「社会がこれだけ多様性に富んだものになっている今、ひとつの型に子どもたちを押し込めるのは子どもの『生きる力』を削ぐだけでしょう」と教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さん。「一人ひとりが自分の個性に気づくようにと向けていくのが本来の教育です」と言うのは脳科学者の茂木健一郎さん。日本の教育が世界から大きく取り残されていく中、「教育とは何か?」というテーマでお二人が対談。2020年のセンター試験廃止までに「親たちが知っておくべきこと」に迫ります。 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (尾木直樹(著)、茂木健一郎(著)/中央公論新社)※本書に収録されている対談は、2017年に法政大学女子高等学校で行われた公開対談「これからの学び・これからの学校」と、単行本『おぎ・もぎ対談「個」育て論』(2013年9月青灯社刊)に掲載された対談です。■偏差値が「学びのアレルギー」を引き起こす茂木:僕がTwitterでこんなふうに怒ったことがあったんです。「予備校の偏差値表、『この偏差値だと、この大学』とか書いてある、あんな表を学校に貼るな! 子どもの心の傷害罪で訴えてやる!」と。そうしたら、みんなが喜んでいます。喜ぶということは、内心みんな思っているということでしょう?尾木:ひどいです! 大学名と学部名を聞いて、「ああ、偏差値あのくらいだから、俺より低い、高い」なんて瞬時に判断を下すようになっているのですから。茂木:子どもたちは、まずいご飯をたくさん食べさせられて、「もう食べたくない」という状況なんじゃないかと思います。おなかが空いたら食べますよね?子どもたちの脳が、どうでもいい情報をたくさん入れられて、もういっぱい、いっぱいになっちゃっている。アレルギーを起こしているのかな? 「学びのアレルギー」。尾木:ああっ。「学びのアレルギー」ね。それはすごく的確な表現だなぁ。■この子にとって「何」が一番大事なのか?尾木:僕が現場の教師だった頃は、「今、この子にとって何が大事か? どうするのがいいのか?」と考えて、真正面からぶつかっていきました。それが僕の教育実践スタイルだったの。茂木:尾木先生みたいな先生がもっとたくさんいたら、日本の子どもは救われるのにね。尾木:おもしろいとは思いますよ~。茂木:おもしろいし、子どもたちも、親御さんも、救われるんじゃないかなぁ。尾木:僕は、今のこの日本の現状を、どう突破するかということが一番気になりますね。茂木:教育について「理想の教育システムとは何か?」といった「議論」はよく聞きます。でも、僕が思うのは、「じゃあ、その理想の教育システムって、いつできるんですか? 10年後、20年後ですか?」ということです。いまの子どもたちは、「理想の教育システム」ではない教育を受けているという現実があります。この瞬間に、目の前にいる子どもを救えなかったら、意味がないと思ってしまうんです。教育って常に、「管理」とか「標準化」との闘いなのかもしれませんね。そういうシステムからはみ出したところを教員や親をはじめ、大人がもう少しフォローしてあげる。やろうと思えばできるはずですからね。尾木:ええ、本当に。茂木:たとえば、尾木先生がある生徒に岩波新書を毎週読めと指示した、というのは良い例だと思うんです。いまの管理主義的な教育が続いたとしても、その中でも工夫はできる。周囲の大人が、その子の個性をしっかり認めているよということを伝えればいいんです。たとえば、先生が通知表を渡す際などに、「これは、本当は違うんだよ」と言えばよい。「いまの入試制度が変わらない限り、『あなたの偏差値はここかな』という話はしなければいけないけれども、どこの学校に行ったって、一生懸命やれば大丈夫なんだよ、偏差値で人の価値が変わるわけじゃないんだよ」ということを、本人の長所とともに伝える。そういうことを言ってあげれば、それで救われることがきっとあるはずです尾木:簡単にできますよ。そこは、個人の裁量、工夫の範囲ですから。そういう大人の姿勢が大切だと思います。●尾木先生の教員時代のエピソード教員時代に、一人やたら優れた子がいたのです。「この子はすごいわ、能力を伸ばさなきゃ」と思って、1週間に一冊、岩波新書を読みなさいって言ったのです。それで、何を読んだかを全部報告させたのです(中略)やっぱり、高いレベルの学びや世界に挑戦していく、視野を広げていくというリードをこの子にはしてやらないと、変な天狗、井の中の蛙で終わっちゃうと思いました。彼にはもっと高い峰に立ってほしかった。出典: 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (尾木直樹 茂木健一郎/中公新書ラクレ)より抜粋 ■お父さんの教育観、お母さんの教育観茂木:昔はお父さんお母さんに、学校が偏差値とか言っていたって、そんなのうちは関係ない! っていう強さがあった。尾木:それぞれの家庭が生活に根ざした独自の伝統的な価値観を持っていたんですよね。いまは、まるで逆です。学校の価値観の中に同心円状に各家庭がストンとはまってしまっている。むしろ、家庭の方が求めている。茂木:昔の人の伝記を読んでいると、お父さんの教育観、お母さんの教育観とかがすごく感じられますよね。本当はそこがすごく大事なのかもしれない。教育再生には。■ブレない親の「個」教育が個性を伸ばす尾木:内心ではみなさんそれぞれに結構思っていることがあっても、なかなか言い出せないだけなのかもしれないですね。茂木:それを、どんどん、言っていけばいいんじゃないのかな。僕が見ていると、意外と、強い親に育てられた子どもって大丈夫な子どもが多い気がします。尾木:たしかにその通りだと思います。子どもの個性―すぐれた面も気になるところも、かくれた才能も含めて―を一番的確につかんでいるのは、何といっても親御さんなんですから。すべての子どもたちが、本当に伸び伸びと自分の持ち味を生かしながらどこまでも成長していくためには、「個別」教育が最適ですよね。個性を伸ばそう、寄り添って成長をサポートしよう、そういう発想と姿勢を意識的に強く持たないと、一斉主義や集団的指導・教育の甘言にまどわされ、巻き込まれてしまうように感じています。■「挑戦する脳」を作るためにママができること尾木:2020年には、大学入試改革を中心に据えた抜本的な教育改革が行われます。戦後7度目の改革ながら、ここまで大がかりな改革は初めて。でも、そこまでしなければならないほど、日本の教育はどうにもならない状況に来ているのです。茂木:まずは、ママたちが『当たり前』や『常識』をうのみにせず、自分のフィルターを一度通して考えてみることです。それは自分自身の思考や感覚に対する肯定でもあります。いかがでしたか? 「挑戦する脳」を作るために、いま、ママができること。それは、まずママ自身が、あふれる情報や「常識」を妄信せず、自分の頭で考えてみることのように私は感じました。■今回取材にご協力頂いた“尾木ママ”こと尾木直樹さんと、脳科学者の茂木健一郎さんの共著 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (中公新書ラクレ)尾木直樹 著 茂木健一郎 /中央公論新社 ¥780(税別)尾木直樹さん プロフィール“尾木ママ”の愛称で親しまれる教育評論家、法政大学特任教授。「子育てと教育は“愛とロマン”」をモットーに、22年間中学・高校でユニークで創造的な教育実践を展開。その後大学教員に転身して22年、合計44年間教壇に立つ。現在は講演会活動、メディア出演、執筆活動など幅広く活躍中尾木ママ オフィシャルブログ: 茂木健一郎さん プロフィール脳科学者、作家、ブロードキャスター。東京大学理学部、法学部卒業後、ケンブリッジ大学を経てソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。「一リットルの脳の中に、現実も、夢も、宇宙も、すべてある」と。茂木健一郎 オフィシャルブログ:
2017年12月14日「子どものやる気、主体性を尊重したほうが、教育は良い結果が出ることが多いのです」と言うのは、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さん。一方で、「子ども達の学ぶことに対する感動や好奇心が、どうしてここまで下がってしまっているのか」と、危惧する脳科学者の茂木健一郎さん。 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (尾木直樹(著)、茂木健一郎(著)/中央公論新社)※本書に収録されている対談は、2017年に法政大学女子高等学校で行われた公開対談「これからの学び・これからの学校」と、単行本『おぎ・もぎ対談「個」育て論』(2013年9月青灯社刊)に掲載された対談です。そんなお二人が出版した本『教育とは何?』の中では、子どもの「生きる力」についてもお話されています。子どもの「やる気」や「主体性」。ママにとって、関心の高いキーワードなのではないでしょうか?■なぜ子どもたちは「学ぶ意欲」を失ったのか茂木:大学で教えていて、「どうしてこんなにやる気を失っている子が多いのか」と、強い危機感を感じています。僕は、それを「学力低下」だとか、「偏差値が●●の学校の生徒だからそうなのだ」みたいないい方で説明するのは、根本的に間違っていると思うのです。尾木:僕も大学で教えていて、学ぶ意欲を失った大学生が増えていることが、とても気になっていました。おそらく、中高時代に知的な学びにおけるドキドキ感をあんまり味わったことがないのではないかと思うのです。学ぶことによって、世界がパッと広がるような感じ、あの感覚、知的興奮を知らないのでしょうね。茂木:本来、すべての子どもには、知的好奇心があって、目を輝かせていたはずなんです。けれども、日本の教育を受けているどこかで、そういう心を殺されてしまった…。だから、彼らはある意味、「被害者」なんだと僕は思っています。■子どもの“好き”を応援してでは、子どものやる気にスイッチを入れるために、ママたちはどうすれば良いのでしょう?尾木:まずは、わが子のことをよく観察して、その子の興味・関心があるものを見つけ出してあげることが大切です。以前、体操の内村航平選手のお母様に直接話を伺ったことがあるのですが、もともとご両親はサッカーか野球をやらせたかったそうです。でも、彼はそちら方面にあまり関心を示さなかった。トランポリンが好きで、跳ねたり回ったりするのに夢中になっていたから、誕生日にトランポリンを買ってあげた。そういうところから、どんどん体操にはまっていたそうです。お母様の話を聞いて、他人との比較ではなく、その子の自己決定を尊重し、大人が“個”に寄り沿うことで、子どもの力は無限に伸びていくのだと実感しました。■松岡修造さんは「がんばれ」という言葉が嫌い?尾木:また、元テニスプレーヤーでスポーツキャスターの松岡修造さんと対談させていただいたときのこと。修造さんが、「僕、『がんばれ』という言葉が一番嫌いなんですよ」と切りだされたので驚きました。「でも、いつも『がんばれ』と声をかけているじゃないですか」と言うと、「僕は自分からがんばれと言ったことは一度もないのです。本人が自分で『がんばる』と言ったときだけ、『だったらがんばれ』と言っているんです」とおっしゃった。これは、ものすごく本質をついた言葉です。錦織圭くんや萩野公介くんといった、若くして世界レベルで活躍しているトップアスリートたちの話を聞いても、自分が興味を持ったことを、自分でしっかり考えてやっていく中で、確実に成果を出しているのです。■子どもの「生きる力」を育てるために茂木:脳科学者として言いたいのは、一人ひとりの子どもの中に、必ず「個性」はあるということです。その個性を、それぞれに見いだすようにしていかなければならない。いまの教育ではそれを見いだす機会を与えられていません。一人ひとりが自分の個性に気づくようにと向けていくのが本来の教育です。尾木:日本では「一斉指導」ばかりを重視して、ちょっとでも基準からはみ出す子は白い目で見たり、排除したりしがちです。でも、大人が一方的に枠を与えそのなかで競わせていては、子どもたちの可能性を狭めることにしかなりません。これだけ多様性に富んだ社会になっている今、一つの型に子どもたちを押し込めるなんてナンセンス。そんなの、子どもの「生きる力」を削ぐだけでしょう。そうではなく一人一人の多様な個性を尊重すれば、子どもたちは大人の想像を超えてどんどん成長していくはずです。次回は、「2020年の大学入試改革までに、親が知っておくべきこと」です。■今回取材にご協力いただいた“尾木ママ”こと尾木直樹さんと、脳科学者の茂木健一郎さんの共著 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (中公新書ラクレ)尾木直樹 著 茂木健一郎 /中央公論新社 ¥780(税別)尾木直樹さん プロフィール“尾木ママ”の愛称で親しまれる教育評論家、法政大学特任教授。「子育てと教育は“愛とロマン”」をモットーに、22年間中学・高校でユニークで創造的な教育実践を展開。その後大学教員に転身して22年、合計44年間教壇に立つ。現在は講演会活動、メディア出演、執筆活動など幅広く活躍中尾木ママ オフィシャルブログ: 茂木健一郎さん プロフィール脳科学者、作家、ブロードキャスター。東京大学理学部、法学部卒業後、ケンブリッジ大学を経てソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。「一リットルの脳の中に、現実も、夢も、宇宙も、すべてある」と。茂木健一郎 オフィシャルブログ:
2017年12月13日「海老蔵さんは東大には入れませんが、ハーバード大なら合格できるかもしれません」と言うのは、脳科学者の茂木健一郎さん。偏差値に重きを置く日本の教育に強い危機感をお持ちです。一方で、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんは「茂木先生が感じていらっしゃる日本の教育の『おかしさ』とその分析の的確さに驚嘆しました」と、おっしゃいます。 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (尾木直樹(著)、茂木健一郎(著)/中央公論新社)※本書に収録されている対談は、2017年に法政大学女子高等学校で行われた公開対談「これからの学び・これからの学校」と、単行本『おぎ・もぎ対談「個」育て論』(2013年9月青灯社刊)に掲載された対談です。そんなお二人が、日本の偏差値教育、日本の教育の未来について語った対談をまとめた『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』を出版されました。お二人の教育論、偏差値システムの問題点、そして親が家庭で何をすべきかについて、本の内容をご紹介します。■「挑戦する脳」は、本来だれにでもある「挑戦する脳」。このキーワード、ちょっと、気になりませんか? もし、物事に意欲的に取り組める脳、いわば挑戦する脳があるのなら、その育て方を知りたいものです。茂木さん(以下、茂木):人間は生まれると、やがてハイハイしたり、立ったりする。あれは、全部、挑戦です。人間は、子どものときからずっと挑戦をしています。挑戦する能力、すなわち「挑戦する脳」は、本来だれにでもあるものです。それを「挑戦しない脳」にしてしまうものは何か? それをしっかり考えてみる必要があります。僕は、その理由のひとつに偏差値に重きを置く「日本の教育システム」があると考えています。尾木さん(以下、尾木):日本の教育の癌(がん)とも言える偏差値主義について、日本人はもっと現実を直視しなければなりませんね。茂木:たとえばアメリカの入試には、偏差値の概念はありません。歌舞伎役者の市川海老蔵さんは、僕に「日本の教科書は、読んだことがない」と豪語されていました(笑)。彼は日本の最難関、東京大学には入れないでしょう。けれども、ハーバード大学なら、彼を合格させると思いますよ。彼は歌舞伎役者としては超一流ですからね。この違いが日本の教育が抱えている問題点を浮き彫りにしていると思います。■マジメに終わっている日本の教育偏差値って、そんなに悪いもの!? ママ世代にとっては、「偏差値をあげるために勉強をする」というのは、ごくあたり前の感覚。すぐにはピン!ときませんが…。尾木:僕は、何年も前から著書などで、日本の学校や教育現場は『博物館』『化石』だと言ってきました。日本の教育が世界の流れから取り残されて、20年近く経つのではないでしょうか? マジメな話として、今の日本の教育は終わっています。茂木:そもそも、人間の能力はいろんなとがり方があります。たとえば役者としてとがっている人と、学者としてとがっている人は、とがっている部分がまったく違います。こんなふうに、本来、いろいろな方向に向いている人の能力は、比べられるものではないんです。つまり「偏差値」というモノサシだけでは、人間を評価する方法としてはまったく足りないのです。■「探究科」を新設して進学校になった堀川の奇跡「人間の能力は、偏差値というモノサシでははかれない」と言われても、現実問題として、わが子は偏差値で評価されています。そうではない学校なんて、あるのでしょうか?尾木:実際に「結果を出した」という意味では、京都の市立高校である堀川高校のお話は、説得力があるかもしれませんね。堀川高校で「探究科」を新設したところ、1期生が卒業した2001年には、国公立大学の現役合格者数が106人になりました。その前年は6人だったので、「堀川の奇跡」とも言われました。その後、京都大学にも毎年30人台の合格者が出るようになり、堀川高校は京都の公立高校ではトップと言えるような進学校になっていきました。「探究」というのは、社会や身近な生活の中から生徒自ら課題を見つけ出し、実験や調査などをもとに論文をまとめ発表するという授業活動です。たとえば、琵琶湖の水を浄化するにはどうすればいいかといった調査研究を3年間続けてそれを卒論にまとめます。生徒が100人いれば100通りの探究がなされ、それを先生がサポートする。先生だけでは指導しきれないので、京都大学の大学院生などがアシスタントに入ります。■「受験勉強」をするために必要なもの偏差値主義ではない学校で、しかも受験に直接、役に立たなさそうなことをして、なぜ難関の京都大学に合格できるのでしょうか?尾木:受験勉強の土台に、「この学校で、これを学びたい!」という強い想いがあるんです。自分なりの探求を続けているうちに、「京大の○○先生の研究室に行きたい」「東大の○○先生のゼミに入りたい」というような目標を持つことになり、生徒はその目標達成のためにがんばります。偏差値の高さや有名大学かどうかではなく、自分の内側から沸いてくる強いモチベーションがあれば、何とかなるものなんです。この例からもわかるように、子どものやる気、主体性を尊重したほうが、教育というのは良い結果が出ることが多いものです。次回は、子どもの「やる気」や「主体性」について考えます。■今回取材にご協力いただいた“尾木ママ”こと尾木直樹さんと、脳科学者の茂木健一郎さんの共著 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (中公新書ラクレ)尾木直樹 著 茂木健一郎 /中央公論新社 ¥780(税別)尾木直樹さん プロフィール“尾木ママ”の愛称で親しまれる教育評論家、法政大学特任教授。「子育てと教育は“愛とロマン”」をモットーに、22年間中学・高校でユニークで創造的な教育実践を展開。その後大学教員に転身して22年、合計44年間教壇に立つ。現在は講演会活動、メディア出演、執筆活動など幅広く活躍中尾木ママ オフィシャルブログ: 茂木健一郎さん プロフィール脳科学者、作家、ブロードキャスター。東京大学理学部、法学部卒業後、ケンブリッジ大学を経てソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。「一リットルの脳の中に、現実も、夢も、宇宙も、すべてある」と。茂木健一郎 オフィシャルブログ:
2017年12月12日「第11回 LITALICO 教育実践フォーラム 2017」開催!Upload By LITALICOニュース2017年11月18日(土)の13:30より、大阪・梅田の「AP 大阪梅田茶屋町」(D+E+F+Gルーム)にて、発達障害に対する学校教育での合理的配慮をテーマとしたイベント、「教育実践フォーラム」が開催されます。登壇者は、発達障害児への教育支援研究の第一人者である大阪医科大学LDセンター顧問 竹田契一先生、障害児のICT活用等の研究を進める関西学院大学教育学部教授 丹羽登先生、障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究する鳥取大学大学院の井上雅彦教授ほか、小中学校・高校の教員、児童・生徒の保護者の方々。「障害のない社会をつくる」をビジョンに、児童発達支援事業や就労支援事業などを展開する株式会社LITALICOが主催し、教育を取り巻く課題と実践、未来の展望を考える「教育実践フォーラム」。2012年の初回企画から数えて、今回で11回目の開催となります。11回目のテーマは「合理的配慮」。どんな人々も個性を尊重され、過ごしやすい世の中になれば理想ですが、特定の個性や心身の症状を持っている人にとって生きづらい状況がまだまだ残っているのが現状です。たとえ障害のある方であっても、一人ひとりの困りごとや状況に応じた適切な配慮を受けることで、自分の力をより発揮しやすくなり、日常生活や社会生活を営むことが出来るようになる、という考えのもと進められているのが、「合理的配慮」です。今回は、専門家・現場の教員・保護者それぞれの立場から合理的配慮のあり方について考えていきます。第11回教育実践フォーラム専門家と保護者、それぞれの立場から語る教育現場の合理的配慮2016年4月に施行された「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)により、公立学校の教育現場でも合理的配慮が義務化されました。発達障害のある子どもにとって、学校生活における困りごととして、授業やテスト、成績評価、行事、さらには食事や排泄、友だちとの関わりなど、さまざまな場面が想定されます。フォーラムの基調講演では、発達障害に対する教育現場での合理的配慮に関して、発達障害児への教育支援研究の第一人者として長年ご活躍される竹田契一先生のお話を伺います。講師:大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生Upload By LITALICOニュース竹田契一大阪医科大学LDセンター顧問、大阪教育大学名誉教授、一般財団法人特別支援教育士資格認定協会理事長。専門は発達障害児(LD・ADHD・高機能広汎性発達障害)への教育的支援など。主な著書は「高機能広汎性発達障害の教育的支援」(明治図書)他、多数。基調講演のあとは、障害児のICT活用について研究を重ねられている丹羽先生からお話を伺います。社会の情報化が急速に展開している中、授業の双方向性を高め、児童生徒の主体性・意欲・関心や知識・理解を高める効果があるとして、学校教育におけるICT活用が注目されています。指導内容や指導方法を変更・調整することが合理的配慮の1つとして求められていますが、お子さんによっては、タブレット端末等のICTの活用が効果的なことがあり、積極的な活用が望まれています。丹羽先生の講演では、教育現場での合理的配慮の手段としてのICT活用について考えていきます。講師:関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生Upload By LITALICOニュース丹羽登特別支援学級や特別支援学校の教員として重度障害児教育に携わる傍ら障害児のICT活用等の研究活動を進める。文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官を経て、関西学院大学教育学部教授。病弱教育や障害児のICT活用に関する著書・論文多数。最後に、専門家・保護者等それぞれの立場から教育現場の合理的配慮の実際と課題について語るパネルディスカッションです。コーディネーター: 鳥取大学大学院教授井上雅彦Upload By LITALICOニュース井上雅彦鳥取大学大学院 教授/LITALICO研究所所長(アドバイザー)応用行動分析学を理論的基盤として障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究。ペアレントトレーニングシステムなどの支援プログラムの開発をはじめ、著書も多数。合理的配慮の導入を円滑にするためには、学校や本人・保護者が合理的配慮実現のための流れやしくみを共通理解し、コミュニケーションを密にすることが鍵となります。現場の教員の方々をパネリストに招き、保護者の方々にコメンテーターをしていただきながら、今現場で必要とされることについて考えていきたいと思います。第11回教育実践フォーラム詳細開催日時:11月18日(土) 13:30~18:45(受付開始 13:00)(教材等自由閲覧時間18:45~19:45)定員:240名参加費:無料(事前申込制)対象:小学校~高等学校、幼稚園、保育施設の職員、スクールカウンセラーなど子どもの教育や医療・福祉・行政機関など子どもの支援に関わられている方会場:AP 大阪梅田茶屋町 D+E+F+Gルーム(大阪府大阪市北区茶屋町1-27ABC-MART梅田ビル8F)アクセス:JR「大阪駅」御堂筋北口より徒歩約3分阪急電車「梅田駅」2F中央改札口より徒歩約1分地下鉄御堂筋線「梅田駅」北改札より徒歩約3分地下鉄谷町線「東梅田駅」北東改札・北西改札より徒歩約5分阪神電車「梅田駅」東改札口より徒歩約5分お申込み締切:2017年11月17日(金)13:00お問い合わせ:03-5704-7361(地域教育相談室 岡野)※お申込みは下部ボタンのお申込みフォームよりお願いいたします。主催:株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)12:00~発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(50分)13:00~受付開始13:30~開会挨拶(30分)株式会社LITALICO執行役員 野口晃菜14:00~基調講演(60分)【講師】大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生15:00~質疑応答&休憩(15分)15:15~講演(60分)【講師】関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生16:15~質疑応答&休憩(10分)16:25~パネルディスカッション(120分)【コーディネーター】井上雅彦先生【パネリスト】小中学校・高校の教員など数名【コメンテーター】丹羽登先生、児童・生徒の保護者さま18:25~質疑応答、インフォメーション、閉会挨拶(20分)18:45~パネル展示・教材自由閲覧・発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(60分)19:45終了学校や幼稚園、保育園の先生やカウンセラーの方々、子どもの発達が気になる保護者様はじめ、学校教育における「合理的配慮」に関心のある方々はどなたでもご参加いただけます。たくさんの方のご来場をお待ちしております!
2017年10月06日「赤ちゃんはどうやってできるの?」とつぜん子どもに聞かれたら、答えに困ってしまいませんか? 子どものころ「コウノトリが運んでくる」と教わり、いつしかそれが違うことを知ってショックを受けた私たちは、子どもにも同じように話していいのかどうか、迷います。そんなママや子どもたちに向けた性教育ワークショップがあると聞き、さっそく取材に行ってきました。■「性」は「生」。命をつなぐ当たり前で大切な人間の営み性教育ワークショップ『SEIJUKU』(生塾)を主宰するのは、ウェルネス&ビューティジャーナリストの久保直子さん。久保直子 Naoko KuboAMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、フランス式スポーツアロマテラピストの資格を持ち、スキンケアやボディケアなどの美容面はもちろん、女性ホルモンケア、ストレスケア、睡眠などの植物療法、特に「メンタルビューティ」を軸にした独自のウェルネス&ビューティプログラムを企画&発信。二児の母の立場を生かしmama cafeや性教育ワークショップ『SEIJUKU』を主宰。「日本では性教育を“言ってはいけない事”のように扱っていて、なかなか学ぶ機会がありません。私たち親の世代がそうやって育ってきたので、子どもへ伝えるときも、言葉が見つかりません。でも、「性」は命をつなぐ大切なことで、生きる上で当たり前の営みです。当たり前のことを当たり前に伝える。その環境を作っていくために、『SEIJUKU』を始めました」(久保さん)現在ワークショップに参加するのは、お子さんのいる方、いない方、独身の方など様々。「性に関する悩みを持つ全ての方に来ていただける場にしたい」というのが久保さんの願いです。■子どもが楽しめる紙芝居での性教育取材した日は、『SEIJUKU』第5回目。第2回目のときに「子どもが興味を持てるよう、紙芝居にしては?」というアイデアが出たことから、今回は紙芝居を導入してのワークショップになったそうです。紙芝居は、久保さんの伝えたいことをもとに、保育士の井上夏紀さんが子どもの視点を想定したアドバイスを加え、イラストレーターのカイフチエリさんによる、子どもが楽しめるイラストで描かれた、完全オリジナル作品。監修には医師の安来志保さんも加わっています。さらに、この日紙芝居を読むのは、久保さんと、久保さんの10才と7才のお嬢さん。読み手に子どもが参加することで、同世代の子どもたちもより身近なこととして受け止められるようです。さあ、いよいよ紙芝居のはじまりです!■「おちんちん」と「おまた」をくっつける、をどう伝えるか紙芝居のタイトルは『誕生 ~birth~』。「男の子の体と女の子の体はどうして違うの?」という子どもの素朴な疑問をもとに、パパとママが出会い、愛しあい、「おちんちん」と「おまた」をくっつけると赤ちゃんができるという流れを、イラストを使ってわかりやすく説明していきます。「おちんちん」と「おまた」をくっつける───誰もがいちばん説明に戸惑うこの点も、やさしいタッチのイラストのおかげで自然に話を聞けるようになっています。「おちんちん」と「おまた」は決して特殊なパーツなのではなく、「赤ちゃんをつくる」という大事な役割を持っている部分なんだよと、とにかくありのままを伝えることで、子どもたちは体の組織の一部として認識してくれたようでした。「大人が変に隠すから子どもが勘ぐり、真実を知ったときに心がざわついてしまう。まずは大人が正しい性教育を受けないと、子どもへ上手に伝えられないな」…そんなことを考えさせられました。■誰もがみな何億分の1の確率で生まれた奇跡の存在「生まれてきたすべての人が、周囲に守られながら、いろいろな困難を乗り越えて生まれてきた何億分の1の奇跡だと伝えられれば、この紙芝居は成功だと思っています」と久保さん。数億分の1の確率で卵子と精子が出会い、お母さんのおなかの中で約300日をかけて育ち、お母さんの「おまた」から出てくる───その長い道のりを、子どもに伝わりやすいように説明していく今回の紙芝居。参加したママたちからは、「自分が子どもに教えるために参加したのに、自分が子どもを授かったときのことや、自分も親から生まれたことを思い出し、そこに感動してしまいました」という声も聞かれました。■それぞれの家庭に、それぞれの性教育を紙芝居のあとは、参加者全員で、紙芝居の感想と「性教育」についてのセッション。ここで実際にママたちが感じている「性教育」の悩みを聞くことができました。「娘が小学生になったとたん、上級生から性に関する情報を聞いてくるように。どう教えていいか分からなくて、ワークショップに参加しました」(7才女の子のママ)「自分が親から教わってこなかったので、間違った情報を信じていたり、興味本位で悪気なく体の見せ合いっこをしたりしていた。子どもには正しい情報を伝えたい」(2才女の子のママ)「うちは男の子で、女の子に優しい男性になってもらうために、男の子にこそ教えないといけないと思って参加しました」(2才男の子のママ)「生理のとき、お風呂で息子に生理の状態を見せて、血が出る意味や、心が不安定になることなどを話しています。息子は女性の自然現象として聞いてくれていますが、外でお友達に話したときのことを思うと、少し不安になります」(3才男の子のママ)最後に久保さんから、「家庭ごとの教育方針があっていいし、正しい性教育の方法はひとつではないです。教育方法を学んでそのまま実践するよりも、各家庭、個々人で考えることがなにより大切です」とメッセージがありました。『SEIJUKU』は今後、ジェンダーに合わせた内容、生理が始まる10才頃からの一歩進んだ性教育、動画を使っての情報発信なども検討するそう。「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」説でいいかどうか。まずは親が考えてみることで、子どもへの教えかたが見えてくると思ったワークショップでした。性教育ワークショップ『SEIJUKU』(生塾)本記事の公開に合わせて、紙芝居『誕生 ~birth~』の一部をユーチューブで配信スタート!
2017年08月17日教育費のなかでももっとも負担が大きいと言われるのが大学生の時期。今では約半数の大学生が奨学金を利用していると言われています。また、大学卒業後に就職できずに返済ができないということも問題になっています。そこでママとパパに調査! あなたは奨学金を借りる予定ですか?Q.奨学金、あなたのご家庭はどうする?1.借りている・借りる予定 36.9%2.借りていない・借りない予定 31.5%3.未定 31.6%借りている・借りる予定という人が36.9%といちばん多いのですが、借りていない・借りない予定や未定という人もそれぞれ3割程度いるという結果になりました。■借金するくらいなら大学に行かなくてもいい奨学金というと聞こえはいいですが、やっぱり借金には変わりありません。借りないで進学するのがいちばん! どうしても借りるくらいなら明確な夢やビジョンがない限り、行かなくてもいいのではと考える人も。「20代前半から何百万もの借金をさせるわけにはいかない。返済まで20年くらいかかるんですよね? それじゃ結婚も難しくなる」(山口県 50代男性)「母子家庭ですが、奨学金を借りるつもりはありません。生活も切りつめて貯金をしています」(東京都 40代女性)「借金ですよね。なんとなくみんなも行くから自分もというだけなら、奨学金を借りてまでと思ってしまいます」(千葉県 50代女性)■2人以上いると正直借りないと無理子どもが複数いる人や年齢が近い人は大学生の期間が重なることも。そうなるともうお手上げという人も多いようです。地方の場合は学費だけでなく下宿代などもかかることを考えると奨学金も止むを得ないのかもしれません。「可能なかぎり大学の授業料は払ってあげたいけど、子ども2人分は正直しんどいです」(神奈川県 40代女性)「母子家庭なので、大学に行きたいなら自分の力で行きなさいと言ってあります。できる限りのフォローはしていくつもりですが」(神奈川県 40代女性)「3人の子どもがおり田舎のため、進学の際には必ず一人暮らしになります。もし、3人が進学し、学費と生活費の両方になると奨学金の貸付利用をしないと難しいです」(三重県 40代男性)■奨学金を背負う気持ちで進学を自身の体験から、大学に行くのなら奨学金を背負うくらいの気持ちで行ってほしいという親もいました。なんとなく行くのではなく、目的意識やビジョンを持って大学には行ってほしいですね。「私自身が奨学金で大学を出ました。仕送りもなくバイトと奨学金で学生生活を送りました。意識を高く持ち学業に臨めたと思っています。子どもには責任や意欲を持って臨んでもらうべく、大学以上の学費は奨学金を使わせるつもりです」(千葉県 30代女性)Q.奨学金、あなたのご家庭はどうする?アンケート回答数:9870件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年07月05日「シュタイナー教育」をご存知ですか?お子さんに少しでもいい環境を与えたいと願い、さまざまな教育論を調べたことがあるママなら、一度はその名を目にしたことがあるかもしれませんね。シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが20世紀始めに提唱した教育方法です。7歳までの子どもたちは夢の中にいるようなものだとして、音楽や絵画など感性に訴えるアプローチで接することを掲げています。音楽のリズムに合わせて動く「オイリュトミー」というダンス、「にじみ絵」と呼ばれる独特の水彩画法が特徴です。今回は、都内のシュタイナー系幼稚園で働くG先生(50代女性/幼稚園教諭)から、自宅でできる「ゆるシュタイナー教育法」を聞いてきました。●(1)刺激は「子どもが欲してから与える」シュタイナー教育と聞いて最初に思い浮かぶのが「テレビを見せない」ということ。音や光の出るオモチャ、テレビゲームなんてもってのほか。遊ぶ道具は、石、木、布、羊毛といった自然素材だけなんですよね。でも、子育てママならそのハードルの高さはわかるはず。どうしたらいいのでしょうか?『子どもが求めてくる前に、親が先回りして強い刺激を与えてしまうことを避けてみてください 。テレビは、子どもが積極的に見たがっていないなら、あえて見せる必要はありません。プラスチック製のおもちゃも同じ。最初に与える遊び道具は、自然素材のもので十分です。でも、よそで見かけたり、他の子が持っていたりして、お子さん自身が興味を持ったなら、少しずつ与えてもいいと思いますよ』そうはいっても、家事をやっているあいだに子どもがテレビを見ていると助かるんですよね。夕方の幼児番組、「ほら!もうすぐ○○が始まるよ!ママ忙しいから、観てて〜!」なんて率先して付けちゃってましたが……それすらNGなんでしょうか?『そのあたりは、ママの裁量でいいと思いますよ。無理をしてまでノーテレビ育児にこだわり続けることはありません。ただ、7歳までは体のリズムを作る時期です。生活リズムをテレビに支配されないようにするのが大切ですね。大人がテレビなしの生活をしてみせるのも、時には必要です』なるほど。ということは、大人が観たい番組があるときは、録画をして子どもが寝たあとに楽しむのがよさそうですね。●(2)生活リズムづくりは「ゆるやかに」がコツシュタイナーの教えでは、毎日の生活リズムを作ることも重要視されています。決まった生活リズムを繰り返していくことが、子どもたちの心の調和と安定につながると考えられているからです。『家庭でも、ぜひ規則正しい生活を送っていきたいですね。まずは一日のスケジュールを組んであげましょう。ある程度大きなお子さんなら、親子で相談しながらスケジュール決めをするといいでしょう』でも先生、子どもってこっちの希望通りに動いてくれませんよね。うちの子はいつもノロノロしていて、スケジュールなんか決めても絶対守れません。守れないことでカリカリしてしまう自分も目に見えてますが、どうしたらいいですか?『細かく時間を定めてしまうと後がつらいので、最初は起きる時刻・寝る時刻・食事の時間帯をゆるく決めるくらいでOKです。「○時」ときっかり決めるより、30分程度の幅がある「時間帯」でスケジューリングしていく のがおすすめですよ。また、スケジュールを守れなかったときにお互いを罰しないことも重要です。お子さんの様子や発達段階を見極めながら、無理のないスケジューリングに組み直していきましょうね』●(3)子どもに「遊びを教えない」勇気を!シュタイナー教育で忘れてはいけないのが、オイリュトミーやにじみ絵などの独特な遊び方。これらは子どもたちの感性を伸ばすためのアプローチ法ですが、家庭で取り入れるにはどうしたらいいでしょうか。『子どもの遊び方に自由を与えてあげましょう 。最近のママたちを見ていると、やり方が決まっているオモチャを与え、子どもが考える間もなく「ほら、これはこうやって遊ぶのよ」と教えてしまっている方が多いんですよね。中には「その遊び方は間違ってる」とお子さんを叱っている姿も。これでは、子どもたちの感性は育ちようがありません。何に興味を持ち、それをどうするかはお子さんに全て任せてあげましょう。口出ししないことは、ママたちにはちょっと勇気がいるかもしれません。でも、グッとこらえて見守っていると、子どもの思わぬ発想にこちらが驚かされることもよくありますよ』つまり、オイリュトミーなど有名な方法論を知って、その形だけをなぞっても意味がないということですね。そういった各方法論の裏側にある理念をよく理解し、無理のない形で実践していくことこそが重要なのでしょう。----------いかがでしたか?今回G先生に伺った「ゆるシュタイナー教育法」は、特別で特殊な子育て方法ではありませんでした。むしろ、わが国の昔ながらの子育てに通じるところが多くあったように感じます。生活に無理のない範囲で取り入れていくと、子どもたちの豊かな成長と自立を促すことができるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年06月30日小学校教育に新たな波がおとずれます。2020年より英語学習を前倒しする「早期化」と、5年生からの英語教育が成績のつく科目としての「教科化」がスタートすることになりました。英語が必要な時代が来ているとはいえ、この2点について親たちはどう考えているのでしょうか?Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?1.賛成 72.6%2.反対 7.2%3.わからない・どちらともいえない 20.2%小学校の英語教育「早期化」「教科化」に賛成という声が72.6%と大多数という結果になりました。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには英語は必須と考える親が多くいるようです。■日常会話くらいは英語で話せる人に日本にもどんどん外国人が来るようになりますし、これから大人になるまでに海外に行くこともあると思います。そんなときにも日常会話くらいは英語で話せるようになってほしいというのが親の希望。そのための教育なのであれば賛成という声が多数です。「世界的に必要なこと。他国は母国語と英語、両方教えるのが普通」(東京都 40代女性)「日本語的英語ではなく、英会話力を伸ばしてほしいと思っています。聞き取った英語を素直に口に出せるようになったら最高だと思います」(佐賀県 40代女性)「英語に早くから親しむという点ではいいと思います。ネイティブの先生と英会話を経験する授業なら、導入としてはいいかもしれませんね」(千葉県 50代女性)■日本人なのだから英語よりもまずは国語反対派の多数の意見は、英語教育の前に日本語教育を学ぶべきというもの。美しい日本語や漢字などをしっかり学んでから英語を学んでも遅くはないという声や、学校の教員の英語レベルが気になるという声もありました。「単純に教科が増えるとすれば、他の教科がおろそかになる。PCやタブレットを使うために漢字の読み書きができない子が増えている。英語に力を入れるまえにもっとやらなければいけない課題がある」(静岡県 40代男性)「それ以前に日本人として正しい日本語を身につけさせることの方が重要なのではないかと思うのは私だけでしょうか?」(神奈川県 50代女性)■英語の早期教育のメリットとは音や発音は小さいうちにやったほうが効率的であることはすでにわかっています。苦手意識を持つまえに、自然と英語に触れて、話すことで英語力がついていくのが理想的。それが果たして小学校教育でできるのかが問題のようです。「英語教育は早ければ早いほど、国語と同じように自然に覚えられる利点があります。しかし、小学校教員の英語力には課題があるのが現状。映像やタブレット端末などを使用して、小学生のうちに日常会話には困らないようになってほしいです」(神奈川県 40代女性)Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?アンケート回答数:6408件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年06月06日ママ友づきあいは難しく、気疲れしてしまうもの。その大きな理由のひとつに、お互いの価値感や教育方針の違いがあるのではないでしょうか。子育てにおいて大事にしているポイントは人それぞれ。少しの違いならいいけれど、あまりにも自分とズレていると、接していて苛立ちが募ってきてしまいます。今回は子育て中のママたちに、そんなイライラ体験を聞いてみました。どんな相手に対し、どのような感情を持ってしまうのでしょうか。さっそく見ていきましょう!●(1)叱らない子育てママVS叱りすぎママ“ママ友界の水と油”ともいえるほど、絶対に相容れることのないふたつ。それが、“叱らない子育てママ”と“叱りすぎママ”です。今回もたくさんのイライラ体験談が寄せられました。『友だちのオモチャを横取りしてようが、滑り台を逆走してようが、ブランコに割り込みしようが、絶対に子どもを叱らないママがいます。遠くから「あらあら、ダメよ〜。うふふ」なんて延々やってるだけ。極めつけはその子が、うちの子を突き飛ばして泣かせたときです。「お友だちを突き飛ばしたくなっちゃうくらいイヤなことがあったんだね。辛かったよね。何があったか、ママにお話してごらん?」だって。叱らない上に、泣いてるうちの子への謝罪は全くなし 。イラつきすぎて気が狂うかと思った』(30代女性/3歳男の子のママ)『お子さんのやることなすこと全てに口出しをして、ガミガミ叱ってばかりのママさんがいるんですよね。一緒にランチでも行こうものなら大変です。こぼすな、ちゃんと食べろ、前を向け、クチャクチャするな、残すな、騒ぐな、席を立つな……ずーっと叱りっぱなし。大きな声で怒鳴りつけるから、うちの子まで萎縮しちゃってかわいそうになります』(40代女性/5歳女の子のママ)●(2)ナチュラリストママVSジャンク大好きママ出産を契機に、ナチュラル志向に転向するママも少なくありません。ある程度なら理解できますが、行き過ぎると厳しいものがあります。『学生時代からの親友。同じ時期に妊娠、出産してお互い喜んでいたんですけど……彼女、子どもを産んだとたん超ナチュラリストになっちゃったんです。うちの子の服をかいで「合成洗剤使ってるなんてありえない!洗濯は石けんでしないとダメだよ」と言ったり、「予防注射は受けるな」っていう長文LINEを送りつけてきたり、わが家の哺乳びんセットを見て「親なら、完全母乳で育てるべき 」って熱弁したり。ランチに誘っても「その店の食べ物って安全なの?」とかいい出して店が決まりません。ほんとにイライラします』(20代女性/1歳男の子のママ)いっぽうで、あまりにも大らかすぎるママ友にイラつく人もいるようです。『子だくさんの肝っ玉系ママがいるんですけど、一番下の子の子育てが雑すぎて見ていられません。まだ1歳なのに、上の子と一緒にファストフード店のポテトを食べさせてる。グズりそうになったらすぐお菓子かスマホ。一緒にいるうちの子もマネしたがるから、ほんとにやめてほしいです』(30代女性/1歳男の子のママ)●(3)泥んこ放置ママVSガリ勉教育ママ『「子どもは遊ぶのが本分!」と豪語するママ友。たしかにそうだけど、ちょっと度を越している。もう高学年なのに習い事の一つもさせず、学校が終わったあとはひたすら近所で遊ばせてるんです。その子は土日でも構わず「遊ぼう」ってわが家に来ます。突然来られても困るし、うちの子は毎週末塾のテストがあるから無理だよと断ったら、「あそこの家は教育ママ。子どもがかわいそうだよね」ってヒソヒソされた』(30代女性/小学生男の子のママ)『産院でできたママ友。和やかな方だったし、波長もあって仲良くしていたんです。でも、お子さんが小学校受験をすることになり、人格が変わってしまいました。まだ5歳の子に1日50枚以上の学習プリントをさせる 。夕食後、真っ暗な中で縄跳びの特訓をさせる。毎日塾に行き、寝かすのは夜遅く。勉強の邪魔になるといって、下の子は認可外保育園に朝9時から夜8時まで預けっぱなし。お昼ごはんも夜ごはんも保育園で済まさせてます。公立小学校に行くわが家のことを見下すような発言もあって、マウンティングされてるのかなあと思います』(30代女性/5歳女の子のママ)----------いかがでしたか?子育てをしていれば、価値感が違うママ友とは必ず遭遇します。そんなとき不必要にイラつかないためには、物理的な距離を取ることが一番の解決策です。基本的には、なるべく会わないように手をつくしましょう。子どもが寂しがると思うかもしれませんが、不安定でイライラしているママの姿を見せるほうが悪影響です。同時に、心理的な距離もとっておきたいですね。SNSを退会する、メールアドレスを削除する、趣味や仕事に没頭するなど、さまざまな方法があるはずです。いずれにしても、ママ友と深く関わるのは人生においてほんの短い期間だけ。無用に翻弄され疲れ果て、家族に辛くあたるのは賢いママとはいえません。ときには潔く切り捨て、自分にとって本当に大事なものを守っていくほうがずっと賢明ではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/坂井由有紀(央将くん)、貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年03月28日尾木ママが語る「子どもを学校に行かせたらいけないとき」 の続きです“尾木ママ”の愛称で知られる、尾木直樹さんが、 『取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと』 という本を出版しました。尾木ママは、この本の中で、「親御さんご自身が、『いま、世界の教育はどうなっているのだろうか?』という視点を持ってほしい」と力説します。■高校入試をしているのは、日本だけ―― 「世界の教育状況の把握」と言われても、日々の生活に追われて、ピンときませんが…。毎日の生活をまわしていかなければいけないママたちの、そういう感覚も、もちろんわかります。でも、だからこそ、今回出版させていただいた本を読んで、「そういうことを考えてみる時間」を、少しでも持ってほしいと思います。先進国の中で、一斉指導(※1)をメインに実施しているのは、日本くらいです。いま、世界の多くの国が、一人ひとりの子どもに合った、「個別教育」をする時代に入っています。「日本の教育体制の遅れ」が如実に出ているのが、「アジア大学ランキング 2016」(※2)。東京大学は首位陥落という事態に陥っています。東京大学は、アジアでは調査開始以来3年連続首位をキープしていたけど、2016年度には7位。これは、ものすごい衝撃的な話。世界的にみて「日本の教育への評価」は、急降下しているんです。※1 日本の小学校、中学校では最もポピュラーな授業の形態。 教師が一人で、大勢の児童・生徒に対して授業をするというもの。※2 アジア大学ランキング(英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)発表)―― 御著書では、「親が意識を変えていかなければ!」と、強くおっしゃっています。高校入試をやっているのは、世界的にみてもじつはめずらしいのです。大学入試すらない国も多くあります 。高校入試の何が問題かというと、高校入試をすると、高校をランキングしてしまうことになります。ランキングが30段階あれば、1位の学校がある一方で、30位の学校もできてしまう。学校が序列化されることで格差が生まれてくるんです。 本にも書きましたが、オランダでは、高校卒業資格を取得していれば、どの大学にも入れる仕組みになっています。たとえば医学部の入学試験も抽選だそう。それでも医療の質は高いといわれています。■日本の小中学校に「留年」がない理由―― どうしてほかの国では入試がなくても問題ないのでしょうか?他国では、「高校の卒業証書がある」ということは、「高校卒業程度の学力をしっかり保証しますよ」という意味なんです。義務教育で留年をさせたら、国家としてお金がかかります。けれどもほかの国では、「留年させてでも、これだけの力はつけさせますよ」と、国が責任を持って教育を保障しようというのが常識なんです。―― 日本では“わが子が落ちこぼれないように”と親が必死になりますが、ほかの国では異なるんですね。日本の小中学校は学年制で事実上留年がなく、学力や生活能力が基準に満たなかったとしても、とりあえず進級や卒業を許可してしまいます。でも、理解できない子にはわかるまで教えるのが本来の教育であり、国の役割です。さらに、今の日本の状況では、「留年すること」=「落ちこぼれ」のレッテルを貼ることにもつながりかねず、このことがいじめや不登校の原因になってしまうおそれもあります。こういう、教育の責任は家庭や子どもにあるという考え方自体、本当は間違っているんです。親御さんには、このことをきちんと認識していただき、もっと国が教育に力を入れていくべきということにも声を上げてほしいと思います。■「教育」の定義がガラリと変わる!―― そんな状況の中、子育て最前線にいる日本のママたちはどうしたら良いんでしょうか?まずは、いま、世界的にみると「教育」に対しての定義が変わってきているという状況を知ることですね。その国の教育水準を測る目安になる国際的な学力調査(※3)があるのですが、2018年から新たな内容が加わります。知識・情報を活用する力や、広い視野で物事を分析する力、多様性を認めて他人と協力し合う力、柔軟な対応能力などが重視されていく予定です。日本の場合、「学力が高い」というと、「どれだけ知識をインプットして、それをどれだけ正しくアウトプットできるか?」というイメージが強い。もちろん、それも大事な力です。でも、国際的な視点で考えてみると、今後子どもたちが社会を生き抜く中で求められるのはまったく違う力になってきているんです。ママたちは、そういう状況を知ることから始めましょう。日本の教育も変わろうとしています。わかりやすい例でいえば、2020年の大学入試の「センター試験廃止」。県立の高校入試問題でも、すでに問題の傾向が昨年から変わってきています。※3 経済協力開発機構(OECD)が実施した学習到達度調査(PISA=ピザ)―― 今後は、入試問題でどういったことを問われるようになっているのですか?たとえば、ある課題を出されます。そして、「この課題を、友だち3人で解決するためにどうすればいいのでしょうか?」という問題が出るわけです。■「キー・コンピテンシー」というキーワード―― 「私自身が受けてきた教育」とは違いすぎて、理解が難しいです…。たしかに、ママ世代が受けてきた教育とはまったく別物なので、伝わりづらい感覚だと思います。人は、どうしても「自分が経験したこと」をベースに物事を考えてしまいますからね。ですから、今日は、これからの教育を理解するためのキーワードを、ひとつお伝えしましょう。それは、「キー・コンピテンシー」です。―― 「キー・コンピテンシー」って、何ですか?言葉にして説明するなら、「状況を分析し、他人に論理的に説明し、情報を批判的に捉える能力、さまざまな分野の知識をつなぎ合わせて、問題解決に導いていく能力」です。いままでの、「テストで簡単に測れる能力」は、どんどん必要なくなっていくんです。もっと詳しい説明は、ぜひ、僕の本を読んでくださいね(笑)!つまり、わが子を「指示待ち人間でない大人」にするために、何が必要か? という話です。答えがひとつではないことにどう対応していけるか、どう状況を切り開いていくか、どう問題解決していけるか? そこが問われていくことになるんです。わが子を「指示待ち人間でない大人」にするために、何が必要なのか? そのためには、これからの入試で問われることを知ることから始める必要があるようです。次回は、尾木ママが語る「親は『アクティブ・ラーニング』を勘違いしている」です。この記事は2017年2月の取材に基づいて書いています。■今回取材にご協力頂いた“尾木ママ”こと尾木直樹さんの著書 『取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと』 尾木直樹 著/講談社 ¥840(税別)尾木直樹さん プロフィール“尾木ママ”の愛称で親しまれる教育評論家、前法政大学教授。「子育てと教育は“愛とロマン”」をモットーに、ユニークで創造的な教育実践を展開。講演会活動、メディア出演、執筆活動など幅広く活躍中。尾木ママ オフィシャルブログ:
2017年03月24日彼女とのお付き合いが長くなってくると、男性も自然と結婚や子どもについて考え出すようです。でも日ごろから彼女に「教育ママになりそうな要素」が見え隠れしていると、なんとなくプロポーズもためらってしまうんだとか。そこで今回は「『この子教育ママになりそう・・・』と構えてしまう女性の言動」について20代男性にリサーチしてみました。■1.ブランド主義「俺の彼女はハイブランド志向。服やバッグにもこだわりが強いみたい。そういう女子ってきっと子どもにも良いものをって考えそうだよね。子どもが小さいうちから英才教育とかさせたがりそうな気がする・・・。」(27歳/営業)日ごろから高級志向の強い女性は、何となく自分の子どもにも同じような考えで接しそうですよね。子ども服などの外見を気にするのはもちろん、学歴や教育方法もブランド志向でせめてきそう。「子どもは自由にのびのび育てたい」と考えている男性からすると、ちょっと窮屈さを感じてしまうかも・・・。男性が身構えてしまいそうなブランド主義はほどほどにしましょう。■2.小さなことを気にする「別に浮気していないのに女性と話すのを嫌がるとか、LINEの返信が遅いと極端に怒るとか・・・。小さいことをすごい気にする女性って、子どもにも自分の価値観を押し付けそう。」(28歳/貿易)きっと彼への態度から、子どもに対しても「あれもダメこれもダメ」と厳しくしつけているイメージがついてしまうんでしょうね。そうすると自分ではそんなつもりがなくても、必然的に「教育ママっぽい」と彼から思われてしまうのかも。何でも神経質になるのではなく、大らかな気持ちで彼に接するのが良さそうです。■3.「最近の親」をやけにけなす「店や公共の場で騒いでいる子どもを見て、『これだから最近の親は・・・』とグチる彼女。言いたいことはわからなくもないけれど、子どもなんだからある程度騒ぐのは仕方ないと思うんだよね。そういうことを許せない彼女は、きっとすごい教育ママになるんだろうなと思う。」(24歳/保険)ちょっと騒がしい子どもを見ると、条件反射で「これだから最近の親はダメなんだよ」なんて考えてしまう人はいませんか?でもそれってもしかしたら教育ママ予備軍なのかも・・・。自分の子どもをしっかり育てたいと思うことは大事ですが、実際は親になってみないとわからないこともたくさんあるはず。「最近の親」とひとくくりにしてけなすのではなく、心の中で「私はもっと○○なお母さんになりたいな」と想像するぐらいがちょうど良いのかも。■4.自分へのコンプレックスが強い「彼女は金銭的な都合で、習い事を途中でやめさせられてしまったそうなんです。『あのときやめていなければ違う人生があったのに・・・』『子どもが生まれたら私の夢を引き継いでもらう』と言っているのですが、俺的には正直微妙・・・。子どもの人生を親が決めるのは間違っていると思う。」(25歳/広告)「小さいときにもっとこうしておけば良かった・・・」というコンプレックスが強い女性ほど、教育ママになりそうだとの意見が。「自分のような辛い思いをしてほしくない」「子どもに自分の夢を託したい」という気持ちもわかりますが、子どものことを考えたらそれってただのエゴなのかも・・・。彼もあなたの必死さに引いてしまう可能性があるので、勝手に子どもの未来予想図を立てるのはやめるべきでしょう。■おわりに彼から「教育ママになりそう」と思われてしまうと、おのずと結婚も遠のいてしまうでしょう。たまには彼の理想の子育てプランも聞いてみるのが良いかもしれないですね。(和/ライター)(ハウコレ編集部)
2017年02月01日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日育児の「不要なもの」を捨てるとは 「ほかの子と比べたくなる」気持ちに悩まない ママの『こうすればよかった』を投影しない の続きです。心配で、子どものことを囲いこみたくなるママ。そんなママの奥底にある気持ちについて、「 花まる学習会 」代表の高濱正伸さんに伺った。しない4:「心配する生きものである」自分を否定しない「ママとは心配する生きものです。子どものことが心配で、心配でたまらないというのは、ママになって初めてわかる感情なのかもしれませんね」と、高濱さん。「心配する」生きものであるなら、「心配しない」というのは無理。だからこそ、自分を客観視した上で、「ママとは、心配事が次々に出てくるものだ」と心に留めておくだけでも、気持ちが少し楽になるかもしれない。「『自分が心配し過ぎているな』と思ったら、信頼できる誰かに、その心配事を話してみてください。『それは、心配しすぎだよー』という周りからのひとことで、すっと心が軽くなれば、また新しい一日を迎えられます」(高濱さん)しない5:「いやなこと」を完全ブロックしない「子どもが心配で大事に育てるあまりに、安全な場所に囲いすぎて、反対に子どもを弱らせてしまうこともあるんですよ」という高濱さんの言葉に、この記事を書いている私は、ドキっとする。 次男に発達障害がある せいか、どうしても、息子を安全な場に囲い込みたくなるからだ。親から見るととてもつらいことで、できるならば避けて通らせてあげたい経験はたくさんある。なぜなら、子どもが大変な思いをしているのを見るのが悲しくならないママはいないから。「でも、その経験がその子の将来のためになります。子ども時代にいやな経験をひととおりしているからこそ、大人になったときに人の痛みを理解することができるようになるし、逆境でも『やるしかない』と思え、耐性がつくのです。少しのことではめげない心の強さを身につけることができます」(高濱さん)しない6:親の安心感のためだけに、先回りの教育をしない子どもを「いやなこと」から回避させたいという私の気持ちは、相当強いものだ。痛い思いはさせたくないし、失敗だってしてほしくない。「その思いが強いと、次々と先回りをして、ママがすべての準備を整えてしまいがち。そうすると、どんどん、その子の考える力は奪われてしまいます」(高濱さん)高濱さんは、続ける。 「たとえば、人間関係。乱暴者もいるし、意地悪な人もいる。立派なことを言いすぎてしまう人もいる。教科書どおりが通用しない環境で、生身の人間のコミュニケーションを、子ども時代にたくさん経験しておかなくてはいけない。ところが親が理想だけで『そういうことをすると嫌われるよ』と常に先回りしていると、子どもの試行錯誤の経験を奪ってしまいます」(高濱さん)。「先回りするのは、親が安心したいから」。この部分について、もうひとつ、高濱さんが警告を鳴らすのが先回りしすぎる教育について。「わが子がほかの子よりも先にいると、『親の自分が安心できる』というのが落とし穴です」(高濱さん)小学校6年生になったら並ぶ力であるにも関わらず、少しでも早く身につけた方が親は安心するというだけで、幼児期に詰め込みすぎてしまう場合がよくあるという。「結果、子どもは、いろいろなことに対して伸びるはずの適切な時期を失ってしまうのです」(高濱さん)子ども自身も、最初のうちは「ほかの子よりできる」ことが自慢で勉強が得意と思っているかもしれない。しかしそれは表面的にできるようになっただけ。しだいに「あと伸び」してきた子どもたちに抜かされてしまい、そこで自信を失ってしまう場合もあるそうだ。「先回りの教育を与えていると、親はまったく悪気なく、一番大切なことを見落としてしまうこともあるのです」(高濱さん)次回は、『「○○しなくちゃ!」にとらわれない』の話です。■今回取材を受けてくださった高濱正伸さんの著書『 「しない」子育て」 (花まる学習会代表 高濱正伸/KKベストセラーズ)』(本体1,250円+税)●高濱正伸花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。 1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。算数オリンピック委員会理事。 保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30,000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。「情熱大陸」「カンブリア宮殿」など多数メディア出演もしている。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳なぞぺー』など、著書多数。2016年7月からニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカーとして活躍中。
2017年01月05日学校内で起こる問題はさまざまあります。中にはニュースで報道されるような悪質ないじめなどにより、怪我や心の傷を子どもが負ってしまうケースも。いっそ警察に入ってもらえばいいのではと考えることもありますが、教育現場に警察が介入することについてどう思うか、パパやママたちに聞いてみました。Q.教育現場の警察介入どう思いますか?1.警察の介入はすべきではない 3.2%2.状況により警察の介入を容認 76.3%3.警察の介入を進めていく 9.6%4.学校と地域社会と連携して対応 9.4%5.その他・わからない 1.4%なんと76.3%の人が、状況により警察が介入してもいいと思っているという回答になりました。悪質ないじめなどにより、悲しい事件が報道されることもある今、事件が起こってからでは遅いと危機感を感じている親が多いようです。■悪いことをしたら罰を受けるのが社会学校であれば何をしても大ごとにはならないと思っている子どもには、しっかり自分がしたことを見つめてもらうためにも警察の介入は仕方がないと考える人たちが多数派でした。「教育的配慮とかまた子どもに気を遣いすぎている感が否めない。真面目に過ごしている生徒を守るためにも、どうしようもない不良は警察沙汰にするべきです。それも教育だと思います。社会に出たら通用しないんですから」(神奈川県 40代女性)「傷害未遂事件、殺害未遂事件の現場が学校だった。いじめってそういうものではないでしょうか?学校だからといっていじめっ子が守られるのはおかしい。警察に入ってもらって、ことの重大さを気づかせることも必要だと思います」(鳥取県 40代女性)「体罰が全面的に禁止されている今、歯止めがきかない場合は警察が入るのも仕方がない。また地域社会の付き合いが希薄になっている現代では、地域社会との連携も難しいのでは」(広島県 40代女性)■学校は社会に出る前の準備期間の場一方で学校は社会に出るための場所であるので、警察の介入は賛成できないという人も少数派ながらいました。とはいっても、そんな人たちも今の時代の流れを感じて葛藤しているようです。「学校のことをどこか小さな自治領のようなイメージを持っていたため、警察の介入については違和感があるのです。本来なら、学校単位でおさめていたわけですものね。釈然としないのですが、しょうがないのでしょうかね」(神奈川県 40代女性)「その子の将来を左右することになるので、簡単に賛成はできません」(静岡県 30代女性)「本当は警察を介入させたく無い。学校は社会に出るための準備をする場所。そこにいる子どもは親や教師が教育して、社会に送り出す。社会に出たら社会のルールを守り、それを警察が取り締まる。もう親も教師も子どもの教育なんて無理っていう敗北宣言ですかね」(神奈川県 30代男性)■暴力だけでなく窃盗事件も警察介入を容認すると答えた人の中には暴力事件だけでなく、窃盗事件の問題についてを挙げる人もいました。犯人探しをしない学校、犯人がわかっていても放任する学校に親たちのイライラがつのっています。「この間から息子の学校で、持ち物の盗難が相次いでいるようですが、犯人を探すこともせず、そのまま放置のようです。子供たちも不審に思っているようで、教育上よくないと思います」(千葉県 40代女性)「今学校では、物がなくなったり壊されたりと我が家の娘も被害者です。一歩外に出たら、当然警察に捕まるようなことも学校の中ではなんとなくもみ消されてしまいます。学校の体面を考えてのことなのか、犯人を特定してくれず、先生が謝るだけで終わりです。上履きが盗まれても、ラケットが折られても、結局はやられたもの負け!」(神奈川県 40代女性)Q.教育現場の警察介入どう思いますか?アンケート回答数:4283件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年12月28日住宅費と同じくらいお金がかかるのが、子どもの教育費。中でも学資保険に加入している人は多くいると思います。子どもが生まれて忙しいし、ちょっと落ち着いてから……なんて考えていると、あっという間に月々の支払額は高額に。妊娠中から考えておきたい「学資保険」について、先輩ママたちに調査しました。Q. 学資保険、入ってる?1.加入している・加入する予定 67.2%2.加入していない・加入しない予定 30.1%3.わからない・どちらとも言えない 2.7%67.2%が学資保険に加入している・加入する予定という結果になりました。学資保険は生まれてすぐに入った方が、毎月の保険料も安くおさえられることが多いので妊娠中から考える人もいるようです。■学資保険なら強制的に貯められる学資保険のメリットはいろいろありますが、多く声があったのが「強制的に貯められるから」というもの。貯蓄に自身がない人や、ついつい使ってしまう人は学資保険の方が確実に貯められそうです。「4人ともかけています。でも、ものすごく家計にひびきます……。でもきちんと貯金できるタイプじゃないので、無理にでも取っていってもらえるとあとあといいのかな」(鳥取県 30代女性)「学資保険は契約者が万が一亡くなったりした場合は、保険料免除になり、保険はそのまま継続できると聞いたので、銀行に預けるより良いかなと思い、娘が0歳のときに入って今16年目。強制的に引かれてなんとか続けることができました!あと2年」(神奈川県 40代女性)「二人とも生まれたときに入りました。お金にあまり余裕はありませんが、貯金しようと思ってもなかなかできないので思い切って入りました。でも、学資保険だけの金額では大学に入れるのには足りないし、卒業まで学費を払い続けられるのか不安です」(千葉県 30代女性)■お金がなくて学資保険は入れなかった!学資保険に入らなかったという人の理由の多くが、お金がなくて入れなかったというものでした。途中で解約すると損をすることになってしまうので、別口座に少額でもいいので貯金をしていくのもいいですね。「余裕がなくて入っていません。お金のない人ほど入っておいた方がいいだろうに……」(神奈川県 40代女性)「お金があれば入ってたかも。将来のことより今が大事だった」(神奈川県 40代女性)「学資保険入りたかったけど、お金がなくて入れませんでした。やっと払えるようになって見積もりをもらったらとんでもない額でした。生まれてすぐに入らないと保険料が考えていた3倍!」(千葉県 40代女性)「入っていない代わりに通帳を作って貯金をしている。毎月子どもの生まれた日に」(千葉県 40代女性)■厳しいときこそ一括払いで確保一括払いという方法もあります。祖父母からの誕生祝いを全て一括で学資保険にしたという人もいました。確実に子どものために使えるように、家計が厳しいときや不安なときこそ確保しておくのも1つの方法です。「子どもが生後8ヶ月のときに母子家庭になり、この先お金もどうなるかわからなかったので、思い切って一括で入りました。そのお金だけでは全然足りないだろうけど、貯めようと思っても難しいので、少しでも足しになればと思っています」(茨城県 30代女性)Q.学資保険、入ってる?アンケート回答数:4933件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年12月21日ゆとり教育を受けたとされる世代は、現在29〜12歳の人たちと言われています。その世代の子どもを持つ親たちは、学校で教えなくなった勉強を家庭や塾で補ったりした人も多いようです。また、いくらゆとり教育といっても逃れられないのが大学受験。多くの壁にぶつかることになったのは、子どもたちのほうかもしれません。Q.ゆとり教育、結果的に良かったと思う?1.良かったと思う 4.3%2.どちらかと言えば良かったと思う 6.6%3.どちらかと言えば良くなかったと思う 33.6%4.良くなかったと思う 41.2%5.わからない・どちらとも言えない 14.3%「良くなかった」と「どちらかと言えば良くなかったと思う」を合計すると74.8%にもなり、多くの人がゆとり教育に否定的な意見のようです。みなさんがどのような理由で、ゆとり教育に反対しているのか聞いてみましょう。■ゆとり教育のしわ寄せは子どもたちへ大人たちが決めた「ゆとり教育」ですが、その教育を受けるのは子どもたち。そして、苦労するのももちろん子どもたちということになります。教育の格差が生まれたり、その格差によって将来、就職ができないなどにつながることもあるかもしれません。「ゆとり世代の人と一緒に働くとイライラする。そんな人いませんか?」(神奈川県 40代女性)「そこそこのレベル以上の高校や大学に進学したい場合、通用しませんから、どこかでゆとりにされた部分を自分で補っていかなくてはなりません。特に大学受験での大きな苦労はまぬがれません。国の政策には疑問ばかりです」(神奈川県 40代女性)「疑問だらけのゆとり教育。いちばん苦労するのはそのゆとり教育を受けた子どもたち」(北海道 40代女性)「塾や習い事など学校以外の活動に力をそそげる家庭と、生活だけで精一杯な家庭により子どもの格差が広がったと思う。ゆとり教育の場合、貧困層の家庭では十分な学習ができない。家庭環境による子どもの格差を生んだ元凶だ思う」(神奈川県 40代女性)■ゆとりも詰め込みもどちらにもデメリットはあるゆとり教育が良くなかったとして、ではそれ以前の詰め込み教育が良かったのかというとそれもまた疑問。両方経験した今、何が子どもたちにとっていいことなのかを改めて考えるときなのかもしれません。「いいこともあればそうでないことも。考え方で変わると思うのでどちらでもありません」(三重県 30代女性)「ゆとりはいいと思うけど、なぜゆとりにするのかをもっと周知するべきじゃないのかと思った。ただの突き放しとしか感じられない」(島根県 30代女性)「『詰め込み』と『ゆとり』、どちらも良い点と悪い点があるとわかったのだから、それを生かせるような選択をしたい。偏らずに選択していくことで、個性を生かして他を認めることを学んでいってほしい」(神奈川県 50代女性)■どんな時代も生き抜けるたくましさを身につけるもちろん学校教育だけが子どもの成長に影響を与えるものではありません。時代の流れが早い現代だからこそ、どんな時代でも、柔軟にたくましく対応できる大人になってほしいというのが、今どきの親の共通した思いなのかもしれません。「長男はゆとり始まり世代。次女はゆとり終わり世代。授業内容は激変したように感じますが、学力低下やコミュニケーション能力低下は学校教育だけの責任ではないと感じています。時代の変化に対応できるたくましい子どもに育ってほしいです」(鹿児島県 40代女性)Q.ゆとり教育、結果的に良かったと思う?アンケート回答数:5148件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年12月09日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。教育業界では、これまでの教科的な教育を超えて、プログラミング教育や表現力を高める教育など、数々の新しい取り組みが始められています。最近では、幼児段階での取り組みも多くみられるようになりました。今回は“感性教育”についてお伝えしたいと思います。●感性教育とは?“感性教育”とは、明確な定義はありませんが、子どもの感性を育む教育のことです。“感性を育てる”とは、ものの感じ方を育てる ことです。感性そのものに正解や間違いはありません。『Nikon』が行った「こどもの感性教育に関する調査」では、興味深いことがわかりました。約9割以上のママが「感性教育は重要である」と考えている一方で、7割以上が「感性がどのように伸びるかを知らない」と回答しているのです。これは、感性が可視化できないために、教育方法が難しく、成長実感を得にくい ことと関連しています。特に、幼児は言語の力(話し言葉、書き言葉)がまだ乏しく、感じたことを絵や創作物で表現できるほど巧緻性(器用さ)が発達していません。そのため、子どもが瞬発的に感じたこと、直感で感じたことを表現するのが難しいのです。教育の分野では、感性の重要性が指摘されるものの、伸ばし方は課題のひとつになっています。●感性の伸ばし方子どもの感性を伸ばすためにおススメの方法を3つご紹介します。●(1)五感で季節を感じる五感とは、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚です。これは経験したことに起因するため、一気に育てようと思ってもなかなか難しい感覚です。日々の生活の中でも、ちょっとしたことで感性は育ちます。四季折々に、自宅の周囲でも景色が変わります。「夏に緑だった葉っぱが今は黄色だね。この後、どんな色になるかな?」「あんなに暑かったのに、今は寒くてほっぺが赤くなるね」など、親が感じたことを子どもに声掛けしてみましょう。子どもも素直にいろいろと感じてくれますよ。●(2)生き物や植物を育てる生死を教えることは難しく、子ども自身が参加してみて初めて気づくことも多いです。おススメなのが、生き物や植物を育てること。マンションなどの住宅事情もありますので、必ずしも大きな生き物でなくてもいいのです。例えば公園で見つけたダンゴ虫を飼ってみる、ヒヤシンスを育ててみるなど、ちょっとした工夫で子どもの感性を伸ばすことができます。筆者の例として、金魚すくいでとった金魚を飼っていました。子どもは図鑑で調べ、一生懸命に世話をしていましたが、ほどなく死んでしまいました。もちろん大泣きで、お別れの言葉まで述べて、お墓を作り埋めました。悲しい現実ではありますが、命と対峙する というかけがえのない経験と感性を育めたと思います。●(3)一緒に食事を作る子どもが2歳くらいになると、ちぎる、割く、こねるなどの作業ができるようになります。徐々に包丁などの道具も使えるようになるので、親子で一緒に食事を作るのも効果的です。食材の色や形、切り口、感触に味、調理したときに変わっていく形や色。味の変化はまるで実験だと思います。合わせて、食材の生産などにも触れれば、子どもは一段上のものの感じ方を身につけると思います。----------幼児の感性を可視化するのは難しいとお伝えしました。最後に、筆者がやっている方法のひとつをご紹介します。筆者は子どもにお古のカメラを持たせて、好きなように撮影させています。子ども自身が撮影を通して、発見や感動を写真として記録できます。カメラを近づけたり離したりと好きなように操って、あちこち動き回り、新たな発見を促すこともできます。カメラは、子どもが五感で感じた好奇心や感動の瞬間を表出させる一つの手だて として有効です。親としても、子どもが感じている視点を写真として確認でき、アドバイスをしたり、認めたりして感性の成長に繋がります。何よりも、このようなコミュニケーションが、子どもの社会性を育み、感性の成長を後押しするのかもしれませんね。【参考リンク】・ニコンイメージングジャパン、「こどもの教育に関する意識調査」を発表 こどもの育て方について「感性」を重視する母親は73.5% | 株式会社ニコンイメージングジャパン()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2016年11月24日犬猫だけでなく、鳥や魚、は虫類とペットの種類はさまざまですが、子どもの情操教育に良いという話はよく聞きます。いきものがいる日常生活は、子どもやママ、そして家族全体をどのように変えていくのでしょうか? ペットと過ごした経験のあるママたちがみた実際の経験と感想を紹介します。■初めてペットが我が家にやってきた!初めてのペットはまさに、未知との遭遇。触ったり観察したり、とにかく興味が尽きません。「おいしそうにごはんを食べてる!」「がんばってウンチしてる!」「寝顔がかわいい!」などなど、すべてが驚きであり、感動です。やることなすこと全部がうれしくて、いとおしくて、ずっと一緒にいたい、大事にしたいという、強い愛情が生まれます。しかし、子どもは、えてして飽きっぽいもの。最初のときこそ強い執着を見せても、やがてはそれもひと段落。ガクンと興味が薄れることも珍しくありません。それどこかろか邪魔者扱いし始める場合も…。そんな子どもを持つママたちの体験談がコチラ。・「最初は、『言葉を教えてあげる!』と、インコにひんぱんに話しかけていたのに、しばらくしたら、カゴの前を通っても知らんぷり。挙句の果てには、『リビングが鳥臭い!』とブチブチ文句まで言うように…」(20代後半)・「子犬がひどい下痢に。心配したり片づけしたり、病院に連れて行ったり…。私が丸一日子犬にかかりっきりになっていたら、4歳の我が子がまさかの赤ちゃん返り! 私にべったりになってしまい、弟のようにかわいがっていた子犬にキツく当たるように…」(30代後半)■飼育の本番とはいきものたちのリアルな姿に、恐怖心や嫌悪感を抱いてしまうこともあるそう。・「娘のしつこい態度に猫が怒って爪で一撃。初めて見せた獣の顔に、大ショック。すぐには状況を把握できず、しばらく硬直していた」(20代後半)・「魚の共食い現場にあ然。死んで仰向けに浮かぶ姿にぼう然。『気持ち悪い』と、しばらく水槽に近づかなかった」(30代前半)飽きたり面倒くさがったり、怖がったり…。でも、子どもといきものとの間に、距離ができてからが飼育の本番です。ペットはかわいいだけじゃない…。そう気づくことこそがもっとも大きな学びであり、揺るぎない愛情への第一歩となります。■責任と義務が子どもを大きく成長させる!興味や愛情が薄れても、相手はいのちある存在。放置できません。「一度受け入れた以上は、何があっても世話をする。」ペットを飼う上で課せられる義務に葛藤するなかで、子どもは大きく成長できると思います。・「梅雨時、犬が皮膚病にかかってしまい脱毛に。手入れを任されていた子どもは『ぼくがブラッシングをサボったからだ』と勝手に反省。それ以来、『自分がやらないと犬が大変なことになってしまう!』と、イヤイヤだった作業を率先して行うように」(30代後半)・「2、3日留守にして家に戻ったら、水槽の中でメダカが死んでいた。もともと弱っていたメダカだったのだけど、子どもはその出来事に衝撃を受けたようで、以来、泊りがけで出かけたがらなくなった」(30代前半)自分がいなければ、自分がやらなければ…。どんなに幼くても、いのちを意識したら責任感が湧いてきます。ペットを育てるのはとかく面倒なことも伴いますが、でもそこに、思いやりや心からの愛を育むきっかけがあるのです。■ペットの存在は家庭円満に!ペットの存在は、子どもだけでなくママにとってもメリット大。ペットの世話の大半を担い、一番大変ではあるからこそ、ママが得るものも大きいのだそう。・「ごはんを準備したり身の回りの世話をしたりする私を、誰よりも一番信頼してくれている。なついたり甘えられたりすると、すごくうれしくて、こころ癒やされる」(30代後半)・「わかりやすく叱らないと伝わらない、こちらがブレるとナメられる。犬のしつけで苦労したことで、我が子に対しても一貫した言動をとれるようになった!」(40代前半)・「ペットの日々の様子や世話など、母子の話題が尽きない。家族で一致団結することもふえた」(30代後半)ペットは親子の絆を結ぶ存在。どんなに小さないきものでも、大きな幸福をもたらしてくれます。そんなペットに感謝しつつ、家族で大切に育てていきたいですね。
2016年11月10日2020年より小学生のプログラミング教育必修化が決定しました。2014年にイギリスが5歳からの必修化を決めて以降、この流れは全世界的に起こっていることなのですが、実際のパパとママには疑問に思うところも。今回はパパからの意見も多数集まりました。Q.小学校でのプログラミング教育必修化、どう思う?1.とても良いと思う 21.9%2.良いと思う 34.7%3.あまり良いと思わない 21.4%4.良いと思わない 7.3%5.わからない・どちらとも言えない 14.8%良いと思う派が56.6%、良いと思わない派が28.7%とやや良いと思う派が優勢の結果に。一方で、小学生から本当にやるべきことはもっとあるのではないかという強い反対意見もありました。■プログラミングよりも小学生に教えるべきことがある反対派の人からは、いくらこれからIT社会が進むからといって、小学生にプログラミングが本当に必要なのか?もっと教えるべきことがあるのではないかという意見がありました。「プログラミングよりむしろPC関連の情報機器との上手な付き合い方や、インターネットの危険性や倫理観を教えることが先なのでは。技術だけでは豊かな生活には役立たないと思う」(佐賀県 30代女性)「以前にもあったオンライン学習や英語、そして今回のプログラミングといい政府はどんな人間を育てたいのか。もっとその歳に必要なものは山ほどあると思う」(静岡県 40代男性)「今後、コンピューターが必要なのはわかります。ですがそのプログラミングを必修化にするのはいかがでしょうか?その年齢にあった教育が必要だと思います。人間性、自然界との共存、礼儀などなど挙げたらきりがありません」(東京都 40代男性) ■プログラミングを教えらえる教員はいるのか?現在の小学生教員の中にプログラミングを教えられる人がいるのだろうかという疑問の声もありました。もちろん必修化になると、教員も追加で研修などを受けることになり負担も増えることが目に見えています。「大学で履修したプログラミングでさえ、就職してからすぐ時代遅れになっています。基本的な概念を教えるにしても、教えられる教員がどれだけいるのかなとも」(千葉県 40代女性)「ある程度は必要なのかなとは思うけど、内容によりますよね。ちょっとかじる程度なら時間の無駄だし、だいたい先生方では対応できないと思う」(東京都 40代女性)「そもそも誰が指導するのか。プログラミングに長けた教師を育成していくつもりなのだろうが、そのために研修が増えれば、教師の負担がさらに増えていくだろう、これ以上教員の仕事を増やすべきではない」(広島県 30代男性)■プログラミングを学ぶことでつく力とはイギリスでは5歳からの必修化が決まり、アメリカ、フィンランドでもプログラミングの初等教育必修化の動きがあります。プログラミングを学ぶことで相乗効果で身につく力もあるようです。「仕事でも長年ITに携わる仕事をしてきましたので、その立場・経験からの意見ですが、プログラミングを小学生のうちから学ぶことの意味は、少なからずあると思います。プログラミングを学ぶということは、ロジカルシンキングを学ぶということにつながります。他にも、数学的センスや効率化、発想力、応用力などがあります。それはきっと他の教科の勉強にも役立つのではないかと思います」(宮崎県 40代男性)Q.小学校でのプログラミング教育必修化、どう思う?アンケート回答数:9505件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年11月09日グローバル化が進む昨今、教育にも「国際化」をのぞむ家庭が増えています。語学はもちろん、相手を尊重し、柔軟な考え方ができるコミュニケーション能力の高い子に育てたい。そんな風に考えるママを中心に注目されているのが3歳から19歳までの生徒を対象にした「国際バカロレア」という教育プログラムです。文部科学省も「国際バカロレア」の普及・拡大を推進しています。2018年までに、国内における国際バカロレア認定校を200校までに増加させる取りくみが進められているのだとか。国際バカロレアって、一体どんな教育なのでしょうか?■「国際バカロレア」が提唱する人物像国際バカロレア(IB : International Baccalaureate)は、本部をジュネーブに置く、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムです。国際バカロレア教育のいちばんの目的は「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探求心、知識、思いやりに富んだ若者を育成する」こと。そして、人が持つ違いを「違い」として理解し、自分と異なる考えの人々にも、それぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人を育成することだそうです。具体的には、「IBの学習者像」として、以下の10の人物像が挙げられています。・探求する人・知識のある人・考える人・コミュニケーションができる人・信念をもつ人・心を開く人・思いやりのある人・挑戦する人・バランスのとれた人・振り返りができる人出典:文部科学省/国際バカロレアについて また、年齢に応じたプログラムが組まれています。・プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)3歳~12歳を対象。初等教育。・ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)11歳~16歳を対象。中等教育。・ディプロマ・プログラム(DP)16歳~19歳を対象。大学入試を目的としたもの。・キャリア関連プログラム(CP)16歳~19歳を対象。専門学校への進学や就職を目的としたもの。IB認定校で「ディプロマ・プログラム」を取得すると、世界の大学の受験資格を得られるというメリットもあるのだそうです。日本でも、IBの成績を入試に取り入れる大学が増えているのだとか。■自主的な学習を最重要視する「国際バカロレア」ディプロマ・プログラムには、「コア」といわれる「課題論文(EE)」、「知の理論(TOK)」「創造性・活動・奉仕(CAS)」の3つの必修要件があり、普通の科目と並行して履修します。TOKは批判的思考などを養うための授業のため、毎回ディスカッションが行われるそうです。先生が一方的に知識をたたきこむのではなく、自分たちで考え、取りくみ、自主的に行動することを重要視しているのです。また、それぞれのカリキュラムは、地域のニーズや文化的状況にも合わせて編成するようになっているようです。認定校の初等部のカリキュラムを見てみると、国語、算数、理科、社会…と、一般の小学校とほぼ同じ教科が並んでいます。しかし、授業は外国人教員と日本人教員がどちらもいる状況で行われ、すべての教科において英語習得の機会となるため、初等部6年間のあいだに英語で自分の考えをディベートできるようになります。インターネットの普及やその技術向上により、海外留学する人は年々減っているそうです。その一方で、世界がぐっと近くなり、国際的な視野が求められているのはいうまでもない事実。国際バカロレア認定校は、玉川学園、東京学芸大学付属国際中等教育学校、東京都立国際高等など、全国に39校あります(2016年11月現在)。正直、入学金や授業料が高額の学校もあります。しかし、留学と比べれば…ですし、安全な日本で国際的な教育が受けられることを考えると、検討してみる価値はありそうです。(参考)・ 文部科学省/国際バカロレアについて
2016年11月04日子どもの教育資金については、ママ友に相談しにくい悩みのひとつ。ほかの人はどうやって資金を貯めているのか? 実際に必要となる教育資金の貯蓄を開始する時期や、方法についてまとめます。■公立のみに進学しても500万円以上!教育にかかる資金は、幼稚園・小学校・中学校・高校をそれぞれ私立か、公立に入れるかによって大きく異なります。公立に進学した場合の教育資金は、課外活動なども含め、幼稚園3年間で約67万円、小学校6年間で約193万円、中学3年間で約145万円、高校3年間で約123万円です。合計528万円と見ると高く感じますが、これは15年でかかる費用なので1ヶ月にすると約2万9千円に。高校までの教育資金については、貯金に手をつけず、月々の給料から捻出する家庭が多いようです。一方、私立に進学した場合は、幼稚園3年間で約149万円、小学校6年間で約921万円、中学3年間で約402万円、高校3年間で299万円。合計すると約1,771万円で、公立の約3倍かかります。では、大学進学にかかる費用はいくらでしょうか。大学に入学する初年度にかかる授業料と入学料を合計した平均の費用は、国立で817,800円(うち授業料535,800円)、公立で935,842円(うち授業料537,933円)、私立で1,312,526円(うち授業料860,072円)となっています。下宿となると、さらに月15万円ほどの仕送りが必要となるため、約600万円を目安に教育資金を貯蓄すると良いといいます。■小学校を卒業する前に貯蓄を貯蓄をする時期は、子どもが生まれてから小学校卒業までに行うのが良いとされています。その理由は、中学・高校に進学すると部活動などの課外活動が盛んになって出費がかさむため。また、期間内に貯まらなかった場合も、貯蓄期間の延長が可能になるからです。貯蓄の方法はさまざまですが、教育資金は必要な資金なのでリスクが少ない方法がオススメ。保険商品や銀行、郵便局の定期預金などがあります。保険商品のメリットは、死亡や高度障害になった際、保険料を支払わなくても決まった時期に学資金が受け取れることです。デメリットは、途中解約をすると支払った金額よりも戻ってくる金額が少なくなってしまうこと。そして、返戻率が10%~15%程度と低いことです。株や投資信託などのリスクが高い投資ではなく、リスクの低い手段で教育資金を貯めている人が多いようです。■専門家への無料相談を利用する最近では、資金計画の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)が無料相談会を実施している行政もありますし、日本FP協会でも全国で定期的に対面での無料相談会を開催しています。保険やお金の運用について、専門家の意見を聞きたい、相談したい場合は、住まいの市町村やFP協会に問い合わせてみてはいかがでしょうか。子どもの将来の選択肢を少しでも広げられるよう、今からできる限りの準備をしていきたいですね。※教育資金のデータは、文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」と「平成25年度の授業料等の学生納付金の状況について」を参照
2016年10月03日「子育ての教育資金はどれぐらい必要?」「うちの家計これで大丈夫?」といった、お金に関する漠然とした不安をかかえているママも多いのではないでしょうか。いざというときに慌てないための教育資金の備えについて、「ママのためのマネーセミナー」を主催しているファイナンシャルプランナー加藤貴司さん(ブロードマインド株式会社)に話を聞きました。教育資金の準備時期は?子どもが生まれると、将来の教育資金が気になり始めますね。加藤さん提供のデータによると、教育資金準備の開始時期は、誕生時が52.8%、幼稚園入学前が19.3%、小学校入学前が10.3%、小学校1~3年生が4.6%、小学校4~6年生が3.9%、中学生以降が9.1%。子どもの誕生で、生命保険の見直しをした?子どもの誕生は、マネープランの見直しのきっかけになります。子どもの誕生を機に生命保険に新規加入した人が33.6%。一方で、火災保険や自動車保険なども各業者に言われるがままに入って放置しているプランがある人も多そうですね。「保険に入ったまま放置では宝の持ち腐れ。定期的にチェック&見直しを。調べるのもプラン変更も面倒だと思ってしまいますが、積み重なると随分差がでてきそうです」。やっぱり学資保険は必要?教育費を備える=学資保険が一番に浮かぶ人も多いのでは。実際、私もベビーカーを押して郵便局に立ち寄ると、必ずといっていいほど局員に「学資保険いかがですか」と声をかけられていました。やはり、学資保険は必要なのでしょうか。「学資保険は、大学入学に満期のタイミングを合わせたものが大半ですが、中学から私立受験するなど教育プランによっては、小学校高学年からずっと教育資金がかかり続ける場合があります。学資保険は、払った保険料を積み立てて、満期のタイミングで受け取る仕組み。好きな時期に自由に受け取れるわけではありません」。(Copyright 2014 Broad-mind co.Ltd All Rights Reserved)学資保険以外の保険も視野に入れてでも、学資保険は、契約者に何かあれば保険料の払い込みが免除されるというメリットがありますよね。「確かに払い込みが免除になることは、学資保険の一番の特徴です。しかし、受取りは決まったタイミング(満期のとき)しか受け取れません。一方、『終身保険』は積立もでき、死亡保障もついています。万一のとき、すぐに保険金が受け取れるのが学資保険と違う点です。学資保険にこだわらなくても、もしものときには対応できるので、最近、教育費の積立手段として人気があります。たとえば、下記に示した保険では、満期がなく、積み立てたお金は解約時の解約返戻金という形で受け取ります。受け取るタイミングが遅いほど、返ってくるお金は多くなります」(Copyright 2014 Broad-mind co.Ltd All Rights Reserved)「終身保険だけでなく、他の保険商品でも使い方を工夫すれば、貯蓄もできてより大きな死亡保障が確保できるものもあります。学資保険は固定利率でインフレ対応ができないので、投資信託やジュニアNISAなどとうまく併用していけば、学資保険にこだわることはありません」。ライフプランニングを始めよう!加藤さんによれば、「お金を貯める&備える手段や金融商品は無数にありますが、それぞれ家族構成や環境、価値観など様々なので、万人に適したものはありません」とのこと。そのために、個別に現状を把握してプランを立てることが必要なのですね。「お子さんが生まれたら、ぜひライフプランニングを始めてください」と加藤さん。「有効な経済設計を行うためには、専門家に相談するのがお勧めです。ファイナンシャルプランナーというと少し敷居が高く聞こえるかもしれませんが、個人では情報収集などなかなか難しい部分もありますので、お気軽に活用してみてください」ファイナンシャルプランナーは、保険会社や金融機関に所属して窓口で対応にあたる『企業型』と、『独立・個人型』とに分類されるそうです。それぞれの特長は、企業型:無料で相談に応じてくれることが多が、自社が取り扱っている商品の紹介に限られる。独立・個人型:相談料が必要、または契約が成立したら料金が発生することが多いが、中立的な立場で、数多くの商品から最適なものを勧めてくれる。企業型でも、加藤さんの会社のように、契約が成立するまではもちろん、契約成立後も無料で相談を受けている組織もあるので、そういうところを利用するのも手。独立・個人型は、HPなどで検索して自分に合ったファイナンシャルプランナーを探してみるといいかもしれません。また、無料セミナーも多く開催されてるので、チェックしてみると、出会いの機会が広がるかもしれませんね。「お金は苦手」と思っていた私も、一度きちんとお金に向き合ってみようかなと思えてきました。家族の将来の姿を想像したり、自分でお金をコントロールするという感覚を持ったりすることは、きっと楽しいはずです。取材協力:ブロードマインド株式会社<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年08月22日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日投資教育先進国といわれるアメリカでは、子どものころからお金について学ぶ機会が多いのをご存じでしょうか。 幼稚園から高校までの義務教育でお金にまつわることを学習するのはあたりまえ。お金にシビアなアメリカならではの、子どものマネー教育について紹介します。■ローン大国アメリカアメリカ人はお金にシビアだといわれます。それはクレジットカード、ローン大国であることが影響しています。健康保険や医療費もほかの国と比べてかなり高額。個人がしっかりファイナンシャルプランを身につけていないと簡単に破産してしまう社会です。厳しい社会のなかで財産を得て資本主義社会のなかで勝ち残っていくために、投資に関する知識を深める人も多いのです。そんななか、幼稚園から子どもの年齢に応じてお金に関する教育が行われています。親からお金を増やすための株式投資などの知識を得るケースもめずらしくありません。■日本でマネー教育をしない理由一方、日本では、子どもがお金の話をするのはあまりよくないという風潮があります。株式投資はリスクのあることだと敬遠する人も多く、なかなか学ぶ機会がないのが現状です。考えられる理由としては、貯金文化が定着していることがあげられます。堅実にコツコツためる、まじめな日本人の気質ともいえるでしょう。■おこづかい制のメリットみなさんは子どもにお金を管理させていますか? 将来の金銭感覚を養っておくためにも、早めにお金に関する知識を身につけることが大事です。さまざまな考え方があるものの、たとえば、定期的におこづかいをあげることで、子どもは自分のお金を管理し、計画的に使うことを学べます。おこづかい制にするか悩んでいる方は検討してみてください。また、お手伝いの報酬としてお金をあげるのも方法のひとつです。自分の労働によってお金を得ることができ、何もしなければお金を得られないという仕組みを学べます。お金を計画的に使う感覚は、将来役に立ちます。子どもが大きくなったら、家庭の予算立てに参加させてみるといいかもしれません。
2016年07月16日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日あなたのお子さんは「お金」について正しく理解していますか。それはパパやママ次第です。 金融教育が普及している英国では「子どもが7歳のときまでに醸成された金銭感覚は一生涯続く」とも言われています。 とは言え、「具体的に何をしたらいいのかイメージがわかない」という方も多いのでは? でも多くのご家庭で、子どもに「お小遣い」や「お年玉」はあげているはず。それを用いて、お子さんの年齢ごとに、段階を追って金融教育をすると効果的ですよ。■3歳から6歳 ~結果を目に見える形で示しましょう~幼稚園児にお金についての教育なんて意味がないと思うかもしれません。たしかに、文字通りの金融教育はまだ必要ないですし、理解するのも難しいでしょう。しかし、ママが「お金」にまつわる話を子どもにすればするほど、子どもは自然に吸収してゆくものです。そのとき気をつけたいのは、この年齢の子どもはまだ「我慢」ができないということです。そのため「お金を貯める」ということを、なるべく目に見える具体的な形で子どもに示してあげることが大切です。子どもは成果が目に見えると、目的を理解します。おもちゃを買う、お菓子を買うといった小さな目的を与えて、少額でも子どもが自由にできるお小遣いやお年玉を与え、その目的に向かって貯めてゆくよう促してみてください。お金を貯める貯金箱はなるべく透明にして、増えてゆくのが目にみえる形にしてあげてください。■7歳から10歳 ~“トライ”アンド“エラー”を繰り返しましょう~この年齢になると、子どもは硬貨や紙幣の価値もだんだんわかり始め、お金で何を買うことができるのかもわかってきます。そこで、この年齢では1歩進んで、“トライ”アンド“エラー”を繰り返し、経験を積ませるのが効果的です。 まずはお金を使う目的を複数与えてみましょう。たとえば1つは日常の買い物、もう1つは高額商品、3つ目はチャリティー、といったように。この年代もまだ「目に見える」ことは重要ですから、それぞれの目的のためにそれぞれ透明な貯金箱を用意してあげてください。そして、3つの異なる目的のためにどのようにお金を扱えばいいか、ママから助言をしてあげてください。2つ目に、買いたいものを買うためのお金が今ないとき、お金が貯まるまで「待つ」ことを学ばせるのも重要です。ママの買い物に子どもを連れていき、そこで「手元にお金がなくてママが欲しいものを買わない」姿を子どもにみせてください。子どもはママやパパがすることから学びます。ですから、ママ自身が「買いたいものがあってもお金が貯まるまでは我慢する」という姿勢を示すと、子どもはそれをメッセージとして受け取ります。最後に、子どもに「自分で選択させる」経験をさせましょう。お店に連れて行き、子どもが「今手元にあるお金だと買えないけど、次のお小遣いを貯めたら買える」モノと、それより安く「手持ちのお金で買えるけど本当に欲しい物ではない」という2つのモノをみつけてください。そのうえで、ママは子どもに「どちらでもいいよ」と選択権を与えてください。子どもは我慢してお金を貯めて本当に欲しい物を買うか、すぐ買える安いものを買うか、というトレードオフを学んでいきます。さまざまな“トライ”をしていくなかで、ときには子どもが選択を失敗したと感じる“エラー”もあるでしょう。その経験が、将来より大きな選択をしていく際の備えになるはずです。■11歳から14歳 ~お金にはいろいろな「目的」があることを教えましょう~このくらいの年代の子どもには、お小遣いという枠ではなく「貯蓄」に目を向けさせるとよいでしょう。貯蓄にはさまざまな目的があることを教えてあげてください。「大学の入学金を貯めるための長期資金」「緊急時に備えて準備しておくお金」「日常的に好きなものを買うためのお金」などなど。ここまでくると、大人の資産運用の考え方に近づいてきます。このコラムの読者には小さい子どもをもつママも多いと思います。子どもが正しいお金の感覚を身につけられるよう、年代に応じた金融教育を考えていくことで、ママ自身もあらためてお金との付き合い方を考えるきっかけになるのでは。ぜひ実践してみてください!
2016年04月22日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日前回 のNISAに引き続き、今回はジュニアNISAについてお話しします。ジュニアNISAは、子どもの教育費など将来に向けた資産運用のための制度です。投資可能期間は、2016年4月から2023年12月末までです。■NISAとジュニアNISAの違いは?NISAの非課税枠は毎年120万円が上限でしたが、ジュニアNISAは、子ども1人につき毎年80万円です。5年間の非課税というのは同じです。累計で最大400万円までの非課税投資をすることができます。大学進学のための学費準備として利用するとよいでしょう。また、NISAはいつでも解約、払い出しをすることができますが、ジュニアNISAでは注意が必要です。ジュニアNISAは、売却はいつでも可能なのですが、お金は、子どもが3月31日時点で18歳となる年の前年末までは引き出すことはできません。5年間の非課税期間の後は、払い出しをすることも、また、継続して非課税対象として、80万円分を上限に翌年の非課税枠へ繰り越すことができます。■ジュニアNISAの4つのポイント・その1:0歳〜19歳が対象ジュニアNISAの対象は、●日本に住んでいること●ジュニアNISA口座を開設する年の1月1日時点で19歳以下であること上記2つの条件を満たす子どもです。ジュニアNISAは、口座の名義は子どもで、親が運用・管理をします。1人1口座で、途中での金融機関の変更はできません。・その2:非課税投資枠の上限は年間80万円までジュニアNISAで株式投資信託や上場株式を購入できる限度額は年間80万円です。分配金や配当金、値上がり益が非課税になります。・その3:非課税期間は5年間ジュニアNISAの非課税期間は、最長5年間。非課税期間が終了した後、20歳までは非課税のまま、年間80万円までは継続保有することができます。売却はいつでも可能です(お金の引き出しは期限までできません)。売却した場合、非課税枠の再利用はできません。未利用の非課税枠を翌年以降へ繰り越すこともできません。これは、 前回のNISAの場合のポイント 「その2」「その3」と同じです。ジュニアNISA口座で発生した損失は、ほかの口座と損益通算したり、繰り越し控除することはできません。これも前回の「その4」と同じです。・その4 :18歳まで原則出金不可原則として、18歳までは払い出し(出金)ができません。払い出したときは、過去の利益分に対しても課税されます。ジュニアNISAは、子どもの将来に向けた資産運用のための制度なので、原則、子どもが、3月31日において18歳である年の前年の12月末までは、災害等のやむを得ない場合を除いて出金することはできません。もし、期間中に出金するということになると、過去のすべての利益に課税されますし、ジュニアNISA口座を廃止して全額を出金することになります。次回は、どのように利用をしていけばいいかについてお話します。
2016年04月04日皆さんの親世代は、住宅ローンの額や年収といったお金にまつわる話題全般を、子どもと話すことはめったになかったと思います。でも、たとえ金融に詳しくない方でも2008年の金融危機、いわゆる「リーマンショック」は耳にしたことがあるでしょう。その経験から、今世界中で、子どもへの早い時期からの「金融教育」が注目されています。「うちの子は幼稚園児だからまだ早いわ」と思っていませんか? そうでもないかもしれませんよ。金融教育が進んでいる英国英国は、先進国の中ではもっとも積極的に国を挙げて金融教育を推進していると言えるかもしれません。1990年代に個人年金の販売がトラブルになり、その後始末のために政府として多額の出費をした苦い経験から、金融教育の普及を進めています。また、NPO(非営利団体)も積極的に金融教育の普及を政府に働きかけています。その結果、2014年9月から、一般的な教育カリキュラムの中の「数学」と「シチズンシップ教育(日本における「公民」でしょうか)」のなかに、「金融教育」が必須科目として組み込まれています。「数学」では、「債券の利回り」とは何かとか、商品の「単位」「価格」とは何か、といった授業があります。「シチズンシップ」では、たとえば11歳~14歳向けは金融の勉強の狙いとして、「生徒が自分のお金をうまく管理できるようにするとともに、将来必要になるお金を計画できるようにすること」と書かれています。さらに学習が進んで14歳~16歳になると、収入/支出、クレジット、借金、貯蓄、金融商品と金融サービスさらには税金がどのように使われているかということも勉強します。NPOで代表的なのはPersonal Finance Education Group、通称 “pfeg” と呼ばれる団体です。ホームページ(※1)で3歳から19歳までの子ども向け金融教育について幅広くサポートしています。3歳からというのはちょっとびっくりですよね。(※1) pfeg.org | Providing lesson plans and teaching resources on money management to help teachers of financial capability 企業やNPOが幅広く金融教育を支援する米国米国では、全米に共通する教育プログラムはありません。でもその一方で自主的に、企業や学校、各種NPOが積極的に取り組んでいます。企業の活動例としておもしろいところでは、アメフトやサッカーのゲーム形式(※2)でお金に関する質問にチャレンジするサイトを運営しています。また米国のフィデリティでは、子を持つ親に向けて、子ども向けの金融教育についてアドバイスしています。(※2) Games|Practical Money Skills puts the fun in financial literacy with online educational games for students and adults. 子どもがお金と賢く付き合えるかどうかは、親次第「人はお金の価値を親から教わるものです。ですから子どもに早い年齢から、例をあげながらお金にまつわる話をすることはとても重要です。もし子どもに何のために使うのかを示さずにお金を渡していると、子どものお金に対する理解が進まないおそれがあります」とアドバイスでは指摘しています。また、子どもの年齢別のアプローチも示しています。特に3歳から6歳の時期には、おもちゃを買うとか、小さくてもいいのではっきりとしたゴールを決めて、そこに向けてお金を貯めていくように促し、一方でお小遣いをどのように貯めるか使うか、ほんの少しでも「自由裁量」の余地を子どもに与えるのが重要だとも指摘しています。そして貯める教育には、達成度が目に見えるように、「透明なガラスの貯金箱」を使用するのがおすすめだとか!先に見た英国のNPO法人pfegのWebサイトでは、「子どもが7歳のときまでに醸成された金銭感覚は一生涯続く」と紹介しています。英国で子どもが初めてオンラインショッピングをする平均年齢はいくつだと思いますか? 答えは10歳です。早いと感じる方も多いかもしれませんが、幼少期からの金融教育がそれを可能にしているのではないでしょうか。日本では英国や米国と比べまだ子ども向け金融教育は普及していませんが、お子さんが将来自然体でお金と賢く付き合うために、他国での教育を参考に、ママがおうちでできることを試してみませんか。
2016年03月21日