2歳でイヤイヤ期、3歳で第一次反抗期、そして4歳になれば4歳の壁…。育児っていつのシーンもとても大変なことばかりで、ママも疲れてしまうことが多いかもしれません。基本的にいつ終わるとか、いつ楽になるということがないのが幼児期の育児です。そんな、焦りの多い子どもの幼児期育児を、音楽の力を活用してちょっぴりラクにしてみませんか?今回は、3歳から大人になるまでヴァイオリンを弾き続け、現在もアマチュアボランティアとして福祉施設などで演奏を続けている筆者が、実際に育児に活かせる音楽のアイデアを紹介します。朝は明るい曲で始める気持ちよく活動を始めたい朝ですが、現実には眠気がさしてグズってしまうことも多く、小学生でもなかなか、スムーズには動き出せないのが現実。わが家では朝に、元気のよい、美しい、明るい曲をかけることにしています。例えばリズミカルな「ラデツキー行進曲」や、運動会のような「天国と地獄」、情熱的な「カルメン」といったクラシック、ビッグバンドの名曲「シング・シング・シング」などはいかがでしょう。とっておきはテーマパークで朝に演奏される、アニメ映画の名曲などのバンド演奏で、朝からテーマパークへ行ったような気分になることも手伝って、気分ものりやすいようです。動画サイトなどでも気軽に見ることができますよ。片付けの曲を決めて同じ曲順で掛け流す片付けをする、させるというのは、たいていの家庭において、子育て苦行のひとつとなっていることでしょう。そんなときは、片付けの曲を決めてみてはいかがでしょうか。手元に取り寄せている教材や、気に入った動画などで、「片付けをしよう!」という趣旨の曲があれば最適です。小さい子どもほど、すぐにのってきます。年長さんから小学生にかけては、よく見るアニメの主題歌など、耳慣れたリズミカルな曲をほどほどの音量でかけてあげましょう。ポイントは毎回、同じ曲順で掛け流すことです。そうすることで、子どものほうにも「この曲が流れたら片付け」という意識が芽生えます。さらに、片付けの途中に出てきた漫画を読んでしまったり、片付けているもので遊び始めるという事態も、意識の半分が音楽に持って行かれることで、極力減らすことができます。夜はリラックスできる曲をかける陽が沈んでも、まだまだテンションが高いのが子どもというもの。かたや大人はそろそろ疲れている上に、やることもたくさん…イライラしちゃう!夕刻以降はそんなことも増えがちです。暗くなったら、子ども好みではないとしても、リラックスできるゆったりとした曲をかけるのがおすすめです。たとえば、モーツァルトやバッハといった定番、王道のクラシックも良いですし、アニメ映画の曲をピアノ演奏やオーケストラ演奏したアルバムなどは子どもにもウケがよくてイチオシ!ゆったりとした曲調は、子どもの気持ちを落ち着けるとともに、大人の気持ちも優しくなだめてくれます。すると、子どもに対してイライラする気持ちが抑えられます。大人が子どもにイライラしていると、子どももそれに影響されて、反発したくなったり、騒ぎたくなったりしがち。大人が落ち着いていれば、子どもにも安心感を与えます。音楽育児は「情操教育+条件反射」音楽を使う育児とは「情操教育+条件反射」の総合力です。音楽はよく言われるように、情操教育に一定の効果をもたらします。具体的に言えば、激しい曲には気性を奮い立たせ、いわば人を頑張らせる効果がありますが、反対に緩やかな曲には気持ちを落ち着かせて、ゆったりさせる効果があります。これは情操教育、つまり音楽が共感力を育てるためです。子どもは音楽を通して、周囲の雰囲気を察知し、それに共感して対応する能力を学びます。このことに加えて、「こんな音楽が鳴ったときは、何をする時だ」という条件反射で覚えていくことで、例えばママが「片付けなさい!」と言わなくても、片付けの曲が流れたら部屋をきれいにしたくなる…そんなサイクルを作っていくことができます。音楽は、もちろん大人の気持ちにも影響を与えます。子どもと一緒に音楽を聴くことで、気持ちが明るくなったり、落ち着いたりすると、あなた自身も思わぬ心の開放感を感じられるようになるかもしれません。<文・写真:フリーランス記者あん茉莉安>
2019年05月05日「将来、子どもが英語を話せるようにするためにはどうしたらよいですか?」これは私が幼児の英語教育に携わってから、一番よく聞かれる質問です。2020年度に全国の小学校で英語教育が必修化することを受け、英語教育を重視するママが増えています。そんな教育熱心なママたちからの質問の中には「あれ?」と感じてしまうものも。今回は私の経験も含めながら、みなさんが勘違いしているかもしれない英語教育のいろいろをQ&A形式で紹介したいと思います。Q. 英語耳・英語脳は6歳までしか育たないの?A. 幼児期(1~6歳)は「聞く」と「話す」がとても得意な時期です。そして、リスニング能力については、やはり早い時期から英語を始めた子どものほうが発音が良いと感じます。でも、6歳を過ぎても英語耳、英語脳を育てることは可能です。私の経験の範囲内ですが、年齢に関わらず、良い耳を持つ人は日本語にない"R"と"L"の聞き取りもできますし、聞き取りができれば、その音を自分で作り出すこともできます。英語と日本語は周波数が違う、音節が違うから聞き取りづらいなどと言われますが、大人になってから環境や勉強法で克服し、ネィティブ並みの発音を身につけている人が私の周りにはたくさんいます。Q. 英語に興味がないわが子。英語を学ばせるのはムリ?A. 子どもが英語に興味がないと悲しんでいる人は、まず自分が英語に興味があるかを考えてみましょう。私が英語を学ぶ上で一番大切だと思うのは、子どもだけでなく、大人も一緒にやってみること。一番効果的なのは、で以前にお伝えした、子どもが好きな遊びを英語で大人が一緒にやることです。でも、それが難しい場合は、自分が好きな海外アーティストの曲を子どもに聴かせたり、海外旅行に行ったときのエピソードを話してあげるだけでも大丈夫。家庭で身近に英語の存在を感じられる環境が子どもの言語感覚を養います。Q. 日本人の親が英語を教えるのはよくないの?A. 発音を重視される保護者にはネィティブの先生とのレッスンをおすすめしています。しかし、「英語を嫌いにならない子ども」を育てたいのであれば、日本人のママやパパが英語を教えることに私は大賛成です。幼少期から英語に触れておけば、子どもが成長してやる気になった時にぐんと伸びます。そのためにはやはり子ども本人が楽しめる形を大人が一緒になって作り上げることが一番。幼少期は「大好きなママやパパ」と一緒に「遊びながら学ぶ」ことが、子どもの心も育てます。Q. お金をかけているのにちっとも上達しない!A. レッスンに通わせているのに、英語が身についていない!」という相談もよく受けます。そのような相談に限って「レッスンにさえ通わせていれば大丈夫」と家庭でのサポートがない場合がほとんど。週に1度、1時間程度のレッスンに通わせているだけでは英語は身につきません。家庭で習い事と連動している教材のCDを聴かせ、DVDを見せるのは大切な親の役目。子どもと一緒にCDを聴いて、DVD鑑賞ができればなおよしです。私が教えているクラスの子どもたちも家庭でのサポートのあるなしで、あきらかに習熟度に違いが見られます。英語教育は年齢があがると、子どもの努力も親の努力もより必要になりますが、幼児期に種まきをしておくと、この努力が軽減されます。「大人も一緒に楽しむ」をキーワードにこの春から親子で英語を楽しんでみませんか。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年04月15日近年、子どもを取り巻くお金の環境が大きく変わったことで、学校教育でも間もなく「お金の教育」がはじまります。日本はようやく国としてマネー教育に本腰を入れることになったのです。では、海外のマネー教育とはどんなものなのでしょうか。マネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)いまの日本にもマネー教育はあるが……間もなく実施される新学習指導要領による公教育には、いわゆるマネー教育が組み込まれることになりました。とはいえ、現在も学校においてマネー教育がまったくされていないわけではありません。ひとつは日本銀行が組織している金融広報中央委員会によるもの。金融広報中央委員会のかつての名称は貯蓄増強中央委員会。もともとは、戦後間もない頃に、国民に貯蓄を奨励し、お金を財政と企業融資に使って日本の産業拡大を図るための組織でした。「貯蓄は美徳だ」と国民を教育していたわけです。現在も傘下の組織が各都道府県にあります。主な活動は、小学校、中学校、高校向けのマネー教育の教材をつくること。それから、金融・金銭教育研究校を指定して、「かしこい消費者になり、かしこい買い物をする」という教育をおこなっています。子どもの頃に通っていた学校が、「子ども銀行」の活動をしていたという方もいるかもしれません。それも金融広報中央委員会によるマネー教育の一環です。もうひとつは最近のものです。2012年に消費者教育推進法という法律が制定されました。これは、自分のためだけではなく、「世のなかのためにもいい買い物をしよう」という教育をおこなうための法律です。「世のなかのためのいい買い物」とは、たとえば持続可能な社会をつくるために環境にいいものを買う、あるいは人権のことも考えてフェアトレード商品を買うといったものですね。この法律により、現行の学習指導要領でも家庭科や社会科の学習内容に「消費者教育」という名称でマネー教育が盛り込まれています。たとえば、小学3年生なら、社会科の勉強として商店街や小売店のお金の流れやそこで働く人の視点を学ぶ。これも広い意味ではマネー教育といえます。欧米の教育は「生き方教育」とはいえ、授業時間全体からすれば日本のマネー教育はごく限られたものです。では、海外のマネー教育はどうなのかというと、特に欧米では日本よりもはるかに進んでいるといっていいでしょう。そのちがいは、教育そのもののとらえ方によるところが大きいと感じています。日本の中央集権的な教育の目的は、健全な勤労者を育てて経済のパイを大きくしようとするもの。いわばエリート養成のための「知識注入型教育」が中心です。一方、もともと子どもに自立心や権利意識を持たせることを重視する欧米の教育は「生き方教育」といえます。そのため、特に北欧の教育では、手に職を持たせるという意味もあってか、「ものづくり」を重視する。それどころか、小学4年生になると自分で仕事をつくって生活していくための「起業家精神」を教える授業もあるほどです。そういう教育ですから、当然、マネー教育にも力を入れています。スウェーデンでは子どもたちに生活設計をさせる授業があります。収入がいくらで家賃がいくらで、毎月いくら貯金できるとか、利息が○%だから年末には預金がいくらになるというふうに生活設計をさせる。しかも、面白いことにこれが算数の授業なのです。フィンランドでは図工の時間に広告をつくるという授業を視察しました。図工の授業とはいえ、ただのアートでは終わりません。子どもたちは「これなら商品が売れるだろう」と考えた文言を広告に入れる。売り手がどのように買い手を誘導しようするのか、マーケティング戦略を学ぶわけです。さらに、今度は消費者サイドに立ってそういう戦略に乗せられないための方法を学んでいました。求められる「実生活に根ざした教育」アメリカのマネー教育もわたしのなかでは強く印象に残っています。わたしがアメリカでマネー教育の視察をしたのは1987年頃。少し古い話になりますが、逆にいえばアメリカでは少なくとも30年以上も前から積極的にマネー教育がおこなわれていたということになる。さて、肝心の授業内容です。当時のアメリカは小切手社会でした。すると、小学生が小切手を切る授業を受けていたのです。子どもが「$100」と小切手に書いたら、先生は「それじゃ、駄目だ」という。ただ「$100」と書いたのでは、線を書き足されて「$400」にされるかもしれないし、0をふたつ加えて「$10000」に書き換えられるかもしれませんよね。不正防止のために「$100と書いたら、その下に『one hundred dollars』と書きなさい」と指導するのです。完全に実用的な内容でした。また、高校生になると、中古車ディーラーで車を買うシミュレーションをおこなう授業もありました。走行距離や事故歴、燃費など、車を買うときになにをチェックするべきかを教える。それこそかしこい消費者になるための教育をしているわけです。これは「コンシューマーエコノミクス(消費者経済学)」という教科の授業でした。独立教科でマネー教育をするアメリカ、さまざまな教科で横断的にマネー教育をするヨーロッパというちがいはありますが、学校でリアル経済を教える点では共通しています。そうして、子どもを社会のなかで自立した人間に育てることこそが教育だという思考があるのでしょう。二次関数や因数分解、微分積分を学んで数学の面白さに目覚めた子どもが数学者やエンジニアを目指す――そんな教育もたしかに大事なものでしょう。でも、日本の教育にももっと実生活に直結する内容が必要とされているのかもしれません。『子どもにおこづかいをあげよう!』藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方(※近日公開)【プロフィール】西村隆男(にしむら・たかお)1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。研究テーマは金融教育、消費者教育、パーソナルファイナンス(家計財務管理)など。金融広報中央委員会委員、金融経済教育推進会議委員、前日本消費者教育学会会長。著書に『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)、『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46の金の知識』(合同出版)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月29日ベストセラー書籍 『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』 の著者、のじまなみさんにインタビュー。性教育アドバイザーでもあるのじまさんは「セックスを伝えることは最大の防犯になる」と断言しています。最大のタブーを親子間で共有することは、後々のコミュニケーションにも役立つはず。子育ては長期間に及ぶものなので、リスク管理は欠かせません。第二回目の記事では「具体的な性教育の仕方」をお伝えしましたが、なかなかハードルは高いけれど、それでもトライするメリットが多大にあるということはおわかりいただけたのではないでしょうか。そして今回は、「性教育によってもたらされるもの」についてです。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は最大の防犯教育である「セックスは素晴らしいもの。でも不用意な妊娠を防ぐためには、避妊の方法も同時に伝えなければいけません」とのじまさん。男女関係なく、性被害は起こりますが、妊娠については、男の子側と女の子側と受けるダメージは違ってきます。前回の記事でもお伝えしましたが、なぜ不用意にセックスをしてはいけないのか、若いうちに妊娠するとどうなるのか、と言うことも含めて包み隠さず話すことが大切です。セックスに対して興味を持つのはごく当たり前のこと。「興味本位ではなくて、セックスの先に伝えたいことを考えるといいと思います。性教育は子どもの笑顔と未来を守るものであり、恥ずかしいことではない、とお母さんが自身に言い聞かせながら、やってみてください」のじまさんによると、性教育を受けている子はセックスの初体験の年齢が上がるというデータもあるそうです。聞けば聞くほどに重要性を持つ性教育ですが、ここで素朴な疑問をもう1つ、のじまさんにお聞きしました。―― これまではお母さんが行うことを基本としてお話が進んできましたが、では、お父さんは性教育にどのように関わってもらえばよいのでしょうか?「ここまでお話ししてきたことからもお分かりいただけるように、性教育は“待ったなし”です。私自身は父親に性教育を受けましたが、基本的にはお母さんが取り組んだほうが良いと思っています。なぜなら、それが一番の近道だからです。繰り返しますが、性教育は“待ったなし”です。いつ我が子が性トラブルに巻き込まれるか分からないのです。 これまで私は4,000人のお母さんに性教育の手ほどきをしてきましたが、親からきちんと性の話を受けたことがあるのはたった4人、つまり全体の0.1%です。お父さんはそれ以上に性教育を受けてきていません。今のお父さんたちは『いずれ知るだろう』というスタンスで、内心子どもを心配していても言えることがない。お母さん自身が、性教育のハードルを乗り越えることに加えて、お父さんの意識まで変えようとするのは、正直言ってなかなかしんどいです。つまり“時間がかかるの”です。まずはお母さんから性教育をはじめれば、自然と家庭内で性教育に対する前向きな意識が育っていくでしょう。もちろん、お父さんが積極的に性教育に関わるのに越したことはありません。でも、最初は“参加してくれたらラッキー”くらいに構えているとよいかもしれませんね」なるほどの意見! 過剰に期待せずに、でんと構えてもらい、夫婦として基本的な考えを合致しておけば、子どもも安心ですね。ちなみに、すでに独自で性教育している方で、今回お聞きしたお話のようにできていなかったと言う方もいらっしゃると思いますが「心配はありません」と、のじまさん。「マイナスの性教育をしてしまった場合は、2倍の性教育をして肯定してあげることです。何しろ自己肯定感を育てることが大切です」自己肯定感を育むということは、子育てにおいては肝となるべきこと。「性」だけを切り抜かず、子育て全体の中のひとつとして捉えて見てはどうでしょうか。■性トラブルは身近にゴロゴロ転がっている!性教育については、ちょっと怖い話も伺いました。「これまでは知らない人からの危険を回避する、というお話でしたが、実は知っている人からの性トラブルも多いという現実があります」。これはなかなかに怖い話。身近な人間からの性トラブルは、子ども自身、母親に話すことを躊躇してしまいそうですが、日頃からなんでも話せる関係性を作っておけば回避できそう。子どもにとって、味方なのだ、ということを常に伝えておくことで安心させるといいのかもしれません。また、ネットが発達した最近では、ライン婚やSNS婚なども増えてきているのだそう。人と人との可能性、出会いも広がりましたが、気軽に人間関係も繋がれるということは、リスクもその分強まったことにもなります。危険はあちこちに転がっているということ。決してそれは、他人事ではないのです。母親として未然にトラブルを防ぐこと。性教育は必須の教育なのだということがわかるでしょう。■アイデンティティーの強要社会性教育の話の延長で、のじまさんが現代の「子育て」の変化について実感していることも話してくれました。「ここまでは子どもへの話でしたが、デジタル時代になって生きづらくなったのは大人も同じ。SNSが広がったことで、得られる情報は増えたけれど、余計な情報も知ることになりました。そのことによって、人は無理やり『アイデンティティ』を持たないといけなくなった。それは子育て中のお母さんにとってマイナスになることもあります」支持されるのは、“素敵なお母さん”。おしゃれなファッションをして、スタイリッシュな家具に囲まれ、家事も上手で、教育にも熱心。比べてはいけない、と思いつつ自分と比べてしまうのが人間の心理というもの。このような必要性が問われる情報が、母親自身の自己肯定感をも奪ってしまう、とのじまさんは指摘しています。筆者も育児と仕事の両立で悩んで挫折した経験があるのですが、その頃はまだそんなにSNSを使ってない時代でした。あの時にSNSがあったらと思うと正直、ゾッとすることもあります。「気にしない」「私は私!」と強い自分を持つこと。そのままの自分を認めてあげること。子どもを大切にできるのは、自分を大切にすることができるお母さんなのではないでしょうか。そういう意味でも、性教育から「自己肯定感」を育むことは、お母さんにとっても得るものはとても大きい。■お母さん同士で共感する時代へ!性について、セックス、生理、命が生まれること。今回ののじまさんのお話は、どれをとっても心を掴まれる事柄ばかり。堂々と性教育していきたいものです。確かに、性教育をすぐにしようと思っても、いくつものハードルがあり、なかなか手がけられないというお母さんもいるかもしれません。日々、性教育の他にたくさんやらなければならないことがあり、なんでもお母さんへ負担がのしかかってしまっている現実はありますが、こういう時こそ、お母さん同士で繋がり、必要なことをシェアしてみてはどうでしょうか。タブーなことからは見て見ぬ振りをして、踏み込まなかった時代から、タブーを打ち破り、共感しあう時代へ。今こそ、お母さんの意識改革の時なのかもしれません。
2019年03月25日性教育アドバイザーで、 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 の著者であるのじまなみさんに、「性教育」についてお話を伺いながらご紹介する連載の2回目です。前回は日本の性教育の実態を伺い、なぜ性教育が必要なのか、その危険性について述べました。今回は、具体的な性教育の実践法についてご紹介したいと思います。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は、子どもの「自己肯定感」を育むために必要まずは前回触れた、のじまさんによる性教育の3つのメリットについてお話ししていきましょう。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる1 についてですが、日本の子どもは、世界有数の先進国であるのにも関わらず、自己肯定感が低いと問題視されています。深刻なのは、10代の死因のトップが自殺であること。背景にあるのがこの自己肯定感の欠如だ、とのじまさんは指摘しています。「性教育を通じて、あなたは奇跡が重なって生まれてきたのだ、ということを伝えると、子どもは『愛情』を受けとり、エネルギーにしていくことができます。そして、子どもの自己肯定感を育むことで、親子間のコミュニケーションがスムーズになり、深い絆で結ばれるようになります」2、性犯罪の被害者・加害者にならない2 の性犯罪については、筆者が 「SEIJUKU」 (セイジュク)という性教育ワークショップを始めた理由とも重なっています。社会のトラブルの根幹にあるのは性問題。そのことから身を守るには、きちんと性について知ることが親子で必要だと考え、興味のある方同士でセッションを始めたのですが、この中でよく話題に上るのがいつ自分の子どもが加害者に、被害者になるかわからないという不安についてです。「まだまだ子どもだから」と思っているうちに、子どもはどんどん外からの情報を得て、親が感知できない知識を増やし、危険な領域に入っていきます。善悪を見極められるようになるまで、大人が正しい知識を持ってストップをかけなければいけません。「覚えておきたいのは、性犯罪の被害者は女の子だという思い込み。実は被害者の4割は男の子だという事実です。男の子を好む小児性愛者は一定数おり、とても陰湿です。性犯罪にあった子の精神ダメージは計り知れません。お母さんが積極的に防犯に関わり、女の子も男の子も性犯罪から、身を守る方法を教えてあげてください」3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる3 の不用意な妊娠については、誰もが避けたい大きな関心事ではないでしょうか。ただ、ここで重要なのはセックスを語らずに性教育はできないということ、とのじまさん。「セックスについては常に説明できるように準備しておく必要があります。そして、今どうしてセックスをしてはいけないのか、デメリットとメリットをお母さんの口から伝えることが重要です。思春期のセックスへの興味本位による行為を防ぐためにも、きちんとした知識を、明確に伝えてください」■性教育は、何歳の時に、何から始めるか3大メリットについては子育てにおいてとても重要であることはご理解いただけたと思います。早速始めいところですが、気になるのが性教育をスタートする年齢です。のじまさん曰く性教育をスタートさせるのに適しているのは「3歳」だというから驚き。「私は、子どもたちが、まだうんこ、おっぱい、ちんちん、が大好きな年齢である3歳から10歳の下ネタ全盛期の時に行うべきだと考えています」性を本格的に意識しないうちに始めるというところがポイント。のじまさんによると、精神分析学の創始者として知られるフロイトが研究した発達段階から考えても3歳から10歳は性教育の適齢期に当てはまると言います。「フロイトの説では、母乳などから栄養を得ることが快感の『口唇期』をへて、幼児はトイレトレーニングがうまくいくようになる『肛門期』に移ります。そして、幼稚園から小学校入学前くらいになる『男根期』を迎え、男の子と女の子の体の違いに気づく。男の子が自分のおちんちんを触ったり、興味を示す頃ですね。この子どもが自分の体に興味を持った時にこそ、声をかけましょう」ここで、のじまさんにある疑問をぶつけてみました。―― 家族構成や、兄弟の有無、一番めか二番目か、そして気になる男の子と女の子では、性教育の仕方は変えたほうがいいのでしょうか?「男の子と、女の子でも基本的には同じことを話します。男の子の体と女の子の体の違いをお互いに知らないと、相手のこともいたわれませんし、自分の身も守れません」男女の違いで大きいのはちんちんとおっぱいなど、体のつくりが違うこと。そして、外せないのが生理のことでしょう。お母さんの中には、異性である男の子に生理の話をするのを躊躇してしまう、という方もいると思います。けれど、生理があって初めて子どもができるのです。そのことを知らずに、ナプキンを持っている女の子をからかうようになっては、お互いに傷ついてしまい、生理が『悪者』として捉えかねません」「よく性教育のデメリットを気にされるお母さんもいらっしゃいますが、性教育を知らない子ほど、外で大人をからかったり、他人との距離を測りかねて、土足で踏み込んだりします。パーソナルゾーンに入ってしまうのは知らないからです。女の子には毎月の生理を楽しみにさせられるのはお母さんの力です。男の子には、毎月生理が女の子にはあり、いたわるように教えてあげる。お互いのことをきちんと理解できれば、やさしい子どもたちに、そしてなんでも話せる親子関係を築くことができますよ」■性教育の伝え方にも順番がある!性教育は、男女の体の違いから、同じことを男の子にも女の子にも始める、ということはお分かりになったと思います。その後は、どんな順序で伝えていけばいいのか、のじまさんに伺ってみました。「まずは体の違いそして次に命の話、最後に防犯の話。この順序ですね。命の話というのは『赤ちゃんはどうやってできるか』というセックスの話です。最初はわからないことも多いと思いますが、話をしているうちに、ちゃんとそれぞれが繋がるようになり、自分で理解できるようになります」性教育を実践するには、まずはお母さんがペニスやセックス、膣といった言葉を恥ずかしがらずに言える必要があります。そのほかに、男の子のマスターベーションや精通についてもお母さん自身が理解していなければいけません。生理や精通を迎えるということは、体の成長の証でとても喜ばしいこと。とはいえ、あれこれ一気には伝えられませんから、焦らず少しずつ伝えていってみてください。「体の話の時に、ぜひ伝えていただきたいのが体にはプライベートな大切な場所・水着ゾーンがあるということです。人には見せても、触らせてもいけない大事な場所があるということを具体的に説明することで、身を守る基準を教えることができます。もし突然身の危険が迫っても、子ども自身がはっきりと『NO』と断ることができるように教育することが大切です。見知らぬ人だけでなく、友達同士でも水着ゾーンに対しては踏み込んではいけないということも教えてください」ちなみに私が娘二人に性教育を始めたのはお風呂の時間です。とっても大事なところである『おまた』を洗おうというデリケートゾーンコスメを使うところから始めました。私はついついお風呂にこだわって話していましたが、「お風呂でももちろんよいと思いますが、場所やシーンは特にこだわらず、日常的に話ができるようになると、性教育のハードルも下がると思いますよ」とのじまさん。ご飯を食べている時や、くつろいでいる時など、さりげない日常に挟み込むことができるようになれば、お母さんの方もよし、やるぞ! と構えなくて済むようになりそう。また、のじまさんは繰り返し伝えることが重要だと言います。「いろんなパターンで、やるなら徹底的に行うことです。1度で済む話ではないので、繰り返し行い、子どもの中で繋がるように話していくことが大事です」性教育をしていくイメージ、少しは浮かんだでしょうか。難しく考えることはなく、わかりやすく少しずつ、長い時間をかけて伝えるということだと思います。そして、この性教育というのは、現代社会を生きるお母さんにとっても実は大きな意味のあることなのです。このことについては、次の3回目で詳しく述べたいと思います。
2019年03月24日先日、実に興味深い本が発売されました。それは 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 というショッキングなタイトル。これは、父親から性教育を受け、パンツの教室協会理事として日々奔走していらっしゃるのじまなみさん著書による性教育の本です。これが今、売れに売れているのだそう。表立っては「悩んでいる」とは言えない。けれど、この本を手に取る人がたくさんいると言うことは、つまり、のじまさんが投げかけたこの言葉、この不安要素は、子育て中のママの核の部分に刺さった、ということではないでしょうか。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■「性教育」は子どもたちを危険から守る手段情報氾濫時代。私たちは今、インターネットを通して、あらゆる情報に常に囲まれ、監視し、されながら日常を過ごしています。これはここ10年くらいのこと。スマホやパソコン、タブレット、ゲーム機などは、もはや現代人には欠かせない生活必需品です。でも、ここからどんどん「性」に対しての情報は発信されています。こんなに身近に「性」に対するモノやコトが手に入ってしまうのは、じつはとても怖いこと。特に、子育て中のママたちにとって、これは驚異以外の何者でもありません。一方で、私たちはその「リスク対策」をきちんと取れているでしょうか? そのために今、必要なのは、これまで“なあなあ” にされてきた「性教育」という教育です。これが、親自身にとっても子どもたちにとっても「危険から守る手段」になるのです。子育ての一般常識が30年前とは全く違うように、性教育もまた、新たなステージにきています。■「まだ早い」は「もう遅い」! 性教育は何歳から?筆者は、小さい頃から二人の娘に性教育をし始め、数年前から性教育ワークショップ「SEIJUKU」と言うグループを主宰しています。性教育に関心が高いママたち同士で、性教育についての情報をシェアする活動を行なっているのですが、そのセッションでも、それぞれのママが非常に不安を抱えていることが浮き彫りになっています。ママ自身が受けてきた性教育もバラバラ、性教育の指針がなく、どうやって伝えてよいのかわからない、迷っている人がとても多いという現状は、思ったよりも深刻なのでは? と感じています。ちなみに、のじまさんの話によると、ユネスコが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では「性教育の開始年齢」が設定されており、なんと5歳だといいます。そして、のじまさんが行なっているパンツの教室では、「3歳から10歳の間に行うべし!」と伝えています。この年齢を聞いて、みなさんはどう思いますか?そんな世界の指針を尻目に、日本の性教育の現状といえば、全く進んでいない、と言ってよいでしょう。1990年に入りHIV問題が起きた時に、慌てて性教育を推進する動きが始まりましたが、すぐにバッシングが起こって、それ以降は後退する一方。政府も統一した指針は示さず、学校によって応対もバラバラ。熱心に性教育しようとする先生がいれば、それが問題視されると言うネガティブな方向へ進んでしまう。人の前では性教育の話はしてはいけない、それは学校でも同じ。タブー視されているのが「性教育」なのです。「日本でまだまだの性教育事情。なのに、その一方で日本は『性産業先進国』と、なんとも恥ずかしい汚名をいただいています。世界のポルノの6割は日本で生産されており、コンビニでは子どもの目線の高さに堂々とHな本が置いてあります。活発になったインターネットは、子どもと誤った性の情報を簡単につなぎ、子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースは、毎日のように聞こえてきます。ママたちも一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか?」と、のじまさんは警鐘を鳴らします。■「うちの子に限って」が起こり得るスマホやタブレット、ゲームは子育て中のママにとってはありがたいツールです。働きながら子育てをして家事も担って、そして最近では受験する子も増えています。何もかもがママたちの肩にのしかかってきて負担が大きい今の社会で、『ちょっと子どもに動画を見てもらってひと休みする』ことをダメだとは言えないでしょう。しかし、ここに恐ろしいリスクが潜んでいると言うことも自覚しなければいけません。のじまさんによると、2歳でもYouTubeからアダルトサイトに飛んでHな動画を目にしてしまった、と相談してくるケースはたくさんあるといいます。わずか2歳。「まだまだ赤ちゃんだから」と、うかうかしてはいられません。「それだけではありません。自分の裸の動画を撮って相手に送る、と言ったトラブルも多数報告されています。もちろん、撮りたくなるような仕掛けをされているので、子どもにはなんの罪もありません。子どもは面白いからやってしまう。そこにどんな危険があるか知らないから、そうしてしまうだけ。気をつけることができるのは、身近なお母さんしかいないんです」これらはなぜ起こってしまうのか?「交通ルールと同じです。教わっていないから。誰かがストップをかけて、イエス、ノーの判断を教えなければならないのに、教えられる大人が少ないんです」学校で教えられる性教育は20年前から何も進んでいないと言われています。また、教える内容も学校によってバラバラだし、4年生の保健体育では時間数も少なく、肝心なことは教えてくれません。そう、そもそも“母親が性教育について何も知らない状況では、何も始まらない”ということなのです。「性教育にはメリットしかありません!」とのじまさんは力強く断言します。その3大メリットは以下の3つ。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる子育てに悩むすべての女性が、どきっとさせられる事ばかりです。この3つを読むだけでも、性教育の必要性を感じていただけたのではないでしょうか。詳しくは2回目の記事で「では、性教育を具体的にどう行なっていくべきか」を含め、詳しく触れます。
2019年03月24日藤井聡太七段(*)が幼いころ受けていたことで注目を集めている『モンテッソーリ教育』。その歴史は古く、とくに海外では優秀な人材を育てる教育法として確固たる地位を築いています。一方で、「興味はあるけど、近所にモンテッソーリ教育の幼稚園や保育施設がない……」と諦めている方もいるのではないでしょうか?たしかにモンテッソーリ教育は、専門の知識を身につけた教員のもと、専用の教具を使わなければ学ぶことが難しいと思われがちです。しかし、自宅でもその要素を取り入れて遊ぶことは可能なのです。今回は、モンテッソーリ教育を取り入れた遊びの紹介と、それによって子どものどんな能力が伸びるのか、詳しくご説明します。*…2019年1月現在自立心と自己肯定感が育まれる独自の教育メソッドまずは、モンテッソーリ教育について簡単におさらいしましょう。■モンテッソーリ教育とは?女性医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリによって、20世紀初頭にイタリアで考案された、子どもの自発性を重視する教育法。「子どもには自分を育てる力(自己教育力)が備わっている」という考え方が根本にあり、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことがモンテッソーリ教育の目的。40年以上にわたりモンテッソーリ教育を実践している『愛珠幼稚園』の園長・天野珠子先生は、「子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていくことを大切にしています」と話します。つまり、親がすべきことは、「手取り足取りフォローしてあげるのではなく、挑戦する心を育てて応援すること」なのです。天野先生は「一人でできることが増えるほど、子どもの自己肯定感は育ちます」と述べています。モンテッソーリ教育とは、子どもを自立へと導き、自分で考えて物事に対応できるようになる、いわば“生きる力”を育む教育法でもあるのです。■モンテッソーリ教育の特色子どもは、その時期の発達に沿って「一人でやりたいこと」が出てくる。それは、“ある時期”に“ある行為”のみに現れることがわかっており、その時期を『敏感期』と呼ぶ。敏感期には、その時期に合わせた専用の教具を使って遊ぶ。それらの教具を使ったあらゆる学習活動を『お仕事』と呼び、子ども自身が自由に選んで遊ぶことで発育と自立をうながす。天野先生によると、「敏感期に合わせて、夢中になることを満足するまでやらせてあげるという経験が子どもの成長には必要」とのこと。敏感期に適切な環境に出合うと、子どもは集中現象を起こします。そして、集中現象が次々に満たされていくと心が満足し、お腹が空いたのも忘れるほど夢中になるらしいのです。私たち大人は、子どもが夢中になって何かに取り組んでいる様子を見守りたい反面、時間の都合や周囲への遠慮などから「さ、もう充分遊んだでしょ?」と切り上げてしまうことがよくあります。しかし、子どもの“夢中”は、大きな成長につながる重要な鍵です。時間や状況が許す限り、満足するまでとことんやらせてあげましょう。続いて、『敏感期』と『お仕事』について詳しくご説明します。敏感期に寄り添う優れた教育プログラムまず、本格的な『敏感期』に入る前に幼稚園で最初に行うのは【日常生活の練習】です。これはモンテッソーリ教育の基礎にもなるので、しっかりと身につけなければなりません。その後、【感覚教育】【言語教育】【算数教育】【文化教育】と続きます。■日常生活の練習大人のまねをしたがる「模倣期」と、身体が発達する「運動の敏感期」を利用して、自分の体を意志通りにコントロールする能力を身につけることが目的です。・ボタンをかける・室内を掃く・洗濯をする・ものを磨く・縫うなど、日常生活で行うさまざまな動作を大人がお手本を見せながら練習します。「自分のことを自分でできるようになる」という自立心や独立心のベースを築くことができます。■感覚教育言語・算数・文化教育という知的教育分野の基礎となります。感覚器官を使ってさまざまなことを練習し、感覚を洗練させることで、外界からより繊細な情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達します。・対にする・段階づける・仲間分けするという3つの操作法が組み込まれた教具を使うことで、「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」が身につきます。■言語教育絵カードや文字カードを使い、ことばの発達段階に合わせてきめ細やかなステップを踏んで、語彙を豊富にしたり文法を覚えたりします。「日常生活の練習」や「感覚教育」と合わせて行うことで、自然と文字の読み書きができるようになります。■算数教育算数教具を手で扱いながら、数の概念の基礎、十進法から簡単な計算までを学びます。ビーズを使い、数の具大量や十進法で桁が上がることを体感したり、数種類の切手を交換して掛け算を覚えたりします。■文化教育「ことば」と「数」以外の幅広い分野を学びます。世界地図パズルや時計などの教具に触れながら、子どもの知りたいという要求に応えるのです。分野を統合した「総合学習」のようなものです。幼稚園や教育施設で使用される教具は360種類にものぼり、すべて体系的につながっています。赤、青、黄の三原色をベースにした色鮮やかなものが多く、優れた教育的効果を発揮するだけではなく、子どもが思わず触りたくなるような魅力あふれるものばかりです。モンテッソーリで学ぶ子どもの「お仕事」モンテッソーリは著書の中で、「大人の仕事が生産的労働であるならば、子どもの仕事は人間を形成すること」と述べています。「つまみたい」「並べたい」といった衝動も、子どもの内面からあふれる自立への強い欲求であると言えるでしょう。つまり、家庭の中での自立や人間形成につながる事柄はみんな、子どもが自分自身を創るための「お仕事」でもあるのです。「モンテッソーリのメソッドを家庭で取り入れるためには、何よりも大人の子どもに対する接し方を重視する必要があります」と語るのは、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」園長の百枝義雄先生。まずは、子どもをよく「観察」することから始めましょう。親にとっては不可解に見える子どもの行動にも、子どもが大きく成長するヒントが隠されているのです。子どもの “こだわり” と “伸びる能力” の関係性は以下です。同じことを同じ順序で繰り返したい「順序へのこだわり」→段取り力へ発展同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→集中力を育てる同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→倫理観へ発展高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→バランス感覚をつける3本指を使いたい「指先運動へのこだわり」→器用な手先をつくる(引用元:東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ)このように、「こだわりを満足させることで伸びる能力」について理解できていれば、家庭でもモンテッソーリのメソッドを取り入れやすくなるはずです。家庭で子どもの能力を引き出すポイント次に、モンテッソーリ教育を取り入れた簡単な遊びをご紹介します。おすすめは「親指・人差し指・中指」の三指を使うお仕事です。【あけ移し】トングなどを使って豆や石を一方の容器からもう一方の容器に移します。100円ショップでも手に入るシュガートングが、子どもの手にはちょうどいいですよ。慣れてきたらピンセットを使って、大きめのビーズのあけ移しにも挑戦してみましょう。仕切りのあるケースを使えば、色別に分けて入れることもできます。色を認識し、判断して選り分けるという工程が生まれるので、難易度もアップしますよ。【お料理のお仕事】玉ねぎの皮むきや茹でたじゃがいもの皮むき、またはゆで卵の殻をむく、など「むく」という作業は料理を始める最初のステップとして非常に有効です。指先を使うだけの作業なので危険度が低く、すぐに達成感が得られるのもいいですね。また、前出の百枝先生による『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)では、モンテッソーリ園と同じ「お仕事」を自宅で再現する方法が紹介されています。この本を参考に、ハサミやのり、とじ針と毛糸などの道具を用意すれば、付属の型紙を使って気軽に「お仕事」に挑戦できます。たとえば、型紙を写して線に沿って「切る」、線に沿って一定間隔で描かれた点を目印にして「穴をあける」または「縫う」など、モンテッソーリのメソッドに基づいた手法で遊ぶことができるのです。そして、あの藤井七段が子どものころ100個作ったことで話題になった「ハートバッグ」の型紙と編み方も載っています。最後に、子どもが興味を抱き「やってみたい!」となったとき、親は次の点に注意しましょう。・親のお手本を子どもが見ているときには話さない・説明するときは動きを止める・手出しや口出しはしない・子ども自身が試行錯誤するチャンスを奪わない・出来ばえを評価しない穴をあける道具(「かるこ」など)や、抜い差し用の針は、初めて使わせるとき「危なくないかな?」と心配になるかもしれません。使うときは危なくないように見守ったり、子どもの手でも扱いやすい小さめの道具を用意したりと、「どうしたら子どもがうまく使えるか」ということを考えて取り組ませるといいでしょう。『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)***モンテッソーリ教育を家庭でも取り入れるには、道具を揃えるより先に「親の心がけ」が必要です。子どもが夢中で取り組んでいる様子を黙って見守り続けるーー簡単なようで難しいですよね。しかし、子どもには大人が思っている以上の能力が備わっています。子どもの自己教育力を信じて、見守ってあげましょう。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた「モンテッソーリ教育」とは?日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育についてStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】Study Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】産経WEST|天才・藤井四段も学んだ「モンテッソーリ教育」とはー集中力と自分らしさ、周囲に流されず「好きなことをとことん追求する子供」に『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ百枝義雄・百枝知亜紀 著(2018年),『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』,PHP研究所.
2019年01月29日教育資金は、人生三大資金の1つとされ、子育て世帯の方々からしますと、子供が誕生したことをきっかけに、貯金や資産運用などといった方法であらかじめ教育資金の準備をする方が多いと思います。しかしながら、いざ、教育資金が必要な時期になった際、準備していたお金よりも足りない場合も十分に考えられることから、時には教育ローンなどの借入に頼らざるを得ない場合もあることは確かです。そこで本記事では、教育ローンの借入を検討している方を対象に、教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの基本的なポイントから、教育ローンの審査・金利・おすすめなど、多くの方が持っている疑問や教育ローンで押さえておきたいポイントまとめて紹介します。教育ローンとは教育ローンとは、おもに、子供の進学にかかる教育費用や授業料などの支出に充てることを目的としたローン(借金)で、大きく国の教育ローンと民間の教育ローンに分けられます。厳密に解説しますと、教育ローンは、子供の教育資金だけに借入が限られているわけではありませんが、通常、教育ローンは、子供のまとまった教育資金を準備するために活用されることが多くなっているのが現状です。また、基本的に教育ローンは、両親が教育ローンを申し込んだ金融機関からお金を借入することも多いため、教育ローンを申し込む時点において、借入する方が、定職に就いていることや個人信用情報に問題がないことなど、細かな事情も問われることになります。併せて、教育ローンは、完済までの返済期間が長くなってしまうことが一般的であるため、何も考えずに借入するのではなく、ライフプランを考えた借入のメリットとデメリットもあらかじめ知っておくことがとても大切です。以下、教育ローンの基本的な部分から教育ローンのメリットおよびデメリットも紹介した記事が同サイト内で公開されておりますので、そちらも合わせて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行いましょう教育ローンは、通常、借入から完済までの返済期間が長くなってしまうことが多いため、あらかじめ、教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行う必要があります。特に、教育ローンの返済計画を立てる上で大切なポイントは、家計確認をすること、そして、教育ローンの返済シミュレーションを実行することの2つは絶対に欠かせないポイントと言えます。また、できる限り、教育ローンの繰上返済も考慮した返済計画を立てることができれば、将来のライフプランにゆとりが持てる結果につながるとも考えられます。教育ローンを借入する際は、限度額いっぱいで借入しないこと教育ローンは、いくらくらい借りるのが良いのか?といった疑問を抱えている方も多いと思いますが、こちらの考え方につきましては、住宅ローンの考え方と同じように、限度額いっぱいで借入することは厳禁です。この理由は、借入できるお金を借りたとしても、そのお金を借入から完済までの長い期間に渡って滞ることなく返済できなければ本末転倒だからです。では、どのような考え方で教育ローンを借入する必要があるのでしょうか。それは、ご自身の懐具合に合わせた返済可能額で借入する必要があります。返済可能額とは、その名前の通り、毎月余裕を持って返済していくことができる金額のことを指し、具体的に、毎月の手取収入から家計支出などを差し引いた後の実際に余るお金を考えなければなりません。なぜならば、新たに教育ローンの借入を行うということは、返済時期は別として、毎月の収入から家計支出などを差し引いた後の余るお金から新たに教育ローンの返済が支出されることになるためです。そのため、返済可能額を考えずに教育ローンの借入を行った場合、毎日の生活に支障が生じることが考えられ、多重債務の原因や最悪な場合は、自己破産といった結果を招いてしまう原因にもなり兼ねません。教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?まとまった教育資金を準備するための方法には、教育ローンを借入するほかにも、奨学金を活用する方法もありますが、教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?といった疑問を持たれている方も多いと思います。上記表を見ますと、教育ローンも奨学金も、いずれも教育資金を目的とした借入であることには変わりありませんが、借入する人や資金の受け取り方など、細かな点を比較して見ていきますと、大きく異なることが一目でわかります。ただし、いずれの借入をするにしても、特に、保護者の方には、教育ローンを借りる前に知っておいていただきたいお金の考え方があり、先に解説した返済計画を立てる場合やシミュレーションをする場合も「教育ローンと奨学金を借りる前に知っておきたい考え方とは?金利や損得以前に押さえるべきポイントを紹介」記事を通じて確認することができます。ご自身の将来のライフプランにも活かされる内容となっておりますので、併せて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンや奨学金を活用して失敗しないために必要なこと教育ローンや奨学金は、お金を借入する人が異なるものの、いずれも長期の借金でありますから、計画的な準備と対策をしておかなければ、後々、生活が困窮する原因や最悪な場合、自己破産などに追い込まれる危険性があります。このような失敗をしてしまう一番の原因は、お金を借入する本人の考え方や事前行動の欠如にあると筆者は率直に感じておりますが、すでに紹介した返済計画や事前対策をあらかじめ行っておくことで、失敗することは簡単に避けられることは確かです。人の振り見て我が振り直せと言われることもありますが、どのような考え方が失敗することになるのか、以下、教育ローンや奨学金の質問から典型的に失敗する原因を個別に解説している記事がありますので、教育ローンや奨学金を活用する予定がある方は、以下の記事も読み進めておくことを強くおすすめします。教育ローンの審査に通過するためのポイント教育ローンを借入するためには、教育ローンを申し込んだ金融機関の審査に必ず通過しなければなりませんが、どの金融機関でも審査される一般的な審査項目は以下の通りです。個人信用情報に著しい問題がないか安定した収入があるのか教育ローンが、収入に対して多重債務にならないか上記の審査項目に対して、1つでも問題がある場合は、教育ローンを借入することは難しくなる可能性が高くなりますが、これら3つの具体的な解説につきましては、以下記事からそれぞれ個別に確認することができます。将来的に教育ローンの借入をする予定がありそうな方は、特に、読み進めていただきたい内容となっており、中には、教育ローンの借入が必要だからといって、短い期間で一時的に対策しようとしてもどうにもならないこともありますので、要チェックです。教育ローンの借入をするには、どこがいい?教育ローンの借入をするには、どこから借入すれば良いのか気になる方も多いと思いますが、この疑問を解決するためには、国の教育ローンと民間の教育ローンについて、それぞれ特徴を知ることが大切です。また、国の教育ローンや民間の教育ローンは、金利や融資限度額にもそれぞれ違いがあることから、特徴を知るだけではなく、それぞれを比較検討していくことも大切になります。なお、以下、同サイト内で公開している記事では、国の教育ローンと民間の教育ローンの違いについて比較しており、併せて、金利や特徴についても紹介しているため、教育ローンの借入をどこからしたら良いのか疑問を抱えている方にはおすすめです。教育ローンを比較検討するためのポイント教育ローンを比較検討する際のおもなポイントは、以下の通りです。金利は、どのような種類があるのか年利率は、どのくらいなのか保証料や保証人が必要なのか借入金額はどのくらいまで可能なのか返済期間はどのくらいまでなのか融資の対象となる条件はどうなのか上記の内容は、金融機関によってすべて異なるほか、いわゆるメガバンクと呼ばれる有名な銀行だからといってお得な融資条件であるとは限りませんので、やはり、複数の金融機関同士で比較検討することがとても大切です。教育ローンの金利を考える上でのポイント教育ローンや住宅ローンを借入する上で、金利を見て借入を検討することは当然のことである一方、目に見える金利(表面金利)だけで選ぶことは厳禁です。また、教育ローンには、おもに3つのリスクがあると考えられ、教育ローンを借入する前のリスク、教育ローンを借入している在学中のリスク、卒業した後における返済途中のリスクについて考えておくことも大切です。そのため、教育ローンの金利だけではなく、これら3つのリスクについて、どのようなリスクでどのような対策を考えておく必要があるのか、あらかじめ知っておくことをおすすめします。教育ローンを銀行から借入する場合の注意点教育ローンを銀行から借入するということは、民間の教育ローンを借入することを意味し、担保や保証料について、あらかじめ注意しておかなくてはなりません。これは、国の教育ローンに比べて民間の教育ローンは、種類が様々あることに加え、担保の有無によって金利や借入限度額が異なるほか、保証料があるといった特徴があるためであり、結果として、これらは将来返済していくことになるお金に直接の影響を与えるためです。ちなみに、国の教育ローンは、銀行に比べて金利が低く、保証料や担保も必要ないことから、優先して教育ローンの借入を検討されることをおすすめしたいのですが、借入できる金額が少ないことや同居している親族以外の保証人が必要などといった縛りもありますので、この辺の注意点も知った上で、どちらの教育ローンを活用するのが得策なのか検討する必要もあるでしょう。教育ローンについてのおすすめ記事を紹介教育ローンは、借入から完済までの返済期間が長いものであるからこそ、借入計画や返済計画を立てることは、とても大切になりますが、何よりも教育ローンを無事完済し終えた成功者の体験談を知ることは大切だと考えます。成功談、失敗談から学べることはたくさんあるわけでありますから、教育ローンを借入する前は、教育ローンの完済に成功した方の体験談を目通しすることで、これからの借入に活かすことをおすすめします。なお、教育ローンは、住宅ローンの借入と同じように、長い期間に渡って返済をしていかなければならないことが多いため、返済期間中に、借り換えを検討される方もおられると思います。こちらに関しましても、教育ローンの借り換え効果について考察したものを公開しておりますので、併せて読み進めておくことで、より、教育ローンを初めて借入する際の大切さがおわかりになると思います。教育ローンまとめ教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの借入から完済までに必要なことを幅広く紹介させていただきましたが、本記事の内容を一通り目通しいただきまして、関連記事を読み進めていただくことで、無理のない教育ローンの借入ができるものと思います。教育資金は、人生三大資金の1つにあたり、多くのみなさまにとって極めて重要なお金にあたりますが、教育ローンを借入する場合は、計画的な借入と返済計画をあらかじめ立てておくことでうまくいくことは確かです。本記事が、これから教育ローンを借入するみなさまにとって有意義なものになっていただければ幸いです。
2019年01月18日2020年に日本の教育が大きく変わると言われています。学習指導要領の改訂と大学入試改革が行われます。変わるとは知っていても具体的にどんな風に変わるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。「うちの子はまだ小さいから早いな」と思う方もいるかもしれませんが、小学校の勉強がどう変わるのかを知って、早くから対策をすることは決して無駄にはなりません。まずは改革の概要をしっかり理解しましょう。1. 学習指導要領の大幅な改定学習指導要領とは、日本教育の大まかな指導目標です。都度見直されていますが、2020年には小・中・高校で全面的に見直されます。教科・科目面では、小学校3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で「英語」教科化、高校では「公共」「歴史総合」「地理総合」「理数探求」などが新設されます。さらに学びの特徴として以下のようなものが導入されます。(1) アクティブラーニングの導入アクティブラーニングとは「主体的・対話的で深い学び」を示し、教科ではなく授業方法です。正解を先生が教える一方的な授業ではなく、解き方を班ごとに話し合ったり個々に意見を出し合ったり、という双方向、対話的な学びのスタイルを取ります。(2) プログラミング教育の実施小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミング言語や技術を学ぶというよりは「プログラミング的思考」を学びます。プログラミング的思考とは、何か問題があるとき解決するための最適な方法を考え、予測し、それをトライ&エラーで解決することです。今までの、知識を詰め込みいかに覚えるかという教育から、覚えたことをどう使っていくかに重点が置かれていきます。解決力や、持っている知識をどう使うかが問われるようになります。2. 英語改革年々進むグローバル化に向けて、英語教育についても改革が行われます。使える英語力を目指し、学習開始年齢の前倒し・4技能(聞く、話す、読む、書く)の取得を求めての改革となります。・小学校3・4年生週1コマ程度の「外国語活動」年間35コマの授業聞く・話すことの言語活動・小学校5・6年生週2コマ程度の「英語」年間70コマの授業成績(数値による評定)がつく活字体の読み書き語順への気付き・中学生・高校生英語の授業は英語で行うことを基本とする高校では「論理・表現」の科目新設(スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションなど)覚える単語数も、現状は中学で扱う英単語が1200程度ですが、小学校の間に600~700語学びます。現状の中学生レベルの半分以上を、小学校卒業までに学ぶということですね。そして英語についても、覚える授業から、コミュニケーションを重視とした内容に変わっていきます。より実践的な話す力が求められることになります。但し2020年に向けて既に任意で英語を取り入れる小学校も増えています。私の息子が通う小学校では、外国人講師を招いた外国語活動を隔週1回程度行っているようです。3. 大学入試も大きく変わる2020年の改革では、大学受験も大きく変わります。まだ幼稚園や小学校低学年だとピンとこないかもしれませんが、成長と共に関係してくる部分ですので今の内から理解しておきましょう。大きく変わるのはマークシート方式の「センター試験」が廃止となり、「大学入学共通テスト」に移行します。数学・国語で80~120字の記述があるなど、思考力・判断力・表現力も評価されます。英語についても、今までの「読む・書く」から「読む・書く・聞く・話す」を評価され、民間資格や検定試験も評価されます。活用できる資格・検定試験は「ケンブリッジ英語検定」「TOEFL」「TOEIC」「IELTS」「TEAP」「英検」「GTEC」で、高校3年生の4~12月に受検した2回までの結果が採用されます。今までの知識を詰め込む教育からどのように変わるのかお分かりいただけたでしょうか。ただ、思考・判断するためには当然知識が必要となります。知識があるのはあくまでスタートラインということになり、そこから考える・自分の意見を言う力が必要になってきます。それを試験やテストで発揮するためには、日頃からの勉強方法を少しずつ変えていく必要があるでしょう。大学受験を考えていない場合でも、こういった能力は将来社会で必ず必要となってきます。頭の柔らかい小学生の内から意識することで、無理なく少しずつ力がつくはずです。学校や塾の勉強も大切ですが、一番良いのは家庭でコミュニケーションを取っていくことです。是非会話の時間を多く持ち、子どもにたくさん質問を投げかけることを意識してみて下さい。教育改革に負けない地頭を作っていきましょう。
2018年12月21日「子どもの発達に合わせて、そのときにもっともふさわしい教育をする」ことが特徴の「シュタイナー教育」(インタビュー第1回参照)。実際の教育現場ではどのような授業がおこなわれているのでしょうか。東京賢治シュタイナー学校で1年生のクラス担任を務める鴻巣理香先生は、その特徴を「世界とのつながりをとおして学ぶこと」だと語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー・校内撮影のみ)記事冒頭画像:東京賢治シュタイナー学校 校内子どもには遊びでも明確な教育の意図がある――シュタイナー教育では1年生を「ならし期間」としているそうですが、一般の学校とどうちがうのでしょうか。鴻巣先生:当校には幼児部もありますが、学校にはいろいろな幼稚園、保育所から子どもたちが入学してきます。ですので、子どもたちの緊張がほどけて「仲間」になるまでには時間が必要です。そのため、最初に取り組むのは、「共同の生活の場」をつくること。一般の学校ではいきなり授業がはじまりますよね。でも、その前の段階が十分にできていないと、まだ幼児の延長上にある1年生は落ち着いて学べません。学びの特徴として、当校の1年生の席は円形になっていることが挙げられます。――それにはなにか大きな意味があるのでしょうか。鴻巣先生:これは「みんなが出会える場所」だということを意識したものです。入学当初の子どもたちが持っているのは「わたしと先生」という感覚。「わたしがみんなの一部」という感覚がまだないのです。だから、みんなが一斉に先生と話そうとする。そこで、「ひとりずつね」「誰かが話しているときは一緒に聞いてね」と話し、聴くことを練習していくなかで、子どもたちは「みんな」になっていくわけです。――いわゆる授業の内容はどんなものですか?鴻巣先生:いまお話した、円形に座ってお話をすることが1日のはじまり。そして、詩を唱えたり、歌を歌ったりします。これがもう授業なんです。椅子をしまって「ライゲン」(ストーリーを語りながら動物などを演じる教師を子どもが真似るリズム遊びのようなもの。※詳しくはインタビュー第2回参照)をすることもあります。お話をしながらいっぱい動くのですが、子どもたちにとっては遊びみたいなものでしょう。でも、教師としては、日本語のリズムで詩を一緒に唱えて覚えさせる、体の大きな動きやこまかい動きを練習させるといった、明確な意図があるものです。そして、これらの活動のなかには「共同でやること」、そして「自分自身が取り組み練習すること」が必ず含まれます。それが1年生にとっての学びなのです。「土台」ができあがれば学習速度が一気に上がる――一般的な授業とは大きく異なるようです。鴻巣先生:もちろん、国語や算数など、一般的な教科に該当する授業もあります。ただ、シュタイナー教育では、最初に学ぶための「土台」をつくることを重視します。先ほどお話したように、これらは子どもにとっては遊びみたいなものですから、親御さんに「今日は学校でなにしたの?」と聞かれると、子どもは「先生と遊んできた」と答える。ですから、親御さん、特にお父さんのなかには心配してしまう方もいますね。「この学校、大丈夫かな」って(笑)。ただ、わたしたちは、子どもがどんな時期なのかということに重きを置いて、人間の成長に合わせた無理のない学びにしているだけのことです。まわりから見ると、3年生まではすごくゆっくり学んでいるように見えるでしょう。ですが、きちんと土台ができあがると、4年生以降ではかなり早く学びが進むのです。――「エポック授業」というものが大きな特徴だと伺いました。鴻巣先生:これは、すべての学年の1時間目におこなわれる110分の授業です。110分というと長く感じると思いますが、1年生だったら最初の45分から1時間くらいは、先ほどお話したライゲンなどをして子どもたちは動いています。そして、30分くらい集中して勉強をする。そして最後の15分は教師の話を聴きます。勉強の内容は、一般の学校の国語、算数、理科、社会にあたる教科です。しかも、2週間から4週間ほどのスパンで、毎日、同じ教科の同じ内容を集中的に学びます。そして、その教科が終わったら、次の教科に集中する。前の教科で学んだことは、1回寝かせます。たとえるなら味噌のようなもので、寝かせて発酵させるわけです。――寝かせることにはどういう意味があるのでしょうか。鴻巣先生:寝かせているのですから、他の教科に取り組んでいるときには、学んだことが頭のなかに出てくることはありません。でも、しばらくたってふたを開けたときには熟成されている。しっかり潜在意識に刻まれ、強化された記憶のなかから「こうだった!」と取り出すことができるわけです。子どもの成長段階をしっかりと見つめる――貴校の授業で特に強く意識していることがあれば教えてください。鴻巣先生:一般の学校で学ぶ内容も、より生活に根差したものとしてとらえるということです。3年生の算数ではものの単位を習います。ただ、それを「紙の上」で終わらせることはありません。1kmを学ぶためには、1mのロープを10本つなげて10mのロープにして、それをみんなで持って実際に測ります。なぜなら、わたしたちのまわりには「世界と切り離されたもの」はなにひとつないからです。世界とのつながりをとおして学ぶことは、実際にそこにあるものの見方――「観点」を学ぶということ。だからこそ、授業でならったもの以外のものを見ても、学んだことをきちんと活かせるようになる。応用が効くと言ってもいいかもしれません。これは「紙の上」だけでの学びでは得られないものです。――一般の学校に通う子どもを持つ親御さんでも生かせる貴校の教育の考え方はありますか?鴻巣先生:まずは、いまお子さんがどういう時期にあるのか、しっかり見てあげてほしいですね。1年生は幼稚園児と比べると大きくなったように見えますが、さまざまな場面でまだ親の支えが必要な段階です。いまの子どもたちには、「できないことはいけないこと」という感覚があるように思いますが、できなくても平気なんですよ。失敗してもまたやってみたらいい。ただ、親が一緒にやってあげる必要があります。そして、もう支えがいらないのか、助けてほしいけど言えないだけなのか、そういうことをきちんと見抜いてあげてほしいと思います。■ 東京賢治シュタイナー学校■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」【プロフィール】東京賢治シュタイナー学校1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」こそ必要だとし、1997年に東京・立川に拠点を移して前身である「東京賢治の学校」を創設。1999年に幼児部、2005年には高等部を開設。2013年より現校名となる。鴻巣理香(こうのす・りか)東京賢治シュタイナー学校教師(1年生クラス担任)。「正直であるというところから人間は真の強さを生み出す」を信念とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月14日「シュタイナー教育」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ドイツで誕生した教育思想ですが、おそらく多くの人にとって耳慣れないものでしょう。日本でシュタイナー教育をおこなう東京賢治シュタイナー学校の取材をとおして見えてきたのは、一般常識や他人の意見でぶれることのない、力強い「意志」を育てる教育でした。同校幼児部教師・池田真紀先生(写真右)と、学校教師・鴻巣理香先生(写真左)にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー撮影のみ)ドイツで生まれ日本の風土に合わせて発展――そもそも、「シュタイナー教育」とはどんなふうにはじまったものでしょうか。池田先生:もともとはオーストリアの哲学者であるルドルフ・シュタイナー氏がはじめた教育です。当時は第一次大戦のさなか。「健全な人間が育たないと健全な社会には変えられない」という、社会運動の一端としてはじめられたそうです。鴻巣先生:当時のドイツの普通教育は、いまの小学4年生くらいまで。その後は、上の学校に進むのか、あるいは社会に出て徒弟制度のなかで働くのか、その時点で決めないといけませんでした。その頃、シュタイナーの講演を聴いた大きなタバコ会社の社長が、彼に「学校をつくってほしい」と依頼しました。従業員のほとんどはごく短い期間の普通教育を受けただけだったということもあり、従業員たちが「子どもたちには彼らに合う場でしっかり学ばせてあげたい」と社長に要望したのだそうです。そうして、はじめてのシュタイナー学校が誕生しました。池田先生:その後、日本に伝わった当時は、ドイツでの手法をそのまま踏襲していたようです。でも、日本のなかでそれぞれの学校や幼稚園が試行錯誤しながら、その地域に合ったシュタイナー教育をおこなうようになっています。ただ、根本となる「人間」とはなにか、というとらえ方は、どこのシュタイナー教育も同じものです。子どもたちの年齢と成長に合った教育――その根本である、シュタイナー教育の特徴というとどんなものになるのでしょうか。池田先生:「子どもの年齢や発達にふさわしい教育を与える必要がある」という発想ですね。まだ合わないものを早くさせたり、逆に必要なことをさせなかったりということではなく、そのときそのとき、成長を続ける子どもに合ったカリキュラムを組んでいます。鴻巣先生:シュタイナー教育は1919年にはじまり、2019年に100周年を迎えます。でも、100年たったからといって、子どもが育っていくために必要なものは変わりません。子どもの年齢、成長に合ったものを手渡していくということが、シュタイナー教育のいちばんの特徴だと思います。当校の教師は、一般の公立校や私立校で教師をしていた者がほとんどですから、一般の学校とのちがいをよくわかっています。そのちがいとは、人間のとらえ方、発達に関する観点ですね。幼児期に体ができてはじめて勉強ができる――シュタイナー教育では、0〜7歳、7〜14歳、14〜21歳という7年単位で人間の成長をわけて考えているとのこと。実際に、7年が区切りになっていると感じますか?鴻巣先生:本来、人間の成長はひとつながりのものです。でも、学校制度のなかでここからは上の学年だというふうにわけざるを得ません。そういうなかで子どもたちをどう発展させるかというところは、学校であり教師が工夫するしかない。わたしたちの教育は、幼児だからここまで、1年生だからこれをやる、2年生だからこれをやると押し付けるものではありません。もちろん、各学年で取り組むべきカリキュラムはあります。それは、それぞれの「時期に合っている」もので、「彼らの成長を助ける」ものだということです。池田先生:7歳を例にすると、「歯が抜ける」ことが大きなサインとなります。乳歯が抜けるのはだいたい1年生の前後です。それが、シュタイナー教育では、「きちんと体ができた」「勉強ができるようになった」というサイン。0歳から7歳までのあいだは、勉強させるのではなく、きちんと体をつくってあげることが大きなテーマなのです。鴻巣先生:乳歯が抜けると、すでにその下には永久歯が準備されていますよね。ということは、体のなかでもっとも硬いものをつくっていた大きな力が余っているということ。その力を使って「覚える」ということが可能になる、とシュタイナー教育では考えているのです。一般の学校だと、1年生になるといきなり勉強に入ります。でも、まだ体ができあがっていない幼児の名残がある状態では、「覚える」ことがすごく難しいのだと私たちは見ています。シュタイナー教育が育む自分を信じる力――シュタイナー教育を受けた子ども、そうでない子どもで、その後にどんなちがいが出るものでしょうか。鴻巣先生:卒業生がよく口にするのは、「根拠のない自信がついた」ということ(笑)。それは、小さい時期を競争しないで育っているからだと思います。もちろん、高等部など上の学年に進めば切磋琢磨することも必要ですが、基本的には「この子は100点、この子は50点」というふうに点数で子どもを評価しません。そうすると、「これは自分がしっかりできる」「この子はこういうことが上手だから教えてもらおう」という考えが身について、なにかが「できないから責められる」という経験がないのです。それが「根拠のない自信」につながっているのではないでしょうか。――とはいえ、大学進学などを考えれば、競争も必要になってきます。鴻巣先生:当校の卒業生たちは、「点数」で進路を選びません。偏差値がいくつだからこの大学に行くというようなことはしないのです。「○○先生がいるから」「学びたいことを学べるから」と明確な志望理由を持っていますし、進学しない子にもきちんと理由がある。そして、「ちがう」と思ったら、また戻って自分がやるべきこと、やりたいことを探している。その「へこたれない力」は、本当にすごいと思いますね。もちろん、卒業後に夢を持ちながらもまだ中途半端な状態にある子もいます。若者ですから、そういう時期があって当然でしょう。ただ、そんな子も、「いまの仕事が一生の仕事ではないけど、学ぶところがあるからいまはこれをやる」というふうに、自分が立っている位置をきちんと理解しています。池田先生:当校の教師が、いろいろな生き方を認めていることも大きいかもしれません。普通だと、高校卒業の時点で進学先や就職先など送り出す先が決まっていないと、教師も心配しますよね。でも、当校の教師はいろいろな可能性を認めて待ってあげている。それで、「先生たちは自分をちゃんと受け止めてくれている」「ひとりじゃないんだ」「やっていける」と感じているのではないでしょうか。■ 東京賢治シュタイナー学校■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」(※近日公開)第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる(※近日公開)第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」(※近日公開)【プロフィール】東京賢治シュタイナー学校1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」こそ必要だとし、1997年に東京・立川に拠点を移して前身である「東京賢治の学校」を創設。1999年に幼児部、2005年には高等部を開設。2013年より現校名となる。池田真紀(いけだ・まき)(写真右)東京賢治シュタイナー学校幼児部教師(クラス担任)。「古くならないいまの時代に合ったシュタイナー教育」を目指す。鴻巣理香(こうのす・りか)(写真左)東京賢治シュタイナー学校教師(1年生クラス担任)。「正直であるというところから人間は真の強さを生み出す」を信念とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月08日日本が誇る世界的大企業・ソニー。その巨大企業は、じつは科学教育発展のための助成財団を運営しています。その助成財団「ソニー教育財団」は1959年から大本となる活動を開始し、現在ではその活動の幅を大きく広げています。公立校の教員が抱える問題の解決のため、また、2020年から小学校ではじまるプログラミング教育必修化のサポートのため、ソニー教育財団がおこなっている活動について、理事長・高野瀬一晃さんにお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)大小さまざまな規模の研修で教員のネットワークづくりを支援わたしが理事長を務めるソニー教育財団が小中学校の先生の助成をはじめたのは、1959年から。理科の先生から理科教育論文を募り、優秀な論文を執筆した先生に助成金やソニー製品を贈呈するという「ソニー小学校理科教育振興資金」です(インタビュー第1回参照)。すると、その活動が新たな展開を生みました。1963年、優秀な論文を執筆して受賞した先生が所属する学校が「ソニー理科教育振興資金受賞校連盟」というものを組織し、先生同士でネットワークをつくって互いに切磋琢磨していこうという動きが起きたのです。そこで、その先生たちの研修などに必要な費用をソニーが提供することにしました。「ソニー理科教育振興資金受賞校連盟」は、「ソニー科学教育研究会」(SSTA)と名称を変え、理科教育に関心のある先生ならだれでも参加できる会として、現在も活動を続けています。会員の先生の数は、いまでは約2000人。みなさん、理科教育に本当に熱心な先生たちです。SSTAの会員の多くは公立校の先生。じつは、公立校の先生たちはひとつの問題を抱えています。異動があっても市町村内の別の学校に行くだけということがほとんど。市町村外に異動することがあっても、都道府県内の異動にとどまります。すると、先生たちは他の都道府県の先生とのネットワークをほとんど持つことができないのです。しかも、教員独特のメンタリティーなのか、なにか授業で問題が起きたとしても、同じ市町村内の先生にはアドバイスを求めにくいらしい。おそらくは、互いにコンペティターだと認識しているのでしょう。その問題を解決するため、わたしたちはSSTA会員の先生を対象とした3泊4日の全国特別研修会というものを開催しています。集まるのは全部で約100人の先生たち。そこで、たとえば北海道、青森、広島、福岡の先生がグループとなって授業の単元(学習活動の題材)開発をおこなってもらう。こうして、先生たちは「同じ釜の飯を食った」仲になる。全国に先生同士のネットワークができ、先生たちは互いにアドバイスを求めたり、アドバイスをしたりできるようになるわけです。また、全国特別研修会の他にも、全国を4つのブロックにわけておこなう「ブロック特別研修会」や都道府県単位の支部ごとの研修会も実施しています。これらにより、草の根運動ではないですが、学校現場の授業の質を上げることに貢献できていると自負しております。プログラミング教育のキモはプログラミング言語習得ではないこういった先生たちの研修のサポートの他に、ソニー教育財団では新たな試みをはじめています。わたしはもともとソニー株式会社では資材調達に携わってきました。ビジネスの現場に長く身を置いてきた立場からも、今後のソニー教育財団がどういうミッション、ビジョンを共有し、どこに向かって活動すべきかを考えています。ソニー創業者の井深大の考えも高く掲げながらも、未来志向が必要だと思うのです。その未来志向のなかではじめたのが、プログラミング教育のサポート。いま、日本のビジネスの現場にはソフトウェアエンジニアが圧倒的に不足しています。そのため、2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されるのですが、問題はそれを教える先生たちにそのスキルや指導経験がないということ。そういう先生たちを、なんとかサポートしなければなりません。たまたまではあるのですが、ソニーでは異なるグループ会社がそれぞれにプログラミング教材を開発しました。ひとつは「MESH(メッシュ)」というもの。これは、人感センサーや光センサーなど、さまざまなセンサーやスイッチ機能を持ったブロック形状の電子タグとアプリを組み合わせ、プログラミングすることでいろいろなアイデアをかたちにできるというものです。画像提供:ソニー教育財団もうひとつは、「KOOV®(クーブ)」。こちらは、子どもたちの大好きなカラフルなブロックと電子パーツで動物やロボットなどのかたちをつくり、そこにアプリからプログラムを転送することで、自分でつくった作品を動かすことができるというものです。(本記事冒頭画像もKOOV)画像提供:ソニー教育財団わたしたちは、これらをSSTAの先生たちに無償で貸し出し、プログラミング教育に役立ててもらっています。その授業はたとえばこんな内容です。教室にゴミが散らかっているという問題があるとしましょう。そこで、MESHをつかってみんながちゃんとゴミ箱にゴミを捨てるようにするための方法を子どもたちに考えてもらう。たとえば、ゴミ箱を開けると、ゴミ箱のなかの光センサーが反応して、あらかじめ録音していた「きちんとゴミを捨ててくれてありがとう」という音声が流れるようにするとか。MESHもKOOV®も直感的に使えるビジュアルプログラミングを採用しているので、プログラミングの専門的な知識がなくても問題ありません。重要なのは、「○○すれば△△が起きる」といった、プログラミングの基本的な考え方を身につけることです。プログラミング教育というとコンピューター言語を覚えるといったイメージをするかもしれませんが、その根本となる考え方、「論理的思考」を身につけることが、重要なプログラミング教育だと思うのです。■ ソニー教育財団理事長・高野瀬一晃さん インタビュー一覧第1回:ソニーが“子ども投資”を59年間も続ける深い理由第2回:世界のソニーが手がける「プログラミング教育サポート」第3回:卒業生400人、みんな理系じゃないから面白い。ソニーの凄すぎる自然教室の全貌(※近日公開)第4回:日本人教員がビックリするのも納得。豪州が取り組むSTEAM(スチーム)教育の凄さ(※近日公開)【プロフィール】高野瀬一晃(たかのせ・かずあき)1954年1月18日生まれ、東京都出身。早稲田大学教育学部卒業。1990年、ソニー株式会社入社。資材調達のエキスパートとして1993年からドイツ、ハンガリー、フランス、スウェーデンなどヨーロッパ各国に赴任。2005年に本社へ復帰し、DI事業本部、テレビ事業本部の資材部門部門長、調達本部本部長、調達担当役員(SVP)などを歴任し、2015年に定年退職。その後、公益財団法人ソニー教育財団理事長を務める。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年11月20日「レッジョ・エミリア教育」を知っていますか?優れた幼児教育として、世界中の保護者から注目を浴びています。その発祥となったイタリアの都市レッジョ・エミリアは1991年、米国の週刊誌『ニューズウィーク』により、幼児教育における国際的なロールモデルとして挙げられました。米Googleの社員が利用できる預かり保育にも、レッジョ・エミリア教育が取り入れられているそう。いったい、一般的な幼児教育と比べてどのような特徴があるのでしょうか?今回は、小さな子どもに関わる者ならぜひ知っておきたいレッジョ・エミリア教育について、簡単にご紹介します。レッジョ・エミリア教育の発祥レッジョ・エミリア教育の始まりは、第二次世界大戦の終戦直後でした。北イタリアの都市レッジョ・エミリアの近くにあるヴィッラ・チェッラ村の人々は、戦争で破壊された建物からレンガや石を集めたり、ドイツ軍が残した戦車を売り資金を集めたりして、学校を建てはじめたそう。地元の教員だったローリス・マラグッツィ(1920~1994)はそれを見て感動し、ローマで教育心理学を学びはじめます。1950年に学位を取得するとレッジョ・エミリアに戻り、学校の運営を手伝ったり新たな幼児教育施設を建てたりしたそうです。マラグッツィは市当局と協働し、1963年に公立としては初めての幼児教育施設をオープンさせました。その後も公立の施設は増え、レッジョ・エミリアの保育施設は18に、幼児教育施設は51にまでなったそう。これらの施設で行われている教育が、レッジョ・エミリア教育と総称されているのです。レッジョ・エミリア教育の理念レッジョ・エミリア教育における指導者的存在となったマラグッツィは自身の教育理論を本として残しておらず、レッジョ・エミリア教育に体系的なメソッドはありません。しかし、マラグッツィによる詩「100の言葉」は、レッジョ・エミリア教育の理念を象徴するものとして知られています。以下はその一部です。子どもは100の言葉を持っている(そしてもっともっと何百も)けれど99は奪われている学校と文化が頭と体を切り離す彼らは子どもにこう言うのだ手を使わずに考えなさい頭を使わずやりなさいよく聴きなさいしゃべってはいけません楽しまずに理解しなさい(引用元:St Joseph’s School|The Hundred Languages of Children)この詩のなかでは、従来の幼児教育が冷たいものとして非難されています。そして、その反対がレッジョ・エミリア教育だといえるでしょう。「100の言葉」は子どもが持つ無限の可能性の象徴です。そして、人にはそれぞれ異なる価値観や個性があることを意味しています。2010年代の「多様性社会」を先取りしたものといえるかもしれません。レッジョ・エミリア教育の実践では実際に、レッジョ・エミリア教育では何が行われているのでしょう?以下ではレッジョ・エミリア教育の特徴を紹介します。1.プロジェクトレッジョ・エミリア教育の大きな特徴は、「プロジェクト」と呼ばれる活動です。これは、長ければ1年にも及ぶ長期間、一つのテーマを掘り下げるというもの。テーマは子ども同士の話し合いによって決定され、工作や調べ活動が行われます。子どもたちが議論しやすいよう、プロジェクトは4~5人の小グループで行われることが多いそう。また、グループには保育士だけでなく、保護者や地域住民といった大人も加わって、話し合いや見守りをします。このプロジェクト活動において子どもが学べることは多くあります。幼児教育を専門とする冨貴田智子・准教授(愛知江南短期大学)が、幼稚園で1カ月に渡るプロジェクト活動を行ったところ、以下のように子どもたちの「自律性」および「協同性」の成長が見られたそうです。自律性:-子どもたちだけで設計図について話し合っていた。-自由遊びの時間にも自主的にプロジェクト活動を進めていた。協同性:-自分の意見を強く主張しつつも、他者の話に耳を傾けて考えを変えた。-他者を批判したら逆に批判されたことにより、新たな気づきを得た。2.ドキュメンテーション「ドキュメンテーション」も、レッジョ・エミリア教育を語るには欠かせないものです。子どもたちが活動する様子は、文字や写真・動画によって記録されます。そしてパネルとしてまとめられ、誰もが見られる場所に展示されます。子どもがそれを見て、自分たちの活動を振り返ることにより、次に活かすのが目的です。もちろん、保育士にとっても指導の参考資料となり、保護者や地域住民といった来園者に活動を紹介する有効な手段ともなります。幼児教育学を専門とする伊東久実教授(身延山大学)は2011年、レッジョ・エミリア教育を実践する米国の保育施設を視察したところ、ドキュメンテーションは以下のように作成されていたそうです。-造形美術の専門教師(アトリエリスタ)と保育士による、2~3人のグループが担当。-子どもが活動している様子を多数の写真に収め、録音する。-子どもが興味を示したことに関して、1枚もしくは数枚の写真をピックアップする。-活動の過程や子どもの考えが分かるような言葉を添える。-教室や廊下に掲示する。具体的に、ドキュメンテーションには以下のようなことが書かれていたそうです。子どもたちの行動や発言が細かく記録されているので、その場にいなかった人でも様子をありありと思い浮かべることができますね。エレーナは来てすぐにライトテープルの脇にいるフェリックスのもとに直行した。四角や三角などの異なる形を見ながら、エレーナは「丸のかたちはないの?」と尋ねてきた。しかし、丸の形がないと知ると、彼女は自分で丸を作り始めたのだ。彼女が三角形をつなぎ合わせれば円を作れる、という直感を持っていたことに私は驚いた。エレーナ:私は丸を作ったよ。今度は丸を分解していくの。フェリックス:僕は四角を集めてる。これってマグネットなんだ。マグネットがいっぱい!エレーナは、円を作るために組み合わせた三角形をひとつひとつ指さしながら言った。エレーナ:青、だいだい、緑、だいだい、だいだい、緑。フェリックス:これとこれは同じ色だ。(だいだい色の三角形を2つ指し示しながら)(後略)(太字による強調は編集部で施した)(引用元:身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号))伊東教授によると、この施設におけるドキュメンテーションは、以下の3つの観点に基づいて行われていたそう。1.子どもの思考を視覚化できるよう、効果的にレイアウトする。2.結果報告ではなく、子どもたちの探究活動の経過の記録である。3.子どもを「多大な可能性を持つ存在」としてとらえ、尊敬する。日本でも、子どもたちが工作や遠足をしている写真を掲示している保育園・幼稚園はありますが、あくまで「活動の簡単な紹介」にとどまっているのではないでしょうか。ドキュメンテーションのように、文字による詳しい説明はほぼ見られませんよね。子どもたちを尊敬し、彼らが何を行って何を考えているのかを客観的に分かりやすく表現するドキュメンテーションは、レッジョ・エミリア教育を体現しているものといえるでしょう。3.教育環境レッジョ・エミリア教育を取り入れている施設には、「アトリエリスタ」という美術専門の教師がいます。一つの園につき1人が配置され、プロジェクト活動やドキュメンテーションの作成に関わります。「ペダゴジスタ」という教育学専門家の存在も、レッジョ・エミリア教育における特徴のひとつです。ペダゴジスタは複数の施設を担当しており、週に1回程度訪問する日には、保育者とアトリエリスタとで徹底的に話し合うそう。教育に関してアドバイスをするほか、運営にも関わるそうです。レッジョ・エミリア教育においては、施設のデザインも重要です。レッジョ・エミリア教育の施設には、「ピアッツァ(広場)」と呼ばれる空間があります。イタリアの都市は広場を中心として展広がっており、そこは噴水や市場があって人々が集まるスペースとなっているのですが、レッジョ・エミリアの施設でも同様。たとえばレッジョ・エミリア市のある乳幼児センターでは、ピアッツァは建物の奥にあり、年齢の異なる子どもたちの教室に囲まれています。着替え遊びができるコーナーや「劇場」のコーナーがあるそうです。また、市内の別の施設のピアッツァは、やはり教室に取り囲まれています。着替え遊びのコーナーのほか、合わせ鏡で作られた空間に入って遊ぶ「万華鏡」という遊具もあります。さらに、レッジョ・エミリア教育を取り入れた保育園を日本で経営する、ナチュラルスマイルジャパン株式会社代表取締役の松本理寿輝氏によると、レッジョ・エミリア市の保育園では、閉園時間になると街の人々がワインやチーズを持った人々がピアッツァに集まって会話を楽しむそう。子どもも自然と加わるとのことです。街と保育施設が分断されず、住民と子どもが場所を共有しているのは理想的ですね。レッジョ・エミリアの保育施設にとっては、「アトリエ」も重要です。ここには芸術活動に必要な用具・材料が置かれ、ドキュメンテーションや子どもの作品が飾ってあります。「まるで実験室のよう」と表現する人も。保育施設全体で使われる大きなアトリエのほか、各教室に備わっている「ミニアトリエ」もあります。アトリエには、小石や葉っぱなどの自然物が丁寧に保管されており、子どもの興味・関心を刺激します。日本にレッジョ・エミリア教育の施設はある?さて、ここまで読んでみたら、レッジョ・エミリア教育を取り入れた施設に子どもを通わせてみたくなったかもしれませんね。日本には、レッジョ・エミリアの保育園や幼稚園はあるのでしょうか?実は、レッジョ・エミリア教育の考えを取り入れている施設は都内では珍しくありません。アトリエリスタやペダゴジスタといったプロフェッショナルの確保、ピアッツァの設計など、日本にそのまま輸入するには難しい点もありますが、レッジョ・エミリア教育の基本的な理念を実践している施設をご紹介しましょう。-代沢インターナショナルスクール(世田谷区、渋谷区)「レッジョ・エミリア・アプローチ」を全面に打ち出し、一人一人の個性を尊重することを重視しています。プロジェクト活動はもちろん、ドキュメンテーションも実施。写真・子どもの発言・先生のコメントから成る「ジャーナル」を作成し、保護者が子どもの学習活動を把握できるようにしているそう。また、スクールのコミュニティ形成のため、イベントや課外活動には保護者の積極的な参加を求めています。-まちの保育園(練馬区、港区、武蔵野市)・まちのこども園(渋谷区)上述したナチュラルスマイルジャパン株式会社の運営する、レッジョ・エミリア教育の考えを重視した施設です。アトリエの設置や、外部の人も見られるようなドキュメンテーションの掲示など、レッジョ・エミリア教育の方法論を積極的に実践しています。それだけではなく、施設を開放して保護者や地域住民向けのイベントを開いたり、カフェを併設したりなど、施設と地域コミュニティを一体化させようという姿勢は、まさにレッジョ・エミリア教育の思想を体現したものといえるでしょう。レッジョ・エミリア教育を家庭で取り入れるにはレッジョ・エミリア教育に興味があっても、近くに施設がなかったり、費用がネックになったりする場合もありますよね。そんなときには、レッジョ・エミリア教育のエッセンスを家庭生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?たとえば、プロジェクト活動。休日の過ごし方を、子どもと話し合って決めてみてはどうでしょう。展覧会やワークショップなどの情報が載った冊子やWebサイトを子どもに見せ、どれに参加したいか自分で考えさせるのです。なぜそれを選んだのか、どんな点に興味を持ったのかを説明してもらうのもよいですね。また、以前に出かけた場所の感想を聞いてみて、気に入ったようであれば同じような場所に行ってみると、子どもの興味・関心がさらに広がりそうです。ドキュメンテーションの作成にもチャレンジしてみてはどうでしょうか。ノートやスクラップブックに、子どもが活動しているときの写真を貼り、子どもが発した言葉をそのまま記録すればOK。このとき注意したいのが、ドキュメンテーションは「思い出のアルバム」とは異なるということ。カメラ目線でポーズを取った「記念写真」ではなく、子どもが作品の制作や読書に熱中しているときの写真を選びましょう。ドキュメンテーションはあくまで「探究活動の経過の記録」です。子ども本人や親が見返して「気づき」が得られるよう、客観的に編集することを意識してみましょう。そして家族がいつでも手に取れるよう、リビングなど共有スペースに置いてくださいね。レッジョ・エミリア教育を知る本「レッジョ・エミリア教育をもっと知りたい!」という方には、本を一冊読んでみることをおすすめします。まずは、『驚くべき学びの世界~レッジョ・エミリアの幼児教育~』(ACCESS、2011年)。レッジョ・エミリア市の協力により2011年にワタリウム美術館(渋谷区)で開催された、「驚くべき学びの世界展」の内容がたっぷり詰まっています。レッジョ・エミリア教育のなかで子どもたちの作り上げたアートの美しい写真をふんだんに収録。読者の感性に直接訴えかけてくるような紙面を見ると、それだけでも子どもに対する考え方が変わりそうです。ほかに日本語で読めるものとしては、イタリア語・イタリア文化を教えるダンテ・アリギエーリ協会を創設したアレッサンドラ・ミラーニ氏による『レッジョ・アプローチ 世界で最も注目される幼児教育』(文藝春秋、2017年)があります。日本のプレスクールにおいてどのようにレッジョ・エミリア教育を実践したか、という経験に基づいて書かれたので、日本人の親にとっても共感しやすいのではないでしょうか。電子書籍版もあるので、気になったらワンクリックですぐに読むことができます。***プロジェクト活動やドキュメンテーションからうかがえるように、レッジョ・エミリア教育では子どもを一人の人間として尊重し、自主性を重んじているのですね。「幼児教育にはこんなアプローチもあるんだ」と、新たな視点を与えてくれます。就学前のお子さんをお持ちなら、近くにレッジョ・エミリア教育の施設があるか、調べてみてはいかがでしょうか。(参考)StudyHacker|レッジョ教育Newsweek|The Best Schools In The WorldHowStuffWorks|Google Benefits and Day CareThe Atlantic|Reggio Emilia: From Postwar Italy to NYC’s Toniest PreschoolsReggio Children|Loris MalaguzziReggio Children|Reggio Emilia – City of a Hundred Languages和光大学|レッジョ・エミリア・アプローチとの対話St Joseph’s School|The Hundred Languages of ChildrenJWCPE Repository|レッジョ・エミリアの幼児教育と保育環境愛知江南短期大学|プロジェクト活動を通した子どもの自律性・協同性が育つ過程の検討StudyHackerこどもまなび☆ラボ|イタリアの革新的なアート教育「100人には100通りの考え方がある」個性を大切にするレッジョ・エミリア・アプローチ身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号)政策シンクタンクPHP総研|子どもたちがまち中の人と出会える環境を代沢インターナショナルスクールまちの保育園ワタリウム美術館|驚くべき学びの世界展
2018年11月18日ウーマンエキサイトで連載中のちゅいママさんの記事 「日本の義務教育で本当に教えて欲しいことは? 夫婦で話し合ってみた」 で、日本の義務教育に関するアンケートを実施。「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」について、さまざまな意見が集まりました。■“お金”にまつわる社会の仕組みを教えて!2020年度から小学校でのプログラミング教育、英語の必修化が始まります。パパやママは、子どもたちが自分たちの小学校のときとは違う教育を受けることに不安や期待を抱いているのではないでしょうか。ちゅいママさんとご主人も、これを機に「義務教育」について話し合ったそうです。おふたりがまず「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」は、ずばり “お金” のこと。お金は貯金するだけでなく、「増やす」「活用する」方法もあるんだということを教えてほしいということで、それに共感するコメントや、税金や年金といった“お金”にまつわる社会の仕組みについて「教えてほしい」という意見が多数集まりました。社会の仕組みについて、しっかり学習すべきと思います。給料をもらうと、いくら、どこに、なぜ納税するのか。働き方、正社員と派遣社員、自営業の仕組み。年金や保険制度の意義、どんな場合にどのような社会保障があるのか教えてほしい。お金、税金、社会保険などなどの社会の基本的な仕組みを知らない人が多すぎる。確定申告(自分の税金の計算)くらい自分でできるようになるべき。FPの勉強内容を授業でやってほしい。政治についても、若い意見がより反映されやすいように選挙に行く姿勢を養ってほしい。性についても、生理が始まる頃から教えるのではなく、保育園、幼稚園から男女の違いを教えるべき。知ることが自分の身を守る事になると思うから。■多様性を認めないと、世界から遅れていくちゅいママさんご夫婦からは、「自分の意見を自分で考えて述べる」教育をしてほしいという意見も。これにも賛同の声が挙がり、 “ディスカッション” や “ディベート” を積極的に取り入れてほしいとのコメントが寄せられました。●ディスカッションと、働くことディスカッションは、自分の意見を持つこと、発信することの大切さ、さらには協調性や気配り、視野を広くもつ重要性を学べると思う。応用編でディベートも取り入れるとおもしろい。働き方について。まずは働くことの意味、働き方の選択肢、マイナーな職業についてなど小学生から取り入れてほしいです。マイナーでも生活を支えているお仕事も早くから知ってほしい。●性教育日本では、恥ずかしい事として隠してしまう傾向がある。でも、小さなときから性に関してオープンにして、きちんと知り理解する機会があれば、性の問題や不妊治療、望まない妊娠・中絶などで苦しむ人たちが今より少なくなるのでは? と思う。●人権・権利の大切さもっとかみ砕いて分かりやすく教えて欲しいです。いじめも、性犯罪も、暴力も、差別も、すべて相手の人権・権利を軽視・無視した結果起こるものだと思うので。相手を尊重することの大切さを具体的に伝えて欲しいです。●多様性を認める「みんなと同じが良い」という風潮、日本にはありますよね。多様性を認めないところに日本という国が他の国に遅れをとり、伸びていかない理由があると思います。その子らしさを認め、それを伸ばすような教育を。そして平均的に良いよりも、何か得意なこと、好きなことを見つけ伸ばすような教育が良いと思います。●インターネットリテラシー(インターネットを正しく使うための知識、能力のこと)子どもたちは生まれたときから当たり前のようにある世界。親が思ってるより子どもたちはネットの世界を自分たちでも使いこなすけど、それに伴うリスクなどは無知な子どもが多いと思います。だから学校でインターネットを使ったたくさんのメリットやそれにまつわる良くないことも教育していってほしいと思います。●交渉能力アクティブラーニング、生徒が能動的に学べるような授業を行うこと。●環境問題使い捨てが主流になりつつあるけど、その先を見据えて使い捨てているのか。もっと積極的に環境問題を取り上げて欲しい。そして、教育するべき問題だと思う。未来を生きるのは自分たちだから。親は未来の環境はどうにもしてあげられない。■「英語」「プログラミング」「道徳」は必要ない?一方、「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」についてはどんな意見が集まったのでしょうか。「見直してほしい教科」としては、2020年に新たに導入されることになる「英語」「プログラミング」、そして本年度から新たに教科化となった「道徳」に関しての意見が集まりました。●道徳の授業・違う意見を考える人をあぶりだして、弾くことにしかならないと思う・自分の意見を出したら先生からおかしいと言われ認められなかった。道徳の授業は、大人の考えの押し付けだと思う。・核心を教えない、上っ面だけの道徳の時間。学校の先生ではなく、ちゃんと心のスペシャリストを呼んで教えさせてほしい。●英語・数年先には機械が簡単に翻訳して話してくれる。それより自国の文化や習慣、言葉遣いは必須であり、自国を紹介できないのに多国語を喋れるだけになっても意味はない。・漢字学習ですら覚えるの大変なのに、なぜ英語までさせるかわかりません。・ムダな日本語英語習わせなくてもいいと思う。そんなのでは身につかない。いまの時代、言葉が通じなくても機械が何とでもしてくれる。他にすべき事を伸ばすべき。・英語のゲームや歌などはお遊び過ぎてまったくもって時間のムダ。●プログラミング・プログラミングは、教育する側の体制が整っていないなら、時期尚早かと。そもそも学校の先生、プログラミングの授業できるんですか?・子どもが大人になったら全然違う言語や仕組みになっていそうなので、役に立たないのでは?・義務教育でしなくてよくないですか。選択肢を与えて各々やりたい子に興味ある分野を深く学ばせたらいい。・いま習っても、習わなくてもパソコンはいつかは使えるようになる。パソコンなどのハード面に投資するのももったいない。その費用と時間を貧困対策や教育格差解消に使って欲しい。●計算・解き方がわかれば電卓つかっていいと思う。筆算ができるようになるメリットって?・計算するだけの宿題は不要英語教育を必要ないと考える人の根底にあるのは、「正しい日本語を使えるようにすることの方が大切では?」という意見が多くあるように思えます。またAI化が今後ますます進むことを考えたときに、コンピューターが得意とする分野(計算、翻訳を含む英語)に力を入れたり、暗記させるよりは、自分の考えを言えるための力やその土台となる国語力を育む教育をしてほしいとするコメントを多くみかけました。意見がかなりわかれたのが、歴史。「必要ない」とする人、「日本の黒歴史も教えるべき」とする人、「世界の国からみた日本の歴史を教えてほしい」など、意見がかなりわかれました。■個性をつぶす日本の教育方針を見直してほしい学校の教科だけではなく、勉強や学校の在り方から日本的教育方法など、大きな視点での意見も集まりました。みんな同じ、みんな一緒を重視する教育をやめるべき。海外の飛び級制度のような、個人の能力に合わせて教育を受けれるようにしてほしい。多様性の受け入れにもつながる。個性が認められる社会を作るきっかけにもなり、いじめも減る。「先生に注意されるから」、「みんなそうだから」、「集団生活を学ぶ場だから」、「何でかわからないけど決まりだから」と、いまだに個性をつぶす教育が横行している点は、早急に見直した方が良い。通知表も、他人の評価ばかり気にする子になってしまうから自己評価表にするべき。学力テストでの学力の差別化、子どもの能力の数字化はやめてほしい。授業のほとんどがただのテスト勉強に。過去問題をただ単にたくさんやった子が点数取れるテストなど意味がない。宿題は、時間がない先生が採点に忙しいだけ。宿題よりもっと家族や友人や地域で育む時間など大切なことがある。失敗してもいいって教えて欲しい。子ども自身の人生や自分自身の歩み方についての勉強や学びが、本当に少ないなと思います。教科書どおりに学ぶのではなく、子ども自身が興味があることを伸ばしつつ、それに基づく勉強もしっかりすればいいのかなもしれないなと思いました。好きなことや、やりたいことを摘み取ってしまったら悲しいし、何より時間がもったいないなと思います。それなら、もっと遊ぼうよ!と思ってしまいますね(笑)小学校でも留年させてほしい。教育を受ける権利。理解してから進級してください。分数を理解してない大人、人生損してるよ!学校は、足並みを揃えすぎ。はみ出た子どもを気にしすぎ。学校側から管理しやすいというのはわかるけど、人は人、自分は自分です。ほかに、校則や服装、生活指導といったルールの見直しを訴える声や、「1クラスの生徒数を少人数にして手厚い対応ができるようにしてほしい」といった意見も出ました。日本の平等教育とは、「同じ内容を一斉に教える」という一斉教育が主流で、そこには「理解している」は含まれていないこともあります。しかし海外などで考える「平等」とは、「ここまでは理解させて上の学年に行く」というもの。日本ではほとんどない留年も、海外ではあるとされています。「本当の教育とはなにか?」親自身も今後ますます考えていかなければいけない時代なのかもしれませんね。■パパママが望む“義務教育”のあり方とはアンケート結果を見てみると、パパやママによって義務教育に“重視してほしい”点、そして“減らしてもいいと思う”点はさまざまでした。かつて自分が学校で学んだことがどれだけ“今”に役立っているか。逆にどんなことを学校で学びたかったか。そんな経験を踏まえてパパやママが望むのは、教科というよりも、生きる力…、“将来子どもが生き抜くための力”を養ってほしいと思っているように感じました。必修科目が増え、今後どうなるかわからない点もありますが、学校、先生、地域、そして家庭でうまく連携を取りながら、子どもたちの豊かな成長を促していければいいですね。Q.「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」についてのご意見をお書きください。回答数:184Q.「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」についてご意見があればお書きください。回答数:159アンケート集計期間:2018/9/21~9/25ちゅいママさん記事で使用したデータ: 「こんな教育をしてほしい! 親が望む義務教育でやってほしいこと【パパママの本音調査】 Vol.298」
2018年10月18日早めの幼児教育を!街に出かければ、幼児教育を専門にしている塾があるほどです。でも塾に行かせるほどでもないし、私たちは何をしたらいいのやら…と悩みますよね。誰かに相談するにも、ママ友もいないし、思い悩んでしまいがち。今回は、そんな0歳児から出来る教育方法をパピマミ編集部が紹介していきます。絵本の読み聞かせは0歳からの赤ちゃん教育絵本の読み聞かせって教育なの? と思われるかもしれません。しかし0歳の赤ちゃんでも、きちんとした教育のひとつになります。というのも、読み聞かせにはさまざまな効果があります。まず赤ちゃんにとってママの声や温もりを感じる精神的な発達を促します 。赤ちゃんにとってママの声は安心しますから、たくさん読んであげてください。絵本を持っていなくても、保健所の乳児健診のときに絵本を貰ったり、図書館でお子さんの月齢にあった絵本をレンタルできます。月数の浅い赤ちゃんは、内容を理解しづらいかもしれません。しかし、読み聞かせてあげることが何より大事なのです。子育て支援センターは大事な教育の場子育て支援センターは、赤ちゃんと何をしたらいいか分からないママたちの学校 でもあります。施設によって保健師さんや看護師さん、栄養士さんに相談できます。もちろん、ママの学びの場だけでなく、赤ちゃんの発達に繋がることがあります。他の赤ちゃんに触れると、観察力や感情の発達にも繋がります 。月数の早い赤ちゃんの行動を真似してみたり、たくさんの人たちに囲まれてみたり。我が子の成長を一緒に楽しみましょう。支援センターにあるおもちゃは、消毒されていたり安全な物ばかりなので子供たちもたくさんの物に触れられます。開催されているイベントの多くは、ママだけじゃなくパパも参加できるので近くの施設をチェックしてみてください。0歳の赤ちゃんだから出来るリトミックの教育法「リトミック教室」を知っていますか?リトミックとは、スイスで生まれた音楽の教育法 です。音楽に合わせて手遊びをしたり踊ったり、音を鳴らしてみたりと、家ではやりづらいことを行います。もちろん、お友達を作って一緒に楽しめますし、パパも参加できます。楽しみながら音楽に集中すれば、豊かな表現力が養われます。踊りにもメリットがあり、基礎体力やリズム感を身につけられます。また自分とは違う他人の表現力を感じられると、他人を受け入れる精神も身につき、友達も作りやすくなります。リトミック教室に通うと、大人になるにつれて必要な精神力と体力を養える のです。教室によって雰囲気ややり方も違うので、まずは近くの色々な教室を覗いてみましょう!0歳の赤ちゃんは家の中での生活が教育の場になっている赤ちゃんは、家の中の生活でも成長に繋がる経験 をたくさんしています。まだ新生児の赤ちゃんは、目が見えなくてもママやパパの声、ママのおっぱいの味、洋服の肌触りや沐浴の水の触り心地を理解しています。そのうち目がはっきり見えてくるようになると、いつも置いてある家具やおもちゃに興味を持ったり、思考力や感情にも変化 をもたらします。離乳食が始まると食べ物の存在や味覚を認識し、もっと赤ちゃんの世界が広がっていきます。ハイハイを始めて色んな場所に狙いを定めて移動することや狙ったものを手で掴むこともまた成長の過程では必要なこと。優しい目で見守るだけで、赤ちゃんは勝手に成長 していきます。まとめ赤ちゃんの教育は他にもたくさんあります。0歳から海外生活をすれば2カ国語を難なく話せます。0歳から出来ることは無限にあり、子どもの可能性が大きく広がります。0歳からの教育を重視するママもどんどん増えてきて、今では0歳から当たり前のように習い事をしています。ぜひ、考えてみてください。●文/パピマミ編集部
2018年10月16日子どもの成長に伴って、ママが気になり始めるのが、子どもの習い事。特に芸術を楽しめる子になってほしい…、情操教育にも役立ちそうだし…と、音楽系の習い事を検討しているママも多いのでは?今回は、3歳からバイオリンを弾き続け、現在は2人の子どもに音楽指導を行う筆者が、音楽系の習い事について、始めどきや費用、親の関わり方、習い事の選び方などを紹介します。何歳からがおすすめ?音楽系の習い事の始めどき音楽系の習い事は、人の言うことをよく聞ける子なら3歳代、そうでなくても4歳頃になれば始めることができます。一方、リズム感や音感を効果的に身につけたいなら、5歳までには習い始めておくとよりよいでしょう。音楽に限らず何ごとも、新しいことを始めるのは子どもにとって楽しみでもあり、ストレスでもあります。そういった意味で、入園後すぐや進級後すぐのタイミングよりも、園などの生活に慣れた状態で始めさせてあげると、子どもも余裕を持ってレッスンを受け入れやすくなります。音楽系の習い事が合っている子の特徴とは?子どもに習い事をさせる時、気になるのは、その習い事がわが子に合っているのかどうかということ。音楽系の習い事が合っている子には、どのような特徴があるのでしょうか?音楽に興味を持つ子は、音やリズムに敏感で、音楽を聴いて歌い出したり、踊り出したりすることがあります。ドラムを叩くようにものを叩いて楽しんだり、日常生活の中で、風の音や鳥のさえずりなどに反応し、音を聴いて喜ぶ一面も。でも、最大の特徴は、ママやパパが音楽好きということなのです!親が音楽を好きなら、家庭では音楽を流すことが増え、子どもが聴く機会や時間も増えます。たくさんの音楽を聴けば、自然とリズム感や音感もよくなり、音に敏感になり、音楽が好きになるでしょう。音楽系の習い事は親が関わってはじめて成立するそして、子どもが音楽を習うなら、親が音楽好きでありたい理由がもうひとつ。その理由とは?音楽系の習い事は、親の深い関わりを必要とする習い事です。先生のもとを訪れる日のほかにも、上達を目指すなら、家庭でほぼ毎日のように練習することが欠かせません。しかし小さな子どもには、練習の方法が分かりませんし、自主的に練習することもまずありません。つまり親が1日30分ほどは、つきっきりになって、先生のところで学習してきたことを子どもに繰り返させる必要があるのです。いかに音楽が好きな子でも、遊びのほうが楽しく、練習を嫌がることはよくあります。そこをのせたり、おだてたり、時には怒りながら、先生の言ったとおりにできるようにするのは親の役目。少なくとも小学校2~3年生になるまでは、二人三脚で練習する覚悟と時間が必要になるのです。音楽系の習い事にかかるお金はどれくらい?音楽系の習い事とひとくちに言っても、かかるお金は教室やレッスン体系によって様々です。もちろん地域差もありますので、あくまでも参考価格として紹介します。例えばピアノなら、幼児の個人レッスンのほかにグループレッスンのクラスを開講している教室もあります。個人レッスンの場合の月謝は、7000円~8000円が相場。グループレッスンになると6000円台に下がります。エレクトーンもほとんど同様であることが多いようです。一方、ピアノ以外の楽器であればもう少し高額のレッスン料を想定しましょう。例えばバイオリンの場合は、月謝が8500円~1万円を超えることも。教室によって差があるので、ホームページを見たり、問い合わせたりしてみるとよいでしょう。音楽系の習い事というと、ギターにフルート、ドラムなど様々な楽器を想定しますが、楽器の大きさもあり、これらの楽器は小学生になってから習う人がほとんどです。うちの子には…?と気になる場合は、教室に直接問い合わせてみましょう。子どもを音楽好きにさせるには、まず親から音楽は「音」が「楽しい」と書きます。教室通いや、毎日のレッスンが義務になってしまっては、どうしても楽しめず、続けることができません。始めた習い事を形にしていくためには、ママやパパが音楽を楽しみ、好きでいることが必要不可欠!レッスン以外の時間も、音楽をかけたり、一緒にリズムにのったりすることで、子どもはどんどん音楽やレッスンが好きになります。好きになれば、なかなかできるようにならない難しい課題も「奏でたい!」という意欲だけで乗り越えていけます。時にはべそをかいたり、自分が弾けないことに怒りながら、何百回も練習を重ねて1曲弾けるようになった時、子どもには大きな自信がつくようです。それはきっと将来、音楽ではない部分でも役立っていくのかもしれません。芸術の秋です。音楽系の習い事を検討してみてはいかがでしょうか。<文・写真:フリーランス記者あん茉莉安>
2018年10月14日いま、教育資金は「情報戦」です。たとえば、教育関係の公的な助成・補助金は、申請するからこそ、もらえるお金。申請しなければ、もらえません。また、いまや大学は、返さなくていい給付型の奨学金をこぞって増やしている時代です。これらを「知っている」のと「知らない」のでは、大違い! 充実してきた教育支援制度の情報を、教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんにピックアップしてもらいました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ ■低所得のひとり親家庭に給付するお金児童扶養手当死別や離婚などで母親または父親、父母がいない場合は祖父母などひとり親家庭で18歳未満の子どもを養育している人が、低所得の場合にもらうことのできる手当です。受け取れる額は、「養育している子どもの人数」と「親の収入(所得)」によって違い、とても複雑なので、詳細はお住まいの市区町村窓口に問い合わせをすることが大切です。申請をした後、1~3ヶ月程度の認定審査があり、認定日の月の翌月分から支給が開始されます。■幼稚園の月謝、入園費の補助私立幼稚園就園奨励費補助金私立幼稚園に通う場合は、ぜひ「私立幼稚園就園奨励費補助金」の活用を!国が自治体に依頼している補助金制度で、満3歳児から5歳児(年長)までの月謝と入園費を対象に受けることができます。きょうだいの人数、年齢、親の収入(住民税の額)、そして住んでいる自治体などで補助金の額は異なります。なお、千葉県野田市のように公立幼稚園に通う世帯にも助成しているところもあります。一方で市区町村によっては制度がない場合や国の基準よりも厳しく設定しているところなど助成額も異なるため、まずは自治体に問い合わせをしましょう。■高校の授業料の無償化高等学校等就学支援金(国の制度)家庭の所得に応じて、高等学校の授業料が支給されるシステムです。現金で直接、生徒や保護者が受け取れるというものではなく、学校設置者(学校法人など)が生徒本人に代わって受け取り、授業料と相殺されます。申請書類は、入学時は4月に、継続して支給を受ける届け出手続き関係は6月~7月頃に高校から配布されます。ただし、モデル世帯(給与所得のみの夫婦・16歳以上の高校生一人・中学生一人の4人世帯の例)で言えば、年収約910万円以上になると就学支援金は受けられません。■返さなくていい奨学金!?今回の取材で、筆者が一番驚いたのは、「返さなくていい奨学金」が増えていること。そのなかでも、最近の一大トレンドとなっているのは、「予約型」の奨学金です。これはおもに地方からの受験生が対象で、受験前に申し込み、合格したら支給をされる奨学金のことです。申し込みは、前年度の秋のことが多く、それゆえ「予約型」。つまり、現役生の場合は、この情報を「知っていて」、高校3年生のときに応募しておかなければなりません。現在、多くの大学は、予約型の奨学金を設けています。●早稲田大学「めざせ! 都の西北奨学金(予約型)」半期(春学期)の授業料が免除。●慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金(予約型)」地方の新入生500人に年額60万円~90万円を卒業まで支給します。国立大学でも、たくさんの奨学金給付があります。たとえば、一橋大学の「一橋大学学業優秀学生奨学金制度」では、前年度にとくに優秀な成績を収めた学部生12名以上に月8万円(年96万円)を毎月送金します。支給は1年間限定ですが、親の年収制限を設けるなど家計の経済状況は加味されません。奨学金といえども、返済義務があるものは、大学を卒業した途端、数百万円もの借金を背負うもの。返さなくていい奨学金を上手に活用することで、親の家計への負担を減らし、子どもの進学に役立てることができます。そんな時代がやってきたのは、喜ばしいこと。みなさんに制度を知ってもらい、活用して欲しいです。いかがでしたか? いつの時代も、「わが子にできるだけのことをしてあげたい」というのは、当然の親心。けれども、先行き不透明ないま、教育資金作りに不安を感じる人も多いことでしょう。この連載が、教育資金の「情報格差」を解消し、前向きな教育資金作りの第1歩を踏み出すキッカケになるとうれしいです。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月29日最近ではほとんどの学校で実施している性教育ですが、親子間での教育はまだまだされていない家庭も。今の親世代が子どものときには、家庭内でなんとなくタブーとされていた性教育。今、親となって子どもにどう伝えたらいいのか悩む人もいるようです。Q.子どもの性教育、いつから始めますか?1.未就学児 4.1%2.小学校低学年 6.7%3.小学校高学年 43.2%4.中学生 23.6%5.高校生 4.1%6.その他 7.2%7.家庭ではしない 11.2%小学校高学年が43.2%ともっとも多い意見となりました。女の子は初潮のタイミングがきっかけになることが多いようです。一方、家庭ではしないという人も11.2%いるという結果になりました。■聞かれたら親としてはっきり伝えたい子どもに聞かれたら包み隠さず話すべきと考える人が多いようです。学校での性教育がきっかけで、家で聞かれることもあるようですが、恥ずかしいことと思わずに誠実に答えていきたいと考えているようです。「現在小1ですが、先日学校で性教育の授業がありました。男女の体の違いなどの話で、まだ性教育と言えるほどではないかもしれませんが、子どもに質問されたら話せる範囲で答えていくつもりです」(北海道 30代女性)「聞かれたらその都度、当たり前に話しています。母が産婦人科に務めていたので、私も小さなころから隠すことなく伝えてもらいました。男の子は女の子を大切にするため、女の子は自分の身を守るために教えています。家庭で教えなければ、学校では足りませんし、誤った知識が先に入ると困るのはかわいそう。親の責任だと思っています」(東京都 40代女性)「我が家では『結婚しなくても赤ちゃんは生まれる?』などの子どもからの質問には、隠さず本当のことを教えています。普段から性に対して恥ずかしいことではないと思われていれば、親にも相談してくれてます」(愛媛県 30代女性)「体の変化がある時期には、はっきり伝えなければいけないと思う。親のつとめとして。聞かれたらそのままのことは、今も伝えるようにしています。自然なことであって、いけないことではないけど、自分の体は自分で守れるようにしてあげたいです」(北海道 30代女性)■自分が性教育を受けていないだけに悩む現在のパパママ世代は学校ではもちろんですが、家で親とそういった話をしたことがある人は少数派。だからこそ、自分の子どもにはどう伝えたらいいか悩んでいる人もいました。「どこまで教えるべきなのか悩みます。私の世代の性教育は避妊、避妊、避妊と、とにかく避妊についてが多かったですが、不妊についてはなにも教わっていません。不妊が増えているこの時代、妊娠適齢期と不妊についても学ぶべきだと思います」(東京都 20代女性)「私自身、6年生のときに結婚しただけでは子どもができないと初めて知り、両親がそういう行為をしたという事実があまりにもショックで大泣きした記憶があります。子どもにはどう教えるか悩むところです」(茨城県 40代女性)「家庭で教わった覚えがないので、どうしたら良いのかわかりません」(新潟県 30代女性)「小4、小3、0歳のママです。正直、性教育はいつから始めたらいいのか悩んでいます。3人目を妊娠してから、長男に『どうやったら赤ちゃんができるの?』と聞かれて、なんて答えていいか迷いながら、神様が運んでくれると言いました」(奈良県 30代女性)「どのタイミングで、どう話してよいかわかりません」(神奈川県 40代女性)■小さなときから年齢に応じた伝え方が大切 性教育はいつから始めるというよりも、年齢やその子の成長に合わせて説明していくというのが理想的なのかもしれません。性教育というと抵抗があるかもしれませんが、命の話としてしっかりと伝えられるといいですね。「『おなかの中に赤ちゃんのベッドがあるんだよ』と月経のことを教えたのは、息子が4歳くらいのときでした。一緒にお風呂で出血を見るわけですから、堂々と教えたかった。そのころ、『赤ちゃんはどこから生まれてくるの?』という質問にもちゃんと答えました。『すごいことなんだよ、こんな狭いところから生まれてくる赤ちゃんは命がけなんだよ、あなたは本当に頑張って生まれてきてくれた宝物だよ』って。男女間の性についてもいずれ愛を持って話したいと思います」(鳥取県 40代女性)Q.子どもの性教育、いつから始めますか?アンケート回答数:4498件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年04月13日まずは母語を完璧に。自分の意見を話す訓練も大事ですね。グローバル化が進むなか、2020年度より、英語教育(外国語活動)の開始を小学校3、4年生に早め、5、6年生からは英語が正式な教科となることが決まりました。現在、文部科学省では指導計画を考案中です。僕自身、英語習得に苦労したので、英語教育のスタートが早くなるのは、とてもいいことではないかと思います。早期英語教育の話が出ると、「母語の教育をおろそかにしてはいけない」という反論がよく上ります。母語はとても重要です。必ずしも日本語でなくても構いませんが、複雑な気持ちを表現できる言語を何か一つ、徹底的にきちんと身につけるのは、生きていく上で必要なことです。言葉は人に気持ちを伝えるだけでなく、自分の思考を深める助けにもなるからなんですね。母語も新しく学ぶ言語も未熟な状態を「ダブルリミテッド」または「セミリンガル」といいます。それだと“アイデンティティ・クライシス”に陥りやすく、モヤッとした気持ちを伝えられないと不安が募り、暴力的になったり、引きこもりになることもあります。勘違いされやすいのは、その言語環境にいれば子供は勝手に言葉を話せるようになるだろう、ということ。しかし、思考を深めるくらいの言語を習得するには専門的な教育が必要です。日本語であれば、国語の授業や小論文ですね。これにより言葉の表裏を知り、表現が鍛えられます。ですから、早期英語教育を始めるにあたっては、母語教育が重要なんですね。ダブルリミテッドは避けなければいけません。海外で日本人が苦労するのは、言葉以前に、自分の意見を話すということではないでしょうか。英語力があっても、意見がなければコミュニケーションにはなりません。文科省では、討論や発表を通じ、自ら問題を見つけ解決できる学習を、英語だけでなく各教科で導入していこうと計画しています。日本人以外の非英語圏の人たちは、多少文法が間違っていたり、発音が訛っていても、たくましく自分の意見を英語で伝えようとします。日本人が英語が苦手な理由は、「間違ったら笑われる」という不要な羞恥心が邪魔をしているのかもしれませんね。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年3月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年03月25日子どもの学校選びで、様々な学校を調べているママも多いと思いますが、「教育モデル校」という言葉が出てくることはありませんか?そうした学校に通わせることで、先進教育に触れる機会を増やせるため人気は高いようですが、そもそもモデル校ってどうやって選ばれるの?教育ジャーナリストの中曽根陽子さんに聞きました。モデル校のテーマは多岐にわたるまず、モデル校はどれくらいあるのかを聞こうとしたところ、「ひと口にモデル校といっても、たくさんあるので数はわかりません。各教育委員会にお問い合わせください」と中曽根さん。「たくさんある」とは、どういうこと?「例えば、最近では、英語学習・プログラミング教育・道徳教育などテーマはたくさんあります」(中曽根さん、以下同)実際、「平成29年度東京都教育委員会研究指定校一覧」を見てみると、かなりの数が…。中曽根さんの言う通り、そのテーマは様々で、「安全教育推進校」「人権尊重教育推進校」「日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業」など、学習以外のことでもモデル校が指定されているようです。モデル校を指定する目的・基準は?何を目的としてモデル校を指定するのか、というのも気になるところ。これに関して、中曽根さんは、「文科省がその時そのときに力をいれようとしているテーマを推進するために、モデル校を作り施策の実現をはかるため」と話します。先ほどの「平成29年度東京都教育委員会研究指定校一覧」にも記載されているので、一部紹介します。【日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業】「2020東京オリンピック・パラリンピック教育における伝統・文化に関する取組について、地域の専門的な知識や技能を有する外部人材の活用を通して、児童・生徒の専門性を高めるとともに、外国人と積極的に関わり、意見交換する機会等を設定し、日本の良さを発信する能力や態度を育成する」【安全教育推進校】「学習指導要領及び都教育委員会教育目標等に基づき、学校において、幼児・児童・生徒に危険を予測し回避する能力と、他者や社会の安全に貢献できる資質や能力を育成するため、効果的な安全教育を実践的に研究し、その効果を普及することをねらいとして、安全教育推進校を指定する」このように、テーマごとによって、目的も異なるのです。また、もうひとつ気になるのは、誰がどうやってモデル校を決めるのか。中曽根さんいわく、「明確な基準が開示されているわけではありませんが、各学校、特に学校長が手をあげて、学校の実状や地域のバランスなどを鑑みて、教育委員会が決定することが多いと思います」とのこと。また、「場合によっては、教育委員会から学校側に打診されることもあると思います」とも。都道府県や市町村ごとに、モデル校一覧をまとめていることもあります。自分の子どもが通う学校は何かのモデル校になっているか、もしくは力を入れて学んでもらいたいことのモデル校はどこかなど、事前に確認してみてはいかがでしょうか?(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月22日いよいよ我が家のおっとり長男も春から小学生です。同じく新1年生のお母さんたち、入学準備は着々と進んでいますか?我が家では年内に届いたランドセルに腕を通した長男の案外しっかりした背中に、ついこの間まであんなにぷくぷくで、ハイハイしていたあの子が…と早くも目頭が熱くなっちゃいました。小学校ではどんな生活が待っているのか、親子で期待に胸を膨らませつつ、でも最近ある情報を小耳に挟んでからちょっと不安なことがあります。それは、「2020年から、大規模の教育改革」があるということ。学校教育や大学入試も変わるとのことで、小学校でも英語が教科になるそうです。 英語の教育改革では、現在5・6年生で行われている「外国語活動」が3・4年生で実施され、5・6年生では、英語が教科となって成績がつくようになるとのこと。(一部の学校では、2018年度から先行実施される学校もあるそうです)英語が苦手すぎて、必修外国語に英語が無いという理由で進学先を日本史学科に選んだほどのコンプレックスがあるワタシ(恥)…。今でも外国の方を前にすると、急に寡黙な微笑みの精と化します。夫は反対に英語が得意な人ですが、本人いわく相当な努力の賜物だそうなので、小学校からの英語教育に子どもがちゃんとついていけるのか…今から心配になってしまいます。そんな中タイミングよく! ウーマンエキサイトさんからのお声がけで、教育のプロにお話を伺う機会をもらいました。英語教育について、気になっていたギモンをいろいろぶつけてみました!!小5から英語に「成績がつく」とは?tomekko:英語が教科になるってどういうことですか? これまでと何が違うのでしょうか。加藤さん:英語に慣れることから英語力の基礎を身につけることに目標がレベルアップし、身についたかどうかのテストがあるということです。実はすでに2011年度から、5・6年生に対しては「外国語活動」という教科ではないかたちで、週1回英語教育は行われています。教科書がなく、「英語に慣れ親しむ」という目的で、ゲーム・あいさつなどを行う簡単なもので、調査結果では、そのレベルに満足していない保護者も少なからずいらっしゃるようです。また、評価は評定(数値などの段階であらわされるもの)がつかない形で行われており、「積極的であったかどうか」などの意欲や態度を中心に記述される形で行われています。しかし2020年度からは、現在行われている「外国語活動」は3・4年生で実施となり、5・6年生は「教科」で週2程度行われ、「評定がつく」ようになります。どんな内容の授業を受けるの?tomekko:では5・6年生の授業はどのような内容になるのでしょうか?加藤さん:まずは「聞く・話す」が中心なことは変わりませんが「相手に通じるか」という点が重要となります。これまでは歌などでリピートするだけでよかった英語を、質問されたらその意味を理解して(聞く)、ちゃんとこたえることができる(話す)ようになるための授業です。しかし、突然できるようにはならないので、よく使いそうな状況と登場人物などを設定し、ロールプレイングする中で会話を聞いて真似をします。そして、日本語を学んだのと同じように、まずは耳から入ってきた言葉の意味を理解することからはじまります。例えば「ワッチュワネーム(what's your name)?」という音が、名前を聞いているということを理解して、自分でも使ってみます。そして、読んだり書いたりするときに初めて「ワッチュワネーム(what's your name)?」が3つの単語でできていて、単語の間にスペースを開けて書くことに気づく、という順番です。「読む・書く」のスキルについては、例文を声に出して読んだり、英語をみてそのまま書き写したりする程度。あくまでも読み書きは英語の文字に慣れ親しむことを大切にします。また、「聞く・話す」スキルは、ペーパーテストではわからないので面接形式や、外国人講師とのやりとりをみて、評定をつけるようになります。小学生では、「読む・書く」スキルよりも、まずは「聞く・話す」ことを重視して評価します。tomekko:文法は中学校で習うのでしょうか? 自分は文法が苦手で英語が嫌いになりかけたので…心配です。加藤さん:はい。文法理解などを始めるのは中学生からです。今までは中学生からいきなり「聞く・読む・話す・書く」の4技能をやっていますが、実はこれはかなり難しいことなんです。つまずく人が多いのは、これが原因です。たとえば、日本語を習得するときは、「聞く・話す」は6歳ぐらいまでゆっくりと身につけますよね。個人差はありますが、2歳までは特に「聞く」のみ。2歳ごろからやっとおしゃべりを始めて、「読む・書く」を習うのは小学1年生からですよね。英語は、中1から突然4技能をやり始めるからつまずく人が多かったんです。これは良くないと、現行の指導要領では、まずは小学生のうちに「聞く・話す」、次に「読む・書く」もはじめておく、など段階をつけることになりました。実は英語が母国語ではないアジアの国では、ほとんどの国が小3からやっていて、やはり、「聞く・話す」→「読む・書く」の段階的な英語学習を行っています。tomekko:え…そうなんですか! それなら小学校の早い段階で始めなくて良いのでしょうか?加藤さん:これは私の考えですが、まず、学校教育の最初の段階で日本語(母語)を学ぶ、思考能力などの基本的な部分をまず母語でしっかりさせることのほうが優先です。母語の基礎をしっかりすることが、他教科や外国語を学ぶ上でも必須だからです。ただし全く英語をやらない方がいいということではありませんよ! 年齢が若いというのは、言語学習が成功しやすいとも言われています。家庭で、親が子どもにできることって?tomekko:そうなんですね…! では具体的に、親が子どもにしてあげられることはありますか?加藤さん:一番大事なことは、英語を使いたい! というコミュニケーションへの意欲を高めることです。それは、義務感で「やりなさい」といっても全然ダメです。親も興味を持って、一緒に楽しむ気持ちでやりましょう。声がけも「ママも苦手だったからやらないと困るわよ」ではなく「お母さんも一緒にやってみようかな~♪」というのが大切です。乳児や幼児は、親が好きなものは興味を持つんです。例えば、外国の文化に興味を持って欲しければ、テレビで流れてきたニュースをママやパパが話題にすることなどは子どもにとてもいい影響です。と言っても難しいニュースについて話す必要はなく「○○で大きなサッカー大会があるよ。どこにあるのかな?」「日本語とは違う言葉を話しているね」などでもいいと思います。DVDなど、子どもが興味を持ったアニメなどを英語音声にしてみるのもいいですね。【1】日本語音声で見て【2】英語音声に変えて字幕で見る。意味がわかっていて英語が聞こえてくるから、学習効果も高くなります。tomekko:「聞く・読む・話す・書く」どれを先に取り組むのがいいんでしょうか?加藤さん:順番としては、まず聞く機会を増やすことです。わからなくても、なんとなく聞き続けるという能力は子どものほうが高いんです。その次に「話す」になるのですが、話す相手に興味を持って質問してみようという気持ちも必要になります。日本人に多いのは、質問されたら応えられるけれど質問ができない人です。これは、パーティで初対面の人とスモールトークが苦手な人が多いというのにもつながっていそうです。これからは、多様な人と関わっていく力、オープンな心も必須になってくると思います。また、小5・6以降になると「わからないことは恥ずかしい・失敗は嫌」という思いがどんどん高まっていきます。小さい頃から、間違えてもいいから英語を話すという体験をさせてあげるといいと思います。こういったことも、年齢が若い方が学習しやすいという理由です。tomekko:なるほど! やっぱり「聞く」「話す」が大事なんですね。英語の教材やスクールを選ぶときに大切なことはありますか?加藤さん:英語を使いたいという意欲を育てることを前提に、効果的な学習方法を選ぶというのが大切です。何が効果的なのかは、お子さまの性格にもよるのですが、タイミングと学習環境、そして先生(指導者)選びが大事です。例えば、シャイなお子さまは最初は子どもが大勢いる英語教室よりも安心できる家庭での学習教材がいいかもしれません。ただ、「シャイだから連れて行かない」など親が子どものポテンシャルを閉じる必要はありません。初めてでも意外とやれることもあるものです。特に幼児は体調や機嫌で変わってくることもありますので。長い目でみてあげましょうね。自宅で楽しく「使える英語」を学ぶには?おっとりした長男には、家庭学習が合ってるかもしれない…。自宅で学べて、しかも先生と話す機会もある教材なんてあるの…? と思ったら、それがかなうのがベネッセさんの「進研ゼミ 小学講座」とのこと。 気になったことを責任者の豊泉さんに聞いてみました!tomekko:どんなレッスン内容なのでしょうか?豊泉さん:「進研ゼミ 小学講座」は、小学生での学びでとても大切な「自分で考えられる力」を身につけられるよう、お子さまが夢中で考え抜く楽しさやわかるおもしろさを体験・実感できる家庭学習教材です。2018年度4月号からの英語学習は、英語4技能を身につけられる内容にパワーアップします!バランスよく4技能に取り組める毎月のレッスンに加え、4技能が本当に身についているか診断できるアセスメントが受けられるようになるんです。技能別の力を細かく診断し、個別アドバイスをお届けするので、お子さまの力にあわせて英語力をしっかり身につけていくことができます。もちろん、お子さまが楽しく学べる工夫をしており、ゲーム形式や物語形式でネイティブスピーカーの音声で短いフレーズに何度も触れられたり、外国人とやりとりをする擬似体験などもできるようになっています。もっと英語に触れたい、英語力を伸ばしたい方には、有料オプションの「Challenge English」もおすすめしています。パソコンやオリジナルタブレットで4技能を学ぶデジタルレッスンと、月1回外国人講師との「オンライン会話レッスン」もできる講座なんですよ。tomekko:小学生が学ぶことを重視した教材、というのがいいですね!豊泉さん:ゲーム感覚のロールプレイや、クイズ形式など、英語力を確認できる仕組みを取り入れ、お子さま自らがやりたくなるような仕掛けをたくさん作ってあります。そして、周りを気にせず、間違いを恐れず、どんどん英語を使ってもらうためには、リラックスできるご自宅で、毎日英語に楽しく触れられれることもポイントだと考えています。「英語が楽しくなった」「自信がついた」といううれしいお声をたくさんいただいています!tomekko:それは、良さそうです!! 自宅学習だと送り迎えもいらないし、何よりおっとり長男が無理なく続けられそうなのが魅力的です。今までと違い、英語力もより大事になってくる今の子どもたち。母もいろいろ情報を仕入れて、子どもにあった学習法を見つけてサポートしていきたいと思います! 自宅で外国人講師との会話レッスンを受けられる!「Challenge English」をWEBで体験してみよう 「進研ゼミ 小学講座」も追加料金なしで英語学習ができるように!>> PR:株式会社ベネッセコーポレーション
2018年01月18日「第11回 LITALICO 教育実践フォーラム 2017」開催!Upload By LITALICOニュース2017年11月18日(土)の13:30より、大阪・梅田の「AP 大阪梅田茶屋町」(D+E+F+Gルーム)にて、発達障害に対する学校教育での合理的配慮をテーマとしたイベント、「教育実践フォーラム」が開催されます。登壇者は、発達障害児への教育支援研究の第一人者である大阪医科大学LDセンター顧問 竹田契一先生、障害児のICT活用等の研究を進める関西学院大学教育学部教授 丹羽登先生、障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究する鳥取大学大学院の井上雅彦教授ほか、小中学校・高校の教員、児童・生徒の保護者の方々。「障害のない社会をつくる」をビジョンに、児童発達支援事業や就労支援事業などを展開する株式会社LITALICOが主催し、教育を取り巻く課題と実践、未来の展望を考える「教育実践フォーラム」。2012年の初回企画から数えて、今回で11回目の開催となります。11回目のテーマは「合理的配慮」。どんな人々も個性を尊重され、過ごしやすい世の中になれば理想ですが、特定の個性や心身の症状を持っている人にとって生きづらい状況がまだまだ残っているのが現状です。たとえ障害のある方であっても、一人ひとりの困りごとや状況に応じた適切な配慮を受けることで、自分の力をより発揮しやすくなり、日常生活や社会生活を営むことが出来るようになる、という考えのもと進められているのが、「合理的配慮」です。今回は、専門家・現場の教員・保護者それぞれの立場から合理的配慮のあり方について考えていきます。第11回教育実践フォーラム専門家と保護者、それぞれの立場から語る教育現場の合理的配慮2016年4月に施行された「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)により、公立学校の教育現場でも合理的配慮が義務化されました。発達障害のある子どもにとって、学校生活における困りごととして、授業やテスト、成績評価、行事、さらには食事や排泄、友だちとの関わりなど、さまざまな場面が想定されます。フォーラムの基調講演では、発達障害に対する教育現場での合理的配慮に関して、発達障害児への教育支援研究の第一人者として長年ご活躍される竹田契一先生のお話を伺います。講師:大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生Upload By LITALICOニュース竹田契一大阪医科大学LDセンター顧問、大阪教育大学名誉教授、一般財団法人特別支援教育士資格認定協会理事長。専門は発達障害児(LD・ADHD・高機能広汎性発達障害)への教育的支援など。主な著書は「高機能広汎性発達障害の教育的支援」(明治図書)他、多数。基調講演のあとは、障害児のICT活用について研究を重ねられている丹羽先生からお話を伺います。社会の情報化が急速に展開している中、授業の双方向性を高め、児童生徒の主体性・意欲・関心や知識・理解を高める効果があるとして、学校教育におけるICT活用が注目されています。指導内容や指導方法を変更・調整することが合理的配慮の1つとして求められていますが、お子さんによっては、タブレット端末等のICTの活用が効果的なことがあり、積極的な活用が望まれています。丹羽先生の講演では、教育現場での合理的配慮の手段としてのICT活用について考えていきます。講師:関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生Upload By LITALICOニュース丹羽登特別支援学級や特別支援学校の教員として重度障害児教育に携わる傍ら障害児のICT活用等の研究活動を進める。文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官を経て、関西学院大学教育学部教授。病弱教育や障害児のICT活用に関する著書・論文多数。最後に、専門家・保護者等それぞれの立場から教育現場の合理的配慮の実際と課題について語るパネルディスカッションです。コーディネーター: 鳥取大学大学院教授井上雅彦Upload By LITALICOニュース井上雅彦鳥取大学大学院 教授/LITALICO研究所所長(アドバイザー)応用行動分析学を理論的基盤として障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究。ペアレントトレーニングシステムなどの支援プログラムの開発をはじめ、著書も多数。合理的配慮の導入を円滑にするためには、学校や本人・保護者が合理的配慮実現のための流れやしくみを共通理解し、コミュニケーションを密にすることが鍵となります。現場の教員の方々をパネリストに招き、保護者の方々にコメンテーターをしていただきながら、今現場で必要とされることについて考えていきたいと思います。第11回教育実践フォーラム詳細開催日時:11月18日(土) 13:30~18:45(受付開始 13:00)(教材等自由閲覧時間18:45~19:45)定員:240名参加費:無料(事前申込制)対象:小学校~高等学校、幼稚園、保育施設の職員、スクールカウンセラーなど子どもの教育や医療・福祉・行政機関など子どもの支援に関わられている方会場:AP 大阪梅田茶屋町 D+E+F+Gルーム(大阪府大阪市北区茶屋町1-27ABC-MART梅田ビル8F)アクセス:JR「大阪駅」御堂筋北口より徒歩約3分阪急電車「梅田駅」2F中央改札口より徒歩約1分地下鉄御堂筋線「梅田駅」北改札より徒歩約3分地下鉄谷町線「東梅田駅」北東改札・北西改札より徒歩約5分阪神電車「梅田駅」東改札口より徒歩約5分お申込み締切:2017年11月17日(金)13:00お問い合わせ:03-5704-7361(地域教育相談室 岡野)※お申込みは下部ボタンのお申込みフォームよりお願いいたします。主催:株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)12:00~発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(50分)13:00~受付開始13:30~開会挨拶(30分)株式会社LITALICO執行役員 野口晃菜14:00~基調講演(60分)【講師】大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生15:00~質疑応答&休憩(15分)15:15~講演(60分)【講師】関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生16:15~質疑応答&休憩(10分)16:25~パネルディスカッション(120分)【コーディネーター】井上雅彦先生【パネリスト】小中学校・高校の教員など数名【コメンテーター】丹羽登先生、児童・生徒の保護者さま18:25~質疑応答、インフォメーション、閉会挨拶(20分)18:45~パネル展示・教材自由閲覧・発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(60分)19:45終了学校や幼稚園、保育園の先生やカウンセラーの方々、子どもの発達が気になる保護者様はじめ、学校教育における「合理的配慮」に関心のある方々はどなたでもご参加いただけます。たくさんの方のご来場をお待ちしております!
2017年10月06日「シュタイナー教育」をご存知ですか?お子さんに少しでもいい環境を与えたいと願い、さまざまな教育論を調べたことがあるママなら、一度はその名を目にしたことがあるかもしれませんね。シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが20世紀始めに提唱した教育方法です。7歳までの子どもたちは夢の中にいるようなものだとして、音楽や絵画など感性に訴えるアプローチで接することを掲げています。音楽のリズムに合わせて動く「オイリュトミー」というダンス、「にじみ絵」と呼ばれる独特の水彩画法が特徴です。今回は、都内のシュタイナー系幼稚園で働くG先生(50代女性/幼稚園教諭)から、自宅でできる「ゆるシュタイナー教育法」を聞いてきました。●(1)刺激は「子どもが欲してから与える」シュタイナー教育と聞いて最初に思い浮かぶのが「テレビを見せない」ということ。音や光の出るオモチャ、テレビゲームなんてもってのほか。遊ぶ道具は、石、木、布、羊毛といった自然素材だけなんですよね。でも、子育てママならそのハードルの高さはわかるはず。どうしたらいいのでしょうか?『子どもが求めてくる前に、親が先回りして強い刺激を与えてしまうことを避けてみてください 。テレビは、子どもが積極的に見たがっていないなら、あえて見せる必要はありません。プラスチック製のおもちゃも同じ。最初に与える遊び道具は、自然素材のもので十分です。でも、よそで見かけたり、他の子が持っていたりして、お子さん自身が興味を持ったなら、少しずつ与えてもいいと思いますよ』そうはいっても、家事をやっているあいだに子どもがテレビを見ていると助かるんですよね。夕方の幼児番組、「ほら!もうすぐ○○が始まるよ!ママ忙しいから、観てて〜!」なんて率先して付けちゃってましたが……それすらNGなんでしょうか?『そのあたりは、ママの裁量でいいと思いますよ。無理をしてまでノーテレビ育児にこだわり続けることはありません。ただ、7歳までは体のリズムを作る時期です。生活リズムをテレビに支配されないようにするのが大切ですね。大人がテレビなしの生活をしてみせるのも、時には必要です』なるほど。ということは、大人が観たい番組があるときは、録画をして子どもが寝たあとに楽しむのがよさそうですね。●(2)生活リズムづくりは「ゆるやかに」がコツシュタイナーの教えでは、毎日の生活リズムを作ることも重要視されています。決まった生活リズムを繰り返していくことが、子どもたちの心の調和と安定につながると考えられているからです。『家庭でも、ぜひ規則正しい生活を送っていきたいですね。まずは一日のスケジュールを組んであげましょう。ある程度大きなお子さんなら、親子で相談しながらスケジュール決めをするといいでしょう』でも先生、子どもってこっちの希望通りに動いてくれませんよね。うちの子はいつもノロノロしていて、スケジュールなんか決めても絶対守れません。守れないことでカリカリしてしまう自分も目に見えてますが、どうしたらいいですか?『細かく時間を定めてしまうと後がつらいので、最初は起きる時刻・寝る時刻・食事の時間帯をゆるく決めるくらいでOKです。「○時」ときっかり決めるより、30分程度の幅がある「時間帯」でスケジューリングしていく のがおすすめですよ。また、スケジュールを守れなかったときにお互いを罰しないことも重要です。お子さんの様子や発達段階を見極めながら、無理のないスケジューリングに組み直していきましょうね』●(3)子どもに「遊びを教えない」勇気を!シュタイナー教育で忘れてはいけないのが、オイリュトミーやにじみ絵などの独特な遊び方。これらは子どもたちの感性を伸ばすためのアプローチ法ですが、家庭で取り入れるにはどうしたらいいでしょうか。『子どもの遊び方に自由を与えてあげましょう 。最近のママたちを見ていると、やり方が決まっているオモチャを与え、子どもが考える間もなく「ほら、これはこうやって遊ぶのよ」と教えてしまっている方が多いんですよね。中には「その遊び方は間違ってる」とお子さんを叱っている姿も。これでは、子どもたちの感性は育ちようがありません。何に興味を持ち、それをどうするかはお子さんに全て任せてあげましょう。口出ししないことは、ママたちにはちょっと勇気がいるかもしれません。でも、グッとこらえて見守っていると、子どもの思わぬ発想にこちらが驚かされることもよくありますよ』つまり、オイリュトミーなど有名な方法論を知って、その形だけをなぞっても意味がないということですね。そういった各方法論の裏側にある理念をよく理解し、無理のない形で実践していくことこそが重要なのでしょう。----------いかがでしたか?今回G先生に伺った「ゆるシュタイナー教育法」は、特別で特殊な子育て方法ではありませんでした。むしろ、わが国の昔ながらの子育てに通じるところが多くあったように感じます。生活に無理のない範囲で取り入れていくと、子どもたちの豊かな成長と自立を促すことができるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年06月30日今や空前のペットブーム。犬や猫を飼いながら、育児をしている家庭もたくさんありますよね。ペットは乳幼児の情操教育によく、育児で疲れたママやパパの心にも癒やしを与えてくれる大切な存在です。いっぽうで、時にはそのキバやツメが、子どもたちに取り返しのつかない傷を負わせてしまうこともあります。東京都では先日、生後10か月の赤ちゃんが飼い犬に噛まれて死亡するという痛ましい事件が起きてしまいました。ペットと子どもが安心・安全に共存していくためには、いったいどのような工夫が必要なのでしょうか。今回は、ワンちゃん・ネコちゃんを飼いながら育児をしているご家庭に、対策方法などを聞いてみました。●(1)犬と猫の逃げ込める場所を作っておく『攻撃してくるのって、怯えてるときだと思うんです。だからわが家では、とっさのときに猫たちが逃げ込める場所をいくつも作ってあげました。クローゼットや押入れはあえて少し開けたままにしてあるし、高いチェストの上には猫用のベッドを置いています』(30代女性/2歳男の子のママ/猫の飼い主)『リビングにサークルを作り、屋根付きクレートを置いています 。子どもがトリッキーに動いて怖いときは、そこに逃げ込んでいますね。以前は犬用の部屋にクレートを置いていたのですが、それは気に入らなかったようで全く入りませんでした』(30代男性/4歳男の子、1歳半女の子のパパ/小型犬の飼い主)赤ちゃんや子どもの動きは予測しづらいもの。急に動く、立ち止まる、走り出す、声をあげて転がる……そんな彼らは、ペットたちにとって恐怖の存在です。ビックリしすぎて反射的に手や口を出してしまわないよう、イザというときの逃げ場は必ず用意しておいてあげましょう。猫は暗くて狭い場所や、高くて部屋じゅうを見わたせる場所、人の手や目が届かない隠れ家のような所を好みます。犬は、人間からあまりにも離されてしまうとイヤがる子が多いようです。「みんなと同じ空間だけど、自分専用の居場所」が犬たちにとっては落ち着くエリア。工夫を重ねながら、お気に入りの場所を見つけてあげてくださいね。●(2)生活空間を完全に分けてしまう部屋や空間を完全に分けた、という家庭も多く見られました。『うちのワンコは賢いんですけど、その分いろいろ分かっていて、家族内の序列をかなり明確につけるんです。特に自分より後から来た人間に対しては、たとえ大人であったとしても心底バカにします。子どもや赤ちゃんだったらなおのことです。それが分かっていたので、わが家では犬と赤ちゃんの生活空間を完全に分けました 。ハイハイで活発に動く時期は、犬への興味もすごくて子どもを静止するのが大変でしたが、何かあってからでは遅いですものね』(20代女性/2歳女の子、1歳女の子のママ/中型犬の飼い主)もちろん、赤ちゃんに手がかかるからといって、犬や猫を専用の部屋に閉じ込めてばかりいるのは論外。特に犬は疎外感を感じやすく、「仲間はずれにされた」という思いが子どもへ対する攻撃心のもとになってしまうこともあります。折を見てたっぷりスキンシップをとってあげましょう。また、同じ部屋で隔てなく生活させるのは、子どもの目線が犬より高くなってからがいいでしょう。●(3)しつけをやりなおす『怒ったときだけでなく、嬉しいとき、興奮したときなどにもガブっとする癖があったので、妻が里帰りしている間に再度しつけました。噛みそうになったら、犬を仰向けにひっくり返し、片手でおさえ、もう片方の手のひらで犬の口か喉をおさえる、という方法で行いました。ちょっとかわいそうなんですが、弱気になると手が緩んじゃってボクが負けてしまうので、ツラいけど頑張りましたね』(30代男性/3歳男の子のパパ/中型犬の飼い主)一見乱暴に思えるこの方法、実は母犬が子犬をしつけるときに行う仕草をまねたもの。獣医師やドッグトレーナーなども活用している方法です。犬の口や喉を押さえる際、ギュッと締め付けてはいけません。呼吸ができず、苦しくなってしまいます。手のひらと指を広げ、押さえつけるイメージで行いましょう。また、犬が暴れても決して怯まず、たじろがない 姿勢が大事です。しつけは飼い主の重要な義務。犬が観念するまで、心を鬼にしてでもその状態をキープしてください。●(4)絶対に目を離さない、過信しないここまでさまざまな対策を紹介してきましたが、おそらく最も重要なのはこちらでしょう。『もう15歳をすぎたお婆ちゃん猫で、日中は寝てばかり。性格も非常に穏やかなので、誰も何も心配していなかったんです。それが大間違いでした。ある日キッチンにいると、突然ベッドから赤ちゃんのギャン泣きが聞こえたんです。慌ててベビーベッドに駆け寄ると、なんと猫が寝ている赤ちゃんの上に乗っかり、ツメを立てていました!ウチのコに限って絶対にそんなことしないって思っていたので、すごくショックでした。それからは何があっても、絶対に目を離さないようにしています』(30代女性/2歳男の子、10ヶ月女の子のママ/猫の飼い主)ペットはわが子同然、お利口さんだと信じたい気持ちはどんな飼い主さんにもあるでしょう。でも、過信は絶対に禁物です。彼らはかわいいけれど、やはり動物。いつどんな理由でツメを剥き、キバを出すか分かりません。万が一ペットが子どもを傷つけてしまったら、子どもだけではなく、ペットだってかわいそう。そうならないためにも、飼い主さんはしっかり目を光らせておかねばなりません。----------いかがでしたか?ペットと赤ちゃんがじゃれ合っている光景は非常にほほえましく、飼い主さんにとっては心癒される光景です。いつまでもみんなが仲よく幸せに暮らせるために、気をつける点はしっかりと心に留めておきましょうね。●文/パピマミ編集部●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2017年04月05日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。教育業界では、これまでの教科的な教育を超えて、プログラミング教育や表現力を高める教育など、数々の新しい取り組みが始められています。最近では、幼児段階での取り組みも多くみられるようになりました。今回は“感性教育”についてお伝えしたいと思います。●感性教育とは?“感性教育”とは、明確な定義はありませんが、子どもの感性を育む教育のことです。“感性を育てる”とは、ものの感じ方を育てる ことです。感性そのものに正解や間違いはありません。『Nikon』が行った「こどもの感性教育に関する調査」では、興味深いことがわかりました。約9割以上のママが「感性教育は重要である」と考えている一方で、7割以上が「感性がどのように伸びるかを知らない」と回答しているのです。これは、感性が可視化できないために、教育方法が難しく、成長実感を得にくい ことと関連しています。特に、幼児は言語の力(話し言葉、書き言葉)がまだ乏しく、感じたことを絵や創作物で表現できるほど巧緻性(器用さ)が発達していません。そのため、子どもが瞬発的に感じたこと、直感で感じたことを表現するのが難しいのです。教育の分野では、感性の重要性が指摘されるものの、伸ばし方は課題のひとつになっています。●感性の伸ばし方子どもの感性を伸ばすためにおススメの方法を3つご紹介します。●(1)五感で季節を感じる五感とは、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚です。これは経験したことに起因するため、一気に育てようと思ってもなかなか難しい感覚です。日々の生活の中でも、ちょっとしたことで感性は育ちます。四季折々に、自宅の周囲でも景色が変わります。「夏に緑だった葉っぱが今は黄色だね。この後、どんな色になるかな?」「あんなに暑かったのに、今は寒くてほっぺが赤くなるね」など、親が感じたことを子どもに声掛けしてみましょう。子どもも素直にいろいろと感じてくれますよ。●(2)生き物や植物を育てる生死を教えることは難しく、子ども自身が参加してみて初めて気づくことも多いです。おススメなのが、生き物や植物を育てること。マンションなどの住宅事情もありますので、必ずしも大きな生き物でなくてもいいのです。例えば公園で見つけたダンゴ虫を飼ってみる、ヒヤシンスを育ててみるなど、ちょっとした工夫で子どもの感性を伸ばすことができます。筆者の例として、金魚すくいでとった金魚を飼っていました。子どもは図鑑で調べ、一生懸命に世話をしていましたが、ほどなく死んでしまいました。もちろん大泣きで、お別れの言葉まで述べて、お墓を作り埋めました。悲しい現実ではありますが、命と対峙する というかけがえのない経験と感性を育めたと思います。●(3)一緒に食事を作る子どもが2歳くらいになると、ちぎる、割く、こねるなどの作業ができるようになります。徐々に包丁などの道具も使えるようになるので、親子で一緒に食事を作るのも効果的です。食材の色や形、切り口、感触に味、調理したときに変わっていく形や色。味の変化はまるで実験だと思います。合わせて、食材の生産などにも触れれば、子どもは一段上のものの感じ方を身につけると思います。----------幼児の感性を可視化するのは難しいとお伝えしました。最後に、筆者がやっている方法のひとつをご紹介します。筆者は子どもにお古のカメラを持たせて、好きなように撮影させています。子ども自身が撮影を通して、発見や感動を写真として記録できます。カメラを近づけたり離したりと好きなように操って、あちこち動き回り、新たな発見を促すこともできます。カメラは、子どもが五感で感じた好奇心や感動の瞬間を表出させる一つの手だて として有効です。親としても、子どもが感じている視点を写真として確認でき、アドバイスをしたり、認めたりして感性の成長に繋がります。何よりも、このようなコミュニケーションが、子どもの社会性を育み、感性の成長を後押しするのかもしれませんね。【参考リンク】・ニコンイメージングジャパン、「こどもの教育に関する意識調査」を発表 こどもの育て方について「感性」を重視する母親は73.5% | 株式会社ニコンイメージングジャパン()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2016年11月24日犬猫だけでなく、鳥や魚、は虫類とペットの種類はさまざまですが、子どもの情操教育に良いという話はよく聞きます。いきものがいる日常生活は、子どもやママ、そして家族全体をどのように変えていくのでしょうか? ペットと過ごした経験のあるママたちがみた実際の経験と感想を紹介します。■初めてペットが我が家にやってきた!初めてのペットはまさに、未知との遭遇。触ったり観察したり、とにかく興味が尽きません。「おいしそうにごはんを食べてる!」「がんばってウンチしてる!」「寝顔がかわいい!」などなど、すべてが驚きであり、感動です。やることなすこと全部がうれしくて、いとおしくて、ずっと一緒にいたい、大事にしたいという、強い愛情が生まれます。しかし、子どもは、えてして飽きっぽいもの。最初のときこそ強い執着を見せても、やがてはそれもひと段落。ガクンと興味が薄れることも珍しくありません。それどこかろか邪魔者扱いし始める場合も…。そんな子どもを持つママたちの体験談がコチラ。・「最初は、『言葉を教えてあげる!』と、インコにひんぱんに話しかけていたのに、しばらくしたら、カゴの前を通っても知らんぷり。挙句の果てには、『リビングが鳥臭い!』とブチブチ文句まで言うように…」(20代後半)・「子犬がひどい下痢に。心配したり片づけしたり、病院に連れて行ったり…。私が丸一日子犬にかかりっきりになっていたら、4歳の我が子がまさかの赤ちゃん返り! 私にべったりになってしまい、弟のようにかわいがっていた子犬にキツく当たるように…」(30代後半)■飼育の本番とはいきものたちのリアルな姿に、恐怖心や嫌悪感を抱いてしまうこともあるそう。・「娘のしつこい態度に猫が怒って爪で一撃。初めて見せた獣の顔に、大ショック。すぐには状況を把握できず、しばらく硬直していた」(20代後半)・「魚の共食い現場にあ然。死んで仰向けに浮かぶ姿にぼう然。『気持ち悪い』と、しばらく水槽に近づかなかった」(30代前半)飽きたり面倒くさがったり、怖がったり…。でも、子どもといきものとの間に、距離ができてからが飼育の本番です。ペットはかわいいだけじゃない…。そう気づくことこそがもっとも大きな学びであり、揺るぎない愛情への第一歩となります。■責任と義務が子どもを大きく成長させる!興味や愛情が薄れても、相手はいのちある存在。放置できません。「一度受け入れた以上は、何があっても世話をする。」ペットを飼う上で課せられる義務に葛藤するなかで、子どもは大きく成長できると思います。・「梅雨時、犬が皮膚病にかかってしまい脱毛に。手入れを任されていた子どもは『ぼくがブラッシングをサボったからだ』と勝手に反省。それ以来、『自分がやらないと犬が大変なことになってしまう!』と、イヤイヤだった作業を率先して行うように」(30代後半)・「2、3日留守にして家に戻ったら、水槽の中でメダカが死んでいた。もともと弱っていたメダカだったのだけど、子どもはその出来事に衝撃を受けたようで、以来、泊りがけで出かけたがらなくなった」(30代前半)自分がいなければ、自分がやらなければ…。どんなに幼くても、いのちを意識したら責任感が湧いてきます。ペットを育てるのはとかく面倒なことも伴いますが、でもそこに、思いやりや心からの愛を育むきっかけがあるのです。■ペットの存在は家庭円満に!ペットの存在は、子どもだけでなくママにとってもメリット大。ペットの世話の大半を担い、一番大変ではあるからこそ、ママが得るものも大きいのだそう。・「ごはんを準備したり身の回りの世話をしたりする私を、誰よりも一番信頼してくれている。なついたり甘えられたりすると、すごくうれしくて、こころ癒やされる」(30代後半)・「わかりやすく叱らないと伝わらない、こちらがブレるとナメられる。犬のしつけで苦労したことで、我が子に対しても一貫した言動をとれるようになった!」(40代前半)・「ペットの日々の様子や世話など、母子の話題が尽きない。家族で一致団結することもふえた」(30代後半)ペットは親子の絆を結ぶ存在。どんなに小さないきものでも、大きな幸福をもたらしてくれます。そんなペットに感謝しつつ、家族で大切に育てていきたいですね。
2016年11月10日たっぷり遊ぶには時間も体力も足りない、絵本を読んであげる気力もない…。一緒に遊ぼうにもマンネリ化してしまったというママも多いのでは。そんなママにオススメしたいのが「おまじないあそび」。気軽にできるだけでなく、ママと子どもの距離が近くなり絆がグッと深まります。■おまじないが子どもの興味関心を倍増させる!おまじないは、神秘の力を借りて思いや願いを叶えようとするもの。漢字で書くと「お呪い」で、なんだかとってもおどろおどろしいけれど、「痛いの痛いのとんでいけ!」もおまじないの一つ。こういった願掛けを母子で共有するのです。実はこれ、子どもの成長を促し、母子の信頼関係まで強化してくれる、最強のコミュニケーションツールなのです。■おまじない遊びで見えた子どもたちの変化実際におまじないで遊ぶと、どんな変化がもたらされるのか…。実際に楽しんでいるママたちに聞いてみました。「世界各国のおまじないを2人で調べては、実践しました。生まれ年の硬貨に願いをかけ、それをお守りとして持ち歩いたり、散歩がてら四葉のクローバーを探し、家族の幸せを願って押し花にしたり。それがきっかけとなって外国に興味を持ったり、お金をまじまじ見るようになったり、積極的に自然と触れ合うようになったり…。何気ない日常にもあちこち発見があり、会話も弾むようになりました」(30代後半)「義母が骨折した際、『早くよくなりますように』と満月に願掛け。それ以来、何かあるごとにこれをやるように。私が体調を崩したときもメソメソせず、『ママ、満月にお願いするから大丈夫!』と。信じる力が養われて、強くなったかな」(30代後半)「子どもと2人、夫の仕事がうまくいくようこっそりおまじない。それからというもの『あのことはパパには絶対、内緒だよ!』と。秘密ができると心がグッと近くなるというか、前にも増して、わが子と親密になった気がします」(40代前半)おまじないあそびは、単なる願掛けにあらず。誰かを思うやさしさが育まれたり、想像力が豊かになったり…。さまざまな要素がギュッと詰め込まれた情操教育なのです。■子どもにかけよう! オリジナルの魔法おまじない遊びはとってもクリエイティブ。ママのオリジナルで子どものやる気スイッチをONにしたり、子どもに創作させるのがおもしろいものです。「公園にあるお気に入りの木に2人してしがみついて、子どもが考案した謎の呪文を唱えて遊んでます。『もっと変なの作ろう!』と、まだまだやる気満々!」(30代前半)「子どもがその気になれなかったり怖気づいちゃったとき、私考案のおまじないで背中を押してあげることも。それらしい言葉をつぶやきながら、ギュッギュッギュッと3回抱きしめるだけ。かなり効果あります」(20代後半)このように、ママと子どもの愛情確認。それが、おまじないあそびです。特に、小さいころはママにべったりだった子どもも、ある程度大きくなると、おとなしく一緒に遊ぶのはなかなか難しい話。何をやるにも体力勝負になってくるし、知恵もついてくるので昔と同じという訳にはいかず、本気で関わらなければいけません。ママは家事で忙しく、子どもはテレビを観たりオモチャでひとり遊び。手が離れてラクになるとはいえ、せっかく子どもといるのに、関わりが薄くなるのはなんだかもったいない気もします。そうなると自然に、母子バラバラの時間が増えてしまうのです。そんな時はこのおまじない遊びで家族の時間を作ってみてはいかがでしょうか。
2016年09月30日「ペットを飼うと子どもの情操教育にいい」「ペットには癒し効果がある」という話は有名です。動物と触れ合ったり一緒に生活したりすることは、情操教育や癒し効果以外にも、私たちにさまざまな健康効果を与えてくれます。そこで今回は、犬や猫といったペットを飼うと健康になれる理由についてご紹介していきましょう。●(1)アレルギーになりにくい欧米では、乳児のころからペットを2頭以上飼っている家庭に育った子どもは、ペットを飼っていない家庭の子どもに比べて、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の発症率が低い 傾向があったという調査結果が出ています(参考文献より)。また、ペットを2頭以上飼っている家庭で育った子どもは、花粉やカビなどに対しても反応しにくかったという調査結果も出ているそうです。●(2)心臓疾患のリスクが下がるアメリカ『ミネソタ大学脳卒中研究所』のアドナン・クレシ博士の研究によると、猫を飼っている人の心臓発作リスクが約30%低下した ということです(1976〜1980年に実施された『第2回米国民健康栄養調査』より)。また、アメリカ『カルフォルニア大学』ロサンゼルス校メディカルセンターのケイティ・コール氏が行った『犬と心疾患』に関する研究では、犬を飼っている人でも心臓発作のリスクが下がった という結果が出たとのこと。さらに、心臓病とペット飼育の相関についての研究を行っているエリヤ・フリードマン博士によると、ペットを飼っている人はそうでない人に比べて、心筋梗塞の発作から1年後に生存している確率が3倍以上高かったとしています。●(3)犬を飼うとコレステロール値が下がる犬の場合、毎日の散歩が日課となり、飼い主も必然的に体を動かすことになります。この散歩の効果によって飼い主に運動習慣が身に付き、生活リズムも規則正しくなることで、コレステロール値が下がるんですね。コレステロール値や中性脂肪が下がることは心臓にとっても良いため、前述した心疾患リスクが低下することにもつながるのでしょう。●(4)血圧が下がり安定する獣医であるベッカー医師によると、身の回りに犬がいることで血圧が下がるとのこと。ペットがストレスを軽減してくれることが理由です。また、ある老人ホームで行われた実験によると、猫に触れることで血圧が下がった とのこと。この効果を期待して、「アニマルセラピー」として日本の老人ホームでも猫を飼っているところがありますよね。●(5)猫が喉を鳴らす音で自然治癒力が上がる猫がゴロゴロと喉を鳴らす音には、免疫力を上げて傷を癒す効果があります。猫が骨折したときに他の動物に比べて3倍の速さで回復できるのは、このゴロゴロ音による振動が影響しているのだそうです。これは猫同士だけではなく、ゴロゴロ音の振動によって人間の自然治癒力も上がる とのこと。確かに、ゴロゴロと喉を鳴らしている猫と一緒に寝ているととても心地よく、癒されます。●(6)脳卒中のリスクが低下する獣医であるベッカー医師によると、犬や猫を飼うことによって心臓血管系の健康を守る効果があるそう。猫を飼っている人は、脳卒中のような心臓血管系のトラブルが40%低いと発言しています。----------いかがでしたか?意外なものもあったのではないでしょうか。『猫にくっついていると精神的に安定する。私が悲しいときとかは猫が自分から寄って来て慰めてくれてるような気もする』(20代女性/会社員)『犬のエサを決まった時間にあげないといけないので、自然に自分の生活リズムも整いました』(50代女性/主婦)『犬を連れて散歩に行くことで、同じように犬を連れている人と話すようになったり、犬好きの方から声をかけられたりするようになって、社交的になれた 気がします』(30代男性/会社員)というコメントもあるように、やはりペットを飼うことにはさまざまなメリットがあるようです。とはいえ、安易な気持ちでペットを飼ってはいけません。きちんと世話ができるか、ペットを飼える環境であるか、リスクを正しく理解し対処できるか、などを考慮してから考えてみてくださいね。【参考文献】・Ownby DR , Johnson CC , Peterson EL . Exposure to dogs and cats in the first year of life and risk of allergic sensitization at 6 to 7 years of age. JAMA. 2002 Aug 28;288(8):963-72.●文/パピマミ編集部
2016年09月21日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日