さて、塾で先生に教えて貰ったことをヒントに自宅学習を行っていくことになりました。前回の塾でのやり取りがお盆前後。そして今回のお話は9月頃だったと思います。長女の受ける中学校で対策を練らないといけない内容は、筆記の適性検査・作文・面接。面接は塾の冬季短期コース(正月前後の8日間)に全て任せるとして、自宅では適性検査と作文の練習を行っていきます。まずは作文の特訓。が…しかし。これがまぁ想像をかなり超える勢いで酷い。内容は途中で不自然にぶっ飛んで繋がりがよく分からないし、そもそも一行の中に同じ単語が入りすぎ。つまり読んでいてクドイ、非常に読みにくいのです。そして適性検査も…間違いまくり(ノД`)当時の学校での授業とは遥かにかけ離れた内容なので形式に慣れないといけないのですが…それ以前の問題でしたね。いくら慣れていない形式とはいえ、正解率が…まさかの半分以下。こ…これはちょっと流石にヤバいのではないでしょうか(-_-;)勿体ないケアレスミスも多いし、とにかくとても合格をできるような次元ではないのは僕から見ても明らかでした。こうなるとついガミガミと言ってしまうんですよね。勉強して・確認して・結果を見てガミガミ。やる気のない態度・怒った後の反応の悪さを見てガミガミ。そんな日が続いていきました。僕と長女それぞれの負の感情。それは次第に家全体を包み込むようになり、そして…遂に嫁さんが口を開きました。しかし、それに対して僕が反論し空気は益々悪くなるばかり。この時は家中がピリピリとしていましたね。夕食時に主に勉強を見ていたので食事がとにかく不味く…自宅学習ではこんな事に苦戦していました。とにかく言えることは…舐めてた、自宅学習!!やはり塾は凄いです。整った環境・教える側の整った意識と精神力・学ぶ側のやる気を引き出す力。高いお金がかかるだけのことはあります。でも我が家の状況を考えて家での学習を選んだのは僕。このままではいけないのです。このままでは…確実に家庭は崩壊してしまう。この時の僕は相当気持ち的にきつかったですが、きっと長女はそれ以上だったでしょう。そして嫁さんも次女も。この負の連鎖、不協和音のスパイラルを断ち切らねば…!!父、ここからちょっともがきます。つづく。
2019年05月22日子どもが、突然吐いた! 服はどうやって洗えばいいの…? 消毒ってアルコール? 汚れた布団はどうすれば…?そんなパニックになったことのある方もいるかもしれません。嘔吐下痢はある日突然やってきます。そして、看病している間に、ふと気づいたら自分も気持ち悪い…。あっ、もしかしてうつったかも…■嘔吐下痢は突然やってくる嘔吐下痢を起こす病原体はたくさんあります。有名なノロウイルスやロタウイルスをはじめ、感染力が非常に強く、適当に処理をしてしまうと家族みんなが嘔吐下痢になってしまうこともあります。看病する側がダウンすると、吐きながら子どものお世話をする事に…。消毒や洗濯、じつは家にあるものでかなり対処できます。感染力が強いので、できる限りのことをやっても感染してしまうことももちろんありますが、看病と同時にやれる範囲のことをやって、家庭内感染を防ぎましょう!■ハイターを使って消毒薬を作ろう嘔吐下痢の場合、「次亜塩素酸ナトリウム」を使って消毒するのが確実です。アルコールでの消毒は残念ながらノロウイルスやロタウイルスなどをやっつけるには不十分です。※人体には次亜塩素酸ナトリウムは使えません。例えば手などを石鹸でよく洗った後に補助的にアルコール消毒するのはありです。次亜塩素酸ナトリウムなんて聞いたことがないと思うかもしれませんが、じつはハイター、キッチンハイター、ミルトンなどのことです。(ワイドハイターは成分が違いますので使えません。ラベルの成分表示をご確認ください)▼消毒薬の作り方作り方はイラストのとおり、原液を書いてある量入れ、水で薄めて、注意書きをして子どもの手が届かないところに保存します。イラストに書いてあるのは約200ppmの濃さの消毒液です。この濃さで作れば、衣服のつけおきや、汚染が比較的少ない場所の消毒に使えます。金属を腐食する作用がありますので、拭いた場所は10分後にしっかり水拭きしましょう。また、光に弱く日持ちしないので、1日1回作り直しましょう。※人体には使えません(触る時は手袋で)。そして誤飲が怖いので、絶対に子どもの手が届かないところへ!▼下痢や嘔吐で汚れた床やトイレを消毒する方法嘔吐したものや場所の消毒、下痢のついたオムツを処理するときには、1000ppmの濃い消毒液を作ります。作り方や注意事項は基本的に同じ。<1000ppmの消毒薬の作り方>●ハイターの場合:10ml(付属のキャップ1/2杯分、もしくはペットボトルキャップ2杯分)●ミルトンの場合:50ml(付属のキャップに2杯・もしくはペットボトルキャップ10杯)入れて、水で薄めて作りましょう。※どっちを使っていいか悩んだ時は1000ppmの方を使えば確実です。■嘔吐下痢で汚れた衣服の洗い方さて、汚れた服はどうやって処理するといいでしょうか?すぐ洗うのでなければ、ゴミ袋やバケツに入れておきましょう。乾燥すると病原体が舞い上がって、吸い込むと感染してしまいます。▼嘔吐下痢で汚れた衣服の洗い方次のイラストのとおりに準備し、できる限りの汚れをぬぐいとってから、まず予洗いします。●漂白しても大丈夫なものであれば、200ppmの消毒薬を使って消毒できます。30分〜1時間浸けおきしてから洗濯しましょう。●漂白できないものは煮沸消毒が確実です。ぐらぐら煮立って1分くらいで消毒できます(85℃1分が目安)ので、それから洗濯します。▼漂白、煮沸消毒ができない衣類の場合漂白しても困るし、鍋で煮るにも大きすぎて…と言った場合には、次善の策になりますが、次のような方法もあります。●熱湯を複数回かける●予洗いを何度も水を換えて行う●洗濯機を複数回回す●スチームアイロンをかける確実に消毒できるというわけではありませんが、リスクを抑えることができます。また、これはあくまで「消毒」であり、「嘔吐した後の汚れ」が落ちるわけではありません。嘔吐や下痢で染色してしまうと、洗っても落ちないこともあります。一番手軽で確実なのは「捨てられるものは捨てる」ことです…。最後の手段ではありますが、看病しながら消毒するのは思いの外大変です。できる範囲でやれることをやりましょう。■下痢や嘔吐で汚れた床やトイレを消毒する方法フローリングの床やトイレなど、拭き掃除が可能なところであれば消毒は比較的簡単です。やり方を一度覚えるとさっとできますので、ぜひ習得してください!▼床を消毒する方法イラストのように進めていきます。汚れた場所が乾かないよう、また間違えて踏んづけたりしないよう、まずキッチンペーパーなどをかぶせて近づけないようにします。窓を開けて換気しながら、捨てる準備と消毒の準備を整え、まずは外側から内側に向かってできる限り繰り返しふきとります。ふき残しがあると消毒の効果が下がるので、ここは念入りに。消毒する場所にキッチンペーパーをかぶせ、上からしっかりひたひたになるくらい1000ppmの消毒液をかけます。10分後に水拭きします。汚れたものは全部まとめて捨てます。一度閉じたゴミ袋はもう開けないこと! 開けると病原体が撒き散らかされてしまいます。■布団にはペットシーツが活躍します!一度汚れてしまうと、消毒するのも洗うのも大変です。とくにソファや絨毯、布団といった大物は汚れるともうどうしようもないことも…。そんなわけで活用して欲しいのがペットシーツ!▼ペットシーツの活用方法ペットを飼っていない人には馴染みがないかもしれません。ペットのトイレ用の使い捨てシーツなんですが、簡単にいうとシート状のオムツのようなものと思ってください。片面が吸水性があり、かつ、反対側は水が染み出ないよう防水加工がされています(オムツと一緒です)。布団などにかぶせておけば、その上で嘔吐したり下痢をもらしても、汚れた部分だけ丸ごと捨ててしまうことができ、処理が圧倒的に簡単です。とくに嘔吐の可能性がある小さいお子さんを布団で休ませるとき、バスタオルなどを下に敷いて布団の保護に使っていると、染み込んでしまって布団も汚れることがあります。また、汚れたバスタオルを消毒&洗濯しているときりがなくなります。ペットシーツを家に準備しておくと、ものすごく処理が楽になりますので、よかったら活用してみてください。ペット用がどうしても生理的に受け付けない方は、介護用の防水シーツというものもありますよ。■畳や絨毯などの消毒はスチームアイロンで!…間に合わず、汚れてしまった布団に関しては、内部に入り込んでしまうので、布団のクリーニング業者さんにお願いするのがベストです。家庭用の乾燥機では難しいのですが、業務用の乾燥機で高熱&乾燥の力で消毒が可能です(ただ、嘔吐なんかの汚れは嫌がる業者さんもあるかもしれません)。そして、ちょこっとの汚れならスチームアイロンでいけます!イラストのように「あて布」を湿らせて、スチームアイロンで2分、消毒できます。熱に弱い素材では変性してしまう可能性がありますので、十分注意して行ってください。あくまで消毒であり、汚れがきれいになるわけではありません。以上、家庭にあるものを活用した、嘔吐下痢の時の消毒方法でした。一度流し読みをしておくだけでも、急場の時に「あっ、そういえばこうすればよかったはず」と落ち着いて対処することができます。その他、詳しいゴミの捨て方やちょっとしたホームケアの話もブログに書いてあるので、困った時はご活用ください。 感染性胃腸炎・ノロウイルス・嘔吐下痢対策総合ブログ /HAL@女医
2019年01月31日子どもの様子に「あれ、なんだかいつもと違う?」と感じたことはありませんか? いつもと同じように見えるけれど、なにかが違う気がする…。それは子どもの心のなかにちょっとした変化があらわれているのかもしれません。もしもそれが親への「助けて!」「気づいて!」というSOSサインだったとしたら? 発見が早ければ早いほど、対応も素早くできるのではないでしょうか。今回は、子どもからのSOSの見つけ方、その対処法について考えていこうと思います。■子どものSOS「心が不安定になりやすい時期は?」助けを求めるSOSサインというものは、そもそも、タイミングが予想できる類のものではありませんよね。けれど、子どもの場合は「変化があらわれやすい時期」というものがあり、この時期に注意深く見守ることでよりSOSに気づきやすくなると思います。変化があらわれやすい時期というのは、「生活環境などが変わった時」。新学期や引っ越しのあとなど、毎日見ていたクラスの顔ぶれが変わる、街の風景が変わるなど「いつもの暮らし」が変化した時、子どもの気持ちは不安定になりやすいんですね。また、夏休みや冬休みなど、長いお休みが終わりを迎える時にも要注意です。大型連休の終わり頃は、大人ですら「ああ、明日からまた仕事か…」と、どんよりした気分になるものですよね。それは子どもも同じ。それも、お休みの期間が長ければ長いほど、休み明けは心が不安定になりやすくなるようです。長期休みが3カ月に及ぶアメリカでは、休み明けにうつを発症する子どもが多くなるともいわれています。■子どものSOS「どんなふうにあらわれる?」では、子どもからのSOSは具体的にどんなふうにあらわれるのでしょうか。実は、その内容によって第1段階、第2段階…と分けられ、だんだん深刻さを増していきます。初期のSOSとなる第1段階を放置してしまうことで、子どもの言動は第2段階へと進行。気づいた時には、対処に時間がかかる状態へおちいっていることも少なくありません。子どもが不安を抱えた時に発せられるSOSの行動について、年齢を2~5歳までの幼児期と、6歳以降の学童期に大きく分けて説明していきましょう。【2~5歳:幼児期のSOSサイン】話ができるようになるものの、まだまだ社会や他人との関わりのなかで「自分」という認識が薄い2歳~5歳の年代は、親との結びつきが強い時期です。この時期に見られるSOSの段階は下記の2つに分けられることが多いようです。第1段階 出かけようとすると「イヤ」とだだをこねる、逃げる。第2段階 泣く。最初はイヤイヤをしたり、逃げ回って自分の感情を表現します。そして、その気持ちを理解してもらえないことで第2段階の「泣く」という行動に変化します。5歳までのこの言動や行動はある意味分かりやすいですが、6歳以降になるとSOS行動は一気に複雑化します。【6歳以降~:学童期のSOSサイン】6歳以降になると、集団のなかで自分の気持ちを言葉にして表現することができるようになります。また、集団生活に慣れることで、ある程度の社会性が培われてくる年齢でもあります。この年齢になるとSOSの言動は下記のような4つの段階に分けられます。第1段階 張りきる、頑張るなどの行動で「見て! 見て!」と自分に注目を集めようとする。第2段階 わざと遅刻したり騒いだりしていたずらをする。第3段階 教室を飛び出す、意地悪をする、極度に反抗する。第4段階 無視する、不登校になる。6歳以降の子どもからのSOSはまず「僕(私)を見て!」という行動が見られます。そして、親や周囲から理解されず放置されると「いたずら」などの行動へと移ります。たいていの場合、第1段階ですでに、いつもと違う様子に気づくケースが多いでしょう。けれど、うっかり見過ごしてしまうと第2、第3段階へと進んでしまう可能性もあるのです。■子どものSOS「深刻度別 親ができること」SOSの発見は、早ければ早いほど素早く親も対処でき、子どもが長く深く悩まずにすみます。しかし、もし段階が進んでしまってから気づいたとしたら、どのような対応をすればいいのでしょうか?各段階に応じてどのような対応をすればいいのか、年齢別に解説していきましょう。【2~5歳:幼児期の対応】2~5歳の子はイヤイヤをしたり、だだをこねたり、逃げたりして親を困らせることで「行きたくない」「ママといたい」という気持ちを表現します。この状態に気づいたら「気持ちを吐き出させること」「楽しいことに転換すること」で対処していきましょう。例えば、わが子が幼稚園や保育園に行くのをいつも嫌がる、とします。事前にできる対処として、30分くらい早めに準備をすませておきましょう。そうすれば時間の余裕が持て、だだをこねられてもきちんと対応できますよね。そして、だだをこねだしたら「行きたくないよね。ママも○○と一緒に遊んでいたいよ」と共感しつつ「外の電信柱のところまで競争しようか」「○○公園で虫を見ていこうか」などと誘い、遊びながら園やバスの集合場所などに向かってみるといいでしょう。第2段階の行動となる「泣く」は、子どもに思う存分泣かせてあげます。と同時に、ギュッと抱きしめてあげてくださいね。そして、子どもが落ち着いて、ある程度話せるタイミングになったら「なにが悲しい?」と聞いてみます。「ママと離れるのがイヤ」なら、だだこねと同じ対応を。もし「幼稚園の○○がイヤなの」といった話が出てきた時は、園の先生に話して様子を見てもらうなどの対応をしましょう。【6歳以降~:学童期の対応】子どもが6歳以降の場合、第3段階のSOS行動である「極度な反抗」になる前に、なるべく早く気づいてあげてほしいですね。この段階までなら、子どもに寄り添う対処で不安を解消できる可能性があるからです。第1段階で「見て見て!」と話しかけてきたら「あとでね」などと後回しにせず、すぐに話をじっくり聞いてあげてましょう。その時「頑張ったね」「うれしいね」といった言葉をかけると子どもは「気持ちが通い合っている」という感覚になり、不安感が落ち着いてきます。わざと遅刻をしたり、目立つ行動をする第2段階の場合は「かまってもらいたい」という気持ちに気付いてあげましょう。「この子はかまってもらいたかったんだな」と受け止め、「勉強時間が減って困るから遅刻しないようにしようね」「騒いでいると先生の声が聞こえなくなるから静かに聞こうか」などと、怒らずに「教える」スタンスを保つようにすると良いでしょう。第3段階に入り、極度に反抗したり意地悪をしたりする場合も「そんなことしちゃダメ」と頭ごなしに否定から入らないようにします。子どもにはどんな出来事があったのか、その出来事があってどんな気持ちになったのかを聞きます。そして「そうなんだね」と一度共感をし、そのあと「どうしようか?」「どうしていく?」と聞いてみたり、一緒に考えたりすると良いですね。不登校などの第4段階となった場合は、親と子どもだけで解決するのは非常に難しくなります。こじれて長期化し、親子ともども傷つき疲弊することもあるので、第三者の力を借りることをおすすめします。すべてに共通していますが、子どもの心の中には「自分のことを気にかけてほしい」という気持ちがあるので焦りは禁物。いちばん大切なのは、時間を十分とって子どもに向き合っていくことです。「学校に行きたくない」「おなかが痛い」などといった子どもからのサインを決して「根性がない」「我慢が足りない」などと否定しないでほしいのです。そのサインは裏には、子どもの「親に認めてほしい、分かってほしい」という気持ちが隠されている場合があるからです。子どもは「行きたくないんだね」「痛いんだね」と認めてもらえると、親は自分の理解者なんだと安心できます。安心できれば「仕方ない、頑張るか」と子どもなりに気持ちを切り替える場合もあります。早急に答えを見つけようとしなくても大丈夫です。子どものSOSにはそれぞれの段階に応じて「ほめる」「教える」「受け止める」などの対処が大切です。なによりも子どもを「勇気づける」。自分は大丈夫なんだと自信を持たせてあげると良いですね。
2018年10月23日2016~’17年に、立て続けにエリート大学生らによる性暴力事件が報道されたのを覚えているだろうか。姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』は、そんな暴行事件のひとつ、東大生による集団わいせつ事件に着想を得て書かれた。読者自身の倫理観や価値観を映し出す、恐るべきミラー小説。「最初にラジオのニュースで聞いたときから、直感的にこれまで見聞きしてきた事件とはどこか違うと違和感を覚えました」姫野さんは、自分なりに報道等で事件を調べるとともに、裁判の傍聴にも出向いた。同じくこの事件について取材を重ねていたフリーライターの高橋ユキさんから話を聞いたりもしたという。結局、取材開始から出版まで、2年近くを要した。「事件そのものは、すでに法廷で裁かれており、細かい事情まで知らない私があれこれ言うことではありません。性衝動では説明できないような事件が起きたという結果の報道から、こうであったかもしれないという、自分にも多くの人の中にもある醜さを考えたいと思いました」のちに被害者となる神立美咲は、横浜の平凡な家庭で育ち、普通の女子大に進学した。加害者となる竹内つばさは、東京の一等地の公務員宿舎に住まいがあるような家庭で何不自由なく成長し、東大生となった。「私なりの調査から推測した女性像、男性像です。美咲は『ま、いっか』とその場の空気に流されてしまう女性で、つばさは東大ブランドを万能だと勘違いしているような男性」物語のほとんどは、美咲やつばさがどうやって育ってきたかに割かれており、それがわいせつ事件の背後に潜む、現代社会や市井の人々の歪んだ倫理観や価値観を際立たせる。「この作品に出てくるのは、加害者もその家族もSNSユーザーもイヤな人たちばかり。その中の誰に、どんな物言いに嫌悪感を覚えるかで、自分がどういう人間かが見えてきます。見たくないのに、できてしまったおできは鏡で見ずにはいられないですよね。そんなミラー小説と呼べるような作品になりました」問題作にふさわしいエンディングは、最初から決めていたのだろうか。「展開も含め、作者の意図が介在する余地がなかったですね。登場人物たちがみな自分で語りだし、行動し……、私はそれをただ書き留めていただけのような気がします」姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』カバー絵に、身分格差のある悲劇的な恋愛を描いたといわれるジョン・エヴァレット・ミレイの「木こりの娘」が使われているのも印象的。文藝春秋1750円ひめの・かおるこ1958年、滋賀県生まれ。2014年、『昭和の犬』で直木賞受賞。エッセイにも卓抜した才能を発揮。著作に『近所の犬』『純喫茶』ほか。※『anan』2018年10月3日号より。写真・大嶋千尋インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年09月27日在宅介護では暴言や暴力が絶えないともいわれています。このいわゆる虐待は大きな問題でもあります。認知症の人に接するうえで最も大切なことは何か。このような悲劇を招かないために、一度立ち止まって考えてみる必要がありそうです。■ 最も暴力に発展しやすいのは子が親を介護するケース!?平成27年度、家族や親族による虐待数は15,976件でした。これは前年と比べて237件増えています。sakai / PIXTA(ピクスタ)介護者と要介護者の関係を大きく分けると、子が親を介護、妻が夫を介護、夫が妻を介護、妻が姑を介護、という4つのケースがあります。この中で最も感情を乱しやすいのは、子が親を介護するケースです。また認知症の人は感情のコントロールがうまくできないため、何かと怒ったり頑固になったりします。しかも言うことを聞かないうえ、暴言や暴力までふるうこともあります。その結果、介護者がストレスを抱え、今度は介護者による虐待が始まることも少なくありません。■ 虐待で最も多い!息子が親に対して行う暴力平成27年度の虐待事例15,976件のうち、息子が全体の40.3パーセント(7,099件)を占めています。Ushico / PIXTA(ピクスタ)以下、夫の21.0パーセント(3,703件)、娘の16.5パーセント(2,906件)の順に続いています。では、なぜ息子の暴力が多いのか。それは、もともと力の差があるうえ、身内という遠慮のない関係が災いし、暴力をふるいやすいのではないかと思われます。■ 在宅介護で虐待が起こる最大理由はストレス!息子や娘は、自分を育ててくれた親をいつまでも気丈で尊大な人と思いたいものです。しかし、幼児のようにわがままや身勝手な振る舞いをする親に、我慢できなくなり、つい手を挙げてしまうのではないでしょうか。厚生労働省の調査によると、在宅介護で虐待が起こる最大の理由は「介護疲れ・介護ストレス」とのこと。shimi / PIXTA(ピクスタ)徘徊や異常行動を起こす親に振り回されると、疲れ、ストレスが溜まり、やがて冷静に対処することができず、大声で怒鳴ったり、手が出たりします。■ 病に対する理解不足は悲劇を生む根源同じ質問を一日に何十回もされると、多くの人は冷静さを失うでしょう。でも、それが認知症なのです。言ったこと、聞いたことをすぐに忘れる病が認知症なのに、性格が悪いとか頭がおかしいとか、本気で思ってしまう人もいます。shimi / PIXTA(ピクスタ)認知症で最も悲しいことは、こうした誤解による関係性の崩壊です。では、どうすればいいのでしょうか?最大の防止策は、認知症を理解することです。多くの介護者が認知症を理解しないまま介護をしていると考えられます。介護方法は知っていても、病気についての理解がないため基本的な接し方ができない人が多いのです。これは悲劇の根源でもあります。認知症の人は病人である前に人なのです。汚い言葉には汚い言葉で返します。優しい言葉には優しい言葉で返します。■ 認知症を理解し受け入れる寛容さが大切認知症は治らない病気、認知症になったら家庭は崩壊する、などの言葉が独り歩きし、誤解を信じ込んでいる人はたくさんいます。認知症を理解することは相手を理解することであり、それによって憎まない・怒らないにつながります。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)病を憎んで人を憎まず。難しいことかもしれませんが、病気を理解し真正面から受け入れる寛容さが私たちには必要なのだと思います。【参考】※イリーゼ高齢者虐待を防止するには?介護現場の実態と今後の解決策※厚生労働省医療経済研究機構「家庭内における高齢者虐待に関する調査」概要※厚生労働省平成27年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
2018年09月18日昨年4月13日に、『City of Lies』(原題)の撮影中スタッフに暴力を振るったとして損害賠償を求められているジョニー・デップが、訴えを真っ向から否定した。「The Wrap」などが報じた。原告で当時ロケーションマネージャーを務めていたグレッグ・ブルックスは、撮影現場でジョニデの過度な要求にも応えようと努力していた。しかし、グレッグはアルコールの臭いをさせたジョニデに身体を2回強く殴られ、「10万ドルやるから俺の顔を殴ってみろよ」と挑発までされたという。また、この事件について「訴えない」という放棄証書にサインをさせられそうになった。サインを拒否したところ、事件から3日で不当解雇に…。ジョニデの弁護士は「原告が訴えている事柄は、原告自身の感情的で悪意に満ちた行動によって起きたものです。被告のデップ氏は身の危険を感じ、(同作品の)ブラッド・ファーマン監督にも危険が及ぶと感じ、自分と周りの人たちを守っただけです」という旨の反論書を裁判所に提出した。また、「メディアで報じられていることは事実でなく、ジョニー・デップは訴えを起こしたあの人に触れたことすらないのです。十何人もの目撃者がいますし、彼らは証言もできますよ」と強気な姿勢も見せた。「すべての要求を退け、いんちきな訴えに全面的に闘うつもりです」とのことだ。(Hiromi Kaku)
2018年08月21日6月から北米ツアーをスタートしたハリー・スタイルズが、テキサス州ダラスの公演で政治的な主張をアピールした。「End Gun Violence」(銃暴力に終止符を)と書かれたステッカーをギターに2枚貼り、ライブを行ったのだ。さらに、ハリーはこのギターを弾いている写真をSNSに投稿し、再度主張を強調した。テキサス州では先月18日、サンタフェ高校で在校生による銃乱射事件が発生。生徒、教師10人が命を奪われ、多くの人が負傷した。この事件を受けて、ハリーは声を上げたのだとみられる。銃に関してハリーが行動を起こしたのは今回が初めてではない。今年3月24日に世界各地で開催された、銃規制を求めるデモ「March Our Lives」(命のための行進)の趣旨に賛同したハリーは、SNSでファンにこのデモをサポートする署名を求めた。このデモは、2月に起きたフロリダ州の高校での銃乱射事件をきっかけに行われたものである。ハリーは銃規制問題のみならず、人権問題に対してもアクティブだ。ライブではLGBTQの人たちの象徴「レインボーフラッグ」を振ったり、「Treat People With Kindness」(思いやりを持って人に接しましょう)というロゴ入りTシャツを販売し、LGBTQの若者を支援する団体に収益を寄付している。LGBTQは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・ジェンダークィア(自分が一つの性にカテゴライズされることに違和感を覚える人)の総称。(Hiromi Kaku)
2018年06月08日最近ではほとんどの学校で実施している性教育ですが、親子間での教育はまだまだされていない家庭も。今の親世代が子どものときには、家庭内でなんとなくタブーとされていた性教育。今、親となって子どもにどう伝えたらいいのか悩む人もいるようです。Q.子どもの性教育、いつから始めますか?1.未就学児 4.1%2.小学校低学年 6.7%3.小学校高学年 43.2%4.中学生 23.6%5.高校生 4.1%6.その他 7.2%7.家庭ではしない 11.2%小学校高学年が43.2%ともっとも多い意見となりました。女の子は初潮のタイミングがきっかけになることが多いようです。一方、家庭ではしないという人も11.2%いるという結果になりました。■聞かれたら親としてはっきり伝えたい子どもに聞かれたら包み隠さず話すべきと考える人が多いようです。学校での性教育がきっかけで、家で聞かれることもあるようですが、恥ずかしいことと思わずに誠実に答えていきたいと考えているようです。「現在小1ですが、先日学校で性教育の授業がありました。男女の体の違いなどの話で、まだ性教育と言えるほどではないかもしれませんが、子どもに質問されたら話せる範囲で答えていくつもりです」(北海道 30代女性)「聞かれたらその都度、当たり前に話しています。母が産婦人科に務めていたので、私も小さなころから隠すことなく伝えてもらいました。男の子は女の子を大切にするため、女の子は自分の身を守るために教えています。家庭で教えなければ、学校では足りませんし、誤った知識が先に入ると困るのはかわいそう。親の責任だと思っています」(東京都 40代女性)「我が家では『結婚しなくても赤ちゃんは生まれる?』などの子どもからの質問には、隠さず本当のことを教えています。普段から性に対して恥ずかしいことではないと思われていれば、親にも相談してくれてます」(愛媛県 30代女性)「体の変化がある時期には、はっきり伝えなければいけないと思う。親のつとめとして。聞かれたらそのままのことは、今も伝えるようにしています。自然なことであって、いけないことではないけど、自分の体は自分で守れるようにしてあげたいです」(北海道 30代女性)■自分が性教育を受けていないだけに悩む現在のパパママ世代は学校ではもちろんですが、家で親とそういった話をしたことがある人は少数派。だからこそ、自分の子どもにはどう伝えたらいいか悩んでいる人もいました。「どこまで教えるべきなのか悩みます。私の世代の性教育は避妊、避妊、避妊と、とにかく避妊についてが多かったですが、不妊についてはなにも教わっていません。不妊が増えているこの時代、妊娠適齢期と不妊についても学ぶべきだと思います」(東京都 20代女性)「私自身、6年生のときに結婚しただけでは子どもができないと初めて知り、両親がそういう行為をしたという事実があまりにもショックで大泣きした記憶があります。子どもにはどう教えるか悩むところです」(茨城県 40代女性)「家庭で教わった覚えがないので、どうしたら良いのかわかりません」(新潟県 30代女性)「小4、小3、0歳のママです。正直、性教育はいつから始めたらいいのか悩んでいます。3人目を妊娠してから、長男に『どうやったら赤ちゃんができるの?』と聞かれて、なんて答えていいか迷いながら、神様が運んでくれると言いました」(奈良県 30代女性)「どのタイミングで、どう話してよいかわかりません」(神奈川県 40代女性)■小さなときから年齢に応じた伝え方が大切 性教育はいつから始めるというよりも、年齢やその子の成長に合わせて説明していくというのが理想的なのかもしれません。性教育というと抵抗があるかもしれませんが、命の話としてしっかりと伝えられるといいですね。「『おなかの中に赤ちゃんのベッドがあるんだよ』と月経のことを教えたのは、息子が4歳くらいのときでした。一緒にお風呂で出血を見るわけですから、堂々と教えたかった。そのころ、『赤ちゃんはどこから生まれてくるの?』という質問にもちゃんと答えました。『すごいことなんだよ、こんな狭いところから生まれてくる赤ちゃんは命がけなんだよ、あなたは本当に頑張って生まれてきてくれた宝物だよ』って。男女間の性についてもいずれ愛を持って話したいと思います」(鳥取県 40代女性)Q.子どもの性教育、いつから始めますか?アンケート回答数:4498件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年04月13日厚生労働省の人口動態統計によれば、「家庭における主な不慮の事故」の死亡者数は、最新の2016年のデータで、年間1万4,175人だった。そして同年の交通事故死者数は5,278人であるため、じつに3倍近い人が、最も安全と思われる“家庭内”で命を落としてしまっていることになる。 「種類別で最も多いのが溺死で5,491人。次に、誤嚥などによる窒息が3,817人。部屋での転倒や階段からの転落などが2,748人と続いていきます。死亡者数の約85%が65歳以上の高齢者です。住みなれたマイホームの中に、多くの危険が潜んでいるということを意識して、対策を立てておくのは、とても重要なのです」 こう語るのは、家庭内で起きる事故の事例に詳しい一級建築士の井上恵子さん。そこで、これまでに起きた事故の事例と、施すべき対策についてみていこうーー。 ■ヒートショックはストーブで防げる 愛知県春日井市「田島クリニック」の院長で医学博士の田島正孝さんは、来院診療のほか、おもに家庭内(病院以外)で死亡した人の検視を、警察署の依頼で10年以上にわたって行ってきた。 「やはり、お風呂での死亡事故は非常に多くなっています。お年寄りが畳の上で心臓発作を起こせば、家族はすぐに発見できる。しかし、1人でくつろぐお風呂では、発作や意識障害が起きても、すぐに発見できないかもしれません」(田島さん) 1日のなかでも最も安息な時間を過ごせるはずの入浴タイムに、なぜ死亡事故が起きてしまうのだろうか。田島さんがメカニズムを解説する。 「入浴中の死亡には、心筋梗塞などの心臓発作の場合と、意識障害などを起こして湯水を飲んで死んでしまう溺死の場合とがあります。特に冬場に事故が多いのですが、その原因は寒い脱衣所から急に温かい湯船に入ることで起こる、いわゆるヒートショックです。日本家屋は風呂場が北側にあることが多く、脱衣所の温度が下がりやすい構造になっているんです」(田島さん) このヒートショックは、予防できると田島さんは言う。 「まず、脱衣所を電気ストーブや電熱ヒーターなどで暖めておき、温度差を少なくすることです。また、ご高齢の方は一番風呂より二番風呂に入ることを勧めます。急に入るのではなく、徐々に体を温めてから入ることを心がけてください。入浴前の水分補給も大事ですね」(田島さん) また、入浴前のお酒は発作を起こしやすくするので、控えておいたほうが無難だ。 ■子どもの誤飲対策に高所に収納場所を 「よくお正月などに、餅を喉に詰まらせて窒息する事故が報道されています。高齢者や子どもがいる家庭は、お餅やこんにゃく、一口ゼリーなどかみ砕きにくいものは、小さく刻んでから食卓に出すよう心がけましょう。また、お餅を食べるときなどは、お年寄りや子どもを1人にしないようにすることも大切です」 こう解説するのは、前出の井上さんだが、子どもの窒息の原因は「食べ物だけではない」と言う。 「乳幼児がボタン電池をくわえているのを母親が発見し、慌てて病院に連れていって検査したという話もあります。子どもは好奇心旺盛でなんでも口に入れたがりますから、誤飲する危険なものは、手の届かない高いところに置くべきです」(井上さん) 子どものいる家庭は、電池や筆記用具など誤飲の恐れのあるものを入れる小箱を作り、高所に置くといい。面倒くさがらず、毎回収納しよう。
2018年03月14日厚生労働省の人口動態統計によれば、「家庭における主な不慮の事故」の死亡者数は、最新の2016年のデータで、年間1万4,175人だった。そして同年の交通事故死者数は5,278人であるため、じつに3倍近い人が、最も安全と思われる“家庭内”で命を落としてしまっていることになる。 「種類別で最も多いのが溺死で5,491人。次に、誤嚥などによる窒息が3,817人。部屋での転倒や階段からの転落などが2,748人と続いていきます。死亡者数の約85%が65歳以上の高齢者です。住みなれたマイホームの中に、多くの危険が潜んでいるということを意識して、対策を立てておくのは、とても重要なのです」 こう語るのは、家庭内で起きる事故の事例に詳しい一級建築士の井上恵子さん。そこで、施すべき対策についてみていこうーー。 ■10万円で転落事故は激減させられる 「日本の家屋には狭い国土と建築の特性上、階段はつきものです。特に古い家ほど階段が急だったりします。私は高齢者のいる家庭では、階段の両側に手すりを設置することを勧めています」 そう教えてくれたのは、来院診療のほか、おもに家庭内(病院以外)で死亡した人の検視を、警察署の依頼で10年以上にわたって行ってきた愛知県春日井市「田島クリニック」の院長で医学博士の田島正孝さん。ネジなどで取り付ける手すりは、ホームセンターなどで安価に売っているが、強度にも注意を払ったほうがいい。つかまって外れたら、それこそ大ケガにつながりかねない。 「工務店などに依頼すべきです。材料、大工さんの日当などを合わせても10万円くらい。それで安全・安心が得られるのであれば、高い買い物ではないでしょう」(前出・井上さん) また、生活習慣の見直しも不可欠だという。 「洗濯カゴを抱えての階段の上り下りは、大変危険です。私は高齢の母のため、物干しの位置をベランダから庭先に変えました。また、花粉やPM2.5対策なども兼ねて、浴室乾燥や乾燥機付き洗濯機に切り替える手もあります。そもそも、階段の上り下りの機会を減らすに越したことはない。1階にトイレがあるのであれば、セキュリティ対策や耐震対策をしたうえで、1階での寝起きを高齢の方にはお勧めします」(井上さん) ■数センチの段差でもリフォームの検討を 危険は階段ばかりではない。じつは転倒・転落での死亡者のうち、半数以上は平たんな場所で起きている。 「敷居や、床に敷いていたカーペットなど、わずか数センチの段差で引っかかって転倒することもあります。段差をなくすリフォームを検討しましょう」(井上さん) 大きなリフォームが難しい場合、段差に簡易スロープを付けるという方法もある。 ■ゲートをつけて台所を隔離せよ 「火や熱湯、刃物など、キッチンは子どもが入ると危険なものばかりです。乳幼児がいる家は、キッチンの入口にゲートを取り付けましょう。また、高齢の方は消し忘れも要注意。IHへの切り替えを検討しましょう。電子レンジを使った調理や、炊飯器での煮込み料理もできる時代です。なるべく“火を使わない”調理法を工夫するのもいいかもしれません」(井上さん)
2018年03月14日「家庭内で起きる不慮の事故で亡くなる方は、交通事故で亡くなる方の3倍近くもいるんです」 こう話すのは、家庭内で起きる事故の事例に詳しい一級建築士の井上恵子さん。厚生労働省の人口動態統計によれば、「家庭における主な不慮の事故」の死亡者数は、最新の2016年のデータで、年間1万4,175人だった。 そして同年の交通事故死者数は5,278人であるため、じつに3倍近い人が、最も安全と思われる“家庭内”で命を落としてしまっていることになるのだ。 「種類別で最も多いのが溺死で5,491人。次に、誤嚥などによる窒息が3,817人。部屋での転倒や階段からの転落などが2,748人と続いていきます。死亡者数の約85%が65歳以上の高齢者です。住みなれたマイホームの中に、多くの危険が潜んでいるということを意識して、対策を立てておくのは、とても重要なのです」(井上さん) そこで、家庭内事故を起こしやすい家の構造と生活習慣を紹介。 ■一人暮らしだ。または家族の帰りが遅く、一人で行動する時間が長い注意点:浴槽で溺れたり、窒息した場合でも発見されにくい。 ■自宅内に段差が多く、片付けがしっかりできていない注意点:高齢になると5センチの段差でもつまずくことが。 ■手すりのない急な階段がある注意点:今までは問題なくても、高齢になるにつれて事故の原因に。 ■浴室の脱衣所に暖房がなく、冬は寒くなる注意点:寒暖差がヒートショックの原因になる。 ■飲酒後に、入浴する習慣がある注意点:飲酒した状態での入浴で心臓発作のリスクが高まる。 ■歯ごたえのある食品を好んで食べる注意点:こんにゃくやタコなど、歯ごたえのある食品は窒息の要因に。 ■食事のスピードが速い注意点:年をとるごとに飲み込む力が弱くなるので、よくかむ必要がある。 その対策として、今日からできるちょっとした次の工夫を。 【絨毯を床に固定する】 年を取ると、めくれた絨毯に足をとられてしまうことも。ホームセンターなどで買える絨毯用の両面テープを使えば、床に固定できる。 【脱衣所にストーブを置く】 寒暖差が原因となるヒートショック。脱衣所に備え付けの暖房がない場合、冬場はストーブを置こう。入浴の10分前にスイッチを押すだけで段違い。 【食事は細かく切る】 餅などの窒息事故は啓発が進んでいるが、じつはこんにゃくやタコでも窒息を起こすことがある。食べるときは細かく切ったほうが安全だ。 ちょっとした安全対策に、さっそく取り組んでみては?
2018年03月14日“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。 暴力的だった兄は、次第に家から出ない状態に変化していきました。文・心音(ここね)【兄は障害者】vol. 5高校退学後、兄は急に内向的になった大声をあげながら夜中に帰ってきたり、学校では “ヤンキー系” でヤンチャをしたりしていた兄。しかし、高校を退学させられた後は、だんだん世の中のギャップに気づきだしたのか、家から出ない日々が続きました。もちろん、中卒扱いで働く場所もない。外に出れば、好奇の的。だからといって、新しい予備校に行くという意欲もない……。母は「中学生までは、自慢の子供だった」と言います。運動神経が良く、足も速くていつもリレーの選手。ルックスもよくてオシャレが好きだった兄は、ファンクラブができるほど人気だったからです。それだけに、急に高校からいなくなった “人気者で目立つ兄” の噂は、瞬く間に広がっていきました。そして、自分の悪事に対して後から反省し始めたのか、兄は知り合いに合うたびに引け目に感じるようになっていきました。2階にある兄の部屋は、孤立していた両親は、兄の将来を考えて進路を応援する取り組みをしていましたが、兄は乗り気ではありませんでした。それどころか、部屋から出なくなっていったのです。基本的に部屋のドアを開けるのは、トイレのみ。歯磨きもしない、顔も洗わない、お風呂も入らない。ご飯を用意しても、リビングには来ない。同じ服を何日も着て、布団から出ないんです。「ねえ、お兄ちゃん、お風呂入ってスッキリしたらどう?」と母は、怒ることなく自分の部屋に何日も引きこもる兄に声をかけていました。「ご飯ができたから、リビングにおいで」と呼んでも出てこなければ、母は兄の部屋の前に、お味噌汁やご飯、焼き魚をトレーに乗せて「ドアの前に置いとくから、食べてね」とひと言。数時間経って、そーっと2階の階段を上ってトレーのご飯が減っていれば、片付ける。その繰り返しの日々が続きました。両親は無理に部屋から連れ出そうとはしませんでした。自分が撒いた “種” は、荒れ果てていた正直、兄に関して父より母のほうが献身的だった気がします。自分がお腹を痛めて “産んだ子” だからなのか、母はいつも兄の味方でした。見ていて苦しくなるくらい……。父は仕事から帰ってくると、たまに「疲れて帰って来ても、家の中では休まらんわ」と愚痴をこぼすこともチラホラありました。「知り合いに会いたくない」と兄がいっても、「お前が撒いた “種” だろ?」と冷たく言い返すこともありました。まさに、私は父が言った通りだと思います。“撒かない種に、芽は出ない” とよくいいますが、自分が撒いた後の畑には、必ず何かしらの “芽” が出ます。兄の畑は、荒れ果てていました。まるで、水のない乾燥した状態を耕さずにそのまま放置し、雑草が生えてぐちゃぐちゃになった畑。それは、兄が撒いた “種” の結果だったのです。そんな状況をなんとか打破するべく動いたのは、やはり母でした。パートをやめ、次のステップに踏み出しますーー。(C)RyanKing999/Gettyimages(C)yigitdenizozdemir/Gettyimages(C)Xander_D/Gettyimages
2018年03月11日「モラハラ夫」という言葉を知っていますか? 最近、話題になっていますよね。モラハラ(モラル・ハラスメント)とは、家庭などで日常的に行われる「見えない暴力」のこと。言葉や態度によって人の心を傷つけるので、精神的な暴力ともいわれています。「結婚してから、夫が変わった」「最近夫に怒られてばかり」など、夫の言動に深く傷ついて悩んでいる自分(妻)がいる場合、夫がモラハラを行なっている可能性があります。まず、モラハラ(モラル・ハラスメント)とは、家庭などで日常的に行われる「見えない暴力」のことです。言葉や態度によって人の心を傷つけるので、精神的な暴力ともいわれています。 1. モラハラ夫とは?モラハラを行う夫の特徴どのようなことをされたらモラハラになるのかは、よくわかりませんよね。モラハラを行う夫の特徴についてご紹介します。最初は優しい不幸な子ども時代等の話をして妻の同情を誘う結婚後や妊娠・出産後に豹変する自分が優位に立ちたがる思い通りにならないと態度で怒りを表す(大きな音を立てる等)妻が存在していないかのように振る舞う(長時間の無視)妻の弱い部分を集中的に言葉で攻撃する妻の大切なものを壊す・捨てる・傷つける脅して不安にさせる平気で噓をつく自分を正当化する(責任転換する)共感性が乏しい会話がかみ合わない嫉妬深く束縛するマイルールがあり、従わせる子どもを利用・子どもに関することで嫌がらせをする穏やかなときもある外面は良い(家の中だけモラハラ)※ただし、誰にでも横暴なタイプもいるモラハラ夫は精神的DVに当たるDV(ドメスティック・バイオレンス)といえば肉体的な攻撃のイメージが強いのですが、モラル・ハラスメントはどうなるのでしょうか。DVには明確な定義はありませんが、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使われることが多いそうです。ただし、「暴力」といってもさまざまな形態があります。殴ったり蹴ったりする「身体的暴力」、言動で相手の心を傷つける「精神的暴力」、性的行為を強要する「性的暴力」です。その中でも、モラル・ハラスメントは「精神的暴行」にあてはまります。DVを受けると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患ってしまったり、DVを見て育った子どもにも悪い影響を与えてしまいます。 2. モラハラ夫の治しかたモラハラ夫が持っている精神構造を理解して、モラハラ夫を改心させる方法を考えてみましょう。モラハラをする人というのは、幼少期の家庭環境が影響しているともいわれています。親が過干渉や過保護で「自分は特別な存在なんだ」と思い込んでいたり、親からモラハラやネグレクト・暴力を受けていて、満たされない気持ちや劣等感を強くもっていたり。そしてモラハラ夫の中には、自分がモラハラをしているという自覚さえない人もいます。もしくはモラハラをしていると自覚していても、「自分が正しい」と思い込んでいるのだと考えられます。そのため平気で人の尊厳を踏みにじるのです。また、モラハラのターゲットになりやすい人の特徴は、責任感が強いかたや真面目で我慢強いかた、気が弱く罪悪感を持ちやすいかたなど、だそうです。なので、モラハラを受けたときに「自分が悪い」「自分が我慢すれば良い」なんて考えはやめましょう。子どもにも悪影響なので、モラハラ夫には早めの対処が必要です。どうやったら治る?モラハラは、「心の病気」だといわれています。しかも何十年もその人格でいたので、それを治すことは並大抵のことではありません。モラハラに関する本やサイトを見ても「逃げて」「離婚して」とばかり書いてあります。やはりモラハラを長い間受けると、妻が心の病気になったり共依存になってしまうからでしょう。そのため、別居や離婚をするという考えがなく、モラハラ夫を治したいと思っているのなら、「対処する」というふうに行動したほうが良いかもしれません。相談する専門機関や友人に相談しましょう。現在モラハラで悩んでいる女性が多くいるので、きっと力になってくれるでしょう。一人で抱え込むと大きなストレスになります。受け流すモラハラ夫は、人を選んでモラハラをしています。つまり、妻の性格上「責任感が強いため、夫の言動を受け流すことができない」と知っているからモラハラをしているんです。「モラハラ夫の言動を受け流せ」と言われても実行できないかもしれませんが、なるべく別のことを考えるなど、毅然とした態度を心がけるようにしましょう。夫は「あれ?」と不思議に思い、効果のない精神攻撃をやめるかもしれません。無反応夫のモラハラに、怒ったり悲しんだり謝ったりと、反応をすることをやめましょう。反応をしてしまうとモラハラが激しくなる可能性があるので、「ああ、うん」とかわしましょう。それで「聞いているのか!?」と怒られても、「うーん」と鈍い反応をすると良いでしょう。なにをしても言いがかりをつけられるので無反応を貫いて、心の中で「モラハラが上手くいかなくて悔しそうだな」と、ほくそ笑んでも良いかもしれませんね。 「私がダメだからこうなったんだ……」と、夫のモラハラに気づかず悩む女性も中にはいるかもしれません。今回ご紹介した「モラハラ夫の特徴」を照らし合わせてみて、夫があてはまった場合は早急に対処するようにしましょう。精神的な暴力はDVです。我慢して耐え続けていれば、身が持たなくなってしまいます。なるべくそういった機関に相談をしたり、モラハラの対処法をして、自分や子どもを守ってくださいね。 参考:「ドメスティック・バイオレンス」とは暴力の形態暴力の特徴「モラル・ハラスメント」規制を法制化随伴性の心理学 : 応用編:モラル・ハラスメント
2018年02月14日この10年間で、小学校1年生のクラス内での暴力は約14倍になったという調査結果が出ました。原因は感情のコントロールが苦手な子どもが増えていることではないかと言われています。では、小さいうちから感情のコントロールを教えていくにはどんな関わり方をしていけばいいのでしょうか?小学校教諭として28年間勤務した経験のある、増田修治さんに聞きました。◆お話を聞いたのは…増田修治さん(あんふぁんサポーター)白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。28年間小学校教諭として勤務した後、現職。子どもの荒れやいじめについて、新聞や雑誌などでアドバイスを多数行っている。あんふぁんWeb「小学生ママ」コーナーの「困ったら増田先生に聞いてみよう 放課後職員室」でも活躍中。●10年間で小学生の暴力は急速に増えている!急増の理由としては、昔は「じゃれ合い」とされていた乱暴な行為も「暴力」とみなされるようになったことが挙げられるものの、特に低学年の伸びが非常に高いことが分かります。※平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査速報値」(文部科学省)■子どもの暴力の特徴(1)…「なんとなくムカつく」だけで手が出てしまう私が過去に担任を受け持った児童の中には、「どうして叩くの?」と聞くと「なんとなくムカつくから」と答えた子がいました。何をされたわけではないけれど、「相手が気に入らない」ことが暴力の理由になるのです。■子どもの暴力の特徴(2)…自分の感情をうまく言葉にできない自分の心の中の苛立ちやモヤモヤをうまく言語化できず、感情がいきなり行為になって表れてしまいます。「ムカつく」「ばかやろう」「死ね」などの暴言を吐くのも、自分の感情に整理がつけられないためです。■子どもの暴力の特徴(3)…手や体の一部が触れることを嫌がる友達の手や体が触れることが我慢できず、払いのけたり叩いたり。家庭内でのスキンシップが不足している子に多いパターンです。また、「誰が触ったか分からないよ」という言葉も、過剰に潔癖な子をつくってしまいがちです。■子どもの暴力の特徴(4)…自分を棚に上げて人のことを責める小学校の荒れているクラスの子どもには、「みんなルールを守らないんだから自分も守らなくていいだろう」と考える「他責タイプ」が多く見られます。親が「○○くんって悪い子ね」とすぐ人のせいにすると、子どももまねしてしまいます。●先生に質問Q:暴力とけんかの違いって?A:お互いに言い分があるのが「けんか」。一方的な攻撃が「暴力」。友達やきょうだいを叩いてしまったり、蹴ってしまったり。わが子の乱暴な行動にヒヤッとした経験を持つママは少なくないことでしょう。ただし、手や足が出たからといって一概に「暴力」とは言えません。言い争ううちにエスカレートして、手や足が出てしまう。これは「けんか」です。けんかにはお互いに原因があり、言い分があります。一方「暴力」の場合、手や足が出ることに理由はありません。「なんとなくムカつく」という自分の感情で、一方的に相手を攻撃してしまうのです。Q:親の育て方に問題があるの?A:親に「〜しなさい」と命令されてばかりだと暴力的になる傾向に。「なんとなくムカつく」「ウザい」。こうした感情には、自分とは違う価値観を持つ相手のことを受け入れられないという問題が隠れています。「ムカつく」「ウザい」を連発する子どもたちには、親から「○○しなさい」と命令されて育った傾向があります。価値観を受け入れてもらった経験がないから、自分も誰かの価値観を受け入れることができないのです。Q:感情のコントロールを子どもにどう教える?A:どこが悪いのかどうすればいいのかを大人が丁寧に伝えて。「暴力を振るう子どもの親」は、「子どもだから許されるでしょ」と考える傾向にあるようです。例えば、わが子が公共の場で走り回っても知らんぷり、よその人に乱暴な口を利いても注意しないなどですね。もちろん子どもですから、未熟さゆえに間違えてしまうことはあります。その度に、その行動のどこがいけないのか、どうすればいいのかを教えていくのが大人の役目。その姿を見て、自分の感情や行動をセーブできる子どもが育っていくのです。●感情のコントロールができる子に!お子さんの「暴力の悩み」にお答えしますきょうだいやパパ・ママを叩いたり、電車の中で大声を上げたり…といったお悩みを、約半数の人が抱えているようです。でも、子どもがムカついているときこそ、感情をコントロールする術を教えるチャンス。増田さんにアドバイスを聞きました。Q:お子さんは家族に対して暴力を振るったり暴言を吐くことはありますか?2017年11月8日~12月5日、有効回答数1134■お悩み1位:きょうだいを叩く……25.7%兄弟げんかをすると必ず叩き合いに。「お互いさまだからお互いに謝ろうね」と言って仲直りさせますが、いいのでしょうか?(北海道・年長ママ)A. 「はい仲直り」はNG! 価値観を伝えるチャンスです「どちらか一方に肩入れしてはいけない」と思うあまり、言い分を聞かずに解決させていませんか?トラブルになった時こそ、何が正しくて何が正しくないかという価値観を子どもに伝えるチャンスです。「今回は、ママはお兄ちゃんが正しいと思う」「でも、お兄ちゃんもここは悪かったから謝ろうね」という伝え方をしていきましょう。■お悩み2位:思い通りにならないと大声を上げる……22.9%ファミレスで大人同士が話をしていると、気に入らないのか大声を上げます。周りの人に迷惑が掛かるので、ついスマホを与えてしまいます。(東京都・年中ママ)A. スマホでは感情をコントロールできるようになりませんスマホを渡せば静かにはなるでしょうが、大声を上げると迷惑になることは伝わりません。親が一緒に外に出て、「みんなが静かに食べられないよね」となぜダメなのか理由を話し、「落ち着くまで中には入れないんだよ」と毅然とした態度を取ってください。ルールを守れないと損をするという経験も、感情のコントロールにとって大切です。■お悩み3位:パパ・ママを叩く……20.6%悪いことをして怒られたとき、私を叩いたり蹴ったり。優しく言い聞かせていますが、つい怒鳴りたくなってしまいます。(神奈川県・年長ママ)A. 親だってたまには本気で怒っていいんです親だって人間ですから、叩かれたら腹が立つのは当然。どうしても我慢できないときは、「大事なあなたに叩かれたり蹴られたりして、ママの心がいちばん痛いのよ!」と正直に伝えて良いのです。しかしあまりに頻繁に親を叩くのは、愛情を欲していたり、親のことを下に見ている場合があります。普段の関わりを見直してみましょう。■お悩み4位:物を壊す、物に当たる……11.1%思い通りにいかないことがあると、すぐおもちゃを投げつけます。「落ち着きなさい!」と言いますが効き目がありません。(神奈川県・年少ママ)A. 感情を落ち着かせる「隠れ家」を作ってみましょう段ボールなどで子どもがちょうど入れるくらいのスペースを作り、気持ちが落ち着くまでそこにいる、自分の意思で出てきたところで話を聞く…という方法です。これは多くの幼稚園や保育園も導入している方法ですが、子どもたちは「隠れ家」がお気に入り。体が壁に密着することで「守られている」という気持ちになり、心が落ち着くようです。■お悩み5位:暴言を吐く……5.7%「うるせぇ! 」「ばかやろう」などの乱暴な言葉を使うようになりました。園の友達の影響かなと思うのですが…。(千葉県・年中ママ)A. 友達を責めずに「その言葉は嫌いだな」と伝えましょう友達のまねをするのは社会が広がった証拠でもあり、ある意味仕方のないこと。「そういう言葉はママは嫌いだな」と伝えていくことで、成長と共に直っていきます。くれぐれも「そんな乱暴な言葉を教えるなんて○○くんはひどい子ね」と友達を責めるのはやめてくださいね。良くないことがあったとき、他人を責めるクセがついてしまいます。●ムカつきやイライラの翻訳者になることが大人の役目です「ムカつく」と言ったり、叩いたり蹴ったりするといった暴力には、「自分の感情をうまく言葉にできない」という問題が隠れています。いったん言葉を通して説明することで、イライラやムカつきは整理されていくものですから、そこを手伝ってあげるのが大人の役目。「どういう意味でムカつくって言ってるの?」「こういう理由で叩いちゃったのね」と、大人が良き翻訳者になることで、自分の感情をコントロールできる子が育っていきます。巻頭特集監修/西東桂子さん(あんふぁんサポーター)illustrationYAMAMOTO Mamoru
2018年02月07日「glee/グリー」のサンタナ・ロペス役で知られるナヤ・リヴェラが、夫ライアン・ドーシーに対する家庭内暴力で逮捕された。「CNN」など複数メディアが報じた。ナヤは「glee/グリー」に出演していた20代前半の頃からライアンと交際していたが数年で破局。2013年にラッパーのビッグ・ショーンと婚約したが、婚約を解消し、再びライアンと付き合うように。そして2014年にライアンと結婚したが、2016年に離婚を申請。しかしその後すぐに復縁し、息子のジョジーくんを一緒に育てていた。オン・オフを繰り返している2人ではあるが、“暴力沙汰”になったのはこれが初めて。11月25日土曜日夜(現地時間)、サンクスギビングデーを祝うためにライアンの実家のあるウェストバージニア州に帰省していたナヤ一家。2人でジョジーくんを連れて通りを散歩している最中に、子どもに関することで言い争いになり、ナヤがライアンの頭と顔を殴ったのだとか。ライアンは警察に通報。暴行を受けている間に撮影していた動画が“決め手”となってナヤは逮捕された。地元警察によれば、ライアンは「治療が必要ではない」程度のケガで済んだとのこと。ナヤは保釈金約11万円を支払い、すでに保釈されている。(Hiromi Kaku)
2017年11月27日こんにちは。コソダテフルな毎日のちゅいママです。長男(小3)、次男(年長)、三男(年少)の3兄弟の母です。■パパは透明人間?我が家は夫=会社員、私=主婦の家庭です。子どもたちの物心がついた頃には、パパは外に出ていく人、ママはおうちにいる人と位置付けられてしまったようで、今や完全に、ママ=お手伝いさん、パパ=たまにいるおじさんと化してしまいました(爆)。なにか用事があるときでも、近くのパパより遠くのママ!!ひとりになりたくてそっと雲隠れしても(え。)、なぜか子どもたちは全員私のもとに寄ってきます。他に部屋のスペースはいくらでも空いてるのに、全員1ヶ所にぎゅっと集まって、私の周りだけやたら人口密度が高いなんてこともしょっちゅう。すぐそばにパパが寝転がっているというのに、お茶を持ってきてと頼むのはママ。どう考えても距離的にパパのほうが近いのに、あのおもちゃ取ってと頼むのはママ!!いや、あの、君たち?パパも保護者なんですけどぉぉ!世の中にはパパが大好きでしょうがないというご家庭もたくさんおありでしょうが、我が家の場合、パパは透明人間化。この間もこんなことがあったんです。真夜中の1時に私がリビングで夜更かしをしていたら、そ~~っと次男が起きてきたんです。何事かと思って見てみると…オーマイガーーッ!!!おなかを壊した次男がびっくりなことに、大をもらしていたんです!!(衝撃)え? え?床に落ちたう○ちにプチパニック!!(子どもを育てるとこのようなプチパニック現象が往々にして起こりますよね。)どうやらおなかが痛くて目を覚ましたらしいのですが、隣にいる夫をスルーして、遠路はるばるリビングにいる私のもとまでやって来るその間に漏らしてしまったようです。え…。パ、パパを起こせよぉぉぉ!!床に漏れたう○ち…。汚れたパジャマに足…。そして夜中の一時…。もうどこから手をつけてよいのか分からず、とりあえず、夫のもとへ。私:「ねぇ…ゆいたんがう○ち漏らしたんだけど…」(ゆっさゆっさ)(当然これにはSOSの意を含んでおります。)夫:「え。なんで…」(知らんがな)私:「寝る前におなか痛いとか言ってた?」夫:「別に言ってなかったけど。」私:「そう…。」夫:「ぐぅぅぅぅーーーー。」ちょっ…。SOS、伝わらずーーーーー!!!結局、ひとりで全部を片付けて、もう一度次男を寝かせて、夜は更けたわけだけれども。翌朝。チクリと言ったら夫の返事。夫:「あ。あれ、起きてってことやったん?」そうだよ!!具体的に「起きて手伝って」と口に出さないと、妻の意図してることを汲み取るなんてことは、男には無理な話だったぁぁぁ!!というわけで、子どもたちにもなんでもかんでもママに頼むのではなく、もうひとり、我が家にはパパという保護者がいるのだよとわかってもらうべく、パパの不透明化を推進していきたいと思います。(今さら!)子育てを始めたばかりの皆さん!我が家のようにならないように、ひとりで頑張りすぎないで、パパに具体的にお願いしてもっと頼っていきましょう。
2017年09月14日皆さんは「家庭内管理職」という言葉を聞いたことがありますか?その言葉の通り、家庭の中でまるで管理職のような態度をとる人のことを指しますが、これはビジネスの世界に身を置いていた定年後の男性に多く見られる傾向にあります。仕事で人を“使う”立場にあったことからその癖が抜けず、家族に対して部下のように接してしまうのです。今回は、そんな“家庭内管理職な夫”についてお話ししていきたいと思います。●家庭内管理職な夫の特徴人生のほとんどを仕事に捧げてきたような、“仕事人間”な男性が家庭内管理職な夫になりやすい傾向にあるようです。ビジネスにおいて管理職とは、部下をマネジメントし、組織を発展させる役割を担う立場ですが、定年後に自分の存在意義を見失ってしまった男性たちは、現役時代には興味のなかった家庭の中に居場所を求めるようになります。そして家庭が“会社”、妻や子どもが“部下”といった認識となり、現役時代のように家族を管理しようと努める のです。ここで厄介なのが、本人に周囲へ迷惑をかけているという自覚がないこと。自分の采配で家庭がより良くなると信じているからこそ、高圧的な態度でリーダーとしての役割を果たそうとします。また、長年他人を“使う”立場で居続けたがために、それ以外の方法で他人と付き合う術を忘れてしまっているということも考えられます。●家庭内管理職な夫のエピソード●(1)「ご苦労」にイラッ『子どもたちも自立して夫婦二人の生活ですが、夫は典型的な“家庭内管理職”です。私がお茶を出したり着替えを用意したりしても返事は「ご苦労」だけ 。本当にイライラします。あとは「風呂がぬるい」とか「今日の飯もいまいち。PDCAというものがあってだな……」とか言いたい放題です。正直熟年離婚する人の気持ちが痛いほど分かります』(57歳女性/主婦)夫婦は対等な関係であるはずなのに、上から目線で接されるのはツラいですね……。管理職を務めていた経験から、他人を下の立場の人間として見ることが癖になっているのかもしれません。家庭の中に“ビジネス”を持ち込まれたらたまったもんじゃありません。●(2)定年後に豹変『私からすれば夫ではなく父ですが、父は現役時代は家庭のことに一切口を出さない人でした。しかし、私が大学生のころに父が定年を迎え、四六時中家にいるようになると態度は豹変。棚の埃のことからゴミ出しの細かいやり方まで、いちいち口を挟んでくるようになりました。私と母が反論すると決まって「この家は誰のものだと思ってる? 」と脅し文句。自分の父がこんな人だと思ってなかったのでとてもショックです』(34歳女性/営業)現役時代は仕事一筋で家庭のことに一切口出ししなかったという人でも、仕事を辞めて暇になると今後は家庭のことに口出しするようになる……といいケースは少なくないようです。こうした高圧的な態度がモラハラにつながり、熟年離婚という最悪の結末を迎える人たちも少なからず存在します。近年熟年離婚が増加傾向にあると言われているのは、年金分割制度が実施されたことだけが原因とは言えないでしょう。●(3)家が職場状態に……『私の父は一昨年に定年を迎えたのですが、友達がいないのか毎日家でゴロゴロするように……。私が仕事から帰れば「少し遅れるなら連絡をしろ。報・連・相を知らんのか?」だの「あいさつするのが社会人のマナーだぞ」だのグチグチ嫌味を言ってきます。母にも同様に接していて、まるで家は職場状態 。仕事から疲れて帰ってきてるのに、家でも気を張らなきゃいけないのかと鬱陶しいです』(37歳女性/事務)長年の会社勤めで他人とのコミュニケーション方法が「上から下へ」の命令口調で固まってしまっている人は、家族に対しても同じように接してしまいます。家族からしてみればまるで上司と話しているようで気持ちが落ち着きません。しかし、本人に自覚はないのでお構いなしに命令を続けるのです。こうなってしまうと家族から避けられるようになり孤立化、寂しさからさらに干渉してくるという悪循環が生まれてしまいます。●家庭内管理職な夫と上手に付き合う方法●(1)なるべく一緒に過ごさない家庭内管理職な夫は細かいことにいちいち口出ししてきたり、高圧的な態度で相手の非を咎めたりと自分の気に食わないことは全て他人のせいにします。そんな夫と一日中一緒にいたら精神がもたないでしょう。そのため、なるべく一緒にいる時間を減らすようにしましょう。自分の趣味に没頭する時間を作ったり、あるいは夫に地域の趣味サークルに参加するよう勧めてみたり……。お互いがバラバラに過ごす時間を確保するようにしましょう 。●(2)相手を変えようとしない人が変わるには、かなり長い年月が必要です。そのため、家庭内管理職な夫を昔のような優しい夫に戻そうとしてもかなりの労力が必要となります。40年以上社会で身につけた“思考の癖”を変えるというのはなかなか難しい ものなのです。そのため、はじめから夫の性格を変えようとするのではなく、「口うるさい人」と受け入れてしまうのも一つの手だと思います。ストレスというのは自分の思い通りにいかないときに発生するものです。あらかじめ夫をキャラ付けしておくことで、夫の過干渉をスムーズにかわすことができます。----------いかがでしたか?夫が定年まで家庭を守ってくれたことに感謝しない妻はいないでしょう。しかし、だからといって定年後に偉そうな態度を取られるのは我慢できないものですよね。熟年離婚という悲しい結末を迎えないためにも、家庭内管理職な夫との上手な付き合い方を学んでおくようにしたいですね。●文/パピマミ編集部●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年03月28日家庭内暴力とは出典 : 家庭内暴力は、家庭内で起きる暴力のことで、一般的に子どもが親に対して暴力をふるうことを指します。また、同様に家庭内で起きる暴力であっても、親が子どもに暴力をふるう場合を“児童虐待”、夫が妻に暴力をふるうものを“DV”(ドメスティックバイオレンス)と呼ぶことが通例となっています。この記事ではこうした用法にならって、子どもが親に対して暴力をふるう「家庭内暴力」について解説します。警視庁は家庭内暴力について以下のように定義しています。少年が、同居している家族等に対して継続的に暴力を振るう事案をいい、家庭内暴力を止めようとした第三者に対して暴力を振るう事案や他人の所有物を損壊する事案については含まない「平成27年中における少年の補導及び保護の概況」(警察庁生活安全局少年課)より引用ここでの少年とは20歳未満の者を指しています。つまり、家庭内暴力とは20歳未満の子どもが家族に対して行う暴力行為を意味します。ここでいう暴力には、身体的な暴力や、暴言、家具や家財の破壊なども含まれます。家庭内暴力の特徴としては・暴力が家庭内でのみ行われる・暴力の対象が人である場合、暴力をふるう本人より弱い者が対象となりやすいことが挙げられます。事実、暴力の対象のうち約6割が母親であることが警視庁によって報告されています。参考:「平成27年中における少年の補導及び保護の概況」警察庁生活安全局少年課家庭内暴力は、1960年代から顕著に現れるようになりました。警察庁生活安全局少年課による報告書「少年の補導及び保護の概況」によれば、平成27年度現在、家庭内暴力の認知件数は2,531件にのぼります。また、この数字は平成18年の1294件と比べて約2倍となっており、近年も増加傾向が続いています。実際に家庭内暴力をおこなうのは中学生がもっとも多く、次に高校生、小学生の順となっています。さらに、性別でみると男子が圧倒的に多く、女子と比べて2~3倍多く報告されています。同報告書によると、家庭内暴力の動機は1番多いのが「しつけ等親の態度に反発して」(1,636件、全体の65%)、2番目が「理由もなく」(261件、全体の10%)、3番目が「物品の購入要求が受け入れられず」(225件、全体の9%)となっており、以降「不明」「勉強をうるさく言われて」「非行をとがめられて」といった動機が続いています。非行をとがめられた際に反発して起こる家庭内暴力が実は意外と少なく、親の態度への反発から生まれる家庭内暴力が圧倒的に多い結果となっています。実際、おとなしい性格で、学校での成績もよい子どもがある日を境に家庭内暴力を行うようになるケースも多く報告されています。こうした、家庭内暴力を行いやすい子どもの特徴・傾向は次章で解説します。出典:「平成27年中における少年の補導及び保護の概況」警察庁生活安全局少年課家庭内暴力を引き起こしやすい子ども・家庭の特徴出典 : 家庭内暴力をする子どもには、本人の性格や家庭環境に一定の共通点が存在するといわれており、具体的には以下のようなものが挙げられます。ただし、様々な組み合わせがあり、また例に挙げた要因に当てはまらない場合もあります。・真面目、内気、おとなしい・家庭外では他人に対して従順で、自己主張が乏しい・神経質である・比較的友人が少なく孤立的である・非行に走ってはいないが、生活習慣の乱れなどがある家庭の外において反社会的な言動をおこなう非行少年・少女とは対照的に、家庭内暴力を行うのは比較的おとなしく、学校でもあまり多くの友達を持たない子どもが多いようです。・母親が過干渉で父親が無関心である(もしくはその逆)・親子分離が少なく、子どもの親への強い依存心、甘えがある家庭内暴力が起きている家庭は、経済的に豊かで、親も教育熱心ということが少なくないようです。そんな家庭で家庭内暴力が起きてしまうのには、中学生や高校生で挫折して、学力が低下したり、親が期待しすぎたり、干渉しすぎるなどの理由で不登校になり、親への反抗から暴力をふるうようになってしまうというパターンが多いといわれています。また、ときには世代間の考え方の違いが意見の違いをもたらし、その表面化が子どもの親不信の引き金となることもあるようです。参考:「研究紀要第42号 教育相談における心理検査の活用」福島県教育センター家庭内暴力の原因出典 : 家庭内暴力は、様々な要素が複雑に絡み合って起きるため原因の特定は困難であるといえます。親の育て方が悪かったという見方をされがちですが、そうとは言い切れないこともあります。なぜなら、家庭内暴力の原因には社会的な要因、心的外傷、精神疾患などといった、親にはどうしようもないさまざまな要素が複雑に関連している可能性があるからです。親への反発が暴力を誘発しているケースが存在するのは事実ですが、だからといって親がそもそもの原因であるとする考え方は解決を図る上で有効ではありません。本章では、以上に挙げた社会的影響・心的外傷・精神疾患といった家庭内暴力の原因となりうる3つの要素を解説します。・都市化社会における対人関係の疎遠・両親の離婚・共働き・転勤などによる家族間の感情的交流の希薄化・インターネット・スマートフォンの普及による過剰刺激・暴力シーンへのアクセスの簡易化・受験競争や立身出世志向など、社会的な影響が要因となり家庭内暴力へと結びつくことがあります。・親に虐待された・学校でいじめられた・事故に遭った・進学に失敗したというような経験を通して得た親への反抗・復讐心、恐怖心、挫折感などの感情が家庭内暴力へとつながってしまうことがあります。家庭内暴力は統合失調症、強迫性障害、精神遅滞、広汎性発達障害、多動性障害などさまざまな精神疾患が背景にあることが少なくありません。次章ではそれらの中でも主な例を紹介します。家庭内暴力と二次障害ー精神疾患や発達障害との関連は?出典 : 行為障害・素行障害(Conduct Disorder)とは別名「素行症」と呼ばれる精神疾患であり、社会で決められたルールを守らず反抗的な行動を起こし続けてしまうという特徴があります。具体的な症状には人や物への暴力的な攻撃、窃盗や長期・複数回の家出などが挙げられます。詳しくは以下の関連記事をご参照ください。国際連盟の専門機関の一つであるWHO(世界保健機関)が作成する疾患の分類である『ICD-10』により定められた行為障害の中でも「家庭限局性行為障害」の症状は家庭内暴力に対応しています。家庭限局性行為障害とは家族が精神的に追い込まれ疲弊してしまうほどの激しい家庭内暴力をおこしてしまう疾患です。この暴力的な行動は家庭内だけでみられ、学校生活や友人間では問題なくうまくやっていくことができることも特徴です。家庭限局性行為障害がある場合、精神科医への相談をおすすめします。家庭内暴力は発達障害の二次障害として発症する場合もあります。発達障害が背景にあり、失敗経験を重ねて子どもが自信を失ったり落ち込んでしまったりした結果現れる二次的な情緒・行動の問題を二次障害といいます。二次障害は周囲への反抗や家庭内暴力、非行など問題行動が外に出るタイプと、うつや対人恐怖、引きこもりなど内面に向かうタイプがあります。二次障害の中でも、反抗挑戦性障害(ODD)は、別名「反抗挑戦症」とも呼ばれ、親や教師など目上の人に対して拒絶的・反抗的な態度をとり、口論をしかける、暴言を吐くなどの挑戦的な行動をおこしてしまう疾患です。反抗挑戦性障害とADHDは強い関わりがあるといわれており、年齢を重ねるとともに合併する可能性が高くなると言わています。そのような場合、元々ADHDがある人が“人間不信的行動”という二次障害として反抗挑戦性障害を発症する場合が多いです。人間不信的行動とは、自尊心・自己肯定感が低下して自分はダメな人間かも知れないと思い、そんな自分のことを誰も理解してくれないという気持ちから、周囲の人を信じれなくなったときに起こしてしまう行動のことを指します。この反抗挑戦性障害を発症している場合も、精神科・心療内科の専門医への相談をおすすめします。反抗挑戦性障害の子どもへの対応方法・接し方などに関しては、以下の関連記事を参考にしてください。家庭内暴力を行う子どもの心理出典 : 思春期の子どもが家庭内暴力をふるう理由のひとつとして、感情の抑制が効かなくなってしまうことが考えられます。イライラや不安、悲しみ、憎しみなどといったネガティブな感情が湧き出てきて、それを抑えることができなくなったとき、感情の鬱積(うっせき)が暴力となって現れるのです。家庭内暴力をふるう子どもの心理としては、だめな自分のやりきれなさを暴れることによって発散しようという気持ちと、そのような自分をつくった親に対する反抗という、二つの側面があります。ほとんどの場合、外でおとなしくて家族にだけ暴力をふるう子どもは、「暴力が悪いことだ」とは自分でも理解しています。なので、「本当は暴力をふるいたくない。でもやってしまう」という罪悪感に苦しんでしまうことも珍しくありません。暴力行為をどんなに繰り返してもモヤモヤした感じが残ってスッキリしないのは、罪悪感から自己嫌悪に陥ってしまうからなのです。暴力をふるうことで自らも傷つき、暴力をふるう自分が許しがたく、しかしそのような「許せない自分」を育てたのはやはり両親なのだ、という自責と他責の悪循環に苦しんでいる場合があるのです。参考:「研究紀要第42号 教育相談における心理検査の活用」福島県教育センター家庭内暴力の解決を目指すうえで親が持つべき心構え出典 : 家庭内暴力は様々な偶然などにより、どんな家族にも起こりえます。だからこそ、暴力が起こってしまったときや、起こりそうになったときの対応策が重要となります。本章では、家庭内暴力の根本的な解決を目指すうえで重要となるであろう、5つの「心構え」を紹介します。『暴力は親に向かう』では問題解決に向かううえでの5つの心構えとして以下のようなポイントが挙げられています。1. 現実逃避をしない2. 過去の話はしない3. いたずらに悲観しない4. 「特効薬」を求めない5. 「リスクのない解決策はない」ことを知るこれらのポイントをそれぞれ詳しく見ていきましょう。1. 現実逃避をしない子どもが家庭内暴力をふるう前段階として、ひきこもりがちになるケースがあります。そうやって子どもがつまずいてひきこもり始めたときや暴力をふるい始めたときに、根拠のない楽観論にすがって、子どものひきこもりを放置したり子どもの暴力を受容してしまうのは、解決を目指すうえでは得策でないといえます。状況を受け入れてしまうのではなく、問題の根源と向き合う努力が必要となるでしょう。2. 過去の話はしない子どもが暴力をふるう原因を過去に探ろうとして、自分を責めてしまう傾向にある親御さんも少なくありませんが、「過去の話をしない」というのも重要な心構えです。なぜなら、過去に起きてしまったことは、誰にもコントロールできないことだからです。「親も子も不完全なんだ」と受け入れ、未来のために今できることに目を向けることが重要といえます。3. いたずらに悲観しない暴力は、子どもにとっての「正当防衛」ということができるかもしれません。なぜなら、暴力は子どもが求めているものを伝えるための、自己主張の一つの手段といえるからです。意外かもしれませんが、実は、暴力もふるわずおとなしく何年もひきこもってしまうほうが解決は困難ともいわれています。子どもが自己表現の一部として暴力をふるっていることを良い機会と捉え、暴力の裏にある主張に向き合っていくことは、問題の解決に結びつく姿勢であるといえます。4. 「特効薬」を求めない家庭内暴力が瞬時におさまり、問題を根本から解決できる「特効薬」は残念ながら存在しません。子どもの隔離などの方法による、表面的・一時的な解決であれば短期間でも可能ですが、それはまだ根本的な解決とはいえません。子どもの不安や親子関係自体を解決するのには時間がかかるという覚悟を持つことは、解決を目指すうえで重要な心構えとなるでしょう。5. 「リスクのない解決策はない」ことを知るどのような解決策にもリスクというのは存在します。外に連れ出してみる、外部の機関に相談してみるなど、リスクを恐れて実行を躊躇するばかりでは、現状を打開する機会を失ってしまうことになりかねません。なにより親にとって最大のリスクは、家庭内暴力が長期化してしまうことのはずです。リスクのない解決策はないのだと知ることは、勇気を持って解決策を打つための助けとなるはずです。参考:二神能基『暴力は親に向かう』2007年、東洋経済新報社家庭内暴力に悩んだ時の相談先は?家庭内暴力は、複雑かつ対応を誤るとエスカレートしやすい傾向にあるため、家庭内で抱えこんで暴力の現場を密室化させてしまうのではなく、外に助けを求めることも重要です。家庭内暴力にお困りの場合、以下のような機関・施設が相談先となります。「子どもの養育に関する相談」、「障害に関する相談」、「性格や行動の問題に関する相談」などの育児に関する相談ができる機関となっています。各県、政令市にはほぼ一か所ずつ設置されている窓口であり、精神保健福祉に関する相談をすることができます。相談については、予約制、健康保険の適応があるところがあります。詳細は、それぞれのセンターにお問い合わせください。全国の精神保健福祉センター一覧心の症状、心の病気を扱う科です。心の症状とは具体的に不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想などのことです。心療内科は心と体の不調だけではなく、ほてり、動悸などの身体的症状とその人の社会的背景、家庭環境なども考慮して治療を行います。エスカレートする暴力行為を前に、身の危険を感じた場合は警察に相談することをおすすめします。警察に通報することで子どもの復讐心を煽ってしまう可能性がないとはいえませんが、自分の身を守るためには毅然とした態度で通報する勇気も必要となるでしょう。まとめ出典 : 家庭内暴力とは子が親に向けて行う暴力的行為(暴言や物の破壊も含む)を指し、暴力は家庭内限定で行われます。比較的おとなしい子どもが、ある時点を境に始めるケースが多く報告されており、突然の息子・娘の変化に驚き、苦悩する親御さんは多くいます。家庭内暴力の原因はとても複雑で、必ずしも親の教育やしつけが原因というわけではありません。社会的な影響や過去のトラウマ、精神疾患が原因であることも多いのです。そうした事実を踏まえ、ときに家庭外の第三者の協力も得ながら、対話による意思疎通をベースに解決を目指していくという方法を参考にしてみてはいかがでしょうか。
2017年02月15日ノロウィルスの季節。子どもがノロに感染すると、家事や仕事にも影響が出ることから、恐怖におびえるママは多いはず。ノロのもっとも怖いところは、家庭内感染。とくに看病疲れで免疫力がさがると、今度はママがぶっ倒れてしまうことも。そこで予防法に加えて実際に家族が感染した場合、少しでも家事と看病をラクに乗り切る方法をご紹介します。■まずは自身の感染を防止しよう突然のおう吐! しかもマーライオン並み! それがノロの幕開け。ギャーッと慌てふためき、何から手をつけていいかわからなくなったら、それはノロとの戦いに負けを認めたことに。「備えあれば憂いなし!」、いまこそママは冷静に動きましょう。そして子どもを看病するためにもママが倒れるわけにはいきません。まずは自分の感染を防止するようにしましょう。<ノロウイルスによる感染性胃腸炎のまん延を防止する方法は?>家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、そのまん延を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。厚生労働省「食中毒の原因(細菌以外)」「ノロウイルに関するQ&A」: 厚生労働省 吐しゃ物やオムツを素手で触るのは厳禁です。処理の際は手袋をしましょう。薄手の使い捨て手袋が便利です。そして、ノロウィルスは空気感染するといわれていますので、家の中でもマスクを着用。手洗いは泡でしっかりと。吐いた場所の消毒はもちろん、忘れがちなドアノブの消毒も早めに済ませましょう。なお消毒は、「塩素消毒液」を使用します。これらは市販でも売っていますし、また自宅にある次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。■看病疲れを防ぐポイントは「洗濯対策」ノロはまさに洗濯地獄。塩素系漂白剤を使って消毒するのもよいですが、色落ちして使えなくなることもあります。このためあらかじめ「ノロ用の古着」を用意し、どんどん捨ててしまうという方法もアリです。捨てるときには、ビニール袋に密閉を。ソファや布団の上に直接吐かれると処理が大変なので、古いバスタオルも一緒に用意しておきましょう。古着同様、捨てても惜しくないものをあらかじめ敷いておきます。洗濯での体力・精神ダメージは意外と大きいので、家族全員で共倒れしないためにもこの対策はおすすめです。■ノロの季節に常備しておきたいグッズ●食事対策料理は最低限の労力で済ませるのが得策です。レンチンできる白飯とレトルトのカレー、パスタの麺とレトルトのソースを家族分用意しておきましょう。これで最悪でも2食はしのげます。それから水分補給用のスポーツドリンク、エネルギー補給用のゼリーなどもあるとベストです。ノロウィルスにかかった子どもの食事は、医者の指示にしたがいましょう。●消毒対策ノロウイルスには、塩素系消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効とされています。このため家庭内感染を防ぐために、塩素系消毒剤(塩素系漂白剤で代用可能)を常備しておきましょう。実際に使用するときには、原液を薄めて使うため、100均などで購入できる携帯用スプレーボトルをあらかじめ用意しておくと便利です。この消毒剤を汚れ物やオムツ、ごみ袋などにも念のためスプレーしておくと二次感染の防止につながるといわれています。なお塩素系消毒剤を使用する際には、よく使用上の注意を確認のうえ、使用ください。ノロは突然襲ってきます。平穏なうちに対策を打ち、万一に備えてくださいね!<参考サイト>・厚生労働省「 ノロウィルスに関するQ&A 」・厚生労働省「 ノロウイルス食中毒予防対策リーフレット (PDF[3,260KB])」
2017年01月09日こんにちは。子育て研究所の佐藤理香です。新しい年を迎える時期になりました。園や学校が休みに入るため、家庭内で過ごす子どもが多くなります。また、年末年始は何かと人に会うことが多くなる時期で、気忙しくなります。こんな時期に注意したいのが子どもの事故。ちょっと目を離したすきに……が大きな事故につながりかねません。今回は東京消防庁と東京都がまとめたデータ等を参考に、家庭内で起きやすい事故 について確認していきましょう。●乳幼児の事故が多い場所は?東京消防庁の調べによると、平成18年から22年までの5年で約44,225人の乳幼児が救急搬送されました。特に1歳、2歳の子どもの事故が目立ちました。驚くべきは、事故のうち7割は、住宅の中で起こっている ことです。特に、お風呂で溺れる、階段やベランダから転落するというケースは命を落とす大事故につながる可能性があります。●年末年始に気をつけたいこと(乳児~3歳まで)3歳までの乳幼児は、言葉が未熟である、物事を理解することがまだ難しい、実際に行動できる能力が乏しいなど、多くの理由で事故が起こりやすい年齢です。年末年始は、周囲の慌ただしさもあって、つい油断しがちになります。特に以下のことには気をつけましょう。●(1)つまずきやすい物や段差乳幼児はちょっとした物や段差でつまずきます。この時期は親戚の家や実家など、いつも過ごす家庭とは別の場所に出かけることも多いもの。足元を確認してあげましょう。●(2)階段の上り下りはサポートを1歳前後から歩きはじめ、そのうち階段を上手に上り下りできるようになります。しかし、3歳までの子どもはまだまだ不安定でいつ転落するかわかりません。階段を利用する場合は、手をつないだり、親が下側を歩き支える などの対応を癖づけましょう。●(3)スプーンやペン、歯ブラシなどをくわえたままにしないものをくわえたまま走るなどすると、転倒したときに口を切ったり、のどを突いたりします。おもちゃも含めて、必要時以外は口にくわえたままにしないようにしましょう。●(4)ヒーター、ストーブ、鍋など熱いものに注意一段と寒くなる時期ですので、暖房を使ったり、温かい食べ物が欲しくなったりします。ヒーターやストーブを利用している場合は柵(ガード)の利用 がおススメです。キッチンでの調理中も注意が必要ですが、鍋のままサーブするときは、必ずテーブルに大人がつき見守るようにしましょう。●(5)医療品、化粧品、洗剤、薬剤などは子どもの手の届かないところに保管歩き出しのころの幼児は何でも触りたがります。自宅では、薬や化粧品、洗剤などの薬剤は蓋をしっかりしめて、子どもの手の届かないところに保管しましょう。他の住居に行った場合には、子どもは見たこともないものに大興奮。どんどん触れようとするので、目を離さないようにします。●(6)入浴後、お風呂のお湯を抜くお風呂にほんの数cmのお湯が残っているだけでも、乳幼児は溺れます。入浴後はお湯を抜く ようにしましょう。残り湯を家事に利用している場合は、入浴後は浴室に子どもが入らないようにし、できるだけ早くお湯を使いきりましょう。●(7)のどに詰まりやすい食べ物は小分けにして与える正月といえば“もち”ですが、それだけでなく“みかん”や“ごはん”ものどに詰まりやすいと言われています。子どもが集まれば、気づかぬうちにお菓子を口に入れていることも!特に、あめ玉や丸いチョコレート菓子 には十分注意しましょう。----------いかがでしたか?さまざまなリスクを列挙しましたが、一番大切なことは、側で見守る大人が油断しないことです。ちょっと目を離したすきに……が一生の後悔とならないように、おしゃべりやお酒はほどほどに、子どもへの注意をはらってあげたいものですね。【参考リンク】・平成23年乳幼児の事故を防ごう~「救急搬送データからみる乳幼児の事故」の情報提供について〜 | 東京消防庁(PDF)()・年末年始の事故防止ガイド | 東京都(PDF)()・子どもに安心をプレゼント | 東京都福祉保健局(PDF)()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/いちご姫(いちごショートくん)
2016年12月30日周囲でよく耳にしていた「家で暴れる発達障害児」。その実態とは出典 : 発達障害児を育てている親たちからよく聞く困りごとの1つに「子どもが家で暴れて困る」というものがあります。更に、その暴力暴言の標的は母親であることが多いです。私も何度か子どもの暴力で悩む母親と話をしたことがあります。そのお母さんの手には、引っかき傷やあざが沢山ありました。全部、発達障害の子どもからの暴力による傷だと言います。ところがその、「家で暴れる子ども」に外出先で会うと、(変な表現ですが)とてもそんな風には見えない「普通の子」であることが多いのです。お母さんや兄弟姉妹とも、外ではとても穏やかに接していることが多く、公共の場で見る態度はとても模範的です。「こんないい子がどうして…」という場合がほとんどです。だからこそ、悩む母親が多いようです。体中に傷をつけられている状態なのに、周囲からは「こんなにいい子なのに」「普通じゃない?」「信じられない」という言葉をかけられることが多いからです。一体なぜ、子どもたちは家の中と外とで態度がこんなに違うのでしょうか?息子にも現れ始めた、暴力・暴言。やはり周囲にはなかなか理解してもらえず…出典 : 歳になってから落ち着きが出てきた我が家の息子。発達障害と診断された頃は、家で癇癪を起こしては何時間も泣きわめき、それはそれは大変でした。しかし最近は癇癪のコントロールも上手になり、感情を爆発させることが少なくなってきました。何よりも社会性が伸び、幼稚園でもしっかりと人間関係を構築し始めました。しかし、息子のこの「社会性の伸び」と相反するように、私に対する暴力・暴言が始まったのです。毎日毎日、「このバカヤロー!」「うっせぇ」「くそボケ!」と、びっくりするような言葉が息子の口から飛び出します。少しでも気に食わないことがあると、拳を振り上げ私にかかってきます。6歳であっても、このような暴力・暴言は身に応えます。出典 : ところが息子は、園や習い事など公共の場では、実に手のかからない「模範的な子」なのです。このため私の悩みは、どこにも理解してもらえませんでした。以前幼稚園の遠足で、息子が私のことを拳で叩きまくっているところを、たまたま先生が見かけたことがあります。先生はびっくりして、「○○くん、お母さん痛いでしょう。どうしたの!?」と止めに入りました。「いつもこんな感じです…」と私が言うと、先生は「信じられない…普段は本当にみんなに優しいんですよ…」と目を丸くしていたのを覚えています。どうして母親にだけ暴言・暴力が現れるのだろう出典 : 発達障害児の母親に対する暴力・暴言はなぜ現れるのでしょうか。外で頑張っているから家で爆発している、という意見もよく聞きます。だから母親は受け止めてあげるべきだとも言われます。けれども、徐々に身体が大きくなっていく子どもの暴力・暴言を全て受け止めきれるほど、母親は強いものではありません。限界があります。発達障害児は人間に対してもこだわりを持つことがあります。息子は小さい頃、物にこだわりがありましたが、それが思い通りに動かなかったり壊れたりすると、よく癇癪を起こしていました。そのこだわりが、人間にも向き始めているのでは…?つまり、母親に対する暴力・暴言は「母親こだわり」なのかもしれません。そして、思い通りに動かない母親に対して、癇癪を起こしている気がします。それが、暴力・暴言という形で出ているのだと私は思っています。けれども、母親は発達障害児の「お気に入りの物」ではありません。暴力・暴言を受け続ければ、母親といえども壊れます。極端な態度を少しでも緩和させるには出典 : 息子の様子を日々見ていて感じるのは、「発達障害児の暴力・暴言を、声かけ1つで変えていくのはとても難しい」ということです。このため、母親への内向きのこだわりをなくそうと努力するのではなく、外向きのベクトルを増やしていく必要があると思います。家庭の外でも、自分の気持ちが言えたり、自分を受け入れてくれる場所をたくさん持っておくこと。そうすることで、母親を思い通りにしたいというこだわり行動は、少しずつ薄れていくのではないかと私は信じています。外で常に模範的な態度をとることは、決して理想的ではないと思うのです。それがストレスとなり、内向きのこだわりをますます強めてしまっている可能性があります。外では模範的、内では暴力・暴言という極端な態度が、その子の基本行動になってしまわぬよう、外でも自分を崩すことのできる相手を増やしていくことが必要かもしれない、そう思うのです。
2016年12月15日DVの相談件数も年々増えてきており、内閣府男女共同参画局が平成28年9月16日に公開した、「配偶者暴力相談支援センター」への相談件数は年間で10万件を超えています。DVと言えば、男性から女性に対して振るわれる暴力を思い浮かべる人が多いかと思いますが、女性から男性に対して行われる暴力も決して少なくありません。この、女性から男性に対して行われるDVを逆DVとでも呼ぶのでしょうか。今回は、その逆DVの被害にあった際にするべきことについてご紹介したいと思います。*画像はイメージです:■夫のDV被害特有の問題点夫がDV被害者の場合、妻のDV被害に比べて、被害が明らかになりにくいという問題があります。もちろん、妻が被害を受けている場合も、他人に相談できずひとりで問題を抱え込むケースは少なくありません。しかし、近年は女性に関しては公的な支援が浸透してきたこともあり、そのような機関や周囲の人たちに相談をする女性も増えてきたようです。これに対して夫の側は、おそらく、そもそも女性である妻から暴力を受けているという事態を、男性として恥ととらえる傾向が強いといえるでしょう。また、「家庭も満足に仕切れない男がろくに仕事などできるわけがない」などと見られる可能性もあり、勤務先での立場が悪くなると考える傾向も強いようです。そのため、周囲に相談できず、被害に耐え忍ぶケースが非常に多いといえます。写真や録音などの証拠が残っているケースも極めて少ないため、夫のDV被害は明らかになりにくいといえます。また、これらの問題をクリアして調停や訴訟で離婚の手続をとることが可能な場合でも、夫と妻の間の経済格差から慰謝料を妻からとることが難しいといった問題があります。養育費や財産分与をするとなると、被害者は夫であるにもかかわらず、離婚によって妻の側が経済的に得をするケースも少なくありません。離婚に至っても、夫の側には不公平感が残る結果になってしまうのです。 ■DVを受けたらすべき対策やはり、一般的には、夫の場合、「女である妻から一方的に暴力を受けている」という主張について、疑いを持たれやすいことは否定できません。ですから、暴力を受けて怪我をした場合には、必ずその状況を写真にとっておく、キレ始めた妻の状況などを明らかにするために、途中からでもいいので可能な限り録音する、暴力を受けたら、そのことを日記やメモにしてリアルタイムで残しておく、病院にいて診断書をとっておく、など、マメに客観的な証拠を残しておくことが重要ではないかと思います。そして、離婚の手続については弁護士に、身辺の安全を確保するためには警察や公的な相談機関などに相談することが必要です。慰謝料をもらえなくても、実質的に慰謝料相当分を考慮した条件で離婚する(例えば財産分与を調整する)ことも、状況次第で可能になることもあります。 ■恥ずかしがらずに相談することが第一歩男性のDV被害を幅広く救済するためには、被害を受けている男性ひとりひとりがその被害を申告・相談することが第一歩となります。被害男性の声がもっと広がれば、男性のDV被害は恥ずかしいことではなく、被害を受けたことを前提とした条件で離婚することも徐々に可能になっていくのではないかと思います。 *この記事は2015年9月に公開されたものを再編集したものです。*著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)【画像】*けいぞう / PIXTA(ピクスタ)【参考】内閣府男女共同参画局-配偶者からの暴力に関するデータ
2016年11月24日バイオリニストの高嶋ちさ子(48)が、5日に放送された日本テレビ系バラエティ番組『メレンゲの気持ち』(毎週土曜12:00~13:30)にゲスト出演し、家庭内のルールを明かした。「超厳しいルール」として紹介された1つ目が「電化製品は夜7時まで」。小学1年生と4年生の息子は19時までに夕食を済ませ、風呂に入って就寝前に日記。だいたい20時までには寝かせているという。ちなみに、"バキバキ事件"で話題になったゲームも、19時以降はもちろん禁じられている。小遣いについては、「これを言うとまた炎上しがち」と前置きしながら、「成功報酬」と説明。運動会などで1位になると100円を与え、4位になると400円の罰金を科している。「1位と4位にはそれぐらいの差がある。"もらう"と"とられる"ぐらいの気持ち」と競争意識を刺激する狙いがあるようだ。一方、「趣味はつくらない」は夫婦間の暗黙のルール。これは、共働きであることから互いに子育てを優先するためで、夫は一人目が生まれた時に自主的にゴルフをやめたという。出演者からは「えらい」「やさしい」など、称賛の声が上がっていた。
2016年11月05日ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーは離婚前からすでに家庭内別居していたようだ。12年間に渡って人生を共にしてきた2人だったが、アンジェリーナが今月19日に離婚申請を行う前から、ハリウッド・ヒルズにある広大な自宅の敷地内で別居していたのだという。ブラッドに親しい関係者は、Usウィークリー誌に対し「アンジェリーナは自分用の棟を持っていて、ブラッドも自分の棟を持っていました」「彼らは別々に暮らし始めていたんです」「だんだんと口論が頻繁になってきたからです」と語る。ブラッドは新作映画『マリアンヌ』の撮影中に、アンジェリーナとの関係について友人たちに明かしていたようで、ある関係者は「2人の関係がうまくかないことは過去にもありましたが、今回が2人にとって一番困難な時期だったと言っていました」と話す。その一方でアンジェリーナの親しい関係者は「彼女は他人に自分のプライベートなことを話題にされるのが我慢ならないんです」とコメントしている。ブラッドとアンジェリーナは婚前契約を結んでいたため、4億ドル(約406億円)とも言われている2人の資産分与に関してはそれほど大きな問題が起きることはなさそうだ。2人は計12の物件を所有していると言われているが、全て2人が結婚する前に購入したものだという。7つの物件はブラッド、2つの物件はアンジェリーナが所有しており、ニューヨークとニューオーリンズ、フランスにある物件は2人が結婚する前に共同購入したものだが、婚前契約書にどのように分与するのかは明記されているそうだ。(C)BANG Media International
2016年09月30日乾燥しやすい冬などは火災が多いといわれていますが、じつは暑い季節もリスクが高いようです。家庭には、見落としがちなポイントがあります。そこで今回は、意外な火災の原因を紹介します。■太陽の光に注意して子どものころ、虫眼鏡で太陽の光を集めて、紙を燃やす実験をした人も多いことでしょう。これと同様のことが、ベランダや庭で起こる可能性があります。水を入れたペットボトルを庭に置いて、ネコよけにしている家庭がありますが、これがレンズのような働きをして火事になることがあるようです。ペットボトルは猫よけには効果がないといわれていますので、設置している場合はすみやかにやめましょう。幼稚園でヒヤシンスの水栽培をしていると、子どもが持ちかえってくることもあります。この容器も同様に火事の原因になることが報告されています。カーテンなどに着火する可能性があるので、燃えやすいものを近くに置かないように注意しましょう。■家電製品から火災が起こる家電製品も、使い方をまちがえると火災の原因となります。コンセントとプラグの隙間にほこりがたまって火災を引きおこす「トラッキング現象」は知られるようになりましたが、コードの扱いについてはまだ注意を払う人が多いとはいえません。ドライヤーは、コードを本体に巻きつけて収納したくなりますが、これが断線をまねくもとに。そのまま使いつづけると、火が発生する可能性があります。また、乾燥機による火災事故も報告されています。原因は、アロマオイルのついたタオル。アロマオイルは酸化すると発熱しやすく、発火する恐れがあるのだとか。アロマオイルがついたら40度くらいのお湯で洗う、油汚れ専用の洗剤を使うなどの工夫をすると、落ちやすくなります。しかし、一度付着すると落ちにくいので、乾燥機を使わず自然乾燥するのが賢明です。■動物が火災の原因に家で飼っているペットが原因で、火災を引きおこすケースも。線香などの火がついたものを倒してしまうだけでなく、コンセントに尿をかけてしまい火事になることもあるそうです。ペットの動線には火がついているものを置かないのはもちろん、コンセントなどの火災の原因になりやすいところへ入れないように工夫をしましょう。ペットを飼っていなくても、いつの間にか侵入したゴキブリやネズミが火災の原因になることもあるそうです。とくにゴキブリは、どんなに狭い隙間にも入ってしまいます。分電盤やコンセントと壁の間に入ると、配線をかじられることもあるそうです。また、死がいなどがトラッキング現象を引きおこしたりすることも。できるだけ家に近寄らせないよう、殺虫剤で駆除するなどして、リスクを防ぎたいですね。「火のないところに煙は立たぬ」といいますが、台所などの火を使うところでなくても火災が発生する可能性があります。そのことを忘れないようにしたいものです。
2016年09月06日誰だって、平和な毎日を送りたいもの。そのため、「自分の子どもにはいじめや校内暴力のない学校に通わせたい」と思うのが親心ですよね。そこで気になるのが、校内暴力の発生件数。毎年秋ごろに、文部科学省が前年度の校内暴力の発生件数を都道府県別に発表しているのをご存知でしょうか?実はこの数字には、知られざる裏事情があるのです。今回はそれも含めて、校内環境の実態について言及していきたいと思います。■校内暴力が本当に多いのは大阪・高知・京都まず、文部科学省の発表を見ると、平成26年度の校内暴力の発生件数は以下の通り。1位:大阪府(10,116件)2位:神奈川県(6,716件)3位:千葉県(3,665件)しかし、1,000人当たりの発生件数に換算すると2位と3位が変わります。1位:大阪府(10.6件)2位:高知県(8.2件)3位:京都府(7.9件)神奈川県や千葉県の発生件数が多いのは、単純に人口が多いからだと判断できます。では、大阪府や高知県、京都府はいじめや校内暴力の多い地域だといえるのでしょうか?■統計には含まれない集団暴行を受けた過去が私は、大学を卒業して1年目に公立の中学校に赴任しました。あるとき、生徒間のいじめを止めに入った結果、激昂した問題児たちに羽交い締めにされ、集団暴行を受けました。事件は警察沙汰になりましたが、校内で揉み消されたため、教育委員会に報告されることはありませんでした。文部科学省の統計は全国の教育委員会からの報告によるものなので、私が被害にあった事件は、その年の統計には換算されていないことになります。詳しくは、当時の事件を漫画化していますので、私のホームページをご覧ください。無料で読めます。■統計の数字では校内暴力の真実はわからない2011年の大津市中2男子いじめ自殺事件を受けて、いじめ防止対策法が成立し、学校の隠蔽体質は少し改善されたようです。しかし現役教員の話を聞いている限りでは、まだまだなくなってはいないようです。では、それらを踏まえた上で、この統計を見るとどうでしょうか?そうです、校内暴力の発生件数が多い地域は、報告義務を果たしているといえそうなのです。逆に、発生件数の少ない地域はどうでしょうか?でも、もしかすると、発生件数の多い地域は、隠蔽した上でこの数字なのかもしれませんし、発生件数の少ない地域も、報告義務を果たした上でこの数字かもしれません。つまり結局のところ、これらの統計を見たところで、地域や学校の環境などは一切わからないのです。■学校が校内暴力事件を揉み消そうとする理由では、なぜ学校はそこまでして事件を揉み消そうとするのでしょうか?答えは簡単です。責任を問われるからです。そんなの当たり前だと思われるでしょうか?いじめが発生した場合、それは学校の責任でしょうか?教師の責任でしょうか?担任の責任でしょうか?私はそうは思いません。私の子どもが学校でいじめにあっていたとして、担任からその報告を受けたとします。私であれば「事件が大きくなる前に、よく報告してくれた」と感謝します。しっかりした担任だと信頼します。いじめの報告があれば、保護者間で連携をとり、地域で監視する体制を整えることが可能になるかもしれません。報告がない状態では、なんの対策も打てません。しかしながら世の中の保護者は、どうもそうは思わない人が多数派のようです。校内で起こる事件はすべて学校の責任であり、いじめが起こるのは、担任の指導不足であると捉えられるのです。だから、学校はいじめの報告に対して消極的になります。本当に学校が悪いのでしょうか?■事件後に「今後どうしていくか」を考えようたとえば、ある地域で殺人事件が起こったとします。殺人事件が起こったのは、その地域の管轄の警察の責任でしょうか? 違いますよね。学校も同じです。たしかに事件を未然に防ぐことは重要ですが、100%完全に防ぐことはできません。重要なのは、起こったあとに、責任が誰にあるのかを問うことではなく、これからどう対処していくかであるはずです。いじめの報告があったとき、いじめが起こったことを嘆くのか、大事になる前にわかったことに感謝するのか、どちらがいじめの発生件数を抑えることにつながるしょうか?学校はもっと、保護者に助けを求めてもいいし、保護者はもっと学校に対して協力的でいい。そうやって、開かれた環境で、地域全体が子どもを育てる。そうなれば素敵だと思いませんか?責任のなすり付け合いに、建設的な未来などあり得ません。(文/元教師・教育問題漫画家・眞蔵修平) 【参考】※眞蔵修平ホームページ※眞蔵修平Twitter※眞蔵修平Facebook
2016年08月13日歌手のクリス・ブラウン(27)が、マネージャーに暴力を振ったとして訴えられている。マイク・G氏が、先月にクリスから顔と首を繰り返し殴られ、病院へ搬送されることになったと主張している。マイク・Gの弁護人パティ・グレイザー氏はTMZに対し「クリス・ブラウンに傷をつけないために、公の場ではないところで解決するようできることは全てしました。残念ながら、我々の訴状の筋を立てていく中で、クリス・ブラウンは自分自身が最大の敵だということを証明してしまったのです」と話す。クリスは2009年のリアーナへの暴行に対する罪状を認めた後、イメージ回復を図る目的でナイトヴィジョン・マネジメントのオーナーであるマイク・Gを2012年に雇用したといわれていた。マイクの連絡先はまだクリスのウェブサイトに記載されている状態だ。そんなクリスは、1カ月ほど前にもある男性の頭を踏みつけたとされていた。カンヌ国際映画祭が開催されていた先月18日に、ナイトクラブでステージに立った際、クリスが大勢の観客から逃れようとした後にマレク・モクラーニさんの頭を踏みつけるような場面をとらえた映像が公になっていた。マレクさんが喧嘩を始めたかどうかは明らかになっていないが、マレクさんは頭と首の痛みに対する治療を受け、顔にはひどいアザが残り、首に頚椎装具をつけた姿も目撃されていた。(C)BANG Media International
2016年06月25日こんにちは。1歳児の子育てに奮闘中の、ママライターなかやまあぽろです。家庭内で起こる“子どもの事故”については大小さまざまありますが、よく耳にする「子どもの誤飲事故」は、どれくらい起こっているかご存知でしょうか。平成22年度に『東京都生活文化局』が2,000人を対象に行った、「0歳から6歳の子どもの誤飲事故のアンケート」によると、「子どもが誤飲した経験がある」と答えた人は全体の35.3%(705人)、「誤飲しそうになった経験がある」割合は、40.4%(807人)という結果で、そのほとんどが0歳~2歳の乳幼児でした。約7割の子どもが誤飲事故一歩手前だった、もしくは事故になってしまったという結果から、決して「わたしの家は大丈夫」とは言い切れませんね。また、誤飲だけが家庭内で起こる事故ではありません。今回は医師会が指導する、家庭の場所別トラブル回避アドバイス をご紹介します。ぜひパパも一緒になって安全対策の計画を立ててみてください!●赤ちゃんが“つかまり立ち”を始めたらすぐに安全対策を!多くの赤ちゃんは生後約8~9か月ほどで、“ずりばい”から“はいはい”にステップアップし、“つかまり立ち”もできるほどに成長します。同時に、この時期から指の使い方も上手になり、片手で一つずつものをつかんだり、左右の手を別々に動かしたりなど複雑な動きもできるようになります。大丈夫だろうと思っている引きだしでも、簡単に開けて危険なものを口にしてしまったり、はいはいで遠くまで移動し、目が届かない場所で転落などの事故につながってしまったりする可能性もあります。赤ちゃんがつかまり立ちを始めたら、すぐに事故に巻き込まれないように対策を始めたいですね。●(1)家庭内のどこでも起こりうる事故の対策●コンセント小さいものや細かいものを穴に入れ、感電するおそれが。手が届くコンセントにはカバーをつけましょう。●引きだし細かな日用品を整理するのに便利な引きだしですが、赤ちゃんが開けて誤飲をしてしまうことも。手が届く範囲の引き出しには、ロックを後付けするか、危険なものは一切入れないようにしましょう。●コードやひもさしっぱなしのコードで遊ぶと感電したり、紐状のものを首に巻いたりし、絡まって窒息する事故も想定されます。家電のコードは赤ちゃんの目につかないように目隠しをし、紐状のものは片づけるようにしましょう。●(2)リビングでは特に誤飲に注意!●硬貨や薬、たばこ子どもは目についたものは何でも口にすると考え、細かなものは必ず手の届かない場所に置くことが重要です。パパもうっかり忘れてしまいがちですが、家族で協力して対策しましょう。●温風ヒーター冬になくてはならないヒーターですが、赤ちゃんが近づかないような対策だけではなく、温風が直接届く場所に寝かせておかないなど、低温やけどの対策 も同時に行いましょう。●(3)寝室では転落しないように、踏み台になるものをおかないで特にベビーベッドは柵を上げれば安心だと思われがちですが、踏み台になるぬいぐるみやクッションがあれば転落の可能性もあります。また、寝ているときは窒息しないようにスタイを外し、大人用ベッドに寝かせる場合は赤ちゃん一人にしないようにしましょう。●(4)おふろや洗面所では、溺水防止のために、浴槽の水は貯めない●洗濯機や浴槽必ず水を完全に抜き、溺水を防止しましょう。また、覗きこめるような踏み台となるものを近くに置かないで。トイレは毎回ふたを閉める ようにしましょう。●洗面台の小物や清潔用品誤飲のおそれがあるので、手が届かない場所に保管を。●カミソリやヘアアイロンカミソリをさわったり口に入れたりすることでけがをします。また、使用したばかりのヘアアイロンでもやけどのおそれが。使用したらすみやかにコードをまとめて手が届かない場所に置きましょう。●(5)階段や玄関では、少しの段差でも転落の可能性が。目を離さないで!●玄関ドアに手を挟んだり、マットやスリッパでつまずいたりすべったりするおそれが。パパのゴルフバッグも簡単に倒れてくるので、安全な場所に移動させましょう。●縁側や階段、玄関の段差少しの段差でも転落の危険が。階段にはロックができるゲートを設置したり、玄関にはクッション材などを敷いたりするといいでしょう。●(6)キッチンやダイニングなど家電製品が密集する場所は、やけどに注意!●家電製品電気ポット、炊飯器などは誤って倒してしまったり、蒸気に触れたりしてやけどの危険が。コードも引っ張れないように工夫して。●刃物シンクの包丁入れは簡単に開けてしまいます。ロックをかける ようにしましょう。●テーブルクロス子どもが引っ張れないようにテーブルクロスはなくしましょう。----------家中のどこにでも事故の危険はひそんでいます。意外なところで転んでしまったり、気づかないうちになにかを拾って食べていたりと目が離せません。“赤ちゃん目線”を大切にしながらお部屋作りをしたいですね。【参考文献】・「妊娠生活2013ー2014:初めての妊娠、出産、産後まで。この1冊があれば安心!」おはよう奥さん編集部・『パパスイッチオン!ぎふイクメンへの道』岐阜県少子化対策課・作成、岐阜県医師会・監修●ライター/なかやまあぽろ(ママライター)
2016年06月17日女優のアンバー・ハードが、夫で俳優のジョニー・デップから過去に何度も暴力を振るわれていたことを、アンバーの友人でありTVプレゼンターのアイオ・ティレット・ライトが明かしている。アンバーがiPhoneをジョニーから投げつけられたとされる喧嘩に陥った際、当時2人と電話中であったアイオが警察に通報していたのだが、ジョニーがこのような行動に出たのはそれが初めてではないとウェブサイトRefinery 29に投稿したのだ。「アンバーは自分でやらなかっただろうから私が警察に通報したの」「私は2人と電話中だったんだけど、電話を落とした音が聞こえて、ジョニーが『もし俺が君の髪の毛を引っ張ったら?』と言っているのが聞こえたの。そしてアンバーは叫びながら私に助けを求めていたわ。今まで何度もセレブたちの沈黙を破ってこういうシチュエーションに警察を呼ぼうと思ったことか」ジョニーはこういうことが起きるたびに「2度とこういうことはやらない」と誓ったというが、昨年12月にもジョニーが自制心を失う出来事があったとアイオは続ける。「毎回そういうことが起きるたびに、アンバーはジョニーを守ることを第1に考えていたわ。私は彼らの家に行っていたから知っているのよ。アンバーの唇が切れてしまっているのも見たし、床に髪の毛の塊が落ちているのも見たわ」過去にはジョニーと兄弟のように仲が良かったというアイオだが、「彼は私の友人だったし、大好きな人だった。兄弟と慕ったほどよ。優しくて、紳士的で、時に怒りっぽいダークな部分はあるけど、素敵な心を持った人だったの。だから悲惨な状況を見るまで、信じたくなかったわ」と語った。(C)BANG Media International
2016年06月10日ロサンゼルス市警察がアンバー・ハードへの家庭内暴力に対してジョニー・デップの調査に乗り出したようだ。先週ジョニーがアンバーに対してiPhoneを投げつけたとされている出来事について、もともとアンバーは警察に陳述していなかったのだが、ジョニーとその弁護団がその時の様子を話すようアンバーに強く求めたことで、このほど警察が調査を始めたとアンバーの弁護団は主張している。ロサンゼルス市警察の広報担当者はこのような申し立てがあった際には常に調査を行うようにしているとバラエティ誌にコメントした。先週、ジョニーとの離婚を申請したアンバーはジョニーから暴行を受けたことを訴え、一時的な接近禁止命令を獲得しており、アンバーの弁護団はアンバーはジョニーから数年間にわたって暴力を振るわれていたと話している。同弁護団は、アンバーが家庭内暴力について語らなかったのは自身のプライバシー、そしてジョニーのキャリアを守るためだったという。サマンサ・F・スペクター弁護士とジョセフ・P・ケーニッヒ弁護士は「ロサンゼルス市県警に陳述しないとしたアンバーの最初の決断は、結果的にジョニーの弁護団に利用される形となってしまいました。アンバーは自身のプライバシーとジョニーのキャリアを守るためにロサンゼルス市県警へは話さなかったのです」「ジョニーの弁護団は事実に沿った記録を作り、メディアによって報じられているような悪意のある間違いや濡れ衣をアンバーがこれ以上話し続けることができないように、アンバーにロサンゼルス市県警へと陳述するよう強要したのです。アンバーは数年間にわたってジョニーからの身体的、精神的な暴力を受けていました」と語った。さらにアンバーの弁護団は、この訴えはお金のためにやっているわけではないと続け「私たちは解決に向けて王道を行こうとしました。しかしジョニーの弁護団はすぐにメディアに向けて発表を行い、アンバーを攻撃し始めたのです。アンバーは家庭内暴力の被害者であり、お金のために訴えているわけではありません」「アンバーは勇敢な女性であり、金銭的にも独立しています。彼女はジョニーの残酷な弁護団や代理人に対して正しいと思ったことをやっているだけです。家庭裁判所は正体不明の人物たちの発言によるソーシャルメディア上の誤報に影響を受けることはありません。アンバーは被害者であり、ヒーローなのです」と話している。(C)BANG Media International
2016年06月02日