3歳と1歳の仲良し姉妹。ある日、食事をしていると…2人で何やらおしゃべり。絶妙に成り立ってる姉妹のやりとりに、思わずクスッとしてしまいますよ♪ 「これ、欲しいのかな?」 何やらお姉ちゃんのことが気になるかんなちゃん。じーっと見つめていると… 「欲しい??」とお姉ちゃんのここなちゃん。 すると、かんなちゃんも「んんん…」とお返事!ちゃんとお姉ちゃんの質問に答えていますね♪ 会話できてる!? お姉ちゃんもかんなちゃんの返事を聞いて、「ほしくないのか!」と解釈(笑) やっぱり会話ができてる2人♪その後も… 「これ使うの?」「ピンクのスプーンが欲しいの?」と質問攻めのお姉ちゃん。 かんなちゃんに色々と話しかけてくれています♪妹のことを気にかけてくれる姿が微笑ましいですね。 かんなちゃんも、お姉ちゃんの問いかけに必死におしゃべり! どうやら2人の中では会話も通じ合っているようです(笑) 仲良し姉妹のここなちゃんとかんなちゃん。2人ならでは会話がとっても可愛らしいですね♪ 2人の会話している様子は、ぜひYouTubeでご覧くださいね。妹のことを気にかけてくれるここなちゃんと、一生懸命話をしているかんなちゃんの姿に思わずキュンとしますよ。 YouTube「いっちーファミリー@itchyfamily」では、他にも可愛い動画がたくさんさん配信されていますよ。 仲良し姉妹の日常の姿をぜひご覧くださいね。また、Instagram(@kokopapagram)も更新しているので、そちらも要チェックですよ! この会話成り立ってる?1歳&3歳姉妹の会話|いっちーファミリー画像提供・協力/いっちーファミリー
2024年03月06日広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)中1娘と5歳下の弟の関係は広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある中学1年生の娘には、5歳下の弟がいます。長男が産まれた時、私は発達障害がある姉がいる長男のことを心配していました。私が娘にかかりきりになって寂しい思いをしないか……発達障害があることで一般的な姉弟と違う関係になってしまうのではないか……姉弟関係がうまくいくのか、不安でした。会話が上手くいかなかったり、娘がイヤイヤ長男の相手をするという時期もありましたが、成長を重ねていき、2人は、私が想像していた以上に良い関係を築いてくれました。Upload By SAKURAしかし、娘が中学校に入学してからは、勉強や部活に忙しくなり……娘と長男が過ごす時間は少なくなりました。そして、今まで赤ちゃんだった次男が成長し、長男と次男が一緒に遊ぶことが多くなりました。Upload By SAKURA同時に反抗期真っ盛りの娘と私がもめることも増え……長男は、そんな様子をただ黙って見ていました。Upload By SAKURA母親の私がいうのもなんですが……長男は察することが得意。今何をしたらいいかや、言わないほうがいいことを、説明しなくても理解しています。そのため、私はついついしっかりしている長男に頼ってしまいます。Upload By SAKURAもしかして長男は寂しい思いをしてるかも?空気の読むのが上手な長男ですが、実は、3姉弟の中で生粋のママっ子。口には出しませんが、もしかしたら姉と弟のことで忙しい私に気を使って遠慮し、寂しい思いをしているかもしれない……。Upload By SAKURA私は、少しでもフォローになればと、休日に長男と2人で、出かけることにしました。Upload By SAKURA「ママとカフェに行きたい」という長男のリクエストで、2人でカフェに行くことになりました。カフェでのんびり食事をし、外を散歩することにした私たち。歩きながら私は、長男に話をしました。Upload By SAKURA日頃の感謝と、私の反省を長男に伝えると日頃の感謝と、私の反省を伝えると、長男は「いいんだよ」「ママは頑張ってるよ」と言ってくれ、こんな怒りんぼうな私をちゃんと見ていてくれることが、うれしくてたまりませんでした。それから私は、娘の話をしました。Upload By SAKURA私は、長男が小さな頃から、娘のことは説明していました。まだちゃんと理解できるまで、専門的な用語は使いませんが、娘の苦手な部分に関しては、隠さず話してきました。Upload By SAKURA私が娘に対して、厳しいことを言うことが多くなってから、私の本当の気持ちは娘に届きにくくなりました。「あなたのことが大好き」と娘に伝えても、反抗期の娘は無言……。自分の思いが伝わらないまま、声かけをしていくことがしんどくもなってきていました。せめて長男には、私が思っていること、考えていることをちゃんと分かっていてほしいと思いがありました。私は、娘への思いをそのまま伝え、長男にしてほしいことを伝えました。ありがたいことに、長男は理解してくれました。Upload By SAKURAそれから私は、定期的に長男と出かけるようにしています。長男が好きなゲームセンターに行ったり、公園で鬼ごっこをしたり、長男の話をゆっくり聞くようにしました。長男はいつもお出かけを楽しみにしてくれていて、2人きりの時間はとても楽しそうです。長男は、いつも私やきょうだいたちをよく見ていて、空気を読んで動いてくれます。しかし、しっかりしていても、まだ小学1年生。長男に甘えすぎないで、ちゃんと向き合う時間をこれからもつくっていきたいと思います。執筆/SAKURA(監修:新美先生より)発達障害のあるお姉さんとその弟さんとの関係について、詳しく教えて下さりありがとうございます。あーさんと弟さんのやり取りがほほえましく、ほっこり読ませてもらいました。一般的に、病気や障害のある方の定型発達のきょうだいは「きょうだい児」と呼ばれることがあり、さまざまな場面で我慢を強いられやすく、きょうだい児ならではのストレスがかかると言われています。とは言え、ご家庭ごとに事情は異なります。大切にしていくことは、障害などがありケアに手がかかるお子さんも、そうでないお子さんのことも、一人ひとりの人格を尊重していくことかと思います。負担が大きい場合は、それぞれの個室をつくる、別々に活動する時間を増やすなど、障害や病気のないほうのお子さんも、自分らしく過ごせる時間を確保することも大切です。SAKURAさんのご家庭では、姉弟仲もよく、弟さんがとても良く気がつくタイプで、自然にフォローしてくれたりするのですね。頼りになる分、負担がかかっていないかな、無理をしていないかなと心配になることもあったのかもしれません。弟さんとお母さん二人の時間をつくり、気持ちを聞いたり、子どもらしく甘えられる楽しい時間をつくるというのはいいですね。弟さんの場合は、負担に思っていることはなかったようですが、それでも、こんなふうな特別な時間が過ごせることはうれしかったことでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月06日大人から見れば3歳児というと、つい最近まで赤ちゃんだった幼い子供です。とはいえ、2歳、3歳と成長するにつれて、どんどんできることが増えていきますよね。子供にとって、そんな自らの成長は、ちょっと大人に近付いたような誇らしい気持ちにさせてくれるものなのかもしれません。3歳児が考える大人の定義とは?3歳の息子である、きょーちゃんの成長記録が人気を集めている、kyo.daysさんのInstagram。「3歳って、けっこう大人」と主張するきょーちゃんの姿が投稿され、話題になりました。きょーちゃんが語る大人の定義を聞いた投稿者さんと夫は、つい吹き出してしまったそうです!※動画はInstagram上で再生できます。 この投稿をInstagramで見る 今日のきょーちゃん(@kyo.days)がシェアした投稿 きょーちゃんが、自分を「けっこう大人」だと思う理由。それは、立体駐車場を知っているということでした!確かに幼い子供はそんな難しい言葉を知らないことが多いでしょう。立体駐車場を覚えたきょーちゃんは、大人になった気がして、胸を張りたくなったのかもしれませんね。きょーちゃんの想定外の言葉には、多くの反響が寄せられました。・声出して笑った!かわいすぎるでしょ。・甥っ子が3歳の時、「二世帯住宅」っていい出したのを思い出しました。・きょーちゃんは大人!絶対、私よりもいろいろなことを分かってる。・確かに立体駐車場が分かるのは大人かも。普段から両親や祖母とさまざまな体験をしながら、たくさんの言葉に触れている、きょーちゃん。そんなきょーちゃんは、自分よりも多くのことを知っている周りの大人たちの言葉や振る舞いをよく見ながら、育っているのかもしれません。とても3歳児とは思えない語彙力に、きょーちゃんの成長がますます楽しみになりますね![文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2024年03月06日重度知的障害の息子にとって猫は得体の知れない存在で……私は猫が大好きです。出産前から飼っていた先代の猫が6年前に亡くなり、今の猫を飼い始めたのはコロナ禍真っ只中、4年前です。現在小学6年生の息子は、3歳の時に重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。息子は無発語なので自分の気持ちを言葉で伝えることはできませんが、わが家の猫を世界で一番得体の知れない、不思議な存在と思っているような様子がひしひしと伝わってきます。猫に追い詰められて部屋の隅で固まって助けてアピール先代の猫も含めたら、長らく猫と同居している息子ですが、いまだに猫を怖がり、手を繋がないと猫の近くを通れないこともあります。いつも恐る恐る、猫の様子をうかがっている……といった感じです。Upload By ユーザー体験談朝、猫が部屋や階段の中央にいると、息子が身動きとれず家を出るのに時間がかかることもあります。また、猫がいたため部屋の隅に追い詰められた息子が、壁際で固まり、言葉は話せないながらも必死で助けてアピールをしていることも時々あります。小学6年生で156㎝、66kgと身体の大きい息子が、自分よりはるかに小さな猫を怖がり、部屋の隅に追い詰められている姿は、申し訳ないですがなんだかかわいらしく、おかしくも思えます。Upload By ユーザー体験談それ意味あるの?猫に対する息子の謎すぎる反撃一方猫はというと、息子に懐いてはいません。息子を意識しつつ、つねにある程度の距離を保っている……といった感じです。ですが、時々双方ともにちょっかいを出し合います。ちょっかいの程度はそれぞれ違います。猫は本格的に息子を攻撃するときがあるのですが、それに対して息子の反撃はなんともかわいいもの。タオルやティッシュをふわっと相手に投げたり、なぜが小さなおもちゃを猫の背中に置いてみたりと、ほぼ効き目のない反撃をしています。なぜ背中におもちゃを置くのでしょうか……。理由は皆目見当がつきません。当然猫はノーダメージです。人間相手だととっさに手が出てしまうことも多い息子ですが、猫に対しては手がでないのも不思議。猫に対しては明らかに及び腰で、猫の優勢は揺らぎません。ただし、そんな猫でも息子の癇癪やパニック時の様子は怖いようで、やや離れたところから様子を見ています。Upload By ユーザー体験談二人(?)の関係に変化が。息子があみだした猫対策は?そんな二人(?)の関係ですが最近変化がありました。息子が新たな猫への対応方法を身につけたのです。それは、「リビングのドアを開けて、猫を退室させること」。息子は(あ、猫がいる)と気づいたら、さっとリビングのドアを開けます。すると、なぜか猫がドアの方へ吸い込まれるように進んでしまい、そのまま部屋を出ていくのです。猫が吸い込まれない場合は、息子が猫を誘導するような動きを見せて、猫にご退室いただいています。(無発語で喋ることはできないけれど、そんな風に猫に対して気持ちを伝えようとしているんだ!頑張っているな!)とほほえましく思います。猫を相手に学び少しずつ成長している息子。いつかもう少しだけでいいので仲良くなってくれたら嬉しいな、と思う日々です。Upload By ユーザー体験談イラスト/まるエピソード参考/あきこ(監修:森先生より)ペットは、親や先生、お友達とも違って予測不可能な動きをしますから、不思議な存在ですよね。猫ちゃんもお子さんも、きっとお互いに一生懸命に観察して、相手の習性を理解しようとしているのでしょう。お互いにちょっかいを出しながらも、お子さんは猫がイヤがることはしないようにしつつ、自分達なりの快適な距離感をはかっているのかもしれませんね。発達障害の傾向がある方には、他人の感じ方を理解するのが難しいという特性があります。人間相手では「なんで気持ちを理解してくれないんだ!」とイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、動物相手であれば「自分とは感じ方が違って当然」と思って、かえって自然に受け入れることができるのかもしれません。猫の習性を理解しようと頑張ることは、他人の感じ方を考えたり、良好な関係を築くために、きっと役に立ちますよ。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月05日「イヤイヤ期」はいつやってくる?2歳になって身構えていたけれど……Upload By プクティ世間一般で良く耳にするイヤイヤ期は、家でも外でも関係なく癇癪を起こし、本人の気持ちを落ち着かせるのにとても手こずるという印象でした。わが家の長男も、イヤイヤ期が始まる頃とされている2歳になり、いつイヤイヤが始まるのかと身構えていたのですが……。Upload By プクティ意外にも、長男のイヤイヤ期が始まる気配は全くありませんでした。確かに、洋服の素材にこだわったり、まぶしい光が苦手だったりと、感覚の過敏さからパニックを起こすことはありました。しかし、日常生活で癇癪を起こしてどうしようもないという場面にはなかなか出合いませんでした。比較的いつも落ち着いていて大人しく、いろいろなところに出かけても苦労しないので、2人きりで遠出することなどもできていました。そのため、長男はすごく育てやすい子だなと感じていたのです。育てやすかったはずの長男が、幼稚園入園で豹変!?Upload By プクティそんな長男が幼稚園に入園したとたん、「集団行動ができず、椅子に大人しく座れなかったり、教室を飛び出してしまったりして指示が聞けない」と先生から指摘され、家庭での様子と全く違うことに非常に驚きました。Upload By プクティ幼稚園で指摘されたことがきっかけで、知能検査や病院での診察を受けた結果、長男は軽度の知的障害(知的発達症)と診断されました。今思い返してみると、イヤイヤ期がなかったのは、感情表現の乏しさや自己主張の苦手さといった、発達の凸凹や遅れによるものだったのかも?と思うところもあります。現在の長男の様子と、イヤイヤ期真っ盛りの次男を見て思うことUpload By プクティその後、長男は療育を受けながら、より本人の特性に合った保育園への転園も経験しました。5歳になった今は、集団に合わせた行動がずいぶんとできるようになり、椅子に座って長時間集中するようにもなりました。感覚過敏も以前より落ち着いてきて、パニックを起こすことなく過ごせるようになってきました。ちなみに、長男と3歳差で生まれた次男は、今のところ保育園で発達の遅れを指摘されることもなく、むしろクラスで一番に先生の指示に従って行動できると聞いています。しかし、家では絶賛イヤイヤ期で、激しい自己主張に悩まされているところです。同じように育てていても、子どもの発達の仕方はそれぞれ違って、その子なりのペースで成長しているのだなあ……と感じるこの頃です。執筆/プクティ(監修:森先生より)イヤイヤ期の時期や、イヤイヤが出る場面、イヤイヤが分かりやすいかどうかなど、その子の性格によってさまざまです。一般に、自分の気持ちを自分で分かるようになったり、他人に伝えることができるようになるとイヤイヤ期は落ち着いてきます。イヤイヤ期は、子ども自身の意思や、「自分でやりたい」といった自立心のあらわれとして大切なものです。イヤイヤ期が激しいからといって心配する必要はありません。また、逆に、イヤイヤ期がない、分かりにくい、遅いからといって心配する必要もありません。イヤイヤ期が目立たないとしたら、「本人からしたら特にこだわりポイントではない」とか「伝えなくても家族はやりたいことを分かってくれている」など、イヤイヤを発動させる必要がないのかもしれません。イヤイヤ期がないからといって「自分の意思がない」ということではありませんし、遅いからといって発達が遅いという話でもないので、安心してくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月05日長男を出産して仕事復帰するにあたり、1歳で保育園に預けました。ようやく仕事ができると張り切っていましたが、度重なる長男の発熱。病児保育に預けていたのに、まさかの呼び出しに仕事を休むしかありません。夫は仕事を休めず、親も仕事をしていたため、夫にも親にも頼れない状況でした。初めての育児と仕事、自分なりに一生懸命やっていると思っていたのに、同僚からの心無い言葉に涙した私の体験談をお話しします。 1歳で仕事復帰! 保育園からの電話が…長男を出産して、1歳の誕生日から仕事復帰しました。保育園に預け始めるといろいろな病気にかかることはわかっていましたが、1週間ごとに保育園から「熱があります!」と職場に電話が……。 子どもが病気にかかったとき、夫にも頼れず、実家にも預けることができない状況でした。そのため、早退したり、病児保育に預けるため遅刻して行ったり、休まなければならなくなったりと、職場に迷惑をかけていることに申し訳なく思っていました。 同僚からの心無い言葉が…電話がかかってくるたびに上司に報告し、仕事を同僚にお願いして帰ることになるので、私自身も何度もこうなることに落ち込んでいました。そんなとき同僚の1人が、「育児も仕事も甘く考えてるんじゃないの?」と……。 私もできることならきちんと仕事をしたかったのですが、度重なる早退や休まなければならない状況にどうしようもなく、申し訳ない思いと悲しさで涙が溢れてきました。 理解ある上司に救われ、長男も元気にそのときの上司はお孫さんが生まれたばかりで、育児の大変さをわかってくれる方でした。「仕方ないよ!」と仕事内容も考えていただけたおかげで、なんとか仕事を続けることができたと思います。もし、病児保育がなかったら仕事を辞めていたかもしれません。 私は、2人目出産を機にまた迷惑をかけるかもしれないと、今までと同じ会社の中で勤務形態を変えることにし、正社員を辞め、パートへ切り替えました。すると、「子どもが小さいうちは病気にかかって、体が強くなっていく時期だからしかたない!」と、育児にも気持ち的に余裕が持てるようになりました。その後、長男はいろいろな病気にかかりつつも、3歳になるころにはあまり病気にかからなくなりました。 仕事復帰をしてからは想像以上に保育園からの呼び出しが多く、悔しい思いもしましたが、私にとっては育児と仕事を割りきることができたきっかけになったと思います。 監修/助産師 松田玲子著者:松田みさと長男と次男が15歳差の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター こちょれーと
2024年03月04日話しかけてもほとんど無視。質問には答えてくれない。アニメのセリフや誰かの口癖ばかりを繰り返す。どれが息子の本当の言葉なの?1歳半のたーちゃんが話すことができる意味のある単語は「ワンワン」のみでした。そしてオウム返しやクレーン現象など気になる行動も増えていき、私はたーちゃんの発達やほかのお子さんとの違いに悩んでいました。たーちゃんは2歳になっても、人とのコミュニケーションへの興味が薄いようでした。私や夫が話しかけても無視して、黙々と玩具で遊び続けていることがほとんどでした。リアクションも何もないたーちゃんに話しかけ続けることを、虚しいと思ってしまうこともありました。Upload By みかみかん一方でひとりごとは多く、単語は少しずつ増えていきました。よく見ているアニメのキャラクターのセリフや、私や夫がよく言う言葉の一部を真似していました。しかし、これもエコラリアなのかなと思ってしまい、私はその様子を微笑ましく思うことができませんでした。無表情で機械的にぶつぶつと呟く様子を見ていると、たーちゃんが本当にしゃべりたいことは何なのだろうと考えてしまいました。当時の私は、そうした言葉はたーちゃんの本当にしゃべりたいことではないのではないかと感じていました。心のこもった言葉を聞きたい、そう思っていました。何を話しても無視して、感情がこもっていない言葉を繰り返すたーちゃんに、温かなコミュニケーションを感じられずに、焦りと不安ばかりが募っていきました。Upload By みかみかん3語文が出てうれしい!しかし、自分の気持ちを言葉にするのは難しく、トラブルも……たーちゃんは2歳半で初めて3語文が出ました。普段はほとんど単語しか話さないたーちゃんが屋根の雨どいを見て、「ここみずでてくる」と言って私を驚かせました。しかしこの頃も、自分の気持ちを表したり伝えたりすることは苦手なようでした。Upload By みかみかん例えば、見ていた動画を「おしまいだよ」と言って消すと、たーちゃんは怒って泣いて暴れて、パニックになることがありました。「いやだ」も「もっと」も「みたい」も言うことができないたーちゃんのことを、私はもどかしく思っていました。根気強く「おしまいだよ」と私が言うと、たーちゃんは「まい!」と手を叩いて、それでも泣き続けていました。今思えば、たーちゃん自身も、うまく気持ちを言葉にできない中、なんとか気持ちを落ち着かせようと頑張っていたのかもしれません。また、赤ちゃんの頃から教え続けてきたベビーサインをこの頃もまだ使っていました。「おいしい」時には頬をポンポンと掌で叩いてみたり、「ちょうだい」と言いたい時には掌の上にもうひとつの手を重ねてトントンと叩いて表してくれました。ですが、児童館や公園で会うお友達には通じないこともありました。「かして」のひとことがどうしても言えずに、結局玩具を横取りしてしまい、私が間に入る時もありました。Upload By みかみかんこういう時には「かして」と言うんだよと何度も教えても先に手が出てしまうので、夫と私は対応に困り果てていました。人の多い時間帯には公園に行かないようにしたり、よく会うお友達の保護者の方には発達が気になっていることを打ち明けたりしました。気になるところはあるけど、お話が上手になってきた3歳になったたーちゃんの課題は、「うん」「ううん」が言えないことでした。自分の気持ちを表すのがやはり難しいようで、思っていることと違うことを答えてしまうこともしばしばありました。それでも、無視ばかりだったたーちゃんが、何かリアクションをしようとしてくれることがうれしかったです。たーちゃんのおしゃべりの基本はエコラリアからでした。誰かの真似をそっくりそのままコピーするようにして覚えていきました。なので、しゃべり方に抑揚がなく感情がこもってないように聞こえたり、その場に合わない言い方だったり、やけに大人びた口調だったりします。これは4歳の今でも変わりません。ですが、たーちゃんが自分で努力して手に入れた大切な言葉なのだと思えば、そういった細かいことは気にならなくなってきました。どんな表現でも、たーちゃんとコミュニケーションができるというのは、これまでを振り返るとすごい成長だと思いました。4歳になった息子と会話できるのが楽しい!Upload By みかみかん現在、4歳のたーちゃんはとてもおしゃべりです。今日幼稚園であったことをたくさん話してくれますし、公園でお友達と楽しそうにお話もしています。たーちゃんの発達に対して悲観的だった昔の私に、今のたーちゃんの様子を見せてあげたいです。ゆっくりでも、ちょっと変わっていても、ちゃんとたーちゃんは自分のペースで成長しているんだよと教えてあげたいです。そして、周りのお子さんと比べずに、もっと穏やかにたーちゃんの成長を見守ってあげられたら……と思います。しかし、当時の自分も不安や心配で悩んでいる中、根気強くたーちゃんに声をかけ続けたと思います。頑張っていたね、と昔の自分を褒めてあげたいです。この記事が、発語について悩んでいる保護者の皆さんの応援になれば幸いです。執筆/みかみかん(監修:新美先生より)ことば・会話の成長に伴う変化について詳しくお聞かせくださりありがとうございます。発語がゆっくりだったり、独特だったりすると、保護者として心配になったり、言いたいことが伝えられないゆえの関わり方の難しさがあったりしますよね。たーちゃんの場合、3歳ぐらいまではしゃべれる言葉はあっても会話になりにくかったり、気持ちを伝えるのが難しかったりしたけれど、4歳になったらいろんなお話をしてくれるようになったのですね。ことば・コミュニケーションの発達は、言語面の発達と、対人面、他者と関わることへの興味が育ってくるかの影響を大きく受けます。このため他者と関わることの面白さに気づいて、他者への興味が育ってくると、それまで獲得していた語彙を使って急速にコミュニケーション自体が増えてくることがあります。本人にとって楽しいと思える関わりを増やしていくことが、コミュニケーション面にもよい影響を与えるかもしれません。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月04日私は3歳の男の子と0歳の女の子のママです。長男の妊娠期は切迫早産で長期入院になり、2人目は妊娠がわかった妊娠5週ごろから自宅で安静に過ごすよう医師から指示を受けました。それでも切迫流産、切迫早産になってしまったのですが、そんななかで、私が家族に対して後悔していることをお話ししたいと思います。急な里帰り安静期間が長くなるにつれ、私は動けないストレスで精神的にもボロボロ。当時2歳になったばかりでイヤイヤ期の長男にも、ちょっとしたイタズラ程度でも大声で怒鳴るように……。一方、夫は仕事と家事をひとりでこなし、とても疲れている状態でした。 そんなとき、妊娠32週の妊婦健診で医師から子宮頸管があと少しでも短くなったら入院だと告げられたのです。私が入院になると、夫の仕事中に長男のことをみる人がいません。夫と話し合い、私の両親に頼んで妊娠32週に里帰りをすることにしました。 イライラが今度は両親に……実家でお世話になり始めると、普段はあまり両親には頼らず子育てをしているせいか、長男も両親もどのように関わればいいのか模索しているようでした。私からも長男の食事の味つけや、してはいけないことをしたときに注意するポイントなど両親に前もって伝えましたが……。 「やめて」と言っても隠れてお菓子をあげようとする、スマホばかり見せる父や、長男の食事についてなかなか理解してくれない母にイライラして、何度か怒ってしまいました。両親も私がものすごい剣幕で怒るので、驚いていました。 イライラしないためにしたこと両親にまでイライラしてしまう自分が、情けなくてつらくてたまりませんでした。そんなとき、夫に相談すると「ちゃんとご両親に何でイライラしているか、家でもイライラしていたことを伝えたら?」とアドバイスを受けました。 後日、両親に今は入院せずに過ごせるかとても不安なこと、長男のイヤイヤ期も重なり、育児が自分の思うようにいかずにつらいことなどを伝えると、両親は「わかっているから大丈夫だよ」と言ってくれて、安心と同時に少しイライラが緩和されました。 その後もイライラを抑えることは難しかったですが、正期産の時期に入ると動けるようになり、少しずつイライラは軽減されました。夫は長男と外出、母は私の愚痴を聞いてくれて、父は甘い物を買ってきてくれるなど心遣いがうれしかったです。ひどいことばかり言ってしまった私に寄り添い、気遣ってくれた家族のおかげで無事に出産でき、とても感謝しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子著者:八木さつき2歳男児、0歳女児の母。ケアマネージャーの資格を取得。妊娠・出産・子育てに関する体験談を執筆している。
2024年03月03日中学、高校、大学受験、不登校問題、子育ての転機など2024年2月に公開した読者体験談をまとめてご紹介!みなさんからお寄せいただいたエピソードを発達ナビの連載ライターさんなどのイラストをつけて、コミックマンガエッセイ化した『発達ナビ 読者体験談』。今回は、2024年2月に公開した読者体験談をまとめてご紹介いたします。2月に公開された体験談のテーマは・発達障害子育て、わが家の転機・重度障害のわが子の困った行動・特性がある子の中学、高校、大学受験など。みなさんのリアルな声をお届けします!2024年2月に公開した読者体験談中学受験をすることになったASD(自閉スペクトラム症)の男の子。面談では「ぜひうちに!」と言っていた志望校の先生ですが、お子さんの発達障害を知ったとたんに態度が一変して……。2024年4月から施行される「障害者差別解消法」改正によって、「合理的配慮」の提供義務が私立学校にも適用されます。監修の森先生のあたたかいコメントもぜひご覧ください。高校1年生のASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の息子さんの高校受験。全日制を目指していたのですが、勉強は自己流、しかもいじめっ子も同じ高校を志望していることを知って、志望校を通信制へ変更しました。すると、勉強をやめてしまって……。高校受験の様子や、通信制へ入学後の生活は?通信制を目指す方は必読です。ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の公立高校普通科へ通う2年生の娘さん。義務教育期間中は、スクールカウンセリングや担任との臨時の個別面談など手厚い支援がありましたが、高校に入ると支援が不足してしまったそうです……。そんな娘さんの高校受験、そして大学選びにいたるエピソードです。居住地域に自閉症・情緒障害特別支援学級がなかったため、小学校は通常学級へ入学したAAAさんのお子さん。ですが学校から「ほかの子と違う対応をすることは特別扱いだからできない」「配慮はできない」と言われてしまい、このままではダメだと1年生の2学期から自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校通うため引っ越し、転校しました。転校先の様子は?息子さんの困った行動に先生は?AAAさん曰く「つらいことが多かった子育て」の中でついに転機が訪れたエピソードです。知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の小学6年生のお子さん。発語がなく言葉で伝えることができないので、息子さんが何をしたいのか、何が理由なのかわからないことがありますよね。そんなそんな息子さんがある「困ったこと」をしているのが発覚!お母さまはどうされたでしょうか?就学相談で特別支援学級入学することになった境界域の年長の息子さんが、児童発達支援へ通うことになりました。不器用で強い劣等感をおぼえていた息子さんが、どんな支援をうけてどう変わったか、具体的に教えていただきました!あなたのリアルな体験談を投稿してみませんか?体験談募集中!読者体験談では、発達ナビ読者のみなさんのエピソードを募集しています。現在の募集テーマはこちらです。・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルお寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんなどにコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあると共感をよぶエピソードから、ハッとしたエピソード、誰にも相談できないお悩みや、ママ友トラブルまで、さまざまな「困った」エピソードをぜひ教えてください。みなさんのリアルな体験談は、ほかのみなさんにとってとても参考になるものです。ご応募は以下の応募フォームよりお願いいたします!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月02日わが家の娘、マユユについてわが家の長女マユユは、4歳の元気な女の子。現時点での診断は、軽度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)です。社会性や言語が凹のタイプでコミュニケーションの難しさがあります。3歳すぎから療育に通い始めました。とくに・切り替えの苦手さ・人との関わりの苦手さ(目が合いにくい、順番を待てない)などが目立つタイプ。発語や理解にも遅れがあるので、癇癪も多いほうです。なお、トイトレは絶賛難航中……。Upload By サチコ赤ちゃんの頃のマユユ【0歳~1歳半健診まで】マユユが赤ちゃんの頃は、健診では『問題なし』ばかりでした。しかし、1歳半健診で初めて『発達が遅れているかもしれない』と(私にとっては)予想外の指摘を受けることになります。マユユが0歳の頃から睡眠や食事に難しさを感じていたものの、その頃の私は「子どもってこんなに大変なのか」くらいの気持ちでした。小さな子と接する機会もなく、定型発達の子どもの発達についても知らなかったからです。今思えば特性が強く出ていたと思いますし、思い当たることだらけなのですが、知識もない私はまったく気づけないまま「クールで意志の強いタイプかも」と思いながら育児を続けていました。そんな私にとって、1歳半健診での出来事はまさに衝撃。あの時の保健師さんの「あれ?」という様子はいまでも忘れられません。そしてその後、待てども待てども発語や指さしは出てこず……。目線もあまり合わない、クレーン現象ばかりの娘に「私のこと、おかあさんと思ってる?」と悶々とする日々の始まりでした。Upload By サチコ公園でのつらい記憶【2歳の頃】発語がないまま2歳になり、発達相談に通いながら自宅保育をしていたころは、誰かと一緒に遊ぶ・指さしながら楽しくお散歩!なんて夢のまた夢。危険が少なそうで見守りやすい、順番待ちが発生しない(できない)、ブランコは無いほうが良い(動いてても突入するので危険すぎる)など、とにかく”ちょうどいい”公園探しに明け暮れていました。公園へ行っても1時間くらいで切り上げたいけど、長いと5時間くらいいたことも。しかもひたすらマユユを追いかけながら安全確認と周囲への気配りが必須でした。Upload By サチコ「おしまい」もすんなりできないマユユは、ほぼ毎回癇癪を起こしながらの帰宅。娘がじたばた抵抗するのでベビーカーに乗せきれず、絶望し私まで泣いてしまったこともあります。居合わせた優しいママさんに心配されたことも多数ありました……。当時のマユユには、優しい声かけや小さい子への切り替え術!のようなものは基本的に通じなかったので、その優しさすらも無下にしているようで申し訳なく、私はとにかく人目がつらかったです。Upload By サチコ療育に繋がってからの変化【3歳の頃】私が『療育』や『児童発達支援』を知ったのはマユユが3歳になる直前の頃でした。いちばん悩んでいて、少し娘と離れる時間もほしい気持ちもあった2歳の時期に療育に繋がれなかったことは、今でもとても後悔しています。こんな様子のマユユでしたが、その後小集団の療育に通い始めてから大きく成長しました。爆発的に成長!とはいかないのですが、療育などの関わりで3歳頃に全体(発語、指さし、人との関わり方など)が0→1になり、それから少しずつ増えていっている感覚です。0の期間が長かったぶん喜びが大きかったです。以前は「こんな様子がいつまで続くの? もしかしたらずっとこのままなの?」と不安ばかりでしたし、実年齢との差に落ち込んでばかりでした。気持ちが焦って「なんでできないの」と強く教えようとしてしまったこともあります。でも年齢の目安通りではなくても、ちゃんと成長していると”分かった”ことが今の私を支えています。とあるアニメ映画の影響もあってか、最近ようやく私が『おかあさん』という存在だと気づき始めた……かも?Upload By サチコこの経験が誰かに届くことを願ってSNSやブログでは、リアルではなかなか出会えない障害がある子どものママさんパパさんのお話をよく目にします。私自身もそのお話に共感し、1人じゃないと助けられてきたひとりです。私とマユユの体験が、誰かに届くことを願って記事を書いていきます。少しでも心のよりどころになれたらうれしいです。執筆/サチコ(監修:森先生より)「できることが0→1になる、0の期間が長かった」というお言葉、同意できる方も多いのではないでしょうか。お子さんの中での能力が育つ期間、できることが目に見えてあらわれるまでの期間が長く感じられるというケースは少なくありません。たとえばしゃべることができるようになるまでには、言葉が脳に蓄えられ、他者に伝えたいと思うように社会性が発達する必要があります。0の期間は、どうしても焦る気持ち、不安な気持ちがわいてきますよね……。まだ見た目にはあらわれていないだけで、お子さんの中ではしっかりと蓄えられていると信じて、「人とのやりとりが楽しい」と思えるような経験をたくさんさせてあげてくださいね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月01日ユニバーサルデザインシャツを扱うThree Rivers(所在地:大阪市北区、代表:仲村 千絵)は、発達障害などの手先の細かい動きが苦手な児童向けに結びの基本が分かりやすいお弁当包み「包んで楽勝!」を考案し、2024年3月末頃に限定発売します。「包んで楽勝!」についての詳細は、3月末頃に下記のショップでご覧いただけます。※写真はサンプルにつき、実際の商品とは異なる場合があります。※販売前につき現在は商品ページがありません。新たな商品情報については、ホームページ、SNSなどでお知らせ致します。詳細ページ: 包んで楽勝!表側デザイン■お弁当包み ~結びの基本、視覚的に分かりやすくデザイン~発達障害など手先の細かい動きが苦手な児童にとって、布1枚で構成された正方形の布結びは困難であり、技術の習得は目標でもあります。そんな布結びの練習を日々の楽しい時間に取り入れたのが、「包んで楽勝!」です。お弁当を包めるサイズの正方形の布には、お弁当箱を置く位置が示されており、布を合わせる対角線が1対ずつ色分けされています。対角線を合わせて交差させた布は4色に色分けされている為見やすく、結びの基本が視覚的に分かりやすく示されています。■「包んで楽勝!」の使い方1. 正方形の1枚の布の中心に示された長方形部分にお弁当箱を置く2. 同色の直線で示された1対の対角線の布の両端を合わせる3. 合わせた両端を交差して結ぶ4. もう1対の対角線も同じようにして結ぶお弁当箱を黒色の四角部分に置いた状態動画の結び 完成写真 容器は約16cm×11cm×5cm■社会貢献Three Riversは、障がい者の方の工賃向上に賛同しています。障がい者の方の生活の向上のため、就労継続支援事業所への発注に力を入れています。■商品概要商品名 : 包んで楽勝!サイズ : 約 縦48cm×横48cm素材 : 生地 綿100% リボン ナイロン100%発売日 : 2024年3月末頃販売場所: 楽天市場「ユニバーサルデザインシャツ012-GO」URL : ■会社概要商号 : Three Rivers代表者 : 代表 仲村 千絵所在地 : 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル2階5-6設立 : 2020年11月事業内容: ユニバーサルデザインシャツ等の企画販売URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Three Rivers お客様相談窓口TEL : 070-8329-3176MAIL: shop@rrrivers.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月29日Three Riversは、発達障害などで手先が不器用な児童向けに、名札の付け外しが容易な留め具を開発しました。この新しい留め具「名札も楽勝!」は、安全ピンを使用せずに名札を取り付けることができるため、児童が自分で名札を管理することが可能になります。これにより、自立と自信の向上に寄与します。「名札も楽勝!」で名札を付けたポロシャツ■製品特長●安全性安全ピンを使わずに名札を付け外しできるため、児童が自分で簡単に扱えます。●使いやすさ服に縫い付けた小さな布製留め具に、名札の安全ピン部分を留め具のボタンに引っ掛けるだけで使用が可能です。●サイズの多様性障がいのある児童の保護者の会でのアンケートを基に、最も人気のある2種類のサイズを採用しました。ボタン2個スタイル■製品情報(予定)商品名 :名札も楽勝!種類 :ボタン1個スタイル、ボタン2個スタイルサイズ :留め具の台部分 2cm×4cm、ボタン 1.5cm、1.8cmカラー :ホワイト、ピンク、ブルーなど素材 :綿、ポリエステル/天然ゴム/ボタン…プラスチックなど発売日 :2024年3月末頃販売場所:楽天市場「ユニバーサルデザインシャツ012-GO」等注意事項:洗濯時、タンブラー乾燥禁止、アイロン禁止※写真は全てサンプルにつき、実際の商品とはデザイン、素材などが異なります。ボタン1個ブルー■会社情報商号 :Three Rivers代表者 :代表 仲村 千絵所在地 :〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル2階5-6設立 :2020年11月事業内容:ユニバーサルデザインシャツ等の企画販売URL :Three Rivers Website 「名札も楽勝!」についての詳細は、3月末頃に下記のショップでご覧いただけます。※販売前につき現在は商品ページがありません。新たな商品情報については、ホームページ、SNSなどでお知らせ致します楽天市場 : 楽勝ボタンシリーズ: ■社会貢献Three Riversは、障がい者の方の工賃向上に賛同しています。障がい者の方の生活の向上のため、就労継続支援事業所への発注に力を入れています。【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Three Rivers お客様相談窓口TEL : 070-8329-3176MAIL: shop@rrrivers.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月29日■これまでのあらすじ幼稚園に入園して数日後から登園拒否をするようになった長男。泣き暴れたり、食事も拒否する姿に、理由や原因を探ったり、どう対応すればいいのか私たち夫婦は悩んでいた。そんなとき義母から夫が幼稚園の頃の連絡帳を見せてもらう。当時の担任のコメントを読んで、長男は今、新しい環境で成長しているところなのだと思えるようになり、心が軽くなるのだった。とはいえ続く登園拒否。しかし夏休みを前にプールが始まったことから、水遊び好きの長男がすんなり登園してくれるように。だが夏休みが明けるとぶり返してしまう。そんな中、私はおしゃべりな長男がお友だちの名前を覚えられず、お話しすらしていないのが気になって…。■母は不安です■名前を覚えている子がいる!?家ではおしゃべりな長男が、幼稚園では誰とも話さず1日を過ごしている姿を想像して、お友だちができるといいなと思っていた私。そんなある日、長男に変化が訪れます。長男が名前を覚えていたクラスメイト…、のりものが好きですって全身で表現してくれている…!この子なら、のりもの好きな長男も話しかけやすいかも…!?そこで長男に「のりもの好きなの? って聞いてみなよ」と促してみると、照れたような表情になって…!?次回に続く「ようちえんにいきたくない」(全15話)は12時更新!
2024年02月28日思いがけない難所にぶち当たるいよいよ3歳半健診を迎えた長男あー。関門は健診当日を迎える前にすでに用意されていた……それは視力検査と聴力検査!わが自治体では、時間短縮のためか当日の緊張による検査拒否回避のためか、「視力検査と聴力検査は自宅で済ませてきてください」というルールがあります。聴力検査は、一定の距離からささやき声で話しかける声が聞こえているか。視力検査は、あらかじめ配布されていた紙を見てこれまた一定の距離を空けて質問に答えられるか……というもの。まず聴力検査。多分聴こえてる……んだろうけど答えてくれない!どっか行っちゃう!待って!行かないで……(涙)!そんで視力検査、これまたどっか行っちゃう!ようやく引きつけても……聞かれている意味が分からない?のか答えてくれない……(白目)。というわけで戦う前からボロボロとなり、白紙で提出したのでした……(でもどうにかなった)。Upload By よいこ3歳半健診会場で、同年齢の子どもたちの落ち着きっぷりに衝撃3歳半健診の会場に行って驚いたのは、なんと言ってもほかの子どもたちの落ち着きです。幼稚園でも同年齢の子どもを見ているけれど、幼稚園は彼らにとっていわばホーム。思い思いのびのび過ごしているので、わんぱくだったり時に大人の言うことを聞かなかったり、そんなことはよくある光景……。 ということもあって、当時の幼稚園で、あーはそこまで目立っていなかったんですね。それがいつもと異なる空間に放り出されたら……。ほかの子どもはいつもと違うことに少し緊張しているし、社会性が芽生え始めている頃なのでかしこまりがちなんです。おとなしく、親御さんの隣で座って待っている。絵本なんか読んだりしてね。一方のあーは……いつもと違うところ、というのはあーにとってはパニックのトリガー。テンションマックスになりその辺を走り回る……。絵本やお絵かきでごまかそうとしても全然収まってくれない!やっと座ってくれたと思ったら、だらーんと椅子から崩れ落ち(体幹が弱い)、だらしなく見える……。もう……お母さん穴があったらダイブしたい……(号泣)Upload By よいこ健診はスムーズに進み、いよいよ小児科の先生の診察へ……そんなあーですが、意外と健診自体はこなせるタイプです。要は待つ、とかそういう「何もない時間」が耐えきれないわけで、3歳半健診で聞かれる「この色は何色ですか」みたいな問診には落ち着いて答えられるんですよね。内科系の診察も全部パスしていました……(注射など痛いことがなければ大丈夫なのです)。Upload By よいこ複雑な思いと全身疲労を抱え、最後に迎えた小児科の先生の診察。私は思い切って先生に言いました。「発達に不安があるんです」すると先生は、「なるほど。電車の名前とかいっぱい言ったりする?」とたずねてきました。電車……の名前は言わない……言わないぞ!言わない!これは……この子は違うのでは!?私の中にほんの一瞬、ほそーい光が差した次の瞬間のことでした。あーが壁に貼ってある大好きなアニメキャラクターのカレンダーに張り付いて、そこにいるキャラクターの名前をはじから全部言い出したのです(キャラクター多すぎアニメで、ぎっしりキャラクターが描かれているデザインだった……)!そんなあーを見て、先生はニコッと笑って「発達相談に回すね」とおっしゃったのでした。……そうですよね、知ってた!!!もろくも崩れ去った母の小さな希望はさておき……いよいよ、3歳児健診で絶対すると決めていた、発達相談に臨むことになったのでした。Upload By よいこ執筆/よいこ(監修:鈴木先生より)どの親御さんにとっても、ご自身のお子さんの障がい受容は難しいものです。「障がい者」というレッテルを貼られたくない気持ちがあります。私はASDを障がいではなく「特性」だと日頃から保護者の方にはお伝えしています。将来的に、その特性を生かした仕事ができればいいので今日から一緒に向き合っていきましょう、とお話しします。不安を持った親御さんにも、そしてお子さんにも寄り添って診察していくことが重要なのです。困っていることを一つひとつ解決へ導き、ストレスのない生活が親子で送れることを願っています。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月28日現在私には、4歳の長男と2歳の長女がいます。2人はそれぞれ生後3カ月のころ、哺乳びんで育児用ミルクを飲んでくれなくなったことがありました。長男のときは特に気にもせず、そのまま完全母乳育児へと移行。しかし長女の場合、仕事の都合上、1歳未満で保育園に預ける予定だったため、どうしても哺乳びんに慣れておく必要がありました。長女が哺乳びんを克服するまでの道のりをお伝えします。 哺乳びんを拒否! まず試したことは?当時を振り返ってみると、長女は生後3カ月になる前、舌で哺乳びんの乳首を転がしたり、噛んだりして遊びながら育児用ミルクを飲むようになっていました。しかし、生後3カ月になったころから、体を反ってギャン泣きするほど哺乳びんを嫌がるようになったのです。そこでまず試したことは、育児用ミルクの味を変えること。 産院からもらっていたサンプルの粉の育児用ミルクを2、3種類作ってみました。ところが、哺乳びんの乳首をくわえさせるだけで、長女は泣いてしまい飲んではくれませんでした。温度の調整をしても変わらず……。当然、搾乳した母乳も飲んでくれませんでした。 次は哺乳びんの乳首を変えてみた育児用ミルクの味を変えても嫌がる長女。次に試したのは哺乳びんの乳首を変えることです。新たに2種類の乳首を購入して飲ませてみました。ところが長女はギャン泣きして哺乳びんを断固拒否……。その後、雰囲気を変えるためにいつもと違う部屋で飲ませてみたり、外出先で飲ませてみたりしても効果はありませんでした。 次に試してみたのは、抱っこの仕方です。初めて縦抱きで飲ませてみると、わずかながら育児用ミルクを飲んでくれました。基本的に長女はおっぱいしか飲んでくれなかったので、わずかでも育児用ミルクを飲んでくれたのはうれしかったです。 まさかの方法ですんなり哺乳びんを克服?その後、縦抱きスタイルも2、3回で嫌がるようになり、哺乳びんの克服には至りませんでした。そして次に試したのは、あえて私がいない環境を作ること。私は2時間ほど違う部屋で待機し、長女がおなかを空かせたタイミングで夫に育児用ミルクを飲ませてもらいました。 最初は長女の泣き声が聞こえていましたが、すぐに泣き止みました。驚いて部屋を覗いてみると、なんと長女は哺乳びんでゴクゴクと育児用ミルクを飲んでいたのです。あまりにもすんなりと育児用ミルクを飲んでいたので、私は拍子抜けしてしまいました。 哺乳びんを克服するまでの道のりは完結!夫だとすんなり飲んでくれることがわかり、それからは夫がいるときは夫に育児用ミルクを飲ませてもらい、夫のいない日中はおっぱいを飲ませていました。そんなある日、夫が育児用ミルクを飲ませている最中にバトンタッチしてみることに。 すると、途中で私が交代しても長女はゴクゴクと飲んでくれたのです。その後、徐々におっぱいの回数を減らし、完全ミルク育児へと移行。無事に保育園にも預けられるようになりました。 長女が哺乳びんを克服するまでの間、私は罪悪感に苛まれていました。長女はずっと、「おっぱいが飲みたい」と訴えていたのだと思います。ただ、仕事復帰するためにも哺乳びんを克服させることはやむを得ないことでした。幸い、長女が哺乳びんを嫌がるようになってから1週間ほどで克服。とはいえ、まさかの夫が哺乳びん克服のカギになるとは思いもよりませんでした。 イラストレーター/ムチコ著者:華彩 あんず
2024年02月28日発達障害の診断の流れとは?発達障害の診断は以下のような流れで行われます。1.診察、問診子どもの場合は、保護者に子どもの普段の様子、症状、困り事や、生育歴についての問診を行います。また、遊びの空間などで子どもを遊ばせるなどの行動観察も行われます。2.検査等必要に応じて知能検査、発達検査などの検査を行います。質問紙を用いた評価を行うこともあります。発達障害と似たような症状を引き起こす身体疾患が疑われる場合には、血液検査、聴力検査、脳波検査、頭部画像検査を行うこともあります。3.診断診察、問診、検査の結果を踏まえ、診断基準に沿って総合的に判断されます。発達障害の検査方法にはさまざまなものがあります。知能検査知能の水準あるいは発達の程度を測定した検査です。主な知能検査法として以下のようなものがあります。・田中ビネー知能検査V・WPPSI-III知能検査・WISC-V知能診断検査・WAIS-IV知能検査・KABC-II参考:知能指数 / IQ(ちのうしすう)|e-ヘルスネット発達検査発達検査とは、子どもの認知面・言語面・運動面などの発達の度合いを調べる検査です。主な発達検査法として以下のようなものがあります。・新版K式発達検査・遠城寺式乳幼児精神発達検査・津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法・日本版Bayley-III乳幼児発達検査・ASQ-3・KIDS乳幼児発達スケール・ブラゼルトン新生児行動評価法・日本版デンバー式発達スクリーニング検査質問紙等また、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・SDQ・CBCL・MSPA・Vineland-IIASD(自閉スペクトラム症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・M-CHAT・PARS-TR・自閉症スペクトラム指数(AQ)ADHD(注意欠如多動症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・ADHD-RS・QCD子どもの知能検査・発達検査には主に「WISC-V」 、「田中ビネー知能検査V」、「新版K式発達検査」がよく使われます。このコラムでは、・発達障害の診断を受けるメリット、デメリットは?・療育や合理的配慮は診断がないと受けられない?・発達障害は何歳くらいから診断される?など、発達障害の診断についてのギモンを専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【医師回答】発達障害の診断を受けるメリットは?デメリットはあるの?合理的配慮や療育、診断される年齢などここからはさくらキッズくりにっく院長・小児科専門医の藤井明子先生に、発達障害の診断についての質問にお答えいただきます。Q:年中の子どもがいます。3歳児健診のときに「要観察」と言われましたが、抵抗感がありお医者さんにはかかっていません。最近幼稚園でトラブルなども増えてきて、受診を悩んでいますが発達障害があるか診断を受けるには何科にかかったらいいのでしょうか?診断を受けることのメリットやデメリットなども知りたいです。A:年中の4、5歳頃になると、集団生活での様子で気になることがでてきます。まずは、かかりつけの小児科の先生に相談してみましょう。発達障害かどうかは、一般の小児科で診てもらえる場合もありますが、難しい場合には発達外来をおこなっている小児科、療育センターなどで相談するとよいでしょう。診断を受けることで、お子さんの気になる行動の背景が分かり、対応の仕方を親御さんと園の先生の間で共有しやすくなります。また、学年が変わったり、転園したりと環境が変わったときにも、相談がしやすくなります。発達障害の症状は、環境によって変わってくることもあります。デメリットというほどではないかもしれませんが、あるときには診断がついたが、あるときにはそこまで強くないと言われたなど、発達障害があるのか否かを困惑される場合があります。発達障害の診断の有無だけでなく、今現在お子さんが落ち着いて過ごせているかどうかを同時にみてあげていくことがとても大切です。Upload By 発達障害のキホンQ:年長の子どもがいます。小学校での合理的配慮をお願いしたいのですが、診断がないと配慮してもらえないのでしょうか?A:診断がなくても合理的配慮はお願いできます。令和3年に障害者差別解消法が改正され、合理的配慮の提供が義務化されました。小学校での合理的配慮の提供にあたっては、お子さん、親御さん、小学校との間の「建設的対話」を通じて相互理解を深め、共に対応案を検討していくことが重要になります。たとえば、音楽の授業の音が気になるので、イヤーマフの装着を可能とするなどです。対応の仕方などは、お子さん一人ひとりによって違ってくるため、学校の先生との連携がとても大切になっていきます。参考:障害を理由とする差別の解消の推進|内閣府Upload By 発達障害のキホンQ:2歳の子どもがいます。発達に遅れがあり療育に通いたいのですが診断がないと通えないのでしょうか。A:診断がなくても、発達の遅れに対して療育が必要という医師からの意見書があれば、児童発達支援施設に通うために必要な通所受給者証を取得でき、療育に通うことは可能です。発達の遅れについて、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホンQ:年少の子どもがいます。ADHD(注意欠如多動症)ではないかと思っているのですが、何歳くらいから診断されるのでしょうか?A:ADHD(注意欠如多動症)は、幼少期より寝つきがわるい、落ち着きがなく目が離せないなどの症状がありますが、診断されるのは年中以降であることが一般的です。多動、衝動性がなく、不注意のみの場合には、小学校での忘れ物・なくし物が目立つことで気づかれ、小学校入学以降に診断を受けます。ASD(自閉スペクトラム症)は、早いお子さんでは1歳半健診で言葉の遅れを指摘されることがあります。さらに、アイコンタクトがない、あやし笑いに反応しないなどコミュニケーションの遅れを認めた場合、1歳から診断されます。言葉の遅れは顕著ではないが、集団生活の苦手さ、興味の偏りが顕著といった症状から気づかれる場合には、園などの集団生活をおくる3歳から4歳以降より診断されます。SLD(限局性学習症)は、小学校入学後、一定の学習機会があるにもかかわらず、学習の定着が顕著に遅い場合に、検査などで診断されます。早い場合で小学1年の夏以降くらいで診断がされます。あくまで診断される年齢は一般的な目安ですので、お子さんの発達・知的能力によっても個人差があります。ご心配なことがあれば、この年齢に達してなくても、かかりつけ医に相談することをお勧めいたします。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年02月26日赤ちゃんの頃から少し変わった子タケルに発達障害の可能性があることは、以前から私にはぼんやりと分かっていました。なぜなら、私は学生の時に心理学を受講していたので、少しは知識があったからです。「妙に大人びた仕草をしたり、音にすごく敏感だったり、些細なことで激しく泣くところは高機能障害とか自閉症に似ているな。でも1歳前後で言葉も出ているし障害というほどではないのかな?」と思っていました。Upload By 寺島ヒロタケルは2000年生まれ。『発達障害者支援法』の公布は2004年です。「喋れる自閉症」、その後しばらく「アスペルガー症候群」と呼ばれる自閉症のことを、私はまだ知らなかったのです。(※アスペルガー症候群は当時の名称です。現在ではASDに統合されています)。参考:発達障害者支援法とは幼稚園で強くなった違和感3歳で幼稚園の年少組に入ると、タケルが周囲の子どもたちと異なる行動や反応を示すことが目につくようになりました。常にそわそわと体を動かし、一時もじっとしていません。ほかの子どもたちの近くにはいますが、一緒に遊ぶことはなく、砂場で山をつくる、ボールプールを必ず3回潜る、滑り台も必ず3回すべる……などの自分の決めたルーティンを黙々とこなしていました。Upload By 寺島ヒロ先生の指示も聞いていないことが多く、しばしば「おうちでちゃんと、しつけしていますか?」というような事を言われていました。しかし、タケルはおうちでは普通……いえ、むしろとても良い子なのです。タケル自身は幼稚園でもちゃんとやりたいし、やっているつもりなのに、なぜか周囲とずれてしまう、私からはそういう感じに見えました。「しつけとか指導とかそういうことではないのではないか?」という思いが、また頭をもたげてきました。しかし、行政や保健所の子育て相談などに相談しても、はっきりとした診断やサポートを受けるには至りませんでした。3歳児健診で心配なところを訴えるも……幼稚園に通い始めて数ヶ月しかたっていませんでしたが、明らかにほかの子どもたちと様子が違うと感じていた私は、生まれてからこれまでの事をできる限り振り返って、詳細なイラスト入りの育児日記を書いて持参し、3歳健健診に臨みました。しかし、「高機能障害か自閉症では?」と言う私の言葉を受けての検査は、簡単なIQテストと「クレーン現象」などの顕著な行動のチェックに留まり……結局「特に異常は見られない」ということになりました。担当の医師からも「自分のしつけがうまくいかないことを障害のせいにしてるのでは?親がちゃんと教えてあげれば大丈夫」と言われました。その言葉に少し安心もしましたが、同時に強い不安も感じました。タケルは記憶力が非常に良く、教えられたことは本当によく覚えているのです。私は、タケルが23歳になる今に至るまで、何かを二度教えたことはありません。幼稚園でも先生の言ったことを全部聞いていないのではなく、一対一で言われたことは覚えているし、内容も理解しているのです。親の私たちが教えていることが「十分ではない」と言われれば否定はできません。ですが、やはり「そういうことではないんではないか?」と思えました。そして「医師や子育ての専門家にも分からない事例だとしたら何なんだ?」と不安は深まるいっぽうでした。診断を受けるきっかけは2007年の発達相談その後、6歳で受けた就学時健康診断でも「問題なし」とされ、タケルは小学校では通常学級に通うことになりました。しかし、そわそわと動き回るのは相変わらずで、クラスメートとも一方的に自分の話したいことを話すばかりで親しくなれません。そのうえ、大きな音がしたり、教室移動で取り残されたりすると、どうしていいか分からなくなって学校を脱走して帰って来てしまうのです。学校の周りの道は車通りも多いので、私はとっても心配でした!Upload By 寺島ヒロ転機になったのは2007年の発達相談会です。2004年に公布された『発達障害者支援法』を根拠として、私たちの住んでいた地域でも新体制での発達相談会が始まりました。その発達相談会に参加した結果は、私が感じていた違和感を裏づけるものでした。タケルにはアスペルガー症候群(当時の名称。現在はASD(自閉スペクトラム障害)に統合)の傾向があることがその場で告げられ、療育センターにも繋いでもらうことができました。分かってもらえた!という喜びもしかしたら、子どもが発達障害だと言われると、つらい、悲しい、ショックだ……と感じられる親御さんも多いのかもしれません。しかし、私の場合は「やっと分かってもらえた!」「これで一歩解決に近づいた!」という喜びのほうが大きかったような気がします。当時は妹のいっちゃんも生まれたばかり。抱っこの嫌いないっちゃんをベビーカーに乗せて、いつ泣き叫び始めるかとヒヤヒヤしながら、学校から居なくなったタケルを探し回るのが日常だったのです。発達障害の診断を受けて、通級指導教室に通えるようになったタケルは、それ以降「脱走」しなくなりました。執筆/寺島ヒロ(監修:藤井先生より)貴重な経験のコラムをありがとうございます。「親がちゃんと教えれば大丈夫」と言われ少しの安心と、強い不安を感じられ、その後発達相談に行かれたのですね。言葉の遅れはなく、個別では落ち着いてるように見え、集団生活が苦手、コミュニケーションが苦手である場合、3歳健診ではお子さんの困りごとが見えにくい場合があります。就学前健診も問題なしでも、学校に入学後、集団生活が苦手、こだわりが強い、友達関係がうまくいかないなどあれば、専門機関に相談することをおすすめいたします。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月26日放課後等デイサービスって何?わが家の長男は現在小学6年生。発達障害グレーゾーンで特別支援学級に通っています。私が放課後等デイサービス(以下、放課後等デイ)について初めて知ったのは長男が年長の時、当時通っていた療育センターでした。ある日、長男の担当のソーシャルワーカーさんが「お母さんはお仕事されていますよね。長男くんが小学校に入学したら学童保育を利用される予定ですか。ところで、放課後等デイってご存知ですか?放課後等デイは障害のある子どもが利用できる福祉サービスなんですよ。放課後の居場所としても利用できますよ。利用を希望される場合は、まずは受給者証を取得してくださいね」と教えてくれました。当時私は会社員だったので、長男が小学生になったら放課後の過ごし方をどうしようかと悩んでいました。「そんな福祉サービスがあったなんて知らなかった……。放課後等デイ、いいかもしれない!」と思い、さっそく放課後等デイ探しと受給者証の手続きを進めました。(ちなみに長男は発達障害グレーゾーンですが、受給者証の取得はできました。お住まいの市区町村によって異なるかもしれません)。Upload By 星河ばよ発達グレー長男の放課後デイ探し、わが家が決めたポイントはわが家が決めたポイントは以下の5つでした。1.学校から近いか(長男が一人で歩いて行ける距離か。道中危なくないか)2.土曜日も開室しているか(土日も仕事のため、せめて土曜日は開いていてほしい)3.夜は7時ごろまで開室しているか(残業になっても多少は大丈夫か)4.先生は厳しすぎないか(先生が厳しいと長男が行きたがらないだろうと思い、先生が子ども達にどんなふうに接しているのかなどを確認しました)5.長男が活動を楽しんでできそうか(交通安全や電話の取り方など、週ごとにテーマに沿ったトレーニング時間があるので気に入りました)長男が楽しんで通えそうかということと、私の仕事の都合を考えて決めました。夫は帰宅が遅く、仕事が休みの日にしかお迎えを頼めなかったためです。ちなみに、放課後等デイによっては送迎ありのところも少なくないようです。送迎ありだと保護者も何かと助かりますよね。探した結果、長男の学校の近辺にたまたま希望どおりの放課後等デイが見つかったので、ホッと胸をなでおろしました。Upload By 星河ばよ放課後等デイに通って6年、現在の長男は低学年の頃の長男は放課後等デイで過ごしている時は、たいていちょっと不機嫌でした。おそらく学校の後に行くため、疲れからくるものなんだろうと思います。長男は私が会社員を辞める時まで毎日通い、私が家にいるようになってからは週1~2程度のペースで通っています。5、6年生になると学校では6時間授業が週4日あるので、平日は5時間授業の日だけ通っています。放課後等デイに親しい友だちがいるようで、行くと楽しそうです。長男が通っている施設の活動は、週ごとに決まったトレーニングのほかに、月に2~3回程度イベントがあります。遠足に行ったり、お菓子をつくったり、クリスマス会があったりと内容はバラエティ豊かだと思います。また、支援者の先生と親とで、年に1回ほど面談があります。そこで、1年間の子どもの発達について確認したり、悩んでいることや今後の進路などの相談に乗ってもらっています。長男にとっても親にとってもとても有難い存在の放課後等デイ。しかしそんな放課後等デイで長男は大きなトラブルを1度だけ起こしたことがありました。それはまた別の機会にお話しできたらと思います。Upload By 星河ばよ学校外にも頼れる先生がいる心強さ放課後等デイには以前まで小学校の先生だった人や、先生を目指している人など、いろんな先生がいらっしゃいます。私としても、長男のことで悩んだ時に相談できる先生が学校以外にもいて、とても心強いです。療育センターで教わらなかったらずっと知らなかったかもしれません。放課後等デイの先生方には、いつも感謝しています。執筆/星河ばよ(監修:初川先生より)放課後等デイを知ったきっかけ、選び方、長く利用してみての思いのシェアをありがとうございます。放課後等デイはさまざま特色ある活動をするところ、療育的な要素の強いところなど事業所によって違います。対象としているお子さんも障害の重いお子さんから通常学級で過ごす子が多く通うところまでさまざまあります。まずは受給者証を申請する際に地域の情報をうかがったり、先輩保護者さんから聞いてみたりなど情報収集から始まると思います。また、地域によってはどこも定員いっぱいであるところもあるのではと思います。ばよさんが書かれていた通り、放課後の時間帯は、お子さんたちは疲れているので学校とはまた違う様子を見せることも多いです。職員の方は地域の福祉や同じような障害種の方のその後の進路などについて経験知・実践知をお持ちの方もいらしたりします。学校とは別にお子さんについてよく見てくださり相談できる相手ができるという意味でも心強いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年02月25日ADHD(注意欠如多動症)とは?ADHDは注意欠如多動症とも呼ばれていて、「不注意」「多動性」「衝動性」といった特性によって日常生活や園での活動などに困難が生じる発達障害の一つです。不注意では「人の話を最後まで聞けない」「一つの作業に集中し続けることが難しい」、多動性では「落ち着きがなく常に動いている」「席にじっと座っていることが難しい」、衝動性では「おしゃべりが止まらない」「思いついたことをすぐ実行する」などの特性があります。特性の表れ方は人によって異なっており、不注意が表れやすいタイプ、多動性と衝動性が表れやすいタイプ、不注意と多動性、衝動性が混在しているタイプと主に3つに分けられています。ADHD(注意欠如多動症)の診断は上記のような特性が6ヶ月以上、家庭と園など複数の場所でみられ、実際に困り事が発生していることなどが条件となっています。また、特性が12歳未満で表れていることも診断の条件となっています。しかし、4歳、5歳頃の子どもにとって、集中が途切れたり、思いつきで行動したりするなどはよくあることで、この頃に診断することは難しく、小学生以降に診断を受けることが多いと言われています。ADHD(注意欠如多動症)の原因はまだ明確になっていませんが、遺伝は要因の一つだと考えられています。また、脳内の神経伝達物質の異常、低出生体重、頭部の怪我、脳の感染症なども要因としてあげられています。それらの要因が複雑に関係し、相互に影響し合うことで、ADHD(注意欠如多動症)の発症リスクが高まると言われています。ADHD(注意欠如多動症)は脳機能の偏りによるもので、治るというものではありません。そのため、ADHD(注意欠如多動症)の特性と周りの環境をうまく合わせていく環境調整を行って、園などで困り事が軽減するような対策をしていくことになります。また、服薬によって特性の表れ方を和らげる方法もあります。低年齢の子どもの場合、主なADHD薬のなかで処方できるものはありません。今後の服薬については主治医と相談して対応を決めていきましょう。参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版4歳、5歳児頃から表れるADHDの特徴とは?多動?落ち着きがないだけ?気になるサイン4歳、5歳の子どもは、保育園や幼稚園の年中や年長にあたり、友達との会話を楽しんだり、ルールを決めた中で遊んだりとできることも増えてくる時期です。そのため、ADHD(注意欠如多動症)の子どもは園での活動や友達との関係で困り事が生じる傾向がみられるようです。ここでは特性ごとによくみられる特徴を紹介します。不注意・保育士が話していることを最後まで聞けない・遊んでいる最中にほかのことに気を取られることが多い・保育士から指示された課題を最後まで続けることができない・よく物をなくしたり、忘れたりする・集中力が必要なことを嫌がる多動・衝動性・落ち着きなくそわそわ動いたり、身をよじったりしている・席に座る場面でじっと座っていることができない・話を聞く場面で走り回ったり、おしゃべりをしたりする・保育士の話をさえぎってしゃべりだす・ほかの子どもが何かしようとするのを遮る・ほかの子どもが使っているおもちゃを横から取ってしまう・順番を待つことができずに割り込む・保育士の指示は聞いていても自分のしたいことを優先するただし、4歳、5歳頃にはこのような行動が多くみられるため、ADHD(注意欠如多動症)かどうかを判断するのは難しく、診断自体は7歳頃に受けることが多いと言われています。参考:第2章(子どもの発達)に盛り込むことが考えられる事項(たたき台案)|厚生労働省参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版もし子どもが友達との関係や課題への取り組みなどで園でトラブルを起こした際は、どのように対応するといいか紹介します。対応方法としては、環境調整、声かけの工夫、生活の安定などがあります。環境調整子どもの特性を考慮して困り事が生じないように周りの環境を調整していく方法のことです。例えば、気になるものがあると課題に集中できない子どもには、席を一番前にしたり、パーテーションをつけたりして、視界に入る情報を減らすといった方法があります。ほかにも、じっと座っていることが苦手な子どもには、動いていい時間と静かに座っている時間を明確に分けることでメリハリをつけて実行しやすくする方法もあります。また、子どもの安全を考えて急に走り出しても危険がないように、ぶつかると危ないものをあらかじめ撤去しておくことも環境調整の一つです。声かけの工夫できたことをほめて好ましい行動を増やしていく方法のことです。順番を待つことができたら「待ててえらいね」「最後までよくがんばったね」などと、具体的にできたことをほめていくことで、子どもが次からもその行動をする動機をつくっていきます。また、「ちゃんとしなさい」という漠然とした表現でなく、「背中を椅子につけて座る」といった具体的に分かりやすい表現で伝えることも大切です。生活の安定ADHD(注意欠如多動症)の子どもは生活習慣が乱れやすいため、1日のスケジュールを決めて行動するようにすると生活が安定し、そのことが心身の安定にもつながると言われています。スケジュールを決める際には子どもの意見も考慮することや、イラストなど視覚的に分かりやすい方法で伝えていくと取り組みやすくなります。また、園と家庭の情報共有も重要です。家庭で実行して、子どもが落ち着いたり集中できたりしたことを園に伝えることで、園でも同様の対応をしていくことができます。その逆に園で効果があったことを家庭に共有していくことも可能で、情報共有することで子どもに対する効果的な対応を増やしていくことができます。そのほかの対応として、ペアレント・トレーニングの一つである「親子相互交流療法(PCIT)」などもあります。PCITは1970年代にアメリカで考案されたプログラムで、子どもと保護者の絆を強め、より良い行動につなげていくというものです。一部の医療機関などで実施しているので、気になる方はご確認ください。参考:PCITJAPANADHD(注意欠如多動症)の子どもの行動に焦点をあて、その特徴を理解し、それに対して効果的な対処法を親が学ぶペアレントトレーニングは、ADHD(注意欠如多動症)の治療法として認識されています。肯定的な注目などのスキルを親が手にし、親の行動のあり方を変えることにより、ADHD(注意欠如多動症)を持つ子どもとの関係性が改善し、良い親子関係へと転換していきます。服薬ADHD(注意欠如多動症)は服薬によって特性を和らげる方法もあります。よく使用される薬としてはコンサータやストラテラ、インチュニブ、ビバンセなどがありますが、これらは6歳以上に処方される薬のため、4歳、5歳の子どもには用いられません。詳しいことは主治医とご相談ください。4歳、5歳児に表れることの多いADHDの特性をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにADHD(注意欠如多動症)と診断されるわけではありません。子どもの発達が気になったらどこに相談すればいい?子どもにADHD(注意欠如多動症)の傾向がみられたり、園でトラブルがあったりして悩んでいる場合は、専門の機関に相談する方法もあります。相談することで心が楽になったり、対応方法が分かったり、状況を踏まえてほかの支援機関を紹介してもらえたりとさまざまな利点があります。子どもに関して相談できる場所として以下のような機関があげられます。保健所・市区町村保健センター保健所や保健センターは地域の保健衛生に関する専門機関です。子どもの障害についても相談することが可能で、保健師などの専門家による相談対応や医療機関、支援機関の紹介などを行っています。かかりつけの小児科小児科医は診察などをするだけでなく、子どもの発達に関して相談することもできます。これまでの子どもの様子も知っているため、状況に応じてほかの医療機関の紹介などをしてもらえます。児童発達支援センター障害のある子どもへ、日常生活や集団生活に必要なスキルなどを習得するための支援を行っている専門機関です。児童発達支援センターでは支援のほかにも子どもの発達に関する相談も受けつけています。発達障害者支援センターADHD(注意欠如多動症)などの発達障害のある方本人や家族を対象に、幅広い支援を行っている専門機関です。状況に合わせたアドバイスをもらえるほか、医療機関や支援機関の紹介も行っています。また、診断を受けていなくても相談可能です。就学相談今後就学に不安がある方は、「就学相談」を受けることもできます。就学相談とは障害や発達が気になる子どもにどのような進学先が合っているかを、専門家と保護者で相談しながら決めていくことです。就学相談を受けるにはお住まいの地区の教育委員会に申し込む必要があります。気になる方は一度問い合わせてみるといいでしょう。参考:困ったときの相談先|厚生労働省まとめADHD(注意欠如多動症)は不注意、多動性、衝動性という特性のある発達障害のことで、4歳、5歳頃だと「席に座っていられない」「落ち着きがなく常に動いている」「ほかの子のおもちゃを取ってしまう」などが困り事としてよくみられます。ただ、上記のような行動はこの年頃の子どもにはよくみられるので、判断がつかずに悩んでいる保護者の方もいると思います。気になる様子があったら、園と連携して環境を調整していくことや、子どもとの関わりを工夫していくことが大事です。また抱え込んでしまうのではなく、身近な専門機関に相談することも検討してみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月24日皆さんは、歳を重ねても美しい人と言われたら、どのような人を想像しますか?今回MOREDOORでは、さまざまな女性に話を聞いてみました。この記事では、外見だけでなく、内面の心持ちや生活習慣もどのように影響するかを探ります。40代以降の美しい人とは、どんな人なのでしょうか?※女性からの声はさまざまです。あくまで一例として、考えるきっかけになれば幸いです。55歳/専業主婦/Sさんの場合健康や美容に、気を使っている人。気の持ちようだとは思いますが、綺麗になる人は栄養や運動、化粧などに気を使っています。若い人とのつきあいがあることも大切なのではないでしょうか。常に前向きで、健康と美容に気を使って、新しい言葉にもチャレンジしていきたいです。若い時のようにはいかなくても努力を惜しまない人になりたいです。48歳/パート/Aさんの場合内面がギスギスしていなくてやわらかな人。綺麗な人とおばさん化しない人の違いは気持ちだと思います。まわりに振り回されることなく、自分が正しいと思うことを信じていきたいです。40歳/パート/Fさんの場合人とのコミュニケーションを大切にし、社会から孤立せずにまわりを巻き込んで生きている人は、若々しくいられるのではないでしょうか。内側から自然と若々しくいられるようになっていきたいです。心に豊かさを女性たちからは、綺麗な人の特徴として、外見の美しさだけでなく、健康や美容に気を使い、内面や心の持ち方にも配慮していることが挙げられました。年齢に関係なく、自分に合った生活習慣や心の豊かさを持つことが大切なのかもしれませんね。皆さんは、どのように年を重ねていきたいですか?※この記事は実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2024年02月23日発達の遅れ……集団で受けたくない3歳児健診わが家の長男けんとは1歳半健診の時に、言葉が出ていませんでした。落ち着きがなく、気になるものを見つけては歩き回り、保健師さんとのやりとりも全くしない息子。私は周りの子たちとの違いに落ち込み、発達相談を受けることにしました。発達相談をきっかけに、市の保健センターで行われている親子教室へ通い始め、支援が繋がっていきました。年少からは地域の幼稚園ではなく、市が運営する発達支援施設への入園を決意。同じ頃に発達外来を受診し、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。Upload By ゆきみけんとの特性を理解したい気持ちは大きいけれどなかなか難しく、頭を悩ませていた日々。そんな頃に3歳児健診がありました。正直、行きたくありません。なぜなら、2歳6ヶ月頃に行われた集団歯科健診で、けんとと周りの子たちとの違いに落ち込んだ記憶もまだ鮮明に残っていたからです。当時私たちが住んでいた地域の3歳児健診では、内科の健診項目は、保健センターにて集団で受けるか、市が指定する小児科で受けるかを自分で決められました(※お住まいの自治体によって制度は違います)。「集団では受けたくないな」と思い、わが家は小児科で受けることに。けんとのかかりつけ医が、健診を受けられる指定病院の中に入っていたので、けんとが慣れているかかりつけ医にて3歳児健診の予約を入れました。母子手帳の3歳児健診の項目を読んでみるとUpload By ゆきみ3歳児健診へ行く前に、母子手帳に書いてある3歳児健診前にするチェック項目を読んでビックリ!私が想像していたよりも、当時のけんとはチェックに〇がつけられないことに気がつきました。・自分の名前が言えますか・ままごと遊びができますか・手を使わずにひとりで階段をのぼれますか・衣服の着脱をひとりでしたがりますか……などと書いてありましたが、ほかの項目も含め、けんとはできないことが多かったのです。けんとはその頃、単語で話す程度。さらに構音障害があり、「あ・い・う・え・お」の母音のみでの発音だったので聞き取りづらく、母親の私には何を言っているか理解できていましたが、周りの人には理解できない状態でした。また、ひとり遊びが多く、身体を動かすのも苦手。3歳児健診でも、1歳半健診の時のようにできないことが多いのかなと想像し、憂鬱になってしまいました。3歳児健診のお知らせを読んでいくと、身体測定のほかに、聴覚検査や視力検査、検尿もあるとのこと。「できる気がしない……」と不安だらけでしたが、お知らせの中に、「C」の形がどっちを向いているかを指差しで答えるという視力検査の練習用紙が入っていたので、数日前から少し練習してから3歳児健診へと向かいました。予想通り、3歳児健診で引っかかったのはけんとは気になるものを見つけると、入ってはいけない場所へでも入ってしまい、触ってはいけないものでも触ってしまうので、気が抜けず、当時は一緒に外出するのがとにかく大変でした。けんとの3歳児健診の時、弟は1歳。けんと1人だけでも病院に連れていくのが大変だったのに、「弟もいたら無理だ……」と思い保育所の一時預かりを利用し、弟を預けました。Upload By ゆきみ3歳児健診を受ける場所は、いつも行き慣れているかかりつけ医を選んだため、けんとは警戒することなく、病院へ入ることができました。しかし、私が受付で提出物を出している間に、気になるものを見つけたけんとは、一直線に走り出し、制御不能状態に。提出物をすぐ出せるように準備してからのぞんだ受付でしたが、そういうわずかな数秒だけも気が抜けませんでした。名前を呼ばれ、身長などの計測が始まりました。しかし、どこかへ行こうとしたりして、まっすぐ立たないけんと。じっとしているのがイヤだったようで、とうとうグズりだしてしまいました。でも、看護師さんも一緒に頑張ってくださり、無事に身長体重を計ることができました。「C」の向きを指差しする視力検査は、家で練習した成果なのか、無事にできてホッとひと安心。結果的に、3歳児健診で指摘を受けたのは「身長(低身長で、成長曲線から下にはみ出していた)」、「言語面」、「運動面」など……。私の予想通りでした。1歳半健診と3歳児健診、両方指摘を受けたが当時、すでに低身長については総合病院を受診済みで、発達外来では自閉スペクトラム症と診断を受けていました。さらに市の発達支援施設に通っていることを医師に伝えていたので、3歳児健診を終えたあと、特に新たに何かをするということはありませんでした。3歳児健診はやはり大変でしたが、慣れているかかりつけ医で受けられたのは、けんとにとっては良かったなと感じました(※お住まいの地域によって異なります)。1歳半健診を終えたあとは、相談できる人が周りにおらず、どうしたらいいのか不安でいっぱいになりました。しかし3歳児健診を受けた時は、発達外来で医師、発達支援施設で保育士さん、言語療法士さん、作業療法士さんなど、専門職の方たちにも相談できる環境にいました。そして、私もけんとの特性を受け入れ始め、向き合っているところでした。1歳半健診、3歳児健診、どちらも発達の遅れがあり指摘を受けたけんとですが、私が感じた違いは「相談できる人」の存在。不安はもちろんたくさんありましたし、けんとが小学2年生となった現在もたくさんあります。でも、発達に関する相談ができる人が周りにいることは、昔も今も……私の心の支えになっています。Upload By ゆきみ執筆/ゆきみ(監修:室伏先生より)3歳児健診でのけんとくんのご様子や、ゆきみさんのお気持ちを共有くださりありがとうございました。ゆきみさんに相談できる人という心の支えがあること、私もうれしく思います。療育の意義というのは、ご本人へのアプローチももちろん大事なのですが、ご家族さんが困っていることを相談でき、ご家族さん・お子さん双方にとってよりよい関わり方を知ることができたり、孤独感や不安を抱きやすいご家族の心の拠り所としての側面も大きいと感じています。発達外来もそうですね。発達に関して不安に思っていることはあるけれど、個人差の範囲かもしれないし……、診断や検査結果を聞くのも怖いし……などなど、相談をためらわれることもあるかもしれません。そのようなお気持ちをご家族の方がお話ししてくださることも少なくありません。ご家族の方のお気持ちやご希望なども含めて、発達外来や発達支援センターなどに一度ご相談してみてくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月23日ある日、3歳になる次男のイヤイヤが発動。「夜ごはんはいらない! お菓子を食べたい!」とグズり始めました。何を言っても納得してくれない次男に私のイライラも頂点に達し……。 窮地を救ってくれたのは、まさかの人物!?私は夜ごはん中にお菓子をねだり続ける次男に「ごはんを食べないなら、もう下げるね!」と言い放ち、次男の前から料理の入ったお皿を下げました。思い通りにいかない次男は腹を立て、さらに大声で泣きわめきます。私はもうどうしようもなく、疲労困ぱい……。 すると、その様子を見ていた6歳の長男が「僕が泣き止ませるから!」と私と次男の間に入ってきたのです。長男は、次男の頭をなでながら、やさしい口調で説得を始めました。「ママが頑張って作ったお料理、次男くんが食べてくれたらママはすごく喜ぶと思うよ! だからちゃんと食べようね」「ごはんを食べたら、お兄ちゃんとグミを食べようよ!」長男からやさしく声をかけられた次男は、パッと泣き止み「わかった! 食べる」と、素直にごはんを食べ始めたのです。 長男の次男に対する接し方を見て、私は次男に「どうしてごはんをしっかり食べてほしいのか」を伝えずに叱っていたことに気づきます。そして、“してほしい理由” をしっかりと話せば、幼い子どもでもきちんと納得してくれるということにも気づかされました。今後は子どもに「お菓子ばっかり食べていたら栄養がきちんととれなくて元気が出ないから、ごはんをしっかり食べてほしい」と理由を添えて冷静に話すよう心がけたいと思った出来事です。 作画/Pappayappa著者:内野みお
2024年02月22日現在、私には4歳の長男と2歳の長女がいます。2人とも保育園へ通っていて、毎月のように長男、長女のどちらかが体調を崩している日々です。そんなある日、長女が40度の熱を出し、検査を受けるとアデノウイルス感染症であることが判明。その後、長女が良くなったころ、長男がアデノウイルスに感染……。ブルブル震える長男を看病する日々になりました。ところがその後、まさかのことが起こったのです。 まずは長女がアデノウイルスに感染!ある日、「熱があるのでお迎えにきてください」と急きょ保育園から連絡が入りました。病院で検査を受けると、長女はアデノウイルス感染症であることが判明。特効薬がないようで、熱が下がるのを待つしかないと言われました。長女はその日の夜、40度まで熱が上がり、喉も痛かったようです。解熱剤で様子を見ていましたが、一時的に熱が下がるだけで再び熱が上がる毎日……。 ごはんもろくに食べられず、つらそうな長女を見ていると私もつらかったです。そんな中、長女の熱は5日ほどで下がり、その2日後にやっと登園ができるように。ようやく仕事に取りかかれるとホッとした矢先、今度は長男が熱を出してしまったのです。 長男に続いて私も高熱でダウン…検査を受けると、長男も案の定アデノウイルス感染症とのこと。長女と同じように解熱剤で様子を見ていましたが、なかなか熱は下がらず、いつも元気いっぱいな長男もつらそうな様子でした。「寒い寒い」とブルブル震えて寝つきも悪く、夜中も長男の看病が続きました。 ところが、長男がアデノウイルス感染症と診断されてから3日が経ったころ、母親の私も39度の熱を出してしまったのです。翌日病院へ行くと、なんと私までもがアデノウイルス感染症であることが判明! 勝手にアデノウイルス感染症は子どもがなる病気だと思い込んでいたので、「まさか大人も感染するなんて……」と驚きました。 高熱があっても母親は休めない…私はフリーランスなので基本的に在宅勤務。子どもがいつ体調を崩しても看病できるのは、在宅勤務の良いところです。とはいえ、すでに長女の看病で1週間ほど仕事が滞っていて、さらに長男の看病で思うように仕事が進まない日々。39度の熱があっても家事や長男の看病をしなくてはなりませんでした。 仕事再開のめどが立たず、「なんで私が……?」とイライラしたことも。夫は仕事の帰りが遅く、同居中の両親にはアデノウイルスを感染させるわけにもいかなかったので、長男の看病は極力私がおこなっていました。なんとか長男はアデノウイルス感染症と診断を受けてから1週間で熱が下がり、私も4日ほどで熱が下がりました。 私までもが体調を崩したことで、長男に対してしっかり寄り添った看病ができず、「私が元気だったら……」と思う瞬間がたくさんありました。子どもたちがつらいときには、私がしっかりとサポートをしてあげたいです。子どもたちが体調を崩したときは、大人にも感染する可能性があることを踏まえ、大人も体調管理の徹底を意識しなければならないと感じた出来事でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/大福著者:華彩 あんず
2024年02月22日息子が3歳だったころ。電車に乗ってお出かけしたのですが、そのときの車内で息子がとんでもないことを言ってしまい……。 まさかここで…それを言う!?子どもと電車に乗っているとき。3歳になった息子が私の顔をじっと見て、「ママ、お化粧ぽんぽんしないとパパみたいな顔!」とすごく大きな声で叫んだんです。静まりかえる車内……クスクスと何人かの笑い声が聞こえました。確かに、ノーメイクのときは髪をひとつに結んでメガネをかけ、自分でも夫に似ているなと思うことも……。ですが、電車のなかで言わなくてもいいでしょ!と思ってしまいました。そのときは恥ずかしかったのですが、思い出すとちょっと笑ってしまいます。 ◇ ◇ ◇ 子どもって意外と大人の言動をしっかり観察していますよね。今回はクスッと笑えるエピソードですが、子育て中は子どものお手本になっていることを意識しながら過ごしたいですね。 作画/てる子著者:岩堀ゆう
2024年02月16日幼稚園入園と同時に表れてきた息子の困り年少の4月から幼稚園に入園した息子。まず先立って心配だったのがトイレのこと。トイレトレーニングがなかなかうまくいかず、難航していた息子。なんとか入園式の5日前にトイレで排尿ができるようになり、入園式には布パンツで行けました。しかし心配事はほかにも……。まず息子は幼稚園のエントランスにある掲示物が気になって、登園してもなかなか上履きに履き替えられませんでした。息子の幼稚園にはさまざまなポスターや、かわいらしい壁面飾り、ときには天井にぶら下がるような飾りも掲示してあります。息子は朝登園するたびにそれらに釘付けになり、なかなか上履きに履き替えられませんでした。Upload By ネコ山息子の幼稚園は通園バスで登園するのではなく、毎朝幼稚園のエントランスまで保護者が送っていきます。年少の靴箱の前で私は何度も外靴を脱ぐように促すのですが、息子の耳には入っていないようす。息子に触れながら話しかけたり、大きめの声で声かけしたりしましたが掲示物に見入っている息子は「今それどころじゃないんですけど?」のような表情で掲示物に見入り、取り合ってはくれません。最終的には先生と一緒に靴の履き替えを促したり、そばにいたお友達と一緒に行こうと声かけするなどをして、毎朝なんとか年少の部屋まで送り出していました。Upload By ネコ山壁面飾りや掲示物に夢中で……というと、3歳児のあるあるエピソードのように感じますが、毎朝毎朝幼稚園に行くたびに上履きに履き替えるというただそれだけのことに、親としてこんなにも労力がいるとは思ってもいませんでした。幸い息子は入園当時、行きしぶったり母親である私と離れることを不安がったりするタイプではありませんでした。行きしぶりや母子分離不安ならまだ理解がしやすいのですが、ただ上履きを履き替えるだけのことでこんなにも手こずるとは思ってもみませんでした。結局、年少の1年間は毎朝、上履きに履き替えることに時間がかかっていました。また「今日は幼稚園で何したの?」と聞いても、私が聞きたいような「お砂場した」や「ねんどした」などの活動内容を答えてはくれず、いつも「おにくたべた」とお昼ごはんのメニューを答える息子。息子は幼稚園でやっていけているのだろうか……不安がつのっていきました。幼稚園、最初の個人面談では入園して3ヶ月後に、担任の先生と初めての個人面談がありました。息子は幼稚園でやっていけているのか……不安な気持ちの中、思い切って息子の幼稚園での様子を聞いてみました。すると、お友達の名前をすぐに覚える、お友達の名前を呼んでコミュニケーションをとっている、絵が上手で同級生はまだ顔だけか頭足人を描くことが多いけど息子は胴体がある絵を描くことができている、など予想以上に担任の先生は息子のことを褒めてくれました。Upload By ネコ山担任の先生が息子のいいところを見つけてくれていることに、ひと安心しました。しかし、毎朝上履きの履き替えがスムーズにいかないこと、また、1歳の頃から多動でその印象が強いことから集団生活でやっていけているのか、私は不安が拭えていませんでした。思い切って「発達的にはどうですか?」とうかがうと「朝の登園の様子なども、3歳児という幼さからなのか、発達によるものなのかまだ分からない」とのこと。続けて「気になるようだったら発達センターを紹介しますが、まずは3歳児健診を受けてみてもいいかもしれません」と、『受診目安は3歳半過ぎてから』と(私の住む自治体では)なっている、まだ受けていなかった3歳児健診を奨められました。何も指摘されなかった3歳児健診。しかし幼稚園では……幼稚園の個人面談から2ヶ月後、3歳児健診を受けました。1歳半健診では「様子見」と言われた息子。今日こそ、息子の発達について指摘される……。問診票には、発達障害のスクーニングと思われるような内容もあり、息子は多くの項目に当てはまっていました。医師の診察・問診では、イスに1人で座って問診を受け答えする息子。問診票を提出しましたが、息子は発達について何も指摘されずに3歳児健診が終わりました。確かにイスに一人で座って、先生とも受け答えできていたので、問題ないとの判断だったのでしょうか……。担任の先生のその旨を伝えると、少し驚いた表情をしたような気がしますが、それ以上は何も言われせんでした。私は絶対に発達について指摘されると思っていたので、医師にそれを全く触れられないことに意表を突かれ、むしろ自分が『息子は発達障害』だと思い込んでいただけなのでは……? ホッとすると同時にうれしささえ感じていました。しかし、夏休みが終わり2学期に入ると、息子は日に日に幼稚園での癇癪が激しくなっていきました。「やっぱり発達障害があるのかな……」と、私は再び不安になっていくのでした。執筆/ネコ山(監修:新美先生より)掲示物に目を奪われて没頭してしまうというのは、自閉スペクトラム症の特性のあるお子さんでしばしばみられることですね。ですが、今回のエピソードをうかがうと、朝の登園の時にそれが顕著に目立ったということからは、おそらく視覚刺激に没頭しやすいという特性がある上に、入園して慣れない集団生活の場にこれから入っていくという朝の園のエントランスで、掲示物に没頭することで、ある種の現実逃避というか、尻込みする気持ちの表れともいえるのかもしれないと思いました。「行きしぶり」というような分かりやすく「行きたくない」と伝えるのではなくても、家を出るときにこだわりが発揮されて時間がかかる、登園の道のりで何かに没頭してしまう、今回のように保護者との別れ際でフリーズしてしまうというようなエピソードの多くは、本人なりの集団生活への不安や抵抗感が反映されていることも多いです。とはいえ、健診の場ではそうした些細な本人の特性ある行動は気付いてもらえないことも多く、保護者としては振り回されたりやきもきすることも多いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月16日勉強は自己流、成績が伸びず志望校を変更息子は現在高校1年生。小学校1年生でASD(自閉スペクトラム症)、中学1年生でLD・SLD(限局性学習症)と診断を受けました。また、聴覚過敏もあり、小中学校は特別支援学級に所属していました。中学3年生だった一年前、私たちは進学について悩んでいました。息子は全日制の普通科高校を志望していたのですが、勉強は自己流。主に学校から配布された参考書や補助教材の問題集に取り組んでいました。ただし、好きな教科しか勉強せず、嫌いな教科は一切手をつけません……。当然成績は思うように伸びませんでした。そんな中、高校の体験入学をした息子は、自分をいじめていた同級生が同じ学校を受けることを知りショックを受けていました。また、中学校とは異なり、全日制の高校には特別支援学級がありません。クラスの人数も多い全日制の学校で息子は「自分はやっていけるのだろうか?」と心配になり、学級担任の先生に相談、志望を通信制の高校へ変更しました。私は最初から息子には通信制が合っていると思っていたので、「息子にとってもあっていると思うよ!」と賛成しました。ですが、通信制の高校に決めた途端、息子はすべての勉強を辞め、ゲーム漬けになってしまったのです。Upload By ユーザー体験談受験勉強をしない息子。試験本番は人の多さに面を食らい……Upload By ユーザー体験談勉強をしなくなってしまった息子。あまり勉強をと急かすのも良くないなと思い見守りました(「やろとしていたのに、やる気がなくなった!」など言われないように……)。幸いにも、中学校では通信制高校のテスト傾向を把握しており、授業中に試験対策をしてくれました。苦手な作文には苦労していたようで、私は大丈夫なのかとハラハラ……。そして受験当日、息子はそんなに緊張はしていない様子でしたが、会場に着くと受験生とその保護者の多さに面食らっている様子でした。私は校舎に入る息子を見送り(どうか緊張せず実力を出せますように……!)と祈ることしかできませんでした。通信制高校へ合格!「選んで良かった!」というサポートが行き届いた学校生活息子は無事、第一志望の通信制高校に合格しました!息子が入学した通信制の高校はコース選択があり、週に3日スクーリングがあるコースを選びました。スクーリング中にレポートを書くことができるので出し忘れが減らせること、全く外出せずひきこもりになってしまっても……と思い選択しました。通信制の高校は、発達障害のある子どもが多いのかとてもサポートが行き届いていて「この学校に進学できて良かった!」と息子本人も言っています。「分からない事はそのままにせず聞いてね」、「困っている事はない?」などと声かけしてくれたり、レポート提出がされていないと、必ず知らせてくれます。先生方は、適度な距離感を保ちながら、クラス全体を観てくれているようです。クラスは20人ほどで、にぎやかすぎず、静かすぎずでちょうど良く、クラスメイトとはレポートについて教えあったりすることもあるそう。生活リズムは、小中学校の時より少しだけ遅寝遅起きにはなっていますが、お友達と出掛ける約束や、大好きなゲームの話などについて、SNSや電話でやり取りしているようです。友達はたびたび遊びに誘ってくれます。ですが「〇〇に行きたい」と行きたい場所の希望は伝えてくるものの、段取りをつけるのが苦手だそうで、息子が電車の時刻表を見て「何時にどこで待ち合わせをする」といった調整役をしています。そのおかげか、最近では先々の見通しを立てられるようになりました。Upload By ユーザー体験談基本、放任主義の私ですが、夕飯時に息子から学校の事を話してくれる事が小中学校の頃よりも格段に増えました。高校が居心地の良い場所になっているようでうれしいです。高校生になって急成長!社会性が身につきぐんぐん成長していますまた、高校生になって大きく成長したと感じるのは、社会性が身についたことです。今までなら絶対にやろうとしなかったボランティア活動などにも参加するようになりました。先生が誘ってくれて、入る前に見通しが立つよう事前に説明をしてくれたそうです。何をやるのかの見通しが分かったので、抵抗感なく参加できるようになったと言っていました。いままで参加しなかったのは、やりたくないのではなく、どうすればいいかわからず不安だからできなかったのですね……。それに気づいてサポートし、息子のできることを伸ばしてくださる先生方には感謝しかありません。また現在は、発達障害のあるお子さん向けの寺子屋的な教室でアルバイトをしています。以前はそちらにお世話になっていたのですが、今度は教える側になったことは、親としてもとても感慨深いです。生徒たちは、各々が言いたい事、やりたい事をしたり、上手くできないと癇癪を起こしたりすることもあります。息子はそんな生徒たちを見て「まるで、小さい頃の自分を見ているようで。その気持ちすごく分かる!」と言っています。そして「お互いに譲らなきゃいけなかったり、相手の話も聞いてあげなきゃ……ということも多いんだよね」と話す姿を見て相手の気持ちを考えることや、自分自身を客観視することなどができるようになってきたと感じています。Upload By ユーザー体験談息子は大学進学を希望しています。また進学先に迷うことがあると思いますが、社会性を身につけてきた今なら、高校受験の時より心配も少なくなるかなと思っています。どんどん成長していく息子がまぶしいです。これからも楽しい高校生活が送れますように。イラスト/ネコ山エピソード提供/しのっぺ(監修:鈴木先生より)今の日本の高校教育の中で神経発達症に一番理解のある学校は通信制と言っても過言ではないでしょう。私立でサポートが行き届いている学校もありますが、わずかしかないのが現状です。通信制の高校は身近にあって自由がきくので、神経発達症のお子さんには向いているようです。神経発達症のみならず、朝起きられず午前中調子の悪い症状のある起立性調節障害のお子さんにも向いているようです。一旦全日制の普通科高校に入学しても中退して通信制に転校したことで一日のリズムが整い、心身共にすっきりしたお子さんが多いと、日頃の外来で感じています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年02月14日現在6歳の長男が2歳半のころに2人目の妊娠が判明しました。2人目はもう少しあとでも良いと思っていた私は心の準備ができていませんでした。妊娠中は自分が思うように動けず、長男にキツく当たってしまうことが増えてしまいました。長男は怒られてもケロッとしているため、長男の気持ちをあまり考えていなかった私。しかし、出産を終えて退院したとき、ようやく長男の気持ちに気がつきました……。思うように育児ができず苛立つ毎日妊娠4カ月ごろからつわりが始まりました。1日中体調が悪く、寝込んでしまう日が多くありました。長男はまだ未就園児で毎日家にいたため、2人きりで過ごすときはテレビを見せ続けてしまうことも。 長男に「遊んで」と言われても相手をしてあげられない私。これではいけないとわかっているのにどうすることもできない状況に、イライラしてしまいました。そしてその苛立ちが長男に向かってしまうことも……。妊娠前には感じることのなかったイライラや気分の落ち込みに自分自身でも戸惑ってしまいました。 妊娠と長男のイヤイヤ期が重なって……当時長男はイヤイヤ期真っ最中。抱っこをせがまれることが多かったのですが、「おなかに赤ちゃんがいるからできないよ!」と強く言ってしまうことがありました。また、おなかめがけて飛びついてくる長男を叱ることもありました。私は申し訳ない気持ちがありながらも、自分に余裕がなかったのでやさしく伝えることができなかったのです。 長男は泣いたりいじけたりすることなく、怒られてもケロっとしていたので、私は長男の気持ちを考えずに強く言ってしまうことが増えていきました。 2人目を出産。退院後、長男の元へ向かうと出産による入院中の7日間、長男は夫や私の両親と過ごすことに。長男はママに会いたいと泣くことはほとんどなかったようで、面会で私に会いにきた帰り際もニコニコしていました。出産を終えた私は退院してすぐに実家で待っていた長男の元へ向かいました。そして、遊んでいた長男に「ただいま、よく頑張ったね」と伝えました。 すると、長男は急に泣き出してしまったのです。それを見て私も思わず長男を抱きしめて泣いてしまいました。そしてこのとき初めて私は、長男にたくさんの我慢やつらい思いをさせてしまっていたことに気づいたのでした。 妊娠中や入院の間、長男が不満を言ったり泣いたりすることがほとんどなかったので、私は勝手に長男はつらくないんだと思い込んでしまっていたのです。でも退院後の長男の涙を見て、ずっとつらい思いを我慢していたことに気づき、深く反省しました。おしゃべりができても自分の思いを言葉にするのは子どもにとって難しいことだと思います。しっかりと親が汲み取って理解してあげなくてはいけないなと思いました。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:水沢 雫6歳男の子と3歳女の子の2児の母で、夜勤ありの夫と4人暮らし。アパレル販売員の経験があり、ファッションやショッピングが趣味。
2024年02月14日息子にあった中学校をと考え、中高一貫校受験を決意現在13歳の息子は中高一貫校に通う中学2年生です。幼稚園年中の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。息子は加害や癇癪はほぼなく、おだやかでおっとりした性格をしています。小学校では通常学級に在籍していました。本人に障害告知はしていませんでしたが、学校へは診断を受けていることは伝えていました。物事の整理や片づけに時間がかかるタイプでしたので、その辺りの配慮はしていてもらえていたようです。地元の中学校は生徒数が多かったため、おっとりした息子の場合は少人数でじっくり見てくれる学校が良いのではと思ったのが、中学受験を考えたきっかけでした。志望校選びを間違えた?わが家の進路選択基準Upload By ユーザー体験談小学校4年生になって、中学受験をやっている学校が複数集まっている集団説明会などに行き、学校Aと学校Bの説明を聞きました。その流れで息子には「中学、高校は少人数でのんびり行ける学校が向いているんじゃないかと思ってるんだよ」と伝えたところ、息子はそんなものかといった様子で、すんなりと受け入れました。その後文化祭を見学したり、私と夫がこんな学校なんだよと説明したところ、少しずつ受験に乗り気になっていったようです。息子と一緒に2つの学校を比較し、B校を第一志望としました。B校を第一志望とした理由は、定員割れしていることもあり、より生徒が少なく先生の数が多いこと、また高校の各種設備が充実していること、説明会での生徒・先生の印象が良かったからです。しかし、このことを後々後悔することになるとは、その時思ってもいませんでした。勉強は、SST対応の発達支援塾と「親塾」でUpload By ユーザー体験談志望校は入学試験が難しいといわれるような学校ではありません。息子の生活環境をあまり変えたくなかったため、中学受験に特化した進学塾へは通わず、小2から通っているSST(ソーシャルスキルトレーニング)対応の発達支援塾で中学受験を意識したプログラムを組んでもらい、週末指導を受けました。一方平日は、父が理系、母が文系を教えて対応しました。ですが、親の指導でなんとかなるだろうと安易に考えたのは間違いだったと、今は反省しています。私が教えた国語でいうと、息子は文章を読みこなす力が弱く、長文読解では本文の内容や設問を最後までしっかり読むことがなかなかできませんでした。通信教育の教材を利用していましたが、息子にはレベルが高かったようで、理科や社会はそのまま使い、国語、算数はもう少しやさしい市販の問題集を利用しました。優しく教えようと思っても、私も夫も教師役となるとガミガミしてしまった面があります。息子は反抗するタイプではなく、親のガミガミを黙って「ハイ」と萎縮して受け入れてしまうタイプでした。そのために、どれだけ自己肯定感を低下させてしまったかと思うと……。叱咤激励は塾に任せ、親は家庭でフォローしたり、落ち着いて過ごせる環境づくりに徹すべきだったのではなかったかと反省しています。発達障害があると知ると態度が変わったB校息子は小学校の成績がよくないため、内申点が評価の対象となる自己推薦入試ではなく、当日の試験のみが評価される試験を受けるつもりでした。6年生の6月も学校説明会があり、そこで学校の職員の方と面接し、息子に発達障害があることも話しました。そうすると「4年生の時から進学を考えているくらいうちを志望してくれているなら、自己推薦入試がオススメですよ。ぜひ受けてみてはどうですか?」と勧められました。そして、自己推薦入試は12月行われるもので、前年度の自己推薦入試での不合格はゼロ人とのこと!それなら自己推薦入試で受けてみようと思いました。先生からは、11月の説明会で再度面接を受けてその時通知表を提出すれば、自己推薦入試の作文や面接課題を渡すといわれ、これで私たち夫婦はもう入学できたくらいの気分になってしまいました。ところが、11月の説明会の面接時のことです。学校行事と重なったため、私だけが通知表のコピーを持って伺いました。面接してくれたのは6月と同じ先生でしたが、その時の陽気な軽い感じの対応とは真逆の重い口ぶり……。そして、発達障害があることにより学校生活に送れるのか学校内で心配していること、12月に息子本人と話したうえで受験可能か最終的に判断したいと言われました。6月に話していた試験問題については、こちらが要求したので渋々渡してくれましたが、「これを渡したからと言って合格と思わないでほしい」「なんだったら受験しなくても」とまで言われたのです。呆然としてしまいました。Upload By ユーザー体験談その日の午後、通っていた発達支援塾の予定があったため、早速塾の先生方に相談しました。先生たちもさすがに学校の反応はおかしいと、前年入学したこの塾出身の生徒さんに様子を聞いてみてくれることになりました。そしてその夕方、先生から電話がありました。入学した生徒さんは、発達障害があること、服薬していることすべてを伝えて合格したこと。ただ、現在は素行不良のため退学ギリギリの状態となってしまっていること……。もしかすると、同じ塾からの志望者ということで警戒されたのでしょうか?今でも確かな理由は分かりません。今まで発達障害を理由になにかを断られたという経験がなく、この時は本当に衝撃を受け、混乱しました。そして12月、面接の日を迎えました。先生が直接息子に「この学校に入りたい?」と聞いたところ息子は「この学校に通いたい」とはっきり答えました。先生はそれならと受験を認めてくれましたが、再度「これで合格と思わないように」と念を押されました。息子はそのまま受験しましたが不合格。40人受けて2名不合格となったそうです。ご縁があったのは最初に説明会に行ったA校。そして、この学校の方が息子に合っていた!B校の11月の面接時の反応を受け、私たちは急遽別の学校も選択肢に入れることにしました。同じ地域、同じ程度の偏差値の2校から願書を取り寄せ、その2校を筆記試験で受験をしました。結果的に、そのうちの1校に合格しました。現在通っているこの学校は4年生の時に最初に学校見学会に参加したA校でした。説明会のときは生徒が参加しておらず学校生活をイメージしにくかったこと、小規模校で設備が弱かったこと、高校卒業後のイメージが違ったこと(国際教育や大学進学率を謳っている学校なのですが、わが家はそうした進路より、B校のように就職や専門学校の選択肢が多いことを望んでいました)ことから志望をやめていましたが、通うようになってこの学校で本当に良かったと心から思っています。息子は学校で友達もでき、部活にも楽しく参加しています。中学1年生のときはいじめに発展しそうなトラブルも何度かあったのですが、ありがたいことに息子を守りかばってくれる子、一緒に先生のところに相談に行ってくれる子など受け入れてくれる友達も多くいました。先生もすぐ対応してくださり、息子はダメージを受けていないようなのでホッとしています。現在学校からの具体的な配慮はありませんが、現在の担任は息子の特性を理解して声かけなどしてくれているようです。「夏ぐらいになったら息子くんのことがだんだん分かってきました。早めに声かけしています」とおっしゃっていました。Upload By ユーザー体験談今通っているA校はB校よりも高校になると偏差値が高く、英語にも力を入れています。また、漢検・数検なども全員受験で成績に反映されるなど、公立とかなりカリキュラムが異なるように思えます。ですが、いわゆる進学校ではないため、高校生でも受験一色にはならず学校生活を謳歌できると卒業生が言っていました。1点心配なことは、素行不良への対応が厳しいことです。中学1年生の時には、素行不良によって退学した同級生が1名いました。息子はおとなしく、トラブルを起こしたりすることは今のところありません。ですが、何かあったときは容赦なく退学となることに、私立の厳しさも感じてしまいます。息子は現時点で反抗期もなく、先生にもかわいがってもらっています。このまま優しい子に育っていってほしいです。そして、親がいなくなっても自活できるようになってくれればと思っています。イラスト/SAKURAエピソード提供/りぃ(監修:森先生より)本当に良くないことですが、発達障害に偏見がある人は一定数います。教育現場にもそのような人がいることは残念でなりませんね。ただ、そのような環境であることが入学前に分かって、本当によかったとも考えられます。保護者の方がお子さんの特性を理解して、学校にも事前にしっかりと相談していたからこそ、発達障害に理解のない環境で多感な6年間を過ごすことを防げたのですね。志望校を急遽変更することになったからといって、それまで時間をムダにしたなんて思う必要はありません。そこまでの行動があったからこそ、変更の必要があると分かったからです。「予想外の展開があれば、臨機応変に別の選択肢を探す」お子さんにこの姿勢を見せることが最大の教育であり、自活への道ではないでしょうか。2024年4月から施行される「障害者差別解消法」改正により、一人ひとりの困りごとに合わせた「合理的配慮」の提供が行政だけでなく事業者にも義務化され、私立学校も対象となります。「教育内容・方法」「支援体制」「施設・整備」という3つの観点に留意して、合理的配慮を進めていくことがより強く求められています。入試や学校生活に際しても、適切な合理的配慮がされることを願います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月12日発達が気になる子どもの避難や防災。事前にできる対策は?発達ナビでは、2024年1月18日(木)から1月24日(水)まで子どもの避難や防災に関するアンケートを行いました。今回はその中から避難所での過ごし方について、発達障害を専門とする井上雅彦先生(鳥取大学大学院教授)にご回答いただきました。避難や防災についてこのような質問が寄せられました。・わが子が常に多くの人がいる避難所で過ごすことができるか分かりません。今回の地震で中学生たちが集団避難をしましたが、災害時に安全な場所だとしてもわが子が親と離れて過ごすことは難しいと思いました。これから先、高校など家から離れている場所で災害が起こったときに、どのように対処するのか、何を教えておけばいいのか分かりません。<中学生、不安が強い>→Q1へ・わが子は、ビバンセを服薬しています。避難先や移動先で、スムーズに薬をいただけるようにするには、本人の財布やスマートフォンなどにも、治療内容や薬の処方箋の写真など入れておくべきでしょうか。混乱の中、ビバンセなど処方してもらえるものなのでしょうか。<大学生、ADHD(注意欠如多動症)>→Q2へ・お薬、特にコンサータはどこでも出してもらえるわけではないので、必ず携帯しようと思っていますが、お薬もなくなったらもっと不安が強くなるのではないかと心配です。災害時に服薬ができなくなったときはどのような対応をすればよいでしょうか。<中学生・高校生、共にASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)>→Q2へ・知的障害(知的発達症)を伴わないASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。精神障害者保健福祉手帳は未取得です。万が一、地震等で被災した場合など、手帳は取得しておいた方が良いのでしょうか?<6歳、ASD(自閉スペクトラム症)>→Q3へQ1:いざというとき集団避難はしたほうがいい?子どもが家族と離れた場所で被災したらどうすればいいの?(回答)集団避難は学校教育の保障のために行われています。宿泊先の配慮がどれくらいあるかなどによって、集団避難できるか決まってくると思います。お子さんの状態によって判断するとよいでしょう。個別の避難計画を立てておきましょう。どのような災害がいつ起こるかによって対応は違ってくるため「避難の際に持っていくものリスト」や「〇〇の場合、どこに避難するか」など話し合ってメモしておきましょう。岡山県のおかやま発達障害者支援センターで公開している災害時の『ファースト・ステップ・シート』作成の手引き、日本自閉症協会が作成した『自閉症の人たちのための防災・支援ハンドブック』などもぜひ参考にしてください。参考:災害時の発達障害児・者支援について|おかやま発達障害者支援センター参考:災害時における防災・支援ハンドブックとヘルプカードをご活用ください。|日本自閉症協会【記入例】Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンQ2:避難先で処方薬がなくなったときの対応は?避難先でビバンセやコンサータなども処方してもらえるの?(回答)避難所では必要に応じて災害処方箋が発行されます。避難袋の中にお薬手帳やそのコピーをいれておいて、避難した先で医療的な服薬を必要とすることを伝えましょう。薬の在庫の状況にもよりますが、災害発生から何日かするとビバンセやコンサータに限らずさまざまな薬の処方も可能となることが多いようです。お薬手帳やコピーがなくても、スマートフォンなどに処方箋の写真を残しておくことで処方がスムーズになります。平成23年(2011)の東日本大震災の発生後には厚生労働省から「情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)等に係る取扱いについて」通知があり、処方薬についても状況によって郵送が認められています。調剤された薬剤については、原則として、患者又は現に看護に当たっている者に交付することとするが、客観的にやむを得ない状況であると認められる場合に、郵送することは差し支えないこと。この場合、患者又は現に看護に当たっている者に対して、電話等により、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報提供を適切に行うものとする。引用:情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)等に係る取扱いについて(平成23年3月23日)|厚生労働省 By 発達障害のキホンQ3:障害者手帳は取得しておいたほうがいいの?(回答)災害などのときは手帳の有無によって支援の違いはありません。福祉的な支援が必要な方のための「福祉避難所」の対象も手帳の有無ではなく、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、傷病者、内部障害者、難病患者、医療的ケア児・者となっています。災害においては手帳の有無ではなく、万が一のときの対応を調べて家族で共有しておくことが大切です。Upload By 発達障害のキホン参考:福祉避難所の確保・運営 ガイドライン平成28年4月(令和3年5月改定)|内閣府(防災担当)まとめどのような災害がいつ起こるかによって対応は違ってくるため、「避難の際に持っていくものリスト」や「〇〇の場合、どこに避難するか」など個別の避難計画を作成しておきましょう。避難時に処方薬がなくなった際には、お薬手帳など処方に関する情報があると処方までがスムーズになります。また、本人の特性などを周囲に伝えられるように、プロフィール(特性や障害について分かるもの)などを用意しておけると安心です。ヘルプマークやヘルプカードなども活用しましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年02月11日ASD(自閉スペクトラム症)とは?ASD(自閉スペクトラム症)とは・対人関係や社会的コミュニケーションの困難・特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さなどの特性が幼少期に現れる発達障害の一つです。知的障害を伴うこともあり、日常生活の中で困難を感じることも多くあります。ASD(自閉スペクトラム症)は、生まれつき脳内の情報処理の仕方に障害があるために発症すると考えられていますが、その原因はまだよく分かっていません。遺伝的要因をはじめとした、さまざまな要素が複雑に関与していると考えられていますが、発症するまでのメカニズムはいまだに不明とされています。3歳になると、保育園・幼稚園などで他者と過ごす時間も増えてくるため、人との関わりや集団生活の中で困難や問題などに気づくことも多くなってきます。3歳頃にみられるASD(自閉スペクトラム症)の特性としては・言葉の遅れ(コミュニケーションが苦手)・独特な興味や行動パターン・光や音、触れられることなどへの感覚過敏・急な予定変更などに対応できない(癇癪を起こすなど)・集団生活が苦手(じっとしていられない、先生の指示が通らないなど)などが挙げられます。詳しくは第3章で紹介しますが、3歳児健診において指摘・診断されるケースも増えます。参考:自閉症Q&A|厚生労働省3歳児の発達の目安って?定型発達児における、3歳児の発達の目安としては、・基本的な運動機能が伸び、それに伴い食事、排泄、衣類の着脱などもほぼ自立できるようになる・話し言葉の基礎ができて、盛んに質問するなど知的興味や関心が高まる・自我がよりはっきりしてくるとともに、友達との関わりが多くなる(実際には、同じ遊びをそれぞれが楽しんでいる平行遊びであることが多い)・大人の行動や日常生活において経験したことを「ごっこ遊び」に取り入れ、象徴機能(見立て)や観察力を発揮して、遊びの内容に発展性がみられるようになる・予想や意図、期待を持って行動できるようになるなどが挙げられ、情緒面・社会面でぐっと成長する時期ともいえます。参考:保育所保育指針解説書 |厚生労働省ASD(自閉スペクトラム症)と診断されるのは3歳児から?言葉が遅い、集団生活が苦手……違和感や気になるサイン園生活がスタートしている子どもも多いため、集団生活の中で・社会性(集団行動ができない、指示が聞けない、友達と遊べない)・感覚過敏(大きい音が苦手、砂場、裸足などが苦手)・常同行動(同じ行動を繰り返す)などのトラブルが起きやすい傾向にあります。また、家庭内の困り事として・こだわりが強く、気持ちの切り替えが苦手・感覚過敏、鈍麻、こだわりなどでトイレトレーニングが進まない・園への行き渋り・言葉の遅さあるいは言葉は出ているが、会話がスムーズにできない。聞かれたことに答えにくいなどといった場面がみられることが多いと言われています。3歳児健診では、「PARS-TR」「SDQ」などでASD(自閉スペクトラム症)のスクリーニングチェックを行う場合があります。「PARS-TR」はASD(自閉スペクトラム症)の傾向を知るための検査で、こだわり行動や遊びや言語の発達など、12項目について保護者から聞き取ります。0点・1点・2点の3段階で評定し、合計得点からASD傾向の強さを導き出し、今後の有効なフォローに繋げていくものです。「SDQ」は、行為面・多動性・情緒面・仲間関係・向社会性の5項目の質問から、子どもの適応と精神的健康の状態を包括的に把握するためのものです。そこからさらに詳しい検査が必要な場合は、問診や行動観察、「新版K式発達検査」「遠城寺式乳幼児分析的発達診断検査」などの発達検査、知能検査、場合によっては脳波検査などを行い、診断されます。参考:効果的な巡回相談支援のための基本と実践|厚生労働省3歳児に表れることの多いASD(自閉スペクトラム症)の特性による症状Upload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特徴には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにASD(自閉スペクトラム症)と診断されるわけではありません。受診の目安や、療育への手続き、保護者ができることなど集団行動も増えるため、気になる言動が目立つ時期ともいえます。保護者や先生から見て、生活するうえでの困難さや気になる行動があった場合は、早めに相談・受診しましょう。市区町村の保健師・保健センターなどに相談してみましょう。また児童精神科、自治体や民間の子育て支援窓口、療育機関などでも相談は可能です。園に通い始める子どもも多いので、先生に園生活の様子やどこで相談できるかを聞いてみてもいいでしょう。3歳児健診時や集団生活が始まり、先生からの指摘や紹介で療育に通うことを考え始める保護者も多いのではないでしょうか。子どもの発達には個人差があるため、何歳で必ずこの特性が出る、というものではありませんが、早い段階で気づけばその子どもに合った療育を早期にスタートすることができます。療育とは、「障害のある子どもに対してそれぞれの特性に応じた身体的・精神的機能の発達を促し、日常生活や社会生活を円滑に営めるように行うもの」です。療育(発達支援)には、自治体などの管轄の公的機関で行うもののほかに、民間の施設などで行うものがあります。大学病院など一部の医療機関ではOT(作業療法)やST(言語療法)などを行っている場合もあります。自治体のほか、民間の施設の中にも公費で受けられる発達支援を提供しているところがあります。この支援は「通所受給者証」(※)を所持していると利用でき、利用料金の助成を受けることができます(基本的に1割負担となりますが、満3歳になって初めての4月1日から3年間は無償となります。また、家庭によって上限額が異なります)。療育では子どもにだけでなく、保護者にも日頃どのような対応や声掛けをすれば良いのかも教えてくれます。療育は子ども自身の生活QOLやスキルを上げるだけでなく、日常生活における親子で抱える困難やストレスを軽減することにも繋がります。※福祉サービス等を利用するために発行される証明書のこと。自治体に申請して、審査のうえ発行される。日数(支給量)や、月額の利用料の上限額(上限負担額)が記載されている。参考:小林 勝年, 儀間 裕貴, 北原 佶著「エビデンスに基づく療育・支援とは何か」『子どものこころと脳の発達』2020 年 11 巻 1 号 p. 3-10参考:共に歩む親たちのための家族支援ガイドブック|厚生労働省ASD(自閉スペクトラム症)にとって、早期発見、早期療育はとても重要です。社会面・情緒面で大きく伸びる3歳前後で早期介入・支援をスタートすると、社会的なスキルやコミュニケーション能力が向上する場合もあります。成長や発達に個人差はありますが、保護者だけでなく子どもに関わる人からの情報をもとに、相談や受診につなげることが大切です。(監修:新美先生より)園での集団生活が始まる3歳児では、保護者も周りと比べて焦ってしまうことが増えるかもしれません。ですが、3歳ごろのお子さんにとって大事なことは、不安に圧倒されたりストレスを感じすぎずに、自分なりの好奇心を満たして楽しく日々を過ごせるかだと思います。興味がほかの子と少し違っていたり、ほかの子はストレスに感じないことがストレスになるのだとしたら、お子さんのタイプをよく見極めてお子さんに適した育て方をするために、療育という場を上手に使っていけるといいかもしれません。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月10日