忘年会にクリスマス、お正月とイベント続きの年末年始。多くの人がこの時期、食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃もたれや消化不良で悩んだことがあるはず。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、暴飲暴食による内臓疲労、免疫力の低下をリセットしてくれる食事と、危険なNG習慣を教えてくれます!年末年始の暴飲暴食で胃腸が弱っていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 246お正月を目前にすでに内臓が疲れていると感じているかたはいませんか。忘年会、クリスマスとイベントが続き、食べたり、飲んだり、お祭りのような毎日を過ごしている人も多いと思います。楽しいと思って忘年会などに参加する人もいれば、本当は家でのんびりしたいけど、人付き合いでしぶしぶという人もいらっしゃるかもしれません。どちらにせよ、早期に心と体のケアをしていきたいですね。新年には年神さまがやってきて、私たちに幸せをもたらすといわれていますよね。その神様への縁起のよいお供え物を元旦に食べるようになったものがお節といわれています。また、三が日はさまざまなよいことを水に流さないように、料理をせずに過ごすとよいという習わしもあります。そんなわけで、お正月にはあまり体を動かさずに、食べて飲んで過ごす方が増えることだと思います。今週は、食べ過ぎ、飲み過ぎをケアしていく食薬習慣を紹介します。今週は、暴飲暴食対策となる食薬習慣今年は、新型コロナウイルスが5類感染症へと位置づけが変更され、久々に人が町中にあふれる年末年始になります。忘年会、お正月行事等が続き、日常も活気づきますよね。気の知れた友達と食べたり、飲んだりすると、つい時間を忘れて長時間過ごしてしまうこともあると思います。ただ、楽しい時間は大切なのですが、胃や腸、肝臓などへのダメージが着実に積み重なり、ちょっと内臓が疲れているなと感じているかたも多いと思います。口内炎や口唇ヘルペス、カンジダ膣炎、膀胱炎など、免疫低下時に起こりやすい症状がでてきてはいないでしょうか。漢方では、食べ過ぎ飲み過ぎの時には、免疫を低下させ炎症の原因となる『湿熱』が生じるため、『肝・脾』を整えていくとよいとされています。ということで、解毒に関わる『肝』と消化に関わる『脾』をサポートする食薬習慣が大切です。今週食べるとよい食薬は【大根とニンジンのピクルスみぞれ和え】です。逆にNGな習慣は、【霜降りたっぷり焼肉の宴会】です。食薬ごはん【大根とニンジンのピクルスみぞれ和え】大根とニンジンの抗酸化物質と食物繊維で腸から心と体を元気にしましょう。大根おろしを加え、大根の辛みをアクセントにすると、『脾』をサポートするジアスターゼや『肝』をサポートするイソチオシアネートの働きを得ることができ、年末年始の食べ疲れを癒してくれます。<材料>人参1/2(一口大)大根4センチくらい(一口大)大根おろしお好みでお酢・みりん(アルコールが気になる人はレンチン)各大さじ3<作り方>材料を半日漬けたら完成。NG行動【霜降りたっぷり焼肉の宴会】タンパク質がたくさんとれていいじゃん!と言われそうですが、脂の多い焼き肉を食べた後、胃もたれしたり、膨満感や下痢などに悩まされてしまう人も多いのはおわかりだと思います。脂身の多いお肉は、消化に時間がかかり、胃腸の働きが低下しているときにはとくにダメージを感じやすくなります。また、タンパク質には窒素が含まれますが、分解の過程で窒素はアンモニアに変わり、肝臓や腎臓に負担がかかることがあり、内臓疲労の原因となってしまうこともあります。外食が続いているときには、気をつけましょう。また、食べるとしたら大根やキャベツなども一緒に食べたり、よく噛んで食べたりして楽しむようにしましょう。年末年始の食べ過ぎや飲み過ぎは、楽しさの代償として生じるものです。しっかりとその時間を満喫していれば、決してネガティブなものではないと思います。ただ、その食べ癖が続いたり、お酒の習慣が身に着いたり、内臓の疲れを引きづったりすることは、その後の自分の体に対して、優しい行動ではありません。オンオフの意識をしっかりもって、素敵な時間をたくさん過ごしましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Daria/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月28日イベントが多い年末年始は、食生活や生活リズムが乱れてストレスもたまりがち。気づけばぽってりお腹に…なんて人が続出するシーズンでもあります。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、心身のバランスを整え、ダイエットにもつながる食事と、危険なNG習慣を教えてくれます!年末年始のストレスから太り気味の人はいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 245忙しく、忘年会もあり、クリスマスもあり、大晦日もあり、盛りだくさんな1か月ですよね。そろそろストレスがたまってきていませんか?ここで、ちょっと深呼吸をしましょう。息をつく間もなくあれこれ考え、動き、スケジュールを埋めていく人も多いと思います。ストレスに強い人でも、気が付かないうちにリラックスを求めていることもあるのではないでしょうか。リラックスしたいときに、簡単にできる方法として、甘いスイーツを食べたり、甘いカフェラテを飲んだりすることってありますよね。ホッと一息つくと殺伐としていた日常にも一瞬だけ華やぎを取り戻すことができ、再び頑張ることができます。ただ、これに頼りすぎていると、ここぞというときに眠気がやってきたり、持久力がなくなったりしてしまうこともあるかもしれません。さらには、太ってしまうということもありますよね。冬はただでさえ、食べたり飲んだりする機会が増えるので、太りやすい時です。だからといって、運動量も増やしたくはないので、行動一つひとつに気をつけなければならないですよね。ということで、今週はストレス太りを予防する食薬習慣を紹介していきます。今週は、ストレス太り対策のための食薬習慣仲のいい人に「ちょっと太った?」といわれたり、冬服でお腹やお尻の周りが隠れることを嬉しく思ったりすることはないでしょうか。「春になる前にダイエットしたらいいよね」と開き直っている人は注意です。そう簡単に、痩せないからです。冬は、運動量が減り、食べる量が増えることで太ります。つまり、脂肪が増え、筋肉量が減り、痩せにくい体形になるからです。そこで、ご自身の生活を見直してみましょう。集中できないとき、イライラしたとき、眠気が強いときなどに甘いものに頼ってはいませんか?今の時期は、濃厚なクリーム系やチョコレート系などの季節限定スイーツも増えています。誘惑が多いですよね。漢方医学では、ストレスに強くなるために『肝』を強化し、代謝を上げていくためには『気』を補うことが必要だと考えます。ということで、『肝』の働きを強化し『気』の巡りを促し、『気』を補う食薬習慣が大切です。今週食べるとよい食材は【ベリービネガードリンク】です。逆にNGな習慣は、【甘いカフェラテ】です。食薬ごはん【ベリービネガードリンク】漢方医学では、「気」の巡りを促し、ストレス解消に役立つとされるお酢。血糖値の上昇を抑えることで、心の安定やダイエットにつながったり、消化を助け栄養の吸収を助けたり、便通をうながしたり、内臓脂肪の燃焼に役立ったり、疲労回復につながったりします。抗酸化作用が高く、疲れ目対策やストレスケア、美肌にも役立つビタミンCやアントシアニンを豊富に含むベリー系を合わせて、手軽にベリービネガーを作りましょう。ミックスベリーやブルーベリー、イチゴなどはコンビニやスーパーの冷凍コーナーに売っていますよ。<材料>冷凍ミックスベリー110g(1袋)酢100ml蜂蜜50gくらい水お好みで<作り方>清潔な容器に材料を入れ、全体になじませる。1時間以上おいたら、お水や炭酸水で割ってお召し上がりください。3~4日するとより味がなじみます。NG行動【甘いカフェラテ】カフェラテやカフェオレには、糖質や脂質が多く含まれています。ちなみに、カフェラテ1杯には、約10g程度の糖質が含まれていることがあります。ちょっと休憩と思い、カフェラテとクッキーやビスケットをつまんでいると、糖質やカロリーの摂取量がいつもの食事に上乗せされる形になるので、習慣化すると当然太ってしまいますよね。とくに、今の時期から1月にかけては食べ癖がつきやすい時期です。なるべく、習慣化しないようにしていきたいですね。年末年始は、数か月ぶり、1年ぶりなど久しぶりに会う人が増えますよね。ベストコンディションの心と体と外見をもって楽しめるように、日ごろからできることは取り入れていきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。※1農林水産省サイト「アツアツな飲み物にご注意!」Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©autumnn/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月21日冬至とは一年でもっとも昼間の時間が短くなる日のこと。「柚子湯」に入る風習は江戸時代に生まれたとされていて、今でも全国的に知られていますね。今回は、2023年の冬至がいつなのか、また冬至に食べると良いといわれている食材を7つご紹介。それぞれのレシピもぜひチェックしてくださいね。■2023年の冬至はいつ?2023年の冬至は12月22日(金)です。冬至の日にちは毎年変わり、12月21日または22日のいずれかになります。日にちが変わる理由は、冬至を太陽の黄経(こうけい)が270度に達する日」と定めているからです。古来信仰では、冬至が一年でもっとも昼間の時間が短くなる日であることから「死にもっとも近い日」と恐れられていた一方、冬至を境に陽がのびるため、「太陽が生まれ変わる日」との意味合いから運気上昇を祈願するようになったとも言われています。■冬至に食べると良いと言われているものとは?冬至と言えば「柚子湯」のイメージがありますが、「冬の七種(ななくさ)」を知っている方は少ないのではないでしょうか?冬至に食べると良いと言われているのは、南京・南瓜(ナンキン・カボチャ)・レンコン・ニンジン・銀杏(ギンナン)・金柑(キンカン)・寒天・うどんの7つです。これらの食材に共通しているのは「ん」が2つ使われている点。冬至に「ん」がつくものを食べると運気が上昇すると言い伝えられていますよ。■冬至に食べたい【カボチャ】レシピ4選・カボチャのいとこ煮カボチャは別名「南京・南瓜(ナンキン)」と呼ばれるため、冬の七種のひとつとされています。また、カボチャにはβ−カロテンやビタミなどが豊富に含まれていて、免疫力アップに効果があると言われていますよ。無糖の茹で小豆と一緒に甘辛く煮ると、素朴で懐かしい一品に。隠し味のみそが効いています。・カボチャとユズの麹グラタン冬至は寒さが本格的になる時期。アツアツのグラタンにカボチャを使ってみませんか? 味付けは甘酒と塩麹で、麹の風味が感じられます。すりおろした柚子の皮の香りが爽やかで、チーズにもカボチャにもよく合いますよ。余った柚子はお風呂に入れて柚子湯を楽しみましょう。・もちもちカボチャご飯カボチャは炊き込みご飯にしても◎。薄口しょうゆやみりんでシンプルに味付けし、鶏ささみと一緒に炊き上げます。ホクホクとしたカボチャの食感と甘みが格別の美味しさ。寒い日にホッとする一杯です。・カボチャのみそ汁カボチャのやさしい甘みが広がるみそ汁は、揚げ物や煮物、炒め物など主菜を選ばずに合わせられるのが魅力。カボチャがやわらかく煮えたらみそを溶き入れ、風味豊かに仕上げましょう。こっくり食べたい方は揚げ玉を少し散らしても良いですね。■冬至に食べたい【銀杏】レシピ3選・炒りギンナンギンナンにはβカロテンやビタミンCなど風邪対策の効果が期待できる栄養素が含まれています。寒い日が続く冬至の時期にぴったりですね。シンプルに食べるなら、炒りギンナンがおすすめ。殻を少し割ってから火にかけるのがポイントです。翡翠色の実が美しく、日本酒のおともに喜ばれますよ。・ギンナン入り落とし揚げギンナンを手軽に料理に取り入れるなら、水煮がおすすめ。下処理不要ですぐに使えますよ。こちらは、ハンペンや芽ヒジキなどと一緒に混ぜた落とし揚げ。魚やえびなどのすり身よりも扱いやすいので、初めてでも失敗しにくいです。手作りならではのアツアツを召し上がれ。・エリンギとギンナンのバターしょうゆ炒め水煮のギンナンとエリンギをサッと炒めた簡単副菜です。バターしょうゆの香ばしさが食欲を刺激します。ギンナンとバターが意外なほど合い、ついつい箸がのびますよ。冷めても美味しく、お弁当おかずにもおすすめです。■冬至に食べたい【レンコン】レシピ4選・レンコンのきんぴら晩秋レンコンは秋から冬にかけて旬を迎えます。穴が開いた形からおせち料理などおめでたい席でも用いられる野菜です。おなかの調子を整えると言われている食物繊維や、抗酸化作用が期待できるポリフェノールの一種であるタンニンが豊富。定番のきんぴらは、炒めすぎずシャキッと感を残すのが美味しさの秘訣です。辛みが苦手な方は赤唐辛子を省いてもOK。・レンコンの蒸しまんじゅうレンコンはすりおろすともっちりとした食感になります。すりおろしレンコンに野菜や鶏ひき肉を混ぜてレンジで蒸すと、上品な一品の完成です。だしを効かせた和風あんとの相性も抜群で、おもてなしにも最適。ギンナンを加えて、より冬至らしさを楽しむのも良いでしょう。・牛肉とレンコンのスープ寒い日にぴったりな韓国風のスープです。牛バラ肉とレンコンを炒め、煮干しで取ったスープで煮込みます。素材の旨みが存分に行き渡り、深みのある一杯に仕上がりますよ。レシピではレンコンを薄切りにしていますが、乱切りにして食感を楽しむのアリです。・レンコンのはさみ揚げレンコンの主菜といえば、はさみ揚げが定番。豚ひき肉で作った肉ダネをレンコンではさみ、中温で揚げます。肉ダネがはがれないよう、レンコンに薄力粉をまぶすのがポイントです。レンコンのホクッとした食感とジューシーな肉ダネが食欲を刺激し、ごはんもお酒も進みますよ。■冬至に食べたい【ニンジン】レシピ3選・ニンジンのナムル副菜にぴったりなナムルをニンジンで作ります。ニンジンは一年を通して手に入りやすいうえ、アンチエイジングや免疫力アップの効果が期待できるβ-カロテンが豊富。さっと茹でるため、カサが減ってたくさん食べられるのが良いですね。味付けは塩、コショウ、ゴマ油など身近なものだけで良いのも魅力です。・ニンジンのポタージュ寒い日に温かいポタージュがあるとうれしいですよね。ニンジンと玉ネギの甘みが感じられるポタージュは、野菜が苦手な子どもも飲みやすいですよ。やわらかくなるまで煮たらミキサーにかけてなめらかに。やさしい口当たりにホッとします。ハンバーグやエビフライなどの洋食献立に合わせましょう。・鶏もも肉とニンジンのさっぱり煮鶏もも肉とニンジンで作るシンプルな煮物です。ポイントは、水の代わりに酢で煮込むこと。さっぱりしつつも風味が豊かに仕上がりますよ。しっかり加熱するため酸味が飛んで食べやすいですよ。つややかな照りが食欲をそそり、目でも楽しめます。■冬至に食べたい【キンカン】レシピ3選・簡単基本!キンカンのコンポート 白ワインで煮込むキンカンは冬に旬を迎える柑橘のひとつ。ころんとした丸い形がかわいらしく、コンポートにするとおしゃれな見た目になりますよ。白ワインでコトコトゆっくり煮るため、上品な香りがふわりと広がります。レシピではシナモンスティックとクローブで風味をつけていますが、カルダモンやナツメグでも◎。・冬の彩りに! キンカンのシロップ煮材料はキンカンと白ワイン、砂糖だけのシンプルなシロップ煮です。キンカンにはビタミンCが豊富に含まれているため、毎日少しずつ食べると風邪予防の効果が期待できますよ。日持ちするので多めに作っておくのがおすすめ。キンカンの皮が固いときは、下茹でしてから煮込むと良いでしょう。・キンカンのチーズタルトキンカンのコンポートをたくさん作ったら、スイーツに活用しても良いですね。甘酸っぱいキンカンとクリームチーズのコクが絶妙で、パティスリーに負けない美味しさ。冬至のおやつタイムにいかがでしょうか?■冬至に食べたい【寒天】レシピ3選・すりおろしリンゴ寒天冬至のおやつにぴったりなのが、リンゴ入りの寒天。冬が旬のリンゴをすりおろして甘酸っぱさ存分に味わいます。粉寒天はリンゴと水が入った鍋に振り入れてから加熱するのがポイント。しっかり沸騰させてから固めると失敗なく仕上がりますよ。・果物いっぱい牛乳寒天 濃厚でまろやかな味わいミルキーな味わいが人気の牛乳寒天にフルーツをプラスすると、見た目も味わいもグッと華やかに。キウイやイチゴ、みかんなど色の違うフルーツを組み合わせるとキレイですよ。フルーツは、寒天液にとろみがついたタイミングで加えましょう。生のフルーツ以外にもフルーツ缶で手軽に作っても良いですね。・ワカメと糸寒天のみそ汁弾力が特徴の糸寒天は、みそ汁に入れると食感のアクセントに。水に浸して戻しておき、出来上がったみそ汁に加えます。具材と一緒に煮ると溶けてしまうため、火を止めてから入れてくださいね。■冬至に食べたい【うどん】レシピ4選・ほうとう風うどんカボチャやニンジンなど冬の七種が入ったほうとう風のうどんは、寒い時期に食べたくなる一杯です。野菜たっぷり摂れるのもうれしいポイント。白菜やキノコなどを入れて具だくさんにしても美味しいので、ぜひ試してみてください。・体の芯から温まる!みそ煮込みうどんみそ仕立てのスープが体を温めてくれます。具材は冬の七種のひとつであるニンジンをはじめ、大根や白菜など好みのものでOK。みそを2回に分けて加えることで、風味豊かな味わいに仕上がります。冷凍うどんを使うため、別茹でしなくて良くラクチンです。・かき揚げうどん香ばしいかき揚げがのったうどんは、世代を問わず人気です。レシピでは玉ネギ、ミツバ、むきエビでかき揚げを作っていますが、好みの具材でアレンジしてみてくださいね。冬至らしくカボチャとニンジンの組み合わせもおすすめ。うどんは細めのものが合いますよ。・トロミカレーうどん洋風うどんが食べたい方は、チーズたっぷりのカレーうどんがイチオシです。ベーコンや白ネギが入っただし汁にカレールウを加えるので、手が込んでいるようで意外と簡単。すりおろした長芋のとろみで、スープがうどんにからみますよ。スパイシーな味わいが食欲を刺激し、モリモリ食べたくなります。■冬至に「冬の七種」を食べて運気をアップさせよう! 冬至を境に昼間の時間が長くなることから、中国では「一陽来復(いちようらいふく)の日」とも呼ばれ、幸運を祈願する祭祀が行われてきました。日本では、柚子湯に入るのが定番ですが、ご紹介した「冬の七種」を食べて、運気を高めましょう。カボチャやニンジン、キンカンなどを食べることで風邪対策の効果も期待できますよ。2023年の冬至は12月22日(金)。ぜひ、家族みんなで「冬の七種」を味わってみてくださいね。
2023年12月19日子育ての応援団はたくさんいる!親をジャッジするのではなく伴走してくれる保育園離乳食の頃から、食事に関して悩みが多かった娘・ふーみん。今まで、様々な育児相談に行ったのですが、私の落ち度を指摘されることが多く、自分の努力不足だと思ってきました。ところが保育園の先生から「適切に出されたものを食べる・食べないは、ふーみんちゃんの課題だよ」と言われてびっくり!それでも、どこか裏の意味があるのではないかと思った私は、園のレシピを教えてくれるということは、私の調理スキルに疑問を持っているのかもしれないと思い、「私の料理が下手ですみません」と再び謝ってしまったのですが、先生は苦笑いして、すぐ次のように丁寧に説明してくれました。「お母さんの料理がまずいと言っているわけじゃないのよ!食べる・食べないは子どもの課題といえど、提供は親がしなきゃでしょ?食べるか食べないかわからないものを作るのは、単純にお母さんがしんどいじゃない?園で試して食べたやつならどうかなーって」続けて先生は「子どもの課題を親だけで応援するのは大変じゃない?周りの大人みんなで応援していこうよ」と言ってくれたんです。私は今まで、ふーみんが食べないことを家族以外に知られるのがとても気が重かったのです。それは、自治体の育児相談室では、私が叱られたり、注意されることが多かったから。しかし保育園は、娘の普段の様子を見ている複数のプロが連携し試行錯誤してくれているからこそ、想像や予想で私の行いをジャッジするのではなく「娘の課題」を共有してくれようとしていました。先生は親の行いをジャッジするのではなく、娘の成長のために伴走してくれようとしていると感じられて、「子どもの困ったことは親の責任なので、外にばれたら怒られたり批判される」と、恥じたり隠したりしたい気持ちがなくなったんです。とくに調理に関しては一人で頑張っているような気持ちになっていたのですが、夫が保育園という外部に話を広げてくれたおかげで、保育園の先生に相談することができ、夫婦で育児していてよかったと思いました。以降、保育園の調理師さんにレシピを聞いたり、園で比較的食べたものなどを積極的に聞けるようになりました。家でのレシピやふーみんの食事の傾向も相談でき、家で食べないという愚痴もこぼせるようになったんです。家族以外で、うちの娘にあった方法を真剣に考えて、見守ってくれる大人がいるということは、とてつもなく心強いこと。今までの「夫婦ふたりの子育て」から「夫婦と保育園との子育て」へと輪が広がったような気がして、とても頼もしく思いました。投稿募集子どものことを全て親だけで担うのは大変ですよね。祖父母、保育園の先生など、誰かが子育てを共有してくれて助かった経験があれば、ぜひ教えてください。#子育ての共有#ふうふう子育て※匿名ご希望の方はマシュマロをお使いください。※いただいたエピソードを作品で取り上げてさせていただいたり、出典を明記のもとシェアさせていただくこともあるかもしれません。予めご了承ください。======================================次回更新は、12/24(日)の予定です。どうぞお楽しみに!<<『青鹿ユウの夫婦でふうふう子育て』をすべて読む>>======================================(編集協力:大西まお)この記事の執筆者漫画家青鹿ユウ漫画家。夫と娘と猫と暮らしている。自分の経験、専門家から学んだことを「気軽に楽しく読めて、ちょっとためになる」漫画にしたいと思っている。著書に『今日から第二の患者さん』(小学館)、共著書に『子どものアトピー性皮膚炎のケア』、『ほむほむ先生のアレルギー教室』がある。→記事一覧へ
2023年12月17日本格的な寒さが続く今の時期、冷え性対策には温活が効果的です。ですが、体調が整っていないと逆に身体に負担をかけてしまうことも…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、自ら熱を作り出す力を養う食事と、気をつけたいNG習慣を教えてくれます!下半身の冷えを感じるかたに!つらい「冷えのぼせ」に悩んでいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 244寒い日が続きますね。お尻やふくらはぎ、足先など腰から下の冷えを強く感じる人も多いと思います。そして、突然ですが今、足を組んでいませんか?長時間座っていたり、足を組んでいたり、姿勢を悪くしていることはないでしょうか。忙しい毎日が続くと、同じ姿勢で過ごしてしまう時間が増えますよね。同じ姿勢でいること自体が血流を低下させたり、冷えを感じさせる原因となりますが、足を組んだり、片方に体重をかけたような偏った姿勢で過ごしていると、より筋肉が凝り固まり、血流が低下してしまいます。それに加え、下半身に比べ上半身の血流が多いということで、冷えのぼせに悩むこともあるかもしれません。ということで、今週は冬のこの時期、少しでもポカポカに過ごすことができるような食薬習慣を紹介していきます。今週は、温活のための食薬習慣マフラーや手袋、ダウン、レッグウォーマー、カイロなど、体を温めるグッズが手放せない季節がやってきましたね。この時期になると偏食になったり、運動量が減ったり、ストレスで自律神経が乱れたり、同じ姿勢で過ごす時間が増えたり、睡眠時間が減ったりと、体のコンディションが万全という方は減っていきます。外気が冷たいにも関わらず温かさをキープし続けるためには、体のコンディションが良い状態であることが必要となります。ですが、寒い時には端的に熱いものを触ったり、飲んだり、辛いものを食べたりして、その場をしのごうとすることが多いのではないでしょうか。これからの時期、忙しかったり、イベントが増えて食べ過ぎたり、夜更かししすぎたり、生活が乱れることが多いですよね。冷えがきついなと感じたら、単純に温めることと並行して、自ら熱を作り出す力を養うように栄養の消化吸収をサポートする食材を摂ったり、タンパク質やビタミンB群など熱を生み出すために必要な食材を摂ったり、背筋を伸ばし内臓や神経を圧迫しないように筋肉を使うようにするなどして、根本的に冷えない体を作るための行動もチョイスしていきましょう。漢方医学では、冷えやすい状態のことを血流が悪い『瘀血』や熱を作り出すことのできない『脾腎陽虚』などと呼びます。大切なのは、『血』の巡りを促し『気』を補う食薬習慣です。今週食べるとよい食薬は【キムチ豚汁】です。逆にNGな習慣は、【アツアツのお茶やコーヒー】です。食薬ごはん【キムチ豚汁】血流を促すカプサイシンを含み『活血』に役立つキムチや、熱を作り出すビタミンB群やアリシンを含み『補気』に役立つ豚肉やニンニクを使って、味噌汁で温活をしていきましょう。春菊を使うとβカロテンが多く含まれているため、バリア機能を高め風邪対策にもなります。<材料>豚肉150gニンニク1片(スライス)キムチ75gくらい(一口大)春菊1/2束(3センチくらい)酒50ml水400ml味噌・すりゴマ大さじ1くらい<作り方>材料を良く煮込んでから味噌を溶いたら完成。NG行動【アツアツのお茶やコーヒー】体が冷えた時に、アツアツの飲み物に頼る人も多いと思います。内臓から温まる気がしてほっとしますよね。一般的に温かい飲み物といえば、スープや味噌汁などは60℃くらい、お茶やコーヒーはそれよりも高温になっているといわれています。ただ、お茶やコーヒーは80~90℃の熱めの温度を好む人が多いようです。特に寒い季節であればあるほど、高めの温度で飲むことが多いと思います。ただ、国際がん研究機関では65℃以上の熱い飲み物は、食道がんのリスクを高めると注意喚起しています。寒い時期でも、温かいなぁとホッコリするくらいの適温にしてから飲むようにしましょう。(※1)冷えるときには、単純に熱いものを触れたり、飲んだりすることが手っ取り早いですが、姿勢を正したり、適度に動いたり、栄養を適切に摂取して体の中から温められる体を作っていくことも忘れないようにしましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。※1農林水産省サイト「アツアツな飲み物にご注意!」Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©koichi/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月15日寒さから運動量が減る一方で、外食続きで内臓に負担をかけてしまいがちな12月。ニキビ、乾燥、かゆみなどの肌トラブルに悩む人も多いはず。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、肌荒れに効果的な食事と、避けるべきNG習慣を教えてくれます!ニキビ、乾燥、かゆみ…肌荒れが気になりませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 243毎日、お疲れ様です。最近、忙しいですよね。やることが山積みになり、今年中に終わるのか心配しているという方もいらっしゃるかもしれません。忙しい12月は、タスク処理を優先し、食事の内容や睡眠のリズムなどがどんどん崩れてしまう傾向があります。また、寒い冬の季節で、外食も増えるシーズンです。そのため、運動量が減る一方で、内臓に負担をかけてしまう食事が増えることにより、さらに体調管理が難しくなるときでもあります。その結果として、はじめに表面化するのは、ニキビやかゆみ、乾燥などの肌トラブルではないでしょうか。放置していれば、空咳が出始めたり、鼻風邪を引いたり、頭痛が起きたり、睡眠の質が低下したりと、次々と煩わしい不調が出てくることもあるかもしれません。ですが、12月は人と会う機会が増えたり、おしゃれする機会も増える時期なので、いつにも増してキレイな肌を保ちたいと強く願う人も多いはず。お肌のためにも、小さなトラブルが出た時点で、糖質の量と脂質の質を見直したり、便の状態を整えたり、寝る時間を30分早くするなどの対策をしてください。不調を連鎖させないためにも、肌トラブルを体からの警告だと認識しましょう。ということで、今週は汚肌の対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、汚肌の対策となる食薬習慣顎やおでこにプツッとニキビができたり、口元や小鼻の周りがカサついて赤みが出てきたり、スネや腕などが痒くなってきたり、お肌の悩みが出てきたということはないでしょうか。こういった悩みが出てきた時には、同時にお肌のトーンが暗くなったり、キメが荒くなったり、毛穴が目立っていたりとコンディションは全体的に下り傾向になると思います。1年の締めくくりとして、1年間お世話になった人や旧友などに会うなら、潤ったエイジレスなお肌でいたいと思いますよね。そこで、どんなに小さな肌トラブルでも、薬を塗って一瞬で治して放置するのではなく、生活習慣の乱れの警告として真摯に受け止め、美肌を維持するためにも行動そのものを見直すようにしていきましょう。肌トラブルが起こりやすい状態を漢方医学では、『肺陰虚』という体の内側から潤いが不足して、便秘がちになり、アレルギー症状や喉や鼻のトラブルなどの炎症を起こしやすい状況であると考えます。そこでご紹介するのは、『肺陰』を補い、『湿熱』や『虚熱』などの炎症を起こす原因を取り除く食薬習慣です。ということで、今週食べるとよい食薬は【ワカメとブロッコリースプラウトの酢の物】です。逆にNGな習慣は、【朝食のグラノーラ】です。食薬ごはん【ワカメとブロッコリースプラウトの酢の物】忙しい日でも包丁も使わずに腸を整えるワカメや、抗糖化作用や抗酸化作用、抗炎症作用などがあるブロッコリースプラウトを組み合わせて、血糖値の上昇を抑え美肌の大敵AGEsの産生を抑えるお酢で味を整える小鉢です。腸を潤し『肺陰』を補い、肌トラブルの素『虚熱』や『湿熱』を取り除くために役立ちます。<材料>ワカメ5gブロッコリースプラウト5つまみ(たっぷりめ)酢大さじ1みりん・醤油各小さじ1<作り方>よく混ぜたら完成。NG行動【朝食のグラノーラ】健康を意識しつつ、忙しい朝にすぐに食べることができる朝食の代表ともいえるグラノーラですが、毎朝食べてはいませんか?グラノーラは、基本的にオートミールやナッツ類に甘みと油を絡めて高温で焼き上げることで作られています。ナッツに含まれる脂質や調理の工程で使われる油も酸化し、高温で調理されることにより美肌の大敵であるAGEsも生じてしまいます。美容に良いことをしているという意識で食べるには、メリットとデメリットのバランスが悪い食材であるとも考えられます。もし美容のためにチョイスしているのであれば、高温での加熱をしないナッツを食べたり、グラノーラだけでは不足してしまうタンパク質が食べられる玉子や納豆を選ぶようにするのが良いと思います。肌トラブルは、体へ負荷がかかっていることの合図だと考え、体の中から変化させていくことで、汚肌対策となり、さらには体調管理になるものです。軽視したり無視せずに、生活習慣を見直して、今年を最後まで走り抜けていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©アーモンド1000/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月08日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の9話が12月1日に放送。久しぶりに賢二と一緒に食べられる夕食に喜ぶ史朗の姿に「ケンジ愛も全面に出てて最高だった」や「涙ぐんでしまった」などの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中で店長になった美容師・賢二を内野聖陽、賢二の勤める美容院の店長・三宅祐をマキタスポーツ、賢二の同僚・田渕剛を坂東龍汰、田渕の恋人・千波を朝倉あきが演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。5月中旬。ベトナム傷心旅行から帰国した店長の三宅祐(マキタスポーツ)は、賢二(内野聖陽)にベトナムに出店したいという新たな野望を打ち明ける。そして、独身になり年齢的にも新しいことにチャレンジするなら今がラストだと考え決意した祐は、今の店舗を賢二に任せたい様子。しかし、賢二は史朗(西島秀俊)とすれ違いになることに心配そう。そこで、賢二の事情を知った史朗は「店長に向いている」「がんばってみるのもいいんじゃないか」と言って背中を押すのだった。だが予想通り、賢二は毎日夜11時過ぎに帰宅し翌朝も早い時間に出ていく状況に。結果、ふたりで食卓を囲む回数は明らかに減ってしまう。仕方ないことは理解しつつも、ふたりで食事ができない状況に賢二は「つまらない!」と嘆き、史朗もまた同じことを考えていた。背中を押した自分と今の状況を「つまらない」と思う自分。矛盾した感情を抱く自分自身に腹を立てた史朗は、その日、思いっきり賢二が好きなメニューばかりの夕食を作ることに。そんな史朗も新たなチャレンジの時を迎えようとしており――というのが9話の展開。史朗となかなかご飯が食べられず不満を感じていた賢二は、普段自分の食事に気を遣ってくれている史朗のことを思うと罪悪感もあるものの、田渕(坂東龍汰)にもらったチケットを使うため葛藤しながらもラーメン店へ。するとそこへタイミングよく史朗が現れる。ラーメン店には仕事で来た史朗だが、後ろめたさのあった賢二はオロオロ。そんな一連のラーメンシーンにSNSでは「ラーメン屋さんの前で葛藤するケンジかわいい。欲望には逆らえないよね」や「ラーメン屋でばったり会ってしまった時の2人が最高すぎて」、「ラーメン見られたケンジの落ち込みようかわいすぎる」などの声が。その後、自分が背中を押したものの今の状況に不満を感じている自分に腹を立てていた史朗は、心機一転、賢二の好きなメニューばかりを作ることに。そして油淋鶏を作った史朗は、帰りが遅いと思っていた賢二が早く帰ってきたため、「なんだよ、早いじゃないか。どうした」と喜びの声を上げる。そんな史朗の嬉しそうな表情に「久しぶりに二人で食べれるの確定した時のシロさんの超嬉しそうな顔、西島さんの中にある(内野さん演じる)ケンジ愛も全面に出てて最高だった」や「ケンジが早く帰ってきた時のシロさんの嬉しそうな顔見て涙ぐんでしまった」、「揚げたて食おうぜ、手洗ってこい!って嬉しそうなシロさんにやられてしまった」などの声が上がっている。事務所の修先生が刑事弁護教官になるかもしれないと聞き、事務所を引き継ぐ覚悟を決めた史朗。ますます多忙になっていくふたりが、どのような時間を過ごしていくのか。次回も目が離せない。【第10話あらすじ】上町弁護士事務所を引継ぐ覚悟を決めた史朗は、上町美江(高泉淳子)にその意思を伝えるが、みんな信じられないという反応を見せる。しかし史朗は、修(チャンカワイ)と共同であること、定時帰宅を死守することが条件ではあるが、修が刑事弁護教官になった場合は自分がメインで回すという気遣いまで見せる。そんな史朗が帰宅すると、賢二からお願いがあると言われる。賢二によると実家に帰宅した際、母・峰子(鷲尾真知子)が「史朗に会いたい」と言い出し、できれば姉も一緒に食事をしたいと提案されたらしい。そこで史朗は、峰子らが住んでいる場所も考慮して、上野の老舗鰻屋の個室を自ら予約する。当日。史朗だけでなく賢二もガチガチに緊張。賢二の話では、峰子が史朗に会いたい理由を明かさないといい、なぜ急に会いたいと言い出したのかわからずにいた。やがて賢二の家族が到着するが、史朗を見るなり「素敵な人だ」と盛り上がる姉たちに対し、峰子は一人冷静。ふたりはそんな峰子の一挙手一投足が気になって仕方がないが、食事会は和やかに進んでいく。そして料理も終わりに差し掛かった頃、「ちょっと湿っぽい話になるけど…」と切り出した峰子は、抱えていたある思いを吐露し始め――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年12月02日走り回るほど忙しい師走。今いちばん欲しいのは山積みのタスクをこなす集中力と持久力、という人も多いかもしれません。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、タフに活動するために効果的な食事と、避けるべきNG習慣を教えてくれます!最近、仕事の能率が落ちていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 242今年もラストの月となりました。アッという間に過ぎたという人もいれば、濃厚で時間が長く感じたという人もいると思います。同じ1年間でも、時間感覚はヒトや場面によっても違いますよね。楽しい時間や何かを考えている時間は早かったり、何かに時間を拘束されたり、待っているときには長く感じることもあると思います。そんな1年の中でも、とくに12月はやること、やりたいことがたくさんあるぶん、短時間で集中し、効率よくテキパキと活動していきたいときだと思います。やり残すこと、諦めてしまうことはできるだけ少ない方がよいですよね。ということで、今週は師走に突入した12月にやる気のスイッチのオン・オフがコントロールできるように、栄養状態から整えていく食薬習慣を紹介していきます。今週は、時間を無駄にできない人のための食薬習慣今月は、オンオフの管理をしっかり行うことが充実した年末を迎えるキーとなると思います。年末年始の長期休暇に向けて山積みになっていくタスクに対して集中力を一瞬で発揮し、効率よく処理していくオンの時間、そして何も考えずにダラダラと楽しい時間を過ごすオフの時間の両面を、臨機応変に出現させていく柔軟性が必要となります。そこで、必要となるのが脳の神経伝達物質に必要な栄養、持久力に必要な副腎の働きを支える栄養などです。タフに活動するためには、このHPA軸機能(脳の視床下部、下垂体、副腎の関係)を整えることが必要になります。これを漢方医学では、『腎』の働きを助け、『気・血・水』を補うことだと考えます。そして、『腎』の働きは、睡眠時間を十分に確保し、良質な睡眠を得ることが最低条件なので、12月の時間のある日には、ストレス発散となる深夜の自由時間を優先するのではなく、とにかく眠る時間の確保を優先していきましょう。それが、今年中にすべてをやりきるためのポイントとなります。そして、食薬としては『補腎』ができ、『気・血・水』を補うことのできるものが必要となります。ということで、今週食べるとよい食薬は【大根と玉子と椎茸のおでん】です。逆にNGな習慣は、【集中力が欲しい時のお菓子とコーヒー】です。食薬ごはん【大根と玉子と椎茸のおでん】この時期、おでんを食べる機会が増えますよね。おでんはいろんな食材を含むため、その時の体調に合わせて必要な食材を選ぶことのできるサプリメントのような料理です。とくに『補腎』に役立つビタミンDを含む椎茸、『気・血・水』を補う玉子、消化吸収の負担を軽減し『補脾』に役立つ大根などを選ぶようにすると、不足しがちな栄養素を補うことができます。また、おでんの中でもなるべく加工されている物ではなく、食材そのものをチョイスするようにすると、体を構築するために役立つことが多いので、覚えておくのがおすすめです。<材料>大根5㎝(一口大)ゆで玉子2個里芋4つ(レンチンして皮をむく)水400ml醤油・みりん各大さじ1塩昆布大さじ1鰹節1つかみ(粉々にるす)干し椎茸4個分<作り方>よく煮込んだら完成。NG行動【集中力が欲しい時のお菓子とコーヒー】集中力が短期的に必要なときには、お菓子とコーヒーもよいと思います。ですが、12月はまるまる1か月間という中長期的な集中力が必要と感じる人が増えるシーズンです。そのため、一時的な集中力のキープに役立つお菓子やコーヒーでは、その後の集中力を低下させたり、睡眠の質を低下させたりすることも…。さらには、集中したいタイミングが増えることにより、お菓子の回数が増え、3度の食事の量が減り、質的な栄養失調気味になってしまうことなどが考えられます。今月は、攻めと守りが必要となる月です。食薬としては、瞬発的な効果を期待した食材ではなく、栄養の消化吸収を高める食材、持久力や集中力を養うために必要な栄養素を含む食材などを意識して取り入れていきましょう。思ったように集中力をコントロールできる状態である体は、持久力もあり、免疫も高く、冷えにくい体であるとも考えることができます。悔いのないように、栄養状態を高めていきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Dzianis Vasilyeu/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月01日寒い日には温かなお風呂やお鍋が恋しくなりますよね。だけど、それだけでは冬の冷えからくる不調対策に十分とは言えないそう。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、体を温まりにくくしてしまうNG習慣と、すぐにできる入浴法などの対策を教えてくれます!体がなかなか温まらない人はいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 241温活はじめていますか?この時期になると、今までシャワーで済ませていた人もお風呂に浸かりたいと思う人が増えると思います。入浴の際、冷え性の人は、39度から40度くらいの少しぬるめのお湯に10分から15分くらい浸かるのがおすすめ。あまり熱すぎると交感神経が刺激され、睡眠の質に影響したり、急激に上昇した体温をもとに戻すために逆に冷えてしまったり、心臓に負担がかかることがあります。無理せずにリラックスできるくらいの温度で入りましょうね。また、入浴剤として、マグネシウムが含まれていたり、炭酸系であったり、気を整える理気作用のある柑橘系の精油などを加えるのもよいですね。入浴後は、レッグウォーマーや腹巻をして、湯冷めしないようにしましょう。ちなみに、就寝時間の90分くらい前に入浴することで、就寝時に深部体温が程よく下がり、睡眠の質を向上させられます。温かい体を作るためには、外部から体を温めてくれる入浴はもちろん、湯たんぽやカイロなども有効ですが、食事、運動、睡眠、ストレス環境などを整え、体がエネルギーを作り出せる環境を整えてあげることも大切です。ということで、今週は、体の中から温める食薬習慣を紹介していきます。今週は、体の中から温める食薬習慣寒さが厳しいですが、お鍋が美味しくなったり、寒いとモコモコのかわいいルームウェアや防寒グッズが増えたり、お風呂の時間が楽しくなったり、よいこともありますよね。とくにお風呂では、好きな入浴剤やアロマオイル、マッサージクリームやクレイパックなど、いろいろ試したいものを使ってみたり、ハーブティーを飲んだり、映画やドラマを観たり、音楽を聴いたり…。お風呂の時間は温活の一つですが、乾燥ケアやむくみとりなどの美容の時間になったり、映画鑑賞でリラックスタイムになったりと、日替わりでテーマを決めたくなるくらい楽しむことのできる楽しい時間にすることができます。まだ、シャワーだけで済ませているという人は、早速自分の心と体のために少しだけ時間を用意してあげて、入浴してみてくださいね。そして、寒い時期に温かく過ごすためには、エネルギー生成を円滑に行うことのできる体が必要です。エネルギーを作り出すミトコンドリアにしっかりと栄養素が届くように、胃や腸のケアをしつつ、適切な栄養素を取り入れることが大切です。漢方医学では、胃腸虚弱で一度冷えるとなかなか温まらない状態を『脾腎陽虚』といいます。このタイプになると、冷えだけではなく、疲れやすさや、気分の落ち込み、朝のだるさ、中途覚醒など悩みは複数になってくる可能性も考えられます。そこで本格的に寒くなる前に『脾腎』をサポートしていくことがおすすめ。ということで、今週食べるとよい食薬は、【山芋と明太子のお好み焼き】です。逆にNGな習慣は、【朝食のパンとスムージー】です。食薬ごはん【山芋と明太子のお好み焼き】『補腎』に役立つジオスゲニンを含む山芋、ビタミンDとカプサイシンを含む明太子、そして血流を促すネギ、アミノ酸スコア100でマルチに働く玉子を組み合わせて、お好み焼きのようにして食べましょう。山芋を『脾』の働きをサポートしてくれるので、胃腸が弱い人でも優しく栄養補給できる食材です。<材料>山芋6センチ(ポリ袋に入れ瓶底で荒くつぶす)玉子2個明太子1腹ネギ1/2本(輪切り)醤油・みりん各大さじ1海苔・あおさお好みで好きなソース<作り方>山芋、玉子、明太子、調味料をポリ袋にいれよく混ぜる(※)。クッキングシートをフライパンに敷く。ネギをいれて、炒める。そこにを加え蓋をして蒸し焼きにする。海苔やアオサをトッピングして好きなソースをかけて完成。NG行動【朝食のパンとスムージー】温かい体を作りたいと考えるときには、血糖コントロールと糖質過多にならない食卓づくりは欠かせないものとなります。とくに朝食にタンパク質を食べると消化管が動き、熱が作り出され、体が活発になるようにスイッチを入れてくれます。体温を上げていきたい人は、生姜やニンニクなどのスパイスもいいですが、朝のタンパク質はマスト。パン中心の食事は、糖質中心になることでビタミンB群が消耗されたり、和食に比べてタンパク質や食物繊維が少なくなりがちです。また、体のために食べている人の多いスムージーは、糖質が多く、噛む必要のない冷たい飲み物でもあるためダイレクトに胃腸を冷やしてしまいます。冷えが気になる人は、ごはん、味噌汁、肉か魚のような和食を朝食にしてみてはいかがでしょうか。朝食は、パターン化されやすいものです。毎日同じものを食べることになるということは、積もり積もって体質づくりに大きな影響を与えるものとなります。体は、なんてことない日々の繰り返しによって作られているので、体質改善をしていきたいと考えるときには、朝食の見直しから始めるのもおすすめです。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Takae/Adobe Stock文・大久保愛
2023年11月24日最近の寒さから、お腹の不調を感じることはありませんか。「元気になる食事を」と思っても、胃腸の調子が悪ければ逆に体の負担になってしまうことも…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、お腹の調子が悪くなるNG習慣と、すぐにできる対策を教えてくれます!最近の寒さで胃腸の調子が悪くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 240いつのまに秋は終わったのか!?と思うほどに寒い日が続きますよね。紅葉も見ていないのにダウンジャケットが恋しくなる毎日です。油断していると背筋がゾクゾクしたり、お腹が冷えて腹痛・下痢に悩んだり、肩凝りが悪化したり、風邪を引いてしまったり…と慣れない寒さに戸惑っている人も多いのではないでしょうか。体を寒さに慣らすための期間でもある秋は、今年はその役目を果たせそうにありません。というわけで、私たちには寒暖差に柔軟に対応し、強く生きることが必要となります。今回は、急な寒さに負けてお腹の調子が悪くなってしまわないように、効果的な食薬習慣を紹介していきます。今週は、お腹の調子を整える食薬習慣元気を作る素となるものは、食事ですよね。ただ、食事を消化し吸収するために活躍する胃腸の働きが正常であることが必要条件です。つまり、風邪を引きそうだから、疲れがとれないから…といって、プロテインやニンニク、豚肉など元気がつきそうなものをたっぷり食べたとしても、それが必ずしも体内で有効利用できるかはわからないということです。胃腸の調子が悪ければ、栄養満点の食事もうまく利用できずに体の負担となる場合もあり得ます。ここ最近の寒さで自律神経を乱したり、お腹が冷えることで、腹痛や下痢・便秘などの不調を感じる人も増えています。漢方医学では、自律神経の乱れによる胃腸の不調である『肝脾不調』を改善したり、『脾胃』を温め、『温中散寒』してあげるとよいとされています。そこで、今週は、『脾』をサポートし、『気』を補い、『散寒』することで、体を温める食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【レンコンのすり流しいり五目味噌煮込み】です。逆にNGな習慣は、気合を入れるために頻繁に登場する【エナジードリンク】を飲む、です。食薬ごはん【レンコンのすり流し入り五目味噌煮込み】レンコンには、胃の粘膜を保護する働きやタンパク質や脂肪の消化吸収を助ける働き、バリア機能を高める働きがあるので、『脾』のサポートをしつつ『気』を補うことができます。さらに具材として、『散寒』に働くニンニクや『脾気』を補うニンジンや鶏肉、大根などの具材を取り入れて作るトロトロのスープがいいのです。<材料>鶏肉の細切れ150g大根やこんにゃく、ニンジン、ゴボウなどお好みで300g程度(一口大に切る)ニンニク1片(スライス)酒50ml味噌大さじ1くらい水200mlレンコン5㎝(すりおろす)<作り方>材料をお鍋に入れ、煮込んだら完成。NG行動【エナジードリンク】の飲みすぎ調子が悪い・だるい・集中できない…となると、カフェインが入った冷たいエナジードリンクに頼る人も多いのではないでしょうか。今の時期、自律神経の乱れやお腹の冷えなどで胃腸の調子が悪かったり、免疫が低下している人も少なくありません。そんな時に、エナジードリンクに頼りすぎてしまうとカフェインによる胃への刺激により、胸やけやお腹の張り、腹痛や吐き気など胃の不快感を感じることもあるようです。また、飲む時間が夕方以降になると、睡眠の質を低下させ、丈夫な体を維持するための妨げとなってしまうことも。今の時期はとくに体調を崩しやすいので、エナジードリンクで元気の前借りをするのではなく、ダメージを受けやすい胃腸の働きをケアすることで、根本的な元気を目指していきましょう。胃腸の不調は、どんな不定愁訴を感じた時にでも、初期の段階にケアすべき部分です。体の基礎となる部分なので、早期解決を目指しましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©panchanok/Adobe Stock文・大久保愛
2023年11月17日女性たちが実際にやっている、身近なエコ活動をご紹介。116回目は、ecocoメンバーのなつみさん。今回は食材の捨てる部分を使って簡単に作れる副菜レシピをご紹介します。捨てる食材を使ってもう一品!簡単副菜レシピ【最近やってるエコなこと】vol.116今年は記録的猛暑が続き、野菜が高騰しています。スーパーに行って食材の価格に驚くこともしばしば…。食材一つひとつを無駄にしたくないですよね。料理をするとき、捨ててしまう食材はありませんか?野菜や果物の皮、根菜の葉っぱ、キャベツの芯、ブロッコリーの茎、椎茸の軸等、普段は捨てられる部分でも、調理の仕方によって美味しく食べることができます。なつみさん毎年、何百万トンと出る食品ロスを少しでも減らしたい気持ちで、野菜の皮などを使った料理を取り入れています。他にも買い物する際は必要な食材だけを購入するよう意識したり、当日使う食材は賞味期限が短いものを購入するようにしています。ーー今回は、皮ごとのニンジンと、軸も含めた椎茸を使った、誰でも簡単に作れるレシピをご紹介します。皮ごと使ったキャロットラペ用意する材料・ニンジン1本・白ワインビネガー大さじ1強・オリーブオイル大さじ1・粒マスタード小さじ2・アガベシロップ小さじ11.ニンジンを皮ごと千切りにします2.調味料をすべて入れてニンジンと混ぜたら完成なつみさんニンジンは栄養素が外側に偏るので皮ごとまんべんなく使います。斜めに切るのがポイントです。椎茸の軸の佃煮用意する材料・椎茸6個・生姜ひとかけ・醤油大さじ1弱・酒大さじ1・みりん 大さじ1・砂糖小さじ11.椎茸の石づきを切る2.椎茸、生姜を細切りにする.フライパンにカットした椎茸と生姜を入れる4.調味料を入れて煮汁がなくなるまで煮たら完成なつみさんニンジンの皮や椎茸の軸は普段食べているところに比べて栄養が2倍以上あります。椎茸の軸は食感もあり美味しいところが好きです。捨てるはずの食材で食卓にもう一品いかがでしたか。普段は捨ててしまう部分でも、調理によっては美味しく食べることができます。生ごみも減らす事ができるので、フードロスにも繋がります。今日ご紹介したレシピは簡単に作れるので、ぜひマネしてみてくださいね。<紹介してくれた人>なつみ岡山県出身。29歳。今年「TREE by NAKED meiji park」というカフェをオープンし、そこでスイーツやグラノーラ作りをしています。わんちゃんを飼い始めたので一緒にお出かけする事が癒し。カフェもわんちゃん店内OK。毎月第4(土・日)はマルシェも開催しています。是非遊びに来て下さいね。<筆者情報>ecoco代表平野絢子エコをテーマとし全国の女性を集めた団体「ecoco」を立ち上げ、身近にできるエコ活動、エコを通した地域活性とウーマンエンパワーメントを推進している。また岡山県の観光特使として東京を拠点に行き来するデュアルライフを行いながら、せとうちの農園や市場、工場などに自ら足を運び、創り手の‟想い”を伝えるため、商品開発、営業、PRなどを企業と一緒に行っている。(C)New Africa/AdobeStock文・平野絢子 イラスト・宮本志保
2023年11月15日例年12月後半頃から流行するインフルエンザですが、今年はすでに流行が始まっています。毎年感染症にかかってしまう人や免疫機能の低下が気になる人は、今すぐ対策を始めることをおすすめします。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、インフルエンザに感染する原因となるNG習慣と、すぐにできる対策を教えてくれます!免疫機能の低下が気になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 239コロナ渦の3年間は、インフルエンザに感染する人はかなり減っていましたが、今年は非常に増えてしまっていますよね。それに加え、また新型コロナウイルスに感染する人が増えてきてしまったら、免疫機能が低下している人は何度も様々な感染症にかかってしまうかもしれません。そうなれば、つらい日々を過ごすことになり、心も体も疲弊してしまうでしょう。そうならないようにするためには、体の基礎作りがとても重要です。もうインフルエンザにかかってしまった人も、毎年感染症にかかってしまう人も、食事・睡眠・運動のレベルをワンランクアップしていく必要があるのではないでしょうか。ということで今回は、インフルエンザにかかりやすいタイプ、そして、その対策について、食事の観点から解説し、効果的な食薬習慣を紹介していきます。今週は、インフルエンザ対策のための食薬習慣例年であれば、年明け頃からインフルエンザが流行するとされていますが、今年は一足早く流行が始まっています。また、インフルエンザは経験されているかたも多いと思いますが、ワンシーズンに何度もかかってしまうかたもいらっしゃいます。その一方で、一度もかかったことのないかたも一定数いますよね。あなたはどちらでしょうか。この違いは免疫機能の違いですが、漢方医学では『気虚』や『腎虚』の人が感染しやすいとされています。たとえば、朝、昼の食事を適当に済ませ、夜だけがっつり食べたり、ストレスが多く、日中クッキーやスナック菓子や菓子パンなどを食べたりしている人、また、毎日晩酌で気分転換したり、会社やスーパーの往復など最低限の運動量で毎日過ごしていたり、深夜までSNSや動画などを見ている人などがこれに当たります。自身の食事・運動・睡眠・ストレスなどの状態に配慮しておらず、自己管理ができていない人が『気虚』や『腎虚』になりやすく、インフルエンザにかかりやすいタイプと考えられます。ということで、今回は『補気』と『補腎』のために役立つ食薬をおすすめします。今週食べるとよい食薬は、【牡蠣と玉子のチゲスープ】です。逆にNGな習慣は、腸内環境を乱す【気分転換のクッキーやスナック菓子】です。食薬ごはん【牡蠣と玉子のチゲスープ】『腎』や『気』のサポートとなる亜鉛やマグネシウムなどミネラルを豊富に含む牡蠣の料理を取り入れましょう。そして、体を温めるカプサイシンを含み、免疫の要となる腸内環境を整える発酵食品であるキムチを合わせ、アミノ酸スコア100のフワフワ玉子を加えることで『補気』できるスープがおすすめです。<材料>トマト1個(さいの目)キムチ60g豆腐半丁(スプーンですくって一口大)水400ml牡蠣6個味噌大さじ1~2すりゴマ大さじ1溶き玉子2個<作り方>味噌と溶き玉子以外の材料をお鍋に入れ、ひと煮たちさせる。味噌をとき、溶き玉子を加え、玉子が固まったら完成。NG行動【気分転換のクッキーやスナック菓子】市販のクッキーやスナック菓子は、砂糖や異性化糖、人工甘味料×小麦粉×酸化した油などでできているものが多いです。習慣が体を作ることは、皆さんご存じだと思いますが、毎日の気分転換やストレス発散として、そういったものを食べる習慣を身に着けていたら、健康から遠ざかってしまうことはイメージしやすいのではないでしょうか。これらは、免疫機能を整える上で大切な腸へのダメージを与える食材です。そのため、口内炎やヘルペス、ものもらい、カンジダ膣炎などになりやすく、最近免疫が低下しているのではないか…と考える人は、控えることがベターです。人の往来が増え、忙しい年末年始へと向かっていきます。ウイルスと出くわす機会も多く、生活習慣が乱れる機会も多くなる時です。自分の体は自分で守ることができるように、家庭でのご飯は、体をいたわるご飯になるようにしたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©akaricream/Adobe Stock文・大久保愛
2023年11月10日日本料理の1つで、献立の汁物として親しまれる茶碗蒸し。鶏肉やかまぼこ、銀杏などさまざまな食材が合う茶碗蒸しですが、特に秋の食材とは相性がよく、涼しい季節に食べたくなる人もいるかもしれません。しかし、茶碗蒸しは出汁をとったり、蒸したりと手間のかかる作業が多いため、少し面倒に感じる人もいるでしょう。本記事では、手軽に茶碗蒸しを作りたい人のために、電子レンジで作る簡単なレシピを紹介します。電子レンジで作る茶碗蒸しの作り方電子レンジで作る茶碗蒸しの材料は以下の通りです。【材料(2人ぶん)】・卵1個・白だし大さじ1杯・水1503・かに風味かまぼこ2本・ほうれん草適量作り方は以下の手順を参照してくださいね。【作り方】1.卵液を作る。ボウルに卵を割り、白だし、水を入れて、よく混ぜる。2.混ぜた1をこす。3.ほうれん草を小さく切り、かに風味かまぼこは薄く切る。4.耐熱性のカップに具を入れ、卵液を注ぐ。5.食品用ラップをして、2人ぶん同時に200wの電子レンジで7分加熱する。電子レンジで作る茶碗蒸しのポイント卵液を作る際は、菜箸をボウルの底に付けたまま、卵白を切るように左右に動かしてください。泡立てないように注意することで、なめらかに仕上がります。カップに卵液を注ぐ際も、泡立たないようにしましょう。また、電子レンジで加熱する際は、弱めでじっくりと加熱することで、つるんとした茶碗蒸しができます。加熱時間が7分では足りない場合は、様子を見ながら時間を調整してください。この2点に注意して作ってみると、つるんとした食感の茶碗蒸しが完成!表面は少しでこぼこしていますが、食べてみるとなめらかで優しい味でした。筆者は、ほうれん草とかに風味かまぼこのみで作りましたが、好きな具材を使用して作ってみてください。出汁をとる必要もなく、電子レンジで簡単にできるので、今まで茶碗蒸しを作ったことがない人やズボラな人でもチャレンジできそうです。秋の食卓に茶碗蒸しを作ってみてはいかがでしょうか。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2023年11月09日11月に入り、1日の寒暖差が気になる人は多いと思います。男女を問わず、冷えや冷えに伴う頻尿、腰痛、肩こりなどの不調に悩む人も多いはず。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、冷え性の原因となるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!男女とも冷えは大敵!冬本番前の今から対策を【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 238数年前に“いい女ほどタイツのデニール数は少ないらしい”説が浮上していましたが、実際のところどうでしょうか?肌色のタイツの上に薄いタイツをはいて工夫する方もいらっしゃいますよね。私自身は、160デニールなどなるべく分厚いもので温かく安心して過ごしたいタイプです。ですが、これから寒くなるにつれておしゃれの幅も広がり、デニール数が少ないストッキングをはいたり、鎖骨を出したり、コートの下にノースリーブを着たり、防寒と真逆の服装をしてみたくなることもあるかもしれません。そこで今週は、徐々に寒さが厳しくなり、寒暖差も実感する気候の中で、冷えずに温かくすごすための食薬習慣を紹介していきます。今週は、冷えの対策となる食薬習慣寒い季節には、冷えるという感覚以外にも血流が悪くなって足がむくんだり、血管が収縮し指輪が緩くなったり、トイレが近くなったり、膀胱炎や膣カンジダなどの症状を感じたりすることがあります。これからの時期は、外からの防寒も大事ですが、体内で熱を作り出す力が欠かせなくなります。冬のオシャレで我慢をしないように温活アイテムを活用しつつも、体を整えることでポカポカな体を維持していきたいですね。漢方医学では冷えやすい体質の一つとして、底冷えしやすく一度冷えるとなかなか体が温まらないという状態を『脾腎陽虚』といいます。その場合、消化器系統の働きをサポートしつつ栄養を補給し、効率よくエネルギーを作り出すようにします。ということで、今週は一足早い温活の一環として胃腸の働きを助け『脾』の働きを強化し、マグネシウムや亜鉛、ビタミンDなどを補いつつ、十分な睡眠をとることで『腎』を強化することがおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【鱈とキノコのみぞれ鍋】です。逆にNGな習慣は、代謝ビタミンであるビタミンB群を消耗していく【ラーメンとビール】です。食薬ごはん【鱈とキノコのみぞれ鍋】胃腸の働きを助ける大根おろしとナメコを活用したお鍋を紹介します。なめこのトロミは保温性が高く、トロトロでポカポカのお鍋に。栄養の消化吸収機能を高め、『補脾』することで体の土台作りをします。そして、高タンパク、低脂質で、ビタミンD、ビタミンB群などを含み、消化によい鱈を活用し『補腎』していきます。冷え対策に欠かせない『脾腎』を元気にするお鍋です。これからの季節、お鍋の機会が増えると思いますので、ぜひお試しください。<材料>なめこ80g鱈2-4切れ白菜やしめじなど好きな野菜塩昆布・醤油・酒・みりん大さじ1水500ml大根おろし好きなだけ<作り方>大根おろし以外をコトコト煮込み、最後に大根おろしをのせて、お好みでネギを添えて完成。NG行動【ラーメンとビール】の食べ過ぎ・飲みすぎラーメンやパスタなどの糖質を多く含む食材や、ハイボール、ワイン、ビール、日本酒などのお酒は、体内で分解するためにビタミンB1やナイアシンなどのビタミンB群、カルシウムなどを消耗していきます。ビタミンB群は、代謝ビタミンとも呼ばれ、エネルギーを作り出すために必要不可欠な栄養素です。そのため、冷えを感じるときには、ビタミンB群のサプリを補うことがありますが、足りないものを足すだけではなく、消耗してしまう原因を突き止め、避けることも同時にできるとよいですね。まだ、寒さは始まったばかりです。これから長い冬がはじまり、暖房やカーディガン、腹巻、レッグウォーマー、カイロなど様々な防寒グッズに頼り、なんとか冬越えするということも多いかもしれません。ですが、寒さの始まりでもある今の段階からコツコツと自ら熱を作り出せるように体を整えていくことは、健やかに冬越えできる可能性を高めてくれます。冬本番になる前の今のうちに、習慣の見直しをしてみてはいかがでしょうか。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©こんざい/Adobe Stock文・大久保愛
2023年11月03日秋は乾燥、むくみ、冷えなどを感じやすい季節。体の潤いが不足し、シミやシワに悩みはじめる人も多いと思います。秋冬の不調対策もエイジングケアも、どちらも気になりますよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、老化の原因となるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!秋冬の潤い不足でシミやシワが気になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 237鏡を見るたびに、目元や口元、首などのシワが目に付いたり、手の甲がシワシワでくすんでいたり、ちょっと小走りするだけで息が上がったり、無茶すると翌日疲れがどっと出てきたり、「よっこいしょ」と言う回数が増えたり…最近、年齢を感じてきたなと感じることはないでしょうか。だんだん日が短くなると漢方医学では、エイジングケアをするシーズンであると考えます。太陽の恩恵が陰り始めるこの時期には、体内年齢を決めるとされている『腎』の働きが低下しやすく、乾燥、慢性疲労、耳鳴り、腰痛、むくみ、冷えなどを感じやすくなるからです。そのため、秋冬の不調をその場しのぎで乗り切るのではなく、根本的に解決していくことは、老化防止につながる行動であることも多いのです。そこで、今週は老け込みやすい秋冬にできるエイジングケア対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、秋冬の老化対策となる食薬習慣テラス席で、お茶をするのが気持ち良い季節になりました。外が肌寒い日でも、景色が良く見渡せる窓際席を選びたくなることもありますよね。心地よい風の中、息抜きをするのもこの時期の楽しみです。ただ、最近、小鼻や唇、目元、指先など細かい部分の乾燥が気になり始めてはいませんか?また、外出時に紫外線対策を忘れていることはないでしょうか?秋は、乾燥しやすく美肌を保つために保湿の努力が必要となりますが、それだけではなく、紫外線対策も欠かすことができないポイントなんです。紫外線には種類がありますが、シミやシワなど老化を加速するUVAは、秋にもそれほど減るものではないからです。テラス席や窓際席で秋を満喫するときには、紫外線対策も気を付けたいですね。そして、漢方医学では、秋冬には体から潤いが不足する『肺腎陰虚』になりやすいと考えられていて、シミやシワ、髪の毛のパサつきなどを感じ老化現象を実感することが多いとされています。そこで、今週は『陰』を補いエイジングケアをする食薬を紹介していきます。今週食べるとよい食材は、【鮭と梅干しのワカメごはん】です。逆にNGな習慣は、老化の原因となる糖化を加速させる【ピザ・グラタン・ドリアなど】こんがり焼いたAGEsが多い食材です。食薬ごはん【鮭と梅干しのワカメごはん】強い抗酸化作用のあるアスタキサンチン、オメガ3脂肪酸、タンパク質、ビタミンB群を含むことでスーパーフードともいわれる鮭は、エイジングケアに役立つ『陰』を補う食材。そこに胃酸の分泌を促す梅干し、そして腸内環境を整えるゴマやワカメ、生姜をたっぷり加えて作ります。消化吸収まで考えた炊き込みご飯です。<材料>鮭 1切れすりゴマ 大さじ2梅干し 1個(包丁で叩く)生姜 1片(千切り)乾燥ワカメ 大さじ1(細かくする)醤油・みりん各小さじ2米(もち麦) 2合水適量<作り方>材料を炊飯器に入れて炊けたら混ぜて完成。NG行動【ピザ・グラタン・ドリアなど】こんがり焼いたものの食べ過ぎピザ、グラタン、ドリア、ベーコン、フライドポテトなど高温で調理したものや加工食品には、老化や生活習慣病の原因になるといわれているAGEsが多く含まれています。そのため、糖質が多いものだけではなく、お肉や魚などを食べる場合でもなるべく、短時間でシンプルな調理をした料理がよいといわれています。エイジングケアのために一生懸命スチーマーをかけたり、基礎化粧品を厳選して使ったり、朝晩のお肌のケアに時間をかけたりと美容を気にしているかたは、とくに体の内側からのケアも気にすることで、エイジングケアをより効率的なものとしていただけたらと思います。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Good Studio/Adobe Stock文・大久保愛
2023年10月27日秋はじつは、便秘や硬くコロコロとした便が出る人が増える季節。その原因は、日々の食生活や生活習慣にあります。さらに、肌寒くなるこの時期に、ぬくぬくしながら食べたくなる食べ物にも一因があるのだとか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、便の状態を乱すNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!便秘・コロコロ便が続いていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 236肌寒い季節が始まり、ぬくぬくすることに幸せを感じる時間が増える季節になりましたよね。就寝時には久しぶりに加湿器を稼働させたりと、季節が変わりゆくことを日々実感します。そして、寒くていつまでも眠っていたい朝には、焼き立てのクロワッサンやデニッシュ、温かいカフェオレやカップスープなどが癒しになることもあるかもしれません。ただ、乾燥した空気、急な冷え込みと、体調を崩してしまう要素も同時に少しずつ増えていきます。そんなときには、カラダに朝を知らせ、腸内環境を整え、一日を元気に過ごせるように、活力を与える朝食の習慣が大切です。とくに朝食は、そもそも食べなかったり、食べたとしても毎日同じものを食べたりとパターン化されてしまうことが多いもの。健康に気を付けた食事をしていきたいときには、食物繊維やタンパク質の不足がないよう、真っ先に見直すポイントとなります。また、朝食をおいしく食べるには、夕食の量、内容、時間などのコントロールをすることで、胃腸の負担を朝まで引きずらないことも大切です。もし、コントロールできない場合には、便秘になったり、固い便がでたり、ニオイがきつく便器にくっつくような便が出たりと、便の状態に様々な変化が現れます。自分の食事の内容が適切なのかどうかは、便の状態を把握することもヒントとなります。ということで、今週は健康管理の上で見逃せない、便の状態を整える食薬習慣を紹介していきます。今週は、便秘・コロコロ便の対策となる食薬習慣最近、スルッとした便はでていますか?漢方医学では、この時期は便秘になりやすく、腸内環境が乱れることにより、肌トラブルや免疫力の低下を感じることが増えるとされています。秋に食べたくなる食材は、どちらかというと糖質や脂質が多い、こってり濃厚な食材が多いと思います。サツマイモや栗を使ったクロワッサンやクリームたっぷりのデニッシュ、お湯に溶くだけでできるホッコリするスープ、濃厚クリーミーなカプチーノなど、温かさを感じられる食べ物が欲しくなります。これらの食材を立て続けに食べるときには、腸内細菌と共存していることを思い出し、便の状態までたどって考察してみるのがおすすめです。食べ過ぎた時には、ベットリしたニオイのきつい便やスルッと出ない残便感を感じる便などが出てきてしまうことが多いはずです。この状態が続くと、漢方医学で考える喉や鼻が敏感になり免疫が低下してしまう『肺陰虚』やアレルギーや咳などの炎症を起こしてしまう『湿熱』などを感じることがあるといわれています。ということで、今週は、『肺陰』を補い『湿熱』を除去する食薬を紹介していきます。今週食べるとよい食薬は、【ゴボウとアサリの味噌汁】です。逆にNGな習慣は、『湿熱』を生じさせる【クロワッサン・デニッシュ】を朝の定番とすることです。食薬ごはん【ゴボウとアサリの味噌汁】ゴボウとアサリ、ニンニク、ネギを組み合わせることで、腸内環境、肝臓の働きを整え、便秘、アレルギー、貧血、むくみなどの対策やデトックスにも役立ちます。特にミネラル豊富なアサリによって『陰』を補い、ゴボウによって『湿熱』を除去します。便通がいまいちというときには、朝食の味噌汁習慣をはじめてみましょう。<材料>アサリ150gニンニク2片(スライス)ネギお好みでゴボウ1/3本(輪切り)水400ml味噌大さじ1くらいみりん小さじ2<作り方>材料を煮たら完成。NG行動【朝食のクロワッサン・デニッシュ】便の状態は、カラダの状態を教えてくれる通信簿です。もしも便の状態があまりよくなかったり、便秘薬で便をだしているという場合には、朝食の見直しをしてみましょう。パンよりはお米。そして、食物繊維の摂取も当然ですが忘れてはいけません。パンをメインにした食卓からは、食物繊維やタンパク質が不足しがちです。調子が悪い時だけでも、ごはん、味噌汁、サラダ、鮭のような旅館の朝食をイメージした食事を準備してみましょう。毎日のことだから、そんな手間がかかることは、無理!とはじめから諦めてしまってはいないでしょうか。毎日のことだから、積もり積もってカラダに大きな影響を与えてしまうものでもあります。全部を一気に変えることは難しいですが、1つずつ良い方向へ変化できるポイントを探し、1か月に1つ程度でもよいので、体に良い習慣を増やしていけると、1年後には12個も良い習慣が身に付きますよね。一度に変化させることを目指すのではなく、習慣化させることを目指していけるとよいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©panchanok/Adobe Stock文・大久保愛
2023年10月20日わたしは、赤ちゃんポストで産まれた…。産まれてすぐ赤ちゃんポストに投函されたみかんさん。シミ姉ちゃんという親友ができるが、新しい先生が養護施設に赴任。この先生の出現で、子どもたちの運命が狂っていく…!?自身の幼少期を、現在高校生のみかんさんが漫画化。自らの実体験を知ってもらうことで、望まない妊娠や子どもの社会問題を世の中に伝えたい。少しでも出産する母親や赤ちゃんにとってやさしい世界になってほしい…。そんなみかんさんの願いが伝わってくる物語。赤ちゃんポストの現状や存在意義、養護施設や里親制度などで子どもたちが直面するトラブルについても考えさせられる…!※この作品は、実体験を漫画化した作者みかんさんの許可を得た上で掲載しています■前回のあらすじ負けっぱなしのみかんさんだったが、シミ姉ちゃんに「絵はかなわない」と言われるほど大好きだった。楽しい時間を過ごすふたり。しかし、養護施設にあたらしくK先生が来たことで運命の歯車が狂っていく…。■それは食事のときに起きた…■無理やりはやめて!それは食事のときに起こりました。食事が進まない子に向かって、「早く食べなさい」と言うK先生。抵抗する子の口に無理やり食べ物を入れたK先生に対し、シミ姉ちゃんが「かわいそうだよ!」と意見すると…!?次回に続く「わたしは赤ちゃんポストで産まれた子」(全37話)は12時更新!
2023年10月14日夜が長くなり、哀愁漂う秋。なんとなく不安感や寂しさ、生きづらさを感じることはありませんか。なかにはどっぷり落ち込んでしまう人もいるかもしれません。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、心を不安定にさせるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!秋になると寂しさ、生きづらさを感じるのはなぜ?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 235寒いなと感じたら、すでに10月だった…と時が過ぎるスピードの速さに驚くかたも多いかもしれません。そう、今年も残すところ3か月を切ったのです。今年、自分は何をしたんだろうか、今年の残った時間で有意義なことができるのだろうかと、理由もわからず不安感や寂しさ、切なさ、生きづらさなどを感じてしまうタイミングがチラホラと出てきてしまうのがこの時期。ただ、漢方医学でもこの時期には、悲しさや切なさを感じる人が増えるということが、はるか昔から言い伝えられてきました。なので、悲しいなと感じたら、秋が始まった合図なんだなと考え、秋のレジャーや読書、食、スポーツなどを楽しむ準備をしていくのが理想ですね。そこで、今週は秋を楽しむ準備をししつつ、寂しさや生きづらさの対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、寂しさや生きづらさを感じた時の食薬習慣涼しくなると秋特有の切なさ、悲しさ、生きづらさを感じることがあります。これは、昔から統計的によくあることとして、漢方医学では季節の風物詩のように考えられています。皆さんは、そんな感覚になったことはないでしょうか。どんな時でも、安定して明るく元気!というかたもいらっしゃるかもしれませんが、多くの人が秋の心の変化を感じたことがあると思います。今年も終わりに近づいてきたなと実感し、今年残された3か月に対して、再度どんなふうに活用しようかなと目標設定するための心からのお知らせだと考えても良いかもしれませんね。ただ、生活に支障が出るほど気分が落ち込んだり、涙が出てしまうような場合には、対策が必要となります。漢方医学では、『肺』が弱いタイプの人にこういった感情が強く表れやすいと考えています。どんなタイプかというと、腸内環境が乱れているタイプの人です。季節の変わり目に喉がやられたり、感染症にかかってしまうこともあるタイプです。そこで、今週は『肺』を強くし、心と体の基礎を丈夫にしていくために『気血』を補うことをおすすめします。ということで、今週食べるとよい食薬は、【鮭とキャベツの味噌蒸し焼き】です。逆にNGな習慣は、『胃熱・湿熱』を生じさせる【カップラーメンや総菜パン】を常食とすることです。食薬ごはん【鮭とキャベツの味噌蒸し焼き】消化を助ける働きやストレスで大量発生する活性酸素の除去に役立つ働きも兼ね揃えている『気血』を補うレシピ。また、キャベツや味噌、マイタケなど腸活に役立つ食材をふんだんに使うことで、腸内環境を整え、秋に弱くなりやすい『肺』の働きをサポートしていきます。<材料>キャベツ6枚鮭2切れ舞茸1パック味噌・みりん各大さじ1水・酒各大さじ2<作り方>1.フライパンにキャベツと舞茸をしいて、鮭をのせる。2.調味料を溶き、全体に回しかけ、10分くらいしたら完成。NG行動【カップラーメン・総菜パン】3回の食事のタイミングは、空腹と欲望を単純に満たすのではなく、足りなくなってしまった栄養素を補充するタイミングでもあります。そのため、カップラーメンや総菜パンを食事とみなすのではなく、嗜好品と考えることが体を元気にするための基本となります。とくに心が不安定なときにはカップラーメンや総菜パンだけで食事を済ますというようなことは、なるべく控えておくことが理想です。寒くなるにつれて、寂しさや生きづらさを感じることは、秋の特徴としてよくあること。とはいえ、季節に翻弄されっぱなしでいるよりも、自分で主導権を握り季節を楽しむように生きる方が楽しいと思います。気の赴くままに楽なものを食べるのではなく、体の内側から元気になるような食事を取ぜひり入れていくようにしましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©shima/Adobe Stock文・大久保愛
2023年10月13日人と会う機会も増え、口臭が気になっている人は多いはず。実は秋限定のお楽しみグルメにも危険が潜んでいるようで…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、口臭の原因となるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!人と話すときに相手や自分の口臭が気になることはありませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 234人と至近距離でお話していると、ちょっとクサいかも!と感じることはないでしょうか。ここ数年、マスクやzoom越しで人とのコミュニケーションを続けていたこともあり、久々に他人の口臭、そして自分の口臭が気になることもあるかもしれません。とくに糖質×脂質の組み合わせの食べ物は、私たちを幸せにしてくれるものですが、口臭が気になる人にとっては少し気を付けたい食べ物です。ただ、食欲の秋には、糖質×脂質の季節限定商品のレパートリーもどんどん増えていきます。魅力的な甘くて濃厚なサツマイモやモンブラン、パンプキンのラテなどのカフェメニュー、クリームとチョコレートをかけあわせたコンビニスイーツなどなど、いたるところで見かけるようになりますよね。日々をこなすように慌ただしく過ごしている人は、気が付いたら自分へのご褒美スイーツを毎日食べていたということもあるでしょう。ということで、今週は食欲の秋の幕開けに口臭に悩まされないように対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、口臭を予防する食薬習慣夜になると肌寒さを感じるこの頃、カフェメニューやコンビニでは、クリーム系やチョコレート系、チーズ系などのポカポカ感を連想させる食べ物に魅力を感じるようになりましたよね。ほんの数週間前までは、さっぱり・ひんやりしたものに魅力を感じていましたが、味覚の変化とともに季節の変化も実感していきますね。ただ、欲望通りに好きなものばかり食べている人は注意です。漢方医学では、甘いものやこってりした脂質が多く含まれたものを食べ過ぎると『胃熱』が生じると表現します。『胃熱』があると一度食べ始めると止まらなくなってしまったり、冷たいカフェラテや炭酸ジュースを欲したり、甘いものやはっきりとした味のものを好むようになる傾向があるといわれています。その結果、口臭が強くなったり、口内炎ができたり、唇が荒れたり、ニキビができたり…という不快症状を感じやすくなるといわれています。また、同時にストレスが多いときにも交感神経が優位になり、胃腸の働きが低下し、唾液の分泌も低下し、口臭が悪化しやすくなるといわれています。そのため、同時にストレス解消のために『理気』してあげることも大切です。ということで、今週、口臭や口内炎、過食に悩む人は『胃熱』を解消し、『理気』する食薬を取り入れましょう。食べるとよい食薬は、【リンゴとサツマイモのソテーレモン風味】です。逆にNGな習慣は、『胃熱・湿熱』を生じさせる【季節限定チョコレート系デザート】の食べ過ぎです。食薬ごはん【リンゴとサツマイモのソテーレモン風味】自律神経を整える『理気作用』と『健胃作用』のあるレモンと腸の調子を整えるリンゴ&サツマイモを使って『胃熱』の対策をしていきます。リンゴとサツマイモの甘みが強いので、お砂糖も不要です。5分くらいでできるので、甘いものの食べ癖がついている人は、試してみてくださいね。<材料>リンゴ1/2個(乱切り)サツマイモ1/2個(乱切り)みりん・レモン汁(酢)各大さじ1<作り方>リンゴとサツマイモをレンジで2分くらいあたためる。オリーブオイルかココナッツオイルでリンゴとサツマイモに調味料を加え、絡めながらソテーしたら完成。お好みでシナモンをかけてもOK。NG行動【季節限定チョコレート系デザートの食べ過ぎ】チョコレートが美味しい季節がやってきました。濃厚でクリーミーなマロン、焼き芋味などの季節限定チョコレートが増えてきますよね。チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、口臭を防ぐ働きもあるといわれています。ですが、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートにはカカオポリフェノールがほとんど含まれていないため、その効果が期待できるのは高カカオチョコレートと考えられます。また、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートには、砂糖や乳脂肪が多く含まれているので、逆に口腔内環境が悪くなり、口臭の原因となってしまうことまで考えられます。大切な用事があるときには、高カカオチョコレートがベターです。普段、口呼吸になっていたり、脂質と糖質の多い柔らかいものばかり食べていたり、ストレスが多かったり、胃の調子が悪かったり、口腔内の定期検診を怠っていたりすることも口臭の原因となります。どれも健康状態に影響する大切なことですよね。ニンニクや生のタマネギなどを食べた時以外で口臭が気なり始めたというときには、生活の見直しをしていきましょう。それが、健康管理につながります。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Mari Matayoshi/Adobe Stock文・大久保愛
2023年10月06日食が細い三女は保育園へ入園後、園で出される給食やおやつをほとんど食べませんでした。先生からの提案で、まずは園で食べることに慣れるため、お弁当を持参することに。三女がいつも食べられそうな物をお弁当に詰めていくと……? 給食やおやつを拒否!先生がとった秘策とは!? 1歳半になった三女は、4月に保育園へ入園しました。しかし、慣らし保育で数日預けた後、先生から「園でおやつや給食を全然食べてくれません」と言葉をかけられます。 三女は食が細いタイプで、家でもごはんを食べさせるのに苦労していました。夫は「そのうち食べるよ」と楽観的でしたが、私は「保育園に入れる時期を間違えたのかな」ととても不安でした。 数日たったある日、状況を見かねた先生から「食べられるものを詰めたお弁当を持ってきていただけますか?」と連絡がありました。「まずは園で食べることに慣れましょう」と言ってくれたので、不安な気持ちになっていた私は少しほっとします。 翌日、三女の好きなキャラクターが描かれたお弁当箱に、食べやすく細かく切ったうどんと余白に他のおかずも詰めました。その日の帰り「うどん食べましたよ」という先生の言葉に私は安堵。それから、少しずつおやつや給食も食べられるようになりました。先生が特別にお弁当を持参する許可をくださったことを本当に感謝しています。 これからも子どもたちが困難にぶつかったときは、一緒に乗り越えていきたいです。 作画/Pappayappa著者:田川ゆうこ
2023年10月04日食欲の秋といえば、あれもこれもとおいしいものを食べたくなってしまうもの。ですが、この時期によく食べるものの中には、お腹の張りや臭いおならの原因となり、秋冬太りにつながってしまう要注意グルメがあるのだとか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、気をつけるべきNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!食べ過ぎたときのお腹の張りやクサイおならが気になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 233焼き芋やモンブランなど秋の食材を使ったスイーツにクリームパスタ、グラタン、ドリア、クリームシチューなど、体がポカポカしそうな濃厚な味わいで、想像しただけでお腹が減ってしまいそうな食材たちをいたるところで目にするようになってきました。秋の味覚を何から食べつくしていこうか迷ってしまいますよね。ただ毎日、甘くて、こってりしたものばかり食べていたら、気になってくるのがプヨプヨしたお腹やお尻のたるみではないでしょうか。秋冬といえば、イベントが多く、食べることも多く、ぬくぬくして一回り大きく成長してしまう人が多いと思います。もし毎年、寒い時期に太ってしまうという人は、今から気を引き締め、欲望にだけに従うのではなく、理性的に体形や体調の管理をしていきましょうね。そんな人のために、自分をセーブするための一つの指標として「お腹の張り」があります。お腹がポンポンに張ったり、臭いおならが出てしまうというときには要注意!ということで、秋のはじまりは、お腹の張り&おなら対策をすることがポイント。今週は、お腹の調子を整えて秋冬太りを予防する食薬習慣を紹介していきます。今週は、お腹の調子を整えて秋冬太りを予防する食薬習慣今年も食欲の秋がはじまりましたね。松茸や上海ガニなどの高級食材もありますが、ホクホクとしたお芋や栗、カボチャ、キノコ類、そしてカキ、イチジク、リンゴなどの果物、寒い時期に連想するクリームやチーズなどこってり濃厚系の食べ物もなじみ深いですよね。タンパク質や脂質、炭水化物など栄養バランスを乱さない範囲で楽しむのはよいと思います。ですが、限定品だから、旬だからといって食べ過ぎてしまうと、太りやすくなったり、便秘になったり、だるさを感じたりしてしまうことになります。秋は、食欲以外にも、読書や行楽、スポーツ、芸術などアクティブに楽しむことも想定されている季節。不快感はできるだけ減らしておきたいですよね。そこで、偏食や食べ過ぎた時に知らせてくれるポイントがあります。それは、おならや膨満感です。小麦を使ったもの、砂糖を使ったもの、油が多いものなどをたくさん食べ、食物繊維が少ない場合には、腸内環境が乱れ、お腹の張りや臭いおならを発生させてしまいます。また、口の中の舌を見ると、舌苔が増えたり、口臭が強くなったり、舌先が赤くなったり、舌自体がむくんでいることもあるかもしれません。漢方医学には、舌の状態をみて体調や生活習慣を予測する『舌診』というものがあります。何気なく過ごしていると、習慣化ゆえに偏食に気が付かないこともあるかもしれませんが、おならや便、舌の状態に違和感があるときは、偏食がないか見直しの合図と思い行動を改めてみてはいかがでしょうか。ということで、今週は偏食によって生じる『湿熱・痰湿』を取り除く食薬を取り入れてみましょう。食べるとよい食薬は、【タコとワカメの梅肉和え】です。逆にNGな習慣は、『痰湿・湿熱』を生じさせ、膨満感と秋太りにつながる【濃厚クリーム系パスタ&グラタン】などの食べ過ぎです。食薬ごはん【タコとワカメの梅肉和え】タウリン、鉄、タンパク質、食物繊維をたくさん含む組み合わせ。胃と腸の働きを助け『脾胃』を整え『痰湿・湿熱』を取り除く梅干し、ワカメ、ゴマがおすすめ。タコは刺身でも茹タコでもOK。すぐに完成する1品なので、こってりした味覚に慣れ始めてきたらお試しください。<材料>梅干し1個(包丁で叩く)タコ好きなだけ乾燥ワカメ大さじ1(ふやかしておく)醤油・みりん各小さじ1すりゴマ大さじ2<作り方>材料をよくあえたら完成。NG行動【濃厚クリーム系パスタ&グラタンの食べ過ぎ】この時期は、クリーム系のパスタやグラタンなどのラインナップがどんどん登場し、全種類食べたくなりますよね。連続的に食べていると、糖質過多になり、腸内では悪玉菌への餌付けばかりしてしまうことに。そして、単純にカロリーが高いだけではなく、糖質のとりすぎは、代謝ビタミンといわれるビタミンB群の消耗にもつながり、太りやすくなったり、疲れやすくなってしまいます。一日の中で1食偏食になるようなら、朝晩で調整したり、翌日の食事で調整したりと慢性的に続かないように気をつけましょうね。これから食欲の秋、忘年会、クリスマス、大晦日、正月、バレンタインと長期的に食べるイベントが続き、食べ癖がついてしまう機会が増えていきます。みんなで美味しいものを食べるときには、しっかり楽しんで、何もない日には、栄養バランスをとるように生活し、食欲をコントロールして秋とつきあっていきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©eddows/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月29日「暑さ寒さも彼岸まで」を実感する今日このごろ。涼しくなってお出かけする機会が増え、暴飲、暴食なんて人も多いかもしれません。日ごろのストレス発散のはずが、逆に体調不良に…それでは意味がありませんよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、この時期に多い頭痛、肩こりの原因となるNG習慣と対策を教えてくれます!飲み会の後に頭痛、肩こりが悪化していませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 232涼しくなったら、食事しようね、お出かけしようねと、猛暑を避けるように親しい人たちとの予定を組む話をしていた人は多いのではないでしょうか。秋分の日を境に気候は一気に夏を忘れさせるように落ち着いていきます。そろそろ、真夏に約束した外食が増え始めるという方もちらほら出てくるころだと思います。今まで積もり積もった出来事をみんなで共有し、ストレス解消するということもありますよね。それだけ、ストレスをため込んでいる人も多いことでしょう。そして、なかなかストレス発散ができない場合には、甘いものを暴食したり、お酒を飲んだり、夜更かししたりと、心のためにとる行動が、体に対してダメージを与えているということが多々あります。そんなときに増えるのが、頭痛や肩こりなどの痛み症状ではないでしょうか。ということで、今週は頭痛や肩こりなど痛みの対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、頭痛や肩こりなど痛みの対策となる食薬習慣ようやく寝苦しい夜、外を歩くとエネルギーが吸い取られていくような毎日から徐々に解放されてきましたね。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋など秋の代名詞はいろいろありますが、これから冬本番の寒さが訪れるまで、束の間の気候的な休憩を満喫したいですよね。そこで、大切になってくるのが夏の疲れをいち早く取り除き、季節の変わり目に適合することです。今まで、体のことを後回しに考えていた人は、じわじわと自律神経が乱れた際の症状を感じることもあるかもしれません。特にストレスが多いと感じやすいのが、頭痛や肩こりです。知らず知らずに、肩や首、顎などに力が入っていたり、寝ている間に歯ぎしりをしていることもあるかもしれません。これによって、血流が悪くなったり、コリが強くなることで不調が現れます。漢方医学では、このような状態を『気滞血瘀』とよんでいます。そこで、『肝気』と『血』を巡らせることで対策する食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【アボカド納豆】です。逆にNGな習慣は、『血熱』を生じることで頭痛を誘発する【ビール・ワイン・日本酒】などのアルコールです。食薬ごはん【アボカド納豆】アボカドには、ビタミンEが含まれ、納豆にはナットウキナーゼが含まれ、ブラックペッパーにはピぺリンが含まれるため、血流を促し『瘀血』の改善に役立ちます。また、アボカドには、肝臓の解毒を助け『肝気』の巡りを促すグルタチオンが豊富です。混ぜ合わせるだけの簡単レシピで肩こり頭痛対策をしていきましょう。<材料>アボカド1個(半分に切り種をとる)納豆1パック醤油・酢・オリーブオイル適量<作り方>納豆に醤油とお酢を入れよく混ぜる。アボカドのタネが入っていたくぼみに納豆を入れる。オリーブオイルと大量のブラックペッパーをかけて完成。NG行動【ビール・ワイン・日本酒などの飲酒】ストレスが多い日こそお酒が好きな人は、飲む量が増えてしまうと思います。ですが、アルコールは調子が良い時に飲むドリンクです。調子が悪い日には、アルコールのデメリットを露骨に感じてしまうこともあるでしょう。アルコールを飲むことをきっかけとして片頭痛を起こしてしまうこともあります。アルコールには、脳の血管を拡張する働きがあるので、それによって周りの三叉神経が刺激されたり、その刺激で炎症物質が発生しさらに痛みを生じさせてしまうこともあります。また、肝臓への負担もかかり、『肝気』の巡りを滞らせてしまったり、アルコールを分解するときに生じるアセトアルデヒドが『血熱』を生じさせ頭痛を感じさせてしまうことがあります。ストレスが多かったり、頭痛や肩こりを感じていたりするときには、夜更かしをして自分の時間を謳歌するのではなく、一刻も早く寝ることが体に良いということは皆さんご存じだと思います。自分の行動を振り返り、修正すべきことが見つかったという人は、過ごしやすい10月に思いっきり楽しむことができるように、今から元気な体を準備しておきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©saa/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月22日9月後半になり、朝夕は過ごしやすい日も増えてきていますが、夏からなんだか眠りが浅くて朝スッキリしない、日中眠い…そんな人も多いかもしれません。しっかり眠れていなければ、日中のパフォーマンスも下がってしまいますよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、自律神経を乱し、睡眠の質を低下させるNG習慣と対策を教えてくれます!夏以降、睡眠の質が低下していませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 231最近、集中力がない、日中眠気がある、やる気がでないと感じることはないでしょうか。そんな人は、ちょっと振り返ってみてください。夏になってから寝つきが悪くなったり、朝方何度も起きたり、寝た気がしないというような睡眠の質の低下に心当たりはないでしょうか。毎日しっかり眠れていなければ、当然日中のパフォーマンスは下がってしまいますよね。夏の環境は、自律神経を乱しやすいことが特徴となっていますが、それにより睡眠の質が低下してしまいます。さらに、睡眠不足は自律神経を乱しやすくし、負のスパイラルへと突入していきます。8月の真夏と比べると過ごしやすくなってきているので、そろそろ対策をとってみてはいかがでしょか。ということで、今週は自律神経を整え、睡眠の質向上につながる食薬習慣を紹介していきます。今週は、自律神経を整え睡眠の質向上につながる食薬習慣皆さん、朝起きてスッキリしていますか?爽やかな朝を毎日迎えられたら、毎日ちょっと得した気分になるほど、嬉しいことではないでしょうか。午前中から、元気はつらつに過ごすことができたら、一日が有意義になりますよね。ですが、きちんと睡眠の質を向上するような対策をとっている人は少ないと思います。眠りが浅いときには、食事や運動、ストレス管理、夜の強い光、入浴、空調管理などの生活スタイルを見直すことはとても大切です。睡眠の質が低下している人は、夜のタイミングだけ眠れるかどうか気にするのではなく、一日を通して改善点がないかチェックみましょうね。また、自律神経が乱れ、睡眠の質が低下しているときには、漢方医学で考える『血』を補い、神経が高ぶっているときの『熱』を鎮めることを目指します。そこで、今週食べるとよい食材は、『血』を補い、『湿熱』を取り除く【こんにゃくの豚バラ巻】です。逆にNGな習慣は、摂る時間や量によっては『肝熱や心熱』を生じ、興奮状態になったり、不安感を感じたりすることで睡眠の質が低下する【カフェオレ、カプチーノ】などのカフェインです。食薬ごはん【こんにゃくの豚バラ巻】自律神経が乱れていると感じた時には、お腹の張り、便の状態、おならの頻度やニオイなどをチェックしてみましょう。もし、気になるポイントがあれば、まずはメンタルを整えるように精神論を唱えるのではなく、快腸を取り戻すことで、腸から自律神経を整える対策をとっていきましょう。腸内環境が整えば、自律神経も安定しやすくなり、睡眠の質も向上することが期待できます。今回のレシピには、腸を整え『湿熱』を取り除くこんにゃくと神経伝達物質の材料となる鉄やタンパク質、ビタミンB群などを含み『補血』できる豚肉を合わせました。<材料>こんにゃく1枚(250gくらい)(細長く切る)豚バラ10枚くらいにんにく1片(スライス)醤油・みりん各小さじ2<作り方>こんにゃくを豚バラでまく。ニンニクを炒め、豚バラで巻いたこんにゃくを両面焼く。調味料を加え、炒め煮して両面に味をしみこせて、ゴマをあえたら完成。NG行動【16時以降のカフェオレ、カフェラテ】きちんとした睡眠がとれていないと、当然日中眠くなりますが、その都度カフェインを多く含むカフェラテやカプチーノ、コーヒーなどのカフェインを摂り入れてはいないでしょうか。カフェインは、高ぶった神経を鎮静するアデノシンという物質に構造が似ているため、体内のアデノシンがアデノシン受容体へ結合するのを阻害し、神経を興奮させてしまいます。中枢神経が過剰に刺激されることで、睡眠障害や不安感、胃腸障害などを起こすことがあります。個人差はありますが、寝つきが悪い、自律神経が乱れていると感じるときには、なるべく16時以降のカフェインの摂取は控えるのがベターです。日中のだるさをとるために、カフェインをたっぷり摂って寝つきが悪くなり、翌日疲れが残り、また日中カフェインをたっぷり摂り…と、毎日繰り返していては元気になるタイミングを損ねてしまうかもしれません。なんとかしたいという人は、睡眠の質を上げる行動を選択していきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©natsu/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月15日愛カツ編集部がお届けする「愛カツ漫画」。前回の話に引き続き、お手伝いをしたい娘のエピソードを紹介します。お手伝いをしたいお年頃の娘と夕飯を作っていた主人公。義母からの電話に出ていると、娘が鍋になにかを入れてしまったようで…。副菜用の野菜を…!味噌汁に合うの…?義母からの言葉満面の笑みで…すごく美味しい!娘はほうれん草が嫌い?副菜用に準備していた野菜を、すべて味噌汁に入れてしまったようですが…。ほうれん草のお味噌汁は、意外と絶品。いつか娘にも、ほうれん草を好きになってほうれん草の味噌汁を食べてくれるといいですね!作画:なぁ原案:愛カツ読者編集:愛カツ編集部
2023年09月13日7月、8月に比べると過ごしやすくなってきたものの、夏の疲れがどっとでてくる時期。気候の変化や自律神経の乱れから、疲れを感じたり、やる気喪失してしまう人が多いそう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、必要な栄養素を消耗させ、自律神経を乱してしまうNG習慣と対策を教えてくれます!真夏の後遺症でぐったりしていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 230まだまだ暑いですが、灼熱の夏と比べると外を歩くのも少しずつ楽になってきましたね。エネルギーを吸い取られるような日差しを見上げる回数は減ってきましたが、今度は真夏の後遺症が少しずつ表面化し始めている人も多いのではないでしょうか。カップ麺やレトルトなどインスタント食品に頼りきりになったり、暑苦しくて睡眠が十分にとれなかったり、運動量が減ったりという行動が習慣となっている人はとくに注意が必要です。夏バテだと言い訳してだらだらと過ごし続けていると疲労感、だるさ、やる気喪失、風邪の後の長引く咳、自律神経の乱れなどを感じてしまうこともあるかもしれません。数週間前と比べると、体を動かしやすい環境になっているので、今週はぐったりしてしまう疲労感の対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、疲労感の対策となる食薬習慣あー疲れた、あーだるい、めんどくさい…などの言葉、クセになっていませんか?本当は、やることはたくさんあるはずなのに、心と身体はついていかず、楽なほうへとどんどん現実逃避してしまい、最終的に自分で未来の自分を追い込むことになっているということもあるかもしれません。過酷な7、8月の生活環境を乗り越えてきた今、私たちの体が疲弊し、疲れを感じてしまうことは、仕方ないことです。自分に「お疲れ様!」と応援の言葉を投げかけながら、気持ちを切り替えていくことも大切。夏の疲れに対して、そっぽを向いていられる時間はもうおしまいです。疲れを解消したい人は、今週から早速食薬を実践してみてくださいね。漢方医学では、疲れがたまりやすい人を『気虚』といいます。そして、慢性疲労で、横になりたいくらいだるいという状態を『腎虚』といいます。そこで今週は、『気虚』や『腎虚』にならないよう、『補気』する食材を取り入れつつ、『気』を消耗してしまう食材を控えてみましょう。今週食べるとよい食材は、『気』を補う【キムチと納豆の玉子焼き】。逆にNGな習慣は、『気』の材料にもなるビタミンBを消耗してしまう【カップ麺などインスタント食品】です。食薬ごはん【キムチと納豆の玉子焼き】今回のレシピに使う食材は、コンビニで買うことのできるもの。材料を全部まぜて、単純にチヂミのように焼き上げたら完成という、超絶簡単レシピです。購入から調理して食べるまで時間は、インスタント食品と大きな差はないかと思います。少しだけ意識を変えることで、インスタント食品で不足しがちなタンパク質や食物繊維もしっかりと摂ることができるので、寝不足ぎみで疲労がとれないという人はぜひお試しください。<材料>納豆1パック玉子2個キムチ50g醤油小さじ1あれば大葉6枚(刻む)<作り方>全部混ぜて焼いたら完成。盛り付けるときにキムチと大葉を添えてもキレイ。NG行動【疲労感MAXなときのインスタント食品】疲れた、気力がない、面倒…という日には、すぐに味覚とお腹を満足させてくれる、カップ麺などのインスタント食品を手にする機会が増えますよね。おいしい食事を瞬時に食べることができる画期的な食品です。ですが、疲労感がMAXなときこそ、体がエネルギーを作り出すことができるようにさまざまな食材を取り入れることが大切。また、インスタント食品は糖質が多く、必要な栄養の補給は不十分、さらには代謝ビタミンとも呼ばれるビタミンBを消耗してしまいます。必要な栄養を補えず、消耗されてしまうのは死活問題。疲れたときだけでも気をつけてみてくださいね。夏の終わりが見えてきましたが、今まで暑さで睡眠の質が落ちていた人は、夏の疲れを強く感じていることだと思います。異常で強烈な暑さは収まりつつあるので、そろそろ重い腰をあげ、食事内容の見直しを始めても良い時期だと思います。元気になるための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©VectorRocket/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月08日9月といっても、まだまだ続く暑さ。室内外の気温差や寝苦しい熱帯夜、突然の気象変化などから、自律神経の乱れや喉の不調を訴える人が多いそう。そこで中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、つい取り入れがちだけど実は自律神経を乱すNG習慣と対策を教えてくれます!気温差や気象の変化で体調を崩していませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 229体温と変わらないくらいの暑さが強烈な毎日、目が痛くなるような強い紫外線、睡眠の質が低下する熱帯夜、そして突然の雨、雷。気分屋な夏はいつまで続くのでしょうか。起きているときも、寝ているときも常にエアコン完備がスタンダードであるこのシーズンは、自律神経の乱れや喉のトラブルなどに悩まされる人が激増します。何かしら、不調を抱えている人は多いのではないでしょうか。とくに、些細なことで傷ついたり、イラっとしてしまったり、やる気が喪失してしまったりと、プチストレスが積み重なり、なんとなく感じる不調が強固なものへと進化していくこともあるかもしれないですね。自律神経の乱れに伴い月経前の胸やお腹の張り、便秘、イライラ、過食、頭痛などの不調もいつもより強く感じる人もでてくることでしょう。ということで、今週は自律神経を整え、気候や空調が作り出す環境に負けない食薬習慣を紹介していきます。今週は、自律神経を整える食薬習慣いよいよ9月。9月といえば、もう少し過ごしやすかった印象がありますが、現実は大きくかけ離れ、体温に近い気温を観測する地域もいまだに多いですよね。ということは、室内と屋外の気温差を強く感じることにもなり、睡眠時の空調管理にも難しさを感じる人が多いと思います。そろそろ、睡眠不足、疲労感、ふらつき、月経不順、イライラ、気分の落ち込み、注意力散漫、頭痛などの自律神経にまつわる不調で悩む人が増えてくることでしょう。漢方では、自律神経が乱れやすいときの状態を『肝血虚』と呼び、実際に自律神経が乱れた状態を『肝気鬱結』、気分が落ち込みやすくなっている状態を『胆虚』などと呼んでいます。そこで、今週は、気候変化や空調による影響に負けずに自律神経を整えるために『肝血』を補い、『肝胆』を支えることで『気』の巡りを改善する食薬を紹介します。今週食べるとよい食材は、【モロヘイヤと舞茸の玉子炒め】。逆にNGな習慣は、気分転換に取り入れがちな【コーヒーとクッキーでのひと休み】です。食薬ごはん【モロヘイヤと舞茸の玉子炒め】モロヘイヤは、自律神経を安定させるうえで欠かせない腸内環境のケアに役立つペクチンやマンナンなどの食物繊維を多く含み、ネバネバした特徴があります。腸内環境が悪化している状態は、肝臓や胆のうへも悪影響を与えてしまうため、『肝胆』を支えるために、胆汁の分泌を促し、腸内環境を整える水溶性食物繊維をとるのがおすすめです。また、βカロテンやビタミンC、ビタミンE、葉酸なども豊富で、その栄養価の高さから王様の野菜とも呼ばれているほどです。さらに、キノコ類には、心を落ち着かせるGABAが含まれているので、自律神経が乱れがちなときにおすすめな食材です。これらの食材をアミノ酸スコアが100で『肝血』を補うことのできる玉子と炒めることで、心の安定をサポートしていきましょう。<材料>Aマイタケ1パック(ちぎる)モロヘイヤ1束(3センチくらいに切る)ニンニク1片(スライス)B溶き玉子2個醤油小さじ2みりん小さじ1水大さじ1<作り方>フライパンでAを炒める。Bをまぜあわせ、フライパンに加える。玉子が固まるまで炒めたら完成。NG行動【コーヒーとクッキーでひと休み】イライラしたり、だるくなったり、気分が落ち込んだり、やる気がなくなったりと気分が乗らないときには、コーヒーとクッキーなどの甘いもので気分転換をする頻度が増えてしまうことがあるかもしれません。もしくは、休憩ではなく、コーヒーと甘いものを口にしながら仕事を続けることもあるかもしれませんね。ですが、いつの間にかカフェインや糖質をとりすぎてしまうと、自律神経が乱れているときには逆効果となってしまうことも。カフェインで交感神経が優位になったり、甘いものでビタミンB群が消耗したり、血糖値が乱高下することで、心が不安定になることもあるのです。ながら食べによる食べ過ぎ、飲み過ぎのないようにコントロールしたり、調子の悪いときだけでも、おやつを小魚アーモンドやミックスナッツに変更するなど、おやつの内容の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。今の時期、何かしら不調を感じる方は多いと思います。ですが、暑さや気圧の大きな変化は、9月後半の秋分の日あたりまで続くことが予想されます。途中でギブアップしないようにコツコツメンテナンスをして、健康維持をしていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ayakono/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月01日毎日の食事を作るために、必要な食材をそろえることは重要です。しかし、食材を買い忘れたり、常備していた食材の量が少なかったりするときもあるでしょう。そのようなとき、ほかの食材を使って代用するテクニックをいくつか知っておくと焦らずに済みます。そこで今回は、食材の代用テクとレシピをご紹介します。めんつゆの代用夏場はそうめんなど、のどごしの良い麺類を食べる機会が多い人もいるでしょう。市販のめんつゆが足りなくなってしまったとき、以下の材料があればめんつゆの代用ができますよ。【材料(2人分)】・しょうゆ:大さじ2・みりん:大さじ2・和風顆粒だし:小さじ1/2・水:150ml【作り方】1.水・しょうゆ・みりん・和風顆粒だしを鍋に入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら火を止めて、冷ましたら完成。【ポイント】和風顆粒だしはかつおぶし(5g)に置き換えてもOKです。その場合は火にかけた後、ざるで濾してください。肉の代用肉が足りないときは、お麩や厚揚げなどで代用したり、かさ増ししたりするのがおすすめです。今回は車麩を肉の代用として使うメニューをご紹介します。肉の代わりにお麩を使えば脂質が減らせるため、ダイエットメニューとしても参考にしてみてください。車麩の生姜焼き【材料(2人分)】・車麩:4個・片栗粉:適量・サラダ油:小さじ2(A)・酒:大さじ1・みりん:大さじ1・醤油:大さじ2・砂糖:小さじ1・生姜(すりおろし):小さじ2【作り方】1.車麩をぬるめのお湯につけて15分ほど置き、水気をしぼる。2.フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、車麩を入れて両面を焼く。3.2に(A)の合わせ調味料を加え、全体に味が絡むように揺り動かしながら炒める。4.車麩を食べやすい大きさにカットし、器に盛り付けて完成。【ポイント】車麩を水で戻す場合は30分ほど置きましょう。車麩だけなく、豚肉や玉ねぎを一緒に炒めるとかさ増しできます。ホワイトソースの代用グラタンやドリアなどに使いたいホワイトソース。小麦粉などが無いときは、豆腐で簡単に代用できますよ。豆腐のホワイトソースを使ったグラタンのレシピをご紹介します。豆腐のホワイトソースグラタン【材料(2人分)】・絹ごし豆腐:300g・コンソメ:小さじ2・バター:20g・ブロッコリー:80g・しめじ:1/2株・鶏もも肉:80g・ピザ用チーズ:50g・サラダ油:小さじ2【作り方】1.鶏もも肉は一口大にカットし、ブロッコリーは小房に分ける。しめじは根元を切り落としてほぐす。2.鍋にお湯を沸かしてブロッコリーを茹で、ざるにあげる。3.ホワイトソースを作る。耐熱ボウルに絹ごし豆腐を入れて、ペースト状になるまでよく混ぜる。4.1にコンソメを加えて混ぜ合わせ、バターをのせてラップはせずに電子レンジ600Wで2分加熱し、よく混ぜ合わせる。5.フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、鶏もも肉としめじを入れて炒める。6.耐熱皿に鶏もも肉・しめじ・ブロッコリーを入れて4のホワイトソースを加える。ピザ用チーズをのせ、オーブントースターで7~8分ほど焼き、焼き色がついたら完成。【ポイント】コンソメがない場合は、味噌や塩・こしょうなどで代用してください。ポテトサラダのじゃがいもの代用じゃがいもの代わりにおからを使った糖質オフのポテトサラダ風レシピをご紹介します。じゃがいものように茹でたり潰したりする必要がないので、簡単に作れますよ。おからのポテトサラダ風【材料(2人分)】・生おから:100g・きゅうり:1/2本・塩:ひとつまみ・ツナ缶:1缶(70g)・ホールコーン:大さじ2(A)・マヨネーズ:大さじ2・酢:小さじ2・塩コショウ:少々・牛乳(または豆乳):小さじ1【作り方】1.きゅうりは薄切りにし、塩をまぶして水分が出たら水気を切っておく。2.耐熱容器におからを入れてふんわりとラップし、600Wのレンジで1分30秒加熱する。3.2に(A)の調味料、油を切ったツナ、コーンを入れて混ぜる。4.3が冷めたらきゅうりを混ぜて完成。【ポイント】おからは加熱殺菌済であれば電子レンジで加熱する必要はありません。パサつく場合は、牛乳または豆乳を少しずつ混ぜながら水分を調整してください。食材が足りないときは代用テクニックで乗り切りましょう代用できるものを知っておくと、使おうと思っていた食材が足りないときにも便利です。今回ご紹介したレシピのなかには、本来使う食材を代用することでカロリーカットにつながるメニューもあるので、ダイエット中の方にもおすすめですよ。代用レシピとしてはもちろん、ヘルシーレシピとしても参考にしてみてくださいね。筆者情報寺内麻美管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。文/管理栄養士・寺内麻美
2023年08月26日数年ぶりにアクティブな夏を過ごした人は多いでしょう。そこに強烈な紫外線に室内外の気温差、台風や低気圧による気圧の変化等も加わって、8月終盤のいま、疲れやだるさ、めまいなど、自律神経の乱れによる心身の不調を感じている人も増えているよう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、自律神経の乱れを長引かせるNG習慣と対策を教えてくれます!最近、心身の調子が乱れていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 228だるい、眠い、何もやりたくない…と夏の元気はつらつのイメージとは真逆の境地へと陥っている人は多いのではないでしょうか。例年、お盆がすぎると秋分の日まで、7月や8月前半に比べ台風やゲリラ豪雨の頻度が増える傾向があります。酷暑に耐えていたと思えば、激しい雨がやってきて、外に出ることすら危うい状況になることもありますよね。室内外の温度変化、高い湿度、強い紫外線など、地球がもたらす大きな変化は、心とカラダの平和を保つ自律神経を乱す要因となることでしょう。自然の極端な変化は年々その激しさを増し、頻度高くやってくるようになってきています。自然界に存在する私たちは、その変化を許容できるくらいの体力と柔軟性を備えておくことを求められています。そんななか、日ごろの食事、運動、睡眠などの習慣が、私たちのカラダを頑丈に構築するうえで必要なものだと思いますが、とくに食習慣の改善がもっとも初歩的で、重要なものです。そこで、今週は夏の気候に負けないように自律神経をサポートし、シャキッとした自分を取り戻す食薬紹介していきます。今週は、自律神経を整え、シャキッとした自分を取り戻す食薬習慣8月も終盤ですが、今年の夏にやり残したことはないでしょうか?夏祭りや花火大会は、もうしばらく各地で開催されることだと思います。やりたいこと、行きたいところなど夢と希望であふれる夏ですが、それを全部実現するためには、どうしても健康な心とカラダが必要となります。また、気分が高まり、いつも以上にアクティブに動き回ったあとには、ヘビーな疲労感、頭痛、めまい、睡眠の質の低下など、複数の不調が同時多発的におこり横になりたいと感じることもあるかもしれません。漢方医学では、このように変化が多いため自律神経が乱れている状態を『肝気鬱結』と呼びます。また、紫外線や多汗による疲労感なども感じることもあると思いますが、その状態を『気陰』が消耗していると考えます。そこで、今週は『肝気』の巡りを改善する香の高い野菜と、紫外線や汗による後遺症をサポートするミネラルやβカロテン、ビタミンCを含む野菜、エネルギー代謝をサポートするクエン酸を含む野菜などをミックスしたサラダをおすすめします。食べるとよい食材は、【夏野菜の簡単レモンサラダ】。逆にNGな習慣は、心底疲れ切っているときにでも、元気の前借をすることで動けてしまっているかもしれないカフェインの摂り過ぎです。疲れたなと感じたら、【エナジードリンクやコーヒー】とパターン化してしまっている人はビタミンB群やミネラル、タンパク質を補い、根本的に元気になれるような対策も一緒に取り入れるのが得策ですね。食薬ごはん【夏野菜の簡単レモンサラダ】香り成分、色の成分などは、抗酸化作用が強い成分でファイトケミカルといいます。特に強い太陽を浴びて育った旬の野菜に含まれるファイトケミカルは、私たちが元気に過ごすために取り入れると良いものとされています。また、セロリやバジル、大葉など香りに特徴のある野菜には、『肝気』の巡りを促す働きがあるため、今回はセロリを活用しました。また、クエン酸やビタミンCの多いレモンは、皮をむいて粗みじん切りくらいに細かくすることで、刺激物ではなく、アクセントとして丸ごと食べることができます。オリーブオイルと塩、刻んだレモンを混ぜるだけで、疲労対策で『補気陰』できるおしゃれなドレッシングが完成しますよ。<材料>トマト1個(さいの目)アボカド1/2個(さいの目)セロリ1/2本(葉も一緒に小さく刻む)レモン1/2個(皮をむいてさいの目)すりゴマ・オリーブオイル大さじ1塩適量<作り方>材料を和えたら完成。NG行動【エナジードリンクやコーヒー】だるい、眠い、何もしたくない、横になりたいというときには、食事がおろそかになり、エナジードリンクやコーヒーで元気を補給し、空元気のまま活動する人も少なくありません。ですが、夏バテのなか麺類やパンなど手軽な食事が増え、自律神経が乱れることで、夜には目が冴えて、暑いから運動量は激減しやすい今の気候の中で、頻繁にカフェインを多く含むものばかりに元気をもらってばかりいたら、朝から元気はつらつで、日中の眠気も少なく、集中力も抜群といった本来私たちがもつ快適さからは、かけ離れてしまうかもしれません。エナジードリンクやコーヒーなどのカフェインに適度に頼りつつも、食生活をはじめとした生活習慣の見直しもできる部分から整えることも同時に行うようにすると良いと思います。もうすぐ9月です。そして、あっという間に今年も終わっていくのだと思います。自分の思い描く未来へと近づくことができるように、カラダを作っている食事への意識を今よりちょっと良いものへとシフトしていけるよう簡単な食薬を取り入れてみてくださいね。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Vadim Pogrebetskiy /Getty Images文・大久保愛
2023年08月25日暑さは当分続くかもしれませんが季節的には夏ももうすぐ終わり。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、室内外の気温差や気圧の変化により自律神経が乱れ、なんとなく憂うつになったり、調子が悪くなったりする人が増えているそう。愛先生がメンタル不調になるNG習慣と対策を教えてくれます!最近、心が不安定になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 227例年お盆が明けると、夏の本気な熱烈なパワーが9月末の秋分の日ころを目途に少しずつ和らいでいく傾向があります。ですが、今年の夏はまだまだ暑さが続きそうですよね。さらにこれからの時期は、台風やゲリラ豪雨などが頻発し、低気圧がたくさんやってきています。私たちは、お盆明けとともに日常の生活へと戻っていきますが、やはりどうしても楽しかった、ゆっくりできたという思い出が強いと、日常のルーティンを憂うつに感じてしまうことがあります。急にイライラしたり、落ち込んだり、憂鬱になったり、悲しくなったりすることもあるかもしれません。気温が高い日は室内の設定温度が低くなりがちなので、室内外の寒暖差によって自律神経が乱れたり、気温が低い雨の日には低気圧が来ているので自律神経が乱れたり…どちらにせよ自律神経が乱れ、メンタルが安定しづらい時期であることは確かです。ということで、今週は長期休暇明けのこれからの時期、精神的に強くいられるように食薬習慣を紹介していきます。今週は、気分が憂うつなときの食薬習慣楽しかったなという思い出があるほど、現実に戻ることに憂うつさを感じることがあります。嫌だなと感じると同時に、それだけ心が休まったり、楽しかったんだなと思い出を振り返ることができると良いですよね。そして、このタイミングに月経前のタイミングが重なってしまった場合には、憂うつさが倍増されてしまうことになるかもしれません。いつもよりさまざまな環境に敏感に反応し、怒ったり、傷ついたり、落ち込んでいるなと感じる人は、よりメンタルのコントロールが難しくなると思います。漢方では、この状況を『肝気鬱結』といいます。この状態になると、寝ている間にもカラダに力が入り、歯ぎしりをしたり、朝から肩こり、頭痛を感じたり、カラダの不調が現れてしまうことがあります。そこで今週は、『肝気』の巡りを解消する食薬を取り入れることがおすすめです。食べるとよい食薬は、【魚介入りラタトゥイユ】。逆にNGな習慣は、【つまみ食い】です。食薬ごはん【魚介入りラタトゥイユ】ストレスが多く自律神経が乱れているときには、色や香りに特徴のある野菜がおすすめ。特に、漢方医学では、セロリやバジルなどの香りが高い野菜は、『理気』作用が強いといわれています。また、海老、イカ、アサリなどが入ったシーフードミックスを使うことで『肝』の働きを支えるタウリン、ストレスで消耗するミネラルなども補うことができるためおすすめです。<材料>aトマト1個ナス1個玉ねぎ1/4個カボチャ1/8個セロリ1本ニンニク1片(みじん切り)bシーフードミックス100g(解凍しておく)バジル10枚塩適量<作り方>aをさいの目切りして、フライパンに入れ塩を加え、オリーブオイルでしんなりするまで炒める。味が整ったらバジルを加えて完成。(野菜はお好みで好きなものを加えてください)NG行動【つまみ食い】甘くて美味しいいただきものが増えるこの時期。家にいるときは特に、暇なとき、集中できない時、イライラしたときなど、ふとした瞬間にすぐに食べ物を手に取ることができてしまいます。冷蔵庫や戸棚の前を通るたびに、頻繁につまみ食いしてはいないでしょうか。普段の自分の生活と比較して、過剰に甘いものを食べていると実感する場合には、甘いものを冷凍庫など、取り出しにくいところにしまっておくのが得策。甘いものは、血糖値の乱高下や腸内環境の乱れを招きます。この状態は、メンタルに直結してしまいます。心の状態が不安定なときには、なるべく甘いものは控えて、食物繊維やタンパク質、ビタミンB群、ミネラルの摂取を心がけましょうね。長かった夏も後半戦突入です。最後まで心とカラダの元気を保ったまま最後まで走り抜けたいものですよね。そのためにも、カラダを構成するための食事管理は重大な役割を担っています。なんとなく調子が悪いなと感じた時には、食薬を取り入れてみてくださいね。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。© ILLUSTRATION * STORE /Adobe Stock© andromedicus /Adobe Stock文・大久保愛
2023年08月16日母乳・離乳食ともによく飲み、食べてくれたので、食に関する大きなトラブルがなく成長した息子。普通食が始まってからもよく食べる子で、保育園の担任の先生に食べっぷりを褒められるほど。ごはんに関する問題を抱えることなく育った息子ですが、2歳半ごろから食事に手を付けなくなりました……。いろいろと工夫しても、食べてくれず私のイライラは募るばかりです。そんな窮地に追いやられた私を救ったものとは? 食べたくない!2歳児の心境変化のきっかけは? 母乳をよく飲み、離乳食もよく食べていた息子は、1歳半を過ぎて幼児食が始まってからも、好き嫌いをする子ではありませんでした。そのため、息子の食事に関する悩みを抱えることなく、すくすく育つ姿に喜びを感じていました。 2歳を過ぎると食べられる食材の幅が広がり、料理もラクになってきたと感じるように。ところが2歳半ごろから、急にごはんに手をつけなくなったのです。仕方がないので私が息子の口元へスプーンを近付けるも顔を背けます。息子の好物に変えても反応なく、大好きなふりかけをご飯にかけても食べたがらない息子。余裕のなくなった私は、罪悪感を抱きながら「ごはんを食べない子は公園にも行けないよ!」などと、脅すような方法で食べさせるように。 そんなある日、ごはんを食べてくれない悩みを抱えたまま外食する機会がありました。牛丼チェーン店で息子に「お子様とりそぼろ丼」を注文すると、自ら食べ始めたのです。さらに笑顔で「おかわりください」と意思表示まで! これにはびっくりし、喜びのあまり涙が出そうに。普段と違う環境だったことや息子好みの味付けだったことから、食べてくれたようです。これ以降、家での食事を少し甘めにするなど、息子好みの味付けに変えたことでごはんを食べるようになりました。 2歳も後半にさしかかり、心身ともに大きく成長した息子。冷静になって考えると、ごはんを食べないからと厳しく接していたことが良くなかったのかもしれません。今後は食事環境や味に変化を加えるなどし、たくさん食べてくれるよう工夫していこうと思います。 作画/becomachi85著者:上川ようこ
2023年08月14日