとなにも変わらないのではないかと思いました。ダミアン:僕も同じ意見。たとえばパリの子は大人っぽいし、田舎はもっと子どもっぽい。でも、子どもの持っている本質みたいのはまったく変わらないんじゃないかな。五十嵐:たとえば鳳羅くんはゲームが大好きです。でも、あんな雪国に住んでいるのに、雪でも楽しんで遊ぶんですよね。「雪=ちょっとウキウキ」みたいな感覚は、子どもから失われていない。――お二人ともまだお子さんはいらっしゃらないということですが、ご自身も将来、子どもを持ちたいと思いましたか?五十嵐:想像できないというのが正直なところ。でも、毎日のこと考えると、大変ですよね。とくに悪ガキの男の子をもったら(笑)。今回、鳳羅くんと接するなかで、僕は自分の母に感謝しました。そして東京などで電車に乗っていると、子連れのお母さんをよく見かけます。いつも大変そうだなと思ってましたが、その苦労は想像以上だと思う。もっと社会として優しい目でみていいんじゃないかなと思いました。ダミアン:想像はしましたね。自分も「子どもをもったらどうなるのか?」と。たぶん大変。でも、そうなったらがんばるしかないかな(笑)『泳ぎすぎた夜』4月14日(土)よりシアターイメージフォーラムほか全国順次公開日本の五十嵐耕平監督とフランスのダミアン・マニヴェル監督が、青森県平川市に住む小学二年生の男の子、古川鳳羅くんとともに作り上げた、これまでにない子ども映画。ある朝、すでに仕事に向かっていない父親にふと自分の書いた絵をみてほしいとおもった6歳の少年。思い立ったが吉日と彼は父親の働く魚市場へ! ここから少年のとても小さいけど、本人にとっては大きな冒険がスタートする。子どもだけに流れる豊潤で自由な時間を映像に映しこむことに成功したそのシーンの数々に驚かされる1本。大人が見過ごしがちな、子どもの可能性と豊かな感性を体感できることでしょう。
2018年04月13日そんなこと覚えていたの? 4歳の長男くんの記憶力に驚かされたエピソード。人気インスタグラマーグラハム子さんの書下ろしコミックエッセイです。まさか1年も前のこと覚えてるの?こんにちは、グラハム子です。4歳息子と2歳娘、それからイザム似の夫と亀と猫と暮らしています。最近暖かくなってきて猫の毛が生え変わる時期になりました。この時期はもういくら掃除してもすぐ毛だらけです。すごく愛しているけど憎らしい。猫も、夫も。さてそんな中、先日息子がお雛様の工作を持って帰ってきました。 それは去年、まだ幼稚園に入園する前に家で作ったものでした。昨日の昨日=ずっと前=去年、と言いたかった模様。まさか息子が1年も前のことを覚えていたなんてびっくりしました。覚えていてくれて嬉しかったのと同時に、これからはもう息子の前で下手なこと言えないなと思いました(笑)そしてこれからは今まで以上に色々な思い出をつくってあげたいなと思いました。いつか大人になった時、子ども達の中に沢山楽しかった記憶が残ってくれれば、と願う親心であります。
2018年03月23日こんにちは。赤澤 えるです。思い出の服を持ち寄る連載『記憶の一着』、第4回です。たくさんの服が捨てられる世の中で、残る服って何だろう。それはどうして残るのだろう。それを手放す時ってどんな時…?服の価値、服の未来、ゲストのお話をヒントに考えていく連載です。赤澤える▶︎赤澤えるのインタビュー記事はこちら本日のゲストはミュージシャン・永原真夏さん。人気バンド「SEBASTIAN X」の活動休止後すぐにソロ活動をスタートさせ、今年3月には初のソロアルバムをリリースしたばかり。顔立ちからは想像のつかない力強い歌声と圧倒的な歌唱力を持つ彼女が選ぶ、「記憶の一着」とは?このライダースが“正装”真夏:このライダースはいつも着ているから、思い出を挙げようとしたらもうありすぎるんだけど…着ていて楽しかったなって思い出すのは、サンフランシスコに行った時のこと。夜は少し寒かったからこれを着ていたんですけど、昼は暑かったからつばの広い麦わら帽子をかぶっていたんです。ライダースと麦わら帽子を組み合わせている私を見て、街ゆく人が「最高の組み合わせだね!」って次々言ってくれたんです。雑な組み合わせになっちゃったと思っていたけど意外と関係ないのか!って、1つ自分のスタイルになったかもしれない。でももう、このライダースとの思い出はそれだけじゃなく色々あります。える:真夏さんにとってはトレードマーク的な存在ですかね。真夏:そうですね、定番です。寒かったら着る。私にとってはこれが正装でもあります。それを着るまでは何を着ていたかは…あれ、なんだろう、分からない…える:それだけこのライダースが自分にしっくりきて着続けているんですね。真夏:あ、でもその前の服が1つある!私、中学生の時に着ていたピーコートを20代になっても着ていました。多分、気に入ると延々と着るタイプなんです。好きなものがずっと変わらない。困ったなぁってくらい。える:物持ちが良いだけでなく、自分の定番を作るのが上手なんですね。真夏:でも、リリースの度にビジュアルや印象で変化を表現したい気持ちはあるんです。けど、自分の趣味が変わらないからもう仕方ないなって最近思い始めました。える:それってすごい良いところですよね。変えちゃいけないって思っていたり、誰かから指示されているわけじゃないんですもんね。真夏:好きなものが変わらないっていうのと不精な性格が合わさっているだけなんですけどね。これより好きなものがないっていうシンプルな気持ち。私はこれなんだ!っていう気持ちよりも、ただただこれより気に入るものが見つからないんだっていうだけ。える:おばあちゃんになっても着てるんだろうな。真夏:そうですね。でもこれ小さいから太らないようにしないと。ちょっと太ったらパツパツになっちゃうから(笑)でもね、この小ささが可愛くて。もしかしたら新しいのに出会えるかもしれないって思って探したこともあるんですけど、大きすぎたり長すぎたり、仲がボロボロだったり革の臭いが気になったり。結局これなんだなって思っています。もう自分に馴染んでる。最高の一着ですね。える:この服をもし手放すとしたらどんな時ですか?真夏:えー!手放さないです。最後まで自分の元が良いです。自分の子どもでも「自分で買いな」って言います。自分のスペシャルは自分で探してほしい。だからあげたりはしないかな。ひとりぼっちで聴いてほしいえる:あたたかいコミュニティですね。場所を作りたいっていうのはライブも含むと思うんですけど、真夏さんは自分の楽曲をどういう風に聴いてほしいですか?真夏:うーん、ひとりぼっちで聴いてほしいかな。自分の音楽の向き合い方がそうだったので。ライブハウスでは楽しんでほしいから自分も盛り上げたり煽ったりはするんですけど、自分がお客さんだったらその輪の中には入らないです。バーカウンターのところでじっとしているタイプ。ステージから盛り上げるのは大好きなんですけどね。私はみんなと盛り上げるのが好きなキャラクターだと思われがちなんです。歌がパワフルだと言われるからなのか、人見知りしないと思われているからなのか。そういう“パブリックイメージと実際の自分はイコールではない”っていうことにはもう慣れちゃったんですけど。える:ギャップがあるというのは散々言われてきたんですね。真夏:うん。そういうわけで、基本的にはひとりで聴くってことしか知らない。私はイヤホンやヘッドホンで聴いていたい。レコードやスピーカーでも、ひとりで。そうやって音楽に向き合ってきたから。だからライブを観に行っても盛り上がりたいって思ったことはないです。そういう場所で友達を作りたいって思ったこともない。むしろ誰とも友達になりたくないし、友達は少ない方が良いと思っています。でも、それでも友達になった人たちがいる。私がライブをするライブハウスってそういうところ。でもライブハウスに来る人たちって、実は誰も友達を作りたいと思って来ていないんじゃないかな…って思います。誰とでも仲良くなれてコミュニケーションが取れる人たちじゃなくて、誰もわかってくれなくていいやって思ってるんだと思う。それで「お前も誰もわかってくれないよな〜!」っていう出会いをする。わかってくれよ!っていうのが内心にあるとは思う。やっぱりはぐれた人たちが来るところだから。える:真夏さんの歌声を聴いている時に孤独を感じたことってなかったから、改めてひとりでじっくり聴いてみたい。精神的にひとりぼっちの時、どう聴こえるか感じたい。真夏:うんうん。そういう時とか、帰り道とかで聴いてほしい。《アルバム INFO》永原真夏「GREAT HUNGRY」instant GALAクラウドファンディングあの日、あの時、あの場所で、あなたは何を着ていましたか?「載せたら終わり」の新時代、載せても終わらないものは何ですか?服への愛着・愛情を喚起し、ソーシャルグッドなファッションのあり方を発信する、思い出の服の祭典。4月22日(日)渋谷WWW Xにて初開催です。
2018年03月16日こんにちは。沙木貴咲です。キャリア志向の女性は、どちらかというと恋が苦手かもしれません。バリバリ仕事をする人ほど、忙しいことを理由にフリーでいることが多かったり、男性に対して素直になれなかったりするのでは?でも、「仕事ができるから恋が苦手」というのは、誤った思い込みなんです。スキルだけで言うと、仕事ができる人は恋愛も上手にできるはず。もしうまくできないなら、自分で自分にリミッターをかけている可能性があるんです。■■仕事力が高いとは、つまり恋愛力も高いということ仕事ができる人は、まず勇気があります。そして、判断力や行動力、交渉力、スケジュール管理能力、情報収集力なども優れています。さまざまな能力を駆使して業務をこなし、高い成果を上げるのですから、基本的にとてもバランスの取れた魅力的なタイプだといえるでしょう。「仕事ばっかりしてるから恋愛は苦手・・・・・・」というのは完全な思い込みにすぎません。本来は、恋も上手にできるはずなんです。判断力や行動力が優れていて勇気があるということは、自分にふさわしい男性を正しく選び、アプローチもできるということ。また、情報収集力とスケジュール管理能力があるなら、モテを意識したファッションに身を包んで、仕事が忙しくてもデートはできるに違いありません。しかもデキる人は、社交性やコミュニケーション能力も高いことがほとんど。デートで男性と楽しくおしゃべりして気に入ってもらうことが、難しいわけがないんです。つまり、キャリア志向の女性や仕事がよくできる女性こそ、恋愛上手になれるんですね。■■「恋は苦手」という思い込みを作る原因じゃあ、何が「恋は苦手」と思わせているのかというと・・・・・・原因は大きく分けて2つあります。1.自分自身への期待を高くしてしまうこと2.自分の女性性を否定して、“恋する私”を恥ずかしく思うこと1については、仕事ができると職位やお給料がアップして、周囲からも一目を置かれるようになり、自然と自意識が高まることが原因です。「私にふさわしい男性は年収1000万円以上」「今の私には、それなりのスペックの男性じゃなきゃつり合わない」という思い込みを無意識のうちに持って、恋がしづらくなるでしょう。2は、仕事で男性と肩を並べて働く女性にありがちな、「女性らしさを見失うこと」が原因。甘えることができなかったり、女の子っぽいカワイイ態度を取る自分に違和感を覚えたりすると、好きな男性の前で素直になれなくなります。仕事に一生懸命になることが、皮肉にも恋愛へのハードルを高くする原因になってしまうんです。■■あなたの中に『恋の成功法則』はすでにある!生活が仕事中心になっていて彼氏いない歴が1年以上・・・・・・という人は、「彼氏を作ること」に一生懸命になる前に、「仕事が成功する鉄板法則」をちょっと考えてみてください。チートともいえる小手先のワザだけでは、本当の成功はあり得ないですよね。案件が大きくなるほど、高い利益を長く上げ続けようとする時ほど、「人との信頼」が大事になるのではありませんか?部署や店舗スタッフとのチームワークがしっかりしていること。取引先から「イエス」を引き出すには誠意が必須だということ。お客様に心を尽くし、絶対に嘘はつかないこと。仕事ができる女性なら理解できているはずです。そしてこれは、恋愛も同じ。彼氏はつまり、自分が心から信頼できる人なんですね。どんなに高収入で有名企業に勤める男性であっても、気を遣わなきゃ付き合えない人は彼氏にならないし、意地を張って本音を明かせないならば、やっぱり恋愛はできないでしょう。仕事も恋愛もやり方は同じ。あなたの中に『恋の成功法則』はすでにあるんですよ。■■彼氏を作る=信頼できるパートナー自分が心底信用できると感じて、思わず素の姿を見せてしまう男性こそ、あなたの彼氏となる人です。気負わず肩の力を抜いて、自分に嘘をつかなくてもいい“パートナー”を探してみてください。そう、頑張り屋なあなたが、つい女の子でいることを忘れてしまうところも、「しょうがないな」と思ってくれる人。彼氏って、意外と身近なところにいるかもしれませんよ!(沙木貴咲/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年02月26日こんにちは。赤澤 えるです。思い出の服を持ち寄る連載『記憶の一着』第2回です。たくさんの服が捨てられる世の中で、残る服って何だろう。それはどうして残るのだろう。それを手放す時ってどんな時…?服の価値、服の未来、ゲストのお話をヒントに考えていく連載です。運命の出会いを生んだ、千原徹也の『記憶の一着』とは赤澤 える(以下、える):『記憶の一着』について聞かせてください。千原 徹也(以下、千原):「nakEd bunch(ネイキド バンチ)」のニット。28歳くらいの時、まだ京都に住んでた頃に代官山で買ったの。イラストレーターのエドツワキさんが昔10年やってたブランドでね。僕は単純にエドさんのファンで、京都から代官山に毎シーズンわざわざ買いに行ってたんです。いつも好きな服を買うだけのために東京に行ってた。みんなが買っているものは買わないえる:この服をもし手放すとしたらどんな時ですか?千原:もうボロボロだから、人にあげるにしてもねぇ。14年も着てるから、もはや他の人が着れるのかっていう…。でも自分の子どもが欲しいって言ったらあげるかな。そしたらアレンジとかしてもらっても良いね。える:モノを大切にされるんですね。物持ちが良いと言うか、結構どれも長く持ってますよね?千原:そんなことないよ。着ないやつはサラッとあげちゃってる。いっぱいあっても同じ服しか着ないんだよね。える:千原さんって、いつも個性的な服を選ぶイメージ。千原:着るモノで個性というか、性格が分かるよね。えるちゃんは赤ばっかり着てるからこだわりが強い人なんだろうなとか、ちゃんとそういうのを整理できて決められる人なのかなとか、ちょっと大変な人かもなとか。笑赤い服ばっかり着てるっていうだけでどういう人か想像ができる。服って自分に対して一番見られてるものじゃない?だからみんな常に自分の性格とか好きなものとか考えて買うと良いと思う。える:確かにそうですね。私の場合は色と大体のシルエットで覚えてもらえていることが多いかも。私にとってこのスタイルは正装のようなものです。一番好きな色とアイテムと髪型が変わらないから変える必要も今はない。これ以上の好きなものがないんです。千原:そうそう。1個で良いからこれは誰も着ないだろうとか買わないだろうっていうもの、その人の気持ちで買ったものがあれば。思い切ったやつが1個でも。それで自然に他のものもコーディネートされていくと思う。これ誰が買うの?ってものをじゃあ僕が買う!ってなるものがやっぱり1つは無いと。僕は最近デカすぎる帽子を買いました。デカすぎて中が余ります。笑試着しながらお店の人に「これサイズ変ですよね?」って言ったら「そうなんですよ、だから誰も買わないんです」って言うから、…じゃあ僕が買おうって。でもやっぱりデカすぎて中が空洞になるから、この前は小銭入れをここに。笑える:ははは。笑千原:服を作ってる側もヒントになると思うんですよ、みんなが買っているものは買わないっていうことが。これ売れてるんですっていうものは絶対買いたくない。千原さんにとってファッションとは、個性そのものなのだと思います。彼らしい服装というものが確かに存在していることが何よりの証。千原さんは私にも同じことを言ってくれました。それは強い武器だよ、とも。大切な人と自分を繋ぐものが自分という個性をつくっているなんて、とても素敵。千原さんのニットのように、未来の自分への贈り物になるようなものが今1つでも選べていたら良いなと思います。これから迎え入れるものをより丁寧に選びたくなる時間でした。Tetsuya Chihara(千原 徹也)Twitter | Instagramれもんらいふ公式サイト▶︎オススメ記事・「服をたくさん持つことがおしゃれではない」。“普通のバイヤー”じゃなかったからこそ気づけた「服を大切にする精神」・#001 「ファストファッションでも大事にすればいい」。エシカルファッションプランナー鎌田安里紗の『記憶の一着』|赤澤えると『記憶の一着』Interview photos by Ulysses AokiText by Eru AkazawaーBe inspired!
2018年02月13日こんにちは。赤澤 えるです。思い出の服を持ち寄る連載『記憶の一着』、スタートです。たくさんの服が捨てられる世の中で、残る服って何だろう。それはどうして残るのだろう。それを手放す時ってどんな時…?服の価値、服の未来、ゲストのお話をヒントに考えていく連載です。 ちなみに、私のクローゼットは『記憶の一着』だらけ。自分なら何を紹介するか、この連載が終わるまでにじっくり考えてみることにします。Eru Akazawa(赤澤 える)Twitter|InstagramLEBECCA boutiqueブランド総合ディレクターをはじめ、様々な分野でマルチに活動。特にエシカルファッションに強い興味・関心を寄せ、自分なりの解釈を織り交ぜたアプローチを続けている。また、参加者全員が「思い出の服」をドレスコードとして身につけ、新しいファッションカルチャーを発信する、世界初の服フェス『instant GALA(インスタント・ガラ)』のクリエイティブディレクターに就任。イベントの公式ウェブサイトは2月中旬にオープン予定。最新情報は赤澤えるのSNSをチェック。
2018年01月30日誰にとっても初恋は特別なものであり、初恋の記憶は鮮明に記憶されていると思っていたが、主人公が初恋の記憶、青春の記憶をたどることで見えてくる謎と真実を描いた『ベロニカとの記憶』を観て気づかされた。人の記憶はとても曖昧で、勝手で、不確かで、でも“その時”に抱いた感覚や気持ちは鮮明に刻まれていて、記憶の旅、過去へと遡る旅は、人生を重ねた人が楽しむことのできる旅なのだと──。『ベロニカとの記憶』は、ブッカー賞に輝いたジュリアン・バーンズの小説「終わりの感覚」の映画化で、もともと小説の大ファンだったリテーシュ・バトラ監督に白羽の矢が立った。バトラ監督にとって本作は、長編デビュー作『めぐり逢わせのお弁当』に続く待望の2作目。今回は、『アイリス』のアカデミー賞俳優ジム・ブロードベント、大御所シャーロット・ランプリングを筆頭に英国の演技派俳優が顔を揃えている。現代に生きる主人公が40年前の初恋の記憶を呼び覚ますストーリーであり、若い年代を演じるキャストも『ダンケルク』に出演しているビリー・ハウル、アン・リー監督作『ビリー・リンの永遠の一日』で俳優デビューを飾ったジョー・アルウィンなど注目俳優の名前が並ぶ。ジム・ブロードベントの演じる主人公トニーの元に、ある人の遺品に関する通知が届くところから物語は始まる。亡くなったのは40年も前の初恋の相手ベロニカの母親。「添付品をエイドリアンの親友であるあなたに遺します」という手紙を受け取るが、そこに添付品はなかった。遺品は青春時代の友人エイドリアンの日記であることが判明するが、なぜその日記をベロニカの母親が持っていたのか──記憶をたどり、40年ぶりにベロニカ(シャーロット・ランプリング)と再会することで、ある事実が明らかになっていく。老人が青春時代をふり返り、現代と過去が交差していく物語は珍しくないが、この『ベロニカとの記憶』がありきたりの物語になっていないのは、感情も、記憶も、事実も、すべてが明らかにならないことだ。未解決というわけでは決してなく、劇中のエイドリアンが発するセリフにもよく表れているが、人生は不確かなもので溢れていて、それが人生である。その不確かなものを知りたくて観客は映画にのめり込むわけだが、すべてを明かさないことで想像はより膨らみ、物語が進むにつれ発見がある。それは単なる謎解きの発見だけではなく、感情における発見。とても知的かつ感傷的な映画だ。印象的なロケーションとしては、橋が記憶に刻まれている。若きトニーとベロニカが出会ってすぐに訪れるのがイングランド南西部ブリストルの観光スポットであるクリフトン吊り橋。ワイヤーで吊り下げるタイプの橋としては世界で一番古い橋だと言われている。そして40年後、ベロニカがトニーとの再会の場所に選んだのはロンドンのテムズ川に架かるミレニアム歩道橋。映画のなかでは「グラグラ橋」と呼ばれていた橋だ。2000年に開通するが横揺れが発生したため数日で封鎖され2002年に再開通。『ハリーポッターと謎のプリンス』の冒頭でデスイーター(死喰い人)に壊された橋としても知られている。ほかにも『ブリジット・ジョーンズの日記』や『シャーロック・ホームズ』に出てくる有名すぎる可動橋のタワーブリッジ、『007/スペクター』の冒頭に登場するヴォクソール・ブリッジなどイギリス映画のロケーションとしての橋の登場はとても多い。そんな橋を訪ね歩く旅もいいかもしれない。(text:Rie Shintani)(text:Rie Shintani)
2018年01月17日思い出したくない、思い出すと辛い気持ちになる。誰にでもそんな「イヤな記憶」があるものではないでしょうか。忘れたいのに、いつまでたっても忘れられない。精一杯目をつむり、見ないようにすることで距離をとっていくしか方法はないのでしょうか。でもイヤな記憶は、持ったままで幸せになることはありません。新しい年の始まりを迎え、イヤな記憶と決別するには、ちょうどいいタイミングかもしれません。■イヤな記憶にとらわれてしまうのはどうして?思い出したくない思い出。カウンセリングを受ける患者さんたちのそういった記憶をひも解いてみると「小さい時の不快な経験」である場合が多いようです(事故や事件に巻き込まれた記憶など、原因が明確である場合を除きます)。「誰かとつながっていたい」という所属の欲求、そして「認めてほしい」という承認の欲求、これらが満たされなかったときに、イヤな記憶は生まれやすいといわれています。例えば、子どもの時、お母さんから「うるさい!」と言われると「自分はうるさいんだ、嫌われてしまう」という思いを抱き、欲求が満たされずにイヤな記憶として残ってしまうことがあります。あるいは「おはよう」とあいさつしたのに無視された…。大人なら「今、忙しいのかな?」とこれまでの経験からいろいろなケースを考え、忘れることができますが、子どもは圧倒的に経験が少なく、快・不快といった両極端な感情しかないために、イヤな記憶として残りやすいのです。■「親に愛されなかった」思いがイヤな記憶にイヤな記憶とはそもそも、所属、承認の欲求が何らかの出来事で満たされなかったと、自分で認識してしまったものです。一般的には、成長するにつれて「これはできないけど、これはできる」といった経験を積んでいき「自分は認められている」ことを学び、イヤな記憶は徐々に消えていきます。けれど、自分が大事にしていることで気持ちが満たされなかった場合は、大人になってもずっと残ってしまうことがあります。特に多いのは、親に対する思い。「満たされなかった」という思いは最後まで強く残ります。そのため、自分が子育てをする立場になった時、「親から愛されなかった記憶から、わが子を溺愛する」ケースや「自分がつらかったから、子どもを攻撃する」ケースなど、自分の代わりを子どもに求めてしまうことがあります。では、イヤな記憶にとらわれてしまう人、そうでない人との違いはどこにあるのでしょう。それは「過去の記憶を認めているか、いないか」の違いです。自分自身の性格や、人間的に優れているか、劣っているかといったことは、あまり関係がありません。 ■イヤな記憶を自分の糧に「過去の記憶と向き合う」方法イヤな記憶にとらわれている人に一番伝えたいのは、「イヤな記憶は決して悪いものではない」ということです。「過去の記憶を認める」というのは、「イヤな気持ちを感じた自分と向き合い、その感情を受け止めている」ということです。「こんなイヤなことを考えている自分はダメだから考えないようにしよう」などと目を背けず、イヤな記憶は自分の思考グセを教えてくれるものととらえましょう。「幸せになるために、これから変えていったほうがいいよ」というサインだと考えてみるのです。心理学の世界では、過去の記憶と向き合うためにいろいろな方法があります。ここでは、ご自身でできる簡単な方法をご紹介しましょう。1.イヤな気持ちを感じた時、過去にも同じような気持ちになったことはないか思い出す。2.その時の様子を紙に書き出してみる。3.それが「事実」なのか、自分の「感情」なのか、自分の「意見」なのかカテゴライズする。「むかついた」「恥ずかしい」など、イヤな気持ちを持ったときは、同じような気持ちを過去にも抱いたことがある場合が多いようです。例えば、子どもを叱りつけ泣かせてしまった自己嫌悪を、過去にも同じように感じたことはありませんか? 仕事で部下に言わなくてもいいこと言ってしまい落ち込んだ時は、もしかして以前、同じことを上司から言われたことがあるのではないでしょうか。頭で考えることは時間がたつと消えていってしまいますが、紙に書いて視覚化することで自分の気持ちがどんどんクリアになってくるはずです。そして事実、感情、意見に分けて考えることで、新たな側面を発見することがあります。以前、カウンセリングを受けた方で、仕事も結婚も子育ても順風満帆なのに、なぜかいつもモヤモヤする、という患者さんがいました。過去をたどってみると子どものころ「100点をとっても親に褒めてもらったことがない」という記憶を持っていることが分かりました。でも、記憶をご紹介した方法で整理していくと「親せきに(娘が)100点をとったことを自慢していた」ことを思い出しました。「親に褒められたことがない」というのは事実ではなく、実は思い込みだった…というケースもあるのです。イヤな記憶が事実ではなく、感情からきていたときは自分の思考グセを変えるチャンスです。「イヤな記憶」は自分の中にあってもいい。その記憶を認めて、自分の考え方を見つめ直すことで「イヤな記憶にとらわれる」ことは少なくなっていくでしょう。
2017年12月31日「ようかい体操第一」や「宇宙戦隊キュウレンジャー」、NHKの「いないいないばぁっ!」や「にほんごであそぼ」など、数々の子ども番組でヒットを生み出している、天才振付師ラッキィ池田さん。その驚きの発想術を、著書『「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」』(新潮社)で明かしてくれました。それによると、ヒットメーカーたちの発想術に共通するのは、「子ども力」にありとのこと。「子ども力」とは、子どものように自由な発想力を持って、やりたいことを突き通し、新しい扉を開ける力のことです。永六輔さんや岡本太郎さん、秋元康さんなど、ラッキィ池田さんの周囲にいる、人の心をわしづかみにするすごい仕事を成しとげている人たちは、みな、その「子ども力」を持っているといいます。本来、すべての子どもが持っているはずの「子ども力」。大人になっても失わず、上手に育んであげるために、親としてできることは? お話をうかがいました。■子育てはすべてを楽しくリニューアルできる最高のチャンス――著書を読んで、正直最初は、働く大人向けの内容だと思いました。でも、角度を変えてみると、子育てにも役立つヒントや大切なお話がいっぱいあって、子育て中の身としても非常に面白かったです。ラッキィ池田さん(以下、ラッキィ):子育てって、すべてのことを楽しくリニューアルして面白く生きる最高のチャンスですよね。僕も含めて大人にとっては、今この社会にあるモノって、それがあることが当たり前だからあまり疑問を感じないけど、これから生まれて育つ子どもたちにとっては、すべてのことがはじめて。だから、すべてのことに「なんでだろう?」って疑問を持ちます。それを、ママとパパが一緒になって考えてワクワクしながら体験すると、非常に面白い発見がいっぱいあると思いますよ。――親も、子どもと一緒になってワクワクすることが大切なんですね。ラッキィ:例えば、僕の仕事関係の話でいえば、宝塚。ご存じでしょうけど、あの劇団は女の人しかいません。でもこれって、ちょっとひいた目でみると、すごく異常な世界じゃないですか? きっと子どもが見たら、「どうして女の人が男の役やってるの?」とか「なんで大きな羽根つけてんの?」っていう質問がいっぱい出てくると思うんですよ。それを、「宝塚はそういうものなの」で片づけるんじゃなくて一緒に考えてみる。なぜ宝塚には男の人がいないのか? そもそも宝塚の魅力は何なのか? って一つ一つ。そうすると、宝塚の魅力が再発見できてもっと楽しめると思うんですよね。――恥ずかしながら、私は「そういうものなのよ」で片づけちゃってた方かもしれません(汗)。ラッキィ:ちなみに、僕が思う宝塚の魅力って、女が男を演じることによって成立する、一つのカオスの世界。ポンと飛べる瞬間っていうのが宝塚にはあって、どんなリアルな男の俳優がやっても、宝塚の男の俳優の嘘にはかなわないんですよ。――なるほど…。私も宝塚は好きですが、「よくわかんないけど理由なしにかっこいい!」という程度で、そこまで深くは考えていませんでしたね(苦笑)。大人が子どもの疑問に対して、一言で片づけちゃう時って、自分でもよくわかってないことが多いような気がします。でも、それでは示しがつかないから、子どもの疑問にフタをしてごまかしてしまう。ラッキィ:それはもったいないことですよ! これって、スマホに例えてみるとよくわかるんだけど、スマホって何かをインストールしないと何も開かないですよね? いろいろインストールすることによって、はじめて、映画が観れるようになったり音楽が聴けるようになったりする。これって、人間でも同じなんです。――人も、どんどんインストールするってことが大切ということですか? ラッキィ:例えば、感情についていうと、ある時「なるほどそうか! お年寄りってそこがさみしいところなんだ」って感情がインストールされた瞬間、すべてのお年寄りに声をかけられるようになったり。逆に、電車ではお年寄りに席をゆずる必要があるとインストールされてない人は、どんなお年寄りが近くにいてもまったく無関心だったりする。インストールする前ってゼロの状態なんで、とにかくわからないんですよ。――まだ経験が少ない子どもは、インストールされていない状態と同じということ?ラッキィ:そうです。子育てって、まずそれに自分も気づき、子どもと一緒にさらにインストールしていく最大のチャンス。例えば、子どもと一緒に公園に行って「今日は何があるんだろう? 何をして遊ぼう?」っていうことを一緒になって対等にワクワクする。そうすると、すべてのことが楽しくリニューアルされて、常に面白く生活できると思いますよ。■好きなことはとことん! 親がコントロールしようと思わない――でも、親(私?)って、一緒にワクワクするどころか、つい現実的になって、「子ども力」を削ぐようなことをしがちです。例えば、先日もママ友と話していて、子どもが「サッカーがもっとうまくなりたいから毎日練習する!」と言った時に、お母さんは「熱中するのはいいけれど、将来サッカーで食べていける人なんてほんの一部。少しはほかの勉強もしてほしいのに…」とこぼしていました。この気持ち、ちょっとわかる気もしますよね。ラッキィ:大切なのは、その子がサッカーそのものをいかに楽しむかということ。その子はただ楽しいから打ち込んでいるだけであって、将来プロサッカー選手になってお金を稼ぐことが目的じゃないと思うんですよ。たとえプロになれなくても、サッカーに打ち込んだ経験がある人は、テレビの試合観戦の楽しみ方ひとつとっても、ずっと豊かになるはず。「あのタイミングであのパスはすごい!」とか「このフォーメーションできたか!」とか、まるで自分がフィールドに入ったつもりで楽しめると思うんです。この感動は、やってない人には絶対わからないよね。――確かに。私はサッカーをしたことがないので、日本でワールドカップが開催された時も、「日本が勝った」とか「あの選手、イケメン!」程度にしか楽しめませんでした。サッカー好きの友だちが、監督の采配や選手の動きを解説者のように語って大盛り上がりしているのが、正直うらやましかったです。ラッキィ:好きなことは、本人が「やっぱり俺、もう無理だわ」って言うまで、好きにやらせればいいと思いますよ。たとえ、自分が下手なのを気づかないでずっとやっていたとしても、真剣にやることで必ず何か得るものがあると思いますよ。スポーツに限らず仕事でも趣味でもなんでもね。――変に、親がコントロールしようと思わないことですね。ラッキィ:演劇の世界でもそうなんだけど、演出家が俳優を全部自分の色に染めていこうとすると、その人のやりたいことをやってるだけになって、どんどん狭まって、結局つまらなくなっちゃうんですよね。それよりも、僕が好きなのは、セットも何もなくて、お面だけつけてやっているような、子どもの発表会みたいなの。観る側のイマジネーションをどんどんかき立ててくれるんですよ。これって、子育てでも同じことがいえるんじゃないかな? ■間違いを好んで求めよう! カオスの中でしか新しいモノは生まれない――話はちょっと変わりますが、「子ども力」がなくなっているのは大人だけではなく、子どもにも感じています。例えば、最近では低学年の子たちですら、授業中にあまり手をあげないそうですよ。「こんなこと言ったらみんなに変に思われる」とか「間違えたら恥ずかしい」って。高学年になると、もっとそうなっちゃうみたいです。ラッキィ:そういうクラスは、多分、先生が「間違い」ってことを決めつけがちなんじゃないかな? まずは、間違いを認めてあげることが大切。子どものキャパシティって、間違えをしていくことによって、どんどん広がっていくんだと思います。子どもが間違えたら、「その答えいいね! なかなかたどり着かない!」って、座布団1枚あげるくらいのことをやってあげましょうよ。――なるほど。そうやってほめられれば、間違うことも全然恥ずかしくなくなりますよね。ラッキィ:消去法で答えをどんどん消していっちゃったら、イマジネーションなんてわきませんよ。そしたら、どんどんつまんない社会になっちゃう。今、社会が成熟して、どんどん子どもが減って縮小していますが、それを打ち破るには、間違いを好んで求めることしかないと思うんですよね。――著書にも、「振り付けを制作する過程で一番大切にしていることは、ERROR=エラー」「子どもの正義を呼び起こすのは、ERROR=エラー」とありましたね。ラッキィ:子どもの間違いを好んで求めるって、親や先生からしたら面倒くさいことだと思いますよ。でも、そのカオスの中でしか新しいものは出てこないし、「いいこと(正解)」ばかりでは正義は育たないんです。だから、僕は、非常にエラーを大切にしています。失敗してもいいから、親も学校の先生も、子どもの好きにやらせてみましょうよ!(笑)。――あんまり好きにやらせて、暴走したり学級崩壊したりしませんか?ラッキィ:いえいえ、それが不思議と、必ずあるどっかの到達点で、崩壊せずに良い方向に向かってまとまるっていう瞬間が来るんですよ。親や先生がそこを信じてさえいれば。信じずに、「こいつらを世に出してはいけない」っていうふうにやってると、間違いなく学級崩壊しますけどね(笑)。――大人の力量も試されますね。ラッキィ:映画監督でも、ある一線を越える判断っていうのは非常に難しいんです。だから、みんな、その一つ下の成功を求めて、なんとなく無難なところにおさめちゃう。でも、それだと新しいモノは出てこない。それを打破するには、一回ぐちゃぐちゃにして、それを良しとしていく突破口が必要なんです。――どんどん失敗してぶっ壊す…! なかなか勇気がいることですね。ラッキィ:学校では難しいかもしれないけど、僕は、むしろ今は、そういうことができるチャンスの時代だと思っています。大企業も頭打ちで、何がどうなっていくのかわからない。みんな手探りで一つ一つ打破していっている状況ですからね。これまでのやり方ではない方向に変えていく、すごくいいチャンスです。個々のエネルギーが伸びていく力が必要になって、既存のメディアに頼らず発表したり創作したり、会社をおこしたり、自由な世の中になると思うので、こんないい時代はないと思いますよ!――今までのやり方にとらわれず、頭を柔らかくして、新しい方向へ…。ラッキィ:大人が唯一子どもに勝っているのは、経験です。だから、ついそれを押し付けがちになるけど、自分たちのたかだか何十年の経験を、子どもに押し付けないでほしいですよね。だって、必ずしもそれが正解ではないのですから。例えば、私たちの親世代に良しとされていた生き方が、今、通用していますか? もちろん、経験として話すのは良いですよ。でも、それよりも大人がやるべきことは、子どもと一緒になって考えていくことだと思います。これからの未来を創るのは、子どもたちにしかできないことなのですから。子どものような自由な発想力や、大人の事情にとらわれずそれを突き通す力である「子ども力」。その重要性を説いた本は、これまでもあったかもしれません。でも、その「子ども力」の大切さをうったえるにあたって、ラッキィさんほど説得力のある人はいないと思いました。なぜなら、実際にお会いしてお話を聞いて、ラッキィさんは存在そのものが「子ども力」の塊のよう。魅力的なお人柄で、さまざまな方面で生き生きと楽しそうにされています。ラッキィさんのお話を通して、なくしかけていた「子ども力」を、私も、ほんの少し取り戻せたような気がしました。 「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」 (新潮社)「大人の事情」や「過去の慣例」にとらわれずヒットを生み出すには、子どものような自由な発想=「子ども力」が必要。小さな子どもから大人にまで通じる、この力の引き出し方・伸ばし方を綴った一冊。 振り付けを手がけたAKB48のプロデューサー秋元康、舞台「カンコンキンシアター」を主宰する関根勤、24年半の間ラジオ番組で共演した重鎮・永六輔などのヒットメーカーたちの「17の成功発想術」を紹介。ラッキィ池田 プロフィール1959年生まれ。80年代より独創的な発想の振り付けが各界の注目を浴び、これまでテレビ番組、CM、映画、舞台など数えきれないほどの作品を手掛ける。近年はアニメ『妖怪ウォッチ』の「ようかい体操第一」「ゲラゲラポーのうた」が子供たちに爆発的な人気となる。現在、NHK、Eテレ『いないいないばぁっ!』『にほんぼであそぼ』の振り付けをレギュラーで担当する他。作詞、雑誌連載、吉本総合芸能学院(NSC)講師など多彩なシチュエーションで活躍中。取材・文 まちとこ出版社N
2017年11月27日「なめらかな手触りが好き」「自然な素材だから安心」として人気を呼んでいる木のおもちゃ。なかでも、子どもが夢中になって遊びながら、想像力をゆたかにしてくれるおもちゃは「ぜひうちの子にもほしい!」「誕生日プレゼントにしたい」と注目を集めています。そんな木のおもちゃのなかから、ママブロガーさんたちが「これはおもしろい!」「大人も楽しめる」とおすすめするおもちゃをご紹介します。■藤井聡太四段の集中力と思考力を育てた!? 玉の道「キュボロ」将棋界の天才中学生棋士として注目を集める藤井聡太くんが、幼少期に遊んだという木のおもちゃはご存じでしょうか。スイスの「キュボロ」という、玉を転がして遊ぶ積み木のようなおもちゃです。彼の集中力や思考力を伸ばしたのも、そのおもちゃが影響しているのでは…と話題になったので、知っている方も多いかもしれないですね。エキサイトブロガー naturally musicさんのブログ『 6歳の誕生日プレゼント 』より そんな「キュボロ」を、息子さんの6歳の誕生日プレゼントにご主人の両親から買ってもらったというのは、ブログ「Naturally Music*子どもと音楽+英語のある暮らし」のnaturally musicさん。「以前より、特に夫がキュボロを欲しがっていて。プレゼントは何がいいかと聞かれた際に、リクエストしました」といいます。エキサイトブロガー naturally musicさんのブログ『 6歳の誕生日プレゼント 』より このキュボロは、穴や溝のある木のブロックをつなげて玉の道を作り、ビー玉を上から下に転がして遊ぶおもちゃ。外側からは見えない内側にも玉の道ができ、子どもはもちろん、大人も夢中になってしまうほど楽しいと評判です。naturally musicさんのお宅でも、届いたその日からさっそく親子でトライしたそう。「物事を立体的に考える力が養われ、二次元から三次元の世界へ、思考回路に新たな入口ができるとか。息子は私に似て一点集中型なため、気に入ったおもちゃが見つかると、飽きずにずっとそればかりやるタイプ」とnaturally musicさん。エキサイトブロガー naturally musicさんのブログ『 6歳の誕生日プレゼント 』より このとき以来、日々気づけば組み立てている状態で、すっかり夢中になって遊んでいるそうです。以前は「カプラ」という積み木に夢中になっていたそうですが、そのとき以来の大ヒットになりそうだとか。「結局子どもって、一見シンプルなようでいて、遊び方は無限にあるようなおもちゃが好きなんだなあ」と改めて感じたそうです。たしかに積み木感覚で何通りものコースが作れるので、集中力や思考力が養われそうですね。同じように、ブログ「ひづきの森『はじまりはお家から』」のhidukinomoriさんも、「キュボロ」をお子さんのおもちゃに選んだおひとり。エキサイトブロガー hidukinomoriさんのブログ『 幼児のおもちゃの選び方 キュボロ 』より 「友人の家で遊んだことをきっかけに、息子が3歳のときに買ってあげました。このキュボロは、三次元の立体迷路。息子は図形や立体が大好きで夜遅くなっても、夢中で遊んでいたのを覚えています」というhidukinomoriさん。「こんなにはまると思いませんでした。息子は、穴の位置を自分で確認しながら組み立て、上から転がしたビー玉が、中の立体を通って下まで落ちていくと大感激でした」といいます。エキサイトブロガー hidukinomoriさんのブログ『 幼児のおもちゃの選び方 キュボロ 』より 今度は妹さんが4歳になったある日、興味をしめして遊び始めたそうです。お兄ちゃんが教えてあげ、仲睦まじく楽しむ様子も見られたようですが…。「4歳ともなると、もう自分の意志がしっかりしていて兄だろうが年上だろうが関係なしに、『じぶんでしたいの!!』の連発です。そんなときは、『人の邪魔をしない』とただ私は言うだけ」とhidukinomoriさん。自分で考える力や集中力が養われていくのをあたたかく見守っているようです。値段的にはちょっと高めのようですが、子どもの集中力や想像力を伸ばすのに役立つかも…と思えば、チェックしてみるといいでしょう。■子どもの感性をゆたかにする「カッティングおままごと」エキサイトブロガー tomoさんのブログ『 オブジェのような木製玩具。 』より 色とりどりの野菜やフルーツの色合いとかたちをそのまま生かしたのが、こちらの木のおもちゃ。ドイツの老舗おもちゃメーカーErzi社(エリツィ)の「木製おままごと」。 見た目の美しさに惹かれて買ったというのはブログ「Life.Co」のtomoさん。「よく行くお店に置いてあり、サクサク切るのが相当楽しいらしく。毎回あまりに集中して遊ぶ姿を見て、男の子だけど買うことにしました。以来、どっぷりはまってずっと遊んでいた」といいます。「Erziの玩具は、ヨーロッパ安全基準であるCEマークを取得。安全な塗料を使用しているので、万一舐めてしまっても安心です」ともつけ加えます。エキサイトブロガー tomoさんのブログ『 オブジェのような木製玩具。 』より tomoさんがおもちゃを選ぶときは、長く愛用したいと思えるものを基準に選ぶようにしているそう。「子どもが夢中になって遊ぶのはもちろんですが、何よりの魅力は木の質感が美しく、カラー表現が絶妙でリアル。マットな仕上げで手触りがなめらか」という点がとくにお気に入りだとか。エキサイトブロガー tomoさんのブログ『 オブジェのような木製玩具。 』より 「そして、大人の私がErziの虜に(笑)。牛乳&スライスパン…とか、めちゃくちゃかわいいですよね。パン表面のザラザラ感まで、かなり精巧につくられています」エキサイトブロガー tomoさんのブログ『 オブジェのような木製玩具。 』より 「主に息子が好きだったり、言葉に出るようになった食べ物をチョイス。カッティングタイプは、魚ときゅうり。『お魚くださ~い』とリクエストすると、切ってお皿にのせ、持ってきてくれました。プラ製のカラフルな玩具も多いのですが、年々風合いを見せてくれる木製玩具が大好きで、バランスよく選ぶようにしています」とtomoさん。おままごとは子どもの想像力を育てるおもちゃのひとつですが、これだけ夢中になってくれたら、ママとしてはうれしい限り。親子でいっしょに遊ぶ楽しさも倍増しそうです。■大人も子どもも夢中になる積み木「リグノ」&「ネフスピール」エキサイトブロガー yoko45さんのブログ『 リグノとネフスピール・4(おもちゃを選ぶ基準) 』より ブログ「4HOUSEWORKS」のyoko45さんがおすすめするのは「リグノ」と「ネフスピール」というおもちゃ。穴のあいた立方体と円柱からなる積み木「リグノ」と、リボンの形をしたような積み木「ネフスピール」。どちらもスイス製(ネフ社)で、好きな形を自分でつくっていくというものだそう。「積みやすいリグノは3歳までに与えるといいとか、ネフスピールは4歳ころから、とも言われていますが、『積み木の積みやすさ』を目安としているだけ。『親のあなたが、遊びたいと思う積み木』を選ぶといいですよ」とyokoさん。リグノもネフスピールも、「とても質の良い積み木です。大人が遊んでも心から楽しませてくれるほど」といいます。エキサイトブロガー yoko45さんのブログ『 リグノとネフスピール・4(おもちゃを選ぶ基準) 』より それぞれでももちろん楽しめますが、「リグノとネフスピールを組み合わせてもおもしろいですよ」というyokoさん。まったく別々の積み木なのにぴったりと合う感覚が気持ちいいといいます。エキサイトブロガー yoko45さんのブログ『 リグノとネフスピール・3(組み合わせの魅力) 』より 「ネフスピールがあると、リグノは10倍おもしろい見立て遊びも可能になります。とある有名な絵本の主人公を見立ててみましたが、わかりますか? 正解は三女作の『ぐりとぐら』です(笑)。リグノの円筒型積み木を入れて、顔にしています」エキサイトブロガー yoko45さんのブログ『 リグノとネフスピール・3(組み合わせの魅力) 』より たしかにこのかたち、ぐりとぐらに見えますね。ときには動物に見立てたり、列車やくるまに見立てたり…。積み木は自由な発想で遊べるので、思いのままにいろいろ楽しめそうです。エキサイトブロガー yoko45さんのブログ『 リグノとネフスピール・3(組み合わせの魅力) 』より ちなみに、yokoさんが「おもちゃの選び方」について読んだ本に、「『子どもに与えたいおもちゃ、遊んで欲しいおもちゃ』ではなく、『親である自分が遊びたいおもちゃ』を選んでください。そして、子どもと遊ぶときには、子ども以上に楽しんで、一緒に遊んでください。親が遊んでいる姿を見れば、自然と子どもは遊んでいきます。『親が遊びたい』と思ったおもちゃは、何年経っても自分と子どもたちを楽しませてくれます」と書いてあったのが印象的だといいます。親子でいっしょに楽しめて、子どもの想像力や感性を育んでくれるこうした木のおもちゃは、きっと長く愛用できるおもちゃになってくれそうですね。子どもの心も豊かにしてくれる「大切なおもちゃ」、選ぶときの参考にしてみてはいかがでしょうか。今回ご紹介したエキサイトブロガー・「Naturally Music*子どもと音楽+英語のある暮らし」のnaturally musicさん ・「ひづきの森『はじまりはお家から』」のhidukinomoriさん ・「Life.Co」のtomoさん ・「4HOUSEWORKS」のyoko45さん
2017年10月29日インターナショナル・プリスクールの取材をしたときに、「show & tell」というトレーニングを教わりました。子どもの会話力を高めるもので、ほかのプリスクールでも実施しているようです。特別な道具は不要! 手軽にできるので、自宅でも挑戦してみませんか?■人前で話す能力を鍛える「show & tell」「show & tell」は、欧米では幼児教育によく取り入れられています。直訳すると「見せる&話す」、あるものを見せながらそれについて説明をするというものです。プリスクールでは、そのものの特徴や選んだ理由、どのように感じているかなどをみんなの前で発表します。プレゼンテーションの訓練にもなり、最近では中学生の英語の授業に取り入れられることもあるようです。やり方は、とてもかんたんです。●「show & tell」のやり方1. 身の回りのアイテムからお気に入りのものを1つ選ぶ2. 選んだものについて、知っていること、選んだ理由を説明する3. 時間は1分程度でOK。終わったら質問タイムを設けてコミュニケーションを取る会話はすべて日本語でOK! まずはママがお手本を見せてあげましょう。<例>「はさみ」について説明をするこのはさみはママが子どものころから使っています。ばあばが買ってくれました。持つところが赤くなっているのがお気に入りです。20年以上使っているけど、いまでも紙が切りやすくて助かっています。身振り手振りを交えながら、いかにこのはさみが魅力的かをアピールする気持ちで取り組みましょう。■お気に入りのアイテムからはじめる「show & tell」は簡単そうに見えて、最初は意外と言葉が出てこないものです。しかし、お気に入りのものなら、話したいことが次から次へと出てくるはず。子どもの「聞いて聞いて!」という願望も満たすこともできるので、まずは好きなオモチャやお菓子などから挑戦してもらいましょう。慣れてきたら、ママからお題を出します。家にあるものなら何でもOK。お風呂に入りながらタオルについて説明してもらってもいいですし、買い物中に子どもが興味を示した商品で試してもいいかもしれません。場所を選ばず、どこででもできるのが、嬉しいポイントです。説明がひと通り終わったら、ママから質問をしてあげます。たとえば「クマのぬいぐるみはかわいいところが好き」という説明があれば、どのようなところがかわいいと思うのか、さらに話を広げていきましょう。「show & tell」を習慣化することは、話すトレーニングや親子の会話のきっかけになります。さらに、子どもがそのものに対してどのような感情を抱いているか、ボキャブラリーがどのくらい発達したかなども確認することができます。国際化が進む社会では、プレゼンテーション能力はさらに求められるようになるでしょう。小さなころから楽しみながら訓練していきたいですね。
2017年10月26日2011年、英国ブッカー賞に輝いた記憶と時間をめぐるサスペンスフルな小説「終わりの感覚」(ジュリアン・バーンズ著)を、『めぐり逢わせのお弁当』のリテーシュ・バトラ監督がメガホンをとり映画化した『ベロニカとの記憶』。この度、本作のメインビジュアルと新規場面写真が到着した。到着したされたビジュアルでは、「初恋の記憶が、揺らぎだす。」というコピーと共に、白い手紙を手に何やらもの想いにふける、ジム・ブロードベント演じる主人公トニーの姿が。また下段には、全てを悟り達観したような表情を見せる、シャーロット・ランプリング演じるベロニカが写し出されている。40年前に別れた恋人ベロニカの母親が残した遺品の日記から、60歳を過ぎ、静かに引退生活を送るトニーの長い間忘れていた青春時代の記憶がよみがえる…。トニーとベロニカ、一体この2人の間にどんな過去が存在し、どんな秘密があったのか…?『ベロニカとの記憶』は2018年1月、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2017年10月26日ますますグローバル化の波が押し寄せている今、子どもたちの教育にとって大切なのは「英語力」なのか「国語力」なのか、という問題は多く語られています。実際に子育てをしているパパママ世代はどう考えているのでしょうか。Q.子どもの教育、「英語力」「国語力」どっちが先?1.少しでも早く「英語力」が先 7.6%2.まずは土台の「国語力」が先 61.9%3.どちらが先でなく「英語力」も「国語力」も 29.9%4.それよりも他の習い事 0.5%まずは土台の「国語力」が先という人が61.9%と半数以上という結果になりました。次に多いのが、どちらが先でなく「英語力」も「国語力」もという意見でした。パパママ世代は国語力を大切にしている人が多いようです。■日本人なら国語力をまず先に算数の問題を解くにも、問題の意味がわからなくては解けないですし、勉強以外の人間関係では国語力が大事。それ以外にも日本人の誇りとして、美しい日本語を話してほしいという気持ちもあるようです。「我が子を見ているとやっぱり国語力って大事だなと思います。テストの問題が解ける解けないだけでなく、人との関わりにもつながってきますから」(山形県 40代女性)「日本人ですから日本語が先です。変な日本語を話している若者を見ると情けなさを感じる」(愛媛県 50代女性)「日本人にとって国語の力は必要不可欠だと思います。日本人の多くは、思考は日本語でおこなっているからです。国語力を高めることによって、より深く物事を考える力がつくと思います」(鳥取県 40代女性)■欲張りなことを言えばやっぱり両方!親としてはこれからの世の中を考えると、国語力も英語力も持っていてほしいと思うもの。自分ができなくても子どもに望むのは、欲張りすぎでしょうか?「どっちも大切だと思う。英語は日本語を覚えるようにまず聞き取り、発音できるように英語に慣れることが大切で、これからは英語ができて当たり前の世の中なので、がんばってもらいたいです」(愛知県 40代女性)「英語が先とか国語が先とかではなく、小さなときから触れさせておくとどちらも身につくのです。大人が思っている勉強とは違うのです」(千葉県 40代女性)「どちらも大切ですね。こらからは英語力はどんどん必要になってくると思います。それにともなって海外の方に、日本や日本語を紹介することも増えてきます。そのときに、やはりきちんとした日本語は必要」(千葉県 50代女性)■小学生から母国語と英語を学ぶ国も日本に近い国である韓国や中国でも小学生からの英語教育は当たり前。その他、世界の中でもビジネスがしやすい国と言われているシンガポールでは、一定の教育を受けた人ならほとんどが英語を話せるそうです。「小さなころから英語を使うことで、日本語への理解が深まっていく我が子を見ながら両方大事だと実感しています。子どもには何カ国語も学ぶ能力が備わっています。ただ単に、今日本の教育が両方を上手に育て上げる仕組みになっていないだけだと思います。このままではグローバル社会から取り残されてしまいます」(島根県 30代女性)Q.子どもの教育、「英語力」「国語力」どっちが先?アンケート回答数:5607件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年10月16日スポーツが上手になるために、必要な要素とはなんでしょう。古くから武術の場では「心技体(しんぎたい)」という言葉が用いられ、今ではサッカーや野球でもこの言葉をよくつかうようになりました。本領発揮するにはテクニックや身体能力と同じように、集中力が大事! 今回は子どもの集中力を高める絵本を厳選してご紹介しましょう。■みつけてかぞえて どこどこどうぶつ うきうきうみのなか絵:ガレス・ルーカス/文:カースティーン・ロブソン/訳:小林 美幸/出版社:河出書房新社 「みつけてかぞえて どこどこどうぶつ うきうきうみのなか」 クジラ、ペンギン、イルカ、カメ…。あらゆる海の生き物たちが登場するイギリス生まれの絵探し絵本がこちら。ひとつひとつのイラストは密集しているのに、どこか計算されたようにスッキリ!「絵画を見ている感じ。額に入れて飾りたい」「夢のような海のなかの世界にひきこまれる」とママたちからも絶賛されている一冊です。海にすむ生き物たちへの興味がわいてきたら、海遊びや水族館へのお出かけも楽しみになるかもしれませんね。■どこ? どうぶつたちと さがしもの作:山形 明美/出版社:講談社 「どこ? どうぶつたちと さがしもの」 手作りの立体ジオラマを使ったこちらの絵探し絵本では、1から10まで番号のついた部屋に音楽家のリスや絵描きのゾウ、かき氷屋のシロクマなど、さまざまな動物たちが住んでいます。彼らの部屋からさがすのはフルーツや楽器、バケツにハブラシ、月と太陽などさまざまなアイテム。絵のような美しさを表現すべく立体ジオラマにこだわる作者さんは撮影後、せっかくつくりあげたジオラマをすべて解体してしまうそうです。集中力を高めると同時に、夢見る気持ちにさせてくれる一冊。■恐竜とあそぼう!作・絵:黒川みつひろ/出版社:小峰書店 「恐竜とあそぼう!」 ステゴサウルスやティラノサウルスなどが登場するこちらは、従来の恐竜絵本とはひと味違います。たとえば恐竜の体のところどころに穴があいており、ぴったりはまるイラストを選ぶパズルや、どの恐竜の足跡かをあてるクイズ、2枚のティラノサウルスのから異なるところをさがす間違いさがしなど…。始めから終わりまでゲーム感覚でたっぷり遊べるから、絵本好きなお子さんでなくても時間を忘れて楽しめます。「今まで恐竜系の絵本は図鑑や迷路でしか見たことがなかったからうれしい」と恐竜好きのお子さんを持つママたちからも好評です。■どこにいるかわかるかな?作:ブリッタ・テッケントラップ/訳:木坂 涼/出版社:ポプラ社 「どこにいるかわかるかな?」 ずらっと並んだ青や緑のカメさんたち。そんなカメさんたちのなかに1匹だけ、甲羅のなかにかくれている子がいます。かと思ったら次は1匹だけ歩いてる子も! 黄色のページには赤やオレンジ、黄土色など絶妙な色の鳥たちが並び、そのなかに1匹だけミミズを加えている鳥がかくれています。色の美しさと愛らしいイラストがマッチし、おしゃれなインテリアにも見えてくる一冊。豊かな色彩に心を満たされながら、お目当ての動物をさがしてみましょう!■おつかいくん作:鈴木 のりたけ/出版社:小学館 「おつかいくん」 かいがらをかぶったユーモアたっぷりのおつかいくんが主人公の迷路遊び絵本がこちら。登場する8つの迷路は膨大な情報がつまった笑えるイラストの宝庫です! さまざまなキャラクターが違った場所で起こす行動に思わずクスリと笑ってしまいます。おつかいくんはみんなから「おつかい りょうかい!!」と頼みごとをひきうけて迷路へと迷い込んでいきますが「お母さんからのおつかいは大丈夫?」と読者が心配し始めたところで、ちゃんと頼もしさを見せてくれます。最後にはきちんとオチのある、遊び心のつまった一冊です。子どもに集中力をつけたい、高めたいと思っても「なにをどうすれば」で悩んでしまうこともありますよね。そんなときに役立つのが今回の絵本! 楽しみながら集中力を養うことができるので、子どもたちも目を輝かせながら読んでくれるはずです。
2017年06月22日華やかなブライダルファッション業界を舞台に、“女デビル”といわれたトップデザイナーが記憶をなくしてしまう中国ドラマ「記憶の森のシンデレラ~STAY WITH ME~」のDVDリリースが決定。その予告映像が、いち早くシネマカフェにて公開された。高級ウェディングドレスブランドで、トップデザイナーとして活躍するリー・ウェイウェイ。彼女は、成功のためなら手段を選ばない冷酷な“女デビル”として業界に君臨していた。パリ進出を巡り、かつての恋人チェン・イードゥが社長を務めるライバル会社と争うウェイウェイは、自らの結婚発表を利用し、イードゥに大きな打撃を与えることに成功。その矢先、思わぬアクシデントに巻き込まれたウェイウェイは、川に転落。幸いにも一命を取り留めたが、意識を回復したウェイウェイは7年間の記憶をすべて失い、デザイナー志望だった23歳のころに戻ってしまった!タイムスリップしたかのように変わってしまった日常や、周囲からの“デビル”扱いにすっかり戸惑ってしまうウェイウェイ。そんな彼女を密かに陥れるようとするのはいったい誰なのか?そしてウェイウェイは、失った記憶と共にすべてを取り戻すことができるのか…!?昨年、日本でも大ヒットした中国ドラマ「琅や榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~」のワン・カイがラブコメに初挑戦、「ハートに命中100%」や「シンデレラの法則」をヒットさせた台湾のラブコメ女王ジョー・チェンとタッグを組んだ本作。2016年末、中国での放送開始と同時に同時間帯視聴率No.1に輝き、ネット配信最終回放送までに全72億回の視聴を記録した。日本でも大ヒットの中国時代劇「宮廷女官 若曦(ジャクギ)」の作者トン・ホアが脚本企画に参加し、出演する作品が日本でも次々にヒットする台湾のコメディエンヌ、ジョー・チェンが主演。彼女の周りには、「琅や榜」でブレイクし、ジャッキー・チェン主演で6月から日本でも公開される『レイルロード・タイガー』に出演、映画『容疑者Xの献身』中国版の主役にも抜擢されたワン・カイ、人気急上昇中の台湾の新星デレック・チャン、さらに「後宮の涙」や「彼女たちの恋愛時代」に出演し人気を博したキミー・チャオが固めるなど豪華出演陣が勢揃い。昨年、惜しくも28歳の若さで亡くなったキミーの遺作ともなっている。ブライダルファッション業界が舞台の本作は、NYやパリで最新作を買い付けるなど衣装に数千万元の資金を投入したそうで、1話オールパリロケを敢行するなど、これまでの中国現代ドラマのイメージを一新するようなセットや衣装にこだわった豪華な作り。DVDには、彼らの貴重なオフショット映像なども収録される。「記憶の森のシンデレラ~STAY WITH ME~」は8月2日(水)より順次DVDレンタル&発売開始。(text:cinemacafe.net)
2017年05月19日子どもの吸収力はすさまじく、とくに好きなことになれば難しい単語もすぐに覚えてしまいます。そんな成長過程を見られるのはうれしいけれど、質問されても答えられなくて困ってしまうことも。興味がないことを大人になってから覚えるのは大変。かといって、何も知らないと子どもに愛想をつかされてしまっうかもしれないし…。子どもの趣味や興味関心に合わせるために、ママたちはどのような工夫をしているのでしょうか?■マニアサイトでちんぷんかんぷん「うちの子は電車マニア。見たり乗ったりするだけでなく、車両の特徴や型式なども覚えるのが大好きです。電車を見ると『あれは◎◎という型式だよ』なんて教えてくれるのですが、私はまったく区別がつかず…。こんなことが続いたからか、電車の話をしてくれなくなりました。そこでネットで調べたら、鉄道マニア向けの専門的なサイトばかりでちんぷんかんぷん。そんな話をママ友にしたら、鉄道会社のキッズ用サイトが便利だと教えてくれました。そこには型式ごとに写真と簡単な解説が書かれ、子ども向けだけあって、とてもわかりやすい! まずは最寄り駅の沿線の情報を覚えてから、鉄道マニアが開設する初心者向けのサイトも見るようにしました。基礎がわかると、専門用語も理解しやすかったです」(34歳・4歳児のママ)とくに男の子は、電車などの乗りものが大好きですよね。これにつきあうには、鉄道各社のキッズ向けサイトは役立ちそう。基本的な情報がメインですが、何も知らないよりは子どもと話しやすくなるでしょう。また、サイトには塗り絵やペーパークラフトのPDFが公開されていることもあります。こうした別の角度から子どもとコミュニケーションするのもいいかもしれませんね。■人気アニメは登場人物に要注意!「職場の先輩ママから『ポケモンは危険』と聞かされていました。数年前でも数百ものポケモンがいて、さらに増え続けているから覚えるのが大変よと…。しかし娘が『Pokémon GO(ポケモンGO)』の登場によって、ついにハマってしまったんです。私はポケモン世代ではないので、知っているのはピカチュウくらい。そこで後輩に聞いてみたら、『ポケモンいえるかな』の歌詞にポケモンの名前が登場するから覚えやすいと教わりました。でも名前は覚えたものの、顔と名前が一致しない…。結局、私も「ポケモンGO」をはじめました。やってみると結構おもしろくて私もハマり、ついにはアニメまで見るように。いまでは300くらいのポケモンを覚えたかな。自分も一緒に体験したほうが楽しめて、子どもにもよりつきあいやすくなりました」(39歳・小学1年生のママ)たくさんのキャラクターが登場するアニメやゲームは、最初からチェックしていないと一気に覚えることはとても大変。ひたすら記憶した受験生時代を思い出しそうになりますが…。それなら、「好き」になるように努力する! こうすれば共通の話題が増えて、子どもと楽しく過ごすことができそうです。■子どもが専門家になってしまったら…「うちの子は動物が大好きなので、誕生日に図鑑をプレゼント。すると、メジャーなものだけでなく、掲載されている動物すべてを覚えてしまって。その記憶力は誇らしいけれど、『うさぎは、げっ歯目(げっしもく)なんだよ』なんて専門的なことまで披露されると、もうついていけません。仕事もあって勉強する時間もない…。そこで、子どもに教わるようにしたんです。たとえば、『げっ歯目についてママも知りたいな』と聞くと、うれしそうに説明してくれます。ママが知らないなんてあきれられるかと思ったけど、自分で知識を広げようとしてくれるのでよかったみたい」(33歳・3歳児のママ)いつもはママに教わるばかりだけど、自分の得意分野では「先生」になって教えられる。これは、子どもにとってうれしいことかもしれませんね。「ママはわからないから」と逃げるのではなく、積極的に教えてもらいましょう!子どもがさまざまなことに興味を示し、そこから「好き」といえる存在に出会えるなんて、とてもうれしいこと。電車でもアニメでも、この時期に知る喜びを実感できたら、将来にもきっと役立ちます。ママも一緒に覚えることで、その応援をしていけたらいいですね。
2017年05月06日*画像はイメージです:このところ国会で森友学園問題の証人喚問や、都議会では百条委員会での官僚、石原元都知事の証言で連発された「記憶にございません」。これほど質問者を、また国民がイラつかせるセリフはありません。思わずTVに向かって「うそつけーー!覚えてないわけ無いだろう、覚えていないということ自体が嘘だ!偽証罪だ!」とツッコんだ方も多いはず。これは今に始まったことではありません。日本でこのセリフが有名になったのは田中角栄元首相に米ロッキード社が自社の航空機を導入してくれるよう賄賂を送った「ロッキード事件」。1976年、予算委員会の証人喚問に召喚された国際興業の小佐野賢治氏が連発、その年の流行語大賞になりました。事件は大物フィクサーや大手商社が絡み、さらには戦後から続くアメリカ側の意図も見え隠れする魑魅魍魎の世界。2017年は久しぶりに注目の事件で「記憶にございません」が連発されましたが、やはり魑魅魍魎としかいいようがない登場人物・組織が絡んでいます。 ■絶対おぼえているはずなのに、記憶にないなんて嘘じゃないの?そう昔のことでもあるまいし、そう簡単に忘れてしまうようなことではないはずなのに、「記憶にございません」という発言自体が偽証罪に問えないのでしょうか?星野法律事務所の星野宏明弁護士に伺ってみると……。「偽証罪は、法律により宣誓した証人が“虚偽の陳述”をしたときに罰せられる罪です(刑法169条)。ここでいう“虚偽の陳述”とは、証人の主観的記憶を基準として自らの体験と異なる内容を陳述することを意味します。要するに、証人が主観的に記憶している事実と異なる事実を証言することが偽証罪とされます」(星野弁護士)主観的記憶、つまり証人本人の記憶を基準とするというわけですね。それなら、本当は覚えているはずなのに覚えていないというのは嘘になるのでは?「『記憶にございません』という供述は、自己の記憶に反する虚偽の事実を証言するものではないため、虚偽の陳述という偽証罪の要件をみたしません。本当は記憶があるのに、“記憶がない”と嘘をつくこと自体は偽証罪によって罰せられていないためです。偽証罪が成立するにはあくまで、“記憶に反して、虚偽の事実の陳述をする”必要があります。記憶にないと嘘をつくこと自体は、直接偽証罪で処罰対象とされていないのです」(星野弁護士)そ、そんな……!法律の抜け穴を突いたよくできたセリフだなんて!! ■それならウソ発見器で白黒ハッキリつけてはどうでしょう!?では、証人喚問中にウソ発見器や精神科医による分析で白黒をハッキリさせることをしないのは何故なのでしょう?そのほうがスッキリしそうですが。「そもそも記憶にないと嘘をつくこと自体は、直接偽証罪で処罰対象とされません。また、裁判や証人喚問、刑事の取り調べで、本人の意思に反してうそ発見器を使用することは、違法な捜査となるおそれがあります。他方、偽証罪で処罰できる場合も、主観的に記憶した事項として供述した事実が虚偽であったことが立証されればいいので、精神鑑定やうそ発見器は不要です」(星野弁護士)ちなみに、後から思い出したり、記者会見や手記、取材などで「思い出しました」と話し出しても偽証罪の対象にはならないそうです。 ■証人喚問でなく、一般の弁護ではどうなのでしょうか?星野弁護士に、一般の弁護でこの「記憶にございません」に悩まされるケースがあるかも訊いてみました。「悩まされたことはありません。そもそも『記憶にありません』では偽証罪に問われませんが、虚偽陳述を偽証罪に問わなくても、証言内容が虚偽であることが他の証拠で立証できれば、裁判に影響はないからです。裁判の証人尋問での不自然な沈黙や『記憶にありません』との供述はそれ自体証人の証言の証明力を疑わせ、裁判所がそれを考慮して判決を出すので、わざわざ偽証罪の問題を持ち出すことの実益は基本的にありません。むしろ裁判の証人尋問では、相手方の主張内容を固める虚偽の証言をされるくらいなら、『記憶にない』『はっきり覚えていない』と証言してもらった方がよい場合もあります」(星野弁護士) なるほど、証人喚問では次々と有罪を示すような証拠や行動記録、証人が出てくるわけではありません。そして裁判長がその場で有罪を示す裁判とも異なります。法廷とはまた別の場であるということですね。悪質な場合、事件性が高ければ、「記憶にありません」で弁明できない場に舞台が移ることでしょう。 *取材対応弁護士:星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)*取材・文:梅田勝司(千葉県出身。10年以上に渡った業界新聞、男性誌の編集を経て独立。以後、フリーのライター・編集者として活躍中。コンテンツ全般、IT系、社会情勢など、興味の赴く対象ならなんでも本の作成、ライティングを行う。)【画像】イメージです*freehandz / PIXTA(ピクスタ)
2017年04月23日入学、進級の春は、子どもの行動範囲が広がる時期。今までは送り迎えをしていても、「学校まで1人で行く」「友人宅や公園に1人で行く」など、成長に合わせて子どもの単独行動も増えていきます。犯罪に巻き込まれないか、交通事故に遭わないか、地震がきたらどうするか…。子どものことは心配だけど、ずっと一緒に行動しているわけにいかないのも現実。そんな現代社会で、子どもを危険から守るために一番効果的なのは、子どもに自分の身を守る力をつけること。護身テクニックの学校をアメリカで創設した、元CIA捜査官のジェイソン・ハンソンが書いた『状況認識力UPがあなたを守る』から、今すぐ子どもに教えておきたい、安心して生きるためのテクニックを2回に分けてご紹介します。 『状況認識力UPがあなたを守る:元CIA捜査官が実践するトラブル回避術』 ジェイソン・ハンソン著/パンローリング株式会社CIAで活躍し培った護身テクニックを基に訓練学校を設立した著者が危険に満ちた現代社会で、犯罪被害に遭わず、災害時に命を守り、安心して暮らすために必要なテクニックと備えを伝授する本。■1)「何かヘン」に気がつける子どもにボーっとするのは子どもの特権。だけど、残念ながら場所を選ばないと子どももボーっとできない時代になってしまいました。「気をつけなさい」と何気なく子どもに声をかける親は多いと思いますが、子どもが周囲に注意を払う習慣を身につけられれば、危険回避の可能性はグッとアップします。著者によると危険な任務を行うCIAでも状況を認識して「いつもと何かが違う」ことに気がつける「状況認識力」が一番役に立ったそうです。■2)いつもの様子を頭に入れさせるでは「何かヘン」に気づける子どもにするにはどうしたらいいのでしょうか? せっかくの公園遊びの間にずっと周囲に注意を払えというのは子どもには無理な話。せめて、遊び始めや折々に周囲を見て「いつもはどういう状態か」を把握させることから始めましょう。いつものその場所の様子が頭に入っていないと、いつもと違う状況にも気がつくことができません。道であれば、どんな人が歩いていてどれくらい人通りがあるか、車はどれくらいの交通量でどこに向かう車が多いか、危険そうな場所はどこかなど……。公園であれば、どんな人や子どもがどんなことをしているかなどです。いつもの様子が頭の中に入っていれば、普段いないはずの人がいる時、不審な行動を取っている人がいる時などに気がつきやすくなります。■3)「ながら歩き」は決してさせない最近は小学生になるとキッズ携帯を持ち始め、高学年になるとガラケーやスマホを持つ子どもも増えています。電話やメールは意識を携帯電話に集中させるので、周囲の状況に注意を払えなくなります。障害物に気づかずにつまずいて転んでしまったり、赤信号に気づかなかったり、迫ってくる車や自転車に気づかなかったりと、危険を増やしてしまうのは間違いありません。不審者に見つめられていても気がつけません。大人もついついしてしまう「ながらスマホ」ですが、危険回避のためにも、子どもの見本になるためにも、大人もしないように心がけましょう。また、「ながら歩き」だけでなく、何かを考えることに没頭したりしていても、周りが見えず危険。子どもにずっと注意を払え、というのも難しい話なので、せめて車の交通量の多い道や人通りの少ない道などより危険で注意を払うべき場所を具体的に伝え、その場所を通る時は必ず周囲に注意を払うように伝えましょう。■4)状況認識力で「前兆」に気づく著者によると、犯罪者のほとんどは誰かに行動をしかける前にサインを出すそうです。主なサインは次の3つ。子どもにそのような行動を取る人を見かけ、危険を感じたら躊躇なく逃げることを伝えておくことも大切です。■犯罪を犯そうとする人が出す 主な3つのサイン1. じっと見る攻撃対象に選んだら、犯罪者は不自然なほど長くその対象を見つめます。誰かが不自然に長く見つめていることを感じたら、その場を離れるか、助けを呼んで、その視界からはずれるように伝えましょう。2. 歩調を合わす知らない人と歩調を合わせようとするのは不自然な行為なので、もしそういう人がいたら用心するように、子どもに伝えておきましょう。車でも同様です。3. 気をそらす複数の人間による犯罪の場合は、1人が声をかけてきて気をそらすのはよくあること。気をそらす作戦もあることを子どもに伝えておきましょう。むやみやたらに子どもを不安にさせてしまったら、楽しい生活は送れず元も子もありません。教える際には、「怖がりながら暮らすのではなく、安心して楽しく暮らすために必要なことなんだよ」と説明し、より安心して暮らすためのスキルであることを伝えましょう。
2017年04月19日説明が苦手、自分の意見が言えない、感想文が書けない…。わが子のそんな様子から、「うちの子は何も考えていない」「表現力や文章力がない」と嘆いているママ! 実は、お子さんは、表現の仕方を知らないだけかもしれません。子どもの表現力を引き出し、読書感想文もラクラク書ける秘訣を、キッズ作文トレーナー講座立ち上げリーダー・志田千帆さんに聞きました。読書感想文は、大人の「問いかけ」でグングン書ける!子ども本人だけでなく、多くの親をも悩ます読書感想文。実は志田さん自身も、以前は読書感想文がお子さんとの衝突の原因となり、「早く書きなさい!」「何か思ったことないの!?」と声を荒げていました。それが、ちょっとしたコツをつかんでから、お子さんは書くことが好きになり、志田さん自身もストレスを感じることがなくなりました。そのコツとは、「問いかけ」の工夫。大人が問いかけながら表現を整理していくことで、読書感想文が短時間で楽しく書けるようになるそうです。「子どもは何も感じていないわけではなく、表現の仕方を知らないだけ。大人がうまく問いかけることで、子どもの表現を引き出すことができます」。子どもから表現を引き出す「問いかけ」のコツとは!?読書感想文を含む作文のはじめの一歩は、大人からの問いかけがポイント。心がけておくとよいのは、一点にフォーカスして問いかけること、なるべく具体的な質問をすること。「読書感想文であれば、本全体の感想を聞くのではなく、一場面にフォーカスして問いかけてください」と志田さん。まずは、「どこの場面を紹介したい?」「『ここ聞いて!』というページはどこ?」と問いかけ、その場面について、「誰がどこでどうした場面なの?」「その人ってどんな人なの?」「どうしてそうしたのかな?」「読んでどう感じた?」など、なるべく具体的に問いかけます。大事なのは、その子の伝えたいことに大人が興味を持つこと。少しオーバーなぐらい相づちを打ちながら、「それ、詳しく聞きたい!」「ええ~!?そんなことがあったの?」「それでそれで?」「うんうん、すごくよくわかるよ~」といった反応と見せると、子どもは自ら表現したいという意欲が出てくるそうです。子どもの感情や表現を否定しないこと!「問いかけ」を行う際のポイントは、子どもの答えをそのまま受け入れること。志田さんは、「子どもは自分の感情や発言が受け入れられるかに、とても敏感です。自信がない子は、大人の反応を気にして萎縮してしまいます。大人は、まずは子ども達に『自由に表現していいのだ』という安心感を与えてあげることが大切です。子どもの言葉や感情に正否はありませんから、表現できたことを褒めて、『なるほど』と受け止めてあげてください。『いや、違うよ』『そうじゃないよ』といった否定は禁物です」と言います。本を読まない子でも書ける裏技!でも、もし子どもがどうしても本を読んでくれなかったら? 途中で投げ出してしまったら、そもそも読書感想文が書けませんよね?志田さんは、「それでもなんとかなります」。たとえば、気になる挿絵を選ばせて、どんな感じを受けか聞いたり、数ページでイヤになった場合は、おもしろくない理由を聞き出したりすると良いそうです。「読書感想文というと、親は賞をもらえるような模範的なものを期待しますが、目的は賞を取ることではなく、思ったことをのびのびと伝えられる表現力を身に着けることですよね? 大人が思うような読書感想文としては成り立たなくても、表現することをトレーニングする機会だととらえ、楽しく自由に取り組んでください」。志田さんのお話は、「読書感想文とはこうあるべき」という概念をくつがえすものでした。「問いかけ」を利用すると、表現できる子になるのはもちろん、最終的に本も好きになってくれるかもしれませんね。読書感想文をきっかけに、自分の想いを自由に言葉や文章にする力をつけてあげると、人生が豊かに楽しくなりそうです!志田千穂さんHP<文:フリーランス記者鯰美紀>
2017年04月14日突然子どもが「習い事をやめたい」と言ったとき、どう対応しますか?アンケートから、親子ともに気持ちの整理がつけられる方法を考えてみましょう。※2017年1月27日~2月7日実施のあんふぁん読者webアンケートより。回答数124子どもがやめたいと言った習い事は?今回アンケートに答えてくれたのは124人のあんふぁんママ。まず習い事をしている子どもの年齢で一番多かったのが5歳、次いで3~4歳。約半数がこの年齢から習い事を始めています。何歳であろうが楽しんで通ってくれている間は親も子もハッピー。しかしある日突然「やめたい…」と言い始めることがあるのです。では子どもたちがやめたいと言った習い事は何でしょうか?そもそも習っている人が多かったのかもしれませんが、圧倒的に多かったのがスイミング38人。次いでピアノが16人、英語12人、学習塾が10人。サッカーや野球などのスポーツ、書道やそろばん、空手、剣道、新体操、スケートなどもありました。習い事をやめたい理由、トップ3習い事をやめたい理由で多かったのが「難しい…。うまくできない」45%。次いで「楽しくない…」24%。うまくできなければ「楽しくない…」という気持ちになるのは当然です。3番目にランクインしたのが「その習い事が好きではない」10%。そもそも子ども自身がその習い事を好きではなかったというケースもあるようです。どんな習い事でも課題をクリアして少しずつ上達していくもの。月謝も払っているわけだし、うまくできない、楽しくないからといって、“ここで簡単にやめてほしくない”のが親ゴコロ。習い事をやめる納得の理由と、親が決断する勇気「その習い事は子ども自らが習いたいと言ったものですか?」の質問に対して、「はい」が44%、「いいえ」が56%。半数以上が本人の意思で始めたわけではないようですが、幼い頃に始めたのであれば、それも不思議ではありません。習い事をやめさせたママの中には「半年様子を見ていたが、楽しそうではなかったので」(母39歳、子6歳、サッカー)、「強要したくなかった」(母29歳、子5歳音楽系)、「逃げるというのではなく、しっかりと意思を持っていたことに気付いたから」(母43歳、子8歳、スイミング)という意見も。続けてほしい気持ちはありつつ、子どもの意思も尊重したいという親の気持ちがよくわかります。“習い事をやめた”という中には、「ほかに興味のあることを見つけたので切り替えた」(母34歳、子4歳、テニス)、「無理にやらせても伸びないし、かわいそう」(母48歳、子9歳以上、ピアノ)、「これはダメかなと親が感じたらスパッとやめさせることも大切」(母41歳、子7歳、スイミング)。親が子どもの様子を客観的に見て、決断する勇気も必要なのかもしれません。逆に“習い事を続けた”人たちはどのような対応をしたのでしょうか。習い事を続けさせるために有効な対応、言葉がけは?「たくさん話す時間を作って理由を聞いた」(母40歳、子5歳、バレエ)、「気持ちを聞き、“諦めないでがんばろう”と提案した」(母39歳、子9歳以上、スイミング)など、話を聞く時間をしっかり持っている様子。親が励まして褒め続けることで気持ちが変わることもあるようですが、「続けていくうちに上達し、先生から褒められることが多くなった」(母37歳、子7歳、習字)、「できなかった種目ができるようになり、嫌がらなくなった」(母38歳、子6歳、体操)と、課題をクリアすることでひと皮むけるよう。親も先生も子どもの様子を辛抱強く観察しながら、ポジティブな声がけを続けることもポイントとなりそうです。習い事を続けさせるにあたり有効だった対応や言葉がけは、「責めるようなことは言わない」(母39歳、子6歳、サッカー)、「がんばれとは言わず、楽しんでと」(母29歳、子3~4歳、ピアノ)、「“やめてもいいよ”と言うと、やめたいモードのスイッチが切れる」(34歳、4~5歳、音楽系)など。また自分の子どもの頃の体験談を話したママもいました。」習い事をやめる?やめない?どちらにも必要な“目標設定”やめる、続ける両者に共通した点がひとつありました。それは“目標設定”。目標に向かう途中で子どもがやる気になったり、逆に目標を達成することで気持ちよく習い事をやめることができたりと、“目標設定”が気持ちの整理に有効的なようです。それに加えて「とにかく目標と、そこまでブレない親の気持ち」(母39歳、子6歳、スイミング)が大切。やめる、続けるの決断をするまで親がブレることなく子どもを見守り、たとえやめたとしても“逃げではない”と親自身が納得することも必要なのかもしれません。これからも続く子どもの習い事ライフ、何度かつまずくことはあると思いますが、親子ともに上手に乗り越えられる心がけと力を備えていきたいものです。<文・写真:フリーランス記者林未香>
2017年03月05日公開中の映画『一週間フレンズ』の中で、高校生の祐樹は、クラスメイトの香織に「友達になってください」と声をかけます。しかし答えはNO。理由は、一週間で友達との記憶を失ってしまうから。香織は小学生時代のつらい経験から、友人の記憶のみが消えるという障害を持っていたのです。「友達になれない」と距離を置こうとする香織に、祐樹は交換日記を通してひたむきに友情を育もうとします。■記憶には3つの段階がある香織のような障害がなくても、特定の記憶だけを保存したり、自由に取り出したり、狙って消したりということはできません。記憶とは、脳がオートマチックに次の3つの作業を行うことです。・記銘・保存・想起例えば、あなたは友達から毎年プレゼントをもらっているとしましょう。それらのプレゼントが何なのか、ひとつひとつ付箋を貼ってタンスにしまい、ときどき引き出しを開けてその品を見返します。記憶の作業もこれと同じで、様々な瞬間(刺激)に対して「これは○○である」という付箋を貼るのが「記銘」、それを心の引き出しにしまうのが「保存」、保存したものを取り出すのが「想起」です。ひさしぶりに卒業アルバムを見たら、クラスメイトの顔が記憶と少し違う、なんて経験をしたこともあるんじゃないでしょうか。そう、「保存」された記憶は、その状態のまま保たれるわけではないのです。■記憶は知らない間に変化する想起には、以下の3種類があります。・再生・再認・再構成「再生」は、昔録ったフィルムを見直すように、起こった出来事をそのまま思い返すことですね。実際には一度も経験してないのにどこかで体験したような心地がするのをデジャヴュといいますが、以前、経験したことを体験したと認知するのが「再認」です。そして思い出というのは時間の経過とともに細部が薄れ、強く心に残る要素が強調されたり、第三者からのすり込みなどによって違う内容に置き変わったりするものです。意図せず、過去にさかのぼって保存された中身を書き換えてしまう。これが「再構成」です。自分が覚えていることを相手が同じように覚えているとは限らないし、自分が認識している思い出も「再構成」された記憶かもしれない。このように「保存」されたものは、当てにならないもの。だから他人との関わり合いにおいて、常に・相手の認知を把握する・再生を繰り返しながら、過去から教訓を導くという心構えを持つことが、大切なんです。■記憶の取り扱い方どんなに親しい人間でも、「自分」ではありません。「自分」じゃない以上、同じものを見ても違う解釈をしている可能性があります。だから過去に関わる会話をする際は、まず相手がどう認知しているかを理解するところから始めるべきなのです。この過程が、行き違いをなくす大きな一歩になります。また、例えばつらい恋愛をしたら、なるべく思い出さないようにしようと努めがち。しかしそこには、失敗の原因となる要素がたくさん詰まっているんです。原因をつかめれば、自己改善のポイントとその方法がわかりますよね。理にかなった努力ができれば、同じ失敗を繰り返さない自分になれます。その瞬間、「つらい過去」は「教訓」として昇華されるのです。■まとめいい恋愛をするための「記憶」の取り扱い方、ご理解いただけましたでしょうか。恋人と別れたときに、友達と恋人の悪口を言い合って心の傷を癒そうとする人っていますよね。これは自分本位に思い出を歪め、つらい記録として保持し続けてしまうことにつながるんです。大切なのは付け焼き刃な「慰め」ではなく、現実と正面から向き合う「勇気」。その勇気があれば、どんな経験も自分の魅力に変えていける、魅力的な女性になれるでしょう。素晴らしい女性になるヒントは、常にあなたが保持する記憶の中にあります。一度、じっくり振り返ってみてはいかがでしょうか。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月04日