国立がん研究センターはこのほど、日本のがん罹患(りかん)数・率の最新推計値を公表した。同推計値は、国立がん研究センター がん対策情報センターが2011年にがんに罹患(りかん)した全国推計値を算出したもの。集計元のデータは、地域のがん対策に役立てるため、都道府県が1975年より登録している「地域がん登録」のデータで、2011年分においては40県(2010年は30県)が登録を行ったという。この登録数の増加と登録精度の向上により、従来の罹患数・率だけではなく、各都道府県における主要部位の標準化罹患比(※)および標準化死亡比(※)を算出し、それを地図上に示す試みを今回初めて実践したという。※年齢構成の異なる集団間の罹患数・死亡数の比較に用いられる方法で、標準とする人口集団と同じがん罹患率であるとしたら、その集団で何人のがん患者が発生するかを予測し(期待値)、実際の罹患数(死亡数)をその期待値で割ったものが、標準化罹患(死亡)比となる。集計結果による2011年の全国のがん罹患数は下記の通り。■男性49万6,304人■女性35万5,233人■合計85万1,537人同センターによると、2010年の推計と比較した各部位の罹患数は、男性のみ変化があったという。2010年時に4位だった「前立腺」が今回は2位となっている一方、女性は順位変動がなかった。各部位の標準化罹患比は下記の通り。厚生労働省の「平成23年人口動態統計月報年計」において、男性の「死亡数・死亡率」(人口10万対)が最も高かった「肺がん」。今回の集計では、男性では北海道と青森県、また近畿圏で、標準化罹患比と標準化死亡比ともに高く共通した分布が見られた。 女性では男性ほどの偏りは見られなかったが、北海道および近畿以西で罹患、死亡ともに多い点は共通していた。男女共に一定規模で死亡数が多い「胃がん」に関しては、標準化罹患比は、男女共に日本海側の県に集中している傾向が見られた。 標準化死亡比よりも、標準化罹患比においてその傾向が強く出ていた。女性に多い乳房および子宮がんのデータも公表された。女性の乳房に関しては、はっきりとした地域の偏りは見られなかった。罹患数が増えているという前立腺も、地域による偏りは確認されなかった。同センターは今回の発表について、「罹患比と死亡比との差異や、地域差を観察することで予防、早期発見、治療を含む都道府県がん対策に役立てられます」としている。なお、詳細は同センターでも公開している。
2015年03月27日機能性食品「AHCC」の研究・製品化などを行っているアミノアップ化学は17日、女性特有の病気である「子宮頸がん」の基礎知識をはじめ、子宮頸がんの予防効果が期待できるAHCCの最新研究結果や予防方法のアプローチなどをまとめたニュースレター「AHCC通信 Vol.3」を発行した。子宮頸がんは、毎年約3,000人以上が亡くなっているといわれる深刻な病気。とりわけ、がんの中でも330代までの若い患者が多く、重症になると子宮摘出など大がかりな手術が必要となり、妊娠をすることができなくなったり、手術後の障害も多いといわれている。また、がんになっても進行するまで無症状であることが多く、予防・早期発見には若いうちから定期的に子宮がん検診を受けることが大事とのこと。子宮頸がん患者の99%は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していることから、HPVが原因ウイルスであると考えられている。HPVは女性の約80%が知らない間に感染しているといわれ、20~40代の若い年齢での感染者数が増加しているとも言われている。こうした子宮頸がんに対して、予防効果が期待されているのが「AHCC」だ。AHCC(Active Hexose Correlated Compound : 活性化糖類関連化合物)は、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出されたα-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物。健康食品・サプリメントとして、日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売されており、現在では統合医療の一手段としても取り入れられている。2014年10月29日に米国・ヒューストンで行われた「第11回アメリカ癌統合医療学会(SIO2014)」においては、「ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した女性にAHCCを投与するとウイルスが死滅する」という研究結果も発表され注目を集めている。HPVを除去する医薬品は未だ開発されていないため、この研究では更に大規模な試験を計画しており、AHCCの作用とHPV死滅の因果関係解明が期待されている。なお、3月28日に神戸学院大学にて「ハイリスクHPV感染に対するAHCCによる治療の可能性」に関するセミナーが行われるほか、大阪大学にて「サプリメントの臨床応用への薬剤師の役割」に関する講演が29日に実施される予定となっている。
2015年03月23日リプロセルは3月9日、国立がん研究センター(国がん)とヒト正常上皮細胞とがん細胞の培養試薬に関する共同研究契約を締結したと発表した。同研究では、これまで樹立や培養が困難だった各種がん細胞および正常上皮細胞を安定的かつ高効率に培養することが期待される。同社は「上皮細胞向けの培養試薬は身体のさまざまな部位に存在する、あらゆる上皮細胞を対象としております。また、がん細胞向けの試薬も、がん研究の障害であった培養の困難を克服する画期的なものであります」とコメント。次世代シーケンサーを用いた臨床検査事業におけるがん診断サービスへの取り組みに着手しているとした。
2015年03月11日国立がん研究センターは3月10日、次世代シーケンサーによるマルチプレックス診断パネルを取り入れた産学連携がんゲノムスクリーニング「SCRUM-Japan」を立ち上げたと発表した。同事業は、これまで実施してきた肺がんが対象の「LC-SCRUM-Japan(2013年開始)」および大腸がんが対象の「GI-SCREEN-Japan(2014年開始)」という2つの全国規模のゲノムスクリーニングネットワークを統合したもの。実施期間は2015年2月~2017年3月31日を予定しており、4500例の登録を目指す。現時点ではアステラス、協和発酵キリン、アストラゼネカなど計10社が契約を締結済みで、今後数社増える予定だという。また、医療機関側は全国で計200施設が参加する。患者の検体からがんのドライバ遺伝子を特定し治療薬を分子レベルから検索するクリニカルシーケンシングでは、各遺伝子ごとに有効な治療薬を検索すると時間がかかる。同プロジェクトでは、米サーモフィッシャーサイエンティフィックが開発した「Oncomine Cancer Research Panel(OCP)」というマルチプレックス診断パネルを採用。OCPは140種以上の遺伝子を同時に解析できるほか、微量検体から解析することができるというメリットがある。「SCRUM-Japan」では、全国の医療機関で収集した検体を遺伝子解析し、治療の標的となる特定の遺伝子に異常を持つがん患者を発見する。異常が発見された患者は対応する治療薬への臨床試験へ参加できる可能性もあり、新たな治療機会を得ることができる。収集された患者の遺伝子情報と診療情報は、治療選択の参考として用いられるほか、匿名化された上でデータベース化され、今後のがん研究に活用されることになる。今後、「SCRUM-Japan」を通じてマルチプレックス診断薬の臨床応用の実現や、有用な治療手段のない希少な遺伝子異常を持つ患者に新たな治療選択が提供可能となることが期待される。
2015年03月11日DeNAライフサイエンスは2月27日、一般消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE」に新たな検査項目の「祖先」を追加した、新メニュー「ディスカバリー」の提供を開始すると発表した。MYCODEはオンラインで検査キットを申し込み、検査キットで自分の唾液を返送することで遺伝子の統計学的特徴や、疾病リスクを低減する可能性のある生活習慣へのアドバイスなどを提供するというもの。調べる検査項目数に応じて複数の検査メニューが設定されている。新メニュー「ディスカバリー」は、「遺伝子で自分のルーツを知る旅へ」をテーマに、自分の体質の遺伝的な傾向のほか、ハプログループと呼ばれるミトコンドリアDNAの遺伝的グループを分析することで、人類発祥の地から日本に至るまで自分の祖先がどのように移動したかを知ることができるという。また、祖先によって判明するハプログループを表現したキャラクターを結果と併せて提供する。通常価格は9800円(税別)で、2月16日以前に「MYCODE」を購入した人は、4月末まで先着1万名に無料で提供されるほか(提供開始は3月後半を予定)、以降は追加料金980円(税別)を支払うことで検査結果を閲覧できるという。また、280項目に対応した「オールインワン280+」と、がん・生活習慣病・体質など100項目を選んだ「ヘルスケア100+」の2つの検査メニューについては、検査内容はそのままに、それぞれの名称が「ヘルスケア」(2万9800円・税別)、「ヘルスケアLite」(1万9800円・税別)に変更された。なお、「カラダ30+」については、2月27日以降の購入ができなくなったほか、「カラダ30+」を受けた人は「ディスカバリー」の無料キャンペーン、有料での閲覧ともに対象外となるの。
2015年02月27日岡山大学(岡山大)は2月2日、患者の体に対しより少ない負担で、消化器がんのリンパ節転移を完全に消去する治療法を開発したと発表した。同成果は同大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原俊義 教授、岸本浩行 助教、菊池寛次 医師らの研究グループによるもので、1月20日に米科学誌「Molecular Therapy」(Nature Publishing Group)電子版で公開された。胃がんや大腸がんなどの消化器がんは、早期で粘膜内に留まっていれば開腹することなく内視鏡切除によって根治が望めるが、粘膜下層まで浸潤していると10-20%の確率でリンパ節転移が認められることがあるため、その診断・治療のために臓器とリンパ節を切除することが勧められる。しかし、約80%の患者はリンパ節転移が見られず、結果的に手術の必要がなかったことになる。同研究グループは、抗がんウイルス製剤「テロメライシン」をがんの下の粘膜下層に注入することで、リンパ節の微小転移を消去できることをマウスに移植した大腸がんのモデルで証明することに成功した。実験で投与された「テロメライシン」はリンパ流に乗ってリンパ節に到達し、がん細胞を選択的に殺傷したという。「テロメライシン」は岡山大が開発したウイルス製剤で、ヒトのがん細胞に感染すると1日で10万~100万倍に増え、がん細胞を破壊する。その一方、正常組織細胞にも同様に感染するが、増殖はしないため、正常組織での損傷は少ないと考えられている。米国ではすでにがん患者に対する臨床試験が実施されており、重篤な副作用は認められておらず、投与部位での腫瘍縮小効果などの有用性が確認されている。また、岡山大では食道がんに対して放射線治療と併用する臨床研究が進められている。同剤は内視鏡でがんを切除する際に、がんを持ち上げるために粘膜下層に注入する薬剤としても利用できるため、内視鏡切除の際に同時に使用することで、万が一リンパ節転移があっても、患者の胃や大腸を温存し、QOL(生活の質)を高く保つことができると期待される。
2015年02月02日国立がん研究センターは1月29日、国際共同ゲノムプロジェクト「国際がんゲノムコンソーシアム(IGC)」において、胃がん、胆道がんのプロジェクトを新たに立ち上げると発表した。IGCは、世界各国を通じて臨床的に重要ながんを選定し、国際的な協力のもと少なくとも各500例の高解像度のゲノム解析を行い、がんのゲノム異常の包括的カタログを作成、網羅的がんゲノム情報を研究者間で共有・無償公開することでがんの研究および治療を推進することを目的としている。現在、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、南北アメリカの17カ国が参画し、73種のがんについてプロジェクトが進められており、日本では国立がん研究センター、理化学研究所、東京大学が共同で、肝細胞がんを対象とした研究が行われている。新たにスタートする胃がんは、日本において罹患数が最も多いがん腫で、大規模なゲノム解析を行うことで、分子治療・診断開発を目指した日本人特有のゲノム異常の同定することなどを目標とする。胆道がんは東アジアで特に頻度が高いことが知られており、国立がん研究センターでは2013年11月には新規FGFR2融合遺伝子を標的とする臨床試験が計画されるなど成果を挙げている。今回さらに徹底的な解析を行うことでさらなる治療標的の同定とその臨床開発を進めていくほか、同じく胆道がんプロジェクトが始まったシンガポールとも協力して発がん要因の解明を目指すとしている。
2015年01月29日栄研化学は1月27日、独自の遺伝子増幅技術(LAMP法)を利用した次世代の小型全自動遺伝子検査装置および多項目検査チップを開発したと発表した。同装置は、検体前処理(核酸抽出・精製)から増幅・検出までを全自動で行える。従来の高純度な核酸抽出・精製を行う装置と増幅・検出装置で合わせて2時間以上を要していた操作時間を、LAMP法の特徴を生かした独自プロトコルの開発により、30分以内に短縮することに成功した。一方、同検査チップは、LAMP法に必要な増幅試薬(プライマー、酵素など)を含む複数の反応ウエルから構成されている。同装置に設置して使用することで、内部標準を含めて多項目の遺伝子の同時検出を可能とした。さらに、閉鎖構造にすることにより、コンタミネーションに極めて強い特徴を有している。そして、プラスチック製で簡易な構造を追求することにより、量産可能な低価格化を実現した。今後、早期の実用化を目指し、複数の呼吸器感染症原因微生物の同時検出を目的とした臨床性能試験を実施する。また、各種感染症検査チップ、コンパニオン診断用検査チップ、各種がん関連の検査チップなどの開発を進めていくとコメントしている。
2015年01月29日国立がん研究センターは1月20日、肺がんの悪性化に関る新たな分子メカニズムを解明したと発表した。同成果は、同センター難治進行がん研究分野の江成政人 ユニット長らの研究グループによるもので、米国科学アカデミー紀要に掲載された。同研究では新たに、肺がん細胞から分泌される因子によってがん周辺間質の主要な細胞である線維芽細胞のがん抑制因子p53の発現が抑制されることを発見。p53の発現が低下した線維芽細胞では、TSPAN12というタンパク質が増加し、線維芽細胞とがん細胞との細胞間接触依存的に肺がん細胞の浸潤能および増殖能を促進していることが判明した。さらに、TSPAN12は分泌性因子であるCXCL6の発現を誘導し、これら線維芽細胞由来の分泌性因子も肺がん進展に協調的に働くことも明らかとなった。今後、TSPAN12およびCXCL6はがん周辺の間質の有用な治療標的となり得ると考えられ、これらのタンパク質に対する抗体、ペプチド、低分子化合物などが、既存の抗がん剤との併用で治療効果をもたらすことが期待される。
2015年01月20日MYCODE(マイコード)PR事務局はこのほど、「冬の簡単体づくり成功法」を発表した(DeNAライフサイエンス所属の管理栄養士・保健指導アドバイザー監修)。1月は、"体づくり"を目標にする人も多い時期。スポーツジムの入会者数を見ると、1月は3月に次ぐ2位となっているという(@DIME調べ)。まず体づくりの方法としておすすめなのが、「ドローイング」。おなかを凹ませるという意味の言葉で腰痛対策の運動療法や、スポーツ選手のトレーニングに取り入れられている技術だという。方法は、きついウエストのボタンをとめる感覚で30秒間おなかを凹ませるだけ。簡単で時間と場所を選ばないため、いつでもどこでも取り組むことができ、普段使わない筋肉(腹横筋)への刺激になるとのこと(出展:30秒ドローイン/東京大学教授・石井直方氏監修)。次に、炭水化物のとり方もポイント。減量が目的の場合、主食では、血糖値の上昇が緩やかな食品がおすすめだという。例えば、米なら白米より玄米や雑穀、パンなら白くて柔らかいものよりライ麦などを使ったハードなもの、パスタなら精白されたものより全粒粉なものを選ぶと良いとのこと。これらは食物繊維が多く残っていることから、消化吸収の時間が比較的長くなり、腹持ちが良く満腹感につながりやすいという。筋肉づくりが目的の場合、筋肉と言えばたんぱく質(肉や魚、豆腐類等)が注目されがちだが、たんぱく質を生かすには炭水化物を一緒にとることが重要とのこと。炭水化物とると血糖値が上昇し、「インスリン」というホルモンが分泌される。インスリンはたんぱく質の吸収を促進し、すばやく筋肉に材料を届けることができるため、たんぱく質のみだけをとった時よりも体づくりには有効だという。そして体づくりには欠かせないのが、肉の摂取。肉には、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれている。特徴として脂質があげられるが、肉の部位(豚の場合、バラ、ロース、モモ、ヒレの順に多い)によって異なるとか。同じ調理法でも、脂質の少ない部位の肉を選ぶと、脂質、エネルギーともに控えられるという。例えば、トンカツならロースカツではなくヒレカツを選ぶと、同じ肉の重量で脂質は約9割、エネルギーは約6割カットできるとか。このほか、鉄分が多く含まれる牛肉は、貧血傾向の人におすすめ。ブロッコリーやピーマンなどのビタミンCが多い野菜と組み合わせると鉄の吸収率が高まるという。豚肉はビタミンB群が多く含まれており、疲労回復に良いといわれている。また、鶏肉は皮を取ると4割エネルギーを除くことができるという。「一般消費者向け遺伝子検査もおすすめです。自分の体質の傾向を知ることで、体づくりに効果的な食事や生活習慣の改善のきっかけにすることもできます」と同事務局。DeNAライフサイエンスが販売する遺伝子検査「MYCODE」は、体づくりの項目として、体重、肥満の指標(BMI)、体脂肪率、内臓脂肪-皮下脂肪の比率、ビタミンD値、ビタミンE値、ビタミンB12値、ビタミンB6値、ミネラル(鉄)値、ミネラル(リン)値・ミネラル(マグネシウム)値、ミネラル(カルシウム)値、脂質の摂取傾向、炭水化物の摂取傾向、タンパク質の摂取傾向などが調べられるという。
2015年01月08日●遺伝子検査は一生に一度でOKハリウッドスターのアンジェリーナ・ジョリーさんが受けたことで一気に注目を集めることとなった遺伝子検査。アンジェリーナ・ジョリーさんは乳がんの遺伝子検査の結果、乳房切除手術を決断した。一方、日本国内へと目を向けると、ヤフーやディー・エヌ・エーでも一般向けの遺伝子検査サービスを開始し、話題となっている。筆者は1年半ほど前に出産を経験したアラフォーママだ。出産後、子どもへの愛情が増すにつれて、「子どものためにもいつまでも元気でいないと」という気持ちが強くなった。しかし、もともと体力には全く自信がなく、健康への不安は常に抱えていた。そんな時に知った遺伝子検査。「自分に何かしらのリスクがあるのなら、早めに対処したい」という気持ちから受けることにした。○遺伝子検査は"一生もの"今は唾液を郵送するだけで結果が送られてくる遺伝子検査もあるが、結果が悪かった場合、医師からしっかりとしたアドバイスを受けたいと思い、今回はクリニックで受けることにした。向かったのは東京・銀座にある「AACクリニック銀座」。同クリニックは、薄毛や抜け毛で悩む人向けの女性専門頭髪外来と、アンチエイジング外来があり、今回お世話になったのは後者。同クリニックの遺伝子検査は、生活習慣病の発症リスクを調べるためのもの。検査項目によって費用は異なるが、「肥満」「脂肪代謝」「脂肪代謝異常による動脈硬化」「その他の原因による動脈硬化」「高血圧」「血液凝固・血栓」「メタボリックシンドローム」「酸化ストレス症」「慢性腎臓病」「感染抵抗低下」「自己免疫・アレルギー」の11項目の場合、16万2,000円(税込)となる。正直「安い」とはいえないが、これで将来の発病リスクがわかるのなら受けてみる価値はある。それに、同クリニック院長・浜中聡子医師によると「遺伝子に変化はないので、遺伝子検査は一生に一度でいいのです」とのこと。「一生ものの検査」と考えれば、この金額も前向きに考えられるのではないだろうか。しかし、検査項目に「がん」がないのはなぜだろうか。浜中医師に聞くと、同クリニックではアンチエイジングドックやホルモンドックの検査項目として、乳がん・卵巣がんといった女性向けのものに加え、肝臓がん、すい臓がん、大腸がんの腫瘍マーカーも調べることができる。こういった検査の人気も高いのだが、生活習慣病に関する遺伝子検査を受けるメリットとしては、ハイリスクという結果が出たとしても対処の方法があるという点。今すぐに治療の必要がなくても、これからの生活習慣を改めることで発症リスクを低くすることが可能なのだ。そして、AAC生活習慣遺伝子検査を受ける場合、アンチエイジングドッグ(10万8,000円)の併用を勧めている。アンチエイジングドッグでは、「血管年齢検査」「骨年齢検査」「酸化ストレス度・抗酸化力測定」「筋肉・体脂肪量検査」「ホルモン量検査」を受け、身体の現状を把握する。そして遺伝子検査では、その名の通り遺伝子情報を知る。セットで実施することで、より深く自身の身体を知ることができるのだ。●「風邪をひきやすい人」と遺伝子的にも証明さて、いよいよ検査スタートだ。まず問診表を記入した後にカウンセリングを受け、医師による診察へ。そこで生活習慣や健康に関する悩みなどを伝え、必要があればAAC生活習慣遺伝子検査の他にもアンチエイジングドック等を実施。採血の他、前述の通り骨年齢検査や筋肉・体脂肪量検査などを受けていく(アンチエイジングドック併用の場合)。○「感染抵抗低下」の項目が突出結果は約1カ月~2カ月後に判明する。筆者は人間ドックなら何度か受けたことがあるが、遺伝子検査は初めて。大病こそないが、風邪は頻繁に引く。ひどい時だとひと冬に4、5回は風邪をひく。最近では子どもが風邪をひけば100%移る。この抵抗力のなさも何か悪い結果として出てくるのではないだろうか……。大きな不安を抱えながら再びクリニックへと向かう。浜中院長から受け取った検査結果を見ると……レーダーチャートの「感染抵抗低下」が飛び抜けている。健康な人ならほとんど感染しないようなウイルスや細菌に、人より感染しやすいらしい。「風邪をひきやすいということはありませんか」と浜中医師に聞かれ、「はい! 」と即答する。それも、この感染抵抗力の低さと関係しているのだという。なるほど……。しかし、抵抗力が日本人の平均より低いということは、何か重大な病気にかかりやすいということではないのだろうか。それに関しては、「高齢者を除くと、その心配はほとんどないですよ」とのこと。高齢になると抵抗力がなくなっていき、例えば肺炎を発症して命の危険につながることもあるというが、現在筆者は37歳。この年齢なら、命にかかわるような病気に人よりかかりやすいということはないのだという。ひとまず安心だ。他の項目を見ると、「酸化ストレス」も日本人の平均値より高く、抗酸化力が不足している状態とのことだ。これにより、早期の老化、慢性的な炎症などにつながる可能性が高くなるそうだ。それ以外の項目は、「メタボリックシンドローム」「糖尿病」「高血圧」「慢性腎臓病」「心筋梗塞」「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」といった項目で発症リスクは平均的か低めで、骨密度や筋肉バランス、動脈硬化度などの項目も心配するような結果ではなかった。浜中医師は、「病気の発症に遺伝子が起因するのは2~3割。あとの7~8割は生活習慣によるものです」という。今回は生活習慣遺伝子検査なので、ハイリスクという結果が出たとしても、生活習慣を見直すことで改善が可能だ(もちろん要治療レベルであれば、専門医を紹介してくれる)。○日々の生活に取り入れられる方法を私の場合は、抵抗力や抗酸化力を上げるためのアドバイスが浜中医師からあった。全身の筋肉量が少ないため、まずはこまめな運動が必要。「多忙な人は、ジョギングや水泳をしようと思っても長続きしませんよね。エレベーターを使っていたところ階段にする、といった小さな積み重ねが有効ですよ」とのこと。また、「とにかく風邪をひきたくない! 」という私の要望には、「即効性を求めるなら高濃度ビタミンC点滴ですね。高い抗酸化作用で免疫力の強化も期待できます」。さらに続けて、「おなかの調子はいかがですか? 」と聞かれ「過敏性腸症候群です」と答える。実は、腸の働きが悪いと抗酸化成分を腸が吸収できず、抗酸化力が低下するのだという。これに関しては、「納豆を摂取したり、整腸剤を試してみてはいかがでしょう」とのアドバイス。また「水分はしっかり摂取できていますか」とも聞かれ、こちらも「いえ、あまり……。オフィスのトイレが遠くて、行くのが億劫なので……」。水分は、こまめにとることで代謝がアップするのだという。こちらも今日から見直すとしよう。日常の中で取り組める具体的なアドバイスをたくさんいただいた。帰り道、早速整腸剤を買った。そして、実は検査結果を聞いた1週間後、秋に入ってもう3度目になる風邪をひいたことから、AACクリニック銀座に高濃度ビタミンC点滴を受けに来た。ビタミンC15g配合で1万800円(初診料、検査費別)。診察と検査、点滴で所要時間は90分ほどだ。あくまでも私個人の場合だが、いつもは風邪薬を飲まなければ1カ月ほどは引きずる風邪が、今回は服薬しなくても3日後には完治。その後のハードな仕事もらくらく乗り切れた。定期的に高濃度ビタミンC点滴をしていきたいと考えている。また、出社時には9階にあるオフィスまでエレベーターを使わず階段でのぼるようにもした。日ごろ運動をしていないので、2回ほど休憩を入れないとのぼりきれない情けない状況なのだが、今回の検査結果を受けて日々の生活に少し運動を取り入れられた。子どもはまだ1歳。これから子どもと一緒に元気に生活するために受けた今回の検査、生活によい影響を与えられていると思う。食生活も徐々に改善しながら、健康維持に取り組んでいきたい。
2014年12月11日ノーリツ鋼機グループのNKメディコとサインポストは12月10日、遺伝子検査ビジネスで提携し、サインポストの遺伝子検査サービスをNKメディコが販売すると発表した。この遺伝子検査は肥満、高血圧、動脈硬化など生活習慣病と関連性の高い14分野の遺伝子を分析し、遺伝的な体質リスクを評価するというもの。同サービスでは遺伝的な体質リスクを踏まえ、受診者ごとに推奨されるライフスタイルや栄養素を提案する。同サービスは、全国の医療施設、検診・人間ドック施設などに向けて販売される予定で、受診したい場合は、医療機関にて申し込むこととなる。また、保険適用外の自由診療となり、医療機関によってコースや料金が異なるため、詳しく知りたい場合は各医療機関に問い合わせる必要がある。
2014年12月11日今や国民病といえるがんの診断と治療技術は、日進月歩で進歩しています。最近のがん治療は通院(外来)で行われることが増えてきました。そのため、入院治療主体の従来型のがん保険では、治療実態と乖離(かいり)し、十分な保障が得られない可能性があります。そこで、最近のがん治療や最新のがん保険について考えてみました。国民の約2人に1人はがんにかかる!?がんは国民病といっていいほど、身近な病気になりました。一生涯のうちにがんと診断される人の割合は、男性58.0%、女性43.1%。約2人に1人ががんにかかるのです。そして、がんは昭和56年(1981年)から日本人の死因第1位を占めています。平成25年のがんによる死亡者数は36万5,000人で、全死亡者のうち28.6%でした。がんは30年以上にわたって死因の第1位を占めていますが、医療技術の進歩によって徐々に治る病気になりつつあります。ただ、治療は長期にわたることもあり、公的医療保険が適用される治療だけを受けても、毎月の医療費負担は家計の重荷になります。もし、高額な先進医療の技術を受けることになると、経済的なダメージはさらに大きくなります。また、がんにかかると、通院のために職場の配置転換や離職を余儀なくされることもあり、収入減や収入途絶が追い打ちをかけます。こういった経済的ダメージへの備えとしてがん保険があるわけですが、最近、保障内容に変革が起きています。それは、治療方法が変わってきたからです。では、最近のがん治療はどう変わったのでしょうか。がん治療は「集学的治療」が主流以前のがん治療は、「入院して手術」が主流でした。現在でも、手術はがん治療の有効な治療法ですが、最近はこれに、放射線治療や抗がん剤治療を効果的に組み合わせる治療法が主流となっています。これを「集学的治療」といいます。放射線治療や抗がん剤治療は通院だけで行われることもあり、手術も技術の進歩で日帰りや短期間の入院ですむケースがあります。こういった治療法の進歩で、がん治療は入院から通院にシフトしているのです。下表は、がんの受療率の年次推移ですが、平成17年を境に、通院治療の方が増えています。ところが、入院・手術を前提とした従来型のがん保険では、通院だけの治療では受け取れる給付金はがん診断給付金くらいで、通院については十分な保障が得られるとは言い難いのです。そこで、最近のがん治療に合わせた保障内容を盛り込んだ新しいがん保険が登場してきています。このタイプをここでは新型がん保険と呼ぶことにします。大きく、「通院重視型」と「一時金重視型」に分かれる新型がん保険の傾向をみてみると、通院だけでも給付金が支払われる「通院重視型」と、診断給付金・治療給付金などまとまったお金の給付を重視した「一時金重視型」に大別されます。通院重視型は、文字通り、手術・放射線治療・抗がん剤治療などの治療を受けるために通院すれば、日数分の給付金が支払われます。入院の有無にかかわらず、がんの治療のために通院すれば給付されるのが通院重視型の新型がん保険の特長です(経口投与による治療は対象外になる等、保障内容は保険商品により異なります)。もちろん、入院治療でも給付金は支払われます。一時金重視型は、診断給付金や治療給付金としてまとまったお金を受け取って、自由に治療費、あるいは生活費の補填等にあてられるタイプの保険です。どちらのタイプがいいかは、その人の考え方によります。入院・通院のどちらの治療を受けても日数分の給付金を受け取りたい人は通院重視型、まとまったお金をもらって治療費などにかかる費用を賄う方がいいと考える人は一時金重視型がいいでしょう。新型がん保険を検討する際は、がん診断給付金の内容もチェックしてください。診断給付金はがんと診断されると支払われるがん保険がほとんどで、入院を伴わなくても受け取れます。ただ、最初のがん診断時に1回のみしか受け取れないがん保険と、複数回(2年に1回が限度の商品が多い)受け取れるがん保険があります。がんは再発や転移が心配な病気なので、複数回の方が安心でしょう。ただ、保障が手厚い分、保険料は高くなるので、1回のみしか受け取れないがん保険でもいいと割り切ることも必要かもしれません。先進医療の保障は、どちらのタイプのがん保険にもセットされているか、特約でつけられるようになっています。がんに関する先進医療の技術料は高額なものがあるので、今や必須の保障といっていいでしょう。通算限度額は1,000万円、2,000万円などがあり、2,000万円が主流になりつつあります。これは、1,000万円か2,000万円あればよいでしょう。ただし、現在ご加入の医療保険に先進医療の保障がセットされていたら、がん保険にはなくてもいいでしょう。医療保険の先進医療でがんの先進医療もカバーしているので、両方につけると重複してしまうからです。なお、公的医療保険適用、自由診療(海外では治療に使われているが、日本国内では承認がおりていない抗がん剤を使用する治療などのこと。治療費が公的医療保険対象部分も含めて全額自己負担になる)のどちらの治療を受けても、先進医療の治療費を含めてかかった治療費の全額が支払われるがん保険もあります。5年以上前にがん保険に加入した人は、保障内容は従来型のがん保険のケースが多いので、この機会に見直しをしましょう。コラム執筆者プロフィール 小川 千尋(おがわ ちひろ)ファイナンシャルプランナー/子育て・教育資金アドバイザー/終活カウンセラー/整理収納アドバイザー1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャルプランナーとして、主にマネー誌、一般誌、新聞などのマネー記事の編集・執筆・監修、セミナー講師などで活動。オールアバウト「生命保険」ガイドも務めている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年12月09日味の素は2011年4月より、少量の血液から血中のアミノ酸濃度バランスを調べる「アミノインデックス技術」を用いた、がんリスクの解析サービス「アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)」を提供している。「AICS」は、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、がんに罹患しているリスクを評価するというもの。1回の採血(約5ml)で最大5種類のがんの罹患リスクを調べることができる。具体的には25種類のアミノ酸からそれぞれのがんに応じて6種類を抽出し、その血中濃度を解析しているという。がんに罹患した場合アミノ酸のバランスは数カ月で変化するとのことで、味の素は年1回の受診を推奨している。このほど、同検査を体験してきたのでその内容をご紹介する。なお、今回紹介する検査の流れなどは受診する病院によって異なる場合があるのでご注意いただきたい。○採血はあっという間に終了 - 結果は……?筆者が受診したのは都内の某病院。まず、通常の健康診断と同じように電話をかけて予約をする。その際、検査前8時間以内に水以外は摂取していけない、必ず午前中に採血するなど注意事項の説明を受ける。検査当日、受付を済ませた後は5分とかからずに名前を呼ばれ、採血へ。上記でも説明したとおり「AICS」は少量の血液しか必要としない点が特徴で、採血はあっという間に終了した。後日届いた「アミノインデックス報告書」がこちら。「AICS」ではアミノ酸濃度バランスを0.0~10.0でスコア化し、がんの部位ごとにA~Cのランクが付けられる。Aが最もリスクが低く、Cが高い。筆者の場合は胃、肺、前立腺はAランクだったが、大腸がんがBランクで有病率は0.13~0.21%だった。ここで提示されている有病率は、一般的ながんの有病率を0.1%(1万人に10人)としているため、この場合はその1.3倍~2.1倍リスクが高いことになる。○全国850カ所で受診可能今回「AICS」を受診してみて、何より驚いたのは検査の簡便さ。わずかな血液しか採取しないことは事前にわかっていたが、がんリスク検査に対して身構えていたこともあり、あまりに早く終わったので少々拍子抜けにすら感じた。結果については、筆者はヘビースモーカーなので何かあるとすれば肺だと思っていたが、実は大腸のほうがリスクが高いことを知ることができて良かったと感じている。一般より最大で2.1倍のリスクがあることは多少ショックだったが、生活習慣の改善によってBランクをAランクに戻すことも可能とのこと。自分の食生活などを見直す機会になった。「AICS」は全国850カ所の医療機関で導入されており、臨床アミノ酸研究会のウェブサイトから検索することができる。医療機関によっては、結果について疑問がある場合、面接を行って医師の説明を受けることもできるという。今後すい臓がんや生活習慣病など、検査対象を広げていくとのことで、身体的負担の少ないリスクスクリーニング検査として注目を集めるだろう。興味のある方は受診してみてはいかがだろうか。
2014年11月20日今、日本人の2人に1人が何らかのがんになるといわれています。がんになる確率は、男性が約58%で、女性は約43%(公益財団法人がん研究振興財団調べ)。がんは特別ではなく、誰もがなりうる病気だと言えるのでしょう。がんの原因や予防法の研究も進んでいますが、完全に予防するのは難しいこと。「もしも自分ががんになったら」という心構えを持ち、いざというときによい選択ができるように備えておきましょう。■適切な治療をすれば、がんは治る時代「不治の病」というイメージがあったがんですが、早期発見により適切な治療を行えば、治る可能性は格段に高くなります。では、治療にはどのような種類があるのでしょうか。従来、がん治療の基本は、外科手術によりがん細胞を取り除くことでしたが、近年は薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療が進歩しています。外科手術、抗がん剤治療、放射線治療の3つを合わせて「3大がん治療」といい、そのいずれかを行った割合は、全体の9割を占めています。■自己負担になるがん治療と、ならないがん治療公的医療保険制度の対象となる診療、つまり保険の効く診療であれば、自己負担額は医療費の3割(70歳以上の場合は所得により1割~2割)のみで、仮に医療費が高額になった場合でも、「高額療養費制度」により一定限度額以上の治療費は、請求すれば戻ってきます。ですが、がんの場合は、公的医療(保険診療)の対象とならない、全額自己負担の治療もあります。どんな治療が公的医療の対象になり、どんな治療が自己負担になるのか、「標準治療」「自由診療」「先進医療」という3つの用語を整理しながら、確認してみましょう。(1)標準治療医学学会で検討され、科学的な根拠に基づいた観点で「患者にとって現在利用できる最良・最善な治療法」とされるもの。がんの種類ごとおよび、それぞれのがんの進行状態ごとに決められています。「標準」とは、その時代で最も良い、基本になる治療という意味で使われ、「標準的・平均的」な治療法のことではありません。公的医療保険制度の対象となります。(2)自由診療海外ではすでに承認されていても、日本国内では未承認の治療は「自由診療」で受けることになります。「進行がん」や「再発・転移」時には有効な薬を投与しても、徐々に耐性ができ効かなくなるため、自由診療を選択することもあるでしょう。その場合、公的医療保険制度の対象にならないため、全額自己負担となります。(3)先進医療厚生労働大臣によって定められた高度な医療技術を用いた療養のことで、公的保険適用にするかを評価する段階にある医療を指します。がん治療の場合、「陽子線治療」「重粒子線治療」などが知られています。先進医療そのものにかかる費用は全額自己負担ですが、その前段階の診察や検査などでは公的保険が適用されます。■治療以外にも、ウィッグや乳房再建など、女性特有の医療費がかかるがんの治療に自由診療や先進医療の治療法を選択した場合、そもそもの費用がそれなりに高額のため、全額自己負担となると、金銭的負担がかなり大きくなります。女性の場合、抗がん剤の副作用で抜けてしまった髪をカバーするためのウィッグ(医療用かつら。1万~30万円)や、乳房再建術(保険適用の場合、10万円前後、保険適応外のもので50万~100万円くらい)といった費用が、治療費のほかに必要になることもあります。最初にもお話しした通り、がんはもはや特別な病気ではありません。自分にとって納得のいく治療をするためには、保険での備えがあると安心です。そして、何といっても早期発見が重要。保険に加入することだけではなく、定期的な健診を受けることも心がけましょう。
2014年11月19日味の素は10月7日、血中アミノ酸濃度バランスを調べることで、すい臓がんを早期発見することができる技術を開発したと発表した。同成果は、同社と大阪府立成人病センターの片山和宏副 院長らとの共同研究によるもので、第73回日本癌学会学術総会で発表された。同社は血液中のアミノ酸を測定し、健康な人とがんである人を比べることで複数のがんのリスクを評価する「アミノインデックスがんリスクスクリーニング」という検査を2011年から事業化している。今回、同技術がすい臓がんの発見にも有効かどうかを検証するために、360名のすい臓がん患者と、8372名の健康な人の血中アミノ酸濃度バランスを測定し比較した。その結果、すい臓がん患者では健康な人に比べ血中アミノ酸濃度バランスに大きく変化が認められ、手術の可能性のある比較的ステージの早い患者でも進行がん患者と同様のアミノ酸パターンを示したとのこと。すい臓がんは早期では自覚症状が少なく、約6割が手術不可能な進行がんの状態で発見される、治療が困難ながんとして知られており、延命や治癒のためには早期に発見することが重要となる。同社は、今回得られた知見を応用し、すい臓がんの早期発見技術について2015年の事業化を目指していくという。
2014年10月08日オリンパスは、航空機体などに使われる複合材料内部の接着不良や剥離を非破壊で検査する複合材検査用探傷器「BondMaster(ボンドマスター) 600シリーズ」を、20140年10月1日より海外での発売を開始したほか、同年11月初旬から国内で発売すると発表した。複合材検査用探傷器は、専用センサ(プローブ)を用いて検査対象物に超音波または可聴領域の音波を入射させ、対象物内部への伝わり方を解析することで、内部の接着不良や剥離を検査する検査機器。同シリーズは、多機能のハイクラスモデル「B600M」と、基本機能に絞ったエントリモデル「B600」の2機種を用意。いずれも従来比で、厚さを約24%減(236mm×70mm×167mm)、質量を約15%減(1.7kg、バッテリ含む)と薄型軽量化が図られたほか、約9時間の長時間駆動を実現したとする。また、大型カラーモニタを搭載することで、屋内外での視認性の向上も図られたとしている。なお同社では、航空機のメンテナンス現場では、検査対象物に応じたさまざまな検査を一貫して行いたいとのニーズがあり、既存の製品と今回の2機種を組み合わせて提供することで、そうしたニーズに応えていきたいとしている。
2014年10月03日岡山大学は9月30日、代表的ながん治療薬であるパクリタキセルを用いた研究で、副作用を抑えながらがんを効率的に標的にする新たなドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発したと発表した。同研究成果は同大学大学院自然科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治 教授、岡山理科大学理学部の濱田博喜 教授と塩水港精糖の共同研究グループによるもので、米科学誌「PLOS ONE」に掲載された。パクリタキセルは広範囲ながんに有効ながら、副作用が強く、水にも溶けにくいためヒマシ油とエタノールを含む液に溶解させ、ブドウ糖液に分散させたものを点滴により投薬する方法がとられている。岡山理科大の濱田教授らは20年以上にわたりパクリタキセルに水溶性を持たせ、利用しやすいがん治療薬とする研究を行ってきたという。今回その研究に岡山大の妹尾教授が加わり、水溶性の高くなったパクリタキセルを用い、溶媒に対する溶解度の差を利用することで効率よくリソポーム(人工の小胞)に封入する技術の開発に成功した。さらに、リポソームの表面にがん細胞を認識する抗体を結合させる処理を行うことで、正常細胞には影響が少なく、がん細胞にのみ高い細胞毒性を発揮させることができたとのこと。同研究グループは「水溶性を高めたパクリタキセル誘導体を効率よくリポソームに封入し、がん細胞を特異的に認識する抗体を結合させるこの技術は、がん治療薬の副作用を抑制しつつ、がん細胞への集積効果を高めることのできる新たなDDSだ」とコメント。また、リポソームは肝臓を介して腸管へ排出されるが、パクリタキセルは腸管から吸収されないため、過剰投与しても副作用を起こすことが考えにくい安全な製剤が可能になるという。
2014年10月01日(画像はイメージです)子宮体がんとイソフラボンの摂取女性のがんに関しては、胃がんは低下しているのに乳がん、子宮体がんは大きく増加しています。子宮体がんの発現にはエストロゲンが抑制方向の作用を持つため、早い初経、遅い閉経、未産婦などがリスク要因と想定しています。大豆食品にはイソフラボンは化学構造がエストロゲンと似ていることから、子宮体がんの発生には予防的に働くことが予想されますが、いくつかの疫学的調査では結果が一致せず、前向き研究もありません。JPHCによる検討国立がん研究センターの「多目的コホート(JPHC)研究」で大豆摂取とイソフラボンの関連を調べ、その結果をBJOGで発表。対象は45-74歳の女性約4万人、観察期間は平均12年。大豆食品の総摂取量は、アンケートに含まれている豆腐、納豆、みそなどの8項目から算出。追跡期間中に、対象者集団のうち112人が子宮体がんと診断されました。イソフラボン摂取量を低摂取、中摂取、高摂取の群に分けて低摂取群に対するハザード比を計算しました。大豆食品量も同じ計算を行いました。結果は、イソフラボン摂取量、大豆食品摂取量共に子宮体がんのリスクには有意な変化はありませんでした。可能性としては,日本人においては大豆食品やイソフラボンの摂取量は元々高いこともあり、大豆食品やイソフラボンの摂取量と子宮体がんの関係を明らかにするには、更に大規模な研究が必要と結論。【参考】・国立がん研究センタープレスリリース・BJOG文献
2014年06月23日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する『今日の献立』は、旬の食材を使ったバランスのよい献立メニュー。今夜の夕食にオススメの献立を毎日ご紹介!今日の献立は「がんもどきの煮物」を含めた全4品。味がしっかり染み込んだ、がんもどきとナスがホッとする和食の献立です。カツオのたたきは梅肉みそダレでサッパリと。 がんもどきの煮物 だしを吸ったふわふわながんもどきと、切り込みにしっかり味が染みこんだナスは、ホッとする和食の味です。 カツオのたたき・梅肉みそダレ 梅酒の梅入りで食べやすい梅肉に。かつおのたたきの臭みが気になる方にもおすすめです。 具だくさんの豚汁 里芋、大根、ニンジン、ゴボウなど。お好みの具を入れてだしに野菜のおいしさが出た豚汁です。 和風デザートアイス 市販のアイスクリームに抹茶を溶いてかけるだけでおしゃれなおもてなしデザートに。 ⇒今日の献立一覧はこちら
2014年05月30日アクサダイレクト生命保険(以下アクサダイレクト生命)はこのび、カカクコムが3日に発表した『価格.com保険アワード2013』において、同社の「カチッと終身がん」が”がん保険の部(インターネット部門)”で第1位を獲得したと発表した。『価格.com保険アワード2013』とは、カカクコムが運営する総合保険比較サイト「価格.com保険」において、2013年の1年間でユーザーから最も申込み数の多かった保険商品を販売チャネル別に選出するもの。このたび、がん保険の部(インターネット部門)において、アクサダイレクト生命のがん保険(終身型)「カチッと終身がん」が第1位を獲得したという。カカクコム・インシュアランスによる「カチッと終身がん」の評価寸評は、シンプルでありながら、インターネット上で保障内容をオーダーメイドで組み合わせることができる商品。カカクコム・インシュアランスは、カカクコムの100%子会社。
2014年04月14日生理痛が重い、セックスで挿入時に痛みや違和感がある・・・・・・。そんな症状をお持ちの方は、もしかすると子宮後屈かもしれません。子宮後屈という言葉、初めて聞いた方もいるのではないでしょうか。通常、子宮はおへそ側に倒れています。一方、子宮後屈の子宮は、背中側に倒れています。子宮が後ろに倒れているせいで、セックスで挿入されても、子宮の裏側と腸管との間に当たり、気持ち良いどころか痛みを伴ってしまいます。子宮後屈は昔だと不妊の原因とされ、手術も行われていましたが、現在では病気ではないとされています。ただ、セックスの際に痛いのは困りますよね。そこで、女性の性に関する取材も行っている筆者が、子宮後屈の女子でもセックスで気持ち良くなれる方法をご紹介いたします。■1.体位は騎乗位体位は断然騎乗位です。正常位だと、ちょうど痛い部分に当たってしまいます。騎乗位は少し、足腰が疲れてしまうデメリットもありますが、逆に言えば、自分の好きなように動けるので痛い部分を避けることができます。また、男性側も、胸が揺れる様子を下から見上げるのは興奮するとのことです。■2.前戯をしっかり挿入であまり快楽を得られない場合、前戯をしっかりして前戯でイクという手もあります。前戯をしっかりしてもらうためには、彼にもしっかり前戯をしてあげましょう。挿入前にイチャイチャしている時間の方が、良いコミュニケーションになるかもしれませんよ。■3.物足りない場合はローターを使う騎乗位でもあまり快感を得られず物足りないという方は、挿入しつつローターを当てる方法もあります。これだと高確率でイクことができます。恥ずかしいかもしれませんが、その恥ずかしさも快感に変わるはずです。■4.深く挿入し過ぎない深く挿入すると、どうしても子宮に当たってしまうため、彼には深く挿入し過ぎないよう頼みましょう。よく、AVなんかでは「もっと奥を突いて~!」などと女優が叫んでいるものもありますが、それはファンタジーだということを男性に理解させる必要もありそうです。■5.彼にきちんと痛い部分を伝える何より、一番重要なのが、彼に子宮後屈であることを伝えること。痛い部分や痛い体位はしっかりと伝えましょう。お互いが気持ち良く、愛情を確かめ合えるセックスが一番です。そのためには、セックスだけでなく、普段から彼とスキンシップによるコミュニケーションをとったり、思いやって行動し合ったりすることが大事です。■おわりに女性の2割~3割が子宮後屈とのこと。健康に支障はきたさないとされている子宮後屈ですが、子宮内膜症のせいで後ろに倒れていることもあります。その場合はすぐに治療を行わないと、激痛に悩まされるだけでなく、不妊の原因にもなってしまいます。婦人科に行くのに抵抗がある方もいるかもしれませんが、自分の子宮は健康だと思っている方も、一度婦人科検診を受けてみてくださいね。自分の体のことが分かれば、自分により合ったセックス法が見えてくるはずですよ。(姫野ケイ/ハウコレ)
2014年04月07日がん、と聞くと怖い病気だとは分かっていても、「私はまだまだ若いから大丈夫・・・」と人事のように思いがち。しかし現在は、生涯のうちにがんになる人は2人に1人という時代。まだまだと言って、のほほんと待ち構えているのではなく、若い時からこそ、がんについての知識をきちんと学び、向き合うことが大事なのです。実は最近中学からがんについての特別授業「生きるの教室」というものがあることをご存知でしたか?バイエル薬品株式会社が設立100年を迎えた2011年より取り組んでいるプログラムは、今後の日本の未来を担っていく中学生に対し、がんの知識や予防、早期発見、検診の重要性を伝えるために実施されているもの。これにより、将来の日本における検診率アップとがんによる死亡率を下げることを目標に掲げています。実際に、昭和56年から死因の第1位ががんであり、平成23年には年間1万7千人以上が、がんが原因で亡くなっているという現状の埼玉県に位置する入間市立金子中学校でも、12月に実施されたばかり。そこでは 東京大学医学部附属病院 の放射線科准教授/緩和ケア診療部長の中川恵一先生が講師として 、また、乳がん体験者の集いである、あけぼの会埼玉支部支部長の持田豊子さんが講師として登壇し、生活習慣の改善でがん予防が可能であること、検診による早期発見の大切さを伝えました。また、生徒達はただ授業を聞くだけではなく、グループワークにも積極的に参加。「がんで大切な人を失わないために自分は何ができるか」を話し合い、班ごとの発表で率直で活発な意見を発表しました。受ける前のアンケートでは約8割以上が「がんは予防できない病気」と考えていたり、約6割以上が「2人に1人はがんになる」という事実を知らなかったという生徒達。また、約7割以上が「がんについて家族と話したことがない」という経験を持ち、約7割以上が「家族ががん検診を定期的に受けているかどうか知らなかった」というほど、がんに対しての知識だけでなく、家族のがんに対しての意識も薄かったということが浮き彫りとなってしました。しかし講師達によるセッションや自分達で行うグループワーク、そして事後アンケートなどで、彼らたちのがんへの意識と理解をより深いものへ、そしてがんへの予防を考えるだけではなく実行させるものへと明らかに変化していったことが見受けられたようです。このように、現代は中学生からがんについての知識を深めていく時代。皆さんもがんになってからはではなく、そうなる前にきちんと知識を養い、予防を始めていきませんか?
2013年12月26日がんの高度先駆的医療技術開発するため、共同研究を進めてきた国立がん研究センターと島津製作所は、創薬研究手法の開発などから、3つの成果を得られたと発表した。1つ目は、腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する分子イメージング技術の確立により、ヒトの腫瘍組織中の薬物分布濃度と効果との関連の評価を開始したこと。国立がん研究センター研究所 臨床薬理部門 部門長 濱田哲暢氏らによるもので、医薬品の早期相の臨床試験(第I相臨床試験)の促進を目指すという。これまで見ることが難しかった組織の間質、血管部位、腫瘍部位への移行などを捉えることができるこの創薬研究手法は、ヒトの腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する分子イメージングを行うことで、投与量の設定、作用の評価、臨床試験の短縮を可能にするという。なお、この研究は厚生労働省革新的医薬品・医療機器・実用化促進事業「全ゲノム配列解読・分子イメージング技術を組み合わせた革新的創薬研究手法の開発と個別化医療の実現」および国立がん研究センターがん研究開発費「抗悪性腫瘍薬の新規臨床薬理研究手法の開発に関する研究」により行われた。2つ目は、DDS抗がん剤(パクリタキセル内包ナノ粒子:NK105)の薬剤分布を高精細画像化し、DDS抗がん剤が通常の抗がん剤よりもがん組織に多く長く集まり、かつ、正常組織にはほとんど移行しないことを明らかにしたこと。国立がん研究センター東病院臨床開発センター 新薬開発分野 部門長 松村保広氏らによる成果。具体的には、質量顕微鏡を利用し、NK105を投与したマウスのがん組織と正常組織を画像で評価した結果、NK105ががんの塊の奥深くまで長時間集まっていること、および正常な組織にはほとんど移行していないことが確認できたという。DDS抗がん剤の創薬コンセプトがマウスにおいて証明されたことで、現在進行中の第III相臨床試験の結果が期待されるほか、前臨床の段階で詳細な薬剤分布を確認できたことで、次世代のDDS抗がん剤開発においても大きな一歩となるという。なお、この研究は国立がん研究センターがん研究開発費(特別)「がんナノテクノロジー研究プラン」により行われた。3つ目は、がん治療において適用範囲や品目が拡大する抗体医薬品の投薬量の決定や副作用の予測、医薬品の品質管理などを目的とし、多品目にわたる抗体医薬品に対応可能な血中濃度モニタリング技術(質量分析を用いた血液濃度測定技術を開発したこと。この研究は、島津製作所 ライフサイエンス研究所 産学連携研究室 グループ長 嶋田崇史氏らによるもの。ナノ粒子表面に結合したタンパク質分解酵素を用いて支持体上の抗体を分解することにより、抗体ごとに異なる相補性決定領域(CDR)ペプチドの分析が可能となったという。そして血液中に添加した抗体医薬品を用い、CDRペプチドを確認よび定量した。nSMOL法(nano-surface and molecular-orientation limited proteolysis)を応用し、日本発の抗体医薬品の血中濃度モニタリングシステム開発を目指すという。
2013年12月24日現在、女性のがんの中で罹患率No.1といわれる乳がんや、20~30代の若い女性に増えているという子宮頸がん。がんは年齢が若いほど進行も早いといいます。「自分はまだ大丈夫」「病院に行くほどの症状はないから」と思わずに、自分の体は自分で守る、という意識が必要です。 ■アラサー世代が気をつけたい女性特有のがんとは?20~30代に多い女性特有のがんには、乳がんと子宮頸がんがあります。<乳がん>乳がんは、乳腺(母乳を作るところ)にできる悪性腫瘍です。女性のがんの中ではもっとも罹患率が高く、なんと女性の16人に1人が乳がんにかかるといわれているほど。乳がんにかかるリスクは40~50代がピークといわれていますが、近年では30代での発症が増加傾向にあり、20代での発症例も少なくありません。女性の罹患率の高い乳がんですが、がんが小さいうちに発見できれば、ほぼ完治することも多いようです。<子宮頸がん>子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんとがありますが、中でも若い世代に発症者が増えているのが子宮頸がん。子宮の入り口付近の細い部分である「子宮頸部」にできる悪性腫瘍です。子宮頸がんは、女性のがんの中では乳がんの次に罹患率の高い病気であり、とくに20~30代の女性ではもっとも発症率が高いがんです。子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスによる感染です。ウイルス感染を防ぐ効果のあるワクチン接種により、予防ができる唯一のがんでもあります。■がん予防のためには定期的な健診を万が一がんになってしまったとき、何よりも大切なのが早期発見・早期治療です。早期発見の決め手になるのが定期的な健診。症状がないからといって安心せずに、婦人科検診で自分の体を知り、守っていきましょう。<乳がん検診>乳がん検診の内容には、問診・視診・触診・マンモグラフィ検査・超音波検査があります。乳がん検診というと、乳房を挟んで検査するマンモグラフィをまず想像する人も多いかもしれませんが、30代の女性は乳腺に厚みがあるため全体が白くうつってしまい、マンモグラフィだけではがんが見逃されてしまうケースもあるようです。30代のうちは、視診・触診・超音波を優先し、必要に応じてマンモグラフィ検査を。検診のタイミングは年に1度、加えて、月に1度の自己チェックを行うようにしましょう。自己チェックでは、乳房にしこりやひきつれ、違和感がないかを確認して。胸が張りやすい生理前を避けて行うようにしましょう。<子宮がん検診>若年層に多い子宮頸がんの早期発見のためにも、20代から受けておきたい子宮がん検診。「婦人科検診」というと、子宮がん検診を中心に行うクリニックも多いようです。健診の内容は、問診・内診・細胞診・超音波検査という流れになります。子宮頸がんは20~30代に多い病気。20代のうちから、年に一度の健診を習慣づけておくのがおすすめです。健診によって、がん以外にも、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系の病気の早期発見につながることもあります。健診は、住んでいる地域や加入している健康保険によっても異なりますが、住民健診や、職場の集団検診、婦人科などの医療機関などで受けられます。内診や触診が恥ずかしい場合は、女医さんがいるクリニックを探してみて。地域によっては、一定の年齢の人を対象に、無料クーポンを配布していることもありますよ。
2013年06月19日博士タローは12日、がん専門医療施設として指定されている「がん診療連携拠点病院」のがん治療実績を調べることができるサイト、「がん診療連携拠点病院の実力」をオープンした。政府統計値によると、1984年のがん患者数はおよそ13万人だったが、1999年はおよそ27万人、2008年のがん患者数は1984年に対して2倍以上のおよそ30万人にまで増え続けているという。「当たり前のようにがんが受診でき、治療できる病院を要する時代を迎えている」と同社。専門的ながん医療機関として指定を受けているがん連携拠点病院の中で、もっとも多い年間患者数は8,866人、もっとも少ない拠点病院では155人(がん診療連携拠点病院院内がん登録2009年集計)。多種にわたるがんの、それぞれに合った医療を求める際には、がん患者診療経験の高い医療機関の見極めが必要となるという。同サイトは、がんの疑いによるがん受診医療機関検討時、セカンドオピニオンが必要な時、または治療中のがん医療機関を変える時、がん専門医療機関のがん治療実績をもとに、よりふさわしいがん専門医療機関が選択できるよう開発、オープンに至ったとのこと。同社では「一般の人はもちろん、医療機関にも、最新のがんに関連する医療・サイエンス動向を知ってもらえるようなコンテンツをさらに展開していく」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月14日ゼビオは自分の体質に合ったスポーツ・トレーニングを見つけられる、「スポーツ関連遺伝子検査」の運用を開始する。検査は同社が全国に展開しているスポーツショップ「スーパースポーツゼビオ」内、スポーツドラッグストア「Xiasis」にて行う。同社によると、遺伝の影響を受けると考えられている筋繊維は2タイプに分かれているという。1つは持久力はないが大きな力が出せる「速筋」で、もう1つは大きな力は出せないが持久力のある「遅筋」だ。その速筋の発達と遅筋の形成に関連するのが「ACTN3遺伝子」といわれている。同検査ではこの遺伝子が作り出す“アクチニン3タンパク質”が、遺伝的にどう作り出されているかを検査した。この検査によって、「速筋の発達と遅筋の形成に関わる遺伝子のタイプ」「どんなスポーツが自分に向いているか」「スポーツでより高いパフォーマンスを出すための、トレーニング方法」が分かる。適性からスポーツを限定するのではなく、その中でもより適したポジション・役割を見極めることができる。そのため、より有効なトレーニング方法を見つけることができるのが特徴とのこと。同検査は店頭で検査の申し込み受付し、その場で綿棒を使って簡単に口腔(こうくう)粘膜を採取。口腔粘膜を検査機関に送り検査を行う。検査は約2~3週間かかり、検査結果を基に作成された報告書が依頼者に渡される。サービス開始は9月1日から。実施店舗は長岡千秋店(新潟県・2012年9月中旬オープン)、キャナルシティ博多店(福岡県・2012年9月中旬オープン)、あすと長町店(宮城県)、横浜みなとみらいクイーンズイースト店(神奈川県)など全国11店舗。料金は5,800円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月27日アフラックはこのたび、独立行政法人国立がん研究センターと「がん情報の普及啓発に関する包括連携に関する協定」を8月23日に締結すると発表した。目的国立がん研究センターおよびアフラックが展開しているがん啓発に関する取り組みや双方が有する全国ネットワークを活かし、広く国民に対して共同でがんに関する情報の提供を行い、国民のがんに関する意識の向上を図りながら「がんと向き合い、がんに負けることのない社会」や「がんになっても自分らしい生き方ができる社会」を目指す。また、それによって全国のがん患者やその家族の不安・苦痛の軽減、療養生活の質の向上を実現する。主な取り組み一般市民へのがん啓発事業の実施がん診療連携拠点病院相談支援センターへの支援がん啓発ツールの制作がんに関する啓発事業として、9月15日から16日に東京ミッドタウン「アトリウム」にて、『がんを知る展~「知る」ことが、あなたを「守る」こと~』を開催予定。これは、国立がん研究センター創立50周年記念と連動したイベントで、同時に今回の国立がん研究センター・アフラック協定締結記念イベントとして開催される。アフラックはがん保険のリーディングカンパニーとして、がんになっても安心できる社会の実現に向けて、今後もがんに関する啓発活動を積極的に推進していくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月22日医療用医薬品などの輸入・製造・販売を行うMSDは、”子宮頸(けい)がん”の予防ワクチン接種を呼びかけている。費用を国と自治体が補助する「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」の助成制度は平成24年度末(2013年3月末)までであり、半年間に3回のワクチン接種(同種)の必要があることから、早めの接種を推奨している。接種方法は筋肉注射で、小児科、婦人科・産婦人科、内科などで接種が可能。通常2回目の接種は初回接種から1、2カ月後で、3回目は6カ月後となっている。なお、助成制度については自治体ごとに異なるため、自治体や最寄りの医療機関に問い合わせる必要があるとのこと。子宮頸がんは乳がんに次いで罹患(りかん)率が高く、特に20代から30代のがんでは第1位だという。そのため、HPVに感染している可能性が低い、低年齢での接種がより有効であると考えられている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月26日東京海上日動あんしん生命は、20歳から59歳までの男女1,032人を対象に「“がん”に関する意識調査」を実施した、調査結果の概要をまとめた。調査によると、たとえば、入院期間の短期化や通院治療の増加については多くの人が認知していた。また「がんの平均治療費が100万円といわれたら、あなたはどう思いますか」という質問に「思っていたより高い」と感じる人が約60%を占めた。その一方で、がんの治療費に充てることができる資金(がん保険の保険金を含む)は、「100万円未満」と回答した人が約60%に上っていることにより、実際の治療費と個人が準備するお金の額にギャップが生じている可能性があった。調査の全体像や調査方法の詳細は「あんしんセエメエの健康・長生き学園」内にある図書館の「調査結果について調べる」に掲載している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月16日