今年で第20回を迎える「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が2月25日(木)、華やかに開幕した。記念すべき映画祭のオープニングを飾ったのは特別招待作品『シュアリー・サムデイ』。若手俳優の中でも群を抜く実力で、日本映画界を牽引する小栗旬の初監督作品だ。開会式には小栗旬をはじめ小出恵介、勝地涼、綾野剛、鈴木亮平、ムロツヨシ、小西真奈美、山本又一朗プロデューサーが駆けつけ、舞台挨拶を行った。濃霧により羽田発、新千歳行きの飛行機が遅れるという「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」始まって以来のハプニングに見舞われたが、夕方18時前に『シュアリー・サムデイ』御一行は無事到着。映画祭のオープニングを盛り上げた。ちなみに、舞台挨拶付きのチケットは発売と同時に即完売。このプレミア・チケットを手にできた人はかなり幸運!大きな拍手の中、「ただいま〜!」と、ゆうばりファンタおなじみの合言葉に「おかえり〜!」と会場から温かな声。思わず笑みがこぼれる小栗さん。「今日ここでみなさんに観てもらえることができて幸せです。27歳の僕が、自分なりに撮れる青春映画を撮ったと自負しています。この北の町から南へ伝えてほしい」と熱い想いを語った。本作の企画が始動したのはちょうど4年前。小栗さんが山本プロデューサーに「この作品を自分で監督したい」と持ち込んだことがきっかけだったそうだが「23歳で監督はまだ早い」というプロデューサーの判断で、監督への道は、しばしおあずけに。4年越しで叶った夢だけに、初お披露目となったこの日は彼にとって特別な日として記憶に刻まれた。そして、気になるのは監督としての彼の才能──主演の小出さんは小栗監督について「彼の背中を見て、自分たちも頑張ろうと思えた」と褒め称え、ほかのキャストたちも「信頼のできる監督だった」と声を揃える。監督として良いスタートが切れたことがうかがえる。映画祭2日目の26日(金)にはキャスト&スタッフによる記者会見が行われ、撮影時のエピソードが語られた。小出さん曰く現場は「走りっぱなし」だったそうだが、その疾走感がこの映画には必要だった。「楽な日は1日もなく、刺激的な現場だったけれど、追い込まれるからこそパワーが出たと思う」と小出さんはふり返る。続けて「同級生の一体感を出すために撮影前からコミュニケーションをとっていた」と言うのは勝地さん。みんなで飲みに行くことはもちろん、全員が楽器初心者ということで「楽器の練習が僕らの関係を繋いだと思います」と語る。だが、コミュニケーションはときにヒートアップ!最年少の勝地さんと最年長のムロさんの2人はよく喧嘩に。「あんたとはやってらんねーよっ!」と勝地さんがムロさんにキレ、小出さんが「目指している方向は同じ、みんな同じ気持ちなんだよ!」と仲介に入ったこともあったのだとか。当事者のムロさんは「僕と勝地の喧嘩が原因でキャストとスタッフ間にまで溝ができたこともあったけれど、それが結束力を生んだと思う。最後のバンド演奏にはその結束力が表れている」と語り、そんなエピソードを含めて「自分たちらしさがあっていい。もっと青臭くてもいいと思えました」と綾野さん。また、鈴木さんは「キャストにとって監督が同年代の俳優であることがいい緊張感を生んだと思います。元々、知り合いなので現場はくだけた感じだったけれど、演じる上ではものすごく緊張感がありました。ライバルの前で下手な演技はできないなと(笑)」。紅一点の小西さんは「性別も年齢も超えた青春映画」だとアピールし「自分(役者)が求めている以上のアドバイスをくれる監督でした」と、若き新人監督に称賛を贈った。小栗旬ら若い映画人たちの情熱がギュッと詰まった青春映画『シュアリー・サムデイ』は7月17日(土)より全国にて公開。(photo/text:Rie Shintani)■関連作品:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2010 [映画祭]シュアリー・サムデイ 2010年7月17日より全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会■関連記事:小栗旬初監督作ポスター画像解禁!チラシ裏面には「大人立入禁止。」の文字が…ヒップホップ・スタイルで登場の大江裕が「“夕張”大将」&ラップを披露!小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目小栗旬初監督映画ヒロインは小西真奈美!小出恵介の初恋の人を演じる2010年はバンドブーム再到来?小栗旬、初監督作品は旬な5人が高校バンドマンに
2010年02月26日2009年だけでも『クローズZERO II』に『TAJOMARU』、そして現在放送中の月曜9時枠ドラマ「東京DOGS」と映画にTVにとひっきりなしに主演作品が続く、いま最も多忙を極める俳優の一人、小栗旬が弱冠26歳にして初映画監督に挑む。タイトルは、『シュアリー・サムデイ』。4年越しの構想期間、完全オリジナル・ストーリーでもって、2010年の映画界に新風を吹き込む!遡ること4年、自身と高校の仲間たちとの絆をテーマに、自ら書き上げた1枚のプロットを若手脚本家の武藤将吾に持ち込んだことから始まったこのプロジェクト。その後、武藤氏のオリジナルストーリーに小栗さんのプロットの要素が絡み合う形で出来上がった脚本に、小栗さんは惚れこみ、即座に映画プロデューサーの山本又一朗(『クローズZERO』シリーズ)に持ち込むが、小栗さん自身の充分なスケジュールを確保することが困難なあまり、その後、4年の月日を経ることに。だが、この期間にも小栗さんの中では構図からキャスティング・プランまで一つ一つが固められていったという。そして、昨年の『TAJOMARU』撮影直前、全ての環境が整ったことを機に、遂にプロジェクトが再始動、今年7月にクランクインへとたどり着いた。本作で描かれる主人公は、文化祭を目指しバンドの練習に明け暮れる高校生5人。ひょんなきっかけで企てた高校ジャック作戦が思いも寄らない事件を巻き起こしていく…。この高校生5人を演じるのは、小出恵介、勝地涼、綾野剛、鈴木亮平、ムロツヨシと、小栗さんの俳優仲間たちから集められた個性派ぞろい。バンドを描いた映画といえば、本作以外にも『BANDAGEバンデイジ』、『ソラニン』、『BECK』など目白押し!2010年はバンドブーム再到来?果たして本作はどんな仕上がりになるのか、注目が集まる。『シュアリー・サムデイ』は2010年夏、全国にて公開。■関連作品:シュアリー・サムデイ 2010年夏、全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会
2009年11月09日