小学校入学が近づくと、子どもの学習スペースをどこに用意するかで悩むことでしょう。わが家の2人の小学生は、リビング学習派、子ども部屋派とタイプが分かれました。今回の記事では、小学生2人の子ども両方にリビング学習をさせたことで起きたトラブルと、最終的に学習環境を2つ用意した理由を紹介します。わが家が最初に取り入れたのは「リビング学習」小学校に入学すると宿題が毎日出るため、子どもにどこで勉強させるかを考えておくことは大切な準備の1つです。「有名大学入学者にはリビング学習者が多い」という話題を目にする機会も多く、子どもの学習場所にリビングを選ぶ人も増えていると聞きます。例にもれず、わが家でも第1子の娘が小学校に入学した5年前、学習机は購入したものの、上述の理由でリビング学習を取り入れました。娘自身も、親の目の届くところで勉強できる、分からないときにはすぐ質問できるという環境が心地良かったのか、小学5年生の今でもリビング学習を続けています。そんな背景があったため、第2子の息子が今年小学校に入学した際にも、リビング学習を取り入れました。娘がリビング学習派で学習机をまったく使用していなかったこともあり、息子には学習机の購入を見送りました。すると、予想に反して、きょうだい間でちょっとしたトラブルが発生するようになったのです。リビング学習で集中できる姉vs集中できない弟わが家では、毎日の夕食後、1つのダイニングテーブルで子ども2人と私が着席し、それぞれ宿題や家庭学習を進める時間を設けています。その間、第3子の幼稚園児の息子は、ダイニングルームの横にあるおもちゃ部屋で遊んでいます。息子は小学校入学後、この勉強時間に毎日参加するようになったのですが、1年生で家庭学習慣れしていないということも関係あるのか気が散って、宿題がまったく進みません。1つの宿題を終わらせるのに、想像以上の時間がかかります。弟がおもちゃ部屋で自由に遊んでいる姿も気になるようです。しまいには、姉に話しかけたり、笑わせようとしてしまい、姉から「勉強の邪魔しないで!」と叱られる始末。特に顕著だったのは、夏休みの家庭学習でのこと。私の実家に帰省していたこともあり、学習環境が変わったからか、その日のタスクを終えるまで今まで以上に時間がかかるようになりました。学習スペースを子ども部屋に変えて生まれたよい効果「どうして息子はこんなに集中できないんだろう…」と悩んだ私。気が散る材料を減らすためにと代案を考えた結果、リビングではなく別部屋に置いてある私が学生時代に使っていた学習机で勉強させることを思いつきました。その間、私は息子と同じ部屋の中にいて、読書をしたり、自分の勉強をしたりして待つことに。早速取り入れてみると、あら不思議!まわりの音がシャットダウンされたからなのか、「今までの苦労は何だったんだろう?」と感じるくらい、しっかり集中してあっという間に問題を解くことができました。一方、娘はいつも通りリビング学習をしているのですが、ちょっかいをかけてくる弟がいないことで、より集中して学習できるようになりました。そして、末っ子は、姉の横でおもちゃ遊びを楽しんでいます。それ以来、わが家では、娘はリビング学習、息子は子ども部屋学習というスタイルが定着しました。娘が使わなかった学習机は、弟が使っています。最近では、息子も1人で勉強するのに慣れてきたのか、私もずっと付き添う必要はなくなりました。その代わり、15分おきくらいに子ども部屋にいる息子に声をかけ、進捗具合や質問の有無を確認するようにしています。子どもの性格や好みを見極めて学習スペースを用意しようわが家の場合、娘と息子で適している学習スタイルは、どうやらまったく異なっていたようです。・娘:集中力が高く、まわりの音が気にならない。むしろ人がいる環境のほうが勉強がはかどる⇒リビング学習・息子:まわりがザワザワしていると集中できない⇒子ども部屋学習ちなみに、自分の頃を思い出してみると、私は子ども部屋学習派でした。それなのに、娘での経験から「今の時代はリビング学習が主流」という意識が私の中で先行してしまっていました。息子に対して、小学校入学当初からリビング学習を取り入れてしまったのは、申し訳なかったなと反省しています。夏休みに実家で過ごした際、過去の自分が子ども部屋学習派だったというのをふと思い出し、息子にも取り入れられたのは大きな転機でした。息子には子ども部屋での学習スタイルが合っていたようで、今も集中して取り組めています。なお、リビング学習派の娘は、最近では好きな音楽をイヤホンで聴きながら勉強しています。静かな方が集中できる部屋学習派の私にとって、その姿を見たときは、「それで本当に勉強に身が入るの?」と衝撃的でした。しかし、娘いわく「そのほうがテンションが上がって勉強がはかどる」とのことです。実際、テストなどの成績もよいので、「娘にはその方法が合っているんだな」と割りきり、好きなように学習させています。子どもの集中力が続かないなと感じたら、もしかしたら学習スタイルが合っていないのかもしれません。「リビング学習⇔子ども部屋学習」と学習スペースを変えてみるのも、1つの解決策としておすすめです。<文・写真:ライターnanahi>
2020年03月20日スマホやタブレット、パソコンなどのLEDディスプレイのほか、LED照明からも発せられているブルーライト。デジタルデバイスが身近になったことで、子どもたちや働くママが浴びるブルーライトの量がいま急激に増えています。ブルーライトの眼や健康への影響は気になっていても、具体的な対策までしているママはそう多くないのでは? でも実はこのブルーライト、紫外線級にエネルギーが強く、身体への影響が懸念されています。ブルーライト対策って必要なの? みんなはどうしてる?ブルーライトは、パソコンやスマホ、タブレット、テレビなどさまざまなLEDディスプレイから発せられ、子どもたちもママも日々無防備に浴びています。知育アプリを利用したり、動画を見せたり、いまやスマホやタブレットは育児に欠かせない定番ツール。小学生になるとタブレット学習を始める子も増え、2020年度からは小学生のプログラミング教育も必修化します。ママにとっても、スマホはもはや暮らしに欠かせないものになっているはず。仕事でパソコンを使っている人も少なくないでしょう。これからの時代、子どもも親もブルーライトに接する時間がますます長くなるのは確実。だからこそ、ママたちが正しい知識を身につけて、子どもと自分の眼を守ることが大切になってきます。先日、都内で開催されたブルーライトについて知るママ向けのイベントで、ママたちがどうしているか聞いてみました。ayumiさん(6歳の長男・長女(双子))「子どもが春から小学生なので、ひらがなや足し算のスマホアプリを使い始めました。今の時代、デジタルデバイスと距離を置きすぎるのも、逆についていけなくなりそうで心配なので…。私自身は自分の時間が唯一とれるのが寝る前なので、布団の中でスマホを見るのが日課。そのせいか翌朝疲れが残っている日もあるのですが、まだ対策はできていないですね」marikoさん(9歳長女、7歳次女、2歳長男)「子どもたちはゲームや動画サイトが大好き。小3の長女はメガネをかけているので、あまり眼に負担をかけないように、画面と距離をとらせたり、利用時間を制限したりしてきました。でも最近は学校の授業でもパソコンを触るし、来年度はパソコンクラブに入りたいそう。ブルーライトに接する時間が増えているので心配です」「タブレット学習」が当たり前の時代に子どもの眼を守るために、親ができること参加したママたちいわく、ブルーライトの正体や影響がよくわからないのも対策できていない理由だとか。▼そもそも「ブルーライト」って何?ブルーライトとは、名前のとおり、“青い光”のこと。太陽光にも含まれている光で、モノが青く見えるのはブルーライトのおかげ。昔から自然界にあるものなので、ブルーライト自体が悪いものではありません。現代の問題点は、ブルーライトを浴びすぎていること。スマホやゲーム、パソコンなどデジタルデバイスの普及で、より近距離で、長い時間浴びてしまっています。紫外線から眼を守るためにサングラスはかけるというママも、ブルーライト対策はしていない人がほとんど。でも実はブルーライトは紫外線級にエネルギーが強く、その光は網膜にまで到達します。そんな強い光を長時間浴びていることが、眼の疲れや肩こり等につながったり、身体へ影響を及ぼしているのではないかと懸念されています。▼「ブルーライト対策」、何から始めたらよい?さらに怖いのが、子どもへの影響。子どもの眼の水晶体は透明で濁りがないので、大人よりブルーライトの影響を受けやすいと考えられています。とはいえ、子どものタブレット学習も当たり前になりつつあり、ブルーライトを浴びる時間を減らすのは、なかなか難しい時代。そこで取り入れたいのが、眼に浴びるブルーライトの強さをおさえる対策です。具体的な方法としては、イベントに参加したママのうち、何人かが既に実践していた「画面の明るさを抑える」「画面からなるべく距離をとる」「ブルーライトカットフィルタを画面に貼る」などがその一例。また、ブルーライトカットメガネをかけるのも有効です。ファッション感覚で楽しみながらブルーライト対策ができ、子どもでもカンタンにかけたりはずしたりできる “気軽さ” がメリットです。ちなみに、ブルーライトを発するLEDディスプレイ系(テレビ、スマホ等)の平均接触時間は年々増えており、5年間で2時間39分も増えたというデータ(※)もあります。子どもだけでなくパパやママも一緒になって、家族みんなで意識するべき課題といえるでしょう。※April 22, 2014 eMarketer Mobile Continues to Steal Share of US Adults' Daily Time Spent with Mediaブルーライトを浴びる量が増えたのはここ最近のことなので、将来的なブルーライトの眼への影響はまだわかっていないことが多いのも事実。わからないからこそ、後悔しない子どもの未来のために、今できる対策をとってあげたいですね。\ 始めよう、親子でブルーライト対策 /JINS SCREEN(ジンズ スクリーン)手軽なブルーライト対策としておすすめなのが、ブルーライトカットメガネの「JINS SCREEN」。メガネなら必要なときにサッとかけることができ、子どもでも取り扱いがラク。ママもかければ一緒に対策できるし、子どもも喜んでかけてくれるので習慣化しやすくなります。「JINS SCREEN」(パッケージタイプ・度なし)は、ブルーライトカットメガネにありがちなレンズのギラつきがなく、肌になじむのが特長。より自然な見た目の「25%CUT」(大人用、子ども用)、長時間の作業に適した「40%CUT」(大人用のみ)があり、ライフスタイルにあわせて選べます。おしゃれなデザインは、世界的プロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソン氏によるもので、形はオーバル・ウェリントン・ボストン・スクエアの4タイプ。(40%にはボストンなし、子ども用はボストンのみ)カラーバリエーションも豊富なので、誰でも必ず似合うメガネが見つかります。度なしのパッケージタイプなら、待ち時間ゼロでそのまま購入できるので、忙しいママでもすぐにブルーライト対策を始めることができます。 \ 25%CUT、40%CUT /JINS SCREENを見る \子ども用 25%CUT/JINS SCREENを見る [PR] 株式会社 ジンズ
2020年03月19日宮内庁は2月21日、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが学習院大学の推薦入試に合格されたことを発表した。愛子さまが進学されるのは、学習院大学の文学部日本語文学科。WEB女性自身ではすでに今年1月10日、「愛子さまの進学先が内定!学習院大学の日本語日本文学科へ」と報じている。学習院大学はホームページで、この学科について次のように紹介している。《本学科では、古代から現代に至る日本語・日本文学を中心とする日本の文化(日本語日本文学系)、及び日本語教育(日本語教育系)に関心のある学生を受け入れ、研究と教育を行っています》天皇陛下と同じ学習院大学文学部への進学となったが、その背景には古典文学への関心があったという。本誌は’14年3月、愛子さまが初等科卒業直前に書かれたレポートについて報じている。タイトルは「藤原道長」。執筆理由について愛子さまは次のようにつづられていた。《授業で藤原道長について学習している時に、「御堂関白記」(※道長の日記)に少し触れ、また、学習する前にも新聞で「御堂関白記」がユネスコの記憶遺産に登録されたという記事を見たので、一度実物を見てみたいと思った。それで、夏休みに、東京国立博物館で開催された特別展「和様の書」に行き、「御堂関白記」を見て、これほど古い日記がよく残っているものだと驚いた》天皇陛下は大学時代に、文学部史学科で中世の水運の歴史を研究されている。「天皇陛下が旅や交通の歴史に関心を持たれたきっかけは、美智子さまとともに松尾芭蕉の『奥の細道』を読まれたことだったそうです。愛子さまが天皇陛下と同じく文学部を選ばれた背景には、日本の古典文学へのご関心があったのでしょう」(宮内庁関係者)当初、愛子さまの志望学部は国際社会科学部とみられていた。「将来の”皇室外交”を見据えれば、語学や海外留学に力を入れた学部はぴったりのはずでした。ただ、雅子さまもハーバード大学留学中に『日本文化クラブ』を設立し、当時はあまり知られていなかった日本の言葉や伝統、音楽や食文化を伝える活動をされていました。国際社会で活躍するには、まず自国の文化を知らなくてはーー。お若いころの雅子さまと同じように、愛子さまはそうお考えになったのかもしれません」(皇室担当記者)愛子さまは現在、卒業リポートの作成に取り組み、忙しい日々を送られているという。雅子さまは、昨年12月9日の誕生日に際して発表されたご感想で、愛子さまの今後についても綴られていた。《これから高校を卒業しますと、今まで以上に、様々な経験を積み重ねながら視野を広げていく時期になると思いますが、これからも感謝と思いやりの気持ちを大切にしながら、いろいろな方からたくさんのことを学び、心豊かに過ごしていってほしいと願っています》天皇陛下と雅子さまのご期待を胸に、愛子さまは新たなステージで輝かれるだろうーー。
2020年02月24日冬休みも終わり、3学期が始まると卒業、入学シーズンも目の前。学習パターンや環境も変化し、学習机を選ぶ基準も変わってきています。新モデル学習家具のすごい所を紹介していきます。リビング学習でも2人使いでも、自由な組合せができる省スペースデスク。最小限の奥行48cm!?デスクの奥行はノートや本を広げることができる最小の48cmに設計されています。省スペースと使いやすさを両立させています。背もたれのないベンチにサッと座って集中。使用しない時はデスクの下にすっきり収納できるのでリビング空間にもマッチします。座面の高さはお子さま成長に合わせて調整でき、ランドセル収納ができる足置き付きです。ベンチで学習!?タブレットは必須アイテムに!?デスクシェルフにはタブレット学習に対応する「スライドタブレットスタンド」が付いています。タブレットを使用しなくても、メモなどを磁石でとめることができるようになっています。デスクが回転!?回転式のデスクは天板を持ち上げて簡単に回転させることができます。壁際で、もしくは部屋を見渡せる向きで、お子さまが落ち着いて学習できる環境づくりを考えていけます。
2020年01月07日冬休みも終わり、3学期が始まると卒業、入学シーズンも目の前。学習パターンや環境も変化し、学習机を選ぶ基準も変わってきています。新モデル学習家具のすごい所を紹介していきます。スチールフレームとビンテージ感のある天然木ホワイトオーク無垢材とスチールを組み合わせた、大人が使っても違和感のないシンプルなデザインです。収納力と機能性同シリーズのシェルフは上棚を分離してデスクの上に置くことが可能です。しかも分離した下棚はデスクと高さが同じなので作業スペースを広げることもできます。また、単独でリビングなどに使用できるデザインです。時代に合わせた魅力あるオプションデスクのうえに設置するブリッジは、タブレットフック付きでタブレット学習にも対応。スチール製の仕切りは可動式です。揃えて使いたい!おしゃれなシェルフ&チェア
2020年01月06日こんにちは。渋谷です。今回は子どもの片づけについて。これは我が家も現在進行形で難儀している話題です。■子どもが片づけをきちんとやれない理由いかんせん子どもってば興味の移りが激しい。今一生懸命お片づけしてても視界に違うものが飛び込んでくればすぐそっちに行ってしまいます。言えばやってくれるみったん。でもそれって自主性がないよな~…と悩み、ない脳みそをコネコネした結果、私はとあるものを作りました。 ■毎日ウキウキでお片づけをするようになった秘策とはそれはみったん用の「ToDoリスト」。札に書いてある内容をクリアできればひっくり返し、寝る前までに全てのミッションをクリアすればピカピカのご褒美シールがもらえます。シール遊びが大好きなみったん。しかも自分で作ったこともあり、毎日ウキウキでお片づけをするようになりましたが… ■自主的に動いてくれるようにはなったけど…いかんせん雑。シール欲しさに焦ってしまうんでしょうか…でもまぁ片づけた事に変わりはないしね…とついついシールをあげてしまう私。少しずついろいろとできるようになればいいか…!
2019年12月24日ウーマンエキサイトをご覧のみなさま、こんにちは。中川マナです。今回は、特集「子どもたちの家庭学習」というテーマで子どもたちにどう学習してもらうか、我が家が工夫していることを書きたいと思います。■わたしの家庭学習の思い出わたしが3才くらいのころ、ときどき母が買ってきたドリルを練習する時間がありました。わたしは上手にできず癇癪を起こし、母もイライラ。怒ったり怒られたりで終わることが多かったように記憶しています。そんなわたしが親になり、自分の体験から、勉強は「遊びながらできる方法がいい」と思うようになりました。■「ママは教えない」を心に決めたできごと娘が保育園児だったころ、同じクラスのお子さんで3才になった子たちが習い事を始めだしました。わたしも周りに触発され、なんとなくネットで「線なぞり」や「あいうえおなぞりを」プリントアウトしたことがありました。「やってみよ~!」と娘に声をかけると嬉しそう。隣に座ってやってみたものの、つい口うるさくなってしまうわたし。結果、母子ともにイライラ。まるで30年前のわたしと母の姿です。その時わたしは、可能な限り自分で教えるのはやめようと思いました。家はプライベートで閉ざされた空間。理性が働きにくく、相手が自分の子どもとなると、より感情的になりやすいのです。教員をしていた友人も同じ理由を挙げて「自分の子どもに教えるのは難しい」と言っていました。■未就学児の学習 = 「楽しんでできること」が大切低年齢の学習ほど「楽しさ」「本人の興味」が大切だと思います。楽しくないと自発的にやらず、吸収されないと考えるからです。結局その後、娘のひらがなや線なぞりは「気まぐれ」くらいで、お絵かきの延長線で娘がやりたがるときだけプリントアウトしていました。わたし自身、母の隣でやるドリルはすごくイヤだったのですが、その後入った幼稚園での「おしごと」という学習の時間は大好きだったことを思い出しました。(その幼稚園は「モンテッソーリ教育」を取り入れた教育をしていて「子どもが自分で選んだ教具を使い集中して取り組む」ことを大切にしていました。)また、幸福度の高さで知られる北欧の国を中心に『大人が考える「学習」でないもののほうが、子どもにとって大きな経験である』と、早くから勉強や習い事をさせない国もあるようです。幼児早期教育の考え方はさまざまですが、我が家はそんなに熱くなりすぎることもないかな? と力を抜いていた矢先…■ふとしたきっかけで、ひらがなを勝手に覚えることに…当時第二子妊娠中だったわたしは突如「切迫早産」になってしまいました。「大事をとるなら入院を」と言われたものの、そうなると娘と会えなくなってしまうので、絶対安静を条件に自宅で療養することに。このため絵本を読む程度で、娘と全然遊んであげられなくなってしまいました。徐々にストレスがたまっていった娘に、わたしは独身時代に買ったゲーム機を渡しました。ミニゲームもいっぱいの、キャラクターがひらがなを教えてくれるソフトをつけて。そこからが…早かった…!わたしが出産するころには娘はかなり上手にゲームをプレイできるように。そしてキャラクターに教えてもらって、かなりひらがなを読めるようになっていました。集中力の問題はあるので、絵本を全部読むまではいかなかったのですが、わたしが隣で怒って教える必要はなく…いつのまにかキャラクターが教えてくれてしまっていました。■子どもの学習に対する我が家の姿勢子どもの勉強について、親も子どももネガティブな気持ちを感じないように、工夫することが大切だと思っています。子どもがその気になる環境づくりや、やらなくても、まあいっか~とゆるく捉える形でいます。(親が思っている学習だけが学びではないので)そして現在、4歳になる息子は、娘が使った同じソフトで再びあいうえおを学んでいます。それではまた次回!
2019年11月29日学校から出される宿題や家庭学習。「なかなかやる気が出ない」「勉強してくれない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。口うるさく言わなくても、自主的にやってほしい! というのが親心。わが家でも、テレビやゲームに夢中で、宿題がおろそかになっていた時期がありました。小学1年生の息子が進んで勉強するようになった理由とは?きっかけはメディア利用のルールを考えたこと学校で、家庭の生活リズムを整える週間があり、テレビやゲームの時間を家庭内で決めることになっていました。これまでわが家には「テレビやゲームは1日○時間まで」などきっちりしたルールがなかったので、どのようにしようか悩んでいました。ちょうどそのとき読んでいた本に、乙武洋匡さんの子どもの頃の学習エピソードが紹介されていました。乙武さんのお父さんが決めた学習ルールは、「勉強した時間分ゲームをしていい」というもの。ゲームが大好きだった乙武さんは、その分勉強を頑張ったそうです。「なるほど! これなら息子にもあいそう」と思い、メディアルールについて息子に提案しました。時間にするとわざとゆっくり勉強しそうだったので、「プリント1ページにつき、テレビかゲーム10分」と、子どもと話し合ってルールを決めました。好きなことのためなら勉強も頑張れる早速「1ページにつき10分」の学習ルールを取り入れたところ、息子にぴったりハマったようで、宿題では足りず、通信教育の教材を利用して自主学習もするようになりました。休日の朝も「今日はこの番組とこの番組が見たいから、何ページやる」と、テレビを見たい時間から逆算して勉強量を決めるなど、計画性も生まれました。ルールがあるおかげで「お母さんに言われたから勉強している」と、ネガティブな感覚ではなく、たとえテレビのためだとしても「好きなことのために勉強するんだ」と自分の意思で勉強に取り組めているのは良かったです。続けるために大切なことは?自主的に勉強するようになったとはいえ、気が抜けると勉強せずにテレビやゲームをしていることも。そんな時は、「あれ? もう宿題終わったんだ?」「テレビを見るには何をしないといけないの?」と、あくまで自分から勉強に向かうように声がけしています。学習ルールを決めるポイントは、子どもと一緒に決めること。一方的に決めて押し付けてしまうと、子どもは納得できず、ルールを守る気持ちが薄れてしまいます。この機会に、親子で学習ルールについて話し合ってみてはいかがでしょう。<文・写真:ライター三浦麻耶>
2019年11月11日子どもの成長と共に、家庭学習も重要になってきます。hanaさんの小学生と中学生の子どもは、6年ほどリビング学習を続けているそう。家事をしながらでも目の届きやすいダイニングテーブルで子ども達が勉強するのは、都合が良かったといいます。そんなhanaさんですが、最近になって新たな学習スペースを設置しました。新たな学習スペースの設置理由、学習スペース追加のメリット、そしてリビング学習の今後についてどう考えているのかを聞きました。■ 新たな学習スペースの設置理由は?リビングダイニングの広さは10畳強。コンパクトなリビングダイニングに更なる学習スペースの設置は避けたいところでした。でも、子どもが2人いてリビングダイニングですごす時間が長いとなると、ダイニングテーブルの上には必然的に子どものモノが増えてきます。新たなスペースはモノの移動の効率性を考えて設置しました。場所はテレビの脇。普段は使うことのないコーナーに座卓を置き、学習スペースとしました。このコーナーにはセット購入した歴史漫画や四字熟語などの学習漫画を並べています。気軽に手に取ってラグで寛ぎながら読んでもらえたら、そして自然に内容が頭に残れば良いなという欲張りな思惑で置いています。また、毎週届く子ども新聞、中高生新聞もこの座卓が定位置です。■ 学習スペース追加のメリットは?マック / PIXTA(ピクスタ)一人がダイニングテーブルいっぱいに教科書や問題集などを広げて勉強し始めると、決まってスペースの取り合いになります。そういうときに、もう一人がこの座卓で勉強できるようになったので、いざこざも解消し平和です。また絵を描くのが大好きな子どもなので、すみっこで誰にも邪魔されずに絵を描けるスペースがあるのは落ち着くようです。黙々と絵を描いている様子を見ると、このスペースを作ってよかったと思っています。また、以前はインテリアに馴染むように、本などは緩やかに隠す方法を模索していましたが、今は常に目に入り、必要なときに取れる場所にあるということを優先にしています。ダイニングテーブルの後ろに本棚もあるのですが、そこも入りきらなくなってきているので、読んで欲しいなと思う本はこの学習スペースに意識的に置いておこうと考えています。■ リビング学習スペースの今後家族の成長と共に、その都度柔軟に変化させていくリビング学習スペース。上の子どもは中学生。そろそろ自室での学習に移行してくる時期に差し掛かっている様子です。どんな形であっても、家族の心地良い空間であり続けるリビングダイニングづくりを心掛けたいと考えています。
2019年11月06日年長のお子さんを持つ親は就学時健診が終わると、来年はいよいよ1年生!と 期待や不安が入り混じる時期ではないでしょうか。この時期に、小学校への準備として習い事をはじめたり、家庭学習をはじめる人も多いそう。わが家でも、昨年の今ごろ、年長のときに学習塾に通わせていました。しかし、小学1年生になってみて思うのは、「入学準備学習は必要なかった」ということ。その理由とは?入学準備学習をしようと思った理由年長の秋頃は、ママ友に会えば入学準備学習の話題で持ちきりです。その当時、わが家では学習系の習い事をしていなかったので、まわりの子がしていると聞くと、「何かさせた方がいいのかも」と焦ってしまいました。特に息子は早生まれということもあって、身体能力でまわりにひけを取っていた分、勉強で「できる!わかる!」と自信をつけさせてあげたいという気持ちが強くありました。母子ともに限界…危うく勉強嫌いになるところに10月頃から近所の学習塾に通いはじめ、最初は楽しんでやっていた息子。それが、徐々にトーンダウン。それもそのはず、簡単な計算のプリントを1日10枚。到底楽しみながらできるものではありませんでした。それでも、あの手この手を使って頑張らせていましたが、3か月を過ぎた頃には、プリントを頑なに拒むように。さすがにこのままでは勉強嫌いになると思い、辞めることにしました。入学前に勉強して失敗⁉︎「授業がつまらない」息子は、勉強が「できるから楽しい!」ではなく、「できるのになんでやらないといけないの?」と思うタイプ。実際入学して、勉強がはじまったら、「簡単すぎてつまらない」と話すようになりました。小学1年生の1学期は、ひらがなは1日一文字覚えるペース。算数も数字の読み方を覚えてから、10までの足し算と簡単なことしかやりません。ひらがなの書き方、計算は入学してからでも十分覚えられると感じました。入学前にもっとやっておいた方がよかったと思うこと以前、小学校校長の経験をもつ幼稚園の園長先生から、「幼少時代にしっかり遊ぶことで、自然と勉強に興味をもつようになる」と教えてもらいました。お買い物ごっこなら足し算、引き算の勉強に。お店屋さんごっこでメニューを書けば、ひらがなの勉強に。絵本を読むと国語、積み木やブロック遊びは、算数の立体図形に強くなります。現にブロック遊びが大好きな息子は、算数の積み木問題が大得意でした。子どもは、遊びを通じて勉強に必要なことを学んでいるんだなと実感しています。小学生になると、慣れない学校生活に疲れてぐったり。帰ってきてからも宿題をしたり、習い事をしたりすると、遊ぶ時間も気力もなくなってしまいます。小学校入学を控えたみなさんには、充実した遊びの時間をもつことをおすすめしたいです。<文・写真:ライター三浦麻耶>
2019年10月17日歌舞伎俳優・市川海老蔵の第5回自主公演『ABKAI 2019~第一章 FINAL~』が、11月5日から25日まで東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演されることが27日、明らかになった。ジャニーズJr.のユニット・Snow Manから宮舘涼太と阿部亮平が初参戦することも発表された。“現代のかぶき者”十一代目市川海老蔵が、“伝統の継承”と“新時代の歌舞伎の創造”を融合させた舞台を目指し、2013年夏、初めて自らが企画・製作を行った『ABKAI』も今回で5回目。この『ABKAI』は、歌舞伎を縁遠く感じている若い世代や、舞台を観る機会が少ない人たちにも、気軽に足を運んで歌舞伎を楽しんでもらいたいと企画され、日本昔話や古事記など、馴染みのあるさまざまな題材を扱ってきた。今回、十一代目市川海老蔵として最後の『ABKAI』に選んだ演目は、以前より海老蔵が構想を温めていた「源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)」より、「実盛物語」を主軸に『SANEMORI』と題し、新たな歌舞伎の舞台を創り上げる。「実盛物語」は、登場人物となる斎藤実盛は歌舞伎において「生締(なまじめ)」とも呼ばれ、分別のある武将の典型的な役柄として描かれている。扇を用いて物語る場面がみどころで、平家に仕えながらも源氏に忠を尽くさんとする実盛の生き様や、ドラマ性があふれる時代物の名作と称される。今回新たに誕生する令和時代の『SANEMORI』に注目だ。出演者には、若い人たちにも歌舞伎の楽しさや醍醐味を感じてもらうため、高い身体能力と「滝沢歌舞伎」で培った確かなスキルで舞台を中心に活躍、人気急上昇中のジャニーズJr.のユニット・Snow Manから宮舘涼太と阿部亮平が初参戦。さらに、歌舞伎界からは、市川右團次が出演し、芝居に彩りを加える。
2019年07月27日最近の学校では、学習教科や自由研究などさまざまな場面で、アクティブラーニングの一環としての「調べ学習」が取り入れられています。でも、親世代にはあまり馴染みがないので、どうサポートすれば良いのか戸惑う方も多いかもしれません。調べ学習についての基本的な知識とテーマの見つけ方について『調べ学習の基礎の基礎』(ポプラ社)などの本を数多く書いていらっしゃる赤木かん子さんにお聞きしました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)「調べ学習」は、生き抜くためのツールを手に入れる訓練調べ学習の目的は、単に子どもが「何かを調べられるようになる」ことではありません。子どもたちには、将来成長して社会に出て、親にも先生にも頼れなくなったとき、問題だということを認識でき、何が問題なのかを突き止め、必要な情報を収集し、解決できる人になってほしい!調べ学習は、つまり生き抜くためのツールを手に入れる訓練なのです。これからの社会では、“イノベーション” を起こす能力が求められます。“イノベーション” とは、AとBというまったく違う2つのものをドッキングさせて、新たなCというものを作り出すこと。このイノベーションをするには、いますぐ直接には役に立たない知識を豊富に持っていることと、必要な情報を検索できる能力の両方が必要になります。知らないことはドッキングできませんから。情報収集をして、自分の目的を導き出し、さらに新しいものに組み立てていく能力を育成するために、調べ学習をするんです。小学校の3年生くらいまでは、しっかりした知識の土台作りの期間です。本物の論文を書くには世界の誰もが知らなかったこと、つまりオリジナリティが必要ですが、小学生はもうすでに誰かがクリアした謎(ですからこの答えは本に書いてあるわけです)の答えを探しだし、「わかった!」と満足できればいい。大人は本物の論文を知っていますから、最終的に完成したものに目を向けがちですが、それは泳いだことのない子に25メートル泳げ、といっているようなものです。まずは水に浮こう、次は蹴って5メートル進もうね、次はバタ足……、というように順番に練習すれば泳げるようになる。同じように、調べ方も順番に覚えていけばできるようになります。小学生の調べ学習では、途中経過を確かめながら知識の土台作りに目を向けてあげましょう。テーマが見つかる、決められる!「3つのキーワード」手法調べ学習を始めるとき、一番最初に悩むのは、「謎」「テーマ」を何にしようか、ということでしょう。でもこれには簡単なやり方があるのです。まずは3つのキーワードを決めます。先生が「食べものについて調べなさい」と指示したのなら、1つ目のキーワードはもちろん「食べもの」になりますね。次に「食べもの」に関係した言葉で、より範囲の狭い言葉を決めます。たとえば、食べもののなかの「野菜」にしよう。これが2つ目のキーワード。さらに子ども自身が大好きな「トウモロコシ」にしよう、と決めれば3つ目のキーワードができます。そうしてそのあとに、「いつ?」「どこで?」「なにが?」「どうした?」「なぜ?」「いくつ?」の疑問の1つをくっつけます。たとえば、同じ「いつ?」でも“食べ物のなかの野菜のトウモロコシはいつできますか?”“いつ日本に入ってきたのですか?”“いつから人類はトウモロコシをたべているのですか?”と、いくつも考えることができますね。このやり方を知っていれば、テーマを決めるのに苦しむことはなくなります。子どもにも説明してあげましょう。しかし、こうやっていつも自分の知っている知識だけでテーマを決められるとは限りません。もしも先生が「縄文時代について調べなさい」と言ったら、もともと縄文時代の知識がないとお手上げですね。となると、これはいうなれば調べ方の中級編……。中級編は「百科事典を引いて、基本の知識を知ろう」です。最初のキーワードの「縄文時代」を百科事典で引くと、そこには詳しい解説文が書いてあるので、その文中から2つ目のキーワードを選ぶことにすれば簡単ですね。同時に基礎知識も頭に入るので、その後の調べ学習にも役立ちます。3つ目のキーワードは、さっきの “?” がつく言葉を選びます。2番目のキーワードが「土器」だったら、3番目は「どうやって作るの?」「だれが発見したの?」「どんな模様がついてるの?」など、いくらでも考えられますね。百科事典は答えを調べるためだけてはなく、テーマを決めるためにも使うのです。さらに上級編としては、「百科事典で概略がわかったら、その次の段階で専門書やネットで調べて、さらに細かい知識を増やす」ということになります。夏休みの自由研究のように、先生の指示が何もなく自分でテーマを決める場合、子どもにどれだけ雑学が入っているかがポイントになります。それまで聞いたことも見たこともない言葉を、思いつくことはできないからです。さまざまな雑学を入れるには学習まんがを読むと良いでしょう。『名探偵コナンの学習まんがシリーズ』(小学館)は、地理や物理などの難しい知識もわかりやすく学べるので大変おすすめですよ。テーマは途中で変えてもいいでも、実は最初に決めたテーマは “仮の” テーマです。本当にそれを研究できるのかというのは、実際にやってみないとわかりません。調べてみようとしても資料を手に入れるのが難しいものや、実験をやってみようとすると多額の費用がかかるものもあります。もしかしたら、調べているうちにもっとおもしろそうなテーマを思いつくこともあります。難しそうだなと思ったら、テーマを変えるように促してあげると良いかもしれません。次のテーマは最初のテーマに関連したものを選べば、一からやり直す必要がなく、スムーズに移行できるはずですよ。***大きなテーマのままでは調べる範囲が広くて大変ですが、3つの言葉でピンポイントに絞ればその部分を深掘りすることができますね。テーマに迷ったときには、子どもが興味を持って取り組めるように、普段から好きな分野について調べることを提案してあげてはいかがでしょうか。次回は、子どもが実際に調べて、まとめる方法をお聞きします。■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編(※近日公開)第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由(※近日公開)第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの(※近日公開)【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月22日「ウチの子には、どうも自主性が足りないみたいで……」という悩みをお持ちの方は多いかと思います。自主性とは、子どもが一人立ちし立派な大人になっていくため、なくてはならない要素です。できないことはすぐに親に頼ったり、なかなか自分から勉強を始めなかったりするわが子の姿を見ると、親としてはつい心配になってしまいますよね。本記事では、そもそも自主性とは何なのか、子どもの自主性を伸ばすためにはどうすればいいのか、詳しく解説していきます。自主性とは自主性とは、課題に対して自ら積極的に取り組む姿勢を指します。つまり「人から言われる前に、やるべきことをやる」力のことです。例えば「言われる前に宿題をやる」「ゲームがやりたいけれど、自分の意志で我慢する」というのが、自主性がある行動として挙げられます。自主性の獲得は、学習能力の向上や人格形成に欠かせません。教育方法などを専門に研究する井上史子教授(帝京大学高等教育開発センター)らが2004年に行った「自主性」に関する調査では、「自主性の下位尺度」として以下の10項目が挙げられました。ひとくちに「自主性」といっても、さまざまな要素で構成されていることがわかりますね。独立性:自習のときでもまじめに勉強する.主体性:やって良いことと悪いことをできるだけ自分の考えで決める.自律性:自分で発言しようと思ったら誰にいわれなくても進んで発表する.自発性:遊びやスポーツに自から友達を誘う.自己主張:自分が正しいと思えば仲良しの友達とでも口論する.判断力:自分がやろうとすることが人の迷惑になるかよく考えてからする.自己統制:おしゃべりをしてはいけない時にもついしゃべって注意される(※).責任性:皆で決めたことはどんなことがあっても守るよう努力する.役割認知:皆の役に立つことであれば進んでその仕事を引き受ける.独創性:新しいことを自分で考え出すことが不得意なので人のやったことをそのまま真似る(※).(※この行動をとる傾向が弱いほど、自主性が高いということになる)(引用元:J-STAGE|中学校における自主性尺度項目の開発)自主性と似た言葉に「主体性」があります。ほとんど同じ意味で用いられることも多いのですが、実は自主性と主体性の意味は微妙に異なります。例えば自主性が「言われなくても宿題をやる」状態を指すのに対し、主体性は「宿題がなくても自ら勉強する」状態です。つまり主体性は、自主性の次のステップであると言えます。主体性をもった子どもは、親や先生から課題を与えられなくても、自分でどんどん学びを深めていくことができるのです。とはいえ小学生以下の段階なら、ひとまず自主性を身につけられれば十分合格ラインでしょう。自主性がない子どもとは自主性がない子どもとは、どのような子どもを指すのでしょうか?具体的には以下の特徴が挙げられます。「嫌だ」と言わない「嫌だ」と言わない子は、親の目から見れば一見、いい子かもしれません。しかし「嫌だ」は大切な自己表現の一種。「嫌だ」を言えないということは、自分の意志が弱くなっているか、意志を押し込めてしまっているのかもしれません。嫌だと言えない傾向は「親からどう見られるか」を過剰に気にする優等生タイプの子どもによく見られます。親に自分の言葉を否定されたり、価値観を押し付けられたりした経験から、親が不機嫌になることを恐れるようになったのです。優等生タイプの子どもは、親の顔色をうかがっているうち、親が期待する答えを自分の本当の願望だと錯覚してしまっています。無意識に本当の思いを抑圧しているため、何かのきっかけで突然、感情を爆発させやすいという傾向もあります。言動が受け身例えば子どもに夕食に何を食べたいか聞くと「何でもいい」なんて答えが返ってくることはないでしょうか?子どもの「何でもいい」という言葉には、「(親が食べたいものなら)何でもいい」というニュアンスが含意されています。つまり、答えは人が与えてくれるものであり、自分はそれに合わせていればいい、という思考パターンが身についてしまっているのです。「良い子にしなさい!」「できるようになりなさい!」と高圧的な躾をしていると、子どもは自分の意見を発するのが怖くなり、「何でもいい」という受動性を身につけてしまいます。親の期待に応えられるよう、自己主張を抑えているのです。受け身の言動しかできない子どもに対しては、まず自分の気持ちを把握し、はっきりと主張できるよう促す必要があります。親は、子どもがストレスを感じる躾け方をしていないか、子どもの気持ちを無視してしまっていないか、見直してみましょう。感情表現が乏しい何かを嬉しいと感じたり、悔しいときに泣いたりするのは、立派な自己表現です。感情表現が乏しい子どもは、自分の好き嫌いがわからなかったり、周りの目を気にして自分の思いを抑圧したりといった可能性があります。感情は他者とのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、やる気や好奇心の源でもあるため、自主性の発達と深く関係しています。例えば、トライ&エラーを繰り返した末に何かを成し遂げたとき、「やったー!」という強い喜びの感情を覚えますよね。自分で判断し、自分の手で何かをすることによって初めて、喜怒哀楽の感性は磨かれていくのです。もし親が、子どもに試行錯誤させることなく「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」「そんなことしたらダメだよ」などと最初から手を貸してしまったら、せっかくの学びの機会が失われてしまいます。子どもの感情表現が乏しくなる原因のひとつは、親の過干渉にあるのです。「『嫌だ』と言わない」「言動が受け身」「感情表現が乏しい」という特徴が子どもに見られた場合は「自主性が弱いんじゃないか?」「自主性を妨げるような育て方をしていないか?」と少し疑ってみましょう。では、自主性のない子どもは将来どうなるのでしょうか?「指示待ち人間」になる自主性のない子どもは将来、自分から行動を起こせない「指示待ち人間」になってしまうかもしれません。判断力や実行力がない「指示待ち人間」は、世の中で活躍することが難しそうです。例えば、会社の上司や先輩は、学校のように「あれをやれ、これをやれ」といちいち指示をくれるわけではありません。一人前の大人として働くには、指示を待たずとも何をやるべきか判断できる能力が求められるのです。特に、人工知能(AI)が発達しつつある現代においてはなおさらです。「指示通りに動く」ことが求められる作業は、近い将来、ほとんどが人工知能に取って代わられてしまうでしょう。これからの時代には、自主的にやるべきことを考え、「自ら学ぶ」「自ら考える」姿勢を持つことがいっそう重要になってくるのです。自主性のない人間は、そのような時代を生き残っていけるのでしょうか。失敗を人のせいにする自主性のない子どもは、他人にばかり判断を委ねるので、すべての物事が「他人事」になっていきます。大事なことは人任せにし、言われたことしかやらないという姿勢は、学生時代にはまだ通用するかもしれませんが、社会に出るとそうはいきません。仕事においてもプライベートにおいても、自分から行動を起こし、行動の結果に責任を持つ必要があるのです。自主性がないままだと、責任感がなく、当事者意識の希薄な人になってしまう恐れがあります。失敗を他人のせいにし、チャレンジから逃げてばかりいる人にとって、社会の中で活躍することは困難です。子どもを社会で活躍させたいのなら、幼いうちから自分で選択・判断する経験を積ませて自主性を養うことが必須です。人に合わせてばかりになる社会生活を送るにあたって、自主性は欠かせません。会議で意見を述べたり、率先して仕事を進めたりなどはもちろんですし、自分から積極的にならない限り人間関係を築くこともできません。自己主張をして初めて、社会はその人の存在を認識し受け入れてくれるのです。そのため、自主性のない子どもは将来、社会から置いてけぼりにされたり、孤独感を感じたりすることになってしまいます。相手の期待に沿うコミュニケーションしかとれず、うまく自己表現ができなくなるかもしれません。自主性というものが、子どもの自立にとっていかに大切なステップか理解していただけたでしょうか。自主性を重んじる教育とは子どもの自主性を重んじた教育を施すには、なるべく子どもに対する束縛を少なくし、自分の力で物事に取り組ませましょう。かわいそう、まだ早いから、と何でもやってあげていると、いつまでも子どもの自立は促せません。あくまで、子供の意志や興味を最優先にし、親はそれを陰でサポートするだけ、という形がベストなのです。例えば、時間がかかっても服は自分の力で着てもらう、こぼしたり汚したりしてしまうとしても自分でご飯を食べさせるなど、やれることはできる限り任せるようにしましょう。子供の自主性を重んじた代表的な教育メソッドとしては、「モンテッソーリ教育」があります。モンテッソーリ教育は医師で教育者だったマリア・モンテッソーリが発案した方法論で、「子供には、自分自身を育てる力が備わっている」という教育方針のもと、子供の自発的な学びを尊重しています。モンテッソーリ教育に特徴的なのが、専用の「教具」(ブロックやタイルなど)です。教具で遊ぶことを通じて子どもの好奇心が育まれ、遊んだ後に自分で片づけさせることによって、自立心が高められます。ほかにもモンテッソーリ教育では、指導する際には決して命令口調を使わない、興味が向いたことを満足いくまでやらせてあげるなど、子どもの自主性を育てる保育を徹底しています。子どもの自主性を高める方法では、子どもの自主性を育む実践的な方法を見ていきましょう。口出しをせずに見守る自主性を育てるには、子どものやることになるべく口出ししないようにしましょう。親があれこれと先回りしてしまうと、子どものせっかくのやる気が奪われ、自主性が育ちにくくなってしまいます。わが子のためと思うとつい干渉したくなってしまいますが、ぐっとこらえてみてください。ただし、子どもに対し「無関心」になれ、というわけではありません。子どもから完全に目を離すのではなく、何か危険が迫ったときにすぐ飛び出せるよう、きちんと見ていてあげることが大切です。親の見守りがあってこそ、子どもは安心して自主性を伸ばすことができるのです。自分で考えさせ、選ばせる自主性を育む方法の2つめは、なるべく子どもに、自分で考えたり選んだりする機会を与えることです。例えばおやつの時間には、単にお菓子を渡すのではなく「どっちがいい?」とあえて複数から選ばせる。また、子どもが「わからない」「どうやればいいの?」などと頼ってきたときは、すぐ答えを教えずに「あなただったらどうする?」と思考を促す、といった小さなことを積み重ねましょう。『世界最高の子育て――「全米最優秀女子高生」を育てた教育法』の著者・ボーク重子氏によると、親は子どもに決して意見を押し付けることなく、あくまでも自由に考えさせることが、自主性を伸ばすためには何より大切なことなのだそうです。ニュースについて子どもの考えを聞く子どもが自主性を持って学ぶようになる方法としては、「毎朝、ニュースについて意見を交わす」というものがあります。小学生以下の子供にはまだ早い、と思われるかもしれませんが、考え、興味を持ってもらうことそのものが重要なのです。『家でできる「自信が持てる子」の育て方』の著者で教師の沼田晶弘氏は、自身が担当したクラスで毎朝、政治問題を取り上げています。「この問題はどうしたら解決できると思う?」などと問いかけると、子どもたちは知識がないなりに考え、自分なりの答えを出そうとするそうです。子どもを子どもと侮らず、対等に接することもまた、自主性を身に付けさせる秘けつなのですね。子どもの興味を肯定する自主性を育てる最後の方法は、子どもの興味を肯定してあげることです。興味を持つということは、何か特定のことをやりたい、特定の何かについて知りたいという欲求が芽生えているということ。その興味が親に肯定されると、子どもは自分自身の存在まで肯定されたような気になり、やる気はますます高まります。子どもの興味を肯定するだけでなく、「カマキリを捕まえられてすごいね。じゃあ図鑑で調べてみようよ」など、子どもの興味がさらに広がるような声掛けをしてみましょう。例えば、「図鑑に熱中するうちに漢字が覚えられた」というように、興味を追求することで、ほかの学習分野にも良い影響が及びます。自主性の向上を邪魔しないよう、子どもの興味は自由に伸ばしてあげましょう。***子どもの自主性を育む方法を解説しました。よかれと思ってやったことでも、過干渉は子どもの自主性や個性の発達を妨げてしまいます。子どもをコントロールしようとするのではなく、適切な距離感を保って接してみてくださいね。文/佐藤舜(参考)J-STAGE|中学校における自主性尺度項目の開発こどもまなび☆ラボ|心理学者が指摘する “いい子症候群” たちの未来――自主性のない子どもの特徴5つこどもまなび☆ラボ|「ママがやって」と言われたら黄色信号。子どもの考える力を奪う親のNGワードこどもまなび☆ラボ|“49” の失敗体験が子どもの挑戦力につながる!過干渉にならない会話のコツこどもまなび☆ラボ|子どもをぐんぐん伸ばす「早期教育」の意外なデメリット。危険なのは親同士の“ライバル心”!?こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】こどもまなび☆ラボ|「モンテッソーリ」とは?子どもの才能を伸ばす教育メソッドを徹底解説こどもまなび☆ラボ|過干渉していませんか?子どもの「自主性」を伸ばすための4つの声かけこどもまなび☆ラボ|叱らなくても、子どもの「自主性」はどんどん育っていく――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart1こどもまなび☆ラボ|「典型的ないい子」を育てるよりも大切な、伸ばしてやるべき子どもの「考える力」こどもまなび☆ラボ|子どもの「やる気」と「地頭」が育つ親の言葉とは?
2019年06月28日6月7日、俳優の杉良太郎(74)が、運転免許証を自主返納した様子が複数メディアで報じられ、Yahoo!リアルタイムワード1位に「杉良太郎」がランクインするなど反響を呼んでいる。各メディアの報道によると、杉は高齢ドライバーによる交通事故が相次いでいることを受け、東京・鮫洲運転免許試験場を訪れ運転免許証を返納。その代わりに身分証として使える運転経歴証明書を受け取ったという。返納の様子を報じた各メディアに対し、杉は「年齢による反応の遅れなどを感じ始め、8月の75歳の誕生日を前に運転免許証を返納しようと決断した」とその理由を明かした。そして「年齢による衰えを感じる人は、事故を起こす前に運転をやめることを考えてほしい」と呼びかけた。これに対しネットでは、「やっぱ杉さまは違うわ… この人ぐらい金持ってるなら影響ないよね。って思う人はいるだろうけど、率先してするのは男前だと思う」「杉良太郎さん、マジでカッコイイ。 率先して、行動出来るってすごい」と杉に対する称賛の声が相次いだ。また、杉の行動から「流石は金さん!!これで、『あの杉良太郎さんも免許を返納したんだぞ!』と言って親を説得できる!!」というコメントや、「これで返納年齢が80?とか言われていた年齢ハードルが一気に下がるかもしれない」と高齢者の免許自主返納に期待するコメントも見られた。
2019年06月07日小学校にまだ入学していない幼い子どもがいる親であれば、いわゆる就学前学習などの「先取り学習」に強い興味があるはずです。その効果はどれほどのものなのか、そもそも必要なのか――。お話を聞いたのは、東京の公立小学校教諭・杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)先生。子どものやる気を引き出す独自の授業で注目され、「教育の鉄人」とも呼ばれるカリスマ教師です。実際の教育現場から見た先取り学習の価値とはどんなものでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)学習内容のつながりを意識した「先取り授業」ひとことで「先取り学習」といっても、さまざまな種類があります。わたしの授業スタイルも先取り学習といえるものです。たとえば、本来のカリキュラムでは順に教える足し算と引き算もわたしは同時に教えます。また、掛け算と割り算も同様です。なぜかというと、足し算だけを先にやってしまうと、「足し算脳」とでも呼ぶべき頭の使い方が子どものなかでできあがってしまうから。そうなると、引き算を学ぼうとするときにその足し算脳が邪魔をして、なかなか引き算ができるようにならないということが起こるのです。掛け算と割り算の場合も同じです。先に掛け算だけを教えてしまうと、九九はしっかりできるのに、なぜか割り算は苦手だという子どもが続出してしまう。それは、本来であればひとつながりのものなのに分断して学ばせているからです。ピアノでいえば、課題曲全体を聴かせてもいないのに、頭から順に教えようとしているようなもの。どんな曲なのか全体像が見えていなければ、学習効果が高まるはずもありませんし、子どもは自分がなにをしているのかが見えずに不安になってしまいます。楽しければ、勉強も大好きな絵本と同じ感覚になるとはいえ、そういう授業スタイルを取っている教員はそうはいないでしょうから、ここでは一般の家庭でもできる先取り学習について、わたしの考えをお伝えします。先取り学習と聞いたときにまずイメージするのが、学校での学習内容を前もってやるというものでしょうね。小学校に入る前の就学前学習はその典型です。それらの先取り学習については、子どもにどんどんやらせてほしいと思います。というのも、「学校での勉強が復習になる」からです。そういった先取り学習については、「子どもが学校の勉強に興味関心を示さなくなるから駄目だ」という意見もあります。でも、映画にだって予告編があるじゃないですか?予告編を観て、その作品を観たくなったという経験はほとんどの人にあるでしょう。それに、好きな映画を3回も4回も観る人もいます。その場合、1回観ただけでは気づかなかったことに気づくということもある。つまりそれは、復習の効果に他なりません。「先取り学習が子どもの興味関心を奪う」なんてことは大人の発想で、子どもにとってはちがうのです。それこそ、大好きな絵本だったら、親が「また?」とうんざりするほど、何回も何回も「読んで」と子どもがせがむこともありますよね。勉強だって、楽しくできるように大人がちゃんと導いてあげれば、子どもにとっては映画や絵本と変わらないのです。とはいえ、先取り学習をさせるにも注意が必要です。やっぱり楽しくなければ子どもは興味を示しません。学校の教科書の内容を勉強するような先取り学習を無理に押しつけてしまうと、小学校に入る前に「勉強は楽しくない、面白くない……」と子どもに思わせて、まったくの逆効果となってしまいかねません。子どもの「学びの感覚」をつくる親子の対話また、とくに幼い子どもの家庭における先取り学習となると、学校の学習内容を先取りするタイプの学習の他にも大切なものがあります。それは、学びのための「感覚」を身につけるということ。たとえば、親子で一緒に出掛けたときには、「夕焼けって綺麗だね」とか「あれは三日月っていうんだよ」というふうに、目に入ったものを子どもに優しく教えてあげてください。家にいるときも、たとえばご飯を食べるときには「ハンバーグ、美味しいね」などと話しかける。内容はなんでもよくて、とにかく話しかけることが大切。そういった親との対話を通じて、子どもは学びのためのさまざまな「感覚」を身につけていきます。また、「感覚」という点では、体の「感覚」を使って学ぶことも大切です。ひらがなやカタカナを書いて覚えるにも、幼い子どもは鉛筆をまだうまく使えません。ですから、鉛筆ではなく大きな紙にクレヨンで書かせるとか、砂場で手を使って書かせる、あるいは尻文字で書かせることをおすすめします。そうすれば、体の感覚を通じて文字を覚えていくのです。それから、日常生活のなかでは、算数の勉強の橋渡しになるような数字に親しませるということもできます。スーパーに子どもと一緒に買物に行ったとします。親は「リンゴが5個ほしいのよね」といいながら、買い物かごに3個のセットをふたつ入れようとする。子どもが「お母さん、それじゃ6個だよ」なんていってくれたらしめたもの。「じゃ、どうすればいい?」と聞く。子どもは自分なりに考えて、3個のセットをひとつとバラ売りのものを2個持ってきてくれるかもしれません。そういうふうに、日常生活のなかにも学校の勉強につながるような要素はいくらでも転がっているものです。親御さんがそういう意識を持って、日常的な就学前学習を子どもにやらせてあげるように心がけてほしいですね。『たし算ひき算 10マス計算ドリル 左利き用』杉渕鐵良 著/学研プラス(2019)■ 東京都公立小学校教諭・杉渕鐵良先生 インタビュー一覧第1回:先取り学習はこうやれば効果的。「就学前学習ってどうなの?」に“教育の鉄人”が回答!第2回:「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?(※近日公開)第3回:子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!(※近日公開)第4回:算数の力は“楽しく”伸ばす!地味で単純な「四則計算」を笑うほど面白いものにする工夫(※近日公開)【プロフィール】杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)1959年生まれ、東京都出身。東京都公立小学校教諭。小学校教諭となって7年目に子どもたちのやる気を引き出す独自の授業「ユニット授業」を開発。その成果により、「教育の鉄人」と呼ばれ、2011年には「ユニット授業研究会」を設立。若手教員の指導にあたる他、講演のために全国各地を飛び回っている。『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習』(すばる舎)、『全員参加の全力教室2 燃える! 伸びる! 変わる! ユニット授業』(日本標準)、『1日1枚5分でできる 漢字パズル』(すばる舎)、『自分からどんどん勉強する子になる方法』(すばる舎)、『子どもが授業に集中する魔法のワザ!』(学陽書房)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月24日”リビング学習”という言葉が定着し、学習机を購入されないご家庭は今や珍しくありません。一度購入すると定位置がほぼ確定してしまう学習机。住宅事情もありますし、そこそこのお値段もすることから、毎年のように”学習机、いる?いらない?について数々の意見を目にします。そんな筆者は、3LDKのマンション住まいであることから、「学習机?いらないでしょ」という不要派でした。しかし、結局のところ筆者は、この春1年生になった娘に学習机を購入しました。まだ入学して間もないですが、購入した理由と、学習机があってよかった!と感じたポイントをお伝えします。■ 学習机を購入する、しないは半々らしいFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)リビング学習が定着しているとは言え、秋ごろから学習机の新聞折り込み広告や、コラムをよく目にします。「机はいらないけど、あの大きいランドセルを置くスペース、そして絵本や漫画の本棚とは別の”教科書”を置く棚は絶対いるなぁ…」そう感じていた筆者は、”ランドセル置き場”になる家具を探しに行きました。これが我が家に学習机を迎え入れたきっかけです。TOSHI.K / PIXTA(ピクスタ)売り場にズラ~っと並ぶ学習机たちを見て、娘のテンションが確実に上がっていたのを感じ取りました。販売員の方に話を伺うと「購入される方、されない方は半々くらいです。今の子はリビングと塾で勉強することが多いので、学習机は勉強する場所というより趣味スペースになっているお子さんも珍しくありません」暗に学習机で子どもは勉強しない、と教えてくれる販売員さん…(笑)。しかしこのコメント、深く納得してしまいますよね。■ それでも学習机を購入した理由しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)それでも学習机を購入した理由はまず第一に、「ランドセルを置く家具だけを購入しても、すぐにいっぱいになる」という情報を販売員さんから得たから。”1年生頃の教科書なんてノートを含めてもせいぜい10冊以内でしょ”と構えていたのですが、入学後どんどん学用品が増えていくそうなんです。子どもが学校へ持っていっているうちは安心でも、夏休み期間などの長期の休みの際は鍵盤ハーモニカなど様々な学用品を持ち帰り、置き場に困ってしまうんだとか。それならば、普段は空っぽでもいいからいざという時の場所を確保しておきたいという気持ちになりました。そして、一番の購入の決め手になったのは、”娘が学習机を欲しがった”ということです。女の子は、キラキラでピンク色がついた学習机がいい!と言い出しそうで、何となく学習机を見に行くことを尻込みしていました。しかし、娘の気に入ったデザインは何ともシンプル・コンパクト。娘が巣立っても親が将来使いたい!と思えるものでした。親の要望と娘の気に入ったデザインがうまくマッチしてくれたことが大きいと感じています。■ 購入してよかったと思えるポイントYsPhoto / PIXTA(ピクスタ)それでは、実際に学習机を購入してよかったと感じたポイントをお伝えします。まず学習机を購入したメリットとしてよく挙げられるメリット3つについて、筆者はどう感じたかですが……。・収納場所が確保できた…◎学習机とセットで棚も購入しているのでまだまだ余裕あり。・自分の場所がもてる…△自分の場所はここ、というような自覚はまだ見られない。ランドセルは帰宅後、リビングに置いてしまうことも。・学習習慣がつく…◎元々習い事の宿題の習慣があったので、学習習慣はある方。しかし学習机を購入してからは集中したいときは学習机に向かい、親に見てほしい宿題などはリビングで、と自分で選択できるのはいい傾向かと思います。その他に、筆者が感じた学習机のメリットはずばり、”子どもの行動を客観的にみられるようになったこと”かもしれません。リビングで宿題をしていると、どうしても「大丈夫?わかる?」と不要な声掛けを何度もしていた筆者。「自分で考えたかったのに!」と主張されることがしばしばありました。学習机で宿題をやらせてみると、時間はかかるかもしれませんが自分のペースですることができ、いい意味で子どもを試すことができます。この子はこういう部分が弱いんだ、とかここは得意なんだな、と見えてくるような気がします。子供も、”親からの自立”としてのきっかけになることを期待しています。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?学習机を購入してよかったかどうかの判断は、子供次第、親の考え方次第。購入を迷われている方は、一度お子さんと学習机を見に行かれてみるのもいいかもしれませんね!
2019年05月21日10連休も終わり、子どもを持つお母さんにとって、学習環境は気になるところですよね。教育系の雑誌などでは「リビング学習」についてよく特集として取り上げられるので、実際に成績アップに繋がるのか気になることでしょう。実際「リビング学習」は効果があるのでしょうか?我が家の中学受験から入学以降まで、リビング学習から子ども部屋学習へと試して考えさせられたことなどについてご紹介します。■ リビング学習のメリット・デメリットとは?マハロ / PIXTA(ピクスタ)「リビング学習は親の目が行き届きやすい」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。朝日新聞出版『AERA with Kids』(2017年春号)の調査では、リビング学習をしている家庭は、調査数全体の8割という結果が出ています。「リビング学習をしている子どもは、東大へ行く子が多い」という特集を組んだ雑誌や書籍なども出ていて、マイホーム購入時に学習コーナーを作るご家庭も多いようです。attimo_hygge39 / PIXTA(ピクスタ)筆者の家でも、小学校入学時からリビング学習を始めていました。ただ、専用の学習コーナーは作らず、ダイニングテーブルでさせていました。「いつもそばにお母さんがいる。誰かがいる」という安心感が生まれます。家でも学校でも、話し声や生活音はいつもつきまといます。実際、生活音がよく出るリビングで勉強させることで集中力が身につくというメリットはあると思います。デメリットとしては、家事で忙しい時に声をかけられるとつい叱りつけて、学習意欲を失わせてしまうこと。pu- / PIXTA(ピクスタ)筆者宅では、小2のときにかけ算がなかなか覚えられず、家事で忙しい時につい叱ったことから、一時期、かなりの勉強嫌いになってしまいました。また片付けについても、いくら親が工夫しても大事な学校からのプリントを紛失することが多々あったので、子どもに合った学習環境を作ることを考えました。■ 小学校中学年〜卒業までは悩みながら環境を変えていたKana Design Image / PIXTA(ピクスタ)筆者の子どもについては、地元の公立中学校の環境の悪さから、中学受験に備えて小4のときに中学受験から高校受験まで扱う塾に入塾しました。専門塾に入ってから、小5の後半から帰宅時間が午後10時半となり、学校と塾の宿題や受験勉強をリビングでしていました。子ども自身が、自室では寝てしまうことと、成績不振について不安になったことがその理由です。帰宅が遅い主人の食事と重なり、テレビをつけてしまうので、家族で学習環境を話し合うことにしました。■ リビング学習についての子どもの意見Ushico / PIXTA(ピクスタ)子どもからの意見としては、1.塾から帰ってからは、疲れているのでリビングで勉強したい2.リビングで勉強すると気持ちが落ち着くけれど、テレビはつけない3.片付けをしない自分が悪いけれど、自分にやりやすい方法がわからないという3点でした。個別指導コースの塾と全く同じ環境にはできないけれど、家でできる環境作りと片付けについては、相談の上で決めました。ORA / PIXTA(ピクスタ)筆者の子どものリビング学習は、1.リビングのテーブルが一番落ち着くので、使わせる2.卓上スタンドを必ず用意する3.外部の様子を見えなくするために、辞書で囲いを作る4.生活音はある程度拾うけれど、集中のためにイヤホンを使うといった点について子ども自身が工夫して、中学受験のための勉強を続けて合格しました。■ 中学受験勉強時の、机の様子は?以下は中学受験勉強時の、机の様子です。キッチンからは、このように子どもの勉強の様子が見え、辞書でテレビは見えません。今も防音と集中力対策で使っているのが、このイヤホンです。塾の教材類やその日勉強に使うものは、前日にリュックに入れ、大切な書類などは100均のクリアボックスを使い、渡し忘れを防ぎました。リュックにしたのは、自室とダイニングに持ち運びしやすくするためです。テレビについては、寝室にもテレビがあったので、そちらで見るよう主人にも協力してもらいました。■ 中学受験終了後の学習は?環境を整えてから、不安定だった成績は落ち着きました。中学受験を乗り越えても、リビング学習は続きましたが、中1後半からは自室での学習に切り替わりました。ICT教育導入校で、学校で購入したiPad proに送られる宿題をこなすこと、特に英語の音声聞き取りのために静かな環境が必要だったからです。塾通いも検討しましたが、帰宅時間や部活を考えて、通信教育で勉強中です。最近の通信教育では、iPadは必須アイテムです。今では基本は自室学習で、苦手な数学だけは、主人の帰宅を待って分からない問題を教えてもらっています。■ 年齢に応じてリビング学習から卒業することも大切ひろこ / PIXTA(ピクスタ)親が子どもの勉強の様子について、気になる気持ちは理解できます。ですが、子どもの年齢とともに勉強スタイルも変化します。いずれは子どもが自分で学習方法を決めることになるので、いつか必要なくなるかもしれない学習コーナーは、お母さんの小さな書斎などにリフォームすることも視野に入れておくと良いかもしれません。【参考】※ 朝日新聞出版『AERA with Kids』(2017年春号)※ 朝日新聞出版『AERA with Kids』 (2018年春号)
2019年05月08日未就学児(6歳まで)の家庭学習、一番人気は「こどもチャレンジ」あんふぁんWeb「ママニュースアンケート」で「未就学児の自宅での家庭学習」について聞いたところ、63%が家庭学習を行っていると回答。その中で一番人気の教材は、全体の45%を占めた「こどもちゃれんじ」。次いで、12%が「くもん」、11%が「学研」という結果に。家庭学習の時間は、週に1時間以内が86%家庭学習に要する時間は、週に30分以内が48%、30分〜1時間以内が38%という結果に。大半が1時間を目安に学習していることが分かります。中には2時間以上という人も。次に、家庭学習に取り組む上での悩みや困っていることを聞いてみると、気分のムラ、集中力が続かないこと、親の関与という声が。それぞれの声をまとめました。もっとも多い悩みは、気分のムラがあること■遊んで疲れてる時など、本人の気が乗らない時にこっちも気長に待つのが難しい。(まんぷく、33歳)■やる時とやらない時の差が激しい。少しずつ毎日取り組んでほしいです。(コーギーラブ、38歳)■うまくできないとき、取り組む前に難しそうと子どもが思ったときなど、すぐに投げ出そうとしてしまう。(はるちゃん、44歳)■できなかったらすぐに怒る。シールにつられているので、シールがないページはやる気がダウンします。(ぴーちゃん、39歳)■自由にやりたがるので、ルールに従ってやらせようとするのが難しい。(くまとも、34歳)■できていると思っていた所が間違っていたりすると、普段はもう一回やるねと言って取り組むが、イライラしてる時などはもうイヤ!と八つ当たりしてくる。(こあざらし、42歳)■飽きやすく、途中で教材がただの遊び道具になってしまいます。遊びながら学んでもらえるのが一番良いのですが。(あげポテト大好き、29歳)■届いてすぐにワークに取り組むのは良いけれど、一度問題を解いてしまうと次のワークが来るまで見直したり解きなおしたりしないこと。(まみむめも、33歳)■一緒にやろうと声をかけても、「今日はやりたくない~」という日があったり、すぐに飽きてしまうことがあったりすること。(みりょママ、33歳)■背中を押さないと、とりかかるまでに時間がかかってしまう。(クラフトくん、34歳)集中力が続かず、遊びとの境界線がなくなることも■集中力が続かず、字をわざと大きく書いたり、薄く書いたりと遊びながらやっている。(ラジオママ、38歳)■兄弟がTVを見始めると、そっちに気がいくので困る。(ゆなゆな、35歳)■子どもの集中力が途切れるのが早く、苦手な取り組みに対してのあきらめが早い。(グラグラ、37歳)■ほかのことに興味が出てきて目移りすることが多い。(みかん2422,40歳)■集中力が続きません。ちょっと分からないことが出てくると、「トイレ」「おやつ」「眠い」「テレビ」とほかのことを言い出して。再度ワークに向き合わせるのに疲れます。(なおりん、36歳)■好きな問題の時は集中して取り組むけれど、興味がないことだとほかのことをやりだしてしまう。決まったページ数を最後までやらせるべきなのか、またの機会でいいのかに悩む。(きっとん、29歳)■ほかの遊びに目移りしてしまう。思い通りにいかないと子どもが不機嫌になる。(まっきり、34歳)■気分によって、集中力がまったく違う。まだ小さいからしょうがないと思ったり、今のうちからきちんと教えないとと思ったり、親の気持が揺れる。(みょん、31歳)親がついていないといけないのが大変!■なかなか一緒に取り組む時間を作るのが難しいことと、集中力がもたないので根気強く習慣化させるのが大変です。(なかむ、30歳)■家事に追われ、なかなかずっと一緒にみてやることができないこと。(ロックウェル、45歳)■親が付き添わなければできない、というのが…。一日のうちの少しの時間とはいえ、その時間を捻出するのが大変。(くう、29歳)■親と一緒に作ったり、体験したりがあり、良い経験にはなるけれど面倒くさい。(misosoupgohan、32歳)■親がついていないと、読まずに適当にやってしまいます。それでも楽しそうですが、時に失敗して、がっかりしているときもあります。兄弟でついてくる付録が違うので、兄弟ゲンカに発展します。(わさび、38歳)■毎日取り組むようにしてますが、私が夕飯などを作りながらさせているといらいらすることが悩みです。(きらきらきらり、37歳)■ひとり遊びの延長で取り組んでいる。でも、ママ!ママ!とすぐに呼ばれて、結果いつも2人でしている。(ゆう、43歳)■家事をやっている最中に子どもが行き詰ってしまった時、すぐに教えてあげられない。また、教えても理解してもらえず、どう教えればできるようになるか試行錯誤している。(ぽこ、34歳)最後に、子どもにやる気を出させる方法、気分を乗せる声かけなど、工夫やアイデアを聞きました。やる気を出させるには、ほめる!ごほうび!怒らない!■ドリルの指示通りにやらせられれば一番だけど、まだまだ幼くて言うこと聞かずに関係ないところに色を塗り始めたら落書きしたりしています。でも、それは気にせず、常にほめる方向で見守っています。(ひつじ、39歳)■一緒にやることを心掛ける。できたらたくさんほめる。 習慣づけるために時間を決める。(ふーちゃん、33歳)■本人がやりたいときにやっている。 できたときは花マルを書いたり、好きなキャラクターのシールをあげている。いっぱいほめている。(チョコレート、31歳)■「何でこんな難しい問題できるの?」「すごいね!」などポジティブなほめ方をしている。(おつまみ、35歳)■私もできる限り隣でついて、ほめたり応援したりアドバイスしたりしている。終わったら大きな花丸をつけたり、オマケのイラストやコメントを書いている。 子どもがひとりで取り組めそうなときは、私は「一緒にお勉強するね!」とボールペン習字の教材を隣でやったり読書したりしている。(とまとん、30歳)■赤鉛筆などで上手にかけたとこを丸してあげたり、シールを貼ってあげたりしています。上手く書けてない文字もありますが、そこはあまり注意せず、楽しく学習できるようにしています。(くーちゃん、46歳)■お勉強のノルマが終わったらごほうびタイムでゲームができる仕組みにしてます。(りんご、39歳)■大好きなYouTubeを見られるのはドリルが終わってからという決まりなので、そのためにがんばっている(笑)。(みゅう、39歳)■環境作り。テレビなど消してお互い集中。てきなくても怒らずに、なんでできなかったかいっしょに考えたり、違うところを説明する。(ひなみあ、37歳)■私が一人で始めることです。 広げ始めると、そばにきてやり始めることが多いです。(みさやん、37歳)■お姉ちゃんがお勉強しているときを狙って誘う。お姉ちゃんをほめると、自分もほめられたいのでやる気が増す。(なーまま、42歳)■とりあえず嫌なことにならないように、これやる?と軽い感じで誘っています。(ぽん、40歳)■ママに言われる前に自分で取り組み終わらせれたら、カレンダーにシールをはり、シールがたまったらごほうびにお菓子などを買ってあげる。文字の大きさや数字のきれいさなど、とにかくほめる。(いとひ、35歳)※2018年9月26日~10月23日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:289件<あんふぁんWeb編集部>
2019年04月30日シンガーソングライターの須澤紀信が自主企画ライブイベント「キシン伝心 Vol.1」を3月9日に下北沢CLUB 440で開催。TBSラジオのレギュラー番組と同タイトルを名付け、ラジオさながらのたっぷりのトークと趣向を凝らした歌の数々で観客を楽しませた。【チケット情報はこちら】普段から敬愛するシンガーソングライターをゲストパートナーに迎え、この日限りの音楽ユニットでそれぞれの持ち歌によるセッションや影響を受けたアーティストのカバーなどを繰り広げる、1月26日に開催されたVol.0に続き今回2回目となる本イベント。オープニングナンバーは、1stシングル『はんぶんこ』のアコースティックギター弾き語りからスタート。須澤の透き通った優しい歌声に観客はうっとりと聴き入った。続いてこの日のゲストパートナーであるピアノ弾き語りのシンガーソングライター坂本タクヤをステージに迎え入れ、ここからはお互いが生まれ変わりたいものから命名したという“生イルカメロン”とのユニット名でセッション。坂本の最新ミニアルバムに収録の『日々』をコラボし、坂本は心をこめたハイトーンボイスによる甘い歌声で観客を魅了した。ミニアルバム表題曲の「帰ろうか」では、須澤がバイオリンで参加し、美しい音色を聴かせた。また、須澤の1stアルバム『半径50センチ』から『いいんだよ』も演奏し、ふたりで美しいコーラスを響かせた。影響を受けたアーティストを紹介するコーナーでは、須澤が「すべての楽器をレコーディングするセルフプロデュースで憧れている」という斉藤和義の『空に星が綺麗』や、坂本が「歌を始めたきっかけ」という中孝介の『花』をふたりで歌い上げた。観客のアンケートに答えるコーナーもあり、「過去と未来に行けるとしたらどっち?」や「自分自身で変えたいところは?」など、多くの質問に回答。息の合ったふたりの軽快なトークに会場は爆笑の渦になった。最後は、須澤が坂本をイメージして書き下ろしたという、生イルカメロンの唯一のオリジナルソング『アソート』を披露。本作は「タクヤさんがラブソングをあまり書かないので」という理由から須澤が制作したラブバラード。ふたりの温かく包み込むような歌声に拍手喝采となり、須澤の自主企画イベントは大成功で幕を閉じた。今後のコンサートは、5月18日(土)渋谷RUIDO.K2での2ndワンマンライブ「~ボクの街、キミの街~」が決定している。今回の「キシン伝心」の、人となりや内面にフォーカスを当てたアットホームなイベント内容とは別の側面である、須澤が音楽に真摯に向き合う姿をバンドサウンドで魅せる、エネルギッシュなステージになるという。「この5月という季節は出会いや別れがあり、新しい生活が始まり、その後にちょっとホームシックになったりもするタイミング。地方から上京組の僕だからこそ、そんな心に寄り添える歌も歌ってみたい」と須澤が語るように、この日のために新曲を鋭意制作中。このワンマンライブに足を運び、“須澤ワールド”にどっぷり浸ってほしい。チケットは発売中。取材・文:門 宏
2019年03月20日「学習机って、どう選べばいい?」「そもそも学習机って必要なの?」「学用品ってどれくらいある?収納はどうする?」ランドセルを準備したら、次に気になるのは学習机ですよね。学習机はどのようにして選べばいいのでしょうか?子ども家具も人気のインテリアショップACTUS(アクタス)主催の「リアルママと一緒に考える インテリアのプロが教える、学習机の選び方講座」を取材しました。先輩ママの学習机の購入・使用体験談と、プロによる子ども家具の20年の歴史と開発に対する思いをご紹介します。子どもの学習環境整備の参考にしてみてください。■ 小学生ママ2人に聞く!学習机の購入・使用体験談アクタスの学習机を使って数年。小学3年生~未就学児3人の子を持つ先輩ママ2名が、学習机の選び方から日常の体験談まで語ってくださいました。ケース1.子どもの成長に応じて、机の使い方や勉強の仕方は変わる先輩ママの1人は、家族5人で2LDK のマンション住まい。省スペースに設置できて、スタイリッシュなデザインに惹かれ、アクタスのVARIO(ヴァリオ)シリーズの学習机を、きょうだい2名分購入されました。その後、子どもの成長によって、机の使いかたや勉強の仕方が変わってきたことで、学習机の設置場所を3年間で3回変更してきたそう。子ども部屋に置いてもリビングダイニングに置いても、他のインテリアとなじみ、すんなり収まるサイズ感に感心されていました。ケース2.リビング学習の勘違い!? ダイニングテーブルでの学習はNG?「リビング学習」という言葉が定着していますが、ダイニングテーブルでの学習をイメージされる方も多いのではないでしょうか。もう1人のママも、1人目のお子さんの小学校入学直後は、ダイニングテーブルで宿題をされていたそう。ワーキングマザーのため、夕方に子どもたちと帰宅後、ママはキッチンで夕食づくり。上のお子さんはダイニングテーブルで宿題を。下のお子さんはリビングでテレビを見たり遊んだり……。そうなると、小学1年生が集中して学習できるわけもなく、ママが夕食を作り終えるまでに宿題が終わらない。しかたがないので、夕食を食べるためにダイニングテーブルに散らかった教材をいったん除けて……。中断した宿題はやる気をなくしてしまいますし、子どもの学習習慣を身につけなくてはと焦るママは、イライラの毎日……。その経験から、LDKの中で学習するにしても、ダイニングテーブルとは別の場所=学習机を用意してあげる必要を感じたそうです。小学生の持ち物は多い!しかも6年間で最大5倍増える!2人のママが口を揃えて力説していたのは、小学生の持ち物の多さ。ランドセルや教科書だけでなく、毎日持っていくハンカチ、ティッシュ、歯ブラシ、コップ、マスク、ランチョンマットや、毎週持ち帰る上靴、給食袋、体操服。そして学期末に持ち帰る道具箱、算数セット、ピアニカ、習字道具など。これに加えて、子どもの趣味の本やおもちゃ、工作物、通信教育の教材や習い事の道具も……。この記事では書ききれないほどの持ち物があるそうです。しかもこの持ち物、学年が上がるごとに増えて、6年間で最大5倍増えるというデータも!低学年のうちは、学習机に備わった収納だけで足りる場合もありますが、高学年になると収納棚が必要になるかもしれませんね。■ インテリアのプロに聞く!アクタスの子ども家具、20年の思いアクタスが子ども家具を作り始めたきっかけと、20年間つくり続けてきた思いをお聞きしました。1通のお手紙からはじまった、子ども家具づくり20年前、キャラクターを満載したロボットのような形の学習机が主流だったころ。「うちの子が将来使えるシンプルな学習机を、アクタスさんぜひ作ってください」というお便りが届いたそうです。それをきっかけに、「子どもは基地づくりが好き!」というコンセプトで、学習机とベッドなどの子ども家具を開発されました。それ以来、子供の成長や将来の生活の変化を想像しながら「子ども用の机」としてではなく、大人にも長く愛される製品を販売。現在では、6種類のシリーズで、学習机のみならず、チェスト、キャビネット、チェアなど、自由に組み合わせができるように展開されています。テーマは「継承」と「経年美化」子どもの学習机を、子どもが大人になるまで大切に使ってくれたらうれしいですよね。しかも子どもが使わなくなったあと処分するのではなく、親である私たちが使えたら無駄がありません。アクタスでは、「継承」をテーマに、長年使えるシンプルなデザインと耐久性を備えた、ロングライフな製品づくりが行われています。無垢の木材を使用した家具は、傷の修復もできますし、長年使うことで艶も出て「経年劣化」ではなく「経年美化」を楽しめます。子どもが小さいころにうれしい、カラフルで可愛らしいパーツは取り外すことが可能。ライトやチェアを大人仕様に変えれば、長年使うことができますね。アクタスの机はデザイン重視で高額?でも安全性はそれ以上!アクスの子ども家具と言えば、デザインがオシャレだけど、簡単に購入できる金額ではないですよね。シリーズにもよりますが、机と引出しのみの最小スペックでも10万円弱~の価格帯。ましてや、先輩ママたちの助言を取り入れて、たっぷりある学用品を収納できる収納棚や、高さを変えられる無垢材のチェアを購入すると……さらに、きょうだいでお揃いにすると……。大変なお値段になりますね。だけど、高価なものには理由があります。それは、長年の使用に耐えうるデザインや、質の高い素材の使用というだけではなく、安全性の高さです。「F☆☆☆☆」という基準をご存じでしょうか。シックハウス症候群を引き起こす原因とされる有害物質、ホルムアルデヒドの発散量を表す等級で、「F☆☆☆☆」は最上位規格を示すマークです。壁紙などの建材には、建築基準法によってホルムアルデヒドに関する基準の取り決めがありますが、家具にはこのような取り決めがないそう。表示義務はないので確かめることはできませんが、そういえば店頭に展示されている安価な家具から漂う刺激臭、筆者は感じたことがあります。わが家は子どもに喘息とアレルギーがあるので、子どもが毎日触れる家具の安全性は重視したいところ。アクタスの木製子ども家具は、ほぼ100%の製品が「F☆☆☆☆」基準をクリアしているそうです。いかがでしたか?ランドセルは高価な割に最大で6年間しか使用できませんが、学習机はもっと長く使えるもの。アクタスの学習机を使われている先輩ママの体験談と、アクタスの子ども家具の特徴をご紹介しました。学習机選びの参考にしてみてくださいね。「整える」ほど丁寧じゃなく「トノエル」くらいがちょうどいい。整理収納アドバイザーのトノエルでした。※掲載している商品名や価格は2019年2月時点の内容です。※取材協力ACTUS(アクタス)
2019年03月01日子どもが自主的に子ども部屋を片付けてくれたら……と望むママさんたちはとても多いはず。ただ「お片付けをしなさい!」と言ったところで、子どもたちは動いてくれません。元塾講師の筆者が講師時代に子どもたちの話を聞いて分かった、子どもが自主的に片付けできるポイントをご紹介します。■ 子どもに合った“仕組みを作る”ことがポイントまだ成長途中の彼らは、どうやって片付けをすればいいのか、上手く理解できていないことも多いのです。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)「このおもちゃで遊んでいい?」「明日は〇〇ちゃんと公園に行ってもいい?」と、逐一お母さんに指示を仰いで生活をしている子どもたちにとって、なんの指示もなくただ片付けろと言われるのは、けっこう酷なことだと思います。さらに以前、筆者が塾講師をしていたときに、「きちんとお片付けをしたつもりでも、“全然できていない”と怒られる」「お母さんの気に入る片付けができない」と、文句をこぼしていた子がけっこう多くいました。タカス / PIXTA(ピクスタ)そういう子どもたちの声を聞いてみると、ある共通事項があがりました。それこそが、いつもはお母さんが子ども部屋を掃除してくれているけれど、お母さんに時間的な余裕がないときには「自分でやりなさい」と声をかけられるということでした。これでは、“自主的な掃除”は身につきません。現状を変えるためには、子どもに合った片付けの仕組みを作ってあげることが大切なのです。■ 子どもに合った片付けの仕組みを作る3つの方法子どもに合った片付けの仕組みを作るための3つの方法をご紹介します。1. ワンステップの収納法を取り入れるSatoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)保育園で働いている知り合いに聞いたところ、かけるだけ、置くだけ、などのようにワンステップでの収納法を意識すると、比較的自主的に片付けをしてくれるようになるそうです。家でも仕組みは同じでしょうから、取り入れる価値はあると思います。2. 印をつけておくことでわかりやすくチュン子 / PIXTA(ピクスタ)おもちゃのシルエットを収納したい場所に貼り付けておくと、誰がどう見ても「そこに収納するものはコレだ」とわかるようになります。最初の手間はかかりますが、一目でわかるようにしておくことで後々の声がけが楽になります。3. 子どもと相談するYUMIK / PIXTA(ピクスタ)どこになにを収納するか、それ自体を子どもと相談しながら決めていくのもアリだと思います。お母さんの気に入るように片付けるのではなく、自分のやりやすいように片付ける、これを徹底してやれば次第に自主的な片付けができるようになります。いかがでしたか?最初は一緒に考えるという手間が発生し、面倒くさいと感じるかもしれません。しかしルールさえ理解していれば、徐々に自主的に片付けをしてくれるようになるはずです。もしも子どもが自主的に片付けをしてくれないと悩んでいるのであれば、ぜひトライしてみてください。
2019年02月20日3人組バンド、LUCKY TAPESが6月18日(火)に東京・LIQUIDROOMで自主企画ライブ「HALL #1」を開催することが決定した。【チケット情報はこちら】第1回目となる今回は、ゲストに雨のパレードを迎えて行われる。チケットの一般発売に先駆けて、オフィシャル先行を実施中。受付は2月19日(火)昼12時から24日(日)午後11時59分まで。■LUCKY TAPES「HALL #1」日時:6月18日(火)LIQUIDROOM(東京都)開場 18:30 / 開演 19:30料金:前売4,000円(税込み・ドリンク代別途必要)
2019年02月19日小学校に入学してすぐの頃は、学習内容を先取りしている子のほうが「賢い」と思われがちです。ですが、高学年になって学習の難易度が上がってきたとき、実際に伸びるのは「自ら机に向かう」ことができる子だそう。机に向かって勉強する習慣がついている子は、机の上の教材に関心をもち、課題が終わるまで取り組む集中力が養われます。すると勉強がどんどん理解できるようになり、さらに勉強が好きになるという相乗効果を生むのだとか。幼少期から生活の中に「机に向かう時間」をつくる机に向かう習慣づけをするには、やはり幼いうちから親が土台づくりをしてあげるのがいいようです。『最強の働き方』の著者であるムーギー・キム氏との共著に『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』がある、ファミリー・コラムニストのミセス・パンプキン氏は、「勉強嫌いな子でも幼少期に学習習慣を身につけてやることは、どの時期よりもたやすい」と言います。歯を磨くのと同じように、机に向かう時間を生活リズムに組み入れることができれば、「その後は放っておいても、その学習習慣が子どもを導いてくれる」とも。また、灘中学校・灘高等学校校長の和田孫博先生が推薦する『どこまでも伸びていく子どもに育てる』の中でも、「学習の習慣化」について以下のような記述があります。生活のリズムにも気を配り、できるだけ無理のない形で机につけるようにする。そうすることで、机に向かうことへの気持ちの抵抗を小さくできます。また、机についたときに、スッと課題に向かえます。(引用元:鶴田秀樹・坂元京子(2008) ,『どこまでも伸びていく子どもに育てる』,実務教育出版.)では、その習慣をどのように身につけさせてあげればよいのでしょう。この本の著者であり、京大医学部、京大法学部、東大理科一類に進学した3人兄弟を育て上げた坂元京子さんは、子どもが幼稚園年中の頃、週に1時間、同じ曜日の同じ時間に机の前に座ることから始めたそう。またミセス・パンプキン氏は、息子たちが小学生の頃はいくら言っても自分だけでは勉強しなかったので、夕食前の1時間を母子一緒に勉強する時間と決めて、その時間はどんな都合が生じようとも勉強時間にしたのだとか。集中できる環境づくりと机に向かう習慣づけのポイントとはいえ、机や床の上におもちゃが転がっていたり、目の前に賑やかなテレビ番組が写っているような状態では、大人でも集中することができません。「家庭教師のトライ」を全国展開する(株)トライグループ取締役の森山真有さんは、勉強する場所について次のように話しています。とにかく「マンガやゲームは勉強机以外の場所で」と徹底することです。勉強をはじめるときのパターンを決めることが、学習習慣を身につけさせます。ゲーム機やテレビなど、勉強の集中を妨げるものは部屋から出してしまいましょう。(引用元:森山真有(2007) ,『伸びる子の法則自ら学ぶ習慣が身につく学習法』,PHP研究所.)そこで、勉強に集中できる環境をつくり、子ども自身に負担を感じさせずに机に向かう習慣をつけてもらうためのポイントをまとめてみました。1. できれば小学校入学前から準備を小学生になるとほぼ毎日宿題が出るので、家庭でも1日1回机に向かう力が求められてきます、しかし、幼稚園や保育園では遊んでばかりだった子に、いきなり毎日机に向かうように促しても無理があるため、入学前から習慣づけを心がけるとよりスムーズに。小学校で授業を受ける練習にもなります。2. 机と椅子は子どもと選ぶ子ども自身に「机でやりたい!」と思ってもらうには、その場所を気に入ってもらうことも大切。机とイスは大人が選んで買い与えるのではなく、できれば親子で一緒に選ぶようにしましょう。「自分だけの特等席」という意識が芽生え、ワクワクした気持ちで自ら机に向かうようになるはずです。3. 生活パターンに無理なく組み込む先述の坂元京子さんやミセス・パンプキン氏の例のように、子どもに合ったペースを見つけ、時間を決めて取り組むことが大切です。できる限り、後回しにしたりパスしたりすることなく、決めた時間には机に向かうにしましょう。4. 机に向かう時間は数分からでOK習慣づけのための取り組みを始めるのが小学校入学前〜低学年ならば、内容はいかにも勉強らしいものでなくてもOK。幼稚園生なら、簡単な線や丸などをなぞる程度のことを2~3分間取り組むことから始め、少しずつ時間や内容を増やしていくのがオススメです。5. 整理整頓も大切に机の周りのお片づけも大切なトレーニング。いつもキレイにしておくことで毎日気持ちよく机に向かえるほか、余計なものが目に入らないことで集中力もより高まります。また、算数で図形問題を理解する際に必要な「空間認識力」も養われるそう。いちばんのお手本は「親が学んでいる姿」子どもは身近な存在をまねて育つもの。いくら子どもに机に向かうことを勧めても、親がテレビを見ながらダラダラしていたり、スマホゲームに夢中になっているようでは、子どもだって納得がいきません。わが子が自ら机に向かう習慣づくりのために、親が真っ先に行うべきは、親の側が自ら机(リビングテーブルなど)に向かう習慣、すなわち学んでいる姿勢を見せることです。学ぶことがたまらなく楽しい状態、学習を「楽習」と捉えることです。親が、その姿勢を背中で示しましょう。(引用元:PRESIDENT Online|自ら机に向かう子の親が欠かさない習慣)このように、親の背中をしっかりと見せることが大切なようです。また、子どもが机に向かっていれば問題なし、というわけではありません。宿題やワークをこなすことばかりにとらわれて、内容をきちんと理解せずに突き進んでしまっては、せっかくの勉強時間も有益ではありません。宿題の丸つけの際は、「どこにつまずいているのか」をチェックしたり、「学んだ内容を理解しているのかどうか」をさりげなく質問したりといった対応が大切です。***親が学ぶ姿を見せることで、子どもの学習習慣が身につくのなら、まさにウィン・ウィン。親の学びは、なにも勉学だけでなく、キャリアアップや趣味や、家庭経済のことなどでもよいのです。与えて導くだけではなく、親である自分自身も成長を望んでいければ、きっと子どももいい影響を受けてくれるはず。机に向かって学ぶ楽しさを、親子間で共有できるといいですね。文/酒井絢子(参考)PRESIDENT Online|自ら机に向かう子の親が欠かさない習慣All About|子供の勉強習慣いつからどうやって始めるべきか?ベネッセ教育情報サイト|1年生からの勉強はどうする? 家庭で机に向かう習慣を身につけるためのポイント森山真有(2007) ,『伸びる子の法則自ら学ぶ習慣が身につく学習法』,PHP研究所.見尾三保子 (2002) ,『お母さんは勉強を教えないで』,草思社.鶴田秀樹・坂元京子(2008) ,『どこまでも伸びていく子どもに育てる』,実務教育出版.ムーギー・キム、ミセス・パンプキン(2016) ,『一流の育て方–ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』,ダイヤモンド社.
2019年02月14日学習机探しは秋からスタートするとも言われますが、まだ決めかねている方も多いのではないでしょうか?目からウロコの「先輩ママの学習机・体験談」と、グッドデザイン賞受賞の「長く使える学習机」を、3本まとめてご紹介します。ぜひこれからの学習机探しにお役立てください!■ 1.学習机は勉強以外のことも学べる重要な場!小学校の入学前の準備として、ランドセルの購入と同時にスタートするのが「学習机探し」です。必需品と思われる学習机ですが、実際のところ、リビングで宿題をするケースも多く、学習机は物置状態となることも。「学習机はやっぱりいらないのでは?」と判断し、購入しないのもアリかもしれませんが、学習机を用意すると、子どもに「小学生のお兄さん・お姉さんになるんだ」という期待感を抱かせ、やる気や学習意欲を高めることができます。また、学習机があると、子どもがそこを「自分のスペース」と自覚し、整理整頓の大切さを学ぶ機会にもなります。「空間を使いやすくするために整理収納を行う」「物を管理する」など、学習机は、物への責任感や生活力を身に付ける場にもなるんですよ。詳しくは記事をチェック!小学校6年間で50回しか使っていない!? 子どもにも簡単な「学習机」の活用法■ 2.意外!使ってみて不便だった学習机の便利機能とは?TOSHI.K / PIXTA(ピクスタ)一口に学習机といっても、デザインや機能、お値段もさまざま。情報を集めれば集めるほど、何をどう選べばいいのか分からなくなってしまいます。そんなときは先輩ママの体験談に耳を傾けるのが一番です。「正直、いらなかったと思う機能」と、「学習机を買ってあげて良かったと思う点」について、先輩ママさんたちにリサーチを行いました!ふじよ / PIXTA(ピクスタ)いらなかったのは、「イスの下のランドセル置き場」「引き出し」「机上の本棚」など。あると便利そうなものばかりなのに、一体どこが良くなかったのでしょうか?購入してから「失敗だった!」なんてことがないように、ぜひ先輩ママの意見を参考に学習机を探してみてくださいね。詳しくは記事をチェック!学習机は秋から探し始めるのが正解!先輩ママに聞きました「正直、いらなかった機能は?」■ 3.長く使い続けられるグッドデザイン賞の学習机学習机は大人の目から見ても「カッコいい」と思えるデザインのものの方が、子どもが大きくなってもずっと愛用できます。「木とスチールのずっと使えるつくえ」は、高さを2段階に替えられる組み立て式の学習机。なんとこちら、脚と引き出しボックスを取り外すと、文机になり、幼児期から使うこともできるんです!素材はヒノキで、見た目の高級感はもちろん、手触りも心地よく、小さい頃から本物に触れさせることで、子どもの感性も育ちそう。素材の伐採から見学できる「学習机ツアー」も実施しており、2017年グッドデザイン賞を受賞。こうしたワークショップを体験すると、学習机への愛着がいっそう湧いて、ずっと大切に使い続けたくなりますね。詳しくは記事をチェック!子どもが大人になっても使える「勉強机」が発売【Editor’s セレクション】
2019年01月27日「プログラム学習」というものを知っていますか?2020年度から小学校で始まる「プログラミング教育」とは別物です。この「プログラム学習」とは、現在は大学などで幅広く利用されている「eラーニング」や子ども向けタブレット教材などの基盤になったもの。心理学の理論を応用した、専用の機械を使う学習方法です。難しそう……と思われるかもしれませんが、プログラム学習の概要を知っておくと、家庭における子どもの教育に応用できたり、タブレット教材ならではの学習効果を理解しやすくなったりします。そこで今回は、プログラム学習についてわかりやすくご紹介しましょう。スキナーのプログラム学習とはプログラム学習(programmed instruction)を提唱したバラス・フレデリック・スキナー(1904~1990)は、米国の心理学者。人間や動物の感情よりも行動に着目して実験・観察を行う「行動分析学」の祖として知られています。スキナーの成果として特に有名なのが「オペラント条件づけ(operant conditioning)」です。これは簡単にいうと、人間・動物が特定の行動をとるように条件を与えること。たとえば、箱に入れたネズミに、箱のなかのレバーを押してほしいとします。その場合、まずネズミが偶然レバーを押したとき、ネズミにとって「報酬(reward)」となるエサを与えます。これを、行動を「強化(reinforcing)」するといいます。そして、ネズミがまたレバーを押した際にはエサを与えます。繰り返すと、ネズミは積極的にレバーを押すようになるのです。このようなプロセスはオペラント条件づけと呼ばれます。ご存知のように、犬や馬の調教に使われている手法ですね。そして、オペラント条件づけを人間の教育に応用したのがプログラム学習です。プログラム学習には、「ティーチングマシン(teaching machine)」という専用のデバイスが使われます。ティーチングマシンは学習者に対し、説明および説明を理解したか確認する設問を次々に提示します。学習者が解答すると、正解・不正解がすぐに知らされ、次の問題に移行します。これを繰り返すうち、最終的に当初の学習目標を達成できるようになるのです。ゲーム機やPCの普及した現代、多くの人がこのような形式のクイズゲームや教材に触れたことがあるのではないでしょうか?プログラム学習における5つの原理スキナーのプログラム学習には、5つの「原理(principle)」があると考えられています。スキナー自身の言葉とともにご紹介しましょう。学習者が積極的である学校における一斉授業の多くは、教師がしゃべり、生徒が聞くという形式です。皆さんも経験があると思いますが、このやり方では、先生の話をぼーっと聞き流すことも可能。生徒が何も学習しないまま授業が終わる、ということもありえます。しかし、プログラム学習で用いられるティーチングマシンは、常に学習者自身が動かす必要があります。問題が出題され、学習者が「解答」という行為をしてはじめて次に進むのです。そのためプログラム学習においては、常に学習者の積極性が必要とされています。プログラムと生徒のあいだでは常にやり取りが発生する。講義や教科書、一般的な視聴覚教材と違い、ティーチングマシンは持続的な行動を引き起こす。生徒は絶えず集中し、やることを抱えている。(引用元:Burrhus Frederic Skinner (1968), The Technology of Teaching, New York, Appleton-Century-Crofts.)学習者に即時のフィードバックを与える学校の宿題やテストは、子どもが問題を解いてから正解・不正解がわかるまで、およそ数日のブランクがありますよね。答え合わせ・採点が終わり結果がわかったときにはもう、問題を解くときに自分が何を考えていたかなど忘れていることが多いのではないでしょうか。しかし、プログラム学習においては、学習者が問題に答えた直後に正誤が判明します。時間をおいてからまとめて結果を通知されるよりも、1問答えるごとにフィードバックをもらえるほうが、より強い印象を受けるはず。ティーチングマシンは家庭教師のごとく、正しい返答をするたびに生徒を強化する。このような即座のフィードバックを利用し、生徒の行動を最大限効果的に形成するだけでなく、一般人が「生徒の興味関心を保つ」と表現するような方法で、行動を維持するのだ。(引用元:同上)ゆるやかに難易度が上がるプログラム学習において、教材の作り方は非常に重要です。皆さんも想像できるように、簡単な問題ばかりやっても難しい問題ばかりやっても、効果的な学習にはなりません。また、それまでは順調に問題をクリアしていたのに、ある時点から急激に難しくなって先に進めなくなったら、学習者は意欲を失ってしまうでしょう。そうならないよう、プログラム学習の教材の難易度は、ほんの少しずつ上げる必要があります。それぞれのステップを難なくこなしていくうちに、いつのまにか目標を達成しているというわけです。生徒は複雑な行動を修得するにあたって、慎重に設計された、多くの場合は相当に長い一連のステップを経なければならない。それぞれのステップは、生徒が必ず理解できるくらい小さく、かつ行動の充分な修得にいくらか近づくものでなければならない。ティーチングマシンは、これらのステップが慎重に規定された順番で提供されるようにしなければならない。(引用元:同上)学習者に合ったペースで学べるスキナーはプログラム学習を提唱するにあたって、教室に生徒を集めて講義する従来型の教え方を批判しました。現在の学校制度も同じですが、大勢を一度に教えようとすると、指導側はどうしても平均的な理解度の人に合わせがち。そうなると、理解のスピードが遅めの人には難しすぎてついていけず、理解が速い人には簡単で退屈です。しかし、プログラム学習においては学習者がそれぞれのペースで学びを進めるので、あらゆるタイプの人に対応できるのです。優れた家庭教師のように、ティーチングマシンは生徒が次の段階に進む前に、教えた要点をひとつひとつ完璧に理解することを要求してくる。一方、講義や教科書、それに類する機械は、生徒が理解したかどうかを確認せずに進行してしまい、生徒をたやすく置き去りにしてしまう。(引用元:同上)ティーチングマシンの成功を説明するにあたっては、それぞれの生徒が自分のペースで自由に進められるという事実も重要だ。教育的な目的から、生徒たちを一つのクラスにまとめて収容することは、おそらく教育における非能率性の最大要因である。複数の生徒を一度に指導しようとすれば、速い学習者も遅い学習者も害することになる。優秀な生徒の窮状はこれまで認識されてきたが、遅い学習者はさらに悲惨な結果をこうむっているのだ。当人の自然なスピードを超えて進行することへのプレッシャーの効果は累積する。最初のレッスンを完全にマスターしていない生徒は、次のレッスンもマスターしにくいものだ。(引用元:Burrhus Frederic Skinner (1999), Cumulative Record: Definitive Edition, Xanedu Pub.)学習者によって検証されるプログラム学習の教材が優れているかどうか決めるのは、作成者ではなく学習者です。そして、学習者がプログラム学習をどのように行ったかのデータを通じて、教材は改良されていきます。たとえば、複数の学習者たちが教材の同じ部分でつまづくのであれば、そのレッスンにおける解説が不充分だということです。教材の解説を手厚くしたりといった対応をとることで、プログラム学習の教材はより効果的なものへとアップデートされるのです。優れたプログラムは芸術でありつづけるべきか、それとも科学技術となるべきか。最終的に決定するのは生徒であると知ることは安心材料となる。ティーチングマシンによる学習が持つ予期せぬアドバンテージは、プログラム作成者へのフィードバックであることがわかった。(引用元:Burrhus Frederic Skinner (1968), The Technology of Teaching, New York, Appleton-Century-Crofts.)プログラム学習の例では実際、プログラム学習の教材はどのように「プログラム」されているのでしょうか?以下はスキナーが提示した、小学生に「manufacture(製造する)」という動詞のつづりを覚えさせるための設問です。1.manufactureとは、作る(make)ことや建てる(build)ことを意味します。Chair factories manufacture chairs.(椅子工場は椅子を製造する。)単語をここに写してください。□□□□□□□□□□□2.この単語の一部は、factoryという単語の一部と似ています。どちらの部分も、makeやbuildを意味する古い言葉に由来します。manu□□□□ure3.この単語の一部は、manual(手動の)という単語の一部と似ています。どちらの部分も、hand(手)を意味する古い言葉に由来します。かつて、多くのものは手で作られていました。□□□□facture4.どちらの空欄にも同じ文字が入ります。m□nuf□cture5.どちらの空欄にも同じ文字が入ります。man□fact□re6.Chair factories □□□□□□□□□□□ chairs.(引用元:同上)このように丁寧な解説と設問があれば、manufactureという単語を初めて知った人でも、つづりを覚えられそうですね。ひとつひとつのステップは非常に簡単ですが、こなしているうち、最後には目的を達成できるのです。プログラム学習の優れた点さて、スキナーのプログラム学習を知ったところで、私たちはそれをどう現在に応用できるのでしょう?注目してほしいのが、上で挙げた5つの特徴。これらはプログラム学習だけでなく、一般的な勉強においても知っておいてほしいことばかりです。あらためて振り返ってみましょう。インプットとアウトプットを交互に行うプログラム学習においては、学習者の積極性が必要とされます。教材をぼーっと見たり聞いたりしているだけでは学習は進まないのです。上で挙げた例のように、プログラム学習ではインプットとアウトプットを交互に行います。これは非常に学習効果のある方法。ただ教科書を読んだり授業を聞いたりしているだけでは、インプットに偏りすぎ。インプットしたことを記憶として定着させるには、アウトプットが不可欠なのです。勉強というものは、単純化するとインプットとアウトプットの繰り返しです。新しい知識を頭に入れて、それを問題を解くという形式でアウトプットする。この流れがスムーズに行えれば、たいていの問題は解くことができるはずなのです。(引用元:StudyHacker|効率的勉強法 —— これだけは知っておきたい5つの基本。)脳には出力依存性というものがあるので、「インプットしよう、記憶しよう」とするだけでは情報はなかなか入っていきません。逆に、「情報を使おう」「表現しよう」とすれば入っていきやすくなる。記憶するために「情報を使う」ことは、「アウトプットする」ことですよね。これが重要になるのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|記憶力の要は「記憶の仕方」にあり。親が知っておくべき「記憶の脳科学」)即時のフィードバックが受けられるプログラム学習においては、学習者が問題に答えた直後、正解・不正解がわかります。この「即時フィードバック」は、学習者の能力を引き出すのに非常に重要です。「フロー理論」を提唱したことで有名な心理学者、ミハイ・チクセントミハイ教授(クレアモント大学院大学)によれば、人間は特定の条件が整うと「フロー」もしくは「ゾーン」という極度に集中した状態に入ることができます。そうなると、その状況を心から楽しいと思い、集中しても疲労を感じず、優れたパフォーマンスを発揮することができるのです。その「フロー」になるために必要な条件のひとつが「明確なフィードバックが即座に得られる」状態です。自分の行動に対する反応がすぐに返ってこないようでは、「フロー」は生まれません。たとえば、学校の宿題を自宅でやり、翌日の授業で答え合わせをする。学校でテストを受け、数日後もしくは1週間後に答案が返却される。このような状態では、行動とフィードバックのあいだにタイムラグがありすぎるため、「フロー」は生じません。しかし、プログラム学習ならば「フロー」発生の条件を整えることができるのです。子どもが自宅で勉強する際も、できるだけ速いペースでフィードバックが受けられるようにしましょう。たとえば、1ページ分の問題を解いたらすぐに答え合わせをさせる、もしくはしてあげる。タブレットなどのデジタル教材で勉強するのも、即時フィードバックという意味では効果があります。勉強でわかりやすいフィードバックと言えば点数でしょう。テストや練習問題の正誤で自分の取り組みの成果を確認することができます。しかし、テストのための勉強はするけれど、参考書の章の終わりなどにある練習問題をおろそかにしていませんか?この練習問題は、理解の確認はもちろん、勉強の成果を自分で実感し次の集中につなげるために必要なものです。(中略)テストや練習問題は狭い範囲ごとに細かく行うことが大事です。章の途中などで、区切りが難しいときは、その日やった問題をもう一度やり直すだけでも効果を実感できるはずです。(引用元:StudyHacker|「勉強に集中」のコツは、身近な “ゲーム” に隠れていた!?『集中力アップ』3つのきほん)スモールステップ学習法プログラム学習において、出題される課題はほんのわずかずつ難易度が上がっていきます。「急に難しくなって分からなくなった」という断絶が起こらないよう、注意して設計されているのです。このような学習法は「スモールステップ」と呼ばれています。最初から高い目標を掲げるのではなく、目標を細分化することで、“小さな成功” が得やすくなります。この成功体験を少しずつ積み重ねることで、最終目標に近づいていけるのです。(引用元:StudyHacker|「何をやっても続かない人」が陥っている “3つの大いなる誤解”)そして「スモールステップ」は、上述した「フロー」状態をもたらす必要条件にも関係しています。なぜなら、「フロー」になるには、向き合っている課題の難易度が適切でなければいけないから。余裕でこなせるくらい簡単でもいけないし、達成不可能なほど難しくてもいけないのです。少しずつ難易度が上がっていくプログラム学習ならば、「フロー」になりやすい条件が整っているといえるでしょう。最もフロー状態に入るためには、取り組む課題が簡単すぎても、難し過ぎてもいけません。適切な難易度は、自分の能力を少し超える、「背伸びすれば何とか達成できる」程度の難易度だと言われています。ですので、取り組む課題の難易度を、ちょうどいいレベルになるようきちんと設定することが大切です。(引用元:StudyHacker|フロー状態で勉強が効果的?コツは “ちょっと高め” の目標設定)自分のペースで学ぶ自分のペースで学ぶということは、プログラム学習だけでなく、学ぶという行為全般において大切なことです。物事に関する説明を読んだり聞いたりして理解できる速度は人によって違うものですし、学ぶジャンルによっても異なるでしょう。個人個人のペースに配慮しない一斉授業では、「全然わからなかった……もう嫌だ」「簡単すぎて退屈。授業に出る意味がない」というストレスを生みかねません。自分のペースで学べるプログラム学習は、そのような問題を解決してくれます。海外のオルタナティブ教育として知られる「イエナプラン」や「ドルトンプラン」では、生徒が自分で計画を立てて科目の自習を進めることが重視されています。日本でも、学校の一斉授業についていけない子どもを1対1の個別指導塾に通わせる親は珍しくありません。一斉授業の弊害を危惧している人は多いのですね。子どもに合った教材を選ぶ何かを自習するとき、目的に応じた教材が必須です。そして教材を選ぶときに考慮するべきなのは、「ベストセラーだから」「著名人が書いたから」ということではなく、それが学ぶ人に合っているかどうか。当たり前といえば当たり前ですが、意外と忘れてしまうこともあるのではないでしょうか。たとえば教材に書かれていることが難しすぎてわからないと感じても、「理解できないのは自分が勉強不足だから。もっとよく読まなければ」と思うのではないでしょうか?それで解決する場合もあるかもしれませんが、実はその教材自体がそもそも説明不足だったり、学習者に合っていなかったりするかもしれません。「すごくわかりやすい!これならスムーズに学習できる」と確信できる別の教材を選び直したほうが、学習の目的を達成しやすいのではないでしょうか。お子さんの勉強を応援するのであれば、お子さんの理解度やペースに適した教材を吟味して選んであげましょう。最初はどの本や参考書を選べばいいか分からず、とりあえずネットで評判がいいものを探してみるかもしれません。しかし、どんなに評判がよくても、名著といわれていても、必ずしも自分にとっていい本とは限らないといいます。何を選べばいいか分からないとき、柳川氏(※)の場合はまず信頼できる人に紹介してもらうそう。しかし、それでも自分に合う本と出会うためには試行錯誤が必要とのこと。自分が理解しやすいパターンと、その本の説明や論旨の展開がかみ合っていないと、内容が頭に入ってこないからです。自分の学びスタイルの確定にもつながるので、数ページ読んでやめてしまう本があっても気にせず、合う本が見つかるまで試行錯誤を繰り返しましょう。そのほうが、結果的には効率がよくなるはずです。(※東京大学大学院経済学研究科教授・柳川範之氏)(引用元:StudyHacker|東大教授とハーバード合格者が教える「最高の独学法」)***ともすれば、古典的な知識だと思われてしまうプログラム学習。しかしその理論には、効果的な学びに欠かせない要素が詰まっていたのです。明日から使えそうなものはありましたか?(参考)Burrhus Frederic Skinner (1968), The Technology of Teaching, New York, Appleton-Century-Crofts.Burrhus Frederic Skinner (1999), Cumulative Record: Definitive Edition, Xanedu Pub.eLearning Industry|Instructional Design Models and Theories: Programmed Instruction Educational ModeleLearning Industry|Cognitive Flow And Online Learning: 4 Steps For Putting Your Learners In The Zone脳科学辞典|オペラント条件づけコトバンク|プログラム学習The B. F. Skinner Foundation|DifinitionSimply Psychology|Skinner – Operant ConditioningStudyHacker|効率的勉強法 —— これだけは知っておきたい5つの基本。StudyHacker|「勉強に集中」のコツは、身近な “ゲーム” に隠れていた!?『集中力アップ』3つのきほんStudyHacker|「何をやっても続かない人」が陥っている “3つの大いなる誤解”StudyHacker|フロー状態で勉強が効果的?コツは “ちょっと高め” の目標設定StudyHacker|東大教授とハーバード合格者が教える「最高の独学法」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|記憶力の要は「記憶の仕方」にあり。親が知っておくべき「記憶の脳科学」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|尾木ママ絶賛!“日本教育の3周先を行く“オランダの「イエナプラン教育」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|ドルトンプランの学校が日本にもできるってホント?知っておくべき3つの基本
2019年01月21日「ドルトンプラン」という言葉を聞いたことがありますか?1910年代に米国で始まった、自主学習を重視する教育方法です。モンテッソーリ教育やシュタイナー教育と比べて日本での知名度は低いかもしれませんが、いま日本でじわじわと注目を集めている様子。ドルトンプランとはどのような教育なのか、そして東京都で2019年に開校する、ドルトンプランに基づいた学校をご紹介します。ドルトンプランの発祥ドルトンプラン(Dalton Plan)を考案したのは、米国の教育者ヘレン・パーカースト(1887~1973)です。教育方法史を専門とする宮本健市郎教授(関西学院大学)によると、パーカーストはワシントン州の小学校で1年生の担任を務めた際、読書の時間にフォークダンスを行ったり、地理の時間に子どもを外に連れていったりなど、斬新な授業で注目を集めました。1910年に地元で大規模な競技場が完成した記念の祭典では、生徒のダンスを指揮して大成功に導き、教育委員会から表彰されたそうです。このことから、パーカーストが子どもの身体表現を重視していたことがうかがえます。同年、パーカーストは「実験室案(laboratory system of education)」という実験的な教育を実施しました。これは、教科ごとの「実験室」を設け、それぞれの部屋に担当教師を配置するというもので、のちのドルトンプランにつながっています。イタリア発祥のモンテッソーリ教育について学び、米国での普及活動を熱心に行ったあと、1919年、パーカーストはニューヨーク市に4年生~8年生を対象とした学校を設立しました。これが、2019年現在は幼児から高校生までが通う「ドルトン学校」の前身なのです。そして1920年に、マサチューセッツ州のドルトンという町で、上述の「実験室案」を実施しました。このときの教育法は、1922年に出版された『ドルトンプランの教育(Education on the Dalton Plan)』にまとめられました。ドルトン学校によると、この本は14の言語に翻訳され、世界的に受け入れられたそう。そして今でも、その独自性は高く評価されているのです。ドルトンプランの原則『ドルトンプランの教育』によると、ドルトンプランには「自由(freedom)」と「協働(co-operation)」という2つの原則があります。自由ドルトンプランにおいて、子どもには、邪魔されることなく自分の勉強に没頭できる自由が与えられなければいけません。子どもが物事に深い興味を抱いているときは意欲に満ちているのであり、勉強の過程で出現する困難さも乗り越えやすいからです。そのため、ドルトンプランにおいては、ベルによって授業時間を強制的に区切ることはされません。協働パーカーストの考えによれば、旧来の教育において、子どもは同じ教育課程の仲間と過ごすあいだ以外は集団で生活しないため、学校を卒業したら非社交的になりがち。しかし、社会生活とは「協働」および「相互作用(interaction)」なので、学校の成績がよいだけで生きていけるわけではないのです。そのため、ドルトンプランでは、子どもが意識せずとも社会の一員として動き、それを楽しめるような環境が整えられています。ドルトンプランの方法論実際、ドルトンプランは具体的にどのような教育を行っているのでしょう?パーカーストによると、ドルトンプランは固定のカリキュラムやメソッドではなく、時代を経て変化するもの。なので『ドルトンプランの教育』に書かれていることとは異なる点もありますが、現在のドルトン学校におけるキーワードと特徴を紹介しましょう。1.ハウス(House)ドルトン学校において、ホームルームのクラスは「ハウス」と呼ばれています。これは、ドルトンプランの原則である「協働」の精神を養う大事な基盤です。担任は「ハウスアドバイザー」といい、子どもひとりひとりの学習状況をサポートします。ドルトン学校のハイスクール部門(9~12年生)では、ハウスは学年混合で編成されます。実際の社会では、年齢が異なる人と共に活動するのが当たり前なので、より本物の社会に近い状態だといえるでしょう。2.アサインメント(Assignment)「アサインメント」とは、先生と子どものあいだで交わされる「契約」の意味。大学におけるシラバスをさらに詳細にしたような、授業で扱われる主な内容・宿題・レポートの規定・評価基準などが記されている冊子です。子どもはアサインメントを参照し、自分に何が求められているか把握しつつ学習を進めます。たとえば、ドルトン学校が公開している、8年生の歴史のアサインメントは、以下のような内容です。日本の学校や大学で、ここまで詳しい学習のガイドラインを提示してくれることはほとんどないのではないでしょうか?主要な問い:このユニットを読み進める際、以下の問いについて考えてください。これらはアメリカ独立もしくは現代にどう当てはまりますか?教室でのディスカッションや自分のノート、課題レポートなどで、これらの問いについて自由に言及してください。・「権力」や「力」を与えるのは誰ですか?いつ、どのようにして、権力は正当に(不正に)行使されますか?・権力を疑うことは、どのようなときに正当化されますか? 権力が尊重されるべきなのは、どのようなときですか?・すべての人間に共通しているのは、どのような「自然権」ですか?・暴力の行使は常に正当化されますか?暴力を避けるのであれば、変化を生み出すのにほかにどのような方法が可能ですか?(後略)課題読書についての説明:・それぞれの課題読書は、規定の締切日までに終わらせる(正確な締切日については、ムードル[※学習管理システム]またはホワイトボードの掲示を参照)。・自由に読み、先に進んでよい。・課題読書のメモをとる際、リーディング・クエスチョン(※)を使う。自分にとって最もよいやり方でメモをとる。・社会科の宿題に使うのは、30~45分のみ。(後略)(※「英仏間の戦争が『世界大戦』だとみなされうるのはなぜですか?」など、テキストの内容についてより深く考えるきっかけとなる質問)(引用元:The Dalton School|Assignment: Revolutionary Argument)3.ラボ(Lab)「ラボ(ラボラトリー)」とは、子どもと先生が1対1もしくは小グループで行う話し合い。課題について相談したり、授業内容について発展的な質問をしたりできる、貴重な時間です。9~12年生の場合、ラボは各教科専用の部屋で行われます。これは、生徒がいつでも使えるよう、専門的な本を並べた場所。パーカーストはこれらの部屋を「Laboratory」と呼び、生徒が勉強に没頭できる場所として重視していました。そもそも、ドルトンプランの元の名称は「ドルトン・ラボラトリー・プラン」。理科の実験を重視していると誤解を受けないよう、「ラボラトリー」が外されたという経緯があります。ドルトンプランのなかでも特に核となるのが、ラボだといえるでしょう。日本にドルトンプランの学校はある?モンテッソーリ教育やイエナプランのように、異なる年齢の子どもたちを一つのクラスに編成するオルタナティブ教育は珍しくありませんが、ドルトンプランの「アサインメント」「ラボラトリー」はかなり独特ですね。このような教育課程を経た子どもは、自主性や学習に対する意欲を育みそうです。ニューヨークに留学することなく、このような教育を受けさせたいと思ったら、どうすればよいのでしょう?実は2019年4月、東京都調布市に「ドルトン東京学園中等部・高等部」が開校するのです。ドルトンプランを全面に押し出し、「主体的に学び、探究・挑戦し続ける」「多様性を理解し、他者と協働する」などの生徒像を掲げています。ドルトン東京学園では、ドルトンプランの重要な3要素であるハウス、アサインメント、ラボラトリーが実施されます。まず、クラスとは別に、中等部1年~高等部3年のそれぞれの学年から編成されるハウスが組まれ、「異なる学年の生徒集団が、主体的に活動内容を考え、協働して実践していく」コミュニティとなるそう。また、学習内容ごとに作成されるアサインメントには、学習の流れや評価方法などが書かれており、生徒が計画的に学ぶ姿勢を身につける手助けとなるのだとか。そして、ラボラトリーは生徒が自由に使える時間。中等部1年では週に2時間程度ですが、高等部では増えます。生徒はこの時間に教員からアドバイスを受けたり、グループ学習をしたり、一人で学んだりと、自分で設計した学習計画に沿って勉強するそうです。ドルトン東京学園では、生徒がさまざまな経験をし、主体的に発信を行える機会を持てるよう、多くの個性的な行事が予定されています。仲間と協力し、努力した成果を大勢の人の前で見せることを通じ、コミュニケーション能力や主体性が養われることは間違いありません。-スポーツフェス:ハウスの一体化を目的に、ハウス対抗の団体種目を行う。-STEAMフェス:個人およびハウスで科学技術を研究し、発表する。-アートフェス:本格的な舞台装置のある講堂で、演劇や演奏を発表する。また、ドルトン東京学園は「グローバル市民」の育成を目指しており、英語教育にも力を入れています。中等部・高等部の6年間で生徒全員が2回の海外研修を経験するほか、英語を日常生活だけでなくビジネス、アカデミックの分野でも使えるように授業が行われるのだとか。一般的な日本の学校で行われている画一的な詰め込み教育とは、何もかもが違うといえますね。***自主性と、他者との協働。ドルトンプランは、まさに21世紀のグローバル社会で必要とされているこれらの能力を伸ばしてくれる教育だといえるでしょう。意欲を持って自ら勉強に取り組み、さまざまな立場の人たちとの交流を楽しみ、自分の活動を積極的に発信できる人間になってほしい――。そんな願いを持つ親御さんは、ぜひチェックしてみてください。(参考)Helen Parkhurst (1922), Education on the Dalton Plan, New York City, E. P. Dutton.The Dalton SchoolDalton 100|22. Education on the Dalton PlanJ-STAGE|ドルトン・プランの成立過程とヘレン・パーカーストの思想形成ドルトン東京学園中等部・高等部
2019年01月13日Q. 学習障害(LD)にはどんな種類があるのですか?A. 学習障害(LD)はいくつかの分類法があり、名称や分類はさまざまですが、以下の3つのタイプに大きく分けられます。・読字障害(ディスレクシア)…読むことの困難・書字表出障害(ディスグラフィア)…書くことの困難・算数障害(ディスカリキュリア)…計算の困難、数字の概念Upload By 井上 雅彦学習障害は学校などで読み・書き・算数といった学習のメインとなる部分で困りごとに直面することが多いので、その困りごとのタイプによって分類されることが一般的です。人によって程度やあらわれる困りごとはさまざまで、一つだけではなく、重なってあらわれる場合もあります。また、下の図に示す通り、教育現場や法律、医療の場によっても呼び方や概念が変わり、統一された分類がないのが現状です。分類や診断名だけにこだわリ過ぎず、困難がどこにあるか、その背景要因によってどのタイプに当てはまるのかを早期に理解し、工夫して対処することが学習障害のある子どもをサポートするためにとても重要です。Upload By 井上 雅彦【図解】学習障害(LD)とは?イラスト図解でポイントを解説!ディスレクシア(読字障害・読み書き障害)とは?症状の特徴や生活での困りごとは?「書くのが苦手」はディスグラフィア(書字障害)かも?症状、原因、困りごと、対処法まとめ算数障害(ディスカリキュリア)とは?症状、診断、対処法まとめ(8)LD、ADHDの教育 | 文部科学省
2018年11月21日Q. 学習障害(LD)の定義はどんなものですか?A. 学習障害(LD)は、知的発達に遅れはないのに、主に「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった能力の習得や使用に著しい困難があることを言います。Upload By 井上 雅彦定義は一つではありませんが、日本でよく使われる定義は、主に学校教育に関係する文部科学省のものです。文部科学省の学習障害の定義は以下の通りです。学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。ほかにも、医学的な診断基準「DSM-5」「ICD-10」における定義や概念があります。使われるシーンや状況、立場によって、定義を始め、含んでいる困りごとの種類や名称などには、少しずつ違いがあります。Upload By 井上 雅彦■医療:アメリカ精神医学会の診断基準の「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)について詳しく知る■医療:WHO(世界保健機関)の医学の診断基準の「ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10版)」、ICD-11とは?ICD(国際疾病分類)の概要について詳しく知る■行政・法律:日本でのさまざまな法制度の根拠となる「発達障害者支援法」発達障害者支援法では、「ICD-10」に基づいて学習障害が発達障害の定義に含まれています。困りごとの内容は、一つだけでなく複数あらわれたり、一人ひとり状態は異なります。定義にぴったり当てはまることはむしろ少ないとも言えます。もっと詳しく知る参考書籍 :(日本精神神経学会 (監修), 高橋 三郎 (翻訳), 大野 裕 (翻訳), 染矢 俊幸 (翻訳), 神庭 重信 (翻訳), 尾崎 紀夫 (翻訳), 三村 將 (翻訳), 村井 俊哉 (翻訳)『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014年・医学書院)(8)LD、ADHDの教育 | 文部科学省
2018年09月28日トップライター:ヤナトモ「宿題は成績向上に効果なしという研究結果」こんな見出しの新聞記事が、SNS上でバズっていました。もとをたどれば実は、「宿題は多すぎない限り、子どもの成功を助ける」という研究結果※で、それによると、学年×10分が家庭学習の目安。高校生でも2時間以上の家庭学習は、高い効果が期待できないのだとか。しかし、現実は。息子2号(小5)の学校から配布された「家庭学習の目安」には、5~6年生は90分という、研究結果の目安より、かなり長い時間が記載されています。息子2号の毎日の宿題はプリント表裏「自主学習」ノート算数1ページ+漢字1ページそのうち漢字は、千マス以上の方眼ノートに隙間なく漢字を書き、マスの谷間に読み仮名をふるというルールがあるんだそうで。これが相当に嫌らしく、毎日毎日、大きなため息をつき、ボヤきながらやっているのです。ボヤキがあまりにしつこく、うるさいので、「そんじゃあ、どんだけうざいのか、やってみようじゃあねえか!」と、実際に宿題……改め「自主学習」ノートにチャレンジしてみることにした母。「大人の実力見したるわ!ドヤ!!」とばかりに、超高速かつ雑に書き取りしてみました。結果は……1ページ20分以上かかったうえに、ものすごい疲労感。手が疲れる。そして何よりもつまらない。これを来る日も来る日もやるかと思うと、確かにうざいですね。とはいえ、この宿題…改め「自主学習」がなくなることはなさそうなので、「どうせやらなきゃいけないなら、自分の身につくメリットのあるやり方にしたら?」「テストで間違った漢字とか、自分が覚えたい漢字だけ選んでやったら?」「読み仮名は1回でいいんじゃないの?」などと、さまざまなアレンジを提案してみますが、「そんなのダメなんだよ!やり直しさせられるんだよ!」と、あくまでもルールを守ろうとする2号くん。先生の言うことは絶対です。「たまにはさ、すき間を開けてスカスカで提出してみたら?」「そうだ!今日は漢字さぼっちゃえ♡」と、だんだんふざけた発言をするお母さん。お母さんの言うことはテキトーです。「自主学習」という名前が付いているのに、何をやるかの選択はできない。時間や、やり方に基準がある。もはやそれは「課題」ではないのかな。イヤイヤやる、面白みのない勉強に意味はあるのかな?せっかくなので、夏の個人面談で担任の先生に相談してみました!結果は……親子で相談したことならアレンジしていい。ルールは絶対ではない。とのこと。(自由があるなら、はじめから子どもたちに伝えてくれたらいいのになぁ……)宿題の量は学年で統一して決めるらしい。状況に応じて量を加減することもあるようで、ほかのクラスの宿題情報を聞きつけた子どもたちは、「自学ノート1ページに減らしてもらったらしい」「ずるい」「隣の先生は優しい」などと、隣の青い芝生をのぞいては、苦々しい思いをしているよう。息子1号(高3)「おいおい。誰のための宿題か?って話だよ。そこ考えろ」母「ほおほお。考えた結果、あえて宿題をやらなかったってわけだね?」息子1号(高3)「そうそう。そういうこと(ニヤニヤ)」ちなみに2号くん、漢字の書き取りはもうだいぶ慣れてきたそうで。母にグチることで、やる気を奮い起こしているんだとか。わかるわー。グチを吐き出すことで、がんばれるところってあるよねぇ~。あっ!そういえば、彼のため息小芝居劇場にいちいち反応して助言したらダメだったんだ。以前にお話した気ままに営業中!バーBBAの行方は……ひたすら同意してうなずいて聞き役に回る……これこそが、わたしが自らに課した「自主学習」ですよ。がんばるぞ、あたし!チェストー!※ 2006年 米Duke大学 Harris Cooper教授の研究結果よりヤナトモ宮崎県在住/40代高3、小5の男児の母。趣味は哲学。
2018年09月13日学習障害(LD)とは?学習障害の特徴をまとめると、以下のようになります。Upload By 発達障害のキホン例えば、通級による指導の対象を示す場合など、教育現場で使われることの多い、文部科学省の学習障害の定義は以下の通りです。基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。他にも、医学的な診断基準による定義と行政的な定義などで若干の違いがあります。以下の図に示すように、使われるシーンや困りごとの傾向によってさまざまな名称が使われる場合があります。Upload By 発達障害のキホン「読めるのに書けない」など苦手や困りごとは、人によって一部だけに極端に表れることもあれば、いくつか重複していることもあります。自閉症スペクトラム障害やADHD、協調性運動障害や感覚過敏などの他の障害を合併している人もいます。特定の学習にだけ困難がある場合、周りから理解されにくく、「怠けている」などと誤解され、苦しんだり、不登校やうつなどの二次障害に陥ってしまう子どもも少なくありません。障害の名称や診断の有無などにこだわりすぎず、一人ひとりどのような特性や困りごとがあるか理解し、対処していくことが非常に重要になります。学習障害(LD)の3つのタイプと特徴・症状学習障害の困りごとには以下の3つのタイプがあります。症状や困りごとが全てあてはまる人はかえって少なく、特徴は人それぞれです。年齢によって困りごとや特性が変化したり軽減することもあります。複数のタイプが混じっていることもあります。※以下で紹介する症状・困りごとは年齢や学習の習熟度などによって、誰にでも見られるものもあります。当てはまるからといって学習障害であるとは限りません。学習障害と診断された人の中で一番多く見られるタイプで、見た文字を判別して読んで理解したり、音にするのが苦手です。読むことに障害があると、結果として文字を書くことにも困難を感じる場合が多いため、読み書き障害と呼ばれることもあります。Upload By 発達障害のキホン読字障害(ディスレクシア)を詳しく知る「文字が書けない」「書いてある文字を写せない」などの書く能力に困難があるタイプです。文字が読めるのにもかかわらず書けない場合もあります。Upload By 発達障害のキホン書字表出障害(ディスグラフィア)を詳しく知る数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手な学習障害のタイプを算数障害・ディスカリキュリア(dyscalculia)と呼びます。数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合がほとんどです。「1」「2」「3」などの基本的な数字や、「x」「+」などの計算式で使う記号を認識することに困難をもっていることもあります。Upload By 発達障害のキホン算数障害(ディスカリキュリア)を詳しく知る学習障害の原因は?学習障害の原因は、医学的にはまだはっきりとは解明されていませんが、以下のようなことが研究から分かってきています。Upload By 発達障害のキホン中枢神経は脳や脊髄、体のさまざまな部分の働きを指令する部分です。学習障害の症状は、情報を伝達し処理する脳の機能がスムーズに働いていないことで引き起こされると考えられています。学習障害の症状・困難の理由を理解しようじっと見つめたり、視線を上手に動かすことが困難で、行を飛ばして読んだり黒板の文字を写すのが苦手な場合があります。見た情報を脳が処理する視覚認知の機能が弱く、文字を認識するのが難しいこともあります。また見え方に特性があり、文字がぼやける、黒いかたまりになって見える、逆さまに見える、歪んで見えるなど違った見え方になってしまう人もいます。Upload By 発達障害のキホン文字と音を結びつけるのが難しいため、音声を聞いて文字を書いたり、文字を見て即座に読み上げるのが難しいことがあります。文字を書くという動作自体が苦手です。脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能がうまくいっていないからだという説が有力です。文字を揃えて書く、バランスを考える、筆圧を調整する、文字間の距離感を取るなどが苦手です。そのため、筆算の際に桁がずれることも多くなり、間違えやすくなることもあります。一度にいろいろなことをするのが苦手で、聞きながら書く、読みながら意味を考えるなどが難しいこともあります。記憶するのが苦手な場合、漢字の形や読み方をなかなか覚えられないこともあります。記憶や推論することが苦手だと、数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識するのが難しかったり、文章題を読み、意味を理解することや、グラフや表、図形などからイメージすることが苦手だったり、算数障害につながることもあります。Upload By 発達障害のキホン視覚過敏があって紙の白さが眩しく見えるなどで、文字が見えづらいことも。聴覚過敏・鈍麻のために話が聞き取りづらかったり、集中できないケースもあります。その子の困難の背景を考え、寄り添ってサポートを苦手さの理由や原因は一人ひとりのケースで違います。その子がどこに困難を感じているのか、またその理由はどこにあるのかを観察してみるとよいでしょう。環境を調整したり、やり方を工夫したりすることで対処法が見つかることがあります。現在は、見分けやすいチョークやユニバーサルフォント、音声読み上げ機能のある電子教科書、タブレットやキーボードなど、学習障害のある子をサポートする道具や機器もあります。その子がうまくいきやすい方法があれば、学校での合理的配慮を求めることもできますので、ぜひ、学習障害について理解を深め、サポートしていきましょう。学習障害をもっと知るためのリンク集学習障害についてもっと詳しく知る学習障害の診断・検査通級指導教室について知る障害者手帳の取得法、利用できるサービスを知る障害児が受けられる福祉サービスを知る障害者が受けられる福祉サービスを知る合理的配慮の受け方、具体例を知る学習障害の子どもへの接し方親子のヒント発達障害者支援法、ADHDの教育|文部科学省参考書籍:『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』(医学書院)参考書籍:『ICD-10精神科診断ガイドブック』(中山書店)参考書籍:「怠けてなんかない!ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち」品川 裕香
2018年09月06日