「手相占いに誘われたら宗教勧誘だった話」が大人気の、のじ(@noji09noji)さんの新漫画をご紹介!<高校生で親の介護を体験した話>の第5話です。母が入院するため、母の友人宅に居候することになったのじさんでしたが…?【#5】<高校生で親の介護を体験した話>出典:instagram病院に連れてってもらえるみたい…出典:instagramこうして…出典:instagramあっという間に…出典:instagram新しい生活が…!
2021年12月30日コロナ禍となり、離れて暮らす親となかなか会えない、孫に会わせたくても会わせられない…といった切ない日々がしばらく続きました。今年の年末年始は、電話やオンラインで互いに元気な様子を確認する予定という方もいれば、様子をみつつも「久しぶりに実家の親と直接会う予定」といったご家族もいることでしょう。そんな子育て真っ最中のパパママたちに知って欲しい数字があります。離れて暮らす母親と話せる「人生の残り時間」は約26日間「老後の不安をゼロに」を提唱する株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)が今年9月に実施した調査によると、2020年4月以降「離れて暮らす親と会っていない」という方は67.8%という結果に。親と離れて暮らす約7割の人が対面で会えておらず、今年の年末年始が約2年ぶりの親と会うことのできる帰省シーズンになるのでは、と予想されています。もうひとつ気になる調査データがあります。「セイコー時間白書2019」によると、35~39歳の人が別居している自分の母親と生涯会って一緒に話せる時間は、626時間(26.1日)と、1か月を切る残りわずかな時間であるということが調査結果で判明しています。新たな変異ウイルス「オミクロン株」が世界的な拡大を見せ始めている現在、年末年始以降も親と会って話すことのできない日々がまだまだ続く可能性もあり、予断を許さない状況です。今後も親子で対面して話す貴重な時間が、さらに失なわれる可能性があるかも? しれません。今年の年末年始に帰省される方にとっては、約2年振りに親と直接会ってさまざまなことを話し合う「大切なタイミング」となるわけです。帰省時にこそ、介護や生前整理を話し合うキーワードは「親子でオープンな終活」!年々老いていく親のことは、頭の片隅で気になりつつも「元気だし、まだ大丈夫」と思っていませんか? 「親の介護」はいつ何時必要となるかわかりません。30代40代のうちから「知る」「備える」こと。そして、元気なうちに親としっかり話し合うことが何よりも大切です。今回の帰省タイミングだからこそ、思い切って親御さんと「介護や生前整理」について話し合いを始めてみてはいかがでしょうか。…とはいえ「かなりセンシティブなテーマだし、親もこの話は嫌がりそう…」となかなか踏み切れない方も多いはず。そこで、親子で終活をスタートするためのシンプルな【3つのポイント】をご紹介します。【親子で終活をスタートする 3つのポイント】・子から話を切り出す、肝心なスタートをポジティブなものにする・お金の話はプロにも相談・リサーチし、オープンに親子間で話し合う・介護保険サービスや介護施設を利用することに負い目を感じない親とのコミュニケーション問題はそもそも悩ましいテーマ。さまざまな専門サイトがあるので、まずはネット上で情報収集することから始めて、「わが家の場合」のイメージをしてみても。LIFULL介護の「tayorini~介護が不安な、あなたのたよりに~」()というサイトには、 #親とのコミュニケーション にまつわる記事も多いので、のぞいてみるのもおすすめです。介護費用は平均約500万円!親から発されるSOSはギリギリ株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)の調査によると、平均的な介護期間は4年7カ月、総介護費用は約500万円と、子のリタイア後に多額のお金が必要になることが予測されています。さらに、子の約6割が「親の状況を本人以外から把握する方法」が特になく、また「自分の体調についてすべてを伝えた」と思っている親が31%もいる一方で、「すべて伝えてくれた」と思っている子は9.3%と、親の伝達と子の理解に乖離が発生しています。こういったコミュニケーション問題に加えて、多くの親は「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから、ギリギリまでSOSを出さないのが現状のようです。久々に会って話すことができる今回の貴重な帰省タイミング。ぜひ、互いの体調を思いやり、楽しく語らう時間を過ごしつつ、現在の親御さん様子も把握した上で、「これからの親の暮らし方」についても話し合ってみましょう。久々の親子の対話の機会で確認すべき重要なテーマのひとつは、「介護」と「生前整理」の準備です。大切な家族だからこそ、明るく前向きに「親子で始めるポジティブな終活」をオープンに提案してみませんか?取材協力:LIFULL senior参考:LIFULL介護
2021年12月29日「手相占いに誘われたら宗教勧誘だった話」が大人気の、のじ(@noji09noji)さんの新漫画をご紹介!<高校生で親の介護を体験した話>の第4話です。友人のまみちゃんの家に行くことになったのじさん。不安からか、母にこんな質問をします…。【#4】<高校生で親の介護を体験した話>出典:instagramまみちゃんとは…出典:instagram「ねぇお母さん。」出典:instagram明るく話す母…出典:instagramあと4年しか…。
2021年12月29日「手相占いに誘われたら宗教勧誘だった話」が大人気の、のじ(@noji09noji)さんの新漫画をご紹介!<高校生で親の介護を体験した話>の第3話です。学校から帰宅すると、神妙な面持ちで待っていた母。検査結果はどうだったのでしょうか…?【#3】<高校生で親の介護を体験した話>出典:instagram大丈夫だよね…?出典:instagram信じられない…出典:instagram信じられなくて、話が入ってこない…出典:instagram毎日1日1話更新中♪次回の配信もお楽しみに!(lamire編集部)(イラスト/@noji09noji)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2021年12月28日「手相占いに誘われたら宗教勧誘だった話」が大人気の、のじ(@noji09noji)さんの新漫画をご紹介!<高校生で親の介護を体験した話>の第2話です。前回、母から体の不調を告げられたのじさんでしたが…?【#2】<高校生で親の介護を体験した話>出典:instagram母の心配をする私出典:instagramきっと大丈夫なはず!出典:instagram今日は寄り道せずに帰宅出典:instagram大事な話…?
2021年12月27日「手相占いに誘われたら宗教勧誘だった話」が大人気の、のじ(@noji09noji)さんの新漫画をご紹介!<高校生で親の介護を体験した話>の第1話、のじさんがまだ学生だった頃のお話です。【#1】<高校生で親の介護を体験した話>出典:instagram平凡な暮らしが一転…?出典:instagram母の体調がおかしい…?出典:instagram今日行くとのこと。出典:instagram母から体の不調を告げられた、高校1年生ののじさん。病院に行くとのことですが、何やら不穏な予感がしますね…。毎日1日1話更新中♪次回の配信もお楽しみに!(lamire編集部)(イラスト/@noji09noji)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2021年12月26日離れて住む親と会えない人が続出したコロナ禍。介護認定を受けながらも、一人富山の自宅で暮らす母を持つ柴田理恵さんに、“遠距離介護”を成功させる秘訣を聞いた--。「コロナ前は、お正月とお盆、それから富山の伝統行事で9月に行われる『おわら風の盆』の年3回、母が一人で暮らす富山に帰省していました。けれど、今年はお正月以降、会えませんでしたね」そう話すのは92歳の母・須美子さんの遠距離介護をする、柴田理恵さん(62)。10月20日には、須美子さんとの思い出をつづった絵本『おかあさんありがとう』(ニコモ)を出版した。小学校教員だった須美子さん。もともとは、勝ち気で厳しい人だ。「お箸の持ち方などしつけのことは、あまり言われなかったのですが、私が『あれ買って』って泣くと、お母さんは『めんどくさいから泣くな!』とぴしゃり」実家が旅館の須美子さんは料理が苦手。晩ご飯は柴田さんと祖父が作っていたという。「あるとき学校の宿題がたくさんあって『今日はお手伝いできん』と言ったんです。そしたら母は『お手伝いもできんような人間は宿題なんかせんでいい!』って。学校の先生なのに(笑)」怖い母親だったが、優しい一面も。柴田さんが高校生のころ、小学校時代に須美子さんが担任だった男の子と同じクラスになった。「彼は早くにお母さんを亡くしていて、おばあちゃんと暮らしていました。あるときその子に『ばあちゃんが倒れて遠足の弁当を作れなかったときに、担任だったお前の母ちゃんが代わりに作ってきてくれたんだ。本当にうれしかった』って言われて。この話を聞いたときは、ちょっと泣いた(笑)」照れ笑いする柴田さんだが、お母さんの話をする際、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。■母が洗濯物を出さない意外な理由そんな母・須美子さんの介護が始まったのは’17年10月のこと。柴田さんのもとに、須美子さんから「高熱が出た」と連絡が入った。「近くに住む従弟(いとこ)に母を病院に連れていってもらうと、腎盂炎(じんうえん)と診断され、入院することに。慌てて駆けつけ『お母さん、わかる?私だよ』と話しかけても、意識がもうろうとして『あ~あ~』と言うばかり。お医者さんから終末期医療に関する話もされ、そのときばかりはこのまま認知症になって亡くなるのかなと思いました」気丈な母の弱った姿は、さすがの柴田さんでもこたえたという。「しばらくして少し回復した母に、『お母さん!』って声をかけたら、私のことがわかったんです。それで『何か目標を持とう。何したい?お正月私に会いたいよね?』と聞いたら『会いたい』って。『正月一緒に酒飲みたいよね?』の質問には『飲みたい』と即答。だから『よし!酒飲めるように頑張ろう!』って励ましながら、リハビリをはじめました」入院した当初に受けた介護認定調査で要介護4と判定されていた須美子さん。しかし、必死の頑張りで、みるみるうちに回復。お正月には、一時帰宅してお酒を飲み、その後無事退院を果たした。当初、柴田さんは、須美子さんが再び一人暮らしをすることに不安を抱いていたという。「母に“東京に来て一緒に住む?”って聞きました。そしたら『友達もいるし、富山にいたい。それに、施設に入るとお茶や謡(うたい)の稽古ができなくなるから施設には入りたくない』って」確かに母の大切なものは、みんな富山にある。それを無理やり奪うのは、かわいそうだった。「雪が多くて危ないので、春までは施設に入所してもらって、その後から自宅での一人暮らしを再開しました。そんなうちに、要介護も1に下がったんです」須美子さんの一人暮らしを支えたのは、現地で生活を支援してくれるホームヘルパーやデイサービス、従弟などのサポートだ。だが、彼らにまかせっきりにせず、遠くからでも連携を取ることが、遠距離介護のポイントだと柴田さん。「母とは毎日電話をしていますが、ケアマネさんたちにも定期的に連絡をしています。『親がこういうふうに言ってるんですけど、どう思われますか?』って相談したり、逆に『ウチの親が何か困ったことはしてませんか?』と聞いたり」そうやって連絡を取り合っていると、あるとき「実は、須美子さんが服を全然着替えないんです」とケアマネジャーから報告を受けた。きれい好きの母が着替えないのはおかしいと思った柴田さんは、早速須美子さんに理由を聞いた。「母は私の従弟のお嫁さんに洗濯をしてもらっているのですが、“そのお嫁さんは子どもを2人育てていてとても忙しいのに、自分の分まで洗濯をしてもらうのが申し訳ない”って言うんです」その後柴田さんは、須美子さんに「お嫁さんが、私の洗濯の仕方が嫌だから洗濯物を出さないんじゃないかと、心配してたよ」と、遠慮なく洗濯物を出せるよう、間を取り持ったという。介護サービスを受けていると、ケアマネジャーやヘルパーが踏み込めない部分や、須美子さんも彼らに言いづらいことが出てくる。そういうときに、遠くにいる柴田さんが間に入ることで、円滑に物事が進むようになるのだ。■「覚悟があるなら母の意思を尊重したい」今年の春、須美子さんの腎臓の数値が悪化。入院の後、現在は弱った足腰を鍛えるために、一時的に介護施設で暮らしている。「たまに『家に帰りたい』とこぼすんです。だから母に『家に一人で帰って倒れて、誰にも発見されんで死んでも、それはあんたの責任だからね』ってくぎを刺したら『わかった』って。覚悟があるなら、お母さんの人生だから本人の意思を尊重したいと思っています」ただ、コロナ禍の今年は、年末年始の一時帰宅でさえ、ハードルが上がったという。「今は私がPCR検査で陰性でも、母と会って1カ月間は介護サービスを受けられなくなるんです。もちろん、施設にも戻れません」大雪の中、母を家に一人きりにしたくはない。しかし--。「本人は家に帰りたがっているし、もう92歳。来年会えるかどうかもわかりません。だから、今回も正月に家で会おうと思っています」家に帰るために、奮闘する須美子さんの姿に、柴田さんは感謝の思いを抱くことがあるという。「母がこう生きたいという目標を立てて、リハビリを頑張っているのを見ると、年をとってからの生き方を教えてくれてるんだなぁって、思うんです」教師だった須美子さんが柴田さんに、身をもって教えるのは、最期へと向かう生き方かもしれない。(取材・文:インタビューマン山下)
2021年11月12日年老いていく両親を見るたびに、不安に思うのは介護のこと。じつは介護にかかる費用って、人によって違うのです。はたして、あなたの場合はいくらかかるのか--。「思いもよらずに親の介護が始まったときに、金銭的な不安を抱えてしまうことが多くあります。介護費用を事前に知っておくことも大切です」そう話すのは、「公益社団法人認知症の人と家族の会」副代表理事の花俣ふみ代さん。「介護のありようは百人百様です。仮に介護保険のサービスを利用しても、どのサービスを利用するかで介護費用は大きく変わってくる。また介護のお金は親の年金や貯金でまかなうのが基本です。ところが介護の期間は10年以上になるケースもあり、年金だけでは足りなくなったり、預貯金が不足したりすることも少なくありません」(花俣さん・以下同)これから介護を迎える人がおおよその費用がわかるように、チャートを作成した(画像参照/拡大版はこちら)。要介護度(要支援1~2、要介護1~5)によって、サービスを使える金額の上限は変わる(画像内「介護サービス費利用限度額」参照)。この金額内であれば、利用者の自己負担額は収入によって1~3割になる。それをはみ出た部分は全額自己負担となる。今回は年金収入280万円未満の自己負担率1割を想定した。「介護保険サービスには、自宅で受けられるサービスと施設を利用するものがあります。自宅で介護する場合は、ヘルパーが自宅に来てくれる訪問介護や施設に通うデイサービスから始まるのが一般的。さらに訪問看護や短期入所生活介護(ショートステイ)などを組み合わせて、利用限度額を超えないようにプランを立てます」訪問介護を週3回(月12回)、デイサービスを週2回(月8回)利用した場合、利用者の自己負担額は1万5,000円程度になる。ここに医療費などが加わる。家庭の事情や両親の状態によって、最初から介護施設での入所となることも。「費用が比較的安い『特別養護老人ホーム』は原則要介護3以上と条件が厳しく、比較的入所しやすい『介護付有料老人ホーム』は、数百万円以上の一時金に加え、利用料金が月20万円を超えることも。それぞれの施設の特徴をとらえながら選ぶ必要があります」別の負担も忘れてはならない。「親が離れて住んでいる場合には、往復の交通費がかかる。また認知症の進行が進むと、1日に何度も電話をかけてくるなど、通話料数万円を毎月支払っているという家族もいました」※介護保険の自己負担率は年収280万円未満が1割負担、280万円以上340万円未満が2割負担、340万円以上が3割負担(いずれも同一世帯の65歳以上の人数が1人の場合)
2021年11月05日「介護施設では、月14万~15万円ほどの費用がかかると思いますが、私の場合は在宅介護で、介護費用は月1万5,000円ほどでした。その代わり365日24時間、母のことは常に頭にある状態。同居する兄や夫の協力がなければ、母の希望どおり、自宅で看取ることはできませんでした」こう語るのは、今年3月に母のひで子さん(享年92)を亡くし、6年半に及ぶ在宅介護生活をつづった『悔いなし介護』(主婦の友社)を出版したばかりの新田恵利さん(53)。介護費用の内訳を聞くと--。【1カ月にかかった介護のお金】介護用品のレンタル料:3,000~4,000円/月おむつ代:5,000円/月デイサービス費:7,000円/月月の合計:1万5,000~1万6,000円※いずれも自己負担額「もともと母は、年金加入期間が足りなかったため、無年金生活。介護前から兄が消耗品や食費を負担。私の家には母や兄が同居していたし、高価な衣料品や入院などのイレギュラーな出費を負担していました」■バリアフリー工事を自分で行ったひで子さんが骨粗しょう症による圧迫骨折で歩けなくなり、要介護4と認定されたのは14年秋。その後、認知症も患った。「すぐに手配したのが、介護ベッド、防水加工されたマットレスカバー、ベッドの上で食事するためのテーブル、車椅子、玄関の段差をなくすためのスロープです。レンタル料は月3,000~4,000円ほどで、母が亡くなるまでレンタルしていました」おむつは行政から、毎月1パックを無料で支給されたが、それではとても足りず、最低5,000円分くらいは必要だった。「やる以上はしっかりやりたいので、おむつフィッターの資格を取るために、1泊2日の研修を受けました」しばらくは週2回の訪問のリハビリと週1回の入浴サービス(1カ月4,000~7,000円ほど、自己負担額、以下同)を利用していたが、症状が落ち着くと、訪問リハビリと入浴サービスをやめ、週2回のデイサービスに。「デイサービスは、約5年続けました。月に何度かはサボっていたので、1カ月の費用は7,000円ほどでしたね」ひで子さんの自室は畳なので、車椅子の移動も難しく、リフォームすることにした。「バリアフリー工事などは、自治体から補助もありますが、私は複雑な申請が苦手なんです。だったら自分でやればいいと、近所のホームセンターに行きました」畳を外して断熱材を敷き、高さを確保するためにベニヤ板を重ね、タイルカーペットを敷き詰めた。「材料代は2万5,000円ほどで、工賃はタダ。隙間ができたり、イビツになるのも、“ハンドメイドの味”です(笑)」亡くなる半年前も、週2回のデイサービスを、訪問看護に切り替えた(入浴サービスは再開)。さらに車椅子の母が病院などに行く際には、ストレッチャー付きの介護タクシーが1回1万円、亡くなる前の数カ月間は、1回6,000円の訪問医療費用が別途かかったという。「在宅介護は大変でしたが、母の喜ぶ顔がモチベーションになりました。最期、声にならない声で『ありがとぉ』と言ってくれたことで“後悔のない介護ができた”と実感できました」
2021年11月05日「遠距離介護をしている方のお金の相談をたくさん受けてきました。急な帰省の交通費や実家の修繕費などの出費が痛いとよく聞きます」こう話すのは、人気イラストレーター・上大岡トメさん著『マンガで解決親の介護とお金が不安です』の監修をしたファイナンシャルプランナー・黒田尚子さん。「私自身、親は遠方在住です。高齢になっても住み慣れた実家暮らしを希望する親に対して、子どもも自分の暮らしを維持しながら、遠方からサポートするというのが、現在の介護の現実だと思います」そんな遠距離介護にかかるお金を、黒田さんが寄せられた相談を例に解説してくれた。【ケース1】鹿児島在住の父を地元の介護施設に入れる場合、いくらかかる?〈Q〉認知症がすすんだ鹿児島在住の父(82)を娘の私(65)が東京都内の自宅そばの施設に呼び寄せて介護を検討中。看取りまでおおよそどのくらい費用を見積もればよいでしょうか?〈A〉目安の金額は1,857万円「まず介護の期間ですが、生命保険文化センターによる平成30年度の調査結果では、認知症などが顕在化してから看取りまでの平均期間は約4年7カ月(54.4カ月)となっています。お父さんを都内の介護付き有料老人ホームに入所させる場合、施設利用料が月18万円+介護保険の自己負担分月5万円(要介護3、2割負担の場合)+日常生活費7万円で試算すると月30万円×54.4カ月=1,632万円かかります。これに、東京までの呼び寄せ交通費等(鹿児島⇔東京を飛行機で移動10万円、引越し代10万円)20万円。鹿児島の実家の不用品整理30万円がまず必要です。そして肝心なのが、実家の不動産価値。持ち家でも、不動産価値がなく、空き家として管理しなくてはならないとすると、不在になった実家の維持費として、固定資産税(都市計画税)10万円や水道光熱費(基本料金)5,000円が4.7年分、その間の家の修繕費100万円などで、合計約225万円を計上。前記の介護費用などをすべて総合すると1,857万円になります。この金額から、お父さんの貯金や毎月の収入(年金など)を差し引いた金額を子どもたちで負担すると覚悟してください。ただし、親の実家に不動産価値があり、売却できるとなると、金額は大きく異なります。もし1,000万円で実家が売却できれば、その金額を介護費用に充てられ、しかも維持費の225万円が不要になります。実家を売却できるか、そのまま維持かで、大きく子どもの負担が変わってくるので、まず親の実家の不動産価値を調べることから始めるとよいと思います。親が元気なうちに、一緒に調べておくのもオススメです」【ケース2】北海道の母の介護施設費は?〈Q〉札幌に実家で一人暮らしをしている母(87)が、このところ、足腰が弱り、施設への入居を検討しています。母に札幌の介護施設に入ってもらい、名古屋に住む娘の私(58)が遠距離介護をする場合、母を看取るまでの間に、いくらくらい必要ですか?〈A〉目安の金額は1,497万円「札幌市内の介護付き有料老人ホームの入居費用はもちろん施設によってさまざまですが、入居一時金500万円の施設だとして、全国の平均値として生命保険文化センターが出している介護費用月11.8万円×看取りまでの期間4年7カ月で計算すると総額は1142万円(施設での介護費用は要介護度で異なる。要介護度が上がるほど高くなり、上記は要介護2相当の場合)。これに、札幌での宿泊を実家でできるとして、4泊5日で面会に行く交通費(名古屋⇔札幌の航空運賃往復10万円)年3回4年7カ月分として130万円。もし実家でなく、交通の便のよいホテルを利用するとなると、さらに1回の帰省で2万円程度負担増です。そして【ケース1】の225万円から交通費を引いた額205万円を同じく実家の維持費として計上すると、総額は1,477万円に。ただし【ケース1】と同じで、実家を売却できるケースや、お母さんの年金額や貯金の有無によって、あなたの負担は大きく変わることになります」■親に年金額、貯金額、不動産価値の確認を「ひとくちに遠距離介護といっても、親の年金額や貯金、また要介護度によって、さまざまです。基本的に、私は“親の介護費用は親のお金で”という考え方。実際、遠距離介護している親子の多くは親のお金でまかなっています」しかし、要介護度が高くなり介護施設に入居を検討するとなると、負担は子どもにも重くのしかかる。「【ケース1】は鹿児島の父が東京に住む子どもの近くの施設に入居した場合。平均的な介護期間である4年7カ月で試算すると、費用の総額は1,800万円を超えます」逆に【ケース2】は実家の近くの介護施設に親が入居し、子どもがときどき会いに行くときの試算。こちらは1,400万円程度に抑えられる。「やはり首都圏は介護施設の入居費用が高くなりがちです。お金だけを考えたら、まずは地元周辺で介護施設をさがし、希望するような施設が見つからない場合に、子どもの住む都市部の施設をさがす順番にするほうがよいと思います」ただ年に数回、長期休暇をとり、長距離移動をする子ども側の負担は思いのほか大きい。「とくに急に親の具合が悪くなったときに、遠距離をかけつけるのはたいへん。その場合、子の近くの施設に入居してもらうと楽です」いずれにせよ、介護が必要になる前に、帰省した折に、親ときちんと年金額、貯金額、不動産価値などを確認しておくことがもっとも肝心といえそうだ。
2021年09月22日老後資金に2,000万円必要とささやかれ始めて久しいが、それはあくまで自分の話。「親の介護」まして「遠方にいる親の介護」のお金は、また別で計上したほうがいいだろう。いざというときに困らないように、考えておこう。そこで、遠距離介護にかかるお金を、人気イラストレーター・上大岡トメさん著『マンガで解決親の介護とお金が不安です』の監修をしたファイナンシャルプランナー・黒田尚子さんが、寄せられた相談を例に教えてくれた。【ケース1】働きながらの介護、使える制度は?〈Q〉東京で仕事をしながら、大阪の両親を介護したい。利用できる支援制度はありますか?〈A〉介護と仕事の両立は苦しいものですが、早まって仕事を辞めてはいけません「次の公的制度や親の地域の支援サービス、そしてあなたの勤め先独自の支援制度などをよく調べて、遠慮なく活用することで、少しでも介護の負担を減らせるように支援を受けてください」(黒田さん・以下同)[公的支援]介護休業:申し出ることにより、要介護状態にある家族1人につき3回を上限として、通算93日まで、介護休業を申請することができる。介護休暇:介護する家族が1人であれば年に5日まで(2人以上は年10日まで)時間単位または1日単位で取得できる。介護休業給付:雇用保険の加入者が要介護状態の家族のために介護休業を取得した場合、原則として休業開始前の67%を受給できる。不利益取り扱いの禁止:事業主は介護休業などの制度の申請や取得を理由として、解雇などの不利益な取り扱いをしてはならない。[親の住む自治体]高齢者福祉サービス:地元の地域包括支援センターに連絡して、配食サービス、ゴミ収集などの生活支援、安否確認サービスなどの安全・安心サービスを利用できる。[勤め先]福利厚生・社内制度:福利厚生として、介護休業中の給与補助の制度や、介護のためという要件で有給休暇の翌年への繰り越し(積立休暇)が可能になるなど。【ケース2】富山の母の在宅介護費用は?〈Q〉富山にいる一人暮らしの母(78)を在宅のまま、千葉在住の私(50)が介護したいと思っています。年間、子どもの負担はどのくらいになりますか?〈A〉目安の金額は年間64.2万円「生命保険文化センターによる調査では、在宅の場合、介護費用が月平均4.6万円×12カ月=55.2万円程度。あなたが実家に宿泊できるなら、年3回実家に通う交通費(千葉⇔富山)約3万円×3回=9万円を合わせて、総額64.2万円という試算になります。ただ、当然、お母さんの年金や貯金もありますので、全額あなたが出すことにはなりません。ニッセイ基礎研究所の調査でも、遠距離介護している親子全体の6割は親が全額負担。残りの4割も子どもが交通費だけ出すなど一部負担しているケースが多いです。お母さんが無年金の場合などは、子どもが生活費用まで支援せざるをえないケースも。親に介護が必要になる前に、一度、親子で腹を割って、親の収入や貯金額を前もって、確認しておくことが大切です」【ケース3】遠方の父が突然入院!かかる費用は?〈Q〉広島で一人暮らしの父(75)が急に脳梗塞で倒れ、大阪在住の娘の私(48)が3カ月介護することに。資金はいくら必要ですか?〈A〉目安の金額は74.5万円「お父さんの年収によって、医療費負担が大きく変わりますが、年金だけで年収300万円として試算してみましょう。3週間の入院で病院の窓口で払う金額は17万円(1割負担・高額療養費適用前の自己負担分)。2カ月間、リハビリ専門病院に入院すると、そこでの支払額は約20万円で、当座必要な医療費は37万円です。これに入院している3カ月間、毎週末に通う交通費(広島⇔大阪)+滞在費(病院近くのビジネスホテル)が総額37.5万円。総額で74.5万円が必要になります。ただ、のちに高額療養費適用で月5万7,600円以上の医療費(リハビリ入院中も含む)は戻ってきますので、最終的な負担額は50万円前後と考えてください」
2021年09月22日近年、100円ショップでも介護用品が買えるという。さらに、発想次第で介護用ではない商品も役立ちアイテムに!100均を活用して費用も手間も節約する方法を聞いたーー。13年間、在宅で両親の介護をした『親が倒れたら、まず読む本』(プレジデント社)の著者で、在宅介護エキスパート協会代表・渋澤和世さん。介護を始めたころは、専門店で介護用品をそろえていたが、100円ショップ「DAISO」でたまたま入れ歯ケースを発見。「普通に買ったら、500円以上するのに!材質も同じものが100円で買えるなんて!」この発見をきっかけに、100円ショップでさまざまな介護用品をそろえるようになったという。そこで渋澤さんがおすすめする、介護に使える100均グッズを紹介してもらった。【入浴介助に……】■「ふわふわ手触りヘアーキャップ」(キャン☆ドゥ)入浴後に頭にかぶると着替えの際、濡れた髪から雫が落ちず、衣類が濡れにくくなる。冷え防止にも。■「速乾!ヘアドライ手袋」(DAISO)タオル地の手袋は、入浴後の介護者の髪を乾かす際に、介助者が使うとすぐ乾いて便利。■「足ゆび広げてリラックスパット」(DAISO)お風呂上がりにこれを足の指に付けて乾かしてあげると、高齢者がなりやすい水虫予防に。■「大人用からだ拭き」(DAISO)からだ拭きは、顔から陰部すべてに使えるのでお尻拭きとしても便利。100均なら安く手に入る。【下のお世話に……】■「チューブポット」(DAISO)おしりの下に防水シーツなどを敷き、温かいお湯をポットの中に入れて尿や便の付いた陰部にかけて洗い落とす。■「ペット用消臭ポリ袋」(DAISO)臭いの強いおむつ等の廃棄に便利。ビニール袋ではなく、臭わない消臭袋で捨てたい。SS、S、M、Lサイズが選べる。【食事介助には赤ちゃんグッズを活用】■「シリコーンスプーン」(DAISO)金属製だと歯にカチカチと当たり、お年寄りには危ないし食べにくい。軟らかいシリコーン製だと安全に食事ができる。■「ストローコップ」(DAISO)寝た状態でも飲み物が飲みやすくなるストローコップ。普通に買うと1,000円程度するものをお得にゲット。■「ベビーめんカッター&マッシャー」(DAISO)お皿の中で軟らかめの食材を簡単に切ったり、潰したりして、食べやすい大きさにできる。1人分の食事の際に便利。■「会津塗り粗亀甲汁椀」(DAISO)介護時、お皿の中面の色は赤がおすすめ。高齢者の目に入りやすく、食事をとってくれやすくなる。【ちょっとしたことを楽に……】■「ピタッと止まる!厚手タイプ すべり止めシート」(DAISO)車いすの座面クッションや座布団の下に敷くと、座布団がずり落ちにくくなり転落防止になる。■「カードリング」(DAISO)ファスナーに取り付けると、上げ下げが楽になる。お財布などにつけてもよい。渋澤さんは価格や性能、材質を比べて購入するのが賢い利用方法だとアドバイス。これらの商品を参考に、次はあなた自身の目で、日ごろの介護に役立つ100均グッズを探してみるのも楽しいかも!
2021年07月02日「いまは在宅介護だけでなく、介護施設などでも100均グッズを使用しているところは多いです。たとえば、車いすの座面クッションの下に敷く『すべり止めシート』などは、特によく使われています」こう語るのは、『親が倒れたら、まず読む本』(プレジデント社)の著者で、在宅介護エキスパート協会代表・渋澤和世さん。13年間、在宅で両親の介護をした渋澤さん。介護を始めたころは、専門店で介護用品をそろえていたが、100円ショップ「DAISO」でたまたま入れ歯ケースを発見。「普通に買ったら、500円以上するのに!材質も同じものが100円で買えるなんて!」この発見をきっかけに、100円ショップでさまざまな介護用品をそろえるようになったという。「ほかにも介護に役立つものがないか?そういう目で店内を見て回ってみると、もともと介護用品として売っていないものでも、介護に応用できる商品がいくつもあることに気づきました。ペットコーナーには、おむつなどの汚物を入れるのに使える『ペット用消臭ポリ袋』。赤ちゃんコーナーには、食事介助のときに便利な『ベビーめんカッター&マッシャー』など、100円ショップには“介護グッズ”になるものが豊富にそろっています」■文具売場の商品で介護が楽に!そこで渋澤さんがおすすめする、介護に使える100均グッズを紹介してもらった。「まずは『シリコーンスプーン』(DAISO・以下同)と『ストローコップ』。どちらも介護用だと500〜1,000円しますが、材質が変わらないので100円ショップで十分です。介護用品ではありませんが、『チューブポット』は寝たきりの人のおしりを洗うのに使えます。『カードリング』も、ファスナーにつけると開け閉めが楽に。『ヘアドライ手袋』など、私たちが使っても便利な商品は、もちろん介護にも役立ちます」さらに、おすすめ商品を教えてくれた。「食事介助でとろみ剤を溶くときには『泡立て器ミニ』が便利。杖の先端に付ける滑り止め用の『杖ゴム』や薬を小分けできる『薬ケース』なども、即買い商品です」さらに、200円商品にはなるが、足がむくむことの多い高齢者にもってこいの商品がある。「普通の靴下では締め付けがきつくて跡が残ります。はき口がゆったりした介護用のソックスは、普通に買うと1足1,000〜1,500円します。それが100円ショップだと200円!かなりお得です」一方、100円ショップで買わないほうがよい商品もあるという。「入れ歯用洗浄剤はドラッグストアのほうが安いです。杖もおすすめできません。グリップが樹脂製で硬いため、長時間使うと手が痛くなってしまいます。万が一折れたら転倒の可能性も。杖は、自分に合ったものを専門家に見立ててもらうほうが安心できます」
2021年07月02日介護保険料がじりじりと上がっている。介護保険の見直しは3年に1度で、今年が見直しの年だった。すでに多くの人が4月の給料から新しい保険料を納めているが、健康保険料と合算で支払うため、介護保険料自体を確認することは少ないかもしれない。そんな介護保険料について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■使える制度は使って健康第一に過ごそう介護保険料の指標となるのは65歳以上が払う保険料で、’21年度は全国平均で月6,014円と初めて6,000円を超えました。介護保険が始まった’00年は月2,911円でしたから、約20年で倍増したことになります(’21年5月・厚生労働省)。介護保険は全国1,571の自治体などがそれぞれ見直します。今回は全体の48.6%が引き上げ、36.2%が据え置き、15.2%が引き下げました。保険料月額が高いのは東京都青ヶ島村の9,800円、秋田県五城目町の8,300円など。反対に安いのは北海道音威子府村と群馬県草津町の3,300円、東京都小笠原村の3,374円など。高い地域と安い地域の差は最大で月6,500円、年間7万8,000円にのぼります。こうした保険料格差は、介護サービスの利用者や、支え手である現役世代の数などが関係します。また、自治体が介護サービスをどれだけ提供するかにもよるため、一概に保険料が高い=悪いとはいえませんが、お住まいの自治体の状況を知っておくとよいでしょう。介護サービスの充実は、介護保険制度以前の自宅介護が大半だったころを思うと、とてもありがたいものです。とはいえ、保険料が上がり続けるのは、家計にとって大きな痛手。しかも、社会保険料は節約のしようがありません。とすると、使える制度は存分に使い倒すのがよいと思います。家族で抱え込まず、地域包括支援センターにご相談を。「1人で大丈夫」な高齢者も、元気なうちからつながっておくとよいでしょう。それでも「他人の世話を受けたくない」高齢者もいるでしょう。そんな家族介護をする方に「家族介護慰労金」を支給する自治体がたくさんあります。家族介護慰労金は自治体によりさまざまですが、多くは要介護4か5、介護保険サービスの利用が年10日以下、入院期間が3カ月以下などの状態で介護する方に、年10万円が支給される制度です。自宅で介護している方は自治体にお問い合わせを。現在、総人口の28.7%が高齢者(’20年9月・総務省)。’40年ごろまで高齢者は増加し、逆に現役世代は減少して、介護保険料は高騰が続くでしょう。厚生労働省は’25年度の介護保険料の全国平均額を6,856円と試算しています。社会保険料の引き上げは苦しいですが、私たちは財布のひもを引き締めながら、介護いらずの健康老人を目指しましょう。そして、国が利権まみれのムダ遣い体質を改め、血税を社会保障制度の充実のために使うよう、目を光らせていたいものです。
2021年06月25日子供にとって、遠足はテンションが上がる一大行事。自分が子供の頃、「遠足の前日は、楽しみでなかなか眠れなかった」という人もいるのではないでしょうか。なかッち(@nkc_papa)さんは、子供の頃に体験した、遠足にまつわるエピソードをTwitterに投稿。内容に、親目線で共感する人が相次いでいます。遠足の前日、子供のひと言に親が絶句した理由話は、投稿者さんが小学校1年生だった頃にさかのぼります。遠足に行けることが嬉しいあまり、親にサプライズで伝えようと思った投稿者さん。前日の夜、突如として、親に遠足がある旨をハイテンションで伝えました。「実は……明日は遠足でーす!」小学校1年生の時、遠足が嬉しくてワクワクして親にサプライズで教えてあげたらきっと喜ぶだろうと思って前日の夜に「じつは〜……明日は遠足でーす!」って発表したらしばき回された事がある。— なかッち破天荒先生 (@nkc_papa) June 13, 2021 「親も喜ぶだろう」と思っていた投稿者さんですが、どうやら怒られたようです。子供が遠足に行くとなれば、当日のお弁当やお菓子、雨具など多岐にわたる準備が必要になります。投稿者さんの親は、「もっと早くいってほしかった…」と思ったのでしょう。投稿に対し、子供がいる人からは「親の気持ちが分かる」と共感が相次いでいます。・心臓に悪いひと言ですね…。でも無邪気!・怒る前に、思わず絶句しそうです。嬉しい気持ちは分かるけど、やめてほしくなりますね。・「母ちゃん、ごめん」と今ならいえます…。でも笑いすぎて、腹筋が崩壊しました。子供がやけに楽しそうな様子を見せていたら、遠足の予定がないかを確認しておくといいかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2021年06月24日誰もが仕事や子育て、介護などさまざまな用事を抱えながら、日々を生きています。限られた時間の中で、自分の好きなことを見つけて夢中になれたら、人生はとても充実したものになるでしょう。ありま(@arimama_umauma)さんが実体験をもとに描いた漫画が、反響を呼んでいます。ありまさんがまだ大学生の頃、母親が突然、和裁を習い始めたそうです。「忙しい毎日なのに、なぜ今のタイミングで始めたのか」と、ありまさんは疑問に思い、母親に聞いてみると…。『好きなことを持って生きたい』3/3 pic.twitter.com/b9gLOwOM27 — ありま (@arimama_umauma) May 11, 2021 「介護をしていても、やりたいことをやっておく。好きなことをちゃんと持っていたい」「介護を終えた後も、自分の人生を生きていたい」という母親の想いを知り、ありまさんはとても心を打たれたといいます。そして時は流れ、現在子育て中のありまさん。母親の言葉を思い出し、忙しい毎日の中で自分のやりたいことを考えた結果、好きだった刺繍を改めて始めることにしたそうです。読者からは、共感の声が相次ぎました。・素敵なお話。忙しくて何が好きだったのかを忘れちゃったけど、一つひとつ思い出してみようと思いました。・すごく分かります。趣味は大事ですよね。自分の人生を生きることを意識していきたいです。・まさに今の自分のことで、ハッとしました。オシャレを忘れ、好きなことを忘れていました…。仕事に精を出したり、家族の世話をしたり、誰かのために頑張っている時間は尊いものです。しかし、自分自身が充実し、楽しいと思える時間を持つことも大切。ありまさんのエピソードは、多くの人の心に響いたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年05月14日「受け取る年金額は減っているのに、天引きされる介護保険料だけは上がっていくばかり。生活が厳しくなるから、介護サービスの利用も少し控えようかと……」都内在住の81歳の女性はこう語ると深いため息を吐いた。3年に1度、見直される65歳以上の人が払う介護保険料。4月からはじまった’21〜’23年度(第8期)から新しい基準額に基づいた金額になっている。本誌は47都道府県の県庁所在地と政令指定都市の介護保険料の基準額を調査。その結果、52都市の平均基準額は6,327円と、過去最高を記録したことがわかった。介護保険がスタートした’00年の全国平均は2,911円。見直しのたびに上昇し、ついに2倍以上にまで引き上げられたのだ。介護問題に詳しい淑徳大学総合福祉学部の結城康博教授が語る。「介護サービス費用は、利用者が1割を払い、残りの9割の半分が税金、もう半分が介護保険料で賄われます。さらに、介護保険料は65歳以上の人が払う第1号保険料と、40〜64歳の人が払う第2号保険料に分かれています。高齢者が増え、介護保険サービスを多く利用しているため、介護保険料が上昇し続けているのです」第1号保険料の基準額は自治体ごとに決められ、そこから所得に応じて段階的に保険料が設定される。払う保険料は基準額の半分〜2倍になるのだ。注目は、もっとも高い大阪市と最安値の山口市では基準額に月3,044円の差が開いていること。年3万6,528円もの違いだ。「介護保険料の基準額は、高齢者が多く、かつ介護保険サービスを利用している人がたくさんいる自治体が高くなります。大阪市は、横浜市についで、日本で2番目に高齢者人口が多い市。そのうえ、サービス付き高齢者向け住宅の利用が多いのが特徴です。これは在宅介護と有料老人ホームの中間的存在で、施設費用以外にもヘルパーの付帯サービス費用がかかる。結果、大阪市は高齢者1人当たりにかかっている月の給付費が、2万9,960円と高くなっているのです。それが介護保険料に反映されています。ちなみに大阪市の高所得者は月額1万8,000円になることも」ならば、最も安い山口市には、どのような特徴が?「介護保険サービスの施設整備が遅れていることが要因のひとつと言われています。その結果、介護サービス料が低く抑えられる在宅介護が多く、高齢者1人当たりの給付費が伸びずに、基準額が抑えられているのです。在宅介護が多いことで知られる長野県も基準額は抑えられています」介護保険料の高い安いだけでは、介護サービスが充実しているかどうかはわかりにくい。「大都市では施設介護が好まれ、地方では家族や住民などが支える在宅介護があるなど、地域ごとに特性があります。お住まいの自治体の介護の実力を知るには、介護予防政策に力を入れているかどうか、特別養護老人ホーム(特養)の定員数や待機者数にも注目する必要があります」「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月12日介護のせいで仕事を辞めなくてはならない。自分の時間がない……。そんな苦しい状況は上手に制度を使うと改善されるかもしれませんーー。「親の介護でやっていけないことは2つあり、1つはなんでもお金で解決しようと思わないこと。仕事や家事に追われていると、『手続きが面倒』『急いでいるから』といって、親の病院への支払いや介護費をつい立て替えてしまう人が多いようで、自分たちの生活にしわ寄せがきます。2つは、1人ですべて背負わないこと。介護はプロに任せるのが基本です。介護保険で使えるサービスを知っておくと“もしも”のときにも安心できます」そうアドバイスするのは、『残念な介護楽になる介護』(日経プレミアムシリーズ)の著者で、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。介護が必要になったとき、ほとんどの親は「住み慣れた家で過ごしたい」という希望を持つが、支える家族の負担は増える。介護にかかる費用を抑えながら、家族の負担を少なくするツールを知っておくことが、「楽になる介護」につながるという。「在宅介護を続けていると、一時的に介護が難しくなるときがあります。たとえば、介護者の残業が続くようになった。親戚や親しい友人の冠婚葬祭に出席するために、泊まりがけで出かけなければならない、また、介護疲れをリフレッシュするために旅行に行くということもときには必要でしょう。そんなとき使いたいのがショートステイです。さらに、日常的に介護が楽になるサービスは、あまり知られていませんが、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護が便利です。自治体にこれらの介護サービスがあるかどうかは、介護保険の小冊子で調べるほかに、介護のよろず相談所の『地域包括支援センター』などで聞いてみましょう」(井戸さん・以下同)骨折など長期入院したときは、病院内の医療ソーシャルワーカーが、退院後の生活について相談してくれることもある。そんな介護サービスを使って“楽”になった実際のケースを井戸さんが解説してくれた。【ケース】80代の母を娘50代(独身)が同居介護独身で会社員のA子さん(53)は母(84)と2人暮らし。あるとき、母は転倒して、大腿骨を骨折してしまい、長期入院することに。すっかり足腰が弱くなったので要介護認定を受けると要介護2。週3回、デイサービス(通所介護)に通い、2日は自宅で過ごしていたが、3度の食事の用意のほかにも、トイレの介助が増えてきたので、A子さんは「私が会社を辞めて面倒を見なければならないのか」と、困っていた。週2日は、ヘルパーに来てもらい、家事支援を中心にサポートしてもらいたかったが、「同居の家族がいる」という理由でホームヘルプサービス(訪問介護)は使えなかった。これ以上、ケアマネジャーに相談してもらちが明かないと思ったA子さんは、思い切って「地域包括支援センター」に連絡をして、相談に乗ってもらうことにした。そこで、担当者から提案されたのは、「小規模多機能型居宅介護」の利用だった。耳慣れない名前だったが、デイサービスを中心に、ホームヘルプ、ショートステイを組み合わせて使える。しかも、利用料は基本定額制なので、金銭的な負担は軽くなるという説明を受けた。「ちょうど1名空きが出た」と言われたので、利用してみることにした。【サービス】「小規模多機能型居宅介護」を使おう「小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)」とは、介護保険制度の地域密着型のサービスで、デイサービスを中心に状況や要望に応じて、ショートステイとホームヘルプを組み合わせたプランを利用することができる。要支援1、2と要介護1〜5の人が利用でき、利用料金は定額制で、自治体によって異なる。別途、食費などがかかる。「A子さんの母は、月曜から金曜まで週5日デイサービスに通うプランを立ててもらい、1カ月の利用料は5万6,836円(1割負担)でした。内訳は基本料金が1万6,836円(要介護2)、昼・夕食代が約3万円、ほかの加算が約1万円で、費用は全額、母の年金の範囲内で間に合ったそうです」平日は7時30分にA子さんが仕事に出かけてすぐに、施設のお迎えの車が来て、母は施設に。施設では、昼食の買い物から調理、後片付けまでみんなで役割分担して行うので、A子さんの母はほかの高齢者に代わってたくさんの役割を担ったそうだ。「この制度のおかげで母が留守番をする時間がなくなりました。仕事で忙しいときは1日4,000円程度かかるショートステイを利用し、仕事との両立ができるようになりました。ただし、利用する際には施設に直接申し込むので、今までケアプランを立ててもらっていた居宅介護支援事業所との契約を打ち切る必要があります」A子さんも、最初は悩んだというが、週5でデイサービスに通えることが決め手となったという。介護はいつ終わるかわからないので、親も介護する家族も“楽”になれるプランを選ぼう!「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月28日「親の介護でやっていけないことは2つあり、1つはなんでもお金で解決しようと思わないこと。仕事や家事に追われていると、『手続きが面倒』『急いでいるから』といって、親の病院への支払いや介護費をつい立て替えてしまう人が多いようで、自分たちの生活にしわ寄せがきます。2つは、1人ですべて背負わないこと。介護はプロに任せるのが基本です。介護保険で使えるサービスを知っておくと“もしも”のときにも安心できます」そうアドバイスするのは、『残念な介護楽になる介護』(日経プレミアムシリーズ)の著者で、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。介護が必要になったとき、ほとんどの親は「住み慣れた家で過ごしたい」という希望を持つが、支える家族の負担は増える。介護にかかる費用を抑えながら、家族の負担を少なくするツールを知っておくことが、「楽になる介護」につながるという。「在宅介護を続けていると、一時的に介護が難しくなるときがあります。たとえば、介護者の残業が続くようになった。親戚や親しい友人の冠婚葬祭に出席するために、泊まりがけで出かけなければならない、また、介護疲れをリフレッシュするために旅行に行くということもときには必要でしょう。そんなとき使いたいのがショートステイです。さらに、日常的に介護が楽になるサービスは、あまり知られていませんが、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護が便利です。自治体にこれらの介護サービスがあるかどうかは、介護保険の小冊子で調べるほかに、介護のよろず相談所の『地域包括支援センター』などで聞いてみましょう」(井戸さん・以下同)骨折など長期入院したときは、病院内の医療ソーシャルワーカーが、退院後の生活について相談してくれることもある。そんな介護サービスを使って“楽”になった実際のケースを井戸さんが解説してくれた。【ケース1】80代の両親を同時に同居介護専業主婦のB子さん(61)は同じ敷地内に住む両親の“同時介護”をしていた。3年前に父(享年86)をみとり、認知症の母(89)は今は要介護2。元々、父が母の介護をしていたが、父にがんが見つかり自宅で療養をすることに。父は要介護1だが、母の世話をする体力はなかった。2人とも「最期まで自宅で過ごしたい」と願い続けたので、1階の居間に介護ベッドを2つ並べて、B子さんが世話をし始めた。「母はトイレに行ったことを忘れてしまうので、1日に何度もトイレ介助の呼び出しをしてきたそうです。つきっきりで介護をする状態が続いたので、B子さんは体調を崩してしまいました」このままでは「親子共倒れになってしまう」と、心配したケアマネジャーが提案したのが、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」というサービスだった。【サービス】「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」を使おう定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、1回につき15分程度の訪問介護サービス「定期巡回サービス」を1日に3〜4回行い、このほかに具合が悪くなったときや室内で転倒したときなど、24時間対応の「随時対応サービス」で、貸与されたケアコールで呼び出すと、介護事業所のオペレーターにつながり、看護師やヘルパー、ケアマネジャーが対応してくれるという仕組み。さらに、医師の指示のもと、訪問看護が受けられるというように、24時間体制で在宅生活を支えてくれる。「利用できるのは要介護1〜5の人で、利用料金は定額制です。B子さんの両親は1カ月3万9,749円で済んだそうです。ケアプランは、入浴のために週2回デイサービスに通い、定期巡回サービスの訪問介護を1日3回、3度の食事の世話のために来てもらいました。利用枠は1回で2人分、30分サービスが受けられるようにプランを組んでもらったそうです」このプランのおかげで、B子さんは食事の世話や母のトイレ介助のコールから解放されて、ようやくパートに出られるようになった。父をみとってからも安心した介護生活が続いているという。【ケース2】介護者がどうしても家を空けるとき契約社員のC子さん(55)は、母(79)と、夫と子どもの4人暮らし。母は心臓に持病があるため運動ができず、入退院を繰り返すたびに足腰が弱っていき、要介護3になってしまった。「介護者がどうしても家を空けるときにショートステイを使いますが、施設に空きがあれば、利用日数いっぱい使う方法もあります。C子さんの場合、母が留守番をしているときに倒れたら心配なので、ケアマネジャーに相談したところ、在宅介護で使えるサービスをショートステイのみにするプランを立ててもらいました」そんな使い方ができたとは知らなかったとC子さんはいう。【サービス】「ショートステイ」を活用しようショートステイとは、介護施設に短期間滞在して、生活援助やリハビリなどを受ける。「特別養護老人ホームや特定施設の認可を受けている有料老人ホーム(短期入所生活介護)で利用すると、食事や入浴などの生活援助を受けることができ、介護老人保健施設(短期入所療養介護)では、生活援助のほかにリハビリが受けられます。利用できる日数の目安は、要介護度によって異なります」C子さんの母は要介護3なので、26日使えるが、施設の都合で、3週間特養のショートステイで生活をして、1週間自宅で過ごす、というプランを立てた。「ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、2泊など体験入所を経て契約。料金は介護保険の1〜3割と食事代などです」施設サービス費、居住費、食費代込みで、月3万8,575円(1割負担)。母の年金で支えた。介護はいつ終わるかわからないので、親も介護する家族も“楽”になれるプランを選ぼう!「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月28日介護を楽にするさまざまなアイデアグッズが日々、誕生している。そこで、実際に介護をしている人と、介護のプロたちが選んだ、おすすめ商品を紹介!介護作家・ブロガーの工藤広伸さんは、岩手県で一人暮らししている、認知症で要介護2の母(77)を9年間も遠距離介護してきた。「これまでやってこられたのは、さまざまなアイテムを活用してきたから。なかでも見守りカメラは欠かせません。一緒に住んでいないので、転倒をして何日も見つからないなんてことがないように、“安全を保つため”には必需品です」認知症介護で困るのが、もの忘れへの対処。財布や鍵など大事なものがないと大騒ぎに。「認知症で“モノ盗られ妄想”が出る人もいて、財布などが見つからないと、『盗ったでしょう』と泥棒扱いされて大ゲンカになることも。そんなときは、キーファインダーのリモコンのボタンを押すと、ビビビと鳴ってありかを教えてくれます。母も安心するのか「あら、ごめんね」と素直に謝ります」忘れっぽくなるにつれ、家の中に張り紙が増えていく家庭も多い。「トイレの場所や電話の使い方などを張り紙で説明して張っていても、めくれていると認知症の人は剥がしてしまうことが。長持ちするし、捨てられにくくなるので、手貼りでラミネート加工ができる商品がおすすめです」■便利グッズは介護売場以外にも介護ジャーナリストでオールアバウトガイドの小山朝子さんは、20年以上介護現場に関わり、祖母を介護した経験も持つ。「かつてある病院でおかずもごはんも同時にミキサーにかけ食べさせていたのを見ました。いまでは、見た目や食べやすさに配慮した『ユニバーサルデザインフード』と呼ばれるレトルト食品も増えています。在宅介護を担う多忙な人にもおすすめです」高齢になるとのみ込みづらくなる嚥下障害が生じることも。予防するためには、食事の前に冷たいものを食べて口内を刺激することが有効だという。「冷たいものを冷たいまま食べさせられるスプーンが活躍します。コロナ禍では、食事が唯一の楽しみという高齢者も多いので、食事まわりのグッズも工夫してみては」介護の負担を軽くしたり、介護される側の生活を向上させるような便利グッズは、介護用品売場以外に隠れていることも多い。「ホームセンターなどで商品を見てまわっているときに、これは、あの困り事に役立ちそうなグッズだ!と見つけることが多いですね」(工藤さん)ぜひ参考に、少しでも快適な介護を目指してほしい。「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月24日家庭の諸事情によって、働き方を変えなければいけないことは、誰にでも起こりえます。定められた労働時間に働くことが難しく、勤務する時間帯をずらすなど、いろいろな調整を職場に相談することもあるでしょう。「介護します」と上司に話すと?とある男性は、自分の親を介護するため、職場の上司に遅刻や早退が増えることを相談しました。すると、上司はこんな言葉を返したそうです。「奥さんに仕事を辞めてもらうわけにはいかないの?」※写真はイメージ予想外のひと言に、あ然としてしまった男性。上司は「介護という役目は、妻が負うもの」と決めつけていたのかもしれません。男性は上司に、こんな言葉をいい返したそうです。「は?僕の親なんだから、仕事を辞めるなら僕のほうですよね?」共働きの世帯が増えていますが、未だに「家事や育児、介護は女性が担うもの」といった考えが根深くあります。男性が「育児休暇や介護休暇を取得したい」「働き方を調整したい」と考えていても、いい出しづらい職場もあるようです。男性が一連のやり取りをTwitterに投稿したところ、多くの反響が寄せられました。・よくいってくれた。上司さん、時代は令和よ…。・ド正論。世の中は「介護は家庭内、だから女の仕事」って思う人がまだ多いのかな。・この考え方が当たり前の社会に、早くなってほしいです。・かっこいい!スカッとしました。何もかも妻がやればいいと思ってるなら、大間違いです。男性はその後、上司と話し合いを進めることができ、共働きをしながら介護を続けているとのこと。「家事や育児、介護は女性がするもの」という偏見は、女性だけでなく、男性も苦しくさせてしまうでしょう。性別に関係なく、誰もが向き合う課題として捉え、働きやすい柔軟な社会を目指したいですね。※掲載許可は頂いておりますが、投稿者様のご意向により匿名で掲載しております。[文・構成/grape編集部]
2021年03月23日相続トラブルを避ける唯一の道は、親が生きている間に準備をすること。「あの森永さんも地獄だったらしいよ」と本誌を口実に、家族で話し合ってみてはーー?「親が存命の人であれば、相続の問題は決して人ごとではないはず。けれど、相続に関して無頓着である人は少なくありません。じつは私自身も父の死後“相続地獄”に陥ってしまったんです」こう語るのは『相続地獄』(光文社)を出版したばかりの、経済アナリスト・森永卓郎さん(63)だ。森永さんといえば、かつて本誌の取材でも「ケチと呼ばれることを恐れず、楽しく生きる」とケチ哲学を提唱。ロケ弁を多めに持ち帰る、スーパーの半額シールを狙うなど、徹底した節約生活ぶりを発信してきたが、意外なことに、相続対策はしていなかったという。「父が生きている間、相続に関して、何も考えていなかったんです。当時は知識がなく、どこをケチればいいかも、わかりませんでした。父が亡くなってから、財産を把握したり、遺品整理をするのは本当に大変で……。相続地獄を味わった身として、親の存命中に相続準備をすることの大切さを痛感しています」森永さんいわく「ケチは情報と知識の積み重ね」。“相続地獄”にハマりお金も労力も無駄にしてしまった森永さんに、たとえケチと言われても、親の存命中にやっておくべき準備を聞いた。■介護費用など立て替えの記録はつけておこう資産のある親の生活・介護費用の立て替えは、記録していれば相続税控除の対象になることが多い。「そんなこと知りませんでしたから、一切記録せず、領収書やレシートも保管していませんでした」(森永さん・以下同)同居を始めたときから、父の生活にかかる費用はほとんど森永さんが立て替えていたという。「父とは母が亡くなった’00年から同居を開始。’06年に父が脳出血の後遺症で半身不随になってから、がんが見つかって介護施設に入るまでは在宅介護を行っていました。『卓郎は稼いでいるんだから、とりあえず払っておいてくれ』と言われてしまい……」仕事やふだんの生活ならしっかりケチれるが、親となると、お金の管理がルーズになってしまった。「そもそも、親の生活費は親に払ってもらうべきだったと思います。介護施設に入ってからは、多少払ってくれるようになりました。しかし、父が使っていた口座の預金が底をついてからは、ほかの通帳がどこにあるかわからないからと、また私が立て替えることに。亡くなるまでの11年間で、少なくとも2,500万円は立て替えたんじゃないでしょうか」介護は森永さんの妻が行っていたが、いざ遺産相続となると、弟と財産を折半することになった。「感情的に納得がいかない部分はありましたが、妻はお金でもめて親族と“争族”にしたくないという考えでした」きょうだいの一人に負担が集中しがちな介護は、どのように分担し、その費用や労力をどう評価するのかを、事前に一族でしっかり話し合う必要があるのだ。「女性自身」2021年2月23日号 掲載
2021年02月15日今年’21年は、3年に1度の「介護報酬」を改定する年です。介護報酬とは介護サービスの料金のこと。身体介護が何分でいくらと、国が定めている。4月からの改定に向けて、新しい料金体系が固まってきた介護報酬について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■政府は、介護報酬の公費負担増やすべき今回の改定では、介護サービス費全体を0.7%引き上げます。たとえばデイサービス(通所介護)は、1回約100円上がります。ただ多くの利用者が1割負担なので、「1カ月分で数百円上がる」という方が多いでしょう(所得によって2割負担、3割負担の方も)。今回のポイントは、床ずれの予防やおむつ使用がなくなるなど身体状態の改善に、介護報酬がつくようになったことです。そもそも介護報酬は、介護の手がかかったときに料金が発生します。そのため大変な労力をかけ自立を支援しても、たとえばおむつがはずれ、自分でトイレに行き、用が足せるようになると、排せつの介助に対する介護報酬はなくなり、結果的に介護業者の利益を減らしてしまいます。これが自立支援を阻んでいるのではと問題視されていました。3年前の改定で、おむつをはずすためのケアに介護報酬が設定され、今回はもう一歩進めて、おむつがはずれたなどの成果に料金加算が認められました。介護の重度化を防ぎ、自立支援に力を注ぐきっかけになってほしいと思います。またコロナ禍で、介護業者はかなり疲弊していると思います。そこで、新型コロナウイルスの対策費として、4〜9月の期間限定で、すべての基本料金に0.1%上乗せします。現場のご苦労を思うと、私は足りないくらいだと思います。こうした介護報酬は、介護サービスを受けた方の支払額に反映されるだけでなく、介護業界で働く方の給料にも影響します。介護保険サービスを行う事業者は、介護報酬が上がれば収入が増えますから、職員の給料を増やす余裕が生まれるでしょう。慢性的な人手不足の介護業界で働く方を増やすため、またコロナ禍のいま働く方の給料アップのためにも、介護報酬の引き上げは必要だと思います。介護報酬は、利用者が1〜3割を負担しますが、残りは公費(税金)と介護保険でほぼ折半しています。国全体の介護費は、介護保険制度が始まった’00年には約3兆6,000億円でしたが、’20年度予算は約12兆4,000億円とほぼ3倍。’25年には団塊の世代が後期高齢者になり、膨らんでいくでしょう。それにつれて、私たちが負担する介護保険料も上がっていますが、消費税率も引き上げたのですから介護報酬は公費負担を増やすなどして対応していただきたい。’20年度の第3次補正予算には、約1兆円ものGo To トラベル事業費が組み込まれましたが、正しい税金の使い道なのでしょうか。税金のムダを改め、介護や医療などの社会保障を充実させるよう努めていただきたいものです。「女性自身」2021年2月23日号 掲載
2021年02月12日2019年からスタートした、福祉・介護の魅力を伝えるプロジェクト「介護のしごと魅力発信等事業」の一環として、一昨年から昨年にかけてBSフジで放送された「にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉」。幅広い人に介護や福祉を身近に感じてもらうことを目指したユーザー参加型・体験番組で、俳優・タレントの要潤さん、介護福祉士でモデルの上条百里奈さんがメインパーソナリティを務めています。同テレビ番組は、昨年に引き続き、2021年2月より全3回でのオンエアが決定。これまで番組を通して日本の福祉・介護の“いま”を伝えてきた要さんと上条さんに、介護に対する意識の変化や、介護の現状について伺いました。要さんが語る、介護へのイメージの変化要潤さんは番組を通して、「介護に対して身近に感じることが出来るようになりました」と語り、介護のヒントは日常にあるということを実感したそう。介護福祉士でモデルの上条さんは、「介護施設などを訪問した学生の様子を見て、介護について知ってもらえれば魅力的だと思ってくれるというのを再認識しました」と語りました。「介護について知る」重要性上条さんによると、介護の現場では、認知症患者の徘徊や暴力など、症状が重篤になってはじめて介護の手が入るケースがあるといいます。「もっと早くSOSを出してくれたら、介護職員がここまで重労働にならなかったかもしれない」と、現代における介護の課題感について、介護分野における「情報不足」を挙げました。コロナ禍における介護の現状とは?コロナ禍における介護の現状について、上条さんが挙げた問題は以下2点。・コミュニケーション不足・介護職員の精神的な負担「認知症の方に対しては、表情や目の向け方、瞬きの回数、口の角度といった『非言語コミュニケーション』を多く使います。しかし今はマスクで半分が見えないため、コミュニケーションがうまく取れないこともあります」(上条さん)また「介護職員の精神的な負担」の背景には、クラスターの問題があるのだそう。「介護施設によっては、職員や入居者に感染者が出てクラスターが起きても、受け入れてくれる病院がないという現状があるんです。なかには4人部屋で隔離が難しく、介護職員の精神的負担が大きいことを心配しています」(上条さん)本当に必要な人が医療を受けられるように、それぞれが出来る限りの感染対策を行うのが大事だとコメントしました。「最新の介護・福祉」を知る第一歩に!2月7日より放送中の「にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉」は、まさに今回お二人に伺ったような最新の介護・福祉を知るきっかけとなる番組です。介護や福祉に興味のある方はもちろん、これまで介護に良いイメージがなかったという方も、ぜひ番組を最新の介護・福祉を知るきっかけにしてみてはいかがでしょうか。【参考】※にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉
2021年02月09日「介護は『一人でがんばれば、なんとかなる』ものではありません」そう話すのは約10年にわたって両親を介護したエッセイストの鳥居りんこさん。介護の実体験から『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス刊)を上梓した。「『介護は大変』って言いますよね。私も覚悟はしていました。それでも実際は、想定をはるかに超えてくる。私のメンタルは壊れる寸前でした」介護の初心者は、わからないことだらけ。用語さえ理解できない。「介護の相談窓口である地域包括支援センターを『ホウカツ』と呼ぶのですが、私はなぜか『呆活』と脳内変換してしまい、話が全くかみ合いませんでした」(鳥居さん・以下同)懸命に介護をしていても、心ない言葉を発する人もいる。認知症のために、親から罵声を浴びせられることもあるかもしれない。そんな状況でも、介護する人の心が折れないように守っていこう。経験者の鳥居さんに介護の本音をぶっちゃけてもらった。【金言1】親への恩が怨になっても大丈夫介護生活が長期化すると、介護をする人の心がむしばまれていく。「当時は、ひどい精神状態でした。母の前で『お願いだから、今日死んで』と思ったのは、一度や二度ではありません」親の恩はもちろん感じるが、仕事をセーブして、家庭をかえりみず、体力をすり減らして介護にあたる人は、どんどん追い詰められていく。「恩」が「怨」に変わっても仕方ない。それほど過酷なのだ。「ついぽろっと、禁断の言葉を吐き出してしまったら、『罰当たり』『親不孝』などと非難ごうごう。最終的には『介護って文句は言われても、誰からも感謝されないものだ』とわりきりました」他人がほめてくれないなら、自分で自分をほめてあげよう。怨がこぼれおち、親の死を一瞬願ったとしても、日々必死に介護する人にバチなんて当たるはずがない!【金言2】ゴネた人が得をするたったひとりで、徘徊のひどい親を介護していた男性がいた。親は認知症が進むものの体は丈夫で、要介護度は2。3以上が条件の特別養護老人ホームには入れない。数年に及ぶワンオペ介護の末、親が亡くなった。やっと解放されたとホッとした数カ月後、今度は彼が亡くなった。介護に追われ、自分の病気を放置していたのだ。「ただ黙ってがんばり続けるだけではダメだと思います。つらいときは必死でSOSを叫び続けないと、だれも気付いてくれません」介護は「ゴネた人」が得をする。何度も何度も助けを求め続けた人が救われる。変なプライドを捨てて、大声で助けを呼ぼう。「介護は孤軍奮闘では戦えません。困っていることは、具体的に訴えて。一度でダメなら、何度もかけあってゴネてゴネてアピールしましょう。命あっての物種ですから」【金言】「理想の死」は存在しない介護では、「延命治療をするかどうか」が大きな意味を持つ。「母は日ごろから『延命を望まない』と話していたので迷うことはないはずでした。それなのに、最後の決断はなかなかできませんでした」親は、延命治療の意味をきちんと理解していたのか。本当はもっと生きたかったのではないかと、余命いくばくもない母の姿に気持ちが揺さぶられるという。「介護施設の方から、『最期は、遠い溺死か、近い餓死のどちらか』といわれました。延命治療を行えば、水分が徐々に肺にまわって、おぼれるような感覚で死んでいく。いっぽう、延命治療を行わない場合は、栄養や水分の点滴もやめていき餓死が待っている。どちらを選んでもつらいのですが、どちらかを選ばないといけないのです」どんな死も苦しいのだろう。「理想の死」などないのかもしれない。きれいごとだけでは済まされない、ハードな親の介護。この“介護の金言”を、リアルな問題に立ち向かう心の支えにしよう。「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年02月01日「介護は『一人でがんばれば、なんとかなる』ものではありません」そう話すのは約10年にわたって両親を介護したエッセイストの鳥居りんこさん。介護の実体験から『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス刊)を上梓した。「『介護は大変』って言いますよね。私も覚悟はしていました。それでも実際は、想定をはるかに超えてくる。私のメンタルは壊れる寸前でした」介護の初心者は、わからないことだらけ。用語さえ理解できない。「介護の相談窓口である地域包括支援センターを『ホウカツ』と呼ぶのですが、私はなぜか『呆活』と脳内変換してしまい、話が全くかみ合いませんでした」(鳥居さん・以下同)懸命に介護をしていても、心ない言葉を発する人もいる。認知症のために、親から罵声を浴びせられることもあるかもしれない。そんな状況でも、介護する人の心が折れないように守っていこう。経験者の鳥居さんに介護の本音をぶっちゃけてもらった。【金言1】介護の沙汰も金次第「介護は先手必勝です。『介護なんてまだまだ先』と笑えるうちに、親も含め介護に関わる全員を集めて親族会議を開くのがベストです」そこでの議題は介護のキーパーソンを決めたり、親がどんな最期を望むかを確認したり。なにより避けて通れないのが、お金の話だ。「介護の世界に、『格安なのに高品質』はありません。使える金額次第で、介護のカタチが決まります」お金持ちなら高級老人ホームも夢ではない。そうでなければ、お金の代わりに介護者の「時間と労力」を使うことになる。介護する人の負担は、『親がいくら持っているか』にかかっているのだ。「ストレートに『貯金っていくらある?』と聞くしかありませんが、集まった全員でエンディングノートを書くのもよい手だと思います」ポイントは、親だけでなく子どももそれぞれ書くこと。預金通帳のありかや暗証番号などを書き出し、親の貯蓄額も聞き出そう。「親が認知症になったら、親名義の財産を簡単に動かすことはできません。早め早めに、親の財産を把握して、現実的な介護方針を決めることが大切です」【金言2】外野は口を出すな金を出せ介護をする人は自分の生活を後回しにして、介護と日常のバランスをとっていることが多く、ギリギリの精神状態ということも。「介護ストレスが最高潮のとき、知人が『せっかくなら、笑顔で介護してあげたら』と。笑顔を出せない自分が悪い。でも、余裕などなくて、これ以上どうすればいいのだろうと、相当落ち込みました」そんなとき注文を付けてくるのは、介護に手を出さない外野だけ。上から目線で意見するのは、介護を経験したことのない人ばかり。「介護の当事者だったころは言えなかった本音を、いまから言います。外野は口を出すな!手を貸さないなら、金を出せ!」きれいごとだけでは済まされない、ハードな親の介護。この“介護の金言”を、リアルな問題に立ち向かう心の支えにしよう。「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年02月01日夫に子どもを預けて、たまには一人でゆっくりおでかけしたいですよね。でも、家に帰ると子どもがあざを作っていたり、ひざをすりむいていたり…。理由を聞くと「大したことないよ。目を離した隙にちょっと…」と苦笑いする夫。でも、笑ってすませられることではないこともあります。東京消防庁発表の 「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」 によると、5歳以下の子どもが事故に合う場所は約7割が家の中。つまり、ほとんどの場合は親と一緒の時に起こっており、そのうち約10人に1人の割合で入院が必要な中等症以上となっています。どうして、親がそばにいながら、子どもの事故は起こってしまうのでしょうか? その理由を紐解いていきましょう。■子どもの事故、実は「親の脳タイプ」が原因になっていることも?一般的には、切り替えがうまく、複数の異なる作業を同時進行できるのがマルチタスク悩。一方、「今、目の前のこと」を最重要と捉えて打ち込む傾向がある方は、シングルタスク悩といわれ、他の作業を同時進行で進めることは苦手なようです。どちらの悩タイプなのか、見分け方としては「1日1回以上はやり忘れがある」かどうかで判断します。例えば、ゴミ当番なのに出し忘れた、頼まれた買い物をし忘れた、郵送物を出し忘れたなど些細なことで構いません。やり忘れて落ち込むことが1日1回以上あり、それが続く人は、シングルタスク悩の傾向が強いといえるでしょう。家事育児は、さまざまなことを同時進行で進めないといけないことが多いため、マルチタスクだといえます。小さいお子さんのいるご家庭なら、夕方はまるで戦争のような忙しさ。たとえば、子どもをあやしながら夕食の下ごしらえをして、早めに子どもと一緒にお風呂に入った後は、子どもの支度をしつつ自分も身支度を整え、夫の帰宅に合わせて夕食の仕上げをし、食器を洗いつつ洗濯機を回し、子どもを寝かしつけながら翌朝の朝ごはんのメニューを考え…。こういった家事育児をこなしつつ、子どもに危険が及ばないよう常に目配りをする必要があります。そのほかにも、入浴後、必ずお風呂のふたが閉まっているか確認している、料理の後、使った包丁はすぐしまっている、包装ビニールはふた付きのゴミ箱にすぐ捨てているという方がどれくらいいるでしょうか。これらはすべて、子どもが重篤なケガをする原因となるものばかりです。目の前のことをこなすだけが家事育児ではありません。それをする(もしくは、しない)ことで、その後どういったことが起こるかを想像しながら同時進行で進めるマルチタスク処理能力が求められます。子育てでは、「まさか◯◯するとは思わなかった」「ちょっと目を離しただけなんだ」という言い訳は通用しません。自分がどちらの悩タイプの傾向があるのかをまずは把握することが大切です。■コロナ禍で子どもの事故が起こりやすくなっている?まだまだ収まる兆しの見えない新型コロナウイルスの流行が、子どもの事故を誘発する可能性があります。毎日出社していたのがリモートワークに変わり、慣れないオンライン会議を重ね、家族がすぐそばにいる環境で仕事をするなど、まったく新しい形態で働くことが求められている方は多いでしょう。しかし、シングルタスク脳タイプは、仕事とプライベートを切り離すのが難しく、頭の切り替えができない人が多いようです。また、いつもとは違うルーティンで仕事をするのも向いていません。たとえば、別室で仕事をしていても、家族の気配に気が散ったり、子どもの声が気になってオンライン会議に集中できないなどで、いつもより仕事の効率が落ちて焦ってしまうケースは少なくないようです。一方、家で仕事をするようになってお互いに気をつかう反面、大人が常にいる安心感もあるでしょう。そのため夫婦間で、「すぐ戻ってくるから買い物の間、子どもを見てて」「今日の保育園のお迎えをお願いできる?」とついつい頼みごとも多くなります。互いに「わかった」と安請け合いしがちですが、マルチタスク脳と違い、シングルタスク脳は集中しがちです。目の前の仕事で頭がいっぱいになり、子どものことをきれいさっぱり忘れてしまうことがあります。実際、仕事に集中するあまり娘さんの保育園のお迎えを忘れてしまい、夜8時頃、保育園からかかってきた電話で初めて思い出した、というケースもあります。このように、シングルタスク脳の方は、仕事をこなしながら子どもに目を配ることが苦手で、仕事に集中すると子どもの存在を頭から消してしまうため、「ちょっと目を離した隙に…」「そんなことをするとは思わなかった」という事故が起きてしまうのです。コロナ禍によるリモートワークの増加で、これまでは「シングルタスク脳のうっかり」ですんでいたことが、子どもの事故につながりやすくなっているといえます。■安心して子育てをするための事故防止と対策では、シングルタスク脳は子育てができないかと、いうとそうではありません。マルチタスクをこなすのは苦手であることを自覚し、対策を立てれば事故を予防することができます。シングルタスク脳の傾向がある方は、うっかりを防ぐために以下の2つを意識することが重要です。・時間を短いスパンで意識すること・育児のルーティンを習慣化することシングルタスク脳は、仕事に集中しすぎる傾向にあるため、短いスパンで時間管理をしたり、子どもに関わる用事を思い出す必要があります。そこで、スマホや時計のタイマー機能を上手に活用して、音や振動で子ども関連の用事を思い出すようにするといいでしょう。また、子どもに関することを、いつものルーティンと結びつけて習慣化することも大切です。例えば、子どもを保育園へ連れて行く時に忘れ物が多いようなら、出かける時にいつも持ち歩くスマホや家の鍵と子どもの荷物を一緒に置いておくといいでしょう。また、パソコンや掛け時計など、必ず定期的に見るところに、子ども関連で忘れてはいけないことをメモして貼っておくのもおすすめです。例えば、脱衣所の時計の横に「お風呂のふたは閉めた?」と張り紙をしておけば、必ずふたを閉めるようになり、目を離した隙に子どもがお風呂でおぼれる心配もなくなります。自分は、シングルタスク脳タイプとマルチタスク脳、どちらのタイプなのかを見極め、シングルタスク脳の傾向が強い方はぜひ上記の対策を試してみてください。続けていくことでコロナ禍の新しい生活様式や、子育てが習慣化し、「うっかり事故」を予防できるでしょう。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2021年01月30日’21年1月、「改正育児・介護休業法」が施行された。コロナ禍であまり注目されないが、育児・介護と仕事の両立には欠かせない法律だ。読者世代に関わりの深い介護を中心に、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■より利用しやすくなった介護休暇まず基本を確認しましょう。働きながら介護を行う方は、「介護休業」と「介護休暇」という2種類の休日が取得できます。介護休業はまとまった期間の休業です。介護される方1人につき通算93日間を、最大3回に分けて取得できます。たとえば、自宅の改修や介護施設の選定など、まとまった期間が必要なときに利用できます。いっぽう、介護休暇は単発で取得するものです。介護される方1人につき年5日まで、通院の付き添いやケアマネジャーとの打ち合わせなどに利用できます。今回の改正法では、介護休暇について2点が変わりました。1点目は、これまで介護休暇は半日単位でしたが、今後は1時間単位で取得できるようになります。たとえば1日6時間働く方は、1時間の介護休暇なら6回、2時間なら3回とると、1日分とカウントされます。これまでは半日単位だったので、年5日間は回数にすると年10回。毎月通院する付き添いには足りませんでしたが、1時間単位だと、1回を短時間にし回数を増やすこともできるので、使い勝手がよくなったと思います。また、1日の就業時間がまちまちで決まっていない方は、年平均を基準にし、1日の就業時間が7時間30分など1時間未満の端数がある方は切り上げて、8時間で1日分とカウントされます。ただし、勤務時間の途中で職場を離れる「中抜け」は、認められていません。介護休暇は始業時間を遅くするか、終業時間を早くする形で取得するもの。たとえば10~17時まで勤務の方が13~14時といった途中の時間帯では取得できません。なかには、社内規定によって中抜けOKの会社もありますので、ご確認ください。法改正の2点目は、これまで1日の勤務時間が4時間以下の労働者には介護休暇がありませんでしたが、今後はだれでも取得可能になりました。介護休暇は原則として、パートでも介護休業制度のない勤め先でも取得できます。ただ、正社員であっても雇用期間が1年未満の方や週の労働日数が2日以下の方は、労使協定によって対象外となることがあります。最後に、介護休業・介護休暇とも、給料は出ません。有給の介護休業制度がある会社もありますが、有給休暇もあわせて介護休暇の取り方を工夫してください。新型コロナウイルスの感染を恐れて、介護サービスの利用を減らす方もいるようです。ますます介護する家族の負担は重くなりますが、介護休暇・介護休業などを駆使して、なんとか離職しないで済む方法を考えてほしいと思います。「女性自身」2021年2月2日号 掲載
2021年01月22日コロナ禍で、高齢者はデイサービスの利用を控えたり、ヘルパーさんの来訪を断ることを余儀なくされている。そんななか代わって親の介護を担うため、仕事を休んだり差し入れをしたりと金銭的負担が重くなった人も多いはず。また介護にかかる費用は月額7.8万円(「生命保険に関わる全国実態調査・平成30年度調べ」)という試算もあるが、蓄えがなく無年金・低年金の親に代わって子どもが負担するケースも珍しくはない。『届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)などの著書もあるファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんはこう言う。「親の介護で負担が重くなっている人には、国や自治体などからもらえるお金や税控除もいろいろあります。親名義、本人名義で手続きをしますが申請・届け出主義なので教えてはくれません」ということで井戸さんとともに主にどんな制度があるか利用方法や注意点を見てみよう。■高額療養費〈もらえる&得するお金〉医療費が規定額を超えた場合、お金が一部戻ってくる。年収により上限が異なる〈申請者〉親〈届出先〉会社員は会社の健保を通じて、自営業者らは市区町村「1カ月の自己負担が一定額を超えた場合、超えた分の医療費が戻ってきます。意外と制度を知らず、取り戻していない人もいるようです。たとえば入院手術で100万円かかったとすると3割負担の場合約30万円を窓口で払いますが、70歳未満で一般的な年収(370万〜770万円)であれば約9万円が自己負担額の限度額で、30万円から9万円を引いて約21万円が戻ります」(井戸さん・以下同)70歳以上は高齢者医療制度で自己負担の上限はさらに低くなる。高齢になると医療費の過度な心配はいらないということだ。■高額医療・高額介護合算療養費〈もらえる&得するお金〉医療費と介護費が規定額を超えた場合、お金が一部戻ってくる。年収により上限が異なる〈申請者〉親〈届出先〉市区町村「同じ世帯に医療と介護を受ける人がいる場合、年間でこの合計額が一定額を超えた分は戻ってきます。両親2人分を合算できますが、夫婦とも後期高齢者医療制度といったように、同じ制度に加入していることが条件となります」たとえば年収約370万〜770万円未満(年齢70歳以上)の場合、1年間の自己負担限度額は56万円となり、超えた分は戻ってくる。■親を扶養している場合の所得税控除〈もらえる&得するお金〉親を扶養している場合に節税可能。年収により額が異なる〈申請者〉子〈届出先〉税務署「同居で介護をしている人はもちろん、別居でも介護や仕送りをしているなら親を扶養にすることで48万円が税控除に。たとえば年収500万円(所得税率10%なら)の人は、48万円に10%をかけて、4万8,000円戻ってきます」「女性自身」2020年12月15日号 掲載
2020年12月05日■親子愛神話にノーを突きつける、『きらいな母を看取れますか?』「そうは言っても、実の親子なんだから」「子どものことを愛していない親なんていないよ」親に対して抱いているマイナスの感情について人に話したとき、相手からしばしば返ってくる言葉。「親なんだから」子どもに愛情を注がないはずはないし、「子どもなんだから」親の気持ちを汲まなければいけない。“親子愛神話”とも呼ぶべきそんな考え方は、私たちの社会のなかにごく自然なものとして浸透し、いまもなお強固な地位を築いています。特に、親の介護と看取りという親子関係の最終章においては、第三者から「親子の絆や愛は絶対だ」という圧力がかけられがちです。中には、親子関係が良好ではないから親の面倒を見たくない、と言う人に、親の最期を見届けるのは子どもの義務であると言わんばかりに「和解しなよ」と説く人もいます。しかし、高齢者介護や医療の分野で取材を重ねてきたフリーライターの寺田和代さんは、それを“無知で傲慢なこと”ときっぱりと言い切ります。“人生の早い時期に親子愛の恩恵をあきらめざるを得なかった人たちに、「親の愛は山より高く海より深い」と説き、親子なのだから今生の別れまでに、赦せ、和解せよ、とたとえ暗黙のうちであったとしても期待するのは、異性愛以外のセクシュアリティの人に「なぜ異性愛になれないの?」と問うのと同じくらい、無知で傲慢なことではないだろうか。(――寺田和代『きらいな母を看取れますか? 関係がわるい母娘の最終章』8頁より)”この言葉にハッとしたり、胸がすくような思いをする方もいるのではないでしょうか。寺田和代さんによる著書、『きらいな母を看取れますか? 関係がわるい母娘の最終章』は、親からの虐待やネグレクト、過干渉などといった問題が原因で良好な関係を結べなかった母と娘が、親子にとっての最後の局面である“介護”とどう向き合うかに焦点を当てた1冊です。■父の不機嫌と母の過干渉に悩まされ続けた、50代女性のケース著者は、現在の自分の生きづらさが親との関係に起因すると認めている「AC(アダルト・チルドレン)」の当事者。本書には、著者と同じく母娘関係に困難を抱えた当事者である、6名の女性たちの語りが収録されています。たとえば、エリコさん(53歳)という独身女性のケース。会社員の父と専業主婦の母のひとり娘として生まれたエリコさんは、突然押し黙ったり、怒り散らかして家族に暴力をふるったりする父の不機嫌と、欠落した団欒の空洞を埋めるがごとく、エリコさんの人生をすべてひとりでコントロールしたがる母の過干渉に、幼い頃から悩み続けていたと言います。外面はいい両親だったために、その苦しみを大人になるまで誰にも打ち明けることのできなかったエリコさん。短大への進学、就職も母が決めたルート通りにしたものの、自分の人生を一切生きられていないストレスに押しつぶされ、神経症や摂食障害をたびたび発症してしまいます。40代で出会った本をきっかけにカウンセリングや自助グループに通い始め、43歳のときにようやく実家を出ることのできたエリコさんは、父が病気で亡くなったいま、ようやく母と“月に一度くらいは外食や温泉に出かける”関係になったと語ります。エリコさんは、母に過去のおこないを謝ってほしいとは思っていません。謝られても赦せないほどのことをされてきたからこそ、いまの母を特に責めようとは思わない、と考えています。“「赦せない気持ちを抱いたまま、母と向き合いつづけることはできません。お金や公的支援などを使って、(同居は)なにがなんでも避けるでしょう。一対一で本気で向き合ったら、危険な状況になってしまうのは目に見えているから。それを避けるためにもなんとか“本当の気持ち”にはふれないまま関係を終わらせたい。本当のことを口にしないことで、静かな別れを迎えられるかもしれない、と思っているんです」(――同書、36頁より)”現在、高齢者マンションで暮らす母の介護は、マンションに付帯するサービスに任せることが決まっている、とエリコさんは言います。あえて“本当の気持ち”を母に伝えないまま静かに関係を終わらせたいと語る彼女の選択を、間違っていると非難できる人はいないはずです。■「もとはと言えばそれだけのことを母が娘にしてきたからです」その他の5名の女性たちも、両親のアルコール依存症やギャンブル依存症に悩み「家族解散」を決めたというケース、支配的で暴力的な母に悩み、血縁以外の人々に支えられて生き延びる道を選んだというケースなど、立場や状況は違えど、「母を看取ることはできない/看取りたくない」という思いを抱えています。また、母娘関係やアダルトチルドレンなどの問題に取り組んでいるカウンセラー・信田さよ子さんへのインタビュー。そして、弁護士である松本美代子さんに介護や相続、親子関係の法律について聞くQ&Aも、本書の巻末に収録されています。親の介護をどうしても引き受けたくない、看取ることはできない――と考えている方にとって、本書の中で6名の当事者の女性たちがとった(とろうとしている)選択を知ることや、親に対する扶養義務の法律上の範囲について把握しておくことは、「親の老い」という遠くない未来を生きるためのたしかな力になるはずです。本書の中で、カウンセラーの信田さよ子さんは、“──世間は常に親の味方です。老いた母を“捨てる”のか? とヒューマニズムに訴えてきます。多勢に無勢です。押し返す力が娘に持てるでしょうか。”という著者からの質問に、“世間が娘に突きつけるヒューマニズムはいったいだれにとってのヒューマニズムでしょう。「人を殺してはいけない」以外に、万人に共通のヒューマニズムはない、と私は考えています。世間のヒューマニズムは親、しかも年老いた親の味方です。すると、だれかが必ずその犠牲になる。それははたしてヒューマニズムなんでしょうか。私は家族についてそういうシビアな全体観を持っています。自分の人生や子どもたちを守るために、手放さざるを得ないものもあるのではないでしょうか。(――同書、151頁より)”と答えています。さらに、“そんな関係”のまま親に死なれたらあなたが後悔する、と言ってくる人に対しては、“そんな関係になったのも、もとはと言えばそれだけのことを母が娘にしてきたからです。そこまで追い詰められ苦しんでいる娘たちは、なにも自分のわがままや身勝手から訴えているわけではありません。(――同書、152頁より)”とはっきりと言い切っています。親子関係で悩み続けている人にとっていちばんつらいことは、世間や家族からの圧力以上に、「介護をしたくない」「これ以上、親に関わりたくない」という自分の思いに、自分自身が罪悪感を覚えてしまうことかもしれません。しかし、親の介護や看取りにあたってどんな選択肢をとるかは、当然ながら自分自身が決めていいことです。本書は、当事者や専門家による複数の語りを通じて、親ではなく、自分自身の人生を最優先にしていいということを繰り返し説いてくれます。親の介護についてこれから考え始めたい人にはもちろん、「親がきらい」という気持ちにうまく向き合えず、モヤモヤとした思いを抱えている人にもお薦めしたい1冊です。
2020年12月02日