松竹は5月27日、都内で記者会見を行い、歌舞伎俳優の尾上菊之助と長男の尾上丑之助がそれぞれ、「八代目尾上菊五郎」、「六代目尾上菊之助」を襲名すると発表した。併せて、「七代目」の尾上菊五郎が、引き続き「菊五郎」を名乗ることになり、「菊五郎」が異例の2人体制となることも明らかに。関係者によると、同時期に同じ大名跡の役者が、2人存在することは「400年以上の歴史なので(初かどうかは)分からないが、少なくとも近代になってからは初めて」だという。会見には、菊五郎、菊之助、丑之助の3人がそろい踏み。当代菊五郎は「“七代目”菊五郎でございます」と笑顔で挨拶し、引き続き菊五郎を名乗ることについて「私も52年間名乗らせていただいているとね、だんだん自分のものになってきちゃうんですよ。名前を今更変える気はなくて」と断言すると、会場は笑いに包まれた。『口上』尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎、尾上丑之助改め六代目尾上菊之助©岡本隆史襲名のタイミングに関しては、自身の脊椎の病気に言及しながら「菊五郎はいつも元気に、働いていなくてはいけないと思い、病気に負けないで一生懸命に名乗ろうと思った。菊五郎のまま歌舞伎人生の幕を閉じたい」と説明。「たまに、公演で菊五郎同士がバッティングすることもあるかもしれません(笑)。紛らわしいですが、そのときは『七代目』『八代目』と呼んでいただければと思います」と改めて、2人体制となる菊五郎に理解を求めた。尾上菊五郎菊五郎が菊之助に対し、襲名を申し出たのは1年ほど前だといい、「父から『おめぇ継げよ』と言われた」(菊之助)。父親の思いと決断を汲みながら、「これはとても重い決断。舞台の上でしか答えを出すことはできません」と決意を表明する。父親と同じ「菊五郎」の名前について、菊之助は「歴代の菊五郎に劣らず、歌舞伎を懸命に守ってくださった先人たちに、少しでも恩返しができるように、感謝の念を忘れずに絶やさず(公演を)重ねていきたい」と意欲を燃やした。また、菊五郎が「一皮脱いで、全然違う名前になって、これからあと何年芸能生活が送れるのか。皆様に(新たな名前を)認知する前に幕を閉じちゃう。そういうのは寂しくて、わがままですけども、そうしてもらいたいなという意味で」と付け加えると、菊之助が「私は異を唱えることはございません。それが当主の決断でございますから」と思いを寄せるなど、親子の絆が垣間見える瞬間もあった。尾上菊之助一方、菊之助の長男・丑之助は「尾上丑之助でございます。来年の5月に、父と祖父が名乗っておりました尾上菊之助の名跡を、六代目として襲名致すことになりました」と凛々しく挨拶。「まだ襲名してから、6年くらいしか経ってないので、もうちょっと丑之助の名前でいたいと思いました」と思わず本音も飛び出したが、「祖父の言ったこと、祖父の思いを受け継ぐと心に決めたので、菊之助を襲名すると心に決めました」と父に負けない力強さ。10歳での襲名は、父の「五代目最年少」記録を更新することになり、「これからもより一層の努力をして、名前に負けない役者を目指します」と背筋を伸ばした。尾上丑之助襲名披露興行は令和7年(2025年)5~6月の東京・歌舞伎座を皮切りに、翌令和8年(2026年)博多座までを予定。5月の演目は「二人道成寺」「口上」「弁天娘女男白浪」、6月が「菅原伝授手習鑑」の「車引」「寺子屋」「口上」「連獅子」となることも明らかになった。取材・文・撮影:内田涼
2024年05月28日歌舞伎俳優の尾上菊五郎(81)、菊之助(46)、丑之助(10)が27日、都内で行われた記者会見に出席。菊之助は「八代目尾上菊五郎」、丑之助は「六代目尾上菊之助」を襲名することを発表した。なお「七代目」の尾上菊五郎も引き続き「菊五郎」を名乗ることになり、「菊五郎」は2人体制となる。丑之助は祖父の当代・菊五郎から襲名について伝えられたときには「まだ就任して少ししか経っていないので、もうちょっと丑之助の名前でいたいと思っていました」と本音を吐露。それでも「祖父が言ったこと、祖父の思いを受け継ぐと心に決めたので、菊之助に就任すると心に決めました」と力強くコメント。「これからもより一層の努力をして、名前に負けない役者を目指します。どうぞよろしくお願いいたします」と語った。襲名披露公演は、来年5月と6月の東京・歌舞伎座、7月の大阪・大阪松竹座、10月の愛知・御園座、12月の京都・南座、再来年6月の福岡・博多座となる。会見には松竹の代表取締役会長・迫本淳一氏、同社取締役副社長の山根成之氏も登壇した。
2024年05月27日歌舞伎俳優の尾上菊五郎(81)、菊之助(46)、丑之助(10)が27日、都内で行われた記者会見に出席。菊之助は「八代目尾上菊五郎」、丑之助は「六代目尾上菊之助」を襲名することを発表した。なお「七代目」の尾上菊五郎も引き続き「菊五郎」を名乗ることになり、「菊五郎」は2人体制となる。父と同じ「菊五郎」の名前で活動することについて、菊之助は「歴代の菊五郎に劣らず、歌舞伎を懸命に守ってくださった先人たちに、少しでも恩返しができるように感謝の念を忘れずに」などと意欲を語った。1年ほど前に父から「おめぇ継げよ」と言われたという。当代・菊五郎は脊髄の病気を患っており、「菊五郎は元気に活動し続けなければならない」という思いがあるという。そんな父の思いと、歌舞伎の文化を担う大きな決断について「これはとても重い決断」とプレッシャーを感じつつも、「舞台の上でしか答えを出すことはできません」「絶やさず(公演を)重ねていく」と意欲を見せた。同じ名前を2人名乗ることについて、松竹取締役副社長の山根成之氏は「400年以上の歴史なので(初かどうかは)分からないですが、少なくとも近代になってからは初」と説明した。なお襲名披露公演は、来年5月と6月の東京・歌舞伎座、7月の大阪・大阪松竹座、10月の愛知・御園座、12月の京都・南座、再来年6月の福岡・博多座となる。会見には松竹の代表取締役会長・迫本淳一氏も出席した。
2024年05月27日歌舞伎俳優の尾上菊五郎(81)、菊之助(46)、丑之助(10)が27日、都内で行われた記者会見に出席。菊之助は「八代目尾上菊五郎」、丑之助は「六代目尾上菊之助」を襲名することを発表した。なお「七代目」の尾上菊五郎も引き続き「菊五郎」を名乗ることになり、「菊五郎」は2人体制となる。息子の「菊五郎」襲名について、当代菊五郎は「“七代目”菊五郎でございます」と笑顔であいさつ。2人体制について「私も52年間名乗らせていただいた名前を今更変える気はなくて」ときっぱり話し、会見では笑いが起こった。このタイミングで襲名を発表したことについては「2年前に脊椎の病気になり…」とし、「菊五郎はいつも元気で働いていなくてはいけないと思い、病気に負けないで一生懸命に名乗ろうと思った」と理由を説明。「菊五郎のまま歌舞伎人生の幕を閉じたい。たまには公演で菊五郎同士がバッティングすることもあるかもしれません。紛らわしいですけど、そのときは『七代目』『八代目』と呼んでいただければと思います」と話した。同じ名前を2人名乗ることについて、松竹取締役副社長の山根成之氏は「400年以上の歴史なので(初かどうかは)分からないですが、少なくとも近代になってからは初」と説明した。なお襲名披露公演は、来年5月と6月の東京・歌舞伎座、7月の大阪・大阪松竹座、10月の愛知・御園座、12月の京都・南座、再来年6月の福岡・博多座となる。会見には松竹の代表取締役会長・迫本淳一氏も出席した。
2024年05月27日歌舞伎俳優の尾上菊之助(46)と長男の尾上丑之助(10)が27日、都内で行われた記者会見に出席。菊之助は「八代目尾上菊五郎」、丑之助は「六代目尾上菊之助」を襲名することを発表した。菊之助は1977年8月1日生まれ。尾上菊五郎の長男。84年2月歌舞伎座『絵本牛若丸』の牛若丸で六代目尾上丑之助を名のり初舞台。96年5月歌舞伎座『白浪五人男』の弁天小僧ほかで五代目尾上菊之助を襲名した。丑之助は、2013年11月28日生まれ。菊之助の長男、祖父は尾上菊五郎、中村吉右衛門。16年5月歌舞伎座『勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)』で寺嶋和史の名で初お目見得。19年5月歌舞伎座『絵本牛若丸』の源牛若丸で七代目尾上丑之助を名のり初舞台となった。会見には人間国宝で「七代目」の菊五郎と、松竹の代表取締役会長・迫本淳一氏、同社副社長の山根成之氏も出席した。
2024年05月27日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区、家元:尾上菊之丞)四代家元三代目尾上菊之丞と、大蔵流茂山千五郎家の狂言方能楽師である茂山逸平は、2024年8月18日(日)から25日(日)の1週間にわたり、東京のセルリアンタワー能楽堂で「逸青会」を開催いたします。2009年の初開催から丸15年を迎える本年は、歌舞伎界、能楽界、舞踊界からもゲストを迎え、日本舞踊、狂言の古典作品はもちろん、逸青会でしか観ることのできない日本舞踊×狂言の新作を始め、多彩なゲストとの新境地に挑戦。6月10日(月)より菊之丞 FAN CLUB・クラブSOJAで販売開始、6月17日(月)より一般販売を開始いたします。菊之丞 FAN CLUB: クラブSOJA : 「逸青会」15周年記念■逸青会(いっせいかい)とは舞踊家・尾上菊之丞と狂言方能楽師・茂山逸平が互いのジャンルを越え、新しい形としての舞踊と狂言の可能性を追求している二人会です。2009年より毎年創作を重ねさまざまな形で継続して開催、この度丸15年を迎えます。古典作品の上演に加え、互いのジャンルの研鑽と、「舞踊」「狂言」という似て非なる芸能を合わせ、単なるコラボレーションに終わらない新しい可能性を求めて毎回「舞踊狂言」として新しい作品を創作、発表しています。現在までに10を超える逸青会オリジナル作品が生まれています。YouTube: ■2024年の「逸青会」には各界で活躍する表現者が出演丸15年を記念し、これまでにゲストとして出演された、第一線で活躍する表現者の皆様を歌舞伎界、能楽界、舞踊界から総勢19名をお迎えし1週間にわたり公演をいたします。逸青会ではジャンルの垣根を超えて、日本舞踊と狂言が輝ける新たな作品創りを目的に毎年オリジナルの新作を発表、能楽師や歌舞伎俳優との共演、文楽人形や落語家とのコラボレーションも行ってまいりました。「古典芸能」には能狂言、歌舞伎、文楽、日本舞踊、落語など様々なジャンルがあり、現代社会において入り口は狭く感じられることも多いかもしれません。逸青会では、その魅力を皆様にいかにお伝えし、いかに奥深いところまで入ってきていただくかを大切にしています。■15周年に寄せて 尾上菊之丞・茂山逸平コメント発足当時は「僕ら二人にしかできない舞台を!」と意気込んでおりましたが、継続しているうちに作品を残していきたい、という欲も出てまいりました。その為に必要なことは新作の再演であり、新たなキャストによる上演です。これまでの逸青会にご出演くださったゲストの皆様による新たな顔合わせでご覧にいれる逸青会作品、菊之丞と逸平による今回の為に創作した新作「御札」、そして様々な古典作品を同時にご覧いただける、これが逸青会15周年記念公演の最大の魅力です。■公演概要《日程》2024年8月18日(日)~25日(日)※21日休演・7日間・全11公演《場所》セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区桜丘町26番1号 地下2階)《主催・出演》尾上菊之丞/茂山逸平《出演者》8月18日(日) 尾上右近/茂山茂/島田洋海8月19日(月) 松本幸四郎/茂山宗彦/坂口貴信/茂山慶和/尾上京8月20日(火) 中村鷹之資/茂山宗彦/坂口貴信/尾上菊紫郎8月22日(木) 中村壱太郎/茂山千五郎/茂山慶和/島田洋海/尾上墨雪8月23日(金) 中村莟玉/茂山千五郎/羽鳥以知子/茂山七五三8月24日(土) 茂山七五三/茂山千之丞/谷本健吾/羽鳥嘉人/尾上墨雪8月25日(日) 尾上松也/茂山千之丞/谷本健吾/茂山慶和/羽鳥嘉人/茂山七五三/尾上墨雪入場料 :10,000円 (※全席指定/税込、お席の指定はできません)チケット申込 :6月10日(月)~以下ファンクラブより受付開始菊之丞 FAN CLUB クラブSOJA 6月17日(月)より尾上流、茂山千五郎HPより受付チケットに関するお問い合わせ先:TEL : 03-3541-6344(平日10:00-18:00)MAIL: info@onoe-ryu.com ■尾上流(おのえりゅう)とは日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさずその魅力を国内外へ伝え続けます。■尾上流四代家元 三代目尾上菊之丞 (おのえ きくのじょう)1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年尾上流四代家元を継承し、三代目尾上菊之丞を襲名。自身のリサイタル「尾上菊之丞の会」、狂言師茂山逸平氏との「逸青会」を主催。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。新作歌舞伎や花街舞踊、宝塚歌劇団、OSK日本歌劇団やアイススケート「氷艶」「Luxe」など様々なジャンルの演出・振付を手掛ける。京都芸術大学非常勤講師/公益社団法人日本舞踊協会理事尾上菊之丞<振付>新作歌舞伎「刀剣乱舞」、尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」、歌舞伎NEXT「阿弖流為」、ラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」、スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」、宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」など、多岐に渡る。<演出>「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」、「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。尾上流 ホームページ: Instagram : 菊之丞 FAN CLUB : 特典:「菊之丞 FAN CLUB」PREMIUM会員様でご観劇の方には、特典のプレゼントがございます。当該の方には別途ご案内させていただきます。<菊之丞 FAN CLUB>尾上菊之丞が日本舞踊や自身のプライベートを語る動画の配信や出演情報・チケット先行予約など、多彩なコンテンツを設けています。ファンクラブ限定のお茶会の開催や限定グッズなど、皆様に喜んでいただける企画ご用意しています。菊之丞 FAN CLUB 二次元コード■狂言 大蔵流茂山千五郎家とは茂山千五郎家は江戸時代初期から歴史に残る京都在住の狂言の家系です。貞享4年(1687年)の文献に【油小路通四条下る】に「茂山徳兵衛」という狂言師が記されており、この徳兵衛が五代目、姫路藩、本田忠国のお抱えで十五世宗家の弟子であったことも分かっております。(※現在は十四世茂山千五郎が当主)長い歴史がありながら、茂山千五郎家では十世正重(二世千作)の「お豆腐のような狂言師」という言葉が大切に語り継がれています。一部の方だけが楽しむ、限られた世界の芸能ではなく、「いつの世も、どなたからも広く愛される、飽きのこない、そして味わい深い」そんな「お豆腐狂言」を目指しています。■狂言方 能楽師 茂山逸平(しげやま いっぺい)1979年生まれ。4歳の時『業平餅』の童にて初舞台。その後『千歳』『三番三』『釣狐』を披く。1994年に、宗彦、茂と「花形狂言少年隊」を結成し活躍。また2000年より心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=「TOPPA!」を千三郎、正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に主催し、活動。NHK連続テレビ小説「京、ふたり」「オードリー」「ごちそうさん」他、舞台・CMにも数々出演。2006年より「HANAGATA」を正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に再開。2020年からはHANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」として企画・製作・出演までを自分たちでおこない活動している。2006年秋から1年間フランスに留学。2009年より「逸青会」を主催。茂山逸平茂山千五郎家 : Instagram : X(旧:Twitter) : YouTubeチャンネル: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年05月14日歌舞伎の舞台を撮影し、映画館で楽しむ“シネマ歌舞伎”最新作『刀剣乱舞 月刀剣縁桐(とうけんらんぶ つきのつるぎえにしのきりのは)』が5日より東劇・新宿ピカデリーほか全国62館で公開される。同作は審神者(さにわ)と呼ばれるプレイヤーが刀剣の付喪神(つくもがみ)である刀剣男士を成長させ、歴史改変を企む時間遡行軍(じかんそこうぐん)との戦いに挑む、ゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』の歌舞伎作品。2023年7月に上演され、十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を、歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色し好評を博した。今回は本作に企画から携わり、演出にも初挑戦した三日月宗近役の尾上松也、そして足利義輝/小狐丸役の尾上右近にインタビュー。改めて感じた『刀剣乱舞』の面白さや、役に対しての思い、反響をエゴサした感想などについても話を聞いた。○尾上松也&尾上右近から見た『刀剣乱舞』の魅力とは――今回改めて感じた『刀剣乱舞』の魅力を教えてください。松也:『刀剣乱舞』自体は、メディアミックスの各ジャンルでオリジナル作品を作っているのが非常に特徴的なコンテンツです。今回もゼロから物語を創作して新作歌舞伎として上演させていただき、自由度が高いという素晴らしさもありながら、ゼロから作る難しさ、大変さも感じました。ですが、物語を作っていくだけではなく、刀剣としてのあり方や、歴史との関係性という『刀剣乱舞』でしか描けない感情や世界観が自然とあふれてきましたし、今回“シネマ歌舞伎”として見て、改めて唯一無二の色艶を持つコンテンツである『刀剣乱舞』の仲間に加えていただけたことを実感しました。右近:日本人は、例えば桜のように「その時にしか見られない刹那だからこそ、美しく心惹かれる」ところがあると思うんですけど、刀剣男士も常に時代を旅しているが故の刹那があり、その中で関わりが生まれる部分がある。今作でもその刹那が深く描かれたと思います。それから、歌舞伎は長年の付き合いのある人同士で作品を作ることが一つの魅力でもあるんですが、「月刀剣縁桐」にも、僕が子供の時から松也さんを兄貴として慕っている関係性が写し出されるところがあったと思います。そこは歌舞伎ならではでもあり、僕自身、松也さん初の新作歌舞伎演出・主演に参加できた喜びがありました。――反響もすごかったとですが、感想などは“エゴサ”されましたか?右近:最初の記者会見の時にも言ったのですが「小狐丸としては顔が長いんじゃないか」という意見があって、非常に悩みましたね(笑)。でも、あるXユーザーの方が「右近さんは非常にお芝居ができる人だから、顔が長いのは気にならないと思います」とフォローしてくださっていたのが、エゴサにおける最大の思い出です。松也:公演が始まる前ですね、それは(笑)右近:始まる前でしたね(笑)。始まった後は「たしかに気にならなかった」という声、多数でしたよ!松也:1番心に残ったのが、顔の長さの問題だったんだね(笑)2人:(笑)松也:『刀剣乱舞』を新作歌舞伎で上演させていただくという発表をしただけで、大変な反響がありました。配役が発表されたら、それにもとても反響があって……。僕自身はSNSをやっていないのですが、そんな僕にも伝わってくるぐらい反響が大きかったので、わくわくしたのと同時に「あ、これは下手なものを作ったら、誰かを傷つけるのではないか」というような恐怖もありました。ですので、最初のビジュアルを解禁した時はものすごく緊張しましたし、ドキドキしながら皆さんの反応を見ていた思い出があります。おかげさまで反応が良くて、あとは「いい作品を作って納得していただくしかない」と思っていましたので、初日のお客様の反応は一生忘れられないぐらい感動的なものになりました。そこから1カ月上演させていただいて、千穐楽は大団円。僕の俳優人生において、本当に忘れられないひと月になりました。――松也さんはSNSをやってなくても、エゴサはされていたんですか?松也:しましたね。もうこればっかりは、気になって気になって仕方がなくて。自分が俳優として舞台に立って評価していただくということだけではなくて、ビジュアルから何からゼロからいろいろ考えて作ってきた世界ですので、どのような評価をされるのか不安でもありながら、興味もすごくありました。そんな経験は今までしたことがなかったです。傷つきやすい方なので、見すぎないようにしながら、少しずつ見ました。あとは公演を観に来てくれた友達や関係者の方からの意見も積極的に取り入れて、1カ月の間で変えられるところを変えてみたりもしました。長く携わっていると見えなくなってくる部分も必ず出てきます。僕は上演までに約2年半関わっていましたから、出演者の目、お客様の目というのも、しっかりと受け止めるようにしていました。○右近は、松也の煽りが「忘れられない思い出」――演じた役については、どう感じられていましたか?松也:今回は三日月宗近と、かつての主人・足利義輝との物語を描き、主人公という立場で出させていただきました。刀剣男士は歴史を守る任務に対して忠実なので、あまり感傷的にならないというのが基本なのですが、あえて歌舞伎の演出技法を用いて、情愛を主従の関係に寄せて描いてみたところがありました。三日月宗近は義輝と向き合う時は感情が出てしまうけれども、それ以外の場面では誰よりもクールで、この世のものなのか、あの世のものなのかわからない。そういう異次元空間のキャラクターに徹しないと、最後の展開が生きてこないかなというところは意識していました。演出は初めてでしたので、自分のお役のことが最後になってしまって、正直、初日近辺で1番不安だったのは僕だったかもしれません。右近さんは二役でしたので、全然違うキャラクターへの要求をいろいろさせていただきましたけど、どうでした?右近:小狐丸は三日月宗近と兄弟分みたいな関係性でもあって、深いところで理解している立場だということを意識していました。普段は割とクールで男らしい感じだけど、立廻りのシーンでは、破壊的な部分を持っていて、それを歌舞伎らしさに落とし込みたいと思いました。足利義輝の方は、とにかく「国をよくしよう」という自分の意思とは裏腹に、思うようにいかず苦悩する役で、その中でも三日月宗近とは心が通い合う。でも徐々に立場が変わっていって、隠された関係性が明らかになって、そして最後には……という切なさがあり、三日月宗近と共に一生を歩んでいる姿が芝居の中に集約されていたので、最後のシーンは本当に義輝の一生を疑似体験している感覚でした。――改めて、これまで歌舞伎に接して来なかった新たな層にも刺さった、歌舞伎に魅力を感じてもらったという手応えはありましたか?松也:これまで歌舞伎をご覧になっていた方はもちろん、歌舞伎にあまり縁がなかった方にも来ていただきたいと思う気持ちは当然ありましたし、実際にあまり歌舞伎ではお見かけしないような方たちもたくさん観に来てくださっているのは、僕たちにもわかりました。そういう環境で、この作品をどうやって歌舞伎として成立させ、歌舞伎の魅力を伝えるものにするかは、いろいろ考えました。歌舞伎の柔軟性もわかっていただきたかったですし、逆に言うと歌舞伎演出独特の“めんどくささ”も同時に味わい、それがどういった効果をもたらすのかも観ていただきたかった。僕も演出として歌舞伎から逃げてはいけないと思いましたので、うまくバランスを取るように心がけました。舞台上からも、お客様が、集中して一喜一憂しながら観ている空気感は伝わっていました。カーテンコールは写真撮影OKでしたので、その中でのふれあいも通じて「没入してるんだな」というのがとてもよくわかったんです。多くの方が「尾上松也」「尾上右近」よりも、「三日月宗近」「小狐丸」として見てくださっているんだなと感じました。右近:すごく感じましたね。松也:お手紙もたくさんいただき、「来月も歌舞伎座に行ってみます」という意見も頂戴して、とても嬉しかったです。新作歌舞伎は、新しい層の方に見ていただくことが意義の一つだと思いますので、歌舞伎自体に興味を持ってくださった方が少しでも増えたのではないかという実感はあります。――右近さんはいかがでしたか?右近:僕らは、歌舞伎は音楽劇だということを常に感じているんです。音楽が形作る空気感、温度感の中でお芝居を作っていくことを皮膚感覚で学んできました。歌舞伎らしい音楽と、新たにお琴をベースとしたキラキラした音楽を組み合わせて作った今作は、そこに対してお客様の反応がすごく良かった。僕たちも未だに音楽を聴くと作品が蘇ります。あとは、古典の歌舞伎のお芝居だと、俳優と役の両方で見てもらっている意識が強いので、カーテンコールでは俳優として出ることが多いのですが、今回はやっぱり「小狐丸」と言ってもらうことが多かったんです。みんなどうしているのか気になって、公演の途中で「役として立つのか、俳優として立つのか、統一した方がいいような気がします」という話をして。松也さんも「難しいよね。じゃあ、もう統一しよう。役に徹しよう」「明日から松也として立つことは控えておく」とおっしゃって、みんなで足並みをそろえることにしました。でも次の日、2階席に中学生の団体が入っていて、たぶん先生に「静かに観なさい」と言われていたのか、反応が少なくて。そしたらカーテンコールに入った瞬間に、松也さんが「声出せ〜!」と煽っていて、全然キャラを守れてない!松也:(笑)右近:忘れられない思い出です(笑)。千穐楽では松也さんが僕らの“推し”は歌舞伎ですという思いを込めて「歌舞伎をご愛顧ください」と言った姿もすごく印象的でした。『刀剣乱舞』も愛しているからこそ言えることだし、松也さんにしか作れない作品を作って、最後に松也さん自身の言葉として伝えていて、みんな「かっこいいな」と思った瞬間でした。■二代目 尾上松也1985年1月30日生まれ、東京都出身。1990年に5歳で初舞台。以来歌舞伎を軸に、舞台や映画など様々な方面で活躍。近年の主な出演作に23年12月新橋演舞場『新作歌舞伎 流白浪燦星』石川五ェ門、24年1月浅草公会堂『新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎』魚屋宗五郎、ミュージカル『スリル・ミー』(23年)、舞台『ガラスの動物園 / 消えなさいローラ』(23年)、映画『Gメン』 (23年)、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22年)、ドラマ『グレイトギフト』『生ドラ! 東京は24時 -Starting Over-』(24年)など。■二代目 尾上右近1992年5月28日生まれ、東京都出身。2000年に初舞台を踏み、2005年に二代目 尾上右近を襲名。近年の主な出演作に23年11月歌舞座『三社祭』善玉、24年1月歌舞伎座『狐狸狐狸ばなし』伊之助女房おきわ、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』(22年)、映画『燃えよ剣』(21年)、『わたしの幸せな結婚』(23年)、『身代わり忠臣蔵』(24年)、大河ドラマ『青天を衝け』(21年)など。(C)NITRO PLUS・EXNOA LLC/新作歌舞伎『刀剣乱舞』製作委員会
2024年04月05日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)四代家元三代目尾上菊之丞と、大蔵流茂山千五郎家の狂言方能楽師である茂山逸平は、2023年12月9日(土)に京都の金剛能楽堂で、12月16日(土)に東京のセルリアンタワー能楽堂で第15回目となる「逸青会」を開催、10月2日(月)チケットを販売開始いたします。日本舞踊、狂言の古典作品をそれぞれ上演の後、新作「ひまわり」には初めての試みとして落語家の古今亭菊之丞さんをゲストにお迎えし、日本舞踊×狂言×落語の新境地に挑戦いたします。令和5年 逸青会■逸青会(いっせいかい)とは舞踊家・尾上菊之丞と狂言方能楽師・茂山逸平が互いのジャンルを越え、新しい形としての舞踊と狂言の可能性を追求している二人会です。2009年より毎年創作を重ねさまざまな形で継続して開催、この度15回目を迎えます。古典作品の上演に加え、互いのジャンルの研鑽と、「舞踊」「狂言」という似て非なる芸能を合わせ、単なるコラボレーションに終わらない新しい可能性を求めて毎回「舞踊狂言」として新しい作品を創作、発表しています。現在までに10を超える逸青会オリジナル作品が生まれています。■第15回「逸青会」ゲストは落語家、新境地に挑む日本舞踊と狂言それぞれの古典作品をご覧いただいた後、新作「ひまわり」をご覧いただきます。古典作品は日頃からご縁の深い方々にもご出演頂き、3日間異なる演目を上演いたします。今回の新作「ひまわり」のゲストには落語家の古今亭菊之丞さんをお迎えし、日本舞踊×狂言×落語からなる逸青会の新境地に挑戦致します。■公演概要公演日時 : <京都>2023年12月9日(土) 15:00開演(14:30開場)<東京>2023年12月16日(土) 12:00開演(11:30開場)2023年12月16日(土) 16:00開演(15:30開場)場所 : <京都>金剛能楽堂(京都市上京区烏丸通中立売上ル)<東京>セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区桜丘町26番1号 地下2階)入場料 : 6,000円(※全席指定/税込、お席の指定はできません)チケット申込: チケットに関するお問い合わせ先:TEL 03-3541-6344(平日10:00-18:00)/MAIL info@onoe-ryu.com 演目 :【京都】2023年12月9日(土) 15:00開演一、粟餅(常磐津) 尾上菊之丞・尾上京二、栗焼(狂言) 茂山逸平・茂山茂三、ひまわり(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・古今亭菊之丞【東京】2023年12月16日(土) 12:00開演一、末広狩(長唄) 尾上菊之丞・羽鳥嘉人二、無布施経(狂言) 茂山逸平・茂山茂三、ひまわり(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・古今亭菊之丞【東京】2023年12月16日(土) 16:00開演一、賤の苧環(長唄) 尾上菊之丞二、茶壷(狂言) 茂山逸平・茂山茂・茂山七五三三、ひまわり(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・古今亭菊之丞特典 :「菊之丞 FAN CLUB」PREMIUM会員様でご観劇の方には、特典のプレゼントがございます。当該の方には別途ご案内させていただきます。■尾上流(おのえりゅう)とは日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさずその魅力を国内外へ伝え続けます。■尾上流四代家元 三代目尾上菊之丞 (おのえ きくのじょう)尾上流四代家元 三代目尾上菊之丞1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年尾上流四代家元を継承し、三代目尾上菊之丞を襲名。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。日本を代表する和太鼓奏者、林英哲氏をはじめとする様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも積極的に挑戦している。2023年10月12,13日に上演される新派の子「新編 糸桜」ではストレートプレイに初めて出演するなど、活動の幅を広げる。京都芸術大学非常勤講師。<振付>新作歌舞伎「刀剣乱舞」、尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」、歌舞伎NEXT「阿弖流為」、ラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」、スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」など、多岐に渡る。<演出>「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」、「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。オンライン上での発信にも力を注ぎ、日本舞踊藤間流家元・藤間勘十郎氏と二人で古典芸能オンラインサロン「K2 TEATRE」を主催。日本舞踊界初の映像作品、日本舞踊Neo「地水火風空そして、踊」では作・演出を務める。■■コメント■■逸青会も15年。能舞台にこだわって色々な作品を創ってきましたが、今年は新境地開拓。そしてゲストに同名の古今亭菊之丞さんを迎えて、どんな世界をお見せできるか今から楽しみです。かわるものありかわらぬものあり。長男嘉人との初共演も是非よろしくお願いします。長男 羽鳥嘉人尾上流 ホームページ: Instagram : 菊之丞 FAN CLUB : 古典芸能オンラインサロン<K2 THEATRE>(ケーツーシアター): ■狂言 大蔵流茂山千五郎家とは茂山千五郎家は江戸時代初期から歴史に残る京都在住の狂言の家系です。貞享4年(1687年)の文献に【油小路通四条下る】に「茂山徳兵衛」という狂言師が記されており、この徳兵衛が五代目、姫路藩、本田忠国のお抱えで十五世宗家の弟子であったことも分かっております。(※現在は十四世茂山千五郎が当主)長い歴史がありながら、茂山千五郎家では十世正重(二世千作)の「お豆腐のような狂言師」という言葉が大切に語り継がれています。一部の方だけが楽しむ、限られた世界の芸能ではなく、「いつの世も、どなたからも広く愛される、飽きのこない、そして味わい深い」そんな「お豆腐狂言」を目指しています。■狂言方 能楽師 茂山逸平(しげやま いっぺい)茂山千五郎家 狂言方能楽師 茂山逸平1976年生まれ。4歳の時『業平餅』の童にて初舞台。その後『千歳』『三番三』『釣狐』を披く。1994年に、宗彦、茂と「花形狂言少年隊」を結成し活躍。また2000年より心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=「TOPPA!」を千三郎、正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に主催し、活動。NHK連続テレビ小説「京、ふたり」「オードリー」「ごちそうさん」他、舞台・CMにも数々出演。2006年より「HANAGATA」を正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に再開。2020年からはHANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」として企画・製作・出演までを自分たちでおこない活動している。2006年秋から1年間フランスに留学。2009年より「逸青会」を主催。■■コメント■■今年の逸青会は横内先生に筆を取って頂き、落語家の古今亭菊之丞さんにお力添えを頂きます!ダブル菊之丞に振り回される逸平が見れる!?はたまた逸青会新境地の社会派ハートフルコメディ!?乞うご期待!!茂山千五郎家 : Instagram : X(旧:Twitter) : YouTubeチャンネル: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月02日歌舞伎を観るならまずはコレ。尾上右近さんおすすめの古典歌舞伎10演目をご紹介します。【連獅子(れんじし)】歌舞伎といえば毛振り!勇壮な姿に釘付け。文殊菩薩の霊山。獅子頭を手にした狂言師の右近と左近が現れ、親獅子が我が子を谷底に突き落として這い上がってきた子だけを育てるという、獅子の子落とし伝説を厳かに舞い始める。舞い終えたふたりが胡蝶に誘われ場を去ると、現れたのは法華宗の僧と浄土宗の僧。旅の道連れとなるが、互いの宗派を知った途端、言い争いに。そのとき一陣の風が吹き、親子の獅子の精が現れる。毛振りを見ると清々しい気持ちになります。歌舞伎のジャンルのひとつとして、踊りで物語を表現してゆくのが舞踊。「基本的に舞踊は、始まって終わるまでに物語が完結するうえ音楽劇的な要素もあり、誰にでも観やすいジャンルだと思います。その中でも『連獅子』は、多くの人が歌舞伎と聞いてイメージする“毛振り”があり、華やかさや迫力も含め、観て面白い演目だと思います。獅子はもともと能に端を発していますが、それが毛を振るというのは歌舞伎にしかない演出。あの毛を振る間の歌舞伎俳優の心境というのは、ど派手なパフォーマンスを見せてやろうというのではなく、心静かに経を唱えているような感覚。僕は、あれこそ歌舞伎の自己犠牲の美学が一番凝縮した姿だと感じます。そこに子に試練を与える親獅子の厳しさが重なりますし、親獅子に食らいついていく子獅子の姿には、生や芸を受け継ぐことの重みを感じる。でも、そこに不思議な命の高揚感があり、だからこそご覧になる方々は清々しい気持ちになるのではと思っています。また同じ『連獅子』でも演じる方によって全然違うので、見比べるのも面白いと思います」(尾上右近さん)【春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)】踊るうち徐々に興に乗ってゆく娘の変化に注目。江戸城の大広間。正月の祝いの余興にと奥づとめの弥生が殿様に舞を所望された。最初は恥ずかしがって逃げるが、お局らに引き戻されてしまう。ようやく観念すると、さまざまな舞を次々と披露する。徐々に舞が興に乗るなか、弥生が手にしたのは獅子頭。いつしか獅子頭が弥生を翻弄し始め、姿を消した彼女に代わり、獅子の精が姿を現す。僕にとって絶対外せない特別な演目です!右近さんが幼いときに観て、歌舞伎に魅了されるきっかけとなったのがこの演目。「これがあるから自分は歌舞伎をやっていると言っても過言ではないので、これを挙げないと自分としては納得できない」と言うほど特別なもの。「弥生は、最初はお殿様に所望されて仕方なく踊り始めますが、殿様に見られているという高揚感も手伝って、徐々に興に乗って踊りに気持ちが集中していきます。この弥生の見られている高揚感と緊張というのは、演じている役者の心境とぴったりリンクしますし、ひとりで30分の大曲を踊り切るわけで、役者にとって孤独な闘いでもあり、それだけ覚悟のいる演目でもあります。歌舞伎の舞踊の中ではストーリー性が薄いこともありエンターテインメント性より芸術性が強いかもしれませんが、歌舞伎の芸術としての側面を味わうには最適なはず。初めてご覧になるなら、ぜひ僕が挑戦するときに観てほしいです。絶対後悔させませんので」【京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)】美しい女性が釣り鐘を前に大蛇に豹変。恋に狂った清姫が大蛇となり僧を鐘ごと焼き殺した伝説が残る道成寺で、鐘供養が行われることに。そこに鐘を供養させてほしいと訪ねてきたのは美しい白拍子(男装の舞妓)。女人禁制ながら、修行僧たちは舞の披露を条件に寺へ招き入れる。さまざまな舞を披露するが、次第に白拍子の様子が変わり鐘に登ったかと思うと蛇の正体を見せるのだった。細部にまで日本の美が詰まっている総合芸術です。「1時間近くをひとりで踊り通すわけで、役者にとっては『鏡獅子』同様、心境的には自分との闘いのような演目ではあるんです。ただ、華やかで美しい衣装に鬘があって、大道具があって、役者がいて、音楽があって、小道具もすべてキラキラしていて、細部まですべてに日本の美が詰まっていて、それらが互いに引き立て合って、観る者を作品の世界に引き込んでくれる。役者ひとりの力で魅せる芸術ではなく、歌舞伎が総合芸術であることを実感してもらえる演目だと思います」赤の振り袖に烏帽子をかぶっての、能を取り入れた静かで厳かな舞から始まり、引き抜きという手法で一瞬にして浅葱色の衣装に替わったり、小道具も次々と持ち替えて、さまざまな踊りを見せていく。「視覚的にも聴覚的にも起伏がたくさんあって、観る人を飽きさせないようにと考えて作られていますし、この作品の時代背景や設定などを知らなくても楽しめる演目だと思います」【弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ) 白浪五人男(しらなみごにんおとこ)】美しい娘だと油断するなかれ。その正体に驚き。呉服問屋・浜松屋を、従者を連れた美しい娘が訪れる。品物を選ぶ最中に娘が万引。それを番頭が見咎めるが、その品は他で買ったものと判明。無実の罪を着せられたと従者の男が店に法外な金を要求。仕方なく金を渡すが、じつは娘は男で、すべてがゆすりの芝居だった。娘は開き直ると着物を脱ぎ刺青を見せ、盗賊の弁天小僧菊之助と名乗るのだった。女形の楽屋裏での姿を想像してもらえれば(笑)。「ヤンチャ小僧って、周りは手を焼きながらも、かわいいなって思ったりしますよね。弁天小僧は、まさにそのかわいさとかっこよさが共存した存在。しかも女性の格好をしているときは本当に綺麗だから、その後の展開を知らずに観た人は、男がやっているのに女形って本当に綺麗だなと感じると思うんです。それが後で服を脱ぎだし裸になっちゃうのだから、驚きますよね(笑)。弁天小僧が男に戻る場面は、女形の役者が楽屋に戻った状態と同じなわけで、女形の裏で見せる素の顔というかバックステージを見ているような感覚も楽しんでいただけるはず。男が女性を演じる女形という存在をうまく利用した話だと思います」正体がバレた弁天小僧菊之助が、開き直って自分の素性を明かす場面での「知らざぁ言って聞かせやしょう」は、歌舞伎屈指の名ゼリフ。「難しい知識は必要なく、これが名ゼリフといわれているんだ、と思って楽しんでいただければと思います」【夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)】蒸し暑い夏の夜、はずみで起きた哀しい惨劇。武士の玉島兵太夫に大恩のある魚売りの団七は、兵太夫の息子・磯之丞の恋人で遊女の琴浦が男たちに絡まれているのを助ける。老侠客の三婦の家に匿われた琴浦だったが、団七の使いを騙る団七の義父・義平次が彼女を連れ去ってしまう。それを知り義平次を追いかけ琴浦を取り返した団七だったが、揉み合ううちに義平次を斬ってしまう。芝居の随所から夏の暑さを感じる作品です。劇中の主人公・団七のセリフに、「悪い人でも舅は親」というものがあるが、どんなにはずみで犯した過失であっても親殺しは世の大罪。「あってはいけないことではあるけれど、団七の、一度走り出したら止まれない男の性みたいな部分は多くの方に共感していただけるのではないかと思います。義理と忠義を立てようと奔走する団七を邪魔する舅がいなくなり、ほっとする気持ちと同時に、本人が望まない結果となった団七をかわいそうにも思う。いろんな感情が湧き上がる作品です。団七は多少無理でも男を立てることを優先しようとするけれど、義父の義平次は、泥水をすすってでも必死に生きるのが男だという、ふたりの価値観の違いも面白いですよね。また、夏の暑さだとか、遠くから聞こえてくる祭り囃子だとか、季節を感じる描写が芝居の随所にあり、湿度と汗でベタベタするような夏の夜の空気感を体感してもらえるところも面白い作品だと思います」【東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)】みるみるうちに面相が醜く変わり恐ろしい姿に。色男の民谷伊右衛門は、産後の肥立ちが悪く、ことあるごとに主君の仇討ちを迫る妻の岩を疎ましく感じていた。その矢先、隣家の金持ちの伊藤家から孫娘との縁談を持ちかけられ、承諾した伊右衛門の元に伊藤家から毒薬が届く。血の巡りの薬と騙され飲んだ岩の顔はたちまち醜く変わり、非業の死を遂げる。その後、伊右衛門は岩の亡霊に悩まされ…。江戸時代生まれのホラーは怖いけどすごく哀れ。「江戸時代にもホラーというジャンルは存在して、当時から少しでも涼しく感じたいということで、夏に上演され喜ばれてきたジャンル。ゾクッとする怖さを楽しむ人がいるのは、今とまったく同じです。この物語の中心人物であるお岩様は、信じていた夫に騙されて殺されて、本当にかわいそうな女性です。夫の伊右衛門に薬と偽られ毒薬を飲んでしまい、髪をすく間にどんどん髪が抜けていく描写などは、怖いけどすごく哀れ。そのぶん恨みも深いのか、お化けになって登場するお岩様は本当に怖いので、ホラー好きな人なら喜んでいただけるのではないでしょうか」また、伊右衛門はお岩を死に至らせたばかりでなく、内職の手伝いに雇った小仏小平も殺害。そのふたりの幽霊が同時に現れる場面では、一人の役者が二役を一瞬で演じ分ける早替わりの演出も。「舞台の上に幽霊を登場させる演出の面白さもあれば、仇討ちのエピソードなどもあり、見どころの多い作品です」【め組の喧嘩(めぐみのけんか)】火消しと力士の意地の張り合い。喧嘩は迫力満点!品川宿、隣り合わせた座敷で飲んでいた力士たちと鳶の面々が、ひょんなことから小競り合いに。そこに割って入ったのは町火消しの「め組」の鳶頭・辰五郎。場は収まるが、鳶は武士に召し抱えられた力士より格下だと言い放たれる。面子を汚された辰五郎は仕返しを決意。妻と子に別れを告げ、彼を慕う鳶たちを率い、真剣勝負の場に乗り込んでいく。江戸の華といわれる“喧嘩”を堪能できます。「火消しと力士それぞれが自分たちの主張を曲げず、意地の張り合いから、それぞれのプライドをかけての命懸けの喧嘩に発展していきます。火事と喧嘩は江戸の華といいますが、それを嫌というほど堪能できる演目。これぞまさに“江戸っ子”というものが随所に描かれているので、そこを楽しんでもらえると思います」描かれるのは、ひたすら喧嘩の場面だが、「大人が本気で喧嘩している姿って、はたから見ていると面白いんですよね」とも。「力士たちへの意趣返しをしようと決意した鳶たちが勢揃いする場面がありますが、その迫力は本当に圧巻のひと言。鳶頭の辰五郎を筆頭に、手桶の柄杓でおのおの水盃をして威勢よく駆け出していく姿は無条件にかっこよく、観ていて気分が高揚すること間違いなし。出てきすぎじゃないの?と思うくらいたくさんの鳶がそこに登場するのも面白く、お祭り騒ぎ感も満載。わかりやすく見応えのある作品です」【義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 川連法眼館(かわつらほうげんやかた)】親への恋しさゆえ武将に化けた子狐の情愛に涙。兄・源頼朝に謀反を疑われた源義経は川連法眼の屋敷に匿われていた。そこに家来・佐藤忠信が訪ねてくるが、そのすぐ後、静御前を伴い忠信が来たとの知らせが入る。義経の命により忠信の真偽を確かめようとした静の前に正体を現したのは狐。鼓にされた父狐と母狐への恋しさゆえ、鼓を持つ静の供をしていたという。憐れんだ義経は狐に鼓を与える。あっと驚くようなアクロバット的演出も。『義経千本桜』は、兄・源頼朝から謀反を疑われ追われる身となった源義経の物語を背景に、戦によって思わぬ境遇となった人々を主人公にした、複数の物語で構成される壮大な作品。「タイトルロールでありながら、どのお話も主人公は義経ではなくその周りに生きる人々。なかでもこの場面は、狐が主人公で、その狐が人間の姿に化けて言葉をしゃべるというところが面白いです。しかも描かれているのは狐ではあれど親子愛で、どの時代もどの人にも伝わるテーマ。また義太夫という、ナレーションを兼ねた音楽に乗った音楽劇的な要素もあれば、“ケレン”と呼ばれるあっと驚くようなアクロバット的な演出もあり、見どころが多い演目。物語のラストは、狐の視点で大団円を迎えるので観ていて爽快感がありますしね。また、物語の時代背景や前後のエピソードを知らずとも、このお話単体で楽しめるので、初めて歌舞伎をご覧になる方にはぴったりだと思います」【俊寛(しゅんかん)】孤島に残された俊寛の深い悲しみが胸に迫る。平清盛打倒の謀略で孤島に流された俊寛僧都、藤原成経、平康頼。侘しい島暮らしの中、成経は海女・千鳥を妻に迎えた。そんなおり島に赦免船が。喜ぶ彼らだったが、使者の瀬尾は千鳥の乗船を拒む。当惑する中、瀬尾から妻が清盛に殺されたと聞いた俊寛は絶望。瀬尾を討ち、その罪で島に残る代わりに千鳥を船に乗せるよう懇願。俊寛は、ひとり島から涙で船を見送る。徐々に遠ざかっていく船を見送る俊寛に注目です。「舞台の真ん中に大きな岩があって、浜辺があって、海が見えて、そこに突然大きな船がやってくる…。あえてリアルを追求せず、デフォルメされた大胆な構図のセットで歌舞伎をやるということに、驚く人もいるのではないでしょうか。終盤、どんどん潮が満ちていく中、ひとり岩の上に取り残された俊寛が、仲間が乗る船を見送るシーンがあります。このとき船は舞台上に出すことなく、俊寛を演じる役者の目線を通して、徐々に遠ざかっていく船の姿を想像させる演出になっています。セットと役者、そしてそれを観る観客の想像力を借りることで、孤島にひとり残された老人がこれから直面する現実の悲しさを強烈に印象づける、極めて演劇的な作品だと思います」それゆえ、俊寛を演じる俳優によって、作品の印象がガラッと変わってくるのも面白いところ。「この作品に限ったことではないですが、さまざまな俳優で比べて観られるのも歌舞伎の面白さです」【実盛物語(さねもりものがたり)】どんでん返しに次ぐどんでん返しで飽きさせない。平家全盛の世。平家の武将・実盛と瀬尾は源氏方の木曽義賢の妻が産む子の詮議に訪れる。そこに運ばれてきたのは源氏のシンボル・白旗を握る女の片腕。それは源氏方の娘・小万の腕で、元源氏方の実盛が平家に白旗が渡るのを恐れ切り落としたもの。小万の子・太郎吉が母に悪態をつく瀬尾に刃を向けると瀬尾は自らを討たせ、小万はかつて己が捨てた娘だと告白する。「そんなわけあるか!」と心の中でツッコんで(笑)。「物語の舞台が源平合戦の時代であったりするので、フォーマルな堅い演目のように感じるかもしれませんが、描かれているのは登場人物たちの心の話。ここに登場する武士たちは、みんなが庶民と何ら変わらないことを思っていて、我々と何ら変わらない行動を取るので、親近感を持ってカジュアルな気持ちで楽しんでいただける演目だと思います。また、切り落とした片腕を死体に繋いだら、死んだ人が息を吹き返すという馬鹿馬鹿しい展開もあるので、『そんなわけあるか!』と心の中でツッコみながら楽しんでいただければと思います(笑)。そしてもうひとつの見どころは、最後に出てくる馬。中に人が入っているんですが、結構大きく迫力があるので本物かと驚く方もいるはず。しかもちゃんと芝居をする馬で、尻尾を揺らしたりブルッと震えたりする仕草は結構リアル。その馬に実盛が乗りますが、高さも乗り心地もまるで本物みたいなので注目していただければ」おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節宗家の家に生まれながら、7歳から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。現在は、歌舞伎の舞台のほか、ドラマや映画、バラエティ、現代劇やミュージカルなど幅広く活躍。’15年からは自主公演『研の會』を主催し、数々の大役に挑戦。11月には歌舞伎座への出演も決まっている。※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・西岡達也イラスト・momo構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月01日3歳のときに曽祖父で名優の六代目尾上菊五郎の踊る『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』を映像で観て歌舞伎の虜になり、歌舞伎俳優の道を歩み始めた尾上右近さん。その右近さんの考える歌舞伎の魅力とは、「なんでもない所作に拍手が起こる現象があるところ」。結局は、歌舞伎がすごいっていう結論になるんです「手ぬぐいをすっと取る動きだけで、深い感動を呼ぶっていうことが歌舞伎では本当にあるんです。それがなぜできるかといったら、“芸”があるからなんですね。先輩の中には何も動かずそこにいるだけで感動を呼ぶ方もいらっしゃいますけれど、基本的には芸で魅せるものだと思っています」その芸とは、何百年と続く歴史の中で“型”として構築されたもの。「新作歌舞伎と違い、古典は自分以外にも同じ役をやっている人がたくさんいます。もっと言えば、過去にその型を作った人がいて、それがいろんな人の手により継承されてきた歴史がある。だからどんなに僕が褒めていただいても自分の力だと思えなくて、結局、歌舞伎がすごいんだって結論になる。でもそれが古典の面白さだとも言えるんですよね」しかし古典も、昔の型をただ踏襲してきただけではない、とも。「六代目菊五郎の話ですが、かつては数百人の劇場でやっていたものが1000を超えるキャパに変わってきたとき、それまでの蛍を目で追う振りが後ろの観客には伝わらなくなったそう。どうしたらいいかを考えていたときに、目の不自由な人が、目の代わりに指先で見ると話していたのがヒントになって、蛍を指で追う振りを思いついたんだとか。そうやって時代を超えるために変わるものもあれば、変わってはいけないと意地になっている部分もあって、今の古典歌舞伎があるんですよね」その時代時代に歌舞伎役者がいて、彼らの肉体や精神を通して伝承してきたところに価値がある。「松本白鸚のお兄さんのところに教わりに伺ったとき、お兄さんが僕くらいの頃、年上の先輩に芸を教わりに行かれた思い出話をたくさんしてくださったんですよね。そのとき十七代目中村勘三郎さんの芸がいかにすごかったか話しながら当時を思い出して感動して泣かれるんです。僕はそのお兄さんの姿に感動でした。十七代目の芸を間近で見た感動を伝承する。これこそが継承で、その感動もひっくるめて古典になっていくんだなと思いました」歌舞伎1603年頃に京都・鴨川の四条河原で、出雲の阿国が始めたかぶき踊りが始まり。“かぶき”とは“傾(かぶ)く”が語源といわれ、風変わりな派手な服装で、これまでにない斬新な踊りを踊ったことから付いた名称といわれる。かぶき踊りは庶民の間で一世を風靡したが、風紀の乱れを助長するとして幕府より禁止令が下った。その後、男性による野郎歌舞伎が誕生。元禄時代、人気役者と実力派作家の台頭とともに娯楽として発展した。おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節宗家の家に生まれながら、7歳から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。現在は、歌舞伎の舞台のほか、ドラマや映画、バラエティ、現代劇やミュージカルなど幅広く活躍。’15年からは自主公演『研の會』を主催し、数々の大役に挑戦。11月には歌舞伎座への出演も決まっている。※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・西岡達也構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月01日歌舞伎の舞台を務めながら、日本の伝統音楽である清元節の継承者でもある尾上右近さん。近年はバラエティ番組に出演したり、ミュージカルに出演するなど精力的に活動しているが、そのバイタリティは一体どこからやってくるのだろう。――先日、8人の現代アーティストとの対談集『右近vs8人』を出版されました。もともとアートに興味があったということですが、関わりというと?僕はもともとアートを歌舞伎の延長線上にあるものとして捉えていたようなところがあります。3歳のときに見た曽祖父である六代目尾上菊五郎の『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』の映像に心を奪われて、歌舞伎の世界に来たんですね。曽祖父の存在そのものが好きだったので、写真集の中にあった曽祖父の描いた竹林の絵を模したくて描いていたのが、5歳くらいの頃。そこから、絵が好きならばと日本画の先生のところに教わりに行くようになり、次第に日本画から近現代のアートにも興味を持つようになりました。――対談での右近さんの言語感覚の鋭さにも驚きました。自分の想いや考えをこんなに明確に言葉にできる方って多くはないので…。会話が好きなだけです。自分で文章を書くのはそこまで得意じゃなくて。会話って相手の反応があるから、そこでやり取りする中で、自然と言葉が出てくるんです。だから取材も好きですよ。なるべく自分の言葉が世に出るときには、ちょっと色合いがある面白い言葉を使いたいと思っていたりします。――そういうパワーワードは、ストックしておくんですか?人と関わる時間が好きな一方で、根本的には根暗、みたいなところがあるので、ひとりでいるときにあれこれ考えるんです。そこで自分の考えが徐々に明確になってきたら、何度か言葉に出して言ってみる。それを繰り返すうち、自分にしっくりくる言い回しみたいなものが見つかるんです。みんながいい反応をしてくれるなって思ったら、そこはもうこすりにこすって言い慣れた感じにしていくっていう(笑)。内弁慶で2人になると全然喋れないんです。――出演されているレディースアートネイチャーのCMも面白かったです。「突然の尾上右近」ってすごいフレーズですが、お引き受けになられたのは…。嬉しいじゃないですか。断る理由、なくないですか?たまに知り合いにイジられるくらいで。――イジられるのはいいんですね。イジられるのもイジるのも好きです。それもコミュニケーションのひとつだと思ってるので。――CMにかぎらず、バラエティ番組やミュージカルなど、今や歌舞伎以外の分野にも数多く進出されています。なんでもやってみたいというのと、いろんなことをやってみることで、自分では見つけられなかった自分を見つけてもらえて、広がりを持てるというところですかね。逆に、歌舞伎界を背負っている感覚はまったくないですし。あと単純に、知り合いが増えるのが嬉しいというのもあります。歌舞伎界って、ずっと同じメンバーでやっているわけで、みんな家族みたいなもんなんです。家族って近くて遠い存在で、素の自分というより、みんなが認識しているであろう自分を見せてしまう、みたいなところってありますよね。――いい子であろうとしちゃったりしますね。歌舞伎以外の作品に初めて出たのが2018年の舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』でしたが、ご自分から外に出ていこうと動かれたんですか。そうですね。自分から動いて今の事務所に入れていただきました。でも、所属してから舞台に出るまで2~3年ありましたから、結構時間がかかりましたね。――それは好奇心から?それとももうちょっと…。どっちもです。好奇心もあったし、できないことがあるのが嫌だなというのもあって。あとは、とにかくなんでもやって目立ちたかったというのもありました。目立たないと、歌舞伎の舞台で真ん中に立てないので。でも、目立つのが一番の動機ではないです。一瞬そこで葛藤していた時期もありますけれど、関わる人たちに失礼ですし。実際に現場に飛び込んだら、そんなことより現場で過ごす時間そのものが楽しいんですよね。歌舞伎って、お互いわかりきっている関係性から安心して一緒に芝居ができるっていうこともあるんですが、逆に一回怒らせちゃったことがある役者仲間ともずっと一緒なわけです。歌舞伎界が門限のある世界だとしたら、友だちの家にお泊まりしたくなるものでしょ。そういう感覚なんです。――それだけ厳しい世界ということなんですか?それぞれひとりひとりじかに関わってみると優しいし、普通なんですけれど、組織になると厳しくなっちゃうんですよね。でもそこに気づけたのも、内弁慶の僕が知らない人がいっぱいいる世界に飛び込んで、いろんな人と関わっていく中で、ひとりひとりと向き合っていくことが大事なんだって思えてからで。以前は師匠(七代目尾上菊五郎)なんて、どこか超越した生き物みたいに思っていたんです。必要な報告や連絡以外は、話さないし話せない、みたいな。でも、ある時期から徐々に冗談とか言える感じになって、人間同士として関わることが大事だし、楽しいんだなって思いました。右近さんが、念願だったという横尾忠則さんをはじめ8人の現代アーティストと語り合った対談集『右近vs8人』(PARCO出版・2420円)は、現在好評発売中。横尾さんとは、8月2日~3日に浅草公会堂で開催される自主公演『第七回 研の會』のポスターでもコラボ。会では『夏祭浪花鑑』と『京鹿子娘道成寺』に挑む。おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節の宗家に生まれ、幼い頃から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。近年は歌舞伎以外の活動も精力的におこなっており、昨年のミュージカル『ジャージー・ボーイズ』も話題に。現在は、新橋演舞場で上演中の新作歌舞伎『刀剣乱舞』に出演中。※『anan』2023年7月12日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(tatanca)ヘア&メイク・Storm(Linx)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年07月07日新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』の初日前会見・公開舞台稽古が2日に都内で行われ、尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉、上村吉太朗、河合雪之丞が取材に応じた。同作は名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男士」を収集し、歴史の改変を企む敵に対抗すべく、 様々な時代の合戦場を攻略していく刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』の歌舞伎作品。今回は十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を、歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色する。三日月宗近役で演出も務める松也は「演出の立場で舞台を観ることは初めてだったんですが、皆さんに自分が思うことを具現化していただきながら形になっていく喜びというのは、今まで感じたことのない感情でしたし、いろんな意見もいただくことで、役者として立ってる時には気づかなかったことですとか学びというか、得るものがたくさんありました」と感謝する。「自分が出てるところも含めて全部見ていくわけで、稽古場の前半は代役の方に立っていただき、非常に面白い感覚でした。いざ僕が立ってみますとなると景色が全然違って、上手から出ていいのか下手から出ていいのかわからなくなるという状況がありまして、これは不思議なもんだなと思いました」と振り返った。演出の松也について、足利義輝/小狐丸役の右近は「仲間として役者を信じてくれてると思うのと、人間性がとても優しくあたたかく力強く、そして自分の意思が強い方なので、普段から関わっていて、今演舞場の真ん中になっている尾上松也を作ってるのは自分自身だと思うんですね。人と関わることを積み重ねてきた中で苦労もされてきたと思うんですけど、演出家としては優しくわかりやすくあたたかく導いてくれる、信頼関係を築いた上で伝えてくれる素敵な演出家さん。役者として求められてる以上の形で返したいと思いながらやらせていただいています」と絶賛。「二役とも色々なことをやらせていただいている」という松永久直/同田貫正国役の鷹之資は、「ミラクルが起こりまして、知り合いの方に同田貫さんがいらしゃいまして、本当に刀鍛冶の末裔の方だった。そこを見越してお兄さんが(役を)つけてくださってたのかというくらいのミラクル」と驚きのエピソードを明かすと、松也は「見越してましたよ」とジョークを飛ばす。鷹之資は「ご本人に連絡したら、一族を代表して応援してくださるそうなので、たぬたぬ(同田貫)ファンに興奮していただけるようなお芝居を松也のお兄さんの演出のもと、作っていければと思っています」と意気込んだ。義輝妹紅梅姫/髭切役の莟玉は「いろんなパターンを用意してくださって『どれが合うかはこちらで全体のバランスを見るからチャレンジしてやってみよう』と、ふだん自分から出てこないプランを求めていただくことによって、初めてチャレンジできる。本当に勉強にある演出家」と表す。膝丸役の吉太朗は「僕は大阪出身なので共演させていただく機会はなかったんですけど、小さい頃はただの耳たぶが大好きな先輩という印象だったんですけど、最近ご一緒させていただく機会が増えて、今回改めて演出になられてずっとずっとついていきたいなと思える存在」、小烏丸役の雪之丞も「松也さんは歌舞伎はもちろん様々な舞台に出られていらっしゃって、映画とかテレビの方も引き出しをたくさんお持ちなので、歌舞伎の要素満載でございますけど、そのほかのところも色々なご経験がおありになって作られた作品ではないかと思っています」とそれぞれに今回の演出について語った。公演は新橋演舞場にて、7月2日~27日。
2023年07月02日新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』製作発表記者会見が5日に都内で行われ、尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉が登場した。同作は名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男士」を収集し、歴史の改変を企む敵に対抗すべく、 様々な時代の合戦場を攻略していく刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』の歌舞伎作品。今回は十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を、歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色する。三日月宗近役、そして演出も務める松也は「何が歌舞伎かというのはないんですけど、王道の歌舞伎のテイストはふんだんに盛り込みたいなと思ってはおります」と展望を明かす。「もう一つのこだわりとして、あまり最新技術に拘らない。否定するわけでもなく、全く使わないというわけではないんですけれども、できるだけ頼らずにアナログの形で生の舞台の良さを表現できたらいいなとは思っております」と計画しているという。同作の企画について、松也は自主公演で作った新作歌舞伎『赤胴鈴之助』での達成感が大きく、「演出という立場でやってみたい」と思っていたそうで、「非常に念願というか思いかなったような感じでした。企画から入ってるんですけど、その時から自分で演出をしたいと思っていました。ですから、松竹さんから頼まれたわけではありません」と説明する。さらに『刀剣乱舞』を選んだ理由を聞かれると「まず歴史がメインのテーマになっている。歌舞伎というジャンルは常に歴史との関わりが深い作品ばかりですから。あとはキャラクター造形。洋装のキャラクターもいるんですが、舞台とかミュージカルを拝見して、歌舞伎的要素を盛り込んだ衣装を着ているキャラクターもたくさんいますし、そこに対する思いを感じられるような部分があったので、歌舞伎にしやすいんじゃないかと思いました」と答える。さらに「ゲームのシステムというのを踏襲して、それぞれがオリジナルストーリーを作っているというところに非常に面白いなと感じましたし、そんなコンテンツは他にあまりないと思うんですよね。歌舞伎をやると決めた時点でできるだけ古典らしさを表現したいと思ってましたので、ストーリーが自由であるということで、作りやすいんじゃないかなというところはありました」とコメントした。松也は「これだけ人気のある作品に携わらせていただくというのは光栄な反面、それだけ期待されることも多いですし、僕も『刀剣乱舞』ファンの1人になってるわけですし。それ以外でもファン心理がわかるもので、例えば自分が好きなアニメ作品が映画になる時に、嬉しいのに、反面『どうやって表現していくんだ、この野郎』と期待と不安を抱きながら見たりする時もありますから」とプレッシャーも感じている様子。「それだけの作品を扱うというと、どういうふうに作っていったらいいのか考えてしまうところもあるんですけど、けっこう思い切って歌舞伎に振り切ってます。ファンの方の心理は絶対に無視したくない、残すべきところは残して削ぎ落とすところは削ぎ落として大胆に、物語としてもそういう気持ちを持って取り組んでいけたらいいかなと思います」と意気込んだ。さらに「新作をやる時に常に思ってることは、どんな形で上演しようが、新作を作るんだから、1度だけというつもりではなくてですね。これからも僕が演じるということではなく、これからの新作歌舞伎『刀剣乱舞』というものが、何百年後かに古典歌舞伎として皆さんに愛される、そして後輩たちにやりたいと思ってもらえるような作品にしたいと、常に思いながら作るということは信念に置いてますので、そういうことも意識しながら作っていきたいなと思っております」と語った。また、ストーリーについては「自由で、どの刀剣男士を出さなきゃいけないとか、どの物語でやらなきゃいけないというルールもないので、本当にゼロからだったので、それもけっこう難航したんですね」と振り返る松也。「いろいろ考えた中で、やはり三日月宗近というキャラクターは『刀剣乱舞』の中でも顔ですし、常に中心にいるキャラクターなので、まずは三日月宗近を想定した場合、どういうものができるか考えた中で見つけたのが、足利義輝とのつながりというところで。諸説あるんですけれども、最初の主が義輝の可能性が高いというような話を知りまして、非常に壮絶な最期を遂げていらっしゃって、それも非常にロマンチックでしたし、義輝と三日月宗近のクライマックスを想像するところから着想を得たというのが最初でした」と明かした。公演は新橋演舞場にて、7月2日~27日。
2023年06月05日新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』製作発表記者会見が5日に都内で行われ、尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉が登場した。同作は名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男士」を収集し、歴史の改変を企む敵に対抗すべく、 様々な時代の合戦場を攻略していく刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』の歌舞伎作品。今回は十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を、歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色する。足利義輝/小狐丸を務める右近は同作の上演について「2.5次元でされてきた中でも、僕も他の舞台でご一緒した高橋健介くん、spiさん、有澤樟太郎くんだとか、いわゆる刀剣男士の先輩たちも歌舞伎化を喜んでくれてまして。『歌舞伎らしさを頭に置きながら自分たちもやってきたところはある。今回歌舞伎役者たちががっつり歌舞伎をやるなら、『それをやられたら俺たち困っちゃうよ』という舞台を作ってほしいとに期待してくれている」と明かす。「変に寄ってくわけでなく、自分たちが知ってる歌舞伎らしさ、歌舞伎の手法、様式を正々堂々と貫き、しっかり噛み合った上で盛り上がっていけるんではないか」と意気込んだ。すでにビジュアルが発表され大きな反響を呼んでいるが、右近は「僕自身も自然な歌舞伎風の扮装ができたなと撮影の時に思って、ビジュアル解禁してからSNSの反応も色々見させてもらって、とても皆さん喜んでいただいてよかったなと。ただ一つ気になったのは、ちょっと顔が長いという……顔が割と面長だなあという評判の方がありまして」と苦笑する。さらに右近は「それはなるべく気にしないでもらいたいなと思ってる中で、1人の方が『右近さんは顔が長いけれども、踊りも芝居も達者で確かな歌舞伎の腕がある俳優さんなので、お芝居を見ていれば気にならないと思います』というコメントがあったので、これだからエゴサーチはやめられないなと思いました」と語り、会場は爆笑。「面長気にならないで、みなさん! 見にきてください」とアピールする。松也が「僕はそんなに面長だとは思わないですけどね」とフォローすると、右近は「いや、嘘つけ!」とツッコミ。松也は「長年一緒にいますからね、わかんなくなっちゃってるのかもしれませんけど」と応えていた。
2023年06月05日5月2日(火) より開幕する、歌舞伎座新開場十周年「團菊祭五月大歌舞伎」昼の部『音菊眞秀若武者』で、尾上菊五郎の孫である寺嶋眞秀が初代尾上眞秀を名乗り、初舞台を勤める。このたび、眞秀の撮り下ろしスチール写真が公開された。寺嶋眞秀は、平成24(2012)年9月11日生まれの10歳。平成29(2017)年5月の歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」において『魚屋宗五郎』の酒屋丁稚与吉で初お目見得して以来、次々と舞台に出演している。今回の写真は、『音菊眞秀若武者』で演じる立役の「岩見重太郎」と、女方の「女童」の二役を、世界的に活躍するフォトグラファーの土井浩一郎が撮影。眞秀が歌舞伎のポスター撮影を行うのは今回が初めてで、撮影は祖父・尾上菊五郎立ち会いのもと行われた。撮影:土井浩一郎初舞台となる5月公演の衣裳をこの日初めて身に纏った眞秀は、女方では可憐さを、立役ではキリっとした凛々しさを溌剌と表現。撮影を終えると「衣裳もかっこよくて、写真もきれいで、5月の舞台が楽しみになりました」と公演への意気込みを語った。また本公演では、初舞台を彩る特別な引幕「祝幕」がお披露目される。今回の祝幕は、ラグジュアリーブランド「CHANEL」のサポートにより、シャネルのファッションショーでのコラボレーションの実績もある現代アーティストのグザヴィエ・ヴェイヤンがデザインし、コンテンポラリーな刺繍で知られるフランスの刺繍工房モンテックスが刺繍を施したものとなっている。<公演情報>歌舞伎座新開場十周年「團菊祭五月大歌舞伎」5月2日(火)~27日(土) 歌舞伎座チケット一般発売:4月14日(金) 10:00~詳細はこちら:
2023年04月07日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)は、尾上流四代家元、三代目尾上菊之丞のオフィシャルファンクラブ「菊之丞 FAN CLUB」を2023年4月1日(土)より発足、入会受付を開始いたします。当クラブでは、菊之丞が日本舞踊や伝統芸能、日本文化を初心者の方にもわかりやすくお話しする動画コンテンツやここでしか見ることができないオフショット等を配信、非売品の入会特典やお誕生日カード、年に一度のお茶会など様々な企画も予定しています。このクラブを通して、日本舞踊や伝統芸能の世界を身近に感じていただけるきっかけとなることを目指します。菊之丞 FAN CLUBURL: ■日本舞踊、伝統芸能の世界をもっと身近に日本舞踊尾上流の四代家元である尾上菊之丞は、「日本舞踊を通して日本の伝統芸能の魅力を国内外へ伝えたい」という思いの下、自身が主宰する舞踊会はもとより、新作歌舞伎の振付けや古典芸能のオンラインサロン、異分野とのコラボレーションなど幅広い活動を精力的に行っています。今回発足する公式のファンクラブ「菊之丞 FAN CLUB」では、日本舞踊や伝統芸能の世界に通じていらっしゃる方はもちろん、これまであまり馴染みがなかった方にも親しみやすくわかりやすい内容の動画コンテンツを月2回配信します。また、オフショットや趣味などのプライベートについてお話しする回も設け、「尾上菊之丞」をより身近に感じていただける内容となっています。さらに特典として非売品の直筆サイン入りポストカードのプレゼントや、会員限定のお茶会などの交流の機会も予定しております。このファンクラブが尾上流、そして日本舞踊や伝統芸能の魅力に触れていただくきっかけとなれば幸いです。オフショットや舞台裏まで、様々な動画コンテンツを配信します(イメージ)【「菊之丞 FAN CLUB」概要】名称 : 菊之丞 FAN CLUB公開日時: 2023年4月1日(土)13:00頃予定URL : ■特典<フリープラン(月額0円)>1. 尾上菊之丞・尾上流の活動のご案内<プレミアムプラン(月額1,000円/入会時別途500円)>1. 月2回のクラブ限定動画配信 ※1日・15日2. 入会時直筆サイン入りポストカード(非売品)3. お誕生日月お名前入り直筆バースデーカード(非売品)4. チケット優先予約5. 継続1年プレゼント6. 会員限定お茶会の開催7. 会員限定のご案内 ※4月中ご入会の方には特典あり(特典内容は諸事情により変更の可能性があります)直筆サイン入ポストカードなど様々な入会特典を用意(イメージ)■尾上流(おのえりゅう)とは日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創流されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさず、日本舞踊の魅力を国内外へ伝え続けます。尾上流HP: 2019年逸青会「影武者」■三代目尾上菊之丞略歴1976年生まれ尾上流四代家元/(公社)日本舞踊協会理事2歳から父・二代目尾上菊之丞(現・墨雪)に師事し5歳で初舞台。2011年尾上流家元を四代目として継承し、三代目尾上菊之丞を襲名。自身のリサイタル「尾上菊之丞の会」、狂言師茂山逸平氏との「逸青会」を主催。新作歌舞伎や花街舞踊の演出・振付を手掛ける。<振付・演出>尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」、松本幸四郎主演歌舞伎NEXT「阿弖流為」ラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」、市川猿之助主演スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」、尾上菊之助主演・新作歌舞伎「ファイナルファンタジーX」(2023)「風の谷のナウシカ」、宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」を振付。演出家としては、尾上菊之助主演「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」、尾上松也、生田斗真主演「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」、新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。Instagram: Facebook : Twitter : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月01日明日3月1日(水)配信開始となる「マンダロリアン」シーズン3の新シーズン開幕記念イベントが行われ、「スター・ウォーズ」ファンの尾上松也と、主人公・マンダロリアンの声を務める阪口周平が登壇した。グローグーを抱えて登場した松也さんは「最初に『スター・ウォーズ』から衝撃を受けたのは日曜洋画劇場でした。『エピソード4/新たなる希望』を初めて家族で見た時に“なんだこの作品は!”とそのカッコよさに惹かれて以来、ずっと愛し続けております」と早速並々ならぬSW愛を語る。阪口さんも「この作品はいい意味で泥臭いんです。ジェダイみたいにスマートではないけれど、マンドーの完璧ではないところが人間らしくて、いいアクセントになっているんです」と本作の魅力を力説した。ファンの間では、「スター・ウォーズ」イチの絆とも言われるマンドーとグローグーの関係だが、阪口さんは「最初、演出家からマンドーは常に心が枯渇しているキャラクターのように演じてくれと言われました」とふり返り、「でも、グローグーと一緒にいることで、マスクの奥に隠れていた感情が見え隠れするようになって、マンダロリアンとして生きていなかったらどういう人間だったのかということを想像しながら演じるようになりました。マンドーの感情を一番表現しやすいポイントは“ため息”で、マスクの奥ではどんな表情をしているのか、見ている人に想像してもらえるように意識しています」と明かす。松也さんは「シーズン2の最終話、あの衝撃のサプライズを観終わった時には30分間鳥肌が止まりませんでした。グローグーとマンドーの姿は本当に微笑ましくて、僕がマンドーだったら、常にグローグーとほっぺたをすりすりしていたいですね(笑)」「この作品は、2人の愛情の物語なんです」とコメント。銀河を舞台に壮大な冒険が描かれる本シリーズには、“伝説のジェダイ”ルーク・スカイウォーカーや、アナキン・スカイウォーカーの弟子だったアソーカ・タノ、賞金稼ぎのボバ・フェットなどレジェンドキャラクターが多数登場し、正史ともクロスオーバーしていく。製作総指揮のジョン・ファヴローは「このシリーズはマンダロリアンとグローグーの物語を軸にそこから発展させ、前からいるお馴染みのキャラクターや新しいキャラクターを連れてくる良い機会でした。毎週サプライズがあるので、ぜひその目で確かめてほしいです」と語っている。新シーズンではこれまで以上のビッグサプライズが待っているのではないか、と世界中が注目しているが、松也さんは「ストーリーそのものはもちろん、サプライズに期待ですね!シーズン1、シーズン2と色々なサプライズがあって、ルークの登場という最高のサプライズがありなら、シーズン3はなんでもありですよね。ハン・ソロや若き日のポー・ダメロンなどの登場も期待できますね!」と話す。そして最後にファンに向け、「シーズン3開幕ということで、僕も皆さんと同じく待ちわびていました。2人の冒険がどうなって、どんなサプライズが待っているのか一緒に楽しみましょう!」(松也さん)、「子供から大人まで、『スター・ウォーズ』が好きな人も、まだ見たことがない人も楽しめるシリーズです。それはシーズン3でも確実に変わらないことです」(阪口さん)と呼びかけ、新シーズン開幕記念イベントは終了した。「マンダロリアン」シーズン3は3月1日(水)17時~ディズニープラスにて日米同時配信開始。(cinemacafe.net)
2023年02月28日『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』の制作発表会見が29日、都内で行われ、尾上菊之助、中村獅童、尾上松也、坂東彦三郎、中村梅枝、中村米吉、中村橋之助、上村吉太朗、北瀬佳範が出席した。2001年に「ファイナルファンタジー」シリーズの第10弾として、北瀬佳範プロデュースにより発売されたゲーム『ファイナルファンタジーX』。続編を含め世界累計出荷・DL販売本数は2,110万本以上(2022年3月末時点)のシリーズ屈指の人気タイトルだ。今もなおユーザーから愛されている同ゲームを新作歌舞伎として上演。記念すべき初上演の出演者は自ら企画と演出を担当する尾上菊之助をはじめ、中村獅童、尾上松也ら歌舞伎界を代表する豪華な顔ぶれが揃う。企画と演出を担当し、主人公のティーダを演じる尾上菊之助は、自身が同ゲームの歌舞伎化を望み、自ら権利元のスクエアエニックスと交渉したという。「新作歌舞伎『ファイナルファンタジーX』の制作が始まったのが2020年3月、コロナ禍の真っ最中でした。当たり前だった歌舞伎公演がなくなってしまい、先行きが見えず何とかしたい、という思いを救ってくれたのが20年前に発売された『ファイナルファンタジーX』でした。コロナ禍の世界、そして戦争が起きている世界に強いメッセージを届けられるのではと思い制作することにしました」と歌舞伎化への経緯を説明し、「その思いに中村獅童さんや同輩たちも賛同してくださって今日の日を迎えられてとても嬉しく思っています。コロナ禍で大変な日本、そしてエンターテイメントの世界に少しでも元気を届けられたらなと思っています」と意気込みを語った。尾上菊之助から電話で直接出演のオファーを受けたという中村獅童は「菊之助さんと共演させていただくことも約10年ぶりぐらい。なかなかご一緒する機会がなく、プライベートでもお会いすることがなかったのでビックリしましたがうれしかったです。今からやるのがとても楽しみで、新しい菊之助さんと作れる喜びが1番大きいですね」と尾上の熱い気持ちに胸が打たれたという。尾上菊之助が演じる主人公ティーダの相手・ヒロインのユウナ役には中村米吉が演じる。「菊之助兄さんのティーダと私のユウナは淡い恋心を抱きながら旅が続きます。男女での共演はあまりないので楽しみな部分ではあります」と尾上菊之助との共演を喜び、「ユウナというヒロインが魅力的であればあるほど切なくなると思うので、ビジュアルの再現度を少しでも原作に近づけられるように頑張りたいと思います」と意欲満々。その中村は衣装合わせの時に撮影した写真を坂東彦三郎に見せたことを明かし、「ちょっと胸が小さいというお叱りもいただきましたのでその部分も改良させていただきます」と笑いを誘っていた。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』は、2023年3月4日~4月12日(3月8日・15日・22日・29日、4月5日は休演)の期間、東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京で上演される。
2022年11月29日劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が主宰を務め、映像・舞台で活躍中の俳優が多く所属する劇団「ナイロン100℃」が、結成30周年記念公演の第1弾を2023年2月から4月にかけて東京・ザ・スズナリ、大阪・近鉄アート館で上演することが決定した。ナイロン100℃がザ・スズナリで公演を行うのは、2013年上演の劇団若手公演『SEX,LOVE&DEATH ~ケラリーノ・サンドロヴィッチ短編三作によるオムニバス~』から10年ぶり、本公演としては1997年の『カメラ≠万年筆』『ライフ・アフター・パンク・ロック』2本立て公演から26年ぶり。元々は2020年冬に同所での公演が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け中止となっており、今回が満を持してのザ・スズナリ公演となる。出演者は松永玲子、村岡希美という劇団の大きな支柱であるふたりを中心に手練れの劇団員たちが集結。さらに客演として松本まりか、尾上寛之、岩谷健司、入江雅人が名を連ねている。また結成30周年記念公演の第2弾を、2024年夏に劇団のホームグラウンドである東京・本多劇場で上演することが発表された。■ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメントこの間25周年だと思ったらもう30周年なのだそうだ。人を馬鹿にしているような速さで時は過ぎる。というわけで2023年2月と2024年の夏に、30周年記念公演をやることになった。ナイロン100℃の旗揚げは1993年8月だから、後者は最早31年目にかかっているのだが、まあいいじゃありませんか。48回目の本公演は26年ぶりのスズナリでちょっと怖い芝居を、49回目の本公演はホームグラウンドである本多劇場で刀を抜かない時代劇をやってみたいなと、今は考えている。よろしくお願い、乞うご期待。<公演情報>ナイロン100℃ 48th SESSION『新作(タイトル未定)』作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演:松永玲子 村岡希美 /みのすけ 安澤千草 新谷真弓 廣川三憲 藤田秀世吉増裕士 小園茉奈 大石将弘 /松本まりか 尾上寛之 岩谷健司 入江雅人東京公演:2023年2月24日(金) 〜3月21日(火・祝) ザ・スズナリ大阪公演:2023年3月30日(木) 〜4月2日(日) 近鉄アート館ナイロン100℃ 49th SESSION『新作(タイトル未定)』作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ2024年夏 東京・本多劇場で上演関連リンクナイロン100℃ 公式サイト:キューブ 公式サイト:
2022年11月11日日本古来の伝統芸能に新たな視点を加え、これまでにない舞台公演を生み出してきた「J-CULTURE FEST」の「井筒装束シリーズ」。今回は構成・演出に日本舞踊尾上流四代家元の尾上菊之丞を迎え、古事記をもとにした詩楽劇『八雲立つ』を上演する。主人公のスサノオを演じるのは、歌舞伎役者ながら、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』での好演なども記憶に新しい尾上右近。そんな右近に本作へ寄せる想い、さらに2022年の振り返りと、2023年に向けた胸の内を語ってもらった。飛躍した表現は歌舞伎役者が得意どころ――台本を読まれての感想、作品としての魅力をどんな点に感じましたか?神話を題材にしているということで、メッセージ性がはっきりしている、非常にわかりやすいという点は、まず大きな魅力だと思います。さらに神が生まれる、国が出来るといったスケールの大きな話なので、そういった飛躍した表現は、僕ら歌舞伎の人間が得意とするところですから。特に僕が演じるスサノオは、暴れん坊のヒーローという、非常にエネルギッシュな役どころ。なので、ふんだんに歌舞伎的要素を取り入れられるのではないかなと。舞台上でお化粧をする、なんて演出もあるようですし(笑)。また舞踊には奉納といった意味合いもあるので、自分たちも神様と繋がっている、神様を感じながら舞台に立てるのではないかと思います。――本作には歌舞伎役者である右近さんのほか、多ジャンルのキャストが同じ舞台に立たれますね。歌舞伎そのものをやるわけではないですからね。各ジャンルの、しかも超プロフェッショナルな方が参加されるわけで、それぞれの持ち味を発揮していただきつつ、僕の役割としては、それをかき混ぜていくことかなと。さらに僕とお神楽の“ふたりスサノオ”という演出もあるようなので、それぞれの違いなども見比べていただけるのではないかと思います。スサノオ役を演じる尾上右近ほか、共演はイワナガヒメを演じる水夏希、構成・演出も手がける尾上菊之丞、さらに川井郁子のヴァイオリンと吉井盛悟の和楽器、石見神楽(MASUDAカグラボ)の舞が物語を彩る――年末年始の公演ということで、お客さまにとってもまた特別な想いで来場されるかもしれませんね。ここのところやっぱり、お客様のお時間を頂戴している、という感覚は非常に強くなっています。しかも今回は年末年始なわけで、その骨頂みたいなものですよね。だからこそシンプルに楽しんでいただきたい、もうそのことしか頭にないです。そしてお客さまに楽しんでいただくためには、自分も楽しむってことが大切なのかなと。今回で言えばやはり、お神楽的な動きであったり、お歌であったり、かなり大きな振り幅でいろいろな表現をさせてもらえる。なによりこの豪華な出演者の皆さんとご一緒出来ること、それが僕にとっての一番の楽しみですね。節目の30代。すべては歌舞伎のために――2022年もさまざまなことにチャレンジされた一年になりましたね。今年30歳になったのですが、それはやっぱり大きいみたいです。30代を最高のタイミングで迎えられたとは思いますが、20代が終わることに対する恐怖感は想像以上に大きくて。いわゆる若手じゃなくなるってことですよね。あと初めての挑戦が少なくなっていくこと。そこに対する恐怖感は、いまだにあるかもしれません。というのも「甘えちゃいられない」ってことだと思うんです。自分ってものをさらに認識しなきゃいけない時期に突入したというか。今まではとりあえずノリでやってみることも多かったのですが(笑)、いやいや、もうすでに似たようなことはやっているだろうと。もしもう一回やるとなったら、じゃあなんのために? というしっかりとした目標が必要になってくる。ただ“歌舞伎のため”というのは、やっぱり僕の中では相当大きいみたいですね。歌舞伎のためには、この人の話は聞いておいたほうがいいなとか、会っておいたほうがいいなとか。歌舞伎を基準にする、その意識はより強くなっていると思います。――映画やミュージカルなど活躍の幅を広げながらも、やはり最終的に戻ってくるのは歌舞伎だと?そうですね。自分が思っている以上に、歌舞伎ってものが僕の中で大きな位置を占めているみたいです。いくつか選択肢があった時、その中からどれを選ぶのか。なんとなくの気分で選ぶこともありますが、その理由を辿っていくと、結局は歌舞伎なんですよね。歌舞伎界で目立ちたいとずっと思っていた――ますますの飛躍が期待されますが、2023年はご自身にとってどんな一年にしたいですか?ある意味、スケジュールが見えてきた一年でもあります。これまでは「どんな一年になるんだろう?」と決まっていないことに対するワクワクだったんですが、来年は「どんな内容になるんだろう?」と決まっていることに対するワクワクに変わっている。それはちょっと新鮮な変化かもしれません。ただ先ほども言いましたが、やっぱり楽しみ続けてはいたいなと思います。――またお忙しい一年になりそうですね。そうですね。今までは「そんなことないですよ」と答えることも多かったんですが、これだけ言われ続けるということは、「俺、やっぱり忙しいんだな」と(笑)。でもありがたいですよ。だってずっとそうなりたかった、目立ちたかったんですから(笑)。それはなぜかと言ったら、やっぱりこの歌舞伎界でやっていきたいから。そして大役であり憧れの「鏡獅子」(『春興鏡獅子』)をやりたいから。そこは来年の大きな目標のひとつですし、執着していきたいなと思います。取材・文:野上瑠美子撮影:You Ishiiヘアメイク: Storm(Linx)スタイリスト:三島和也(tatanca)衣装:ジャケット¥26,400・パンツ¥17,380 / 共にINTERPLAY ※その他スタイリスト私物ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★尾上右近さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!J-CULTURE FEST presents 井筒装束シリーズ詩楽劇『八雲立つ』チケット情報はこちら:
2022年11月10日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)4代家元尾上菊之丞と宗家藤間流(事務所所在地:東京都港区 宗家:藤間勘十郎)八世宗家、藤間勘十郎は2020年7月、コロナ禍においても日本舞踊・伝統芸能の魅力を発信すべくオンラインサロン「K2 THEATRE」をスタートいたしました。2022年12月16日(金)、初めての舞踊公演を日本橋公会堂で開催、2022年11月1日(火)よりチケットを発売いたします。「関の扉」には歌舞伎役者の尾上右近氏も特別出演いたします。URL: 尾上菊之丞と藤間勘十郎 1■K2 THEATRE(ケーツーシアター)とは古典芸能の世界は伝統やしきたりを大切にする、クローズドな世界でもあります。コロナ禍で芸術や文化の意義が問われ、披露の場も縮小されるなか「オンラインサロン」という場で広く門戸を開き、沢山の魅力をお伝えしたい。そんな想いで流派の垣根を超えて、尾上流四代家元、尾上菊之丞と宗家藤間流八世宗家、藤間勘十郎が2020年に立ち上げたサロンです。新作から古典まで撮りおろしの日本舞踊やライブ配信、伝統芸能解説、和楽器演奏、楽屋拝見など“ここでしか観ることのできない”多彩なコンテンツをお届けしています。現代ではなかなかふれる機会のない日本舞踊・伝統芸能の世界を「お好きなときに」「何度でも」「自分のペースで」楽しめる、日本人なら知っておきたい古典芸能サロンです。■「オンラインサロンK2 THEATRE特別舞踊公演」詳細新しい表現の場である「K2 THEATRE」初の舞踊公演です。生の舞台の息遣いを感じていただきたく、全曲古典作品でありながらも、様々な趣向にてご覧いただきます。流儀として大切にしている演目や、衣裳拵えもあれば素踊りもあります。ゲストには尾上右近氏をお迎えして歌舞伎舞踊の大古典を勘十郎さんが練り直した「関の扉」を上演。尾上菊之丞の子供たちも出演いたします。日本舞踊の魅力、生の舞台をお楽しみください。11月中に家元と宗家、尾上右近氏によるインスタライブも実施予定です。一、女夫狐(常磐津) 藤間勘知恵・藤間勘松音・藤間勘光二、二人椀久(長唄) 尾上菊透・尾上菊晴三、漁樵問答(長唄) 尾上菊之丞・藤間勘十郎四、外記猿(上) 羽鳥嘉人汐汲 (下) 羽鳥以知子五、関の扉(常磐津) 藤間勘十郎・尾上右近・尾上菊之丞場所 : 中央区立 日本橋公会堂/東京都中央区日本売蛎殻町1-31-1半蔵門線「水天宮前」A6出口・日比谷線「人形町」A2出口・浅草線「人形町」A5出口日時 : 2022年12月16日(金)午後4時30分開演 ※午後4時開場入場料: 1階席8,000円 2階席6,000円 ※全席指定/税込演奏 : 長唄/唄:日吉小八郎 三味線:東音河野文常磐津/浄瑠璃:常磐津和英太夫 三味線:常磐津菊寿郎囃子/藤舎千穂 連中チケット申込 : チケットに関するお問い合わせ先: 株式会社TOMABUNE03-6812-9592 kanjurou.soke@gmail.com ■K2 THEATRE概要初の舞踊公演を記念し、2022年11月1日より12月末まで、初月無料で「K2 THEATRE」のコンテンツをお楽しみいただけます。名称: K2 THEATRE(ケーツーシアター)概要: CAMPFIREにて入会申込後、Facebookクローズドグループにて視聴&コミュニケーションURL : ※サロンメンバーとしてご登録後、初月無料でご視聴いただけます。■尾上流(おのえりゅう)とは日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさずその魅力を国内外へ伝え続けます。尾上菊之丞■三代目 尾上菊之丞(おのえ きくのじょう) 尾上流四代家元1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年四代目尾上流家元を継承し三代目尾上菊之丞を襲名。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。日本を代表する和太鼓奏者、林英哲氏をはじめ様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも積極的に挑戦。京都芸術大学非常勤講師。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けています。歌舞伎や宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」等を振付。OSK日本歌劇団、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。日本舞踊界初の映像作品、日本舞踊Neo「地水火風空そして、踊」では作・演出を務めています。■■コメント■■「勘十郎さんとはこれまで様々な形で共に力を合わせて歩んで参りました。時に作曲家と役者として、時に浄瑠璃と三味線のコンビとして、また今回の会場となる日本橋劇場にて2008~2014までの7年間「趣向の華」という夏の勉強会の共同主催者として、そして2020年コロナ禍に突入して立ち上げたオンラインサロン「K2THEATRE」の共催者として初めて2人で本業の舞踊公演を開催します。また互いの流儀とも大変関わりの深い尾上右近さんを迎えての舞台を是非ご覧ください!」尾上流 : Instagram: Facebook : Twitter : ■宗家藤間流とは宗家藤間流は日本舞踊の五大流派の一つで、江戸時代から今日まで300年以上の歴史があります。代々、歌舞伎の振付師であり、六世藤間勘十郎は多くの振付作品を残したことで人間国宝に指定されました。彼は衣装や鬘を付けない「素踊り」を積極的に取り入れ、今でも「素踊り」は当流において根幹をなす踊りのスタイルです。歌舞伎舞踊と六世の作品や手法の両方を守り、発展させています。藤間勘十郎■宗家藤間流八世宗家 藤間勘十郎(ふじまかんじゅうろう)1980年生まれ。歌舞伎振付師。宗家藤間流現宗家。2002年、22歳で八世を襲名、翌年に芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を受賞。歌舞伎舞踊の振付以外にもオペラやニコニコ超歌舞伎などの舞台演出等、多方面で活躍。振付師として活動する一方で後進の育成にも力を入れる。また、2007年のフランスや2015年のブラジルなどの積極的に海外公演を行い、日本伝統芸能の魅力を国内外に発信しています。■■コメント■■「藤間勘十郎でございます。この度K2シアター初の舞踊公演にゲストとして尾上右近さんをお迎えし天下転覆を企む悪人とそれを打ち砕く桜の精の奇想天外な物語を描いた歌舞伎舞踊の名作【関の扉】、若返りの水を求め養老乃瀧に現れた樵夫が竜宮城帰りの浦島太郎と出会う【漁礁問答】を上演致します。今まで色々舞台で御一緒してる菊之丞さんと、二人の舞踊公演は実は初めて!!どのような公演になりますか乞う御期待!是非劇場に!」藤間勘十郎HP: Instagram : Facebook : Twitter : YouTube : 尾上右近■歌舞伎役者 尾上右近(おのえ うこん)1992年生まれ。清元宗家七代目 清元延寿太夫の次男。曾祖父は六代目尾上菊五郎、母方の祖父には俳優 鶴田浩二。7歳で歌舞伎座『舞鶴雪月花』の松虫で本名の岡村研佑で初舞台。12歳で新橋演舞場「人情噺文七元結」の長兵衛娘お久役ほかで、二代目尾上右近を襲名。2018年1月清元栄寿太夫を襲名。■■コメント■■「二人のお師匠さんとこのような形でご一緒させていただける日が来たなんて夢のようです。僕も本名の頭文字がKなので、ある意味K3のつもりで励みます!」尾上右近HP: Instagram : Twitter : YouTube : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月01日監督集団「5月」が香川照之を主演に迎え制作した初の長編映画『宮松と山下』が、11月18日(金)に公開される。この度、90秒予告と追加場面写真が公開された。数多くの名作CMや教育番組『ピタゴラスイッチ』を手掛けてきた東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦、NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、多岐にわたりメディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗の3人からなる監督集団「5月」。“新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画がカンヌ国際映画祭から正式招待を受けるなど注目を集めている。映画・ドラマ・舞台に限らず、ニュース番組・教育番組など、八面六腑の活躍を続ける香川にとって本作は、ポン・ジュノ監督作品『TOKYO!<シェイキング東京>』、黒沢清監督作品『トウキョウソナタ』に主演した2008年以来の単独主演作品となる。公開された90秒予告は、「ヤー!」と大声をあげた香川照之演じる男が、勇ましく相手の侍に刀を振りかざすも、斬り返され倒れるところから始まる。あたりは静まり、死んだはずの男がおもむろに立ち上がる。この男は「端役」ばかりを演じるエキストラ俳優・宮松。宮松が掛け持ちしているロープウェイの仕事で同僚から「なんでこの仕事をしているのか」と問われ、「エキストラだけで食べていける人なんていないよ」と切なげだ。ある時は刀で斬られ、ある時は弓で射られ、ある時は銃弾に倒れるエキストラの宮松が映し出されるなか、一緒にタクシーの運転手をしていたという谷(尾美としのり)が現れたことから、宮松の日常は僅かに歪みだしていく。何者かに押されて頭を強打する男。「12年前」という文字と共に、普段の様子からは想像できない笑顔で煙草を吸いながら振り向く宮松の姿。そして「お兄ちゃん、いつもここで吸ってたな」という妹の藍(中越典子)と「お兄さんといえば日本酒だったじゃないですか」という藍の夫、健一郎(津田寛治)の登場で、謎に包まれていた宮松の過去が徐々に明らかに。「どこで何をしていたのか」、「どれが本当の彼なのか」という言葉と共にバッティングセンターでホームランを打つ姿、同僚らしき人物と乾杯する姿、ちょんまげ姿でラーメンを食べる姿と様々な宮松が映し出される。これらはエキストラとして演じている役なのか、それとも宮松自身なのか。「昨日までの自分を失ったら何を演じたら良いのだろう」という意味深な言葉と宮松の微かに変化する表情にミステリーを感じさせる予告編となっている。あわせて公開された追加写真は、高級レストランで男性と食事をする野波麻帆、怪訝そうな顔でどこかを見つめる大鶴義丹、スーツ姿でビールを片手に持つ諏訪太朗、作業着の尾上寛之、白衣を着た黒田大輔。この5人は宮松のエキストラ仲間なのだろうか。それとも宮松の過去を知っているのだろうか。現実シーンなのかエキストラシーンなのかより謎が深まるカットだ。『宮松と山下』11月18日(金)公開
2022年10月13日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)4代家元尾上菊之丞と、大蔵流茂山千五郎家の狂言方能楽師、茂山逸平は、2022年12月10日(土)に東京のセルリアンタワー能楽堂、12月24日(土)に京都の金剛能楽堂で14回目となる「逸青会」を開催いたします。「連獅子」には花柳基氏、「きつね」には歌舞伎役者の中村莟玉氏も特別出演いたします。2009年からの二人会「逸青会」【逸青会とは】舞踊家・尾上菊之丞と狂言方能楽師・茂山逸平が互いのジャンルを越え、新しい形としての舞踊と狂言の可能性を追求している二人会です。2009年より毎年創作を重ねさまざまな形で継続して開催、この度14回目を迎えます。古典作品の上演に加え、互いのジャンルの研鑽と、「舞踊」「狂言」という似て非なる芸能を合わせ、単なるコラボレーションに終わらない新しい可能性を求めて毎回「舞踊狂言」として新しい作品を創作、発表しています。現在までに十作品を超える逸青会オリジナル作品が生まれ、コロナ禍以降、オンライン配信も実施しています。逸青会YouTubeチャンネル: 【「逸青会」詳細】日本舞踊と狂言の古典作品をご覧いただいたのちに、新作「きつね」をご覧いただきます。古典作品は日頃からご縁の深い方々にもご出演頂き、3日間異なる演目を上演いたします。新作「きつね」には歌舞伎役者の中村莟玉を迎え、歌舞伎舞踊にも狂言にも登場する「きつねが化けた人間」のそれぞれの表現の違いを柱に物語が展開します。第一線で活躍する演者たちが挑戦して創り上げる、新しいエンターテインメントをお楽しみください。【東京】13時開演の部 ※12時半開場一、北州(清元) 尾上菊之丞二、寝音曲(狂言) 茂山逸平・島田洋海三、きつね(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・中村莟玉【東京】16時開演の部 ※15時半開場一、連獅子(長唄) 花柳基・尾上菊之丞二、泣尼(狂言) 茂山逸平・茂山七五三・島田洋海三、きつね(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・中村莟玉【京都】15時開演 ※14時半開場一、巽八景(長唄) 尾上菊之丞・尾上京二、音曲聟(狂言) 茂山逸平・茂山七五三・茂山慶和・島田洋海三、きつね(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・中村莟玉■■きつね■■初音の鼓の持主が変わり、主人の都合よく呼び出されるのに困った源九郎狐は友達の白蔵主狐を呼んできますが何の役にも立ちません。そこで新たな若い狐を募集する事にします。やって来た若狐に二人はアレやこれやと教え込むのですが、、場所 :東京 セルリアンタワー能楽堂京都 金剛能楽堂日時 :東京 2022年12月10日(土)13時開演・16時開演 ※2回上演京都 2022年12月24日(土)15時開演入場料:6,000円※全席指定/税込演奏 :長唄/今藤政貴・杵屋栄八郎社中 囃子/藤舎貴生社中チケット申込 : チケットに関するお問い合わせ先: 03-3541-6344(平日10時~18時) info@onoe-ryu.com 【尾上流(おのえりゅう)とは】日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさずその魅力を国内外へ伝え続けます。尾上菊之丞三代目 尾上菊之丞 (おのえ きくのじょう)尾上流四代家元1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年四代目尾上流家元を継承し三代目尾上菊之丞を襲名。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。日本を代表する和太鼓奏者、林英哲氏をはじめとする様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも積極的に挑戦している。京都芸術大学非常勤講師。振付:尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」歌舞伎NEXT「阿弖流為」ラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」や宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」等をを振付。演出:「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。WEB上での発信にも力を注ぎ、藤間流家元・藤間勘十郎氏と古典芸能オンラインサロン「K2 TEATRE」を主催。日本舞踊界初の映像作品、日本舞踊Neo「地水火風空そして、踊」では作・演出を勤める。■■コメント■■今年も逸青会を開催できることを嬉しく思います。今年の新作は「きつね」、伝統芸能には狐が登場する作品がいくつもあります。狂言や舞踊、歌舞伎それぞれの表現の違いや共通点を利用し、ゲストに中村莟玉さんを迎えて描こうと思います。また、東京公演では舞踊の名手である花柳基さんと連獅子、京都公演では幼い頃からずっと一緒に修行してきた尾上京さんと踊ります。伝統芸能を見たことがあまりない方にはわかりやすく。伝統芸能大好きな方には新たな発想をお見せできればと思います。是非ご来場ください。尾上流 : Instagram: Facebook : Twitter : 古典芸能オンラインサロン『K2 THEATRE』(ケーツーシアター) 【江戸時代から記録に残る狂言の名門 茂山千五郎家】茂山千五郎家は江戸時代初期から歴史に残る京都在住の狂言の家系です。貞享4年(1687年)の文献に【油小路通四条下る】に「茂山徳兵衛」という狂言師が記されており、この徳兵衛が五代目、姫路藩、本田忠国のお抱えで十五世宗家の弟子であったことも分かっております。(※現在は十四世茂山千五郎が当主)長い歴史がありながら、茂山千五郎家では十世正重(二世千作)の「お豆腐のような狂言師」という言葉が大切に語り継がれています。一部の方だけが楽しむ、限られた世界の芸能ではなく、「いつの世も、どなたからも広く愛される、飽きのこない、そして味わい深い」そんな「お豆腐狂言」を目指しています。茂山逸平狂言方 能楽師 茂山逸平(しげやま いっぺい)1976年うまれ。4歳の時『業平餅』の童にて初舞台。その後『千歳』『三番三』『釣狐』を披く。1994年に、宗彦、茂と「花形狂言少年隊」を結成し活躍。また2000年より心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=「TOPPA!」を千三郎、正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に主催し、活動。NHK連続テレビ小説「京、ふたり」「オードリー」「ごちそうさん」他、舞台・CMにも数々出演。2006年より「HANAGATA」を正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に再開。2020年からはHANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」として企画・製作・出演までを自分たちでおこない活動している。2006年秋から1年間フランスに留学。2009年より「逸青会」を主催。■■コメント■■今回の新作は『きつね』をご覧頂きます。あの狐とこの狐を結びつけてみたらどうなるか?そんな狐達が後継者を育成したらどんな苦難があるのか?今回こそ“逸青会だからこそ”可能な作品かもしれません。中村莟玉さんには結構なご負担を担って頂く事になりそうなので先にこの場で謝っておきます(笑)口伝を持って受け継がれる伝統芸能の世界を逸青会ならではの世界観でお楽しみ頂きます!茂山千五郎家 : Instagram : Facebook : Twitter : YouTubeチャンネル: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月11日尾上松也、安田顕、河合郁人(A.B.C-Z)らが吹き替えを務める映画『バッドガイズ』より、アフレコワイプ付き吹替CLIP映像が到着した。今回到着した映像では、銀行強盗から華麗に逃げ去る、権力者や富豪たちから華麗なテクニックで財宝を奪う怪盗集団・バッドガイズの様子が見られる。そして、車で逃走しながらも、松也さんが声をあてるリーダーのミスター・ウルフが、親友で金庫破りのスネーク(安田さん)、天才ハッカーのタランチュラ(ファーストサマーウイカ)、ラテン系肉体派・ピラニア(河合さん)、変装の達人・シャーク(長田庄平)と、超個性的なバッドガイズのメンバーを紹介。5人の声もたっぷり入っており、それぞれのキャラクターの技や性格も分かる、まさに5人のお披露目映像となっている。『バッドガイズ』は10月7日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:バッドガイズ 2022年、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2022年08月23日飯豊まりえ主演「オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~」第6話が8月11日オンエア。ゲスト出演した尾上寛之の演技に「鬼気迫るお芝居でヒリヒリする」「変化する様が凄かった」などの声が殺到、ラストで感情を失ったはずの紫織が見せた涙にも注目が集まっている。15年前、両親が殺害されたのをきっかけに人の感情が“色”で見える特殊な力を持つようになった女性刑事と、表向きは警視庁から飛ばされてきたことになっているが、実は彼女やその上司を監視する命を受けている男性刑事がバディを組んで、目に見えない感情から凶悪事件の深層に迫る新感覚の刑事サスペンス作品となる本作。人の感情を色としてみることができる心野朱梨を飯豊さんが演じるほか、父親でもある平安からの指示で動いている風早涼に浅香航大。風早が内偵を進めている朱梨の上司・雲川幸平に山中崇。朱梨の両親が殺害された事件の捜査に関わり、その後も朱梨と接点がある次期警察庁長官候補の平安衛に船越英一郎。事件に遭ってから感情を失い廃人のようになった朱梨の姉・紫織に松井玲奈。紫織の主治医・甲本祐希に臼田あさ美といったキャストが出演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。小野寺(片桐仁)の目に両親を殺した犯人と同じ色を見た朱梨は精神的に不安定になる。そんななか朱梨と風早は人気華道家・円山(尾上寛之)の取調べを行う。交通事故を起こした円山の車のトランクから大量の血痕と血の付いたナタ、スコップが発見され、彼は誰かを殺して遺体を埋めたものと思われた。しかし円山は記憶を失っていて、自分が殺人を犯したのかどうかも分からない状態に。朱梨は彼の目から“不安”を表す薄い緑色を見る。円山が事故の前に最後に電話をした相手が、ゴシップ系動画配信者のヒシちゃんこと菱田だったと判明するが、菱田とは連絡がつかず、円山に殺されたのは菱田ではないかと思われた。3年前に菱田は円山の不倫を暴露、その結果円山は仕事も家庭も失い、脳梗塞にまでなっており、円山が菱田を殺したいほど恨んでいてもおかしくはなかった。その後、円山は自分が殺したと自供するが、遺体を埋めた場所については口を閉ざし続ける。一方、朱梨たちの調べで遺体が発見される。遺体には刺し傷とは別に首を絞められた跡があり…というのが今回の物語。取調室で朱梨のパステルを食べてしまうなど、狂気的なまでの演技を見せた円山役の尾上さんに「鬼気迫るお芝居でヒリヒリする…!やっぱり凄い役者さん」「尾上寛之さんの演技の凄まじさに涙が止まらなかった~」「オクトー拝見してるのですが演技すごすぎます…!!!」「気味の悪い容疑者の顔から傷ついたひとりの人間であり敬愛される華道家の顔へと変化する様が凄かった」などの声多数。また病室を見舞った朱梨が「お姉ちゃんの感情は必ず取り戻すからね」と声をかけた後、ラストで見せた紫織の涙にも「最後のお姉ちゃんの涙はー?ますます目が離せません」「感情を失ってるお姉ちゃんから涙が…」「泣いた。涙の意味は…」など多くの視聴者が注目している。【第7話あらすじ】清掃員の川瀬洋和(ベンガル)がビルの屋上から転落死。同僚の清掃員・成海道子(室井滋)が逮捕される。道子が川瀬を突き落とすところを見たという目撃者の証言もあった。朱梨と風早に道子は「私が殺しました」と自供する。朱梨は道子の目を見てもパステルを手に取らない。道子から感情がまったく読み取ることができなかったからだ…。「オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~」は毎週木曜日23:59~読売テレビ・日本テレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年08月12日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)は、2022年9月3日(土)、東京・国立劇場にて「尾上菊之丞の会」を主催いたします。四代家元・尾上菊之丞襲名から11年、初めての「尾上菊之丞の会」となる本公演では、尾上宗家の継承者である尾上菊之助をはじめ、尾上松也、茂山逸平など普段から交流の深い共演者を招き、尾上菊之丞の実父である尾上墨雪も出演。一日かぎりの珠玉の舞台を上演します。尾上流四代家元 尾上菊之丞尾上流: 【尾上流(おのえりゅう)とは】日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。 六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさず、日本舞踊の魅力を国内外へ伝え続けます。【「尾上菊之丞の会」詳細】初舞台や襲名披露を行った思い出深い国立劇場にて、日頃からご縁の深い方々にご助力頂き、初代尾上菊之丞振付の古典作品から新作まで全四番を上演いたします。一、猩々 尾上松也・尾上菊之丞・尾上墨雪美しい月の夜、水中から現れた酒を好む妖精「猩々(しょうじょう)」。酒を酌み交わして舞を披露し、酒売りの親孝行を称え、汲めども尽きぬ酒の泉を与えます。二、鏡の松 茂山逸平・尾上菊之丞能舞台、歌舞伎の松羽目でおなじみの鏡の松。そこに現れた不思議な老人と、俳優(わざおぎ)とのやりとり・・「逸青会」から生まれた創作作品です。三、蝶の道行 尾上菊之助・尾上菊之丞現世で結ばれず非業の死を遂げた助国と小槙はつがいの蝶となって思い出に耽るうち、修羅の迎えに容赦なく責められます。文楽の名曲にのせた幻想的な道行です。四、八俣の大蛇 尾上菊之丞・(語り)尾上松也邦楽劇「幸魂奇魂」。作詞 松本隆・作曲 藤舎貴生により現代に甦った古事記の世界。素戔嗚尊(スサノオノミコト)の「八俣の大蛇」を素踊りで表現します。尾上菊之丞の会場所 : 国立劇場 大劇場日時 : 2022年9月3日(土)午後3時開演午後5時50分終演予定入場料: S席12,000円/A席9,000円/B席6,000円/C席4,500円※全席指定/各税込金額出演 : 尾上菊之助/尾上松也/茂山逸平/尾上墨雪/尾上菊之丞演奏 : 竹本織太夫/今藤政貴/杵屋栄八郎/都一桜/都一中/藤舎貴生他チケット申込 : お問い合わせ先: 03-3541-6344(平日10時~18時)/ info@onoe-ryu.com 三代目 尾上菊之丞/尾上流四代家元1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年四代目尾上流家元を継承し三代目尾上菊之丞を襲名。「尾上会」「菊寿会」を主宰するほか、狂言師茂山逸平氏との「逸青会」や自身のリサイタルを主宰。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。日本を代表する和太鼓奏者、林英哲氏をはじめとする様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも積極的に挑戦している。京都芸術大学非常勤講師。振付師としては、尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」、松本幸四郎主演歌舞伎NEXT「阿弖流為」やラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」、市川猿之助主演スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」等の新作歌舞伎や宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」を振付。演出家としては、尾上菊之助主演「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」、尾上松也、生田斗真主演「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。インターネットでの日本舞踊の発信にも力を注ぎ、藤間流家元である藤間勘十郎氏と共同で古典芸能オンラインサロン「K2 THEATRE」を主催。日本舞踊界初の映像作品、日本舞踊Neo「地水火風空そして、踊」では作・演出を勤める。講演やワークショップによる伝統芸能の啓蒙にも取り組んでいる。Instagram: Facebook : Twitter : 古典芸能オンラインサロン『K2 THEATRE』(ケーツーシアター) 【三代目 尾上菊之丞/四代家元 コメント】尾上菊之丞を襲名して11年、この『尾上菊之丞の会』が初のリサイタルになります。初代菊之丞から受け継ぐ古典と近年創作した新作の歌舞伎舞踊や狂言の台詞劇、古曲の素踊りに現代語の新しい邦楽など、日本舞踊の多彩な表現をお楽しみいただきたいと思います。共演には、尾上菊之助さんをはじめ常々作品創りを共にする戦友ともいえる皆様を迎えます。是非生の舞台を五感で感じてください。【五代目 尾上菊之助(歌舞伎役者) コメント】尾上菊之助菊之丞さんと私は年齢も近く、子供の頃から伝統芸能を担う者同士日々切磋琢磨しています。そんな菊之丞さんが会を主催なさることはとても嬉しく、また出演できることに感謝し、公演の成功をお祈りいたします。【茂山逸平(狂言方 能楽師) コメント】茂山逸平青楓から菊之丞に襲名なさってから初のリサイタル!その中に『逸青会』の作品が入った事が本当に嬉しく、また十数年一緒に作品を創ってきた相方?として協力出来る事に有り難く思います!能楽堂バージョンではない『鏡の松』をどうぞお楽しみに!【二代目 尾上松也(歌舞伎役者) コメント】尾上松也この度『尾上菊之丞の会』に出演させて頂きます尾上松也でございます。日頃から御世話になっている菊之丞さんとの舞台、大変有難く光栄でございます。皆様何卒ご観劇の程よろしくお願い致します。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月02日俳優の岡山天音、平埜生成、戸塚純貴、塩野瑛久、尾上寛之が出演する舞台 パルコ・プロデュース2022『VAMP SHOWヴァンプショウ』が、8月8日から東京・PARCO劇場で上演されることがわかった。同作は、三谷幸喜氏作で1992年に西村まさ彦、古田新太、池田成志らの出演でサードステージのプロデュース公演として初上演、2001年には佐々木蔵之介、堺雅人、河原雅彦らの出演で上演されたホラーコメディ。21年ぶりに復活する今回は、2001年版に出演した河原が演出のバトンを引き継ぎ、メインキャストには、『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系)の岡山、金曜ドラマ『インビジブル』(TBS系)の平埜、映画『銀魂』やドラマ『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(テレビ東京系)に出演した戸塚、『探偵が早すぎる〜春のトリック返し祭り〜』(読売テレビ・日本テレビ系)の塩野、ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)で連続殺人犯役の怪演が話題になった尾上らが顔を揃える。全国を旅して暮らす陽気な吸血鬼の男5人が、山間の廃れた駅で1人の女性を出会うことで物語が展開する。東京公演は8月8日から8月28日までで、愛知、大阪、福岡公演も行われる予定。
2022年05月27日歌舞伎俳優の尾上松也、尾上右近が出演する、日本中央競馬会「第89回 東京優駿(日本ダービー)」の期間限定コンテンツ「歌舞伎ダービー」が12日より、特設サイトにて公開される。今年、第89回を迎え、数ある競馬レースの中でも頂点に立つと言われる日本ダービー。今回、伝統と格式あるこの一大レースを盛り上げるべく、日本が世界に誇る伝統芸能「歌舞伎」とのコラボが実現した。レースゲームなどを楽しめる「東京優駿善悪鑑(とうきょうゆうしゅんぜんあくかがみ)」では、日本ダービーのためだけに歌舞伎を取り入れたオリジナルストーリーを展開。障害物レースや、日本ダービーに関するトリビアクイズが楽しめる。また、日本ダービーの魅力を伝える歌舞伎を取り入れたオリジナルムービー「競馬祭典花姿絵(歌舞伎ダービースペシャル動画)」では、江戸時代を舞台に松也と右近が兄弟役として登場。自宅にいながら二人が競馬で運試しをする様子を描いた「おうち競馬で候!」編や、インタビュー形式で休日の過ごし方を語る「ぱぱっと即PAT!」編など、エンタメチックに競馬の楽しさや魅力を描いている。○■尾上松也、尾上右近インタビュー―― 「日本ダービー」と「歌舞伎」がコラボすると聞いた時はいかがでしたか?松也:本当にうれしかったです。歌舞伎というエンタテインメントを選んでいただいたこともうれしかったですし、僕自身も競馬は子どものころから好きで、とても馬が好きでしたので、日本ダービーに関わらせていただけるなんて、こんなにうれしいことはございませんでした。右近:日本を代表するエンタテインメント同士で歴史もありますし、そういった意味でも精通する部分もあり、お祭りという意味で皆さんが楽しみにして思いのあるイベントに自分も関われるということで、うれしくお受けしました。―― 「東京優駿善悪鑑」では3つのミッションにクリアして邪悪苦次郎の悪の手からレースを守れるかというゲームですが、普段の生活で守っているルーティンはありますか?松也:家庭用の焚火を購入しましたので、毎日焚火をしています。火を見るのが好きで、夜のルーティーンとして照明は一切つけずに、火だけで過ごすというのが、夜の私の過ごし方です。リラックスできます。右近:最近はジョギングです。どんな日も雨が降ろうが、槍が降ろうが30分は走るようにしてます。何か一つ、どんなことがあってもやっているものがあると気持ちが安定する。あと、食べるのが好きで、特にカレーが好き。食べることを諦めたくないので、その分動こうと思っている。――日本ダービーでは様々な馬が走りますが、自分の馬に名前を付けるならどんな名前にしますか?松也:「マツヤニ」。日本ダービーは、ネーミングが短めの馬が最近勝っている印象があります。印象に残っているのは「ウオッカ」などです。「マツヤニ」は自分の名前が入っていますし、4文字でしたら活躍しそうだなという……。儲けたい欲が出てこうなりました(笑)。右近:私の馬の名前は、「ケンノユメ」です! 僕の本名がけんすけといいます、自主公演の名前も研究の「研」なんです。研究って、「研ぐ」、「磨く」という意味があるので、「研の會」という名前で自主公演やっているため、「研」という名前を付けたい。あとは、やっぱり夢があるっていうことが言葉として好きなので、自分の夢を託して「ケンノユメ!」。――今回、兄貴的存在の松也さんとの共演ですが、右近さんから質問や伺いたいことはありますか?右近:(日本ダービー前日、5月28日は右近の誕生日ということで)以前は高価なプレゼントをいただいたのですが、今年は何をプレゼントしてくれるのでしょうか? 馬ですか? 馬だったら良いな。それぐらい期待しております。松也:馬ですか。まぁ良いですよ。馬にしましょうか。僕、夢だったんですけどね。馬主になるの。買うだけ買って、人に譲るとは思いませんでした……って買えるわけない(笑)。馬買ってどうするんだ。移動手段で使ってくれるなら買いますよ。馬のフィギュアでもあげますよ。
2022年05月12日人気の若手歌舞伎俳優、中村壱太郎さんと尾上右近さんが、『没後50年 鏑木清方展』のイベントに登場!歌舞伎をテーマにした展示室で、トークとフォトセッションが行われました。さらにその後、インタビューも実施。アートやエンタメの魅力、東銀座界隈の思い出など語っていただきました!中村壱太郎さん、尾上右近さん、登場!左:尾上右近さん右:中村壱太郎さん《道成寺 鷺娘》の前で撮影【女子的アートナビ】vol. 239東京国立近代美術館『没後50年 鏑木清方展』の展示室に登場したお二人。さすが歌舞伎俳優さん、立ち姿がとても美しいです!中村壱太郎さんは、歌舞伎俳優だけでなく日本舞踊の吾妻流七代目家元、さらに現代劇でも活躍。尾上右近さんも、歌舞伎俳優と家業である日本古典音楽の清元、映画やバラエティ番組にも出演し、多方面で活躍されています。まずは、鏑木清方の華やかな作品《道成寺(どうじょうじ) 鷺娘(さぎむすめ)》の前でフォトセッション。《道成寺 鷺娘》とは、歌舞伎の演目『京鹿子娘道成寺』と『鷺娘』をテーマに描いた作品。お二人とも、歌舞伎では女方を中心に演じられているので、作品にも興味津々なご様子。撮影の合間にも、絵に描かれている着物や仕草などについて、楽しそうに話されていました。続いてのトークセッションは、《京鹿子娘道成寺》の作品が並ぶ展示室で実施。お二人が鏑木作品の魅力について、語りました。壱太郎さん清方先生の作品は、一言で言うと、眼福。幸せになれます。美しいものを見ると人間は幸せになれる、と改めて感じました。特に、僕らは着物や日本の文化に触れて仕事をしているからかもしれませんが、日本人のどこかに眠っているものと紐づけられるのかなと思います。右近さん品格が高いと思います。画家がどんな人だったのか、絵を見ながら僕はよく人物像を想像してみるのですが、清方作品には品格があふれ、知性があります。江戸っ子の粋や風流、時代からくるモダンさなどに楽しみを感じます。心静かにカブいているのがいいですね。お二人にインタビュー!続いて、本展覧会の目玉作品である清方の美人画三部作《築地明石町》、《新富町》、《浜町河岸》が並ぶ展示室でインタビューを実施。まずは、三部作について、お聞きしてみました。――こちらの美人画で、どの作品、どの女性がステキだと思いますか?右近さんやはり、築地明石町のお姉さんでしょう。この凛とした姿。この瞳で見つめられたいです。男目線でも、女方の役者として見てもステキです。男性の画家が描く女性は、理想の女性の姿で、男が演じる女方も理想の女。そのリンク性も作品から感じられますし、とにかく断然美しいです。男としては、こういう女性に振り返られたいですね(笑)。壱太郎さん浜町のおぼこさんもいいと思う。僕らも踊りを習うと、この絵のように「振り」をおさらいするのです。「今日習ったことは、こんな振りだったのかな」とこの絵を見てすぐにわかります。着物の袖を持ち、扇子を口に当てるというのは、日常にはないしぐさ。これを切り取っている清方先生のセンスはすばらしいですよね。右近さん確かに、浜町の作品もいいですね。どの作品も凛としてさわやか。そして、首がキレイ。九州系だね。――九州系とは?右近さん九州の女性は色白で、首が細くて、毛の流れがきれいというのが僕の勝手な思い(笑)。尾上右近の統計。九州の女性は色白で、輪郭がいいのです。壱太郎さんハハハ。でも、これ大丈夫?九州以外の人を敵に回していない?右近さん大丈夫、大丈夫!「想像させる絵がステキ」――全体を通して、お好きな作品はどれですか?右近さん僕は《墨田河舟遊》(※筆者注:屋形船で姫や若侍が楽しむ様子を描いた屛風)。人間が生き生きと描かれ、楽しそうでワクワクします。当時の時代の最先端が感じられ、若いエネルギーで楽しんでいる。僕らも結局、同じことを繰り返していますよね。カラオケ行ったり、クラブ行ったりするのと同じです。上品に遊んだほうが楽しいよ、ということもこの絵から感じます。壱太郎さん僕は、《佃島の秋》(※男性が女性に花を手渡している場面を描いた絵画)。勝手な解釈だけど、下に描かれている美しいアヒルと女性がリンクしていると思うのです。ぶっきらぼうな男の人が、白くてきれいなアヒルに花をあげてみた、という感じで、この絵をもとに芝居を書けるくらいの情報量があります。想像させる絵がステキです。見る楽しさを感じさせてくれます。「エンタメは、非日常を感じるのがいい」――お二人は、とても楽しそうにこの展覧会をご覧になっていますが、一般的に、特にanan世代の多くは、「日本画の展覧会ってハードルが高そう」と感じているような気がします。右近さんハードルが高い、とすでに存在を認識しているのなら、そのハードルを越えてみたらいいんじゃないのかな。触れてみたらいいと思います。知らないよりは知っているほうが絶対いいです。見に行ったら、「知っている」というステイタス以上に「おもしろい」という純粋な感情が生まれる。ハードルが高いと認識しているものは、もっと触れてみたほうが楽しいですよ。壱太郎さん歌舞伎も、同世代や若い方に「勉強しに行きます」とよく言われます。でも、別に勉強するものではないんですよね。右近さんそうそう。勉強するのは僕らの仕事ですから。壱太郎さんまさにそう。清方先生の《佃島の秋》みたいに、想像する楽しさをみんながもてる。絵を見ていると、それ以上のものを感じるのが絵画のおもしろさで、歌舞伎も一緒。「この人どうしてこんなにきれいなのかな」と素朴な疑問をもつとか、それだけでいいのです。そのきっかけさえ見つければ、それ以上のものをもって帰れると思います。右近さんエンタメは、非日常を感じられるのがいいです。美術館という空間自体いい。おならもできない静寂な空間(笑)。壱太郎さんもうちょっとananらしい良いたとえはないの(笑)。でも、展覧会なら、好きな絵をひとつ見つけに行こうと思って友達と出かけて、感想を伝え合うのもいいよね。朝イチで山盛り海鮮丼!――鏑木清方は築地界隈で暮らしたことがあるので、それらの地域が作品にも描かれています。歌舞伎座からも近いエリアですが、お二人にもなにか築地の思い出はありますか?右近さん以前、二人で歌舞伎座に出ていたとき、朝の築地に行きました。一幕目は昼の11時に開演するので、だいたい10時に楽屋入りします。その前にということで、朝7時に集合して行きました。壱太郎さんあれはよかったね。海鮮丼食べて。右近さんそう。高いのを食べました。よかったですよ、山盛りで(笑)。あの界隈のあの空気感も独特。浅草とか上野の江戸っ子も僕らは知っていますが、築地あたりの江戸っ子の空気は、また違うんですよね。河岸の人間の時間軸を感じて、いいなぁと思いました。『芝浜革財布』という芝居があり、河岸に通う男の話なのですが、築地にいると「こういう空気なんだな」とわかります。夕方には寝るという雰囲気。僕も、いつも午前中はちょっと眠いのですが、築地に行った日は、朝7時から食事をしているものだから、元気モリモリで(笑)。みんなと時の流れ方が違って、すごく充実感がありました。うまいもの食って来ているから(笑)。壱太郎さんこっちはもう始まってんだぜ!っていう感じだったね(笑)。「過去の自分は常に良くない…」――鏑木清方は、自分の作品を自己評価し、その記録が残っています。本展では、その記録をもとに、会心の出来には三ツ星など、作品に星がつけられていますが、そのような画家の姿勢をどう思いますか?右近さん目に見える絵画作品の場合は、いやでも冷静に評価が見えてきますよね。僕らは毎日同じことをやっていても、毎日コンディションも違うしお客さまも違うし、お互いのコンディションも違うし、状況が毎日違うので、自己評価の仕方が難しいです。常に揺れ動いているものなので、実態がわからない。後から振り返るとわかるときもありますが、この時が良かったというのは120パーセントないです。壱太郎さん清方先生の絵は、このまま一生残っていきますが、僕らの演技はその瞬間でしか残らない。だからこそステキさがあると思うので、その意味で評価の仕方は絵とは違うと思います。ただ、自己評価というより、仲間がいるから目指せるものはあるので、高め合いは常に意識しています。右近さん例えば過去の映像を見ると「ひどいな」と自分で思うのです。なんでこんなに拙いことやっているんだ、と。過去の自分は常に良くない、というのが植え付けられているので、冷静に判断ができない。成長がどこにあるのか、自分ではまったくわからないのです。へたに過去の映像など見てしまうと、進歩していない自分が目の前に立ちはだかって舞台に立つのが嫌になる。今日はいい舞台ができるぞという自己催眠がかけられなくなるのです。壱太郎さんこれは役者の宿命。今はビデオがあるから、僕らも頼るし必要だとは思います。でも、あまりにも見すぎると、自分は果たして何なのか。わけがわからなくなる。そこの難しさは僕らにはあります。右近さん客観性を持つのが難しいです。自分で三ツ星つけては取り消しての繰り返しです(笑)。アートとは「極上の…」――絵画作品だけでなく、歌舞伎などの舞台芸術もすべてアートといえると思うのですが、お二人にとってアートとは?右近さんアートとは、「人間の証明」。芸は人なり、という言葉から置き換えてみました。壱太郎さん人生においてのいろどり。人間のいろいろないろどりを総称すると、アートになるのではないかなと。時代時代において、いろいろな人や作品と関わり見ることによって人間力が増していく。これは生きた証です。右近さん僕、先ほどプレーヤー目線で言ってしまいました。すみません、はき違えました(笑)。アートとは、「極上のひまつぶし」です。壱太郎さん「人間の証明」からの落差がすごいね(笑)。右近さん生きるうえでは、いらないのかもしれないけれど、暇ができたら、その暇をやはり上質につぶしたい。それが、生きることへのこだわり。例えば、おにぎりとピカソの絵なら、食うに困るときはおにぎりしか選ばない。でも、食うに困らなくなったらピカソの絵に気づく。おにぎりもいいけど、この絵を見て心を潤うのもいいと気づく。だから、「極上のひまつぶし」です。「先に死なないで!」――お二人の関係、とてもいい感じですね。プライベートでも仲が良いのですか?右近さんいちゃこらしています(笑)。anan読者の女性たちも、僕らを見習って、いちゃこらしてください!壱太郎さん僕らは盟友、親友、ボイスメッセージ友達。同じ時代に生きて、同じものに取り組み、同じ感覚があります。もしかすると、今は追い求めるもの、求められているものが違っているかもしれないけど、いつかのゴールは絶対一緒のものを見ていると思います。一緒の思いをもてることに「ありがとう」と言いたい人です。右近さん僕にとって(壱太郎さんは)うれしいときも悲しいときもすべて報告したい人です。そんな人、清方先生にはいなかったのかな。(ここで、担当学芸員の鶴見香織さんが登場)鶴見さんそれは奥さまだと思います。奥さまは、清方が亡くなる数年前に他界され、その後、清方もがっくりとされていたそうですよ。右近さんがっくりきますよね。(壱太郎さんに向かって)先に死なないで!たとえ死ぬとしても、同じ年の同じ月の同じ日じゃ!壱太郎さん同じ刻限でね(笑)。右近さん芝居のようだね(笑)。――本当にステキなご関係ですね。楽しいお話、ありがとうございました!インタビューを終えて…立ち居振る舞いがとにかく美しいお二人。スーツを着ているとふつうにカッコイイのですが、少しでも動くと足の運びや指先の動きなど、一つひとつの所作が本当に優雅で、見とれてしまいました。くだけた話や楽しい話をしていても、品格が漂っているお二人。固い絆が感じられる友情にも感動しました。『没後50年 鏑木清方展』は5月8日まで開催。ぜひハードルを越えて、美しいアートに触れてみてください!Information『没後50年 鏑木清方展』会期:~5月8日(日)休館日:月曜(※5月2日は開館)会場:東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー開室時間:9:30-17:00(金・土曜は9:30-20:00)(入館は閉館30分前まで)観覧料:一般¥1,800、大学生¥1,200、高校生¥700、中学生以下無料撮影:山本 嵩
2022年04月03日鈴木おさむ作・演出、尾上松也主演による舞台『怖い絵』の公演開始を前に3月3日(木)に記者会見と公開リハーサルが開催。鈴木、尾上に加え、共演の比嘉愛未、佐藤寛太(劇団EXILE)、崎山つばさ、寺脇康文が揃って出席した。本作は名画に隠された恐るべき背景を解説した中野京子のベストセラー本「怖い絵」シリーズにインスパイアされる形で鈴木がオリジナルの物語を執筆。絵画にまつわる恐るべき真実を絡めつつ、幾重にも伏線が張り巡らされたミステリとなっている。会員制レストランのオーナー・絵田光(尾上)は、ひょんなことから大手建設会社社長の火山(寺脇)の妻の死にまつわる事件に挑むことに……。自殺として処理され、火山もそう主張するが、火山の元愛人だった美山翼(比嘉)は、自殺ではなく火山による他殺ではないかという疑いを口にする。光はアシスタントの緑(佐藤)、警視庁の刑事・鷹野(崎山)らと事件の真相に迫るが……。舞台セットは絵画の額縁をモチーフにしており、また舞台後方のスクリーンには、事件のカギを握る数々の西洋名画が映し出される。松也が演じる光は、絵画コレクター、投資家、会員制レストランのオーナーという表の顔に加え、罪深きものへの復讐の代行者という“裏”の顔を持つ。この、どこかダークヒーロー的な空気をまとった“探偵”役を松也が魅力的に演じている。“探偵助手“のポジションにある才能あふれる若き画家・緑を佐藤が、協力者である刑事・鷹野を崎山がそれぞれ好演しており、光、緑、鷹野の“捜査チーム”に、事件の有力な“容疑者”の立場にある寺脇演じる建設会社社長の火山を加え、時にシリアスに、時にコミカルな掛け合いを交えつつ、物語はテンポよく展開していく。事件の鍵を握る火山の元愛人・翼を演じる比嘉愛未は、真っ赤なドレスをまとい、文字通りの“紅一点”で、どこか謎めいた雰囲気を醸し出し、強烈な存在感を放っている。作・演出の鈴木は「『怖い絵』とミステリをどうつなげていくか? かなり大変でした」と創作の苦労を明かしていたが、劇中、事件のヒントとなる絵画としてフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」、ウォルター・リチャード・シッカートの「切り裂きジャックの部屋」、ジョルジョ・ド・ラ・トゥールの「いかさま師」といった西洋絵画が登場し、隠された怖い真実が紹介される。物語は休憩なしの約110分。劇中のいたるところに大小さまざまな伏線が張り巡らされており、 特にラスト30分は伏線の回収&どんでん返しの連続で、事件の驚くべき真実が明らかになっていく。絵画×ミステリという本筋に加えて、鈴木が絶賛したのが、松也と寺脇によるアドリブのやり取り。「さすが歌舞伎と地球ゴージャス! キャッチャーミットが広いと松也さん、こんなに遊ぶんだ⁉」という称賛の言葉に松也は「寺脇さんに胸を借りながら、思いついたことは何でもやりました」と照れ笑い。松也は寺脇に促され、報道陣を前にプロ野球・巨人の原辰徳監督の形態模写を、その後のリハーサルでは俳優・えなりかずきのモノマネを見せるなど、多彩なレパートリーの一端を披露し笑いを誘っていた。舞台「怖い絵」は3月4日(金)から3月21日(月・祝)までよみうり大手町ホール(東京)にて、3月24日(木)から3月27日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホール(大阪)にて上演。取材・文・撮影:黒豆直樹舞台『怖い絵』■チケット情報
2022年03月04日