2024年8月7日(水) から11日(日・祝) に東京・新宿シアタートップスで上演される劇団アンパサンドの新作公演のタイトルが『歩かなくても棒に当たる』に決定。併せて公演詳細が発表された。劇団アンパサンドは、本作の作・演出を務める安藤奎が2016年に立ち上げた劇団。2023年三鷹市芸術文化センターで上演した『地上の骨』が総動員数約1,100名、満員御礼で話題となり、第68回岸田國士戯曲賞最終候補に選出された。また主宰の安藤は、コント演出や執筆活動など演劇外での活動でも注目を集めている。出演者には、今回劇団アンパサンド公演に初出演となる川上友里、これまでのアンパサンド作品で安藤の作る特異な喜劇の世界をともに立ち上げてきた永井若葉、安藤輪子、西出結に加え、新たな出演者として2024年3月の安藤作・演出の南海キャンディーズLIVE内舞台『人吸い』での怪演も話題となった鄭亜美が名を連ねた。さらに、大人計画の松尾スズキ、城山羊の会の山内ケンジから推薦コメントが到着した。■松尾スズキ(大人計画)コメントアンパサンドがいい。と、知人が言うので、三鷹の駅からけっこう歩いて小さな劇場に観に行った。しょうもない。しょうもないことをとにかく真剣にやっておる。それがおもしろいと思った。そしてしつこい。しょうもないことを真剣にしつこくやる。これを下手な役者がやったら大変なことになるのだが、アンパサンドのドラマツルギー?を、会得した上手な俳優がやるので、どんどんそのしつこさがほしくなる。そのうちこの芝居に出ている俳優が、うらやましくなった。自分には、このしつこさの世界に身を投げ出す体力が、もう、まるでないからだ。そういう意味では、アンパサンドは、わたしにとってある種の青春なのかもしれない。その日のうちに宮藤に連絡した。宮藤もそっこう観に行った。自転車で。「すごいっすね」とのことだった。きっと宮藤だってなんらかの青春をそこに感じたに違いない。しょうもなくて真剣でしつこくて、なんだか、甘酸っぱいのだ。■山内ケンジ(城山羊の会)コメント最初は、分かる人にだけわかればいいのです、こっそり好きなことをやってますんでよろしかったらどうぞみたいな人かと思っていたのだが、毎回観る度にやりたいことが鮮明になってゆき、これでいいんだ、私はこれなんだ、見て、今見て、なんか文句ある?文句あっても私はこれだから!と謳い上げ、まるで全ての保守性を批判しているかのような日本演劇界随⼀のダダイスト安藤奎である。既に多くのファンがいるのだが、あなたは先日の『人吸い』を見たか?本多劇場で1回だけやった中編を。オレは観た。素晴らしかった。以前やっていた客席40席の劇場と全く変わらないクオリティでしかも、その本多劇場にはお笑い目当てのアンパサンドを全く知らない客層ばかりだったのだがこれが大ウケ。不条理劇だとかコントだとか演技の温度が高いとか低いとかメジャーとかマイナーとかあらゆることを軽々と超越し呑み込んでしまう安藤奎。今回はついに川上友里の登場で期待が更に膨らむばかりだが、安藤奎はそういう期待すらもへららと呑み込んでやりたいことだけをやるのだ!<公演情報>劇団アンパサンド『歩かなくても棒に当たる』作・演出:安藤奎出演:川上友里、安藤輪子、西出結、安藤奎、鄭亜美、永井若葉日時:2024年8月7日(水)〜11日(日・祝)会場:東京・新宿シアタートップス劇団アンパサンド 公式サイト:
2024年05月21日タレント・俳優の松尾貴史(64)が12日、公式インスタグラムを更新。自身が店主を務める東京・下北沢のカレー店『般゜若(パンニャ)』に、俳優の柄本佑(37)&安藤サクラ(38)夫妻が来店したことを報告し、プライベート感あふれる夫婦の写真を公開した。松尾は「ランチ営業終わりかけに」「(新メニュー未定)の試食をしに寄ったら、店先で柄本佑さん、安藤サクラさんが来てくれたところでした」と状況を説明し、3人で楽しげな記念ショットをアップ。安藤は珍しくメガネをかけており、貴重なオフの“夫婦じかん”をとらえていることがわかる。新メニューは「ものすごく美味い!」と納得のいく仕上がりになったようで、「これはホームランです。いつかお出しできたらいいなぁ」と期待に胸を膨らませた。この投稿に対し、ファンからは「サクラさん!!」「プライベートの佑さんを見れて眼福です!」「おぉーーっ 素敵なお二人!そして、新メニュー心待ちにしております」「素敵な写真をありがとう」などのコメントが寄せられている。
2024年05月13日京都市西京区に鎮座する松尾大社(まつのおたいしゃ)は、渡来系氏族である秦(はた)氏が創建に関わった神社。平安京遷都以後は、都の守護神のひとつとして崇められると同時に、酒・醸造の神として全国の酒造会社の崇敬も集めてきた。その松尾大社の神宝を紹介する展覧会が、4月27日(土)から6月23日(日)まで、京都市の京都文化博物館で開催される。同展の見どころは、日本最古級の神像彫刻として国の重要文化財に指定されている御神像をはじめ、松尾大社の神宝の数々が初めて大規模に公開されること。初公開となる源頼朝や織田信長などの朱印状をはじめ、歴代の権力者が発した中世の古文書を一挙に公開すると同時に、同大社の歴史や酒造りについての史資料なども展観する。出品作品108件のうち、なんと約9割が初公開となる。源頼朝書状 6月17日 松尾大社蔵とりわけ注目されるのは、平安時代前期の作と考えられる三神像がそろって登場し、御神宝とともに紹介されることだろう。厳しいお顔の老年の男神像は、同社の祭神の1柱である大山咋神(おおやまくいのかみ)に、また壮年の男神像はその御子神に、そして女神像は祭神のもう1柱である市杵島姫命 (いちきしまひめのみこと)に、それぞれ比定されている。重要文化財《女神像》平安時代 9世紀 松尾大社蔵同展では、こうした神々の系譜や縁起を紐解き、長い歴史のなかでどのような神がどのように信仰されてきたのか、また神事がどのように営まれてきたのかなど、様々な面から松尾大社に対する人々の信仰のありかたをたどっていく。大山咋神が醸造の神でもあることから、お酒をはじめ、味噌や醤油など醸造に関わる人々から篤い信仰を受けてきた松尾大社はまた、武家からは武神として敬われ、歴代の将軍家や天下人からも篤い崇敬を受けてきたという。そうした信仰の広がりが、作品や史資料を通じて目の当たりにできるのも興味深いところだ。今回はまた、境内をデータ測量して制作した松尾大社の3D映像も初公開されるほか、小説家・浅葉なつによる注目のシリーズ小説『神様の御用人』とのコラボ企画も予定されており、色々なかたちで松尾大社の魅力にふれられる展覧会となっている。<開催概要>『松尾大社展みやこの西の守護神』会期:2024年4月27日(土)~6月23日(日)会場:京都文化博物館4・3階展示室時間:10:00~18:00、金曜は19:30まで(入場は閉室30分前まで)休館日:月曜(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)料金:一般1,600円、大高1,000円、中小500円公式サイト:チケット情報:()
2024年04月19日シアターコクーンの芸術監督である松尾スズキが、就任時から構想していた若手のための学び場COCOON PRODUCTION『コクーン アクターズ スタジオ』がいよいよ始動!新しい年度が始まった4月1日、オーディションを勝ち抜いた18歳から28歳の総勢24名が揃い、第1期生の開講式が行われた。地方から夢を抱いて上京してきた者、小劇場の劇団員、元市役所職員などなど、受講生のバックグラウンドはさまざま。中には三代続く家業の跡取りだった……という男性もいて、人生いろいろ、各々の思いを胸に、全員が初々しく晴れがましい表情を見せていた。これから1年間、シアターコクーンとゆかりの深い演劇人を講師とし、基礎と創作と発表を組み合わせたレッスンに励む。開講式では常任講師一人ひとりから歓迎の温かい言葉が送られ、受講生たちが真剣に聞き入る場面も見られた。講師のコメントは以下。■松尾スズキ(主任/演技基礎)僕がシアターコクーンの芸術監督に就任する条件のひとつとして、「スクールをやらせてほしい」という約束がありました。ただ初年にコロナ禍が始まり、ようやく収まってきたところで劇場自体が休館となり……結果こんなタイミングになりましたが、やっとスタートできます。一言お伝えしておきたいのは、決して劇場が休み中の穴埋め企画ではありません!何年も準備、構想していた企画に一流の講師の方が集まってくださり、1年間通して学べる機会は、とても刺激的で恵まれたことです。皆さんもったいないので、どうぞ休まないでください。■杉原邦生(演技基礎)僕は大学で演劇を始めました。そこには個性の強い演劇人の皆さんが揃っていて、一見全く統一感のない授業を受けて……当時はすごく頭がぐちゃぐちゃになったんです(笑)。でもそうした選択肢の幅が広い環境だったからこそ、自分がやりたいこと、表現したいことを見つけられた気がしています。ですから皆さんもぐちゃぐちゃになりながら、何かを見つける1年にしてください。年度末の卒業公演では演出も手掛けます。なんと松尾スズキさんの書き下ろし新作。僕自身が興奮しています。みんなで頑張りましょう。■オクイシュージ(演技基礎)僕は皆さんに、演劇で使える身体のキレを叩き込みたいと思っています。あと重要なのが、演劇における笑い。ここを正面から教える俳優養成所ってなかなかないんです。自分もかつては養成所に通っていましたが、50人程いた同期で、今も活躍しているのは平田敦子さんぐらい。そのくらい狭い門なんです。俳優は声がかからなかったら無職状態。どうぞ皆さん、たくさんの演出家、制作陣から信頼される、声がかかる俳優になってください。■ノゾエ征爾(演技基礎)僕は大学を卒業後にENBUゼミ第1期「松尾スズキクラス」を受け、松尾さんのもとで1年間学びました。その卒業公演の稽古で松尾さんがボソッと「君たちよりも俺は演劇を愛している」と仰った一言にズンときたんですね。そこから26年を経て、松尾さんが当時仰っていた「愛している」に僕は到達できているんだろうか?こうしてそばにいると、「まだ到底追いつけていないんじゃないか?」と考えたりもします。まだまだ僕も「これから次世代を担いたい」と思っていますので、一緒に頑張りましょう。■藤間貴雅(日本舞踊・所作指導)皆さんと同じ年頃、大学1年の時に下北沢ザ・スズナリで松尾さんの『ふくすけ』と出会い、それ以降大学の先輩たちの芝居が全部つまらなく感じるほどの衝撃を受けました。それから何十年も経て仕事でご一緒した際、松尾さんが「所作って大事だよね」と仰ってくださった嬉しさ!こうしてクラスに組み込んでくださったことを、古典芸能の人間として感謝しております。光を当てていただく貴重な機会をいただくわけですから、その効果を皆さんに実感いただけるアドバイスができればと思っております。■振付稼業air:man(ダンス指導)皆さんみたいに上手にお喋りできないので、一言だけ。こうして皆さんは、チャンスを掴みました。これを生かすも殺すも皆さん次第です。さまざまな講師の皆様がいらっしゃいますし、われわれ「振付稼業air:man」のメンバーもたくさんいます。レッスンのたびに講師が変わります。しかも、あらゆるジャンルの踊りを学んでもらいたいと考えています。どうぞ心して準備しておいてください。■蔵田みどり(発声・歌唱指導)料理の「さしすせそ」のように、皆さんには表現力を豊かにするための「ほかほか」という言葉を心に留めていただきたいです。「ほ=褒める(自分ができたことを褒める)」「か=書く(習ったこと、感じたことを日記のように日々記す)」「ほ=ほかす(こだわり、頑なさ、プライドを捨て、次のステップに進みやすくする)」「か=可愛がる(いい音を聞く、美味しいものを味わうなど五感を可愛がってエネルギーチャージし、直感を得やすくする)」……こうしたことを実践しながら、たくさんの楽しい経験をし、成長したと実感できる1年を過ごしましょう。なお上記の常任講師に加え、ゲスト講師として、井上芳雄(俳優論)、岩崎う大(コメディ)、鵜山仁(演技メソッド)、大根仁(映像演技)、黒田育世(身体表現)、茂山逸平(狂言)、友枝雄人(能)、ジャパンアクションエンタープライズ(殺陣、アクション)といった、演劇界の第一線で活躍する豪華な面々も迎え、各ジャンルの特別ワークショップも開催予定。その他、受講生はコクーンプロデュース公演の制作現場を見学、さらには出演するチャンスが与えられる。1年間の総決算である発表公演(有観客)は2025年3月。松尾が書き下ろす最新作を、杉原邦生が演出。松尾が若者の集団にどんな作品を書くのか、その内容にも注目だ。演劇界の未来を担う新たなスター誕生に、早くも期待が膨らんでいる。文:川添史子撮影:宮川舞子<企画概要>COCOON PRODUCTION『コクーン アクターズ スタジオ』【常任講師】松尾スズキ(主任/演技基礎)杉原邦生(演技基礎)、オクイシュージ(演技基礎)、ノゾエ征爾(演技基礎)藤間貴雅(日本舞踊・所作)、振付稼業air:man(ダンス)、蔵田みどり(発声・歌唱)【ゲスト講師】(五十音順)井上芳雄(俳優論)、岩崎う大(コメディ)、鵜山仁(演劇メソッド)、大根仁(映像演技)、黒田育世(身体表現)、茂山逸平(狂言)、友枝雄人(能)、ジャパンアクションエンタープライズ(殺陣・アクション)【第1期生 活動期間】2024年4月1日~2025年3月31日【発表公演】(タイトル・詳細未定)脚本:松尾スズキ演出:杉原邦生出演:コクーン アクターズ スタジオ第1期生日程:2025年3月中下旬(予定)場所:Bunkamuraシアターコクーン公式サイト:
2024年04月11日●さまざまな問題で大きく揺れたエンタメ業界に危機感エンターテインメントや政治・社会問題などについて自身の考えを述べ、その発言がたびたび注目を集めている音楽プロデューサー・松尾潔氏。2023年、旧ジャニーズ事務所や宝塚歌劇団の問題などで大きく揺れたエンタメ業界に危機感を抱き、クリーンな世界に変えていくために今、膿を全部出しきるべきだと考えている。「大好きな音楽の仕事を続けていくためにも、クリーンな世界にしていきたい」。松尾氏に今の思いを聞いた。昨年、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題について、疑惑を放置するべきではないと、いち早く声を上げた松尾氏。今年1月には、日刊ゲンダイでの連載「メロウな木曜日」、RKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』での発言に加え、今の自身の思いを書き下ろした著書『おれの歌を止めるなジャニーズ問題とエンターテインメントの未来』を出版。「1冊の本にして世の中に対して提言とか問題提起ができたら」と思いを明かす。昨年はエンタメ業界のさまざまな問題が明るみに。松尾氏は「エンターテインメントの未来を考えるにあたって、2023年はのちのち大きな節目と言われるんじゃないかという実感がありました」と語る。「ジャニーズ、宝塚、歌舞伎など、エンターテインメントの老舗が抱えていた非常に根の深い問題……セクシャルハラスメントやパワーハラスメントといったハラスメントが顕在化し、表に出たときにはかなり根腐れを起こしていた。似たようなことがいろんなところで起こっているのではないかと想像するのは自然なことですよね」そして、「ジャニーズも宝塚も歌舞伎も別の話なのでそれぞれ検証しなきゃいけない」とするも、「問題の構図はどこか似ているところがある」と感じているという。「エンターテインメントは文化ですがビジネスでもある。利潤追求を優先するあまり、モラルやマナーをないがしろにしたのではないかなというのが、すべての問題に共通しているように思います。さらにもっと言うと、その根本にあるこの国の在り方……政治や経済にも目を向けて正すべきところは正していかないといけないと思います」○誰もが自由に意見を言える社会に変わらなければいけないまた、何か疑問を感じたときに誰もが意見を言える社会に変わらなければいけないと、その必要性を強調する。「おかしいと思っても口に出せない空気があるからこそ、何か問題があっても表に出なかったり、なかなか問題が解決できないのではないかなと。我々は今、そういう反省をしなければいけないと思っています」自身も、ゆるくではあるが同調圧力のようなものを感じることがあったという。「『いいエンタメとは、いいショービジネスとはこういうものである』『こういうときはこうするべき。空気を読めよ』というような同調圧力が、ギュッと締め付けるのではなくふわっとした感じで、そういった空気が蔓延している気がします」日本を代表するアーティストの楽曲を手掛けてきた松尾氏だからこそ、関わってきたアーティストへの影響も考えざるを得ない。「2015年の安保法制のときに、デモに参加したミュージシャンの方もいました。僕は日本のエンタメのど真ん中にいる人たちと仕事をしているので、例えば僕がそういったデモに参加したり、業界や社会に関して何かアクションを起こすと、その人たちに迷惑がかかるのではないかと。そういう思いをずっと抱えていました」だが、ジャニー喜多川氏の性加害問題が明るみに出て、「これは声を上げなければいけない」という思いに。「この問題の本質は人権蹂躙であり、被害を受けているのが子供、もしくは、かつて子供だった大人たち。僕は特別正義感が強いわけでもないですが、これはあり得ないと思ったんです」そして、音楽を愛しているからこそ、クリーンな業界にしていきたいという思いがある。「おかしいと思うことを放置し、視界が曇ってしまうのが嫌なので、最初は手動のワイパーかもしれませんが、一生懸命、視界をクリアにしていきたいなと。ハラスメントのない労働環境であるべきだし、人権が尊重されるべき。せっかく楽しいと思える音楽の仕事ができているので、長く続けるためにも健全化させていきたいという思いです」だが一連の発言がきっかけとなって、スマイルカンパニーとの業務委託契約が終了となり、昨年7月に公式Xで「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です」と報告した松尾氏。契約終了は全くの想定外だったと振り返る。「ジャニーズ事務所とスマイルカンパニーの関係が近いとはいえ、まさかこの件で契約終了になるとは思ってなかったので本当にびっくりしました。むしろ賛同してくれると思っていて、山下達郎さん(スマイルカンパニー所属)も『よく言った』と言ってくれるかなと。おめでたいんでしょうね、僕は……」●僕の声の上げ方が間違っていたのかなと自問自答することも2023年をきっかけに声を上げやすい社会に変わっていくことに期待を寄せる松尾氏だが、そう簡単には変わらないということも痛感。「ジャニーズ問題に関して僕は、ジャーナリストという立場ではなく、エンタメ業界の内部から最初に声を上げた人になると思っていました。でも続けて発言される方があまりいなくて」と語る。続けて、「僕の声の上げ方が間違っていたのかなと自問自答するときもあります」と吐露する松尾氏。「松尾みたいに声を上げるといろんな不利益を被ると感じてしまって、僕が声を上げたばかりに逆にみんなの警戒心を高めることになってしまったのだとしたら、それは全く僕の意図するところではないので。みんなで声を上げようよと言いたいですが、なかなか……。この本を『読みましたよ』と言ってくれる方は業界の内外問わず多いのですが、『僕もSNSで発言します』とおっしゃる方は少なくとも業界内からは出てこないですね。僕のペンの力が弱いのかな」さらに、「皆さん『生活もあるし』と言いますが、本質的な意味での豊かな生活を考えたら発言したほうがいいと思うんです。僕はこの数年、特にこの1年、すごく心豊かに過ごせているので」と力説。想定外の展開にはなったものの、言うべきことを言ったことで「心の豊かさを失わずに済んでいる」と語る。「僕はもともとメロウなR&Bが好きで、柔らかなラブソングをたくさん作ってきました。その柔らかさを守るためにも、言うべきところではハードエッジなことも言わなきゃいけないんだなと感じています」目指すは、純粋に音楽が好きな人たちが、権力などによって嫌な思いをすることなく、好きな音楽を届けられる世界。そして、音楽を生み出す人自身の人権意識も十分でなければ、その音楽も台無しになってしまうと松尾氏は言う。「もちろん、聖人君子であれとまで求めるつもりはありません。ただ、せっかく弱者への眼差しを音楽などで表現しても、その人自身がそういうことを大切にしていなかったら、表現は著しく説得力を欠いてしまう。どんなに生み出しているものが素晴らしくても、その人がそうでなければ響かないというシビアさはあると思います」○「ラブソングを作り続けたい」 音楽プロデューサーのやりがいも語る音楽業界、そしてエンタメの未来を思って行動を起こした松尾氏。「この半年ぐらい『松尾さん出馬するんですか?』とよく聞かれますが、全くそんなこと考えていませんよ」と笑う。「政治や社会について話すと、すぐそういう風に思う方がいますが、皆さん政治や社会というものを神棚に置きすぎだと思います。全部地続きの発言ですよ。エンタメのことも政治のことも同じ口で言っていいじゃないですか」ちなみに、子供の頃から好奇心旺盛だったそうで、「何でも分解したい子供で、父親の腕時計をバラバラにして大目玉を食らったことも(笑)。好奇心や探求心はあるほうだと思うので、いろんなことが気になるというのが根底にあるのかもしれません」と自己分析する。今後について尋ねると「ラブソングを作り続けたい」と願う。「ポップミュージックを大きく2つに分けるならば、ラブソングかライフミュージックだと思っていて、人生の素晴らしさや人の優しさを歌ったものがライフミュージックだとすると、さまざまな恋愛について歌ったものがラブソング。ですが、恋愛はポップミュージックの尺だと2人ないしは3人ぐらいの中での人間関係を濃密に描いたものであり、優れたラブソングはそれ自体がライフミュージックにもなると思っているので、僕はラブソングという多機能性を備えた形態を好んでいるのだと思います」そして、「自分で歌うことに強い興味はなく、優れた歌唱力を持っている歌手、魅力的な声の持ち主に、僕がデッサンした絵を色付けしてもらうという作業が大好きなんです。作ったものがいろんな人の手に渡って価値が高まっていくのもうれしいですし、物語の起点に立って展開を見守ることを楽しんできました」と音楽プロデューサーのやりがいを語る。さらに、「僕には子供がいますが、父親が変な仕事をしていると思われたくないという気持ちもあるんです」と思いを告白。「子供がエンターテインメントの世界を目指したいと言ったときに、『それだけはやめておけ』とは言いたくない。素晴らしいことを仕事に選んでいるのだと、胸を張っていられる世界にしたいと思っているので、そのためにできることをやっていきたいと思います」と力を込めた。■松尾潔1968年1月4日生まれ、福岡県福岡市出身の音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。早稲田大学卒業。SPEED、MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。その後、プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、東方神起、三代目J SOUL BROTHERS、JUJU等を成功に導く。これまで提供した楽曲の累計セールス枚数は3000万枚を超す。日本レコード大賞「大賞」(EXILE「Ti Amo」)など受賞歴多数。
2024年03月31日2024年7月から8月に東京・京都・福岡で上演されるCOCOON PRODUCTION 2024『ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-』の公演ビジュアルと配役が発表された。松尾スズキが作・演出を務める『ふくすけ』は、薬剤被害によって障がいを持った少年“フクスケ”をめぐり、様々な境遇の登場人物たちが、底なき悪意と情愛に突き動かされながら、必死にもがき生きる姿を毒々しくも力強く描いた壮大な人間ドラマ。12年ぶり4度目の上演となる本公演では、サブタイトルを“歌舞伎町黙示録”と題し、台本をリニューアル。フクスケが入院する病院の警備員コオロギと、盲目のその妻サカエの夫婦を軸に物語が展開する。とある病院の怪しい警備員コオロギ役を阿部サダヲ、コオロギを献身的に愛する盲目の妻サカエ役を黒木華が演じる。また妻を探すエスダヒデイチ役で荒川良々、物語の鍵となる身体障がいを持った少年フクスケ役で岸井ゆきの、自称ルポライターのタムラタモツ役で皆川猿時、ヒデイチの協力者となるホテトル嬢のフタバ役で松本穂香が出演する。また、裏社会で暗躍するコズマ三姉妹のヒロミ役は伊勢志摩、エツ役は猫背椿、ミツ役は宍戸美和公、コオロギの愛人チカ役は内田慈、見世物興行の団長役は町田水城、フクスケが入院する病院のスガマ医師は河井克夫、新興宗教団体の顧問赤瀬川は菅原永二、コズマ三姉妹の部下蒲生役はオクイシュージ、そしてフクスケを監禁していた製薬会社の御曹司ミスミミツヒコ役は松尾、さらにヒデイチの妻で精神のバランスを崩して失踪したマス役は秋山菜津子がそれぞれ演じる。公開されたビジュアルでは、東京公演の会場「THEATER MILANO-Za」がある歌舞伎町に鎮座するいびつな福助人形を中心に、様々な境遇の人々とその思惑が交錯するカオスな世界が表現されている。■作・演出/ミスミミツヒコ役:松尾スズキ コメント4度目の上演である。29歳の時、原稿用紙に鉛筆で書いた戯曲を、61歳のわたしが、パソコンで打ち直して書き改めた。よくこんな激しい戯曲を書いたものだと戦慄したり、若すぎるよ君!と、言うてもせんないことを言うてみたりしながら。今回はコオロギとサカエというキャラクターを主軸にすえてみる。そうしたら、複雑過ぎるストーリーに強めの芯が入った気がした。昔ならいざしらず、自分が客ならこの程度にはわかりやすい芝居が見たい。歳をとったがゆえに優しくもなった。ただ、わかりやすさばかり求める今の風潮は大嫌いである。まだ、攻められる。わたしにも意地がある。今考えられる最高のキャストがそろった。この布陣で、THEATER MILANO-Zaという癖だらけの城を攻め落とす。そんな気分で、よろしくお願いします。■コオロギ役:阿部サダヲ コメント僕は『ふくすけ』に2回出ているのですけど、次にやるならもうフクスケ役ではないなと思っていたので、今回はコオロギと聞いて、なるほどな!と思いました。僕が最初に観た『ふくすけ』でコオロギを演じていたのが松尾さんで。すげえ役だな、やってみたいな!とその時に思ったので、嬉しいですね。松尾さんが20代の時に書いた作品だけれど、今も古さを感じない、すごいものを残しているなと改めて思いました。そして今回、歌舞伎町の芝居を、歌舞伎町でやることにも意味があると思います。1991年に松尾スズキという人がこういうものを書いていたんだ!と振り返っていただきたい。この作品は熱量の高い舞台なので、観終わったお客さんがすごく疲れているという印象があるんですけど、2024年だからこそいろいろと考えさせられて、やっぱり少し疲れて帰っていただく舞台になるような気がします(笑)。■サカエ役:黒木華 コメントサカエという面白味のある役を演じられることも嬉しいですが、松尾さんの作品に出られることがなにより嬉しいです。前回の『ふくすけ』も拝見しましたが、とにかく“エネルギーが降りかかってくる!”という印象でした。今の時代では不謹慎とも言われそうなことのオンパレードですが、そのエネルギーの濁流の中にはしっかり伝わってくるものがあって、とても感動したことを覚えています。阿部サダヲさんはすごく尊敬している役者さんで、初めてご一緒するので、稽古場や本番での姿を、余す所なく見尽くしたいと思います。一演劇ファンとして、皆さんとの共演がとても楽しみです。お客様には、今までにない感情の波を味わっていただけたらなと思っています。■エスダヒデイチ役:荒川良々 コメント初演は映像で観たことがあって、とにかく「すごいものを観たぞ」という放心状態になりました。劇団にとって特別な作品に自分が出る日が来るなんて想像もしていなかったし、新しい『ふくすけ』に立ち会えるのが嬉しいです。THEATER MILANO-Zaがある歌舞伎町には個人的な思い出が多く、初歌舞伎出演となった「オフシアター歌舞伎」はライブハウスでやりましたし、自分が初めて主演を務めた映画『恋する幼虫』を観たのもミラノ座でした。あと、田舎から出てきたばかりの90年代、おすぎさんを見かけたのも歌舞伎町……ピーコさんではなく、あれは間違いなくおすぎさんでした。確信があります。歌舞伎町の物語を、ぜひご当地でご覧ください。■フクスケ役:岸井ゆきの コメント出演のお話をいただいた瞬間は、もうすっごく!嬉しくて、「夢が叶うとはこのことか」と喜びに胸躍りました。でも演じる役が「フクスケ」と知った途端……ただただ緊張の日々に急変しました。先日、松尾さんとお話した時に初めて知ったのですが、歴代のフクスケを演じられた温水洋一さんも、阿部サダヲさんも、14歳の設定だったとか。また新しい不安に襲われかけましたが「大丈夫、いける」と演出家からお墨付きをいただきましたので、ここは自信を持って堂々と演じたいです。私にとっての松尾作品は、見る人を信じ、伝えることを諦めない世界。稽古が本当に楽しみですし、皆さんと相談しながら、勇気を持って飛び込んでいきたいです。■タムラタモツ役:皆川猿時 コメントお客さんとして『ふくすけ』の初演をスズナリで観てまして、もうね、なんちゅうか、グラグラ沸き立つような、いやー、あの衝撃は今でも忘れられません。中でも林和義さんが演じていたタムラタモツは強烈でした。狂っているのに知性を感じるというか、もうね、最高でした。そんな大好きなキャラクター、タムラタモツを演じるのは今回で3度目。再演のとき、松尾さんに「もっと面白くやってくれ」と稽古場で言われて、セリフの合間合間に一発ギャグをしていたら「そういうことじゃないよ……」と冷たい目で見られたのも、今では良い思い出です(笑)。あの時はあの時で、ええ、必死だったんです。そんなわけで、今回も一生懸命、面白くてカッコいいタムラタモツを目指して、膝を労わりながら、ええ、大切に演じたいと思います!■フタバ役:松本穂香 コメント松尾さんと以前ご一緒させていただいた番組がとても楽しかったので、松尾作品の独特の世界観が大好きになりました。今回の『ふくすけ』も、制限の多い今の世の中、不謹慎なものも必要だなと思えたり、「別にいいじゃん」という気持ちになれたり、面白くて、でも痛くて、いろんな人のことを考えさせられる不思議な作品だなと思います。私が演じるフタバは、登場人物の中では一番まともだと思うんですね(笑)。笑わせながらも結構圧迫感のある作品の中で、フタバは芯を突いた言葉をいっぱい投げかけてくるので、そこを十分に考えながら演じたいなと思っています。個性の強い方ばかりの座組の中で、物怖じせずにバーンと自分を出せたらいいなと。新しい挑戦を精一杯楽しんで、エネルギー全開でやっていきたいと思います。■エスダマス役:秋山菜津子 コメント過去に上演された『ふくすけ』を拝見しているので、まさか自分がやることになるとは……!と驚きましたが、とてもありがたく思っています。また今回は、以前とはちょっと違う『ふくすけ』になるということなので楽しみですね。松尾さんが作り出すカオスな世界は、ほかの誰にも真似できない独自の魅力があると思います。私が演じさせていただくエスダマスは、これまで拝見してきた印象では“疾走しているな”というイメージ。今回も、“狂気に満ちた、周りを巻き込んで疾走していく女”とうかがっています。物語の舞台と同じく劇場も歌舞伎町にあるということで、ダークな、だけど煌びやかな世界なのだろうなと。その場所でちゃんと自分も生きていけたらなと思っています。<公演情報>COCOON PRODUCTION 2024『ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-』作・演出:松尾スズキ【出演】阿部サダヲ、黒木華、荒川良々、岸井ゆきの、皆川猿時、松本穂香、伊勢志摩、猫背椿、宍戸美和公、内田 慈、町田水城、河井克夫、菅原永二、オクイシュージ、松尾スズキ、秋山菜津子加賀谷一肇、石井千賀、石田彩夏、江原パジャマ、大野明香音、久具巨林、橘 花梨、友野翔太、永石千尋、松本祐華、米良まさひろ、山森大輔ミュージシャン:山中信人(三味線)【東京公演】日程:2024年7月9日(火) 〜8月4日(日)会場:THEATER MILANO-Za【京都公演】日程:2024年8月9日(金) ~15日(木)会場:ロームシアター京都メインホール【福岡公演】2024年8月23日(金) ~26日(月)会場:キャナルシティ劇場詳細はこちら:
2024年03月22日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)が13日、神奈川・KOSE新横浜スケートセンターで行われた映画『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』(3月29日公開)の極寒レッドカーペットイベントに出席した。『ゴーストバスターズ』シリーズ最新作となる本作の舞台は、太陽が降り注ぐ真夏のニューヨーク。すべてを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト“ガラッカ”の襲来で、ニューヨークに史上最大の危機が訪れる。本作の世界観を再現するために、アイススケートリンクという異例の会場でイベントを開催。日本では初の試みとなるスケートリンク上のレッドカーペットが出現し、吹き替え声優を務めた上白石萌歌、チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)、本田真凜が出席した。長田はゴーストバスターズ仕様のつなぎ衣装を着用。松尾は『ゴーストバスターズ』シリーズの象徴である“ノーゴースト”マークのコスプレで登場した。松尾は2022年に行われた前作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』のイベントでも“ノーゴースト”マークのコスプレを披露しており、「まさかもう1回できると思わなかったです。うれしいです」と喜び、「今回は、ばってんのところが凍っています。特別仕様です」と本作バージョンになっていることをアピールした。長田は、ゴースト研究所で働くエリート研究員役を担当。松尾が演じたキャラクターは、劇場公開までシークレットということで、「何の役かはまだ言えないんです。見てからのお楽しみということで」と話していた。
2024年03月13日2024年4月に開講する、Bunkamura主催の演劇の学び場『コクーン アクターズ スタジオ』。Bunkamuraシアターコクーン芸術監督の松尾スズキをはじめとした7名の常任講師によるレッスンの他に、豪華なゲスト講師を迎えた多彩なジャンルの〈特別ワークショップ〉が行われる。演劇に関わる各ジャンルのエキスパートを講師として迎え、発声や身体表現、台本の読み解き方などを学ぶ基礎授業と創作・発表の実践を組み合わせたカリキュラムで多種多様なスキルを磨く場を創出する本企画では、1年間の成長を発揮する場として、2025年3月に有観客の発表公演を予定されているほか、受講生には、コクーンプロデュース公演の制作現場を見学、さらには出演するチャンスが待っている。昨年12月のゲスト講師第一弾発表では、井上芳雄、鵜山仁、黒田育世、茂山逸平、友枝雄人(五十音順)の5名が名を連ねたが、この度、岩崎う大(かもめんたる)、大根仁、JAE(ジャパンアクションエンタープライズ)が追加講師として発表された。岩崎う大は、キングオブコント2013のチャンピオンであり、芸人の枠にとらわれず舞台の作・演出や漫画家としても活躍中の劇団かもめんたる主宰。岩崎う大大根仁は、映画監督デビュー作である『モテキ』にて日本アカデミー賞を受賞、シアターコクーンでは『マシーン日記』(2021年/作・松尾スズキ)の演出を務めるなど、映像・舞台など多くの話題作を手掛けてきた。大根仁JAEからは、数々の映画・テレビ・舞台などで殺陣やアクションの指導を行ってきた、現役で活躍中のアクションディレクターが参加する。総勢8名のバラエティ豊かなゲスト講師により、俳優として様々な現場で役立つスキルを学ぶ。JAE常任講師およびゲスト講師による授業レポートなども随時公開予定となっており、2025年3月には第1期生による有観客の発表公演をシアターコクーンにて実施予定。今後の『コクーン アクターズ スタジオ』の動向にぜひ注目したい。■第一弾発表のゲスト講師(五十音順)ミュージカルのみならずストレートプレイや映像作品などで俳優として数多くの作品に出演する井上芳雄井上芳雄芸術選奨文部科学大臣賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞などの数々の賞を受賞、舞台芸術学院学長を務める演出家の鵜山仁鵜山仁アターコクーンで2023年3月に上演した再演譚vol.2『波と暮らして』『ラストパイ』が記憶に新しい、日本のコンテンポラリーダンス界を代表する黒田育世黒田育世古典はもちろん映画やテレビドラマなど現代劇でも活躍しながら、狂言と他ジャンルの数々のコラボレーションを手掛ける能楽師狂言方大蔵流の茂山逸平茂山逸平次世代の若手能楽師にスポットをあてた『渋谷能』に立ち上げ時から携わる、能楽師シテ方喜多流の友枝雄人友枝雄人<開催情報>COCOON PRODUCTION『コクーン アクターズ スタジオ』【常任講師】主任:松尾スズキ演技基礎:杉原邦生、オクイシュージ、ノゾエ征爾日本舞踊・所作:藤間貴雅ダンス:振付稼業air:man発声・歌唱:蔵田みどり【特別ワークショップ ゲスト講師】(50音順)井上芳雄、岩崎う大、鵜山仁、大根仁、黒田育世、JAE、茂山逸平、友枝雄人詳細はこちら:
2024年03月08日COCOON PRODUCTION 2024『ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-』が、2024年7月から8月に東京・京都・福岡で上演されることが決定した。松尾スズキが作・演出を務める『ふくすけ』は、薬剤被害によって障がいを持った少年“フクスケ”をめぐり、様々な境遇の登場人物たちが、底なき悪意と情愛に突き動かされながら、必死にもがき生きる姿を毒々しくも力強く描いた壮大な人間ドラマ。かつてのインタビューで松尾は「生まれてきたこと、そして時世に付きまとう不平等や不条理に対する怒りをバネに厄介な作品を進化させる」と語っており、ゆるいヒューマニズムを揶揄し、“悪”もまた人の姿であることを描き出した戯曲となっている。12年ぶり4度目の上演となる本公演では、サブタイトルを“歌舞伎町黙示録”と題し、台本をリニューアル。フクスケが入院する病院の警備員コオロギと、盲目のその妻サカエの夫婦を軸に、物語が展開する。出演者には、『ふくすけ』には3度目の出演となる阿部サダヲ、松尾の舞台作品に初参加となる黒木華、岸井ゆきの、松本穂香、内田慈、大人計画からは阿部に加えて、荒川良々、皆川猿時、伊勢志摩、猫背椿、宍戸美和公、さらに町田水城、河井克夫、菅原永二、オクイシュージといった面々が顔を揃えた。さらに、松尾作品のミューズとして世界観を体現する秋山菜津子、そして自身の作・演出作品には久々の登場となる松尾も出演する。■松尾スズキ コメント『ふくすけ』は、20代の終わり、初めてギャグ中心ではなく、ストーリーとキャラクターを煮詰めて考えた作品です。当時、初進出のスズナリでお客さんが列をなしていた光景が忘れられません。新しくできた劇場の場所が歌舞伎町であると聞き、迷いなく歌舞伎町が舞台のこの芝居の再演を思いつきました。今回、新たな設定として、やはり自分が演じていたコオロギという役に思い入れがあって、コオロギが主役の話も見てみたいなと。ここまで毒毒しい芝居は最近見ないと思います。歌舞伎町の毒と芝居の毒、それが相乗効果となって逆に美しい、みたいな芝居を目指します。お楽しみに!<公演情報>COCOON PRODUCTION 2024『ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-』作・演出:松尾スズキ【出演】阿部サダヲ、黒木華、荒川良々、岸井ゆきの、皆川猿時、松本穂香、伊勢志摩、猫背椿、宍戸美和公、内田 慈、町田水城、河井克夫、菅原永二、オクイシュージ、松尾スズキ、秋山菜津子加賀谷一肇、石井千賀、石田彩夏、江原パジャマ、大野明香音、久具巨林、橘 花梨、友野翔太、永石千尋、松本祐華、米良まさひろ、山森大輔ミュージシャン:山中信人(三味線)東京公演:2024年7月9日(火) 〜8月4日(日) THEATER MILANO-Za京都公演:2024年8月9日(金) ~15日(木) ロームシアター京都メインホール福岡公演:2024年8月23日(金) ~26日(月) キャナルシティ劇場
2024年02月08日アイドルグループ・乃木坂46の阪口珠美、佐藤楓、松尾美佑が、発売中のマンガ誌『週刊ヤングマガジン』(講談社)第2号のグラビアに登場している。阪口は2001年11月10日生まれ、東京都出身。佐藤は1998年3月23日生まれ、愛知県出身。松尾は2004年1月3日生まれ、千葉県出身。阪口と佐藤は乃木坂46の3期生、松尾は4期生として活躍している。グラビアでは、初の組み合わせの3人が姉妹感溢れる仲良しな空気で登場。キュートな撮り下ろしでタンクトップ+ショートパンツなど、ラフな姿も見せた。
2023年12月15日12月13日、お笑いコンビ「チョコレートプラネット」が自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿した。そこで、松尾駿(41)が大腸の病気である、大腸憩室炎になったと明かし、話題となっている。冒頭で「いや、ちょっと……。憩室炎っていう、聞いたことないやつになりまして」と切り出した松尾。「何か腹痛くってさ。下っ腹みたいなところが。で、『何だろう』と思って病院に行ったんだけど。近所の。『何かよくわかんないですね。尿管結石ではないです』みたいな。それで家帰って、まだ痛くて。ちょっと大きい病院行ってみようと思って、夜行ってみたら、憩室炎って……」と診断されるまでの経緯を明かした。憩室炎について松尾は「大腸に穴があるんだって。部屋みたいな。で、便とかが詰まったりして、細菌とかが入って、炎症を起こして『イタタタタ』っていう……」と説明。そして、痛み止めの点滴を打ったと語った。すると相方の長田庄平(43)は「40過ぎたらさ、本当に明確な病気が出てくるよね、やっぱり」とコメント。松尾は「本当に言われた。『これは40超えたら急に出てくるやつです』って。それになって。で、今何にも食えない」と嘆くと、長田は笑った。「40過ぎると明確に病気になる」と繰り返す長田に、松尾は「これを機にちゃんとしようと思っている」と宣言。しかし、長田は「って思うじゃん?でも、結局できないんだよ。俺も40を分岐で、やっぱり『ちゃんとしないとな』って思ったけど、結局堕落していっちゃうんだよ。だるいから。しんどいから」と念を押すと、松尾は「けど、俺は今回ちゃんとする」と返答。そして「お菓子とかをなるべく食べないようにする」というと、長田やスタッフから笑い声が漏れた。また松尾が「あと運動不足もあるって言われた。だから、なるべく動く」「本当に何かをちゃんとしないと」と話すと、2人は“食べすぎに注意する”という結論に至った。しかし、「美味しいものが増えるよ、年末」「無理です、この仕事している限りは」と長田が言うと、松尾は「この間、ウンチ漏らしそうになるくらい食っちゃったんだよなぁ」と明かした。動画のコメント欄では《お2人とも身体大事にして下さいね…》《お二人ともお忙しいし、身体にだけは気をつけて!》《チョコプラには元気に長生きしてもらわないと困るよ!!》との声が相次ぐことに。ファンは2人の“健康第一”を願っている。
2023年12月14日松尾スズキ初の個展、生誕60周年記念 art show「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」が開幕し、特別内覧会に宮藤官九郎、阿部サダヲ、皆川猿時、荒川良々、宮崎吐夢、平岩紙らが来場した。演劇、文筆、俳優業など、様々な分野で多くの作品を世に送り出してきた松尾スズキが、生誕60年の節目に初の個展を開催する。若いころ絵を学んでいた松尾が、そもそもの原点に立ち返り、“アート”という分野だからこそ見えてくるアクロバティックな世界、ここでしか出会えない松尾の「マンガとアートの間の揺らぎ」を堪能できる。会場内の音声ガイドは、松尾スズキと吉田羊がナビゲートする。また、個展に合わせて豪華イベントも開催。12月11日(月)・12(火) には10年前、50歳で挑戦した伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』上映+スペシャルトークを開催。日替わりトークゲストには、宮藤官九郎、江口のりこが参加する。12月13日(水)~15日(金) の3日間は「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」と題して、松尾スズキと同い年の片桐はいり、ケラリーノ・サンドロヴィッチを迎えて、お互いの歴史について語り、歌も披露する。ラスト15日(金) は、司会・皆川猿時、立会人・池津祥子、伊勢志摩と共に、劇団員が選ぶ今まで松尾の身にふりかかった10大事件を振り返る。<ご挨拶>■松尾スズキコロナ禍で描いた作品の個展を開催することになりました。正直死にそうです。大人計画でイベントをやると大概死にそうになるんですが、なぜ同じ轍を踏みたがるのか……大人計画はバカなんだなと思います。(笑)みなさんどうぞ楽しんでください。<コメント>■宮藤官九郎「あきらかに」最初に見た時に気持ち悪くて、こんな絵ばっかりかと思ったら、意外とこれが一番気持ち悪かったので選びました。(個展を見て)松尾さんの作るお芝居の原型というか、今日見た絵のような演技は実際にはできないから松尾さんは絵で表現するんだろうなと。松尾さんの頭の中で思い描いているお芝居の理想型がこれだとしたら俺らは無理だなと思いました。(笑)■阿部サダヲ「矢印小僧」本格的な個展でびっくりしました!ホワイエにある『ツダマンの世界』の時の屏風の絵がけっこう好きで、松尾さんの絵っておもしろいな、と思っていたんです。お気に入りの一枚は「矢印小僧」。赤い矢印のイヤリングと「矢印良品」(笑)センスが流石です。松尾さん、ぜひ原画売って下さい!!■皆川猿時「エイジ」まさか菅原永二だと思わなくてびっくりしました。(笑)外国の俳優みたいで、単純に絵がかっこよくて、松尾さんの詩も面白かったです。松尾さんのことを知っているからか、余計に松尾さんの頭の中がわからなくなってきました。底知れない人だな、自分の中で松尾スズキっていう人は「わからない」で認識されました。■荒川良々「赤ちゃん雲」ちっちゃくてイイなと思って選びました。松尾さんの個展は好きな絵がたくさんあって、すごい才能の塊でした。■宮崎吐夢「あめのりょう」個展を通して、どの絵も素晴らしかったですが、わたしが選んだのはロンドンブーツの亮さんが雨に打たれて土砂降りになっている「あめのりょう」という作品です。自分もいつ何があるかわかりません。土砂降りの雨に降られたりするようなことがあっても、いつか晴れる日をゆめみて生きていかなければなという気持ちになりました。■平岩紙「あきらかに」もし松尾さんに出会わずにこの個展に来ていたら「わたしの好きな芸術家を見つけた!」と思うだろうなと感じました。好きな作品がたくさん出てきたのですが、最終的に私が好きな作品は「あきらかに」です。タイトルと一緒に書かれている詩もすてきですし、作品を見ながら、唇が真っ青というのが自分が小学校の時にプール入っていたときを思い出しました(笑)。<開催情報>個展「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」ビジュアル12月8日(金)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金) は13:00〜20:00※12月9日(土)・10日(日) は11:00〜20:00【チケット料金】■前売入場券:1,900円音声ガイド付入場券:2,500円未就学児童:無料(日時指定予約必要)■当日入場券:2,000円■音声ガイド松尾スズキ自身がナビゲートいたします。会場料金:700円チケットはこちら:松尾スズキ50歳、伝説のひとり芝居「生きちゃってどうすんだ」上映+スペシャルトーク12月11日(月)・12日(火) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:3,800円(全席指定)【トーク出演】松尾スズキ(両日共)司会:上田智子■トークゲスト12月11日(月):江口のりこ12月12日(火):宮藤官九郎【上映作品】「生きちゃってどうすんだ」(2012年 ザ・スズナリ)作・演出:松尾スズキ、天久聖一出演:松尾スズキ映像出演:宮藤官九郎、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、阿部サダヲ、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、田村たがめ、荒川良々、近藤公園、平岩紙、少路勇介、新井亜樹声の出演:顔田顔彦、宮崎吐夢、星野源「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」12月13日(水)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:7,500円(全席指定)【12月13日(水)】『松尾✕はいり 彼女はもぎり続けた。男はそれをただ見ていた』出演:松尾スズキ、片桐はいり司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月14日(木)】『松尾✕KERA 電気ロッカーは、スピーカーに足を乗せる夢を見る』出演:松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月15日(金)】『「告白、ハンパしちゃってごめん!」劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿』出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩 ほか司会:皆川猿時演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)特設HP:
2023年12月08日舞台や映画、小説、コントなど、あらゆる分野で独自の世界観を生み出している松尾スズキさん。還暦を機に人生初の個展を開く。その名も「生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』」。わかりやすいものを描いたら負け(笑)。ポエムも添えました。「コロナ禍で時間が空いてしまった時に、部屋に飾る絵が欲しいなとキャンバスに描き始めたんです」小さい頃から絵が好きで漫画家を目指した時期もあり、美大のデザイン科に進学した。表現のスタートは絵なのだが、演劇の道に進んでから、仕事を離れ、純粋に作品を描いたのは久々の体験だった。「数年前からiPadで描くことを覚えて、連載しているメールマガジンにイラストを発表したりしていました。そして、自分は絵を描くのが好きだったと思い出したんです。ただ、アクリル絵の具で描きだしてからは、デジタルで描こうという気にならなくなってしまって」iPadと、紙やキャンバスに描くのでは肉体的な感覚が全く異なる。「紙の上にペンを走らせる時のカリカリカリというASMR的な気持ちよさ(笑)。はみ出さずに色を塗れた快感や、パレットと紙の上に載せた色が変わって見える驚き。アナログの『失敗できない』という緊張感は、舞台と似ているところがあるのかもしれません」還暦のイベントとして展示するのはどうか、とスタッフの発案で本展の開催が決まった。2年間ひたすら描き続け、大小合わせて約250点以上の作品が展示される。描く中で気づいたのは、背景よりもキャラクターを描きたいということだった。「『シン・ヒョットコ』のフォルムを見つけた時は興奮しました」花瓶のような輪郭の「シン・ヒョットコ」や、ぶ厚い唇の怪獣(?)「トゲくちびる」など、独自のキャラクターがたびたび登場する。「モンスターのモチーフは多いですね。勝手に頭の中で、松尾の中のアベンジャーズがポーズを決めている感じ(笑)。僕自身、俳優としても動いていたいタイプなので、絵の中でも普通には立たせたくないんです」横尾忠則さんや岡本太郎さんの作品に惹かれるという松尾さん。「描かずにいられなかったんだろうと思わせる、己が出ている作品が好きですね。わかりやすいものを描いたら負けだなと思って(笑)」ただ、意識しているのは「どこか可愛げのある絵」。ポップな色調の自画像や屏風のようなものなど、作品もバラエティに富んでいる。また、本展では作品ごとにポエムのような小さな文章を添えるらしい。「読み物としても楽しんでもらえたらと、図録にも全て収録します。めちゃくちゃ大変でしたが、自分はやっぱり言葉の人間でもあるのだなと思いました」豪華ゲストを迎えたトークセッションのほかに、映像や立体作品なども展示する。自ら台本を書き、吉田羊さんとのかけ合いで構成する本人による音声ガイドは必聴だ。タイミングが合えば、会場で松尾さん本人に会えるかも?人を楽しませることにこだわってきた松尾さんらしいart showになる予感。「花とおじさん」アクリル/キャンバスボード 横240mm×縦300mm「トゲくちびる・発射」アクリル/画用紙横242mm×縦350mmまつお・すずき1962年、福岡県生まれ。作家、演出家、俳優。’88年に大人計画を旗揚げ。2020年よりBunkamuraシアターコクーン芸術監督、’23年より京都芸術大学舞台芸術研究センター教授に就任。著書に『人生の謎について』『矢印』『ツダマンの世界』など。「生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』」絵と作品に添えた文章、音声ガイドの情報から想像を膨らませて、立体的に楽しんでほしい、と松尾さん。作家の脳内探索ができるような展示を目指している。作品の複製画(ジグレー)、銅版画(エッチング)をサイン入りで販売するほか、Tシャツやクリアファイル、豆皿などグッズ展開もある。スパイラルホール(スパイラル3F)東京都港区南青山5‐6‐2312月8日(金)~15日(金)11時~17時(8日は13時~20時、9・10日は11時~20時)。日時指定予約制。前売り1900円ほか。松尾スズキさん本人による音声ガイド付き入場券も。当日券あり。大人計画 TEL:03・3327・4312(平日11時~19時)※『anan』2023年12月6日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年12月03日作家、演出家、俳優、映画監督など、数々の作品でその異才ぶりを存分に発揮してきた松尾スズキ。そんな松尾が、“画家”として初の個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』を開催する。かつては漫画家をめざし、イラストレーターとしての顔も持つ松尾が、還暦を迎えて本気で挑むアートの世界。その気になる内容とは? 松尾に話を訊いた。一瞬で「わっ、カオス!」と感じるような物量を「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」ビジュアル――初の個展開催を前にした正直なお気持ちは?正直な気持ちを言うと、(会場の)スパイラルホールのあの空間を埋めるにはまだ作品数が足りず、どんどんどんどん追い込まれていっている状態です(笑)。――(取材時点で)個展初日まで2か月半ほどですが、まだ制作中ということですか?まだまだ描きますね。小さいものを含めるとすでに100点くらいにはなっていますが、やっぱりクオリティが……(苦笑)。プロの画家に比べて若干自信がないので、物量で勝負しようと思っています。もともと自分の作風は“カオス”ってものをどう表現するか、みたいなところにあると思っていて、お客さんが会場に入った瞬間、「わっ、カオス!」と感じるような物量が欲しいなと。つまり全体を通して見るものだと思っているので、一枚一枚じっくりは見て欲しくないです(笑)。――スパイラルホールと言えば、2018年に開催した『30祭(SANJUSSAI)』の会場でもあります。あれは松尾さんと大人計画の30年を振り返る企画展でした。あの時も物量で勝負しましたけど(笑)、今回は単独行動ですからね。本当に戦々恐々っていうのが正直な気持ち。でもひとりの世界でやっていることなので、比較的ストレスは少ないですし、なにより絵を描くこと自体は好きなんです。――もともと漫画家をめざされていた松尾さんですが、改めてキャンバスに絵を描き始めたのはコロナ禍がきっかけだそうですね。濃厚接触者になってしまい、部屋からも出られないような日々が続いたんです。その時に、「自分のリビングはなんて殺風景なんだ」と思って。絵のひとつも飾りたいけれど、その絵を選びに行くことも出来ない。じゃあ自分で描こうと、昔買ってあったキャンバスを引きずり出してきて。そこには別の絵が描いてあったんですが、上から塗りつぶしちゃいました。リビングに飾るにはあまりにも稚拙な絵だったので(笑)。やっぱり自分のリビングに飾ると思うと、自然とハードルは上がりますよね。それで2枚、3枚と描くうちに、まとめて個展をやるのはどうだ? みたいな話になったんです。松尾さんがコロナ禍に最初に描いたという作品――絵の題材はどんなものが多いですか?描きたいのは一貫して“キャラクター”です。背景とか風景にはまったく興味がなくて、自分が書いた物語にまだ登場していないキャラクター、というイメージで描いています。日ごろ俳優を相手にしながら、どういうキャラクターを演じてもらったら面白くなるかってことばかり考えていますからね。もともと漫画家をめざしていたこともあり、僕の書く物語や演劇というのも、キャラクター重視なのだと思います。――1枚描くのにどれくらい時間がかかるものですか?それは作品の複雑さによるとしか言えませんが、最初のころに比べると、だいぶ時間をかけられなくなってきちゃいました。でもこの間、「横尾忠則 寒山百得」展を見に行ったら、横尾さん、2年で102枚描いたそうなんです。しかも100号。87歳でですよ。あれを見ると、僕がこんなことで音を上げている場合じゃないなと思います(苦笑)。濾(こ)しても濾しても残ってしまう部分に、“アート”はある――これまで描いてこられた漫画やイラストと、今回のような“アート”との違いはどんなところにあると思われますか?違いというか、自分が考えるアート的なものと、今まで自分が描いてきた漫画なり、イラストなり、エンターテインメント色の強いもの。その中間くらいにフワッとあるようなものにしたくて、今回『芸術ぽぽぽい』というタイトルをつけました。芸術“っぽい”だけだとちょっと寂しいので、もうふたつ「ぽ」をつけて(笑)。まぁ自分が今まで書いてきた芝居なり、小説なりというのも、完全にエンターテインメントになりきっていない部分があると思うんです。濾(こ)しても濾してもなんか残ってしまう部分に、“アート”っていうのはあるんじゃないかと。だから自分の芝居って、いわゆる明治座とかで観るような芝居に比べたら、分からない分アート系なんじゃないかと思ったりもするんです。それこそギャグはいっぱい入っていますけど。だから小説もギャグを抜いていたら芥川賞もとれたんじゃないか、ギャグが自分の行く手を邪魔しているんじゃないか。そんな自家中毒的な部分もあります(笑)。――ただギャグを抜いてしまったら、松尾さん作品ではなくなってしまいます。そうなんですよね。取ればいいものを足さずにはいられない部分が、アートなのかなって。自分の絵にしたって、やっぱりどこか笑わせようとしていますよね。ただ横尾さんの絵を見ても、結構ふざけているなと思うところはあって、そこがやっぱり素晴らしいと思います。――そういうところに人は惹きつけられるのかもしれませんね。ええ。特に僕の場合、かわいいものも嫌いではないですが、なんかちょっとグロテスクな部分も欲しくて。きっと自分がそういうふうに世の中を見ているんでしょうね。だから技術的にはちょっと足りない部分もあるかもしれませんが、「どういう眼差しで物事を見ているか」というところでは勝負出来るんじゃないかと思っています。やれることに限りが出てくる、切実な年代に入って――会場の音声ガイドも松尾さん自ら担当されます。それは見る人を戸惑わせようと思っていて……。――音声ガイドで、見る人を戸惑わせる……?(笑)だって解説するようなことないですもん。見る人の邪魔をすることしか考えていないですし、なんの手助けにもならないと思います(笑)。――それはそれで楽しみですが……。他にも個展をより楽しめるイベントが盛りだくさんですね。初の個展という特別感に、“還暦”というのをつけ足してもいいかなと思って。トークセッションのゲストのおふたり(片桐はいり、ケラリーノ・サンドロヴィッチ※以下KERA)は、ともに還暦。同じ年代を生きている人たちなので、これまでやってきたことを振り返ったり、これからどうしたい?みたいなことを話せたらいいなと思っています。やれることに限りが出てくる、切実な年代だと思うので。昔みたいに作品を乱発することも出来ないし、自ずとやりたいことに限りが出てくる。つまり年を重ねるって、方向性がどんどん定まっていくってことなんじゃないかと思います。――KERAさんは同じ作・演出家でもあり、まさに同志のような存在でもあるのでしょうか?それはありますよね。ふたりとも“異端”って物腰で演劇界に入ってきたわけですから。――そんなKERAさんも、2018年には紫綬褒章まで授章されて……。紫綬褒章(笑)。僕がもらえていないってことは、まだ僕は異端なのかもしれません(笑)。――「告白、ハンパしちゃってごめん!」では、皆川猿時さんを司会、池津祥子さん、伊勢志摩さんを立会人に、「劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿」を発表されます。それも戦々恐々なんですよ。本当に空気を読まない人たちなんで(苦笑)。たぶんずーっと僕がフォローする側に回るんじゃないかと思います。若いころのこととかあまり僕は覚えていないんですが、あの人たちはものすごく覚えていて。……とにかく怖いです。――幅広く活躍されている松尾さんですが、還暦で迎えるこの個展を機に、「画家」という肩書が加わることになりそうですね。肩書が増えれば増えるほど、人間として薄まっていくような感じがしますけどね(笑)。でも僕の場合、このまま薄めていく方向でいいんじゃないかと思っています。取材・文:野上瑠美子撮影:You Ishii<公演情報>生誕60周年art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』2023年12月8日(金)〜12月15日(金)会場:東京・スパイラルホール(スパイラル3F)開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金)は13:00〜20:00、12月9日(土)・10日(日)は11:00〜20:00※『松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜』同時開催。詳細は公式サイトにてご確認ください。チケット情報公式サイト
2023年10月06日個展「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」のPR企画として、動画番組『吐夢とその他のアートトーク~芸術っぽいの好き~』 が、本日9月29日(金) 18時より大人計画YouTubeチャンネルにて配信がスタートした。本番組は大人計画劇団員がアートについて語り合う企画。MCは自らも絵を描き、アートに強く関心を持つ大人計画の宮崎吐夢が務める。第一弾のゲストは、ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の教頭・我修院学役の真に迫る演技が大きな話題となったばかりの荒川良々。9月29日公開の第1回目では前編をお届け。蛭子能収、草間彌生、岡本太郎の話から、購入したアート作品の話、宮崎が描く松尾の似顔絵についての秘話、そして宮崎が荒川の似顔絵を披露する。後編は、「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」チケット一般発売日の10月6日(金) に公開予定。後編では、荒川がお返しに松尾&宮崎の似顔絵を描く。表に発表する機会がほぼ皆無な荒川の絵がどんな作品なのか、期待が高まる内容となっている。なお、第二弾のゲストは「展覧会 岡本太郎」で音声ガイドを務めるなどアートとのつながりもある阿部サダヲに決定している。<配信情報>『吐夢とその他のアートトーク~芸術っぽいの好き~』『吐夢とその他のアートトーク ~芸術っぽいの好き~』ビジュアル第1回配信日(前編):9月29日(金) 18:00~:宮崎吐夢■ゲスト第1回:荒川良々第2回:阿部サダヲ<開催情報>個展「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」ビジュアル12月8日(金)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金) は13:00〜20:00※12月9日(土)・10日(日) は11:00〜20:00【チケット料金】■前売入場券:1,900円音声ガイド付入場券:2,500円未就学児童:無料(日時指定予約必要)■当日入場券:2,000円■音声ガイド松尾スズキ自身がナビゲートいたします。会場料金:700円前売開始:10月7日(土) 10:00~【おまけ付入場券】9月30日(土) までおまけ(ステッカー)付入場券を先行販売中※全3種のうち1種をランダムでお渡しします(絵柄はお選び頂けません)・松尾スズキイラストステッカー(サイズ75×55mm)※おまけは来場時のお渡しになります。松尾スズキ50歳、伝説のひとり芝居「生きちゃってどうすんだ」上映+スペシャルトーク12月11日(月)・12日(火) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:3,800円(全席指定)前売開始:10月7日(土) 10:00AM~※10月1日(日) までプレリザーブ先行抽選受付中【トーク出演】松尾スズキ(両日共)司会:上田智子■トークゲスト12月11日(月):江口のりこ12月12日(火):宮藤官九郎【上映作品】「生きちゃってどうすんだ」(2012年 ザ・スズナリ)作・演出:松尾スズキ、天久聖一出演:松尾スズキ映像出演:宮藤官九郎、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、阿部サダヲ、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、田村たがめ、荒川良々、近藤公園、平岩紙、少路勇介、新井亜樹声の出演:顔田顔彦、宮崎吐夢、星野源「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」12月13日(水)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:7,500円(全席指定)前売開始:10月7日(土) 10:00AM~※10月1日(日) までプレリザーブ先行抽選受付中【12月13日(水)】『松尾✕はいり 彼女はもぎり続けた。男はそれをただ見ていた』出演:松尾スズキ、片桐はいり司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月14日(木)】『松尾✕KERA 電気ロッカーは、スピーカーに足を乗せる夢を見る』出演:松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月15日(金)】『「告白、ハンパしちゃってごめん!」劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿』出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩 ほか司会:皆川猿時演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)特設HP:
2023年09月29日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する今日の夕食にオススメの献立は、 「スズキの塩焼き」 「長唐辛子とジャコの炒め煮」 「アボカドと豆腐のピリ辛和え」 「冬瓜とホタテのふわふわ卵スープ」 の全4品。 スズキの塩焼きはもろみと合わせた野菜を添えて。アボカドはおつまみにもオススメな一品に! 【主菜】スズキの塩焼き シンプルな塩焼きに。もろみと合わせた野菜を添えて。 調理時間:20分 カロリー:152Kcal レシピ制作:管理栄養士、料理家 杉本 亜希子 材料(2人分) スズキ 2切れ 塩 小さじ1 キュウリ 1/2本 大根 1cm 塩 少々 もろみ (市販品)大さじ1 レモン 1/4個 サラダ油 少々 しょうゆ 適量 【下準備】 スズキはサッと水洗いして水気を拭き取り、身の厚い部分に切り込みを入れて振り塩をし、10分置き、水分を拭き取る。 魚より20cmくらい高く離した位置から振ると、均一に塩を振る事ができますよ。 キュウリは縦半分に切り、さらに斜め薄切りにする。 大根は皮をむき、キュウリに合わせて薄切りにする。 レモンは食べやすい大きさに切る。 グリルを予熱する。 【作り方】 1. 焼き網に薄くサラダ油をぬり、スズキを香ばしい焼き色がつくまで焼く。 2. キュウリ、大根は合わせて塩でもみ込み、しんなりしたら水気を絞り、もろみと混ぜ合わせる。 3. 器にスズキと(2)を盛り合わせ、レモン、しょうゆを添える。 【副菜】長唐辛子とジャコの炒め煮 最後に加えるかつお節と白ゴマで味を全体にまとめます。 調理時間:15分 カロリー:89Kcal レシピ制作:管理栄養士、料理家 杉本 亜希子 材料(2人分) 長唐辛子 10本 チリメンジャコ 大さじ1.5 だし汁 大さじ2 <調味料> 酒 大さじ1 みりん 大さじ1/2 砂糖 大さじ1/2 しょうゆ 大さじ1/2 白ゴマ 小さじ1 かつお節 3g ゴマ油 小さじ1.5 【下準備】 長唐辛子はヘタを切り落とし、斜め3~4つに切る。 【作り方】 1. フライパンにゴマ油を強火で熱し、長唐辛子を炒める。少ししんなりしたら、チリメンジャコ、だし汁、<調味料>の材料を加える。 2. 煮たったら少し火を弱め、煮汁が少なくなるまで煮る。白ゴマ、かつお節を加えて全体に混ぜ合わせ、器に盛る。 【副菜】アボカドと豆腐のピリ辛和え 塩とゴマ油、ラー油で作るシンプルな一品! アボカドは食べごろを見極めて下さいね! 調理時間:15分 カロリー:120Kcal レシピ制作:管理栄養士、料理家 杉本 亜希子 材料(2人分) アボカド 1/2~1個 木綿豆腐 1/4丁 塩 少々 ゴマ油 小さじ1 ラー油 小さじ1/4 ネギ (刻み)大さじ2 しょうゆ 適量 【下準備】 アボカドは皮をむき、ひとくち大に切る。 木綿豆腐はキッチンペーパーに包んで重しをのせ、水気をきる。塩、ゴマ油、ラー油を加え、ザックリ崩しながら混ぜ合わせる。 【作り方】 1. アボカドと木綿豆腐を和え、最後に刻みネギを加えてサックリ和えて器に盛る。お好みでしょうゆをかける。 【スープ・汁】冬瓜とホタテのふわふわ卵スープ 冬瓜とホタテフレーク缶を使ったあったかスープです。ふわふわの卵が優しい味に仕上がります! 調理時間:20分 カロリー:134Kcal レシピ制作:管理栄養士、料理家 杉本 亜希子 材料(2人分) 冬瓜 1/16個 塩 少々 ホタテ (フレーク)1缶 白ネギ 1/4本 ショウガ (みじん切り)1/4片分 溶き卵 1個分 ハム 1枚 <スープ> 水 400ml 顆粒チキンスープの素 小さじ1 酒 大さじ1.5 塩 適量 <水溶き片栗> 片栗粉 小さじ2 水 大さじ1.5 サラダ油 大さじ1/2 【下準備】 冬瓜は種を除いて皮をむき、せん切りにして塩を入れた熱湯で軽くゆでる。水に取り、粗熱が取れたらザルに上げ、水気をきる。 白ネギはみじん切りにする。 ハムはみじん切りにする。 <水溶き片栗>の材料を混ぜ合わせる。 【作り方】 1. 鍋にサラダ油を中火で熱し、白ネギ、ショウガを炒める。香りがたってきたら冬瓜、<スープ>の材料を加え、煮たったら中火で3分煮る。 2. ホタテを汁ごと加えてさらに2分煮て、<水溶き片栗>をまわし入れる。 3. 少しトロミがついたら、溶き卵を加えて円を描くように菜ばしで混ぜ、卵がふんわり浮かんだら火を止める。器に注ぎ、ハムを散らす。
2023年08月23日12月8日(金) から15日(金) に東京・スパイラルホールで開催される松尾スズキの生誕60周年を記念した個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』の詳細が発表された。演劇、文筆、俳優業など、様々な分野で才能あふれる多くの作品を世に送り出してきた松尾。初の個展となる今回は、若いころに絵を学んでいた彼がそもそもの原点に立ち返り、“アート”という分野だからこそ見えてくるアクロバティックな世界を堪能することができる。また会場内の音声ガイドは、松尾自身がナビゲートする。さらに、個展に合わせたイベントの開催も決定。12月11日(月)、12日(火)には、10年前、50歳で挑戦した伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』の上映とスペシャルトークを実施。日替わりトークゲストには、宮藤官九郎、江口のりこが参加する。12月13日(水) から15日(金)の3日間は、『松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜』と題して、松尾と同い年の片桐はいり(13日(水))、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(14日(木))を迎え、お互いの歴史について語るほか、歌唱を含むトークセッションを繰り広げる。そして15日(金) は、司会・皆川猿時、立会人・池津祥子、伊勢志摩とともに、劇団員が選ぶ今まで松尾の身にふりかかった10大事件を振り返る企画が実施される予定だ。■松尾スズキ コメントコロナ禍になって暇を持て余していたとき、20年ほど前にキャンバスに描いた中途半端な絵を部屋の隅に見つけ、暇つぶしにそれを完成させようと、ひさしぶりにアクリル絵の具を手にしたら、なぜだろう、止まらなくなって、次から次に絵を描き始めていました。まだ物語を持たない登場人物たちが、躍り出てはポーズを決めるのです。それを筆でなぞっている感覚です。最初は自宅に飾るつもりだったけど、もう、リビングに収まりきりません。だから、いっそ下手なりに、どこか小さなところで展示でもしようかなと思っていたら、なにかの拍子で気を失っている隙に、スパイラルホールでやることになっていました。びびりはしますが、せっかく作ったんだから見せたいという欲望。結局そこに立ち返っていくのだなと、痛感している松尾です。芸術と商売のはざまでのたうち回ってきた松尾の絵は、マンガと美術のはざまで謎のポーズを決めまくっています。<開催情報>個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』12月8日(金)~15日(金) 東京・スパイラルホール開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金) は13:00〜20:00※12月9日(土)・10日(日) は11:00〜20:00前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~<イベント情報>松尾スズキ50歳、伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』上映+スペシャルトーク12月11日(月)・12日(火) 東京・スパイラルホール開場18:30 / 開演19:00【トーク出演】松尾スズキ(両日共)【トークゲスト】12月11日(月):江口のりこ12月12日(火):宮藤官九郎【司会】上田智子前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜12月13日(水)~15日(金) 東京・スパイラルホール開場18:30 / 開演19:00■12月13日(水) 『松尾✕はいり彼女はもぎり続けた。男はそれをただ見ていた』出演:松尾スズキ、片桐はいり司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)■12月14日(木) 『松尾✕KERA電気ロッカーは、スピーカーに足を乗せる夢を見る』出演:松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)■12月15日(金) 『「告白、ハンパしちゃってごめん!」劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿』立会人:池津祥子、伊勢志摩出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩 ほか司会:皆川猿時演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~特設サイト:
2023年07月27日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(松尾駿、長田庄平)が15日、全国7都市をめぐる単独ライブ「CHOCOLATE PLANET LIVE TOUR 2023『PLANET TRAIN』」を、東京・博品館劇場からスタートさせた。本ライブは、人気劇団・ヨーロッパ企画の諏訪雅を演出に迎えたコント劇。満員の客席から大きな拍手が起こる中、サラリーマン姿で登場した長田。コント「開かずの踏切」が始まると、仙人のような格好の松尾が登場し「20年踏切が開くのを待っている」と発言する。そこから言葉と動きで魅せるテンポの良いやり取りに、会場は大いに沸く。コントが終わるとアニメーション映像に。「PLANET TRAIN」というツアータイトルにちなんで、未来都市を走る列車の座席に隣同士で座る長田と松尾が、漫才のような掛け合いで次の駅(コント)へと誘導する映像はとてもスタイリッシュだ。お次のコントは「偏食」。長田の家に遊びに来た松尾が「お腹が空いた」ということで、長田が料理を振る舞うことになるが……。続くコントは「ラスボス」。そして「爆弾処理」。どちらも一筋縄ではいかないストーリーラインと、長田、松尾の絶妙な掛け合いと間によって、会場は大盛り上がり。特に30秒で爆弾を処理しなければならないというシチュエーションのなか、タイムリミットをネタにしたストーリーに、大きな笑い声が響き渡った。また松尾が町中華の店主、長田がお笑い芸人の客となったコント「赤字覚悟でやってます」は、テンポの良い会話のやり取りが行われるなか、ラストはまさかの展開。客席からは悲鳴に近いような笑い声が上がっていた。コント「新曲」では、熱血ボーカリストの長田がステージ上でマイクパフォーマンスを見せ、会場を盛り上げる長田に松尾がツッコミ。客席もこの日一番の盛り上がりを見せていた。そして列車が最終駅に向かうなか、ラストはまさに人気劇団・ヨーロッパ企画とタッグを組んだことにふさわしいような、まったく予期せぬ、圧倒的な展開が待ち受ける。ストレートな笑いから、大いなる変化球の笑い、さらには「PLANET TRAIN」というツアータイトルにふさわしい壮大な世界観まで、さまざまなエンターテインメントが詰まったライブ。カーテンコールに登場した長田は「これはかなりしんどい」と苦笑いを浮かべ、松尾も「あっちにいったり、こっちにいったり、かなり大変ですね」と縦横無尽にステージを駆け巡る展開に充実感をにじませ、全国7都市、17公演に渡るツアーへの意気込みを語っていた。同ツアーは今後、8月5日に大阪、8月12日に宮城、8月16日に札幌、9月1日・2日に京都、9月23日に愛知、10月9日に福岡にて開催(京都公演はまだ余裕があり、札幌・宮城公演は残りわずか、ほか地方は完売)。
2023年07月17日今年春、長期休館目前の渋谷・シアターコクーンで開催されたショースタイルの公演『シブヤデマタアイマショウ』。総合演出の松尾スズキさんをはじめとした個性的なキャスト陣の中で、誰よりもインパクトを残したのが多部未華子さんだった。演技も華もだが、それ以上に多部さんの表情や動きの愛くるしさに目を奪われ、自然と多部さんの役柄に共感し応援したくなってしまうのだ。「役者さんなら誰もが思うことだと思いますが、私はなるべく演出家の方がやりたいというもの、思い描くイメージに近づけたいと思っているひとりというだけです。ただ最近は、1か月近い舞台の稽古期間を楽しいと思うようになりました。若い頃は、やるべきことをやり、自分の出番が終わったら帰りたいと思っていたけれど、今は他の方が試行錯誤している様子を見て学ぶこともあるし、みんなでいろんなことを試して失敗しての繰り返しの中に気づきがあったりもする。勉強になるし、楽しいと思うようになりました」そんな多部さんの次の舞台は、NODA・MAP『兎、波を走る』。今の日本の演劇界のトップランナーである野田秀樹さんの作品に初参加となる。「演出家は野田さんですが、チーム全体でアイデアを出し合っている感じです。野田さんもですし周りの方も、意見を言いやすいし聞きやすい環境にしてくれているんです。特に(高橋)一生さんはアイデアマンで、野田さんの『ちょっとやってみよう』を楽しんでいて、野田さんが信頼を寄せられるのもわかります。松(たか子)さんは言わずもがな、大倉(孝二)さんも秋山菜津子さんもいらして心強いです。今はわからないことは秋山さんに聞いています(笑)」作品の舞台は、潰れかかった遊園地。そこに現れる“アリス”が多部さんの役どころだが、そこは野田作品だけに、さまざまな言葉遊びや示唆的なシーンが重ねられ、一筋縄ではいかない複雑な物語が展開される。「稽古に入る前に今回の題材の説明はしていただきましたが、単純な結末が用意されているわけではないし、心にずしんとくるようなテーマですし、自分のアリス役はどういうテンションでいけばいいのか、探っている段階です。ただ、作品を全部噛み砕いて理解して演じたいタイプの俳優さんもいらっしゃいますが、私は多分こんな感じかな、くらいの理解度でやってしまう方。今も、稽古場で『あのセリフはあそこにかかってるのかな?』などと話していると、秋山さんが『野田さん本人もわからずに書いているところもあるから大丈夫よ』って言ってくれて、『じゃあいっか』って開き直れたりして(笑)」観終わった後も余韻が長引き、あれこれと思考を巡らせる楽しみをもたらしてくれるのが野田作品の魅力。「個人的に面白いのは、スローモーション。これまでに観た野田さんの舞台でも取り入れられてきた手法ですが、稽古場で自分もやったり、みなさんがやっているのを見ていたら、すごく効果的に使われていました。しかもアンサンブルの方たちの動きがすごくて、まるでアスリート。早く本番を見てみたいです」プライベートでの大きな変化もありつつ、なお精力的に活動しているが、その原動力とは何なのだろう。「女優として“どうしても演じていたい”というほどの強い気持ちはないんです。すごく暇が苦手で(笑)。でも今回の稽古は本当に楽しくて、お芝居をしていなくても現場にいたいくらいです」NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』6月17日(土)~7月30日(日)池袋・東京芸術劇場プレイハウス作・演出/野田秀樹出演/高橋一生、松たか子、多部未華子、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一、野田秀樹S席1万2000円A席8500円サイドシート5700円ほか全公演にて当日券あり。NODA・MAP TEL:03・6802・6681(平日11時~19時)大阪、博多公演あり。たべ・みかこ1989年1月25日生まれ、東京都出身。2002年にデビューし、映画、ドラマを中心に活躍。舞台では、松尾スズキ、蜷川幸雄、白井晃などさまざまな演出家の作品に出演。最近のおもな出演作に、ドラマ『マイファミリー』、映画『流浪の月』など。シャツ¥55,000(チノ/モールド TEL:03・6805・1449)スカート¥33,000(ビリティス・ディセッタン/ビリティス TEL:03・3403・0320)バングル¥60,500(フォーヴィレイム/フォーヴィレイム カスタマーサポートcustomer@fauvirame.com)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年6月21日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・岡村春輝ヘア&メイク・赤松絵利(ESPER)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年06月20日松尾スズキが、生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』を12月8日(金) から15日(金) に東京・スパイラルホールで開催することが決定した。1988年に「大人計画」を旗揚げして以降、舞台をはじめ、映画、小説、エッセイ、コントドラマなど数多くのエンターテイメント作品を世に送り出し続ける松尾。少年期は赤塚不二夫の影響を受け漫画家を志し、ギャグ漫画を描き続けた日々。大学時代はデザインを専攻し、さまざまなポップアートに触れ、アート作品制作に没頭するなど、松尾の創作活動は演劇よりも先にアートがあったという。初の個展となる今回は、これまでに松尾が描きためた絵画やイラストのほか、自身が手がけた舞台美術作品を展示。また過去の舞台作品の上映や、ゲストを招いて歌とトークのイベントも開催される予定だ。<イベント情報>生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』12月8日(金)~15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』ビジュアルお問い合わせ:大人計画TEL:03-3327-4312(平日11:00〜19:00)
2023年03月30日一昨年、コロナ禍の中、渋谷・シアターコクーンの芸術監督である松尾スズキさんの総合演出により開催された『シブヤデアイマショウ』。“大人の歌謡祭”と称し、演劇のみならず、歌に踊り、笑いと、さまざまな企画を詰め込んだエンターテインメントショーの第2弾が、長期休館を目前にした同劇場で開催される。歌にダンスに笑いと盛りだくさん。渋谷の劇場で松尾式レビューが開催。「そもそも芸術監督を引き受けるにあたってやりたいと思っていた柱のひとつに、ストーリーを排して純粋に楽しむためのショーができないかというのがありました。以前、公演でパリに行った時に向こうでいくつかのショーを観たんですが、既成の曲にダンスやプロジェクションマッピングと演出だけで魅せていて、こういうものって日本にないなと思ったんですね。すごく洗練されていて、ゴージャス感もあるし。舞台上につねに音楽が鳴っていて、ダンスがあってっていうのは、もともと僕の好みの世界観ではあるんです。今より小さい劇場でやっていた頃から僕の芝居には、急に歌とダンスが始まってレビューみたいになるところがなぜかあって。それは赤塚不二夫さんの漫画を読んで育った、というのがあるのかもしれないんですが。そういう好きな部分だけを抽出して、全部並べてみたらどうか、という実験的な意味合いもあったと思います」「バラエティに富んだものに」とコーナー演出には、歌舞伎を題材とした現代劇の演出を手がけている杉原邦生さんの名前も。また、日替わりゲストには、新妻聖子さんのような本格ミュージカルで活躍する俳優陣がこぞって参加。普段の松尾作品からは異色とも思える顔ぶれが並ぶ。「要素のひとつに“和”を取り入れようと思ったのが杉原くんにお願いした理由です。ミュージカルの方々とはあまりお付き合いがなかったのですが、歌やダンスのスキルというか、クオリティの高さは認めざるをえないんです。これまで、そういうものにわりと反逆的というか、素人の肉体をぶつけることであえて違和感を作り出してきた劇団なわけです。でも続けていると、結局俳優にスキルがないと、100%こちらが思い描いたようにはやれないということが、30年くらいかけてじんわりわかり始めてきた感じです」2年前の公演を経て、アンサンブルと呼ばれるキャストへの信頼が増し、役割の比重が大きくなったとも。「アンサンブルもそれぞれに個性があって、得意分野が違う。今回は、それを生かしたものを作りたいというか、アンサンブルが結構前面に立って頑張っていますから、彼らの公演でもあるといえますね」ただ、詳しい内容は「言いたくても言えない部分が多い」とのこと。「なんで言えないかも言えないんですが(笑)、日頃めったに見られない生のダンスや歌で綴る、面白いショーになるはず。この公演後、劇場が長期休館に入ることもあり、最後を飾るお祭り騒ぎにしたいと思っています。地方出身で30年以上東京に住んでも都会の祭りへの参加の仕方がわからない。なら自分で祭りを作る、みたいなところもあります」ところで、休館中の芸術監督は?「芸術監督を受ける際、演劇の場で活躍できる新人を育てたいという要望も出していました。つまり養成所です。最近、演劇で演出家の名前が入ってくることはあっても、『面白い俳優が出てきた』という話をあまり聞かなくて。それが僕は本当に悔しいんです。今から僕がやってできるかわからないけれど、育てる努力はしたい。なので、その活動をやっていこうと思っています」いまや映像でも活躍し、映画監督も務めたり、作家としても評価されているが、「演劇で認められて演劇に育てられましたから、恩返しのひとつもしたくなります」と話す。「どんな舞台に出ても、作品の世界観や演出を自分の体や声と融合させながら、この人だってわかる痕跡を残せる人。そういう身体性への美学が自分の中にはあるし、結局、そういう俳優が好きなんですよね」第二の阿部サダヲさんや荒川良々さんが見つかる日も近いかも!?COCOON PRODUCTION 2023『シブヤデマタアイマショウ』3月30日(木)~4月9日(日)渋谷・Bunkamuraシアターコクーン総合演出/松尾スズキ構成台本/松尾スズキ、天久聖一コーナー演出/杉原邦生、康本雅子、天久聖一出演/松尾スズキ、多部未華子、猫背椿、村杉蝉之介、近藤公園、後東ようこ、康本雅子、秋山菜津子ほか(日替わりゲストあり)S席1万2500円A席9000円コクーンシート5500円Bunkamura TEL:03・3477・3244(10:00~18:00)まつお・すずき1962年12月15日生まれ、福岡県出身。WOWOWにて3月25日放送・配信のオリジナルコントドラマ『松尾スズキと30分強の女優』では脚本、演出、出演を務めるほか、出演映画『シン・仮面ライダー』が公開中。スーツ¥127,600(BEAMS F)シャツ¥26,400(GUY ROVER)ネクタイ¥18,700(Holliday&Brown)チーフ¥7,480(PAOLO ALBIZZATI)シューズ¥143,000(Enzo Bonafe) 以上BEAMS TEL:03・3470・9393※『anan』2023年3月29日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・安野ともこヘア&メイク・趙 英インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年03月23日大人計画主宰とシアターコクーン芸術監督を務める松尾スズキさんと、豪華女優陣が本気でコントに挑む姿が人気を博している「松尾スズキと30分の女優」シリーズ。2021年からスタートしたオムニバスコントドラマも、いよいよ第3弾を迎えます。そこで、シリーズ初参戦となるこちらの方にお話をうかがってきました。長澤まさみさん【映画、ときどき私】 vol. 561さまざまな作品でコメディからシリアスまで、幅広い役どころを見事に演じわけている長澤さん。30分強という番組尺のなかで、カード支払いセンターの通信先で働く夫婦を描いた「センタア飯店」、野良のキャッツを捕まえた女が登場する「野良キャッツ、捕獲女」、恋人と結婚するためにペットを手放そうとする女性が主人公の「老紳士を捨てる」、恐竜喫茶を舞台にした「恐竜最後の日」、居心地のいい会社の様子を映し出した「居心地最高」という5つのコントに挑戦しています。今回は、撮影現場の様子やコントへかける思い、そして笑顔の裏に隠された意外な素顔について語っていただきました。―これまでもコメディ作品には出演されていますが、演じるうえでコントとの違いはありますか?長澤さん私にとってはコントでもドラマでも映画でも舞台でも、芝居をするときは基本的に同じです。ただ、過去にコントで演じたときに感じたのは、作家さんによって笑いの感覚が違うということ。そういう意味で、台本の解釈が難しいなと思うことはありました。しかも、その場で感じて出たものが大切なので、コントって深いですよね。あと、練習しすぎても新鮮味がなくなってしまうので、お笑いの現場では最初の感覚を大切にされる方が多いかなと。今回もリハは軽く合わせる程度で、だいたい1発目で「はい、オッケーです」みたいな感じでした。演じてみたらどれも本当におもしろかった―どのエピソードも独特な世界観でしたが、印象に残っているのはどの役ですか?長澤さん台本を読んでいるときは、「センタア飯店」が一番キャッチーで楽しそうだなと思いましたが、演じてみたらどれも本当におもしろくて。そのなかでも、「老紳士を捨てる」はお気に入りでゲラゲラ笑ってしまいました。あと、印象的という意味では、「恐竜最後の日」ですね。劇中で恐竜の真似をしていますが、撮影前に恐竜の動きを真面目に研究している方の動画が送られてきました。こんな人たちがいるんだという驚きもありましたが、それがおもしろかったです。とにかくアングラ感がすごくて(笑)。真似させていただきましたが、まったくもってふざけているわけではありません。―練習されただけあって、恐竜の動きは素晴らしかったです。また、コンテンポラリーダンスを披露されるシーンでは、ご自身で振付をされたとか。長澤さん「どうすればいいですか?」と聞くと、「それを考えるのが俳優の仕事でしょ」と言われてしまうので、自分で考えていきました。ただ、撮影のあとにSNSでいろんなコンテンポラリーダンスの動画が流れてきて「ああ、これもできたな」と思うものがあったので、もっと早く教えてほしかったですね(笑)。―また、「センタア飯店」では謎の言葉を叫んでいるのが強烈でした。これも事前に家で練習されていったそうですが、鏡の前で試したり、ひたすら声に出したりしたのでしょうか。長澤さんいやいや、そんな1人でラップバトルみたいなことはしていません(笑)。そもそも架空の言語なので、自分なりに解釈をしてこういうふうに読んだらおもしろいかなと思う音を探していった感じです。セリフに小さい「つ」が2つ並んで書かれていたりしたので、「どう読めばいいんだろう?」というところから始まりました。でも、自分としてはすごく好きな分野だと思います。安心して思いっきりできるのが松尾さんの現場―眉毛をつなげたりするコントのメイクに抵抗はなかったですか?長澤さん私、大好きなんです(笑)。かつらもいっぱい被りたいし、おもしろいメイクもたくさんしたいですね。―ぜひ見てみたいです。松尾さんとは舞台でもお仕事されていますが、演出家として、俳優としての魅力をそれぞれ教えてください。長澤さんまず演出家としては、当たり前ですけど、真面目で厳しい方です。本番までにちゃんと用意していかないとすぐに指摘されてしまいます。でも、これまでの関係性もあったので安心して現場に行けましたし、思いっきりできました。俳優としては、個性的でおもしろい方ですが、独特なキャラクターも松尾さんが演じるとその世界観になるので不思議ですよね。―松尾さん以外にも、非常に個性豊かなキャストが揃っていましたよね。長澤さん本当に好きな俳優さんばかりだったので、一緒にお芝居ができて楽しかったです。そのなかでも、村杉蝉之介さんは一番共演させていただいている方なので、いてくれるだけで安心感もありました。でも、今回は邪魔してくる箇所もたくさんあったので、本当に迷惑でしたね……。というのは冗談です(笑)。―アドリブみたいなことはありませんでしたか?長澤さんそれはほとんどなかった気がします。ただ、「老紳士を捨てる」で近藤公園さんが私のことを目隠しするシーンで、近藤さんも松尾さんに目隠しをされていたのですが、本番が始まったら後ろから「痛い、痛い、痛い」と本気で痛がっている声がしたんです。何が起きているかわからなかったのですが、出来上がった作品を観たら近藤さんが松尾さんに目つぶしされていて(笑)。それが本当におもしろかったです。お笑いは本当に難しい分野だと感じている―長澤さんから見た松尾スズキ作品の魅力についても、お聞かせください。長澤さんすごく独特で感覚的なところも多いので説明するのが難しいのですが、どれもベースにあるのは普遍的な物語だと思っています。影を背負っている人物もポップに描いていますが、噛めば噛むほど味が出るというか、ジーンとくるキャラクター設定が多いですよね。そういうところが魅力的だなと感じています。―本作への出演が決まった際、お笑いの動画を参考に見たことは?長澤さんそれはなかったですね。というのも、コントやお笑いは誰かのをなぞるとおもしろくなくなると思ったからです。特に、日本のお笑い芸人さんがされているようなことは、その方のキャラがあっておもしろいパターンが多いので。―長澤さんのなかにあるコメディセンスに影響を与えている人はいますか?長澤さん私が大好きなのは、大人計画のみなさんです。俳優でありながら、それぞれの世界観がきちんと確立されている方々なので、そういうところが魅力的だなと。あの感じがうらやましくて、いつも憧れています。―今回の出演を通して、改めて「笑い」とは何か考えたこともあったのではないかなと。長澤さんやっぱり難しいなと感じました。たとえば、ここで笑ってもらえたらうれしいなと考えるところがあっても、ほかの人は意外と違うところでおもしろいと思ってくれることも多いので。上手くハマるときもありますが、その感覚がつかめないときもあるので、本当に難しい分野だなと感じています。ほめられるようになって、笑顔でいられるようになった―ちなみに、最近一番笑った出来事は何ですか?長澤さんもうすぐ『ロストケア』という映画が公開になりますが、共演している松山ケンイチさんが突然私に向かって「やっぱりまーちゃんと呼ぼう」と言い出したことです(笑)。そこからお互いにあだ名で呼び合うことになって、私は「けんちゃん」と呼ぶことになったのですが、唐突に何かが変わったりするとおかしかったりしますよね。―確かにそうですね。そして、何といっても長澤さんの笑顔に癒されている人が多いと思うのですが、笑顔でいられる秘訣を教えてください。長澤さん本当ですか!?癒しになっていますでしょうか(笑)。実は、私はつねにみんなに笑顔をふりまこうとがんばれるタイプではなく、どちらかというと、恥ずかしさをごまかすために笑っちゃっている感じです。というのも、根が照れ屋で、前に出たがるのに注目されると恥ずかしいみたいなあまのじゃくな性格なので……。私としては、気持ちいい状態で笑顔になっているというよりも、笑いながらハラハラしたり、大汗かいたりしていることのほうが多いので、笑顔でいるのも大変だなと思っています(笑)。でも、恥ずかしくて笑っているだけでも、周りからは「笑顔がいいね」と言ってもらえるようになったので、ほめられるようになってから笑顔でいられるようになったところはあるかもしれません。―それは意外に思う方が多いのではないでしょうか。長澤さんいつも恥ずかしい思いでいますし、「今日もうまくいかなかったな」とか「人に対してちゃんと誠実にできていたかな」みたいな感じで、家に帰るとだいたい反省から入ってしまうほどです。悩みながらも、立ち止まらずにがんばってほしい―そんななかで、素の自分に戻れるのはいつですか?長澤さん最近も共演した方から「いつリラックスしているんですか?」と聞かれたんですが、ということはリラックスしているように見えていないんだなと思って考え込んでしまいました。でも、ゆっくりと家の片づけをしているときや家族や友達のように自分が好きな人たちと一緒にいるときは、一番楽でいられる時間です。私は友達に話を聞いてもらってなるべく発散していますが、そんなふうに人と関わることっていいなと感じています。―今年で30代も折り返しに入りますが、今後のためにいまから準備していることはありますか?長澤さんあまり先のことを考えてはいないですが、カラダは大事にしたいので、最近はもっぱら健康管理にハマっています。というのも、20代のときはいらない気を張りすぎてすごく疲れていましたが、30代になって力を抜けるようになったおかげで昔よりもうまくカラダを使えるようになりました。30代のほうが体力もあるように感じるので、それを続けられるようにがんばって健康を維持したいです。―では、これから挑戦したいことといえば?長澤さんプライベートでは習い事をいっぱいしたいなと思っています。なかでも、趣味として楽器を習いたいと考えているのですが、候補がいくつかあるのでいま精査しているところです。仕事では、今回久しぶりに松尾さんと仕事ができたので、また一緒に舞台をしたいですね。―ananweb読者の女性たちは、長澤さんのような女性になりたいと憧れている方も多いので、ぜひアドバイスがあればお願いします。長澤さん私でいいのでしょうか(笑)。でも、言えることがあるとすれば、悩むのもすごく大事だということですね。ただ、悩んでいる間に立ち止まってしまうと後から何もなくなってしまうこともあるので、悩みながらも何かに一生懸命がんばっておくのは大切かもしれません。それが仕事であったり、家族との関係であったり、人によっていろいろだと思いますが、打ち込めるものを持っていたほうがいいというのは伝えたいです。インタビューを終えてみて…。とにかく自然体で、いるだけでその場を明るくしてしまう長澤さん。素敵な笑顔には釘付けになりましたが、その裏にはいろんな思いがあったことを知って驚かされました。とはいえ、そういった部分も隠さないところが人として魅力的な部分。そして、共感を呼ぶところでもあると感じました。ぜひ、本作では長澤さんのコメディセンスと身体能力の高さを堪能してください。予測不能な笑いの波が押し寄せる!松尾スズキさんにしか描けない独特すぎる世界観と、ほかの作品では決して見ることができない女優たちの姿が病みつきになるコントシリーズ。一度踏み込んだら最後、余計なことを考える間もない至極の30分強に誰もが虜になってしまうはずです。写真・幸喜ひかり(長澤まさみ)取材、文・志村昌美スタイリスト・影山蓉子(eight peace)ヘアメイク・スズキミナコニットトップ ¥232,100、スカート ¥214,500、(以上メゾン マルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービス 0120-934-779)ストーリー「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」との想いから、脚本・演出・出演を務める松尾スズキが女優と組んで繰り広げるオムニバスコントドラマ。第1弾には吉田羊、多部未華子、麻生久美子、黒木華、第2弾には生田絵梨花、松本穂香、松雪泰子、天海祐希が出演した。そして、第3弾となる最新シリーズは、30分から30分強に延長し、松たか子と長澤まさみの2人が登場する。思わず笑ってしまう予告編はこちら!作品情報『松尾スズキと30分強の女優』3月25日(土)より放送スタート午後9:30~ 「松たか子の乱」午後10:15~「長澤まさみの乱」[WOWOWプライム] [WOWOWオンデマンド]※WOWOWオンデマンドでは無料トライアル実施中写真・幸喜ひかり(長澤まさみ)
2023年03月21日松たか子、長澤まさみが出演する「松尾スズキと30分強の女優」の放送・配信日が3月25日(土)に決定、番組ビジュアルも公開された。本作は、松尾スズキが女優と組んで繰り広げる至極のコント番組の第3弾。「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」という思いから、松尾さんが脚本・演出・出演を務める、各話30分のオムニバスコントドラマ「松尾スズキと30分の女優」。今回は“強”となってさらにパワーアップ。「松たか子の乱」初回は「松たか子の乱」、続いて「長澤まさみの乱」を放送・配信。なお、吉田羊、多部未華子、松雪泰子、天海祐希らが出演する過去シリーズ(第1・2弾)は、WOWOWオンデマンドにて配信中だ。「長澤まさみの乱」「松尾スズキと30分強の女優」は3月25日(土)WOWOWプライム&WOWOWオンデマンドにて放送・配信(「松たか子の乱」21時30分~/「長澤まさみの乱」22時15分~)。(cinemacafe.net)
2023年02月15日2月7日、大手自動車メーカー「スズキ」は社外取締役の候補者として、元陸上競技選手でスポーツキャスターの高橋尚子(50)を選任したと発表した。6月開催予定の第157回定時株主総会での承認を経て、正式決定となる。選任理由について、スズキは「高橋氏はスポーツ分野の第一人者であり、環境や社会貢献などへの取り組みを評価する『ESG』への対応などで知見を発揮してもらいたい」と語った。’00年のシドニー五輪女子マラソンで日本女子陸上史上初となる金メダル獲得という、偉業を達成した高橋。愛くるしいキャラクターもあって大ブレイクし、同年には国民栄誉賞も受賞した。’08年10月の現役引退以降は、マラソン解説者やスポーツキャスターとして数々の番組に出演で活躍。途上国の子供たちへの慈善活動などにも積極的に参加していた。“Qちゃん”の愛称で日本中から親しまれた高橋だが、あまり公言してない趣味があった。16年7月下旬、高橋が向かったのは、なんと千葉市内にある当時の自宅から10キロほど離れたパチンコ店。午前11時半ごろに入店すると、大きなマスクで顔を隠したまま、ホラー小説『リング』の台の前へ。黙々と打ち始めるやいなや10分ほどで大当たりを引くと、2時間後にはなんと “ドル箱”が14箱も積み上げられるほどに。その後はトイレ休憩以外、食事もとらずに黙々と打ち続ける。そして、午後8時頃にマネージャーも務める恋人男性が車で迎えに来ていたが、大当たり中だったからなのか、そのまま続行。結局、終わったのは午後10時40分ごろで、すでに他の客はすべて帰っていた。ぶっ通しで11時間もパチンコを打ち続けたその翌日、本誌が直撃すると、「月に何回かしか行かないです。昨日は休みだったので……あくまで息抜き(苦笑)」と明るく答えていた。現在、日本オリンピック委員会の理事や日本陸上競技連盟の常務理事も務めている高橋。社外取締役への選任も今回が初めてではなく、昨年6 月には、’19年からスポンサー契約を締結していた「スターツコーポレーション株式会社」の社外取締役にも就任が決定していた。激務の疲れをひそかにパチンコで癒やしているのかも?
2023年02月10日千葉スズキ販売株式会社(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長:片桐 健太郎)は、チョコレート味の昆虫食「チョコシルクワーム」を千葉スズキ販売全店舗(千葉市美浜区、柏市、千葉市若葉区、習志野市、佐倉市)で2023年1月26日に発売しました。チョコシルクワーム自販機正面今、様々な企業があらゆる方向から取り組んでいるSDGs。当社はカーディーラーでありながら、車とは全くの別の分野である「昆虫食」の販売に2022年11月より取り組んでおります。これまでのラインアップには無かった特別な味、チョコレート味の昆虫食「チョコシルクワーム」を皆様にお届けいたします。ご自身で召し上がるのはもちろん、バレンタインが目前に控える中、今までとはちょっと違うサプライズバレンタインでお父さんや上司、お友だちを驚かせてみませんか。昆虫食のすごさ◆商品概要・CHOCOLATE COVERED Silkworm Pupae <チョコシルクワーム> 10g・Mixed Bugs(Original) <5種ミックス> 15g・Mixed Pupae <ワームミックス> 15g・Orthoptera Mix <バッタミックス> 15g・Tail Scorpion <ミニサソリ> 0.5g・Original <コオロギ> 7g・Original <シルクワーム> 6g・Original <色々ミックス> 6g※仕入れ状況により、販売種類が変わることがございます昆虫食との比較◆全商品共通概要原産国 :タイ価格 :オープン価格(仕入れ価格により変動します)賞味期限:商品によって異なります(約1年程度)販売場所:千葉スズキ販売アリーナ美浜店(千葉県千葉市美浜区新港173)千葉スズキ販売アリーナ柏店(千葉県柏市大津ヶ丘1-41-12)千葉スズキ販売アリーナ若葉店(千葉県千葉市若葉区桜木5-17-5)千葉スズキ販売アリーナ習志野店(千葉県習志野市鷺沼3-18-15)千葉スズキ販売アリーナ佐倉王子台店(千葉県佐倉市生谷1515-24)販売時間:アリーナ美浜 24時間365日アリーナ柏、若葉、習志野、佐倉王子台 10時00分~18時30分注意事項:昆虫は甲殻類(エビ・カニ)等と非常に近い生物です。甲殻類アレルギーをお持ちの方は、十分ご注意ください。S×虫アイコン(バレンタイン)◆会社概要千葉スズキ販売株式会社は、創業69年の地元資本のカーディーラーです。【人の縁を大切に、和(輪)を大きく広げよう】の社是の下、地域のお客様にご利用いただき、成長させていただいております。所在地 : 千葉県千葉市美浜区新港173代表者 : 代表取締役社長 片桐 健太郎事業内容: スズキの軽自動車・小型車等の販売、中古車の販売、車の点検整備等自社URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月30日COCOON PRODUCTION 2022『ツダマンの世界』に出演する、吉田羊さんにお話を伺いました。吉田羊さんが松尾スズキ作品と出合ったのは、’12年の舞台『ふくすけ』だそう。エロもグロも毒も笑いも、そしてその奥に潜む切なさや美しさも、まとめてごった煮にしたような独特の世界観に、「最初は正直、よくわからなかった」と吐露する。「ただ、なんだかすごいものを観たという感覚だけはありました。しかも、観終わった後もずっと何かを問いかけられているような余韻があって。その後、さまざまな作品を拝見するうちに、弱さとか本音を必死に取り繕って生きる人間の滑稽さみたいなものをユーモアで包んで笑い飛ばして、寄り添ってくれるようなところが松尾作品の魅力なのかなと思うようになりました。ダメなところがあるのはみんな同じだよね、だから許そうよ、君も不完全でいいんだよって言ってもらえているような、そんな優しさを感じたんです」そこから「いつか自分もこの舞台に」と憧れていたそう。念願叶った舞台『ツダマンの世界』は、昭和初期から戦後の日本を舞台に、阿部サダヲさん演じる小説家・ツダマン(津田万治)を軸に描かれる愛憎劇。そこで吉田さんが演じるのは、ツダマンと再婚する戦争未亡人、数。「今回すごく演劇的な作品になっていると思います。舞台転換もですし、ひとりの俳優が2役、3役と演じ、ド派手な音楽の中で非現実的な展開が繰り広げられていて、まさに舞台でしか見られない世界。でもその一方で、これまで時間や場所などを限定しない世界で描いてきた松尾さんが初めてだとおっしゃるように、リアルな時代背景で描かれている作品でもあるんですね。命の危険と隣り合わせの戦時下にあっても愛憎にまみれ、嫉妬とプライドに身をやつす人間の愚かさみたいなものも笑いに変えて描いていくところに、松尾さんらしさも感じられます」じつは台本を手にするより前、あらすじを読んだ段階で、吉田さんは思わず泣いてしまったのだとか。「物語終盤、数さんがそれまで溜め込んでいた気持ちを吐き出すセリフがあるんですけれど、自分と重ねてしまい胸がキュッとしてしまったんです。数さんは、無学な自分に引け目を感じつつも小説家の妻としてふさわしくあろうとする女性なんですが、私自身も自己肯定感が低い中で自己研鑽の日々を送っているので、どこか身につまされたんだと思います。最初お話をいただいたときは、松尾さんの世界を果たして自分がどれくらい理解できるかと心配していましたが、もしかしたら自分だからこそできる数さんがあるかもしれない、と思えるようになりました」実際に松尾演出を受けてみて感じるのは、その繊細さだという。「最初に驚いたのは、アドリブのように見えていた部分が、ほとんど台本通りだったことでした。むしろ、受けの芝居を細やかに積み重ねていかれるという印象で。しかも、ちょっとした間や、言葉のニュアンスにこだわられていて、そこの些細な音の違いで、見え方や感じ方が一気に変わるんです。その演出を受けて、黙って隣に座っていた俳優さんが途端に生き生きして見えてくる瞬間があって、本当にすごいなと」かつて吉田さんが松尾さんの手がけたコント番組に出演した際には、台本に書かれた「あ゛」というセリフの発音に対し、すごく熱心に演技指導を受けた経験が。笑いを交えながらも、なんだか妙に心の深い部分に刺さる松尾作品の魅力は、そんな小さなこだわりが積み重なって生まれてくるものなのかもしれない。「世の中に、感情を理路整然と話せる人って少ないですよね。でも、しっちゃかめっちゃかになりながらも、自分なりの言葉を尽くして想いを必死に伝えようとする人の姿には、心を打たれるものがあります。松尾さんの作品には、何かそれに似た美しさを感じるんです」COCOON PRODUCTION 2022『ツダマンの世界』地味に小説を書き続け、中年にさしかかった頃、新作が文壇最高峰の賞の候補となった万治(阿部)は、幼馴染みの勧めにより戦争未亡人の数(吉田)と結婚する。豪商の息子・葉蔵(間宮)は弟子になりたいと押しかけてきて…。11月23日(水)~12月18日(日)渋谷・Bunkamura シアターコクーン作・演出/松尾スズキ出演/阿部サダヲ、間宮祥太朗、江口のりこ、村杉蝉之介、笠松はる、見上愛、町田水城、井上尚、青山祥子、中井千聖、八木光太郎、橋本隆佑、河井克夫、皆川猿時、吉田羊S席1万1000円A席9000円コクーンシート5500円Bunkamura TEL:03・3477・3244(10:00~18:00)京都公演あり。よしだ・よう福岡県出身。小劇場で演劇活動をスタートし、ドラマ『HERO』などで注目を集める。最近の主な出演作に、ドラマ『きれいのくに』、舞台『ザ・ウェルキン』など。出演映画『マイ・ブロークン・マリコ』が現在公開中。ニット¥63,800スカート¥85,800(共にケイタマルヤマ TEL:03・3406・1935)リング、右手人さし指¥165,000右手薬指¥99,000左手¥264,000ピアス¥319,000(以上グリンビジューInstagram:@gren_jewelry_official)※『anan』2022年11月30日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・石井あすかヘア&メイク・赤松絵利(ESPER)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年11月29日昨日11月23日よりBunkamuraシアターコクーンにて、松尾スズキ作・演出のCOCOON PRODUCTION 2022「ツダマンの世界」が開幕。舞台写真と初日を迎えてのキャストコメントが到着した。松尾さんの2年ぶりとなる最新作「ツダマンの世界」は、文壇の最高峰「月田川賞」を目指す小説家・ツダマンをめぐる狂気のメロドラマ。松尾さんは作・演出のみならず、劇中に登場するオリジナル楽曲の作曲を自ら手掛けている。「月田川賞」を目指しながら、押しかけ弟子や周囲の人々に翻弄される主人公・ツダマンこと、小説家・津田万治役の阿部サダヲは、初日を迎え「大作です!そんで大作ってやっぱり大変なんですね!出てる役者ほぼ全員、叫んで、笑って、着替えて、歌って、踊って、着替えて、叩いて、被って、着替えてます(笑)大変です!30回くらい?場面も転換するから、スタッフさんも大変です。生放送の歌番組みたいな動きです。松尾さんの舞台に初めて出演されるキャストの方々がとても面白いです!なんでしょう?松尾さんの今までの作品にはなかった新しい不思議な感覚が楽しめそうな気がします!」と興奮気味に語る。ツダマンに弟子になりたいと志願する長谷川葉蔵役の間宮祥太朗は「稽古場はとても居心地が良く、少しずつ作品が構築されていく様子に高揚した毎日でした」とふり返り、「初めて立つシアターコクーンの舞台で、美術照明音響が織りなすツダマンの世界に、これからの本番が楽しみです」と心境を明かす。津田万治に嫁ぐ妻・津田数役の吉田羊も「共演の皆さんの最高に面白いお芝居をかぶりつきで観られた特等席を、今度はご来場のお客さまにお譲りして、私は精一杯、数を生きたいと思います」と意気込んでいる。そして、松尾さんは「いっぱい本を読みました。昭和の時代の作品です。調べれば調べるほど昭和の文豪たちは、コンプライアンスとはほど遠い世界を生きておりました。わたしも無頼と呼ばれた時代もありましたが、さすがにここまでのことはない。インテリジェンスと野蛮が混在した昭和の文化人たち、それを支えたり振り回されたりする人々の、滑稽で、かつ、ひたむきで、悲惨な姿を、ご堪能ください」とメッセージを寄せている。また、12月7日(水)18:00公演のライブ配信も決定した。COCOON PRODUCTION 2022「ツダマンの世界」は12月18日(日)までBunkamuraシアターコクーンにて、12月23日(金)~29日(木)ロームシアター京都メインホールにて上演。※12月7日(水)18時公演を配信。(cinemacafe.net)
2022年11月24日松尾スズキが女優と組んで繰り広げる至極のコントドラマ第3弾「松尾スズキと30分強の女優」の放送が決定。今回は、松たか子と長澤まさみが出演する。松尾さんが「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」という思いから、脚本・演出・出演を務める、各話30分のオムニバスコントドラマとしてこれまで、吉田羊、多部未華子、麻生久美子、黒木華、生田絵梨花、松本穂香、松雪泰子、天海祐希が出演し、第2弾まで放送してきた「松尾スズキと30分の女優」。今回の第3弾では、そんな「30分の女優」から「30分“強”の女優」と変え、これまでよりも各話を長めにスケールアップ。これまでと同様に、本作の脚本家として松尾さんのほかに、「バカドリル」の著者・天久聖一と、劇団「地蔵中毒」主宰の大谷皿屋敷が参加する。放送決定に松尾さんは「この歳でコントの番組をやらせてもらえるとは、そして、松たか子、長澤まさみという、旬の時間が止まらない、日本を代表する女優とタッグが組めるとは、幸せ以外のなんでもないので、がんばるという言葉は、あまり好きじゃありませんが、楽しくがんばる次第です」と心境を明かし、「今回も、見てる人みな頭が変になれ、と、祈りつつ台本製作中であります。乞うご期待!」とコメントしている。「松尾スズキと30分強の女優」は2023年3月、WOWOWにて放送・配信予定。(cinemacafe.net)
2022年11月23日さまざまなドラマや映画で活躍する名バイプレイヤー。…だと思っていたら、その半生が『拾われた男』としてドラマ化され、今や国内外で配信されている松尾諭さん。「日常のクスッとしたおかしみを作りたいと言われています」「周りから『見たよ』とか言われるとすごく恥ずかしいんです。一気に毛穴が開く感じがする(笑)。でも、今の稽古場には見てる人、あんまりいないんじゃないかな。みんなそこまで僕に興味がないと思うので」と控えめ。ただ、コメディしかりサスペンスしかり、出演作への期待値を上げてくれる俳優なのは間違いない。その松尾さんが今取り組んでいるのは、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)さん作・演出の舞台『しびれ雲』。小津安二郎や岸田國士をイメージした世界観で書き上げるささやかで静かな芝居。「KERAさんからは、何が起こるわけではないけれど、日常で人が話している中に生まれるクスッとしたおかしみみたいなものを作りたいと言われています。学生時代に小津映画をレンタルして観ることはあったけれど、当時はどこか義務的に観ている感じでした。でも今回、稽古場で参考にみんなで観たんですけれど、こんなに面白かったんやって思ったんです。ようやく面白さに気づける年齢になったのかもしれないです。僕の役で言うと、佐分利信(さぶり・しん)みたいな感じでと言われています。まだ探りながらですけれど、KERAさんは演出が的確で、ここをどう見せたいのかがわかりやすいし、どう言えば僕たちに伝わるかをすごく考えてしゃべってくれるので、いちいち全部、なるほどって思えて楽しいです」物語の舞台は、架空の地方の島。それゆえ登場人物たちはKERAさん考案の創作方言をしゃべることに。「“~だり”とか“~がっさ”って語尾があるんです。実在していない方言なので結構適当なのかと思って、楽なのかなって思っていたけれど、間違えると言い直させられるし、ナメてました(笑)。ただ方言でしゃべる芝居自体は好きなんですよ。方言があるだけでキャラクターが一個できるし、これは僕の実感ですが、セリフ回しが方言になっていることで、小津作品のあの独特の空気感が自然と醸し出されている気がして、あれは発見だなと思います」活動の場は映像が多いが、舞台は「毎回やるたびに発見があって、息遣いが変わるだけで何かが変わるライブ感が楽しい」と話す。「セリフを体で表現するので肉体派の僕の性には合っています。…肉体派かはわからないですけど(笑)」KERA・MAP #010『しびれ雲』昭和初期、海に囲まれた孤島・梟島。海に浮かぶ舟の上に、頭から血を流した謎の男(井上芳雄)が見つかった。男はフジオと呼ばれ、島で暮らし始めるが…。11月6日(日)~12月4日(日)下北沢・本多劇場作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演/井上芳雄、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、安澤千草、菅原永二、清水葉月、富田望生、尾方宣久、森準人、石住昭彦、三宅弘城、三上市朗、萩原聖人全席指定8500円ほかキューブ TEL:03・5485・2252(平日12:00~17:00)兵庫、北九州、新潟公演あり。まつお・さとる1975年12月7日生まれ、兵庫県出身。2007年のドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』で注目される。放送中のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』に出演。※『anan』2022年11月2日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年11月01日シアターコクーン芸術監督の松尾スズキが、2年ぶりの新作『ツダマンの世界』を自身の演出で上演。昭和初期から戦後を舞台に、ひとりの小説家と、周囲の人々を巡る愛憎劇が展開される。そこで主人公のツダマンを演じるのが、松尾作品には欠かせない存在の阿部サダヲ。自身初となる小説家役、さらにはある新たな挑戦も控える阿部に、本作に寄せる想いを語ってもらった。あの時代の小説家を代表するような男――松尾スズキさんの2年ぶりの新作ですが、脚本を読まれた感想は?正直、まだ半分ぐらいはよくわかっていません。なぜここでこんなことを言うんだろう?とか、なぜここで奇声を発するんだろう?とか(笑)。でもやっぱりさすがだな、と毎回思います。松尾さんの台詞って、本当に面白いですもんね。詩的な感じもありますし、人間の嫌な部分とか、弱い部分がどんどん露わになっていく。しかもそれを笑いに変換しているのが、松尾さんのすごいところで。いわゆるわかりやすい「あるある」ではない、すごく小っちゃいところの「あるある」を突いてくる。その視点が僕は好きですし、面白いなと思います。――昭和の初期を舞台に、今回阿部さんは小説家の“ツダマン”こと津田万治を演じられます。昔の小説家ってちょっと変わっているイメージがあるんですけど、ツダマンはその代表、みたいな人物だと思います。弱くて、女々しくて、すぐに心中をしたがって、あとは愛人がいる。しかもそれがツダマンだけではなく、周りの人たちも大体そんな感じなんですよね。人間関係が今よりもすごく密というか。中でもツダマンにとってキーになる、振り回されることになるのが、間宮(祥太朗)さん演じる葉蔵。で、この人がまた面倒くさいんですよ(笑)。弟子であるにも関わらず、自分の育ちの良さと、文学賞の受賞歴のないことから、ツダマンのことを下に見ている。で、この人にも小説家に対する偏見があるせいか、すぐ死にたがるし、でも死なないし。現代だったらコンプライアンス的にNGなこういう人たちを今やるっていうのが、また面白いなと思います。演劇人・松尾スズキはどんどん面白く――松尾さんはツダマンについて、“不気味な空洞のような人物”と言い表していらっしゃいますね。ちょっと変わった育ちをしていることもあり、なにを考えているのかわからない人だから、かもしれないですね。それで言うと、吉田羊さん演じる数との関係性も空洞な気がして。ツダマンと結婚することになるんですけど、繋がってそうで繋がってない、みたいな印象がありますし、愛情があるのか、ないのか、ちょっと微妙なところ。かといってツダマンって、愛人に対しても愛情があるようには思えなくて。なんか愛情のかたちが見えにくい人というか……。そういうところも空洞っぽいなと感じます。――今年は再々演となった『ドライブイン カリフォルニア』に続き、二度目の松尾さん作品への参加となります。改めて松尾さんとのモノ作りの魅力とは?松尾さんご自身は出演せず、演出に徹することが増えてきたので、舞台を作る、ということに重点を置かれているのかなと思います。『ドライブイン~』の時も、3度目にしてまたいろいろと演出を変えていらっしゃいましたし、キャストも大人計画じゃない役者も増えていましたし、すごく面白いなって。僕が言うのもあれですけど、松尾さん、より演劇が好きになっているんじゃないのかなと思います。昔はそんな、演劇用語とか全然使ってなかったですから(笑)。――シアターコクーンの芸術監督ですからね。そっか、そうですよね!芸術監督だ……。もちろん昔からそうなんですけど、より最近、松尾さんって演劇の人なんだなって感じるんです。もともと美術的には長けた方でしたけど、近年特に舞台空間の使い方とか、すごくいろいろ考えていらっしゃるんだなって。今回も、これ劇場3つぐらい使うつもりなのかな?っていうぐらい(笑)、舞台をどう使おうとしているのか、今のところまったく見えてこない。これから稽古が始まって、その謎が解けていくのが楽しみだなと。演出に関しても、年を重ねる中でどんどん面白くなっているなと感じます。僕自身、ある挑戦をする予定なのですが、今までに開けたことのない扉を開けることになるのではないかと。そこでもきっと新しい見せ方をされると思うので、本番がどうなるのか今から楽しみです。いつかは空を飛べるようになりたい――松尾さんも新たな挑戦として、初めて全編の作曲を手がけられますね。松尾さんが!?すごい、それは初めて知りました。ほら、やっぱりどんどんすごくなっているんですよ!えっ、でも松尾さんって楽器出来るんでしたっけ?どうやって作曲するんだろう……。――鼻歌で音楽家に伝えるようですね。(DREAMS COME TRUEの)吉田美和さんみたいじゃないですか!(笑)すごいな、カッコいい。松尾さん独特の音階ってあるので、きっとすごく面白いことになると思います。――これから稽古に臨むに当たり、心がけていきたいこと、意識したいことはありますか?松尾さんの理想に近づけるよう、努力するってことでしょうか。僕、いつか空を飛べるようになりたいと思っていて。というのも松尾さん、「そこで飛んで」とか当たり前のように言うんですよね(笑)。「天井駆け上がってみて」とか、「下からまぶた閉じて」とか。もちろん無理なんですよ。でもそうなれたらいいなと思いますし、その時自分はもっと面白くなれるんじゃないかなと思うんです。取材・文:野上瑠美子撮影:藤田亜弓ヘアメイク:中山知美スタイリスト:チヨ(コラソン)
2022年10月22日