《今日、母が私を忘れていた。今年で米寿を迎える母母の夫、私にとっての父が他界してから約14年が経つあの父が亡くなった夜から、母は少しづつ悲しみを忘れたいのか、現実逃避していった気がする私は敢えて認知症なんて言葉は使いたくない悲しみを忘れたかった母の気持ちがわかる気がするから》8月20日、真矢ミキ(54)がブログで、同居する実母・雪子さん(87)への率直な心情を綴った。「08年に西島数博さん(46)と結婚後はお母さんが心配で、週に4回は“スープの冷めない距離”の実家に通っていました。結婚6年目に西島さんの方からお母さんに『一緒に住もう』と誘ってくれたときは“感謝で胸がいっぱいになった”と話していました。真矢さんは今、『白熱ライブビビッド』に出演のため、平日は朝4時半には起床。帰宅後はお母さんの介助をしながら、夕食をつくり、翌日の放送の調べ物を一通り済ませて夜11時に就寝する生活を続けています」(友人)そんな彼女が明かした悲痛――。《だけど今夜は一人ただ、どこまでも歩きたかった泣きたいという衝動的な娘としての感情とそれで良いんだといいきかせる、大人になっている自分がいることに気づいた夜だった》もともと宝塚に興味がなかった真矢をこの道に導いたのが、女子高の演劇部出身で宝塚ファンだった母・雪子さん。「真矢みき」という芸名を考え出したのも、彼女だった。「考えていた“友七緒”や“展七緒”という芸名は先生からダメ出し。そのとき雪子さんから『真矢みきはどう?』と。真矢さんは幼少期から破魔矢を買うのが好きで、『真っすぐ矢のように』と思いつき、あとは本名『美季』と組み合わせて“真矢みき”が生まれました」(前出・宝塚関係者)以来、雪子さんは真矢をずっと支え続けてきた。「お母さんは娘が載っている宝塚ファンの雑誌『歌劇』を枕元に積み上げて寝ていたそうです」(同前)真矢は34歳で宝塚を退団。「15年かけて男役トップスターになった真矢さんに引導を渡したのも雪子さんでした。“一人でも多くの人がトップを味わえるよう早くやめなさい”という宝塚愛が根底にあったのだと思います」(同前)芸能界に転身した真矢だったが、40歳の誕生日に実父が他界。「以来、雪子さんは実家でひとり暮らししていました。一方、仕事が好調で多忙を極めるようになった真矢さんが自宅マンションを改装した際、雪子さんが『寝室は結婚運が上がる方向にしなさい』とアドバイス。結婚の予定がなかった真矢さんが渋々それを受け入れたら、44歳で西島さんと結婚できたんです」(知人)常に真矢の人生のターニングポイントに関わっていた雪子さん。「一昨年、雪子さんが尻餅をついた程度で骨折してしまいました。その時も真矢さんは“老いるとはこういうことなのか”とショックを受けていました。今回の彼女の悲しみは計り知れません」(同前)ブログの結びで《母の人生母の思うままにあたたかい日々であってくれたらいいな》とある。母娘の“温かい日々”が一日でも続くことを心から願いたい――。
2018年08月30日「母にされて嫌だったことを、自分もわが子にしてしまうかもしれない…」。そんなふうに感じたことはありませんか? 「いま、虐待の世代間連鎖を怖がるママが、とても多いのが気がかりです」と話すのは、原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子(のぶたさよこ)先生です。「虐待」という語感から、「私とは関係ない話だわ」と感じている人でも、「母にされて嫌だったことを、私も子どもにしてしまっている!」と思ったことはあるのではないでしょうか? 信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。親子・夫婦関係、暴力、ハラスメントなどの問題に関するカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)ほか多数。■母親像にひびが入る5つの人生分岐点信田先生は、著書『母が重くてたまらない・墓守娘の嘆き』を2008年に出版して以来、一貫して母との関係に悩む娘たちへのメルマーク(指標)を世に提示し続けています。そんな信田先生は、「女性の一生で、母娘問題が表面化しやすいきっかけ、ポイントは5つあります」と言います。それは、①思春期、②原家族離脱期(就職・進学など)、③結婚、④出産・育児、⑤介護です。とりわけ出産・育児の時期は、子どもを育てながら「合わせ鏡」のように自分の母親の育児態度が思い出される時期です。「なぜ、あのとき、母はあんな態度だったのだろう?」と苦々しい気持ちがよみがえってきたり、「イヤだと思っているのに、母と同じ口調でわが子を叱ってしまう」と、自己嫌悪を感じたり。育児を巡って、母からの否定的・批判的な態度にカチンときてケンカになることもあるでしょう。子育ての時期は、母との関係性の「ほころび」が見えてくる時期なのかもしれませんね。■「私って、毒親?」と、心配なママたち「毒親」という言葉が広がったことにより、「私って、もしかして毒親?」と、心配になるママも多いようです。「『毒親』と、『毒親じゃないこと』。その境目はどこにあるのか? それは、子どもが自分の母のことを毒親だと思うか、思わないかです。毒親という言葉もけっこう流行語みたいなものですし、まして客観的な基準は、ありません。そんな基準があるとすれば、ママたちを恐怖に陥れることになってしまいますからね」(信田先生)では、わが子を感情的に強く叱ってしまったとき、ママはどのように気持ちを整理すればよいのでしょうか?「もちろん感情に任せて叱ることは、おすすめはできません。けれど、『強く叱りすぎてしまった』という瞬間だけを切り取って、『トラウマになってしまったら、どうしよう』と、思い詰めなくても大丈夫ですよ。それよりも、叱りすぎてしまったあと、わが子に対してどうフォローするかの方が、よっぽど大切です」(信田先生)。「感情的に叱りすぎてしまった」と感じたら、わが子に向き合って、きちんと謝ることができるかどうか? たとえば、「ママ、少しイライラしすぎていたね」と、フォローできれば、子どもが背負う精神的な負荷はまったく違ってきます。そのために大切なことは、逆説的かもしれませんが、「わが子に対して、感情的になってしまった私」を責めすぎないことです。「『感情的に叱ってしまったから、私は毒親だ』と思ってしまうと、自分を追いつめてしまいます。その分のエネルギーを、子どもに対してのフォローに使ってください。子どもとの関係性が全然、違ってきますよ」(信田先生)■重い母たちは不幸だったところで。「自分の母がイヤだ」と苦しんでいる女性たちの母は、どんな人だったのでしょうか?まず、最初にあげられる特徴は、そういった母たちは、不幸しか語らないということ。それによって、娘は「母の人生のカウンセラー」へと、選択の余地なく追い込まれてしまうのです。おそらく母はあたり前のように(何の罪悪感も持たずに)、自分の不幸を娘に語り続けてきたことでしょう。母が不幸を語り続けることが、娘にとってどれほどおびえと緊張をもたらすか…。「その残酷さを思うと、『“自分の不幸を聞かせ続ける虐待”という定義を新設してほしい』という(母との関係の悩む娘たちの)グループカウンセリング参加者たちからの要求に、納得してしまいます」(信田先生)。 ■母と娘の間に起こっていることを理解するとは「母との関係に苦しんでいる娘」は、意外と多いものです。誰に、何を、どう相談して良いのかもわからず、一人で抱え込み、悩んでいる人もいます。また、母との関係に悩んでいる友人に、どう接すれば良いのか迷っている人もいるでしょう。今回の特集では、母との関係に苦しんでいる娘が、気持をどう整理していったら良いかについて考えてみます。「一番大切なことは、知識を持つことです」(信田先生)。まずは、母と娘(自分)との間に起こっていた(いる)ことを、構造的に理解します。この理解がないと、感情が「母親が憎い」と「自分が悪い」の両極端に揺れ動いてしまうそうです。「じつは、メンタル的に一番キツいのは、気持ちが両極を往復することです。これをやってしまうと、心が疲れて鬱(うつ)になってしまうこともあるんですよ」(信田先生)次回は、「母と娘の間に起こっていた(いる)ことの構造」を、信田先生に解説いただきます。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『母・娘・祖母が共存するために』 (¥1,512(税込)/朝日新聞出版)子育て中のママにこそ、読んで欲しい!母娘問題の第一人者が書いたメルクマール(指標)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『アダルト・チルドレンという物語』(文春文庫)、『さよなら、お母さん』(春秋社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)『母からの解放 娘たちの声は届くか』(ホーム社)など。
2018年06月25日いつ、誰が「うつ」になってもおかしくない。私たちはそんなストレスの多い現代社会を生きている。だが、いざ自分が「うつかもしれない」と感じたときに、一体どう対処すべきかわからないという人が圧倒的に多いだろう。自らも過去に産後うつを経験。それがきっかけで一般社団法人メンタルヘルス協会認定の「上級心理カウンセラー」資格を持つメンタルサポート研究所認定講師 今村範子さんに、「うつ」状態に陥ったときに取るべき行動について話を聞いた。「イライラ」と「うつ」の違い、どう見極める?「一時的な憂うつやイライラと違って、“うつ病”は状態が進むと心身にさまざまな不調が現れます。食欲がなくなる、体がだるい、疲れやすい、あらゆることがひどく面倒に思える、頭が重く感じる、動悸やめまいがする、日中のひどい眠気、不眠、胃の不快感、便秘、性欲がなくなる…などの症状が続くときはうつ病を疑っていいでしょう」(今村さん 以下同)感情面でも顕著な動きがある。ふとしたときに涙が流れる、朝起きたときに強い不安を覚えるなどの症状が現れる人もいるという。一見すると、PMS(月経前症候群)ともよく似ているが、PMSが一時的なものであるのに対して、長期に渡って症状が続くのがうつ病の特徴だ。「よく感じるイライラや憂うつ感以外にも身体的な症状がある、かつそれらが2週間以上毎日のように、ほとんど1日中続いている。このような条件が揃った場合は、早めに精神科、心療内科を受診することをおすすめします」治療の二本柱は抗うつ薬とカウンセリングだが、精神科や心療内科を受診することに、心理的な抵抗感を覚える人もいるだろう。そういった場合に駆け込める場所はあるのだろうか?「精神科のハードルが高いと感じる方は、まずは身近な保健師さんや、かかりつけの婦人科の先生に相談してみましょう。メンタル面に詳しい先生なら、症状を見極めて適切なクリニックを紹介してくれるはずです」並行して、心理カウンセラーによるカウンセリングを受けることも回復に向けての効果があるという。「つらい思いを言葉にして吐き出し、誰かに親身に聞いてもらうだけでも楽になりますから。経験豊富なカウンセラーならば、相談内容に応じて医療機関と連携を取りながら治療を進めることもできます」では、もしも担当の医師やカウンセラーと「なんだか相性が合わないかも」と感じたときはどうすればいいのだろう?「その場合は、ご自身が安心して診てもらえると感じる先生をセカンドオピニオンで探すことをおすすめします。信頼できる相手と治療やカウンセリングを続けていくうちに、まるで薄紙を剥がしていくかのように、少しずつ、楽になっていくはずです」今村さんが考える、うつ病から回復するためのポイントは次の2点だ。・医師と相談しながら、不安やイライラを和らげる適切な薬(抗うつ薬)をきちんと飲む・服薬と並行して、溜め込んだ感情を楽にするために適切なカウンセリングを受ける「抗うつ薬は効き目が現れるまでにやや時間がかかります。ただ、副作用はわりと早い時期に感じるため、『効かない気がする』と感じることも多々あります。個人差はありますが、1~2週間を過ぎた頃から効き目を感じる方が多いので、自己判断で途中で止めないことが大事です」適切な対応を続けることで、状態は少しずつでも必ず改善していくはずだ。心療内科は特別な場所ではないし、抗うつ薬も過剰に怖がるような薬ではない。正しい知識と周囲の人のサポートを味方につけながら、焦らず、ゆっくりと回復への道を歩んでいこう。(取材・文:阿部花恵編集:ノオト)
2018年05月30日東京23区内のみで63人。2014年までの10年間で、自殺した妊産婦の人数だ。そのうちの3分の2が産後であり、約半数が「産後うつ」や精神疾患と診断されている。赤ちゃんが生まれて幸せいっぱいのはずなのに、なぜか「つらい」「しんどい」気持ちのほうが大きい。かわいいはずの赤ちゃんを「かわいいと思えない」と感じてしまう。さらには幼い我が子を残して、自ら命を断ってしまうママもいる。自らも過去に産後うつを経験し、それがきっかけで一般社団法人メンタルヘルス協会認定の「上級心理カウンセラー」資格を取得したメンタルサポート研究所認定講師 今村範子さんに、妊娠・産後の「うつ」の原因について話を聞いた。「産後うつ」は10人に1人がかかる身近なもの「産後うつとは、出産後に2週間以上、抑うつ状態が続く病気です。うつ病の一種であり、多くは出産後2~3週間で発症しますが、3~4カ月を過ぎてから症状が現れてくる人も。重症化すると1年以上症状が続くこともあり、そのままうつ病に移行するケースもあります」(今村さん 以下同)産後の女性の10人に1~2人がかかるといわれている「産後うつ」。おもな症状としては以下のようなものが挙げられる。【産後うつのおもな症状】□イライラする□憂鬱になる□疲れやすい□涙が出る□不安定な気持ちになる□自分を責める□食欲不振□不眠上記以外にも、「育児への不安が急激に込み上げてくる」「強い自己否定感を感じる」「赤ちゃんや夫への愛情を感じられなくなる」など、情緒不安定になるのが産後うつの特徴だ。産後の女性は心身ともに不安定になりやすい産後の女性が情緒不安定になるのは、性格傾向や外部の環境だけのせいではない。女性の体のなかでホルモンバランスが大きく乱れることも関係している。「産後うつを引き起こす大きな原因のひとつとして、出産後の母体ではホルモンバランスが乱れることが挙げられます。妊娠中に分泌されていた女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは産後に激減します。授乳ホルモンのプロラクチンが急増することで、ホルモンバランスが大きく変動するのです」ホルモンバランスの乱れは自律神経に影響を及ぼし、うつ症状を引き起こす要因になりうる。「産後1カ月までは安静に」といわれるが、実はその後、産後2カ月、3カ月、4カ月の母体も、心身ともにまだまだケアが必要な状態なのだ。今村さんは産後の女性たちにこうメッセージを贈る。「赤ちゃんが夜泣きをするのは、母親のせいではなく、その子の特質。夜泣きした赤ちゃんを前にしてもあなたの体が思うように動かないのは、怠けているのでも、あなたがダメだからでもありません。もうすでにあなたは十分頑張っている。一人で抱え込まず、信頼できる人に気持ちを話し、助けてもらえる環境をつくっていきましょう」初めての育児に戸惑って「産後うつ」になる人もいれば、今村さんのように3人目の産後に初めて「産後うつ」になったという人もいる。出産による心身のダメージ、置かれている子育て環境、赤ちゃんの性質など、さまざまな要因が絡まりあって起きるのが「産後うつ」なのだ。今、まさにつらい産後を過ごしているママは、まずはパートナーや家族、友人に今の気持ちを打ち明けてみよう。もしもその人たちに「理解してもらえない」と感じたら、次は産婦人科の医師や地域の保健センターに相談してほしい。何よりも大切なことは、「一人で抱えこまないこと」なのだから。(取材・文:阿部花恵編集:ノオト)
2018年05月24日地元住民におなじみの人気イベントテニススクールの運営などを手がけている株式会社ITCが、「靱公園」(大阪市西区)内で毎年開催されている「うつぼスポーツフェスタ」に「靱テニス・マネージメントチーム」の一員として参加します。2018年の「うつぼスポーツフェスタ」開催日は5月19日(土曜日)。すこやかな心身を育むスポーツを日々の暮らしに取り込める「生涯スポーツ社会」の実現につながる活動を目的とした地域一体の健康増進・スポーツイベントです。会場となる「靱公園」は大阪メトロ「本町駅」から徒歩約7分。5月上旬には園内でバラが咲き誇り、他府県からも多くのファンが訪れる市民いこいの場です。予約不要、参加費無料なので気軽にどうぞ当日の会場は「靱公園」なにわ筋東側にある「ITCうつぼ庭球場前広場」。全日本テニス選手権ダブルス元女王の久見香奈恵プロが参加するテニス体験のほか、幅跳びやボール投げなどさまざまなスポーツ体験会が実施されます。また輪投げやスーパーボールすくいといった遊びのコーナーも設けられるので年齢を問わず楽しめます。参加費は無料(事前予約不要)でラケットの無料貸し出しもあるので誰でも気軽に参加可能です。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社ITCのプレスリリース/PR TIMES※株式会社ITC※ITCうつぼ庭球場前広場
2018年05月16日産後うつを経て気がついた、自分を許すことの大切さ。およそ10人に1人が経験するといわれる、産後うつ。2013年に女の子を出産した藤田あみいさんは、自分がうつ状態になったことを最初は受け入れがたかったようだ。「子どもを産むまでふわふわ生きてきたというか、地に足がついていなかったと思うんです。目の前にか弱い生き物が出てきた瞬間に、母になったのだから変わらなきゃいけないと思ってしまったんでしょうね」はじまりは、娘が発達障害かもしれないという不安が生じたことだった。インターネットを検索しては不安になり、周りの人や医師に「問題ない」と言われてもほっとするのは一瞬で、強迫性障害を発症してしまう。娘を愛する気持ちは、変わらないどころか日々強くなるのに、治りたいという意志とは裏腹に症状が悪化。本書は入院中に1週間ほどで書き上げたそうで、「懺悔」という言葉にはこんな思いが込められていた。「私にとって、懺悔は3段階ありました。娘の障害を疑うようになったとき、まず世間体を気にしてしまったのがひとつ目。その後も不安が拭えなくて、懺悔の対象が娘と夫に変わってきて、最終的には自分自身に許してもらえなければ、抜け出せないような状況でした」散々迷惑をかけて、周りの人を不幸にしている自分や、当たり前の生活を送れなくなった自分を許せなかったのだが、その気持ちこそが藤田さんを苦しませていたのだ。「そのことにずっと気づけなかったんですよね。自己犠牲なんて、最初からいらなかったんです」藤田さんの場合は母になったことでこうした状況に陥ってしまったわけだが、仕事や人間関係などにおいても、理想とかけ離れていることに自己嫌悪を抱いてしまう人は、意外に多いのではないだろうか。そして「こうでなければならない」と本来望んでいないような世間的ルールを、自分自身に強いてみたり…。「娘がどうしたら幸せになれるんだろうって考えたら、不安要素がどんどん出てきてしまったのですが、娘にとっては私がそばにいてあげるだけでよかったんです。変わらなくていいということに気づいたら、すごく自由な気持ちになれました」自分自身を受け入れる。現代社会を健やかに生きるうえで大切なことに、この本は気づかせてくれる。ふじた・あみいイラストレーター。女性誌やウェブにてコミックエッセイを連載。ウェブで「ぜんぶ、無印良品で暮らしています。〜三鷹の家大使の住まいレポート〜」を執筆、2016年に書籍化。産後うつの状態から心を取り戻すまでの葛藤を綴った、「Hanakoママweb」連載の書籍化。今を生き抜くための学びが多い一冊だ。マガジンハウス1500円※『anan』2018年4月4日号より。写真・土佐麻理子(藤田さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2018年03月29日前回、産後うつの症状について記事にしましたが、今回は、産後うつの時に救いになったことについてです。うつの時は本当にたくさんの人に助けてもらいました…!!では、どうぞ~。支援センターには保健師さんが常駐していて、時々面談の時間を取ってくれていました。そんなある時、保健師さんがかけてくれた言葉が…。わたしは、母親になったからには、いい母親になりたかったし、たくさん手をかけてあげたかったし「どれだけたくさん手をかけてあげたかが、愛情のバロメーター」だと思っていました。だけど、うつになってしまい、思うように手をかけてあげられなくなってしまって、そんな自分が情けなくて仕方なかったのですが、だからこそ、周囲の人たちの助けや優しさに気づけたように思います。もし、うつになっていなかったら、周囲の人たちに頼ることも、許せなかったかもしれません。理想的な育児を追い求めて、自分も子どもも追い詰めていたかもしれません。「育児は一人ではできない」と良く言いますが、本当にそのとおりだと思います。ワンオペ育児という言葉がすっかり市民権を得ましたが、たった一人で奮闘して、追い詰められているお母さんがたくさんいます。しんどいお母さんが少しでも減る世の中になるといいなぁ…と願っています。
2018年02月13日ブログなどでは書いているのですが、わたしは第一子出産後に育児ノイローゼからの産後うつを経験しました。産後うつは、うつの症状もつらいのですが、そこに待ったなしの育児がのしかかってきます。その時のことを漫画にしてみました。では、どうぞ~。うつ病の人が「やる気が出ない」とか「体が動かない」とかいうのは、正直気力の問題だと思っていたし、やる気があればなんだってできるはずでしょ!? と思っていましたが…自分がなってみてわかりました。ほんとうに、体が動かない…!!!体全体が鉛のように重いし、頭もうまく回らない。買い物に行っても何を買っていいかわからず立ち尽くしてしまうし、簡単な料理の手順もわからなくなってしまいました。こんな状況で理想的な育児なんてできるはずもなく、毎日なんとか最低限の衣食住を満たすのに精いっぱい。ちゃんとした母親になりたかったのに、ろくに母親らしいことをしてやれない。そんな理想とはかけ離れた現実が苦しくて、当時は毎日自分のことを責めていました。ですが、うつになったからこそ気づけたことや、うつのときに助けてくれた人たちもたくさんいました。そのことについてはまた次回…。
2018年02月06日以前、産婦人科の先生に“産後うつ”について取材にした時のこと。「産後うつは、ママだけでなく、パパもなるんですよ」と言われ、衝撃を受けました。「出産をしていないパパが、なぜうつになるの?」と疑問がいっぱいでした。なぜパパが“産後うつ”になるのでしょう?「広尾レディース」院長で医学博士の宗田 聡先生によると、“産後うつ”は“うつ”と同じで、男女問わず几帳面な性格・真面目な人がなりやすいです。産後の定義が、産後1年のため、“産後うつ”とされてしまいますが、ママはもちろん、パパにも十分になる可能性があるといいます。約10人に1人がなると言われる“産後うつ”。パパもなる可能性が「“産後うつ”は、約10人に1人がなる可能性があると言われています。ママはもちろん、パパも同じ割合でなる可能性があります。国立成育医療研究センターの2016年の調査によると、産後の父親の約17%に産後うつのリスクがありました。初めての育児や慣れないお世話が大変なのは、パパも同じです。最近はイクメンも増えてきて、育児するパパが普通になってきました。そんな中で『きちんと育児をしなくては』『決めた通りにちゃんとしないと』とストレスを感じてしてしまい、“うつ”になってしまうことがあります」“うつ”になる原因は2つ。もともともっている真面目・几帳面といった性格的要因に加えて、「弱音を吐けない」「自分1人でうまくやらなければ」など、周りからのサポートがない状況で、1人で育児をしているように感じる環境要因が混ざり合って、“うつ”になってしまうのだとか。「『うちのパパは大雑把だから大丈夫』『近くに実家もあるし安心だよね』と思わず、どちらかの要因だけでも“うつ”になることもあるので注意しましょう。以下に“うつ”でないかをチェックする項目を挙げました。子育て中なら夫婦でチェックしてみて、お互いにどんな状況で育児をしているか、よく話し合い、共有しておくと安心ですよ」産後うつを簡単チェック! こんな症状ありませんか?□眠れない□やる気がおきない□疲れやすい□ちょっとしたことで涙が出る□イライラする□情緒不安定になる□いろいろなことに興味がもてない□赤ちゃんがかわいく思えない「これらの症状が1つでもあるようなら、定期検診の際に産婦人科医や助産師さんに相談したり、区や市の保健師さんに相談してみると良いでしょう」「出産したママだけのもの」「ホルモンの乱れが原因」と勘違いしていた“産後うつ”。イクメン全盛期とはいえ、パパも初めての育児に不安に思ったり、孤独を感じたりするのは普通のことだと思います。1人で育児を抱え込まないで、友人や周りの人に相談することも大切な息抜きになります。無理をせずに夫婦でお互いに気遣いながら、楽しく子育てをしていきたいものです。取材協力/・宗田聡(そうださとし)医師:医学博士・産婦人科医。著書に「EPDS活用ガイド」(南山堂刊、2017年10月発行予定)「これからはじめる周産期メンタルヘルス-産後うつかな-と思ったら-宗田-聡」「これからはじまる周産期メンタルヘルス」(南山堂刊 )など・広尾レディース<文:フリーランス記者武田由紀子>
2017年10月12日母になって3年8ヶ月。私の母としての、母の日デビュー?はなんと産前、4年前に訪れました。当時安定期に入り、仕事に出産準備に、何かと楽しくも忙しく過ごしていた日々。そんな5月の第2日曜、私あてに荷物が。それは可愛らしいバラの鉢植え。そして母の日のメッセージカード。びっくりしていると、「もうすぐお母さんになるからね」と旦那さま。彼は昔からサプライズ好き。ただ「あ、なんかたくらんでいるな?」という気配があったり、長い付き合いだからこそお見通しの部分も多く。だけれども、こればかりは本当に想定外の出来事。とてもビックリして、でもとても嬉しくて、忘れることのできない大切な思い出となりました。妊婦時代、まだ「母」になる実感より、産むこと、育てることの不安も大きく、喜びと不安が交差する毎日。「あ、そうか、私、お母さんになるんだ」とこの日以降、一種決意にも似た気持ちをもつことができました。それから今日まで、今までの人生の中で最も慌ただしい毎日の連続。娘が、0歳、1歳、2歳の時は娘とパパから母の日のプレゼントをもらい、照れくさくも、嬉しさでいっぱいの1日。決して期待するものではないけれど、3歳になっておしゃべりも達者になった娘、今年は自分の言葉で何を伝えてくれるのかと思うと、楽しみで仕方ありません。かけがえのない家族が選んでくれた、母の日のお花、それはお母さんにとって、とても大切な、「魔法のお花」になるんです。まだプレママ、だけどママ!そんな奥様をお持ちの旦那さま、母の日には特別のサプライズをしてみるのは如何ですか?【母の日コラム】伝えたい「ありがとう」の気持ち= 写真・文:大西佳葉 =アンジェのはなし 3歳娘とママ日記 お母さんの笑顔を思い浮かべながら、選ぶ楽しさ
2017年04月21日切迫早産の可能性のため入院。そして出産後も消えない不安出典 : 妊娠したら、しばらくは普通に妊婦として生活して、直前になったら病院に担ぎ込まれて出産するんだとばかり思っていました。しかし、私の出産経験は、想像と全く違う結果となりました。妊娠4カ月半で切迫早産で入院、その後の検診で大きなトラブルが判明、出産までの長期入院を言い渡されてしまったのです。私が入院した病院では、切迫早産や切迫流産、合併症、胎児の病気などのトラブルを抱えた妊婦がたくさん大部屋で同室入院していました。基本的に体は元気な人が多いので、病室では人間関係のトラブルが耐えません。私が一番苦手な「女の園」の中で、逃げ出せない拘束生活…しかも、いつの間にか私が最古参に。くれぐれもトラブルに巻き込まれないようにと、心すり減らす日々が続きました。いつまで妊娠が継続できるかわからず、緊急手術で取り出さなくてはいけない可能性があるという日々はものすごいストレスを感じるもの。妊婦雑誌を読むと涙が出そうでしたね。やっと生まれた娘は検査のため、すぐに新生児として入院。いろいろとあったものの、幸い退院するころにはすっかり元気になりました。しかし長い間、ストレスを抱えながらも病院の中でスタッフに守られる日々を送っていたのに、出産を終えて病院を出た途端、「さぁ、これからあなたはお母さんですよ。頑張って。」というプレッシャーがかかるこの落差。それまでのストレスとホルモンバランスの崩れもあったのでしょう。私の心はあっという間に故障してしまいました。強迫神経症が悪化してなかなか次の行動に移れなくなったうえに、ひどいうつ状態がやってきたのです。入院中、実家、自宅…私の心を救ってくれたのは保健師さんのネットワークだった出典 : そんな私を見て、入院中から保健師さんとの面談が始まりました。精神的なつらさ、この先の不安な気持ちをしっかり聞いてもらい、退院後も実家から保健師さんに何度も電話してつらい気持ちを聞いてもらいました。時間を割いてしっかり対応してもらい、ずいぶん私の心は救われました。さらにその保健師さんは、実家が管轄下に入っている保健所につないでくれ、実家にも保健師さんが訪問してくれるようになりました。娘の発育状況を診たり、私の話もじっくりと聞いてくれて心強かったです。そして、自宅に帰ってからも保健師さんが訪問するよう手配してくれたのです。入院中から実家、そして自宅へと管轄がそれぞれ違う保健所が、ネットワークをつないで私を救ってくれました。赤ちゃんとふたりきりの生活で壊れた心。保健師さんのおかげで子どもとの時間を楽しめるように出典 : 実家から自宅に戻ると、昼間は赤ちゃんとの二人きりになる生活が始まりました。当時は近所にまだ知り合いがおらず、まだ公園にも連れて行けない赤ちゃんとの二人きりの生活は泣くほどさみしかったです。そんなときに訪問してくれた保健師さんはとても頼りになる存在で、育児のアドバイスをしてくれたり、私の悩み相談にも乗ってくれました。そして孤独に悩む私を、近くの保健所で行われる赤ちゃんとママ教室に誘ってくれました。初めて出会う他の親子たち、そして優しく見守ってくれる保健婦さん。出産してから初めて他のママと会話して、心が緩んでくる感じがしました。だけど、やはり日中のほとんどを赤ちゃんとふたりで過ごす孤独と、赤ちゃんを守らなければならないプレッシャーは私の心を蝕んでいきました。強迫神経症が悪化して日常生活が送れないレベルに達してしまったのです。当時は赤ちゃんを寝かせたまま、何時間もかけて哺乳瓶の消毒、掃除をするまでになってしまいました。私のSOSを聞いて母が世話に通ってくれましたが、その状況を見かねた父から強制帰還命令が出され、実家へ帰ることになりました。このときの父の決断力には今でも感謝しています。あのままだったらきっと親子共倒れになっていたことでしょう。その時も保健師さんは私を助けてくれました。そのころかかっていた実家近くの精神科はどうしても私に合わず、症状がひどくなっても対応してくれませんでした。それを知って自宅から通える精神科を調べてくれ、つないでくれたのです。結果的に紹介された精神科にかかったおかげで、だんだん症状は落ち着き、子どもとの生活を楽しめるようになりました。保健師さんがすすめてくれた親子教室のおかげで、育児がもっと楽しく!出典 : 少し落ち着いたころ、保健センターで1歳半検診がありました。指さしで引っかかってしまった娘を心配していると、育児に不安のある親子のための親子教室を薦められました。そのときは発達障害という可能性は聞いてなかったので、何も考えず娘を連れて親子遊びを楽しんでいました。いまから考えると、保健師さんは一人ひとりの子どもの様子をよく観察していたのだと思います。教室が終わるときには、「もう心配いりませんからね」とニッコリと送り出してもらいました。娘は小4でアスペルガー症候群と診断されましたが、この時点では気づいてもらえませんでした。特性らしきものが目立ち始めたのはもう少し後だったので、仕方ないと今では思っています。この教室のおかげでママ友もでき、地元情報の交換もできるようになって、ずいぶん暮らしも育児も楽しくなりました。本当に参加してよかったです。発達障害と二次障害を抱えていた私。それでも子育てができたのは…出典 : 保健師さんの存在を忘れかけていた、娘が3歳を過ぎたころのことです。私が働きだしてから娘の様子がおかしくなって「仕事を辞めた方がいいのかな」と思い詰めることがありました。そのとき頭によぎったのは、親子教室でお世話になった保健師さん。保健センターに電話して相談したところ、さっそく面談の場を設けて娘の様子を観察し、私に接し方のアドバイスをしてくれました。おかげで娘の問題行動もおさまり、私も安心して仕事に行けるようになったのです。こうして振り返ると、私は保健所と保健センターの保健師さんたちに支えられ、助けられたから、発達障害と二次障害を持ちながらもなんとか娘の幼児期を乗り切れたのだと思います。あのころは、まさか自分と娘が発達障害だとは思いもしませんでしたが…。分からなくても救われることがあるのです。育児で困ったときは保健センターに相談にのってもらうのはおすすめです。「こんなことで電話していいのかな?」とためらわず、まず助けを求めてみませんか?
2017年03月10日うつは決して珍しい病気ではありません。現在、日本では100万人を超える人が、うつ病で医療機関を訪れています。受診せずに苦しんでいる人を含めると、もっと多いことでしょう。自分はそうでなくても、自分の周りで苦しんでいる人も多いだろうと思わせる数字です。うつになったときには、辛かったことを吐き出したり、親しい誰かに打ち明けたりすることが大切だといわれています。人と話すことが解決につながるとも、よく聞きますよね。でも、話すことの大切さを強調するだけでは片手落ちです。聞く方はどう聞き、どう返事をすればよいのでしょう?自分が聞く立場になることも大いにありえますから、ぜひ、指針や目安がほしいですね。そこでアイルランドの情報サイト『Lovin Dublin』が報告した、うつになった友人の話を聞くときにいってはいけないこと7つのことをご紹介します。ちなみにアイルランドでは、約40万人がうつ病で苦しんでいるのだそうです。アイルランドの人口は約464万人と日本の約3.6%ですが、うつ病人口は日本の40%ほどで、割合はかなり高めです。■1:「どうしてうつになったの?」うつには明確な理由や解決策がないこともあります。うつになった理由は、相手にとって答えにくいもの。酷なことになる場合があることを、心に留めておきましょう。相手に罪悪感を押しつけることにもなりかねません。自分がうつの場合、周囲が納得するような理由がない場合はその質問はスルーしましょう。■2:「テンションの落ちるときってあるよ。心配しないでいいよ」たしかに誰にでも、テンションの落ちるときはあります。しかし、「気分の落ちこみ=うつ」とは限りません。相手が「どれほど辛い思いをしているか」について話していたら、辛い気分が続いている期間や、辛さの度合いを確認してください。期間が2週間を超えているとしたら「そういうこともあるよ」のレベルを超えている可能性があります。医療機関を受診することを勧めるべきです。サインを見過ごしてはいけません。■3:「外出してみようとしている?」辛くてたまらなくて、外出も散歩もままならない状態なのに、外出してみようとしたか聞かれるのは、おぼれている人に向かって泳いでみたかと聞くようなものです。泳げないからおぼれているのですから。■4:「薬の常習性が怖くないの?」うつの人が、必ずしも薬での治療を受けているわけではありません。足の骨を折った人が、みんな足に金具を入れているわけではないのと同じです。とはいえ、薬での治療をしている人に薬の副作用を吹きこみ、治療方針に不安や恐怖をもたらすより、薬をきちんと飲んで、早く回復することをサポートした方がずっとよいでしょう。■5:「ポジティブな考え方が役立つと思うよ」うつは皮肉な態度をとるからなるわけではなく、悲観的だからなるのでもありません。ですから、この質問が浮かんでも、ぐっと口を閉じておきましょう。ちなみにうつ病のはっきりした原因はわかっていませんが、脳の神経の伝達物質の働きが悪くなること、激しい疲労やストレス、環境変化等、複数の要因が重なることで起きるといわれています。原因がひとつだけ、ということはまずないそうです。■6:「いい代替療法を紹介するよ」医療機関を受診しましょう。できれば医師・カウンセラーなどの専門家が、チームで対応してくれる医療機関が理想的です。■7:「友だちでこんなスゴイことをやった人がいてね」この言葉は、同じようなことに挑戦しようとしている人にはとても参考になりそうですよね。でも、うつの人には役立たないことが多いでしょう。うつの人は、いろいろと問題について話しても、必ずしも解決策を求めていない場合があります。というより、情報量の多さに圧倒されてしまうといったほうが近いかもしれません。ただ、話したいのです。相手を情報過多で疲れさせるよりは、お茶を淹れて一緒に座り、話を聞きましょう。「ホントそれって最低よね。とても辛いと思うわ」と共感を伝えるのです。*軽い気持ちで口にしてしまいそうな言葉もあれば、ずっと相手の話を聞いてサポートしているなかで、こちらが辛くなっていってしまいそうな言葉もありましたね。うつに苦しむ人のためだけでなく、支える人のためのカウンセリングもあるそうです。聞く立場になるときや、大切な人を支えようとするときは、自分にとっても正念場になります。自分を支えるサポートシステムも、必ず準備しておきたいですね。(文/粟飯原由布子) 【参考】※7 Really Shit Things Not To Say To Your Depressed Friend-Lovin Dublin
2016年08月22日通勤時や帰宅時、うつ顔で電車に乗っている人の割合は、日本はとても多いといいます。精神的にもきついし、ブスな顔になってしまうので避けたいものですよね。筆者の住んでいるフランスでは、毎日うつ顔で出社している女性などいません。毎日自信に満ちた表情で、颯爽と闊歩しているのです。フランス女性たちのその表情は、日本人の発想にはない、当たり前のようで意外な4つの柱で支えられていたのです。■どんなに忙しい時も「女」だということを忘れないもちろんフランスでもみんな、忙しく仕事をしています。しかし、忙しいというのを理由に「女性であること」をサボったりしません。日本では、長時間労働が当たり前。毎日残業で疲れが取れず、朝起きれないため化粧も服もテキトーで出社……。図星な女性も少なくないのではないでしょうか。皆、社会人である前に女性なのです。フランス人女性はそれをサボらず、メイクの時間や服を選ぶ時間をしっかり取るために、集中してできるだけ短時間で仕事を仕上げようとします。すると、仕事の効率もよくなり、キレイな自分も保てるのです。■結婚・出産をしないといけないという強迫観念は0日本で当たり前のように唱えられている「アラサーになったら結婚しなければならない」という強迫観念は、フランスにはありません。なので「結婚したいから、結婚する」なんて悲しい女子はフランスにはいないのです。誰も結婚・出産のリミットに怯えておらず、キャリアをセーブしてもいないのです。女性にとって、結婚・出産のイベントは人生にとって大きいものですが、それを「リミット」なんてものに縛られて楽しめないのはもったいないことなのではないでしょうか。■「NO」をはっきり言う日本は、なぜかわかりませんが「NO」といいにくい風潮がありますよね。自分が「NO」と言いたくても、言えなかった経験はほとんどの方にあるのではないでしょうか。対するフランスは、自分が「NO」と思ったらはっきり主張します。我慢など絶対にしません。自分の意見や権利のために、主張、交渉するのが当たり前の国フランス。そのためストレスもたまらず、鬱蒼な表情をしている人はとても少ないのです。■トレンドだからといってものを買わないフランスでは、日本のように同じような服を着ている女性を見かけることはありません。なぜなら、全ての物事を自分の目で判断するからです。知り合いのフランス人女性が日本に着た時は「なんで皆同じような服を着ているの?クローンみたい!」と驚いていました。トレンドだからという理由でものを買う発想がないフランス人からすると、理解しがたい光景のようです。フランスでは、行列のできる店も日本ほどありません。それは、「人気だから」という評判で店に並んだりしないから。それぞれの価値観で好きなものを選んでいるからです。何にも縛られないフランス人女性のように生きることで、もっと日本の女性の笑顔が増えたら良いな、そんな風に願っています。20代のみなさんも、そんな素敵な社会人になれるように、自分を追い込みすぎないようにしてくださいね。
2016年07月11日妊娠・出産を終え、いよいよ母親としての育児が始まるニューママたちを取りまく環境は大きく変わります。出産後によく聞く「マタニティーブルー」、いわゆる「産後うつ」による不眠に悩まされるママも少なくありません。育児への不安やストレス、夫や家族からのサポートの欠如、ホルモンバランスの変化などが原因として考えられています。情緒不安定な時期が続くと、不眠に加えて食欲不振や無気力感、集中力の低下、ヒステリーなどの症状が現れることが多く、ママのメンタルヘルスケアがとても大切になります。そこで、産後うつにならないために取りいれたい3つの習慣をご紹介しましょう。その1. 120%病にならない「赤ちゃんが眠ってくれたから、この時間に家事を終わらせちゃおう!」と、つい考えてしまいがちなママたちはとてもがんばり屋さん。育児も家事も完璧にこなさなくてはと、自分を追いこんでいませんか?「完璧・完全」は「認知のゆがみ」ともいわれる典型的なパターン。「できないことがあってもいい」、「できるときにやればいい」、このように思考にゆとりのスペースを意識的につくってあげなければ、忙しいママたちの心は膨らみすぎた風船のようにパンパンになって、辛くなってしまいます。赤ちゃんが眠ったら一緒に眠って夜眠れない分を補ったり、1人の時間を満喫すべく録画しておいたテレビを観たりして、自分をいたわる時間を優先しましょう。赤ちゃんはママの笑顔が大好きです。ママがいつも穏やかな笑顔でいられるように、「これもあれも完璧にこなそう!」という120%病にはならないようにしてくださいね。その2. 情報デトックスを心がける育児本やネットなど、手軽に情報にアクセスできることは便利な一方、あまりに頼りすぎてしまうと、情報の渦に飲みこまれ、自分を見失ってしまったり、時には他人と比較して「私はいいママではないかもしれない」と自信を失ってしまったりすることも。精神的にデリケートな時期は、情報との関わり合い方に注意が必要です。自分らしいママでいられるように、気分転換に楽しみながら読む情報と、家族や出産経験のある友人、または助産師さんや病院の先生などの専門家に相談する情報をある程度内容によって区分けしましょう。その3. 旦那さんと仲良くタッピングタッチ不安や緊張をほぐし、心を癒やして優しい気持ちにしてくれる方法としておすすめなのが「タッピングタッチ」です。「タッピング」は指先の腹を使って軽く弾ませるように左右交互にたたくというとてもシンプルで簡単なメソッド。今夜からすぐにでも取りいれられます。まずは旦那さんの目の前に座り、背中を優しくタッピングしてもらいましょう。それが終わったら、象の鼻のような動きで、両腕を使って背中をさすりながら手で腰のあたりをポンポンと軽くたたいてもらってください。続いて、肩と腕、首、頭もソフトにタッピングしてもらいます。最後は手のひら全体を使って、背中、肩から腕を優しくさすって終わりです。すべての動作は焦らずのんびりとしたペースで行うように意識します。余裕があるときは同じ工程を旦那さんにもしてあげて、お互いをケアしあってくださいね。一生懸命で責任感が強いママほど産後うつのリスクは高まってしまいます。まわりに甘えることを恐れず、赤ちゃんと一緒に自分のこともねぎらい、大切にしてあげることも忘れないでくださいね。そして、心身ともに深く休まる睡眠を楽しみましょう。
2016年07月01日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。“うつ”に関する知名度はとても高くなってきています。しかし一方で、“うつ”に対する否定的な考えというのも出てきていることになります。この背景としては、 “うつ”という言葉をあまりにも気軽に利用してしまっていることが影響しているでしょう。明らかな症状があるうつ病などを含む気分障害というのは、周囲から見てあまりにも異常な状態 、常識では考えることができないような状態になります。これはつまり、何日も寝ていないのに朝から晩まで元気に活動できるなどのことになります。言い方を変えると、「最近うつが続く」と自分で言うことができている場合、気分障害であるとは言えないと考えることもできるのです。実際に精神疾患として気分障害を扱っていく際には、明らかな(非常識な)気分の変調が見られる場合とされており、実はなんとなく……というのは精神疾患ではなく、誰にでもある常識内の気分の変調である とされています。つまり、何となくうつっぽいという理由で気分障害になってしまうことはないとされているのです。●気分障害で苦しんでいる人はいる上記のようなことを言ってしまうと、うつ病などはやはり気持ちの問題であると考えてしまう人がいるかもしれませんが、気分障害で苦しんでいる人は当然います。常識では考えられない、非常識な気分の変調をきたすというのは、心身的に大きなストレスになり、それが自分自身をさらに追い詰めてしまうこともあります。しかし現実的に、常識内の気分の変調を常識から外れた気分の変調のように見せかけている人がいることも事実であると言えます。これはその本人にも当然原因はありますが、社会的にも原因はある と言えます。気分障害の治療は、症状を抱えている本人の気分障害への正しい理解と、病状を正しく把握してくれる専門家との出会いで成り立っていきます。どちらかが大きく崩れていると、症状の改善は難しくなってしまうでしょう。社会的な偏見につながってしまうこともあります。【参考リンク】・うつ病性障害 | メルクマニュアル()●ライター/yoshi
2016年03月13日【女性からのご相談】私は高校生です。最近母がうつ病になってしまい心配なのですが、うつ病が遺伝するのか心配です。私も母みたいにうつ病になってしまうのでしょうか?●A. うつ病が遺伝することはありませんので安心してください。こんにちは。メンタルフリーライターの木田あゆみです。お母様がうつ病とのこと、さぞかし心配ですね。ご相談のうつ病が遺伝しないか心配とのことですが、うつ病は遺伝することはありませんので、まずはご安心ください。これは多くの精神科医が認める事実です。●うつ病が遺伝することはないが、うつ病になりやすい家庭環境に要注意うつ病が遺伝しないことを案内しましたが、むしろ、うつ病になる原因は、本人の気質と家庭、仕事環境などのミスマッチ にあることが多いと言われています。相談者様のお母様がうつ病とのことですが、高齢になってからのうつ病は珍しくありません。逆に子育てが一段落したお母様だからこそ、今までのストレスの反動でうつ病になった可能性があります。まずは主治医の指示に従って、お母様を相談者様が支えてあげることが大事と言えます。相談者様は恐らく健康であると思われますので、うつ病に関する正しい知識をお母様の主治医から聞いて、その通りにお母様に接すればよいでしょう。うつ病は遺伝しませんが、うつ病のお母様との接し方を間違えると、それがストレスになり、家族もうつ病になってしまう 可能性もありますので、主治医の指示に十分に従うことが重要と言えます。例えば、フィンランドでは家族や友達同士の会話によるコミュニケーションを重視したうつ病の治療法を実践しているそうです。うつ病になってしまったお母様のためにも、家族で正しいうつ病の知識を身に付け、今まで頑張ってきたお母様を家族の会話で支えてあげることが肝要と言えるかもしれません。----------うつ病は悪化することもありますが、寛解することも多い病気です。お父様と一緒に家族でお母様を支えて、暖かい家庭でうつ病を克服してもらいましょう。【参考リンク】・諸外国の精神保健医療福祉の動向 | 厚生労働省(PDF)()●ライター/木田あゆみ(メンタルフリーライター)
2016年03月05日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。『病後うつ』という言葉を聞くと、あまりいいイメージを持たない方がいるかもしれません。病後うつとは、大きな病気をした後に心と体が思うように動かなくなるもので、「気の持ちようだ」、「単なる落ち込みだ」でなるものではありません。病後うつの初期の場合は、家族の手助けで良くなることがあります。ケア方法を知っておくだけでも、何かあったときに役立てることができますのでお伝えしたいと思った次第です。●病後うつの原因とケア方法●発症の原因大きな病気をすると、さまざまな制限を設けなければならなくなることがあります。たとえば、糖尿病になった場合だと、食事制限などをさします。その他に、・心身的な苦痛・日常生活においての制限・制限による焦りなどがあります。今まで自由に動いていた体が、動かしづらかったり、日常生活の中で人の手を借りないとできないことが出てきたりといったことです。このような状況の中で、「早く良くならなくてはいけない」というあせりも出てきます。このようなことが、心に大きな負担 となってしまうことが一つの要因となっています。●病後うつの症状あせりやイラ立ちの心の状態が、長く続くと次のような症状を出現させてしまうのです。大きな症状として挙げられるのは以下の通りです。・抑うつ・不眠・不安感・イライラ・落ち込み特に初期に多いのが不眠 です。さまざまなことを考えてしまい、眠れなくなってしまうことから始まるようです。「本当に良くなるのだろうか」、「病気になってみんなに迷惑をかけている」などを考えてしまいます。リハビリが必要になったり、食事制限があったりすると、どうしても、「自分が家族の負担になっている」と考え込んでしまうことが増えます。しかも、こういった症状を家族に話せないでいることが多いのです。脳卒中・肝炎などを発病させ、回復期に入ってくると、この考えが強くなる人が多いと言われています。いざ活動を始めようとすると、体とはうらはらに心がついていかない状態と考えてほしいと思います。●ケア方法本人の話を聞いてあげることが家族にできる一番の方法です。アドバイスしたり、励ましたりすることも大切ですが、まずは話に耳を傾けてあげましょう。アドバイスや励ましの言葉は時として、本人に無理をさせてしまう ことにつながります。本人は真剣に悩んでいるので、全てにおいて肯定的に捉えられるよう、休息を取る方向(休むことは悪いことじゃない)がいいです。また、パートナーや家族の支えが必要です。病気の療養を第一に考えるがゆえに、「頑張れ!」と励ましてしまうことがあります。でも、不眠などが始まり、心がついていかない状況下での励ましは心の 状態を悪くさせてしまいます 。「今はゆっくり休むときだよ」と心と体をゆっくり休ませることを大切にさせましょう。不眠や落ち込み、イライラなどの症状がひどくなっていく場合は、迷わず心療内科やメンタルヘルス科への受診をしましょう。早い段階の受診が、病後うつの回復につながります。●おわりにアメリカの遺伝子学者であるDr.ジェフ・ミラーは、こう言っています。『治療において、体と心は1つである。切り離して考えてはいけない。体同様、心を癒やすことも必要なのだ』大きな病気をした人にとって、今後の生活や自分の体のことを心配するのは当然です。しかし、考えすぎてしまうことで、心の病気 へと発展することがあります。これが病後うつです。それにいち早く気づいてあげられるのが家族です。病気をした家族がいたら、話を聞いてあげるという大切な行動を起こしましょう。それが一番のケア方法であり、心を回復に向けることの第一歩になるからです。【参考リンク】・うつ病教室 | 一般社団法人日本うつ病センター()●ライター/桜井涼(フリーライター)
2016年02月24日日本人の15人に1人が、生涯に1度はうつになるといわれています。ストレスの多い現代社会で、心を健康に保つことはなかなか難しいもの。どうすればストレスに負けずに生活できるのでしょうか?『The Health Site』を参考に、心の健康のためによくない7つの習慣をご紹介します。■1:姿勢が悪い2014年にドイツで行われた実験からは、姿勢が気持ちに大きな影響を与えることがわかっています。いい姿勢で座っていた人がポジティブな言葉を多くイメージしたのに対し、猫背のような悪い姿勢で座っていた人はネガティブな言葉を多く口にしたのだというのです。気分が落ち込んできたら、まずは背筋を伸ばしてみましょう。■2:スマートフォンが手放せない1日中スマートフォンを触っているような人は要注意です。スマートフォンの使用時間が長い人は、不眠やうつになりやすい傾向にあるといわれているのです。寝る前はスマートフォンを見ないなど、触れる時間を減らす工夫をしましょう。■3:コーヒーを飲まないちょっと意外な話ですが、カフェインを摂取することで、うつになりにくくなるのだといいます。2011年に発表された研究では、1日に2、3杯コーヒーを飲んだ人のほうがうつになりにくい傾向があったというのです。とはいえ、もちろん摂りすぎは体によくありません。適度な量を飲むようにしましょう。■4:なんでも先延ばしにしてしまうやらなければならないことを先延ばしにすると、気持ちは楽になるのかと思いきや、むしろストレスを感じてしまうのだといいます。なにかを先延ばしにしてしまい、「できなかった」ということが自分への自信を失わせ、強いストレスになってしまうのです。嫌なことでも早めに終わらせたほうが、達成感を感じられ、気持ちよく過ごすことができそうです。■5:長時間SNSを見て過ごす「SNS疲れ」という言葉もありますが、SNSばかり見るのは心の健康のためにおすすめできません。SNSを見ていると、どうしても知人の生活に嫉妬したり、疎外感を感じてしまうもの。ほどほどにして、実生活での人間関係を充実させましょう。■6:人間関係を断ち切れない友だちや同僚、ときには家族でさえも、負担になる人というのは存在するものです。一緒にいると疲れてしまったり、会うたびにネガティブな気持ちになってしまったり。そういう人とは、思い切って縁を切りましょう。同僚や家族など、関係を完全に断つことが難しい場合も、必要な連絡以外はしないなど接点を最小限にしましょう。知り合いみんなと仲よくしなければならないということはないのです。■7:運動不足日常的に運動する人は、うつなどになりにくい傾向があります。運動することによって、脳からはエンドルフィンなどの快楽物質も分泌されます。体を動かすのはやはり気持ちがいいもの。1日30分のウォーキングからはじめてみましょう。*知らず知らずのうちにしてしまっていることはありませんでしたか? 毎日のちょっとした習慣で気持ちの持ちようは変わってくるもの。小さな心掛けで、毎日を明るく元気に過ごしましょう!(文/スケルトンワークス) 【参考】※7 seemingly harmless habits that can lead to depression-The Health Site※うつ病の患者数-こころの陽だまり
2016年02月23日赤ちゃんはかわいいけれど、どうにも気持ちが晴れなかったり、イライラしてしまったり、理由もなく不安になったり。これらは、いわゆる産後うつに見られる現象です。産後うつというと赤ちゃんを産んだお母さん特有の現象のように思われてきましたが、このたび、お父さんの16.7%、つまり約2割にも、産後3か月までの間に産後うつのリスクが高かった時期があったという研究結果が、国立成育医療研究センターにより発表されました。夫の、また自分の、産後うつを回避するためには、いったいどうしたらいいのでしょうか。研究員の竹原健二さんに、詳しいお話を伺ってきました。■いいにくいけどお父さんもしんどい竹原さんは、もともと妊娠・出産や、妊産婦のケアの研究を専門にしていたそうですが、実際に自分が子どもを育てる側になったとき、「意外にお父さんも大変だぞ」と思ったといいます。しかし、世の風潮は、「お母さんは大変なんだから、お父さんはがんばって手伝ってあげてね」の一色。もちろん、子育てにおいてお母さんの方が大変なことはわかっているのですが、だからといって、お父さんが大変ではないというわけではないのだけどなあ……と竹原さんは内心思ったそうです。竹原さんは、やはり子どものいる男友だち同士で、「子育てって、がんばるほどしんどいよね、楽しいけどしんどいよね」、「だけど、しんどいって言う場所がないよね」という点で意見の一致をみたそうです。女性は身体からお母さんモードになっていきますが、男性はそうはいきません。通常の仕事の負担・責任に加え、家事・育児の負担、夜泣きや夜の授乳・ミルクにつきあうことによる睡眠不足などが加わり、完全にキャパシティオーバーなのです。さらに、定時に退社したくても、上司や周りの理解が得られなかったり、子どもの世話がうまくできなくて、それを妻に指摘されて落ち込んでしまったりすることもあります。そんなときに、共感してくれる友人もなく、行き場のない悩みがたまってしまったら、心の体調を崩すことは大いにありえることではないでしょうか?■父親の産後うつは時代が産んだ現象海外ではすでに1990年代にPaternal Depression(父親の産後うつ)についての論文が発表されていたといいます。その後、2005年頃には、医学系の専門雑誌に父親の産後うつについての記事が数多く掲載されていたそうです。ところが、当時、日本ではほとんど話題にならなかったとか。その理由を竹原さんにお尋ねしてみたところ、「イクメンという言葉が出てきたのが2009、2010年頃ということを考えると、2005年は、お父さんが家事や子育てをするという考えが、まだ日本に定着していない時期でしたよね。そういう意味では、当時の日本では父親の産後うつというのは、あまりなじまない考え方だったのだと思います」とのことでした。長いあいだ、日本では女性は家、男性は外で仕事、という考え方は根強く、それが日本の経済成長を支えてもきました。それが、ここに来て、労働力の不足や、経済、および雇用の不安定化に伴い、働いていなかった女性のなかにも働かざるを得なくなる女性が出てきました。また、男性は男性で家事や子育てを手伝わなくてはならなくなりました。イクメンという言葉はその現実をポップに表現することで、社会に、お父さんがいままでに選んでこなかった生き方の提言をすることに成功したといえるでしょう。その反面、もしかしたらわが国における父親の産後うつは「イクメンという言葉が生まれた時代が作り出した現象」なのかもしれません。■夫婦で産後うつにならないためには女性の多くは、まさか自分の夫が産後うつになるなどとは思いもしないでしょう。妻の方からできること、また夫婦で危機を乗り切るためにはどうしたらいいかをうかがいました。まず、「男性も産後うつになる可能性があることを、女性にも知っておいてほしい」と竹原さん。また、お母さん向けの産後うつに対応するカウンセリングは存在しますが、お父さんの場合、そもそも産後うつを疑って診察を受けるケースはほとんどないと考えられています。ですから産後うつと診断される人もほとんどおらず、ケア体制もないのです。さらにこわいのは、夫婦そろって産後うつになってしまうことです。センターの調査によると、100家族のうち、1~2家族は、同時期にうつのリスクありと判定された夫婦がいた、という結果が出ています。夫が産後うつになると、妻もそうなるリスクが高くなり、そうなると、意図しないまでも、ネグレクトに近い養育状況に陥ってしまいかねないそうです。「元気じゃないと、子育てってできないですからね」という竹原さんの言葉に大きくうなずきました。竹原さんは、研究者として医師や看護師、助産師、保健師と接する際、子どもを持つお父さんのメンタルヘルスにも気を配るよう勧めているそうです。お父さんを、単にお母さんや子どものケア提供者としてみるのではなく、メンタルヘルスを悪化させる可能性のある未来の患者としてみること、具体的にいうと、赤ちゃんの検診に一緒についてきたお父さんにも、一声かける、といった類のことですね。*夫婦にとって、産後はもっとも大変な時期のひとつであることは間違いありません。竹原さんは強調します。「一般的にお母さんの方が大変ということは確かなのです。ですから、お互いにどちらが大変かを競い合うという不毛なことはやめて、子育てという大変だけれどやりがいのあるプロジェクトをいかにしてふたりで協力して乗り切るか、ということに力を注いでください」子どもが大きくなるまでには、決して短くない時間がかかります。それまで、お父さんとお母さんができるだけ笑っていられる時間を増やせるといいですよね。(文/石渡紀美)【取材協力】※竹原健二・・・国立成育医療研究センター研究所研究員。専門は母子保健の疫学。妊娠・出産や妊産婦ケアに関する研究を国内外で手がける。近年は産前産後の父親に関する調査研究を複数実施している。三児の父親でもある。
2016年01月30日最近むしょうに眠い、集中力が続かなくてケアレスミスを連発、やる気が出ないしなぜか甘いものや炭水化物ばかりやたら食べたくなる…。暖かい季節はそんなことないのに、寒くなってくると毎年このような変調を感じているのなら、もしかすると「冬季うつ」のサインかもしれません。これまで多くの医師に取材をしてきた筆者が、精神科医のドクターにお聞きした「冬季うつ」の克服方法をもとに、寒い季節のメンタルを健やかに保つヒントをまとめてみました。これから始まる長い冬、せめて心はぽかぽかに保って元気に乗り切りましょう!冬の心の不調に関わる2つのキーワード「セロトニン」&「ビタミンD」冬季うつに関わるのが、日照時間の短さです。私たちの情緒は、心のコントロール物質である「セロトニン」によって左右されます。セロトニンが不足すると、理由もなくやる気が出なかったり、ストレスを感じやすくなったりします。もうひとつ、心の安定に関わっているのが太陽ビタミンとも呼ばれる「ビタミンD」。あまり聞きなじみがないかもしれませんが、骨の形成、免疫への関与のほか、うつ病へのアプローチも報告されている近年注目のビタミンです。これらはどちらも、太陽の光によって合成される特徴があります。日照時間が短い季節はどうしてもセロトニン、ビタミンBが不足しがちになるため、心の不調に陥りやすくなるのです。プチ「冬季うつ」を乗り切る3つのヒント日照時間の短さはどうしようもありませんが、日々の生活のちょっとした心がけで、セロトニンやビタミンDを増やすことはできるんです。そのヒントがこちらの3つ。■今からでも遅くない! 太陽の光を“浴びだめ”しておこうセロトニン、ビタミンDを増やすには、紫外線対策をせず手足を出して1日20分程度の日光浴がポイント。女性にはうれしくないイメージの紫外線ですが、体にとって必要な面もあることを覚えておきたいですね。さらにビタミンDには、筋肉にためておける特徴があります。日照時間が短い北欧で夏の間に日光浴を楽しむ人が多いのは、このことを感覚的に知っているからかもしれません。いまからでも大丈夫。日差しがある日には手足を出してお散歩や軽い運動を楽しみ、ビタミンDの貯蔵庫になる程よい筋肉をつけておくとよいでしょう。■太陽ビタミンは食べ物からも摂取できるビタミンDは、食事から補うこともできます。多く含まれているのが、魚や鶏卵、海藻やきのこ類。また、天日干しにした食材はビタミンDがパワーアップ。積極的にいただきたいところです。ちなみに、ビタミンDを合成し、体内に運ぶのに役立つのが肉や乳製品。ビタミンDをたくわえる筋肉をつくる材料にもなるので、一石二鳥の食材です。■ “笑う門には福きたる”には医学的根拠あり?大きく笑っているとき、自然とリズミカルな腹式呼吸をしていることに気づいていますか?実はこのリズミカルな腹式呼吸も、セロトニンを活性化するポイントのひとつ。しかも、笑いはウイルスやがん細胞を見つけて攻撃する「ナチュラルキラー細胞」の活性化にもよいとされています。気持ちがふさぎこみがちなときほど、思いっきり笑える映画や漫画、小説などを楽しみオーバーなくらい声を出して笑ってみると、ちょっぴり気持ちが軽くなりそうです。
2015年10月04日人生で一番楽しい時期にいる20代でも、「なんだか調子がよくない」と感じることはあります。そして実は女性は男性の2倍もうつになりやすいことがわかっており、とても身近な病気なのです。そこで、『COSMOPOLITAN』の記事から20代のうつで知っておくべきことをご紹介します。負のスパイラルにハマっている人はぜひチェックしてみましょう。■1:ほとんどの人はうつ状態を経験する児童・青年の精神科医であるスチュアート・ゴールドマン博士によれば、多くの人が14~24歳の間に、最初のうつを経験しているそうです。たとえ幸せな子ども時代を過ごしていたとしても、突然うつ状態になることがあるのです。■2:周りにも密かにうつに悩んでいる人は必ずいる自分の周りの人はみんな自分よりすてきな人生を歩んでいて、輝いているように見えることってありますよね。でもあなたの周りにも、重度のうつに苦しんでいる人は必ずいます。うつは意外に身近なものなのです。■3:脳の発達上25歳以下はうつの対処が難しい実は25歳以下の人は、衝動や、論理的に考える能力を制御する脳の部位が発展途中のため、沈んだ気持ちに対処することが難しいのです。うつになりやすいこの時期、自分の気持ちがうまくコントロールできないのは当たり前なのです。■4:他の人が遠くにいるように感じてもおかしなことではないうつはたとえていうならば、ショーウインドウでマネキンになっているようなもの。流行りの服を着てはいるけど、生きている実感がない。自分もすてきなカフェでお茶してみたい、でも疲れ果てていて一歩も歩けない。自分だけが置いてきぼりな気がしても、それは決しておかしなことではありません。■5:人生がうまくいき始めても引きこもりたくなることがある恋も仕事も順調で幸せそうな人でも、うつと無縁ではありません。欲しいものをなんでも持っているように見える女の子も、本当はすべてを失う恐怖を抱え、お風呂で1人で泣いているのです。■6:うつのとき「魅力的」であることは難しくなるもしもうつ状態になってしまったら、抗うつ薬を飲むことになります。じっくり治さなければいけないうつのときは、薬の影響で性欲は減退し、セクシーでいることは難しくなります。■7:泣き明かしたい夜には自分を責めてはいけない彼氏や家族とうまくいかなくて泣きたい気持ちのとき、自分を責めるのではなく、自分の心が安らぐことをするようにしましょう。自分を叩き続ければ、気持ちはどんどん悪い方向に向いてしまいます。■8:落ち込んでも悲劇のヒロインになってはいけない誰もが落ち込んだ状態になるのは当然ですが、「かわいそうな私」に酔ってしまってはそこから抜け出せなくなってしまいます。少し休んだら「落ち込んでばかりいても楽しくない!」と喝を入れて、よくないムードから抜けだしましょう。■9:うつについて打ち明けてもよい反応は返ってこない自分のうつについて打ち明けても、最初からよい反応が返ってくることはまずありません。でも悪意があるわけではなく、辛さをわかってもらうためには、時間が必要なだけなのです。■10:自分にぴったりなうつのセルフケアを見つけるといい絶対にこれからうつにならないようにする、ということはできませんが、落ち込んだ気分をちょっと上向きにするためのセルフケアを日常に取り入れることはできます。自分の心が落ち着く方法を考えてみましょう。■11:深刻化したうつは病院で治すものだと頭に入れるうつが深刻化すると、脳の中で楽しい気分をつくる物質の量が大幅に減ってしまい、薬の助けなしでは回復ができない段階になることがあります。落ち込んだ気分が長期間治らないと感じたときは、迷わずセラピストや病院と連絡をとりましょう。■12:うつは一生続く病気というわけでないひどい日が1週間続いたとしても、重度のうつになって投薬が必要になったとしても、辛い状態が一生続くわけではありません。辛いこともあったかもしれないけれど、楽しいこともあったはず。だからこれからも、確実にまた楽しい日々が訪れるのです。*落ち込んだ気分になることはありますが、「それは自分だけじゃない、うつになるのは普通のことなんだ」と知っておけば気持ちが楽になりますね。20代前半は上手に対処できないのも当たり前、どうしようもない気持ちともなんとか付き合いながら、すてきに年を重ねていきましょう。(文/スケルトンワークス)【参考】※12 Things Every Twentysomething Should Know About Depression-COSMOPOLITAN
2015年09月12日うつとは無縁に過ごしている女性でも、どうやら「産後うつ」については頭に入れておいた方がよさそうです。というのも、産後1年目の新米ママの多くに数ヶ月間、「気分が落ち込む、やる気が出ない」などの抑うつ兆候が表れることが研究で明らかになったから。でも産後うつは、決して珍しいことではありません。今回はその根拠となるデータをお伝えしましょう。■産後うつは産後直後に自覚ない人がかかりやすいこのたび「ウォール・ストリート・ジャーナル」が、「産後うつの徴候があるかどうかを見極めるスクリーニングは、出産後の数ヶ月では特定できない可能性がある」と報じました。アメリカのミネソタ州ロチェスターにあるオムステッド医療センターでの、平均年齢26.7歳、全体の1/3は初産の女性1,432名のデータを使用した大規模な調査によってわかったこと。そこでは絶望感、集中困難や食欲不振の有無、自傷したいと思うか、その他うつ病を発症した時に見られる兆候について、0(全くない)から3(ほぼ毎日)で示してもらいました。合計10点以上の人は、中等度から重度の危険性があるといえるのだそうです。まず、出産後4~12週に行われた初回スクリーニングの時点では、1,432人全員が10点以下でした。この時期は出産を終えて「産後ハイ」になっており、赤ちゃんの世話や母体の変化など、毎日が初めての経験ばかり。つまり落ち込むヒマすらない状態といえます。しかし6ヶ月後、2回目のスクリーニングでは、受けた女性の10.9%は10点以上。しかもそのうちの30%には非常に高いリスクがあったのです。そして12ヶ月後、3回目のスクリーニングでは、さらに6.1%の女性が10点以上を報告し、そのうち19%が非常に高いリスクが見られました。初回評価で全員が低得点であったにもかかわらず、13.5%の女性に産後うつのリスクが高まったということ。およそ7人に1人ということなので、見過ごせない数字だと思いませんか?不安を煽るわけではありませんが、たとえ自覚がなかったとしても、産後うつにかからないわけではないのです。■母親を産後うつにしないためのサポートが必要産後うつが原因で、母親が無意識のうちに子どもを虐待する、もしくは母親が自殺するなどの深刻な事態を防ぐためにも、早期の発見と治療が大切です。研究を実施したオムステッド医療センターも、産後うつと関係が深いといわれる肥満や家庭内暴力、社会的サポートについての情報について、さらに研究を進めていきたいと意欲を示しています。産後うつは、ホルモンバランスの乱れが大きな要因とされています。しかし、慣れない子育てで睡眠不足になりますし、外出できず赤ちゃんとふたりきりで過ごす密室育児だと、母親本人も無自覚のまま、うつが進行する可能性があります。家族や地域サポートなどを上手に利用して、母親の負担を軽減することが大事です。もし相談する人がいない場合は、医療機関や公的機関の相談窓口も多数あります。誰にも頼らずひとりで子育てをし、満点ママを目指してがんばりすぎてしまうことが、なにより危険。もし、出産したばかりの人が近くにいたら、ママになる前と大きく変わった点がないか声かけをしてあげましょう!出産経験の有無に関係なく、男女ともにできる新米ママへのサポートがきっとあるはずです。(文/中田蜜柑)【参考】※Signs of Postpartum Depression May Appear Months After Initial Screening-The Wall Street Journal
2015年07月17日理化学研究所(理研)は6月18日、うつ様行動を示すマウスの神経細胞を操作して、過去の楽しい記憶を活性化することで、うつ状態を改善することに成功したと発表した。同成果は、理研脳科学総合研究センター 理研-MIT神経回路遺伝学研究センターの利根川進 センター長、スティーブ・ラミレス氏らの研究グループによるもので、6月17日付(現地時間)の英科学誌「Nature」に掲載された。楽しい体験の記憶は、海馬歯状回の特定の組み合わせの神経細胞の活動によって保存されることがわかっており、同研究グループは2014年に光遺伝子学を用いて、マウスの嫌な体験の記憶を楽しい体験の記憶に書き換えることに成功している。実験ではまず、オスのマウスにメスのマウスと一緒に過ごすという楽しい体験をさせ、その時に活動した海馬の歯状回の神経細胞を標識した。次に、そのオスのマウスに体を固定する慢性ストレスを与えて、うつ状態になったことが確認されたあと、楽しい体験の記憶として標識された海馬歯状回の神経細胞群に光をあてて人工的に活性化したところ、うつ状態の改善が確認された。さらに調べると、このうつ状態の改善は、海馬歯状回から「恐怖」「喜び」といった情動記憶に関わる扁桃体の基底外側部を通り、やる気や意欲に関与する側坐核シェルと呼ばれる領域へとつながる回路の活動によるものであることがわかった。したがって、メスのマウスと一緒にいるという楽しい体験の最中に実際に感じた喜びの記憶や感覚などが細部まで呼び覚まされて、症状の改善につながったと考えられるという。研究グループは「今のところ、ヒトの楽しい記憶を細部まで再現するような神経細胞の活性化技術はまだ確立されていませんが、今後このような技術の開発を進めることで、うつ病の新しい治療法の開発につながることが期待されます。」とコメントしている。
2015年06月18日講談社は6月12日、「FRaU」7月号(税込650円)を発売した。特集は「母と私」。大人になった今だからこそ、自分も親になった今だからこそわかる母の思い、あるいは母への思い……さまざまな女性たちのたくさんの「思い」、たくさんの「母娘」の物語が詰まった特集となっているとのこと。表紙とインタビューには、宮沢りえさんが登場。撮影は篠山紀信さん。「女優・宮沢りえ」の人生についてはもちろん、宮沢さんの母親について、母親としての宮沢さんについて語っているという。また、「"母娘だから"の悩みをスッキリさせる」として、「ちょっと理不尽な母の謎を解く」「グロリアス星子の最強母娘占い『私の性格なんでこうなった?』」「老親とお金、7つの"えっ"」「母の呪縛からは逃げられる」といった内容を収録。さらに、「母に泣く」をテーマとしたスペシャルインタビューには、小島慶子さん、片瀬那奈さん、いとうあさこさんが答える。特別対談「なるのか、させられるのか母という大役」に、女優の尾野真千子さん、映画監督の呉美保さんが登場する。そのほか、「映画・小説・マンガで読み解く 母と娘のカンケイ」「有名人2世母娘:スーパーマトリックス」「ママも娘もみんな強烈! ハリウッドセレブの母列伝」「母の喜ぶ顔が見たいから 『ありがとう』を形に変えた贈りもの」「青山有紀×青山隆子 "私の体はママの手料理でできていた" 『思い出の味、伝えたい味』」「意外な一面を発見するかも! 仲が深まる“母娘で体験"の旅」などが収録されている。
2015年06月12日最近話題となっているのが「昇進うつ」。せっかくがんばりが認められて昇進したはずなのに、うつ状態になってしまうのは一体なぜなのか。「昇進うつ」の原因、そして対処法について、ゆうメンタルクリニック ゆうきゆう先生に伺った。ゆうきゆう精神科医・心理研究家。東京大学医学部卒業。『相手の心を絶対に離さない心理術』など心理学に関する著書は50冊にのぼる。人気漫画シリーズ『マンガで分かる心療内科』も発売中。「ゆうメンタルクリニック」総院長。ゆうメンタルクリニック/上野院(上野駅0分)、池袋院(池袋駅1分)、新宿院(新宿駅0分)、渋谷院(渋谷駅0分)○立場が変わると、周囲との接し方がわからなくなってしまう――最近よく言われる「昇進うつ」とはどんな状況でしょうか?昇進うつとは、昇進に伴う人間関係や職種(部署)の変化・業務上生じる責任の重さなどで感じる強いストレスからうつ症状が現れることです。特にこれまで上司に守られてきた立場の人が突然矢面に立たされる立場になったり、中間管理職として上司と部下の板挟みになったりすることで生じる人間関係のストレスはとても強いものだと考えられています。業績を上げなければ上司からプレッシャーがかかりますし、そのために部下を指導するのも急に上の立場に立たされた人間にはストレスなのです。実は少人数を相手に同僚・先輩としてアドバイスや指導するのは平気でも、上司として大人数を指導するのが苦手な人もいます。立場が変わることで、周囲との接し方が急に分からなくなってしまうのでしょうね。また、役職がつくことで「頑張ろう」と気張ってしまう人は多いのですが、そのせいで精神的・肉体的に疲れてしまう人が多くいます。自分の中に「理想の上司像」がある場合、自分をそこに当てはめようとして辛くなってしまうことも多いものですから、真面目な人ほど要注意と言えるでしょう。いきなり「出来る上司」になろうとせず、部下や上司に甘える・頼りにするということも大切なのではないでしょうか。――「昇進うつ」になってしまった場合、必要な対処法などはありますか?昇進うつで療養後復帰する場合は、「一人で抱え込まない」「一人で頑張らない」ということが大切です。同じ時期に昇進した人と悩みを分かち合ったり、上役に相談して頼ったり、部下に対して「弱みを見せない」と頑張りすぎないことです。全員が島耕作のような上司を目指す必要はないのですから、まずは「理想の上司像」を捨てて「自分らしくこの立場で頑張る」ということを心がけていきましょう。※画像は本文とは関係ありません
2015年05月04日女性に不足が目立つミネラルが鉄分。自覚症状がないままの鉄分不足による隠れ貧血女子が増えていますが、それって一体どうして? 気になるプチうつもこれらが原因かもしれません。■女性に貧血が多いわけ女性は隠れ貧血も含め、鉄が不足している人が非常に多いと言われています。その一つに美容目的で肉や魚をあまり食べない女性が多いことも理由に挙げられます。ひじきや小松菜などの緑黄色野菜にも鉄は多く含まれていますが、肉や魚と違って吸収率が低いため、貧血女性の中には、鉄分の多い野菜を摂っているはず、と油断してしまっている方も多いかもしれません。もともと30歳以上の女性は1日に11mgの鉄分摂取が推奨されていますが、予備軍も含めると2人に1人は鉄欠乏だといわれています。また女性は月経で毎月約30mgの鉄分が奪われています。そして月経が始まる前から子宮に鉄分が集まるため、体内の他の部分で急激に鉄不足が起こってしまうのです。生理周期に合わせて調子が悪くなる方は、鉄分不足を疑ってみましょう。■隠れ貧血をみつけるには? 貧血には、主に鉄欠乏性貧血と脳貧血とがありますが、圧倒的に多いのが、体内の鉄分が不足して起こる、鉄欠乏性貧血です。症状としては、めまいや立ちくらみ、食欲不振、やる気が起こらない、疲れやすい、イライラしやすいなど…まるでプチうつ状態。そもそも鉄分って体内でどんなお仕事をしてくれているのでしょうか。食事から摂った鉄分は3分の2が赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素と結びついて体内に酸素を送り届けています。ですから、鉄分が不足すると、酸素が十分に供給されないため、細胞レベルで元気がなくなり、疲れやすくなってしまうのです。また、残りの3分の1は、貯蔵鉄、血清鉄、組織鉄として使われ、血液中の鉄分が不足すると、最初に貯蔵鉄で不足を補います。一般的な貧血検査で軽度の貧血と判断されるのは、血清鉄が減ってきてからです。さらには組織鉄まで減少して、そこで初めて鉄欠乏性貧血と診断されますが、これでは対処が遅すぎます。そこで注目されているのが、体内の貯蔵鉄の量が推測できる血清フェリチンの検査です。フェリチンとは、鉄を蓄えるタンパク質のことで、血清フェリチンの値で体内の鉄分量が推測できるため、隠れ貧血をみつけることができます。気になる方は、内科や婦人科に行くと保険適用内で調べてもらえますよ。■鉄分を効果的に摂るポイントまた睡眠も大きな影響を与えています。貯蔵鉄は寝ている間に蓄えられるため、睡眠不足だと鉄の貯金をすることができないのです。また、睡眠に関わるメラトニンというホルモンは幸せホルモンといわれるセロトニンから合成されますが、セロトニン自体の合成にも鉄分は不可欠なのです。鉄分不足でイライラしやすかったり、なかなか寝付けない理由はここにもあるのですね。鉄は、肉や魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、大豆などの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類に分けられます。ただし、ヘム鉄は吸収率が15~20%と、比較的体内に吸収されやすいのに対して、非ヘム鉄は5%以下と吸収率が低いのです。ですから、ベジタリアン食だと鉄分不足に陥りやすいため、偏りすぎる食事は注意が必要です。ベジタリアンでなければ、できれば肉や魚もしっかり摂取することがお勧めです。また鉄分の吸収率を高めるポイントは、ビタミンCと一緒に摂ることです。肉や魚料理にレモンを絞ったり、たっぷりの野菜と一緒に調理すると、美味しくバランスよく鉄分も摂ることができます。またその反対に吸収阻害となるものが、玄米や豆類の外皮に含まれるフィチン酸や、お茶やコーヒーに含まれるタンニンです。鉄分不足と自覚している方は、摂取の方法も意識してみてくださいね。
2015年01月13日冬太りの原因にも!? “冬季うつ”の原因と対処法最近なんだか元気が出ない、眠気がとれない、つい食べすぎてしまう…。もしかしてそれ、「冬季うつ」かもしれません。普通の「うつ」と違い、性格などに関係なく発症するので、思い当たる症状がある人は要注意。原因を知って、しっかり対策しましょう。●「冬季うつ」と「うつ」は、どう違う?近年、「うつ病」という言葉がずいぶん浸透し、誰もがなりうる“心の風邪”だと知られるようになってきました。しかしこの時期は、それとは異なる「冬季うつ」に悩む人も出てくるのだとか。普通のうつ病との違いは、その名のとおり冬に発症すること。正式な病名は「季節性感情障害」といいます。人によって症状の出る期間は異なりますが、季節が変われば回復するのも特徴の1つ。普通のうつ病は、マジメで完璧主義な人や、周囲の目が気になる人などがなりやすく、また、仕事の失敗や愛する人の死など、精神的なストレスがきっかけで発症することが多いと言われています。しかし、冬季うつは、日照時間が少なくなることで「セロトニン」という神経伝達物質が作られにくくなることが主な原因。セロトニンは“幸せのホルモン”とも呼ばれ、精神の安定に大切な役割を果たしていますから、不足すると、気分の落ち込みやイライラなどの症状が表れます。どんな性格の人にも発症する可能性があるので、「私は楽天家だから大丈夫!」という思い込みは禁物。また、高緯度の土地や光が入りにくい部屋へ転居したり、生活リズムが崩れたりといった要因で発症することもあります。●これに当てはまったら“冬季うつ”かも?「毎年、冬になると気持ちが落ち込む」という人は、もしかしたら冬季うつかもしれません。以下の項目をチェックしてみましょう。【一般的なうつにも見られる症状】□気持ちがずっと沈んでいる□仕事や趣味など、以前できたことがうまくできない□集中力が落ちたと感じる□「自分はどうせダメだ」と思う【冬季うつに特徴的な症状】□朝起きられない、眠い、または睡眠時間を増やさないと調子が悪い□パンや丼もの、麺類など、炭水化物の摂取量が増えた□無性に甘いものが食べたくなる□過食になり体重が増えた●セロトニンを増やすにはどうすればいい?先に述べたとおり、冬季うつの主な原因は、セロトニン不足と言われています。これを解消するには、機械で光を浴びる「高照度光療法」などがありますが、日常のちょっとした工夫でも予防・改善につながります。<早起きして朝日をたっぷり浴びる>セロトニンを増やすもっとも手っ取り早い方法は、朝日を浴びること。日照時間の少ない北欧の人々は、少しでも晴れ間があると、意識的に日光浴をするそうです。起きたらすぐにカーテンを開けて、活動開始!さらに熱めのシャワーを浴びれば、目覚めもスッキリ。少し早起きして散歩するのもいいですね。<タンパク質を意識的に摂取する>セロトニンは、タンパク質を構成する必須アミノ酸の1つ、「トリプトファン」から作られます。冬の定番メニューである鍋料理なら、肉・魚・豆腐(大豆製品)と、複数のタンパク質をまとめてたくさん摂れるのでオススメです。おやつにナッツ類を食べたり、寝る前にハチミツ入りのホットミルクを飲むのも◎。<リズム運動を取り入れる>セロトニンの分泌には体を動かすことも有効です。とくに効果的なのは、一定の動きを繰り返す「リズム運動」。ジョギング、ウォーキング、水泳などのほか、時間がなければ踏み台昇降でもOKです。単調でつまらないと感じるなら、ゆったりとした動きの多いフラダンスを取り入れてみて。これらの対策は冬季うつの予防・改善だけでなく、美容や健康にもいいとされることばかり。習慣にできれば、1年中元気に過ごせそうですね。<文/島田彩子>
2014年12月15日一般社団法人日本メンタルヘルス研究センターはこのほど、「受験うつ」に関する調査結果を発表した。同調査では、うつ専門の治療を行うクリニック「新宿メンタルクリニック アイランドタワー」(東京都・新宿)の協力を得て、2013年6月から2014年8月にかけての来院数を集計。また、同センターが定期主催する「受験ストレス対策セミナー」に参加した学生(約50名)へのアンケートなどをまとめた。厚生労働省の発表によると、日本の気分(感情)障害患者数は1996年には43.3万人、1999年には44.1万人とほぼ横ばいだったが、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と、12年間で2.4倍に増加した。未成年に関しては、およそ15万人急増している。「新宿メンタルクリニック アイランドタワー」でも、2013年6月のオープン時と2014年8月とを比較すると、総来院数と学生ともに7倍の増加数となっている。「受験ストレス対策セミナー」に参加した学生の84%が「『受験うつ』の自覚はない」と回答。自覚はないものの、「親からは成績が落ちたことを指摘されるが、自分は悩んでいないし困ってもいないが、過剰に疲れる」「イライラして落ち着きがない」「家にこもりがちで、夜眠れない」「集中できず、勉強が手につかないし、学校にも行きたくなくなる」などの悩みから「受験うつ」に陥ることが多いという。さらに近年はうつ病の重症化の結果、自殺するケースも相次いでいるとのこと。警視庁の「平成24年版 平成年齢階級別自殺者数」によると、1999年から2008年の間で、未成年のうつ病を含む健康問題での自殺者は約5倍に増加しており、未成年の気分(感情)障害での自殺者は約4倍にまで増加しているという。
2014年12月02日鉄分美容の食材として見直されている節約保存食「ひじき」。またプチうつの改善食として取り入れられたり、妊婦さんに必要なヨード、そしてハリウッドセレブの間で話題になっている「ケイ素ダイエット」などなど隠れた健康美容食材!古くから親しまれている海草の魅力に迫りましょう。■1.ひじきの鉄分「非ヘム鉄」を吸収するには工夫を!ひじきは鉄分美容で見直されている食材ではありますが、海草なので「非ヘム鉄」。単品で食べても他の栄養素は補えますが、こと鉄分に関しては動物性からとれる「ヘム鉄」と一緒に摂取しないと、体に吸収されにくいでしょう。マグロやウナギ、赤身の肉類と一緒に食べることで、吸収力アップを狙いましょう!■2.その他の美肌、プチうつ改善栄養素ひじきには、プチうつ対策として精神安定が望める、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リチウムといった成分が含まれています。それだけではなく、骨や髪を、キレイする「シリカ」でお馴染みのケイ素。記憶力UPに嬉しいビタミンB1、また各器官の機能を改善するフコイダンもあるので、健康には効果大!ひじきを食べているだけで、どんなトラブルも治るのでは?!と思うほど素晴らしい栄養素がいっぱいなのです。■3.用途別「ひじき」の食べ方ひじきは、たまに魚売り場で生のものを見かけますが、ほとんどは乾物コーナーで乾燥させたもの!保存食にもなり、価格も安いので常にストックしておきましょう。ひじきは使う分量だけ水に1時間程度つけて戻してくださいね。■4.オススメ食べ合わせ術●鉄分美容マグロやウナギ丼に、海苔の代わりに使ってみましょう。また赤身肉のお料理のお供にするのもオススメです。●骨美人に!カルシウムが豊富なので、ビタミンD入り食材(鮭、青魚など)と一緒に食べると、骨や爪などが健やかになるでしょう。ケイ素も骨を丈夫に●プチうつ改善食として脳の栄養には牡蠣や牛肉のタンパク質や亜鉛が良いと言われています。そこにヒジキの鉄分を加えれば、落ち込み気分から脱出できるかも?!●ケイ素ダイエット食としていつものポテトサラダやカボチャサラダにヒジキをプラスしてみよう。話題の「ケイ素ダイエット」食に!●妊活にも!グリーンサラダにヒジキを入れてひと工夫。妊婦さんに不足しがちな鉄分と葉酸が取れます!味の変化が生まれるため食欲もUPです。■おわりに節約食としてだけではなく、美容健康にも効果的なひじき。どこでも買える万能食なので、肌や髪、イライラ、健康などいろんなトラブルを抱えている女子は毎日食べてもいいぐらいですね! ぜひ毎日の食事にひと皿、加えてみてくださいね。(丸田みわ子/ハウコレ)【参考】・今泉 久美著(2012)『鉄分とれれば元気できれいに! 貧血改善レシピ』文化出版局・姫野友美著『心療内科に行く前に食事を変えなさい』青春出版社
2014年04月04日日光浴をすることから得られる脂溶性のビタミンD。最近の調べで、女子のビタミンD不足の欠乏が花粉症にかかりやすく「プチうつ」も引き起こしている、ということがわかりました!改めてビタミンD摂取にどんな健康効果や美肌、プチうつ改善に良いのか見ていきましょう。■1.ビタミンDとは?脂溶性のビタミンの1種で、魚や干しいたけからも摂取できますが、日光浴をすると体内でも作ることのできるビタミン。体内で骨の形成に欠かせないビタミンとしては知られていましたが、最近の調べで、脳の栄養不足による「プチうつ」や皮膚の粘膜を強化する際に重要度が高いビタミンということが明からになったそうです。(東京慈恵会医科大学調べ)■2.日焼け止めによるビタミンD不足が続出東京慈恵会医科大学の調べでは、日本人女性の過半数がビタミンD不足と判明。(2013年9月現在)日焼け止めクリームの使用による日光からのビタミンD摂取の妨げが原因だそう。食べ物からも摂取できますが、体内で必要なビタミンDは日光から8割形成されるそうなので、夏は1日合計30分、冬は1時間程度、外を歩くようにするなどして日光を浴びてみましょう。ビタミンD摂取量が増えるとビタミンDが喉や鼻の細胞、そして皮膚細胞にも入り込み、粘膜を丈夫にしてくれるので、花粉症の症状が軽減し、美肌にもつながったそうですよ。■3.ビタミンDの摂取量が増えると?!ビタミンDはタンパク質と共に脳のドーパミンを増やすことも明らかになっており、その結果ヤル気UP、ポジティブ思考になり、プチうつ軽減にも期待できるビタミンだそう。いつもハッピーな気分でいられるにこしたことはないですよね。■4.ビタミンDは食品からも!日光浴からの摂取がいいのがわかっていても、やはり紫外線がどうしても気になる女子は、食べ物から補いましょう。青魚、鮭、キクラゲ、干しいたけが王道!コンビに弁当やファミレスメニューでも気をつければ摂取できそうな身近な食材ですよね。サプリメントも出ているので上手に取り入れてみましょう。特に2月~3月にかけてが一番ビタミンD不足に陥る傾向があるそうなので(国立感染症研究所情報センター調べ)しっかり摂取してみて。■おわりに自宅、学校、会社、屋内にこもりがちな人は積極的に外に出てみましょう。日光浴も1日合計なので、洗濯物を干したり、近所のコンビニに行ったり、駅まで歩いたり、2~3分で済みそうな外出の機会をこまめに作れば実現できるかもしれませんね。(丸田みわ子/ハウコレ)【参考】※ビタミンD-大塚製薬・斎藤 糧三著(2012)『サーファーに花粉症はいない~現代病の一因は「ビタミンD」欠乏だった!~』小学館・斎藤 嘉美著『ビタミンDは長寿ホルモン―不足するとガン、脳、心血管病、糖尿病、関節症等を招く』ペガサス
2014年03月29日