こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「数字」をテーマにしたビジネス書などに、よく「平均値」の読み方に関するレクチャーが書かれています。平均売上高、平均単価、平均客数、平均残業時間……。たしかにどんな仕事をしていても、頻繁に登場する数字のひとつが「平均値」だといえるでしょう。今回のテーマはこの「平均値」を正しく読めるかどうかです。さっそくこんなケースを考えてみましょう。■部下の仕事の質を改善したい!あなたは5人の部下に、大量のデータ処理を分担して行うよう命じました。その仕事量は5人で均等に分け、仕事内容は単純作業で済むものです。その5人の名前とかかった時間は以下のとおりでした。————————大野さん(45分)相葉さん(39分)櫻井さん(29分)二宮さん(35分)松本さん(42分)————————[5人の平均:38分]1週間後、あなたはふたたびこの5人に対して、まったく同量のデータ処理を分担して行うよう命じます。仕事量は5人で均等に分けることを前提とするならば、彼らの仕事の質をどうやって改善し、このデータ処理が終わる時間を減らしますか?■シンプルに考えると答えが出るいろんな考え方があるテーマですが、私が登壇する企業研修などで意外にも多い回答がこちらです。「5人の平均である38分より時間がかかっている大野さん、相葉さん、松本さんの3人に対して、処理スピードを上げるような研修(トレーニング)などをする」なるほど。平均値を基準にして、それに満たない者は指導をするということでしょう。理にかなった、納得感ある答えのようにも思えます。しかし、私ならこう考えます。「もっとも早かった櫻井さんのやりかたを他の4人にシェアし、同レベルにさせる」もっとも優れた人のしていることを真似すればいい。これは極めてシンプル話であり、勉強やビジネスなどなんにでも通じる当たり前の考え方ですよね。しかし、なぜこんなシンプルな考え方がすぐに出てこないのでしょうか?それは、私たちが無意識に「平均値」を特別扱いしてしまうからです。■平均値の「特別扱い」に要注意よく考えていただければわかるように、先ほどの問題においても、最後の「平均38分」というデータはなくて構わないものです。にもかかわらず、その数字を見てしまうと、つい私たちは勝手な意味づけをしてしまいます。基準にする必要などまったくないのに、「平均値より……」という思考が働いてしまうのです。実際、研修の現場で最後の「平均38分」というデータを提示せずに参加者に考えてもらうと、ほとんどの方が先ほどの私と同じ答えを述べてくれます。ということはやはり「平均値」は、シンプルに考えれば済む局面をあえて複雑に考えさせてしまうやっかいな存在なのかもしれません。*「平均値」はあくまで「平均値」であり、それ以上でもそれ以下でもありません。勝手に意味づけをすることなく、正しく数字を読み解けるようになりたいものです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月27日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。昨日、スーツを中心に展開しているアパレルブランドからハガキが届き、このようなセールスプロモーションがご案内されていました。スーツA:¥5,000 OFF(¥29,000+税以上の商品)スーツB:¥3,000 OFF(¥19,000+税以上の商品)シューズ:¥2,000 OFF(¥9,900+税以上の商品)スラックス:¥2,000 OFF(¥5,900+税以上の商品)魅力的ですよね。このような「おいしい数字」は、街中でもたくさん目にします。でも、こういう数字には惑わされる可能性があります。■自分はどんなものをお得と思っているのかなぜなら、このような表記を目にしたとき、数字が苦手な人ほど、次のような思考回路になってしまうからです。「このなかでどれが一番お得なんだろう……?」わかります。たしかに、それがわかるなら知りたいところ。ですが、私はそんな方にこそ、このような質問をしてみたいのです。「ところで、あなたにとってお得ってどういうことなんですか?」要するに、「お得」の定義がきちんとされているかどうかということ。ところが実際にこのような質問をすると、ポカーンとした表情を浮かべる方が実に多いのです。質問の意味がピンとこなかったのでしょう。でも、よく考えてみてください。なにをもって「お得」なのかが決まっていないのに、「どれが一番お得か?」の答えなど、導き出せるはずがありません。もっとも割引率の高いものが「お得」であるならば、それぞれの割引率は以下の通りですから、もっとも「お得」な買い物はスラックスだということになります。スーツA:最大でおよそ16%OFFスーツB:最大でおよそ15%OFFシューズ:最大でおよそ19%OFFスラックス:最大でおよそ31%OFFしかし、いちばん割引額の大きいものが「お得」だと定義するならば、もっとも「お得」な買い物はスーツAです。この話は、シューズとスラックスを比較すると本質が見えてくるかもしれません。スラックスのほうが「お得」という考え方もあるし、どちらも2,000円引いてくれるという意味では同じサービスレベルだという考え方もあるでしょう。■自分にとってのお得を定義しておくといい要するに、数字に惑わされてしまう人の多くが、「定義」をしないまま答えを探そうとするのです。そういう意味では、普段から買い物をするかしないかの基準や、自分にとっての「お得」を定義しておくと、買い物の局面でも迷わずに自分がすべき選択ができるのではないでしょうか。ちなみに私は、割引の金額で判断することを原則としています(あくまで私個人の場合)。「当店の商品は最大50%OFFです!」というコピーを見ただけでは、「買わなきゃ!」という気持ちにはまったくなりません。もしそのお店が100円ショップだったらスルーするでしょうし、高級ブランド店だとしたら足を止めるかもしれません。そこに、迷いはまったくありません。何事もそうですが、迷う人はカンタンなことを難しく考えています。迷わずサッサと決められる人は、一見難しそうなことをカンタンに考えています。要するに、そういうことです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月21日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。熊本地震において被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興を心より祈っております。こういうときだからこそ、私は専門家として数学的に「支援」を考えてみたいと思います。■被災地のためにお金を使おう私の考える「支援」とは、「通常の生活ができている方は、やむを得ない事情のある方や一部の職業の方を除き、通常どおりの生活を続け、しっかり経済活動を行い、ほんの少しだけ被災地のためにお金を使う」ということです。「いますぐ被災地に行ってなにかしてあげたい!」「悲惨な状態のなか苦しんでいる人たちがいるのに、いつもどおりの生活をしていていいのか?」そういう気持ちは尊いものであり、なんら否定されるものではありません。しかし、ここでちょっと冷静になって数字で考えてみましょう。もっと具体的にいえば、「お金」というキーワードで考えてみるのです。はっきりいいますが、お金がなければ復興はできません。ものすごく簡単にいえば、私たちはみんなで協力して、被災地のためにたくさんお金をつくるべきです。いったいどういうことかご理解いただくために、とてもシンプルなモデルで説明します。たとえば、ここに地域Aと地域Bがあります。この場合、100人の住民によって生み出されるお金はご覧の通り19,000円です。地域A:[住民が使う金額]¥100×[住民の数]10=¥1,000地域B:[住民が使う金額]¥200×[住民の数]90=¥18,000合計¥19,000ここで、地域Aが被災したと仮定します。すると、人数は変わらないとしても、使うお金は減る(たとえば50円)ことでしょう。さらに、ここで極端に考えてみましょう。もし、被災しなかった地域Bの住人が全員、通常の経済活動を放棄し、「支援」という名のもとに地域Aに出向いてしまったら、どういうことが起こるでしょう?ご覧のとおり、この100人が生み出すお金は激減します。地域A:[住民が使う金額]¥50×[住民の数]100=¥5,000地域B:[住民が使う金額]¥200×[住民の数]0=¥0合計¥5,000そうではなく、大切なのは、地域Bの住人はこれまでどおりの経済活動を行い、そしてちょっとだけ被災地のためにお金を使うことなのです。■経済活動で支援をすべき理由現地の名産品や農作物を買うもよし、支援金でもよいでしょう。このモデルでいえば、90人がたった10円でもそのような消費をすれば、被災した地域Aのために生み出されたお金は500円と900円の合計1,400円。地域Aに生まれたお金は被災するより以前より増え、この100人全員で生み出したお金も増えているのです。地域A(Aのための消費):[住民が使う金額]¥50×[住民の数]10=¥500地域B(Aのための消費):[住民が使う金額]¥10×[住民の数]90=¥900地域B(いつもどおりの消費):[住民が使う金額]¥200×[住民の数]90=¥18,000合計¥19,400いつもどおりの経済活動+ほんの少しの気持ち。これが、私の考える「支援」です。繰り返しになりますが、「気持ち」だけでは復興はできません。お金がなければ復興は不可能なのです。私たちはみんなで協力して、被災地のためにたくさんお金をつくるべきです。このテーマに対してはいろんな考え方があり、立場や環境によって正解は異なるでしょう。しかし、刹那的な感情だけで突っ走るのではなく、ほんの少しでいいからこのように数学的に考えてみたうえで、ご自身がすべき「支援」をされてはいかがでしょうか。*余談ですが、私は東京の銀座にある熊本産のアンテナショップ、銀座熊本館に足を運びました。義援金も募っておりましたので、もしお考えにフィットするようでしたら、足をお運びになられてはいかがでしょう。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月19日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。今回のテーマは、お買い物をすると付与される「ポイント」のお話です。私はポイントカードを1枚も持っていません。いまや、どんな買い物をしてもレジで「ポイントカードをおつくりしますか?」「ポイントカードはお持ちですか?」と尋ねられます。しかし、私の答えはいつも「NO」です。たまに、むりやりつくらされることもありますが(苦笑)、事実上使ってはいません。なぜ、私はポイントカードを持たないのか?その理由は極めてシンプルです。ポイントなどなくても、買い物はできるから。■買い物は「必要だから」するもの!ご説明しましょう。ポイントカードをたくさんお持ちの方のロジックは、おそらくこうでしょう。「たくさんポイントが貯まれば、それだけトクなことがあるじゃないか」。しかし、私たちはポイントを貯めるために買い物をするのでしょうか。その後の「トクなこと」を経験するために何度も買い物をするのでしょうか。いいえ、違うはずです。いまそのモノ(あるいはサービス)が必要だから、その買い物をするはずです。つまり「ポイントが貯まってうれしい」ではなく、「いま欲しいものが手に入ってうれしい」が正しい買い物の感覚ではないでしょうか。ところが私の周囲にも、ポイントカードをたくさん持ち、ポイントを一生懸命ため、ちょっとトクな経験をすることに快感をえている人がたくさんいます。でも、その経験をするために購入したたくさんのものは、本当に必要だったのでしょうか?つくったものの、ポイントがたまることなく有効期限を過ぎたポイントカードは、なにをもたらしてくれたでしょうか?もしかしたら、本当にトクをしたのはお店側だけかもしれません。■お金を貯め込むことが幸せではないもちろんこの話に関しては、数字を使って細かく分析し、「ポイント還元は実質何%オフのメリットなのか」といった数学的な議論も可能です。しかし、そんな細かい数字の議論よりも、まず持っておくべき感覚があると思います。買い物とは、「いま必要なもの」を手に入れるためにするものであって、ポイントや「貯めている気分」を満たすためにするものではないということです。これは、貯金に対する考え方にも通じる話です。金額の書かれた預金通帳を見てニコニコ(ニヤニヤ?)してしまう気持ちはよくわかりますが、そもそもお金は貯め込むためにあるのではなく、使うためにあります。お金を貯め込むことが幸せではなく、本当に必要なものを必要なときに手に入れることが幸せなのです。ですから、私はポイントカードをつくりません。けれど、とても幸せです。生意気に聞こえるかもしれませんが、はっきりいいます。*他方、本当に必要なものとそうでないものを見極められずに余計なものを買ってしまい、挙げ句の果てに使わないポイントカードがギッシリ詰まってパンパンのお財布を持っている人が、あまり幸せそうに見えないのは私だけでしょうか。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月16日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。いきなりですが、500円と600円はどちらが安い金額でしょうか。もちろん、500円です。「なにを当たり前のことを」と思われたかもしれません。でも「当たり前」と感じるのは、500と600という2つの数字だけを単純比較しているからです。では、もうひとつ質問です。「500円と600円では、600円のほうが安い」と思わせるためにはどうしたらよい?今日は、そんなお話です。■紙版とセットで電子版の雑誌を売るには?あなたが、ある雑誌のマーケティング担当者だとしましょう。読者にその雑誌の「紙版」と、新たにリリースが決まった「電子版」をセットで購入してもらうため、どうプロモーションしようかを考えています。ちなみにこの雑誌の「紙版」と「紙版&電子版」の価格は以下の通りです。紙版のみ:500円/月【NEW!】紙版&電子版:600円/月さて、あなたならこれらの金額を広告で見せる(魅せる)ことで、どのように「【NEW!】紙版&電子版」をPRしますか。仮にこのままで広告を出すと、おそらく見た人は単純にこの2つの金額を比較しただけで、「紙版のみ」を選ぶケースが多くなってしまいそうです。しかし、それでは困るわけです。表記を工夫することで、どうにか「【NEW!】紙版&電子版」が安い買い物であることを訴求したいですね。■あえて選ばれない選択肢を入れてPRする私であれば、このような表記でPRするでしょう。紙版のみ:500円/月【NEW!】電子版のみ:600円/月【NEW!】紙版&電子版:600円/月本質をご理解いただくために少し極端にしましたが、要するに「【NEW!】紙版&電子版」がおトクであるという理由をこちらがつくってあげればいいわけです。もちろん、こんな価格設定にしたら「【NEW!】電子版のみ」は売れないでしょう。でも、それでいいのです。なぜなら、私はあくまで「【NEW!】紙版&電子版」を売りたいのですから。このエッセンスは、ビジネスでよく利用されています。たとえば、なにかを学ぶ講座(10,000円)を売りたいとします。ビギナープラン:5,000円レギュラープラン:10,000円これでは単純に5,000円と10,000円の比較をされてしまいます。ですから、ちょっとだけお試し!ビギナープラン:5,000円すぐにマスターできる!レギュラープラン:10,000円目指せ上級者!アドヴァンスプラン:50,000円このように、あえて選ばれない選択肢「アドヴァンスプラン」を見せることで、こちらが選んで欲しい選択肢をおトクに見せることができます。*私たちが消費者の立場のときは、このような売り手の思惑も理解したうえで、数字の駆け引きに勝ち、自分にとってもっともおトクな選択をしたいですね。賢い消費者とは、「アタマのいい人」のことではなく、「勝負に勝った人」のことを指すのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月13日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。さっそくですが、みなさんは買いものをしたときにもらう「レシート」をどう使っていますか?「家計簿に使っている」「え?もらってもすぐに捨てますけど」「そもそも、不要なものだからもらいません」おそらく、このような答えが多いのではないでしょうか。そこで、私の答えです。「数的感覚と論理思考を鍛える練習ツールにしています」いったいどういうことか、具体的な例でご説明します。■レシート1枚で数字に強くなれる!たとえばひとり、飲食店で軽い食事とアルコールを楽しんだとしましょう。—————————————————————ペペロンチーノ¥690内ドリンク&オツマミセット¥780内赤ワイン グラス¥440内 小計¥1,910消費税等¥141合計¥1,910 合計点数3点No.36271名—————————————————————レシートには必ず「数字」が書かれています。この数字を使って、2~3分だけ遊ぶのです。たとえば、こんな感じに。1,910(円)÷3(点)≒637(円)なるほど。あの店の1品単価はだいたい600円から700円くらいか。場所やメニューの内容からすると、ちょっとお高めな気がするな……。消費税率が8%から10%になったら、会計はどうなるだろう……?1,910(円)-141(円)=1,769(円)1,769(円)×1.10=1,946(円)あ、まだ2,000円でお釣りがくるな。レシート番号の4桁で「10」でもつくってみようかな。3627 → (6-3)×(7-2)=2×5=10レシート番号の4桁で「0」でもつくってみようかな。3627 → 7−3-6+2=0■数字遊びはビジネスで活用できる!テーマはなんでもOK。数字を使って頭のなかで遊ぶとは、こういうことです。「こんなことをして、いったいなんの意味があるの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、私たちビジネスパーソンは仕事の場において、「その金額が高いか安いか」を数的に評価する局面もあるはず。また、増加率が◯%増えたらどうなるのかを数字で計算することもあるでしょう。わかりやすく説明するために、要素の順序を論理的に組み立ててプレゼンを設計することもあるのではないでしょうか。ビジネス書を買っても1章くらいしか読まないという人にこそ、こういう感覚を持ってほしいと思います。レシート1枚でも、数字の力を鍛えることができるのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月12日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。今回は、「気遣いができる人は、仕事もデキる」というお話です。■資料で3Dグラフ使用はNG職場の同僚やお客様に対してちょっとした気遣いができる人は、人としてモテるものです。人から応援されますから、結果的に仕事もうまくいくのです。そんなビジネスパーソンの「気遣い」を、グラフというテーマで考えてみましょう。グラフとは、いうまでもなく会議資料やプレゼン資料で使う円グラフや折れ線グラフのこと。ちなみに、以下はまったく同じデータを円グラフで表現したものです。そこで問題。グラフを見せる相手への「気遣い」が感じられるグラフは、いったいどちらでしょうか?A・・・普通のグラフB・・・3Dグラフ正解はAのグラフ。Bは、私は研修の現場では「NG」を出すグラフです。■選ぶグラフにも気遣いが必要ここで私が問題にしたいのは、「なぜ、わざわざ3Dのグラフにするのか?」ということ。ご覧のとおり、3Dにしてしまうと角度がつき、データの大小がわかりにくくなります。実際、数字を隠した状態でこのグラフを見せると、ほとんどの方が「佐藤さんのデータがもっとも多く見える」といいます。実際には、多いの山田さんなのにもかかわらず。そもそもグラフとは、伝えたいことを、より伝わりやすくするために使うものです。にもかかわらず、あえて伝わりにくくなる(相手がミスリードしてしまう可能性がある)グラフをなぜ使うのでしょう。問題は、3Dグラフを好んで使う方に「なぜ使うの?」とたずねたとき、たいていは次のような答えが返ってくるということ。「なんかカッコイイから」「なんとなく好きだから」この答えに、相手に対する気遣いは1%も感じられません。むしろ伝わるのは、「自分がカッコつけたいから」「自分の気分がいいから」といった自分本位の発想だけ。こういうタイプには、仕事もイマイチな方が多いようです。このようなちょっとしたところにも、その人が表現されるのかもしれませんね。ビジネスパーソンの姿は、その人が見せるグラフにも現れます。みなさんのグラフは、相手への気遣いができていますか?(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月08日昔話の主人公たちが共演するau"三太郎"シリーズの新CMが、9日から全国で放送され、今回は浦島太郎が乙姫への恋の告白を、桃太郎に相談する。施策「恋愛相談」編は、浦島太郎(桐谷健太)が、妄想の中で乙姫(菜々緒)への告白をイメージし、竜宮城で「僕と結婚してください!」と手を差し出すが、乙姫は「え、いきなり?」と困惑。ここで現実に戻り、桃太郎(松田翔太)から「全然ダメだね」とダメ出しされる。その後も、浦島は桃太郎のアドバイスを受けながら、想像で「僕と住むところ、まとめてみない?」「君のすべてをまとめて面倒みたい!」とプロポーズすると、乙姫はうっとりして「浦ちゃん…」と手を握り、告白成功。桃太郎に「さすが恋愛マスターっす!」と感謝するが、再び浦島が「まとめて面倒みたい!」と手を差し出すと、乙姫は迫力ある形相で「覚悟あんのか?」と睨(にら)みつけてくる。桃太郎と浦島の会話は、松田と桐谷のアドリブで、本当に恋愛相談のように進行。菜々緒は、普段の乙姫のキャラクターからは想像できない、ときめきの表情も浮かべたが、最後のカットでカメラを睨みつける菜々緒の眼力に、スタッフは皆圧倒され、スタジオが爆笑に包まれた。
2016年04月08日こんにちは、深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。私は仕事柄、多くの企業から社員研修のご依頼をいただきます。そのような研修の場では、参加者のみなさまからたくさんのご質問をいただくのですが、実はそのなかでとても多いもののひとつが「グラフ」に関することです。■グラフの正しい選び方とは?「たとえば会議資料などをつくるとき、何グラフを使えばいいのか迷うんです」もしかしたら、みなさんにも思い当たる節があるかもしれませんね。そもそもグラフというものは、伝えたいことがあるから使うものです。ですから、何グラフを使うべきか迷われたときは、この基本に立ち返ってください。「伝えたいことは、なんだ?」それが決まれば、必然的に使うグラフも決まります。たとえばある会社の従業員は男性が34人、女性が146人だとしましょう。この数字を使ってグラフをつくるとき、ただ漠然とグラフ化してはいけません。グラフを使うということは、なにか伝えたいメッセージがあるはずです。そのメッセージが伝わりやすくなるようなグラフを選択しましょう。たとえば、次のようなメッセージの場合。「女性従業員の人数は男性の4倍以上です」「従業員のおよそ2割が男性です」伝えたいメッセージが変われば、それにあわせて使うグラフも変わります。前者は人数の大小を伝えたいので、大小を表現できる棒グラフを選択。後者は「2割」を伝えたいので、シェアを表現できる円グラフを選択しましょう。■伝えたいことでグラフを選ぶ「何グラフを使えばよいかわからない」というのは、たいていが「なにを伝えたいのかが決まっていない」ケースです。特に伝えたいことがないときはどうすればいいか?簡単です。グラフにする必要などないのです。もっといえば、そのデータ自体、見せる必要などありません。なぜなら、そのデータにはメッセージがないのですから。みなさんは、そのデータでなにを伝えたいのでしょうか?どうか、データをグラフ化する前に少しだけ自問自答してみてください。そうすれば見違えるほど、資料は見やすく、わかりやすいものになりますよ。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月06日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。さて、「短いほうがいいもの」と聞いて、なにを思い浮かべるでしょうか?男性に尋ねると「女性のスカート丈」などといった答えもたまに返ってきますが(苦笑)、たとえば「ビジネス会話」も短ければ短いほどよいもののひとつではないでしょうか。しかし、多くのビジネスパーソン(特に女性)に多い悩みが、「話を簡潔にまとめられず、気がつくとダラダラ喋ってしまい、最後には自分がなにをいいたいのかわからなくなってしまう」といったこと。そこで、そうならないためのコツを1つご紹介しましょう。それは、「数学的に論述する」ということです。■なにを論じるかを最初に定義する数学という学問は、必ず「なにをするか(論じるか)」を最初に定義し、その定義に沿ったことだけを、一切の無駄なく論じていく学問です。具体例があったほうがいいですね。Q.「三角形ABCと三角形DECが相似であることを証明しなさい。ただし、角度Bと角度Eはいずれも直角である。(2つの図形が“相似”とは、簡単にいえば拡大縮小の関係にあること)」■数学的でないAさんが証明した場合A.「三角形ABCと三角形DECはどちらも直角三角形ってことか。あ、直角三角形といえば、なんといっても“三平方の定理”だよね。でも、この問題では使うのかな、使わないのかな……?それから、他に現時点でわかっていることってなんだろう……?正直、図形の問題はあまり好きじゃないんだよな。こんなの、なんの役に立つのやら……。あ、三角形ABCと三角形DECではどちらも角度Cが共通している。これは絶対使うんだろうな。さてさて、この問題はなにを証明するんだっけ?あぁ、相似か。相似といえば“相似条件”。たしか3つあったよな。ということはその3つのうちのどれかに当てはまることを示さないといけないのか……。だとすれば……?」■数学的なBさんが証明した場合A.「この問題は三角形ABCと三角形DECにおける対応する2つの角度が一致することを示す問題。なぜなら、それが示せれば相似条件のひとつに合致するから。(1)角度ABC=角度DEC=90度(2)角度ACB=角度DCE以上より、証明終わり」*AさんとBさん、2人の差は歴然ですね。最初になにを論じるか定義し、あとは必要な言葉だけ使って、その最短距離を進むだけです。そう、数学の証明問題のように。社員研修の現場で数多くのビジネスパーソンを見てきましたが、話が簡潔にまとめられており、かつその内容もわかりやすい人は、たいてい数学的に論述しています。あなたはビジネスシーンで、Aさんのような説明をしていませんか?(文/深沢真太郎) 【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年03月25日4月10日よりTOKYO MXほかにてTVアニメの放送がスタートする人気コミック作品『とんかつDJアゲ太郎』を題材としたリアル謎解きゲーム「とんかつDJアゲ太郎×ドラマチック謎解きゲーム『アガらないフロアからの脱出』」が、4月16日より都内・よだかのドラマチックルームにて開催される。本企画は、ニコニコ超会議やゲームマーケットなど大規模イベントで、体感型のリアル謎解きゲームを開催してきたよだかのレコードの新規公演となる。参加者は『とんかつDJアゲ太郎』の世界観の中、さまざまな課題をクリアしてアゲ太郎を救い出すミッションに挑戦する。イベントは解説を含め100分程度で、6人のチーム戦になるという。アニメと同じく声優の山下大輝が主人公・勝又揚太郎の声を担当する。『とんかつDJアゲ太郎』は、漫画雑誌アプリ『少年ジャンプ+』(集英社)で連載中のコミック作品。とんかつ屋の三代目の勝又揚太郎が、とんかつ屋とクラブDJに共通点を見いだし、一人前のとんかつ屋とDJを目指すというユニークな設定が話題を呼んでいる。(C)イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・とんかつDJ製作委員会
2016年03月17日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。人間誰しも「どう?私ってすごいでしょ!?」と自分をアピールしたくなること、ありますよね。話すほうは、聞いてほしいからつい言葉も多くなりがち。でも、もしかしたら相手は、「一方的なアピールばかりを、いつまでも聞かされたくない」と思っているかもしれません。だからこそ、アピールするときはできるだけ簡潔にしたいもの。もちろん、この「アピール」はプライベートな場だけでなく、ビジネスシーンにもあふれています。たとえば、自社製品のアピール。テレビCMのコピーや、商談時の口説き文句などがそれにあたるでしょうか。そこで、有名企業や有名ブランドは「すごいでしょ!?」とアピールしたいことをどう伝えているのか、ちょっと勉強してみましょう。■小学生にも伝わるiPodの数字アピール最初の例は、米アップル社の製品である「iPod」。2001年のリリース時、アップル社はこの製品の魅力を、ある数字を使って世の中に発信しました。さて、どんな数字でメッセージを伝えたか、覚えてらっしゃいますか。「1,000 songs in your pocket」そう、「あなたのポケットに1,000もの曲を」というメッセージだったのです。要するに「こんなたくさんの曲が、こんな小さなスペースに収まる。どう?すごいでしょ!?」と言っているわけです。そして、注目していただきたいのは、“実際に入る曲数はピッタリ1,000ではなかったかもしれない”ということ。にもかかわらず、小学生でもピンとくるような1,000という数字を使うところに、彼らのセンスを感じます。1,110も1,000も、伝えている事実はほぼ同じ。しかし、伝わり方が違うのです。■イナバ物置CMの数字アピールもうまい!つぎに、別の例もご紹介しましょう。「イナバ物置」という、有名な物置のメーカーがあります。このイナバ物置のテレビCMで流れるフレーズはあまりにも有名です。「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫!」これもまた、数字が入っています。ところが、もしこのCMのフレーズが次のものだったら、どう感じるでしょうか。「やっぱりイナバ、なんと300kgf/㎡です!」(kgf/㎡:重量キログラム毎平方メートル)もしこれが正しい数字だったとしても、なんだかよくわかりませんね(笑)。要するに、「事実を伝える」ことと「それが伝わりやすいか」は、別のこととして認識しないといけないということです。先ほどの「iPod」の話と同じですね。まして、人間は相手のアピール話をダラダラ聞かされるのは嫌なもの。だからこそ、有名企業や有名ブランドは自分たちのアピール話を究極まで短くし、数字の力も借りて最高に伝わりやすい状態にして伝えているのです。ビジネス会話も、アピール話は「伝わりやすい数字」で簡潔に。(文/深沢真太郎) 【参考】※深沢真太郎(2016)『99%の人が知らない数字に強くなる裏ワザ30』ダイヤモンド社
2016年03月11日松田翔太、濱田岳、桐谷健太という“中堅派”と呼べる人気俳優たちが、それぞれ桃太郎、金太郎、浦島太郎に扮し、さらに菅田将暉、有村架純、菜々緒といった最旬俳優も参加するau「三太郎」CMシリーズ。先日から、花咲爺さんとしてベテランの笹野高史も参戦し、さらなる笑いと話題を呼んでいる。また、2016年元旦からTVでオンエア、その後配信もスタートしたAIの歌うCMソング「みんながみんな英雄」はiTunes、レコチョクなど各配信サイトで軒並み1位を獲得。これまでのCM総集編のような形で「みんながみんな英雄」フルバージョンを収めた特別映像がYouTubeで公開されるや、10日間ですでに100万回以上の再生回数となっている。CM好感度ランキングでも歴代最高となる“好感度”を記録(CM総合研究所調べ)、2年目に突入しても人気は留まることを知らない「三太郎」を、その魅力とともにふり返ってみた。2015年元旦にスタートしたこのシリーズは、昔話の“英雄”たちがお互いを「桃ちゃん」「金ちゃん」「浦ちゃん」と呼び合う友達同士だったという設定や、「マジで」「ガチで」など現代的な言動の数々、昔話の「あれって実際どうなの?」という素朴な疑問への答え(!?)が次々と明かされていき、人間味あふれるそれぞれのキャラクターに俳優陣の好演も見事ハマって、日本全国があっという間に夢中になった。松田さん演じる桃太郎は、いつも優しくクールで冷静。鬼退治で一攫千金をなした、いわばボンボンタイプ?はしゃぎがちなほかの2人にツッコミを入れるのもたいてい彼だが、有村さん演じる“かぐちゃん”ことかぐや姫とおつき合いし、シリーズの最中に“家族”に。それぞれ桃と竹から、「パッカ~ン!」と生まれたことがなれそめだという。とはいえ、かぐや姫には“鬼嫁”疑惑(!?)も根強く、日ごろは尻に敷かれているのかもしれない…。また、濱田さん演じるのが金太郎。鬼を倒したり、竜宮城に行ったりするメジャーな2人と比べ、自分は熊と相撲をとるだけという、ちょっぴり地味な物語を卑下しているところもあったが、もしかしたら一番“純粋”で“自由”なのは彼かも。桃太郎のキジに対する優しさに「家族一人一人…」と涙したり、超軽い“鬼”ともすぐに打ち解けたり、どんなに寒い日もノースリーブで耐えてきた健気な一面も。いまでは学校へ通い、金太郎ならぬマジメな“金次郎”と化している。今年一番おはぎをもらっていたのは、彼だった(ただし、母から)。桐谷さん演じる浦島太郎は、いちばんの天然キャラといえそう。菜々緒さん演じる竜宮城の乙姫に、届かぬ想いを寄せている。竜宮城には“週3”で通っているが、どうもツンデレな悪女風の“乙ちゃん”にすっかり手玉に取られている様子。その乙姫の妹がかぐや姫で、「旦那さんと子どももいる」とのかぐや姫の辛辣なジョークには、Wショックを受けてしまったことも…。しかし、そんな切ない想いを歌に込めた浦島太郎(桐谷健太)名義の「海の声」は大きな話題となり、CMソングの枠を越えてロングランヒットとなっている。そして、3人の友情を改めて噛みしめながら鬼退治に向かった先に現れたのは、菅田さん演じる鬼。彼こそ、かつて桃太郎が退治した鬼だったが、「うぃっす~、久しぶりっす~」と超軽い!「喧嘩の後は友達っすよね」と仲よくなった桃太郎&鬼コンビは最強で、最初はやや混乱気味だった金太郎、浦島太郎とも、いまでは友達に。実は5人の子を持つイクメンパパであることが判明した鬼は、子どもに「キラキラネーム」をつけたり、雷様として副業をこなしたりと、三太郎を凌ぐほどの強烈キャラとして人気を集めている。そんなシリーズに、鬼ちゃんと同じくらいにお調子者の花咲爺さんとして、笹野さんが登場したばかり。「みんながみんな英雄」篇ではこの「花咲爺さん」など、数々の昔話やおとぎ話がフィーチャーされていたが、もしや今後も新キャラが登場していくのか、期待せずにはいられない。しかも、シリーズを通じて、あの一寸法師が“一瞬”だけ登場しているという点も見逃せない。“どこに一寸法師がいるのか”も含め、CMの世界観をギュッと凝縮した特別篇では、新発見もたくさんありそうだ。(text:cinemacafe.net)
2016年03月06日映画『ドクムシ』のワールド・プレミアが2月27日(土)、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2016」にて開催され、主演の村井良大、秋山真太郎(劇団EXILE)、朝倉加葉子監督が舞台挨拶に登壇。ヒロインを演じた武田梨奈からはビデオメッセージが到着した。350万ダウンロードの電子コミックを実写化。気づくと完全に閉鎖された学校に閉じ込められていた7人の男女が、極限の中で生き残るために人間性をむき出しにしていく様を残酷に、生々しく描き出す。映像を見ればわかるように、かなり過酷な撮影現場だったようだが、村井さんは撮影での苦労について「たくさん血が出てくるんですが、一気に血を浴びるようなシーンは一発で成功させなくてはならず、プレッシャーがありました」と振り返る。秋山さんは、武田さんから放たれるビンタが「痛かったです」と苦笑。運動神経抜群の武田さんが本作では華麗なアクションを封印し、等身大の女性を演じているが、それでも彼女がビンタするシーンは「さすがと言うか…(苦笑)、『本気で来てください』と言ったら、すごい本気で来て…。そういうときに限って『もう1回、お願いします』ってなるんですよ」と振り返った。朝倉監督は、映画の中で重要かつ恐るべき(!)役割を果たす大鍋について言及。「なかなか大変なことに…(苦笑)」と言葉を濁したが、村井さんは「ニオイがすごいんです。夏で、(密閉された部屋のため)換気できないし、『鼻が曲がる』ってこういうことかと…」と顔をしかめ、秋山さんも「あの(部屋での)シーン、嫌だった」と漏らす。朝倉監督は「(映像用の)特殊造形物に加えて、本物の動物の内臓が入っていて、混ざり合ってます…(苦笑)」と映画の中だけでなく、撮影でも恐るべき光景が繰り広げられていたことを明かした。お気に入りのシーンを尋ねると、村井さんは全ての真相が明らかになった上でのラストシーンのある描写を挙げる。一方、秋山さんは映画を通じて描き出される「時間の経過」に触れ「順撮りで一週間、ヒゲも伸ばしっぱなしで、食事も基本は水分だけで固形物はなるべく摂らず、ゲッソリしていく姿は映画の中の7日間と合っていてリアルです」とまさに身を削って現場で過ごしていたことを告白した。一方、朝倉監督は武田さんが関わるあるシーンでの“首切り”描写をお気に入りにあげ「見事な首切りでした…」とウットリ。会場は笑いに包まれた。武田さんは、2月25日(木)の映画祭初日から夕張に滞在していたが、29日(月)の米アカデミー賞授賞式をレポートするためにロサンゼルスに行かねばならず、すでに夕張を発った。村井さんらは夕張入りし、わずか5分ほど武田さんと顔を合わせる時間があったそうで、村井さんは「ちょっとでも会えてよかったです」と笑顔を見せた。武田さんからはビデオメッセージが届けられ、映画について「人間の心理が見えて、いろんな意味でドキドキする作品で『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』にピッタリだと思います。ぜひ楽しんでください!」と呼びかけていた。『ドクムシ』は4月9日(土)から22日(金)まで2週間限定公開。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2016」は2月29日(月)まで開催。(text:cinemacafe.net)
2016年02月28日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。ビジネスパーソンの研修をやっていて、面白いことに気づきました。■ある質問は数字で答える人が少ない「いくら?」を解釈しなければならない局面では、私が指示をしなくとも、みなさん勝手に電卓を持ち出し、計算を始めます。ところが、「いつ?」を解釈しなければならない局面では、なぜかみなさん計算しようとしない。シンプルにまとめれば、「いくら?」 ⇒ 数字で答える「いつ?」 ⇒ 数字で答えないビジネスにおいて、「いつ?」は重要な情報ですよね。いつまでに納品するのか。いつまでは割引してはダメなのか。いつ損益分岐点を超えるのか。にもかかわらず、これら「いつ?」に対して数字で考え、数字で答えようとする人が驚くほど少ない。「なるはやで(なるべく早く)」「様子を見てタイミングは決める」「まぁ、いつかは」こんな答えばかり(苦笑)みなさんは、「いつ?」にも数字で答えるビジネスパーソンであって欲しいものです。■デキる人は部下にも数字で指示するひとつ、簡単な例を出しましょう。———————————————————————————(例)前田さんにお願いすると2時間で終わり、大島さんにお願いすると4時間で終わる仕事がある。できるだけ早くこの仕事を終わらせて欲しい上司のあなたは、このふたりに一緒にやるよう指示をした。さて、部下のふたりにはいつまでに終わらせなさいと指示をしますか?———————————————————————————「3時間くらいで終わらせてね」なんて指示を思いついたあなた、失格(笑)前田さんは1時間で50%、大島さんは1時間で25%終えることができるわけですから、ふたり一緒にやれば1時間で75%終わります。「1時間10分くらいで終わるように。遅くとも1時間30分以内で」なんて指示が妥当でしょう。人は自分に甘い生き物です。人はサボりたい生き物です。ビジネスシーンにおける「できるだけはやく」なんて曖昧な指示は、勝手に都合良く解釈されるだけです。そして、ビジネスは「Time is money(時は金なり)」。「いつまでに?」というコミュニケーションは、極めて重要になります。だから、デキる人は「いつ?」を伝える際に、計算してから数字で答えているのです。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年02月17日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。突然ですが、あなたは「マイ電卓」を持っていますか?「マイ電卓」とは文字通り、あなたが自分のお財布で購入した、自分のための電卓のこと。会社から借りている電卓ではありませんよ。今からご紹介するのは、私がある企業の社員研修でしたオープニングトークの実例です。少々長いですが、最後までぜひお読みください。———————————————————————————みなさん、おはようございます。さっそくですが、みなさんは自分の机の上をご覧になってみてください。電卓を出している人とそうでない人がいますね。もうこの時点で、「差」があることにお気づきでしょうか。たしかに私は事前に「電卓を持参するように」という指示はしておりません。しかし、「数的思考」の研修ですよ。数字を使って、考える研修です。みなさんが暗算の達人なら結構ですが、そうでないとしたら、電卓のない状態で「数字で考える」ができるのでしょうか。スマホの電卓アプリがあるから十分?確かに電卓機能は備わっていますね。でも、スマホの電卓アプリはビジネスツールではありません。たとえば保険や高級ブランドの商談。販売員が、重要な金額提示をスマホの電卓アプリで行いますか?少なくとも、大きな電卓を使ってあなたに金額を提示するはずです。何より、スマホの電卓アプリでチマチマ計算する姿は、ビジネスパーソンとしての品位がない。学生じゃないんだから。よろしいですか。「マイ電卓」を常に持ち歩かないということは、自分はビジネスを数字で考える姿勢がありませんと言っていることと同義です。私に言わせれば、「仕事=商売をしているんだ」という感覚がない人です。本気で数字に強くなりたいと思うのなら、本気で成果を出したいと思うなら、本気で変わりたいと思うなら、まずはそういった「意識」から変えないとダメです。みなさんが数字に強いかどうかは、文系・理系の問題ではないんですよ。———————————————————————————いかがでしたでしょうか。少々厳しく聞こえるかもしれない私からのメッセージ。あなたはどう受け止めたでしょう。かつて、私がサラリーマンだった頃にお世話になった経営者は、どんな会議にも必ず「マイ電卓」を持参し、ふと見ると何かをサッと計算し、頭の中で考えている人でした。その企業は株式上場を果たし、今も成長を続けています。「ワタシは文系だから……」そういう前に、ひとりのビジネスパーソンとして、あなたに欠けているものはありませんか?(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年02月15日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「数字に対する苦手意識がない人」今回はこれをテーマにしてみようと思います。■数字が苦手な人とそうでない人の違い数字が苦手でない人は、かつての算数や数学の問題が鮮やかに解ける人ではありません。もちろん、円周率の数字をスラスラ言える人のことでもありません。では、どんな人のことを指すのか。「“遊び”を楽しんだ人」これが私の答えです。いったいどういうことか、説明しましょう。数字が苦手な人とそうでない人は、いったい何が違うのか。多くのビジネスパーソンに尋ねてみた結果、ある共通点があることがわかりました。「人生のどこかで、“数字遊び”を楽しんだ経験がある」「数字遊び」とは何か特定のものを指しているわけではなく、アタマの中で数字を使って考える遊び全般のことを指します。■数字の苦手意識が消える簡単なゲームたとえば、電車に乗るとき。近年は電子マネーの時代になりましたから、切符を購入する人は減ったと思いますが、私はかつて切符を購入したときは、その切符に書かれている4つの数字を1回ずつ使い、四則演算で「10」をつくるゲームをしていました。(例)切符に書かれている4つの数字「4」「7」「1」「3」「7」−「4」=33×「3」=99+「1」=104つの数字を1回ずつ使い、四則演算で「10」がつくれました。「懐かしい。たしかに私もやった」なんて人も多いのでは?このような遊びは、ドライブの最中にも必ずしていました。前を走る車のナンバープレートは、恰好の素材ですから。実は私は今でもPASMOのチャージ時には必ず領収書を発行するようにしています。領収書には伝票番号があり、(たいていは)5桁の数字が記載されています。この数字を使って、同じように「10」をつくってみる。1パターンできたら、他のパターンもできないかチャレンジしてみる。電車に乗っているときの数分間の暇つぶしにちょうど良いのです。「文系だけど数字に強い人」は、皆さん何かしらこのような遊びをどこかで経験し、数字を使った楽しい時間を経験しているようです。楽しかった。面白かった。だから、数字に対する苦手意識があまりないのでしょう。「数字が苦手」はアレルギーのようなもの。できるだけたくさん数字を目にし、アタマの中に存在させる習慣を持つことが克服の第一歩です。いまからでも遅くありません。いつまでもSNSでゲームなんてしていないで、スキマ時間に数字で遊ぶ習慣を身につけませんか?数字に強くなるコツなんて、この程度のことなんです。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年01月29日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。今回は生活に役立つ数的思考のお話を。■いつものバナナと特売バナナつい先日、近所のスーパーマーケットに立ち寄ったときのこと。果物コーナーのいつもの場所にいつものバナナが5本で300円という価格で販売されていました。ところが、この日は別のスペースに特売エリアが設置されており、そこで別のバナナが20本セット1,000円で販売されていたのです。バナナ好きの私としては、とても魅力的なオファーです(笑)。もしあなたなら、どちらを購入しますか?ちょっと数字で考えてみると、このようなロジックがつくれますね。いつものバナナ:300円÷5本=60円(1本あたり)特売のバナナ:1,000円÷20本=50円(1本あたり)そうです。1本あたりの価格に換算すれば、特売のほうがお得となります。つまり、どちらが効率的にバナナを手に入れられるかという観点で考えれば、特売セットを選ぶべきです。しかし、私がこのとき選んだのは……?いつものバナナ(300円)でした。いったいなぜだと思いますか。その答えは、極めてシンプルな思考によるものです。「そんなに必要ないから」バナナはとても痛みやすい果物です。20本すべて食べるためには、1週間から2週間はかかってしまうでしょう。もしかしたら、食べきれずに捨ててしまうなんてことになるかも……?あくまで個人の主観ですが、私の中では「痛んで黒ずんだバナナ」ほど不味そうに見える果物はないのです(苦笑)。■賢い人は特売品を買わない!そろそろ本題に入りましょう。このエピソードを通じて申し上げたいのは、こういうことです。賢い人は、必要だからお金を払う。賢くない人は、目先の効率でお金を払う。モノを売る側は、少しでも「お得」に思わせようと必死です。でも、買い物の本質は「必要なものを手に入れる」のはずです。必要ないものまで購入してしまう行為は、あまり賢いとはいえません。これは、ビジネスセンスにも通じる話です。たとえば、マーケティングリサーチのサンプル数。たしかに、多ければ多いほどリサーチの精度は高くなる気もするけど……。でも、そもそもざっくり傾向が把握できればいいのなら、サンプル数はそんなに必要?たとえば、採用の人数。正社員1人よりもアルバイトを3人雇ったほうが費用は安く済むけど…でも、そもそも誰かを雇う必要ある?いまのメンバーで工夫して仕事をまわせないの?「そもそも、必要なの?」そんな視点を持つだけで、余計な支出を減らすことができます。気づけば、ビジネスシーンでも「賢い人」になれることでしょう。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年01月28日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。さっそくですが計算問題を1つ。ただし、電卓は使ってはいけませんよ。■面倒くさい計算問題6,480万人の12.5%は何人でしょうか?この記事をご覧になった方の苦々しい表情が目に浮かびます。こんな計算、面倒くさいですよね。ごめんなさい(苦笑)。でも実はこの計算、ちっとも面倒ではないのです。おそらくあなたは、こんな計算をしなければならないと想像したのではないでしょうか。—————————————-6,480万人×0.125=??6480× 125———32400129606480———810000小数点の位置を考慮して、答えは810万人。—————————————-たしかに私たちは小学校でこのように計算を学びました。(面倒くさいですね)一方、私はこのような計算は次のようにして終えます。—————————————-6,480万人÷8=810万人—————————————-そう。たった一度の割り算でおしまいです。一瞬ですね。なぜ12.5%を計算するのに8で割り算するのか、ご説明しましょう。■8で割り算する理由たとえば、6,480万人の50%(つまり半分)はこう計算しても構いません。6,480万人÷2=3,240万人ならば、6,480万人の25%(さらにその半分)はこう計算しても構わないはずです。6,480万人÷4=1,620万人ですから、6,480万人の12.5%(さらにさらにその半分)はこう計算しても構わないはずです。6,480万人÷8=810万人このような考え方を知っておくと、たとえば33%は3で割り算すれば概算できますし、16%~17%はその半分ですから、6で割り算すれば概算できてしまいます。6,600円の33% → 6,600÷3=2,200 およそ2,200円(正確には2,178円)6,600円の17% → 6,600÷6=1,100 およそ1,100円(正確には1,122円)こんな%の計算が速くなるだけで、デキる人に見えてしまうかもしれませんね。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年01月14日会社勤めをしていると、上司から理不尽なことをいわれて困ることもあるもの。『Woman type』のアンケートでも、「上司への不満がある人」は74%、「上司の言動になぜ? と思ったことがある人」は69%にのぼっています。ではそんなとき、どうすれば論理的に対処できるのでしょうか?『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』(深沢真太郎著、日本実業出版社)によると、論理的思考を使って反論することで、相手の言動に矛盾があることに気づかせることが非常に重要なのだとか。そこで、上司から理不尽な言動をされたときの対処法について、著者の深沢真太郎さんに詳しく教えていただきました。■1:上司に大声で怒鳴られた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「人になにかを伝えるときには、そんな大きな声を出さなくても聞こえますよ。こういうときの声の大きさとその人の器の大きさは、反比例するという考え方もあります。孫正義さんだって、池上彰さんだって、落ち着いた声でゆっくり話すじゃないですか。部長も器の大きい人なのですから……」なるほど、説得力のある意見ですね。■2:上司の指示や意見がコロコロ変わった場合は?こんなときには迷わず「私はいったい“何月何日の部長”の指示を優先すればよいでしょうか?」と聞いてみるのがいいと思います。極めて妥当な質問ですよね。■3:上司に「クビだぞ!」と脅された場合は?こんな反論はいかがでしょう?「なぜ“これをやらないとクビだ”なのでしょうか。納得できるように論理的に説明してください。いっそのこと、“クビにしなければならない人”の定義から教えていただけませんか?私がそれに当てはまるのか、確認させてください。当然、それは他の人にも当てはまらないとウソですよね」こうして反論されれば、上司もタジタジになってしまうかもしれませんね。■4:上司に責任をなすりつけられた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「責任の“任”は任せる、であり、任される、でもあります。少なくとも2者いなければ、“任”は成立しません。つまり、少なくとも任せる側と任される側、双方の問題なのではありませんか? どちらか一方というのは、論理矛盾を生んでいます」理不尽なことには、きちんと反論することが大切です。■5:期日を守ったのに文句を言われた場合は?たとえば、「3日以内に仕上げて」といわれたはずなのに、3日後に提出すると「もっと早く仕上げてくれないと困るよ」などといわれること、ありますよね。そんな場合は、「“3日以内”という言葉の意味を正確に教えていただいてよろしいでしょうか」と聞いてみては?つまり、あなたの言葉の定義を明確にしてくれというツッコミです。適当な発言をしている人は、たいていこれで論破できます。■6:自分がやっていないミスを上司に押しつけられた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「たとえばサッカーでPK失敗できるのは、蹴った人だけです。確認ですが、私はPKを蹴っていませんよね?蹴ったのは誰ですか?」論理矛盾は、比喩を使って指摘すると効果的です。■7:上司によくわからない指示を出された場合は?たとえば「今日の13時から空けといて。理由?そんなの自分で考えればわかるだろう!」など、目的や理由がさっぱりわからない指示を出す上司、いますよね。こういう上司には逆に「部長、明日の15時からお時間いただけますか。私のマネジャーですから、これ以上はいわなくてもわかってくれますよね」と伝えてみては?■8:プライドの高い上司に「俺の顔をつぶさないでくれるか?」といわれた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「申し訳ありません。でも、私は部長の顔よりも会社への影響のほうが心配です。部長も、そちらをお考えになったほうがよいのではありませんか?それとも、部長は会社よりも自分の顔のほうが大切なのでしょうか」■9:上司から「ここの会社ではなく、どこか他の会社を見つけたら?」と言われた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「逆に、この会社で働けるための条件を挙げてください。それを満たせば、このままで構わないということですよね。そして、私以外のみなさんは、いますべてそれを満たしているということになります。いったいどんな条件なのでしょう。ぜひ教えてください。まさか、私だけ例外なんておかしなことはあり得ませんよね」極めて論理的な切り返しです。■10:上司に「○○さんはみんなに嫌われているからね」と言われた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「みんなって具体的に誰ですか?それって、“みんなも持っているからこの玩具をボクにも買って”と駄々をこねる子どもといっていること同じですよね。そもそも、誰にも嫌われていない人なんているんでしょうか、部長?」最後は少しばかり皮肉をこめて。*あくまで論理的思考をベースにした回答方法なので、実際の現場で使えるものと使えないものがあるかもしれません。しかし、こう考えるだけで、論理的に矛盾した上司の発言を否定できることも事実。あなたも論理的な考え方を身につけて、理不尽さをはねのけていきませんか?(文/渡邉ハム太郎)【取材協力】※深沢真太郎・・・BMコンサルティング株式会社・代表取締役/教育コンサルタント/多摩大学非常勤 講師/理学修士(数学)。ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し人財育成に従事。様々な大手企業の人財育成をサポートしており、日本全国の大学からも講義依頼が殺到。担当した講義は100%リピート依頼がくる超人気講師でもある。著作多数。一部は海外でも翻訳され多くのビジネスパーソンに読まれている。公益財団法人日本数学検定協会「ビジネス数学検定」1級AAAは国内最上位。【参考】※ビジネス数学.com ビジネス数学の専門家・深沢真太郎の公式HP※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年01月08日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「逆から考えよう」ビジネスなどでよく見かけるこのフレーズ。あなたは本当の意味でこの言葉の意味を理解しているでしょうか。■意外とできない人が多い「逆から考える」たとえば簡単な算数で考えてみましょう。今から3つの計算問題を出題します。最終的には「問3」の計算結果を答えください。問1)◯+1=□問2)□+2=△問3)△×0=?こんな出題をされたとき、まさかあなたは「問1と問2で◯や□や△を使って連立方程式を……」などと考えたりしませんよね。問3の内容を見れば、すぐに正答は「0」であることに気づくはずです。つまり、スタートから順序立てて考えなくとも、ゴールを最初に確認し、必要な作業だけすれば事は済むということです。逆から考えた方が、しなくて済む思考や作業を省くことができる。何を当たり前のことをと思われたかもしれません。しかし、この当たり前のことが実は多くのビジネスパーソンが仕事の場でできません。たとえばプレゼンテーション資料を作成するという仕事。なんとなく考えながら資料を作っていく。あなたにもそんな経験、ありませんか?でも、それは仕事の仕方として間違っています。時間をかけた割に、結局は先月作った資料とほぼ同じものをイチから作成していたり、目的を見失った自己満足なプレゼンテーション資料ができあがったり。まずはゴールを確認しましょう。何をプレゼンするのか、最終的に聴き手にどう思ってもらうのが目的なのか、そのために必要な情報は何なのか……。つまり、ゴールからスタートに向かって考えるのです。■逆から考えることがビジネスで重要な理由ゴールが明確になれば、もしかしたら先月の資料の8割はそのまま流用できるかもしれません。もしかしたら、10枚もスライドを作る必要などなく、たった3枚で十分なプレゼンテーションかもしれません。たとえば、いつまでも終わらないダラダラ会議。なぜそんな不毛な時間が生まれるかというと、それはゴールから逆算して考えていないからです。ゴールを決め、そのために何を決めるかを逆算すれば、開始10分までに何を共有し、開始20分までで何を合意するか、必然的に決まってくるはずです。仕事がデキる人は、みんなこの「逆から考える」という思考回路を持っています。だから成果を出せる人ほど、無駄な仕事をしていない。だから成果を出せる人ほど、残業せずにさっさと帰る。「逆から考える」なぜこれが大切なビジネス思考なのか、ご理解いただけたでしょうか。そして、極めて簡単な計算問題で説明がつくほど、誰でも理解できる当たり前のこと。デキる人とそうでない人の差なんて、これくらいちょっとした差なのです。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2015年12月09日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「論理的に考えて!」「論理的に説明して!」特に若いビジネスパーソンなら、先輩からこんなことを言われた経験もあることでしょう。そこで1つ問題提起。そもそもあなたは、「論理的に考える」「論理的に説明する」ことを誰に教えてもらいましたか?ご両親?小学校の先生?あるいは大人になってから会社の先輩に……?そして失礼ながら、その論理的は本当に正しい「論理的」なのでしょうか。実は深沢の場合、学生時代、数学から「論理的」を徹底的に教えてもらいました。■数学は計算をする学問ではない?言うまでもなく、数学は考える学問です。(好きか嫌いかは別にして……)論理的に考え、難しい問題を解決していく学問です。誤解されている方が多いのですが、数学は計算する学問ではありません。とにかく徹底的に「論理的思考」を鍛える学問なのです。とはいえ、このような説明をされても、ピンとこない方もいるでしょう。そこで、例をあげて、数学と論理的思考の関係を説明します。たとえばある数学の問題を使って、あなたの論理的思考力をテストしてみましょう。さっそく、問題です。「3の倍数は無限にある」この主張は正しいでしょうか?もし正しいなら、それをどう論理的に説明しますか?いくら論理的思考の書籍や研修でフレームワークを学んだところで、いざ実際に使えなければ何の意味もありません。こんな問題に対して「なんとなく正しい気がする」だけでは、ちょっと寂しいですね。■数学的な人は論理的思考のプロ!結論から言うと、「3の倍数は無限」という主張は正しいです。その根拠を、深沢ならこう説明します。「まず、この主張が誤りだと仮定します。つまり、“3の倍数は有限だ”ということですね。そこで、Aという数字を“これより大きい3の倍数はない”数字と定義します。すると、(A+3)という数字も、3で割り切れることになってしまいます。つまり、Aより大きい3の倍数が存在することになってしまい、定義に矛盾します。ゆえに、この主張は正しいと結論づけることができます。以上、証明終わり」この論述に、いっさいの矛盾はありません。そして、ポイントとなる箇所で使っている言葉はすべて論理表現です。つまり、数学を正しく学んだ方は、特に何かを新しく勉強などしなくても、論理的思考など自然に身についているのです。そのため、数学的な人は、論理的思考のプロでもあるのです。■中学校レベルの数学を正しく学ぶそろそろまとめましょう。論理的に考えたり、論理的に説明したりすることが苦手と感じている方に本当に必要なのは、何か?ネーミングだけは立派な“使えないフレームワーク”ではありません。中学校レベルの数学を、正しく学び直すことで論理的思考が身に付けられるものなのです。それは、数学が論理的思考を鍛える学問だから。数学を学ぶのは嫌ですか?そうですよね……(苦笑)恐らく、数学の問題を見るだけでゲンナリしてしまう方もいるでしょう。ならば、問題をいちいち解かずに読書感覚で教科書や参考書を読み進めるだけでもOKです。そのとき、論理表現の使われ方に注目しながら読み進めるのがコツ。たったこれだけで、あなたの論理的思考力が自然に鍛えられますよ。ぜひ、騙されたと思ってチャレンジしてみてください。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2015年12月05日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。今回はちょっとしたゲームを。■数字を使わないかけ算・質問編「紙とペンをご用意ください。次のかけ算を、数字を使わずに筆算する方法を考えてください。12×34=?」筆算ということは文字通りペンで書いて計算する方法ですから、電卓や暗算で処理しましょうという話ではありません。あくまで紙とペンで解決しなければなりません。私たちはかつて学校で、このようなかけ算はこう筆算すると学んだはずです。12×34————4836————408しかし、この方法は数字を使ってしまっています。いったいどうすれば、数字を使わずに筆算なんてできるのでしょうか。■数字を使わないかけ算・回答編このテーマに限りませんが、何事も考え方を変えれば道も開けるもの。よく喩えに使われますが、グラスに水が半分入っている状態を見て、「もう半分しか残っていない」と思うか、裏を返せば「まだ半分も残っている」と思うかの違いです。数字は使えない。でもそれは、裏を返せば「数字以外なら何を使ってもいい」ということでもあります。ならば、点と線だけで計算したって、構わないですよね。つまり答えは、線を交差させることで出来る交点の数を数え上げればおしまいです。一の位は「8」、十の位は上に位置する4と下に位置する6の合計である「10」、百の位は「3」ですから、結論は408となります。なんだか遊び心もあって、面白いですね。この筆算は12×34に限らず使えます。あらためて、計算というものを楽しんでみませんか。考え方を変えれば、道は開けます。遊び心を持てば、退屈だったものも面白くなります。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年11月25日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。突然ですが、みなさんに問題です!■交際人数の街頭インタビューたとえば、こんなリサーチ結果があったとしましょう。「テレビ企画のため、街頭で20代の女性にインタビューしました。“これまでの異性との交際人数は?”結果は、平均で4.5人という結果。つまり、だいたい4人から5人が多いという20代女性の実態がわかりますね」さて、このリサーチの結論「だいたい4人から5人が多い」は本当でしょうか?ビジネスシーンで数字を使うことの多い方なら、そうとは限らないというツッコミができることでしょう。恋に臆病な「0人」「1人」が多い一方、一部の「10人」や「20人」といったモテ女子(?)が今回のリサーチに入っていれば、このような平均値になることは想像できます。しかし、実は「平均値の裏を読みましょう」というテーマをここでお話したいわけではありません。今回のテーマは、数字の「裏」を読む。そろそろ本題に入ります。数字を読み解く際は、その数字に人の感情が込められていないかを疑いましょう。どういうことか、説明します。■街頭インタビューの回答実態今回の調査は、街頭インタビューでした。そもそも、女性たちはこんな「余計なお世話」なインタビューに本音で答えるのでしょうか。「こんな失礼な調査、適当に答えておけばいいや」「中途半端に多い人数を答えるとなんだかイメージ悪そうだし、少なめに答えておこう」そんな心理状態のなかで答えた数字であることが想像できます。つまり、この平均4.5人という数字には、人の感情が込められている可能性が高いのです。逆にこの調査を男性にしたとしましょう。「さすがに0人とは答えにくいな……」「ちょっと多めに言っちゃおうかな」もしかしたら、そんな心理がはたらくかもしれません。イメージを守りたい女性、見栄っ張りでプライドの高い男性。そんなインサイトまで考慮すれば、今回の調査で得られた平均4.5人という数字が、「何も語らない数字」である可能性は極めて高いですね。実際、このようなアンケートをすると男性は実態の3倍の人数を言い、女性は実態の1/3の人数を言うといった俗説もあります。その数字は、いつ、どんな状況で、どんな手法で、誰の、どんな気分のときに、誕生したものなのか。そこまで考えて数字を読むことができたら、あなたはもう立派な数字に強いビジネスパーソンです。数字の裏を読むとは、その数字の生みの親の心を読むことでもあるのです。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年11月24日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「数字に強くなるために、日経新聞を読みましょう」そんな主張を聞いたことはありませんか?たしかに日経新聞は計指指標や様々な企業の業績が数字で記載されています。読むことで、数字に対する感覚が養われるという主張は一理あります。しかし、ほとんどの方が「読み方」を間違えています。私が提案する読み方はこうです。記事から読んではいけません。いったいどういうことか、説明します。■数字に強くなる「新聞の読み方」実はほとんどの方は、新聞をこういう順序で読んでいます。まずタイトルを読み、概要をつかむ→記事を読む→念のため表やグラフなど、補足資料も読むしかし、残念ながらこれではいくら毎日頑張って日経新聞を読んだところで、数字に強くはなれません。数字に強くなるための読み方はこうです。まずタイトルを読み、概要をつかむ→表やグラフなどを読み、その数字から何が言えるかを推測する→最後に記事を読み、答え合わせする単に数字を眺めているだけでは、残念ながら数字に強くはなれません。その数字から何がいえるのかを自分なりに考え、仮説を立て、確認する行為をして、はじめて数字に対する感覚は鍛えられるのです。前者の読み方だと、それをすることなくいきなり事実関係や考察を読んでしまいますので、事実の把握はできても、数字に強くなるトレーニングにはまったくならないのです。■記事は最後に読んだ方がいい理由1つ例を挙げましょう。今年の7月、「アルバイト、時給1,000円時代」というタイトルの記事が日経新聞に掲載されました。その記事内には、この数年アルバイトの時給が急激に上昇していることを表現する折れ線グラフもありました。あなたなら、この1,000円という数字と、上昇を伝える折れ線グラフだけから、今の日本では何が起こっていると想像しますか?なぜ時給が上昇しているのか。おそらく、若者の減少により採用側が人材を確保できないため、時給を上げて募集せざるを得ないのでしょう。このままだと、2020年には時給1,100~1,200円が相場という世の中になると推測できます。そして、2020年といえば東京オリンピックが開催される年。国内の飲食店、サービス業はちゃんとまわっていくのでしょうか……。つまり、この1,000円に上昇というニュースは、「若者にとって喜ばしいこと」ではなく、「日本、だいじょうぶ?」というニュースなのです。あなたもこのくらいの推測をしてから、実際に記事を読んでみましょう。実際、この日の記事内容も、私の考察と非常に近い論調でした。これが本当の意味での「数字を読み、数字の感覚を鍛える」ということ。あなたの新聞の読み方、間違っていませんか?(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年11月23日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。優秀なリーダーの発言を見ていると、勝負どころである「数字」を使っていることに気づきます。■覚悟を示す数字「0」たとえばソフトバンクの孫正義社長は、ある年の新卒採用説明会で「ソフトバンク電波改善宣言」を次のような数字を使ってプレゼンテーションしました。「98%」日本の全世帯のうち98%は既に電波がつながるようになっている。でも、ここからさらに改善し、100%を目指すと。このメッセージは裏を返せば、電波がつながらない世帯をゼロにするという決意表明でもあります。ゼロは「0.0001」ではありません。当たり前ですが、ゼロは「0」です。アルコールはまったく入っていません→0%不良品は絶対に出しません→不良品発生率0%雨は絶対に降りません→降水確率0%つまり、「0」は絶対という決意がなければ、口にできない数字なのです。だからこそ、「0」を使ったメッセージに、人はその「覚悟」を感じます。■部下を導く数字「1」一方、優秀なリーダーは「1」という数字も上手に使っています。たとえば、部下に対するこんなメッセージ。「キミは頑張っている。来年こそ、ウチのチーム内で営業成績No.1をとれ!」部下の成長を願い、さらなる高みに導くための熱いメッセージですね。しかし、もしこのメッセージが、「1」でなかったらどうでしょう?「キミは頑張っている。来年こそ、ウチのチーム内で営業成績No.2をとれ!」数字の「1」と「2」。その差は、わずかに「1」です。(当たり前ですね…)しかし、これで部下の心に火がつくでしょうか。なんだか「所詮お前は1位になる器ではない」と言われている気もします。こうして考えてみると、「1」と「2」の差はとても小さいけれど、別の視点ではとても大きいと言えます。「2位じゃダメなんですか?」某政治家のそんな発言が話題になったのは何年前でしょうか。この政治家には申し訳ありませんが、やはり「2」じゃダメなのです。「1」でないと、人は熱くなれないのです。人を動かせるリーダーはこのことをよく知っています。だから、たとえ小さい範囲であっても「その中で必ず「NO.1になれ」と部下を成長に導きます。「0」は覚悟の数字。「1」は導く数字。もしあなたがリーダーなら、伝えるべきことは必ず数字を使って伝えてください。裏を返せば、勝負所で曖昧な発言や定性的な表現に逃げるリーダー、つまりは「0」や「1」をメッセージに込められないリーダーには、ついていかないほうがいいと思います。ビジネスパーソンの教育をしていて、強くそう思います。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年11月11日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。あなたは意識していないかもしれませんが、私たちは「数字」を読んだり、口に出したり、見せたりしているわけではありません。「数字」と「単位」をセットにして読んだり、口に出したり、見せたりしているのです。たとえば「100」という数字を見せられても、いったい何のことかサッパリわかりません。しかし、「100人」となればその数字の意味合いがわかります。つまり、数字を正しく読むとは、単位を正しく読むことでもあります。裏を返せば、数字に惑わされるタイプの人は、単位を正しく読み取れていないのです。いくつか例を挙げましょう。■数字に騙されてしまう例「タウリン1,000mg配合!」健康ドリンクのCMなどでお馴染みの数字ですね。ご存知の方も多いと思いますが、1,000mgは1gです。「タウリン1g配合!」実際のCMで使われているのが前者であることはご存知でしょう。数字を大きく見せるため(その成分がたくさん入っているように思わせるため)、伝える側がしたことはたった1つ。単位を変えたことです。■小さい金額に見せる場合もしあなたが1,000万円という金額を少しでも小さい金額に見せたい場合、どんな工夫をするでしょうか。1,000万円という金額自体は変えることはできませんから、表記を変える以外に方法はありません。おそらく、あなたはこのような発想に至るのではないでしょうか。「1,000万円=0.1億円=0.00001兆円」そう、単位を変えることで表記する数字を変える発想です。結局のところ、数字を使って相手を惑わそうとする人の発想は、次のいずれかしかありません。・小さい数字を大きく見せる・大きい数字を小さく見せるそして、そのためのテクニックはごく限られたものしか存在しません。数字に騙されないためのコツの1つは、単位をしっかり読むこと。ただこれだけです。*余談ですが、これもまた単位を上手に操るテクニックの1つですね。「レモン1個分のビタミンC」レモン1個分のビタミンCがどのくらいか、ご存知でしょうか。清涼飲料水の業界では、これを20mgと定義して表記することになっているそうです。20mgとは、たとえば風邪薬などの錠剤やカプセル1個分の重さに過ぎません。ビタミンCが20mgと言われるとなんだか少ない気がしますが、レモン1個分と言われるとあの酸っぱいレモン1個を想像しますから、ものすごいビタミンCの量だとつい思ってしまいます。直感に頼らず、数字に惑わされず、正しい認識で「レモン◯個分のビタミンC」を補給したいですね。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年11月10日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。さっそくですが、1つ簡単な計算問題をご用意しましたので、ちょっとチャレンジしてみませんか。あぁ、電卓はぜひご活用ください。それでは、まいりましょう。■数字が「得意か苦手か」わかる計算問題「ある店の前月の平均客単価は1,300円、来店者数は1,250人、購入率は3.0%でした。今月はオフシーズンのため、来店者数は2割減が予測されます。平均客単価はキープしつつ、購入率は1.5倍にアップさせたら今月の売上げは前月の何%増えるでしょうか(ただし、ここでは電卓のメモリー機能は使用不可です)」……私は仕事柄、多くの企業で社員研修をお預かりします。その際のアイスブレイク、あるいはウォ−ミングアップとしてこんな問題をみなさんにやっていただくことがよくあるのです。しかし、実はこんな簡単な問題ひとつで、受講者のレベルが高いか、(失礼ながら)数字が苦手な方たちかがすぐに把握できます。■「9割」のビジネスパーソンがする行為「まず前月の売上高は……(前月の平均客単価)×(前月の来店者数)×(前月の購入率)=1,300×1,250×0.03=48,750円(電卓のクリアキーを押した後に)次に今月の売上高は……(今月の平均客単価)×(今月の来店者数)×(今月の購入率)=1,300×(1,250×0.8)×(0.03×1.5)=58,500円(電卓のクリアキーを押して計算を消した後に)えっと……、では増加率を求めよう。今月の売上高÷前月の売上高=58,500÷48,750=1.2つまり、前月より20%増です!」■「1割」のビジネスパーソンがする行為「0.8×1.5=1.2つまり、前月より20%増です!」デキる人は、変化するところだけを見て必要な計算だけします。時間にしてせいぜい10秒。しかし、そうでない人は同じ数字を何度も入力したり、クリアキーを何度も押したりしている。この問題に関しては、時間にして1分程度でしょうか。デキる人は電卓のクリアキーを押さない。私は、電卓の操作を見ればその人がすぐにわかります。さて、あなたはどっちでしたか?(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年10月27日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。さっそくですが、1つ質問です。もしあなたの目の前にとても高級な宝飾品が置いてあり、その側にこのような表記のプライスタグが置いてあったとしましょう。¥500,000,000さて、おいくらでしょうか?■プライスタグで、デキる人かどうか一瞬でわかるはい、もちろん5億円ですね。しかし、興味深いことにその答え方は大きく2つに分かれます。A「0」と「,(カンマ)」の個数ですぐに答える人(時間にして0.5秒)B「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、…」と数えて答える人(時間にして5秒)多くのビジネスパーソンを見てきた私が断言しますが、成果を出している優秀なビジネスパーソンは、ほとんどがAです。これはいったいなぜでしょうか。優秀なビジネスパーソンは、自分の給与や勤務時間といった数字よりも、会社全体の数字や世の中の経済状態を示す数字のほうがずっと「自分ごと」になっています。ところが、そうでない方ほど残念なことに自分の給与や勤務時間といった数字のほうが「自分ごと」なのです。そして、自分の給与や勤務時間といった数字よりも、会社全体の数字や世の中の経済状態を示す数字のほうがずっと桁が大きい。つまり、優秀な人ほど桁の大きい数字を自分ごとにできているのです。だから先ほどのプライスタグなども、見た瞬間に「5億円」と答えることができます。不思議なもので、経営者などは現場の細かい数字にはまったく興味を示しませんが、会社全体や世の中の大まかな数字については規模感や桁の違いにはすぐに気づきます。もしあなたがデキるビジネスパーソンになりたいと本気で思っているのなら、「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、……」からは卒業しなければなりません。これからは大きな桁の数字と仲良くなっておくことをオススメします。■プロ推奨のプライスタグのある数字を捉える方法そこで、私が使っている「桁」を素早く捉えることができる簡単な方法をご紹介しましょう。「0」が3つ「,(カンマ)」が1つ→千(1,000)「0」が6つ「,(カンマ)」が2つ→百万(1,000,000)「0」が9つ「,(カンマ)」が3つ→十億(1,000,000,000)そう、「0」と「,(カンマ)」の個数で暗記しなさいということ。そうすれば先ほどのプライスタグも瞬時に読むことができるはずです。「,(カンマ)」が2つ、さらに「0」は2つですから、「0」の個数はトータルで8個。すなわち、5億円です。このような感覚を持っているか否かで、たとえばこんな文章表現1つにおいても差が出てしまいます。・本年度の売上は3,450,000,000円を見込んでおります。・本年度の売上は34.5億円を見込んでおります。どちらが一瞬で金額を理解できるか、そしてどちらがデキる人の書いた文章か、言うまでもないでしょう。桁と上手につき合うことは、デキるビジネスパーソンになるための条件なのです。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年10月14日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。さっそくですが、今回はこんなテーマで。「100」という数字を使って、人を動かせ!■数字を使って部下や後輩を育てよう!あなたには部下や後輩はいますか?いる人は、「前向きにやってくれてはいるけれど、もうちょっとがんばってくれるといいんだけどな……」なんて思っていませんか?そんな相手に対し、いったいどんな言葉をかけたらよいでしょうか。「もっとがんばってよ!」「ちょっと!サボっているんじゃないの!?」こんな感情的な表現では、相手も感情的になってしまいます。この例に限らず、ビジネスシーンでは感情的になったほうの負けです。そこで、こういうときこそちょっと頭を使って、数字とロジックで攻めるというのはいかがでしょう。具体的には、「100」という基準をつくり、それに対する相対的な位置を認識させます。当然、「100」に対してギャップが生じます。そこで、そのギャップは具体的になんなのかを相手の口から出させます。(必ず相手に言わせること)■「100」を使ったカンタン会話術・例あなた「ちょっと◯◯さん、いいかしら」相手「はい、なんでしょうか」あなた「正直、あなたならもっとできると思うのよね」相手「(突然、なんなの?)……」あなた「先日の案件、パーフェクトを100としたらどのくらいの仕事をしたと考えている?」相手「は?なんですかそれ?」あなた「いいから、数字で答えてみて」相手「パーフェクトを100としたら……、90くらいでしょうか」あなた「その残り10って具体的になに?」相手「もうちょっと効率的に進められた気がします。そのせいで、アウトプットの精度が……」あなた「ってことは、次回はそこが課題ってことよね。期待しているわよ」相手「……」あなた「私はできない人にこんなことは言わないわ」相手「わかりました。がんばってみます」このように「100」という数字を使うことで感情論にならず、相手の足りないところを自覚させ、前向きに「指導」することができるのではないでしょうか。え?「パーフェクトを100としたら、100です!」と切り返されたらどうするかって?(笑)そうですね……。私だったらこう伝えます。「そうなんだ……。あれがあなたの限界ってことか。もっとできる人だと思っていたんだけど、ちょっと期待はずれだったかな……」それで燃えない後輩や部下なら、仕事なんて振らないほうがいいと思います。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年10月06日