今年の富士山の初冠雪は9月12日。雪化粧こそ美しい。そんな富士山が噴火したらどうなるのか?付近一帯は噴石と火砕流で破壊され、風に運ばれた火山灰は日本の機能を麻痺(まひ)させる。駿河湾まで達した溶岩は交通網を寸断し、10年規模の被害を日本に見舞うことになるのだ。■キレる富士山富士山は日本で一番高い山で、日本最大の活火山だ。およそ70万年に「先小御岳」として誕生し、その後3回の大規模噴火で現在の「新富士山」となった。それ以降も、奈良時代から現在までに10回の噴火が観測されている。平安時代の貞観(じょうがん)噴火では、青木が原(あおきがはら)樹海を溶岩で埋め尽くし、「せのうみ」と呼ばれていた湖を精進湖と西湖に分断した。最後の大がかりな活動は1707年の宝永噴火で、江戸にまで響く爆発音と16日間に渡る噴火が記録されている。幸いにも溶岩は流出しなかったようだが、大量の火山灰が家屋を埋め尽くし、河川をせき止め洪水を引き起こした。781年の貞観噴火から宝永噴火までおよそ1,000年。期間と回数で単純計算すると、富士山が我慢できる限界は100年間となる。1707年以降は噴火していないので、現在は許容量の300%を越える。人間ならいつキレもおかしくない状況だ。耐え難きを耐えた富士山は、ある日鬱憤(うっぷん)を大量のガス、噴石、火山灰にして天へと突き上げる。山頂にマグマが達するのを待てず、中腹から噴火する可能性が高い。噴火高度が25kmを超える火山爆発指数(VEI)5では、二酸化窒素やちりが長期に渡り成層圏を曇らせる。VEI=6以上となると火口付近を吹き飛ばし、爆発カルデラと呼ばれる窪(くぼ)地を生み出すこともある。いびつに変形した富士山など見たくもないのだが。最初に感じる異変は、噴火の衝撃が生み出す空振(くうしん)だ。低周波なので人間には聞き取れないが、建物や窓を揺らし、ガラスを割ることもある。つぎに火山灰がやってくる。周辺一帯を埋め尽くすだけでは満足せず、偏西風に乗って関東地方を攻撃する。予想される年間降灰量は、ふもとで1m、神奈川は20cm、川崎や千葉が10cm。東京都心は数cmだが、交通をマヒさせるのにじゅうぶんな量だ。名前は灰だがガラス質なので、水に流すことも家庭ゴミにもできない。焼却炉やジェット・エンジンに吸い込まれると、溶けて内部を焼き付かせる。視界不良とあいまって、羽田と成田空港は無期休業だ。目に入れば結膜炎や失明、吸い込めば塵(じん)肺の原因となるので、外出時はスキーのゴーグルや防護メガネ、防じんマスクが手放せない。身じたくが整ったら日課の「灰かき」だ。放っておけば重みで屋根がつぶれるし、側溝が詰まれば汚水があふれ出す。梅雨は特に念入りに。水を吸った火山灰は重さが増し、木造家屋など指先ひとつでダウンさ。■富士山より生中継この瞬間に富士山を登るあなたは、地獄を体験する。まず噴石の洗礼が始まる。噴火の勢いで飛び出す噴石は、400~500℃の高熱と銃弾並みのスピードであなたを貫こうとする。どこに逃げるべきか?と考えるだけムダだ。噴火口から全周に向けて飛び出す噴石から、安全な場所などありはしない。ふもとを目指してひたすら走り続けよう。迷わずいけよ、いけばわかるさ。つぎに来るのは火砕(かさい)流だ。600℃に達する炎のなだれは、火山灰や岩石を巻き込んで時速100km程度であなたを追いかける。クルマで富士スバルラインを全力で下っても、道なき道をいく火砕流にはかなわない。火砕流が溶かした雪は融雪(ゆうせつ)泥流という名の土砂崩れに変わり、さらにあなたを追いかける。見事な連携プレーだ。最後は主役、溶岩流が登場する。玄武岩(げんぶがん)質の溶岩流は1,200℃に達し、はや足程度のスピードで低地を目指す。山頂より北で噴火すれば富士五湖に流れ込んで水蒸気爆発、南側なら富士市と富士宮市を殲(せん)滅したのち、東名高速道路と東海道新幹線を焼き切って田子の浦港あたりに流れ込む。万葉集で、山部赤人が富士山を詠んだ場所で潰(つい)えるのも、なにかの縁なのだろうか。溶岩が冷めるには1年程度かかるので、復旧作業もままならない。ちりで曇った成層圏が透明さを取り戻すにも数年かかるだろう。被害総額はおよそ2.5兆億円。日本の夜明けは遠い。■まとめ今年8月に内閣府が発表した「南海トラフ巨大地震」の被害想定では、富士山は震度6強から7の範囲にあたる。これがマグマだまりを刺激すれば、噴火は避けられない。備えあれば憂いなし。マスクとゴーグルを防災グッズに追加しておこう。(関口寿/ガリレオワークス)
2012年11月18日ジェーシービー(以下JCB)はこのたび、富士山の世界文化遺産登録と環境保全を応援するため、JCB ORIGINAL SERIES(※1)およびJCBビジネスカード(※2)に富士山デザインのカードを新たに追加し会員募集を開始した。また12月18日からはOki Doki ポイントプログラムの交換・応募商品ラインナップの寄付コース「ポイントチャリティー」に、認定NPO法人「富士山を世界遺産にする国民会議」(以下国民会議)などが運営する「富士山基金」を追加すると発表した。富士山の世界文化遺産登録については、2007年1月に国連教育科学文化機関(以下ユネスコ)の暫定リスト搭載が決定し、静岡県・山梨県や関連する自治体、関係省庁などが一体となって準備を進めた結果、今年の1月には日本国政府からユネスコへ「富士山推薦書」が提出され、世界文化遺産登録へ向けて大きく前進した。今後は、2013年6月に開催されるユネスコ世界遺産委員会にて登録の可否が審議される。JCBではこうした活動を応援するため、富士山の再生を通じ日本を元気にすることを目指す企業連携プロジェクト「富士山ルネッサンスプロジェクト」(以下ルネッサンスプロジェクト)、国民会議、「富士山世界文化遺産両県県民会議」に協賛・参画している。このたび下記2点の取り組みを通じて、富士山の世界文化遺産登録と環境保全を応援する。JCB ORIGINAL SERIESに、特別デザインとして葛飾北斎の「冨嶽三十六景 凱風快晴」(通称赤富士)をモチーフにした「富士山浮世絵」(一般カード)や、朝日に染まる雲海に立つ富士山を上空から撮影した「富士山空撮」(ゴールドカード、一般カード)を追加。またJCBビジネスカードのラインナップにも「富士山」デザインを追加。いずれのカードにもルネッサンスプロジェクトのロゴを表示国民会議や静岡県・山梨県などが運営する「富士山基金」へ寄付ができるコースをOki Doki ポイントプログラムの交換・応募商品「ポイントチャリティー」に追加し、富士山の保全や世界文化遺産登録をサポートしたいJCB会員からの寄付を受け付ける。クレジットカードで貯まるポイントで「富士山基金」への募金が可能になるのは同件が初とのこと今後もJCBは社会や環境に貢献する企業として、ルネッサンスプロジェクト、国民会議、県民会議との連携・協業のもと、富士山の世界文化遺産登録や環境保全に努めるとともに、顧客に満足してもらえる商品やサービスの開発に取り組んでいくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月24日セブン銀行は8日、同社の環境プログラム「ボノロンの森環境活動」の中で、NPO法人ホールアース研究所およびNPO法人富士山クラブへ寄付金を贈呈した。寄付金は「環境NPO団体応援クリック募金」(実施期間:6月1日から6月30日)に、多くの顧客が参加・協力をし寄せられたもので、合計額は31万2734円(31万2734クリック)。この寄付金はそれぞれ15万6367円ずつ、NPO法人ホールアース研究所およびNPO法人富士山クラブに届けられ、9月8日に行った同社の環境プログラム「ボノロンの森環境活動」の中で贈呈式を行い、同社の副会長兼CSR ・環境委員長の若杉正敏氏が各団体の代表者へ目録を贈呈した。ボノロンの森環境活動とは、自然を慈しむ心の醸成を目的に、毎年富士山の麓の森で「自然体験プログラム」と「清掃活動」を従業員とその家族で2008年より行っており、今年で第5回目となる活動が9月8日に山梨県で実施された。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月19日富士急行はこのほど、富士山の世界遺産文化登録への応援活動の内容を発表した。同グループで保有するバス・タクシーの全車両(約1,000台)に、「富士山を世界遺産に」と記載したオリジナルステッカーを掲出するほか、富士急行線車内および各駅へのポスター掲出、富士急ハイランドおよびぐりんぱへの看板設置など、グループ全体で啓蒙活動を行う。世界遺産登録をめざす富士山については、今年1月に、登録推薦書の正式版が世界遺産委員会へ提出された。国際記念物遺跡会議による現地調査と審議を経て、来年夏の世界遺産一覧表への登録をめざすという。富士急行では、こうした動きが「富士を世界に拓く」の同社の創業精神と合致することから、各種啓蒙活動の実施を決めた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月05日富士急行は、富士山エリアを完全ガイドするウェブサイト「フジヤマNAVI」をオープン。リアルな体験と連動した観光情報の発信を開始する。富士急ハイランドを運営する富士急行は、創業以来富士山とともに発展し、鉄道やホテル、アミューズメントパークなどの事業を多角的に展開している企業。「フジヤマNAVI」はその地域密着の強みを活かし、富士山を訪れる観光客はもちろん、富士山に興味・関心を持つすべての人たちにとって楽しく、そして役立つサイトを目指す。オープン時点でのサイトは、エリア独自の地域性や季節性を意識した特集記事に加え、特集に連動した旅行商品の販売、エリアの観光情報データベースの検索等が中心。まずは7月1日の山開きにちなみ、今年もにぎわいが予想される「富士登山」情報より発信を開始する。以降、特集記事はひと月1~2本のペースで、これまで知られていなかった富士山エリアの新たな楽しみ方、過ごし方を提案していく。その他、富士山にまつわるとっておきの写真を投稿してもらう「今週の一枚」やフェイスブックの活用など、読者参加型のコーナーも充実させていく予定。また、スマートフォンやタブレットといった各種デバイスへの対応、海外の読者に向けた多言語での情報発信、同エリアならではのオリジナリティーある旅行商品や体験プランの販売を行っていく。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月03日そらのしたは6月1日、富士山への登山者や河口湖、山中湖などの富士五湖キャンプ利用者を対象に、現地でレンタル受取、返却を受け付けるアウトドア専門レンタルショップ「そらのした」富士吉田店をオープンする。同社が運営するサイト「そらのした」では、2010年6月より、オンラインで日本初となる本格登山用品やキャンプ用品等のアウトドア用品専門宅配レンタルサービスを展開している。このほど、実際にお店でフィッティングしながら借りられるアウトドア専門レンタルショップを、山梨県富士吉田市にオープン。店舗にはおよそ200点のアウトドア用品を取りそろえるという。同店舗は、利便性の高いサービスを目指し、富士山登山口や河口湖インター、富士山駅からわずか1~2キロとアクセス良好な位置にある。現地でレンタルすることにより、配送料金が掛からず、通常より割安でレンタルできるとのこと。また、フィッティングや展示品で仕様・サイズの確認ができ、在庫の限りでサイズ交換も可能となる。例として、「みんなでキャンプセット(テント、テントマット、寝袋×3、ランタン)」1泊2日で1万2,480円~。利用は、そらのしたにて希望の商品を選択、事前予約を行う。その後、店頭で商品を受取、返却も店舗で受け付ける。事前予約無しの場合も在庫の限りで対応するとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月16日