こんにちは。助産院ばぶばぶ院長のHISAKOです。今日は、赤ちゃんが風邪などの体調不良のときに迷う「小児科と耳鼻科とどっち?」という疑問について、お話ししたいと思います。 小児科は総合的に診てくれる場所小児科は、子どもの全身状態を総合的に診てくれます。血液検査や点滴もしてもらえます。基本的に風邪はウイルス感染ですが、子どもは風邪を引くと抵抗力が落ちるので、鼻や耳の奥に二次的な細菌感染が起き、中耳炎や副鼻腔炎を併発することがあります。 小児科では、鼻の奥、耳の奥の二次的炎症までは詳しく診ることができません。鼻や耳の奥の膿を外に出してしまえば良くなるのだけど、小児科では「鼻を吸う」「鼓膜切開」などという処置はしてもらえません。 耳鼻科はのどから上の専門科耳鼻科は、のどから上の不具合の診断と治療の専門科です。小児科ではお手上げだった二次的感染は、耳鼻科の得意分野! 鼻を吸ったり、吸入器で鼻の奥にまんべんなく薬を吹き付けたりする処置も可能。中耳炎では、鼓膜切開で中に溜まっている膿を簡単に出してくれます。また、抗生剤も処方してくれます。 ただ、耳鼻科はのどから上の専門ゆえに、気管支や肺など、呼吸器系の病変の診断は不得意です。小児科のように、病気を総合的に判断するのは苦手なんですね。 風邪に抗生物質は効かない?「風邪は“抗生剤”を飲んだらすぐに治る」と思っている人も多く、 風邪をひいたら小児科じゃなく、抗生剤が欲しいから耳鼻科に行く、という話もよく聞きます。 でも実は、いわゆる風邪はウイルス感染症なので抗生剤は効きません。抗生剤は細菌感染にだけ効果があります。耳鼻科で安易に抗生剤を処方され、飲み続けていると、鼻の奥には抗生剤の効かない細菌がどんどん増殖してしまいます。結果、病気をしやすい子になってしまう可能性もあるんですね。 それぞれのメリットを理解しよう小児科は子どもの一生を考えて総合的な判断をするので、タチの悪い細菌感染症でないことを確認したうえで、重篤で細菌感染が起きる可能性が高いもの以外の緊急性の低い風邪に対しては抗生剤に頼りません。なるべく子どもが本来持っている自然治癒力を大切に考えます。 耳鼻科は、細菌感染で起きる中耳炎や副鼻腔炎を治すのが仕事だから、すぐに抗生剤を出してくれるわけだけど、よほどひどい中耳炎や蓄膿でない限り、単なる風邪にともなう中耳炎ぐらいなら、抗生剤を使わず、膿を吸って取り除いてもらうだけで十分だと私は思います。 ウイルス相手の小児科と細菌相手の耳鼻科。それぞれの立場で治療の方法が違います。うまく使い分けて受診することができたらいいですね。 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年11人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2020年01月13日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。1カ月健診のときによく出る質問のひとつが、赤ちゃんの目やにについてです。 赤ちゃんの目やには自然に治るものから、眼科で診てもらった方が良いものまでさまざま。新生児のときは、あまり気楽に外出もできないので、悩みますよね。今回は、目やにが出る原因、普段のケア、受診の目安についてお話ししたいと思います。 どうして「目やに」が出るの?目は、乾かないように涙で守られている臓器です。涙は目の上の方にある涙腺で作られて、目を潤したら、目頭にある涙点という小さい穴に吸い込まれ、鼻涙管(びるいかん)という管を通って鼻に流れていきます。この循環がうまくいっていると目やにはほとんど出ないのですが、どこかが停滞したり、何かしらの原因があると目やにが出ます。赤ちゃんは、いろいろなところのつくりがまだ小さいので、鼻涙管も細いです。ちょっとしたことで鼻涙管が塞がりやすく、目やにが出やすいのです。また、結膜炎など炎症が起きると、目やにがたくさん作られるため、鼻涙管を通って処理しきれずに、目やにが出ることになります。 普段のケア目やにがない、もしくは少ないようであれば、特にケアは必要ありません。お風呂のときなどに涙点がある場所を少しチェックしてみましょう。涙点の周りにちょっと目やにがついているだけで、栓のようになってしまい、目やにの原因になることがあります。お風呂の洗顔時に、目やにが残らないように目頭をガーゼなどでやさしく拭いてあげるようにしましょう。鼻涙管は鼻に抜ける管なので、鼻側で流れづらくなっても、目やにの原因になります。鼻涙管の鼻側で詰まる原因の第一は「鼻水」です。鼻水が多くて詰まりがちのときは、目やにを出さないためにも鼻水を吸ってあげてくださいね。(参照⇒親ができる鼻水ケアのやり方) 目やにが増えたら?目やにが増えたなと思ったら、まず、目が赤くないか、目の周りも赤かったり、腫れているところがないかチェックしましょう。目が赤い、目が腫れているなどあれば、眼科に受診を考慮した方が良いでしょう。 目が赤い等なければ、まずは、「鼻涙管マッサージ」を試してみましょう。【鼻涙管マッサージのやり方】目頭から鼻に抜ける場所をやさしくマッサージします。赤ちゃんの肌はすぐ赤くなってしまうので押さえるくらいでOK。グリグリしないように) 受診のタイミングは?1. 目やにが少し出るくらいなら慌てなくていいことが多いです2. 目が赤い、腫れている場合は眼科を受診しましょう3. 目が開かないくらいの目やにが出る場合も受診しましょう 家でできるケアと受診の目安を知っておいて、大事な赤ちゃんの目を守りましょう。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2019年12月26日私たちの肌の上に生息している「皮膚常在菌」を知っていますか?名前だけ聞くと少し気持ち悪い気もしますが、実は美肌に欠かせない菌なのです!そこで今回は、皮膚に棲む皮膚常在菌について解説します。コスメと皮膚常在菌の関係もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。皮膚に棲む「皮膚常在菌」とは?出典:byBirth「皮膚常在菌」とは、その名の通り肌の上に生息している菌のことです。菌と聞くと汚いイメージがありますが、皮膚常在菌は“美肌菌”や“善玉菌”とも呼ばれており、美肌を保つために欠かせない菌なのです。現時点で肌トラブルに悩んでいる人も少なくないと思いますが、皮膚常在菌は肌トラブルと大きな関係があります。なんでも、皮膚常在菌の数が減少したり、菌のバランスが崩れたりすると、ニキビ・乾燥肌・敏感肌といった肌トラブルを起こしやすくなるのだとか……。そんな皮膚常在菌は200種類以上、数でいえば1兆個あるといわれています。代表的な種類でいえば、善玉菌(表皮ブドウ球菌など)日和見菌(アクネ菌・マラセチア酵母など)悪玉菌(黄色ブドウ球菌など)などが有名です。通常、これらの皮膚常在菌は害を及ぼすことはありませんが、ホルモンバランスが乱れたり、ストレスを感じたりすると、肌トラブルを引き起こすことがあるのです。皮膚常在菌のバランスを崩す主な原因5つ出典:byBirth先ほど少し触れましたが、皮膚常在菌は安定して生息している分には何も害を持たないばかりか、むしろ美肌を保つ役割を果たしてくれています。しかし、何らかの原因で菌のバランスが崩れてしまうと、肌トラブルを引き起こしてしまうのです。ここからは、皮膚常在菌のバランスを崩す代表的な原因をチェックしたいと思います。化粧品の合成成分皮膚常在菌は生きた菌なので、殺菌成分が苦手です。しかし、化粧品には微生物やカビの繁殖を防ぐパラベンやフェノキシエタノールなどの「合成防腐剤」や、洗浄力や吸着性の強い「合成界面活性剤」といった殺菌成分が含まれており、皮膚常在菌のバランスを崩したり、減少させたりしてしまうのです。一説によると、合成成分でできた化粧品を長時間塗りっぱなしの現代女性は、皮膚常在菌の数自体が減少しているのだとか……。過度な洗顔通常、洗顔によって皮膚常在菌を洗い流したとしても、毛穴に残った常在菌が繁殖するため15分ほどで元に戻るといわれています。しかし、合成界面活性剤が含まれた洗浄力の強いクレンジングで洗顔したり、1日に何度も洗顔したりすることで皮膚常在菌は減少してしまいます。腸内環境の乱れ腸内細菌のバランスが崩れると、悪玉菌が優勢になります。その結果、皮膚常在菌のバランスが崩れて、肌トラブルが起こる可能性が高まってしまうのです。ストレスストレスはホルモンバランスを乱したり、腸内の善玉菌を減少させたりします。これは肌の善玉菌をも減少させ、肌トラブルを引き起こすといわれています。睡眠不足睡眠不足が続くと、自律神経の乱れから男性ホルモンを多く分泌するようになると知っていますか?その結果、皮脂を過剰に分泌してオイリー肌になってしまうのです……。このように皮脂の量や質が変わると、皮膚常在菌も必然的にバランスを崩すことになります。皮膚常在菌が住みやすい環境を整えるには?出典:byBirth皮膚常在菌のバランスを崩す原因から、皮膚常在菌が住みやすい環境を考えてみましょう。まずは、化粧品やクレンジングです。現在、防腐剤や保存料が使用された化粧品を毎日使用している人や、洗浄力の強いクレンジングで過度な洗顔をしている人もいるでしょう。どちらか一方でも当てはまる人は、ライフスタイルを変えないまでも少しだけ工夫してみませんか?例えば、週に1日はメイクをしない日を作ったり、自然界の素材のみで作られたオーガニックコスメを使ったメイクに挑戦したり。アイメイクやリップにはポイントメイクリムーバーを使って、肌の大部分にはミルクやジェルなどの肌への負担を抑えるクレンジングを使ってもいいですね。また、腸内環境を整えるために食物繊維が豊富に含まれた野菜や海藻類を積極的に摂ったり、ストレスと寝不足を解消するためにゆっくり湯船に浸かったり……。肌の乾燥やニキビに悩んでいる人は、ぜひ皮膚常在菌が住みやすい環境を意識してみてくださいね!
2019年11月16日東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳5歳3歳の子育て中です。夏も本番、本格的な暑さが続いていますね。今でも十分多くいますが、8月後半になるともっと増えてくる「蚊」。子どもは蚊に刺されやすいので、憂うつな季節ですよね。今回は赤ちゃんと虫よけについて解説したいと思います。 虫よけの種類を知りましょう虫よけには大きく分けて3種類あります。 1. ディートディートは昔から使われている虫よけです。蚊が嫌がる成分で、塗ったところに蚊がとまれないので刺すことができません。塗っていないところには蚊がとまれちゃうので、まんべんなく塗るとより高い虫よけ効果が得られます。神経毒性があるため、使うことを躊躇される方も多いですが、昔からさまざまな毒性の研究がされていて、決められた使用法を守れば安全に使えると私は考えています。ディートは生後6カ月未満の赤ちゃんには使用できず、生後6カ月以上でも使用量に気をつけなければいけません。 2. イカリジンイカリジンはここ数年前から日本で使われるようになった虫よけです。新しいイメージですが、ドイツでは20年ほど前から使われています。ディートは虫よけとしてかなり万能な効果がありますが、イカリジンは効果がある虫の種類がディートより少ないですが、イガリジンは使用制限がなく、ディートと同様の効果が得られると研究結果が出ています。 3. ハーブハーブ系の薬は虫が嫌がる匂いのハーブをいくつか組みわせて作ってあります。商品によってハーブの組み合わせが違うので、好きな香りのものを選んで使うというのも良いでしょう。「虫が嫌いな匂い」というものなので、使ったら確実、というほどではないと思っていてください。 赤ちゃんに虫よけを使うときはディートは生後6カ月未満の赤ちゃんには使えませんが、ハーブだからといって赤ちゃんに安全というわけではありません。私はアロマテラピーアドバイザーの資格を取ったことがあるのですが、生後6カ月未満の赤ちゃんはアロマも大人と違う濃度で使用します。イカリジンは生後6カ月未満でも使用可能です。 たとえば、ベビーカーで外出するときは蚊よけカバーをつけたりするなど物理的に防御したり、服の上に虫よけを使うなど工夫しましょう。 また、赤ちゃんに限らず、虫よけはスプレータイプよりもミストタイプがおすすめです。スプレーは口から吸入してしまいやすいので、喘息のある子などは特に避けたほうが良いでしょう。 蚊に刺されると怖いのは"感染症"蚊に刺されることで心配なのは、デング熱や日本脳炎などの感染症になること。デング熱は今のところほとんどが輸入感染症(海外から病原体が持ち込まれる感染症)で、日本脳炎はブタから蚊を介して感染する病気です。どちらも日本で今流行している訳ではないので、過度な心配は無用です。 シーンに合わせた使用方法で、安心の蚊対策を!わが家では、保育園の行き帰りなどはハーブの虫よけを手軽にシュシュッと使っています。週末のお出かけでは自然に触れ合うことが多いこともあり、ディート10-12%の濃度のものを使っています。 虫刺されの薬は、虫刺されを治すものではなく、かゆみを抑えたりするものなので、かゆみが強くなければ基本的には使わなくていいと思っています。子どもたちが薬を塗りたがるときは、かゆみが強そうであれば虫刺されの薬を、そうでないところ(もうそこはずっと前に刺されたやつでしょ、みたいなところ)には保湿剤を塗ってあげています(笑)。虫刺されの薬は市販のもので十分ですよ。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2019年08月26日美白、ニキビ・毛穴ケア、アンチエイジングなどに効果がある「APSローション」を使ったことはありますか?美容皮膚科でも使われる「APPSローション」はただのビタミンCとは異なり、驚異的な美肌効果を発揮する化粧水です。当記事ではそんな「APPSローション」を安価で販売している世田谷区用賀皮膚科の「高濃度ビタミンCローション(APSローション)」を本音でレビューします!美白、ニキビ・毛穴ケア、アンチエイジングに最適「ビタミンC誘導体(APPS)配合ローション」のすすめ出典:byBirth皆さんは「ビタミンC誘導体(APS)ローション」を使ったことはありますか?ビタミンC誘導体(APS)ローションは、美白やニキビ・毛穴ケア、シワ予防・改善などのアンチエイジング効果が期待できるとして、美容に関心の高い方々から支持されている化粧水です。ビタミンC誘導体(APS)ローションはドラッグストアでも購入できますが、確実な効果を得たいのであれば、一般皮膚科や美容皮膚科で高濃度のビタミンC誘導体(APS)ローションを購入することがおすすめ。当記事でははわたしが試してきたビタミンC誘導体(APS)ローションのなかでも、世田谷の用賀皮膚科で購入できる「高濃度ビタミンCローション」を本音でレビューします。そもそも「ビタミンC誘導体(APS)配合ローション」って何?出典:byBirth美肌のためにビタミンC(アスコルビン酸)が重要であることはもはや周知の事実。ビタミンCは活性酸素を除去し、ニキビの色素沈着を予防したり、シミやそばかすのもととなるメラニン色素を抑制するなど、様々な美肌効果が期待できる成分です。しかしながら、残念なことにビタミンCは肌に吸収されにくい性質。安定性が低く、空気に触れるとたちまち酸化してしまいますし、水に溶かすと活性が失われてしまうので、ビタミンCの美肌効果を最大限に得るためには、いかに皮膚内へとその成分を届けて活性化できるかがポイントになります。こうしたビタミンCのデメリットを改善したものが、ビタミンC誘導体になります。ビタミンC誘導体は従来のビタミンCに比べて角質層への浸透率がアップしており、さらに長時間に渡って活性を持続するため、美肌効果が高い成分なのです。当記事で取り上げるAPS(アスコルビルリン酸Na、リン酸アスコビル3Na)は水溶性タイプのビタミンC誘導体。皮膚に塗布すると角質層内まで浸透してビタミンCとなるため、活性を維持しやすいという特徴があります。ちなみに、そんなビタミンC誘導体を遥かに凌ぐ浸透性を持つのが、APPS(パルミチン酸アスコルピルリン酸3Na/アプレシエ)です。従来のビタミンC誘導体は皮膚の表皮までにしか到達しませんが、APPSは水溶性ビタミンC誘導体の一種であるリン酸型ビタミン誘導体にパルミチン酸を付加することで、親油性と親水性を獲得したハイブリッド型の新ビタミンC誘導体。従来のビタミンC誘導体に対して100倍以上の浸透性を持つため、皮膚に塗布すれば有効成分が真皮にまで到達します。そんなAPPSを配合した化粧水は、APPSの濃度が低くても美肌効果を存分に発揮するうえ、即効性と持続性を兼ね備えている優れものです。APSローションで得られる効果とは?出典:byBirthAPSローションを皮膚に塗ると、次のような美肌効果を得ることができます。抗酸化作用で活性酸素を除去し、お肌のキメを整えるお肌の透明感アップシミやそばかすのもととなるメラニン色素の生成を抑制する過剰な皮脂分泌を抑制し、毛穴を引き締めてニキビを予防・改善する毛穴の黒ずみやニキビ跡を目立たなくする乾燥小ジワの改善用賀皮膚科の「高濃度ビタミンCローション」を使ってみた!出典:byBirthもともと、表参道のタカミクリニックで販売されている「タカミクリニック院内処方APSローション」を使っていたわたし。その効果は絶大で、1ヶ月も使用すれば顔全体の黄ぐすみが飛び、ワントーンアップしたお肌に。また内側からふっくらするようなハリ感があり、お肌自体が柔らかくなったような印象を受けました。これは「一生使いたい!」と思ったものの、実は1本あたり80ml(約1ヶ月分)で7,500円(税抜)となかなかお高めなのです。そこでインターネットでより安価なAPSローションを探した結果、世田谷の用賀皮膚科のホームページにたどり着きました。用賀皮膚科で販売されている「高濃度ビタミンCローション」は45ml(約2~3ヶ月分)で2,000円(税抜)と格安。それなのにAPS(リン酸アスコルビン酸ナトリウム)が10%の高濃度で配合されているというから驚きです。ということで、実際に用賀皮膚科を受診して「高濃度ビタミンCローション」を購入してきました。三種の神器!APSローションにヒアルロン酸とプラセンタ原液を混ぜて……出典:byBirth用賀皮膚科で購入できる「高濃度ビタミンCローション」は単品使いはもちろんのこと、保湿のために「ヒアルロン酸原液」や「プラセンタ原液」を混ぜることが推奨されています。お肌を保湿し乾燥小ジワを防ぐ「ヒアルロン酸原液」が12ml 3,000円(税抜)、お肌を保湿し活性化させる「プラセンタ原液」が1ml 2,500円(税抜)。「高濃度ビタミンCローション」3~4滴に対し、それぞれワンプッシュ分を混ぜて全顔に塗布するだけ。これを朝晩続けておよそ一ヶ月。一番実感があったのは、ニキビができにくくなったこと。生理前はホルモンバランスが乱れて角質が溜まりやすくなるため、フェイスラインに赤いニキビが出来やすいのですが、「高濃度ビタミンCローション」を使っていると、お肌のコンディションが乱れにくいように思います!ただし、美白効果についてはいまひとつ。「タカミクリニック院内処方APSローション」は2週間目くらいから驚くほどのくすみ抜けを実感しましたが、今回の「高濃度ビタミンCローション」では大幅な変化を感じることはできませんでした。しかし、APSを10%の高濃度で配合した化粧水が2,000円(税抜)で購入できるのはやっぱりお財布に嬉しいポイントです。APSローションの購入を検討している方で、なるべくお安いものをお探しであれば、用賀皮膚科の「高濃度ビタミンCローション」がおすすめです。
2019年07月08日東京衛生病院小児科の保田典子です。診療では、風邪などの一般診療に加え、循環器の病気や漢方治療、発達の相談などをしています。ママやパパたちが安心してお子さんのケアができるような診療を心がけています。 私生活では7歳5歳3歳の子育て中で、毎日ドタバタな生活をしています。これからベビーカレンダーでコラムを書かせていただくことになりました。よろしくお願いします! まず初めにお話ししたいこと。それは、「小児科医は安心できる子育てに必要な”サービス”のひとつ」だということです。 初めてのお子さんであれば、育児は誰でも初めてです。初めての経験は、誰でもすぐうまくいくとは限りません。さまざまなツールやサービスをうまく使って、育児を乗り切ってもらえたらと思います。 わたしは、安心できる育児に大事なサービスのひとつ、「小児科医」をうまく利用していただきたいなと思っています。 小児科は病気の時だけじゃない病院というと「病気を治すところ」ですが、小児科の役割はそれだけではありません。乳幼児健診なども行っていて、「赤ちゃんの健やかな成長を見守り、支える」役目もになっています。 そのため、多くの小児科医は「子育てで悩むパパママの助けをしたい」と思っています。 夜泣き、離乳食、疳の虫、イヤイヤ期… 「小児科で相談すること?」と思えることが、意外に小児科で解決することもあるので、予防接種のついでや風邪の診療のついででも、子育ての悩みをちらっと相談してみるのもいいと思います! どんな小児科医がオススメ?初めてのママパパにオススメなのは、「とにかく話を聞いていて、信頼できると思える先生」がいいと思います。 でも、それってすごく曖昧…クリニックの外観を見ても良く分からないし。 とりあえず、ぱっと探せる指標としては ●小児科専門医であること●行きやすい場所であること●(新しい古いではなく)ぱっと見て清潔感があること●ある程度ホームページがしっかりしていること が分かりやすい指標でしょうか。 そんなクリニックを探して一度受診してみて、子育ての疑問なども質問してみて「いいな」と思ったらそこに通った方がいいと思います。 とはいえ、小児科専門医であるというのは1つの指標にすぎません。 実はわたしの場合、今の場所に引っ越してきて、近所の人におすすめされてかかりつけにしている先生は小児科専門医ではありません。 上記の指標のほかにも、しばらく通って「信頼できる先生だと思えたこと」「小児の患者さんが多く経験豊富であること」がわかったので、そのまま通っています。何より、月曜日~土曜日毎日やっているので、他にかかる必要がないのも気に入ってます。 小児科受診。ここは気をつけて!時々来られる患者さんで「3つ病院にかかったけど、良くならなかったので、うちに来ました」という方がいます。 でも、個人的には何度も病院を変えるのはオススメしません。特に小児はどこにいっても出すお薬はそんなに変わりません。そして、経過をみてこそ、分かることがたくさんあります。 「後医は名医」という言葉があり、後で診た医師の方が経過が長い分、事前に治療をされて効果判定ができる分、正確な診断ができます。 そもそも、初診での正診率(正確に診断できる)は15%とも言われています。 なので、この前なかなか治らなかった風邪が、このお医者さんに行ったら治ったから名医!という訳ではないのです。 合うお医者さんは人それぞれ口コミで「良い」と言われている先生でも、「自分には合わないな…」と思うこともあると思います。ママやパパの性格も人それぞれですし、小児科医の先生もそれぞれだからです。 私みたいに、「ママパパたちをとにかく支えたい」と思っている医師もいれば、「とにかく病気をきっちり治すことだけを大事にしたい」と思っている医師もいます。 ぜひ、1つだけでも「自分が行くと安心できる小児科医」をつくってみてください。これからの子育てライフ、心がグッと軽くなると思います。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。 経歴2003年筑波大学医学専門学群卒業大阪市立総合医療センター小児循環器内科研究医国立国際医療センター小児科臨床研修指導医東京女子医科大学大学院2014年より東京衛生病院勤務2019年株式会社メドイース創業 専門領域小児科専門医子どもの心相談医所属学会日本小児科学会日本小児循環器学会日本小児科医会日本周産期新生児学会ブログ忙しくても健康と発達を伸ばす子育て
2019年06月20日「クリニックを訪れる40代、50代の女性は、ほぼ全員といっていいほどキメが荒れていて、肝斑なのか、くすみなのか、シミなのか……茶色の濃淡に赤みが合わさったような肌色で、ブルドッグのように皮膚が伸びてたるんでしまっている人が大勢。こじらせまくった、という感じです」そう話すのは、あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子先生。美容情報があふれている昨今、マッサージや美顔器のしすぎが逆効果、というのも一理あるようだが……。「なにより問題なのは、毎日の食事。肌をつくるタンパク質、特に動物性タンパク質である肉・魚・卵を食べずに、お菓子やパン、パスタの糖質ばかりという人が目立ちます。栄養状態が悪いため、皮膚がスカスカというか、フニャンフニャンというか。まったくもってハリがありません。10年前と比べると一見みなさん若い雰囲気ですが、肌年齢自体は老けている、という印象です」また、40代の肌というのは、20代のころと比べると、単純に倍の年月の紫外線を浴びてきている。「そのぶん、光老化が進んでいることになります。紫外線の害はある程度、体内の鉄分が防いでくれますが、やはりこれも食事から摂取できていない人が非常に多い。そればかりか、20~30年分の月経による鉄分の流出があるため、どんどん紫外線に負けやすくなっています。さらに、鉄分がないとコラーゲンをつくることができないため、ますますシワやたるみがひどくなって――まさに悪循環といえます」では具体的に、どんな食生活をめざせばよいのか。「ズバリ、美肌に必要なタンパク質や鉄分を含んだ『牛肉の赤身!』と言いたいところですが……日ごろ食べ慣れていない人は、体内で消化液がつくれないことも考えられます。いきなりステーキを食べるには、胃もたれなどの不調を招きがちなので、あまりおすすめできません。量も本来、食べられるならいくらでも食べていいのですが、最初は100グラムを超えないように、1回50~80グラムくらいから始めてみるのがいいでしょう。それも難しいときは、ひと口でもふた口でもかまいません。おいしいと思える程度にとどめましょう」動物性と植物性タンパク質はどう違うのか?「植物性タンパク質といえば、豆腐や納豆などの大豆製品が挙げられます。しかし、植物性のものには栄養素の外側にかたい“細胞壁”があり、よくかんでも消化されにくいため、卵、かつお節、いりこだしなど動物性のものを足すのが正解。また、カロリー不足になりがちなので、オリーブオイルやバターを使用した料理と一緒に食べるといいでしょう」美肌のためには魚や野菜も食べたうえで、赤身肉の摂取量を増やすのが肝だそう。そのうえで、糖質は過剰に摂取しないことが大事だという。「糖質そのものが悪いわけではないけれど、食べ方に問題のある人が目立ちます。パスタや丼ものの単品食いはもちろんのこと、『はちみつやてんさい糖を使っていればお菓子もいい』『果物はいくらでも食べてもいい』と思っているなど……。食事全体に対して糖質の占める割合が多すぎると血糖値が急激に上がり、これが肌の“黄ぐすみ”を引き起こします」柴先生がすすめる“タンパク質”生活は次のとおり。■肉と魚をローテーションさせる「牛、豚、鶏肉を日替わりで、基本は塩・こしょうして焼くだけ。同じ物を食べ続けるとアレルギーになりやすいので、肉をたくさん食べたら翌日は魚にするなど変化をこころがけて」(柴先生・以下同)■ボーンブロスが大活躍「時間があるときに、骨付き肉と野菜を煮込んでおきます。スープなら消化が楽だし、骨からもタンパク質やミネラルなどが溶け出て栄養満点。カレーやシチューにも応用しやすいですよ」■レバーペーストを自炊でも外食でも「月に1回は必ずレバーペーストを作ります。市販ならベビーフードが使いやすく、汁ものに加えたり、マッシュポテトに混ぜたり。また、焼き鳥屋さんでは必ずレバ刺しを、ビストロではパテを頼みます」■焼き肉店のメニューも上手に利用する「生食の栄養価が高いので、ユッケがあれば必ず食べるようにしています。カモ肉、ラム肉、鹿肉や馬肉などの“赤い肉”は鉄分が豊富なので、家ではなかなか食べられないぶん、なるべく注文したいですね」「肉食美肌」を提唱する柴先生の肌は、自力で潤い“保湿いらず”というから、試してみない手はありません!
2019年05月22日ていねいにスキンケアしているのに肌の調子が悪い……それ、体内の栄養不足が原因かも。「肉食美肌」を提唱する皮膚科医の肌は、自力で潤い“保湿いらず”というから、試してみない手はありません!「クリニックを訪れる40代、50代の女性は、ほぼ全員といっていいほどキメが荒れていて、肝斑なのか、くすみなのか、シミなのか……茶色の濃淡に赤みが合わさったような肌色で、ブルドッグのように皮膚が伸びてたるんでしまっている人が大勢。こじらせまくった、という感じです」そう話すのは、あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子先生。美容情報があふれている昨今、マッサージや美顔器のしすぎが逆効果、というのも一理あるようだが……。「なにより問題なのは、毎日の食事。肌をつくるタンパク質、特に動物性タンパク質である肉・魚・卵を食べずに、お菓子やパン、パスタの糖質ばかりという人が目立ちます。栄養状態が悪いため、皮膚がスカスカというか、フニャンフニャンというか。まったくもってハリがありません。10年前と比べると一見みなさん若い雰囲気ですが、肌年齢自体は老けている、という印象です」また、40代の肌というのは、20代のころと比べると、単純に倍の年月の紫外線を浴びてきている。「そのぶん、光老化が進んでいることになります。紫外線の害はある程度、体内の鉄分が防いでくれますが、やはりこれも食事から摂取できていない人が非常に多い。そればかりか、20~30年分の月経による鉄分の流出があるため、どんどん紫外線に負けやすくなっています。さらに、鉄分がないとコラーゲンをつくることができないため、ますますシワやたるみがひどくなって――まさに悪循環といえます」では具体的に、どんな食生活をめざせばよいのか。「ズバリ、美肌に必要なタンパク質や鉄分を含んだ『牛肉の赤身!』と言いたいところですが……日ごろ食べ慣れていない人は、体内で消化液がつくれないことも考えられます。いきなりステーキを食べるには、胃もたれなどの不調を招きがちなので、あまりおすすめできません。量も本来、食べられるならいくらでも食べていいのですが、最初は100グラムを超えないように、1回50~80グラムくらいから始めてみるのがいいでしょう。それも難しいときは、ひと口でもふた口でもかまいません。おいしいと思える程度にとどめましょう」肉の摂取量が自分の消化能力を超えてしまうと、未消化のタンパク質が発酵してガスを発生させたり、悪玉菌のエサになったり。「その結果、おなかが張り、腸内環境が悪化し、さらなるガスが発生して……おならや便のにおいがきつくなるなど負のスパイラルに。こういった症状が出ると『お肉が悪い!!』『自分の体質には合わない!!』と思い込み、二度と食べようとしない人が出てきますが、悪いのは肉ではなくて、本当はその人の胃腸のほう。肉は本来、雑食動物である人間には必要な食べ物であり、“合わない人”というのはいないはず。いつしか自分で合わなくしてしまった、ということなのです」
2019年05月22日寒い冬は乾燥による湿疹に悩まされますが、気候があたたかくなってきますと、虫刺されやあせも、とびひなど季節特有の皮膚トラブルに悩まされます。どのように対策すればよいでしょうか?■子どもの皮膚トラブル1:あせもの症状、予防、治療まず一番多い子どもの皮膚トラブルといえば、あせも(汗疹)でしょう。あせもは見た目は赤みがありかゆみを感じ、冬に乾燥からできる湿疹(しっしん)と症状には大差がありません。しかし、あせもの場合、できやすい場所があり、その分布が異なります。基本は、汗をかく場所、むれやすい場所にあせもはできます。例えば、首やわき、ひざ、おむつのギャザーが当たるところなどです。とくに赤ちゃんは、ぽちゃぽちゃしているので、皮膚の間のしわに汗がたまりやすくあせもができます。また、子どもは熱がこもりやすいので、寝ているときに汗をかいて、背中全体にあせもができることも多いです。あせもの原因は汗。ですから、予防として、まず汗をかかないように風通しよくすること、汗をかいたら早めにふきとったりシャワーをすることが大切です。おむつは早めに交換をしたり、冷感シーツやミニ扇風機などを利用するのもいいでしょう。冬の乾燥による湿疹とあせもは、同じ炎症症状なので、治療自体は大きくかわりません。炎症をおさえてあげる薬として、主にステロイド軟膏を使います。■子どもの皮膚トラブル2:虫刺されの症状、予防、治療あたたかくなると公園遊びなど外で遊ぶ機会が増えて、虫刺されも起こしやすくなります。知らぬ間にたくさん刺されていることもあり、我が子もベビーカーの中で気づいたらあちこち刺されてしまったということがありました。まずは、予防として虫よけを使用します。子どもに虫よけは大丈夫なの? と心配になるかもしれませんが、安全に使用できるものがあります。おすすめは「ディート」「イカリジン」という虫よけ成分が入ったものです。どちらも有効な虫よけ剤ですが、ディートは蚊だけではなく、ブヨ、サシバエ、イエダニ、トコジラミ、ノミ、ツツガムシ、マダニなどに対して忌避効果があります、一方、イカリジンは蚊、ブヨ、アブ、マダニと限定されます。使用できる年齢について、ディートは生後6カ月未満には使用できず、12歳未満に対しても使用回数が制限されているのに対し、イカリジンは乳児を含め小児への使用制限がありません。どちらにも長所短所があり、使用する年齢やどこに出かけるかによって使いわけてください。いずれも6時間ほどで効果はきれてきますから、長時間外出する場合は途中で追加するといいでしょう。スプレータイプが苦手な子は、ウエットティッシュタイプもあります。この時期は、日焼けどめも一緒に使用することが多くなりますね。その場合、まず日焼けどめを使ってから虫よけを使用すると、両方の効果が発揮されます。虫刺されは、衣服で体をおおったり虫よけを使ったりとまずは予防ですが、刺されてはれてきてしまったら、まずは冷やしましょう。冷やすことでかゆみが軽減されます。これまでに刺された経験が少ないほどはれやすく、一般的に子どものほうが大人よりもはれやすいです。ときに直径5cmくらいの大きさにはれることもあるので、そのようなときには湿疹と同様、ステロイド軟膏を使用してはれやかゆみをおさえるようにします。■子どもの皮膚トラブル3:とびひの症状、予防、治療とびひについては、これまで解説してきたあせもや虫刺されから発展してなることがあります。とびひ(=伝染性膿痂疹)は主に黄色ブドウ球菌の感染、ときに溶連菌でも起こります(溶連菌については 前回 を参照)。赤い湿疹からさらに、じゅくじゅくして汁がでてきているものがとびひで、たとえばかゆいあせもや虫刺されをかきこわしたところに、手や爪の菌が付着して感染することによって起こります。黄色ブドウ球菌の感染といっても、この菌は普段私たちの皮膚にいつも付着しているものですから、健康な皮膚なら何も起こりません。しかし、あせもや虫刺されなど皮膚病変があるところに感染が成立して、とびひを発症するのです。とびひは伝染性膿痂疹という名前ですので、接触によって感染します。しかし、適切に治療をうけていて、とびひのところをガーゼなどでカバーしていれば、菌がほかの人に接触しにくいため感染性は低いと考えられます。そのため、必ずしも完全に治るまで登園してはいけないものではありません(ただし、じゅくじゅくした状態でプールに入ることは避けましょう)。治療は、細菌の感染なので、まずは抗菌薬の軟膏を用います。塗り薬で改善しない場合は、ほかの抗菌薬軟膏に変更したり、内服抗菌薬を併用します。とびひは、その名のとおり飛ぶものですから、体のほかの場所の皮膚病変にうつることがあります。1カ所が治ってもまた別の場所の治療が必要になることもありますし、ひっかきやすい場所や、繰り返し刺激が加わる場所(たとえば鼻の下)などはなかなか改善しにくい場合があります。治療にはなかなか時間がかかる場合がありますので、まずは湿疹病変をできにくくするために、あせもの段階で早めに治療したり、虫よけを使用したりして予防しましょう。このように、あたたかい季節の皮膚トラブルは、とびひの予防まで見越した「攻めの予防」が大切になります。いよいよ大型10連休がやってきますが、キャンプやハイキングなど外遊びの予定がある方も多いのではないでしょうか? 皮膚トラブルを未然に防いで、楽しいGWをお過ごしくださいませ。
2019年04月24日フランス生まれの敏感肌用保湿ケアパリの皮膚科専門医によって作られ、1950年より世界中で愛される保湿クリーム「アンブリオリス モイスチャークリーム」。そんな伝説のクリームをもとに、よりライトな使用感を追求した保湿ミルク「アンブリオリス モイスチャーミルク」に、待望のミニポンプが発売される。2019年4月5日より、公式オンラインストアにて先行発売を開始する。マルチに使える優秀ミルク「アンブリオリス モイスチャーミルク」には、ベストセラー商品である「アンブリオリス モイスチャークリーム」と同じ天然由来の保湿成分(アロエベラ、ミツロウ、シアバターなど)が贅沢に配合されている。クリームと比べると軽いテクスチャーで肌に伸びやすく、季節を問わず使用できるのが特徴だ。顔にはもちろん身体全身に使え、化粧下地やメイク落としとしても活用できるマルチな1本。幅広い用途が期待できる。お得な限定キットもレギュラーサイズ500mlサイズ(税抜3,500円)に加え、今回新たに75mlのミニサイズ(税抜1,800円)が登場。また数量限定で、モイスチャーミルクのミニボトルにモイスチャークリーム30mlがついたお得なセット(税抜3,300円のところ2,400円)も用意されている。(画像は「アンブリオリス」公式サイトより)【参考】※「アンブリオリス」公式サイト
2019年04月03日前回 小児アレルギー科のある病院に転院したその日に「重症のアトピー性皮膚炎」と診断され緊急入院となった長男。入院中は2~3時間おきに全身に薬を塗る必要があるそうですが…■いよいよ入院生活スタート長男のアトピーがひどく、診察したその日のうちに入院になりました。入院してすぐに、病院が用意したパジャマにお着替えをしました。そしてすぐに「薬を塗ります」と部屋を移動しました。そこの台に乗って服を脱いで看護師さん数人で薬をベッタリと塗りました。これでもかというくらい分厚くこってりと指先から足先まで全身くまなく塗っていました。次男の時も自宅でベッタリ塗りましたが、それ以上にベッタリと塗っていました。この時使ったのはステロイドとワセリンの混合薬です。湿疹があまりひどくないところはワセリンでした。薄塗では効果が薄れてしまうようです。■今度は親が薬を塗ってあげることにこんなにベッタリと塗ったのに2時間後、また薬を塗る時間に!夜、寝ていても看護師さんに「薬の時間です~」と起こされます。子どもは寝たままでOKなので、眠い目をこすりながら薬を塗りました。夜は3時間くらい時間が空いていたような記憶があります。■翌朝になると…翌朝もしっかりと薬を塗っていきます。もうこの時点で肌の質感が昨日とは違うのがわかりました。今までどこを触ってもカサカサザラザラだった長男の皮膚がツルっとしていました。とくにお腹の質感の変化に驚きました。赤ちゃんの頃からザラザラで、こういう肌質なのかと思っていたのがツルッツルに!お腹に湿疹はなかったのでワセリンだけの保湿でしたが、こんなにも変わるのかと感動しました。3泊4日の入院でしたが、退院する頃には湿疹はほぼなくなり、肌も子どもらしいツルツルとした肌になっていました。いきなり薬をやめるとまた湿疹が出てくるので、自宅でも2時間ごとは無理だけれどなるべくこまめに薬を塗るようにと指導をされ、しばらくはがんばって保湿を徹底しました。湿疹の様子を見て、徐々に薬を減らしていく治療法なのですが、最初はコントロールが難しく「これで合っているのだろうか…」と何度も思いましたが、病院で教えられたことを守るようにして、今ではコントロールもだいぶできるようになったと思います。あの時、勇気を出して転院して良かったと心から思っています。7歳になった今も朝晩の保湿は欠かせないしたまに湿疹も出るけれど、痒がって起きたり、血がにじむほどではないので、これからも子どものサポートはしっかりしていきたいと思います。=========================================本記事に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。=========================================
2019年03月28日こんにちは。皮膚科医の赤池智子です。前回までは、ステロイド薬の働きや副作用についてお話ししました。今回は、皆さんが最も手にすること、目にすることが多いと思われる「ステロイド塗り薬」について。クリームやローションなど、いろいろなタイプがあるけれど、使い分けはどうすればいいのか、どれくらいの量をどんな風に塗れば良いのか、さらに、よく聞かれる質問についてお話しします。■塗り薬は主に3タイプある大きく、軟膏(なんこう)、クリーム、ローションの3つのタイプが一般的です。軟膏はワセリンがベースとなって、有効成分が混ざっています。使用感はやや重く、ベタつきが気になる方もあるかもしれません。クリームやローションは、油と水が混ざり(乳化:にゅうかと言います)吸収されやすく、肌に塗ると、伸びやすく塗りやすいです。軟膏に比べるとすーっと馴染みやすい使用感があると思います。基本的には使用感や、塗る面積に応じて塗りやすさなどで、使い分けていただいて大丈夫です。ただ、皮膚の炎症が強く、掻きむしってしまい、ただれが見られる場合などは、最も低刺激な軟膏基材が肌を守ってくれるでしょう。クリーム、ローションは肌の状態によっては、刺激になることもあると知っておいてください。■どれくらいの量を、どう塗ればいい?「強い薬なので薄く塗ってください」とどこかで聞いたこともあるかもしれません。こう聞いて、不安になってしまう方もいらっしゃると思いますが、もっともだと思います。「強い薬なので薄く塗って」という言い方は、厳密に言うと正しくはないです。では、一体どれくらい塗るのがいいの?わからない方も多いと思うので、簡単な目安をお伝えします。人差し指を出して、指先から最初の関節までにステロイドの塗り薬を取り出してください。撮影:赤池智子「1Finger-Tip Unit= 1FTU」と表されることもあります。人差し指先〜第一関節までに乗る量の軟膏を指し、だいたいこれが0.5グラムに相当し、両手のひら分 (体の表面積の2%)を塗ることができるというものです。ローションの場合は、だいたい1円玉の大きさで1FTU、つまり両手のひら分塗ることができます。これが基本の量となるので、今後はこれを目安に塗ってみてくださいね。■「ステロイドを塗ったら肌が黒くなる?」への答え最後に、よく聞かれる質問「ステロイドを塗ったら肌が黒くなる?」に対する、皮膚科医からの答えを書いておきます。塗り薬としてのステロイドは、かゆみなど炎症があるところに、その炎症を抑える働きを期待して処方されるものだということは、前回お話しましたね。実は、そもそもの炎症そのものが治る過程で赤味を帯びた状態から、くすんだ茶色かかった色になり、炎症の程度によって、皮膚が少しむけたような状態になり、徐々に治っていきます。特にもともとの炎症が強かった場合には、「炎症後色素沈着」といったややくすんだ色素が残ることがあります(※)。※この状態になった場合は、日焼け止めを数時間おきに塗るなど、日焼け対策をすることが大切です。つまり、ステロイドのせいではなく、もともとの炎症のために起き得ることだといえます。ステロイドを塗ったことによって炎症が落ち着き、その過程で赤々した色から茶色かかった色になるので、「ステロイドのせいだ」と思いやすく、このように言われることがあるのでしょう。この他にも「ステロイド薬は体内に蓄積する」と耳にして、心配する方もいらっしゃいましたが、これも間違いです。以上が、ステロイド塗り薬のお話となります。今後、皆さんが必要なときに、正しい使い方をするときの参考にしていただけたらと思います。これでステロイドについてのコラムは最後となります。今まで読んでいただき本当にありがとうございました。画像/Shutterstock
2019年03月14日人気皮膚科医の新書籍人気皮膚科医がその美容法を公開する書籍『化粧いらずの美肌になれる3つのビューティケア』が、2019年2月22日(金)、三笠書房より発売された。著者は人気クリニックの副院長同書の著者は、月に約1万人の患者が訪れる皮膚科「菜の花皮膚科クリニック」で副院長を務める菅原由香子氏だ。自身も長い間肌荒れに悩み、化粧品等に含まれる化学物質や添加物の悪影響について研究。肌に必要なものだけを配合して作った、本当の無添加化粧品を開発・販売する会社の代表取締役でもある。美肌を叶える3つのケア同書では、20年間の肌荒れを克服し、さらにこれまで10万人以上もの肌を診断してきた著者が教える美容法が分かりやすく紹介されている。著者曰く、美肌のために重要なことは、正しいクレンジング&洗顔、正常な腸内環境と生活習慣、そして添加物を避けることの3つだ。この3つについて、具体的に何をするべきなのかを詳しく解説。本来肌が持つ”自ら美しくなる力”を引き出すためのポイントを公開している。実際著者のクリニックに通い、この美容法を実践して美肌を叶えた患者の生の声も収録されているので、より説得力がある。普段当たり前に行っているスキンケアを、一度見直してみるのもいいだろう。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社ナキュアのプレスリリース※Amazon.co.jp※ワイエスラボ オフィシャルサイト
2019年03月05日日本爪肌美容検定協会代表理事の新刊2月20日、美肌に必要な皮膚常在菌を擬人化してマンガの形で解説している新刊『皮膚常在菌ビューティ!』がワニブックスより発売された。著者は肌育成スペシャリストで、一般社団法人日本爪肌美容検定協会代表理事の川上愛子氏であり、価格は1,296円(税込)となっている。常在菌を擬人化・皮膚を男子寮に喩えて解説毎日の習慣として行われる洗顔や入浴により清潔に保たれる皮膚。しかし、皮膚には常に細菌が住み着いており、健康な皮膚には弱酸性のバリアが欠かせず、そのバリアを作り出しているのが皮膚常在菌である。洗顔などにより皮膚常在菌を失うことが肌の悩みの原因になることもある。美肌になるために求められるのは「美肌菌」を増やすことであるが、川上愛子氏によれば「美肌菌」のみを増やすことは不可能で、もしも「美肌菌」のみを増やしたとしても、それは「常在菌バランス」を乱すことになり、いなくてもいい菌などなく、必要なのは「常在菌バランス」なのだという。この新刊では善玉菌や悪玉菌、気まぐれな日和見菌を擬人化し、その住み処となる皮膚を男子寮としてマンガ化。皮膚常在菌の基礎知識から、美肌菌を喜ばす方法、メイクと皮膚常在菌の関係、睡眠不足と肌荒れの関係などについて理解できるようになっている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※皮膚常在菌ビューティ!(川上愛子) - ワニブックスオフィシャルサイト
2019年02月27日知的生きかた文庫として発売中2月20日、手間をかけずに美しい肌になろうという新刊『化粧いらずの美肌になれる3つのビューティケア』が発売された。著者は美容皮膚科医の菅原由香子氏である。同書は知的生きかた文庫として三笠書房より、680円(税別)の価格で発売中となっている。腸内環境を整え化粧品の成分に気をつける1970年、北海道旭川市に生まれた菅原由香子氏は、弘前大学医学部を卒業後、札幌医科大学皮膚科や大手美容外科美容皮膚科部門などに勤務し、現在は岩手県一関市にある「菜の花皮膚科クリニック」にて、美容皮膚科を担当している。菅原氏は2014年に自身の肌で試した美肌法を紹介している著書『肌のきれいな人がやっていること、いないこと』を発表。新刊『化粧いらずの美肌になれる3つのビューティケア』では、肌にやさしいクレンジングや洗顔方法、生活習慣改善などによる肌の美容法が掲載されている。同書によれば、美肌になるためには腸内環境を整えることが必要で、食事や睡眠、運動といった生活習慣を見直す必要があるという。また、食品や化粧品、シャンプーの添加剤は要注意だとしており、避けるべき口紅の成分など、注意したい化粧品の成分表についても紹介されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※化粧いらずの美肌になれる3つのビューティケア - 三笠書房
2019年02月27日皮膚科医の赤池智子です。前回まで薬として使われる、いわゆる「ステロイド」、副腎皮質ホルモンの体の中での働きについてお話ししました。では、ホルモンと同じような働きをするステロイドという「薬」には一体どんな効果があるのでしょうか。大きな効果としては「抗炎症作用」「抗免疫作用」があります。以前の記事「ステロイドは怖くない」で例えたように、「火」で例えてみましょう。お湯を沸かしたり、料理に使ったり、寒いときには暖をとったりと、現代の生活では火を使うことなしに生活するのは難しいですよね。しかし、誤った使い方をすると、一気に燃え広がって火事になります。ステロイドも使い方、バランスが大切です。■炎症反応を和らげるステロイド身体のどこかが傷ついたり感染したりしたときに、体が戦って元に戻そうとするために免疫が働き、結果として炎症が起こります。たとえば、細菌やウイルスに感染すると、体は元に戻そうと戦い、炎症反応が起きます。赤味を帯びたり、熱っぽくなったり、そういった経験があると思いますが、それも炎症反応の結果のひとつなのです。このように炎症が起きるのは、体にとって非常に大切な働きですが、時にその免疫の働き、炎症反応が過剰となってバランスが崩れ、逆に問題となってしまうことがあります。アトピー性皮膚炎や、喘息、特定の食べ物や金属へのアレルギーなどがありますね。火事と一緒でそうなると今度は、勢いを抑える消火活動が必要になります。その際、ステロイドがとても役に立ちます。炎症反応を和らげ、火消しをするような働きをするのです。■ステロイドの副作用を考える上で大事なことステロイドの薬には、いろいろな形態があります。飲み薬である内服薬、点滴などで使われる注射薬、これらは投与されると血液に取り込まれ、「全身」に作用します。一方、皆さんに最も馴染みがあるのが、塗り薬、耳や目、鼻などに投与される点耳・点眼・点鼻薬、そして、吸い込んで使う吸入薬などのステロイド薬だと思いますが、基本的にはこれらは使われた部分、「局所」にだけ作用するもの。ステロイド薬の副作用について考えるときは、「全身」に作用する形態でのことなのか、それとも「局所」で働くものなのか、さらにそれが数日〜数週単位の「短期的」に使われるのか、もしくは月、年単位の「長期的」に使われるのか区別することが非常に大切です。「全身」であっても「局所」であっても、短期的に使われる場合、ステロイド薬に特徴的な副作用が問題となることはほとんどないと安心していただいて大丈夫です。問題となるのは「長期」で使われる場合です。■ステロイドを局所的に使うときは心配ないまず、「局所」で使われる場合。かゆみなど問題があるときに、ところどころ局所的に使う場合、問題となることはほとんどなく、安心して大丈夫です。しかし、同じ場所に長期間使う場合は、皮膚が薄くなったり(皮膚萎縮)、その部位だけ毛が濃くなったり、細かな血管が目立つ(毛細血管拡張)こともあります。このようなシチュエーションでは、必要な期間は必要な量だけしっかりと使い、ステロイドで炎症を抑え、症状が和らいだらステロイドから違う作用のものへの切り替えを考えることが大切です。ステロイドを無闇にダラダラと使うのは避けてください。次に「全身」に作用するものの場合。このタイプのお薬が長期で必要となるのは、成人女性でかかる方もいる膠原病や(※)や、腎臓などの自分の臓器がうまく働かずに、移植が必要となった方が拒絶反応を防ぐため、免疫の働きを抑える必要があるときなど、基本的には一般的なケースではありません。※自分の体を異物として間違って捉え、攻撃してしまう自己免疫疾患と呼ばれる病気予想される副作用としては、不眠や筋肉の萎縮や感染症にかかりやすい状態、その他、骨がもろくなる骨粗鬆症などが挙げられます。■ステロイドのメリット、デメリットを押さえて使うステロイド薬のメリット、デメリットを考慮した上で、必要な場合に処方され、副作用が起きないように予防的な治療を前もってしたり、炎症が治まったらステロイドと異なる働き方をする薬と組み合わせたり、切り替えたり、症状に合わせて調節されます。以上がステロイド薬のはたらき、そして副作用のお話となります。この記事は最初にお話ししたように、どんなときもステロイド薬を推奨するというものではありません。「火」と同じで、大切なことはしっかりと正しい使い方、問題点を知った上で、うまく利用することです。火事が起きる可能性があるから火を使わない、という考え方が極端なように、しっかりと知っていただくとステロイドに対する漠然とした不安は消え、何に気をつければ良いかがわかると思います。Text/赤池智子医師、内科/皮膚科医。アメリカ University of Washington皮膚科勤務。患者の視点に立った医療を行うことを何よりも大切にし、論文執筆、学会発表と共に日常診療を第一に行っている。2006年準ミス日本の経歴も生かし、女性ならではの視点から正しい医療知識に基づいた女性の病気、健康、美容に関する情報も発信し定評がある。画像/Shutterstock
2019年02月26日作業の前に皮膚用保護クリームを製造業・卸売業・小売業などを展開するMSネット株式会社は、皮膚用保護クリーム『肌ガード』を2月6日に新発売することを発表した。皮膚用保護クリームは、作業の前にクリームを塗り、皮膚をコーティングする予防措置的なアイテムである。『肌ガード』は、 汚れや臭いの粒子をブロックし、汚れや臭いを落としやすくするブロッククリームである。3つの保護膜(シリコーンコーティング・フッ素コーティング・ポリビニルピロリドンコーティング)により、汚れ・臭い・油・洗剤などから肌を守る。手を洗っても保護成分が残る『肌ガード』は、ジェル状のクリームで伸びがよく、無臭。ベタつきが少なく、作業性を妨げないしっとり感が持続する。天然保湿成分(NMF)の1つであるPCA誘導体を配合している。内容量は80mlであり、1回の使用量は0.6ml(アーモンドの半分位の量)なので、約133回分となり、コストパフォーマンスも高い。塗り方は、手を洗った後に乾燥させ、掌・甲にすり込む。3~5分後には、皮膚に保護膜が作られて保護作用が現れる。『肌ガード』を塗った手を石鹸や消毒液で洗っても保護成分は残るようになっている。手に塗る場合の目安は1日2回、効果が弱くなった場合は付け加える。腕・肘のほか、皮膚の保護を必要とする部分(顔や足など)にも使用することができる。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース MSネット株式会社※2月6日発売予定 皮膚用保護クリーム肌ガード
2019年01月30日完全無添加のヘアオイル美容皮膚科医が手がける無添加コスメブランド「ワイエスラボ」より、髪と頭皮への優しさをとことん追求した、完全無添加のヘアオイルが発売されました。厳しい安全基準をクリア「YSラボ無添加ヘアオイル」(税抜2,100円)に使われる原料は、同ブランドが定める厳しい安全基準をクリアしたものだけ。防腐剤やアルコール、合成ポリマー、シリコンなど、肌へ負担となる成分は徹底的に排除されています。上質なオイルで健やかな髪に同アイテムにはツバキ種子油をベースに、ビタミン豊富なユズ果皮油やオレンジ油をブレンド。ツバキ油が地肌を潤わせ、頭皮環境を正常化。アウトバストリートメントやスタイリング剤として使い続けることで、ハリ・ツヤ・コシのある強く美しい髪を育みます。美容皮膚科医が自信を持っておすすめする無添加ヘアオイルで、健やかな髪と地肌を手に入れてみませんか。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社ナキュアのプレスリリース
2018年12月16日婦人科検診で受けられる検査は?ひとことで、婦人科検診といっても、受ける病院や人間ドックによって検査内容は様々です。なので、検診を申し込む前に、どのような検査内容が含まれているのかを事前にチェックしておく必要があります。一般的には・子宮頸がん検査・内診・子宮体がん検査・乳がん検査が挙げられます。 婦人科検診は何歳から受けられるの? 婦人科検診は、何歳から受けるべきという基準は特にありません。いつでも婦人科を受診することは可能ですし、自治体などでは30歳を過ぎると1年に1回程度、子宮がん、乳がんなどの検診を受けることができます。婦人科の病気と言ってもいろいろあります。内科などと同じく、症状が現れてからの受診でも治る病気がほとんどですが、がんなど、症状が出てからでは遅すぎる病気については、定期的に検査をしておくほうがよいでしょう。 婦人科の選び方と予約方法 どんな病院を選んだらいいの?インターネットで検索して評判の良い病院、家や通勤途中にある病院、一度電話で問い合わせして対応の良い病院、女医さんのいる病院など…。選ぶ基準は人それぞれですね。特に気をつけたいのは、乳房の検査をしたいときです。子宮や卵巣の検査は婦人科ですが、乳房の検査は、基本的に外科だということを覚えておくとよいでしょう。婦人科でも乳がん検診をしてくれるところもあるので、事前に確認することをおすすめします。また、最近では、乳房を専門に見てくれる乳腺外来も増えているので、そちらを探してみるのもおすすめです。 予約の仕方は?受けたい検査をしてくれる病院を見つけたら、まず電話やネットで予約。そのときに気をつけたいのは、月経日です。時期によっては受けられない場合があるので、あらかじめチェックしておきましょう。 婦人科検診当日の準備。必要なもの、服装は? 必要なものは?保険証、費用は忘れないようにしましょう。クレジットカードが使えないところもありますので、予約の段階で、あらかじめ費用などと合わせてチェックしておくとよいですね。 診察費はいくらくらいなの?・STD(性感染症)を疑って受診した場合自己負担額は6,000円~11,000円ほどです。内訳としては、だいたい以下の通り。初診料:保険適用3割負担で800~1000円ほど検査費用:4,000~9,000円ほど薬代:1000円前後自費診療の場合は、総額で15,000~20,000円ぐらいが相場となります。 ・子宮頸がん、子宮体がん検診の費用自治体からの公費検診であれば、無料から、2,000円程度の自己負担が一般的です。また、自費診療の場合は、各機関によって異なりますが、子宮頸がん検査のみで、3,500円~6,000円程度というケースが多いようです。 服装は脱ぎ着しやすいもので検診の当日は脱ぎ着しやすい服装で向かいましょう。診察台では下着を脱ぐ場合もあるので、パンツスタイルより長めのスカートが◎!検査着を用意してくれている病院もあるので、事前に確認してみましょう。 なるべくナチュラルな状態でメイクはせずに、すっぴんに近い方が、顔色の状態が分かりやすく貧血などの症状もわかるのでベターです。 婦人科検診でわかる病気 婦人科にかかわる病気には、以下のものが挙げられます。・乳がん・HPV(ヒトパピローマウイルス)または子宮頸(けい)がん・子宮体がんが挙げられます。それでは、それぞれの検査の内容について解説していきましょう。 乳がんの検査について 乳がんってどんな病気?乳がんとは、乳房組織に発生する悪性腫瘍のこと。妊娠・出産経験のない人の方がなりやすく、30代でも発症する病気です。乳がんは、早期発見し、治療を開始すれば完治が可能な病気。ですので、乳がん検診は定期的に受けることが大切です。 乳がん検査の方法は?乳がん検診は上半身裸で行います。基本的な流れは以下の通り。【視診】↓両側の乳房をくまなく観察します。↓【触診】しこりを探します。↓【医療機器による検査】マンモグラフィーか超音波検査のどちらかを合わせて行います。施設によっては、マンモグラフィーと超音波検査を両方とも行うところもあります。それぞれの方法に一長一短はありますが、一般に、40代より上の年齢ならマンモグラフィー、40代より下の年齢ならエコーが推奨されます。 マンモグラフィーとは?検査って痛いの?マンモグラフィーとは、乳房専用のレントゲン検査を行う装置のこと。マンモグラフィーは乳房を上下に挟んで一枚、さらに挟んだ状態で斜めにねじって一枚撮影する方法が一般的です。欧米人のように乳房にボリュームのある方は挟みやすく、挟まれる痛みもそれほどありませんが、東洋人は比較的乳房のボリュームがなく、特にやせて乳房の小さい方は挟みにくいので、多少挟まれる痛みがあると思います。しかし、個人差はありますが我慢できる程度の痛みですので、さほど心配はないでしょう。 HPV・子宮頸がんの検査について 子宮頸がんってどんな病気?子宮にできる悪性の腫瘍(しゅよう)のうち、子宮の入り口にできるものを子宮頸がんと呼びます。子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)という病原体のうち、高リスク型HPV感染により発症します。このHPV はほとんどが性行為による感染とされていて、約80%の女性が一生のうちに一度はHPVに感染するといわれています。 HPV・子宮頸がん検査の方法と流れ・HPV高リスク型HPV感染を調べます。検査室でおりものを採取し、ウイルスの有無を判定します。子宮頸部の細胞診と同時にHPV検査も行うこともあります。医師にしてもらう他、自己採取で検査する方法もあります。自分で膣の中に綿棒を入れて、おりものを採取する方法です。ただ、自分で綿棒を入れるほうが怖いということであれば、医師に採取してもらいましょう。また、自宅などで自分で採取した子宮頸部の細胞を郵送し、検査してもらうサービスもあります。 ・子宮頸がん一般的に次のような流れで検査します。病院によって異なる場合があります。【問診】↓【視診】下着を取って内診台へと向かい、医師が子宮、おりものなどの状態を目で診ていきます。↓【内診(触診)】医師が直接、膣内に指を入れ、腫れ、しこり、その他の異常がないかを確認します。↓【細胞診】クスコという器具を膣に入れて中を広げ、子宮の入り口をブラシで擦って細胞を採取します。クスコは様々な大きさのものがありますが、一番小さいものだと人差し指くらいです。性行為の経験がなく不安な方は、受診の際に初めて検診を受けることを伝え、一番細いクスコを使ってもらえるよう、あらかじめ相談しておくといいでしょう。細胞診でがんが疑われる場合は、さらに精密検査を行います。 子宮体がんの検査について 子宮体がんってどんな病気?子宮にできる悪性の腫瘍のうち、子宮体部(内膜)にできるものを子宮体がんと呼びます。子宮の入り口に発生する子宮頸がんとは性質が異なります。症状としては不正出血、おりものの増加などがあり、子宮体がんになる前段階から見られることがありますので、月経の不順と簡単に片づける前に疑いを持ってみましょう。逆に子宮体がんになってからも自覚症状が全くない場合もあるので、早期発見には定期的な検診がもっとも重要です。ただし、自治体や会社などで行われる検診は、頸がんの検診だけのことが多く、体がんを発見するのは困難です。また、月経不順は子宮体がんだけでなく、ほかの病気の兆候であることも多いので、繰り返しになります、「体質だから」と簡単にとらえずに、積極的に婦人科の診察を受けることをおすすめします。 触診や機械での内診は、絶対に必要なの?検診には、視診、指での触診の他、「プローブ」という細長い超音波器具を膣に入れる経膣エコーの検査を受けることがあります。ただし、膣内に器具を入れることに抵抗があるようであれば、検査の際に「経膣エコーの代わりに腹部エコーかCT/MRIで検査してほしい」と話してみてください。受診前に問い合わせをしたり、かかりつけのお医者さんに、この点を記載した紹介状を書いてもらったりするのもよいでしょう。 子宮体がんの検査方法と流れ一般的に次のような流れで検査します。病院によって異なる場合があります。【問診】↓【視診】医師が性器周辺、膣内、分泌物のチェックをします。↓【内診(触診)】子宮や卵巣の状態を、腟から指を入れて調べます。肛門から指を入れ、直腸やその周囲に異常がないかを調べることもあります。↓【細胞診】子宮口から細い器具を挿入し細胞を採取し、検査します。分泌物や子宮細胞の検査結果はだいたい一週間後くらいかかります。細胞診でがんが疑われる場合は、さらに精密検査を行います。 わかれば怖くない!婦人科検診に行ってみよう 子宮頚がんと乳がんは一番早期発見しやすいがんであり、早期発見すれば、命を救うことはもちろん、子宮や乳房を温存する治療法も選択できます。また、がん以外でも、子宮筋腫や卵巣のう腫などの病気であれば20代でも多く見られることがあります。様々な婦人科の病気を早期に発見するためにも、若いうちから定期的に検診を受けたり、異常を感じたらすぐに受診することが大切です。怖がらないで、ぜひ検診を受けてくださいね。 wellfyより
2018年12月11日専門家・プロ:野﨑誠さて、前回予告したとおり、今回は軟膏の選び方のお話をしていきましょう。でも、「何を選ぶか」の話ではありません。「どんなものを」選ぶかのお話です。といわれてもピンと来ませんよね。最初に、実際に外来であったお話をいくつかしていきます。実例1赤ちゃんが受診しました。体が真っ赤です。話を聞いて、前の先生が使っていたものと同じ塗り薬を処方しました。しかし○○のみ替えて出しています。次の診察では、赤みは全くなくなっていました。実例2高齢の女性が受診しました。見ると頭皮が真っ赤になっています。そこで前の先生が使っていたものと同じ塗り薬を処方しました。しかし○○のみ替えて出しています。次の診察では、赤みがなくなっていました。実例3小学生が受診しました。見ると全身に乾燥が出ています。特にスネの部分は真っ白に粉を吹いたような状態です。そこで前の先生が使っていたものと同じ塗り薬を処方しました。しかし○○のみ替えて出しています。次に診察したところ、手足のカサカサはほとんどなくなっていました。さて、この○○に入るものは何でしょうか?ちなみに全く同じ成分、全く同じ製品名ですよ。答えは、「基剤」です。基剤とは、薬の形状のことこの基剤、実はいろいろあります。一般的によく処方される保湿剤を例にとって見てみましょう。まずは軟膏基剤。次にクリーム基剤、そしてローション基材、最近ではフォーム剤(つまり泡です)なんていうものも出ています。左から軟膏に近いクリーム、クリーム、ローション、フォーム剤。全く同じ成分の薬剤なのに、基剤がちがうとこれだけちがう!基剤について一番細かく考えて処方しているのは多分皮膚科医でしょう。内科で処方される飲み薬が、体のどこで溶けるのがよいかを考えて剤形(カプセル・錠剤・粉など)が決められているように、皮膚科医は塗り心地や効果など、いろいろなことを考えて「基剤」を検討します。つまり、どの薬剤を使用するかということに加えて、どの基剤を使用するかということも考慮して処方を行なう必要があるのです。では、皮膚科医はどのようなことを考えて基剤を選んでいるのでしょうか?基剤がちがうと薬の吸収力がちがう一般的に軟膏、クリーム、ローションの順番で選択する、と考えると良いかと思います。軟膏基剤最もバランスが取れているのは軟膏基剤といえます。「軟膏」とはベタベタした油っぽい基剤ですね。同じ薬剤であれば軟膏基剤の方が副作用は少ないです。ゆるやかな効果が長く続く傾向があります。塗り心地の悪さが難点です。クリーム基剤油に近いクリームや水っぽいクリームなどがあります。塗り心地はいずれも軟膏よりも良好です。痛み止めなどで使われるゲル化剤は、おおむねクリーム剤に近い傾向があります。ローションサラリとしているためベタつきが少なく塗り心地は良好です。乾燥しやすいので、軟膏よりも効果が長持ちしません。短時間のうちに薬剤が吸収されますから、副作用の出方も効果の強さもローションの方が軟膏よりも強くなるといえます。泡で出るフォーム材もローションに近いと考えて良いでしょう。「どこに?」「だれに?」「いつ塗るの?」いろいろ考えて選んでマスどんな基剤を処方するかについては、「どこに」塗るのか?「だれに」塗るのか?「いつ」塗るのか?ということについても考慮する必要があります。どこにまず「どこに」塗るのかです。汗をかく場所に軟膏は適していません。どうしても汗で軟膏がグチョグチョしてしまいますからね。足の裏に塗る水虫の薬にクリームやローションが多いのはそのような理由からです。また頭皮に軟膏を塗るとどうしてもベタベタしたり、てかってしまいますので、塗りやすいローションを使用することが多くなります。だれに次は「だれに」塗るのかです。これは2つの意味があります。まず年齢です。小さな赤ちゃんは汗っかきです。したがってベタベタする基剤を使用するとどうしてもあせもができてしまいます。赤ちゃんには一般的にサラッとしたローションなどを使用することが多くなります。逆に乾燥傾向があり、弱い肌となっている高齢者には刺激の少ない軟膏基剤を選びます。もう1つは塗ってくれるかどうかです。極端な話ですが、自分では薬を塗ろうとしなかった子どもたちに泡ででるタイプの薬剤を渡したところ、面白がって塗るようになり、軟膏を使ったとき以上に症状が良くなったなどということがありました。いつ最後に「いつ」塗るのかです。塗り薬は、塗る回数に比例して効果の出る薬であるため、きちんと指示通りの回数を塗ってくれるかどうかが大切になります。忙しい人にはあえて塗りやすいローションを選択することもありますし、サラリーマンの方なら朝にはローションをさっと塗り、夜はゆっくりと軟膏を塗るという方法を取ってもらうこともあります。季節要因も大事な点となります。日本では夏は非常に蒸し暑いために汗も多く出ますし、汗疹も発生します。したがってローションのようなさらりとした薬剤にした方がよいですが、冬はとても乾燥するため、ローションは不向きであり、クリームや軟膏を選ぶ必要があります。このように皮膚科医は外来で、非常に多くのことを考えながら基剤を選択し、塗るべき薬を処方しているのだということを知ってもらえたらうれしいです。最後に最初のお話の答え合わせをしていきましょう。実例1は、赤ちゃんに保湿剤として軟膏を出していた例です。赤くなっていたのは軟膏のせいで汗疹ができていただけでしたので、軟膏からローションに切り替えたところきれいになりました。実例2は、患部が頭部でしたのでセオリー通りローションが出されていました。しかしどうも効きが悪く乾燥していましたので、軟膏基剤に切り替えたところ十分な効果が得られ、赤みがなくなりました。患者さんの状況に応じて、必要であればあえてセオリーを外すこともあるというお話でした。実例3は、フォーム剤が処方されていました。ちょうど冬場で乾燥の時期に入っていましたので、クリームに替えたところ乾燥は改善しました。なお、それでも乾燥が良くならない場合はさらに軟膏に近い薬剤に切り替えることも検討していました。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年12月04日専門家・プロ:野﨑誠秋も深くなってきた今日この頃、こんな時期によく目にする子どもの疾患があります。それはシラミ。有名ではありますが、実際に目にすることが少ない疾患の1つでもあり、いろいろと誤解されることの多い疾患でもあります。今回はそんなシラミのお話をしていきましょう。みなさんはシラミと言われたときに、どんな想像をするでしょうか?わたしは医者になるまでは、まず歴史の教科書を思い浮かべました。太平洋戦争のあと、大人が子どもに白い粉を吹きかけている、あの写真といえばわかるでしょうか。そこで行なわれているのはシラミの治療です。DDTと呼ばれる薬剤を子どもたちの頭に噴霧してシラミの感染を防ごうと努力していたんですね。でも、この写真のイメージが強すぎるのか、シラミは栄養状態が悪く、貧困な子たちに発生する疾患というイメージが根強いように思います。実はこのシラミ、現在、いつでも、どこでも、誰にでも発生しうる疾患となっているのです。外来で診察をしている印象では学童の0.1%以上、1%未満、全校で数名といったレベルで発生しているようです。欧米ではもっと高く5-10%と言われます。つまりクラスに必ず1名はかかったことがあるという計算になります。さらにその感染については、栄養状態や社会環境は全く関係しないということがわかってきました。大事なことなのでもう一度いいますが、「シラミは誰にでも発生しうる病気」なのです。まず敵を知ることが治療の第一歩シラミはいくつかの種類に分けられます。主に頭皮に定着してヒトの血を吸って生活しているのがアタマジラミです。大きさは、米粒よりも小さいくらい。形は手だけが肥大したノミのような形であり、主に髪の毛の中で生活しています。肥大した手をターザンのように上手に使い、髪から髪へ渡り歩いているので、目にすることはほぼありません。しかし、一度髪の毛から引き剥がされてしまうと、ゆっくりと地面を歩くことしかできない虫です。髪の毛の中という環境に特化した虫なんですね。そして卵は髪の毛の根本部分に産み付けられ、約2週間で孵化することになります。孵化したシラミはそのまま頭部にとどまり吸血を続けるか、ほかのヒトの髪の毛がくっついたその瞬間に新天地に飛び移り、生活を続けていくのです。つまり感染は頭髪の直接接触で起こります。そのため、家族内感染が多く、非常に高い確率で兄弟姉妹に感染しています。また、それなりの確率で母親にも感染しますが、父親への感染はほとんどありません。がんばれ、パパさん・・・。なぜかゆみがでるのかではシラミにかかるとなぜ、かゆみが起きるのでしょうか?先ほども述べたようにシラミはヒトの血を吸って生活していきます。そのときに血液がかたまらないように唾液成分を注入して血を吸うのですが、その唾液成分に対するアレルギー反応としてかゆみが出てきます。蚊に刺されるのと同じようなものですね。なお、蚊とは唾液腺の成分が異なりますので、たくさん蚊に刺されたことがあってもシラミに対するアレルギーが早く出現するわけではありませんよ。このアレルギー反応は、出現するまでに、一般的に数週間かかります。つまり感染して数週間が経過してはじめてシラミに対する症状が出てくるんですね。この潜伏期間の長さがシラミの感染予防を厄介にしている点であり、だからこそシラミは今まで絶滅せずに生き延びてこられたともいえます。多くのシラミはかゆみが出ないうちにほかのヒトに移ってしまいますから。このことは、この季節にシラミの患者が多くなる理由でもあります。活発に運動する夏の時期に感染した、あるいは運動会などの秋のイベント時に感染したシラミは、数週間後、ちょうどこの時期にかゆみを発生してヒトに気づかれるというわけです。人間はシラミに負けている?最初に写真のお話をしました。今から70年も昔の話です。だったら、今はさらに治療が進化しているかと言われるのですが、実は退化していたりして……。過去にシラミに対して使用されていた薬剤はDDTと呼ばれていました。その効果は非常に強く、シラミだけでなくほかの病原微生物に対しても非常に強い効果が見られました。そういえば、プロレス技にも同名のものがありますが、これは“非常に強力な技だから、その殺虫剤にちなんで”命名されたという話もありました。しかし、時代が過ぎると、DDTの生態系に対する悪影響が問題視されます。結果としてDDTは使用中止となり、現在はその前に使用されていたフェノトリンというピレスロイド系の殺虫剤が頻用されています。さらに人間にとって、分の悪い話が続いていきます。近年フェノトリンに耐性をもつシラミの増加が見られるようになりました。耐性を持っているシラミが半分弱という国もあるようです。日本でも沖縄に多いとか。人間、シラミに負けてるじゃんと思っても口にしてはいけませんよ。わたしもそのように思っていますが。あと1つ注意すべき点があります。それは薬剤は卵に対して効果がないということです。シラミの卵はシラミつぶしに見つけるしかない薬剤は卵に対して効果がありません。したがって、シラミに対する治療は薬剤を使用して成虫をたたくと同時に卵に対しても薬剤以外のアプローチで対応していく必要があります。それは卵を物理的に除去することです。先に述べたようにシラミの卵は髪の毛の根本に植え付けられます。そこで、一度何らかの方法で髪の毛の中のシラミの卵をゼロにしてしまえば、〈卵が新しく出ている=シラミの成虫が残っている〉ということがわかるのです。まず髪の毛を一房一房かきわけて、シラミの卵がいないか、逐一チェックしていきます。シラミつぶしという言葉がありますが、まさにその語源となった作業を行ない、シラミの卵を見つけていきます。そしてその卵の付着した髪の毛を根本から切り取って、トイレにでも捨ててしまいましょう。くしを使えばという話もありますが、シラミの卵はしっかりと髪の毛にくっついているために、少ししごいたくらいでは取り除くことができません。卵をこそげ落とすよりも、髪の毛を切ってしまったほうが早く治療が行なえるでしょう。え、髪の毛を全部切ってしまえばいいじゃない?まさにそのとおりです。男の子ならば丸坊主にしてしまえば、その瞬間にシラミは頭から全くいなくなります。実は一番早く確実な治療法は丸刈りだったりしますし、一番の予防法でもあるのです。だから、昔の男の子はみんな丸刈りだったんですね。アタマジラミの成虫と卵(右)。卵はのりのようなもので髪の毛にしっかりとくっついている〈コラム〉ヘアーキャスト?実はわたし、小学校のときに学校検診でシラミと診断されてしまったことがありました。そこで「皮膚科に行け」と言われまして、仕方がないので家に帰って父に見てもらいました。なにせ、その時代その町にはウチしか皮膚科がありませんでしたからね!父に髪の毛を見てもらい診断の時間です。「ヘアーキャストだね、これ」と。シラミではなかったことにホッとしつつ、ヘアーキャストについて話を聞くことにしました。ヘアーキャストとは特殊な形をしたフケの一種です。一般にフケの形は不定形で、固形の小さな塊となっています。しかしヘアーキャストは髪の毛に巻き付いた形のフケなんですね。ちくわ、バウムクーヘン、マカロニなどを想像してもらうと良いかもしれません。シラミの卵とヘアーキャストの違いはまずその形です。卵は髪の毛のある部分に楕円形に付着します。木の枝についたサナギのイメージでしょうか。対してヘアーキャストは円筒状。またシラミの卵はのりでしっかりと髪の毛に付着しているので指で取ることは大変です。一方、ヘアーキャストは髪の毛を包むようにあるだけですので、簡単に動かすことができます。よく見ると異なりますが、遠目ではけっこう区別が難しいようですね。そういえば検診の先生はかなり高齢だったような……。髪の毛についている白い筒状のものがヘアーキャスト。シラミの卵と形が似ている今回はシラミの話をしてみました。けっこう怖い印象がありますが、くわしい話を知ってしまうとそんなに怖いものではないということが理解いただけたかと思います。シラミの虫もよく見てみるとド○キーコ○グのようなユーモラスな形もしていますしね。次回は病気の話を離れて薬の話をしましょうかねえ。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年11月15日専門家・プロ:野﨑誠今回は秋によく見られる水いぼの話をしていきましょう。この時期にいまさら?と思われるかもしれませんが、水いぼの新規患者さんが多いのは実は秋だったりするのです。原因は多分プールですね。プールで水いぼに感染した友だちに接触して感染する、プールサイドの床やプールの水の中にいるであろう水いぼから感染するというように、夏に裸になったときに皮膚から直接感染した水いぼが、潜伏期を経て秋に出現するという仕組みです。ちなみにプールのビート板はもちろん感染源となりますが、ほかのプールの品物にたいしては極端に神経質になる必要はありません。空気感染することもありませんので、その点はご心配なく。感染した水いぼが体に広がる原因はひっかくことです。水いぼの部分を気にしてひっかくことで指先に水いぼが移り、そこからさらに別の皮膚に感染するという形で広がっていきます。また肘や膝、男の子のおちんちんなど擦れやすい部分の水いぼは反対側の皮膚に感染を広げることが多く見られます。水いぼの正体はなにか水いぼの正体はウイルスです。「水いぼウイルス」、正式名称は「伝染性軟属腫ウイルス」といいます。このウイルスは、実はより細かく4種類に分けることができます。つまり水いぼウイルス1型から4型まで分けることができるんですね。このことは感染を考えるうえでは非常に重要なお話になってきます。次の項目で詳しく説明していきましょう。水いぼはどうして子どものみにうつるのか毎日外来で診療をしていると、水いぼに感染するのはほとんどが子どもだということに気が付きます。大人で受診する方はほとんどいませんし、いたとしてもその大部分はお母さんです。最近は少しお父さんも見かけますが、高齢者で水いぼの方はまず見ることがありません。その理由は免疫ができているから。大人はすでに子どものときに水いぼのウイルスに感染しています。そしてそのときに免疫が成立します。免疫は一度感染したウイルスに二度と感染しないという体の防御反応ですから、子どものときに水いぼに感染していると、その後、自分の子が水いぼを持って帰ってきても免疫機能がうまく働いて感染を起こさないで済むわけです。大人で水いぼになってしまった場合は、体の中の免疫がうまく動いてくれない状態なのか、過去にかかった水いぼとは別のタイプの水いぼウイルスに感染してしまったか、どちらかの可能性が考えられます。お父さん・お母さんの場合は後者の可能性がほとんどなのですが、もしも高齢者が水いぼに感染した場合は、白血病やガンなど免疫力を落とす病気が体の中に隠れていないかしっかりと検査をしなければいけません。〈コラム〉イクメンだからうつるんだ。水いぼのウイルスは接触で移ります。子どもがもらってくることでお母さんに感染することもあります。その理由は簡単ですね。子どもと直接接触しているからです。外来ではお母さんが子どもから水いぼをうつされる確率は年ごとに見ていても大きな変化はないように見えます。面白いのはお父さんです。昔といっても少し前の話ですが、お父さんが水いぼに感染したという話は全く聞きませんでした。しかし、ここ数年、お父さんの水いぼを時々見かけるようになりました。もちろんお母さんほどではありませんが確実に増えているようです。その理由はお父さんも子どものお世話をしっかりとするようになったからかもしれませんね。今後お母さんとお父さんの水いぼの発生確率がどうなるのか、少し気にして診察している今日この頃です。水いぼはどんな形をしているのか水いぼの診断は簡単です。特徴のある発疹が広がっていることを確認すれば良いからです。発疹の形は1つだけ。中心部が少し白っぽく見える、小さな盛り上がりです。大きさはいろいろですが大きなものは中心部が少しくぼんでいるように見えることもあります。そしてゆっくりと、しかし着実に大きくなっていることも大きな判断材料となります。自覚症状は基本的にありません。最初は痛くも痒くもありません。周囲に湿疹ができることも最初はなく、見た目の変化のみで現れます。そして水いぼの最後は少しずつ枯れて小さくなってなくなっていきます。それまでおおむねね2~3カ月かかります。消えるまでのバリエーションが大きいのも水いぼの特徴です。大きくなった水いぼに細菌が感染すれば赤く腫れ、痛みが出ることもありますし、水いぼに対する免疫ができれば赤く、痒くなることがあります(もっともこの現象は自分の体が水いぼに対して免疫が現れてきた証明でもありますので、治りかけの最後の時期に見られることも多いのですが)。厄介なのは極端な場合です。水いぼは数多く現れるのが一般的ですが、これが1個だけの場合は非常に診断が難しくなります。数センチまで巨大化した水いぼが1個だけ見られるなどということもあります。巨大化した水いぼが皮膚のできものと間違えられて手術されてしまったというお話もある程です。治療はどうすればよいのか。取るべきか取らざるべきか、それが問題だじつは水いぼで結構問題になるのが治療です。診断は比較的簡単ですからね。その問題は取るべきか否か。先程から説明しているように水いぼは時間が経過すれば自然と消えていきます。そして免疫がついてしまえば今後感染を起こす可能性はありません。そのために自然に治るのを待つべきだという考え方も一理あります。しかし待つことによるデメリットもあります。それは今後の経過が読めないこと。どこまでこの水いぼがふえるのか?いつ最後の水いぼが消えるのか?それは診察のときには全く分かりません(赤く痒くなった水いぼは消えかけなので、そういう水いぼであれば判断がつきますが)。その予後の読めなさが問題になってくるのが社会生活との兼ね合いです。特に幼稚園・小学校のプール問題。幼稚園・小学校のプールはかなりの確率で水いぼの子は拒絶されます。水いぼがあるだけでプールの時間に1人で別のことをしているか、見学しているかという状態に追い込まれてしまうのです。皮膚科医小児科医はあまりプールの制限が感染予防につながっているとは考えていませんが、園側・学校側がダメというのであればしたがうしかありません。それが水いぼを巡る問題の中でも一番やっかいなものだと考えています。もう1つ、水いぼのとり方にも問題があります。現状では最も簡単で有効な治療方法はピンセットでつまんで取ることです。こちらは痛みもありますし、出血することもあります(もちろん血液を介した感染症の問題もあります)。当然子どもたちは嫌がりますし、評判の良い治療法ではありません。だから医療者側も無条件に取りましょうとは言えず、最終的は保護者および本人の判断に委ねざるを得ないのです。取るべきか取らざるべきか。この問題にはいつまでたっても答えは出そうにありません。〈コラム〉えっ、取ってくれないんですか?先程のお話の逆のケースとして、プールに行きたい子が水いぼを取ってほしいといって受診することがあります。よくよく話を聞いてみると、近所の先生では水いぼを取ってくれないとのこと。実は水いぼを取るか否かについては医師側の考え方も反映されます。一般的に小児科は取らない先生が多く、皮膚科は取る先生が多いようです。小児科の先生が取りたがらないのはある意味当然かと思います。子どもたちに痛い思いをさせてしまい、今後別の病気の治療のときに差し障る可能性がありますからね。では皮膚科医は水いぼを取る先生が多いのかと思いきや、取らない先生も増えているようです。結果として、水いぼを取ってくれる先生のところに水いぼ治療を希望する患者さんが殺到することになっています。当院では水いぼを取ること自体は別に構わないのですが、最近新たな問題が発生しました。それは医師の目と腰問題です。近頃どうも老眼が出てきたようで、小さな水いぼを取るのが徐々に大変になってきました。また中腰で水いぼを取っていますので、腰の痛みもだんだん出てきたみたいです。これもまた職業病でしょうか・・・。水いぼはいつ治るのか?この問題も結構難しいですね。先ほどお話したように、免疫が成立すれば完治するのですが、免疫の成立は目で確認できません。したがって水いぼの完治を知ることは非常に難しいのです。一般的には水いぼが数カ月間見られなかったら治癒と判断します。潜伏期を考えると数週間で判断するのは早すぎます。2~3カ月後に水いぼが再発する子を何人も目にしていますから。ある日、別の型を持つ水いぼウイルスが感染を起こすこともありますしね。なので、水いぼについては完治をめざすというよりもほかの人へ感染するリスクを最小限に抑えるというのが現実的な対策になると思います。つまり見た目に水いぼがなければ大丈夫だという考え方ですね。社会問題として完治が必要になる状況は合宿などの集団生活とプールです。いずれの場合も他者に感染するリスクがなければ問題は生じませんので、水いぼの症状がなくなることを実際のゴールと考えてよろしいかと思います。そしてしばらく経過を見て、新しい水いぼができたらすぐにそれを取ってしまい、症状がない状態をキープしていくということでよいのではないかと思いますよ。さて水いぼのお話はいかがでしたか?見た目は大したことがないのですが、実は奥が深い病気です。治療の大変さもおわかりいただけたのではないでしょうか。社会を反映する病気の1つともいえるかもしれませんね。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年11月07日専門家・プロ:野﨑誠第3回社会に出ると湿疹ができるの法則秋の湿疹のお話3回目は、「社会生活と湿疹」についてです。社会生活が関係するのは学童期以降であって、それ以前の年齢は関係ない?いえいえ、そうとも言い切れないのです。皮膚科外来をのぞけば湿疹の予測ができる秋になぜ湿疹が悪化するのか?その答えは9月上旬の皮膚科外来にヒントがあったりします。その時期の皮膚科では、一部の年齢層の子の来院が一時的にガタッと減ります。そして、9月下旬から10月にかけて戻ってくるんですね。さて、どの年齢の子たちでしょうか?答えは幼稚園児から小学生にかけてです。とくに小学生にその傾向があります。原因は学校。夏休みが終わると急に慌ただしくなります。通学という生活習慣に慣れるまで、どうしても病院に行く時間が取れなくなってしまうんですね。とくに湿疹の治療は緊急性はあまりありませんので、どうしてもあと回しにされてしまいます。え、夏休みの宿題が終わっていない子もいるのか?さすがにそういう子は耳にしませんが・・・幼稚園児に比較的その傾向が少ないのも同様の理由から。小学生に比べて自発的に生活を組み立てているわけではなく、家族に連れられての受診になりますので、9月になったからといって小学生ほど大きな生活の変化はないようです。ただしお母さんがバテてしまい受診できない子はいるようですね。つまり、夏休みが明けてすぐの時期には皮膚科の受診は減り、その間に湿疹が悪化してしまうパターンが結構多く見られることになります。子どもだってストレスフルなんだ子どもの側から見ていきましょう。夏休みが終わると、どうしてもバタバタします。程度の差はあるでしょうが、夏休みのマイペースな生活習慣を学校生活に合わせて修正していかなければなりません。そしてまた、学校の社会関係の中で長い時間を過ごしていくという、非常に大きなストレスを抱えることになります。ときには眠れない夜を過ごす子もいるでしょう。これは小学生だけではなく幼稚園児にもその傾向はあります。家族と離れて生活する時間が増えるのですから。この生活の変化がストレスとなり、結果として湿疹を悪化させてしまうということも十分に起こりうるのです。いや、子どもたちも大変です。学校行事も湿疹を悪くする秋の学校行事も9月末ごろから続々と入ってきます。その筆頭となるのは運動会でしょうか。最近は春に行なうところも多いようですが、2学期が始まってから運動会の練習がスタートするところも多いようです。運動会の練習は湿疹に対してはくせものです。大汗をかき、泥だらけになります。この時期だけは他の科目の時間まで体育の時間にあてて運動会の準備や練習に取り組んでいる小学校も多いようです。こうした環境は湿疹を治療する立場からすると非常に憂慮すべき状態です。先に述べた行為はすべて湿疹を悪化させる要因となるからです。だからといって練習をやめなさいとは言えないですし・・・皮膚科医にとって悩ましい時期となるのです。また、遠足だったり、おいも堀りだったりといったイベントも汗と汚れから湿疹を悪化させます。とくに指先の湿疹ですね。やっと治ったと思った翌週に遠足に行って指の湿疹を悪化させた子も数多くいます。はあ。治療はすごく大変なのです実は最も治療に苦労するのが、この社会的活動からくる湿疹です。まず厄介なことは、予防がほとんどできないこと。今までのお話のように汗にはシャワーで対抗し、乾燥には保湿剤で対抗するというような単純な対策が取れません。湿疹を治すためだけに運動会に出るなとは言えませんしね。なので、皮膚科医としてはできるだけこのようなイベントで皮膚が悪化しないように願う限りだったりするのです。練習のとき、暑くなりすぎないように、さりとて乾燥しすぎないように。太陽にも程々に隠れてもらって、かといって雨に降られても困ります(スケジュールが遅れてしわ寄せがきて、湿疹も悪化するのです)。ヤキモキする毎日です。と、このように社会活動がダイレクトに影響してくるのが湿疹の特徴ともいえるでしょう。皮膚科医って、実はこんなところにも目配りをしているんです。というお話でもありました。ここ3回は体の外の原因についてお話をしてきました。最終回となる4回目は、体の中の原因について触れていくことにしましょう。ではでは。おまけ気象・社会生活と皮膚についてちょっとだけこぼれ話をしましょう。「手湿疹」という病気があります。子どもたちも結構な頻度で手先や指先が剥けたり割れたりする病気です。この原因はいろいろありますが、その1つが汚れること、力がかかることです。実はこの手湿疹、今年の7月から8月にかけて、比較的良くなる子が多かったです。例年は悪くなる子のほうが多いにもかかわらずです。なぜでしょうか?答えは熱波です。熱波が直接湿疹に作用したわけではありませんよ。気温があまりにも高くなりすぎたので、みんな外で遊ぶことを止めたんですね。子どもの手湿疹の原因は想像の通り、砂遊びからの汚れなので、外遊びに行けなくなったことが湿疹を良くしたのでしょう。また、あまりの暑さのためにうんていや鉄棒で遊べなくなり、結果的に湿疹が良くなったと言っている子もいました。気象条件って、これだけ皮膚に影響してくるんですね。勉強になった今年の熱波でした。関連記事秋 -季節の変わり目‐ になぜ湿疹が悪化するのか第1回夏の戻りが湿疹を呼ぶ第2回冬の始まりが湿疹を招く野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年10月16日皮膚科専門医・小林智子氏の新刊9月25日、美しい肌を手に入れるためのエイジングケアを記した『皮膚科専門医が教える 40代からはじめる正しい美肌レッスン』が発売された。著者は皮膚科専門医で医学博士の小林智子(こばやしともこ)氏である。価格は1,300円(税別)で、彩図社(さいずしゃ)より発売中である。肌に違いが出る生活習慣とは日本医科大学を卒業した小林智子氏は名古屋大学医学部皮膚科に入局。同大学大学院やアメリカの大学にて、アトピー性皮膚炎などを研究している。現在の専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科で、著作では『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』を発表している。小林氏は医学的根拠に基づく健康のためのレシピを掲載している「Dr.recipe(ドクターレシピ)」を監修。発売された新刊では40代だからこそはじめるべき正しい肌のケアを掲載している。同書によれば、脂肪や靭帯、骨など、皮膚以外も見た目の老化に関わっているとされており、食習慣や食後の家事などの生活習慣についても紹介している。また、美容のための糖質制限についての注意点、美容医療の活用法についても触れられている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※皮膚科専門医が教える 40代からはじめる正しい美肌レッスン
2018年10月02日専門家・プロ:野﨑誠あせもってなんだ?今回の「あせも」の話もハワイから始めていきましょう。ハワイに行くといろいろなものが日本と異なるので、非常に興味深くついつい眺めてしまいます。どうしても皮膚の状態に目が行ってしまうのはまあ、職業病なのでしょう。そこで気がついたこと。ハワイではあせもができません。おや不思議です。なぜなんでしょう。汗疹と“あせも”汗疹。「あせも」と呼びます。この病気は当然ながら世界共通のもの。英語でも簡単な名前がついています。Heat rashです。Heatは熱。Rashは赤みで湿疹全般のこと。つまり、熱による発疹。言い得て妙です。この汗疹、専門的な本を読むと2つに分けられています。紅色汗疹と、水晶様汗疹です。紅色汗疹は読んで字の如く、赤いポツポツとした発疹が体の特に汗をかく部分にできること。水晶様汗疹はクリスタルのように透明でキラキラした発疹が、同様に体の汗をかいた部分にできることをいいます。全然違う見た目をしている2つの発疹ですが、原因は同一です。汗の排出口がふさがってしまうために汗の成分が皮膚の中に入る。そのためにアレルギーの反応が起こると考えられています。ただし汗の溜まる部分が浅いと赤い発疹となり、深い部分で汗が水たまりのように溜まると水疱のような発疹になるとされています。言われてみるとそういうものかと思われるかもしれませんが、“あせも”といってみなさんがイメージするものはそのような発疹ではないはずです。多分、暑い日に首や肘などの関節の内側にできる赤いぶつぶつとした発疹で、ときに痒くなるもの。そしていつの間にかなくなってしまうものではないでしょうか。そのような発疹については専門書には書かれていなかったりするんです。つまり、汗疹と“あせも”が同一ではなさそうなんですね。なんと。汗疹は、誰にどんなときにできるのか?しかし、専門書に書かれている汗疹も当然できることがあります。それはどんな場合か?このような汗疹は一般に乳児期によく見かけるものです。場所は関節の内側に限りません。汗をかくところ、そして蒸れる・こすれるところであればどこにでも発生する可能性があるのです。最も多いのはおなか、次いで腰からお尻にかけて、最後に背中です。手足にはあまり発生しませんね。特に乳児に多く発生し、幼児期以降ではよっぽど汗をかいたとき、もしくは高熱を出したあとくらいにしか見かけることはありません。それから、この汗疹はあまり痒くはないようです。ひどい汗疹が広い範囲に出ていても本人はけろりとしています。これが専門書に書かれた汗疹のでき方です。“あせも”は誰にどんなときにできるのか?対して“あせも”はもう少し上の年齢の子にできるようです。多くは幼児期から小学生の時期にかけて。なぜかそれ以上の子にできることはなく、成人にもあまりできることはありません。しかし成人でも“あせも”ができる人もいて、そのような人はどうもアトピー性皮膚炎を思わせる肌質の人が多いようです。よく発生するのは3カ所。首の前面、肘の内側、膝の裏側です。腰などにできることもありますが、皮膚の広い面に発生することがなく、多くは関節の内側のみに線状・帯状に出現するのが特徴です。そして、痒い。特に赤いぶつぶつの時期には痒みが強く、かきむしってそこからとびひになったり、湿疹をつくったりしている子もいます。ぶつぶつは時間とともに乾燥してかさぶたのようになり、最終的には剥がれ落ちてしまいます。これがいわゆる“あせも”の自然経過です。汗疹と“あせも”はなぜ起きる?では、汗疹や“あせも”の原因は何でしょうか。実は「不明」です。なぜ発生するのかよくわかっていないのが正直なところ。研究もあまり進んでいないようですし、専門家と言われる人もいなさそうです。まあ、生命に危険を及ぼすこともありませんし、自然に消える病気だからと言われればその通りなのですが。それでもいくつかの文献や資料、研究成果を確認していくと、ある程度、的外れではないように思われる原因が見えてきます。まず汗疹の原因です。あるメーカーの研究によると、汗疹のきっかけとなるものは表皮ブドウ球菌と呼ばれる皮膚表面に住みついている細菌です。その細菌がグリコカリックスと呼ばれるムチン質の物質、つまりゼリーのようなものを作り、そのゼリーに対するアレルギー反応によって赤みが出現するということのようです。これに対して“あせも”の原因は、どうもマラセチアという、これまた皮膚表面に住みついている真菌(カビ)に対するアレルギーの反応のようです。特にアトピーっけのある子が関節部分に汗によって悪化する湿疹があり、その湿疹の部分を詳しく調査するとマラセチアのアレルギーが見つかることもその証拠として考えられるようです。これらのことから汗疹も“あせも”も汗の影響、熱の影響により、本来はバランスを保って存在しているはずの一部の細菌や真菌が異常に増殖し、結果としてアレルギーの反応が出てくるために発生すると考えられるようです。あくまでも仮説ですが。汗疹と“あせも”予防の第一は汗をかかないことでは、予防のお話をしていきましょう。第一の予防は汗をかかないことです。つまり気温環境のコントロールですから、とにかくエアコンをしっかりと使用すること。その一言に尽きます。外来を受診される患者さんの数を見ていると、日本の湿度では最高気温25度を超えると“あせも”の発生が一気に増える印象があります。汗疹は、抱っこや洋服の影響によっても発生するため、そこまで厳密に気温が関係しているわけではありません。けれども温度が上がるにつれて発生率も上がる印象がありますので、温度の管理をしておくに越したことはありません。室温を25度以下に保つだけでもずいぶん発生を減らすことができるでしょう。次に汗を流すことです。いくらエアコンをしっかりとつけていても汗は必ず出ています。不感蒸散といい、汗の出がゼロになることはないのです。子どもはもともと多くの汗をかきますので、その汗をとにかく流せば汗疹の発生を予防することができるのです。まず朝起きて学校や幼稚園・保育園に行く前にシャワーで流すこと。これだけでもかなり汗疹を予防できます。また小さな子であればお昼寝のあと、大きな子であれば幼稚園・学校から帰ったあとにもシャワーをしたほうが良いですし、外出・お散歩から帰ったあともシャワーをするとそれだけで汗疹の予防になります。シャワーの話をするときに問題になるのが石鹸の使用の有無についてです。こちらも外来での印象ですが、一般の汗疹と“あせも”については石鹸までは必要ないでしょう。石鹸の使いすぎは乾燥肌やアトピーを悪化させる可能性もあるので、通常は使用せずにいても十分発生を抑えることができるようです。ただし、べたべたした“あせも”についてはどうも石鹸を使用しないとなかなか発生を抑えることはできないようです。その理由として考えられるのは“あせも”によって作られるゼリー物質は石鹸を使用することで溶かすことができるようなのです。だから、首、肘、膝の関節の内側など、べたべたした“あせも”ができそうな場所については石鹸を積極的に使用したほうが良さそうです。汗疹と“あせも”の治療法最後は残念ながら汗疹や“あせも”ができてしまったときの治療法のお話です。前にも述べたとおり、原因は皮膚表面でのアレルギー反応になりますので、ステロイドの塗り薬を使用して反応を抑えていくことが1つの治療となります。ちなみにステロイドの強さはそこまで強いものは必要ありません。むしろベタッとした軟膏性のものよりもサラッとしたクリームや乳液剤の方が症状を抑えられますので、種類よりも塗りやすさに注目した薬をもらう必要があります。また、ほかの皮膚炎に使用される薬剤でも有効なものがあります。それは皮膚を乾燥させる作用がある、細菌や真菌を抑える作用がある、ゼリー物質を抑える作用があるなど、いくつかの理由が考えられます。ニキビや水虫の薬がよく効いたという話もありますので、病院によっていろいろな薬が処方されるかもしれませんね。意外に(と言っては失礼かもしれませんが)民間療法にも効果が見られるものがあります。海水をかける、お酢をかける、熱めのお湯をかけ続けるなど、個性的な民間療法のお話を外来で聞いたことがあります。発生原因とその対策という考えからすると、細菌や真菌を減らす、ゼリー物質を溶かすなどの作用が予想され、ある意味納得するものもあります。まあ、いずれの治療法も病変部分に刺激を起こすことがあるので積極的にはおすすめしませんが・・・。汗疹や“あせも”の治療でけっこう難しいのは止めどきです。とくにステロイドはアレルギーの反応を抑える反面、副作用として細菌や真菌を増やしてしまいます。使いすぎると今度は細菌や真菌が増えてしまい、その症状が出てしまうことになり、治療に余計に時間がかかってしまいます。特に“あせも”で問題になるのですが、ポイントはかさぶたになったら治療を中断することです。かさぶたになっても薬を塗り続けていると今度は真菌そのものによるトラブルが発生しますので、「赤いとき、かゆいときには塗ること。かさぶたになったらやめること」と症状に応じて塗り方を調整すると上手に治療することができますよ。さあ、最後の最後にハワイのお話の答え合わせです。向こうの子どもに“あせも”が少ない理由。その1は湿度です。湿度が低いと明らかに“あせも”の発生が減ります。それは8月下旬に日本の湿度が一時的に下がったときにも同様の現象が起こりました。もう1つの理由は、海水浴やプールで汗を流せているからでしょう。つまり汗の発生を温度管理で抑え、かいた汗を上手に流してあげれば汗疹、“あせも”の発症を抑えることができるというわけです。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年09月21日子どもたちの肌に関する知っておきたいマジメなことから、皮膚科の先生にはなんとなく聞きにくいキッズビューティに関することまで。女性誌やTVなどでも大活躍の美容皮膚科医、髙瀬聡子先生が回答してくれます!答えてくれたのは……髙瀬聡子先生ウォブクリニック中目黒総院長。皮膚科医、美容皮膚科医。自身もふたりのお子さんを育てる先輩ママとしての経験も踏まえ、皮膚科学会での見解なども盛り込みつつ、回答してくれました。Q. 幼稚園児や保育園児のスキンケアって意外とわからない。どうすればいいの?0歳からのエイジングケアという発想で誕生。敏感なキッズにもOKの精油を慎重に選び天然由来成分99%以上で、完成。キッズたちの心にまでアプローチ。左から)ベビー&キッズ スキン ピュアソープ 80g ¥2800、同 ミルキーエマルジョン 150ml ¥3500、同 UVミルク SPF30・ PA+++ 50g ¥3500(11/7発売)/THREE(0120-898-003)A. 繊細だからこそUVケアはマスト。落とすケアも忘れずに。夏はプール、秋には運動会に向けての練習が毎日あったり。そもそも天気がよければ毎日外遊びが基本。日光を浴びることはカラダにとってメリットも多いですが、強い紫外線は肌にダメージを与える可能性大。とくにまだ皮脂腺が発達しておらず、バリア機能が弱いキッズたちには刺激になりやすいのです。だから、日差しの強い季節はとくにUVケアはマストです。子どもには、ノンケミカルなど刺激の少ないUVケアが◎。ベビー&キッズ用が安心です。また、ぜひ意識して欲しいのが、毎日、きちんと洗って落とすということ。オフがおろそかだと、またそれが刺激になって新たなトラブルに繋がります。ちなみに、顔やカラダを洗う洗浄料は、皮脂腺が発達し、バリア機能がオトナの状態に近づく小学校の中学年ぐらいまでは、ベビー&キッズ用がオススメです。そして、保湿もぜひ。実は顔は皮脂腺が発達しているので、顔の保湿必要がないお子さんもいますが、カラダは皮脂腺が少ないため、保湿をしてあげたほうがベター。シンプル処方で刺激の少ない保湿ミルクなどを選びましょう。Q. レジャーやリゾート、運動会などで赤くほてるほど日焼けしてます。どうしてあげればいい?左)赤ちゃんの肌や敏感肌にもOKの温泉水100%スプレー。ほてった肌を鎮める効果も。アベンヌ ウオーター 150g ¥1500(編集部調べ)/ピエール ファーブル ジャポン(0120-171-760)右)赤ちゃんの肌に使える安全性が認められた綿100%コットン。肌あたりがふわふわとやさしい。フェイシャルコットン L(ソフト) 120枚 ¥380/アルビオン(0120-114-225)A. まずはオトナと同じで冷やすこと。水コットンパックもオススメです。赤くほてっているのは軽いヤケド状態。ここできちんと鎮めておかないと炎症がひどくなり、さまざまなトラブルを引き起こすことに。子どもはなかなかじっとしていないので難しいですが、冷水を含ませて絞ったタオルなどをあてて、熱がとれるまでしっかりとクーリングするのが◎。腕や脚などであれば、冷たいシャワーをやさしくかけてあげるのもありです。注意したいのが保冷剤や氷を使って冷やすとき。クーリング効果は高いのですが、直接あてると肌にくっついてしまい、はがすときに皮がむけてしまうなんてことも。必ずタオルなどでくるんであてるようにしましょう。また、赤くほてっているときは、肌はもちろん、カラダも脱水している可能性あり。水やスポーツドリンクなどでこまめに水分を補給するようにしましょう。ちなみに赤みやほてりがひどい場合は、本格的にヤケドしている可能性も。この場合は、皮膚科を受診するようにしてください。ほてりや赤みがおさまったら、今度は肌にも水分補給を。オススメはコットンがひたひたになるぐらい温泉水ミストなどをたっぷりと含ませて、肌にぺたっとはりつけてパック。水分を補いながら、やさしくクーリングする効果も狙えます。もし温泉水ミストがなければ、ミネラルウォーターでもOK。無添加や低刺激性の化粧水を含ませるのもありです。では、シートマスクでもいいのでは?と思うかもしれませんが、あまりオススメはできません。保存料などが含まれている可能性があり、それが子どもの肌にとっては刺激になることがあるからです。いろいろ入っていないシンプルな処方のもので水分を補い、その後、普段、使っているマイルドなミルクを重ねてあげればOKです。Q. 3歳ぐらいから口紅を塗りたがるオシャマガールたち。どんな口紅ならOK?100%天然由来原料を使用。唇を潤しながら保護し、荒れも予防。ほんのり淡く発色し、つるぷるの唇に。左から)ナチュラグラッセ トリートメント リップオイル 01、同02 各¥2300/ネイチャーズウェイ(ナチュラグラッセ)(0120-060802)A. なめることも想定して、ナチュラルでオフしやすいものを。ママのメイクを見て“私もやりたい!”ってなりますよね。実際、キッズ用のコスメも今は充実していますが、キッズ用かどうかというより、もしなめたり、食べてしまっても安心なもの、という基準でセレクトを。そういう意味では顔料が少ない方が◎。オフするときの刺激を考えても、ナチュラル系で薄づきのものを選ぶのがいいでしょう。また、七五三や結婚式へのお呼ばれなどで濃いめのリップを使ったときは、クレンジングミルクなどをたっぷりと使い、唇をこすらないようにクルクルしてやさしくオフしましょう。Q. 鼻下の産毛が濃くてヒゲみたいに見えて……。剃ってもOKなものですか?1秒間に約100回という高速の音波振動で、剃るときの抵抗を少なくした顔用カミソリ。キッズのやわらかな産毛もしっかりキャッチ。bi-hada ompa(ビハダ オンパ)ホルダー 替刃1個付き オープン価格/貝印(0120-016-410)A. 剃ってもOKですが、毛流れにそって。アフターケアの保湿もマストです。ひげや産毛が濃いという悩みもよく聞きますが、おとなしくしていられるなら、剃るのもありです。そるときは、ミルクなどをぬってすべりをよくしてあげて、毛流れに沿って剃るようにしましょう。剃ったら濃くなるかも、と心配する方もいらっしゃいますが、濃くはなりません。ただし、産毛と一緒に顔の表面の潤いもとられてしまうので、きちんと保湿をする必要があります。また、剃るとしても1~2週間に1度ぐらいを目安に。皮膚科学会でも話題になるのが、子どものレーザー脱毛。小学校低学年の症例も報告されています。究極をいえばありですが、まだ成長期の途中なので、永久に生えてこない状態にするのはムリ。効率は悪いといえます。ただ、やはり子どもでもレーザー脱毛は痛いので、怖い思いをする子も。肌に対するダメージも少なからずあるので、その点を考えても、剃ってあげるほうがいいと思います。もし、レーザー脱毛をやるなら、効率面、子どもの負担、どちらを考えても、成長期が終わった後のほうがいいでしょう。Photos:Yasuhiro ItoLettering:Saori Kasai(Instagram : @_lil.something_)Composition&Text:Hiromi Narasaki
2018年09月09日専門家・プロ:野﨑誠さあ、今回は日焼けの話をしていきましょう。まずは少し個人的なお話をしましょうか。実は、先日旅行でハワイに行ってきました。行ってみて驚いたことは、現地の人はあまり日焼け対策をしていないことです。日焼け対策をしっかりとしているのはみな旅行者、特にアジア系の旅行者ばかり。現地に住んでいると思しき人は一切何もせずに家の外を歩いているんですね。これにはびっくりました。特に白人の方は日光に弱い皮膚をしているのに・・・。案の定、現地に住んでいる高齢の白人の方のお肌は明らかに紫外線が原因と思われる皮膚のダメージがいっぱい刻み込まれていました。腕の先端部にいくに従って明らかにダメージが強くなっているわけですから、そのような人を見るたびに、皮膚科医としてアドバイスしたい気になってしまいました。休暇のはずなんですけどね。これもまあ職業病でしょう。紫外線の影響の最たるものは発ガン性!では紫外線の影響についてお話をしていきましょう。まず問題です。紫外線は体の細胞のどこに影響を及ぼすのでしょうか?正解は体の遺伝子。DNAと呼ばれるタンパク質です。紫外線の影響は化学的にはDNAの損傷と皮膚組織の障害の2点にあります。1点目。紫外線はDNAの構成成分を壊し、おかしな形にしてしまいます。ほとんどの異常はもとに戻すことができるのですが、極めてまれに、おかしなDNAがそのままになってしまい、ときにはおかしなタンパク質を異常なほど大量に作ってしまうことがあります。これを何と呼んでいるか?はい、ガンです。紫外線の影響の最たるものは発ガン性なのです。もちろん良性の腫瘍も作りやすくなることが知られていますが、皮膚がんの発生は紫外線により明らかに増加することが知られています。ただしガンになるのは紫外線を浴びてから数十年後の話なので、昨日、日に当たりすぎたからといって明日ガンができるわけではありません。2点目、数十年経過しながら徐々に進んでいるのはコラーゲンをはじめとする皮膚の劣化です。一般的にはシワが深くなる。シミができてくる。なんとなく皮膚が汚らしくなっていくという変化が見られます。残念ながらこの変化を回復させることは非常に難しいです。今回お話しするのは、紫外線の影響による直接的、短期的な皮膚の劣化、そうです。日焼けです。日焼けの種類は大きく分けて2種類ある日焼けは大きくSunburnとSuntanの2つに分けることができます。Sunburnは読んで字のごとくSun[日光]によるBurn[やけど]です。日に当たった直後から翌日くらいまでに発生し、紫外線の当たった部分が赤くなって腫れてひりひりするという、ちょうどやけどのような症状が生じます。原因は紫外線によってできた皮膚の炎症で、そのためにやけどと同じようなヒリヒリとした症状を示すのです。まさに熱いお湯がかかったときのやけどのようになりますので、長時間冷やすなど、対策もそれに順じて行なったほうが良いでしょう。Sunburnに対してSuntanはいわゆる通常の日焼けです。一般的に日焼けと言った場合はこのSuntanを指すことが多いでしょう。こちらはSunburnよりも少し遅れて出現します。皮膚の色が赤くならずに黒くなっていく変化ですね。こちらは特に痛みはありません。これらSunburnとSuntanは個人差があることが知られています。どちらかのみ強く出る人、両方ともそれなりに出る人がいます。この反応の出方は遺伝する傾向がありますから、両親の日焼けの経過を知ることで子どもたちの日焼けの傾向を知ることができます。また、この日焼けによる反応は人種差がとてもあります。紫外線に最も弱いのは白色人種、最も強いのは黒色人種で黄色人種はその中間くらいです。なのでハワイで白人の方が日焼け止めをしないで街を歩くなんて「見ちゃいらんない」わけです。皮膚科医としてはですね。紫外線対策の基本は「時間」と「天気」と「場所」さて、紫外線の話を今までしてきました。それを踏まえて紫外線の対策についてお話をしていきましょう。対策の基本は、まず時間と天気と場所です。次に洋服・帽子と日焼け止めとなります。これ、大事ですよ。まず紫外線に当たる時間、つまり紫外線そのものの量に目を向ける必要があります。日が出ていない時間は屋外に出ても紫外線をあびることはありません。太陽高度が上がるにつれて紫外線を吸収するオゾン層を通過する距離が短くなりますので、紫外線の量は増加することになります。次に天候です。晴れた日は当然紫外線の量が多く、それに比較すれば曇りの日や雨の日は少なくなります。それでも紫外線はゼロではありませんので、ある程度の対処はした方が良いでしょう。場所も大事ですね。そもそも緯度によってその日の太陽の上がり方が決まりますので、そこにも注意をはらいましょう。つまり東京よりも緯度の低い沖縄のほうが太陽の光がたくさん降り注ぐことになるので、紫外線対策はより重要になるのです。また場所といってもそんなに大きな話でもなく、日陰を歩けばそれだけで紫外線の量は減らすことができるのです。紫外線対策に有効な「洋服」と「帽子」次に対策として考えるべきは洋服、帽子などによる紫外線の防護策です。帽子や洋服は物理的に紫外線をストップさせますので、上手に使いましょう。最近は日焼けを抑える効果が明示されている洋服もありますので、心配な方は使ってみても良いでしょう。UPFという数字が洋服のタグに付いていることがありますので確認してみてください(数字の読み方は日焼け止めのところでお話します)。サングラスも紫外線予防には使用されますが、こちらもただ濃ければよいというものでもありません。可視光線※も遮ってしまうと瞳孔(どうこう)が開いてしまい、かえって紫外線が目の中にたくさん入ってしまうことにもなりかねません。目とサングラスの隙き間から入る紫外線にも要注意です。可視光線を防ぎすぎず、広い範囲を覆うこともできるサングラスを選んだほうが良いです。※可視光線……太陽光線の種類の1つ。太陽光線は紫外線・可視光線・赤外線などに分けられる。「日焼け止め」選びのキーワードは「SPA・PA」と「紫外線吸収剤」次に日焼け止めの話をしましょう。お店に行くとたくさんの日焼け止めがありますね。その選び方からお話をしていきましょう。キーワードはSPF・PAと紫外線吸収剤です。SPFとは何を意味しているのでしょうか。これはSunProtectionFactorの略で、使用することで日焼けして赤くなるまでの時間を「何倍に」伸ばすことができるかという数字です。SPF・PAのあとにくる数字は、紫外線をさえぎる単純な強さではなく、時間の長さを表しているんですね。では日焼けで赤くなるまでの時間はというと、真夏の正午の快晴のときでおおむね20-~30分です。ですので、この時間(個人差があるので紫外線に弱い人は短めに見積もってみてください)にSPFの数字をかけるとよいのです。ちなみにSPFは紫外線Bに対しての日焼け止め効果。PAは紫外線Aに対する効果です。洋服においては「SPF・PA」ではなく「UPF」で示されます。数値の見方は「SPF・PA」と同じです。さて、このSPFもしくはPAの高い製品はどのようにして作られるのでしょうか。日焼け止めの成分は大きく分けて紫外線散乱剤と紫外線吸収剤に分けることができます。紫外線散乱剤は微小の金属粒子などで、紫外線を皮膚に届く前に跳ね返す成分。吸収剤は紫外線そのものからエネルギーを吸い取ってしまう成分です。つまりSPFやPAが高くなるにつれて多くの散乱剤や吸収剤が使用されることになりますが、「多く使用する」という部分が逆に欠点にもなってしまいます。紫外線散乱剤は可視光線も乱反射させますから多く使うことで白浮きするという欠点があります。また吸収剤はときにアレルギー性のかぶれを起こしてしまうことがあります。従ってSPFやPAはむやみに高ければ良いというものでもありません。アレルギーやかぶれが心配な方は、あえて数値が低めの製品や紫外線吸収剤の入っていない製品を選んだほうがトラブルになる確率は低いでしょう。「日焼け止め」は2時間に一度、塗り足すことさて、少し話を戻していきます。自分が今使っているSPFの製品はどのくらいの時間、紫外線を予防できることになっているか計算してみてください。びっくりするくらい長い時間が出ませんでしたか?日焼け止めを塗ってからもっと短い時間しか経っていないのに、日に焼けて赤くなったことはありませんでした?その理由は塗り方と汗にあります。みなさん、普通は日焼け止めを手に取って薄く塗りますよね。その塗り方はダメです。SPFの計測のときの塗りかたは決まっていて、一般的に考えられている塗り方よりも非常に厚塗りです。カノジョにその塗り方をしたら白浮きすると怒られるくらい。つまり、本来塗るべき量よりも薄く塗っていることで、SPFの数字どおりの結果にならないのです。もう1つは汗の影響です。いくら落ちにくい日焼け止めだったとしても、汗をかけばどんどんその成分は流されていきます。特に子どもは大汗を書きますから、さらに流れていく。一説には2時間でその日焼け止め成分の大半が流されるとか。そのためにSPFの本来の数字以下の性能になってしまうのです。ではどうすれば良いでしょうか。厚く塗ることができないのであれば頻繁に塗り足してください。2時間以内が1つの目安です。汗を拭くことができれば良いですが、それが難しい場合でもしっかりと塗り足すようにしてくださいね。最後に実際に使用するべき基準についてお話をしていきましょう。普段、街なかで数時間使用するくらいでしたらSPFは20~30程度もあれば十分です。そして適宜塗り足してください。なお、肌のトラブルが心配な方は紫外線吸収剤を含まないものの方が良いでしょう。そして、外出する時間帯を選ぶこと。正午前後は太陽も高いために紫外線量も多く、影も少ないので、外出は控えたほうが良いでしょう。逆に1日海に出かけたり、シンガポールなどの紫外線が強い地域に旅行したりする場合はSPF50以上のものを使用します。こちらもこまめに塗り足すことを忘れないようにしてください。またサングラスや帽子・衣類などでも紫外線予防をしっかりと行なうことをおすすめします。「日焼け止め」の扱い、ここに気をつけて!最後の最後のお話を2つさせてください。まず0歳の赤ちゃんですが、実は日焼け止めのトラブルが最も起こりやすい年代です。というのもビタミンが不足する問題が発生しています。食事で栄養を十分に取れない0歳児の場合、紫外線を浴びることで、あるビタミンを生成する必要があります。これは本当に少しだけ、それこそ日陰に数十分程度いてもある程度の量が作られるので、あえて紫外線に当たりに行く必要はありませんが、日焼け止めを使いすぎるとビタミン不足から成長に影響が出てしまうので、要注意です。なお、先程も述べましたがビタミンは日陰を少し歩くだけでも作られますので、日光浴の必要はありません(母子手帳に「外気浴」と書かれているのはそのためです)。もう1つは最後の処分方法です。残った日焼け止めはもったいないと思わずにその年のうちに捨てて下さい。日焼け止め成分の特に紫外線吸収剤は時間とともに劣化する可能性があります。劣化することでかぶれるリスクが上がりますし、日焼け止めでかぶれる人の一部は実は古い日焼け止めを使用したからだったりもするので、翌年まで保管しておいてもあまり良いことはありません。捨てちゃいましょう。秋になっても天気の良いときには紫外線はたくさん地面に降り注ぎます。そして意外に秋も日焼けトラブルの多い季節です。そう、運動会です。なので、もうしばらくは日焼け止めをしっかりと使ってあげたほうが良さそうです。そのときにはこの記事に書かれていることを参考にしてみてくださいね。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年09月06日2つの有効成分でまつ毛の成長をサポート株式会社スリーズが、新商品「eyelaceed(アイラシード)」(8480円)を2018年7月13日(金)に発売しました。「eyelaceed(アイラシード)」は、美容皮膚科医の笠井美貴子氏と共同開発したまつ毛美容液。まつ毛の伸長を助け、新たな発毛を促進する「キャピキシル」と、まつ毛の厚み・量・増強効果がある「ワイドラッシュ」という2つの有効成分が配合されています。使用方法は洗顔後、上下のまつ毛の生えぎわにそって塗るだけ。上まつ毛には、根元から毛先にかけて1塗り、下まつ毛は目頭側から目尻にかけて1塗りしてください。トップ人気のまつ毛ケアは「美容液」株式会社スリーズは、2018年6月22日(金曜日)から2018年6月25日(月曜日)にかけて、20代から30代の男女600人を対象に「まつ毛に関する意識調査」を実施。調査の結果、女性300人のうち86.7パーセントが「地まつ毛派」ですが、普段まつ毛のケアをいている人は10.7パーセントにとどまっていることがわかりました。また、女性回答者のうち「容姿がよい方だといわれる」人がしているまつ毛ケアの方法は「まつ毛美容液」が75.7パーセントでダントツの1位という結果となっています。「魅力的なまつ毛とはどんなまつ毛か」という質問に対しては女性が「長いまつ毛が」と回答した人が60.3パーセントで1位。男性(容姿がよい方だといわれると回答している人)は「艶のあるまつ毛」が1位(37.2パーセント)となりました。※価格は税別です。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社スリーズのプレスリリース/PR TIMES※株式会社スリーズ
2018年07月22日プールなど、他人との接触が多くなる夏。前回の「水いぼ」に続いて、今回は「とびひ」の話です。≫ 「子どもの「水いぼ」治療は痛いのか!? ママのNG行動に反省…」 生まれたころからアレルギーがあり、なにかとお肌の荒れやすい息子。冬は乾燥からくるかゆみに、夏はあせもに悩まされ、一年中、皮膚科通いと日常のお肌のケアが欠かせません。去年の7月ごろのことでしょうか。翌日にかかりつけの皮膚科に診てもらうと… 普通のあせもだと思い、「まぁそのうち治るでしょ」と気軽に考えていましたが、そうではなかったようでした。ひざの裏が一番ひどく、赤くただれたようになっていましたが、その予備軍みたいにジュクジュクしかけの部分が、腕や首にも多数点在していました。患部を綿棒のようなものでこすり取って検査に出してもらい(結果は1週間後)、保湿剤と抗菌の塗り薬、かゆみ止めの飲み薬を処方してもらいました。でも、半月後にまたかかってしまったので、夏は要注意ですね。そして、早めの皮膚科の受診がキモだとも思いました。自然に任せて放置していると、うちのパターンのように、どんどんひどくなる場合もあるとのことなので。先生からは、「あせもからとびひになることもありますよ。適度なクーラーやこまめなシャワーもしっかり行うように」と言われました。当時(去年)は、未就園児だったためそこまで弊害は感じなかったですが、とびひがあるとプール禁止の園も多いので、今年はならないといいなぁ。(みんながプールに入ってるのに自分だけ入れないのは、かわいそうなので)楽しいこといっぱいの夏、すてきな思い出がたくさんできるといいな。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。※「とびひ」にかかった場合の登校・登園・プールの許可についても各園によって方針が異なりますので、必要な場合にはお子様が通われている園にご確認いただけますようお願いいたします。
2018年07月20日赤ちゃんが発症しやすいアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーと密接な関係があり、アトピー性皮膚炎を発症した場合、食物アレルギーによってアトピーの症状が悪化することがあります。アトピー性皮膚炎の適切なケアをするためにも、食物アレルギーによる影響について理解していきましょう。赤ちゃんのアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係アトピー性皮膚炎は個々で異なる原因を避けながら、適切な治療、スキンケアをすることで、日常に支障がでない程度に症状をコントロールすることを治療目標にします。アトピー性皮膚炎を発症した赤ちゃんは、その他のアレルギー疾患を発症している場合が多く、そのひとつである食物アレルギーにも注意をはらいながら治療を進めていく必要があります。アトピー性皮膚炎が食物アレルギーを招くこともある食物アレルギーは乳児に多いアレルギーですが、湿疹があったりアトピー性皮膚炎を発症している場合、食物アレルギーを発症する可能性が高くなることも考えられています。アトピー性皮膚炎を発症し、乾燥やかゆみによる皮膚のかき壊しによりバリア機能が低下した肌は、アレルゲンが侵入しやすくなり、またIgE抗体が作られやすくなってしまう原因となります。IgE抗体が作られた状態では、再びアレルゲンが体内に侵入した際、 アレルギー反応を引き起こしてしまいます。。アトピー性皮膚炎は肌からの食物アレルゲン侵入にも注意これは食物アレルギーを持つお子さんにも言えることですが、アレルゲンとなる食物が肌に接触しないように注意することも必要です。食物アレルギーは口から食べた食物だけに反応するわけではなく、皮膚の接触や吸い込みによっても反応を起こすためです。特に湿疹やアトピー性皮膚炎のお子さんは、皮膚が荒れているためアレルゲンによる影響を受けやすい状態です。食物アレルギーの反応によるかゆみや湿疹などの皮膚症状は、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させてしまいます。離乳食の開始は肌の状況をみて医師と相談のうえ決める離乳食は食物アレルギーになりにくいものからはじめることが基本ですが、アトピー性皮膚炎を持っている赤ちゃんの場合、医師から避けるよう指示された食物を外すようにしましょう。また、離乳食をはじめるタイミングであっても、アトピー性皮膚炎による症状や状態によっては、開始を遅らせる必要も出てきます。そのため、アトピー性皮膚炎のお子さんの離乳食を始めるタイミングは、医師と相談したうえで開始するようにしましょう。赤ちゃんの食物アレルギーは治らないの?食物アレルギーは、消化機能が未熟な赤ちゃんの時期に多く起こるアレルギーです。成長と共に消化機能が整っていくのと同時に耐性化されていく食物があれば、反応を起こす食物によっては成人してからも避けなくてはいけない場合も一部あります。悪化要因となる食物アレルギーとの関係を把握して、じっくりとコントロールしていきましょう。アトピー性皮膚炎の治療において、食物アレルギーにも注意することは重要なことです。もちろん、食物だけでなくダニなどのハウスダストなど、環境全体からコントロールしてあげることが、アトピー性皮膚炎の改善に大きく貢献します。焦らずに、必ず医師と相談をしながらお子さんに合った対策をとっていきましょう。<参考文献>・食物アレルギー診療ガイドライン 2016ダイジェスト版(日本小児アレルギー学会)・厚生労働科学研究班による食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017(国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター)・授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省)・小児アトピー性皮膚炎 大矢幸弘(J-Stage)・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016年版(日本皮膚科学会)・日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン監修:小暮裕之
2018年06月29日