「自分が食べておいしいと確信を持っているもの」が手みやげ選びのルールという、料理家の渡辺有子さん。手元のリストには、最近発見したスイーツもあれば、ずっと頼りにしている定番も。その中から、今年登場の機会が多かったお菓子を教えてもらった。できたてを届けられる、身近な名店いろいろ。「自宅や職場から行けるお店の焼き菓子などが多いです。買い置きはできないのですが、焼きたてや作りたてを味わってもらえる楽しみがあります。取り寄せることができない小さなお店のお菓子は、遠くの友人を訪ねる時に持っていくととくに喜ばれます」また、このところ充実させているのが、早朝からオープンしているお店のリスト。「午前中からの集まりがある時などに、重宝します」どんな相手にも喜ばれる、たたずまいも美しいタルト。イル・プルー・シュル・ラ・セーヌタルトゥ・サンチャゴ直径16cm¥2,400「自宅用によく焼き菓子を買うお店。人数が集まる場への手みやげには、ホール売りのお菓子をここぞとばかりに」。アーモンドや松の実、卵などで作られた素朴なタルトはしっとりとしてコクがあり、風味豊か。「見た目も美しく箱を開けるとみんな笑顔に。こちらも嬉しくなります」。取り寄せ可。東京都渋谷区猿楽町17-16代官山フォーラム2FTEL:03・3476・521110:30~19:30火曜、第2・4水曜休(祝日の場合は営業、翌日休)商店街にある店の、絶品ガトーショコラ。MERCI BAKE(メルシーベイク)ガトーショコラ1切れ¥430チョコレートケーキに目がない渡辺さん。「なかでもこのガトーショコラが一番好き。濃厚で口溶けが優しく、チョコレートそのもののような味わいです。先日、友人宅に他のガトーと取り合わせて持っていき、みんなで選んだのですが、子供も真っ先にこれを選んでいて、大人気でした」。チョコレート好きを虜にするケーキ、冬の手みやげにどうぞ。東京都世田谷区若林3-17-10TEL:03・6453・23899:30~18:00水・木曜休早朝オープンのビストロで、気軽な差し入れを調達。Path(パス)マドレーヌ、カヌレ、フィナンシェ1個¥200~朝8時のオープン時から、パンとともにカウンターにずらりと並べられるのがこの焼き菓子。「どれもスペシャルにおいしい。手軽で、相手の人数がわからない撮影現場などにたくさん持っていくのにもぴったりです。バーガー用のペーパーに包んでくれるのもいい感じ」。東京都渋谷区富ヶ谷1-44-2A-FLAT 1FTEL:03・6407・00118:00~24:00ブレックファスト:月曜、第2・第4 火曜休ディナー:月曜、第2・第4日曜休寒天も蜜も一から手作り。体に優しい和のスイーツ。天まめてんまめ¥530(税込み)ぷるぷるとした透明のキューブは、天草を煮出すところからすべて店で手作りした「生」寒天。加えて、つぶあんも豆も黒蜜も、すべて自家製。「丁寧に作られていることが伝わってくるおいしさ。差し入れでいただいて大好きになり、即座に手みやげリストに載せました」。今日はみんなで鍋、なんて時のデザートにもぴったり。東京都中央区築地2-8-1築地永谷タウンプラザ 107TEL:03・6264・07827:00~19:00日曜休目先の変わった甘味を、という時にもおすすめ。MIMOZA GINZA(ミモザ ギンザ)月餅3個入り¥1,500青山のモダンチャイニーズの名店『ミモザ』が手がける飲茶のスタンドの、テイクアウトスイーツ。1個が小豆あん、2個は栗あん入り。「小ぶりのサイズ感が良く、中のあんもしっかりとコクがあって香ばしい。甘いものが集まりそうな会に、重ならないものを持っていきたい時にもいいですね」。銀座駅から直結。東京都中央区銀座5-3-1銀座ソニーパークB1TEL:なし11:00~19:00月曜休(祝日の場合は営業、翌火曜休)渡辺有子さん料理家。平井かずみさん、大段まちこさんとの共著、『花と料理 おいしい、いとしい、365日』(リトルモア)を上梓したばかり。※『anan』2018年11月7日号より。写真・津留崎徹花スタイリスト・佐々木カナコ取材、文・新田草子(by anan編集部)
2018年11月04日麺だけでなくおかずにまで活用できる、優秀たれ&マリネをご紹介。消毒した瓶に入れ、冷蔵庫で保存すれば、手軽に使えます。教えてくれたのは料理家のワタナベマキさん。にら黒酢だれ麺を和えるだけで冷やし中華が完成。冷蔵保存5日間。<材料/作りやすい分量>にら…1束【A】にんにく(みじん切り)…1/2かけ分しょうが(みじん切り)…1/2かけ分粗挽き赤唐辛子…小さじ1~2黒酢…大さじ3しょうゆ…大さじ3ごま油…大さじ1<作り方>1.にらは洗って水気をキッチンペーパーでしっかりと拭き、7~8mm幅に切って保存容器に入れる。2.Aを小鍋に入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせたらそのまま30秒ほど煮る。熱いうちに1に注ぎ、にらがしんなりしたらひと混ぜする。にらの中華和えそば2人分/中華麺(2玉)を袋の表示通りに茹でて水気を切り、器に盛る。にら黒酢だれ(3分の2カップ)をかけ、白炒りごま(適量)をふる。混ぜながら食べる。ツナと玉ねぎパセリマリネパスタとの相性抜群。冷蔵庫の常連に。冷蔵保存1週間。ひとさじ加えたナンプラーが隠し味。きゅうりと和えてもいいし、トーストサンドの具にもおすすめ。<材料/作りやすい分量>ツナ缶(大)…2缶玉ねぎ…1/2 個パセリ(みじん切り)…大さじ2白ワインビネガー(米酢でも可)…大さじ2ナンプラー…大さじ1(塩小さじ2)<作り方>1.ツナ缶は油をよく切る。玉ねぎはみじん切りにして水に5分さらし、水気を切ってから、キッチンペーパーで包んでさらに水気を除く。2.1に白ワインビネガー、パセリ、ナンプラーを加えて混ぜ、こしょうとオリーブオイルを加えてさっと混ぜる。ツナと玉ねぎの冷製パスタ2人分/カッペリーニ(80g)は袋の表示通りに茹でて水にさらし、水気をよく切る。キッチンペーパーで包んで水気をさらに除き、ボウルに入れる。 ツナと玉ねぎパセリマリネ(大さじ6)、オリーブオイル、塩、粗挽き黒こしょう(各少々)を加えて和える。ワタナベマキ料理家。身近な食材でできる、目先の変わった家庭料理に定評が。タイやベトナムなど、アジアなひと皿も得意。※『anan』2018年6月20日号より。写真・津留崎徹花スタイリスト・曲田有子文・新田草子(by anan編集部)
2018年06月16日「夏の麺は、作りおきのたれやマリネがあるとさらに手軽。麺を茹で、和えるだけで完成です」と、ワタナベマキさん。おすすめの作りおきをご紹介。いずれも主な材料は1~2種類で、それらを刻んでオイルや調味液に漬け込むだけ、というシンプルなもの。「あまり作り込まないほうが応用がききます。麺だけでなく、食材と合わせれば小さなおかずに」相性のいい麺とのアレンジ技を教わります。塩トマトマリネ夏の間のお役立ち度No.1のマリネ。冷蔵保存1週間。カッペリーニにもよく合う。チキンソテーに添えたり、バジルとモッツァレラチーズでカプレーゼにしても。<材料/作りやすい分量>トマト(大)…3個塩…小さじ4分の1オリーブオイル…大さじ1<作り方>(1)トマトはヘタを取り2cm角に切る。(2)1に塩を加えてなじませ、オリーブオイルを加えてさっと混ぜる。塩トマトと大葉のそうめん2人分/そうめん(3把)を袋の表示通りに茹でて水にさらし、水気を切って器に盛る。 塩トマトマリネ(3分の2カップ)をのせて、オリーブオイル(少々)をまわしかけ、手でちぎった大葉(5枚)を添える。長ねぎぽん酢だれ熱した調味液でねぎに軽く火を通して。冷蔵保存1週間。そうめんはもちろん、ごはんにのせたり、チャーハンに混ぜてもおいしい。蒸した肉や魚とも相性よし。<材料/作りやすい分量>長ねぎ…2本【A】ぽん酢…100ml酒…50mlみりん…大さじ2ごま油…大さじ2<作り方>(1)長ねぎは小口切りにし、保存容器に入れる。(2)Aをすべて小鍋に入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせる。熱いうちに1に注ぎ、さっと混ぜる。ピリ辛ねぎ焼きそば2人分/フライパンを中火で熱し、ごま油(小さじ2)を入れて焼きそば麺(2玉)を加え、ほぐしながら炒める。油がなじんだら、 長ねぎぽん酢だれ(3分の2カップ)を入れて汁気がなくなるまで炒め合わせる。器に盛り、鰹削り節と輪切り唐辛子(各適量)をかける。ワタナベマキ料理家。身近な食材でできる、目先の変わった家庭料理に定評が。タイやベトナムなど、アジアなひと皿も得意。※『anan』2018年6月20日号より。写真・津留崎徹花スタイリスト・曲田有子文・新田草子(by anan編集部)
2018年06月16日つるりとしたのど越しが恋しくなる夏。この時季にぴったりの麺レシピを、ワタナベマキさんに教わります。食欲のない日にも箸が進む「あっさり夏麺」レシピ。夏ばて気味で、料理もおっくう。そんな時は、のど越しも快い、軽やかな麺料理を。優しい味付けにして、香味野菜やレモンをプラス。爽やかな香りで、自然と食が進みます。焼きなすとクミンのレモンパスタ焼いてうまみを凝縮させたなすが、とろりとパスタに絡んで。<材料/2人分>パスタ(カッペリーニ)…80gなす(中)…2本アンチョビフィレ…4枚にんにく(みじん切り)…1/2かけ分レモンスライス…4枚レモン汁…大さじ2クミンシード…大さじ1オリーブオイル…大さじ2粗挽き黒こしょう…少々<作り方>(1)なすは魚焼きグリルか焼き網で皮が黒くなるまでしっかりと焼いて冷水に取る。皮をむき、キッチンペーパーで水気を拭いて食べやすい大きさに切る。(2)フライパンを中火で熱してクミンシードを入れ、香りが出るまでから炒りする。(3)アンチョビをみじん切りにし、1と2、にんにく、レモンスライス、レモン汁とともにボウルに合わせて全体をなじませる。(4)パスタは袋の表示通りに茹でてざるにあげ、水にさっとさらして水気をよく切る。キッチンペーパーでさらに水気を押さえる。(5)3に4を加えて和え、オリーブオイルを加えてさっと和える。器に盛り、こしょうをふる。ワタナベマキ料理家。身近な食材でできる、目先の変わった家庭料理に定評が。タイやベトナムなど、アジアなひと皿も得意。※『anan』2018年6月20日号より。写真・津留崎徹花スタイリスト・曲田有子文・新田草子(by anan編集部)
2018年06月16日簡単で食が進む上、ひと皿で満足できるのが麺料理のいいところ。あまり火のそばに立ちたくない夏こそ、ちゃちゃっと作れる麺メニューが大活躍です。ワタナベマキさんに教わるとっておきのレシピ、まずはしっかり食べて元気になりたい時の「スタミナ麺」を教えていただきました。「香辛料や香味野菜を上手に使って、食欲をそそる一品に。麺の太さや種類を変えると味わいも変わるので、好みの組み合わせを見つけてみてください」肉を使ったり、コクのあるたれやつゆを合わせたこってり麺は、スパイスやナンプラーでちょっぴりアジア風の味わいに。バジルと牛肉の炒め焼きそば牛肉ととうもろこしの甘みが好相性。オイスターソースで香ばしく。<材料/ 2 人分>焼きそば麺…2玉牛カルビ肉…150g玉ねぎ…1/2個とうもろこし…1本バジル…14~15枚しょうが(千切り)…1かけ分酒…大さじ2オイスターソース…大さじ2ごま油…大さじ1<作り方>(1)牛肉は7~8mm幅の棒状に切る。玉ねぎは繊維に沿って薄切りにする。とうもろこしは包丁でそぎ切りにして実をこそげ落とす。(2)フライパンを中火で熱してごま油を入れ、しょうがを加えて香りが出るまで炒める。1を加えて肉の色が変わるまで炒め、焼きそば麺を加えてほぐしながら炒める。(3)酒とオイスター ソースを加えて炒め、全体がなじんだら火を止め、手でちぎったバジルを加えさっと混ぜる。ワタナベマキ料理家。身近な食材でできる、目先の変わった家庭料理に定評が。タイやベトナムなど、アジアなひと皿も得意。※『anan』2018年6月20日号より。写真・津留崎徹花スタイリスト・曲田有子文・新田草子(by anan編集部)
2018年06月16日冷めてもおいしく、温かなひと皿の下ごしらえのパーツにもなる作りおきは、日常の食卓だけでなく、おもてなしのシーンでも心強い味方。ストックレシピを駆使した冬のごちそうを料理家のワタナベマキさんに教わりました。「我が家で食事会をするときの料理で、まず意識するのはお客さまの食の好み。和洋中、お酒を飲むかどうか……それを踏まえて、その時期の旬の食材をふんだんに使ったメニューを作るようにしています」というワタナベマキさん。今回のイタリアンが中心の洋風メニューにも、さつまいもやれんこん、マッシュルーム、柿にりんごなど、冬の恵みがずらり。「さらに、少し特別感のある食材をきかせることも欠かせません。今回ならば紫キャベツとかムール貝とか。おもてなしの席だからこそ作り慣れた料理をきちんと出すようにしているのですが、食材を替えることで、一気にごちそうムードになります」そんなホームパーティのメニューで大活躍するのは作りおき。「作りおきの味つけは、アレンジしやすいように極力シンプルにするのが基本。前菜やデザートは何かを加えるだけでサッと出せるメニューにして、メインや揚げ物など温かい料理は当日にアレンジして、冷菜と温菜のメリハリをつけます。何より、作りおきがあれば、料理につきっきりにならず、余裕を持ってもてなすことができます」ワタナベさんの作りおきレシピをご紹介します。豚肉のリエットと柿のバゲットのせセロリをきかせたポークリエットは、今が旬の甘い柿とも相性抜群。薄切りのバゲットにのせたら、ワインによく合うスターターに。材料/4人分<作りおき>豚バラ薄切り肉…300g、セロリ…1/2 本、玉ねぎ…1/2 個、にんにく…1かけ、生クリーム…100ml、塩…小さじ1、タイム…4枝、ローリエ…1枚、セロリの葉…3枚、白ワイン…300ml、オリーブオイル…適量<仕上げ>柿、バゲット…各適量あらびき黒こしょう…少々作り方(1)豚肉は1cm角に切り、玉ねぎ、セロリはみじん切りにする。(2)鍋にオリーブオイル小さじ1とにんにくを入れて中火にかけ、香りが立ったら(1)を入れ玉ねぎが透き通るまで炒める。(3)タイム、ローリエ、セロリの葉、白ワインを加えてひと煮立ちさせ、アクを取り、弱めの中火にして約10分煮る。(4)ローリエとタイムを取り出し、生クリームと塩を加えてさっとなじませ、フードプロセッサーなどでなめらかになるまで攪拌する。(5)器に入れ、上にオリーブオイルを注ぎ、冷ましてから蓋をする。【作りおき完了】(6)【当日仕上げ】薄切りにして軽く焼いたバゲットに、リエットと、皮をむいて5㎜の厚さに切った柿をのせ、あらびき黒こしょうをふり、タイム(分量外)を添える。マッシュルームのショートパスタマッシュルームの香り高いペーストはパスタソースにアレンジ。シェルタイプのショートパスタだと、味が絡みやすい。材料/4人分<作りおき>マッシュルーム…20個、玉ねぎ…1/2個、セロリ…1/2本、にんにく(つぶす)…1かけ分、白ワイン…100ml、ローリエ…1枚、タイム…5枝、ナンプラー…大さじ1、オリーブオイル…大さじ1、塩…少々、あらびき黒こしょう…少々<仕上げ>ショートパスタ…200g、塩…少々、パルメザンチーズ…適量作り方(1)マッシュルームは石づきを除き4分割に。玉ねぎ、セロリはみじん切りにする。(2)フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、中火にかける。(3)香りが立ったら(1)とローリエを入れ、玉ねぎが透き通るまで炒める。白ワインを加えてひと煮立ちさせ、アクを取り、蓋をして約8分蒸し煮にする。(4)(3) にタイム、ナンプラーを加えてひと煮立ちさせる。ローリエとタイムを取り出してフードプロセッサーなどでなめらかになるまで攪拌し、塩、あらびき黒こしょうをふる。【作りおき完了】(5)【当日仕上げ】ショートパスタを茹でる。フライパンに(4)を1カップと茹で汁大さじ4を加え、中火で全体をなじませる。湯を切ったパスタを加えて絡め、塩を加えて味を調える。皿に盛り、パルメザンチーズをふる。ワタナベマキさん料理家。書籍、雑誌などで活躍。著書『アレンジで2倍楽しむ わたしの好きな煮込み料理』(家の光協会)などが好評発売中。※『anan』2017年12月13日号より。写真・津留崎徹花スタイリスト・曲田有子文・野尻和代
2017年12月10日