性教育アドバイザーとして活躍し、とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事や『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も、男の子も女の子も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)の著書を出版されている、のじまなみさんが、男の子も女の子も知っておくべき「生理」の伝え方について教えてくれました。 お母さんの生理をとおしてたくさんのことを伝えられる性教育の絶好のチャンス「生理の日は子どもとお風呂に入らない」というお母さんが意外にもたくさんいらっしゃいます。なかには「汚いから一緒に入るのはやめようね」と伝えている方もいらっしゃるようです。私は、これはもったいないことだなぁと感じています。 生理の日は絶好の性教育のチャンスです。女性の体のこと、男性の体との違い、命の誕生の話……様々なことを「生理」をきっかけに教えることができます。特に一緒にお風呂に入る年齢のお子さんは性教育の適齢期(3歳~6歳)の子が多いでしょうから、お母さんから直接聞ける生理の話をどんどん吸収してくれるのではないでしょうか(といっても、この年齢ですからすぐ忘れるし理解度も低いですが)。 生理の話というと、どうしても「女の子に教えるもの」というイメージがあります。もちろん、これから初潮を迎える女の子にはぜひ伝えておきたいものですが、ぜひ男の子にも同じように生理について話していただきたいと思います。自分と異なる性について学ぶことは、異性を尊重する心を育みます。クラスの女のお友達に「お前、生理だろ! 汚ねえな!」と冷やかしたり、大人になった時に「生理でイライラしてるの?」などと思いやりに欠ける発言や発想をしないように、子どものうちから生理について正しい知識を伝えておきましょう。 また女の子であっても「生理は恥ずかしいもの」「生理は汚い」といったネガティブなイメージに偏りすぎないように、そして女性同士で「生理痛は甘え」などと他者を思いやれない考え方にならないように、生理の多様性についての理解も深めておきたいと思います。 生理は「赤ちゃんの卵のベッド交換」の日 私が保護者の方におすすめしている「生理」の説明の仕方をご紹介しましょう。 ――女の人は1ヶ月に1個、卵巣から「卵子」が出てくるんだよ。お母さんのお腹の中の「卵子」と、お父さんのおちんちんから出る「精子」が出会って「受精」すると、「受精卵」、つまり赤ちゃんの卵になるんだよ。赤ちゃんの卵を優しく迎えるために、お腹のなかの「子宮」ではふかふかの「ベッド」を用意しているんだけど、卵子と精子が出会わないと、このベッドは使わなくなってしまうんだ。だから、使わなくなったベッドを1ヶ月に1度、経血として体の外に出して、子宮ではまた新しいふかふかのベッドを作るんだよ。これが、生理の仕組み。生理は、『赤ちゃんの卵のベッド交換』なんだね!」 大人でも「へぇ~そうなんだ!」と思う方もいるかもしれません。子どもには少し難しい説明ですが、成長するにつれ理解度が高まっていくので問題ありません。幼いうちはお母さんの生理がくるたびにぜひ話してあげてください。 生理のネガティブなイメージはなるべく払拭して快適な生理ライフを送ってもらいたいだいたいの女の子は10~13歳頃に初潮を迎えます。「血が出る」と聞くと「痛そう」「急に出血するの?」「水泳の授業はどうしよう」など、さまざまな不安が募るものです。ですから親の口から「生理は体にとって大切で、必要なこと」と伝えておきましょう。 そしてできれば、初潮を迎えたらお祝いをしていただきたいと思います。と言っても、子どもの頃「父親に言わないでと言ったのにお赤飯を炊かれた」など嫌な思いをした方もいらっしゃるかもしれません。ですので、お祝いとして「これで大人の仲間入りだね!」という言葉を伝えてはいかがでしょうか?「これから心も身体もどんどん大人になっていく節目だね、おめでとう!」と明るく伝えることで、少しでも生理に対してポジティブなイメージを持ってもらえればと思います。 そして、初潮を迎えたら伝えていただきたいことがもう一つ。それは「あなたの体は赤ちゃんがつくれるようになった」ということです。小学生であれ中学生であれ、妊娠する可能性は決してゼロではありません。「うちの子に限って……」という思いは一旦わきに置き、お子さんのためにもしっかり伝えるようにしましょう。 なお、最近では「汚物入れ」という言葉より「サニタリーボックス」という呼称が一般的になってきているように、生理について「汚い」と思わせるような表現を避ける傾向があります。これはとても大切なことで、たとえばお子さんの経血が下着やシーツなどに付いてしまったときもなるべく「汚い」という表現は避けたいものです。「血が付いちゃったから手洗いしてね」くらいニュートラルな言葉をチョイスするよう心掛けてみてください。あわせて、生理の重さは人それぞれであること、生理について不安なことがあれば親や保健の先生、信頼できる大人に何でも聞いてほしいと伝えましょう。 女の子は長い付き合いになる「生理」をなるべく肯定的に捉え、少しでも生理ライフの負担が軽くなるように、男の子は女性の体に起こる神秘的な現象を尊重し思いやれるように、お母さんの「生理」を通してぜひたくさんのことをお子さんに伝えていただければと思います。 イラスト:おぐらなおみ(『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』より) ※本稿は『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)からのじまなみさんに加筆・再編集いただきました。 著者:カウンセラー 性教育アドバイザー のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。著書の『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)は7万部を超える話題作となる。著書『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)、『「赤ちゃんてどうやってできるの?」にきちんと答える親になる!』(日本図書センター)。
2021年03月25日タレントとしてさまざまなバラエティ番組で活躍するSHELLYさん。「日本の若い世代に性教育を行いたい」と公言するなど、最近では、社会的発言が話題になることもあります。SHELLY、性行為をめぐる『間違った常識』に苦言称賛の声相次ぐ「セックスは権利じゃない」そんなSHELLYさんが、自身のYouTubeチャンネルで『バラエティ番組の現場で意識していること』という動画を公開。バラエティ番組などで見られる、人の性的指向や性自認、容姿や体格などを笑いのネタに変えることに関して、持論を展開しました。SHELLY、笑えないいじりに遭遇した時に意識していることバラエティ番組にかぎらず、会社や学校でも、誰かが面白いことをいうと、その場にいる人たちは笑わなければいけない空気感があると指摘するSHELLYさん。だからこそ、SHELLYさんはあえて笑わないことを意識しているのだといいます。本人が変えられないことで、みんなで笑うのって古くない?SHELLYのお風呂場ーより引用一方で、古い価値観にとらわれている人たちに対してもSHELLYさんは理解を示しました。「あのジジイは何も分かってないからもういいよ、無視」ってやるのってすごい簡単だよね。そうしたくなる気持ちもすごく分かる。けど、私がそういう時にすごい思うのは、もし自分の父親だったらとか、自分のおじいちゃんだったらとか、おばあちゃん、おばさんとか。もしかしたらそのルールの中で一生懸命生きてきてるから、そのルールの中で生きてきた人たちにとっては、今のルール(考え方)が、そんなすぐに受け入れられない。私たちが先に気付いちゃっただけなんだよね。SHELLYのお風呂場ーより引用気付いてない人たちを切り捨ててしまうだけでは、分断が起きて、ただ嫌な世の中になるだけど語るSHELLYさん。また、同じ価値観や考えを持っている人同士で集まっていても、何も問題の解決にはならないとSHELLYさんは語ります。急に世の中を変えるのではなく、徐々に粘り強く新しい考えにあわせていけるように動くことが大切だとするSHELLYさんの持論は反響を呼び、動画にはさまざまなコメントが寄せられました。・テレビに出てる人がそういう意識でいてくれるのはすごく嬉しいし、SHELLYさんのような考えが広まればいいのになって思います。・バラエティ番組のLGBTいじりの風潮が変わってきたおかげで、こないだ学校の先生が笑いをとろうと発言をした時、誰も笑いませんでした。SHELLYさんのそうした気遣いは、世の中に届いています!・性教育にしてもいじめにしても、『寝た子を起こすな』教育が好まれてきた日本であえて『優しく起こす』と主張できるSHELLYさん、本当にかっこいいです!多くの反響を呼んだ、SHELLYさんの主張。賛同や称賛の声が多く寄せられている点に、社会の風潮が変わりつつあることを実感します。しかし、すぐにこれまでの『当たり前』を変えるのは難しいこと。不快に感じる言動は、これからも日常の中のどこかしらで目にするはずです。そんな時、私たちは何を思い未来に向けてどんなアクションをとれるのでしょうか。SHELLYさんが動画で強く語った思いは、多くの人に大切な気付きを与えてくれたはずです。[文・構成/grape編集部]
2021年03月18日2人姉妹のわが家の次女はまだ9歳ですが、中学生や高校生のおしゃれなお姉さんに憧れをもっています。知らない間に大人っぽいことを積極的に情報収集していたようで、早く生理になりたいとまで思っているようでした。長女と生理のあれこれを話していたら去年、うちの長女は初潮を迎えました。小学校で先生の話を聞き、それなりに理解していたようで、私が用意した生理セットも素直に使ってくれました。我ながらスムーズに迎えられた、と満足しています。 また、習い事で運動をしていることもあり、生理のときはどうしよう、合宿のときは一応準備しておくべき?などと私に相談してくれます。その日も、長女と私が生理痛について話していると、急に9歳の次女が「生理痛ってつらいみたいだよね~」と割り込んできました。 次女は意外にも生理に超前向きわが家は何事も素直でのんびりな長女に比べ、次女はちょっとあまのじゃく。何かというとぷいっと顔を背け、機嫌を損ねてしまうところがあるので、「この子の場合、生理の準備はどうしたらいいかな~」と少し心配していました。 ところが、まだ学校でも習っていないはずなのに「生理痛がつらい」なんて言い出した次女にびっくり! 聞くと、長女の生理ポーチがおしゃれだったので生理に興味を持ち、お友だちの中学生のお姉ちゃんに生理のあるある話を、こと細かに教えてもらったそうです。例えば、生理で水泳を休むことがあるということも聞いたそうで、「プール休むんでしょ、私、生理のときスイミングスクールどうしようかな~。なんかプールでも使える便利なのがあるんでしょ?」とタンポンらしきことまで言うので驚きました。 次女はやっぱりおませさん?私自身は長女だったので、年上からの情報は少なく、子どものころは生理はちょっと怖いものというマイナスなイメージを持っていました。そのため、自分の娘たちにはなるべく前向きに初潮を迎えてもらいたいといろいろ頭を悩ませていたのですが、周りから興味を持って自然に身につくこともあるんだなとしみじみ思いました。 ちなみに、次女の年齢では、まだしばらくは生理にならないことが多いとは知らなかったようで、それを伝えると少しがっかりしていました。関心があるのはいいことですが、間違った情報を信じてしまわないよう、折に触れて生理のことを伝えていくつもりです。 かわいいけれどひねくれたところもある次女に、どうやって生理の準備をしようと考えていた私の心配は不要でした。思いがけず前向きに、生理を迎える=お姉さんになるととらえてくれていたのです。おしゃれにこだわりのある彼女のため、一緒にお気に入りのポーチを用意して、そのときを楽しみに待とうと思います。 監修/助産師REIKO文/田中 綾さん
2021年03月16日「『ルナルナ』を使ってるということは、恋人がいるに違いない」一部の男性によるそういった書き込みが、ネット上で議論を呼んでいます。ことの発端は、ある女性バーチャルYouTuber(通称:VTuber)の配信中。VTuberのスマホの画面が映し出されると、女性の体調管理アプリ『ルナルナ』のアイコンが表示されていました。女性VTuberが『ルナルナ』を利用していることを知った一部の視聴者は、「『ルナルナ』を使っているということは、このVTuberには恋人がいるに違いない」と発言したのです。「ルナルナを使ってる女性は恋人持ち」が議論に同アプリは、月経(通称:生理)の日程を記録することで、生理周期を予測できるサービス。ほかにも、基礎体温の記録や排卵日予想などを行うことができます。生理は女性の身体を持つ人に必ず起こるもの。しかし、一部の男性は『ルナルナ』を性行為の予定を調整するために使っていると思っているようです。この意見に対し、ネットでは多くの女性から反論が上がりました。・生理周期の管理は性行為のためだけじゃない。恋人がいない人だって使ってるよ。・「服を汚さないように」とか「体調が悪い日を予測したい」とかの理由で使ってる人が大半でしょ。・本気でいってるなら信じられない…。ネタだとしても、ただただ不快すぎる。しまいには『ルナルナ』がTwitterのトレンドワードとして表示される事態に。今回の件を受け、『ルナルナ』のTwitterアカウントはこのように思いを明かしています。ルナルナがトレンド入りしていますね2018年にも同様の話題が挙がっていましたが、2021年になってもこういった内容で話題になってしまうのは少し悲しいですルナルナについてはもちろん、女性のカラダやココロについても正しい知識や理解が進むようにもっと頑張らないとなぁ。。— 【公式】ルナルナ (@lunaluna_mti) March 5, 2021 たくさんの温かいお言葉ありがとうございます公式がネタツイに反応するなんて…と言われてしまうかもしれませんが、ネタだとしてもこの話題が盛り上がってしまうこと、それがきっかけで対立してしまうこと…どちらも同じくらい悲しいです正しく理解して寄り添いあえる世の中を作っていきたいな~— 【公式】ルナルナ (@lunaluna_mti) March 5, 2021 一方で、「ネタだと分かった上でいってる」「定番のネタなのに本気で怒るな」という反論も上がっています。確かに、「生理周期を記録している女性は恋人がいる」「生理用品を持っているということは性行為の予定がある」などの、とんでもない発言が出るたびに、ネットでは『気持ち悪い発言の定番ネタ』にする流れがありました。しかし、ネタなら何をいってもいいというわけではありません。また、生理は多くの女性にとって悩みの種であるため、不快に感じる人は少なくないでしょう。日本の性教育を問題視する声がたびたび上がっている昨今。身体の仕組みや人権、道徳についての教育が求められています。[文・構成/grape編集部]
2021年03月06日性教育アドバイザーとして活躍し、とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事や『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)の著書を出版されている、のじまなみさんが我が子を性被害から守る「防犯教育」について教えてくれました。 一人での登下校は不安要素がいっぱい!親としてできることは?年も明け、3学期に入ると進級・受験など、子どもも親もせわしなくなってきます。なかには4月からピカピカの小学1年生になるお子さんを持つご家庭も多いのではないでしょうか? ランドセルや文房具など、小学生になるための準備も着々と進むなかで「うちの子、本当にひとりで登下校ができるのかしら?」と不安になる保護者の方も少なくないことと思います。何度も歩いた道であっても保護者が同伴して歩くのと一人で歩くのとはわけが違います。交通ルールについてお子さんと話し合ったり、登下校の練習をしたりするご家庭もありますね。 そんなドキドキワクワクの新入学準備に、ぜひ「防犯教育」も付け加えてください。通学路に潜む危険は交通事故だけではありません。昼間であっても、声かけ・公然わいせつ・連れ去りなどで多くの児童が被害に遭っているのです。性被害を例にとると、「見知らぬ不審者」ではなく「顔見知り」による犯行が6割を占めるともいわれています。これらの「防犯教育」に役立つのが「性教育」です。 防犯教育に活用したい「水着ゾーン」の話たとえば「あっちに可愛い子犬がいるよ」「道がわからないから連れて行ってくれる?」と道端で聞かれたとき、あなたのお子さんはきちんと断ることができるでしょうか? これには「ついて行っては危険だ」と判断する力が必要です。そしてその判断力は、教育によって培われるものです。 もしもこういった声かけに惑わされ、子どもが性被害に遭ってしまったとき、性教育を受けていないと自分が何をされたかわからない、ということも少なくありません。その結果、被害は明るみに出ることなく、第二、第三の被害が発生するということもあります。 性被害を予防するため、そして仮に性被害に遭ってしまったときに大人に報告できるように「水着ゾーン」についてしっかりお子さんに伝えておきたいものです。「水着ゾーン」とは「口・胸・性器・おしり」のこと。そして、「水着ゾーンは人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大切な場所」ということを繰り返し伝えましょう。「水着ゾーンを見たがったり触りたがったりする人は危険な人」であること、「もしそのような人がいたら大声を出して逃げること」、そして「大人に知らせること」もあわせて伝えてください。 応用として「水着ゾーンを『見せてくる人』や『触らせてくる人』は危険な人」であること、「もしそのような人がいたら大声を出して逃げること」、そして「大人に知らせること」も教えておきたいですね。 子ども同士の悪ふざけもスルーしないで思わぬ危険は学校の外だけにとどまりません。先述した「顔見知りによる犯行」のなかには、残念ながら学校の先生や部活の指導者によるものも含まれます。また、大人から子どもへの犯罪だけではなく、子ども同士の「悪ふざけ」にも見える行動が、当事者にとってはつらい性被害になりかねない場合があることも、見過ごしてはいけません。 それまでの幼稚園や保育園、保護者同伴での子ども同士の付き合いとは違い、学校での出来事はなかなか親に伝わってこないものです。「お友達のズボンを脱がした」「スカートをめくった」「無理やりキスをした」といった性トラブルが起きたときに「悪ふざけ」で済まされてしまい、当事者であるお子さんが心に大きく傷を残してしまうこともあるのです。 こういった度が過ぎた悪ふざけをお子さんが「しない」ためにも「されない」ためにも、「水着ゾーン」についてよく話しておくことが大切です。「水着ゾーン」について正しく理解できていれば、子ども同士であっても「これはしてはいけないことだ」「自分がされたことは間違っている」ということがわかるでしょう。もしお子さんから相談を受けたときは、間違っても「そんなの悪ふざけでしょ」「大げさすぎる」「空気を読んで仲良くしなさい」などと、訴えを無下にするような発言は控えてください。まずは「話してくれてありがとう。嫌な思いをしたね」とお子さんの訴えを受け止め、学校に相談するなど対処したいところです。 子どもの精神面の変化にも注意しながら性教育をつづけましょう私は3歳~10歳が「性教育適齢期」だと考えています。3歳にもなると大人の言葉を理解できるようになり、同時に男女の体の違いなどにも気づきはじめます。また性の話も素直な気持ちで聞き入れるので、低年齢からの性教育をおすすめしています。 それに対し、小学校に上がるくらいになると子どもの精神面にも変化が現れはじめます。私は3~6歳頃を「感動期」、7~9歳頃を「無反応期」、10歳頃~を「キモ・ウザ期」、思春期以降を「ノーサンキュー期」と称していますが(第2回で詳しくお伝えしました)、だいたい7歳頃の「無反応期」になると、お子さんによっては性の話を素直に聞き入れなくなってきます。だからこそ、「感動期」にある小学校入学前までに「水着ゾーン」を基本とした性教育で、自分の身を守り、人を思いやるための知識を身に着けてもらいたいと思います。 ※「水着ゾーン」は株式会社TerakoyaKidsの登録商標です イラスト:おぐらなおみ(『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』より) 著者:カウンセラー 性教育アドバイザー のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。著書の『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)は7万部を超える話題作となる。著書『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)、『「赤ちゃんてどうやってできるの?」にきちんと答える親になる!』(日本図書センター)。
2021年02月26日何気なくバラエティ番組を見ていたときのこと。幼稚園生の息子が「この人、男? 女?」と聞いてきました。答えに困ってしまった私。そのことをママ友にも相談してみたところ、それぞれ違った反応が返ってきました。息子の性教育について初めて考えさせられたときの体験談です。 テレビに出ていたタレントさんを見てあるとき、息子がテレビを指さして「この人、男? 女?」と聞いてきました。テレビには、ワンピースを着てメイクをしている男性タレントさんが。私はなんと言えばいいのかわからず、息子に「どっちだと思う?」と聞き返し、その場をごまかしてしまいました。 固定概念は持ってほしくないと思いつつも、私はそのタレントさんを男性と認識していました。声が低く、ご本人も男だということをにおわせていらっしゃったので。しかし、ご本人は女性として生きたいのでは? それとも服装が女性的なだけ?と考えれば考えるほど、正解がわからなくなりました。 ママ友に話してみると別の日に、ちょうどママ友たちの間で性教育の話題になりました。私もラジオやテレビで子どもの性教育の話題を耳にしていたので話を聞いていたのですが、そういえばと思い、息子からの難問について話してみました。すると、同じような質問を受けたというママさんがいて、その方は「男性だよ」とはっきり説明したとのことでした。 また、別のママさんからは子どもに「あの人、おじいちゃん? おばあちゃん?」と聞かれてとても焦ったという話も。まだまだ性教育なんて先のことと思っていましたが、急に身近なことに感じました。 結局のところ、何が正解なのかという答えはわからなかったのですが、そうやって考えることが性教育の糸口になるのかもしれないと感じています。私が「どっちだと思う?」と聞いたとき、「この人は女の人かな?」と自分で考えていた姿にも成長を感じた出来事でした。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように! 監修/助産師REIKOイラストレーター/まっふ著者:田丸あかね現在、小学校2年生と幼稚園年長の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年02月20日性教育アドバイザーとして活躍し、とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事や『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)の著書を出版されている、のじまなみさんが子どもを性被害から守る方法について教えてくれました。 浴場で、習い事の更衣室で……知らぬ間に悪質な盗撮被害に遭ってしまう子どもたち温泉、プールなどの温浴施設やスイミングなどの習い事の更衣室など公共の場が悪質な盗撮の現場になってしまうことが少なくありません。今の時代、綿密な計画を立てて小型カメラを仕込まずとも、いつでもだれでも盗撮ができてしまいます。しかも、盗撮された画像や映像がひとたび売買されたりインターネット上に流されると、その拡散を止めることはもはや不可能とされています。「まさかうちの子が……」。親としてはそう信じたいものですが、残念ながら「知らぬ間に」被害に遭ってしまうことがあるのです。では、我が子が盗撮の性被害に遭わないために、親として何ができるでしょうか? 低年齢でもなるべく同性の更衣室を利用して「うちの子はまだ3歳だから」「子どもだから誰も気にしないでしょ」……その認識は、少し危ないかもしれません。残念ながら小児性愛者のなかには0歳の赤ちゃんすら性の対象になってしまう人もいます。低年齢だから安心だとは思わないようにしましょう。温泉やプールなどの施設を利用する場合、私は、低年齢でもなるべく同性の親と同じ更衣室(浴場)を利用することをおすすめしています。施設によっては「10歳まで」「身長110cmまで」など、異性の更衣室の利用条件を定めているところもありますが、その基準に明確な根拠はないことがほとんどです。家庭の事情によっては、異性の更衣室を使用せざるをえない場合もあるかもしれません。私としては、心苦しいことではありますが、それなら「当面は施設の利用をあきらめる」ことも選択肢のひとつかと思います。お子さんがある程度自立して別の更衣室を利用できるようになってからでも、楽しい思い出は作ることができるでしょう。それが難しい場合は、ラップタオルを活用するなど、みだりにお子さんの肌を露出することがないように配慮して、安全に施設を利用していただければと思います。 お子さん自身に着替えを練習させてこのような配慮が必要なのは、温浴施設だけにとどまりません。更衣室などの設備が不十分な海水浴場など、オープンな場所で子どもに着替えをさせている方も多く見かけますし、スイミングの習い事での着替えなどでも同じことが言えます。親も一人の子どもに手をかけられない場合がありますから、子どもが人前で「すっぽんぽん」になってしまうことも多々あるのではないでしょうか。そういったことを避けるためには、子ども自身に着替えを練習させるようにしましょう。海水浴の計画やスイミングを始める予定があるなら、ラップタオルを用意して、なるべくその中で着替えるように子どもに伝えます。といっても、なかなか使いにくいものですから、親も一緒に練習する必要があります。最初からうまくはいきませんが、練習を重ねることで、前回お伝えした「水着ゾーン」の意識づけをすることができるでしょう。お子さんを盗撮などの性被害から守るために、外出先での着替えについては配慮と工夫をしていただければと思います。 参考書籍『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版) イラスト:おぐらなおみ(『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』より) ※本稿は『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)からのじまなみさんに加筆・再編集いただきました。 著者:カウンセラー 性教育アドバイザー のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。著書の『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)は7万部を超える話題作となる。著書『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)、『「赤ちゃんてどうやってできるの?」にきちんと答える親になる!』(日本図書センター)。
2021年02月07日性教育アドバイザーとして活躍し、とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事や『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)の著書を出版されている、のじまなみさんが性教育につい教えてくれました。第3話は性犯罪から我が子をどう守るかについてです。 顕在化しにくい顔見知りによる性犯罪じつは「子どもを対象にした性犯罪の6割は知り合いによって引き起こされた」という内閣府の報告もあるほど、近親者を含む顔見知りによる性犯罪が多いことがわかっています。また、性犯罪の被害者は女の子というイメージがありますが、男の子でも性被害に遭うことがあります。警察庁の統計によると、不審者による声掛け事案の被害者の7割が女の子、3割が男の子と報告されていますので、男の子も油断禁物だということを覚えておいてください。 子どもを守るために必要なのが「性教育」子どもは「自分のまわりに悪い大人なんていない」と信じています。しかし、子どもたちの純真な心を不安にさせたくないあまり、子どもに防犯の知識を教えないのだとしたら、それは犯罪者の前に我が子を無防備に差し出すのと同じことかもしれません。子どもが「嫌だな」「おかしいな?」と思うような性的な体験をしたときに、「きっと勘違いだ」「我慢すればいいんだ」と思ってまわりの大人に相談(報告)しないことがあります。正しい性教育を受けていると、そういうときに「自分がされていることはおかしい」「間違っている」と自覚できます。そして「やめてください」と拒否したり、逃げたり、被害を大人に報告しやすくなります。 自分だけの大切な場所。「水着ゾーン」とは?では具体的に、防犯のためにどんなことを子どもに伝えれば良いのでしょうか?まず何よりも大切な「水着ゾーン」の話から始めましょう。水着ゾーンとは、「口」と「水着で隠れる場所」つまり、口、胸、性器、おしりのことです。「プライベートゾーン」という言葉も一般的に使われていますが、子どもにとっては少し難しい言葉です。「水着ゾーン」という言葉をぜひ使ってみてください。では、水着ゾーンとは何でしょうか? それは「他人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大切な場所」です。ですから、防犯のための性教育では、子どもにこのように伝えましょう。「あなたの水着ゾーンを見たがったり、触りたがったりする人は危険な人。大声を出して逃げなければならない。」もうひとつ。「自分の水着ゾーンを見せてきたり、触らせようとする人は危険な人。大声を出して逃げなければならない。」「水着ゾーン」という言葉で、子どもたちが身を守るための基準を教えましょう。一緒にお風呂に入ったときなどに、「体には人に見せても触らせてもいけない場所があります。それはどこでしょうか?」「口・胸・性器・おしりをまとめて何ていう?」といった具合にクイズ形式で教えるのがおすすめです。性教育適齢期の3歳~10歳頃なら、喜んで知識を取り込んでくれますよ。 子どもが「うっかり加害者」にならないために「うっかり加害者」とは、無自覚のうちに相手にとって性的に不快なことをしてしまうことです。大人の無意識的なセクハラ発言などもこれにあたりますが、じつはこれは大人だけでなく子どもにもあてはまります。たとえば、遊びの延長でお友達の衣服を脱がせてしまったり、キスをしてしまったり、保育士さんの胸を触ってしまうなども、「うっかり加害」です。まちがっても「ほほえましい光景」「子どもの特権」などとは思わないようにしましょう。子どもが「うっかり加害者」になるのを防ぐためにも、「水着ゾーン」という言葉は有効です。「お友達の水着ゾーンは見たり触ったりしてはいけない場所」ということを、しっかり伝えましょう。あわせて「水着ゾーンに関する言葉は、お家の外で人に聞こえるようにお話ししてはいけないよ」ということも教えましょう。よく「性教育をすると性的な言葉を外で言いふらすのでは」という不安の声を耳にしますが、水着ゾーンを理解させれば、この不安も解決できます。「もし水着ゾーンのことでわからないことがあったらおうちで聞いてね」と一言添えれば、よそのお母さんに「〇〇って何?」などと突飛な発言をぶつけることも避けられるでしょう。 ※「水着ゾーン」は株式会社TerakoyaKidsの登録商標です もしも子どもが性被害に遭ったら最後に、親としては決してあってほしくないことではありますが、大切なことをお伝えしておきます。もしも、我が子が性被害に遭ってしまったら。そのときはまず、「こわかったね、話してくれてありがとう」と言って、子どもを抱きしめてあげましょう。間違っても「こんな短いスカートをはいているからでしょ!」と責めたり、「あなたの勘違いじゃないの?」「気にしすぎ」などと被害を軽視するようなことを言ってはいけません。勇気を振り絞って話した子どもの気持ちを受け止めてあげることが、何より大切です。そして、お子さんと相談の上、二次被害を防ぐためにも警察に届けましょう。「面倒」とか「気のせいかもしれないから」「未遂だから」とためらってはいけません。次の被害者が出ないためにも、話してくれた子どもの勇気に報いるためにも、届け出るようにしましょう。 今回は、防犯のための性教育についてお話ししました。「水着ゾーン」について、ぜひご家庭で話してみてください。 参考書籍『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版) イラスト:おぐらなおみ(『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』より) ※本稿は『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)からのじまなみさんに加筆・再編集いただきました。著者:カウンセラー 性教育アドバイザー のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。著書の『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)は7万部を超える話題作となる。著書『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)、『「赤ちゃんてどうやってできるの?」にきちんと答える親になる!』(日本図書センター)。
2021年01月31日性教育アドバイザーとして活躍し、とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事や『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)の著書を出版されている、のじまなみさんが性教育について語ってくれました。第2話は「赤ちゃんはどうしてできるの?」と聞かれたらどう答えるかについて教えてくれました。 その質問は突然に、しかも案外早く!前回、これからは「3歳からの性教育」がスタンダードになるというお話をしました。その理由として、3歳~5歳の子どもの80%が「命のスタート」に関わる質問を親に投げかける、ということを挙げました。今回は、この質問について、じっくり考えていきましょう。突然「命のスタート」の質問を投げかけられると、多くの親は「この子は早熟なのでは?」「私の子育て間違った?!」などとショックを受けてしまいますが、子どもが命のスタートに関心を持つことは自然なことです。むしろ親に尋ねてくるということは、それだけ信頼されているということです。もしかしたら今夜、お子さんからこの質問をされるかもしれません。「その時」に備えて読み進めていただければと思います。 ドキッ! そんな時は「魔法の言葉」「なんで赤ちゃんてできるの?」に限らず、子どもは思いがけない性に関する質問をしてくることがあります。そんな時に役立つ「魔法の言葉」があります。それは……「いい質問だね!」子どものドキッと質問には、一度深呼吸をしてこう答えましょう。では、なぜ「魔法の言葉」が大事なのでしょうか?実は、性の話には「一度きりルール」というものが存在します。子どもはとても敏感です。親の戸惑う表情を見逃しません。性に関する質問をした時に親がドキッとして黙り込んだり、アタフタしたりすれば、「これは質問してはいけないんだ」と思ってしまいます。また、「そんなこと聞かなくていい」と拒否されれば、このままでは親から嫌われる、怒られると思い、子どもは口も心も閉ざします。そして、二度と性に関することを親には聞かなくなるのです。親に頼れなくなった子どもが頼るのは……ご存知、「インターネット先生」です。そうなる前に、できるだけ親の手で子どもに正しい性の知識を教えてあげたいですね。「いい質問だね!」の一言は、親の戸惑いの表情を隠すのにも役立ちます。この一言で心を落ち着け、あなたなりの言葉で答えてあげましょう。 のじま流模範解答とは…!?では、「赤ちゃんってどうやってできるの?」にはどのように答えるのが良いでしょうか。2つの質問で見ていきましょう。 【質問1】赤ちゃんはどこから生まれるの? 「女の人のお股(性器)には3つの穴があるんだよ。おしっこの穴、うんちの穴、赤ちゃんを産む穴、この3つ。赤ちゃんを産む穴は膣といって、女の人にしかないんだよ。」 【質問2】なんで赤ちゃんてできるの? 「赤ちゃんは、男の人のおちんちん(ペニス)が、女の人の膣に入ってできるんだよ。おちんちんから出る精子と、女の人のお腹にある卵子がくっついて、赤ちゃんになるんだよ。」 大人にとっても子どもにとっても少し難易度の高い説明になりますが、ぼかさずに説明するのが一番いいと思います。……といっても、子どもは3ヶ月もすればその内容を忘れてしまいます。質問されたら、何度でも教えてあげると良いでしょう。また、どうしてもその場で答える自信がない場合は「いい質問だね! だけどちょっと難しいから、ちょっと調べてから今度答えるね」と切り抜けるのも良いでしょう。その場合は、後日あらためて答えてあげるようにしてください。 年齢別の反応と対応子どもが思春期になってしまうと、親との距離感が変わってしまい、性についての話ができなくなってしまうことが多いものです。もし頑張ってドキッと質問に答えても、子どもの反応がこわい……と思う方も多いのではないでしょうか?そんな不安を解消するために、性の話をした時の、子どもの年齢別の反応と対応をご紹介します。 【3歳~6歳/感動期】「キャ~!もっと教えて!」「へ~!そうなんだ!」など、ワクワクドキドキする気持ちをまっすぐに伝えてくれます。一番素直に、性の話を受け入れてくれる年代です。 【7歳~9歳/無反応期】「ふーん」という薄い反応しか返ってきません。気分が乗れば耳を傾けますが、あまりリアクションを期待しないほうが良いでしょう。また「もっと知りたい!」と思っても質問をためらう時期でもあるので、小さな反応も見逃さないようにしたいものです。 【10歳以降/キモ・ウザ期】親からその手の話をされるのは「キモ」「ウザ」。ついに拒絶するようになります。ですが、この言葉はこの年代の子どもがよく使う「はい」「了解です」の返事だと思ってください。子どもの理解も早いので、性の話は「手短に」伝えるのが良いでしょう。 【完全なる思春期/ノーサンキュー期】子どもにも親にも抵抗が出る時期です。親が勇気を振り絞って性の話をしても、「そんな話はノーサンキュー」。性の話を拒絶されるともう二度とできなくなるのは親も同じ。そうなる前に、適齢期の3歳~10歳のうちに性教育をしておきたいものです。 子どもの心身の発達や性格にはもちろん個人差があります。自分のお子さんの様子をしっかり見て、何でも話せる関係を作っておくことが何より大切でしょう。我が子を守る「性教育」、開始のタイミングの参考になさってみてください。 参考書籍『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版) イラスト:おぐらなおみ(『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』より)※本稿は『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)からのじまなみさんに加筆・再編集いただきました。 著者:カウンセラー 性教育アドバイザー のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。著書の『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)は7万部を超える話題作となる。著書『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)、『「赤ちゃんてどうやってできるの?」にきちんと答える親になる!』(日本図書センター)。
2021年01月24日性教育アドバイザーとして活躍し、とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事や『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)の著書を出版されている、のじまなみさんが性教育について教えてくれました。 我が子が性のトラブルに悩まないためにできることって?「あっちに可愛い子犬がいるよ」「道がわからなくて困っているんだ、一緒についてきてくれない?」「ねえ、君の体、触らせて」 もしあなたのお子さんが、こんな風に知らない人から声を掛けられたら……考えただけでもぞっとしますよね。その時に我が子がどんな風に答えるか、想像したことはありますか? 「やめてください」「ついて行ってはいけないと言われています」 そんな風に言える子であってほしい。親ならそう信じたいですが、残念ながら、実際にはそんな返事ができる子は多くありません。 「楽しそうだからついて行こう!」「困っているなら……」「触らせてもいいんじゃない?」 と、子どもたちはいとも簡単にその人について行ってしまうものなのです。一体、なぜなのでしょうか?それは、子どもたちが性教育を受けていないからです。ついて行った先に何があるのか、自分の体を触らせたあとに一体何が起こるのか、性教育を受けていない子どもたちは、想像することができないのです。 日本は世界の中でも驚くほど性教育後進国ユネスコが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では「性教育の開始年齢」が設定されています。さて、いくつだと思いますか?答えはなんと「5歳」です。このガイダンスは強制力を伴うものではありませんが、世界各国の教育現場に影響を与えています。では日本はどうでしょうか?実は、世界から見ると、日本は驚くほどの「性教育後進国」です。「寝た子は起こすな」という性教育に対する拒否反応は根強く、長くタブー視されています。その一方で日本は「性産業先進国」という、なんとも恥ずかしい汚名をいただいています。コンビニでは子どもの目の高さに、堂々とアダルト向けの本が陳列されています。インターネットは子どもと誤った性の情報を簡単につなぎ、子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースは毎日のように聞こえてきます。保護者のみなさんも一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか?親はみな、愛する我が子を性犯罪の被害者にしたくありません。もちろん加害者にもしたくありません。では親としてできることは何でしょうか?それは、「性教育」です。 性教育は3歳からスタートすると○生まれながらにインターネットがある世界に生まれた子どもたち。ちょっとクリックすれば、3歳でも卑猥な画像や映像が見られるのが今の時代です。性に関する情報に触れることは、避けようと思っても難しいのが現状です。しかもその情報は決して正しいものばかりではありません。だからこそ、子どもが間違った性情報にアクセスする前に、親の言葉で本当の「性」を伝えたいところです。私は、性の話も親の愛情も素直に受け入れる「3歳から10歳まで」が性教育の適齢期と考えています。 この年齢はズバリ、「うんこ・ちんちん・おっぱい」などの下ネタワードが大好きな年齢です。そして、3歳から5歳までの多くの子どもが「命のスタート」に関する質問、つまり「赤ちゃんはどうやってできるの?」というストレートな質問をしてくるとも言われています。一方、10歳を過ぎると子どもたちは思春期にさしかかり、性の話をするのには親子ともども抵抗が出てきてしまいます。そのため、性について話しておきたいと思っても、親から性の話をするチャンスはほとんどないと思っておいたほうがよいでしょう。だからこそ、3歳~10歳の「下ネタワード全盛期」を逆手にとって性の話をすることが重要なのです。嬉々として「おしり!」「おっぱい!」などと連呼する子どもには、「それは体の大切な部分のことだから、お外で大きな声では言わないよ。嫌な気持ちになる人がいるからね」と教えてあげましょう。「赤ちゃんはどこから出てくるの?」「赤ちゃんはどうやってできるの?」という質問にも、真摯に答えたいものです。つい焦って「そんなこと聞かなくていいの!」という拒絶の言葉が口を突いて出てしまいそうですが、子どもからの性の質問に「拒絶」はNGです。子どもはいやらしい気持ちではなく、「空はなんで青いの?」と同じ感覚で性の質問をしています。親としてもフラットに「赤ちゃんはお母さんのお股にある膣という穴から出てきたんだよ。それだけではなく、帝王切開といってお腹を手術して生まれてくる赤ちゃんもいるよ。どちらも、お母さんも赤ちゃんもとっても頑張って出てくるんだよ!」「女の人のお腹にある『卵子』と男の人のおちんちんから出る「精子」がくっつくと、赤ちゃんができるんだよ。そのためには女の人の膣に男の人のおちんちんを入れて、精子を送り届けるんだよ」といった具合に教えてあげましょう。もし答えに困ったら「うまく説明できないから、調べて今度答えるね」と言って、後日、心を落ち着けてからでも構いません。ただその場合も、必ず別の機会に説明してあげましょう(ただし、子どものほうがその質問をしたことを忘れている場合もあります)。こうした話を身を乗り出して聞く子もいれば、「ふーん」と言ってすぐ興味が逸れる子もいるでしょう。説明もほとんど理解できないことが多いですが、それでOKです。多少間違っていても構いません。大切なのは、拒絶しないことと、質問を受け止めること、そしてウソをつかないことです。 「3歳からの性教育」が当たり前の時代に私が2018年に『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)を発表してから、この2年でも世の中は大きく変わったように思います。それまでタブーだった「性教育」についてのたくさんの書籍が発行され、新聞や雑誌、ネットニュースやテレビ番組までもが性教育をテーマに取り上げるようになり、家庭での性教育についての議論が活発になりました。「3歳からの性教育」も一つのキーワードとなっており、これからはこの「3歳からの性教育」が当たり前のことになっていくでしょう。家庭での「3歳からの性教育」がスタンダードになることで、学校での性教育も前進していくことを期待します。そして、そのためにはまず、親自身が「性教育」についての認識をアップデートすることが必要です。我が子が性犯罪の被害者にも加害者にもならないように、そして豊かな人生を送れるように、「3歳からの性教育」、ぜひトライしてみてください。 参考書籍『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版) イラスト:おぐらなおみ(『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』より)※本稿は『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)からのじまなみさんに加筆・再編集いただきました。 著者:カウンセラー 性教育アドバイザー のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。著書の『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)は7万部を超える話題作となる。著書『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)、『「赤ちゃんてどうやってできるの?」にきちんと答える親になる!』(日本図書センター)。
2021年01月17日小学校6年生のころ、生理用ナプキンで、少し恥ずかしい経験をしました。それ以降は同じようなことが起こらないように気を付けていたのですが、中学生になって別の意味で衝撃を受けました。 通っていた小学校によって、こんなにも生理に対する感覚が違うとは思わず、本当にびっくりしました。 生理は恥ずかしいものではなく、女の子が大人になっていく、大切なステップの1つです。男の子はそれを笑い者にするのではなく、ちゃんと理解を持つことが必要だなと今では思います。私は自分の経験を通して、思春期に正しい性教育をしていくことの大切さを知りました。そして、性教育のあり方をもっと考えていくべきだなと感じた出来事でした。 監修/助産師REIKO-------------原案/うみのえいこさん作画/コジママユコ
2020年12月29日妊娠中から産後と、しばらくはいろいろなマイナートラブルがあって大変でした。ですが、唯一とてもうれしいことは、ズバリ生理がないこと!! 妊娠前は毎月かなりの経血量と痛みに悩まされていたので、生理がない生活は快適そのものでした。しかしそれもつかの間。産後の生理が再開すると新たな悩みが続々と発生しました。 さらに、育児が落ち着いてきたころに、子どもからの思わぬ生理についての質問が。一緒いいた妹の発言をきっかけに、これからどう対応したらいいのか感じたことについてお話ししたいと思います。 久々の生理は予測不能で大パニック!1人目のときは産後1年を過ぎてからようやく戻ってきた生理。しかし、間もなく2人目を妊娠したため、産後の生理はほぼなかったようなものでした。それもあって油断していた2人目の産後。なんと半年もせずに生理が再開しました! まだまだ先だと思っていたから大慌て! しかも、再開した生理は周期が不規則でした。産前はキッチリ規則的に生理がきていたので、いつくるのか、いつ終わるのかがわからない生理というのは、あらかじめナプキンをつけておくなどの備えができず本当に大変でした。 生理中の育児、どうやって乗り切る?!それに加えて大変だったのは、子どもが生まれてからは生理中でも育児はお休みできないということ。普段は自分のトイレに行く時間すらままならない2人育児。ナプキンを替えるために頻繁にトイレに行くだけでも、ひと苦労でした。 また、生理痛がひどくても、授乳中には飲めない鎮痛剤もあるので、自己判断で飲むこともできません。 何より大変だったのがお風呂の時間。私は、生理中、子どもと一緒にお風呂に入らないようにしていたので、できるだけ自分が濡れないようにしながら子どもたちをお風呂に入れたり、近所に住む育児中の妹と協力して、お互いの生理のときは子どもたちをお風呂に入れ合ったりして乗り切りました。 いつまで隠す?性教育の大切さ子どもが幼稚園ぐらいになると、今度は「ママ、どうして一緒にお風呂入れないの?」という質問に困るようになりました。最初は「おなかが痛いから」と答えていましたが、生理中の妹が「血の日だからだよ」と答えているのを聞いて、改めて考えてみることに。 わが家には娘も息子もいますが、娘にはもちろん、息子にも生理のことを正しく理解してもらって、周りの女性を労われるようになってほしい。そのためには家でもきちんと知識を伝えることが大切だなと感じています。 生理中の子どものお世話は、とっても大変で目が回りそうです。また、生理のことについて、体のことについて、実際には言葉にしようと思うとなかなか難しく、伝え方や性教育について私自身も勉強中です。でも、生理を正しく理解してほしいからこそ変に隠すのではなく、少しずつ伝えていきたいなと思います。 監修/助産師REIKO 著者:よっちゃんママ
2020年12月19日月一で訪れる憂鬱な時期…それが生理!今までは子どもに隠して過ごしていました。血も出るしこちらも気分悪いし…。ただ話題になっていた性教育の本を読んでみたところ、「隠さず説明した方がいいのでは…」と思い直し、子どもたちに話してみることにしました!■子どもたちに生理の説明をしてみた!決戦は生理中のお風呂前!イチコは小1、二太郎は年少、さてどんな感じになったのかと言いますと…話を聞いてもよくわかっていないイチコに、そもそも話を聞いていない二太郎…。この後も、怪我ではないこと、傷ができた痛みはないけど、人によってはお腹が痛くなること、痛くなくても体はだるいことを伝えました。この説明をしてから数ヶ月、子どもたちの理解は…!?うん、うちの子たちに理解してもらうには、まだ時間がかかりそうです!引き続き日常の中でええ感じに説明できる機会を伺っていこうと思います…。とはいえ生理の説明を聞かされることを嫌がられてしまったら本末転倒だしな。気長にがんばろう…。いつかは「生理ってことはしんどいんだよね!お手伝いがんばる!」って言ってくれますよーに!(下心丸出し)
2020年11月30日「生理について、子どもにどう伝えればいいのか…」、悩まれている方もいらっしゃるかと思います。 前回は、生理を”「赤ちゃんベッドバイバイ」の日”と伝えていることをお話しましたが、今回は、長女のぽよ子に「妊娠っていつからできるの?」と聞かれたときのことを、マンガでご紹介します。 赤ちゃんを授かることに憧れを抱く女の子も多いと思います。 赤ちゃんを授かるって、とっても素敵なこと。うれしいこと。でも同時に、大変なこともいろいろと起きてくるもの。 6歳のちょっとおしゃまな年長さんになっていた娘に、「赤ちゃんを体で育てていくことの責任」について、ふんわり伝わったらいいな、と思いながら話しました。 そう遠くない未来に思春期へと向かっていく娘。 「気付いたら好きな子の話を親にしてくれなくなっていた」となる前に、性的なコミュニケーションの大切さと、同時に生まれる責任、そして、自分の身を守るということをじんわりじんわり伝えていけたらいいな、と思っています。 ※生理が始まる年齢については、早発月経(10歳未満で生理が始まること)の可能性も踏まえて、娘には「あと3歳くらい」と伝えています。 監修/助産師REIKO 著者:イラストレーター kico
2020年11月13日「生理について、子どもにどう伝えればいいのか...」、悩まれている方もいらっしゃるかと思います。わが家での生理の伝え方について、ご紹介します。 こんな感じで、わが家では 生理 =「赤ちゃんのベッド バイバイ」の日 として認識されています。 1歳代のころのぽよ子は、私が生理再開後、割とすぐ妊娠したこともあって、経血を目にする機会があまりありませんでした。3歳になり、改めて目の当たりにしたときには 1歳のころと変わらず「衝撃!!」のようでした。 一方、ツー夫は、1歳代から毎月コンスタントに経血と対面(?)してきていたので、3歳ごろには「ママは毎月、赤ちゃんのベッドバイバイしてる」と認識していました。 たしか、3歳の半ばごろに、改めて「どうして赤ちゃんのベッドバイバイだと血が出るの?」と聞かれたので、上記のような説明をもう一度したところ、彼のなかで腑に落ちたようでした。 私は結構、生理痛が重いほうなので、最近では「今日ママベッドバイバイの日だから...」と伝えると、「今日はのんびりdayだねぇ」と2人とも納得してくれます(納得してくれない日も、もちろんありますが)。 ちなみに生理中は、わざと経血を見せてる訳ではなく(なんかイラストだとわざわざ見せてるっぽくなってしまった)、普通に排泄しているときに子どもたちが気付きます。視点が低いから目に入りやすいのかな。 子どもの興味がわいたときが一番の伝え時、と思っているので、子どもたちからの問いかけがあったタイミングを大切にしています。 監修/助産師REIKO 著者:イラストレーター kico
2020年11月10日2020年11月4日放送の、情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、同月1日に犯人が逮捕された、女児遺棄事件について特集。同番組によると、逮捕された23歳の女性は、羽田空港のトイレで女児を出産し、その後、近くの公園に遺体を埋めたと容疑を認め、さらに殺害についてもほのめかしているといいます。女性は警察に対し、「当時就職活動中で、妊娠していたことを誰にも相談できなかった」と供述しているそうです。河瀬直美の『望まぬ妊娠』への持論に、共感の声同番組にコメンテーターとして出演していた映画監督の河瀬直美さんは、望まぬ妊娠をした女性数名に対し取材をしたことがあるのだとか。今回の事件について「社会のあり方をもっと考えるべき」とコメントしました。この人たち(望まぬ妊娠をした女性)には、やっぱり母性はあるし、子供を手放したくない、できれば育てたいっていう。環境があればね、そうできるんだけどそうできないっていうようなところで。(事件を起こした女性に対し)何か助けになる制度だったりとか、近しい人がいなかったのかなって、本当に今残念で仕方ないです。何かもっと、この人だけを責めるだけでなく、社会のありようを、もっともっと私たちが考えていかなければならないんじゃないかなと思います。スッキリーより引用また、河瀬さんは「もっと性教育を進めるべき」とも語っています。妊娠が本人にも分からないっていうことが、(望まぬ妊娠をした女性への)取材で分かったことなんですよ。中絶期間を過ぎているんだけれども、その後、やっと妊娠が分かるっていう。つまり、普段から生理の周期がばらばらで。生理がきていないけど、妊娠をしているっていうことが分からない状態。(生理がこない期間が)半年とかというのが「いつもそんな状態なんだ」っていうことみたい。また、これ本当に父親って誰なんですかって話ですよね。男性はそれでもある意味逃げられてしまう。女性の中には命が宿るわけで、そして(妊娠に)気付かなければ自分(妊娠した女性)にだけいろんなものが負荷がかかってくるっていうような状態。だから、やっぱり幼少の頃からの性に対する具体的な啓発も必要だと思いますし、人間としてどうあるべきかとか、もっと周りの大人たちが(教えるべき)。それって別に恥ずかしいことじゃなくて、当たり前のことだから、それをしっかり伝えていくこと。スッキリーより引用その後、河瀬さんは「望まぬ妊娠をしてしまった女性が相談できる機関などをもっと増やしていけたらいい」とまとめました。河瀬さんの意見には、多くの人から共感の声が上がっています。・「人間としてどうあるべきか」という言葉、その通りだと思います。子供ができることがどういうことか、性行為の前にしっかりと考えないと。・河瀬さん、よくいってくれました。性行為をする時に、男女関係なく「子供ができた時に責任が持てるのか」をきちんと考えなければいけない。・妊娠は1人で出来るものではないから。性行為について、正しい意識をみんなが持たないと、悲しい事件が繰り返されるだけです。もちろん、赤ちゃんを遺棄した女性の行為は許されるものではありません。今回のような悲しい事件が繰り返されないようにするために、多くの人が避妊への正しい知識や意識を持つべきでしょう。また、子供たちに対して、どのように性教育を行うべきかよく考えたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年11月04日当時13歳で、中学校1年生のころです。学校で、性教育の授業は受けていましたが、なんとなく自分が生理になるのはまだ先だと思っていました。 下着に茶褐色のものがベットリ…その日、私は友人と遊んでいて、おやつを買いに行こうということになり、スーパーへ向かいました。そして、私はトイレに行きたくなり、スーパーのトイレを借りて下着を下ろしたところで、ギョッとしました。 下着に、茶褐色のものがべっとり付いていたのです。それはちょっとクリーム状で、ところどころ乾いた感じ。私は「これは、何かの病気なのかも……」と思い、顔面蒼白に。トイレを出て、友人に「体調が悪くなってきた」と伝え、すぐに自宅へ戻りました。 半べそになって、姉に相談。すると姉は…自宅に帰ると、母親はまだ仕事で不在。姉がいたので、半べそになりながら下着に付いていた茶褐色のものについて話をしました。 する姉はピンときたらしく、私をトイレに連れていき、「とりあえず、これを付けておけば大丈夫だから」と言い、新しい下着と生理用品を出して私に渡してきたのです。 そこで私は、クリーム状の茶褐色のものが生理の血だと気づきました。生理って赤いものだとばかり思っていましたが、私の場合、初めての生理は茶色っぽい感じで、赤色ではなかったのです。 私は、姉に言われた通りに、ナプキンを装着すると、だんだんキリキリとおなかが痛くなり、座っていられなくなったので、ベッドで仮眠を取りました。 娘にも生理について話しやすい環境をつくってあげたいそうこうするうちに、母が仕事から帰ってきました。私が寝ている間に、姉が母親に連絡したのでしょう。仕事から帰ってきた母親の手には赤飯が。 女の子が初めて生理になると赤飯を炊くと聞いたことがありましたが、「本当だったんだ!」と思ったと同時に、ちょっぴり恥ずかしい気持ちにもなりました。 今は私も結婚し、2人の娘の親になりました。まだ4歳と1歳の娘たちですが、もう少し大きくなったら生理の話をし、恥ずかしいことではなく喜ばしいことであることを伝えたいと思っています。そのためにも、生理のことについても話しやすい環境つくりをしたいです。また、長女には、私の姉がしてくれたように、私の不在時に妹が生理になっても、やさしく教えてあげられる人になってほしいなと思います。 監修/助産師REIKO---------文/鼬鼠りんたろすさん
2020年10月28日最近よく耳にする「FemTech」(フェムテック)というワード。これは、Female(女性)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語で、女性の健康と美容の、例えば生理に関しての悩みなどを解決サポートするサービスやプロダクトのことを指します。現在の傾向で言うと、数年前のデリケートゾーンコスメを皮切りに、これまで、女性の核の部分でありながらも、隠され続けた部分にフォーカスする動きが今年になってさらに活発化。これは、性教育を志す筆者としても、とても嬉しい流れ。「生理」は本来ならば女性にとって、大事な働きであるはずなのに、日常生活の中で困難に陥る点がたくさんあり、知識や解決方法がわからないまま「悪者」にされてしまいがち。それは、きちんと性教育がなされずに、知識がないこと、そして社会にも「病気じゃない」などと軽んじられることもあり、辛い状態を理解されないことなどが原因として考えられます。女性たちのストレスは(私もですが)、相当のものだったと思います。今こうやって、社会全体で生理について考え、悩みを軽くする製品を作ったり、ケア方法を発信したり、情報交換をするなどして “自分の体に向き合い、前向きに取り組むこと”は、とてもいいこと! さて。その生理にまつわる最新プロダクトとして、いま俄然注目なのは“吸収型サニタリーショーツ”ではないでしょうか。数年前から海外ブランドのものが登場しており、既に愛用していた方もいらっしゃるかもしれませんが、昨年あたりから数多くのブランドが日本でもデビュー。いまや気軽に手に入れることができます。筆者はというと、経血量が非常に多かったため「本当に大丈夫かな?」と最初は懐疑的な見方をしていました。そこで、フェムテックに興味津々で既に数々のショーツを購入していた編集部のSさんと一緒に、体験・検証してみることに。筆者は年頃の娘とも情報を共有しながら、気になるショーツを集めてみました。実際目の前にして思ったのは「とにかく、様々なタイプがある」ということ。厚みや形、機能性、デザイン。寝るときにはきたいのか、日中に活用するのかなどによっても選ぶものは違ってきます。今回は1ブランドずつ実際に試してみた感想をご紹介。気になっていたけれど躊躇していた方、また、他の吸収型サニタリーショーツと比較をしてみたかった方のご参考になれば嬉しいです。【ご紹介する“吸収型サニタリーショーツ”】・MOON PANTS(ムーンパンツ)・ベア シグネチャー ショーツ・Girls Leap(ガールズリープ)・EVE (イヴ)・Nagi (ナギ)・comfits(コンフィッツ)心地よい薄手の吸収型ショーツ台湾発の「MOON PANTS(ムーンパンツ)」日常的に使える「デイタイム」、量が多い日や夜用の「ヘビー&ナイト」の2タイプ。カラーもブラック、ヌード、レースなどが揃う。 ¥4,800~(税抜)「女性がもっと自由に生きられるように」と台湾の女性たちが開発。さらさらのシートが表面で、速乾シート、防水シート、ショーツ生地の4層構造となっており、抗菌防臭効果もプラス。シームレスで外にも響かないのも嬉しい。量が多い日はナプキンを一枚重ねれば十分。通気性がいいので蒸れずにはけるので、一年中、日常使いできます。お子さんの “初めての生理用” のギフトセットもあります。かわいいうさぎモチーフのコンパクトなパッケージ。このほか、漫画「りぼん」とのコラボパッケージもあり、ギフトにもおすすめ。【使ってみた!】※あくまでも個人の感想です生理3日目に思い切ってはいて、ナプキンなしで寝てみました。翌朝ドキドキしながらチェックしましたが漏れはナシ! 表面はサラサラ、ニオイいもそこまでしませんでした。次回は、一番量の多い日に試してみたい。(久保)厚み ★★★☆☆はき心地 ★★★★☆吸水性 ★★★★☆デザイン ★★★★☆お問い合わせ:ムーンパンツ 超吸収型の生理ショーツ「(Bé-A)ベア シグネチャー ショーツ」ベア シグネチャーショーツ ¥6,900(税抜)クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」の「ビューティー・ヘルスケア部門」では、歴代1位を獲得した「(Bé-A)ベア シグネチャー ショーツ」。その日であることを忘れるほどに安心で快適な超吸収型生理ショーツ。5層のテクノロジー構造でしっかり吸収。抗菌・防臭加工もされており、不快な蒸れや匂いもなし。お腹部分には鉱石をプリントした生地を使用。生地を2枚重ねにすることで温め効果も。ショーツに加え、界面活性剤フリーの血液専用粉洗剤や布ナプキンも発売中。梱包材はすべて再生紙製。卵のようなころんとしたケースにやさしく包まれています。【使ってみた!】※あくまでも個人の感想です見た目はかなりしっかりした作りで、厚みもあり、安心感に包まれているようなはき心地。つたい漏れとかもなく、朝までぐっすり。かなりの量が出たはずだけど、サラサラでした。量が多い人や、つたい漏れが多いという人には使って欲しい。日中はこれひとつで全然いけます。(久保)厚み ★★★★★はき心地 ★★★★☆吸水性 ★★★★☆デザイン ★★★☆☆お問い合わせ:Bé-A Japan 娘を想う気持ちから誕生「Girls Leap(ガールズリープ)」Girls Leap ベーシックショーツ ¥3,900(税抜)開発者の娘さんの習い事応援から誕生したという吸水型サニタリーショーツ。肌に当たる部分は速乾素材、吸水布は抗菌加工、防水布は抗菌加工生地を使用した4層構造。ショーツ本体はストレッチ性のある生地を使用していて、しっかりフィットします。お尻側は腰まで防水布があって、つたえ漏れにくい設計なので安心。防水生地もシャカシャカしません。ジュニアサイズも展開して、初潮を迎えたお子さんにも使えます。【使ってみた!】※あくまでも個人の感想ですバレエレッスンの時にレオタードについてしまったことをきっかけに開発したというエピソードに深く共感。おまたとお尻の生地だけ厚くなっているので、あまり大袈裟なのがちょっと、とかゴワゴワしたくない人にオススメです。HPで気軽にチャットできるのもポイント。困ったことなどを聞いてみるのもありですね。(久保)厚み ★★★☆☆はき心地 ★★★☆☆吸水性 ★★★★☆デザイン ★★★☆☆お問い合わせ:Girls Leap オーガニックコットンのやさしさ「EVE(イヴ)」EVE オーガニック生理用ショーツ ¥4,073(税抜)オーガニックコットンを使用、ハイウェスト設計という、女性にやさしいこだわりポイントが多い「EVE」。肌に触れる部分はGOTS認証済みオーガニックコットンを使用。肌あたりも優しく、2層、3層目には吸水性のある天然竹繊維を使用し、4層目には乳幼児の下着にも採用されているシンパテックス防水コットンを入れているという吸水性の高さがポイント。ハイウェストで吸水面がお尻をしっかりとカバー。漏れにくい設計に。ショーツが入っているとは思えないコンパクトなパッケージ。ナチュラルなデザインが心地よい。【使ってみた!】※あくまでも個人の感想ですベージュのカラーもあるので、外にできるだけ響かないようにしたいという人にも嬉しい。オーガニックコットンを使用しているので、とても肌あたりが優しく、厚みもそこまでなくちょうどいい感じで、はき心地は抜群です。肌が弱い人やかぶれやすい、という人にオススメ! ハイウェストなのも冷えやすい女性のことを考えてくれていてありがたい。(久保)厚み ★★★★☆はき心地 ★★★★★吸水性 ★★★★☆デザイン ★★★☆☆お問い合わせ:EVE (fermata) すべて国内生産、心躍るカラー展開「Nagi(ナギ)」「フル」¥5,400、「スタンダード」¥5,800、「スリム」¥5,250の3タイプ展開。 ※すべて税抜価格 サニタリーショーツと思えぬカラーバリエーションで、どれにしようかと選ぶのも楽しい「Nagi」。吸水部分のまわりを“防水シート”で囲み、折り込むことで、経血のつたい漏れをブロック。ダムのように水分を堰き止める、Nagi独自の漏れない仕組みにも注目。30秒で97.2%の水分を吸収し、肌に触れる部分はサラサラ。水分を含んでも膨張感もなく、生理中でも下着のおしゃれを楽しめるのが嬉しい。パッケージデザインも秀逸。箱を開けていく過程からワクワクします。【使ってみた!】※あくまでも個人の感想ですカラフルで、いかにも生理用ショーツしていないビジュアル。生理ショーツは、ついつい黒を選んでしまいがちだけど、このカラーレンジならワクワクして選べそう。円筒型のパッケージデザインもすごく素敵で、これ、お友達にプレゼントしたら絶対喜ばれるだろうなあ。「スリム」や「スタンダード」など様々な形も選べるし、「フル」は、吸水面がより広いので、寝る時にはきたい人におすすめ!(久保)厚み ★★★☆☆はき心地 ★★★★☆吸水性 ★★★★☆デザイン ★★★★★お問い合わせ:Nagi 豊富なサイズ展開、リアルな価格!「comfits(コンフィッツ)」「レギュラー」「ヘビー」「スペシャル」の3タイプ展開。サイズバリエも豊富なのが嬉しい。「漏れにくい」「肌に負担が拭くない」「繰り返し使える」「ゴミを出さない」など、多くのメリットに可能性を感じ、下着専門店が開発した「comfits」。日本人の体型にフィットするオリジナルパターンを3種類用意。日常で手軽に使える、圧倒的な低価格を実現しています。初潮から更年期など、幅広い層に使えるように用意した6サイズの展開にも注目!薄い封筒型の紙パッケージ。各タイプの特長がわかるイラスト付きで分かりやすい。【使ってみた!】※あくまでも個人の感想です手頃な価格で豊富なサイズ展開、待ってました! という感じでクラウドファンディングで購入しました。さすが下着専門店だけあり、はき心地はバツグン。レギュラー、ヘビー、スペシャルの3点を利用していますが、どんな時期にも対応できて安心です。(編集部S)厚み ★★★☆☆~★★★★★はき心地 ★★★★★吸水性 ★★★★☆デザイン ★★★☆☆お問い合わせ:frandelingerie 吸収型サニタリーショーツの気になる「洗い方」は?洗い方は、比較的どこのメーカーも共通で、基本的には“最初に軽くつけおき洗いをしてから、あとはネットに入れて洗濯機で洗えばOK”というもの。筆者も試してみましたが、ネットに入れてしまえば他のものと洗っても問題なし。但し、乾燥機には使えず、柔軟剤・漂白剤なども避けた方が良いそうです。各メーカーのHPや、商品に同梱されるリーフレット等に「洗い方指南」は載っているので、それぞれを参考にしてみてくださいね。吸収型サニタリーショーツの選び方、活用方法まずは日常の中で「どう使いたいか」を念頭に置いて検討してみましょう。たとえば、いつはきたいか(日中時、睡眠時など。また、ショーツのラインが洋服に響くのを避けたいかどうか)など。「生理がそろそろ始まりそうだな、下着や洋服につかないようにしたい」という方なら、そこまで厚みはいらないかもしれません。薄手で軽やかに過ごせるものを選んでみて。経血量が多めな方、経血量が多い2~3日目に安心してはきたいなら、厚みや吸収量の多さ、サポート力などがありそうなタイプを選んでみましょう。どのタイプでも、安心して着用し続けるために、購入したらまずは多い日にあえてはいて、体感してみるとよいかもしれません。▼何枚買ったらよいの?筆者がおすすめなのは、「生理がきそうだな、というときに心配だからはいておく」という、プレ用の一枚。そして、生理が始まって多いとき用に一枚。それからもう一枚くらいは持っておくといいんじゃないかと思います。すごく量が多くて長い方はもう少し考慮の余地ありですが、まずは3枚くらいでお試しして、それでも全然間に合わない、ということであれば足してみる。40代でプレ更年期の私は2、3枚で十分という実感でした。筆者の娘はバレエをやっているので、レオタードに響かないおまたの部分がスリムになっているタイプも欲しいな〜と言ってました。お年頃なので、しっかり吸収してくれる機能性はもちろんのこと、外に響かないように知られないように…というのもお年頃の子には大切なことかもしれません。(お子さんが思春期になると、会話が減ってしまうことがありますが、こういった親子共通のアイテムがあることによって、会話も生まれるんじゃないかと思います。▼漏れないか不安な場合は吸収型ショーツは、紙ナプキンで感じていたプチストレスから解放される、ゴミを出さずに洗って何度も使えるのでエコ…など、一度取り入れると手放せなくなる便利さです。けれど、「ちゃんと吸収しているのはわかるけれど、慣れるまではやはり不安」「活動量が多い日なので、ショーツだけでは不安」などと感じる場合は、タンポンやおりものシート、布ナプキン、月経カップなどと組み合わせて使ってみても。生理期間を安心して快適に過ごせるよう、「自分が心地よい、安心して過ごせる組み合わせ」を見つけてみましょう。まとめ今回実際に試して、、経血量をきちんと受け止めて、さらさら、ニオイも抑えて心地いい、日常のためにとても有益なプロダクト!…だと実感。ゴミを出さないで、繰り返し使えるというのも、サスティナブルの流れにも乗っており、非常に環境面でも有益です。また、思春期の子のためにできることが少ない、と日頃から感じていたので、これはとても画期的なプロダクトだと改めて感じました。これからも使い続けたいと思います!
2020年10月20日2020年10月19日、情報番組『あさイチ』(NHK)では『性的同意』というテーマを特集。性暴力にもつながる『望まない性行為』について取り上げ、タレントのSHELLYさんのコメントが反響を呼んでいます。「日本の若い世代に性教育を行いたい」と以前から公言していたSHELLYさん。同年9月に番組で性教育を特集した際「『あなたのNOには力があるんだよ』っていうことを教えるために、子供に『やめて』は絶対2回いわせない」と話していました。SHELLYが『性教育』で気を付けていること内容に、称賛の嵐!SHELLY「望まない性行為は性暴力にあたる」番組でSHELLYさんは性暴力にあった女性たちに取材。性被害に遭ったことを周りに打ち明けた際「本当に性被害にあったの?」「あなたがきれいだから」などの言葉をいわれ、深く傷付いたという声が上がっていました。さらに「嫌だなと思っていても、相手が納得するNOをいえなかった私が悪いのでは」と自分を責める声も。SHELLYさんは、「望まない性行為を我慢する必要なんてない。そんな当たり前のことが当たり前になっていないから、苦しみが生まれている」と語り、番組内で性的同意に関する内閣府男女共同参画局の見解「望まない性的な行為は、性的な暴力にあたる」を正しい常識として紹介しました。その上で、日本の社会に浸透している性的同意の間違った常識として次の事例を挙げています。・夫婦なら相手の求めに応じるのも愛情・家について行ったらセックスOKのサイン・誤解されるような態度を取るほうが悪い・時には強引さも必要こうした間違った常識に流されることなく、相手に性的同意を確認する方法について、SHELLYさんは「シンプルに『いい?』と相手に聞くことから始めてほしい」と述べています。夫婦間でも、昨日はすごくしたかったけど、今日はしたくないなんて時もあるじゃないですか。その都度都度で必ず、性的な行為をする時はしっかり同意を取る、「~していい?」と聞くというシンプルなことでいいんじゃないかなと思うんです。そもそも性的同意ってNOをいわれなかったらOKということではないので、本来はYESをもらう努力をするもの。積極的なYESがいえるのが一番いいんですけども、「NOっていわなかった私が悪かった」「彼に私のNOが伝わらなかった」となるといけないので。性的同意は「お互いのYESを確認することなんだ、その中でNOをいっていいんだよ」というメッセージが伝わってほしいなと思います。あさイチーより引用『セックスは権利』ではないまた、SHELLYさんは性的同意をめぐる誤った認識が、カップルや夫婦間において起こりやすい実情を語りました。なんとなくカップルでいたり夫婦でいると、セックスは権利だと思っている方がいらっしゃるようなんですけども。これは本当に間違っていると思っていて。セックスっていうのは、お互いに理解し合って愛情確かめ合って、お互いの気持ちや感情をリスペクトできる間の仲で、できる特別なこと。この前提「相手のことをリスペクトして気持ちをしっかり受け止める」ということができないあなたはセックスをしてはいけないんですよ、どうぞ自主練を頑張ってくださいと。あさイチーより引用番組のMCを務めるお笑いコンビ『博多華丸・大吉』の博多大吉さんは、性的同意に関わる正しい認識を「なんとか男性陣に伝えないといけない」とコメント。自分も間違った認識をしているところもあったと話します。こういうのって絶対(男性)みんな思っているから。僕も正直思っているところもあったので。時には強引さも必要とか、そういうのじゃないんだと。時代がどうのではなく、昔からダメだったんだっていうことを1人でも多くの方にね(伝わってほしい)。あさイチーより引用番組の放送に、ネット上では視聴者から称賛の声が続出しました。・女性の中にも「セックスは妻の務め」のように思ってる人は多い。「夫の浮気は妻の努力不足」とか。権利と違うって言葉にモヤモヤが晴れました。・SHELLYさんの性的同意の話が素晴らしいです。全国の学校で取り入れて、授業にした方がいいのでは?・「お互いの気持ちと身体を大事にしよう」って当たり前なのに、当たり前になっていない。・大吉さんの「時代ではなく昔からダメ」に泣いた。本当にそうだと思います。・「性的な行為は、相手をリスペクトできる人に許された特別なこと」という言葉に感動しました。性にまつわる話はなぜか曖昧にされがちですが、相手の気持ちをしっかり確認することは、何においても大切なことでしょう。番組をきっかけに、多くの人が自分の中の『常識』を見つめ直し、性的同意の正しい認識が広まっていくといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月19日多くの親が頭を悩ませるであろう、子供への『性教育』。純粋な質問だと分かっていても、恥ずかしくて言葉をにごしたり、はぐらかしてその場をやり過ごしたりする人も少なからずいるのではないでしょうか。SHELLY「『やめて』は絶対に2回いわせない」2020年9月23日に放送された、情報番組『あさイチ』(NHK)では、子供への性教育というテーマでトークを展開。幼児期、児童期、思春期で分類しながら、子供とどこまで話し合うか、どう受け答えするべきかなどを解説しました。その中で、視聴者から「小学2年生の息子が遊んでいる時、女の子に抱きついて嫌がられ、先生に叱られてもピンときていない」という質問が。※写真はイメージ中学や高校で性教育の講習をしている、産婦人科の高橋幸子さんは質問に対し、「相手が嫌がることをしてはいけない、相手が望まないことはしないということがポイント」だと解説しました。同番組に出演していたタレントのSHELLYさんは、高橋さんの言葉に深くうなずき、自身が子供に伝えていることを次のように明かしました。ここの教育私もすっごい大事にしていて。「やめて」は絶対2回いわせないっていうのをやってます。「やめてって1回いわれたらやめるんだよ」っていうのを子供にも教えてますし、娘たちには「あなたのNOには力があるんだよ」っていうことを教えるために。例えばくすぐったりするじゃないですか。大人が。こちょこちょこちょ〜って(やって)、やめてっていわれたら絶対やめてます。「やめてっていっても、大人はやめてくれないんだ」と思ったら、「自分のNOには力がない」って思わせてしまうので。(だから)大人たちもこれすごい大事だと思って。私は自分の友達とか家族とか親戚に、子供と接する時にそれお願いしてるんですよ。子供が「やめて」っていったらやめてあげてねって。1回。で、「もう1回やって?」っていわれたらもう1回やればいい。けど、「やめて」っていわれたら1回絶対パタッとやめてって。あさイチーより引用子供に「やめて」といわれたら、絶対に1回その行為をやめるという、SHELLYさん。「あなたのNOには力がある」ということを身を持って体験させ、断ることの重要さや、やめてほしいという相手を尊重する大切さを伝えているのだそうです。SHELLYさんといえば、以前バラエティ番組『そうだ!タメ口でいこう』(TBS系)に出演した際も、「日本の若い世代に性教育を行いたい」と公言していました。昼間の番組で『性教育』を熱弁SHELLYの姿勢に「素晴らしい!」の声きっとSHELLYさんは、正しい性教育を自身の子供に受けさせたいと強く想い、考え、一つひとつ丁寧に実行しているのでしょう。SHELLYさんのコメントに、視聴者からは称賛の声が多数上がっています。・これ、できそうでできないことだと思う。ふざけたりからかったりしている時なんかは特に。SHELLYさんは、すごい。・むずかしいけどこれ大事!娘がふざけてると「やめて」っていってもやめてくれないから、本気で怒ることがたびたびある。・SHELLYさんの対応に、感動…。子を持つ親として、性教育の大切さを学びました。『性』を子供に正しく教えることは、とても大事なことです。まともな性教育を受けずに大人になると、誤った知識や考えを持ったまま過ごし、取り返しのつかない過ちを犯す可能性があるでしょう。子供から性について聞かれた時は、年齢などを考慮しながら正しい知識をしっかりと伝え、話し合うことが大切だといえますね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月23日タレントのSHELLYさんが、2020年9月5日放送のバラエティ番組『そうだ!タメ口でいこう』(TBS系)に出演しました。同番組の主旨は、出演者同士が互いに敬語を使わず『タメ口』で話すことで、仲を深めようというもの。『上下3世代タメ口ツアー』と称し、『敬語を使ったら罰金』というルールのもと、SHELLYさんは、先輩であるタレントのデヴィ・スカルノさんと、後輩である女優の足立梨花さんの3人でさまざまな店を巡りました。SHELLY「40代でやりたいことは、性教育!」互いにタメ口で話すことにも慣れ、心の距離が近づいてきた頃、さらに仲を深めるため、3人は『10年後、何をしたいか』というテーマについて語り合うことに。将来やりたいことについて、SHELLYさんは「40代でやりたいことは、性教育!」と断言しました。性教育をちゃんともっと、すごくやったほうがいいなと思って。日本では。そうだ!タメ口でいこうーより引用「日本の若い子たちに性教育を行いたい」と宣言するSHELLYさんに、デヴィさんは「珍しいわね、そんなこというの」と驚きを隠せない様子。その後、SHELLYさんはこのように続けました。日本だと(性について話すことが)タブーになっちゃってるから。もっと自分の身体の価値とか、自分の性的同意とか。そういうことをしっかり教えない社会がいけないんじゃないかって私は思う。自分の身体は自分のものであって、自分しかOKを出せないんだということだったりを教えたい。そうだ!タメ口でいこうーより引用若い世代に、性についての正しい知識や考え方を教えたいと熱弁したSHELLYさん。デヴィさんは、SHELLYさんが「性教育!」と発言した際にはギョッとした様子でしたが、一連の熱い想いを聞いた後には「今、あなたが思っていることはすごくいいことだと思う」と感心し、共感していました。同番組を視聴した人からはこのような声が上がっています。・SHELLYさんが普通のバラエティ番組で性について熱く語り、びっくり。でも、彼女の発言に驚いた自分も、性の話をタブーとしていたことに気が付けた。素晴らしい!・「日本でもっと性教育を」というSHELLYさん。彼女の『将来やりたいこと』が、思わぬ内容で驚いたけれど「本当にそれ!」と共感した!・性がテーマでない、昼間のバラエティ番組で性教育について語れる、SHELLYさんの勇気がすごい。共演者が『性』という言葉にギョッとしても熱弁。見習いたい姿勢です!公の場で、性行為や性について、真面目に話すことに抵抗がある人は多いでしょう。しかし、性について話すことがタブー視されているために、偏った知識や誤った考えを持つ人がいることも事実です。まずは大人が性についての話題を堂々と発言し、議論し合うことが、若い世代に正しい性の知識を教えるための第一歩なのかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月08日悪意のある大人から性的な危害を加えられないよう、多くの親が子供に自衛手段を教えています。しかし、子供同士の性被害は、親だけでなくほかの大人たちも見落としがちかもしれません。ブロガーのゆっぺさんは、保育園の娘さんから悩みを打ち明けられたことをキッカケに、自身が幼稚園児だった頃の性被害を公開。子供同士だからと軽視しないでほしいことを訴えています。『なんで言わないの?子供同士の性被害』父親の転勤の関係で、引っ越したゆっぺさん。引越し先で入園した幼稚園で、ある男子児童からいじめを受けるようになってしまいました。物を壊されるだけでなく、下着に手を入れられる被害にも遭い、ゆっぺさんは恐怖を募らせていきます。幼稚園に行きたくないゆっぺさんは、恥ずかしさや「負担になりたくない」などの想いから、母親に被害を打ち明けられませんでした。そうするうちに事態は悪化。限界を感じたゆっぺさんは、保育士に被害を打ち明けて母親に迎えに来てもらおうとしました。子供の精いっぱいのSOSに、保育士は?ゆっぺさんは勇気を出して保育士に被害を打ち明けましたが、『子供同士のこと』としてきちんと受け止めてもらえませんでした。「いじわるは好意の裏返し」という人もいますが、それは事態を悪化させるだけ。傷付いた被害児童を守る言動ではないでしょう。加害児童は、自分や他者を大切にする性教育を受ける機会があれば、他者と健全なコミュニケーションを取れるようになるかもしれません。被害者・加害者双方のためにも、性的な問題に大人がしっかりと向き合い、正しい指導をすることが望まれています。なお、ゆっぺさんのエピソードは30年以上前の出来事であり、「どの園も似たような対応」というわけではありません。時代とともに教育は変化していくもの。被害に遭う子供が減るよう、教育現場や親だけでなく、周囲の大人たち全員が意識を更新していきたいですね。ゆっぺさんは、性被害が収束するまでをInstagramやブログで公開しています。続きを読みたい人は、こちらからご覧ください。Instagram:ゆっぺ(yuppe2)ブログ:ゆっぺのゆる漫画ブログ[文・構成/grape編集部]
2020年08月06日2020年7月29日、『緊急避妊薬』をとりまく現状が賛否両論を呼んでいます。ことの発端は、同日放送の情報番組で紹介された、緊急避妊薬に対する各医師の見解でした。日本での緊急避妊薬をとりまく現状望まない妊娠を防ぐため、世界保健機関(WHO)が必須医薬品に指定している緊急避妊薬。海外の一部の国では薬局などで購入でき、価格も比較的安価に設定されています。また、医療機関のみであっても、緊急避妊薬は無料で処方される国も。一方日本では、緊急避妊薬は医療機関のみでの取り扱いとなり、価格も6千~2万円と高額です。こうした日本の現状を受け、同月21日には、産婦人科医などで構成される団体が、緊急避妊薬を薬局で購入できるように求める要望書を厚生労働省に提出したものの、関連する学会からは慎重な意見も。番組では、慎重派の意見として「若い女性に対する、避妊も含めた性教育の機会が少ない」とし、安易な考えで緊急避妊薬を使う女性が増えることを危惧する医師の見解が紹介されました。これに対し、視聴者からは賛否両論、さまざまな意見が寄せられる事態に。エッセイストの犬山紙子さんもまた、自身のTwitterを通して、持論を展開しています。若い女性の性教育が〜となっているが、緊急避妊薬が必要となる背景には男性の存在が不可欠。そして若い女性、男性だけでなく、大人の認識の偏りが問題を作っている。性教育が不十分というのはその通りで、だからこそ緊急避妊薬が身近に必要。@inuningenーより引用また、犬山さんはこうも続けます。またリスクの高い性行動を選ぶ子どもの背景には、家庭に居場所がない(DVや虐待など)学校に居場所がない、経済的困難を抱えているなど社会全体の問題が深く関わっているそして虐待死で一番多いのは生まれたその日であること若い女性に責任を押し付けていては解決しない@inuningenーより引用日本の性教育の遅れは、以前から指摘されている事実。また、性教育は決して女性にのみ必要なものではなく男性にも必要な教育です。また、緊急避妊薬の必要性を語る上で、ただ性教育の不十分さのみに注目するのは、問題のすり替えなのではないかと疑問を抱かずにはいられません。【ネットの声】・海外で10代の頃、緊急避妊薬を使用しました。正直「便利だ」って思ったけれど、その後、緊急避妊薬を安易に使用しているかというと違います。ただ、10代だった当時の私に、緊急避妊薬という選択肢があってよかったとは思う。・確かに、安易に使用する人が増えてしまう危険性もあるとは思う。とはいえ、ここまで緊急避妊薬の必要性が訴えられているということは、悪用する側の心配をするより、守るためにどうするべきかを優先するべきですよね…難しいな。・「女性の性教育が」というより、薬局で買えるようになると、その副作用も知らない男性が「薬局で買えるなら別にいいや」って無責任に避妊をしなくなる可能性があるってことなのでは?緊急避妊薬が日本で承認されたのは2011年。緊急避妊薬がなぜここまで求められているかの理解が浅いのは否めません。また、性教育が不十分だからこそ、緊急避妊薬を「安易に使用する危険性がある」との指摘が出ているようにも思えます。改めて、なぜ緊急避妊薬という選択肢が必要なのか、そして、なぜ今よりも手に入れやすい環境を整えるべきなのかを考える時なのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年07月29日Instagramで大人気のゆっぺさんの記事をご紹介します。■前回のあらすじ母にも先生にも嫌がらせのことを話せずにいた私。あるとき、お昼寝の時間になぜかボス太郎が隣にやってきて…このお話は、子ども同士の性的な問題行動に気付いていない大人たちに知ってもらいたくて、描き始めました。このとき「やめて!」と言うことができていたら…。触れられても抵抗できず、声を出すこともできませんでした。私自身はトラウマもなく自分の中で解決している出来事ですが、同じような経験をした方でフラッシュバックなどの心配がある方は、私の具体的な体験談を描きますので、以降ご注意ください。【同じテーマの連載はこちら】●スイスで出会った3歳からの性教育 連載一覧はこちら ●子どもの頃性被害に遭った話 連載一覧はこちら
2020年07月08日Instagramで大人気のゆっぺさんの記事をご紹介します。■前回のあらすじボス太郎からの嫌がらせにはっきり「やめて」と言えない日々が続いて……何でも話せる大好きな母ですが、当時の私はいじめに関してだけは言うことができませんでした。そして、それまでの意地悪とは違う行為が始まります。次へ続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 スイスで出会った3歳からの性教育 このコミックエッセイの全話を見る >> 子どもの頃性被害に遭った話 このコミックエッセイの全話を見る >> 子どもと性教育を学べるアニメ
2020年07月07日Instagramで大人気のゆっぺさんの記事をご紹介します。■前回のあらすじ何の前触れもなく、いきなり上履きの中のゴミをごはんのうえにふりかけてきたボス太郎。先生に注意されて……現在、私は娘が2人いるのですが、次女がまさしくこのころの私と同じタイプです。保育園時代は争いを嫌うあまりお友だちのいいなりで……こういう大人しい子に対して、「何で嫌だって言わないの!」と怒るのは逆効果なんですよね。ちなみに今の私は嫌なことはハッキリ嫌だと言える、図太いオバサンに成長しました(白目)次へ続きます。【同じテーマの連載はこちら】●スイスで出会った3歳からの性教育 連載一覧はこちら ●子どもの頃性被害に遭った話 連載一覧はこちら creen>
2020年07月06日Instagramで大人気のゆっぺさんの記事をご紹介します。■前回のあらすじ新しい幼稚園に転校生のような形で入園することになった私。そこにあらわれたのが……もう何の前触れもなく、いきなりふりかけご飯にされました。今だったらブチキレ倍返し確定ですが、当時の私は固まるしかなかった……次へ続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 スイスで出会った3歳からの性教育 このコミックエッセイの全話を見る >> 子どもの頃性被害に遭った話 このコミックエッセイの全話を見る >> 子どもと性教育を学べるアニメ
2020年07月05日■前回のあらすじ祖父母と一緒にのんびりと過ごしていた暮らしが一変。見知らぬ土地での生活がスタートして……今でこそ普通に会話できますが、子どものころは父のいない日が嬉しくて当直の日が待ち遠しかったのを覚えています(笑)父に自分の意見をいうことなど、絶対にできませんでした。幼稚園は妹とは別クラス。転校生のような形で紹介されました。次へ続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 スイスで出会った3歳からの性教育 このコミックエッセイの全話を見る >> 子どもの頃性被害に遭った話 このコミックエッセイの全話を見る >> 子どもと性教育を学べるアニメ
2020年07月04日Instagramで大人気のゆっぺさんの記事をご紹介します。2人の娘を育てているゆっぺです。あるとき、娘から悩みを打ち明けられました。そのとき、私自身の過去の記憶がよみがえりました。「子ども同士のことだから…」と軽んじてほしくないケースもあることを、子育て世代のお母さんお父さんに知ってもらえたらなと思います。当時は高速道路がまだ開通しておらず、片道4時間もかかりました。毎回必ず車酔いしていた私です(笑)次へ続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 スイスで出会った3歳からの性教育 このコミックエッセイの全話を見る >> 子どもの頃性被害に遭った話 このコミックエッセイの全話を見る >> 子どもと性教育を学べるアニメ
2020年07月03日性犯罪やセクハラのニュースに「もし将来、わが子が巻き込まれたら?」「もし加害してしまったら?」と不安が浮かんだ経験はありませんか? スマホやネットでの性情報が、子どもたちにどう受け取られていくのかも親として心配なところです。そんな中、国際的にも幼い時期から年齢に応じた包括的性教育が、性行動を慎重化させ、性トラブルのリスクを減らすという認識が広がっています。「性教育が大切」と思う一方で、自分自身もきちんと学んだ経験がなく、伝え方に自信がない、特に幼い子どもや思春期を迎えた子どもへ話しかけるきっかけやイメージがつかめず悩む人も多いと思いのではないでしょうか。そんな人におすすめな、大人も子どももおうちで学べる性教育動画「AMAZE」(アメイズ)をご紹介します。アメリカ発! 信頼できる性教育アニメAMAZEはアメリカの専門団体(Advocates for Youth、Answer、Youth Tech Health)が共同で製作する、インターネットで無料で閲覧できる性教育アニメ動画です。思春期、多様な性、性暴力、人間関係、性感染症、妊娠・避妊など、性に関わるテーマを年齢に応じて幅広く扱い、信頼できる情報とユーモアあふれるアニメが特色の動画教材です。AMAZEの動画は100本以上のラインナップがあり現在も更新中。10以上の言語に翻訳され世界中で活用されており、日本語版もおよそ40本が公開されています(2020年5月現在)。性教育アニメAMAZEがおすすめの理由▼話しづらさを感じるテーマもアニメ動画なら入りやすく分かりやすいAMAZEの動画は、科学的に正確な情報に基づく一方で、ポップでわかりやすく、時にくすっと笑えるような表現のアニメ動画であること。月経や性器、やコンドーム等、普段は話しづらいと思う性に関するテーマも、3~5分ほどの短い動画でサクッと見て、大切なポイントを学ぶことが可能です。また、動画はYouTubeから閲覧できるので、気軽に何度でも見返すことができるのもおすすめです。▼性や自分自身について、肯定的なメッセージで溢れる内容幼い頃から性について、「興味を持ってはいけない」「話しちゃいけない」「恥ずかしいもの」など、ネガティブなイメージを刷り込まれてきた人も多いのではないでしょうか。それに対し、AMAZEの動画は、“何よりも自分と相手を大切にしよう”、“いつでもNOと言っていい”、“自由でありのままの自分でいることってすてきだよね”と、性についてだけでなく、人間関係について、楽しく、包括的に、分かりやすく伝えており、普段からの子どもの自己肯定感を高め、維持する声かけにも役立つフレーズが豊富に含まれています。▼学校では学べない幅広い知識を扱っているAMAZEは性や人間関係に関わるテーマを幅広く扱っています。どのテーマも勉強になりますが、現在の日本の学校教育の中では学ぶ機会が少ないことも学ぶことができます。例えば、「相手に確認する前に体を触っちゃだめ」「触られたいかを決めるのは自分だけ」など、「同意」とは何かを学ぶ動画があります。また、「なぜ自分の見た目が気に入らないんだろう?」という動画では、思春期で多くの人が直面する自分のコンプレックスと向き合うヒントが説明されています。その他にも「もしお断りされたらなら?」「インターネットの安全な使い方」など、10歳頃から見られるコミュニケーションや安全に関する内容や、思春期以降の子どもにむけた「コンドームの正しい使い方」「もし妊娠かもと思ったら?」「セクハラってなに?」など、信頼性の高い情報から学んでほしい内容も豊富に含まれます。このような魅力的なAMAZEの動画ですが、以下のように活用してみてはいかがでしょうか。親子で性について話すときのヒント▼まずは保護者向けの動画シリーズを見るAMAZEでは、保護者向けの動画シリーズも配信されており、まずはこちらから見ていただくのがおすすめです。幼い子どもに性についてどう伝えるべきか、イメージがわかない人にもぴったりな内容になっています。保護者向けでの動画では、性についてどう話せばいいのか、子どもから答えにくい質問をされたときにどう答えるべきか、など親子で性について話すときのヒントが語られています。保護者が直面する問題について、どう対処すればいいか事前に動画を見ることで不安を解消できるはずです。▼親子で一緒に動画を見て話し合う次に、子どもにAMAZEの動画を見せることもいいですが、親子で一緒に動画を見ることもおすすめです。なぜなら、保護者が子どもと思春期の体と心の変化や、性について会話をすることで、子どもたちは疑問を持ったときに、あなたに質問してもいいんだと思うようになるからです。子どもの理解度や反応を見ることも今後の性教育のヒントになるはずです。親子で安心して性について話せる土台を作ることで、子ども達は親や保護者に、性に関する質問やアドバイスなどを求めやすくなります。例えば、生理についての動画を一緒にみた場合、「まだ生理が始まっていないことは知っているけど、もし必要になった時には生理用品を使えるんだよ」と一言伝えるだけでも、子どもには保護者が生理についていつでも話せる存在であるということが伝わります。▼動画を見て学んだ内容やフレーズを活用して、子どもに話しかけてみる保護者が動画を見て学んだ内容やフレーズを使って、普段の会話の中で、子どもに性や思春期、人間関係に関する話題提供を投げかけてみるのも一つの方法です。例えば、「友達同士でも、恋人同士でも、自分らしくいられる関係がいい関係だよ」「誰かを小突いたりブラを触ったり、ズボンを下ろすのは仲良くなるいい方法ではないし、いじめにつながるよ」「セクハラはどんなときも被害者のせいじゃないよ」「愛情表現は同意があれば素敵な経験になるはず」「思春期に自分が誰を好きになったりドキドキするかで、自分の考えや気持ちに戸惑うこともあるよ。もやもやするかもしれないけど、それは自然なことだから心配しないで」など、子どもにどう話しかけるか悩んだ時も、ぜひAMAZEの動画をヒントにしてみてください。▼ピルコンのAMAZE活用ガイドを使うAMAZEでは様々なテーマを扱っています。筆者が代表を務めるNPOピルコンでは、そんな様々なテーマをより理解し、子どもと話し合う際の活用ガイドを日本語に翻訳・作成しました。 AMAZE活用ガイド詳細を見る >> AMAZE活用ガイドでは、字幕を書き起こしているだけでなく、各テーマで会話の例を掲載しています。そのため、保護者がどう子どもと話したいいかわからないテーマでも活用ガイドを用いれば、子どもと話すきっかけを作りやすくなります。また、動画ではカバーできなかった内容も「もっと知りたい方へ」というセクションで詳しく説明しているため、活用ガイドを読むことでさらに理解を深めることができると思います。AMAZEの動画が性の学ぶヒントやきっかけとなり、子どもたちや皆さんの豊かな人間関係につながっていくことを祈っています。
2020年06月30日