人は恋をするとき、相手のどこにホレるのだろう。顔が7割、心はたった3割だなんて話も聞くが、もし相手の顔がまったくわからなかったらどうなるのか。そんな相手に好かれたとしたら、それほど誇らしいことはないと思っていた。純粋に、心だけを見て判断してくれているのだから。だけど今は、いろいろ悩みを抱えてしまっている。俺の恋人、イズミはまさに人の顔を覚えられない。失顔症という、ブラッドピットなんかと同じ病を抱えているそうだ。***せまいライヴハウスの中、再び俺は客としてきてくれた彼女、イズミと対面することができた。うさぎを脱ぎ捨てたタイミングは、少々早すぎたかもしれない。ガマンの限界だった。すぐにでも彼女に俺の姿を見せたかった。だが俺が顔を出した瞬間、彼女は後ろを向いて逃げるような姿勢を取った。周りの客に阻まれ、実際にはどうすることもできなかったが、俺を前にしてイヤがっているのは明らかだった。「一回、イズミに全力で嫌われてみたらいいのに」半年前シノザキにそうそそのかされてから、今までいろんなことがあった。テキトーだと言われても、それこそが俺の生き方だと思っていたのに。そのテキトーさ加減にここまで絶望してきたことは人生で初めてだ。けれどすべての失敗は、きょうこの日のためにあるのだと思う。これから彼女の心を取り戻してみせる。いま渾身のラブソングを彼女に捧げ、そして――。記憶は、1月3日までさかのぼる。「なんで嫌われなきゃならないんだ」前日に連絡先を交換したばかりの女と、サイゼリアにふたりきりでいる。「だってさ、付き合ってるっていいながら、きのう見ててスゴイよそよそしい感じだったもん、ふたり」「んなわけないだろ。相思相愛だよ」「うっそ。まだエッチすらしたことないクセに」あわや、口に含んだメロンソーダを吹き出しそうになる。まだ昼下がりなのになんて話を持ち出すんだ。「これからっ、これからだよ…いま、タイミング見計らってるのっ」「いや、もうないよ。ないない。だってクリスマスもお泊まりナシだったんでしょ。ゼッタイそれって、飽きられてんだと思う」「ちょ…キッパリ言ってくれるな…」はぁ、と一息ついて、メロンソーダを飲み干す。目の前の女、シノザキは、モツァレラチーズとトマトのサラダをうまそうに食べている。サラダっていうわりには、単にチーズとトマトを並べてオリーブオイルぶっかけただけじゃないかと思った。女はなぜこういうのが好きなのか。「だいたい、きのうシノザキと会わなきゃ、俺がイズミの家に泊まる予定だったんだよ」「そんなこと、イズミと約束してたの?」「してない」「じゃあ、やっぱりダメじゃん」くっ…こうしてズケズケとものを言われたら、どうもすべて正論のように聞こえてくる。一旦席をたち、ドリンクバーへと向かう。カプチーノでも飲もうかと、カップをセットしてボタンを押す。しゅごごごごっ…と機械からすごい音がし、突然もくもくと出てくる白い煙。故障か?「あ、すみません、ミルク切れちゃってますね! 少々お待ちください!」気づいた店員が声をかけてくれ、厨房まで引っ込んでいった。いや、待つくらいなら別の飲むけど…。しかし冷たいドリンクコーナーも、ガキどもに占拠されている。行儀の悪いことに、いろんなドリンクを混ぜて遊んいる。…自分も昔やったが、周りの迷惑ぐらい考えるべきだったと今さら反省。結局、水だけ注いで戻る。飲みたいものも飲めないドリンクバー…なんだか調子狂うな。これもシノザキのせいかと思ってしまうくらい。そんなこと、あるはずないが。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2015年06月25日五月病と呼ばれるものがあるのは、ゴールデンウィークがあることに原因があると考えてほぼ間違いないと思う。高校へ入学したころだった。まず友達を作らなきゃと思っていて、顔は覚えられないまでも、クラスメイトの名前を全部ソラで言えるくらい暗記して。いつも声をかけてくれる子が何人かできて、気づいたらその子らの仲良しグループに加えてもらってて。「ねー、ゴールデンウィーク、みんな何するー。遊園地とか行かない?」って言われて。遊園地。まだ父が生きてたころ、家族3人で行ったきりだった。誘われたことを母親に話したら、「いいじゃないの、行ってきなさいよ」って、お小遣い多めにくれて。でも、行かなきゃよかった。小さいころはずっと父に手を握られていたから、迷子になることなんてなかった。まだ知り合って1月、覚えているのは名前と声だけの友達と、人でごった返す遊園地の中ではぐれるのは当然だった。最初のうちは、向こうの方から「ちょっと、ヤマナシさん。ひとりでどこ行ってたの」ってすぐ見つけにきてくれたけど、そのうち完全に迷子になってしまって。みんなどこに行ったんだろう、と思っていたらケータイにメールがきて。「私たち、先に帰ってるね。ヤマナシさん、私たちに付き合うのイヤなんでしょ? 無理しなくていいよ、ひとりで楽しんでおいで」ちがう、そうじゃないのに。はぐれないように、迷わないように気をつけてたつもりなのに。私の不安な足取りでは、楽しげな彼女らに追いつけなくて。人混みが私を拒んで、厚い壁のように私の前に立ちはだかって。息が、息ができない。こんなにたくさんの人がいる中で、誰も頼れる人がいない。船から落ちて、大海原に放り出されて、つかまる板も、小枝すらないような感覚で。ひとりで、ぐんぐん船から遠ざかる。置いてかないで、そう叫んでも、船はどんどん小さくなり、地平線の向こうに消えてしまう。助けて、タスケテ。息が、息ができなくて。私は、海の中へ沈んでいく。ぶくぶく。大量の泡を吐き出しながら。遊園地内、一人で倒れているところを、どこかの親子連れが助けてくれたらしい。その人たちにチュロスとコーラをもらって。皆を必死で探している間、ご飯を食べることも忘れていて、ペコペコだった。ありがとうございます、ありがとうございますって何度も感謝して。このご恩は忘れませんって言って。でもその人たちの顔は、やっぱり覚えていない。そんなできごとがあって、心が折れた。もう無理して友達なんか作んなくっていいやって。そして今、大学二年生の現在。大型連休を経て、また私の心は荒んでいる。4月の、あの晴れ晴れとした気持ちは何だったのだろうか。連休中は、やっぱりほぼ書くことがなかった私の日記。パラッとめくれば、先日のタナカ先輩とコモリが初めて出会ったときのやりとりが事細かに記されている。完全に五月病になったいま、振り返られるのはそのことぐらいだ。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2015年05月07日博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ合同採用事務局は4月2日、顔認証による「職種顔診断」ができる新コンテンツ「HAKUHODO DNA」を公開した。職種顔診断は、採用特設サイトにアクセスし「DNA鑑定をする」を選択後、顔写真を撮影・アップロードするだけ。同社のビジネスにおいて中心を担う「アカウントプロデュース(営業)」や「ストラテジックプランニング」「コピーライター」「デザイナー」「PR」「プロモーション」「インタラクティブ」「メディアプロデュース」「メディアプランニング」といった9つの職種から、自分がどの職種顔なのか算出することができる。顔診断は、同社の9職種に所属する若手社員約700名(男女)の顔写真を合成し、平均顔を算出したものと、アンケート調査による仕事観やプライベートなどをもとに行われる。なお、同データは「職種紹介コンテンツ」として、採用特設サイトにて閲覧することが可能だ。
2015年04月03日何を考えているのかわからないたくさんの顔に、一斉に見られているという状況。あまり気持ちのいいものではなかった。いや、表情が読めた方が、よほどプレッシャーなのだろうか。どちらにしても、正直に言うしかなかった。「私はべつに、先輩のこと好きじゃありません」堂々と、2年の先輩の告白を台無しにしてしまう言葉を。ドッとわく宴会場。「うわ、フラれた!」「まじダッセェ! 最高!!」「ひーっ、ひーっ、腹イテェ!!」。当事者である2年の先輩も、次の瞬間、へなへなへな、という感じに肩を左右に揺らしながら、膝を曲げて縮こまった。やがて上体が後ろに倒れ、背中がぴったり床にくっつく。完全に崩れ落ちている。そのコミカルな動きは、さらに周囲の笑いを誘った。ちょっとホッとした。これでなんとなく、丸く収まった気がした。宴会が終わって寝室に戻る。女子同士、4人の部屋。クジで決まっただけのあまり馴染み無いメンバーだったし、午前3時くらいだったから、「いい加減寝なきゃ」って言って。特にガールズトークをすることもなく、歯磨きをして布団に入り、電気を消して。すでに2人が寝息を立て始め、私もだんだん意識が途切れかかっているとき。急に肩を揺すられ、一気に目が覚めて。「うん…なに?」そう言いつつ目を開けると、相手の顔は異様な近さにあって。小さな電灯が点いていたから、髪が長いのと、浴衣を着ているのはわかった。でも、失顔症の私でも区別できるそれらの情報は、この場では全く意味をなさなかった。髪が長いのは、ふだんツインテールにしている子も、ポニーテールの子も、ストレートな子も、みんな寝る前にほどいていたから区別のしようがなかった。浴衣だって、二色分かれていたはずだけど、暗くて何色なのか判断ができかねた。誰だかなんて、わかるわけなくて。ただ、彼女が抱えている重々しく恨み深い感情だけは、その声から伝わってきた。「なんであんたみたいなのがモテるわけ。あんたなんか、恋する資格もないクセに…よくもまぁ堂々と、○○先輩のことフッて…それで平気な顔していられるもんだわ」○○先輩というのが誰のことか、一瞬よくわからなかった。その日、私からフラれた2年の先輩のことだと気づいたときには、彼女の手に首をしめられていた。死を悟るようなものすごい力。わけがわからぬまま、私は逝ってしまうのだ。でも次の瞬間、部屋の扉がコンコン、と鳴って。首をしめる手の力は急になくなり、本人も慌てて私から離れ、ガサゴソと自分の布団の中に潜っていった。どっち方面の布団に潜ったか見ていれば、まだ犯人を特定することはできたかもしれない。けれど私は放心中で、それどころじゃなかった。扉の向こうからは、「ねぇ、だれかまだ起きてないのー」という女性部員の声が聞こえた。その直後に、「ホラ、もうみんな寝てるって。無理に後輩たち起こしちゃかわいそうだってばー」という別の声も。声の主たちは、じきに去っていった。そして首をしめた部員も、もう襲ってくることはなかった。犯人も詮索できないまま、私は意識を落としてしまった。なんとか命は助かった。けれど、そんな危険な目にあった上で、それ以上部活に身を置いておきたいとは思わなかった。それ以来私は、部活に顔を出さなくなってしまった。人間としてしっかり生きてはいるけど、部員としては完全に死んでしまった。幽霊部員になってしまったのだ。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2015年03月12日世の中って、とことんうまくいかないものだと思う。正月3日目の朝、ベッドで隣に寝てるのは、カズヤじゃない。「朝だよ」隣で寝ている彼女に声をかける。この子が嘘を言ってなければ、彼女はきっと、ユイの友達のマナミのはずだ。顔は、例によってまったくわかんなかったけど。マナミは寝息を立てている。起きる気配はまったくない。ときどき「フゴッ」という音を立てたりする。ユイ曰く「整った顔立ち」に似つかわしくないように思えるけど、よくよく見ると鼻が少し上向きで、子豚ちゃんみたいだ。記憶を整理しなくちゃならない。ベッドから抜け出し、机の上のノートとペンを取る。きのう、伊勢うどんを食べたとこまではよかったと思う。少し高かったけど、ちゃんとおいしかったし。フワフワして口の中でとろけるような食感や、黒くて濃いのに少し甘みのあるタレの味とかも新鮮だった。2年の先輩の家で食べたカップラーメンなんて比べものにならないくらいの。「比べちゃだめでしょ」。まぁ、そうだね、脳内ユイ。で、その後だ。二人で浅草線に乗って、浅草寺まで行って。正月三が日だから人多いだろうなぁとある程度覚悟してたけど、実際着いてみたらぜんぜん足りないどころじゃないってくらいの人の多さで。「わー、これ、お賽銭箱にたどり着くまでに何分かかんだ…?」「“分”、じゃないよ。2時間くらいかかっちゃうよこれ」「まじか! ディズニーランドのアトラクションかよ!」って言い合いながら、大勢が並ぶ列に加わって。こんな場所、一人だったらきてないだろうって思った。絶対気分悪くなるし、一生トラウマになるって感じだったけど、はぐれないようにカズヤの腕にぎゅっとしがみついていたら、二人の距離もぐっと近くなって。優しいカズヤのにおいも、どんどん香ってきて。なんだか、カズヤのにおいがフレグランスみたいになって、心地よさを保っていたような気がする。で、ほんとに2時間くらいかけてお参りを終え、出てくるとき。「あれー、イズミとカズヤじゃーん」って声が聞こえて。見ると、雷門の柱に女性が立っていて。どっかで聞いたことあるような声って気がしたけど、さっぱり思い出せなくて。「だれ?」ただ、カズヤもそう言った。女性は、「えっ、ひどーい、覚えてないの? スペイン語のクラス、いっしょでしょー! マナミよ、シノザキマナミ」なんて言う。マナミ。それで思い出した。ユイの友達だ。で、そっからだ。デートプランが吹き飛んだのは。「ねー、ふたり、デート? いいなぁ。私、ひとりできたのに。うらやましー。ねぇ、よかったらさぁ、一緒にゴハン食べに行こうよ。ちょっと、二人に相談したいこととかあるしさぁ。時間、そんなに取らないから」なんてありえない頼みだったのに、カズヤってば、「べつにいいけど、相談って?」なんて言って。時刻は、夜7時ぐらいだったろうか。彼女の言う相談とやらが、まさか時計の長針をそこから4回半も回してしまうことになるとは、思いもしなかった。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2015年01月29日待ち合わせの場所へ、3時までに着くのは余裕だった。メイクに何十分と時間かける子もいるけど、私は顔なんてわからないから手短に済ませるし。「って、単にズボラな性格まで病気のせいにしちゃだめよ」私の脳内ユイがしゃべる。ちょっと黙ってて。京王井の頭線とJR山手線、それぞれの渋谷駅の間の連絡通路。岡本太郎の『明日の神話』が飾られている。私が渋谷で指定する待ち合わせ場所は、ハチ公前でもモヤイ像前でもなく、いつもそこだ。カズヤは、今日は新しい年にちなんだものをつけてくるって言ってた。なんだろう、干支のかぶりものでもしてくんのかな。あ、例えば今、目の前を通り過ぎた馬のマスクみたいな。ドンキとかでよく売ってるやつ。新年早々、変な人いるな。カズヤもあんなだったら、ちょっとイヤだな。…って思ったら、馬マスクの人、こっちを振り返ってすたすた歩いてきて。え、何? 目が合ったから? えっ? 一瞬、パニックになりかけると、「あけおめー、イズミ」…え。この声、まさか。「どう? 目立つだろ、このマスク」「カズヤなの!? 目立ちすぎ! って、なんで馬?」「や、だから干支のかぶりものだろ」「それ、去年でしょ。今年は羊よっ!」「だって、羊のかぶりものって持ってないし。まぁ、馬も干支の一種には変わんねぇじゃん」やっぱテキトーだ。カズヤってば、すごくテキトー。「もうっ、恥ずかしいからさっさと脱いでっ。早くしまってっ」カズヤの頭から半ば強引に、引っこ抜くようにして馬のマスクを取る。ちょっと手間取って、「イテテテッ」なんて言われたけど、カズヤから脱げたでっかい馬のマスクはベロンと垂れた。折り畳んで、カズヤのトートバッグにつっこむ。今のやりとり、大勢の人通りの中で相当恥ずかしかったけど、キョロキョロしてみても、周りは大して私たちに目もくれない。さっさと思い思いの方向へ歩いていく。こういうときって、都会のスルースキルの高さ、ハンパない。『明日の神話』の中央で踊るガイコツだけが、唯一私たちを見下ろして笑っているように見えた。普通の人間の表情なんてわかんないクセに、こんなときばっかりなぜかそう感じてしまう。私たちは、とりあえずその場を離れる。「お腹空いてないか?」「あ、うん…ちょっとお昼食べ損ねちゃって。カズヤも?」「おう、小腹が空いた程度だけど。うどんとか、どうかな。ちょうど年明けだし」「年明けって、うどん食べるの?」「なんか、そういうの聞いたことある。ヒカリエに伊勢うどんの店があったはず」「ヒカリエ、高くない?」「新年だし景気よくいこうよ。前から一度食べてみたかったし」「前って、いつ?」「去年かな。たまたま読んだネットの記事に出ててさ」「あ、もしかしてカズヤがLINEでつぶやいてたやつ? おとといくらいじゃない? 去年、って」「年明けるまえだから、去年だよ」と、またテキトーな会話を続けながら移動する。「なんだかカップルというより漫才コンビみたい」と脳内ユイ。いいんだよ、たぶんそういうのが私たちの付き合い方なんだと思う。焦んなくていい。きっと今日が、二人の忘れられない日になるはず。そう信じてる。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2015年01月22日毎年クリスマスの時期によみがえる、幼いころの記憶がある。小学1年生のとき、家でサンタさんと鉢合わせしたときのこと。夜中、トイレ行きたくなって。部屋に戻ると、大人の男性が私のベッドに何か置いてて。「パパ?」そう聞いたのはスーツ着てたからなんだけど。ただ、口元に白いヒゲをたくわえていて、「ち、ちがうよ…サンタさんだよ、ホホウ」そう低い声で言って、慌てて部屋から出ていって。翌朝、「きのうイズミの部屋に変な人いたよー」って母に言ったら、「へぇ、サンタさんかしら」「ううん、なんかねぇ、スーツ着てパパみたいだったよ」言うと、父が慌てて、「そ、そんなはずないよっ。パパみたいな顔してたかい?」言われて、父の顔をじいっと見た。ちょっと思い出そうとしたけど、できなかったし、少なくとも父に白いヒゲはなかった。「ちがーう。やっぱりパパじゃなかったみたい」だから中途半端な変装だった父にも、当時は本気でそう答えた。父は翌年のイブの日、交通事故で死んだ。私のためにプレゼントを買おうと街に繰り出していたとき、飲酒運転の車が突っ込んできたのだ。父は、私がその年にサンタさんに頼んだプリキュアのコンパクトを最期まで抱えていたという。それを聞き、やっぱり私にとってのサンタさんは父だったんだと知ることになった。いや、それとも父は本物のサンタさんだったのだろうか。私が人の顔を覚えられない悪い子だと知ってしまったから、あれ以来もう二度と私の前に姿を現さなくなってしまったのだろうか。「どうした、イズミ」ネカフェの個室。クリスマスの夜なのにあまりムードのない場所に、私はカズヤといる。お金が無いのに、二人きりになれる場所なんて限られてるから仕方ない。「や、ちょっとこの映画、泣けちゃって」見てるのは、前日ユイから借りたDVDの、恋愛映画の方。竹野内豊か金城武か、どっちが出てるやつか忘れたけど。そして話の内容も、あまり追えてなかったけど。主人公の男性の元カノとか今カノとか、なんかいろいろ出てきてよくわかんない感じ。それに男性もいろいろ出てきて、どれが主人公かわかんなくなりかけてた。唯一、ユースケサンタマリアぐらいは区別できた。なんかひとりだけ、場違いな雰囲気のヤツが出てるなって思った。ふと、カズヤが私の手を握る。温かいなって思う。「イズミ」私の耳元に口を近づけ、ささやく。なんだか、くすぐったい。「好きだよ」ぽあ。って、なんだか頬が赤くなる。私の目には、テレビ画面が映ってる。もしカズヤの顔を見たら、朝のマジックを一生懸命ゴシゴシ洗い落として、真っ赤になった口元が見えて、笑っちゃうって思ったから。あ、でも、ヤダ。思い出し笑いしそう。…だけど次の瞬間。目の前が真っ暗になる。カズヤの唇が、私の唇に触れる。今ので、ぜんぶ忘れた。頭の中は、真っ白になる。幸せだな、って思う。このまま、イヤなことなんて何も思い出さないで、終わっちゃえばいいのに。テレビだけが静かに、映画のエンディングテーマを流している。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2014年12月25日「よっ」キャンパス内、スペイン語の授業に向かう途中。目の前に立ちはだかった男性の顔を見つめてる。黒マジックで、顔にラクガキされてる。口の周りには、カールおじさんみたいなヒゲ。額の方にも、なんか文字。しらないひとだ。そう思い、彼の脇を抜けていこうかとしたら、「おい、待てっ」と、手をつかまれた。覚えがある感触。よく聞いたら声も。マジか。「カズヤ?」「一応、そのつもり」歯切れ悪い。でも、カズヤなんだろう。「なんの冗談?」と、右手の人差し指で顔を指さす私。「昨日、2年の先輩の家に泊まって…寝てる間にヤラレタ。こうすれば、彼女もちゃんと顔わかるだろって」と、左手の人差し指でほほをかくカズヤ。だからって…額に「イズミの彼氏」って。恥ずかしい、恥ずかしすぎる。「教室行く前に落として」「ムリ。登校前にもがんばって落とそうとしたけど」頭がクラクラする。「じゃ、せめて隠して」カバンから箱詰めのマスクを取り出す。あと確か、ばんそうこうも…あった。幅広で、長方形っぽいやつ2枚。「おぉ、さんきゅ。イズミって、マメだね」前日に言ってほしかったこと、こんなタイミングで言われる。まぁ、マメというか、実際はその逆。ズボラで、なんでも詰めちゃうから。私のカバンはいつも、旅行者みたいにパンパンだ。「そもそも、なんでイブの夜、私を放ってサークルの飲みとか行くかな」マスクをし、額にばんそうこうを貼るカズヤに言う。それでもだいぶアレな見た目だけど、少しはマシ。「しょうがねぇじゃん、付き合いでさ」会社員みたいな返事。これゼッタイ、社畜になるパターン。なんでこんなの彼氏にしたのか。「ってか、飲みの後、会いに行く予定だったんだよ。なのに、『ムリ』とかさぁ~。俺もショックだよ」「だって、いきなり部屋は」散らかってるし。その言葉を飲み込んで、私は続ける。「一応、聞くけど。アルコールは?」「飲んでない。未成年だし」そんなとこだけマジメかっ。だったら一次会で帰れっ。そんな会話してるうちに、チャイムが鳴る。「やば、急ごう」と、私の手を取り駆け出すカズヤ。「お、イズミー」校舎に入り、廊下でふっくらした女性とすれちがう。「あ、ユイおはよー」彼女の隣の女性も、私を見て「おはよう」と言う。マナミかな、たぶん。「お、カズヤ?」「夫婦仲いいな、ヒューヒュー」男性たちも声をかけてくる。同じスペイン語クラスの生徒か。たぶん私は、カズヤと付き合ってなきゃ、彼らに声もかけられなかったろう。そう思うと、少しうれしい気もする。ただ、これから先も私は、彼らの顔を覚えることはないだろう。カズヤの顔を覚えられないのと一緒で。教室に入る。「Hola」と、先生。その挨拶がなければ、それが先生だとも判断できない。彼はまだ教壇の位置におらず、生徒も全員は席に着いてない。「Lo siento」律儀に謝る私。授業は、もう始まってる。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2014年12月18日「そっかぁ、イズミって、メガネかけてるだけでわかんなくなるんだ」カズヤは言う。ふたり、同じ授業のあと。心理学。「かけてても、かけてなくてもわかんないよ。私、人の顔覚えられないから」「うっそ、マジ? じゃあ、俺の顔も?」「だから、さっきからそう言ってんじゃん」「ははは、ひでぇな、それ」笑った。たぶん、カズヤってば信じてない。べつにいいけど。「おまえ、サイテーだな」ってののしられるよりはマシ。今までそうだったから。恋なんて、する前から終わってきた。クラスの女の子に、「○○くんって、カッコイイよね」なんて言われるたび、わたしには○○君の顔が思い出せなくて(それ以前に、目の前にいるクラスメイトの子の顔すら認識できなくて)。カッコイイとか、一目惚れするとか、ぜんぜんイミわかんなくて。でも、私に恋はムリだなって、決定的だったのが高校のとき。帰り道でいつも一緒になる男子がいた。野球部の子。ユニフォームに、大きく「川上」って名前が書いてあった。無口で、他の男子に連れられながら、「こいつ、ヤマナシと一緒に帰りたいんだって」そう紹介されたときに、体はたくましいのに、恥ずかしそうにうつむく姿が小さな男の子みたいで、かわいくて。顔は覚えられないけど、いい人だな、せめて名前だけは覚えよう。何日も続いたあとで、ちゃんと感謝の言葉を言わなきゃって思って。「えと、カワカミくん、だよね。いつも一緒に帰ってくれて、ありがと」って、あるときそう言ったら、「おまえ、マジで俺のこと、カワカミだって思ってたの?」……え、どういうこと? そう思ってるうちに、彼はため息混じりに、ユニフォームをつかみながら、ネタバラシを始めて。「これ、カワカミから借りただけ。俺はアサクラ。で、昨日おまえと帰ったのは、タケダ」「それって、つまり?」「おまえ、からかわれてたんだよ、俺たちに」……そっか。全員野球部で、見た目もあんまり変わらなかったし。声を出さないで、ユニフォームが同じだったら、私、まったく気付かないんだ。からかわれてたってわかっても、そういうことを思いつく彼らの発想が、面白いなって、感動さえしたのに。「すぐ気付くと思ってたけど。さすがに、あきれた。おまえ、いいかげんイタイよ」そんな風に、カワカミ君のユニフォームを着たアサクラ君に言われて初めて、ああ、私ってば、最低なんだなって。顔覚えられないのって、ホントに「イタイ」んだ、私。このままじゃ、男の子と恋する権利もないんだな。そんなことさえ思えて。なのに今じゃ、カズヤが隣にいて。「カズヤって、怒んないよね」「え……なにが?」ノートと教科書を、カバンの中にしまいながら、カズヤは言う。「いや、だって、さっき私、カズヤのこと気付かなかったのに、怒んなかったじゃん」「ああ、だって俺、B型だから」ケロッ、と。こともなげに言って。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2014年11月27日「竹野内豊と金城武が区別できなきゃ、恋愛できないでしょ」ユイに言われた言葉、すっごい覚えてる。そのときのユイの様子も。なんか、変なネイル付けてた……ウニやらイクラやら、お寿司のネタを10本の指に乗せてた。芸術的だけど、重そう。そんな指で、キャラメルマキアートのストローをつまみ、クルクル回してた。髪は、ポニーテール。結んだ先が本物のウマみたいにふさふさしてた。染めてはいないらしいけど、窓から注ぐ日の光に当たって、茶色に見えた。服は、紫色のニット。体にぴったりして、巨乳が強調されてた。二の腕とかも。さわったら、ぷに、ってしそう。やばい、超さわりたい、とか思った。なんの話だっけ。そう、竹野内豊と金城武。ユイが、邦画の『冷静と情熱のあいだ』って恋愛モノと、『リターナー』っていうSFモノのDVD貸してくれるって言って、私、聞いたんだ。「同じ俳優さん?」って。だってユイ、いきなり「超おもしろいから、見て」って押しつけてきて。似たようなパッケージで、同じような顔が写ってたら、そうなるじゃん。10年以上前の映画になんて、興味ないし。「べつに俳優とか見分けられなくても、恋愛できるよ」で、ちょっとだけ怒った感じでそう返すと、ユイは「ほんとに~?」って、挑発的に言う。私はミルクも砂糖も入れてない、あっついコーヒーを飲む。ずずっ、あちっ。ちょっと舌先ヤケド。「じゃあ、あんた、彼氏のどこが好きなの? やっぱ、顔なんでしょ?」ユイは尋ねた。顔。カズヤの顔を思い浮かべながら、「うーん」と、うなる。顔か。「顔、わからない」「は? わからない?」そのとき、ユイはすごい驚いた声で「冗談でしょ、なにそれ」なんて。「あ、わかった、顔よりハートって、そういうことー? うっらやましぃー、このっ」私が何も言えないでいると、ユイはそう続け、玉子のネイルが乗った人差し指で、私の頬をつつく。いや、そうじゃないけど。顔なんて、わかんない。正直、ぜんぜん覚えられない。目とか口とか、開いたり閉じたりせわしなく動いてるし。皮膚が伸びたり、シワができたり。マユゲが尺取虫みたいにぐにぐに動いたり。たまに鼻の穴が、大きくなったり、小さくなったりして。表情ってやつ? を、変えるせいで、いつも違って見える。だから、私が覚えているのは。カズヤの、よく響くテナーボイス。高い身長と、痩せても太ってもないカラダ。私を握る、手のぬくもり。首のあたりからただよう、優しいにおい。顔は、なにも思い出せない。目とか口とかが動き続けてて、いちいち覚えられない。あとで知った。こういうの、フツウじゃないっぽい。失顔症っていう、ある種の病気らしい。それでも、私は恋してる。彼の声も、カラダつきも、においも、優しさも、ぜんぶ。近くにいなくても、すぐに思い出せる。しっかり記憶してる。ただ、彼の顔。それだけが、覚えられません。(つづく)【恋愛小説『彼氏の顔が覚えられません』は、毎週木曜日配信】 目次ページはこちら
2014年11月13日女性の憧れである小顔。でも、「小顔になりたいけれど、顔の大きさや骨格は変えられないし…」とあきらめている人も多いかもしれません。顔の形や表情に大きく影響するのが噛み合わせです。噛み合わせが悪いと顔にゆがみを生じさせ、バランスの悪い顔立ちになってしまうほか、シワやたるみの原因になることも。そのほか肩こりや頭痛など、見た目だけではないさまざまな不調を引き起こすこともあるのです。■あなたは大丈夫!? 自分の噛み合わせをチェック!一見キレイな歯並びでも、実は噛み合わせがズレている…というケースは少なくありません。まずは鏡を見ながら、自分の噛み合わせをチェックしてみましょう。・歯並びがデコボコしていたり、歯と歯の間にすき間がある。・口をゆっくり大きく開けたときに口が左右にぶれる。またはまっすぐ開かない。・奥歯を噛んで「イー」の口の形にしたときに、上下の前歯の中心がズレている。・上下の歯を噛み合わせたときに、上下の前歯にすき間があいていたり、下の歯が上の歯より前に出ている。または下の歯の半分以上が前歯で隠れる。ほかにもいろいろなケースは考えられますが、これらの項目にあてはまるものがあった場合は、正しい噛み合わせではない可能性が高いようです。また、割り箸を横にして中央を噛んで鏡を見たとき、割り箸が傾いていたら噛み合わせがズレている、というチェック方法もあります。■これはNG! 噛み合わせを悪くする日常のクセとは?噛み合わせが悪くなる原因には先天的なものもありますが、日ごろの生活習慣や何気ないクセが、噛み合わせをズレさせてしまうこともあります。たとえば、いつも決まった側の肩にバッグをかけたり、頬杖をつくクセのある人は要注意。知らず知らずのうちに、顔をゆがませる原因になってしまっているかもしれません。寝るときの姿勢なども噛み合わせに影響することがあります。いつも体の同じ側を下にして寝ている、高さが合わない枕を使う、などはNG。とくに枕は、低いものを使う方が顎や首には負担がかからないといわれています。また、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎に大きな負担をかけることになってしまいます。朝起きたときに疲れや顎の痛みなどがある場合は、自分でも気づかないうちに歯ぎしりをしている可能性が。眠っているときの様子を、一度家族などに聞いてみてもいいかもしれません。■ゆがみを直して小顔に! 噛み合わせを改善する方法とは噛み合わせを改善する方法には、自分でできる簡単なものもあります。まず、頬杖やバッグの持ち方、就寝時の姿勢など、思い当たるクセがある人は今すぐ改善を。食事をするときには、両側の歯でバランスよく噛むように心がけましょう。柔らかいものばかりではなく、歯ごたえのある硬いものを食べるようにするのも大切です。また、意識して「噛む」ためにガムを噛むのもおすすめです。20~30分くらいかけて、左右の奥歯、前歯と、すべての歯を使って噛むようにするとよいでしょう。自分で改善できない場合は、矯正歯科で治療を受けることによって正しい噛み合わせに導くことができます。現在は、矯正に使用する器具もさまざまで、透明なマウスピースタイプや歯の裏側に装置を取り付ける裏側(舌側)矯正など、周りから気づかれにくいものもあります。(症状によって使用できる装置は異なります)矯正歯科医院では無料相談を受けつけていることも多いので、気になる場合は一度相談してみるとよいでしょう。
2014年10月01日小顔になりたい! と思っても、顔痩せはなかなか難しいもの。ならばメイクで一瞬にして小顔を作りましょう。小顔メイクに必要なのはメリハリと立体感。特にハイライトの使い方がポイントです。■小顔に見せるハイライトの選び方小顔メイクの基本は光効果によるメリハリ。顔がのっぺりと大きく見えてしまう…というときは、サッとハイライトを入れれば、一瞬で立体感のある小顔に見せることができます。ハイライトというと、白いパール入りパウダーを思い浮かべる人も多いかもしれません。でも白い色は浮いてしまい、不自然な印象になってしまうことも。明るめのオークルやピンク、ゴールド系のブレストパウダーを選ぶと、肌馴染みもよく自然に仕上がります。ブラシは大きすぎないものを。ブラシが大きいと、ハイライトが入れたい場所以外にも広がってしまい、狙った小顔効果が出せません。チークブラシよりも小さめの、あまり厚みがないものを選びましょう。■鉄板のTゾーン&Cゾーンも、入れ方一つで逆効果!?ハイライトを入れる場所といえば、基本とされているのが「Tゾーン」と「Cゾーン」。Tゾーンとは額から鼻筋、そして顎先のT字型の部分。Cゾーンとは目の外側の、眉尻のあたりから目尻の横を通り、頬骨の上あたりまでの「C」の形を描く部分です。Tゾーンにハイライトを入れることによって鼻筋がスッと通って見え、Cゾーンのハイライトは目元をパッと明るく見せてくれる効果があります。でも、ただ何気なく入れただけでは逆に顔を大きく見せてしまう可能性も! 小顔に見せるには、ハイライトの入れ方にもコツがあるんです。まず、小顔に見せたいならCゾーンへのハイライトはNG。目尻の横にC字型にハイライトを入れると、顔が横に広がって見え、小顔効果が演出できません。目元のハイライトはCゾーンではなく、目の下の、目頭~目尻~小鼻のうえあたりを結んだ三角ゾーンに入れるようにしましょう。こうすることで顔の中心に光を集め、引き締まった印象を作ることができます。また、Tゾーンにハイライトを入れるときは、鼻先までしっかりと入れると、鼻が間延びして見え、顔が長く見えることにも。額部分に狭めの幅で入れ、鼻先まで伸ばさず鼻の上部分で止め、顎先にはのせません。この三角ゾーン&Tゾーンのハイライトで、顔全体の雰囲気をシャープにし、メリハリある小顔に見せることができます。ハイライトはくれぐれも入れすぎないように注意しましょう。ブラシでサッと軽くのせ、「他人から見たら分からないかも?」というくらいがベストです。目立たないけれど効果は絶大! 簡単ハイライトテクで、一瞬でメリハリ小顔を手に入れてください。
2014年04月02日歴史の教科書に掲載されていた人物の写真。誰の写真を覚えていますか? ほとんど落書きの対象になるでしょうから(笑)、誰もが忘れないですね。イメージが強く、今でも覚えている歴史上の人物画(写真)を聞いてみました。調査期間:2012/11/28~2012/12/04アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 1,000件(ウェブログイン式)■歴史の教科書に掲載されていた偉人などの写真で、一番に頭に浮かぶ人物は誰ですか?●第1位織田信長170人17%●第2位坂本龍馬125人12.5%●第3位フランシスコ・ザビエル91人9.1%●第4位聖徳太子80人8%●第5位徳川家康45人4.5%●第6位西郷隆盛42人4.2%●第7位ペリー提督39人3.9%●第8位伊藤博文36人3.6%●第9位福沢諭吉32人3.2%●第10位豊臣秀吉27人2.7%写真のない時代の人物はもちろん肖像画ですが、やはり大きな業績を残した人の姿の方が印象が強いようです。外人が2人入っています。フランシスコ・ザビエルさんは、やはりあのカッパ感というか、ハート感が大きなインパクトを与えているのでしょうか。ペリー提督はあのすかした大きな顔とでっかい体ですかね。なぜその人の姿をよく覚えているかを聞きましたのでご紹介します。●織田信長初めて見たときに、武将なのに薄っぺらい顔をしてるなと思ったから。(東京都/女性/25歳)戦国時代の英傑・織田信長さんは有名な肖像画が残っています。やはり業績もスゴイので印象に残るんですね。豪放磊落(ごうほうらいらく)な感じがしますが、実は下戸でお酒は飲まなかったそうです。●坂本龍馬それ以前の偉人は肖像画がほとんどだった。写真といえば龍馬。(埼玉県/女性/28歳)幕末の人なので写真がきっちり残っています。福山雅治さんが演じたNHK大河は視聴率も良かったですしね。●フランシスコ・ザビエルツルッとした髪型と、頭の上に星が光っているのが印象的だった。(東京都/女性/32歳)なぜか人気のザビエルさん(笑)。あのちょっとかしげた首の感じがいい味を出しています。●聖徳太子本当は全然似てないのでしょうが、小学校の授業でも習う人なので刷り込みで記憶しています。(大分県/女性/23歳)お札にもなった聖徳太子の肖像画は、8世紀ぐらいに描かれたのではないかと推定されています。●徳川家康妙にインパクトがある肖像が使われている気がする。(東京都/男性/25歳)徳川家康はとてもたくさん肖像画の残っている人なのですが、並べてみるとなんだか似てないのがあるそうです。●西郷隆盛歴史上の人物には珍しく、ふくよかな体形をしていたから。(新潟県/女性/25歳)西郷隆盛さんは、大変に写真嫌いな人だったので、実は写真が一枚も残っていないのです。教科書などに載っているのは、モンタージュで作られたもの。もし西郷さんの写真が出てきたら大騒ぎになります。●ペリー提督いろんな人が教科書に落書きをしていたから。(千葉県/女性/26歳)幕末に黒船でやって来て、日本に圧力外交を仕掛けた提督です。マシュー・カルブレイス・ペリーが本名です。●伊藤博文子供のころ一番身近だったお札の肖像画だったので、気になってた。(栃木県/男性/40歳)伊藤博文さんは初代首相として有名ですね。幕末の志士時代の若いときの写真を見ると、お札の基になった写真とは全く違っていてビックリしますよ。●福沢諭吉生活の中でも目にする方の偉人だから。(東京都/女性/25歳)お札にも採用されている福沢先生です。「自分の出身大学ゆかりの人物だから」というご意見も。●豊臣秀吉インパクトが大きい(猿っぽくて)から。(東京都/女性/24歳)信長さんは「はげねずみ」と呼んでいたそうです(笑)。「サル」にしろ「はげねずみ」にしろ、あまりイイ呼び名ではありません。イケメンでなかったことだけは確かですね。皆さんは歴史の教科書に出てきた人物で、肖像画を覚えているのは誰ですか?(高橋モータース@dcp)
2013年01月30日みなさんは家族の誕生日って覚えていますか?私は両親と妹の誕生日はちゃんと覚えているのですが、祖父母の誕生日がどうもあいまいで……。いつも誕生日が過ぎてから「誕生日いつだっけ?」なんて聞いてあきれられています(笑)。さて、読者のみなさんはちゃんと家族の誕生日を覚えているのでしょうか?アンケートで調査してみました。調査期間:2012/5/28~2012/5/31アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 1,000件(ウェブログイン式)Q.家族の誕生日は覚えていますか?全員覚えている……791人(79.1%)全員ではないが覚えている……136人(13.6%)まったく知らない……73人(7.3%)なんと約8割の読者が、「家族全員の誕生日を覚えている」と回答。これはかなりすごい数字だと思います。また、「全員ではないが覚えている」と回答した読者に、家族の中でだれの誕生日を覚えているのか聞いてみたところ、一番多かったのは『両親の誕生日』でした。やはり自分を生んでくれたお父さん、お母さんの誕生日は覚えているものですよね。次に、家族の誕生日を覚えていると回答した927人の読者に、こんな質問をしてみました。Q.家族の誕生日のお祝いはしますか?はい……549人(59.2%)いいえ……377人(40.7%)次にどんな誕生日のお祝いをするのか聞いてみました。●ケーキを買って家族みんなで食べます。(24歳/女性)一番多かったのがこの回答でした。やはり誕生日と言えばケーキでですよね。オーソドックスですがうれしいお祝いです。●家族で食事してケーキが王道パターン。仕事関連で行けなければ、プレゼントとか宅配でする。(26歳/女性)家族への愛が溢(あふ)れていますね。プレゼント宅配とかかっこよ過ぎます。●だんなさんの誕生日は毎年同じレストランでお祝いをしています。(31歳/女性)なじみの店でのこういうお祝いもいいですよね。●家族と離れて暮らしているので直接的なお祝いはできないのですが、家族の誕生日にはバースデーカードを送ることにしています。(23歳/女性)最近だと携帯メールで済ましてしまう人が多いですから、バースデーカードはうれしいですよね。●家族の誕生日は母が豪勢な料理を作ってくれるので自宅でささやかにお祝いするのが定番です。(23歳/女性)豪華な外食もいいですが、こういった家庭の温かみが感じられるお祝いもいいものです。●子供の誕生日には自分でケーキを焼く。(34歳/男性)料理が趣味の方なんでしょうか?お手製の誕生日ケーキなんてお子さんは絶対に喜ぶでしょうね!●家族はしないけど、自分のはする。(31歳/男性)なぜか涙が……(笑)。家族全員の誕生日を覚えている人が多く、なおかつ誕生日もちゃんとお祝いしている人も多いようでかなり驚きました。人間関係が希薄になったと言われている現代ですが、今回のアンケートを見ると、案外そうでもないのだと感じました。(貫井康徳@dcp)
2012年10月06日「携帯電話を持つようになってから、電話番号が覚えられなくなった」と感じている人は多いのでは?今回は、どのくらいまで電話番号を覚えているのか、マイナビニュース会員の方に聞いてみました。調査期間:2012/4/12~2012/4/16アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 992件(ウェブログイン式)■自分(881票)「自分のしか覚えていない。人の携帯番号まで覚えていないので、携帯の電源が切れてしまったときは連絡を取れないで焦る」(23歳/女性/兵庫県)「昔はほとんど覚えていたはずなのに、いつからか覚えられなくなってきた」(25歳/男性/東京都)「自分のだけは、書類を何回も書いているうちに覚えてしまった」(23歳/女性/神奈川県)さすがに自分の番号は、9割の方が覚えているとのこと。色んな書類に書いたり、人に教えたりもしますもんね。ちなみに、この881人のうち「自分のしか覚えてない」という方は568人。今回のアンケートでは約6割という結果になりました。■親・兄弟(219票)「震災を期に、父親の携帯番号は覚えるようにした」(27歳/女性/千葉県)「親・兄弟でも、一番かける母のものだけ覚えていて、ほかの家族のものはまったく分からない」(25歳/女性/愛知県)自分以外で覚えている人が多いのは、親・兄弟の携帯番号。「もしも」のときを考えると、一番に身内との連絡を……というのも納得です。一家の大黒柱である父親、もしくはよく連絡をする母親など、身内の誰か一人だけはという方も。「自分が携帯を持つ前に聞いた番号なので、覚えている」(37歳/女性/栃木県)たしかに、友人たちとは携帯を持ち始めた時期が重なる場合も多いですし、付き合いの長い相手のほうが、覚える機会もあるかもしれません。■恋人や配偶者(175票)「家からかけるので、彼氏の電話は覚えている」(30歳/女性/神奈川県)「何かあった時のために、だんなの番号だけは覚えている」(29歳/女性/大阪府)「恋人の番号を覚えてなくて怒られたので、覚えるようになった」(30歳/男性/東京都)よくかける人の番号、ということで、身内の次に覚えている方が多いのが恋人・配偶者という結果に。しかし、中にはこんな方も。「今でも元彼の番号を覚えてしまっている……もういらんのに」(31歳/女性/千葉県)メモリーなら消せばすみますが、自分の頭の中の記憶はそうもいかないのが困ったところです。■親友(27票)「登録はもちろんするけれど、頭の体操と思ってできるだけ覚えるようにしています」(37歳/女性/千葉県)「常にもしもを考えて生きているので」(26歳/女性/福岡県)一気に票数が少なくなってしまった感がありますね。多くの方は、恋人・配偶者までが限界ということでしょうか。それ以上となると、たとえ親友でも、なかなか覚えていないようです。バックアップを取っておくか、手帳などアナログな方法で残しておくかしないと心配ですね。「友達の携帯番号は覚えていないが、家の電話番号なら覚えています。中学の時までは携帯を持っていなかったので」(23歳/女性/大阪府)というケースも。■職場の人(18票)「上司の番号は覚えてしまった。電話を出る前にわかってしまって、憂うつ」(25歳/女性/東京都)「職場の貸与携帯電話は連番なので、嫌でも覚えてしまう」(28歳/男性/東京都)職場の上司や、一緒に仕事をしている同僚もよくかける相手。自然と覚えてしまったという方もいるようです。また、上司の番号を覚えていなくて怒られたというお声もありました。■それなりに仲の良い友達(13票)「入っている人の番号をみんな覚えていて、ビックリされました」(27歳/男性/和歌山県)「覚える気はなかったが、子どもの関係で緊急連絡カードを毎年書かされるので覚えてしまった」(31歳/女性/埼玉県)ここまで覚えている人は、かなりの少数派でしょう。よほど記憶力のよい人か、コメントにあるように何度も見る機会がなければ、覚えられなさそうです。ちなみに、今回のアンケートで「誰のも覚えていない」と答えた方は、52人いました。「自分の番号ですら覚えられず、携帯番号を電話帳に登録している」(37歳/男性/宮崎県)何となく分かるかも。自携帯のプロフィール欄を探すのって、案外面倒ですよね。「一つも覚えていない。正直、変わる可能性がある番号はわざわざ覚える必要性は感じません」(31歳/男性/東京都)たしかに、せっかく覚えても携帯を変えたり、「もう一台持ったから仕事用はこっちに」などとなったりすることもありますよね。携帯がこれだけ普及し、家の電話にも便利な機能がついているご時世、電話番号というのは覚えるものではなくなってきたのかもしれません。皆さんは、どのくらいまで覚えていますか?(島田彩子)
2012年05月20日