「可愛いチュチュを着て舞台で踊ってみたい」「レオタードを着てバーにつかまってみたい」――このように、華やかなバレエの世界に憧れる子どもは多いことでしょう。しかし、実際に習い始めると、「なかなかトウシューズをはかせてもらえない」「レッスンが厳しくてついていけない」といった壁にぶつかる子もいるかもしれませんね。35年以上バレエ界の第一線で活躍してきた草刈民代氏は、自身のエッセイ本『バレエ漬け』で、「バレエの舞台は華々しいが、ダンサーの日常は地道なことの積み重ねだ」と述べています。憧れの世界の舞台裏には、さまざまな悩みや苦労があることが伺える言葉ですね。では、もしも子どもから「バレエの練習がつらい」「バレエを辞めたい」と言われたら、親はどのように対応すればいいのでしょうか?親ができる声かけや対処法について説明します。子どもが「バレエを辞めたい」と言ったら、まずはこう声かけをバレエに限らず、習い事には練習がつらい時期や辞めたくなる時期があります。小学館の子育てサイト『HugKum』が、子ども(0~10歳ぐらい)に習い事をさせている保護者115人を対象に調査したところ、46.1%と約半数の子が、一度は「習い事を辞めたい」と言ったことがあるとわかりました。習い事が嫌になる時期というのは、ほぼ2人に1人が通る道。では実際に子どもがバレエなどの習い事を辞めたそうにしたら、親はどうしたらいいのでしょう?『子どもの能力を決める 0歳から9歳までの育て方』の著者で、家庭教育の専門家・田宮由美氏は、子どもにまずは次のような声かけをすると良いといいます。■「なぜ、辞めたいの?」と理由を聞く「どうしてバレエのお教室に行きたくないの?」「なぜ、お稽古がつらいの?」など、まずは子どもがバレエの練習がつらいと訴える理由を聞いてあげましょう。バレエの練習がつらい理由が「通うのに時間がかかり体力が持たない」「先生や友だちと合わない」であれば、レッスンの曜日を変えたり、別の教室を探したりすれば解決する可能性があります。「脚が上がらない」といったテクニック的なことであれば、親からも先生に相談することで解決の糸口が見つかるかもしれません。人間関係の悩みを抱えている場合など、時には子ども側にも歩み寄りが必要なこともあるでしょう。しかし、まずは「そうだったのね」と共感することが大切だと田宮氏は言います。そのうえで、どうすれば改善できるのかを親子で考えていくのが理想的です。■「よく頑張っているね」と子どもの努力を認める「こんなに上達したんだね」「ここまでよく頑張ってきたね」など、子どものこれまでの頑張りを認めてあげましょう。たとえバレエが嫌になってしまっても、親から努力を認めてもらい褒められると、子どものやる気が復活することもあると田宮氏は言います。「アン・オー(手のポジション)が指先まできれいね」といったように、具体的に褒めるとよりよいとのこと。そのためには、親もバレエにこれまで以上の関心を持つことが大切ですね。■「発表会まで頑張ってみようか」と目標を話し合う前向きな声かけをしても、子どものバレエを辞めたい意志が強いこともあります。しかし、「イヤなら辞めればいい」というのが当たり前になると、逃げ癖がつきかねません。そこで田宮氏は、辞める前に目標を設定して、それを達成したら辞めるように話し合うといいと言います。バレエなら、「次の発表会まで頑張ろう」といったような目標を決めることができますね。目標達成の過程でスキルが向上すれば、もっと頑張りたいと考え直すこともあり得ます。特に、トウシューズをまだ履いたことがない子どもなら、初めてトウシューズを履くお許しが出たときこそ心境が変化するチャンス。「辞めたい」といくら強く思っていても、考えが変わる可能性はあるのです。これらの声かけは、バレエの習い事に限らず有効です。子どもに習い事を辞めたい様子が見られたら、ぜひ実践してみてください。「上達できないから辞めたい」子には、レッスン外で親がサポートを「バレエがうまくならない」「練習がつまらない」などの理由で子どもがバレエを辞めたがっている様子なら、親が練習のサポートをしたり、バレエのレッスンが好きになれるように働きかけたりすることで、子どもの気持ちは変わるかもしれません。バレエの上達に必要なのは、お稽古場でのレッスンだけではありません。レッスン以外の時間で培った経験が能力を高めたり、バレエへの情熱を強くしたりする可能性があります。お父さん・お母さんがお子さんと一緒にできる、バレエの練習が好きになる対処法を説明しましょう。■読書で集中力を高めるパリ・オペラ座バレエ学校などでバレエ教授法を学んだ千田裕子氏によると、レッスンの悩みで多いのは「コンビネーション(アンシェヌマン)がなかなか覚えられない」「体が思い通りに動かない」「すぐに反応できない」といったことなのだそう。レッスンを重ねてもこれらの悩みが解決されない場合、集中力が足りない可能性があると千田氏はいいます。レッスンのときは、自分の意思で体をきちんと動かそうとしなければ、なかなかじょうずになりません。レッスンに集中できるかできないかが、あなたの上達に大きく影響するのです。(引用元:千田裕子著(2009),『きれいをつくるバレエ習慣』, 新書館.)※太字は筆者が施した頑張って練習しているつもりでも、うまくなったという実感がなければ、モチベーションが下がるのも無理はありませんよね。モチベーションが下がれば、集中力がさらに落ちて悪循環に陥ることも考えられるでしょう。だからこそ、子どもがバレエの練習に集中できるよう、親がサポートする必要があります。そのために千田氏がすすめる身近な方法は読書です。文字や絵など、本から得た情報は脳を刺激し、考える力を高めます。考える力が高まると、レッスン中も「膝がゆるむ癖があるから、腰をまっすぐ伸ばすように意識しよう」といったように、自分で上達に必要なことを考えられるようになり、同じ失敗を繰り返さないようになります。このように、自分で考え、意識して体を動かすことこそが「集中力」であり、それを高めるには読書が有効だと、千田氏は言っているのです。本を読みながら頭の中で情景を思い浮かべると、想像力がつき、バレエの表現力を高めることにもつながるので、一石二鳥ですね。■五感を鍛え、表現力をつけるバレエに必要な表現力を養うには、日常生活で五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を鍛えることも大切です。夜空を見上げる、川のせせらぎに耳をすませる……こうしたことでも子どもの五感は鍛えられると千田氏は言います。たとえば、花に触れて花びらの柔らかさを知っていると、『ジゼル』に出てくる花占いの表現に役立ちます。このように、日常の体験がバレエに役立つこともあるので、練習がつらいときは少し足を止めて、五感を刺激する経験をさせてあげるのもよいでしょう。より実践的なことをしたいなら、「マイム(身体や表情による表現)」の練習が有効です。『白鳥の湖』など有名な作品には長いマイムがあり、言葉に頼らないぶん、より高度な表現力が求められます。名門イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールでは、友だち同士での「おはよう」のあいさつにもマイムを用いるほど重要視されているそうです。ジャンプや回転と違い自宅でも練習しやすいので、「わたし・あなた」「愛」といった基本的な表現を子どもに見せてもらいましょう。子どもがマイムで何を表現しているのか、どんな感情を込めているのか、お父さん・お母さんが想像してみると、親子で楽しい時間が過ごせそうですね。■バレエの名作を鑑賞し、作品について勉強するバレエ講師の厚木彩氏は、多くの作品を積極的に見て、たくさんの踊りに触れることが大切だといいます。特に、『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』『ドン・キホーテ』『ジゼル』といった有名な作品の見どころを知っておくことは、踊るうえでの必須項目とのこと。たとえば『眠れる森の美女』では、オーロラ姫が4人の求婚者からバラの花を受け取りながら踊るローズ・アダージオなどの見どころがあります。これらの作品をスクールの発表会で見るのもいいですが、プロのダンサーが集まるバレエ団の公演で見てほしいと、前出の千田氏は言います。最高の舞台を見ることで、本当のバレエがどんなものか知ることができ、バレエを見る目が養われるためです。また、緊張感あふれるプロの舞台を見てバレエ鑑賞のマナーが身につくと、会場全体の雰囲気を感じられるようになるとのこと。たとえば、演目によっては幕が下りるまで拍手をせず、余韻を楽しむこともあるのだそう。そのようにしてプロの舞台ならではの雰囲気を全身で味わうことは、バレエの上達に役立つだけでなく、バレエへの憧れの気持ちを再燃させることにもつながるでしょう。***華やかそうに見える裏で、地味な練習や悩みも多いバレエの習い事。しかし、親の声かけや対処法によっては、子どもが改めてバレエの良さに気づき、より練習熱心になる可能性があります。もちろん、無理強いはしないように。子どもの様子を見ながら適切に対処してあげてくださいね。ぜひ、親子でバレエの世界と向き合ってみましょう。文/かのえかな(参考)草刈民代著(2006),『バレエ漬け』, 幻冬舎.HugKum|子どもが「習い事を辞めたい」と言ってきたら・・・続けるべき?辞めるべき?対処法は?ママパパに徹底調査!All About|子どもの習い事は無理にでも続けさせた方がいい?ARUHIマガジン|「習い事やめたい! 」と言われたら!? 親がサポートする時のポイント千田裕子著(2009),『きれいをつくるバレエ習慣』, 新書館.ジェーン・ハケット著, 白川直世訳(2008),『Ballerina―バレエのためのステップ・バイ・ステップ・ガイド』, 文園社.厚木彩監修(2017),『ジュニアのための バレエ上達 パーフェクトレッスン』, メイツ出版.
2020年02月22日「毒親」という言葉が世間一般に知られるようになってきましたが、私の父も祖父母も毒親でした。子どものときは本当につらい思いをし、その毒親ぶりは今でも夢に出てきて夜中に飛び起きてしまうほどです。しかし、捉え方を変えれば彼らは立派な反面教師。今回は毒親育児を反面教師にしている私の経験をお伝えします。 祖父母からの言葉がけを反面教師に私は物心ついたときには祖父母に育てられており、実の両親の顔を知りませんでした。今でも、なぜ両親がいなかったのかはわかりませんし、知りたくもありません。それでもやさしい祖父母に育てられて、めでたしめでたしといきたいところでしたが、決してそういうわけにはいかなかったのです。祖父母はとても恩着せがましく、口癖のように「お前は本当は施設行きだったのに」と言ってきたのです。これは今思い出してもつらい言葉です。そのため、私はわが子には毎日のように「生まれてきてくれてありがとう」と伝えるように心がけています。 お風呂は週1、おかずはスーパーの総菜のみ祖父母は戦争時代を生きた人だったためか、今の人と感覚がズレているところがありました。その最たる例がお風呂に毎日入らないことです。どんなに汗をかいても週1回しかお風呂に入れてくれませんでした。また、祖父母は2人ともごはんを作ることができないからと毎日スーパーの総菜を与えられました。そのため、私にとってのおふくろの味はスーパーの総菜なのです。これらの経験から、私はどんなに疲れていてもわが子を毎日丁寧に入浴させ、手作りの料理をおなかいっぱい食べさせるように努めています。 父が帰ってきてからは恐怖政治が始まるそれでも、小学生のときにフラッと父が帰ってきてお風呂などの衛生面は改善されました。ところが、この父親もとんでもない人でした。思い通りにならなければ乱暴な言葉で怒鳴って言うことを聞かせようとするのです。その怒り方は本当に常軌を逸していて、とても恐ろしいものでした。父はたまに家に立ち寄る程度の存在だったのに、怒鳴り散らすためだけに現れることもあって、父がいると気が休まりませんでした。私はこの父の恐怖政治を反面教師に、むやみに大声を出さず、諭すように叱ることを心がけています。 私自身は毒親にはなるまいと努めてきたためか、わが子はのびのびと育っています。昔のつらい思い出を振り切れる日はなかなか来ないと思いますが、子育ての反面教師として毒親との思い出を利用すれば、親としての道を踏みはずすことはないだろうとプラスに考えるようにしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:imasaku著者:鏡 環2歳の息子の母。現在第二子妊娠中。元高校教員。うつ病と闘いながら夫と二人三脚で育児に励む。
2020年02月09日どんな親も、我が子を「できない子」にしたくはありません。そのために、親はどうすればいいのでしょうか。新著『それは子どもの学力が伸びるサイン!』(廣済堂出版)が好評で、首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る進学塾VAMOSの代表である富永雄輔先生にアドバイスをしてもらいました。まずは、「できない子」の対極にある「賢い子」の話から伺いました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)「賢い子」とは、地頭のよさを使える子みなさんは、「賢い子」というとどういう子どもをイメージするでしょうか?わたしは、賢い子を自動車にたとえて「エンジンがでかい」というふうにいっています。これは、いわゆる地頭がいいということです。むかしからある表現なら、「1教えられれば10わかる子」ともいえるでしょう。では、賢い子はどうして1教えられれば10わかるのでしょう。それは、点と点をつなげられるからです。一つひとつの知識をバラバラに理解しているのか、それとも意図的につなげて体系化する習慣があるのか。そのちがいが、賢さという点で大きな差を生みます。たとえば、算数の掛け算と割り算を別のものとして理解している子どもは、それほど賢いとはいえません。一方、賢い子は掛け算を理解すれば必然的に割り算も理解できる。なぜなら、掛け算と割り算は同じ事象に対する観点を逆にしたものに過ぎないからです。つまり、賢い子とは、点と点をつなげ、ひとつのことから複数のことを理解しようとする子といういい方もできるでしょう。加えていうなら、「地頭のよさを使える」ことも賢い子の特徴です。先に、賢い子を車にたとえて「エンジンがでかい」と表現しました。ただ、車の場合はエンジンが大きければそれだけスピードも出るのですが、人間の場合、たとえ大きなエンジンを持っていても、そのエンジンをうまく使えない人もいます。最近、兵庫県に住む9歳の子どもが、数学・算数検定の最難関である1級合格の最年少記録を更新したことが話題になりました。その子の地頭のよさは、モンスター級といっていいでしょう。ただ、どんなに頭がいい子どもでも、なにもしないまま微分や積分がわかるようになるわけではありません。その子の親がしっかりと自分の子どもを観察し、我が子が数学に向いていることに気づき、地頭のよさをきちんと使えるように数学の勉強をさせてあげた――そのことが素晴らしいのだと思います。できない子ができる子を逆転しづらい時代この子のように、子どもがしっかりと地頭を使えるようになるためにも、わたしは先取り教育をおすすめします。ときどき、「先取り教育を受けた賢い子は、そのまま伸び続けるのでしょうか?」といった質問を受けることがあります。おそらく、「そうではない」という答えを期待する人も多いでしょう。でも、現実問題でいうと、近年は勉強が苦手ないわゆるできない子が、先取り教育を受けてきたできる子を逆転するという現象が起きづらくなっているように思います。それには、大きくふたつの理由が考えられます。ひとつが、いまの子どもたちのメンタルが非常に弱いこと。もっというと、そのメンタルを厳しく鍛えることが世間的にハラスメントだとしてやれなくなっていることも大きい。勉強をさぼって周囲から遅れはじめた子どもに対して、学校や塾の先生が叱って一生懸命に勉強させようとすると、その行為がハラスメントだと取られる。そうすると、できない子を一生懸命に指導しようという先生もいなくなりますから、できない子ができる子に追いつくことが難しくなるのです。もうひとつの理由が働き方改革です。いまは学校の先生も塾の先生もきちんと休みを取らなければなりません。ですから、正規の授業に加えてプラスアルファの補習が非常にやりづらくなっています。正規の授業だけでは内容を理解できない子どもをフォローできないわけです。つまり、先の質問に対する正確な回答は、「できる子がそのまま伸び続けるというよりは、できない子ができる子との差を埋めることができず、逆転しづらくなっている」ということになります。多くの親の教育知識は子どもの頃で止まっている加えて、いまは公教育が崩壊しつつあることも重要なポイントです。ここ30年ほどのあいだに、教育内容は大きく変わっていないものの、授業の時間は減っています。そのため、かつてなら公教育だけでも子どもたちが身につけられていたことも、いまの子どもはそうできなくなっています。では、いまの親は、我が子の学力をしっかりと伸ばしてあげるためになにをすればいいのでしょうか?それは、ここでわたしがお伝えしたようなことを含め、いまの子どもたちをめぐる教育環境の変化をきちんと知るということです。それぞれの業界の最先端でバリバリ働いているような人も、教育のこととなると自分が子どもの頃の知識で止まってしまっている人が多いようです。なぜかというと、すべての大人が自分たちなりに教育を受けた経験があるからです。その経験があるために、教育に関する新たな情報を知ろうとせず、教育環境はいまもむかしも変わらないと思い込んでいるケースが非常に多いのです。でも、むかしといまでは子どもをめぐる教育環境が大きく変化していると知れば、打つ手はいくらでもありますよね。クレームを恐れて先生たちが子どもを厳しく指導できないのであれば、親自身が我が子には厳しく指導すればいい。学校や塾の授業だけでは足りないのなら、親が補習をする、あるいは家庭教師に補習をしてもらえばいい。いずれにせよ、打つ手を考えるにも、親は教育に関する最新の情報にもっと敏感になるべきだと思います。『それは子どもの学力が伸びるサイン!』富永雄輔 著/廣済堂出版(2019)■ 進学塾VAMOS代表・富永雄輔先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「“エンジンがでかい”賢い子」にするための、親の心得第2回:“できない”意識を持つ子にすべき、超重要なこと「褒めて自己肯定感を高める!」(※近日公開)第3回:「ゲームや漫画は禁止!」が、子どもの“集中力の育ち”を阻害する理由(※近日公開)【プロフィール】富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)京都府出身。進学塾VAMOS代表。幼少期の10年間をスペインのマドリードで過ごす。京都大学卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生までを対象とする進学塾VAMOSを設立。現在、吉祥寺校に加え、四谷校、浜田山校の3校を開校。入塾テストを行わず、先着順で子どもたちを受け入れるスタイルでありながら、毎年、首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。受験コンサルタントとしての活動も積極的に行っており、年間300人以上の子どもたちの家庭をヒアリング。その経験をもとに、子どもの個性に合った難関校突破法や東大生を育てる家庭に共通する習慣についての研究を続けている。主な著書に『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)、『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月09日子どもは親の鏡です子どもとの日常の中には、楽しいこともあれば大変なこともいっぱいありますね。わが家には小学6年生の息子と小学2年生の娘がいます。いつも子どもたちを励ましているつもりの私ですが、この日は、いつの間にか大きくなった子どもたちに励まされ、ついでに自分の口ぐせにも気づかされてしまいました。「あきらめなさい」ってよく言っているんだな、私…ちょっぴり反省です。でも、きっと次は楽しいことがあるはず!みなさんもこんなこと、ありませんか?<ライターしみず宇海>
2020年02月02日子どもにとってもっとも身近にいる親は、子どもにとっての最強の応援団です。しかし、なかには子どもの夢を阻んでしまう最凶の「ドリームキラー」になっている親もいる――。そう指摘するのは、「励ましの言葉」である「ペップトーク」の第一人者である、日本ペップトーク普及協会代表理事・岩﨑由純さん。親が子どものドリームキラーにならないために、どんなことに注意すればいいのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもの努力とは無関係のことで、子どもの夢を断ち切らない子どもにとって「ドリームキラー」になってしまう親には、親の尺度による思い込みがあります。「宇宙飛行士になりたい」といった大きな夢を持っている子どもに対して、自分は勉強が苦手だったからと「無理に決まっている」などという親がいるのです。たしかに、遺伝の影響は小さくありません。でも、祖先から受け継がれながらも両親には現れていない素質が子どもには発現するということもあります。しかも、父親と母親の遺伝子の掛け合わせにより、子どもは両親とはまったくの別人になるもの。それこそ、「鳶が鷹を生む」ということは、まったく珍しいことではありません。それなのに、親が、環境や自分の遺伝子、ほんの数十年の人生のなかで培ってきた自分のものさしで子どもの可能性を奪ってしまう――つまりドリームキラーになってしまうということがよくあるのです。しかも、「わたしの子なんだから、無理に決まっている」というような遺伝のこと、あるいは「うちにはお金がないから」といった経済的なことは、子どもにはどうしようもないことです。自分の努力とは無関係な理由で夢を断ち切られるのは、子どもにとって本当につらいことなのです。夢に向かって頑張ることが他の可能性も広げる親が子どものドリームキラーにならないためには、子どもは自分とはまったく異なる別人であること、そして、子どもの努力ではどうにもならないことを理由に子どもの夢を断ち切ってはいけないことを親が認識することが大切です。その認識をしっかりすることで、子どもへの対応は自然に変わってきます。たしかに、子どもの夢によっては、経済的な問題が立ちはだかることもあるでしょう。それでも、子どものために最善を尽くしたり、親子で妥協点を探ったりすることはできるはずです。子どもが「宇宙飛行士になりたい」といった大きな夢を持っている場合にも、親の尺度で「絶対、無理!」なんていわず、心から応援することです。その応援を背に受けた子どもは、夢に向かって必死に頑張ることができる。そうやって、子どもの可能性というものは広がっていくのです。たしかに、宇宙飛行士になるという夢を叶えるのは本当に難しいでしょう。NASA(アメリカ航空宇宙局)の場合、その合格率は0.04〜0.08%ともいわれます。でも、その夢に向かって必死に勉強を続けられたとしたらどうでしょうか?たとえ宇宙飛行士にはなれなくとも、その勉強の成果として、それこそNASAやJAXA(宇宙航空研究開発機構)に就職できるかもしれない。あるいは、「プロ野球選手になりたい」という夢を持っている子どもの場合なら、その前に目指すのは甲子園出場でしょう。もちろん、その目標を叶えるのも簡単ではない。ほとんどの野球少年は、甲子園出場を果たすことなく野球をやめていきます。でも、大事なことは、甲子園に出場できたかどうかではありません。夢や目標に向かって頑張ったことこそが大事であって、その「頑張り方」を生かして、勉強や仕事、子育て、後の人生を頑張って生きられればいいのです。子どもが失敗したときこそ大きな成長のチャンスいずれにせよ、みなさんには、「夢に向かって努力するプロセスが大事」だと認識してほしい。もちろん、そのプロセスでは、子どもが失敗することもあれば壁にぶつかることもあるでしょう。そのときこそ親は「チャンスだ」と思ってほしいのです。子どもが打ち込んでいるスポーツの試合で勝てた、勉強の成果が出たというときには、一緒にただよろこんであげればいい。一方、試合に負けたりテストで大きなミスをしたりして子どもが落ち込んでいるようなときは、それこそ子どもにとって成長のチャンスです。そういうときは、間違っても、「なに負けてるの!」なんて責めるような言葉をかけるのはご法度です。子どもは悔しくて泣いているかもしれない。そのうえで親からそんな言葉をかけられては、子どもは努力をやめてしまい、打たれ弱い人間になってしまうはずです。子どもにとってのドリームキラーにならないために親がやるべきことは、なにより子どもを支えてあげることです。まずは、「悔しかったよね」と、子どもに寄り添ってあげる。加えて、本番までにもっとやるべきことがあったのだろうか、準備したことが間違っていたのだろうか、なにか足りないものがあったのだろうか、と子どもに考えさせるのです。「いま、本気で考えるチャンスだよ」と、次への努力へとつながる道を示してあげてください。『相手の結果を100%引き出す 実践!ペップトーク』岩﨑由純 監修・浦上大輔 著/フォレスト出版(2019)■ 日本ペップトーク普及協会代表理事・岩﨑由純さん インタビュー記事一覧第1回:子どもの成功も失敗も、親の言葉がけ次第!「ペップトーク」が持つすごい力とは第2回:子どもの夢を断ち切っているのは親かもしれない。注意すべき「ドリームキラー」発言第3回:「わたしの子=わたしのもの」と思ってはダメ。“傾聴力”で子育てはもっとうまくいく!(※近日公開)第4回:本番に強いか弱いかは価値観で決まる。「緊張を味方につける方法」の教え方(※近日公開)【プロフィール】岩﨑由純(いわさき・よしずみ)1959年10月10日生まれ、山口県出身。一般社団法人日本ペップトーク普及協会代表理事。NECレッドロケッツ・コンディショニングアドバイザー。日本体育大学体育学部体育学科卒業後に渡米し、米シラキューズ大学大学院体育学専攻科修士課程修了。日本初の「アスレチックトレーナー」として数々のスポーツ現場で活躍。アメリカ留学中に、ペップトークの迫力・思い・魅力を体感し、現在はスポーツの他、教育・ビジネスの世界にペップトークを普及するため精力的に講演活動を行っている。主な著書に『子どもの心に響く励ましの言葉がけ「ペップトーク」』(学事出版)、『想いが伝わるペップトーク』(いまじにあ出版)、『やる気をなくす悪魔の言葉VSやる気を起こす魔法の言葉』(中央経済社)、『心に響くコミュニケーション ペップトーク』(中央経済社)、『子どものココロを育てるコミュニケーション術』(東邦出版)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月27日自分が親になってみると、乗り越えたはずの「幼少期の辛い記憶」がよみがえる…。そんな人は、案外多いようです。親にされたようなことを、自分の子どもにはしたくない! 虐待の世代間連鎖を防ぐために、私たちができることは?母子論の第一人者であるカウンセラーの信田さよ子先生が、豊富なカウンセリング経験から導き出した初の子育て論を出版されたので、お話しを伺いました。この記事は、 「『親にされたことを、わが子にしたくない』そんなママに限界がきたら…」 「子どもが泣くと怒りが沸く…その負の感情が世代間連鎖を生む!?」 の続きです。■虐待の世代間連鎖を防ぐ二つのキーワード―「親にされたようなことを、自分の子どもにはしたくない!」と思う人は多いようです。信田:日本には、虐待にかかわる広範な職種の人たちにより構成された「日本子ども虐待防止学会」という学会があり、そこでは世代間連鎖に関する研究がいくつも発表されています。それらの研究から浮かびあがる重要なキーワードは、2つあります。ひとつは、「アタッチメント」、もうひとつは「感覚否定」です。―「アタッチメント」とは、何ですか?信田:アタッチメントは、子どもが不安を感じたときに、養育者にくっつくことで安心感を回復するシステムです。ここで注意したいのは、アタッチメントは「愛情」を表しているのではなく、むしろ危機的場面を切り抜けるために必要な「安心感」を表しているという点です。つまり、アタッチメントは「親から子どもに与えるもの」(愛情)ではなく、「子どもの側が親に求めるもの」(安心感)なんです。■子どもが親に求めているものとは?―なるほど。信田:アタッチメントのシステムが子どもの成長とともに安定的に発達すると、満2歳ごろから、自分と他者との関係性について、心の中のイメージが構成されるようになります。これを「内的作業モデル(Internal Working Model)」と呼びます。アタッチメントのシステムが子どもの成長とともに安定的に発達すれば、「自分の感覚は世界から受容されるはずだ」「他者は自分に安心感を与えてくれる」という信頼感が育ち、子どもの心の中には、世界とは、他者とはそのようなものである、というイメージが形成されていきます。―そのイメージ、とても大切ですね。信田:けれども、全員が全員、アタッチメントのシステムがうまく形成されるとは限りません。安心できる定点のようなものがどこにもなかったとしても、子どもたちは成長せざるをえませんから。そうなると、親子関係、対人関係におけるさまざまな特徴が生まれることになるんです。―どんな特徴があるのでしょうか?信田:たとえば、ほんとうはケアを求めているのに、わざと求めなかったり、ケアなんか必要ないという態度をとったりします。危険な行動を起こしたり、相手を攻撃したりすることで、ケアを求めていることをわかってもらおうとすることもあります。時には、反対に相手をケアする側に回ったりします。それらは、たいてい周囲の大人から「本人の個性」「性格」「遺伝」とされがちですし、本人たちもそう思い、成長し、結婚し、やがて親となる時を迎えます。アタッチメントがどのように形成されているかを、多くの人は自覚することはありません。目にはみえませんし、自分はそういう人間だと思っているからです。■子どもの「不快」を受け止められない親―「アタッチメント」という概念、とても重要性ですね。では「感覚否定」とは、何ですか?信田:子育てで最初に直面するのが、「子どもの泣き声」です。 育児に対して困難な気持ちを抱える女性たちのカウンセリングにかかわった経験がありますが、深刻な虐待をくりかえす女性も少なくありませんでした。「子どもが泣くと不安や憎しみが沸く」「いらいらしたり、何ともいえない気持ちになったりする」「心臓がどきどきしたり、呼吸が荒くなったりする」……。これらは育児ノイローゼとかたづけられがちですが、彼女たちの反応をもっと深くとらえる必要があります。これらの反応は、「子どもが泣く」という負の情動に対して、母親も負の反応を生じてしまうことを表しているんです。「どうしたの、よしよし」と抱っこする以前に、負の情動を示す子どもに対して母親の身体レベルでの拒絶が起き、結果的に子どもの負の情動を拒否してしまう。この拒否が、感覚否定です。―母親として、「子どもの負の情動を受け止めることができない」ということですか?信田:自分自身が負の情動を受け止められたという経験がない、負の情動を生み出す感覚が否定されてきたことが、泣く子どもへの身体レベルでの拒否感を生み出していると考えられます。子育てという事態に直面したとき、アタッチメントの課題が「感覚否定」という問題となって再浮上するのです。―「アタッチメント」と「感覚否定」、そんな因果関係があるのですね。信田:子どもの泣き声は、不快だったり、苦痛だったりするので生じる声です。それらが親から否定されたり、親から攻撃されたらどうなるでしょう?アタッチメントという言葉を用いれば、親の感覚否定こそが、アタッチメントが形成されることの最大の妨げとなっているとも言えます。不快で泣くしかできない子どもが、それを拒絶されるということは、感情・情緒を受け止めてもらえないというより、もっと身体感覚に近いものがあるでしょう。■子どもが泣いた時、自分に課すべきこと―母親として、そのような状態になってしまう場合は、どうしたら良いのでしょうか?信田:子育て中のママには、「子どもが泣いたら、とにかく『よしよし』と口に出すこと」と、お伝えしています。「よしよし」というのはあやす言葉ですが、「良し」という肯定も表しているんです。とにかく「よしよし」とつぶやくことを、自分に課す。それが条件反射になるくらい、毎日練習してみる。「自分はそんなふうに言ってもらったことがない」と、気づく人もいるでしょう。それはとても重要な気づきだと言えます。そして、「私は未経験のことをやろうとしている。何てすごいんだろう」と、「よしよし」に取り組む自分をほめてあげましょう。ひとりでぶつぶつ、「よしよし」という練習をする、このような練習をして、それを習慣化していく方法を「行動療法」と言います。理由はなんであれ、とにかく行動する、それを習慣化させることが大切なのです。―なかなか、厳しいですね。まるで修行のようです。信田:子育ては、修行という部分もありますよね。もう少し子どもの年齢があがれば、「いやだ」「お腹がすいた」ということもあるでしょう。転べば「痛い!」と言うでしょう。そんなとき、「いやじゃないの」「お腹なんて空いてないの」「痛くない!」と、言わないで欲しいのです。それこそが、感覚否定ですから。「痛い!」と、子どもが言えば「痛いのね」と復唱する。共感できなくても腹がたっても、とにかく子どもの言葉を「復唱」するのです。なぜなら、感情がこもっていなくても、どこか機械的であったとしても、否定するより、はるかにましだからです。「痛くないでしょ!」が感覚否定であるのに対して、「痛いの痛いの飛んでけ」は感覚肯定になります。このような伝承された言葉遣いには、感覚否定をしない智恵がつまっていますね。■世代間連鎖を防ぐために、私たちができること―「アタッチメント」「感覚否定」、あらためてキーワードだと感じました。信田:感覚否定に陥らないためには、子どもの言動に対して自分がどう感じているかを察知する必要があります。「ああ、自分は怯えている」「子どもが泣くとパニックになる」といった具合に自覚するためには、子どもの様子と同時に、自分の感覚を観察する必要があります。それをセルフウォッチング(自己観察)と呼びます。このような知識があったとしても、日々の子育ての場面で、すぐに自覚できるわけではありません。自己観察することに拒否感を覚える人もいます。自分の感覚を麻痺させるために、酒や薬などに依存することもあるからです。第三者(専門家)の援助を受けながら、自分の感覚に気づけるようにするという長いプロセスが必要となりますが、けっして不可能ではありません。―そうおっしゃっていただけると、何だか気力が沸いてきます。信田:自己観察によって、自分が子どもと向き合うときに不意に生じる負の反応を、だんだんと自覚できるようになると良いですね。●なぜ子どもが泣くと、自分が責められたように感じるのか?●なぜ子どもがぐずったりだだをこねたりすると、見境もなく怒りが沸いてきて怒鳴りたくなるのか?前述のとおり、このような反応が子どもにとって感覚否定になることを知り、その多くが、自分が育つ中で経験してきたものだとすれば、自分はそれを繰り返さないようにしなければなりません。―なるほど。信田:自分が親からどのようなことを継承したか、何を子どもに継承させたくないかを知るために、もう一つ大切なのは生育歴を振り返ることです。ときに振り返ることは苦しかったり、蓋をしておきたいという気持ちから、思い出せなかったり、思い出すことで不安定になったりすることもおきます。できれば専門家(カウンセラー)や、同じ経験をした仲間(友人)などと一緒に振り返るほうが安全かもしれませんね。―第三者(専門家)の援助、とても大切ですね。信田:これは私の持論なのですが、両親学級で、沐浴や授乳を教わるのに加え、そのうちの1回を生育歴作成にあてたらどうかと思っています。夫婦それぞれが生育歴を振り返ることで、あらためて、生まれてくる子どもに伝えていきたいこと、継承させたくないことを自覚できるのではないでしょうか。どの人にも、自分が親にされたように自分のこどもにはしたくないという点がひとつはあるはずです。それを確認するために生育歴を振り返ることは、世代間連鎖の防止ともいえるでしょう―本当にそうですね。信田:日々の練習を積み重ねることで、子どもに対して望ましい接し方ができるようになると思っています。「自分はそうしてもらってこなかったとしても」です。何より「世代間連鎖を防ぎたい」と願うことそのものが、すでに防止の第1歩なのです。そんな自分のことを「すばらしい」と、自信を持っていただきたいと思います。いかがでしたか? 子育て中に沸き起こる負の感情は、ママなら、誰しもが経験済です。けれども、「負の感情が自分の手に負えない!」と感じるならば、信田先生のような専門家の援助も必要なのでは? と、筆者は思っています。1人でも多くの独りで悩んでいるママに、この特集が届くことを願っています。<世代間連鎖を防ぐには>1)世代間連鎖を防ぐためのキーワードは、「アタッチメント」と「感覚否定」2)子どもが泣いたら、「よしよし」という練習から始める3)「世代間連鎖を防ぎたい」と願うことそのものが、すでに防止の第1歩■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『後悔しない子育て 世代間連鎖を防ぐために必要なこと』 (¥1,400円(税別)/講談社)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『母・娘・祖母が共存するために』(朝日新聞出版)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)など。
2020年01月25日以前、信田先生を取材させていただいた 「『私って、毒親?』と心配するママたちの原因は、“母”にある!?」 という記事が、とても人気がありました。それだけ、多くの人が、「こんなに感情的になってしまう私って、大丈夫?」と、心配しているのだと思います。》 「『私って、毒親?』と心配するママたちの原因は、“母”にある!?」 出産・育児の時期は、自分の母親の育児態度が思い出され、「母と同じ口調でわが子を叱ってしまう」と、自己嫌悪を感じることも。「私って、もしかして毒親?」と、心配になるママはどうすればいいのかをひも解いていきます。それだけ、多くの人が、「こんなに感情的になってしまう私って、大丈夫?」と、心配しているのだと思います。子育てをしていれば、感情的に子どもを叱ってしまう日だってあるでしょう。では、母親は、感情的になってはいけないのでしょうか? 引き続き、母子論の第一人者であるカウンセラーの信田さよ子さんにお話しを伺います。この記事は、 「『親にされたことを、わが子にしたくない』そんなママに限界がきたら…」 の続きです。■「感情的になった母親はひどい」のか?―つい感情的に子どもを叱ってしまい、その後に激しい自己嫌悪に陥ります。信田さよ子さん(以下、信田):「感情的になった母親はひどい」と考えると、「感情的になってはいけない」「怒ってはいけない」と抑制しなければという気持ちになりますが、それは誤解です。たとえ否定的な感情だったとしても、湧き上がる感情そのものに良い悪いはないんです。「怒りの感情を抱く」ことと、「それをどのように表現するか」は、別の話として考えた方が良いですね。―そうなんですか?信田:怒ったらすぐに怒鳴ってしまう、思わず子どもを叩いてしまうという人は、「怒り」を「抑える」しか方法がない、だから我慢しなければというふうに考えがちです。近年の心理学の成果は、どれほど怒りの感情が激しくしても、その表現方法は「選択」できることを明らかにしたことです。―表現方法を、「選択」ですか?信田:それには、自分の怒りを客観的に眺める必要がありますね。「怒りの温度計」という比喩は、とても役に立ちます。ゼロから10までの目盛りの温度計で「今6度だ、このままの状態を続けると9度を超えてしまう」というように、自分がどこまで怒りを抱いているか、怒りの程度をウォッチするのに温度計の比喩は役立ちます。怒りの温度計が上昇しているときであっても、ゆっくりとそして落ち着いた声で、「パン屋さんでは、パンに指でさわってはいけません」と、伝えることはできるでしょう?―なるほど。そんなふうに考えれば良いんですね。信田:怒ったらすぐ大声で怒鳴ってしまう、という人は、行動の選択肢は怒鳴る以外にもあることを知らないか、怒鳴るという行為を許している、自分を正当化しているんだと思います。もし、「自分の子どもだから怒鳴ってもかまわない」と考えているとすれば、はなはだ迷惑な話だと思います。子どもを所有物だと思っているのではないでしょうか?■叱るのはいけないことなのか?―所有物というか、子どもに対して「責任がある」と思っているんです。信田:なるほどね。そういう方は、もしかすると「怒る」と「叱る」を混同しているのかもしれませんね。最近は、「怒ると叱るは違う」と、さまざまな子育て本に書いてあり、ひとつの定番化になっているほどです。でも、「怒る」と「叱る」の違いを理解している人は、案外と少ないのかもしれません。「叱る」行為の大前提として、「自分の感情を爆発させるためではなく、相手の成長のため」という目的がある点を、意識してみましょう。つまり下の存在を成長させるために、上の存在がきつく諭し気づかせるように導くことが、「叱る」という行為です。そこには、「上から下への勾配関係」があります。―なるほど。信田:けれども、最近では子どもに対して「上から目線」になることをためらう親が増えています。「子どもを対等な人として扱うことが大切」、「押し付けない」「強制しない」、「なぜなら子どもの自主性が大切だから」といった育児観が広がることで、上から目線の命令口調は否定されるようになってきました。けれども、「〇〇してはいけません」「〇〇しなさい」と発言しないことは、親が責任を取ることに怯えているんじゃないでしょうか。もっとはっきり言えば、「叱らない親」「お願いする親」の本質は、私には責任逃れのように感じられるのです。■子どもに怒ってしまったことは取り返しがつかないの?―すごく思い当たります…。でも、やっぱり、何だか及び腰になってしまうんです。信田:「怒る」と「叱る」を、整理できるようになってくると、怒りのエネルギーを上手に使えるのかもしれませんね。そんな方に知っておいて欲しいのは、思わず怒りの感情が暴発してしまったとしても、取り返しがつかないわけではない。ちゃんとフォローできていれば大丈夫、ということです。取返しのつかないことなどないんです。―そういってもらえると、何だかホッとします。信田:そして、さらに、親が叱る時の基準をつくることが大切です。親の気分次第の勝手な叱り方は、子どもに大きな混乱をもたらしますからね。そうすると、子どもなりに、リスクの少ない安全策は「親から見て常にいい子でいることである」と学んでしまうんです。過剰ないい子、誰からみてもいい子であることの背景に、親のわけのわからない無原則的な怒りの暴発があることは指摘しておきたいと思います。―そうなんですね…。信田:望ましい家族の一つの条件は、「子どもなりに納得できる原則を親が示し、親がそれを守ろうとする姿勢を示すこと」。それはひとつの「秩序」を示すことですね。叱るという行為は上から下への支配的な言動のひとつですが、「自分の感情を爆発させるためではなく、相手の成長のため」という目的ゆえに許されるのです。こうやって整理しておけば、「怒る」ことをむやみに怖がらなくなるし、感情的になってしまった時も、きちんと「叱る」ために、ハッと立ち止まれるのではないでしょうか? <感情的に怒ってしまうママへ>1)「怒り」の表現方法は選択できる。「怒りの温度計」という比喩を使うとわかりやすい2)「叱る」のは、相手の成長のため。叱る時は基準を示し、親は基準を守る姿勢を見せる3)親のわけのわからない無原則的な怒りの暴発が、「いい子」を作ってしまう次回は、いよいよ本特集の仕上げ。虐待の世代間連鎖を防ぐためのお話しです。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『後悔しない子育て 世代間連鎖を防ぐために必要なこと』 (¥1,400円(税別)/講談社)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『母・娘・祖母が共存するために』(朝日新聞出版)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)など。
2020年01月24日子どものことを真面目に考える親ほど抱えがちなのが、「こうしなければならない」「こうしては駄目」という強い思いです。でも、気鋭の教育ジャーナリスト・おおたとしまささんは、「もっと肩の力を抜いていい」といいます。子ども教育において「やらなくてもいいこと」を、あえて逆説的に挙げてもらう短期連載最終回の「やらなくてもいいこと」は、「いい教育を与えなくていい」「自分で選ばせなくていい」「心配しなくていい」の3つです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)【やらなくてもいいこと10】いい教育を与えなくていいここでいう「いい教育」とは、偏差値が高いなど世間一般に「いい学校」といわれる学校に入学させるといった教育のことを指します。わたしも教育ジャーナリストという立場上、「中学受験をさせたいのですが、どの学校がいいですか?」といったことをよく聞かれます。でも、受験をしないと入学できないような中学というのは、よほどのはずれを引かない限り、どこもいいのです。また、偏差値とは別に、「モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、イエナプラン教育のどれがいいですか?」というふうなことも聞かれます。それに対するわたしの答えは、「どこでも大丈夫」になるでしょう。そもそも、子どもには自分で学んでいく力がある。ですから、どんな学校に行ってもそのなかで自分に必要な栄養を取って成長していけるのです。また、「与える」という発想になっている時点で、その親には危険性を感じます。これは、教育虐待をしている親に多い発想です。そういう親は、子どもは真っ白なキャンバスのようなもので、いい教育を与えればいい人間に育つが、悪い教育を与えれば悪い人間に育つと信じ込んでいます。子ども自身を見つめる視線が抜け落ちいていて、教育環境に対して過剰な期待を持っているのです。もちろん、どの学校の水が合うといった相性は多少あるでしょう。でも、子どもにはそれ以上に高い適応力がありますし、教育環境のちがいがその子の人生をまったく別のものにするといったことはまずないこと。たとえば、わたしが別の高校や大学に行っていたとしても、わたしは「いまのわたし」になっていたと思います。そして、忘れてほしくないのは、「決断の良し悪しというのは、決断したときに決まるものではない」ということ。東大に入ってまったく勉強をしなかった人間と、偏差値は高くなくても入った大学で精一杯勉強をした人間なら、後者のほうがよほど多くのものを大学から得ることになります。なにかを決断したとき、その道を最善のものにする努力をいかに続けられるか、その環境を最大限に利用するかということこそが大切なのです。【やらなくてもいいこと11】自分で選ばせなくていいこれは、どんな場面でなにをするにも子どもに選ばせている、子どもに対して理解のあるリベラルな親でありたいと考えている人に向けての言葉です。たしかに、子どもが思春期に差しかかって徐々に自我が目覚めて自己主張をするようになれば、そういう考え方も大切かもしれません。でも、幼い子どもの場合ならどうでしょうか?幼い子どもにはまだはっきりした自我も判断力もありませんから、なんでもかんでも子ども自身で選ぶことはできません。幼い子どもなら本気で、「お父さんとお母さんに選んでほしい」と思っていることもあるでしょうし、子どもが「どっちでもいい」といったらどっちでもいいのです。そういうときは、ある程度、親が決めてしまっていいとわたしは考えています。子どもが自分で選びたいというときだけ選ばせてあげればそれでいい。子どもになにかスポーツをさせたいと思うのなら、周囲の環境のなかで、「ちょっと水泳教室を見てみようか」「野球チームの体験練習に参加してみる?」というふうに、いくつかの選択肢を示してあげる。それで、子どもが選べないようだったら、子どもは親を信頼しているので、「じゃ、水泳を習ってみようよ」というふうに選んであげていいのです。もちろん、無理強いしてはいけません。子どもに「お父さんとお母さんがそういうなら、やってみようかな」という気持ちがあることが大前提です。そのうち、子どもが成長して自分の意志が出てきたら、そのときは子どもの意志を尊重すればいいのです。このことには、わたしからひとつ注意してほしいことが含まれます。子どもに選ばせることにこだわる親のなかには、無理に子どもに選ばせたにもかかわらず、子どもが習い事をやめたいということになった場合などに、「あなたが選んだんでしょ!」というふうに子どもの責任にする親もいます。それでは子どもが追い詰められてしまいます。そんな事態を招かないためにも、子どもの自我が目覚めるまでは、親が選んでもいいというふうに考えてみましょう。【やらなくてもいいこと12】心配しなくていい最後にわたしから伝えたいのは、「心配しなくていい」ということ。よほど間違ったことをしない限り、子どものことを真剣に考えている親の子どもであれば、その子はちゃんと育っていきます。ですが、子どものことはどんな親でも心配してしまいますよね。そういう場合は、「心配しなくていい」なんて強く考えすぎる必要はありません。「心配しなくていい」とは、「心配しては駄目だ」というわけではないのですからね。「心配しなくていいですが、心配してもいい」。わたしはそうみなさんに伝えたいと思います。『大学入試改革後の中学受験』おおたとしまさ 著/祥伝社(2019)■ 教育ジャーナリスト・おおたとしまささん インタビュー一覧第1回:いちばんのしつけとは、子どもに〇〇を見せること。親はそんなに頑張らなくていい!第2回:いまの時代、「絵本の読み聞かせ」にこだわらなくてもいいんです。第3回:才能さがしのための「たくさんの習い事」より、もっと大事にすべきこと第4回:なんでも「自分で決めさせる」親が、子どもを追い詰めているかもしれない理由■ おおたとしまささん 過去のインタビュー記事はこちら過当競争極まれり。難関中学への“逆転入学”が子どもに弊害をもたらしている「間に合わせの学力」では人生厳しい。「本質的な学力」を伸ばす“1日10分”の学び学力は人並程度あればいい。「新たな時代」を生き抜くためには“3つの力”が必要だ「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚である失敗経験から学ぶ、学力とは異なる力がものをいう時代。受験勉強で「失うもの」とは?心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人【プロフィール】おおたとしまさ1973年10月14日生まれ、東京都出身。教育ジャーナリスト。雑誌編集部を経て独立し、数々の育児誌、教育誌の編集に関わる。中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験もある。現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。『新・男子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『新・女子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書』(大和書房)、『いま、ここで輝く。超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室』(エッセンシャル出版社)、『中学受験「必笑法」』(中央公論出版社)、『受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実』(新潮社)、『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』(朝日新聞出版)、『ルポ 塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎)、『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月09日「子どもの将来のために、いい親でありたい」と考える真面目な人ほど、「こうしなければいけない」「こうしては駄目」といった家庭教育に関する多くの情報にがんじがらめになっています。そこで、気鋭の教育ジャーナリスト・おおたとしまささんに、子ども教育において「やらなくてもいいこと」を、あえて逆説的に挙げてもらいました。短期連載第1回目の「やらなくてもいいこと」は、「ガミガミ叱らなくていい」「朝は起こさなくていい」「夫婦の意見はそろえなくていい」の3つです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)【やらなくてもいいこと1】ガミガミ叱らなくていい真面目な人ほど、「きちんと子どもにしつけをしないといけない」と考えます。もちろん、それはそれで正しいことですが、注意してほしいのは「しつけ=叱る」ではないということ。どうも、厳しく叱らないと「しつけができない」と考えている人が多いようです。でも、ガミガミと叱らなくてもしつけはできる。だいたい、子どもができないことは、強い口調で伝えたからといってできるようになりません。どんなに親が「ああしなさい、こうしなさい」といってもできないのなら、「このことは、この子にはまだできないんだな」と考えるべきです。まさに成長の真っ只中にある子どもにとっては、いまはできなくても、そのうちできるようになることもたくさんあるのですから。そして、口で伝えることだけがしつけではないと思うのです。わたしが考えるいちばんのしつけとは、子どもに親が手本を見せること。あいさつなんてそれこそ手本を示しやすいものでしょう。たとえば、子どもと散歩中に幼稚園の先生など知り合いに会ったとします。子どもがあいさつをできなかったからといって、「ちゃんとあいさつしなさい」というのではなく、親が「こんにちは」と先生にあいさつをすればいい。そういう親を見て育てば、子どもは自然に「そういうものなんだな」と思ってあいさつができるようになるはずです。普段から親がそういう手本を示していれば、もし子どもがやるべきことを忘れたような場合にも、その親の手本を思い出せるはずです。あいさつのケースなら、普段からあいさつができているような子どもも、たくさんの人が集まっているような場では、その状況に驚いてあいさつを忘れてしまうこともあるでしょう。そういうときも、まずは親がまわりの人にあいさつをする。そして、「こういうときはなんていうんだっけ?」と子どもに伝えてあげれば、子どもは「そうだ!」と思い出して、あいさつできるでしょう。そういった経験の積み重ねこそが、子どもにとって最善のしつけになると思うのです。【やらなくてもいいこと2】朝は起こさなくていい「朝は起こさなくていい」といっても、誤解はしないでください。小さい子どもに、自分で目覚まし時計をセットさせ、ひとりで起きるようにしたほうがいいというわけではありません。自分ひとりで起きられるようになるのは、やはり思春期頃からのことでしょう。もちろん、小さい子どもなら親が起こしてあげる必要があります。でも、小学生にもなれば、子どもに何度声をかけても起きないのであれば、そのまま放っておいてもいいと思うのです。なぜなら、子どもに「失敗の経験」をさせることも重要だからです。ご自身がはじめて小学校に遅刻したときのことを思い出してみてください。廊下には誰もいなくて、もうすでに授業がはじまっている教室に入るだけでも緊張したものですよね。そして、教室に入ろうとしたら、友だちの注目を一身に浴びる……。その恥ずかしさといったらないでしょう。そういう失敗によって痛い目を見れば、その子は緊張感を持ってきちんと起きようとするはずです。もちろん、学校には親としてきちんと連絡しておく必要があります。まずは担任の先生に子どもが遅刻することを謝罪し、「あえて遅刻をさせるから、しっかり叱ってください」と、今後のために意図的に失敗をさせたい旨を伝えれば、先生もきっと理解してくれるはずです。【やらなくてもいいこと3】夫婦の意見はそろえなくていい夫婦というのは、とくに子どもの教育方針については互いの意見を一致させたいと考えるものです。でも、他の多くのこともそうであるように、それぞれ別の人間である夫婦の意見が完全に一致するということはあり得ないといっていいでしょう。そこで無理に意見をそろえようとすると、夫婦関係がうまくいかなくなるということにもなりかねません。もちろん、夫婦で話し合うことは大切。でも、夫婦円満のためにも、相手を論破してでも意見をそろえようとするのではなく、結論については「遊び」を持たせておくべきではないでしょうか。「こういう生き方をする人間に育ってほしい」というふうな、大まかな方向性が合っていれば十分だと思うのです。その方向性を考えるうえでのアドバイスとしては、固有名詞を使うなどあまり具体性を出さないようにすること。「東大に行くような人間に育ってほしい」「最低でも偏差値60以上の大学に行く人間に育ってほしい」といいはじめては、それこそ夫婦の意見はなかなか一致しません。そして、むしろ夫婦の意見に「幅」があることのほうが、子どもにとっては大切なことだとわたしは考えます。というのも、その幅のなかで子どもの個性が育っていくからです。実際にはあり得ませんが、仮に夫婦のあらゆる意見が一致しているという場合、子どもはその狭い価値観のなかでしか生きられないということになります。でも、夫婦の意見に幅があるほど、子どもは「このことに関しては、お父さんはこういうけど、僕の意見はお母さん寄りだな」といったふうに考えることができます。あるいは、人にはそれぞれ異なる価値観と意見があるということを知ることもできる。夫婦の意見の幅が子どもの視野を広げ、世の中の見方をつくっていくのです。そう考え、仮にシングルの人であっても、子どもの祖父母など自分以外の大人と接する機会をなるべく増やしてあげることが大切なのではないでしょうか。『大学入試改革後の中学受験』おおたとしまさ 著/祥伝社(2019)■ 教育ジャーナリスト・おおたとしまささん インタビュー一覧第1回:いちばんのしつけとは、子どもに〇〇を見せること。親はそんなに頑張らなくていい!第2回:いまの時代、「絵本の読み聞かせ」にこだわらなくてもいいんです。(※近日公開)第3回:才能さがしのための「たくさんの習い事」より、もっと大事にすべきこと(※近日公開)第4回:なんでも「自分で決めさせる」親が、子どもを追い詰めているかもしれない理由(※近日公開)■ おおたとしまささん 過去のインタビュー記事はこちら過当競争極まれり。難関中学への“逆転入学”が子どもに弊害をもたらしている「間に合わせの学力」では人生厳しい。「本質的な学力」を伸ばす“1日10分”の学び学力は人並程度あればいい。「新たな時代」を生き抜くためには“3つの力”が必要だ「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚である失敗経験から学ぶ、学力とは異なる力がものをいう時代。受験勉強で「失うもの」とは?心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人【プロフィール】おおたとしまさ1973年10月14日生まれ、東京都出身。教育ジャーナリスト。雑誌編集部を経て独立し、数々の育児誌、教育誌の編集に関わる。中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験もある。現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。『新・男子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『新・女子校という選択』(日本経済新聞出版社)、『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書』(大和書房)、『いま、ここで輝く。超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室』(エッセンシャル出版社)、『中学受験「必笑法」』(中央公論出版社)、『受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実』(新潮社)、『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』(朝日新聞出版)、『ルポ 塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎)、『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月06日子どもが言うことを聞かず大人を困らせるのは、どこの家庭でも見られる光景です。しかし、子どもが親の言うことを聞かないのには理由があるということを理解している人は、少ないかもしれません。「どうして言うことを聞いてくれないの!」と叱る前に、“子どもが言うことを聞かなくなる理由”や“注意したい親の声かけや態度”について、いま一度、考えてみませんか?「言うことを聞かない」は、子どもの成長に必要な過程のひとつ子どもは成長過程のひとつとして、1歳半~3歳ごろに第一次反抗期を迎えます。いわゆる「イヤイヤ期」というもので、これ自体はご存じの方が多いことでしょう。では、なぜ子どもにはイヤイヤ期があるのでしょうか?それは、生きていくうえで一番大切な「自己評価」や「自己肯定感」を養うためと、スクールカウンセラーで医師の明橋大二氏はいいます。子どもは3歳ごろまでに、「私は存在価値があるんだ」「生きていていいんだ」という心の土台を築きます。そのためには当然ながら、親が子どもの反抗を受け止める過程が欠かせません。この気持ちが土台になって、次は「生活習慣」や「しつけ」が身につけられると明橋氏はいいます。これがだいたい、4~6歳ごろです。そして、自己肯定感やしつけを土台にすることで、初めて「勉強」が可能になるとのこと。これが7歳ごろにあたるため、小学校の勉強が6~7歳から始まっているのは理にかなっていると明橋氏はいいます。自己評価という土台がしっかり築ければ、その後のしつけや勉強も自然と身につくとのこと。そのため、子どものイヤイヤは一時的な現象として考えるものではなく、のちの成長への重要なステップとしてとらえることが大切です。成長段階別・子どもが親の言うことを聞かない理由前出の明橋氏は、1~2歳、2~3歳、3~5歳で子どものイヤイヤにも違う傾向がみられると述べます。同氏の解説をもとにして、成長段階別に、子どもが親の言うことを聞かない理由を説明しましょう。■1~2歳の子ども1~2歳の子どもが言うことを聞かないのは、「自分の人格を認めてほしい」ためです。このぐらいの年齢になると、子どもは親の言葉や指示をだいぶ理解できるようになります。そんな時期に「イヤ」と何度も言うことで、「自分もひとりの人間なんだ」と主張しているのです。この自己主張を認めることで、子どもの自己評価は育まれていきます。■2~3歳の子ども2~3歳の子どもが言うことを聞かないのは、自立心が高まり、自分の意志をよりうまく伝えられるようになるためです。この時期は、親にしてみれば困った行動を多くする時期。明橋氏いわく、自立とは「親にとって、とても手がかかる状態になること」ですが、それを親の都合で叱ったり止めたりしていては、自発性そのものが失われてしまうのだそう。きょうだいや友だちに対しても自己主張を始めるようになり、その過程で、対人関係のルールや、言っていいこと・悪いことの区別を学べるようになるのも、この時期の特徴です。時には傷つくこともあるので、そんなときは親が支えてあげましょう。■3~5歳の子ども3~5歳になると、簡単なルールは守れるようになります。それでも言うことを聞いてくれないように感じられるのは、子どもがそのときの気分によってはぐずったり、わざとルールを破って反抗したりすることがあるためです。いつもは友だちと仲良くおもちゃの貸し借りをしているのに、急に「貸さない」と言ってぐずりだす……。こうしたことに思いあたりがあるお父さん・お母さんは多いのではないでしょうか?一方でこのころは、他人の気持ちに対する理解度が高まり、正しく公平な行動がしたいという気持ちが芽生える時期でもあります。そのため、何が間違いなのか教えたり、考えさせたりする機会を作ることで、言うことを聞かない回数も減っていく可能性があるのだそう。そんな時期だからこそ、頭ごなしに言うことを聞かせるのではなく、子どもが反抗したときには、何が正しいことなのかをきちんと教える必要があることも忘れてはいけません。子どもが言うことを聞かないときの対応例:OK・NG集子どもが言うことを聞かないと親はイライラさせられるもの。ですが、そのときの親の言動によっては、子どもを深く傷つけたり、余計に聞き分けが悪くなったりする可能性があります。そこで、子どもが言うことを聞かないときに注意したい、声かけや態度のNG例を説明しましょう。OK例も一緒に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。【NG例1】何がいけないのか理由を言わず、感情的に叱る子どもが言うことを聞かないとき、カッとなって怒鳴りつけても、肝心な「叱られた理由」が伝わらないことがあります。大切なのは、何がいけないかを子ども自身で考えさせたり、どうしたら良いかを伝えたりすることだと明橋氏はいいます。たとえば、一番上の子どもが友だちの家でお菓子をもらってきたとき。お菓子を弟や妹にも分けてほしいけれど子どもが聞き入れようとしない場合、親の対応のOK例・NG例はこちらです。◎OK:「●ちゃん(妹・弟)が目の前でお菓子を食べていたら、自分も欲しいなと思わない?」「みんなが喜んでくれると、自分も嬉しいよね」×NG:「いいからあげなさい!」「独り占めしたいなんて、いやしい子ね」理由を伝え、子どもに相手の立場になって考えさせるようにすると、よりいっそう、他人の気持ちが理解できるようになりますよ。【NG例2】「もう勝手にしなさい!」と突き放したり、人格を否定したりする子どもがひとりで何かをしたがって聞かないときなど、大人はつい、突き放す言葉を言ってしまいがちです。しかし、こうした言葉は子どもの心に深い傷を負わせるおそれがあると、教育コンサルタントの上野緑子氏はいいます。たとえば、まだ歯磨きの真似事しかできないような子どもが「ひとりで歯磨きする」と言って聞かない場合、親の対応としては次のようなOK例・NG例があげられます。◎OK:「よし、じゃあ頑張ってみよう(と言って見守る)」×NG:「もう勝手にしなさい」「好きにしなさい」ひとりでやろうとして失敗することもたくさんあるでしょう。そんなとき、「やっぱりひとりじゃできないじゃない」と否定的な言葉をかけるのもNGです。子どもは全人格を否定されたと感じてしまいます。ひとりでできたときはもちろん、たくさんほめてあげましょう。【NG例3】「あとでね」「また今度ね」と適当なことを言ってはぐらかす忙しいときに聞き分けのないことを言われると、その場しのぎの言葉ではぐらかしたくなりますよね。しかし、適当なこと言うのはうそをつくのと同じと、日本メンタルアップ支援機構・代表理事の大野萌子氏はいいます。もしも子どもが「公園に行きたい」と言って聞かない場合……◎OK:「明日一緒に行こうね」「ごはんを食べたら行こうね」×NG:「あとでね」「また今度ね」OK例にあるようにはっきり約束をして、その約束は守りましょう。そして、もしも約束を守れなかったときは、理由を伝えて謝るといった誠実さがある態度を取り続けることが大切だと、大野氏は述べています。親が、子どもに対しての関わり方に一貫性を持ち、日常の小さな約束を守ることを徹底するだけで、子どもの親に対する信頼度は確実に上がります。結果的に安定した気持ちを育み「聞き分けがよく」なるのです。(引用元:東洋経済オンライン|言う事を聞かない子どもの親の残念な共通点)【NG例4】「~したら、○○をあげる」とご褒美で釣る育児相談室「ポジカフェ」主宰・オランダ心理学会(NIP)認定心理士の佐藤めぐみ氏によると、親が物(ご褒美)に依存した子育てをすると、子どもが物に依存したまま大きくなってしまうそうです。たとえば、子どもが公園でブランコを独占してしまっているときは……◎OK:「ほかの子も遊びたがっているから、順番に使おうね」×NG:「好きなおもちゃ買ってあげるから、ブランコ遊びはやめよう」また、物質的なご褒美は効果や満足感が持続しにくいため、どんどんエスカレートしてしまうとのことで注意が必要です。【NG例5】「○○しないと、おやつ抜き」と、罰を与える罰を与える叱り方は、何が悪いのかが子どもに伝わらず、問題の解決にはならないからNGだと前出の佐藤氏はいいます。「嫌なことを避けたいから言うことを聞こう」と、子どもに思わせてしまうのです。もしも、子どもをいくら誘ってもお風呂に入ってくれないなら……◎OK:「○○(テレビ番組)がもうすぐ始まるね。それまでにお風呂に入ろうね」×NG:「早くお風呂に入らないと、テレビ見せてあげないよ」佐藤氏によれば、ご褒美と同じく、罰も内容がエスカレートする可能性があるとのこと。また、罰に委縮したり抵抗したりする結果、殻にこもる、泣き叫ぶといった副作用を誘発するおそれもあるので避けましょう。***子どもが言うことを聞かないのは、のちの成長に欠かせない過程です。親はイライラすることも多いかと思いますが、その場しのぎの対応をせず、しっかり理由を伝えたり、子ども自身に考えさせたりするなどして、ステップアップのきっかけにしましょう。文/かのえかな(参考)枚方市ホームページ|だだこね(第一次反抗期)明橋大二 (2006),『子育てハッピーアドバイス 2』, 1万年堂出版.明橋大二 (2006),『子育てハッピーアドバイス 3』, 1万年堂出版.All About|子供のしつけ時にやってはいけない怒り方!NG叱り方10か条東洋経済オンライン|言う事を聞かない子どもの親の残念な共通点All About|ご褒美を習慣にすると子どもに何が起こる?All About|子供を罰しても問題解決しない4つの理由
2019年12月31日人生投稿サイト STORYS.JP で、人気のストーリーの漫画化第2弾。母親が嫌いだった私が「親になって知ったこと」のお話です。作画: 渋谷さえら 原作: 村上 奈美 前回 からのあらすじ私と母のこじれた親子関係が変わったキッカケは…私は結婚して子どもができて…そして離婚して…シングルマザーとなったいろいろあって、もうどうしても一人では生きていけなくなった時に、母が手を差し伸べてくれた「あんたで失敗した事を、やりなおすわ」あらためて教育系の本を図書館から大量に借りてきて、毎日のように読み漁り、私で失敗したことを繰り返さないようにしているらしい。 堂々と目の間で「失敗作」と言われるのは、あまり気持ちのいいものではないけれど、それはそれで母なりの反省と愛情なのかな、と思う。昔6歳までそうしてくれたように、3人の子どもたちに愛情を注いでくれている。ちなみに今は10歳までしっかり育てるらしい。だけど、私は母親として、あの言われて嫌だった言葉の数々を、子どもたちに言ってしまわないか不安になっている。仕事ばかりで、子どもたちの話を聞ける時間が限られてしまっているから今 母親のあなたへこれから母親になるあなたへお願いしたいこと小学生の男子なんて「なにそれ…?!」というような話しかしてくれないけど…でも「母親が興味をもってくれた」という事実だけで喜べるから。ウチの息子も、朝の一番忙しい時間に真面目な顔して「一つだけ言いたいことがあるんだけど…」っていうから、何?って正座したら「カッパって川にいて人を引きずり込んで尻子玉抜くんだって…!!」ですよ。本当に小学生男子って…。でも、こんな自由勝手で気ままな子どもたちを、できれば褒めて欲しい。認めてあげて欲しい。いてくれてよかったと言って欲しい。そして、抱きしめてあげて欲しい。できれば、大好きだよと伝えてあげて欲しい。▼こちらの新連載もぜひご覧ください…!!「あなたのためなら何でも!」そんな母が勧めたのは整形だった…【親に整形させられた私が、母になる Vol.1】
2019年12月22日共働き世帯の増加に伴って利用者が増えている「延長保育」。延長保育に子どもを預けることに対して、子どもを心配すると同時に、「申し訳ない」という気持ちを持っている親も少なくないようです。ただ、東京・久我山幼稚園の運営に携わる一般社団法人キッズコンサルタント協会代表理事の野上美希先生は、「心配する必要も『申し訳ない』という気持ちを持つ必要もない」といいます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)延長保育にもいろいろなケースがあるひとことで延長保育といっても、じつはいろいろなケースが考えられます。幼稚園で通常保育が終わるのは13時半頃ですが、保育所の場合は18時半頃。終了時刻が5時間ほどちがいますから、延長保育の時間も大きく異なります。また、延長保育を常時利用する共働き世帯もあれば、外せない用事があるときにときどき利用するというケースもあるでしょう。それぞれに対応はちがいますが、子どもに与える影響が大きいということで、ここでは幼稚園で延長保育を常時利用するケースを想定してお話しましょう。幼稚園の延長保育は通常保育が終わる13時半頃からはじまります。延長保育の時間はそこから4、5時間にもなりますから、同じ年齢の子どもでも、延長保育に預けられる子どもとそうではない子どもでは、まったくちがう毎日を送ることになります。もちろん、とくに年少など幼い子どもの場合は、延長保育を嫌がるケースもあります。13時半になると友だちはお迎えに来たママと一緒に帰るのに、自分はそこから5時間もママを待たなくてはいけない。幼い子どもなら、自分も家に帰ってママと一緒におやつを食べてほっとしたいと思って当然でしょう。そういうふうにナイーブになる子がいるのも事実です。子どもは親が考えている以上に延長保育を楽しんでいるとはいえ、子どもの順応性は親が思う以上に高いですから、それも最初だけというケースがほとんどで、たいていは慣れていきます。もちろん、園としても、子どもが楽しめるように、そしてより有意義な時間を送れるように工夫をしています。通常保育の時間には自由時間もあるとはいえ、基本的には園が決めたカリキュラムをこなしていくことが多くなるものです。子どもとしてはある程度緊張している時間といえるかもしれません。一方の延長保育はというと、時間はたっぷりあるのですから、子どもたちが自分で選んだ遊びを徹底的にやり込んだり、積み木を使ってみんなで大きな城をつくるようなダイナミックな遊びをしたりすることができるのです。ほかには、わたしが運営に携わっている久我山幼稚園の場合なら、季節のイベントも積極的に行なっています。たとえば、年長さんなら冬に向けてマフラーを編むということもします。これは、時間がたっぷりある延長保育だからできることでしょう。このような、通常保育の時間とはまったくちがう活動を経験するなかで、子どもたちは延長保育をどんどん楽しめるようになっていきます。延長保育が持ついくつものメリットまた、延長保育には延長保育だけが持つメリットがあるとわたしは考えています。たとえば、延長保育の特徴である縦割りのコミュニティーに身を置くということもそう。同い年の子どもと過ごすことの良さと、年齢のちがう子どもがいる縦割り社会で過ごすことの良さの両方を味わうことが、子どもの幅を大きく広げることになるはずですからね。また、先のマフラーをつくる例なら、自宅でマフラーを編もうとした場合には、幼い子どもならすぐに飽きてしまうかもしれません。でも、友だちが頑張っているから頑張れるということもあるのではないでしょうか。そして、友だちがつくっているマフラーがすてきに見えたら、真似したり自分で工夫をしたりすることもあるでしょう。そうして、ひとりだったら手を出さないような遊びや活動も、友だちがやっているからとやってみる。やってみて楽しかったら「もっとやってみたい」と新しいことに対する意欲を持つということにもつながるはずです。毎日早くに家に帰っていると、テレビを観たりおやつを食べたりと、ついだらだらとなにもしない時間を過ごしがちです。それはそれで子どもにとって大事な時間だとは思いますが、延長保育のなかで友だちと遊びながらさまざまな経験を得られることは、子どもにとって非常に大きな意味があるのではないでしょうか。また、通常保育と延長保育では担当する先生が変わることもメリットのひとつでしょう。子どもというのは、環境によってまったくちがった一面を見せるものです。通常保育の時間に決められたことをするのはすごく苦手なのに、延長保育の時間に自由に遊びを見つけて発展させることはすごく得意だという子どももいます。通常保育と延長保育、両方の先生に子どもの様子をヒアリングして子どものさまざまな面を知れることは、親からすれば子どもの見方が変わり、安心できるということにもつながると思います。親子一緒に過ごせる時間が短いから強い絆を築けるここまで、延長保育のメリットばかりを挙げてきましたが、もちろんデメリットもあります。ひとついえるのは、子どもが幼いほど身体的なストレスになるということ。年少など幼い子どもの場合、どうしても体力がありませんから、長い時間、家ではない場所で過ごすことは大きなストレスになります。疲れが残って、午前中に眠くなってしまったり集中力がなくなったりということがあるのです。ですが、そういうことも体が成長するにつれてなくなっていきますから、あまり心配しすぎる必要はありません。延長保育を利用している保護者の多くが、子どもを心配すると同時に、子どもに対して「申し訳ない」という気持ちを持っています。でも、子どもは親が思う以上に延長保育の時間を楽しんでいます。そしてなにより、親が「申し訳ない」なんて気持ちを持っていれば、せっかく子どもと過ごせる大切な時間もいいものにはなりづらいのではないかと思うのです。変に心配したり「申し訳ない」気持ちを持ったりするのではなく、延長保育のなかでしか味わえない経験や気持ちを、子どもからどんどん聞き出してみてください。そうすれば、一緒に過ごせる時間がたとえ短くても、あるいは短いからこそ大切な時間としてとらえられ、親子の絆をより濃密なものにできるのではないでしょうか。■一般社団法人キッズコンサルタント協会■ 一般社団法人キッズコンサルタント協会代表理事・野上美希先生インタビュー一覧第1回:子どもの順応性は親が思う以上に高い。「申し訳ない」という気持ちは不要です第2回:「小1の壁」を乗り越えるために――子どもの言葉の裏にある本心とは?第3回:放課後や長期休みに「非認知能力」を高めよう。学童でさまざまな経験を第4回:自己肯定感も勉強への姿勢も“熱中体験”の先で生まれる【プロフィール】野上美希(のがみ・みき)1977年3月21日、千葉県出身。一般社団法人キッズコンサルタント協会代表理事。東北大学工学部卒業後、日本総合研究所にてコンサルティング、事業企画、採用、営業と多岐にわたる経験をした後、株式会社マイナビで人材紹介事業部の立ち上げに従事。営業部長として複数の部下をマネジメント。その後、自身の妊娠を機に久我山幼稚園の運営に携わり、産後母の孤独を解消すべく、子育てひろば開設を皮切りに、働く母の支援のため、幼児教育をベースとした民間学童や6つの認可保育園を開設。また、民間学童指導員資格であるキッズコンサルタント資格を認定する一般社団法人キッズコンサルタント協会を立ち上げ、代表理事を務めている。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年12月19日親であれば、誰もが子どもには幸せになってほしいと願っています。では、その幸せとはどんなことであり、どうすれば子どもは幸せになれるのでしょうか。イタリア生まれの教育手法「レッジョ・エミリア・アプローチ」をベースとするインターナショナルプレスクール「東京チルドレンズガーデン」の伊原尚郎理事長は、「幸せは他者とのかかわりのなかでこそ生まれる」といいます。その真意を聞く前に、東京チルドレンズガーデンの1日のスケジュールについての話からはじめてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)決まった1日のスケジュールは存在しない「レッジョ・エミリア・アプローチ」では、誰かが指示をしたり目標を与えたりするのではなく、基本的に子どものなかから湧き出る興味に従って活動します。ということは、決まった1日のスケジュールもないということ。当校のホームページには、登園から降園までのスケジュールを掲載していますが、それも便宜上のものであり、だいたいの目安でしかありません。決まっているのは、8:30の登園時間くらいのものでしょうか。もちろん、なにをやるかは子どもたち次第。たとえば、明日(取材日の翌日)は、わたしにはあるひとりの子どもとの約束があります。それは、電車に乗ってふたりで上野の博物館に行くこと。いま、その子がいちばん興味を持っているのが博物館だからです。帰りの予定も、「だいたいお昼頃には帰ってこようかな」くらいのものです。理想は、子どもたちみんなが自分なりの課題を持った独立系研究者のようになることです。朝、登園してきて「おはようございます」といったら、「それでは、研究をはじめます」という感じで、なにかをやらされるのではなく、自分の興味を持っていることに没頭してほしい。そして、わたしたちの役割は子どもの研究のサポートです。自分の子どもがアインシュタインだったとしたら、研究中の彼に向かって「はい、時間がきたから研究はやめて散歩に行きましょう」なんてことをいう人はいないでしょう?やることは、「なにか必要なものはある?」と聞いて、研究のサポートをすることしかありません。子どもを信じることが、子どもの本来の力を引き出すこの自由度の高さは、GoogleやYahoo! などに見られるフリーアドレスのオフィスに通じるものがあると思います。フリーアドレスは、チームのメンバーの誰もが自発的に仕事をすることが前提となっているシステムです。「ちょっとカフェで仕事をしてきます」というメンバーに対して、マネジャーが「あいつはちゃんと仕事をしているのか」と考えていたら成立しません。同じように、「子どもにはすごい能力がある」という観点に立って子どもたちを信じることこそ、子どもが本来持っている能力を引き出し、伸ばすことになるのです。でも、残念ながら多くの親は子どもに対して「この子はなにも知らないから、わたしが教えてあげなければならない」と思い込んでいます。少し話はそれますが、このことの要因のひとつは、「教育」という言葉そのものだとわたしは考えています。教育を意味する英語の「education」の語源は「educe」。本来、その意味は「引き出す」です。ところが、福沢諭吉は、「education」を「教え育てる」として「教育」と訳してしまった。このことに対して、福沢諭吉自身ものちに「誤訳だった」と振り返っています。でも、日本では「教育」という言葉が浸透してしまいました。漢字は表意文字ですから、わたしたち日本人は漢字を見るだけで意味を受け取ります。そうして、「education」は、本来の「力を引き出す」ではなく「教え育てる」という意味として日本人には感じられるようになりました。このことの影響は非常に大きいとわたしは見ています。親であるみなさんには、「子どもは教えてあげなければならない存在だ」という思い込みをもう一度見直してほしいのです。もともと有能な子どもが集まれば、素晴らしいものができる!話を戻しましょう。わたしの理想は子どもたちが独立系研究者のようになることだと述べました。でもそれは、自分勝手な人間になるということではありません。優れた研究者――つまり子どもたちが集まれば、それぞれが持っている力を結集して思いもよらない大きな成果を生むということもあります。たとえば、絵を描く場面もそうです。子どもたちが絵を描くとき、一般的な幼稚園では、子どもたちそれぞれに1枚の紙を用意します。一方、わたしたちの学校では、大きな紙にみんなで絵を描くのです。すると、友だちの描き方を見て「あれ、いいな」と思った子が、その描き方を真似するということもあります。一方、真似された子も別の子の絵を見て、「あの色ってどうやってつくっているんだろう」なんて思って真似しようとする。こうして、互いに影響を与えたり与えられたりしながら、それぞれが学び、壮大なコラボレーションともいえる絵ができ上がります。そして、それこそが人間の社会にとって大切なことです。他人を出し抜いた誰かひとりがお金持ちになればいいということではないでしょう?わたしは、子どもたちみんながそれぞれに自分なりの幸せを手にしてほしいと願っています。その幸せとは、愛する人と出会っていい家庭を築くことかもしれないし、気の合う同僚とやりがいのある仕事をすることかもしれません。いずれにせよ、幸せというものの多くは、他者とのかかわりのなかで生まれるものであるはずです。そして、少なくともわたしたちの学校を巣立った子どもたちなら、そういう幸せな人間になってくれるのではないかという期待を抱いているのです。■東京チルドレンズガーデン■ 東京チルドレンズガーデン・伊原尚郎理事長インタビュー一覧第1回:いまの時代にマッチする「レッジョ・エミリア・アプローチ」の教育第2回:もしも子どもがアインシュタインだったら?子どもに対して親が取るべき姿勢第3回:グローバルな人間に――生まれ育った地域や国を知る「レッジョ・エミリア・アプローチ」第4回:信じることで本来の力を引き出す。すごい能力を持つ子どもたち【プロフィール】伊原尚郎(いはら・ひさお)東京チルドレンズガーデン理事長、共同創設者。米国ニューヨーク州立大学メディアアート科修士課程修了。ビデオアーティストとしてニューヨークで多方面に活躍。約20年の在米ののち帰国し、幼稚園の園長に就任。国際幼児教育の理解を深め、クリエイティブ思考を育てるための研究に従事。2017年に共同創設者の西ヶ谷アンとともにレッジョ・エミリア・アプローチをベースとするインターナショナルプレスクール「東京チルドレンズガーデン」をオープンし、理事長に就任。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年12月18日子どもが成長するにつれ、徐々にそれぞれの性格がはっきりしてきます。でも、なかには、親からすれば「困った」と思うような性格もあるでしょう。そんな子どもの性格の「困った」に答えてくれるのは、著書の『脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A』(ダイヤモンド社)で注目を集める脳科学者・西剛志先生です。「集中力がない」「聞き分けがない」「内気」という3つのケースについて、親がどうするべきかというアドバイスをしてくれました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/和知明(インタビューカットのみ)脳が未発達の子どもは集中力がなくてあたりまえ多くの親御さんから寄せられる悩みとして、「子どもの集中力がない」というものがあります。集中力を司る脳の前頭前野という部分は28歳くらいまでの長い時間をかけて発達していくものですから、子どもの前頭前野はそもそも未発達です。つまり、子どもは集中力がなくてあたりまえなのです。でも、そうはいっても、すごい集中力を発揮する子どももいますよね?電車が好きな子どもなら、飽きずにずっと電車を眺め続けます。そういう子どもがなにに集中しているかというと、間違いなく自分が好きなことなのです。つまり、たとえ前頭前野は未発達の子どもでも、自分の好きなことならしっかり集中できる。そうして集中することが、集中力を育む最適なトレーニングとなります。であるならば、親としては子どもの好きなこと、やりたいことをきちんと見つけて、没頭させてあげることが大切になります。逆にいうと、子どもがやりたくもない習い事を親のエゴで無理やりやらせるようなことはNGだということです。それから、親のNG行為としては、子どもにむやみに介入することも挙げられます。せっかく子どもが自分の好きな遊びに集中しているのに、つい「面白そうだね」なんて一緒に遊ぼうとしてはいませんか?その都度、子どもの脳の集中は途切れますから、これは、わざわざ親が子どもの集中力を育む邪魔をしているということなのです。子どもがなにかに黙々と取り組んでいるときは、親はそっと見守るように心がけてください。また、集中力がなく飽きっぽい子どものなかには、単純に頭がいいという可能性もあります。おもちゃを与えてみてもすぐに飽きてしまう。それは、頭がいいためにそのおもちゃでの遊び方をすぐに学習してしまうからということも考えられるわけです。聞き分けがない子どもほど社会的に成功しやすいまた、「うちの子は聞き分けがない」というのもよく寄せられる悩みです。親の立場からすれば、聞き分けがない子どもはわがままに映って困ってしまうものですよね。ですが、ちょっと意外な研究データがあります。ドイツのヘッツァーという心理学者の研究なのですが、「聞き分けがない子どもほど社会的に成功しやすい」というのです。親の目にはただのわがままに映っているような子どもも、子ども本人からすればそうではない場合もあります。それは、子どもが自分の考えをきちんと持っていて、親の話に納得していないという場合です。自分でしっかり考えることができるのですから、将来的に成功を収める可能性が高いというのも納得できる話ですよね。そういう子どもに対しては、親の考えをしっかり伝えることが大切です。なにかを禁止するにしても、「○○しちゃ駄目」というだけではなく、なぜ駄目なのか、その理由をきちんと伝える。そうすれば、自分の考えを持っているような頭のいい子なのですから、しっかり理解してくれるはずです。とにかく、「聞き分けがないことは悪いことだ」と決めつけてはいけません。ただ、そうはいっても、聞き分けがないことで家族以外の他人に迷惑をかけるようなことは問題ですから、その点だけはきちんとしつける必要があるでしょう。もうひとつの注意点は、先の話を受けて、「うちの子は聞き分けがないから成功する」と早合点してはいけないということ。聞き分けがない子どもになることの要因として、カロリー不足、睡眠不足、愛情不足の3つの不足が挙げられます。もしかしたら、自分の考えをしっかり持っているのではなく、それら3つが不足しているだけかもしれません。しっかりご飯を食べさせて、睡眠時間を確保し、親子のスキンシップを取ってください。内気な子どもほど内的なエネルギーに満ちている最後に、「内気な子ども」のケースを取り上げておきましょう。いつからか「明るいことがいい」「ポジティブであることがいい」という時代になったことで、子どもが内気なことを心配している親は意外なほど多いものです。ただ、これも聞き分けがないことと同じように、心配しすぎる必要はありません。内気な子どもは、「内面的才能」が高い可能性が考えられるからです。内面的才能とは、「自分の心を深く掘り下げる能力」のこと。そんな子どもは、幼少期のときには口数も少なくてひとりで遊ぶようなことが多いという傾向があります。そして、そのなかで高い創造力を身につけ、将来はクリエイティブな仕事で力を発揮するということもある。あるいは、自分の心を深く掘り下げられると同時に他人の気持ちもわかるので、カウンセラーなどの仕事に向いているということもあります。また、内気な子どもほど内的なエネルギーが強いという研究もあります。ひとりで遊んでも十分に楽しめるというのは、エネルギーに満ちていると見ることもできます。一方、明るく外交的な人はどうかというと、他人と会って他人からエネルギーをもらってはじめて楽しいと思える。自分自身で楽しみを生み出すような強いエネルギーを持っていないのです。たとえ内気であっても、そんなエネルギーに満ちた子どもなら、内面的才能によって自分の心を掘り下げ、「これだ!」と思う目標を見つけたときには、それに向かって力強く進んでいけるでしょう。いずれにせよ、「内気なことは良くないこと」という先入観を親はいますぐに捨てるべきです。内気な子どもには内気な子どもだからこそ持つ力があるのです。『脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A』西剛志 著/ダイヤモンド社(2019)■ 脳科学者・西剛志先生インタビュー一覧第1回:家のなかに生活感を!子どもの「創造力」を伸ばすために親ができること第2回:お手伝いで子どもの「自制心」が育つ“脳科学的メカニズム”第3回:集中力がない、聞き分けがない、内気。子どもの性格の「困った」はどうする?第4回:子どもを自立できる人間に育てる――脳科学者が考える「理想の子育て」【プロフィール】西剛志(にし・たけゆき)1975年4月8日、鹿児島県出身。脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表。LCA教育研究所顧問。東京工業大学大学院生命情報専攻修了。2002年に博士号を取得後、(一財)知的財産研究所に入所。2003年に特許庁入庁。大学非常勤講師を兼任しながら、書籍出版、雑誌掲載、ノーベル賞受賞者との対談、世界旅行、結婚、当時日本に1100人しかいない難病の克服など、多くの夢を実現。その自身の夢をかなえてきたプロセスが心理学と脳科学の原理に基づくことに気づき、いい人生を歩むための脳科学的ノウハウを企業や個人向けに提供するT&Rセルフイメージデザインを2008年に設立。現在は、脳科学を生かした子育ての研究も行う。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年12月11日こんにちは!おにぎり2525です。今日は息子が1歳になる前くらいのお話です。懐かしさを感じながら、書かせてもらいます!!■子連れ外食で目にした光景息子の子育てが少しだけ落ち着いたころ、1年以上ぶりに親友とランチに行きました。息子も楽しめるようにと、キッズスペースもある座敷の喫茶店を選びました。ずっと息子と家で2人きりの生活が多かったので、とても楽しみにして行ったのですが喫茶店に入ってすぐに…バラバラに散らばった、揃えられていない靴たち。おそるおそる座敷のドアを開けると、先客が一組いました。わたしの嫌な予感は当たり…キッズスペース関係なく、喫茶スペースで走り回る子どもたち。他のお客さんが来ても、子どもに注意することなくお喋りを続けるママたち。気にせずに息子と久々の外食を楽しもうと思ったのですが…■キッズスペースにも難点が…息子もその子どもたちが気になって、全然ご飯に集中できません。さらには大きいおもちゃを持って喫茶スペースで遊んだり、息子のハイローチェアを勝手に動かしたり。ちょっと、ちょっとお母さーん!!そんな注意の仕方で、子どもが言うこときくかーーーー!!!!と心の中で叫ぶ私…。子どもたちはたぶん今の息子の歳くらい(5歳)ちゃんと説明して、注意したら理解できる年齢だと思っています。(もちろん個人差はありますけどね)楽しくランチするはずだったのにー!せっかくの楽しい場所なので、みんなが楽しく過ごせる場所にしたいですね。息子があの子らと同じくらいの年齢になったので、ふと思い出して書いてみました。わたしもキッズスペースをみんなで気持ちよく楽しく使えるように、気を付けたいと思っています!
2019年12月06日「わが子に好きな子ができたかも?」と気づいて、あたふたしてしまうパパやママも少なくないのではないでしょうか。みずからの初恋を思い出して、ほほえましい気分になったり、心配してみたりと、親の気持ちもつい忙しく変化してしまいますよね。今回は、子どもの初恋において親ができることについて、考えてみたいと思います。■お子さんの初恋に気づいた?アンケートでは、子どもの初恋に気づいたかどうか聞きました。その結果、「気づいた」、「なんとなく気づいた」と答えた人は合わせて35%となりました。さらに「子ども自身に教えてもらった」と答えたのは23.2%で、「気づいた」と答えた人と合わせると、6割弱の人たちは子どもの初恋を認識したことがわかりました。Q.お子さんの初恋に気づいた?気づいた 16.1%なんとなく気づいた 18.9%子ども自身に教えてもらった 23.2%気づかなかった 12.2%まだ初恋を迎えていない 26.8%その他 2.8%■子どもの初恋物語1、「俺の好きな子!」それでは、パパやママたちはどんなタイミングで子どもの初恋を知るのでしょうか。まずは、23.2%が回答した「子ども自身に教えてもらった」人たちの声を聞いてみたいと思います。「小5と小3ですが、自分からクイズ形式で好きな人を教えてくれます」(神奈川県 30代女性)「3歳頃、『好きな子いるの?』ってなんとなーく聞いてみたらニヤニヤしながら名前を教えてくれました。恥ずかしいようで『パパには教えちゃダメ』と。教えてくれたときの照れたしぐさがとてもかわいかったです」(静岡県 30代女性)「『他の人から聞くのはいやだろうから』と、中学生だった息子から彼女の存在を聞かされました。素直に話してくれたことが何よりうれしかったです」(宮崎県 40代女性)「息子『 おかん、聞いて~。俺の好きな◯◯ちゃんて子がいるんだけどね…」 、私『◯◯ちゃんて子が好きなんだ』、 息子『…なんでわかった!? エスパー?』。 自分が冒頭に言ったことすら気がつかないすっとぼけた息子」(神奈川県 30代女性)寄せられたコメントからは、何でも包み隠さずに話せる親子関係が築かれている様子がよく伝わってきます。自分から話すかどうかは、子どもの性格や年齢にもよりそうですが、正直に話す気持ちの裏側には、「聞いてもらいたい」「アドバイスをもらいたい」という子どもの本心が見え隠れしますよね。■子どもの初恋物語2、「いっぱいキスしようね」次に、手紙やプレゼントのやり取りから、初恋に気づいたという声をご紹介します。「息子が幼稚園のとき、『これからもいっぱいキスしようね』と書かれたラブレターをもらってきて、夫婦でぶっ倒れたのを思い出しました」(愛媛県 40代女性)「幼稚園のときに長女が『お友だちに手紙を書いてもいい?』と聞いてきたので、許可したら、落書き帳一面に『すき』と書いてあり驚きました」(徳島県 40代女性)「幼稚園の頃、『バレンタインに他の男の子と違うチョコをあげたい』と用意したのでわかりました」(千葉県 40代女性)「娘の初恋はお遊戯の相手役でした。うれしすぎて終始笑顔でした」(福島県 40代女性)どのエピソードも初恋に胸をときめかせる子どもの様子が伝わってきますね。未就学の幼い子どもの場合、手紙やプレゼントのやり取りは親の助けが必要な場合が多いため、そうしたやり取りを通じて好きな子がいるとわかる場合があるようです。送る側も、受け取る側も、親子でいっしょにドキドキしてしまいますよね。わが家の小学1年生の長男も、年長のころ「すきです」と書かれた手紙を突然持ち帰ってきたことがありました。その手紙を、照れながら無言で差し出してきたときは、「ついにこの日が来たか!」と、子どもの成長を実感したことを思い出します。■子どもの初恋物語3、「恋する女の子の表情」さらに、子どもから頻繁に同じ子の名前があげられたり、表情が変化したりと、言動のちょっとした変化で子どもの初恋に気づいたという声も多数寄せられていました。「小学校に通うようになって、毎日娘との会話に同じ男の子の名前が出てくることが続いた。その男の子の事を話してるときの娘の表情が、恋する女の子っぽかった」(神奈川県 40代女性)「年長さんくらいのときに、いつも話に出てくる女の子がいました。お迎えのときに気になって、『どの子?』と偵察したのを覚えています」(福島県 30代女性)「子どもたちとショッピングモールを歩いていると、反対側から歩いてくる同年代の男の子が。下の子たちが『あ、◯◯君だ!』って言った瞬間、中学生の娘とお相手の子の表情が変わった。自分自身にもそんな時代はあったので、何も聞きもせずにそっとしておきました」(埼玉県 40代男性)「本人のタンスの引き出しの中に相合い傘が書かれていたときは笑いました!」(鳥取県 30代女性)そのほかにも、「6年生の娘が身だしなみに時間がかかるようになって気づいた」とか、「小3の娘に、『将来どんな人と結婚したい?』って言ったら顔を赤らめたのでピンと来た」と言ったコメントも寄せられていました。毎日子どもの成長を見てきた親だからこそわかる、子どもの変化があるようです。思い返してみると、自分の初恋のときに、いつのまにか親に見抜かれていたという経験のある人も多いかもしれませんね。■子どもの初恋物語4、「先生から聞かされる!?」また、自分では気づけなくても、子どもの友だちやママ友、保育士さんや先生などから教えてもらって知ったという人もいるようです。「幼稚園のとき、相手のママに教えてもらいました!」(神奈川県 40代女性)「息子が小学二年生の時、好きな子がいること、その子とラブラブなことは息子が仲良くしているクラスメイトから聞きました」(東京都 40代女性)「保育園の年長さんのときに、保育士さんから『〇〇ちゃんと一緒に散歩するときは、手をつなぎたいと言っています』と聞き、ほっこりしました」(神奈川県 40代女性)「娘も息子も担任の先生から個人面談のときに聞かされました。若い先生だったので、子どもたちの恋愛相談にものっていたんでしょうね」(千葉県 50代女性)家以外での子どもの様子をよく知る人たちからは、さまざまな情報が入っているようですね。個人面談で担任の先生から、子どもの恋愛について話をされるとは、驚きです。■恋はまだ…「異性より動物大好き!」一方、初恋に「気づかなかった」とか、「まだ初恋を迎えていない」という人も全体の約4割近くいました。「6年生の息子ですが、初恋はまだだと思います。虫と動物と魚が大好きな少年です」(愛知県 30代女性)「息子小1ですが、今のところまだ、『好きな人はママ!』と言ってくれています」(神奈川県 30代女性)「高校生の娘ですが、まったくと言っていいほど男子には興味なし! この先、そういう人が現れればいいなと思う母であります」(東京都 50代女性)初恋を迎えていないであろう子どもたちに対しては、「早く恋してほしい」と感じている親も一定数いることがわかります。恋をしたらしたで心配だし、しなければしないで心配だし、親の気持ちはどうしても忙しくなってしまいがちですね。また、まだ幼い子どもの場合は、初恋がこれからという場合もあるようです。■子どもの初恋に親は何ができる?さまざまな経路から子どもの初恋を知ったパパやママたち。その先で、子どものためにできることとはいったいどんなことなのでしょうか。▼子どもの初恋対処法その1、子どもと対話する「子どもにとって1番の理解者でありたいので、アドバイスや、自分の経験など、毎日1~2時間はしゃべります。恋愛話、学校の話、将来的な話もします」(奈良県 30代女性)「男の子なので好きな子の話をすると照れて『いないよ』って言っていたんですが、『好きな子がいるのはいいことだよ、恥ずかしくなんかないよ』って言ってからは、話してくれるようになりました」(神奈川県 30代女性)▼子どもの初恋対処法その2、そっとしておく「誰にも伝えず心の中にそっととどめておき、静かにその人への思いが満たされてゆくのが恋なのかな。だから、あえて言わなくていいし、こちらからも聞きません。ひとを『好き』と思う気持ちを大切にしてほしい」(東京都 40代女性)「幼稚園や小学校の初恋なんてかわいいもの。これから大人になり、本当の恋ができるようになるためには、絶対に必要な成長過程だと思っているので、親がなんやかんやと口出したりして横やりを入れたりせずに、静観すべきだと思って見ています」(神奈川県 40代女性)▼子どもの初恋対処法その3、適度な距離間で見守る「気づいたあとの接し方は十人十色。子どもたちはそれぞれ違う性格なので、子どもから親へも、親から子どもへも、接し方や対応はそれぞれ違います。適度な距離感で接することを重視しながら、親も常に学んでいる日々です」(神奈川県 40代女性)「小1の息子がラブレターをいただき、まだ恋とか付き合うとかはよくわからなかったようなのですが、『好きとかよくわからないけど、ありがとう。わかるようになったら、ちゃんと返事するね』と言ったようです。それを聞いて、いい子に育ってくれたとほっとしました」(宮城県 20代女性)何よりも大切なのは、子どもが恋をしていることや、好きな相手のことを否定しないことかもしれませんね。子どもが話してきてくれたらまずはゆっくりと話を聞き、「そうなんだ」と受け止めてあげられると子どもも安心するかもしれません。ただ親も初めて聞くときはドキドキしちゃいそうですが…。子どもが直接言わずに初恋に気づいた場合には、しつこく追求せず、見守る姿勢も必要かも…。とくに難しい年齢に差し掛かる子どもには注意が必要ですし、「自分がされて嫌なことはしない」ということを鉄則にしておきたいところです。ただし、やはり男女間のことである以上は、スキンシップには心配がつきものです。場合によっては子どもに対しては、性に関することを伝えるいい機会と捉えて、きちんと話をすることも重要かもしれません。恋愛において、初めは未熟なやり取りによって、子どもが相手を傷つけてしまったり、傷つけられたりすることもあるかもしれません。そんな関係に子どもが困っている様子が見られたら、そのときは親から手を差し伸べられるとよさそうですね。最後に、初恋に関してこのようなコメントも寄せられていました。「今は中1の娘。小3の頃からその男の子の話がよく出るようになったので、きっと好きなんだろうなぁと確信。あと数年もしたらもう少しアオハルな恋をするんだろうなぁと思うと待ち遠しくもあり、心配でもあります。そして子どもの恋の心配をするなんて、本当に母親になったんだなあって思います」(奈良県 40代女性)「にこにこしながらうれしそうにその子の話をいろいろしてくれるので、好きなんだろうなぁ~と。そんな時期を大切にしながらも、恋を楽しんでほしいです」(滋賀県 30代女性)恋愛は、人間関係が健全に深まり、広がりを見せているからこそできるもので、子どもが順調に成長している証ともいえますよね。恋愛を通じて学ぶことは多く、それが例え報われなかったとしても、かけがえのない経験をすることができるでしょう。パパママ自身も、そうしたみずからの経験がよみがえることもあるかもしれません。人を好きになること、人に好きになってもらうこと、そのどちらもすばらしいことで、子どもが、人を、そして自分自身を認め受け入れるきっかけともなりえるでしょう。そんな成長した子どもの様子には、親としてさまざまな感情が押し寄せるでしょう。親としてできることはほんのわずかかもしれませんし、子どもが求めてこない場合もあり、その時はかげながら様子を見守るのが親の仕事になりそうです。子どもがいい恋愛をして、一回り成長できるように、パパやママが一番の応援者でいたいものですね。Q.お子さんの初恋に気づいた?アンケート回答数:4644件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年12月01日ウーマンエキサイトのみなさんこんにちは、ぐっちぃです。体調不良といえば、私、今年の夏に寝込むほどの風邪をひきましてね……。ちょうどそのとき夏休みで娘2人は家にいたんだけど、私が動かずとも、ある程度のことは「自分のことは自分でできる」ようになっていたことに感動しました。そのとき「あー今まで練習させといてよかった」と思ったことを紹介しますね。(1)買い物ができる 私が寝込んでご飯を作れないので、自分たちでお弁当などを買ってきてもらえるのはかなり助かりました。母用にゼリーや薬も頼めたので、「おつかいができるって大事だな」と思いました。(2)レンジでチンができる買ってきた弁当を温めるのはもちろんですが、家にストックしてある冷凍食品やレトルト食品をチンして食べられるようになってくれると、たとえば雨が降って外出が億劫なときにも、温かい食べ物が作れるのでいいなと思いました。(3)お湯が沸かせる 最初はヤケドが心配だけど、できるようになると、カップ麺はもちろんカップスープ、インスタントみそ汁が作れるようになり、料理の幅が広がる! 我が家は電気ケトルを使っています。(4)コンロ(IH)が使える我が家の娘たち、今ココです。身長が伸びてやっと換気扇のスイッチに手が届くようになったので(今まで私がつけていた)、私がいなくても、ひとりで袋タイプのラーメンやホットケーキなどチャレンジできるようになりました。この4つができるようになって、何がラクかというと……。 ちょっとの間でも立っているのがツライときに、「おかーさんこれどうすればいいの?」「これはどこにあるの?」「なにすればいいの?」って聞かれ、その都度起き上がって「だからこれはこうして……」って説明するのはしんどい。カップラーメンができる3分間でさえも、長く感じるものです。それを娘たち自身でできるようになってくれたことの有難さったら! 食べ終わって皿を水につけておくところまでやってくれるので、万々歳です(あとはお父さんがやってくれるだろうと期待)。おつかいも料理も、覚え始めの頃はひじょーにハラハラドキドキするんですが、マスターしてくれると本当に助かるので、少しずつ慣らすのがオススメです!
2019年11月18日子どもが小学校高学年になってくると、多くの親が直面する子どものスマートフォン(以下、スマホ)問題。友達がスマホを持ち始め、おねだりされるものの、親としては心配な面もありますよね。子ども2人をもつhanaさんも、そのなかの一人。子どもがいつスマホデビューをしたか、ルールづくりやリスク回避の方法、家計への影響はどうかなど、hanaさんの場合を紹介してもらいましょう。■ スマホデビューはいつ?「〇〇ちゃんはスマホを買ってもらったって」「うちはいつ買ってくれるの?」という子どもの声を幾度となく聞いていました。そして筆者宅の子どもは、小学校卒業を控えた2月の終わりにスマホデビューをしました。学校やメディアから漏れ聞こえてくるのは、スマホ絡みのトラブルです。塾の保護者会では先生が「現在の敵はスマホです」と仰っていて、スマホを子どもに持たせるのは憂鬱でしかありませんでした。しかし今の時代に生きている以上、遅かれ早かれ持たせることになります。腹をくくり、ルールを決めて持たせることにしたのです。■ 所有者をはっきり示したうえでルールづくりmits / PIXTA(ピクスタ)ルールづくりの大前提となったのは「あなたが使うスマホは親からの貸与である」ということ。所有者は親であることをハッキリ示し、目に余る行動が見られたときは、すぐに契約を解除することを伝えました。その上で・自室には持ち込まない・22時以降に使う場合は許可を取る・親に見られて恥ずかしいと思うようなやり取りはしないという大枠のルーづくりをしました。ロック解除のパスワードもあえて筆者と同じパスワードを使うことにし、いつでも親が見ること、親の所有物を借りている意識を持つように仕向けました。スマホでのやり取りはとても便利ではあるけれど、一歩間違うとお友達を傷つけたり、お友達を失ってしまう恐れがあることを何度も言い聞かせているため、幸い今のところ大きなトラブルには遭っていません。■ Googleファミリーリンクで使いすぎを防止Googleファミリーリンクは、子どもの端末がアンドロイドであれば利用可能なアプリです。例えば子どもがゲームなど新たなアプリをダウンロードしたいときには、親の端末に連絡が入り、許可しないとダウンロードができないようになっています。ライン等の使用時間を親の端末で確認できたり、今何処にいるのかが分かる機能もついていたりと非常に便利なアプリです。ここで使用時間を確認して、使いすぎのときには声を掛けるようにしています。■ 家計への影響はどのくらい?親のスマホでは格安SIMを使用し、子どもは大手キャリアのキッズ携帯電話を利用していたのでキッズ携帯を解約し、格安SIMを新たに契約しました。新規契約の特典で端末料金が割り引かれたため端末代はかからず、通信費のみが請求されています。そのため大幅にアップすることなく、キッズ携帯とほぼ変わらない料金で子どものスマホを用意することができました。子どもはまだスマホを使い始めたばかり。これからさまざまな問題に直面するかもしれませんが、その都度対処できたらと考えています。
2019年11月05日親になって強くなったこと…いくつかありますが、1番の変化はコレ!■独身時代は考えられなかった変化…え、当たり前ですか?いやでもこれ私にとっては大きい変化なのです!というのも、子どもが産まれるまでは…こんな調子で、とにかく睡眠を最優先に生きてきました。とにかく眠いし寝たい! ロングローーーングスリーパー!そんな私が出産!となると…■出産後、寝不足でつらかった私…そして今はそう、寝たいときに寝られなくなり、慢性的に寝不足。イチコが昼夜の区別がつくまでは本っっっ当につらかったです。子どもが産まれてから1番つらい時期だったと言っても過言ではない…!さて、そんな私ですが、子どもが産まれて5年たった今となっては…深夜でも早朝でも、サッと起きれるようになりました。起きれるだけじゃない、起きた瞬間からエンジンフル回転!本当に強くなったなぁ私…!まあそれと引き換えに、身体が弱った気がしなくもないですけどね…!ほんと睡眠、大事です…。
2019年11月04日私が子どもの頃、親のしつけはそれなりに厳しかったような気がします。小学校のうちは、子どもだけで買い食いはダメ、休日は友だちと遊ぶのではなく家族と過ごす、夜10時には寝る、無駄なものは買わない、サンタさんは5000円以下(笑)…。わりと「ダメなものはダメ!」と言う親でした。さて、そんな親ですが、孫が産まれると…。■厳しかった親だったのに…「あまぁぁぁぁーーーい!」小沢さんかよ。他にも100均でなんか買ったり、セールで「かわいい」という理由で服買ったり…。なんか私のときとだいぶ違う。そしてそんな母に対して、上の子が小さいときは、「甘やかさないで!」と思っていました。ただ、上の子が5歳になった今…。■ママの建前を立て、子どもの気持ちを満たしてくれる親子どもが5歳になり、適当…もとい程良く力が抜けたので、こういう対応がありがたくなりました!そして元々あまり小さい子が得意ではない父は…めちゃめちゃかわいがってくれてます!ありがたや…!孫が産まれて、甘くなったばぁばとじぃじ。そして、子どもが産まれて、親への感謝の気持ちがどんどん大きくなる私。これからも楽しい時間を一緒に過ごせたらいいなぁと思います!
2019年10月28日創造力は、大人になってもとても大切なもの。でも、大人になって自由に創造力を羽ばたかせるためには、子どもの頃から創造力を育んでおくことが重要です。子どもは誰でも、無限の創造力を持って生まれます。しかし、親の接し方によって、せっかくの創造力がつぶされてしまうことも…。今回は、心理カウンセラーの筆者が、子どもの創造力をつぶしてしまう親の特徴や行動について紹介します。特徴1「子どもの自由裁量を許さない」あなたは日常の中で、子どもにどれくらいの頻度で「ダメ!」と言っていますか?大人が「ダメ!」と言うことの中には、よく考えると特段ダメでもないことがたくさん含まれています。例えば、子どもがお絵かきをしている時、太陽を描くのに青いクレヨンを用いたとします。あなたなら、どうコメントしますか?ママが「太陽を青で書いたりしちゃダメでしょ。赤か黄色じゃない?」とコメントすれば、子どもは「太陽って、赤とか黄色なのだ」と覚えるかもしれませんが、反面、青い太陽を楽しむ創造力は失われてしまうでしょう。こんな時はできれば「わあ、太陽が青いの?サファイアみたいですてきだね!」と、子どもの創造力に乗っかりたいものです。ほめられた子どもは、喜んでさらに創造力を働かせるようになるでしょう。特徴2「遊び方を限定する」おもちゃに限らずモノは基本的に、使い方が決まっていることが多いですね。例えばブロックは組み立てて遊ぶものですし、新聞は読むものです。ただし、子どもの創造力を伸ばしたい場合は、「モノの使い道」という枠を取り外すことが重要です。子どもの世界では、例えばブロックはただ組み立てるものに留まらないことが多いようです。時にそれはおままごとの食べ物になったり、サッカーボールのように蹴って遊んだりするかもしれません。こんな時、「ブロックは組み立てるものでしょ?おままごとをするなら、おままごとセットを使ってね」なんて言ってしまうのは、子どもの創造力を奪うことにつながります。特徴3「部屋をいつもきれいにしておく」「きれいな部屋で、すっきりと暮らしたい!」そんなふうに思っていませんか?実は、部屋をいつもきれいにしておくことで、子どもの創造力を奪ってしまうことがあります。子どもは、そこにあるもので創造力を働かせ、工作したり、あれをこうしたらどうなるだろう…と試したりして、創造力をどんどん伸ばしていきます。つまり、そこにモノがあるから伸びる、とも言えるわけですね。おもちゃでも何でも、いつもすぐに大人が片づけてしまうきれいな部屋には、モノが少なく、その分、創造の余地が少ないという見方をすることができます。もちろんいつも散らかっているのは理想ではありませんが、寝る前に片づける、食事の前に片づける、この部屋は昼間なら片づけなくてもよい…などのルールづくりを行い、子どもにある程度、モノを自由に使わせる工夫をするとよいでしょう。創造するとは、常識を疑うこと創造するということは、常識を疑うことでもあります。大人になってもこれは同じで、突出した何かを行っている人は、決して型枠の中にはまって安穏としていることがありません。大人になってこれができるようになるかどうかは、子どもの頃に、自由に創造力を羽ばたかせることを認められたかどうかにかかっているのです。当たり前を教えることは簡単です。でも、子どもの創造力を伸ばしたいなら、当たり前ではないという理由だけで否定をしないこと。当たり前ではないことを否定する親こそが、子どもの創造力をつぶしてしまうのです。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2019年10月15日最近、寝起きに子どもたちがよく言うセリフがあります。■子どもが毎朝言うセリフは本当!?そう、よく言うセリフは「のどいたい!」のどあめほしさに言うんです…。ほんとかよ。ただあげちゃうのにも理由があって…。■子どもが言っているのはウソ? ホント?そう、本当に喉が痛いかもしれないので、ついあげちゃうんです…!だって本当に痛いんやとしたら、軽症のうちに何かしら対処しておきたい!完全に子どもたちは味をしめてますが、まああめ1個やし、これで朝がご機嫌に過ごせるならいっか…。ちなみにのどあめと言いつつ、普通のあめをあげちゃっています。のどにひっかからない小さいサイズのもの。健康体の子どもが毎日食べても支障がなさそうなものにして、飲み込まないように注意深く見守っています。これが本当に喉風邪の予防になっていますように!そう願いながら、子どもたちにのどあめを与える毎日です…。※この体験記は、あくまでも筆者の体験談であり、治療を保証したりするものではありません。※飴など喉に詰まりやすい食品については、窒息のおそれがありますので十分注意してください。
2019年10月14日3歳になり、お手伝いをしたがるようになってきたハル。ただ子どものお手伝いは、親の仕事が増える&よけいに時間がかかることが多く、せがまれる度に「親の度量が試されている!」と感じてしまいます。今回は、思い切って彼を信じてみることにしたのですが…。■うれしいけど、親は大変な面もお手伝いって、「してもらうほうがむしろ大変!」ということがとても多いです。子どもの成長のためにも、お手伝いをさせてあげられる心の余裕を持ちたいいものです…。■大泣きされ…息子の料理デビューお手伝いの申し出を一度は断ったものの、かなり泣かれてしまい、彼に小麦粉をつけてもらうことにしました。■苦手なお肉も自分で作るとおいしいねお手伝いボーイとほめちぎりガール! 少し心配はあるものの、良いコンビになってくれそうで、うれしくなった母でした。
2019年10月02日蜷川実花が究極のダメ男でモテ男、才気と色気にあふれた最高にセクシーな太宰治を描いた映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』。主演の小栗旬さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼントします。応募はぴあ(アプリ)にて9月20日(金)まで受付中。ぜひご応募下さい!お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=3e4b9a81-ae53-42b7-aaca-8f749998b3cd)
2019年09月13日天才作家と言われた太宰治。その彼の半生を小栗旬が体現した『人間失格 太宰治と3人の女たち』が本日より公開される。物語の核となるのは、タイトルにあるとおり、太宰と3人の女性たちの関係だ。身重の妻とふたりの子供がいながらも、恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返す。そんな破天荒な生き方で文壇からは疎まれていたものの、ベストセラーを連発し、時代のスターとなった太宰。彼は、作家を志望する静子の文才に惚れ込んで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄にも救いを求めていく。本作のメガホンを取ったのは、鬼才・蜷川実花。今年彼女は、殺し屋たちの狂宴を描いた藤原竜也の主演作『Diner ダイナー』といった作品が公開され、若者を中心に話題を呼んだ。この『Diner ダイナー』にも小栗は出演しており、セリフは少ないながらもさすがの存在感を示していた。本作でかつてない太宰像を作り上げた小栗のほか、太宰の正妻・美知子役に宮沢りえ、作家志望の愛人・静子役に沢尻エリカ、最後の女・富栄役には二階堂ふみがそれぞれ扮し、艶やかな恋愛模様を映像に焼き付けている。太宰に振り回されているように見えながらも、まったくタイプの異なる彼女たち3人が、自身の強固な意志に従って逞しく生きる姿が本作の大きな見どころだ。そして、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原ら豪華な俳優陣も集結。彼らが太宰と女性たちのスキャンダラスな関係を、よりいっそう盛り上げる。そして藤原といえば、小栗とは旧知の間柄として広く知られているだろう。彼もまた、文豪のひとりである坂口安吾を演じており、盟友にして若き名優のふたりによる演技対決も、本作が放つ大きな魅力となっている。蜷川監督といえば、極彩色で創られる独特の世界観が持ち味だが、果たして本作ではどのような“蜷川ワールド”を見せてくれるのだろうか。この世界はぜひとも劇場でこそ堪能したい。『人間失格 太宰治と3人の女たち』本日より公開
2019年09月13日次男が幼稚園のころ、近くの公園でよく出会っていた兄弟(イラストはイメージです)のお話です。…家もお母さんも知っているのですが…お兄ちゃんは友達との遊びに夢中で下の子から目を離していて危ない…!と思うことが何度かありました。大人が子どもの危険を知らせにきたらママさんも出てくるようになるかな~と思ったのですが、そのママさんのびのびした環境で育ったらしく、上の子が下の子を見るのは当たり前というお考えで…私たちの住んでる地域は都心部近くなので子どもだけで遊ぶには注意が必要です。小学生は公園でゲームをしている子も多いです。理想は歳の違う子もよその子もみんなで体動かして遊べたらいいのですが、現実はそんな環境ではありません。子育ては自分の経験を当てはめて考えがちですが、現状をきちんと把握して臨機応変に対応しないと本当に危ないのにな~と…私も「いつもいるわけではないので」と言ってはみたものの、その後もそのママさんが出てくることはほとんどなく状況は変わりませんでした。ですが、幸いお子さんたちは大きな事故もなく成長してくれましたが、万が一を考えるとぞっとします。また、今年の夏も…ヒヤリとしたことがありました事件か事故かと思いました(汗)年齢は幼稚園か小学校低学年か判断つきにくいくらいの小さい子。ザリガニ採りに1人できていて届かないのでこんなポーズになっていたようです。しかしこの用水路は柵も無いし、落ちたらこの子くらいでは一人で這い上がることは無理な深さでした。人通りも少なく助けを呼べたとしても運が良くなければ…。それに子どもは20cmも水深があれば溺れる可能性があるようで水の事故は一瞬で大きな事故になります。子どもは頭が重いし本当に怖いです。おうちの人はどうしてたのかわかりませんが、なにかあってからでは遅いです。私のような考え方は、そういうママさんからしたら過保護な親ということになってしまうのかもしれませんが…過干渉にならないように注意しながらも、子どもの命を守ることに関してはしっかりと考えたほうがいいと思っています。危険を感じてるのに放っておけるはずもなく、早く終わらせる方向でお手伝いしてしまいました。毎日のことだからずっと見ているわけにいかないのもわかっています。有名な「子育て四訓」をたまに思い出しつつ(1)乳児はしっかり肌を離すな(2)幼児は肌を離せ手を離すな(3)少年は手を離せ目を離すな(4)青年は目を離せ心を離すな子どもが何をしてるのか、したいのかを知ったり、よく話合ったりすることで危険回避し、事故など「あの時気をつけていたら…」が減るといいなと心から願っています!
2019年09月10日『ヘリコプターペアレント』という言葉、ご存じでしょうか?「モンスターペアレント」や「毒親」ほど広く知れわたってはいないものの、小さな子どもを育てる親にとって、決して人ごとではない問題をはらんでいるのです。今回は、真剣に子どもと向き合う親であれば、だれもがその予備軍となりうる『ヘリコプターペアレント』についてお伝えします。子どもの成功を無意識に阻む “ヘリコプターペアレント” の恐ろしさヘリコプターペアレントとは?まるでヘリコプターがホバリングをしているように、親が子どもの頭上で旋回し、目を光らせている様子から名づけられた “過保護かつ過干渉な親” の総称。わが子が失敗しないように上空で見張り続け、困難に遭遇しようものなら、すぐさま飛んでいって助ける親のことを指す。アメリカなどでは社会問題にもなっている。 親であれば、わが子を心配する気持ちは充分理解できます。程度の差こそあれ、誰もが子どもの幸せや成功を願って手助けをしてあげたいと思うもの。では、『ヘリコプターペアレント』は、いったい何が問題なのでしょうか?心理学に基づいた育児メソッドを提唱している佐藤めぐみさんによると、「過保護は “わが子への愛情ゆえ” と好意的にとらえていた時期もありますが、最近のアメリカの研究では、その傾向が否定されつつあるといいます」とのこと。研究の結果わかったことは、次の通りです。1. 親としての温かみがないうえに過保護だと、子どもはのちのち、自己否定感に悩み、問題行動のリスクも高まる。2. 親としての温かみを保った過保護の場合、1のケースと比べれば確率は減るが、自己否定感や問題行動のリスクはなおも残る。つまり「いくら愛情あふれる温かい接し方をしていても、決して過保護による悪影響がなくなるわけではない」らしいのです。結論として、子どもへの “愛情ゆえに” 過保護が容認されていた時代は、確実に変わりつつあるのだといえます。ヘリコプターペアレントに育てられた子どもたちの将来ワシントンポスト紙によれば、「ヘリコプターペアレントに育てられた大学生は、うつの割合が高い」と報告されています(2013年)。そこには「過剰な親の干渉は、子どもの自主性と能力の発達を阻害する。そのため、ヘリコプターペアレントは依存を促し、保護的な管理なしに仕事を完遂する能力を阻害する」とも書かれています。その理由として、「過保護に育った子どもは、喪失や失敗、さらに失望といった、誰の人生でも避けられない状況に対処する方法を、まったく学ぶことがない」ということが挙げられています。失敗から学ぶ教訓や、ひとりで問題を解決する力、試行錯誤しながら周囲とコミュニケーションを図る努力など、どれも生きていくうえで必要不可欠です。これらの力が身についていない若者にとって、社会の厳しさは相当なものなのではないでしょうか。子どもをすべての困難や失敗から遠ざけて、傷つかないように守るヘリコプターペアレントの過剰な愛情は、じつは子どもが成長するきっかけや将来の成功の機会を奪っているのです。また、ヘリコプターペアレントはわが子の人生や経験の多くを決めてしまうので、その子どもは圧倒的に『決断する機会』が減ります。決断力が欠如した状態で育つと、自分のことなのに何も決められないまま生きていかなければなりません。さらに、幼少期に失敗を重ねなかったことから、“完璧な自分” しか認められない、自分を好きになれない、などのネガティブな価値観形成や精神的な不安定さを引き起こす可能性も出てくるといわれています。誰もがヘリコプターペアレント予備軍!?「うちは子どもを甘やかしてしないし、厳しくしているから大丈夫」と自信があっても、安心はできません。「どんな親でもヘリコプターペアレントになる可能性がある」と述べるのは、『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』(日本実業出版社)の著者・立石美津子さん。ヘリコプターペアレントになりやすい人には、次のような特徴が見られるそうです。1. 完璧主義子どもに対して “理想の子ども像” を求めるだけでなく、自分自身にも “理想の母親・父親像” を追い求めてしまうのが特徴です。それがやがて、「子どもの評価=自分自身に対する評価」となり、子どもの失敗を自分の失敗としてとらえてしまうのです。その結果、失敗する前に手や口を出すようになります。2. 気が利きすぎるよく気が利いて察しがいい人も要注意です。子どもが何も言わないのに「のど乾いたんじゃない?」と、しょっちゅう声をかけていませんか?子どもの自主的な行動よりも前に「あれやったの?」「忘れ物は?」など、四六時中注意喚起するのは明らかに過干渉です。3. せっかちなんでも早く、合理的に終わらせてしまいたいタイプもヘリコプターペアレント予備軍だといえるでしょう。確かに、あれこれと指示を出してその通りに行動させれば、無駄を省き最短でゴールにたどり着くことができます。しかし、結果として子どもは自分でSOSを出せなくなり、指示待ち人間になってしまうのです。共通しているのは、子どもの失敗の機会を奪っているということ。自分で考えて、自発的に行動した結果、成功の喜びも失敗の悔しさも身体で覚えることができます。そのような体験の機会を奪うことは、子どもが大きく飛躍するきっかけを失うことにもつながるのです。適切な距離感は子どもが知っているヘリコプターペアレントの危険性は理解できたとしても、「それでもつい過保護になってしまう……」「放任になるわけにもいかないし、どの程度子どもを手助けすればいいかわからない」と、悩んでしまいますよね。前出の佐藤さんは、親が過保護になる背景に「子どもにイヤな思いをさせたくない」という親心があるのなら、「子どもが持つ “負の感情” を恐れないことが大事」だといいます。「イヤだな」という気持ちは子どもの成長に不可欠です。それを自ら乗り越える力をつけさせることのほうが、その場限りの「イヤなことからの回避」よりも、何倍も子どものためになると思いませんか?では、親子として適切な距離感はどれくらいなのでしょうか。佐藤さんは、「基本的には、子どもが “適切な距離” を知っています」といいます。たとえば、公園で親と離れた場所で友だちと遊ぶような子でも、転んだり嫌なことあったりすると、すぐに親のところに飛んできますよね。つまり状況に応じて子どもが示した距離が、その子の心の状態に合った距離感というわけです。親はあれこれ考えずに、子どもが求めている距離に応じて見守ってあげるといいでしょう。もし普段の親子の会話の中で、子どもの発言に「ママ、これどう思う?」「パパが決めて」などが多いようであれば注意が必要。できるだけ子どもが自分の行動に主体性を持つようにはたらきかけましょう。何気ない日々の会話にも、「あなたはどう思う?」という質問を盛り込むように心がけるといいですね。子どもの自立をサポートするのが親の役目幼児教室を経営していた立石さんは、次のような光景が印象に残っているそう。ある子がハンカチを忘れたので、「忘れ物をしないようにね」と保育士が注意すると、「だってママが入れてくれなかったんだもん!」と親のせいにしたそうです。帰宅後、子どもは「ママ、どうしてハンカチ入れてくれなかったの?」と親を責め、母親は「ごめんね、ママが入れ忘れちゃって……」と子どもに謝ったそう。そして次回、また忘れたときには母親が保育園に慌てて飛んできて届けたといいます。「子どものために」と親が起こしたこの行動は、子どもにどんな影響を及ぼすのでしょうか?結果的に、“自分のものを自分で準備する習慣がいつまでもつかない” “忘れ物をしても人のせいにして、自分のことを反省しない” 人間に成長してしまいますよね。そして、なにかにつけて「親がなんとかしてくれる」と考える子どもは、忘れ物をしても親が届けてくれると思っているので、忘れ物に注意しなくなります。そして先生や友だちに、「鉛筆を忘れたので今日1日貸してください」といった簡単なSOSすら出せなくなってしまうのです。困っているときに、自分から他者への助けを求めるのは自立への一歩です。子育ての最終目標が「子どもの自立」だとしたら、ヘリコプターペアレントはそれを阻むことにより、永遠に子育てをし続けなければならないでしょう。幼児期に失敗したり、困ったりする経験を積ませて、自分で考えて決断して行動する力をつけることは、成長後の自立をスムーズに促します。子どもを心配する気持ち、大切に思う気持ちは誰もが持っているものですが、行きすぎた干渉は百害あって一利なしだと覚えておきましょう。***自分では気づきにくい「過保護・過干渉」。お子さんの様子をよく観察して、「自分で何にも決められないようだ」「すぐに人のせいにしているように見える」と感じたら、親子関係の距離感を見直すチャンスです。(参考)Yahoo!ニュース|子どもの自立を奪う“ヘリコプターペアレンツ”その驚きのエピソードとはAll About|ヘリコプターペアレントとは?親の過保護が仇になるHUFFPOST|「ヘリコプターペアレント」とは?行きづらい子どもに育つ親の存在excite ニュース|「ヘリコプターペアレント」になりやすい親の特徴サイゾーウーマン|厄介な「ヘリコプターペアレント」の実態と対策ーー何も決められない子どもが育つ!?excite ニュース|過保護・過干渉の「ヘリコプターペアレント育児」子どもへの影響は…?
2019年09月06日子ども同士のやりとり、口を出したことある?あんふぁんWebの「どっちだポン!」コーナーで「子ども同士のやりとり、口を出したことある?」と聞いたとこ65.6%が「ある」と回答。そのときの状況とママの気持ちを紹介します。つい口出ししてしまう■ 気の弱い息子は、公園の砂場で自分のスコップやバケツを奪われることが多い。しばらくは様子を見ているけれど、あまりにも返してもらえないと、つい間に入って取り返してしまう私…。本人に頑張ってほしいとは思いつつ。(はるまきさん/36歳)■ 2歳の娘が砂場遊びをしていたら、ほかの子どもに意地悪なことを言われていることがあった。しばらくは娘の反応見ていたけど、うまく遊べず「仲良く遊ぼうね、ちょっと貸してね」と言った。 やっぱり自分の子どもが一番かわいいから。最近は3歳間近になって、自分から話しかけるようになり遊び上手になって、あまり口出ししないようになった。(カシューナッツさん/40歳)■ 息子が公園のブランコに並んでいると、一番前に並んでいる子を押しのけて、ブランコに乗っている子がいることに気づきました。 最初は黙って見ていましたが、あまりに何度も繰り返すので、その子も含めてブランコに並んでいる子ども全員に声掛けしました。 子どもだけで解決できなさそうだと判断したら口を出しています。(ゆさらさん/38歳)■ 息子の年長クラスのリーダー的な女の子は、なぜかいつも自分のお気に入りを数人決めて、ほかの子をハブろうとする。そして、なぜかその子に気に入られようと奮闘する息子(涙)。不憫でついつい「みんなで遊ぼうねー」「●●(息子)も入れてー」と入り込んで仲を取り持とうとしてしまう…。よくないと思いながら。 (めこりんさん/30歳)■ わが家でテレビゲームをするとき、ゲームの順番を決めるときにもめて決まらないときについつい口出してしまう。(かっちさん/33歳)■ 小学校2年生の息子、トラブルになることが多くて…。(母です。さん/52歳)■ できるだけ自分たちで解決してほしいと見守るようにしていますが、明らかにイジワルな振る舞いや相手が悲しむ言動があったときは、その場で話をするようにしています。わが子にもほかの子にも同様に!(らなさん/39歳)■ しばらく様子見て..見守りますが、どちらかが泣き出したら口を出しますね。子ども同士でラチが明かない状態と判断して。相手の親の手前…というのもありますが、相手の子を責める(叱る)ような言い方はしないよう気を遣いますね。でも中には「わが子は悪くない。〇〇ちゃんがそー言うからうちの子もそー言うの!」って。いやいやいやいや。お宅のお子さんの方が先ですけど!と心の中で。(よちままさん/37歳)■ 未就学のうちは仲裁しますね。小1になった上の子はケンカしながらもうまく友達づき合いしているようなので、そっちは口出ししません。(ゲストさん)■ 危ない所までは止めないし、口を出さない。 明らかに危険が伴う事や人として言ってはいけない事「死ね」とか「消えろ」とか。そういう事を言い始めたら口出しします。(うーこさん/37歳)ないしないようにしている■ 時と場合によりますかね。 とりあえず様子見ます。あまりにもエスカレートしそうであれば、さとします。 独り言のようにボソッと、あの言い方好きじゃないんだよなぁ~っとか。(はるはるさん/35歳)■ 今のところガマン(笑)しています。お迎えに行った時や公園遊びの時、ちょっとわんぱくなお友達に叩かれたり押されたりするのを見ることがあり、口を出したいのですが、仲が悪いというわけではなさそうなので、見守り中。モヤモヤすることはあるんですが…。(ねるねるさん/34歳)投票期間/2019年8月22日〜9月4日<あんふぁんWeb編集部>
2019年09月05日子どもには大きく世界に羽ばたくような人間になってほしい――。子どもを持つ親なら、どこかでそんな期待をするかもしれません。そんなスケールが大きな人間になるには、いま、どんなスキルを身につけるべきなのでしょうか。過去にはアメリカの大手銀行で全米営業成績1位となり、現在はグローバルスタンダードを獲得するリーダー人材育成のための教育機関・PYD JAPANの代表である酒井レオさんにお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)脳全体をバランス良く鍛えるSTEAM教育わたしが代表を務めるPYD JAPANでは、「STEAM教育」を推し進めることにも注力しています。STEAM教育という言葉をはじめて耳にするという人に少しかいつまんで解説しましょう。そもそも、STEAM教育以前に「STEM教育」というものがあります。STEMは「Science, Technology, Engineering and Mathematics」の頭文字。つまり、STEM教育とは「科学、技術、工学、数学の教育」であり、ITやAIがどんどん身近になっているいま、とても重視されている教育です。でも、一見してわかると思いますが、どうにも分野が偏っていますよね?すべてが理系のロジカルな分野です。そこで、STEM教育に、まったく異なる分野の「Art(アート)」を取り入れたものが「STEAM教育」と呼ばれ、注目を集めているわけです。STEM教育にアートを取り入れると、どんなメリットがあるのでしょうか。それは、使う脳の偏りをなくすということです。ロジカルな分野のSTEMに使う脳は左脳、一方でアートに使う脳は右脳です。つまり、STEAM教育は脳全体をバランス良く鍛えることができる教育といえるのです。子どもになにかを学ばせるには親が一緒に体験するわたしたちが行っているSTEAM教育をテーマにしたセミナーやイベントで重視していることは「まず親にわかってもらう」ということ。STEAM教育とはどんなものなのか、その良さはどこにあるのか、親が理解してはじめて子どもに伝わるのです。小学生の算数の勉強なら、親も教えることができますよね?でも、子どもが中学生になって、算数から数学になると……。当時の記憶があいまいで、親は「もう子どもに教えることができない」と、急に塾に頼ったり、子どもに家庭教師をつけたりするケースが大半だと思われます。これをいまのSTEAM教育に置き換えてみましょう。たとえば、子どもにプログラミングを習わせるとします。おそらく、そのスキルを身につけているという親はごく少数のはずです。そのため、子どもをプログラミング教室に通わせるにも、どんな教室がいいのか、どんな先生がいいのかという判断基準を親は持っていません。であるのならば、親もそのプログラミング教育を実際に受けてみればいい。そうして、「これだったらわかりやすい」「簡単にプログラムを書けそう」と思えたなら、親も子どもを教室へ送り出しやすくなるはずです。プログラミングに限った話ではありませんが、子どもになにかを学ばせたいと思うのなら、親自身がまずは体験するべきなのです。実際にこのような考えから、PYD Japanでは今年の4月から、FLAP&PLAYという親世代や社会人向けのプログラム講座を開講しました。わたしが耳にしてびっくりしたのは、日本では大学生の就職活動に親がついていくケースもあるという話……。そうではなくて、自分ひとりでは外に向かって出ていけない、ものごとを決められない子どものときにこそ、親がついて行って一緒に体験してあげるべきです。「いますぐはじめる」から将来に余裕が生まれる先にSTEAM教育の一例としてプログラミングを挙げましたが、これからの時代に間違いなくもっとも重要な教育のひとつになるのがそのプログラミングです。というのも、これからいわゆるエリート層のトップに立つのは、エンジニアなどプログラミング技術を身につけた人間だからです。『Google』や『Apple』が世界のトップ企業になっていることを思えば、それはすでに現実になっていますよね。わたしのまわりでも、その潮流は見て取れます。わたしが生まれ育ったのはニューヨークのタイムズスクエア地区で、そこは基本的に裕福な人たちが住んでいるエリアです。じつは、少し前にわたしが35年間住んだ家を売りに出したのですが、購入を検討するために家を見に来る人たちはエンジニアばかりでした。わたしが子どもの頃というと、そのエリアに住んでいたのは、弁護士、医師に会計士といった職業の人たちでした。それだけ、いまはエンジニアの地位が上がっているということです。でも、プログラミングを学ぶ必要があるのは、エンジニアを目指す子どもだけではありません。これからは、あらゆる分野の仕事にAIやIT技術が取り込まれます。弁護士も医師も会計士も銀行員も、どんな職業に就く人間でも、一流になろうと思うのなら、プログラミングのスキルを身につける必要があるでしょう。それはもはや時代の潮流であり、避けられない道といえます。いい見本となる人がいます。それは、わたしの母です。母はファッションデザイナーなのですが、いまから15年前の50歳のときに突然プログラミングの勉強をはじめました。2年間ほど毎晩ひたすら勉強をして、いまはそれがしっかり仕事につながっています。時代の先になにが必要とされるのか――。自分を進化させていこうと必死に考えている人には、そういうものがしっかり見えているものなのです。「いますぐには必要ないものだから」「いまはなんとかなっているから」なんていっている場合ではありません。いまからはじめるからこそ、10年後、15年後の自分にある程度の余裕が生まれる――。そういうふうな発想を持って、子どもの教育について考えてほしいですね。『全米No.1バンカーが教える 世界最新メソッドでお金に強い子どもに育てる方法』酒井レオ 著/アスコム(2019)■ 全米No.1バンカー・酒井レオさん インタビュー一覧第1回:「極端な話、英語力は必要ない!」我が子を“世界レベル”に育てるために本当に必要なもの第2回:子どもの教育に「いまはまだ必要ない」は禁句。「いますぐはじめる」のが成功への道!第3回:「数字にうるさい子ども」は将来明るい!全米No.1バンカーが教える“コスト意識”の育み方(※近日公開)【プロフィール】酒井レオ(さかい・れお)アメリカ・ニューヨーク出身。NPO法人Pursue Your Dream Foundation創業者。Advanced Millennium Consulting Inc.代表取締役。Little Monster Inc.共同経営者。ワシントン大学を卒業後、JPモルガンを経てコマース銀行にてマネージメント・デベロップメント・アソシエーツプログラム(MDA)を取得。管理職に就く。その後、バンク・オブ・アメリカに転職し、2007年に歴代最年少で全米営業成績1位となる。同年、アメリカンドリームをつかむために渡米するすべての人を応援するNPO法人Pursue Your Dream Foundation(PYD)を設立。2010年には日本にグローバルスタンダードを獲得するリーダー人材育成のための教育機関PYD JAPANを設立。2018年、ニューヨークを本拠地とする、最新テクノロジーを切り口に、教育支援、メディア運営、投資事業を通して若者を応援するLittle Monster Inc.の共同経営者として始動。著書に『全米No.1バンカーが教える 最強の気くばり』(サンマーク出版)、『NY式「超一流の営業」の基本』(朝日新聞出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年09月03日子どもが成長するに従い、子どもたちだけの社会が形成されていきます。そういったなかで、残念ながら時としていじめが起きてしまうことも。わが子には被害者にも加害者にもなってほしくないいじめ問題。今回はパパやママたちの体験談をもとに、親にできることを考えてみます。■3割以上が「いじめの被害者になったことがある」アンケートで、子どもがいじめに巻き込まれたことがあるかどうか聞いたところ、「被害者になったことがある」と答えた人が3割を超えて、もっとも多い結果となりました。また、「両方ある」、「傍観者または加害者になったことがある」とあわせると47.5%となり、約半数の親が子どもの何らかのいじめを経験したことがあるようです。Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?いじめの被害者になったことがある 32.8%ない 29.8%わからない 20.6%両方ある 7.2%傍観者になったことがある 4.1%いじめの加害者になったことがある 3.4%その他 2.2%■幼稚園や学校で…いじめの実態全体の3割以上が「いじめの被害を受けたことがある」と回答したアンケートには、具体的ないじめのエピソードがたくさん集まっていました。まずは、どのようないじめが起きているのか見ていきます。「小さい頃から仲良く遊んでいたお友だちが、幼稚園に入った途端にグループでうちの子をたたいているのを見たときは凍りつきました。その後幼稚園に行きたくないと言うようになり、夫が相手の家に話をしに行ったら、『いじめられる方が悪い』とピシャリ」(滋賀県 40代女性)「2年生のときに6年生にいじめられていました。学校に相談に行き、なるべく先生や支援員さんがいてくれる環境で対処してくれました。今年になって、息子は1年生をいじめています。やめるように言ってもなかなかやめません。今はどうしたら止められるのか試行錯誤しているところです」(静岡県 30代女性)「4月に小学校に入学したばかりですが、さっそくいじめのターゲットにされてしまいました。最初は様子見していましたが、階段で押されたり足を後ろから踏まれたり危険を伴ってきたので、担任に話していまは解決済みです。低学年でもいじめがあるという現実に驚がくしました」(三重県 40代女性)「娘が高校1年の時、部活でいじめにあいました。先輩や同級生から暴言、目配せして笑われる、仲間外れにされる。先生に相談しても『弱いおまえが悪いんや』って怒鳴られた。ようやく退部できて落ち着いたが、我が子がいじめにあうなど考えてもいなかったし、私が進めてしまった高校だったので責任を感じた」(埼玉県 40代女性)そのほかにも、「小学2年でいじめを受けた息子は精神的にダメージを受け、中学生になったいまでも通院治療中。心の傷は長期の戦い」とか、「子どもが『悪口ノート』を作られた」など、つらいいじめの告白が集まっていました。幼稚園や小学校低学年でもいじめがあるとは聞いていましたが、現実的にそこまでいじめの低年齢化が進んでいるのかと驚きです。また、いじめの連鎖やいじめの後も続く心のケアについて訴える声もあり、いじめの深刻さがより身近に伝わってきます。■いじめと遊びの境目とはいじめ問題の難しいところは、何をもって「いじめ」とするかというところ。コメントでも、その難しさについての悩みの声が寄せられていました。「いじめといじりは紙一重。長男はすごく体が小さかったので、担いで女子トイレや更衣室に投げ込まれたりして、先生からは『いじられキャラです』と説明されました。しかし家では、『つらい』と泣いてました」(大阪府 40代女性)「小3の息子が、よく消しゴムを粉々にされたり、鉛筆を折られたり、ノートや筆箱に落書きされたりして帰ってきます。相手はふざけてやっているのか、いじめや嫌がらせの分類なのか、難しいところ」(福島県 30代女性)「いじめまで発展してはいませんが、小3の息子がちょくちょく同じ子からちょっかいをかけられているみたいです」(岩手県 30代女性)「いじられキャラ」や「嫌がらせ」、「ちょっかい」などというキーワードからは、「いじめ」との明確な違いを見つけることの難しさを実感させられます。また、している方とされている方との間に、意識の違いが生じている場合もありそうで、「いじめ」の判定が簡単ではないことがよくわかります。■勇気ある行動に出る子どもたち親たちから寄せられたエピソードのなかには、いじめをみずから解決したり、仲裁したりという子どもたちの勇気ある行動がいくつも集まっていました。「中2の息子は平和主義で、いわゆる『いじめ』を嫌います。性格的にも、男女を問わず嫌がらせを受けている友人を無視することができず、『やめとけ!』と言えるような子です。親としては、『ターゲットが息子に向けられるのでは?』と心配もしましたが、『放っておけばいいから! オレは大丈夫!』と、強く逞しい内心を聞き安堵(あんど)しました」(広島県 40代女性)「いじめられている子、いじめている子、分け隔てなく仲良くしていたら 『あいつと仲良くするんだったら仲間はずれにする』と言われた。無視されたりしながら、それでも『どんな子でも差別したくない』と、どちらとも変わらず接することをやめなかった」(北海道 30代女性)「小学生のときに、『1つ解決しても、また違う子からいじめにあう』と言ってきたことがありました。その場で相手に、『なんでそんなことするのか聞いてみなさい』と言ったら、娘はそのとおりに加害者の子に直接聞いてこれまで解決してきました。いまでは、誰かがいじめていたら『そんなことはしちゃいけない!』と言える子になりました」(茨城県 30代女性)大人でもなかなかできないような勇気ある行動の数々に、子どもたちの持つ力の大きさを感じます。ただいじめの仲裁に入ることでみずからが標的になってしまうこともあるため、親としてはどのように伝えればいいのか、本当に実行して大丈夫なのか悩みどころではあります。でも子どもたちが勇気を持ってみずから起こした勇気ある行動には称賛を送ってあげたいですよね。■加害者がわずか「3.4%」に疑問の声もアンケートによると、「いじめの加害者になったことがある」のはわずか3.4%。いじめは1対多数となることが多いことが考えられ、本来は被害者の数よりも多くなるはず。この結果からはどのようなことが読み解けるのでしょうか。「被害者率が高いが、加害者側はただ知らないだけなんじゃないかって思うほど、子どもの世界を親は知らないものです」(滋賀県 30代女性)「加害者が少ないことにビックリ。わが子が学校でどうなのか、親子での話し合いをしてる家庭が少ないのかなって感じました」(茨城県 40代女性)「加害者にも被害者にもなってもらいたくないし、いままでもいじめはないとは思う。でも本当に『ない』とは言いきれない。他人がさ細なことだと感じるようなことでも当事者が『いじめ』だと受け止めれば、それは『いじめ』。『ない』と自信を持って答えている方々、大丈夫ですか?」(神奈川県 40代女性)たしかに、被害者だけではなく、子どもが「いじめの加害者になっている」ことにも、親としては気づきにくい現状があるかもしれません。アンケートでも「わからない」と答えた人が2割以上いることから、子どもたちのなかで、どのようなやり取りがあったのか、どんな関係性なのか、すべてを把握するのは至難の業です。筆者の小学1年生の長男も、最近友だちと帰宅中にもう一人の友だちを走って置き去りにしてきたことがありました。本人が帰宅後、「逃げてきた!」とうれしそうに言ってきたことで発覚。親同士も仲が良かったのですぐに謝罪して事なきを得ましたが、悪気のなかった長男の態度に驚き、反省させられました。その後、あらためて「なぜしてはいけないのか」「されたらどんな気持ちになるか」について、親子で話し合い、長男自身も涙目になって反省しましたが、「いじめの加害者」と相手には映った可能性もあった出来事でした。こうしたことは日常で頻繁に起こっているのかもしれません。そうだとすると、だれもがいじめの被害者にも加害者にもなりえるといえそうです。ではそんなとき、親としてはどのようなことができるのでしょうか。■子どもが加害者にならないためにいじめの加害者にどうしてなってしまうのでしょうか?「家では良い子の親こそ、学校ではおとなしい下級生に対して弱い者いじめをしているのに、『わが子は優等生だ』と思っている気がする。圧力を親からかけられてる子どもは外で弱い者に圧力をかけるのでは? ある意味子どもも犠牲者」(三重県 40代女性)「いじめをしてしまう子は、家庭で精神的な問題があるのだと思う。発見した場合は、いじめる側の子の心の問題も見つけてあげないと、ずっと変わらないのではないかと思います」(三重県 30代女性)たとえば家庭や習い事、そして学校などで、別の問題を抱え、そのストレスによっていじめを始めてしまう…、コメントにもあるように、こういったストレスなどがいじめる側が抱えている可能性はあるかもしれません。でもだからと言って、いじめはけっして許される行為ではありません。ただ家庭の対応が無力だとも思いたくない。もし家庭でそのストレスを少しでも受け止められれば、いじめの加害者が一人でも減らせるのではないか? そう信じたいものです。それでは、そのとき親は子どもにどのようなメッセージを伝えればいいのでしょうか。「『やられたらやり返せ』という教育はダメだと思う。人にやられて嫌だったことは誰かに対してもやっちゃいけないと教えるべき。我慢できないストレスを受けたら、やり返す以外の対処法を教えるべき」(千葉県 30代女性)「相手が嫌だと思ったらその相手にはそれをしないことを心がけることだと思います。言葉や行動で誰しも相手を陥れることがあることを、大人も子どももしっかり認識すべきだと思います」(神奈川県 30代女性)「どんな場合でも、大勢対一人は卑怯(ひきょう)。大勢で一人をいじめるのは絶対あってはならないことだと、親は厳しく教えていかなきゃいけないと思います」(佐賀県 40代女性)たしかに、「相手が嫌がること」を想像できたなら、「相手が嫌がることをしない」と子どもたちが立ち止まって考えられるかもしれません。さらに、あたり前のことではありますが、「大勢対一人」という構図は絶対にダメだということを伝え続けることも重要なポイントになりそうです。■子どもをいじめの被害者にさせない最後に、子どもがいじめの被害者にならないためにすべきこと、また、いじめの被害者になってしまったら親としてどう対処すればいいか、考えてみたいと思います。●子どもの出すSOSを見逃さない「いじめの被害者になったとき、子どもの目に覇気を感じなかったので問いかけました。自分から言えない子どもが多いので、『わが子は大丈夫』じゃなく、基本的に信じるべきですが、疑うべきでもあります」(徳島県 40代男性)「何でも話しやすいように小言はぐっと我慢して、子どもの学校の話を聞いてます。子どもも自分からいじめの話をしたくないんですよね。ふさぎ込んでたり、変なテンションだったりしないか、いつも気にかけます」(東京都 40代女性)●子どもに寄り添い守ってあげる「いじめまでとは言わないけれど、仲良くしていた子とギクシャクしていた。大切にしていたお友だちだったので、メンタルが心配でしたが、できるだけ寄り添って話を聞いてあげました」(岩手県 40代女性)「息子が幼稚園の頃、毎日のように意地悪されていた。幼稚園も学校も、先生がいるとは言え、大人の目が届きにくい子どもたちだけの社会。自分の子どもの声を拾い、子どもを守るのは自分しかいないのだと親は認識すべきでしょうね」(東京都 50代女性)●子どもを見守る「息子が一度いじめられてると話してきました。びっくりしましたが、本人は『自分で解決する!』と勇気ある一言。息子には『どうしてもうまくいかないときは相談してね』と伝えました。今では人の気持ちをくみとれる優しい息子になっています」(石川県 40代女性)●相手や学校に相談して連携する「深刻なからかいではなくふざけ合いの延長みたいな感じでしたが、どうしても許せないことは、話を聞いた上で相手の子に話をしました。学校の先生には恵まれたので、よく相談もして、学校、家庭、本人の連携で問題は乗り切っていたと思います」(山梨県 50代女性)●学校をやめることも視野に入れる「いじめられている友だちを助けて娘が標的に。下駄箱の上履きに画びょう、クラスに机がない、物がなくなるなど散々でした…。その後、学校を転校しました」(千葉県 50代女性)ここまで、子どものいじめについて、加害者、被害者どちらにもならないための方法について考えてきました。最後にこのようなコメントも紹介したいと思います。「いじめに関わらない人間なんていないと思うんです。見て見ぬふりもいじめだと思います。いじめられてつらい思いをしても、今度はいじめる側。大人になってもいじめはなくなりません。もっと相手を思いやる気持ちを持たないといけないですよね」(福島県 40代女性)「いじめがニュースになる度に、子どもに『あなたはどう?』といじめについての話し合いをして『傍観者になるな』って言っています」(茨城県 40代女性)もしかしたら、「傍観者になる」人たちが一番多いのかもしれませんね。いじめられるのが怖くて、見て見ぬふりをしてしまうということは、親の私たちにも身に覚えがある人は多いでしょう。いじめていた子が、次の日にはいじめられる側になるかもしれない。どんなときにも、「相手を思いやる気持ち」が必要だと感じます。「あなたは大切な存在」と親が子どもに伝え、子ども自身もそう思えたら、自分のことも相手のことも大切にしていこうという気持ちが芽生えるのかもしれません。そのことだけは、できる限り親から子どもに、言葉だけではなく行動でも示していきたいなと思います。「大人になってもいじめはある」というコメントも多く目にしました。実際に、いじめ問題は子どものものだけでなく、大人間でも問題となることがたびたびあります。親である自分たちが、お手本となれるように、相手に思いやりを持ち、普段から「いじめは絶対にしてはいけないことだ」と行動で示していきたいものですね。Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?アンケート回答数:5222件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年09月01日