生理が不順になり、そろそろ更年期だなと思ってくると、いろいろな症状を「更年期だから」と思うことに慣れてしまっていました。そのため不眠、下痢、1回当たりの尿量がたらっと出るぐらいでトイレが近いなど、あとから思えば更年期以外の理由も考えられる症状を見逃してしまいました。そしてある日、急性心不全と診断されてしまったのです。「更年期だから」と症状を見逃していて…育児と介護で自分のことを考える時間がない結婚と同時に、ほぼ寝た切りの義母の介護が始まりました。介護は覚悟していましたが、41歳という年齢的に子どもはできないと思っていたのに突然の妊娠。ありがたいことですが、人生設計の立て直しを余儀なくされました。義母の介護をしながら仕事に行っていたら切迫流産になり、安静が必要になりました。その後、無事出産。仕事は出産のタイミングで退職したものの、40代での育児は大変でした。出産して4、5年たったころから、ひとり暮らしをしていた足の悪い実母に認知症の症状が現れて実母の介護も加わり、自分のことなど考える暇がありませんでした。更年期症状と思っていたら急性心不全だった50歳で閉経を迎え、不眠、下痢、トイレが近いなどの症状が見られるようになりました。子どものことや義母と実母のことなど自分以外の人に対しては、目配り気配りするけれども、自分の症状は全部更年期のせいだと自分を納得させていました。しかし、ちょっと動くと下痢しやすく、横になっていることが多くなり、咳をしていることが気になった夫がこのままじゃいけないと近所の病院に連れて行ってくれました。自分では気付かなかったのですが、不整脈の1つである心房細動が見られ、血圧が測れない状態に。酸素マスクをして、近所の病院から救急車で救急病院へ搬送され、急性心不全との診断がおりました。命に関わる経験をして思ったことその後入院して、カテーテルという細長い器具を心臓内に挿入する検査をおこない、心房細動を引き起こす部分を高周波電流で焼き切るアブレーションという治療をするなど、合計で25日間入院しました。突然命に関わる状態になったことで、驚きのあまり現実なんだろうかと思いましたが、これまでに思い当たる症状がいくつもありました。医師によると横になって眠れないのは、心臓のポンプ機能がうまく働かないと肺の中に水がたまってしまい、溺れているのと同じ状態になるためで、咳もそのせいだったそうです。下痢も心臓のポンプ作用がうまく働かず腸に水がたまったからで、尿量が少ないのも腎臓にうまく血液が運ばれていないからとのこと。全部更年期のせいだと思い込んでいた自分が今思うと怖いです。退院後は、安静にする時間を設けたりして無理をしないように過ごし、通院をして内服薬と定期的な検査のおかげで、3年後にはパートですが仕事に行くことができました。まとめ私は更年期だからと自分の不調に気付かない振りをしていました。その中に大きな病気が隠れているかもしれないと思いながら、こういう状態になるまで放置してしまいました。もし病院に行くのが何日か遅ければ、今この世に存在していない可能性もあります。安易に更年期だからと思わず、定期健診をしっかり受けて自分自身の体と付き合っていこうと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。マンガ/あさり著者/ほのぼの(55歳)41歳のときに初産。見た目若い格好しているつもりだけど子どもといるとおばあさんに間違えられる。50才で閉経。義母と実母の介護を経験。看護師やケアマネのは資格あるものの今後10年のことを考え国家資格をもう一つ取得しようと思ってた矢先に入院。人生100年と思い模索中。
2022年06月18日女性の更年期は閉経を挟んだ前後5年、合計10年間といわれています。最後の生理から約1年半経過した私は、閉経という折り返し地点を通過し、やっと更年期のゴールが見えてきたところでしょうか。体調の揺らぎに身を任せるしかなかった40代後半から、少しラクになってきた閉経後の現在まで、更年期症状の変化をリアルにお伝えします。まずは更年期を認めるところから始まった47〜48歳のころにピークを迎えた体の不調。肌が乾燥してかゆい、指や肘の関節が痛い、めまいがする…… 。それまで経験したことのない症状が表れましたが、「更年期=ホットフラッシュ」という浅い知識しかなかった私には、更年期外来を受診するという発想がまったくありませんでした。症状に合わせて皮膚科や整形外科、耳鼻科を渡り歩く日々。しかし、とうとう整形外科の医師にこう宣告されました。「更年期の女性に多い症状だね」。衝撃でした。「まさか。生理は順調に来ているし、ホットフラッシュとかないし、逆に最近は冷えて困るくらいだし」と、思わず心の声が出そうになりましたが、会計を待つ間に検索してみると、なんと冷えも更年期の症状に入っているではありませんか! そういえば私、もともと冷え性というわけではなかった…… 。その後も、夜中に何度も目が覚める、集中力が続かない、夫や中学生の長男にイライラする! といった症状に悩まされ、検索するたびにヒットするのは「更年期障害」というワード。いやむしろ、それしか出てこない! ついに私は、自分は更年期なのだと認めざるを得ませんでした。中途覚醒と集中力低下に悩まされる自分はまだまだ若いという根拠のない自信を見事に打ち砕かれた私。体の不調は更年期障害によるものなのだと渋々認めてからは、症状に合わせて無理をしない生活を心がけました。一番つらかったのは、夜中に何度も目が覚める症状です。調べてみると更年期によくある「中途覚醒」でした。睡眠不足で日中は集中力が続かず、仕事が一向に進みません。やっとの思いで1日を終えても、夕食後には電池切れで寝落ち。家族に起こされてお風呂に入れば、すっかり目が覚めて寝付けなくなってしまう…… という絶望的な負のループ。でも、市販の睡眠改善薬やサプリメントにはなんとなく抵抗があり、何も対策をしないまま日々は過ぎました。一方、典型的な更年期症状といわれるホットフラッシュやのぼせはまったくないのです。夏に友人とバス旅行に出かけたとき、私は冷房が寒くて頭痛がするくらいなのに、友人は扇子やタオルを持ち歩いて汗と格闘している。人によってこうも症状が違うのだなと不思議でなりませんでした。閉経後は少しずつ症状がラクに一体いつこの症状から解放されるのだろう? そんな不安を感じながら50代を迎えると、順調だった生理周期が突如乱れ始めました。24日、21日と短くなってきたと思ったら、翌年は一転して2カ月、3カ月と間が空くように。胸の張りや腰痛といったPMS(月経前症候群)があるのに、なかなか生理が始まらないのです。やっと始まってみれば経血量が多く痛みも。つらい状態は1年ほど続きました。その後、徐々に経血量は減っていき、普通の生理より少ない量になってから3回ほどでパタリと止まりました。「1年間生理が来なければ閉経」と定義されていることから、最後の生理(52歳6カ月)から1年が経過した時点で、私は閉経したと判断しました。約40年間付き合ってきた生理ですが、閉経に寂しさはまったくありませんでした。とりあえず更年期の折り返し地点までは来た、あと5年もすればきっとラクになる! と、ゴールに近付いたうれしさのほうが大きかったのです。年齢を重ねるとともに女性ホルモンの低下に体が慣れ、更年期症状が緩和されるそうですが、精神的に安心したこともよかったのでしょう。だんだんと夜は眠れるようになり、疲れやイライラも軽減。また、友人から関節痛に効くとすすめられたエクオール成分のサプリメントを飲み始めたところ、指や肘の痛みもラクになってきたのです。まとめ体調不良に悩まされた40代をなんとか乗り越え、閉経を迎えて以降、更年期障害が少しずつラクになりました。女性ホルモンの低下に体が慣れたこともありますが、ゴールの見えない不安から解放されたことが大きかったと思います。中途覚醒や夕食後の寝落ちが減り、集中力の低下やイライラはほぼ消失。関節痛もエクオール成分のサプリメントを飲み始めてからラクになりました。閉経から5年程度で更年期が終了するならば、私は58歳で卒業という計算になります。もうすぐ54歳の誕生日。あと数年で解放されるのでしょうか? 早くラクになりたい! でも焦りは禁物。引き続き無理をせず、自分をいたわる生活を続けようと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。イラスト/塩り著者/みやび(53歳)大学生と高校生の男子2人の母。夫の自営業を手伝いながらマイペースにライター活動中。息子の野球に全集中した12年間が終わり、燃え尽きたあとにやってきたのは更年期と介護だった……。趣味のヨガで体を整え、すべてを乗り切る所存!
2022年06月10日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第41話。服が好きで、若いころから買い物をしまくっていたやましたさん。ファッションが好きゆえに、ファッション迷子を実感する時期も早かったようで……。★関連記事:「自分が怖い…」まさかのクソダサな姿で都会に出てきてしまったアラフィフの本心 #脱力系ゆる更年期日記 40ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。30代のころ、何とな〜く手持ちの服が似合わないような気持ちになる現象が始まりました。20代のときに着ていた若々しいタイプの服は、どうも若作りをしているみたいで、鏡の前で服装チェックをしてみると「何か違くない?」と思ってしまうのです。私は服が好きだったので、独身のころは毎週末のように、彼氏(現在の夫)と梅田に自転車で繰り出し、給料のほとんどを家賃と服に使っていました。おかげでクローゼットはパンパンだったのですが、それにも関わらず、ど〜も毎日着る服がないのです。アレも違う、コレも違う……。昨日まで普通に着ていた服が何だか似合わない!もうすぐ50歳になる私としてはピチピッチ?の30代で、「ファッション迷子」だったなんて片腹痛いわい!と思ってしまいますが、もし70歳の先輩から見たら、今の私は「50歳なんてまだまだ若い。何言うとんねん!」なのかもしれません。最近まで「ファッション迷子」という言葉すら知らなかった私ですが、今思えば、あのときが私の「ファッション迷子デビュー」だったのではないかと思います。著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年06月09日幼いころのゆいの様子を思い返してUpload By 吉田いらこ幼いころのゆいは素直で大人しく、いわゆる育てやすい子でした。就学前までは子育てで特に大きな苦労を感じたことはありません。ただ、ゆいは勉強の苦手な子ではありました。年中のころから幼児向けのコースもある学習塾に通わせていたのですが、小学校1年生のころに本人がどうしても辞めたいというので退会させたことがあります。続けていけなくなったのは、ちょうどそのころから塾の勉強の内容が幼児向けの簡単なものからお勉強系に切り替わったからだと思います。この塾のシステムは、できない問題があればずっと同じところを繰り返し、理解し、解けるまで次に進むことはできません。ゆいは算数のある一ヶ所でつまずき、ずっとその問題を繰り返し解くことがつらかったようです。このときは辞めさせることをとても悩みました。勉強を嫌がるのは甘えではないのか、それを許していいのか…と。結局、ゆいがとてもつらそうにしているのがかわいそうになって辞めさせてしまいました。それに、まだ低学年だし勉強は無理にさせなくてもいいやとも思っていたのです。今思えば、このころに軽度知的障害の予兆に気づいていればできたこともあっただろうなと感じます。小学校三年生、テストの点数はいつも低く…Upload By 吉田いらこ小学3年生あたりから「この子は勉強が本当に苦手だなあ」と感じることが増えました。小学校で実施される小テストやカラープリントの点数がとても低かったのです。ゆいはいつも点数の低いテストを申し訳なさそうに私に見せてくるので、私は「次頑張ったらいいよ」「ほら、ここは○が多いじゃない」と数少ない、できていたところに目を向けてほめるようにしていました。内心では「この内容だったら、ほかの子は高得点を取っているのでは…?」と思いましたが、成績が悪いことをわが子に注意するのはかなり抵抗がありました。さらに勉強を嫌いになってしまうかもしれないと思い怖かったのです。きっといつか、勉強の大切さがわかったときには自主的に始めるだろう…と楽観視していました。かといって、ゆいに勉強に興味を持たせられるような効果のある声かけもしていなかったので申し訳なく思っています。小学校4年生のある日のことUpload By 吉田いらこそして何も解決しないまま小学四年生になったある日、担任の先生から呼び出しがありました。教室に入ると担任の先生と支援担当の先生がいて、ゆいの学校での状況を教えてくれました。ゆいは勉強についていくのがとても難しそうだということ。必死で板書を書き写そうとしているが間に合わず、授業を理解する以前の状態だということ。そして最後に、一度専門機関で発達の検査をしてみてはと言われました。そのときは「ああ、とうとうか…」と感じました。なんとなくそのままにしてきたことをはっきり指摘されたような気がしました。現在のゆいは…その後小学校5年生で新版K式発達検査を受けた結果、療育手帳(B2)が申請できると伝えられました。つまり、軽度知的障害があるということです。ゆいの場合は、学年が上がって勉強につまずき始めたことがきっかけで障害があることが発覚しました。ただ、こうやって第三者に指摘されない限り、家族だけではなんとなくそのままにしていただろうと考えています。学校の先生方に指摘された当時はショックを受けましたが、そのおかげでいろいろな対応を進めることができたので今では感謝しています。執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)「子どもに知的障害があるかもしれない」という発想は、普通に子育てをしていてはなかなか浮かんでこないものです。ただ一方で、気づかずに一般的な勉強方法を繰り返していては、本人にとってつらいだけのこともあります。特性に気づいて最適な方法に出会えると、少しずつ前に進めて良いですね。
2022年06月03日新しい医学研究で、ザクロ、ターメリック、緑茶、ブロッコリーを含むポリフェノールサプリメント「Pomi-T(R)」が、がんサバイバーや更年期障害患者のホットフラッシュ、関節炎、気分の落ち込みを和らげるのに役立つ可能性があることがわかりました。ポリフェノールサプリメント「Pomi-T(R)」この研究はケンブリッジ大学病院、ロンドン大学の臨床医、統計学者が協力し、日本の女性のがん支援グループのボランティアによって主導されました。原著: Journal of Nursing and Women's Health 和文: 乳がんやその他がん治療を受けた女性にとって、周閉経期および閉経後の症状は特に重く、意欲の低下、運動やホルモン療法に影響を与えるような気分のむら、ホットフラッシュ、関節痛を伴うことが知られています。いくつかの研究では、ポリフェノールの豊富な食事が気分や関節炎に役立つことが示されていますが、ホットフラッシュへの影響はあまり明確にされていませんでした。このパイロット研究に先立ち、医学研究チームは自然食品栄養サプリメントを前立腺癌の男性に試したところ、関節や気分の不快感に役立つことを明らかにしました。サプリメントには、ホルモン治療に作用する可能性のある植物エストロゲンポリフェノールは含まれていません。日本の女性のがん支援グループのボランティアが2か月間サプリメントを摂取したところ、79%が肯定的なコメントを報告し、15%が気分の大幅な改善を、13%が関節炎の減少を、13%がホットフラッシュ症状の減少を報告しました。■ボランティア コメント1関節の痛みも朝起床時、日中、椅子からの立ち上がり等も軽くなったのを感じています。ホットフラッシュの症状が軽くなり、回数が減ってきたのを感じました。■ボランティア コメント2朝の手指のこわばりがほとんど気にならない。ひざ関節の痛みがひどく、朝階段を降りるのが大変だったが、今はひざの痛みはほとんどなく楽になった。花粉症が薬を1回も飲まずに乗り越えられた。なんとなく心も体も軽くなったような気がする。ケンブリッジ大学病院の研究筆頭著者は、このパイロット研究は、はるかに大規模な臨床試験を進めるのに十分な奨励と正当化を提供したと述べています。さしあたり、ポリフェノールが豊富な食品の摂取量を増やすことは、これらの厄介な症状を持つ人々にとって実用的であり安全で自然な選択肢であると考えられます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月23日夫は私と同い年の48歳。結婚20年を過ぎました。新型コロナで自粛生活が始まったころから、穏やかだった夫が毎日イライラするように。最初はストレスだろうと思っていたのですが、今も状態は変わらず……。それどころか短気が増している気がします。家事を一切しないくせに、私の家事に口出しをする夫が大変うっとうしいです。私がちょっと反論しようものなら夫は逆切れ。最初は驚き、身の危険すら覚えましたが、ある情報番組を見て以来、夫は男性更年期ではないかと疑うようになりました。夫が毎日イライラ、逆ギレも…穏やかで物腰の柔らかい夫がコロナ禍で豹変夫との出会いは大学時代。いつも穏やかで柔らかい物腰に惹かれました。義両親にとっては自慢の息子で、私の親や親戚筋にも評判は上々。私も、家事も育児もしない点には不満を持っていましたが、部屋が荒れていても、ごはんが作れず外食が続いても、何ひとつ文句を言わない点には助かっていました。そんな夫が、コロナ禍で初めて在宅勤務をすることになった日のことです。その日、夫は仕事用にパソコンを購入し、自室にこもってセッティンをグしていました。私が「お昼ごはんできたよ~」と呼ぶと、夫は足早にリビングにやって来たのですが……、「全然電源が入らない! 不良品だ!」といきなり怒鳴り、キーボードを床に投げつけたのです!私は恐怖を覚えました。「危ないじゃん! うまくいかないからって、八つ当たりしないでよ!」と言うと、夫は「うるさいんだよ!」と逆切れ。私もカチンときて「はぁ? うるさいのはそっちでしょうが! 床にキーボード投げつけるとかあり得ない。バカじゃないの?」と言い返すと、夫は「昼ごはんはいらない」と捨てゼリフを吐いて自室に戻りました。夫があそこまでぶち切れている姿を見たのは、そのときが初めてでした。イライラ夫が私をイライラさせる毎日それ以来、夫は毎日イライラ。初めはコロナ禍で家にこもりっきりだし慣れない在宅勤務でストレスがたまっているのかと思いました。でも、次第に夫が家事に口出しをするように。私はこだわりがあって鍋で米を炊いているのですが、突然夫が「まずいから炊飯器に変えたら?」と言うのです。「え? おいしいよ」と私が言うと、夫は「まずいって言っているんだよ!」とぶち切れ。うるさいなぁと思いながら「炊飯器を買ったら炊いてくれるの?」と言うと、「人にやらせようとするな!」と怒鳴りました。この炊飯器のやりとりは、コロナ禍の2年間で10回は繰り返しています。「汚い家」「じゃ、手伝ってよ」「人にやらせるな!」というやり取りは、100回……。確定申告の書類を作成する際、夫に「マイナンバーカードのパスワードは?」と聞いたときも「他人に教えるか!」と言うので、「じゃぁ、やって」と任せましたが、数時間後に「できた?」と夫の部屋へ行くと、「できない! システムが悪い!」と切れていました。「説明動画見た? 何も見ないでできるわけないよ」と言うと、「もうやらない! お前の言い方が気に入らない!」とまたも逆切れ。そのときは夫の認知症を疑いました。もしかして夫も更年期?セルフチェックの結果朝の情報番組で、男性更年期の特集を見ました。男性更年期障害(LOH症候群)とは、男性ホルモンと呼ばれる「テストステロン」が加齢とともに緩やかに減少することで、心身ともに不調が生じる状態だそうです。女性の更年期の場合は閉経後5年ほどで落ち着くと言われますが、男性更年期には終わりがないのだとか。男性更年期のわかりやすい特徴として、笑わなくなった、機嫌が悪い、イライラする、会話をしなくなった、おっくうがるようになった、太ったという症状はすべて夫に当てはまったので、夫は認知症じゃなくて男性更年期障害なのかも!と思いました。そこで「ちょっと40代以上の男性のアンケートに協力してほしいんだけど」と、男性更年期のセルフチェックをしてもらいました。結果は85点中29点。軽度の可能性ありでした。夫の回答を見ると、イライラするの項目は5段階中1番下の「なし」になっていました。私は目を疑い、うそでしょう?とびっくり仰天しました。まとめ夫のセルフチェックの結果を見て、自分のことはわからないものだということを改めて実感しました。夫の自覚を促すためには、私に逆切れしている会話を録音して聞かせるしかないのでしょう。子どもが独立して家を出るまではなんとかやり過ごしたいとは思っていますが、これ以上ひどくなったら逆上した夫に刺されそうで、私が無理です。男性更年期障害なら治療ができるようなので、一度夫を病院へ連れて行きたいと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。マンガ/しおみなおこ著者/しばこ(48歳)主婦ライター。更年期で不眠気味。毎日が不調。
2022年05月23日じつは男性にも更年期障害がある。対処せずに放置していると、心身の不調を招くうえ、うつ病などほかの病気を悪化させてしまうこともあるという。夫の健康と生命を守るために、あなたも男性更年期障害について知っておこうーー!「俳優の渡辺裕之さん、お笑い芸人の上島竜兵さんが立て続けに亡くなりました。10日、渡辺さんの密葬を終えた妻の原日出子さんが、所属事務所を通じてコメントを発表。渡辺さんが自律神経失調症と診断され、一時は薬を服用していたことや、心の病いで治療を始めていたことを明かされました」(芸能記者)充実したキャリアを築き、今も活躍している60代の男性芸能人の相次ぐ訃報。じつは50代から60代にかけての男性は、ホルモンバランスの変化から、心身に不調をきたしやすいのだという。マイシティクリニック院長で泌尿器科医の平澤精一さんはこう語る。「男性ホルモンは『社会性のホルモン』ともいわれ、人との接触が減ると減少し、『男性更年期障害』になってしまうことがあります。不眠やうつ傾向、強い倦怠感や男性機能の低下など、さまざまな症状がある。自律神経失調症を併発して互いに悪影響を及ぼし、症状がひどくなる場合もあります」男性ホルモンの量は20代をピークに、年齢を重ねるごとに徐々に減少していく。「日常生活のストレスもホルモン量に影響します。50代に多い中間管理職は、上や下からの締め付けが厳しく、仕事のストレスでホルモンが消耗されることもあります。じつは、男性ホルモンはコレステロールから作られます。この世代の男性には、健康診断の数値を気にして、肉を食べる機会を減らしている人も多い。特にアルコールの摂取量が多く、炭水化物ばかり食べている人は、男性ホルモンの値に注意が必要です」■男の“見え”がなくなると危険それでは、どのような症状が見られれば、要注意なのか。マオメディカルクリニック院長の植月俊介さんが教えてくれた。「男性ホルモンは、仕事などでライバルに打ち勝つ意欲を生み出したり、現実的な考えに基づき決断したりする気持ちを支えます。このホルモンが減少すれば、当然、仕事や趣味に対する意欲が薄れ、集中力の低下を招くことに。ホルモンのバランスが崩れるため、不安感やイライラ感など精神的症状が出るし、ひげも伸びにくくなり、筋肉量が減ってメタボ体形になるなど身体的な症状も出る。交感神経や副交感神経の切り替えができず、発汗やのぼせ、だるさや疲れやすさなど自律神経失調症の症状も、代表的です」直接の自殺企図などのきっかけになることは稀だが、うつ病を合併したり、男性更年期の治療を通じて、うつ病が発見されることも多いという。しかし、女性の更年期障害は広く知られているが、男性の更年期障害への認知度は低い。閉経という明確なきっかけがなく、個人差が多いため、見過ごされがちだ。極端なケースでは30代や、逆に60代以降に症状が出たりすることも。「仕事への意欲が低下しても、“疲れのため”とか“年のせい”と片づけてしまうことが多いんです。イライラしたり怒りっぽくなる症状も、自分では気づきにくいもの。妻が『お父さんの性格が変わったね』と気づき、夫の手を引いて来院されるケースも少なくありません。男性更年期障害の早期発見には“家族の目”も大切なのです」(前出・平澤さん)そこで、平澤さんの監修のもと、妻が注意すべき9つのサインをチェックリストにした。4つ以上引っかかったり、ほかに気になる点がある場合は、医師の診断を受けるように強く求めよう。【夫は更年期障害?「妻のためのチェックリスト」】□ がっしり体形だったのに、手足が細くなりビール腹になった□ 服装や髪形を気にしなくなった□ 眠れないのか、夜中に何回かトイレに行っている□ ゴルフなど、打ち込んでいた趣味に興味を示さなくなった□ ちょっとしたことで怒ったりイライラしたり、神経質になった□ 仕事へのやる気が低下しているようだ□ 仕事や将来に対する不安を口にするようになった□ 発汗が激しくなった□ ひげをそる頻度が減った。そっていない日も、ひげが気にならなくなった「クリニックを受診する場合は、女性の更年期障害には『婦人科』がありますが、日本には『男性科』がないので、泌尿器科が守備範囲となります。問診表や男性ホルモン値の測定を含む血液検査などを活用して、診断します。男性ホルモン値の低下が認められれば、ホルモン補充療法をします。2~4週間ごとに、自己負担3割なら1回800円ほどの注射を打ったり、ホルモンが含まれるクリームを利用するのが一般的。さらに亜鉛製剤や補中益気湯などの漢方薬を併用します」(平澤さん)医学的アプローチだけでなく、生活習慣の見直しも必須。「男性ホルモンを増やすために、コレステロールは不可欠。赤身の肉、卵、牛乳、納豆など、良質なタンパク質を心がけましょう。また男性ホルモン分泌量との関連性が指摘される、亜鉛を含むカキやレバーなどを食事に取り入れてもいいでしょう」(平澤さん)有酸素運動、無酸素運動をすることでも男性ホルモンの分泌が活性化されるという。さらにーー。「私は男性ホルモンを“見えっぱりホルモン”とも呼んでいます。アメリカの研究で、スポーツカーとファミリーカーに乗っている男性を比較したところ、前者の男性のほうが男性ホルモン値が高いという結果が出ています。服装でも同様のことが言えて、地味より派手がおすすめ。いくつになっても男性は“モテたい”“よく思われたい”という気持ちを持つことが大事です。夫と一緒にスポーツをして大げさにほめてあげたり、夫のスタイリストとして、明るい服装をコーディネートするのも効果的でしょう」(平澤さん)男性更年期障害のリスク軽減のために、夫婦で“男性ホルモン活動”をはじめてみよう。
2022年05月19日障害のある職人たちが手がけるボーダーレスなウォレット「UNROOF×SHIPS made in Japan」シリーズ第2弾、発売中Upload By 発達ナビニュースジョッゴ株式会社が運営する革製品ブランド「UNROOF(アンルーフ)」では、発達障害や精神障害のある革職人たちが活躍しています。障害のある方たちの新たな働き方のスタイルや、妥協のないものづくりが注目され、人気ブランドと共同開発した製品も続々と誕生しています。現在、発売中の革小物シリーズ「UNROOF× SHIPS made in Japan」は、セレクトショップ「SHIPS」とのコラボレーション第2弾。「UNROOF」が大切にするのは、性別問わず使えるデザイン、そして左利きの人でも使えるようなデザイン。「SHIPS」 が大切にしているのは、シーンを問わず、また性別も問わないジェンダーレスに使えるデザインと素材。この2つがコラボレーションしたことによって、あらゆる面でボーダレスなウォレットが誕生しました。製作は全て東京都東村山市にある「UNROOF」の工場で、革職人が一つひとつ手づくりしています。素材、生産工程の全てが「Made in Japan」のコラボレーション商品です。「SHIPS」の一部店舗、オンラインショップにて販売中です。〈「UNROOF X SHIPS made in Japan」取り扱い店舗 〉SHIPS 銀座店SHIPS 新宿店SHIPS 有楽町店SHIPS 大宮店SHIPS グランフロント大阪店SHIPS 広島店*一部変更の可能性があります※クリックすると発達ナビのサイトからSHIPSオンラインショップに遷移します。障害福祉×デザイン×地域の協働。JR東⽇本⼭⼿線沿線で、オリジナル電⾞カードが配布中Upload By 発達ナビニュース「障害の壁を越え、持ち味を生かし『好きなことを仕事にする喜び』『他者と協働する楽しさ』を誰もが目指せる世の中をつくる」をミッションに、2020年に創業したデザインチーム「想造楽工(そうぞうがっこう)」。全国各地の福祉施設と企業や自治体とコラボレーションを手がけています。今回、東京都池袋にある障害者⽀援施設「社会福祉法⼈フロンティア いけぶくろ茜の⾥」、JR東⽇本とのコラボレーションが実現。オリジナル電⾞カードが4月より配布開始されています。非売品のオリジナル電車カードの表⾯にはユニークな電⾞や⾞掌などのイラストが、裏⾯にはJR東⽇本池袋 運輸区からのメッセージが掲載されています。 デザインは2種類。池袋運輸区の⼭⼿線運転⼠、⾞掌からお子さま限定で受け取ることができます。「想造楽工」のさまざまなコラボレーションはInstagram、ホームページでご覧ください。「想造楽工」nstagram※クリックすると発達ナビのサイトから想造楽工のホームページに遷移します。「ちがいをちからに変える街」渋谷からうまれたシブヤフォントUpload By 発達ナビニュース「シブヤフォント」を知っていますか?渋谷区内の障害者支援事業所に所属する方々が描いた文字や絵を、渋谷区にある専門学校桑沢デザイン研究所の学生が「フォント」や「パターン」としてデザインしたものです。これまで400種類以上のデータが作成されています。眺めるだけでわくわくするようなデザインの数々のフォントは「渋谷区公認のパブリックデータ」として公開されています。「シブヤフォント」は渋谷区役所の新庁舎や、LINE CUBE SHIBUYA(旧:渋谷公会堂)などの公共施設の案内、渋谷区職員の名刺にも使用されています。さまざまあるフォント・パターンは、これまで企業の広告や商品などに起用されており、もしかしたら既にどこかで目にしているかもしれません。企業とのライセンス契約による売上の一部は、渋谷区内の障害者支援事業所の工賃に還元。ワンコインからできる個人利用は、新しいソーシャルアクションとしても注目されています。ギャラリーでは、シブヤフォントをもっとよく知ることができます。ぜひ足を運んでみてください。〈「シブヤフォント」ギャラリー〉【所在地】:東京都渋谷区桜丘町23-21渋谷区文化総合センター大和田8F一般社団法人シブヤフォント【開所日】:平日10:00~17:00※クリックすると発達ナビのサイトからシブヤフォントのホームページに遷移します。車いすユーザーが「何本も電車を見送らずに、電車に乗れる駅間連絡の仕組みづくり」への署名、1万5千人を突破Upload By 発達ナビニュース余裕をもって駅のホームに到着したにもかかわらず、目の前の電車に乗れなかった経験はあるでしょうか。車いすユーザーは、発車の10分前、場合によっては20分前にホームにいても目の前の電車を見送らざるを得ないというケースが日常的にある、という現状があります。スムーズに乗車できる鉄道がある一方で、全国には「降車駅に連絡がつくまで、スロープを使う車いす利用者を電車に乗せられない」という原則ルールがある鉄道もあります。その場合、電車に乗っている時間が長い時間であったとしても、乗車する前に降車駅に連絡がつかない限り、目の前の電車に乗ることはできません。現在、この仕組みを変えてほしいという署名活動が行われています。全国での「駅間連絡の仕組みづくり」実現のための活動は、多くの賛同と署名を得ています。障害の有無にかかわらず、また全国のどこにいても全ての人が乗りたい電車に乗れる社会に近づくため、ご関心あれば、ぜひ以下より署名サイトをご覧ください。※クリックすると発達ナビのサイトからChange.orgに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年05月17日インスタグラムやブログで家族の話をつづっているおーちゃんによる50代の日常を描いたマンガをご紹介します。更年期に体調不良が続いたおーちゃんの友だち。五十肩や原因不明の疾患にも悩まされていたようで……。★関連記事:「すぐ耳鼻科へ行っておけば」1年近く頭痛が続く原因は意外なところにあった!こんにちは、孫ラブのおばちゃんのおーちゃんです。私の友だちは突発性難聴に始まり、五十肩、へバーデン結節……と、さまざまな症状に悩まされておりました。へバーデン結節は、指の第1関節が変形し、曲がってしまう原因不明の疾患で、友だちは痛みや腫れも伴ったそう。そして、指が変形した現在は痛みは和らいだとのこと。更年期は個人差があり、さまざまな症状が出るので、誰でも同じ症状が出るとは限りませんが、我慢したり自己判断せずに、専門医に診せたほうが良いと、友だちから助言してもらいました。若いころには思いもしなかったことが、老化や女性ホルモンの影響で出てくるお年ごろ。命に関わる病気じゃないから……と甘く見てしまいがちですが自分の体を大事にしながら乗り切っていこうと思いました!ー------------------------友だちの体験を聞き、更年期は思いもしない病気になることもあると改めて実感したとのこと。体調不良を更年期だからとひとくくりにせず、つらい症状があるときは早めの受診を心掛けたいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。★関連記事:<40代マンガ>以心伝心!? たった1つのワードだけで会話が成立してしまう熟女たち★関連記事:<大腸がんマンガ>「いわゆるがんで確定です」組織検査の結果、腫瘍は悪性と判明して…★関連記事:<アラフォーマンガ>「損したくない、でも…」ポイントカードだらけのババアの財布を軽くするには著者/おーちゃん(52歳)孫ラブおばさん。10歳年上の夫と2人暮らし。長女(29歳)、次女(27歳)、長男(24歳)の3人の母親で、6歳の孫を溺愛中。Instagramとブログで家族の話を更新中。ブログ「娘ときどき孫日和~子離れ奮闘記~」。Instagram:@ohchan_65
2022年05月07日「女性は40~50代で女性ホルモンのバランスが乱れ始めて更年期に入りますが、このころから髪のトラブルにも悩まされる傾向にあります」こう話すのは、イークリニック麻布の高橋栄里院長。髪の毛は、髪を作る細胞だけでなく、さまざまな細胞が相互に協力しあって作られ、成長する。ところが、加齢とともに細胞の活性化が衰えると、薄毛や白髪、うねり、パサつきなどさまざまな髪のトラブルを招くようになるのだ。【更年期前後の 4大 髪トラブル】〈薄毛〉女性の薄毛は、びまん性脱毛症や産後の抜け毛、更年期障害、貧血、極端なダイエットによる脱毛など多岐にわたる。〈白髪〉白髪となる原因はまだすべてが明らかではないが、頭皮環境の悪化と生活習慣の崩れがひとつの原因。また、カラーやパーマによるダメージも。〈うねり〉ホルモンバランスの変化や血行不良、毛穴のゆがみが原因という説も。また、こちらもカラーやパーマによるダメージも影響。〈乾燥〉紫外線で頭皮が乾燥し、バリア機能が低下。また髪の水分量が減り、パサつき、枝毛の原因にも。カラーやパーマ、熱ダメージなども傷みの原因。女性の場合は、こうした髪のトラブルの原因がホルモンバランスのほか、ストレス、病気、極端なダイエット、カラーやパーマによる地肌へのダメージなど複合的に絡み合っていることが多く、男性に比べて改善法を導きにくいのだという。更年期世代の女性は生活習慣が崩れやすくなる年代でもある。「女性ホルモンの減少により更年期症状で自らの体の変化が起こりやすいのに加え、最近はこの世代でもまだ子育て中だったり、親の介護が始まったりと、日常のリズムの変化も重なり、生活習慣がなかなか整いません。これがこの世代で髪のお悩みが増えている理由のひとつでもあります」(高橋先生・以下同)特に課題なのが睡眠不足。更年期世代の日本人女性は世界でもトップクラスで睡眠時間が短い。「規則正しい生活習慣と良質な睡眠が合わさって、健康な髪を作るためのベースの体ができます。その上にバランスのよい食事や適度な運動などが加わり、初めて髪質が改善されたり、髪を増やすことが可能となるのです」生活習慣が乱れていると、健康な髪を育てるベースが育ちにくくなる。いくらシャンプーをして頭皮を清潔に保ったり、育毛剤を使って髪を増やそうとしても、土台となる体に健康な髪を生み出す条件がそろっていなければ、難しいのだそう。「私たちの髪は毛細血管からの栄養がしっかりと根元に届いて毛髪が成長しますが、毛根から頭皮までのあらゆる細胞が活性化されて初めて“土台”となるのです」健康な髪を作ってくれる栄養素も大切だ。「髪の主成分はケラチンといってタンパク質の一種です。そのため、健康な髪を作るには肉や魚、卵、乳製品、大豆やブロッコリーなどのタンパク質が重要です。でも、タンパク質だからと特定のものだけを食べるのではなく、いろんな種類のタンパク質をとることが大切です」ケラチンの生成に必要な栄養素もあるので、それもとりたい。「ケラチンが作られるには、その過程で亜鉛などのミネラルとビオチンといったビタミンも重要です。摂取したタンパク質から髪の毛の生成を手助けしてくれるのがこれらの栄養素です」髪の悩みについては医学的に解明されていないことが多いが、白髪もそのひとつ。白髪の原因はさまざまあるが、頭皮環境を整えて生活習慣を見直すことで、老化による白髪のスピードを遅らせることは可能だそう。やはり、着実に日々の生活習慣を整えることこそが、予防・改善につながるようだ。【PROFILE】高橋栄里美容皮膚科、発毛治療ができる「イークリニック麻布」を開院。毛髪と美容のプロフェッショナルとして活躍中。著書に『女性の白髪・薄毛の悩みがなくなる方法』などがある
2022年04月30日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」。3回目の新型コロナワクチンを受けたやましたさん。今回も副反応で発熱したのですが……。★前回:「更年期なん?」3回目の新型コロナワクチン接種は気付けば秒で終了し… #脱力系ゆる更年期日記 37ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。新型コロナワクチンの3回目接種の翌日、MAXで37.8度の発熱がありました。「37.8度」……。「37.8度」…………。私には2人の娘がいるのですが、1人目の娘が小さいころ、「趣味ですか?」というくらいの頻度で病気になり、毎週毎週、雨の日も風の日も病院に通っていた時期がありました。そのときに、小児科の先生といろいろなことを話す機会があったのですが、その先生が「体温が38度以下やったら別にそんな熱でもないし、心配せんでも大丈夫」的な説明をしてくれたことがありました(※そのときの娘の場合の話です)。熱が何度だろうと、しんどいときはしんどいし、しんどくないときはしんどくない、というのはわかっているのですが、それ以来、私の中で38度以下の熱は「そんなにしんどくないカテゴリー」に入ってしまっていました。ところが、今回の37.8度……。私が想像する37.8度のしんどさと比べると、かなりしんどいものでした。個人の体感では、2回目接種後に38.4度出たときと同じくらい、もしくは、もっとしんどかった気がします。年を重ねてくると、何でも年のせいにすると言いますが、これも年のせいなのでしょうか?※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年04月21日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第37話。3回目の新型コロナワクチンを受けに行ったやましたさん。今回は初めての病院で接種することになって……。★前回:「私ったら見栄っ張り♡」忘れたころに生理がやって来るとついやってしまうこと #脱力系ゆる更年期日記 36ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。先日、新型コロナワクチンの3回目接種に行ってきました。私の場合、1、2回目とは違い、3回目はどの病院に電話しても予約が取れず、リストの上から順番に電話をかけまくり、やっと前回より少し遠い場所にある初めて行く病院で予約が取れました。初めて行ったその病院で、名前を呼ばれ病室に入ると、私より少し先輩だと思われる女性の先生が、私の資料を見ながら「更年期なん?」「生理は来てる?」「しんどないの?」などと、畳み掛けるように突然大量の質問をしてきました。私の更年期が、ワクチン接種に何か影響を及ぼしているのかと思い、少し驚きつつも「そ、そうなんです。更年期なんです。生理はたまに来るくらいで……」と最後の生理を思い返しながら返事をしていました。そして会話に夢中になっている間に、どこからともなく忍者のように現れた看護師さんと思われる女性が、「打ちますねー」と私の左腕にワクチンを打ってフフフと笑いながら「終了です」と言ってくれました。私は、注射の針が体に刺さるその瞬間をガン見したいタイプなので一瞬「え?」と戸惑いましたが、子どもが注射をするときに、よく見かけるその「気をそらす作戦」を、まさか49歳で自分が体験することになるとは思わず、何だか少し若返った気持ちになりました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年04月07日寝ても疲れが取れない、体が重いといった症状は、誰しも経験があるのではないでしょうか。さらに、40代を過ぎてその頻度が増すと「年のせい」「更年期だから」と老化や年齢が原因と考えがちです。けれど、その思い込みから意外な病気を見逃してしまうことも。更年期症状と思い込まれやすく、かつ、女性がかかりやすい病気について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。つらい症状=更年期とは限らない「40代、50代の女性は何かつらい症状があると更年期症状や加齢のせいにしがちです。しかし、そこには思わぬ病気が潜んでいることがあります。まずは病気の可能性をできる限り否定し、その上で更年期症状や加齢を疑ってほしい」と駒形先生は言います。この症状は何の病気?以下の症状は、ある病気のものです。生理不順冷え症、低体温暑がり、多汗うつっぽいイライラする動悸がする貧血むくみやすい体重が急に増える、または激減するやる気が湧かない物忘れしやすい疲れやすい、体が思うように動かない眠気を感じやすい皮膚がかさつく便秘がち頻便眠気を感じやすい皮膚がかさつく、かゆみがある声がかれる足がつりやすい「ここに挙げたのは甲状腺異常による症状の例です。どの症状が出るかは病気によって異なり、個人差があります」(駒形先生)上に挙がっている症状は、誰もがよく感じやすそうなものばかりに見えます。甲状腺とは何なのでしょうか?甲状腺とは?女性ホルモンと似た甲状腺ホルモンを分泌「甲状腺とは、甲状腺ホルモンを作り、分泌する臓器です。甲状腺ホルモンは主に体の代謝を調整する働きをし、女性ホルモンと似た働きをします」(駒形先生)。【甲状腺ホルモンの働き】筋肉の維持・強化心臓の働きを活性化思考や反応を活性化新陳代謝の促進、体温調整脂質代謝を上げ、コレステロールを下げる糖代謝を促進骨量を上げて骨を強化「脳において、甲状腺に指令を出す部分と卵巣に指令を出す部分は隣り合わせになっています。甲状腺が狂うと生理も狂い、生理が狂うと甲状腺も狂いやすくなる。2つのホルモンはとても関係が深いのです。生理不順や無月経、不妊の原因を調べる過程の血液検査で甲状腺ホルモンの異常が見つかることも多いです」(駒形先生)。自分でできる見分け方は?首の前をチェック血液検査で甲状腺の異常はわかるということですが、「だるい」「疲れやすい」だけで受診や検査を受けるのはハードルが高いことも。「甲状腺異常の代表的な症状は首の前の腫れやしこり。先に挙げた症状があり、首の前の喉あたりが腫れていたり、触れてみてしこりがあったりするときは更年期症状ではなく、甲状腺異常が原因の場合があります。内分泌内科や甲状腺外来など、専門外来を受診すると血液検査やエコーで詳しく調べてもらえます」(駒形先生)。まとめつらい症状があったら我慢でしないで、まずは医師に相談してみることが大切です。甲状腺異常の原因は今のところ解明されていないということですが、遺伝は一因とされています。親族に甲状腺の病気を持つ方がいる場合は、定期的に検査をしたほうが良いということです。取材・文/岩崎みどり(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2022年04月05日《去年の夏から謎の火照りに悩まされている。更年期にしては早くない?という人もいるが、婦人科の先生に相談したら「うん、更年期だね」と言われるのでした》3月18日、インスタグラムでこう更年期障害であることを告白したのは、ともさかりえ(42)。続けて《私は更年期だと言われて別に悲しくもないし、それ自体が特別なことだとは思ってない》と綴り、冷静に受け止めていた。最近では、ともさかのように早くして更年期症状に悩まされている女性が増えているという。婦人科治療を行う成城松村クリニックの松村圭子院長は、更年期障害と呼ばれるものには2つの種類があると解説する。「従来の更年期障害は、卵巣機能が低下し、ホルモンが出せなくなってきたことで脳がパニックを起こし、自律神経が乱れ、さまざまな不調を引き起こします。いっぽう、医学的な疾患ではありませんが『若年性更年期障害』と呼ばれるものがあります。こちらは卵巣の老化ではなく、ストレスや不規則な生活といった外的要因によって脳がダメージを負い、自律神経が乱れて起こります。若年性の場合は、30代後半から40代前半はもちろん、20代の女性でも起きる可能性があります」ウェルネストクリニック(内科・産婦人科)の薬師寺忠幸院長は、若年性更年期を引き起こす要因の一つに“コロナ禍”を挙げる。「コロナ禍で自宅でのリモートワークが増え、友人や同僚と外食を楽しむことが困難になり、人とのコミュニケーションを取りづらい状態が続いています。ストレス環境下で自律神経のバランスが崩れ、動悸やイライラするといった更年期に関連する症状を訴える若い女性は多いです」不安定な情勢を受け、増加する若年性更年期。松村院長は、基本的な対策としてバランスの取れた食事といった「健康的な生活」を挙げる。そのうえで、前出のインスタグラムの投稿で、精油の香りによって更年期の症状から癒されていることを明かしていたともさかのように、“香り”を使うことは有効だと言う。「従来の更年期、若年性ともにアロマなどは効果が期待できます。香りがダイレクトに脳に働きかけて、自律神経を整えたり、リラックス効果が得られたりします」薬師寺院長はコロナ禍において“適度な息抜き”が肝要だと説く。「感染リスクを考えれば外食をしないことが無難ですが、会話の時はマスクをし、親友と2人だけで飲食を早く済ませるなど、やり方次第でリスクを減らすことは可能です。リモートワーク中でも食事時間を出社していた時と同じように決めたり、友人や家族とZoom等でコミュニケーションを取ったりすることで症状はだいぶ改善されるのではないでしょうか」誰にでも訪れる更年期。自分なりのリラックス方法を見つけて乗り切りたい。
2022年03月31日小3でついたアダ名は「忘れ物の女王」Upload By 桑山 知之筆者と広野さんとの出会いは2019年に遡る。ドキュメンタリーCM『見えない障害と生きる。』の取材のため、連絡を取ったのがきっかけだった。底抜けに明るい性格について触れると、広野さんは「このくらいじゃないと生きていけない」と笑い飛ばした。その言葉の重みに、筆者の胸が苦しくなったのを今でも覚えている。Upload By 桑山 知之広野さんは幼少期から、目の前にあるもの以外はすぐに忘れてしまう子どもだった。小学校に入ってからは管理しなければいけないものが増え、何かをこなすことは「全く無理だった」。宿題を出され、その場ではやる気でいても、家に帰れば宿題を出されたことすら忘れている。翌日提出を求められて初めて思い出す。小学校2年生の通知表に「忘れ物が多い」とはっきり書かれ、3年になると周囲からは「忘れ物の女王」とアダ名をつけられた。「どうしてみんなができるのか分からないんですよ。頑張らなきゃいけないんだけど、どう頑張ったらいいのか分からない。困るんですよね、『ちゃんとやって』って言われると。ちゃんとやっているつもりなので。一人だけ違うことしてたりするんですけど、それを問題だとも思っていない。だから怒られますよね」(広野さん)Upload By 桑山 知之学校のあちこちには、広野さんの持ち物が散らばっていたという。5年生ぐらいのころには、遠足で河原に行った際、飯盒炊飯でカレーをみんなでつくって食べるとき、広野さんは肉を持ってくる係だったが、肉を忘れてしまい、広野さんの班だけベジタブルカレーになってしまったこともあった。成績や勉強よりも「生きていくこと自体が難しかった」といい、時間に遅れないようにするなど社会生活に食らいつくのに必死だった。片づけできず夫から罵倒…「私はいても意味ない」地元の中学を経て静岡県内の高校を卒業後、青山学院大学に進学。当初は国語の教員になろうと思っていたが、LD(学習障害)の傾向があるのか、時折、字が正確に書けないことがあった。ずっと続けて文字を書いていると、例えば「春」の横棒が四本になってしまうことがあるらしい。「これでは黒板の字が不正確になってしまう」と思い、教師の夢を諦めた。落ち込んでいたところ、ゼミの教授の紹介で、都内の大学病院の教授の秘書になった。しかし、当時は自身がADHDとは知らず、自分のスケジュールの管理も難しく、何より察して動くことが全くできず、とんちんかんなことばかりしてしまい、周囲から「使えない」と言われ、思い悩むことも多かったという。Upload By 桑山 知之「若いときは、できなくても頑張らなきゃいけないとか、頑張ったらできるかもしれないとか、そういう気持ちが強かったんです。でも半年でおかしくなっちゃって。電車に乗っていられなくなったり、起きたら午後だったり、色々できなくなっていきました。生きていてもしょうがないと、思いつめていました……」(広野さん)生きることもできず、死ぬこともできず、「しんどい」毎日を過ごしていたが、23歳で当時交際していた男性と“デキ婚”。実家の両親からサポートを受けながら家事や育児に勤しんでいたが、やはり片づけがどうにも苦手だった。家の中は物で溢れかえり、食卓には書類などが大量に積まれ、食事を摂ることもままならなかった。そして29歳のころ、鬱病と診断された。Upload By 桑山 知之「旦那からは『こんな家に帰ってくる俺の気持ちになってみろ』とか『お前、一日家にいて何してるんだ』とか言われて。そのときは診断も受けていなかったので、『私はいても意味ないな』ってどんどん落ち込んでいきましたね。頑張って専業主婦をしていたときが一番つらかったです」(広野さん)そんな中、2000年に刊行された『片づけられない女たち』(WAVE出版/サリ・ソルデン著)を読み、驚いた。自分によく似た人がこんなにいる。そして、対処方法がある。そこから、発達障害というものがあることを知り、同じ悩みを抱える人とともに当事者グループをつくって理解を深めた。「最初は自分がとにかく喋りたいからつくった」と笑うが、家庭の悩みなどを打ち明けられる居場所ができたのだった。「言い訳だ」夫から度重なる暴力、そして離婚30歳を過ぎてからADHDと診断を受けた広野さん。発達障害のことを夫に打ち明け、「家事を一緒にやってほしい」「手伝ってほしい」と伝えたが、「そんなのは言い訳だ」と理解してもらえなかった。むしろ、診断を打ち明けたことをきっかけに、夫との関係は余計に悪化。物を投げられ、時には暴力を受け、外に出られないぐらいひどいあざが顔面にできることもあった。「自分が(夫の)ストレスの捌け口になっていたんだと思います。私が反論するようになって、ストレス解消ができないから、手が出るようになったのかなって。でも自分の両親はサポートしてくれたし、ママ友たちも『子どもの迎え忘れているよ』とか教えてくれるようになって、すごく助かりましたね。私自身も、ADHDがあると分かってからは、子どもに怒らないようになりました」(広野さん)Upload By 桑山 知之夫と別居するために2年ほど準備期間を経て、娘2人とともに小学校の校区の端から端に引っ越した。すぐに弁護士を立て、34歳で離婚に踏み切った。別居するとすぐさま、ストレスから解放された気分になった。そして2008年、「発達障害をもつ大人の会(現・NPO法人DDAC)」を立ち上げた。「こんな感じでも今NPO法人の代表をしていたりとか、全部ができないわけじゃないんですよね。発達障害はできることできないことにものすごく差があるけれども、できないことばかりではないということを知ってもらいたいです。あと、周りの人は何でもできるようにさせようとするじゃないですか。それをやられると、みんなだめになっていくんです。二次障害を引き起こしたりとか。何でもできる人間にならなくていいんです」(広野さん)現在広野さんは、キャリアカウンセラーとして同じ悩みを抱える若者や仕事を探している人への就労支援を行っている。発達障害があるかもしれない人や、障害者手帳を取るかどうか悩んでる人、仕事を何回も辞めさせられたり、仕事が長続きしない人など、広野さんのもとにはあらゆる相談が舞い込んでくる。Upload By 桑山 知之「とにかく“フツウになろうとしない”ことをオススメします。自分なりの生き方、生活の仕方を編み出していくのが必要なので、落ち込みすぎずにうまく周りに助けてもらいながらできることをやっていく。私も20代のころは『どうやったらうまく死ねるのかな』とか思っていたんですけど、今はこの人生も割と悪くないと思っていて。発達障害があっても楽しく生きていけるような生き方をみんなにもしてほしいと思います」(広野さん)新型コロナウイルス対策で、在宅勤務やリモート授業などが推進され、家族が一緒にいる時間が増えた。発達障害のある人にとって、毎日決まった時間に通勤・通学することの煩雑さを感じなくていいのは非常に楽だと広野さんは言う。ただし、「家の環境が良くないと地獄」とも指摘している。できないことは恥ずかしいことじゃないUpload By 桑山 知之広野さんはなぜこれほどまでに明るく前向きなのか。どうやら心理学の勉強をした上で、「訓練をした」という。「世の中落ち込むことばかりでうまくいくことよりも失敗することの方が多いんです。でも、いちいちそれを真に受けて反省して頑張ろうと思っても、また失敗しちゃうんです。そんな人生を普通のメンタルでやっていけない。いちいち落ち込んでいたら生きていけないだろうってことで、それを転換して、できる方に目を向けるように、自分を変えていきました。とにかく、自分が快適に生きていける状態がどこか?が大事であって、みんなと同じようにできるかは関係ないんです」(広野さん)できないことを「否定しない」。それは2人の娘の子育てでも実践していた。娘には、自身の障害のこともオープンに話した上で、スーパーの惣菜を買うなど家事をなるべく減らし、対話の時間を増やした。時には、娘が母である広野さんのサポートにも回った。現在、長女(25)はIT企業でデザイナーの仕事に就き、次女(23)は海外の大学に進学し、心理学を学んでいる。Upload By 桑山 知之「個を重視する世の中になりましたよね。個の時代というか。発達障害のある人たちが受け入れられるような方向に行っている気がします。でも、例えば子どもに発達障害があると診断されて、周囲に分かってもらわなきゃとか、説明しなきゃとかやっちゃうと、子どもの自尊心が下がるんですよ。あ、人と違っちゃいけないんだ、って。でも開き直って、文句ある人は近寄ってこないで!ぐらいでいいんです。分かってくれる人とやっていけばいい。大人が変わらないと子どもが変わりませんから。発達障害のあるなしに関わらず、娘たちにはやりたいことを自由にさせてあげたいと思ってきましたし、すべての子どもたちにそういう環境があることを願っています。発達障害のある子どもが生まれるということは、楽しいんだって思ってほしいです」(広野さん)Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海(監修・井上先生から)広野さんのお話のように、発達障害がある人に対する支援や制度、仕組みは少しずつ充実してきています。しかしながら、現在そうした支援や制度を利用しようとすると、その多くは発達障害があるという診断や障害者手帳などが必要です。これを第一段階とすれば、その次の段階は発達障害の診断がなくても、その支援を必要とする人が必要な時にいつでも受けられるような支援や制度が広がっていくことではないかと思います。このような「障害という診断を必要としない社会」から最終的に「障害のない社会」につながっていくのだと思うのです。
2022年03月28日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第36話。別れを告げたと思っていたはずの生理がたまに来ることがあるやましたさん。そんなときはつい見栄っ張りになってしまうようで……。★前回:「貯めてやろうじゃないか…!」無謀で絶望的なチャレンジに挑むアラフィフ女の決意 #脱力系ゆる更年期日記 35ウーマンカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。完璧に別れを告げたと思っていた生理。その生理が、忘れたころにたま〜にひょっこりとやって来ることがあります。そんなときは、近所のドラッグストアの生理用品売り場に出かけて行きます。久しぶりに踏みしめる生理用品売り場の床。すぅ〜と深呼吸をして「あぁ……私、生理用品を買っているんだ♡」とバリバリ生理があったころに戻った気分で若返ります。店員さんが「いらっしゃいませ〜」と通り過ぎるとき、心の中でこう叫びます。「店員さん、私、まだ、生理用品のお世話になっているんです!」そして、おもむろに、大容量のお得パックに手を伸ばします。あぁ……。私ったら見栄っ張り♡わが家には娘が2人いるからできる技ですが、おかげさまで、ちょっと気持ちが若返ります。著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年03月24日健康が取り柄だった私ですが、アラフォーになってから、体のだるさやめまいといった症状に悩まされるようになりました。ですが、更年期障害といえば「のぼせやホットフラッシュがあるはずだから、自分には関係ない」と思い込んでいたのです。そんな私が「更年期障害かもしれない」と気付けたきっかけは同僚の言葉。私が受診を決意するまでの経緯と、体だけでなく心も軽くなったエピソードを紹介します。アラフォーになり感じ始めた不調は…不調の原因がわからず途方に暮れる日々眠りが浅くなったり、体がだるく疲れやすい。めまいもするし、仕事が思うように進まない。アラフォーになってから、これまでに経験のない不調を感じるようになりました。ですが、健康診断を受けても特に異常は見つからず。「この不調の原因は? 」と悩みましたが、仕事を休むほどではないと判断し、対応はあと回しになっていました。コーヒーを何杯も飲み、仕事が忙しいときはエナジードリンクにも頼るなど、その場しのぎで過ごす日々。ところがついに、無理がきかなくなる日が来たのです。1年前の夏ごろから、寝ても疲れが取れない状態になりました。自宅から最寄り駅まで約15分間歩くことすらつらく、へとへとです。特に困ったことが、帰宅時にスーパーに寄るのがおっくうになったこと。食生活も乱れがちになり「このままだと仕事が続けられない」と不安が募るようになりました。このときはまだ原因に見当もつかず。ドラッグストアへ通い、自己判断で睡眠のサプリや漢方の服用を何度か試してみましたが、大きな変化を感じることはできず、途方に暮れていました。病院へ行くきっかけとなった同僚の言葉そんなとき、アラフィフの同僚と話す機会があり、思い切って相談してみました。私の症状をひと通り聞いた同僚。そこで出た言葉が「それって更年期障害じゃない?」だったのです! 更年期障害といえばイライラやホットフラッシュといった症状の印象が強く、目からうろこが落ちた瞬間でした。同僚の言葉をきっかけに、更年期障害について改めて調べてみると、たしかに多くの症状が書かれています。私が感じるめまいやだるさ、不眠などもありました。そこで自己判断はもうやめて、一度受診してみよう、と一大決心したのです。いざ、受診日当日を迎えました。症状が少しでもラクになるかも、という期待と「どこも悪くない」と先生に嫌な顔をされるかも、という不安。両方が入り混じり、複雑な心境です。緊張しながらクリニックへ向かいました。先生からのアドバイスで前向きになれた先生は、私の話を丁寧に聞いてくれました。緊張が解けていきます。「しんどさをわかってもらえた。受診してよかった」と安心した気持ちになりました。診断はやはり更年期障害。先生からのアドバイスは「まずはお薬の力を借りて、自分の元気な状態はこんな感じ、ということを知りましょう。同時に生活習慣も整えて、元気な状態を続けていけるようにしましょう」ということでした。具体的には、私の症状に合わせた漢方の処方。また、食生活について「今の生活スタイルなら食物繊維を意識して食べてみて」と言われました。漢方はドラッグストアで買ったものと、処方されたものでは種類が異なり「加味帰脾湯(かみきひとう)」が処方され、自己判断の危うさを痛感して反省しました。また、食物繊維について意外だったアドバイスが「フルーツをたくさん食べて」ということです。フルーツは甘すぎるからダイエットに良くないと思い込み、なんとなく避けていました。ですが、ほかのお菓子を食べていたら結局同じ。むしろ、ケーキやクッキーと比べるとフルーツのほうがカロリーも低く、食物繊維やビタミンが豊富! 先生から丁寧にアドバイスしてもらえたことで、自分の捉え方が変わり、生活習慣を整えることに前向きな気持ちを持てるようになりました。まとめアラフォーになり、急に不調を感じることが増えた私。めまいやだるさといった症状が「更年期障害かもしれない」と気付けるまで時間がかかり、自己判断で間違った対処をして悪循環でした。ですが同僚の言葉をきっかけに更年期障害の可能性に気付き、勇気を出して受診することができました。先生のアドバイスもあり、現在は漢方の内服を軸に、楽しみながら食生活の改善に取り組んでいます。めまいは少し残っていますが、息切れをするような疲労感や起きたときのだるさが軽減してきたことを実感しており、以前よりも明るい気持ちで過ごせる毎日です。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。マンガ/山口がたこ著者/栢野しほ(43歳)うさぎ好きの兼業ライター。大好きな文章を書くことで誰かを励ます存在になりたいと思い、ライター業に打ち込んでいる。休日は、絶対に着替えない!と決めて部屋着で過ごすことが何よりの幸せ。
2022年03月15日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第35話。資産運用をするための生活防衛資金が180万円も必要と判明したやましたさん。心が粉々に砕け散ってしまって……。★前回:「全っ然足りねぇ…!」生活防衛金を計算したら先が見えなくなって… #脱力系ゆる更年期日記 34ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。資産運用をする前に用意したほうが良いという、うわさの「生活防衛資金」とやら。半年〜2年程度働かなくても生活に困らないよ〜というお金らしいので、早速、間を取って1年くらいで計算してみると、私の場合、180万円でした。その金額の高さに、私の心は粉々に砕け散ってしまいました。今までの人生、何をしていたんだと!今年の誕生日が来ると50歳になってしまう私。バリバリと働ける年齢はとっくに過ぎてしまったように感じていました。しかしながら、ここで再度、あの有名なせりふの出番が来たようです……。そう!「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」このせりふ、私の座右の銘にしたいと思います。こうなったらコツコツと……超コツコツとお金を貯めるしか方法はない。1年に10万円、18年で180万円。その時、私は68歳(泣)。その年まで健康に働けるかもわからない、絶望的なチャレンジにアラフィフ女の私は無謀にも挑みたいと思います。そして、せっかくマンガに資産運用の話を書いたのに、何も資産運用をしないのも残念なので、とりあえず、元手0円でできて精神的ダメージも少なそうな「PayPayのボーナス運用」を始めてみました。長い目で見てプラスになるまで続けていきたいなと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年03月10日更年期と言われる年齢になってからというもの、だるい、憂うつ、頭痛、手の震え、不眠、発汗などなど、あまりにもいろいろな症状が予想もつかないときにやって来ます。そのたびに強い不安感を覚えている私ですが、更年期症状はホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を及ぼすことにより起こる現象であることを理解して、不安感なく対処できるようになりました。更年期の症状なのか、それとも大病なのか40代後半になったころから、急にドキドキして心拍数が上がったり、息苦しくなって深呼吸して呼吸を調整したり、暑くもないのに突然汗が出てきたり、手が震えたり、体がだるかったり、さまざまな症状が予測もなく襲ってくるようになりました。それらの症状のみであれば、一般的に言われている更年期の症状のようなので、年齢的なものだと自分自身に言い聞かせられるのですが、私の場合、大病ではないかと思われる症状も出てきたのです。それは急に手が震えて、脳の中で一瞬の軽い痛みとともに、さーっと血の気の引くような感覚がするというもの。この感覚を度々経験するようになり、もしかして自分は脳の病気でもあるのではないか、生死に関わるような脳疾患ではないかと心配で居ても立ってもいられず、病院に駆け込みました。しかし、脳ドックでMRI検査をしてもらった結果、特に脳の病気ではないことが判明。まるで生死の淵から生き返ったようにホッとしました。自律神経は心身を健康に保つ根幹的な神経脳の違和感以外にも、体調の変化を感じることがありました。あるときは呼吸するのが苦しくなり、心臓がドキドキして、死ぬかもしれないと思ったほど。そのときは救急車を呼ぶか迷いながら呼吸を繰り返して30分くらい静かにしていたら、症状が治まってきたのでした。他にも急に汗が出てきたり、体がかっかして熱くなり、周りの人に「暑いね」と言っても誰も同意をしてくれず、自分だけが熱くて汗までかいていたこともあります。そのような状況になるたびに、自分は深刻な病気を抱えているのではないかという強い不安を覚えました。更年期の症状は人により深刻度も症状も異なるそうなので、余計に不安でした。そんなとき、不眠で通院していた更年期外来の医師が不眠やその他の更年期障害にはすべて自律神経の乱れが影響をしているという話をしてくれました。全身を緊張させたり、弛緩させたりするのは自律神経の働きによるものであり、この自律神経がうまく調整できていれば、環境が変化しても体は安定した状態に保たれるとのことなのです。私は自律神経を整える働きがあるという漢方薬「抑肝散(ヨクカンサン)」を処方されました。自律神経の乱れる更年期をうまく過ごすには医師によると、例えば心拍数や呼吸数が増えるのは体中に血液や酸素を届けるため、発汗するのは体が熱くなり過ぎるのを防ぐため、緊張したり震えたりするのは覚醒状態を保つためであるとか。私が不安に感じていた症状は、逆に自分の体がある意味きちんと状況を把握して反応しているということであり、しっかりと自律神経が機能している証拠だと知り、少し安心しました。ただ、更年期はホルモンバランスが乱れているので、体を調整するために自律神経が活発に動くとつらいときもあります。そういう場合には我慢をしないで、無理せずに体を休めたり、更年期外来に通院したりしてフォローしていけば良いのだということがわかりました。そういったメカニズムがわかると、自分の体で何が起こっているのか理解できるので不安感もなくなり、冷静に対処できるようになりました。今は医師のアドバイスに従い、自律神経のバランスを整えるために食べ過ぎたり、不規則な時間に食べたりしないように。毎日なるべく歩くようにし、早寝早起きをして、規則正しい生活を心がけています。まとめ人によりさまざまな症状が出て、生命にかかわる大病ではないかと思ってしまうくらいつらいときもある更年期の症状ですが、私はそのメカニズムを知ることにより、強い不安感から解放され、前向きな気持ちになれました。まだまだつらい更年期症状に悩まされるときもありますが、少しでもラクに過ごせるように、1日3食をしっかり取り、適度に運動をし、良質な睡眠を取り、規則正しい生活をしていこうと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)イラスト/塩り著者/輝歩 (51歳)勤続約30年となる会社員を務める傍ら、ファイナンシャルプランナーとストレッチインストラクターの副業をこなすシングルマザー。
2022年03月03日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第34話。貯金ゼロでも資産運用をするには、まず生活の支出に備えてお金を用意することを知ったのですが……。★前回:「やっぱムリ!?」貯金ゼロなダメダメ40代が資産運用を始めるためには #脱力系ゆる更年期日記 33ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。前回、生活防衛資金について勉強をしたので、今回私の場合は、その生活防衛資金が一体いくらになるのかを計算してみたいと思います。わが家は夫と小学生の娘2人の4人家族です。夫婦の財布は別々で、私が担当している支払いは、だいたい月に15万円くらいあれば何とかなるのではないかと思います。生活防衛資金は半年〜2年ということなのですが、よくわからないものの半年では、ちょっと心もとないので1年で計算してみようと思います。15万円×12ヵ月。まず15に10をかけて、150で〜、それに残りの15×2の30を足して〜、180か……。ん? ひ、180?180万円〜〜〜!?オモテタントチガウ……。数字が見たことないくらいデカ過ぎて、先が見えずに撃沈しました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年02月24日私は20代のころから冷え性だなと思いながら過ごしてきました。そして、40歳となる今では手足が冷たくて寝られないという日もあります。冷え性は更年期症状の一つに含まれていることもあり、年齢的にも加齢が原因で悪化していることも考えられます。年齢が原因なら仕方がないと、冷え性を完全に治そうとはせず、うまく付き合おうと思うようになりました。そこで、今回は冷え性とじょうずに付き合いながら生活している私の体験談を紹介します。お風呂に入ったらすぐ就寝30代後半になるころから、手足が冷たくて眠れない日が増えてきました。当然、昼間の活動にも支障があります。そこで、寒い季節は入浴後すぐに布団に入ることを決めました。また、お風呂の入り方は冷え性に影響があるのではないかと思い、お風呂に入る際も体に負担なく冷え性を改善する入浴方法をネットで調べました。その内容をもとに、私自身が入浴時に気を付けているポイントは以下の3つです。1.入浴時は必ず湯船に浸かって全身を温める時間がないときや夏場はシャワーになりがちな私でしたが、加齢とともに手足の冷えが悪化していることを感じてからは、毎日15分ほどお湯に浸かるようにしています。2.お湯の温度は40度のややぬるめにする私は熱いお湯が好きなのですが、熱すぎるとお風呂から上がったときに急激に体温を下げようとしてかえって湯冷めしてしまい、体全体を温めるには逆効果だそうです。それを知ってからは通年40度に設定しています。3.長湯をしない30分以上の入浴は、手足が冷えて寝つきが悪くなることもあるそうです。お風呂で読書をすることもあった私ですが、今は15分ほどの全身浴で切り上げています。エッセンシャルオイルで冷え性予防私はエッセンシャルオイルを主に芳香浴目的で使用して香りを楽しんでいました。ある日、エッセンシャルオイルに詳しい友人に手足の冷えの話をしたところ、足の冷えに対して効果が期待できるエッセンシャルオイルがあるということを教えてくれました。すぐさまお風呂上がりに、冷えやすい手足に希釈したエッセンシャルオイルを軽く塗布してみました。オイルを付けて軽くマッサージすると、やさしい香りが心を癒やしてくれます。そうすると、早速オイルを塗布したその日から効果がありました。手足の冷えを感じる前に、とっても良い香りに包まれて、そのまま幸せな気分で眠りに就くことができました。また、帰宅時にあまりに足が冷えて痛いときには、エッセンシャルオイルを含ませたお湯で足湯をすることもあります。すぐに痛みが消えて、足先から全身へとぽかぽか温かくなる感覚を味わいました。時間がないときには、エッセンシャルオイル入りのお湯に浸して絞ったタオルを足の裏から包み込むように覆うと、血の気が一気に戻ったような感覚になります。適度な運動で体を温める私はさらに加齢による冷え性の悪化は、運動不足もあるのではないかと考え1日1回、朝のNHKのラジオ体操の時間に合わせてラジオ体操をしてみることにしました。本気でラジオ体操をすると、息が上がり、体がポカポカに。ジョギングや球技などの激しい運動ではなくても、簡単に体を温めることができると知りました。それに、朝おこなうので気分は爽快になり、頭もシャキッとするのも良いなと思っています。また、同じ年代の方々が集まるバレーサークルにも入会しました。自分のペースに合わせて、プレーしたり休んだりできるので、適度な運動になっています。さらに、普段の生活のなかでも運動を意識することが多くなりました。例えばエスカレーターやエレベーターではなく、調子が良いときは階段を利用。歯磨きをしているときは片足立ちを左右交互に繰り返すなど、普段の生活のなかでできるちょっとした運動を心がけています。体を動かすのがつらいと感じる日は思い切って休んでいます。無理をせずに続けることが大切だと思いますので、毎日自分と相談しながら何かしら体を動かすようにしています。まとめ更年期症状は冷え性のほかにもさまざまな症状があり、冷え性が更年期症状だと断定するのは難しいと思います。私は無理に治そうと思うのではなく、じょうずに冷え性と付き合っていきながら、冷え性にならない体作りを少しずつしていけたらと思っています。実際私が実践している入浴、エッセンシャルオイル、運動の3つの方法を楽しみながら実践していき、冷え性改善に努めていきたいと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)著者/徳 衿唯(40歳)最近夫が「サウナー」になり、誘われるのでついていったある場所で「ロウリュウ」を体験。サウナの醍醐味を体感し、「サウナー」一歩手前な専業主婦。
2022年02月19日トイレのたびに憂うつになる、あのつらい痛み。痔とは長い付き合いという人も多いといいますが、更年期になると痛みが悪化するという話も。産婦人科医の駒形依子先生に、更年期と痔の悪化との関係について聞きました。女性で一番多いのが「切れ痔」なのはなぜ?痔には、いぼ痔や切れ痔などがありますが、女性には切れ痔が多いと駒形先生は言います。「女性で切れ痔が多いのは、便秘が多いからです。若いころから長らく便秘体質で、硬い便を息んで無理やり出すのが当たり前になっている人が多いですね。排便時に肛門の出口に近い部分の皮膚が切れ、鋭い痛みが生じるのが特徴です。傷は自然に治るので、切れた原因が解消されれば一過性で終わりますが、実際は繰り返す女性が多いですね」(駒形先生)。現代は、赤ちゃんのころから便秘体質だったという女性も多いそうです。更年期は痔が悪化しやすい?更年期に入ってから痔が悪化した、という声を聞きます。「更年期だから痔になるというのではなく、もともとあった痔が、更年期になると悪化するということは良くあることです。女性ホルモンは組織の潤いを保つ役割を果たしますが、更年期に入るとその分泌は急激に減ります。それにより組織は硬くなっていきます。組織が硬くなったところで、硬い便を無理やり出そうとすれば、破れるのは当然。さらに、冷え症であればなおさら組織が硬いので、痔は悪化していきます」(駒形先生)。少しでも改善するためには?駒形先生によれば、痔は一度なると繰り返して、治りにくいと言います。治らないとしても、改善する方法はないのでしょうか。「便秘の人に、よく理想の便として“バナナのような便を出そう”と指導しているのを見ますが、痔が悪化している場合は肛門周りの組織が硬いためバナナ様の便でも息んでしまい、さらに悪化する場合があります。痔が悪化していると感じたら、息まずに出せる“ゆる便”を目指すほうが良いと思います」(駒形先生)。便通を良くする生活を心掛けて「便秘の人がゆるめの便を出すのは、最初のころは難しいかもしれません。まずは整腸剤を使って便をゆるくするのでも良いと思います。慣れてきたら、便通を良くする食品を取り入れてみても。例えばプルーンは便通を良くする食品として知られています。更年期の女性にとってほしい鉄分も含まれているので、味が苦手でなければ試してみても良いでしょう」(駒形先生)。まとめエストロゲンは加齢とともに減り続け、痔が悪化するリスクは年々高まっていきます。まずするべきなのは、便秘を解消すること! 更年期こそ、本気で便秘を解消するタイミングといえるのではないでしょうか。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2022年02月17日閉経に向かうにつれ、女性ホルモンの分泌が少しずつ減る更年期。その一方で、男性ホルモンが増えるという話を聞いたことはありませんか。そもそも女性に男性ホルモンがあるのか、ある場合、更年期には増えてしまうのか、気になることについて産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事をもっと読む女性にも男性ホルモンはある?そもそも、女性には男性ホルモンはあるのでしょうか。「女性は男性の約10分の1の量ではあるものの、男性ホルモンがあります。更年期になり、女性ホルモンが急激に減ったあとでも、男性ホルモンの減少は緩やかなので、元気な体を維持できているのです。よく、更年期は男性ホルモンが増えると誤解されるのですが、女性ホルモンが急激に減ることで男性ホルモンが優位になり相対的に増えて見えるだけで、増えるわけではありません」(駒形先生)。とはいえ、男性ホルモンも加齢とともに減り、80代にはほぼ分泌しなくなるそうです。男性ホルモンとは?ところで、男性ホルモンとはどんな特徴があるのでしょうか。「男性ホルモンは『テストステロン』と呼ばれ、体調の調整、決断力、判断力、意欲、性欲などを司ります。筋肉や骨の発達を促進するので例えば肩幅を広くしたり、胸板を厚くしたり、太ももを太くしたりと、いわゆる“たくましい肉体”の素になります。ひげが生えたり毛深かったりするのも、テストステロンの働きです」(駒形先生)。次の章では、男性ホルモンが髪にもたらす影響についてお伝えします。男性ホルモンの影響は髪に出やすい更年期になると男性ホルモンが優位になるということですが、それでは急に毛深くなったり、性欲が増したりするのでしょうか?「男性ホルモンが増えるわけではなく、また、もともと男性に比べれば少ない量なので急に毛深くなるということはありません。しかし、個人差はありますが男性ホルモンが優位になることで髪の毛に変化が出る女性は多いようです。髪の毛は、男性ホルモンが司る部分と、女性ホルモンが担当の部分があります。例えば、男性ホルモンが強く関わっているのが、生え際や頭頂部。男性の抜け毛や薄毛はこの部分が多いですね。女性ホルモンがあることで保たれていた生え際や頭頂部の髪が、急激に減ることで守れなくなり、かつ、男性ホルモンが優位になったことで抜け毛や薄毛が起こることがあります」(駒形先生)。毛深くなるほどの男性ホルモンの量はないものの、抜け毛や薄毛と関わってくるということです。性欲は強くなる?一方、性欲はどうなのでしょうか。むしろ、更年期には減退する女性が多いように感じます。「男性ホルモンの性欲と女性ホルモンの性欲はもともと違っていて、前者は発散するタイプ、後者は受容するタイプのもの。受け入れたいという気持ちは減るものの、発散したいという気持ちは残っているのではないでしょうか。更年期の女性は性欲がないかといえばそんなことはなくて、結局は相手次第なのだと思います」(駒形先生)。まとめ発散したいという性欲は残っている……ということは、そういう意味ではオス化しているのかもしれません。しかし、既婚女性の場合、パートナーと発散したいという気持ちがどれだけあるかは、本当に個人差があるのではないでしょうか。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。★関連記事:「驚き!」閉経後は総コレステロール値が2倍にも!?今すぐできる食生活改善とは【医師監修】★関連記事:更年期症状がつらいときは何科を受診するの? 受診の目安は?【更年期の基礎知識3】★関連記事:40代から肝機能低下の宣告。閉経後に増加する「脂肪肝」とは?【医師監修】著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2022年02月13日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第33話。自分が資産運用すべきタイプではないと知ったやましたさん。貯金ゼロでも始められることはないかを調べてみたようで……。★前回:「た、たしかに!」自分が資産運用すべきでない理由がど正論すぎて… #脱力系ゆる更年期日記 32ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。お金の勉強を始めて、結構すぐに自分が資産運用をするべき人ではないことが判明しました。先日は、近所のドラッグストアで買い物をしようとするとPayPayの残高が足りませんでした……。1万円チャージしようとすると「残高不足でチャージできません」的なメッセージが出てきたので、じゃあ5000円を……とチャージをしようとすると、また同じ残高不足のメッセージが出てきました。結局、娘たちがおやつに食べたいと言ってカゴに入れたバナナとお菓子を諦めて、必要だった納豆だけを購入しました。そんな大人として、母親として(金銭的に)終わっている私が、一体どうすれば憧れの資金運用とやらを始めることができるのでしょう?YouTube大先生によると、まず、「生活防衛資金」を貯めると良いとのことでした。生活防衛資金……。なんすかそれは???私がYouTubeで勉強した限りの知識では、生活防衛資金とは、半年〜2年程度の間、働かなくても生活ができるくらいのお金のことだそうです。つまり、資産運用をするには、運用する資産がかなりマイナスになったとしても、ノープロブレム! 全然大丈夫でっせというくらいのお金があったほうが絶対に良いよってことだそうです。※私がYouTubeを見て解釈した個人の意見です。ほほう〜なるほど。そりゃそうだ!今日もまた1つとても勉強になりました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。★関連記事:「違う、今じゃない!」古い団地のわが家にハイテクアイテムを導入したら… #アラフォーの気にし過ぎな毎日 4★関連記事:「え、ショック」他人からのうっかり発言で発奮するアラフィフたち #アラフィフ雑記帳 9★ウーマンカレンダー連載マンガをもっと読む著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年02月11日家庭は「落ち着けない場所」アルコール依存の父とDV母Upload By 桑山 知之manaさんは、公務員の父親と保険などの営業を行う母親のもとで、2人姉妹の長女として育った。父親はアルコール依存症、母親は包丁を突きつけたり首を絞めてきたりと、たびたびmanaさんに暴力をふるっていたという。喘息などアレルギーにも悩まされた。家庭は「落ち着けない場所だった」と振り返る。「母親に崖に連れていかれたこともありました。家出もよくしていたんですよ、母親は。ただ、そういったことも最近まですっかり忘れていたんです。母親の影響もあって、私のメンタルがやられていたのかなって思い至るようになりました」(manaさん)Upload By 桑山 知之授業中も、椅子に座っていられない不快感や衝動があり、とても苦痛だった。中学1年から不登校気味になり、15歳で小児科の「思春期外来」を受診した。診断は「心身症」。25年以上前の当時は発達障害の認知が今ほど進んでいなかったこともあり、ストレスによるものだと医師から言われた。普通科高校に進んだが、中学3年のころに無理して登校していた影響などから、過食のため胃腸の調子が悪くなり、夏休みの宿題に着手できなかったことがきっかけとなって退学し、通信制高校を転々とした。「自分は人と違う」と自覚した。その後、福祉の専門学校に進み、発達障害について学ぶ機会があった。教科書を読み進めれば読み進めるほど、自分にあてはまることが多かった。家でその話をすると、「知らんほうがいいこともある」と父親に諭された。物をよく失くすなど、どうやら父親も発達障害の特性が見られたらしい。manaさんが26歳のころ、父親はアルコールの飲みすぎなどが原因で、食道ガンにより亡くなった。母親に相続の放棄をさせられたため、遺産を受け取ることはできなかったという。28歳で診断生きづらさと向き合ってUpload By 桑山 知之専門学校を卒業後、高齢者施設に半年ほど勤めたが、父親が倒れてからは仕事を辞め、看病をしていた。父親の死後、就いたのはコンビニ店員のアルバイト。マルチタスクを処理する能力が求められるため、ADHDがある人は苦労すると言われる職種だが、manaさんにはこれが合っていたという。のべ13年間働き、トレーナーも経験した。「バイトで来る人にもいろいろな方がいて。店の様子を把握しながら、その日の進行管理を考えつつ、レジ打ちしつつ、発注書を書いたり、レンジをチンする40秒の間にほかのことをやったり。なぜだかわからないんですけど、自分の傾向がたまたますごく合っていたんですよね」(manaさん)Upload By 桑山 知之専門学校の実習先で知り合った男性と、28歳のころに結婚。その後、ADHDかつ双極性障害だと診断を受けた。また、言語性IQと動作性IQに明らかな違いが見受けられた。不注意で忘れ物が多く、家が散らかってしまうこと、聴覚過敏のことも、特性だと思えば肩の力を抜いて生活できるようになった。現在、8歳の長男と4歳の次男、夫と4人で暮らしている。スマホは紛失補償のある保険に入り、夫や妹がGPSを見られるようにしているほか、予定を詰めないために小さな手帳を使っている。財布がわりの透明なケースは、著名な料理家がジップロックを使っているのをテレビで見て参考にした。Upload By 桑山 知之「家は極力モノを少なくしています。荷物もいっぱい持つとなんだか訳がわかんなくなって落としちゃうので、そもそも減らすっていうか、カバンを小さくしました。学生時代は登山用のリュックサックで登校していたんですよ(笑)」(manaさん)福祉×アートで世の中をより良く学生時代、家庭の方針でテレビはNHKしか見ていなかった。好きだったのはドキュメンタリー。「いろいろな人が世の中にはいっぱいいる」と興味が湧いた。マイノリティと言われる人々の生きざまに、自然と惹かれていた。そんな中、ドキュメンタリーCM『見えない障害と生きる。』をテレビで見て、「生きることを認められている」気持ちになった。育児がひと段落し、昨年夏には障害者支援施設で働いた。しかし猛暑の中頑張りすぎてしまったためか、パニック発作が出た。“日本一暑い町”多治見市は、感覚過敏のmanaさんにとってなかなか酷である。来年度からは、多治見市が委託する「母子保健推進委員」として活動する予定。無理をしすぎないよう調整しながら、障害のイメージを「ポジティブに変えたい」と話す。Upload By 桑山 知之「自分にも見えない障害があって、周りにもそういう人がたくさんいるわけで。もっといろいろなことを知って、パッと見ではわからない困りごとがある人と、行政やサービスを結ぶ活動をしていきたいです」(manaさん)気軽に話せる相手がいなかった幼少期。誰かに助けてもらうという選択肢すらなく、今も当時の記憶は断片的なまま。子どもを社会全体で育てていく、そのチームの一人になりたい。それが当面の目標だ。中でもアートが大好きだというmanaさん。子どものころには、鼻血を出すまで集中して絵を描いていた。引きこもっていたころも、アートに支えられた。「アートには力がある」。福祉とアートをつなげる仕事ができたらと、一歩を踏み出していく。Upload By 桑山 知之Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海(監修・井上先生より)専門学校で福祉を学んだり、実際にその分野で働いたり、子育てを経験する中で、ご自身の特性や診断に向き合ってきたということは、同じような特性や診断のある人や支援に対して非常に役立つだろうと思います。障害者支援の仕事は、一方では利用者の方々の得意なことにスポットをあてていく仕事だと思います。そういった視点はmanaさんにあっているのではないかと思います。ただ、福祉や支援サービスの現場は過酷な面もあり、合理的配慮が得られにくい場合もあります。ご自身の特性を踏まえて、働く時間や内容をアレンジするなどして、ご自身が無理しすぎない環境を整えることも大切です。職場の中で理解や配慮が得られるようにしつつ、当事者であり支援者であるということを活かし、またご自身の得意な分野でmanaさんらしい仕事を続けていっていただけるよう応援しております。
2022年02月02日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第30話。前回、資産運用の勉強を始め出すも、自分が資産運用すべきタイプではないと判明したやましたさん。なぜすべきではないのか、その理由とは!?★前回:「が〜ん!」資産運用の勉強を始めた途端に重大な事実が判明… #脱力系ゆる更年期日記 31ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。資産運用の勉強を決意した私。そんな私が知った「私は資産運用をすべき人ではない」とういう衝撃の事実。今回は、しょっぱなからその理由をでで〜んと発表させていただきたいと思います。「なぜ私は資産運用をすべき人ではないのか?」その理由は「私には運用できる資産がないから」です。シンプルですよね。超シンプルすぎて笑ってしまいましたが、そうなんです!超超超超当たり前なんですが、資産運用っていうのは、そもそも資産がある人だけができる行為だったんです。その名も「資産運用」ですもんね。私のようにカードの支払いが滞り、年に何度かクレジットカードが使えなくなるような資産のない人には、ご縁のないものだったのです。よわい49歳。自分の知識のなさや、悲惨な経済事情を堂々と発表するのも、ただただお恥ずかしい限りですが、張り切って公言させていただいた私の資産運用の勉強計画は数週間で暗雲が漂ってしまいました。ただし!こんなときこそ、あのセリフの出番ではないでしょうか?某有名バスケマンガに出てきたAZ先生のめちゃくちゃ有名なあのセリフ……。「諦めたらそこで試合終了ですよ……?」数週間YouTubeを聞き流して「資産運用」だけが、今より豊かな生活を送るための方法ではないと知ることができました。「資産運用の勉強」もとい「お金の勉強」と称して、YouTube大先生の元、引き続きゆる〜く勉強を続けたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年01月27日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第30話。ついに資産運用の勉強を始め出したやましたさん。自分に合った方法が決まったまでは良かったのですが……。★前回:「呼吸、食事、排便…」面倒くさがりな私が資産運用の勉強を決意! #脱力系ゆる更年期日記 30ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。資産運用の勉強法について、本を読むか、無料の投資講座に申し込むか、はたまたYouTubeで好きなチャンネルを探すか、悩んでいた私ですが、一番取り掛かりやすく無料で始められる「YouTube」から入ることに決めました!「仕事をしながら、音楽感覚でYouTubeを聞き流す♪」こんな感じです。「資産運用の勉強」というと、重々しくて堅苦しく聞こえてしまっていましたが、もうすでに仕事をしながらYouTubeを聞き流す習慣があった私には、実践しやすく何のストレスもありませんでした。まさに呼吸! 食事! 排便! YouTube!!私に合った良質な情報をちゃんと見極めるため、「初心者向け」「資産運用」をキーワードにいろんなチャンネルを見あさりました。その手の知識が皆無な私は、言わば、まだ何も書き込まれていない真っ白で真っさらなキャンバス。ひとつの間違った色に染まってしまっては元も子もない!こうしていろいろなチャンネルを聞き流し数日がたったころ、「重大な事実」を知ってしまいました。よくよく注意深く聴いてみると、いろいろなチャンネルでほとんどの人が口をそろえて同じことを言っていました。今から資産運用を始めて、友だちみたいな豊かな暮らしがしたいと鼻息を荒くしている私にはとても大事なその事実。それは……。「私は資産運用をすべき人ではない」ということです。が〜ん!がび〜ん!!がびちょ〜ん!!!あまりの衝撃にめまいが……。このめまいはショックを受けためまいなのか、それとも、ただの更年期の症状なのか……。などと、どっちでもいいことを考えつつ、今も少し落ち込み気味な私です。次回は、なぜ私は資産運用をすべき人ではないのかをお送りしたいと思います。★関連記事:「ひよってんじゃねぇ!」VIO脱毛前日の処理はヤンキー座りスタイルで #脱毛編 #熟女系 30★関連記事:「どんだけ力がないの…!」アラフィフマンガ家のちょっと恥ずかしい散歩事情 #アラフィフの日常 51★ウーマンカレンダー連載マンガをもっと読む著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2022年01月13日ホットフラッシュなどの更年期症状はよく耳にするけれど、私に現れた症状は手の指の関節痛でした。痛みで指に力が入らず、家事や仕事も今までどおりにはできないため、家族や同僚の手を借りることに。つらい日々をどう乗り越えたのか……私の体験談をお伝えします。お茶出しや家事がつらい日々…51歳の夏、エアコンの効いた部屋にいるのに頭から滝のような汗が出るように。更年期障害かなと思っていたある日のこと、右手の人差し指と中指の第一関節と左手の親指の付け根が突然痛み出しました。仕事は幸いパソコン作業だったので、キーボードやマウスの操作には差し支えなかったのですが、何よりつらかったのはお客様へのお茶出し。コーヒーカップ、湯のみ茶碗などで飲み物を出していたため、人数が多いとその分重さがあり、手に負担がかかります。そのため痛みがひどいときには同僚に手伝ってもらっていました。家では、材料の入った鍋を持つだけで痛むことも。特に大根おろしを作る、ペットボトルのフタを開ける、洗濯ばさみをつまむなど、小さな物をつまんで力を入れる作業に支障が出てつらい思いをしました。痛みが出ると指の第一関節と第二関節が曲げられず、手をグーにすることができません。どんな動作で痛くなるかわからないので、いつもの家事をして「これはできる、これはできない」と気付くことが多くありました。家族がいるときは手伝ってもらうこともできますが、いないときは惣菜を購入したりしていました。手指の痛みと滝汗を治したくて婦人科に手の指の痛みも滝のような汗もどちらも更年期障害の症状だと思ったので、改善する方法をネットで探しました。「エクオール」という大豆由来のサプリメントが更年期症状に効果があるということを目にして、試してみることに。1週間ぐらい飲みましたが、私の場合、あまり変化がありませんでした。滝のような汗も止まらず、さすがになんとかしたいと思い、婦人科へ駆け込みました。1週間後に血液検査の結果がわかり、更年期障害と診断されました。体の中ですでにエストロゲンが作られていなかったために発汗の症状が出ていたことがわかり、納得しました。先生からは関節の痛みについては特にしっかりとしたお話はありませんでしたが、もともと整形外科に通うつもりだったので気にしませんでした。更年期障害との診断を受け、ホルモン補充療法で様子を見ましょうということに。薬が体に慣れるまでの2~3カ月は不定期に生理のような腹痛や出血がありましたが、それも徐々に回数が減り、気が付けばなくなっていました。異常な多汗は薬の服用を開始して1週間後には治まり、手指の関節の痛みも引きました。 しかし、手指は毎日使うので、しばらくすると痛みが再発してしまいました。装具を着けたら痛みが軽くなった!当初の予定どおり、手を専門に診てくれる整形外科に通院することに。更年期であることやホルモン補充療法をしていることを伝えると、関節の痛みは更年期障害の一つの症状ということを教えてくれました。関節は固定することで安静が保たれるので、私の手にあった樹脂製の装具を制作してもらいました。初めに装着したのはしっかりと固定する装具で、痛みが治まってくるとクッション性の高い装具に変わりました。通院時には、親指と人差し指の付け根あたりの筋肉をマッサージでほぐしてもらいました。さらに、作業療法士さんが私の親指を腹側から押し、私が押し返すというトレーニングもしました。また、自宅でのストレッチも教えてもらいました。手順は①テーブルなどに手のひらをつける。②両手の人差し指と親指同士をつけて三角形を作る。③親指をつけた部分は動かさず、他の指を上側にスライドさせてしずくのような形にする(写真参照)。この動作をして10秒固定×10回を1日3回おこないます。痛みは徐々に取れましたが、どうしても1カ所だけ痛みがひどく痛み止めの飲み薬が効かないので、ブロック注射を打ちました。痛みは引きましたが使い過ぎると再発するので、昼間はテーピングを、夜は装具を装着しています。まとめ女性の更年期症状は、ほてりや発汗、イライラなどは知っていましたが、手指の関節に痛みが出る場合もあることを初めて知りました。関節の痛みが気になったので、悪化する前に病院に行くなどして早めに対処することができました。手の関節痛は一度なってしまうとなかなか治りにくいので、痛みが出にくい手の使い方を覚えるなど、関節痛とともに生活していくことになりました。痛みのつらさは本人にしかわかりませんが、家族や同僚などにしっかりと理解してもらい、サポートしてもらえたらと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)【粒来先生からのアドバイス】関節痛は更年期のころに課題となることの多い症状です。関節痛とエストロゲン低下は関連しており、ホルモン補充療法の有効性、また、サプリメントとしてエクオールの有効性の報告があります。自分で手軽にできるものとしてエクオールのサプリはお試ししやすい選択肢と思います。婦人科外来でもよく提案されているものですが、エクオール自体がエストロゲン活性が弱いので、1週間と短い期間で判断するのではなく、1カ月または数カ月のスパンで飲み続けてみることをおすすめします。改善が見られない、症状の程度が強い方は、婦人科を受診してホルモン補充療法やプラセンタ治療などの相談をしていただくと良いでしょう。関節痛は原因もいろいろあり、関節リウマチなどの可能性もありますので、はじめから症状が強い場合、または婦人科的アプローチで改善しない場合は、整形外科でも相談してみてください。★関連記事:「突然、小指が折り畳まれて激痛も!」小指が硬直して戻らなくなり受診したら…【体験談】★関連記事:すぐに立ち上がれないほど痛みがあった私の関節痛の対処法【体験談】★関連記事:エクオールなど女性向け更年期サプリ。試す価値あり?どう活用する?著者/tomo(51歳)アラフィフになり、更年期真っただ中。症状に悩まされながらも家族のやさしさに触れ、過ごす日々。
2022年01月03日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第30話。今回は、前回に続いて資産運用の勉強を始めることにしたときのお話。何でどうやって勉強するのかを考えたやましたさんでしたが……。★前回:「取り残された感がハンパない!」久しぶりに会った友だちが潤っていて焦った私は… #脱力系ゆる更年期日記 29ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。前回、専門学校時代の金銭的にかなり潤った友だち7人に会い、自分の取り残された感を痛感し、彼らとの溝を埋めるべく「資産運用」の勉強を始める決意をした私。生まれた瞬間から超面倒くさがり屋な私にとって、新しい何かを始めるときに一番大切なのは「何で(何を使って)どうやって勉強をするのか」ということ。そう、それは、まるで息を吸うかのように、まるでごはんを食べるかのように、まるで排便をするかのように、毎日当たり前にしていることのような方法で勉強をすることが非常に重要になってきます。本で勉強するか……YouTubeでよく宣伝している無料の投資講座に申し込むか……はたまた、いつものようにYouTubeで好きなチャンネルを探すか……。呼吸、食事、排便…。呼吸、食事、排便…。悩ましいところです。★関連記事:「えっ、脇毛を生やしたまま!?」脱毛を決めたはいいが、まさかのアドバイス…#脱毛編 #熟女系 26★関連記事:「絶対年上だと思ったら…」初対面での打ち合わせで衝撃の事実が…! #アラフォー絵日記 8★ウーマンカレンダー連載マンガをもっと読む著者/イラストレーター/ やましたともこ(49歳)高知県出身、大阪府在住のイラストレーター。2児の母。高齢出産で身も心も弱り切ったまま更年期に突入。ここ10年元気な自分を見たことがない。本格的な老化とどう付き合うのか日々模索しつつヤングで緩めなイラストを描いている。
2021年12月23日小学2年生だった次男がいじめにあう発達障害の中でもADHDとASDのほか、躁鬱病(双極性障害)がある猫ママ(仮名)さん。学生時代はまだ発達障害や躁鬱病が今ほど世の中に知られておらず、周囲の理解が乏しい中、「突然落ち込んで動けなくなる」ことが多かった。「あの子は怠け者」。夏休みの宿題もやり切れたことがなく、いつも「頑張らなきゃ」と無理をしていた。高校卒業後、1年余り会社勤めを経てすぐに結婚。3人の子宝にも恵まれた。ただ、当時小学2年の次男が日に日に元気がなくなっていくのを見て、違和感を覚えていた。すると授業参観の日、担任教師から「お子さんが友達に対して注意をすることが多く、反感を買っている。その話を本人にしたら、最近元気がなくなってしまった」と言われたという。しかし、詳しく状況を確認をしたところ、担任教師の対応がクラスのいじめを助長していたことが発覚。学校に事実を伝え、事態は収拾したものの、猫ママさんの心に引っかかったことがあった。「友達に注意をすることが多い」とは――。周囲に自閉スペクトラム症のある子どもがいたことから発達障害の勉強をしていたという猫ママさんにとって、次男の特性があてはまることに気付いた瞬間だった。Upload By 桑山 知之「勉強もできて友達だってたくさんいる、こんなにいい子なのに、発達障害だなんて有り得ないって最初は思いました。でもある日、夕飯を作っていたときに肉じゃがを見て次男が『これ、何ていう食べ物だっけ?』って言ったんですよね。何度も食卓に出している献立の名前も知らなかったのか、今まで意識したこともなかったのかと――それで次男にはなにかあるという確信に変わったというか。でも、どこか気持ちが軽くなったんですよね」(猫ママさん)その後、学校でのルールに耐えられなくなり、眠れない日々を過ごしたという次男。診断の結果、ADHDとASDがあることがわかった。「しんどいからできない」のか「甘えている」のかが分かりづらく、叱るのを躊躇した時期もあったが、特性を深く理解することで線引きがわかるようになったという。息子が苦手なことは自分も苦手――自身も発達障害の診断をUpload By 桑山 知之次男のあと、長男や三男の障害も明らかになった。そして猫ママさん本人も35歳のころ、診断を受けた。夫は診断こそ受けていないが、息子の担当医によれば「間違いない」という。こうして“発達障害一家”として歩んでいく決意を固めた猫ママさんは、子どものサポートに徹しようと仕事をせず、書類や水筒を忘れたらいつも学校まで届けた。「家族のサポートをする上で、私自身の苦手分野と彼らの苦手分野が被りすぎていることは、ハッキリ言ってかなりの負担です。誰か1人でもいいから、片づけができるといいんですが…。彼らの負担を軽くするために、彼らがどうしてもできないことはやってあげたいと思っています。ですが、私も同じようにどうしてもできません。私だってできることなら誰かに頼りたい」(猫ママさん)Upload By 桑山 知之思い返してみれば、猫ママさん自身も子どものころ、空気が読めなかった。周囲の様子をきちんと理解できていなかった。相手の表情や、何を喋っているか、あらゆる情報が今でもほとんど思い出せない。でも母親や教師からはよく怒られた。当時を知る高校の同級生からは「あのころはマシンガントークがすごくつらかった」とも言われた。どうやら、しょっちゅう友達の間に割って入って自分の話をまくしたてていたらしい。発達障害一家だからこそわかること「ゆっくりだけど、みんな学んでいる。」これはドキュメンタリーCM『見えない障害と生きる。』の中に差し込まれたコピーだ。猫ママさん一家も、決して例外ではない。Upload By 桑山 知之社会には、どうしても守らないといけないルールや、やらないといけないことがある。しかし、発達障害のある人にとって、「できないこと」や「わからないこと」があるのも事実。猫ママさんは、自分なりのペースで「誠意を持って生きる」ことが大切だと話す。「そもそも、自分が何をわかっているのか、わかっていないのか、わかっていないことがわかっていないというか。それダメだよって言ってくれれば、ダメなんだってわかるんだけど、言われなかったり酷い目に遭わなかったらわからないんです。そういう人多いんじゃないかな、ラインがわからない人。感覚としてわかんない。備わっていないんです」(猫ママ)Upload By 桑山 知之苦しんで育ってきた自分だからこそ、息子3人が一体どういったことに苦しんでいるのかがわかる。そのサポートをしながら、親がレールを敷くのではなく、本人の意思を尊重してきた。そのうえで、子育てにおいて大切なのは、「何ができるか」ではなく、「愛される人間であること」だという。「いちいち他人を敵に回すようでは、困ったときに助けてあげようと思ってもらうことはできません。逆に、できることが少なくて手がかかっても、いわゆる憎めない人には、ピンチのときに誰かが必ず助けてくれると思うんです。特性ゆえにわからないならなおのこと努力が要るのではないでしょうか。そのためには、障害を受容し、許容することが大前提になるのだと思います。まず親が一番最初に、わが子をしっかりと受け止め、許容すること。できないことを受け止め、その中で一緒に歩いていくこと。そしていつか必ず『手を離す』覚悟を持って」(猫ママさん)長男は25歳になり工場用機械を作る会社に就職。次男は21歳で名古屋のアパレルショップで働いている。三男は全日制の高校に通う1年生だ。猫ママさんは10年前から、発達障害や家族のことを知ってもらおうとブログなどを通じて発信を続けている。特性と躁鬱の症状で仕事は途切れがちだったが、現在はクローズ(※障害があることを申告せずに一般雇用で就労すること)でサポート側として2年半継続して勤務している。ゆっくりだけど、みんな学んでいる。Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文/桑山知之取材協力/若者支援ネットワーク研究会in東海(監修・三木先生より)「誠意をもって生きること」「愛される人間であること」はすごく大事ですね。どういった苦手さを持っているかももちろん人生に大きく影響するのですが、その困難に直面したときに誰かに助けてもらえたり許してもらえるようなキャラクターだったり振る舞いができたりすることは、実は何よりも強い武器なのかもしれません。
2021年12月22日