東京・新宿のSOMPO美術館で、「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」が開かれています。本展では、日本でも人気の高い画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた静物画に焦点をあて、国内外から油彩画が集結。彼が影響を受けた画家たちの作品も見ながら、ゴッホの変遷をたどることができる展覧会です。静物画を見なければ、ゴッホは語れない!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示室入り口※本記事の写真は、プレス内覧会で許可を得て撮影しています。【女子的アートナビ】vol. 318本展では、ゴッホの画業のなかでも静物画にフォーカスして、彼の初期作から晩年の大作まで25点の油彩画を紹介。さらに、ヨーロッパにおける静物画の歴史のなかで、ゴッホが影響を受けたドラクロワやマネ、モネなど、著名な画家たちの作品もあわせて展示。出展作品全69点を通して、彼が何をどのように学んでいったのか、画業の変遷をたどることができます。展覧会を担当されたSOMPO美術館上席学芸員の小林晶子さんは、次のように述べています。小林さんゴッホは、当初、人物を描く画家になりたかったので、静物画に対してそれほど興味をもっていませんでした。絵を学ぶ鍛錬のためのものが静物画でした。鍛錬しているうちに自分の芸術を確立し、静物画のなかでも「ひまわり」が自分の代表作であると思うようになりました。本展のキャッチコピーは「静物画を見なければ、ゴッホは語れない」です。ゴッホがどんなふうに鍛錬して、代表作を描くまでに至ったのか、静物画の歴史もあわせてご覧いただけます。ハーグ時代の初期作からスタート!フィンセント・ファン・ゴッホ《麦わら帽のある静物》1881年クレラー=ミュラー美術館蔵、オッテルロー © 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands最初の章では、まずゴッホが油彩画に取り組み始めたハーグ時代の初期作からスタート。《麦わら帽のある静物》は1881年に描かれたものです。その前年、27歳のときに、ゴッホは画家になることを決意。ブリュッセルの王立美術アカデミーに通い、その後、オランダ南西部のハーグで、画家マウフェから指導を受けました。「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景1章の前半では、17世紀のオランダ絵画もあわせて展示。ヨーロッパ絵画史のなかで、静物画というジャンルが確立したのは17世紀ごろといわれています。当時、市民階級が豊かになったネーデルランド(現在のオランダ)では、身の回りの事物や工芸品などをリアルに描いた小さな静物画が流行。市民たちは、それらを自宅に飾り楽しんでいました。静物画について、はじめは油彩を描くための修業としてとらえていたゴッホは、瓶や壺、鳥の巣など伝統的なモチーフを描いていました。ゴッホ、ドラクロワに学ぶ!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景1章の後半では、19世紀の静物画を展示。ドラクロワやピサロ、ルノワールなどの華やかな作品が並んでいます。ゴッホは、特にドラクロワ作品の色彩に感銘を受け、弟のテオに手紙で作品や制作姿勢について語っています。ドラクロワは、ゴッホの作品に大きな影響を与えた画家のひとり、といわれています。1886年、パリに移住したゴッホは、印象派の明るい作品からも影響を受け、初期のころと比べると、色彩も描き方も大きく変化しました。会場に展示されているパリ初期時代の花作品は、驚くほど色彩が鮮やか。ゴッホの画風の変化がよくわかります。ゴッホ、モンティセリに学ぶ!アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ《花瓶の花》1875年頃 クレラー=ミュラー美術館、オッテルロー © 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands2章では、花の静物画に焦点を当てて紹介。ここで注目したいのが、ゴッホと同時代の画家、アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ(1824-1886)の作品《花瓶の花》です。彼は、肖像画や静物画などを手がけ、筆跡が残るタッチや絵具を厚塗りする描き方など、当時としては珍しい表現をしていた画家です。ゴッホは、モンティセリの作品を収集し、表現方法や技法も参考にしたといわれています。モンティセリ作品に似たようなゴッホの絵も、近くに展示されています。ゴッホがモンティセリからどう学んだのか、描き方など比べてみるとおもしろいです。ゴッホの代表作が登場!フィンセント・ファン・ゴッホ、左:《アイリス》 1890年 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)、右:《ひまわり》 1888年 SOMPO美術館本展のハイライト、ゴッホの代表作《ひまわり》と《アイリス》は2章で登場!さまざまな画家の作品から影響を受け、静物画を通して修業していたゴッホが、いよいよ自身のスタイルを確立。《ひまわり》は1888年、《アイリス》は1890年に描かれています。強烈な色彩、荒々しいタッチ、厚塗りの絵具などは、ゴッホの代名詞ともいえる表現法ですが、本展を見ていくと、彼が独自に生み出したのではなく、さまざまな作品から学んでいたことがわかります。画風を確立したゴッホですが、《ひまわり》を制作した1888年に、画家仲間のゴーギャンと口論して、自分の耳を切り、アルルの病院に入院。その後、サン・レミ・ド・プロヴァンスにある病院で精神科の治療を受けました。《アイリス》を制作した後、1890年の7月に37歳で死去。銃で自らを撃ったと伝わっています。ゴッホに影響を受けた画家たちの作品も!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景最後の章では、ゴッホ、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌなど「ポスト印象派」と呼ばれた画家たちの作品や、ゴッホから影響を受けたモーリス・ド・ヴラマンクの作品などを紹介。新しい静物画のスタイルを切り拓いていった画家たちの、自由で革新的な作品を楽しめます。静物画を通してゴッホの変遷をたどることができる展覧会は、2024年の1月21日まで開催。人気の展覧会なので、ぜひ日時指定予約をしてお出かけください。Information会期:~24年1月21日(日)会場:SOMPO美術館時間:10時~18時(ただし11月17日(金)と12月8日(金)は20時まで)※最終入場は閉館30分前まで休館日:月曜日(ただし1月8日は開館)、年末年始(12月28日~1月3日)観覧料:一般¥2,000(¥1800)、大学生¥1,300(¥1100)※()内は日時指定料金問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年11月19日大ヒットドラマ『愛の不時着』と『梨泰院クラス』の制作陣が生んだ、Hulu初のオリジナル韓国ドラマ『プレイ・プリ』。配信はスタートしたばかりですが、素顔を隠している女子大生と超人気アイドルによる“ワケありラブストーリー”は、すでに大きな注目を集めています。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。キム・ヒャンギさん & シン・ヒョンスンさん【映画、ときどき私】 vol. 617平凡な女子大生でありながら、登録者数10万人を誇る「プリ」という名の人気覆面シンガーとして裏の顔を持つハンジュを演じるキム・ヒャンギさん。天才子役として活躍したのち、『神と共に』シリーズなどの話題作に数多く出演し、いまでは“韓国の国民的女優”とも呼ばれている存在です。その相手役を務めるのは、天性のカリスマ性を持つ超人気アイドルのドグクを演じるシン・ヒョンスンさん。2020年カカオエンターテインメントが開催した新人俳優統合オーディションでは、5000倍もの競争率を勝ち抜いて優勝しており、華やかなデビューを飾った“ライジングスター”とされている若手の注目株です。本作では、そんな2人が初共演を果たし、誰にも言えない秘密の恋が展開されています。そこで、役作りで苦労したことや知られざる一面、そして日本の好きな音楽などについて語っていただきました。最大のミッションは、ギターの演奏だった―今回はおふたりともドラマ初歌唱に挑戦されていますが、事前にどのような準備をされましたか?ヒャンギさんこの役を演じるうえで最大のミッションだったのは、ギターの演奏ですね。というのも、私はこれまで楽器を扱ったことがないんですよ。しかも、出演が決まってから撮影まで準備をする時間的な余裕があまりなかったので、そういう意味でもとても心配でした。とはいえ、何とかしたいという思いは強かったので、撮影中でも休みがあればとにかく練習。おかげでいろんなコードを覚えましたが、「楽器を弾くというのは本当に難しいことなんだな」としみじみと実感しました。―そんなことを感じさせない素敵な演奏でした。ヒョンスンさんも歌がお上手でしたが、もともと得意だったのでしょうか。ヒョンスンさん歌は前から好きでした。といっても、上手いかどうかはわかりませんが(笑)。今回は、ギターの練習だけでなく、歌もダンスもあったので、1つ1つをやり遂げるような気持ちで準備していました。僕としては、ゲームのステージを順番にクリアしていくような感覚でしたね。準備期間が短くて大変ではありましたが、そういうミッションを乗り越えるために、がんばって練習しました。これからもっと素顔を知っていきたい―共演してみて気が付いた相手の素顔や驚いたことなどがあれば、教えてください。ヒョンスンさん今回は撮影期間があまり長くなかったので、ヒャンギさんの意外な一面を知るには時間が足りなかったなと。なので、これから知っていけたらいいなと思っています。ヒャンギさん私もヒョンスンさんについてはまだまだ知らないことが多いですが、そのなかでも意外だなと感じたことはありました。初めてお会いしたとき、外見的なイメージが自分の気持ちを隠すことなくありのまま表現するタイプのドグクとぴったり合っているなと思ったんです。でも、実際のシンさんはすごく慎重な性格で、内気なところがある方なので、そこは驚きました。ヒョンスンさんまさにその通りです(笑)。よく見ていますね。強い憧れがあったから諦めずに続けられた―さすがヒャンギさんですね。本作ではハンジュやドグクが自分のやりたいことに向き合う姿も描かれていますが、おふたりも夢を叶えるまでに苦労したり、周りから反対されたりしたことはありますか?ヒョンスンさん実は高校生の頃、僕は太っていたんですよ。なので、演技をしたいと考えていることを話したら、周りから「そんな体型では無謀だね」と言われてしまったこともありました。しかも、僕は小心者で、人前に出るのも怖がっていたようなタイプ。それだけに、俳優を目指すことをみんなから疑問に思われていました。ヒャンギさんそうだったんですね。―とても意外な過去ですが、そんななかでも夢を諦めずに続けられたのはなぜですか?ヒョンスンさん俳優の仕事が楽しそうに見えましたし、とてもかっこよかったので憧れが強かったというのはありました。ただ、なかなか体重を減らせなかったので、痩せるまでが一番つらくて大変でしたね(笑)。混乱した時期もあったけど、いまは演技が楽しい―ヒャンギさんは23歳の若さにもかかわらず、キャリアはすでに20年ほどになりますが、その間にも挫折を経験されたこともあったのでしょうか。ヒャンギさん私の場合は、夢とは何かを理解していないうちから仕事をしていたので、ある意味それが長所であり短所でもあるかもしれません。ただ、まったく何もわからない状況のなかで、自分が得意としているものを周りが発見してくれたのは、ありがたいことだったなと感じています。それでも、徐々に自我が芽生えてきたときに「俳優はあなたの仕事です」と言われるようになったり、周りから芸能人として見られたりすることに混乱してしまったことも…。演技が好きで俳優をしている自分と、芸能人として顔を知られている自分、そして日常生活をしている自分との間に“解離現象”のようなものが出てつらいと感じることもありました。でも、いまは演技をするのが楽しくてしょうがないと感じるくらい好きなので、これからも俳優を続けていきたいです。日本では自分の計画通りに楽しんでみたい―順調に見えていても、そういった思いも経験されていたんですね。では、日本についてもおうかがしますが、日本にまつわるエピソードはありますか?ヒャンギさん子どもの頃から休みがあると、日本にはよく遊びに行っていました。各地にある美術館を訪れたり、キレイな建物を見学したりするのが私の日本での楽しみです。あと、これはほとんどの韓国人に言えることですが、子どものころから大好きな日本のアニメーションや漫画を見て育ちました。ヒョンスンさん僕はまだ日本には行ったことがありませんが、実は行くつもりで計画まで立てていたことがありました。そのときは撮影と重なってしまって実現できなかったので、ぜひ日本に行って自分が立てた計画通りに楽しみたいです。―ちなみに、どんなことをしたいと考えていたのでしょうか。ヒョンスンさんまずはユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行って、夕方は『深夜食堂』に出てくるようなお店で生ビールを飲みながらおいしいものを食べたいなと思っていました。計画の大半が、食べ物に関するものですね(笑)。この作品を観ているときは癒しを感じてほしい―とてもいい計画ですね。本作は音楽がテーマのドラマですが、いまハマっている音楽などがあれば、教えてください。ヒャンギさん私が最近よく聞いているのは、韓国の歌手ホ・フェギョンさんの「My Dear Love」とユン・ジヨンさんの「tomotomo」。あと、このドラマに出演することになってから聴くようになったのは、あいみょんさんの「マリーゴールド」や「ハルノヒ」です。シンさん僕は韓国の歌手OOHYOさんの「Dandelion」という曲を聴くと、とても癒されます。日本の曲だと、米津玄師さんの「Lemon」が好きです。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。ヒャンギさん私もみなさんと同じ働く女性として伝えたいのは、「健康で仕事ができるように、まずは体力をつけてください。そしてお互いに努力してがんばりましょう」ということです。それから、この作品でみなさんが癒しを感じていただけたらうれしいなと思います。とにかく、みなさん元気でいてください。ヒョンスンさんこのドラマでも描いているように、無謀な挑戦はしていいと考えていますし、挑戦する人を僕たちはいつも応援しています。『プレイ・プリ』を観ているときだけは、みなさんにとっての休息時間になったらいいなと思っています。インタビューを終えてみて…。とても穏やかで、癒し系のオーラを放っているヒャンギさんとヒョンスンさん。控えめで仲睦まじいおふたりの様子にも、思わずほっこりとしました。まだまだ若いおふたりですが、いろんな葛藤を乗り越えてきたからこそ、内に秘めた強さも感じたので、今後さらなる活躍を楽しみにしたいです。本作では、息の合ったやりとりをお楽しみください。最高にキュートな2人から目が離せない!心に響く音楽に乗せて盛り上がりを見せる秘密の恋だけでなく、笑いありドキドキの三角関係もありの王道ラブコメディ。不器用ながら夢にも恋愛にも一生懸命な2人の姿に、胸がキュンとなるこの冬オススメのドラマシリーズです。取材、文・志村昌美ストーリー大学に通いながらバイトに明け暮れる日々を送っていた普通の女子大生ハンジュ。平凡で安定した人生を手に入れるために、大手企業への就職を目指して就活に励んでいる。しかし、裏では「プリ」という名前でカバー楽曲を SNSにアップし、顔も本名も年齢も隠したままひそかに歌手への夢を育んでいた。いっぽう、人気グループ「セズ」のビジュアル担当“レビ”として活躍するアイドルのドグク。事務所との契約終了を控えて、ソロアルバムを出そうとしていた。そこで、プリに憧れていたドグクは、プリを捜し出すことを決意する。プリの正体を突き止めるため、ドグクは大学に潜入するが、2人は最悪な出会いを果たすのだった…。続きが気になる予告編はこちら!作品情報Huluオリジナル『プレイ・プリ』Huluにて独占配信中
2023年11月18日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は、ファッショニスタがよく着こなすスタイルである上下同じカラーのセットアップを、いくつかご紹介いたします。どちらも魅力的なモノトーンカラーキレイめのスタイルで、今すぐ参考になるおふたりのファッション。それぞれ別の色をピックアップされていますが、どちらも上下同色を上手に着こなしていますね。どの色を選ぶかはお好みだと思いますが、オフホワイトは明るく清潔感あり、グレーはモダンで大人っぽく見せてくれます。珍しいスーツスタイルこちらはベージュ系のスーツが優しい雰囲気を醸し出しています。ショートジャケットが個性的なだけではなく、スーツのズボンをアンクルブーツにインするかっこいいスタイル。足元を変えるだけで、かなり印象が変わるんですね!清潔感あるホワイト男性にも人気の上下ワントーンセット。右側の人は清潔感あるホワイトをカッコよく着こなしたスタイリッシュファッション。お隣のマスタードカラーのコートとぴったりなふたりのコンビネーションです。優しいイエローは人気上昇中最近見かけた淡いイエローの上下セットスタイル。このかたのように中はブラックでもホワイトでも、はたまた全く異なるカラーでも、実はなんでも合ってしまうのが特徴。そして淡いイエローは優しい雰囲気を出してくれるだけでなく、ユニークで他の人と被ることも少ないのが特徴です。上下グレーは今や超トレンド!こちらはグレーのデニムの組み合わせですが、どんなデニムでも上下セットは最近のトレンド。さらにグレーは今年よく見かけるイチオシカラー。こんな組み合わせ、素敵じゃないわけがない!目を惹くグリーンが魅力的このかたは、全く異なるデザインのトップスとズボン。しかしカラーをまとめるだけで、セットのように上手に着こなせちゃうのが上下同色スタイリングの特徴。グリーンをメインカラーに持ってくるかたはあまり多くないなか、とても繊細で温かみのあるスタイルに仕上がっています。上下同じ色のコーディネートは非常にシンプルで洗練されています。同じ色を使用することにより、統一感が生まれ、整った印象をプラス。また、異なる素材や質感を組み合わせることで、ワンカラースタイルをさらに魅力的に、そして楽しむことができます。ファッションにぜひ取り入れてみてください!写真、文・平野秀美
2023年11月18日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はオシャレで真似してみたいヘアスタイル、ヘアアレンジやスタイリングをご紹介いたします。可愛いらしさが花咲く大人気インフルエンサーのオリビアのヘアスタイル。もちろん彼女にはスタイリストさんがついていると思いますが、この可愛らしい髪の結び方は一度はやってみたい。可愛いの塊のようなスタイルです。個性の塊のようなスタイルクールなボブスタイルに、個性を加えたかっこいいスタイル。前髪の片方の部分をピンで留めたスタイルですが、アイディアがすごい!そしてかっこいいですよね。真似しやすそうなのでやってみたい。キュートなツノ結びインパクトあるツノのようなスタイルは、パッツン前髪以上に印象強い!ヘアカラーもしかり、全体的な彼女自身を表現しているかのような印象深いヘアスタイルになっています。ボブヘアもスタイリング次第で…こちらのモデルさん、通常のボブヘアをスタイリング剤でばっちりオールバックに。外はねさせてキュートな印象。ボブだって、スタイル次第で、印象が大幅に変わるんですね!後ろ結びも可愛らしくこちらもボブへアですが、可愛らしくリボンと組み合わせて結んでいます。普通にゴムで結ぶだけではなく、リボンやジュエリーと絡めて印象を変えているところがポイント。巻き方も工夫して大人っぽく髪の毛を巻いて内側に留めているだけで、大人っぽい雰囲気に早変わり。すっきりとした髪型に大変身です。どんなファッションにも合わせやすそうですが、特に綺麗めなスタイルにピッタリ!髪型のアレンジは個人の好みや髪質に合わせて行うべきものであり、トレンドや他の人の意見よりも、自分自身がどれだけ自信をもってそのスタイルをしているかが大切だと思います。今回ご紹介したいくつかのスタイルは、より多くのかたに楽しんでいただけるかな?と思います。自分の髪の質やタイプを理解することで、よりアレンジを楽しむことができますので、ぜひトライしてみてください。写真、文・平野秀美
2023年11月12日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は、1年中愛用できるワンピースのコーデをピックアップしてみました!定番のブラックワンピースブラックカラーはとても多くのシーンやイベントに適しており、さまざまなスタイルに合わせやすいため、着る機会が多いカラーです。こちらのようなブラックワンピースは、シンプルでエレガント。アクセサリーや靴を変えることで、カジュアルな日常の装いからフォーマルな場面まで幅広く対応できる、万能なデザインでもあります。フェミニンなワンピースを秋冬も花柄は一般的に明るく、華やかな印象を与えるため、多くの人々にとって魅力的な選択肢となるかと思います。花柄ワンピースは、特に春や夏に人気という印象があります。しかし、トレンチコートやデニムジャケットといったアウターと合わせることで、秋冬まで幅広く愛用できます。また、さまざまなスタイルやデザインがあり、個々の好みに合わせて選択できるため、幅広いスタイリングに対応できます。素材と質感をエンジョイ!触り心地が柔らかく、ふわふわとした質感の、もこもこワンピース。とても珍しいデザインのように感じるのですが、実はここ最近このような立体的なデザインが増えているように感じます。寒い季節に暖かさと快適さを提供してくれるようなデザインであると同時に、ファッションアイテムとしてユニークで個性的なインパクトで楽しませてくれます!可愛らしさと洗練されたデザイン小さなドット柄は繊細で魅力的な印象を与え、一般的には女性らしいスタイルに適しています。ミニドットのワンピースは、カジュアルな日常の装いからフォーマルな場面まで幅広く着用でき、アクセサリーや靴を調整することで多くのスタイルに合わせることができます。また、時代を超えて人気のある柄であり、ワンピース以外でも長く楽しむことができるモチーフと言えます。快適でスタイリッシュなデザインシャツワンピースは、デイリーウェアとして着るのに非常に適しており、シンプルなカジュアルスタイルにピッタリです。秋冬にはデニムやレギンスと組み合わせて、快適でスタイリッシュなコーディネートを楽しむことができます。注目の的!斬新な切り替えやディティール、非対称のシルエットで思いっきり楽しませてくれる、こちらのワンピース!誰とも被ることがなさそうなデザインは、一瞬で周囲の注目を集める最強ワンピースです。ワンピースは、着るのが簡単でスタイリッシュな外見を即座に作り出してくれるので、ちょっとしたお出掛けやイベントなどにもってこいのスタイルです。個性的なデザインから定番のシンプルで可愛らしいデザインまで幅広く選べますし、1年中使えるので、これからもどんどんワンピースを愛用したいところです。写真、文・平野秀美
2023年11月11日気になる男性とのデートは、いつも以上に服装に気をつかうもの。とくに出会ったばかりの時期はお互いをよく知らないので、外見から見て取れる印象が今後の関係性を左右します。無難すぎて印象に残らないのもイマイチですが、それよりも避けるべきは軽く見られること…!そこで今回は、初デートで絶対にやってはいけないNGデートコーデの特徴をご紹介します。狙い過ぎ!?カットオフワンピース昨年あたりからドッと増え出した、カットオフデザイン。カットオフとは、服の一部分に切れ込みが入っていているデザインのことを指します。肩やウエスト、また胸元などの一部分の素肌を露出することで、さりげなくヘルシーな色気を表現できるということで人気となっています。たしかにおしゃれなトレンド服ですが、初デートのコーデで採用するのは少し考えもの。とくに胸元がチラ見えするタイプのニットワンピースは、胸への視線を集中させるので、あざとさが際立った着こなしになります。相手の男性によっては、少々目のやり場に困ってしまうかも…。適度に素肌露出をさせたいのなら胸は出さずに、肩や鎖骨といったセクシャリティが強くないパーツを露出させましょう。だらしなさ過ぎ!?ゆるニット+ノースリトップスあざといコーデの基本は、“緩さ”と“露出”です。緩さは、ゆったりしたニットやカーディガンなど、ラフなアイテムを取り入れること。そして露出は、インナーはキャミソール、ボトムスはショートパンツやミニスカートなどで、素肌が見える面積を増やすこと。このラフな着こなしに素肌が見えるというギャップのあるコーデは、男性にときめきを与えます。しかし、ときめきを与える一方で、場合によっては相手の男性に「軽そう」「すぐ落とせそう」といった悪印象を抱かれる可能性も否めません。相手の男性がパートナーに求める貞操観念の度合いが把握できない段階では、過度なあざとさや緩そうな服装で勝負を仕掛けないほうがベターです。初回はシンプルでジャストサイズな服装に!では、初デートの時はどのような服装が良いのか。やはり王道ではありますが、パンツ・スカートスタイルどちらにしても、シンプルで清潔感のある着こなしがベストです。また肌は見せず、サイズに合った服装でスタイルが美しく見えるテクニックを追求しましょう。そして、コーデ全体の色合いを華やかにすることも忘れずに。服のサイズ、配色、コーデバランスを整えれば、品のある好感度の高いデートコーデが実現できるので、ぜひこれらのポイントを意識して取り入れてみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年11月11日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第160回は、せっかく出会った男性から「ちょっとムリ」と残念ながら思われてしまった、女性の特徴を3つお届けします。1.理解のあるフリをする【結婚引き寄せ隊】vol.160恋を探している男女が出会って、すぐにうまくいくのならいいのですが、どちらかの一方通行の思いだったらなかなかしんどいものがありますよね。出会った男性に「ちょっとムリ」と思わせてしまった特徴のうち、ひとつめは、理解のあるフリをする女性でした。婚活パーティで知り合ったある男性は、よく見ると整った顔で、清潔感もあって女性にはそれほど困っているようには見えませんでした。ざっくばらんに好みのタイプを話していたときに、前はどんな人と会ったのか、という話になり、なかなかよい感じの女性とうまくいきかけたようだったのですが…。その男性は非常に多忙で、婚活パーティの参加も何か月かに1回とのこと。その機会を逃さないようにと前回参加したパーティでマッチングした女性とお茶に行ったら、まったく業種の違う者同士なのにもかかわらず、彼の話を「うん、わかるぅ〜」と相槌を打ちながら聞いてくれたそうです。すごく仕事に理解があるように見えたのに、いざ「さっきの話ですが」と確認をすると、話した内容をほぼ覚えておらず、ただ単に“理解のあるフリをしていただけ”だとすぐにわかったのだとか。話し込んでみても、男性の話を肯定してはくれるものの、どうやら右から左にスルー。「本当の意味で理解してくれる女性がいい」とボヤいていたのでした。2.相性占いをしたがるそれは出会いを探して合コンに参加したときのこと。もうすぐ誕生日という女性がいたため、「おめでとう」などと言いながら、星座占いの話になりました。私が占い好きということもあって、「月生まれだと座?」などと、それぞれの星座を言いながら活気づいていました。そのとき、ある女性が「そういえば何座でしたか?私と相性いいのか調べたいので!」と、ある男性に向かってグイグイ迫っていました。こっそりその女性に聞いてみると、その男性の顔がどストレートに好みだそうで、絶対仲よくなると気合が入っている様子。だからなのか、相手の男性は見る限りちょっと引き気味だったものの、その女性はそんなことはおかまいなしに一方的に「相性が知りたいから」と迫っています。タジタジになりながらも、女性の気迫に押されて、相性を調べられてしまった男性でしたが、結局のところそのふたりはうまくいかず、最終的に男性は別の女性と親しげになっていったのでした。占いはみんなと盛り上がることができる楽しいツールですが、自分に気の無い相手にしつこく迫っていくのは、占いに関係なく、引かれてしまう可能性もあります。時と場合によって、うまく自分を出していけるといいですよね。3.運命と言いすぎるそれは婚活パーティに参加したときのこと。そこには20代の女性もいて、なんとなく「今回は難しいパーティになるかなあ」と思っていました。なぜなら、男性の本能なのか、若い参加者がいるとどうしてもそちらの人気が高くなりがちで、アラフォー参加者には寂しい結果になってしまうことも少なくないからです。でも、途中から、そんな心配は無用になりました。それというのも、一番若そうに見えた20代の女性は、フリータイムで男性たちに囲まれながら、「すご〜い、運命かも!」を連発。な、何が運命だって?と人間観察が好きな私は、移動がてらに一番若そうなその女性のいる輪の会話を聞いていると、囲んでいる男性の誰彼問わず、キラッキラなよいしょフレーズを発していることを確認。ターゲットを決めて落とすためにキラーワードを言うのではなく、自分のところに来てくれた男性すべてによい顔をしてみせるなんて、すごい肝が座っているのだろうか…などと思っていたところ、その輪にいた男性とあとで話す機会がありました。さりげなく、さっきの女性について聞いてみると、「ちょっと運命だと言いすぎていて(苦笑)」と、意外にも怪訝な表情。何事もやりすぎるとよくないんだなあと実感したのでした。普段まわりにはいないようなタイプの男女に出会うこともありますが、まずは行動しないとどうにもなりません。自分の運命は自分で決める!みなさんの未来が輝きますように。文・かわむらあみり©buritora/Adobe Stock文・かわむらあみり
2023年11月11日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は全身ブラックスタイルをピックアップ!ブラックは体型を引き立ててくれるだけではなく、クラシックでエレガントな印象を持ち、重要な場面で着用するのにふさわしい選択でもあります。そんなブラックの着こなしを見てみましょう。シンプルで洗練されたルックスブラックのオールインワンスーツはフォーマルなイベントやビジネスの場面に特に適しています。クラシックでエレガントな印象を感じさせてくれるので、重要な場面で着用するのにもふさわしい選択だと思います。また、さまざまなスタイルやアクセサリーと組み合わせることができるので、オシャレ好きにも人気のスタイルです。シンプルでエレガントブラックのスカートとタートルネックはモノトーンスタイルを作り出し、全身を引き締めます。このモノトーンのルックは、スタイリッシュで洗練された外観になります。またこのかたのように透け感のあるスカートはより軽い印象を与えてくれるので、ブラックならではの重い印象にはなりません!季節感を楽しむブラックジャケットブラックジャケットとブラックブーツの組み合わせは非常に多くのバリエーションが可能で、シンプルでありながらおしゃれなスタイルを楽しむことができます。特に引き締まって見えるブラックカラーと、スリムデニムがよりスタイリッシュに見せてくています。コントラストと調和を楽しむ組み合わせ!ブラックのレザージャケットはエッジのあるアイテムで、ロングスカートはよりエレガントで女性らしい要素を持っています。このコントラストと調和が、ユニークで洗練された見た目を作り出します。また彼女のメイクやヘアスタイルもスタイルの全体に影響を与えているように、とっても整ったかっこいいスタイルに仕上がっています。ストライプが入るだけで印象が異なるストライプのブラックスーツはクラシックでフォーマルな要素をもちますが、彼女のジャケットはオーバーサイズでトレンディー感も高め。さらにカジュアル感も出ています。そして今年も人気のブーツが、エッジの効いたデザインで全体のバランスが整っています。このコントラストがスタイルに深みを与え、オシャレな印象を作り出します。また、彼女の選ぶジュエリーのセンスもかなりインパクトが高く印象強くなっています。ちらっと見えるバーバリーチェックがまた魅力的バーバリートレンチコートはクラシックで一生着用したいアウターアイテムであり、なかでもブラックの色合いはシックで洗練された印象を与えます。ロングブーツも一般的にエレガントな印象をもっています。そのため、この組み合わせはクラシックでありながらも、いつの時代にも支持されるスタイル。また透け感のあるトップスが、コントラストを上手に強調しているよう。いかがでしたでしょうか?全身黒のスタイルであっても、印象が異なりますよね!自分の個性と季節に合わせてカスタマイズして、おしゃれなスタイルを作り出してみてください。写真、文・平野秀美
2023年11月11日大ヒット作『梨泰院クラス』の原作を生み出したことで知られる韓国のKakaoから、新たに誕生した話題のWebコミック「ナックルガール」がついに実写映画化。Amazonスタジオ製作による初の日韓共同作品としても注目を集めている本作には、豪華日本人キャストと気鋭の韓国人クリエイターが集結しています。そこで、誰よりも裏側を知るこちらの方々にお話をうかがってきました。三吉彩花さん & チャン監督【映画、ときどき私】 vol. 616主演に抜擢されたのは、モデルや俳優として幅広く活躍し、中国圏でも高い人気を誇る三吉さん。劇中では、謎の犯罪組織にさらわれた妹を救うために命懸けで戦うボクサーの蘭を演じています。本作でタッグを組んだのは、心温まる感動作からアクションまで幅広く手掛け、韓国でも注目のチャン監督です。今回は、日本とは異なる現場の様子や過酷なトレーニング内容、夢を実現するための秘訣などについて語っていただきました。―チャン監督といえば、これまでにジャッキー・チェンさんがプロデュースしたアクション映画の監督を務めたこともありますが、そんな監督から見た三吉さんのアクションが持つ魅力について教えてください。チャン監督まず、三吉さんはアクションに向いている体格を持っていらっしゃる方だと思いました。こういったフィジカル的な条件を満たしている女優さんというのは、アジアのなかでも非常にまれなこと。今後の日本映画界にとって、三吉さんは素晴らしい資産になるだろうと感じたほどです。それと、演技力が安定しているというのも大きいですね。というのも、演技力がない俳優というのは、そもそもアクションには向いていませんから。今回の映画では、そういった三吉さんの魅力を存分に感じることができる内容になっていると思います。基礎トレーニングを毎日継続する難しさを知った―劇中で披露されている三吉さんの肉体美を見るだけで、過酷なトレーニングをされていたことが伝わってきましたが、クランクインの半年ほど前からかなりハードなメニューをこなされていたとか。三吉さん普段、体型維持という意味での運動は定期的にしていますが、合宿のようにあそこまでハードに練習したのは初めてのこと。特に、アクションの立ち回りやボクシングのための基礎的なトレーニングをする時間がすごく長かったんですが、それを毎日継続するのがいかに難しいのかを知りました。でも、現場で新しい動きが出てきても、焦ることなく落ち着いて取り組めたのは、きちんと基礎ができていたからこそ。続けることは本当に大変ではありましたが、それがなければ今回のアクションは成立していなかったので、とても勉強になりました。―そのなかでも、きつかったトレーニングはどんなメニューでしたか?三吉さんそれは、毎日していたでんぐり返しですね。前や後ろだけでなく横とかいろんな方向からしていましたし、逆立ちしてから転がってもいたので、とにかくつらかったです…。だって、学校を卒業してから、でんぐり返しをすることなんてありませんでしたから!トレーニングが終わったあとは、足元が小鹿みたいになっていたほどです(笑)。日本の俳優さんたちのスタンスには感動を覚えた―すごいですね。また、本作には三吉さんのほかにもさまざまなキャストが出演していますが、日本の俳優陣に対してはどのような印象を持たれましたか?チャン監督日本の俳優さんは事前の準備が非常に徹底していますし、自分の役に対して真摯に向き合っているので、のめり込むようなスタンスがあるように感じました。もちろん、ほかの国の俳優さんたちにもそういう面はありますが、日本の俳優さんには独特なアプローチ方法があるように見えて感動を覚えたほどです。うまく言葉で説明できないのですが、僕の目にはそれが新鮮でポジティブに映りましたし、自分にとっても大きな原動力となりました。―三吉さんは韓国人クリエイターの方々とお仕事をされてみて、いかがでしたか?三吉さん私はもともと韓国の音楽や文化にすごく興味があって、旅行や仕事でよく韓国に行っているので、このコラボレーションが実現したことは私にとっても意味のあることでした。日本と韓国のクリエイティブチームが意見を交わしたからこそ、より良いものを作り上けることができたと感じています。韓国スタッフの方々に救われた部分もたくさんありましたし、いままで経験したことのない作り方やコミュニケーションの取り方も学べたので、得るものがたくさんありました。勉強していた韓国語を現場で生かすことができた―三吉さんは韓国語がかなりおわかりになるようですが、この現場で習得したのでしょうか。三吉さん韓国語に関しては、実はずっと前から勉強していました。現場で細かいニュアンスについて話し合うときは通訳さんに入っていただくこともありましたが、みんなでご飯を食べるときなど、日常会話は直接話すことができたので生かせてよかったです。―ちなみに、韓国にはいつ頃から興味を持っていたのですか?三吉さん13歳くらいのときに韓国の音楽を好きになったのが最初で、そこから文化やファッションにも興味を持つようになったのがきっかけです。普段、家で韓国のドラマやバラエティーを観ているのですが、いつか自分も仕事として関わってみたいなという気持ちは強くなっています。みんなで一緒に食事ができる機会が多くて楽しかった―撮影中やオフのときなどで、思い出に残っていることはありますか?チャン監督三吉さんが「スンデ」という豚のホルモンを詰めて蒸した韓国料理が大好きでよく食べていたのを覚えています(笑)。今回は、みんなで一緒に食事をする機会がたくさんあって、本当に楽しかったです!三吉さんそうですね。私が韓国ですごくいい文化だなと思っているのは、休憩時間を一斉に取って温かいご飯をみんなで一緒に食べること。撮影が終わってからも、みんなで食事に行ったほどです。韓国の方は乾杯の回数がすごく多いですが、そのおかげでチームワークもどんどん良くなった気がします(笑)。自分がしたいと思っていることは、なるべく周りに話す―素敵な習慣ですね。以前、三吉さんに取材をさせていただいた際、「最終的にはハリウッドを目指しているが、まずはアジアで活躍できるようになりたい」とおっしゃっていましたが、まさに有言実行ですごいなと。夢を実現するうえで必要なことやご自身が実践していることがあれば、教えてください。三吉さん私は言霊を信じるタイプなので、自分がしたいと思ったことをなるべく周りの人に話すようにしています。というのも、「本当は何を考えているのか」とか「どういうことをしたいと思っているのか」といったことはなかなか見えにくい部分でもありますから。興味を持っていることを話しているうちに、少しずつそれに近づける機会をいただけるようになっていくんだなと実感しているところです。あと、私自身は「知らないところに飛び込んで冒険をしたい」という好奇心が強いので、機会があればまずは1回挑戦するようにしています。そのうえで意識しているのは、“なりたい自分”がブレないようにすることです。大事なのは、ふたたび這い上がって一歩を踏み出すこと―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。チャン監督僕たちが作った『ナックルガール』は、若者たちの無鉄砲さを描いた作品でもあるので、一種の青春モノとして観ていただければと思っています。人は年を取るとすべてのことに対して慎重になってしまい、何事にも果敢に挑むことができなくなってしまうものですが、そういうときこそ計算せずに前に突破してもらえたらなと。日本でも韓国でも、いまの若い人たちにはそういったチャレンジ精神が足りなくなっているように感じています。でも、若い時期というのは2度と来ないので、みなさんにも青春を存分に楽しんでもらいたいです。三吉さんいろんな悩みを抱えるなかで、前に進む気力も元気もなくなってしまうときってありますよね。そういうときは立ち止まっても、ひたすら落ち込んでもいいと思います。でも、そのあとに大事なのはふたたび這い上がって一歩を踏み出すこと。人によってスピード感も経験してきたものも違いますが、20代や30代はまだまだ可能性も無限大ですから。自分の芯みたいなものを忘れなければ、絶対に大丈夫です。表に感情を出すのが苦手な方でも、闘争心や悔しさを内に秘めていて爆発させたいという気持ちはあると思います。ただ、それがうまく出せないのであれば、この作品がみなさんを駆り立てて、背中を押してくれるはずです。正直に言うと、撮影中は戦ってばかりいたので、そんなことを考える余裕はありませんでした(笑)。でも、完成した作品を観たときにそういうことをすごく感じたので、ぜひみなさんにもそのメッセージは受け取ってほしいです。インタビューを終えてみて…。圧倒的な美しさを見せる三吉さんとお茶目で明るいチャン監督。終始和気あいあいとした雰囲気のおふたりからは、言葉や文化の違いを超えていい関係性が出来上がっているのが伝わってきました。ぜひ、おふたりが作品に込めた思いも感じてください。戦闘モード全開で、新たな自分が覚醒する!次々と繰り広げられる衝撃的なアクションと、スピード感のあるストーリー展開から目が離せなくなる本作。アドレナリン全開で突き進む主人公の生き様は、観る者の気持ちを高ぶらせ、閉じ込めていた思いも解放させてくれるはずです。写真・園山友基(三吉彩花、チャン監督)取材、文・志村昌美ストーリーボクサーとして高みを目指していた橘蘭のもとに、ある日突然、大切な妹が失踪して自殺したという知らせが警察から届く。しかし、警察の検視結果を信じることができない蘭は、独自の調査を開始。そして、巨大な犯罪組織と「ガレージ」と呼ばれるルール無用のコロッセオが事件に関係していることを突き止める。人を死に至らしめるほどの暴力が横行する犯罪組織に、「何が何でも絶対闘う」と決意した蘭。大切なグローブの代わりにナックルをはめた蘭は、元恋人と頭脳明晰な天才ハッカーの協力を得ながら、妹を救うべく命をかけた闘いに挑んでゆくことに…。興奮に包まれる予告編はこちら!作品情報『ナックルガール』Prime Videoにて世界独占配信中(C)2023 Amazon Content Services LLC or its Affiliates写真・園山友基(三吉彩花、チャン監督)
2023年11月10日『Wの悲劇』や『ヴァイブレータ』など数多くの脚本を手掛け、『火口のふたり』では監督としても高い評価を得ている荒井晴彦さん。芥川賞受賞作『花腐し』の映画化に挑んだ最新作は、綾野剛さんや柄本佑さんをはじめとする実力派キャストたちが顔を揃えていることでも反響を呼んでいます。そこで、ヒロインを務めたこちらの方にお話をうかがってきました。さとうほなみさん【映画、ときどき私】 vol. 615ドラマ『六本木クラス』や『あなたがしてくれなくても』、『30までにとうるさくて』、映画『愛なのに』など、さまざまな話題作への出演が続いているさとうさん。「ゲスの極み乙女」のドラム担当ほな・いこかさんとしても知られていますが、俳優としては「さとうほなみ」の名義で活動されています。本作では、ピンク映画の監督を務める栩谷と脚本家志望の伊関というふたりの男が愛した女優の祥子役を見事に演じ切り、注目を集めているところです。今回は、現場で感じたことや日常生活で欠かさずしていること、そしていまの心境などについて語っていただきました。お名前を聞いたとき、絶対にご一緒したいと思った―脚本から映像化の想像ができなかったにもかかわらず、この作品には強く惹かれていたそうですが、どういうところに魅力を感じましたか?さとうさん最初に脚本を読ませていただいたのは、オーディションのとき。肝となる2つのシーンだけだったので原稿用紙2枚分のみでしたが、物語の概要を聞いただけですでに面白いと感じていました。なかでも一番想像がつかなかったのは、ラストシーン。脚本には山口百恵さんの「さよならの向う側」の歌詞がすべて書いてあるだけで、どうなるのかが何も書かれていませんでした。でも、これだけ言葉を大事にする荒井監督がそうするということは、ここに『花腐し』にとっての何かしらの意味が絶対にあるんだろうなと。そういう気持ちで挑んでいましたが、現場ではさらにいろんな偶然や監督の思いつきなどもそこに合わさっていったので、結果的に激エモな終わり方になったと思っています。―ぜひ、観客のみなさんにもそのエモさを感じていただきたいですね。そして、本作では綾野さんと柄本さんと共演できるというのも出演を熱望した理由のひとつだったのではないかなと。さとうさん荒井晴彦監督、綾野剛さん、柄本佑さんというお三方のお名前を聞いたとき、絶対にご一緒したいと思いました。取材などで綾野さんが「柄本さんのファンだった」とおっしゃっているのを聞きましたが、私こそずっと前からおふたりのファンですから!といっても、まだご本人たちには伝えていないので、この記事で知っていただけたら本望です(笑)。現場にいてくれるだけで心強かった―それは喜ばれると思います。実際にご一緒されてみて、現場での様子についても教えてください。さとうさん綾野さんはお芝居に対してストイックで、本当にいろんなことをよく考えていらっしゃると感じました。それだけでなく、周りのキャストやスタッフのこともしっかりと見ていてすごく気を遣ってくださいますし、場の雰囲気を大切にされる方でもあるので、いてくださるだけで心強かったです。今回は、濡れ場やちょっとしたアクションもありましたが、カラダが交わることや動かすことに関する技術的な面を自ら監修してくださったのもすごいなと。「自分に委ねてくれたら受け身を取るから大丈夫だよ」と言っていただいたので、そういう面でも助けていただきました。―柄本さんについて、印象に残っていることはありますか?さとうさん本当にナチュラルな方なんですが、器の大きい方でもあると感じました。カメラの回っていないところで話していたと思ったら、いつの間にか役に入っているので、ご自身から役にシフトチェンジしているところを見せないようにしているところも素晴らしかったです。仕事選びの基準は、大変でも心を動かされたとき―お仕事選びについては、ご自身がキュンとするかどうかを大事にされているそうですが、本作にもそういう感覚はあったのでしょうか。さとうさん普段、私のなかで基準となっているのは、そこに挑むのがどれだけ自分にとって大変なことだとわかっていても心を動かされたとき。『花腐し』に関しては、「キュンキュンキュンキュン…」くらい最高にキュンとしました。―今回は役柄上、肌を出されるシーンが多かったですが、色気があってとても美しかったです。演じるうえで、意識されたこともありましたか?さとうさん特に何かを気を付けていたわけではありませんが、みなさんのお目汚しにならない程度にはしたいなと(笑)。ただ、後半はピンク映画を生業としている女優として描かれていたので、「肌を人に見せることを意識するとはどういうことか」というのは考えていたかなと思います。いつ仕事が来てもいいようにしているピンク映画の女優としてのプライドを持っているようにしました。―なるほど。非常にお肌もキレイなのですが、意外にも美容にはあまり興味がないとか。とはいえ、ケアとして何かされていることもあるのでは?さとうさん毎日欠かさず、赤ワインを飲んでいます(笑)。というのも、マッサージを担当していただいている方に「手足は冷え切っているし、腸の活動も悪いけど、あなたは赤ワインとの相性が非常にいい」と言われたからです。自分にとって、年齢の分岐点となったのは25歳―それはお酒好きにはうれしいアドバイスですね。普段、どのくらい飲まれていますか?さとうさん詳しくは言えませんが、“適量”ということにしておいてください(笑)。―わかりました。30代もまもなく折り返しですが、30代ならではの変化や楽しみ方みたいなものがあれば教えてください。さとうさんあまり変わっていないような気もしますが、逆に代謝が良くなりました。―それはすごいですね!赤ワインの効果でしょうか…。さとうさんそうですね。もしかしたら、体温が上がっているのかもしれません(笑)。ちなみに、気持ちの面で言うと、私にとって年齢の分岐点は25歳のとき。「あと5年で30歳だからいろんな決断をしなきゃ」みたいな焦りがありました。でも、27歳くらいで「多分もう変わらないな」と気が付いてから、30歳に対する恐れを乗り越えた気がします。ただ、そう考えると次にそれが来るのは35歳なのかなと思ったりもしますが、いまのところ不安や怖さはありません。というのも、いまの40代の方ってすごく若々しくて、みなさん楽しんでいらっしゃるので、自分もそういう風に生きていけるなら年齢はあまり関係ないなって。ただ、来年35歳になったときにめっちゃ恐れているかもしれないので、そのときにまた聞いてください(笑)。観客にしか見えない部分を最後まで楽しんでほしい―ぜひ楽しみにしております。それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。さとうさんこの作品はとても面白い構成の映画となっていて、登場人物たちの関係性は観客にしか見えない部分があるので、そこを楽しみつつ最後までしっかりと観ていただけたらうれしいです。あとは、みなさんにも赤ワインを推奨したいですね(笑)。というのは置いておいて、最近ハマっているのは、朝歩くこと。「朝に日光を浴びるといい」とよく言われていますが、それって本当なんだなと実感しています。私の場合は、音楽を聴きながら何も考えずに歩き、近所の神社に挨拶して帰ってくるという流れですが、それだけも一石二鳥どころか一石三鳥くらいになっているような気がするので、オススメしたいです。インタビューを終えてみて…。飾らない人柄と弾ける笑顔が魅力的なさとうさん。ユーモアたっぷりのお話にも、終始笑わせていただきました。劇中では、全身全霊で役と向き合っているのがひしひしと伝わってくるほどの熱演を見せていますので、ぜひそちらにも注目してみてください。切なさに胸を締め付けられる現在と過去が交錯するなかで、ふたりの男とひとりの女が繰り広げる激しい愛の物語を描いた本作。朽ちてなお純粋さを失わない愛の姿は、いつまでも降り続ける雨のように、観る者の心に突き刺さるはずです。写真・園山友基(さとうほなみ)取材、文・志村昌美ストーリー斜陽の一途にあるピンク映画業界で監督を務めている栩谷。5年も映画を撮っていなかったためにアパートの家賃を支払うことにも困り、制作会社の事務所に居候させてもらっていた。梅雨のある日、栩谷は大家からあるアパートの住人に対する立ち退き交渉を頼まれる。アパートを訪ねた栩谷は伊関という名の男と揉み合いになるが、部屋に入って話し始めると、伊関はかつてシナリオを書いていたことを栩谷に明かす。そして、映画を夢見たふたりの男の人生は、女優・祥子との奇縁に繋がっていくのだった…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『花腐し』11月10日(金)テアトル新宿ほか全国公開配給:東映ビデオ(C)2023「花腐し」製作委員会写真・園山友基(さとうほなみ)
2023年11月09日フランスで実際に起きたテロ事件の被害者家族が、発生から2週間の出来事を綴った世界的ベストセラー小説を映画化。今回ご紹介するのは、一晩で20万人以上がシェアし、新聞の一面を飾った「憎しみを贈らない」という宣言をしたある男性の真実に迫った話題作です。『ぼくは君たちを憎まないことにした』【映画、ときどき私】 vol. 6142015年11月13日金曜日の朝。ジャーナリストのアントワーヌ・レリスは、生後17か月の息子と一緒に、仕事へと向かう妻のエレーヌを送り出した。しかし、最高の母で最愛の妻だったエレーヌは、「バタクラン」という劇場でテロに巻き込まれてしまう。誰とも悲しみを共有できない苦しみと、これから続くワンオペ育児への不安をはねのけるように、アントワーヌはSNSにある手紙を投稿する。妻の命を奪ったテロリストへの手紙には、息子と2人でも「いままで通りの生活を続ける」という決意表明と亡き妻へのメッセージが書かれていた。その言葉は動揺するパリの人々をクールダウンさせ、テロに屈しない団結力を芽生えさせていくことに…。『スペンサー ダイアナの決意』や『ナチュラルウーマン』を生み出したアカデミー賞プロデューサーが手掛けていることでも注目の本作。今回は、制作秘話などについてこちらの方にお話をうかがってきました。キリアン・リートホーフ監督母国ドイツでテレビシリーズや映画『陽だまりハウスでマラソンを』などのヒット作を生み出しているリートホーフ監督。世界中から映画化のオファーが押し寄せていたなか、原作者であるアントワーヌさんからの指名を受けて実写化を実現させています。そこで、本作を制作するうえで心がけていたことや演出時の苦労、そしていまだからこそ伝えたい思いについて語っていただきました。―事前にアントワーヌさんと会われたときのことを「映画監督のキャリアのなかでも、最も感慨深い時間だった」と表現されていますが、その思いはどのように作品に生かされましたか?監督僕にとってはアントワーヌと会えたことだけでも特別なことでしたが、彼は自分の悲劇的な経験を本にするという勇気のある一面を持ちつつ、いまにも壊れそうなもろさもある人物だと感じました。それだけに、自分たちの情熱を伝えたいけれど、「これ以上この人を苦しめたくない」という気持ちが強くなったのを覚えています。土足で踏み込まないように心がけていたのもありますが、事件が起きたフランスから少し距離があるドイツ人であったことも、たくさんのオファーがあるなかから僕たちが選ばれた理由かなと。彼は客観的に描いてくれることを期待しているように見えたので、彼に寄り添う友達のような視点でこの映画を撮ろうと決めました。いまでも忘れられないトラウマになっている―そのほかにも制作過程で印象に残っていることがあれば、教えてください。監督これは準備段階でいろいろとリサーチをしていたときのことですが、パリの中心に住んでいる方々からたくさんの話を聞くことができました。そこで気が付いたのは、彼らにとってはいまでも忘れることができないトラウマになっているということ。なぜなら、「実は自分もあの日バタクランに行こうとしていた」とか「親戚が行っていた」というような感じで、誰もがあの事件に何らかの繋がりを持っていたからです。実際、キャスティングの段階であるフランス人俳優から「現場近くのアパートに住んでいて、あのときのショックがいまでも消えないので自分は出演できません」と言われることもありました。それくらいパリの人たちにとっては、骨の髄まで染みついているようなトラウマになっているということです。そういった話を聞いて心を動かされると同時に、彼らのためにもしっかりとこの話を伝えなければいけないという責任を強く感じました。―その思いを体現されていた俳優陣はみなさん素晴らしかったですが、なかでも息子役のゾーエ・イオリオちゃんの3歳とは思えない演技には衝撃を受けました。セリフやタイミング、動きまで完璧でしたが、どういった訓練をされたのでしょうか。監督まず、キャスティングの早い段階から「なんて才能があるんだろう」と驚かされ、すぐに決まりました。相手と対峙したときに意思疎通が取れることはもちろん、いろんなことに想像力を膨らませて対応することができる子だったので、そこがすごく印象的でしたね。決まってからは、子役のコーチと3か月間の訓練を行って、実際の撮影に入りました。みんなの協力のおかげで撮ることができた―撮影に関しては、何か特別な方法で行われましたか?監督今回は、シーンの状況を説明するのではなく、おとぎ話とすり替える方法を取りました。たとえば、父親に怒られてタンスに隠れるシーンでは、「お父さんが怒っているよ」と伝えるのではなく、「外に怖いオオカミがいて、あなたは隠れているヒツジだよ」と。そうすることで、怯えている表情を撮ることができました。もちろん、普通に「右を向いて」とか「にっこり笑って」といった指示に対してもしっかり応えることはできますが、そうは言っても3歳児なので30日以上ある撮影期間でずっと言った通りに動いてくれるわけではありません。なので、ゾーエにとっても大変だったと思いますが、コーチと両親が協力してくれたおかげでできました。―とはいえ、苦労したシーンもあったのでは?監督父親が絵本を読んであげたあとに走って逃げるという場面があるんですが、そこは大事なシーンだったので、1回で決めたいというのがありました。ただ、どっちに走り出すのかがわからなかったこともあり、ゾーエ抜きの状態で2時間リハーサルをすることに。何度も練習して、どこに走っても対応できるようにしたので、そのための準備が少し大変でしたね。でも、父親役のピエール・ドゥラドンシャンは何が起きても演技をしながら対応してくれたので、難しかったとは思いますが、とてもいい仕事をしてくれました。いい言葉は、人が生きるうえでの道しるべにもなる―本作では“言葉の持つ力”についても改めて考えさせられましたが、なぜこれほどまでに彼の言葉は広まったと思いますか?監督今回のアントワーヌは、亡くなった妻に会ったあと、自分のなかにある憎しみやネガティブな気持ちを抑えるために、どうしようもなく湧き上がってくる言葉を止めることができずに綴りました。おそらくそれは自分に言い聞かせるため、そして生き残るために書いた言葉だったのではないでしょうか。それが独り歩きして有名になったわけですが、僕は彼が意図せずに行ったことに意味があると感じました。おそらく多くの人が恐ろしい状況を目の当たりにしているなかで、その気持ちを浄化してくれる“何か”を求めていて、そこに彼の言葉がぴったりとハマったんだと思います。―そのいっぽうで、インターネットが発達している現代では言葉は良いほうだけでなく、悪いほうにも大きな影響力を発揮してしまいます。監督まさにその通りで、最近はSNSによってひどい言葉もすごい速さで拡散されてしまうので、本当に気をつけなければいけないですよね。使い方を間違ってしまうと悪影響もありますが、本来言葉にはポジティブな力があるので、我々には必要なもの。人が生きるうえでの道しるべにもなると思うので、いいと思う言葉はしっかりと発信していくべきだと考えています。周りにいる人にもっと愛情を注いで大事にしてほしい―また、日本に対する印象や日本の観客に伝えたいことがあれば、お聞かせください。監督以前から行ってみたいとずっと思っていますが、実はまだ日本を訪れたことがありません。いま、友人が東京に住んでいるというのもあって、日本には繋がりを感じています。今回の作品に関して言うと、日本のみなさんがどういうふうに受け止めるのかについてはとても興味を持っているところです。ヨーロッパとは違う文化であることはわかっていますが、この作品には普遍的な部分があるので、そういった感覚にはあまり違いはないのではないかなと。特に、コロナ禍を一緒に経験したことで世界中の人たちの距離は近くなった思うので。まずは、日本に行って違う視点で物事を見る機会を得て、日本についてもっと知りたいです。―残念ながらいまも世界各地でテロが起きていますが、そんななかでこの作品が公開されることをどう思っていますか?監督最近もイスラエルで同じようなテロ事件があり、僕もショックを受けていますが、まだまだ終わりが見えていません。だからこそアントワーヌの話を知ってもらうことには、意味があると考えています。なかでも彼が書いた手紙の最後に「自分と息子は2人きりだが、世界中の軍隊よりも強い」という言葉がありますが、愛情の大切さに気が付いたからこそ、彼らは憎しみに飲み込まれることなく乗り越えられたのです。もちろん、それをするのは簡単なことではありません。でも、日々のなかで愛する人たちとの絆を強固なものにしていればきっとできるはずです。なので、スマホばかりに気を取られることなく、周りにいる人たちを大事にしてしっかりと愛情を注いでください。目の前に“宝物”があるのは当たり前ではありません。お互いに愛し合い、我々が強くなることこそ、憎しみに対する最大の武器になると僕は信じています。憎しみと向き合ううえで、希望の光となる言葉が持つ力の大きさと愛の強さに、心を揺さぶられる本作。他人事とは思えない彼らの姿に、さまざまな憎しみが飛び交う時代のなかでどう生きていくべきかを誰もが考えさせられるはずです。取材、文・志村昌美胸が締め付けられる予告編はこちら!作品情報『ぼくは君たちを憎まないことにした』11月10日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国公開配給:アルバトロス・フィルム(C) Thomas Leidig.(C)2022 Komplizen Film Haut et Court Frakas Productions TOBIS / Erfttal Film und Fernsehproduktion
2023年11月09日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第159回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その54をお届けします。1.質問攻めの男【結婚引き寄せ隊】vol.159それは30代から40代が主となる婚活パーティに参加したときのこと。それぞれの参加者が自分のプロフィールカードを持って、自己紹介をしていく時間になったとき、40代前半のサラリーマンだという男性がまわってきました。「こんにちは〜」と挨拶をして、おたがいのプロフィールカードを交換。こちらがまだ最後まで相手のプロフィールを読み終わらないうちに、「音楽が好きって、どんな曲を聴いてるんですか?」という質問をされました。「もともと歌や楽器を習っていたのでクラシックから入って、ロックも好きになってバンドもやるようになったりと、いまはいろいろなジャンルを聴いて楽しんでいます」などとちゃんと返事をしたものの、実際には「…います」まで話し終わらないうちに、「家事は得意ですか?」とすぐに次の質問をされました。めっちゃテンポがはやいなぁ…と内心タジタジになりながらも答えようとしていると、矢継ぎ早にどんどん質問してきます。うわーっと思っていたら「ハイ、時間ですので次のテーブルへ男性は移動してください」という司会からの指示が。ひとり数分しかない貴重な自己紹介タイムだというのに、こちらからはまったく質問できず、ひたすら質問攻めにあって終わってしまいました。次にまわってきたのが和やかな男性だったので、申し訳ないながらちょっとそこでひと息つくことに。やたらと質問攻めにしてきたあの男性はいったい何だったんだろう…。短時間でものすごく気力をそがれた気がしました。その後、フリータイムになって、質問攻め男の行動をチラッと見ていたら、どのグループに行っても場の空気を読まずに質問攻めを繰り返していて総スカン。自分のペースだけですすめて配慮のないタイプは、とくに初対面だらけの場で居場所がないものだと納得したのでした。2.すぐ親に会わせたがる男それは20代から40代までの幅広い層の男女が集まる飲み会に参加したときのこと。ちょっと遅れて参加したのですが、すでにお酒がすすんでいたこともあり、各テーブルではとくに恋愛の話で盛り上がっていました。そこには絶賛婚活中の人、恋人と別れたばかりの人、なんとなくシングルが長く続いている人…と、その時点ではパートナーがいない男女が数名。あまりピンとくるようなタイプもいなくて、ドキドキするような出会いもないので、適当に飲んで帰ろうかなと思っていると、「まさか帰らないよね?」と同じテーブルにいた30代の男性につかまりました。正直に、あまり収穫がなさそうだから帰ろうかと思っていたことを話すと制止され、「人数が多いと疲れそうだからふたりで話そう」と、離れた席へ移動。あらためて恋バナをしていたら、「試しにデートしない?」という話をされ、少ししぶっていると、「絶対楽しいから。それに、親にも会ってほしいし」と言うのです。え?と思い聞き返しても、やはり同じことを言われ、「ごめん!明日早いから帰りますー」と逃げました。いやあ、ふたりで会うところまではまだ考える余地はあるものの、突然親にも会わせたいだなんて言われて、すぐにOKする女性はいるのでしょうか…。つい焦りすぎてそう言ってしまっただけなのか、いつもその調子でいるから彼女ができないのかは知りませんが、急ぎすぎてもうまくいかないものだと思ったのでした。3.子ども何人欲しいか聞く男それは婚活サイトで出会いを探していたときのこと。アラフォーの私よりも年上のアラフィフの男性からコンタクトされ、とりあえずメッセージでやりとりをしていたところ、なかなか人柄がよさそうな感じ。年上だけあって経済力は申し分なく、あとは直接会ってみての印象が大事かなと思っていたところ、実際に会うことになりました。休日の午後とあって、それなりに混んでいたカフェでお茶をしていましたが、急にその男性が言いづらそうな雰囲気を出しながらも「…実はバツイチで」と告白。結婚したことがあるかどうかという項目が婚活サイトにはなかったので、自ら申告しない限りわからなかったと思うと、メッセージの段階で言われていたほうがよかったものの、ちゃんと伝えてくれて誠実な印象を持ちました。そう思ったことをそのまま伝えると、安心したのか笑顔になって、「よかった。じゃあ、子どもは何人欲しいのかな?」と言う男性。バツイチの告白をしたあとに、おたがいのパーソナリティーをもっと知ろうとするわけでもなく、スグに子どもの話をしてくるなんて…と、ドン引きしました。適当に答えつつ、そのお茶以降会うことはありませんでした。ストレートに聞くのもいいですが、もう少し将来の話や結婚観を知ったところで聞いてもいいだろうし、何より子どもが欲しいか欲しくないか、人によってはなかなかデリケートな質問にもなりがちなので、それをまわりにも聞こえそうな人が多い場所でズケズケ聞いてくる人もいるんだなあと疲れてしまったのでした。婚活していると、時には思いがけない出来事に遭遇することもあるかもしれません。でも、いつか運命の人に出会うはず!みなさんの恋活や婚活もうまくいきますように。文・かわむらあみり©rilueda/Adobe Stock文・かわむらあみり
2023年11月08日「この国に同性愛者は存在しない。ゆえにそれを裁く法も必要ない」と考えていた“イタリアの独裁者”ムッソリーニの影響を受けた時代に起きたブライバンティ事件。まもなく公開を迎える映画『蟻の王』では、恋に落ちた2人の男性が受けていた不当な扱いと彼らの真実に迫っています。そこで、本作で主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。ルイジ・ロ・カーショさん【映画、ときどき私】 vol. 613イタリア映画界において欠かせない俳優の1人とされ、『輝ける青春』や『いつだってやめられる』など日本でも数多くの出演作が公開されているルイジさん。本作では、同性愛を理由に「一個人をそそのかし完全に従属させた」教唆罪で逮捕された実在の芸術家アルド・ブライバンティを演じています。今回は、出演の裏側にあった思いや作品を通して伝えたいこと、そして日本で叶えたい夢などについて語っていただきました。―この作品には、どのような経緯で出演することが決まったのかをお聞かせください。ルイジさん本作を手掛けたジャンニ・アメリオ監督のことは素晴らしい映画監督だと思っていましたし、何年も前から面識があって「機会があったら一緒に映画を作りたいね」という話は以前からしていました。そしたらある日、彼から電話が来て「話したいことがある」と。実際会いに行ったところ、オファーをいただきました。出演するうえで、クリアしなければいけないこともあった―そこですぐに引き受けようと決意されたのですか?ルイジさんアメリオ監督は事前にカメラテストをせず、相手と話をしていくなかで「この人と一緒に映画のための“旅”ができるかどうか」を直感で決めるタイプ。なので、今回もいろいろと話をしたあとに脚本をもらいました。比喩的に言うと、映画監督というのは洋服を作るお針子さんで、俳優は生地。監督が僕たちの色や形を好きなように変えて映画を作り上げていくものだと考えています。今回、僕のことは“素材”としていいと思って選んでくれたようですが、「この役を演じるにあたって俳優としていくつかクリアしなければいけないことがある」と言われました。―それは具体的にどんなことだったのでしょうか。ルイジさん課題は2つありましたが、1つ目は実在した主人公が北部の人だったので言葉の問題がありました。なぜなら、僕は南イタリアにあるシチリア島の出身なので、これまでは南部の人の役ばかりを求められることが多かったからです。もちろん、標準のイタリア語は話せますが、映画で描かれている60年代当時は、北部の方言が非常に強かったようなので、そこがうまく表現できるかというのがありました。もう1つは、アルド・ブライバンティが必ずしも好感のある人物ではないということ。ときには観客の共感を得られないような感じの悪いところもあるのでそれを受け入れられるかどうか、そしてそういう描き方をすることにも同意してもらえるかというのを監督からは確認されました。権力によって排除された事実を伝えたかった―監督はこの作品について、「暴力と偏見の鈍感さについての映画でもある」とも話されていますが、残念ながらここで描かれているような偏見はいまでも存在しています。ご自身は今回の役を通して、どのようなことを考えられましたか?ルイジさんこの話は非常に個人的な愛の物語から始まっているにもかかわらず、それが正義に反するような裁きを受けてしまいますが、教唆罪で罰せられたのは、アルドの前にも後にも彼一人だけ。そういったこともあって、この映画で重要だったのは「こういう事件がありました」とただ語るのではなく、「危険だ」とレッテルを貼られたものが権力によって排除されたという事実を伝えることでした。しかも、それが法の力によって行われていたので、そこを明らかにすることにも意味があったのです。―そのあたりは現代にも通じるものがあると感じました。ルイジさんそうですね。だからこそ、イタリアから遠く離れた日本のみなさんがこの映画を観て何を学び、どう思うのかということに興味を持っています。ただ、僕たち表現者は、観客の方々に何かを教えようとしているわけではありません。僕たちが届けたいのは、あくまでもエモーション。とはいえ、人が感動を覚えるときというのは、自分と何かしらの関わりを感じたときであって、自分とまったく関係のないものにはなかなか感動することができないものなんですよ。何について感動したかを考える必要がある―確かにそうかもしれませんね。ルイジさんでも、もしこの作品を観て感動したのであれば、「何に感動したのか?」については考えてみる必要があると思っています。そうすれば、「自分もこんなふうに他人から扱われたことがある」とか「自分に偏見はないと思っていたけど実はそうではなかった」といったことに気が付くのではないでしょうか。たとえば、「同性愛に偏見はない」という方でも「もし自分の息子が同性愛だったらちょっと残念に思うかな」と言うのを聞いたことがあります。では、その残念という気持ちは一体どこから来ているのか。そういうことに対して、疑問を抱くきっかけになってほしいです。―人によって受け取り方に違いはあると思いますが、改めて自分自身に問いかけていただきたいですね。話は変わりますが、日本に対しての印象などについて、教えていただけますか?ルイジさん前回日本に来たのは17年前ですが、そのときのことは強く印象に残っています。僕はあまり記憶力がいいほうではないんですけど、初めて日本に来たときのことは本当によく覚えているんですよ。特に感銘を受けたのは、歌舞伎や能。もともと自分は演劇の人間なので、そういう意味でも非常に興味深かったです。あと、相撲の稽古も見に行きましたが、それもすごく面白かったですね。自分の俳優人生は、本当にラッキーだと感じている―ルイジさんは演劇からキャリアをスタートさせたあと、2000年の『ペッピーノの百歩』で映画初出演にして初主演。33歳での映画デビューはどちらかというと遅いほうだと思いますが、そのあとは数多くの話題作に出演してきました。20年を超える映画人生を振り返ってみて、いかがですか?ルイジさん自分は、本当にラッキーだったなと感じています。実は、過去に出演していた舞台の演出家から「お前の芝居はまったくダメだから出ていけ!」と言われたこともありましたが、なんとその日の夕方に『ペッピーノの百歩』の出演が決まったんです。しかもその作品をきっかけに知られるようになると、それまでは僕が芝居を書いても誰も演じてくれなかったのに、急にいろんなところで上演してもらえるようにもなりました。ただ、自分の周りを見るとそういう人ばかりではないので、本当に恵まれていたんだなと。僕は時間の感覚が少しおかしいところがあり、映画に初出演したときのことはコロナ禍よりもあとに感じるのですが、それくらい自分の記憶のなかではインパクトの強い出来事でした。でも、最近になってキャリアや功績に関する賞のお話をいただいたりすると、「自分も年を取ったんだな」と思います(笑)。いまの夢は、いつか日本で朗読会をすること―日本のイタリア映画ファンにとってはこれからのご活躍も期待しているところですが、今後挑戦したいことなどがあれば教えてください。ルイジさん実は、最近カニとサソリを主人公にした本をイタリアで出したのですが、その本が日本語訳で出版され、日本でも朗読会ができたらいいなと思っています。というのも、今回日本に来る飛行機のなかで、カニとサルが出てくる日本の本を読み、「もしかしたら日本の読者のほうが僕の物語を受け入れてくれるのではないだろうか?」と感じたからです。しかも、日本には僕を応援してくださるファンも多いと聞いているので、そういう夢をいつか実現したいと考えています。インタビューを終えてみて…。物腰が柔らかく、紳士的なルイジさん。日本に対してシンパシーを感じてくださっているようでしたが、俳優としてだけでなく、作家としても素晴らしい作品を日本に届けてくださるのを楽しみにしたいと思います。まずは、本作で見せる魂のこもった演技をぜひご覧ください。多様性が叫ばれている時代だからこそ観るべき!いまだになくなることのない差別と偏見のなかで生きる私たちにとって、「人間の尊厳とは何か」を考え直すきっかけを与えてくれる本作。過酷な時代に社会の不寛容さと立ち向かい、愛のために戦い続けた人たちの姿にも心を揺さぶられる1本です。写真・安田光優(ルイジ・ロ・カーショ)取材、文・志村昌美ストーリー1959年春、詩人で劇作家で蟻の生態研究者でもあるアルド・ブライバンティは、イタリア・エミリア州ピアチェンツァで芸術サークルを主催していた。そこには多くの若者が集っていたが、ある日エットレという医学を学ぶ若者も兄に連れられてやってくる。芸術や哲学など、あらゆる話題を語り合っているうちに、2人は互いに魅了され仲を深めていく。5年の月日が流れ、ローマで充実した生活を送っていたアルドとエットレだったが、ある朝、エットレの母親と兄が2人の部屋に突然押しかけ、エットレを連れ去ってしまう。エットレは同性愛の“治療”のために矯正施設に入れられ、アルドは教唆罪に問われて逮捕されることに…。胸に迫る予告編はこちら!作品情報『蟻の王』11月10日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開配給:ザジフィルムズ(C)Kavac Srl / Ibc Movie/ Tender Stories/ (2022)写真・安田光優(ルイジ・ロ・カーショ)
2023年11月08日東京・上野にある東京都美術館で、「永遠の都ローマ展」が開かれています。本展では、ローマの観光地としても人気のカピトリーノ美術館から多くの作品が来日。古代彫刻の傑作をはじめ、油彩画や版画、貨幣など多彩な作品を楽しめる展覧会です。歴史あるカピトリーノ美術館から来日!カンピドリオ広場のカピトリーノ美術館©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali【女子的アートナビ】vol. 317イタリアの首都、ローマにあるカピトリーノ美術館は、世界でもっとも古い公共美術館のひとつ。1471年に、時の教皇シクストゥス4世が《カピトリーノの牝狼》などの古代彫刻4点をローマ市民に寄贈したことからはじまり、その後、1734年にローマの古代遺物や彫刻、名家が所蔵していた美術品などが一般に公開されるようになりました。カピトリーノ美術館が建つカンピドリオ広場は、あの有名なミケランジェロが構想。美しい敷石のデザインなどが目を引く観光客にも人気のスポットです。そんな由緒ある美術館から、貴重な彫刻や絵画、版画など古代から近代までの作品が数多く来日。ほかにもローマ美術館など国内外の作品をあわせた約70点の展示作品を通して、ローマの芸術を堪能できます。ローマの建国者はオオカミに育てられた…?!《カピトリーノの牝狼(複製)》 20世紀(原作は前5世紀) ローマ市庁舎蔵本展は、5章構成。第1章、「ローマ建国神話の創造」では、ブロンズや大理石像、貨幣などの作品を通して、古代ローマ建国を伝える有名なエピソードを知ることができます。まず展示室に入ると、ローマのシンボルともいえる作品《カピトリーノの牝狼(複製)》が出迎えてくれます。古代ローマ神話によると、ローマの建国者ロムルスと弟レムスは、軍神マルスと巫女レア・シルウィアの間に生まれた双子。しかし、王位をめぐる争いに巻き込まれてローマのテヴェレ川に捨てられ、その後オオカミに乳を与えられて育ったと語られています。この伝説から、ローマ建国のシンボルとして、双子に乳を与える牝狼の姿が描かれた作品が多くつくられるようになりました。会場には、オオカミと双子がデザインされた紀元前の貨幣や鏡なども展示されています。高さ約1.8メートルの巨大な顔!「永遠の都ローマ展」展示風景第2章「古代ローマ帝国の栄光」では、頭部だけで高さが約1.8メートルもある巨大彫刻《コンスタンティヌス帝の巨像》の一部を原寸大で複製した作品が登場!この像は、先述したカピトリーノ美術館が誕生するきっかけとなった古代彫刻のひとつ。ローマ帝国の繁栄がダイレクトに伝わる迫力ある作品です。同じ展示室にある《コンスタンティヌス帝の巨像の左手(複製)》も、大きくて見ごたえ抜群。この左手がもっている球体は、ボールではないようです。本展公式サイト内の「ローマクイズ」によると、「地球・真珠・たまご」のうちのどれかが正解。ヒントは、支配者の象徴です。詳しくは、下記Information欄に載せた公式サイトでご確認ください。美しすぎる…!門外不出のヴィーナス初来日!《カピトリーノのヴィーナス》 2世紀カピトリーノ美術館蔵次の展示室に進むと、本展のハイライト作品《カピトリーノのヴィーナス》が登場!本作品は、ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツィ美術館)と並ぶ古代ヴィーナス像の傑作のひとつ。前かがみの姿勢で、手で胸元などを隠す“恥じらい”のしぐさが特徴的で、ドキドキするほどの美しさです。その美しさから、1797年、ナポレオンがローマに遠征した際、フランス軍により接収され、ルーヴル美術館に収蔵されてしまいました。ナポレオン敗北後はローマに返還され、1834年からカピトリーノ美術館に展示されています。その後は同館から出たことがほとんどなく、今回がなんと2回目とのこと。まさに門外不出の作品です。ちなみに、筆者は数年前にローマを訪れた際、カピトリーノ美術館で本作品を見てきました。八角形の「ヴィーナスの間」に展示されていたのは、本作品だけ。でも、その展示室には特に多くの観光客が集まり、みなさん熱心に鑑賞されていました。そんな美術館の顔ともいえる人気作品を、イタリアから遠く離れた日本に貸してくれるなんて、本当に奇跡。おそらく二度とないチャンスだと思います。見ごたえある絵画も!「永遠の都ローマ展」展示風景続く第3章「美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想」では、カピトリーノ美術館の起源やミケランジェロの広場設計などについて紹介。カンピドリオ広場の設計を担当したミケランジェロのアイデアが伝わる版画作品などを見ることができます。絵画好きな人が特に楽しめるのは、第4章「絵画館コレクション」の展示室。16世紀から18世紀に活躍した画家たちによる見ごたえある油彩画が並んでいます。なかでも、イタリア・バロックの巨匠、ピエトロ・ダ・コルトーナが描いた《教皇ウルバヌス8世の肖像》は必見作のひとつ。教皇が着ている服やレースの質感などが驚くほど緻密に表現されています。「永遠の都ローマ展」展示風景第5章「芸術の都ローマへの憧れ─空想と現実のあわい」では、ナポレオンなどの為政者や多くの芸術家たちを魅了したローマ美術について、版画や模型などで紹介。イタリアの古代建築や風景などを数多く描いた画家、ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージによる3メートル近い細密版画《トラヤヌス帝記念柱の正面全景》などが展示されています。最後の「特集展示カピトリーノ美術館と日本」では、カピトリーノ美術館と日本とのつながりを紹介。1873年、明治政府が派遣した岩倉使節団がカピトリーノ美術館を視察し、彼らの経験は日本の博物館政策や美術教育に影響を与えました。意外なつながりを知ることで、よりカピトリーノ美術館が身近に感じられます。レストランとのコラボも!本展の開催を記念して、レストランとのコラボも実施されています。アトレ上野EAST1階にある「ブラッスリー・レカン」では、「永遠の都ローマ展」特別コラボレーションメニューを展開。古代ローマ時代から食されていた食材を使用したり、出品作品からインスピレーションを受けたシェフ特製のオリジナルコースがあったりして、展覧会の余韻にたっぷりひたれそう。「ブラッスリー・レカン」は、上野駅の旧貴賓室を利用した優雅な雰囲気の店内が大人気。おしゃれな空間でおいしい料理を味わいながら、古代ローマの芸術に思いをはせてみるのもよさそうです。「永遠の都ローマ展」の会期は12月10日(日)まで。Information会期:2023年9月16日(土)~12月10日(日)会場:東京都美術館休室日:月曜日開室時間:9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)観覧料:一般¥2,200 、大学生・専門学校生¥1,300 、65歳以上¥1,500※土日・祝日のみ日時指定予約制(当日の空きがあれば入場可)問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年11月05日そろそろ婚活を視野に入れたアラサー女性は、合コンなどの出会いの場にも積極的。とくに男性陣のスペックが高く、良い人であった場合は、必ず次のデートに繋げたいところですよね。そこで今回は、ハイスペ男性を惹きつける!合コンで差がつくファッションスタイルをご紹介します。控えめキレイ系は色合いで優しく華やかにハイスペックと呼ばれる男性が本命にしたいと思う女性の特徴は、清潔感があり、知性・教養を感じさせるルックス。それでいて、奇をてらわない柔和な雰囲気がある女性に惹かれやすいようです。とくに高学歴出身で、そのまま大手企業に就職した男性は、野心家な一面もありながら基本的には安定志向。彼女には、自身のプライベートを支える存在として安心できる要素を求めます。なので、初対面から個性が強すぎるファッションで臨むと、彼女ではなく友達枠に入ってしまうかも…!着こなしは、王道のコンサバスタイルをベースに整えましょう。アンパイとされるコンサバスタイルでライバルと差をつけるなら、勝負のかけどころはカラーコーディネート。モテ要素のピンクはあえて避けて、知性を感じる淡いブルーやシャンパンゴールド、ベージュといったニュアンスカラーを上手に組み合わせて。あえてマニッシュな着こなしで高嶺の花を表現社会的地位も高いハイスペック男性は、女性にモテるということを自覚している人も多いです。いわゆる自信家であり、可愛い女性を手に入れることもそう難しくはない。とくに高収入かつルックスも良い男性は、本命枠の女性に対してステイタスだけでなく精神面の強さを求める傾向に。こういった自信家タイプのハイスペ男性には、守ってあげたくなるような雰囲気よりも、難攻不落な自立系女子を彷彿とさせるスタイルで勝負をかけてみるのも良さそうです。合コンといえば、ふわふわのニットにスカートやワンピースといったモテ服が王道なところなので、あえてマニッシュなパンツのセットアップを採用してみては?ですが、ただお堅いだけだと近寄り難いので、インナーは女性らしさを感じさせるリブニットなどでフェミニンな要素をプラス。実際は話したら気さくといった、ギャップを作り出すこともできます。自分のキャラに合ったスタイルで勝負をかける今回ご紹介した2タイプのコーデは、一見すると真逆の要素ですが、どちらもハイスペ男性にとって好印象となる着こなしです。あとは、ご自分の顔立ちの雰囲気や性格によりマッチするのはどちらの方向かで、スタイリングを自分らしくアレンジしていくと良いでしょう。ふだんから聞き上手で優しいと言われる方は、ご自身に似合うコンサバコーデを追求して。反対に話し上手、誰とでも仲良くなれるタイプは強気な良い女風コーデに身をまとうと良いギャップを作れるのでおすすめ。ぜひ、参考にしてみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年11月03日世界三大映画祭の常連で、映画ファンからも高い支持を得ている監督の一人として挙げられるフランソワ・オゾン監督。最新作『私がやりました』は、本国フランスで100万人を動員する大ヒットを記録して話題となっています。そこで、日本公開を前に主演を務めたこちらの方にその魅力についてお話をうかがってきました。ナディア・テレスキウィッツさん【映画、ときどき私】 vol. 612パリで起きた有名映画プロデューサー殺人事件で、容疑者から一躍スターになる若手女優のマドレーヌを演じたナディアさん。フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞では有望若手女優賞を昨年受賞し、今後の活躍が期待されている注目の存在です。今回は、現場の様子や大女優との共演エピソード、そして日本での忘れられない思い出などについて語っていただきました。―フランソワ・オゾン監督といえば、現在のフランス映画界を代表する監督の一人でもありますが、ご一緒されてみていかがでしたか?ナディアさん今回は私たちと一緒に1930年代に飛び込んでくれましたが、彼は毎回違う世界観の作品を描き続けているので、本当にユニークな映画監督だと思います。映画を作るのが楽しくてたまらないというのも伝わってきて、少年のような心を失っていない映画監督なんだなという印象を受けました。―どのような演出をされていたのかについても、教えてください。ナディアさん演技指導はとても細かいですが、いつも優しく付き合ってくださるので、監督との仕事は何にも変えられない喜びでした。オゾン監督は同じ俳優を繰り返し起用することが多いというのもあって、俳優たちとファミリーのような関係性を作り上げていますが、周りとの向き合い方も素晴らしいと思ったところです。とても尊敬しています。この作品ではそういう方々に囲まれて演じることができて私はとても幸せでしたが、監督自身もみんなと一緒に映画を作れることをすごく喜んでいるのを感じたほど。そんな彼のファミリーの一員になれていたら、とても光栄なことだと思っています。イザベル・ユペールさんには発見もあった―共演者であるイザベル・ユペールさんにも以前取材させていただいたことがありますが、本当に素敵な方でした。フランス映画界が世界に誇る大女優との共演では、どんなことを感じましたか?ナディアさんイザベルさんとの共演ということで、実は少し萎縮してしまうのではないかなと考えていたことがありました。でも、現場でご一緒してみたら、そんなことはまったくない。本当に素晴らしい演技をする方なので、共演をしてみて刺激を受けました。でも、普段はとても“普通の方”なので、それは発見でしたね。あと、これはイザベルさんだけではなく、みんなに言えることですが、この現場に来ることや役を演じること、そしてこの物語を語れることに幸せを感じているのが伝わってきました。父親役のベテラン俳優であるアンドレ・デュソリエさんなんて、「オゾン監督の現場に来たら、ゼロからはじめなきゃいけないんだよ」と言っていたほど。そういう気持ちで現場にいるというのはすごく美しいことだなと実感しました。―また、劇中ではマドレーヌが家父長社会であった時代に女性の権利を自分でつかみ取ろうと徐々に変化していく姿が描かれているのが印象的でした。ナディアさんマドレーヌは自分の考えよりも、都合のいいほうに動こうとする日和見主義的なところが最初はありましたが、ある時点から彼女の言動が政治的になり、いろんなことを自覚するようになっていきます。特に、1935年頃といえば、女性には選挙権もなく、小切手を持つことさえも許されていなかった時代。自由も平等もなかったからこそ、自分自身の声を聞いてもらいたいという思いが、いつしか家父長制度に対する反抗や権利を主張へと繋がり、マドレーヌを変えていったのです。これからも戦い続けなければいけないと感じている―まだまだ男性社会と言われている映画界のなかにいるという意味では、ご自身にも通じるところはあったのでは?ナディアさん確かに、この話には2023年を生きる私たちにも共鳴する部分があると感じています。実際、私たち女性にとって、まだまだ道のりは長いなと感じることもありますから…。だからこそ、俳優として現代に通じるメッセージ性を持った映画で、そういう思いを抱えた女性を演じられたことは私にとってはうれしいことでした。最近のフランス映画界でも、興味深い女性の役はどんどん増えていますし、女性監督も台頭してきているので、それは素晴らしいことですよね。でも、これからも女性は戦い続けなければいけないなとは感じています。―確かにその通りですね。また、マドレーヌのようにピンチがチャンスに転換したような経験はありますか?ナディアさんこれはいい質問ですね!最悪から最高という話ではありませんが、実はもともと俳優を職業にするつもりはなくて、最初はお小遣いや家賃を稼ぐつもりで始めたのがきっかけでした。その後も学業のかたわらで演技を続けていましたが、それがうまくいき、いまでは俳優が仕事になったので、それが私の人生のなかで大きく変わったことだなと思います。あと、マドレーヌとの共通点をあげるとすれば、あまり先のことを考えずに行動する部分かなと。生きることが素直に楽しいと思えるところも、似ている気がします。でも、私は嘘をつくことにストレスを感じるタイプなので、マドレーヌみたいに嘘はつけないですね(笑)。日本の文化には感動すら覚えている―では、日本にまつわるエピソードや日本の好きなものなどがあれば、お聞かせください。ナディアさん2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞をいただいたのですが、ありがたいことにみなさんから温かいおもてなしをしていただいて、「私はなんてラッキーなんだろう!」と思いました。でも、実はそのもっと前から日本との縁というのを私はずっと感じていたんですよ。というのも、私はフランスとフィンランドのハーフなんですが、フィンランドには日本の庭園がとても多く、日本に魅了されているおじいちゃんとよく一緒に散歩していたからです。あとは、宮崎駿監督の映画は何回も観ていますし、日本映画や日本文学も大好き。いまは、村上春樹さんの本を読んでいます。日本人の他人に対してリスペクトがある文化には、感動すら覚えているほどです。―そのように言っていただけてうれしいです。ナディアさんそれからもうひとつ、来日したときに驚いたのはムーミンの人気がすごいこと。フランスではほとんど知られていないのに日本ではみんな知っていて、「ムーミンはメイド・イン・ジャパンです」なんて言っていた人もいたくらい(笑)。「フィンランドの漫画ですよ」といっても信じてもらえなかったのですが、それくらい浸透しているんですよね。―フィンランドと日本には、通じ合うものがあるのかもしれません。ナディアさんだとしたら、とっても素晴らしいことですよね!信念と確信を持って進んで行けば大丈夫―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。ナディアさん若い頃はまだ自分が何者かをわかっていない時期でもあるので、なかなか難しいこともあるかもしれません。私自身もまだ模索している最中なのでアドバイスをするのはおこがましいですが、言えるとすれば「好奇心を持ち続けること」。自分の殻に閉じこもらずに、外の世界にアンテナを張り続けるのは大事だと考えています。それからもうひとつは、「簡単に諦めてはいけない」ということ。すぐにダメだと感じてしまう人も多いと思いますが、もう少し辛抱したうえで、「信念と確信を持って進んで行けば大丈夫!」という気持ちを忘れないでほしいです。どんなことでも、とことん最後まで突き詰めてみてもらえたらと思っています。インタビューを終えてみて…。終始ニコニコとかわいらしい笑顔を浮かべていて、とにかくチャーミングなナディアさん。一瞬で相手を惹きつける魅力があるだけに、オゾン監督が自身の作品で主演に抜擢したのも納得です。今後、幅広い役柄でフランス映画界を盛り上げてくれる存在となるのを期待したいと思います。激しい駆け引きから目が離せない!ユーモアを織り交ぜつつ、クライマックスまで見事な盛り上がりで観客の心をつかむオゾン流クライムミステリー・エンターテインメント。最高にお洒落で魅力的な女性たちの姿にも、誰もが虜になってしまうはずです。取材、文・志村昌美ストーリーパリの大豪邸で有名映画プロデューサーが殺され、貧乏な若手女優マドレーヌが容疑をかけられる。法廷に立たされた彼女は、正当防衛を主張。ルームメイトで新人弁護士のポーリーヌが書いた「自分の身を守るために撃った」という完璧なセリフを読み上げ、見事に無罪を獲得するのだった。悲劇のヒロインとして時代の寵児となり、容疑者から一躍人気スターの座へと駆け上がったマドレーヌ。豪邸に引っ越し、ポーリーヌと優雅な生活を始めるが、とある女性が彼女たちを訪ねてくる。その女性とは、いまや目にすることも少なくなったかつての大女優オデット。彼女は、プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだと主張するのだった。果たして、「犯人の座」は誰の手に…。続きが気になる予告編はこちら!作品情報『私がやりました』11月3日(金・祝)TOHO シネマズ シャンテ他 全国順次ロードショー配給:ギャガ(C)Marta Bevacqua(C) 2023 MANDARIN & COMPAGNIE ‐ FOZ ‐ GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA ‐ SCOPEPICTURES – PLAYTIME PRODUCTION
2023年11月02日竹野内豊さんと山田孝之さんのダブル主演という豪華さに加え、2人が美しい女性たちに監禁されるという衝撃のストーリーで話題を呼んでいるサスペンススリラー『唄う六人の女』。今回は、この刺激的な世界観について、こちらの方にお話をうかがってきました。水川あさみさん【映画、ときどき私】 vol. 611劇中では着物姿で登場し、木の枝のようなもので何度も突く“刺す女” を演じた水川さん。主人公の男たちを取り巻く“六人の女”のなかでも、彼らを森のなかに迷い込ませるきっかけとなる重要な役割を担っています。そこで、撮影の裏側や日常生活で大切にしていること、そして40歳になってから感じる人生の楽しみ方などについて語っていただきました。―オファーがあったのはかなり早い段階だったそうですが、出演の決め手となったものは何ですか?水川さんこれまで石橋(義正)監督の作品というのは、派手でエキセントリックなものが多かったのですが、この作品に関しては脚本を読んだときに「どういうふうに描くんだろう?」と想像がつきませんでした。そういう未知な世界観にそそられたというのは、大きかったと思います。あとは、セリフのない役は初めてだったので、「すごく面白いことができるかもしれない」という興味も湧いていました。竹野内豊さんのおかげで、思いっきりできた―監督からは「表現をしない、リアクションをとらない、無表情。でも凛としてほしい」という演出があったとか。それらは普段求められることとは真逆だと思うので、そういう難しさもあったのでは?水川さんそうですね。普段は、脚本を読むとその人物が持つ感情の流れみたいなものが自然とわかりますが、この役に関してはまったくわからない。そのなかで何をすべきかと考えたときに、監督が重要視しているのは、“ただそこに存在すること”だと感じました。相手にセリフを言われるとつい表情で答えてしまいそうになりましたが、それよりもちゃんと存在する大切さというのを教わったような気がしています。いつもは表現することにおいての難しさを考えますが、今回は表現をしないという難しさと面白さが共存していて楽しかったです。―今回の役どころは“刺す女”ということで、容赦なく竹野内さんを刺したり、叩いたりしていましたが、その間がとにかく絶妙でした。タイミングなどは任されていたのでしょうか。水川さんわりと何回かやり直して撮りました。というのも、自分としては一生懸命叩いているつもりでも、そう見えていなかったり、監督が求めている激しさにたどりついていなかったりというのがありました。どう映っているのかというのが大事だったこともあって、役としては必死さが見えてはいけないけれど、私としてはかなり必死でしたね(笑)。でも、竹野内さんが「どんとこい!」という感じでいてくださったおかげで、思いっきりやることができました。よく知っている山田孝之さんだから、言葉はいらなかった―竹野内さんとおふたりのシーンが多かったですが、ご一緒されてみて印象に残っていることを教えてください。水川さん竹野内さんとは今回が2度目の共演でしたが、私が20代の頃にご一緒して以来なので、すごく久しぶりでした。「そのときに比べると、自分たちもだいぶ変わってきたね」というお話もしましたが、竹野内さんはいくつになっても若々しい。アクションシーンのために肉体的な準備もされていましたが、そういう様子をそばで見ていて、役にも作品にもすごく真摯な方だなと改めて感じました。―そしてもう一人の男には、20年来の友人でもある山田孝之さんが出演されています。激しくぶつかり合うシーンもありましたが、そこは仲がいいから安心していけたところもあったのではないかなと。水川さんそうですね。よく知っている相手だからこそ、遠慮することが逆に失礼になったりもしますから。そういう意味でも、あえて言葉にしなくてもお互いに思いっきり行けたところはあったかなと思います。―撮影中はどのようにして一緒に過ごされていたのでしょうか。水川さん現場での彼は、役にとても集中していたので、特に話す時間はなかったですね。でも、撮影が早く終わったときにはみんなで食事に行って少しお酒を飲む時間を持つことはできました。大事にしているのは、日常をどう過ごすか―以前、取材をさせていただいた際、「ちゃんとご飯を作って食べる」「洗濯や掃除をする」といった日常を大事に過ごし、「当たり前のことを当たり前にできる人でありたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。そんなふうに日常生活の質を上げる大切さに気付いたのはいつ頃からですか?水川さん年齢を重ねていくうちに、自分のなかにある豊かさに気が付くことや自分の内面を知ることが役にも反映されているとわかるようになりました。昔は日常生活と役を演じることはまったく別のことだと思っていましたが、すべては1つにつながっているんだなと。だからこそ、日常をどう過ごすかということがすごく大事なんだなと感じています。それが正解だとは思っていないですし、はっきりとしたきっかけはありませんが、徐々にそう考えるようになりました。―食事や身に付けるものなどで特に意識していることはありますか?水川さん「こだわりありますよね」と言われることが多いんですけど、実は全然何もこだわっていないんですよ(笑)。自分が本当においしいと思うものや身に付けていて気持ちいいものとか、自分が心地いいと思うことを広げています。―こだわりが強そうに見えてしまうだけで、ただご自身が好きなことをしているだけということなんですね。水川さんそうなんですよ。自分らしくいるためにしていることで、何かにこだわっているというわけではありません。いまのほうが自分らしくいられて自由を感じる―また、「年齢を重ねれば重ねるほど充実していると感じている」ともおっしゃっていましたが、40代に入ってみていかがですか?水川さん心境の変化とかはないですが、20代より30代、30代より40代とどんどん元気になっているのを自分で感じています。特に20代は「もっとがんばらなきゃいけない」みたいに「こうしなきゃ!」と自分を勝手に決めつけていたので、楽しむ方法がわかってきたいまのほうが自分らしくいられて自由だなと。お芝居に関しても、50代に向けてどう変化していくのかはまだわからないですが、すごく楽しみです。―とはいえ、人生の半分くらいまで来た焦りみたいなものはなかったのでしょうか。水川さんそれは全然ないですね。だって、折り返しでこれだけ楽しいってことは、あと半分もめっちゃ楽しいってことですから!もちろん大変なこともあるとは思いますが、それでも「どうなるんだろう?」という興味も含めるともっと楽しいんじゃないかなという気がしています。自分の感覚を頼っていけば、きっといい方向に行ける―素敵な考え方ですね。ちなみに、落ち込んだときはどのように対処されていますか?水川さん単純ですけど、おいしいものを食べたり、大声で歌ったり、とにかくカラダが元気になることをします。心とカラダはすごく密接なので、そうすることで自然と気持ちも上がっていきますからね。落ち込んだときこそ、自分にご褒美をあげる時間を持つようにしています。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。水川さん「私なんか…」みたいについなりがちですし、他人の基準で考えてしまって苦しくなることもありますが、みなさんにはもっと自分を信じて生きてほしいなと思っています。なので、「自分はどうしたいのか」とか「どうしたら自分が心地よくなるのか」みたいなことに目を向けてもらえるといいのかなと。何かを選択するときにも、自分の感覚を頼っていけばきっといい方向に行けると思うので、「自分を内観してみるといいですよ」というのは伝えたいです。インタビューを終えてみて…。とにかく気さくで、大きな笑顔が素敵な水川さん。お話を聞いているだけで、こちらまで前向きな気持ちになりました。自分の芯をしっかりと持ち、全力で好きなことをして楽しんでいる姿は、ぜひ見習いたいところです。本作では、水川さんの新たな一面を見ることもできるので、そのあたりにも注目してください。最後に待ち受けるのは、壮大な真実!魅惑的な女性たちが繰り広げるミステリアスな世界観に、どんどん引き込まれていく本作。入り乱れる狂気と美しさに翻弄され、気が付けば誰もが虜となってしまうはず。現実を忘れて、“異界”へと足を踏み入れてみては?写真・園山友基(水川あさみ)取材、文・志村昌美スタイリスト・番場直美ヘアメイク・岡野瑞恵ドレス¥198,000(バウト/ボウト TEL:03-6434-0079)、右耳のイヤカフ¥35,200、左耳のイヤカフ¥29,700、中指のリング¥30,800、ピンキーリング¥25,300、バングル¥49,500(以上リューク info@rieuk.com)ストーリーある日突然、40年以上も会っていない父親の訃報が入り、父が遺した山を売るために生家に戻ることにしたフォトグラファーの萱島。開発業者の下請けをしている宇和島は、その土地を買うために萱島のもとを訪ねていた。契約の手続きを終え、人里離れた山道を車で帰っていると途中で事故に遭い、2人は気を失ってしまう。目を覚ますと、男たちは体を縄で縛られて身動きができないことに気付く。そんな彼らの前に現われたのは、この森に暮らす美しい六人の女たち。何を聞いても一切口を利かない彼女たちは、萱島と宇和島の前で奇妙な振る舞いを続けるだけだった。異様な地に迷い込み、理由もわからぬまま女たちに監禁されてしまった男たちは、この場所からの脱走を図るのだが…。禁断の予告編はこちら!作品情報『唄う六人の女』全国公開中配給:ナカチカピクチャーズパルコ(C)2023「唄う六人の女」製作委員会写真・園山友基(水川あさみ)
2023年11月01日「映画の可能性を広げ、世界に羽ばたく新たなクリエイターを支援する」というコンセプトのもと、TikTokと東宝がタッグを組んで立ち上げた「TikTok TOHO Film Festival」。先日、第3回目が開催され、「縦型映画」という新たな映画のカタチへの関心が高まっているところです。そこで、その魅力についてこちらの方にお話をうかがってきました。池田エライザさん【映画、ときどき私】 vol. 610「TikTok TOHO Film Festival 2023」でアンバサダーと審査員を務めた池田さん。現在は、俳優としてだけでなく歌手や映画監督としても才能を発揮し、幅広いジャンルで活躍されています。今回は、ご自身が作ってみたい「縦型映画」や創作活動の源、そして心境の変化などについて語っていただきました。―審査員としてさまざまな作品をご覧になったと思いますが、どのような印象を受けましたか?池田さんいままで私が撮らせていただいたのは横型の長編と短編で、時間の制限もあまりないものだったので、縦型というルールがあり、しかもいつでもスライドできてしまうTikTokのようなプラットフォームで作るのは大変だろうなと思いました。でも、制限があるからこそ生まれる工夫があるので、そういうものに触れられたのは私にとってもすごく刺激になったのではないかなと。それはいまだかつてないものだからこその魅力だと感じました。縦型ならではの不思議さを生かした作品を撮ってみたい―そのなかでも、池田さんが思う縦型映画ならではの可能性とは?池田さんこれまでの映画は基本的にすべて横を前提として世界を作り上げているので、縦にすることでいままでなら映らなかった美術や照明も見れますし、空間の大きさが横型映画よりも顕著にわかる部分もあると気付かされました。ほかにも、主人公が抱えている閉塞感がより伝わりやすくなる場合もあるので、そういうところは今後の参考にもなったところです。―ご自身が縦型映画を撮るとしたら、どんな作品を作ってみたいですか?池田さんたとえば、縦で階段を撮るだけでも現代アートを見ているような感覚になるので、そういう近代的な映像を撮ってみたいですね。縦型ならではの不思議さを生かして、アングルやカットワークで遊んでみたら面白いのかなと。そういったアイデアをもう少し自分のなかで温めてから、いつか挑戦してみたいなと思っています。偶発的に出会える動画は、勉強の時間になっている―また、今回のグランプリ受賞者には、記念として斉藤由貴さんを主演にした新作を撮れる権利が与えられましたが、もし池田さんが斉藤さんを撮るとしたらどんなストーリーを描いてみたいですか?池田さん以前、共演させていただいたことはありましたが、残念ながら現場がまったくかぶらなかったんです。なので、これはあくまでも私の勝手な印象でのお話ですが、斉藤さんって種族に分け隔てなく会話ができそうな方だなと感じています。道端の猫も小鳥もあの声に耳を傾けたくなるような魅力を持っていらっしゃるので、個人的には斉藤さんと動物を掛け合わせてみたいですね。ただ、動物との撮影は大変ですから、同じ俳優としてはそんなご苦労をかけるわけにはいかないという気持ちはあるのですが…。―ぜひ、観てみたいです!ちなみに、いまハマってる動画などはありますか?池田さん最近は、「おすすめ」フィードに猫の動画ばかり流れてくるようになったので、猫の知識ばっかり増えているような気がします(笑)。でも、スライドして何が出てくるかわからないからこそ、思いもよらぬ情報と偶発的に出会えるのは面白いですよね。私にとっては、勉強の時間にもなっています。これからも落ち着くことなく、いろいろ挑戦したい―ほかにも、日常生活で欠かさずにしていることやお気に入りのルーティンなどがあれば、教えてください。池田さんこの半年くらいで、ようやくジムにちゃんと通うようになりました。それまではずっと3日坊主というか、体験入会してはクーリング・オフみたいな感じで終わっていたので(笑)。きっかけとしては、体型が気になるというよりも仕事を続けるために精神的なタフさを育てたいなと思って行くようになりました。あとは、生活のなかにおける緩急の調節は意識しているほうかなと。仕事帰りの車のなかで、洗濯するタイミングとかいつお風呂に入るかとかを考えるんですが、その通りにルーティンをこなすのが大好きなんです。でも、自炊は得意じゃないので、そこはしないままとかはありますが…。―無理せず楽しく生活するのは大事ですよね。以前ananwebでお話をうかがった際、創作活動の源は「思いついてしまうからやるしかない」とおっしゃっていました。いまもそこは変わらないのか、変化してきている部分もありますか?池田さん相変わらず落ち着きがないので、先日も母から「おちつけ」とひらがなで4文字だけ送られてきました(笑)。といっても、これは最近の私が寝不足でも朝早く起きて、家のことをしたり、日用品の買い出しに行ったりしているのを見て、体調を崩さないか心配で忠告してくれているものだと思っています。でも、そんな感じで良くも悪くもつねに頭のなかは止まらない状態。周りからすると落ち着きがない人のように見えているみたいですが、そういうデメリットも私にとってはメリットでしかないんです。なので、これからも落ち着くことなくいろいろと挑戦し続ける気がしています。やってみて大変なら引き算をすればいい―それだけ創作活動に対する情熱が強いということではないかなと。池田さん確かに、私は0か100かみたいなところはありますね。でも、20代の前半までは腰が重くて、「映画を撮りたい」と言うだけで何もできていない時期もありました。そんななかで、いざ映画を撮れることになったら全部自分でしなきゃいけないので大変でしたけど、やってみたらそれがとにかく楽しくて。腰を軽くした瞬間、こんなにも充実するんだということを知りました。―読者のなかにも、やりたいことがあってもなかなか腰が重くて動けないという人は多いのかなと思いますが、どうすれば池田さんのようになれますか?池田さん私の場合は運やめぐり合わせもありましたが、やってみた先にしか味わえない感覚があるので、一度それを知ってみるのがいいのかなと。お風呂と同じで、「入るまでは面倒だけど、入ってみたら最高!」みたいなことだと思います(笑)。なので、一旦やってみて、大変だったらそこから引き算をしていくのがいいのかなというのが最近感じていることです。―とりあえず、一回試してみてから考えるというのは大切ですね。池田さん私は自分のことを「働き者のお母さんやお兄ちゃんとは違って、なんて怠惰な人間なんだろう」とずっと決めつけていたことがありました。でも、コロナ禍がきっかけで、家事をいろいろするようになったら、実は家族と似ていることに気がついたんです。そうやって、自分のことを決めつけすぎなくなってから楽しくなりました。がんばりすぎずに、自分のわがままにも耳を傾けてほしい―なるほど。27歳になって20代も後半に入ってきましたが、そういう意味で心境に変化などを感じている部分もあるのでしょうか。池田さん年上の女優さんたちはいまだに無邪気でとてつもなくかわいい方が多いので、私も最近はあまり大人っぽくいなくていいんだなと思うようになりました。というのも、これまではイメージや周りの目ばかりを気にしていた部分が多かったですからね…。でも、いまはそういうものを自分に課すのを一回やめてみようと考えられるようにもなったので、自分のなかにある子どもらしさを育てて、30代はもっとはしゃぎたいです(笑)。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。池田さん私たちは考えすぎで、周りのためにがんばりすぎているようなところがあるなと感じています。でも、自分のわがままには自分が耳を傾けてあげないと誰も聞いてくれないので、周りにそれを求めて苦しくなるのではなく、頭の片隅に自分のわがままも覚えておいてほしいなと。これは私自身がしたいと思っていることでもありますが、みなさんも少し楽になるためにそういう意識をぜひ持っていただけたらいいなと思います。インタビューを終えてみて…。これまでに何度か取材をさせていただいたことがありますが、美しさに年々磨きがかかっているのはもちろん、ご自身を解放できるようになったことで内面的な魅力もますます増しているように感じる池田さん。これからもいい意味で落ち着くことなく、いろんなことに挑戦し続ける池田さんがどんな発信をされるのかが楽しみです。縦型ならではの面白さが詰まっている!映画の概念を壊し、新たな可能性を秘めている縦型映画。才能豊かなクリエイターたちによる個性豊かな作品の数々に触れることができる絶好の機会としても、本映画祭への注目は今後さらに高まること間違いなしです。写真・園山友基(池田エライザ)取材、文・志村昌美映画祭情報『TikTok TOHO Film Festival 2023』写真・園山友基(池田エライザ)
2023年10月31日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はインフルエンサーが愛用する帽子を特集します。異なるスタイルやデザインの帽子を選ぶことで、個性を際立たせ、スタイリッシュな印象を作り出すことができます。ファッションのポイントとしてハットはファッションのアウトフィットを完成させる要素として使われ、全体のスタイルを引き立てる役割を果たします。こちらのスタイルも、色の統一感がぴったり合ったハットが魅力的。自分のスタイルや好みに合わせて、ハットを取り入れてファッションを楽しんでいるよう。ベレー帽がとってもエレガントベレー帽はシンプルなデザインながら、エレガントな魅力をもつ帽子のひとつ。その形状と質感は、洗練された印象を与えます。こちらのファッションも、ベレー帽があるのとないのでは、印象が大きく異なります。レザーキャップが上品でかっこいいカジュアルでカッコよく見えるキャップ、素材とカラーでとっても上品でおしゃれなアイテムに変身しています!トレンチコートとの相性もとってもよく、かっこいいだけではないスタイルの完成。クラシックでタイムレスな中折れ帽中折れ帽は長い歴史をもつクラシックなスタイルの帽子であり、そのため時代を超えて受け入れられています。このかたのように、全身ブラックスタイルでも、違和感なく品格ある雰囲気を作り出しています。そのタイムレスなデザインは、年齢を問わず多くの人に愛用されています。ハットは個性を表現する方法インパクトあるデニムロングコートに合わせたステッチ入りのブラックハット。彼女らしいミステリアスな印象を、さらにハットが演出してくれているよう。ここまできたら、単なるハットではなく、ファッションの重要なアイテムのひとつですよね。番外編・こんな可愛いハットまで!?色からデザインまで超個性的なこのかたの帽子。インパクト重視なら、このように変わったデザインもあり!?帽子はファッションや機能性で多くの魅力をもっており、その多様なスタイルとデザインから、さまざまなシーンや季節に適したものを見つけることができます。また個人の個性に合わせてスタイルを完成することができます。自分のスタイルや好みに合わせて、帽子を取り入れてファッションを楽しんでみてください。写真、文・平野秀美
2023年10月29日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は各国のファッションウィークで発見したオシャレなイケメンたちのスタイルをご紹介いたします。実はヨーロッパでは人気のスタイリング!ニット帽にフードニット帽とフードは、ファッショナブルでユニークな組み合わせ。これらを組み合わせることで、個性的でおしゃれな印象を与えることができます。寒いヨーロッパでは人気のスタイリングで、フードは首元や顔を覆うことで風や寒さから守ってくれるため、寒い季節には特に便利です。カップルでリンクしたファッションオシャレで人気のカップルインフルエンサーの登場。今回は男性のファッションにクローズアップします。ユニークなジャケットが目を惹きますが、実は重ね着がとっても参考になります。Tシャツにニットと普通っぽいのに、オーバーサイズのTシャツでルーズ感を出しながらかっちりしたジャケットを合わせてスタイリッシュに見せています。ロングレザージャケットロングレザージャケットはそのデザインとレザーの質感により、洗練されたスタイルに見せてくれます。ばっちりと決まったアウターの中は、ゆるく重ね着したTシャツ。また写真では見えませんが、実はデニムスカートを着用しているんですね。男性でもロングスカートをカッコよく着こなしているなんて、素敵!インパクトあるヘアスタイルとトップスシックにブラックスタイルで決めていますが、ポイントで印象的なトップスの柄と、彼らしさを表現しているヘアスタイルが似合っているイケメンスタイル。サングラスのデザインも全体とぴったり合ってますよね!個性を発揮したオリジナルスタイル上から下まで彼らしさを存分に表現した、個性的なファッション。ヘアカラーからボトムスまで、パワーと明るさを感じさせてくれます。このような柄パンツや明るめのヘアーカラーってオシャレに見えますね!ビシッと決まったスーツスタイル通常、スーツはジャケットとボトムスが同じ色や生地で揃えられますが、上下で色違いのスーツは他と一線を画すユニークなスタイリングです。特に対照的な色を使用しているので、陽気で楽しい雰囲気を醸し出すことができます。ちらりと見えるTatooがまたかっこいい!ブラックでビシッと決めてブラックはカラダをシャープに見せる効果があります。全身ブラックのスタイルは、スリムで引き締まった印象を与え、体型を強調するのに適しています。またブラックはシックで洗練されたカラーなので、全身ブラックのスタイルは一貫性のある印象を与えます。この方もかなり洗練された印象です。いかがでしたでしょうか?今回はイケメンのスタイリッシュなファッションをご紹介いたしました。ファッショナブルだからこそイケメンに見えるのかもしれません。オシャレは自分も楽しみ、そして好印象を与えることができます。ぜひスタイリングの参考になれば幸いです。写真、文・平野秀美
2023年10月28日東京・六本木のサントリー美術館で、「激動の時代幕末明治の絵師たち」が開かれています。本展では、近年人気を集めている歌川国芳や河鍋暁斎、「血みどろ絵」で注目されている月岡芳年が手がけた個性的な作品などが集結。学芸員さんのお話や見どころなど、詳しくご紹介!迫力アートが集結!「激動の時代幕末明治の絵師たち」会場入り口※本記事の写真は、プレス内覧会で許可を得て撮影しています。【女子的アートナビ】vol. 316本展では、江戸後期から明治に移り変わる激動の時代に活躍した絵師たちに着目。江戸時代の伝統を受け継ぎながら、洋風の新たな表現なども取り入れた多彩な作品約170件が紹介されています。展覧会を担当されたサントリー美術館学芸員の内田洸さんは、次のように述べています。内田さん江戸後期は、天保の改革や流行り病、地震や災害、黒船来航、討幕運動など混沌とした時代でした。そのなかで、美術の世界では、劇的で迫真的な描写や怪奇的な画風が生まれ、西洋画の画法を本格的に取り入れた作品も出てきました。この時代に活躍した絵師は全国各地にいますが、本展では特に江戸・東京で活躍した絵師たちを特集しています。極彩色のアートからスタート!「激動の時代幕末明治の絵師たち」より、手前:狩野一信「五百羅漢図」百幅のうち六幅嘉永7~文久3年(1854-63)大本山増上寺所蔵【全期間展示】では、おもな見どころをご紹介。「第1章幕末の江戸画壇」では、19世紀の江戸で活躍した絵師たちの作品を展示。会場に入ると、鮮やかな極彩色で描かれた「五百羅漢図」が出迎えてくれます。これは狩野一信が描いたもので、増上寺が所蔵する全百幅のうち、選び抜かれた六幅が展示されています。伝統的な仏画ですが、洋風の陰影表現が取り入れられ、とてもインパクトのある作品です。江戸画壇で中心的な存在だった狩野派は、江戸後期になると、伝統を守るだけでなく、やまと絵や琳派、西洋画法なども幅広く取り入れるようになりました。その門下からは、狩野一信のように、従来の狩野派とは違う独創的な作品を描く絵師も出てきます。また、1章では、幕末の江戸で活躍していた谷文晁(たにぶんちょう1763~1840)一門の作品も展示。弟子のなかのひとり、「蛮社の獄」で捕らえられ、二年後に切腹した渡辺崋山の作品も出品されています。独特な洋風画も!「激動の時代幕末明治の絵師たち」展示風景「第2章幕末の洋風画」では、西洋画法を取り入れた絵師たちの作品を展示。葛飾北斎に学び、独自の洋風表現を確立した安田雷洲(やすだらいしゅう)の肉筆画などを見ることができます。当時の絵師たちについて、内田さんは次のように解説されています。内田さん江戸時代は、鎖国状態で海外の情報は限られていましたが、19世紀になると銅版画や洋書が流入し、陰影法や遠近法を取り入れた多彩な絵が描かれるようになります。当時の絵師たちは、それらを見ながら独特な洋風表現を生み出していきました。人気の国芳作品が登場!「激動の時代幕末明治の絵師たち」フォトスポット「第3章幕末浮世絵の世界」では、人気浮世絵師たちの作品が登場!19世紀になると、浮世絵の世界にも新たなジャンルが出てきます。それまでは役者絵や美人画が中心でしたが、葛飾北斎や歌川広重による名所絵や花鳥画が人気となり、さらに歌川国芳の武者絵も流行。彼らの弟子たちも含めて、多くの絵師たちが活躍しました。会場では、国芳が手がけた三枚続きのワイドな画面で構成された大判錦絵も楽しめます。さらに、国芳の人気作品《相馬の古内裏》がデザインされたフォトスポットもあります!遺体を観察して…「激動の時代幕末明治の絵師たち」より、左から、月岡芳年「風俗三十二相しなやかさう天保年間傾城之風俗」大判錦絵明治21年(1888)サントリー美術館蔵【展示期間:10/11~11/6】、月岡芳年「魁題百撰相菅谷九右ヱ門」大判錦絵慶応4年(1868)町田市立国際版画美術館【展示期間:10/11~11/6】最後の「第4章激動期の絵師」では、幕末明治期の作品を紹介。残酷な流血場面などを描いた「血みどろ絵」で人気を博した月岡芳年や、狩野派で学んだあと幅広い作品を描いた河鍋暁斎、幕臣として鳥羽伏見の戦いに参戦したあと浮世絵師となり、新しいスタイルの浮世絵「光線画」を生み出した小林清親など、近年注目を集める絵師たちの作品が集まっています。月岡芳年の作品について、内田さんは次のように解説。内田さん芳年は、歌川国芳の系譜を受け継ぎながら、幕末から明治に活躍した人です。今回展示している作品「魁題百撰相(かいだいひゃくせんそう)」は、彰義隊と新政府軍との間におこった上野戦争をモチーフにしたシリーズです。現実の戦争を描くことはできないので、歴史上の人物に重ねて表現しています。芳年は、実際に戦争のあと上野を訪れて、遺体が並ぶ様子を観察していたといわれています。12月3日まで開催本展では、作品保護のため、会期中に展示替えが行われます。「出品作品リスト」(PDF)は公式サイトでダウンロード可能。リストで展示期間なども確認できますので、気になる作品があればぜひご活用ください。会期は12月3日(日)まで。Information会期:2023年10月11日(水)~12月3日(日)会期中展示替を行います。休館日:火曜日※11月28日は18時まで開館開館時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)※11月2日(木)、22日(水)は20時まで開館※いずれも入館は閉館の30分前まで会場:サントリー美術館観覧料:一般¥1,500 / 大学・高校生¥1,000
2023年10月27日さまざまなヒット作を輩出している韓国ドラマ界から新たに誕生した話題作といえば、現在ディズニープラス スターで独占配信中の『最悪の悪』。見どころ満載のクライムアクション・ドラマとして、大きな反響を呼んでいます。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。チ・チャンウクさん、ウィ・ハジュンさん、イム・セミさん【映画、ときどき私】 vol. 6091990年代の韓国を舞台に、江南と中国、そして日本の麻薬密売に関わる捜査の裏側をスリリングに描いた本作。ある犯罪組織に潜入捜査をすることになった田舎の刑事パク・ジュンモを演じているのは、『ヒーラー~最高の恋人~』などで知られ、"ロマンスの名手"として人気のチ・チャンウクさん(写真・中央)。対する犯罪組織のリーダーで元DJのチョン・ギチョルには『イカゲーム』で一躍ブレイクを果たしたウィ・ハジュンさん(左)、さらにジュンモの妻で麻薬保安官のユ・ウィジョンには韓国の実力派俳優イム・セミさん(右)が出演しています。今回は、現場の様子や共演者が知る意外な一面、そして日本の好きなところなどについて、語っていただきました。―前半で山場のひとつといえば、ジュンモとギチョルが初めて対峙するシーンですが、特にチ・チャンウクさんとウィ・ハジュンさんの表情や目の動きが素晴らしかったです。おふたりのなかでも、駆け引きなどがあったのでしょうか。チ・チャンウクさんあのシーンに関しては、監督やアクション監督をはじめスタッフの方々が事前にいろんなことを計画的に決めてくれていました。なので、僕たちは現場であれこれ悩む必要はなく、感じたことを少しずつ入れながら修正を加えていくだけだったと思います。本当に面白い構図で組み立ててくださっていたので、2人が対面する様子を最大限に表現することができました。そういったこともあって、個人的にはあのシーンの撮影がとても楽しかったです。ウィ・ハジュンさん実は、ジュンモとギチョルが初対面するシーンは、僕たちにとっても初めての撮影だったんですよ。視線がぶつかり合い、強烈な映像を撮ることができた―そういう状況も相まって、あの緊迫感が生み出されていたんですね。ウィ・ハジュンさん僕もチ・チャンウクさんと同じように特別な計算や準備をすることなく、ギチョルに入り込むことだけを考えて現場にいました。そのなかでも意識したのは、チャンウクさんの目をひたすらじっと見つめること。そうすることで、自然とギチョルになることができました。あのシーンでは、お互いの視線がぶつかり合っていたこともあり、強烈な映像が撮れたと思っています。たくさんのことを学び、エネルギーをもらうことができたので、いまは撮影現場が恋しいです。―そんなお二人の間にいたイム・セミさんは、現場で意識されていたことはありましたか?イム・セミさん男性のほうが多い現場でしたが、性別に関係なく、「同じ演技をする仲間」という感覚のほうが強かったので、むしろすごく楽だったなと思っています。今回、私は男性陣のようにアクションシーンに関わることはありませんでしたが、みんなにより近づきたいと思っていたので、自分が出ていないシーンでも現場には行くようにしました。そうすることで自分も組織の一員であるかのような気持ちになれたので、それもよかったのかなと。俳優同士がお互いに心配りをし合えたからこそ、できたことは多かったと思います。3人でいると、ケミストリーが生まれるの感じる―なるほど。劇中では、イム・セミさん演じるウィジョンを巡って、3人が複雑な関係となりますが、普段のみなさんはいかがですか?チ・チャンウクさん僕が感じているのは、どうしてこの3人はこんなにも性格が違って、すべてがバラバラなんだろうということです(笑)。ウィ・ハジュンさんあはは!チ・チャンウクさんでも、それなのにこんなに仲がいいから不思議ですよね。イム・セミさん確かにそうですね。チ・チャンウクさん3人のなかで特に役割的なものはなく、一緒にいるだけでとても楽しいので、それによってシナジー効果やケミストリーが生まれているように感じています。―素敵な関係性ですね。ちなみに、このなかで意外な素顔をお持ちの方がいれば、教えてください。チ・チャンウクさんみなさんは僕たちの意外な一面というのが意外と気になるみたいですね(笑)。ウィ・ハジュンさんこれは結構よく聞かれることですよね。チ・チャンウクさんみなさんがどう見ているのかわかりませんが、おそらくこの3人のなかだったらイム・セミさんが一番意外な面が多いんじゃないかな。というのも、どちらかというと物静かなタイプに見えるかもしれないですが、実はすごくアクティブ。マラソンをしたり、自然環境のための運動をしたり、さまざまな啓蒙活動にも取り組んでいるんですよ。人々にいろんなメッセージを伝えたいという情熱をすごく持っている方だと思います。日本の伝統的な部分にも、興味を向けていきたい―幅広い活動をされていてすごいですね。では、日本に対しての印象や好きなカルチャーなどについてもお聞かせください。チ・チャンウクさん日本といえば、僕はいつもアニメーションを楽しんでいます。あと、最近観た作品で面白かったのは、ドラマ『サンクチュアリ -聖域-』。ほかにも『ドライブ・マイ・カー』など日本にはいい作品が多いですし、一緒に仕事をしたい監督はたくさんいます。イム・セミさん私も日本のアニメーションが大好きで、宮崎駿監督の『となりのトトロ』を観たときには、「こんな世界があるんだ。なんて愛らしいんだろう」と夢見たのを覚えています。ウィ・ハジュンさん僕は世界的な監督である是枝裕和監督の『そして父になる』などが好きで、人間の描写が素晴らしいと感じています。いつか、そういった“人間の匂い”がするような作品でご一緒できる機会があればうれしいなと思っています。チ・チャンウクさんあとは、やっぱりおいしいお店がたくさんあるところや気持ちのいいスパがあるのも魅力ですよね。僕は日本には旅行でもよく来ているので、いまやなじみのある国ですが、本当にいい印象を持っています。ウィ・ハジュンさん確かに、僕もおいしいお店がいっぱいあるところは好きですね。ほかにも、日本のストリートファッションがすごく素敵だなと思って見ています。イム・セミさんそれから日本には豊かな自然があるので、そういうところでキャンプをしたり、お散歩したり、日本的な旅館に泊まったりできたらいいなと。以前は、東京や大阪のような華やかでキラキラしている大都会を訪れることが多かったですが、最近は自然のほうに関心を持つようになりました。これからは日本の伝統的な部分にも興味を向けたいなと思っています。ベストを尽くした作品を楽しんでほしい―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。チ・チャンウクさん今回、僕たちは『最悪の悪』という作品のために日本を訪れました。みんなでベストを尽くして撮った作品なので、みなさんにも楽しんでいただけたら、僕たちもうれしいです。ウィ・ハジュンさん日本のファンのみなさんと会うことができて、とてもいい思い出になりました。ぜひ、この作品を愛していただけたらと思っています。イム・セミさん信号ですれ違った人とでもいいので、「『最悪の悪』ってドラマ面白かったよね!」と言い合っていただきたいです(笑)。インタビューを終えてみて…。劇中では緊張感が張り詰める関係性にいる3人ですが、実際はとても仲が良く、和気あいあいとした雰囲気が漂っていました。お互いをリスペクトし合っているからこそ本気でぶつかり合うことができ、数々の名シーンが生まれたのも納得です。みなさんがいつか日本の作品とコラボする日が来るのを楽しみにしたいと思います。過激でスタイリッシュな映像に魅了される!圧巻のアクションシーンだけでなく、怒涛の展開と洗練されたストーリーで観客を一気に引き込む本シリーズ。交錯する人間模様のなかで、”最悪の悪“とは一体誰のことなのか。最後の最後までスリル満点で、目が離せなくなること間違いなし!写真・園山友基(チ・チャンウク、ウィ・ハジュン、イム・セミ)取材、文・志村昌美ストーリー1995 年、韓国から日本へ流れる麻薬密売の情報が入り、犯罪組織を解体するために韓国と日本が合同捜査に乗り出す。そんななか、田舎町の刑事ジュンモは、昇進のために江南連合へ潜入捜査することを決意する。しかし、まさか自分と妻のウィジョン、そして犯罪組織のボスであるギチョルとの複雑な関係に踏み込むことになろうとは考えてもいなかった。逃れられない運命の輪に巻き込まれ、組織に深く入り込んでしまったジュンモは、次第に不安を募らせる。任務を完了したとき、彼らは元の生活に戻れるのか…。衝撃が走る予告編はこちら!作品情報『最悪の悪』ディズニープラス スターにて独占配信中(全12話/初回一挙3話、4話以降は毎週水曜2話ずつ配信、最終週は3話一挙配信)(C) 2023 Disney and its related entities写真・園山友基(チ・チャンウク、ウィ・ハジュン、イム・セミ)
2023年10月27日この秋も注目の映画が目白押しですが、そのなかでも豪華キャストが集結していることで話題となっているのは、石井裕也監督の最新作『愛にイナズマ』。そこで、見どころについてこちらの方々にお話をうかがってきました。池松壮亮さん & 若葉竜也さん【映画、ときどき私】 vol. 608映画監督という夢をデビュー目前で奪われた女性が、10年近く音信不通の家族とともに繰り広げる反撃の物語を描いた本作。主人公の兄で長男の誠一を池松さん、次男の雄二を若葉さんが演じています。今回は、初共演で感じたお互いへの思いや現場での忘れられない出来事、そして自身にイナズマが走った瞬間などについて語っていただきました。―まずは、おふたりが兄弟役として決まったときのお気持ちを教えてください。池松さんこの役が若葉くんに決まったと聞いてうれしかったんですが、実年齢は僕がひとつ下で、「初めましてで家族になれるかな?」といったことをいろいろと考えました。でも、人間的な要素を隠し持っているような役に見事な説得力を注ぎ込まれていて、この家族のバランスも含め、これ以上ないキャスティングだったと思っています。―これまで共演がなかったのが不思議なくらいですが、ようやく初共演ということで反響は大きかったのではないでしょうか。若葉さん今回は各所から「ついにこの2人の共演が見られる」と言われて、そんなに待望してくださっていたんだなと初めて感じました。僕の周りには池松くんのファンが多いというのもありますが、こんなにもみんなが騒いでくれるとは思っていなかったです。池松さんそういえば(仲野)太賀も「どうなるんでしょうね!」と言っていました(笑)。若葉くんとの兄弟は面白くなっている自信がある―完成した作品を観て、太賀さんからはどんな反応がありましたか?若葉さん「最高でした!」と笑っていたので、うまくいったのかなと思っています。池松さん(松岡茉優さん演じる)花子も含めて、とても面白い兄弟になっている自信があります。―実際、共演してみてお互いへの印象に変化はありましたか?池松さん初めての共演で兄弟役というのはあまりないご縁だと思っているので、ほかの共演者にはない、特別な感情を抱いています。作品にともに向き合い、折村家という物語をともに信じた“共犯者”として特別な思いがありますし、撮影期間中、素晴らしい俳優さんだなと改めて感じる日々でした。若葉さん以前から池松くんの作品はたくさん観ていましたし、もともと好きでしたけど、池松くんってちょっと鋭利なイメージがあったんです。なので、こんなに穏やかでチャーミングだとは思いませんでした。あとは、現場の音も人の話もよく聞いていて、すごく敏感な方です。池松くんの名シーンには、周りを気にせず笑ってしまった―本作では松岡茉優さん、窪田正孝さん、佐藤浩市さんを含む5人のシーンが多かったと思いますが、現場の様子はいかがでしたか?池松さんカメラが回っているときもいないときも、そう決めたわけではなく自然とみんなが同じ場所で同じ時間を過ごしていました。そうやって過ごしていることで互いの存在を認識していくようなプロセスがありました。まるで本当の家族のような真実味を生むということは簡単なことではありませんが、「この家族で行けるところまで行こう!」という心の団結ができていたと思います。この物語のなかで壊れていた家族がもう一度家族をやり直すように、さまざまな家族行事を一つ一つ撮影しながら家族のようなものになっていく感覚がありました。―そのなかでも撮影中の印象的なエピソードなどがあれば、お聞かせください。若葉さん僕は池松くんがちっちゃいマスクをつけているシーンですね。本当にいい顔してるんですよ(笑)。池松さんいやいや、若葉くんも同じマスクしてたでしょ!若葉さんでも、池松くんの場合は、マスクをつけていないときの顔が透けて見えるんです。あれは本当に名シーンですね。こういうことはほとんどないんですけど、試写を観たときに「周りを気にせずにここまで笑ったのは何年振りだろう」と思ったほど笑いました。池松さん石井さんのうまいところですよね。ものすごいアクセルを踏んでおいて、そこから思いっきり急ハンドルで笑いに転調する。あのシーンは確か台本にはありませんでしたが、現場でやっぱり撮りたいとなって、急遽ゲラゲラ笑いながら撮影しました(笑)。いまの時代は誰もが演じながら生きている―ぜひ、みなさんにも注目していただきたいですね。劇中に「人はみな俳優でありつねに演じている」というようなセリフがありましたが、職業柄おふたりにも普段からそういう部分はあるのではないかなと。素の自分でいられるのはどんなときですか?若葉さん僕は、もはや本当の自分が何なのかわからなくなっているかもしれませんね(笑)。地元の友達といるときは限りなく素に近いですけど、そんなの1年に何時間あるんだろうというくらい。素に戻っているかどうかさえわからなくなっている瞬間は、たくさんある気がしています。池松さん確かに、難しいところですよね。“本当の自分”と言うけれど、結局は全部自分であるとも言えますから。ただ、いまの時代は個人と大多数の社会が密接に繋がっていて、生き延びていくためにあらゆる処世術が必要です。結果誰もがアイデンティティ難民に陥ってしまうようなところがあります。そもそも人は自分を演じ、役割を演じる生き物だと思いますが、それが過剰になっている、そうしなければ生きていけないような世の中になっていることの危機感は感じます。そういったあらゆる欺瞞と嘘にまみれてしまったものを、雷やカメラや、家族やマスクを使って、人間のありのままの姿を暴いてみるというのがこの映画の真の試みだと思っています。撮影中もイナズマが走るようにビリビリきていた―『愛にイナズマ』というタイトルのように、ご自身の人生においてイナズマが走った出来事があれば、教えてください。池松さん若葉くんはもちろん、浩市さん、松岡さん、窪田さんとこの作品で出会えたこと、それぞれの奮闘と勇姿に撮影中ビリビリきていました。若葉さんそれに比べて僕はバカみたいな話になっちゃうんですけど、ラーメンがすごく好きで、本当においしいラーメンを食べると、ほっぺがビリビリするんです。池松さんほっぺにイナズマだね(笑)。若葉さん最近もほっぺにイナズマが走る瞬間を蒲田で味わいました。好きなものに理由は付けないようにしている―また、本作を通して改めてご家族のことを考えたのではないかなと思うのですが、ご自身にとって家族の存在とは?池松さん今回のように疑似家族を作りあげるというのは、意識的にも無意識的にも自分の記憶や人生を持ち寄るような行為でもあるので、全然会えていない妹のことや、いつかいなくなってしまうであろう父親のことなど、考えていたと思います。本作では、花子がすべてを信じられなくなったときに、最後の頼みの綱としてダメな家族に会いに行き、自分を肯定してもらえる場所を取り戻すという構図ですが、仮に家族でなくてもそういったことがこれからの時代も当たり前の希望としてあってほしいなと思います。若葉さん僕は生まれ育った場所が大衆演劇だったので、本番が始まると父親は師匠になり、兄弟はライバルになるという環境でした。なので、たまに家族で外食に行くと照れくさくて…。そういう居心地の悪さみたいなものをケンカのシーンを撮影しているときに思い出しました。池松さん自分の家族が好きだということに理由があるかと言われると難しいですが、そういう理屈を超えたところに本来は生きる指針があるのかなとも思います。若葉さん僕も好きなものに理由があるほうが少ないかもしれません。たとえば、人に対して「こういう人だから好き」と理由を付けちゃうと、「もしその人がそうではなくなってしまったら…」と考えてしまうので。逆境だらけの主人公を見て奮い立ってほしい―では、おふたりにとって仕事のモチベーションとなっているものと言えば?若葉さん僕は、興味ですね。自分が興味のないことに時間をあまり割きたくないという気持ちは強いほうだと思います。池松さん若葉くんは興味のあることにしっかりと責任を取っているけど、それを保ち続けるというのは生きることと同じくらい難しいことですよね。僕のモチベーションは、月並みですが夢かなと思います。―最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。池松さんこの映画が観てくれた方への大きなエールになったらうれしいです。主人公、花子の奮闘に奮い立ち、イナズマのような映画体験をしてもらえたら幸せです。明日への逆転ファミリーラブコメディ、愛と勇気と優しさについての映画です。同時代を共に生きる、逆境だらけの誰かの人生にイナズマが届くことを願っています。若葉さん僕もまさに池松くんと同じような気持ちでこの映画と向き合い、作っていきました。ぜひ、そういう思いを感じていただきたいです。インタビューを終えてみて…。今回が初共演だったとは思えないほど、同じような空気感を漂わせていた池松さんと若葉さん。お互いをリスペクトする気持ちがあるのはもちろん、家族として過ごした濃密な時間があったからこそ、おふたりの間には居心地の良さがあるようにも感じました。次はどのような役柄で再び共演を果たすのかが楽しみなところです。ラストに待ち受けているのは、痺れるほどの大きな愛!奪われたものを自らの手で取り返そうと立ち上がる主人公たちの姿にも、俳優陣が繰り広げる演技バトルにもイナズマが走る本作。理不尽な現実に直面し、誰もがマスクの下に本音を隠して生きてきた日々を経験したいまだから心に刺さる1本です。写真・園山友基(池松壮亮、若葉竜也)取材、文・志村昌美池松壮亮 ヘアメイク・FUJIU JIMI若葉竜也 ヘアメイク・FUJIU JIMIスタイリスト・Toshio Takeda (MILD)トップス(08sircus 08サーカス/08book 08ブック TEL:03-5329-0801)、パンツ(NEONSIGN ネオンサイン TEL:03-6447-0709)ストーリー長年の夢だった映画監督デビュー目前で、すべてを奪われた花子(松岡茉優)。イナズマが轟く中、反撃を誓った花子は、運命的に出会った恋人の正夫(窪田正孝)とともに、10年以上音信不通だった家族のもとを訪ねる。妻に愛想を尽かされた父・治(佐藤浩市)、口だけがうまい長男・誠一(池松壮亮)、真面目ゆえにストレスを溜め込む次男・雄二(若葉竜也)。そんなダメダメな家族が抱える“ある秘密”が明らかになった時、花子の反撃の物語は思いもよらない方向に進んでいく…。衝撃が走る予告編はこちら!作品情報『愛にイナズマ』10月27日(金)、全国公開配給:東京テアトル(C)2023「愛にイナズマ」製作委員会写真・園山友基(池松壮亮、若葉竜也)
2023年10月26日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。ここ最近グレーカラーが人気急上昇しています。今回はヨーロッパのストリートスナップで発見したお洒落なグレースタイルをご紹介いたします。異なるグレーを上手にシックに着こなす斬新な着こなしをしているこちらのスタイルは、スーツスタイルですが全体的に個性的!あまり見ないデザインのショートジャケットは、深めのズボンと相性抜群。さらに、異なるグレーカラーを上手に着こなすために、柄のあるデザインとシンプルなボトムスを選んでいるのでしょうか。とにかく、かなり斬新でお洒落上級者です!グレーと相性の良いイエローとロンドンで最近よく見かけるのが、このボンバージャケットとデニムのスタイル。ちなみにどちらもグレー系の色をピックアップしていて、最近のトレンドにあったスタイルです。また、トップスに選んでいるイエローは、グレーとの相性抜群!暗すぎないパワフルなスタイルに仕上がってます。グレーデニムワンピース!一瞬でひと目惚れした、このグレーのデニムワンピース。デニム素材は着づらい印象もありますが、こちらは最近流行りの袖部分がちょっぴり余裕のあるバルーンタイプ。またグレーのデニムにぴったりな淡いピンクを小物に選んだあたりも、センスの良さが光ります。カジュアルにもグレーを取り入れて大人気モデルもグレーを愛用中。グレーはブラックよりも雰囲気が柔らかく見えるので、特にカジュアルスタイルには重宝します。冬もグレーが人気の兆しグレーはシックで洗練された外見に仕上げてくれます。中立な色調のため、クラシックやモダンなスタイルの両方に合わせやすく、多くの人にとって魅力を感じるカラーとして、注目されています。こちらのスタイルも、今年の冬にぴったりなジャケットとスカートのセット。グレーだからこそ、重すぎない雰囲気が魅力的!仕事やカジュアルの両方に適しているグレーグレーはフォーマルな場面でもカジュアルな場面でも違和感なく着用できるため、多くの人々に選ばれています。オフィスでのビジネスカジュアルな服装から、週末のフォーマルスタイルまで、幅広い状況で利用できます。この方のように、ニットでゆったりとしたデザインのセットアップも、グレーだからこその落ち着いた雰囲気を感じさせてくれます。グレーはその多目的性と洗練された魅力から、多くの人々に愛され、冬のファッショントレンドにおいても人気がある色と言えます。この冬は特に注目してみてください!写真、文・平野秀美
2023年10月22日東京・上野にある東京国立博物館 平成館で、特別展「やまと絵 ―受け継がれる王朝の美―」が開かれています。本展では、245件もの日本美術の名品が集結。そのうち、7割以上が国宝・重要文化財という大変ゴージャスな展覧会です。見どころや展示風景、グッズ売り場の様子など、詳しくご紹介します!夢のような展覧会!特別展「やまと絵 ―受け継がれる王朝の美―」展示風景※本記事の写真は、プレス内覧会で許可を得て撮影しています。【女子的アートナビ】vol. 315特別展「やまと絵 ―受け継がれる王朝の美―」では、平安時代から室町時代までに制作されたやまと絵の名品、優品を展示。特に、日本絵巻の最高傑作といわれる「四大絵巻」が10月22日まで30年ぶりに東京国立博物館に集結したことが話題となっています。平安時代前期に成立したやまと絵は、平安時代から鎌倉時代頃は日本の人物や風景を描いた作品を指していました。中国由来の唐絵(からえ)や漢画(かんが)との交渉を繰り返しながら、やがてそれぞれの時代の最先端のモードを取り入れ、変化し発展していきました。本展について、東京国立博物館 学芸研究部調査研究課 絵画・彫刻室長の土屋貴裕さんは、次のように述べています。土屋さんやまと絵は、日本の美術史のなかでメインストリームとも呼ぶべき主題。やまと絵の歴史を見ることは、日本美術の歴史そのものを追うことになります。今回は、平安から室町時代までに限ってご紹介しているので、密度の濃い内容になっています。日本美術全集や教科書で見るようなものがほぼそろう、夢のような展覧会です。やまと絵の歴史をざっくり特別展「やまと絵 ―受け継がれる王朝の美―」展示風景より、手前は国宝《山水屛風》鎌倉時代・13世紀京都・神護寺所蔵展示期間:10月11日(水)~11月5日(日)では、見どころをピックアップしてご紹介。最初の「序章伝統と革新―やまと絵の変遷―」では、やまと絵の歴史をざっくりと捉え、屛風作品を中心に展示されています。ここでの必見作は、現存最古のやまと絵屛風といわれる国宝《山水屛風》(京都・神護寺蔵)。美しい山の景色のなかに、日本の貴族や庶民の営みなどが描かれている作品です。この章では、室町時代に描かれた重要文化財《浜松図屛風》(東京国立博物館蔵)も展示。金銀の色彩を使って浜辺と松の絵を描いたダイナミックな作品で、先述の国宝《山水屛風》と比べてみると、やまと絵が時代とともに変化したことがわかります。日本絵巻の最高傑作が登場!特別展「やまと絵 ―受け継がれる王朝の美―」展示風景より、国宝《鳥獣戯画》甲巻平安~鎌倉時代・12~13世紀京都・高山寺所蔵展示期間:10月11日(水)~22日(日)続く「第1章やまと絵の成立―平安時代―」では、平安時代末に制作された「四大絵巻」が登場!四大絵巻とは、《源氏物語絵巻》、《信貴山(しぎさん)縁起絵巻》、《伴大納言(ばんだいなごん)絵巻》、《鳥獣戯画》のことで、すべて国宝に指定されています。国宝《源氏物語絵巻》は、愛知・徳川美術館と東京・五島美術館が所蔵。紫式部の「源氏物語」を絵にしたもので、12世紀前半に制作されました。王朝貴族の雅な暮らしが伝わる美しい絵巻物です。国宝《信貴山縁起絵巻》は、平安時代末期作。奈良の信貴山朝護孫子寺が所蔵するもので、信貴山に毘沙門天をまつった僧、命蓮(みょうれん)の奇跡のストーリーを描いた絵巻です。米俵が空を飛んだり、村人たちの動きや表情がユーモラスに描かれていたりして、細部まで楽しめます。東京・出光美術館が所蔵する国宝《伴大納言絵巻》も、平安時代末期作。866年に起きた応天門の放火事件をめぐる物語を描いたもので、応天門が炎上する場面や、火事場に集まってくる人々の姿などが生き生きと描かれています。みんな大好きな国宝《鳥獣戯画》(京都・高山寺蔵)は、ウサギやカエルが出てくる甲巻が一番有名。擬人化された動物たちが水遊びをしたり、相撲をとったりする場面などが描かれています。なお、二週間ごとに展示替えがあり、何度も通えば次々と違う場面を楽しむことができます。第1章では、ほかに貴族たちの美意識が込められた美しい調度経本や能書たちによる貴重な書の作品、工芸品なども展示されています。紫式部や妖怪の絵巻も!特別展「やまと絵 ―受け継がれる王朝の美―」展示風景より、重要文化財《紫式部日記絵巻断簡》鎌倉時代・13世紀東京国立博物館所蔵「第2章やまと絵の新様―鎌倉時代―」では、鎌倉時代の新しいやまと絵を紹介。武家社会になり、写実的なものも好まれるようになった時代といわれますが、平安時代を懐かしむ作品も見ることができます。ここでの必見作は、来年のNHK大河ドラマで注目を集める紫式部に関する作品です。そのうちのひとつ、重要文化財《紫式部日記絵巻断簡》(東京国立博物館蔵)では、藤原道長と、その娘の彰子などが色彩豊かに描かれ、見ごたえがあります。特別展「やまと絵 ―受け継がれる王朝の美―」展示風景より、重要文化財《百鬼夜行絵巻》伝土佐光信筆室町時代・16世紀京都・真珠庵所蔵会期中、展示替えあり「第3章やまと絵の成熟―南北朝・室町時代―」では、成熟期のやまと絵を展示。金銀を使ったキラキラと輝く華やかな作品や、妖怪が出てくるユニークな絵巻《百鬼夜行絵巻》(重要文化財、京都・真珠庵蔵)も楽しめます。「第4章宮廷絵所の系譜」では、天皇の近くで絵を描いていた宮廷絵師の仕事を紹介。さらに「終章やまと絵と四季―受け継がれる王朝の美―」では、桜や柳、田園風景などを描いた美しい作品《日月山水図屛風》(重要文化財、東京国立博物館蔵)をはじめ、室町時代の屛風などが展覧会の最後を華やかに飾ります。長場雄さんとのコラボグッズが超クール!本展は、オリジナルグッズもゴージャスです。特に注目したいのは、人気アーティスト・長場雄さんと展示作品のコラボグッズ。国宝《鳥獣戯画 甲巻》(京都・高山寺蔵)と、重要文化財《土蜘蛛草紙》(東京国立博物館蔵)をモチーフに長場さんが描き下ろしたアートワークがTシャツやトートバッグなどのグッズになって登場しています!長場さんのシンプルな線で描かれた鳥獣戯画のウサギやカエルたちのイラストは、めちゃくちゃクール。ここでしか買えない貴重なグッズです。本展は、12月3日まで開催。一部作品の展示替えや絵巻の場面替えも多いので、ぜひ何度も足を運んでみてください。Information会期:2023年10月11日(水)~12月3日(日)会期中、一部作品の展示替えおよび巻替えあり休館日:月曜日(ただし本展のみ11月27日(月)は開館)開館時間:9時30分~17時00分※金曜・土曜は20時00分まで開館(総合文化展は17時00分閉館、ただし11月3日(金・祝)より、金曜・土曜は19時00分閉館)※最終入場は閉館の60分前まで会場:東京国立博物館 平成館観覧料:一般¥2,100 / 大学生¥1,300 / 高校生¥900 /中学生以下無料※土・日・祝日のみ事前予約制(日時指定)
2023年10月22日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は今トレンドな、透け感のあるふんわりスカートの着こなしスナップをご紹介いたします。イベントや普段使いにピッタリ赤は情熱的な色で、パーティーやイベントなどでも目立ちます。普段使いとしても、以前よりよく見かけるようになった赤。このようにニットベストに合わせると、よりカジュアルに着こなせて参考になります。清楚なホワイトでカジュアルにこちらは逆に真っ白で色を抑えたスタイル。ホワイトは色を合わせやすいですが、このようなふんわりしたスカートの場合、可愛く見えすぎることもあります。合わせるアイテムをブラックや落ち着いた色にして大人っぽく着こなしているようです。豹柄が珍しいスカート!攻めるような個性的な豹柄を、大胆にもスカートに持ってきているこちらのスタイル。強力なインパクトを与えてくれるので、あえて他の部分はシンプルに。豹柄とブラックとの相性は抜群です。珍しい蛍光イエロー透け感がセクシーながら、印象的な色で個性を表現しているよう。トップスにも同じ色を持ってきているので(ワンピ?)、全体のバランスも抜群。魅力があって素敵です!淡いピンクベージュで大人可愛く落ち着いたかわいらしい色、ピンクベージュ。ブラウン系やアイボリー系との相性が抜群ですが、このかたはあえて濃いめのデニムでかっこよさを強調しています。デニムは、かわいすぎないように、より大人っぽく着こなすためのアイテムとして持ってこいです。いかがでしたでしょうか?日本でも人気ですが、海外でも最近、透け感あるふんわりしたスカートがとても人気です。可愛らしさとセクシーさをもち合わせたデザインなので、ぜひ今後パーティーやデートなどのファッションとして、参考にしてみてください。写真、文・平野秀美
2023年10月21日2007年に起きたタリバンによる韓国人拉致事件から着想を得て制作されたサスペンスドラマが、韓国で初登場No.1の大ヒットを記録。今回オススメするのは、韓国を代表する豪華キャストの初共演が実現したことでも話題の注目作です。『極限境界線救出までの18日間』【映画、ときどき私】 vol. 607アフガニスタンの砂漠で、旅をしていた韓国人23名がタリバンに拉致される。彼らの要求は国内に駐屯する韓国軍の撤退と、刑務所に収監されたタリバン戦士23名の釈放だった。告げられた期限は24時間。そこで韓国政府は、直ちに外交官のチョン・ジェホを派遣する。その後、国家情報院も動き出し、工作員のパク・デシクがアフガンのフィクサーに交渉するが、あと一歩で決裂してしまう。「韓国政府の代表」を自負するチョンとアウトローなパクは、対立しながらも手を組むことになる。タイムリミットが迫るなか、2人が命をかけた最後の交渉とは?厳格な外交官チョン・ジェホを演じるのは、『哭声/コクソン』や『工作 黒金星と呼ばれた男』で知られる韓国の名優ファン・ジョンミン。そして、人命を救うためには手段を選ばない工作員パク・デシクには、ドラマ『愛の不時着』で世界中にブームを巻き起こした人気俳優ヒョンビンがキャスティングされ、豪華な俳優陣が顔を揃えています。そこで、こちらの方に見どころなどについて、お話をうかがってきました。イム・スルレ監督『私たちの生涯最高の瞬間』や『リトル・フォレスト 春夏秋冬』などで数々の映画賞を受賞し、韓国の映画界を牽引する女性監督の一人とされているイム監督。今回は、トップスターたちの素顔や現場での舞台裏、そして日本の女性たちに伝えたい思いなどについて語っていただきました。―主演のファン・ジョンミンさんとは、2001年『ワイキキ・ブラザース』以来のタッグとなりましたが、年齢とキャリアを重ねたいまのファン・ジョンミンさんの魅力はどんなところだと感じましたか?監督正直に言うと、彼はイケメンタイプの俳優ではないですが、情が深くて素朴で親しみやすいので、人間的な魅力に溢れている方だと思っています。それに、情熱を持って演技に打ち込んでいるので、俳優としての素晴らしさも改めて感じました。―いっぽうのヒョンビンさんは、いままでのイメージとは違う雰囲気が非常に印象的でした。本作では、どのような役作りをされていましたか?監督今回演じてもらった役どころは、過去に人質を助けることができずにその罪悪感に苛まれている人物。そういった寂しさを抱えながらも、砂漠のなかで自由に生きているという設定だったので、ルックスから演技にいたるまで、ヒョンビンさんとはたくさん話し合いを重ねて作り上げました。劇中では、ひげを生やしてもらっていますが、あそこまでひげをたくさん伸ばしている彼をこれまで見たことがなかったので、最初は周りの人たちもみんなびっくりしていたほど。でも、だんだんと「砂漠に合う男らしさがいいな」と感じるようになりました。過去のロマンチックコメディでは見せたことがないような姿がこの作品ではご覧いただけると思います。ヒョンビンさんには驚かされることが多かった―とてもワイルドで、かっこよかったです。現場でのヒョンビンさんはどんな方なのか、素顔がわかるようなエピソードがあったら教えてください。監督ヒョンビンさんと映画を撮ったのは初めてでしたが、別の作品のキャスティングで打ち合わせをしたことがあったので、実は彼のことは以前から知っていました。とても親切で、礼儀正しくて、相手に気遣いができる方なんですが、一緒に仕事をしてみると驚かされることが多かったように思います。―具体的にはどのようなことがあったのでしょうか。監督あるとき、「こういう状況なら怒ってもいいんじゃない?」と思うことがヒョンビンさんに起きました。それでもまったく怒らないので、私はこんな質問をしてみたんです。「あなたはどうしてそんなに怒らずに、自分を制することができるんですか?」と。すると、「相手の立場になって考えてみて『そうかもしれないな』と思うと、怒りを感じなくなるんですよ」と教えてくれました。それを聞いたときに、本当に頭がよくて、スマートで、性格も外見もすべてが完璧な方なんだなと。仕事においても、自分の人生においても、知恵があるので、そういう姿には驚かされることばかりでした。コロナ禍に海外で撮影するのは多くの苦労が伴った―ヒョンビンさんが多くの人に愛されるのも納得です。また、今回はコロナ禍真っ只中に、ヨルダンという普段とは違う環境で撮影をされていたので、かなり大変だったのではないかなと。日本のタイトルのように、“極限境界線”を越えそうになった瞬間もありましたか?監督撮影は2020年の3月から開始したので、ちょうど大変な時期と重なりましたし、そういう状況のなか海外で撮影するのはたくさんの苦労が伴いました。実際、撮影が止まってしまったこともありましたから…。でも、とにかく撮らなければいけないと焦っていたところ、ヒョンビンさんのおかげでかなり助けられたこともありました。なぜかというと、ヨルダンで撮影許可を出してくれたのは王族の方々でしたが、そのなかでも王妃とされる方がなんとヒョンビンさんのファンだったんです(笑)。そういったこともあって、普段なら誰も立ち入れない場所にまで入ることができ、しかも撮影まで許可していただきました。仕事をするうえで心がけていることは2つ―そんな背景があったとは、驚きですね。監督あとは、夏に砂漠で撮影をしたので、暑さにもかなり苦労しました。また、映画のなかではアフガニスタンという設定でしたが、ヨルダンで撮影を行っていたので、ヨルダンの俳優たちにアフガニスタンの言葉を覚えてもらうというのも、難しかったところです。今回は、韓国のスタッフ100人とヨルダンのスタッフ100人が一緒に仕事をしていたので、そういう大変さもありましたが、撮影中に誰もコロナにかからなかったのは本当によかったなと思っています。そんなふうに、さまざまな逆境を乗り越えて作られたのが本作です。―それらのおかげで迫力のある作品に仕上がったのだと改めて感じました。現在の韓国の映画界では、イム監督を筆頭に女性監督の活躍が非常に目覚ましいですが、仕事をするうえで大事にされていることがあれば、お聞かせください。監督私が大切にしていることは、大きく2つ。まずは、映画に出演してくれる俳優と一緒に仕事をしてくれるスタッフの間に調和を保てるように、バランスよく接するということです。特に、俳優のなかにはトップスターもいれば、小さな役を演じるエキストラのような方もいるので、そこで差別をしないように心がけています。あと、映画の場合はどうしても興行的な成績や結果を求めがちですが、その過程も同じくらい大事に考えています。撮影中に誰かが傷ついたり、何かの被害に遭ったりすることがないように、つねに気配りすることは欠かせません。そのためにも、撮影しやすい雰囲気作りが重要だと思っています。自分が好きなことをする時間をきちんと持ってほしい―素晴らしい意識ですね。ちなみに、映画作りにおいて日本から影響を受けたり、好きな作品があったりしますか?監督私が映画を勉強していた時期は1980年代の半ばですが、当時の韓国では日本映画の輸入が禁止されていたので、最初は日本映画を観ることができませんでした。そのあと、パリで映画を学ぶことにしたのですが、そこで日本映画を知って大好きに。修士の学位を取った際、大学院での研究対象を溝口健二監督に選んだほどです。ほかにも、黒澤明監督や小津安二郎監督、成瀬巳喜男監督の作品をたくさん観ました。最近でも、濱口竜介監督や是枝裕和監督など、好きな日本の映画監督は多いです。90年代には、日本に3か月滞在したこともありますが、みなさんに親切にしていただきましたし、日本の文化にもたくさん触れたので、いろんな影響を受けていると感じています。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。監督現在、日本と韓国は似たような状況にあるかもしれないですが、現代社会において仕事をすることは何かと大変なこともあると思います。でも、仕事をしないといけない方のほうが多い状況なので、そういう女性たちに伝えたいのは、「自分の好きなことをする時間をきちんと持ってほしい」ということです。仕事以外に家庭など、いくつものことをつねに抱えていると思いますが、どちらかだけに偏ることなく、うまくバランスを取っていただきたいなと。そうやって調和を保ったうえで、みなさんには幸せに過ごしていただけたらと思っています。最後まで“極限境界線”に追い込まれる!二転三転するスリリングな展開と命がけの緊迫した駆け引きに、片時も目が離せなくなる本作。アクションや男たちの友情に胸が熱くなるだけでなく、リアルな映像の迫力にも一気に引き込まれてしまう見どころ満載の必見作です。取材、文・志村昌美緊張感に包まれた予告編はこちら!作品情報『極限境界線救出までの18日間』10月20日(金)TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー配給:ギャガ️(C) 2023 PLUS M ENTERTAINMENT, WATERMELON PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
2023年10月18日これまでに数多くのベストセラー小説を生み出してきた人気作家の湊かなえさんが、2019年に作家生活10周年の節目として書き下ろしたミステリー長編「落日」。湊さんの”令和最高傑作”とも名高い本作の映像化は、北川景子さんや竹内涼真さんをはじめとする豪華キャスト陣の熱量高い演技に“心震える究極の一作”と話題で、現在WOWOWオンデマンドで全話配信中です。そこで、物語のカギを握る重要な役どころを演じたこちらの方にお話をうかがってきました。竹内涼真さん【映画、ときどき私】 vol. 607新進気鋭の映画監督と新人脚本家が15年前に小さな町で起きた一家殺害事件の真相に迫っていく本作で、事件の犯人である立石力輝斗を演じている竹内さん。30歳を迎えて最初の作品で、自身初となる死刑囚役に挑んでいます。今回は、役作りで意識したことや共演者との忘れられない瞬間、そして人生のヒントを見つける方法などについて語っていただきました。―以前からこういった役を演じてみたいと思われていたそうですが、お話があったときはどのようなお気持ちでしたか?竹内さん配役というのは年齢や見た目によって決まってくるところもあると思いますが、実は昔からこういう役にも挑戦したいと思っていました。でも、僕にそういうイメージがなかったのか、挑戦する機会がなかったんですよ。そんななかで、30歳というタイミングでこういった薄暗い陰のある役に巡り合えて、自分に任せていただけるんだということが純粋にうれしかったです。―ご自身でこういう役ができると感じていらっしゃったのはなぜですか?竹内さん誰にでも陰と陽の部分があると思いますが、そういう意味で感覚的にできるんじゃないかなというのがありました。それに、人が隠したいと思うところを表現するのが俳優の仕事だと思うので。あとは、自分のなかでもいまだったら陰の部分を出せるタイミングだったのかもしれないです。妹がいなければ、違う力輝斗になっていたかもしれない―今回は非常に難しい役どころだったと思いますが、どのような準備をして挑まれたのでしょうか。竹内さんまずは、台本をすごく読み込みました。この作品において、ミステリーの肝となるのは、彼がなぜ死刑を選んだのかということ。ただの殺人鬼ではないので、そのあたりは自分のなかで筋を通しておきたいと考えました。あとは、服装や髪型だけでなく、佇まいにいたるまでいろんなアイデアを出し合いながら作り上げました。―確執のある劇中の兄妹とは違って、実際の竹内さんは妹さんと仲が良いイメージですが、同じ兄としての立場や感情が生かされたところもあったのではないかなと。竹内さん確かに、自分にも妹がいることがどこかでリンクしていた部分はあったかもしれません。でも、意識的にしていたことではないので自分ではわからないですが、もし僕に妹がいなかったら違う力輝斗になっていた可能性はあると思います。北川さんとは、本気で心のぶつかり合いができた―事件の真相を追う映画監督役を演じられた北川景子さんとのクライマックスシーンは、本作において非常に大きな見どころでしたが、現場の様子について教えてください。竹内さん実は、北川さんとはそのシーンを撮るときに初めてお会いしました。でも、お互いに本気で心のぶつかり合いができたので楽しかったですし、感慨深かったです。短い時間ではありましたが、しっかりとコミュニケーションができましたし、全力を出せたと思います。―相手が北川さんだからこそ刺激を受けたり、引き出されたりした部分もあったのかもしれませんね。竹内さん北川さんはとても気さくで、自分のパーソナルスペースをオープンにしてくださる方なので、会った人はみんな好きになりますよ。相手を緊張させずに、フレンドリーに入り込んできてくださるので、そういうのって大事だなと。だからこそ、長年いろんな作品に出られたり、たくさん主演を務めたりされているんだろうなと改めて感じました。あと印象に残っているのは、北川さんの肌がキレイすぎてびっくりしたこと。ピカピカに光っていたので、「すっごいキレイだな」と思いながら見ていました(笑)。大事なのは、つねにアンテナを敏感に張っておくこと―確かに、画面越しでもその美しさは伝わってきました。今回ご一緒された内田英治監督とは3年振りとなりますが、監督は竹内さんの成長ぶりに驚いたとか。30歳になったこともあるかもしれませんが、ご自身で振り返ってみても変化を感じる部分はありますか?竹内さんいろんなことに対する考え方は、だいぶ変わりましたね。といっても、別に30歳になったからというわけではなく、自分としては自然と変わっていくタイミングに従っているだけという感覚です。でも、20代のときに比べたら生活も、食事も、朝起きる時間も、物事への取り組み方もまったく違いますね。すべてにおいて、意識する次元が変わったんだと思います。―年齢や経験を重ねていくなかでご自分なりに変わっていったのか、それとも周りからの影響ですか?竹内さん自分で気づくこともあるし、相談した人からの言葉に救われることもあるので、両方ですね。人生のヒントはいつどこにあるかわからないので、つねにアンテナを敏感に張っておくのは大事だなと感じています。すべて自分の捉え方次第ですからね。あとは、一生懸命だけでなく真面目にやっていかないと成功しないと思うので、求める真面目さのレベルも変わってきました。かっこつけているわけじゃないんですけど、「周りを変えたかったら自分が変わるしかない」と考えています。というのも、僕は周りが自分の鏡だと思って生きているので、物事がうまくいかないときは、自分に問題があるんだなと思うほうです。そこはつねに意識しているかもしれないですね。ネガティブでいる時間はもったいない―過去には自分のネガティブ思考がうまくいかない原因だと考えて、意識的にポジティブになる癖をつけてご自身を変えたこともあったとか。竹内さん変わるまでに1年くらいかかりましたが、そうしないと人生がいい方向にいかないことに気がついたんです。時間を大切にしようと思ったら、ネガティブになってモジモジしている時間はもったいない。自分が幸せになれる物事の捉え方をしていかないと、自分が行きたい方向に最短距離では行けませんから。そのためには、普段からだらけていてはダメなので、ポジティブな思考にするためにも自分をいい状態にすることが大事だと考えるようになりました。そこから起きる時間や生活も変わっていったんだと思います。―そんななかで、竹内さんを癒してくれる時間といえば?竹内さんそれは親友と夜中までいろんな話をしたり、家族や友達とおいしい物を食べたりしているときです。ほかにいろんな趣味もありますが、コーヒーにこだわったりと、好きなことはとことん追求するタイプですね。オフのときはそういうところに時間を使ってバランスを取るようにしています。自分で自分の可能性を決めつけてはいけない―いま思い描いている今後の夢についても、お聞かせください。竹内さん目標というのは、大きいのも小さいのもどちらも大事ですが、つねに自分の心とカラダと相談しながら、上に向かって設定しています。最近は配信によって世界各国で視聴できる時代なので、世界で戦える作品に参加していきたいというのが、いまは自分のモチベーションになっています。―以前からマーベル作品の大ファンであることも公言されているので、海外を目指す可能性もあるのではないでしょうか。竹内さん海外に行ってみたいというよりも、自分が好きな作品を作っている人たちと仕事をしてみたいとか、日本とは規模が違う現場で世界を見てみたいという気持ちはあります。もちろん、日本にも良さはありますが、それだけでなく各国のいいものをたくさん自分のなかに取り入れていきたいです。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。竹内さんまず大事なのは、自分の可能性を自分で決めつけないこと。僕もまだ30代なので偉そうなことは言えませんが、“成功のヒント”みたいなものは意外と身の周りに転がっていて、それをキャッチできる状態かどうかが大切な気がしています。いまは何でもすぐ調べられる便利な時代でもあるので、なりたい自分でいたいと思うことは、誰にでもできることだと思っています。インタビューを終えてみて…。本作では、いままでのイメージを打ち壊すような新たな一面を見せている竹内さん。映像からだけでなく、言葉や表情からもこれまで以上に高い意識で役と向き合っているのが伝わってきました。俳優としても、人としても魅力を増していく竹内さんがどのような30代を過ごされるのか楽しみなところです。魂の叫びに、胸が締めつけられる!事件の裏に隠された真相とそれぞれの思いが交錯し、観る者をどんどんと引き込んでいく衝撃のミステリー。心を揺さぶる真実が明かされたとき、そこに差し込む“希望の光”を誰もが感じずにはいられないはずです。取材、文・志村昌美スタイリスト・徳永貴士(SOT)ヘアメイク・佐藤友勝カメラマン・福岡諒祠(GEKKO)ストーリー初監督作品で国際的な評価を得た新進気鋭の映画監督・長谷部香(北川景子)。注目を集めるなか、新人脚本家の甲斐真尋(吉岡里帆)に映画の脚本の相談を持ちかける。物語の基となるのは、真尋の生まれ故郷でもある笹塚町で15年前に起きた“笹塚町一家殺害事件”。引きこもりの男性・立石力輝斗(竹内涼真)が高校生の妹・沙良(久保史緒里/乃木坂46)を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた事件だった。真尋の師である人気脚本家の大畠凜子(黒木瞳)は、真尋の背中を押すいっぽうでこの事件に興味を示し始める。この事件を追うことは、香と真尋それぞれが抱える“ある過去”とも向き合わなければならないことを意味していた。事件を調べていくうちに、2人は衝撃の真実にたどり着くことに…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報「連続ドラマW湊かなえ『落日』」WOWOWオンデマンドにて全4話配信中
2023年10月18日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第158回は、がんばっているのに恋がつかめない女性のNG言動をご紹介。けっして真似しないでくださいね…!1.相手に媚びてしまった【結婚引き寄せ隊】vol.158「そろそろ彼氏が欲しいな」と出会いの場に足を運んでみても、なかなか良いご縁に結びつかない場合もあります。それは好みの人がいないこともあるでしょうが、もしかすると、気合が入りすぎてちょっとズレた言動をしているときもあるのかもしれません。振り返って、あれは失敗だよね、と感じた女性の失敗談をご紹介します。30代半ばのAさんは、仕事熱心で誠実な女性。長くつきあっていた彼氏がいたのですが、半年前に別れてからは、寂しさはありながらも仕事も忙しくて、なかなか恋人探ししようと思うまでは気持ちが切り替わりませんでした。ある日、Aさんの仕事関係の男性から、「出会いがない男がいっぱいいるのでみなさんで一緒に食事に行きませんか?」というお誘いが。仕事がらみとはいえ、そこで女性としての意識にスイッチが入り、職場でシングルの女性たちとともに、相手先の男性たちと食事へ行ったそうです。最初は緊張していた参加メンバーたちも、だんだんと打ち解けてきて、敬語もタメ口になっていきました。もともとお酒が弱いAさんでしたが、久しぶりの飲み会の席、さらに好みのタイプの男性もいたということで、一気にテンションが上昇。好みのタイプの異性にせっせと料理を取り分けたり、向こうから聞かれる前に連絡先を聞いたり、まわりは誰も言っていないのに「かっこいいですね!」などと媚びてしまったそうで…。まわりはあっけに取られ、悪目立ちしたその男性もばつが悪く、連絡先さえ教えてもらえないまま、ご縁を逃してしまいました。まだ一対一のときなら違ったかもしれませんが、知り合いがいる場での媚び媚び作戦は成功率が低いようです。2.じっと見つめすぎたどこか頼りなげな印象で、異性のみならず、同性から見ても“守ってあげたい”と思えるような30代前半のB子さんは、常に彼氏がいないとダメというタイプ。20代の頃はもっとモテていたそうなのですが、30代になると、少し“モテの波”が落ち着いてきたらしく、自分で恋活を始めていました。そんなB子さんがあるとき、合コンに参加しました。20代から40代前半まで、学生からベテラン社会人までが集まっています。B子さんは同世代の男性ふたりと、20代の新社会人の女性と同じテーブルになり、みんなで和気あいあいと過ごしていたそうなのですが…。男性のひとりを気に入ったB子さんは、いつも異性を落とすときに繰り出す大きな瞳で見つめる仕草を仕掛けていましたが、相手から「なんか眠そうな目だね」と、思いがけない意味不明の言葉をかけられショック。めげずにじっと見つめても、「どうしたの?」と、甘い雰囲気とは真逆の塩対応にとまどってしまいました。結果、誰とも何事もなく、合コンが終了してしまいました。あとからわかったのですが、B子さんに気に入られていた男性は「じっと見つめられすぎてコワい」と、本音をもらしていたのだとか…。相手にもよるのかもしれませんが、かつて恋愛必殺技だった仕草が、今も通じるとは限らないものですね。さまざまなことをなるべくアップデートしていけたら、恋も成就しやすくなるのかも!?3.あけすけに話しすぎたアラフォーのC子さんは友達が多く、誰に対してもフレンドリーに接する女性。趣味も多く、プライベートではいつもどこかの飲み会に呼ばれて顔を出すような、アクティブなタイプでもありました。そんなC子さんですが、彼氏いない歴を更新して早くも2年…。交友関係が広すぎるところが「疲れる」と交際相手にフラれる一因になっていたそうですが、今では気にすることもなく、飲み会自体を楽しんでいるようでした。とはいっても、「ちょっとイイ男がいたらいつでも!」と、気に入った男性を見つけてうまくいくのであれば、恋愛はウェルカムだと言います。そんなことも気取らずになんでも答えてくれるC子さんですが、ある日参加した飲み会で、「久しぶりに好みのタイプがいた」のだそう。行動もわかりやすくて、すぐさま気になる男性と同じテーブルへ移動しました。どのテーブルも盛り上がり、あっという間に飲み会は終了。平日の夜ということもあって、この日は二次会もなく、まっすぐ家に帰ったというC子さんが、好みの男性とどうなったのかというと、結果縁ナシということに。相手の男性がC子さんがいないときに「前のカレシの話とか聞いてないし」と言っていたとかで、オープンマインドのC子さんはどうやら、言わなくてもいいことまであけすけに話しすぎたようでした。初対面の人にどこまで話すのか、相手を見ながら調整したいところですね。出会いを探していると、思わぬ失敗をすることもあるかもしれません。でも、それさえも受け入れてくれる人、運命の相手は絶対いるはず。みなさんの恋愛がうまくいきますように!文・かわむらあみり©Mustafa/Adobe Stock文・かわむらあみり
2023年10月18日1993年にヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞したのち、配給された20か国以上の地域で熱狂的な支持を集めつつも日本で劇場公開されなかった1本の映画。今回ご紹介するのは、30年のときを経てついに日本初公開となるオーストラリア発の衝撃作です。『悪い子バビー』【映画、ときどき私】 vol. 606「ドアの外に出れば、汚染された空気の猛毒で命を落とす」という母親の教えを信じ、暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー。身の回りのすべてを母親が管理し、ただそれに従うだけの日々を35年間も続けていた。ある日、何の前触れもなく“父親”だと名乗る男が突然現れ、その出来事をきっかけにバビーの人生は動き出す。言葉、音楽、暴力、宗教、美味しいピザといった刺激に満ち溢れた外の世界で、純粋無垢なバビーは大暴走。誰もが彼の自由で荒々しいスタイルに巻き込まれていくことに…。公開された国のなかでも、ノルウェーでは年間興行収入第2位にランクインするほどの大ヒットを記録したこともある本作。そこで多くの観客を虜にした理由について、こちらの方にお話をうかがってきました。ロルフ・デ・ヒーア監督オランダで生まれたのち、オーストラリアに移住し、1984年に映画監督デビューを果たしたロルフ監督。これまでに“モダン・ジャズの帝王”マイルズ・デイヴィスが出演した『ディンゴ』や『クワイエット・ルーム』などを手掛けて、高く評価されています。今回は撮影の裏話や約40年のキャリアで大事にしていること、そして忘れられない日本でのエピソードなどについて語っていただきました。―30年という長い年月を経て、ようやく日本で劇場初公開されることになりましたが、いまの時代に本作が日本の観客に届けられることをどう感じていますか?監督この作品に関しては、これまでに次から次へといろんなことが起きているので、ずっと驚かされ続けているんですよ。今回日本で公開されるということで、やっとみなさんの心の準備ができたのかなと思っています。やはり映画館で観るのがベストだと思うので、うれしいことですね。―近年、日本でも「毒親」という言葉が頻繁に使われるようになっているので、そういう意味でも本作には現代に通じる題材が描かれていると思いますが、改めてご自身で振り返ってみてどのように感じていますか?監督オーストラリアでの公開からちょうど30周年ということで、数か月前に上映があり、僕もまた観客と一緒に鑑賞したんです。そのときは、約半分がすでに鑑賞済で、残りが初めての観客でしたが、そういう方々は「こんな作品が存在していたのか」とすごく驚いてくれました。上映後に質疑応答を行った際、質問の内容を聞いていてもこのテーマがいかに普遍的でタイムレスなものだったのかと感じることが多かったです。作品によっては時代に合わないものもありますが、この作品はずっと観客に響き続けているように思っています。子ども時代におけるダークサイトを描きたかった―ちなみに、ご自身はバビーとは違って非常に幸せな子ども時代を過ごしたそうですが、そんな監督がこういった物語を描こうと思ったきっかけは何ですか?監督映画を作るときはいろんな理由が重なっているものですが、もともとは子ども時代におけるダークサイトを描いた映画を作りたいというのがありました。というのも、僕自身の幼少期は素晴らしいものでしたが、そういう機会を与えられない子どもがたくさんいることを周りから見聞きしていたからです。ただ、子どもを主人公にした映画を作りたくはなかったので、バビーのように“大人だけど子ども”というキャラクターを形成することに。そのほうがよりダークな部分に足を踏み入れることができると考えたのです。―なるほど。先ほど「周りから見聞きしていた」とおっしゃっていましたが、バビーにはモデルのような方もいたのでしょうか。監督特にそういった人物はいないですが、記憶に残っているのは、シドニーにある友人の家に遊びに行ったときのこと。庭にいると、隣の家から母親が自分の娘を棒のようなもので叩いている音と声が聞こえてきました。でも、その娘は「ママ!愛してるよ!」とずっと泣き叫んでいたんです。2人の姿を見たわけではなかったのですが、そのときのことが強烈な印象として自分のなかに残っていたのかもしれません。実際、この映画ではバビーと母親のシーンではそれがある種の“フィルター”のようになっていたように感じています。撮影監督を変えることでいい影響が作品に出た―また、本作では合計32名の撮影監督が参加したというのが驚きですが、最初から複数で行く予定だったのか、それとも撮りたい映像を追求していったらそうなったのでしょうか。監督この映画を作りたいなと思ったとき、まだ予算がなかったので、フィルムを買うために自分で稼ぎ、1本購入したら撮影しよう考えていました。ただ、その方法だと1人のカメラマンのスケジュールをずっと押さえることができないと気がついたんです。そこで、「屋内に閉じ込められているバビーが外の世界で経験することはすべて初めて」という設定にすればいいんだと思いつきました。そうすれば、違うカメラマンが撮っても成立するのではないかなと。同じカメラマンを確保できないことを大きな問題とするのではなく、逆に面白いと思うことにしました。―まさに発想の転換ですね。実際、それによってどのような効果が得られたとお考えですか?監督脚本にいろんな視点を入れることができましたし、視覚的にもいい影響が出たと感じています。ほかにも大きかったのは、違う撮影監督が入るたびに、新しいエネルギーを現場に持ち込んでくれたこと。そういうところも含めて、いまはよかったなと思っています。日本の映画からは深く影響を受けている―また、バビーの耳に届く音の刺激をリアルに再現する「バイノーラルサウンド録音」を採用するなどしていたそうですが、そのほかにもこの作品ならではのこだわりと言えば?監督今回、冒頭の30分はスタジオ内にあるセットで撮影をしていますが、バビーの父親が登場して以降はそのセットを25~30%大きくしています。これは、バビー自身の世界が少し広がったことを表したかったからです。といっても、おそらく観ている方は言われないとわからないくらいかもしれませんが、それを肌で感じてもらえたらいいなと。最初の息が詰まるような閉塞感との違いをそういった演出で表現しました。―非常に興味深い点なので、ぜひ意識して観ていただきたいですね。それでは、まもなく公開を迎える日本とのエピソードがあれば、お聞かせください。監督日本には2009年に行われたイベントに参加するために滞在したことがありますが、もともと映画の面でも深く影響を受けていたこともあって、素晴らしい国だなと感じました。なかでも印象的だったのは、黒澤明監督の『デルス・ウザーラ』を好きな作品としてスピーチで紹介したときのこと。イベントの参加者のなかに黒澤組のスタッフだった方がいて、なんと黒澤監督と写っている写真をくれたんです。これはいまでも大切に部屋に飾っています。心から情熱を感じる題材であることが大事―素敵な思い出ですね。今回はオンライン取材ということもあり、監督のお部屋の壁にびっしりと映画のアイデアとなるメモが貼り付けてあるのが見えるのですが、いくつになっても尽きない創作意欲には感銘を受けます。映画作りにおいて大切にしていることはありますか?監督僕の場合は、まず映画が好きというのがありますが、題材に心から情熱を感じられないとダメなんですよ。脚本を書くことから始まり、映画作りは大変な作業も多いですが、だからこそ楽しめる方法を見つけることが大事なのではないかなと。そうすれば、作品の質も上がると考えています。ちなみに、僕にとってはこうしてどんどんメモを書いていくほうが簡単で、リラックスできるやり方なんです。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督映画というのは、何かしらのカタチで人の心を動かすものでなければいけないと僕は思っています。同じ作品でも、人によっては感動する場合もあれば、すごく笑える場合もあるし、面白くないと感じる場合もあるかもしれません。そんなふうにたとえ正反対のリアクションだったとしても、観客にとってはいいことだと考えています。というのも、いまの私たちは現代社会のなかでそれだけの強い感情を味わうことが少なくなっているからです。『悪い子バビー』に関しては、自分の作品ではありますが、感情的な美しさを持っていると自負しているので、たとえ一部分だけでもその美しさを感じてもらえたらうれしいなと思います。待ち受けるのは、唯一無二の映画体験!30年が過ぎても色褪せることない衝撃を観客に与え続け、「映画の常識を覆した」とも言われている本作。想像を上回る異色作は、驚きとまさかの感動で観る者の心を揺さぶること間違いなしです。取材、文・志村昌美刺激的な予告編はこちら!作品情報『悪い子バビー』10月20日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー配給:コピアポア・フィルム️(C) 1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
2023年10月17日