実の親との同居でも、義親との同居でも、不満やメリットというのは、そんなに変わりはないようです。関係性ということよりも、“同じ家の中に自分たちとは違う世帯が暮らしている”ことが、メリットやデメリットを生むポイントとなっているようです。いくら居住スペースが分かれているとはいっても、一つ屋根の下に他者の目があることには変わりありませんものね。今回は二世帯住宅に住む人のリアルな声を集めてみました。■ 二世帯住宅がもたらすデメリットとは?「うちはキッチンを共有しています。 でも、お嫁さんがキッチンにいると使うタイミングを躊躇してしまう。ミニキッチンを作ればよかったです」(60歳)Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)「リビングが共有スペースです。 孫の友達とその母親たちがほぼ毎日遊びにくるので、 おばあちゃんはリビングに出にくいんです。部屋に閉じこもるか、 外に散歩に行くしかなくて辛いですね」(58歳)Ushico / PIXTA(ピクスタ)「仕事などで子世帯が日ごろ留守にすることが多いため、 郵便物と新聞を振り分けて届ける作業が地味に面倒くさい」(65歳)「来客が多い家のため、本当はプライベートルームに内鍵をつけたかったんです。でも家族を信頼していないと思われそうで言いだせず、毎日ちょっとずつストレスがたまり続ける毎日です」(30歳)やはり共有スペースでの不満やトラブルというのは、いろいろと出てきてしまうようです。しかし、一方でこのような意見も見られました。「キッチンを同じにしたくなくてわざわざ分けたのですが、スペースの関係上義父母の寝室近くになってしまい、夜中には使うのを遠慮してしまう」(34歳)「どうしても自分たちだけでリラックスできる空間が欲しくて、リビングを2つ作ったのですが、 面積の関係上狭いリビング2つになってしまいました。両方とも使いにくいです」(33歳)maruco / PIXTA(ピクスタ)スペースを分けたことにより生じるトラブルというのもあるようです。自分たち家族のライフスタイルや親密度などによって、空間の使い方を考えていく必要がありそうですね。■ 二世帯住宅だからこそ得られるメリットって?「リビングで孫といっしょにゲームなどをして遊ぶことができるのが嬉しい」(59歳)「子世帯が話し相手や相談相手になってくれるのもありがたいですし、健康面での不安もあったのですが子世帯がいてくれるから心強いんですよ」(63歳)ocsa / PIXTA(ピクスタ)「うちは共働きをしているので子どもが保育園通いなのですが、保育園を休む場合も義母に頼むことができて助かっています。急な発熱などで保育園から呼び出しがあった場合も義母が対応してくれるので、私は仕事を休まなくてよくなって本当に助かっています」(35歳)「食事を親世帯に準備してもらえるのがありがたい」(30歳)ucchie79 / PIXTA(ピクスタ)「贅沢な新築一戸建てを二世帯にすることによって建てることができたのはメリットだと思っています」(31歳)上記の意見をみてみると、ストレスやトラブル、メリットやありがたみというのは、どちらもお互いを思い合うからこそ生じるもののような気がします。年齢を重ねていくと孤独に襲われたり、健康に自信がなくなることもあります。そんな時に、いつも誰かの目があるという安心感は親世帯にとって、とてもありがたいもののようです。また、子どもの些細なトラブルによって仕事に穴を開けなくても良いというのは、共働きの夫婦にとって最大級のメリットといえるのではないでしょうか。金銭的、精神的に支えてもらえるというのも、二世帯住居の大きなメリットだと感じている子世帯の方たちも多いように感じました。
2018年09月10日*画像はイメージです:介護離婚(かいごりこん)とは、簡単に言うと夫の親(義親)の介護に嫌気がさし離婚してしまうことです。離婚を決意するほど疲れる原因として、義理の親との関係が悪く義親の介護をしたいと思えない・夫や夫の兄弟姉妹が介護にまったく協力してくれない・貢献しても労わってもらえないなどが問題になっているようです。このあたりの問題について、高島総合法律事務所の理崎智英先生に伺いました。 ■介護離婚に発展する3つの理由介護離婚は精神的なストレスが根本的な原因です。ここでは、ストレスになる3つの理由を紹介します。◆義親と仲が良くないから精神的にも肉体的にも辛い介護は愛情がないとできません。優しくされたことがなく、恩や情を感じない相手への介護はとても苦痛でしょう。また、離婚に発展しなくても、うつなどの精神病になってしまったり、虐待までしてしまったりする可能性があります。◆兄弟姉妹が介護に協力してくれないから『長男の嫁=義親の介護をしなくてはいけない』という暗黙の了解があることも少なくないでしょう。そうなってしまうと、まだ介護が必要でなくてもプレッシャーですし、「他の兄弟(姉妹)がすればいいのに!」と理不尽に感じてしまいますよね。◆介護をしているのに感謝してもらえないから一生懸命に介護しているのに義親や夫・夫の兄弟姉妹からまったく感謝されないと、介護を続けようという気持ちにはなりませんよね。介護は感謝されるためにすることではありませんが、自分の時間を削ったり、やりたいことを我慢したりしているので感謝や気遣いをしてほしいものですよね。 ■そもそも義親の介護責任は誰にある?夫が長男であったり義親と同居したりしている場合、義親でも妻が介護しなくてはいけないように感じますよね。しかし、妻に介護する義務はありません。その理由として、民法第877条1項の扶養義務者を定めた記述が挙げられます。直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。(引用:民法第877条1項)理崎先生)ここには『直系血族は』と記載されているため、直系血族ではない妻には、原則として、義親の扶養義務はありません。介護を拒否しても法的には問題にならないのです。もっとも、『特別の事情』がある場合には、例外的に『親族』である妻にも義親を扶養する義務が発生する場合があります(民法877条2項)。ただし、『特別の事情』は、扶養義務を負担させることが相当とされる程度の経済的対価を得ているとか、高度の道義的恩恵を得ている等の場合に限定して認められるものですので(大阪家裁昭和50年12月12日審判)、基本的には、妻が義親の扶養義務を負うことはないと理解してよいでしょう。 *取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚・男女問題を多数取り扱っている。)*取材・文:編集部【画像】イメージです最近話題の介護離婚って…?何が問題?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。最近話題の介護離婚って…?何が問題?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年03月31日