映画のセリフや効果音はそのままに、劇中の音楽をフルオーケストラが生演奏する今話題のライブ・エンタテインメント“シネマ・コンサート”。今回は『スター・ウォーズ/新たなる希望』の登場だ。現在も続く名作「スター・ウォーズ」の第4章であり、1978年、シリーズの記念すべき公開第1作目。画期的な映像、スリリングな冒険物語、斬新なキャラクター、そして巨匠ジョン・ウィリアムズの重層な音楽は、何度見ても感動する。「スター・ウォーズ」の映像(映画全編上映)と音楽の素晴らしさを、東京フィルハーモニー交響楽団の生演奏で楽しむコンサート。会場は、音に包み込まれるような最高の音楽環境・フェスティバルホールだ。「スター・ウォーズ in コンサート JAPAN TOUR 2018」チケット情報「シネマ・コンサート」は映画音楽を繋げる演奏会ではない。だから『スター・ウォーズ in コンサート』のオープニングは、20世紀フォックスのファンファーレが高らかに金管セクションの生演奏で鳴り響く。会場全体が「おぉ!」。そして「A longtime ago in a galaxy far~」と大スクリーンに映し出されると、あの「スター・ウォーズ」のテーマ曲が!もう、幕開けから気分はアガりまくりだ。セリフや効果音などはそのままに、音楽部分だけ切り取るという最新のデジタル技術によって誕生した「シネマ・コンサート」。今回、東京フィルハーモニー交響楽団を指揮するのは、ニコラス・バックだ。オーストラリア出身の多才な音楽家は、スクリーンに映し出される映像とオケを見事にシンクロさせる。何度見ても興奮する『スター・ウォーズ/新たなる希望』の映像だが、生演奏のライブ感により、ジョン・ウィリアムズの音楽がいかに素晴らしいかを改めて知ることになる。聴いただけで心が高揚するメイン・テーマも、ダークで不敵なスケール感が圧倒する帝国のテーマ(ダース・ベイダーのテーマ)も、なんと壮大で繊細な楽曲か。6月29日(金)に映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開される。まだルークと出会う前の、銀河一のパイロットを目指す若きハン・ソロを描く作品だ。その後半で、ミレニアム・ファルコン号の操縦席に座るソロとチューバッカというおなじみの絵が出来上がった瞬間、流れるテーマ曲。涙が出そうなほど憎い演出に、「スター・ウォーズ」の音楽の力を改めて知ることになる。『スター・ウォーズ in コンサート』の生演奏の体感は、今後の映画シリーズすべてを豊かにしてくれるだろう。公演は、8月4日(土)の大阪・フェスティバルホール公演を皮切りに、名古屋、浜松、札幌、仙台、福岡、東京で開催。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2018年07月02日今年3月にSeason16を終了したテレビドラマ「相棒」。2000年からのドラマシリーズに加え、劇場版4作、スピンオフ2作を生み出した超人気作だ。この「相棒」を、オーケストラと生バンドの演奏、さらに特別編集された名場面映像で楽しむイベントが『相棒コンサート‐響‐』。2014年の第1回目が大好評で16年に2回目、そして待望の3回目が開催される。ドラマ「相棒」の進化と共に、イベントもシリーズ化の勢いだ。前回は、大阪国際会議場グランキューブ大阪での開催だったが、今回はフェスティバルホールで2回公演を予定。その楽しみどころを紹介しよう。「相棒コンサート-響-」チケット情報【音楽と映像を楽しむ】音楽と指揮を担当するのは、「相棒」シリーズの音楽を手掛けてきた作曲家・池頼広。演奏は、相棒サウンドトラック・オーケストラ&バンド、相棒CHOIR。ドラマや劇場版のオープニング曲をはじめ、人気の高い挿入曲など、おなじみの曲の数々がそのシーンの映像とともに生演奏される。思い出が甦り、ファンにはたまらない。音の響きも雰囲気も最高級のフェスティバルホール、このぜいたくさを存分に味わおう。【スペシャルゲストを楽しむ】これまで毎回、2名のスペシャルゲストが出演している。今回のゲストは、警視庁捜査一課の刑事・伊丹健一巡査部長(川原和久)。事あるごとに捜査に首を突っ込む「特命係」を疎ましく思っているが、正義感を秘めた熱血漢で、美女に弱い。もうひとりは、刑事部参事官・中園照生(小野了)。内村刑事部長の腰巾着的存在で、「特命係」を捜査から排除しようとするが、内心では「特命係」の能力を認めている、家族思いの男。前回は東京のゲストだったふたりが今回は大阪に登場。生の伊丹さんと中園参事官が語る、ここでしか聞けないエピソードや撮影秘話を楽しみに。【ナビゲート映像】「特命係」係長の杉下右京(水谷豊)が出演。『相棒コンサート‐響‐』を、あの声でナビゲートしてくれるのは、お馴染みの右京さん。もう、ごきげん!ライブならではの迫力と臨場感で「相棒」の新たな魅力や楽しみ方を体感できる、内容充実のプレミアムコンサート。「相棒」ワールドを堪能しよう!公演は、9月23日(日・祝)・24日(月・祝)東京国際フォーラム ホールA、10月6日(土)大阪・フェスティバルホールにて開催。なお、9月23日(日・祝)の東京公演に13:00の追加公演が決定し、東京・大阪で全5公演が行われる。チケットは6月24日(日)10:00より一般発売開始。取材・文:高橋晴代
2018年06月22日元AKB48の高橋みなみが、5月30日に渋谷 TSUTAYA O-EASTで行われた「高橋みなみのこれ何?フェス2018」に出演した。このイベントは、高橋がパーソナリティを務めるラジオ番組『高橋みなみの「これから、何する?」』(TOKYO FM/月曜~木曜13:00~)が開催したもの。イベントのオープニングに登場した高橋は、「みんな若くない?」と客層の若さに驚いた様子。そして「番組スタートからまる2年経ち、3年目に突入しました! そしてたくさんの皆様のおかげでこうやってフェスを開催することができました! ありがとうございます! ぜひ最後までお付き合いください」と感謝の言葉を語った。その後、スペシャルトークゲストの人気YouTuberユニット・カイワレハンマーが登場すると、会場から黄色い歓声が上がり、高橋が「こんなにファンいるの? 私もこんな歓声浴びたことないよ!」と驚く場面も。イベントのトリには、Creepy Nutsが登場。途中水をこぼしてしまうアクシデントも、「イベントの大トリを務めさせていただいているのですが、今私はステージで床を拭いています」と笑いを誘う。そして高橋が「Creepy Nutsでした! ありがとうございました!」と締めくくろうとしたところ、Creepy Nutsは「いやいやこれ誰のフェスですか!まだたかみなさん歌ってないですよ!」と発言し、高橋みなみとコラボで曲を披露する流れに。高橋の楽曲「いつか」を披露した。また同イベントにはこの他にも、Awesome City Club、緑黄色社会、モーリー・ロバートソンなどが出演した。
2018年06月01日昨年、東京で上演された音楽劇『マリウス』が関西に初登場。本作は、フランスの人気作家マルセル・パニョルの戯曲で、山田洋次監督が映画「寅さん」シリーズを書くきっかけとなった作品だ。思い入れある作品で、山田監督自ら作品の脚本・演出を手掛けた。物語の舞台は、1931年の地中海に面したフランスの港町マルセイユ。船乗りになる夢を持つマリウスと幼なじみファニーのラブ・ストーリーを軸に、ふたりを取り巻く人たちの愛と温かな交流が生き生きと描かれる。今回、降板となった今井翼のピンチヒッターとして、ジャニーズWESTの桐山照史がマリウスを務め、瀧本美織が初演に続いてファニーを演じる。大阪公演に向けて、瀧本に作品への想いや意気込みを聞いた。音楽劇「マリウス」チケット情報初演では、山田監督の強い思い入れを感じた作品だった。「恋人同士の愛情はもちろん、親から子供への愛とか、いろいろな形の愛にあふれた作品で、その愛は日本でもフランスでも同じなんだと。ファニーとして生きられたことで、自分にとっても人生には愛が必要だと感じられた舞台でしたね」。本作は音楽劇で、初演ではその難しさを感じたという。「芝居に入ってくる歌は、歌うというより、セリフのように歌う、喋るように歌うという感じで、すごく難しかったです」。初舞台ではタンゴを踊ったこともあったが、今作ではフラメンコを披露した。「体を動かすのは大好き。やったことのないジャンルでも、ダンスは好きです。楽しいなっていつも感じます」と笑顔を見せる。ファニーは夢を追いかけるマリウスを愛し、送り出す女性。「苦渋の決断だったと思いますが、大人の女性だからできる我慢のようなものがファニーの芯の強さとして表せたらいいなと。もし自分だったらと思うと、辛いですよね。もう一生会えないかもしれないですし。子供というプレゼントも残してくれてうれしい気持ちもありつつ、複雑ですね。みなさん、自分だったらどうするかなって思って観ていただければ。人情味あふれるお芝居なので、大阪の方に“あぁ、人ってこうだよな”って感じていただけたらうれしいですね。かっこ悪くても、それが愛だよなって。そこに感動があり、涙も笑いも詰まっています。大阪でもフランスの風を感じられる舞台だと思うので、気軽に遊びに来てほしいです。桐山さんがマリウスになったことで、また新しい大阪ならではの笑いが入るかもしれないですね。私も楽しみです、そこは(笑)」。公演は、6月8日(金)から26日(火)まで大阪松竹座にて上演。チケットは、5月5日(土・祝)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、チケットぴあでは5月3日(木・祝)昼12:00から23:59まで電話先着先行を実施。■チケットぴあ電話先着先行【受付対象公演】大阪公演全公演【受付期間】5月3日(木・祝) 昼12:00~23:59【受付電話番号】0570-02-9500【枚数制限】1人2枚まで。取材・文:高橋晴代
2018年05月01日120年の時代を超えてなお、上演され続けるエドモン・ロスタンの純愛物語『シラノ・ド・ベルジュラック』。舞台は17世紀のフランス。剣の達人で詩人のシラノは誰もが認める男の中の男だが、自分の醜さを恥じて愛する従妹ロクサーヌに本心を伝えられない。詩を愛する美しいロクサーヌは、若くハンサムな軍人クリスチャンと惹かれあう。ふたりから信頼されるシラノは恋の仲裁役となり、愛をうまく言葉で表現できないクリスチャンに力を貸す。彼からロクサーヌへ渡す手紙に自分の真の想いを託して…。「シラノ・ド・ベルジュラック」チケット情報シラノには吉田鋼太郎、ロクサーヌは黒木瞳、そして大野拓朗と白洲迅がWキャストでクリスチャンを演じる。2016年の『花より男子The Musical』に続く鈴木裕美の演出で、2年ぶりの舞台となる白洲が来阪。稽古開始を控え、その思いを語った。「久しぶりの舞台なので、すごく新鮮です。吉田鋼太郎さん、黒木瞳さん、おふたりの強いエネルギーを感じながら舞台に立てることが一番の楽しみでもあり、怖くもあります。でも、すごい経験だと思うので挑戦ですね。やるしかないという気持ちです」と意気込みを語る白洲。演じるクリスチャンについては「とにかく純粋だと思う。とても熱い情熱を抱く一方で、ちょっとオバカなところも(笑)。登場人物の中で一番おもしろいキャラクターだと思うので、おもしろく、可愛く、愛されるおバカなキャラクターをコミカルに演じたい」。会見でスラスラとしゃべっているように思うが、実はそうではなかった。ロクサーヌへの想いを言葉に出来ないクリスチャンに、白洲は「とても共感します」と言う。「僕も本当に口ベタで、そのまんま。基本は人の話を聞いていたいんですよね。自分の話をするのは、恥ずかしくなってしまうので、あまり得意じゃないんです」と、シャイな一面も。今回の上演台本はマキノノゾミと鈴木哲也。演出の鈴木と共に、これまでにない『シラノ』を創り上げるとか。「今ふうの若者言葉とかも入ったりするので、より伝わると思います。古典の戯曲ですが、現代的なシラノになると思うので楽しみにしていただきたいですね」。白洲は舞台が好きだ。「稽古の時間も数多い公演の回数も、それだけチャレンジする場があるということ。これだけ時間をかけてひとつの作品を作っていけるのは、すごく贅沢で幸せな時間。お客様の前に立てることを心から幸せに思い、楽しみに感じています」。公演は、5月15日(火)から30日(水)まで東京・日生劇場、6月8日(金)から10日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2018年04月06日「飲むエステ」が新登場人気エステティシャン 高橋ミカがプロデュースする「飲むエステ」が、高橋ミカ公式ミッシーリストにて販売が開始された。エイジング世代をサポートする美容成分(マルチビタミン&ビタミンC、コラーゲン、乳酸菌など)をバランス良く配合。ヨーグルト味で、飲みやすく、続けやすいアイテムとなっている。1箱15包入りで、通常価格は3,200円(税抜き)。お得な3個セットは、10%オフの8,640円(税抜き)で購入することができる。3月31日まで送料無料。送料無料で毎月自宅に届く「毎月お届けコース」は、毎月1回1箱が届いて、1ヶ月あたり2,880円(税抜き)。飲む美容液で、内側から美しさを磨いてみてはいかがだろうか。高橋ミカのプロフィール高橋ミカは、大手エステティックサロンにて経験を積んだ後、27歳で独立。2004年9月に「ミッシィボーテ」をオープンさせ、多くの著名人や芸能人を顧客にもつ。「ミッシィボーテ」を主宰する他、化粧品のプロデュースや、美容講座の講師としても活躍。テレビなどへの出演も多い。著書には「4STEP毒素排出マッサージ」、「高橋ミカの美人の掟」、「毒素排出マッサージ」、「腸美人ダイエット」などがある。(画像は高橋ミカ公式ミッシーリストより)【参考】※高橋ミカ公式ミッシーリスト※高橋ミカ オフィシャルブログ
2018年04月04日ダンス・エンタテインメント集団・梅棒の第8弾『Shuttered Guy』に、エグスプロージョンのまちゃあきが参加する。ダンスとお笑いを融合し、ポップな音楽に乗せて踊るエグスプロージョンのパフォーマンス『本能寺の変』は、YouTubeで再生回数が5700万回を超える大ヒット作。梅棒は、Jポップのヒット曲を巧みに使って物語を構成、ほぼセリフなしにダンスで表現する。カテゴリーは同じダンス・エンタテインメントだが、異色の2組。梅棒のリーダー・伊藤今人は、彼らの活躍ぶりを見ながら「まちゃあきさんなら、興味を持ってくれるかも」と参加を打診し始めた頃、まちゃあきは梅棒の第5回公演を初めて観劇「刺激だらけでした。ずっと出たいと思っていた」。互いの相思相愛に気づかぬまま時は過ぎ、ついに今回、双方の念願が叶った。その新作は、人情味あふれる商店街で巻き起こる大騒動を描く“エキセントリック・ハートウォーミング・コメディ”だ。梅棒 8th SHOW『Shuttered Guy』チケット情報今回の舞台は、男性10名の梅棒メンバーに11名のゲストが出演。梅棒が出来ないジャンルで、一芸を持っている人をバラエティ豊かに誘っている。まちゃあきは梅棒への印象を「Jポップとダンスと芝居、そこを完全にミックスさせた新たな色の舞台。普通の演劇を観るよりずっと感動の幅はデカイかな」と語る。彼の役柄は、商店街で八百屋を営む娘想いのお父さんだ。「商店街を愛していて、訪れたピンチを乗り切ろうと頑張るお父さんです。1977年発表の昭和歌謡で踊ってもらいます」(伊藤)。本作では24曲使い、緩急つけて場面を展開する。「新しい曲から古い曲まであるので、どんな方が観られても楽しめる舞台だなって思う。昔の歌謡曲の奥深さもメッチャ出てるし。で、このシーンにはこの曲っていうのが、バチッとハマる」(まちゃあき)。「ほんとは『三丁目の夕日』みたいなハートウォーミング・コメディを作ろうと思ってたんですけど、梅棒でやろうとすると自然とエキセントリックにならざるを得なかった(笑)。終盤はマジかよ!っていう展開になります。そこも楽しみにしていただければ」(伊藤)。学ランの印象が強いまちゃあきだが「学ランじゃない僕も観に来てくださいね。新しい自分にも挑戦できるなというところを見ていただきたいなと。20人で大阪に最高の“変”を巻き起こします。『梅棒の変』『エンタメの変』を楽しみに!(笑)」。3月28日(水)・29日(木)東京・THEATRE1010にてプレビュー公演、3月31日(土)・4月1日(日)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、4月6日(金)から8日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、4月12日(木)・13日(金)福岡国際会議場 メインホール、4月18日(水)から26日(木)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2018年03月28日今年も高橋一生から目が離せない。最新版の広辞苑にも「朝ドラ」という言葉が掲載されたが、その朝ドラことNHK連続テレビ小説『わろてんか』にも出演中、当初から、ヒロインをはさんだ三角関係における、噛ませ犬的役割を担ってきたが、折り返し地点を過ぎ、いよいよワンチャンの可能性も見えてきたような、見えてこないような状況で、高橋は、映画づくりに燃えながら、何かにつけヒロインを支えてしまう男(伊能栞)を、情感込めて演じている。この栞のモチーフになっている実在の人物のひとりが、『嘘を愛する女』を配給している東宝の創始者・小林一三である。そして、『嘘を愛する女』でも高橋は、またまた、ヒロイン(長澤まさみ)を助けてしまう男(役名:小出桔平)として登場する。キャリアウーマン(プレスシートにはこう書いてある)の川原由加利は、困っているときに手を差し伸べてくれた小出桔平と、あるとき、偶然再会。彼を家に住まわせるようになる。仕事が忙しい彼女のために、桔平はご飯を作るなど、何かとお世話する。いわゆる、"慰めて抱きしめる"ビューネくん(化粧品のCM)みたいな癒やしキャラで、そのうえ、金縁・丸メガネでお医者さん(研究医なのでまだそれほど収入がない)。わたしのうちにもこんな高橋一生がいてほしい~と思って見ていたら、彼が突如、くも膜下出血で意識不明になってしまう。そのせいで、名前も経歴もすべて「嘘」だったことがバレてしまう。小出桔平はいったい何者なのか? 由加利は、桔平の残したヒントに導かれるように、瀬戸内の島々を旅して回る。そこで、知る、衝撃の真実。ババーン! 涙!これが、映画の骨子である。このへんまでは、予告編でも描かれていて、ここから少々ネタバレをするが許してほしい、そうしないと、この映画における高橋一生の凄さが伝えられないからだ。○ベッドで寝ているシーンの多い高橋一生映画の大半は、長澤まさみの、小出桔平(仮名)の真実を探すロードムービー的なもので、高橋一生は、ほとんどベッドで寝ている。むしろ、長澤まさみと捜査旅行をする探偵役の吉田鋼太郎のほうが出演時間が長いのではないかと思えるほどだ。吉田鋼太郎もかっこいい。中江和仁監督は「『殺人の追憶』のソン・ガンホをイメージしたいと吉田さんに伝えました」とプレスシートのインタビューで語っているほどで、ほんとうに大活躍だ。なんということだろうか! 我々は騙されたのだろうか。映画のタイトルが『嘘を愛する女』だけに? と劇場でぎりぎりぎりとなるのは、ちょっと待ってほしい。見た人は共感してもらえると思うのだが、これが不思議と、高橋一生ロスにならない。どんなに寝ていようと、どんなに吉田鋼太郎が熱演しようと、どんなに長澤まさみががんばろう(長澤まさみのやさぐれたキャリアウーマンっぷりもすごくいい)と、この映画は、高橋一生に支配されている(ここ二重線を引いて読んでほしい)。そこが、この映画と高橋一生の凄さであり、とっても企みに満ちた映画だと思う。どれだけ、高橋一生に支配されているか、まだ観るか迷っている人はぜひ、確認してほしい。少なくとも、ヒロインと同じような気持ちで、高橋一生(桔平)が何者であるか、最後まで旅するような気持ちで観ることができる(瀬戸内の風景も素敵です)。○台詞がなくても饒舌さて、高橋一生である。いつも穏やかにうっすら微笑んでいるにもかかわらず、なぜか、憂いが拭えない雰囲気を醸す高橋一生だからこそ、この謎の男が演じられる。今度は、目を閉じてしまったその顔にまで、憂いを含んだ秘密をのぞき見てしまう。監督は、プレスシートで「台詞がなくても表情や雰囲気だけで、何か背負っている陰のある人に見せたかった」と、それが高橋にハマったと語っている。とはいえ、そんなに寝ているばかりなのか? そうでもない。秘密にまつわる、あんなシーン、こんなシーンもあるし、なんといっても、ヒロインとの出会い、家でのイチャイチャなどが、かなりたっぷり描かれている。そこでの、ゆるいトップスの襟からのぞく首筋と鎖骨の窪みは、台詞以上に饒舌であり、秘密を隠している。ちなみに、吉田鋼太郎の助手を演じているDAIGOのロン毛でメガネのオタクのような風貌は、高橋一生が、かつて『池袋ウエストゲートパーク』(00年)に出演していたときを思い出させる。当時は、色もの枠だった彼が今や、恋愛映画の王子様役とは感無量。主題歌の作詞は坂元裕二、歌は松たか子と、高橋の代表作になったドラマ『カルテット』(17年)の脚本家と共演者。やっぱり、『嘘を愛する女』は隅から隅まで、高橋一生色の映画なのである。■著者プロフィール木俣冬文筆業。『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中。ドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書『挑戦者たちトップアクターズ・ルポルタージュ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』、構成した書籍に『庵野秀明のフタリシバイ』『堤っ』『蜷川幸雄の稽古場から』などがある。最近のテーマは朝ドラと京都のエンタメ。
2018年01月27日狂言師野村萬斎が1998年から毎年1月に開催してきた「万作萬斎新春狂言会」が20回を超え、来年でサンケイホールブリーゼでの公演も10年目。常連客と共に、初めて狂言を観るという人も多い。この公演は、新春を寿ぐ華やかさや明るさに満ちて心地よく、狂言デビューにオススメだ。「万作萬斎新春狂言2018」チケット情報舞台にはお正月飾りのしめ縄。プログラムは毎年、野村家の元旦の行事である謡初(うたいぞめ)の披露から始まる。今年は『雪山』。会場の空気が引き締まり、新年の幕開きにふさわしい。次に人気の萬斎トーク。くわしくわかりやすく、とても楽しい演目解説だ。そして大名狂言『二人大名』、休憩を挟んで大変珍しい鬼狂言『政頼(せいらい)』。毎年、演目はその年の干支にちなんだものを選び、上演する。2018年は戌年。「関西の能楽界に呼ばれ、週に1度は京阪神に来ています」という超多忙な萬斎が、演目の見どころや想いを語った。『二人大名』は、野遊びに出たふたりの大名がお供がいなくて体裁が悪いと、出合った男に無理やり太刀を持たせるが、逆にその太刀で脅されて…という演目。「狂言では刃傷沙汰にはならないんですよ(笑)。鶏や犬のマネをさせるという、大名のもて遊び方がおもしろい。今年は酉年で来年は戌年だからね、干支を意識してます(笑)。最後には起上がり小法師のマネをするんですが、子供番組(NHK「にほんごであそぼ」)でもやっている内容なので、お子様同伴で来られるのもおすすめです」。『政頼』は、仏教が栄えて不景気になった地獄が舞台。鬼たちを引き連れた閻魔大王が、極楽と地獄に分かれる六道の辻まで亡者を迎えに出る。やってきた鷹匠・政頼を地獄に落とそうとするが…。萬斎が約10年前に復活させた演目で、大人数での上演となる。「和泉流として関西でやるのは初めてです。正月早々、地獄の話で申し訳ないですが、鷹狩は帝王の遊びだと鷹匠の誉れを語るところはお正月らしいですね。そして、地獄にも犬がいたので鷹狩をしてみせる…はい、こちらも犬が出ます(笑)。閻魔大王と鷹匠が友情を築くという、めずらしい展開でほのぼの感もある話ですが、これは鷹狩のシーンをどう見せるかがキモ。その生命線である鷹を手間暇かけて新たに作り、飛んでいるように見える工夫をしていますので、是非お楽しみに。鷹匠の狂言を観て、“一富士、二鷹、三なすび”と、縁起のいい夢を見ていただければ(笑)」。公演は1月25日(木)・26日(金)大阪・サンケイホールブリーゼにて。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2017年12月27日大阪生まれで同志社大学文学部に在学中、9月に20歳になったばかりの観世流能楽師・大槻裕一。文字を書くより先に謡(うたい)を謡っていて、初舞台は2歳。中学3年生の時にシテ方観世流能楽師で人間国宝の大槻文蔵の芸養子となり、グングン成長して、今や若手の注目株だ。師父・文蔵と「大槻文蔵裕一の会」を主催し、2014年には移動式能舞台を大阪城の本丸に設置、天守閣をバックに薪能も企画した。15年に続き、今年も10月7日(土)~9日(月・祝)に二十六世観世宗家の当代・観世清和や狂言師・野村萬斎らを迎えて開催。能の未来を切り拓き、広く一般に親しんでもらえるよう果敢に挑戦する若き能楽師が、大槻能楽堂でまた新たなイベントをスタートさせる。それが『能×アート奇跡のセッションシリーズVOL.1BORDERLESS』。第1回目のゲストには、元宝塚歌劇団宙組初代トップスター・姿月あさとを迎える。ふたりの思いを聞いた。「BORDERLESS」チケット情報「2歳からずっと能だけをやってきて、ほかの分野の方や自分とは違う一芸を極めている方とセッションしてみたいと思っていたんです。能楽堂のステキな空間を生かしながら、芸の世界で生きる辛いことや楽しいことのお話ができればと。お客様にも知っていただき、またこの企画によって、自分が新たに能を再確認することの意味も大きいと思っています」と裕一。彼は、母親がファンだった姿月の宝塚現役時代のDVD『ミーアンドマイガール』を見て「その時のかっこ良かった姿月さんの姿が忘れられなくて。ダメもとでオファーしました。1回目から大きな挑戦です」。その姿月は今年、宝塚で初舞台を踏んでから30周年。様々なコンサートやイベントを自らプロデュースし、開催している。「その一環としても、こういう形のイベントが出来るのはうれしいですね。これまで、お三味線の方とのコラボはありますけれど、お能や狂言、歌舞伎の方たちといった古典芸能の方とは初めて。退団してから17年。誰と出会うか、どんな仕事と出会うかは運だと思うので、すごく楽しみです」。今回、姿月はソロで歌も歌い、裕一は能のダイジェスト版ともいえる舞囃子を舞う予定。さらにふたりのセッションやトークショーも企画されている。「日本人として、知らないことがいっぱいある」という姿月は、お能はまったくの初心者だ。「自分も含めて、これまでお能を知らなかった方に知っていただくきっかけになれば」。裕一は「“極める”という思いを持って進んでいる人は、全然違う分野でも一緒、きっと繋がる部分があると思います。今後も続けていきたいですね」。能楽堂から発信する、若き能楽師の挑戦を応援したい。公演は、11月26日(日)大阪・大槻能楽堂にて開催。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2017年11月08日2013年、「これが世界のクオリティ!」と言い切り上演、世界レベルの歌声を堪能させたミュージカル・ショー『4Stars』の第2弾が上演される。ミュージカル界で世界をまたにかけて活躍するトップの歌声を、日本に居ながらにして聞くことの出来る贅沢さを味わえた舞台。シンプルな演出のなか、4人それぞれの魅力を生かした楽曲も披露され、観客は大満足だった。あれから4年。出演メンバーは前回に引き続き、ラミン・カリムルー、シエラ・ボーゲス、城田優の3人に加え、2013年に『ピピン』でトニー賞ミュージカル主演女優賞を受賞したパティーナ・ミラーが初登場する。また、今回はブロードウェイで新進気鋭の演出家サラナ・ラパインが初参加、“旅”をテーマにした演出にも注目したい。『4Stars』にしかないゴージャスな顔合わせ、世界最高峰の歌声の素晴らしさ、ここでしか聞けない多彩な楽曲…。プレミア感満載のステージの緊張と楽しさを、城田優が語った。「4Stars 2017」チケット情報「前回、『なぜ城田優がここに?』と思った人がほとんどだったと思います。トップ中のトップの3人と一緒に歌うことは圧倒的な緊張と恐怖があり、『絶対に負けたくない!』と意気込んで挑んだ舞台でした」。城田にとって英語は第3言語、まさしく不利な戦いだった。さらに「僕はネガティブで、本番になると怖気づいちゃう」という彼だったが、「3人はいつも支えてくれた。愛にあふれる方たちでした」と話す。特にシエラの「証明しようとせず、共有すればいい」というアドバイスに、大きな気づきを得た城田。言葉の壁を越え、リスペクトし合った前回を経て4年、シエラやラミンとの交流を続け、絆はより一層深まっていた。「もう一度、やりたい」と訴えたのは彼自身。タイミングも合い実現となった今回、目指す先は「4年間の成長や経験を存分に生かしつつ、形にしたい。3人とスペシャルな時間を共有し、お客さんにもそれを届けて、みんなで楽しい最高の時間を過ごすこと」。メンバーは「家族思いで、おちゃめ。でも、すごい喉を持っている」ラミン、「まっすぐでピュアで、日本が大好き」なシエラ、そして「モンスター級の歌唱力を持つ人」パティーナ。「フレンチミュージカルや、僕らの持っているアイデンティティを生かした曲を歌いたい」と言う城田は、日本語で、また前回好評だったスペイン語の歌も披露してくれるかもしれない。新たな演出の中、『エリザベート』の“闇が広がる”をラミンとふたりで歌うことを楽しみにしている。「4人それぞれの魅力をギュッとまとめて、4色が混じり合うエンタテインメントショーをお見せしたい。今回は気負うことなく、自分の持っているエネルギーを全部出し切って、それぞれの相乗効果でさらに上のレベルに行くことが出来ればいいなと思っています」。12月14日(木)から17日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、12月20日(水)から28日(木)まで東京国際フォーラム ホールCにて上演。9月16日(土)のチケット一般発売に先駆け、9月14日(木)10:00より先行先着プリセールを実施。取材・文:高橋晴代
2017年09月13日ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』の日本初演30周年記念公演。東京公演は完売の人気公演が、いよいよ大阪に上陸する。原作はヴィクトル・ユゴーの大河小説。19世紀のフランス動乱期を舞台に、当時の社会情勢や民衆の生活を、圧倒的な歌とドラマチックな物語で描き上げた壮大なミュージカルだ。主人公ジャン・バルジャンの生き様を軸に、彼を執拗に追うジャベールの想い、革命に身を投じるマリウスやアンジョルラスら若者たちの情熱や恋が、深く多彩なテーマの中に描かれる。1985年にロンドンで初演、日本では1987年より上演を重ね、2012年には映画版が大ヒット、翌年より新演出版が登場した。15年から2年を経て、今回はフェスティバルホールでの上演。「民衆の歌」など、劇場に響き渡る美しい音楽と圧倒的な歌声に包み込まれるだろう。新たな出演者も加え、主要登場人物はダブル/トリプルキャストで演じる。前回、バルジャンの養女・コゼットと恋に落ちるマリウス役で初参加した海宝直人は続投だ。20代最後の出演となる彼が来阪、作品の素晴らしさと意気込みを語った。ミュージカル「レ・ミゼラブル」チケット情報7歳から劇団四季のミュージカルに出演し、活躍を続けてきた海宝直人。「子役の時からずっと憧れていた大好きな作品。小学生の時から毎回必ず観に行っていた」という、筋金入りの『レ・ミゼ』好きだ。初参加の前回は継続キャストが多く、緊張しながらもマリウスとして初めて大劇場でソロを歌い、その成果は次に大作ミュージカルの主演へとつながった。「マリウスは、ものすごい濃度で凝縮された経験を経て成長していく。その過程や人間としての面白味は、やりながら改めて魅力的な役だと思いました。今回は作品全体を通してパッションを求められる演出で、キャラクターも前回とは違ったアプローチで臨みました。もっと鮮やかで情熱的な感情表現を求められ、男性的でパワフルな自分なりのマリウスを作ろうと。1から作った感覚が大きくて、また新しいマリウスに出会った感じです。コゼットとのラブ・シーンも、リアルな生身の人間同士に描き、いいかっこしたりコミカルだったり、大幅に変わっています。今回はどのシーンも新鮮に楽しんでいただけるんじゃないかな」。30年を経ても愛される『レ・ミゼ』の魅力とは?「いつの時代にも共通する人間の本質を描き出している作品で、普遍的な魅力がありますね。それに、色あせない音楽の素晴らしさ。プロローグの音楽が鳴った瞬間から、物語にガッと引き込まれるエネルギー。特別な何かが宿った作品だなと思います。『レ・ミゼ』は、決して停滞することなく進化し続けるコンセプトで、毎回が最新の演出版。僕ら俳優も、毎回新鮮に全力で臨んでいます!」。なお、メインキャストはすべてダブルもしくはトリプルキャストで、日によって出演者は異なる。公演は、8月1日(火)から26日(土)まで福岡・博多座、9月2日(土)から15日(金)まで大阪・フェスティバルホール、9月25日(月)から10月16日(月)まで愛知・中日劇場にて上演。取材・文:高橋晴代
2017年08月10日原作・江戸川乱歩、脚本・三島由紀夫の『黒蜥蜴』。美輪明宏の映画や舞台はもとより、何度も上演されてきた名作だ。“美”に執着する女盗賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎が繰り広げるスリリングな勝負の中、ふたりの惹かれあう想いと共に繰り広げる耽美と闇の世界の物語。今回の演出はデヴィッド・ルヴォー。歌舞伎と三島由紀夫を敬愛し、初来日から30年を経た彼が、長年夢に描いてきた演出プランでついにその舞台を実現させる。「黒蜥蜴」チケット情報出演は、黒蜥蜴に中谷美紀、明智小五郎に井上芳雄ほか実力派が出演。井上は2012年に上演された『ルドルフ・ザ・ラストキス』でルヴォーと出会って以来、その演出に魅了され、再度やりたいと言い続けてきた。今回の機会を知り、過密なスケジュールの中で「是が非でも出たい!」と事務所に訴え、出演を叶えた。7月、ミュージカル『グレート・ギャツビー』の主演で来阪中の井上が、その熱い想いと作品への魅力を語った。「ルヴォーは大好きな演出家です。『ルドルフ・ザ・ラストキス』でしかご一緒していないんですけど、その印象が強烈で。日本だと、演出家の要求するところに自分を高めていくというイメージですが、彼は気づいたらそこに連れて行ってくれるような、まるで魔法をかけられてるような感じの導き方なんです」。井上の語り口に、いつもとは違う熱さがこもる。「どんな作品のどんな役でも一緒にやりたいと思って来て、それが今回形になって、ほんとにうれしいです」。明智小五郎は「ハードボイルドな役」とルヴォー。井上は「ハードボイルドには疎くて。どういう方向かまだ分からないけど、喜んでそこに飛び込みたい」。『黒蜥蜴』は、1968年公開の美輪明宏(当時は丸山明宏)主演の映画を見て、戯曲も読んだ。「映画を見て、日本であって日本でないようなにおいがあるなと。すごく屈折したラブ・ストーリーだと思う。黒蜥蜴も明智小五郎も、美しさを純粋すぎるほどに追い求めている人たち。だから惹かれ合うのは必然だけど、立場が真逆で結ばれない。だからこそとても悲しいし、だからこそ美しい。魅力的な作品ですね」。初めての三島作品は「確かに日本語が美しい。セリフなのか詩なのか、リアルだけじゃないところに惹かれますね、とても演劇的でもあるし。でも、ルヴォーは誰にも負けないぐらい三島作品が好きで詳しいから、教えてもらおうと思っています。ものすごく楽しみです」。井上にとって、この舞台は超特別なのだ。「全作品、同じ熱量で一生懸命やっています。でもこれは、何年かに1度、ごくたまにあるご褒美みたいな作品。ひと公演5000円ずつ払えって言われても出るかなというぐらい(笑)。他の作品には申し訳ないけど、もうほんとに、ご褒美を一生懸命楽しませてもらいます!」。公演は、2018年1月9日(火)から28日(日)まで東京・日生劇場、2月1日(木)から5日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて。チケットは9月30日(土)10時より発売。一般発売に先駆け、8月3日(木)11時まで最速抽選先行(いち早プレリザーブ)を受付中。取材・文:高橋晴代
2017年07月31日俳優の高橋克典が25日、都内で行われた「RIZAP GOLF×高橋克典 スコア100切りチャレンジイベント」に出席した。同イベントは、ゴルフ初心者の高橋克典が、RIZAP GOLFのレッスンを受けてスコア100切りを目指すというチャレンジ企画。この日登場した高橋が、「スコア100切り」チャレンジ宣言を行い、同企画の意気込みなどを語った。25年前に初めてラウンドした時は183というスコアを叩き出し、それ以来、ゴルフをしてないという高橋は「その時は芸能界とゴルフの闇の部分を見ました(笑)。小さいフェイスで小さい球を全身使って打つなんて、難しすぎるだろうと思い、それからずっと離れていました」とゴルフから遠ざかっていたことを明かし、「結婚した時に妻と共通した趣味がなくて、ゴルフでもやってみようかと話していました。そんな時に今回のお話を受けたので、是非やってみようと思い挑戦することにしたんです」と説明。とはいえ、最近のスイングの映像が映し出されて「本当に最悪ですよ。がっかりです……」と自虐的に振り返りつつ、「コーチとの関係がすごくいいと思います。手とり足取り教えてくれるし、本当にその都度体の動きを見て指導してくれるので、間違った方向にいかない感覚はありますね」と7月からスタートしたRIZAP GOLFのレッスンに期待を寄せていた。その高橋は、無謀にも8月に開催されるプロアマのトーナメントに出場予定。「恐ろしい展開だと思いませんか? 話だけかと思ったんですけど、本当に出るんですね」と戸惑いながらも「がんばりますよ。それならそれでベストを尽くします!」と意気込み。2カ月で100を切らなかったら「どうしましょう。しばらくはちょっと隠れてようかな」と弱気な発言も飛び出したが、「絶対に切ります! がんばりますよ!」と決意を新たにしていた。
2017年07月25日2012年にブロードウェイで上演、トニー賞5部門にノミネートされ高評を得た『アザー・デザート・シティーズ』。翻訳は2014年公開の映画『紙の月』で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した早船歌江子が舞台脚本の翻訳に初挑戦する。また、演出は2010年の『おそるべき親たち』で第13回千田是也賞を受賞した熊林弘高。さらに出演者も寺島しのぶ、佐藤オリエ、麻実れいなど豪華実力派ぞろい。最強の布陣で贈る、演劇ファン必見の舞台だ。「OTHER DESERT CITIES(アザー・デザート・シティーズ)」チケット情報物語は、2004年のカリフォルニア。クリスマス休暇で集まった家族のもとに、作家の娘が回想録を出版すると爆弾発言。ずっと昔に封印し、互いに語らずに来た過去を暴露した本に、政治家の父と作家の母は、娘と激しく対立する…。寺島は本を読み「これ、私!」と出演を即決、娘・ブルックを演じることに。今回、やっと機会を得た熊林の演出に「出会うべくして出会った作品」と、気合十分。これまでめったになかった来阪会見に自ら臨み、その想いを語った。「ブルックは、厳格な家庭で生まれて母親と同業の作家。家族ってうっとうしい存在かもしれないけど、自分も大人になって無意識のうちに親に似てくるとか、母と娘の関係がリアルで、私とかなりリンクしていると感じました。アメリカの話ですが、核となるのが家族の物語。人生を歩む中で自分を探す、どこにでも何か共通点が見つかるような家族の話だと思います」。緻密さに定評のある熊林演出。稽古場にはその日稽古をするシーンの役者以外は入れないと言う。「稽古場では色々なことを考えるので、邪魔が入らないのは非常に心地いいですね。そういう繊細さを持った演出家で、役者としてはすごくありがたいし、楽しいです」。また今回、舞台上にはセットがほとんどない。「何もない状態の舞台で演技させていただくのは久しぶりです。役者の肉体表現に頼るしかなくて過酷ですが、挑戦になるので」。そんな無の空間で「演劇界のレジェンドみたいな人たちと」作り上げていく、濃密な家族の物語。「とてもコンテンポラリーなスタイルで、おしゃれな演劇になっていると思います。新しいものをちょっと観てみようかなという感覚で、足を運んでいただければ」。舞台や映画で多数の受賞を誇る寺島。出演作品を選ぶ基準は?「台本を読んで、これっていう直観…。2、3回読む作品には多分出てないです。あと、観終って、これは寺島さんしかできなかったよね、と言ってもらえる作品に出たいなと。時間が限られているので、より研ぎ澄まして、これは逃したくないという作品をこれからもやっていきたいですね」。公演は、7月6日(木)から26日(水)まで東京芸術劇場 シアターウエスト、7月29日(土)から31日(月)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2017年06月28日俳優の高橋一生がスーパーの店長に扮する森永乳業のカップアイス「MOW(モウ)」のテレビCM「高橋店長」シリーズ第2弾「高橋店長のレジ打ち」編が、13日より全国で放映される。新CMは、前作に続き、高橋演じる高橋店長が主人公。スーパーのレジでの接客中、野菜だけでなくアイスにおいても"いい選択"をする主婦を見つけ、感動し興奮しつつも平静を装う。高橋店長がレジ打ちをしていると、新鮮な野菜を選ぶスキルを持った若い主婦が登場。心の中で「この人、きゅうりはトゲトゲ、にんじんは丸いもの、そしてバニラアイスはMOW!を選ぶその目」とつぶやき、「いい、いい選択です。ファンタスティック!」と主婦を讃える。そして、"いい選択"をする主婦に出会い興奮を抑えきれずにいると、主婦とその夫と目が合ってしまい、「レジ袋ご利用になりますか?」と平静を装い接客を続けるが、冷たく「あるんで」と返されタジタジに。バックヤードで、大好きなMOWを食べながら「モウ(MOW)!」と叫び、おいしさを噛みしめる姿も見られる。今回も、MOWへの愛情を隠し切れない高橋店長という役柄に完璧に入り込んで演じた高橋。"いい選択"をする眼力のある若い主婦を前に、ぎこちない動きをしてしまう高橋のアドリブ演技に現場は盛り上がり、「本当にこういう人いそう」という声が漏れたという。
2017年06月13日ダンス×J-POP×演劇という独自路線で快進撃を続けるダンス・エンタテインメント集団「梅棒」。J-POPや懐メロなどのヒット曲で構成し、その歌詞と曲の世界観で描き下ろしたオリジナルの物語を繰り広げる。セリフはない。でも、まるでセリフをしゃべっているよう。音楽の力をもとに、ドラマをダンス×演劇で表現する新ジャンル。わかりやすく、楽しい。ダンスファン×演劇ファン×J-POPファンが客席に入り乱れ、エンタメ業界も大注目だ。梅棒 7th ATTACK『ピカイチ!』チケット情報演劇界デビューは2012年。大阪には14年に初登場、徐々に公演劇場が大きくなり、参加ゲストも増えた。今回は、東京、大阪、福岡と、初めて愛知へ上陸を果たす4都市ツアー。総合演出・出演の梅棒のリーダー・伊藤今人と共に、今作『ピカイチ!』にゲスト出演するw-inds.の千葉涼平が来阪、意気込みを語った。千葉は、昨年梅棒を初体験。「周囲から『最近、梅棒の舞台がヤバイ』って聞いていて、やっと昨年、観に行けました。すごくおもしろかった!」。今回の物語は、転校生によって、楽しく平和な学園に大騒動が巻き起こる!という、青春学園モノ。「僕らは基本的にお客さんに喜んでもらえるものを目指したいんです。だから今回、ファンの人が既に知っている千葉君ではなく、やったことのない役がいいだろうなと、ちょっと悪い役にしました。これまで観たことのないブラック千葉君です(笑)。で、ガッツリ踊ってもらいますよ!」と伊藤。千葉は「悪役は初めてなので、新しい自分を引き出していただけるのかなというワクワク感があります。でも、梅棒さんの世界観に自分が入ったらどうなるんだろう、どんなキャラクターができ上がるんだろうって、楽しみなんですけど、まだ想像がつかなくて(笑)」。千葉はヒールなカリスマ役とは言え、「コミカルなところも担ってもらおうと。行き過ぎたカリスマって、ちょっとおもしろいじゃないですか。今回はドタバタバカバカアクションですから(笑)。コメディ集団としての梅棒を楽しみに来てほしいですね。使う曲はいつものように20曲ぐらい。w-inds.の曲も生かせたらいいんですけどね~。今回は、オレとか千葉君とか、昭和最後の世代はみんな楽しめる曲が並んでます(笑)。初恋した時、振られた時、部活頑張ってた時にかかってた曲とか…ノスタルジーに浸って、曲と一緒に学生時代を思い出してもらえると思いますよ」。ゲストには千葉のほか、吉川友、後藤健流らも出演。「ギリギリまでかかりましたけど、いいのできました。おもしろいっす!」(伊藤)。公演は、6月23日(金)から7月2日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木、7月4日(火)・5日(水)大阪・森ノ宮ピロティホール、7月8日(土)から9日(日)福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、7月12日(水)・13日(木)愛知・名古屋市青少年文化センター アートピアホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2017年05月18日元アイドリング!!!のメンバーでタレントの高橋胡桃が、グラビアカメラマンの渡辺達生氏とコラボレーションした写真集『高橋胡桃×渡辺達生 PHOTO DOCUMENT「一番遠くて近い人」』(東京ニュース通信社)が20日、発売された。渡辺氏は、グラビアカメラマンとして40年以上活躍し、昨年、MBS・TBS系『情熱大陸』でも取り上げられた人物。60歳を過ぎてまだなお、 第一線で活躍中だ。そんな渡辺氏と、現在女優を中心にグラビアのフィールドでも活躍する高橋とのコラボレーションが実現。沖縄で撮影を行い、 一級品の"グラビア"を堪能できる一冊が完成した。また、「PHOTO DOCUMENT」と題して、 渡辺氏が撮影術を解説。ロケの時の様子、渡辺氏の撮影の様子、そして写真セレクトまで、この1冊ができるまでのドキュメントも紹介する。
2017年03月20日大きな目の少女のイラストで知られる中原淳一。昭和初期、少女雑誌「少女の友」の人気画家として一世を風靡した中原の生き方を描いた舞台『それいゆ』が、1年を待たずに再演する。主演は中山優馬。今回、神戸公演の初日4月19日(水)は中原淳一の命日だ。「舞台上で追悼の表現をしたい」と希望を伝えた中山。「人生初めて」という再演に向けて、意気込みを語った。「それいゆ」チケット情報「もっとたくさんの方に観てもらうべき作品だと思っていたので、再演はほんとにありがたいですね」と言う中山。「作品は戦時下の話ですが、戦争の描写はありません。ひとりひとりの人間と、戦時下の小さな喜びにもスポットライトを当てているのが特徴です」。初演を観た年配のファンは「懐かしい」と喜び、若い観客も作品のメッセージを受け止めた。「中原先生のファンの方が観に来てくださったのが1番うれしかった」と話す。また、東京では中原淳一の娘さんふたりが観劇、「1幕の途中から父に会えました」と感想を伝えられ、「もう、震えました」。作品のテーマは“美しく生きる”。「自分が本当に好きなものが好きで、流行に流されない。そして、作品を創り出す上で妥協しない姿勢が“美しく生きる”ことかなと考えています。『それいゆ』を作り上げていく上で、妥協せず真摯に自分の弱さや苦手なところと向き合ってやっていくことが、自分でも美しく生きられる瞬間なのではと。すごく尊敬しますし、見習うべきところがたくさんあります」。そんな中原先生と似ている?「全然違いますね(笑)。流行に左右されるし、長いものに巻かれるし(笑)。だから中原先生でなく、ほかのキャラクターに感情移入するのが最初の入り口でした。作品に対する情熱はもちろん持っていますが、特にこだわりはなく、プライベートでは、ふわっと生きているだけです(笑)」。初演を観た人、そして初めて観る人へのメッセージは?「初演をご覧になった方にも、観に来ていただきたいです。前回、いただいたお手紙で1番多かったのが『生き方をもう一度考えようと思いました』とか『生き方を考え直すきっかけになりました』といった内容でした。そう思ってくださった方が今回もう一度観たら、また違うものになるかもしれない。この作品は、その観た時々によって動く感情が違うんじゃないかと思うので。初めての方も、気負いなく観ていただきたいです。今回は小倉と神戸へ。神戸はおしゃれなイメージがありますが、この舞台もすごくおしゃれです。中原先生の作品には、ファッションや絵などキュートなものが多いので、神戸の方に観ていただけるのは、すごくありがたいですし、興味を持っていただけるんじゃないかな。小倉と神戸へ、ファンの方に会いに行きます!」。公演は、4月6日(木)から11日(火)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、4月14日(金)・15日(土)は福岡・北九州芸術劇場 中劇場、4月19日(水)から23日(日)まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2017年03月16日昨年5月、中山優馬主演で話題を呼んだ舞台「それいゆ」の再演が早くも決定。昭和初期、少女雑誌「少女の友」の人気画家として一世を風靡した中原淳一の生き様を描いた作品だ。初演から続投となった施鐘泰(JONTE)。音楽活動とともに、ミュージカルなど舞台でも活躍し、昨年には3年ぶりとなるアルバム「Reboot」をリリース、今年はデビュー10周年を迎える。様々な挑戦をしつつ「音楽を通して自分を表現しながら、一回りも二回りも成長できたら」と話すJONTE。初演で感じたこと、そして初めての再演となる今回の舞台への意気込みを聞いた。「それいゆ」チケット情報1年足らずの再演に「また、お声掛けいただき、すごくうれしいです」と笑顔を見せるJONTE。彼が演じた役柄は、天沢栄次。日本にシャンソン音楽を普及させた歌手の高英男がモチーフで、物語の語り部でもある。戦中戦後の激動の時代、中原淳一のそばで献身的に彼を支え、また支えられつつ歌手への道を目指す。「初演では、夢を追い求めることの大切さを学ばせていただきました。音楽で自分を表現している僕にとって、刺激にもなり、信念を貫き通すことが今の自分にも大切だと感じましたね」。息苦しい時代の中、天沢は中原の生き方によってそれまでの価値感が変えられていく。「今は情報でも何でもすぐに手に入る時代ですが、当時はゼロから自分で作り上げて形にし、残していく。厳しい環境の中で、自分を見つめて作り上げたものは、何物にも代えがたいものだろうなと、すごく思います。逆に今ではなかなか難しいんじゃないかな」。再演では、物語はほぼそのままに、キャストも新参加の愛原実花のほかは同じメンバー。「役に素直に向き合って、また一生懸命、取り組んでいけたら。作品から学ぶことがほんとに多くて、これを肝に銘じて生きないといけない、と教えられているような気がします。出演している自分が言うのもおこがましいですが、いい刺激をもらえると思うし、今の若い人たちが観るべき作品なのではと思います」。JONTEの歌声も、また楽しみにしたい。音楽で自分の色を追い求めながら活動しているJONTEには、もうひとつ大切にしているものがある。それは洋服。「服が大好きなんです。人とは違う感じのものを好んで着ていますね。SF映画の宇宙服みたいなものも気になったり、ヘンなデザインを選んでしまう。でも、一緒に歩きたくないと言われても、好きだから(笑)。それもひとつの自分の表現でもあるし、好きなことに関してはゆずれないですね」。中原の生き方に通じる部分が、キラリと光った。「それいゆ」は、4月6日(木)から11日(火)まで東京・サンシャイン劇場、4月14日(金)・15日(土)は福岡・北九州芸術劇場 中劇場、4月19日(水)から23日(日)まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場にて上演。チケットは2月4日(土)一般発売開始。なお、1月29日(日)23:59まで兵庫公演の電話抽選先行(受付電話:0570-02-9554)を受付中。取材・文:高橋晴代
2017年01月25日シェイクスピアの名作をフレンチロックに乗せて描き出す、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。2001年にパリで初演し大ヒット、世界各国で上演されている。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」チケット情報日本では、2010年に小池修一郎の潤色・演出により宝塚歌劇団で初演、その後、日本オリジナルバージョンとして2011年、2013年に上演した。鉄骨組みの舞台セットに囲まれた舞台で、妖しく美しい“死”のダンサーが登場する演出。この小池版「ロミオ&ジュリエット」の初演を3回、再演を1回観て、「ミュージカルの中で1番好きな作品」と語る大野拓朗。今年は前期NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に出演、ウザカワいい青柳清を好演し、注目された。「2度目のミュージカルで主演、しかも大人気の演目で、憧れのロミオ役で。本当にうれしい!」。終始笑顔で、体中から“幸せオーラ”を発散させながらの会見だった。「全曲好きなミュージカルに初めて出合いました。シェイクスピアの世界観、ロミオとジュリエットの美しさ、歌もダンスもレベルが高く、衣裳もカッコイイし、若いエネルギーがものすごく大きくてワクワクする。すべてがボクにマッチしました」。2012年、同じ小池演出『エリザベート』のルドルフ役で出演して以来、4年ぶりのミュージカルだ。この4年間、レッスンを続けながら「ガチで毎日聴いて、毎日歌ってました。だからロミオだけじゃなく、全曲歌えます」。移動中も車の中で歌いながら、飽きない自分に驚いていた。ところが稽古に入ると「難しい。今やっと自分の歌になってきたかなと感じています。ダンスは『けっこう、かっこよく踊れると思います』って、胸を張って言えるぐらい成長してると思います。楽しみにしていてください」。今回の目標は「この世界に入って初めての“ザ・恋愛もの”、“ザ・2枚目”。大野拓朗史上初の色っぽさを、お客様に感じてもらえたら。お客様からのパワーをいただきながら、ロミオとしてどんどん成長していきたいと思います」。ロミオ役は、パーソナリティが真逆の古川雄大とのWキャスト。「どちらの楽しさも感じてもらいたいので、両方観てほしいです!この作品を最大限に楽しんでいただき、この作品自体を愛してもらえたらいいな」。座右の銘は“いつでも笑顔でいられますように”。「笑顔でいることが好きだし、周りにも笑顔でいてもらいたいし、ボクを見ているみなさんが笑顔になってくれたらいいな、という思いがあって、この仕事をさせていただいているんです」。では、今の気持ちは?「主役の重みより喜びの方が大きいですね。憧れの役でしたし、主役の重みを感じることが出来て、幸せいっぱいです!」と、サイコーの笑顔を見せた。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、1月15日(日)から2月14日(火)まで東京・TBS赤坂ACTシアター、2月22日(水)から3月5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年12月27日2010年に宝塚歌劇団で日本初演され、大ヒットしたフランス産のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。シェイクスピアの悲恋の名作を、アクロバティックな激しいダンスと印象的な音楽で、若さと愛と情熱をロックに乗せて描き出した。2011年と2013年には、小池修一郎の潤色・演出により日本オリジナルバージョンを上演。鉄骨組みの舞台セット、クラシカルモダンなデザインの衣裳、そして、ロミオたちに影のように寄り添う妖しく美しい“死”のダンサーなど、物語をさらにドラマチックに彩る演出が大きな話題を呼んだ。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」チケット情報今回、4年ぶりに新キャスト、新バージョンでの上演が決定。オーディションにより、ほぼ全配役が新たになる中、前回と同じロミオ役を続投するのが、古川雄大。「今はどんな作品に出来上がるんだろうと、すごく楽しみです」と語る彼が、稽古開始直後に来阪、再挑戦となる作品への意気込みを語った。「新演出で衣裳も変わり、舞台セットも違うし、キャストも一新。台本も少し変わるらしいので、新作のつもりでやっています」と古川。時代は近未来となるらしい。「『エリザベート』のルドルフから、いきなりロミオという重みがのしかかってきた感じ」だった前回。「歌の技術が劣っていて、悔しい思いもしました。だから、もう一回やりたいとずっと思っていたので、今回はリベンジです」。衣裳では色、ダンスではスタイルの違う振付で、対立するそれぞれの家などを表現。「ロミオのモンタギュー家は、ヒップホップ系のダンス。僕はほぼ初めてですが、踊ることは好きなので大丈夫です」。古川の恋愛観は「恋愛に真剣になったら、仕事したくないとかって思っちゃうタイプだと思います。だから、周りが見えなくなったりするロミオの気持ちは少しわかります」。その大恋愛の末に死んで結ばれる役。毎日演じ続けて、どんな気持ち?「幸せの最高潮と地獄の絶望の幅がすごくて、精神的に大変でした。気分が落ちてしまうので、ダウンタウンとかさまぁ~ずのDVDを何回も見て、笑って忘れてました(笑)。で、次の日、頑張って気持ちを上げる。毎回、新鮮に純粋に反応したいというのがモットーなので、一度気持ちをフラットに戻してから臨みたいと思っていて。今回も続けます(笑)」。Wキャストでロミオを演じる大野拓朗とは、『エリザベート』のルドルフ役でもトリプルキャストで一緒だった。「仲いいです。一緒に頑張ろうという感じ。でも、もし、大野くんの舞台と僕のと迷って1回しか観れないなら、僕の方を観に来てほしいけど(笑)。今回は、この作品に賭けたい、ロミオとして思いっきり生きて、ロミオを演じ切りたいという気持ちなので、楽しみにしていてください」。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、1月15日(日)から2月14日(火)まで東京・TBS赤坂ACTシアター、2月22日(水)から3月5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年12月21日風が肌寒くなった11月3日の夜。兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで、東京・天王洲 銀河劇場に先駆けて日本初演のミュージカル『マーダー・バラッド』が開幕した。ミュージカル「マーダー・バラッド」チケット情報この作品は2012年、ニューヨークにある約150席の小劇場で上演され、大ヒット。翌2013年、オフ・ブロードウェイに進出し、旋風を巻き起こした。現在もロングラン・ヒット中の韓国公演に続き、9月からロンドンでも上演。そして今日、日本に初登場!男女の三角関係のもつれを描いた物語を、4人の登場人物が全編ロックの41曲で綴る、休憩なしの90分。凝縮された刺激的な大人のミュージカルが、ここに。舞台上は、天井のファンがゆったり回るバーのような空間。椅子やテーブル、ビリヤード台やお酒が並ぶ。その両サイドに、観客がバーの客のように座る各14席のステージ席。鐘の音とともに始まり、ナレーター役の濱田めぐみが、舞台奥で演奏するバンドのエレキギターに合わせ、パワフルに歌い始める。「聞かせてあげる。善人の悲劇。誰かが死ぬの」と。え?、物語の結末、先に言っちゃうんだ!歌詞、大事。かつて燃えるような恋をしたトム(中川晃教)とサラ(平野綾)。が、やがて恋がさめ別れたふたり。傷ついたサラを大人なマイケル(橋本さとし)が受け止め、結婚。10年後、サラはアッパーウエストサイドに住み、娘・フランキーも産まれ、優しく誠実なマイケルとの幸せな家庭。その頃トムは絶不調。ここまで、一気に駆け抜ける。バーカウンターは道となり、ビリヤード台はベッドになり、衣裳のローブが子どもやシーツに。ベッドのふたりを真上から狙う映像。テンポも展開もすごく早い。家事と育児の日々に疲れたサラは、バーを開いたトムに連絡する。昔の恋の再燃。不倫を重ねながらも後悔し始めるサラ、放したくないトム。サラの言動に何かを感じ始めるマイケル。「どんなに愛しているか数えた後で、どんなに愛してないかも数えてみる」。森雪之丞の訳詞が泣ける。3人の心情がよくわかり、観客の誰もが誰かに感情移入できる。メロドラマでロック・ミュージカルなのに、すごくリアル。そして…誰が誰を殺すのか。これは観てのお楽しみ。女性クリエーターふたりがタッグを組んだ作品。女性はサラの気持ちに「わかる、わかる」なはず。濱田の演じるナレーターの、客観的で冷静で、それでいて物語に参加もしてる、という立ち位置も新鮮。そして何より、中川アッキーのワイルドなセクシーさに、ズキューン!新たな魅力、見ぃつけた!公演は、11月6日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、11月11日(金)から27日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年11月04日1992年から日本の観客を魅了し続けている伝説のメガ・ミュージカル『ミス・サイゴン』。今回、新演出版となった12年、14年の上演から2年ぶりに再登場する。ブロードウェイでは来年上演が決定、映画化も噂される、今、注目の舞台だ。ミュージカル「ミス・サイゴン」チケット情報物語の舞台は、ベトナム戦争で陥落間近のサイゴン。エンジニアの経営するキャバレーで知り合った、ベトナム人の少女・キムと米兵クリスの愛の始まりから、サイゴン陥落でのドラマチックな別離、そして戦後の運命的な再会へ。ベトナム戦争を背景に、国と国に引き裂かれた人々の愛と葛藤と悲劇を壮大なスケールで描く。今回のエンジニア役は、92年の日本初演から出演する“ミスター・サイゴン“こと市村正親と、前回も出演した駒田一、そして初参加するロック・ミュージシャンで俳優のダイアモンド☆ユカイのトリプルキャストだ。今回でエンジニア役を卒業する市村と同時に、ダイアモンド☆ユカイの初登板も大きな話題。自らオーディションに臨み、ミュージカルの超大作に挑戦することになった彼が来阪、会見でその意気込みを熱く語った。80年代、RED WARRIORSを率いてロックシーンで活躍、その後も歌手、俳優、最近ではバラエティにと活動の幅を広げている。「ミュージカルは憧れでしたが、別世界」と思っていた彼が、前回の『ミス・サイゴン』を観て「雷に打たれた」。「ベトナム戦争時代は、ロックが最も熱い時代でもありましたよね。作中の音楽は素晴らしくて、どれもすごい曲。戦争の中で打ちひしがれていく切ないストーリーと、音楽にどんどん引き込まれていって。その中でエンジニアという、一見とんでもないヤツの人生を観ているうちに、オレがここにいる、ダイアモンド☆ユカイそのものじゃないか、と。で、“アメリカン・ドリーム”を歌うシーンで、もう雷に打たれちゃって。今まで自分が30年間ロックをやってきて、表現したいことがこのミュージカルに詰まってる、歌いたい!と思ったんです」。が、できるのか?という葛藤を乗り越え「50才過ぎても挑戦する気持ちはロックだ!」とオーディションに挑戦、見事役を勝ち取った。「うれしいプラス、プレッシャーの固まりです。“ザ・エンジニア”の市村さんと、ベテランの駒田さん、その中でオレ。先輩ふたりと同じことはどう頑張ってもできない。ダイアモンド☆ユカイにしかできない何かで、思いっきり“アメリカン・ドリーム”を歌い倒したい。歌で表現できる喜びを感じながら『ミス・サイゴン』に賭けます」。超本気、だ。「これは自分の人生の中で一大転機。一期一会と思って、自分が出来るすべてのものをぶつけて行きたい。今見逃すと、ダイアモンド☆ユカイの“アメリカン・ドリーム”は観れないよ!」。各地の劇場で、きっと、これまでにない「ロックなエンジニア」に出会えるだろう。公演は、東京・帝国劇場にて10月19日(水)から11月23日(水・祝)まで(10月15日(土)からプレビュー公演あり)。その後、岩手、鹿児島、福岡、愛知、大阪でも上演。製作:東宝取材・文:高橋晴代
2016年09月21日2007年「犯さん哉」、2011年「奥様お尻をどうぞ」。古田新太を主演に、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が作・演出する人気の超デタラメ企画シリーズ。このたび、さらにお騒がせな第3弾が登場する。今回は成海璃子、賀来賢人が初参加。「ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~」のチケット情報ナンセンスをやろう、と2人がタッグを組んだこの企画に、レギュラーで参加しているのが山西 惇。硬派から軟派の芝居まで多岐に渡る作品に出演、重要な役どころにキャスティングされる個性派俳優だ。この企画でも、古田をはじめ、大倉孝二、入江雅人、八十田勇一、犬山イヌコらクセ者ぞろいの役者陣の中、その存在感はひと際異彩を放っている。4月、「イニシュマン島のビリー」大阪公演に出演した山西を取材、「ものすごく消耗するけど、ほんとに楽しい」と語るお騒がせ企画への想いやこれまでの作品の話を聞いた。「長い俳優人生で、初めてお尻出しました。後にも先にも、これだけ」というのが、第1弾の『犯さん哉』。前2作とも怒って途中で帰るお客さんがいた。が、大阪のお客さんはそう簡単には帰らない。第2弾の『奥様お尻をどうぞ』は、東京公演では帰る人がいたが、大阪公演は逆に「熱狂的だった」と山西。「総立ちのカーテンコールで、みんな帰らない。すごかったなぁ」。この2作目の公演時期は東日本大震災のすぐあと。どうしようもなくバカバカしいやり取りの中に、世相を反映したネタが盛り込まれた。「こんなしょうもないセリフに、これだけの説得力をもたすのは、あなたにしかできない」と、仲間から賞賛される。「デタラメを突き詰めていくと、笑えるのかどうかわからなくなる、ちょっと怖い領域に入っていく。そのキワキワのとこをやりたいんですよ。なんかすごいな、とも思わせたい」。それには、俳優としてのスキルの高さが求められるのだ。古田が「3分の1の人が大絶賛してくれれば、観客の半分は怒って帰ってもいい」と豪語する企画。「若い頃からずっと周期的に言ってます(笑)。演劇の持つ凶暴さ、ボクらが若い頃に観た唐(十郎)さんや寺山(修司)さんの芝居のような、ゾワゾワっとした気持ちを与えられる作品を作りたいという気持ちはすごくわかります。でも、ボクはできれば帰ってほしくないです(笑)」。これまで観たことがある人は「相変わらずだな、良かったって思っていただけると思う」。初めて観る人は「世の中にこんな芝居があっていいんだと(笑)。いいんです、こういう芝居もあって、いいんです!観終って説明のしようがない、『観てみないとわからない』って友達に言ってもらえるような舞台を目指します(笑)」。公演は、7月24日(日)~8月21日(日)まで東京・下北沢 本多劇場、8月27日(土)・28日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 中劇場、9月1日(木)~4日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、9月10日(土)・11日(日)までりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場で上演。チケットぴあでは東京・大阪公演にてWEB先行先着[プリセール]を受付中。ライター:高橋晴代
2016年05月18日たったひとり、立ったままでチェロを演奏する。チェロだがクラシックの演奏会ではない。会場を埋めた観客は大喜びで、掛け声を飛ばす、手拍子する、一緒に歌う。チェロ1本で音楽を自在に操り、客席を大いに盛り上がらせ楽しませる。これが、独自の音楽性を追求してきたチェリスト・吉川よしひろによる“1人チェロ・パフォーマンス”だ。吉川よしひろ(vc) チケット情報「チェロ=クラシック、じゃなくて、チェロ=自由、なんです」。吉川は生まれつき片耳に聴覚障害があり、そのハンディキャップを補うため独特の演奏スタイルを編み出した。演奏会では、ジャズ・ヒーリング・民族音楽などを融合したオリジナル曲をはじめ、幅広いジャンルの曲を披露。また、演奏活動に加え、ハンディを題材にした講演依頼も多い。今後はコンサートの新たな展開を目指す彼が、これまでの活動から学んだ生き方とは?最初はコントラバス奏者としてスタートしたが、片耳が不自由なためアンサンブル編成では自分の音が聞こえず、いじめられた学生時代。「じゃあ、耳が半分しか聞こえない人は、音楽やっちゃいけないの?」と発奮。30代半ばからチェロも演奏、ジャズチェリストとして活動し、50歳で単身渡米。オリジナリティの大切さを知り、今の演奏スタイルのきっかけをつかんだ。「チェロは男性の低い音域から女性の高い音域まで出せる、人間の声に一番近い楽器。なのに、限られた音楽でしか表現されていない。その枠を誰も越えないなら、自分でやろうと」。4弦のチェロを5弦に、高い音色まで出るよう改造。アンプを用い、新たな電子機器も駆使して「1人弦楽四重奏や、1人ジャスバンドも表現できます(笑)」。全国津々浦々をキャンピングカーで巡り、土地の空気を肌で感じながら演奏活動を続け、観客の求めるものを学んできた。「演奏曲目も構成も、開演5分前まで決めません。お客さん次第です」。おとなしく聴いていた観客が、ソーラン節に「どっこいしょ!どっこいしょ!」と大声で合いの手を入れ、笑顔になる。東北出身の宮沢賢治の詩を、自身の故郷・山形県の東北弁で「雨ニモマケズ…」と朗読すると、涙する。演奏スタイルも、曲目も、チェロが持つ既成のイメージやクラシックの常識の枠組みから解き放ち、自由を得た。「僕は、たまたま表現するすべがチェロだったけど、三味線でもなんでもいい。自由に奏でていいんだよっていうこと。いろいろ言われてもいいじゃない。人は人、私は私。片耳しか聞こえなくても、可能性を表現できる。今まで生きて来たこと、ずっと積み重ねて来たもの、そのままストレートに出して具体的に行動するだけ。それをブレないで押し通す。これまでメチャクチャ回り道してきたけど、ひとつも無駄はなかったね」。公演は、6月19日(日)京都・文化パルク城陽 ふれあいホールにて開催。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年05月16日市村正親と大竹しのぶ。日本の舞台俳優として最強のコンビで上演されたブロードウェイ・ミュージカル『スウィーニー・トッド』が、4度目の上演を果たす。作品は、18世紀末のロンドンに実在したという恐怖の理髪師をモデルに描く、痛快だが哀しい復讐の物語。音楽は、現代ミュージカルの巨星スティ-ヴン・ソンドハイム。この作品は演出の宮本亜門が「一番好きなソンドハイム・ミュージカル」であり、大竹しのぶも「独特の音楽の世界がクセになる感じで、ずうっとやりたいぐらい楽しい!」と、今回の再演を喜ぶ。大竹を直撃、作品の魅力と意気込みを聞いた。ブロードウェイミュージカル「スウィーニー・トッド」チケット情報物語は衝撃的だ。無実の罪で流刑となり、脱獄してロンドンに戻った理髪師がスウィーニー・トッド(市村)と名乗り、元の店の階下でパイ屋を営む昔なじみのミセス・ラヴェット(大竹)と手を組んで、復讐を始める。正体を知る人間を次々とカミソリで首を切って殺し、死体は人間ミンチにしてパイ屋へ。ロンドン一まずいと評判のパイ屋は肉不足を解消、かくして行列のできる店に!独特のソンドハイムの音楽のなか、舞台セットを立体遊戯具のように巧みに使う演出。大竹はこの作品の魅力を「音楽が素晴らしいです。最初は、この音、間違ってるんじゃないの?と思うような音楽ですけど、音が全部計算されていて、深い。表面ではすごくきれいなバラードを歌いながら、その下では不気味な音が鳴っていたり。とても難しい音を出さなくちゃいけなくて大変でしたけど、だんだんおもしろくなってくるんです」。物語と役柄については「すっごく恐ろしい話を笑いながら楽しくやるところが魅力的。『殺しちゃいましょっ』って、恐ろしいことを笑顔で歌って(笑)。怖い話ですけど、楽しいんです。ミセス・ラヴェットは最初からスウィーニーを『好き好き』と思っていて、好きよ、楽しいわ、お金いっぱい、ハッピー!みたいな感じ(笑)。ドキドキして、最後はそんなぁ!!って(笑)」。2007年の初演では、ミュージカルはほとんど初めてながらこの作品に挑戦した。4度目となる今回は「もっと歌がうまくなりたい。芝居でしゃべるように歌うには、すごい技術がいるので、私、ほんとに頑張らなくちゃ。これまで観ていただいた方には、ソンドハイムの音楽を、さらにパワーアップしてお届けしたい。初めてご覧になる方には、これがミュージカルだったと思ってもらえるようなワクワク感を渡したいと思っています」。初回から大阪公演の会場はシアターBRAVA!。「劇場の思い出は、やはりここで何度も公演した『スウィーニー・トッド』が一番多いです」と語る大竹の想いを乗せ、これを最後の演劇公演としてシアターBRAVA!は5月末に閉館する。公演は、5月13日(金)から15日まで大阪・シアターBRAVA!、5月20日(金)から22日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年05月13日「なんやねん、これ?!」と、観客の半分を怒って帰らせたいと豪語する舞台。作・演出にKERAことケラリーノ・サンドロヴィッチ、主演・古田新太の通称“フルケラ企画”が、2007年「犯さん哉」、2011年「奥様お尻をどうぞ」に続く第3弾を上演。モンティ・パイソンの笑いを愛するふたりがタッグを組んだ、極めつけのナンセンス企画だ。そのくだらなさ、その不謹慎さ、最上級の「なんやねん、これ!(怒or笑)」な舞台は、今の日本の演劇界で唯一無二。このシリーズが今回で打ち止めになると言う。共演は成海璃子、賀来賢人、大倉孝二、入江雅人、八十田勇一、犬山イヌコ、山西惇。シリーズ最後(?)を飾るにふさわしい、最強のメンバーが結集した。劇団☆新感線「乱鶯」の舞台で来阪した、古田新太を直撃取材!「ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~」チケット情報「『犯さん哉』で、あ、お客さんはここまでひどいことやると帰るんだなっていうことがわかり、『奥様お尻をどうぞ』でも非常に怒ってる人たちがいたりして、ある程度の成果は上げられたんじゃないかなと(笑)」。初演から10年近く経ち、3本やって「もういいか」と打ち止めにすると言う。そもそも、芝居らしい芝居にフラストレーションをためたKERAと古田が「せっかくふたりでやってるのに、なんでナンセンスやってないんだ?」というところからスタートした企画。前2回、古田はKERAと話し合ってお題を出したものの「全部ないがしろになったんで(笑)。だから今回はKERAさんに丸投げ。注文は、イリポン(入江雅人)がいっぱい出たらいいな、ぐらい。それは、ボクが見たいからです(笑)」。タイトルの“ヒトラー”は、多分出てこないだろうと思われる。「出てきても、そこか!見たいな感じだと思う。で、後半はグダグダになる予定(笑)」と古田。この企画は社会派ではありません、念のため。「この世の中で、ふざけちゃダメなことってないと思ってるんですよ。やっちゃいけないことが一番おもしろい。葬式の屁ほど、おもしろいもんはないですからね(笑)。不謹慎という言葉は、知らない(笑)」なわけで。3回目、しかもこれで打ち止めとなると「なんやねん、それ?!」度は、さらにアップするに違いない。「凶暴ではありたいと思いますね。みんなが微笑んで帰れるような作品にはしたくないと思ってるんで(笑)。誰かを傷つけたりとか、そういう気持ちで臨みたい。お客さんの半分ぐらいが怒ってくれたらうれしいです。でも、3分の1の人たちには『メッチャおもしろかった』って言ってほしいです。こんだけ達者な人たちがデタラメやるの、なかなか観れないと思うから、観といた方がいいと思いますよ」。公演は、7月24日(日)から8月21日(日)まで東京・本多劇場、8月27日(土)・28日(日)福岡・北九州芸術劇場 中劇場、9月1日(木)から4日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、9月10日(土)・11日(日)新潟・新潟市民芸術文化会館 劇場にて上演。取材・文:高橋晴代
2016年04月15日2012年にフランスで初演したメガヒット作であり、昨年には宝塚歌劇で上演された大型ミュージカル「1789 バスティーユの恋人たち」。今回、小池修一郎の潤色・演出によって梅田芸術劇場に登場する。フランス革命前夜から、革命のきっかけとなった1789年7月14日のバスティーユ牢獄襲撃までを背景に、激動の中で生まれたひとつの愛をドラマチックに描く物語だ。貴族に父親を殺された農夫ロナンは、パリに出て革命に身を投じるが、マリー・アントワネットの侍女オランプと出会い、恋に落ちる…。主役ロナンには、小池徹平と加藤和樹のWキャスト。作品キャンペーンに加藤が来阪した。『1789 バスティーユの恋人たち』チケット情報アーティストであり俳優として音楽や舞台に幅広く活動する加藤は、「レディ・ベス」や「ロミオとジュリエット」などミュージカルでもキャリアを積み、デビュー10周年に大舞台で主演の座を射止めた。「節目の年に大きな作品に参加できるうれしさと、看板を背負うプレッシャーの中で、自分がどれだけのものを残せるか」と話す。また、作品について「これまでのミュージカルとはまた違った、すごく不思議な今っぽい作品。すごくロックなんです。役に関係なく、ライブコンサートで歌いたい曲ばかりで、まず楽曲に惚れました。それに物語として楽しめるだけでなく、ダンスもアクロバティックな動きがたくさんあり、演出も舞台セットや仕掛けが新しくて、ワクワクさせられる作品です」と魅力を語った。ほかのキャストには、大型ミュージカルには欠かせない実力派がズラリと顔を揃える。オランプを演じるのは神田沙也加と夢咲ねね、アントワネット役には花總まりと凰稀かなめがWキャストで出演。「とても心強いです。ロナンは熱い思いのある役なので、仲間たちの絆や団結力を意識して、みんなで作り上げていきたい。そして、大変な状況の中でも育まれる愛があることを自然に見せられたら。組み合わせで芝居も変わってくるので、できるだけいろんな組み合わせで観ていただきたいです」。これまで多くの海外ミュージカルを独自の演出で手掛けてきた小池。今回、新ナンバーも加え、宝塚版とは異なるアレンジや、フランス版に基づくオリジナル音源を用いた演出で、新たな舞台に臨む。時代背景はよりわかりやすく、物語展開はよりドラマチックに、そしてダイナミックな世界観はより迫力を増す。その演出を楽しみにしつつ「相手役が変わっても伝える思いは同じなので、その熱量を感じてほしい。とにかく、何度観ても聴いても飽きない、本当に素晴らしい作品なので、是非劇場に来てください。最低1回だけでも!(笑)」公演は、4月9日(土)から5月15日(日)まで東京・帝国劇場、5月21日(土)から6月5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演される。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2016年03月07日2012年にフランスで初演したメガヒット作であり、昨年には宝塚歌劇で上演された大型ミュージカル「1789 バスティーユの恋人たち」。今回、小池修一郎の潤色・演出によって梅田芸術劇場に登場する。フランス革命前夜から、革命のきっかけとなった1789年7月14日のバスティーユ牢獄襲撃までを背景に、激動の中で生まれたひとつの愛をドラマチックに描く物語だ。貴族に父親を殺された農夫ロナンは、パリに出て革命に身を投じるが、マリー・アントワネットの侍女オランプと出会い、恋に落ちる…。主役ロナンには、小池徹平と加藤和樹のWキャスト。作品キャンペーンに加藤が来阪した。『1789 バスティーユの恋人たち』チケット情報アーティストであり俳優として音楽や舞台に幅広く活動する加藤は、「レディ・ベス」や「ロミオとジュリエット」などミュージカルでもキャリアを積み、デビュー10周年に大舞台で主演の座を射止めた。「節目の年に大きな作品に参加できるうれしさと、看板を背負うプレッシャーの中で、自分がどれだけのものを残せるか」と話す。また、作品について「これまでのミュージカルとはまた違った、すごく不思議な今っぽい作品。すごくロックなんです。役に関係なく、ライブコンサートで歌いたい曲ばかりで、まず楽曲に惚れました。それに物語として楽しめるだけでなく、ダンスもアクロバティックな動きがたくさんあり、演出も舞台セットや仕掛けが新しくて、ワクワクさせられる作品です」と魅力を語った。ほかのキャストには、大型ミュージカルには欠かせない実力派がズラリと顔を揃える。オランプを演じるのは神田沙也加と夢咲ねね、アントワネット役には花總まりと凰稀かなめがWキャストで出演。「とても心強いです。ロナンは熱い思いのある役なので、仲間たちの絆や団結力を意識して、みんなで作り上げていきたい。そして、大変な状況の中でも育まれる愛があることを自然に見せられたら。組み合わせで芝居も変わってくるので、できるだけいろんな組み合わせで観ていただきたいです」。これまで多くの海外ミュージカルを独自の演出で手掛けてきた小池。今回、新ナンバーも加え、宝塚版とは異なるアレンジや、フランス版に基づくオリジナル音源を用いた演出で、新たな舞台に臨む。時代背景はよりわかりやすく、物語展開はよりドラマチックに、そしてダイナミックな世界観はより迫力を増す。その演出を楽しみにしつつ「相手役が変わっても伝える思いは同じなので、その熱量を感じてほしい。とにかく、何度観ても聴いても飽きない、本当に素晴らしい作品なので、是非劇場に来てください。最低1回だけでも!(笑)」公演は、4月9日(土)から5月15日(日)まで東京・帝国劇場、5月21日(土)から6月5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演される。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2016年03月07日