「第13回TOKYO ART BOOK FAIR(東京アートブックフェア)」が、2023年11月23日(木・祝)から11月26日(日)まで東京都現代美術館で開催される。「TOKYO ART BOOK FAIR」約300組の出版社などが集結開催13回目を迎える「TOKYO ART BOOK FAIR」は、アート出版に特化したブックフェア。2023年は、国内外から約300組の独創的なアートブックを制作する出版社、ギャラリー、アーティストらが集結する。北欧5カ国の出版文化を紹介特定の国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する恒例企画「ゲストカントリー」では、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランドの北欧5カ国を特集。今回は、「TOKYO ART BOOK FAIR」初の試みとして開催される映画祭において、北欧5カ国で作られたドキュメンタリー映画9作品を上映する。「清里現代美術館 アーカイヴプロジェクト展」「TOKYO ART BOOK FAIR」が企画する展覧会では、「清里現代美術館 アーカイヴプロジェクト展」と「Thomas Kong “ARTS FOR SALE”」を開催。「清里現代美術館 アーカイヴプロジェクト展」では、2014年に惜しくも閉館した個人美術館・清里現代美術館旧蔵のコレクションを紹介する。ヨーゼフ・ボイス、アーノルフ・ライナー、フルクサスを柱に現代美術作品を集めた清里現代美術館のアーカイブから一部を鑑賞できる。トーマス・コンにフォーカスする展覧会「Thomas Kong “ARTS FOR SALE”」一方「Thomas Kong “ARTS FOR SALE”」では、韓国に生まれ、アメリカ・シカゴを拠点に活動したアーティスト兼コンビニエンスストアオーナーのトーマス・コンにフォーカス。トーマス・コンは、自身がシカゴ郊外で営んでいた小さなコンビニエンスストア「KIM’S CORNER FOOD」の店内を飾り付けるため、60歳を過ぎてから、お菓子や煙草の空き箱、包み紙、新聞や雑誌の切り抜き、ビニール袋、不要になったダンボールなど、身近にあるものを使ったコラージュ作品を作り始めた人物だ。彼が生み出したコラージュ作品は、いつしか店内を埋め尽くし、コンビニエンスストアをのものをアート作品に、彼自身をアーティストに変えていった。「Thomas Kong “ARTS FOR SALE”」では、彼が遺した膨大な作品群の一部と、1点もののアートブック、「KIM’S CORNER FOOD」のアーカイブ資料を展示する。『花椿』や『NOT FAR』の特別ブースさらに、資生堂(SHISEIDO)の企業文化誌『花椿』や、東京デザインスタジオ ニューバランス(TOKYO DESIGN STUDIO New Balance)がプロデュースするフリーマガジン『NOT FAR』、スキン&マインドブランド・バウム(BAUM)が「TOKYO ART BOOK FAIR」のために制作した小冊子『Trees:Five Perspectives』にまつわる特別ブースが設置されるほか、トークショーや子ども向けのワークショップ、作家によるサイン会、ライブパフォーマンスなど多彩なイベントが開催される。【詳細】「第13回TOKYO ART BOOK FAIR(東京アートブックフェア)」会期:・2023年11月23日(木・祝)12:00~20:00・2023年11月24日(金)~26日(日)11:00~19:00会場:東京都現代美術館住所:東京都江東区三好4-1-1入場料:一般 1,000円※一部のイベントには別途参加費が必要。チケット販売は11月9日(木)12:00よりスタート予定。詳細は公式サイト、SNSを要確認。■映画祭開催期間:2023年11月24日(金)~12月7日(木)会場:Stranger住所:東京都墨田区菊川3-7-1 菊川会館ビル1F上映作品:『トーベ・ヤンソンの世界旅行』(1993)『ハル、孤独の島』(1998)『トーベとトゥーリッキの欧州旅行』(2004)『ザ・ヴァスルカ・エフェクト』(2019)『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』(2019)『画家と泥棒』(2020)『アアルト』(2020)『コペンハーゲンに山を』(2020)『アポロニア、アポロニア』(2022)
2023年10月19日入谷【Inoubliable】上野【Chanfe Tokyo/シャンフェ東京】上野【鮨尽誠】上野【中国料理古月池之端本店】上野【ブラッスリーレカン】入谷【Inoubliable】本格フレンチを厳選ワインと堪能。スタイリッシュな店内も話題に美しいロゼ色、柔らかな食感の『仔羊のロティ』モダンフレンチの【Inoubliable】は東京メトロ・入谷駅から徒歩2分。長野県産の「野菜」や北海道産「ミルキーポーク」など、生産者が真心込めてつくりあげたこだわり食材をふんだんに使用した、独創的な世界観を表現する逸品がそろいます。オシャレな雰囲気の中、至福のひと皿が堪能できるはず。U字方のカウンターはひとりにもカップルにもオススメ。居心地抜群北欧のカフェを思わせるカジュアルな雰囲気の店内に設置されるのは、12席のカウンター席と8席のテーブル席。木調の温かみのある空間は一人でもリラックスできる雰囲気で、西洋絵画に親しんだ後などにピッタリのお店です。フランス産のものを中心にセレクトしたワインとおいしい料理で寛ぎの時間を過ごしてみては。Inoubliable【エリア】上野【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】4000円【ディナー平均予算】8000円【アクセス】入谷駅 徒歩2分上野【Chanfe Tokyo/シャンフェ東京】厳選素材を革新的なメニューで提供。アイデア光る魅惑のコースワンタンの皮で包んださつま芋をサクッと素揚げした『芋の天ぷら』上野・不忍池近く。東京メトロ・上野駅から徒歩10分の【Chanfe Tokyo/シャンフェ東京】は、独創性あふれるコース料理が堪能できるダイニングバー。魚介類は朝一番に豊洲へ出向いてシェフ自らが目利きするなど、素材のクオリティを徹底重視。洗練と華やかさを備えた盛付けは目にもおいしい限りです。計算された照明が心地よく、席に着いた瞬間から日常を忘れさせてくれますカウンター席を中心に、ゆったり過ごせるソファ席も用意。落ち着いた雰囲気に一輪挿しの花を添えるといった空間づくりの妙は、特別な日を過ごすのにピッタリです。席数には限りがあるので、予約して訪ねるのがベター。カリフォルニア産を中心とした70種以上のワインも自慢です。Chanfe Tokyo/シャンフェ東京【エリア】湯島【ジャンル】ダイニングバー【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】6000円【アクセス】上野駅 徒歩10分上野【鮨尽誠】目利きの素材で旬のおまかせ握りを満喫。個室の夜景も思い出に旬素材の逸品料理を織り交ぜた『特上おまかせ握りコース』各線・上野駅からの徒歩1分という絶好アクセス。【鮨尽誠】は大将自らが厳選した新鮮な魚介類を、一つ一つ工夫を凝らして丹念に仕上げた料理の数々が自慢。名店で修業を重ねた職人が織り成す握りと、旬素材を活かした一品料理が存分に楽しめます。おまかせ握りコースで味わうのがオススメ!凛とした空気感が漂うカウンター席。店主との会話が緊張をほぐします落ち着いた和の空間の中心は洗練されたカウンター席。店主のおもてなしも心地よく、鮨店のカウンターデビューにもピッタリです。4名からの小グループから利用できる個室は夜景も見事。旬が香るコース料理と相性抜群の日本酒やワインも取りそろえるなど、ドリンクメニューも充実しています。鮨尽誠【エリア】上野【ジャンル】鮨・寿司【ランチ平均予算】3000円【ディナー平均予算】8000円【アクセス】上野駅 徒歩1分上野【中国料理古月池之端本店】レトロムードに包まれた一軒家レストランで出合う、体にやさしい会席中国料理中国と日本の精進料理の長所を掛け合わせた『夜の精進料理コース』東京メトロ・根津駅から徒歩3分。JR上野駅からも徒歩圏内の【中国料理古月池之端本店】。昭和初期から残る風情あふれる一軒家で味わえるのは、伝統的な技法を駆使した斬新な会席風の中国料理。1つのコースに20もの野菜を盛り込むこだわりは、「栄養薬膳大師」の資格をもつ実力派ならではです。襖を外せば大広間としても使える座敷席。多彩なシーンに活躍します豊かな緑に包まれた閑静な一角に立つ一軒家は、まさに大人の隠れ家。店内には、座敷席や畳のテーブル席など趣の違う大小5つの個室があり、特別なひとときを過ごすのに最適です。昭和初期の建具なども活かしたレトロな雰囲気も魅力的。博物館帰りに、展示の話題を語り合うのにオススメです。中国料理古月池之端本店【エリア】上野【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】5000円【ディナー平均予算】12000円【アクセス】根津駅 徒歩3分上野【ブラッスリーレカン】歴史を刻んだ旧貴賓室でいただく、エスプリが香り立つフランス料理魚介のうまみたっぷり。スペシャリテ『末竹シェフの特製ブイヤベース』JR上野駅の改札口を出てすぐという好立地。【ブラッスリーレカン】は、駅に残る旧貴賓室を利用したクラシックなレストランです。テーマは「自由に楽しむもう一つのフランス料理の世界」。各国から厳選した素材でコース料理だけでなく、日本の季節感を大切にアラカルトも豊富にそろえます。由緒ある旧貴賓室を活かした空間は、都会の喧騒を忘れさせてくれる存在昭和7年に造られたアールデコ様式の店内は、当時のままのレトロなインテリアが残るエレガントな雰囲気に満ちています。テーブル席とソファ席を含め座席は全56席で、貸切りも可能。特別な時間が流れる空間は、美術館での余韻にひたるにはベストな選択です。ワインの品ぞろえにも自信あり。ブラッスリーレカン【エリア】上野【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】3000円【ディナー平均予算】6000円【アクセス】上野駅 徒歩1分※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報や営業時間は店舗にご確認ください。
2023年10月16日歌い手・Adoが、2024年4月27日(土)・28日(日)に東京・国立競技場でワンマンライブを開催する。Ado、国立競技場で自身最大規模のワンマンライブ開催へ2022年4月に初ライブ「喜劇」をZepp ダイバーシティ東京で開催して以降、さいたまスーパーアリーナでの2ndライブ「カムパネルラ」、初のツアー「蜃気楼」、最新のホール&アリーナツアー「マーズ」と、様々なライブを成功させてきたAdo。今回行われる国立競技場でのライブは、女性ソロアーティストとしては史上初。2020年10月に「うっせぇわ」でメジャーデビューをしてから僅か3年6ヶ月、前代未聞のスピードで実現する自身最大規模のワンマンライブとなる。開催概要Ado 国立競技場ワンマンライブ2days開催日:2024年4月27日(土)・28日(日)会場:国立競技場※詳細は後日発表。
2023年10月13日新国立劇場の2023/24シーズンが、プッチーニ《修道女アンジェリカ》とラヴェル《子どもと魔法》のダブルビル(2本立て上演)で幕を開けた[10月1日(日)新国立劇場オペラパレス]。新国立劇場オペラ「修道女アンジェリカ」「子どもと魔法」のチケット情報はこちら正攻法の修道院のセットで演じられた《修道女アンジェリカ》。やはり何と言っても題名役のキアーラ・イゾットン(ソプラノ)が圧巻だ。伯母の公爵夫人によって息子の死が告げられた後の20分ほどは(合唱はあるものの)アンジェリカの一人芝居。会えないままに死んだわが子を思う悲痛なアリア〈母もなしに〉。毒をあおって自死を選ぶ罪と、それによって天国で子どもに会えないかもしれないことを悔い怖れる叫び。深い響きの力強い声で客席を唸らせた。事前開催のトークイベントで、ラストシーンの「奇跡」の描き方が見どころと語っていた演出の粟國淳。彼がアンジェリカに用意したのは、亡き子が聖母に導かれて現れるショーアップされた奇跡ではなく、黒い十字架の下の、孤独で静かな死だった。納得。休憩を挟んで後半はラヴェル。粟國は、ダブルビル上演でよくあるように舞台美術を共有するのでなく、2作品を独立した作品として扱う。アニメ映像が生の舞台へ変わっていくカラフルなファンタジー。子どもたちが観てもきっと楽しい、ワクワクする《子どもと魔法》を描き出した。主役の「子ども」を演じるクロエ・ブリオ(ソプラノ)を別にカウントすると、上映時間45分の短い作品の中に9人の歌手たちが入れ替わり立ち替わり登場して20の役を歌う。物語の構成上も、そして音楽的にも、そうした短いエピソードの集積でできているので、見どころ・聴きどころが満載だ。コロラトゥーラの名人芸からダンス音楽まで、さまざまなジャンルの音楽が玉手箱のように詰まっている。一人だけ、最初から最後まで出ずっぱりなのが子ども役のブリオ。フランスの若手だが、この役をすでに200回(!)歌っているそう。やんちゃな少年ぶりで、いわば狂言まわし的に各場面を巧みに結ぶ。ラヴェルっぽい4度下行の「ママ!」がメジャー7の和音とともにふっと消えるラストの、幻想的で不思議な余韻。指揮の沼尻竜典が東京フィルから音のニュアンスや色彩の変化を鮮やかに引き出すのを目の当たりにして、彼の作曲の師が、ラヴェルをことさらに愛した三善晃だったことをあらためて思い出した。公演は10月9日(月・祝)まで残り3公演。(宮本明)
2023年10月03日新国立劇場 2023/2024シーズン 演劇『東京ローズ』が、2023年12月7日(木) から24日(日) に新国立劇場 小劇場で上演される。『東京ローズ』は、全ての出演者をオーディションで決定するフルオーディション企画の第6弾。企画初のミュージカル作品で、2019年にイギリスのBURNT LEMON THEATREが製作した『東京ローズ』の日本初上演となる。太平洋戦争時、米兵の士気を失わせるため、日本が放送したプロパガンダ放送「ゼロ・アワー」。正体不明の女性アナウンサーたちは、「東京ローズ」という愛称で呼ばれ、米兵のラジオアイドルともいえる存在に。終戦後、アメリカ人記者たちの「東京ローズ」の正体探しが加熱する中、米国籍、日系二世のアイバ・トグリ(戸栗郁子)が名乗り出る。本作はこのアイバ・トグリが戦中戦後の歴史の波に飲み込まれながら、アメリカと日本、ふたつの祖国にアイデンティティを引き裂かれ、自身の権利を奪われながらも、決してあきらめることなく闘う姿を女性6名のキャストによって描くミュージカルだ。2022年12月から始まったオーディションには936名の応募者がエントリーし、2度にわたる映像審査を経て、2023年1月下旬から2月初旬にかけて一次、二次選考を実施。その中から飯野めぐみ、シルビア・グラブ、鈴木瑛美子、原田真絢、森加織、山本咲希の6名がキャストとして選ばれた。翻訳は新国立劇場 演劇芸術監督の小川絵梨子が手がけ、演出は新国立劇場では『東京ゴッドファーザーズ』で緻密な物語の世界観を丁寧に描き出した藤田俊太郎が担う。今回の藤田による演出では、主人公アイバを6人がリレー式に演じる。上演にあたり、小川は「国家同士の戦争によって自らの存在を否定され、激しい人種的偏見によって二つの国で尊厳を奪われた個人の物語。この『東京ローズ』は決して過去のものではなく、今の時代の物語でもあると思っております」。藤田は「歌唱映像で参加してくださった936名の歌声には魂、唯一無二の魅力がありました。全員とお会いすることは叶いませんでしたが、対面での選考を共にした女優の演技者としての実力に心が熱くなりました」とオーディションを振り返り、「(選ばれた)6人がリレー式にアイバを演じ、全員でテーマを背負います。男性と女性、アメリカ人と日本人、差別する側とされる側、終戦後のアメリカでの裁判で、裁く側と不当にも裁かれる側を演じ分けます。台本、音楽、身体、テーマにカンパニー皆でとことん向き合いたいと考えます。演劇の言葉、新しい価値観を模索する可能性に挑戦をしたいと思います」とコメントを寄せた。■翻訳:小川絵梨子 コメント『東京ローズ』は、BURNT LEMON THEATREが制作したミュージカル作品です。今年の一月にBURNT LEMON THEATREの劇作家、作曲家、演出家の方々にお会いする機会があり、この度の新国立劇場での公演を大変喜んで下さっていました。また翻訳等で質問があればいつでもどうぞ、とあたたかく仰って下さり大変にありがたく、心強く思っております。アメリカ国籍を持っていた『東京ローズ』の主人公は太平洋戦争後に敵国に加担としたとして逮捕され、国家反逆罪で法廷に立たせられました。その後、有罪判決を受け国籍を剥奪されますが、一方、日本で働いていた頃には敵性外国人と見做され、警察から圧力をかけられていたといいます。国家同士の戦争によって自らの存在を否定され、激しい人種的偏見によって二つの国で尊厳を奪われた個人の物語。この『東京ローズ』は決して過去のものではなく、今の時代の物語でもあると思っております。■演出:藤田俊太郎 コメント新国立劇場フルオーディション企画第6弾。オーディションを通して、日々大きな喜びを感じました。歌唱映像で参加してくださった936名の歌声には魂、唯一無二の魅力がありました。全員とお会いすることは叶いませんでしたが、対面での選考を共にした女優の演技者としての実力に心が熱くなりました。素晴らしい役者の力、演劇の力をあらためて感じて震えるような気持ちです。主人公の日系二世アイバ・トグリ(戸栗郁子)は生涯を通じて翻弄され続けます。「東京ローズ」と呼ばれ、ラジオのアナウンサーとして、祖国アメリカ合衆国から反逆罪に問われます。本人はアメリカ軍人に対するプロパガンダ放送ではないと主張しましたが、戦争と人種差別の犠牲となったアイバは国籍を奪われました。それでも後悔はない、人を恨まないと、アメリカ人として信念を貫きました。収容所で亡くなった母親、財産を全て奪われた父親、家族の存在、ルーツ、語った真実は今を生きる私たちに多くのことを教えてくれます。戦前、戦中、戦後。太平洋戦争の時代と格闘し、強く生きた一市民の姿を板の上に克明に焼き付けたいと思います。出演者は女性だけです。6人がリレー式にアイバを演じ、全員でテーマを背負います。男性と女性、アメリカ人と日本人、差別する側とされる側、終戦後のアメリカでの裁判で、裁く側と不当にも裁かれる側を演じ分けます。台本、音楽、身体、テーマにカンパニー皆でとことん向き合いたいと考えます。演劇の言葉、新しい価値観を模索する可能性に挑戦をしたいと思います。観客の皆様には、新しいミュージカルの誕生を是非劇場で楽しんでいただけたらと思っています。最後になりましたが、この作品を創り、私たちに日本初演の機会を与えてくれたBURNT LEMON THEATREに心からの感謝と敬意を込めて。<公演情報>新国立劇場 2023/2024シーズン 演劇『東京ローズ』2023年12月7日(木) ~24日(日) 新国立劇場 小劇場新国立劇場 2023/2024シーズン 演劇『東京ローズ』チラシビジュアル台本・作詞:メリー・ユーン/キャラ・ボルドウィン作曲:ウィリアム・パトリック・ハリソン翻訳:小川絵梨子訳詞:土器屋利行音楽監督:深沢桂子演出:藤田俊太郎芸術監督:小川絵梨子キャスト:飯野めぐみ、シルビア・グラブ、鈴木瑛美子、原田真絢、森加織、山本咲希【チケット情報】A席7,700円/B席3,300円公式サイト:
2023年09月28日「古代エジプト美術館展」が、東広島市立美術館にて2023年10月10日(火)から11月26日(日)まで開催される。福岡アジア美術館でも開催された巡回展だ。古代エジプト専門美術館「古代エジプト美術館 渋谷」所蔵作品を紹介「古代エジプト美術館展」は、古代エジプト専門美術館である「古代エジプト美術館 渋谷」の所蔵作品を紹介する展覧会だ。同館が所蔵する古代エジプト遺物は1,000点以上にのぼり、先王朝時代からローマ支配時代までを網羅。それらコレクションからは、古代エジプト文化の全貌をうかがい知ることができる。ミイラや木棺・ツタンカーメンの指輪など約200点を展示本展では、「古代エジプトの神々と信仰」「ファラオが率いた国家」「古代エジプト人の衣・食・住」「古代エジプトの死生観ー再生とミイラ」の4つのテーマに分けて作品を展示。ミイラやミイラマスク、人型木棺、神殿の石柱、ツタンカーメンの指輪といった当時の生活様式が分かる作品など約200点を展示する。古代エジプトの神々と信仰古代エジプト人は、この世界や宇宙は創世神によって創造されたもので、後に多くの神々が誕生したと考えていた。中でも、動物は人間にはない特別な能力を持つものと信じられていたことから、多くの動物神が信仰されていた。第1章「古代エジプトの神々と信仰」では、そんな動物神の信仰に着目し、多様な神々の護符や神像、動物のミイラを扱う。ファラオが率いた国家&古代エジプト人の衣・食・住このほか、第2章「ファラオが率いた国家」では、常に絶対的権力を行使していた国王ファラオや、人口の約10%にあたるエリート高官たちにフォーカスし、ファラオをモチーフとした像やレリーフ、神殿の柱などを展示。また第3章「古代エジプト人の衣・食・住」では、ツタンカーメン王の指輪や化粧用容器、ジュエリーなどを展示することで、当時の人々の生活様式に迫る。古代エジプトの死生観ー再生とミイラまた、古代エジプト人は、死後に再生し永遠なる生命を得ると信じており、死者の遺体をミイラとして保存していた。現在確認できている最古のエジプトのミイラは、先王朝時代に自然乾燥により作られたものだ。そして、第3中間期にミイラ作りの技術が頂点に達して以降、末期王朝時代からプトレマイオス朝、ローマ支配時代にかけても多くのミイラが作られた。第4章「古代エジプトの死生観ー再生とミイラ」では、少女のミイラや人型木棺、副葬品などを紹介する。ピラミッドの最新調査の様子も紹介さらに本展では、過去100年間学術調査がほとんど行われなかったメイドゥム(マイドゥーム)・ピラミッドの最新調査も紹介。古代エジプト人が築いた神々への信仰や国家、暮らし、死生観など多様なテーマから、3,000年にわたる巨大文明の歴史を紐解いていく。展覧会概要「古代エジプト美術館展」会期:2023年10月10日(火)~11月26日(日)会場:東広島市立美術館 2階・3階展示室住所:広島県東広島市西条栄町9-1時間:9:00~17:00(入館は閉館30分前まで、ただし10月10日(火)は10:00開館、10月28日(土)・11月25日(土)は19:00まで開館)休館日:月曜日観覧料:・前売券 一般 1,040円、大学生 720円・当日券 一般 1,300円、大学生 900円、高校生以下無料※当日券に限り20名以上の団体2割引き。※学生料金は学生証の提示が必要。※後期高齢者医療被保険者証・身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付対象者は提示により、観覧無料。※11月3日(金・祝)は無料開館日。前売券販売所:東広島市立美術館、セブンチケット(セブンコード:102-269)※販売期間:2023年8月10日(木)~10月9日(月・祝)/東広島市立美術館での販売は休館日を除く。【問い合わせ先】東広島市立美術館TEL:082‐430-7117
2023年09月28日“スラブ最高のオーケストラ”とも称されるウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団が4年ぶりに来日し、12月に日本各地で公演を行う。ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団は、1995年にキーウに本拠を置く国立フィルハーモニー協会の専属オーケストラとして創設。古くはミルシテイン、オイストラフ、ホロヴィッツ、リヒテルなどの大巨匠を生み出してきたウクライナの伝統を受け継ぎ、主に拠点キーウで年間50回以上の定期公演を行うほか、ヨーロッパ全土から客演に招かれ活動している。しかし、2022年2月にウクライナへの侵攻が始まり、楽団の活動も中止。団員の中には軍に志願した人もいるが、戦火に苦しむ市民から「心の癒しがほしい」という声を受け同年9月に定期演奏会を再開した。現在もリハーサルや公演が空襲警報で中断する日々が続くが、ウクライナの人々から愛され、公演は満席が続いているという。今回が9度目の来日で、“家路”のメロディーでおなじみのドヴォルザーク『新世界より』や、ベートーヴェンが残した偉大なる人間賛歌『第九』を含む多彩なプログラムを披露する予定。東京公演ではチケット代金のうち 1000円が人道支援の義援金として在日本ウクライナ大使館に寄付されるほか、音楽を通して支援の輪を広げる取り組みが予定されている。ミコラ・ジャジューラ (C)三浦興一ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団 日本ツアー■チケット情報ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団 新世界&第九12月22日(金) 19:00開演東京芸術劇場 コンサートホールほか、以下の日程で開催12月7日 青森12月9日 盛岡12月10日 山形12月13日 札幌12月15日 山梨12月16日 沼津12月17日 新潟12月19日 立川12月20日 市川12月21日 武蔵野12月23日 福島12月24日 塩尻12月25日 岩国12月26日 熊本12月27日 福岡12月29日 山口12月31日 大阪2024年1月1日 大阪出演:ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団ミコラ・ジャジューラ(指揮)アントニー・ケドロヴスキー(指揮/12月24日、29日)テチアナ・ガニーナ(ソプラノ)アンジェリーナ・シュヴァツカ(アルト)ドミトロ・クズミン(テノール)セルギィ・マゲラ(バス)フジコ・ヘミング(ピアノ/12月7日、20日)村田夏帆(ヴァイオリン/12月10日、25日)荒川太一(ヴァイオリン/12月16日)野田枝里(フルート/12月16日)
2023年09月21日国立新美術館(東京・六本木)では、モードの帝王、イヴ・サンローランの没後日本初となる大回顧展「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が開幕しました。オフィスでのイヴ・サンローラン、パリのマルソー大通り5番地のスタジオにて、1986年/© Droits réservésイヴ・サンローランはクリスチャン・ディオールの急死をうけ、1958年にディオールのデザイナーとして鮮烈なデビューを飾り、1962年からは自身のブランド「イヴ・サンローラン」を発表します。それ以来、2002年の引退まで約半世紀にわたって世界のファッションシーンをリードし、サファリ・ルックやパンツスーツ、ピーコート、トレンチコートといったアイテムを定着させるなど、女性たちのワードローブに変革をもたらしました。イヴ・サンローラン、アンヌ=マリー・ムニョス、ピエール・ベルジェ、パリのマルソー大通り5番地のスタジオにて、1977年/© Guy Marineau本展はイヴ・サンローラン美術館パリの全面協力を得て、没後日本で初めて開催される大回顧展です。わずか21歳で衝撃的なデビューを果たしてから、自身のブランドとして初のコレクションを成功させ、美術作品や舞台芸術、そして日本にも影響を受けながら独自のスタイルを確立するまでの40年にわたる歴史を、ルック110体のほか、アクセサリー、ドローイング、写真を含む262点によって、12章構成で余すところなく紹介しています。20世紀後半における偉大な才能であるイヴ・サンローランから生み出される、唯一無二でありながら、豪華絢爛な美の世界を間近で堪能できる大変貴重な機会となります。Photo by FASHION HEADLINE■会場構成Chapter 0ある才能の誕生Photo by FASHION HEADLINE幼い頃、家で絵を描くことが好きだったイヴ・サンローランは、絵本の装丁や挿絵を手掛けた後、ファッションに情熱を傾けるようになりました。1953年、17歳でパリに渡り、コンクールのドレス部門で入賞したことをきっかけに、クリスチャン・ディオールのアシスタントに抜擢されます。1957年にクリスチャン・ディオールが急逝した後、21歳の若さでディオールのチーフデザイナーを務めることとなりました。1958年にはディオールで最初のコレクション「トラペーズ・ライン」を発表し、後継者として熱狂的に迎え入れられます。Chapter 11962年:初となるオートクチュールコレクションPhoto by FASHION HEADLINEディオールで6つものコレクションを手掛け、デザイナーとして成功を収めた後、1961年にピエール・ベルジェらと共にオートクチュールメゾン「イヴ・サンローラン」を設立。翌年に発表された初のコレクションでは、船乗りの作業着に着想を得たピーコートなどを発表し、大きな注目と賞賛を浴びました。Chapter 2イヴ・サンローランのスタイル:アイコニックな作品Photo by FASHION HEADLINEイヴ・サンローランの代名詞的存在となったデザインの中でも特に革新的だったのは、紳士服からヒントを得て作られたタキシードやジャンプスーツ、サファリ・ルック、トレンチコートなどです。彼は、紳士服のカットの美しさ、快適さ、実用的な側面を維持しつつ、シンプルさとエレガンスを組み合わせた女性のシルエットを生み出しました。これらの作品の発表は女性解放運動が興隆した時期と重なっていたこともあり、時代の空気と呼応したスタイルは、人気を不動のものにしました。そのほか、ネイビールックなど女性らしくアレンジが施された服装も手掛けました。Chapter 3芸術性:刺繍とフェザーPhoto by FASHION HEADLINEイヴ・サンローランの作品は、織工、染色、捺染(なっせん)、刺繍、金細工、銀細工など、多くの熟練した職人たちによって支えられていました。長年にわたって受け継がれてきた技術を持つ職人たちと密接な関係を保つことで、展示作品に見られるように極めて精緻なデザインを実現可能にしました。彼の厳格なまでの完璧主義は、一つの作品を完成させるのに、何百時間もの作業を必要としました。Chapter 4想像上の旅Photo by FASHION HEADLINE読書や美術作品の収集によって想像を巡らせる「机上の」旅を通じて、モロッコ、サハラ以南のアフリカ、ロシア、スペイン、アジアといった遠い土地へ抱いた幻想をデザインで表現しました。やがて、鮮やかな色彩や独特な形によって表された「異国情緒」は、イヴ・サンローランの作品にとって不可欠な要素になりました。Chapter 5服飾の歴史Photo by FASHION HEADLINEPhoto by FASHION HEADLINEキャリア全体を通じて、イヴ・サンローランはヨーロッパの様々な時代に特徴的な装いを自身のデザインに取り込みました。古代ギリシア・ローマ彫刻がまとっているようなドレスや、中世の装いを思わせるガウンなど、幅広い時代のスタイルを自在にデザインソースとしていることから、過去の服飾の歴史に敬意を払いながらも、自由な創造性を発揮していることがわかります。Chapter 6好奇心のキャビネット:ジュエリーPhoto by FASHION HEADLINEアクセサリーはイヴ・サンローランの表現にとって非常に重要な要素でした。天然の真珠や宝石に固執することなく、木 材、金 属、ラインストーン、ビーズなどのイミテーションを多用することで、素材の無限の組み合わせを可能とし、想像力と表現の幅を広げていったのです。Chapter 7舞台芸術─グラフィックアートPhoto by FASHION HEADLINE生きた芸術に魅了されたイヴ・サンローランは、演劇、バレエ、ミュージックホール、映画などの衣装を数多く制作しました。色彩や素材を駆使した絵画的手法と、綿密で生き生きとしたコントラストの強い線から伝わる描画の才能は、本展で展示されるスケッチに色濃く表れています。Chapter 8舞台芸術─テキスタイルPhoto by FASHION HEADLINEイヴ・サンローランは、オランで過ごした少年時代から演劇や舞台に夢中になりました。カトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画『昼顔』やジャン・コクトーの演劇『双頭の鷲』、ローラン・プティが芸術監督を務めたミュージックホールなど、生涯を通して様々な演劇や映画の衣装を手掛けています。Chapter 9アーティストへのオマージュPhoto by FASHION HEADLINEPhoto by FASHION HEADLINEイヴ・サンローランは画家や作家など多くのアーティストたちと交流し、彼らの才能へ敬意を払った作品を多く発表しました。特にピカソ、マティス、ブラック、ファン・ゴッホ、ボナールといった過去の画家への強い尊敬と親愛の念は、作品の中でも表現されました。美術作品とファッションの融合は、伝統的なオートクチュールの世界に新風を吹き込んだのですChapter 10花嫁たちPhoto by FASHION HEADLINEオートクチュールのファッションショーに欠かせないのがフィナーレを飾るウエディングドレスです。イヴ・サンローランは、19世紀の終わりから続く伝統的なガウンの形式と、新しい女性像として斬新なデザインの両方を展開しました。Chapter 11イヴ・サンローランと日本Photo by FASHION HEADLINE1963年の来日をきっかけに、イヴ・サンローランは日本の文化や伝統工芸品に魅せられ、その後の創造にも多くの示唆を与えました。一方、彼が発信するスタイルは、日本のファッションやデザインの世界にも様々な影響を及ぼすものでもありました。本章では、イヴ・サンローランと日本の関係を、資料を通して紐解きます。初来日時のイヴ・サンローラン、1963年4月/© Droits réservés展覧会実施概要【展覧会名】イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル Yves Saint Laurent, Across the Style【会期】2023年9月20日(水)~12月11日(月) 毎週火曜日休館【開館時間】10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで【会場】国立新美術館 企画展示室1E 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 【主催】国立新美術館、産経新聞社、TBS、ソニー・ ミュージックエンタテインメント【特別協力】イヴ・サンローラン美術館パリ【特別協力】SAINT LAURENT【後援】在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、BS- TBS、TBSラジオ【協賛】SOMPOホールディングス、野崎印刷紙業【協力】日本航空【企画協力】Ueki & Associes【展覧会HP】 【お問合せ】050-5541-8600(ハローダイヤル)【音声ガイド】津田健次郎
2023年09月21日‘24年4月27、28日の2日間にわたって、東京・国立競技場で歌い手・Ado(20)のワンマンライブ開催が決定。Ado は9月17日にXを更新し、《次は国立競技場でお会いしましょう!》と呼びかけていた。コメント欄には、《おおおおおお!!!!大舞台ですね!!!!》《国立2daysとかすごすぎ…行きたい…!》と期待を寄せる声が続々。女性のソロアーティストが国立競技場でワンマンライブを開催するのは、史上初のこと。‘20年10月に「うっせぇわ」でメジャーデビューを果たしてから約3年半、着実にスターダムを駆け上がっているAdo。昨年8月に公開されたアニメ映画『ONE PIECE FILM RED』では、主要キャラクターの歌姫・ウタの歌唱を担当。同年の大みそかに行われた『第73回紅白歌合戦』(NHK)にも、ウタが史上初のアニメキャラとしてパフォーマンスを披露。広く注目を集めることとなった。今年4月からは、ラジオの新番組『Adoのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)がスタート。さらに6月から9月にかけて、全国11会場のホールとアリーナを回るツアーを実施するなど活躍の場を広げている。だがAdoの快進撃に、水を差す人物が……。それは“元迷惑系YouTuber”へずまりゅうこと原田将大氏。9月18日にX(旧Twitter)を更新し、こう罵ったのだ。《国立競技場でワンマンライブが決定したadoはやっぱり一発屋でした。お前は日本止まりのアーティストや》しかもAdoから“ブロックされた”として、Adoのアカウントに《あなたをブロックしました》と表示された画像のスクリーンショットを添えている。なお日付は表示されておらず、いつブロックされたかは不明だ。あるユーザーから《adoにブロックされるって逆に凄い》とのコメントが寄せられると、原田氏は《メンヘラやから仕方ない》と返信。自らの発言を省みることはなかった。そんな原田氏は、過去にもAdoに対して“粘着”していた。さかのぼること‘21年10月、原田氏はAdoの投稿に《へずまさんからAdoに一言!うっせぇわ》とリプライ。今年5月には《【悲報】Adoにブロックされた。一発屋が調子に乗んなボケが》と、ブロックされた画像のスクリーンショットを添えて悪態をついていた。ところが3日後にブロックを解除されたようで、《【朗報】Adoにブロ解されました。お前センスないけど見直したぞ》と報告。だが8月には『ONE PIECE FILM RED』が10月に1カ月限定で再上映されるニュースに言及し、《これado好きのコンサートだからな。ワンピース好きからしたらイマイチ》とディスっていた。そうした経緯もあり、再びブロックされてしまったのだろうかーー。やたら上から目線でAdoを揶揄する原田氏に、冷ややかな視線が注がれている。《逆張り乙》《はいはい、まだ言うか、いい加減謝れ》《山口止まりの貴方には言われたくないでしょうに》《This Is 嫉妬》7日には、《相談員の人が10社に電話を掛けてくれたけど全てへずまりゅうって理由で断られた。月収15万前後の会社ばかりなのに。俺に人権ないとかアホすぎんか?》と仕事が決まらない不満を漏らしていた原田氏。人を貶めるよりも、自分のことに注力した方が良いのではないだろうか。
2023年09月18日東京国立近代美術館では、2023年10月6日(金)より、『棟方志功展メイキング・オブ・ムナカタ』が開催される。「世界のムナカタ」として国際的な評価を得た版画家・棟方志功(1903-1975)の生誕120年を記念して開催される大回顧展だ。分厚い瓶底眼鏡に、愛嬌のある笑顔。一転、制作時には鬼気迫る迫力で版木に覆いかぶさり、一心不乱に彫刻刀を動かす棟方志功の姿は、一定の年齢以上の人なら懐かしく思い出せるかもしれない。生前の棟方はテレビなどでもお馴染みの、お茶の間の人気者だったのだ。1903(明治36)年、青森市に生まれ、文芸雑誌『白樺』に掲載されたゴッホの《向日葵》に感動した棟方は、油彩画家になることをめざして上京。東京では活動の中心を油彩画から版画に移し、柳宗悦の民藝運動などと緊密の関係しながら活躍する。第二次世界大戦中は富山に疎開、戦後は第3回サンパウロ・ビエンナーレで版画部門最高賞、第28回ベネツィア・ビエンナーレで国際版画大賞を受賞して、「世界のムナカタ」となっていった。そんな棟方志功の初期から晩年までの作品を、青森、東京、富山と、彼が暮らした土地をたどりながら一望する同展では、書や本の装画、包装紙のような商業デザインや壁画など、優れたタデザイナーとしての側面も紹介。さらに、映画やテレビ、ラジオへの出演など様々なメディアでの活動も加えて、「近寄りがたい」という従来のイメージを覆した、棟方志功の親しみやすい芸術家像にも迫っていく。注目作は五島美術館蔵の《幾利壽當頌耶蘇十二使徒屛風》(1953年)と、躅飛山光徳寺蔵の《華厳松》(1944年)。前者は縦3mの巨大な屏風で約60年ぶりの展示、後者はほとんど寺外で公開されることのなかった倭画の傑作で、非公開の裏面とあわせて展示する。<開催情報>『生誕 120 年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』会期:2023年10月6日(金)~12月3日(日)会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー時間:10:00~17:00、金土は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜(10月9日は開館)、10月10日(火)料金:一般1,800円 大学1,200円 高校700円公式サイト:
2023年09月12日リンシュウ(RYNSHU)の2024年春夏コレクションが、東京・新国立美術館にて発表された。苦くて甘い恋心今季のリンシュウは、“Bitter Sweet Romantic”がテーマ。ロマンティックな恋に落ちたときの甘い瞬間や、淡く苦い思い出、燃え上がるような情熱を衣服に落とし込んだ。そんなコレクションをパリの2024年春夏ファッションウィーク前に、東京にて先行公開。会場の青い光が、ドレスコードであるブラックの装いに身を包んだ観客を照らしていた。軽やかなオーガンジーを纏ってファーストルックには、軽やかに透けるオーガンジー素材のドレスが登場。ネイビーからブルー、ライトブルー、ピンク、ホワイト…と移り変わる甘い恋心を表しているかのようなカラーリングが印象的だ。また、深いブルーのシルクサテンシャツにオーガンジーを組み合わせたシャツドレスや、袖のスリット部分からピンクのオーガンジーが見えるテーラードジャケットなど、エレガントなルックが散見された。密かに燃える想い“胸の内で密かに燃える想い”を体現したデザインも今季ならでは。黄色と赤、黒白のユニークなアート柄を自在に型取り、組み合わせているのが特徴だ。ジャケットをはじめ、ハーフパンツやドレス、ブーツなどの多彩なラインナップには、“自分の気持ちを自由に伝えてほしい”というデザイナー 山地正倫周・りえこの思いが込められている。大胆なカラーパレットまた特徴的なのが、ランウェイの中盤から鮮やかなカラーパレットのルックが披露された点。ブラックやネイビーなどのベーシックカラーとパステルカラーを基調とする中、ピンクのロングジャケットとハーフパンツ、光沢のあるブルーのセットアップや輝くグリーンのドレスが、コレクション全体に大胆なアクセントを加えていた。嵐の前の静けさラストは、ツヤ感のあるブルーとネイビーのテーラードに、立体的なブラックのオーガンジースカートを合わせた“嵐の前の夜明け”を暗示するモダンモノトーンで幕を閉じた。ロマンティックな夏を予感させる。
2023年09月10日特別展「20世紀美術の冒険者たち─名作でたどる日本と西洋のアート」が、香川の高松市美術館にて、2023年9月30日(土)から11月19日(日)まで開催される。20世紀日本、未知の表現の追求明治時代以降の日本では、西洋化と近代化による社会の変化とともに、新しい美術表現が切り拓かれてきた。特別展「20世紀美術の冒険者たち─名作でたどる日本と西洋のアート」は、20世紀の日本美術の展開を、西洋の近代美術にもふれつつ紹介する展覧会だ。東京国立近代美術館のコレクションを中心に本展では、東京国立近代美術館のコレクションに、高松市美術館、熊本県立美術館の所蔵品を交えた78点の作品を展示。岸田劉生の《麗子肖像(麗子五歳之像)》、モダンガールや潜水艦といった近代文明を象徴するモチーフを散りばめた古賀春江の《海》など、東京国立近代美術館が誇る名品の数々を目にすることができる。日本における近代美術から現代美術への展開本展では、日本における近代美術から現代美術への展開を紹介。西洋から「美術」という概念がもたらされ、展覧会や美術学校といった制度が整備された明治時代、個に根差した表現が重視された大正時代、抑圧のもとで前衛芸術が追求された昭和時代の戦前期、そして新たな発想や従来にない素材を用いて多様な表現が展開された戦後期まで、未知の表現を開拓することを試みてきた軌跡をたどってゆく。西洋の近代美術もさらに、会場では、日本の近代美術の展開を語るうえで欠くことのできない、西洋の近代美術も紹介。ピエール=オーギュスト・ルノワールの《胸に花を飾る少女》や、アンリ・ルソー《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神》、パウル・クレー《花ひらく木をめぐる抽象》、ワシリー・カンディンスキー《全体》などを展示する。展覧会概要高松市美術館開館35周年記念令和5年度国立美術館巡回展「20世紀美術の冒険者たち─名作でたどる日本と西洋のアート」会期:2023年9月30日(土)~11月19日(日)会場:高松市美術館 2階展示室住所:香川県高松市紺屋町10番地4開館時間:9:30〜17:00(金・土曜日は19:00まで)※入室はいずれも閉館30分前まで休館日:月曜日(10月9日(月・祝)は開館)、10月10日(火)観覧料:一般 1,200円(960円)、大学生 600円(480円)、高校生以下 無料※( )内は前売および20名以上の団体料金※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者は入場無料※前売券は、9月29日(金)まで、高松市美術館ほかにて販売■巡回情報・熊本県立美術館会期:2023年7月22日(土)~9月18日(月・祝)住所:熊本県熊本市中央区二の丸2番【問い合わせ先】高松市美術館TEL:087-823-1711
2023年09月02日諸橋近代美術館では、作品修復にご支援を求めるクラウドファンディングを、「READYFOR」にて2023年9月1日に開始いたしました。福島県内の登録博物館・指定施設においてクラウドファンディングへの挑戦は初の試み※となります。文化を守るための作品修復に皆様のご支援をお待ち申し上げます。※READYFOR調べプロジェクトサイト 9/1からクラウドファンディング開始します。作品修復にご支援を!■プロジェクト実施背景作品の保存活動は美術館にとって重要な取り組みです。しかしながらコロナ以降、入館者数は未だ減少傾向が続いています。また、人件費や原材料費の高騰などの世情の中で保存活動がままならない状況です。作品や文化を次世代に継承していくために、当館の活動に皆さまのお力をお借りできれば幸いです。これからも福島の美しい自然と美術作品が楽しめる美術館として、未来に“感動”を伝えていくために、皆様からの温かいご支援を心よりお待ち申し上げます。皆様からのご支援によりダリの初期作品を修復させて頂きたいと思っています。■プロジェクト概要タイトル: 諸橋近代美術館|サルバドール・ダリ、西洋近代の作品の修復にご支援を期間 : 2023年9月1日 9:00~10月30日 23:00URL : ■皆様からのご支援でできること◎目標金額:800万円◎プロジェクト実施予定内容:2024年4月30日までにサルバドール・ダリ(1904-1989)の初期作品を修復します。(1)サルバドール・ダリ『キャバレーの情景』 1922年(2)サルバドール・ダリ 両画面『リャネの野菜畑/庭の少女たち』 1919-21年具体的な処置方法については、修復の専門家と綿密な打ち合わせの上で今後方針を決定していきます。本プロジェクトはAll or Nothing形式です。支援総額が期日までに第一目標金額に届かなかった場合は全額ご返金となります。北塩原村の自然を活かし、ダリの好物・ザリガニを食す体験型リターンも考えました。■リターンについて《グッズ・体験で応援》A)10,000円◎クラウドファンディング限定オリジナルデザイン ペア招待券◎ガイドブック2冊B)15,000円◎クラウドファンディング限定オリジナルデザイン ペア招待券◎地元で焙煎 修復作品をイメージしたクラウドファンディング限定ドリップパックコーヒー(3種×3パック)C)20,000円◎クラウドファンディング限定オリジナルデザイン ペア招待券◎クラウドファンディング限定中ノ沢こけし(野菜畑 or キャバレー|各限定60体)D)30,000円◎クラウドファンディング限定オリジナルデザイン ペア招待券◎クラウドファンディング限定ひげべこ(ゴールド or シルバー|各限定100体)E)50,000円◎ダリ好きのための特別体験 ダリのレシピに挑戦!ウチダザリガニを釣ってザリガニタワー料理を食べよう(学芸員によるギャラリーツアー付)|1口2名※詳細サイト参照F)100,000円◎曽原湖でテントサウナ ととのう×アート鑑賞(学芸員によるギャラリーツアー付)|1口2名※詳細サイト参照《寄付金控除で応援》G)5,000円 H)10,000円 I)30,000円 J)50,000円◎寄付金受領証明書K)100,000円 L)500,000円 M)1,000,000円◎寄付金受領証明書◎創業者レリーフ横銘板プレートへお名前掲載(希望制)|期間3年間(2024年4月~2027年3月)【諸橋近代美術館とは】ゼビオホールディングス株式会社の創業者 諸橋廷蔵が個人で収集したコレクションを寄贈したことによって誕生した私立美術館です。「生まれ故郷 福島の美しい自然と作品をゆっくりと鑑賞してもらいたい」「故郷の子供達に美術作品をたくさん見てもらいたい」という諸橋の想いによって、自然豊かな福島県の景勝地、裏磐梯に建てられました。20世紀を代表するシュルレアリスムの画家サルバドール・ダリの作品を所蔵するアジア最大規模のダリ常設美術館。その時々のテーマによって展示内容を替えながら展示しています。尚、豪雪地帯のため毎年11月中旬~翌年4月下旬まで冬期休館しています。所在地 : 〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ヶ峯1093-23開催中展覧会: ミュージアム・ワークス―みんなの知らない美術館会期 : 2023年7月15日(土)~11月12日(日) ※会期中無休※2023年11月13日(月)~2024年4月19日(金)まで冬期休館予定営業時間 : 9:30~17:00(最終入館は閉館30分前まで)URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月01日日本工芸週間実行委員会は、「日本工芸週間」2023年の最終日9月24日(日)、東京国立近代美術館にて、墨と硯と水をテーマにした講義と実演のイベントを開催します。【趣旨】墨を使う、書画のプロは必聴!いま、忘れ去られてしまった、使う側の常識「硯の目を立てる」あなたはできますか?硯を扱う際の必須知識を実演します。秋のお彼岸に合わせて開催される「日本工芸週間」。今年のテーマは「自然素材」です。一つの素材を有効に使い、古くなれば形を変えて再利用するという昔ながらの日本の文化を、次世代へと繋ぐためのイベントです。墨と硯と水に焦点を当て、実物の観賞・レクチャー・実演により、素材への多角的なアプローチを行います。・墨・硯・水・紙・筆“きほんのき”・水墨画を、構成要素である墨と水から解き明かす・本来必要なお手入れ“硯の目立て”手順を解説雪舟、牧谿、狩野探幽、そして伊藤若冲、横山大観に至る、水墨画の名品を見ると、あるときは青く、あるときは赤みを帯び、見事なグラデーションとなっています。豊かな表情は、筆力は当然ですが、墨と硯、そして墨を磨るための水、紙、筆の素材の質の高さにも支えられています。京の軟水を使った墨と江戸の硬水を使った墨では、色も表情も異なります。紙との相性によっても変わっていきます。そして、墨を磨るための硯は、卸し金と同様に、よく目の立った道具でなければなりません。墨と硯と水について、当たり前のようで、これまで語られてこなかった大切な話が実物をみながら披露されます。墨と硯と水青木芳昭(あおき・よしあき)【開催概要】「墨・硯・水のはなし」日時 :9月24日(日)14:30~16:30会場 :東京国立近代美術館 講堂参加費:5,000円定員 :100名(要事前申込・先着順)講師 :青木芳昭(あおき・よしあき)1953年生まれ。1999年アカデミア・プラトニカ設立・代表。2011年京都造形芸術大学教授、『よくわかる今の絵画材料』(生活の友社)出版。2015年寺田倉庫PIGMENT(ピグモン)顧問、21世紀鷹峰フォーラム研究協力「絶滅危惧の素材と道具」で害獣の鹿の皮から和膠の復刻、毛から筆・刷毛の道筋を築く。2016年日本文化藝術財団より「第8回創造する伝統賞」受賞。【詳細】東京国立近代美術館常設展示11室を鑑賞後に集合13:45 開場14:00~14:30 青木氏所蔵の文房四宝(墨・硯・紙・筆)を実見14:30~15:30 レクチャー15:30~15:50 11室の水墨画(富岡鉄斎ほか)を解説15:50~16:20 実演 硯の目立て16:20~16:30 質疑応答イメージ1イメージ2主催: 日本工芸週間実行委員会共催: 公益社団法人日本工芸会一般社団法人 TAKUMI - Art du Japon北陸工芸プラットフォーム実行委員会 /JapanCraft21日本漆アカデミー一般社団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパン運営: 日本工芸週間運営事務局(一般社団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパン内)【申込みフォーム】 二次元コード 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年08月25日国立能楽堂(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)の9月主催公演が下記の通り上演されます。昭和58年に開場した国立能楽堂が、9月に40周年を迎えることを記念した公演です。現代能楽界を代表する演者による能と狂言の名作の数々をご覧いただきます。開場40周年記念公演狂言の会末広かり・鬮罪人・獅子聟 / 2023年9月22日 (金)開場40周年記念公演芭蕉・文蔵・望月 / 2023年9月30日 (土)チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて8月10日(木)10:00より発売開始です。開場40周年記念公演狂言の会末広かり・鬮罪人・獅子聟 開場40周年記念公演芭蕉・文蔵・望月 開場40周年記念公演狂言の会末広かり・鬮罪人・獅子聟公演日時:2023年9月22日 (金) 16:30 開場/17:30 開演狂言の会狂言『末広かり』(すえひろがり)善竹十郎(大蔵流)主人に「末広かり」を買ってこいと命じられた太郎冠者。末広かりが何かわからないまま都にやってきた太郎冠者はすっぱにだまされ…。狂言『鬮罪人』 (くじざいにん)三宅右近(和泉流)今年の祇園会で出す町衆たちの山鉾で、地獄の鬼と責められる罪人を演じることになります。くじ引きで配役を決めると思いもよらぬ組み合わせに…。狂言『獅子聟』(ししむこ)山本東次郎(大蔵流・人間国宝)聟入りもつつがなく進み盃事も済むと、聟は舅の所望で、その勇気を試し悪魔を払うという獅子を舞います。謡・舞ありの祝言風俗に獅子の趣向を加えた、大蔵流山本東次郎家の番外曲です。類曲に和泉流の「越後聟」があります。*字幕あり(日本語・英語)■チケット料金正 面:6,800円脇正面:5,700円(学生4,000円)中正面:4,700円(学生3,300円)(全席指定・税込)【公式ホームページ】 開場40周年記念公演芭蕉・文蔵・望月公演日時:2023年9月30日 (土) 12:00 開場/13:00 開演能『芭蕉』(ばしょう)観世恭秀(観世流)女性の姿をした芭蕉の精が、草木ながらも成仏を願い、現れます。夏に巨大な葉を広げ冬には枯れ果ててしまう美しくもはかない芭蕉葉、そのイメージを、世の無常・仏教哲理と重ね合わせた、金春禅竹作、深遠な世界観を持つ能です。狂言『文蔵』(ぶんぞう)茂山千五郎(大蔵流)都でごちそうになった美味しい食べ物の名前を忘れてしまった太郎冠者。その名が『源平盛衰記』の石橋山合戦の場面に出てくるというので、主人が語って思い出させようとします。主人の所作を交えた語りの独演が見所です。『望月』武田孝史 撮影=工房円能『望月』(もちづき)武田孝史(宝生流)小沢刑部友房は、主の安田庄司友治が殺害されて以来、宿屋の亭主に身をやつしています。ある日、偶然にも友治の妻と子の花若が宿泊し、再会を喜ぶところに敵の望月秋長も宿泊します。母子は盲御前の姿に扮して望月に近づき、友房は獅子舞を舞ってすきをうかがい、見事仇討を果たします。勇壮かつきらびやかな獅子舞が見る者を魅了します。*字幕あり(日本語・英語)■チケット料金正 面:9,500円脇正面:7,500円(学生5,300円)中正面:6,500円(学生4,600円)(全席指定・税込)【公式ホームページ】 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年08月10日東京国立近代美術館で、「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が開かれています。本展では、スペインの建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)が建設に携わったサグラダ・ファミリア聖堂にフォーカス。日本人が愛するガウディ建築の魅力に迫る展覧会です。日本人彫刻家も活躍!サグラダ・ファミリア聖堂外尾悦郎さん【女子的アートナビ】vol. 307「ガウディとサグラダ・ファミリア展」では、完成の時期が視野におさまってきたスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア聖堂に焦点をあて、建築家ガウディの創造の源泉や、進行中の建設プロジェクトについても紹介。図面や模型、彫刻、写真など多彩な作品や資料に加え、最新映像も見ながら、サグラダ・ファミリア聖堂の魅力にたっぷりと触れられる展覧会です。本展の開幕前日に開かれたプレス内覧会では、彫刻家の外尾悦郎さんが登壇。外尾さんは、サグラダ・ファミリア聖堂の彫刻家として現地で長年活躍され、ミケランジェロ賞や文化庁長官表彰など国内外で多くの賞を受賞されている方です。外尾さんは、次のようにコメントされました。外尾さん私は1978年にヨーロッパに渡り、3か月で日本に帰る予定でしたが、サグラダ・ファミリアに出合い、45年、仕事をさせていただくことになりました。なぜ、45年間もいたのか。サグラダ・ファミリアをはじめとするガウディ作品に魅力があるからです。魅力どころではない、いま我々人類が必要としている大切なヒントが、ガウディにはありました。それが私を惹きつけているのです。その一端を、今回の展覧会で見ていただければ、明るいヒントが見つかるのではないかと期待しています。サグラダ・ファミリア聖堂とは?「ガウディとサグラダ・ファミリア展」展示風景まず、本展の主役であるサグラダ・ファミリア聖堂について、ざっくりとご紹介。サグラダ・ファミリア聖堂は、1882年に起工式が開かれ、ガウディは1883年に二代目の建築家として就任。聖堂は献金で建設資金を得ていたため、彼は設計や建設に携わるだけでなく、資金集めなどにも奔走しました。聖堂は未完のまま、ガウディは73歳のとき路面電車にはねられて亡くなってしまいます。その後、スペイン内戦時にはガウディの模型などが破壊され、またフランコ独裁政権時代には建設資金も集まらず、聖堂は何度も建設中止の危機に陥ります。スペイン王政復古後には経済も上向き、2005年には聖堂が世界遺産に登録されて観光客も増加。その入場料などで資金も増えて工事が進み、コロナ禍で中断しながらも少しずつ完成に近づいています。サグラダ・ファミリアは総合芸術!「ガウディとサグラダ・ファミリア展」展示風景では、展覧会の見どころについて、ピックアップしてご紹介していきます。1章「ガウディとその時代」では、図版やガウディの愛読書などを展示。学生時代のガウディがどのようにして建築家になっていったのか、その形跡をたどれるようになっています。東京国立近代美術館 企画課長の鈴木勝雄さんは、ガウディについて次のように教えてくれました。鈴木さんいかに天才ガウディといえども、彼独自の世界を築くにあたり、古今東西さまざまな建築やイメージソースを吸収し、そこから理論や造形をつくりだしていきました。前半の章では、ガウディの頭の中をのぞくことができます。そこで見えてきたガウディの独創性が、サグラダ・ファミリアへとつながります。ガウディが生きた時代は万国博覧会の時代で、世界各地の文化や技術、さまざまな様式の建築が見られました。そこから異文化を吸収しつつ、彼は自分の世界をつくっていきました。サグラダ・ファミリアは、まさに総合芸術なのです。自然や植物も好きだった「ガウディとサグラダ・ファミリア展」展示風景2章「ガウディの創造の源泉」では、歴史・自然・幾何学に注目。ガウディのスケッチや模型、彼がデザインした椅子などが展示されています。ガウディは、スペインのイスラム建築の歴史に関心もち、くだいたタイルで建物を彩る多彩色建築に取り組み、独自のスタイルを生み出しました。鈴木さんガウディは、自然や植物を丁寧に研究し、自分の装飾パターンに入れていきました。また、当時は洞窟や浸食された大地の奇妙な形に人々が関心を持ちロマンを抱く時代で、ガウディも洞窟にロマンを感じていました。洞窟を思わせるものが、彼の建築の随所に出てきます。さらに、彼は造形を自由に展開するだけでなく、幾何学にも長けており、建築構造に深い知識を持っていました。放物線の形をした超高層ビルの模型もつくり、その形が後のサグラダ・ファミリアの構造にもつながっていきます。聖堂を飾っていた石膏が登場!外尾悦郎《サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面:歌う天使たち》サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面に1990-2000年に設置作家蔵3章「サグラダ・ファミリアの軌跡」では、ガウディ独自の制作方法などを紹介。彼は、図面だけでなく多くの模型をつくって自分の構想を練り上げていきました。会場では、大小さまざまな模型や、聖堂を飾った彫刻も展示されています。鈴木さんガウディは、彫刻をつくる際、実際のモデルから型を取っていました。モデルは、バルセロナの市民たちでした。彼が亡くなったあとは後世の人たちに受け継がれていき、外尾悦郎さんは聖堂の「降誕の正面」に設置されている「歌う天使たち」の石膏像をつくられました。会場にある作品は、10年間、聖堂に設置されていたものです。ぜひ、天使の表情や所作などをじっくりご覧ください。4K画像で空中散歩も!《サグラダ・ファミリア聖堂、身廊部模型》2001-02年制作:サグラダ・ファミリア聖堂模型室西武文理大学3章の最後では、NHKが最新技術を使って撮影したサグラダ・ファミリア聖堂の美しい映像を楽しむことができます。また、4章「ガウディの遺伝子」では、ガウディ建築が現代に与えている影響や意義を探り、インタビュー映像なども紹介。最後は、ガウディの言葉が映像で映し出されて展示が終わります。なお、この展覧会は連日大盛況で、会場内は混雑しています。公式サイトに混雑状況も載っていますので、チェックしてからお出かけください。Information会期:~9月10日(日)休館日:月曜日(8月28日、9月4日は開館)会場:東京国立近代美術館時間:10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥2,200大学生¥1,200高校生¥700中学生以下無料※熱中症対策及び混雑緩和のため8月3日以降は日時予約推奨(8月25日以降は休まず夜間開館を実施)。詳細は展覧会公式サイトへ。巡回情報:滋賀会場:2023年9月30日(土)~12月3日(日)佐川美術館愛知会場:2023年12月19日(火)~2024年3月10日(日)名古屋市美術館
2023年08月06日「博物館でアジアの旅 アジアパーティー」が、東京国立博物館 東洋館にて、2023年9月26日(火)から10月22日(日)まで開催される。“アジアのパーティー”にまつわる工芸や考古遺物を展示東京国立博物館の「博物館でアジアの旅」は、今回で10回目を迎える秋の恒例企画。東洋の美術・工芸・考古遺物が集う「東洋館」を舞台に、テーマに沿った名品を館内随所に展示するイベントだ。2023年は、「アジアのパーティー」がテーマ。雅な人びとの詩会のひとときや音楽の集いを描いた作品、アジア各地の宴に用いられた酒器や祭器など、当時の賑やかな様子が思い起こされるような作品を紹介する。琵琶や太鼓で演奏する人々様々な作品の中でも、楽器で演奏する人々をモチーフにした作品が目を惹く。竪琴や琵琶、太鼓を持って演奏する女性たちを表した中国のやきものの人形《加彩楽人》や、横笛、縦笛、シンバル、太鼓、四絃琵琶などを演奏するくっきりとした目鼻立ちの人々を描いた《衆人奏楽図》などが揃う。宴会に欠かせない酒器宴会に欠かせない道具と言えば、酒を注ぐ酒器や水注。会場では、山羊の頭部やラクダなど、西アジアでは青銅器時代から定番であった野生動物を象った酒器を目にすることができる。また、お酒を入れるのに使われる「仙盞瓶(せんさんぴん)」と呼ばれる中国の水注も展示される。婚礼を祝う刺繍作品さらに、インド北西部からパキスタンに広がるパンジャーブ地方伝統の婚礼ショールで、「花刺繍」を意味するプルカリも展示。代々母から娘へと教えられるという木綿地が見えないほど施された絹の刺繍は、娘の結婚など新たな門出を祝うプレゼントでもあった。このほか、収穫を祝う饗宴図やインドラ神の住む天界で、神々のために舞い歌う美しい水の精霊アプサラスを表したカンボジアにて作られた彫刻などを鑑賞できる。展覧会概要「博物館でアジアの旅 アジアのパーティー」会期:2023年9月26日(火)~10月22日(日)会場:東京国立博物館 東洋館住所:東京都台東区上野公園13-9開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日、10月10日(火)※10月9日(月・祝)は開館観覧料:一般 1,000円/大学生 500円※総合文化展観覧料で観覧可※特別展、有料イベントは別料金※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものを提示※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳など提示※会期・開館日・開館時間・展示作品・展示期間等については、今後の諸事情により変更する場合あり。最新情報は、東京国立博物館ウェブサイト等にて告知【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年07月31日東京国立博物館「博物館でアジアの旅」は、今年、記念すべき10年目を迎える秋の恒例企画です。2023年は9月26日(火)~10月22日(日)に開催します。本企画は、アジアの美術・工芸・考古遺物を展示する「東洋館」を舞台に、毎年独自のテーマを掲げ、それにちなんだ作品を館内随所に展示します。雅な人びとの詩会のひとときや音楽の集いを描いた作品を鑑賞しよう今年のテーマは「アジアのパーティー」です。雅な人びとの詩会のひとときや音楽の集いを描いた作品、アジア各地の宴に用いられた酒器や祭器、婚礼を祝う人びとの思いが込められた刺繍など、アジアのパーティーにまつわるさまざまな作品をご紹介します。小冊子(*1)と「博物館でアジアの旅アジたびマップ2023」(*2)を手に、東洋館で作品たちの饗宴をお楽しみください。*1各ミュージアムショップにて販売予定。*2会期中、東洋館インフォメーションで無料配布予定(数に限りがございます)。当館ウェブサイトからもダウンロードできます。●主な展示作品●※すべて東京国立博物館蔵、通期でご覧いただけます。東洋館の各展示室では、「アジアのパーティー」にまつわる作品のそばに「博物館でアジアの旅アジアのパーティー」の札を添えています。ご観覧の目印としてお役立てください。【東洋館5室】加彩楽人(かさいがくじん)中国唐時代・7~8世紀横河民輔氏寄贈竪琴や琵琶、太鼓を持って演奏する女性たちを表したやきものの人形です。唐時代、死後の世界を豊かに過ごすため、人や動物、生活道具などをかたどったやきものが墓に納められました。【東洋館3室】衆人奏楽図(しゅうじんそうがくず)中国・ベゼクリク石窟第33窟高昌ウイグル期・10~11世紀大谷探検隊将来品ベゼクリク石窟は、『西遊記』でおなじみの火焔山(かえんざん)の麓につくられた石窟寺院で、そこには10世紀にこの地に移り住んだウイグル人独自の仏教美術がみられます。くっきりとした目鼻立ちの人物は、横笛、縦笛、シンバル、太鼓、四絃琵琶などを演奏しています。スピード感あふれる、にぎやかな音楽が聞こえてくるようです。※その他多数の展示あり。詳細は公式サイトをご確認ください。●関連企画●※すべて参加無料(ただし当日の観覧料が必要)、事前申込不要です。▼アジ旅スペシャルトーク「アジアのパーティー」をテーマに、展示作品について研究員による解説を行います。「中国石仏はパーティーの賜物!?」10月3日(火)(1)11:00(2)13:30(各回約30分)講師:児島大輔(日本・東洋彫刻)「パーティーへ行こう!~新羅人のおめかし~」10月17日(火)(1)11:00(2)13:30(各回約30分)講師:玉城真紀子(東洋考古)会場:東洋館地下1階 TNM & TOPPAN ミュージアムシアター定員:各回90名(先着順)※開場は各回15分前です。※同日の解説は各回同じ内容です。▼ボランティアによるガイドツアー「博物館でアジアの旅」にあわせて、東洋館のガイドツアーや、構内のアジアに関連する樹木を紹介するガイドツアーなどを企画しています。詳細は当館ウェブサイトをご確認ください。*その他、オンラインギャラリートークを当館YouTubeチャンネルにて配信予定です。詳細は当館ウェブサイトをご確認ください。●博物館でアジアの旅アジアのパーティー●会期: 2023年9月26日(火)~10月22日(日)会場: 東京国立博物館 東洋館開館時間: 9時30分~17時※入館は閉館の30分前まで休館日: 月曜日、10月10日(火)※10月9日(月・祝)は開館観覧料: 一般 1,000円/大学生 500円※総合文化展観覧料でご覧いただけます。※特別展、有料イベントは別料金。※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。※会期・開館日・開館時間・展示作品・展示期間等については、今後の諸事情により変更する場合がありますので、東京国立博物館ウェブサイト等でご確認ください。お問合せ: 050-5541-8600(ハローダイヤル)(画像はプレスリリースより)【参考】※公式サイト
2023年07月31日国立西洋美術館の常設展示室で、小企画展「美術館の悪(わる)ものたち」が開かれています。本展では、国立西洋美術館が所蔵する膨大なコレクションのなかから、「悪ものたち」が登場する作品を展示。まがまがしい悪魔から、心惹かれる魅力的なキャラクターまで、さまざまな悪党が登場します。このユニークな展覧会を担当された研究員さんに、展示の見どころなどお聞きしてきました!西洋の「悪ものたち」が勢ぞろい!「美術館の悪ものたち」展示風景【女子的アートナビ】vol. 306「美術館の悪(わる)ものたち」では、国立西洋美術館が所蔵するコレクションからセレクトされた作品を49件展示。デューラーやルーベンス、クラーナハ、ドーミエ、ゴヤなど、ルネサンス期から20世紀までの名作版画のほか、油彩画も紹介されています。描かれている「悪もの」は、悪魔や怪物だけではありません。怠惰や大食い、嫉妬、貪欲、淫欲などもキリスト教会では「大罪(悪徳)」とされ、それらを描いた作品も展示。また、「死」をイメージ化した不気味な版画や、悪徳政治家を揶揄した風刺画もあり、多彩な西洋の悪ものたちが勢ぞろいしています。この楽しい展覧会を企画された国立西洋美術館 学芸課長の渡辺晋輔さんに、見どころや版画の楽しみ方をお聞きしてきました。悩みに悩んで「悪ものたち」に…――まず、本展開催の経緯について教えてください。渡辺さん国立西洋美術館の版画素描展示室では、大きい展覧会を開催するたびに、当館の所蔵作品を使った小さい展覧会をしています。今回、企画展示室では学術的なスペイン版画の展覧会をしているので、その裏番組として、この小企画展ではやわらかめのテーマで版画などを出すことにしました。――「美術館の悪ものたち」というタイトルにとても惹かれます。なぜ、「悪もの」をテーマにされたのですか?渡辺さん夏休みの期間とも重なるので、子どもが楽しめるものにしようと思いました。テーマは悩みに悩み、「悪魔と魔女」も考えましたが、それだけで作品を集めるのは難しく、もう少し広めのテーマとして出てきたのが「悪ものたち」でした。「悪い奴ら」にしようかとも思いましたが、最終的には「悪ものたち」となりました。「悪もの」は自由に描ける!――作品には、悪魔や怪物などキャラクターたちがたくさん登場しています。今のように簡単に情報が得られない当時の芸術家たちは、どんな風に個性的なキャラクターを生み出したのでしょうか?渡辺さん当時も、少ないながらも情報は得られました。その役割を果たしたのが版画です。ルネサンス期は、版画により情報の伝達が進み、各地で描かれている変わった怪物などを知ることができました。例えば、ユニークな怪物を描いたヒエロニムス・ボスの版画を見た画家が、それをもとに工夫を重ねて発展させて描いたりしています。また、16世紀はローマ時代の壁画などが発掘され、古代の変わった装飾模様が見つかった時期でもあるので、そのデザインを発達させたという可能性もあります。――西洋文化のなかで「悪ものたち」のイメージが受け継がれ、発展していったのですね。渡辺さん悪いものや醜いものは、「こう描かなければならない」という制約がありません。例えばキリストや聖人は、描き方が厳密に決まっています。また、美しい人の描き方もある程度決まっています。「悪ものたち」はそれらと正反対にあり自由なので、画家たちは創意工夫を発揮しやすく、自分の能力を示すきっかけにもしていました。不倫の濡れ衣を着せられた人妻の絵…スケッジャ(本名ジョヴァンニ・ディ・セル・ジョヴァンニ・グイーディ)《スザンナ伝》15世紀――本展の構成を教えていただけますか?渡辺さん会場では、セクションにわけながら、ルネサンス期から20世紀へと時代が下がるように展示していますが、時代の流れは厳密ではありません。また、本展では、当館コレクションのなかでもかなり良い版画を選んであります。テーマを設けていますが、名品展にもなっていて、基本的にどれを見ても良い作品です。――どれも名品とのことで、そこからセレクトするのは難しいと思いますが、各セクションのおすすめ作品を教えていただけますか?渡辺さん最初のセクション「罪深い人々」では、一番目に展示してあるテンペラ画が見どころです。描かれている「スザンナ伝」は、当時とてもメジャーな話です。旧約聖書に題材をとったもので、長老たちに言い寄られ、不倫の濡れ衣を着せられた人妻スザンナの様子などが描かれています。その長老たちが、典型的な悪人とわかるようになっているので、おもしろい作品です。――この絵は、部屋に飾って楽しむためにつくられたのですか?渡辺さん本作品は、もとは「カッソーネ」と呼ばれる、衣服などを入れる長持ちの前面を飾る装飾パネルでした。これは嫁入り道具です。スザンナは貞節を守った女性なので、花嫁のお手本のようなイメージとして、当時の花嫁道具に好んで描かれました。版画史に残る名品!アルブレヒト・デューラー《騎士と死と悪魔》1513年エングレーヴィング――次のセクション「悪魔と魔女」のおすすめ作品を教えていただけますか?渡辺さんデューラーの《騎士と死と悪魔》は、版画のなかで最高峰作品という位置づけで、版画史に残る重要な作品です。技法も優れていますし、「死」をデューラーが工夫して発展させ、あのような版画に仕上げた点もすばらしいです。右側に、ブタの鼻をもつ悪魔も描かれています。「美術館の悪ものたち」展示風景渡辺さんまた、このセクションでは、版画によってイメージがイタリアからドイツへ、そしてドイツからイタリアに伝わったことがわかる作品も3点展示しています。イタリアのマントヴァで制作されたマンテーニャの版画がドイツに運ばれ、それをデューラーが入手し、あるイメージを引用して「魔女」を描きます。その版画が、今度はローマに流通し、ヴェネツィアーノという画家が魔女の作品を描きました。会場では、パネルで詳しく解説してありますので、そちらもご覧ください。ずっと見ていて飽きないイチオシ版画ジョルジョ・ギージ《人生の寓意》1561年 エングレーヴィング――続いて、「魔物」のセクションについて、見どころを教えてください。渡辺さんギージの作品は、16世紀の版画のなかでは非常に有名で、とても魅力的だと思います。作者の空想がすごく発揮され、画面が謎めいていて、今でも何が描かれているのかよくわからない部分もあります。技術力も高く、細かなところまで描き込まれていて、見ていて飽きませんし、純粋に楽しいです。また、本作品は自分が購入を担当したものでもあり、ぜひ見ていただきたかったという思い入れもあります。――この作品は、大きなパネルにもされて、描かれている「生き物」を探すというクイズも出されていますね。渡辺さん動物や怪物だけでなく、よく見ると、「ラファエロ作」という文字も書いてあります。モチーフをラファエロから引用しているところもあり、いろいろな解釈が盛り込まれています。当館ホームページの作品検索ページでも本作品を拡大して見ることができますので、ゆっくり動物など探してみてください。男の醜さを際立たせた作品ウィレム・ファン・スワーネンブルフ、マールテン・ファン・ヘームスケルク の原画に基づく《『世俗財産の悪用についての寓意』より、男に矢を放とうとする死》1609年エングレーヴィング――「死」のセクションのおすすめ作品も教えてください。渡辺さんスワーネンブルフの作品は、世俗財産の悪用を寓意として表しているところがおもしろい作品です。「死」の訪れで財産が崩れ去り、結局死んでしまえば何も残らないという教訓がこめられています。――このような版画は、当時の人たちは飾って楽しんでいたのですか?渡辺さん版画は、本来は手元に置いて、見て楽しむものです。例えば、16世紀に入ると素描のコレクションをする人たちが出てきますが、これは一点ものでなかなか手に入らないので、その代わりに版画をコレクションしていました。今の切手帳みたいに帳面に版画を貼って、鑑賞するというやり方です。裕福な人の趣味ですが、安い物もありました。フェリシアン・ロップス《ポルノクラテスあるいは豚を連れた女》1881年エッチング、アクアティント――最後のセクション「近代都市の悪ものたち」の見どころを教えてください。渡辺さんロップスの作品はインパクトがあります。裸の女性が目隠しをしてブタを連れて歩いている版画です。「ポルノクラテス」とは「娼婦政治家」のことで、自分の利益しか見ていない政治家を風刺している作品です。近代都市の堕落したところを見せつけているように思います。左:フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス《『ロス・カプリーチョス』より、何たる犠牲か》1799年エッチング、アクアティント(一部掻き落とし)、ドライポイント右:オノレ・ドーミエ《『表情のクロッキー』より、(39)なあ、いいだろう…ご主人様に接吻しておくれ…今すぐに…》1838年リトグラフ渡辺さんゴヤやドーミエが描いた、中年男性が若い女性を口説く作品もおもしろいです。「不釣り合いなカップル」という主題は歴史が長く、ルネサンスのころからあります。年寄りの男性と若い女性、醜い男性と美しい女性など、いろいろなところが対比となっています。醜い男性を描くとき、いかにして醜さを際立たせるかが画家に求められていました。ゴヤもドーミエも、その部分をうまく表現していると思います。深く考えずに楽しんで!――最後に、版画の鑑賞法について教えてください。版画は、木版やエングレーヴィング、エッチングなどさまざまな技法があり、少し難しいイメージがあります。初心者は、どんなふうに見ればよいのでしょうか?渡辺さんあまり深く考えずに見ていいと思います。技法がわからないと作品がわからない、ということではないと思います。見ていると、素描とは違うというのはわかると思いますので、何か違うなという感じを楽しんでいただければ、それで十分だと思います。例えばデューラーの版画は、純粋に画像が醸し出す雰囲気がすごいと思います。風格があり、見ていると圧倒されます。その魅力を、会場で見て感じていただけたらうれしいです。――詳しく解説していただき、ありがとうございました。クビーンのポスターも見てください!渡辺さんのお話、いかがでしたか。モノトーンの版画は、一見すると地味ですが、描かれているテーマやストーリーを知ると、大変おもしろいアートだと思いました。本展は、タイトルもユニークですが、ポスターも非常にインパクトがあります。アルフレート・クビーンという画家が制作した、不敵な笑みを浮かべた骸骨の版画がデザインされているのですが、残念ながら本作品は著作権の関係で、ポスターも含めて写真を掲載できません。クビーンの作品はネットでも話題になっていて、「あの版画のグッズが欲しい」というコメントもちらほら。間違いなく、本展で一番キャラ立ちのスゴい「悪もの」です。会場で、クビーンの版画は最後に登場するので、ぜひ直接美術館でご覧になってみてください。「美術館の悪ものたち」は9月3日まで開催。Information会期:~9月3日(日)休館日:月曜日※8月14日(月)は開館会場:国立西洋美術館新館2階版画素描展示室時間:9:30~17:30※毎週金・土曜日:9:30~20:00※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥500大学生¥250※本展は常設展の観覧券または企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」(7月4日(火)~9月3日(日))観覧当日に限り、同展観覧券でご覧いただけます。
2023年07月30日展覧会「風景論以後」が、東京都写真美術館にて、2023年8月11日(金・祝)から11月5日(日)まで開催される。1970年代前後の日本における風景論とその後風景は、芸術や美と結びつけて語られ、西洋の近代美術の主題となってきた。また、写真や映像においても、カメラのレンズを通して撮影者の視点をうつしだすという意味で、風景は重要な主題であり続けてきた。そして、「風景とは何か」を問う風景論は、社会的な構造や美の捉え方をも語るものであり、不安定な社会状況を背景に登場してきたのだった。実際、1970年前後の日本に現れた風景論は、どこにでもある風景を現実の側から捉えなおそうと試みるものであった。70年代に入り、学生運動の潮流が下火になる一方、全国的に都市化と均質化が進むなか、ありふれた、日常的な風景を国家と資本による権力そのものだとする風景論が、写真や映像メディアと連動して展開されたのだった。このように、写真や映像にうつしだされる風景の背後には、表面的には目に見えない権力の網の目が存在していると捉えられるのだ。展覧会「風景論以後」は、このように1970年前後の日本に登場した風景論を起点として、風景のなかに反映された社会制度や事象にまで光をあてるもの。当時の議論を牽引した映画批評家・松田政男による風景論や、その理論と連動した写真・映像表現を紹介するとともに、現在に至るまでの作品をたどることで、風景論以後の写真と映像の可能性を探ってゆく。現代における風景第1章では、現代における風景に着目。現代では、スマートフォンなどによって誰もが美しい風景を写真や映像に残すことできる一方、ソーシャル・メディアを通して、人びとはあらゆる種類の写真や映像を大量に消費している。このようにイメージが氾濫するなか、風景の背後に存在するものに目を向けることは難しい。会場では、広島平和記念公園とその周辺を継続して撮影し、公園都市としての広島を捉えてきた笹岡啓子などを紹介する。個人に向かう表現1970年代後半を経て、バブル経済の膨張と崩壊が起こる80〜90年代にかけて、写真や映画においては、非商業的で、個人に向かう表現が多数手がけられている。第2章では、70年代頃から写真や映像を用いて、大阪の居住地周辺の日常的な風景を記録するようになった今井祝雄や、ファッション誌の編集者から写真家に転向し、人の気配を残した匿名的な風景を撮影した清野賀子などに光をあてる。風景論誕生の契機本展で着目する風景論が生まれる具体的な契機となったのが、足立正生、佐々木守、松田政男らによる映画『略称・連続射殺魔』だ。同作では、1968年に起こった無差別連続射殺事件の犯人が、生まれてから逮捕されるまでに目にしたであろう風景のみ構成されている。第3章では、この『略称・連続射殺魔』や、風景論を経て独自の実作と理論へと向かった中平卓馬を紹介する。1970年代前後の風景論を再考第4章では、風景論の起源に着目。風景とは、馴染みのある言葉であり、さまざまな文脈や歴史的背景のもとに語られてきたため、風景論として定義することが難しい。1970年前後の日本における風景論は、そのなかでも特異な位置を占めるものの、当事者間の理論的な差異などから、その内容には大きく光があてられてこなかった。会場では、『略称・連続射殺魔』ばかりでなく、大島渚の『東京战争戦後秘話』などの映像作品、アーカイブ写真や印刷物の数々から、風景論の登場当時の議論を再考する。展覧会概要展覧会「風景論以後」会期:2023年8月11日(金・祝)〜11月5日(日)会場:東京都写真美術館 B1F 展示室住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内開館時間:10:00~18:00(木・金曜日は20:00まで)※入館はいずれも閉館30分前まで休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)観覧料:一般 700円(560円)、学生 560円(440円)、中学生・高校生・65歳以上 350円(280円)※( )は有料入場者20名以上の団体、同館の映画鑑賞券提示者、各種カード会員割引料金※小学生以下、都内在住・在学の中学生、障害者手帳の所持者および介護者(2名まで)などは無料※第3水曜日、9月18日(月・祝)は65歳以上無料※8月11日(金)〜31日(木)の木・金曜日17:00〜21:00 は、サマーナイトミュージアム割引(学生および中学・高校生は無料、一般および65歳以上は団体料金)■上映企画・出品作家による上映:崟利子日時:8月26日(土) 10:00 / 13:00 / 15:30 / 18:00・出品作家による上映:遠藤麻衣子日時:8月27日(日) 13:00 / 15:00 / 17:00・風景論をめぐる映画特集:平沢剛(キュレーター、本展企画協力)日時:8月24日(木) 18:00、10月6日(金) 18:00、10月7日(土) 10:00 / 13:00 / 15:00 / 18:00、10月8日(日) 13:00 / 15:00 / 18:00、10月9日(月・祝) 15:00 / 18:00、10月12日(木) 18:00、10月13日(金) 18:00料金:いずれも 当日券(1プログラムにつき) 500円※全席指定、各回定員(190名)入替制※鑑賞当日10:00より当日上映回すべての受付を開始※上映作品については美術館ホームページを参照【問い合わせ先】東京都写真美術館TEL:03-3280-0099(代表)
2023年07月29日東京国立博物館「博物館でアジアの旅」は、今年、記念すべき10年目を迎える秋の恒例企画です。2023年は9月26日(火)~10月22日(日)に開催します。本企画は、アジアの美術・工芸・考古遺物を展示する「東洋館」を舞台に、毎年独自のテーマを掲げ、それにちなんだ作品を館内随所に展示します。今年のテーマは「アジアのパーティー」です。雅な人びとの詩会のひとときや音楽の集いを描いた作品、アジア各地の宴に用いられた酒器や祭器、婚礼を祝う人びとの思いが込められた刺繍など、アジアのパーティーにまつわるさまざまな作品をご紹介します。小冊子(*1)と「博物館でアジアの旅 アジたびマップ2023」(*2)を手に、東洋館で作品たちの饗宴をお楽しみください。キービジュアル*1 各ミュージアムショップにて販売予定。*2 会期中、東洋館インフォメーションで無料配布予定(数に限りがございます)。当館ウェブサイトからもダウンロードできます。●主な展示作品● ※すべて東京国立博物館蔵、通期でご覧いただけます。東洋館の各展示室では、「アジアのパーティー」にまつわる作品のそばに「博物館でアジアの旅 アジアのパーティー」の札を添えています。ご観覧の目印としてお役立てください。加彩楽人【東洋館5室】加彩楽人(かさいがくじん)中国 唐時代・7~8世紀 横河民輔氏寄贈竪琴や琵琶、太鼓を持って演奏する女性たちを表したやきものの人形です。唐時代、死後の世界を豊かに過ごすため、人や動物、生活道具などをかたどったやきものが墓に納められました。衆人奏楽図【東洋館3室】衆人奏楽図(しゅうじんそうがくず)中国・ベゼクリク石窟第33窟高昌ウイグル期・10~11世紀 大谷探検隊将来品ベゼクリク石窟は、『西遊記』でおなじみの火焔山(かえんざん)の麓につくられた石窟寺院で、そこには10世紀にこの地に移り住んだウイグル人独自の仏教美術がみられます。くっきりとした目鼻立ちの人物は、横笛、縦笛、シンバル、太鼓、四絃琵琶などを演奏しています。スピード感あふれる、にぎやかな音楽が聞こえてくるようです。舎利容器【東洋館3室】舎利容器(しゃりようき)中国・伝スバシ 6~7世紀 大谷探検隊将来品本作品は、中国の西北部に位置する新疆(しんきょう)ウイグル自治区クチャにあった、スバシ遺跡とよばれる寺院遺跡から出土したと伝えられています。蓋には楽器を演奏する天人、身の側面には仮面舞踏や楽団が描かれており、いずれも当時のクチャ地方の芸能文化を知る手掛かりとなっています。山羊頭形リュトン【東洋館3室】山羊頭形リュトン(やぎがしらがたりゅとん)イラン、ギーラーン地方アケメネス朝時代・前6~前5世紀動物形リュトン【東洋館3室】動物形リュトン(どうぶつがたりゅとん)イラン パルティア時代・前3~後3世紀山内信和氏寄贈リュトンとは、宴席には欠かせない、お酒を入れる酒器のことです。野生動物をかたどった酒器は西アジアでは青銅器時代から定番でした。山羊頭形リュトン(上)は顎(あご)の下に、動物形リュトン(下)は両前足の先端に、それぞれ小さな孔(あな)があり、ワインなどの液体を注ぎ出す機能が備わっています。重要美術品 五彩金襴手水注【東洋館5室】重要美術品 五彩金襴手水注(ごさいきんらんですいちゅう)中国・景徳鎮窯 明時代・16世紀坂本五郎氏寄贈お酒を入れるのに使われる「仙盞瓶(せんさんぴん)」とよばれるこの水注は、イスラームの金属器の影響を受けた形と考えられています。華やかな金彩による絵付けは高価な金襴にたとえられ、16~17世紀の日本でも戦国大名や豪商に珍重されました。詩会風俗図軸【東洋館10室】詩会風俗図軸(しかいふうぞくずじく)李尚権筆 朝鮮 朝鮮時代・18~19世紀小倉コレクション保存会寄贈のどかな田園での文人たちのパーティーです。村の老若男女が興味津々で見物しています。プルカリ(覆い布) 茶木綿地波形幾何文様刺繍【東洋館13室】プルカリ(覆い布) 茶木綿地波形幾何文様刺繍(ぷるかり おおいぬの ちゃもめんじなみがたきかもんようししゅう)インド・パンジャーブ 19~20世紀岩佐静子氏寄贈プルカリとは「花刺繍」を意味する、インド北西部からパキスタンに広がるパンジャーブ地方伝統の婚礼ショールです。木綿地が見えないほど施された絹の刺繍は、代々母から娘へ教えられます。新たな門出を祝うプレゼントです。白地花唐草人物文様更紗【東洋館13室】白地花唐草人物文様更紗(しろじはなからくさじんぶつもんようさらさ)インド北西部 19世紀イスラーム教の叙事詩『ユースフとズライハ』より、宴の場面を表した更紗です。エジプト王の高官の妻・ズライハの願いを聞き入れ、預言者・ユースフ(上段左から2番目の人物)が水差しを持って現れます。ユースフの美しさに女性たちは目を奪われ、オレンジの皮を剥(む)くはずのナイフで誤って手を切ってしまいます。浮彫アプサラス像【東洋館11室】浮彫アプサラス像(うきぼりあぷさらすぞう)カンボジア、バイヨン アンコール時代・12~13世紀フランス極東学院交換品アンコール都城の中心、バイヨン寺院を荘厳していた天女アプサラスの彫刻です。インド神話にみられる水の精霊アプサラスは、やがてインドラ神の住む天界で神々のために舞い歌う美しい天女としての性格を帯びていきました。アンコール時代の寺院には、独特の舞姿のアプサラスの彫刻が多くみられます。葡萄収獲【東洋館3室】葡萄収獲(ぶどうしゅうかく)パキスタン・ガンダーラ クシャーン朝・2世紀酔っぱらって支えられているのは豊穣と葡萄酒の神、ディオニューソスで、収穫を祝う饗宴図の浮彫です。ガンダーラの仏教寺院には、一見、仏教に関連しているとは思えない享楽的な情景を表現した彫刻がみられます。仏教徒に死後の世界、来世の楽しさをわかりやすく示す目的で表されました。●関連企画●※すべて参加無料(ただし当日の観覧料が必要)、事前申込不要です。▼アジ旅スペシャルトーク「アジアのパーティー」をテーマに、展示作品について研究員による解説を行います。「中国石仏はパーティーの賜物!?」10月3日(火) (1)11:00 (2)13:30(各回約30分)講師:児島大輔(日本・東洋彫刻)「パーティーへ行こう!~新羅人のおめかし~」10月17日(火) (1)11:00 (2)13:30(各回約30分)講師:玉城真紀子(東洋考古)会場:東洋館地下1階 TNM & TOPPAN ミュージアムシアター定員:各回90名(先着順)※開場は各回15分前です。※同日の解説は各回同じ内容です。▼ボランティアによるガイドツアー「博物館でアジアの旅」にあわせて、東洋館のガイドツアーや、構内のアジアに関連する樹木を紹介するガイドツアーなどを企画しています。詳細は当館ウェブサイトをご確認ください。*その他、オンラインギャラリートークを当館YouTubeチャンネルにて配信予定です。詳細は当館ウェブサイトをご確認ください。●博物館でアジアの旅 アジアのパーティー●会期 : 2023年9月26日(火)~10月22日(日)会場 : 東京国立博物館 東洋館開館時間 : 9時30分~17時 ※入館は閉館の30分前まで休館日 : 月曜日、10月10日(火) ※10月9日(月・祝)は開館観覧料 : 一般 1,000円/大学生 500円※総合文化展観覧料でご覧いただけます。※特別展、有料イベントは別料金。※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。※会期・開館日・開館時間・展示作品・展示期間等については、今後の諸事情により変更する場合がありますので、東京国立博物館ウェブサイト等でご確認ください。お問合せ : 050-5541-8600(ハローダイヤル)ウェブサイト: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月27日イギリスを代表する美術館、テート美術館のコレクションから「光」をテーマにした作品を紹介する展覧会『テート美術館展光― ターナー、印象派から現代へ』が、7月12日(水)に国立新美術館にて開幕、好評を博している。18世紀末から現代までの約120点の作品がならぶ展覧会は10月2日(月) まで開催される。テートは、英国政府が所有する美術コレクションを収蔵、管理する組織で、ロンドンのテート・ブリテンとテート・モダン、テート・リバプール、テート・セント・アイブスの4つの国立美術館で構成されている。この展覧会はそのテートが誇る約7万7000点のコレクションのなかから「光」をテーマに約120点をセレクトし紹介する国際巡回展。2021年、上海の美術館を皮切りにソウル、メルボルン、オークランドを巡回し、日本が最終会場となる。展覧会は7章で構成され、それぞれテーマに沿った作品が展示される。第1章「精神的で崇高な光」は、光と闇をもって宗教的主題や精神世界の表現を追求した作品が並ぶ。詩人であり画家であったウィリアム・ブレイクの《アダムを裁く神》では、神の背後に後光が描きこまれているが、これは威厳や権威を表現したもの。ジョン・マーティンの《ポンペイとヘルクラネウムの崩壊》では、イタリアのヴェスヴィオ火山の噴火と逃げまとう人々を光と闇を用いてドラマティックに描き出した。また、バーン=ジョーンズの《愛と巡礼者》では、天使のような人物が黒い服をまとった巡礼者を誘導する場面で光と闇を対比的に用いている。ウィリアム・ブレイク《アダムを裁く神》1795年ジョン・マーティン《ポンペイとヘルクラネウムの崩壊》1822年~2011年修復エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ《愛と巡礼者》1896~97年第2章「自然の光」は、自然のなかにある光をありのままに捉えようとした画家たちの動きを追う。ジョン・ブレット《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》は、雲の間を抜け、海に光を落とすやわらかい光を描いている。ターナーやコンスタブルなどイギリスを代表する画家や、モネやシスレーなど印象派の画家たちの作品もならぶ展示室中央には草間彌生による鏡の作品《去ってゆく冬》が据えられており、周囲の作品や人物、そして光を映し出す印象的な空間になっている。ジョン・ブレット《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》1871年中央:草間彌生《去ってゆく冬》2005年第3章「室内の光」は、室内の光を捉えようとした画家の作品に焦点を当てる。デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイは、自宅の一室を何度となく描き続けた。第4章「光の効果」では、科学的なアプローチなどを用いて光と対峙した絵画、インスタレーション、写真などを取り上げている。左:ヴィルヘルム・ハマスホイ《室内》1899年、右:ヴィルヘルム・ハマスホイ《室内、床に映る陽光》1906年第5章の「色と光」は、色と光の関係を探求した作品を紹介する。光を探求し、さまざまな切り口の作品を制作するゲルハルト・リヒターの《アブストラクト・ペインティング(726)》は、なにかが描かれていた画面から絵具がスキージ(へら)で削り取られ、その結果抽象的な作品へと変化した作品。先に描かれていたと思われる絵はぼんやりとした形で残されていて、光に包まれているようにも見える。ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング(726)》1990年アメリカ人作家、ベー・ホワイトによる《ぶら下がったかけら》は、482本の糸と色とりどりの紙片で構成された作品だ。ペー・ホワイト《ぶら下がったかけら》2004年第6章「光の再構成」は、人工の光を素材とするアーティストに着目する。デイヴィッド・バチェラーの《ブリック・レーンのスペクトル 2》は夜の都市のような光を作り出し、オラファー・エリアソンは《黄色vs紫》で、特殊なフィルターが貼られた黄色いディスクに光を当てるインスタレーションを展開している。プロジェクターから投射された光は、ディスクを通して、2種類の色を壁に映し出されている。左:デイヴィッド・バチェラー《ブリック・レーンのスペクトル 2》2007年、右:デイヴィッド・バチェラー《私が愛するキングス・クロス駅、私を愛するキングス・クロス駅 8》2002〜07年オラファー・エリアソン《黄色vs紫》2003年そして最終章となる第7章「広大な光」では、光をよりダイナミックに扱う作家の作品を紹介する。ジェームズ・タレルの巨大なインスタレーションや、四方に光を投げかけながら回転するオラファー・エリアソンの《星くずの素粒子》などは、時間を忘れて見つめてしまうはずだ。オラファー・エリアソン《星くずの素粒子》2014年単なる名品展にとどまらず、18世紀の絵画作品から現代アートまで幅広い作品を通して「光」について考えることができる非常に刺激的で新しい発見に富んだ展覧会。夏休みにぜひ訪れたい展覧会だ。取材・文:浦島茂世<開催情報>『テート美術館展光— ターナー、印象派から現代へ』2023年7月12日(水)〜10月2日(月)、国立新美術館にて開催
2023年07月26日小企画展「美術館の悪ものたち」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2023年9月3日(日)まで開催される。国立西洋美術館に潜む「悪ものたち」に着目国立西洋美術館が所蔵する作品には、多くの「悪ものたち」が登場する。お金に目がくらむ若者、若い女性にうつつを抜かし、あるいは嫉妬する老人、盗人たち。ひいては悪魔や魔女といった悪を象徴する存在やその手下たち、死の象徴でもある憎々しい骸骨などがその例である。小企画展「美術館の悪ものたち」は、国立西洋美術館が所蔵する作品に見られる「悪ものたち」に着目した展覧会。15世紀から20世紀初頭にかけての所蔵版画作品を中心に紹介する。画面の中に描かれた個性的で、時にコミカルな姿で表される悪ものたちの姿を通じて、芸術家の豊かな空想力を感じることができる。会場では、「罪深い人々」「悪魔と魔女」「魔物」「死」「近代都市の悪ものたち」に分けて版画数十点、絵画数点を展示。特にマルカントニオ・ライモンディやアルブレヒト・デューラーが描いた各ジャンルの「悪ものたち」の作品を鑑賞できる。悪に対するかつての西洋の価値観を垣間見るはるか昔に描かれた「悪」や「正しくないこと」は、現代の価値観とマッチするものもあれば、理解に苦しむものもある。たとえば殺人や嫉妬は「悪」であり「正しくないこと」であるのに対し、大食いが罪とされるのには違和感を覚えるように、善悪の線引きは、古来より変わらないものもあれば、時代や地域、社会によって異なるのである。18世紀末期以降に脱宗教化・世俗化が進むと、「悪」を客観的に捉え社会批判を含んだ絵画なども多く描かれるようになる。「近代都市の悪ものたち」の章では、フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテスやオノレ・ドーミエらによる作品も展示される。本展は、「悪」に対する西洋の価値観の一端にも触れることができる展覧会となっている。展覧会概要小企画展「美術館の悪ものたち」会期:2023年6月27日(火)~9月3日(日)会場:国立西洋美術館 新館2階 版画素描展示室住所:東京都台東区上野公園7-7開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日※ただし8月14日(月)は開館観覧料:一般 500円(400円)、大学生 250円(200円)※( )内は20名以上の団体料金(オンラインにて要事前予約)※高校生以下および18歳未満、65歳以上は無料(入館時に学生証または年齢の確認できるものを提示)※心身障害者および付添者1名は無料(入館時に障害者手帳を提示)※7月9日(日)、8月13日(日)、9月3日(日)(Kawasaki Free Sunday)は本展および常設展は観覧無料※8月26日(土)(にぎやかサタデー)は本展、常設展および企画展は観覧無料※本展は常設展の観覧券または企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」(7月4日(火)~9月3日(日))観覧当日に限り、同展観覧券で観覧可【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年07月24日ドキュメンタリー映画『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』が7月15日(土) に公開される。ル・コルビュジエの建築作品として世界文化遺産に登録され、東アジア最大級の西洋美術コレクションを誇る国立西洋美術館の2020年10月から1年半をかけて行った整備工事にカメラが潜入し、ふだん見られない所蔵品の数々、スタッフの活動など、貴重なミュージアムの内部を収めた。特別展を見ているだけではわからなかった、美術館の本当の姿が見えてくる。『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』ふた月に1度くらい、上野の美術展に行く。その程度の美術ファンだ。上野の森でもちょっと奥まった東京都美術館や東京国立博物館に行く道すがら、国立西洋美術館の広い前庭が目に入る。その前庭もコルビュジエの設計なのだが、本館までの動線や樹々の配置などがその後の増設工事を経て少しずつ変えられていた。それを創建当時の姿に戻すことが整備の主要目的。前庭のどこをどう通って行くか、入場者にそれがどう見えるか、コルビュジエのコンセプトを正確に後世に伝えるためだ。リニューアル後の国立西洋美術館整備工事は、庭に展示されているロダンの「考える人」「カレーの市民」、ブールデルの「弓をひくヘラクレス」を一時避難させることから始まる。普通には気付かないが、実は、この前庭の地下は特別展用のスペースと収蔵庫になっていて、その天井の防水工事や、美術品を別の場所に移す作業も必要だ。養生、といっても対象が美術品、大事に、大事に扱われる。「考える人」は、包帯のような布にぐるぐる巻きにされ、大けがをして痛がっている人のようだ。そもそも、国立西洋美術館の所蔵品の基礎となったのは、大正から昭和にかけて、造船業で財を成し、稀代の美術コレクターとなった松方幸次郎の「松方コレクション」。戦後、フランス政府に差し押さえられていた400点が返された。その返還の条件に、収容する美術館を建設すること、という項目が入っており、日本政府はフランスの建築家ル・コルビュジエに設計を依頼した。完成し、開館したのは1959年だ。この映画は独特なスタイルで作られている。冒頭に簡単な美術館ができた上記のようないきさつと、途中に松方コレクションの紹介が文字で入るものの、説明的なナレーションはなく、最低限な字幕と、美術館スタッフと企画展の外部協力者へのインタビュー、取材映像で綴られる。そして、ここまでよく許可したなと思わせる丁寧な取材。美術館といえば、特別展を行う場所と考えてしまうが、実は美術品の収集、維持管理と、その所蔵品の展示、貸し出しも重要な仕事。6000点に及ぶ所蔵品の管理、修復の現場だけでなく、海外や地方美術館での巡回展など、多岐にわたる活動を追っていく。学芸員が集まり日常的な業務報告をする会議や、購入作品を検討する委員会、常設展の企画ミーティングまで、美術館のバックヤードともいえる場所へ、カメラはどんどん入っていく。国立西洋美術館は職員21人と研究員が勤務している。取材期間中に馬渕明子館長が退官し、現在の田中正之館長にバトンタッチしたが、そのふたりの館長を始め、ほとんど全員といってもいいスタッフが、インタビューに答えている。今の仕事の内容だけでなく、個人的になぜ、この道を目指したかも、自分の言葉で話す。ここが魅力といってもいいところ。少年の頃、この映画を観たら、美術館スタッフを志したかもしれないと思えるほどだ。証言からは、国立美術館が抱える課題も浮かび上がってくる。例えば、新聞やテレビなどのマスコミの力なくしては成り立たない特別展の構造。社会における美術館のあり方もテーマのひとつ。一方で、東アジアで随一の所蔵品数を誇る国立西洋美術館はインバウンド観光客から注目されている。世界遺産登録はその大きな“観光資源”である。こういった新しいニーズに対応するためのマンパワーも必要になってくるのだろう。監督は、NHKで『新・シルクロード』『世界遺産1万年の叙事詩』などを担当したプロデューサー、ディレクターの大墻敦(おおがきあつし)。劇場用ドキュメンタリーは『春画と日本人』『スズさん 昭和の家事と家族の物語』に続き、本作が3作目。フレデリック・ワイズマン監督の『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』のような映画を国立西洋美術館でつくれないかと企画し、実現させた。馬渕明子前館長は、退任の挨拶で「国立西洋美術館は誰のものか。それは国民のものです」と明快に話す。映画のタイトルは、そういう意味も込めたものと思う。気に入った特別展だけでなく、気軽に常設展を覗いてみよう、映画を観終わってそんな気持になった。コルビュジエの世界遺産もしみじみ堪能しなくちゃ。文=坂口英明(ぴあ編集部)【ぴあ水先案内から】村山匡一郎(映画評論家)「……これまでもわが国の美術館を紹介する文化映画はあったが、美術館の全貌に迫るドキュメンタリーとしては意義深い。」村山匡一郎さんの水先案内をもっと見る()(C)大墻敦
2023年07月10日特別展「イロのひみつ-なにいろに見る?」が、徳島県立近代美術館にて、2023年7月15日(土)から9月3日(日)まで開催される。美術作品の色に注目特別展「イロのひみつ-なにいろに見る?」は、人々の心を動かす色の働きをヒントに、美術鑑賞を楽しむ展覧会だ。会場では、多様な色覚の感じ方があることを重視し、充実した解説文などを設置。作品の良さや感じ方について、議論しやすい展示会場のアイデアを提案する、大人も子どもも楽しめる交流型の展覧会となっている。また、風景・心の色・遊びの3つのコーナーを設けて作品を紹介。展示する作品は、生涯を通じて色と形による造形的な探究を続けたアンリ・マティスによる版画集『ジャズ』より《空中ブランコ》や、河井清一《夏の朝》など。このほか、徳島県立近代美術館が所蔵する作品約120点を展示予定だ。展覧会概要特別展「イロのひみつ-なにいろに見る?」会期:2023年7月15日(土)~9月3日(日)会場:徳島県立近代美術館 展示室3住所:徳島県徳島市八万町向寺山 文化の森総合公園内開館時間:9:30~17:00休館日:月曜日(7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館)、7月18日(火)観覧料:一般 400円(320円)、高・大生 300円(240円)、小・中生 200円(160円)※( )内は20名以上の団体料金※65歳以上で年齢を証明できるものを提示した場合、観覧料半額※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の提示者とその介助者1名は観覧料無料※小・中・高生は土・日・祝日および夏休み期間は無料※本展の観覧料で所蔵作品展も観覧可【問い合わせ先】徳島県立近代美術館TEL:088-668-1088
2023年07月08日女優でアートナビゲーターの西条美咲氏が提起。日本で最も歴史のある東京国立博物館が「国宝を守る予算が足りない」と文藝春秋に緊急寄稿したことが話題に。常設展の入場料で私たちの国宝を守ることができるのか?SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするICTスタートアップのPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)は2023年7月6日、新イシュー「【このままでは国宝を守れない】国立博物館の常設展の料金はどうあるべきか?」についてSurfvoteで意見投票を開始しました。 最も歴史のある博物館が予算確保の危機に世界の国々と比較すると、日本の文化予算(文化芸術の海外発信や文化財保護などに使われる予算)はとても低いと言われています。具体的には、2023年度は1077億円で、2022年度に比べ1億円(0.1パーセント)の増額、この10年間の増加率は14%であるのに対し、韓国は日本の約3倍の予算額、同じ期間で129%の増加となっています。これに警笛を鳴らすのがSurfvoteオーサーの西条美咲さんです。西条さんは、女優としても活躍しながら美術検定1級を持っており、プライベートでも年間100以上の展示会に足を運ぶアートナビゲーターです。日本で最も歴史のある東京国立博物館が、予算確保の困難から文化財購入・修理費などの予算の一部をカット。この状況から西条さんは、予算確保の1つとして、私たちの国宝を守るために、博物館の入場料がどうあるべきなのか?ユーザーに問いかけています。Surfvoteでは9月30日までこのイシュー(課題)について投票を募集しています。問題提起いただいたオーサー 西条美咲氏京都府出身同志社女子大学卒業。 美術検定1級。アートナビゲーター。 年間100以上の展示会に足を運ぶ美術好き。趣味で油絵を描き、世界絵画大賞に入選。 女優としては、谷崎潤一郎原作「白日夢」で映画デビュー。上海万博日本館オープニングで手妻とコラボで日本人形役を演じる。自身がプロデュースして人形になった写真集「人形鏡」「DOLL BRIDE」がある。 他、多数の舞台で主演を務める。Surfvoteとは?当社が提供するSNS「Surfvote」は社会にあるさまざまな課題を問題提起し、それについて誰もが簡単に意見を投票できるサービスです。Surfvoteでは「イシュー」と呼ばれる各テーマ(課題)に対して複数の選択肢から自分の意見を投票できます。また他のユーザーのコメントを見たり、評価(いいね)したりすることもできます。イシューは当社編集部だけでなく大学の先生やさまざまな分野の専門家にも執筆のご協力をいただき発行しています。投票結果はイシューの内容に応じて、適宜関係省庁や政治家へ提出し報告を行なっています。各イシューで投票・コメントしていただいた1人1人の意見を大切に扱い、社会を前進させるために寄与したいと考えています。 Polimill株式会社Polimill株式会社は目的特化型SNS【Surfvote】を運営・提供するICTスタートアップ企業です。Surfvoteは社会課題に特化し、ユーザーがあらゆるテーマについて自分の意見を投票できるだけでなく、他のユーザーの意見を傾聴できるサービスです。地方公共団体版のSurfvoteも拡充中で自治体と連携し住民による住みやすい街づくりを促進します。あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年07月07日女優の白石麻衣が、10月28日から東京・国立科学博物館で開催される特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」の音声ガイドナビゲーターを担当する。今回の「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」展で音声ガイドナビゲーターに初挑戦する白石。日頃からInstagramやYouTubeチャンネルで自身がつくった料理の写真や動画をあげるほか、コラボカフェのメニュー開発に携わるなど、料理に慣れ親しんでいる。音声ガイドでは、同展の監修者による展示解説や、和食クイズなどを交えながら、白石が「和食」の世界を楽しく案内していく。同展は、2024年2月25日(月曜休館)まで開催される。コメントは以下の通り。■白石麻衣特別展「和食」の音声ガイドナビゲーターを務めさせていただきます、白石麻衣です。小さい頃から和食が大好きで、今も和食のご飯を作って食べる事が癒しの時間です。和食はたくさんの人に愛され、これからも愛され続けていくと思っています。様々な食材や和食の歴史、和食ってどこまでのことを言うんだろう? とまだまだ知らないことがたくさん。私たちのまだ見たことのない和食の魅力が、この展覧会でたくさん発見できると思います。周り終わった時には「お腹空いた~!」と、幸せな気持ちになってもらえるよう、精一杯努めさせていただきます。
2023年07月06日国立西洋美術館の常設展・企画展が1日観覧料無料となるイベント「にぎやかサタデー」が、8月26日(土) に開催されることが決定した。本イベントは、「美術館では静かにしなくてはいけないから緊張する」「小さな子ども連れだとなかなか展覧会には行きづらい」といった人にも、おしゃべりしながら気兼ねなく美術館での作品鑑賞を楽しんでほしいという想いから行われる。当日は、キッズスペースや授乳室も設置し、年齢を問わず作品鑑賞を楽しめる企画が用意される。モネの「睡蓮」やロダンの「考える人」を展示している常設展では「この絵をさがしに行こう!」企画を実施。ひとり1枚配られるポストカードには、作品の一部分を切り取った写真が添付されており、ゲーム感覚でアート鑑賞を楽しむことができる。また、企画展では『スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた』が開催中で、鑑賞体験をより深めるための問いかけや、作品解説を掲載した小冊子が配布される。企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」小冊子<開催情報>「にぎやかサタデー」8月26日(土) 国立西洋美術館(常設展/企画展)開館時間:9:30~20:00料金:無料(但し、ショップや「CAFE すいれん」をご利用の場合は別途料金がかかります)詳細はこちら:
2023年06月23日東京都写真美術館では、展覧会「TOPコレクション何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」を、2023年7月19日(水)から10月15日(日)まで開催する。「覗き見る」ことに着目した作品を紹介「TOPコレクション」展は、東京都写真美術館の収蔵作品を多様な視点から紹介する展覧会。今回は、「覗き見る」ことをテーマに、「覗き見る」ことを可能にした装置と、それによって生み出されたイメージ、さらには「覗き見る」ことからイマジネーションを広げた作家たちの多様な表現を紹介する。ファインダーを覗き込み、写真や映像を撮影するカメラは、まさに「覗き見る」装置だ。18~19世紀のヨーロッパでは、カメラの原型となったカメラ・オブスクラの構造を利用し、箱の中の景色を楽しむピープショーが流行した。また日本においても、江戸時代に「のぞきからくり」や「覗き眼鏡」が流行する。このほか、顕微鏡や望遠鏡などの科学的な装置、ステレオスコープのような立体視のための装置、動く絵を生み出す装置など、覗き見る装置のバリエーションは多岐にわたる。第1章から第4章では、それら歴史的収集品を展覧する。会場では、当時の貴重な装置を実際に体験できるレプリカを交えながら展示するほか、それらの装置で使用されていた絵や写真も多数紹介することで、各時代の社会や文化、歴史にも触れることのできる展覧会となっている。受け継がれる「覗き見る」まなざし電子機器の発展により液晶モニターやディスプレイを見ながら撮影をすることが増え、「覗き見る」行為は減ったかのように思える現代においても、「覗き見る」まなざしの系譜は受け継がれている。現代では、ひとり1台カメラ付きのスマートフォンを持ち、気軽にカメラをお互いに向けあうことでき、「覗き見る」ことで受ける恩恵と、意図せず覗き見られる対象となる危うさが共存する。第5章では、「覗き見る」行為のあり方を奈良原一高、オノデラユキ、出光真子、伊藤隆介の4名の現代作家たちの作品を通して考えることができる。展覧会概要「TOPコレクション 何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」会期:2023年7月19日(水)~10月15日(日)会場:東京都写真美術館 3F 展示室住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)※入館は閉館30分前まで休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌平日)観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中学生・高校生・65歳以上 350円※小学生以下、都内在住・在学の中学生、障がい者手帳の所持者および介護者(2名まで)は無料■出品点数267点(予定)※会期中に1回展示替えあり■出品予定作家ウィリアム・ベンジャミン・カーペンター、ロール・アルバン=ギヨー、エドワード・マイブリッジ、エティエンヌ=ジュール・マレー、ハロルド・ユージン・エジャートン、奈良原一高、オノデラユキ、出光真子、伊藤隆介【問い合わせ先】東京都写真美術館TEL:03-3280-0099
2023年06月22日大阪の国立国際美術館にて、特別展「ホーム・スイート・ホーム」が開催される。会期は、2023年6月24日(土)から9月10日(日)まで。“ホーム”をキーワードにした現代美術日本国内外の現代美術作家たちが参加する今回の「ホーム・スイート・ホーム」展。“ホーム”というキーワードのもと、作品を通じて、私たちにとっての「ホーム」――家、国そして家族とは何か、私たちが所属する地域、社会の変容、普遍性を浮かび上がらせることを試みる。本展に出品する作家の一人である鎌田友介は、日本のみならず、韓国や台湾、ブラジルなどに建てられた20世紀の日本家屋をリサーチ。忘れ去られようとする現代日本の歴史を再構築する『The House』シリーズが展示される。ジョージア出身のアンドロ・ウェクアが贈る《Levan Portrait》。自身の実体験を踏まえながら、独特な色調で描いた絵画だ。そのほか、フィリピンで生まれたマリア・ファーラの絵画《テラスのある部屋》や、潘逸舟が段ボールを使って構成したサウンドインスタレーション《ほうれん草たちが日本語で夢を見た日》などが展示される。【詳細】「ホーム・スイート・ホーム」会期:2023年6月24日(土)~9月10日(日)時間:10:00~17:00 ※金・土曜日は20:00まで。休館日:月曜日(7月17日は開館)、7月18日(火)場所:国立国際美術館 地下3階展示室住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55料金:〇通常一般 1,300円/大学生 800円/高校生以下・18歳未満 無料〇団体一般 1,100円/大学生 500円/高校生以下・18歳未満 無料■出品作家アンドロ・ウェクア、マリア・ファーラ、鎌田友介、石原海、竹村京、潘逸舟※入場は、閉館の30分前まで。※20名以上で団体料金を適用。※画像の無断転載禁止。【問い合わせ先】国立国際美術館TEL:06-6447-4680(代表)
2023年06月22日