KADOKAWA・DWANGOは9日、新たな教育事業として、デジタルネイティブ時代の子供たちに向けた「ネットの新しい高校」の設立を目指すと発表した。○不登校の生徒高止まりの現状打破へ、IT活用し「ネットの新しい高校」設立現在、日本の教育現場は、人口が減少するなか、不登校の生徒数は高止まりし続けているという状況があるという。また、インターネットの普及により仕事の効率化が進み、求められる仕事や人材にも変化が訪れている。一方で、教育システムや教育方針自体は高度成長期から変わっていない。そこで同社では、今後未来を担う学生が、より自由に自身のやりたいことを見つけ、得意分野を伸ばせる環境づくりに取り組んでいくとして、「ネットの新しい高校」を設立することにした。具体的な施策としては、同社の強みのITを活用し、時間や場所を問わない動画学習や、双方向性を備えた学習プラットフォームを提供する。また、早期に社会性を身に着ける活動として、全国の地方自治体と連携し、様々な職種の職業体験を実施する。これにより、社会でのリアルなつながりを構築できるほか、若手の人材が不足している地方とのマッチングを図る。さらに、教育事業を手掛けるグループ企業のバンタンと共同し、キャリア教育も実施する。課外授業として、IT教育(プログラミング、リテラシー)の他、有名ライトノベル作家や、ゲームクリエイター、デザイナー、経営者をはじめとした、各業界で活躍するプロによる授業を展開するとのことだ。すでに2015年3月に、沖縄県に学校設置等に係る計画書を提出し、現在審査中。2016年初春には、双方向IT学習サービスをリリース、同年春に「ネットの高校」の開校を目指すとしている。
2015年07月09日英BBCは7月7日(現地時間)、2015 Make it Digitalイニシアチブの一環としてコーディング教育向けボードコンピュータ「BBC micro:bit」を提供するプロジェクトの詳細を明らかにした。英国ではプログラマー不足が深刻化しており、若い世代にデジタルスキルを身につけさせ、テクノロジ分野における次世代のパイオニアを育成するためにBBCはmicro:bitの提供に乗り出した。まずは最大100万台を英国内のYear 7(中学1年)の11歳~12歳に無償配布し、2015年後半には販売も開始する。micro:bitの開発・提供は以下の11組織を含む29のパートナーシップによって実現した。ARM: mbedハードウエア、SDK、コンパイラサービスBarclays: 製品流通elements14: 部品調達、製造管理Freescale: センサ、USBコントローラLancaster University: ランタイムMicrosoft: TouchDevelopツール、サービスホスティングNordic Semiconductor: プロセッサSamsung: AndroidアプリScienceScope: iOSアプリTechnology Will Save Us: デザインThe Wellcome Trust: 教育関係者向けサポートmicro:bitは5×4センチ (重さ:8グラム) のコンパクトなボードに、ARM Cortex M0 CPU (32-bit)、3軸の加速度センサ、デジタルコンパス、Bluetooth Smart、Micro-USBコントローラ、Five Ring I/O、5×5に配列された赤色LED、プログラマブル・ボタン×2などを備える。JavaScript、Python、C++、MicrosoftのTouchDevelop言語、ビジュアル言語BlocksなどをサポートするWebベースのエディタを使ってプログラミングし、クラウドでコンパイルしたプログラムをmicro:bitにダウンロードする。Webベースの開発環境はスマートフォンやタブレットでも使用でき、Bluetooth Smart Technologyに対応しているモバイルデバイスからはBluetooth経由で直接micro:bitにフラッシュできる。プログラムされたmicro:bitは単4型電池×2を電源に単独で動作するほか、USBやBluetoothでノートPCやRaspberry Pi、スマートフォン、タブレットなどに接続して外部デバイスとして機能させられる(Tetheredモード)。たとえばセンサーデバイスとして使用したり、音楽やビデオの操作デバイス(再生/一時停止/停止など)として使用できる。Tetheredモードではインターネットに接続できるため、IoT(Internet of Things)オブジェクトのように使うことも可能だ。
2015年07月08日東京都・小平市の武蔵野美術大学美術館は、同大学教授・小野皓一の作家活動の軌跡と同大学での教育・研究成果を展覧する「小野皓一展武蔵野美術大学教授退任記念」を開催する。会期は9月1日~9月26日(日曜・祝日休館、ただし9月21日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。同展は、小野氏の在独時から近年の作品まで約60点を一堂に集め、美術作品における物質性を一貫して追求してきた作家活動の軌跡と、同学での教育・研究の成果を展覧するもの。小野氏は、1970年本学油絵学科を卒業後まもなく渡独、国立ベルリン美術大学を修了後ベルリンを中心に制作を続け、2009年に同大学教授に着任し、2017年3月をもって退任する。小野氏は、今日の「絵画」が成立する要因と意味について研究を深め、物質が美術作品となることの境界を明らかにしようと試みてきており、この試みは、小野氏の代表的シリーズ《Writing Over Squares on Canvas》、《Destroying Squares on Canvas》などのシリーズとして発表され、現在までもその探求は続けられているということだ。なお、同展では、小野氏の代表的シリーズ《Writing Over Squares on Canvas》、《Destroying Squares on Canvas》、《Plate Tectonics》の中から、ベルリンで制作された70年代の作品から近年の作品までを揃え、その軌跡を通覧することができる。また、《Destroying Squares on Canvases》シリーズのうち、80年代から90年代にかけて制作された5色の大型作品、Earth・Water・Fire・Wind・Emptinessの全作が揃う、初めての機会となるということだ。また、関連イベントとして、和田浩一(宮城県美術館学芸部長)・小野皓一(武蔵野美術大学 通信教育課程教授)による対談が開催される。開催日時は9月3日16:30~18:00。入場無料。
2015年07月06日国立大学の授業料が私立大学並みに引き上げるという財務省案が発表され、物議をかもしています。現在、私立大の授業料は平均で約85万円。国公立大学の標準額は53万5800円。子どもが生まれたときから、教育費の積み立てを始めても、これからの教育資金は不足してしまうのでしょうか。○高校までは家計から。大学の学費をターゲットに貯蓄する国公立の大学に進学するのか、私立の大学に進学するのか、文系か、理系かで、大学にかかるお金は大きく変わってきます。現状の費用をまとめると以下のようになります。初年度は入学金と授業料の合計。2~4年目は授業料のほか、施設設備費などの費用も含みます。国立初年度納入金 : 82万円2~4年目 : 各54万円合計244万円私立文系初年度納入金 : 122万円2~4年目 : 各98万円合計416万円私立理系初年度納入金 : 163万円2~4年目 : 各137万円合計574万円一般的に、子ども一人の教育にかかるお金は1000万円とも2000万円とも言われますが、まとまった資金が必要になるのは、大学の4年間。国立でも4年間の合計で244万円の資金が必要なのです。小学校、中学校から私立を選択する家庭もあるでしょうし、高校から私立というケースもあります。しかし、学校によってかかる費用に開きはあるものの、私立高校でも国や地方自治体の支援制度を利用すれば、公立と私立の差はほとんどなくなります。高校までは家計から教育費をまかなう、という家庭が少なくないのは、そうした支援制度によるものです。学資保険(こども保険)に加入して、教育費を積み立てていく場合、大学入学時点の17歳、18歳で学資一時金を受け取り、20歳、22歳で満期金を受け取るというプランで加入するか、高校入学時や大学進学後も毎年学資金を受け取るというプランなど家庭の事情によって加入すべきプランが異なります。高校までは家計から捻出するのであれば、学資一時金の受け取りを据え置くという考え方もできるでしょう。いずれにしても、大学入学時にかかるお金は、子どもが生まれたらすぐ、準備を始めなければ、まかなうことができないことに、変わりはないでしょう。○子どもが生まれたときは、親も収入が少ないたとえば、現在30歳の夫婦に子どもが生まれたケースで考えてみましょう。契約者:父親(30歳)、被保険者:男子(0歳)、学資金総額:300万円、保険料払込期間:18年毎月の払い込み保険料:1万3190円保険料払い込み総額:284万9040円高校入学時受け取り額資金:50万円大学入学時受け取り学資金:100万円大学2~4年受け取り学資金:各50万円合計受け取り学資金:300万円国立大学への進学なら、こうした学資保険を利用すれば、なんとかなりそうです。しかし、私立文系、理系となると資金不足になります。同じ条件で学資金総額を600万円にすると、毎月の保険料は2万6380円となります。子どもが生まれたばかりの若い世帯にとっては、少し重い負担かもしれません。また、子どもの教育資金だけを全力で貯蓄をするわけにはいきません。マイホーム購入の予定があれば、頭金づくりも必要。いざというときの予備費も用意しておくことも大事です。子どもが小さいうちは、世帯収入も大きく伸びないかもしれません。子育てが一段落して、妻がフルタイム勤務に復帰するなど、収入がアップするまでは、最低限の教育費を積み立てするということでいいかもしれません。ただ、冒頭で書いたとおり、今後、国立の授業料値上げや、私立でも物価上昇に伴って入学金、授業料値上げの可能性もあるでしょう。現在加入している学資保険だけでは不安という場合は、どのように対応していけばいいのでしょう。○学資保険は7歳まで。その後に追加したい場合は?収入が上がり、家計に余裕がでてきて、学資保険を追加して準備しようと思っても、子どもの年齢によっては加入できないことがあります。たいていは満7歳まで加入可能とする保険会社が多いのです。これ以降に保険商品で加入しようとすると、非常に選択肢が狭まってしまいます。そこで、発想を変えて、貯蓄商品の王道で考えてみましょう。おススメなのは、個人向け国債の変動10。直近の募集では金利が0.3%(税引き前)とあまり高くないように思えますが、銀行の定期預金が5年でも金利0.05%であることを考えれば、十分な金利と言えます。毎月発行で、1万円から購入できるので、たとえば毎月3万円、ボーナス時には10万円購入するといった使い方ができます。基本的に満期は10年ですが、購入から1年経過すれば、ペナルティはありますが、元本割れなく解約も可能です。子どもが大学に進学したら、個人向け国債を毎月解約していきます。もちろんまとめて解約する、満期まで待つことも可能です。毎月解約・満期で戻ってきたお金は、子どもへの仕送りの一部にすることができます。自宅から通えれば、それほど毎月の支出が増えることはありませんが、自宅外となれば、学費の支払いに加えて、毎月の仕送りは相当な負担になります。これを、毎月の家計から捻出するのは、親世帯の家計を厳しいものにしてしまいます。基本の学費は学資保険(こども保険)で確保し、追加で用意するお金や、まとまったお金ができたときに教育資金に回すなら、個人向け国債の利用は一考の価値があるでしょう。家計に余裕がでてきて、あと100万円、あと200万円を、子どもの教育費のために用意したいという人には、ムリのない範囲で積み立てをするイメージで始めてみてはいかがでしょう。(※文中の保険料などは、アフラックの「夢見る子どもの学資保険」をもとに記述しています。保険会社によって保険料や加入の条件は変わります。2015年6月19日現在)(※国立大学のデータは文部科学省令による標準額。私立大学のデータは文部科学省調査による平均額)(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>伊藤加奈子マネーエディター&ライター。法政大学卒。1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。不動産・住宅系雑誌の編集を経て、マネー誌『あるじゃん』副編集長、『あるじゃんMOOK』編集長を歴任。2003年独立後、ライフスタイル誌の創刊、マネー誌の編集アドバイザーとして活動。2013年沖縄移住を機にWEBメディアを中心にマネー記事の執筆活動をメインに行う。2級FP技能士。
2015年07月02日連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。○高校までは、教育費を負担しても貯蓄ができる家計を作る!子供が生まれると気になりはじめることのひとつが「将来の教育資金を、いつまでにいくら準備すればよいか?」ということ。下の表は、幼稚園から高校まで年齢別、学年別に1年間で学習費がいくらかかるかを示したものです(平成24年度)。学校に支払うものだけでなく、給食費や塾、教材費、お稽古事などの費用も含んだ金額です。【年齢・学年別の学習費総額(円)】これをみると、公立学校の場合、子供1人あたりの教育費支出は月額2~4万円程度。私立学校の場合は、小学校から高校までは子供1人あたり10~15万円程度かかることがわかります。毎年かかるこれらの費用を、何年もかけて準備することはできません。したがって、高校卒業までの教育費は、毎年・毎月の収入の中から捻出できるようにする必要があります。ただ、大学にかかる費用は、短期間のあいだに多額のお金がかかるため、長期間に渡って準備する必要があります。つまり、子供が高校を卒業までは、収入から教育費を支払ってもなお、大学進学準備のための貯蓄ができる家計運営が必要だということになります。○大学にかかるお金の準備額の目安は、200~300万円【大学の初年度納付金の目安(国立大・私立大昼間部の平均額(円)】大学入学の年に大学に納付する金額は、100~120万円程度です。ただ、受験の年はこの他にも受験料、受験のための交通費や宿泊費、入学しなかった学校に支払う納付金などもあります。これらを40~50万円程度見込むと、受験から大学入学初年度にかかるお金は、150~200万円になります。自宅通学ができない場合には、新生活の準備費用と1年目の仕送り(月額10万円目安)も余分にかかります。なお、2年目以降の学校納付額の目安は以下の通りです。【在学中にかかる授業料・施設設備費納付額の目安(円)】大学入学のための資金は、子供が17歳、あるいは18歳までに準備ができている必要があります。子供が生まれてすぐにスタートして月1万ずつ積み立てると17年間で204万円、18年間では216万円になります。1.5万円ずつだと17年間で306万円、18年間だと324万円です。もちろん、多ければ多いほどよいのですが、家計の状況にも配慮する必要があります。準備額は、大学入学初年度にかかる200~300万円程度を目安に考えればいいでしょう。(※写真画像は本文とは関係ありません)○執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。(株)ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)メルマガ「生活マネー ミニ講座」(平日・毎日)→
2015年07月01日日本マイクロソフトは6月26日、北海道大学(北大)が学生約2万名と全教職員が利用する情報基盤として、教育機関向けの統合型情報共有クラウドサービス Microsoft Office 365 Educationを導入したと発表した。また、北大は同時に教育機関向け包括契約(EES)の特典である「Student Advantage」を利用し、全学生が常に最新のMicrosoft Officeを無償で利用可能となる準備を整えた。2026年に設立150年を迎える北大では、学内のICT環境整備を進めており、今回、Office 365 EducationとStudent Advantageを利用することで、教員と学生のOfficeのバージョンを常に最新に保ち、BYODでの学習環境の向上と、トータルコストの削減の両立に成功。これまで個々の教員が購入・管理していたソフトウェアの利用状況の適切な把握や、教職員の退職、異動に伴うライセンス管理の手間の簡略化により、コンプライアンスの向上にもつながる。北大ではすでに、2015年4月より一部の教職員がOffice 365 Educationの利用を開始しており、今後、次期Microsoft Office製品の提供開始時期をめどに、速やかに全学生、全教職員への展開を進める。今後は、学生のBYOD推進に有効と思われるモバイルデバイス管理サービスや、クラウドの活用も検討している。
2015年06月29日プログラミング教育の必要性について議論が盛り上がっている昨今、Life is Tech! やCA Tech Kidsなどプログラミング教室を事業として行う企業も増えてきた。その一方で、総務省の調査結果をみると、プログラミング教室の開催地は都市部に集中しており、地方での開催例は未だ少ない現状もうかがえる。こうした状況のなか、地方からプログラミング教育を盛り上げるべく、Rubyの開発者 まつもとゆきひろ氏が在住する島根県松江市を中心に活動を行っているのが、「Rubyプログラミング少年団」だ。Rubyプログラミング少年団は、毎月第3日曜日の「しまね家庭の日」にあわせて小学3年生以上の児童を対象に1日プログラミング体験教室を開催している。「親と子どもの会話を大切に」という「しまね家庭の日」のコンセプトに沿って、子どもと保護者にそれぞれ1台ずつ用意されたコンピュータを使用し、親子でコミュニケーションをとりながら進めていく形式になっている。プログラミングの作業に用いるのは、小型シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 2」とビジュアルプログラミングツール「Smalruby」。Smalrubyは、ブロックを組み合わせていくことで簡単にゲームやアニメーションを作成できるもので、ボタンひとつでプログラムをRubyコードに変換して確認することが可能だ。1日体験教室には小学3年生の児童も参加していたが、スタッフのサポートを受けながら、オリジナルのゲームを作成することができていた。Rubyプログラミング少年団の代表を務める高尾宏治氏は、自分の子どもにプログラミングを教えたいという思いをきっかけに、2014年2月からSmalrubyの開発を行ってきた。それまでのプログラミング教室では、中学生に向けてRubyのソースコードを“写経”するような講義を行っていたが、Smalrubyによって、対象が小学生まで広がり、また子どもたちが自分で考えたオリジナルのプログラムを作れるようになったため、よりプログラミングの楽しさを伝えることができるようになったという。「都会では、保護者が積極的にプログラミング教室への参加を促しているが、地方では子どもがコンピュータやインターネットを利用することに対して抵抗がある保護者が多く、プログラミング自体にもあまり興味を持っていないように感じている」という高尾氏。親子でのプログラミング体験教室への参加を勧めているのは、保護者に実際にプログラミングを経験してもらうことで、子どもとインターネット社会との関わり方について理解してほしいという狙いがあるためだ。また、1日体験教室でプログラミングに興味をもち、もっと勉強してみたいと思った児童のために、ステップアップのための「プログラミング道場」という月に1回行われる無料のプログラミング教室も用意されている。最近、徐々にプログラミング道場への参加希望者が増えてきており、現在は10名の小学生がスタッフに手伝ってもらいながらそれぞれ自分の考えたゲームを開発している。高尾氏は、「将来的には“スポーツ少年団”のプログラミング版にしていきたい」としている。スポーツ少年団とは、運営元の日本体育協会によると「子どもたちがスポーツを楽しみ、野外・文化・社会活動などを通じて協調性や創造性を養い、社会のルールや思いやりのこころを学ぶ」もの。全国大会やプロを目指すというよりは、スポーツをとおして子どもたちの健全な心を育てて行くことを目的としている。プログラミング教育には、次世代のIT人材育成を期待されている面もあるが、Rubyプログラミング少年団としては、まずプログラミングの楽しさを知ってもらい、コンピュータやネットリテラシーを身につけた子どもたちを増やしていくことを主眼に置いている。今後は鳥取にも拠点を広げて行く予定で、「いずれは日本全国の各地域に展開していきたい。地方でプログラミングを教えてみたいと思っている方は、ぜひ問い合わせていただければ」(高尾氏)。今年の秋にも、NPOとしてプログラミング少年団を法人化し、その土台を固めていく考えだ。
2015年06月29日ソフトバンクとベネッセホールディングスの合弁会社Classi(クラッシー)は6月24日、教育系大手出版社5社と連携して教材を配信するオプションサービス「プレミアムパック(仮)」の提供を夏より開始すると発表した。Classiは、タブレットやスマートフォン、パソコンで利用できる学習支援クラウドサービスで、授業や面談、家庭学習で利用できる各種アプリケーションを提供している。なかでも、問題選定から生徒への配信・集計までを簡単に行える「Webテスト」は、先生の教材作成や採点などの負荷を軽減し、学習効果も高いことから、小テストや宿題などで利用頻度が高い。これまで「Webテスト」上で活用できる教材はベネッセグループから提供していたが、教育系大手出版社と連携することで、今まで以上に生徒一人ひとりの理解度や目標に応じた教材提供が可能となった。「プレミアムパック(仮)」では、学研教育出版、桐原書店、数研出版、尚文出版、山川出版社から提供される各教科のベストセラー問題集を中心とした問題が、「Webテスト」上で使い放題になり、先生が小テストや宿題で活用するだけでなく、生徒自身が問題を検索して自学自習もできる。また、Classiでは生徒一人ひとりにより最適化した学習支援をしていくために、生徒個別に最適な学習問題を提供する機能の追加を検討している。
2015年06月25日さらなるグローバル化の伸長が予想される2018年、国内の18歳人口が再び減少し始める。教育機関関係者のあいだでは、これを"2018年問題"と呼ぶ(2018年問題をご存知ない方は、前回から読んでいただくことを推奨する)。グローバル化の波を受けた育成人材の変化、アジアを中心とした海外大学の台頭、18歳市場の縮小という時代を背景に、大半の有識者が予測することは、数多くの大学の倒産である。国内の多くの私立大学は総収入の7割~8割を学納金収入に頼っており、学生数の減少が経営に与えるインパクトは大きい。また、学納金収入以外の収入も大半が国や自治体からの補助金であり、学納金収入の減少を補うビジネスモデルも存在していない。加えて、コスト側面でも固定的支出、B/S(貸借対照表)側面でも固定資産が大半を占めており、総じて状況変化に極めて弱い財務体質を有している。この状況を踏まえると、将来起こり得るマイナスの状況変化に対して、多くの大学が経営危機に見舞われると考えることが自然である。一方、アクセンチュアは、国内大学がこの難局を転機として捉え、この先数年間で急速に経営モデル・事業方針を大きく変えるのではないか、そして国内大学の持つ力をもってすれば、2018年問題の影響を感じさせないほど、大きく成長を遂げることが可能なのではないかと考えている。その理由をより容易に理解いただくことを目的に、1980年代に米国の大学を襲った危機と米国の大学の対応についてまずは触れておこう。米国では、1980年代中盤から1990年代に掛けて、今の日本と同様に18歳人口の激減に見舞われた。この時、米国内で予想されていた大学の倒産数は200超。しかしながら、(当然M&Aなどの倒産回避策もあったものの)実際の倒産数は60前後という結果であり、いい意味で予想を裏切った。それ以上に感心すべきは、その後の "世界をリードする米国大学"というイメージを確立する礎を築いたことだ。18歳人口の減少に見舞われた米国の大学では、学生獲得難の克服に向けて、経営モデルそのものを大きく変化させ、各大学で補助金や教育収入に頼らない企業的なモデルを確立した。変革内容はデリバティブなどを利用した投資収益の増加施策や保有する有形固定資産や人的資産を活用した営利事業の展開、国外からの留学生や企業とコラボレートした社会人の受け入れを活性化など多岐にわたった。つまり、それまで培った教育事業を柱に置きつつも、収入源の多角化を積極的に推進したのである。また、支出面でもアウトソーシングなどの外部リソースの活用を積極的に推し進め、コスト圧縮とコスト体質の転換(変動費化)を両立させた。結果、米国の大手大学では総収入に占める学納金(授業料)収入の割合を30%前後まで圧縮させる事に成功し、コスト面も変動コスト割合が高まり、学生数の減少に伴う経営に対するインパクトを極小化させた。加えて、他事業から得た収益を教育に投資する好循環モデルを確立し、現在の"世界をリードする米国大学"の基盤となるROI(投資対効果)を高めたビジネスモデルに転換したのである。では、国内大学も米国の大学同様に事業の多角化を基軸としたビジネスモデルに転換が出来るのだろうか。その可能性については否定こそしないものの、実現までには相当の時間を要すると考えられ、実質的にはよりマーケットの変化に順応することに主眼が置かれたパラダイムシフトになると考えられる。主に以下の4つ側面から、国内大学は大きく転換していくと予測している。○1. 教育プログラムの転換学生獲得競争の激化を背に、各大学は差別化を目的として自学に見合う領域に経営資源を集中的に投下し、"戦える武器"を創りあげる。その結果、現在は主流となる経済学部や法学部、工学部などの汎用性の高い学部は一部の上位大学に残る程度で、多くの学部は就職先の業種や業態、企業、進学先などに直結する極めて専門性の高い内容で構成され、授業内容もこれに沿って実践・実学教育に大きくシフトする。一方、従来は自学で提供していたリベラルアーツ的な教育は、上位大学から先端技術を駆使してクラウド的に提供される。また、卒業などの各種認定においても、汎用的なスキル証明というこれまでの位置づけが崩れ、より細分化された領域・レベルに対して単位や修了を認定するかたちに転換していく。○2. 対象マーケットの転換グローバル化・少子化の煽りを受け、国内の18歳人口を対象とした学生獲得競争が崩壊する。学生獲得競争は社会人や企業研修にまで広がりを見せるとともに、その範囲も東南アジアやBRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)などの諸外国にまで拡大し、Inboundでのグローバル化が進展する。○3. 提供場所の転換昨今の急速なデジタル化を背景に、従来のキャンパスに軸を置いた教育スタイルから、大部分の教育の場をインターネットに転換していく大学も増加する。デジタルを活用した授業スタイルとはVirtual Class Roomを指しており、これまでの片方向でコンテンツを提供するeLearningとは一線を画し、教員や他の履修学生と双方向でコミュニケーションを行え、自身の環境があたかも教室にいるような錯覚に陥る環境になる。○4. 経営モデルの転換マーケットの流動性が高まることで、特に小規模の大学は保有していた固定資産の大部分を手放し、自治体や企業などと連携したレンタルキャンパスに移行する。また、人材においても必要最小限の精鋭部隊のみを有し、不足人材はアウトソーシングなどを活用することで経営状況に合わせて柔軟に最適量を調達する。この転換は学生にとって大きな意義をもたらす。学生ひとりひとりが世界中に溢れる多様なコンテンツを自由に組み合わせ、最適な教育を自分自身で確立することができるようになる。そしてそれらのコンテンツは教室だけでなく、バーチャルな世界からもアクセスが可能となり、コンテンツに対する満足度は瞬く間にインターネットを通じて拡散し、次の受講生の重要なインプットとなる。これが学生視点からみた将来の国内大学である。大学経営も企業同様、生き物であり、マーケットの状況が変われば、柔軟に対応をしていく必要がある。国内大学は、グローバル改革やガバナンス改革といった目先の改革も必要ではあるが、中長期を見据えた大きな変化を追求する事も必要になってくるのではないだろうか。実際、近年の大学改革ではこの動きを予兆するかのように、出口戦略に焦点を当てた学部再編や経営改革が相次いで生じている。次号ではこれらの事例を紹介しつつ、2030年に向けた国内大学転換についてさらに深堀していく。(次回は7月下旬の掲載予定です)著者プロフィール根本武(ねもとたける)アクセンチュア株式会社 公共サービス・医療健康本部 マネジャー入社以来、数多くの大学改革案件を主導。経営戦略や教育改革、組織・業務・IT改革に至るまで幅広い分野に精通。保有資格は中小企業診断士、システムアナリスト、テクニカルエンジニア(ネットワーク)など
2015年06月25日現在、アップルのWebサイトでは「iPadですべてが変わる」と題された特設ページが開設されている。「クッキング」「学ぶ」「スモールビジネス」「旅に出る」「模様替え」という5つのシーンで、iPadをどのようなアプリを用いて活用するかを紹介し、その魅力を伝えるというものだ。すべてが変わる、ということで言うと、教育の現場でiPadが採択されるようになり、今まさに大きな変革の時期が訪れている。本稿では三重県松阪市立飯高東中学校が参加したアップルのジュニア向けプログラム「フィールドトリップ」の様子とともに、iPadが学校に齎した「変化」について見て行く。Apple Store, Ginzaで開催された「フィールドトリップ」には、三重県松阪市立飯高東中学校の3年生22名が参加。iPadを利用しプレゼンテーションを行った。同校は松阪市が推進するICT教育で、日頃よりをiPad使った授業に取り組んでいる。この日はまず、iMovieを使ってプレゼンテーションを行う3グループと、Keynoteでプレゼンテーションを行う2グループという5つのチームに別れ、ワークショップ形式でプレゼンテーション用資料を作成していった。同校の修学旅行のプラグラムの一部として取り入れられた「フィールドトリップ」、参加した22人は、新橋駅からApple Store, Ginzaまで徒歩で移動する道中、気になったもの、興味をそそられたものを写真、および動画でiPadに記録していた。今回はそれらの素材を組み合わせて作業にあたる。ここまでは、よくあるiPadを用いたコンテンツ制作のトレーニング風景のように見えるが、実はもう一歩踏み込んだところでテーマが設定されていた。それは、iPadを教員と生徒が学びの場においてインタラクティブなツールとして使うだけでなく、表現力やコミュニケーション力を深めるために利用するというものであった。全校生徒はわずか58人、松阪市の山間部に位置する飯高東中学校は、例えば交通の便があまり良くなかったりするのだが、不便な地域だからこそ、情報収集力を高めていかなければならないし、表現したことを発信する力を養っていく必要があると、同校の平野修教諭は力説する。閉ざされた環境では育みにくいコミュニケーション力を、iPadがどのようにアシストしてくれているのか興味深いところだが、行われたプレゼンテーションを見ていると、それは見事な形で結実しているように思われた。また、出されたお題に沿って、出来上がったものを読み上げるだけではなく、自分達で発見したものを自分達で伝えようとする、本当の意味でのプレゼンテーション力が身についているという印象を受けた。平野教諭は、家庭の中で気がついたことをピックアップしてきて、それらを学校での学びに活かしていくということを最終的な目標にしているので、今回のApple Storeに於ける研修(フィールドトリップ)はそこに繋がる機会となるだろうし、生徒達にとっても良い経験になるだろうとも話す。地元の交番と東京の交番の違いをレポートしたグループは、前者では自転車が使われるが、後者ではパトカーが利用されているようだと伝え、外観の違いにも触れた。このグループは普段見慣れているものが、違った場所に行くと実際に違ったものとして現前するということをiPadのカメラでキャッチし、Keynoteの助けを借りながら上手く言い表していた。自動販売機が数多く並ぶ路地を見つけたグループは、それが自分達の暮らす地域にはあまりないと報告してくれた。撮ってきた写真を見ると、都心に住む我々でも驚くくらいの数の自動販売機が設置されており、こんな場所があるのだと感心させられた。表現力、コミュニケーション力に加え、彼らは鋭い観察眼も獲得しているのではないだろうか。iMovieでプレゼンテーション用の動画を作成したチームは、珍しいものや可愛いものを集めてみたとのことだったが、目に映った新鮮な光景を捉え、修学旅行の思い出を纏め上げ、その楽しさを、喜びを余すところなく伝える発表を行った。生徒達だけでなく、教員もiPad導入以前とは変わってきたと平野教諭は言う。ICT機器を使うにあたって、生徒一人に一台渡すということに抵抗感を覚えていたある教員は、導入後、授業のことをよく考えるようになっていったと続け、デバイスの操作に慣れるのはもとより、どう使い、どう授業を進めていくかを熟考するようになってきていると明かしてくれた。元々、生活指導担当だったという同教諭は、フィルタリングの問題など、教育でマイナス面になることも心配していたというが、実際にiPadを取り入れてみると、むしろプラスの面が大きかったと評価する。そして、完璧に守られている状況に真実はないと思うようにもなったそうだ。文科省は5年後に始まる新学習指導要領で、生徒達が主体的に発言したり議論したりする「アクティブラーニング」を採用する方向で準備を進めているが、飯高東中学校はその先鞭をつける形での授業を行っている。さらに文科省の期待を超え、例えそれが実用性のない事柄であったとしても、発見を学びに結びつけようという姿勢も伺える。iPadが何気ない日々に変化を齎し行動規範も変えていく、飯高東中学校の取り組みはその好例であると感じられた「フィールドトリップ」であった。
2015年06月19日子どもが生まれると、考えなければいけないのが教育資金。文部科学省の統計によると、幼稚園から大学まですべて公立でも901.7万円、すべて私立で、理系の大学に進学した場合は2095.0万円も必要になるんです!「そんなお金、いったいどう準備したらいいの?」って不安になっちゃいますよね。そんなママに必見の情報が!なんと、投資で教育資金を用意する新制度が来年スタートするんです。■ついに“ジュニアNISA”が始まる!新制度とは、2016年4月にスタートする“ジュニアNISA”。最近CMでよく聞く“NISA”の子ども版です。NISA(少額投資非課税制度)は、専用の口座から株や投資信託を購入すると、非課税期間内の売買益や配当金にかかる税金20%が免除される仕組み。昨年1月に導入され、ことし3月末時点で879万件のNISA口座が開設されています。ジュニアNISAはその子ども版です。といっても、実際に投資をするのは子どもではありません。子どもに資産運用を学ぶ機会を与えるねらいもありますが、実際には子ども名義で開設した口座で、両親やおじいちゃん・おばあちゃんが運用することになります。「でも、投資とか資産運用って難しそうだしリスクも怖いし、ちょっとハードルが高い……」なんて考えていてはもったいない!賢く使えば貯蓄よりも学資保険よりも大きなリターンが期待できる、まさに新世代のための資金運用制度なんです。■運用益にかかる税20%が非課税にジュニアNISAの基本的な仕組みはNISAと同じです。0歳から18歳以下の子どもが対象で、1年間の限度額は80万円。この80万円を1つの枠として、この枠内の売買益が非課税になるのは1回のみですが、内訳は自由。つまり、80万円相当の株を1銘柄買ってもよし、20万円相当の株を4銘柄でもOK。非課税期間は5年間です。ただし、教育資金づくりを想定しているため、名義人の子どもが18歳になるまでは資金の払い出しに制限があります。たとえば1年目に株を80万円分買い、5年後に100万円で売った場合、利益の20万円には20%の税金=4万円が課されるはずですよね。でも、ジュニアNISA口座なら非課税なので、20万円まるまる手元に残るというわけです(金融機関の手数料は別途かかります)。また、同じ銘柄を5年間持ち続けると、その期間の配当金が非課税になります。投資ですから元本割れリスクへの覚悟は必要ですが、リスクが比較的少ない投資信託の商品を選ぶ方法もあります。なにより、税金20%が非課税になるというのは魅力的!これまで教育資金といえば学資保険など貯蓄性の高い保険が一般的でしたが、これからは、子どもの教育資金も“運用”で積極的に殖やして準備する時代に突入したのです。■難産の末に誕生した本家の制度NISAのモデルは、1999年にイギリスで導入された“ISA”。2011年には子ども版・ジュニアISAが生まれましたが、その誕生までには紆余曲折がありました。当時、すでにイギリスでは教育資金づくりのための公的制度「チャイルド・トラスト・ファンド(CTF)」がありました。子ども1人当たり政府から支給される合計500ポンド(約95,000円=2004年当時)の給付金に親や祖父母が資金を追加してCTF専用口座で運用し、運用益を非課税にするものです。しかし、購入できる金融商品の選択肢が少ないことや自由度の低さ、手数料の高さからCTFは不評。財政難で給付金が削減・停止されるに至り、『The Telegragh』では“お金を預けてはいけない5つのファンド”の1つに挙げています。そうした失敗を乗り越えて生まれた資産運用制度がジュニアISAというわけです。それをモデルに日本でスタートするジュニアNISAは、教育資金づくりの一手段として大きな可能性を秘めています。制度としても、利用するわたしたちも、試行錯誤を重ねてみんなでジュニアNISAを育てていければ、子どもたちの将来大きな武器になり得ます。せっかくの新世代の資金運用、賢く情報を集めておおいに活用したいものです。(文/よりみちこ)【参考】※NISA(少額投資非課税制度)が始まりました!―金融庁※普及が進む英国ジュニアISAの現状と我が国への示唆―野村資本市場研究所※The five worst places to keep your money―The Telegragh
2015年06月18日東京都内にある中高一貫の女子校である品川女子学院は、今年で創立90年を迎える歴史ある学校だが、大学合格という目先の成果を求めるのではなく、28歳になったときに社会で活躍できる人材育成を目指す「28プロジェクト」というユニークな教育プログラムが近年注目を浴びている。その一環として、品川女子学院では、Evernote Businessの導入や、ヤフーなどの企業とのコラボレーション授業を実施するなど、教育現場へのIT活用や最先端のICT教育を積極的に推進している。ヒト型ロボット「Pepper」向けのアプリ開発を手がけるヘッドウォータースは、こういった同校のICT教育に対する熱意に着目。ヘッドウォータースの技術力を生かして何かできないかという思いから今回、同校とのコラボレーション授業の実施に至った。コラボレーション授業には、中学2~3年生の生徒約40名が参加。「学校にいてほしいPepper」をテーマに、5月からPepper用アプリの企画・開発を進めてきた。報道関係者に向けてその様子が公開された6月16日の授業では、主にアプリのプログラミング作業とPepper実機でのテストが行われた。授業で開発するアプリは、「登下校する生徒を笑顔にして写真撮影するPepper」「来校者に対して校内案内するPepper」「保健室に来た生徒を癒すPepper」の3つ。生徒らが授業で考案した数々のアイディアのなかから、「Pepperの特徴を生かしていること」、「学校にいることの価値が見出せること」を基準にヘッドウォータースが選考したものだ。生徒らは授業のはじめに、Pepperにどんな言葉を喋らせるか、どんな動きをさせたいか、各々の意見を発表し、アプリに盛り込む詳細な機能を決定。それぞれの機能に対して、2~3名ずつで開発に入っていった。開発には、Pepperなどのロボット用アプリ開発が行えるソフトウェア開発キット(SDK)「Choregraphe」を利用。Choregrapheでは、ビジュアルプログラミングの方法が採用されており、プログラムのコードを記述できなくても、機能ごとに用意されたボックスをドラッグ&ドロップでつないでいくことで、簡単にプログラムを構築することが可能だ。プログラミングの授業というと、その難しさに音を上げてしまう生徒も出てきそうなものだが、「Pepperの喋り・動き」というわかりやすい成果物と、ヘッドウォータースのスタッフの熱心なサポートのおかげで、PCの画面に向かう生徒らの表情は皆、真剣だ。「生徒を笑顔にするアプリ」を開発していた生徒らは「Pepperを踊らせたい!」と、試行錯誤しながら、Pepperに複雑な動きをさせるプログラムを作成していた。ネスレやみずほ銀行など、さまざまな企業でPepperの導入が進みつつある昨今だが、まだまだその可能性は未知数だ。ヘッドウォータース 人とロボット事業部 事業部長 塩澤正則氏は、「この授業から実用化に至るものが出てくる可能性は十分にある」と、女子中学生ならではの柔軟な発想力に期待しているという。授業の最後に実際にPepperを動かして開発の成果を発表した生徒は、「実際に動かしてみると、頭の中で想像していたものと違った。実物で試しながらプログラミングしていくべきだった」と反省しながらも、「プログラミングをもっと勉強してみたい」と目を輝かせていた。
2015年06月17日KDDIと一般社団法人のソーシャルメディア研究会、兵庫県警察と兵庫県内4市の教育委員会は6月15日、地域一体の産官学連携ケータイ教室を実施すると発表した。4市は、相生市と三木市、養父市、たつの市。この4市の小中学校59校を対象として、携帯電話やスマートフォンの安心・安全な利活用に向けた啓発活動を19日より行う。KDDIはこれまでも「KDDIケータイ教室」として、スマートフォンの正しい使い方やトラブル予防策などを教えてきたが、今回の産官学連携では、より地域に根ざした教育を年度末まで行う。ソーシャルメディア研究会に所属する学生の意見を教室の教材に盛り込み、同会の代表理事を務める兵庫県立大学 環境人間学部教授 竹内 和雄氏が監修を務める。また、兵庫県警が地域で起こっている身近な事例や地域課題を提供し、同様に教育委員会の方針も取り入れた"地域密着型"のケータイ教室教材となっている。これまで各市の教育委員会は、それぞれが情報リテラシー教育の計画を行っており、異なる啓発活動を実施してきたが、今回の取り組みにあわせて管轄の小中学校を一括して、統一的に啓発活動に取り組んでいく。実際のケータイ教室では、教室講師の認定試験に合格した研究会の学生が講師を務める。受講する子どもと年齢の近い学生が講師になることで、「講座の中で自分自身の体験談を交えて注意を促せる」というメリットが生まれる。なお、このケータイ教室は今年度いっぱいの実施だが、アンケートによる意識変化の効果検証を行うことで、次年度以降への改善活動へとつなげていきたいとしている。○小学生の8割がネットに触れる時代竹内氏や各市の教育委員会によると、各市で3割~5割の小学生がスマートフォンを所有しているという。これだけでなく、ネットに接続できる携帯音楽プレーヤーやゲーム機によるアクセスを含めると、約8割がネット文化に触れている可能性がある。「トラブルは他人ごとではなく、実際に地区でトラブルにつながるケースもあるし、一般的な問題として(LINEなどの)"既読無視"、そして最悪の場合には殺人事件に至ったケースもある」(竹内氏)「生徒さんたちは、先生よりもスマートフォンアプリの使い方に詳しい。生徒がトラブルに巻き込まれるだけでなく、加害者の立場になってしまう場合もある」(KDDI 理事 関西総支社長 松尾 恭志氏)今回の取り組みの最大のメリットは、これまで個別に行っていたリテラシー教育を三位一体となって行える点だ。KDDIは通信インフラを担う事業者として、安全で安心なネットの使い方を啓蒙し、教育委員会や県警も倫理教育や社会常識の啓蒙活動を行ってきた。これを「それぞれの強みをうまく融合させること」(竹内氏)で、より効果的に児童や生徒に身につけさせようという取り組みというわけだ。そこで大きな役割を果たすのが、竹内氏の下に集まった大学生や院生たち。実際にスマートフォンが身近にある環境で育ってきた彼らが、実体験をもとに児童や生徒に教えることで、「先生に授業形式で上から説明されるよりも、"お兄さん"や"お姉さん"に教えてもらったほうが真剣に聞いてくれる」とは竹内氏の言葉。KDDIのケータイ教室の講師試験を通った10数名の"先生"が、児童や生徒に教えることになる。KDDIのケータイ教室は、年間で約3300回、KDDI社員ら100名が行ってきたが、今回の取り組みでも、講師試験の基準は社内向けとまったく一緒。小学生や中学生という低年齢の子どもたちに教えるため、「笑顔で優しく教えること」「恐怖感を与えてはダメ」といったポイントも重要になる。「学生の一人は、実際に講師試験を受けたが落ちてしまった。だけど、どこがダメだったのか勉強し直して、もう一度試験にチャレンジしようとしている」(竹内氏)。実際に、記者会見場でも神戸大学大学院の学生が模擬授業を行い、授業内で見せる動画をわかりやすく紹介してみせた。特に「大学のテスト期間中、3時4時まで友達とLINEして、勉強のことを議論していたつもりが、頭に入ってなくて結果がボロボロだった。便利だけど、何も頭に入っていないという体験はある」という実体験は、すでに卒業して何年もたってしまっている親御さんや先生からは聞き出せない貴重な声と言える。竹内氏が「これが日本中に広がってほしい。大人が子供を守れるようにできれば」と強調するように、単なる地方自治体や地域に近い大学が個別に進めるだけの取り組みで終わって良いはずはない。地域の実例を県警から持ち寄って反映するという地域への最適化だけでなく、こうした場の知見を他地域へ応用していくことが重要と言えるだろう。
2015年06月16日こんにちは!15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。新入社員研修も終わって本配属になる方も多いこの季節。大学生活にも慣れてアルバイトも本腰を入れる季節でもありますね!この季節の筆者のサロンでは「ネイルOKなんですけどどこまでOKかわからなくて・・・」という新人さんと「新人がとんでもないネイルしてきた・・・」とため息をつく教育係の方が交差する季節でもあります。社会に出ると、門に立って生活指導する先生はいなくなる代わりに、全てが自分の判断で自分の責任となってきます。「ダメって言われないし、まぁいっか!」は要注意。おしゃれが人に与えるイメージの大きさって計り知れません。今回は、新人教育担当の方数人に意見を聞いてみました。■蛍光の黄色にピンクの水玉(建設事務業の場合)「昔の新人で蛍光の黄色にピンクの水玉にしてきた子がいて・・・確かに、社則ではネイルOKなんだけど“なんか気持ち悪い爪の新人だね。”て言われることが増えてしまって。本人にも伝えたんだけど“えーかわいいじゃないですかぁ”で聞く耳持たず。」結局、この新人さんのせいで、ネイルに関する社則が出来てしまい、色はピンクかベージュと指定されてしまったのだとか。先輩方はぶーぶーで新人教育担当だったお客様は責められて肩身の狭い想いをしたのだとか。例え社則がなくてもTPOは大切にしたいですね。■ピンクって果てしないよね(一般事務業の場合)「会社の決まりで、ネイルはピンクしかダメなのね。でも、ピンクっていっぱいあるじゃない?ラメラメでギラギラのピンクにしてきた子がいてさ。すぐ外してこいって言ったけど。確かにピンクなんだけどさ・・・」会社の決まりでネイルの色の指定がある、という場合も昔に比べて多くなっています。自由なはずの社会で「決まり」がどんどん増えていくのは、こういったことが原因なのかもしれませんね。■透明だけは守る!せめて、透明だけは!!!(卸会社の場合)「会社でネイルNGになっちゃった・・・新人が、ヒョウ柄とかゼブラ柄とか濃いピンクとかのネイル付けてたのが問題になって。ジェルネイルないと爪が折れちゃうから、みんなで声を大にして“透明に近い色”だけは守ったよ。」行き過ぎたネイルを付けた新人さんのおかげでネイル全面禁止になった、という例もチラホラ聞こえます。透明くらいは塗っておきたいですよね。■お願い。爪くらい綺麗にしてきて(秘書業の場合)「仕事上、清楚であれば問題ないんだけど、清楚=何もしないことと勘違いしてる子もいて、爪は適当にちぎってるのかって思うぐらい長さもバラバラ。あちこち欠けてたり、マニキュアだけは塗っててもどこか剥げてたり・・・爪くらい綺麗にしてきてほしい。」小学校の時ありましたね。身だしなみ検査。思いがけず目につきやすいのが爪です。せめて綺麗に切りそろえるくらいはして欲しいですね。■少しでいいからおしゃれして欲しい(アパレル業界の場合)「なんでうちに就職したのかわかんないんだけど、おしゃれ嫌いらしくてさ。1色でもいいからネイルくらい塗って欲しい・・・頼んでも塗ってくれないんだよね。」アパレル業界は皆さんおしゃれなイメージですもんね。お客様に会う時も同業者に会う時もなるべくおしゃれでいて欲しい先輩の気持ちわかります。■おわり社歴の長い方は「会社の雰囲気」を掴んでいるのもあって、ネイルでの失敗を聞くことは少ないように思いますし、施術中も「あ。これはちょっとやばいかも」と越えてはいけないラインを自分の中で引くのが上手な気がします。自分で考えて自分の境界線をうまくつくれてこそ大人の女性なのかもしれません。「それはダメ」と上司や先輩に言われてしまったらほぼアウトです。先輩の爪を見て、先輩より少し控えめにしておくのが一番ベターなようです。ゆっくり少しずつ、周りの反応を見てから「個性」を出すと失敗が少なくなりそうですね。(川上あいこ/ハウコレ)
2015年06月14日大手3DプリンタメーカーStratasysの日本法人 ストラタシス・ジャパンは2015年5月19日、高校・大学向け3Dプリンティング教育カリキュラム「3Dプリンティング入門:設計~製造編」の日本語版を発表した。同年7月1日(予定)よりストラタシスのWebサイトにて無償ダウンロードを開始するほか、9月より日本大学 芸術学部 デザイン学科への導入が決定している。同カリキュラム提供について、ストラタシス・ジャパンの代表取締役社長 片山浩晶氏に話を聞いた。○産業界における3Dプリンタ活用の変遷3Dプリンタは、従来、試作品をスピーディに作りあげるラピッドプロトタイピングのために主に用いられてきたが、昨今は米国を中心に、製品そのものや治具を作るDDM(ダイレクト デジタル マニュファクチャリング)へと主軸を移してきている。特に、航空宇宙産業、自動車産業、医療機器などのような、高付加価値を求められ、小ロットで多品種であり開発にスピードが必要とされる類のものにめざましい成果をあげている。○教育現場への期待と、導入への障壁3Dプリンティングによるデジタルファブリケーションは、モノづくりの常識を根幹から覆す技術だ。そのため日本でもますます関心が高まっており、2013年に公表された“世界最先端IT国家創造宣言"においては、「学生らが将来を展望した技術を習得できる環境整備」と「教育環境のIT化推進施策」の1つとして3Dプリンタが加えられている。また、経済産業省は、教育機関が3Dプリンタを購入する際の補助金制度を設けるなど、教育現場への導入が大いに期待されている。しかし、国内の教育現場に3Dプリンティングが導入されている例はごくわずかである。導入の障壁となっている理由は大きく分けて2つある。1つは教育者の理解が十分でなく教えられる人が少ないこと、もう1つは3Dプリンタの利用に不可欠な3Dデータが手に入りにくいことだ。ストラタシス・ジャパンは、この2点に対してさまざまな施策を打ち出している。その1つが今回の学校向け教育カリキュラムの提供である。○デジタルファブリケーションのリテラシーを広く浸透させる同カリキュラムは、2014年12月に英語版で発表され、既に米国、オーストラリア、イタリア、中国、シンガポール、インドなど各国の教育機関に導入されている。カリキュラム内容は、「製造業の進化の歴史と転換点」「主要3Dプリンティング技術の特性と制約の理解」「時間とコストカットのための利用機会の特定」「3Dプリンティングが与える経済的な影響」「可動部品を備えたオブジェクトのデザインと3Dプリンティング」など、3Dプリンティングの歴史から紐解き、デジタルファブリケーションとは何かという基本知識から、3Dプリンタが現在から将来に渡って何を可能にするのかを14週間で体系的に学べるようになっている。「デジタルファブリケーションを真に活用できる社会を作っていくためには、3Dプリンティングのデータ設計手法を教える前に、広く一般知識として浸透させることが必要です。このカリキュラムは、その目的に叶ったものになっています。これを用いて、日本の未来を担う学生に、デジタルファブリケーションのリテラシーを広げていきたい。まずは高校・大学への取組をスタートしますが、ゆくゆくは小・中学校も視野に入れています。3Dプリンティング技術によって、ワクワクするようなモノづくりの楽しさに慣れ親しんでもらいたいと考えています」(片山氏)。同カリキュラムは「基礎コース」として位置づけられ、各学校のコースの特色に合わせて、教師が必要な内容を加えていくことが想定されている。9月に導入が決定している日本大学 芸術学部 デザイン学科では、最新のデザイン教育として、以前よりデジタルファブリケーションの教育研究に取り組んでいる。従来のデザイン手法に新しい手法を加えることで、相乗効果を期待しているという。○10年先の日本のモノづくりへストラタシス・ジャパンが見据えているのは、10年先の日本のモノづくりだ。日本のモノづくりは高い品質を担保するため、開発スピードについては他国に比べて弱い感がある。また、人件費を考えると、大量生産の分野で海外に勝つことは困難だ。片山氏は次のように言う。「時代はマスプロダクション(大量生産)から、マスカスタマイゼーション(個別最適化生産)へ変化してきています。個別の要望に応える、つまり消費者の多様化に寄り添う工夫をしたモノづくりです。より付加価値の高いものを、必要な数だけ生産する。3Dプリンティングは、この考え方に最もマッチする技術で、かつスピーディな開発や生産を可能にします」製造技術の競争は世界的に激化しているが、品質における日本製への信頼感は、いまだ世界の人々の中に根強くある。デジタルファブリケーションのリテラシーが国内に広く浸透し、将来的に高品位の3D設計技術者が数多く創出されることが、日本の競争力を高める鍵になりそうだ。
2015年06月12日ディー・エヌ・エーは、2014年10月より佐賀県武雄市の公立小学校1年生に対して、プログラミング教育に関するタブレットPC用の教材アプリケーションの提供および授業の実施を実証実験として行ってきたが、6月9日、2015年度においても、小学2年生向けの新カリキュラムの開発と授業を実施することを決定したと発表した。同社は、2014年10月~2015年2月の期間中、武雄市立山内西小学校の1年生に対し、実証研究授業として全8回のプログラミング教育授業を、放課後の時間を活用し実施。同社が独自に開発した教材アプリケーションの利用方法を学びつつ、児童自身が描いたイラストを使用したオリジナルのゲームやアニメーションを創作し、最終授業でその作品を発表し、保護者やほかの児童に共有するというカリキュラムを提供した。この最終授業後のアンケートの結果を受けて、昨年度受講した山内西小学校の新2年生に、新たに開発したカリキュラムにて授業を実施するという。また、昨年度の授業実施を通じて得られたデータをもとに改修した小学1年生向けカリキュラムを、山内西小学校および武雄市立若木小学校の2校の新1年生に対しても2学期以降に提供する予定だ。
2015年06月09日○文科省のビジョンを受け、中学1年の全生徒にiPadを貸与横浜市青葉区にある桐蔭学園は、自然豊かで広大なキャンパスに、幼稚部から小中高校、大学までを有する総合私立学校だ。県内屈指の進学校であるとともに、スポーツも盛んであり、野球、サッカー、ラグビー、陸上など様々な競技において全国屈指の強豪校としてその名を轟かせている。そんな文武両道の校風を持つ同学園では、ICT教育の一貫として、今年4月に入学した中学校と中等教育学校1年の全生徒500人を対象にiPadを貸与し、授業で活用している。生徒への貸与完了後には、授業を行う教員にもiPad140台を配布。現在、計640台のiPadがICT教育向けに稼動しているのである。桐蔭学園のiPad導入は、文部科学省が2011年に教育の情報化に関する総合的な推進方針として発表した、「教育の情報化ビジョン」を受けてのものだ。このビジョンでは、2020年を目標にすべての児童生徒に対し1人1台のタブレット端末を導入することが掲げられているのである。今回の取り組みを主導している同学園 中学校男子部の教諭、山口大輔氏(技術科担当)は、「教育の情報化ビジョンでは、一斉学習や個別学習に加え、協働学習が行えるようにすることが示されています。そうした環境を実現するために必要なツールとして、iPadを導入しました」と説明する。そうした中、タブレット端末を選定する上で特に重要視したのが、バッテリーの稼働時間だ。生徒にはiPadを自宅に持ち帰ることも許可しているが、学校にいる間は充電する必要がないよう、少なくとも午前8時から午後3時までは連続して稼動可能であることが求められたのである。まずOSを問わずに、Windowsタブレット、Android端末、iOS端末、Chromebookと検討した結果、iOS端末に決定。続いてiOS端末の種類については、前述のバッテリー容量に加えて、操作性やメモリ容量、画面の大きさなど様々な条件で絞っていった結果、最終的に「iPad Air 2」のWi-Fi 64Gバイトモデルの導入が決まった。導入端末の検討に当たって、端末手配は有隣堂に、端末のセキュリティ・管理面はアイキューブドシステムズに相談しながら検討したと言う。続いてシステムの中核を成すアプリケーションとして選ばれたのが、アイキューブドシステムズのMDMサービス「CLOMO MDM」をはじめ、デジタルアーツのスマートデバイス向けウェブフィルタリングツール「i-FILTERブラウザー&クラウド」、タブレット向け授業支援アプリケーション「ロイロノート・スクール」である。他にも、Googleの各種アプリケーションやドキュメント作成、プレゼンテーション、動画作成アプリケーションが導入されている。このうちロイロノート・スクールは、協働学習を実施する際の要となっている。授業中に発せられた生徒からの様々な意見や質問をまとめて表示したり、それらに対する教師からのコメントや解答を共有したりと、柔軟なコミュニケーションを実現しているのである。またオフライン機能が充実している点も、通信環境に左右されず重宝しているようだ。続いて、i-FILTERブラウザー&クラウドによって、生徒がiPadを自宅に持ち帰っても、学校から貸与された教材端末としてふさわしいWebサイトのみを閲覧できるよう、フィルタリングを行っている。(iPad の通常ブラウザアプリ(Safari)は、CLOMO MDM を通じて利用できないように設定している)「校内であればファイアウォールでアクセスを制限できますが、自宅からではその管理外となってしまいます。とはいえ自宅で個別学習が行える環境も必要なので、高度なフィルタリング機能を備えたツールを選びました」(山口氏)○ICT教育に欠かせないMDMの条件とはそして、生徒に貸与するiPadの総合的な管理のために導入されたのがCLOMO MDMである。CLOMO MDM は、授業に必要のない機能を制限するとともに、授業で使用するアプリケーションの配信・削除などに利用されている。山口氏は言う。「今回は500台での利用環境ですが、将来的には高校までタブレット端末を導入することも視野に入れています。そうなると膨大な数の端末から大量のアクセスが発生することが想定されるので、大規模な環境でも確実かつ安定して稼動するMDMサービスというのが必須条件でした。結果、大企業での導入実績とノウハウが豊富なアイキューブドシステムズのサービスが現実的だろうと判断し、CLOMO MDMに決定しました」システムの導入が決まると、ベータ版のテスト段階からアイキューブドシステムズとの間で頻繁なやりとりが行われた。「非常に多機能なMDMということもあって、サポートセンターにはよく電話やメールでコンタクトをとっていました。対応がとても素早く、適確な回答をもらうことができたので、我々の使い方に合わせた環境を構築することができました」CLOMO MDM ならではの機能が大きな効果を発揮したケースも既にいくつか発生しているという。例えば、ある生徒がMDMの構成プロファイルを削除してしまったところ、学校が配布したアプリが自動削除されると同時にその情報が管理者に通知され、即座に対応を行ったという出来事があった。「MDMの構成プロファイルは削除不可にも設定できますが、あえて削除された時点で端末から授業に必要なすべてのアプリが消えるようにしています。そうすることで、削除した子どもたちはiPadが使えなくなり不利益を実感し、やっていいことと、やってはいけないことを学ぶことにつながるのです。また我々も、生徒たちがどこまで端末を操作することができるのか把握することができるので、なぜやってはいけないかということを教えることが可能になります。“危ない使い方もできる道具だから生徒には持たせない”では教育とはいえません。どういう使い方をしたら危ないのかをしっかりと教えることもまた教育なのです。そうした意味でも、CLOMO MDMはICT教育に極めて有益なツールとなっています」(山口氏)これまでの成果などを受けて、桐蔭学園では今後、iPadの導入を拡大していく構えだ。「今回、CLOMO MDMやi-FILTERブラウザー&クラウド、ロイロノート・スクールなど、アプリケーションのおかげで生徒が学びやすい環境を整えることができたという手応えを感じています。これからは、来年度に入学する生徒への端末の貸与をはじめ、高校を含めた他学年での取り組みなどについてICT教育委員会で検討していきます。子どもたちの豊かな発想や鋭い着眼点に十分に対応できるようなICT教育のあり方を、実践を通じて探っていきたいですね」と、山口氏は抱負を述べた。
2015年06月09日総務省は6月5日、平成26年度に実施した「プログラミング人材育成の在り方に関する調査研究」の結果を取りまとめた報告書を公表した。同調査によると、プログラミング教室・講座の開催地は関東に集中しており、また、都市の規模でみると、ほとんどが大都市での開催で、中都市・小都市では事例も少なくプログラミング教育の認知度が低いと考えられる。また、教育関係団体の講師のスキルについては、高度なプログラミングスキルを持つ講師が多いが、半数以上の団体で講師数は2人以下。定期的に受講する教室・講座の受講者数については1~10人という回答が過半数となり、多くの団体では継続的な受講者数は比較的少数に留まっていることがわかる。教材に関しては、過半数の教室・講座でオリジナルのテキスト教材を利用しており、市販のテキスト教材を利用しているケースは2割未満に留まる。ただし、Scratchについては、市販の教材書籍が存在し、活用されているようだ。現在、国内で実施されているプログラミング教室・講座は、プログラミング体験自体を目的としていたり、プログラミングを楽しみ、創造力を養うことを目的としていることが多いが、一方、諸外国におけるプログラミング/コーディング教育においては、「論理的思考力の育成」「コーディング・プログラミングスキルの育成」「問題解決能力の育成」など、主に「21世紀型能力」の育成を目的としている国が多いことが明らかとなった。プログラミングに関する教育がもたらす効果に関しては、学説や有識者の意見と教育事業者の見解が概ね整合していることが確認できた。また、民間企業が求めるプログラミング人材像としては、「論理的思考力が高い」「自主性・行動力が高い」「独創性が高く、イノベーティブ」などがあげられた。プログラミングに関する教育の普及啓発に関する課題としては、普及のボトルネックと考えられる認知フェーズ・選定フェーズを重点的に解決する必要があると考えられるという。
2015年06月08日3Dプリンタメーカーの台湾XYZprintingは、ホビー・教育向けの2足歩行ロボットや、車輪型のサービスロボットを紹介していた。いずれも現在開発中のプロトタイプで、2015年10月くらいの発売開始を予定しているという。同社がロボットを発売するのはこれが初めて。価格の安さもあり、話題となりそうだ。2足歩行ロボットは2種類開発。上位モデルは身長396mm、重量2.0kgで、18自由度(腕6、足12)を持つ本格的なロボットになる。Arduino互換のコントローラ、センサー(加速度センサー、ジャイロセンサー、赤外線距離センサー)、リチウムイオンバッテリ、LED、ブザーなどを搭載。通信はBluetoothを利用する。通常、このクラスのロボットになると、価格は10数万~20万円程度になるが、同社は600ドル以下での販売を予定しているという。なお、デモ機ではROBOTIS製のサーボモーター「Dynamixel AX-12A」を使用していたが、コストダウンのために、製品版では自社製のサーボモーターを搭載する計画とのこと。一方、下位モデルの方は、身長は439mm、重量は1.85kgであるが、自由度は10に抑えられている。価格は300ドル以下の予定で、完成済みバージョンと組み立てキットの2種類が用意される。両モデルとも、ロボットの動きはユーザーが自由に設定することが可能。同社のモーション作成ソフトウェアが使えるほか、Arduino IDEによるプログラミングにも対応するので、教育用にも良いだろう。なおハードウェアの仕様は公開され、ユーザーがオリジナルの外装を3Dプリンタで作り、換装することもできる。また、10インチ液晶画面を搭載する自走式のサービスロボットも開発中だった。スーパーマーケット、オフィス、家庭などでの利用を想定しているとのことで、場所の案内、家電の制御、留守番などの機能がある。価格は用途次第になるが、家庭向けは1,000ドルくらいで考えているということだ。
2015年06月05日近畿日本ツーリストとライフイズテックは6月4日、グローバル人材教育を推進する一環として、業務提携したと発表した。ライフイズテックは、中高生のためのプログラミング・ITキャンプ/スクール事業を手がけており、プログラミング・IT教育プログラム「Life is Tech !」を企画、運営している。両社は、第1弾の取り組みで、修学旅行などにおけるキャリア教育・ICT教育の機会として、プログラミング・IT教育プログラム「Life is Tech !」を提供する。内容としては、スマートフォン向けのアプリ開発コース、メディアアートコース、ゲーム開発コース、Webサイト構築のコースなどのコースで、最先端のITプログラミング技術を学ぶきっかけを提供する。今後は、キャンプを通し「課題発見・役割分担・ITプログラミング(解決)・プレゼン」を学ぶ機会を提供するほか、海外での外国語によるITプログラミングキャンプや有名IT企業からの協賛・連携によるキャリア学習の提供など、企業・自治体などとも連携した事業を展開していく。
2015年06月05日日本能率協会マネジメントセンターは5月28日、元タカラジェンヌの著者が"真の美しさを生み出す宝塚の作法"について語った『タカラヅカ式 美しい人の作法の基本』(著 小嶋 希恵/1,400円・税別)を発売した。○作法が変われば人生が輝く著者の小嶋希恵(こじま きえ)さんは昭和56年に宝塚音楽学校を卒業。同期に黒木瞳さん、涼風真世さん、真矢ミキさんらがいる。その後宝塚歌劇団の雪組で活躍し、卒業後に宝塚音楽学校・劇団四季の受験校として「ケー・アイ・イーミュージカルスクール」を設立。現在はタカラジェンヌを夢見る子どもたちを指導している。主な教え子に、元雪組トップスター月影瞳さん、元星組トップスター白羽ゆりさん、元月組トップスター彩乃かなみさん、元星組トップスター遠野あすかさん、元花組トップスター蘭乃はなさん他150名余りがいる。同著では美貌と品格を兼ね備えた「真の美しさ」を持つ宝塚の女性たちの根本にある、徹底した礼儀作法教育について語っている。「宝塚で教えられる作法は、マナーや言葉遣いといったルールに留まらず、美しく生きるための基本となるもの」だという。また、"タカラヅカ式"の品格ある美しさの育て方に大切なこととして、以下のような理念を挙げている。・知らない人の前でこそ礼儀正しく・美しい環境が美しい振る舞いをつくる・容姿よりも礼儀と素直さ・清く、正しく、美しく、そしてたくましく・美しさは良質な言葉で磨かれる・美しい体型は正しい姿勢でつくられるさらに、生きていくうえで「いつでも、どんなときでも美しくいるためにはどうすればいか」「芯の強い、凛とした美しさはどうやったら生まれるのか」についてのヒントを解説する。
2015年06月04日アドビ システムズは3日、同社のオーサリングツールキット「Technical Communication Suite 2015リリース」の提供を開始した。販売店はアドビの販売代理店およびアドビストア。価格は22万4,000円(アップグレード価格は9万2,000円~)。「FrameMaker」と「RoboHelp」は各13万1,500円(アップグレード価格は5万2,500円~)。「FrameMaker XML Author」は5万2,500円(アップグレード価格の設定なし)。いずれの製品も年間サブスクリプションとして利用可能。アドビ システムズが提供を開始した「Adobe Technical Communication Suite」は、テクニカルライター、ヘルプやポリシー文書作成者、教育用資料のデザイナーのための次世代シングルソース、マルチデバイスパブリッシングのオーサリングツールキット。今回リリースされた最新バージョンでは、アラビア語やヘブライ語など、右から左に読む言語でのコンテンツのオーサリング、翻訳およびパブリッシングをサポート。加えて、パーソナライゼーション機能によって読者の検索速度を高速化できるほか、コンテンツをワンクリックでレスポンシブ HTML5や電子書籍、ネイティブのモバイルアプリなどのフォーマットに出力することが可能となっている。さらに、タブレットやスマートフォン、電子書籍リーダー、Webおよびデスクトップへのシームレスな配信を通じて、コンテンツの利用範囲を拡張できるとしている。また、オーサリングおよびパブリッシングソリューションである「Adobe FrameMaker」は、右から左に読む言語のネイティブサポートを実現したほか、簡素化されたフォームベースのXMLオーサリング、よりスピーディなWord文書の取り込み、すぐに使えるモバイルパブリッシング機能などの新機能を備えている。一方の「Adobe RoboHelp」は、ダイナミックなコンテンツフィルターによって関連する情報をより素早くエンドユーザーに配信できるようになったほか、17種類の出力フォーマットに対応するなど、デバイスに依存しないパブリッシングを実現可能となっている。同スイートにはこのほか、「Adobe Captivate 8」、「Adobe Presenter 10」、「Adobe Acrobat Pro DC」が含まれており、強力なeラーニングやハウツーデモの作成、動的なビデオプレゼンテーション、優れたPDF機能が統合されているということだ。XML編集に特化した「Adobe FrameMaker XML Author」は、寄稿者やさまざまな分野の専門家でも使用できる簡素さと、XML編集の経験が豊富な執筆者にとっても十分なパワーを兼ね備えた、高能率のオーサリングおよびパブリッシングソリューション。FrameMakerと同じユーザーインターフェイスを採用しており、各分野の専門家は、コンテンツのオーサリングが進行中の場合も含め、コンテキストに沿って、またモバイル機器を通じて作業に加わることを可能にし、それによりレビューと承認のサイクルが短縮されるということだ。今回の提供開始について、アドビのワールドワイド フィールド オペレーション担当エグゼクティブバイスプレジデントであるマット トンプソン氏は、「高品質で高インパクトのヘルプ情報を時間や場所を問わず、あらゆるデバイスで活用できるように配信することは、現在の企業が競合と差別化する上で不可欠です。本日発表のTechnicalCommunication Suiteには、コンテンツ開発のプロがあらゆるデバイスとプラットフォームで閲読し、行動に結びつけることができ、ソーシャルにも対応し、またコンテキストベースで関連性のあるヘルプ情報を、効率的に作成、管理、パブリッシュするために必要なすべてが揃っています」と述べている。
2015年06月04日NTTナレッジ・スクウェアは6月2日、NTTドコモと共同で推進する、日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)公認の大規模公開オンライン講座(MOOC)提供サイト「gacco(ガッコ)」で、8月26日(予定)から、明治大学専門職大学院による「会計プロフェッショナル入門」の開講を決定し同日より募集を開始した。MOOC(Massive Open Online Courses)はWeb上で誰でも無料で参加可能な大規模かつオープンな講義を提供し、修了者に対して修了証を発行する教育サービス。2012年より米国を中心に主要大学などで公開され、世界中から2,000万人以上が受講している。「会計プロフェッショナル入門」の第一の目標は、企業会計に関する基本的な知識の修得としている。まず日本の企業会計制度の概要を明らかにし、公開された財務諸表の見方やその作成に際して準拠すべき会計基準の特徴の理解を促す。それに続いて、財務諸表の構成や基本的な処理を検討した上で、現代の企業会計において喫緊の課題とされる時価評価の可否や会計基準の国際化について議論する。さらに、経営管理目的の会計や公会計のあり方にもアプローチし、会計の多面的な側面を俯瞰しながら掘り下げる予定となっている。なお、同講座では、オンライン学習の内容をもとに対面で発展的な講義・演習を行う「対面学習コース」を明治大学駿河台キャンパスで有料で実施。明治大学専門職大学院の梅原秀継教授ら5名が担当講師を務める。
2015年06月03日京都大学学術情報メディアセンター、京都市教育委員会、日本マイクロソフト(MS)、日本電気(NEC)の4者は6月2日、同センターが京都市教委と連携して京都市立西京高等学校附属中学校において、情報化社会に対応した1人1台学習環境を見据えた持ち帰り学習でのICT教育モデルを構築するため、大量の学習データから生徒の学びの変化を検証する実証研究(プロジェクト名「京都ICT教育モデル構築プロジェクト」)を開始したと発表した。研究テーマは「持ち帰り学習でのICT教育モデル構築 ~完全1人1台のタブレットPCを活かした『持ち帰り学習』と『学習データ分析』~」。1人1台のタブレットPCを活かして持ち帰り学習することで、学校と自宅での生徒の日々の学習の変化を捉えて分析し、持ち帰り学習でのICT教育モデルを構築するというもの。実施期間は2015年4月~2016年3月31日の予定で、研究実践校は西京高附属中の全119名、3クラス。実験で使用するICT環境は、タブレットPCがWindows 8.1 Proを搭載するNEC「VersaPro J タイプVT」を140台、電子黒板はWindows 8.1 Proを搭載する同じくNECの「BrainBoard 65型」を3台、その他に無線LAN環境や充電保管庫、サーバ、デジタル小テストシステム、授業支援システム、技術・運用サポートなど。同研究の開始にあたり、MSとNECは協力パートナーと連携し、学習データ分析などに利用するデジタル小テストシステムなどを提供する。また、生徒が利用するタブレットPCや電子黒板、クラウド・プラットフォームなどのICT環境整備も提供する。京都市教委は京都大学の実証研究に賛同すると共に、西京高附属中を実証研究校に指定する。同研究の成果を踏まえて、2016年度以降の市立学校におけるICT活用授業をいかに推進していくかを研究したいと考えているとのこと。西京高附属中では、日々の自宅学習の記録やデジタル小テストの結果など大量の学習データを蓄えて分析した後、分析結果を指導に活かす教育を実践する。また、各教科や総合的な学習、部活動などにおいて、生徒が自分の意見を電子黒板で発表したり、生徒同士がグループで議論しながらタブレットPCでレポートを作成したりするといった、思考力・判断力・表現力といった「情報化で役立つスキルの向上」に主眼を置いた授業に取り組むという。4者の役割分担は、京都大学は学習ログ・データの分析手法を開発し、学習ログ・データから生徒の学びの変化を分析する研究を行う。京都市教委は、実証研究に必要な環境や情報を提供し、研究成果を踏まえて市立学校におけるICT活用のあり方を検討していく。MSは支援企業を取りまとめると共に、教育機関向けの統合型情報共有クラウド・サービスである「Office 365 Education」と、クラウド基盤「Microsoft Azure」を提供する。NECはNECフィールディングと連携し、学習データ分析に関わるICT基盤の整備を行う。また、生徒が利用するタブレットPCや電子黒板などのICT機器の提供や、システム構築をトータルに行っている。さらに、ICT機器の保守を行うと共にICT機器に関わるヘルプデスクを開設、必要に応じて要員派遣も含む技術・運用サポートを行う。今後は、教育関係者などに向けた公開授業と、実証研究成果の公表を予定している。
2015年06月03日オークローンマーケティングが運営する「ショップジャパン」は6月2日に、「ショップジャパン アカデミー」プログラムを虎の門ヒルズにある東京オフィスを拠点として開始することを発表した。今後は、「ショップジャパン アカデミー」を、社内教育および社外への教育支援活動の総称とし、活動を進めていくという。社内教育の取り組みについては、次期マネジャー(管理職)と次期リーダー(管理職候補)を対象に、知識の習得のみならず、取得した知識を実務に取り入れ、その結果、得られた気づきや学びをプログラムメンバー内で共有し、次のアクションに活かすまでを構成としたプログラムを実施する。また、新入社員向けには、一方的な知識共有ではなく、自らが考え、アクションを起こす力を習得できるよう、実践を中心とした研修プログラムを導入。管理職層には、より高いビジネスレベルを目指した研修プログラムを実施する。社外への教育活動については、日本大学商学部 金雲鎬(Kim Woonho)准教授のゼミとショップジャパン社員による、「オム二チャネル」をテーマとした共同研究を実施。ショップジャパン東京オフィスに、学生と社員が集い、ビジネスプラン策定、コンテンツ提案、広告効果測定など、ショップジャパンにおけるさまざまな課題を洗い出し、研究を行うという。また、5月にシンガポールマネジメント大学の学生を招き、同社若手社員と意見交換を行ったことから、今後も国内外の向上心のある大学生を対象に、ショップジャパン東京オフィスへの企業訪問を受けつけ、積極的に国内外で教育機会の創出および提供を行っていくという。さらに、ショップジャパン代表 ハリー・A・ヒルや、ショップジャパン社員を講師とし、各教育機関などでの講演活動も予定している。同プログラムを通じて、同社では「世界中でより豊かなライフスタイルを実現する」という同社ビジョンの具現化に努めていくとしている。
2015年06月02日サイコム・ブレインズは5月28日、企業内研修における教育の効果や時間的な効率を向上させることを目的に、学校教育などで導入が進められている反転授業モデルを企業内研修向けに最適化した「サイコム・ブレインズ・メソッド」を確立し、このメソッドによる研修サービスを6月1日より「The Academy」の名称で提供を開始すると発表した。反転授業とは、「従来教室で行っていた講義を自宅で聞き、宿題として自宅で行っていたことを教室で行う」というように、学校と自宅での学習内容、形態、役割を逆転させる教育手法。同社によると、アメリカでは2000年代初頭から学校教育の現場で採用され、日本でも2014年から佐賀県武雄市の小学校で実証実験が開始されているほか、大学や学習塾業界などで導入の動きが広がっているという。同社は、従来の集合型研修の内容、時間配分、受講者の習熟度などに着目し、「個別学習(オンライン映像講義)」を活用しながら、「集合型」にかける時間を短縮しても従来以上の効果を得る方法論として「サイコム・ブレインズ・メソッド」を確立。また、個別学習にスマートフォンやタブレットによるマイクロラーニング方式を採用し、受講者の学習負担を軽減。さらに、こうした個別学習と集合研修を統合管理できるICTプラットホームを導入した。中国・アジア地域でも提供予定となっており、マネジメントスキル、営業スキル、ビジネス英語など約40講座を提供し、今後も随時新講座を開設していくという。また、同社開発によるプログラムの提供だけでなく、顧客企業が内製する研修においても「サイコム・ブレインズ・メソッド」導入の支援活動が行われる。
2015年05月29日サイバーエージェントの連結子会社で、小学生向けプログラミング教育事業を行うCA Tech Kidsは5月26日、国立情報学研究所に協力し、6月12日~13日に開催される「国立情報学研究所オープンハウス 2015」にて、小学生向けプログラミングワークショップを実施すると発表した。「国立情報学研究所オープンハウス 2015」は、国立情報学研究所が取り組んでいる研究や事業の内容を、小中学生や高校生を含む一般から研究者まで幅広い層の人に向けて紹介するイベント。CA Tech Kidsは、小学生向けプログラミングワークショップである「情報学ワークショップ」を国立情報学研究所と連携し、提供する。このワークショップ「くまを動かそう:楽しいプログラミング講座」は、小学5~6年生が対象で、定員は60名。6月13日11:15~12:15に学術総合センター2Fの小会議室で開催される。初学者が楽しくプログラミングを学習できる手法の研究を行っている国立情報学研究所アーキテクチャ科学研究系の坂本一憲助教が講師を務め、坂本氏が開発したプログラミング教育用アンドロイドアプリを利用して、画面の中のキャラクターとぬいぐるみを同期させて操作する体験を行う。CA Tech Kidsは、教材の開発と講師の派遣、ワークショップの運営で協力する。
2015年05月27日NTTドコモは5月20日、茨城県古河市内の市立小・中学校32校を対象に9月1日よりLTE対応学習用タブレット1,421台を導入することを発表した。同日、古河市役所ではNTTドコモと古河市による協定締結式が行われた。本稿ではその模様をお伝えする。○古河市のねらいこれまで古河市内の一部の小学校では、校内のWi-Fiに対応した学習用タブレットを導入し、電子黒板と連携した授業などを展開してきた。今回、古河市ではiPad Air 2を、重点整備校として古河第五小学校、上大野小学校、大和田小学校の3校については児童1人1台、その他の小学校20校においては1クラス分にあたる各校40台という規模で導入する。LTE対応学習用タブレットを導入することで、古河市ではどのような効果を期待しているのだろうか。古河市教育長の佐川康二氏が詳細を説明した。佐川氏はまず、ICTにより教員主導・一斉教授型の授業が「学習者主体・能動的な学習」に変わると解説する。そしてLTE対応学習用タブレットを導入することで、児童が学校・校外・家庭といった環境を問わず、いつでも何処でも積極的に端末を使うようになることを期待している。例えば家庭内では、タブレットで宿題を済ませてクラウドにアップすることで提出が完了する。すると教員は児童1人1人の理解に応じたきめ細かな指導ができ、管理もしやすくなる。LTE対応モデルならWi-Fi環境のない教室でも使えるので、国語、算数、理科、社会、音楽、図工などあらゆる課目で利用シーンが増える。クラウドを活用したツールなどで協働学習を行えば、児童はクラスメートの多角的な見方や考え方に触れることができる。体育の授業では、LTEにより校庭内の何処にいても使用が可能。1人1台のタブレットが用意されていれば、鉄棒のさか上がりなど実技のフォームを友人同士で撮り合い、確認し合うこともできる。佐川氏は「クラウドと繋がった学習支援ツールを利用することで、個が活きるグループ学習が行える。共に学びを創りあげる、学びの共有化・協働化が実現できる」と解説した。○ドコモの教育分野への取り組みについて続いてNTTドコモ 取締役常務執行役員の高木一裕氏が登壇し、ドコモの教育分野への取り組みについて説明した。同社では、これまでも教育サービスの提供などを通じて教育ICT分野の推進を図ってきた。スマートフォン向け学習支援サービス「ドコモゼミ」、ゲーム感覚で楽しめる親子向け知育サービス「dキッズ」、無料で学べるオンライン大学講座「gacco」など、その内容は多岐にわたる。ところでNTTドコモでは今春4月、中期目標として"競争"から"協創"へと経営ビジョンをチェンジすることを表明している。これは従来の顧客獲得競争から脱却し、利用者により高品質なサービスを提供することを示唆するもの。様々なパートナー企業との「協創」により、顧客に新たな価値を創造し、さらには産業の活性化や社会的課題の解決へ貢献する、というのが、ドコモが目指す中期目標だ。高木氏によれば、今回の古河市との取り組みも、こうした考えに基づくものだという。同氏は「ネットワーク、ソリューションはドコモが提供する。そして学習支援ツールなどのコンテンツは、パートナー会社様から提供いただく。ドコモだけが前に出るのではなく、古河市様、ドコモ、パートナー様、みんなでコラボレーションして新たな価値を創っていく」と解説した。なお上記の取り組みとは別に、NTTドコモでは古河市の協力のもとに、教育ICTに関する共同研究を行う。その内容は、古河市立古河第一小学校(5・6年生)を対象にタブレット端末100台を導入し、ICTを活用したクラウド型教育プラットフォームの効果検証を行うというもの。実証期間は平成27年9月1日から平成30年8月31日までで、教育の質の向上および児童生徒の学力向上への効果を検証する。遠距離通学支援バスを利用する児童には腕時計型のウェアラブル端末「ドコッチ」を提供して、安心・安全に通学できる環境作りの検証を行う。またオンライン学習サービス「gacco」の仕組みを利用することで、教員の教育ICTスキルを向上させる効果検証も行われる。高木氏は「ドコモでは、"いつか、あたりまえになることを。"というスローガンを掲げている。現在は特別な取り組みのようにも思えるが、数年後には、小学生はいつもタブレットを持って勉強しているという環境が整っているかも知れない。ドコモでは、そうした社会を実現していきたい」と結んだ。
2015年05月22日20世紀初頭、オーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが考案した、自由と芸術、そして創作を基調にした教育が「シュタイナー教育」です。近年、日本では、教育熱心な親御さんたちが注目している、オルタナティブ教育といわれるジャンルの1つです。現在、シュタイナー教育を行っている学校は、日本で8校。全世界では91ヵ国、1,000校以上に及ぶそうです(2015年4月時点)。今回はそんな世界に広がるシュタイナー教育の中から、注目のシュタイナー教育校を4校ご紹介します。■世界のシュタイナースクール(1)San francisco Waldorf school (北アメリカ、サンフランシスコ)カリフォルニア州は、全米でもっとも公的資金によるシュタイナー教育を行っている学校が存在している、オルタナティブ教育が盛んなエリアです。その中で35年間の歴史が在る、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、幼稚園から高校までウォドルフ教育を一貫して行っている、北アメリカで一番大きな私立のシュタイナースクールです。芸術や実践を重視するシュタイナー教育は、いわゆる一般的な教育を行っている学校との学力の差についてしばしば話題になりますが、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、Western Association of Schools and Colleges (WASC)(※)にも認定されていて、それぞれの学年でしっかり学力も学べる学校です。 (※)WASCは、アメリカに本部がある教育認定機関。WASCの認定資格は、世界的な資格として有用とされ、WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者は大学入学資格あり=高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。■世界のシュタイナースクール(2)Panyotai Waldorf School(タイ、バンコク)タイで一番初めに設立されたシュタイナースクールです。創設者である Porn Panosot医師が、自分の子どもを通わせたいと思う学校がなかったため、「いっそのこと自分で学校をつくってしまえ」と考えたことが、設立の理由の1つです。 Porn Panosot医師は、その後、医者を辞めて、アメリカまでシュタイナー教員の資格を取りに行き、1996年にPanyotai Waldorf School学校が開校されました。Panyotai Waldorf Schoolは学校法人認定校であり、タイ国内では、国内の有名大学のほか、海外の有名大学に進学する率がとても高い学校としても知名度があります。現在は、定員がいっぱいの状態。長いウェイティングリストに名を連ねなければ入学できない人気校です。 ■世界のシュタイナースクール(3)Rudolf-Steiner-Schule Schwabing (ドイツ、ミュンヘン)シュタイナー教育の生みの親ルドルフ・シュタイナーの出身国であるドイツ。1970年代に、日本に初めて「シュタイナー教育」を紹介した、子安美知子氏の著書「ミュンヘンの小学生」で、著者の娘さんが通っていた学校がRudolf-Steiner-Schule Schwabingです。系列校に、高等教育まで学べるRudolf-Steiner-Schule München-Schwabingという学校もあります。 ■世界のシュタイナースクール(4)Moscow Waldorf School Nr. 1060 (ロシア、モスクワ)ゴルバチョフ大統領が起こした政治改革運動、ペレストロイカ時代に行われたロシアの教育システム改善によって、ロシアにやってきたシュタイナー教育。全校生徒400名ほどのMoscow Waldorf School Nr. 1060は、1996年に公立の学校に認定されたシュタイナー教育校です。世界各国のシュタイナースクールには、ユネスコのプロジェクト校に指定されている学校も多くあります。興味のある方は、世界中の学校をネット検索してみるのもおもしろいかもしれませんね。
2015年05月20日ソフトウェア開発・販売を行うオープントーンは5月18日、業務システムの保守作業を通してエンジニア教育を実施するサービス「保守deトレーニング」の提供を開始したと発表した。同サービスは、ユーザー企業の社内エンジニアと同社のエンジニアとで保守チームを作り、一体になってシステム保守作業を実施することで、「システムの保守」と「社内エンジニア教育」の二つの目的を同時に果たすもの。保守作業の外部委託を続けつつも、将来の内製化が可能となる状態を目指す。対応可能な技術は下記のとおり。プログラミング言語:Java(Servlet, JSP含む), PHP, Ruby, C#, VB.NET, JavaScript, SQLフレームワーク:JSF, Struts, MVC.NET, Smarty, CakePHPORマッパー:MyBatis, Hibernate, jOOQ, PetaPocoAOP/DIツール:Spring, CDI, PostSharpテスト:JUnit, Selenium(WebDriver), Visual Studio(単体テスト機能)その他:JQuery, Subversion, Git, Jenkins, AWS
2015年05月18日夏休みになると、自由研究の課題などで何を作るか悩むママとお子さんもいると思います。手先を動かしクリエイティビティを伸ばしてくれる工作。工作は雨の日の暇つぶしにも、お子さんとの絆作りにも役立ちます! そこで、子どもとできる工作アイディアをま…
今も昔も子供の習い事として人気の水泳。体を鍛えらたり、水遊びの時に泳げると安心だったりなどの理由のほか、学校の授業の対策として通っている人も多いようです。そこで、水泳教室に通うメリットや水泳に関する注意点など、子どもの水泳教室についてまと…
大学入学時など、奨学金の存在はとてもありがたいですが、卒業後の返済はなかなか負担がかかるもの。賃金が増えにくい今のご時世、滞納やトラブルになってしまったというケースが多々見られています。わが子が将来利用するかもしれない奨学金制度。返済方法…
子どもができると、家計の中で大きなウェイトを占めるようになる学費。子どもが生まれてから大人になるまで、進路によっては数千万円かかると言われています。これだけの大金ですから、早いうちに計画的に準備しておきたいですよね。そこで、子どもの学費の…