実際どうなの?特別支援学級の見学へ自閉スペクトラム症のある長男けんとは、集団行動が苦手、授業中じっとしていられない、集団指示が入らないという「こども園」での様子から、通常学級は難しいと思っていました。特別支援学級とはどういうものなのか、私はほとんど知識がなく、全く見当がつかなかったので就学相談に行き、実際に通う予定の学校に連絡を取り見学させていただくことに。Upload By ゆきみ小規模の小学校で全体の生徒数が少なく、特別支援学級は情緒クラスと知的クラスが1クラスずつということでした。けんとの入る予定になっていた情緒クラスは、担任の先生が1名、サポートの先生が1名、小学4年生以上のお兄さん、お姉さんが在籍していました。特別支援学級に入ると、学校ではずっと特別支援学級で過ごすのだと思っていたのですが、その子どもの特性によって、参加できるところは交流級(通常学級のこと)で授業を受けるとのこと。なんとなくの雰囲気も分かり、質問したいことは全部させていただき少しだけ安心できました。通っている特別支援学級の授業の進め方4月に入学。特別支援学級の1年生はけんと1人でした。最初の1ヶ月ほどは新しい生活に不安定になり疲れやすくなっていましたが、学校自体は楽しんでいた様子。交流級の同級生にも、特別支援学級の子どもたちにも興味を持っていないようで、交流級へ行きたがることはほとんどなく、ほぼ特別支援学級で過ごしていました。学年が違う子どもたちが集まる特別支援学級。その子どもにとっての交流級と同じ時間割で進んでいくため、時間割は子どもによって違います。特別支援学級の教室の側面の黒板に、その日1日の全員の時間割が書いてあり、それに沿って進んでいきます。Upload By ゆきみそれぞれの交流級の授業がけんとは国語、4年生の子が算数、5年生の子が音楽、6年生の子が算数だった場合、まず、交流級で授業を受ける子どもは、交流級へ行きます。サポートの先生がついて行き、人数が多い場合は順番にサポートの先生が回って行くそうです。特別支援学級で受ける子どもは、プリントを解いている間に、担任の先生が順番に教えていく授業スタイルでした。勉強の内容は、その日の交流級と同じものをします。本人に合わせて量などを変えたりすることもあるようです。交流級のお友達に支えられて過ごす授業5月ころ、帰り道に交流級のお友達がけんとに声をかけてくれました。すると、それがうれしかったのか、次の日から「交流級にいきたい」と言いだし、急に授業のほとんどを交流級で受けるようになりました。それと同時にお友達にも興味を持ち、名前や出席番号を覚えだしました。一方的な遊び方ではあるけれど、好きなお友達も数人できたようです。Upload By ゆきみ構音障害で何を言っているのか分かりにくいけんと。先生が聞き取れなかったとき、交流級のお友達が「けんとくん、〇〇って言っているよ」と先生に教えてくれたり、先生のお話しをけんとが理解していないときは「次は体育館に行くんだって」などとお友達が教えてくれたりするそうです。交流級の子たちも慣れてきてくれたようで「けんと君はこういう子ども」という感じで、先生も子どもたちも優しく接してくださっているとのことです。サポートの先生は立ち歩いたときに座るように促してくださったり、今やることを伝えてくださったりしています。まだサポートの先生なしでは交流級で過ごすのは難しいですが、「交流級とはこういうもの」というのを少しずつでも理解してくれたらうれしいです。交流級のスタイルが変化が少なく安心?Upload By ゆきみ現在は、朝の会、休み時間、給食、掃除、帰りの会は特別支援学級で過ごし、サポートの先生がついてくださるときは、ほとんどの授業を交流級で受けています。どの時間をどこで過ごすのかというのは、特別支援学級に在籍する子ども、それぞれで違うそうです。けんとは視覚的に、ほかの人が食べているものに自分の苦手なものがあると具合が悪くなってしまう子なので、給食の時間は必ず特別支援学級でパーテーションをしていただき、外を向いて食べています。休み時間は6年生のお兄ちゃんが遊んでくれているそうで、その子どものお世話になりながら特別支援学級で過ごしています。なぜ、急に交流級で授業を受けるようになったのかな?と疑問に思っていたら、保育所等訪問支援の担当の方に「交流級のスタイルの方が、入れ替わりがない分、変化が少なく安心しやすいのかもしれない」と言われました。確かにそうかもしれない…と納得。まだ小学1年生で始まったばかりの学校生活。本人、学校と相談をしながら、学業だけではなく集団行動や人との関わりかたも学んでいけたらいいなと願っています。※地域、学校の制度によって異なるようです執筆/ゆきみ(監修:井上先生より)小学校1年生から特別支援学級を就学先に考える場合、親御さんもずいぶん悩まれたと思います。他者から情報を聞くだけではなく、自分自身で就学先の学校・学級を見学することはとても大事です。見学は、指定された日もありますが、多くの学校はそれ以外の日も受け付けてくれると思います。担任の先生だけでなく、教頭先生や校長先生に学校の支援体制について質問しておくのも良いと思います。けんとくんの学校のように、特別支援学級に在籍していてもお子さんの状態に合わせて、交流級と特別支援学級との時間の割合を柔軟に対応してくれるところもありますが、先生の人数やサポートの先生の配置などによって困難な学校もあります。学校ごとに異なる場合もありますので、見学に行った際に聞いてみると良いかと思います。
2022年09月24日長女ゆいの進学先、どうする?以前から中学校は地元の公立中学に行こうかなと考えていました。理由はまず近いこと、次に小学校のメンバーの多くが進学するため環境の変化で受けるつらさが少しは軽減されること、そして支援が手厚いということを小学校の先生に聞いていたからです。そして小学6年生の1学期、小学校の特別支援学級に在籍している児童に対して、個別で中学校の特別支援学級の説明会が開催されました。夫にも娘の通う学校のことや特別支援学級のことを見てほしかったので夫婦で参加しました。Upload By 吉田いらこ夫婦で中学の特別支援学学級の説明会へ参加してゆいの通う予定の中学校の自閉症・情緒障害特別支援学級は、小学校のときと同じで、基本は通常クラスにいて、授業を受け、苦手な科目のみ特別支援学級で指導を受けるという体制でした。中学選びで私が一つ不安に思っていたことが、特別支援学級に在籍すると内申点がつかないのではないかということでした。もしそうなると、就学先の選択肢が狭まるのではないかと不安だったのです。しかし、この中学校では自閉症・情緒障害特別支援学級在籍の子どもにも内申点がつくという説明を聞いて安心しました。夫もふんふんと説明を聞き納得しているように感じました。※地域や学校によって特別支援学級の体制や内申点の詳細は違います。Upload By 吉田いらこ説明会の最後に、中学校の特別支援学級に入るにあたって入級申請書というものにサインをすることになりました。担当の先生は「まあ形だけみたいなものですけどね。ご希望であればいつでも退級、再入級ができますよ」と笑顔で書類を私たちの前に差し出されました。夫も「分かりました」とその場では何も問題なくサインをしましたが…。Upload By 吉田いらこ不満そうな夫の言った言葉とは説明会の帰り、夫はずっと不満げでした。「説明を一通り聞いたけどさあ、うちの子に特別支援学級なんて必要なくない?あの子は普通だよ。別に特別な支援なんて必要ないんじゃないかな?」と言っていました。この夫の一言で、私は「分かってないな…」と思ってしまいました。ゆいが小学校中学年あたりから勉強についていくのが難しくなって悩んでいた時期、ちょうど夫は3年間の単身赴任中だったのです。Upload By 吉田いらこ発達検査を受けたときも、学校での毎日がしんどくなって児童精神科に通院したときも、小学校の先生と支援について何度も打ち合わせをしたときも、私一人だったなとぼんやり感じました。夫に連絡はしていたけど、仕事が忙しい上に一緒に暮らしていないので当事者意識は低かったのかもしれません。たまに単身赴任先から帰ってきたときも、自宅で過ごしたり一緒に遊んだりする分には、場面緘黙や障害の特性など実感することはなかったと思います。ゆいの生きづらさは外の社会の中で他人と接するからこそ生まれるものなのです。Upload By 吉田いらここれから夫婦で考えていきたいこと単身赴任が終わった夫には、仕事が大変なのも十分承知していますが、これからしっかり子どものことにも関わってもらおうと思いました。正直なことを言うと、私一人で全てやるのは精神的にもういっぱいなのです。中学校の特別支援学級の説明会も私一人で行っても良かったのですが、夫に仕事を休んでもらって一緒に行ったのはこのためです。説明を聞き、書類に夫自身がサインをしたことで少しは意識を向けてくれたかもしれません。私はゆいのことに関しては不安ばかりなのですが、夫はおおらかなところがあるので今後夫婦でお互いに補い合って子どものことを考えていけたらうれしいなと期待しています。執筆/吉田いらこ(監修:井上先生より)就学先の決定に際して、学校見学や説明会にご夫婦で出かけられたのはとても良かったと思います。実際の授業を見たり、担任の先生に質問をしたり何よりも生の学校の様子に触れられることで就学のイメージが得られやすくなると思います。地域によっては実際に子どもさんに体験してもらう機会を作っているところもありますが、お子さんの意見なども参考になると思います。お父さんの理解がお母さんとずれることはあるかもしれませんが、実際に見学に行ったり先生たちと話をして頂くことで少しずつ変わっていけばよいかと思います。中学の特別支援学級では、通常学級で受ける授業の割合や内申点に関しては地域や学校ごとに事情が異なる場合がありますので、おのおのの就学先の学校で詳しく聞いてみられると良いと思います。
2022年09月19日5年前、迷いに迷った在籍クラス。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、小学6年生。来年の春には、中学校に進学します。現在、特別支援学級に在籍している娘ですが、特別支援学級へ籍を置くようになるまで、いろいろありました。小学1年生のときは、通常学級に在籍していたのですが、友達とのトラブル、授業についていけない、担任からのできないことに対する指摘など、本当にいろいろありました。2年生からの進級先をどうするか決めるときは、親としてたくさん悩んだし、考えて考えて、迷って迷って…頭を抱えました。Upload By SAKURAもうこれ以上考えようがないというところまで考え尽くし、結局最後は「娘が笑顔でいられる道」にしようと思い、2年生から、特別支援学級に在籍することにしました。Upload By SAKURA高学年になったら、通常学級に・・・そう思っていたけれど。当初私は、特別支援学級の在籍は一時的にして、「5、6年生ぐらいまでに通常学級に戻れたらいいな」と考えていました。もちろん絶対そうしよう!と決めていたわけではありませんが、目標があったほうが、私も娘も具体的な療育に取り組みやすいと思っていました。そのため、中学校からの特別支援学級は、あまり考えていませんでした。Upload By SAKURAしかし、2年生、3年生、4年生と特別支援学級で過ごしていくうちに…私の考えは変化していきました。娘にぴったりだった特別支援学級の学習方法。娘は、2年生からずっと、国語と算数だけ特別支援学級で受けています。勉強する場所は違いますが、授業内容は通常学級と同じ内容です。発表などの授業のときは、通常学級でみんなと一緒に行いますし、テストも通常学級と同じものを受け、同じ判断基準で成績表もつけられます。特別支援学級で受ける授業は、娘に合っていたようで、成績はどんどん上がり続け…Upload By SAKURAテストはほとんどが90点台。100点を取ってくることもよくありました。クラスで上位の成績になり、みんなの前で点数を褒められることもありました。娘は、視覚優位で、耳から情報収集は苦手という特性があり、大勢の中で授業を受けると、先生の指示や授業内容をしっかり聞き取ることができません。しかし、特別支援学級で先生と一対一の授業をすると、先生の言ったことがしっかり頭に入ってくるようで、テスト前に特に勉強をしなくても、しっかり答えられるのです。Upload By SAKURA5年生のときの面談で、特別支援学級の先生に…「あーさんは本当に素直に教えたことが響く子です。目を見て、面と向かって教えれば、とても理解も早いです」と言われました。私はこの話を聞いて、「娘の理解しやすい授業スタイルをわざわざ崩すことはないのではないか」と思いました。Upload By SAKURA娘の希望は・・・?念のため、娘に中学校から在籍クラスをどうするか聞いてみると…Upload By SAKURA娘は中学校からも特別支援学級の在籍を希望しました。小学1年生のときは娘は特別支援学級の意味もよく理解しておらず、本心は聞けず…結局、私たち親が決めました。しかし、今回はしっかりとした希望を聞くことができました。もう…自分の意志もしっかりある。今の娘を見ながら、1年生のころの娘を思い出していると感慨深いものがありました。Upload By SAKURA発達テストを受け、診断書も書いてもらえた!中学校からの特別支援学級は、6年生の夏までに決めなければなりません。私はさっそく、動き始めました。判断基準にするため、そして発達外来で診断書をもらうため、発達テストを受けました。Upload By SAKURA結果、IQは平均値で正常でしたが、言語理解(言葉を理解して伝える力)は、平均値より低く、ワーキングメモリー(記憶する力)は、かなり低く、「特に耳で聞いて覚えることが苦手で、口頭の指示で複数のことを言われると、混乱する」ということでした。私たちの認識している通りでした。発達外来の先生からも「少人数制の授業はふさわしい」という診断書をもらい、学校に提出。まだ決定までいっていませんが、少しずつ動いています。Upload By SAKURA娘にとって、一番いい選択。今回の娘の進学先の決定に、迷いはなく、5年前のように、「通常学級のほうがいいのではないか」という考えは全くありませんでした。それは、特別支援学級で過ごした5年間が娘を成長させてくれたことを実感していたからでした。在籍場所にこだわる必要はない。どこで学ぶかではなく、どう過ごし、どう成長するか。そして、そこが楽しいかどうか。娘が笑顔で過ごせるように、中学も引き続きサポートしていきたいと思います。執筆/SAKURA(監修:井上先生より)あーさんが在籍されていたのは自閉症・情緒障害特別支援学級で、基本的には通常学級と同じ内容で進んでいきます。SAKURAさんの書かれていたように、集団の場では学びにくい教科や単元を特別支援学級で、それ以外を通常の学級で学ぶことによって、勉強は分かりやすくなり達成感も得られると思います。中学校は小学校とは異なり、特別支援学級でも教科ごとに先生が変わります。特別支援学級の担任の先生と、各教科を担当する先生との連携を良くして頂いたり、通常学級の方で受ける教科の先生との連携など、連携は複雑になりますが学期ごとに「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」を見直すようにしていくとよいかと思います。中学になると部活もはじまりますね。好奇心旺盛で積極的なあーさんはきっと素敵な中学生になれると思います。
2022年09月07日なかなか新しい友達がつくれない娘小学校高学年になると 、周りのみんながぐっと成長していくことを実感します。低学年のころから仲の良かったゆいのお友達も、身長は大人と変わらなくなったし、言動も大人びてきて子どもと会話しているような感覚はもうなくなりました。ゆいももちろん成長しているのですが、周りに比べるとまだ幼い感じがあります。同じクラスにゆいと仲の良かったお友達が一人いました。でも彼女に新しい友達が増え、仲良しグループが離れたことであまり話さなったようです。高学年の女子ならよくあることだと思いますが、心配なのはゆいが会話できる友達がゼロになってしまったことでした。ゆいは人と話すことがとても苦手でなかなか新しい友達をつくることができないのです。Upload By 吉田いらこ「わたし、クラスではいつも一人でいるんだ」とゆいは話すようになりました。ゆいの小学校ではいわゆる「ボッチ」であってもそれでからかわれたりするようなことはありません。でも本人はひとりが寂しかったようです。私は「勇気を出して話しかけてみたら?」など一般的なアドバイスしかできませんでした。勉強に関しては特別支援学級に移り配慮してもらうことで負担が減りました。でも次は人間関係で悩みごとが出てきました。このままでは学校に行くことが苦痛になってしまうかも…と心配していたのですが、数ヶ月すると意外なことがありました。Upload By 吉田いらこいつも一人でいるゆいに変化が!?ゆいはクラスのある男子と仲良く話せるようになったそうです。その男子はあまりグループで固まるということがなく、だれとでも接する子のようです。休憩時間も一緒に笑っているところをよく見ますよ、と個人面談のときに担任の先生から聞いたときは驚きました。ゆいに話を聞いてみると、その男子はだれにも気軽に話しかけるようで、ゆいにも話しかけるそうです。ゆいがうまく話せなくてもまったく気にしないので緊張せずに話せるらしく、だんだん会話も増えてきたということでした。ゆいは人と話すのが苦手で自分から話しかけることが難しかったのですが、向こうから来てくれる人がいるなんて。これをきっかけに会話ができるお友達が増えて学校へ行くことがたのしくなればと願っています。Upload By 吉田いらこ子どもから大人へ精神的に成長していくなかで、友人関係もどんどん変化していくと思います。ゆいは その特性から今後も人間関係に悩むことがあるかもしれません。ですが、人間関係というものは障害とは関係なく難しいものです。そして、人間関係の変化によって、ゆい自身が成長していくこともあるかと思います。子どもの友達関係に保護者が介入することはできませんが、これからも成長の様子を見守っていけたらなと考えています。執筆/吉田いらこ(監修:井上先生より)お子さんの成長とともに人間関係も変化していきますね。思春期の女子グループの中での人間関係やコミュニケーションは複雑で難易度が高いと思います。今回、今までお話のできなかった異性と話せるように広がったのは、とても素晴らしいことだと思います。この出来事が、また新たな友達関係が広がるきっかけになると良いですね。
2022年08月05日Q:特別支援教育を利用する子どもが年々増えているのは何故?必要な支援は?A:義務教育段階の全児童数は減少傾向にあるのに、通級、特別支援学級、特別支援学校へ通う「特別支援教育利用児」の割合は2009年の2.3%に対して、2019年には5.0%へと増加しています。これは2004年の「発達障害者支援法」公布、その後2016年の発達障害者支援法の改正の影響が大きいです(『改訂新版障がいのある子の就学・進学ガイドブック』p.106-11の「『発達障害児』への支援」参照)。Upload By 専門家インタビュー2016年の発達障害者支援法の改正により発達障害に限らず個人と環境の相互作用によって生じる困難や制限を解消するために「必要な合理的配慮」を行われるようになりました。教育に関しても同法案の第八条に「可能な限り、発達障害児が発達障害児ではない児童と共に教育を受けられるよう配慮しつつ」の文言が追加されました。社会的障壁の軽減や除去を進める方向性がクローズアップされると同時に世間でも「発達障害」に対する理解が増えてきたことも理由の一つでしょう。Upload By 専門家インタビュー
2022年07月23日通常学級で受けられる支援のノウハウが満載ーー『通常学級の発達障害児の「学び」を、どう保障するか: 学校・家庭・福祉のトライアングル・プロジェクト』文部科学省が2002年、2012年に調査した結果によると、通常学級に在籍する児童生徒のうち、発達特性を示す児童生徒の数は6%ほどといわれています。しかし、そのうちで授業時間内に個別の配慮をうけている児童生徒の割合が約45%にとどまっているという調査結果もあります。通常学級に在籍する発達特性のある子どもの学びを支えるためにはどうしたらよいのでしょうか。この本では、幼稚園などにおける支援や小学校への就学相談、小学校、中学校、高校における指導、大学や企業における支援をそれぞれ実例をあげて紹介しています。また、学校・家庭・福祉が1つのチームとなって連携する「トライアングル・プロジェクト」についても解説。多方面から子どもの学びを支えるためのヒントが満載です。「困っているけど、学校などにどう相談したらいいか分からない」と不安になっている方にもぜひ読んでほしい一冊です。発達特性のある子どもとの記録、療育とのつながりーー『発達凸凹っ子に英才療育?してみた 生後0日からの子育てバトル』発達ナビの連載ライターでもある、著者の古都コト子さんは、娘さんに発達特性があります。4歳ごろまで激しい癇癪や他害、こだわり、多動などがあり、24時間気を抜けない子育てをしてきました。2020年からSNSで子育ての過程を発信すると、SNSで話題になりフォロワーは7万人以上に。「悩んでいるのは自分だけじゃない」と誰か1人にでも届くようにと発信を続けています。この本では、娘さんが生まれたときから、娘さんの発達特性に気づき「療育」とつながる過程が全編マンガで描かれています。SNSでは発信していないエピソードも収録。古都コト子さんの心情の変化、娘さんの成長に勇気づけられる作品です。子どもの気持ちを想像し対応できるーー『発達が気になる子どもへの関わり方を教えてください』発達障害や、発達特性に関しての認知度が上がっていることを背景に、発達特性のある子どもに対する適切な関わり方を知りたいという声が年々増加しています。著者の中村敏也さんは、14の保育園と6の療育施設を運営し、のべ6万2000人の子どもたちに関わってきました。大人が困ってしまうような子どもの行動にも悪意や害意はないことが多く、その”気になる行動”をしてしまうときの子どもの気持ちにまず共感することが大切だと著者は言います。この本では、子どもと関わるときの5つの基本、子どもたちの気持ちを知るためのポイント、シーン別での困ったことへの対応方法、子どものタイプ別対応ポイントなどが丁寧に解説されています。行動だけに目を向けるのではなく、その背景にある子どもの心理を想像することが適切な声かけや接し方につながります。「みんな違って、みんないい」という思いがあふれる一冊です。また関わり方だけでなく、保護者の方が子育ての悩みを抱え込まないために、相談機関への相談の仕方なども紹介されています。発達特性のある子どもを育てる保護者だけでなく、子どもと接する全ての方々におすすめです。「食べる動作」の改善により日々の食事に笑顔をーー『気になる子どものできた!が増える食事動作指導アラカルト』食事は日々の生活に欠かせない大切な要素。しかし、箸や食器がうまく持てない、食べ物をこぼしてしまう、食べるときに姿勢が崩れてしまうなど、子どもの「食べる動作」について悩みを抱える保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。この本では、神奈川県立保健福祉大学の教授であり、作業療法士でもある、笹田哲先生により、具体的な食事動作の指導法、食事動作の基礎となる手指の動きを養う遊び、さらには食具・食器の選び方などが、実際の画像やWEB動画と共に分かりやすく紹介されています。一つひとつの食事動作が上手にできるようになることで、お子さんの自信につながるだけでなく、お子さんにとってもご家族の方にとっても日々の食事がより楽しいものになるのではないでしょうか。この本は保護者の方だけでなく、教員、栄養士、保育者など、子どもの食事に関わるさまざまなご職業の方にもおすすめの一冊です。忘れ物をしてしまったらどうする?を考えるーー『わたし、わすれものが おおいです (学校がもっとすきになるシリーズ 2022)』学校は毎日毎日いろいろなことが起こる場所。この本は、子どもたちの日常にありふれた小さな出来事を拾い上げ、その出来事を通して「少しでも学校を好きになることができたら」という思いで描かれた絵本です。今回のテーマは「忘れ物」。誰でも一度は忘れ物をしてしまったことがあるのではないでしょうか。大事なのは忘れ物をしてしまったときにどうするかを考えること。この本は、いつもうっかりしてしまう「わたし」と、わたしが忘れ物をしたとき、いつも助けてくれるしっかり者の「えみちゃん」のお話。国語の教科書を忘れてしまった日、いつものようにえみちゃんに教科書を見せてもらおうとすると、なんだかえみちゃんの様子がおかしくて——。忘れ物をたくさんしてしまうけれど、そのたびに「どうしよう?」と真剣に考える「わたし」と「えみちゃん」。お子さんと一緒にこの絵本を読んで、「忘れ物をしてしまったときは、先生になんて言おう」「明日、忘れ物をしないためにはどうしたらいいのかな」と話し合ってみてもいいかもしれません。日々の不安に寄り添ってくれる一冊ーー『リエゾン(8)ーこどものこころ診療所ー』どんなに子どもを愛していても、イライラが止まらず子どもに手を上げてしまう。私の行動って「虐待」なのではないか…。児童精神科をテーマに、現代社会を生きる子どもたちとその家族が抱えるさまざまな問題を丁寧に描く人気漫画の新作が登場。第8巻は「虐待」「母子登校」「自傷行為」がテーマです。この本では、言うことを聞かない子どもに手をあげてしまう母親、小学校入学直後に登校渋りをする子どものために毎朝母子登校を続ける母親、親からのプレッシャーに耐えられず自傷行為をしてしまう中学生の女の子が登場。傷を抱えた彼らに児童精神科医の佐山卓と遠野志保がかける言葉とは?近しいからこそ、すれ違ったりこじれたりしてしまう親子の関係性。周囲には気づかれないように明るく振舞いながら、誰にも言えない家庭での悩みを押し殺して毎日を過ごしている人はたくさんいるのではないでしょうか。この本は、時に残酷なこの現代社会を生きる私たちの心にそっと寄り添ってくれる、そんな一冊になっています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年07月12日Q:「特別支援学校」「特別支援学級」に通うわが子。地域とどのように交流していったらよいでしょうか。A:「豊かな連携」づくりの一環として「居住地校交流」という方法もあります。Upload By 発達障害のキホン居住地校交流とは「同じ地域の学校・学級の仲間」との交流です。一般的に居住地域との結びつきが弱いとされている特別支援学校。学校内では問題なくても、居住地に帰れば独りぼっちという状況は容易に解消されません。これに対して「同じ地域の学校・学級の仲間」であると位置づけた「居住地校交流」は特別支援学校とおのおのの居住他校との日常的な連携を生み出すものとなっています。例えば、鳥取県でこの方式を最初に実現したある子どもの取り組みとして(『改訂新版障がいのある子の就学・進学ガイドブック』pp.91-93の「クミちゃん」参照)・特別支援学校に通う児童との交流のために、児童が通っていた保育所、同じ町内の障害児の保護者たち、障害児の親の会などの応援により特別支援学校、地域の小学校両方の入学式に出席することができた・普段は特別支援学校に通っているが、地域の小学校にも教室にその生徒の机が用意され、毎日出席の確認もとっている(特別支援学校に行っている場合はクラスメイトが「特別支援学校です」と返事をする)・月1~2回の交流学習などの実績があります。このような取り組みにより、小学部時代だけでなく中学部・高等部時代を経ても地域とのつながりは保たれていきます。そして、卒業後の地域での生活づくりや福祉・就労サービスの利用にも活きていきます。※「居住地校交流」を含めて「障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めること」は2004年の障害者基本法の一部改正でも定められています(『改訂新版障がいのある子の就学・進学ガイドブック』p.102の「障害者基本法」参照)。
2022年07月09日Q:「特別支援学級」の学級編制について保護者が知っておくべきことはありますか?A:法制度上、該当する障害区分に子どもが一人でもいればその種別の特別支援学級は開設することができます。Upload By 発達障害のキホン公立小中学校の学級編制は、「国の定める標準 ≧ 都道府県の定める基準 ≧ 市区町村による実際の編制」、という三重構造で成り立っています。なぜ、国の定めを「標準」と呼ぶかと言えば、都道府県にもっと少人数の「基準」を設ける余地を残し、さらに市区町村の独自努力で標準・基準よりも少人数の学級編制を促すためです。したがって、公立小中学校の通常学級では、2022年度現在で小学校3年生までが「35人標準」、それ以上の学年が「40人標準」になっていますが、都道府県や市区町村では、その標準よりも少人数にしているところが少なくありません。通常学級は同学年による単式編制が原則ですので、「35人標準」ですと、1人超過した36人の学年の場合に「18人」ずつの少人数学級が実現します。発達障害のある子どもを含めて、ゆとりをもって指導する上で、まず通常学級を少人数にすることが大切です。これに対して、特別支援学級の編制(同学年を問わない複式編制)には幾つかの解決すべき課題が考えられます。例えば、特別支援学級には弱視、難聴、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、言語障害、自閉症・情緒障害の7種(自閉症タイプと情緒障害タイプを区分することが奨励されており、その意味では8種)が法律で認められています(『改訂新版障がいのある子の就学・進学ガイドブック』pp.40-41の「図4 文部科学省による就学基準等」参照)。しかし、自治体によっては開設する障害種を限定しているところもあります。その場合、障害児がその障害種に応じた学級で学ぶことが難しくなる場合もあります。該当する障害区分に子どもが1人でもいれば、市区町村はその種別の特別支援学級を開設するよう努めることが大切と言えるでしょう。第二に、地域の教育委員会によっては特別支援学級の開設に「最低3人必要」などと設定していることもありますが、もちろん「標準法」には定めのないことです。第三に、上記とも関わりますが、対象児数をある程度確保するために、エリア内の比較的大きな小中学校に限定して特別支援学級を開設し、小さな学校には開いていない自治体もあります。しかし、これまた、地域でともに学び育ち合うインクルーシブ教育を志向する特別支援教育の趣旨とはズレてしまうことだと考えます。障害のある子どもを通常学級入れた場合、教員を加配し、複数担任制にして欲しいという希望もあるでしょう。しかし、現状は基本的に通常学級は一人担任体制です。そこで、特別支援学級を設置し、特別支援学級の担任とともに「交流及び共同学習」と言う形で、可能な範囲において通常学級で授業を受けるという形態(結果として教員が複数存在することになる方式)を工夫している自治体もあります(『改訂新版障がいのある子の就学・進学ガイドブック』p.165-166の「みんなの学校」参照)。特別支援学級を含めた開設学級の総数に応じて、担任や養護教諭・管理職等の教諭が配置されます。教諭等の給与は、国と都道府県が全額負担しますので、市区町村の持ち出し分はありません。自治体によってはそうして学級数を増やして先生の数を一人でも多く確保し、インクルーシブな教育を推進しているのですね。
2022年06月24日通常学級か特別支援学級か自閉スペクトラム症がある太郎の就学のことで頭がいっぱいだった、あのころ。悩んだ。とにかく悩んだ。悩んでも悩んでも答えが出なかった。答えは私たち親子がつくるものかもしれない、そう思った。Upload By まゆん太郎は通常の保育園に通っていた。そのほかにも療育センターへ月一、発達障害児リハビリ教室にも月一で通っていた。発達障害があるとはいえど、通常の保育園で生活できないことはなかった(園の先生方の力があってこそですが)。小学校へ進学する前の就学相談を受けた際は、就学相談の先生から「うーん…グレーだなぁ。果てしなくグレーだなぁ」と言われた。Upload By まゆんグレーならば白もあるのか長いこと太郎を診てきてくださったかかりつけの先生からは、「特別支援学級の方がいいのでは?」と言われていた。私は悩んだ。就学相談時の先生の言葉が頭から離れなかった。「果てしなくグレーだ」…グレーならば白もあるのか。だとしたら…白の方がいい。特別支援学級となると、偏見もあるだろうか。それなら白の方が…。そう考える私もいたが、それはエゴだということにも気づいていた。偏見が怖いのは私。太郎はなにも怖がってない、むしろ誰かの援助を必要としている。でも、この先、私が特別支援学級を選んだことが太郎を傷つけてしまわないか…。もう考えが分散してまとまらなかった。落ち着け落ち着け。一番に考えるべきことは、「今」の太郎だ。就学相談でほんの30分しか関わってない先生から「果てしなくグレー」と言われようが、今までと、これからの太郎をみていくのは私だ。私と太郎で、グレーを白とみなすのも黒とみなすのも自由なんだ。この時期、太郎はまだ自分で意思の決定をできなかっただけに、この決断は責任重大であった。「答えはこれから2人で探そう」そういう思いもあって、今までの太郎の状況を冷静に振り返り特別支援学級を選択した。Upload By まゆんあとがき保育園時代と違い、小学校からは特別支援学級という枠組みがあります。通常学級との違いがはっきりする気がして、私自身が周りの目を気にする部分がありました。太郎が変な目でみられないかと考えたり、ちょっと気持ちが落ち込んだりしていました。この落ち込みは、今は随分と改善してきていますが、未だにひっかかることはあります。けれど、特別支援学級を選んでよかった。そう思えることの方が遥かに多いです。それが今の私たち親子の答えになっています。これから先はまだ分かりませんが、途中経過としてはメリットの方が大きいように思っています。(執筆/まゆん)(監修:初川先生より)就学先の決定にまつわる思いのシェアをありがとうごさいます。通常学級と特別支援学級では、周りからどう見られるかという点も気になるとは思います。しかし、一番大事なポイントは、おそらくお子さんにとって、どちらが学びの多い場となるかどうか、ということだと思います。まゆんさんはあまり詳細に書かれていませんが、きっとそうした観点でも検討されたことと思います。通常学級では、知的な遅れがないことを前提として学習活動が進むので、45分間座っていること、読む・書く・話す・聞くがまんべんなく求められてゆく枠組みです。担任一人で35人以下の人数をまとめてみていく環境でもあります。特別支援学級では、担任が見る人数が少なく、また支援員の先生など大人が多く入ってくださりやすい枠組みです。座学ももちろんありますが、活動的な内容が多かったり、学習については、個々の到達度に合わせて進めてくださったり、基礎基本をじっくりと行ってくださります。子どもたちが「学ぶ」にあたっては、ただ授業を漫然と聞いていても学びにはならず、自分のレベルに合った内容について主体的に関与することで、「分かった」「できた」「そういうことか」となることで学びとして成立します。分からない授業を聞き流すことに慣れてしまうこと(学校の勉強は分からなくてもいいんだと学んでしまうこと)が私は個人的にはとても危惧するところです。お子さんにとって、どんな環境であれば学びが成立するのか。もちろんそれには配慮やサポートなど工夫が必要な場合はありますが、そのベースとして通常学級が適しているのか、特別支援学級が適しているのか。まゆんさんのお子さんは特別支援学級に所属してよかったと思うことがたくさんあるとのこと、よかったなぁと思います。
2022年06月09日母親学級・両親学級とは?妊娠してから、少しずつ身体の変化を感じているママは多いのではないでしょうか。どこまで自分の身体が変化するのか、ママの生活がお腹の赤ちゃんにどのように影響するのかなど、不安に思うこともあるでしょう。母親学級や両親学級は、ママたちが気になる妊娠中の生活や出産までの心身の変化、産後の育児について学べる講座です。母子保健法(※1)により定められたもので、ママとパパを対象に自治体などで行われています。講義形式と体験型の実技形式がセットになっている場合が多く、保健師や助産師、栄養士が講師を務めます。妊娠・出産・育児に対する知識やスキルの習得を目的としていますが、最近では父親の育児・家事参加を促すための取り組みも盛んです。教室では父親の役割について話したり、重りがついたジャケットを着て妊婦体験をしたりと、出産前からパパが育児・家事にかかわりやすいよう工夫されていますよ。母親学級・両親学級はどこで開催される?自治体全国の自治体では、7割近い市区町村で母親学級・両親学級を開催しています(※2)。自治体が主催する教室は保健センターが窓口となっており、ほとんどが予約制です。講座の内容や実施回数は自治体ごとに異なりますが、総合的にバランスよく情報が網羅されており、妊娠から出産・育児を通じて全体像をつかみやすいでしょう。自治体のホームページに開催情報が公開されているので、妊娠が判明したら早めに確認しておくと安心です。産婦人科産婦人科や助産院でも、出産前のプログラムとして母親学級・両親学級が用意されています。産院が主催する教室では出産に向け、おっぱいマッサージや分娩時の呼吸法について解説したり、立ち会い出産について具体的な説明がなされたりすることが多く、お産の具体的なイメージトレーニングになるでしょう。参加特典として出産準備品を用意している産院もあります。ほとんどが予約制で、参加条件としてその施設での分娩を予定しているママに限定している場合があるため、詳しくは産婦人科や助産院で確認してみましょう。オンライン新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するために、オンラインを利用して母親学級・両親学級を開催している自治体もでてきました。Web会議サービスを利用して、リアルタイムで講師とやり取りできるタイプと、いつでも好きなときにみられる動画配信サービスを利用したタイプがあります。自宅で受講できるので、感染対策として人が集まる場所を避けたいママやパパにおすすめです。住んでいる自治体以外でも視聴できたり、民間の事業者がプログラムを提供したりしている場合もありますよ。母親学級・両親学級へ行く時期は?母親学級・両親学級は、妊娠週数や出産予定日によりコースや日程を設定していることがあります。分け方は自治体や産院で異なりますが、妊娠16~27週頃までの前期と、妊娠30週以降の後期に分けて実施することが多いようです。特に参加する際の規定がない場合は、つわりが落ち着き体調が安定する妊娠5ヶ月から7ヶ月頃を目安にすると良いでしょう。母親学級、両親学級のポイント自治体主催の母親学級・両親学級で扱う情報は、妊娠から産後の育児まで多岐にわたります。具体的には妊娠中や産後に起こる心身の変化、妊娠中の栄養と食事、歯科衛生、産後の生活と準備、母乳育児、母子保健サービスなどがテーマとなっています。働く女性へのアドバイスやワークライフバランス、パパの役割について取り上げているのも最近の特徴です。実践形式ではおむつのあて方、着替え、沐浴、抱き方が体験できます。新型コロナ感染症が流行する以前はワークショップ形式の教室が多く開催され、参加者同士の交流を深める場としても機能していました。産院が主催する母親学級・両親学級では、バースプランの考え方など出産に向けてより実践的に役立つノウハウを得られるのがポイントです。母親学級・両親学級は必ず行ったほうが良い?母親学級・両親学級は妊娠中の不安を解消するのに役立ちますが、必ず参加しなければいけないものではありません。体調がすぐれないときや近くで開催される教室がないとき、日程が合わないときなどは無理をすることはないでしょう。しかし、妊娠中に出産や育児に関する知識を得ておくことは安心にもつながり、大切なことです。本やオンライン講座を利用して、出産や育児の概要をつかんでおきましょう。妊娠中の悩み 個別相談のクラスも妊娠中の母体や育児について不安や疑問があるものの、母親学級・両親学級では個人的な質問がしづらいと感じる方も少なくありません。そのようなママにおすすめなのが、助産師にマンツーマンで指導してもらうことができる有料のオンライン講座です。自宅からスマートフォンやパソコンなどのツールを使い、1対1で気兼ねなく相談しながら受講できるので必要な知識をきちんと身につけられますよ。料金は30分で800円〜2,000円程。妊娠中の保健指導だけでなく、精神的な不調や産後の手続きに関することなど幅広い悩みに対応してもらうことが可能です。(※)オンライン助産院サービス「エミリオット助産院」は当記事の監修者、河井恵美先生が運営する助産院です。母親学級・両親学級は参加しやすい教室を選ぼうコロナ禍で中止になっていることが多かった母親学級・両親学級も、感染症対策をしながら少しずつ再開する自治体が増えてきました。オンラインという選択肢も広がっています。母親学級・両親学級は初めて妊娠するママにあわせて基本的な情報を発信しているので、「なにがわからないかも、わからない」というような状況でも安心して受講できるものです。普段の健診で医師や助産師さんに質問しづらいことでも、気軽に質問できるというメリットもあります。保健師や栄養士が専門家の目線で発信するアドバイスなら、初めての育児で戸惑っているパパも真剣に耳を傾けてくれることでしょう。安心して妊娠・出産、子育てをするために、参加しやすい教室を選んで活用してみましょう。※この記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
2022年06月09日特別支援学級で授業を受けてみた結果は…?小5のときに軽度知的障害、ASD、場面緘黙の診断がおりた長女ゆい。先生から苦手な算数の授業について特別支援学級で受けることを提案されました。私も先生も、ゆいの負担を考えると特別支援学級に移ることがベストだとは思いました。でも自分だけ別教室で授業を受けることについて、本人が嫌がったり周りに何か言われるようなことがあればやめておこうと話していました。(ゆいの通う小学校は「特別支援学級在籍」となっていても、普段は通常学級で過ごし、国語や算数などサポートが必要な科目だけ、特別支援学級の教室に集まって授業を受けます。※自治体により異なります)Upload By 吉田いらこお試しで通ってみた初日、私はドキドキしながらゆいに様子を聞いてみました。ゆいの返事は「別に何もなかったよ」でした。思いのほか気にしていなかったようです。初日は、特別支援学級での取り出し授業にも問題なく行けたので、翌日からも特別支援学級に通うようにしていましたが、特に問題は起きませんでした。Upload By 吉田いらこゆいは、通常学級で授業を受け、算数の時間になると別の教室へ移動します。別教室には、ほかのクラスからも集まり五人ほどで「特別支援学級」としての授業を受けます。授業の進度は通常クラスと同じですが、問題は基本だけをとても簡単に、ボリュームも少なくして教えてもらっていました。ゆいはサクサク進む通常の授業についていくのが難しかったのですが、ここでは個人のペースに合わせて待ってもらえるのでかなりラクになったのではないかと思います。また、友達から特別支援学級に通うことについて何か言われるのではないかという不安もありましたが、それも必要なかったと分かったことがありました。気になっていた友達関係Upload By 吉田いらこそれは、放課後友達が家に遊びに来て一緒に宿題をしていたときのことでした。ゆいと通常学級の友達とでは、算数の宿題が違います。ゆいの宿題は友達のものよりも易しく、量も3分の1ほどでした。みんながわが家に集まり、ダイニングテーブルの上にそれぞれの宿題を広げ、ワイワイとやり始めました。ゆいが行き詰っていると、友達が教えてくれます。それもとても自然に。宿題の種類が違うことなどだれも何も気にしていないのです。Upload By 吉田いらこ算数の授業を特別支援学級で受けるようになってから、もう一つ良いことがありました。Upload By 吉田いらこ算数以外の教科のテストの点数が以前よりも上がったのです。照れながらも嬉しそうに答案を見せてくるゆい。多分、算数の授業が易しくなって負担が減ったからなのかなと感じました。今までは毎日算数の授業にたくさんの気力を使い、とても疲れていたのでしょう。そして、必死に頑張っても結果がついてこないことに落ち込んでいたと思います。以前に発達検査を受けてから、私はいろいろ考えました。特別支援学級に行くか行かないかはもちろん自由でしたが、毎日勉強で無理して学校が苦痛になってしまうのは避けたかったです。そこで、小学校での目標を「楽しく学校に通うこと」にしました。そのためにできることを今はやることができているのかなと思います。執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)ご本人にとって無理のない負荷に調整できたのはとても良かったですね。そのことによって手応えと自信をもって課題に取り組めるようになると、また日々の暮らしが楽しくなり、そして課題への取り組みがさらに良くなると思います。ともあれ、楽しそうに過ごしているお子さんの姿を見られるのは親としても安心ですね。
2022年04月05日年中の冬、初めての就学相談で…Upload By ゆきみ発声が不明瞭、マイワールド、大きな音が苦手、衝動のままに行動…など、けんとのさまざまな特性を考えていくと「通常学級で過ごすのは厳しいだろうなぁ~」と思い、年中の3月に予約を取り、一緒に市の就学相談に行きました。私の希望としては特別支援学級か、特別支援学校。以前、発達支援センターで行われた学習会で特別支援学校の見学会へ行ったとき、少人数、手厚さ、たくさんの知識をもつ先生方の指導に感動し、入学も考えていました。私の住んでいる市の就学相談は、母子分離。別室で臨床心理士さんが子どもの様子を見たり、いくつかのテストを行ったりします。その間にママは担当の方から、子どもについての聞き取りが行われました。Upload By ゆきみ3歳で自閉スペクトラム症の診断名がついたこと、発達支援施設に通っていること、こども園での様子、最新の新版K式発達検査の結果など伝えました。3歳で取得した療育手帳の話になったとき。最新の発達検査の結果では「療育手帳を更新できない可能性がある」と病院の先生に言われたことを伝えると、私の住んでいる地域では、知的障害が認められないと特別支援学校への入学ができないと告げられました。(お住まいの地域によって状況は異なるようです)「病院でWISC-IV知能検査を受けてきてください」と言われ、初めての就学相談を終えました。WISC-IVを受け、再び就学相談へかかりつけの児童精神科でWISC-IVを受け、結果を持って再び就学相談へ行きました。凸凹がありつつも、総合で平均点以上。療育手帳を持っているものの、現在は知的障害が認められなかったため、特別支援学校が対象外となりました。手厚く、少人数でみていただける環境も考えていただけに不安になりましたが、通級指導教室は考えていなかったので特別支援学級の1択となり私の心は決まりました。しかし、就学相談で特別支援学級を希望する場合の今後の流れを聞いてみると…私が住んでいる地域では親が希望を出したとしても、医師が「必要ない」と判断すると特別支援学級に入れないというのです。「うちの子は絶対に必要ある」と心の中で叫びましたが、医師の判断を受けないと仕方ないので、「まずは秋に行われる就学時健診を受けてから判断しましょう」ということで2度目の就学相談は終わりました。Upload By ゆきみ年長になって特別支援学級の見学と就学時健診へ年長の夏。特別支援学級の見学に行かせていただきました。しっかり集団行動ができていて、椅子に座って先生のお話しをしっかり聞けている子どもたちばかり。「ここは本当に特別支援学級なの?けんとはやっていけるのかな?」と、とても心配になりました。が、社会のルールを丁寧に教えていた先生の姿と、楽しそうに過ごす子どもたちの様子を見学できて、「ここで成長してくれたら嬉しいな」と、けんとの未来の姿を想像し泣けてきました。Upload By ゆきみそして、秋。校区の小学校にて就学時健診が行われました。内科健診くらいで終わるのかな~と気軽に行ってみると、想像以上に健診する項目が多くビックリ!予めどんな健診があるのか聞いて、けんとに伝えておけばよかったと、心から後悔。しかも母子分離だったので、待っている間、気が気ではありません。そして悪い予感は的中…。苦手な健診をたくさん頑張ってママのもとへ帰ってきたけんとは、限界。私の顔を見た瞬間「早く帰るモード」に突入してしまい、パニック&癇癪で大暴れしてしまいました。健診のあと、個別で面談があったのですが、パニックけんとの姿を見て「特別支援学級をご希望ですよね?」と言われ「はい。(ご覧の通りですので)希望します」とお伝えすると、「その方がいいと思います」と言われました。Upload By ゆきみ現在はサポートブックづくり。不安いっぱいです特別支援学級に入れるかが決まる面談のときにタイミング悪く風邪をひいてしまい、まだ決定とはなっていないのですが、診断名がついているし、就学時健診の様子からも入れると確信しています。入学に向けて、少しでも先生に子どものことを知っていただきたく、LITALICOジュニアのサイトにあった「サポートブック」をダウンロードして書き始めました。意外と記入することが多く、入学前にお渡しするのを目標に、毎日少しずつ進めています。ジュニアのサポートブックまずは最初の関門!入学式から不安です。慣れない場所。気になるものを見つけてはあちこち歩きまわり、大きな声で「ママ」と駆け寄ってきてしまいそうだなと、今から想像しています。入学してからも先生としっかり情報交換ができるようにして、親、子ども、先生の抱えている不安を少しでも取り除き、とにかく本人が楽しく学校生活を送れますようにと願っています。Upload By ゆきみ執筆/ゆきみ(監修:井上先生より)就学先の決定は、就学前の親御さんにとって非常に大きな悩みになります。また、地域によってシステムが多少異なるので、戸惑う方も多いかもしれません。先輩の親御さんなどから地域の情報を得ておけるとよいでしょう。就学先として選んだ環境は、小学校の間ずっと同じでなければいけないわけではなく途中で変更することも可能です。学校と適宜コミュニケーションをとりながら、考えていくことが大切です。
2022年01月25日子どもの小学校・中学校入学に向けて発達障害のある子の小学校、中学校への入学。子どもに合うのは通常学級?特別支援学級?特別支援学校?中学やその先の高校、就労など、将来に向けてもどんな選択をしたらいいのか悩んでしまいますよね。今回は入学、就学関連のコラムをまとめてお届けします。参考になるエピソードばかりなので、気になるコラムはぜひリンクをクリックして読んでみてください。通常学級?特別支援学級?クラスを決めるまでの1年間ADHDと自閉スペクトラム症の診断を持つむっくん。一見困難さを抱えているようには見えないのですが、見えない困難さもあり…。前半は進学相談スケジュールや面談の様子、後半は見学や進路決定など詳しく描かれています。小学校見学に学童に…説明会が盛りだくさん!自閉スペクトラム症のあるミミくん。説明会に行き、学校公開日に3校を訪問し…。それぞれの学校の特色や毎月のスケジュールの流れなど参考になりそうですね。ASD息子が授業に慣れるために行った「授業ごっこ」とは?自身にもASDがあり、小学校入学時、突然始まった「授業と勉強」に戸惑った経験のある母の丸山さとこさん。その経験から、息子のコウくんに「勉強ごっこ」を提案します。一体その内容とは…?進路を迷うことすらできないの?「特別支援学校」を受け入れるまでの母の葛藤自閉スペクトラム症と知的障害のあるぽぺろうくん。母のぼさ子さんは早い段階から特別支援学校への進学を想定していましたが、その結論を受け止めるまでにはさまざまな思いもあり…。発達凸凹長男くんの全7話の中学校受験物語!小6を迎えた自閉スペクトラム症のある長男くんが私立中学を受験!受験校選びから始まり、受験勉強、親子ゲンカ、志望校の変更などさまざまな出来事をどう乗り越える…?!全7話の読み応えのあるコラムになっています。発達障害のある小6息子が心配で中学校に相談したけれど…発達障害のある小6のリュウ太くん。母のかなしろにゃんこ。さんは中学生活が心配で進学先に配慮をお願いに行くのですが、校長先生から言われた言葉にがっかりしてしまい…。でもいざ入学してみると…?4月からの新学期に向けてさまざまな入学・就学関連のコラムをお届けしました。新学期まであとわずか!お子さんにとってより良い環境で新学期が迎えられることを願っております。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年01月04日地域の子育て支援サークルで役員をしているママ。コロナ禍を機にオンラインで子育て支援サークルを開催することにしたそうです。新しい形での子育て支援活動をするまでの経緯や開催後の感想などを紹介しています。 私は仕事関連や自分の学びのために、Web会議ツールの「Zoom」を使うことがあったのですが、ある日「オンラインによる子育て支援」を発見! 試しに参加してみたらその素晴らしさに心がウキウキしました。このような体験をもっと多くの人にしてもらいたいと思い、私がおこなった新しい生活様式での子育て支援活動をご紹介します。 たまたま見つけた「オンライン児童館」新型コロナウイルスの感染拡大以前からZoomを使うことがあった私。外出自粛期間も友だちとSNSやZoomでつながりを持ち、乗り越えてきました。そんなある日、友だちのインスタグラムから「オンライン児童館」の存在を知りました。 そのころ、外出自粛は解除されたとはいえ、周りの児童館や子育て支援センター等は閉鎖されたり、限定的に解放されたりしている状態。試しに参加してみると、無料で手遊びや読み聞かせ、工作などをやってもらえ、親子共々楽しい時間を過ごすことができました。 広がるオンラインでの子育て支援調べてみると、他にもオンラインでの子育て支援が見つかりました。オンライン子育て広場、オンライン子育て支援センターなど個人でおこなっているものもあれば、自治体主導の子育てサロンもあり、親子ヨガや親子ダンスなどのレッスンもオンラインで受けられるようでした。 田舎に住んでいる私としては家にいながら全国の人とつながれたり、子育て支援を受けられたりして、新たな世界が開けたように感じたのです。 自分だけでなく、みんなにも広めたいこうしてZoomを使うことでコロナ禍もわりと楽しく過ごせていたのですが、ふと、Zoomが使えない人たちのなかには、ただただ孤独な育児に追い込まれている人もいるのではないかと思うようになりました。 ちょうどそのころ、地域の親子サークルの役員の間で「今年の活動は無理」と話していたのですが、「オンラインでの活動を広める良い機会だ!」と思い立ち、急ピッチで準備を進めました。 地域の子育てサークルをオンライン化役場の窓口や乳幼児健診で親子サークルのチラシを配ってもらったり、お試し会をしたりして、何とかオンラインでの活動を始めました。地域の民生委員さんも入ってくださり、初めてZoomを使った方も「意外と簡単だし、マスクもなくみんなの顔が見られてうれしい!」と笑顔になるのを見ると、おこなってよかったと思っています。 また、この活動をきっかけに、今度は自ら気になる講座やイベントを見つけて参加し、育児をより楽しめるようになった人がいてくれたらうれしいです。 専業主婦の中にはZoomになじみがなく不安な方もいたようですが、使ってみると意外に簡単でビデオやマイクをオフにして参加もできることから、かえって参加しやすいという感想ももらいました。今後ほかの地域や自治体でも取り組みが進めばうれしいなと思っています。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:小林まり3男1女の母。元小学校教員。夫は土日出勤、出張も多いNPO職員。育児の大変さを実感しながらもコツをつかみ始めてきたところ。自身の経験を中心に執筆している。
2021年09月13日個別の教育支援計画ってなに?個別の教育支援計画とは、障害のある子どもに対して関係機関と連携し、切れ目のない教育支援を継続して実施するために学校が中心となり作成される個別の計画です。個別の教育支援計画では、子ども本人や保護者の現在の困りごとや願い、将来に向けた希望、教育上必要な合理的配慮などについて、学校のみでなく、家庭、 医療、福祉などが共通理解を図り、それぞれの場における支援目標や内容と関連づけながら計画に記載をします。「平成15年度から実施された障害者基本計画 においては、教育、医療、福祉、労働等の関係機関が連携・協力を図り、障害のある児童の生涯にわたる継続的な支援体制を整え,それぞれの年代における児童の望ましい成長を促すため、個別の支援計画を作成することが示された。この個別の支援計画のうち、幼児児童生徒に対して、教育機関が中心となって作成するものを、個別の教育支援計画という」(小学校学習指導要領(平成29年告示)開設総則編より引用)個別の教育支援計画の対象者は誰?現在、通級による指導を受けている子ども、特別支援学級や特別支援学校に在籍している子どもについては作成が義務付けられています。通常の学級に在籍している子どもについても、作成することが推奨されています。このことについて、平成29年及び平成30年に改訂された小中学校や高等学校の学習指導要領では、次のように示されています。「今回の改訂では、特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童に対する二つの計画の作成と活用について、これまでの実績を踏まえ、全員について作成することとした。また、通常の学級においては障害のある児童などが在籍している。このため、通級による指導を受けていない障害のある児童などの指導に当たっては、個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し、活用に努めることとした」(小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編より引用)参考:小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編 | 文部科学省なぜ個別の教育支援計画が必要なの?障害のある子どもの生活の場は学校のみでなく、家庭や地域があります。例えば放課後等デイサービスなどの福祉施設、さらに、医療による支援を受けている場合もあります。個別の教育支援計画を作成することで、それぞれがバラバラの支援をするのではなく、生活場面全体を視野にいれた包括的かつ一貫した教育支援を実施することが必要です。作成の際には、現在の困りごとや制約のみに焦点を当てるのではなく、例えば3年後どうありたいか、何ができるようになっていたいか、など長期的な視点を持つことで、 子ども本人、ご家庭、 学校、各種関係機関で目指す方向性を共通理解することができます。また、個別の教育支援計画を進学時・進級時に引き継ぐことで、切れ目のない教育支援を実施するために活用していくことが大切です。なお、個別の教育支援計画の作成にあたっては、多くの関係者が関与することから、保護者の同意を事前に得るなど個人情報の適切な取扱いに十分留意した上で、情報共有をすることが必要とされています。個別の指導計画との違いは?通級による指導を受けている子どもや特別支援学級に在籍している子どもについては、個別の教育支援計画と共に、個別の指導計画の作成も義務付けられています。個別の指導計画とは、子ども一人ひとりの実態に応じて、きめ細やかに各教科等でどのような目標に基づきどのような指導をするか、またどのように教えるか、などを記載している計画です。個別の教育支援計画は関係機関と連携を図り、長期的な視点を持ちながら作成しますが、個別の指導計画は、子どもが在籍している学級の教育課程に基づいて、1年ごと、1学期ごとの学校における学びを具体的に記述する計画です。個別の教育支援計画の項目令和3年に文部科学省から「個別の教育支援計画の参考様式について」各自治体に通知が出されました。本通知においては、統合型校務支援システムなどのICTを活用して、学校内外で必要に応じて個別の教育支援計画のデータを蓄積や共有ができる仕組みの必要性を踏まえ、個別の教育支援計画の参考様式を示しました。Upload By 野口あきな参考:参考資料(「障害のある子供の教育支援の手引」関係) p.422 p.424-425個別の教育支援計画作成のポイント1.本人、保護者と共に本人を中心とした計画を作る計画は学校が中心となり作成するものの、計画の主体者は子ども本人と保護者です。そのため、子どもや保護者の願いや困りなどを置いてきぼりにした計画にならないことが大切です。子どものわかる方法でご本人のニーズを聞き、計画に反映しましょう。例えば言葉でのやりとりが難しい場合は、絵や写真、選択肢などを活用することで、子ども本人の希望を聞くことができます。2.関係機関と連携し作成・共有する平成30年に、家庭・教育・福祉の連携を推進する「トライアングルプロジェクト」の報告がなされました。このプロジェクトにおいて、学校と放課後等デイサービスが連携する方法の一つとして、個別の教育支援計画を通して連携をすることが明記されました。Upload By 野口あきな放課後等デイサービスなどの関係機関における支援内容を確認し、学校での支援内容についても共有をすることで、連携や役割分担をしながら、一貫した教育支援をすることができます。前述の通り、情報共有の際はご本人・保護者に希望を尋ねた上で連携をする必要があります。3.合理的配慮について記載する2016年に施行された障害者差別解消法において、合理的配慮を提供することが義務付けられました。教育における合理的配慮とは、学校で過ごしたり学んだりする上での困難さがある場合に必要な個別の配慮や調整することを指します。子ども本人が学校生活を送る上でどのような配慮や調整があったらより過ごしやすく、学びやすくなるかについて子ども及び保護者と話し合い、合意した合理的配慮の内容を個別の教育支援計画に記載しておきましょう。合理的配慮は障害のある人の権利として、学校のみでなく、受験時や就労時にも使える制度です。特に受験の際などは、これまでにどのような配慮を学校で受けてきたか?が根拠となり、そのような根拠がない場合は配慮を受けることが難しい場合もあります。そのため、個別の教育支援計画において、どのような合理的配慮を現在受けているか、を記載し引継ぎをすることが大切です。4.定期的に見直して更新する個別の教育支援計画は1回作って終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。1年に1回は変更点がないか見直すことをお勧めします。例えば子どもの状況が変わったり、支援機関が変わったりすることがあります。その場合は修正を加えることで更新をしましょう。5.進学先に引き継ぐ障害のある子どもや保護者は、学級や学校が変わるとまた0から情報共有をしなければならないことが負担になっていることがあります。過去の支援内容に関する記録がないために、これまで受けてきた支援が継続して受けられない場合もあります。切れ目のない支援のためにも、本人及び保護者の意向を尋ねた上で、進級先・進学先に計画を引き継ぐことが望ましいとされています。おわりに本記事では個別の教育支援計画の定義やどのような内容が含まれていることが望ましいかについて書きました。子どもを中心とした一貫した支援のために、個別の教育支援計画を活用してみてください。執筆/野口あきな
2021年08月06日息子の場合私の息子は知的障害を伴う自閉症です。現在20歳、療育手帳(愛の手帳)を所持しています。就労移行支援事業所まで一人で電車を乗り換えながら通所することや、簡単な家事手伝いは行うことができます。一方、こだわりが強く、時にはパニックを起こして暴れることもあります。息子は、小学校入学前、知的障害があること、着替えなどの身辺自立がまだ出来ていなかったこともあり、特別支援学校への進学を選択しました。知的障害があるのに小学校、中学校を通常学級のカリキュラムの中で過ごしてしまうと、出来るようになるであろうことも身につかない恐れがあると考えたからです。息子の障害の程度を考えたとき、教員数と担当児童数の割合にも不安がありました。Upload By 立石美津子※個別の教育支援計画・個別の指導計画については、通級による指導の対象者も策定義務あり※自治体の予算により、担任以外に補助員がつく場合もある※特別支援学校教員免許支持率は全国平均であり、地域によっても異なる特別支援学校に入学してみると息子のクラスは教員2名に対し児童5名でした。すぐに個人面談があり、個別の教育支援計画と個別の指導計画が作成されることになりました。私から「靴ひもを結ぶ練習をさせたいので、蝶結びをマスターさせたい」と伝えると、個別の指導計画の中に“紐結びを習得させる”と記載されました。担任の先生は息子のために教材を作り、毎日個別学習の時間で練習させてくれ、2週間でできるようになりました。Upload By 立石美津子特別支援学級のある小学校へ転校小学2年生のとき、東京都の指導主事の巡回があり「そろそろ特別支援学級に転校させてもいいのではないか」と言われ、近くの公立小学校の特別支援学級に3年時から転校しました。息子のように特別支援学校に入学をしても、発達の様子に合わせて、途中から特別支援学級のある小学校に転校することもあります。我が子の状態や教員数、支援内容の情報を集めて、子どもに合った環境を選択をするのが良いと思います。知的障害がない場合現在の制度では、知的障害を伴わない発達障害児の場合、情緒障害特別支援学級への入級をすすめられることがあります。知的障害がない場合は、知的障害特別支援学級への進級は認められない場合があるので注意が必要です。通常学級に在籍し、通級や特別支援教室(東京都の制度)を利用している場合、“個別の教育支援計画・個別の指導計画”が立てられます。これらを利用していない場合は個別の教育支援計画の作成は学校側に義務化されていませんが、診断があれば作成していただけるよう学校に申し入れることもできます。また、通級制度の利用を検討することもできます。サポートブックを活用学校の先生方は、自閉症についての知識は持っているでしょう。ですが、我が子については0歳から育ててきた親のほうががよく分かっていることも多いと思います。苦手なこと、得意なこと、パニックを起こした時の対処法などを担任に伝えておくとよいと思います。そこで、サポートブックをつくり、連携してみるのはいかがでしょうか。サポートブックに記載するのは下記のような内容です。・成育歴・子ども本人の特性(どんなことが苦手で、どんなことが得意か)・子どもが理解しやすい指示の伝え方・パニックを起こしたときの対処法・絶対に食べられない給食メニュー・絶対に避けてほしいこと(急に音楽を鳴らすのではなく事前予告し、小さな音から徐々にボリュームを上げる等)・保育園・幼稚園からの細かい申し送り・主治医や療育施設からのアドバイスの共有(発達検査・心理検査の結果を渡す)・クラスメートとの相性(どのようなタイプの友達が苦手なのか、どんなタイプの子とウマが合うか)書籍やネットの資料をドーンと渡すことは控え、分かりやすくまとめたものを渡しましょう。「知られたくない」と思わずに親は順番的には先に亡くなるので、子どもの人生に伴走し続けることはできません。ですから、子どもの障害を家族の中だけで隠すのではなく担任、ママ友、地域、クラスメートにカミングアウトし、地域や支援者とつながりをつくっておくことが大切だと思います。スペシャルな教育息子が小学校に入学したとき特別支援学校は“養護学校”、特別支援学級は“特殊学級”という名称でした。息子が小2になったとき学校教育法が変わり特別支援学級・学校という名称に変わりました。特殊な子どものための教育という発想ではなく、子ども一人ひとりの状態(教育的ニーズ)に合わせて特別な支援を行うという方針をあらわした名称となったのです。スクールバスに書かれた「○○特別支援学校」の名前を見て「特別に支援されるなんて、嬉しいな…」私はそんな感覚を持ちました。私は成人した知的障害者の移動支援の仕事をしているのですが、特別支援学校の卒業生でもある利用者の方が「僕はスペシャルスクールに通っていたんだ」と言っていました。「なんて素敵な言い方なんだろう」と思いました。執筆/立石美津子(監修:井上雅彦先生より)保護者にとって、お子さんの就学先・進学先は子育ての中で大きな悩みになります。一般的な学校・学級の特徴を知るとともに、お子さんが通う地域の学校を実際に見学したり、いろいろな人の意見を聞いたりすることで情報を集め、最終的にお子さんにとってより良い判断をされることが望ましいです。また、コラムにあるように、学校・学級を決めても、お子さんの発達によって最適な教育環境を選び直すこともできます。サポートブックについては、「~してほしい」という要求の文体より「~していただけると、~できることが多いです」という書き方が望ましいでしょう。家庭と学校でお子さんの様子が違うことがあるので、先生が実際に経験されたことをもとにサポートブックを更新していくと良いですね。
2021年08月06日発達障害がある子の中学卒業後の進路の選択肢わが子の発達状況や特性に合った進学先を選ぶには、まずどのような高校があるのか、それぞれどのような特徴があるのかを知っておく必要があります。ここでは、発達障害グレーゾーン~軽度知的障害があり中学校で特別支援学級を選んだ場合、進学先としてどのような選択肢があるのか、それぞれの高校の特徴などを紹介します。学校選びの際に留意したいのが「大学受験資格」が得られるのかと言うことです。障害者枠での就労の場合は、大学受験資格については考慮する必要はないかもしれませんが、大学進学を検討している場合は考慮する必要があるためです。(また、高等専修学校や特別支援学校卒業後、一般枠での就職を希望する場合、学校卒業時に「高卒」とみなされるのかについては雇用主の判断となりますので、就業の際に確認が必要です)【卒業後高卒認定される学校】高卒認定とは、その名の通り『高校を卒業した』という認定です。・普通科高校(公立・私立)・専門高校(実業高校)・単位制高校・定時制高校・通信制高校・チャレンジスクール(4年制)これらの学校は卒業と同時に高卒認定が与えられます。【卒業後高卒に準ずると認定される学校】卒業時に高卒認定に準ずるとみなされる「大学受験資格」を得ることができる学校もあります。・高等専修学校文部科学大臣が指定する課程を修了した場合、高等学校卒業者と同様に大学入学資格が与えられ、その他の進学についても高等学校卒業者と同等に扱われます。学科により、専修学校の高等課程には1年制~5年制までさまざまなコースがあります。調理学校などは1年制が多く、准看護は2年、理美容学校などは2年以上、そのほかの学校については3年制が多くなっています。高等課程の3年制を卒業すれば専門課程(専門学校)に入学することもできます。大学や短期大学へ進学も大学入学資格付与の指定を受けている学校を卒業すれば可能です。高等専修学校とは?文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧(平成30年3月28日現在)・特別支援学校高等専修学校は卒業と同時に大学入学資格が与えられますが、特別支援学校についてはさまざまな学校や科があり、制度上は特別支援学校卒業で大学受験資格は得られますが、大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合もあります。特に知的の特別支援学校については入学前に確認が必要です。【短大卒に準ずる資格を取得できる学校】・高等専門学校卒業後「準学士」の学術称号と、高専の専攻科や大学への編入資格が得られます。大学・短期大学、高等専門学校、専門学校の制度の比較国立高等専門学校の学校制度上の特色Upload By 発達障害のキホン大学入学資格を得るためには以下の条件のいずれかが必要となります。①高等学校又は中等教育学校を卒業②特別支援学校の高等部又は高等専門学校の3年次を修了※特別支援学校については大学入学資格は得られますが、大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があるので入学前に確認が必要です。③指定された専修学校の高等課程を修了④高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)での合格大学入学資格について文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧(平成30年3月28日現在)制度上は特別支援学校卒業で大学入学資格は得られます。しかし、特に知的障害高等特別支援学校、知的障害特別支援学校高等部の場合は自立活動なども多いため、志望する大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があります。したがって、入学時点から大学進学に合わせた教育課程を個別に編成してもらえるかどうかを学校側と話し合っておく必要があります。卒業後進学を考えている場合は入学前に事前に卒業までに取得できる単位数などの確認をしておく必要があります。学習指導要領「生きる力」知的障害高等特別支援学校とは、知的障害の生徒を対象に、高等部のみ設置している学校です。職業技術科や職業学科、産業科などさまざまな科に分かれ、職業生活に必要な能力や技術を高めるために実践的なカリキュラムを行っており、知的障害特別支援学校高等部よりも就職に特化した学校となります。就職率が高い、就職先とのミスマッチが少ない、学校と企業とのパイプがあるなどのメリットがあります。学費は、公立の場合は公立普通科高校と同じ、私立はその学校のカリキュラムや校舎などの施設によります。卒業と同時に大学入学資格を取得できますが、上記にもある通り、就業にむけた実践的なカリキュラムのため、大学側が定めた科目の単位を取得していない場合があります。大学進学を希望している場合には入学時点から教育課程を個別に編成してもらえるかどうかを学校側に相談しておきましょう。【卒業時に取得】・大学入学資格:〇(大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があるので注意が必要)平成30年度新特別支援学校高等部学習指導要領等説明会における文部科学省説明資料(3/3)知的障害特別支援学校高等部とは、小学部から高等部まである、いわゆる小中高一貫特別支援学校の高等部です。知的障害高等特別支援学校と同様に卒業すれば大学入学資格を取得できますが、大学受験を希望している場合には高等部入学時点から大学進学に合わせた教育課程を個別に編成してもらえるかどうかを学校側に相談が必要です。一貫校となっていますが、多くの学校が中学部、高等部からの入学も可能です。【卒業時に取得】・大学入学資格:〇(大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があるので注意が必要)平成30年度新特別支援学校高等部学習指導要領等説明会における文部科学省説明資料(3/3)病弱特別支援学校高等部とは、慢性疾患などで、義務教育終了後も医療・生活上の規制を必要とする生徒、または高校入学後の発病や病状の悪化により学校生活への制約を余儀なくされた生徒が通える、医療や生活管理体制の整った高校です。適切な学習集団を確保する観点からも、近隣の高校と連携を図りながら、校内外でさまざまな学習を行うのが特徴です。療育手帳が取得できない知的レベルの生徒でも、普通科高校では必要な配慮が受けられず通えない場合の選択肢となる学校といえます。卒業すれば大学入学資格を得ることができます。【卒業時に取得】・大学入学資格:〇病弱・身体虚弱教育:文部科学省普通科高校(公立・私立)とは、いわゆる全日制あるいは定時制の高等学校のことです。平成30年度から言語障害、自閉症、学習障害、ADHD、弱視や難聴などの障害のある生徒に対し、通級による指導が制度化されました。しかし、47都道府県の中でも実施校に大きなばらつきがあり、東京都立高校は2021年から導入されています。また、支援体制が不十分な場合もあるため、過去の特別支援学級からの入学歴の有無を確認したり、個別相談を受ける、通っている人の話を聞くなど、学校の支援体制がわが子に適したものであるかを事前に調べる必要があります。学費は、公立は卒業までに約50万円、私立の多くは公立の倍以上はかかります。卒業と同時に高校卒業資格が取得できます。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇高等学校における通級による指導の制度化及び充実方策について(報告)概要専門高校・実業高等学校は、農業、工業、商業、水産、家庭、看護、情報、福祉など職業教育を主とする学科を設置する高等学校です。各分野に特化した専門的なスキルが学べるので、普通科高校に比べ就職率が高いのがポイントです。学費などは普通科高校とほぼ同様ですが、実習などで使う専門の道具などは別途購入が必要となってきます。平成30年より高等学校においても通級の制度化が始まり、専門学校も同様となりました。しかし、普通科高校と同様に実施にばらつきがある、専門教科・科目については必修科目となるので学校の支援体制、実習内容などに苦手な項目がないか、苦手な項目により必修単位が取得できないことはないか、などは事前に調べておく必要があります。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇専門高校の現状(専門高校に関する諸データ)専門高校紹介高等学校における通級による指導の導入について単位制高校とは、学年による教育課程の区分を設けず、決められた単位(74単位)を取得し、単位認定試験とスクーリング(ある程度決められた日数学校に通えばいい)で高卒資格が得られる高等学校のことです。昭和63年度から定時制・通信制課程で導入され、平成5年度からは全日制課程でも設置が可能となりました。必修科目にとらわれず、自由に単位を選べるのが特徴です。学費は、公立・私立で大幅に変わってきます。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇就労などを理由に全日制高校に通うことができない人の教育の受け皿として始まった高校ですが、不登校や特別な支援を必要とする生徒、睡眠障害など心身に何らかの問題を抱える生徒も多く通っています。毎日登校するという点は全日制高校と同じですが、登校時間帯を・夜間定時制・昼間二部制…昼食を挟み、朝と昼の時間帯に行う・三部制…9時~13時、13時~17時、17時~21時のように三部に分けるの3種類から選べる学校が増えています。学費は、公立は年間およそ20万円弱、私立はその約2~3倍となっています(授業料と学校徴収費〔給食を含む学校が多い〕)。3年制と4年制がありますが、いずれも卒業と同時に高卒資格が得られます。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇通信制高校は、自宅学習がメインで、単位取得(74単位+ホームルーム30単位)で高校卒業資格が得られます。空いた時間で好きなことをしたり、登校日を自分で選べるなどのメリットがあります。単位制高校との大きな違いは、必修科目がある、高卒資格を取得するには単位認定試験とスクーリングに加え、レポート提出が必須になります。サポート校は、通信制の高校生の卒業をサポートする「塾」のような存在です。連携している通信制高校に籍があり、連携先の通信制高校卒業で高校卒業資格を取得できます。サポート校のみでは、高卒資格は取得できません。卒業や大学受験、資格取得など自分に合ったサポートを選べますが、通信高校+サポート校費用のダブル負担がかかり、公立と私立では学費に6倍もの差が出てきます。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇※通信制高校の場合高等専門学校(高専)は、5年制で一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程で、技術者に必要な教養と体系的な専門知識を身につけることができます。5年制ということもあり、卒業までの学費はおおよそ150万~240万円となっています。5年間の本科を卒業後(短大卒と同じ扱い)、さらに2年間専攻科でより高度な技術教育を学ぶことも可能です。専攻科を修了すると学士の学位(大学学部と同じ)を得ることができます。卒業後の進路は多岐にわたりますが、倍率が非常に高いのが難点といえます。【卒業時に取得】・高卒認定:3年修了時に同等の資格を得られる・大学入学資格:卒業時短大卒扱い参照:国立高専機構 豊田高専高等専修学校は、工業・農業・医療・商業など8分野にわたりバラエティーに富む職業教育を行っています。3年制で基本的に高校卒業資格は得られません(何校かは可能)が専門課程(専門学校)への入学が可能です。小学校や中学校の間にすでに「やりたいこと」「就きたい職」が決まっている生徒には向いている学校といえます。また、不登校や高校を中退した生徒を積極的に受け入れる学校もあります。学費は専門的分野によって差があり、平均して150万~200万円程度かかりますが、奨学金制度があります。高校卒業認定は得られませんが、修業年限が3年以上、総授業時数が2,590時間(74 単位)など条件を満たせば文部科学大臣が指定した学科の修了者は、高等学校卒業者と同様に大学入学資格が得られることになっています。【卒業時に取得】・大学入学資格:〇(文部科学大臣が指定した学科の修了者の場合)専修学校高等課程・一般課程と特徴・資格取得チャレンジスクールは、小・中学校時代に不登校経験を持つ生徒や高校を中途退学した生徒が新たに目標を見つけてチャレンジするための都立高校です。三部制・定時制・単位制の総合学科の高校で、現在5校とチャレンジ枠併設の1校があります。卒業と同時に高校卒業資格が取得できます。定時制のため通常は卒業までに4年間必要ですが、単位制でもあるので、授業を多く履修すれば3年間での卒業も可能です。学費は都立高校に準じています。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇フリースクールは、不登校の生徒が学校以外で学んだり友達と過ごしたりできる居場所ですが、公的な機関ではなく個人や民間企業、NPO法人などによって運営されています。入学資格を設けていない、異なる年齢の子どもが集まっているので学校のような決まったカリキュラムがないという特徴があります。高校卒業資格を得るには、高卒認定試験(旧 大検)に合格する必要があります。フリースクールの形式や規模によって学費(授業料)は変わってきますが、ひと月3万円前後のところが多いようです。高卒資格は取得できないため、大学へ進学をする場合には高卒認定試験を受ける必要があります。【卒業時に取得】・高卒認定:×・大学入学資格:×過去10年での進学率の変化10年前の2010年は特別支援学級に在籍する子どもが(特別支援学校以外の)高校に進む割合は約2割でしたが、2019年には約5割と2倍以上に増え、特別支援学校に進む子どもと高校に進む子どもが約5割ずつと半々になりました。文部科学省「学校基本調査 /卒業後の状況調査 中学校」平成22年度版文部科学省「学校基本調査 /卒業後の状況調査 中学校」令和元年度版中学校の特別支援学級から高校進学者が増えた背景には、情緒障害特別支援学級の在籍児童生徒数が近年大幅に増加していることが影響していると考えられます。そしてこれに伴って受け入れる高校側も必要に応じて別室での受験や、試験時間の延長、問題用紙の文字の拡大や読み上げ機能の使用など、受験の際に障害や特性に合わせた配慮を実施したり、通級教室を設置したりする学校も増えてきていることも理由に挙げられます。特別支援学級と一言で言っても特性や障害種別により複数のクラスがあります。それぞれのクラスによって進学率などは変わってきます。すべてのクラスにおいて高校への進学率が増えたという訳でもないので注意が必要です。特別支援学校高等部やフリースクールに進む場合は内申は必要ありませんが、そのほかの学校の多くは内申が必要となってきます。普通科高校の中でも、都立(市立・県立)高校のほとんどは内申が必要です。私立や専修、専門学校の中には内申は関係なく入学試験の点数や書類のみで合否を決める学校もあります。なお、入学試験にあたって内申が必要な場合について、通常学級の生徒と同様の中間・期末テストを受けていない場合は通常学級の生徒とは異なる評価の内申になる場合があります。進路選びのポイント高校で「支援体制がしっかりしている」「障害や特性に合わせた個別カリキュラムが組まれている」というような学校はまだ少ないのが現状です。その中でも、・子どもが学校に合わせるのではなく、子どもを理解し、配慮できる「子どもに寄り添った学校」か・特性や障害からできないことやゆっくりな部分にはじっくりと見守り、今できていることを伸ばしてくれる環境か・教職員が保護者の話を聞いてくれる姿勢があるか・必修科目や実習の内容に苦手なものはないかを見極めることが大切です。学校見学や説明会に足を運ぶ、資料を取り寄せるなどして、なるべくたくさん情報を収集しましょう。実習内容が必修科目になっている場合が多いのでオープンキャンパスなどであらかじめ聞いておくことも重要です。診断がある場合、入学試験でどのような合理的配慮をしてもらえるかなど、事前に話をしておくことも大切です。単位制でない場合、1科目でも欠席日数が既定の日数を超えてしまうと原級留置となりますが、学校によっては、診断があれば配慮がある場合もあります。学校に質問をするほか、通っている子どもや保護者の生の声を聞くことで、困りごとなどへの実際の対応や配慮・支援の様子なども知ることができます。子どもの将来のQOLを上げるためにも、できるだけ「失敗体験」をさせない進路先を選ぶ方がベターです。特性を抱える子どもは、「失敗体験」を重ね続けることで挫折感が強くなり、つまずいてしまうケースも多く見られるからです。就職できても、就職先とのミスマッチがあったり定着率が悪く職を転々としてしまう、というケースも出てきます。科が細かく分かれているか、実践的なカリキュラムが多いか、子どもの特性に合った職業選択を考えてくれるか、職業への連動性が高い指導をしているか、企業とのパイプはあるか、ということも大きなポイントになってきます。グレーゾーンや軽度知的障害の場合、家族や周囲の大人たちが「特別支援学級の生徒は特別支援学校へ」という流れが普通だと思ってしまうことが多く、内情をよくわからないまま特別支援学校に入学してしまうケースも少なくありません。特別支援学校に進んでみて、物足りなさや周囲とのギャップを感じて不登校につながることもあります。子どもとよく話し合い、子どもの意思を尊重しながら進路を選択することが大切です。進路先でつまずいてしまったらせっかく悩み考えて結論を出した進学先でも、子どもの性格や特性に合わず、不登校や二次障害などにつながってしまうこともあります。もしも進路先でつまずいてしまった場合どう対応したらいいのか、そのために保護者が準備できることを解説します。高校の通常級に在籍している発達障害が疑われる児童のうち、平成22年~26年度の間に平均7~10%の児童が不登校になるというデータが出ています。高校で不登校になる理由としては、・学習や実習についていけない・友人との人間関係がうまくいかない・「なぜできないの?なぜ行けないの?」という親からのプレッシャー・発達障害に対する理解がないなどが挙げられます。不登校になってしまった場合、「無理に学校に行かせない」「先生と相談・連携して学びやすく生きやすい環境を作る」ことも選択肢としてありますが、「その学校にこだわり続けない」「環境を選び直す」ことも必要です。なお、単位制の高校でない場合は、欠席日数が既定の日数を越えてしまうと原級留置(留年)となることも認識しておく必要があるでしょう。発達障害者支援に関する行政評価・監視結果報告書「不登校になってしまったけど、この学校は手厚いからもう少し頑張ろう」「せっかく好きなことができる科に入れたから、もう少し様子を見よう」などと進学先にこだわり続けることで、親子で苦しくなる場合もあります。中学生活の様子を担任の先生に聞いたり、わが子の特性や障害の程度を改めて見直したうえで、なるべく多くの高校の情報を収集して複数の選択肢を持っておき、子どもに提示できるようにしておくことも大切です。中学卒業後の進路決め、それはその後の子どもの「長きにわたる将来」につながる重要な選択になってきます。子どもの将来につながる教育や指導をしてくれるかどうか、支援体制はあるのか、入学の選考方法はどうなっているのかなど、事前の情報収集がとても大事になってきます。そして、「発達障害や特性のことをすべて伝えたら受からないかも」と不安になる方が多いようですが、障害があることを理由に落とされることはありません。充実した高校生活を送るためにも、卒業後の将来を考えるうえでも、子どもの障害や特性を包み隠さず学校側に伝えることがとても重要になってきます。また、親子で進路を相談すると衝突して考えがまとまらない、というケースもあります。その場合は保護者だけで抱え込まず、第三者や専門家に相談してもいいかもしれません。「この先子どもがどういうふうに生きていきたいのか」という将来像から逆算して、子どもにとってベストな環境を考えていきたいですね。執筆/田崎美穂子
2021年08月05日視野に入れていた特別支援学校。でも希望が捨てきれず…自閉症と知的障害のある息子ほぺろうは、いまだ発語もない保育園年長さん。ただ今、来年度入学に向けて『特別支援学校』の就学準備中です。実のところ私は、ほぺろうが保育園に入園する前から特別支援学校を視野に入れていて、ほぺろうが年中さんになったころからは「進路は特別支援学校一択」と周りに言っていました。早い段階で進路を考えられたのには、ある出会いがあったからでした。ほぺろうが3歳でまだ入園先も決まっていなかったころ、癇癪の強いほぺろうの育児がつらくて『悩みを共有できる人とお話ししたい』と地域の児童発達支援センターの先生に泣きついたところ、O(オー)さんという先輩ママさんを紹介していただきました。Upload By ぼさ子Oさんのお話は『お子さんとほぺろうの発達程度が似ている』『お子さんがほぺろうより少し歳上』『同じ地域に住んでいる」という基準で紹介していただけただけあり、とても参考になるものでした。ちょうどその当時Oさんは地域の学校をいろいろ見学した上でお子さんの就学先を決定したということだったので、就学事情についても教えてもらうことができました。ただそのとき、Oさんの「ウチの子の進路は特別支援学校に決めました」という言葉にドキリ!それまで『通常学級』『特別支援学級』といったことすら考えたこともなかった当時の私にとっては重い言葉でした。でもお子さんと発達程度が似ているほぺろうのことを考えたら受け止めるしかありません。Upload By ぼさ子とは言え、ほぺろうはまだ小さかったので周りから「成長して急激に伸びる子もいるから…」と言われることが多く、私もそれを鵜呑みにして「そうだよね!ほぺろうだって成長して、あわよくば通常学級に行けるかも?」と淡く思っていました。ところがほぺろう、保育園入園後も大荒れの癇癪将軍。発語や知的部分の成長も、期待どおりとはいきませんでした。現実を思い知らされた各関係者の表情ほぺろうが年中さんに進級したころから、保育園・地域の児童発達支援センター・児童相談所などから「お子さんの進路はどうお考えですか?」と聞かれるようになりました。まだ年中さんだし分からないよ…という気持ちを抱えつつ「いやぁ~、ウチの子の様子だと特別支援学校一択ですかね~…アハハ」と答えていたのですが、皆さん一様に「そうですか~」とホッとした表情なのが印象的でした。『そりゃそうだよね、私が通常学級とかを希望したら説得するの大変だもんね…』などと考えながら、皆さんの表情を見て余計に『ほぺろうはやっぱり特別支援学校しか選択肢がないんだな。特別支援学級と迷うことすらできないんだ…』と沈んでしまいました。Upload By ぼさ子特別支援学校は『最初からほぺろうを理解してくれている』『ほぺろうにとって適切な支援をしてくれる』と頭では分かっているのですが、進路に悩むこともできないわが子の状況をわびしく感じてしまいました。目を覚ましてくれたのは“厳しい現実”それでもまだ私は「年長になるまでにほぺろうも成長するかも?」「Oさんのお話を聞いた数年前から受け入れ体制が変わってたりするかも??」と期待を捨てきれずにいました。年中さんになったほぺろうは情緒が落ち着いて接しやすくなっていたので、余計そんなことを考えるようになっていました。私は地域の児童発達支援センターの担当の先生に思い切って相談してみました。「ほぺろうも成長してきてますし、特別支援学級に行けそうですかね?」すると先生はこう教えてくれました。「特別支援学級は授業中座っていられる子が対象なんです(*私が住んでいる地域の場合です。受け入れ体制は各学校によって異なります)」と。Upload By ぼさ子特別支援学級のあまりのハードルの高さに目が覚めました。ほぺろうは例え情緒が安定していようと、授業中座り続けるなんて絶~~っ対ムリ!!急に現実に引き戻された感覚でした。でも私にとっては「この先成長するかも」と曖昧に慰められるよりも、ガツンとハッキリ言ってもらえて本当に良かったなと思っています。おかげさまで今では迷いなく、スッキリとした気持ちで就学準備に臨めています。Upload By ぼさ子他人を羨む気持ちもあったけど、子どもを思う気持ちはみんな一緒『通常学級と特別支援学級どっち?』『特別支援学級と特別支援学校どっち?』と悩む人を見て「悩めるなんていいなぁ…」と羨ましく思ったこともあります。迷う余地すらないほぺろうを見て、わびしいと思ったこともあります。でも どの境遇の方にもそれぞれの立場での困りごとがあり、お子さんのために一生懸命なことにみんな変わりありません。そして、親の希望や見栄のようなものを理由に学校を選んで、もしも子どもに合わなかったらかわいそうです。そう思うと、自分は自分にできることを頑張ろうと思えました。私が親としてほぺろうにしてあげたいのは、ほぺろうに合った『居場所をつくる』こと。わが子に寄り添ってくれる特別支援学校のありがたさに感謝しつつ、ほぺろうが日々楽しく過ごせることを今は一番に願っています。Upload By ぼさ子LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年07月09日家庭と保育園・幼稚園で知っておきたい『発達障害お悩み解決ブック』シリーズ発達障害と一言で言ってもその特性は実にさまざま。『発達障害お悩み解決ブック』ではそれぞれ発達障害の特性別に5冊の書籍にしました。①「ASD 自閉スペクトラム症」②「ADHD 注意欠如・多動症」③「吃音・チック・トゥレット症候群」④「DCD 発達性協調運動障害」⑤「知的障害」どの本も家庭、保育園・幼稚園などでの『こんなときどうする?』と悩んでしまうようなシーンを具体的なエピソードを交えて紹介しており、エピソード→専門家への相談→相談まとめ→安心・解決のアドバイスと段階を踏んで説明。すぐに実践できそうな工夫がたくさん示されています。日常生活で困りを抱えている保護者の方はもちろん、保育園・幼稚園の先生などにも読んでいただきたい一冊です。ものしりだけど、興味や遊びが独特。不安になりやすくて初めてのことが極端に苦手など、ちょっと変わってるな、ほかの子と違うなという不思議な子どもたち。その行動の背景にはASD(自閉スペクトラム症)が隠れているかもしれません。「すぐ手が出てしまう」「指示を聞けない」「じっとしていられない」「おしゃべりが止まらない」「集中力が続かない」など周りの大人を困惑させてしまう子どもたち。保護者や先生もついつい怒ったり叱ったりしてしまいがちですが…ちょっと待ってください。もしかしたらADHDという特性があるのかもしれません。「ぼ、ぼ、ぼく」のように言葉に詰まりスムーズに話せない。目をぱちぱちさせたり鼻を鳴らしたり不思議なクセが目立つ。幼児期にこうした吃音やチック症状が現れることは珍しくありません。大人はつい注意したり心配をしてしまいますが、実はその対応は逆効果なのです。体の動きがぎこちなく極端にスポーツが苦手だったり、不器用なため工作や道具を使うことが苦手だったり、その子たちにはもしかしたら発達障害のひとつであるDCD(発達性協調運動障害)があるのかもしれません。言葉がなかなか出てこない、会話が成り立たない、同じ年の子が当たり前に身につけられることができなかったり…知的なハンディをもつ子が自分のペースで生きていく力を身につけていくためには家族はもちろん、園の先生や地域の大人がスクラムを組み、みんなで応援していく体制を築くことが不可欠です。特別支援教育の実践に役立つ『周りが変われば子どもは変わる! 発達に課題を感じる子どもの可能性を伸ばすために』小学校教諭、教育委員会指導主事、学校管理職、大学教授を経て、現在3つの大学の非常勤講師や教職アドバイザーとして勤務している著者・齋藤澄子氏が「子どもに変わって欲しければ、まず周りが変わっていきましょう、周りを変えていきましょう」と発想の転換を提案している本書。単著となっていますが、発達に課題を感じる子どもの保護者と元学級担任の二人が経験に基づきそれぞれの立場から子どもへの思いや支援の仕方などを書いています。実際の場面における子どもへの対処などを事例を通して述べているので説得力も抜群です。発達の課題を感じる子どもの指導や支援に行き詰ったり、悩み疲れている多くの保護者や先生に読んでいただきたい一冊です。答えを導くための支援の手立てにーー『特別支援学級担任の仕事術100』特別支援学級担任の『仕事術』にターゲットを絞って書かれている本書。特別支援学級の理想や理念、「きれいごと」だけではなく、実務的に困っている先生方が問題解決を図りやすいように100の『仕事術』が示されています。特別支援学級に在籍する子どもたちの多様性、障害の特性だけではなく年齢、学年、性別、学級の人数、人間関係などを含めてどのような教育活動をしていくのかを考えていくのが特別支援学級担任の仕事です。これを教育課程、教科指導、教科指導以外、授業づくり、特別活動の仕事術、子ども理解、学級経営、特別支援学級ならではの仕事術、と8章に分け、それぞれ実践実例を挙げ子どもの実態に寄り添いながら分かりやすく紹介しています。特別支援学級に関わる先生はもちろん、ご家庭でも参考になる支援方法がたくさん載っているので特別支援学級に通っている子どもを持つ保護者の方にもオススメの一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年07月04日2、3年生のときの担任の先生は、親子共々相性ピッタリ!広汎性発達障害の娘は、小学5年生。小学2年生から特別支援学級に在籍し、娘を見てくれた担任の先生は、今年で3人目です。Upload By SAKURA特に小学2、3年生を担当してくれた先生は、1年生のとき、次年度(2年生)からの特別支援学級在籍が決まってからの慣らし時間も含めて、長い時間を娘と過ごしてくれました。私も娘も、この先生が大好きでした。娘のことをいつも褒めてくれ、私のことをいつも労ってくれる優しい先生で、「不安なことや心配なことはいつでも連絡ください」とメールアドレスも教えてくれ、私の個人的な相談にもたくさん乗ってくれました。Upload By SAKURA細かいことによく気がつく先生で、特別支援学級専用の連絡帳もつくってくれ、「今日は○○をしました」「○○を頑張りました」「○○の話をしました」という話を、先生は毎日びっしりと、書き込んでくれました。私からは、家であったことやパニックを起こしたときはその詳しい内容も書き、先生はそれを参考にしながら娘に接してくれていたそうです。密に連絡を取り合っていたおかげか、娘は日々とても安定していて、先生のことを、とても信頼していました。すっかり慣れた先生が代わる!?新しい先生に望んだことは…そんな先生が、担任ではなくなったのは、小学4年生のとき。私は、卒業まで見てほしいと思っていたので、正直とても残念でした。小学4年生、新しく担任になったのは、男の先生。娘は、学校内でその男の先生と何度も話したことがあるようで、問題なさそうでしたが、私はまったく面識のない先生でした。見た感じちょっと怖そうで、今までのように気軽にやり取りができるような雰囲気の先生ではありませんでした。Upload By SAKURAそこで私は、前任の先生と、新しい先生と、私の三人での面談をお願いしました。前任の先生から娘の特性を聞いていたようでしたが、私からも、もう一度、娘の特性や、こだわり、パターン、落ち着く方法などを話しました。Upload By SAKURAそして私は、前任の先生と2年間続いていた連絡帳を、新しい先生にも引き続きやってほしいと頼みました。気軽に言える雰囲気ではないからこそ、連絡帳なら書けると思ったのです。面談のおかげか、新しい先生は娘の特徴をよく理解して、対応してくれました。異性の先生というのもあって、電話での話はいつもぎこちないものになっていましたが、連絡帳はいつも丁寧に書いてくれていて、どんな会話で盛り上がったかなども書かれていました。前任の先生よりは、直接のコミュニケーションが少なめではありましたが、娘がパニックを起こしたときや、不安なときの情報の共有は、連絡帳でしっかりできていました。Upload By SAKURA新しい5年生の担任の先生とも、密に情報共有。そして今年度、小学5年生になり、また担任の先生が代わりました。今度は、新しく小学校に赴任してきた女の先生。感染症予防対策などピリピリした時期だったので、面談をお願いするべきか迷っていたのですが、4年生のときの先生が新しい先生と私を、新学期が始まる前に会わせるため、3人での面談をセッティングしてくれました。さらに、娘の情報も共有してくれ、連絡帳の継続も決めてくれ、とてもスムーズに話が進みました。Upload By SAKURA新年度が始まって、2ヶ月経ちましたが、情報の共有と連絡帳のおかげで先生とはとても密にやり取りができています。娘の特性上必要なフォローも、こちらが言う前にしてくれますし、娘も新しい先生にすっかり慣れました。私の経験上、新年度が始まる前の(前任、新任の両先生を含めた)面談と、密にやり取りができる連絡帳というのは、必要不可欠だったと感じています。特に連絡帳は、親としての不安も解消され、言いにくいことも気軽に書けます。来年の担任の先生がどうなるかわかりませんが、引き続きこの二つは続けたいと思っています。皆さんも、定期面談の機会を、是非活かしてみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月09日4年生に進級。またしても、変化した教室の様子。娘が4年生に進級し、下級生も増えた特別支援学級の教室。担任の先生も替わり、たくさんの環境の変化がありました。3年生でも環境の変化はあったものの、娘は、私が予想していなかった成長を見せてくれたため、あまり心配はしていなかったのですが…4年生に進級してしばらくしたころ、娘が再び、家で特別支援学級内の不満を言うようになりました。Upload By SAKURA娘の思いと、学校の事情。話をよく聞いてみると、クラスの人数が増えたことで先生の対応が追いつかず、娘の授業が中断されることも多くあるそうです。さらに騒ぐ声も大きくなり、娘は不快に感じているようでした。Upload By SAKURA娘がストレスを感じていることはわかります。しかし、学校に対応をお願いしても、おそらく人員の関係などで対応はなかなか難しいでしょう。先生たちも、最大限やってくれているはず。Upload By SAKURA通常学級へ戻るとき?どうしたものかと考えましたが、まったくいいアイディアが浮かばなかった私は、夫に相談しました。Upload By SAKURA夫は、「今が通常学級に戻るタイミング」と言いました。確かに娘の学習は順調に進んでいます。私の目から見てもよく理解していると思うし、成績も悪くありません。しかし、大勢の中に入って先生の話を聞くことができるか…わからないときに自分から聞くことができるか…不安はいくつかありました。担任の先生に相談。通常学級でもいける?そこで特別支援学級の先生に、娘が通常学級で授業を受けられそうか、聞いてみることにしました。Upload By SAKURAパニックの回数は、徐々に減ってきているものの、涙を流してしまうことはまだまだあるようでした。「支援員さえつけば…」と私も思いますが、特別支援学級の事情は、私も理解しています。私たちが望んでも、学校の事情でどうしようもないこともあるのです。それから先生は、「そういう状況ではありますが、あーさんとお母さんが望めば、今すぐ通常学級で授業を受けることはできますよ」と言いました。Upload By SAKURAこのまま特別支援学級で、いいのだろうか…。しかし通常学級に移ると、学習が遅れたり、教室でパニックを起こしたりして、他の子に迷惑をかけるかもしれない…。進学や進級のときなど、選択に迷った経験はこれまでにもありましたが、もう一度その選択のときがやってきました。娘の気持ちと、私の考え。しかし今回違うのは、娘が4年生という学年になっているということ。もう自分の意見だって言えます。先生や夫と話し合った結果、娘の希望を聞いてみることにしました。Upload By SAKURA私は、このまま特別支援学級で受けるか、通常学級で受けてみるかを、それぞれのメリット・デメリットを話してから、娘に選ばせることにしました。Upload By SAKURA娘は少し考えてから、「特別支援学級がいい」と答えました。それから私は、いい機会だと思い、娘に今後の見通しとして私が考えていることを話しました。Upload By SAKURA気持ちは、頻繁に確認。1年生のとき、「2年生になったら通常学級にするか、特別支援学級にするか」の選択ですごく悩みました。それは、娘が本当はどうしたいか、わからなかったからでした。しかし今回は、娘がどうしたいか、不安や心配があるか、しっかりと聞くことができ、娘の大きな成長を感じました。娘に気持ちを聞いてからも、学校での様子は頻繁に聞くようにしています。今回、特別支援学級を選んだ娘ですが、いつ考えが変わるかわかりません。4月からは、5年生。特別支援学級、通常学級、それぞれの状況も今のままではなく、変わっていくでしょう。こまめに様子を確認し、そのタイミングは逃さないようにしていきたいと思います。発達ナビライターによる小学校生活での困りごとエピソードをあつめたまとめコラムはこちらです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月03日特別支援学級在籍で、学習に集中できるように!広汎性発達障害の娘は、小学4年生。2年生から特別支援学級に在籍し、国語と算数のみ特別支援学級で受け、それ以外の授業や活動は、すべて交流学級で受けています。娘が2年生のころは、特別支援学級在籍の児童は全部で3人しかおらず、娘以外の2人は6年生でした。Upload By SAKURA教室内は静かで、娘は常に落ち着いて過ごしていました。6年生は交流学級に行くことも多く、先生と娘が2人だけで授業をするという時間が多くありました。3年生になると、教室内は一変してにぎやかに...しかし次年度(3年生)になると、6年生が卒業し、新しく1年生と2年生の児童が入っていきました。教室は一気ににぎやかになり、特別支援学級の先生も、1年生、2年生、3年生の授業をしなければならないことから、常に慌ただしい状態になりました。Upload By SAKURA暴走する下級生も制止しなければならず、先生は大忙し。特別支援学級内で最上級生の娘は、我慢することが多くなりました。今まで静かだった空間は騒がしくなり、先生と2人っきりの授業も、少なくなってしまいました。極端に変わってしまった状況に、私は娘のことが心配でした。すっかり変わってしまった教室の雰囲気に、娘は・・・この状況の中、娘はやはりイライラしているようでした。しかし、支援員も限られており、先生が必死にやっている状況も理解できるため、なかなか「娘優先に!」とは言えません。Upload By SAKURAこのころ、娘は騒がしい状況に不調を訴えるようになり、イヤーマフを購入しました。どうしようもない状況。イヤーマフである程度は音を遮断することはできましたが、イヤーマフをしたままでは授業を受けることはできません。先生の声を聞くために外すと周りの騒がしさも耳に入ってくるため、静かに授業を受けるということは、とても難しいことでした。Upload By SAKURAどうしようもない状況の中、私にできることは、娘に状況を確認しつつ気持ちを聞くということだけ・・・。私自身もモヤモヤした日々が続きました。新学期が始まり、しばらくすると・・・自分の子どものことなら解決策も考えやすいですが、ほかの子が関わってくるとなかなか難しい・・・。娘のことが気になりつつも、解決はできません。しかし、しばらくすると娘は教室の不満を訴えてこないようになりました。Upload By SAKURA私が聞いてみても、「普通」と答えるだけ。教室が落ち着いたのか…それとも娘が慣れたのか…。私はあまりしつこく聞くことはやめて、娘の様子を見守ることにしました。予想外だった娘の成長。気になった私は、たまたまあった保護者面談で、娘の教室内の様子を聞くことにしました。Upload By SAKURA今まで、周りを見るということがとても苦手だった娘。ほかの子の様子を見て、その頑張りを褒めるという話を聞いて、私はとても驚きました。娘の心地いい環境にしたくて、そればかり気になっていた私でしたが、娘はこの環境の変化の中、とても大きく成長してくれていました。4年生進級時は、さらに大きな変化が!新しいクラスでの1年はあっという間に過ぎ、娘は4年生に進級しました。4年生も在籍は引き続き、特別支援学級。しかし、4年生では大きな変化がありました。2、3年生と娘を見てくれた担任の先生が替わったのです。Upload By SAKURAこの変化に動揺したのは、娘ではなく、私。2年間担任をしてくれた先生とは密に連絡をとっていて、とても信頼していたので、新しい先生になることは私にとっては大きな変化でした。娘はというと・・・新しい先生とは、学校内のイベントでこれまでにも関わりがあったので、まったく気にしていないという感じでした。Upload By SAKURA娘は引き続き、特別支援学級内では最上級生。新しい先生は男の先生で、下の学年の子の人数も増え、さらににぎやかになりました。Upload By SAKURAそうして始まった、新しい学校生活。前年も乗り越えてくれた娘だったので、私は今回それほど心配していなかったのですが…そう簡単にはいきませんでした。続く...LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月27日長男のタケルは通常学級に通うも...Upload By 寺島ヒロうちのでこぼこ兄妹は6歳違い。お兄ちゃんのタケルが小学生になった2007年は、まだ学校での発達障害支援は始まったばかり、当時の保護者はもちろん、小学校の先生の中にも「発達障害って何?単にサボってるだけじゃないの?」という感覚の方も正直いらっしゃったのではないかと思います。また、当時の地域での判定基準がIQに偏っていたこともあり、タケルは就学時健康診断でも特に問題とされることなく、ベテランの先生方にも「ちょっと変わっているかもしれないけど、こういう子っているものよ。」「これからたくましくなるんだよな。」と優しく言っていただき、多少のずれを感じながらも通常学級に通うことになりました。しかし、問題続出…!!Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロしかし、「ほらあ!」というわけにもいきません。結局、2年後に地元の発達相談をきっかけに、療育センターで「アスペルガー症候群(当時)に近い症例」と診断され、通級に通うことになりました。しかし、その2年間の間に市内の小学校の間で発達障害への理解が深まっていたことも大きく、幸運にも当時県内で唯一の心理士が在籍する小学校に転校でき、スムーズに通級での指導に切り替えることができました。本人が環境の変化についていけるかは心配でしたが、最初から障害がありますといって登場したことで、それまでより快適になり、意外とすんなり新しい2つの教室に馴染めたようです。授業に飽きたり、教室がうるさくて逃げだしたくなったりしたときにも、休むところができたので、「帰りたい」ということもなくなりました。一方、妹のいっちゃんは…妹のいっちゃんは2007年生まれ。小学校に入る前から、県内の療育センターで療育を受けていました。Upload By 寺島ヒロ療育センターでのリハビリテーションのおかげか、いっちゃんも就学時健康診断では「通常学級相当」とされ、地元の小学校の通常学級に通うことになりました。しかし実は、その前に療育センターからは、「学校生活がやりやすいかどうかは学校の対応次第だが、それはそれとして通常学級に行くとここでの支援は難しくなる。他の県内のデイサービスでも支援に当たらないとされる可能性がある。」と言われていたので、むしろ特別支援学級の方がいいんじゃないかと思っていました。Upload By 寺島ヒロですが、仕方ありません。センターの先生からは、眠りが一定しないことで十分な登校ができない可能性があることや、動きがぎこちないことがあるが、ふざけているわけでも病気でもないことなどを書面で書いていただき、小学校で特別支援学級の子どもたちと同じように支援ファイルをつくっていただきました。そして、今…特別支援学級の先生の一言から気づいたこと現在は中学生となったいっちゃんですが、睡眠リズムがずれ込むのが止められず、中学から通級になりました。学校に行くのはたまにですが、それなりに親しい人もでき、楽しくやっているようです。今、気になるのは卒業してからのこと…。本人はテレビやアニメの主人公たちのようになんとなく高校に行くものと思っているようですが…。Upload By 寺島ヒロ出席日数が少ないので、高校からは「通う意思なし」とみなされ入学できない可能性が高いのです…。そこで、帰り際に支援担当の先生を呼びとめて、このようにお願いしました。「娘はああ言っていましたが、あの子がほかの同じ年頃の子と同じくらい進学や将来について理解しているかは微妙です。私は芸術系の学校などに進学して手に職系の仕事につき、自立できれば有難いと考えています。本人が高校を目指すのは良いと思いますが、何が何でも15歳でと考えなくてもいいと思っていて、本人がどの程度高校のことについて理解しているのか、行きたいという意思が固いかが分かるような言動があったら、教えていただけませんか?」すると、「お母さんは自分の希望と、いっちゃんの考えを分けてお話してくれるので助かります。分かりました、気をつけて覚えておきます。」と、言われました。自分の希望と本人の希望は別なんだから当たり前じゃないか?と思ったのですが、お兄ちゃんのタケルが通級に通い始めたときのこともあわせて後々考えると、これは自分の希望を「ウチからの要望」としてカタマリのまま支援者に投げる保護者の方が意外と多くいらっしゃるからなのかなと、ふと思いました。Upload By 寺島ヒロまた逆に、すごく勉強もされてプランを練り「私はこう育てたいので、学校でもこうしてください。」と言われる方もいらっしゃるようです。家庭が主体性をもって決めるのは良いことだと思いますが、あまりに度が過ぎると学校を自分の下請けにするようで、これもまたよろしくないなあと思います。「なんでも言ってください」という支援者の言葉に甘えて、子どものための要望という形で自分の不安をぶつけてはいないか?何か頼み事をするとき、自分の勝手なプランのお手伝いをさせようとしていないか?時にはちょっと立ち止まって考えてみるといいかもしれません。Upload By 寺島ヒロ目の前にいる学校の先生や支援スタッフが、支援に対する十分な知識や能力がないことも、まあ実際あります。ですが、元々彼らは子どもを一緒に育ててくれる「外の目」「外の手」。親のやりたいことを代わりにやってくれるわけではなく、むしろ親ができないことをやってくれるプロのはずです。なので、まずはプロが用意した支援を有難く受け取り、任せるべきところは任せ、そしてその分の余力で、自分がやるべきところを頑張るというやり方をしてみると案外上手くいくんじゃないかなと思います。とか言いつつ、今日も学校から「いっちゃん、今日は学校に体操服を忘れていきました。明日も体育ありますよね。洗って学習室に干してありますので朝持っていくようにお願いします。」と電話がかかってきた私です。それ先生(プロ)の仕事じゃないですよね!!すみませえぇんん!!
2020年11月28日週1回、特別支援教室で指導を受けているミミASDのミミは週に1回、特別支援教室で2コマ指導を受けています。特別支援教室の先生からの「連携ノート」には、授業の内容が毎回びっしり書き込まれていて、熱心な先生でありがたいです。帰宅したミミにどんなことをしたのか聞くと、「折り紙をした」「楽しかった」と言うので、楽しめているんだと思っていました。Upload By taeko3回目の日の夕方、特別支援教室の先生から電話がきました。ミミがかたくなに特別支援教室へ行くのを嫌がり、通常学級の自分のイスから離れようとせず、先生に「来ないで!!」と言ったそう…。Upload By taeko先生がなんとかなだめて「少しだけ特別支援教室へ行き、2コマ目は通常学級に戻ろう」という約束で移動できたそうです。先生が「なぜ行きたくないの?」とミミに理由を聞くと、「(通常学級の)お友達と離れるのがイヤ。どうして行かないといけないの?」と答えたそう。電話で先生と話しているうちに、事前の説明が十分ではなかったと気付きました。確かに、「○曜日に2時間ここで勉強するんだよ」ぐらいにしか伝えていませんでした。ミミは普段「学校が楽しい」と言っていたので、すっかり安心してしまっていました。ミミにとって、慣れてきた通常学級の教室から1人だけ別室へ行くのは嫌なことだし、理由もよく分かっていなかったのでしょう。もっとしっかり説明してあげればよかったと後悔。特別支援教室の説明が子ども向けに書いてあるプリントを見せながら、自分の気持ちやお友達との関わり方、学校や世の中のきまりごとを特別に教えてくれる場所であることをミミに話しました。「ミミは〜が苦手だから行く」といったマイナスに感じる言葉は避けました。Upload By taeko後日、校長先生や特別支援教室の先生などが方針を相談してくださり、ミミが嫌がったら無理に特別支援教室へ行かせずに通常学級で見守ることなどが決まりました。そして翌週も、特別支援教室の先生が電話でミミの様子を教えてくれました。ミミは特別支援教室に行けたけれど、やる気はなし。先生が用意したおもちゃにも興味を示さなかったそう…。帰宅したミミに「今日は、どんなことをしたの?」と聞くと、「折り紙」と少しだけ話してくれました。「そっか、がんばったね。でも、行きたくなかったら行かなくてもいいんだよ」と伝えました。さらに翌週の朝も、「行きたくなかったら行かなくていいよ」と伝えました。夕方ミミに楽しかったか聞くと、「うん」。どんな勉強したのかは「忘れちゃった」とのこと。私は行けたことを褒めて、深くは追及しませんでした。Upload By taeko後日、特別支援教室の先生と初めての面談。ミミの様子を詳しく教えてもらいました。前回はミミが自分から特別支援教室に向かい、ノックして名前と勉強をしに来たことを元気な声で言えたと聞き、びっくり!「人が変わったようです!」と先生も驚いていました。ほっとしたのも束の間…順調に行けるようになって3回目の夕方、担任の先生から電話が。その日は、ミミが楽しみにしていた日直当番。特別支援教室の日と重なってしまったため日直を翌日にずらすことを聞いたミミはやる気が下がってしまい、特別支援教室に行くのをまた嫌がったそう。急な予定変更は、これからもたくさんあるでしょう。ミミにとって、よい経験なのだと思います。これからも波があると思いますが、優しい先生方に助けてもらいながら見守っていきたいと思います。Upload By taeko
2020年11月21日特別支援学級、実際はどんなところ?「特別支援学級」とは、障害のある子ども一人ひとりに応じた教育を行うために小・中学校に設置されているクラスです。最大8名の少人数クラスで、子どもの発達や障害の程度に応じた指導を受けることができます。(呼び名は特別支援学級やなかよし学級など、さまざまです)■特別支援学級のメリット・手厚い指導を受けられる可能性が高い・発達や障害に応じたカリキュラムが受けられる可能性が高い■特別支援学級のデメリット・集団行動を学びにくい・通常学級と学習カリキュラムが異なるため、学習の差が出やすい学級の選択は、お子さまの発達や特性に合わせて考えることが大切です。しかし、特別支援学級は全ての小学校・中学校に設置されているわけではなく、なかには遠くの学区に通学しなくてはならないケースもあります。指導内容や体制についても、学校ごとにばらつきがあるのが現状です。子どもが特別支援学級に在籍している、または在籍を検討している方は下記のようなことで悩まれることが多いようです。【子どもが特別支援学級に在籍している、検討している方の悩みごと】・学区をまたいででも在籍するべき?・指導・学習内容を具体的に知りたい・サポートや要望(合理的配慮)はどこまで求めていいの?・友だちづくりや、人間関係を学ぶことはできる?・内申がつかないと聞いたけど、卒業後の進路はどうなる?実際のところ、どうなのでしょうか。特に中学校卒業後の進路は、義務教育が中学校までのため、自ら選んでいく必要があります。特別支援学校と高等学校の進学率、半々にUpload By LITALICOライフ小学校に入るとき、「手厚い学級が良い」と思い特別支援学級を選択。そのまま中学校も特別支援学級…と進んでいくと、高校進学を考える時期に、内申がなく高校受験が難しくなる…という話があります。すべてがそうではありませんが、実際にそういった経験をした方もいるようです。実際のところ、特別支援学級に在籍した子どもの中学卒業後の進路は、どうなのでしょうか?上の図は文部科学省の「学校基本調査」より、中学校が特別支援学級だった子どもの卒業後の進路をまとめたものです。ここから、この10年間で卒業後の進路が大きく変化したことがわかります。10年前の2010年は、7割の子どもが特別支援学校に進んでいました。高等学校に進む子どもは約2割と、少数派でした。しかし2019年になると、特別支援学校に進む子どもと高等学校に進む子どもは、約5割ずつと半々になりました。高等学校に進学する特別支援学級の子どもは、この10年間で約2倍になりました。中学卒業後の選択肢は広がってきています。高卒の資格をとれる通信制高校も増えてきています。10年前と比べて選択肢が増えてきているからこそ、お子さまの将来の可能性も視野に入れながら、最新の情報をもとに学級選択をすることが大切です。文部科学省「学校基本調査 /卒業後の状況調査 中学校」令和元年度版、平成22年度版とはいえ、うちの子の場合は?最新の情報が得られる勉強会も活用してここまで、特別支援学級にまつわるよく耳にするお悩みや、実際の数字データをご紹介しました。しかし、特別支援学級の体制や選択できる進路は、住んでいる自治体やご家庭によってさまざまです。お子さまの特性や好み・考え方もそれぞれです。進学予定校の特別支援学級の現状や、お子さまとの相性など、実際の見聞も参考にしながら考えていきたいところです。将来の可能性もふまえた総合的な判断について、相談しながら整理するのも一つの方法です。そこで、LITALICOライフでは、特別支援学級についての情報や、卒業後の進路の選択肢まで、最新の情報がわかる勉強会を開催します。また、勉強会参加後に希望を出すと、後日、個別相談をすることもできるので、「わが子の場合は?」についての疑問や不安もご家族だけで抱え込まずにすみます。就学時の学級選択、進路相談、お子さまの将来の自立まで、相談経験豊富なスタッフがおりますので、ぜひ勉強会後にお申し込みを検討してみてください。特別支援学級卒業後の情報や、いま準備しておきたいことが勉強会でわかる!Upload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「支援級卒業後の進路(全国版)」は、特別支援学級に在籍する方の卒業後の進路の選択肢について、広く知ることができる勉強会です。子どもが特別支援学級に在籍している、または在籍を検討している方にとって、今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてお話ししています。【特別支援学級 卒業後のこんな情報がわかる!】・高校進学に内申点が必要か・公立高校での特別支援教育の取組み・通信制高校/サポート校とは・高等専修学校とは・特別支援学校 高等部とは・進路選択するときに手帳が必要か・高校卒業後の生活に関して(仕事やお金)【通級】が気になる方は…⇒無料勉強会『「通級」の活用と進路の選択肢』LITALICOライフは、お子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。ぜひ皆さまにご活用いただきたいと思っています。
2020年11月13日みんなはどうしてる?進路を考えるときに読みたいコラムをまとめました小学校への入学や、中学校・高校への進学は、お子さんの学びや生活に関しての大きな決断をするタイミングですよね。就学相談や進路指導など相談できる機会はあっても、わが子にとってどのような選択がよいのか、どう判断したらよいのか...悩みも多いかと思います。発達ナビユーザーに行った「どんなコラムが読みたい?読みたいテーマを教えて」アンケートでも、「進路選び」についてのコラムが読みたいとの声を多くいただきました。そこで、連載ライターによる「進路」に関するコラムをまとめてご紹介します。Upload By 発達ナビ編集部【小学校】特別支援学校?通常学級・特別支援学級・通級指導?就学先をどう決めた?面談や見学を通して、どんな環境がわが子に合うのかをじっくり検討したウチノコ家。むっくん本人の気持ちも確認して、決定した就学先は...複数の小学校を見学して、クラスの人数や雰囲気などを見ながら、わが子に合う環境をイメージ。希望を提出したのは、年長の9月でした。先輩ママや家族、主治医の意見も参考に、通常学級に入学したSAKURAさん家のあーさん。最初は順調だったけれど、学習面も友達関係も少しずつ課題が見えてきて...本人にとってよりよい環境をなんども検討し、2年生からは「特別支援学級」に転籍することに。【中学校】より子どもにあった環境を考えたい。私立受験も選択肢?娘が5年生のときに考え始めた進路。小学校では通常学級に在籍しているけれど、中学校は?特別支援学級、通級指導教室、私立中学など、選択肢にあがった先をそれぞれ見学することに。小学校時代から高等部進学に至るまで、全7話の連載。まずは第1話から読んでみてください。小学校では周囲と馴染めず、いじめも経験した宇樹さん。私立中学に進学すると取り巻く環境が一変して...6年生になってから私立中学を受験することに決めた、スガカズ家の長男。どの学校がいいか、メリットとデメリットを整理しながら親子二人三脚で学校選びをしていきました。【高等学校】子どもの気持ちも尊重して選びたい、中学卒業後の進路さまざまな選択肢を検討した上で、通常学級に入学した荒木家の娘は、中学2年生で特別支援学級に転籍することに。高校選びも早くから動き出していたけれど、中学生活を経て気づいた大切なことは...受験勉強になかなか身が入らなかった中学3年生のリュウ太くんが、「行きたい学校があるから」とパンフレットを持ってきたのは『専修学校』でした。不登校の娘が、パンフレットをみて「見学に行きたい」と言った通信制高校の技能連携校。見学に行き、付設するフリースクールに週に1回通い始めて...
2020年11月08日地域の子育て支援サークルで役員をしているママ。コロナ禍を機にオンラインで子育て支援サークルを開催することにしたそうです。新しい形での子育て支援活動をするまでの経緯や開催後の感想などを紹介しています。 私は仕事関連や自分の学びのために、Web会議ツールの「Zoom」を使うことがあったのですが、ある日「オンラインによる子育て支援」を発見! 試しに参加してみたらその素晴らしさに心がウキウキしました。このような体験をもっと多くの人にしてもらいたいと思い、私がおこなった新しい生活様式での子育て支援活動をご紹介します。 たまたま見つけた「オンライン児童館」新型コロナウイルスの感染拡大以前からZoomを使うことがあった私。外出自粛期間も友だちとSNSやZoomでつながりを持ち、乗り越えてきました。そんなある日、友だちのインスタグラムから「オンライン児童館」の存在を知りました。 そのころ、外出自粛は解除されたとはいえ、周りの児童館や子育て支援センター等は閉鎖されたり、限定的に解放されたりしている状態。試しに参加してみると、無料で手遊びや読み聞かせ、工作などをやってもらえ、親子共々楽しい時間を過ごすことができました。 広がるオンラインでの子育て支援調べてみると、他にもオンラインでの子育て支援が見つかりました。オンライン子育て広場、オンライン子育て支援センターなど個人でおこなっているものもあれば、自治体主導の子育てサロンもあり、親子ヨガや親子ダンスなどのレッスンもオンラインで受けられるようでした。 田舎に住んでいる私としては家にいながら全国の人とつながれたり、子育て支援を受けられたりして、新たな世界が開けたように感じたのです。 自分だけでなく、みんなにも広めたいこうしてZoomを使うことでコロナ禍もわりと楽しく過ごせていたのですが、ふと、Zoomが使えない人たちのなかには、ただただ孤独な育児に追い込まれている人もいるのではないかと思うようになりました。 ちょうどそのころ、地域の親子サークルの役員の間で「今年の活動は無理」と話していたのですが、「オンラインでの活動を広める良い機会だ!」と思い立ち、急ピッチで準備を進めました。 地域の子育てサークルをオンライン化役場の窓口や乳幼児健診で親子サークルのチラシを配ってもらったり、お試し会をしたりして、何とかオンラインでの活動を始めました。地域の民生委員さんも入ってくださり、初めてZoomを使った方も「意外と簡単だし、マスクもなくみんなの顔が見られてうれしい!」と笑顔になるのを見ると、おこなってよかったと思っています。 また、この活動をきっかけに、今度は自ら気になる講座やイベントを見つけて参加し、育児をより楽しめるようになった人がいてくれたらうれしいです。 専業主婦の中にはZoomになじみがなく不安な方もいたようですが、使ってみると意外に簡単でビデオやマイクをオフにして参加もできることから、かえって参加しやすいという感想ももらいました。今後ほかの地域や自治体でも取り組みが進めばうれしいなと思っています。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:小林まり3男1女の母。元小学校教員。夫は土日出勤、出張も多いNPO職員。育児の大変さを実感しながらもコツをつかみ始めてきたところ。自身の経験を中心に執筆している。
2020年10月01日むっくんの小学校生活Upload By ウチノコ一人で行かせるかどうか、悩ましい登下校問題。我が家は、むっくんの交通ルールに対する理解と友達へのかかわり方への不安が拭えず、当分の間登下校に付き添うことに決めました。父、母、祖母で協力して送迎しているものの少し大変です。ただ、思わぬメリットもありました。送迎することで先生に毎日会え、諸々相談がしやすいことや、登下校中に親子並んで歩くおかげで、むっくんと良いコミュニケーションが取れているように感じています。学校に慣れる段階にいる今は、送迎の大変さよりもメリットの方が大きいように感じています。また、登下校中に親がいることで友達付き合いに影響がでるかも?と心配していましたが、家に迎えに来てくれる子や、登下校中に会ってそのまま一緒に登校する友達もいて、問題なさそうです。むっくんの小学校には同じ保育園出身の子が多く、私たち親とも顔見知り。そのためか、お友達は親がいても気に留めず過ごしてくれています。だけど、友達が気にかけてくれても、むっくんは日によって友達を受け入れられる時とそうでない時があります。特に調子の悪い日はトラブルも起こしがちなので、今は親が近くで様子を見極めて、友達とのかかわり方をフォローをすることが必要だと感じています。Upload By ウチノコむっくんは現在、特別支援学級で給食を食べています。苦手な食べものが多い子ども達が集まっているので、「給食はどうしているのだろう?」と思っていたのですが、どうやら「クラス全員の力を合わせて完食を目指す」というシステムとのこと。むっくんが苦手なシイタケは、代わりにシイタケが食べられる友達が食べてくれる。そして友達が嫌いなピーマンはむっくんが食べてあげる。むっくんは嫌いな食べ物のことよりも「友達の役に立っている!」と給食をポジティブに受け止めており、このシステムは素敵だなぁと感動しました。Upload By ウチノコ休憩時間にむっくんは、外で遊んだり、教室で過ごしたり好きなことをして自由に楽しんでいるようです。グラウンドで交流学級の友達と遊ぶ日もあるようで、上級生にからかわれて怒って帰ってくることもあります。また、むっくんの特別支援学級の教室は図書が充実しているので、疲れている時は静かに本を読んで過ごしているそう。疲れやすいむっくんにとって、自分の調子を見極めて休憩時間をどこでどう過ごすか考えるのも、大切なことだと感じています。Upload By ウチノコ「少しでも濡れたら着替える」というこだわりがあり、水濡れが我慢できないむっくん。保育園と違い、小学校では着替えの常備は難しいかなと不安だったのですが、学校に相談すると「着替えるだけで安心できるのなら、置いてもらえる方が助かります!」ということで、上下、下着、靴下を常備させてもらいました。週に1、2回は着替えて帰ってきますが安心です。更にじっと座ることが苦手なむっくんをサポートする、座った姿勢を補助するグッズも二つ返事で許可がおり、家庭から持参したものを椅子に設置してもらっています。このあたりの受け入れ態勢は、私が小学生のころとはずいぶん変わったなぁと感動するばかりです。Upload By ウチノコ私の場合、保護者としての所属は交流学級ではなく特別支援学級になっています。特別支援学級全体からも何名か役員を選出するのですが、むっくんの小学校では特別支援学級では高学年の親御さんが役員を担当することに決まっていました。「低学年の親御さんは何かと大変だから…」という理由のようで、先輩方の温かい計らいに涙・・・。私もむっくんが高学年になったときは、潔く引き受けたいものです。Upload By ウチノコゆっくり、でも確実に成長中前後編でお届けした、むっくんの小学校生活。学校によって様子やシステムには違いがあるので、全ての小学校に当てはまるわけではないと思いますが、少しでも特別支援学級での生活をイメージする参考になると嬉しいです。入学前は通常学級と特別支援学級どちらにするか悩み、自分の選択に不安もありましたが、むっくんを理解し大切にしようと思ってくださることが伝わってきて、今では特別支援学級にしてよかったと心から思っています。むっくんも「学校行きたくない!」と大騒ぎする朝もありますが、基本的には学校楽しい、先生もクラスメイトも大好きという感じです。最近では今まで以上の成長を感じることもあり、これからもむっくんの成長をゆっくり見守っていきたいと思っています。Upload By ウチノコ
2020年09月27日0〜2、3歳ごろまでの親子が遊べる子育て支援センター。新型コロナウイルスの感染拡大により、利用人数や時間などの制限付きのところも多いですが、徐々に利用できるようになっているところも増えてきたようです。私が1人目を出産したときに住んでいた地域では、児童館の中に乳幼児向けの一室が設けられていました。乳幼児健診のときにそのような場所があることを知りましたが、行ったほうがいいのかどうか迷ったときのことをお伝えします。 子育て支援センターに行くタイミング子育て支援センターに初めて実際に足を運んだのは、赤ちゃんが1歳になるかならないかのころ。かなり活発にハイハイや伝い歩きで動き回るようになり、1日中、自宅の中で過ごすことに限界を感じていたからでした。 子育て支援センターは自宅よりもずっと広いうえに、安全対策もしっかりされているため、のびのびと赤ちゃんを遊ばせることができました。また、スタッフの方やほかのママさんと他愛もないおしゃべりをすることで、思った以上にリフレッシュできた点もよかったです。 自宅ではできなかった経験ができる!子育て支援センターには、乳幼児向けの絵本やおもちゃがたくさん。自宅にあるもののほかにも「わが子はこういうものにも興味があるんだ!」と、新たな発見もありました。 また、私は手遊びなどでわが子と一緒に遊ぶのがあまり得意ではないため、自宅ではほとんどしていませんでした。そのため、スタッフの方が手遊びや歌を歌ってくれる時間があったことも、とてもありがたいと感じた点でした。 でも、無理をして行く必要はない!上の子が赤ちゃんのころは頻繁に通った子育て支援センターですが、下の子のときは上の子の幼稚園送迎などで忙しくなったこともあり、それほど足を運ぶことはありませんでした。 でも、そのことによって上の子と下の子の発育や発達上の差は、特に感じていません。メリットもたくさんある子育て支援センターですが、近くに支援センターがない、一度行ってみたけれど雰囲気が合わなかったなどの場合は、無理をしてまで行く必要はないと私は思います。 子育て支援センターで出会うママさんたちとの「行けるときに行き、会えたら話す」という距離感。この距離感も、幼稚園でのママさん関係とまた違い、そのゆるやかさがなかなか心地よかったです。 イラスト/ののぱ監修/助産師REIKO著者:奥田美紀二児の母。IT企業にてSE・プログラマーとしてシステム開発やWEBサイト運用等をおこなう。夫の転勤や子育てのために退職し、現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年09月26日子育て支援センターをご存じでしょうか。市区町村や社会福祉法人、NPO法人等が運営する施設で、地域の子育て家庭に対する育児支援をおこなうことを目的としています。利用した方もいらっしゃると思いますが、利用をしていない方向けに子育て支援センターについてお伝えします。 子育て支援センターとはこんなところ子育て支援センターは地域の子育て支援の拠点として、全国に7578か所(2019年度)ある施設です。従事者や施設の差はありますが、子育て親子の交流の場の提供と交流の促進、子育てなどに関する相談・援助の実施、地域の子育て関連情報の提供、子育ておよび子育て支援に関する講習などの実施をおこなっています。 分類としては、以下の3つに分かれます。 ひろば型常設のひろばを開設し、子育て家庭の親とその子どもが気軽に集い、うち解けた雰囲気の中で語り合い、相互に交流を図る場となっています。公共施設内のスペースや商店街の空き店舗、学校の余裕教室、民家の一室などで実施しています。 センター型地域の子育て支援情報の収集・提供に努め、子育て全般に関する専門的な支援をおこなう拠点として機能するとともに、既存のネットワークや子育て支援活動をおこなう団体等と連携しながら、地域に出向いた地域支援活動を実施しています。保育所などの児童福祉施設や公共施設等が実施場所となっています。保育士や看護師など、育児・保育に関する知識・経験を有する人を2名以上配置しています。 児童館型民営の児童館、児童センターにおいて、利用児童の来館前の時間などを利用して、親子の交流・集いの場を設けるとともに、子育て中の親などの当事者等をスタッフに交えて、身近で利用しやすい地域交流活動を実施しています。 電話やメールなどで相談ができるところも利用するには、予約が必要なイベント以外では基本的には予約不要ですが、最近では新型コロナウイルスの影響で通常と異なる運営がされているケースもありますので、まずはホームページやお電話などで確認しましょう。相談ごとであれば、子育て支援センターにもよりますが、電話やメールで子育てについての相談を受け付けているところも増えています。ご相談の内容としては、子育て全般、子どもの発達・発育、一時預かりの紹介、子どもと遊ぶ場所など多岐にわたっています。 また、子育て支援センターではありませんが、ベビーカレンダーでも専門家への相談ができます。ユーザー登録をしたうえでログインすると、無料で助産師・管理栄養士などに相談ができるフォームが開きますので、ぜひご利用ください。 子育てについて不安になることもあると思いますが、子育て支援センターの利用や専門家の相談で解消される内容も少なくありません。子育てでお困りのことがある場合には、子育て支援センターの利用や本サイトも含めた専門家への相談をすることも検討してみましょう。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年09月23日