子どもに人気の習い事といえば、水泳・ピアノ・野球・バレエ…。そんな人気の習い事にも、子どもの序列やママ友間のトラブルなど、思わぬ苦労や悩みもあるようです。長く習わせているママ、自分もその習い事をしていたベテランママたちに実情を聞いてみました。今回話しを聞いたママたち・水泳:Aさん(8歳長男、5歳次男、2歳三男、ゼロ歳長女のママ。自身も水泳歴あり。長男は水泳歴8年で選手コースに在籍、次男は幼児コース、三男はベビーコースに在籍)・ピアノ:Bさん(6歳長女のママ。現在も夫婦でフルートを吹いている音楽一家。長女はピアノ歴4年で、現在は大手音楽教室の個人レッスンコースに在籍)・野球:Cさん(10歳長男、6歳次男のママ。長男は野球歴5年。パパもコーチとして参加。最初は興味がなかったママも現在はすっかり野球少年の母)・バレエ:Dさん(15歳長女、8歳次女のママ。自身はバレエ講師。長女は受験のためバレエは卒業、次女はバレエ歴6年)習い事を始めるのに何が必要?初期費用はいくらくらい?【水泳】一般コースなら、短期からの入会で水着、キャップ、バッグがプレゼントされることも。キャンペーン期間中などのタイミングによってはお得に入会できます。【ピアノ】趣味で始めるなら電子ピアノを買っておくとよいです。ヨドバシカメラやビックカメラなどに置いてある5万円程度のもので充分(キーボードは鍵盤の数が足りないし、姿勢も悪くなるので不向き)。習い始めた時点でピアノを持っていないと、先生オススメのもの(最低20万円くらい)を買わされることも…。【野球】最初に必要なのは、ユニフォーム、練習用白ズボン、ソックス、ストッキング、チームキャップ、アップシューズ、スパイク、バット、グローブ、リュック(バットが入れられる物)、スポーツジャグ(容量が大きく真空断熱の水筒)。トータルで3万〜5万円くらい。【バレエ】レオタード、バレエシューズ、タイツが必要。こだわりや教室の指定がなければネットでスターターセットとして5000円程度で購入できます。老舗の専門店のものだと3点で1万5000円くらい。シニョンを作るためスタイリング剤も必要。上達してから履くようになるトゥシューズは1足約1万円。週1回の使用で半年〜1年くらいもちます。週4・5回通って本気で踊るようになると3日〜1カ月でダメになる場合も。ケアをしながら工夫して履かないと破産してしまいます!その習い事を始めてみて、不満や問題はある?【水泳】ステップが細かく分かれていて4泳法を習得するのに時間がかかる。「親としては、背泳ぎはいいから平泳ぎをマスターして欲しい」など希望があってもそのとおりには進めません。バタフライまで合格しても、あまりキレイには泳げていないような…。やはり選手コースまで行かないとサマにならないのかな…?【ピアノ】防音・密室での個人レッスンの場合、男の先生だと気になることも。家でも練習させなければいけないけれど、学校の宿題同様やらせるのが大変。次第にイライラしてくるし、つい口出ししてしまって、親も子どもも楽しくなくなります。子どもが練習をしている間は、“見ざる言わざる聞かざる”を徹底しています。【野球】野球の練習は毎週土日の8時〜17時まで。お弁当持参。毎週付き合わされる弟はかわいそうだし、家族でどこかに出かけることもほぼなくなりました。兄弟が土日に他の習い事をしていたりすると、家族は完全に別行動ですね。また、1日外にいてクタクタに疲れて帰ってきた後での泥だらけのユニホームの洗濯がツライ!浸け置き、手洗いをした後にようやく洗濯機に入れられます。【バレエ】お姫様のようなチュチュを着て華麗に踊るのに憧れて入会したけれど、実際は入念なストレッチ、地道なバーレッスンの繰り返し。子どもは飽きたりふざけたりしてしまいます。シニョンを作るため髪を一定の長さに保ったり、日焼けをしないようにも気を使います。月会費の他にもお金がかかる?【水泳】進級テストを競技会形式で実施しているスクールの場合、検定料(テストを受けるためのお金)がかかります。合格すると新しい色のスイミングキャップを買わなければならないことも。選手コースに進むとさらに大変!プルブイ、フィン、セーム、チーム指定水着、チーム帽子、チームTシャツ、チームユニホーム、チームパーカー、指定バッグ、練習用バッグを最初に購入します。その他、練習用の競泳水着数枚。トータルで5万円くらいでしょうか。大会に出る場合は公認水着が必要。種目によってその泳ぎに適した水着に替えるので複数枚購入しますね。1枚あたり、男子用5000円、女子用8000円くらい。他に選手登録やスポーツ保険代を支払います。大会会場が遠い場合、交通費もかかりますし、合宿や強化練習も別途必要。「ほぼ裸だから、お金はかからないでしょ?」と言われますが大間違いです!【ピアノ】発表会が1年に1回あります。出演料1万円。衣装は安くてかわいいものを自分で探します。ほかに業者が撮影したビデオや写真の購入をします。【野球】市の補助がある少年野球チームに在籍しており、そこまでお金はかかっていません。【バレエ】なんと言っても発表会!1曲いくら、という計算です。低学年だと2曲くらい踊るとして、衣装代込10万〜13万円。外部に舞台メイクを頼む場合、プラス3000〜5000円。ロビーなどに飾るお花代と先生へのお礼として5000円程度を母の会が集金。スクールのオリジナルTシャツを作る場合も多く、1枚2000〜3000円(これを着て当日お手伝いをしたり、楽屋に入る際に保護者であることが明確になったりします)。撮影は基本的に不可なため、DVDや写真も後日購入します。上手な子でパ・ド・ドゥ(男性と踊る)の場合はプラス10万〜12万円。発表会後には先生と、一緒に踊ってくれた男性に個人的にお礼をお渡しします。子どもの序列やママ同士のいざこざがある・・・?【水泳】選手コースの序列はタイム順!練習でも常にタイム順に並ぶシビアな世界ですよ。選手コースに入ったばかりの頃は口をきいてくれなかったママたちが、子どものタイムが上がってくるにしたがって優しくしてくれるようになりました。他の子のタイムや、次の大会に出るのかをさりげなく探り合ったり、ひがみ・妬みもありますね。【ピアノ】個人レッスンのため、人と比べることも他のお母さんと顔を合わせることもなく、今のところトラブルはありません。【野球】どのくらい熱心なチームなのかによりますが、野球はチームプレイ。休んでばかりの子や、ふざけている子のママに、ベテランママがチクリとクギを刺すことはあります。ただ、あまり言いすぎて相手が止めてしまうのもメンバー層が薄くなってしまうので困りもの。また、子どもだけが練習に来て親が来ない家庭もありますが、その子の水分補給や熱中症対策、ケガをした時の応急手当は他のママがすることになります。どうしても親の都合が悪い場合は仕方ないと思いますが、毎回となるとモヤモヤ…。【バレエ】芸歴と一緒で年功序列。長く習っている子が前列やセンターに立ちます。その子たちのママが母の会を取り仕切り、発表会の時には先生のサポートをします。これから習い事を始めるママたちにアドバイスお互いの話を聞きながら、「スポーツ系の習い事は親の戦い! そもそも親の目が入ると闇が深くなるのかもしれませんね…」と頷き合うママたち。小学校高学年ママからは「受験をするなら4年生から塾が忙しくなり、習い事に割ける時間も少なくなります。その頃までに子どもの特性を見極められるとよいかも」というアドバイスも。「どの習い事も、趣味にとどめておけばさほど苦労はありません。また、ここでの話はほんの一例。例外もたくさんあります。そのチームのカラーや本気度をよく見定めて入会することが大切」とのことでした。<文・写真:フリーランス記者森藤理絵>
2017年07月30日子どもがどんな友だちと付き合っているのか気になる人も多いと思います。いじめにあっていないか、トラブルに巻き込まれたりしていないか、親なら誰でも心配になるもの。実際、子どもの交友関係に干渉ってしていますか? パパとママに緊急調査をしてみました。Q.お子さまの交友関係、干渉したことある?1.ある 56.2%2.ない 29.1%3.わからない・どちらとも言えない 14.7%約半数の親たちが子どもの交友関係に何らかの形で干渉したことがあるという結果になりました。では、一体どんなときに干渉したのかを聞いてみましょう。■金銭トラブルなどがある場合は注意を子ども同士のケンカ程度なら親が口出しすることもないのですが、物が紛失したり、お金が絡んでいたりすると黙って見て見ぬ振りはできないようです。伝えるときには一方的にではなく、親の意見として伝えるという人が多かったです。「お祭りや映画などに一緒に行くと、必ず金銭トラブルを起こす子がいるので、その子が参加する場合はなるべく行かないように注意しました。『今日は財布を忘れてきた。明日返すからお金を貸して』が毎回で、借りたお金も返してくれないので、関わらないのが一番だと思い注意しました」(兵庫県 40代女性)「強要はしませんが『母から見た○○さんは距離を置いたほうが良いと思う』と一応伝えます」(鹿児島県 40代女性)「我が家に遊びに来て、ご飯も食べ泊まっても何も言ってこない親がいて、そういう子には注意したほうがいいと言いました。低学年のころ、遊びに来ていた子にゲームのカセットを盗まれたこともあります。子どもには良し悪しと、巻き込まれないために注意しています。明日は我が身とも思いますので」(神奈川県 40代女性)■子どもの友だちは子どもが決めるもの一方で、子どもの交友関係には干渉しないという親たちの意見も聞いてみましょう。親が子どものためと思っても、結局子どもが大人になったら、自分で解決しなければならないのが人間関係。だったら、今からその経験をしておくことも大事なのかもしれません。「子どもなんて意地悪して、されての繰り返し。相手だって同じことを感じてますよ。集団生活にはいろんな人がいます。自分なりに上手く付き合うのも社会に出て行くための勉強です」(神奈川県 40代女性)「干渉しすぎる親は子どものことを考えているつもりで、結局は自分の意思を押し付けてるだけで、親が子どもなんだと思う」(埼玉県 30代女性)「干渉・・・嫌な言い方ですね。最終的に友だちを決めるのは親ではなく子ども自身だと思います。心配なのはどの親も同じこと。相手の性格や個性を知って学んで成長し、友だちを作っていくものではないでしょうか」(千葉県 40代女性)■自分がされて嫌だった経験あり「あの友だちとは付き合うな」と親に言われて、嫌な気持ちになった経験がある人も多いようです。自分がされて嫌だったことは子どもにはなるべくしたくない。そう思いつつ、今となってわかるのはその親心だったりします。「昔親に言われてすごく嫌だった。親になった現在、親が言ってきた思いがすごくわかる。でもあまり口を出さないように、子どもからのヘルプがない限り見守ってる。正直、付き合わなきゃいいのにと何度思ったことか」(三重県 30代女性)Q.お子さまの交友関係、干渉したことある?アンケート回答数:3730件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年01月02日子どもがいると、多かれ少なかれ発生するママ友との付き合い。「子どもの年齢が同じ(または近い)」ことをきっかけに付き合いがスタートするケースが多いため、性格も属性もバラバラです。当然ながら気が合わないママもいますし、ときにはトラブルに発展することもあります。ママ友の必要性を考えるとともに、トラブルを避けるコツも紹介します。■ママ友は「必要」だけど「面倒」なのが本音2016年4月にアットホームが発表した「小学生の母親に聞く、『ママ友との理想の距離』調査」によると、ママ友を「必要な存在だと思う」と答えた人は、620人のうちの74.7%。一方、「ママ友付き合いを面倒だと思ったことがありますか?」という質問に対して「はい」と答えた人は67.5%に及んだそうです。ママ友は必要だと思ってはいるものの、付き合いを煩わしいと感じることもあるようです。同調査によると、ママ友付き合いは幼稚園や保育園への入園を機にはじまることが多いようです。また、赤ちゃんのころに児童館や支援センターなどで出会ったことがきっかけで付き合いがスタートすることもあります。近ごろは、TwitterやInstagramなどのSNSを通じてママ友を作るケースも増えています。似たような趣味を持つママがつながりやすいこともあるため、実際に会っても仲良くなれることが多いようです。Twitterでハッシュタグを使って検索すれば、同じ月齢の赤ちゃんがいるママ友を見つけられます。たとえば、赤ちゃんが2016年12月生まれの場合は、「#2016dec_baby」というハッシュタグを入れればOKです。0歳児のころは月齢によって成長具合や悩みも異なります。離乳食や夜泣きなど、同時期に同じような体験をしているママたちに出会えるのは心強いものです。パパに対するグチや不満など、SNSだからこそ話せることもありますよね。■ママ友付き合いのメリット・デメリットママ友付き合いのメリットのひとつが、お互いに助けあえること。慣れないうちは不安な赤ちゃんとの電車移動も、ママ友親子と一緒なら心の負担が少し軽くなります。育児に時間をとられてしまって家事もままならない乳幼児期には、誰かの手があるだけで助かることが多いものです。実際に、ママ友に助けられたという声もあります。「ママ友がお子さんを連れて家に遊びに来てくれたときのこと。『私が子どもたちと遊んでいるから、いまのうちに夕飯の支度をしていていいよ!』と言ってくれて、とても助かりました。私もママ友の家に遊びに行くときは、同じように声をかけています」また、地域や子育ての情報交換ができるのも大きなメリットです。子どもがお世話になることも多い小児科や耳鼻科は、実際に行った人の意見が参考になるもの。先生の印象や混雑状況、予防接種の金額まで、インターネットだけでは収集できない情報を得られることもあるでしょう。一方、苦手な人ともうまくやっていかなくてはいけないというデメリットも存在します。とくに、価値観や距離感が異なるママとの付き合いはつらいものです。「子どもが0歳のころ、児童館などで何回か会ったことがあるママに誘われて、子連れでお茶をしたことがありました。待ちあわせ場所に着いたら、挨拶もそこそこに『持ち家ですか? 賃貸ですか?』と聞かれてびっくり。ほかにも『旦那さんは何時ごろに帰ってくるの?』『いつもそんなに早いの?』と質問攻めにされました。逆に私が話をふっても、大した答えが返ってこない。早く帰りたいのに、なぜか彼女はのんびり食事をはじめてしまい、食べるのを待っていたら外は真っ暗になっていました。そのママ友に対しての苦手意識が働いてしまって、しばらくはあいさつをするのもしんどかったくらいです」最初から踏み込んだ質問をしたり、距離が近かったりする人は、仲良くなるとさらに遠慮がなくなる可能性も。相手に嫌な気持ちを感じさせないように注意して、少しずつ距離を置いたほうがよさそうです。■子どものケンカやSNSの投稿などに潜むトラブルの種近ごろは、InstagramやFacebookなどのSNSに我が子の写真を載せているママも増えています。『児童心理』(金子書房)に掲載された幼稚園の園長によるコラムでは、他園で起きたSNSをめぐるトラブルについて触れていました。「LINEに個人情報を勝手に載せて流してしまう母親がいて困ると、ある母親からクレームがありました。トラブルのもとを作る母親は、フェイスブックも行っており、幼稚園の行事の写真等も載せてしまうため他の園児も一緒に写っている場合があるそうで、困るとのことです。(中略)さらに、休日、同じクラスの子どもをたまたま見かけて、勝手に写メを撮影して流してしまったりもしているようです。出典:『児童心理』2016年7月号「LINEのトラブル―幼稚園児のママ友の世界」トラブルの原因となったママは、ほかの子どもの顔を投稿する際には、スタンプなどで顔を隠すようにしていたそう。しかし、顔が見えなくても、関係者が見れば服装や場所などで個人が特定されることもあります。他人の子の画像は、たとえ顔を隠しても載せない方が無難です。また、自分が発したなにげないひとことが、相手の気分を害することもあります。実際に、ママ友からの心ない言動に傷ついたという人もいました。「子どもが1歳半のころ、同じ年の子を持つママ友から長文のメールを受け取ったことがありました。内容は、私の子育てのやり方やうちの子の発育状態についてです。言葉を発するのが遅いとか、私の接し方に問題があるとか…。善意を装っているつもりかもしれませんが、文面からは悪意しか感じられませんでした」いくら仲が良くても、相手の子育てに口を挟むのは避けたほうがいいでしょう。どうしても気になることがある場合は、ママ友との関係性をよく考えて、細心の注意をはらったうえで伝えるといいかもしれませんね。子ども同士のトラブルが原因で、ママ友との関係が悪化する可能性もあります。とくに自分の子に否がある場合は、誠意ある対応を心がけたいものです。「子どもが2歳のころ、ママ友の子の腕を噛んでしまったことがありました。その場で謝って、改めて菓子折りを持って謝罪に行くことを伝えると『気にしないでいいから』と断られてしまいました。でもその後、ことあるごとに子どもの腕の具合を報告するLINEが来るように…。やはり最初から、きちんと謝罪に出向いておけばよかったです」相手の「気にしないで」という言葉を鵜呑みにせずにきちんと謝罪をしたほうが、後々気まずくならずにすみそうです。■ママ友ランチを断る理由を確保しておく子どもが幼稚園に入ると、ママだけの付き合いが始まるというケースも多いようです。ママ友ランチやお茶会もそのひとつ。お迎えまでの時間はもちろん、クリスマス会や、おゆうぎ会などのイベントの準備と称して集まる機会も出てきます。ママ同士の連絡先交換はLINEというケースが多く、複数人でグループを作ってやりとりしているそう。休日でもLINEの通知が鳴りやまないママもいます。「ママ友とのトラブルもないから助かっているけど、公園や誰かの家に毎日集まるのは疲れます。私は自宅で仕事をしているので、適度に参加するようにしています」付き合いそのものはうまくいっていても、適度な距離感は大切です。ママ友グループとの関係性にもよりますが、仕事のほかにも、「義理の両親が来るから」など、自分の意思ではどうにもならない理由で断ると角が立たないようです。一方、ママ友同士の付き合いがほとんどない幼稚園もあるそうです。「うちの幼稚園は延長保育があり、夏休みも預かってくれます。そのせいか、働いているママが多いんです。それに、送迎バスを利用していることもあり、平日にママだけでランチをすることもほとんどありません。幼稚園の行事以外で付き合いがあるとすれば、同じバス停になったママと一緒に子どもを連れて公園に行くくらい。家にいても時間を持てあましてしまうので助かっています」■ママ友カーストにいじめ!? 孤立するケースも2015年に栃木県で起きた2人の母親の自殺。原因は、子どもを同じ小学校に通わせているママ友たちからのいじめによるものだといわれています。ママ友間の階級を意味する「ママカースト」という言葉もあるくらい、ママ友との関係性や立ち位置がデリケートになっているのかもしれません。たとえば、専業ママが多い幼稚園では、仕事をしているだけでいじめの対象になってしまうケースもあるようです。「友人が通っているのは、セレブなママが多い幼稚園。送り迎えの車種によってグループ分けがされているそうです。専業主婦が多いなかで、ワーキングマザーの友人はめずらしい存在。ひんぱんに行われるパーティーも仕事があるため、ほぼ参加できていませんでした。あるとき、仕事の都合がついたので参加したところ、『あら、幽霊さんが来たわ』と言われたそうです」夫の仕事の関係で幼稚園を転園したため、グループに入れずにママ友が一人もいないという人もいます。「うちの幼稚園では、懇談会の帰りにママだけでランチに行くというのが恒例になっているようです。当然のことながら、私は誘われませんでしたけど。ママ同士の仲がいいと子どもたちも仲良くなりやすいので、複雑な気持ちはあります。でも、いまの幼稚園のママたちとは服装の趣味もちがうし、気が合うとは思えません。仕事をしているので、無理して付き合っても疲れるだけだと割り切りました。いまは、あいさつだけの関係にとどめています」都内から都外の幼稚園へと移ったそのママと、幼稚園ママたちとでは服装の趣味も全く違うタイプ。互いに相いれない部分もあるのかもしれません。2015年に発売されて話題となったコミックエッセイ『ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望』(KADOKAWA/メディアファクトリー)でも、ママ友間のいじめが描かれています。主人公のサキは、仲の良かったママ友グループから無視や嫌がらせをされるようになります。ちょっとした行きちがいや嫉妬心からママ友との関係が崩れていく様子は、こわいけど身近に起こってもおかしくないことばかり。自分とママ友との関係性を考えるきっかけにもなりそうです。■ママ友トラブルは幼稚園の雰囲気によりさまざま!ママ友との関係性は、幼稚園の雰囲気によっても異なるようです。少人数でアットホームな雰囲気の幼稚園を選んだという人は、ママ友とのトラブルとは無縁だと言います。「うちの幼稚園は延長保育も送迎バスもないけど、雰囲気がとてもいいんです。古くて趣のある園舎で、私はとても気に入っています。私と同じように建物が好きで選んだというママも多いため、趣味も気も合う人が多いです。某大学付属の幼稚園を検討していた時期もあったけど、雰囲気が合わなかったので受けませんでした。その幼稚園に通わせている友人に聞いたら、入園早々にほかのママから『ご主人のお仕事は?』と聞かれたらしいです。いまの園にしてよかったと思いました」ママ友は、子育ての苦労を一緒に乗り越えている同志。心強い存在である反面、距離が近くなればなるほど気になってしまうこともあるものです。一定の距離感を保つことが、ママ友とうまく付き合うための得策と言えそうです。<出典>・ 小学生の母親に聞く、「ママ友との理想の距離」調査 <参考文献>・『児童心理』2016年7月号(金子書房)・『ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望』(KADOKAWA/メディアファクトリー)
2016年12月28日学校でのトラブルが続くと、子どももしんどい様子…出典 : 娘は、学校でお友だちに指摘したことが発端となり、長期間ケンカをしていた時期があります。その頃、チック症状が増え始めていました。今はでは仲直りをし、普段通りに笑って話せるようになっているものの、それでも1度出現したチック症状はなかなか治まらず、学校へ行くのがつらいと言うようになりました。学校から帰ると頭痛を訴えたり、娘が精神的に追い込まれているときよく出る右足の痛みも、頻繁になっていました。チック症|クラスメイトとのトラブルが原因?新たなチックが出現しました学校を休む基準は、しんどさの度合いで決めればいいのだろうか?Upload By GreenDays私たち家族は、学校を「どうしても行かなくてはならない場所」という位置づけで考えてはいません。熱が出れば休むのと同じように、心が苦しくなった時には積極的に学校を休んで心をほぐす時間に当てようと考えています。ですので、チックが発症して以来、娘は登校日の半分ぐらいの割合で学校を休んでいます。少しずつチックは治まってきましたが、1番症状が激しく出るのは「今日は学校を休むかどうか」を決める瞬間です。娘なりに色々な葛藤もあるのでしょう。行くと決めていたのに、朝食の途中で足が痛みはじめ、結局学校を休んだ日もあります。幼い娘に「学校を休む」という決断をさせるのは酷なようにも思いますが、「しんどい」の度合いは本人にしかわかりませんので、私が決めるというのもなかなか難しく、何か良い方法はないかなと考えていました。娘の「しんどい」を洗い出して可視化!私が娘と話し合うときにいつも困っていたのは、「しんどい」と訴えられても、その詳細な度合いまで共有できない事でした。「ちょっとしんどいけど、まあ頑張れる」レベルなのか、「これ以上頑張ったら苦しい」レベルなのか、「すごくしんどくて心が壊れる寸前」なのか。たくさん会話をしながら探っていきますが、本人も自分の状態をきちんと把握できていないので、私と娘の認識が大きくずれていることもあります。そこで、娘が「しんどい」と思う出来事を「1~10」にレベル分けしてみました。「レベル5」までは、なんとか頑張れる程度。「6~10」は、チックや頭痛・吐き気・足の痛みなどの身体症状が出始めるため、何らかのサポートが必要になってきます。Upload By GreenDaysこうして娘のストレスを数値化することで、「しんどい」と訴えられたときに「今、1~10で言うとどのぐらい?」と確かめ、そのレベルを推測することができるようになりました。しんどいレベルが「4」か「5」の時は、そっと背中を押してあげれば前に進む勇気が出ることもあります。「6」以上の時に背中を押してしまうと「ママの期待に応えなければ」という気持ちが芽生え、余計に娘を追いつめてしまうことになるので「まずは心を休めようね」と声をかけることにしています。この数値化のおかげで娘と私の認識は大きくずれることなく、その認識を前提に話ができるようになりました。出典 : 「しんどさ」がわかれば課題や手立ても見えてくる!また、娘のストレスを書き出してみることで、わかった事もたくさんありました。雨の日と晴れの日では同じ出来事でもストレスの度合いが違うこと、児童精神科への通院前には、娘にとんでもない負荷がかかっていたことお友だちとバイバイする時間になると激しく怒り、泣いて抵抗する娘にも、その瞬間はかなりのストレスがかかっていることも判明しました。わがままなのではなく、自分ではどうしようもない感情の揺れに振り回されていたのです。「お友だちと遊ぶときには、あらかじめ帰り際の対策をたてておく」という課題も見えてきました。こうして娘と一緒に「今はどんな状態だろうね」「こんな状態の時はどうしたらいいかな?」と話し合っていくことで、娘は安心してSOSを発することができるようになっていると思います。年齢が上がるにつれ、いろいろな感情やプライドが邪魔をして、本当のことを話してくれなくなる時期が来るかも知れません。それでも、「SOSを出せば一緒に解決策を考えてもらえる」という経験は、娘の今後の人生できっと役立ってくれることと思います。客観的に自分の状態を判断できるようにUpload By GreenDays「今、自分はどういう状態にあるのかを知る」ことは、とても大切なことだと思います。同じ出来事が起きても、なぜ今回は怒ってしまったのか、なぜ今回は平気だったのか。それを自分自身が少しずつ理解していくことで、自分自身の理解は少しずつ進んでいくと思います。理解が進めば対策が立てやすくなり、対策が立てられれば毎日穏やかに過ごせることも増えるのではないでしょうか。「己を知る」手立てを伝えることは、いずれ私の手を離れて巣立つ娘へ贈る大切なプレゼントです。焦らずゆっくりと。娘に合った方法を模索しながら、いつの日か客観的に自分の状態を判断できる力を身につけてあげたいと思います。
2016年07月21日子ども同士が同じ幼稚園に通っていたり、同じ習い事に通っていたりすると、他のママ友に子どもの送迎を頼まれることがありますよね。反対に自分の子どもの送り迎えを頼むこともあるでしょう。どうしてもお迎えに行けなくなるなど、 やむを得ないということもあるかと思いますが、相手に負担になることであり、気をつけなければトラブルへと発展することも少なくありません。ここでは、子どもの送迎で起きたトラブルについて紹介したいと思います。●子どもの送迎トラブル●(1)いつのまにか送迎が当たり前に『私の仕事は残業がなくいつも決まった時間に終わるので、娘の迎えに行けなくなることはありません。そのため、他のママ友から送迎を頼まれることが多いんです。都合の悪いときに何回かならいいのですが、毎回のように頼んできて、しかも徐々に送迎するのが当たり前みたいな態度になってくる人もいるんです……。方向が同じだから大きな負担ではありませんが、良い気はしませんね』(5歳女の子のママ)送迎の1度や2度ならまだしも、それが何度も続くと負担になってくるはずです。さらに、仕事が忙しい人がそうでない人に頼んでばかりになるなど、送迎の負担に偏りが出てしまう のも問題でしょう。事前に、送迎を頼むときのルール決めをしておく必要があるかもしれません。●(2)車酔いで子どもが嘔吐『友達の子どもを乗せて車で送っていたのですが、なんとその子が途中で吐いちゃったんです!聞いてみると、もともと車酔いをしやすい体質だとか。それなら酔い止めを飲むとか袋を準備するとか何かやりようがあったはずなのに……。車の掃除がとても大変で、本当なら清掃費を請求したいぐらい。安易に引き受けるものではないですね』(8歳男の子のママ)小さい子どもが送迎中に突然体調を崩す ということも考えられます。怒るわけにもいかないし、相手の親にクレームを入れるわけにもいきません。対応に困るトラブルと言えるでしょう。●(3)頼みを聞いたばかりに駐禁を切られた『どうしても迎えにいけなくなったということでママ友に頼まれて、子どもを塾に迎えに行くことに。その子が時間になっても塾からなかなか出てこないので、車を停めて建物の中に迎えにいったのですが、戻ってくるとまさかの駐禁!停めた私が悪いんですが、頼まれなければこんなことにはならなかったと思うと……』(11歳男の子のママ)車での送迎だと、「ちょっとぐらいいいだろう」とつい近くに停めてしまいがち。そんなときに限って違反を取り締まられる こともあります。もちろん、それを理由に相手のお母さんに罰金を請求するなんてできないですよね。----------いくら仲の良いママ友だったとしても、子どもの送り迎えは自分で行うというのが原則。もしそれができないのであれば、習い事に行かせることそのものを考え直さなければならない かもしれません。気持ちの良い交流を続けるためにも、送迎に関しては相手を思いやることが必要でしょう。●文章/パピマミ編集部
2016年06月07日最近では、ファミリー席を用意するなど、ベテランアーティストのコンサートでも、子どもが参加できることがあります。子どもも音楽が好きなら一緒に楽しめるし、誰かに預けなくてもいいのでうれしいですよね。しかし、マナー違反などの問題からトラブルが起こることも…。子どもをコンサートへ連れて行くときの注意点を考えてみましょう。■いつでも退場する覚悟で!コンサートは2時間前後、長いときには4時間近く行われることがあるので、子どもが好きなアイドルやアーティストでも、途中で飽きてしまうこともあります。飽きた子どもは途中でぐずったり、ワガママをいったりするものです。ステージに夢中になりすぎず、その様子を見逃さないようにしましょう。子どもが飽きたときのためにスマホのゲームやポータブルゲーム機を用意している親を見かけることがありますが、暗い会場では光が演出の邪魔になるもの。子どもと一緒に参加するときには、いつでも退場する覚悟が必要です。少しでもぐずりそうなら、一度、客席から離れたほうがいいですね。それでも、退場時には周囲に迷惑をかけてしまうので、開演前に周囲の人へひとこと、先に謝っておくといいいでしょう。また、会場内のトイレは非常に混雑するので、会場外ですませておくのはもちろん、会場にも早めに入っておいたほうが安心です。空腹もぐずる原因となるので、食事のタイミングにも気をつけましょう。■子どもの安全を第一に考えてロック系のコンサートではなくても、会場内の音量はかなり大きいです。とくにバンドなどの生演奏では、子どもは大人以上に音が大きく感じます。デリケートな耳に爆音を響かせてしまうと、難聴になる可能性も。子どもの耳を守るために、防音効果のあるイヤーマフを用意しましょう。完全に音が聞こえなくなるわけではないので、音楽を楽しむことができます。しかし、つけなれていないと嫌がることがあるので、事前になれさせておくこと。また、観客が総立ちになるコンサートでは、小さな子どもはステージを見ることができません。少しでも見せてあげたい気持ちはわかりますが、椅子の上に立たせたり、肩車をしたりするのはNG! 周囲への迷惑はもちろん、子どもにとっても危険です。ただでさえ子連れでのコンサート参加は、周囲の目が厳しいものです。小さなころから生の音楽にふれさせることも大事ですが、子どもがマナーを守れるようになるまでは避けたほうがいいかもしれませんね。どうしても連れていく場合も、事前に「少しでもさわいだら即退場」といったルールを教えておきましょう。子どもがファンだったら、「うるさくすると●●ちゃんが悲しむよ」と情に訴えてもOKです。コンサートに参加することが決まったら、DVDなどで予習をしておきましょう。
2016年04月28日大型連休や長期休みなど、イベントシーズンには子どもに関係するトラブルが多いもの。世の中には、「子どもがいるだけで嫌だ」と感じる人もいるのです。こうした人には、できるだけ近づかないのが得策ですが、会社の人たちとバーベキューをしたときなど、意外な人が子ども嫌いで驚くことがあります。トラブルを招かないためにも、子ども嫌いの人の特徴を把握しておきましょう。■視線をチェック子どもを見ると露骨にいやそうな顔をする人は、わかりやすいですよね。一緒の空間にいるだけでわずらわしいと思うようで、それが表情に現れています。子どもと目線を合わせたがらない人も、子ども好きではない可能性大。「子どもが嫌い」だと大きな声ではいえないけれど、近づいてほしくないという心理状態を察することができます。子どもと接する機会が少なくて「どう接したらいいかわからない」という場合もありますが、このようなタイプは子どもに話しかけられるだけで疲れてしまうことも。迷惑をかけないためにも、あまり近づかせないようにしたほうがいいでしょう。■ふだんの行動をチェック仕事上の付き合いの人は、子どもが好きかどうかわかりにくいですよね。でも、行動パターンにある傾向が見られるように感じます。たとえば、周囲には上から目線だけど、立場が上の人にはさからえないタイプ。弱い立場の人にはえらそうな姿勢から、子どもに対して強くあたる可能性がうかがえます。また、イレギュラーなことに対処できない人も要注意。子どもの動きはつねに予測不能ですから、振り回されることを嫌がる傾向があります。神経質な人も同様に、子どもが汚したりしないか心配で、イライラしてしまうようです。 ■誰もが子ども好きとは限らないたとえば子どもがいる人の中にも、「自分の子ども以外はいやだ」という人もいます。誰もが子ども好きとは限らない。このことを忘れないようにするだけでも、トラブルの予防に役立ちます。周りが子ども好きなことを前提に考えてしまうと、周囲に甘えてしまいがちです。嫌がられてしまう可能性もあることを意識し、子どもの行動に対してつねに注意を払うようにしましょう。「子どもが嫌いなんて信じられない!」と思うかもしれませんが、犬を「かわいい」と思う人もいれば「こわい」と思う人もいるように、価値観は人それぞれです。子ども嫌いな人を察知して近づかせないようにする。トラブルのリスクを少しでも減らすために心がけたいところです。
2016年04月24日ママ同士の付き合いの中で、「うちの子ちょっと預かってて」なんて言われたり、逆に子どもを預かってもらったり。よくあることですが、、そこでトラブルが起こってしまったら、、法的にはどうなるのでしょうか。今回もアディーレ法律事務所の島田さくら弁護士が切ってくれました。「子どもを預かって」と託児をお願いされ、預かっている時の責任の範囲はどこまで?「うちの子ちょっと預かってて」「いいよ」ということで、子どもを預かった場合、民法上は、準委任契約(民法656条)、あるいは、これに似た契約が成立すると考えられます。準委任契約というのは、(法律の専門知識を含まない)事務や仕事をお願いして、頼まれた人にある程度やり方を任せる契約です。つまり、預けたママを委任者、預かったママを受任者として、子どもを預かるという仕事をお願いするという契約が成立したとみることができます。準委任契約が成立した場合、受任者(預かったママ)は、善良な管理者の注意をもって事務処理をする必要が出てきます(民法644条)。簡単に言うと、預けたママの信頼に沿うように子供を預からなくてはなりません。預かっている子どもがお腹すいたと言ってきた。食事を用意してあげないといけないのか。また、食事やおやつにかかった費用など、暗黙の了解でこちらが出しているのだが請求することはできるのかたとえば、預かっている子どもが「お腹がすいた」と言ってきた場合、子どもをお腹が減った状態で放っておくこともできませんよね。では、ご飯やおやつをあげた場合、この費用は誰が負担することになるのでしょうか?準委任契約を前提として考えれば、ある程度の時間子どもを預かる際のご飯やおやつは、必要な費用と考えられるので、子どものママに請求することができます(民法650条1項)。ただ、お互いに子どもを預け合うような関係にあるのであれば、「お互いさま」ということで、預かった側が負担するのが一般的でしょうね。このように、預かった側がちょっとした費用は負担するという暗黙の了解、口にはしなくても合意があったような場合には、預かっている側が負担することになります。食物アレルギーがある事を伝えられておらず、おやつに出したピーナッツを食べたところ預かっていた子どもが痙攣を起こしてしまったり、「触っちゃいけない」と言っていた植物に子どもが触ってケガをしたりした場合、誰が悪いのか好意で子どもを預かった場合であっても、故意や過失によって子どもにケガや病気をさせた場合には、治療費や慰謝料等の損害賠償責任を払わなくてはいけなくなる可能性もあります。子どもにアレルギーがあることをまったく知らされずおやつにピーナツを出して、子どもがアレルギー反応を起こしてしまったという場合であれば、預かっている側には何の過失もないわけですから、損害賠償責任を負うことはないでしょう。また、事故が起こることを予想できたのに、事故を防ぐために必要なことをしなかった場合(積極的に片づけていなかった場合)にも、預かっている側が損害賠償責任を負うことがあります。もっとも、子どもの行動によって事故が起こった場合、事故が起こらないように子どもに指導しないまま他人に預けておいた子どもの親も悪いので、子どもに生じた損害の全額を賠償する必要はありません(民法709条、津地裁 昭和58年2月25日判決)。触ったらケガをするような植物の場合、「触っちゃいけないよ」と教えていても、子どもの年齢によっては触ってしまうこともあるでしょうから、見ていなかった大人にも責任がありそうです。一方、しつけがなっていなかったのも原因という部分があれば、子ども自身も悪いということになるので、過失相殺といって「お互い悪かったね」となり、損害賠償額が減額されることになります。このあたりは、子どもの年齢にもよってきますね。家のものを壊されてしまった時や、家にある高価な物を食べられてしまった時の解決方法は?わざと、あるいはうっかりであっても、人の物を壊せば、損害賠償責任を負います。ただし、自分のやった行為がどういう結果をもたらすのかわからないような小さな子どもについて、責任を問うことはできません。このような場合、親に対して、損害賠償を請求することになります(民法712条、民法714条1項本文)。家にある高価な食べ物を食べられてしまった場合も同様です。ただ、小さな子どもを預かっているわけですから、預かる側も、壊れやすいものや高価な食べ物を子どもの手の届かないところに置くといった対策ができますよね。こういった対策を一切とっていなかったのであれば、場合によっては、預かった側にも過失があるとして、損害賠償額の一部が減額されることもあるでしょう。まとめ法的な話をすれば、上記の通りになります。ただ、ご飯やおやつを出さなければならないのか、誰が費用を負担するのか、なんてところに疑問を持つような関係性であれば、子どもを預け合ったりするのは止めた方がよさそうですね。トラブルのもとです。もちろん、子どもを預かった以上、しっかりと子どもを見ていなければ、責任を問われるのも事実です。面倒をみきれる自信がないのであれば、時には、勇気をもって断ることも必要ですよ。あとがき最近急に涼しくなってきましたね。夏が終わってしまったのは少しさみしいですが、秋は食べ物がおいしいので私は好きです。秋のフルーツである柿やブドウなど、少し高価なのでたくさんは食べられませんが、子どもと一緒に秋を楽しみながら食べたいと思います。・協力: アディーレ法律事務所 (島田さくら<アディーレ法律事務所>)
2015年09月23日楽しい毎日を送るためにも、ご近所さんとは、良好な関係でいたいですよね。そんなママの願いとは裏腹に、子どもたちがご近所さんとトラブルを起こしてしまうことがあります。今回は、「子どものご近所トラブル」について、アディーレ法律事務所の島田弁護士が疑問を解決してくれます。近所のおじさんは、どれくらい子どもを叱ると犯罪になる?最近は、子どもを叱ってくれるおじさんも少なくなってきましたね。ところで、近所のおじさんが、あまりにひどく子どもを叱ったら、犯罪になるのでしょうか。人の身体に向けて殴る・蹴るといった暴力行為をした場合、暴行罪(刑法208条)にあたります。なので、おじさんが子どもにゲンコツをくらわせたり、ひっぱたいたりしたら、暴行罪になりえます。また、直接手を出したわけでなくても、精神的な苦痛を与えて病気に追い込んだりした場合には、傷害罪(刑法204条)が成立する可能性があります。実際の判例でも、被害者の家の前の道路で怒号、騒音を発して抑うつ状態に陥らせた事例では、傷害罪が認められています。 このように考えてみた場合、おじさん(第三者)が単に子どもを叱りつけただけという場合には、もちろん暴行罪や傷害罪は成立しません。一方で、小さな子どもに対して、長時間、不必要に大声で怒鳴りつけ、子どもが失神したり、ストレスで睡眠障害になったりしたというような極端な場合には、傷害罪が成立する可能性もあります。子どもが外で騒ぐ声がうるさい場合、騒音になるの?「騒音」といえるかどうかについての具体的な基準として、環境省は、環境基本法16条にもとづく騒音環境基準を定めています。たとえば、住居専用地域の昼間では、55デシベル(50デシベル:静かな事務所/60デシベル:静かな乗用車)というのが基準になります。大声での会話は90デシベル程度で、人が「うるさい」と感じる音量なので、環境基準からいえば、「騒音」にあたりそうです。ただし、環境基準での「騒音」にあたるとしても、直ちに「慰謝料だ」「損害賠償だ」ということになるわけではありません。無音で生活することなんてできませんし、地域で暮らしていくのであればお互いさまという部分もありますよね。なので、社会生活において、ある程度は我慢をすることが一般的に相当でしょうと判断される場合には、騒音での慰謝料請求等はできません。一方、あまりにも限度を超えるような騒音が続いて、注意しているのに改善もみられないというような場合には、慰謝料等の請求の可能性が出てきます。子どもが近所の建物などで勝手にかくれんぼをしたら罪になるの?人の住んでいる建物や敷地に勝手に入った場合、刑法上の住居侵入罪(刑法130条)となり、人が住んでいなくて誰も管理していない建物に入った場合は、軽犯罪法に該当する可能性があります(軽犯罪法1条1号)。 もっとも、14歳未満の者が罪にあたる行為をした場合、刑事責任は問われませんが、「触法少年」として、家庭裁判所の審判を受けることがあります。ですから、子どもといえども、やはり他人の迷惑になることはやめるように注意しておくことが大切だと思いますね。どれも子どものやりそうな行為ですが、時に問題が大きくなってしまうこともあります。自分の家族と同じように、ご近所さんも自分たちを見守ってくれている大切な人たちなので、うまく付き合っていきたいものですね。あとがきまだまだ暑い日が続きますね。熱中症のニュースが怖すぎて、わが家はこの夏、寝る時もエアコンつけっぱなしでした。もったいない気もするけど、いざ子どもが熱中症になったら、救急車だの入院だのでもっとお金かかりそうで。うちみたいな母子家庭だと、「私が倒れたら、誰にも助けを求められない」というのもリアルな話です。皆様も体調にはお気をつけてお過ごしください!・協力: アディーレ法律事務所 (ライター:島田さくら<アディーレ法律事務所>)
2015年08月26日小さな子どもや大きな子ども、いろんな子どもたちの多く集う公園でわが子を遊ばせる時、子ども同士のトラブルが起きてしまうことは珍しくありません。そんな時、ママはどんな信念をもって対応すべきなのでしょうか? ■何か起きても、危険でなければいったん様子をみるたとえば、子ども同士でケンカになっていたとします。どちらが悪いともとれない状況で、両者がにらみあっている場合、どうすべきなのでしょうか。そんな時、私が心がけているのは、危ない場所・危ない行動をしていない限り、いきなり割って入ることはせず、いったん子ども同士に任せてしまうことです。ある程度会話ができ、自分の気持ちを表現できる年齢であれば、「誰かと衝突する」経験も必要なことであり、踏まなければいけない場数のひとつなのではないでしょうか。いったん様子を見ることで、ママ自身もまた客観的に物事を判断できるはずです。■子ども本人から「何がおこったか」を聞く子どもが泣き出して会話が成立しないなど、親の介入が必要そうになった場合は、一部始終を見ていたとしても、まずは子ども本人に「どうしたの?」と問いかけてみましょう。子どもの口から説明させることで、どんな問題が勃発し、子どもがそれをどう受け止めているのかが、よく分かります。泣いてパニックになっている子どもを一度、我に返らせることで、ぐちゃぐちゃになっている頭の中を整理させることもできますし、一体どうすれば良かったのかと考え直す時間を与えることができるのではないでしょうか。怒りもせず、笑いもせず、ただ子どもから話を引き出す。これが「子ども同士で解決できるようになる」練習にもなるはずです。■いったん相手親子と離れても、最後には声がけを感情が高ぶっているうちに無理やり、「ほら、ごめんなさいしなさい」といわれても、子どもは納得できない時があるかもしれません。子どもから話を聞く時には、いったんその場から離れてみましょう。トラブルのあった相手のいない場所で冷静に、静かに、丁寧に子どもから話を聞いたら「どうすればいいかな?」と問いかけてみる。それでも、子どもが納得しないことも時にはあるかもしれません。そんな子どもの気持ちに引きずられて、ママももやもやした気持ちになってしまうこともあるでしょう。そんな時は、どちらが悪い場合でも必ず一言、相手の子どもやママに声かけをしてみましょう。「さっきはすみません!」「ごめんね。また遊んでね」など、ささいな一言で大丈夫です。お互い、あるいはどちらかがもやもやしていた場合でも、その声かけが「子育てはお互いさま」という気持ちに切り替える、キッカケになるはずです。子どものトラブルは、できれば子ども同士で解決させたいもの。それを実現させるためには、親が手助けしすぎず、そっと見守る姿勢が大事なのかもしれません。辛抱のいる作業かもしれませんが、それはママ・パパにしかできない貴重な経験として、子どもをサポートしてあげたいものですね。
2015年05月05日幼い子ども同士で遊んでいると、おもちゃの取り合いになってしまうことが多々あります。子どもの年齢にもよりますが、「お友だちに貸してあげたら?」とママが言っても、まったく聞く耳を持たず、子ども同士のケンカに発展してしまうこともあるでしょう。ママの目の前でいざこざが起こってしまった時は、これから挙げる4つの方法を参考に対処してみてください。■子供同士のおもちゃの貸し借りトラブル対策(1)「10まで数えたら交代」などのルールをつくる普段から、物の貸し借りのルールをつくっておくことが、いざというときに役立ちます。「10まで数えたら貸してね」「『いいよ』って言われてから貸してもらうんだよ」と、子どもにしっかりと伝えておくことが大切です。なお、子ども同士がおもちゃの取り合いをしている時は、決して頭ごなしに「やめて」「ダメ」とは言わないように。小さな子どもは否定の言葉に敏感です。「先にお友だちに貸してあげよっか?」などと、子どもの立場に立った言い方をしましょう。■子供同士のおもちゃの貸し借りトラブル対策(2)貸し借りができたら思い切り褒める子どもがお友だちに、渋々ながらでもおもちゃを手渡すことができた時は、オーバーなくらいに褒めてあげましょう。「貸し借りできるのはすごいことなんだ」と思わせることで、少しずつ子ども同士のやり取りもうまくいくようになります。自分の意志でおもちゃを貸すということは、子どもにとって大きな成長。そんなわが子の成長を心から褒めて、喜びを共有しましょう。■子供同士のおもちゃの貸し借りトラブル対策(3)代わりのおもちゃを勧めるプレイルームや児童館なら、たくさんのおもちゃがあるはず。1つのおもちゃに執着しているようなら、「こんなおもちゃもあるよ」「あっちのおもちゃのほうが楽しそうよ」と、子どもの興味をほかのおもちゃに持っていくように働きかけてみましょう。ただし、この方法では、ただ単にその場から離れ、トラブルの火種を未然に避けるだけになってしまい、お友だちとのやり取り、すなわちコミュニケーションを学んでいるわけではないことを覚えておきましょう。■子供同士のおもちゃの貸し借りトラブル対策(4)どうしてもダメな時は、相手の子どもに対応してみるどんな方法を使っても、わが子の気持ちをそらすことができない、ということもあるでしょう。どうしてもおもちゃを貸すことができない時は、相手の子どもにやさしく言葉をかけてあげてください。「ごめんね。もうちょっとだけ貸してもらえる?」「一緒にほかのおもちゃで遊ぼっか」などと声をかけて反応を見ましょう。近くに相手の子のママがいるなら、「すみません、うちの子、わがままで…」とひと言伝えておくことも忘れずに。こうした気遣いは、決して無駄ではありません。何も言わずに子どもの好きなようにさせているのと、ひと言声をかけておくのとでは、相手の気持ちが違ってくるはずです。幼いながらも、お友達と関わることや協調性、社会性を学ぶきっかけとなるので、ある程度は見守ることも必要。とはいえ、まだ加減のわからない幼児同士の場合、できれば無用なトラブルは避けたいのが親心。適切な時に適切な対応を取れるようにしておきましょう。
2015年03月24日国民生活センターは12日、子どものオンラインゲームに関する相談件数が急増しているとして、大人は子どもに利用させるオンラインゲームの仕組みや利用実態を理解し、スマートフォンやクレジットカードの管理責任を徹底するよう、注意を呼びかけた。PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)によると、オンラインゲームに関する相談件数は、2009年以降、年々増加している。2012年度は、2009年の1,437件と比べて約4倍の5,616件と過去最高を記録。2013年度も、11月15日現在で3,181件と前年同時期と同水準の相談が寄せられており、その中で、契約当事者が未成年者である相談は、前年同時期の約2.5倍と大幅に増加している。相談件数のうち契約当事者が未成年者の件数の推移を見ると、2009年度は378件、2010年度は353件、2011年度は781件、2012年度は1,371件、2013年度は1,341件(前年同時期は532件)。2012年度は全体の約20%だったが、2013年度は約40%に増加し、契約当時者の低年齢化が急速に進んでいることが明らかになった。オンラインゲームの平均契約購入金額を見た場合、全体では約21万円だったのに対し、未成年者の相談に限定すると約23万円と、金額が大きくなる傾向が見られた。また、契約購入金額の分布を調べたところ、2012年度と比べて10万円以上100万円未満の割合が増加しており、高額化していることもわかった。支払手段にはクレジットカードが利用されることが多く、未成年者においては7割以上がクレジットカードの利用をしたケースだった。相談事例を見ると、「孫がゲーム機でオンラインゲームをし、祖父のカードで決済をした」「娘が親のスマートフォンでゲームをし、課金時に親がパスワードを入力した」「息子が携帯型音楽プレーヤーを使いオンラインゲームで有料アイテムを購入していた」といったものが寄せられた。これらの相談事例からは、「クレジットカード等の仕組みを理解していなくても、子どもは決済の手続きを容易に行っている」「大人はオンラインゲームの決済の仕組み等を十分に理解していない」「スマートフォンやタブレット端末のIDに、クレジットカード情報を登録していたり、機器をそのまま子どもに渡して使わせている」などの問題点が浮き彫りになった。国民生活センターは、「親子でスマートフォンやゲーム機の機器やゲームの仕組みについて確認する」「大人はクレジットカードの管理について、注意する」などのアドバイスを行うとともに、トラブルに遭った場合は、最寄りの消費生活センターに相談するよう呼びかけている。
2013年12月13日