現在公開中の映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』は、2012年より上映されたアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』の完全新作劇場版だ。公開初日には新聞に全面広告が掲載され話題を呼んだ。どうして今、新聞広告なのか。そこにおそらく今後のアニメのあり方を考えるヒントがある。『宇宙戦艦ヤマト2199』は1974年に放送された『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクである。ガミラス星の攻撃によって瀕死の状態となった地球を救うため、ヤマトが単身、イスカンダル星を目指すという旧作のイメージをそのままに保ちつつ、設定やドラマは現代的にアレンジ。21世紀の視点として楽しめるSF冒険活劇として作品を蘇らせた。全26話(映画館では全七章に編集して上映)で完結したが、本映画はそのヒットを受けて企画。イスカンダル星からの帰還の途中を舞台にして、本編では描かれなかった謎の異星人ガトランティスなどとの隠された戦いを描く。『宇宙戦艦ヤマト2199』が新聞広告を打つのはこれが初めてではない。2013年のTV放送開始時期とTV放送終了および第7巻のBD&DVD発売に合わせて特大サイズの折り込み広告を展開している。「新聞広告データアーカイブ」の記事によると、この広告には、1974年から放送されたオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』のファンであるハイエージ層と、現在はアニメに触れる機会の少ない人々に、リメイク版である『2199』の存在を知ってもらうために企画されたという。1974年に公開された『ヤマト』と出会った時、10代だったファンももう50代半ば。この世代は20代~30代と比べれば、新聞との親和性はまだまだ高い。だからこその新聞広告というわけだ。この『宇宙戦艦ヤマト2199』が宣伝で掘り起こそうとしている層がそこだとわかると、2012年4月の週刊誌『週刊ポスト』(小学館)とのコラボ企画(特集記事掲載に合わせ裏表紙を森雪が微笑む『週刊ヤマト』にした)も、旧来の『ヤマト』ファンへの訴求を目指したものだと合点がいく。実際、映画館に足を運んでいるファンを見ると、年齢が高めのファンが少なからず見受けられた。これがどうして今後のアニメのあり方を考えるヒントになるのか。それは『宇宙戦艦ヤマト 2199』のヒットに、オリジナル『ヤマト』ファンが少なからず貢献したことを考えると、そこに「シルバーエージ向けアニメ」の可能性が見えるからだ。1974年に『ヤマト』に注目し、1977年の劇場版ヒットに貢献したオリジナル『ヤマト』のファンは、いうなればアニメファン第一世代である。1960年前後に生まれた彼らは、TVアニメ(と特撮)とともに成長し、1980年前後に盛り上がったアニメブームの中心的存在となった。ファンからクリエイターにまわった人も多く『宇宙戦艦ヤマト 2199』の総監督・出渕裕氏もそうだし、『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督、『超時空要塞マクロス』の河森正治監督も同世代だ。やがてアニメブームは、1984年いっぱいで収束し、社会人となったファンの多くは「元アニメファン」という形で、現在放送中のアニメを見ることからは次第にリタイアしていった。しかし、そうしたごく普通の元ファンも、「興味がある題材」と「そこに届く宣伝」があれば、ちゃんと劇場まで足を運ぶのだ。聞くところによると、アニメのBD&DVDというとネット通販サイトが販路として圧倒的な印象を受けるが、年齢総高めの作品については新聞の通販広告というルートもなかなか見逃せないのだという。これもまた「興味がある題材」と「そこに届く宣伝」の一例だろう。こうした元アニメファン層は今後、もっと積極的に掘り起こされていくだろう。なにしろあと5年でこの世代は還暦に達する。可処分所得に加え可処分時間に余裕のある"アニメファン"がそこに登場することになるのだ。「シルバーエージ世代が楽しむアニメ」というとどうしても冗談風に捉えてしまう向きもあるだろう。アニメのような"若者向けカルチャー"を"枯れたはずの"老人が(無理して?)楽しんでいる、という戯画的なイメージが浮かんでしまうからかもしれない。だが、現代の60歳は、イメージほどに老けた存在ではない。音楽にしろマンガにしろ、その世代のファンとともに「若向けの文化」が「シルバーエージも参加できる文化」になっていった例も多くある。戯画的なイメージにひっぱられていては、将来のビジョンを見損なうだろう。「シルバーエージ世代が楽しむアニメ」というからいけないのかもしれない。現在アニメに起きつつある変化とは、もう少し本質的なことなのだ。それは「アニメが一生の趣味である時代の到来」といったほうがわかりやすいかもしれない。若い頃アニメが好きで、その後、元ファンになってしまう人は少なくない。でもこれからは旧譜の再販を買ったりするだけでなく、人生の実りの時期に改めて自分はアニメが好きだったな」と再確認できるタイトルが登場する可能性がでてくるのだ。『ヤマト』以外でいうなら、『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』もそこにカテゴライズ可能な作品だろう。「アニメが一生の趣味」と呼べるようになる時、どんなアニメが作られ、どんな方法で流通し、どのように宣伝されるのか。その萌芽の一旦は間違いなく『宇宙戦艦ヤマト2199』の中に宿っているように思う。(C)西崎義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
2014年12月12日日本アニメーションの可能性を探る映像制作配信企画「日本アニメ(ーター)見本市」の一部作品が、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市此花区)のシアターにて2015年1月23日より上映されると発表された。「日本アニメ(ーター)見本市」は、『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督が代表を務めるアニメ製作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。若い才能に"挑戦の場"を提供するべく立案されたもので、さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していく。作品は公式サイトおよび公式スマートフォンアプリにて無料で視聴可能。今回発表されたシアターでの作品上映は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが期間限定で開催するイベント「ユニバーサル・クールジャパン」において実施される。同イベントでは、日本が生み出したマンガ、アニメ、ゲーム、音楽、ファッションなどの優れたエンターテイメントをユニバーサル・スタジオ・ジャパンが圧倒的なスケールで現実のものへと再現し、世界に発信していく。なお、作品の上映期間は2015年1月23日~2月28日、各日14:30~17:00となる予定で、公開済みの作品からピックアップして上映されるとのこと。
2014年12月09日ドワンゴとスタジオカラーが日本アニメーションの可能性を探るプロジェクト「日本アニメ(ーター)見本市」の第5弾作品『安彦良和・板野一郎原撮集』(構成・編集:庵野秀明)の本編が12月5日、公式サイトで公開された。『安彦良和・板野一郎原撮集』は、その名の通り、今年で放送開始から35周年を迎えた第1作『機動戦士ガンダム』において中核を担ったアニメーターの安彦良和氏、板野一郎氏の原撮集。両氏が手がけた『機動戦士ガンダム』の原画を、庵野氏が構成・編集し、原画と実際のアニメーションを比較する形で映像化している。庵野氏は兼ねてから、安彦氏、板野氏の原画の重要性、そして動撮の素晴らしさを説いており、2013年7月に行われた「機動戦士ガンダムの誕生とアニメーター安彦良和展」のトークショーにおいて「動撮という、アニメと違って色が乗ってない動画があるんですよ。これが素晴らしい。色をつけると迫力が半減するんです。動きとタイミングだけ、という必要な情報しかそこにないのが気持ちいい。線だけで構成されているものが気持ちいいとは普通わからない」と述懐。同年5月には、庵野氏自身が編集した『安彦良和アニメーション原画集 機動戦士ガンダム』も発売している。今回の『安彦良和・板野一郎原撮集』は、主に1981年より公開された『機動戦士ガンダム』の劇場版三部作の新作カットを中心に構成。原画と実際のアニメーションを比較するこれまでにない映像に仕上がり、両氏の原画のクオリティの高さを改めて示す同時に、劇伴も相俟って『機動戦士ガンダム』の軌跡を今一度追う作品となっている。劇場版三部作において安彦氏は、全カットにレイアウトとラフ原画を提供。その人肌を感じさせる柔らかな作画は、ガンダム人気をさらに押し上げた。そして、当時の制作現場では、まだルーキーだった板野氏が動画から原画に昇格。やがてメカ作画に革新をもたらす萌芽を示し始めていた。庵野氏は、この両氏の仕事に絶大な影響を受け、アニメーターとしての第一歩を踏み出すことになる。アニメーターからアニメーターへと受け継がれ、発展していった「原画」の力。本作は、その原点を「オリジナル原画を映像作品にする」ことによって確認し、アニメ業界にも多大なる影響を与えた両氏の功績を称えつつ、後世に「アニメーションのすばらしさ」として伝えるため、庵野氏が企画したという。また、12月8日22:00~23:00には動画サービス「ニコニコ生放送」にて「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」第5回が放送。庵野氏が出演し、『安彦良和・板野一郎原撮集』に込めた思いが語られるという。■「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」第5回放送日時:2014年12月8日(月)22:00~23:00(予定)番組URLはこちら出演者:庵野秀明「日本アニメ(ーター)見本市」は、『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督が代表を務めるアニメ製作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。若い才能に"挑戦の場"を提供するべく立案されたもので、さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していく。作品は公式サイトおよび公式スマートフォンアプリにて無料で視聴できる。(C)創通・サンライズ
2014年12月05日ドワンゴとカラーが日本アニメーションの可能性を探るために進める共同企画「日本アニメ(ーター)見本市」の作品群を紹介する番組「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」の第4回放送が、12月1日にニコニコ生放送にて放送された。番組には、第4弾作品『Carnage』で監督・キャラクターデザインを務めた本間晃氏、脚本を手がけた田中隼人氏、音楽を担当した星野純一氏が出演。本作は、11月28日に「日本アニメ(ーター)見本市」の公式サイトにて公開され、バイオレンスな表現と独自のダークな世界観が大きな話題となっている。「日本アニメ(ーター)見本市」に参加することになった田中氏が、庵野秀明監督から「面白ければなんでもいいよ」と言われたことが『Carnage』制作のきっかけになったいう。そこから、"面白い作品"が作れるクリエイターとして本間監督に白羽の矢が立ち、忙しい仕事の合間を縫って2人で企画を詰めていく。本間監督は「最初は西部劇でもなくて、ぼんやりと復讐物がやりたかったんです」と語るが、その後、本間監督の描いた主人公のデザインが本作の方向性を決定づけ、制作が本格的にスタートした。本間監督と田中氏が意見を戦わせながら作り上げた本作には、さまざまな名作映画のオマージュが散りばめられているという。主人公が片腕という設定は『ジャンゴ』が元ネタになっており、各シーンやキャラクター設定にも映画ネタが仕込まれているらしい。また、通常は要所だけに施す加工処理を全カットに施し、フィルムノイズ処理をかけたことで、作品全体の雰囲気がガラリと変化したエピソードなど、さまざまな制作の裏話が語られた。音楽制作を担当した星野氏は、本間監督と田中氏の語る裏話を聞きながら「解説を聞いて、そうだったんだ!」と驚きつつ、その裏設定は「音楽制作やる前に聞きたかったな(笑)」と苦笑いする場面も。アニメ特撮研究家の氷川竜介氏が注目ポイントを紹介する「氷川の二度見」のコーナーでは、" Stain(染み)"をテーマについて講釈。本作で染みに注目したポイントとして、「復讐劇ということは、原因となったものがあって結果があるということです。染みは綺麗だったものが汚れたということで、それは前後に変化があるということ。それが復讐劇というテーマにつながっているのかなと深読みしてみました」と語ると、本間監督から「まさにその通りだと思います」と深く頷いていた。番組の最後に「あなたにとってアニメとは?」という質問がゲスト3名に向けられると、星野氏は「嘘」と回答。「嘘に魂を吹き込んだもの。アニメは究極的にフィクションで、実写では再現できないものでも形にできるのがすごさ」と持論を語る。田中氏は「LOVE(愛)」と回答。「皆さんの愛で支えられています。アニメは愛でできていると感じます」とアニメへの愛を語った。本間監督は「決して作画が全てではない」と回答。「これまでは、アニメーターとして仕事をしていたので、どうしても作画のことばかり考えがちだったが、今回、初監督・初演出を務めて、作品制作にはさまざまなセクション・スタッフが携わっていて、音・色・処理も含め各セクションが重要な役割を果たしていると感じました」とアニメは一人で作るものではないことを実感したようで「アニメーターは作画をいかによく見せることに執着しがちだけど、そこにとらわれると周りが見えなくなる傾向があることに気付かされました」と改めてアニメについて考えさせられたという。また、12月5日には第5弾作品『安彦良和・板野一郎原撮集』が「日本アニメ(ーター)見本市」の公式サイトで公開。"TVアニメ『機動戦士ガンダム』でアニメーターだった安彦良和氏と板野一郎氏の原画を映像作品として後世に残したい"として、本作を構成・編集した庵野秀明氏をゲストに招き、『安彦良和・板野一郎原撮集』に込められた思いなどを解説する特別番組「日本アニメ(ーター)見本 市-同トレス-」第5回が、動画サービス「ニコニコ生放送」にて12月8日22:00から生中継される。■「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」第5回概要放送日時:12月8日22:00~23:00(予定)出演者:庵野秀明氏、氷川竜介氏(アニメ特撮研究家)、山田幸美氏(MC)番組URLはこちら「日本アニメ(ーター)見本市」は、『新世紀ヱヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督が代表を務めるアニメ製作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。若い才能に"挑戦の場"を提供するべく立案されたもので、さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していく。作品は公式サイトおよび公式スマートフォンアプリにて無料で視聴できる。(C)2014 nihon animator mihonichi, LLP.
2014年12月04日ドワンゴとスタジオカラーが日本アニメーションの可能性を探るプロジェクト「日本アニメ(ーター)見本市」の第5弾作品『安彦良和・板野一郎原撮集』(構成・編集:庵野秀明)の予告映像が公式サイトで公開された。『安彦良和・板野一郎原撮集』は、その名の通り、今年で放送開始から35周年を迎えた第1作『機動戦士ガンダム』において中核を担ったアニメーターの安彦良和氏、板野一郎氏の原撮集となる。安彦氏を師と仰ぐ板野氏は、"板野サーカス"と呼ばれる誘導ミサイルの変態的な軌道や機動メカの高速運動などの独自の演出手法を編み出したことで知られ、安彦氏は言わずと知れた『機動戦士ガンダム』 のキャラクターデザインおよび作画監督を担当したアニメ界の巨匠。両氏は例えば、2015年2月28日から全国13館にて2週間限定でイベント上映される『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』にも、共に名を連ねている。(総監督:安彦氏、演出:板野氏)今回の作品は、視聴者のみならず、現在のアニメ業界にも多大なる影響を与えた両氏の功績を称え、その原画を映像作品として後世に残すべく第5弾作品として企画されたという。公開された予告編は、一枚のキービジュアルに山寺宏一のナレーション、そして『機動戦士ガンダム』タイトルコールのBGMが流れるという、これまでの予告とは一線を画した構成に。本作の構成・編集は庵野秀明監督が担当し、制作はスタジオカラー、製作・著作はサンライズ。12月5日に本編の公開が予定されている。また、12月8日22:00~23:00には動画サービス「ニコニコ生放送」にて「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」第5回が放送。製作陣が『安彦良和・板野一郎原撮集』に込めた思いなどが語られるという。■「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」第5回放送日時:2014年12月8日(月)22:00~23:00(予定)番組URLはこちら番組内容:「安彦良和・板野一郎原撮集」について(C)創通・サンライズ
2014年12月01日世界中で公開早々、興行収入4.5億ドルの大ヒットを記録し、日本でも初登場1位を獲得した、巨匠クリストファー・ノーラン監督待望の最新作『インターステラー』。このたび、徹底した秘密主義者で知られるクリストファー監督が日本のファンのために用意したという、本邦初公開の日本限定TVCMが解禁となった。世界的な食料飢饉などの環境変化から地球の寿命が尽きかけた、そう遠くはない未来。地球の寿命が途絶える前に居住可能な惑星を新たに探すため、幼い娘を持つ元エンジニア、クーパー(マシュー・マコノヒー)や生物学者のアメリア(アン・ハサウェイ)ら少数のクルーが前人未到の地へと向かう。彼らは自らの使命を全うし、愛する家族の元へ帰ることができるのか…。公開に先立ち本作を鑑賞した庵野秀明、大谷健太郎、大友啓史、中田秀夫、李相日ら映画監督からも、「映画館で見るべき1本」として賞賛されている本作。その日本限定TVスポット映像「世界号泣編」では、わずか15秒の間でも涙があふれてきそうなほど俳優陣の演技に圧倒される。「台本を読んだときから涙がとまらなかった」「これを観て泣けない人なんていないはず」と生物学者役のアン・ハサウェイや女性科学者役を演じたジェシカ・チャステインらも語っているだけに、公開を迎えた日本でも、すでに鑑賞した人たちからは「オールタイムベスト1に入る傑作」「開始1時間で涙が止まらなかった」など、ソーシャルメディアに感動と共感の書き込みが殺到。特に、マッケンジー・フォイ(『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン part2』)演じる娘・マーフに「必ず帰る」と約束したマシュー・マコノヒーの姿と、映像の中でも「愛は時間も距離も超える」と語るアン・ハサウェイの演技には、それぞれ2度目のアカデミー賞の声も上がるほどだ。本作で驚くべきなのは、ほぼCGを使わずにつくられた革新的な映像だが、やはり父娘の壮大な愛の物語が見どころ。“宇宙をも越える”家族の愛を、まずはこの映像から確かめてみて。『インターステラー』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インターステラー 2014年11月22日より全国にて公開(C) 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2014年11月28日電子書店パピレスが運営し、コミックから小説、実用書、雑誌、グラビアと幅広いジャンルの電子書籍を取りそろえている電子貸本「Renta!」。特にコミックは、少年漫画、少女漫画、ティーンズラブ、レディース、青年漫画、4コマ、萌え、サブカル、ボーイズラブなど最も豊富なラインナップを誇っているが、今回はその中からルポ・エッセイ漫画の11月の月間ランキングの中からレビュー・評価が非常に高い作品をピックアップして紹介していこう。○百姓貴族「鋼の錬金術師」で知られる荒川弘の「百姓貴族」。漫画家になる前は北海道で7年間、牛を飼い、野菜を作り、クマにおびえ、エゾシマリスに翻弄されるーー朝から晩まで年中無休で働く、タフでハードな農業に従事していたことを知るものは少なくない。本書は、そんな荒川が送る血と汗と笑いの知られざる農家エッセイ・コミックだ。“イモもダイコンもカボチャもキャベツも買ったこと”がなく、“あらゆる野菜を物々交換で手に入れてい”て、さらに“親戚は米農家”だという荒川を指した言葉が、ずばり百姓貴族である。牛の乳搾り自慢をはじめ、野菜ドロボーあるある、そして「水がなければ牛乳を飲めばいい」など名言とともに、牛飼いと農家のうんちくと上京苦難の物語などが語られる。実家が代々牛を飼っており、農家だという“本物”を知る荒川ならではの理論、そして北海道国独立という途方も無いが、本書を読んでいるとなくもないな、と思わせられてしまう、その見事な筆致……エピソードのすべてが為になるようなエッセイだ。○イタリア家族風林火山一躍時の人となったヤマザキマリの「イタリア家族風林火山」は、その「テルマエ・ロマエ」に至る苦悩の(?)歴史が垣間見えるドキュメンタリー漫画。子持ちのシングルマザーだったヤマザキが、ひょんなことから学者で14歳年下、そしてイタリア人らしからぬイタリア人男性ベッピーノと結婚することに。夫の実家は水の都ベネチアから車で1時間という好立地の山麓にある広大な敷地。そこでイタリア人大家族と暮らすことになったヤマザキを、個性的なキャラクターの親族たちが“襲う”という物語。夫をはじめ、舅のアントニオ、姑のマルゲリータ、祖母のアンナ、舅の母エリザベッタ、小姑のローザ……とにかく出てくる人たちが強烈。 “デフォルメしすぎでしょ”というくらい過酷なヤマザキのイタリア新婚生活。アドリア海の2週間にもおよぶ夢のクルーズは涙なしには読めないくらい笑える。シリア編、ポルトガル編、アメリカ・シカゴ編なども読んでみたいところ。○監督不行届安野モヨコの「監督不行届」は、一応巻頭で“このマンガはフィクションであり、実在の人物と団体とは関係がありません”と謳っているものの、明らかに、安野と国内屈指の映画監督/アニメーターである夫・庵野秀明の超ディープな家庭生活を赤裸々に描いたラブストーリー。ここで登場する旦那は“カントクくん”と呼ばれ、“国内のオタク四天王”とも噂される人物。結婚式後、アニメのDVDボックスを渡され、「残りの一生かけてオタク教育を施し、死ぬ頃には立派なオタクの嫁に」という宣誓(?)から物語は始まる。カントクくんが歌うアニソン、演じるアニメキャラクター、真似る映画のワンシーン、そのどれもがマニアックな内容にもかかわらず、徐々に同化していくロンパースこと嫁・安野……。読んでいて頭がおかしくなるくらい詳細なオタク用語2万字解説をはじめ、随所に挟まれる結婚秘話。そのどれもがコミカルで愛らしい。実はホントに二人とも根っからのオタクなんだな、そう再確認できる作品だ。1位は内田春菊の『私たちは繁殖している』、5位は村上竹尾の『死んで生き返りましたれぽ』、8位はあさの☆ひかりの『ド芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!? 三十路グラドルのつぶやき』などがランクインしている。なお11月のルポ・エッセイ漫画ランキングは以下の通り。
2014年11月28日ドワンゴとカラーが日本アニメーションの可能性を探るために進める共同企画「日本アニメ(ーター)見本市」の作品群を紹介する番組「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」の第三回放送が、11月24日にニコニコ生放送にて放送された。番組には、第三弾作品『ME!ME!ME!』を監督した吉崎響氏、キャラクターデザイン・作画監督を担当したスタジオカラーの井関修一氏 、音楽を担当したTeddyLoid氏が出演。本作は11月21日に「日本アニメ(ーター)見本市」公式サイトでの公開後、その刺激的な内容からネットで大反響を巻き起こしていたが、井関氏は「やっと完成して、やっちまったなと(笑)。感無量です」と一言。吉崎監督は「内容が内容なので不安だったのですが、評価していただけてよかったなと(笑)」と苦笑いするも、満足気が表情を浮かべていた。フリーランスの映像ディレクター・映像作家でもある吉崎監督は、モニターグラフィックアーティストとして『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』や『マクロスF』などに参加した経歴を持っており、本企画に関しては「完全に男子目線で好きなものを詰め込んだ」という。「思いの外、女性に好評だった」という吉崎監督の発言から、急遽番組内で男女比を調べるユーザーアンケートを実施すると、視聴者の男女比の結果は男性77.3%、女性22.7%という結果に。TeddyLoid氏との出会いが本企画スタートのきっかけだったと語る吉崎監督は、オリジナル曲のデモを聞かせてもらった時に「この曲でミュージックビデオを作りたい」と思い、「音楽が大好きなので、自分が思っている通りにやらせてくれるプロジェクトがないかなと思っていたところにこの話がきて、自分のターンがきたな」と感じたという。本作のテーマは「アニメと音楽のシンクロ」。吉崎監督は、人間臭さを作品に取り込むべく「この映像、テクノなのに見終わった後に人間の泥臭さを見たぞという感じを入れたかった」と本作での狙いを明かしている。一方、大きな反響を呼んだエロ描写に関しては、「自分の中でエロは"かっこいい"という位置づけ」と断言し、「エロというよりはそれも含めてかっこいいでしょと思って作りました」と述懐した。制作に関しては、吉崎監督が企画書用に書いた絵の出来に、井関氏から「原画かいてくれればいいのに!」というツッコミも。今回『ME!ME!ME!』にかかった原画枚数は約3,000枚で、これは普通のTVアニメ1本分の枚数に匹敵するという。ひたすら動いているアニメーションを作りたいという思いから、コマ数が膨れ上がってしまったらしい。本作の音楽を担当したTeddyLoid氏は、クラブ・ミュージックをベースに、Jポップやゲーム、劇伴など幅広い活動で知られる音楽プロデューサー・作曲家で、ガイナックス制作の『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』や、カゲロウプロジェクトによる『メカクシティアクターズ』などを手がけ、今年9月に自身のオリジナルアルバムをメジャーリリースしたばかり。「人間という生物の表と裏がこんなにも表現されたアニメはないなと思いました」と、本作に対する感想の述べたTeddyLoid氏は、「今はLINEやSNSでコミュニケーションを取りながら作れるので、絵やデザインの進捗を見ながらインスピレーションを得て作れます」と想像力が逆に増して作りやすかったと語り、「一緒のスタジオでセッションしている感じ」と制作過程を振り返った。アニメ特撮研究家の氷川竜介氏が注目ポイントを紹介する「氷川の二度見」のコーナーでは、"ツブシとノバシ"をテーマについて講釈。キャラクターを柔らかく動かすときの作法として物体をつぶしたり伸ばしたりする表現があり、今回は特に「"お尻の振り方"に注目してほしい」と力説。また、"日本乳揺らしの歴史"として「1983年に開催された日本SF大会で公開された『DAICON FILM』制作の映像が"胸を揺らしたアニメ"第一号だった」という豆知識も披露した。また、11月28日には第四弾作品『Carnage』が「日本アニメ(ーター)見本市」の公式サイトで公開。監督・キャラクターデザインを務めた本間晃氏、脚本の田中隼人氏、そして星野純一氏をゲストに招き、『Carnage』の上映や作品に込めた思いなどを解説する特別番組「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」第四回が、動画サービ ス「ニコニコ生放送」にて12月1日22:00から生中継される。■「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」第四回概要放送日時:12月1日22:00~23:00(予定)出演者:本間晃氏、田中隼人氏、星野純一氏、氷川竜介氏(アニメ特撮研究家)、山田幸美氏(MC)番組ページはこちら「日本アニメ(ーター)見本市」は、『新世紀ヱヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督が代表を務めるアニメ製作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。若い才能に"挑戦の場"を提供するべく立案されたもので、さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していく。作品は公式サイトおよび公式スマートフォンアプリにて無料で視聴できる。
2014年11月26日11月22日から全国512スクリーンで公開がスタートしたクリストファー・ノーラン監督最新作『インターステラー』が、土日2日間で動員数13万7,490人、興行収入1億9,338万円を記録し、週末興行ランキングで第1位の好スタートを切ったことが25日、明らかになった。本作は、壮大な宇宙を舞台に、人類の存亡を懸けたミッションに挑む人間たちのドラマ、そして、父娘の愛と絆を描いた感動作。幼い子供を持つ父親であり、重大な使命を担う元エンジニア、主人公クーパーをマシュー・マコノヒーが熱演する。ノーラン作品では初めての泣ける映画ということもあり、これまで圧倒的に男性ファンが多かった本監督作品ではめずらしく、週末の劇場には多くの女性が訪れた。公開前に行われた試写会でも涙する観客が続出。「開始1時間で涙が止まらなかった」「号泣した」「ノーラン作品で初めて泣いた」「オールタイムベスト1に入る傑作だった」と感動によったものが目立った。さらに、日本を代表する映画監督も絶賛。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの庵野秀明監督は「圧巻です。面白かったです」、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督は「映像の革命家ノーランが空前絶後のスケールで描く未来への希望」とコメントを寄せ、大友啓史監督、中田秀夫監督、李相日監督らも、映画館で見るべき1本と称賛している。なお、世界では11月7日より公開され、わずか数日で全世界興行収入1億3,000万ドルを超え、世界興行ランキングでオープニング1位を獲得。23日までには全世界興行収入は4億ドルを超える結果となり、世界中で支持を集めている。(C) 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2014年11月25日マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ケインら豪華キャストが、壮大な宇宙を舞台に人類の未来を懸けた途方もないミッションに挑む、クリストファー・ノーラン監督最新作『インターステラー』。いよいよ明日11月22日(土)となった日本公開を前に、“映像の革命家”ともいわれるノーラン監督の撮影の秘密に迫ったメイキング映像が解禁。あくまでも“リアルな実写”にこだわったノーラン監督の最新作には、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの庵野秀明や『るろうに剣心』シリーズの大友啓史など、日本を代表する多くの映画監督も圧倒され、脱帽する絶賛コメントを寄せていることが分かった。そう遠くない未来。劇的な環境変化や世界的な食糧難によって、地球の寿命は尽きかけていた。人類が居住可能な新たな惑星を探すため、元NASAのエンジニア、クーパー(マシュー・マコノヒー)は「必ず、帰ってくる」という娘との約束を胸に、生物学者のアメリア(アン・ハサウェイ)や数少ないクルーたちと共に、前人未到の地へと旅立つ――。いち早く公開された各国では軒並みNO.1を達成し、世界興行ランキングのオープニング記録NO.1を獲得、すでに全世界で興行収入320億円を突破する大ヒットとなっている本作。圧倒的スペクタクルで描かれる、人類の存亡を懸けたミッションに挑む人間たちのドラマだけでなく、娘との約束を守るため、どんな困難な事態にも決してあきらめないマコノヒー演じる父親の姿も多くの共感と感動を呼んでいる。この壮大な物語を創り上げるため、ノーラン監督はなんと実物大の宇宙船を制作し、実際に極寒地などで大規模なロケを敢行。その様子はメイキング映像にも映し出されているが、500エーカー(612,100坪/2,024,000平米)にわたる土地にトウモロコシを栽培したり、本物の砂嵐を起こさせたりしながら、その中で役者たちに演技をさせていたという。また、製作総指揮にも名を連ねる世界有数の物理学者キップ・ソーンや、技術顧問に国際宇宙ステーションへ5回の飛行に携わった宇宙飛行士を招くなど、あくまでも徹底的なリアリズムにこだわったノーラン監督。そうして描き出された、CGにはない現実味のある世界観の中で生まれた父娘の強い絆には、胸を打たれ号泣する女性も続出とか。さらに、日本が誇る精鋭監督たちも手放しで絶賛を送っている。<映画監督たちの絶賛コメント>庵野 秀明(映画監督)ストイックゆえに圧倒的なビジュアル。無機物と物理計算に特化したCG映像。シンプルでみごとなドラマとストーリー。3時間もの上映時間をまったく感じさせない役者と演出。圧巻です。面白かったです。お時間ある方は是非、アイマックスでの御鑑賞をお勧めします。大友 啓史(映画監督)何のために、人は自らの命を投げ出すのか。観る者の知性と好奇心を揺さぶりながら、まるで科学者のような手際でその答えが導かれていく。時間と、時空と、次元を超えて。映像の革命家ノーランが空前絶後のスケールで描く未来への希望。李相日(映画監督)誰も目にしたことの無い世界、誰も辿り着けない異次元の領域にこの映画は存在している。これは、映画を超越した”創造物”だ。神山健治(アニメーション映画監督)「娘に愛想をつかされようと、父は一人世界を救う」。ダークナイト以来、クリストファー・ノーラン監督が一貫して抱き続けている哲学が本作にも通底している。誰にも頼まれなくても世界を救うのだ、と。ノーラン渾身の叙情詩。―大谷 健太郎(映画監督)相対論や量子論が好きな人には垂涎の宇宙の映画。でも決して難しくない。この映画には、人類の想像も及ばないほど広大な宇宙の果てに、父娘の愛を、全身全霊で感じ取り、驚愕し、感動する「初体験」が待っている。森本晃司(アニメ監督)彼らの想像力は次元を越えて希望の扉を叩く。五次元表現にも打ち震えましたが、親子の絆にも涙が止まりませんでした。時空を超えて愛を届ける、なんてロマンチックな話なの。『インターステラー』は11月22日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インターステラー 2014年11月22日より全国にて公開(C) 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2014年11月21日クリストファー・ノーラン監督最新作『インターステラー』(11月22日公開)の撮影秘話に迫ったメイキング映像が21日、公開され、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの庵野秀明監督や『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督など日本を代表する映画監督から、本作を絶賛するコメントが続々と寄せられていることも明らかになった。世界興行ランキングのオープニング1位を獲得し、すでに全世界で興行収入320億円を突破する大ヒットを記録している本作は、壮大な宇宙を舞台に、人類の存亡を懸けたミッションに挑む人間たちのドラマ、そして、父娘の愛と絆を感動的に描いた作品。ノーラン監督は撮影にあたって、実際の極寒地でのロケや、実物大の宇宙船を制作。500エーカー(202万4,000平方メートル)のトウモロコシ畑を作り、本物の砂嵐のなかで役者に演技をさせた。また、物理学者キップ・ソーンや、技術顧問として国際宇宙ステーションへ5回の飛行に携わった宇宙飛行士を招くなど、徹底的にリアリズムを追及。メイキング映像では、その様子が映し出されている。そして、日本を代表する映画監督から絶賛のコメントが寄せられ、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの庵野秀明監督は「圧倒的なビジュアル。無機物と物理計算に特化したCG映像。シンプルでみごとなドラマとストーリー。3時間もの上映時間をまったく感じさせない役者と演出。圧巻です。面白かったです」と太鼓判。『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督も「映像の革命家ノーランが空前絶後のスケールで描く未来への希望」とたたえる。また、『フラガール』『悪人』の李相日は「だれもたどり着けない異次元の領域にこの映画は存在している。これは、映画を超越した"創造物"だ」、『NANA』シリーズの大谷 健太郎監督は「人類の想像も及ばないほど広大な宇宙の果てに、父娘の愛を、全身全霊で感じ取り、驚愕し、感動する"初体験"が待っている」と表現。さらに、神山健治監督と森本晃司監督もそれぞれ、「ノーラン渾身の叙情詩」、「親子の絆にも涙が止まりませんでした」と絶賛している。(C) 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2014年11月21日ドワンゴとスタジオカラーが日本アニメーションの可能性を探るプロジェクト「日本アニメ(ーター)見本市」の第2弾作品『HILL CLIMB GIRL』が、公式サイト上で公開された。第2弾作品『HILL CLIMB GIRL』は、『鷹の爪』リーズで著名なDLEにて「ユルアニ」内の作品や『監督不行届』などで知られる谷東監督と、スタジオカラーにて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズを担当した3Dディレクターの宮城健氏がタッグを組み、自転車細部のモデリングをはじめ、自転車が駆け抜ける音など、ロードバイクの疾走感を表現したフル3DCGアニメーション作品。プロのロードレーサーに憧れるほど自転車好き女子高生ひなこが、学校まで同級生の男子とママチャリで競争で連戦連敗の中、選手のレース映像から勝利のヒントを得て勝負に挑んでいく。声優は、第一弾作品『龍の歯医者』と同様、山寺宏一と林原めぐみの2人だけで登場キャラクターの声を担当している。また、11月17日には谷監督、宮城氏に加え、アニメ特撮研究家の氷川竜介氏を迎えて、特別番組「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」を動画サービス「ニコニコ生放送」にて生中継。解説や制作秘話など「HILL CLIMB GIRL」にまつわる話が語られるという。「日本アニメ(ーター)見本市」は、『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督が代表を務めるアニメ製作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。若い才能に"挑戦の場"を提供するべく立案されたもので、さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していく。作品は公式サイトおよび公式スマートフォンアプリにて無料で視聴できる。<ニコニコ生放送番組概要>■番組名:「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」■放送日時:2014年11月17日(月)22時~23時(予定)■番組URLはこちら■出演者:谷 東氏、宮城健氏、氷川竜介氏(アニメ特撮研究家)■放送内容:ゲストに「HILL CLIMB GIRL」監督を務める谷 東さん(過去には「鷹の爪」シリーズで著名なDLEにて「ユルアニ」内の作品、「監督不行届」他を監督。)と、「HILL CLIMB GIRL」制作を務める宮城健さん(過去にはスタジオカラーにてヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズを担当)をお迎えして、解説や制作秘話など「HILL CLIMBGIRL」にまつわるお話をうかがいます。(c)2014 nihon animator mihonichi, LLP.
2014年11月14日ドワンゴとカラーが共同で進める短編アニメシリーズ企画「日本アニメ(ーター)見本市」において、第二弾作品となる『HILL CLIMB GIRL(ヒルクライムガール)』の予告編映像が、11月10日より公式サイトにて公開された。「日本アニメ(ーター)見本市」は、『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督が代表を務めるアニメ製作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。若い才能に"挑戦の場"を提供するべく立案されたもので、さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していく。作品は公式サイトおよび公式スマートフォンアプリにて無料で視聴できる。今回公開されたのは、同企画第二弾作品となる『HILL CLIMB GIRL』の予告編映像。本作は監督・谷東氏と3Dディレクター・宮城健氏がタッグを組んだフル3DCGアニメーション作品となっており、第一弾作品『龍の歯医者』と同様、山寺宏一と林原めぐみの2人だけで登場キャラクターの声を担当する。両氏は「日本アニメ(ーター)見本市」の立案者である庵野監督たっての希望で、全作品のキャラクターの声を担当することに決定しており、11月10日にニコニコ生放送で放送された「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」の番組内で以下のとおりコメントを発表している。山寺宏一:素晴らしい企画! さすがカラーさん! 注目を集めれば、そこから才能あるクリエイター達が世界に羽ばたいて行く事でしょう! えっ? 声は二人? そりゃ大変有難いし、林原さんとなら面白いと思うけど、全部ってのは無理があるんじゃない? そのせいで作品の足引っ張る事になりゃしないか? いや、庵野さんがそう言うなら喜んでやらせて頂きます。林原めぐみ:「でた!!」と思いました。そういう役回りかと……。我々は……。光栄です……たぶん。本当に……。壮大なパイロットフィルム制作にお付き合いするという事と理解し、キッズアニメも、萌え? も、グラフィックスも、歴史物も、日本のアニメの幅の広さ、奥行き、個々の才能、技術、などなどを、ある意味、即行、世界に発信するにはネットはもってこいですものね。日本のアニメ(スタジオカラー制作の)世界へのプレゼン? と私は理解しました…違う?二人の起用について、庵野監督は「作品ごとに必要なキャストを毎回揃える事態は、スケジュール的にも予算的にもまるで現実的ではない」という理由がきっかけだったとしているが、次々と完成する作品を目の当たりにし、「(2人を選んだ)その直感は正しかったと実感しています。やっぱ、巧いです。凄いや、あの二人!」となどコメントし、絶賛している。なお、11月17日にはニコニコ生放送で「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」(第2回)を放送。番組では「HILL CLIMB GIRL」を手掛けた谷東氏、宮城健氏、アニメ特撮研究家の氷川竜介氏が出演し、同作の制作秘話や、3DCGの魅力について話を聞くという。番組名:「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」放送日:2014年11月17日(月)放送時間:22:00~23:00(予定)出演者:谷東氏、宮城健氏、氷川竜介氏(アニメ特撮研究家)番組ページはこちら
2014年11月11日ドワンゴとカラーが日本アニメーションの可能性を探るために進める共同企画「日本アニメ(ーター)見本市」の第一弾作品『龍の歯医者』が、11月7日より公式サイトにて公開された。「日本アニメ(ーター)見本市」は、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明監督が代表を務めるアニメ製作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。若い才能に"挑戦の場"を提供するべく立案されたもので、さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していく。作品は公式サイトおよび公式スマートフォンアプリにて無料で視聴可能。今回公開された第一弾タイトル『龍の歯医者』は、本作が監督デビューとなる小説家の舞城王太郎氏とアニメーターの鶴巻和哉氏がタッグを組み、龍の歯医者になろうとする少女の冒険が描かれる。声優は、山寺宏一と林原めぐみが担当。また、「日本アニメ(ーター)見本市」で配信される作品を語る番組『日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-』が、11月10日22:00から「ニコニコ生放送」で放送される。第1回放送は、アニメ特撮研究家の氷川竜介氏が出演し、本作のアニメーション演出を手がけた鶴巻和哉氏と、キャラクターデザインを担当した亀田祥倫氏がゲストとなり、作品に込めた思いなどを語り尽くすという。そして動画サービス「niconico」では、庵野秀明氏がデザインしたイメージキャラクターの「(ーター)くん」や、鷺巣詩郎氏が作曲した「P222demo」(「エディットA」か「エディットB」)を活用して作られた日本アニメ(ーター)見本市の「オープニング映像」を特設投稿サイトにて募集。応募資格はニコニコアカウントの保有で、作品内容は規定はせず、1分程度の長さに収めることが条件となる。応募期間は11月7日~ 2015年1月5日12:00まで。応募された作品は、スタジオカラーのクリエイターたちが選考し、順次公開作品のオープニング映像として発表されるという。なお、特設投稿サイトでは、庵野秀明監督が描いた「絵コンテ」や、それをもとにスタジオカラーのクリエイターたちが制作した「オープニング映像」、(ーター)くんの「立体データ」が参考資料として公開されている。(C)2014 舞城王太郎/nihon animator mihonichi, LLP.(C)nihon animator mihonichi, LLP.
2014年11月09日●『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』の原画に感動した庵野秀明監督庵野秀明監督は10月26日、「第27回東京国際映画祭」でアニメ・特撮評論家の氷川竜介氏と対談を行い、自らのアニメーターとしてのキャリアを語った。日本を代表するクリエイターである庵野監督がどんな道を歩んで現在に至ったのか、またアニメーション表現にどんなこだわりを持っているのか、対談を振り返り紐解いていこう。庵野監督は冒頭、アニメーターとしての自分自身について「人間を描くなら僕よりうまい人はいっぱいいる」と述べた。庵野監督が関わった作品として知られている『風の谷のナウシカ』では、人間を描いたものの宮崎駿監督にすべて描き直されてしまったのだという。「ヘタだなって言いながら、宮さん(宮崎監督)が一から全部描き直したんです。だからクロトワはうまいんです(笑)。僕が描いていたのは、後ろの煙やクロトワが巨神兵の中でドクンドクンなっているところです」庵野監督がプロになったきっかけは、自身が師と仰ぐアニメーター、板野一郎氏との出会いだった。大学時代、岡田斗司夫氏に誘われて東京へ上京した際、紹介されたのが板野氏だったのだ。そこで板野氏が描いた『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』の原画を見た庵野監督は「本当にすごくて、こんな原画が世の中にはあるんだ」と感動したという。「それまでは自分がプロで通用するなんて思ってなかったし、まだ学生だしって思っていたけど、板野さんの原画を見てから、この人のところで仕事をしてみたいと思ったんです。プロになりたいというのではなく、板野さんの仕事を見てみたいと」その後、庵野監督は板野氏の間近でアニメの仕事をこなしながら、経験を積んでいく。当初はキーフレームの意味も知らず、タイムシートも見たことがないという状態だったが、板野氏からはいきなり『超時空要塞マクロス』の原画の修正を任せられた。当時を振り返って「いきなりの作監デビューですよ(笑)」と庵野監督は笑う。「『マクロス』のTVスペシャルを見て、自分が描いたものが出てくるのはやはりうれしかったですね。22話と25話のときは東京に出てきて、冬にスタジオまで行って板野さんと二人でずっと寝泊まりしていました。そこの仮眠室に暖房がなかったので、毛布をす巻きにして寝るしかなくて、冷凍仮眠室って呼んでいましたよ(笑)」当時は「ド新人だった」という庵野監督だが、コンテ通りに作業するのではなく、カットを変更して描いていた。「自分が絵を描く以上は面白いアニメにしたかった。あの頃のアニメ業界は自分さえ目立てばいいという人ばかりで、僕のその仲間でした(笑)。25話の頃にはすっかり仕事にも慣れていて、日曜が放送日なのに最後の原画を上げたのが木曜。間に合うものだなと(笑)」庵野監督が手がけた最後のカットは、バルキリーがガウォークに変形するシーンだった。ここで描いた爆発シーンが各所に評価され、仕事が来るようになったという。1983年に再び開催された日本SF大会(通称DAICON4)への参加を経て、庵野監督は『風の谷のナウシカ』にスタッフとして参加することになる。「アニメージュにスタッフ募集と書いてあったから、追い返されることはないだろうと思っていたら、即答で来いと言われて僕自身がびっくりしました。かばん一つで上京したら、宮崎監督が『いつから来れるんだ』と。今と変わらず、回転椅子にあぐらをかいた状態でしたね。『ナウシカ』の制作はかなり追い詰められていたようです」●納得のいく爆発表現は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の丸い爆発庵野監督といえば巨神兵を描いたことで有名だが、もともとは別のスタッフが予定されていた。本来なら、参加したばかりの新人に任せられるパートではなかったというが、「『ナウシカ』は宮さんが普段使っている人がほとんどいなくて、メインは鈴木さんが集めたスタッフ。本当に外人部隊でした」という状態だったこともあり、庵野監督が原画を担当することになった。「どうも煙を描いたら気に入られたみたいです。そのシーンが終わったら、次は巨神兵と王蟲が戦うところをやってほしいと言われました。宮さんが最初に描いていたコンテが実によかったんですよ。巨神兵は溶けてなくて、王蟲の群れの中に入って、ちぎっては投げちぎっては投げしているんです。だけど最後は王蟲の数に潰されてしまう。これはかっこいいけど大変だな、自分に描けるかなと思っていたところ、(納期までの)時間がなくなったんですね。それで宮さんが上げてきたのが、巨神兵が溶けている絵で、一発撃って自滅してしまうんです。映画の尺もないからと説得されて、渋々納得しました」宮崎駿監督から学んだものは大きいと庵野監督は言う。「『ナウシカ』のときに初めて地面があるレイアウトを描いたんです。『マクロス』でやっていたのは宇宙空間で地面がなく、空間の中を自由に動くカットしかやってなかったんですね。『ナウシカ』で砂丘に三角形の塔が建っているシーンを描いたんですが、僕が最初に描いたのはひどくて、そこに空間がないんです。それで宮さんが僕を呼んで、どう直せばいいかを教わりました。宮さんのレイアウトだと、ただの線一本なんだけど、ちゃんと砂丘の膨らみがあるんですよね」『風の谷のナウシカ』で経験を積んだ庵野監督はその後、『王立宇宙軍 オネアミスの翼』に参加する。この作品で庵野監督が「スペシャルエフェクトアーティスト」という肩書でクレジットされていることがしばしば話題になるが、本人にとっては「世間への嫌がらせだった」のだという。「アーティストで名づけたらアーティストだろうという軽い気持ちでつけたんです。エフェクトにしても、当時流行していたSFXという言い方が嫌で、エフェクトにしてやれと。自分が嫌なものを肩書にしたんです。こんなに後々まで残るとは思いませんでした(笑)」氷川氏によると、『王立宇宙軍 オネアミスの翼』は作品内にリアリズムを取り入れたことでも評価されているという。庵野監督自身も「作品世界が漫画的描写を受け付けないので爆発をリアルに見えるよう描いた」と述べており、「アニメーターの技術としては、今でも『王立宇宙軍 オネアミスの翼』が最高峰」だと断言する。アニメーターとして、特に爆発の表現にはこだわってきた庵野監督だが、『王立宇宙軍 オネアミスの翼』以降の作品で納得のいく爆発表現は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で「丸い爆発が次々に出るところ」くらいなのだとか。「あれは久々によく描けたカットだなと。それ以外は全然ダメ」その後もさまざまな作品でアニメーターや監督として活躍してきた庵野監督だが、あらためて自身の道を振り返り、「いいタイミングで監督になった」と言う。「自分がやっていた仕事は、アニメーターとしては若いときしかできないことだったので、あのままアニメーターを続けていても早々に田舎に帰ることになっていたと思います。僕としては途中で監督になってよかったです」新たに「日本アニメ(ーター)見本市」をスタートさせるなど、意欲的に人材育成を行っている庵野監督だが、今後アニメーターを目指す人に対しては次のようにアドバイスしている。「アニメーターはまず絵描きじゃないといけないし、同時にカメラマンじゃないといけないし、役者じゃないといけない。実写だったらバラバラでやるところを、一人でやれる面白い職業です。その面白さがわかれば、アニメーターになっても続くはず。後は観察することが大事。宮さんのすごいところは、一度見ただけで物の構造を把握する観察力ですから。アニメーションは記号に落とす作業があるので、記号化するときに何を捨てるのか、自分で考えてイメージを組み直さないといけません。実写でできないこと、アニメならではのものがあります」日本のアニメ業界は今後どうなっていくのか。庵野監督の新たな挑戦「日本アニメ(ーター)見本市」に注目だ。
2014年11月05日現在、開催中の第27回東京国際映画祭(以下、TIFF)。今年は庵野秀明監督の特集上映が組まれたり、オープニング作品をディズニーの『ベイマックス』が抜擢されたりと、例年以上の盛り上がりを見せる今年のTIFF。いよいよ明日(31日)は最終日となり、各賞の受賞結果が発表されるが、中でも注目を集めているのは「コンペティション部門」だ。毎年、熾烈を極めるこの「コンペティション部門」。2011年に最高賞となる「東京サクラグランプリ」(※現在の名称は「東京グランプリ」)に輝いたフランス映画『最強のふたり』は、その後、社会現象ともいえる大ブームを巻き起こすなど、この先の映画界を占う重要な部門となっている。今年、同部門で最も注目を集めているのは、唯一日本からの出品作となった『紙の月』。ベストセラー作家・角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』を大ヒットさせた吉田大八が監督を務める本作。先日、行われた会見でグランプリへの自信について聞かれた、主演の宮沢りえは「あるといえばある」と語り、報道陣を沸かせており、さらに共演の池松壮亮も「あそこまで役に身を投げれる女優さんは、りえさんしか知らない」と、その体当たりの演技を絶賛しており期待感は十分だ。しかし、同会見で「世界という広い舞台で、この映画がどういう位置づけで見てもらえるのか」と語った吉田監督の言葉のとおり、世界はとにかく広い。今年の「コンペティション部門」さらに「最優秀女優賞」まで含めて見渡した時、宮沢さんのライバルは誰なのか?長年、TIFFの作品選定に携わり、今年の各出品作品を選んだ張本人となるプログラミング・ディレクター矢田部吉彦氏に聞いてみると、まさに世界の“広さ”を感じさせる答えが返ってきた。――「宮沢りえさんの強敵は“おばあちゃん”ですね」と。その“おばあちゃん”の正体は、イランを代表する名女優ファテメ・モタメダリア。日本では無名の彼女だが…演技を計る上で、有名・無名を論じるのは無価値。矢田部氏によると、「アゼルバイジャン共和国の『ナバット』という作品で、『紙の月』とはまた違ったタイプの作品です。村が戦争に巻き込まれて村人たちが去ったあと、ひとり取り残されたおばあちゃんのお話なんです。彼女が淡々と生きていく中で抱える“孤独”が、じわじわと胸に迫ってくるんです」。『紙の月』で平凡な日常から逃げ出すように、世の闇へと堕ちていく女性を演じた宮沢さんと、戦乱という非日常の中でどうしようもなく孤独を抱えながら生きていく女性を演じたファテメ。果たして、今年はどの作品が栄冠に輝くのだろうか?第27回東京国際映画祭は10月31日(金)まで開催。『紙の月』は11月15日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月30日第27回東京国際映画祭にて特集上映「庵野秀明の世界」が連日行われているが、10月27日(月)は『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が上映された。その後の庵野監督のトークショーでは、アニメーション監督初期のエピソードが語られた。10月24日(金)より始まったこの特集上映では連日、庵野監督の作品が上映されており、アマチュア時代や実写映画、アニメーターとしての庵野秀明など日ごとに様々なテーマでトークイベントが開催されてきた。この日は長編劇場アニメ『王立宇宙軍 オネアミスの翼』に参加後、自身が初めて監督を務めたアニメーション「トップをねらえ!」と、続く「ふしぎの海のナディア」について述懐した。庵野監督は自身に関して「監督に向いているかと言えば、向いてない」「僕はNo.2で上手くいくタイプ。サポートするのに向いているけど、責任感はない」と語り、監督という仕事に関して「責任を取ることが監督の仕事」「『OK』と『もう1回』というボキャブラリーがあれば誰でも出来る」と持論を展開する。当時、所属していたアニメーション制作会社「ガイナックス」は『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の完成をもって解散する予定だったが、なぜかそのまま会社を存続させることに…。そこで出てきた「トップをねらえ!」の企画に関しては「初めて自分から(監督をしたいと)手を挙げた」という。予算が少ない中で製作はかなり難航したようで「スタッフに苦労を掛けたし、第1話と2話はひどかった…」と苦悶の表情でふり返る。企画はまず4話まで製作が決定しており、その反響次第で6話まで作るということで、実際、少し期間を空けて第5話、6話が製作された。この最後の2話に関して「3か月で作りきったことが自信になった。クオリティコントロールが出来ていた」とここで掴んだ自信、手応えを明かした。この“クオリティコントロール”も、庵野監督が考える監督の仕事の重要な部分で、宮崎駿監督が『カリオストロの城』を半年ほどで完成させたというエピソードも踏まえつつ、「『この画面はこれでいい』と言い切る力が必要。そこで監督が全ての責任を背負う。宮崎さんの凄いところは、このクオリティコントロール」と語った。同作に続いてNHKで放送された「ふしぎの海のナディア」の監督も務めたが、この件に関しても様々な裏話を披露!当初、別の人間が監督をやることになっていたが、NHKによる脚本が「あまりにひどかった」ためにその監督がプロデューサーと衝突し降板となり、庵野監督にお鉢が回ってきたという。庵野監督も脚本を「ひどい」と感じていたが、「そこは賭けに出るしかなく、骨子を残しつつ、勝手にキャラクターやディテールを書き直した」という。周到に周りを味方につけた上で、あえて、描き直しをしていたら間に合わない段階でプロデューサーの元に行き「絵コンテを置いて『これでダメなら続けられません』と言って認めさせた」と“根回し”をした上で、自分の作品へと少しずつ変えていったとのこと。「ちょっとずつ、NHKの脚本を使わないようにしていき、最後は脚本すら読んでない(笑)!でも評判は良くて『勝てば官軍』なんだと感じた。プロデューサーも度量の広い人で、『好きにやらせれば面白くなりそうだ』と任せてくれるようになった」とふり返った。衣裳や露出を含め、キュートなナディアが人気を集めたが、当時は視聴者の抗議を懸念し、NHKはナディアの衣裳に難色を示したとか。しかし、庵野監督は「露出がどれくらいあるかで女の子のキャラの人気は決まる!」と持論を展開!当時のNHKのアニメとしては異例のキャラクターがこうして誕生することになったという。普段「基本的に終わった仕事(作品)は見ない」という庵野監督だが、少し前に久々に仕事で「ナディア」を見る機会があったそうで、「十数年ぶりに見て『面白い』と思いました!」と満足そうに語っていた。第27回東京国際映画祭は10月31日(金)まで開催。(text:cinemacafe.net)
2014年10月28日第27回東京国際映画祭において開催中の特集上映「庵野秀明の世界」で10月27日(月)、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が上映され、監督の庵野秀明が「エヴァンゲリオン」シリーズの製作に関するエピソードや、宮崎駿監督から受けたエールについて明かした。日々、テーマに分けて庵野監督が携わった様々な作品が上映され、トークが行われているが、この日はアニメーションの監督としての庵野さんに焦点を当てたトークが展開。初監督作品「トップをねらえ!」、NHKで放送された「ふしぎの海のナディア」に続き、「エヴァンゲリオン」シリーズを製作するに至った経緯について語った。「ふしぎの海のナディア」を終えたとき、庵野監督は「燃え尽きて、精神的、肉体的に壊れた。ヤル気が出ず、いま考えると鬱だった」という。その後、以前関わった『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の続編にあたる『蒼きウル』が企画されるも頓挫。「そこで目が覚めて、人に頼らずに自分でやらなきゃいけないと思った」と語り、当時、所属していた「ガイナックス」との決別を決意。「『エヴァンゲリオン』の企画を一人で考えた」という。こうして「新世紀エヴァンゲリオン」が製作されTVシリーズとして放送されたが、庵野監督はこの日、上映された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』に触れつつ「TVシリーズの第弐拾伍話と最終話の2話は、時間がなかったこともあり、最初に考えていたものにならなかった」と述懐。そこから、この2話を練り直した本作が制作されたわけだが、当初は劇場版としてゼロから全く違う新作も製作する予定だったという。この企画が実現されることはなかったが、当時、庵野監督がこの完全新作のために書いたプロットは、いま人気沸騰中の「進撃の巨人」の設定と驚くほど似たものだったそう。「人類がほとんど滅んでいて、壁と外の世界をつなぐ橋で守られているという設定。そこに使徒がやって来て、TVではできなかった“人を食べる”というもので、対抗できるのはエヴァだけという話でした。初めて『進撃の巨人』を読んだ時は『うわっ、そっくり!』と思った」と明かす。結局「その時は作る気力がなかった。(TVの後で)すぐにまた『エヴァ』をやるのは無理だった」と幻の企画に終わり、その後、庵野監督は初の実写長編監督作『ラブ&ポップ』、アニメ「彼氏彼女の事情」などを作り上げるが、少し時間を置いて、自身の会社「株式会社カラー」および「スタジオカラー」を設立。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズを作ることになる。再び「エヴァ」を作ることになった経緯について、庵野監督は「ガイナックスを出て、何をしようか?と考え、実写の企画があったけど、それは結局『エヴァ』的なものにしかならなかった。それならいっそ『エヴァ』をやればいいと思った」と説明する。一番最初にTVシリーズを作った時との違いは、やはり技術の革新のようで「科学の進歩は素晴らしい。TVでできなかったことがいまは出来るし、デジタル万歳です!」とも語る。すでに新劇場版は第1作『序』が2007年に、第2作『破』が2009年に、第3作『Q』が2012年に公開され、完結に向けて期待が高まるが、庵野監督は「本当に大変なんです。スクラップ&ビルドの繰り返し。魂を削るような作業で、本当にしんどい…」としみじみと語る。そんな本シリーズについて、昨年、庵野監督が声優を務めた『風立ちぬ』で長編監督を引退した宮崎駿監督からは、完結に向けて「最後まで頑張れ!」と激励を受けたそう。これまでにも、宮崎さんの言葉に救われたことはあったそうで「最初のTVシリーズが終わった時、僕がボロボロになっていると噂で聞いて、宮さんは会社に電話をくれたんです。『休めばいい。また作れるようになったら、絶対に金も人も集まるから大丈夫』と言ってくれて、その言葉は本当に大きかったです」と感謝の思いを口にする。「あの人の言葉は毎日変わるんですが(笑)、いまは『頑張れ』と言われているので頑張ります!」と力強く語り、劇場に足を運んだファンからは期待を込めた拍手が沸き起こった。第27回東京国際映画祭は10月31日まで開催。(text:cinemacafe.net)
2014年10月28日ドワンゴとスタジオカラーは、日本のアニメーションの可能性を探る共同企画「日本アニメ(ーター)見本市」をスタートした。「日本アニメ(ーター)見本市」は、『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督が代表を務めるアニメ製作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。若い才能に"挑戦の場"を提供するべく立案されたもので、さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していくという。作品は公式サイト、および公式スマートフォンアプリにて無料で視聴できる。第一弾タイトルは『龍の歯医者』で11月7日配信予定。本作が監督デビューとなる小説家の舞城王太郎とアニメーターの鶴巻和哉がタッグを組み、声優陣には山寺宏一、林原めぐみを迎える。なお、ニコニコ生放送では「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」と題した番組を放送。第1回放送では、本作を手掛けた鶴巻和哉、キャラクターデザインを担当した亀田祥倫、アニメ特撮研究家の氷川竜介が出演し、作品に込めた思いなどを語り尽くすという。放送は11月10日22:00から。番組名:「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」放送日:2014年11月10日(月)放送時間:22:00~23:00(予定)出演者:鶴巻和哉氏、亀田祥倫氏、氷川竜介氏(アニメ特撮研究家)、山田幸美(MC)番組ページはこちら
2014年10月27日人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督は26日、第27回東京国際映画祭を開催中のTOHOシネマズ日本橋にて、日本のアニメーションの可能性を探る企画「日本アニメ(ーター)見本市」を開始することを発表した。「日本アニメ(ーター)見本市」は、アニメ制作会社・スタジオカラーとニコニコ動画を運営するドワンゴが共同で行う短編映像シリーズ企画。決められた予算と時間の中で、アニメーターやディレクターたちが短編アニメ作品をジャンルを問わず自由に制作し、オムニバスアニメーション作品として毎週金曜日に1話ずつ公開していくという。配信は公式サイト、または公式スマートフォンアプリにて無料・アカウント不要で視聴可能で、初回配信は11月7日を予定。初回配信作品となる『龍の歯医者』では、本作が監督デビューとなる小説家の舞城王太郎氏とアニメーターの鶴巻和哉氏がタッグを組む。声優には山寺宏一、林原めぐみが名を連ねている。「日本アニメ(ーター)見本市」の作品ジャンルは、オリジナル企画以外にもスピンオフ企画、プロモーション映像、ミュージックPVと自由に制作。ドワンゴ、スタジオカラーの両社は、本企画の理念として「表現の規制のない"自由な創作の場"を提供し、日本のアニメ制作における企画開発やR&D、人材育成など、この先の映像制作の可能性を探る」ことを掲げており、ドワンゴの川上量生会長は「採算を取ることは考えていない」と語っている。同企画の背景にはアニメ業界への危機感があるようで、庵野監督は「アニメ業界は袋小路に入っており、新しいものを商売抜きにやらないと厳しい。今ならまだ間に合うんじゃないかと思った」と説明。庵野監督の構想を形にするサポートにあたるドワンゴは、川上会長がスタジオカラーの取締役を務めている縁から、配信を技術面でサポートすることになったという。アニメ制作はスタジオカラーが手がけ、公式ウェブサイトやアプリなどをドワンゴが担当する。作品は5~6分の短編が中心で30作品ほどのラインナップを用意。庵野監督は内容には「余程のことがない限り、口を挟まない」という。今後の作品に関わる監督、スタッフは発表されていないが、川上会長は「かなりの豪華メンバー」を自信をのぞかせた。会見では現在制作中の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ最新作についての話題も出たが、庵野監督は「ちゃんとやっているが、こういうこともやらないとダメになる。違うことをやってからエヴァに戻ろうと思っている」と述べるに留まった。
2014年10月26日「第27回東京国際映画祭」が23日に開幕し、東京・六本木ヒルズアリーナに敷かれたレッドカーペットを、ウルトラヒーローたちが国内外の豪華ゲストとともに映画祭のオープニングを飾った。「東京国際映画祭」と円谷プロダクションのコラボレーションは昨年も行われており、その時はウルトラ怪獣たちがレッドカーペットを大行進して話題に。今年のオープニングセレモニーに駆けつけたのは、初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンA、ウルトラマンタロウ、ゾフィー、そして、最新作の『ウルトラマンギンガS』からウルトラマンギンガストリウムとウルトラマンビクトリーの8人のウルトラヒーロー。あいにくの雨にもかかわらず会場を埋め尽くした多くの映画ファンたちに迎えられ、ウルトラヒーローたちはレッドカーペットをゆっくりと行進。ファンからの声援に手を振って応えたり、ファンと握手を交わしながらステージに登壇した。各々がウルトラポーズを決めると会場からは大歓声が沸き上がり、オープニングセレモニーを大いに盛り上げた。なお、このセレモニーには、ジョン・ラセターやドン・ホール&クリス・ウィリアムズ、嵐の5人や中谷美紀、安倍晋三内閣総理大臣やドラえもんなど、上映作品の監督・出演者をはじめとしたさまざまな豪華ゲストが登壇している。また、10月26日には東京・TOHOシネマズ日本橋にて、『ウルトラセブン』Blu-ray BOX I(11月21日にバンダイビジュアルより発売)の発売を記念した「『ウルトラセブン』HDリマスター2.0~円谷プロ特撮への誘い!~」と題したジャパンプレミアを開催し、キングジョーの登場する第14話~第15話「ウルトラ警備隊西へ」の前後編を上映。当日は、モロボシ・ダン隊員役の森次晃嗣、アンヌ隊員役のひし美ゆり子、アマギ隊員役の古谷敏、そして、満田かずほ監督や樋口真嗣監督など、スペシャルゲストを交えたトークショーも開催される。「第27回東京国際映画祭」は、10月23日~31日の期間中、東京・六本木を中心に行われる映画祭で、今年は「アニメーション」に注力したラインナップを展開。『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる庵野秀明監督が手がけたTVアニメ・劇場公開作品に加えて、自主制作された短編・CM・PVなど、約50作品を特集上映する「庵野秀明の世界」やアニメーション映画『劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~』が特別招待作品として出品される。(C)円谷プロ
2014年10月24日第27回東京国際映画祭が10月23日に東京・六本木ヒルズで開幕。オープニング作品『ベイマックス』を引っさげ来日したジョン・ラセター、日本語吹替えキャストの菅野美穂と小泉孝太郎、クロージング作品『寄生獣』の山崎貴監督、染谷将太、深津絵里、橋本愛、フェスティバル・ミューズの中谷美紀、スペシャル・アンバサダーに就任した人気グループ嵐らが駆けつけたファンの歓声を浴びていた。その他の写真今年は同映画祭のトレードマークであったグリーンカーペットが、レッドカーペットに改められ、最高賞の名称も東京サクラグランプリから“東京グランプリ”に変更されるなど、新たな方向性の模索が始まった。その主軸が日本のカルチャーを世界に発信する“アニメシフト”のプログラム構成だ。映画祭の先陣を切る『ベイマックス』はディズニー・アニメーション・スタジオの最新作。日本文化へのオマージュを捧げた冒険アドベンチャーは、同スタジオ史上初として日本がワールドプレミアの地に選ばれた。また、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を手がける庵野秀明氏のキャリアを総括する特集上映『庵野秀明の世界』も大きな目玉企画だ。特別招待作品には『アップルシード アルファ』『劇場版 進撃の巨人前編~紅蓮の弓矢~』、押井守監督の最新実写作『GARM WARS The Last Druid』、押井氏が総監督を務める『THE NEXT GENERATION パトレイバー/エピソード10:暴走!赤いレイバー』などが並ぶ。ディレクター・ジェネラルを務める椎名保氏は「国内外のクリエイターが東京を目指し出品し、国内外での評価とビジネス的成功をもたらし、映画祭のブランド力を上げる」ことを目標に掲げており、アニメーションへの注力にも積極的だ。それだけに今回の成否は、今後の東京国際映画祭にとって重要なターニングポイントとなりそうだ。期間中はコンペティション、特別招待作品など自主企画と提携企画を含めた約250本、ワールドプレミア32本、インターナショナルプレミア3本が上映される。第27回東京国際映画祭10月23日(木)から31日(金)まで会場:六本木ヒルズ(港区)、TOHOシネマズ 日本橋(中央区)ほか取材・文・写真:内田 涼
2014年10月23日10月23日より開催される「第27回東京国際映画祭」と円谷プロダクションがコラボレーションを果たし、歴代のウルトラマンたちが国内外の豪華ゲストとともに映画祭のオープニングを飾ることが明らかになった。昨年行われた「東京国際映画祭」では、ウルトラ怪獣が大行進して話題となったオープニングのレッドカーペットだが、今年は初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)、ウルトラマンA、ウルトラマンタロウ、ゾフィー、そして、最新作の『ウルトラマンギンガS』からウルトラマンギンガストリウムとウルトラマンビクトリーが、国内外の映画スターとともに登場する。また、10月26日には東京・TOHOシネマズ日本橋にて、『ウルトラセブン』Blu-ray BOX I(11月21日にバンダイビジュアルより発売)の発売を記念した「『ウルトラセブン』HDリマスター2.0~円谷プロ特撮への誘い!~」と題したジャパンプレミアを開催し、キングジョーの登場する第14話~第15話「ウルトラ警備隊西へ」の前後編を上映。当日は、モロボシ・ダン隊員役の森次晃嗣、アンヌ隊員役のひし美ゆり子、アマギ隊員役の古谷敏、そして、満田かずほ監督や樋口真嗣監督など、スペシャルゲストを交えたトークショーも開催されるという。「第27回東京国際映画祭」は、10月23日~31日の期間中、東京・六本木を中心に行われる映画祭で、今年は「アニメーション」に注力したラインナップを展開。『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる庵野秀明監督が手がけたTVアニメ・劇場公開作品に加えて、自主制作された短編・CM・PVなど、約50作品を特集上映する「庵野秀明の世界」やアニメーション映画『劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~』が特別招待作品として出品されることでも話題となっている。(C)円谷プロ
2014年10月08日第27回東京国際映画祭(10月23日開幕)で特別上映「庵野秀明の世界」(10/11(土)からチケット発売)が開催される映像作家・庵野秀明が取材に応じ、原画を手掛けた『風の谷のナウシカ』(84)がキャリアの大きな転機だと語った。現在は同作の生みの親であり、昨年長編アニメから引退した宮崎駿監督の“後継者”とも目されているが、「そう言われるのは、ありがたいですけど、意識はしていない」と心境を明かした。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが企画した「庵野秀明の世界」では、学生時代の自主作品から最新作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』まで、全編・抜粋を含めて50作品以上を上映。原画を担当した『風の谷のナウシカ』(84)や『火垂るの墓』(88)、実写作品に挑んだ『ラブ&ポップ』(97)、『式日』(00)、『キューティーハニー』(03)、三鷹の森ジブリ美術館の展示用に製作した短編など、庵野監督の“多様性”がうかがえるラインナップだ。「ナウシカに参加したことで、東京でアニメーターとしてやっていける自信がつきましたね。僕らの仕事は依頼がないと成立しないから、自分で『やっていける』って言うのは少し違うんですが。宮崎さんからは、作品づくりの姿勢というものを教わった気がします。技術的なことはもちろん、現場でクオリティを維持し続ける精神力と集中力にすごく感銘を受けました」(庵野監督)。キャリアの総括ともいえる特別上映が、東京国際映画祭というインターナショナルな場で行われる。「奇妙な世界を大真面目に追及するのが、日本アニメの特殊性だと思います。『ヱヴァ』もその1本。ディズニーやピクサーのようなポピュラリティを大切にした商業作品もいいですけど、日本アニメが世界に打って出るには、特殊性こそが突破口になるんじゃないかと思います」(庵野監督)。第27回東京国際映画祭期間:10月23日(木)~31日(金)会場:六本木ヒルズ(港区)、TOHOシネマズ 日本橋(中央区)ほか取材・文・写真:内田 涼
2014年10月07日「パスザバトン(PASS THE BATON)」は「コクヨ(KOKUYO)」とコラボレーションし、測量野帳を販売する。1月10日よりパスザバトン丸ノ内店、表参道店にて数量限定で取り扱い。価格は189円。今回のコラボは、実際の使用には差し支えないもののコクヨの品質基準を満たせなかった測量野帳に、パスザバトンのオリジナルイラストを入れたもの。デザインを担当するのは、紙にまつわる多彩なクリエーティブ活動を行っている「キギ(KIGI)」のアートディレクター植原亮輔と渡邉良重。パスザバトンのアイコンでもあるバトンを手渡す動物たちが表紙を飾る。測量野帳とは、野外での使用に適したコンパクトなサイズと厚みのある表紙で、測量や建築、工事など様々なフィールドワーク従事者に人気のノートブック。1959年に測量現場からの声によって誕生したコクヨのロングセラー商品。
2014年01月10日スタジオジブリ最新作で、宮崎駿の5年ぶりの監督作となる『風立ちぬ』の公開を控え、6月24日(月)、東京・小金井市のスタジオジブリにて、宮崎監督、主人公の声を担当した庵野秀明、主題歌を提供した松任谷由実による鼎談スタイルの会見が行われた。大正から昭和にかけての激動の時代を舞台に、ジブリ作品で初めて“大人の恋愛”を描いた作品としても話題を呼んでいる本作。零戦の設計者として名高い堀越二郎と作家の堀辰雄を掛け合わせた主人公の青年と少女・菜穂子の時代に翻弄されながらの切ない愛が描き出される。宮崎監督は完成した作品を観て思わず涙したそうだが、自身の作品で泣くのは初めての経験だったという。「情けないです。本当にみっともない…」と自嘲気味にふり返る。庵野さんはそのときの様子について「号泣でしたよ(笑)」と証言。松任谷さんは同じクリエイターとして、自作を観て涙する監督の姿を「羨ましい」という思いで見ていたという。宮崎監督が最初に本作の企画を考えたのは、『崖の上のポニョ』が公開された2008年。世界経済に大きな影響を与えた“リーマン・ショック”の前後で、「ファンタジーが簡単には作れない時代となった中で、スタジオジブリはどう進むべきか?模索していた」という。劇中の登場人物たちは、時代の波に翻弄されつつ、長くはない人生を懸命に生きようとする。宮崎監督はこれを「切迫した時代」と表現し、「これからそういう時代が来る。だからこそ作る意味があると思った」と現代と共通するものを感じたと明かす。庵野さんは、宮崎監督のことを「アニメはこういう風に作る、映画はこういう風に作ると教えてくれた師匠」と語るが、その庵野さんにとってもジブリ作品での声優、しかも主人公の役でのオファーは驚きだったようで「最初はよく分かんなかった…」と述懐。多くの俳優が候補としてピックアップされ、幾人かは実際にオーディションを行ないながらも宮崎監督が決めかねている中で、鈴木敏夫プロデューサーからの提案で庵野さんに決まったという。宮崎監督はその決め手について「現代で一番、傷つきながら生きている。声にそれが出ている」と説明。庵野さんは「当たらずとも遠からず…。しんどい生き方ですからね(笑)」と得心がいったように笑みを浮かべていた。松任谷さんの名曲「ひこうき雲」(荒井由実名義)の主題歌での起用も、鈴木プロデューサーから宮崎監督に持ち込まれたもの。この曲に関しても部屋で聴かされた宮崎監督は「不覚にも…年を取ると涙腺が…」と涙してしまったことを告白。松任谷さんは、この曲を作ったのが高校時代であることを明かし、「荒井由美というのは、分身のようでもあり遠い人物のようでもある。40年の時を経てこういう素敵な作品に参加できて…高校生の自分に(40年後の主題歌提供のことを)言ってやりたいですね。荒井由美が亡霊のように現れました」と満足そうに語った。庵野さんはお気に入りのシーンとしてラストシーンを挙げたが、実はこのシーン、映像はそのままに「台本のセリフを180度変えた」(庵野さん)とのこと。「最初は『何じゃこりゃ?』と思ったけど、(セリフを変えて)よくなったと思います。72歳を過ぎてハタチ過ぎの映画ができた。宮さんがちょっと大人に近づいたと思います(笑)」と毒舌まじりに“師匠”へ惜しみない称賛を送る。松任谷さんも「見たことのない、勇気が出るような不思議な終わり方になっていると思います」と頷いた。『風立ちぬ』は7月20日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:風立ちぬ 2013年7月20日より全国東宝系にて公開(C) 2013 二馬力・GNDHDDTK
2013年06月24日かわいすぎる!と注目の2世美少女が本格デビュータレントとして活躍する野々村真と俊恵夫妻の長女である香音(かのん)が、本格的に歌手デビューすることが決定した。まだ11歳というあどけなさも残る彼女だが、その愛らしさは、テレビの親子番組などで出演して以来、ネットでも話題となっており、「かわいすぎる」2世美少女として注目されてきている。その愛らしさとは裏腹に、ドラムの英才教育をしっかりと受けてきたロックンロール少女なのだそうで、デビューは2月9日リリースの「花粉デビルをやっつけろ!」における歌手活動からとなっている。また、香音本人が実演モデルを務めた書籍「花粉キラー『元気ボール体操』で脳内リセット」(SDP)も発売される。将来はドラムや歌もできるアンジェリーナ・ジョリー?!デビュー曲のPVは、東京都内にある野々村の自宅で撮影されたそうで、夫妻や弟の侑隼(ゆうと)君も参加しているという。香音は得意のドラムも披露しているそうだ。楽曲は、「マル・マル・モリ・モリ!」の大ヒットを生み出した宮下浩司氏が作詞・作曲を担当し、花粉症対策と結び付けたユニークな作品となっている。今後はダンスや演技にも力を入れていきたいと考えているそうで、本人はアクションが大好きなのだとか。将来女優としてはアンジェリーナ・ジョリーのようになりたいと、憧れを語っている。アイドルルックスで、モデルや女優、歌を含む音楽活動と活躍が期待される場は幅広い。すでに9歳で舞台デビューを果たしており、今後のさらなる活躍がはやくも期待されている。元の記事を読む
2013年02月09日そば打ち名人として知られた人が安曇野に美味しいそば屋を開いています。長野県と言えばそばどころですが、安曇野の近くまで来たら、この名店に寄ってみませんか?ご紹介するのは『翁』というそば屋です。翁は北アルプスを望む安曇野の高台にあります。安曇野は長野県の松本盆地の一部で、水の郷百選に選ばれるほどきれいな伏流水のわく土地です。この地に翁を開いた若月 茂さんはそば打ち名人として知られた人です。若月さんは29歳の時に高橋邦弘さんの元でそばの修行に入ります。高橋邦弘さんがまた有名な人で「そば仙人」と異名をとっています。高橋さんの元からはそば打ち名人が幾人も出ました。若月さんもその1人です。若月さんはその後35歳の時に『箱根暁庵』の店長に、平成9年、40歳でこの翁を開店。翁では北海道、茨城、長野の契約農家から玄そばを仕入れ、自家製粉をしているとのこと。水は安曇野の豊かな伏流水。これで名人が打つとなればそのそばはうまいに決まっています(笑)。また、おつゆもぜいたくに作られています。だし(だし)は、鹿児島枕崎市の「枯本節」、北海道函館市南茅部町の「真昆布」、伊豆産の「茶花どんこ」からとられているとのとこ。ちなみに「茶花どんこ」とは、傘の部分が花模様のように割れている干しシイタケのことです。高価な干しシイタケです。また「返し」は松本の大久保醤油でとるそうで、だしと合わせて翁独自の深みある「つゆ」になっています。「ざるそば」と「いなかそば」はともに840円。いなかそばは色が黒くてやや太めのそばです。辛味大根で味わう「おろしそば」は1,050円、鴨せいろは1,350円です。基本的にメニューは以上なので(12~3月には「かけそば」と「鴨南蛮」がある)、行列ができていても回転は早いため、すぐにお店に入れます。また翁はお店からの眺望が素晴らしいのです。坂を上っていった、小高い丘にあるため、窓が大きくとられた店内からは遠く北アルプスが望めます。晴れた日にはまさに絶好のロケーション。安曇野に来たら、ぜひこの眺めを見ながら逸品のそばを食してみてください。(高橋モータース@dcp)『翁』店内からはこのように八ヶ岳を望めます。ざるそば。840円。のどごしが最高。さすが名人の打つそば。田舎そば。840円。黒く、少し太めのそば。やや固めの食感です。
2012年12月01日映画監督の庵野秀明が9日に東京・江東区の東京都現代美術館で開催される「館長 庵野秀明 特撮博物館 -ミニチュアで見る昭和平成の技-」の開会式に“館長”として出席し、“博物館副館長”である樋口真嗣監督、企画制作協力を務めたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーとともにテープカットを行った。その他の写真CG全盛の時代を迎え、活躍の場が失われつつある日本の伝統技術“ミニチュア特撮”を後世に残そうと庵野自身が企画した展覧会。ヒーローが活躍するテレビ番組をはじめ、怪獣映画、SF映画、戦争映画などで使用された貴重なミニチュア模型やデザイン画など約500点が一堂に展示される他、「特撮美術倉庫」や「ミニチュアステージ」といった展示空間を設け、ミニチュア特撮の魅力に多角的に迫る。庵野は「ミニチュア特撮の現状に危機感があったが、自分ひとりではどうにもならず、鈴木さんに相談したのが幸いだった。本当の功労者は僕じゃなくて、鈴木さんです」と感謝の意を述べ、「(画面の)枠の外側にある面白さが詰った展示。特撮は日本が誇る技術ですから、ぜひ自分の目で見て感じてほしい」と熱弁した。今回の展覧会の大きな目玉といえば、樋口監督がメガホンをとったスタジオジブリ最新実写短編『巨神兵東京に現わる』だ。“CG使用一切なし”というルールの下、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』に登場する巨神兵が実写化され、精巧に作り上げられたミニチュアの東京で大暴れする。巨神兵が放つプロトンビームが東京タワーや増上寺といった観光名所を次々と破壊し、一般道路や商店街を“めくれ上がらせる”映像はCGでは表現できない、懐かしく新鮮な迫力に満ちている。上映時間は9分。クライマックスには『風の谷のナウシカ』で語られる“火の七日間”をモチーフにした神々しいシーンも存在する。庵野は「企画そのものは僕の思いつき。それが樋口監督のおかげで、すばらしい作品に仕上がった。樋口に頼んで良かった。ありがとう、しんちゃん!」と“盟友”の奮闘に感激しきり。一方の樋口監督は「撮影は順調だったが、庵野さんがたまたま見学しに来たシーンだけ失敗しちゃって」と照れくさそうにコメント。「撮影も(展覧会の)展示も大勢のプロフェッショナルな方々が協力くださり、素晴らしいものになった。まるで文化祭の前日のようで、永遠に続けばいいのに…と思った」と興奮を隠せない様子だ。ちなみに鈴木プロデューサーによれば、「まだ宮崎駿は短編を見ていない」とのこと。「今は(宮崎監督に)どう見せるか考えている」と思案に暮れていた。「館長 庵野秀明 特撮博物館 -ミニチュアで見る昭和平成の技-」は7月10日から10月8日まで東京都現代美術館で開催される。
2012年07月09日7月10日(火)より東京都現代美術館で開催される『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』の記者発表会が10日に六本木のニコファーレで行なわれ、館長を務める庵野秀明監督、副館長の樋口真嗣監督、プロデューサーの鈴木敏夫氏(スタジオジブリ)が登壇した。その他の写真『特撮博物館』は“日本が世界に誇る特撮映像を担ってきた作り手たちの技と魂を伝え、その魅力に迫る”という企画意図のもと、“特撮美術倉庫”や“ミニチュアステージ”など、映画制作現場をイメージした会場を作り、数々の映画やTVで使用された貴重なミニチュアやデザイン画など約500点を一堂に集めて展示するというもの。『エヴァンゲリオン』シリーズで知られる庵野監督は、「特撮やアニメを観ていたことが今の仕事につながっている」といい、「ミニチュアに価値を求めない人には粗大ゴミだが、僕は後世に残す文化遺産だと思っている。今の子どもたちや若い人にも知ってほしい」と語っている。さらに展示会では、スタジオジブリの最新特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』(企画・庵野秀明、監督・樋口真嗣)を特別上映することを発表。これは、庵野監督が映画『風の谷のナウシカ』でクライマックスに登場する巨神兵の原画を担当した経緯から実現したもの。鈴木氏は「一切CGを使わず、特撮の技術だけで作る“最後の特撮映画”として、5~10分の短編になるだろう」と説明した。また巨神兵の生みの親である宮崎駿監督はキャラクターの使用を即答でOKしたと話し、鈴木氏は「絵コンテを宮さん(宮崎監督)に見せたらクスっと笑った」と明かした。最後に庵野監督は「実際に観ていただかないとこの良さは伝わらない。将来は常設的な特撮展示ができたら。今回はその第一歩。後世に残ることを切に願います」と熱弁した。『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』会場:東京都現代美術館 企画展示室1F・B2F会期:7月10日(火)~10月8日(月・祝)
2012年05月10日