50歳前後で迎える場合が多い女性の更年期。閉経に伴う女性ホルモンの減少により身体にさまざまな影響があります。ですが中には、「え?これが更年期なの?」と驚くような症状の場合も。そこで今回は、MOREDOORに寄せられた「更年期と診断されて驚いたエピソード」をご紹介します。Aさんの場合、なかなか眠れなくて……小刻みに目が覚めて寝たのか寝ていないのか良く分からない……。そんな日が続くので気分も優れず、家族に眠れないことを訴えたら一度病院に行く事を勧められました。そこで行ってみた所、更年期だと言われました。診断された時、どう思いましたか?「えっ!」と思いました。まだ40歳後半なのに…。先生からは「年齢は関係ない」と言われ、「えっ嘘でしょう」と何度も疑って先生に聞き直しました。そして「個人差はありますがそのうち治る」と伝えられました。どんな治療を受けましたか?睡眠薬を頂いて眠れるようにはなりました。薬ばかりに頼ってたら癖になると思い、何回か病院に通って頂いた薬だけを飲み終えていたら、そのうち睡眠の事があまり気にならなくなりました。まだ更年期を迎えていない人へ、メッセージ初めて病院に行った時に、先生から「更年期は誰でも体験する事だからあまり病的に思わないこと」と言われました。中には知らない間に終わって行く人もいるそうですよ。(53歳/専業主婦)眠れない症状が出る人も更年期というと、ほてりやイライラなどを想像する人も多いかもしれません。ですが不眠や、不安感、頭痛、物忘れ、耳鳴りなど女性ホルモンは全身に作用しているため意外な症状にあらわれることもあります。気になることがあったら、我慢せずに婦人科医など専門家へ相談してみてくださいね。今回は、「更年期と診断されて驚いたエピソード」をお届けしました。監修医:新見正則医院院長、新見正則1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。新見正則医院では世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」を使用。最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)。下記も好評発売中。「しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通」※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年08月31日50歳前後で迎える場合が多い女性の更年期。閉経に伴う女性ホルモンの減少により身体にさまざまな影響があります。ですが中には、「え?これが更年期なの?」と驚くような症状も。そこで今回は、MOREDOORに寄せられた「更年期と診断されて驚いたエピソード」をご紹介します。まだ30代後半だったAさんの場合……40歳直前、生理と生理の間(排卵日あたり)の吐き気やだるさが生理まで続くことが数ヶ月ありました。それと共に異常な眠気もあったり、昼間は眠いのに夜は眠れなかったり、イライラしたりという事がありました。まさかまだ、更年期だとは思わなかったのでビックリしました。どんな風に対処しましたか?初めは自宅近くの内科へ行き、なかなか改善されなかったのでその後出産した産婦人科にかかりました。血液検査をしたら、女性ホルモンの数値が少しだけ少なめだと診断され、漢方薬で改善されました。更年期を不安に感じている人へ、メッセージ更年期は気づかずになっているものだと思いました。日々の中で上手に付き合っていく事もできると思うので、あまり怖がりすぎずに過ごした方がいいと思います。案ずるより産むが易しです!(44歳/パート)ほてり以外の症状も知っておこう40歳直前で吐き気やだるさ、異常な眠気や不眠、イライラといった症状に悩まされたAさん。女性ホルモンの減少に伴う症状は、漢方やホルモン補充療法(HRT)で改善させることができます!自分の身体の声を聞いて、更年期とうまく付き合っていけるといいですね。今回は、「更年期と診断されて驚いたエピソード」をお届けしました。監修医:新見正則医院院長、新見正則1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。新見正則医院では世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」を使用。最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)。下記も好評発売中。「しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通」※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年08月31日加齢や日々の疲れからさまざまな症状が出ることを耳にする機会が多々あります。「疲れているだけだから」と、つい辛い症状を放置してしまう方も……。そこで今回のMOREDOORでは、「婦人科疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修者:ひなたクリニック院長、三橋 裕一1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。Dさんの場合……私の場合は、子宮筋腫でした。お腹の張り、頻尿、腹痛、貧血、経血量の多さ、頭痛の症状がありました。加齢と寝不足のせいだと思っていたので放置していたところ、健康診断のオプションの婦人科検診で子宮筋腫が原因だとわかりました。どんな治療を受けましたか?病院で子宮全摘する手術を受けました。子宮筋腫は良性腫瘍なので緊急性がなく、最初に行った病院では「1年半待ちになるため、手術までの間はホルモン注射を打って筋腫を小さくする」と言われました。しかし、ゆくゆくは子宮全摘をするとのことだったので、念のため他の病院でも診てもらい、その病院ですぐに手術する選択をしました。世の女性陣へ伝えたいことは?毎月の生理の症状が重い方、痛みが強い方は、我慢せずに婦人科に行って欲しいです。婦人科はハードルが高いと感じる方もいると思います。そんなときは、女性医師のいる病院を探して行くのもよいかもしれません。読者からの感想は『お腹の張りや頻尿など、確かに加齢のせいだと思いがちだと思います。しかし実際は子宮筋腫だったと、婦人科系は少しでも気になったら早めの受診が欠かせないと思いました。』『婦人科はハードルが高く感じるのでつい放置しがちになってしまうと思いますが、しっかりと専門医に診てもらうことが一番大切なんですよね。』『更年期と放置していますが、全く今の私と同じ症状でびっくりしております。怖い……婦人科に行きます。』など、さまざまなコメントが寄せられました。身体に異変を感じたときは早めに病院へDさんのお腹の張りや頻尿などの症状は、子宮筋腫が原因だったようです。身体に異変を感じたときは早めに病院で受診することをおすすめします。今回は「婦人科疾患に気づいたきっかけエピソード」をお届けしました。※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのもよいので、検討してみてください。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年08月30日この先も続く長い人生を、誰もがいつまでも元気に若々しく過ごしたいと願っています。老化に負けずに健康な体と心を保つにはどうすれば良いのでしょうか。『「一生老けない」にいいこと超大全』の著者で、テレビ番組などでもおなじみの白澤卓二先生に老化のメカニズムについてうかがいました。教えてくれたのは…白澤卓二先生(お茶の水健康長寿クリニック院長)1958年神奈川県生まれ。医学博士。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝子学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。『100歳までボケない101の方法』、『老いに克つ百寿の生き方』など著書は200冊以上。テレビ番組にも多数出演し、わかりやすい医学解説が好評を博している。★関連記事:「最近老けた」「疲れが取れない」は肉の食べ方が原因の一つ!? 疲労回復・老化防止に効く肉料理とは加齢による代謝の低下で老化が進む――白髪や薄毛といった目に見える部分のものから、関節痛や動悸といった体の内部のことまで、年齢とともにさまざまな変化が生じます。こうした老化現象はなぜ起こるのでしょうか?白澤先生老化現象の主な原因として考えられるのが代謝の低下です。代謝とは体内でおこなわれる化学反応のことで、例えば食事で摂取した栄養素を消化・吸収する、その栄養素をもとに体を動かすためのエネルギーを産生して消費する、血液、筋肉、ホルモンを作るといった作用が挙げられます。代謝のうち、体温を保つ、内臓や心臓を動かす、呼吸をするなど、生命を維持するために必要な最低限のエネルギーを基礎代謝といいます。基礎代謝は、男性は約18歳、女性は約15歳がピークで年齢とともに低下するため、加齢によって老化が進行してしまうんです。――基礎代謝量が落ちると、体の中ではどのような変化が生じて老けてしまうのでしょうか?白澤先生基礎代謝量が減って熱の産生や消費能力が衰えると血流が滞ってしまいます。栄養や酸素などは血液によって全身に運ばれるので、血流の流れが悪くなると体のすみずみまで届かなくなってしまいます。その結果、細胞の機能低下を招き、体の衰えとなって表れてくるんです。更年期症状の原因は卵巣刺激ホルモンの過剰分泌――女性は40代半ばごろから更年期の症状に悩まされる人も多いのですが、これも老化の一つなのでしょうか?白澤先生卵巣から分泌されるエストロゲンというホルモンの量が減少すると、「もっとエストロゲンを出しなさい」という指令が脳下垂体から発せられ、FSHという卵巣刺激ホルモンが分泌されます。更年期の症状は、この卵巣刺激ホルモンが増えることによって生じます。加齢によってエストロゲンの量が減ると脳下垂体から卵巣刺激ホルモンがたくさん分泌されるため、ホットフラッシュやイライラといった更年期症状が表れるんですね。また、うつも更年期症状の一つに挙げられます。――更年期にうつ症状で悩んでいる女性は少なくないと聞きます。白澤先生実は、医学で使われる生理学の教科書には、エストロゲンや男性ホルモンのアンドロゲンは外から供給されるものだと書かれているんです。しかし、私が携わっている共同研究では、エストロゲンもアンドロゲンも、起床後の15分以内に自らの脳内で作られていることがわかっています。――女性の体内ではエストロゲンだけではなく、男性ホルモンのアンドロゲンも作られるのでしょうか?白澤先生そうです。女性の体内でもアンドロゲンが産生されます。アンドロゲンはステロイド・ホルモンで、やる気や好奇心といった精神的な部分にも深く関わっていることがわかっています。アンドロゲンの分泌量が少ないと、朝から気分が重くやる気が起きなくなります。これはうつの症状に当てはまります。うつの状態が長期間続くと前頭葉が萎縮してしまい、意欲や注意力の低下、思考力が鈍くなるといった症状が表れることもあるんです。更年期のうつ症状を改善する方法――エストロゲンとアンドロゲンの低下によるうつ症状を改善するにはどのような方法があるのでしょうか?白澤先生エストロゲンとアンドロゲンの合剤である「プリモジアン」というホルモン剤があります。ホルモン補充療法については賛否両論がありますが、私のクリニックにいらっしゃる患者さんの中で明らかにうつ症状が出ている方場合、血液検査でFSHの数値が高く、かつ乳がんの既往歴などのリスクがない患者さんには100%、プリモジアンの注射を打ちます。そうすると、それまでの症状がうそのように元気になるんですね。――ウーマンカレンダー世代で更年期のうつ症状に悩んでいる場合は、どのような病院を受診すれば良いのでしょうか?白澤先生一般的には婦人科です。更年期の期間は10年近くありますし、つらい症状は我慢して乗り切れるというものでもありませんから。私はうつ症状をはじめ、つらい症状がある場合は婦人科を受診してなんらかの治療を受けることが望ましいと考えます。<著書>『「一生老けない」にいいこと超大全』白澤卓二/監修宝島社1000円+税※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/熊谷あづさ(50歳)ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。著者/白澤 卓二先生1958年神奈川県生まれ。お茶の水健康長寿クリニック院長。医学博士。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝子学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。『100歳までボケない101の方法』、『老いに克つ百寿の生き方』など著書は200冊以上。テレビ番組にも多数出演し、わかりやすい医学解説が好評を博している。
2023年08月29日寝ても疲れが取れない、体が重いといった症状は、誰しも経験があるのではないでしょうか。さらに、40代を過ぎてその頻度が増すと「年のせい」「更年期だから」と老化や年齢が原因と考えがちです。けれど、その思い込みから意外な病気を見逃してしまうことも。更年期症状と思い込まれやすく、かつ、女性がかかりやすい病気について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:「私の疲れは何が原因?」見過ごされがちな副腎疲労。しんどさの理由は更年期症状だけではなかった!つらい症状=更年期とは限らない「40代、50代の女性は何かつらい症状があると更年期症状や加齢のせいにしがちです。しかし、そこには思わぬ病気が潜んでいることがあります。まずは病気の可能性をできる限り否定し、その上で更年期症状や加齢を疑ってほしい」と駒形先生は言います。この症状は何の病気?以下の症状は、ある病気のものです。生理不順冷え症、低体温暑がり、多汗うつっぽいイライラする動悸がする貧血むくみやすい体重が急に増える、または激減するやる気が湧かない物忘れしやすい疲れやすい、体が思うように動かない眠気を感じやすい皮膚がかさつく便秘がち頻便眠気を感じやすい皮膚がかさつく、かゆみがある声がかれる足がつりやすい「ここに挙げたのは甲状腺異常による症状の例です。どの症状が出るかは病気によって異なり、個人差があります」(駒形先生)上に挙がっている症状は、誰もがよく感じやすそうなものばかりに見えます。甲状腺とは何なのでしょうか?甲状腺とは?女性ホルモンと似た甲状腺ホルモンを分泌「甲状腺とは、甲状腺ホルモンを作り、分泌する臓器です。甲状腺ホルモンは主に体の代謝を調整する働きをし、女性ホルモンと似た働きをします」(駒形先生)。【甲状腺ホルモンの働き】筋肉の維持・強化心臓の働きを活性化思考や反応を活性化新陳代謝の促進、体温調整脂質代謝を上げ、コレステロールを下げる糖代謝を促進骨量を上げて骨を強化「脳において、甲状腺に指令を出す部分と卵巣に指令を出す部分は隣り合わせになっています。甲状腺が狂うと生理も狂い、生理が狂うと甲状腺も狂いやすくなる。2つのホルモンはとても関係が深いのです。生理不順や無月経、不妊の原因を調べる過程の血液検査で甲状腺ホルモンの異常が見つかることも多いです」(駒形先生)。自分でできる見分け方は?首の前をチェック血液検査で甲状腺の異常はわかるということですが、「だるい」「疲れやすい」だけで受診や検査を受けるのはハードルが高いことも。「甲状腺異常の代表的な症状は首の前の腫れやしこり。先に挙げた症状があり、首の前の喉あたりが腫れていたり、触れてみてしこりがあったりするときは更年期症状ではなく、甲状腺異常が原因の場合があります。内分泌内科や甲状腺外来など、専門外来を受診すると血液検査やエコーで詳しく調べてもらえます」(駒形先生)。まとめつらい症状があったら我慢でしないで、まずは医師に相談してみることが大切です。甲状腺異常の原因は今のところ解明されていないということですが、遺伝は一因とされています。親族に甲状腺の病気を持つ方がいる場合は、定期的に検査をしたほうが良いということです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/岩崎みどり(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年08月26日40代から感じるようになった更年期の不調。しかし、子どものことを優先し、自分の不調に向き合うことをしていませんでした。50代になり、自分と向き合い2つの対策をおこなったことで症状が緩和した体験談をお話しします。★関連記事:更年期の代表的な症状って? のぼせ、ほてり、発汗があるときの治療と受診の目安【更年期の基礎知識4】40代から更年期症状が始まった!?40代になってから自営業で飲食店を営むようになったのですが、そのころからホットフラッシュのような症状を感じることが多くなりました。最初は自営業を始めたこともあって緊張しているのかと思い、気にもしていませんでした。しかし、毎日人に会って緊張すると手に汗を握る程度だったのに、数年たったころには普段の出る汗の3倍以上の汗が出るようになっていて洋服がびしょ濡れになったり、汗をかいて体が冷えてきたり、心臓の鼓動が大きくなって不安感が出てきたりと体調にも大きく変化が起きてきました。頭痛やめまいも出てきて、立っていられないときには家にこもったままで寝ていました。倦怠感やイライラなどの症状も当たり前のように出てきたのを覚えています。40代半ばで体も心もだんだんつらくなってきた40代からの体調不良が更年期症状だと意識し始めたのは、40代半ばになってからでした。しかし、シングルマザーの私には体調不良でも悩んでいる暇などない日々でした。自分のことより子どものことを優先していたため、更年期症状が出ていても、見て見ぬふりだったと思います。体の変化に目をそむけたままだったので、限界が来ていたのか心がつらくなるようなことがだんだん増えたのも40代半ば過ぎだった思います。食欲がなくただ眠くて体がだるい日々が続いていました。体が軽いと心も軽くなると気付く50代40代から悩まされてきた更年期症状と思われる症状ですが、50代になり2つの対策をおこなったことで、症状が緩和されてきました。まず1つ目はプチ断食です。食欲が出ないこともあり、10時間以上食べないこともありました。そうすると内臓が休まったのか、体の調子が徐々に良くなってきました。体の調子が回復するだけでなく、肌のハリも出て肌の調子も良くなったように感じています。そして、2つ目が運動です。私は50代になってから20代〜30代でしていたゴルフを趣味として再開することにしました。約20年ぶりのゴルフでしたが、月に1回自然の中での運動は気持ち良く、楽しむことができました。さらに、ゴルフで気の合う仲間と楽しい食事で笑うことが増えてからは、肌も体調も良くて若いころに近付いているように感じます。さらに、体調が良くなると心もラクになり、深刻に考えがちだった子どもの進路なども前向きに考えられるようになりました。40代のころとはまったく別人になったように気分も明るくなり、心に余裕も出てきました。まとめ40代から始まったと思われる更年期症状はプチ断食や運動をすることで改善されていきました。更年期の不調を通じて、体からの不調のサインを無視せず、しっかりと向き合うことが大事だと気付くことができました。元気に60代・70代を過ごすために体からのサインは見逃さず、体をいたわって過ごしていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/かみ(51歳)高校3年生の子ども1人。未婚の母。調理師資格を持ち、その知識を生かしたブログを書いている時間が楽しい。生米・ジャガイモ・大豆でヴィーガンレシピ考案中。何より宇宙が大好き。
2023年08月21日健康が取り柄だった私ですが、アラフォーになってから体のだるさやめまいといった症状に悩まされるように。ですが、更年期障害といえば「のぼせやホットフラッシュがあるはずだから、自分には関係ない」と思い込んでいたのです。そんな私が「更年期障害かもしれない」と気付けたきっかけは同僚の言葉。私が受診を決意するまでの経緯と、体だけでなく心も軽くなったエピソードを紹介します。★関連記事:「1時間おきにホットフラッシュが!」46歳で更年期障害になりホルモン補充療法をした結果【体験談】アラフォーになり感じ始めた不調は…不調の原因がわからず途方に暮れる日々眠りが浅くなったり、体がだるく疲れやすい。めまいもするし、仕事が思うように進まない。アラフォーになってから、これまでに経験のない不調を感じるようになりました。ですが、健康診断を受けても特に異常は見つからず。「この不調の原因は? 」と悩みましたが、仕事を休むほどではないと判断し、対応はあと回しになっていました。コーヒーを何杯も飲み、仕事が忙しいときはエナジードリンクにも頼るなど、その場しのぎで過ごす日々。ところがついに、無理がきかなくなる日が来たのです。1年前の夏ごろから、寝ても疲れが取れない状態になりました。自宅から最寄り駅まで約15分間歩くことすらつらく、へとへとです。特に困ったことが、帰宅時にスーパーに寄るのがおっくうになったこと。食生活も乱れがちになり「このままだと仕事が続けられない」と不安が募るようになりました。このときはまだ原因に見当もつかず。ドラッグストアへ通い、自己判断で睡眠のサプリや漢方の服用を何度か試してみましたが、大きな変化を感じることはできず、途方に暮れていました。病院へ行くきっかけとなった同僚の言葉そんなとき、アラフィフの同僚と話す機会があり、思い切って相談してみました。私の症状をひと通り聞いた同僚。そこで出た言葉が「それって更年期障害じゃない?」だったのです! 更年期障害といえばイライラやホットフラッシュといった症状の印象が強く、目からうろこが落ちた瞬間でした。同僚の言葉をきっかけに、更年期障害について改めて調べてみると、たしかに多くの症状が書かれています。私が感じるめまいやだるさ、不眠などもありました。そこで自己判断はもうやめて、一度受診してみよう、と一大決心したのです。いざ、受診日当日を迎えました。症状が少しでもラクになるかも、という期待と「どこも悪くない」と先生に嫌な顔をされるかも、という不安。両方が入り混じり、複雑な心境です。緊張しながらクリニックへ向かいました。先生からのアドバイスで前向きになれた先生は、私の話を丁寧に聞いてくれました。緊張が解けていきます。「しんどさをわかってもらえた。受診してよかった」と安心した気持ちになりました。診断はやはり更年期障害。先生からのアドバイスは「まずはお薬の力を借りて、自分の元気な状態はこんな感じ、ということを知りましょう。同時に生活習慣も整えて、元気な状態を続けていけるようにしましょう」ということでした。具体的には、私の症状に合わせた漢方の処方。また、食生活について「今の生活スタイルなら食物繊維を意識して食べてみて」と言われました。漢方はドラッグストアで買ったものと、処方されたものでは種類が異なり「加味帰脾湯(かみきひとう)」が処方され、自己判断の危うさを痛感して反省しました。また、食物繊維について意外だったアドバイスが「フルーツをたくさん食べて」ということです。フルーツは甘すぎるからダイエットに良くないと思い込み、なんとなく避けていました。ですが、ほかのお菓子を食べていたら結局同じ。むしろ、ケーキやクッキーと比べるとフルーツのほうがカロリーも低く、食物繊維やビタミンが豊富! 先生から丁寧にアドバイスしてもらえたことで、自分の捉え方が変わり、生活習慣を整えることに前向きな気持ちを持てるようになりました。まとめアラフォーになり、急に不調を感じることが増えた私。めまいやだるさといった症状が「更年期障害かもしれない」と気付けるまで時間がかかり、自己判断で間違った対処をして悪循環でした。ですが同僚の言葉をきっかけに更年期障害の可能性に気付き、勇気を出して受診することができました。先生のアドバイスもあり、現在は漢方の内服を軸に、楽しみながら食生活の改善に取り組んでいます。めまいは少し残っていますが、息切れをするような疲労感や起きたときのだるさが軽減してきたことを実感しており、以前よりも明るい気持ちで過ごせる毎日です。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。マンガ/山口がたこ著者/栢野しほ(43歳)うさぎ好きの兼業ライター。大好きな文章を書くことで誰かを励ます存在になりたいと思い、ライター業に打ち込んでいる。休日は、絶対に着替えない!と決めて部屋着で過ごすことが何よりの幸せ。
2023年08月19日更年期症状の一つといわれている首や肩の凝り。ただ、女性ホルモン(エストロゲン)減少だけが原因ではない可能性があり、凝りがひどくなると頭痛を引き起こすこともあります。そこでセルフケア法を含め、改善策を産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。教えてくれたのは…監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。★関連記事:更年期の代表的な症状って? のぼせ、ほてり、発汗があるときの治療と受診の目安【更年期の基礎知識4】「この記事はこんな人におすすめ」・更年期の首や肩の凝りの原因が知りたい方・セルフケアの方法が知りたい方・医療機関を受診するなら何科が良いか知りたい方更年期の首や肩の凝りの主な原因は?エストロゲンの低下以外に加齢による筋肉の衰えも更年期はエストロゲンの分泌量が低下することで自律神経が乱れ、血液循環が悪くなります。そのため筋肉に酸素や栄養が行き届かず、老廃物や疲労物質の回収などもスムーズにいかず首や肩に凝りが出るといわれています。ただ、それだけではなく加齢による筋肉の衰えも原因の一つです。首や肩の凝りを放っておくと、悪化して頭痛などにつながることもあります。症状緩和のためにまずおこなうことは?セルフケアや寝具の工夫を肩や首の後ろがかたくなり頭痛などが起こっているようなら薬物療法が必要になることがありますが、まずはセルフケアやはり・きゅう、マッサージなどを試してみましょう。首や肩の凝りを緩和するためには血行を良くして筋肉をほぐすことが大切で、手軽に始められるのは毎日のストレッチです。その他にも寝具のフィット感を確認したり、運動の習慣をつけることもおすすめです。首・肩甲骨をほぐす効果的なストレッチ2つセルフケアとして、首や肩甲骨をほぐすストレッチが効果的です。以下のものを試してみてください。肩のストレッチ肩の高さに腕を横に上げ、片方は手のひらを上に、反対は下に向け、ぞうきんを絞るような要領で両方の手のひらが逆向きになるようにねじります。ゆっくり10回繰り返して。首のストレッチ肩の力を抜いて首を回します。同じ姿勢を続けたときなど、右回り、左回りに2~3回ずつ回してみましょう。また、鍼灸やマッサージ、整体やアロマトリートメントなども効果があります。自分が試してみたい、気持ちが良いと感じるものを受けてみましょう。医療機関を受診するなら何科でどんな治療?整形外科や内科、婦人科をセルフケアをおこなっても改善しない、頭痛で毎日の生活に支障を来すような場合には、整形外科や内科、婦人科を受診してみましょう。整形外科では鎮痛剤、筋弛緩剤のほか、赤外線、ホットパックなどの温熱療法、脊椎を伸ばす牽引法などで治療していきます。婦人科や内科では、首や肩の凝りの症状に合わせた漢方薬が処方されます。葛根湯は風邪薬のイメージがあると思いますが、肩凝りにも効くとされます。また、肩凝り・頭痛は漢方学的に瘀血・水毒の所見とされ桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)も効果的です。さらに凝りがひどい場合は、麻酔科(ペインクリニック)での治療もあります。痛みを起こす部分(トリガーポイント)に神経ブロック注射をおこない痛みをなくします。ブロック注射は局所麻酔と同様なので、本当に激しい症状のときにおこなう治療法です。・整形外科で鎮痛剤、筋弛緩剤、温熱療法、牽引法など・婦人科や内科では漢方薬が処方される起こりやすい病気と注意したいこと肩凝りと勘違いしやすい五十肩に注意この時期に肩凝りと勘違いしやすい症状に、五十肩(肩関節周囲炎)があります。棚の上の物を取ろうとして手を上げたときなどに痛みが出るもので、肩の関節が炎症を起こしている状態です。この場合はもんだりしないで、整形外科を受診して安静にしながら消炎鎮痛剤で痛みを抑えます。その後、再発しないようリハビリ指導などを受け経過を見ます。放っておくと、関節が固まってしまうこともありますので注意しましょう。まとめ首や肩の凝りは更年期でなくても、ずっと抱えてきた人もいるでしょう。ただこの時期は、ホルモンバランスの乱れからさらにひどくなりがちです。以前より意識しながらセルフケアや代替医療などを取り入れると良いようです。放っておいても良いことは一つもありません。ぜひすぐにできることから試してみましょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/アキモトスズ「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。著者/監修/粒来 拓 先生よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長。日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。
2023年08月18日日本女性ヘルスケア協会長の新刊7月24日、更年期の症状に悩まされている女性などに向けた新刊『更年期で人生を好転させる 体と心のセルフマネジメント 東洋医学×心理学から導き出した 更年期をポジティブに楽しむためのバイブル』が発売された。著者は日本女性ヘルスケア協会長で、株式会社ロサ代表取締役、日本アーユルヴェーダ学会会員、アーユルヴェーダサロンROSA・ジョホレッチスタジオ主宰の鈴木まり氏である。四六判、176ページ、発行はGakken、定価は1,650円(税込)となっている。1万人以上の女性を指導してきた鈴木まり氏何かとネガティブなイメージがある更年期。それは更年期世代の女性自身が感じていることかもしれない。しかし、更年期だからといって、必ず更年期症状が出るわけではなく、毎月の月経から解放されることで、ポジティブに捉えている女性もいる。ただ、症状の有無や症状の程度は人それぞれで、激しい気分の落ち込みや発汗、動けなくなるほどの倦怠感など、心と体の変調に悩む人も少なくない。新刊では、1万人以上の女性にカウンセリングや指導を行ってきた鈴木まり氏が東洋医学や心理学などによる更年期症状の対処法と予防法を紹介する。「ホルモンバランスに負けない心と身体づくり」「-からだ- 自分の身体を知るアーユルヴェーダ診断」「-こころ- 人生を好転させる心の整理整頓法」「-エナジー- これから知っておきたい性愛と恋愛法」が解説されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※美人力PLUS『更年期で人生を好転させる 体と心のセルフマネジメント 東洋医学×心理学から導き出した 更年期をポジティブに楽しむためのバイブル』 ‐ 学研出版サイト
2023年08月07日更年期症状といえば、まずよく聞く症状はのぼせ、ほてり、発汗ではないでしょうか。これは女性ホルモン(エストロゲン)欠乏で起こる代表的な症状です。ただ、どの程度の症状で受診を考えるのかは悩ましいところですね。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。★関連記事:更年期症状がつらいときは何科を受診するの? 受診の目安は?【更年期の基礎知識3】「この記事はこんな人におすすめ」・更年期症状について、受診のタイミングや検査内容を知りたい方・更年期症状の具体的な治療法が知りたい方・更年期症状の治療をおこなう上でのリスクが知りたい方のぼせ、ほてり、発汗の主な原因は?エストロゲンの分泌低下により自律神経が乱れるため閉経前後の更年期に入ると、卵巣機能の低下、つまりエストロゲンの分泌が低下します。脳は一生懸命に刺激を出すのですが、卵巣からのエストロゲンの分泌量には波があり、うまく調整されません。いわゆる“ゆらぎ期”という、ホルモンバランスが乱れた状態になります。のぼせ、ほてり、発汗はエストロゲン減少により、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることで起こります。更年期の女性の6割程度が経験するといわれ、そのうち日常生活に支障を来すほど重症になるのは1割程度といわれています。医療機関への受診の目安は?日常生活に支障を来す場合は自分の気持ち最優先で症状としては突然2~4分間持続する熱感と発汗を自覚し、脈拍も早くなります。ほてりや発汗は顔をはじめ、頭部、首から胸に広がります。また、突然体がカッーと熱くなったり、急に顔が紅潮したり、涼しいのに汗が止まらないなどの症状なども見られます。初めは戸惑う症状ですが、許容できる範囲内なら様子を見ても構いません。ただ、それらの症状が日常生活に支障を来すようなら気軽に婦人科で相談をしましょう。不快さやつらさは本人の感覚ですし、仕事や環境によっても感じ方は変わります。我慢せずに自分の気持ちを最優先して受診を決めましょう。婦人科の受診でわかることは?検査結果次第では内科の受診を勧められることものぼせ、ほてり、発汗といえば更年期症状の代表ともいうべき症状ですが、甲状腺疾患のサインであることもあります。甲状腺機能異常は更年期世代の女性に多い疾患です。甲状腺の機能が亢進するとバセドウ病、低下すると橋本病といわれます。どちらも疲れやすい、だるいといった症状になりますが、バセドウ病は特に熱感、発汗を伴います。通常、婦人科では女性ホルモンの採血ともに甲状腺ホルモンの検査もおこないます。もし異常があれば内科の受診が勧められます。具体的な治療例2つとセルフケア1.ホルモン補充療法(HRT)2.漢方療法3.セルフケア「自立訓練法」【1】ホルモン補充療法治療法は、ホルモン補充療法(HRT)をはじめ、漢方薬や安定剤などさまざまです。医師はそれぞれの症状に合わせて治療をおこないます。ホルモン補充療法はエストロゲンを体に補充する治療法で、内服薬・貼り薬・ジェル状の塗り薬があります。更年期症状の中でも、のぼせ、ほてり、発汗といった症状には特に有効です。開始してから2週間ほどで効果が出始めます。5年以上使用する場合は乳がんのリスクが上がるといわれているため、通常2~5年くらい使用しますが、5年で必ずやめなければならないということではありません。そのリスクと治療効果を考慮しながら検討します。いきなりやめるとまた症状が出てしまうこともあるので、生活環境を整えたり、セルフケアなども取り入れながら、だんだんと減量し、ゆっくりやめる方向へ持っていきます。【2】漢方療法また、症状によっては漢方療法も有効です。代表的な漢方は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などがあります。漢方は2週間から1カ月使用して効果を確認し、ラクになった感じがなければ処方内容を変更して、本人に合った漢方薬を見つけていきます。【3】セルフケア「自立訓練法」セルフケアの一つとして、自立訓練法があります。薬物治療ほどの効果は期待できませんが、これをおこなうことで自己コントロール力が身につき、症状緩和につながることもあります。●静かに落ち着ける場所で椅子に座るか、あお向けで横になり目を閉じます。下の7項目を唱えながら、その状態になるように気持ちを向けます。①気持ちがとても落ち着いている。②手足が重い。③手足が温かい。④心臓が静かに打っている。⑤呼吸がラクになっている。⑥おなかが温かい。⑦額が涼しい。●終了のための消去動作をおこないます。①手足が軽い。②手足の温かさが引いてくる。③おなかの温かさが引いてくる。④額の涼しさが引いてくる。⑤気持ちがとても落ち着いている。●1回5分以内で、1日2~3回おこないます。治療をおこなう上でのリスクはホルモン補充療法は定期的な乳がん検診をホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるのではと、不安に思われる方も多いと思います。しかし、ホルモン補充療法による発がんリスクは、肥満や飲酒による発がんリスクと同程度か、それより低いことが最近の研究で明らかになっています。ホルモン補充療法は、ほてりや多汗、めまいやイライラなどに対し有効な治療法であることは間違いありません。過度に恐れる必要はありませんが、治療の際には必ず乳がん検診を受けましょう。・更年期症状の主な治療法は、ホルモン補充療法(HRT)と漢方療法の2つ・ホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるといわれているので、治療の際は定期的に乳がん検診を受けるまとめのぼせ、ほてり、発汗がひどいと、ずっと不快感を抱えて生活しなくてはならず、人前に出るような仕事や機会が多い場合はかなり気になりますよね。この程度で受診してもいいの?と考えてしまうかもしれませんが、我慢せずに受診して快適な生活を手に入れるほうが精神的にもラクになれます。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/アキモトスズ「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。著者/監修/粒来 拓 先生よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長。日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。
2023年08月07日自覚症状がないと、検診を疎かにしてしまう方もいるのではないでしょうか?しかし、なかには症状がなくとも疾患が判明したケースもあるようです。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修者:ひなたクリニック院長、三橋 裕一1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。主婦Aさんの場合……子宮筋腫と診断されたことがあります。自覚症状は全くなく、子宮がん検診を受けた時に「筋腫があるね」と言われて初めて気づきました。どんな治療を受けましたか?検診の時に紹介状を出され、1番大きい病院に行きました。現在は3ヶ月に1回診察を受けて経過観察しているところです。先生は女性の先生の方が受診しやすいですが、男性の先生でも良い先生もたくさんおり、相性が大事だと思います。世の女性陣へ伝えたいことは?自覚症状がなくても健診は必ず行った方が良いです。婦人科の診察は、内診、がん検査、超音波検査があります。会社の健診や人間ドックなどは内診とがん検査しか行わないことがほとんどです。子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などは超音波検査を行わないと分かりません。私の場合、たまたま分かりましたが、自覚症状が全く無くても症状が進行している場合があります。血液検査で「貧血がある」「月経痛が強い」「月経量が多い」「腹部の違和感がある」ような場合はきちんと婦人科を受診することをお勧めします。読者の感想は……『自覚症状がなくても、健診には行った方が良い理由がわかりました。』『自覚症状がないというのが怖いです』『私自身も生理痛がひどくて、子宮内膜症と診断されたので何か違和感があったらすぐに病院に行くことが大事と改めて思った』『何かあってからでは遅いのだと実感します。』と、さまざまなコメントが寄せられました。定期的な検診を受けよう子宮がん検診で、子宮筋腫だと判明したAさん。忙しい生活を送っている方もいるかと思いますが、年に1度は定期検診を受けてみてください。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:ひなたクリニック院長、三橋 裕一※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年08月04日更年期と言われる年齢になってからというもの、体のだるさ、動悸、憂うつ感、頭痛、手の震え、不眠、発汗などなど、あまりにもいろいろな症状が予想もつかないときにやって来ます。そのたびに強い不安感を覚えていました。それが更年期症状はホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を及ぼすことにより起こる現象であることを理解すると、不安感なく対処できるようになった体験談を紹介します。★関連記事:自律神経が乱れやすい更年期。自律神経って何? 自律神経が乱れるとどうなる? どう整える?【医師監修】更年期の症状なのか、それとも大病なのか40代後半になったころから、急にドキドキして心拍数が上がったり、息苦しくなって深呼吸して呼吸を調整したり、暑くもないのに突然汗が出てきたり、手が震えたり、体がだるかったり、さまざまな症状が予測もなく襲ってくるようになりました。それらの症状のみであれば、一般的に言われている更年期の症状のようなので、年齢的なものだと自分自身に言い聞かせられるのですが、私の場合、大病ではないかと思われる症状も出てきたのです。それは急に手が震えて、脳の中で一瞬の軽い痛みとともに、さーっと血の気の引くような感覚がするというもの。この感覚を度々経験するようになり、もしかして自分は脳の病気でもあるのではないか、生死に関わるような脳疾患ではないかと心配で居ても立ってもいられず、病院に駆け込みました。しかし、脳ドックでMRI検査をしてもらった結果、特に脳の病気ではないことが判明。まるで生死の淵から生き返ったようにホッとしました。自律神経は心身を健康に保つ根幹的な神経脳の違和感以外にも、体調の変化を感じることがありました。あるときは呼吸するのが苦しくなり、心臓がドキドキして、死ぬかもしれないと思ったほど。そのときは救急車を呼ぶか迷いながら呼吸を繰り返して30分くらい静かにしていたら、症状が治まってきたのでした。他にも急に汗が出てきたり、体がかっかして熱くなり、周りの人に「暑いね」と言っても誰も同意をしてくれず、自分だけが熱くて汗までかいていたこともあります。そのような状況になるたびに、自分は深刻な病気を抱えているのではないかという強い不安を覚えました。更年期の症状は人により深刻度も症状も異なるそうなので、余計に不安でした。そんなとき、不眠で通院していた更年期外来の医師が不眠やその他の更年期障害にはすべて自律神経の乱れが影響をしているという話をしてくれました。全身を緊張させたり、弛緩させたりするのは自律神経の働きによるものであり、この自律神経がうまく調整できていれば、環境が変化しても体は安定した状態に保たれるとのことなのです。私は自律神経を整える働きがあるという漢方薬「抑肝散(ヨクカンサン)」を処方されました。自律神経の乱れる更年期をうまく過ごすには医師によると、例えば心拍数や呼吸数が増えるのは体中に血液や酸素を届けるため、発汗するのは体が熱くなり過ぎるのを防ぐため、緊張したり震えたりするのは覚醒状態を保つためであるとか。私が不安に感じていた症状は、逆に自分の体がある意味きちんと状況を把握して反応しているということであり、しっかりと自律神経が機能している証拠だと知り、少し安心しました。ただ、更年期はホルモンバランスが乱れているので、体を調整するために自律神経が活発に動くとつらいときもあります。そういう場合には我慢をしないで、無理せずに体を休めたり、更年期外来に通院したりしてフォローしていけば良いのだということがわかりました。そういったメカニズムがわかると、自分の体で何が起こっているのか理解できるので不安感もなくなり、冷静に対処できるようになりました。今は医師のアドバイスに従い、自律神経のバランスを整えるために食べ過ぎたり、不規則な時間に食べたりしないように。毎日なるべく歩くようにし、早寝早起きをして、規則正しい生活を心がけています。まとめ人によりさまざまな症状が出て、生命に関わる大病ではないかと思ってしまうくらいつらいときもある更年期の症状ですが、私はそのメカニズムを知ることにより、強い不安感から解放され、前向きな気持ちになれました。まだまだつらい更年期症状に悩まされるときもありますが、少しでもラクに過ごせるように、1日3食をしっかり取り、適度に運動をし、良質な睡眠を取り、規則正しい生活をしていこうと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。イラスト/塩り著者/輝歩 (51歳)勤続約30年となる会社員を務める傍ら、ファイナンシャルプランナーとストレッチインストラクターの副業をこなすシングルマザー。
2023年08月01日更年期症状は誰にでも起こるもので、症状の程度はさまざま。軽く済む人もいれば、日常生活もままならない状態に陥る人も。症状がつらく日常生活に支障を来すのなら、それは更年期障害です。我慢しないで医師の診察を受けましょう。ただ、更年期障害の症状はさまざまで、何科にかかれば良いのかわからないということも。受診の目安や何科を受診すれば良いのかを産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。教えてくれたのは…監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。★関連記事:「更年期障害」とはどんな症状? 症状が表れる仕組み、なりやすい人の特徴を解説【更年期の基礎知識2】「この記事はこんな人におすすめ」・更年期症状が出たらまず何科を受診すれば良いか知りたい方・更年期症状で受診する際の注意点が知りたい方更年期障害に我慢は無用。受診するのは何科?まずは婦人科で全体的な不安を相談更年期障害はさまざまなので、日常生活に支障が出るくらいひどいようなら我慢せずに医師の診察を考えましょう。まずは、更年期障害の全体的な不安を相談するという目的で、婦人科で相談してみてください。子宮がんや子宮筋腫、卵巣嚢腫など婦人科の病気の有無を確認し、月経の状態やホルモン値の結果などから更年期障害なのかを判断してもらいます。複数の科との連携も更年期には、実は更年期障害が原因ではなく、他の病気が隠れているケースもあるので、本当に更年期から来るものなのかをきちんと調べることも大切です。例えば、動悸・息切れは本当は心臓の病気かもしれません。めまいは耳鼻科疾患や脳梗塞のサインなんてことも。婦人科から症状に合った他の科での詳しい検査をするよう紹介される場合も多くあります。更年期障害は多岐にわたるので複数の科との連携で診察していくものなのです。更年期障害とうまく付き合うには自分と相性の良い医師を見つけることが大切更年期障害で複数の科を受診するようになったとしても、とりあえずなんでも相談しやすいホームドクターがいると心強いものです。それは婦人科に限らず、どんな科の医師でも自分との相性の良さを優先して決めましょう。つらい本音を話しやすく、何科で診てもらうべきか相談できるような医師を見つけられると良いですね。日本女性医学学会(旧日本更年期医学会)のホームページで、産婦人科の中でも特にホルモン関連に伴う不調を専門とした女性ヘルスケア認定医を検索できるので、それを利用してみるのもおすすめです。※日本女性医学学会・更年期症状と思われる症状が表れたら、まずは婦人科を受診・なんでも相談できるホームドクターがいると安心まとめ更年期障害は程度の差こそあれ何年か続くケースもあるので、我慢しないで早めに受診を考えることは大切です。自分と相性の良い医師を見つけ更年期障害とうまく付き合っていくことができれば、ひとりでつらい思いをしなくても済みますね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。著者/監修/粒来 拓 先生よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長。日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。
2023年07月23日暑い夏、寝汗が気になるという人も多いのではないでしょうか。不快感で目覚めてしまったり、朝起きたら身体がベタベタして不快だったり……。今回は、寝汗が起こる原因と対策について女医の筆者が解説します。寝汗の原因:体内的な要因があるケース寝汗は、体の内外のさまざまな要因から引き起こされます。まずは体内的な要因を詳しく見てみましょう。体内的な要因1.ストレスや不安ストレスや不安を感じたとき、交感神経が活性化します。交感神経の働きによって体温が上がると、寝汗の原因になることがあります。体内的な要因2.病気甲状腺の異常や睡眠時無呼吸症候群(※1)など、一部の病気が原因となって寝汗を引き起こす可能性があります。体内的な要因3.更年期女性の場合、閉経を迎える更年期になるとホルモンバランスが大きく変わります。これが、体温調節機能に影響を及ぼし、寝汗を引き起こすことがあります。寝汗の原因:体外的な要因があるケース続いて、寝汗が起こる体外的な要因について解説します。体外的な要因1.適切でない寝室の環境室温調整がうまくいっていなかったり、不適切な寝具を使用していたりすると、寝汗をかきやすくなってしまうでしょう。体外的な要因2.アルコールの摂取アルコールは一時的に体温を上げる可能性があり、寝汗を引き起こすと考えられます。自分でできる「寝汗の対策」とは?寝汗が続くと、寝苦しさから夜中に目が覚めたり、不快感で睡眠の質が悪化したりして、睡眠不足になってしまうことがあります。また、寝具に吸収された汗をそのまま放置すると、嫌なニオイの原因になるだけでなく、雑菌の繁殖によって肌トラブルを引き起こす可能性も。寝汗によるトラブルを防ぐために、自分でできる対策を知っておきましょう。1.ストレスをコントロールする慢性的なストレスを感じていると、自律神経が乱れてしまい、過剰な寝汗につながることがあります。ストレスをためすぎないように、リラクゼーションや適度な運動をするといいですね。暑い夏であってもシャワーで済まさず、お風呂にゆっくり浸かってリラックスする時間を作るのもおすすめです。2.寝室の環境を整える寝るときの環境を整えることはとても大切です。室温を26℃程度、湿度を50~60%程度に保つのが理想的とされており、エアコンなどで調整してみてください(※2)。また、寝具は汗を吸収しやすく湿気を逃すような素材のものがおすすめです。特に寝汗がひどい場合は、速乾性に優れたものを選ぶといいでしょう。パジャマやシーツなど、寝具全体を見直してみてください。3.病気の治療を検討する自分でできる対策をしても寝汗が改善されないときは、病気が原因となっているかもしれません。特定の病気が原因の場合は、病気の治療をすることで改善する場合があります。特に更年期くらいの年齢を迎える女性は、更年期症状のひとつとして寝汗の症状が出ていることも考えられます。更年期症状のひとつの症状である場合には、寝汗以外にも、ホットフラッシュやめまい、不眠や疲れやすさなど、他の症状を併発していることが多いです。また、睡眠時無呼吸症候群といって、睡眠中に息が止まってしまう病気もあります。寝汗の原因になるのはもちろん、内蔵に負担がかかって高血圧や心臓病の原因になることも。きちんと寝ても眠気がとれない、いびきがひどいといった症状に心当たりのある方は、一度病院で相談してみるといいですね。おわりに寝汗が止まらない場合、それは体の内外からのさまざまな要因が絡んでいる可能性があります。更年期、ストレスや不安、病気、寝室の環境、アルコールの摂取などいろいろな原因が考えられますが、それぞれに対する適切な対策を講じることで、快適な睡眠を取り戻すことは可能です。ただし、自分で解決できない場合や症状が続く場合は、医療機関で相談してみるといいですね。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット睡眠時無呼吸症候群/SAS※2 厚生労働省.e-ヘルスネット不眠症/SAS©VioletaStoimenova/Filmstax/Tetra Images/gettyimages筆者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年07月21日閉経に向かうにつれ、女性ホルモンの分泌が少しずつ減る更年期。その一方で、男性ホルモンが増えるという話を聞いたことはありませんか。そもそも女性に男性ホルモンがあるのか、ある場合、更年期には増えてしまうのか、気になることについて産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:<老化のメカニズム>更年期のうつ症状を改善するカギは男性ホルモンにあり【医師解説】女性にも男性ホルモンはある?そもそも、女性には男性ホルモンはあるのでしょうか。「女性は男性の約10分の1の量ではあるものの、男性ホルモンがあります。更年期になり、女性ホルモンが急激に減ったあとでも、男性ホルモンの減少は緩やかなので、元気な体を維持できているのです。よく、更年期は男性ホルモンが増えると誤解されるのですが、女性ホルモンが急激に減ることで男性ホルモンが優位になり相対的に増えて見えるだけで、増えるわけではありません」(駒形先生)。とはいえ、男性ホルモンも加齢とともに減り、80代にはほぼ分泌しなくなるそうです。男性ホルモンとは?ところで、男性ホルモンとはどんな特徴があるのでしょうか。「男性ホルモンは『テストステロン』と呼ばれ、体調の調整、決断力、判断力、意欲、性欲などを司ります。筋肉や骨の発達を促進するので例えば肩幅を広くしたり、胸板を厚くしたり、太ももを太くしたりと、いわゆる“たくましい肉体”の素になります。ひげが生えたり毛深かったりするのも、テストステロンの働きです」(駒形先生)。男性ホルモンの影響は髪に出やすい更年期になると男性ホルモンが優位になるということですが、それでは急に毛深くなったり、性欲が増したりするのでしょうか?「男性ホルモンが増えるわけではなく、また、もともと男性に比べれば少ない量なので急に毛深くなるということはありません。しかし、個人差はありますが男性ホルモンが優位になることで髪の毛に変化が出る女性は多いようです。髪の毛は、男性ホルモンが司る部分と、女性ホルモンが担当の部分があります。例えば、男性ホルモンが強く関わっているのが、生え際や頭頂部。男性の抜け毛や薄毛はこの部分が多いですね。女性ホルモンがあることで保たれていた生え際や頭頂部の髪が、急激に減ることで守れなくなり、かつ、男性ホルモンが優位になったことで抜け毛や薄毛が起こることがあります」(駒形先生)。毛深くなるほどの男性ホルモンの量はないものの、抜け毛や薄毛と関わってくるということです。性欲は強くなる?一方、性欲はどうなのでしょうか。むしろ、更年期には減退する女性が多いように感じます。「男性ホルモンの性欲と女性ホルモンの性欲はもともと違っていて、前者は発散するタイプ、後者は受容するタイプのもの。受け入れたいという気持ちは減るものの、発散したいという気持ちは残っているのではないでしょうか。更年期の女性は性欲がないかといえばそんなことはなくて、結局は相手次第なのだと思います」(駒形先生)。まとめ発散したいという性欲は残っている……ということは、そういう意味ではオス化しているのかもしれません。しかし、既婚女性の場合、パートナーと発散したいという気持ちがどれだけあるかは、本当に個人差があるのではないでしょうか。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年07月20日ほてりやイライラなどの更年期症状がひどくなり、更年期障害となる原因はあるのでしょうか? 実は更年期障害は、環境の変化や加齢などさまざまな要因が重なって起こるものだといわれています。そこで今回は、更年期障害の原因について産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。更年期の症状や更年期障害についてお悩みがあるという方はぜひ参考にしてくださいね。★関連記事:更年期の症状ってどんなもの? いつから? 更年期症状と更年期障害の違いとは?【更年期の基礎知識1】『この記事はこんな人におすすめ』・更年期について知りたい方・更年期障害になる仕組みについて知りたい方・更年期症状や更年期障害にお悩みの方更年期症状が表れる仕組みエストロゲンの分泌量と自律神経の乱れが深く関わっている卵巣の寿命は50年前後といわれます。卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌は、脳にある視床下部と下垂体が卵巣を刺激するホルモンを使ってうまく調整されています。しかし、卵巣の機能が弱ってくると、エストロゲンの分泌量が不安定になり、脳からの刺激がうまく機能しません。そのゆらぎの結果、自律神経が乱れ体にさまざまな不調が表れるようになります。それが更年期症状です。更年期障害になりやすい人の特徴と対策ひとりで抱え込まずに周りの人に相談することが大切更年期症状は、程度の差や出る症状の違いはありますが、つらいと思わずにうまく付き合っていける人もいます。その症状がひどくなり更年期障害になってしまう場合、エストロゲンの分泌量の減少が第一の原因ではありますが、なりやすいタイプや社会的環境も影響しているといわれています。特に更年期障害になりやすいタイプは、“まじめ”“完璧主義”“神経質”な人が多いとされます。一方、なんでも「ま、いいか~」「なるようになる」などとおおらかに考えられる人は軽く済む傾向があるとされます。社会的環境の要因としては、育児、家事、仕事、親の介護など、自分の生活に大きな変化があり、それらのストレスが重なると症状をひどくする原因になります。症状を悪化させ更年期障害までいかないようにするためには、ひとりで問題を抱え込まず、できるだけ周りの人に相談したり、協力を得られるようにすることが大切です。『更年期障害になりやすい方の特徴』・まじめな方・完璧主義な方・神経質な方まとめ更年期症状を更年期障害へと悪化させないためには、周りの人に協力してもらいながら、自分の不調を受け入れ、つらいときはつらいと声に出し、いつかは安定すると信じて過ごすことです。ただ、気軽に話せる人がいないと思うなら、婦人科、心療内科、精神科、内科など更年期の専門家に頼るのが症状軽減の近道です。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。著者/監修/粒来 拓 先生よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長。日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。
2023年07月19日育児と仕事、その他の雑務で疲れているところに、更年期障害が襲ってきました。その更年期障害をやっと克服し、家族や周囲と向き合う余裕が生まれたと思ったら、気が付けば夫婦の会話が激減。更年期障害と診断され、症状が緩和されるまでの間は夫婦とはいっても、毎日一言、二言程度のあいさつだけでした。そんな私たち夫婦が、実際にどのような行動や態度を取って会話が復活したのかを紹介します。★関連記事:「やっぱり寂しい」夫が初めての単身赴任! 離れてわかった夫婦のコミュニケーションに大切なものとは唯一の会話は「おやすみ」という日々更年期障害で苦しんでいる間は、とにかく周りがまったく見えていませんでした。子どもの学校の支度や宿題、家事だけはなんとかこなそうとしましたが、それ以外は家族と話すのもおっくうに。子どもは無邪気に際限なく話しかけてくるので私も話しますが、夫とは必要最低限の伝達事項しか伝え合わなくなりました。夫は寡黙なほうではないのですが、私の感情を読むのがうまいため、黙っていると夫からも話しかけてくることはありませんでした。しかし、感情を読むのがうまいとは言っても、私に対してやさしくするとか育児や家事などを代わりにしてくれるような気づかいは持ち合わせていないわが夫。そのため、週末は子どもの習い事などに出かけると夫もそれに合わせ外出してしまうので、就寝するときの「おやすみ」という言葉が唯一の会話という日々が3カ月ほど続きました。会話しようと思っても空回りばかり夫と話をしようと思っても、会話のない日々を過ごしてしまうと、前のように話すのは難しくなってしまいました。私たちの場合には、主に3つのことが原因で会話が途切れることに。1つ目はタイミングです。夫が話しかけてきてくれても、私は夕食作りに没頭していたり、子どもの宿題チェックに忙しかったりで生返事ばかり。そうこうするうちに、夫も私に話しかけなくなってしまいました。2つ目は私の感情的な言葉です。私の更年期障害の症状は、いきなり涙がボロボロ流れたり、急にイライラしてしまったりすることでした。普段は気にしない言葉でも感情的になっていると、夫の何げない言葉にもついつい絡んでしまうように。「無理しないでいいじゃん」という夫の言葉についカッとなってしまい、「誰が掃除と料理をやるのよ!」と涙ながらに叫んだこともしばしばありました。3つ目は夫の反応の少なさです。夫はある意味素直な人なので、自分に興味のない話などは表情が固まることがあり、意見を求めても「うん」か「へー」しか言わないことも。最初は怒っていたのですが、徐々に怒るのも疲れてきてしまい、夫が興味のなさそうなことは話さないようになりました。会話復活のためにおこなった3つの方法私にとって夫は家族であり、恋愛感情などはもうないかもしれません。しかし、付き合う前から友だちだった夫ともう一度楽しい会話がしたくて、会話を復活させようと思いました。最初にしたことは、夫の話を真面目に聞く、または聞くフリをすることです。ささいなことかもしれないですが、私は家事や自分自身のことに夢中で、話を聞くどころか夫の顔さえ見ないことも。夫の話はつまらない話も多いので、時には話を熱心に聞くフリをしていました。次は夫の仕事について質問をするようにして、夫からも話させるようにしました。夫はある分野の講師もしていたので、得意分野の話ならば何時間でも話せます。最初は戸惑っていましたが、徐々に私の目を見て話すことも増えてきました。最後にしたことは、夫と話し合うことや家事の分担などを思い切って頼んでみました。夫もいきなりの変化に戸惑っていたそうですが、もともと友だちですので前のように話せるのはうれしかったようです。また、家事や子どもの宿題を手伝ってみて、初めて大変さを実感できたそう。夫は単純な人なので、2週間ほどで前のように話せるようになりました。まとめ育児や仕事、更年期障害など自分の身に降りかかることを必死でこなしていました。それがやっと収まり、周りを見る余裕ができたら夫との会話がなくなっていました。原因も解決策もすべてささいなことばかりですが、2週間後くらいには以前のように会話できるくらいまでに回復。私たち夫婦はこの方法で救われました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。イラスト/すうみ著者/Yoko(43歳)とても元気な小5の女の子と小1の男の子と家事をしない夫と楽しく暮らしてはいる。しかし、フルタイムで仕事をしていて、さらに更年期のような症状もボチボチ始まり家事と育児と仕事でかなり疲労気味の主婦。
2023年07月12日4人の子どもを育てていた私はネイルとは無縁で、健康的な生活を送っていたので爪のトラブルが起こったこともありませんでした。しかし更年期を迎えてから爪が欠けやすくなり、閉経を迎えるころには割れてしまうのが日常茶飯事となったのです。パソコン作業が欠かせない私が、爪を保護するために始めたネイルケアについてお話しします。★関連記事:「爪をいたわってあげたい!」加齢とともに割れやすくなった爪をお手入れしてみたら【体験談】机に爪がぶつかると割れる!仕事の資料を机に置こうとしたときに、誤って爪をぶつけてしまうことがあります。若いときは痛みを感じるだけで済んだのに、近ごろは必ずと言っていいほど爪が欠けたり割れたりするようになりました。更年期を迎えて洗い物の後はハンドクリームを塗るようにしていましたが、割れた爪を見ると乾燥しているように感じたのです。気になって調べてみると、爪の先端から根元に向かって割れることが多いのも乾燥と関係しているようでした。食生活の見直しからスタート爪の主成分はケラチンと呼ばれる繊維たんぱく質ですが、更年期を迎えて女性ホルモンの分泌量が減少すると体内でケラチンを保ちにくくなるようです。私は更年期対策として女性ホルモンと似た働きを持つイソフラボンを含む大豆製品を食べることは意識していましたが、ダイエットを目的に肉や魚を食べる回数を減らしていました。ケラチンを保持する上でたんぱく質が大事だとわかってからは、肉と魚介類と卵を意識して食べています。また薄い爪を固く丈夫にしてくれる作用があるビタミンAを摂取するため、鶏レバーや緑黄色野菜も食習慣に取り入れました。甘皮部分をしっかり保湿!娘にネイルオイルをプレゼントされたこともあり、爪のケアとして用いていました。生えた爪だけをケアしても、もろさは改善されませんでした。原因を調べてみると、爪の甘皮部分が乾燥したままでは生えてくる爪がもろくなることを知って驚きました。そこで爪の甘皮をケアする際には保湿効果の高い、顔用の乳液やクリームを使うことにしたのです。1カ月ほど甘皮の保湿ケアを続けたところ、爪の状態が良くなってきたように感じます。爪が欠けたり割れたりする頻度も減りました。まとめ更年期になったからには、ドライシンドロームと呼ばれる肌や口、髪の乾燥は避けられないと思っていました。しかしドライシンドロームが爪にまで及び、私にとって小さなストレスになるのは意外な出来事でした。今後も元気に美しく年齢を重ねていくために、爪のケアは日々の習慣として続けていきます。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著者/サトウ ユカコ(54歳)広告制作プロダクションで、プランナーやディレクター、ライターを兼務。双子を含めた4人の子どもがいる。小学校教諭、幼稚園教諭の資格を持っている。
2023年07月08日40代になってから、「生理が今までと違う」と感じたことはありませんか? 更年期症状や閉経のことが気になる年代が抱えやすい生理の悩みについて、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:トイレが真っ赤っか! 突然の大量出血、予測不能な生理周期…閉経前に起きた生理トラブルのリアル閉経が近づくと生理はどう変わる?周期が乱れやすくなり回数が減ってきます40代になると卵巣機能が低下し、ホルモンバランスが崩れ、生理周期は乱れやすくなります。閉経が近づくと、生理の回数も1カ月おき、2カ月おき……と少しずつ減っていくことが多くなります。その後、1年間継続して生理が来なければ閉経となります。経血の量は変わる?多かったり少なかったり、人それぞれ回数は減っていきますが、量については個人差があります。閉経が近づくと量が減っていくと思っている人も多いようですが、必ずしもそんなことはありません。卵巣機能が低下してホルモンバランスが崩れることで、急に多くなったり少なくなったりと、経血の量は乱れやすくなります。生理が今までと変わってきたらどうする?生理不順=更年期とは限らず、定期的な検診で自己管理をこのカードは本物ではありません更年期になると生理が乱れやすいのは事実ですが、だからといって生理不順のすべてが更年期症状であり、閉経のサインというわけではありません。閉経の前後5年間、合計10年間を更年期と呼びますが、閉経前の生理不順が更年期によるものだったとわかるのは閉経になってから。生理不順の原因には、さまざまな病気が隠れていることもあります。生理が今までと違うからといって慌てる必要はありませんが、年1回の健康診断は必ず受けてセルフチェックしておきましょう。そのとき、婦人科のがん検診とエコー診断を受けるとさらに安心です。まとめいかがでしたか? 閉経が近づくと、生理の回数や量がそれまでとは違ってくるということがわかりました。ただ、閉経とは関係ないケースもあるということも忘れずに。定期的に健康診断を受けて、セルフチェックすることが大切です。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年07月04日誰にでも訪れる更年期。しかし、具体的に更年期の症状がどんなものかを把握しているという方は意外と少なく、どんな症状が訪れるのかと不安に感じているという方もいるのではないでしょうか? そこで今回は、産婦人科医の粒来 拓先生に更年期はいつから始まり、どんな症状が出るのかを聞いてみました。専門家のお話を参考にして、更年期についての正しい知識を身につけていきましょう。教えてくれたのは…監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。★関連記事:「なぜ更年期はイライラしやすくなるの?」今すぐできる改善策を医師がアドバイス!『この記事はこんな人におすすめ』更年期についての理解を深めたい方更年期の症状がどんなものか知りたい方更年期がいつから始まるのか知りたい方更年期症状ってどんなもの?のぼせやほてりなどさまざまな体の不調更年期症状とは、更年期の期間に表れるさまざまな症状のことをいいます。脳の視床下部は頑張って分泌させようと指令を出し続けますが、それまでのようにはエストロゲンを維持できません。エストロゲンは子宮だけでなく体のさまざまなところに作用しています。不足するとのぼせ、ほてりなどの症状や、発汗など自律神経失調症に似た症状をはじめ、さまざまな体の不調を引き起こします。これが更年期症状です。誰もが迎える更年期ですが、症状が軽く、生活に支障なく過ごせる人も多くいます。自分で心身の変化や状態を受け止めて、医療機関への受診を含め更年期症状とうまく付き合う方法を見つけていくことが大切です。よく表れる更年期症状とは?更年期によく表れる症状は、以下のものがあります。血管運動神経症状(のぼせ、ほてり、発汗)精神神経症状(イライラする、憂うつになる、不眠、不安感が強い)頭の症状(頭痛、頭が重い)末梢神経系(手足のしびれ、こわばり)運動器系(肩凝り、腰痛、関節痛)生殖・泌尿器系(頻尿、尿漏れ、性交痛)皮膚の症状(乾燥肌、かゆみ)消化器系(喉の違和感、おなかが張る、便秘)循環器系(動悸、息切れ)全身症状やそのほか(だるい、疲れやすい、冷え、めまい、ふらつき、ドライアイ、目の疲れ、においに敏感、物忘れが多い、指が太くなる、太りやすい)特によく表れる更年期症状は、「1.血管運動神経症状ののぼせ、ほてり、発汗」、次に多いのが「2.精神神経症状のイライラする、憂うつになる、不眠」などです。表れる症状は人によってさまざま。症状に強弱はあるものの、いろいろ重なって表れることが多いとされます。【主な更年期症状】・のぼせ・ほてり・発汗・イライラする・憂うつになる・不眠更年期っていつから?閉経前後の10年を「更年期」という卵巣には寿命があり、一般的には50歳前後だといわれています。その卵巣が弱ってきて、今まで規則的に分泌されていた女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が減少し、その結果、月経が止まることを閉経といいます。この閉経の前5年、後ろ5年の合わせて10年間を「更年期」と呼びます。月経は突然パタッと来なくなる人はまれで、周期が短くなったり、だんだん間隔が空いたり、不順になったと思ったらまた順調に来たり……と閉経までの過程は人によってさまざまです。最終的に、最後の月経から1年間出血がなければ閉経と診断されます。日本人の閉経年齢の平均は50.5歳とされますが、実際には45歳から55歳までと幅があり、その人にとっての閉経年齢から前後5年間が更年期となります。ですので、40代に入れば誰しもが更年期である可能性があります。更年期症状と更年期障害との違いとは?「更年期症状」と「更年期障害」は区別して考えよう!ここからは、「更年期症状」と「更年期障害」の違いについて説明しましょう。更年期症状は、エストロゲンの分泌低下に伴うもので誰しもが通る道です。かといって、過度に不安になる必要はありません。実際に、生活に大きく支障が出ると「更年期障害」といいます。「更年期症状」の範囲内で過ごせるか、「更年期障害」となってつらくなるかは、エストロゲンの分泌低下だけでなく、精神面、環境面の要素が大事であるとされています。一般的には、頑張り過ぎて、更年期に戸惑いを感じている方がなりやすい印象です。残念ながら20代・30代のバリバリ元気な世代とは体が異なります。エストロゲンの分泌量が不安定になり、そのゆらぎが体につらくこたえるのが更年期です。ひとりの社会人であり、妻であり、嫁であり、娘であり、母である。女性を称する言葉はたくさんあります。ひとりでいろいろな役割をこなして休みがない世代といえるでしょう。更年期とうまく付き合うためには、他の誰かのためではなく自分優先、自分のペースを探る必要があります。「更年期症状」誰しも多少は症状が出るもの。過度な心配は不要。「更年期障害」生活に大きく支障が出るつらさがあるもの。病院に受診するなどの対策が必要。まとめ更年期は“更新する”時期です。気張らずに自分のペースでうまく付き合う姿勢が良いですね。更年期のどの症状がどの程度強く表れるかは本当にさまざまです。そして、いつか終わりがあるものです。症状がさまざまであれば、治療もさまざま。サプリや漢方薬といった比較的取り組みやすいものから、ホルモン補充療法や安定剤といった治療まであります。「更年期かしら?」と悩んだら、気軽に婦人科で相談をしてくださいね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。著者/監修/粒来 拓 先生よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長。日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。
2023年06月16日更年期に入ってからひどい寝汗に悩まされるようになり、特に上半身がびっしょりになることが多かった私。そんなとき、友人から勧められたあるアイテムを使用したところ、寝汗が出にくくなり快適に眠れる日も多くなってきました。超簡単にできる寝汗対策についてお伝えします。★関連記事:「顔汗が止まらず恥ずかしい!」ホットフラッシュで化粧が落ち、寝汗もびっしょり【体験談】寝汗に悩まされる更年期40代後半ごろから、更年期症状に悩まされるようになりました。特に寝汗がとてもひどく、夜中に突然汗が吹き出し、上半身を中心に汗びっしょりになることが多くなったのです。冬であっても大量の汗が出て衣服が濡れるため、着替えをしていました。寝汗によって体が冷えきってしまい、睡眠不足や体調不良になっていました。アイスピローシートとの出合い寝汗がひどいことを同世代の友人に相談してみると、アイスピローシートが良いと聞き、試してみることにしました。アイスピローシートとは枕の上に敷くことができる冷却ジェルシートのことです。最初は半信半疑でしたが、実際に使ってみると驚くほど快適で、上半身のひどい寝汗がかなり軽減されました。アイスピローシートが頭の温度を下げることで寝汗の量が減少したようで体も冷え過ぎず、快適な睡眠を送れる日が多くなりました。それにより睡眠不足も解消されつつあります。もちろん寝汗が完全に解消されたわけではありませんが、これまでの不快な寝汗とは違い、気持ち良く眠ることができるようになりました。頭以外にも使える万能さ!アイスピローシートや冷却ジェルシートは種類が豊富で、値段もさまざまです。私が選んだのはジェル状の枕ではなく、アイスピローシートでした。結露が出ない保冷剤でできているので大変快適で、冷た過ぎにならないこともよかったです。さらにシートになっているため、背中に敷いたり、足に当てたりすることが可能でとても便利でした。夏は冷凍庫に入れていますが、冬には冷凍庫に入れずに使用することもできそうです。まとめ寝汗ぐらいと思って我慢していると、睡眠不足や、脱水などから体調不良のきっかけとなってしまいます。更年期特有の寝汗は上半身に汗が集中することも多く、枕周辺を涼しくしてあげるだけでも快適に過ごせるようになり、体調不良の軽減に役立っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。イラスト/マメ美著者/伊達 敦子(49歳)3児の母。会社員の傍ら、化粧品検定2級、1級を取得し、コスメコンシェルジュの認定を受けたエキスパート。人々の美しさと自信を引き出すため、日々活躍中。
2023年06月11日加齢とともに食事量が減り素材や調味料、薄味であることにこだわって料理するようになりました。しかしあるときから、調理の手順や使用する調味料の量は変わらないのに、味が変わったように感じるようになったのです。私が経験した、更年期が原因の味覚障害についてお話しします。★関連記事:「年齢と共に味覚が…」人生の先輩方が言っていたことのわかりみが深いお年ごろ #五十路日和 78味がわからない!?同居している高齢の母や逆流性食道炎を持病に持つ娘のことを考え、わが家の料理は薄味が定番です。私は喫煙習慣もないのでだしを変えただけですぐに気が付くほど、味覚には自信がありました。しかし閉経を迎えて2年を過ぎたころに突然、甘味はあっても塩味が足りないと感じたのです。いつもと同じ手順で料理をしていたので、調味料の量が足りないわけではありませんでした。娘に味見してもらったところ、「いつもと同じ味だよ」と言われたものの、私には物足りずに調味料を加えて食べました。味覚障害も更年期の症状?目分量での料理では味見しても味が付いているのかよくわからないので、味覚がおかしいと感じ始めた後はレシピ通りに調味料の分量を守るよう意識していました。そして味覚障害について調べている過程で、更年期症状の一つに味覚障害があることがわかったのです。また若者であっても亜鉛不足だと味覚障害が起こると知り、それを解消するためにごまや煮干し、ナッツなどを意識して食べるようにしました。また更年期が原因の味覚障害では亜鉛だけでなく、不足している女性ホルモンを補うことも大切だと知りました。そのため女性ホルモンのエストロゲンと似たような働きを持つイソフラボンを含む大豆製品を多く食べるなど、食材選びも意識しています。唾液腺のマッサージを習慣に味覚障害の原因の一つに、口腔内の渇きがあるそうです。更年期を迎えると唾液の量も減少するため、味を感じるのに必要な水分が足りなくなることも味覚障害につながると知りました。そのため食事の前には舌下腺(ぜっかせん)や顎下腺(がっかせん)、耳下腺(じかせん)という唾液を分泌する部分を指で刺激するマッサージをおこなうことにしたのです。刺激によって唾液が分泌されると、以前よりも味が感じられるようになりました。まとめ毎日の食事をおいしく食べることは、生きる活力になります。更年期の私の身に起こった味覚障害は軽度でしたが、食べ物の味がわからなくなると生活がどれほど味気なくなるかを想像すると、背筋が凍る思いでした。食材選びや唾液腺のマッサージを続け、これからもおいしい食事を楽しみたいと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。イラスト/sawawa著者/サトウ ユカコ(54歳)広告制作プロダクションで、プランナーやディレクター、ライターを兼務。双子を含めた4人の子どもがいる。小学校教諭、幼稚園教諭の資格を持っている。
2023年06月07日ホットフラッシュなどの更年期症状はよく耳にするけれど、私に現れた症状は手の指の関節痛でした。痛みで指に力が入らず、家事や仕事も今まで通りにはできないため、家族や同僚の手を借りることに。つらい日々をどう乗り越えたのか……私の体験談をお伝えします。★関連記事:「手指が痛くて物が握れない」40代から起こりやすい手指の不調の原因って?注意すべきこととはお茶出しや家事がつらい日々…51歳の夏、エアコンの効いた部屋にいるのに頭から滝のような汗が出るように。更年期障害かなと思っていたある日のこと、右手の人差し指と中指の第一関節と左手の親指の付け根が突然痛みだしました。仕事は幸いパソコン作業だったので、キーボードやマウスの操作には差し支えなかったのですが、何よりつらかったのはお客様へのお茶出し。コーヒーカップ、湯のみ茶碗などで飲み物を出していたため、人数が多いとその分重さがあり、手に負担がかかります。そのため、痛みがひどいときには同僚に手伝ってもらっていました。家では、材料の入った鍋を持つだけで痛むことも。特に大根おろしを作る、ペットボトルのフタを開ける、洗濯ばさみをつまむなど、小さな物をつまんで力を入れる作業に支障が出てつらい思いをしました。痛みが出ると指の第一関節と第二関節が曲げられず、手をグーにすることができません。どんな動作で痛くなるかわからないので、いつもの家事をして「これはできる、これはできない」と気付くことが多くありました。家族がいるときは手伝ってもらうこともできますが、いないときは惣菜を購入したりしていました。手指の痛みと滝汗を治したくて婦人科に手の指の痛みも滝のような汗もどちらも更年期障害の症状だと思ったので、改善する方法をネットで探しました。「エクオール」という大豆由来のサプリメントが更年期症状に効果があるということを目にして、試してみることに。1週間ぐらい飲みましたが、私の場合、あまり変化がありませんでした。滝のような汗も止まらず、さすがになんとかしたいと思い、婦人科へ駆け込みました。1週間後に血液検査の結果がわかり、更年期障害と診断されました。体の中ですでにエストロゲンが作られていなかったために発汗の症状が出ていたことがわかり、納得しました。先生からは関節の痛みについては特にしっかりとしたお話はありませんでしたが、もともと整形外科に通うつもりだったので気にしませんでした。更年期障害との診断を受け、ホルモン補充療法で様子を見ましょうということに。薬が体に慣れるまでの2~3カ月は不定期に生理のような腹痛や出血がありましたが、それも徐々に回数が減り、気が付けばなくなっていました。異常な多汗は薬の服用を開始して1週間後には治まり、手指の関節の痛みも引きました。 しかし、手指は毎日使うので、しばらくすると痛みが再発してしまいました。装具を着けたら痛みが軽くなった!当初の予定通り、手を専門に診てくれる整形外科に通院することに。更年期であることやホルモン補充療法をしていることを伝えると、関節の痛みは更年期障害の一つの症状ということを教えてくれました。関節は固定することで安静が保たれるので、私の手にあった樹脂製の装具を制作してもらいました。初めに装着したのはしっかりと固定する装具で、痛みが治まってくるとクッション性の高い装具に変わりました。通院時には、親指と人差し指の付け根あたりの筋肉をマッサージでほぐしてもらいました。さらに、作業療法士さんが私の親指を腹側から押し、私が押し返すというトレーニングもしました。また、自宅でのストレッチも教えてもらいました。手順は①テーブルなどに手のひらをつける。②両手の人差し指と親指同士をつけて三角形を作る。③親指をつけた部分は動かさず、他の指を上側にスライドさせてしずくのような形にする(写真参照)。この動作をして10秒固定×10回を1日3回おこないます。痛みは徐々に取れましたが、どうしても1カ所だけ痛みがひどく痛み止めの飲み薬が効かないので、ブロック注射を打ちました。痛みは引きましたが使い過ぎると再発するので、昼間はテーピングを、夜は装具を装着しています。まとめ女性の更年期症状は、ほてりや発汗、イライラなどは知っていましたが、手指の関節に痛みが出る場合もあることを初めて知りました。関節の痛みが気になったので、悪化する前に病院に行くなどして早めに対処することができました。手の関節痛は一度なってしまうとなかなか治りにくいので、痛みが出にくい手の使い方を覚えるなど、関節痛とともに生活していくことになりました。痛みのつらさは本人にしかわかりませんが、家族や同僚などにしっかりと理解してもらい、サポートしてもらえたらと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。【粒来先生からのアドバイス】関節痛は更年期のころに課題となることの多い症状です。関節痛とエストロゲン低下は関連しており、ホルモン補充療法の有効性、また、サプリメントとしてエクオールの有効性の報告があります。自分で手軽にできるものとしてエクオールのサプリはお試ししやすい選択肢と思います。婦人科外来でもよく提案されているものですが、エクオール自体がエストロゲン活性が弱いので、1週間と短い期間で判断するのではなく、1カ月または数カ月のスパンで飲み続けてみることをおすすめします。改善が見られない、症状の程度が強い方は、婦人科を受診してホルモン補充療法やプラセンタ治療などの相談をしていただくと良いでしょう。関節痛は原因もいろいろあり、関節リウマチなどの可能性もありますので、初めから症状が強い場合、または婦人科的アプローチで改善しない場合は、整形外科でも相談してみてください。著者/tomo(51歳)アラフィフになり、更年期真っただ中。症状に悩まされながらも家族のやさしさに触れ、過ごす日々。
2023年06月07日婦人科系の疾患の中には、自覚症状のないまま疾患が進行していってしまうこともあります。自覚症状がないと婦人科に行く機会がないという方もいるでしょう。そこで今回のMOREDOORでは、「婦人科疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)に輝きました。新見正則の生き方論は以下の最新刊も参考にしてください。「しあわせの見つけ方予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通」Jさんの場合……結婚前にブライダルチェックのつもりで産婦人科で検査を受けた際に、多発性子宮筋腫が見つかりました。生理のときに出血がひどいということはなく、まったく気がつきませんでした。筋腫が大きくなるにつれ、徐々にお腹が圧迫されていると感じるように……。どんな治療を受けましたか?筋腫を取り除くため、手術をして10日ほど入院しました。術式が腹腔鏡手術か開腹手術のどちらかで、傷跡があまり残らない腹腔鏡手術ができる病院を選択しました。また、手術件数の実績が多い病院を選択しました。世の女性陣へ伝えたいことは?我慢せず早めに病院で受診し、必要な際は早めに手術を受けて下さい。定期的に婦人科で受診してみて結婚前のブライダルチェックのつもりで受けた検査で、多発性子宮筋腫が見つかったJさん。Jさんは手術により無事に筋腫は取り除かれましたが、早期に治療したことで貧血などの辛い症状は免れたようです。何か違和感を覚えたときは、早めに婦人科で受診すると早期発見につながるでしょう。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました。※監修医:新見正則医院院長、新見正則※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年06月04日同じ疾患だとしても出てくる症状には、個人差があります。症状がない場合でも、定期的に検査を受けることで早期発見につながるかもしれません。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修者:ひなたクリニック院長、三橋 裕一1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。33歳/栄養士Aさんの場合……32歳に受けた子宮頸がん検診で、自覚症状は全くありませんでしたが「要精密検査」と結果が出ました。かかりつけの婦人科で触診やHPV検査を受け、HPVは陽性、その後のコルポスコピー検査の結果と合わせ子宮頚部高度異形成の可能性があると医師から伝えられました。今後手術が必要となる可能性が高いとのことで総合病院への転院を指示され、そちらで再度触診、コルポスコピー検査を受けた結果、正式に子宮頚部高度異形成と診断され手術を受けることになりました。どんな治療を受けましたか?2泊3日の入院で子宮頚部円錐切除術を受けました。入院前に血液検査をはじめとした術前検査を一通り受けてから入院する流れでした。1日目はとくに行動制限はなく、2日目は朝食と昼食のみ絶食で午前中に手術しましたが、静脈麻酔で1時間もかかりませんでした。術後は出血と生理痛程度の下腹部の痛みのみで、食事は夕食から再開。翌日に異常はなかったため退院しましたが、大事をとって2週間程度仕事は休み、自宅でゆっくり過ごしました。世の女性陣へ伝えたいことは?私が受けた手術では、切除した細胞を検査し異形成部分を切除しきれているか、どこまで進行していたかを診るのがセットでした。手術を無事終えても最後的な結果を聞くまで気が気じゃなかったです。将来子どもを持つ意思がなくても選択肢を断たれるとなると、やはり辛いものがあります。多くの方は2年に1度子宮頸がん検診を受けていると思いますが、毎年受けて損はないと思います。定期的に自分の体と向き合おう自覚症状がないまま、子宮頚部高度異形成だと診断されたAさん。自覚症状が出た時点で症状が進んでしまっている場合があるので、定期的に検診を受けて自分の体と向き合ってみてくださいね。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。不安なときは必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)公式Instagram公式TikTok
2023年05月31日だるさ、疲労感、イライラ、食欲不振……の症状が続き、気付けばここ半年で生理周期も28日から24日に早まり気味。プレ更年期かもしれないという不安から、更年期検査を受けてきました。果たして結果は……。★関連記事:「もしかして更年期の始まり!?」疲労感、イライラが気になる43歳、更年期検査を受けてみた!「問題なし」との結果もホルモンバランスは…更年期検査を受けて2週間後、再びクリニックへ。完全予約制なので待ち時間ゼロで、診察室へ通されると先生が満面の笑みを浮かべ…… 「女性ホルモンはまったく減ってませんね、まだまだ更年期ではないですよ」と。渡された「総合検査報告書」で先生が説明してくれた数値は次の3つでした。* LH(黄体形成ホルモン):排卵を促し、排卵後、黄体を刺激してプロゲステロン(黄体ホルモン/女性ホルモンの一つ。月経周期における子宮内膜の変化に関わっている)の分泌を促進する働きがある。* FSH(卵胞刺激ホルモン):卵子の元となる卵胞を刺激し、卵子を発育させる。また、エストロゲン(卵胞ホルモン/女性ホルモンの一つ。更年期以降で分泌が低下する。身体の健康維持に重要な働きをするため、低下すると骨粗しょう症や脂質異常症などのリスクが高まる)の分泌を促す働きがある。*エストラジオール:エストロゲンの1種。血液中のエストロゲンの主成分。そして私のこの3つの数値は…*LH:4.99mlU/ml(閉経後5.72~64.31)*FSH:4.54mlU/ml(閉経期157.79以下)*エストラジオール:151pg/ml(閉経後39以下)ということで数値的にまったく問題ない結果に。数値的に問題がないとわかっただけでも気持ちがスッキリ。「まだ更年期ではない」とわかったものの、疑問が残るのはここ数カ月の不調と生理周期が早くなっていること。この症状について先生は、ホルモンバランスが乱れているかもしれないので、ピルを飲むことでホルモンを調整することができるというアドバイスをくれました。43歳、初めてのピル先生からのアドバイスもあり、だるさ、イライラ、疲労感……をなんとかしたいということで、診察後すぐにピルを飲み始めています。飲み始めて1週間、体調の変化は特になく過ごしています。ピルを飲むときに心配される飲み忘れですが、朝食後、歯磨きのあとに飲むように洗面台に置いているので今のところなし。ピルは避妊薬のイメージが強かったのですが、子宮内膜症の症状の緩和やPMS(月経前症候群)の改善というメリットがあることが今回の通院でわかりました。まずは数カ月間、ピルを飲んでみて今後どのように対応していくか決めていきたいと思います。更年期に備えてかかりつけ医を持つちなみに2回目の診察代は1カ月分のピル代も含めて3,160円。これで体の不調が改善されるなら決して高くないかなと思います。次回の診察はピル処方後の体調の変化の報告などで3週間後。これを機会にいずれやってくる更年期への備えとして、かかりつけ医として通院しようかと思います。まとめ更年期検査はホルモンの状態が数値で表されるので、自分の体の状態が今どの状態にいるのかわかります。「もしかして更年期かも……」と思ってモヤモヤしていた私は検査を受けて、数値に異常がなかったのでスッキリしました。体の不調はPMS(月経前症候群)だったこともはっきりしたので、ピルでホルモンバランスを整える方法で対処することに。今後やってくる更年期の備えとして、定期的に婦人科に通院しようと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。【天神先生からのアドバイス】閉経の診断は1年間月経がないことと、血中のエストロゲン(E2)が20pg/dl以下でかつ卵胞刺激ホルモン(FSH)が40mlU/ml以上の条件を満たしたときと婦人科ガイドラインに書かれています。月経前だけに調子が不良なら、むしろPMS(月経前症候群)みたいですね。更年期症状は月経に関係なく現れてきます。PMSと更年期症状とのきちんとした鑑別が必要だと思います。著者/茂原 好子(43歳)8歳女児、6歳男児の母。出版社勤務を経て、出産を機に看護師資格を取得。病院に勤務したのち、看護師編集者に。
2023年05月31日急に顔がほてって汗が止まらない、少し歩いただけで疲れてしまう、心臓がドキドキする。話は聞いたことがあるけれど、これってもしかして更年期障害? という症状が出てきたのは40代に入ったころでした。他の症状も出てきたため、これは少しおかしいなと思い病院で検査をした結果、思いもしなかった診断が! そんな私の体験談を紹介します。★関連記事:「更年期の症状だと思っていたら」突然倒れて救急搬送!実は命に関わる怖い病気だった!2カ月後、他の症状も出てきて受診すると…長年の冷え性が突然改善された!?手先や足先が1年中冷えていて、冬になると暖房の効いた部屋の中でも、背中やおなか、足先と何枚もカイロを貼らなければ体が冷え切っていた私。それが40代に入った年の秋、いつもより寒さを感じていないことに気が付きました。そろそろカイロが登場するころなのにと思いながらも、今年の冬はいつもより暖かいのかな? それとも長年の悩みだった冷え性が今年は突然改善されたのかな? とポジティブに捉えていました。その年の冬、カイロの出番はほとんどありませんでした。手足はいつも温かく、寒い朝でもパソコンのキーボードを打つ指がおもしろいくらいによく動き、朝から仕事がはかどりました。いつもは寒くて室内でも手放せなかった上着も、顔がほてり始め汗がじわじわと止まらなくなり、一度脱ぐという日が続きました。冷え性で寒がりの私にとっては、この状況はまさに夢にまでみた理想の生活!今まで自己流でいろいろな冷え性対策を続けてきた効果がやっと出たのか? きっと私に合っていたんだ! とこのときは突然の体質の変化に、ただただ喜ぶだけでした。たった5段の階段を上りきれない夢のような冬でもぬくぬく暖か生活が終わり、その延長のような暖かい春を迎えていました。相変わらず手足は温かく、寒さを感じることはほとんどありませんでしたが、このころから疲れやすさや動悸を感じるようになりました。睡眠時間は6〜7時間でぐっすり眠ったはずなのに朝起きるとだるく、自室からキッチンに行くまでの数mもゆっくりしか歩けません。食後の歯磨きの数分さえも鏡の前に立っていられず椅子に座って歯磨きをする毎日。さらにたった5段の階段を3段上った時点で心臓がドキドキして、次の一歩が出ないという状態の日々が続きました。季節柄、気温も上がってきたし、日ごろの疲れがたまっているのかな? でも、この症状はもしかしたら更年期? と疑い始めました。それはネットで調べた更年期障害の症状例と自分の症状が同じだったからです。年齢的に少し早いような気もすると思いながら、しばらく無理をしないような生活を心がけました。しかし、1カ月たっても2カ月たっても症状は変わらないばかりか他の症状も出てきたのです。いくら食べてもおなかが空き、食べても食べて太らない。さらに朝起きると、手の指の関節がパンパンにむくんでいて、グーパーができないのです。まさかの診断結果!と反省年中ダイエットを意識していたその当時の私にとっては、食べても太らないことさえもうれしい状況でした。ただ、さすがにこれはおかしい。更年期ではないのかもと思い始めるように。このころは手の指の関節のむくみが一番気になっていたため、これまでの症状も含め総合病院で診察を受けました。医師は丁寧に問診をしてくれ、血液検査の結果や手のむくみもしっかり診てくれた上で、「別の科に紹介状を書きますから、早急に予約を取ってください」と。後日、診察を受けたのは内分泌科でした。検査の結果、私に告げられた病名は甲状腺の病気のバセドウ病で、その日から投薬治療が始まりました。このとき、初めてバセドウ病がどんな病気なのかを理解しました。これまでの私の体に表れたあらゆる症状がすべて当てはまります。その当時の脈拍がなんと1分間に180回! 医師からも「横断歩道の信号機が点滅したら走って渡らないで、次を待つようにしてね」と言われ、自分の心臓にもかなり負担をかけていたことを反省しました。まとめ私にとって、この病気になったことは残念なことでしたが、自分の体のちょっとした変化に気付くこと、そしておかしいと思ったら自己判断せず、早めに病院でしっかり検査をしてもらうことがとても大切だと、改めて考えさせられた出来事でした。今回のように症状が出るものばかりではありません。定期的な検査で早期発見ができるものがあるのなら、自分の体は自分で管理する! という考えをしっかり持って、これからも対応していきたいと思いました。自分の体は、自分が一番大切にして、守ってあげること!と、いつも自分に言い聞かせています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。マンガ/山口がたこ著者/バニラ(44歳)独身。病気を機に自分の体を大切にしてあげることを痛感。食事内容に気を付け、運動する機会を増やすよう奮闘中!
2023年05月26日婦人科疾患となると、何らかの症状が出るとイメージされている方は多いでしょう。一方、症状がない状態で疾患が判明する場合もあります。そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修医:新見正則新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。最新刊『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』はAmazonでベストセラーに。Eさんの場合……子宮筋腫と判明しました。妊活のため排卵のタイミングを診てもらいたいと思い婦人科を訪れたのがきっかけです。自覚症状は全くありませんでした。確かに生理は周期が長く、不順気味ではありましたが、鎮痛剤を飲むほどの生理痛はここ何年なかったのでびっくりしました。どんな治療を受けましたか?私の場合、できたのは豆つぶ程度の小さな子宮筋腫でした。これくらいならすぐ摘出する必要はないとのことで、特別な治療はしていないです。痛みや出血などの症状もないので、今も普通に過ごしています。世の女性陣へ伝えたいことは?人によって、摘出する必要がある場合とそうでない場合があると思います。どちらにせよ、定期的に検診を受ける必要があると改めて実感しました。自分の体の変化に気づこう自覚症状のない段階で子宮筋腫だと判明したEさん。Eさんは妊活がきっかけで早期発見できましたが、病に早く気づくためにも検診は欠かせないと言えるでしょう。ぜひ定期的に検診を受け、自分の体と向き合う時間を作ってみては。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!※監修医:新見正則医院院長、新見正則※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。不安なときは必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年05月25日だるさ、疲労感、イライラ、食欲不振……の症状が続き、気付けばここ半年で生理周期も28日から24日に早まり気味に。もしかしてこれが更年期の始まり!?と不安がよぎり、クリニックへ。更年期検査を受けてきました。そのときの様子をお伝えします。★関連記事:「イライラが止まらない!」もしかしてプレ更年期?イライラ感情と付き合う方法【体験談】どこに行けばいい? 診察料は? どんな検査?今まで感じたことがなかったどうしようもない体のだるさを感じ、ここ半年は生理周期が短くなっていることになんとなく気付いていました。ちょうど43歳になったころでした。これが更年期の始まりなのかも。それならちゃんと女性ホルモンの数値を確認して、もしも減り始めているならそれなりに治療をしたいと更年期検査を受けることに決めました。しかし、いざクリニックへ行こうとすると、どこに行けばいいのか? 診察料は? どんな検査をするの?などなど、不安ばかり。ネットで検索しても偏った情報ばかりで知りたい情報が手に入らない。そこで、私はクリニック選びの優先順位として3つの条件を上げました。①今後のかかりつけ医として診てもらいたいので自宅から通いやすい場所にあること②気持ち的に同じ女性の先生に診てほしい③治療の方法が偏っていない。東洋医学も西洋医学もOKな先生その条件から導き出されたクリニックは3つほどになり、そのクリニックのサイトを見て先生のメッセージやクリニックの雰囲気を知ると1つに絞られました。完全予約制ということもあり、まずは電話をしました。更年期検査を受けたい旨を伝えると、以下のことを聞かれました。症状年齢妊娠の可能性の有無最終月経の始まった日~終わった日予約希望の日は内診するので生理日を避けたいが生理の予定はいつなのか区の子宮頸がん検査ができるのでチケットを持っているのか(チケットがある場合は一緒に受けられるとのこと)金額は1万円前後かかるがそれでも大丈夫かなど。なんとこの電話の2日後には診察を受けられることになったのです。問診票に書き込むことは…完全予約制であるのと予約したのが平日の午後だったため、待合室には私を含めて3人だけ。受け付けを済ませると、問診票を渡され記入。これは更年期検査のための問診票ではなく、産婦人科の一般的な問診票でした。ここでも最終月経の始まった日~終わった日、生理周期を書かなければいけないので、正確な日にちを確認しておく必要がありました。最後に待合室に置いてある血圧計で血圧を自己測定し、看護師さんに血圧の測定値の用紙とともに問診票を渡して終了。名前を呼ばれたら、いよいよ診察室へ。検査が必要と判断されれば保険適用に診察室では今の体の状態、どんな症状に悩んでいるかを聞かれました。診察室での問診が終わると、内診台へ。子宮頸がん検査をおこない、経腟エコーで子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫、卵巣がんなどがないか診ていきます。医師に「子宮、卵巣ともにとてもきれい」と言われ、ひと安心。その後、別室で看護師さんに採血してもらいました。費用は、問診時に生理前の体のだるさ、イライラ、疲労感があることを先生に強めに伝えたため、PMS(月経前症候群)かもしれないということで、経腟エコー検査も血液検査もすべて保険適用に。その結果、初診料と区の子宮頸がんの割引チケット500円を合わせて4,500円で検査を受けることができました。血液検査と子宮頸がんの検査の結果は2週間後なので、その結果を見て治療方針を決めることになりました。まとめ数カ月前から「もしかしてプレ更年期?」と感じる体の不調、生理周期の乱れから婦人科のクリニックを受診しました。更年期検査は問診、内診、採血の3つがおこなわれ、検査費は初診代、子宮頸がん(区の診察チケット利用)含め4,500円(保険適用)。検査の結果は2週間後とのことでした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。著者/茂原 好子(43歳)8歳女児、6歳男児の母。出版社勤務を経て、出産を機に看護師資格を取得。病院に勤務したのち、看護師編集者に。
2023年05月24日ある朝、目覚めると天井がぐるぐると回転していました。起き上がってみると、真っすぐに歩くことすらできない症状に「これがめまいというものなのか!?」とショック。しばらく休むと症状は治まりましたが、病気の可能性に怖くなって脳神経外科や婦人科を受診したときの体験談です。★関連記事:疲れ、めまい、イライラ…「もしかして更年期障害?」と思ったら知っておきたい対策3つ【医師監修】初めて経験するめまいに動揺!ある日の朝、なんとなく気持ち悪さを感じていつもより早い時間に目を覚ましました。目を開けると、目の前の天井がぐるぐると回転しているような感じに驚きます。40代半ばにして初めて体験した「めまい」でした。しばらくベッドに横たわったまま休んでいましたが、なかなか回転が治まらないので起き上がってみると、頭がどちらかに傾くようにフラフラとします。さらに立ち上がって歩いてみると、いつものように真っすぐに歩けません。寝ていても天井は回っているし起きていてもふらついて気持ち悪くなります。たまたま休日だったので、疲労や寝不足が原因なのかもと思い、ゆっくりと休むことにしました。たっぷり眠ったあと再び目覚めると天井の回転は治まっていたので、「やはり寝不足だったのかな?」と思いました。起き上がると少しはふらっとした感じは残っていましたが、動けないほどではありません。通常の感覚に完全に戻るまでは数日かかりましたが、元に戻ったので寝不足ということで納得しました。ところが、それから約1カ月後に2度目の「めまい」が私を襲います。自宅に宅急便が届き、玄関先で荷物を受け取って振り返った瞬間にそのまま倒れそうになりました。そのときは何とか体勢を持ち直したので大丈夫でしたが、私はめまいの原因を詳しく知りたいと思い、脳神経外科を受診することに決めました。心配になり脳神経外科を受診毎年、定期健診は受けているもののすべての検査を網羅しているわけではありません。めまいが起きる3カ月ほど前に受けた健診では特に異常はありませんでした。年齢的にも月経サイクルの変化や経血量が減っていることからも、更年期と呼ばれる時期に突入したという自覚はあります。更年期の症状に「めまい」の項目もありますし、自分のめまいも更年期が原因かもと漠然と思っていました。しかし、不安だったのでネットで「めまい」について詳しく調べることに。「めまい」が症状の病気はいろいろと出てきましたが、なかでも深刻そうな脳に関連する病気の疑いから否定しておきたいと考え、脳神経外科を受診しました。脳神経外科は初めてで少し緊張しましたが、問診の後に造影剤なしの脳のCT検査を受けることになりました。検査の結果を見ながら医師の説明を受けましたが、特に外科的な異常は見当たらないという診断結果に安心。CT検査での異常は見られなかったため、めまいの原因として考えられる背中の凝りをチェックすることになりました。医師に「後ろ手に手を組んで腕を真っすぐに伸ばした状態で上げられるところまで引き上げてください」と指示され、言われた通りにやってみましたが、私の腕は自分でもびっくりくするくらい上がりませんでした。その姿を見て「肩甲骨周りの筋肉や肩や首が凝り過ぎていると腕は上がりません。肩甲骨周りの血流が悪くなっているので、それもめまいの原因になります」と医師から言われました。肩甲骨周りをほぐすようなストレッチをすることをすすめられたのみで、投薬などの治療は必要ないとのことでした。更年期の症状を疑い婦人科を受診脳神経外科で肩甲骨周りをほぐすことをすすめられたので、YouTubeの肩甲骨周りをほぐすストレッチを取り入れたり、意識してウォーキングに励んだりするなど積極的に体を動かすようにしました。体を動かしているおかげなのか、ひどいめまいは起きなくなりました。ただ、頭痛や頭部がふわふわする感じが時々あり、特に月経前に症状が顕著に現れます。「やはり更年期か……」と思い、婦人科を受診しました。更年期をチェックするための表をもらい、当てはまる項目にチェックを入れました。チェック内容によって更年期の度合いを診断する指針になるようで、それをもとに医師の問診を受けます。私の更年期の程度は、軽度という診断でした。めまい以外の症状は、肩凝りや倦怠感、経血量の減少などで気分の落ち込みやホットフラッシュなどの症状はありません。肩や背中の凝り、そして頭痛やめまいなどの不調は、更年期のホルモンバランスの乱れも影響しているということでした。更年期としては比較的軽度なほうでしたが、医師のすすめでホルモンバランスを整えることが期待できる乳酸菌と大豆をベースに作られたエクオールのサプリメントから始めました。体調がさらに悪化したり違う症状が出てきたりするようならば改めて受診してくださいとのこと。さらに、症状がひどくなる場合はホルモン補充療法による治療法に切り替えるみたいですが、今のところエクオールのサプリメントと運動で改善ができたので、婦人科を再受診することなく過ごせています。まとめめまいはとてもつらいものですが、私の場合は他の病気が潜んでいるわけではなかったので、体を動かすこととエクオールのサプリメントのおかげで改善できました。更年期は誰にでも訪れるものと割り切り、つらい症状を軽減する方法を見つけることも必要だと実感しました。体が不調になると気分が落ち込みがちになり、私にとってはそれもまた症状を悪化させる要因になるようです。症状にも波があったり、今後さらにつらい症状が出てきたりするのかもしれませんが、これからも自分にあった改善方法を模索しうまく付き合いながら、できるだけ健やかに過ごしていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。イラスト/塩り著者/みほきち(48歳)30代半ばで第一子、40歳で第二子を出産した主婦ライター。現在は自分の更年期と上の娘の思春期というダブルの厄介ゾーンに突入し、大好きな音楽と適度な運動で心をフラットに保ちながらやり過ごす日々。
2023年05月24日