発達支援教室に行けず……現在5歳の息子は1歳半健診で発語が遅れていることや意思疎通ができにくいことを指摘され、保健師さんから自治体が運営する親子通園の発達支援教室を紹介されました。しかし、そこはきょうだいの同伴が不可とのこと……。生後2ヶ月の娘は当時持病があり一時保育などの預け先がなく、また実家義実家などの親戚も遠方に住み、頼ることができません。結果、週1回の発達支援教室に行くことができませんでした。どうにもならない状況なので、発達支援教室に行くことは諦めてそのまま様子を見ることになりました。しかし、家の中にいても出かけてもすぐに怒られるようなことをする息子。合わせて持病がある娘に手がかかり、息子に十分に手をかけられる状態ではありませんでした。私自身もどうしたらいいのか分からない気持ちと、息子の発達に対する焦燥感で精神的に追い詰められていたのだと思います。いつの間にか私は息子に対してだけでなく、時にはまだ生後2ヶ月の娘にさえも、イライラと腹を立てることが多くなっていきました。Upload By ネコ山しかし子どもに当たり散らしたところで何かが変わるわけではありません。それどころか、罪悪感が重くのしかかってくるのです。誰かに助けてほしい……そう思い産後サービスなどを利用したりもしましたが、週に数時間程度の利用では焼け石に水状態……。そんな苦しい時期でしたが、さらに他の子の様子を聞きショックを受けました。息子と同じ歳の親交のあった子が療育に通い始めたそうなのです。その子も息子と同じように1歳半健診で発達支援教室をすすめられ、教室に通ったところ、そこで療育をすすめられたとのこと。「うちも発達支援教室に通うことができていたら……」と、まるで私と息子だけが取り残されてるような気持ちになり途方に暮れました。焦った私は、息子の発達を促すことができる場所を探すことにしました。そこで見つけたのが、2歳児対象の私立幼稚園のプレ教室です。幼稚園のプレ教室を経験して見えたことUpload By ネコ山幼稚園のプレ教室は、年少や満3歳クラスに入園する前に通う週1回の親子通園教室で、療育や発達支援を目的としている会ではありません。しかし、抱っこ紐を利用すれば下のきょうだいが同伴しても良く、評判も良かったので「少しでも息子が伸びれば……」との思いで入会することにしました。結果から言うと、息子には合わなかったかなと思います。大きな癇癪を起こすような事態には至りませんでしたが、最終的にはずっと先生に注意されている状態になってしまいました。息子の多動傾向が強く出ていたことが理由だとは思いますが、園のカラーと合わなかったのが一番の原因だと思います。しかし、このプレ教室に参加して良かったことがたくさんあります。1つは息子の得意なことが分かったことです。教室では絵カードを使ったレッスンがよく行われていました。その時、息子は果物や動物の絵や国旗、漢字が書かれたカードに強い興味を持ったのです。特に息子は国旗のカードを気に入っていたので、自宅でも国旗カードを購入してみました。するとたちまち国旗を見ただけで国名を答えられるように!Upload By ネコ山息子の意外な特技が発見できて私も驚きました。また、息子の苦手なこともプレ教室を通して見えてきました。息子の苦手なことは場面の切り替えやルーティン化したものが崩れることです。そのこと自体にはプレ教室入園前から私は気付いていました。しかし、それらの苦手なことの根源が、その時やりたいことを止められることだと分かったのです。このことから「息子が年少から入園する幼稚園は、比較的自由な時間が多い園にしよう」と決めました。入園説明会にて……プレ教室を利用した幼稚園は教育的にとても魅力的な幼稚園と思いましたが息子には合わないと感じたので、改めて息子と相性が良さそうな幼稚園を探すことに。まずは、知り合いのお子さんも通っている幼稚園の入園説明会に参加しました。この頃には既にインターネットで、「発達障害がある子が入園を断られたり、退園を言い渡されたりしたこともある」などの情報を聞きかじっていました。私は「もしかしたら息子もそんな事態に陥るのでは……」と、不安に思っていました。そんな背景もあり、入園説明会で園内を案内していただいた後に「誰でも入園できますか?入園面接などありますか」と幼稚園の先生に聞いてみると「職員が限られているので、自閉症(※自閉スペクトラム症)の子はご遠慮頂いています」とのこと……。息子について、発達障害の傾向があるかなどの話をまだ園にしていない状態での発言だったので、息子の入園を断られたわけではありませんが、嫌な予感がしたので入園候補からは外しました。Upload By ネコ山最後に入園説明会に参加したのが公立幼稚園です。正直なところ親としては、下にきょうだいもいるので通園バスや給食がある幼稚園だと助かるのですが、私が住む地域の公立幼稚園にはそれがありません。入園候補としては優先順位が低かったのですが、実際に入園説明会に訪れてみて印象が変わりました。園児数が少ないということもあるのでしょうが、園児ひとりあたりの職員数が多く、一人ひとりに目が届いているように見えました。そして、外遊びの時間が終わりなのに遊び続けている園児に対して、先生が丁寧に接していたことが印象的でした。また、園でのタイムスケジュールでは自由時間が多く、毎日好きな遊びや工作にそれぞれ自由に取り組んでいいとのことで、まさに息子にピッタリだと思いました。念のため「誰でも入園できますか」と聞いたところ「誰でも入れます!」と即答があり、この幼稚園に息子をお願いしようと決めたのでした。執筆/ネコ山(監修:室伏先生より)ネコ山さん、療育に通うことができなかった経緯、幼稚園選びの奮闘のご様子、その時のお気持ちなど共有くださり、ありがとうございます。療育や保育園幼稚園を選ぶにあたっては、実際に親御さんが足を運んで探さなくてはならず、療育に関しては空きがなかったり、保育園幼稚園については職員さんの人数や体制などによって断られてしまったりすることも多く、不安感や孤立感、焦燥感などのお気持ちを吐露してくださる親御さんは少なくありません。また、実際に通ってみると園のカラーや方針に合わなかったり、お子さんが馴染めなかったり、ということもあって、親御さんの苦労は絶えませんよね。なかなか現状としては難しいのかもしれませんが、自治体と園が連携して、支援を必要とするお子さんと親御さんがスムーズに、安心して、園を選べるような社会になっていくことを願います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月17日2023年12月、インフルエンサーのぷちあや(プチプラのあや)さんが、再婚を発表しました。ぷちあやさんは、SNS総フォロワー数が200万人を越える人気インフルエンサー。自身の発達障害を公表していることでも知られています。結婚後、ぷちあやさん夫婦はとある動画をアップしています。“意図せず人を傷つけることを言ってしまう”という特性を持つぷちあやさんですが、夫婦仲はとても良いそう。その秘訣はーー。話題の動画では…ぷちあやさんがYouTubeにアップした動画は、Instagramに寄せられた質問に、ぷちあやさんと夫である安藤翼さんが回答するというもの。中には、発達障害に関する質問も寄せられていました。 近年、大人になってから発達障害に気づく人も少なくありません。自身や配偶者の発達障害がわかり、戸惑い、悩んでいる人からの質問もあったのではないでしょうか。 発達障害を打ち明けるのは怖くないのか? 相手の発達障害を親に伝えるべきか? そして、発達障害を持つぷちあやさん夫婦が気をつけていることとは? ぷちあやさん夫婦は、自分たちの出した答えを話していました。発達障害を持つ夫婦の家庭円満の秘訣ぷちあやさんは、自閉スペクトラム症(ASD)と多動症(ADHD)を持っているそう。自閉スペクトラム症の特性上、何気ない言葉で相手を傷つけてしまうことが多いと話します。もちろん悪気はありません。 そこでぷちあやさん夫婦は、『1日1褒め』をモットーに、傷つけてしまった分それを補うように相手を褒めるのだと言います。そして、ありがとうを必ず言うこと、相手からされて嬉しかったことはすぐに伝えることを大切にしているそうです。 これを実践するようになって、ぷちあやさん夫婦は喧嘩が減り、関係も良好になったと話していました。 ぷちあやさん夫婦の動画はこちらで見ることができます。発達障害を持つ人や夫婦の関係性に悩みのある人は特に、ヒントがあるかもしれません。 発達障害とは発達障害とは、生まれながらにある脳の発達の違いによるものです。自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如、多動症(ADHD)、学習障害などは、発達障害に該当します。 発達障害を持つ人は、脳機能の発達がアンバランスであるため、言動や行動に特性が見られます。決して本人のやる気が足りなかったり努力不足だったりするわけではなく、治るものでもありません。また、育った環境との関係性もないと考えられています。 発達障害の特性は、環境によって欠点になることも長所になることもあります。ぷちあやさんのように、苦手なことをカバーすることで人としての魅力になったり、生きやすくなったりするケースもあるのです。発達障害との付き合い方発達障害とどう付き合うかはもちろん、身近な人にどう付き合ってもらうかも、生活する上では大切なことです。ぷちあやさん夫婦のように、特性を無理やり矯正するのではなく、特性を受け入れた上で、それをカバーする方法を考えるのはとても素敵な方法ですね。 自身の発達障害や家族の発達障害で生きにくさを感じている人は、まねしてみるといいかもしれませんね。
2024年01月15日ダウン症の弟と兄がつくったYouTubeから生まれたベストセラーの映画化!『弟は僕のヒーロー』2024年1月12日(金)よりロードショーUpload By 発達ナビニュースダウン症がある弟とその兄がつくった5分のYouTube動画から生まれた大ベストセラー書籍の映画化作品「弟は僕のヒーロー」が2024年1月12日(金)より全国で順次ロードショーされます。イタリアの高校生ジャコモ・マッツァリオールさんは、ダウン症がある弟ジョーさんを主人公に据えて、5分のショートムービー『ザ・シンプル・インタビュー』を一緒に撮影し、2015年3月21日「世界ダウン症の日」に合わせて、You Tubeに公開しました。すると、瞬く間にイタリア国内外で反響を呼び、主要各紙が取り上げるなど大きな話題に。それが大手出版社の目に留まり、ジャコモさんが弟との物語を執筆することになりました。2016年に出版された小説『弟は僕のヒーロー』は、各国で翻訳出版され、日本でも装画を絵本作家ヨシタケシンスケさんが担当した邦訳版が刊行されるなど、現在までに25万部を超えるベストセラーに。そしてこの冬、待望の映画化が実現しました。主人公のジャックを演じるのは、「僕らをつなぐもの」(2022年)のフランチェスコ・ゲギさん。弟・ジョー役は、実際にダウン症がある俳優のロレンツォ・シストさんが演じています。5歳のジャックは初めてできた弟ジョーに大喜びしました。ずっと一緒に遊べる男きょうだいがほしかったのです。そして、両親から弟のジョーは「特別な子」だと教えられました。「弟はスーパーヒーローだ!」と思い描くジャックでしたが、成長とともに「特別」の意味をだんだんと知ることに。そして、思春期を迎える頃になると弟の存在を隠すようになりました。そんなある日、好きな子を前についてしまった嘘が、家族や友達、町全体を巻き込み、やがて取り返しのつかない事件となってしまい……。きょうだい児の葛藤や家族への愛を素直に明るく描かれた本作は、笑いながら自然と涙があふれてくるようなあたたかな気持ちを運んでくれます。ぜひ、家族でご覧になってはいかがでしょうか。<劇場公開>2024年1月12日 (金)より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開※クリックすると、発達ナビのWebサイトから「弟は僕のヒーロー」のWebサイトに遷移します。障害者アーティストのさらなる活躍を応援!「アート&カカオ」第6弾、2023年12月11日(月)より発売中Upload By 発達ナビニュースウェルフードマーケット&カフェ「imperfect(インパーフェクト)」は、障害があるアーティストの所得支援を目指す「アートビリティ」と協業し、2022年9月からパッケージデザインに障害があるアーティストの作品を使用した「アート&カカオ」を発売。発売以降、人気を博した同シリーズの第6弾が2023年12月11日(月)より新たに発売されました。新発売しました。「アート&カカオ」シリーズ第6弾のパッケージデザインに使用されているのは、岡村陸矢さんの「シロクマのクリスマスツリー」。岡村さんは小学1年生の時、他の子どもたちがやっていた折り切り絵を見たことがきっかけで、ある日突然、自宅で器用に動物の切り絵を始めたそうです。2003年「第2回キラキラっとアートコンクール」にて優秀賞し、切り絵で表現されたユーモアあふれる作品はユーザーやデザイナーからも高く評価されています。また、imperfectでは「アート&カカオ」を通じて、森林の減少が進んでいるカカオの主要産地ガーナの、カカオを育てる森の保全にも取り組んでいます。岡村さんが描くふんわりと優しいシロクマたちのパッケージと、森林保全につながるチョコレートは、バレンタインや冬のギフトにもピッタリではないでしょうか。■商品詳細商品名:アート&カカオ内容:クランチチョコレート3種類×3粒 計9粒 入り販売価格:1,800円(税込)場所:新宿マルイ地下1F POPUP会場および公式ECサイト※クリックすると、発達ナビのWebサイトから<アート&カカオ>のWebページに遷移します。それぞれの日常を描く――展覧会「共棲の間合い-『確かさ』と共に生きるには-」東京都渋谷公園通りギャラリーにて2024年2月10日(土)~5月12日(日)まで開催Upload By 発達ナビニュースアートを通して、一人ひとりの多様な創造性や新たな価値観に人々が触れる機会を創出する東京都渋谷公園通りギャラリーでは、2024年2月10日(土)~5月12日(日)の期間にて「共棲の間合い-『確かさ』と共に生きるには-」展が開催されます。「共棲の間合い-『確かさ』と共に生きるには-」展では、住む、暮らす、生活する、共に行うことを起点に表現する作家たちの作品や活動が紹介されます。出展作家の折元立身さんは、顔にパンを巻きつけ街中に繰り出すパフォーマンス「パン人間」や自身の母の介護を作品とした「アート・ママ」など、生活と芸術の境界を揺るがしながらユーモアある作風で国際的に高い評価を得る現代美術家。1996年から福祉施設「やまなみ工房」に所属し活動を行う酒井美穂子さんは、28年以上、片時も「即席麺」を手放さず、食べるわけでもなく、ただ握り、ビニールの擦れる音を聞き、わずかな反射を眺め続けているそう。出展作家3人目の村上慧さんは自作の発泡スチロール製の家を持ち運びながら国内外で移動生活を行うプロジェクト「移住を生活する」を行い、既存の住居や生活様式を問い直してきた現代美術作家。そして、スウィングは障害のある人ない人およそ30名が働く福祉施設。清掃活動「ゴミコロリ」、絵画や詩やコラージュの創作活動「オレたちひょうげん族」など、既存の仕事観にとらわれない仕事や表現活動を基軸とした事業を行っています。身近な家族との関係に迫るパフォーマンス、ある食料品に対する愛着、近隣地域のゴミ拾い、現代の住居や生活様式を問い直す試みなど、表現のあり方は作家それぞれにとてもユニーク。それらの表現は、生活と芸術の境界を揺るがし、問いかけるものでもあります。しかし、作品にはそれぞれにとって最も親密で、確かなものが共棲しています。本展では、数々の作品を通じて、その「確かさ」に触れることで、作家たちの文脈化することのできない日常と芸術の間合いを感じることができるのではないでしょうか。会期中、作家のパフォーマンスやトークイベントなどさまざまなイベントを実施するほか、本展をより深く楽しむための「ウォーミングアップ企画」として、2024年1月13日(土)から1月28日(日)、2月3日(土)にプレイベントも企画されています。<詳細>会期:2024年2月10日(土)~5月12日(日)会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室 1、2、交流スペース開館時間:11:00~19:00休館日:月曜日(2月12日、4月29日、5月6日は開館)、2月13日、4月30日、5月7日入場料:無料出展作家:折元立身、酒井美穂子、スウィング、村上慧※クリックすると、発達ナビのWebサイトから「共棲の間合い-『確かさ』と共に生きるには-」展の公式Webサイトに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年01月14日主人公のあおねろさんは、夫と青森で暮らしていましたが、夫はいつもスマホばかり見て過ごし相手にしてくれません。それどころか、生活費をゲームに課金してしまう浪費癖もあり、あおねろさんが貯金しようと努力しても家計は毎月赤字状態……。夫との生活にストレスを感じるようになったあおねろさんはうつ病になってしまいました。離婚を決意したあおねろさんは夫に気持ちを打ち明けましたが、夫はずっと一緒にいたいと離婚を拒みます。夫から逃れるため、うつ病の療養をする間だけとウソをつき、5年間暮らしていた青森を出ることに。母方の親戚・おばちゃんと、いとこ・オサムが住む家で居候することになったあおねろさんは、迷惑をかけてしまうと心配していましたが、2人はとてもあたたかく迎えてくれ、本当の家族のように接してくれました。夫との離婚に向けて動き出したあおねろさんは、夫に離婚届を郵送。すると1カ月経たないうちに同意の返信があり……。別居中の夫と正式に離婚が成立したあおねろさん。離婚後の名義変更などのさまざまな手続きに疲れ、結婚はしばらくしないと心に誓いました。これでようやく本腰を入れて就職活動が始まるのですが……。これからリスタート! 夫との生活から逃げ出したかったときに相談に乗ってくれて、今の福島のおばちゃん宅で暮らすという環境を手配してくれた、いとこ・メグミが帰省。 今までよく頑張ったと褒めたたえてくれ、おまけにこれからのリスタートのために洋服をプレゼントしてくれました。そして、再就職の話から以前青森で職業適性診断を受けていたことを思い出し、診断結果の中にあるCADの仕事を目指そうかと迷走……。 そんな中、兄から元夫から慰謝料を取れるなら取れと言われ、あおねろさんは再び弁護士に相談。しかし、裁判で勝てる可能性は極めて低く、元夫との生活でお金を無駄にしたと落ち込んでしまいました。 うつ病とADHDである自分でも人並みに稼げる仕事はあるのだろうかと頭を抱えるとともに、青森で最後に働いた勤務先がブラックすぎて働くこと自体怖くなっていました。 福島の今の環境を与えてくれたメグミが帰省し、直接感謝の気持ちを伝えることができたあおねろさん。これから頑張れるように明るく励まし背中を押してくれました。 メグミから介護職が向いているのではと勧められたあおねろさんですが、元夫が介護職に就いていたこともあり乗り気ではありません。 うつ病とADHDがネックになってしまっているので、少しでも自分が好きで興味が向く職種を見つけて前向きに働けるようになってほしいですね。著者:マンガ家・イラストレーター あおねろ
2024年01月12日災害が起きた時、障害のあるわが子をどう守る?2024年1月1日に発生した能登半島地震では甚大な被害が発生し、いまも懸命な救助活動や復旧作業が続いています。そして、避難所には多くの方が身を寄せていらっしゃいます。また、公的な避難所ではない場所や、電気や水道が通らない中自宅などで過ごしている方もいらっしゃいます。地震などによる災害に直面した時、障害のある子どもをどのように守ればいいのか、そんな「いざ」という時の備えに役立てていただきたいコラムをまとめてご紹介します。障害のある方やご家族にとって、災害時の避難所などでの生活は不安なものだと思います。そんな支援や配慮を必要とする方のために「福祉避難所」があります。いざというときのため、対象者や、避難の流れ、さらに事前に準備すべきことなどをまとめました。丸山さとこさんの息子さんのコウ君には、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)があります。幼児期には、感覚過敏による偏食があったり、パニックが起こりやすかったりしたコウ君。いざというときに備えて、コウ君の「苦手」を熟知する丸山さんが日常生活の中で取り組んでいるという防災ノウハウを教えていただきました。「避難行動要支援者名簿」を知っていますか?家族の中に、避難時に支援が必要な人がいる場合、この制度が大切な命を守ってくれるかもしれません。発達障害のあるお子さん2人を育ててきた寺島ヒロさん。お子さんたちはすでに大学院生と高校生になり、一人で出かける機会も増えてきました。家族がバラバラの場所で被災したら?そんな心配も子どもの成長と共に大きくなるもの。非常持ち出し袋の中身だけでなく、スマートフォンのアプリや日ごろ持ち歩くもの、普段の心がけまで、さまざまな工夫をシェアしていただきました。「障害のあるわが子と被災したら?」「何を用意しておけばいい?」「避難所で過ごせる?」など、保護者の不安や疑問はつきません。発達ナビの心強いサポーター・井上雅彦先生と一緒に「防災ノウハウ」について考えてみました。障害や発達特性のあるお子さんや保護者の方も慣れない生活の中不安な思いを抱えていたり、報道を目にして不安になっているお子さんもいらっしゃるかもしれません。この度、発達ナビでは避難や防災に関する質問を募集します。避難生活でのお困りごとや防災に関する疑問など、お寄せいただいたご質問からピックアップし鳥取大学 大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にご回答いただき、記事での公開を予定しております。複数質問のある方は、何度ご回答いただいても問題ありません。以下、フォームよりご応募ください。さいごに支援や配慮が必要な方のための「福祉避難所」や「避難行動要支援者名簿」、障害のあるお子さんのいるご家庭で実践できる防災ノウハウなどをご紹介しました。ぜひご家族で日ごろの備えについて改めて考え、話し合うきっかけにしてみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月12日息子がいないお正月、実家と義実家へ息子の不在を説明しなければならず……公立中学の自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する中学3年生の息子と公立高校に通う高校2年生の娘がいます。2人とも小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。息子は小学校までは通常学級に所属していましたが、小5の時、コロナ禍による休校をきっかけに『いつから学校に行けるのか?』とパニックとなり、昼夜逆転や家庭内暴力が始まりました。自宅で過ごすことが困難となり、小児精神科に入院などもしましたが、今までの生活様式が一変してしまいパニック症状は悪化するばかり。中学校では特別支援学級に入るも環境に馴染めず、学習意欲も低下して不登校、昼夜逆転、家庭内暴力がさらにひどくなってしまいました。息子と話し合い「生活習慣を整えて、中学3年生の4月から家に戻れるよう目標を立てて、一緒に頑張ろう!」と一緒に目標を立てたうえで、息子は中学1年生の冬から児童養護施設に入所しました。息子の生活と精神面を整えるための決断でした。そして、わが家は息子がいないお正月を迎えることになりました。いつもでしたら、年始の挨拶で義実家、実家を訪問していたのですが、息子を連れて出かけることはできません。そのため、義父、義兄夫婦、実母、弟に息子の施設入所について伝えなければなりませんでした。「帰ってきたら鰻を一緒に食べに行こう」優しい義父義実家は、80代の義父と義兄の二人暮らしです。義母はすでに亡くなっています。義父たちへは訪問前に夫から電話で説明してもらいました。夫からの電話を義父は「うん、うん……」と穏やかに聞いてくれたそうです。分かってくれたようだよという夫の言葉にホッとしつつも、いつもより緊張して義実家へ訪問しました。久しぶりにあった義父たちは我々を温かく迎えてくれました。義父は息子の障害については全く触れず、「帰ってきたら、孫の好きな鰻を一緒に食べに行こう」と言ってくれました。その優しさに、私は涙ぐんでしまいました。義兄も特に何も触れず微笑んでいました。義兄の優しさを感じました。また後日、義姉からは「気がつかなくて、ごめんなさい。大変な子育てをしてきたんだね。困ったときは相談してね」とメールをもらいました。このような義実家の優しさは、いっぱいいっぱいだった私の心を支えてくれました。感謝してもしきれません。Upload By ユーザー体験談「なんてかわいそうなことをしたんだ!」激怒する実母私の実家は父は亡くなっており、母と私の弟が暮らしています。子どもたちが小学校低学年だった頃、私は子どもたちの発達障害について母に伝えたことがありました。ですがそれ以降、母は自分で調べた薄い知識や偏見で、「あの子たちがかわいそう」「おまえ(私のこと)の育て方が悪かったんだ」「テレビで発達障害の番組を観たけど、将来はどうするの?お先真っ暗じゃない」「仕事をするのは無理かもね」など、ことあるごとに、私や夫、子どもたちの前で言ってくるのです。そんな経緯があったため、年始の挨拶前までに私から実母に息子の入所について伝える勇気はでませんでした。さらに非難されるのが嫌で嫌でたまらなかったのです……。そして来てしまった訪問当日、私はとうとう息子がいない理由を伝えるしかありませんでした。案の定母は「施設に子どもを入れるなんて!なんてかわいそうなことをしたんだ!」「障害を持っているから、こんな事になったんだ!」と激怒。しかも、これを娘の前で言ったのです。自身も発達障害がある娘がどれだけ傷ついたか……。もう私は覚悟を決めるしかありませんでした。Upload By ユーザー体験談母からの謝罪。でも私が選んだのは……「今の私の家族を傷つける言動をするのは困る。家族を守るため、実家には行きません」母は黙って聞いていました。そしてその数日後、母から電話がありました。「私は人の気持ちが分からないの。あんたを傷つけているとは思っていなかった。ごめんね」と。それでも、私は今までの経緯があったため、母を許すことができませんでした。「今後は実家には帰省しない」と絶縁宣言をしました。Upload By ユーザー体験談努力した息子。今は将来の夢に向かって頑張っています!あれから3年ほど経ちましたが、母とは連絡をとっていません。義実家へは年始の挨拶やお盆など、定期的に訪問しています。義父は、変わらず子どもたちを大事にしてくれ、「一緒に外食に行こう」「孫の好きなものを食べさせてやりたい」と声をかけてくれます。毎回子どもたちへお小遣いもいただき、それは子どもたちの通帳に貯金しています。そして、息子はとても努力して生活習慣を整え、目標通りに退所し、現在は一緒に暮らしています。今は受験生として、幼少期からの夢をかなえるため奮闘中です。息子はまだまだ成長期です。さらに自分を高めて、どうか自身の夢を叶えて欲しいと願っています。そして安定した気持ちで就労できるよう、これからも支援し続けていきたいです。Upload By ユーザー体験談イラスト/SAKURA※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:森先生より)「お子さんを守ること」「お子さんの生活習慣を整えること」を最優先に行動できたのは素晴らしいですね。発達障害の支援の中で、家族や親族の理解を得られないという問題はしばしば見られます。「適切な支援を受けることを拒絶する」といったことも時にはあります。専門家とも相談しながらお子さんの生活習慣を整えるために出した結論に、親族の方から理解をしてもらえないこともあるでしょう。障害や支援に対して理解してくれない理由としては、気が動転してしまったり、お子さんへの愛情が強すぎるがゆえの不安な気持ち溢れてしまっているといったことがあります。ただし、その不安な気持ちを保護者の方が受け止める必要はありません。不安な気持ちをぶつけられることによって、お子さんや保護者の方が傷ついたり疲弊してしまっては本末転倒です。そういった場合は、「この子の親として、最も良い方法を探しているところだから、信じて見守って欲しい」ということを説明して、状況によっては一旦距離を置くことも必要なのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月12日コウは「立ったまま着替えること」ができませんでしたUpload By 丸山さとこ現在中学生の息子のコウが幼い頃を振り返ると、「今なら発達性協調運動症(DCD)と診断されたのかもしれないな」と思うことがあります。一番それを感じたのは、保育園年長の頃、床に座って着替えているコウを見た時でした。それまでも遊具や大き目の段差を怖がるなど不器用さを感じることはありました。ですが、それは不器用さによるものなのか性格によるものなのか分からないところもありました。それに対して服の着替えはシンプルに不器用さが目立つ状態だったため、大雑把な私でも引っかかりを感じたのだと思います。そうして、コウの不器用さを何となく感じつつも「小学生になれば変わってくるのかな……?」と思っていたある日、私は保育園の参観日にて衝撃的な光景を目にしました。教室から園庭に出ていく大勢の園児たちが、立ったまま靴を素早く履いて外に駆け出して行くのです。若干ゆっくり目なお子さんであっても、お尻は床につけずにしゃがんで靴を履いているのを見て、「やはりコウは年齢の割に動きが不器用な可能性があるな」とハッキリ感じました。不器用なような、そうでもないような?以前、滑り台やブランコで遊べなかったコウに対して、スモールステップを意識しつつ「どうやって体を動かすのか」を教えたら遊べるようになったことがありました。そのことを思い出し、立ったまま着替える練習をしてみました。すると、意外なほどスムーズにできるようになりました。Upload By 丸山さとこそれまでの様子から多分難航するだろうと思っていた私は、「あれ?教えただけでこんなにできるようになるものなの?」と首をかしげました。そんなコウの『不器用さ』を見ているうちに、私は「体を思い通りに動かせないことだけが不器用さの理由ではないのかもしれない」と感じるようになりました。不器用さに加えて『周囲の人を見ていない・同じ動きをとろうとしない』ことが影響している可能性はあるのではないかな?と思ったのです。あくまで私がコウを見た上での勝手な推測ですが、コウがASDであることをふまえれば、考えられなくはない要素かもしれません。周りを参考にして動くことも、少しずつ増えてきましたそんなコウも、小学校高学年辺りからは自発的に周りを参考にして動くことが増えてきました。学校から戻るなり「縄跳びが上手い子のやり方を見て研究してきた!」と言って突然上手な二重とびを披露したときには、大変驚きました。Upload By 丸山さとこ着替えに関しても、中学生になった今では、朝に急いで着替える時などには、立ったまま着替える姿が見られるようになりました。とはいえ、それでも靴下や靴は座って履くことが多く、彼にとっては『できるけど面倒なこと』のひとつなのかなと感じます。体幹の弱さは心配ですが、着替える度にヒョイヒョイと座っては立つコウを見ていると、『若さってすごいな~!』とその身軽さに少し感心してしまいます。私も「どっこいしょ」なしで立ち上がれるように、コウと一緒に筋トレを頑張っていこうと思いました。執筆/丸山さとこ(監修:鈴木先生より)立ったまま靴が履けなかったり着替えができなかったりするのはバランスが悪いからです。バランスを司る小脳の機能が低下している可能性があり、発達性協調運動症と診断されることが多いです。発達性協調運動症のお子さんにはOTが行う感覚統合訓練が効果的ですが、日常的には公園の遊具やアスレチックで遊ばせるのがいいと考えられています。音楽療法や乗馬療法などを試してみるのもいいかもしれません。縄跳びも、はじめのうちは縄が頭上を超えて地面についたところでその縄を見てジャンプするということしかできませんが、訓練すると手足の協調運動ができるようになり、ちゃんとした縄跳びができるようになってきます。小児科の神経外来で相談するといいでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月11日「苦手なことが少し多いだけでみんなと変わらない」不注意と多動・衝動性を主な特徴とする、発達障害の概念の一つとされている『ADHD』。(厚生労働省e-ヘルスネットより引用)日常生活の小さなトラブルが、実はADHDのサインかもしれないと気づく瞬間。私たちはそんな繊細な日々の変化にどう向き合えば良いのでしょうか?ADHDのパートナーと結婚して7年目になるKさん(仮名)は、パートナーがADHDということに偏見の目を向けられたことから、実際には苦手なことが多いだけでみんなと変わらないことを知ってもらいたいと考えています。そこで今回のMOREDOORでは、Kさんの体験談を通じてパートナーがADHDであることに気づいたきっかけ、日々の生活での悩み、そしてそれらにどう対処しているのかと、夫婦関係の専門家カップルセラピストからの意見をご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。ーーパートナーがADHDかも?と気づいたきっかけは?Kさん:大事な友人の結婚式の予定を忘れていたり、チェックイン時間に間に合わず連続して飛行機に乗り遅れたりなど、忘れ物やダブルブッキングが異常に多かったのを覚えています。また、Youtubeを見ているときに声を掛けても全く気付かなかったり、預金の引き出しをしてそのままATMに現金を置いてきてしまうこともありました。ADHDの症状の一つである「不注意さ」が垣間見えたことから、パートナーがADHDだと気づいたというKさん。ATMのお金は銀行に問い合わせて無事戻ってきたようですが、不安や心配は続いたようです。ーー日常生活を送る上で、悩んでいることは?Kさん:予定の管理ができないことです。また、全てを後回しにして期間内ギリギリに泣きついてきたり、忘れ物が多すぎることも悩みです。ーーそうしたお悩みについて、解決に向けてどんな工夫をしましたか?Kさん:予定の管理は、仕事も私用もスケジュール管理アプリにすべて入れ、一日の終わりに一緒に確認するようにしていました。後回し問題に関しては、〇〇までに〇〇しないと△△禁止(例:明後日までに〇〇さんに電話で確認しないと一週間ゲーム禁止)と約束して一緒に確認しています。忘れ物は、家を出る前に確認することができるよう、玄関ドアにホワイトボードで必要なものを書いて対策をしています。この取り組みをしてKさんは「最初は嫌がってもルーティン化してしまえば、本人だけでも気を付けられる項目が増えている」ということに気づいたそうです。ーーパートナーとは、どんな関係性を築いていきたいですか?Kさん:一般的な夫婦のように持ちつ持たれつ仲良くしていきたいです。ーー今後、社会に対して「もっとこうなったら良いのにな」と思うことは?Kさん:パートナーがADHDだと言うと「あー……」と腫れ物のように扱われることがあります。誰にでもその可能性があって、もしかしたら自分もそうかもしれないし、「苦手なことが少し多いだけでみんなと変わらない」ということを学校や家庭でも教えてほしいと思っています。またさまざまな人にADHDのテストを受けてほしいです。カップルセラピストは2人の関係をどう見る?パートナー間の関係改善を目的としたカウンセリングを行う、“カップルセラピスト”はお二人の関係をどう見るのでしょうか?日本人カップルをはじめ、英語を母国語とする異文化・国際カップルの課題解決もサポートするカップルセラピストの吉田さんに話を聞きました。ーーKさんのお話をどう感じましたか?カップルセラピスト吉田さん:「ルーティン化してしまえば本人だけでも気を付けられる項目が増えている」ということですが、人はどうしても出来ていないことに目が向きがちなものです。「出来るようになっていることに目を向けられている」ってなかなか出来ることではないと思います。きっと、ここまで来るのに幾度となくぶつかり合ってこられたことでしょう。工夫をすることによって自分で出来るようになることは、一つの大きなゴールだと思います。いつもサポートするとなると、知らず知らずのうちに対等な関係性が築きづらくなることもしばしば。「なんで私がここまでしなきゃいけないの!」という思いで辛くなってしまうこともあります。失敗の多いADHDのパートナーにとって「あなたのおかげで助かってるよ」の言葉が心が楽になる魔法の言葉だったりするかもしれません。パートナーへの感謝をお互い伝えることが、「持ちつ持たれつ」の関係の秘訣ですよね。どこに目を向けるか持ちつ持たれつの関係のベースにあるのは、お互いの感謝を伝え合うことと。Kさんは大切な人の「苦手なことが少し多い」側面を認め、自分たちに合った新しい生活のアプローチを見つけていましたね。出来ていることに目を向ける、それがより良い関係を築くための一歩を踏み出すキッカケになるのかもしれません。みなさんは、この記事を読んでどのように感じましたか?コメント・監修者:吉田 亜里咲 (よしだ ありさ)臨床心理士・公認心理師、COBEYAセラピスト。2016年鳴門教育大学大学院修了。スクールカウンセラー、心療内科、就労支援を経て、2021年よりカナダで依存症ケアを学ぶ傍ら、発達障害児の訪問支援に従事。2023年に帰国後COBEYAにカップルセラピストとして参画。日本人カップルをはじめ、英語を母国語とする異文化・国際カップルの課題解決をサポート。(MOREDOOR編集部)
2024年01月09日『ADHDだからということに捉われず、その人自身として受け入れて尊重する。』現代社会では、24万人もの人が20歳以降に発達障害と診断されています。(大人の発達障害ナビより引用)今回MOREDOORでは、ADHDの夫をもつ女性Cさん(仮名)に話を聞きました。彼女は、普通を押し付けすぎず、一人ひとりの特性が理解される“すべての人が生きやすい社会”を望んでいるようです。結婚して3年のCさんへのインタビューと、カップルセラピストのアドバイスから、パートナー間のコミュニケーションのあり方を考えていきます。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。ーーパートナーがADHDかも?と気づいたきっかけは?Cさん:一緒に生活をしてから忘れ物の多さや、携帯やお財布など置いてきてしまった……ということの多さに何かおかしいなと思いました。特に旅行の準備などが苦手なようで手配なども全て私が行っています。調べてみるとADHDの特徴に当てはまることばかりで本人に聞きました。ーー日常生活を送る上で、悩んでいることは?Cさん:パートナーは気になることがあると話が聞こえなくなり、上の空になります。カフェで普通に話していても隣の席の人の会話に気を取られたりして会話にならないので、出かけてもあまり楽しくないなと思ってしまうことがあります。また、それゆえの忘れ物の多さや計画性のなさなどにも悩んでいます。ーーそのお悩みについて、解決に向けてどんな工夫をしていますか?Cさん:お店を出る時など私が必ず忘れ物チェックをしています。また旅行の準備は私が準備する時と同じタイミングで行うようにしています。ーーパートナーとは、どんな関係性を築いていきたいですか?Cさん:ADHDということに捉われず、その人自身だからと受け入れて、お互いが快適に過ごせるよう尊重し合いたいです。ーー今後、社会に対して「もっとこうなったら良いのにな」と思うことは?Cさん:仕事面でも、仕事が出来ない人だと思われ怒られることも多いようです。普通を押し付けすぎずに一人ひとりの特性が理解されたら良いなと思います。お互いに支え合って……「小さなことの積み重ねから、違和感に気が付いた」というCさん。パートナーの症状が気になり、検索をかけたことでADHDと判明したのだそう。その後、‟パートナーの苦手な部分は自分が補う”という意識をもって行動しているようです。カップルセラピストは2人の関係をこう見るパートナー間の関係改善を目的としたカウンセリングを行う、“カップルセラピスト”はお二人の関係をどう見るのでしょうか?日本人カップルをはじめ、英語を母国語とする異文化・国際カップルの課題解決もサポートするカップルセラピストの吉田さんに話を聞きました。ーーCさんのお話をどう感じましたか?カップルセラピスト吉田さん:プライベートでも、仕事面でも、苦手なことや失敗が多いと自信が持ちにくいことがあるかもしれません。その中でパートナーがADHDに捉われずに苦手な部分をサポートしてくれることで、きっと今まで失敗の陰に隠れて見えづらかった「素敵な魅力や得意なこと」に目を向けやすくなっているのではないでしょうか。どうしても失敗の回数が増えてくると相手を責めたくなってしまうのは自然なことです。でも責められると余計に委縮して失敗が増えてしまったりの悪循環も……。「お互いの苦手を補い、得意でサポートする」そんな良い循環が作れると心地いいですよね。良い循環を生み出す関係性ADHDのパートナーをもつと大変な面ばかりがクローズアップされがちですが、実際の当事者から寄せられたのは「ADHDだからということに捉われない」「その人自身だからと受け入れて、尊重し合いたい」といった前向きな言葉でした。ADHDといってもひとくくりにはできず、個人と個人として向き合う中で見えてくる解決策があり、それがお互いの魅力を引き出す良い関係性につながるのかもしれません。みなさんは、この記事を読んでどのように感じましたか?コメント・監修者:吉田 亜里咲 (よしだ ありさ)臨床心理士・公認心理師、COBEYAセラピスト。2016年鳴門教育大学大学院修了。スクールカウンセラー、心療内科、就労支援を経て、2021年よりカナダで依存症ケアを学ぶ傍ら、発達障害児の訪問支援に従事。2023年に帰国後COBEYAにカップルセラピストとして参画。日本人カップルをはじめ、英語を母国語とする異文化・国際カップルの課題解決をサポート。(MOREDOOR編集部)
2024年01月08日『違いも受け入れ合い、誠実に向き合うことで、関係の発展に繋がる』現代社会では、24万人もの人が20歳以降に発達障害と診断されています。そんな中、発達障害(ADHD)のパートナーをもつ人は、どのように暮らしているのでしょうか。今回MOREDOORでは、発達障害を後ろ向きに捉えず、ADHDをもつ彼とさまざまな工夫の凝った生活を送るDさん(仮名)に、「日々の暮らし」をインタビュー。交際2年目となるDさんは、発達障害やそれに伴うメンタルヘルスで悩む人に対する偏見や差別が、少しでも減少してほしいと考えています。専門家であるカップルセラピストからのアドバイスも踏まえて、ご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。ーーパートナーがADHDかも?と気づいたきっかけは?Dさん:パートナーとの共同生活で気づきました。例えば、家計管理が難しく、支出がコントロールできない瞬間や、計画を立てることが苦手な面が目立ちました。また、コミュニケーションでは、話題が逸れやすく、集中が続かない様子も見受けられました。こうした些細なことが積み重なり、彼がADHDかもしれないと考えるようになったのを覚えています。生活の中での細かい変化や、普段の行動パターンに気づいたことが、キッカケでした。ーー日常生活を送る上で、なにか悩みはありましたか?Dさん:パートナーは自分の感情を表現することが難しく、私が期待するコミュニケーションのスタイルと違いました。これが誤解や疎外感を生み、悩むことになりました。ーー解決に向けて、どんな工夫をしましたか?Dさん:まずは冷静になり、お互いの期待や感情について率直に話しました。感情表現が苦手な彼に対して、テキストや手紙を活用して気持ちを伝える方法を導入しました。また、お互いにコミュニケーションのスタイルや重要視する点に理解を深め、妥協点を見つける努力をしました。ーー独自の方法を編み出したんですね。何か気づいた点はありましたか?Dさん:気づいた点は、お互いに異なるコミュニケーションスタイルがあっても、受け入れ合い、誠実に向き合うことが関係の発展に繋がるということです。ーー素敵ですね。パートナーとは、どんな関係性を築いていきたいですか?Dさん:信頼できて支え合える関係性がいいです。ーー今後、社会に対して「もっとこうなったら良いのにな」と思うことはありますか?Dさん:教育制度において、個々の生徒の学習スタイルや興味に合わせた柔軟なカリキュラムの導入をしてほしいなと思います。そうすることで、より自分に合った進学や職業を見つけやすくなるだろうなと思うからです。また、メンタルヘルスへの理解を深め、社会全体での精神的な健康の重要性を広く認識する仕組みが整備されると、もっとメンタルヘルスの問題に苦しむ人たちへのサポートが充実して、偏見や差別が減少するかもしれないと思っています。カップルセラピストは2人の関係をこう見るパートナー間の関係改善を目的としたカウンセリングを行う、“カップルセラピスト”はお二人の関係をどう見るのでしょうか?これまでの3,000件以上に及ぶ臨床経験を活かし、パートナー間の課題解決をサポートしてきたカップルセラピストの坂﨑さんに話を聞きました。ーーDさんのお話をどう感じましたか?カップルセラピスト坂﨑さん:素晴らしい対応をされていると思います。「冷静に」とさらっと言われていますが、それがカップル関係ではなかなかできない。冷静に話し合った先に、アイデア、工夫、実行が生まれてきますが、その前段階で「どうして自分のことを理解してくれないの」「相手がおかしくて、自分が正しい」という主張をし続けてしまうからです。実は、決してうまくいく方法がさっぱりわからないわけではなく、感情的なぶつかり合いが邪魔していることがほとんどです。教育制度にまで言及されているのでADHDの基本的な理解も学ばれた上で、お互いのコミュニケーションパターンを理解し工夫されているのだなと想像しました。例えば一方は「感情的交流がしたい。自分の気持ちをわかってほしい」もう一方は「現実的な解決が優先。解決すればこの衝突はなくなる」ということはカップルでよく起こることです。この理解と工夫まで辿り着けることは当たり前ではありません。お互いを思いやる気持ちが重要ADHDのパートナーをもつと大変な面ばかりがクローズアップされがちですが、実際の当事者から寄せられたのは「違いも受け入れ合い、誠実に向き合うことで、関係の発展に繋がる」といった前向きな言葉でした。ADHDのパートナーであっても、そうでなくても、お互いが冷静に向き合う中で見えてくる解決策があるのではないでしょうか。みなさんは、この記事を読んでどのように感じましたか?監修者:坂﨑 崇正(さかざき たかまさ)臨床心理士・公認心理師、COBEYAセラピスト。2010年鳴門教育大学大学院修了。スクールカウンセラー、男性相談員、就労支援相談員、専門学校講師等を経て、2021年よりCOBEYAにカップルセラピストとして参画。これまでの3,000件以上に及ぶ臨床経験を活かし、パートナー間の課題解決をサポート。(MOREDOOR編集部)
2024年01月07日3歳で発達相談を受けるも様子見に。小学校の担任へは「問題がありそうなら教えて」と必ず伝えた小学校時代現在高校3年生の息子は高校1年のときにASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。ADHD(注意欠如多動症)の傾向も平均より高いとのことです。診断は遅くなってしまいましたが、小さい頃から「もしかしたら特性があるのかも?」と感じる場面はありました。物音に敏感で騒がしいところが苦手だったり、指先にのりや食べ物などがつくのを嫌がったりなど、少し気になるところがあったため、3歳のとき、保育園から「発達相談を受ませんか?」と促されました。過敏さのほかにも、ミニカーを縦に整列させたり、ペットボトル風車が回るのをずっと眺めていたりと、私自身、薄々息子には特性があるかもと感じていたのもあり、発達相談を受けることにしました。発達相談では、想定外の事柄への不安があることや、手先も不器用で発達も遅めだということを指摘されました。ただ、環境には順応できるのではとの見解で、少し安心した覚えがあります。以降、進級して担任が変わる度に、保育園で発達の指摘があったので先生から見て気になる点がありそうなら教えてくださいと必ず伝えました。小学校でも行き渋ることはなく、発達はゆっくりめな印象でしたが、同級生とは「お世話される弟キャラ」的な立ち位置でうまくやっていたと思います。ただ特定の友達のからかい、学校生活の中でのストレスは感じていたようで、鼻をならすチックや頻尿などの症状は出ていました。また、小学3年の頃から算数への苦手さが出てきたと記憶しています。Upload By ユーザー体験談数学が壊滅的に理解できていない!家庭教師をつけ、高校受験へUpload By ユーザー体験談中学校入学以降はあれよあれよと成績が下がっていきました。中学1年の1学期の実力テストの順位は真ん中くらいで「次は頑張ろうね~」と軽く捉えていたのですが、2学期以降に、数学と英語の成績が落ちだし、家で勉強を教えても理解が遅い、教えても忘れる、数学で使うXとYの意味や、文章題の大問と小問の関係が理解できない……などなどが露呈。親が教えることに限界を感じて、中学2年から家庭教師をお願いしました。わが家は集団塾もないような地域だったので、家庭教師を探すのも大変でした。中学3年の1学期、個人面談で、日中の居眠りがひどく、数学が壊滅的に理解できていないことを担任の先生から指摘されました。数学ができないことは多少は分かっていましたが、居眠りとは衝撃。このままではいけないと先生と相談し、高校受験対策を練りました。まず、・数学は計算問題だけで点数を稼ぐ。そのため中学1~3年の計算ドリルをくり返し解く。・他教科は応用問題は捨て、基礎問題だけともかく繰り返して解く。それに加え、家庭教師にも高校受験が終わるまで来てもらいました。そして何とか定員割れの地元高校に入学。ホッとしたところで高校でもトラブルが噴出したのです。「合理的配慮が必要」と学校から言われ、急いで精神科を受診、高校1年でASD(自閉スペクトラム症)の診断が高校へ入ってからのことです。朝礼で移動教室について指示したそうですが、一人だけ違う教室に行ってしまった息子。先生が探し回ったそうです。テストを受けても、解答用紙が裏面にもあることに気づかなかったり、論理的思考が必要な問題はお手上げ状態。息子は社会など暗記科目は得意で、英語も単語は書けるのですが、文法が理解できていないことが分かりました……。そして学校から、これは合理的配慮が必要だと判断され、早急に病院で診断をもらうようにと指示されました。診断を受けるにしても県の発達専門の病院の予約は1年先になると言われ、ともかく早く受けるために家から遠く離れた精神科を受診しました。私は精神科を受診するということに、本人がショックを受けないかが一番心配でした。Upload By ユーザー体験談診断は「ASD(自閉スペクトラム症)傾向が高い。ADHDについても、不注意の傾向が平均より高い」でした。このとき息子は高校1年生、16歳でした。私は小さい頃から息子を見ていて「なにか特性があるかも」と思い続けていたので覚悟はできていましたが、本人はショックだったと思います。荒れたり、泣いたりもしませんでしたが、「オレって障害があるんだ」とつぶやいていました。精神障害者保健福祉手帳を取得するか息子と話し合ったのですが、高校卒業後に必要になること、困った時に助けてもらえるなどメリットを前面に出して説明をしました。今思えば、取得しないという選択肢はないような伝え方をしてしまったかもしれません……。その後、息子は精神障害者保健福祉手帳を取得しました。高校での合理的配慮は?就労支援体験実習で自信をつけてほしいUpload By ユーザー体験談診断後、高校では5つの合理的配慮を受けました。1.具体的表現、説明2.作業手順、指示の視覚化、ルーティン化3.十分な作業時間の確保4.次回、次週の予定の伝達5.座席位置の前方固定これによって、以前よりずいぶんと過ごしやすくなったと思います。ですがその後、高校の先生からは進学も就労も厳しいと言われ、友達からもからかわれと傷つくことの多い3年間でした。友達から「おまえ、障害があるんだって?」と言われたから言い返したとは聞いています。今何よりも後悔していることは、息子の診断が16歳と遅れてしまったことです。早く診断がついて適切な対応が取れていれば、違う方法や進路があったのではないかと思うのです。子どもに関わった先生方も、気づいていたら言ってほしかった……できれば助けてほしかった。息子へは申し訳ない気持ちでいっぱいです。息子は高3なので卒業後の進路が目下の悩みでした。しかし、先日就労移行支援事業所へ相談、ある企業で体験実習を行い、「働く力がある」と言われ就職先が決まり、胸をなで下ろしているところです。施設の方からは、自分の弱点、苦手を知り対処方法を考え、経験を積み、働き続ける力をつけることが目標と言われています。卒業後はできることを増やし、息子には自信をつけていってほしいです。そして楽しく働くことができたらいいねと話しています。イラスト/ネコ山エピソード参考/やぎ母(監修:鈴木先生より)「早期介入の重要性」は元サウスカロライナ医科大学のバークレー教授が常に言っていた言葉です。就学前では1歳半・3歳児・地域によっては5歳児健診が早期介入のきっかけになっています。それらの健診で「様子を見ましょう」と言われ、その後の就学時健診もすり抜けるとあとは、学校の先生が気づいて保護者に相談するほかは専門医に相談するきっかけがあまりありません。たとえ就学前の健診で指摘されてかかりつけ医に相談してもそこで「様子を見ましょう」と言われたら道は途絶えるのです。健診での保健師さんや医師、かかりつけ医、担任の先生、習い事のコーチなど子どもと触れ合う大人に神経発達症の知識が少しでもあれば専門医へ相談するという道はあったはずです。ADHDは6歳から治療できます。お子さんの自尊心を高めるためにも早期介入・診断・治療が重要なのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月06日『目に見えるだけが障害じゃないと知ってほしい。』24万人もの方が、20歳以降に発達障害と診断されている現代社会。(大人の発達障害ナビより引用)そんな中、発達障害(ADHD)のパートナーをもつ人は、日々の生活をどのように暮らしているのでしょうか。そこで今回のMOREDOORでは、ADHDのパートナーと結婚して10年目になるBさん(仮名)にインタビューを実施。Bさんの日々の暮らしと、夫婦関係の専門家カップルセラピストからの意見をご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。さまざまなところに違和感を覚え……ーーパートナーがADHDかも?と気づいたきっかけは?Bさん:生活面だと片付けられないところです。やったらやりっぱなしです。人間関係も広くは付き合わないし、飲み会も行きたがらない。金銭面もあったらあった分だけ使ってしまいます。コミュニケーションも一方的で人の話は聞かなくて……。そういったさまざまな面を見て「ADHDなのでは?」と気が付きました。ーー日常生活を送る上で、悩んでいることは?Bさん:やはり片付けられないことですね。ーー解決に向けてどんな工夫を?Bさん:その都度伝えて、パートナー自身に気づかせてました。ーーパートナーとは、どんな関係性を築いていきたいですか?Bさん:今のまま仲がいい夫婦のままがいいです。ーー今後、社会に対して「もっとこうなったら良いのにな」と思うことは?Bさん:まだADHDの認知度も低いので目に見えるだけが障害じゃないことを知って欲しいです。仲良し夫婦のままでいたい片付けが苦手なところや、コミュニケーションが苦手なところを見て、「パートナーがADHDなのでは」と気が付いたBさん。普段から相手をよく見ているからこそ、気が付けたのかもしれません。またADHDの症状は「怠慢、サボりだと勘違いされやすい」とも言われています。愛するパートナーの特性を上手に乗り越えてきたBさんだからこそ、世間の人にもっと知ってほしいと強く願っているようですね。カップルセラピストは2人の関係をどう見る?パートナー間の関係改善を目的としたカウンセリングを行う、“カップルセラピスト”はお二人の関係をどう見るのでしょうか?これまでの3,000件以上に及ぶ臨床経験を活かし、パートナー間の課題解決をサポートしてきたカップルセラピストの坂崎さんに話を聞きました。ーーBさんのお話をどう感じましたか?カップルセラピスト坂崎さん:結婚10年目で、「今のまま仲が良い夫婦のままがいい」と言えるのは素晴らしいと思います。その言葉が言えるまでになった背景には、「その都度伝えて、パートナー自身に気づかせる」という努力の賜物だと思いますし、辛かったことも葛藤もあったことでしょう。ADHDといっても、もちろん人それぞれで、共通点はあるものの、性格も違えば必要な対応も違っていきます。決定的に改善が難しいものもあれば、工夫次第で改善可能なことも多いです。片づけはその中でも、工夫してきたが諦めることやむなしと思っておられる部分なのかもしれませんが、その工夫をお互いの協力で見出していくことが重要ですね。向き合うことの大切さADHDのパートナーをもつと大変な面ばかりがクローズアップされがちです。しかし、実際のパートナーをもつ当事者Bさんからは、お互いに症状と向き合うことで、素敵な関係性を築けることが伝わってきました。ADHDといってもひとくくりにはできず、個人と個人として向き合う中で見えてくる解決策があるのではないでしょうか。みなさんは、この記事を読んでどのように感じましたか?コメント・監修者:坂﨑 崇正(さかざき たかまさ)臨床心理士・公認心理師、COBEYAセラピスト。2010年鳴門教育大学大学院修了。スクールカウンセラー、男性相談員、就労支援相談員、専門学校講師等を経て、2021年よりCOBEYAにカップルセラピストとして参画。これまでの3,000件以上に及ぶ臨床経験を活かし、パートナー間の課題解決をサポート。(MOREDOOR編集部)
2024年01月05日みんなの「夫婦関係」は良好?発達ナビ会員アンケート結果発表!毎日生活を共にしている夫・妻の存在。発達障害や特性のあるお子さんがいると、子育てについて話し合う機会も多いのではないでしょうか。今回、発達ナビでは「夫婦関係」についてのアンケートを実施。その結果をご紹介いたします。Upload By 発達ナビ編集部夫婦関係は「良好」「おおむね良好」という回答を合わせると59%と、過半数を占める結果となりました。一方で、夫婦関係は「あまり良くない」という回答が18%、「良くない」という回答が23%という結果に……!妻の立場の方から夫へのコメントが多く寄せられていましたが、「一緒に遊んだり勉強を見てくれる」「ときどき喧嘩もするけれど、家族を大事にしようと思う気持ちは十分伝わっている」といったコメントが見られました。「夫はわが子の障害について理解がない」「子どもに対して『怠けている、やる気がない』などと叱責する」といった子育ての考え方の違いについてのコメントも。「夫の協力が得られず、手続きや学校関係の対応はすべて妻が担っている」という声もありました。また、「パートナーにも発達障害があると思う」という方もいらっしゃいました。中には、「夫婦関係がおおむね良好なのは私があきらめているから」という方も……。参考:みんなのアンケート夫婦喧嘩にワンオペ育児、性格豹変まで!?「夫婦関係」にまつわるエピソード今回お寄せいただいた会員の皆さんのエピソードの中から、発達ナビ連載ライター陣がイラストを描き下ろし、漫画エッセイとしてリリースしたコラムをご紹介します。「こんなこと、あるある!」「わが家のことかと思った……!」と共感する部分もあるかもしれません。3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断された娘さんは現在19歳。こちらのご夫婦は、結婚して最初の数年はよく喧嘩をしていたそうですが、娘さんが生まれてから少しずつ、歩み寄れるようになったそうです。そのきっかけとなったのは……?20歳の大学生の息子さん、17歳の高校生の娘さんがいらっしゃる方のエピソードです。お子さんは二人ともADHD(注意欠如多動症)で、小さいうちは特に〇〇が大変だったそうです。そんな中、子どもたちの療育について夫婦で意見が分かれてしまい……。障害受容のタイミングがご夫婦で違うことは、よくあることではないでしょうか。付き合い始めてから11年、一度も喧嘩をしたことがないほど仲が良かったご夫婦。ふたりの関係が少しずつ変わってきたのは、DQ(発達指数)が境界域の息子さんの子育てがきっかけでした。日ごろ仕事が忙しく、子どもの特性への理解があまりないという父親も多いのかもしれません。こちらの体験談では、発達障害のある息子さんに、海外赴任中の夫がゲーム機をサプライズでプレゼント!「我慢が苦手な息子にはまだ早い」と思っていた妻は呆然……すると、予想を超える出来事が!?おわりに長年夫婦として連れ添っていれば、考え方の違いから傷ついたり、喧嘩をしたりすることもあるでしょう。そこに育児が加わってくると、さらに問題は複雑に……。発達に特性があるお子さんの子育ては、最も身近な存在であるパートナーと協力できればいいのですが、アンケートでの回答からは、さまざまなご家庭の様子が垣間見られました。忙しい日常から少し離れることができる年末年始、改めて夫婦関係を見つめ直すきっかけにしてはいかがでしょうか?発達ナビではこれからもたくさんの体験エピソードを募集していきます。あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。あなたのエピソードをぜひ教えてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月31日長距離移動、親戚とのあいさつ……発達凸凹タイプにはストレスに!?2023年もあとわずか、皆様はどのように新年を迎えるご予定でしょうか?新型コロナ5類移行後の初めてのお正月ということで、帰省される方もたくさんいらっしゃるかと思います。帰省は楽しいこともたくさんある反面、長距離移動、普段はあまり会う機会のない親戚との交流など、発達に特性があるお子さんにとっては、いつもと違う「特別」がストレスになってしまうこともあるかもしれませんね。今回は、会員の皆さんや連載ライター陣から寄せられた帰省にまつわるエピソードをまとめてご紹介します。ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、中度発達遅滞の診断を受けた娘さんがいらっしゃる読者の方のエピソードです。当時5歳の娘さんとの帰省中、道の駅で見知らぬおばあさんからの暴言を受けたことがトラウマとなり、思わぬ事態を招くことに……。海乃けだまさんは、ASD(自閉スペクトラム症)のある5歳の男の子とADHD(注意欠如多動症)のある4歳の女の子のママ。性格真逆な兄妹を連れての帰省は大変のオンパレード!多動、こだわり、かんしゃく……それでも、子連れ帰省をあきらめたくない理由がありました。切り替えが苦手で、見通し不安が強い息子さんがいらっしゃる読者の方のエピソードです。義実家に当時8歳の息子さんを預けていた際、息子さんが大パニックを起こしてしまいました。号泣する息子さんに、義父は「泣くならもう来るな!」と激怒。そのことをきっかけに、息子さんは一切帰省ができなくなってしまい……。ゆきみさんのご長男・けんと君が4歳頃のエピソードです。衝動性が強く、多動だったけんと君。遠方にあるパパの実家に帰省することになりましたが、2歳下の弟さんも動きたい盛り。公共交通機関での移動は避けて、自家用車での長距離移動に挑みました。車のトランクは偏食対策や義実家滞在のためのグッズでいっぱい……無事に乗り切ることができたのでしょうか?みんさんの息子さんのP君には、知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)があります。高速バスでご実家に帰省することもあるそうですが、長距離バスの車内ではP君の奇声や癇癪が心配です。普段は離れて暮らすおじいちゃん、おばあちゃんも、血がつながった家族とはいえ、お互いの生活ペースを合わせるのはやはり大変。みんさんが心がけている帰省のコツをご紹介いただきました。丸山さとこさんのご長男・コウ君はASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)があります。コウ君は乗り物を見るのが大好き!でも、実際に乗ると困ったことが…!?長時間の移動による”ストレスからの総崩れ”を防ぐために、さとこさんが実践している対策をシェアしていただきました。おわりにいかがだったでしょうか?実際に起きてしまったトラブルや、帰省のコツなど、参考になるエピソードをたくさんご提供いただきました。いくら入念に準備や対策をしていたとしても、帰省にトラブルはつきもの。楽しいはずのイベントが、つらい出来事となってしまうこともあると思います。それでも、そんなこともひっくるめて、発達凸凹育児の経験値は積み上がっていくものなのかもしれませんね。いつの日か、「あんなこともあったなあ」と懐かしい思い出に変わる日が来る……かも?願わくば、楽しい帰省となりますように!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月30日Q:ADHDとASDの違いが知りたいです。同じような特性でも診断名が違うことなどあるのでしょうかA:ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもたちに対してADHD(注意欠如・多動症)の併存率が高いといわれています。併存としての特性があるかもしれないと考えて配慮することが必要です。Upload By 発達障害のキホンASD(自閉スペクトラム症)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。幼少期に気づかれることが多いといわれていますが、症状の表れ方には個人差があるため就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意、多動性、衝動性などの特性があり、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。特性の表れ方によって多動・衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、多動・衝動性と不注意が混在しているタイプなど主に3つに分けられ、これらの症状が12歳になる前に出現します。特性の多くは幼い子どもに見られる特徴と重なり、それらと区別することが難しいため、幼児期にADHD(注意欠如・多動症)であると診断することは難しく、就学期以降に診断されることが多いといわれています。また、個人差はありますが、年齢と共に多動性が弱まるなど、特性の表れ方が成長に伴って変化することもあります。ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもたちに対してADHD(注意欠如・多動症)やDCD(発達性協調運動症)や知的障害(知的発達症)が併存することが多いといわれています。特にADHD(注意欠如・多動症)の併存率が高いとされています。DSM-ⅣまではASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の診断があると、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を優先するとされていましたが、DSM-5以降からASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)のどちらもあるという診断が可能になっています。最近ではASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の重複が多いとされているので、併存としての特性があるかもしれないと考えて配慮することは必要だと思います。参照:Prevalence and cumulative incidence of autism spectrum disorders and the patterns of co-occurring neurodevelopmental disorders in a total population sample of 5-year-old children|Manabu Saito, Tomoya Hirota, Yui Sakamoto, Masaki Adachi, Michio Takahashi, Ayako Osato-Kaneda, Young Shin Kim, Bennett Leventhal, Amy Shui, Sumi Kato & Kazuhiko Nakamura(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月29日寝ない、飲まない事が心配だったけど、それ以外の発達はおおむね順調。Upload By 鳥野とり子わが家の息子ねこ太は現在小学校1年生。ADHDグレーゾーンで特別支援学級に在籍しています。ねこ太は在胎27週930グラムで産まれた早産児で、新生児から生後3ヶ月の頃は寝ない・飲まない・とにかくよく泣いていて、私はその育てにくさに違和感を感じ始めていました。しかし、生後5ヶ月(修正月齢2ヶ月)頃になると目が合ったり話かけるとニコニコしたり、クーイングを発するようになってきたので発達はおおむね順調なように感じていました。睡眠も、以前の全く寝なかった頃と比べると、まとめて2~3時間寝てくれる事が時々出てくるようになりました。授乳は相変わらず直接母乳を飲むのは下手でしたが、搾乳し哺乳瓶で授乳回数を増やす事でカバーしました。その結果、1日に飲む量は増え、体重もどんどん増えていきました。私は息子の育てにくさに違和感を感じつつも、このまま少しずつ睡眠も授乳量も増えていくのかなと思っていたのですが……。※編集部注:「修正月齢」について早産児の発達や成長については、実際に生まれた日ではなく、もともとの出産予定日だった日を基準に考えていきます。これを「修正月齢」といいます。授乳に集中せずにキョロキョロしたり……遊び飲み開始Upload By 鳥野とり子生後半年頃から授乳に集中せずに周りをキョロキョロ見たり、クスクス笑ったりするようになりました。やっと少し飲む量が増えてきていたのに、遊び飲みのせいで授乳量は逆戻りしてしまったのです。授乳に集中させるために、授乳の度にカーテンをして照明を落とし、部屋を真っ暗にして、他の物が目に入らない環境をつくってから授乳をしていました。それでも飲みが悪いので、寝起きの寝ぼけている時に哺乳瓶を息子の口に入れ吸てつ反射を利用して飲ませる事に。遊び飲みは成長の証と言いますが、私はなんとなくこれがただの遊び飲みとは思えず、息子の母乳への執着のなさに消えかかっていた違和感が再燃しました。首がすわらない、寝返りしない、お座りできない。一体いつになったらできるのか不安で主治医に相談するも……Upload By 鳥野とり子運動発達の遅滞は早産児にはよく見られる傾向なので、そこまで私は気にしていませんでした。しかし、NICUで教わったリハビリを毎日しているのにも関わらず、生後半年を過ぎても全く首がすわる気配がなく、寝返りもできない息子にだんだん焦りが出てきました。早産児健診の時に主治医に相談するも、「今は様子を見るしかないですね」と言われ、「確かに今できる事はないし様子を見るしかないな」と、どうにもならない現状に対してモヤモヤしたのを覚えています。友達の赤ちゃんを抱っこして驚愕。息子と全然感触が違う……!Upload By 鳥野とり子この頃、息子と同じくらいの月齢の赤ちゃんがいる友達と会う機会がありました。私は、友達の赤ちゃんを抱っこさせてもらって驚きました。なぜなら、息子と全然感触が違うんです。息子は全身がフニャっとしていて柔らかく、力もそんなに強くないのですが、私は他の赤ちゃんを抱っこした経験があまりなかったので、息子のフニャフニャ感を気に留めていませんでした。でも、友達の赤ちゃんは力が強く筋肉がしっかりしていて息子みたいにフニャフニャじゃなかったのです。「赤ちゃんとはみんなフニャフニャしているものだ」と思っていた私はビックリすると共に、やはり息子は早産の影響でかなり発育も発達も遅れているのだという現実を突きつけられてショックを受けました。モヤモヤしながらもようやく進み始めた運動発達Upload By 鳥野とり子結局息子は首がすわったのが生後9ヶ月、寝返りも生後9ヶ月、自力でお座りができるようになったのは1歳の誕生日を迎えた頃でした。他の子よりかなり遅い運動発達ですが、ようやく成長し始めたなと少しホッとしました。(しかし、ここから歩けるようになるまで、長い道のりが待っている事をこの時の私は知りませんでした……)。生後9ヶ月で首がすわり。そして、離乳食もスタート!でも……大苦戦の予感Upload By 鳥野とり子運動発達が進み始めた月齢9ヶ月頃に離乳食を開始しました。母乳への執着がないので、食へも興味が薄いかもしれないと思っていましたが、予想は的中!口に運んでも全然食べようとしないし、無理に口に入れても吐き出してしまう状態。何度か挑戦しましたが、ひと口食べさせるのがやっとなので、離乳食は中断する事にしました。ここから長い長い……とても長い食の悩みが始まるのでした。執筆/鳥野とり子(監修:室伏先生より)ねこ太くんの乳児期について、運動発達、睡眠授乳の様子など詳しく共有してくださりありがとうございました。早産のお子さんの運動発達の進み方はさまざまで、将来をご不安に思われたり、やきもきしたり、というお声をよくお伺いしますので共感される読者の方も多いことと思います。早産でないお子さんと比較すると、自閉スペクトラム症やADHDなどの症状も多いとされています。運動面に関しては、身体が柔らかかったとのことで、筋緊張低下症というものであったのかなと思います。筋肉は姿勢保持や体温調節のために、運動をしていない時でも持続的に一定の緊張(張り)が生じています。この持続的な筋肉の緊張は、脳が司令塔となり支配されています。脳からの指令のセットポイントが弱いと、筋緊張は弱い状態となり、筋肉に触れた時に全体的に柔らかく、柔軟性も高くなります。姿勢保持にも影響が生じ、立った姿勢では腰椎前弯(腰がそってお腹が出るような姿勢)や外反足(足を後ろからみた時にかかとの骨が垂直ではなく内側に倒れこんでいる状態)、座った姿勢では円背(背中が丸くなった状態)などがみられることがあります。ねこ太くんの、その後の発達やお食事を応援させていただきつつ、次回の記事を楽しみにしておりますね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月24日冬の感染症の大御所!息子がインフルエンザにかかってしまいましたUpload By 丸山さとこ今年は秋に入ってから、全国的にインフルエンザがかなり流行っているとは知っていましたが……ついに息子のコウがかかってしまいました。家庭内での感染拡大を防止するため、1週間の間、コウにはリビングへの進入禁止とマスクの着用を徹底してもらいました。Upload By 丸山さとこ「リビングに入るのはダメ。用があれば私に言って。部屋から出たら、廊下に置いたアルコールですぐに手を消毒して。マスクは必ず部屋のゴミ箱に捨てること」……と繰り返し注意を促すうちに、コウは少しずつ感染拡大防止に対する意識を持つようになっていきました。彼は花粉アレルギーがあるので、「今、全身に花粉がついていると思ってね」という指示はイメージしやすかったのかもしれません。コウとリビングの仲介役をすることで、だんだんと私が疲れてヨレヨレに……ASDとADHDがあるコウには、日常から私は何度も同じことを繰り返し声かけしている傾向があります。インフルエンザにかかってから、コウが感染対策を意識して動けるようになるまでは、私はいつも以上にコウの行動に気を払い続けていました。そのため、コウがインフルエンザにかかってからの1週間は予想以上に疲れました。Upload By 丸山さとこまた、コウとリビングの仲介役をすることで小まめな作業が増えたことも、地味に大きな負担になりました。食事の提供・食器洗い・洗濯・浴室清掃などを、不規則に寝起きするコウのペースに合わせて行った結果、家事の量が倍増してしまいました。感染防止に加えて「私の疲労防止」も意識するようにしました「このままでは私が感染しそう」と思うくらいヨレヨレになった私は、「感染拡大だけでなく、私の疲労防止も大切にする必要があるな……!」と強く思いました。まず、コウが普段通りの食事をとれるようになってからは、私の部屋に朝食用の総菜パンやおにぎりを用意しておくようにしました。コウと私の部屋は隣同士なので、これだけでも移動の負担がかなり軽くなりました。Upload By 丸山さとこまた、昼食や夕食を渡す際に「お腹が空いたら食べてね」とパンやお菓子を添えることで、コウからの「小腹が空いた~。何かない?」に対応する手間も省けるようにしました。食事はできるだけワンプレートにまとめて、洗い物の量も減らしました。それらの小さな工夫の積み重ねで私の負担はかなり軽くなり、精神的にも肉体的にもかなり楽になりました。日常の小さな負担を見直すきっかけになりましたそうこうしているうちにコウの出席停止期間も終わり、私と夫への感染も何とか防ぎきってわが家のインフル騒動は終結しました。インフルエンザに振り回された数日間を振り返ると、「感染そのものよりも、病み上がりの状態で行っていた『コウとリビングの仲介役』が一番大変だったな」と思います。その分、負担を見直すことの大切さを実感する機会にもなりました。短期間だからできる対応や、長期間になると省けない要素があることは意識した上で、「日常生活の中で減らせる負担はないかな?」と考えていきたいと思いました。執筆/丸山さとこ(監修:新美先生より)インフルエンザのサポートお疲れ様でした。感染対策をしながら看病をするのはただでさえ大変なうえに、お子さんの特性にも留意するとさらに大変ですよね。衝動性が高いお子さんですと、感染防止のためにお願いしたルールをうっかり忘れて行動してしまったり、狭い部屋の活動に飽きてきてしまったりすることがあるかもしれません。感染防止対策をする理由を丁寧に説明して分かってもらえるようにすることは大事ですね。見えるところにお願い事項を貼っておくのもいいかもしれません。またやり取りにはICT機器(古いスマホをWi-Fiで使うなど)を活用するなどもありかもしれません。看病する保護者さんの手間がかかりすぎると大変なので、記事にもあるように、できるだけまとめて対応、ワンプレートなど手間を最小限にできる工夫はいいですね。ディスポーザブル製品を積極的に使うのもオススメです。こうした非日常の対応がきっかけで、時には日常に活用できるヒントが見つかることがあるかもしれません。なんにせよ、家族感染が予防できて、日常が戻ってきたようでよかったです。コウくんもご家族もみなさま、おつかれさまでした。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月19日寝ぼけてなんていられない……目覚め直後のこだわりみなさんは朝起きてすぐ何をしますか?洗顔?歯磨き?目覚めのコーヒー?はたまたお弁当の準備……?私は『息子にママのスマホのアラームを止めさせること』です。アラームが鳴ったら私は即座に、ベッドに埋もれているスマホを手探りで探し出し、アラームを止めたがる娘を阻止しつつ息子に画面を提示します。起き損なって娘に先に止められちゃった日にゃあもう……息子は朝から大癇癪!!すねて寝室から出ようとしません。Upload By 海乃けだま性格真逆な兄娘への対応に追われる朝ごはんタイム朝一のこだわり地雷を回避し、ホッとするのもつかの間……次は朝ごはんタイムです。リビングについて早々、食欲大魔神の娘はすぐに食卓の椅子に座り、朝ごはんを催促しまくります(笑)。一方息子はリビングのおもちゃへ直行……食パン1枚食べ終わるのに30分かかる息子なのでおもちゃで遊ばせてあげる余裕なんてありません。ミニカーに手を伸ばす息子をなんとか阻止して食卓へ座らせ、何も言わずとも勝手にパクパク食べ進める娘と、声かけしないとすぐ食べる手が止まる息子に逐一声かけしながら登園の準備と自分の準備をします。Upload By 海乃けだま夫は自分の朝食を早々に済ませ、食器洗いや洗濯物、ゴミの日はゴミ出しなどの家事をやってくれてます。ちなみに息子より食べるのが早い娘ですが、息子の量の倍ほど食べるので、食べ終わるのは娘も息子もほぼ同時です。やることは毎日一緒なのに声かけしないと進まない登園準備毎回不思議なのですが朝どれだけ早起きしても、朝食を食べ終わる頃にはいつもなぜか登園10分前です(本当、なんでー?)。もうここからは時間との戦いです。娘は「お着替えしてー!」の一言で勝手に着替えてくれますが、息子はそうはいきません。「パジャマ脱いで!」「ズボン履いて!」「靴下履いて!」着替え一つとっても、その都度、その時の進行具合で何度も何度も声かけをせねばなりません(白目)。そして、着替えがようやく終わったと思ったら、歯磨き、うがい、ハンカチをポケットにしまうといった毎日の登園準備ルーティンを、一つ残らず声かけし続けます。幼稚園に出発する頃にはもうぐったりです……。Upload By 海乃けだま視覚支援で、ホワイトボードに準備の順番を描いていた時もありましたが、効果は一瞬。すぐに飽きてしまい、見ようともしなくなりました。時計で時間を伝えたり、タイマーを使って準備を終えられるよう声かけしたり、いろいろ試してはみましたが、ボーッとしてしまうことが多い息子には結局"声かけ"が必要で、今のところお手上げ状態です。また新たなこだわりの追加……息子には最近新たに追加されたこだわりがあります。それは「登園のチャイムを聞くこと」です。幼稚園の登園時間(保育開始時間)になると、下駄箱に設置されている時計からチャイムの音が鳴るのですが、それを息子はどうしても聞きたいようで……。ならばそれを利用してやろう!!と息子の手が止まるたびに「チャイム、聞くんやろ?」と言うと少し行動が速くなります(笑)。毎朝のルーティン、そして"こだわり"を効果的に使える方法を模索する日々です。執筆/海乃けだま(監修:森先生より)性格もペースも真逆なお子さんの朝の準備はバタバタで大変なことでしょう。本当に日々頑張られていますね。「準備リストをつくって視覚に訴える」「タイマーを使う」などなど、効果的な方法はいろいろとありますね。しかしそのどれも「必勝法」ではないので、結局は試行錯誤を繰り返しながら一人ひとりのその時期その時期の個性に合わせて支援していくしかないというのがもどかしいところです。海乃さんのように、「お子さんのこだわりを尊重しつつ、効果的に使う」というのがベストな方法ではないでしょうか。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月15日幼少期から不器用さがあった息子現在6歳の息子は、4歳でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。息子は手先の不器用さがあり、できないと癇癪を起こしますが、できるように練習することも嫌がります。どうすればいいのか……長く頭を悩ませてきました。3歳頃、ボタンやファスナーをとめるのが難しく、園から自分でできるようにと言われたため、家で何度も練習させていました。また、折り紙や塗り絵、絵を描くことは自分からすることはほぼありませんでした。興味がないだけかと思っていましたが、手先を使う事が苦手だと自覚があったのかもしれません。おはしも上手く使えません。練習も嫌がり、いまだに習得できずにいます。年少時、初めての運動会のかけっこで2位だった時に大号泣。先生に抱っこされながら退場しました。そこから勝敗のこだわりが強くなりました。体にも不器用さがあるのか運動は苦手なのですが、1番にこだわりがある息子。体操教室に通っているのですが毎月のテストが一度でクリアできないと癇癪を起こします。でも練習するのは嫌みたいで、なんとも解決のしようがありません……。Upload By ユーザー体験談授業参観で寝そべって抵抗する姿に他の保護者がドン引き……小学校に入学すると勉強や集団行動が増え、息子は荒れることが多くなりました。小1の授業参観の時のことです。それぞれが育てた朝顔を観察し、花の絵と文章を書くのが課題でした。ですが息子の朝顔は花がすべて閉じてしまっており、咲いている花が1つもなかったのです。「咲いてる花を(私たちに)見せたかった!」「咲いてないから描けない!」と息子はずっと泣いていました。先生や私が「閉じてる花や葉っぱでもいいと思うよ」と伝えますが、本人の中では咲いている花を描きたかった(描くべきだ)と思っていたようで、考えは変わりませんでした。担任の先生は「こうやって書くよ」と葉っぱを少し描いてくれたものの、息子の気持ちは変わりません。そして、ついに校庭に寝そべって癇癪を起こしました。ああ、こうなってしまったか……と思いました。仕方ないと割り切ってはいますが、他の保護者のみなさんが、荒れる息子を見ないように気を遣ってくれているようで気になりました。家ではここまで騒ぐことはなかったので、対策が必要だと痛感しました。Upload By ユーザー体験談先生がすすめてくれた対策「暗号問題」でひらがなを攻略息子は手先の不器用さがあるので、ひらがなを書くことなどに苦手意識が強くありました。また、興味がないことはやりたくないという気持ちが強かったので、療育の先生や支援教室の先生と話し、興味のある「数字」と組み合わせたクイズ形式で学んでもらおうということになりました。クイズを解き、回答をひらがなで書いていくようにしたら、クイズに数字が入っていることや、解いていく快感があったのでしょうか。効果てきめんで嫌がらず、ひらがなを書いてくれるようになりました。また、絵は自由課題になると難しいので、何を描くか、どう描くか具体的に伝えてもらうことで、描けるようになりました。それでも嫌がるときは、見本を見て「この見本みたいに描いてみるといいよ」と伝えると、迷わず描けたようです。これで絵を描くことへのハードルが下がったようです。Upload By ユーザー体験談できなくても「まぁいいか」を目指して……!家でやった工夫運動は苦手だけどできないことは許せない、でも練習も嫌という息子。「まぁいいか」と思えるようになるか、練習してできるように頑張るか、どちらか一つでもできれば……と思いながらも、どうアプローチするのがよいのか難しく、頭を悩ませていました。まずは「まぁいいか」と思う場面がどのようなものか、見せる機会を増やす取り組みをしました。例えば、私と子どもでゲームをしたとき、「負けちゃったけどまぁいいか。もっとできるように練習しよう~」と口に出して言うようにしました。また、「ママが勝つと息子くんは泣くから、ママは負けるね」と宣言してみると、息子は「本気でやっていいよ。そうしないとつまらないから」と言うようになり、『ゲームは本気でやることが楽しいんだ』という視点を持てるようになったようです。ただ、実際負けたら泣きましたが……。声がけを意識するようになっても長く効果を感じることはなかったのですが、ここ最近は少しずつですが妥協して切り替えられることが増えてきたように思えます。先日は弟に負けても怒らず「弟くんの勝ちだね」と拍手してあげられ、成長を感じました。Upload By ユーザー体験談できなかったことができたときは「頑張って練習したからだね」「この前より上手になってるね」など言葉にして伝えるようにしていますが、苦手なことに向き合い、練習するという気持ちにはまだなれないようです。でもくじけずこのまま声がけを続けたいと思っています。「自分はそれでいい」と納得できるようによく息子は「自分はできない」とか「他の人より全然できない」と言いますが、自分は自分、それでいいんだと思えるようになったら、こんなに心強いことはありません。自分に必要なことは努力できる力、どうしても難しいことは、他の方法がないかさまざまな選択肢から選び取れる力がつけば、きっと人生を楽しく歩んでいってくれるのではないかと思います。私も息子にどのように伝えたらいいのか、試行錯誤していきたいと思っています。イラスト/海乃けだま※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:森先生より)こだわりが強いと、「正しいパターン」がたった一つしかないかのように感じてしまっていることがあります。現実には「正しいパターン」が無数にあるということを、まだ知らないのです。確かに図鑑や絵本でよく見る朝顔は「咲いている朝顔」です。でも、種も、芽も、葉っぱも、つぼみも、どれも「正しい朝顔の姿」です。勝負も同じ、物語なんかでは「主人公が勝つ」パターンが多いので、それが絶対の正解のように思ってしまいますが、実際は「弟が勝つ」のも楽しいゲームの遊び方としては「正解」です。「まぁいいか、これからもっと頑張ろう」というプラスな考え方も正解の一つだよ、と伝える今の教育方針は、とてもあたたかくて柔軟で素晴らしいですね。「これもみんなが喜ぶ結果につながるんだ、じゃあこれも正解なんだな」というように、これからも、お子さんの中での「正解」のパターンを増やしていけるといいのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月13日生後半年頃、ベビーマッサージで感じた違和感息子が生後半年頃、ベビーマッサージの会に参加する機会がありました。近所の会場に着くと、そこには生後5ヶ月~8ヶ月くらいの赤ちゃんと母親が10組ほど集まっていました。持参したバスタオルを敷き息子を寝かせ、周りを見渡すと、その時初めて私は、他の赤ちゃんと息子の違いを感じだしたのです。まず、ほとんどの赤ちゃんがゴロンと仰向けで寝転がっていました。なかには、うつ伏せで『飛行機ブーン』をしている赤ちゃんもいましたが、みんな大人しくベビーマッサージの開催を待っているようでした。それに対して息子は、習得したばかりの寝返りを惜しげもなく披露。ゴロゴロと部屋の端から端へ移動し、ゲラゲラと爆笑していたのです。私はこうやって元気いっぱいに動く息子しか育てていなかったので、他の赤ちゃんを見て正直なところ「元気ないな……大丈夫なのかな」「眠いのかな?」と思ってしまいました。Upload By ネコ山私たちが参加したベビーマッサージは、お母さんたちが歌いながら赤ちゃんをマッサージする流れだったのですが、私たちが歌い出すとご機嫌にしていた息子は途端に泣き出しました。「始まる前にはしゃぎすぎて疲れちゃったのかな……」そう思ってなんとかあやしたり授乳したりしましたが、一向に泣き止まず、まともにベビーマッサージに参加できませんでした。気持ちよさそうにマッサージされている子や、眠ってしまっている子を傍らに見て、初めて「息子は他の子とちょっと違うのかな」と思いました。歩き始めてからの違和感Upload By ネコ山息子が歩き始めてからは、周りの子と比べて違和感ばかり感じていました。親のそばにいられず、ちょろちょろとどこかに行ってしまう……なんていうのは、1歳過ぎの子にはよくあることだとは思います。それにしても、「待って!」「行かないで!」「危ないよ!」という言葉をかけても振り返りもせずに走っていってしまう息子には困り果てていました。その激しい動き方は、他の子の様子と比べて違和感がありました。そして、エレベーターやエスカレーター、自動ドアなどに強い興味を示す息子。いろんなことに興味を持つのはいいことですし、息子の好きなことは尊重したい気持ちはあるのですが、いちいち足止めを食らうことに「なんで……」と思う日々が始まりました。ショッピングセンターでは、おもちゃ売り場や室内遊具ではしゃぐ子どもが多数だと思います。しかしエスカレーターではしゃぐ少数派の息子は、もしかしたらお行儀の悪い子と見られていたのかもしれません。1歳半健診後の家族の反応。夫に相談してみたものの……このように息子に何か違和感を感じながら過ごしているなか、1歳半健診を受けました。結果は予感していた通り、発語が遅いことや意思疎通の微妙な感じから「様子見」と言われました。1歳半健診をきっかけに、なんらかの発達支援につながる人が多いかと思いますが、私たちの場合、家庭の状況や息子が2歳を過ぎてすぐコロナ禍に突入したため、公的な発達支援をすぐに受けることができませんでした。コロナ禍が始まってからの半年間は、ほぼ全ての子育て機関が閉鎖や機能していない状態だったので相談する場所もなく、私はモヤっとした気持ちでただ過ごしたり、インターネットで検索するしかありませんでした。モヤモヤしていたので、家族に息子の発達についての違和感を相談したのですが、実父母に話すと「気にしすぎじゃないの……?」「そのうちできるようになるよ」とのこと。確かに私は少し神経質なところがあるので、私の性格を理解している両親なりの言葉だったとは思います。義父母は息子の発語の遅さには少し困っているようでしたが「男の子だからこんなもん」とのことでした。実は実家も義実家も遠方にあるため日常的に息子の様子を見ておらず、このような感想になるのかな……とは思っています。そこで普段から息子と一緒に生活している夫に、息子の発達が遅れていることについて相談してみたのですが……。Upload By ネコ山と言われてしまいました……。さらに、息子が外出時に他の子とは違う行動をして困っていると伝えると、「大人は、言うことをきく子どもが好きだからね」との返答が。「大人は言うことをきく子どもが好き」の言葉に、私は何も言えなくなってしまいました。発語や意思疎通のレベルなどは、発達のスピードに個人差があると感じていますが、子どものちょっと困った行動についての許容範囲は、大人それぞれなのかなとも感じました。その後も何度か息子の発達について夫と議論しましたが、私の主観的な意見では夫に伝わらないと感じました。誰か第三者からの進言がないと夫には伝わらないのかもしれないと考え、私は幼稚園入園後に先生から発達について指摘されるのを待つことにしたのでした。執筆/ネコ山(監修:新美先生より)乳幼児期の息子さんについて、同世代他児と比べて違和感を感じていた様子について、詳しく書いてくださりありがとうございます。お子さんとずっと一緒に過ごして、細かく見ているお母さんだからこそ感じられる気になることがあっても、周りの家族・親族が同じように感じてくれるとは限らないものですね。ちょうどコロナ禍初期と重なって、相談できる場所にも繋がりにくかったこともあり、モヤモヤした不安を抱えて心細い思いをされたことでしょう。ベビーマッサージの会で皆が歌い出すと機嫌が悪くなってしまうというのは、もしかしたら複数の人の声が「うるさい」と感じていたのかもしれません。エレベーター、エスカレーター、自動ドアに夢中な様子からは、規則正しく動くものや、数字、機械などへの強い興味が、歩き始めて間もない頃からからあったのだと分かりますね。その時はそれがどういう意味だったのかは分からなかったとしても、ネコ山さんがいつもそばにいるから不思議だなと感じていたことの中に、お子さんの快・不快、興味関心の向きがしっかり示されていたのだなと思いました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月12日障害がある3名のピアニストがオーケストラ、合唱団と共演!『だれでも第九』 12月21日(木)サントリーホールにて開催・YouTubeにて同時生配信Upload By 発達ナビニュースYouTubeによるオンライン(生配信・アーカイブ配信)で視聴ができる『だれでも第九』コンサートが、2023年12月21日(木)サントリーホール ブルーローズにて開催されます。『だれでも第九』とは、指一本から弾ける自動伴奏追従機能つきのピアノ「だれでもピアノ」(東京藝術大学とヤマハ株式会社の共同開発)を使って、障害がある3名のピアニストと、オーケストラと合唱団がベートーヴェンの「第九」を共演する、かつてないコンサートです。出演する3名のピアニストは、生まれつき右手に欠指の障害があり、過去にピアノを習おうとしたけれどあきらめた経験がある東野 寬子さんと、先天性ミオパチーという筋肉の難病で身体を動かすことが難しい古川 結莉奈さん。古川さんは、小さい頃から音楽が好きで右手の親指で電子キーボードを弾いていたそう。3人目の宇佐美 希和さんは生後まもなく脳性麻痺と診断され、両手足に障害があります。小学校2年生の時に姉がピアノを習う姿をみて、ピアノを習い始めました。本コンサートでは、「ピアノを弾きたい」という熱い想いを持ちながらも障害のために難しさを抱える3名が、「だれでもピアノ」で一人でピアノを弾くことからさらに一歩踏み出し、オーケストラと合唱団と共演するという夢のステージに挑戦します。オーケストラは、テレビ朝日「題名のない音楽会」などメディア出演の多い『横浜シンフォニエッタ』、合唱は1956年に創設された日本を代表するプロ合唱団『東京混声合唱団』が出演します。音楽とテクノロジーの力が融合された今回のコンサートは、音楽に向き合う喜びや新たな一歩を踏み出す勇気を届けてくれることでしょう。障害や経験、年齢という壁を超え、喜びと感動が響き渡る「第九」の音色をこの機会にぜひ体感してみませんか。日時2023年12月21日(木)16:00開場16:30開演(18:00終演予定)会場サントリーホール ブルーローズ(東京都港区赤坂1-13-1)出演東野 寛子・古川 結莉奈・宇佐美 希和音楽プロデュース・編曲高橋 幸代指揮米田 覚士演奏横浜シンフォニエッタ合唱東京混声合唱団演奏曲ベートーヴェン「交響曲 第9番 ニ短調(合唱つき)」主催ヤマハ株式会社鑑賞について(1)公式YouTube生配信の視聴(無料)(2)公式YouTubeアーカイブ(ダイジェスト)配信の視聴(無料)※視聴URLは、後日『だれでも第九』特設サイトに掲載されます※サントリーホールブルーローズでの観覧(130名様・抽選)の申し込みは終了しました※クリックすると、発達ナビのサイトから『だれでも第九』特設サイトに遷移します。松村 北斗さん上白石 萌音さん、ダブル主演映画『夜明けのすべて』2024年2月9日(金)よりロードショーUpload By 発達ナビニュース『そして、バトンは渡された』などで知られる人気作家・瀬尾 まいこさんの同名小説を、『ケイコ目を澄ませて』の三宅 唱監督が映画化した『夜明けのすべて』が2024年2月9日(金)よりロードショーされます。俳優の松村 北斗さんと上白石 萌音さんをダブル主演を務める本作は、原作者の瀬尾さん自身のパニック障害(パニック症)の経験をベースにし、生きづらさを感じながら生きる男女の交流が描かれた心温まる人間ドラマです。月に1度、PMS(月経前症候群)の影響でイライラを抑えきれなくなる藤沢さん(上白石 萌音さん)は、会社の同僚である山添くん(松村 北斗さん)のささいな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまいます。転職してきたばかりにもかかわらず、やる気がなさそうに見える山添くん。そんな彼もまた、理由もなく動悸やめまい、息苦しさ、手足の震えなどのパニック発作が起こるパニック障害を患っており、ままならぬ毎日に生きがいや気力を失っていました。そんなお互いの事情を知った二人は次第に、恋人でも友達でもない同志のような特別な関係を築いていきます。本作では、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で夫婦役を演じた松村 北斗さんと上白石 萌音さんの再共演にも期待が高まっています。そして、2人が働く会社の社長を光石 研さん、藤沢さんの母をりょうさん、山添くんの前の職場の上司を渋川 清彦さんが演じます。「人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある」。生きづらさを共有することで生まれる人と人との繋がりや周りの理解……。夜明け前の暗闇のなかに、光が差し込んでくるかのような心温まるひと時を与えてくれる作品です。<劇場公開>2024年2月9日 (金)よりロードショー※編集部注:パニック障害は現在、「パニック症」という診断名となっていますが、最新版『DSM-5-TR』以前の診断名である「パニック障害」といわれることが多くあるため、ここでは「パニック障害(パニック症)」と表記します。※クリックすると、発達ナビのサイトから『夜明けのすべて』のページに遷移します。不登校・発達障害児童生徒の学び空間としてーー『学研WILL学園メタバースキャンパス』2023年12月1日(金)プレ開校Upload By 発達ナビニュース不登校や発達障害の傾向のある児童生徒を主として、小中高と幅広い児童生徒が通う通信制サポート校・フリースクールとして、首都圏・東海・関西に8拠点を展開する学研WILL学園が、2023年12月にメタバース空間を活用した完全オンラインのフリースクール・サポート校「学研WILL学園メタバースキャンパス」をプレ開校しました。今回、新たに開校するメタバースキャンパスは、対面スタイルのWILL学園の特徴である「少人数でアットホームな環境」「無学年制・個別対応などの自分ペースの学び」「豊富な体験講座・課外活動」を大切に継承。そこに、バーチャル空間を利用したオンライン指導の技術を活かした「プログラミング」や「ChatGPT」など、今注目されているスキルも合わせて学ぶことができます。また、自宅から参加できるクリスマスパーティーや新入生歓迎会といったオンライン交流会のようなメタバースキャンパスらしい行事やイベントに加えて、対面でのオフ会遠足や1泊2日の宿泊行事なども予定されているそうです。当校の対象は、小学6年生~高校3年生まで。学校の進度に合わせた学習だけでなく、過去学年に遡っての復習や面接・作文対応も含めての受験指導、大学や専門学校で習うような「心理学」「お金の勉強」や、判断力、思考力を養うための「eスポーツ」の授業まで、幅広く学ぶことができます。さらに、高等部では通信制高校の制度を利用することで、離島や一部地域、海外在住でも日本の高等学校の卒業資格を取得することできます。中等部も、学習指導要領準拠のオンライン教材を用いることで、メタバースキャンパスに在籍中も学校での出席認定が可能。「誰かと繋がりたい」「色んな経験がしたい」「学びたい」という意欲があれば、自宅から毎日通う(ログインする)こともできるメタバースキャンパス。今後、さまざまな事情や困難さを抱えた子どもたちの多様な学びを支える場として、輝く未来を照らす存在となるのではないでしょうか。※クリックすると、発達ナビのサイトから『学研WILL学園メタバースキャンパス』のページに遷移します。「『遊び』を通して、子どもの育ちを共に考えるシンポジウム 発達支援のめざすもの~子どもの興味・関心・遊びを広げたくなる時~」東京女子大学にて 2023年12月17日(日)開催ーー令和5年度 杉並区発達障害児地域支援講座 実践報告会Upload By 発達ナビニュース杉並区立こども発達センターと東京女子大学が協同で行う地域支援講座「『遊び』を通して、子どもの育ちを共に考えるシンポジウム 発達支援のめざすもの〜子どもの興味・関心・遊びを広げたくなる時〜」 が、東京女子大学にて2023年12月17日(日)に開催されます。子どもたちの日々の生活のなかで、「遊び」にフォーカスする今回のシンポジウム。子どもにとっての「遊び」は、社会性を身に付けるなど、子どもの成長や発達にとって重要な体験が多く含まれているといわれています。それでは、特別なニーズがある子どもたちが「遊び」を体感するには、どのような理解と支援が必要なのでしょうか。加えて、彼らと共に生きる保護者を含めた大人たちには、どんな意識や支えがあるとよいのでしょうか。「興味の幅が狭い」「こだわりが強い」など特性がある子どもの「遊び」について、発達支援事業所の支援者や幼稚園や保育園の先生方、医学的・臨床心理学的に支援している専門家の方々、そして今回の参加者のみなさんと共に、さまざまな角度から考えていきます。杉並区立こども発達センターと東京女子大学が連携し企画運営をする本講座は、発達障害に関心がある方であればどなたでも参加可能です。本講座への参加を通じて「共に生活し、共に育っていく」という、インクルーシブな環境づくりを共に考えてみてはいかがでしょうか。【第1部】児童発達支援事業所、保育園、幼稚園による実践報告【第2部】シンポジウム司会:森田 慎一郎氏(東京女子大学)助言者:勝盛 宏氏(河北総合病院)、前川 あさ美氏(東京女子大学)日時2023年12月17日(日)13:00~16:00会場東京女子大学24202教室対象発達障害に関心のある方参加費無料定員200名申込方法2023年12月11日(月)までに、下記申し込みフォームからお申し込みください申し込みはこちらから※クリックすると、発達ナビのサイトから杉並区ホームページ『令和5年度 杉並区発達障害児地域支援講座 実践報告会』のページに遷移します。大人気ミステリードラマ『アストリッドとラファエル文書係の事件録』(字・吹)が見放題配信中!Upload By 発達ナビニュース論理的で繊細な頭脳派の文書係アストリッドと、直感的で大胆な行動派の警視ラファエル。正反対のふたりが難事件を解決するフランス発大人気犯罪ミステリー『アストリッドとラファエル文書係の事件録』がPrime Videoチャンネル「シネフィルWOWOW プラス」で配信中です。犯罪資料局で働く自閉スペクトラム症があるアストリッド。警官だった父の影響を受け、子どもの頃から刑事事件の調書や謎解きに人一倍興味を持っていました。そして、犯罪学者や監察医並の知識も兼ね備えているという頭脳派。ある日、警視のラファエルに的確な資料を出したことで才能を見出され、難事件を一緒に調べてくれとアストリッドをスカウトしたことから物語は始まります。論理的で几帳面、犯罪捜査のデータベースのようなアストリッドと、思いつきで行動する猛進型だが、おおらかで誰に対してもフレンドリーなラファエルという正反対の女性二人。しかし、アストリッドは自閉スペクトラム症を周りから理解されないという苦悩を抱えています。いっぽうでラファエルもまた、愛息の親権を失う悲しみを抱いていて……。お互いの苦悩と孤独を理解し合い、事件を解決したいという情熱を共有することで、徐々に距離が近づき、アストリッドとラファエルは最強のバディへと成長していきます。そんな二人の姿から「自分ができないことを誰かと補い合い、助け合うことで、自分一人ではできなかったことが成し遂げられる」のだと感じさせられるドラマです。ファンの方はもちろん、初めての方も、この機会にぜひご覧になってはいかがでしょうか。<配信情報>『アストリッドとラファエル文書係の事件録』(字幕版・吹替版)シーズン1&2配信中シーズン32023年12月8日(金)より配信開始※クリックすると、発達ナビのサイトから『アストリッドとラファエル文書係の事件録』のページに遷移します。ドキュメンタリー映画『マイ・ファミリー~自閉症の僕のひとり立ち』2023年11月25日(土)より順次公開中Upload By 発達ナビニュース自閉スペクトラム症がある男性の8年間を記録したドキュメンタリー映画『マイ・ファミリー~自閉症の僕のひとり立ち』が2023年11月23日(木)の東京上映を皮切りに、2024年1月より京都、神奈川、愛知にて順次上映されます。オランダに暮らすケース・モンマは42歳。9歳の時にテレビで自閉スペクトラム症を取り上げた番組を見て、自分が当事者であることを自覚し、のちに自閉スペクトラム症だと診断されました。現在ケースは、自治体の文書館で働きながら、カリグラファーアーティストとしての仕事もこなしています。ケースの住まいは実家の離れ。長年”半分自立”した暮らしを送ってきましたが、365日かいがいしく世話をしてくれる両親は80歳を超え、母親には認知症の兆候が現われ始めていました。ケースは、老いと共に変わっていく両親を目の当たりにし、パニックに陥ることも。そんな息子を見て「自分たちが亡くなったあとも安心な暮らしをさせてやりたい」と願う両親は、ケースの本当の自立を目指しますが、一筋縄ではいかなくて……。監督を務めたのは、オランダ本国で450万人が鑑賞したと言われ、のちにテレビシリーズ化もされた「ケースのためにできること」を手がけたモニーク・ノルテ監督。ケースとは1997年に出会って以来、26年間にわたって交友があり、ケースと両親の関係を撮り続けてきました。本作でも、ケースと家族の紆余曲折の「自立を目指す日々」を、ありのままのケースの姿と、そして家族との生活に寄り添いながら丹念にすくい取り、ユーモラスに映し出しています。<劇場公開>・新宿K’s cinema2023年11月25日 (土)~2023年12月8日(金)・アップリンク京都2024年1月下旬・横浜 シネマ・ジャック&ベティ、名古屋シネマスコーレ、シネ・ヌーヴォ、元町映画館など近日公開予定※クリックすると、発達ナビのサイトから『マイ・ファミリー~自閉症の僕のひとり立ち』のページに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月09日幼稚園では特に目立っていなかったのに……小学校入学後、先生から叱られるように今回は、ASD(自閉スペクトラム症)・ADHDと診断されている長男ハル(現在高1)が、小学校に入学した頃のお話です。幼稚園では特に目立った困りごともなく、集団行動もできていたハルは、地元の公立小学校の通常学級に入学しました。しかし入学したとたん、担任のベテラン先生から頻繁に叱られるようになったのでした……。Upload By 安田ふくこ小学校生活についていけるように……親子で必死だった日々入学して3週間も経たず先生に呼び出されて、一番私が衝撃だった言葉は「クラス中の34人ができることが、ハルくんにはできません!」でした。先生は明らかにイライラしていた様子でしたが、私は頭をガーンと殴られたような気持ちでした。具体的には、以下のような指摘を受けました。・全体指示で集合場所(例えば校庭など)を伝えても、ハルくんだけ来ないことがあった・コツを教えても、逆上がりや縄跳びが全然できない・ちょっかいを出してくる子を、無視できず反応してしまう(流せない)「ハルが、みんなができて当たり前のことをできない」と言われたショックと、「小1の子どもは、そんなに先生の言うとおりに一度でできるの!?」というショック……。幼稚園の頃、周囲の人たちにハルの発達について相談した時には『子どもなんてみんなそんなものだよ』と言われていたのに……やっぱりウチの子だけだったの?と、私は焦りました。ここからは私も必死でした。「先生のお話をちゃんと聞きなさい」「縄跳びの練習をしよう!」「逆上がりの練習をしにいくよ!」「イタズラしてくるお友達には反応しないの!」なんとか小学校に慣れさせなければ……!そう思って何度もハルに禁止事項を伝えて、やらなければいけないことも伝えて。縄跳びや逆上がりの練習を、一緒にしていきました。その頃は、まだ下の子どもたちも小さかったので、ただでさえ大変な中、ハルに付きっきりになるのは至難の業でした。ハルのことで一生懸命になる私を、さすがに仕事ばかりの夫も見るに見かねたのでしょうか。少しの時間ですが、縄跳びや逆上がりの練習に付き合ってくれることもありました。Upload By 安田ふくこ発達特性への理解がまだ乏しかった当時を振り返って今思えば、親として厳しくやりすぎたところもあったかも知れないと、猛省しています。先生のお話を、覚えていたくてもすぐに忘れてしまう特性(ワーキングメモリーの低さ)。何回みんなと同じように頑張っても、協調運動が苦手(DCD(発達性協調運動症))。納得いかないことを言われたりされたりすると、スルーできず気になってしまう……。全部ハル自身が、したくてしてるわけではないのに。それでも、見た目では分からないそういった特性を、理解してもらうのも、するのも、当時は難しかったのでした。『みんなができることができない。努力不足』――担任の先生からそんなふうに言われたことで、まるで自分がやってきたこれまでの子育てを否定されてる気がして、私はショックと焦りでいっぱいでした。※ハルの担任の先生のように、当時50代後半で、定年間近な年代の先生の中には、発達特性について詳しくない方がまだ結構いらっしゃいました。今の私であれば「それでもハルのペースを大切にします!」と、堂々と言っていたかもしれません。その頃の私は経験不足で、年上ベテラン先生からの言葉を、うまく受け流すことができませんでした。しかし、ここでハルと一緒に頑張ったことは、全くの無駄ではなかったようでした。縄跳びや逆上がりの練習に加え、帰宅後にやるべきことのルーティンが定着するまでは、私も下の子どもたちの面倒を見つつハルにこまめに声をかけたり、目立つよう予定を紙に書き「見える化」したり、ハルの側で見守り続けました(補足いたしますと、「コツを掴むまで注意し、そばで共に練習しつつ見守る」というサポートの仕方が向いていたのが長男でした。同じ診断名であっても次男は同じタイプではありません)。Upload By 安田ふくこハル自身が努力するタイプだったということもあり、その後は何とか小学校のルーティンを覚え、縄跳びや逆上がりもだんだんとコツを掴んできて……。ついにできるようになりました。『最初こそ周囲の子よりも物事を理解する力の差が目立つものの、一度ルーティンを覚えれば、人一倍真面目にそれを「熟す」努力をする』。注意深く見守っている中で、「ハルはそういうところがあるのだなぁ」と私は気がつきました。ですが今思えば、それも発達特性の一つだったのだ……と分かるのです。小1最後の学習参観で、先生からとても褒められたけれど小学校のルーティンを覚え、縄跳びや逆上がりもマスターしたハルは、先生から見ても目を見張る成長っぷりだったのだろうと思います。小1が終わる頃の学習参観では、「ハルくん!クラスの中で一番成長しましたよ!本当によく頑張りました、立派です!」と担任の先生から声をかけられたのでした。Upload By 安田ふくこ発達障害のことをまだ知らなかった私は、褒めてもらえて笑顔になったハルを見て、単純にうれしかったですが……。心のどこかに、モヤっと引っ掛かる「何か」を感じていました。この引っ掛かりとは一体何だったのか?ハルが小学校高学年になった頃にようやく、明らかになるのでした。その話は、またの機会に書かせていただきたいと思います。執筆/安田ふくこ(監修:新美先生より)小学校入学時のお話を聞かせていただきありがとうございます。1年生入学した早々の、担任の先生からの『みんなができることができない』というようなご指摘は、あまりにも無慈悲な暴言ですよね。時代がちがう?いえいえ、数年前でも十二分に暴言だと思いますが、まぁそれは置いておいて、安田さん、それまでの子育てを否定されたように感じてしまい、親子二人三脚で努力を重ねられたのですね。お疲れ様でした。あとになって振り返れば、頑張らせ過ぎたと思うところもあるのかもしれませんが、協調運動が苦手でも信頼関係のある親子で自分のペースで練習を重ねることで、できるようになることもありますし、生活のルーティンをつくるために本人に分かりやすく「見える化」の視覚支援をすることで、スムーズに生活が流れるようになったことはとても良かったのではないのでしょうか。苦手を努力だけで克服しよう、全てみんなと同じ水準にと頑張りすぎると、いずれかの時点でキャパオーバーすることもあることに留意しながら、本人のやりやすいやり方を取り入れたり、繰り返して練習したりしてカバーしていくことはある程度は有効ですよね。さて、安田さんの心の引っ掛かりがなになのか、次の記事も楽しみにしています。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月07日不器用で学校も休みがちだった息子現在14歳の息子は、小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。小さい頃から不器用さが目立つと共に、音や匂いに対する感覚過敏があったため、集団生活では疲れてしまう息子。小学2年生~中学1年生までは学校を休みがちで、何かと心配でした。なぜ手を離す!?ブランコ流血事件といつも反対方向に動いてしまうラジオ体操息子が6歳だった時のことです。公園で息子はブランコをしていたのですが、いきなり手を離し後頭部から落ちて、地面の石にゴツン!頭から出血してしまいました。派手に出血したので慌てて病院に行き、縫ってもらいましたが、吐いたりすることもなく大事には至りませんでした。Upload By ユーザー体験談落ち着いてから息子になぜ手を離したのか聞いてみると、手を離したらどうなるかと思ってやってみたと言うので驚きました。おそらく、手を離したら体がどのような動きをするかが想像できなかったのだと思います。普段からボディイメージが弱いのではと思っていましたが、それが原因なのかもしれないと思った私。今後もケガにつながりそうで怖いと思ったので、ブランコ遊び中に、手を離すと落ちてケガをするので、離さないようにと息子に伝えると共に、他の動きについても細かく教えていく必要があると感じました。Upload By ユーザー体験談この時はまだ診断前でしたが、息子は何かが違うという違和感がありました。また息子はラジオ体操も苦手でした。いつも前屈で膝が曲がってしまいましたし、周囲と反対方向に動いてしまいます。幼稚園から小学低学年まで、運動会でラジオ体操をする時間があったのですが、その動画を撮影しながら周りとはあまりにもかけ離れた息子の動きに、かわいらしいとつい笑ってしまいました。ラジオ体操の動画を見せ本番に向けて家で数回練習しても、あまり上達は見えません。ただ、本人は体操できないことをあまり気にしていなかったのが幸いでした。家で行った不器用対策は「ともかく予習すること」このような息子だったので、初めて何かに取り組むときは、なるべく家で練習するようにしていました。蝶結びや習字、裁縫や彫刻刀などは、やり方が説明されている動画を見て授業前に自宅で予習です。物の使い方というものは対面で教えるのがなかなか難しいため、私は息子の横に座って、手取り足取り教えるなどしていました。また道具選びにも注意して、コンパスといった文房具は不器用な子どもでも使いやすく工夫したものを利用しました。息子は利き手が決まらなかったので、今もはしは右手持ち、鉛筆は左手持ちです。蝶結びができるようになったのは、小学3年生でした。不器用さはついてまわりましたが、少しずつできるようになっていく様子をみるのはうれしいものでした。Upload By ユーザー体験談息子は小学2年生~中学1年生までは学校を休みがちで、小学5年生、6年生の2年間だけ通級指導教室を利用しましたが、それ以外は通常学級でなんとか過ごしていました。中学生になってもこのまま学校に行ったり休んだりなのかなと思っていましたが、中学2年生の時に息子に大きな変化があったのです。それ絶対苦手じゃない!?母の心配をよそに中学2年生で運動部に入部した息子は……中学2年生になった息子は、なんと友人から誘われて集団競技の運動部に入部したのです。ただでさえ学校を休みがちでしたし、その上部活までできるのか不安でした。それに、不器用さがあるので運動が苦手な面があるのはもちろんですが、瞬時の判断や相手に負けない気持ちやぶつかる場面などがあるスポーツなので、争いが苦手な息子には1番不向きでは?とびっくりしました。ですが、母の予想に反して部活に入ってからの息子はどんどんいい方向に変わっていきました。まず、なぜ学校に行かなければならないのかと言わなくなり、休まず登校できるようになりました。友人関係も良好になり、休日も遊ぶ仲間ができました。Upload By ユーザー体験談当然毎日忙しくなります。そこでたまったストレスを解消し充電する時間として、下校後や部活動後にトイレにこもるようになりました。ですが、その時間を過ごせば、また学校へ行って部活ができるので、これは息子なりの回復方法、許容範囲内だと思っています。そして約2年間部活に通い続けた息子は、心身共に強くなりました。一方で、学習面でも塾を利用しながら勉強方法のコツをつかんで、中学3年生で成績が伸びました。忘れ物や整理整頓が苦手でうっかりミスが多いですが、大事なものはなくさないように意識できるようになり、家の鍵をなくさなくなりました。感覚過敏もほぼなくなったように感じます。思春期で親には塩対応ですが、これも成長の証。大きな成長をただただ目を細めて見ています。目標は一般就労と一人暮らし!きっと叶えられるよ!現在の息子の目標は一般就労と一人暮らしです。中学での大きな成長を見る限り、このまま頑張り続けてくれれば、夢ではないのではと思っています。息子は実行機能が弱く、後回し癖がある点が心配なのですが、だんだんとやるべきことを優先できるようになっていってほしいです。仲間と楽しく過ごして、自立に向けて家事や金銭、健康、時間管理の術を身につけていって人生を謳歌してくれたら、こんなにうれしいことはありません。イラスト/吉田いらこエピソード参考/カピバラ(監修:藤井先生より)ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されていても、成長はそれぞれ違いますね。14歳になる息子さんの成長を読ませていただき、そのことを実感いたしました。なるべく、生活に支障がないようにと、できることはしてあげたい親心からいろいろサポートしても、それをしたからすぐに実を結ぶとは限りません。友人との出会い、好きな趣味との出会い、などさまざまな経験も成長の糧になることがあります。「大きな成長をただただ目を細めて見ている」とのこと、とても良いなと思いました。わが子ゆえ、気になることはあるのかもしれませんが、お子さんのペースで成長している様子を見守るのも大切ですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月07日良くも悪くも周りに関心を持たないタイプの夫わが家には二卵性の双子がいます。息子も娘もASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のグレーゾーンです。小さい頃は初めての育児で双子、さらにワンオペで育てづらさも相まって大変でした。夫は良くも悪くも周りに関心を持たない、あまり悩まないタイプです。子どもが生まれた頃は40代前半でした。夫婦二人のときは特に問題を感じていなかったのですが、出産から1歳半くらいまでは特につらかったです……。Upload By ユーザー体験談私の妊娠が分かり退職後も財布は別々のまま。私の貯金は0に……Upload By ユーザー体験談同棲期間が長くお互い仕事をしていたせいか、入籍後も財布は別々、個々の買い物もそれぞれが負担していました。それが、私が妊娠し仕事を辞めてからも続き、医療費、食費、光熱費についても私の分は貯金を崩して支払い続けたため、当然貯金も底がつきどうにもならなくなってしまいました。それまでも何度もお金について話し合いをしようと思っていたのですが、とても言いづらく……。ここでやっと夫に切り出しました。私が妊娠し退職している状態でも、働いている時と同じように経済面の負担を求められるのは難しいこと、今の状況なら、働いている夫が全て負担してもらわないと生活ができないことを伝えたところ、「そんなもんなの?」と聞き返されました。その時の夫の様子を見る限り『自分の負担が増えるということに気づきたくなかった』という感じでした。そして「あぁ、自由にお金が使えなくなるなぁ」とボソッといいましたが、それからはもろもろのお金が夫が負担するようになりました。動き回る息子、癇癪がある娘……育てづらさがある双子育児をワンオペ対応していたら、うつ状態に時は過ぎ、里帰り出産をして家に帰ると、待っていたのは双子ワンオペでした。出産後も夫は出張と残業ばかり。私は助けもない中での経験値ゼロからの2人育児に参っていました。2人とも首座りや歩くのも早く、目が離せませんでした。しかし、言葉はなかなか出なかったので私は1人で不安に感じていました。気分転換に外に行くにしても、息子はとにかく動き回るし落ち着きがなかったので、とてもではないですが1人で2人を見ることなんてできません。ずっと引きこももっていました。そして1歳3ヶ月になって2人ともお昼寝をしなくなると、それまでの生活リズムが大きく変わりました。明け方4時半頃からずっと起きているような日も出てきて、私の睡眠不足状態で、2人の世話だけをずーっとやっていました。娘は特に癇が強く、何かあるとひどく泣き喚き、その声にも精神的に追い詰められていきました。Upload By ユーザー体験談もうほぼうつ状態だった私。出張帰りの夫が空港に着いたというメールを見たとき、それまで張りつめていたものが切れてしまい、夫が帰宅するまでベビーベッドの前に座り込んで泣き崩れていました。夫から「何をしたらいい?」と聞かれた私の答えは帰宅した夫から最初にどう声をかけられたのは覚えていません。ただ「ごめん」と言われたような気がします。そのあとに「何をしたらいい?」と聞かれ私は「ただ手伝って欲しい」と答えました。すると夫は「何に手を出していいのか分からなかった。手を出したら私に怒られると思ってた」と。ここで私は「早く帰ってこられるならお風呂、無理なら夕食後の食器洗いと、私が対応できなくくらい疲れているときは、夜中の子どもの対応をやって」と具体的にお願いをしました。するとこの日から、ワンオペ育児が変わったのです。Upload By ユーザー体験談それからの夫は子どもたちのお風呂や後片づけ、汚れ物の下洗いをやってくれるようになり、私も昼間2人を連れて児童館に行けるくらいの余裕ができました。昼間は児童館で目一杯遊び、夕方帰る前に少し食べさせて汗を拭いて着替えまで済ませると、子どもたちは帰宅後すぐに寝てくれるようになり、私も休める時間が増えました。また、娘の癇癪の回数もほんの少しだけ減った気がしました。「話さなければ分からない=話せば分かる」ということ。今は積極的に夫に話していますその日から夫へは何でも伝えるようにしました。息子が多動ではないかということ、娘の人見知りや癇癪、切り替えの悪さが気になることなどもです。その話をずっとしていたので、子どもが9歳になり検査をしてグレーゾーンと言われたときは特に驚くこともなく、それ以降も変化はありませんでした。私たち夫婦が上手くやっていくために大事なことは、私が1人で抱え込まず、ともかく夫に話すこと、お願いしたいことは具体的に伝えることでした。お金のことも、子育てのことも話さなければ分からない夫ですが、話せば分かってくれることに気づいたので、今では積極的に話すようにしています。あと片づけや汚れ物の下洗いや子どもたちの靴洗いは、今もずっと続けてくれているのでとても助かっています。そんなこんなで、今もたまには衝突することもありますが、まあまあ良好に過ごせている私たち。子どもたちと一緒に私たち夫婦もさらなる成長をしていければいいな、と思います。イラスト/keikoエピソード提供/みゆねこ(監修:鈴木先生)妻が育児などで大変なことは通常は伝えなくても理解できるはずです。それも双子ということで倍忙しいわけですから。お父様にもASDの特性があるのかもしれません。その場合、空気を読むのが苦手で、具体的に言わないと気づけない傾向にあります。さらに視覚的に訴えることも重要です。当たり前の事でもやってくれたら褒めてあげることも必要です。外来でもよくお話しするのですが「優しく・丁寧に・具体的に・肯定文で」接することが重要です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月28日「作業療法士(OT)が教える発達障害との向き合い方~子どもの発達を促す子育てのヒント~」2023年9月21日(木)文京学院大学 本郷キャンパスにてメディア向けセミナー「作業療法士(OT)が教える発達障害との向き合い方~子どもの発達を促す子育てのヒント~」が開催されました。発達障害領域がご専門で作業療法士(OT)として現在も現場で活躍されている文京学院大学 保健医療技術学部学部長 神作一実教授が登壇し、作業療法士(OT)の役割や発達障害のあるお子さんへアプローチ法、また子育てのヒントについて解説、セミナーの内容を抜粋して発達ナビ読者のみなさまへお届けします。作業療法とは「心と体」を分けず、その人そのものにアプローチするリハビリ神作一実先生(以下神作先生):作業療法士というと、日本では一般の人が関わる機会があまりなく、どんなことを行うのかについて知っている人は限られるかもしれません。ここでは私が考えている作業療法とはこういう感じのことだよというものを図にさせていただきました。Upload By 発達ナビ編集部みなさんも、「楽しいことをしていたら知らないうちにできるようになった」ということがたくさんあると思います。例えば、お友達に「テニスコートが取れたから、テニスに行かない?」と誘われて「行く行く!」となったとき、テニスをすることで心肺機能を上げようとか、筋力強化をしようとか、運動の協調性を高めようと考える方は少ないですよね。ただ「テニスをして楽しむこと」を想像して「行く行く!」と答える方が多いのではないでしょうか。でも、実際にテニスを楽しんでいたら、知らないうちに筋力が強化され心肺機能は鍛えられ、運動の協調性も高くなるでしょう。これが「楽しいことしていたら、知らないうちにできるようになった」ということです。実は作業療法というのは、この「楽しいことしていたら、知らないうちにできるようになった」を治療に応用したものと言えるのではないかなと思っています。私たちは、対象者の方のやりたいことを通して今ある障害を改善すること、そして、その人が持っている障害を受けてない部分を使いながらパフォーマンスを上げることを目指してサイエンスを使いながらアプローチしています。作業療法は心と体を分けずにその人そのものにアプローチをするリハビリテーションと言えるのではないかと考えています。作業療法の対象領域は大きく分けて4つあります。1、身体障害領域:脳卒中、脊髄損傷、骨折、やけどなどを対象2、高齢期領域:認知症、フレイルなどを対象3、精神障害領域:統合失調症、うつ病、アルコール依存症などを対象4、発達期領域:発達障害(ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD・SLD(限局性学習症))、脳性麻痺、知的障害、筋ジストロフィーなどを対象この領域をまたがって障害が複数ある場合ももちろんあります。ただ、作業療法は人に対して、「その人がどうなりたいのか、その人が何をやりたいのか」を視点にしていますので、療育をまたがる場合でも同時にアプローチが可能です。発達障害と深い関係性がある「感覚調整障害」神作先生:発達障害のある方たちには「感覚調整障害」というものがしばしば起きてきます。感覚過敏をはじめ、刺激が入りすぎてどの刺激に反応したらいいのか分からなかったり、 反対に刺激が入らなすぎて必要な情報がキャッチできないということ。また、LD・SLD(限局性学習症)のお子さんたちの場合は、眼球運動のコントロールが悪いため読み飛ばしたてしまったりといった体の使い方、いわゆる、体や指先が不器用な状態です。感覚調整障害があると、以下のようなさまざまな困りごとがでてしまいます。Upload By 発達ナビ編集部生活への影響がとても大きいため、作業療法ではこの感覚機能に対してアプローチして感覚統合機能の問題を改善し、生活のしづらさの解消を目指します。激しい偏食があるお子さんへ作業療法士はどうアプローチする?神作先生:では、発達障害のあるお子さんに対して作業療法士がどのようにアプローチをするのかお話しさせていただきます。基本的には、お子さんの状態の確認と問題の把握をし、感覚統合機能を促すための治療プログラムを作成し実施をいたします。治療プログラムは「Just right challenge」、つまりそのお子さんにとってちょうどいい挑戦になっているかを確認しています。偏食のように一見遊びとは関係ないようなことも、実は感覚統合機能が十分発達していないという、共通の背景がある場合があります。例えば、食べられるものが5食品しかない激しい偏食がある発達障害の4歳のお子さんに対しては以下のようにアプローチを行いました。・砂遊び、絵具、のりに触れること、水遊びも嫌い・跳躍器具、ブランコは大好きだが、姿勢が保てないためすぐ降りる・ハンモックのように姿勢を保つ必要がないものであれば30分以上乗り続ける・ハンモックやブランコに乗っていると目が合う。それ以外の場面では目が合わない・一人遊びを好む・母親の膝へは自分から乗るが、大人から抱っこすることは好まない〈食事場面〉・唇に牛乳がつかないようにコップで飲む・うどん、パン、豆腐も上唇につかないように食べている・手が汚れるとすぐにおしぼりや洋服で拭く1、触覚の過敏さがある。そのため食べ物からの感覚情報が十分にキャッチできておらず、新しい食品にチャレンジすることが困難2、前庭系(ゆれの刺激)は求めている状態1、ブランコに乗りながらアイコンタクトを取る(遊んでいる人と遊びの共有)2、ブランコ、跳躍器具、ハンモックに乗り対象物を視覚的にとらえながら自分から対象物に触れる(揺れながらパンチをする、いろいろなものを握る、的当てする)3、屋外の遊具やアスレチックで遊ぶ(楽しいことをしながらいろいろなものに触れる機会をつくる)少しずつ食べられるものが増えると共に、自分から母親以外の人の手を引いて遊びに誘うことが増えてきている。このように作業療法士は介入し治療を進めました。このお子さんの場合は、感覚情報の処理状況に着目し以下を取り入れたアプローチを行っています。・大好きなゆれ刺激を楽しみながら能動的に対象物に触れる機会を作る・感覚を媒体としたコミュニケーション・大人と一緒に遊ぶことの楽しさを伝える・大人に「やってほしい」ことを伝える機会を作る感覚情報機能の改善が進んでくると、食べ物からの感覚情報をしっかりキャッチすることができるようになりますので、遊びの広がりと共に、偏食が良くなったというケースです。子どもの発達を促す子育てのヒント神作先生:作業療法士は、お子さんに対する治療的な介入もしていますが、大人が子どもにとってどんな環境となればいいのか、 どうすると子どもの発達を促す環境になり得るのかという視点でもアドバイスを行っています。そこで最後にお子さんの発達を促すヒントについてお話しさせていただきます。作業療法士はお子さんが困っている状況、親御さんが困っている状況に対しても、アプローチを行っています。ただ、「大人が困っていること=子どもが困っていること」というように本来は一致しているといいのですが、なかなかそうではなく、大人が困っていることが子どもの問題点にされてしまうこともたくさんあります。そこの見極めも、作業療法士の大事な仕事です。発達障害のお子さんたちの場合、どうしたらいいのか分からない、 人にどう接したらいいか分からない、ものをどうやって扱ったらいいか分からない、いつ終わるのか分からない……こういった状況が多々あります。当然混乱しますよね。ですので、そのお子さんは「安心できるもの」だけをやろうとするわけですが、そうするとやれる幅が狭いので「こだわり」と言われてしまったりします。ただそのようなお子さんの行動に「こだわり」というラベルを貼るだけでは問題は解決しないと私は思っています。その「こだわり」と思えるような行動の背景には、必ず何らかの理由があると思うからです。困りごとをもつお子さんに対して、日常生活の中で慣れさせる、我慢させるとか、「あなたの頑張りが足りないからいけないのよ」と言うのはナンセンスだと思っています。感覚調整障害が背景にあったとすると、そのお子さんはかなりつらい思いをしながら不快な環境の中で生活をしていることが多いです。不快な環境の中に身を置き続けたら不安も高くなりますよね。ではお子さんの困りごとに対して大人ができることはなにかというと、以下の6つがあげられると思います。Upload By 発達ナビ編集部この図は、作業療法士が保護者支援としてよく行っている内容です。お子さんにとって「人」は環境の一部でもあります。周りの大人がいい方向に変化すると、お子さんにもいい環境を提供することができると思っています。子育ての大前提として大事なのは、どんなお子さんも独立した人格を持っていて、今は発達途上で、過去から現在の積み重ねの先に未来があると捉えることだと思います。そして以下の4つを心がけることがいいのではないかなと思います。1、できないことにあまりフォーカスしない。できることに注目し、子どものできること探しの達人になる2、他の子どもとあまり比較しない。比べられても子どもはなにかできるようになるわけではない3、困っているときに子どもからSOSを出せる関係をつくる。子どもが安心してチャレンジするための安全基地に4、自己肯定感を育む。自己肯定感が高いこどもは幸せを感じやすく、問題解決の工夫ができるまずは、お子さんのことを一番知っている親御さんが自信を持っていくことが大事です。一人で頑張らなくていいですし、子育てはみんなでやればいいですし、しんどいときにはもう頑張らない、そんなことも大切だと思っています。定型発達のお子さんであっても、障害のあるお子さんであっても、親御さんの不安はずっとつきまといます。残念ながら、なくなることはありません。だからと言って、否定的に捉える必要はなくて、ありのままの今のお子さんの姿を受け入れてみるといいと思います。お子さんたちは親御さんに、「ねえねえ、見て見て」とよく言ってきますよね。そのときにきちんと共感をして、すごいね、かっこいいね、やったね、面白かったね、見せてくれてありがとうね、というようなこと言ってみてはどうでしょうか。 きっと楽しい親子関係になれるのではないかと思います。困ったときは作業療法士に相談してください神作先生:大変なことはみんなで分担して楽しいことはみんなで喜ぶ、そんなことが作業療法士が考えている子育てでもあります。何か困ったことがあったら、ぜひ作業療法士を尋ねていただければと思います。地域の保健師さんにご相談いただいて作業療法士がいるところを探してほしいとお伝えいただければ、そこから発達支援センターなどを紹介してもらえます。また、児童発達支援事業所でもどのような職種の方がいるのかホームページで調べられるところが多いです。一人で頑張らず、一緒に成長していきましょう。Upload By 発達ナビ編集部日本作業療法士協会、埼玉県作業療法士会、摂食・嚥下リハビリテーション学会(評議員)、小児保健学会、障害者歯科学会、昭和歯学会に所属。作業療法士としても数多くの経験を持ち、作業療法士や作業療法士を目指す学生のみならず、保育園や幼稚園、小中学校の教諭、保護者に対してのセミナーも多数実施。「受け入れることで自律を促す子育て」を提唱し、発達障害との向き合い方について発信を続けている。主な研究テーマとして、自食時の捕食機能に関与している口唇および上肢機能の解明を専門とする。文京学院大学(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月25日在胎27週930グラムで産まれた息子のねこ太Upload By 鳥野とり子在胎27週930グラムで産まれた息子のねこ太。NICU(新生児集中治療室)・GCU(回復治療室)での約3ヶ月間の入院を終え、待ちに待った家での生活が始まりました。入院中から、先生や看護師さんたちからは「自宅の雰囲気に慣れるまではなかなか寝ないかも」「最初は直母が下手だけど、だんだん飲めるようになりますよ」と言われていたけれど、いつまで経っても寝ない・飲まない・ずっと泣く、そんなわが子に違和感を感じるようになりました。抱っこしていないとひたすら泣く、泣き続けるとチアノーゼUpload By 鳥野とり子「息子が退院したらドタバタするだろうな」と予想はしていました……が、私の想像をはるかに上回る大変さが待っていたのです。息子はとにかくよく泣く子で、抱っこしていないとひたすら泣き続け、放置するとチアノーゼ(顔色の変化)を起こすほどの激しい泣き声をときにはあげていました。最初は「家の雰囲気に慣れていないからかな?」と思っていましたが、いつまで経ってもこの状態は落ち着かず、「ちょっとおかしくない?」と思い始めました。赤ちゃんってよく寝るんだと思っていたのに、とにかく寝ない息子Upload By 鳥野とり子息子はとにかく寝ない子でした。昼も夜もまとまった睡眠をとることがほとんどないのです。さすがにそろそろ眠くなるだろうという状況でも全く寝る気配なし。赤ちゃんなのに、こんなに寝なくて睡眠不足にならないのか心配になるくらい寝ませんでした。当然私も睡眠不足になり、なんとか寝てほしくて赤ちゃんが寝る方法を調べていろいろ試したのですが、息子にはどれも効果がなく疲弊するいっぽうでした。そしていつまで経っても上手に直母できない事に違和感を覚え……Upload By 鳥野とり子そしてさらに大変だったのが授乳です。早産児は母乳を飲むのが下手な子が多いのですが、徐々に上手になるよと看護師さんから言われていました。しかし息子はいつまで経っても上手に直母できない。飲んでもすぐにやめてしまったり、飲み始めると寝てしまうのです。それでなくても早産児で体重が軽かったので、どうしてもしっかり飲んで大きくなってほしくて、私は搾乳をしてその母乳を哺乳瓶に入れて授乳していました。哺乳瓶なら比較的よく飲んでくれるので助かりましたが、このやり方は手間も労力もかかるのでこの頃は私の疲労がピークを迎えていました。母の勘? 頭をよぎる【発達障害】の文字Upload By 鳥野とり子私たち夫婦にとって息子は第一子なので、私が育児を経験したのは息子が初めてでした。なので育児に関する比較対象がなく、「赤ちゃんってこんなものなのかな?」「個人差あるしこういう子もいるのかも」と思っていました。でも、ここまで来るとさすがに息子の行動に違和感を感じ始め、「息子と同じような子はほかにもいるのか」「こういう場合どうするのが正解なのか」「何か障害が隠されていないか」を知りたくて私はインターネットで検索をしまくるようになったのです。実は、息子の退院直前にインターネット検索で【30週未満で産まれたり、超低体重で産まれた子は発達障害リスクが高い】という記事を目にしていたのですが、「わが子が発達障害になるわけないよね」「なんだかんだで比較的順調に退院できたから大丈夫」と思い、当時はあまり気に留めていませんでした。しかし、自宅での育児が始まり、次第に息子の行動に違和感を感じるようになった私の頭に『発達障害』という文字が浮かぶようになりました。「まだまだ赤ちゃんだし不安定な事もたくさんあるだろうから神経質になりすぎないように」と思いつつも、母親特有の勘のようなものが働いたのかもしれません。不安を払拭したくて検索魔になった私Upload By 鳥野とり子インターネットで検索しすぎるのは良くないと病院の先生や看護師さんから言われていましたが、私は自分の不安を拭う為にも検索を止められませんでした。検索で、息子の「母乳を上手く飲めない」「よく泣く」「寝ない」という行動は、発達障害がある子の乳児期にあったという体験談も複数みかけました。しかし、乳児期ということもありまだまだ発達障害かどうかを判断するには早すぎて、結局自分がスッキリできる答えはインターネット上には見つからなかったのです。この頃の私は、この状況をどうすれば良いのか知りたいというよりは「息子は発達障害じゃない」という確信を持てる情報が欲しかったんだろうなと思います。この後、2歳3ヶ月で療育につながるまでは「もしかして発達障害かも?」「いやいや発達障害じゃないよね?」という不毛な自問自答を繰り返し、とてもしんどい時期を過ごしました。執筆/鳥野とり子(監修:初川先生)ねこ太くんの乳児期の苦労、不安のエピソードのシェアをありがとうございます。生まれたばかりの時期、特に第一子だと分からないことがいっぱいで、ただでさえこれで大丈夫かと不安で、かつ母体も疲れているし、ホルモンバランス的にも不安定な時期なので本当に大変だったとお察しします。早く小さく生まれたこと、なかなか寝ないこと、母乳をなかなか上手に直接飲めないこと。不安でいっぱいになるのも自然なことだろうと思いますし、そこへ来て、「発達障害」という気配が入ってくるとますます不安になられたかと思います。いわゆる産後うつになりやすい時期でもあり、これまでよりも一層ネガティブな情報を取り込みやすくなっている状態でもあります。不安に駆られて検索し続けてしまうこともよくあることですが、いくら検索してもさまざまな情報が錯そうしていることもあり結局のところ安心する情報には出合えないものです。また、医師や看護師に相談したところで、その月齢だとはっきりしたお答えには出合えない時期でもありますね。発達障害かもしれない、いやいや違うかもしれない……というはっきりしない曖昧な状況、しかし確実に育てづらさと違和感がある気がするというご自身の感覚。それを抱えたまましばらくはお子さんの成長を見守るしかない時はあります。そうしたしんどい時期について、とりこさんは「不毛な自問自答を繰り返し」と書かれていましたが、答えの出ない疑問がどうしても頭から離れないのは本当につらいですね。何の気休めにもならないことを言いますが、それでもお子さんにとっての乳児期は二度と戻ってこない時期であり、その時期にしか見せないそのお子さんのかわいらしさや成長もあるのも本当だと思います。大変な子育て、不安な中での子育てでも、ときにはそうした面にも目が向くよう、お母さん側がどうしたら安心して子育てできそうかについて、(検索のみならず)実際の支援者につながる(子ども家庭支援センターなど子育て相談窓口経由でヘルパーさんを利用できるかなど検討したいところです)、家族で分担しお母さんが少し子育てから離れる時間を取るなど調整しながら、その時期を過ごすことができたら、と願います。2歳3歳頃になると、健診や相談をきっかけにお子さんに対しての支援機関につながりやすくなります。とりこさんは2歳3ヶ月で療育につながったとのことですが、不安なまま子育てを続けている方もいらっしゃると思います。ぜひ健診時やあるいは相談窓口に問い合わせるなどして、お子さんについての心配なことなどをお伝えいただければと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月24日発達凸凹兄妹を育てるわが家。夫は短気で高圧的で……わが家は二人兄妹、息子は20歳の大学生、娘は17歳の高校生で二人ともADHD(注意欠如多動症)の診断を6歳の時に受けました。私自身診断はありませんがADHD(注意欠如多動症)グレーだと感じています。現在59歳の夫は性格はまじめで短気、そして高圧的な面があります。特にお酒が入ると難癖をつけてきます。今は子どもも大きくなったため、昔より関係は良好ですが、二人が小さい頃はぶつかることもよくありました。息子の幼稚園トラブル、娘の1歳半健診での指摘。その時夫は……息子は幼稚園に入ってからトラブルが目立つようになってきたタイプで、3歳の時、園で他害をしてしまい、園長先生からやんわり退園を促されました。まだ発達障害について何も知らなかった私は、園に言われるまま発達検査を受けたあと、支援センターの方に「幼稚園は辞めるべきなんでしょうか?」と質問。職員の方からは「いや、そこまでしなくてもいいのでは?」と言われたため、それを園にそのまま伝えたところ「じゃあ様子見ましょうか」となり、卒園まで通い続けることができました。その後、園で細かに対応していただいたため、息子は療育に通わず、小学校からは放課後等デイサービスを利用するようになりました。この時の夫はというと、特に何か手伝ってくれるわけでもなく、ただ私の報告を受けるのみという対応でした。「幼稚園内のトラブル」くらいにしかとらえていなかったのかもしれません。Upload By ユーザー体験談そして娘。娘はとにかく気に入ったものを手に入れないと気がすまず、欲しいものを買わないと大癇癪になってしまうので、買い物に出るのが怖かったほどでした。1歳半健診で相談したところ、「療育に行ったほうがいいかもしれませんね」と言われ見学。幼稚園入園まで療育に通うことになりました。この時、夫は単身赴任中でした。私は同居していた義母には相談をしたのですが、夫には相談しないまま療育に通うことを決めました。言うと「行く必要ない!」と反対されると思ったからです。しかし、私が怪我をして療育に送迎できなくなってしまったことで、娘が療育に行っていることが夫に知られてしまいました。そこからは「なんで黙っていたんだ」と大喧嘩になってしまいました。「そんなところ行っても意味がない」やら「幼稚園で十分」やら夫は感情的に怒ってきます。私はたいていは夫のこうした批判は、受け流すようにしていました。意見を言ってもさらに怒らせてしまうだけだと感じていたからです。ですが、この療育通いは譲れなかった。ほかは譲っても反対されても、療育だけは絶対に通うと強く主張しました。その剣幕に夫も強く言えなくなってしまったのでしょう。療育について文句を言うことはなくなりました。Upload By ユーザー体験談その後夫は発達障害について勉強してくれたみたいです。手は貸してくれませんでしたが、子どもの障害や療育についてなにか口を挟むことはなくなりました。兄が放課後等デイサービスに行くことになった時も反対することはありませんでした。これはとてもありがたいことでした。私の磨きのかかった夫対応と、父を「世に放つのはヤバい」という息子夫はお酒が入ると「お前はバカだ」「気が利かない」「だめなんだ」と難癖をつけてきます。こんな言葉を頻繁に言われるのはいやですよね。こんなときの私の対応のコツは「のまれないこと」です。夫の言い分に、私自身の気持ちが持っていかれないようにするのです。自分は間違っていないと思っていれば大丈夫でした。Upload By ユーザー体験談今も「イヤイヤ、その言葉そのままお返ししますよ」と内心思うことも多々ありますが、いさかいにならないよう適当に相槌をうちながら話を聞くようにしています。それは理不尽だと思うようなことを言われていても、自分まで気持ちを高ぶらせて言い返してもしょうがないんだからと客観的に見ている感じです。ですから、夫に「ごめんなさいね」と頭を下げることも、苦ではありません。ただそんな姿を見ている息子は、高校3年生の頃「(父親を)世の中に放つのはヤバい」と言っていました。また「なんで別れないの?」とも……。Upload By ユーザー体験談もちろん子どもの進学費用など現実的な面もありますが、今は私も夫との関わり方に慣れてきたので、昔よりはずいぶん良好な関係になっています。夫も少しずつ変わってきていて、「言わなくていいこと」を言う頻度が明らかに下がってきました。あとはもうちょっと変わってくれて、大きくなった子どもたちから「お父さんにもいい面がある」と思ってもらえたらいいのですが。子育ても終わりに近づいて、今思っていること子どもも大きくなり、子育ても終わりに近いてきたと実感しています。ですが、大人になってからも、子どもたちがそれを許せないと思うのも仕方のないことなのでしょう。夫は障害を差別することはないのですが、一方で別の面で人を下げたり馬鹿にして満足する面があるため、子どもたちがそれを許せないと思うのは仕方ありません。ただせっかくの家族ですので、うまくつき合っていけたらと思います。イラスト/星河ぱよエピソード提供/きつねうどん(監修:鈴木先生より)ADHDとASDはカードの裏表のように併存している場合が多いのです。自分の思い通りいかないとイライラして高圧的になるのは、ASDに併存する易刺激性による場合もあります。私の外来には、親御さんのうち一方がADHDでもう一方がASDという夫婦の組み合わせが多いです。その子どもたちも父派と母派に分かれる傾向にあります。ADHDの診断はチェックリストなどでも可能ですが、ASDの診断は難しく、なかなか認知もされていません。療育だけでなく、診察でさえも無駄だと、外来に1度も付き添わない親御さんもいます。ASDの濃さ・グラデーションの差によって易刺激性には差が出ます。さほど濃くなければ加齢とともに学んでいき「言わなくていいこと」も減っていくのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月22日わが家の少数派?おそらく定型発達の夫ですUpload By 丸山さとこわが家は夫と息子と私の3人暮らしです。息子と私が神経発達症(発達障害)のため、おそらく定型発達である夫は、この家では少数派な存在です。息子や私に比べて一般的とされる感覚を持っているはずの夫ですが、わが家ではその「一般的な感覚・普通の感覚」があるがゆえに苦労をすることが多いそうです。今回は、そんな夫に「息子が発達障害だと告げられた時、どう感じていたか」「どんなところに苦労しているか」などいろいろとインタビューしつつ、わが家の子育てを振り返りました。息子のコウは3歳児健診の際に発達検査を受けるように提案され、「ASD(自閉症スペクトラム症)の可能性が高い」として療育園を勧められました。夫は私からその説明を受けた際、「うすうす感じてたけど、やっぱりそうか」と思ったそうです。ショックや不安は特になかったと言います。「ASDであろう妻が普通に暮らしているのだから、息子も本人なりに工夫をしていけば何とかなるだろう」と考えて特にショックは受けなかったそうです。(当時の私はまだ未診断でしたが、夫は私のことをASDだろうなと思っていたのだそうです)Upload By 丸山さとこただ、発達検査の結果には納得したものの、療育園に行くのは「わざわざ?家では一応意思の疎通がとれているし、行かなくてもいいのでは?」と思っていたそうです。私の説明を受けて『なら行くのもいいかな』とは考えたものの、必要性はそこまで感じていなかったとのことでした。私はこれらの話を聞いて、「それくらい、コウが就学するまで夫は大きく困っていなかったのだろうな」と思いました。これは、当時夫がとても忙しく、コウとゆっくり接する時間が少なかったことも影響したかもしれません。また、実際に未就学児の頃までは大きな問題が出にくかったことからも、「夫がコウの障害を感じる機会は少なかっただろうな」と思いました。未就学児の間は周囲の子どもも幼いため関わる大人の手も厚く、コウの苦手なところが目立ちにくい時期でした。コウの特性ゆえの言動に振り回されるようになった小学校時代その後コウが小学校に入学し、未就学児までの周囲のフォローの手厚さがなくなってからは、夫も『コウと周囲の子どもたちとのズレ』を感じるようになったそうです。小学1年生の時にはすでにハッキリとズレを感じていたと夫が言うので、私は意外に思いました。未就学児の頃ほど手厚くないとはいえ、1年生は『まだ小学校生活に不慣れな学年』として学校からのフォローが多い時期だったため、大きなトラブルは目立っていなかったからです。夫は、トラブルの有無だけではなく、普段の学校生活でもコウの様子を丁寧に見ていたのだなと感じました。Upload By 丸山さとこ「コウに関して、今までで一番大変だったと感じた時期はいつ?」と夫に聞くと、「小2の後半から小5の辺りかな~」と言うので、「分かる分かる。私も同じ」とうなずきました。小学2年生以降は周囲の子どもがルールや集団行動に慣れはじめる時期です。大人のフォローが減ってくることもあり、コウにも大小さまざまなトラブルが起きるようになりました。その頃からは、夫も生活の中でコウに対して「話が通じないのは困る」と感じることが増え、ストレスが強くなっていったそうです。小学校6年生から少しずつ落ち着いてきたコウは、中学生の今、話が通じずに思い込みでパニックになることがグッと減ったと感じます。夫も「今のコウと接するのは、あの頃(小2~5)よりもずっとマシ」としつつ、今でもイライラすることは多いと言います。「分かってることなんだから、毎日のことなんだからやろうよ! となってイライラしてくる。障害だからとは分かってるがムカッとしてしまう」と夫が言うのを聞いて、今、それを素直に口にできる家族関係でいられたことは良いことなのだろうなと感じました。ムカっとするとは言っても、夫は息子に毎日キーキー怒ることはありません。私は毎日ギャーギャー怒っては、ときどき夫に止められています。そのため、今回のインタビューで夫が「さとこがコウと接しているのを見て『ああいう関わり方をできたらコウも自分も楽だろうな』と思う」と言ったのは意外に感じました。Upload By 丸山さとこ「私からコウへのどういう関わり方をよいと感じるの?」とさらに聞くと、夫はウンウン悩みながら答えてくれました。「やれ!と言って強要するのではなく、コウが自分で選んだと感じるような関わり方をしてるよね。選択肢はこれだ、今の状況はこうだっていうのを根気よく話してる」「コウの『何で』に応えてるからすごいなと思う。俺は『何でじゃないよ、やれよ!』ってイライラしてくる」とのことでした。それらの夫の言葉を聞いていた私は、「いやもうその気持ちめちゃくちゃ分かりますけど!?」と全力で同意しました。Upload By 丸山さとこ私も毎日『何でじゃないよ、やるんだよ』『何でかについては100万回説明しましたが?』と思いながらコウと接しています。そしてそれを夫に愚痴ったりもしています。夫はそれらの私のもがき方を知った上で「いい関わり方をしている」と思ってくれているのだなとありがたく感じました。理想と現実の間をアクロバット飛行している感じの毎日です最後に、「コウとの接し方について本など読んだことはある?」と改めて夫に尋ねてみると「発達障害(神経発達症)については本やインターネットで多少勉強したが(コウのことは)よく分からない」と言いました。「全然分からないわけじゃないし、ASDやADHDの特性やあるあるに関しては『コウもそうだな』と思うことはたくさん書いてある」「けれど、生活の上で困ったことに対して、本やインターネットに書いてあるようなことは既にやっていて、それでも解決していないわけで。そこを補う情報はないなと感じる」これらの夫の発言を聞いて、現役の保護者としての重みのある言葉だなと思いました。私自身も日々、同じように感じています。Upload By 丸山さとこ私の場合は、SNSなどで支援者の方のお話を聞いて「私が保護者としてブレない対応をできてないのが良くないのだろうな~!」と思うこともしばしばあります。ですが、夫と私のかわいい子どもはこの『ASDとADHDがある話が通じにくいコウ』であり、そのコウの親は夫と私のほかにはないわけで……。『話がスッと通じる息子』という幻想を追いかけても仕方がないように、『上手いこと子どもに対処できる安定した親』という幻想を追いかけても、現実的ではないのだろうなと思います。ヒートアップするお互いを「どうどう」と制しつつ、「助け合って子育てをしていきたいな」と改めて感じさせられた夫へのインタビューでした。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:初川先生)夫さんにここまでの子育てを振り返ってのインタビューをしてみたエピソードをありがとうございます。さとこさん、夫さんそれぞれお互いへのリスペクトもありつつ、そしてお互いに共感する苦労もありつつ、素敵なパートナーシップだなと感じました。日々の子育て、そしてそこに関わる自分たちという状況から一歩引いて、俯瞰して振り返る・語り合うことができているのがいいですね。発達障害(神経発達症)がある子どもへの対応のコツなど、本やインターネットに出ている情報は助かる面もありますが、しかしいまひとつフィットしない面もあると思います。それは、同じ障害があったとしても、誰一人として同じ人がいないからです。そして、さとこさんも書かれているように、お子さんや保護者の側にうまくできる時とできない時があるなど、コンディションによる面もありますし、理想や幻想を追ってしまって実際の様子とは違うのにぐいぐい強行してしまう時もあると思います。対応のコツに関した情報などは使えそうな面は取り入れつつ、わが子のために少しカスタマイズしたり、そのような試行錯誤のプロセスごと子育てのパートナーや支援者などとまた話し合うなどを通して、ときどき冷静になって振り返りの時間を取れるとよいでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月20日楽しく読み書き計算の基礎づくりをーー『ワーキングメモリがぐんぐんのびる 単語メモリカードゲーム』「ワーキングメモリ」とは、目や耳から入ってくる情報を限られた時間で記憶し、統合しながら意味を理解する脳の働きのことです。ワーキングメモリに弱さがあると、学習の基礎である文字の読み書きや数の理解がスムーズに進まず、つまずきを感じやすくなります。本書は、カードゲーム方式で無理なく・楽しくワーキングメモリを伸ばすことを目的とし、ワーキングメモリ理論に基づいた教育支援の第一人者である広島大学大学院 人間社会科学研究科教授の湯澤正道先生が考案した5歳から大人までを対象としたカード教材です。カードは、本書の『音韻意識を高める単語メモリカードゲーム』に加え、『算数の基礎をそだてる数字マッチングカードゲーム』『特殊音をすばやく読む単語マッチングカードゲーム』と、全部で3つのシリーズで構成されています。カード毎に記憶機能を高める3つのゲームが収録され、親子や友達同士、支援者と遊びながら、楽しく読み書き計算の基礎づくりができるよう工夫されています。ワーキングメモリは国語や算数などすべての学習の基礎になるものですが、いったん学習が遅れてしまうと机に向かって勉強をすることに苦手意識を持ってしまうことも……。ワークシートのような勉強方式ではハードルが高いと感じている子どもも、カードゲーム方式の学習であれば取り組みやすいのではないでしょうか。家庭学習はもちろん、特別支援教育や放課後等デイサービスなど学校や支援の現場にもおすすめの教材です。理由が分かれば優しく寄り添えるーー『発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界』本書は、発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界をマンガで分かりやすく解説し、子どもの視点から行動の理由を探り、接し方のヒントやアドバイスがまとめられた一冊です。すぐに走り出してしまう、ルールや順番が守れない、友達を叩いてしまうなど、子どもの行動は大人からしてみれば不可解なことが多く、どう対応したらいいのか悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。本書では、「不可解な行動にも、その子なりの理由が必ずある」と伝えています。前半では、主に3~8歳の子育てで保護者が戸惑いがちな「ナゾの行動」をいくつか取りあげ、それぞれ2つのケースを紹介。発達障害・グレーゾーンと言われている子どもも十人十色です。同じような行動であっても、その理由は子どもにとって異なることを感じられるように工夫がされています。監修は、北海道大学名誉教授であり児童精神科医の田中康夫先生。発達障害の特性を持つ子どもやその家族、さらに関係者たちと繋がり、支え認め合うことを大切にした治療で支持されている発達障害のエキスパートです。本書の後半では、行動を理解したうえで、発達障害がある子どもと向き合うときに保護者が意識したいことについても記されています。親子で優しい絵本の時間をーー『たれみみうさぎのリッキ』本書は、ヨーロッパで人気の絵本作家ヒド・ファン・ヘネヒテンが手がけた全世界でシリーズ累計300万部発行のベストセラー絵本です。25年前に刊行された本書が、この秋復刊されました。うさぎのリッキの耳は、みんなの耳とは違います。なぜかいつも右の耳だけ、ダラーンと垂れ下がっているんです。みんなが「たれみみ」と笑うので、ピーンと立った2本の耳がほしくてたまらないリッキ。いろいろな方法で耳をのばそうとしますが、うまくいきません。でも、みんなと違うことは本当におかしなことなのでしょうか?時には泣きじゃくって、時には笑い転げて、「見た目も、性格も、考え方も、それぞれ違っていいんだよ」と、うさぎたちが教えてくれる絵本です。本書の対象年齢は3歳から。親子で過ごす絵本の時間を通じて「君は君のままですばらしい」と、お子さんに伝えてみてはいかがでしょうか。エリートなのに仕事ができない、当事者の葛藤ーー『ルポ高学歴発達障害』「ケアレスミスが多い」「人間関係がうまくいかない」など、生活や仕事上で問題を抱えることもある大人の発達障害。その中には、世の中で「高学歴」と言われる人も少なからず存在しています。世間一般の「エリート」のイメージと「障害」の実情の狭間で理解が得られず、周囲と自分を比べては落ち込み、悩みを抱えている当事者は多いと言われています。本書は、自身も発達障害当事者である著者の姫野桂さんが、高学歴の発達障害にフォーカスし「理解が得られにくい不条理」に迫った一冊です。本文では10人の発達障害当事者のインタビューを掲載。実態の見えにくい当事者の声を拾いあげると共に、大学の教壇に立つ側の視点として現役の大学教授に、医療側の視点として精神科医の取材も。大学における学習支援や、就労支援を行っている企業の取り組みも紹介されています。「高学歴」ということで、周囲から期待されるボーダーラインが上がり、理解を得られない人がいる現状を伝える本書は、今まさに苦しい思いをしている当事者にとって一助となるのではないでしょうか。それと同時に、発達障害が取りざたされる背景にある「異質であること」「非効率的であること」に不寛容な社会の姿を浮かびあがらせているようです。『自閉症児のことばを育てる発達アプローチ~ことばの6ステージ・特徴の理解と逆転の支援~』本書は、自閉スペクトラム症がある子どもの「ことばの発達とコミュニケーション」に焦点を当て、家庭でできることばの療育方法を紹介した一冊です。第1部では、「自閉症児のことばを引き出す方法」を、第2部では、自閉症児のことばの成長段階を6つのステージに分け、各ステージの特徴と支援方法に加え、逆転の発想のアプローチも紹介。6つのステージに分けられていることで、個々の成長に適したアプローチや、次に実践することなどが分かりやすく、療育の見通しがつきやすい内容となっています。著者は、自閉スペクトラム症がある娘の父親でもあり、発達支援教室で指導員を務める臨床心理士の矢幡洋先生。これまで40冊以上の著作を出版し、『数字と踊るエリ』(講談社)は第33回講談社ノンフィクション賞の最終候補にも。本書は、著者が自身の子育てを基に、子どもが興味を示し、家庭の日常の中で実践しやすい楽しいアプローチ方法がピックアップされています。子どもの発達で悩む保護者のヒントになると共に、家庭で行うことばの療育の楽しさも感じることができる一冊ではないでしょうか。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月18日子どもの肥満とは?原因は?現在の日本では食事の変化や運動量の低下などにより、肥満の人が増えていると言われています。肥満は糖尿病や高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病につながるリスクが高まることから、健康管理において肥満防止は重要な要素となっています。肥満と聞くと体重が重い人という連想をする方が多いかもしれません。しかし、肥満とはただ体重が重いだけではなく、人の身体に過剰に体脂肪が蓄積している状態のことを言います。肥満度は体重と身長の数値から求められるBMI(Body Mass Index)という数値を使って判定されていますが、同じBMIでも実際に体内のどこに脂肪がついているかでリスクが異なってきます。筋肉の内側に脂肪のつく「内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)」と、皮下脂肪が多く内臓脂肪が少ない「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)」の2つのタイプがあり、内臓脂肪型肥満のほうが糖尿病や高血圧、脂質代謝異常といった疾患を発症する可能性が高いとされています。参考:肥満と健康|厚生労働省e-ヘルスネット先ほどのBMIは成人に使われる指標で、6歳から18歳の学童期の子どもの肥満度には別の指標が用いられます。子どもの肥満度は「100 × (現在の体重‐標準体重)÷標準体重」で求められます。Upload By 発達障害のキホン「小児肥満症診療ガイドライン2017」では、「肥満度が+20%以上、かつ体脂肪率が有意に増加した状態(有意な体脂肪率増加とは、男児:年齢を問わず25%以上、女児:11歳未満は30%以上、11歳以上は35%以上)」を肥満と定義づけています。引用:e-ヘルスネット|肥満と健康上記を満たす場合に「小児肥満」だと定義しています。子どもの肥満の場合も、高血圧や睡眠時無呼吸症候群、糖尿病などの発症リスクがあると言われています。こういった肥満に伴う健康リスクが高い状態を「メタボリックシンドローム」と呼んでいて、子ども(6歳から15歳)の場合は腹囲が80cm以上などの目安が設けられています。実際には腹囲だけでなく血圧などの数値も加味して判断するため、子どものメタボリックシンドロームが気になる方は一度医療機関で検査を受けるようにしましょう。乳幼児や小学生など子どもの肥満のほとんどは、単純性肥満と呼ばれるものです。つまり、食べ物などによって摂取したエネルギーが、運動などにより消費されたエネルギーを上回っていることで生じる肥満のことです。子どもが普段摂っている食事のバランスや悪いことや、お菓子、清涼飲料水の過剰摂取によって摂取エネルギーが高くなる反面、運動不足などで消費エネルギーが少ない状態が続くことによって肥満へとつながっていきます。日本では1970年代からライフスタイルの大きな変化があり、子どもの肥満が増加しました。現在は増加傾向は収まっているものの、それでも全体の10%以上の子どもが肥満と判定されると言われています。このような原因から「子どもの肥満は親のせい?」と悩む方もいるかもしれません。しかし、きょうだいなど同じような食事内容やライフスタイルであっても、肥満になるかどうかには個人差があります。もちろん、養育者や近くの人だからできる肥満対策もありますので、後ほど紹介します。また、子どもの肥満は単純性肥満が多いですが、症候性肥満と呼ばれる何らかの病気が原因で肥満になっている場合もあります。その際は身長の伸びも遅れるのが特徴と言われています。参考:肥満|一般社団法人 日本小児内分泌学会子どもの肥満が原因で起こるさまざまな病気子どもの肥満のリスクには、成人の肥満へつながる可能性や多くの合併症のリスクなどがあります。子どもの頃、特に年長児の肥満はそのまま成人の肥満に移行しやすいと言われています。また、思春期の肥満だと体格が形成されることや肥満になりやすいライフスタイルが定着することで、さらに肥満の解消が難しくなることも指摘されています。肥満は合併症のリスクも高まると言われていますが、合併症がない場合でも体重の増加により膝や腰など身体に大きな負担がかかります。子どもの肥満には合併症のリスクがあると紹介しましたが、具体的には生活習慣病として知られる2型糖尿病や脂質異常症、高血圧などにつながる可能性があると言われています。そして、このような生活習慣病は動脈硬化を促進していき、成人してからの脳卒中のリスクを高めることも指摘されています。その他の合併症としては睡眠時無呼吸症候群や脂肪肝など、さまざまな疾患につながる可能性があります。子どもの肥満であってもこのようにさまざまな病気のリスクが高まるため、できるだけ早く肥満を解消することが大切となります。子どもの肥満と発達障害の関連性ここでは、子どもに発達障害がある場合の肥満との関連性を紹介します。発達障害のある子どもは、感覚過敏や衝動性などの特性の影響で偏食が激しいことや食事量が多すぎることがあると言われており、そのことが肥満につながっている場合もあります。アメリカの調査ですが、自閉スペクトラム症(ASD)のある子どものうち22.2%が肥満であり、定型発達の子どもに比べて肥満となるリスクが41.1%高かったという結果も出ています。別の調査によると注意欠如・多動症(ADHD)の子どもは衝動性の特性の影響により過食になる傾向があるほか、不注意の特性の影響で規則正しい食生活が難しく、そのことが肥満につながる場合があるとされています。また、発達性協調運動症(DCD)のある子どもも肥満のリスクが高い可能性があります。発達性協調運動症とは、手足や身体の動きをコントロールすることに困難がある発達障害の一つです。子ども同士の遊びやスポーツへの参加が少ないため運動量が低下することなどにより、ほかの子どもに比べて肥満のリスクが高いとされています。このように、肥満の背景に発達障害の影響が隠れていることもあるため、肥満以外にも気になる様子があるときはかかりつけの小児科や保健センターなど専門家への相談も視野に入れるといいでしょう。参考:発達障害の理解|厚生労働省参考:自閉スペクトラム症児の偏食に対する食物同時提示法の適用参考:発達障害児の肥満|京都女子大学生活福祉学科紀要第 16 号参考:DCD 支援マニュアル|厚生労働省子どもの肥満を解決するために家庭でできること子どもに肥満が見られる場合に家庭でできることを紹介します。まず、子どもは体重を維持するだけで身長の成長と共に肥満が解消されることもあります。肥満を気にして栄養を制限し過ぎることは子どもの正常な成長を妨げることにもなるため、子どもの肥満解消には摂取エネルギーを減らすのではなく、規則正しい食生活や運動によるエネルギー消費を増やすことが大事になります。まず乳児期は成長が最も著しい時期のため、多少の肥満は気にする必要がないと言われています。ハイハイや歩き始めるなど運動ができるようになると肥満も解消されていくことがほとんどです。幼児期になると、先述したように成人後の肥満へつながることも考えられるため、対策が必要になってきます。この頃の生活習慣が後にも影響するため、三食決まった時間に食べることや間食を計画的にするなど食生活を安定させ、外での運動遊びも積極的に行ってきましょう。食事は不足しがちな野菜、魚介類、豆類などを出すようにするといいでしょう。運動は子どもにさせるだけでなく、家族で一緒に遊ぶなど工夫しながら取り入れていくと効果的です。学童期の肥満は幼児期よりも成人後の肥満につながりやすいため、注意が必要です。この頃になると子ども自身も肥満対策の重要性を理解できるようになってくるため、食生活や運動について納得いくように説明することも大事です。運動もエネルギー消費の激しいものではなく、あくまで子ども本人が楽しいと感じるものにして、身体を動かす習慣をつけるようにしましょう。肥満の解消は家庭だけではなく、必要なら医療機関に頼ることも大切です。家庭ごとに事情があると思いますし、子どもにも成長の個人差や肥満の背景に障害が隠れていることもあるなど複雑な要素が絡まっていることもあります。医療機関で検査をすることで、家庭や子どもの状態に合ったアドバイスをもらえることもあります。抱え込まずにかかりつけの小児科や保健センターなどへ相談してみるとよりよい方法が見つかるかもしれません。参考:子どものメタボリックシンドローム|香川県肥満予防はなるべく早く対策をしていくことが大事肥満はさまざまな生活習慣病のリスクを高めることで知られています。子どものころに肥満だと、成人後も肥満となる可能性も高いため、なるべく早く対策をしていくことが大事です。家庭では規則的な食生活や運動の習慣をつけるなどの対策があります。ただ、肥満の背景に他の障害の影響がある場合も考えられます。つらいと感じたときは家庭だけで抱え込まずに、医療機関への相談も検討してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月17日