こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。私は以前、学習塾で講師をしていました。そのときに感じたことは、子どもの語彙力が低下しているということでした。音読をしても読むことはできます。しかし、言葉の意味を知らない子どもが多かったのです。自分で調べることをする子がとても少なかった、ということも同時に感じていました。算数・理科・社会など、国語以外の教科は、「計算できれば解ける」「実験の経験や知識があればできる」と考えてしまいがちです。しかし、問題文は日本語で書かれています。ですから、語彙力・国語力がないと、学年が上がるにつれて勉強が難しくなってくるということを考えていただきたいと思っています。そのための対策として家庭でもできるものが、書写 です。●書写とは?“書写”とは、文字の通り書き写すことです。小学1年生になると授業で習います。習字の授業の一環のように感じる人もいるでしょう。しかし、義務教育である小中学校では、国語に位置づけられています。多くの場合、鉛筆を使って書いてあることをそのままノートなどに書き写すのですが、どうしても句読点やかぎかっこなどを見逃してしまうことが往々にしてあります。これは、文字をしっかりと読んで理解していないために起こることが多いです。私が当時教えていた子どもたちも、かなりの見逃しをしてしまうことがありました。●語彙力・国語力をつけたいのなら、音読+書写!国語力は、ただ読むだけ、ただ書くだけでは身につきません。大事なポイントは、“書いてある内容を読んで理解する”ことです。そのためには、書写をする前にしっかりと音読 することが大切になります(音読とは、声に出して読むことです。声を出さないで読む黙読では意味がありません)。書いてある内容がわかれば、書写することは難しくありませんし、しっかりと頭に入ります。当時小学3年生だった男子が生徒として学習塾に入ってきたとき、教科書をスラスラ読むことが難しく、「勉強つまんない、やりたくない!」が口癖でした。書写をさせたときも、間違いが多く字も乱雑でした。明らかに国語力が低いことがわかりましたので、教室に来るたびに音読と書写をするように時間を取っていきました。1か月後、3年生の教科書はスラスラ読むことができるようになり、内容も理解し、わからない言葉が出てきたときは自分で調べるまでになったのです。書写のノートは直しがなくなり、花まるが続くようになりました。気になっていた口癖も言わなくなったのです。読んで理解することができれば、ここまで変わるのだということを実感した最初の生徒でした。始めは短めな文からスタートさせましょう。徐々に文字数を増やしていきます。正しく読み、文章の内容がわかること、文字が丁寧に書けて、しっかり写せるようになることができたら、終了する目安です。●書写に向いているノートはマス目の小さいノート書写をさせるには、小さなマス目のノート が向いています。しかし、学校では低学年に大きなマス目のノートを使わせます。大きいマス目の方が文字を書きやすいからです。自宅で書写をさせるときは、10ミリ方眼などのノートをおすすめします。マスの中に合わせて字を書き込むことができるようになりますし、ノートを見返すときに、見渡しやすいからでもあります。見渡しやすいことで、間違った点をいち早く発見することができます。脳科学の面から見ると、小さな文字を書くことで言語能力が上がる ことがわかっています。そして、小さい文字を書くことで集中力がアップし、視野が広がることで捉える文字数が増えることもわかっているのです。ですから、早い段階で小さなマス目のノートを使うことをおすすめします。●おわりに国語力は小さいうちからつけておくことがとても重要です。読んでみてわからないと、授業についていくことが難しいと感じ、勉強が嫌になってしまうことにつながります。そうなっては困りますよね。そうなる前に、“音読+書写 ”を毎日少しでもいいのでスラスラできるまでやってみましょう。学校から宿題として出ている場合もありますが、出ていない日も宿題の前に行ってみてほしいと思います。その方が集中力が継続できるからです。ぜひ、試してみてほしいと思います。【参考文献】・『伸びる子には秘密がある 小学生の勉強法』石井郁男、小学生の勉強法を考える会(編集)●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年12月07日絵カードを使って、お家でも言葉のトレーニング!Upload By SAKURA広汎性発達障害のある我が家の娘。娘は言葉の発達が他の子どもたちより遅く、2歳7カ月だった当時、1歳半レベルの言語能力しかなく、私の言葉を理解したり、自分から何かを話したりするのが難しい状態でした。1か月に1回ほど通っていた言語訓練に「もっと行かせたい!」と思ったのですが予約がいっぱいでそれは難しいとのこと。それならば!と思い立ち、私は家で娘と訓練を始めることにしました。私はまず娘が知ってる単語・知らない言葉を小さな紙に絵に描いて、絵カードを作りました。今回は、私と娘がどんなふうにこの絵カードを使ったのかについてご紹介したいと思います。Upload By SAKURA1.初級編~ウサギさんはどーれだ?~Upload By SAKURA最初は、絵カードをたくさん並べて、「ウサギはどれかな~??」と娘に聞いて選んでもらいました。もちろん娘は、すべての単語を知っているわけではないので、私の出す問題が分からないときもありました。そんなとき、娘は適当にカードを選んでいただけでしたが、そのときは「違うよ」と教えて新しい言葉を覚えてもらえるようにしました。2.中級編~空を飛ぶ乗り物はどーれだ?~言われた単語のカードを選ぶことに慣れたら、次は聞き方を変えます。例えば…Upload By SAKURAUpload By SAKURAというように、物の名前ではなく特徴を言って、並んでいるカードの中から選んでもらう方法にしました。単語だけでも苦戦する娘にこれはとても難しかったようで、並んだカードを見つめたまま固まっていました。この娘の様子を見て、これまでウサギを見せたとき「ウサギだよ~」としか娘に教えなかったことにかなり反省…。ここから私は新たに気合いを入れ、散歩に行っては「鳥がお空を飛んでるね~」「飛行機が飛んでいるね~、乗ってみたいね~」と、単語に関係する用語を入ながら話しかけるようにしました。Upload By SAKURAこれを気長に続けた結果、家での訓練を初めて半年後の3歳になったころ「空を飛ぶ乗り物は何かな?」で「飛行機」を選べるようになりました。3.上級編~推理してみよう~選んでほしいカードの特徴を聞いてカードを選ぶことに慣れたら、次は推理させる方法にします。Upload By SAKURAこれまで並べていたカードを手で隠し、そのカードに書いてある絵の特徴を言って、カードに描かれているのは何かを当てさせます。このカード推理…5歳になった今も、出来る時と出来ない時があります。最近は、寝る前などに「クイズやるー?」と遊びながら、楽しく訓練している感じです。お家で出来る簡単な言葉のトレーニング、よろしければぜひご家庭で試してみて下さい。Upload By SAKURA
2016年09月21日「最近の若者には、指示がなければ何もしない『指示待ち族』が多い」と揶揄されることもあります。わが子を指示待ち族にしないために大切なのは「思考力=自分で考える力」です。思考力を育てるのに最高なのがオープンクエスチョン。そのオープンクエスチョンの上手な行い方を紹介します。オープンクエスチョンって何?オープンクエスチョンの反対語は、クローズドクエスチョンです。これらは、どのように違うのでしょう。簡単に言えば、クローズドクエスチョンは、「はい」と「いいえ」で答えられる質問。オープンクエスチョンは、聞かれた相手が答えを自由に選べる質問です。オープンクエスチョンでは、自分を省みて質問に対する答えを探し、それを言葉にすることが求められます。相手が子どもであれば、親がその答えを受け取り、意を組んでさらに膨らませることができれば会話は盛り上がり、子どもは「もっと話したい」「もっと聞いて欲しい」という気持ちを持ちます。すると、子どもはこれまでに培ってきた語彙を最大限に駆使し、頭の中にあることを精一杯伝えようとするのです。子どもの言葉を待ちましょう子どもは大人に比べて語彙数が少ないため、その分、考えをまとめづらいものです。ですからオープンクエスチョンに対して、パパッと簡単に答えることができません。ただし、答えたいという気持ちは大人と同様に持っています。ですから、大人は子どもの言葉が出てくるまで待ちましょう。「大丈夫だよ」という思いを込めてその子のことを見つめながら、じっと質問の答えを待つのです。間違ってもスマホなんていじってはいけませんよ。子どもが心を開き、自分の気持ちを言葉にしようと頑張っているのですから、大人もそれを受け止める準備をしましょう。オープンクエスチョンを何度も繰り返すことで語彙力が強化されるオープンクエスチョンは一度では足りません。何度も何度も重ねることによって、自然と考える力が身につき、豊富なバリエーションで答えを返してくれるようになります。そして、それはいつ始めればベストだというものでもありません。これまで子どもに対してオープンクエスチョンでの質問をしてこなかったという家庭でも、今から始めれば大丈夫。子どもというのはいつの時点からでも伸びるものです。しかも、さまざまな場所で言葉のシャワーだけは常に浴びているので、自分の中には語彙がたまっている子も多くいます。語彙力がつくかどうかは、それを吐き出せる力があるかどうかにかかっています。オープンクエスチョンを繰り返すことによって、語彙力を強化し、自分で考える思考力を身につけさせていきましょう。(ふじなみまき<フォークラス>)
2016年03月31日【ママからのご相談】小1男の子のママです。リビングルームで子どもがテレビを見る機会が多いのが心配です。こちらもついつい家事で忙しいとテレビに子守りをさせてしまい、罪悪感もあります。勉強に影響が出ないのか心配です。また、どうせ見るのならば勉強に興味を持てるようにならないかとも考えています。なにか良い方法はありますか?●A. テレビとの上手な付き合い方をお教えします。こんにちは、遊びと学びの専門家大根はじめです。子どもがテレビにかじりついているとあまりよくないのでは……と心配になってしまいますよね。うちの子どもも、恥ずかしながらテレビ大好きないわゆるテレビっ子です。テレビと上手に付き合う方法 をご紹介します。●安心してください。テレビを見ても大丈夫です中室牧子さんの著書『「学力」の経済学』によると、親が心配するほどテレビは子どもに悪影響がないこと、1時間程度ならばテレビを見ても問題がないことが分かっています。同時に、2時間以上だと悪影響がある ことも判明しています。時間にメリハリをつけて見る番組を決めるなど、ルールを決めることでダラダラ視聴を防ぎましょう。●テレビを見ているときに学習効果を上げる方法その1わが家ではテレビの置いてある居間に、子ども専用の国語辞書を置いています。先日テレビで『肺結核』との言葉が出てきて質問してきたので、夫が「自分の辞書で調べてみなよ」と促し調べていました。深谷圭助さんの著書『辞書引き学習が自分でできる!』でも、小学校で覚える言葉は7,000語、語彙力を増やすためにも辞書を引くことが有用である と指摘しています。いきなり辞書を引くよりも、テレビを見て興味を持ったらすぐに調べるということを繰り返していると、自然と自分で調べることができたり、語彙を増やす力になったりします。●テレビを見ているときに学習効果を上げる方法その2テレビを通じて子どもが興味を持つのは言葉だけではありません。この国はどこ?ここはどこ?と地名にも興味を持ちます。日本地図、世界地図、地図帳を置いておくと社会科の勉強 にもなります。地図帳は難しすぎる……という場合は地図絵本もあるので絵本でもいいですね。興味を持ったらすぐ調べることを習慣化すると、ものを学ぶ習慣を身につけるきっかけにもなります。働くようになっても自分で物事を調べる力は大いに役に立つので、テレビを見ながら一石二鳥を狙いましょう。----------いかがでしたか?まずはテレビの前に辞書や地図絵本を置いてみることから始めてみるのもいいかもしれませんね。【参考文献】・『「学力」の経済学』中室牧子・著・『辞書引き学習が自分でできる!』深谷圭助・著●ライター/大根はじめ(マンガ家)
2016年03月08日前編 では、赤ちゃんが持つ短期記憶と論理的思考力について説明しました。今回はその続きとして、遊びを通じて赤ちゃんの記憶力と思考力をトレーニングする方法を紹介します。「いないいないばあ」をするなら顔全体を隠そう玩具隠しと同じように、「いないいないばあ」にも赤ちゃんの脳をトレーニングし、記憶力を発達させる効果が見込めます。「いないいないばあ」をされて赤ちゃんが大喜びするのは、自分にとって大事なお母さんが急に消えてしまって不安になったものの、すぐまた見つかって安心することによるものです。繰り返しやっていると、記憶力が育ってくるため、お母さんが「いないいないばあ」をして顔が見えなくなっても、「どこかすぐ近くにいるはずだ」という考え方ができるようになってきます。こうした記憶力のトレーニングという意味では、「いないいないばあ」をするときに目だけを隠すのは意味がありません。赤ちゃんからお母さんの顔が見えなくなり、お母さんが一瞬いなくなったと思わなければ意味がないからです。目は隠れていても顔の全体像が見えていては、赤ちゃんでもお母さんがいなくなったと感じません。このため、記憶力のトレーニングも兼ねるのであれば、「いないいないばあ」をする時にはお母さんの顔全体が隠れるようなかたちで行いましょう。たとえば、赤ちゃんの前に布を垂らしたり、自分の顔の前に新聞紙をもってくる、といったようなやり方をすると簡単にできるでしょう。赤ちゃんの視界からお母さんの顔を一度完全に見えなくするところがポイントです。生後半年もすると、赤ちゃんはようやくお父さんのことを意識できるようになるので、「いないいないばあ」をお父さんがやってもいいでしょう。しかし、この頃になると人見知りが始まる子もいます。このため、あまり頻繁に顔を合わせない人(おじいちゃん、おばあちゃん、親戚の人など)がいきなり「いないいないばあ」をすると怖がってしまい、泣き出してしまうことがありますので注意が必要です。幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておこう「短期的記憶力」というのは、脳科学では「ワーキングメモリシステム」と言われています。例えば、人から用を言われメモするまで覚えておく、買い物で買ってくるものを覚えておく、というような、少しの間だけ覚えておけば後は記憶しておく必要のないことを記憶するシステムです。ワーキングメモリシステムは、日常生活を送るには必須であり、学習のスキルアップにも重要なファクターとなってきます。そのため、できるだけ幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておくことがベターだと言えるでしょう。(子育ての達人)
2016年02月12日子どもは大人の会話の中から単語を拾って語彙力を伸ばしていきます。周囲の人間からすれば大人の会話で使うような単語を発する子どもに対して、それと同等の理解力・精神力があると勘違いしてしまうことがありますが、子どもの記憶力は大人の記憶力に比べて5分の1以下程度と言われるほど。まず最初にロボットのおもちゃで遊んでいて次に車で遊んでいたとしても、最初に何で遊んでいたかと聞くと、「くるま!」と、もっとも印象が強かったものを答える傾向にあります。そのため、出てくる単語が一定になったり、発した単語が正しい意味で使えるようになったりするのは、まだまだ先のことなのです。子どもの語彙力を上げる一つの大切なルールは、耳と目、両方に訴えることです。車を教えるときは車を見せる、水を教えるときは水に触れさせる。ヘレンケラーとサリヴァン先生のイメージです。そのほかにも、例えば何か欲しいときに「ちょうだい」と言えるようにするためには「ちょうだい」と何度も言わせるのでなく、ちょうだいと人に言ったらどんなことが起きるのかも一緒に教えてあげることが大切なのです。現実と願望を同時に感じる子どもの能力突然子どもが「公園に行ったんだよ」「アイスを一緒に食べたよね」なんて身に覚えのないことを言い出すことはないでしょうか? そんなときは「そうだね、今度一緒にいこうか」と笑顔でお返事してあげてください。どうしてこのような突拍子もないことを言うのでしょうか、それには子どもらしい言葉と記憶のメカニズムがあります。現実世界と願望、すなわち夢見る世界が子どものあたまの中では介在しているのです。「アイスクリームをたべたいな~」と思ったとしても、「~したい」と未来を表す言葉の使い方は過去を表す言葉よりも後に理解するようになるので、唯一理解している過去を表す言葉「~した」を用いて記憶するのです。すなわち、見に覚えの無い「公園に行ったんだ」「アイス一緒に食べたよね」などの経験談は子どもの願望を表しています。嘘だと思って叱ったり否定するようなことをしてしまうと、子どものサインを見逃すことになるので、是非これをきっかけに子どもの希望をキャッチしてあげてくださいね!
2015年07月29日言葉のプロたちは、どんなふうに上手に日本語を操っているのだろう。英語と日本語に精通する翻訳家の越前敏弥さんは、2つの言語の違いについて、また、日本語ならではの魅力的な表現についてこう語る。「日本語は主語を立てなくてもいい構文だという点が大きな違いです。英語は必ず主語を立てなくてはいけないので、カチッとしている一方で不自由なことも。個人的には、柔軟な構造の日本語の方が好きですね。日本語が好きだからこそ、日→英ではなくて英→日の翻訳をしているともいえます」日本語の特徴のひとつに、文末を強く発声しないという点も。「本来は文の最後で肯定か否定かが決まるので明確に発声しなくてはいけないのですが、それでは響きが美しくない。そのため、曖昧に発声するのです。もともと日本語はハッキリ言わずに相手に汲んでもらうことで美しく響く言語。国際社会では通用しないと言われそうですが(笑)、愛の語らいにはピッタリな言葉だと思いますよ」そんな言葉のプロに語彙力を増やす具体策を教えてもらった。◆言葉を探すには、まずはインプットを。楽しみながら電子辞書やアプリで、知らない言葉をインプットしている越前さん。愛用中の“串刺し検索”は、英和、国語、類語辞典など20以上の辞書に一度に検索がかけられるソフト。あらゆる角度から言葉を見ることで翻訳につながるキーワードが浮かんでくるという。『しぐさの英語表現辞典』など電子化されていない辞書は自作の索引を作成。その他、ゲーム感覚でできる語彙検定のアプリもおすすめ。◇えちぜん・としや翻訳家。『ダ・ヴィンチ・コード』『インフェルノ』(共に角川書店)など訳書多数。著書に『日本人なら必ず誤訳する英文』(ディスカヴァー21)などがある。朝日カルチャーセンター(東京・大阪)で翻訳講座の講師も務める。※『anan』2015年7月1日号より。イラスト・アベ ミズキ文・真島絵麻里
2015年06月28日歌唱力、計算力、超能力など、「○○力」と言われるものは数多くありますが、このごろ、世の中に不足していると思う力はありますか?アンケート調査を行い、皆さんに伺いました。調査期間:2012/02/10~2012/02/15アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 874件(ウェブログイン式)■満員電車では高確率で舌打ちが聞こえる「最近世の中にどんな『○○力』が足りないと思いますか?」と質問したところ、あらゆる分野で不足している「力」について、何十種類もの回答が得られました。その中でも票が多く集まった上位5位をご紹介しましょう。1位会話・コミュニケーション力……57票(6.5%)2位想像力……42票(4.8%)3位忍耐力……37票(4.2%)4位思いやり力……33票(3.8%)5位行動力……27票(3.1%)1位は、「携帯のメールばかり使ってしまう」(25歳/女性)、「ネットが普及しすぎた」(26歳/女性) などを理由とした「会話力・コミュニケーション力」。会話をせずとも連絡が取り合える通信手段の発達により、本来の会話能力がなくなってしまっていると感じている人が多いようで、「近所付き合いが希薄だからこそ、家庭内の事件が多いように思う」(29歳/女性)という視点の人もいます。2位の「想像力」は、「相手を思いやる余裕がなく、せかせかしている人が多い」(27歳/女性)、「想像力があればいろいろな事が解決できる」(32歳/女性)ほか、「想像力があれば世の中悪い方には向かわない」(27歳/女性)という意見もあります。3位は「忍耐力」。「不景気の影響もあるが、定職につかない人や、自殺者などが増えているので」(30歳/女性)、「満員電車に乗っていると高確率で舌打ちが聞こえてくる」(28歳/女性)と、世の中の人が「権利ばかり主張して、自分の義務を果たさない」(24歳/女性)という傾向に向かっていることを危惧(きぐ)する人も。■思いやり力、行動力、犠牲力、献身力、革命力、生命力4位は「思いやり力」。「先が見えず、不安から、自分さえ良ければよい!と豪語せんばかりの人が多い」(25歳/女性)、「みんな自分のことが優先でギスギスしている」(30歳/女性)というのが主な理由。「相手がこうしたら仕事がしやすいだろうと、相手のことを思いやる力」(27歳/女性)があると、職場の空気も変わることでしょう。5位は「行動力」。「不景気だからなのか、『草食』の言葉が生まれたように、行動力が足りないように思う」(31歳/女性)それは、「行動力かつ決断力を持ち、リーダーシップを取れる人間が少ないと思う。人に言われたことをするだけの人間が多い」(28歳/女性)ということにつながりそうです。ほかにも「犠牲力、献身力。自分が損することを極端に避ける」(23歳/女性)、「革命力。革命的な事業を成し遂げる人物がいない」(37歳/女性)、「生命力、強く生きようと思っていない」(27歳/男性)など、さまざまな力の不足が指摘されました。■取り戻したい政治力国を引っ張るべき政治家に対する力不足の声も目立ちました。政治力が足りないという方からは、「考えれば意味がないことが分かると思うのに、人気取りだけのために無意味な政策をしていること」(34歳/男性) 、「政治家が頼りなく、物事が全く進んでいないことはもちろん、選ぶ側の国民にもきちんと監視する力が足りていない」 (32歳/男性)また「政治家の答弁を聞いていると説明力がないと感じる」(25歳/男性)、「未来貢献力が足りない。将来的によくしていこうという姿勢が政治的にあまりないから」(24歳/男性)など、日本の政治の未来に対する不安の声が漏れ聞こえてきました。多くの人が自覚しているこれらの力を養うことができれば、明るく活動的な社会が開けるのかもしれません。(蘭景×ユンブル)
2012年04月19日