ホルモン補充療法は、つらい更年期障害を改善する治療法です。しかし、更年期障害にもさまざまな症状があります。ホルモン補充療法はどんな症状に効果があり、どんなメリットがあるのか。また、副作用などのデメリットはないのか。治療方法や費用のことなども含めて、産婦人科医の沢岻美奈子先生に教えてもらいました。教えてくれたのは…監修/沢岻美奈子先生(沢岻美奈子 女性医療クリニック院長)2013年1月に女性スタッフだけで乳がん検診をおこなう沢岻美奈子 女性医療クリニック開院。2022年の1年間で神戸市乳がん検診を約2500件、地元企業様の会社検診や自己検診も含めると約3100件の乳がん検診を実施する。患者さんとのやりとりと通じて日常の診察で感じ考えることを、専門医目線で正しい医療情報としてInstagramに毎週投稿している。ホルモン補充療法(HRT)って何?女性は更年期(45~55歳ころの閉経を挟んだ約10年間)になると、ホルモンのバランスが崩れて生理が不順になり、人によっては心身にさまざまな不調が現れます。他の病気を伴わない不調を「更年期症状」と言い、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と呼びます。更年期障害の一番の原因は、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な低下です。ホルモン補充療法とは、少量のホルモンを補うことでエストロゲンの減少程度を緩やかにし、更年期障害を改善する治療法です。生理が順調でも、30代に比べて疲れやすい、眠りの質が落ちたなどの体調の崩れを感じる場合は、更年期症状が出ているケースかも。そういう場合にもホルモン補充療法を受けることで落ち着く場合がよくあります。誰でもできる治療なの?ホルモン剤には若干血液を固まりやすくする働きがあるため、脳卒中や心筋梗塞、冠動脈疾患などの既往歴がある人、喫煙者や血液をサラサラにする薬を内服している人はホルモン補充療法を受けられません。過去に子宮体がんや乳がんを経験した人は、場合によっては受けられないことがあります。これらの人で更年期障害で悩んでいる場合は、婦人科を受診して症状に合わせた漢方薬を処方してもらう方法があります。また、高血圧や糖尿病の人や肥満の人、家族に子宮体がん・乳がんを経験した人がいる場合には、病態が悪化する可能性があるため慎重な投与が必要です。最初にしっかり検査をし、医師とよく相談しましょう。ホルモン補充療法の方法は2つホルモン補充療法には主にエストロゲンだけを補う方法と、エストロゲンとプロゲステロンを併用して両方を補う方法があります。エストロゲンだけを半年以上使うと、子宮内膜が増殖して子宮体がんのリスクが高まることが知られています。そのため、子宮のある人には、内膜の増殖を防ぐ働きがあるプロゲステロンを併用します。併用により、子宮体がんのリスク軽減が可能です。手術で子宮を摘出した場合には、子宮がんの心配がないので、エストロゲンだけを補う方法で治療をおこないます。ホルモン補充療法の薬の種類と費用ホルモン補充療法の薬には、飲む・貼る・塗るの3タイプがあります。貼る、塗るタイプは、飲み薬に比べると胃腸や肝臓への負担がかからず副作用が少ないですが、かゆみ・かぶれなどが出る場合があります。飲むタイプは手軽に用いることができて便利ですが、胃腸や肝臓に負担がかかることがあります。他にも、腟がかゆい・乾くなどの症状がある場合には、腟に入れる錠剤を処方する場合も。また、更年期の症状に対応した漢方薬を併用する場合もあります。どの薬を用いるかは、患者と医師で相談して決めます。いずれの薬も家で自分で用いますが、症状の確認や薬の処方などのために2〜3カ月に1回程度の通院が必要です。ホルモン補充療法は保険適用で、薬代は病院や使用する薬剤によって異なりますが、だいたい月に2,000〜3,000円。漢方薬と併用する場合は、4,000〜5,000円程度です。どんな症状に効果があるの?ホルモン補充療法で不足していたエストロゲンが補充されると、乱れていた自律神経のバランスが整い、多くの症状が改善します。主に下記の効果があり、それに伴ってイライラや気持ちの落ち込みが改善するケースも多くあります。・ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)や発汗などの改善・動悸など自律神経系の不調の改善・閉経後骨粗しょう症の予防と改善・萎縮性腟炎や性交痛などの改善・悪玉コレステロールの低下・コラーゲンを増やし、皮膚や粘膜に潤いを与える・胃がんや大腸がんなどがんのリスクの低下更年期になるとコレステロールは自然に上がりますが、ホルモン補充療法をすると下がることが知られています。胃がんや大腸がんなどのがんリスクも低下しますが、これについてははっきりした原因はわかっていません。それでも、女性のがんで2番目に多い大腸がんのリスクが低下するのは、うれしい効果と言えるでしょう。薬の使用し始めに副作用が出ることがホルモン補充療法に重大な副作用はありません。使用を始めたときに下記のような副作用が現れることがありますが、多くは薬の頻度や量を調節することで1〜3カ月で治まります。・不正出血・乳房のハリや痛み・おりもの・下腹部のハリ・吐き気 など・ごくまれに血栓症を引き起こすことがある副作用の多くは薬の頻度や量を調節して改善できます。特に不正出血は多く見られますが、深刻な問題につながることは稀です。ただし、更年期以降、特に閉経後には子宮体がんの発症リスクが高くなります。月経と異なるタイミングで予定外の出血があった場合は、子宮体がんの検査を受けてみることをおすすめします。ホルモン補充療法で乳がんリスクが上がる、は間違い!日本女性の9人に1人が罹患すると言われる乳がん。40代後半から増えて、60代が一番多いのが特徴です。乳がんのがん細胞の60~70%は、エストロゲンの影響を受けて増殖するため、エストロゲンを補うホルモン補充療法が乳がんリスクを上げるのではと懸念する声が多くあります。しかし、2004~2005年に厚生労働省研究班が調査をおこない、ホルモン補充療法経験者が乳がんになる危険性は、ホルモン補充療法未経験者の半分以下だったという結果を公表しています。その後の研究でも、ホルモン補充療法が乳がんの発症に与える影響は、肥満やアルコール摂取、夜勤の仕事などが与える影響と同程度の小さいものであることがわかっています。ホルモン補充療法の始めどきはいつ?40代になって、生理が不順になったり体調に変化を感じたりしたらホルモン補充療法を検討しても良いでしょう。不調が軽いうちに始めることで、比較的スムーズに改善できます。しかし、めまいがしたから耳鼻科を受診して……と遠回りしている期間が長いと、症状が悪化して改善まで長引いてしまうことも。更年期世代で体の不調を感じたら、まずは婦人科を受診し、検査をしてみることをおすすめします。ホルモン補充療法にやめどきはあるの?数年前までは、乳がんリスクへの不安などから「ホルモン補充療法の上限は5年程度」や「60歳ぐらいになったら終わりどきを見つけよう」などと言われてしました。しかしその後、さまざまな調査で、乳がんのリスクが高くないこと、ホルモン補充療法を長くやっている人に健康被害がないことなどがわかってきて、やめどきについての考え方も変わってきています。今は女性の平均寿命が伸び、更年期である50代以降の人生が長くなりました。本人が「症状が改善したのでやめます」というのであれば、それもまったく問題ありません。でも、症状が続いていて、ホルモン補充療法を続けることで症状が改善し、定期的な検査でも問題ないのであれば、期間に上限を設けなくて良いというのが、最近の専門医の間での認識です。まとめ更年期障害の期間や症状は、人によって大きく異なります。やめどきを自分で決めることができるのは、女性にとって大きな安心と言えるでしょう。ただし、更年期を長く快適に過ごすためには、定期的な検診を受けることが欠かせません。自治体や職場の健康診断などをじょうずに活用していきましょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/かきの木のりみ4つの編集プロダクションで紙媒体の編集をしつつWebの学校に通い、Webと紙両方の編集に携わるようになって約20年。スポーツは見るのもやるのも好きなのだけど、最近はすっかり見るほうに……。著者/監修/沢岻美奈子先生2013年1月に女性スタッフだけで乳がん検診をおこなう沢岻美奈子 女性医療クリニック開院。2022年の1年間で神戸市乳がん検診を約2500件、地元企業様の会社検診や自己検診も含めると約3100件の乳がん検診を実施する。患者さんとのやりとりと通じて日常の診察で感じ考えることを、専門医目線で正しい医療情報としてInstagramに毎週投稿している。
2024年03月26日私は48歳前後から、ホットフラッシュ(エストロゲンという女性ホルモンの減少により自律神経が乱れ、血管が拡張して体温調節機能が働かなくなり、のぼせ・ほてり・発汗などを生じやすくなる更年期の代表的な症状)やイライラなどの症状に悩まされていました。最初は、更年期症状かどうかわからず、誰にも相談できずにいました。そんなとき、先輩に相談し、近くに評判の良い婦人科があると聞き、思い切って婦人科を受診したところ、更年期障害と診断されました。受診のきっかけ更年期を迎えて、最初に気になったのは「ホットフラッシュ」でした。特に、仕事中や人と会っているときに、突然顔が真っ赤になって、汗が吹き出します。周りの人に見られるのが恥ずかしくて、どうにかしなくてはと思いました。また、イライラや不安感などの精神的な症状も気になっていました。ささいなことですぐに怒りだし、落ち込みやすくなりました。仕事や家事も手につかず、毎日が憂うつでした。今までと何かが違うと感じ不安になってきたのです。受診してわかったこと婦人科を受診して、更年期障害と診断されました。先生からの説明によると、更年期障害とは閉経前後のホルモンバランスの乱れによって起こる、さまざまな症状の総称。「ホルモン補充療法や漢方薬などの治療で、症状を改善することができます」とのことでした。私の場合、ホルモン補充療法かと思いきや、医師からはホットフラッシュや寝汗を抑える薬と、気持ちを穏やかにする漢方を一緒に使うことをすすめられました。受診して変わったこと服用後、ホットフラッシュやイライラなどの症状が改善してきました。顔が赤くなったり、汗が出たりすることも随分少なくなり、周りの人に見られても気にならなくなりました。仕事や家事も以前のようにできるまで改善しつつあります。漢方薬の効果か、精神的な症状も改善してきました。怒りやすさがなくなり、落ち込みも軽減しました。まとめ更年期症状の悩みがありつつも、医療機関を受診しない人がわりと多いということがメディアで報道されていました。私もその1人でした。しかし、思い切って婦人科を受診して、正しい診断を受け、治療を受けることで、症状が改善し、生活の質が向上しました。更年期症状は多岐に渡り、ドクターショッピング(医療機関を渡り歩いたり、同時に受診したりすること)になるケースもあるそうなので、気になる症状があれば我慢せずに婦人科を受診して症状を相談するのがよいと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。【駒形先生からのアドバイス】動悸、頭痛、太りやすいなど症状によっては重大な病気が隠れてることもあるため、必ずしも一番に婦人科の受診が良いとも言い切れません。まずは内科などを受診した上で、症状が回復しないときなどは婦人科を受診してください。著者/伊達 敦子(50歳)3児の母。会社員の傍ら、化粧品検定2級、1級を取得し、コスメコンシェルジュの認定を受けたエキスパート。人々の美しさと自信を引き出すため、日々活躍中。
2024年03月18日かわいがっていた猫の突然の死は本当に悲しい出来事でした。それから1年近くたっても落ち込みが続き、イライラすることも増えていったのです。年齢的なことも考えると、これは単なるペットロスではなく更年期の影響もあるかも知れないと思うようになりました。そんな状態を乗り越える過程で経験した失敗や、最終的に漢方薬で乗り越えることができた体験を紹介します。落ち込みはペットロスだけではなかったはっきりいつからという境目はわかりませんが、「あれ? あれからずっとイライラしているなあ」と感じたのは46歳の秋ごろです。前年の秋に15年間家族の一員だった猫が急死したことから落ち込みが続くようになっていました。いわゆるペットロスだと思っていましたが、1年近くたっても落ち込みが続き、イライラすることも増えてきたのです。年齢的に見ても、これは更年期と関係があるのではないかと考えるようになり、ネットで調べてみると更年期には家族の死やペットロスがきっかけで、うつ状態になるケースもあるということを知りました。たしかにペットの死に対してだけでなく、いろいろなことに対して思考が後ろ向きになり、何かしているときでも急に気分が落ち込むことが増えてきたのです。そんな状態がとてもつらく、これが更年期の影響ならなんとかじょうずに乗り越えなければと思うようになりました。失敗からたどり着いた漢方薬更年期の影響で落ち込みが続いているならなんとか自分の力でしっかり乗り越えようと考えた結果、落ち込みを解決する方法をいろいろネットで検索していたときにスピリチュアルカウンセリングというものを知りました。そして、もしかすると後ろ向きになりやすいマインドが前向きになるのではないかと思い、早速受けてみることにしたのです。しかし、実際にカウンセリングを受けてみると、私にとっては雲をつかむような内容が理解できず、期待したほど私の心の安定にはつながらなかったのです。結局私にはあまり合わないと感じ、それ以上のカウンセリングは続けませんでした。その代わりに、小さいころから風邪のときに飲むなど慣れ親しんでいた漢方薬を飲んでみることにました。そこで今の状態に合う漢方薬はないかとドラッグストアの薬剤師さんに相談したところ、勧めてもらったのが「加味逍遥散(カミショウヨウサン)」という漢方薬でした。漢方薬を飲むことで心が安定してきた薬剤師さんに勧められた「加味逍遥散」を飲み始めましたが、漢方薬のほとんどは速効性は期待できないと聞いていたので、大きな変化をすぐに期待していたわけではありません。しかし、以前はただペットを失って「悲しい」「むなしい」「イライラする」という状態でしたが、漢方薬を1カ月程飲み続けると気持ちが少し落ち着いてきました。漢方薬の効果もありますが、「小さいころから慣れ親しんでいる漢方薬を飲んでいるから大丈夫!」という気持ちになれたことが大きかったように思います。それからは徐々に落ち込みやイライラが軽くなっていきました。今では以前のようなイライラが少なくなり、自分自身が苦しむほどのもやもやもなく日々を過ごせています。まとめ大きな悲しみを抱えてしまうと、なかなか立ち直れないものなのだということを痛感しましたが、ペットロスだけでなく更年期の影響もあったと思います。私の場合は信頼できる漢方薬を飲むことで「これできっと治る」という思いを持てたことと漢方薬の効果が私の心を安定させてくれたようです。更年期の影響も含め、落ち込みの原因を自分なりに納得できたことで前向きな思いになることがもできたのもよかったと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。著者/Sakura(49歳)子どもは独立し今は夫と2人暮らし。大好きなアクセサリー作りを仕事に。収入は少ないけど好きなことなので意外と気に入っている。
2024年02月12日12歳で初潮を迎えてからずっと生理痛に悩まされてきました。学生のころも下腹部が重くて痛くて動けない! 起き上がれない! と学校を休む始末。おなかも緩くなり下痢気味になります。ただ市販の痛み止めを飲むだけで、自分にあった対処法もわからないまま……。1カ月に1回のつらい痛みとの闘いはこのころから始まっていました。温めたり体操したり、試行錯誤な日々社会人になると痛くても休めないので産婦人科に相談に行ったのですが、そこで「子どもを産んだらラクになる体質だね」と言われたのが衝撃でした。31歳で出産後、産婦人科の先生の言う通り、多少はラクになりました。私の場合は出産で子宮が柔らかくなったので痛みが軽減されたようですが、個人差があるので変わらない人は大勢いると思います。ただ、ラクになったとはいえ、生理の始まる前の鈍い腰の痛みと生理の始まりの重だるい下腹部の痛みは消えていません。おなかを冷やさないほうが良いと聞き、腹巻きをしたこともありましたが、あせもができて中止に。また、ヨガが良いと聞き、下腹に効くガス抜きのポーズや橋のポーズといった負担の少ないヨガを取り入れてみました。それでもまったく痛みがなくなることはないので、かばんの中には痛み止めが欠かせず、解決法を見いだせないまま時間が過ぎていきました。漢方薬との出合い私は頭痛持ちでもあるので、痛み止めの市販薬を長く愛用していました。同じ薬ばかり飲んでいるとだんだん効かなくなるので時々変えていたのですが、眠くなるのが悩みでした。何か良い薬はないかなあと思っていた矢先、風邪を引いたときに立ち寄った漢方薬のお店がその後の私を変えてくれました。せきと喉の痛みが長引いていたのですが、病院の薬でも良くならず、わらにもすがる思いで飲んでみたのが漢方です。そのときは「麦門冬湯(バクモンドウトウ)」を処方していただいたのですが、不思議と苦さを感じることなく飲め、その上眠くならない! 問題のせきと喉の痛みも引いていき、漢方はすごい! と思いました。そこで、生理痛の緩和にも漢方薬を試してみたいと思い、生理痛の症状を伝えて改めて処方してもらうことにしました。起き上がれないほどではないですが不快な腰痛と下腹部の鈍痛があること、生理日初日に冷えて手足が冷たくなることを改善したかったのです。私に合うのはどんな漢方だろう?漢方のお店の方が処方してくれたのは「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)」のティーバッグタイプの煎じ薬です。即効性があり、効き目が早いということで飲みましたが、本当に効果が出るのが早かった! 生理予定日の2~3日前から腰痛と鈍痛が来るので、そのあたりから1日1パックを熱湯で煎じて飲むようにしたら、痛みが和らいで体がラクになって驚きました。体に合っていたのか苦みも感じずスルッと飲めて、苦にならないから続けられる! あとは、通常の飲み物をカモミールティーに変えました。ネットや本でカモミールティーは生理痛のようなけいれん性の痛みに効果的と見たからで、抗炎症作用もあっておいしく飲みやすくてすっかり毎日の習慣になりました。また、以前から体調管理と生理痛対策におこなっていたヨガもほそぼそと続けて、痛みの緩和につながっています。まとめ12歳からの長い付き合いの生理痛です。もう正直サヨナラしたい! ただ、サヨナラするのはリアルに閉経のときなのかと思うと寂しいような……。市販薬、ヨガ、漢方薬と試してきて私に合っていたのは漢方薬でした。良い漢方の先生に出会えたことと、漢方薬が体質に合ったこと、さらに自分にぴったりな漢方薬を見つけることができたことがよかったのだと思います。生理痛にはさまざまな対処法がありますが、私には漢方薬が一番自分に合う解決法でした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/まさみ(45歳)中学生と小学生の男の子を持ちフルタイムで働いている。昨年化粧品メーカーを辞め、別の業種に。慣れない仕事と化粧品業界のときと変わらない「女同士の上辺の関係」を生暖かく苦しみながら見つめる日々。帰れば子どもの送り迎えと家事に追われ、趣味だったスキンケアもできずカサカサな肌となる。
2024年01月04日数年前に未知の病として恐れられていた新型コロナウイルス感染症も、今は一般的な病気になりつつあります。新型コロナウイルス感染症は後遺症があることが知られていますが、実は更年期に起こる体調不良の症状とよく似ています。そこで、それぞれどんな症状があるのか、見分けることはできるのか、改善策はあるのか、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。【チェック】今あなたがつらい症状は?コロナ後遺症と更年期症状には共通する症状があるまず、コロナ後遺症にはどんな症状が出るとされているのでしょうか。「現在まで、コロナ後遺症として厚生労働省が報告しているのが疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、痰、息切れ、胸の痛み、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などです。コロナ後遺症については、今も世界的に調査研究が進められている段階であり、まだ不明な点が多いのが現状です」(駒形先生)一方の更年期症状には、どんなものがあるのでしょうか。「更年期症状は多岐にわたります。大きく3つ『血管運動症状』『精神的症状』『身体的症状』に分けられます。まず『血管運動症状』には、のぼせ、顔のほてり(ホットフラッシュ)、動悸、息苦しさ、疲労感、頭痛、肩凝り、めまいなどがあります。次に『精神的症状』には気分の落ち込み、倦怠感、イライラ、意欲の低下、不眠、食欲低下などがあります。そして『身体的症状』には腰痛、関節・筋肉痛、冷え、しびれ、疲れやすさ、湿疹、かゆみ、頻尿などがあります」(駒形先生)コロナ後遺症と更年期症状を比較してみると、動悸、息苦しさ、疲労感、倦怠感、頭痛、関節・筋肉痛といった症状が共通しているようです。あなたの一番つらい症状は、これらに含まれるでしょうか?どちらが不調の原因か見分けはつく?すぐに見分けはつかないが長引くなら更年期症状の可能性大コロナ後遺症と更年期症状には共通する症状がありますが、見分けはつくものなのでしょうか。「残念ながら、すぐに見分けるのは難しいです。ただ、厚生労働省の報告によれば、コロナ後遺症は時間経過とともに症状が改善することが多い、とされています。一方の更年期症状は閉経を挟んだ前後5年、10年ほど続くのが一般的ですので、なかなか改善されない場合は更年期症状の可能性があります。ただしその場合も、更年期症状以外の疾患による症状の可能性もあります。気になる症状が続く場合は婦人科を受診しましょう。医療機関では、コロナ後遺症か更年期症状か診断がつかなくても、各症状に応じた対症療法がおこなわれるので、問題はないと考えます」(駒形先生)どちらであっても症状を緩和する対策はある?漢方学における「気」「血」の改善で対策コロナ後遺症も更年期症状もあまりはっきりしない症状が多いようです。自分でできる改善策はあるのでしょうか。「コロナ後遺症と更年期症状の共通症状である、動悸、息苦しさ、疲労感、倦怠感、頭痛、関節・筋肉痛などは、漢方学の基本概念のうち「気」「血」「水」の「気」と「血」が不足している状態にあります。女性は生理があるので、コロナ後遺症や更年期症状とは関係なく基本的に「血」が滞る「お血(おけつ)」の状態です。閉経をしても上半身と下半身の血流バランスは乱れたままなので、「お血」の改善には有酸素運動と筋トレが効果的です。筋トレというとつらいイメージがあるかもしれませんが、まずは普段動かしていない筋肉を気が付いたときに動かすようにするだけでも全然違います。例えば、パソコン仕事をしている人は脚を使わないので休憩時間に足踏みするとか、肩を動かしていないなら回してみるとか。できることから始めれば良いと思います。そして「気」は酸素が足りない「気虚」の状態なので、深呼吸が有効です。深呼吸をするとき大切なのは、横隔膜をしっかり動かしているかどうか。ポイントは以下の通りです。息を吐くことに重点を置きましょう。深呼吸であれば10秒かけて吸って、30~40秒かけてゆっくり吐くのが理想的です。吸うときは、胸とおなか、両方を膨らませてもOK。体幹や四肢の筋肉に力が入り体に無駄な力がかからなくなります。猫背や反り腰にならないよう、「正しい姿勢・体幹」を意識。横隔膜を動かすことで自律神経を刺激し、バランスを整える効果もあります。横隔膜には自律神経が密集しています。心臓や腸とは違い、自分でコントロールできる唯一の臓器なのです。まずは1日に数回、全力で呼吸する時間を取ってみましょう。最初は1日1回でも良いと思います」(駒形先生)まとめ体調が悪いと原因を知りたくなりますが、コロナ後遺症についてはまだわからないことが多いということ。これから明らかになるでしょうが、まず私たちができるのは不調をいかに改善できるかということでしょう。体をできるだけ動かすこと、意識的に深呼吸をおこなうことなど、できることから始めてみてはいかがでしょうか。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/岩崎みどり(51歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年11月11日30代前半のころ下腹が急に痛みだし、立てなくなるほどの日がありました。盲腸になったのではないかと不安になり、近くの総合病院に受診し、超音波検査で調べてもらったところ、子宮に大きなしこりがあると言われ……。そんな私の体験談です。治療ではなく経過観察に総合病院で子宮筋腫と診断され、婦人科へ受診を勧められました。婦人科では触診もあり、子宮内の状態と筋腫ができている場所や大きさがわかりました。ただし、筋腫が大きくならないための治療ではなく、「経過観察」。通院しながら、定期的に超音波で大きさの測定をするというものでした。自分も病院も打つ手がないと判断し、婦人科専門の病院を変えてみることにしました。ある病院では女性特有の愁訴(自覚的訴え)に効果がある漢方薬を処方してくれ、人によっては筋腫の進行が抑えられるとのことでした。私の場合、筋腫で引き起こされる月経不順などは漢方薬で緩和されることはありました。しかし、定期検診で筋腫は徐々に大きくなっていきました。いつ手術をしてもおかしくない時期に経過観察という受け身の状態を過ごしていると、民間療法のような情報に惑わされていきました。誰かがこれで筋腫が小さくなったという口コミがあれば、心が揺れて試してみようと思うことも。体調不良を見直すことで筋腫にも影響が出るのではと考えた私は、ヨガや鍼灸(しんきゅう)を取り入れてみました。しかし、筋腫は大きさ的にいつ手術をしてもおかしくない時期に突入。私は、体に負担がない内視鏡手術ができる病院探しを始めました。内視鏡手術ができる病院との出合い手術はするものの、内視鏡で傷を小さくし入院日数を短くしたいと、その希望に合う病院を探すことに。これまで、近場の婦人科に受診しては、開腹手術がメインで内視鏡をするには筋腫が大きいと言われていたこともあり、無謀なことをしている不安もありました。近場ではなく範囲を広げて情報を集め始め、有名な大きい病院で腹腔鏡手術をしてくれるところや、個人病院で腹腔鏡手術をしてくれる情報を見つけました。その中の個人病院は隣の県で、ホスピタリティ精神の高さも評判が高いことがわかり、ここにしようと決めました。病院で筋腫の大きさを測ってもらったとき、「無理と言われるのでは」と不安でしたが、すんなりと手術は可能と診断していただいたときのうれしさは忘れられません。トントン拍子で手術日程と事前の準備が始まり、無事に腹腔鏡で筋腫核出手術(筋腫のみを取り除く手術)は終えたのでした。まとめ子宮筋腫の病気がわかってから、治療の手立てのない「経過観察」が始まるときに、自身の健康を見直すことができました。そして、やはり納得感を持って治療や手術ができるよう、信頼できる病院を探すことがポイントだと学びました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。文/かなえ著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2023年11月06日漢方相談薬局、鍼灸院を東京・千葉で20店舗展開している株式会社誠心堂薬局(本社:千葉県市川市、代表取締役:西野 裕一、以下 当社)では、漢方薬やツボ・食材を用いた秋バテ対策をご案内しています。季節の不調である秋バテは、夏の暑さや秋の乾燥といった気候変化の負担が体質に影響して起こる不調です。当社は秋バテにお悩みの方や不調を感じている方が、早期に回復するためのサポートを行っており、この度2023年9月30日より当社ホームページにて、漢方薬、ツボ押し、食材についての紹介を開始しました。詳細URL: 秋バテ【秋バテとは?】暑い日が続くと、秋らしい美しい紅葉や涼しい気温が待ち遠しいものですが、気候の変化が私たちの健康に影響を与えることがあります。特に、残暑が終わり涼しくなってくる頃に起こる不調を秋バテといいます。夏バテと比べるとあまり馴染みのない秋バテですが、実は悩まれる方が年々増加傾向にあるといわれています。秋バテの代表的な症状として、◎疲れやすい◎食欲がない◎食べるとすぐに眠くなる、があります。夏バテの原因は、暑さや湿気といった気候による体への負担、冷たいものの取りすぎによる胃腸の負担などです。一方の秋バテの原因は、朝晩が涼しくなってきて激しい寒暖差に自律神経がついていけない、夏バテから回復しきれない、乾燥によってダメージを受ける、ということが挙げられます。秋バテは特に医学的な定義がないため、どうして不調が起こっているのか分からず、多くの診療科をまたがり、回復に時間がかかるケースもあるようです。そのため、秋バテによる不調について漢方の考えによる情報提供をおこない、健康に過ごすための知識と対策をサポートすることが必要だと考えています。イメージ画像【漢方で考える秋バテ】漢方では、すべての万物を“陰陽(いんよう)”に分けて考えます。昼間や太陽の光は“陽”に分類され、夜や涼しい気候は“陰”に分類されます。秋は日が暮れるのが早くなり、それと比例して夜の時間が長くなるため、「陽消陰長(ようしょういんちょう)」と言われ、陽が減っていく季節と考えます。陽はエネルギー・新陳代謝・体を温める力・体を動かす力でもあるため、体が弱っていると季節の変化についていけず、気候の影響を受けやすくなるのです。どのように体が弱っているのかによって、秋バテは大きく3タイプに分かれます。(1)夏のダメージで胃腸が弱っているタイプ、(2)気温差に体がついていけないタイプ、(3)乾燥の負担を受けたタイプです。それぞれ、起こりやすい症状が異なりますので、自分に当てはまるタイプを見極めて、対策をとることが大切です。中には、複数のタイプが混ざって不調が現れる方もいますので、自己判断が難しい際には専門家にご相談ください。【当社ホームページの主な特徴】・専門家による記事:秋バテについての見解、漢方薬、ツボ、食事について実用的なアドバイスをするために健康とウェルネスの専門家、鍼灸師、登録販売者、薬剤師のチームによって記事が監修されています。・動画の掲載:家庭での養生を実践的にサポートするために鍼灸師によるツボ押しの動画を作成し、掲載しています。・定期的な更新:ウェブサイトは最新情報を提供するために定期的に更新します。秋バテまではないけれど、何となくいつもと体調が違う、秋バテを防ぎたい、という方にはツボ押しや食事といった家庭でできる養生法がお勧めです。特に、ツボ押しについてはツボの場所や押し方などを動画(YouTube)でも紹介しています。まずはご自身でできる養生法に取り組んでいただきたいと思います。ただし、毎年のように不調を感じられている方や日常生活に影響するような不調を感じられている方は、専門家に相談いただき、漢方薬や鍼灸治療の対策をお勧めいたします。【今後の展開】季節の変わり目の不調は気候変動によって予測のつかない場合が多く、病気ではないため対策法が明確に定まっていません。当社は地域の薬局・鍼灸院として、未病(病気になる前の不調)の対策を提示し、自ら養生できるようにサポートしていきたいと考えています。少子高齢化が進み医療費の高騰が課題となる中で、ご自身でできる養生法の発信は非常に重要です。引き続き、地域にお住いの皆様の健康管理を担うとともに、社会のウェルビーイングに取り組み、生活向上に努力し続けていきます。【会社概要】会社名 : 株式会社誠心堂薬局本社所在地: 千葉県市川市南行徳3-18-23代表者 : 代表取締役 西野 裕一設立 : 1987年3月URL : 事業内容 : 薬局の経営、医薬品及び医薬部外品の販売、鍼灸治療院及び接骨院の経営、化粧品の輸入及び販売、前各号に附帯する一切の業務 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月03日更年期症状といえば、まずよく聞く症状はのぼせ、ほてり、発汗ではないでしょうか。これは女性ホルモン(エストロゲン)欠乏で起こる代表的な症状です。ただ、どの程度の症状で受診を考えるのかは悩ましいところですね。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。★関連記事:更年期症状がつらいときは何科を受診するの? 受診の目安は?【更年期の基礎知識3】「この記事はこんな人におすすめ」・更年期症状について、受診のタイミングや検査内容を知りたい方・更年期症状の具体的な治療法が知りたい方・更年期症状の治療をおこなう上でのリスクが知りたい方のぼせ、ほてり、発汗の主な原因は?エストロゲンの分泌低下により自律神経が乱れるため閉経前後の更年期に入ると、卵巣機能の低下、つまりエストロゲンの分泌が低下します。脳は一生懸命に刺激を出すのですが、卵巣からのエストロゲンの分泌量には波があり、うまく調整されません。いわゆる“ゆらぎ期”という、ホルモンバランスが乱れた状態になります。のぼせ、ほてり、発汗はエストロゲン減少により、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることで起こります。更年期の女性の6割程度が経験するといわれ、そのうち日常生活に支障を来すほど重症になるのは1割程度といわれています。医療機関への受診の目安は?日常生活に支障を来す場合は自分の気持ち最優先で症状としては突然2~4分間持続する熱感と発汗を自覚し、脈拍も早くなります。ほてりや発汗は顔をはじめ、頭部、首から胸に広がります。また、突然体がカッーと熱くなったり、急に顔が紅潮したり、涼しいのに汗が止まらないなどの症状なども見られます。初めは戸惑う症状ですが、許容できる範囲内なら様子を見ても構いません。ただ、それらの症状が日常生活に支障を来すようなら気軽に婦人科で相談をしましょう。不快さやつらさは本人の感覚ですし、仕事や環境によっても感じ方は変わります。我慢せずに自分の気持ちを最優先して受診を決めましょう。婦人科の受診でわかることは?検査結果次第では内科の受診を勧められることものぼせ、ほてり、発汗といえば更年期症状の代表ともいうべき症状ですが、甲状腺疾患のサインであることもあります。甲状腺機能異常は更年期世代の女性に多い疾患です。甲状腺の機能が亢進するとバセドウ病、低下すると橋本病といわれます。どちらも疲れやすい、だるいといった症状になりますが、バセドウ病は特に熱感、発汗を伴います。通常、婦人科では女性ホルモンの採血ともに甲状腺ホルモンの検査もおこないます。もし異常があれば内科の受診が勧められます。具体的な治療例2つとセルフケア1.ホルモン補充療法(HRT)2.漢方療法3.セルフケア「自立訓練法」【1】ホルモン補充療法治療法は、ホルモン補充療法(HRT)をはじめ、漢方薬や安定剤などさまざまです。医師はそれぞれの症状に合わせて治療をおこないます。ホルモン補充療法はエストロゲンを体に補充する治療法で、内服薬・貼り薬・ジェル状の塗り薬があります。更年期症状の中でも、のぼせ、ほてり、発汗といった症状には特に有効です。開始してから2週間ほどで効果が出始めます。5年以上使用する場合は乳がんのリスクが上がるといわれているため、通常2~5年くらい使用しますが、5年で必ずやめなければならないということではありません。そのリスクと治療効果を考慮しながら検討します。いきなりやめるとまた症状が出てしまうこともあるので、生活環境を整えたり、セルフケアなども取り入れながら、だんだんと減量し、ゆっくりやめる方向へ持っていきます。【2】漢方療法また、症状によっては漢方療法も有効です。代表的な漢方は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などがあります。漢方は2週間から1カ月使用して効果を確認し、ラクになった感じがなければ処方内容を変更して、本人に合った漢方薬を見つけていきます。【3】セルフケア「自立訓練法」セルフケアの一つとして、自立訓練法があります。薬物治療ほどの効果は期待できませんが、これをおこなうことで自己コントロール力が身につき、症状緩和につながることもあります。●静かに落ち着ける場所で椅子に座るか、あお向けで横になり目を閉じます。下の7項目を唱えながら、その状態になるように気持ちを向けます。①気持ちがとても落ち着いている。②手足が重い。③手足が温かい。④心臓が静かに打っている。⑤呼吸がラクになっている。⑥おなかが温かい。⑦額が涼しい。●終了のための消去動作をおこないます。①手足が軽い。②手足の温かさが引いてくる。③おなかの温かさが引いてくる。④額の涼しさが引いてくる。⑤気持ちがとても落ち着いている。●1回5分以内で、1日2~3回おこないます。治療をおこなう上でのリスクはホルモン補充療法は定期的な乳がん検診をホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるのではと、不安に思われる方も多いと思います。しかし、ホルモン補充療法による発がんリスクは、肥満や飲酒による発がんリスクと同程度か、それより低いことが最近の研究で明らかになっています。ホルモン補充療法は、ほてりや多汗、めまいやイライラなどに対し有効な治療法であることは間違いありません。過度に恐れる必要はありませんが、治療の際には必ず乳がん検診を受けましょう。・更年期症状の主な治療法は、ホルモン補充療法(HRT)と漢方療法の2つ・ホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるといわれているので、治療の際は定期的に乳がん検診を受けるまとめのぼせ、ほてり、発汗がひどいと、ずっと不快感を抱えて生活しなくてはならず、人前に出るような仕事や機会が多い場合はかなり気になりますよね。この程度で受診してもいいの?と考えてしまうかもしれませんが、我慢せずに受診して快適な生活を手に入れるほうが精神的にもラクになれます。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/アキモトスズ「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。著者/監修/粒来 拓 先生よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長。日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。
2023年08月07日なんでこんなにイライラしているのか、自分でもわからない。「誰か、この気持ちわかってよ!」と思うけれど、この家に私の味方は1人もいない。こんな家族をつくるんじゃなかった……。40歳を前に起こった私の体の異変と長男の反抗期についてお話しします。★関連記事:話せば喧嘩の戦闘モードの毎日!「更年期母VS思春期長男」の壮絶バトルの行方は? 【体験談】私のPMSと長男の反抗期が重なり…40歳を前にした体の異変と長男の反抗期38歳のころでしょうか、上の子が小6、下の子が小2のときです。ついこの間まで甘えていた上の子が無口になり、早めの反抗期に突入してしまいました。口を開けば「は?」とか「うぜぇ」とか……。上の子の反抗期はいわゆる暴言がメインでした。「そんなの気にしちゃいけない、親はドンと構えて見守ってあげて!」と先輩ママにも言われていましたが、頭ではわかっていても上の子の暴言を聞くたびにイライラして、受け流すことができない。「親に向かってなんてこと言うの!」とか、時には「出て行きなさい!」と正面からぶつかってしまうこともありました。そしてぶつかり合った夜には、「昔はこんなに怒りっぽい人間じゃなかったのに、私どうしちゃったんだろう……」と泣いていました。同じころ、私の体にも異変がありました。毎月のように突然頭痛に見舞われるようになったのです。その頭痛と一緒に胸の張りも出て、症状が治まると生理になったので、これはPMS(月経前症候群)なんだろうと考えていました。そして生理にも異変があり、1週間続かずに2、3日で終了してしまうことが何度かありました。そのころ夫はというと、会社がとにかく忙しくて毎日のように夜遅くまで働く日々が続いていました。誰も助けてくれない……この家には味方が1人もいない。私はそう考えるようになったのです。耐え切れない頭痛…そして泣き叫ぶ次男ある日、パートの最中に頭が痛いなと感じました。いつもなら頭痛薬を飲むのですが、その日はちょうど手持ちを切らしていたのでなんとか我慢してパートをやり切り、家に帰りました。家に着いてすぐに薬を飲みましたが、痛みは治るどころかどんどんひどくなるので、早く帰ってきた次男に看病してもらいながら横になっていました。しかし、静寂はつかの間……反抗期の長男が帰宅するとランドセルを玄関にバンッとぶつけ、階段をドスドス上がり、自室の扉を大げさにバタンッと閉めました。大きな音が出るたび私の頭はズキンと痛み、「お兄ちゃんに静かにしてって言ってきて」と次男にお願いしました。次男が上に行ってしばらくは静かになりましたが、数分後、叫びに近い次男の泣き声と「ぶん殴るぞ!」という暴言が聞こえてきます。私は止めに入ろうと立ち上がりましたが、その瞬間グラッと地面が揺れたのです。強烈なめまいでした。それと同時に頭痛も激しくなり、ものすごい吐き気に襲われました。耐え切れず急いでトイレに駆け込み、何度もゲーゲー吐き、それでも吐き気が止まらず胃液までも吐き出してトイレに突っ伏してしまいました。「ママ死なないで!」。異変を察した次男が駆け寄り、さらに大泣きします。長男は自室に閉じこもりきりで助けてくれません。わが家はカオスでした。夜間救急、泣きながら夫に訴えた夜たまたま早く帰ってきた夫がトイレで突っ伏している私を抱え、夜間救急に連れて行ってくれました。診断は片頭痛で、「原因はストレスによるものじゃないか。頭痛が続くようなら頭痛外来の受診をしてください。ただ、脳神経系の異常も考えられるので、今後脳外科の受診をおすすめします」と言われました。その日の夜、私は泣きながら夫に自分の思いを伝えました。長男のこと、私の体のこと。長男のことはわかってもらいましたが、私の体のことは男性の夫には理解できない様子でした。「病院で診てもらったほうが良い」。それが夫の言える精いっぱいの言葉でした。「なんでもっとわかってくれないの……」とモヤモヤして寝ましたが、次の日に生理が来て気持ちがスッとラクになったのを覚えています。しばらくして婦人科へ行き、今回の症状を医師に伝えると「PMSでしょう」と言われました。その日はPMS改善のためにプラセンタ注射と漢方薬を処方されて帰宅しました。それから、夫から長男にこのことを話してもらいました。まとめこのことで私の症状と長男の反抗期が改善したということはありません。翌月も受診して2カ月同じ治療をしましたが、まだあまり効果は感じていません。ですが、医師に相談したことで気持ちがスッキリし、それにより私なりの考えである解決策を見出しました。それはイライラしても生理が来ればスッキリすると思うこと、長男は私の症状がひどいときはあまり近づかないこと、ひどいときをなんとかやり過ごす、相手の状況の正しい理解と少しの思いやりを持つ。このことを頭に入れると、ちょっとだけ長男との関係が改善し、私たちは家庭崩壊という最悪なシナリオを免れました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。【粒来先生からのアドバイス】月経があるどのライフステージでもPMSは見られますが、特に40代前後は多い印象があります。この時期は仕事や家事、育児といった日々の働きに対して、体の無理が効かなくなる時期と考えられます。若いころに比べて、月経周期による女性ホルモンの波がシンプルに体にこたえる世代と思います。漢方療法などでPMSの症状を緩和できる可能性はあります。一方、頻回に嘔吐する頭痛、めまいなど症状が強い場合は、脳血管障害も鑑別にあがりますので、脳外科への受診も検討してください。イラスト/あさり著者/Rin(42歳)高1と小6の男子に包囲されてる女子力低下気味ママ。
2023年07月08日更年期と思われる症状が現れ、日々の感情の起伏の波や疲労感に悩まされていました。状況を改善するためにおこなったことは、現状の自分を振り返り、悪習慣の改善と、運動や食事、睡眠にとって良いと思うことを実践することでした。さらに周囲に更年期症状への理解が得られるようになって、少しずつ状況が変化していった私の体験談を紹介します。★関連記事:閉経後は子宮の冷えに注意!更年期ののぼせやイライラ対策のためにやりたいことは【医師監修】感情の波と疲労感に翻弄される日々もともとストレスをため込みやすい性格の私。40歳を目前に、感情の波がやたら激しいことと、疲労を感じやすくなっていました。パートの仕事も、体調不良から早退や欠勤することも度々あったのです。私の身に一体何が起こっているのだろうか……。調べてみると、私が抱えている悩みは更年期によくある症状と重なりました。更年期は閉経を挟んだ前後10年で、一般的には45歳からとされていることから、41歳の私の場合はプレ更年期にあたると婦人科で診断されました。ささいなことでイライラし、感情が抑えられないことはしょっちゅうでした。とにかく頭に血が上りやすく、導火線に火が付きあっという間に爆発する感じ。夫とすぐに喧嘩をしたり、子どもにきつくったりすることが増えて、家庭内もギクシャク。イライラから落ち着きを取り戻したときに、なぜあんなに荒れていたのかと自己嫌悪になっては繰り返すという負のスパイラルに陥ります。また一方で、気分が落ち込み、何もかも嫌になり、自暴自棄になることもありました。感情の振れ幅が大きく、コントロールが効かないのです。加えて、問題だったのが疲労感です。近所へ犬の散歩に出かけるだけでも、どっと疲れてしまい、横になった状態でしばらく動けなくなることもありました。とりあえず私は、今の自分の状態を知るために体調や心情を書き留めることにしました。仕事や家庭内の人間関係や気候の変化などによるストレスも悪化の要因になっていることがわかり、この振り返り作業は意味のあることでした。日常を観察すると、症状の有無や重さの波が見えてきたのです。生活の見直しと漢方薬でラクに更年期症状には、ホルモン補充療法や抗精神薬、漢方薬などの治療法があることを婦人科の医師から説明されました。漢方薬は心身の調和を図り、症状を改善する効果が期待できるそうです。婦人科で治療方法の話を聞いたときに、身体症状だけでなく、精神症状を抱える私には漢方薬が適しているのではと感じました。また、服用が長くなる可能性もあるため、副作用が少なくて安心な方法だと考え、処方してもらうことにしました。漢方薬の種類はたくさんありました。自分の症状や状態について、信頼できる漢方内科の先生に相談することで、自分の状態に合った漢方薬を処方してもらえました。初めは加味逍遙散(かみしょうようさん)を試しましたが、精神的な症状が強いことから甘麦大草湯(かんばくたいそうとう)と真武湯(しんぶとう)の組み合わせが処方されました。漢方医の指示通り必要なときに適宜飲むことで、心身の不調を緩和させることができ、気持ちも少しラクになりました。できることを実践し、周囲へ理解を求める更年期症状に限らず、食事・睡眠・運動は、健康に過ごすための三大要素だと感じています。食事は色彩りを良くすることで食材のバランスに気を配り、イソフラボンには女性ホルモンと似た作用があると知り、大豆製品を積極的に摂取するようになりました。また、睡眠は質も大切な要素だと感じます。香りはダイレクトに脳に届きやすいと聞き、リラックス効果のあるアロマを炊く、お風呂にゆっくり浸かって体を温める、寝具を寝心地の良いものにするなど、良質な睡眠のための環境づくりにこだわりました。運動はまったくする習慣がなかったのですが、手軽にできる散歩やヨガなど軽く体を動かすことから始めました。気分がスッキリする、仕事の生産性もアップするなどの相乗効果を感じたこともあり、無理なく続けられました。体に負荷をかけることにより、動悸や息切れ、体力不足の緩和につながっています。さらに自分のための時間を意識的に取ることを心がけました。好きなものを食べる、体をほぐす、あえて何もしない時間を作るなど、リラックスして心を開放する時間を持つのです。すると、心に余裕が出て、症状の波も以前と比べて緩やかになってきました。最後に、周囲からの更年期症状の理解が不可欠だと感じています。これまでは家事は自分の役目だと思っていました。家事を手伝ってもらうことに罪悪感があり、無理にでもやらなくてはとひとりで抱えていました。そこで、症状に波があり、家事をするのがつらいときがあることを夫や子どもに話して、私からも理解を求めました。そしてあるとき、食器の洗い物が片付けられていたのを見て、とても心がラクになったのを覚えています。夫と気持ちのぶつかり合いも次第に少なくなっていきました。家事は無理に自分ひとりでやるものではないのだと感じました。まとめ更年期症状による不調の波を緩和する術は、その人に適したものがあると思います。私は緩和するためにおこなった自分自身の振り返りが、悪習慣を見直すきっかけになり、つらいときには声をかけて助けてもらうほうがずっとラクだということに気が付きました。周囲の理解があると、手伝ってもらうことや心身を休めることに抵抗が少なくなりました。更年期をじょうずに乗り切るためにも、心のうちや症状のつらさについて、自分自身への理解を深めること、周囲のサポートを得ていくよう努めることは大切だと感じました。プレ更年期をきっかけに、健康や家族のありがたみを改めて実感しています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/はな(44歳)小学生の子どもがいる。料理をすること、ヨガや瞑想にハマっており、シニア犬とともにマイペースな暮らしを実践中。
2023年04月26日ある日突然、何かにつかまらないと立っていられないほど体に力が入らなくなり、内科を受診しました。医師からの診断を受け、薬が処方されました。自分の生活を見直すきっかけになった診断結果とは……。★関連記事:「更年期の症状だと思っていたら」突然倒れて救急搬送!実は命に関わる怖い病気だった!ある日突然、体に力が入らなくなった!その日は朝起きたときから体調が変でした。いつもよりも体が重かったのです。しかし、仕事も家事も休むわけにはいかない……。簡単なお弁当を作り、体を引きずるようにして出勤しました。車通勤だったので、事故を起こさないかそれだけが気がかりでした。しかし、出勤しても体に力が入りません。平衡感覚がなくなって、何かにつかまっていないと立っていられないぐらいに。時間が過ぎるのがいつもよりも遅く感じました。その日に限って体を動かさなければならない仕事があったので上司に相談。午前中で早退して受診することにしました。内科を受診、睡眠導入剤と漢方薬を処方された何科を受診すべきかわかりませんでしたが、とりあえず内科を受診。体の具合を伝えたところ、睡眠時間から普段の1日の流れについて聞かれました。血液検査も受けて、1時間ほど待って検査結果が出ました。医師からの診断結果は過労と睡眠不足ということでした。40代半ばという更年期に差しかかりつつある年齢なので、自分では年齢にも関係あるかもしれないと思っていましたが、医師からは特に年齢に関する指摘はありませんでした。補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という漢方薬を処方され、頓服薬として睡眠導入剤も必要かどうか聞かれました。自分では薬に頼らなくてはいけないとまでは思っていたので「いらない」と答えたら、「今、しっかり寝ておかないと体力は回復しませんよ」と医師に説得されました。たしかにその通りだと思い、睡眠導入剤も処方してもらうことに。早めに床に就き、睡眠導入剤を服用して就寝しました。仕事に家事に…ストレスがいっぱい翌日は久しぶりにスッキリと目が覚めました。薬の作用が朝まで残っていないか心配でしたが、その影響はありませんでした。思えば、医師に睡眠時間を聞かれるまで自分の生活を振り返ることもありませんでした。改めて自分の生活を振り返ってみると、私の平均睡眠時間は3~4時間。仕事から帰ってきたあとにすぐ夕飯、食器洗い、夜のうちに洗濯機を回して就寝。ゆっくりテレビを見る時間もありません。布団に入ってからも、ちょっとした物音で目が覚めてしまったり、トイレに起きてそのまま寝付けなくなり朝を迎えたり。スッキリと眠れていないことが多かったのです。仕事と家のことに追われているうちにストレスがたまり、ぐっすりと眠れなくなっていることに気が付きました。内科の受診は自分の生活を見直す良いきっかけになりました。睡眠導入剤を使って寝たのは2回だけ。あとは意識して早めに寝るようにしました。家事も仕事も今までと変わらずありました。しかし、睡眠不足になってしまっていたのは、なんでも完璧にしてしまおうという性格が災いしていたと思います。できなかったとしてもしかたない。そうやって自分を許そうと思いました。睡眠導入剤は2回でやめましたが、処方された漢方薬は続けて飲みました。薬の効果があったのか、自分の生活様式を見直そうと思ったのがよかったのかわかりませんが、3カ月ほど続いていた3~4時間だった睡眠時間も、処方薬がなくなるころには6~7時間に増えていきました。まとめ以前は目が覚めても体がなかなか動きませんでしたが、睡眠時間が増えたことで疲れが取れ、朝から動けるように。イライラしたり、物事を悪く考えてしまうことも減ったように思います。そして、決して無理をしてはいけない、もっと自分を大事にしようと手を抜けるところは抜いていきました。疲れた体を休めるのも、ストレスのたまった心身を和らげるのもまずは睡眠なんだと、今回のことで改めてそう思いました。気が付くとちょこまかと動いてしまう性格ですが、倒れてしまうと職場にも家族にも迷惑がかかります。そのためにも、いつもゆっくり寝てリラックスした時間を持ち、体を休めようと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/おかひじき(47歳)「女は40を過ぎてはじめておもしろくなる」というココ・シャネルの言葉が大好きな男の子3人のシングルマザー。書くこと、食べること、写真を撮ることが大好き!
2023年04月26日病院に行くほどでもないけれど何となく体調が悪い……そんなとき「漢方薬ってどうなんだろう」と思ったことはありませんか。漢方薬の中には、更年期症状に効果があるものが多いと言います。そこで、漢方医でもあり産婦人科医の駒形依子先生に、40~50代女性におすすめの漢方薬を聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:「もしかして更年期障害?」と思ったら知っておきたい対策5つ【医師監修】知っておきたい漢方医学の概念“気・血・水”漢方薬を試す前に、漢方医学の考え方を少しだけも知っておきたいもの。基本中の基本の知識を教えていただきました。「漢方医学の代表的な概念が、“気・血・水”です。漢方医学では“気”、“血”、“水” を体を構成する要素と捉え、この3つが体の中に過不足なく存在し、スムーズに巡っていることで、各臓器や器官は正常に機能することができると考えられています。更年期に現れるさまざまな不定愁訴は“気・血・水”のうちの、主に気や血の不調から来ていると捉えられています。具体的には、頭痛や肩凝りは血の流れが滞る“お血”、めまい、気力や集中力の低下、睡眠障害、耳鳴りなどは血が不足する“血虚(けっきょ)、のぼせやほてり、頭痛、動悸などは気の流れに異常が生じる“気逆(きぎゃく)”と捉え、これらを改善する漢方薬が処方されるのです」(駒形先生)そして、気や血の不調を整える漢方薬の中でも、特によく処方されるものが3つあるそうです。三大婦人漢方薬とは?更年期症状に処方される代表的な漢方薬は3つ。1つずつ見ていきましょう。1.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)~冷えや貧血、疲れに~「当帰芍薬散は、血行不良による冷えや貧血、生理不順を整える薬です。全身に大切な栄養素を与えて血行を良くするのと同時に、水分代謝を整えることで余分な水分を体から取り除いて、足腰の冷えや生理不順を改善します。疲れがひどい人によく処方されます。他にめまい・立ちくらみ、頭重、肩凝り、むくみ、シミ、耳鳴りなどに効果があるとされています」(駒形先生)2.加味逍遙散(かみしょうようさん)~イライラや不安、のぼせに~「加味逍遙散」は、血(けつ)の不足から気が余り、たまった気が熱に変わってさまざまな症状を引き起こしている場合に処方されます。たまった熱を冷やし、さらに不足している血(けつ)を補うことで、体のバランスを整えていきます。また、自律神経を調整し、イライラやのぼせを鎮めて、血行も促進します。他に便秘症、不眠症、疲れやすいといった症状が強い人にも処方されます」(駒形先生)。3.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)~肩凝りや冷えのぼせに~「桂枝茯苓丸」は、滞った血(けつ)の巡りを良くすることで、のぼせや足冷えを感じる女性の生理痛、生理不順を整えます。疲れはあまり感じないけれど、足が冷えて頭がのぼせる、肩が凝る、頭重、生理不順などに効果があります」(駒形先生)。一番つらい症状を緩和する薬を選ぼうドラッグストアにもこの3つの市販薬は売られています。まずはこの3つからというとき、何を基準に選べば良いのでしょうか。「いろいろつらい症状があるうち、一番つらい症状に絞って選びましょう。例えばイライラがひどいなら加味逍遙散、倦怠感が強いなら当帰芍薬散というように。何がつらいかにもよりますが、効き目が実感できるまで2週間は服用を続けましょう。市販薬は処方薬よりも量が少なく設定されています。市販薬でも効果が感じられて、下痢など副作用がなければ、そのまま続けてみてください。効果が感じられないというときは漢方医に処方してもらうと良いでしょう」(駒形先生)。生理不順の場合、効果が感じられるのが1カ月後など症状によって違いますが、1つの目安は2週間ということです。まとめいかがでしたか? 私はイライラやのぼせが強いので、加味逍遙散が合っているのかなと思いました。まずは、何がつらいのか自分で自分の体に聞いてみることが大切のようです!取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年03月06日30代までは仕事に家事、育児に、常にフルパワーで走り回る毎日。天気なんて体調とは関係ない!と思っていました。もちろん、雨が降れば子どもの送り迎えが大変だなとか、靴やバッグが濡れるから嫌だなとか、現実的な不愉快はありました。でも、天気によって自分の体調が大きく影響されることになるとは、30代のときは思いもしなかったのです。そんな私が40歳を過ぎたころから、天候に連動して不調になるようになり……。★関連記事:頭痛、めまい、落ち込み…気圧差があるとやってくる「天気痛」ってどんなもの?【耳鼻咽喉科医監修】40歳を過ぎたころから異変に気付き始める30代までは、天候による不調を感じたことはなかった私。職場の後輩が「天候のせいで体調が悪くなる」と言うのを聞いても、「気持ちの問題なんじゃない?」と思っていたくらいでした。それが、何でも体力で乗り切れた30代を過ぎ40歳を過ぎたころから、天候が変わると体調も影響を受けていると感じるようになりました。一番つらいのは雨が降る前です。気圧が下がってくるとともに、頭と体が重くなってきます。ひどいときには頭痛だけではなく腹痛や吐き気も。最初は気持ちの問題かとも思いましたが、常に天候と連動して不調になるので、やはり体調が気候に影響を受けていると認めざるを得ませんでした。週末は寝ていれば済みますが、困るのは平日です。仕事中デスクに向かっていても、頭と体が重いので仕事がまともに進まず、集中力も続きません。後輩の発言を軽んじていた自分を反省しました。天気痛という言葉を知り、アプリで管理するようにどうしてこんなに天候で体調が悪くなるのかわからず、薬剤師さんに尋ねたこともありました。薬剤師さんの答えは「植物は自然の影響を受けて当たり前ですよね。動物だって同じです。生き物なんだから、天候の影響を受けるのは当たり前のことなんですよ」とのこと。それを聞いて、少し気持ちがラクになったのを覚えています。そのころ、ネットで「天気痛(気象病)」という言葉を知りました。気圧の変動に耳の奥にある内耳のセンサーが反応して、自律神経に影響を与えることがあるようです。自分はこれなのかもしれない……と、改めてこの体調にちゃんと向き合っていきたいと思いました。まず最初におこなったのは、気圧をチェックできるアプリをスマホに入れること。不調が事前に予測できることで、心の準備ができます。また、天気が良くても不調を感じた際は、アプリを見ると気圧が下がり始めていたりして、ああやっぱり無理はできないな……と気持ちの上で諦めもつくようになりました。漢方薬とプラセンタ注射で対策を始めるそれでもやはり、アラフィフに近づくにつれ天気痛(気象病)が重くなるのを感じるようになり、具体的に医師に相談してみることにしました。更年期も関係するかと思い、まずは婦人科で相談したところ、自律神経を整える作用のあるプラセンタ注射をすすめられ、毎週必ず打ちにいくようになりました。また心療内科でも相談したところ、「五苓散(ごれいさん)」という漢方薬を処方してくれました。体内の水分をコントロールして、体が気圧の影響を受けにくくする作用があるのだとか。これも1日3回、欠かさず服用するようにしています。このプラセンタ注射と漢方薬のダブル対策をしっかりおこなうようにしてから、気圧の影響を少しずつ受けにくくなってきたように感じています。もちろん、体や頭の重さはまだありますが、腹痛や吐き気まで症状が進むことはほとんどなくなりました。かつてひどいときは何もできず寝込んでいたのに、そこまでの日もほぼありません。まとめ私の場合、アラフォーから始まりアラフィフに向けて天気痛(気象病)の症状がひどくなっていきましたが、今のところプラセンタ注射と漢方薬で、症状は少しずつ軽減しつつあります。気象病は正式な病名ではなく、周囲にも「気のせい」と言い聞かせて我慢している人が多いように感じていますが、私の場合は、我慢するより医師に相談することで具体的な対策を取ることができました。本格的な更年期に入り、さらに体調が揺らぐことが増えると思いますが、少なくとも天気痛(気象病)に対してはしっかり対策をしていることは、私の安心材料になっています。体調のことは我慢せず、これからもどんどん医師を頼っていこうと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2007年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。「宇都宮スリープセンター」を併設し睡眠医療にも携わる。テレビやラジオなどメディアでも、いろいろなジャンルにおいて医療情報を発信。著書に『専門医が教える鼻と睡眠の深い関係鼻スッキリで夜ぐっすり』(クロスメディア・パブリッシング)があり、Amazonのカテゴリー7つで1位を獲得。★天気痛の記事をもっと読む著者/まっちゃ (45歳)40歳で再び独身に戻った、バツ2シングルマザー。30代まではボディラインにも肌にも自信あり。40代初期はプロポーションを褒められたり、そこそこモテたりでいい気になっていたが、40代半ばになり加齢の現実を徐々に目の当たりにしている最中。
2022年11月12日更年期なんて言葉はまだまだ未来の話だと思っていたのですが、あっという間に突入してしまいました。気持ちはまだまだ若いつもりなのですが、体は正直で50代に差し掛かりさまざまな不調を感じるようになりました。私が更年期症状を緩和のためにおこなったことを紹介します。★関連記事:「更年期の症状」ってどんなもの?いつから?正しく学ぼう【更年期の基礎知識1】更年期真っただ中更年期と自覚するようになったのは、3年前からです。心身ともにいろいろな症状が出始めました。症状は人によってさまざまだと聞きますが、私の場合は以下のような症状が出ました。朝、目が覚めてもなかなか起き上がれない仕事に行く元気が出ない動悸ホットフラッシュカッとのぼせる気がするぼーっとして仕事でミスをしてしまう不安な気持ちに突然襲われる目が乾く(ドライアイになってしまう)食後やたら汗をかく急にイライラしてしまう料理をするのが本当に面倒時々「揺れた?」ということがある鏡を見ると落ち込む同期だった友人に話を聞いたりするうちに、「更年期」というワードが出てきて婦人科へ行くことにしました。婦人科で漢方薬の処方とプラセンタを注射婦人科は女性専門(付き添いでも男性は外で待っています)の女性の先生だけのところに通っています。同じ女性の先生のほうが、気持ちをわかってもらえると思い、ネットで調べて見つけた病院です。とても気さくで同じ犬好きの先生ですし、信頼して通っています。「そろそろ子宮頸がん検診もね〜」など提案してくれるのもうれしいです。婦人科には2カ月に1度通い、漢方薬の処方とプラセンタ注射をしてもらっています。漢方薬は血の巡りを良くする効果がある「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」を毎食後2袋(6粒)服用しています。漢方薬は即効性は感じませんでしたが、漢方薬を飲み始めて半年ぐらいたったころ、少し体がラクになった気がしたので、続けて飲んでいます。私の更年期症状では、プラセンタの注射は毎日でも良いと先生に言われていますが、少し婦人科が遠いので2週間〜1カ月に1度は行くようにしています。保険適用になり1回500円というのもお得感を感じます。中には毎日、注射をしに来る患者さんもいらっしゃるそうです。プラセンタ注射を打った次の日の朝は、すっきり目が覚めるという効果を感じています。女性ホルモンと似た働きをするサプリも服用中漢方薬とプラセンタ注射に加えて、婦人科ですすめられた「エクエル」というサプリも飲んでいます。大豆イソフラボンが女性ホルモンと似た働きをするというので、1カ月に1度購入して毎日飲んでいます。最初は婦人科で購入していましたが、市販されているため、私は定期お届け便で購入しています。飲むタイミングは特に決まっていないようですが、婦人科の先生は「寝る前がオススメ」と言われたので、寝る前に飲むようにしています。「エクエル」も飲むと体がラクになる気がします。また、婦人科の先生の友人も飲んでいると聞いたのが安心材料となり、飲み続けていますまとめ人生100年と考えると今はちょうど折り返し地点です。半世紀生きていますから自分の体や生活のことなど見直す良い機会でもあると、思うようになりました。そういえば婦人科の先生にも「お誕生月までには子宮頸がん検査もしましょうね」と言われていたことを思い出しました。いつも気にかけてくださる婦人科の女医先生には、感謝です。更年期と共存しながら、楽しいアラフィフの日々を送っていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著者/takaramomo(52歳)2021年に歯科助手を退職し、現在はWebライターとして活動中。夫と生まれる前から反抗期の25歳の娘、宝物わんこの桃太郎くんが唯一の癒やし。好奇心旺盛なアラフィフゆえ寺・国内地理・城郭・日本茶・救急救命指導員・アマチュア無線など多数の資格を保持。
2022年10月09日40代半ばごろから、生理周期の乱れや経血の多さ、生理痛の強さに悩まされたり、不定愁訴に苦しんだり……という日々を送っています。ですが、46歳で受けた血液検査の結果は、まだエストロゲン(卵胞ホルモン)は出ているということ。本格的な更年期治療はせず、対症療法で様子見の毎日です。そんな中、周囲の同世代以上の男性から更年期障害の治療中だという話を聞くことが増えてきました。私の周囲の男性についてお伝えしたいと思います。★関連記事:40~50代は男性も更年期!?夫婦危機の原因ともなる「妻のやりがちNG対応」は?治療はどうする?最初に聞いたのは、アラフィフ男性の友人から「男性にも更年期障害はある」という話をよく耳にするようになりました。ただ、シングルマザーの私は夫がいないこともあり、そこまで身近なテーマとしては捉えていませんでした。ですがある日、最近様子がおかしいなと思っていたアラフィフ男性の友人から、実は更年期障害の治療を受けているという話を聞きました。その友人は、私と同じひとり親でシングルファーザー。知り合った当時は穏やかでやさしい人だなと思っていたのですが、ある時期から盛んにイライラしているようになり、LINEや電話をしていてもいらだって一方的に話題を終えてしまうことがしばしば。私は友人の変化に戸惑い、「この人はもともとこういう性格だったの?」と疑ったりもしました。また、その友人から睡眠が安定しないという話ややる気が起きないという話も聞きましたが、私は「よほどストレスがたまっているのだろう」というくらいにしか思っていませんでした。テレビで知った男性更年期、そして本人の口からも…あるとき、テレビで男性の更年期障害が紹介されており、寝込んでしまって仕事にならないくらいつらいという例なども紹介されていました。「男性もこんなに更年期障害がひどいんだ……」と初めて痛感した私。そんなときたまたま、その友人から連絡がありました。友人は「実は更年期障害ということがわかって、治療を始めたんだ」と切り出したのです。私は偶然に驚いて、「ちょうどさっきテレビでそれ見たよ! いろいろ大変だったんだね……」と伝えることができました。友人は漢方薬とホルモン治療をしているとのこと。それで睡眠も安定してやる気も復活しているそうで、それは電話やLINEの文面からも感じ取れました。私は、その友人が「更年期の症状なのかもしれない」と自分で気付いて病院を受診したことがすごいと思いましたし、治療が功を奏していると聞いてとてもうれしく、また安心しました。自分の恋人も症状に悩まされていると知るそんなタイミングで、私と同じ40代半ばで1歳上の恋人からも、実はホットフラッシュに悩んで病院に行ったと聞きました。たしかに彼は少し前から、とにかく首から上が暑い、熱がこもっているようでつらい……とよく言っていて、デートのときも寒いくらいエアコンの効いた場所を好むのでかなり苦しそうだなとは感じていました。私は彼が北国出身のせいだからかなというくらいにしか思っていなかったのですが、彼は自分で更年期のホットフラッシュではないかと思い至り、受診を決めたそうです。ホルモン注射をしてもらうようになってからはホットフラッシュが改善したと言っており、実際に前ほど常に苦しそうにしていることはなくなりました。ホルモン注射と同時にプラセンタ注射も受けているそうです。こうした話を聞くにつけ、更年期障害は女性だけの苦しみではないんだ……と私も実感するようになりました。まとめ自分自身はまだ本格的な更年期障害に悩まされてはいないものの、友人や恋人から見聞きした男性の更年期障害もだいぶつらそうだ……と理解をした私。更年期の症状に悩むのは女性のみだとつい思い込みがちですが、私の友人や恋人のように、男性でも更年期であることを自覚し、通院を始める男性が増えるのは良いことだと感じています。もし同世代の男性で自分の不快な症状の原因がわからずに苦しんでいる人が他にもいたら、「もしかしたら更年期じゃない?」と、声をかけてあげたいと思っています。男性も女性も、更年期であることを受け入れて早めに治療をスタートすることで、人生の後半戦を少しでもラクに乗り切っていけたらと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。イラスト/村澤綾香著者/まっちゃ (45歳)40歳で再び独身に戻った、バツ2シングルマザー。30代まではボディラインにも肌にも自信あり。40代初期はプロポーションを褒められたり、そこそこモテたりでいい気になっていたが、40代半ばになり加齢の現実を徐々に目の当たりにしている最中。
2022年09月24日12歳で初潮を迎えてからずっと生理痛に悩まされてきました。学生のころも下腹部が重くて痛くて動けない! 起き上がれない! と学校を休む始末。おなかも緩くなり下痢気味になります。ただ市販の痛み止めを飲むだけで、自分にあった対処法もわからないまま……。1カ月に1回のつらい痛みとの戦いはこのころから始まっていました。★関連記事:「憂うつからの解放!」生理痛対策として超低用量ピルを服用したら #くそ地味系40代独身女子 60温めたり体操したり、試行錯誤な日々社会人になると痛くても休めないので産婦人科に相談に行ったのですが、そこで「子どもを産んだらラクになる体質だね」と言われたのが衝撃でした。31歳で出産後、産婦人科の先生の言う通り、多少はラクになりました。私の場合は出産で子宮が柔らかくなったので痛みが軽減されたようですが、個人差があるので変わらない人は大勢いると思います。ただ、ラクになったとはいえ、生理の始まる前の鈍い腰の痛みと生理の始まりの重だるい下腹部の痛みは消えていません。おなかを冷やさないほうが良いと聞き、腹巻きをしたこともありましたが、あせもができて中止に。また、ヨガが良いと聞き、下腹に効くガス抜きのポーズや橋のポーズといった負担の少ないヨガを取り入れてみました。それでもまったく痛みがなくなることはないので、かばんの中には痛み止めが欠かせず、解決法を見いだせないまま時間が過ぎていきました。漢方薬との出合い私は頭痛持ちでもあるので、痛み止めの市販薬を長く愛用していました。同じ薬ばかり飲んでいるとだんだん効かなくなるので時々変えていたのですが、眠くなるのが悩みでした。何か良い薬はないかなあと思っていた矢先、風邪を引いたときに立ち寄った漢方薬のお店がその後の私を変えてくれました。せきと喉の痛みが長引いていたのですが、病院の薬でも良くならず、わらにもすがる思いで飲んでみたのが漢方です。そのときは「麦門冬湯(バクモンドウトウ)」を処方していただいたのですが、不思議と苦さを感じることなく飲め、その上眠くならない! 問題のせきと喉の痛みも引いていき、漢方はすごい! と思いました。そこで、生理痛の緩和にも漢方薬を試してみたいと思い、生理痛の症状を伝えて改めて処方してもらうことにしました。起き上がれないほどではないですが不快な腰痛と下腹部の鈍痛があること、生理日初日に冷えて手足が冷たくなることを改善したかったのです。私に合うのはどんな漢方だろう?漢方のお店の方が処方してくれたのは「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)」のティーバッグタイプの煎じ薬です。即効性があり、効き目が早いということで飲みましたが、本当に効果が出るのが早かった! 生理予定日の2~3日前から腰痛と鈍痛が来るので、そのあたりから1日1パックを熱湯で煎じて飲むようにしたら、痛みが和らいで体がラクになって驚きました。体に合っていたのか苦みも感じずスルッと飲めて、苦にならないから続けられる! あとは、通常の飲み物をカモミールティーに変えました。ネットや本でカモミールティーは生理痛のようなけいれん性の痛みに効果的と見たからで、抗炎症作用もあっておいしく飲みやすくてすっかり毎日の習慣になりました。また、以前から体調管理と生理痛対策におこなっていたヨガもほそぼそと続けて、痛みの緩和につながっています。まとめ12歳からの長い付き合いの生理痛です。もう正直サヨナラしたい! ただ、サヨナラするのはリアルに閉経のときなのかと思うと寂しいような……。市販薬、ヨガ、漢方薬と試してきて私に合っていたのは漢方薬でした。良い漢方の先生に出会えたことと、漢方薬が体質に合ったこと、さらに自分にぴったりな漢方薬を見つけることができたことがよかったのだと思います。生理痛にはさまざまな対処法がありますが、私には漢方薬が一番自分に合う解決法でした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著者/まさみ(45歳)中学生と小学生の男の子を持ちフルタイムで働いている。昨年化粧品メーカーを辞め、別の業種に。慣れない仕事と化粧品業界のときと変わらない「女同士の上辺の関係」を生暖かく苦しみながら見つめる日々。帰れば子どもの送り迎えと家事に追われ、趣味だったスキンケアもできずカサカサな肌となる。
2022年08月19日5年ほど前、両肘付近に湿疹ができてしまいました。最初は直径1cmくらいの湿疹が1つだけだったので虫刺されかな?と思って、市販の虫刺されの薬を塗っていました。しかし、いつまでもかゆみが治まらず、そのうち直径3cmを超える大きさになってしまいました。そこから私と湿疹との長い戦いが始まったのです。夏は良くなるのに冬は悪化のいたちごっこ大きくなった湿疹は、特にお風呂に入るとかゆみがひどくなりました。かきむしりたい衝動をこらえて、ドラッグストアでいろいろな市販薬を購入して試してみましたが、どれも効果はありません。1つだった湿疹が悪化して複数になり、赤い斑点が出るようになったので、皮膚科を受診することに。医師に患部を見せるとすぐに「湿疹ですね」と言われ、ステロイドの塗り薬を処方されました。1日1回患部に塗って2週間ほどであれだけかゆかった湿疹が治り、夏場は快適に過ごすことができました。しかし、冬になって乾燥してくると同じようなところに湿疹が出てきたため、再び皮膚科を受診。違う軟膏が処方されてそのときは治りましたが、冬になるとまた湿疹が復活してしまいました。3年間で3回、同じ皮膚科に通い続け、そのたびに薬が変わりましたが、特に疑問は感じませんでした。湿疹が出て一番困ったことは、肌に密着する服を1日着ていると患部がボコボコして赤くなり、かゆみが増してくることでした。ニットが肌に触れるとかゆくなるので、新しいニットを買ってもたんすの肥やし状態。薄手のタートルネックセーターにネックレスを合わせるようなおしゃれな着こなしは、しばらくお預け……となってしまいました。漢方を試してみたところ…とある中医学の講座に参加したことをきっかけに漢方に興味を持った私は、通勤途中の駅に漢方の調剤薬局があったことを思い出し、試しに寄ってみました。相談窓口で皮膚トラブルと合わせて更年期の症状と思われるホットフラッシュや動悸を相談したところ、粉薬を2種類処方されました。朝と夕食前に服用すると、3日目には湿疹が治り、かゆみも消えたのです。私の症状に合う薬は保険適用外になるということで、2種類を10日分で5,000円という料金でした。良く効きましたが、高すぎて3カ月ほどでやめてしまいました。結局市販のクリームが一番合っていた!?保険診療で漢方を処方してくれる病院を探し、受診しました。初診時に今まで行った病院や更年期症状について伝え、聴診と脈を診てもらいました。脈から体の状態を診るのだそうです。診断の結果、加齢により体内の水分が減っているとのこと。更年期症状を和らげる漢方と皮膚トラブルに効く漢方、そして外用薬として皮膚の乾燥を軽減するヘパリンスプレーが処方されました。やっと自分に合う病院に出合えたと、ホッとしました。トータル1年3カ月くらい通い、湿疹は少しずつ改善しました。しかし保険適用でも薬代が1カ月3,000円強かかるのが気になっていました。更年期の症状はそれほどひどくなく、湿疹を治したいだけなので、結局医者通いをやめることにしました。そこでここ数年、テレビや新聞広告などで乾燥性のかゆみや湿疹に効く薬のCMを見かけるようになったので、ドラッグストアで購入していろいろと試すことにしました。その中でも一番私の湿疹に効果があったのは、「メンソレータムADクリーム90g」(1,000円)でした。肌のボコボコした感じはほとんどなくなったので、今もこれを愛用しています。まとめ空気が乾く冬に繰り返す湿疹の原因は、皮膚の乾燥によるものでした。5年前に突如湿疹が現れたのは、加齢により皮膚が乾燥してきたためだと思います。残念ながら、加齢と共に皮膚の状態は変化しています。年齢にあったスキンケアを心がけ、乾燥から皮膚を守ることで湿疹を予防していきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。著者/ナツメ(53歳)天気や気圧の変化での更年期症状に悩むアラフィフ。好きな作家は吉村昭。
2022年06月30日生理痛や肩こりもつらいけれど、頭痛にも頻繁に悩まされているという人、多いのではないでしょうか。その頭痛、もしかしたら天気の変化が起こす「天気痛」かもしれません。体内の気圧センサーが作動、自律神経の乱れで起こる頭痛がある季節の変わり目や梅雨や台⾵シーズンなど、気象の変化によって引き起こされる体調不良は⼀般的に「気象病」と呼ばれています。症状は、倦怠感や肩こり、めまい、頭痛、関節痛など。その中でも痛みを伴うものを「天気痛」といいます。「天気痛」の中で代表的なものは頭痛です。天気の変化に伴う頭痛は、温度や湿度、気圧が⼤きく変化すると耳の奥にある「内耳」と呼ばれる気圧センサーが作動し、自律神経が乱れて起こります。この頭痛は、たいてい片頭痛を持っている人に多いのが特徴です。他に、冷えやむくみがある人、乗り物酔いしやすい人も、天気の影響を受けやすい傾向にあります。知っておきたい、頭痛の種類と対処法頭痛は、命に別状はない⼀次性頭痛と、命に関わる⼼配のある⼆次性頭痛に分けられます。⼆次性頭痛は、くも膜下出血、脳出血、髄膜炎などの頭痛の症状が出るもので、すぐに病院を受診する必要があります。⼀次性頭痛は3つに分類され、それぞれの症状や治療方法が異なります。■片頭痛症状:ズキンズキンという脈動性の痛み対処法:暗くて静かな部屋で安静にする■緊張型頭痛症状:締め付けるような痛み対処法:ストレッチや体操、体を温める■三叉神経・自立神経性頭痛症状:針で刺すような痛み対象砲:規則正しい生活、体を温めるいずれの頭痛も自分でできる対処法がありますが、薬を用いるのも有効な方法です。鎮痛剤や筋弛緩剤、抗けいれん剤などのほか、漢方薬を用いて治療することができます。漢方薬を使う場合、例えば片頭痛なら呉茱萸湯、緊張型頭痛なら葛根湯など、症状だけでなく体質に合わせ、医師の診断のもとで処方されます。「頭痛くらいで」と思わず、医師に相談してQOL回復頭痛を我慢したり、頭痛のせいで約束をキャンセルしたりするのはつらいもの。人生の幸せ度が頭痛のために下がるのは悲しいことです。仕事に支障をきたすほどの頭痛や、外出をためらうほどの頭痛がある方は、かかりつけの医師に相談してみましょう。
2022年06月17日若いころから 、仕事や恋の大きなトラブルがあった際には、夜眠れないほど落ち込むことがありました。ただ、それらはあくまでも一過性のことで、トラブルが解決もしくは気持ちが切り替わりさえすれば乗り越えられてきました。しかし、40代後半となってからの私は、日常的にイライラし、落ち込み、夜に熟睡できない状態が恒常化するようになってしまいました。周りの人に理由もなく常にイライラ40代後半になってから、何げない人との会話にいちいちカチンときてイライラするようになりました。さらには自分の気持ちの中だけにはとどめ切れず、イライラが爆発してブチ切れたりすることも。例えば、買い物先の店員の言動や電車の中での他人のやり取り、テレビのニュースなどを見てもいちいちイライラして、時には「意味わかんないんだけど」とか「ばかじゃないの」と独り事を言うようなヤバイ状況になっていました。自分でもよくわからず、常にイラついていました。気付くと眉間にシワが寄っているので、どんどん見た目も老け込んできたようでした。このままではどんどん嫌な自分になっていくのでは……と心配になり、近所にある女性内科という更年期外来のようなクリニックで診察してもらいました。診断の結果は、更年期症状とのこと。「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」という漢方薬を処方されました。毎日服用しなくても、症状が気になったときだけ服用すれば良いとのことでしたが、しばらく続けて服用したところ、心なしか常にイライラと尖っていた気分が和らいだ気がします。気分が落ちているときがほとんど若いころも気分が落ち込むときはもちろんありました。しかし、40代後半になるにつれて決定的に変わってきたのは、ウキウキとした高揚感やドキドキとするときめき感がなくなり、明るい気分でいるときよりも、どよ~んとした気分でいることのほうが圧倒的に多くなったことです。これではダメだと思い、気分を上げる方法を模索していたところ、アロマテラピーに触れる機会がありました。アロマテラピストによると、アロマテラピーには、免疫力に関係するNK細胞活性値が上昇したり、女性ホルモンのエストロゲン濃度が増加したり、副交感神経の高まりによって心臓から血液を全身に送り届ける動脈の機能が改善したりなど、多くの効果があるとのことです。アロマテラピストの方に、気分が上がる精油はないかと尋ねたところ、ローズマリーやレモングラスなど柑橘系の香りが気分をリフレッシュさせ、元気にしてくれるということでした。それからは通勤時にも柑橘系のアロマミストを持ち歩くようになり、仕事の休憩時間などに自分にシュッとスプレーをすると、なんともさわやかな香りで脳が刺激され、頑張ることができるようになりました。中途覚醒型不眠の症状により、万年寝不足40代になってから、春や秋といった季節の変わり目に眠れなくなることが度々あります。眠くて仕方ないので夜は布団に入るとすぐに眠れるのですが、なぜか決まって2、3時間後に目が覚めてしまうのです。あまりにもぱっちりと目が覚めてしまうのでもう朝になったのかと時計を見ると、まだ夜中の2~3時ぐらい。その後トイレに行ってもう1度寝ようとしてもなかなか寝付けません。おそらく中途覚醒のタイプの不眠の症状ではないかなと思いました。更年期症状の漢方薬を処方される際、この不眠についても言及されていました。焦ると余計眠れなくなると聞くので、もう開き直って用事をこなそうと試みたこともありますが、夜中に体を動かしたり、頭をフル回転させたりすると、余計眠れなくなりました。いろいろと試した結果、そんなときはスマホやパソコンのブルーライトを浴びると余計眠れなくなるため、せいぜい静かに読書程度をするのが一番だとわかりました。また、鎮静作用、安眠作用のあるラベンダーの精油を枕に1滴垂らしたり、カモミールティーを飲んだりして寝るのもよかったです。まとめこれといった理由もなくどうしようもなくイライラしたり、落ち込んでいたり、なぜか疲れているのに夜中に起きてしまう日が続いたりと、40代後半になってから、いわゆる更年期の症状が顕著に現れてきました。そんなとき鏡を見ると、若いころと比べて醜くなった自分が映っているので余計に落ち込みます。でも、これを放置して嘆くのではなく、これは誰しもが経験する当然の現象であり、これを通り過ぎるとラクになると客観的に現状を見つめたことで少し気が軽くなりました。専門医に相談したり、アロマやハーブティーなどの民間療法で対処したりして、うまく乗り越えていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)★関連記事:「きらわれてる? 怒られる…?」強い不安感に襲われる日々!もしかして更年期の症状なの?【体験談】★関連記事:「40代になって落ち込むことが増えた…」生活習慣を見直して気持ちが明るくなった理由【体験談】★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事をもっと読む著者/輝歩 (51歳)勤続約30年となる会社員を務める傍ら、ファイナンシャルプランナーとストレッチインストラクターの副業をこなすシングルマザー。
2021年11月28日更年期障害の症状には個人差があり、不調はさまざま。めまい、不眠、イライラ、うつ、ほてり(ホットフラッシュ)、動悸などなど。動悸の症状が出た友人は、心臓ということもあり不安になって速攻で病院へ。更年期うつの友人も、無気力でまったく外に出られなくなり、家族に連れられて病院へ。私もホットフラッシュの症状が出て、婦人科を受診。そのときの体験談を紹介します。熟睡できないほどのホットフラッシュやってきたのはホットフラッシュ。突然、頭・顔・首の辺りが急に熱くなり、じんわり汗が。時々だった症状が日に日に回数が多くなり、真冬でも常に扇子を手放せなくなり電車の中でパタパタ。ランチの途中でもパタパタ。しばらくはなんとか扇子で暑さをしのいでいたけれど、睡眠中にも突然やってきて目が覚めてしまい、ピークのときは2時間おきくらいにホットフラッシュがやってきて熟睡できない! 熟睡できなくなるので体調も崩しやすくなり、さすがに婦人科で受診することにしました。中国三千年の歴史を信じ漢方に期待!最初に処方されたのは、ホットフラッシュに良いとされている漢方薬「桂枝茯苓丸」(けいしぶくりょうがん)。漢方は徐々に効果が出てくるので、しばらく服用を続けました。が、なかなか治まらないホットフラッシュ。ならば漢方を替えてみようと「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん)に。それでも、効いているのかいないのか、飲み続けて漢方の効き目を根気よく待つしかないのか? 中国三千年の歴史はいつ効くのか?ホルモン補充療法で症状が一気に改善。でも…更年期障害の治療には、漢方のほかに「ホルモン補充療法」が一般的だそうです。加齢とともに減った女性ホルモンを飲み薬や貼り薬で補充する方法です。更年期の動悸やうつで悩む友人のほとんどが、このホルモン補充療法をしたら「症状がまったくなくなったわよ!」と、太鼓判を押すほどに効果があるようです。漢方でなかなか改善が見られないため、医師にも「ホルモン補充療法をやってみますか?」と、すすめられました。でも、自分の中ではなんとなく体にホルモンを入れる怖さがありました。また女性ホルモンが足りなくなった体に自然と慣れていくことが、将来的に体へのダメージが出ないのではないかと思い、素人判断で「もう少し頑張ります」と先送りにしました。お肌つるつる、すべすべ!恐るべしプラセンタ注射そこで、漢方の次なる治療ですすめられたのが「プラセンタ注射」。プラセンタは美容皮膚科などで美容目的でも使われているものです。体にホルモンを入れるのは抵抗があると言っていたものの、美容に効く上に保険適用で美容皮膚科よりお安くできるなら一石二鳥と、二つ返事で「プラセンタ注射」のスタートです。現在、週に2回のペースで注射し、半年経過。ホットフラッシュの症状が若干和らいだような気がする、というより肌の調子が絶好調! 固太りだった体がなんとなく女性らしくふわふわになり、顔に限らずお手入れをしていない体全体の肌がしっとり潤う感じ。それでも、まだホットフラッシュを完全に封じ込めた訳ではないので、これでダメならホルモン補充療法を考えます。もちろんプラセンタ注射と同時進行で。まとめ恐るべしプラセンタ注射。病院に週2回も通うのは面倒ですが、ホットフラッシュの症状は和らいできた気がしますし、やめたら元の肌に戻るのが怖いのでせっせと通っております。ホルモン補充療法も検討しつつ、更年期を乗り切っていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)【天神先生からのアドバイス】プラセンタ注射は美容外科や皮膚科、婦人科でもよく使われるようになり、患者さんによってはとても効果がある治療です。ただ、プラセンタ注射はヒトの胎盤から抽出されるもので、病原体侵入による感染リスクをすべて否定できているものではありません。また、プラセンタ注射をすると献血はできなくなるため、同意書を書く必要もあります。十分にリスクを理解した上でおこないましょう。★関連記事:「生理っていつ終わる?」生理痛と出血量の多さが不快…低用量ピルと黄体ホルモン剤で快適に閉経へ【体験談】★関連記事:「疲労感、イライラ…プレ更年期!?」 43歳、更年期検査を受けてみた!(前編)【体験談】★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事をもっと読む著者/井上 裕紀子(54歳)読モを経て、ファッション誌、情報誌などのフリーライターへ。しわ、肝斑、たるみ、更年期太りと苦しい戦いを続けつつも、その先にいったい何があるのか見えない迷える五十路女子。
2021年10月30日日常生活に支障が出るほどの疲れ、めまい、イライラやのぼせ、不眠などは“更年期症状”ではなく “更年期障害” と呼ばれます。病院を受診するにしても、受診の前にいろいろな対策があることを知っておけば治療はよりスムーズに進むでしょう。更年期障害の対策として主な方法を産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。ホルモン補充療法でエストロゲンを補充更年期障害の治療というと、まずホルモン補充療法が思い浮かぶ方も多いでしょう。「ホルモン補充療法とは、更年期に急激に減少した女性ホルモンのエストロゲンを薬で補充する方法です。のぼせやほてり、発汗や動悸、うつやイライラ、関節痛や頭痛といった身体的、精神的症状の緩和が期待できます。また、肌や髪にツヤが出るなど美容面でも効果を実感する人が多いようです。使用期間の目安は5年ですが、効果の高さからやめられない方もいます。また、乳がんなどがんのリスクも報告されていますので、がん検診と並行して進める必要があります。メリットとデメリットをよく吟味してから治療をスタートすることをおすすめしています」(駒形先生)。漢方薬で体全体の調子を整える駒形先生のクリニックでは、更年期の女性に対して漢方を処方することも多いそうです。「漢方医学は、身体全体の状態を総合的に診て、崩れたバランスを正しく戻す治療をおこないます。一人ひとりの体質が重要で、同じ症状でもその人の体質によって処方される漢方薬の種類が異なるというのも大きな特徴です。身体全体の調子が整うことで、一つの症状だけでなくほかの症状が改善されることもあります。更年期障害の場合は、血の巡りを良くする漢方薬を処方しつつ、生活習慣のアドバイスをしていきます」(駒形先生)。整体・鍼灸・アロマセラピーで血流改善薬以外にも対策はあるのでしょうか。「更年期障害は下半身の血流が悪いことも原因です。骨盤や骨格の歪みを正して血流を良くするために、整体にかかるというのも方法です。同じように、鍼灸も体のツボを刺激して血流を促すという点では効果が期待できます。アロマセラピーは香りの癒やし効果が自律神経のバランスを整えてくれますし、下半身のマッサージなどに使用すれば血流改善につながります。セルフケアでもいいですが、たまにはサロンでマッサージしてもらうのもリラックスできて良いと思います」(駒形先生)。まとめ駒形先生によれば、ホルモン補充薬にしても、漢方薬にしても、薬は活用するもので頼らないほうが良いということでした。ひとまず薬でつらい症状を緩和できたら、そのままにするのではなく、不調の原因となっている生活習慣や環境などを改善することがむしろ大切なのだそうです。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事★関連記事:更年期のぽっこりおなかはなぜ?太る理由と対策とは【内臓脂肪編】★関連記事:「え? 更年期症状と自律神経失調症って同じ?」自律神経はどう整える?【医師監修】著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年09月27日ある日、何かにつかまらないと立っていられないほど体に力が入らなくなり、内科を受診しました。医師によると、睡眠不足から来る過労が原因とのこと。それは自分の生活を見直すきっかけにもなりました。ある日突然、体に力が入らなくなった!その日は朝起きたときから体調が変でした。いつもよりも体が重かったのです。しかし、仕事も家事も休むわけにはいかない……。簡単なお弁当を作り、体を引きずるようにして出勤しました。車通勤だったので、事故を起こさないかそれだけが気がかりでした。しかし、出勤しても体に力が入りません。平衡感覚がなくなって、何かにつかまっていないと立っていられないぐらいに。時間が過ぎるのがいつもよりも遅く感じました。その日に限って体を動かさなければならない仕事があったので上司に相談。午前中で早退して受診することにしました。内科を受診、睡眠導入剤と漢方薬を処方された何科を受診すべきかわかりませんでしたが、とりあえず内科を受診。体の具合を伝えたところ、睡眠時間から普段の1日の流れについて聞かれました。血液検査も受けて、1時間ほど待って検査結果が出ました。医師からの診断結果は過労と睡眠不足ということでした。40代半ばという更年期に差しかかりつつある年齢なので、自分では年齢にも関係あるかもしれないと思っていましたが、医師からは特に年齢に関する指摘はありませんでした。補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という漢方薬を処方され、頓服薬として睡眠導入剤も必要かどうか聞かれました。自分では薬に頼らなくてはいけないとまでは思っていたので「いらない」と答えたら、「今、しっかり寝ておかないと体力は回復しませんよ」と医師に説得されました。たしかにそのとおりだと思い、睡眠導入剤も処方してもらうことに。早めに床に就き、睡眠導入剤を服用して就寝しました。仕事に家事に…ストレスがいっぱい翌日は久しぶりにスッキリと目が覚めました。薬の作用が朝まで残っていないか心配でしたが、その影響はありませんでした。思えば、医師に睡眠時間を聞かれるまで自分の生活を振り返ることもありませんでした。改めて自分の生活を振り返ってみると、私の平均睡眠時間は3~4時間。仕事から帰ってきたあとにすぐ夕飯、食器洗い、夜のうちに洗濯機を回して就寝。ゆっくりテレビを見る時間もありません。布団に入ってからも、ちょっとした物音で目が覚めてしまったり、トイレに起きてそのまま寝付けなくなり朝を迎えたり。スッキリと眠れていないことが多かったのです。仕事と家のことに追われているうちにストレスがたまり、ぐっすりと眠れなくなっていることに気が付きました。内科の受診は自分の生活を見直す良いきっかけになりました。睡眠導入剤を使って寝たのは2回だけ。あとは意識して早めに寝るようにしました。家事も仕事も今までと変わらずありました。しかし、睡眠不足になってしまっていたのは、なんでも完璧にしてしまおうという性格が災いしていたと思います。できなかったとしてもしかたない。そうやって自分を許そうと思いました。睡眠導入剤は2回でやめましたが、処方された漢方薬は続けて飲みました。薬の効果があったのか、自分の生活様式を見直そうと思ったのがよかったのかわかりませんが、3カ月ほど続いていた3~4時間だった睡眠時間も、処方薬がなくなるころには6~7時間に増えていきました。まとめ以前は目が覚めても体がなかなか動きませんでしたが、睡眠時間が増えたことで疲れが取れ、朝から動けるようになりました。そしてイライラしたり、物事を悪く考えてしまうことも減ったように思います。そして、決して無理をしてはいけない、もっと自分を大事にしようと手を抜けるところは抜いていきました。当たり前ですが疲れた体を休めるのも、ストレスのたまった心身を和らげるのもまずは睡眠なんだと、今回のことで改めてそう思いました。気が付くとちょこまかと動いてしまう性格ですが、倒れてしまうと職場にも家族にも迷惑がかかります。そのためにも、いつもゆっくり寝てリラックスした時間を持ち、体を休めようと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)★関連記事:小指が動かない!50歳で始まった手指のこわばり対策【体験談】★関連記事:イライラ・疲労感…これって更年期?少しでもラクになるためにしたこと著者/おかひじき(47歳)「女は40を過ぎてはじめておもしろくなる」というココ・シャネルの言葉が大好きな男の子3人のシングルマザー。書くこと、食べること、写真を撮ることが大好き!
2021年09月01日更年期と思われる症状が現れ、日々の感情の起伏の波や疲労感に悩まされていました。状況を改善するためにおこなったことは、現状の自分を振り返り、悪習慣の改善と、運動や食事、睡眠にとって良いと思うことを実践することでした。さらに周囲に更年期症状への理解が得られるようになって、少しずつ状況が変化していった私の体験談をご紹介します。感情の波と疲労感に翻弄される日々もともとストレスをため込みやすい性格の私。40歳を目前に、感情の波がやたら激しいことと、疲労を感じやすくなっていました。パートの仕事も、体調不良から早退や欠勤することも度々あったのです。私の身に一体何が起こっているのだろうか……。調べてみると、私が抱えている悩みは更年期によくある症状と重なりました。更年期は閉経を挟んだ前後10年で、一般的には45歳からとされていることから、41歳の私の場合はプレ更年期にあたると婦人科で診断されました。ささいなことでイライラし、感情が抑えられないことはしょっちゅうでした。とにかく頭に血が上りやすく、導火線に火が付きあっという間に爆発する感じで、夫とすぐに喧嘩をしたり、子どもにきつくったりすることが増えて、家庭内もギクシャク。イライラから落ち着きを取り戻したときに、なぜあんなに荒れていたのかと自己嫌悪になっては繰り返すという負のスパイラルに陥ります。また一方で、気分が落ち込み、何もかも嫌になり、自暴自棄になることもありました。感情の振れ幅が大きく、コントロールが効かないのです。加えて、問題だったのが疲労感です。近所へ犬の散歩に出かけるだけでも、どっと疲れてしまい、横になった状態でしばらく動けなくなることもありました。とりあえず私は、今の自分の状態を知るために体調や心情を書き留めることにしました。仕事や家庭内の人間関係や気候の変化などによるストレスも悪化の要因になっていることがわかり、この振り返り作業は意味のあることでした。日常を観察すると、症状の有無や重さの波が見えてきたのです。生活の見直しと漢方薬でラクに更年期症状には、ホルモン補充療法や抗精神薬、漢方薬などの治療法があることを婦人科の医師から説明されました。漢方薬は心身の調和を図り、症状を改善する効果が期待できるそうです。婦人科で治療方法の話を聞いたときに、身体症状だけでなく、精神症状を抱える私には漢方薬が適しているのではと感じました。また、服用が長くなる可能性もあるため、副作用が少なくて安心な方法だと考え、処方してもらうことにしました。漢方薬の種類はたくさんありました。自分の症状や状態について、信頼できる漢方内科の先生に相談することで、自分の状態に合った漢方薬を処方してもらえました。初めは加味逍遙散(かみしょうようさん)を試しましたが、精神的な症状が強いことから、甘麦大草湯(かんばくたいそうとう)と真武湯(しんぶとう)の組み合わせが処方されました。漢方医の指示どおり必要なときに適宜飲むことで、心身の不調を緩和させることができ、気持ちも少しラクになりました。できることを実践し、周囲へ理解を求める更年期症状に限らず、食事・睡眠・運動は、健康に過ごすための三大要素だと感じています。食事は色彩りを良くすることで食材のバランスに気を配り、イソフラボンには女性ホルモンと似た作用があると知り、大豆製品を積極的に摂取するようになりました。また、睡眠は質も大切な要素だと感じます。香りはダイレクトに脳に届きやすいと聞き、リラックス効果のあるアロマを炊く、お風呂にゆっくり浸かって体を温める、寝具を寝心地の良いものにするなど、良質な睡眠のための環境づくりにこだわりました。運動はまったくする習慣がなかったのですが、手軽にできる散歩やヨガなど軽く体を動かすことから始めました。気分がスッキリする、仕事の生産性もアップするなどの相乗効果を感じたこともあり、無理なく続けられました。体に負荷をかけることにより、動悸や息切れ、体力不足の緩和につながっています。さらに自分のための時間を意識的に取ることを心がけました。好きなものを食べる、体をほぐす、あえて何もしない時間を作るなど、リラックスして心を開放する時間を持つのです。すると、心に余裕が出て、症状の波も以前と比べて緩やかになってきました。最後に、周囲からの更年期症状の理解が不可欠だと感じています。これまでは家事は自分の役目だと思っていました。家事を手伝ってもらうことに罪悪感があり、無理にでもやらなくてはとひとりで抱えていました。そこで、症状に波があり、家事をするのがつらいときがあることを夫や子どもに話して、私からも理解を求めました。そしてあるとき、食器の洗い物が片付けられていたのを見て、とても心がラクになったのを覚えています。夫と気持ちのぶつかり合いも次第に少なくなっていきました。家事は無理に自分ひとりでやるものではないのだと感じました。まとめ更年期症状による不調の波を緩和する術は、その人に適したものがあると思います。私は緩和するためにおこなった自分自身の振り返りが、悪習慣を見直すきっかけになり、つらいときには声をかけて助けてもらうほうがずっとラクだということに気が付きました。周囲の理解があると、手伝ってもらうことや心身を休めることに抵抗が少なくなりました。更年期をじょうずに乗り切るためにも、心のうちや症状のつらさについて、自分自身への理解を深めること、周囲のサポートを得ていくよう努めることは大切だと感じました。プレ更年期をきっかけに、健康や家族のありがたみを改めて実感しています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)著者/はな(41歳)小学生の子どもがいる。料理をすること、ヨガや瞑想にハマっており、シニア犬とともにマイペースな暮らしを実践中。
2021年08月05日40代後半に突入し、体の疲れは感じるものの、心は30代のころより元気になってきたかな?と感じる今日このごろ。それは、生理前のPMS(月経前症候群)の症状が軽くなってきたからだ!と気が付きました。30代後半から、生理前の精神的なモヤモヤを感じ始めると憂鬱(ゆううつ)でしたが、今は「あれ、そういえば生理前だった、今月はPMSないな」と感じることが増えてきました。イライラ、クヨクヨに悩まされる日々30代後半のころの私は高齢の義父母との同居と2人の未就園児の子育てで、日々の生活に疲れを感じながらも、義父母からの小言なども気にせずにさらりと対応できていました。しかし、あるときから生理前になると、精神的なモヤモヤを感じるように。義父母からの小言にいちいち反応してしまい、口答えをしてはクヨクヨ落ち込んで、自分の精神状態が落ち着かないことに参ってしまいました。また生理前の、子どもへの怒り方が尋常ではなかったことから、PMSを疑うようになりました。低用量ピルから市販薬へ切り替えてPMSかを確かめたくて、ホルモン値を計ってほしいと婦人科を受診しました。現状を説明すると、ホルモン検査はしてもらえなかったのですがPMSの症状だと言われ、低用量ピルを処方されました。漢方も説明されすすめられましたが、即効性が欲しかったのでピルを選択。だんだん調子も回復していき、飲んでよかったなと心から思いました。でも、1つ気がかりなのは、血栓ができる可能性があるというピルの副作用でした。数カ月ごとに血液検査を受けなければならないのも面倒になってきて、飲み始めて1年後ピルをやめ、PMS治療の市販薬「プレフェミン」と「命の母」を飲み始めることにしました。ピルは毎日飲みますが、市販薬は自分がモヤモヤを感じ始めたときから、生理が始まるまでの間だけ飲みました。飲むことで、今の時期はPMSだからしょうがないねと自分を客観視できて、心を落ち着かせてくれるお守りのようでした。漢方薬でストレスが軽減!食事も見直し44歳になっても、毎月の症状に合わせ薬の量を調節しつつも、市販薬「プレフェミン」や「命の母」を毎月の生理前に飲んでいました。穏やかな性格の自分が、怒りの感情でいっぱいになるのに耐えられなかったからです。しかし、これらの薬を飲むようになってすでに7年が経過。このまま飲み続けて良いのだろうかと悩むようになりました。以前ほど子どもに手がかからなくなり余裕ができたため、もう1度自分の体に向き合おうと、45歳でPMS治療に特化した婦人科を受診。ホルモン値(プロゲステロン8ng/mL)から、PMSと診断され、漢方薬の「柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)」を処方されました。漢方薬は、最初は1日に3回飲みましたが、調子が良ければ1回に減らすことができるので薬を飲むストレスが減りました。実際に、今日は飲まなくても大丈夫だなと実感できたのには、びっくりしました。そのころ、書店で目にした『マンガでわかるココロの不調回復食べてうつぬけ』(主婦の友社/奥平智之著)を読んでからは、貧血がメンタルヘルスに関わっているということを知りました。そこで、若いころからの貧血を改善しようと鉄剤も処方してもらい、甘い物を減らして、マグネシウムや野菜スープ、たんぱく質などを増やすように自分の食事を整えていきました。まとめPMSと付き合い始めて約8年、漢方薬の服用と自分が満足できる栄養を体に与えることで、ようやくしんどい思いから卒業できそうな気がしています。家族を優先にして生活していたなかで不快な症状の改善を諦めず、自分の心や感覚を無視せずに向き合い、つらければつらいなりに病院に相談し薬を飲んだことで、最終的には自分に合う解決策が見つかったと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)【駒形先生からのアドバイス】柴胡加竜骨牡蛎湯は胃もたれをする人がいますので、内服の際はきちんと診察を受けてください。
2021年03月13日私は28歳での出産を機に少しずつ肩凝りを感じるようになりました。それまで肩凝りなどまったく関係のない人生でしたが、出産したころから時々肩に不快感を感じるようになり、年齢とともにだんだん本格的な肩凝りになってしまったのです。何をやってもなかなか改善することなくひどくなる一方だったのが、ドラックストアで薬剤師さんからもらったアドバイスによって、長年の肩凝りに終止符を打つことができたという体験談です。出産を機に肩凝りの不快感を知る私は妊娠するまで、運動不足になりがちな主婦向けにエアロビクスを用いた健康体操のトレーナーをしていたこともあり肩凝りとは無縁でした。そのため、レッスンに来る生徒さんたちの肩凝りの悩みを聞いても、実のところそのつらさを理解することはできませんでした。そんな私がなぜ産後間もなく肩凝りを感じるようになったのかは今でもわかりませんが、はじめのころは肩が突っ張るような症状だったので、レッスンでも取り入れていた肩周辺の筋肉をほぐす体操をすれば治るだろうと軽く考えていました。それに朝になるとその症状も消えていたので、特に悩みというほどのことではありませんでした。しかし、40歳になるころからは本当につらい肩凝りに襲われるようになったのです。肩に違和感を覚えるようになった出産後から、肩周辺の筋肉をほぐすなど血行を良くするような体操は自分なりにしていましたし、重労働など肩凝りを引き起こすような作業をした覚えもなく、なぜ肩凝りがひどくなったのかはわかりませんでした。肩凝り改善のために努力はしたけれど…40代に入るとひどい肩凝りが3日に1度ぐらい感じるようになりました。夕方になると肩がグーンと重くなり、力が入らなくなったり頭痛を伴ったりすることも。自分としては肩凝りに効く体操やストレッチを毎日おこなうようにしていましたが、だんだんそれだけでは解決できないのだと考えるようになり、ほかにも良いと言われることをいろいろ試してみました。人気の高い肩凝り用磁気ネックレスも試しましたが、私には特に肩凝りが緩和することもないまま、お守りのように肌身離さず毎日着けているだけという状態に。ほかにも小さな電気あんまのようなものも購入してみましたが、私には特に効果は感じられず……。また、肩凝りに良さそうな高価な枕も買いましたが、これといって症状が軽くなることはありませんでした。そんななかでも友人のすすめで首の周りをエアーでキュッと締め付けては緩めるといったストレッチ器具は、症状が出ているときに使用すると気持ち良く少しラクになるようにも感じましたが、やはり大きな変化はありませんでした。このように、どれも私にとってはっきり変化を感じられるものではなかったのです。最後に頼った漢方薬で肩凝りを克服私は子どものころから病院が苦手だったので、自力で肩凝りを改善する方法がないかとあがいていましたが、何を試してもなかなか改善されないため、もう病院に行くしかないと覚悟していました。そんなときに立ち寄ったドラッグストアで相談したところ、漢方薬を試してみてはどうかと薬剤師さんにすすめられたのです。症状のほかに血圧は正常か、冷え性ではないか、運動はしているか、夜はよく眠れているか、妊娠していないか、胃腸は丈夫かなどいろいろ聞かれました。私の場合、強いて言えば胃腸があまり強い方ではなかったのでそのことを伝えたところ、薬剤師さんからすすめられたのは「桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)」でした。桂枝加葛根湯は筋肉のこわばりを取り、痛みを和らげる効能があるという説明をしてもらいました。もし2~3カ月飲んでまったく変化を感じられないときは、ほかの漢方薬に変えたほうが良いかも知れないと言われましたが、3カ月ほど1日3回食前に飲み続けると肩凝りを感じる頻度が確実に減ってきたと自覚できるようになりました。また、肩凝りに伴う頭痛も減ったため、その後1年近く飲み続けたのです。現在は漢方薬を飲まなくてもひどい肩凝りに襲われることはほとんどなくなり、月に1回ぐらい軽い肩凝りを感じることがあっても翌日には治ってしまう程度なので特に気になっていません。まとめ私の場合は、薬剤師さんが選んでくれた漢方薬で長年の悩みだった肩凝りを克服することができてとてもラッキーでした。薬剤師さんによると、その人に合った漢方薬が見つからないと結果が思ったように出ず、あきらめてしまう人もいるとのこと。自分が肩凝りの苦しさを知らないときには、肩周りの体操をするなど血行を良い状態にすれば改善できると思い込んでいましたが、漢方薬を選んでもらったときに肩凝りの原因は人それぞれだということを知りました。そのため、ただ運動をすれば治るといった安易なことではなかったのだと、自分が肩凝りになってみて実感することができました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年10月01日かわいがっていた猫の突然の死は本当に悲しいできごとでした。それから1年近くたっても落ち込みが続き、イライラすることも増えていったのです。年齢的なことも考えると、これは単なるペットロスではなく更年期の影響もあるかも知れないと思うようになりました。そんな状態を乗り越える過程で経験した失敗や、最終的に漢方薬で乗り越えることができた体験を紹介します。落ち込みはペットロスだけではなかったはっきりいつからという境目はわかりませんが、「あれ? あれからずっとイライラしているなあ」と感じたのは46歳の秋ごろです。前年の秋に15年間家族の一員だった猫が急死したことから落ち込みが続くようになっていました。いわゆるペットロスだと思っていましたが、1年近くたっても落ち込みが続き、イライラすることも増えてきたのです。年齢的に見ても、これは更年期と関係があるのではないかと考えるようになり、ネットで調べてみると更年期には家族の死やペットロスがきっかけで、うつ状態になるケースもあるということを知りました。たしかにペットの死に対してだけでなく、いろいろなことに対して思考が後ろ向きになり、何かしているときでも急に気分が落ち込むことが増えてきたのです。そんな状態がとてもつらく、これが更年期の影響ならなんとかじょうずに乗り越えなければと思うようになりました。失敗からたどり着いた漢方薬更年期の影響で落ち込みが続いているならなんとか自分の力でしっかり乗り越えようと考えた結果、落ち込みを解決する方法をいろいろネットで検索していたときにスピリチュアルカウンセリングというものを知りました。そして、もしかすると後ろ向きになりやすいマインドが前向きになるのではないかと思い、早速受けてみることにしたのです。しかし、実際にカウンセリングを受けてみると、私にとっては雲をつかむような内容が理解できず、期待したほど私の心の安定にはつながらなかったのです。結局私にはあまり合わないと感じ、それ以上のカウンセリングは続けませんでした。その代わりに、小さいころから風邪のときに飲むなど慣れ親しんでいた漢方薬を飲んでみることにました。そこで今の状態に合う漢方薬はないかとドラッグストアの薬剤師さんに相談したところ、すすめてもらったのが「加味逍遥散(カミショウヨウサン)」という漢方薬でした。漢方薬を飲むことで心が安定してきた薬剤師さんにすすめられた「加味逍遥散」を飲み始めましたが、漢方薬のほとんどは速効性は期待できないと聞いていたので、大きな変化をすぐに期待していたわけではありません。しかし、以前はただペットを失って「悲しい」「むなしい」「イライラする」という状態でしたが、漢方薬を1カ月程飲み続けると気持ちが少し落ち着いてきました。漢方薬の効果もありますが、「小さいころから慣れ親しんでいる漢方薬を飲んでいるから大丈夫!」という気持ちになれたことが大きかったように思います。それからは徐々に落ち込みやイライラが軽くなっていきました。今では以前のようなイライラが少なくなり、自分自身が苦しむほどのもやもやもなく日々を過ごせています。まとめ大きな悲しみを抱えてしまうと、なかなか立ち直れないものなのだということを痛感しましたが、ペットロスだけでなく更年期の影響もあったと思います。私の場合は信頼できる漢方薬を飲むことで「これできっと治る」という思いを持てたことと漢方薬の効果が私の心を安定させてくれたようです。更年期の影響も含め、落ち込みの原因を自分なりに納得できたことで前向きな思いになることがもできたのもよかったと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年09月01日世界中医薬学会連合会認定・国際中医専門員のセミナー7月27日、大阪市中央区城見のツイン21MIDタワーにあるOBPアカデミアにおいて、セミナー「現役薬剤師直伝!漢方薬100%活用セミナー 【婦人科トラブル対策編】」が開催される。このセミナーは婦人科トラブルがある人、漢方に興味がある人、漢方を勉強したい人が対象で、受講料は一般価格が3,000円(税込)で、アカデミア・ライブラリー・ナイトプランの場合は2,100円(税込)となっている。講師は祥漢堂薬局に勤務する管理薬剤師で、世界中医薬学会連合会認定の国際中医専門員である田中和宏氏である。日常での漢方薬や漢方素材の活用にホルモンバランスが関わっているとされる生理痛、生理不順、生理前後の不調。しかし、これらの婦人科トラブルはホルモンバランスだけで説明することは難しい。女性は血の巡りが悪くなることで、これらの症状が起きやすく、頭痛、肩こり、精神面の不安など様々な症状も出るという。このセミナーでは、婦人科トラブルに使われることが多い漢方薬について、初心者にもわかりやすく解説。市販されている漢方薬が紹介されるため活用しやすい。試飲する時間も設けられ、自身の体質を知り、体感できるセミナーとなっている。日時: 7月27日(月) 19:00~20:30場所: OBPアカデミア大阪府大阪市中央区城見2-1-61ツイン21 MIDタワー9階費用: 一般価格 3,000円(税込)アカデミア・ライブラリー・ナイトプラン 2,100円(税込)定員: 10名(OBPアカデミアのサイトより引用)(画像はOBPアカデミアのサイトより)【参考】※現役薬剤師直伝!漢方薬100%活用セミナー 【婦人科トラブル対策編】 現役薬剤師が漢方初心者でもわかりやすく効果を解説。自身の体質を知り、婦人科トラブルを解決しましょう。 - OBPアカデミア 講座・セミナー・交流会
2020年07月17日「肌の調子が悪い……」「なんとなくだるい……」「生理不順が続く……」女性の身体に起こりがちな不調を改善するのに効果的とされる漢方。病院や漢方薬局などで処方してもらう薬である漢方ですが、実際に処方してもらうとなると、どんなふうにカウンセリングなどをしてもらえるのかわからない……という方は多いですよね。漢方薬局ではどんなことを聞かれるの?漢方ってどれぐらい飲めばいいの?漢方薬局にまつわる疑問を解決します!漢方薬局ってどんなところ?出典:byBirth漢方薬局は、読んで字の通り漢方を処方してくれる薬局。漢方専門の薬剤師がカウンセリングなどでじっくりと患者さんの話を聞き、悩みや体質に合った薬を処方してくれます。問診や舌の状態などを薬剤師が診て、患者さん本人に合わせた漢方を丁寧に探してくれるのが漢方薬局の特徴。「漢方を試してみたいけれど、なにから試していいのかわからない……」という方は、まず漢方薬局に足を踏み入れてみることをおすすめします。漢方薬局でのカウンセリングの主な流れ出典:byBirth漢方薬局の薬剤師さんは、まず患者さんから「カウンセリング」として丁寧に身体の不調や健康状態を聞き出していきます。時間は大体60分~90分程。カウンセリングから漢方の選定まで含めても、それほど時間はかかりません。予約をしていけばよりスムーズに話を聞いてもらえるかと思いますが、予約なしでもカウンセリングを受けることはできます。カウンセリングや舌の状態を診る「舌診」のほか、血圧などを図ったりすることもあります。血流の具合などを測ったりもするので、ちょっぴり緊張するかも。総合的なカウンセリングを行うことで、患者さんそれぞれにピッタリの漢方薬を選ぶことができます。もちろん、普段飲んでいる薬やサプリメントなどとの飲み合わせも確認してもらいましょう。身体的な悩みだけでなく、精神的な悩みやライフスタイルなどについても丁寧に話を聞いてもらえるので、安心して身を委ねることができます。薬剤師さんとのお話をまずじっくりと楽しんで、日頃の悩みや不安を解消していくことが、漢方を生活の中で活用する第一歩になるのです。漢方を試してみる前に!知っておきたい基礎知識漢方の価格帯出典:byBirth日頃風邪をひいた時などに処方してもらう処方薬と異なり、漢方は日頃服用する機会が少ないので、その価格が気になりますよね。漢方薬には、薬の種類によって金額の差があります。粉の場合はだいたい300~700円程度。予算が決まっている場合は、前もって薬剤師さんに伝えておくようにしましょう。きちんと考慮して漢方を処方してくれます。漢方薬は保険対象外になります。ですが、場合によっては医療費控除の対象にも。申請を行えば控除が受けられる場合があるので、領収書はとっておきましょう。どれぐらい飲み続けたらいい?出典:byBirth薬を試す時に気になるのが、どれぐらい飲み続ければ効果が表れるか。漢方の場合、即効性よりもじんわりと身体に優しく効いてくるイメージが強いため、余計にどれぐらい飲み続ければいいかわからない……という人は少なくないよう。ですが実は、漢方にも色々な種類があり、優しい効き目のものもあれば、即効性の高いものもあるのです。平均的に考えると、薬を飲み始めてから10日から2週間くらいで体調が整ってくるという場合が多いそう。ですので、初めて漢方を処方してもらう際には、とりあえず2週間分程度を処方してもらうのがおすすめです。初心者さんにおすすめなのは?出典:byBirthコツさえつかめば意外と毎日飲みやすい漢方ですが、やっぱり初心者さんには飲みにくいと感じることもありますよね。苦い粉薬が苦手な方におすすめなのは、煎じて飲む漢方茶です。最近はティーバッグでマイボトルなどでも作れるものも多く取り揃えられていて、1日分あたり400円~800円程度で値段もリーズナブル。ハーブティーなどと同じように香りも豊かで飲みやすく、種類も色々あるので選ぶのも楽しいですよ。お仕事や家事の合間のティーブレイクに、漢方茶をチョイスしてみるのも素敵ですね。漢方薬局に行ってみようなにかと不調に見舞われやすい女性のライフスタイルを支えるツールとして、漢方はとても頼れる存在です。一般的に病院で処方されるような薬とは少し違うので、とっつきにくいイメージもあるかもしれませんが、少しお勉強さえすれば、日本人の身体にとても優しい薬として働いてくれます。心身の不調があっても病院に行くほどではない場合、誰かに相談するのもおっくうでそのままにしてしまう、なんてことも少なくないですよね。そんな時にも、漢方薬局の薬剤師さんに話を聞いてもらうだけで、気分が軽くなることもあります。最近は漢方薬局に薬膳料理のレストランが併設されているお店や、漢方について学べるセミナーなどを開催しているお店もありますので、漢方に興味がある方はまず漢方薬局に足を踏み入れてみることをおすすめします。まずは試しやすい漢方茶からでも大丈夫。毎日の生活に気軽に漢方を取り入れてみましょう。
2019年04月28日「美容漢方薬局SINSEIDO」株式会社新成堂ホールディングスが運営では、独自の『LHJメソッド』を指導する人気のバストアップセミナーを開催する。講師は、リンパケアトレーナーとしても実績をもつ木村有泉氏。同薬局の代表だ。セミナーでは、1日15分ほどのセルフケアをするだけでバストアップが可能な『LHJ(エルエイチジェイ)メソッド』を指導する。『LHJメソッド』の仕組み『LHJメソッド』では、筋肉や筋膜を緩めることによって、細胞間液の循環と、筋膜の癒着の改善を促す。これにより、新陳代謝がよくなり、痩せやすい体質へと改善。筋トレの効果も増すという。実際のケアは、腕をゆすったり、バストをなでたりするだけで、難しいものではない。セミナーでは、『LHJメソッド』のレッスンに加え、リンパケアや腹膜リリースに関する勉強会もおこなわれる予定だ。セミナー概要日時: 2017年2月28日(火)11:00~15:00会場: 美容漢方薬局SINSEIDO参加費: 16,200円(税込み)(プレスリリースより抜粋)セミナーの予約、問い合わせはLHJメソッドのホームページにておこなう。講師の木村氏はメソッドの効果を体現。57歳の現在、バスト84cm、ウエスト58cm、ヒップ86cmという脅威のプロポーションを維持している。(画像はプレスリリースより)【参考】※1日15分のセルフケアでバストUPに期待/腕をゆるゆる揺すったり、バストを撫でるだけの簡単メソッド/渋谷の「美容漢方薬局SINSEIDO」で開催の人気セミナー『LHJメソッド』
2017年02月10日「漢方薬は副作用がないから安心」「授乳中で薬は飲めないけど、葛根湯(かっこんとう)なら大丈夫」といった声を聞くことがあります。しかし、漢方薬も薬である以上、まったく副作用がないわけではないのだとか。薬局で買って飲む前に知っておきたい基礎知識を紹介します。■漢方=中国の医学じゃない!?漢方の歴史は古代中国で始まりましたが、5~6世紀頃に日本に伝わり、以来、独自の発展を遂げてきたと言われています。漢方は中国の医学ととらえている人も多いようですが、中国医学をもとにした日本独自の医学なのです。ちなみに、漢方という呼び名は、西洋医学の「蘭学」と区別するためにつけられのだそう。漢方薬は、植物や動物などの自然素材を原料にした複数の生薬(しょうやく)を組み合わせてつくられたもの。化学合成された成分が主体の西洋薬に比べて、一般的に作用が穏やかなものが多く、体にもやさしいと言われています。 ■体質に合わないと、副作用が出ることもただし、漢方薬にも副作用がないわけではありません。ひとりひとりの個人差を重視するのが漢方の考え方ですが、個人の体質や病気の状態に合わない使い方をすると、副作用が起こることもあると言われています。たとえば、一般的によく知られている漢方薬に、葛根湯があります。葛根湯には、免疫力を高め、発熱や炎症を和らげる作用があると言われていますが、胃腸が弱い人が飲むと、胃の調子が悪くなる場合もあるそう。漢方薬による主な副作用には、このほか、吐き気、下痢、発疹、じんましん、動悸などがあります。副作用は少ないか、出たとしても軽い症状であることがほとんどですが、漢方薬の一部には、重篤な副作用が出るものもあるようです。したがって、市販薬を含め、漢方薬を使うときは、薬剤師や医師に相談した上で服用するのが安心。また、漢方薬を服用して、体に異常や不快な症状があらわれたときは、すぐに医師の診察を受けましょう。■漢方は、女性特有の不調や慢性疾患に向いている漢方薬は、冷え性や肩こり、生理前の不快な症状(PMS)、生理痛、更年期症状など、病院に行くほどではないけれど、なんとなく不調という場合に、特に向いているとされています。また、赤ちゃんや母乳に影響を与える心配が少ないことから、妊娠中の便秘や、授乳中に起こる乳腺炎の治療に漢方薬が使われることも多いようです。生理や妊娠・出産の影響で不調を感じやすい女性やママにとって、漢方薬は強い味方になってくれそうですね。ただし、妊娠中や授乳中に飲んではいけない漢方薬もあるので、必ず薬剤師や医師に相談した上で服用するようにしましょう。ポピュラーな漢方薬は一般のドラッグストアでも市販されていますが、漢方専門の薬剤師がいる薬局に行くと、ひとりひとりの体質に合った漢方薬を調合してもらえます。また、漢方に詳しい医師が、西洋医学と漢方医学の双方の観点から診察した上で、漢方薬を積極的に処方してくれる病院も。健康管理に漢方を取り入れてみたい人は、最寄りの漢方専門の薬局や医療施設を探してみてはいかがでしょうか。
2016年06月05日