あなたの家庭では両親の介護をしていませんか?介護疲れの中年女性の間には、睡眠不足に悩まされている人が多いのだとか。でも、ぐっすり眠れない理由は肉体的に疲れているからだけではないらしいのです。介護疲れで女性の寝不足は加速仕事と介護の両立は難しいといわれています。法律上、年間最大93日まで介護休暇を取得することが認められていますが、実際の利用者の割合は東京都で1割未満。利用率の低さは、周囲の理解が進んでいないからという声もあります。働きながら両親の介護をしている人のなかには、自分も体調を崩してしまったという人もいます。特に、介護疲れによる体調悪化は女性に多いといいます。独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、男性27.3%に対して、女性は47.9%が不調を感じているそうです。実は、介護は不眠に関する病気の原因になるものだという意見も。具体的な理由をみてみましょう。介護による寝不足の原因は精神的ストレス介護疲れをした人は、精神生理性不眠症や概日リズム睡眠障害などを引き起こすケースが少なくないようです。実は、その理由はおむつ交換や痰の吸引など、深夜に起きて介護を行うことに対する肉体的負担だけではないのです。塩見利明著『眠れないあなたに睡眠科による不眠の医療』によると、介護における最大の精神的負担は「孤独感」なのだとか。周囲の人から、介護の大変さへの理解が得られないストレスによって、睡眠に関する病気を発症しやすくなるのだそうです。また、両親の介護を行う年代の女性は、更年期障害や空の巣症候群など、不眠に悩まされやすい年代だといわれています。介護からくる寝不足を解消するには、周囲の協力が欠かせません。家族は、行動を手伝うだけでなく、優しい言葉を掛けてあげるようにしましょう。ぐっすり眠れば介護疲れも乗り切れる!介護疲れでぐっすり眠れないというあなた。よく眠れない原因は、家族に相談できずに一人で介護を抱えてしまっているからかもしれません。さらに、短時間で質の低い睡眠を続けていることから、体調不良になりやすいのです。なんとなく眠りが浅いと感じたとき、良い眠りのポイントは、体の負担だけでなくストレス解消を意識すること。そのためには、夫がお休みの日は介護を交代してもらう、デイケア等を利用するなど、介護の方法を工夫してみましょう。また、家族と相談するだけでも、心がスッキリするかもしれません。心身ともに負担を軽減すればぐっすり眠れるようになるはず。良い睡眠サイクルで介護疲れを乗り切りましょう!Photo by Ulrich Joho
2015年01月26日もし自分の家族に何かあったら、その時みなさんはどうしますか?実は、30代後半の女性にとって、家族の介護のことは身近な問題です。いざというときのために、今から少しずつ知っておきたい介護のことを紹介したいと思います。30代女子でも多数!! なめてはいけない30代での介護経験30代で家族の介護なんて、まだまだ現実味がない人は多いと思います。でも親世代に限らず、家庭の事情によっては祖父母世代の介護をすることになる場合もあるでしょう。総務省が平成24年に行った調査では、40歳未満女性の実に30万人以上が在宅介護をしていることがわかりました。この数字は決して他人事ではないレベル。いつ自分がその立場になってもおかしくありません。親世代の晩婚化や少子化の影響で、アラサー世代も介護を担う可能性が高くなっているようです。そこで実際にアラサーで介護を経験したという編集部のN女史に、介護をすることになったときに覚えておきたいポイントを伺いました。30代介護経験者が語る「介護に潰されないための心構え」その1. 一人で抱え込まないN女史いわく、一番大切なことは「一人で抱え込まない」ことだそう。でもアラサー世代には介護の問題を共有できる友人がいる人は多くはありません。そのため介護の辛さを一人で溜め込んでしまう傾向があるのだとか。N女史の場合は、介護の悩みを抱える人たちが集うサイトなどを利用したそうです。身近に相談できる人がいなくても、こうしたサイトを利用することで同じような悩みを抱えた仲間に出会うことができます。たとえ介護の状態は改善しなくても、誰かにわかってもらうことで心が楽になることがポイント。その2.割り切ることも必要高齢者の介護は、若いときの病気とは違い、どんなにケアをしても快方に向かうとは限りません。N女史の場合、被介護人である祖母は認知症で、介護しているN女史のことすら忘れてしまうこともあったのだとか。「せっかく介護しているのに、何のためにやっているのかわからなくなりました」と。しかし、そういう病気なのだと割り切って介護に臨むことにしたそう。割り切るにあたりN女史は、次のように考えたと言います。「生きていくれているだけでも十分と思う」「小さい頃から育ててくれた恩返しと思うことにした」大切な家族だからこそ介護をしているのに、肝心の被介護人にはそのことすら伝わっていないというのは辛いことです。そんなときにも、介護コミュニティサイトは役立ったそうです。その3.自分にもリフレッシュタイムを設ける介護が長引く中では「もう無理だ」と思う瞬間もあったと言うN女史。そんな時は、在宅介護サービスを利用して、ひとりきりになる時間を作っていたそう。介護中は被介護人への配慮から、自分が楽しむことに罪悪感を感じる人は多いと言います。しかし、いくら介護中でも全ての時間を介護だけに使っていては、自分の心が壊れてしまいます。介護中は外の世界と遮断されやすいので、意識して外に出て、リフレッシュタイムを作るようにしたいものです。辛い時こそ、思い出を蘇らせて!介護が辛い理由は、回復の見通しのない病状や長い拘束時間、体力的な疲労、など様々あると思います。そんな辛い時は、昔元気だった時にくれた手紙などを読み返していたと言います。元気な時の様子や、優しくしてもらったことを思い出すことで、かけがえのない家族であることを再認識して介護に臨んだのでしょう。だからといって、介護の辛さが吹っ飛ぶわけではありませんが、できるだけ長く被介護人に対して愛情を注ぎたいという気持ちを感じました。介護者が、人生を楽しむために必要なこと紹介したのは、介護する側の心構えとでもいう内容です。でも「自分は一人じゃない」ということに、追い詰められた当事者は気づくことが難しいことも事実。また心構えだけでも、介護の問題は解決できません。昨年、NHKのクローズアップ現代で放送された「介護で閉ざされる未来」では、介護によって就職や結婚を諦めざるを得ない状況に追い込まれた若者が紹介されました。放送後、番組に寄せられたコメントには、同じように介護のために人生に希望を見出せない人たちのリアルな声が寄せられていました。先の見えない介護生活に、恋愛も結婚も、出産も諦めたというコメントも。アラサーでこんな苦しみを抱えた女性がいるということを、わたしは知りませんでした。番組では国によるシステム作りの重要性などが語られていますが、高齢化が進む日本では誰にも起こり得ることとして、多くの人が関心を持つことも大切ではないでしょうか。どんな問題も無関心が一番の敵。少し周りに目を向けてみようかな、コラムを書きながら、わたしもそう思った一人です。
2015年01月25日仕事、結婚、出産……。いろんな選択肢が目の前に広がり、悩みの種が多いのがアラサー世代だと思います。しかし、そろそろ気になってくる悩みが、もうひとつ。それは「親の介護問題」です。親と久しぶりに会って、「昔に比べると、なんだか老けたな~」なんて感じることも増えてきたのでは?高齢化が急速に進み、平成72年には女性の平均年齢が90歳を超えると言われています。あなたが高齢者になってからも、親の介護を続けている可能性だってあるのです。さらに、介護をする人の約7割が女性というデータも。「これからの時代は男女平等!」なんて言ってもやはり、介護の負担は女性が担っているのが現実です。介護は、精神的にも肉体的にも覚悟して挑まなければならないハードなものです。その時になって慌てないように、今から「介護に直面しても慌てないで済む方法」を知っておきましょう!機能性の高い「介護車両」は、心強い味方になる!女性が介護を上手にこなすポイントは、介護のアシスト製品やサービスを活用しまくることです。力の弱い女性が介護をがんばるには、これが一番です!幸い、現代はさまざまなアプローチから介護サポートが用意されています。代表的なものが、介護車両。車椅子の高齢者を自家用車に乗せるのはとても大変ですが、介護車両はさまざまな面からサポートしてくれます!・座席が回転することで、乗り降りがスムーズになる「スライドシート車」・電動で座席が回転したり、乗り降りしやすい位置までアップダウンする「昇降シート車」・リフトの上に車椅子をのせて、電動でリフトを昇降させる「車椅子移動車(リフトタイプ)」などがあります。ふだんは電車やバスなどの公共機関を使っていて車に乗らないという人も、介護生活が始まったら、移動手段を車両メインに切り替える方がよさそうです。介護車両は、自動車メーカー各社から販売されているので、各展示場で見ることができますよ。意外と介護に使える裏ワザ「古武術」男性よりも腕力のない女性は、高齢者を移動させたり、体勢を変えさせるだけでもひと苦労します。たとえ小柄なお年寄りでも、脱力した大人の身体を持ちあげるのは、決して容易ではありません。そんなときに使える意外な裏ワザが、日本の伝統的な「古武術」です。古武術のメソッドを介護に取り入れることで、私たちの持っている力を最大限に引き出すことができるのです!たとえば、高齢者の身体を持ちあげるとき。「手の平を外側に向けて組み、高齢者のお尻の下にあててすっと持ちあげる」など、ちょっとしたテクニックを取り入れると、背中や腕全体のパワーを引き出して軽々と持ちあげることができちゃいます!いざというときに慌てないように、親の介護のことを、そろそろ視野に入れておきましょう。【参考】※ 介護車両・・・日本自動車工業会※ 古武術・・・岡田慎一郎公式サイトImage photo by Pinterest
2014年10月08日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門が相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、サンディさん(46歳)からの介護の悩みに心屋塾上級認定講師のいかり屋圭子さんからアドバイスをいただきました。 みなさん、まだまだ親は元気だし、なんて気楽に捉えていませんか。でも、いざという時ご両親を、そしてもしかしたら彼の親御さんも面倒をみる覚悟やプランはできていますか。なかなか他人事とは言えなさそうです。■サンディさんのお悩み介護の仕事を23年続けながら、87才の母と17才の愛犬をみています。どちらも認知症です。特に愛犬は昼夜問わず泣き叫ぶようになりました。 犬好きのご近所さんとペットホテルに日中はお世話になっています。母は毎日デイサービスに行っています。最近、家族のことを人任せにしておいて、介護の仕事をしているのはおかしいのでは? と思うようになりました。まずは家族を大切にすることが一番のように思えます。好きで続けてきた仕事ですが、一度辞めて、限りある家族との時間を過ごした方が良いのでしょうか? 経済的な不安も少しあります。辞めるべきか、続けるべきか悩んでいます。アドバイスよろしくお願いいたします。■心屋塾上級認定講師・いかり屋圭子さんよりサンディさん、こんにちは。お悩みを読ませていただきました。認知症のお母様と愛犬の介護と、仕事のことで悩んでいらっしゃるのですね。「辞めるべきか続けるべきか」正解は誰にもわかりません。どちらを選んでもいいと思います。たぶん、どちらを選んでも、また悩むこと、悔やむことはあるかもしれません。けれど、大事なことは、サンディさんが今、本当に選びたいのはどちらなのでしょうということです。家族の介護を選んだら、経済的な不安を少し感じることでしょう。仕事を選んだら、限りある家族との時間を犠牲にしているようで自分を責めてしまうかもしれませんね。いずれにしても、何か、嫌な気持ちを抱えることはありそうですね。決めるのはあくまでサンディさんですが、ほんの少しだけアドバイスできるとしたら、お金は後からでも得ることができると思います。が、ご自身でも書かれているように、家族との時間には「限り」があります。いつか終わりがきます。またサンディさんのお仕事は「介護職」ということで、常にある一定の需要は見込めるお仕事です。たぶん、一度辞められても、また就職することは十分可能だと思えます。そんな、ごく一般的なアドバイスをさせていただいた上で、サンディさんは、今どう感じますか。お仕事を辞めて、家族の介護につこうと思うでしょうか。もしくは、やはり仕事を続けようと思うでしょうか。どうぞ、「自分が心からそうしよう」と思うほうを選んでみてください。お母様のために、ではなく、愛犬のために、でもなく、「自分がそうしたい」と思うほうを選んでみてください。「こうするべき」「ああするべき」という「べき」は何もありません。ここでもう一度、ご自身が書かれた相談文を読まれてみてくださいね。本当は、もうどちらにするかわかっていらっしゃると思えました。そして、サンディさんならどちらを選んでも大丈夫です。自分の気持ちを最優先にして、その選択に自信を持ってくださいね。優しいサンディさんのことを陰ながら応援しています。【特集】 凍えたココロがほっこり温まる、心屋仁之助 塾 【質問募集】 心屋仁之助 塾 一門にお悩みを相談したい方はこちら
2014年09月30日森永乳業グループのクリニコは15日、介護食「やわらか亭」シリーズより「やわらか亭ステーキ丼」を発売した。○介護食「やわらか亭」に、"驚きのやわらかさ"のステーキが登場「やわらか亭」は、国産の米をやわらかく炊き上げたごはんを、1膳分(160g)ずつカップに入れた介護食シリーズ。温めなくて食べることができ、温める場合は500Wの電子レンジで約1分。ユニバーサルデザインフード区分2の「歯ぐきでつぶせる」かたさとした。ステーキ丼のみ、区分1の「容易にかめる」かたさとなっている。同商品は、牛の1枚肉をやわらかく加工したステーキ(インジェクション加工肉)をまるごと使い、やわらかいごはんをセットした丼。1,000食限定の発売。味わいは和風ソースを使用し、さっぱり食べやすく仕上げたという。内容量250gで、カロリーは187kcal。通信販売限定で、価格は1ケース(6食セット)が3,304円(送料・税込)。
2014年07月21日ワタミの介護は5月1日、介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護・申請予定)「レストヴィラ羽田」を開設する。○"子供たちと触れあえる"老人ホーム同施設は、中小製造会社や住宅がひろがる下町情緒豊かな場所に立地している。1階には、同社初の事業所内保育所があり、一緒にアクティビティを行うなど子供たちと触れあうことができる。各階には、冬にこたつを設置し、入居者同士でお茶を飲みながらテレビを楽しめる「お茶の間」スペースや、LPレコードが流れる喫茶室で読書、おしゃべりなどが楽しめる「昭和喫茶」スペースなど、ホームでの生活を楽しめる空間を用意するという。事業所内保育所を設置することは、同社の「子育て支援制度」の一つでもあり、"産前-出産-職場復帰"まで、安心して働くことができるようスタッフを応援する取り組みとのこと。所在地は、東京都大田区東糀谷5-19-18。鉄筋コンクリート造地上5階建で、居室総数100室、定員数100名(全室個室)。協力医療機関は、医療法人社団 至高会 たかせクリニックと田園二子クリニック。詳細は、同施設Webページを参照のこと。
2014年03月24日イーライフは10月16日~19日にかけて、同社が運営するクチコミプラットフォーム「buzzLife」(バズライフ)の会員約18万5,000人に対して、介護に関するアンケート調査を実施した。1万1,361名から回答が寄せられた。まず、現在介護に携わっているかどうかについて尋ねたところ、何らかの形で介護に従事している人は全体の15%弱だった。内訳は家族・身内が9%、次いで仕事4%弱、両方が1%となっている。年代別では40代以降に介護従事者が増加し、50代では5人に1人以上が家族または仕事で介護に従事していることが明らかとなった。上記の質問で、家族・身内の介護に従事している人を対象に家族の介護担当者について聞くと、1位は自分、2位は同居家族、3位は非同居の身内だった。外部サービスの利用は24.4%で4位。身内でカバーしきれない場合に外部サービスを利用している様子がうかがえる。続いて、介護に対する不安について尋ねたところ、「精神的負担や疲れ」「経済的負担」「身体的負担や疲れ」と回答した人が多く、6割超を占めた。次いで「時間的拘束」が5割弱、「仕事との両立」が4割弱。「介護者自身の精神・経済・時間」が3大不安となっている。具体的には「介護の時期と子どもの教育費が必要な時期が重なりそうで、経済的負担が心配」「介護は休む暇がなく、自分が誰かに助けてもらいたい」「終わりの見えない介護は精神的に不安」といった意見が寄せられた。不安の強弱は年代や置かれている状況、介護の従事経験などで変わるようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月17日エス・エム・エスはこのほど、同社が運営する介護に関するQ&Aサイト『安心介護』にて、介護現場における虐待の実態調査を実施し、その結果を発表した。同調査は、2011年9月29日~11月14日の期間にインターネット上で行われ、『安心介護』会員207名から有効回答を得た。それによると、日常的に家族の介護を行っている人の26%が虐待経験「あり」と回答。反対に、「なし」と答えた人は74%だった。虐待経験がある人に虐待の種類を尋ねたところ、最も多かったのは暴言やいやがらせなどの「心理的虐待」で84.9%に上った。次いで、被介護者に”暴力的な行為”をふるうなどの「身体的虐待」が41.5%、「介護放棄・放任」が17.0%、「経済的虐待」が3.8%となった。虐待をしてしまった主な理由としては、「1日に何度も何度も同じ話を繰り返すので、無視したり、暴言を吐いた。(心理的虐待)」、「認知症とわかっていても、暴言、強い反抗、親戚への虚偽の話につい手がでてしまった。(身体的虐待)」、「精神的疲労や介護に対する親族の理解・協力が得られなかったため介護放棄した。(介護放棄・放任)」といった意見が寄せられている。虐待経験「なし」と答えた人(74%)に、虐待をしそうになったことはあるかと聞いたところ、41%が「虐待をしそうになったことがある」と回答。これを計算すると、全体の30%が「虐待をしそうになったことがある」ことが明らかになった。「虐待をしそうになったことがある」頻度を見ると、トップは「数カ月に1回程度」で32.8%だったが、「週に1回程度」は26.2%、「1カ月に1回程度」は19.7%、「2週に1回程度」は9.8%、「毎日」は3.3%となっており、これらを合わせると「1カ月に1回以上」は59%と約6割に上ることが判明。また、「週に1回以上」と回答した割合で見ても29.5%と高い傾向にあることが分かった。虐待をしそうになってしまった主な理由を聞くと、「寝ずに、何回も大声で叫び、暴れられたとき」、「文句を言われたり、激しく罵られたとき」、「スムーズに介護ができなかったり、介護サービスを受けたがらなかったりするとき」などの意見が多くみられた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月05日介護分野などにおける情報インフラ創造を目的に事業を行っているエス・エム・エスは、同社が運営する、介護の悩みを専門家に無料で相談できるQ&Aサイト「安心介護」で、介護現場における「虐待」の実態調査を実施。その結果、約3割の家族介護者が虐待経験「あり」と回答した。調査対象は同サイト会員207名、調査期間は2011年9月29日から11月14日。「虐待の種類」を尋ねたところ、「暴言や、いやがらせ」などの心理的虐待が84.9%と最も多く、次いで被介護者に対する「暴力的な行為」などの身体的虐待が41.5%、介護放棄・放任が17%という結果となっている。虐待をしてしまった主な理由としては、「1日に何度も何度も同じ話を繰り返すので、無視したり、暴言を吐いた(心理的虐待)」、「認知症とわかっていても、暴言、強い反抗、親戚への虚偽の話につい手がでてしまった(身体的虐待)」、「精神的疲労や介護に対する親族の理解・協力が得られなかったため介護放棄した(介護放棄・放任)」などの意見が目立った。また、「虐待経験なし」と答えた人(全体の74%)に、虐待をしそうになったことはあるかの調査を行った結果、41%が、「虐待をしそうになったことがある」と回答。また、「虐待をしてしまいそうになる頻度」としては、「1カ月に1回以上」と回答した割合が59%と高く、「週に1回以上」と回答した割合で見ても29.5%と高い傾向がみられる。虐待をしそうになってしまった主な理由としては、「寝ずに、何回も大声で叫び、暴れられたとき」、「文句を言われたり、激しくののしられたとき」、「スムーズに介護ができなかったり、介護サービスを受けたがらなかったりするとき」などの意見が目立った。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月05日介護、医療、アクティブシニア分野における情報インフラを提供するエス・エム・エスは、同社が運営する「カイポケビズ」で、「従事者の不足状況に関する実態調査」を介護事業所の会員412人を対象に実施。その結果、約半数の介護事業者が人材不足の状況であり、従事者を募集しているものの、「募集をかけても応募が来ない」という事業所が約半数にのぼった。調査期間は8月13日から9月20日。「人材の不足状況は?」と尋ねたところ、アンケートに回答した介護事業所の約半数が、従事者が「不足している」、「非常に不足している」と回答。特に「訪問介護事業所」では81%が「不足している」、「非常に不足している」と回答した。他のサービス種類では、「居宅介護支援事業所」では24.9%、「通所介護事業所」では50%、「その他(福祉用具貸与事業など)」では47.1%が「不足している」、「非常に不足している」と回答している。「従事者が不足している背景は?」という質問では、「利用者の増加」と回答した割合が44.2%と高く、特に「居宅介護支援事業所」では55.2%、「訪問介護事業所」では48.8%と高い傾向がみられた。そのほか、「早朝、夜間、深夜等の特別時間帯や土日祝日における人員配置が必要」や「従事者の高齢化により後任の育成が必要」などの回答がみられる。また、「従事者を募集しているにもかかわらず、人材不足が解消しない理由は?」と聞いたところ、「応募が来ない(49.4%)」、「望んでいる人材に出会わない(40.1%)」と回答した割合が高く、「人材が定着しない」と回答した割合は総じて低い結果だった。そのほかの理由としては、「勤務条件が合わない」、「求人にかける予算不足」といった回答がある。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月03日”親のこと支援”ポータルサイトを運営する「オヤノコトネット」はこのほど、「介護の備えに関するアンケート」の調査結果を発表した。この調査は、同社が7月14日~15日に開催した「オヤノコト.エキスポ2012」にて、来場者356人に記述式アンケートを行ったもの。回答者の性別は男性48.6%、女性51.4%。年齢は10歳~84歳で、40歳~64歳が全体の63.8%を占めた。「自身が要介護状態になった場合を想定し、不安なことや気になることがあるか」を聞いたところ、70人が「介護費用や生活資金などの”お金の不安”」があると答えた。自由回答では「生活と介護にかかるお金が底をつかないかどうか不安」「介護費用。安い老人ホームがなかなかない。特養(特別養護老人ホーム)が2年待ちの状態とも聞いている」「一人暮らしなのでお金を残していないと老後が心配」などの声があがった。「自身が要介護状態になることを想定して備えていること」という問いでは、「介護保険等の社会保障制度に関する情報収集」をしていると答えた人がもっとも多く36%だった。「介護費用の貯蓄」については77.8%が行っておらず、介護費用の備えとして「民間の介護保険への加入」を行っている人は9.8%に止まった。この調査結果を受け同社は、「介護のお金の備え応援プロジェクト」を緊急発足。メディアやセミナー等を通じて、介護のお金の備えに関する実用性に富んだ情報提供を重点的に行っていくと発表した。詳細情報は「オヤノコトネット」へ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月04日フランスで大ヒットを記録した映画『最強のふたり』の特別試写会が、27日に名古屋で開催され、“笑う介護士”として知られる袖山卓也氏が、日本の介護の現状を通して本作を語った。その他の写真『最強のふたり』は、事故で全身麻痺となり車椅子生活を送る富豪フィリップと、介護者面接にやってきた黒人青年ドリスが出会い、ときに反発し合いながらも深い友情を育み、やがて“最強の友”となるまでを描いたヒューマンドラマ。袖山氏は、民間のデイサービスセンターを開設し施設長を務めるなど介護の現場で経験を積み、「有限会社笑う介護士」を設立。既成概念にとらわれず障がいを持つ人々に接する活動が話題を呼んでいる。今月だけでも劇場で7、8本の映画を観たという映画好きでもある袖山氏は、本作を「介護や医療の映画で“これはいいな”と思ったのは久しぶり」とコメント。劇中では初めて介護に携わるドリスの姿がユーモラスに描かれていくが、介護には「愛が絶対に必要。しかし愛情だけでは介護は続かない。繊細な配慮と技術。それは被介護者の安全のためになくてはならないもの」と説明。「だからドリスの介護は本来めちゃくちゃなんですよね」と、介護士ならではの視点でコメントすると、会場からも笑い声があがった。最後に、袖山氏は「この作品の笑いの中に、悲しみや笑顔など、いろんな感情が揺さぶられた思うが、その中で当たり前に生きてることのありがたみに、今日、気づいてもらえると、この映画を観た意味があるのではないか」と語った。『最強のふたり』9月1日(土)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
2012年08月29日介護のQ&A サイト「安心介護」を運営するエス・エム・エスは、同サイトのコンテンツ「介護の基礎知識」にて、初心者の抱える疑問解消に注力した新しいサービスを公開した。「介護の基礎知識」は、“今後の介護に備えて知識をつけておきたい”あるいは“介護が始まったばかりで何から手をつけていいのか分からない”といった介護初心者を対象に、介護をするうえで最低限知っておきたい「基礎知識」を集約したコンテンツ。特長としては、イラスト付きの分かりやすい説明に加え、いつどのページで疑問が生じてもすぐに介護の専門家に質問できるよう「介護のQ&A」と連動していること。従来の読むだけのコンテンツにはなかった、介護初心者の悩み・疑問への対応を可能にした「基礎知識」の学習コンテンツとなっている。同コンテンツの「介護サービス利用までの流れ」コーナーでは、介護のきっかけが発生し、サービス提供事業者との契約までの流れをフローチャート形式で解説。分かりにくい介護保険制度について説明する「知っておきたい!介護保険制度」では、対象者(被保険者の条件)、保険料、保険料の納め方、介護保険サービスの種類などについて、詳しく解説している。続いて「知っておきたい!要介護認定」では、要介護の認定・区分、認定調査の流れ、認定の有効期限、更新方法などについて説明。特定入所者介護サービス、高額介護サービス費、医療控除、高額医療・高額介護合算制度については「知っておきたい!負担軽減制度」で解説している。さらに様々な介護サービスや施設について説明する「介護サービス・施設ガイド」コーナーもある。いずれも説明を読んだ上でまだ不明点がある場合は、「もっと詳しく専門家に質問したい!」にリンク・投稿すれば、介護・医療従事者が質問に回答する。利用には会員登録が必要。サービス利用料は無料。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月19日インターネットインフィニティーは、同社が運営するケアマネジャー向けポータルサイト「ケアマネジメント・オンライン」と、介護者・被介護者向けポータルサイト「わかるかいご」をつなぐ新しいマッチングサービス「ここからかいご」を開始した。「ここからかいご」は、ケアプランを必要とする介護者や被介護者が、自身のニーズに合わせたケアマネジャーをインターネット上で検索し、ケアプラン提案依頼から相談、本依頼までを行えるサービスを展開する。現在、介護サービスを利用したい人は、地域の包括支援センターに直接赴き、当該地域の居宅支援事業所の連絡先を入手したうえで、個別に事業所に連絡を行う必要がある。そのため遠距離介護の場合などには介護者の負担が大きく、また事前にケアマネジャー単位での特色などを比較検討するなど、自分に合ったケアマネジャーの選定も困難だった。「ここからかいご」では、事前に登録されたケアマネジャー情報(所属、担当地域、性別、年代、性格、ケアプラン方針等)をもとに希望のケアマネジャーを選択できる。最大5名のケアマネジャーからケアプラン提案を受けることが可能。提案内容に関する相談を行った後は、最も望ましい提案・相談回答を行ったケアマネジャーに対しケアプランの本依頼を行う(実際の契約は別途必要)。ケアマネジャーにとっては、新規利用者を獲得する上での新しい窓口となる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月21日明治安田生命は、介護付有料老人ホームを運営する「サンビナス立川」を買収し、同社の子会社に統合したことを発表した。高齢化による介護ニーズの増大に対応するため、同社は、介護保障分野を死亡・年金・医療保障に次ぐ「第4の柱」として位置付け、介護関連サービスの商品販売の拡充を狙う。その一環として、介護付有料老人ホーム「サンビナス立川」の株式約90%を取得し買収、子会社化した。今後は、有料老人ホーム運営事業のほか、介護総合情報ポータルサイト「MY介護の広場」による情報提供、介護保険商品の検討・開発等をはじめ、介護に関するさまざまな保険商品の提供・充実を目指すとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月30日介護業トップのニチイ学館は、この4月から訪問看護サービスを開始すると発表した。開始はこの4月からで、現在ある在宅介護拠点等に併設するとし、平成25年度末までに100拠点を目標に開所するという。看護から介護までの一貫サービス提供が目的同社ではこれまで、顧客のライフステージに合わせた最適なサービスの提供と、多様化するニーズに対応するため、介護予防や在宅系介護サービス、居住系介護サービスといった介護保険内サービスから、家事代行サービス等の介護保険外サービスに至るまで、サービスラインアップの拡充を推進してきた。今回の訪問看護サービスの開始は、可能な限り住み慣れた自宅で自立した生活を営むことができるよう、医療機関との連携を密にしつつ顧客の療養生活をサポートして、医療(看護)から介護に至る一貫したサービスの提供体制の構築を図るものという。看護師の就業機会拡大と、サービス現場の活性化をまた同社は、当サービス推進にあたり、看護師の就業サポートや就業後のフォロー体制の強化、研修体制の強化等を積極的に推進することで、看護職や55万人にのぼるとも言われる潜在看護師の就業機会の拡大を図るとともに、同社の多彩なサービス提供現場での看護職の活性化に繋げるとしている。さらに同社の訪問介護事業所、通所介護事業所といった在宅介護拠点等への複合展開により、地域や顧客の利便性を追求すると共に、ニーズに即した有機的且つ効率的なサービス展開を推し進める。そして、医療関連事業で培った医療機関との太いパイプや、全国のトータル介護サービス基盤等、同社の経営資源を最大限に活用して、サービス間の相乗効果を追求するとしている。
2011年01月14日厚生労働省は12年度の介護保険制度改正で、介護保険利用者のうち、介護の必要度の低い人がサービスを利用した際の自己負担割合の引き上げを検討する。また高所得者に限り、現行の1割負担を2割にアップすることを視野に入れる。家事など生活援助のサービス縮小も検討項目に含めるという。これを毎日新聞などが報じている。保険料負担増や負担対象拡大、給付縮小などさらに、介護施設を利用している低所得者の居住費や食費を補助する「補足給付」対象者についても、選定を厳格化する案を考える。一方、介護サービスの内容は、ケアマネージャーの作成するケアプランによっている。今は自己負担がないことから利用者自身が内容を把握できていない問題もあり、この自覚を促す狙いもありケアプラン作成を1割負担の対象とするという。このほか40~64歳の保険料について、算定方式を各保険の加入者数で決める「人数割り」から、給与水準に応じて決める「総報酬割り」に変える案や、保険料徴収年齢の「40歳以上」から「40歳未満」への引き下げも挙げている。サービス充実に必要な財源確保のためと…これらは、サービス充実に必要な財源確保の目処が立たず、保険料の大幅上昇を避けるためにも自己負担の増加はやむを得ないと判断したためだ。00年度の制度発足時には3.6兆円だった介護給付費が、10年度予算では7.9兆円と倍以上に膨らんでいる。65歳以上の保険料は現在4,160円(月額、全国平均)だが、このままでは5,000円を超える可能性が出てくるという。同省は、28日の厚労相の諮問機関、社会保障審議会介護保険部会にこれらの案を論点として示すが、負担増には利用者や野党の大きな反発が予想されている。
2010年10月29日民間の介護補償保険ソニー生命保険株式会社が、11月2日より新しい介護保障保険商品を発売する。商品名は「終身介護保障保険(低解約返戻金型)・介護一時金特約」となる。ソニー生命では平成18年から、『5年ごと利差配当付終身介護保障保険』という商品を発売していたが、顧客からより低い料金で介護に特化した保険への要望が高まってきたことをうけ、死亡保障や解約返戻金を抑えた無配当タイプの商品を発売する運びとなった。同社は、これによって顧客が、死亡保障や解約返戻金を重視した契約と、介護保障に特化した契約を選択できるようになるとしている。はっきりとした目的新発売される「終身介護保障保険(低解約返戻金型)」の特徴は以下のようになる。1.介護保障は一生継続される。2.死亡保障や配当金がないぶん、割安な保険料。3.被保険者が要介護2以上の状態になったとき、介護一時金および介護年金が支払われる。4.被保険者が所定の高度障害状態・身体障害の状態などになった場合、以後の保険料の払込みが不要となる。同社によれば、昨今は核家族化の進行などに伴い、「介護への自助努力」の必要性が社会に認知されつつあるという。いざという時のための、1つの選択肢と言えるかもしれない。
2010年10月20日総額は6500億円超社団法人国民健康保険中央会が、平成22年5月分の「介護給付費の状況」を9月7日に発表した。資料によると、5月の介護保険サービス件数は約958万件となり、前年同月比で5.3%の増加。サービスの延べ日数は約1億578万日で同6.2%増。介護費の総額は6,551億円で、4.9%増となった。居宅サービスと施設サービス総額の内訳を見ると、訪問介護やデイサービスなど居宅サービス費が3,159億円で前年同月比7.3%増。夜間対応型訪問介護や認知症高齢者のグループホームなど、地域密着型サービス費は576億円で8.6%の増加。特養や老健などの施設サービス費は2,816億円(1.7%増)となった。居宅サービスと施設サービスが、利用者の大きな柱となっている現状がうかがえる。受給者の数は全国で4.6%増加の402万人。受給者の1人あたりの介護費用は、平均で16.3万円であった。さらにサービスごとの平均月額介護費でみると、居宅受給者が10.8万円。地域密着型サービスの受給者が22.5万円、施設サービス受給者が33.5万円となった。利用者が多く、かつ比較的症状が軽いとされる居宅受給者は、全体平均よりも受給額が低いが、それ以降段々と増えていく構図だ。また、厚生労働省が公表している、65歳以上が対象となる第1号被保険者数は、3月末で2,892万人(同2.1%増)となった。
2010年09月24日