大量出血の生理から解放されて、ホッとした閉経ライフがスタートしました。良いことがあった半面、デリケートゾーンに悩むようになりました。どんな悩みが待っていたのか、赤裸々にご紹介します。3カ月に1度のスパンで茶色おりものが出現夜用ナプキンを当てて、完全武装で乗り切っていた大量出血の生理から解放されたのは50歳9カ月のとき。明るい色のズボンがはけるようになり、ほぼ毎日つけていたナプキンを卒業してショーツを直ばきできるスッキリ感。そして、いつ生理が来るのかビクビクしていた呪縛からも解き放たれて、本当に本当にハッピー。<ビバ!(←例えが古いですよね。イタリア語やスペイン語で万歳の意味。かつては結構、はやった言葉なんですよ)閉経!>で、ルンルン(これも古いな~)でした。とはいえ、敵はいつまた襲ってくるかわからん。閉経後も3カ月くらいは、いつ復活するかもしれない生理という幻影におびえて夜用ナプキン2枚と普通サイズのナプキン4枚をバッグに忍ばせていましたが、半年もするとそれもなしに。バッグもちょっぴり軽くなって、良いことずくめでした。ただ3カ月に1度くらい、茶色のおりものが3~5日程度出現。トイレのあとに拭いたトイレットペーパーを見ると、生理の名残なのか若干血が混じっているようなんですよね。そのうちの最初の1~2日は結構ショーツを全面汚すくらいに量が多くて……。余った生理用ナプキンを敷いて対処するようになりました。おりもの前の超ネガティブ思想にほんろうされる私、もともと規則正しく生理があったとき、生理の前に結構攻撃的になったり逆に落ち込んだりして、かなりメンタル的に不安定になる傾向がありました。その名残なのか、がっつり更年期の症状なのかはわかりませんが、茶色のおりものが始まる前にものすごくネガティブ思考になることが判明。現在、椎間板ヘルニア発症中で、右足や右の臀部にしびれを感じる私。ネガティブ真っ只中のときは、もうこんな足はいらない。切ってしまったほうが痛みから解放されてラクになるんじゃないかとか、詰め込みすぎの予定ができなくなるのは日常茶飯事なのに、<あ~あ。午前中何もせずに終わっちゃった。もうホントにダメだなあ……>など自分を全否定するような言葉や気持ちが次々襲ってきます。余計なことを考えられる休みの日に鬱々となることが多いのですが、平日の朝にそんな症状が襲って、会社を休むことも。そうすると絶賛ダメ人間発動で、1日グチグチ、ウダウダして終了。次の日に持ち越さないでスッキリ元に戻ることもありますが、ダメで2日間まんじりもせずっていうときも。そうすると、茶色いおりもの出現で、なんらかの因果関係があるのではと思っています。おりものの量が少なくなり、デリケートゾーンに痛みがそして、目下最大の悩みが、デリケートゾーンが乾燥し痛みが時々襲うことです。最初に気が付いたのは、自転車に乗るとお股が痛くなったこと。ケースワーカーをしていて、平日2~3時間自転車に乗ることがある私。自転車に乗り過ぎているのが原因と思っていましたが、さにあらず。だって、茶色のおりもの発生の1~2日目には同じように自転車に乗りまくっているのに、そういうことがないんですもの。すっごく恥ずかしいのですが、女性器の周りとおしりのあたりの陰毛は定期的に処理しているのですが、処理した日に自転車乗りまくると本当に痛~い! なので、おりものが少なくなっていて、それが原因ではと疑っているのです。早速ネットで「閉経おりもの少ない」で調べましたよ! 閉経後はエストロゲンという女性ホルモンがほとんど分泌されなくなるため、おりものが少なくなるようです。まとめ閉経してうれしいこともあったけれど、さらなる悩みが襲ってきました。う~ん。恐るべき更年期。とはいえ、大量出血でデリケートゾーンがゴワゴワしていたときに比べてマシかなと思うことがある一方で、気持ちがめっちゃ落ち込む日は、<どうしちゃったの私。ホントダメダメだ~>となってしまい、なかなか一筋縄ではいきません。そして、お股が痛くなる問題。ネット検索すると、そんな症状をサポートするグッズもあるようなのですが……。茶色のおりものも気になるので併せて産婦人科に行って相談したいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)【天神先生からのアドバイス】3カ月に1度、茶色のおりものが出ていますが、茶色のおりものは出血している状態なので、まだ完全に閉経していないのではないかと思います。また、この不正出血前のみにしか症状が出ていないのであればPMS(月経前症候群)の可能性があります。婦人科で女性ホルモン検査をおこないE2(エストロゲン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)を測定してもらえば卵巣の状態がわかり、閉経しているかどうかがわかります。不正出血が子宮体がんの可能性もあるので、婦人科で診てもらうことをおすすめします。★関連記事:「更年期と美容にも一石二鳥!」恐るべしプラセンタ注射の効果【体験談】★関連記事:「そんなに食べてないのに体重増加」更年期でも諦めない!無理なくできたダイエット【体験談】★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事をもっと読む著者/杉田リエ(51歳)大学生と高校生の母。第二子出産を機にフリーライターに。46歳のとき社会福祉士の資格を取り、ケースワーカーとして社会復帰。現在の悩みは教育資金と心&体の健康。愛猫の姿に癒やされます。
2021年10月31日40代半ば、生理痛や出血量の多さが不快で婦人科に相談し、低用量ピルの服用を始めました。その後、黄体ホルモン剤の服用に変えて現在も服用中。52歳になった今もまだ閉経は迎えていませんが、生理の不快さを感じないで閉経に向かっています。子宮内膜症の治療として低用量ピルを服用40代半ば、あまりに生理痛がひどく、量も多くて頻繁にトイレに行かなくてはいけない状況に悩んでいました。そこで思い切って婦人科に相談し検査を受けたら、卵巣の腫れがあって子宮筋腫はまたできていて、しかも子宮内膜症にもなっていました。生理痛や量の多さの原因はそのあたりだと言われ、治療として低用量ピルでコントロールをするのが良いかもと提案されました。私は数年前、婦人科の先生に取材に行ったとき、先生自身が低用量ピルで生理をコントロールしながら快適に閉経を迎えたと言っていたのを覚えていたので、迷いもなくピルの服用を受け入れました。服用を始めると、正確に28日周期になるし、量も減って本当に快適でした。血圧が安定せず、治療薬を黄体ホルモン剤に変更ただ血圧が高めになり、低用量ピルを続けるのはちょっと心配と言われ、その場合、薬をやめるか、子宮内膜症の治療として使われているもう1つの薬、生理が来なくなる黄体ホルモン系の薬の服用を始めるか選んでほしいと言われました。私は生理が来ないほうがいいのでこの薬を選びました。ただネックは薬代。結構高額(3カ月で27,000円くらい)で最初に代金を払ったときはびっくり。でも、お金と体だったら、もちろん体の快適さが優先。これを飲み続け、うまく閉経にもっていきましょうと言われました。副作用として不正出血などがあることも聞きましたが、不正出血はほぼなくて、生理も来なくなりとても快適な日々がやってきました。体調に変化が出ることもなく、私にこの薬は合っていたみたいです。50歳でいったん薬を中止するも…生理は再開そして、先生と相談し50歳の誕生日を迎えたころ、いったん服用をやめることにしました。すると生理が来てしまったのです。結構がっくりでした。半年間薬を中止しましたが、毎月生理が来るようになり、やっぱり量が多め。そのころはランチタイムの飲食店のパートもしていたため、仕事に支障が出るのが心配で再び婦人科に相談し、黄体ホルモン系の薬を再開することにしました。ただ、服用を休んでいる間にこの薬のジェネリック薬が発売になり、なんと薬代が1/3程度になったのです。ジェネリックも同じ会社が作っており、見た目や飲みやすさはほぼ同じ、薬を固めるときに使う添加物などが変わっているらしいと聞き、もちろん安いそちらを選択しました。ところが、ほとんど同じ成分のジェネリック薬は体に合うまで時間がかかり、最初に飲んでいた薬のときには、ほぼなかった不正出血が結構多かったのです。飲み出して半年ぐらいは不正出血がありましたが、長期間続くことはなく1~2日で終わるので、服用を続けていました。その後、不正出血もなくなり、再び生理が来ない快適生活に。今年で52歳を過ぎたので年内で服用をやめ、再度様子を見ることにしています。まとめ生理は女性にとって大切な健康のバロメーターではありますが、どうしても生理中は不快感が伴うもの。特に仕事中は、出血量が気になって集中力の妨げにもなり、私はずっと苦手でした。出産後は早くなくならないかな~とすごく願ってしまったものです。今は薬で止めていますが、数カ月前まで生理前や生理中によくある胸の張りを毎月感じていました。しかし、最近はそれがまったくありません。もしかして閉経したのかな……と感じます。薬をやめる日も近づいているのかもしれません。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)【天神先生からのアドバイス】原則として、後発のジェネリック製品は先発製品とまったく同じ成分のものはないので、個人差もありますがジェネリック製品が合わない人がいます。また以前飲んでいたときは問題がなかったのに、同じ薬でも合わないという人もまれにいます。著者/アキモト スズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2021年10月28日40歳を過ぎてから毎月あった生理の周期が急に乱れ、何カ月も来ない……。もしかして閉経が近いの? そんなことを思いながら、日々を送っていました。遅れる周期と早まる周期が、行ったり来たり。生理が来るたび、疲労困憊になっている43歳の現在をご紹介します。毎月来ない生理に振り回される日々現在三児の母で、末娘を出産したのがちょうど40歳でした。完全ミルク育児だったので、産後1カ月で生理再開。最初のうちは若干、周期が安定しないまでもだいたい10日間遅れぐらいで生理になっていました。もともと若いころから生理不順で1週間くらい遅れることもざら。許容範囲の周期遅れだったので、そんなに気になるほどではなかったです。乳児の世話もあり、気にしている暇もなかったけれど、1カ月近く来ないのはさすがに遅れ過ぎ。まさか妊娠?なんて疑いたいところですが、身に覚えもないのはわかっているので、いつ生理になるのかと考えながら生活していました。やっと生理が来た!と思ったら1週間で終わらず、10日間ぐらいずっと出血。なかなか終わらないので、本当にうっとうしいのです。ところがやっと終わった!と思ったら、今度は2週間でまた出血。それも多めの量で、通常の生理と同じ量が出るのです。まるで妊娠中になかった生理の分を出しているかのよう。そんな安定しない周期で過ごし、気が付いたら3年たって、今43歳。未だにこの2カ月に1回、もしくは2週間置きという周期なのです。これってもう閉経が近いのでは?と思い始めました。出血の量とイライラも増加!2カ月に1度、2週間置きとバラバラ周期ですが、いつでも出血量が同じでした。とにかく多いのです。もともと出血量が多く、周期が乱れ始めてからはさらに多い! 初日から5日目ぐらいまではほぼ同じ量なのです。夜用の30㎝ぐらいのナプキンは1時間も持たず、2枚重ねて使ったりしていました。家にいるときはいつでもトイレに行けるのでいいのですが、外出するときは大変! ナプキンを大量に持ち歩かないといけないので、夜用の大量吸収できるタンポンと30cmナプキンを併用していました。それでも2~3時間しか持たないのです。5日目を過ぎるころ、ようやくタンポンなしでも過ごせる量に減ります。7日目もしくは長いときは10日目あたりまで夜用を使用するぐらい出血が続き、急に出なくなって終わりに。なんとも不思議な生理期間です。生理が来る前はPMSもあります。私の場合は頭痛と乳房痛、そしてイライラ。怒りっぽくなり、子どもに八つ当たりしてしまうことも。困ったお母さんだと自覚があるので、余計にイライラしてしまい本当に最悪な自分に落ち込みました。ただ、次の生理がいつ来るのかわからないので、常に予定を狂わせていました。泊りがけの予定が悩みどころこの生理周期で一番困ったことは、泊りがけの予定が立てづらいということでした。旅行は年に1度くらいしか行かないのでいいのですが、帰省に重なると本当に大変。お盆と年末年始に夫の実家に泊まりがけで帰省をするのが、わが家は恒例になっています。これは毎回必ず泊まりになり、断ることもなかなかできません。日程は家族の休みに合わせるのでずらすことはほぼできないので、「どうか生理が重なりませんように!」とひたすら祈っている始末。特にお盆の帰省はプールに行くこともあるので憂うつ。でもプールぐらいは正直に話せばそれで済むことなのですが、一番嫌なことは大量出血している状態で人の家に泊まらなければならないこと。昼も夜も出血は続いているので、頻繁にトイレに行かなければならず、ゴミも多く出ます。寝るときも粗相があるのではと気が気でありません。帰省の当日に生理になることもあり得ます。こんなに気をつかうので、行きたくないというのが本音ですが、そうはいかないのが嫁の立場。行かない理由を伝えたところで、そんな理由と一蹴されるとわかっています。生理の悩みも人それぞれ違うので、必ずしも理解してもらえるとは限らないところが最大の悩みですね。まとめ現在も生理周期が定まらない日々を過ごしているわけですが、だんだんと来ない期間が長くなってきています。2カ月だったのが2カ月半になっているので、これが3カ月、4カ月とさらに間隔が空いてくるのでしょうか。正直、閉経はまだ先だと思っていたので全然ピンと来ていません。しかし、あまりに間隔が空くならばこれは閉経が近いと考えるほうが自然なのかもしれません。閉経の定義は1年間生理がなかったらということらしいので、これからもこの周期で様子を見ながら、じょうずに付き合っていこうと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)【天神先生からのアドバイス】43歳という年齢から考えると、更年期というよりホルモンバランスの悪さが原因のことが多いです。子宮がん検診を含め、一度婦人科の受診をおすすめします。★関連記事:眠れない、目が覚める、疲れが取れない…。不眠の原因は更年期?どうすればいいの?【医師監修】★関連記事:「いつ来るのかわからない!」突然の大量出血、閉経前に起きた生理トラブルとは【体験談】★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事をもっと読む著者/aoyari(43歳)小学4年・2年の男子と年少になったばかりの娘がいる下町母ちゃん。40歳で三人目を出産したので体力の衰えを感じながら、これからの人生もまだ長い…と育児奮闘中。webライター歴6年目、ハンドメイド作品のweb販売をしているアラフォー。
2021年10月27日閉経が訪れたのは50歳9カ月。カウントダウン5年前から、定期的に来ていた生理の間隔が乱れ、しまいには生理後1週間で再び生理に。さらにスタートダッシュの大量出血と、予測不可能な月のものに振り回されました。生理が終わった1週間後、再び出血に見舞われる私の生理サイクルはほぼ1カ月。なので、毎月決まった日にち±1~2日で生理が訪れていました。しかし、45歳を過ぎたころから3日、4日と始まるのが早くなるように。そして47歳のとき、ついには生理が終わった1週間後に、再び出血が。最初は不正出血なんじゃないかと半信半疑。しかし、いつものように1~2日目が多くて次第に量が減るスタイル。普段どおりに7日目で終わり、「やっぱり生理やん!」。そうかと思えば、閉経前の1年前、49歳ごろには、生理が終わったと思ったら、次の生理が来るまで2カ月ぐらい空くときも。あんなに定期的に来ていたものが、予測不可能に。なので、私が持ち歩くバッグには必ず生理用ナプキンを忍ばせておくことになりました。大量出血で夜用ナプキンでも粗相することが…ほかにも私を悩ませたのは、大量出血。それも開始早々ドバー。トイレが真っ赤っか!(食事中の方、ごめんなさい) こんなに血が出たら、死ぬんじゃないかと思うくらい。とはいえ、座ったり、寝ていたりしているときに起こる確率は低く、立ち上がるとドッバー。家にいるときはいいですよ。そのままトイレに駆け込めばいいから。でも、外でも容赦なく起こるんですよね~。そんなときはバッグごとそのままトイレへ。急いでナプキン装着。おまけに、普通サイズのナプキンなら1時間程度で全面真っ赤に。長さ40cmの夜用ナプキンは後ろ漏れは防げるけれど、横漏れはアウト。だから、夜用ナプキンを装着する前に、普通サイズのナプキン2枚を横長にしてセット。一度に3枚もナプキンが必要なので、私が持参していた生理用ナプキンは夜用2枚に、普通サイズが6~7枚。当然、生理用ポーチに収まりきらないため、バッグごと駆け込んでいたのです。止血剤を処方されたけど、病気が気になり飲めない?生理が終わってから7~10日でまた生理。おまけに、生理が始まるとすぐに大量出血で、洋服や下着、寝具などを汚すことが多く、ズボンはいつも黒かネイビー。大量の生理用ナプキンのほかに、1分丈のスパッツに生理用ショーツもバッグに入れるように。本当に大量失血でどうにかなってしまうのではと思い、意を決して産婦人科へ。出産を待ちわびるプレママの横で、出血におののくアラフィフ女。子宮を診てもらい、がん検査もしたけれど異常なし。「閉経前の月経不順ですね。止血剤※出しておきます」でホッとしたのもつかの間、止血剤は稀に血栓を起こすとのこと。高血圧を患っている私が飲んでいいものか、悩みに悩んだあげく、危ないんじゃないかと自己判断して、止血剤は飲まずじまい。結局、大量出血から始まる生理は閉経半年前まで続きました。<※私が処方されたのはトラネキサム酸で、心筋梗塞や脳血栓など血栓による病気の人には慎重に使う薬ですが、高血圧だから使ってはいけないというものではないようです。勝手に自己判断してしまいました。>まとめ大量出血時のナプキンの使い方は改良を重ね、スパッツにまず横長に普通サイズのナプキンをセットし、夜用のナプキンをパンツに当てる方式に。そうすると、デリケート部分のごわごわ感が幾分軽減されるのと、ズレにくくてズボンまで粗相する確率が減りました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)【天神先生からのアドバイス】このような過多月経では、貧血を起こしている可能性が高いです。止血剤は血栓症が怖くて飲めないという患者さんがいらっしゃいますが、止血剤の対症療法だけでなくほかにも治療法はあります。自己判断で薬を中止せず、薬に不安なことがあれば受診して医師に相談しましょう。著者/杉田リエ(51歳)大学生と高校生の母。第二子出産を機にフリーライターに。46歳のとき社会福祉士の資格を取り、ケースワーカーとして社会復帰。現在の悩みは教育資金と心&体の健康。愛猫の姿に癒やされます。
2021年10月25日日本人女性の平均年齢は50.5歳ですが、自分は平均より遅いのか早いのか、気になったことはありませんか。そんな、閉経年齢が気になる人からはさまざまなウワサや疑問が発信され、ネット上に飛び交っています。そこで、産婦人科医の駒形依子先生に情報の真偽のほどを聞いてみました。閉経が遅くなるウワサ3つ子宮筋腫があると遅くなる?子宮筋腫があるからといって閉経が遅くなるということはありません。しかし、閉経が遅くなるほど子宮筋腫になる確率は上がります。閉経年齢が遅れる分、卵巣からの女性ホルモンの分泌期間が長引くためとされています。ただ、子宮筋腫があると不正出血が見られることがあるので、それを生理と思ってしまうことは考えられます。太っていると遅くなる?直接的には関係ありません。ただ、太っている人には脂肪細胞エストロンという物質が産生されますが、エストロンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。その影響で、体が勘違いして不正出血することがあるので、それを生理と勘違いしてしまうことはあります。また、太っていると子宮体がんのリスクが増えます。がんによる不正出血が続いているとも考えられます。夜の営みが多いと遅くなる?ときめきホルモンであるセロトニンは、女性ホルモンの代役のような働きをします。セロトニンが出ていれば自律神経が整い、生理が安定しやすくなります。生理が安定すれば遅くなるかはわかりませんが、早くはならないでしょう。ただ、これは夜の営みが多い=愛されていると感じて心のバランスが保たれる場合。夜の営みの数が多くても、愛されてると感じられない、つらいと思っていたらときめきは得られず、メンタルも不安定になるので逆効果です。閉経が早くなるウワサ3つセックスレスだと早くなる?これも先ほどと同じく、セックスとは別のところで愛情やときめきが得られれば、関係ありません。ちなみに、閉経が早いと性交痛があるため、セックスレスになりやすい傾向はあります。若いころから生理不順だと早くなる?生理不順と閉経の年齢は関係があります。生理不順が続いているということは、卵巣の機能が弱いということ。卵巣の機能が弱いと閉経は早くなります。出産時の体重が少ないと早くなる?低出生体重児など、出産時に体重が少なかった場合は閉経が早い傾向にあります。成長とともに臓器の成熟度が上がらない場合、閉経は早くなりやすくなります。閉経年齢はコントロールできない人によって環境、性格、体質は違うので閉経時期に個人差があるのは当たり前のことです。閉経年齢はコントロールできませんが、それまで順調に生理が来ていたのに突然止まるというケースは少なく、多少なりとも不安定な時期を経て、閉経に向かっていきます。1年間継続して生理が来なければ閉経となります。更年期症状の一番の治療法は心の安定です。自分はどうあれば心が安定するのか見つめ直して、閉経を受け入れる準備をしてみてはいかがでしょうか。まとめいかがでしたか? 閉経が早く来てほしい、遅くなってほしいと思いは人それぞれだと思いますが、自分に与えられた時期を受け入れ、どうやって不調と付き合っていくのかが大切なような気がしました。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年08月26日更年期後半になると、若いころと比べておりものの量が減ったと感じている人もいるでしょう。下着の汚れが気になる人は「この分だと閉経したら血もおりものも出なくなる?」と思っている人も多いようです。一方、おりものの量が減ってきていたのに、突然大量に出て戸惑う人も。更年期後半や閉経のころのおりものの量について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。閉経しても、おりものはまだ出る!閉経するとおりものがまったく出なくなると思っている患者さんが多いと駒形先生は言います。「閉経をすると子宮からの粘液は減りますが、腟内の常在菌は閉経と関係なくあります。おりものは雑菌を外へ出す自浄作用があるので、雑菌が入ればおりものは出ます」(駒形先生)ただ、若いころと比べれば量はかなり減るそうです。「おりものの量は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌に比例しています。 生理がある場合は排卵のころ、生理と生理の中間あたりの時期には、エストロゲンの分泌が多くなるので、おりものの量が増えるのが普通です。閉経をするとエストロゲンの分泌がほとんどなくなるので、おりものの量もそれに応じて少なくなります」(駒形先生)大量のおりものが出ても大丈夫?閉経すると、本来おりものの量は減るということですが、突然大量のおりものが出たら原因はどんなものが考えられるのでしょうか。「減るはずのものが増えるということは、子宮や腟内で何からの炎症が起きていることが考えられます。特に多いのがカンジダ腟炎です。おりものが多いだけでなくどろっとしたヨーグルト状になったり酒かす状になったりします。特徴的な症状が外陰部の強いかゆみです。ホルモンバランスの変化やストレスで抵抗力が低下すると発症しやすいので、更年期世代もなりやすい病気です」(駒形先生)なお、カンジダ腟炎は10代からも発症するポピュラーな病気。閉経前でも、強いかゆみがあっておりものの様子がおかしいときは受診したほうが良いそうです。まれに、がんの可能性も…カンジダ腟炎以外にも閉経後おりものが増える原因はあるそうです。「子宮がんや卵巣がん、卵管がんなど悪性腫瘍でもおりものが増えることがあります。その場合は水のようなおりもの、クリーム色の膿のようなおりもの、血液が混ざったおりものが見られることがあります」(駒形先生)がんの場合、初期症状はほぼ無自覚というのが怖いところ。「年1回の健康診断で子宮がん検査を受けている人は多いと思うのですが、子宮体がんの検査やエコー検査はオプションになっていて受けていない人も多いのではないでしょうか。費用はかかりますが、エコー検査でしか見つからないがんがあるので、ぜひ受けてほしいと思います。子宮がん検査をしばらく受けておらず、おりものがいつもと違う様子だったら、痛みやかゆみがなくても受診してほしいですね」(駒形先生)カンジダ腟炎の場合は強いかゆみがあるので受診する人が多いですが、おりものの量の変化だけで自覚症状がない場合は見過ごされてしまうことも多いそうです。まとめおりものは体の変化のサインとよく聞きますが、まさに女性の健康のバロメーター。時に怖い病気が潜んでいることがあるので、いつもと違う様子が見られたら早めに受診しましょう。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年07月29日最近おりものが減ってきたかなと思っていたら、突然黄色いおりものが! 白や透明なら大丈夫ということはわかっていても、黄色などいつもと色が違うのはちょっと心配です。そこで、黄色いおりものの原因や、ほかに心配なおりものの色について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。更年期後半や閉経後は黄色いおりものが出やすい駒形先生によれば、更年期後半や閉経後に出る黄色いおりものはよくあることだそうです。「おりものとは子宮、腟および外陰部からの分泌物のことです。子宮内や腟の老廃物や古い細胞などが混ざりあったもので代謝、炎症、物理刺激などにより分泌されています。通常、無色透明もしくは白っぽい色をしていますが、更年期後半や閉経後は腟内の分泌物が減って潤いがなくなり、本来持っている自浄作用が減ってしまいます。そのため、雑菌が増殖すると、黄色いおりものが出やすくなります」(駒形先生)今までと違うおりものが出ると心配になりますが受診しなくてもよいのでしょうか。「痛みやかゆみがあって日常生活に支障が出る場合は受診してもいいでしょう。なければ様子を見て大丈夫です」(駒形先生)なお、腟は37度以上の体温がないとうまく機能せず、雑菌が増えやすくなるそうです。体を冷やさないことで黄色いおりものは予防できるとのこと。茶色いおりものは大丈夫?駒形先生のもとにも、「茶色いおりものが出た」と受診する女性は多いそうです。しかし、それは茶色いおりものではなく出血なのだと先生は言います。「茶色いおりもとは、おりものに血が混じり、血が酸化して茶色くなっているだけ。医師としては出血と診断します。40代、50代で避妊なしの性交経験がある場合、不正出血は子宮頸がんなどさまざまな病気のサインであることがあります。まずはそれらの検査をして否定できるかどうか調べ、否定できればホルモンバランスの乱れが原因ということになります」(駒形先生)実際のとこ、多くはホルモンバランスの乱れが原因だそうです。また、生理直後、終わったと思っていたのに残りかすのような少量の茶色い血が出ておりものが混ざることがありますが、それは心配ないそうです。ピンクのおりものは大丈夫?また、ピンク色のおりものが出た、というケースも多いそうです。「ピンクも、茶色と同様おりものに血が混じったもので、出血となります。生理と関係なくピンクや茶色いおりものが出たら、痛みやかゆみがなくても受診したほうが安心です。ピンクや茶色いおりものが続けて出ていたのに、痛みが出てから受診では病気が進行してしまう恐れがあります」(駒形先生)駒形先生によれば、不正出血が出ても放置し、病気が進行してから受診する女性も多いと言います。茶色やピンクのおりものが出たら受診を心がけましょう。まとめ黄色いおりものは腟に雑菌が増えているサイン、茶色やピンクは不正出血ということ。女性は生理で出血を見慣れているから放置しがちなのでしょうか。不正出血は病気のサインの可能性もあるので、早めに受診するようにしましょう。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年07月25日コロナ禍の今、マスク生活は当たり前になりつつありますが、マスクを着けていてもまったく息苦しくないということはありませんか。そんな人は無意識に呼吸が浅くなっている可能性があると産婦人科医の駒形依子先生は指摘します。更年期女性の呼吸が浅くなることの危険性と、解決策について聞きました。呼吸が浅くなると体内は酸素不足にマスクを長時間着けていれば本来なら息苦しくなるはずですが、無意識に呼吸が浅くなっている人は息苦しさを感じないと駒形先生は言います。「呼吸が浅いということは、知らないうちに慢性的な酸素不足の状態に陥っているということです。酸素不足が続くと頭痛やイライラ、眠気、だるさといった症状が進行していきます」(駒形先生)それではどうすればいいのかというと、肺呼吸がとても大切だそうです。「酸素を体に取り込む際に必要なガス交換をおこなっているのは肺です。鼻から酸素を吸いながら胸郭を広げて、胸を開きながら肺に酸素を送り、そして、そのあとにおなかをへこませて横隔膜を押し上げることで、二酸化炭素を限界まで吐き切ります。しっかり肺の機能を使って吐き切ることで、必要な酸素を十分に取り込むことができます」(駒形先生)肺呼吸は更年期症状にも効果が肺呼吸は、体内にしっかり酸素を届ける以外にも、更年期の女性にとってうれしい効果が期待できると言います。「女性ホルモンは、脳の視床下部から脳下垂体へ、そして卵巣へと指令が伝えられ分泌されます。この視床下部には自律神経をコントロールする働きもあるため、更年期に女性ホルモンが急激に減少すると、司令部の視床下部にも影響し自律神経も乱れてしまいます。自律神経は全身に張り巡らされていますが、唯一、自分で動かしてコントロールできるのが横隔膜。横隔膜を肺呼吸で刺激することで自律神経を整えることができます」(駒形先生)特に肺呼吸は「上に上がったものを下に下げる」効果が期待できるので、血流が脳の付近に集まることで起こりやすいホットフラッシュやイライラ・不安といった感情面の不調がある人は試してほしいとのことです。さらに肺呼吸の効果を高める「横隔膜はがし」横隔膜はとても大事な器官ということはわかりましたが、そもそも横隔膜とはどこにあって、どんな働きをするのでしょうか。「横隔膜とは、胸(胸腔)とおなか(腹腔)の境目をつくる膜状の筋肉のことで、肋骨の下縁に沿って位置しています。横隔膜は息を吸うと下がり、息を吐き出すと上がるように動くことで呼吸をおこなっています。ところが、横隔膜がストレスなどでかたくなると、肺呼吸がスムーズにいかないことがあります」(駒形先生)そこで試してほしいのが横隔膜マッサージ。横隔膜をほぐすことで肺呼吸の効果が高められるそうです。方法を教えていただきました。イラストも参考にしてみてください。横隔膜マッサージの方法①あお向けになり両ひざを立てて、肋骨の一番下に人差し指から小指までの4本の指をぐーっと入れる。②肋骨に沿ってやさしくほぐす。横隔膜マッサージはできるときにして、できなければ肺呼吸だけでもOKとのことです。「肺呼吸する機会を、意識的につくってほしいですね。おすすめは朝起きたときと寝る前、入浴中です。朝は目覚めがよくなり、夜は眠りを深くする効果があります。入浴中は筋肉がリラックスしているので深く呼吸をしやすいです。日中はマスクをしていてなかなかできないという人も、鼻だけ外して口から吐くことでも効果はあります。肺呼吸が習慣になると普段の呼吸も深くなりますよ」(駒形先生)なお、肺呼吸は数より深さが重要ということ。数回でもゆっくり丁寧に呼吸することが大切だそうです。まとめアンガーマネジメントのメソッドにも、怒鳴りそうになったら深呼吸をするというものがありますよね。いつでもどこでも、しかもお金がかからずに健康効果が期待できる肺呼吸。マスク生活で呼吸がしづらい今こそ、ゆっくりていねいに肺呼吸してみてはいかがでしょうか。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。イラスト/サトウユカ(横隔膜はがし分)著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年07月21日閉経後に出血があると、「もしかして閉経じゃなかった?」と思ってしまうかもしれません。けれど、不正出血はさまざまな病気の初期症状であることも。そこで、閉経後に不正出血があるとき考えられる原因と、対処について産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。閉経後にリスクが高まる“子宮体がん”閉経後に突然出血があった場合、まず検査したいのが“子宮体がん”であると駒形先生は言います。「子宮体がんは、子宮体部の内側にあり、胎児を育てるための子宮内膜から発生するがんです。 40代後半から増加し、50~60代がピークです。子宮体がんの発症には卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが関係していますが、原因の約8割が、プロゲステロンが出ないことによるエストロゲンの過剰分泌に遺伝子異常が加わったものだと考えられています。そのため、ホルモンバランスが崩れやすくなる閉経後は特に注意が必要なのです」(駒形先生)また、閉経後が危険なのは、生理が子宮体がんを防いでいたから、と先生は言います。生理により子宮内膜が剥がれれば子宮内の炎症は起きないため、子宮体がんのリスクを抑えられていたのだそうです。自覚症状は不正出血以外にもあるのでしょうか。「茶色いおりものが分泌されたら、不正出血と思ってください。進行すると排尿しづらい、または排尿時に痛みを感じる、性交時に痛みがある、下腹部や腰の痛みなどがあります」(駒形先生)子宮体がんのリスクになるそのほかの要因そして、閉経以外にも子宮体がんにかかりやすい要素はあると先生は言います。「まず肥満です。脂肪細胞が多いと、エストロンというエストロゲンに似た物質が出るのですが、これはホルモンバランスを乱す原因になります。次に妊娠出産の経験がないこと。生理は子宮体がんを防ぐ働きがありますが、何十年も絶え間なく毎月生理がくることは子宮に大きな負担がかかるためです。また、ホルモン補充療法も原因になることがあります。女性ホルモンを補充すると子宮内膜が厚くなりますが、子宮内膜が厚いのに剥がれない状態は子宮体がんのリスクを高めます」(駒形先生)もし3つのうち1つでも当てはまることがあれば、注意が必要です。がん検診のときは必ずエコー検査を!子宮体がんは不正出血があってもホルモンバランスの乱れとされ、見逃されることも多いそうです。そのため、健康診断が早期発見のカギになります。「自治体や企業の婦人科のがん検診は子宮頸がんが中心で、今のところ子宮体がんはオプション検査となることが多いようです。しかし、発症リスクが高い40代後半以降なら、年に1回はエコー検査を受けてほしいですね」(駒形先生)子宮体がんも、ほかのがんと同様、発見が早ければ早いほど完治の可能性は高くなると言います。オプションとなると二の足を踏みがちですが、積極的に受けたいものです。まとめ閉経前でも生理不順が長く続いていたり、乳がんの経験があったりすると子宮体がんのリスクが高まるそうです。更年期や閉経後の不正出血は軽く捉えず、婦人科を受診してみましょう。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年07月15日40代、50代に増える薄毛や抜け毛の悩み。リモートワークが増えて自分の顔周りを見る機会が以前より多くなり、最後におじぎをしたときにつむじが見えると「もしかしてハゲてきている……?」と心配になってしまうことも。ちょっと人には相談しにくい更年期世代女性の抜け毛と薄毛について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。なぜ更年期に薄毛や抜け毛が増えるの?若いころは考えもしなかった薄毛や抜け毛の悩み。なぜ更年期になると薄毛や抜け毛が増えるのでしょうか。「女性ホルモンのエストロゲンは頭皮を柔らかくして代謝を促す役割をしています。更年期にエストロゲンの分泌が減ると頭皮がかたくなって血流が悪くなり、頭皮への栄養分が行き届きにくくなります。また、女性ホルモンが減ることで、抜け毛に関わる物質を生み出す男性ホルモンの影響を受けやすくなります。これらの要因が重なって40代、50代の女性に抜け毛や薄毛が増えてくるのです」(駒形先生)しかし、同じ年齢でも薄毛や抜け毛の程度には個人差があるように見えます。「もともとの髪質により個人差が出ます。毛根の量、毛根から出ている毛の量、髪質などで見え方は大きく変わりますよね。例えば同じ毛の量でも、サラサラで細い髪質のストレートの人より、癖があって毛が太い人のほうがボリュームがあるように見えます。ただ、どんな人でも10代、20代のころよりは毛は細く、量も減っていきます」(駒形先生)髪型やヘアケアが薄毛や抜け毛の原因になることも薄毛や抜け毛の原因は加齢や女性ホルモンが減ることだけでなく、髪型やヘアケアも関係していると言います。「ショートヘアの人よりロングヘアの人のほうが髪が重い分、頭皮への負担が大きくなります。また、長い髪を長時間きつくしばることも負担になります。髪をしばるなら、緩めにしたほうが頭皮や毛根への負担は減らすことができます。さらに、分け目がいつも同じ人は要注意。頭皮に負荷がかかりやすい上に、紫外線の影響も受けやすくなります」(駒形先生)では、髪のためにはショートヘアのほうがいい?と思いきや……。「ショートヘアの人はロングヘアの人に比べて、あまりブラッシングしない人も多いですよね。頭皮の血流を促すためには、適度にブラッシングをしたほうが良いです。ただ、髪を引っ張ったり、絡まった髪を無理やりとかしたりと、頭皮や毛根へ負担がかかるようなブラッシングはNG。ほかにも、ドライヤーの熱を同じ箇所に集中的に当てたり、強い力でシャンプーすることも避けたほうが良いですね」(駒形先生)薄毛・抜け毛は早めの予防が大切!駒形先生によれば、髪質や髪の量は母方の遺伝が影響しやすいそうです。もし今、薄毛や抜け毛に悩んでいなくても、自分の母親が薄毛なら今すぐにでも予防ケアをスタートしたほうが良いと先生は言います。「一度抜けた毛は元に戻らず、なくなった毛根も戻りません。毛が抜け始める前の早めのケアがとても大切です。顔がたるみ始めたり、肩が凝り始めたりしたら頭皮も血流が悪く、老化しているサインです」(駒形先生)駒形先生に40代、50代なら今すぐにでも始めたいケアを教えてもらいました。頭皮マッサージをする頭皮用のオイルや女性向け育毛剤などでマッサージ。血流を促進して頭皮に栄養分を行き届きやすくすると同時に、かたくなった頭皮を柔らかくする効果があります。たんぱく質を積極的にとる髪を作る栄養素はたんぱく質。食事に積極的に取り入れましょう。大豆イソフラボンもとれる豆腐や大豆類は良いですが、自分がとりやすいたんぱく質でOKです。また、髪には脂質も必要。女性ホルモンが減ると脂質代謝が悪くなるので、アレルギーがなければナッツやヘルシーオイル(MCTオイルなど)などでとると良いでしょう。栄養分を吸収できる体をつくる頭皮マッサージを頑張り、栄養バランスの良い食事をとるようにしても、貧血では栄養を全身に行き渡らせることができず、便秘では腸で栄養を吸収できません。貧血や便秘がある人はなるべく解消しておくことも大切です。まとめNGのヘアケアには、誰もが1回はしたことがあるものばかりではないでしょうか。ただでさえ加齢と、女性ホルモンが減ることで弱くなっている頭皮や髪。やさしくケアしてあげることが大切です。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。★薄毛、うねり…髪悩み解決のためのOK&NGケア #40代からの髪型 1★「え、やっちゃダメ?」美容師に聞いた白髪と薄毛にNGなこと!★私の薄毛と白髪対策!髪の毛のケアのために40代でやめたこと【体験談】著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2021年07月13日頭が急に熱くなってぼーっとしたり、カッカと熱くなったり。いわゆるホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)は、代表的な更年期症状とされています。つらくても「更年期だから」と我慢している人も多いと思いますが、実はちょっとした習慣や工夫で改善されると産婦人科医の駒形依子先生は言います。具体的な方法を聞いてみました。なぜ更年期にホットフラッシュが起こる?更年期症状の例として必ずと言っていいほど挙げられる、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)。なぜ更年期世代の女性に起こりやすいのでしょうか。「女性ホルモンのエストロゲンの減少により、自律神経が乱れ血管が拡張して体温調節機能が働かなくなることで起こります。また、更年期になると血流の方向が変わることも要因です。加齢とともに女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ると、子宮周りへの血行が悪くなります。ですが、血の量は更年期だからといって変わりませんし、血流というのはもともと上半身に向かいやすい特徴があります。そのため、上半身に血流が集中して脳への血流が増えることで、ホットフラッシュが起きるのです」(駒形先生)ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)の原因となる女性ホルモンの分泌を増やすことはできませんが、更年期症状は改善できると駒形先生は言います。こまめな水分補給で予防できる!駒形先生によれば、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)は体の脱水が進んでいるときに起きやすいと言います。「体内の水分が足りないと、下半身への血行がさらに悪くなってさらにのぼせやすくなります。例えば朝方にのぼせやすいという人はお風呂上がりの水分補給が少ないことが原因かもしれません。夜中にトイレに行くのが嫌で水分補給を控えることで脱水が進み、朝にのぼせて起きてしまうということもあります。水分を補給するときはお茶という人も多いと思いますが、お茶は利尿作用が高いものが多いので、経口補水液が効果的です。経口補水液ならミネラルや塩分も補給できます。アルコールも利尿作用が高いので、寝る前は控えたほうが良いでしょう。一番脱水が進んでいて喉が渇く朝とお風呂上がりは必ず水分補給をして、日中も少量でいいのでこまめに水分をとるようにすると良いですよ」(駒形先生)経口補水液というと、熱中症対策用の飲料というイメージがありましたがホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)の対策にも効果的なんですね。下半身の血流を良くする“骨盤ストレッチ”にトライ下半身の血行が悪くなることで起こりやすいホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)。それでは下半身の血行を良くすれば改善するのでしょうか。「血行を良くするには下半身を温めたり、動かしたりすることはホットフラッシュの予防策として効果的です。特におすすめなのが、骨盤周りのストレッチ。骨盤ストレッチをすると、足首から肩まで全身の筋肉がほぐれ、緩みやすくなります。そのため、全身に血が巡るようになり、酸素や栄養が運ばれるようになります。さらに、胃腸も温まるので胃腸の働きが良くなり免疫機能も上がり、子宮の状態も良くなります」(駒形先生)骨盤ストレッチの方法は以下のとおり。イラストと併せて、ぜひトライしてみましょう。①背筋を伸ばして、ひざを直角に曲げて椅子に座る。足の裏全体を床につけて両足をそろえ、両足の内くるぶしとひざの内側をくっつける。②かかとを床につけたまま、骨盤の左側と右側を交互に上に持ち上げるように動かす。このとき、骨盤だけを動かし、背中が左右に揺れないように注意する。③慣れてきたら「左肩を下げながら左骨盤を上げる」「右肩を下げながら右骨盤を上げる」という動作を交互に繰り返す。まさに、良いことずくめの骨盤ストレッチ。少しずつでいいので思い立ったときに、毎日続けることが大切だそうです。まとめかくいう私も、ホットフラッシュで早朝に起きてしまう日々が続いていましたが、経口補水液をこまめに飲むようにしたら、なんと次の日に改善しました! これに骨盤ストレッチをプラスすれば、もうホットフラッシュで悩むことはなくなるかもとワクワクしています。取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。イラスト/サトウユカ
2021年06月22日トイレに行くのを我慢していたわけではないのに、くしゃみをしたり運動したりすると尿漏れが……。若いときはあまりない現象だったのではないでしょうか。実際、多くの更年期女性が尿漏れに悩んでいます。そこで、産婦人科医の駒形依子先生に、40~50代女性の尿漏れの原因や対策について聞きました。更年期に起こりやすい尿漏れとは?更年期の尿漏れはどんなときに起こりやすいのでしょうか。「突然のくしゃみやせきが出たときや、久しぶりに運動したときに漏れてしまうことが多いようです。また、頻尿になる人も多いので、急な尿意で間に合わず……ということもあるようです」(駒形先生)若いときは、こんなことなかったのに……と落ち込んでしまう人も多いのではないでしょうか。尿漏れが更年期になりやすいのには、いくつか理由があると言います。更年期になぜ尿漏れしやすくなる?駒形先生に、更年期に尿漏れが増える主な理由を挙げていただきました。女性ホルモンであるエストロゲンの減少により、以下の3つのような体の変化が原因になるそうです。1.膀胱の弾力性の低下膀胱の組織が弾力性を失い、伸びにくくなることで尿をたくさんためられなくなります。その結果、尿が少したまっただけで尿意が感じられ、頻尿になります。2.骨盤底筋の脆弱化女性ホルモンが減ると筋肉量が減少して弾力も低下するため、骨盤底筋が弱くなる傾向にあります。筋力が低下すると膀胱のコントロールがしにくくなり、尿漏れを起こしやすくなります。3.体重の増加エストロゲンの減少により太りやすく痩せにくくなる女性が増えます。骨盤底筋は上半身の体重ほとんどを支えているため、体重の増加によって負担がかかり骨盤内の臓器を支えられなくなり尿漏れが起こりやすくなります。腟を鍛えて尿漏れを防ごう!エストロゲンの減少は止められなくても、腟を鍛えることで尿漏れを緩和することができると駒形先生は言います。「腟トレは、骨盤底筋運動の一種。骨盤底筋運動は治療にも使われていますが、腟トレはよりおこないやすくアレンジしたものです。今からでも遅くないので、なるべく早く始めてほしいですね」(駒形先生)。腟トレの方法は以下のとおり。イラストも参考にしてみてください。フェイスタオルを1枚用意します。①フェイスタオルを縦半分に折って横の端からくるくると巻きます。②服の上から①の巻いたタオルを会陰(股)に当てて、椅子に座ります。③タオルが当たる部分を意識しながら、タオルを挟むように意識して、会陰にクッと力を入れます。「腟トレで一番動かしたいのは、腟括約筋です。自分の腟括約筋がどこにあるのかを認識し、その筋肉を意識してトレーニングすることで、初めてその筋肉を鍛えることができます」(駒形先生)。腟トレは尿漏れを防ぐだけでなく、性交痛にも効果があるトレーニング。気が付いたときでいいので、毎日続けることが大切だそうです。まとめ尿漏れは周囲に相談しにくく、人知れず悩んでいる女性も少なくないと思います。ですが、先生によればトレーニングで改善できるということ! できることから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。参考文献/『子宮筋腫は自分で治せる』(マキノ出版/駒形依子著)取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。イラスト/和田フミ江
2021年06月11日“睡眠のゴールデンタイム”という言葉を聞いたこと、ありますか? 一般的に22~2時といわれ、この時間帯に寝るといろいろなホルモンが出て体に良いとされています。それでは、ホルモンバランスが崩れがちな更年期世代は、この時間に寝ると体調が良くなるのでしょうか。産婦人科医の駒形依子先生に、更年期症状と睡眠の関係について聞きました。睡眠だけで女性ホルモンの減少を抑えられない22~2時に寝れば、年齢を重ねるごとに減る女性ホルモンを取り戻せることはできるのか……。結論から言うと、先生の答えはノーです。「一般的なゴールデンタイムに寝ると、天然美容液とも呼ばれる『成長ホルモン』が集中的に分泌され、細胞を修復し体をメンテナンスしてくれます。同時に、強い抗酸化作用と成長ホルモンの分泌を促す睡眠ホルモン『メラトニン』の分泌もピークを迎えます。しかし、女性ホルモンは睡眠で増えることはありません」(駒形先生)良い睡眠をとっても女性ホルモンは増えないという結論ですが、睡眠に気を付ければ更年期症状の原因である自律神経を整えることはできるといいます。良質な睡眠は、自律神経を整えてくれる更年期症状の多くは自律神経の乱れから起きるもの、と駒形先生は言います。「女性ホルモン分泌が減少して自律神経が乱れることで、さまざまな更年期症状を引き起こしています。女性ホルモンを増やすことはできませんが、自律神経の乱れは睡眠で整えることができます。つまり、良い睡眠をとれば、自律神経の乱れによる更年期症状は緩和できるということです。良い睡眠とは、眠いときに深く眠ることだと考えます。一番良くないのが浅い眠りをダラダラ続けること。ですから、ゴールデンタイムに寝なきゃと22時に床についても、眠れずにゴロゴロしたり、浅い眠りを続けたりしていては意味がありません。深く眠れる時間がゴールデンタイムになればいいくらいに気軽に考えましょう」(駒形先生)早朝から家事や仕事で働いていると、昼間に睡魔が襲ってくることはよくあること。そんなときは思い切って寝たほうが良いと先生は言います。睡眠は時間よりも、深さが大切ということです。良質な睡眠のためにできること3つ良質な睡眠をとるためには、いくつかできることがあると先生は言います。3つの例を挙げていただきました。1)深呼吸をする「自律神経を司る器官は、横隔膜の付近にあります。ですから、深呼吸をして横隔膜を動かしてあげることで、自律神経を整えることができます。眠りが浅いときは呼吸も浅くなります。寝る前に深呼吸をして眠るだけでも、深い眠りを導く効果があります」(駒形先生)2)日中、体を動かす「成長ホルモンは、日中体をよく動かすことで夜の分泌が増えることがわかっています。もしゴールデンタイムに寝られない日があっても、昼間、仕事や運動などでよく体を動かすようにすれば大丈夫です」(駒形先生)。たしかに日中、外を歩き回るなど体をよく動かした日はよく眠れますよね。3)寝返りを打つ「日中の疲れを取るには、寝返りを打つことも大切。なんとなく寝ても疲れが取れないというときは寝返りが十分打てていないというときもあります。寝返りが自由に打てるスペースを保てるよう、睡眠環境を工夫してみましょう。旦那さんや子どもと同じ布団で寝ているという人も多いと思うのですが、無意識に気をつかってしまい、眠りが浅くなってしまうことがあります」(駒形先生)。子どもが小さいと別々に寝るというのは難しいかもしれませんが、旦那さんと交替するなど寝るときはしっかり寝るという習慣があると良さそうです。まとめ更年期症状の緩和には、良質な睡眠をとって自律神経の乱れを整えることが大切とのことでした。外出自粛やテレワークが続くと、頭は疲れているのに体をあまり動かしていないので眠れないという方もいるのではないでしょうか。そんなときは深呼吸をしてみたり、近所を散歩してみたり。できることから始めてみましょう!取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年06月06日40代以降の夫婦にありがちなセックスレス問題。さらに妻に閉経が訪れれば、2人の関係が変わることもあるでしょう。今回は、夫は性交渉を望んでいるけれど妻は望んでないという夫婦のお悩みに対して、産婦人科医の駒形依子先生にアドバイスしていただきました。同じセックスレスでも原因はさまざま駒形先生のもとには、さまざまな悩みを持つ女性がやってきます。そこで感じることの1つに、「男と女からパパとママの関係になるとき、なんらかの問題があるとセックスレスになる可能性がある」と言います。「お子さんがいない女性のなかには、年齢とともに濡れにくくなって性交痛がつらくてセックスレスになっている、どうすればいいですかという方が多くいらっしゃいます。でも、それはセックスをもっと楽しみたい、夫とコミュニケーションをとるために相談されているのです。一方でお子さんがいる女性の場合、家族ができると、ずっと家族でいなくては、ずっと母でいなくては、妻でいなくては、という意識が生まれてセックスレスの原因の1つになることがあります」(駒形先生)そんな「したくない」女性の気持ちに加え、「したい」側の男性にも実は原因があると駒形先生は言います。産後1年間くらいの夫の発言や行動が引き金に“閉経後は特に家事や育児、仕事で疲れて体力がなく、誘われても断ってしまう”“閉経後はさらに太ってしまい、体型に自信がなく誘われても断ってしまう”“年齢とともに濡れなくなり、「痛い」と伝えてからレスになってしまった”これらは閉経期の女性によくあるお悩みの声の一部。でも、駒形先生はこれらすべて「セックスを断るための言い訳」と言います。「多くのママの声を聞いていると、産後1年間くらいの夫の発言や行動で、妻が萎えるというパターンはとても多いです。例えば陣痛でしんどかったのに隣で寝ていたとか、産後も自分のライフスタイルを変えてくれず非協力的だったとか。一番しんどいときに寄り添ってもらえなかったという恨みが夫婦の溝になっている可能性があります」(駒形先生)忍耐強くコミュニケーションをとることから始めてセックスレス解消には、夫婦の間にできてしまった溝を根気よく取り除いていくしかないと駒形先生。「40代は子育てがまだ忙しい年代で気持ちを伝える余裕がなく、余計に溝が広がりがちです。でも、コロナが落ち着いたあとに子どもを預けて2人で旅行に行くなど、夫婦の時間をつくってみると良いでしょう。女性側も、断ってばかりで違う女性に気持ちがいってしまうのではないかと心配なら、今までいやだったこと、我慢してきたことを少しずつパートナーに伝えてみてはいかがでしょうか。夫婦生活を続けたいなら、どこかでパートナーシップを立て直すことが必要だと思います」(駒形先生)まとめ産後の関係が40代のセックスレス問題に影響しているとは。でも、「そうかもしれない」と思った方は多いのではないでしょうか。体型とか、体力とか、加齢とかではないところにセックスレスの原因があるときもあるという先生のお話に思わずうなずいてしまいました。取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年03月29日めまぐるしく体が変化する更年期。気になることはあるけれど受診するほどではない?という悩みや迷いはたくさんあります。そこで、産婦人科医の駒形依子先生に、更年期に気になる「これって大丈夫?」という質問に答えてもらいました。Q:閉経後に出血。生理が再開?何かの病気?「病気が心配なら、がん検査やエコーを受けたほうがいいと思います。子宮頸がんは健診でチェックできることも多いですが、子宮体がんや卵巣がんは症状が出ないと検査できません。子宮体がんや卵巣がんは初期症状として出血することがあるので、受診しましょう。また、更年期症状の緩和や美容目的で飲んでいるサプリが作用して出血する場合もあります。サプリの影響でバランスを崩して不正出血ということもあるので、それを含めて受診したほうがいいでしょう」(駒形先生)Q:生理が止まって2カ月。以前も生理が止まって受診した際、内膜が厚くがんの可能性を指摘されたことが…「以前の受診で内膜が厚くなっているという診断があるなら、受診したほうがいいです。本来、剥がれなくてはいけない内膜が子宮に残ると、炎症を起こしやすくなります。子宮体がんや子宮内膜増殖症の疑いも考えられるので、なるべく早く検査したほうが良いでしょう」(駒形先生)Q:閉経後に黄色いおりものが出るように。受診したほうがいい?「閉経後は腟内の分泌物が減って潤いがなくなり、本来持っている自浄作用が減ってしまいます。そのため、雑菌が増殖すると、黄色いおりものが出やすくなってくるのです。黄色いおりものだけで、痛みやかゆみ、強いにおいがなければ様子を見ても大丈夫でしょう。一般的には閉経後はおりものは減りますが、腟に雑菌が入れば外に出すというおりものの効果は変わりません。久々に生理がくる前に量が増えることがあります」(駒形先生)Q:生理不順でいつ生理がくるかがわかりません。生理を管理する方法は?「閉経期は排卵も不定期で、基礎体温を付けてもいつ生理がくるかはわかりません。規則正しい生活を送る、ストレスをためないなどホルモンバランスを崩さないようにするしかありません。ただ、生理が近づくとおりものが増えるのが1つのサイン。もし下着を汚したくないということなら、おりものが増え始めたら布ナプキンを下着にあてておき、出血に備えておいてもいいでしょう」(駒形先生)まとめ閉経期は家事や育児、仕事などに忙しく、気になることがあっても受診は後回しという女性も多いでしょう。でも、「病気かな?」とちょっとでも感じたら、受診したほうが安心です。40代からは今まで以上に自分で自分の体をいたわってあげましょう!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中
2021年03月25日気が付けば3カ月生理がないというとき考えられるのが生理不順、閉経、妊娠です。そのなかで妊娠の可能性は、避妊ナシの性交渉があったかどうかが鍵になります。もし身に覚えがある場合はどうすればいいのか、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。妊娠検査薬の反応があるのは2カ月までもしかしたら妊娠かもと思ったら、まずは市販の妊娠検査薬の使用が思い浮かびます。しかし、妊娠検査薬は妊娠の初期症状にしか反応しないと駒形先生は言います。「市販の妊娠検査薬は10週くらいまでに反応するようにできています。12週を超えてくると、反応するホルモンが出なくなるので検査できなくなるのです。ですから、避妊をしない性交渉があって生理がなく、心配で妊娠検査薬を使う場合は2カ月以内に使いましょう。例えば3カ月、4カ月たってから妊娠検査薬で陰性だった、閉経の兆候だろうと自己判断してしまうと、妊娠が進行してしまいます。避妊をしない性交渉があって3カ月以上生理がこないときは産婦人科を受診してください」(駒形先生)閉経10年くらい前からは自然妊娠はしにくくなる40代で妊娠する方は少なからずいますが、40代になると自然妊娠の確率は低くなることがわかっています。「閉経したあとは卵子がないので自然妊娠することはありません。ただ、妊娠可能な卵子は40歳には5000個以下と、閉経の10年くらい前から少なくなるため、自然妊娠の確率は低くなります。卵子が1000個以下になると閉経です」(駒形先生)40代の自然妊娠の確率は低くなる、けれどゼロではないというのが悩ましいところです。妊娠を望まない場合は最後の生理から1年間は避妊を妊娠、出産を終えた40代女性なら妊娠を望まないケースもあるでしょう。その場合は、最後の生理から1年間は避妊が必要と駒形先生は言います。「最後の生理は1年間たってから確定され、その時点で閉経となります。生理が3カ月、6カ月とこなくても、“もう閉経が近いから大丈夫”と油断せず、妊娠を望まない場合は避妊をしましょう。8カ月あいて、生理がきたという人もいます。 しかし、パートナーが避妊に応じてくれないということもあるでしょう。“結婚したのになぜ避妊しなきゃいけないのか”とか、“40歳を超えたら妊娠しない”と思っている人も多いのが現状です。また、いわゆる“外出し”が避妊と勘違いしている人もいます。正しい知識をお互いが持ち、共有することが大切です」(駒形先生)まとめいかがでしたか? 40代になると妊娠しにくくはなるけれど、可能性はゼロではないということを忘れないでおきたいです。避妊には、パートナーとのコミュニケーションが大切ということを改めて実感しました。取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年03月24日閉経前後5年間の10年間は更年期とされ、のぼせやほてり、イライラや落ち込みなどさまざまな症状が表れると言います。女性ホルモンが減少することが一番の要因ですが、それに伴う血流の変化も体調不良と関係することがあるそうです。産婦人科医の駒形依子先生にそのメカニズムと対策方法を聞きました。閉経後は子宮に血液が流れにくくなる!?閉経前後に表れやすい、のぼせ、ほてり、イライラ、落ち込みなどの症状。駒形先生によれば、これらは女性ホルモンのエストロゲンの減少はもちろん、子宮の冷えも影響していると言います。子宮が冷えていると、更年期症状のほか子宮筋腫をはじめ生理痛や過多月経、おりものトラブルなど子宮関連の症状にも悩まされてしまいがちです。「血液は、よく使う臓器に流れるようになっています。そのため閉経後は子宮と卵巣の機能が停止するので血液が運ばれにくくなり、冷えやすくなりますではどこに血流が行くかというと上半身に血流が集中して、上半身と下半身の血流のバランスが悪くなるため、のぼせやほてりといった症状が起きやすくなるのです。下半身への血流が減ったままにしておくと子宮の冷えは悪化するので、足先や足首はつねに温かくして冷やさないようにすることが大切です」(駒形先生)全身の血流バランスが悪いと心も不安定にそして、上半身と下半身の血流のバランスは心にも影響を与えると言います。「東洋医学では、気持ちや感情は血液にのって運ばれるという考え方があります。閉経して上半身ばかりに血流が上がると、いわゆる“頭に血がのぼる”状態になりがちです。生理があったときは、ドロドロした気持ちを経血とともに出せるという面もありましたが、生理がないと口から出すしかなくなり、頭に血がのぼってイライラが爆発ということが起こってしまうのです」(駒形先生)。さらに、40代は家事や育児、仕事などストレスが多いことも冷えの原因になるそうです。「日常生活にストレスが多いと筋肉が緊張してかたくなり、体が冷えることがあります。常に体に余計な力が入るため筋肉の緊張状態が続き、血管がいつも収縮した状態になります。温かい血液が流れるためには筋肉が収縮と弛緩を繰り返す必要があり、筋肉を弛緩させるには力を抜いてリラックスする時間が必要です」(駒形先生)気持ちはため込まず、緩めて出す!では、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。「まずはひとりで休む時間をつくりましょう。毎日5分でも良いので、何にも考えずに緩める時間をつくってほしいですね。お風呂にゆっくり入る、お昼寝をするなども良いですよ。また、つらい気持ちがあるなら、こまめに出すことが大切です。自分はどんなときに、どんなことでイライラしたり、悲しくなったり、いやな気持になるのかを知って、それをちょっとずつ日常生活から減らしていきましょう。出す、といっても話さなくてもいいんです。例えば、夫に気持ちをうまく伝えられなくて、かえってパートナーシップが壊れたということも少なくありません。思ったこと、感じたことを日記に書き出すだけも良いですよ」(駒形先生)まとめ足は氷のように冷え、頭はカッカと熱く、心はガチガチに固まっている……閉経前後に陥りやすい心と体の状態は、多くの女性が感じたことがあるのではないでしょうか。5分でも、10分でも、自分を大切にする時間を意識的につくっていきたいと思います。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年03月18日定期健診のお知らせに、「骨密度検査」のオプションを見たことはありませんか? よくわからないし、まだいいかなと受けていない人もいるのではないでしょうか。そこで骨密度と閉経との関係、いつから受けるといいかなど産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。閉経後は骨粗しょう症のリスクが急上昇骨は肌と同じように新陳代謝で日々生まれ変わっており、骨吸収(古くなった骨を壊す働き)と骨形成(新しい骨をつくる働き)のバランスが取れて丈夫な骨を保つことができます。しかし、閉経で女性ホルモンのエストロゲンが減ると骨吸収の働きのほうが盛んになり、骨密度が低下。骨密度が低下して、ちょっとした衝撃でも骨折しやすくなる病気を骨粗しょう症と言います。「骨粗しょう症は転んだだけ、ぶつけただけで骨折したと、50代以降に症状が出てから骨密度検査をして判明することがほとんど。ですが、40代後半からは、年に1度は定期健診のオプションなどを利用して骨密度検査を受けておくと安心です。自分の骨密度を知り、年齢とともにどう変化するのかを知っておいてほしいと思います。検査で治療が必要となれば保険適用になり、折れにくくするケアができます」(駒形先生)骨密度の低下を放置すると簡単に骨折することも骨粗しょう症は、はじめは痛みがなく、骨がもろくなっていても気付かないまま進行することが多いので、「静かな病気」とも言われています。しかし、1度骨折すると悪循環に陥ると駒形先生は言います。「骨粗しょう症で一番折りやすいのが股関節の大腿骨です。重症だと人工関節をつける大手術を受けないといけなくなります。長期のリハビリもしないといけません。しっかりリハビリしないとバランスを崩しやすくなり、また転んで骨折、いう例も少なくありません。ほかにもちょっとぶつけただけで小指を骨折、肺炎になりせき込んだとき肋骨を骨折、という例も多いです。ただ、閉経するとすべての人が骨折しやすくなるというわけではなく、個人差があります。閉経時期が早い人は骨粗しょう症のリスクが早く訪れるので、とくに注意してほしいですね」(駒形先生)すぐできる骨粗しょう症予防は日なたぼっこ骨粗しょう症の予防には、カルシウムとビタミンDが有効です。カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、適度に日光を浴びることによって体内で作られます。「その人の骨密度にもよりますが、予防として1日30分くらい日光を浴びてほしいと思います。直射日光でなくてもいいので、日焼け止めクリームや日傘なしで30分を目安に浴びる習慣をつけると良いですね。30分といっても、連続で浴び続ける必要はありません。日の当たる窓際でお茶を飲んだり、朝日を浴びたりする程度でOKです。朝日を浴びながらウォーキングなども良いでしょう」(駒形先生)まとめ外出するときは日焼け止めクリームは必須という方は多いと思いますが、骨粗しょう症予防のためには日に当たることも大切なんですね。天気の良い日の朝はウォーキングを習慣にすると良さそうです!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中
2021年03月17日閉経前後は女性ホルモンが減り、性交痛などのトラブルが起きやすいもの。今回紹介するのは、そんな性交痛の痛みを軽減してくれるセルフマッサージです。2つのマッサージを提案する、産婦人科医の駒形依子先生に教えてもらいました。「腟トレ」とおこないたいマッサージとは?性交痛の軽減に効果的なのは、腟の筋肉である腟括約筋を締める腟トレです(詳しくは、【医師が提案】閉経前後のセックスが痛い!を改善する「腟トレ」って?参照)。ただ、「腟トレ」だけをおこなうと、筋肉がこり固まってしまう可能性があります。そのため、筋肉を締めたらほぐすマッサージをおこなうとより効果的なのです。そのマッサージとは「会陰マッサージ」と「腟マッサージ」です。基本的には「腟トレ」「会陰マッサージ」「腟マッサージ」は3つで1セット。締める→緩める→伸ばすのサイクルが、筋肉を育てるためには一番効率的だからです。筋肉を緩めて血流を促す「会陰マッサージ」腟と肛門の間にあるツボが会陰です。東洋医学では、気は経絡というルートを流れると考えられています。そして、子宮(胞宮)は任脈という経路とつながっています。この任脈の始まりにあるのが会陰というツボなのです。そのため、会陰をマッサージして血流を良くすると、腟はもちろん子宮を温めることにつながります。他人にはなかなか触れられない場所にあるからこそ、自分で自分のためにできるマッサージがおすすめです。方法は簡単です。人さし指から小指まで4本の指を会陰に当てて、10回ほど円を描くようにマッサージします。服の上から、または入浴時におこないましょう。腟を伸ばしてしなやかにする「腟マッサージ」もう1つの「腟マッサージ」は、組織を伸ばすことを重視し、腟にしなやかさを出すことを目指しています。腟にしなやかさを持たせることで、久々のセックスでも痛みを軽減することができます。腟に小指を入れて腟の上部を時計の0とした場合に、5時と6時、7時の方向に入り口を広げるように数回動かせばOK。入浴時がおこないやすいです。1日1回以上、腟トレで筋肉を締め、会陰マッサージで筋肉を緩め、腟マッサージで組織をのばす、この3セットをまずは毎日続けてみてください。まとめいかがでしたか? どちらのマッサージも、入浴時にできるので試しやすいです! 紹介した2つのマッサージを毎日おこなうことで腟や子宮の冷えが改善され、ふっくらした腟を目指せるそうです。性交痛で悩んでいる方はぜひ、試してみてはいかがでしょうか?参考文献/『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(KADOKAWA/駒形依子著)取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年02月18日本来、セックスは気持ち良く、幸せを感じるコミュニケーションのはずが……!? 閉経前後に「セックスが痛い」「セックスが苦痛」というアラフィフ女性の声がよく聞かれます。なぜ閉経前後に性交痛が起こりやすくなるのでしょうか。産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。閉経後は腟がかたく、伸びも悪くなる性交渉のとき腟から出る分泌物は、子宮からのもの、腟壁からのものの2種類あります。閉経すると子宮からの分泌物が減り、腟壁もコラーゲンが減少することで腟粘膜の萎縮や乾燥が起こりやすくなるのです。さらに、腟は使わなければどんどん小さくなってかたくなり、伸びも悪くなっていきます。このような症状は萎縮性腟炎といい、かゆみ、黄色いおりもの、悪臭といった症状を伴う場合もあります。卵巣を摘出した人にも、ありがちな症状です。外陰部が癒着して閉じてしまう場合もあります。閉経前後の久々の性交渉は、痛くないはずがないというくらい性交痛になる条件がそろっているのです。症状が強いなら婦人科で検査すると安心萎縮性腟炎は閉経前後の女性のほとんどがなるといってもいいほど起こる症状です。自覚症状があるかないかの違いではありますが、なかにはパンツがこすれるだけでも痛いという人もいます。症状が強く感じられるときは、婦人科を受診して検査をおこない、ほかに考えられる重大な問題がないことを確認するほうがベターです。例えば、茶色いおりものは子宮体がんなどに伴う症状の可能性もあります。自分のペースで性交痛は防げる!とはいえ、性交痛があるというだけで受診する人はほとんどいません。多くの人は痛くても我慢しているのです。たくさん性交渉を持てば腟はよみがえってきますが、性交渉はパートナーありき。誰かにしてもらおうと思うと回数が限られてしまいます。誰かに、ではなく、自分でケアができればラクですよね。セルフケアとして、最も効果的なのが骨盤底筋群運動です。いろいろなトレーニングがありますが、なかでも腟周りの筋肉を鍛える“膣トレーニング”(膣トレ)がおすすめです。腟周りの筋肉を動かしてあげることで血流が良くなり、萎縮を防ぐことができます。まとめ使わないものは不要なものとみなされてどんどん衰えていく……怖いけれどこれが現実です。性交痛を和らげるには腟をどんどん動かすことが効果的ということでした。駒形先生による腟トレの詳しい方法は次回紹介します。取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年02月16日閉経して生理がなくなれば、更年期症状も治まるのでしょうか? 更年期症状は治まっても、閉経すると一気に老け込んでしまうのでしょうか? 気になる閉経後の体の変化を産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。いつになったら更年期症状は落ち着くの?更年期とは、閉経の前後5年間を指します。閉経を迎えても、その後5年間は更年期症状が続きます。それでも50代後半にはエストロゲンがない状態に体が慣れ、落ち着くといわれています。女性ホルモンであるエストロゲンの急激な分泌低下に体が慣れるからです。ただし、ストレスや環境などよっても違い、個人差があります。そのため、50代後半になっても症状が治まらないものは更年期によるものではなかった、ということです。日常生活に支障を来すほどのつらさがあれば、一度検査をしてみると良いでしょう。検査で問題がない場合は、自律神経失調症ということになります。自律神経失調症になる原因の多くは、上質な睡眠が足りないことにあります。生活リズムを整え、適度な運動習慣を持つなど、まずはしっかり眠れる生活を習慣にしてみましょう。エストロゲンがなくなると一気に老け込む?エストロゲンがなくなると一気に老け込みそう……と心配になりますが、必ずしもそうとは限りません。60代、70代でも肌ツヤの良い女性はたくさんいます。たしかにエストロゲンは髪のコシや肌のハリ・ツヤを保ったり、肌のターンオーバーを促したりする作用があります。閉経後はエストロゲンの効果には頼れなくなりますが、なくなるのなら自分で補えばいいのです。それならば高級コスメやサプリで!という選択肢もありますが、せっかくの良い成分も、体内に吸収できないのではもったいないもの。閉経後は血流、筋肉量が落ちて栄養成分を運ぶ力が落ち、加齢とともに細胞も衰えていきます。そこで必要な成分を体内に吸収するためには、「胃腸を健康に保つこと」がとても大切です。閉経後もきれいでいるために必要なこととは?胃腸を健康に保つためには①下痢・便秘をしない、②冷やさない、③もたれさせないの3つに注意が必要です。なかでも「もたれさせない」については、何を食べると胃がもたれるかは、個人差があるもの。世間一般で健康に良いとされるものが、必ずしもすべての人の胃腸に合うとは限りません。自分は何を食べるともたれるか、それまでの経験を思い出しつつ、知っておくと良いでしょう。そして、胃腸のケアと一緒におこなうといいのが、水分補給と保湿です。閉経後は血流が減りますが、水分が少ないと血流は増えません。こまめな水分補給とともに、肌への水分保湿もできるだけたくさん、こまめにおこなうと血流改善に効果的です。まとめアラフィフ世代は、「しっかり眠ること」「胃腸をケアすること」「水分をたっぷりとること」が健康で快適に過ごすためには大切ということでした。50代は若かったときよりも努力が必要なんだなと改めて実感しました!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年02月11日40代前半、閉経なんてまだ先の話……と思っていたら、まさかの生理ストップ……。こんな経験をした人もいるのでは? 生理不順なのか、閉経なのか、または病気なのか、気になりますよね。産婦人科医の駒形依子先生に、40代前半で生理が長期間こないときの対処法を教えてもらいました。43歳未満で3カ月以上生理がないときは婦人科へ3カ月以上生理がこないときは、基本的には「卵巣機能不全疑い」になります。43歳未満の場合は婦人科を受診すると良いでしょう。というのも、43歳未満の場合は閉経よりも生理不順の可能性が高く、3カ月以上生理がないと子宮体がんのリスクも考えられるからです。また、生理不順の原因を探るうちに子宮内膜症が見つかるケースもあります。子宮内膜は厚くなっているのに出血しないのか、内膜そのものが厚くもなっていないのかを一度婦人科で検査してもらうと安心です。43歳未満で1年生理がこない=早発閉経3カ月以上生理がこないとき、婦人科で診察を受けながらも1年以上生理がこない場合は「早発閉経」となります。閉経の平均年齢は50.5歳で、一般的には45歳を過ぎたころから卵巣機能が低下し始め、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下して排卵が起こらなくなり、生理が停止します。閉経が平均より早く訪れる症状を「早発閉経」といい、その基準は43歳未満。 早発閉経は卵巣の手術、抗がん剤治療、放射線治療、思春期早発症治療による卵巣機能の低下から引き起こされることもありますが、ほとんどは原因不明です。更年期症状や骨粗鬆症になりやすくなる更年期とは閉経の前後5年間をさしますが、早発閉経の場合、例えば42歳で閉経を迎えた人は37歳ごろから更年期が始まっていたことになります。30代後半から、ホットフラッシュや発汗、めまい、不眠、イライラといった更年期特有の症状が出ている人は早発閉経の可能性もあります。そして、早発閉経で心配なのは骨粗鬆症や冠動脈疾患です。早発閉経と診断された場合は、閉経の平均年齢である50歳ごろまで、不足した女性ホルモンを薬で補うホルモン補充療法やサプリメントなどによる骨粗鬆症の治療をおこなうことが一般的です。まとめいかがでしたか? 40代前半といっても44歳、45歳は閉経の可能性が考えられるので生理が3カ月以上こなくても、日常生活に支障を来すほどの更年期症状と思われるつらさがなければ受診しなくてもいいそうです。個人差が大きい閉経年齢。多くはないけれど43歳未満でも訪れるということを知っておくと安心ですね。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年02月10日閉経に向けて体が大きく変化する40代。他人にはちょっと相談しづらい性の悩みに対して、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に答えてもらいました。40代は性欲がない、閉経後はさらにやる気ない?女性の体内には女性ホルモンだけでなく、男性ホルモンも分泌していて、両方のホルモンが性欲に関係しています。基本的に男性ホルモンは性衝動、女性ホルモンは性受容と考えますので、女性ホルモンが減ることでパートナーを受け入れる気持ちが萎えがちになります。ただ、男性ホルモンの働きで性衝動はあるはず。やる気が湧かないというのは、そのときの体力と気分、パートナーへの関心の度合いだと思います。また、40代は人生の中でも仕事や家事、子育て、介護など仕事量が多い時期。性欲よりも「もっと寝たい」と思っている人のほうが多いかもしれませんね。閉経が近づくと避妊は必要なし?閉経が近づくにつれ卵が減って、定期的に排卵をしなくなることが増えるため、妊娠しにくくはなります。ただ、排卵を1回もしないとは限らないので、絶対に妊娠しないとは言えません。初産か経産にもよりますが、49歳で自然妊娠した方もいます。妊娠を望まないなら、閉経まではしっかり避妊を。40歳以降、初回の場合ピルは使えないので、避妊をパートナーにお願いしましょう。40代後半ごろから挿入時の性交痛がひどい…閉経前後2~3年で、女性ホルモンが減ることにより腟は急速に狭くなって、短くなります。また、血行が悪くなって粘膜が弱く、のびも悪くなります。そのため挿入時にすれて痛いのでしょう。性交痛を和らげる潤滑ゼリーも今はネットなどでも買えるので、試してみても。おすすめしているのは、腟周りの筋肉を鍛えたり、マッサージしたりする「腟トレ」です。性交痛の改善だけでなく、尿漏れなどの予防にも効果的です。まとめいかがでしたか? 悩みがあるときは、ぜひパートナーと一度話し合ってみてくださいね。駒形先生がおすすめする「腟トレ」については、今後紹介する予定なのでお楽しみに!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年01月01日閉経を迎えるにあたり、心配なことや不安なこと、気になることはたくさんありますね。そのなかでも今回は閉経の時期のこと、閉経後の体調などについて産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。閉経年齢は母親と同じ時期?遺伝する?閉経年齢は遺伝では決まりません。卵巣にある原始卵胞がなくなったときに閉経となるので、閉経年齢は原始卵胞の数で決まります。原始卵胞は胎児のときに一番量が多く、約200万個あります。早産や難産など出産時にストレスが大きいと、原始卵胞が少なくなると言われているので出産時の状況は、閉経年齢と関係があると思います。閉経年齢を早めたり、遅くしたりする方法は?閉経を早める方法には、「偽閉経療法」というものがあります。薬で卵巣機能を止めて、閉経を起こさせるのです。ただし、子宮内膜症や子宮筋腫の手術時の出血を抑えることが目的なので、「生理が面倒だから早めたい」という理由では基本的には使えません。また、卵巣機能を停止させる薬なので、更年期症状が強まる可能性があります。逆に、「ホルモン補充療法」を受けている人は日本人女性の閉経平均年齢(50.5歳)よりも遅いと感じる人が多いようです。ただし、ホルモン補充療法は更年期症状があるだけでは受けられません。生理が不定期で日常生活に支障を来すほどの更年期障害があることが条件となります。血栓などのリスクもあるので「いつまでも若々しくいたい」といった理由では受けられません。閉経後は、体調がラクになるの?閉経前は女性ホルモンが減るという体の変化に慣れなくてつらいということもあります。閉経後は慣れてくるので少しラクになるでしょう。また、「この原因不明の体調不良は更年期症状だったのね」と、納得できることも精神的にはラクになると思います。ただ、更年期症状というのは、閉経前後5年、10年間における自律神経失調症ということ。更年期が過ぎても同じような体調不良が続く場合は、更年期症状が自律神経失調症と名前が変わるだけです。自律神経失調症は生活習慣の改善が欠かせませんが、漢方薬を利用する方法もあります。まとめいかがでしたか? 基本的には閉経は自然に身を任せて待つというもののようです。閉経すると気持ちがラクになるという面もあると聞いて少しほっとした方も多いのではないでしょうか。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月31日ホルモンとひと口に言ってもその種類は多種多様。閉経を考えるときに知っておきたいホルモンにはどんなものがあり、更年期にはどのように変化するのでしょうか。産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。女性の体にかかわるホルモンは主に4つ!女性の体内では脳下垂体ホルモン2つと女性ホルモン2つが連携しています。加齢で卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌が減っても脳下垂体ホルモンは分泌され続けるアンバランスにより、さまざまな体調不良を引き起こします。【脳下垂体ホルモン】卵胞刺激ホルモン(FSH)脳下垂体から分泌され、卵巣に指令を送る性腺刺激ホルモン。卵巣内の卵胞を成熟させ、エストロゲンの分泌を促します。黄体形成ホルモン(LH)脳下垂体から分泌され、卵巣に指令を送る性腺刺激ホルモン。卵胞が十分に成熟して排卵期間になると、排卵分泌を促します。排卵後は、卵子を排出した卵胞を黄体に変化させ、卵巣からプロゲステロンを分泌させる働きがあります。【女性ホルモン】エストロゲン(卵胞ホルモン)女性らしい体型をつくるホルモンとして知られ、妊娠を促すさまざまな働きをしています。骨や血管、脳の働きのほか、自律神経や感情も整える働きがあります。プロゲステロン(黄体ホルモン)妊娠が成立しやすいよう子宮環境を整える働きがあります。妊娠しなかったときには、不要になった子宮内膜を剥がして血液とともに体外に排出できるよう、生理を起こす働きをしています。閉経前後に減るのは女性ホルモンの2つ閉経前後のそれぞれ5年、計10年間を更年期と言いますが、この時期に減るのがエストロゲンとプロゲステロン、2つのホルモンです。これらが減ることでホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)、イライラ、うつ、肌の乾燥、コレステロール値が上がり代謝が落ちて太りやすい、頭痛、めまいといった症状が出ます。すべて出るというわけではなく、人によって症状はさまざまです。ただ、これらの症状が更年期症状とわかるには、閉経後のこと。閉経を迎えて「あの体調不良は更年期症状だったのね」とモヤモヤしていた気持ちがなくなり精神的にラクになったという人は多いです。閉経後も女性ホルモンがまったく出ないわけではない閉経は女性ホルモンがなくなることで起こるのではなく、原始卵胞がなくなることで起こります。女性ホルモンは閉経後も減り続けますが、まったく出ないというわけではなく、個人差がありますが60歳前後になくなると言われています。女性ホルモンが減ると聞くと、女性としては少し寂しい気もしますが「体にとって必要がなくなってくるので減っていくもの」として前向きに受け入れるほうが良いですね。まとめいかがでしたか? 閉経前後に、女性ホルモンの分泌が劇的に変わることがわかりました。加齢とともに減っていくことは寂しいですが、すてきな50代、60代の女性はたくさんいます。自然の流れとして受け止める気持ちも必要なようです。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月30日閉経がいつ訪れるのか、アラフィフになると一度は気になったことがあるのでは。初潮年齢、出産経験、婦人科治療と閉経年齢に関係はあるのか、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。初潮年齢と閉経年齢は関係があるの?結論から言えば関係ありません。排卵をしてもしていなくても、卵巣にある原始卵胞(以下、卵)はどんどん減っていくからです。また、初潮年齢が早いからと言って排卵スピードが速いとか、排卵の量が多いということもありません。逆も然りです。閉経の時期は、卵巣にある卵の数で決まります。卵の数は生まれる前にすでに決まっていて、約200万個と言われています。初潮を迎えるころには10万個ほどに減り、閉経までに排卵される卵は400~500個と言われ、卵がなくなった時点で閉経となります。ただ、残念ながら卵が残り何個なのかということは調べられないので、閉経時期をはっきり特定することはできないのです。出産経験と閉経年齢は関係があるの?出産をしたかどうかは関係ありませんが、出産をした場合、出産時の状況によっては閉経に影響することがあります。例えば出産時に出血多量などで母体に大きな負担がかかった場合、卵巣はストレスに弱いので閉経を早めるといったこともあります。また、不妊治療をした人は、採卵やホルモン補充などで短期間のうちに大量の卵を消費して卵巣に負担がかかるため、閉経が早くなることがあります。低用量ピル、ホルモン補充療法の使用と閉経年齢は関係がある?閉経は加齢による卵巣機能などの老化が原因。低用量ピルもホルモン補充療法も、老化をコントロールする効果はありません。また、ホルモン補充療法はエストロゲンの欠乏によって更年期症状が出ている場合は閉経前でも使用することがありますが、主に閉経してから始めることが多い治療なので、閉経の年齢が変わることはありません。一方の低用量ピルは、長く飲み続けていればいるほど生理不順に気付きにくくなるので、知らぬ間に閉経していたというケースは少なくありません。ただ、気付かないだけで早くしたり遅くしたりすることはできません。まとめ結論としては、卵巣に強いストレスがかかると閉経が早くなることがあるということですね。女の子は胎児のときに、すでに卵を、しかも人生で一番たくさんの卵を持っているというお話に生命の神秘を感じました!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月29日閉経前後5年間の更年期は体調を崩しがちですが、少しでも快適に過ごす方法はないのでしょうか。レディースクリニックで受けられる女性ホルモン対策、低用量ピルとホルモン補充療法について、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。低用量ピルは初回の場合40歳以降には処方されない低用量ピルとは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが含まれる薬で、●生理痛の緩和●経血量の減少●生理前の不調(PMS・PMDD)の改善●貧血の改善などの効果があります。卵巣機能の働きを抑える効果があるため、生理の緩和のほか避妊薬として活用する人もいます。低用量ピルは初めて使う場合、40歳を過ぎている女性には、基本的には処方ができません。血栓症などのリスクが高まるためです。そのため、40歳以降で更年期症状を緩和したいという場合はホルモン補充療法や漢方薬が適しています。どんな状態ならホルモン補充療法を受けられる?ホルモン補充療法は、●ホットフラッシュ●頭痛●動悸●冷え●腰痛●うつ気分●不眠症状●皮膚のかさつき、くすみなどの症状に効果があります。補充するホルモンは人によって異なりますが、エストロゲンとプロゲステロン両方が含まれたものが主流です。「どれも私に当てはまる!」「今スグしてほしい!」という方もいますが、毎月生理が来ている場合、基本的にホルモン補充療法はおこないません。毎月生理が来ているということは、女性ホルモンが出ているということ。多少、量が減ってバランスを崩しているかもしれませんが補充するほどではないという判断になります。というのも、ホルモン補充療法は不正出血のほか、子宮体がんや乳がんの発症リスクを抑えながら慎重におこなう必要があるためです。子宮体がん、乳がんを経験している方や血液をサラサラにする薬を内服している人には原則禁止となります。また、家族や親族に体がん、乳がんを経験した方がいる場合は禁忌、または慎重投与となります。ホルモン補充療法を始めるには、●生理が不定期であること●卵巣機能の低下が検査で認められること●更年期症状が強いことといった条件が必要です。更年期の症状があれば健康保険が適用されます。薬は内服薬、貼り薬、塗り薬、腟剤と種類があり、種類と量によって違いますが、薬代は月に2,000~3,000円ほどになります。ホルモン補充療法を始めるにはどうすればいい?更年期症状をメインに診察しているクリニックに相談してみると良いでしょう。ホームページなどで、ホルモン補充療法の良い面、リスク面もしっかりと説明しているか、チェックしてみてください。また、ホルモン補充療法は子宮体がんと乳がんの検査を定期的に受けながらおこなうのが望ましいので、がん検査のフォローが手厚いところが良いですね。また、ホルモン補充療法は何歳からどのような症状で治療を始めたかで投与できる期間が変わってくるので、私のクリニックでは1~2年ほど様子を見て基本的には量を減らしていきます。肌や髪が若々しくなるなどの美容効果もあるため、閉経後5年たってもやめたがらない人が多いのですが、年齢を重ねれば重ねるほど他の病気の治療、発症の可能性も考慮しないといけません。ホルモン補充療法を始めるなら、必要以上に依存しない、という自立した姿勢が求められると思います。その点、漢方薬はそういったリスクはありません。漢方薬も1つの選択肢に入れると良いでしょう。まとめいかがでしたか? 「毎月生理は来ているけれどなんとなく不調があるという人には、ホルモン補充療法は向かない」という先生のお話にびっくりしました。自分の体調、症状を見ながら、一番適した方法で閉経前後の時期を乗り切りたいものです。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月28日食べる量は変わらないのに、「最近なぜか太ってきた」「脂肪がやわらかくなってきたみたい」という40代女性に多い声。閉経後はますます体型の変化が予想できるけど、何をしていいかわからない……。そんな不安に、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生が答えてくれました。閉経するとコレステロールがたまりやすくなる閉経すると、女性ホルモンのエストロゲンを生成しなくなりますが、エストロゲンの原料はコレステロール。つまり、エストロゲンをつくらなくなる分、コレステロール値が上がりやすくなります。そこで閉経後、それまでと同じ生活を続けるとコレステロールがたまり、太りやすくなってしまうのです。50代からの食べないダイエットは逆効果!50代になると急激に筋肉量が減り始めます。筋肉量が減ると、筋肉に行っていた血液量が減り、血液量が減ると体は冷えてしまうように。そこで体は、一番大切な内臓を冷やさないように脂肪で固めようとします。そのため、おなか周りに脂肪が付きやすいのです。つまり、内臓を冷やさないようにすることが必要なのですが、そのためには、体を温める食べ物をしっかり食べることが大切です。固形物を食べる吸収熱と消化熱で体は温まります。50代からは食べないダイエットは体を冷やす原因となり、逆効果になるので避けましょう。冷えやすい下半身の筋肉のストレッチから!閉経すると、子宮と卵巣への血流が減っていきます。すると、それまで子宮と卵巣に運ばれていた血液は、上半身に集中します。血液は下に下がるよりも上に上がる力が強いためです。その結果、のぼせたり、めまいがしたりといった更年期症状が出やすくなります。一方の下半身はというと、血流が悪く冷え切っています。そのため、上半身はのぼせているのに足の先は冷えているという現象が起きてしまいます。それを解消するためには、血流を下へ向けてあげることが大切です。効果的なのはスクワットなどの筋トレですが、大変ならばお風呂上がりのストレッチでもOK。まずは意識的に、下半身の筋肉を積極的に動かすことが大切です。まとめいかがでしたか? 筋トレはちょっと……という人も、ストレッチなら始めやすいのではないでしょうか。まずは、意識的に体を動かすこと。そして大切なのは、しっかり食べて体を冷やさないこと。できることから始めてみはいかがでしょうか。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月24日体内の女性ホルモンの量を血液検査で調べることができることを知っていますか?「加齢とともに女性ホルモンの分泌が減少」と聞くものの、どれくらい減っているのか気になる人もいるでしょう。産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に女性ホルモン値の検査について聞きました。女性ホルモン検査ってどんなことをするの?婦人科のクリニックでは、血液検査で女性ホルモン値を調べられます。問診~診察までの所要時間は30分ほど。ホルモン検査単体なら4,000~7,000円程度で受けることができます。●一般的な検査の流れ1)医師の診察2)採血3)検査から約1週間で結果。医師より説明を受ける。調べられるホルモンは?主に調べられるホルモンは以下のとおり。●フェリチン=内臓が鉄をどのくらい持っているかということ。貧血検査に用いる●プロラクチン=脳下垂体から分泌されるホルモン。生殖・排卵・妊娠・授乳に関係する●LH=脳から卵巣に命令を出すホルモン。黄体形成ホルモン。プロゲステロンを卵巣に出すように促す●FSH=同じく脳から卵巣に命令を出すホルモン。卵胞刺激ホルモン。同じくエストロゲンを卵巣に出すように促す●エストラジオール=エストロゲンの物質の1つ。不妊症や更年期の数値の指標になる●テストステロン=男性ホルモン。女性ホルモンが減ると数値が高くなる特に注目したいのはFSH(卵胞刺激ホルモン)です。数値が高いと、更年期や閉経が近いサインと言えます。卵巣機能が低下してエストロゲンの分泌が減少することで、脳からホルモンをもっと出すよう指示を出すことでFSH(卵胞刺激ホルモン)が増えるからです。また、内臓が鉄をどのくらい持っているかがわかるフェリチンを調べるのは、ホルモンが細胞にしっかり届いているかを見るため。細胞に酸素や栄養を運ぶためには酸素と鉄、ヘモグロビンの3つが結合する必要があります。フェリチンが少ないとホルモンがうまく細胞に届きにくくなり、体調を崩す原因となります。女性ホルモン値で閉経の時期はわかる?閉経の時期はわかりませんが、女性ホルモン値によっては卵巣機能の低下やホルモンバランスの崩れなどは指摘ができます。ただ、「ホルモン値が知りたい」と思っている時点で卵巣機能の低下やホルモンバランスの崩れを感じているのでしょうから、それ以上の結果は得られないかもしれません。なお、貧血症状がある方なら、受診したときの血液検査でホルモン値を調べることができます。年に1回検査して欲しいのは、甲状腺ホルモンです。「のぼせ」「ほてり」「発汗」といった更年期症状にも似た症状が甲状腺異常によるものだったとわかることもあります。会社や自治体の健康診断でオプションとして付けられることもあるので、検査すると安心です。まとめいかがでしたか? ピルやホルモン補充療法(HRT)※を開始するときや貧血で受診する場合は女性ホルモン検査を受けるそうです。検討している人は、その機会を利用しても良いですね。※さまざまな更年期症状を緩和するために、女性ホルモンのエストロゲンを薬品で補充する治療のこと。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月23日40代になってから、「生理が今までと違う」と感じたことはありませんか? 更年期症状や閉経のことが気になる年代が抱えやすい生理の悩みについて、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。生理がいつもと違う=閉経のサインではない!40代になると卵巣機能が低下し、ホルモンバランスが崩れ、生理が乱れやすいのは事実です。しかし、だからといって生理不順のすべてが更年期症状であり、閉経のサインというわけではありません。閉経の前後5年間、合計10年間を更年期と呼びますが、閉経前の生理不順が更年期によるものだったとわかるのは閉経になってから。生理不順の原因には、さまざまな病気が隠れていることもあります。閉経が近づくと回数が減っていきます閉経が近づくと、生理の回数が1カ月おき、2カ月おき……と少しずつ減っていくことが多くなります。その後、1年間継続して生理が来なければ閉経となります。ただ、8カ月なかったのに生理が来たという生理不順が潜んでいることもあります。それまで順調に生理が来ていたのに突然止まるというケースは少なく、多少なりとも不安定な時期を経て、閉経に向かっていくと言えます。量は多かったり少なかったり、人それぞれ回数は減っていきますが、量については個人差があります。閉経が近づくと量が減っていくと思っている人も多いようですが、必ずしもそんなことはありません。卵巣機能が低下してホルモンバランスが崩れることで急に多くなったり少なくなったりと、経血の量は乱れやすくなります。生理が今までと違うからといって慌てる必要はありませんが、年1回の健康診断は必ず受けてセルフチェックしておきましょう。そのとき、婦人科のがん検診とエコー診断を受けるとさらに安心です。まとめいかがでしたか? 閉経が近づくと、生理の回数や量がそれまでとは違ってくるということがわかりました。ただ、閉経とは関係ないケースもあるということも忘れずに。定期的に健康診断を受けて、セルフチェックすることが大切です。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月20日