冷えは、カラダの内側から解消。あたため効果のある食材を取り入れた冬のスープで、あたたかさとうるおいを自分のものにしよう。季節や体調に合ったものを食べることで、より健康になる。そんな東洋医学の食養生に基づき、あたため食材をアドバイスしてくれたのは、鍼灸師の若林理砂さん。「食養生で大切なのは自分の体質を知り、補うものを食べること。中国最古の薬物学の本『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』には、食べものには『あたためる』と『冷やす』の作用があると記述されています。さらに、体内の水分を調節する『乾かす』と『うるおう』作用に細分化されていて、体質によって選び方も変わります。冬はどんな体質の人も冷えに傾きがちなので、あたため食材は積極的に摂りたいですね」食材は加熱によってあたため効果が高まるから、じっくり煮込むスープはこの時期とくにおすすめ。「ホッとするし、お鍋ひとつで気軽に作れるのもいい。ご飯やパンなどの炭水化物を添えれば、理想の食事になります」若林さんのアドバイスをもとに、あたため食材を取り入れた和と洋のスープを料理家の長尾智子さんが提案。レシピを紹介します!■シンプルさが魅力の優しい味わい鶏肉と野菜のスープ【材料】(3~4人分)鶏もも肉(骨つき)……大きめ1本鶏手羽先……3~4本玉ねぎ……小2個キャベツ……1/4個にんじん……小さめ2本里芋……4個塩……少々レモン……適宜1. 鶏もも肉は関節と骨の際で切り離し、1本を3~4等分する。手羽先と一緒にバットに入れ、塩を多めに振って30分以上おく。水気が出たら拭き取る。2 . にんじんは1本を4等分、キャベツは葉を重ねたまま4等分、玉ねぎは放射状に6等分する。里芋は洗い、皮つきのまま鍋に入れ、水から茹でておく。3 . 大きめの鍋に(1)の鶏肉を入れ、水を1.5~2l注ぎ入れて中火にかける。煮立ってきたら火を弱めてあくをしっかりすくい、ごく軽く煮立つ状態で40分ほど煮る。4 . (3)に玉ねぎ、にんじん、キャベツを加え、材料がほぼかぶるくらいに水を足す。キッチンペーパーをかぶせて落としぶたをし、軽く煮立つ状態で30分程度、野菜が柔らかくなるまで煮る。最後に皮をむいた里芋を加え、10分ほど静かに煮て完成。レモンを添えていただく。■白みその素朴な甘みにほっとするサーモンときのこの豆乳スープ【材料】(3~4人分)生鮭……2切れ長ねぎ……1本里芋……3~4個まいたけ……1パック昆布……約8cm1枚塩……少々しょうゆ……小さじ2白みそ……大さじ1強豆乳……200ml1. 鮭は骨があれば抜き、皮つきのまま1切れを4等分し、軽く塩を振る。長ねぎは長さ2cmの斜め切りにする。まいたけは食べやすくほぐす。里芋は洗い、皮つきのまま水から茹でておく。2. 鍋に昆布を入れ、水を1lほど注ぎ入れて弱火で10 分ほど煮る。長ねぎ、まいたけを加え、塩、しょうゆを加えて15分ほど煮る。3 . 白みそをボウルに入れ、豆乳を少しずつ加えて溶きのばしておく。4 . (2)の鍋に鮭を加える。皮をむき、大きめに切り分けた里芋も加え、弱火で7~8分煮る。火を止め、(3)を加えて静かに混ぜる。※『anan』2016年1月13日号より。写真・日置武晴スタイリスト・高橋みどり文・奥田香里
2016年01月11日