ユニチカは11月4日、リチウムイオン電池(LiB)の熱暴走対策に有効な耐熱性保護膜を簡便に形成できる技術を開発したと発表した。LiBにおける熱暴走を防ぐ方策としては、耐熱性のセパレータを用いる方法が開発されているが、より安全性を高めるための技術開発として同社は、電極そのものに200℃以上の耐熱性を有するポリイミドのナノ多孔膜を形成させる方法に着目。同社が開発したポリイミドワニスは、基材に塗工し熱処理を行うだけで、ナノ多孔膜を形成させることができる。これにより、高価なナノ微粒子や廃液となるフッ酸などを用いる必要がなく、大幅なコストメリットが期待できる。また電極と耐熱保護層との密着をより強固に確保することができるため、安全性を高めることが可能。同社は、同技術の適用分野としてこのほかに、燃料電池の電解質担持膜や低誘電率絶縁膜(基板・電線被覆材)をあげており、今回開発したポリイミドワニスに加え、多孔フィルムとしての展開も進める予定だとしている。
2015年11月04日インターネットにおける音楽ジャンル「VOCALOID」シーンにおいて、並みいるボカロP陣の中でも最古参にして、実力派の作曲家・cosMo@暴走Pによる人気曲「僕は空気が嫁ない」が、スマッシュヒットを記録した「初音ミクの消失小説版」での黄金タッグ、cosMo@暴走P(原作・イラスト)×阿賀三夢也(著)によって、待望の小説化。ぽにきゃんBOOKSより、3日に刊行が開始される。価格は1,200円+税。「僕は空気が嫁ない ~オルタナティヴ・リミックス~」あらすじ仙台の高校に通うひとりの少年、どこにでもいる、ごく普通の純情な高校生。ただし、絶望的に空気が読めない男「長坂 楠」。照れ屋で人一倍気を使って、場の空気を読んでしまうクラスメート「島本 鈴希」に恋をした楠は、人目を気にせずいつでもどこでも、鈴希にアプローチ!「生理的にムリ」と突き放されるも、めげない楠の想いは届くのか!?そんな時に街では、とある事件が起こり始めて……。ちょっと不思議で、どこまでも愛おしい――コミカルラブストーリーの幕開けです!なお、「僕は空気が嫁ない ~オルタナティヴ・リミックス~」初回限定版には「3大特典」が用意されている。原曲「僕は空気が嫁ない」をcosMo@暴走Pの盟友・ガルナ(オワタP)が大胆和風アレンジにリファインした「新規アレンジ音源」や「電子版ダウンロードコード」、さらに本作の登場キャラクター「猫」役に声優の中田譲治をキャスティングした「スペシャル映像」。これらが全て入手できる「ポニカ(ダウンロードカード)」が付属する。また、若手声優の白井悠介をナレーションに起用した本作の告知トレーラーも公開されており、ニコニコ動画やYouTubeにて視聴が可能。さらに既発の小説「星屑ユートピア」ならびに「アンロック・シティ」と連動した「読者様感謝イベント」も企画されている。
2015年08月01日暴走族といえば、特攻服に身を固め、派手なリーゼントが象徴的。1980年ごろには、全国のどこでも隊列をなして暴れまわる姿がみられたのですが、近ごろではその姿もめっきりと減って、かつての面影はありませんよね。元暴走族のM君の話によると、警察庁の科学捜査の一環で、暗視カメラがあちこちに設置され、検挙率が高まったことが原因というウワサがあるとか。そこで、法政大学「犯罪心理学研究室」の越智啓太教授に真相をうかがいました。■暗視カメラのウワサは都市伝説だった!――警察庁に問い合わせたところ、「TV番組で取り上げているような赤外線カメラ設置は単なる都市伝説ですよ」という回答でした。では、どうして暴走族は減少したのでしょうか。「2004年に道路交通法の改正がありました。それまで暴走行為を検挙するには、被害者の証言が必要だったわけですが、警察官の現認だけで検挙できるようになったといういきさつがあります。暗視カメラで一斉検挙というウワサは、この道路交通法の改正からきていると思いますね」――すると、暴走族減少の原因は、道路交通法改正によるということですか?「暴走族自体のスタイルが、時代により変遷するということもあげられますね。1981(昭和56)年ごろは、いわゆる右翼系スタイルの暴走族が不良にとってカッコいい存在だったんです。しかし、1989(平成元)年ごろになると、東京の都市部を中心に『チーマー』という不良グループが出現しました。映画の『ウォリアーズ』に刺激された若者が、ちょっとファッショナブルな『チーマースタイル』に憧れて、既存の暴走族スタイルがダサく感じるようになり、暴走族を離れる若者が増加したんですね」――えっ!?暴走族にも流行があるんですか?変遷と言うと、ほかにもあるんでしょうか?「首都高速を舞台にした『首都高バトル』というゲームや、『湾岸ミッドナイト』というアニメの影響があり、2001(平成13)年ごろには『違法競争型』と呼ばれる暴走族『ルーレット族』が東京の首都高を中心に現れました。スタートダッシュを競う『ゼロヨン族』、ドリフトを競い合う『ドリフト族』、大阪方面では『環状族』など。いずれも以前のような『共同危険型暴走族』ではなく、俗に『走り屋』と呼ばれるドライビングテクニックを競い合うグループです」――でも、その競争型暴走族も今はあまりみかけませんね。「暴走族がはやり出すきっかけは、いずれもファッション性です。漫画や映画のはやりなどにより、カッコいいとはやり出してグループに加わるものの、次第に暴力団が絡んだり、グループの体質が悪質化してしまう傾向にあり、ついていけなくなった若者が次々に脱退します。そして、2、3年で終焉を遂げしまうわけです」――なるほど。ファッション性に引かれたつもりが本末転倒になり、次第に重荷になってくるわけですね。「ここのところの極端な減少傾向の原因は、車の免許を取得する若者が減ったという若者意識にもあります。若者が車のメカニックに関心があって、『車いじり』をステータスにしていた時代もありましたが、カッコ良さの基準や興味の対象が変化してきたんでしょうね」■暴走族も不況にはお手上げ!?ここ最近の暴走族離れの理由のひとつは、若者が車に魅力を感じなくなったという事情が挙げられるようです。違法行為の罰金だって、懐に厳しい時代。反社会的行為がカッコ良さにつながるというイメージも、このせちがらい世の中にはそぐわないのかもしれませんね。そういえば、暴走族の人のコメントで「高価な単車が買えなくなったから辞めた」という、潔い話も聞いたことがあります。興味より実利をとっているとは!いずれにしても、反社会行為は罰則も厳しく、何より多くの人に迷惑をかけてしまいます。自分らしい「本物のカッコ良さ」をぜひ追求してください!越智啓太(おちけいた)法政大学文学部心理学科教授警視庁科学捜査研究所研究員を経て、現在法政大学文学部心理学科教授として教鞭をとる。専門は犯罪心理学。「progress and application 犯罪心理学」(サイエンス社)、「犯罪捜査の心理学」(化学同人)、「犯罪心理学」(朝倉書店)など、著書多数。(OFFICE-SANGA 安藤のり子)
2013年01月15日ウィノナ・ライダーが、新作アクション・スリラー『Homefront』(原題)で元暴走族を演じることが決定した。ゲイリー・フレダーがメガホンを取る同作は、シルヴェスター・スタローンが脚本を務めており、主演のジェイソン・ステイサムやジェームズ・フランコらの出演が既に決まっている。ウィノナはジェームズ扮する悪役のドラッグディーラーに加担する元暴走族役を演じ、期待の新人子役イザベラ・ヴィドヴィッチが主人公の娘役・キットを演じるという。同作はチャック・ローガンの小説を原作に、静かな町を求めて家族と共に引っ越してきた元麻薬取締局員フィル・ブローカー(ジェイソン・ステイサム)が、実は暴力と麻薬取引の巣くつとなっているその町で、ジェームズ扮するゲイターという有力者と対峙していく姿を描く。クランクインは9月24日(現地時間)よりニューオリンズで予定されており、ケヴィン・キング・テンプルトンやレネ・ベッソンらを含むスタローンの主演作『エクスペンダブルズ』と同じチームが製作を手がける予定。本作の撮影の前には、アンソニー・ブルーノ著「氷の処刑人」を映画化した作品でクリス・エヴァンスやマイケル・シャノンらと共演した『The Iceman』(原題)の撮影を終えたばかりのウィノナだが、今後はティム・バートン監督の最新アニメーション映画『フランケンウィニー』への出演も予定されている。■関連作品:フランケンウィニー 2012年12月15日より全国にて公開© 2012 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
2012年08月21日列車の暴走を扱うアクション映画は、『新幹線大爆破』や『大陸横断超特急』のようにいくつもあるし、映画のひとつの場面として暴走列車を登場させることもある。しかし、『アンストッパブル』のリアリティは他の追随を許さない。なにしろ本作品は実話を元にしており、油断すればいまでも起こりうる状況を描いているからだ。給料の安い新人を雇い、ベテランは解雇。鉄道会社に合理化の嵐が吹き荒れる。現場に不協和音が響く中、機関車1206号にベテラン機関士と新人車掌が乗り込んだ。勤続28年の機関士フランク・バーンズ(デンゼル・ワシントン)と、雇われて4カ月の新米車掌ウィル・コルソン(クリス・パイン)だ。妻と死別し、娘にも冷たくあしらわれたフランクは、いまどきの若者らしく携帯電話に夢中で仕事をおろそかにするウィルにいら立つ。仕事のミスを責め立てるフランク。しかし、ウィルも離婚の危機であった。そんな中、乗務員に無人列車が暴走したとの知らせが入る。暴走は惰性ではなく、フルスロットルでばく進中だ。緊急ブレーキは効かず、ヘリコプターで元海兵隊員の機関士を乗せるなどの緊急手段は相次いで失敗した。このままでは10万人の都市に突っ込む。積み荷は接着剤原料の溶融フェノール。揮発性の猛毒だ。街に突入すれば大惨事になってしまう。自らの衝突の危機を信号場で回避したフランクは、通り過ぎた暴走列車を見て連結が可能と判断した。上層部は途中の市街地郊外で脱線器具を使うという。「重量のある機関車にそんなもの効くわけがない」。フランクは新米相棒のウィルと組み、おんぼろ機関車で暴走列車を追いかける。この映画のモデルになった事故は2001年5月15日に起きた。オハイオ州トレドにあるCSXトランスポーテーション鉄道の貨物操車場で、入換え操作中のディーゼル機関車8888号が無人のまま暴走し、約100kmも走り続けた。映画ではさすがに同じ場所ではなく、同じ鉄道会社の協力も得にくかったようで、ペンシルバニア州のフラー操車場からバージニア州スタントンまでの路線が舞台となっている。鉄道会社名は「Allegheny & West Virginia Railroad(AWVR)」で、もちろん架空の会社。実際に事故を起こした機関車は8888号で、映画では777号(トリプルセブン)となっている。事件の原因は事実と映画でほぼ同じ。入れ替え中の機関士が前方のポイントが間違っていると気づき、超低速走行にしたまま機関車を降り、ポイントを切り替えて戻ろうとしたところ、機関車が加速して乗り込めなかった。積み荷も溶融フェノールだったようだ。ラストで機関車を止める方法も事実と映画は同じ。なお、実際の事故のニュース映像がYouTubeにアップロードされている。映画と同じ緊迫感が伝わってくる。脚色としては、途中で試みられる作戦の数々だ。暴走車の前方に機関車を待機させるというアイデアは、映画も実際の事故でも考案された。映画では失敗。実際の事故では、準備されたものの使わずに済んだ。方策を試す順序が異なっていて、映画では主人公ふたりの作戦が「最後の手段」という演出になっている。子供たちが乗った列車との衝突回避、主人公ふたりの列車との衝突回避シーンも演出されたものらしい。このあたりは『新幹線大爆破』にも同様の場面がある。また、フランク・バーンズが貨車を渡り歩くシーンなども実際にはなかったはず。映画でこの場面はデンゼル・ワシントンがスタントなしで演じており、全体的にCGを使わず実物で撮っているため迫力がある。CGシーンと判明している場面はスタントンの大カーブ。ここはもともと分岐点で、映像では分岐された線路を消し、空き地に石油タンクを追加している。鉄道ファンとしての見どころは盛りだくさんだ。9割のシーンが貨物列車、操車場、運転台展望などで埋め尽くされている。777は39両の貨車を牽引し、列車の長さは800m。その全編成を収めた俯瞰の映像が米国貨物鉄道の力強さを感じさせる。もっとも、アメリカ大陸では全長1kmを超える貨物列車も多いそうだ。ところで、鉄道の安全技術に詳しいなら、いったいどうしてこんな事故が起こってしまったかと不思議に思う。機関車が無人で走行しても、日本ではデッドマン装置といって、制御機器が操作されない状態だと自動的にブレーキがかかる。また、日本の列車は編成全体に空気制御ブレーキの管が接続されており、未接続だったり切れたりすると自動的にブレーキがかかる。しかし実際にアメリカでは事故が起きているわけで、デッドマン装置のしくみも違うし、空気ブレーキはあっても自動的な緊急ブレーキはかからないのだろう。さらにいうと、日本では列車がすれ違う場所には脱線ポイントがある。安全のためにわざと列車を脱線させる仕組みだ。アメリカにも脱線ポイントが装備されていたら、8888号も777も、加速が最大になる前に脱線で止められたはず。ただし、映画では損害を考えて、「脱線させるな」という重役決定が出されるなど、伏線はしっかり張ってある。実際におきた事故にもとづく映画と言われると、映画のような事故が起きるのではないかと心配するかもしれないけれど、日本ではシステム的に起こりにくいから安心していい。もっとも、どんなに安全なシステムも、誰かが気を抜けば崩れてしまうともいえる。また、「テレビ局の撮影用ヘリコプターの音が鉄道員の無線のやりとりを難しくする」という場面がある。これは御巣鷹山の日航機墜落事故で、「ヘリコプターの音が、助けられたはずの生存者の声をかき消したのではないか」という指摘に通じる。本作品はずば抜けておもしろいアクション映画であると同時に、安全啓発映画ともいえそうだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月30日