婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第155回は、すぐに女性に手を出そうとする軽い男性が言いがちな誘い文句を厳選してご紹介します。1.「うちのウサギかわいいよ?」と家に誘う【結婚引き寄せ隊】vol.155ときどき「うちにおいでよ」なんて、知り合って間もない女性にすぐに言ってしまう、カジュアルすぎる男性も存在するようです。今回は、そんな軽い男が言いがちな誘い文句とエピソードをご紹介しましょう。出会いを探していたAさんは、あるイベントの帰り際、職場の同僚と仕事相手の男性と食事に行くことになりました。その日に行われたイベントについて、お互いに感想を言い合い、リラックスしながら食事も進んで、お酒もおいしく飲んでいたそうなのですが…。だんだん盛り上がってきて、「もう一軒行こう!」という話になったものの、同僚の女性は明日が早いからとそそくさとその場をあとにしました。残ったAさんとしばし顔を見合わせていた仕事相手の男性ですが、突然スマホを取り出し、慌てて何かをしている様子。「なにしてるんだろう?」とキョトンとしてしまったというAさんでしたが、次の瞬間、男性がスマホにおさめたペットのウサギの写真を見せてきました。小さな白ウサギがちょこんと座っている写真を見せられて、「かわいい」と思わず言うと、「うちのウサギかわいいよ?いまから見に来る?」とすかさず言ってきたのだそう。勢いでなんとなく行ってしまいそうになったAさんでしたが、ハッと思いとどまって、「私も明日早いので」と丁重にお断りして帰宅したとのこと。ペットをえさにして家に呼び込もうとする男性、いるんですね…。2.「本当にめちゃくちゃ疲れてる」とホテルに誘う婚活とまではいかずとも、恋活をして「いい出会いがあればいずれはその人と結婚したい」と思っていたBさんは、その日も合コンに参加していました。30代の男女が集まる飲み会は和気あいあいとしていて、あっという間に時間が過ぎていったそうです。飲み会に集まったメンバーは男女ともに働き盛りで、仕事のグチも言い合って、みんなスッキリと気分よく過ごせたこともあり、すぐに二次会へと移動。カラオケで大いに盛り上がり、狭い部屋でより距離が近くなったように感じたようです。終電も近くなり、さすがにそれぞれ帰宅の準備をしていたところ、Bさんは一番よくしゃべったサラリーマンの男性と駅までふたりきりになりました。ちょっとはしゃぎすぎたこともあり、「疲れたね」などとふたりで話していたら、男性は「本当にめちゃくちゃ疲れてるんだよね」と、じーっとBさんの顔を見ながら、「ちょっと休みたいだけだから…」と駅近くのホテルに誘ってきたのだとか。「はぁ?」と思わず怪訝な顔で言うと、すぐさま「冗談だよ〜」とおどけた男性。そんな男性を置いて、さっさと帰宅したBさんでした。いやあ、出会ったその日にホテルに誘うとか、ふざけた男性もいるものです。3.「すぐそこだから」と家の近所で待ち合わせする婚活に励んでいたCさんは、いろいろな飲み会に顔を出して、出会いを探していました。同じように出会いを探していたある男性と意気投合して、Cさんはふたりで会う約束をとりつけたそうです。その男性はなかなかのイケメンで、面食いなCさんは距離が縮まったことがうれしかったのですが、なかなかお互いの都合のよい日が合わずに、もう会えないのかもと思っていた矢先、やっと男性から連絡が来たのだそう。ふたりで会う日が決まり、普段行かないような駅で待ち合わせを提案されたものの、どちらかというとCさんのほうが彼に対する思いが強かったこともあって、二つ返事でOKしてその場所へ。こぢんまりとした駅前のレストランで食事をして、まだ時間があるということで、次はどうしようかと話していたら、「僕の家、すぐそこだから、来る?」というお誘いが。驚きながらも、そもそも自分の家の近所で待ち合わせして、家に来させる目的だったのかと瞬時に悟ったCさん。なんだかなとテンションが一気に下がって、家には行かずに、「また今度」とその場をあとにしたそうです。時にはうまい手口で女性を誘って、簡単に親密になろうとする男性がいるようですが、気をつけたいものですね。相手を大事に思う男性なら、女性側の気持ちやテンポもきちんと汲んでくれるはずですから。たったひとりの男性を探したいだけなのに、ときどき思いがけない出会いがあるものです。イマイチな出会いがあったとしても、めげずに本当の恋をつかんでくださいね。文・かわむらあみり©polkadot/adobe Stock文・かわむらあみり
2023年09月15日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はオシャレなオフィススタイルやモノトーンスタイルが好きなかたにおすすめ。秋ファッションの参考になる大人なスタイルをピックアップしてみます。オーバーサイズのジャケットオーバーサイズは今シーズンもトレンドアイテム。この写真のようにモノトーンでキレイめに着こなしていても、大きめジャケットでより今っぽい雰囲気になっています。重ね着したニットとインナートップスも、ジャケットやズボンと色をマッチさせた、完璧な大人ファッション。ライダースジャケットをかっこよくこちらは対照的にショート丈のライダースジャケットをスタイリッシュに。シャツやズボンは一見オーソドックスなデザインですが、ライダースジャケットが雰囲気をかっこよく、そしてスーツスタイルに見えないカジュアルさを演出してくれています。ワイドパンツが印象深い!こちらは全体的にオーバーサイズで決めています。ワイドパンツに大きめのジャケット、さらに長めのシャツとどこをとってもオーバーサイズ。印象的なのは、スーツから見える袖のインパクト。オーバーサイズを重たい印象にしないライトグレーを選んでいるところが、さすがインフルエンサー!ブラックで大人かっこいい!こちらはデザイン違いのブーツがインパクトあるオールブラックスタイル。暑苦しく見えないのは、短めインナートップスと、ライトな素材のスカートで印象をコントロールしているから。カジュアルすぎないようにジャケットはかっちりとした雰囲気のスーツジャケットをオン。ピンクをポイントカラーにこちらは柔らかな色のジャケットに超ワイドパンツを合わせたシンプルなスタイルで、とても優しい柔らかな印象を感じます。ポイントに見えるピンクの厚底サンダルとバッグが、このスタイルの特徴!全体の雰囲気とは異なる色を使用してインパクトを強調しているようです。サングラスも同じく印象を変えてくれています。真似したい!完璧な美スタイルトレンドを上手に取り入れた、全体的にスタイリッシュでかっこいい美スタイル。オーバーサイズのジャケットに合わせたのは光沢があるネイビーパンツ。意外性があってかっこいいですね!また、中に合わせたのはヘソ出しルックでセクシーかつクールな短いインナー。まとまったヘアスタイルとスニーカーがよりスポーティに見せてくれて、女性らしさとかっこよさの両方を演出する、完璧なスタイルです。今回は比較的、簡単に真似できそうなスタイルをピックアップしてみました。海外ではカラーを使ったファッションが多いですが、このようにあまり色がなくてもスタイリッシュに着こなしているのはさすがですね。ビジネスウーマンをはじめ、落ち着いたスタイルが好きなかたに、ぜひ参考になれば嬉しいです。写真・文 平野秀美
2023年09月10日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は海外でよく見かける上下セットスタイルをピックアップしてみました。ビジネスに応用できるスタイルもあり、スーツのようだけど堅苦しくないものも!上手な着こなしが参考になります。スーツをカジュアルにセクシーにこちらはシャツを組み合わせたらスーツのようにカッコよく着こなせるシックなスタイル。しかしさすが海外。インナーは着用していると思われるのですが外からはほとんどヌードに見えてしまうセクシーさ!この着こなしは日本ではなかなかできませんよね。でも海外のファッショニスタの中では、比較的よく見受けられるスタイルでもあります。カラーと素材がかっこいい!なかなか真似できなさそうなパープルのスーツスタイル。光沢がかった素材はパーティなどの特別な日に着用したくなる存在感。カラフルなスーツが海外ではトレンディーなスタイルでもあるので、ぜひ参考にしたいスタイルです。珍しいグリーンで目を惹く!こちらは上下同じデザインではないものの、カラーを統一させたスタイリッシュな着こなし。意外と難しいグリーンカラーですが、バッグまで合わせてしまう点が徹底的に決まっていてかっこいい。柄と素材がユニーク!こちらはパンツとジャケットが決まっているスーツスタイル!ただ、単純なスーツではなく柄や素材がユニークで、形はスーツなのに、全然かしこまった印象を受けないのが魅力的。パーティーやイベント、重要な時にしっかりとした身なりで着こなしたいという時は、このようなユニークなスーツスタイルだとお洒落です。目を惹くレッドの上下セット強烈なレッドがインパクト大の、こちらのコーデ。光沢のある素材なので、より輝いて見えます。ジャケットを落ち着いた色で組み合わせることで、トーンダウンして少し落ち着く印象。デニムはどんな素材や色にも合うので、この重ね着はとても参考になります。北欧らしい上下セット!私のおすすめがこちらのセット。一見パジャマのように見えてしまいそうなところを、サンダルやサングラスでお洒落に着こなしちゃうところが、さすがですよね。ユニークな柄と印象深い色がお洒落度をさらにアップしてくれます。日本ではあまり見かけないスタイルでもあるかもしれませんが、海外ではこのように上下セットを上手に着こなしています。特に夏から秋にかけては、テロンとした素材のセットが人気になるので、ぜひこれからの季節に挑戦してみてはいかがでしょうか。写真・文 平野秀美
2023年09月09日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第154回は、出会いを探すなかでライバルともなり得る恋活や婚活する女性同士でいるときに、かけられたくない言葉をご紹介します。1.「もうアラフォー?」【結婚引き寄せ隊】vol.154絶賛彼氏募集中ではあるものの、さまざまなことが重なり、おひとりさまでいる女性も少なくありません。そんな女性同士が集まると、あえて意地悪でなのか、それとも無意識か、なかにはちょっとマウントをとってしまうような女性も。せめて自分はうっかり言わないよう、絶対言われたくないNGワードをご紹介します。なんでも赤裸々に話せる間柄の親友ならば、それまでの関係性もあるため、少しくらいキツい言葉を言われてもすんなり受け止めることができます。ですが、さほど関係性が深くない相手や、出会いを探すなかで知り合った婚活友達などから言われると、大きなお世話ですよ、と言いたくなる言葉があります。まず1つ目は、「もうアラフォー?」などという、年齢にまつわる言葉です。その言葉の裏には、もう落ち着いていてもいい年齢なのにまだ出会いを探しているんだね、という思いが透けて見えることがあります。ただ単に深読みしているだけという可能性もありますが、そうではない場合、自分の年齢が若くても同年代でも、年齢のことを持ち出して何かを語るのは失礼なことですよね。婚活中でアラフォーのAさんは、飲み会で知り合った少し年下の女性から、「もうアラフォーなんですか?」と言われてムッとしたとか。「もう」という、なんだかちょっと手遅れのようなニュアンスで言われたことが、よくない意味で印象に残ったそうです。言葉って難しいものですね。2.「稼いでるもんね」続いては、婚活中にBさんが言われたという、「稼いでるもんね」という言葉。実際、彼女は大企業に勤めていて年収もそれなりにあるようですが、もちろん自分から自慢するようなことはありません。ですが、Bさんは婚活するなかで仲良くなった同世代の女性たちと飲んでいるときに、「なかなか良い相手が見つからないんだよね」とぽろりと口にすると、「稼いでるもんね。経済的には相手にお金がなくても困らないんだから、イケメンだったらOKぐらいな感じのほうがすぐ見つかるよ」というようなことを言われたそうです。それはなかなか婚活がうまくいかないため、もしかしたら励ましの言葉だったのかもしれないのですが、「稼いでいるからって、イケメンでもヒモはイヤだし」と思ったBさんはすかさず「私にも好みはあるから」とバッサリ。なにげなく口にした言葉でも、いつ言ったかによって、言われた側の印象も変わるようです。3.「理想が高いから…」最後は、「理想が高い」という言葉をよく言われるという、Cさん。接客業をしているCさんは、いつも身だしなみを整えている清潔感あふれる美人で、男性から言い寄られることも少なくないようです。でも、もともと恋愛にはあまり興味がないそうで、彼氏がいるときもあったものの、別れたあとはしばらくは悲しいけれど、ひとりの時間が充実していて楽しいそうです。仕事が忙しいこともあってか、気づいたらひとりでいる時間が長く、重い腰をやっとあげて出会いを探すようになったのですが、タイミングもあるのかピンとくる男性がいないのだとか。そんななかで、まわりからは恋愛に結びつかない理由を「理想が高いから…」と言われてしまうのです。相手に多くのものを求めているわけではないようですが、美人ゆえに相手がいないことを不思議がられて、“理想が高いから彼氏ができないんだろうな”と周囲に勝手に結論づけられることに、「私の何を知っていてそう思うんだろう」とため息をつくCさんなのでした。同性からの発言は、ただのマウントになることもあれば、本当に参考になることもあります。なにげなく言った言葉で、相手の心にさざなみを立てないよう、円満な関係を築きたいものです。男女問わず、みなさんのすべての出会いが良いものでありますように。文・かわむらあみり©Flamingo Images/Adobe Stock文・かわむらあみり
2023年09月08日これまでさまざまな作品で描かれてきた歴史上の人物のひとりといえば、ナチス・ドイツの大物戦犯アドルフ・アイヒマン。その行いや逮捕劇などに関しては知られているものの、最期の日々についてはあまり語られてきませんでした。そこで今回ご紹介するのは、アイヒマンの遺体を巡る秘密の計画とそれに関わった人々の“真相”を描いた話題作です。『6月0日アイヒマンが処刑された日』【映画、ときどき私】 vol. 5991961年、ナチス・ドイツの戦争犯罪人であるアドルフ・アイヒマンに下されたのは死刑の判決。その知らせを告げるラジオに授業を中断して聞き入る先生と同級生たちを不思議そうに見つめていたのは、リビアから一家でイスラエルに移民してきたダヴィッドだった。ある日の放課後、ダヴィッドは父に連れられて、炉の掃除ができる少年を探していたゼブコ社長の鉄工所ヘと向かう。当初はヘブライ語が苦手な父のためにと熱心に働いていたダヴィッドだったが、居心地の悪い学校を抜け出し、いつしか鉄工所に入り浸るようになる。気さくな工員たちはダヴィッドを可愛がり、ゼブコも一目置いていた。そんななか、ゼブコの戦友で刑務官のハイムが小型焼却炉の設計図を片手に、極秘プロジェクトを持ち込んでくる。それがアイヒマンを燃やすためだと知ると、工員たちに動揺が広がるのだった…。死刑が廃止され、火葬が行われないはずのイスラエルで一体何が起きていたのかに迫っている本作。そこで、独自の視点から歴史を見つめ直したこちらの方にお話をうかがってきました。ジェイク・パルトロウ監督アメリカのロサンゼルス生まれで、ベラルーシ系ユダヤ人の父を持つジェイク監督。父は映画監督兼プロデューサーで母は俳優、さらに姉もハリウッドの実力派俳優グウィネス・パルトロウという芸術一家の出身です。今回は、アイヒマンの火葬をテーマにしようと思った理由や実在の人物から聞いた驚きのエピソード、そして日本の好きなところについても語っていただきました。―本作で描いている題材については、いつ頃から興味を持たれていたのでしょうか。監督第二次世界大戦とユダヤ人の歴史は、幼い頃から父とつながる“場所”であり、一緒に考えて議論を交わすテーマでもありました。毎年サンクスギビングの祝日には、BBC制作による第二次世界大戦のドキュメンタリーを観る習慣があったほどです。もともと父がこういった問題に関心が高く、家にもいろんな文献があったので、その影響は大きかったですね。ただ、誤解してほしくないのは、僕の個人的なアイデンティティや宗教的な義務感からこの作品を作ったわけではありません。誰かに恋をするのと同じように、あくまでもフィルムメーカーとしてこの題材に興味を持ち、面白いと思って作りました。―アイヒマンの火葬については、どういったきっかけで知りましたか?監督はっきりといつかは覚えていませんが、ドキュメンタリーや本のなかで知ったことだったと思います。アイヒマンは政治的な理由から火葬されることになりますが、もともとユダヤ教では火葬しないので、「一体何があったんだろう」と考えました。それと、当時は暗殺の可能性なども懸念して「アシュケナージ」と呼ばれる東ヨーロッパ系のユダヤ人を護衛に付けないといった配慮もされていたそうですが、そのあたりのディテールも興味深いなと。その2つの点が面白いと思いましたし、そこにストーリーがあると感じていたので、実際イスラエルに行って当時関わっていた方々にお話を聞くことにしました。これまで描かれていない話だと気が付いた―アイヒマンがどうやって火葬されていたかという事実については、おそらく知らない人のほうが多いと思います。監督僕自身もこの話は聞いたことがなかったし、取り組むにあたってこれまで描かれてもいなかったことに気が付きました。最初は、本作にも登場するホロコーストのサバイバーである板金工をメインにした物語にしようかと考えたのですが、リサーチをするなかで出会ったのがダヴィッド少年。現在の彼と直接会って話を聞いているうちに、興味をそそられるようになりました。ちなみに、彼は過去に自身の話を新聞社に持ち込んだことがあるそうですが、当時工場に働いていた人たちがその場に子どもがいたことを認めなかったため、取り上げてもらえなかったそうです。僕としてはこの映画を作りたい気持ちが強かったので、本当かどうかを重要視することなく、彼の話を信じることにしました。―リサーチのなかで、新たに知った事実や驚いたことはありましたか?監督まず、僕がこの物語に惹かれた理由の1つは、アイヒマンの火葬の計画がとてもカジュアルに話されていたこと。どういうことかというと、本来ならば、秘密警察の人たちが極秘のうちに進めるようなことですが、日中の明るいときに工場で「魚の骨が焼けるかどうか」みたいな話を例に出しながら、担当者同士が軽い感じで話しているんですよね。そういうところも含めて、面白いなと思いました。子どもたちがこの作品にエモーションを与えてくれた―ダヴィッドさん本人から聞いたお話のなかで、印象的なエピソードもあれば教えてください。監督彼の物語については、すべてが映画の通りではありませんが、彼は13歳のときから大人になるまでいろんな仕事をしてきたそうです。最終的にはコンピューター関連の仕事に就くのですが、それまでは僕も聞いたことがないような多種多様な仕事をしていたと聞いて驚きました。そのうえで少年時代の日常がどんなものだったのかを知るために、当時はどういう感情を抱いていたのか、子どもたちはどんなものを食べて、どんな遊びをしていたのか、といったことを深掘りしてこの作品のバックグラウンドを作っていきました。―そのダヴィッドを演じたノアム・オヴァディアくんは、素晴らしかったですね。ただ、演技経験のない11歳の子どもをメインキャラクターにするのは、ある意味大きなチャレンジだったのではないかなと。監督そうですね。特にこの作品にとっては、ダヴィッド役を演じられる少年を見つけられるかどうかが重要だったので、キャスティングディレクターにお願いして国内中を探してもらいました。そこでたくさんの動画を見ましたが、際立っていたのがノアム。何がよかったかというと、彼には役を演じるうえでの自然な資質があったのです。今回、本作に教師役で出演してもらったロテム・ケイナンさんは、イスラエルでは演技指導者としても有名なので、演技教室のようなものまで開いてもらいました。これはほかの子どもたちにも言えることですが、ノアムたちがこの作品にエモーションをもたらしてくれたと思っています。それなくしてこれだけ良質なものは作れなかったので、本当に感謝しています。観客が共感できるのは、本人よりも事件に関わった人たち―これまでアイヒマンを描いた作品は多数あるので、過去作とは違うアイヒマンの見せ方は本作でも大きなポイントだったと思います。そのあたりで意識されたことはありますか?監督実は、この作品ではアイヒマンの心理について掘り下げる意図は最初からまったくありませんでした。個人的にあまり興味をそそられるキャラクターではなかったですし、そこに触れてもいまさら何かの解決になるわけでも、意義深い話になるわけでもありませんからね。しかも、それに関しては過去の作品で描き切っていると考えています。それよりも僕としては、アイヒマンが影響を及ぼした人たちのほうに関心を抱いていました。何か大きな事件を題材にするときは、その本人よりも、そこに関わっている人たちを描いたほうが観客もより共感できるものです。今回は、当時まだ若かったイスラエルという国の人々にどんな影響を与えていたのかをフィクションを交えて見せたいと考えました。日本の好きなところを語り出したらきりがない―まもなく公開を迎える日本に対しては、どのような印象をお持ちですか?監督すごく前に一度だけ行ったことがありますが、また訪れたいなとずっと思っています。日本文化の好きなところを語り出したらきりがないですが、まずはやはり映画ですね。自分のなかでも、小津安二郎監督、成瀬巳喜男監督、小林正樹監督、黒澤明監督は基盤となっています。特に、小津監督の『晩春』ほど傑出した作品はないのではないかと感じているほど。僕の10歳になる娘も、原節子さんの大ファンです。原さんはすでに引退されていましたが、亡くなる前に彼女を短編で撮れたらいいなと夢のまた夢として思い描いていたこともあったので、それを娘に見せられたらよかったですね。いつか小津監督のお墓にも行ってみたいですが、大好きな日本映画が作られた場所をいろいろと巡ってみたいなと思っています。―それでは最後に、観客に向けてメッセージをお願いします。監督本作のことが好きか嫌いとかいうのではなく、描かれるテーマについて、誰かと何か話をしたくなる作品になったと思います。多くの方に作品との繋がりを感じてもらえればうれしいです。激動の時代に、歴史が動いた舞台裏を知る!歴史的事件の知られざる裏側に切り込み、観る者に新たな視点を与えてくれる本作。語られてこなかった真実を目撃するだけでなく、名もなき人々の思いに触れることもできる必見作です。取材、文・志村昌美気になる予告編はこちら!作品情報『6月0日アイヒマンが処刑された日』9月8日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開配給:東京テアトル️(C) THE OVEN FILM PRODUCTION LIMITED PARTERNSHIP
2023年09月07日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第153回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その52をお届けします。1.妙に同調する男【結婚引き寄せ隊】vol.153それは30代が中心の婚活パーティに参加したときのこと。いつものように自己紹介から始まり、短い時間に、次から次へと「はじめまして〜!」とあいさつしながら、おしゃべりしていました。何度目かの席移動が終わったところで、シャツの襟をピシーッと立てている男性が目の前へ。最初は名前を言い合うぐらいなので気づかなかったのですが、この男性、ちょっと会話が進むだけで、なんだかムズムズとした違和感が。「趣味は何?」とタメ口で聞いてきて、「音楽鑑賞と…(まだ話している私)」と少し応えただけで、「だと思った!」とこちらの会話にかぶせて、妙に同調してくるのです。男性は、その後もこちらが何か言うたびに、「だと思った!」と言ってきました。はじめは、なんとなく“だと思われる”というのは、つまりは“そんな感じがする”とか“わかるよ〜”というような、こちらの発言を肯定する感じなのかなと思いきや、実は真逆。最後のほうでまた「趣味は?」と聞いてきて、こいつは完全に人の話を聞いていないな。合いの手を入れるようなノリで「だと思った!」とかぶせる、勢いだけの男か。と、数分で悟りました。まだ婚活パーティは序盤だったものの、妙な男性の妙な圧に疲れてしまい、けっきょくこの日も空振りに終わったのでした。もしかして、エナジーバンパイア系の男性だったのかもしれません。くわばらくわばら…。2.間違った男気を見せる男それは20代から40代の男女が参加する、婚活飲み会に参加したときのこと。多様なタイプや世代が集まっていましたが、みんなシングルということもあって、話は自然とそれぞれの仕事や恋愛話になりました。各自が職場のグチや元カレの話で盛り上がるなか、前に座っているギャル風の女性がとなりの男性にちょくちょく「すご〜い」と目をまるくしています。なんだろうと気になって聞いてみると、となりの男性は「営業職でトップの成績」だとのこと。さらに、そのギャル風女性がうっかりお酒をこぼしたら「大丈夫ですか!」とすかさず自分のハンカチで机をふいていて…。「男気あるんですね」などと褒めるギャル女性の「男気」という言葉に反応し、男性も満面笑顔です。そうか、今日はこのふたりがうまいこといくんだろうと思い、その後トイレに行くと、扉の前でバッタリ“男気男性”に遭遇。すると、サッと女子トイレのドアを開けて、「どうぞ」とニッコリ微笑む男性…。えー!女子トイレのドアを微笑みながら開ける男性って、怖いんですけど!!この人、もしかして、間違った“男気”を披露しているのかもしれない…。ゾッとしながらも、急いで女子トイレに逃げ込んだのでした。3.とにかく同棲男それは婚活サイトで出会いを探していたときのこと。そこのプロフィールは自己紹介文のほか、すぐに結婚したいか。もうちょっとおたがいを知ってから結婚したいか。といった、その時点での自分の“結婚したい度”もわかるようになっていました。すぐにでも結婚したかったため、同じように考える男性がいいだろうと探した結果、人柄がよさそうな30代の男性とやりとりするように。実際に会うまでは、「将来こんな家庭がいいと思うんですよね」などと、結婚願望を言っていた男性でしたが…。いざふたりで会ってお茶をしてみたら、「とにかく一緒に住まないと相手のことはわかりませんよね?」と言ってくるので、結婚願望が強い人なのかと思っていたら、「僕はまず同棲したいんです」と、語気を強めて言ってきて…。過去の恋愛についてもさりげなく聞いてみたら、なんと何か月か同棲しては別れてを繰り返している、同棲常習犯だったのです。なんだかなァと一気にテンションが下がり、以降は連絡を絶ったのですが、「とにかく同棲」なんてしていたら、どんどん歳を取るだけだと疲弊したのでした。さまざまな出会いを探していると、予想もしないことがあるものです。でもきっと、どこかに運命の相手はいます。みなさんの恋愛がうまくいきますように!文・かわむらあみり©kapinon/adobe stock文・かわむらあみり
2023年09月06日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はパーティにぴったりなド派手スタイルをスナップしてきました。上下セットアップが今期も人気!こちら、コペンハーゲンで人気の『STINE GOYA』の派手目な上下を上手に着こなしています。なかなか難しいセットスタイルですが、パーティなどでは人気ファッション。トレンディで明るいカラーが、よりお洒落に目を惹きます。カラーで注目を奪う!こちら、どちらも素敵ですが、特に右のオレンジスタイルは、どこにいても目を奪われてしまうインパクト大なカラー!しかもシューズやバッグまで全身オレンジを上手に着こなしているのがすごいですよね!やっぱりワンピーススタイル!こちらは、柄とカラーがとっても魅力的なドレスを、カジュアル目に着こなしたスタイル。海外ではドレスにスニーカーは比較的主流ではありますが、こちらのドレスは黒のパンプスでも似合います。一見派手に見えるドレスですが、合わせやすいカラーですよね。シルバーのミニバッグもお洒落!ピンクが大人っぽく見える!スタイリッシュなハイネックワンピースが、お揃いの淡いピンクカラーのコートに上手にマッチしています。アウターの素材がさらに上品さを引き立てていますね。通常ピンクは可愛いという印象が強いですが、こちらはブラックとの組み合わせで、より上品で大人っぽく見せることができています。誰よりもキラキラと!パーティでは思い切ってひときわ目立つファッションを楽しみたい!という方には、こちらのようなキラキラしたタイプもおすすめ。どこからみてもパーティドレスとわかる存在感が魅力的です。おしゃれのポイントは、パンプスやクラッチの色をドレスと合わせているところ。パーティはどれだけ派手に着こなしても足りないくらい、お洒落して出かけたいですよね!あまりない機会なので、悩みがちではありますが、ぜひ上記を参考にしてみてください。写真・文 平野秀美
2023年09月03日ON/OFF両用できるテーパードパンツ。誰しもが一本は持っている定番アイテムですが、そういうアイテムこそ着こなしがマンネリ化しやすいものです。とくに汎用性の高いトップスを組み合わせると、一気に野暮ったく見えてしまうので要注意...!そこで今回は、こんな着こなしをやめたら洗練見えできた!テーパードパンツの通勤、休日コーデをそれぞれご紹介します。タックブラウスを卒業!テーパードパンツの通勤コーデ通勤時のテーパードパンツコーデでもっともよく見かけるのは、とろみ素材のタックブラウスを合わせた着こなし。もちろん変ではありませんが、コーデが洗練されている...というよりは無難な着こなしの域を出ません。ハズレのない守りのコーデではありながら、これだけだとオシャレな着こなしから遠くなってしまうので、タックブラウスは今日から卒業を。代わりに取り入れたいのは、ドレープの美しいブラウス。身頃の中心で生地がたるんでヒダができたデザインのものを「ドレープ」と言います。服地をたっぷり使っているので見た目にも高級感と上品さを得られ、通勤コーデにも遜色ありません。今の時期はノースリーブトップスがおすすめですが、肌の露出を抑えるなら半袖・フレンチスリーブのドレープトップスを採用して。バッグ、靴にはレザーやエナメルなど程よい光沢のあるものを選ぶと洗練さアップ!カーディガン、フツーに着るのを卒業!テーパードパンツの休日コーデテーパードパンツをデイリーに使用したい時、多くの方が合わせがちなのがカーディガンです。カーディガンもテーパードパンツ同様にON/OFFどちらにも対応できるので、確かに組み合わせとしてもおかしくはありません。ですが、無難なアイテムに無難なアイテムを掛け合わせてしまうと、厳しいですがコーデ全体を通してみたときに「無難な人」という印象にしかなり得ません。カーディガンは一緒に取り入れても良いのですが普通に着るのではなく、斜めがけして“着崩す”というテクニックを採用してみてはいかがでしょうか。インナーはカジュアルなTシャツで絶妙に砕けた印象を与えるのがおすすめです。とはいえ、Tシャツの素材やシルエット選びには気をつけて。薄い素材、ヨレたシルエットのTシャツはもちろんNGですよ!また、バッグや靴は通勤コーデではできないトレンド感のあるアイテムを投入すると、オシャレなデイリーコーデに早変わり!とくにテーパードパンツはもとよりきちんとした印象があるので、キレイめなサンダルと合わせて、素足をチラ見せ。肌面積を増やすことで抜け感が生まれます。小物合わせも洗練見えに大きく影響されるテーパードパンツをはじめとした定番と言われるアイテムはネガティブに言い換えると「無難な服」になります。そのため、定番服同士でコーデを完成させるとどうしても野暮ったい印象に。その領域からほんの少しランクアップして周りと差のつく着こなしを目指したいと思ったら、ぜひ今回ご紹介したようなアイテムの取り入れ方に注意をしてみてくださいね。このほか、トレンドの小物をプラスするだけでも印象はガラリと変化します。ぜひ、小物合わせにも意識を置いてみましょう。イラスト・文 角 佑宇子
2023年09月02日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は海外で見つけた淡い色、パステルカラーやペールカラーをベースにした可愛らしいスタイルをご紹介します。ピンクベースが優しい雰囲気に個性的なオーバーサイズのワンピースに同色のシャツをセットインした個性的なスタイル。センス抜群な個性的な重ね着を、淡いピンクが柔らかな雰囲気にしてくれています。ふんわりワンピースとの相性抜群可愛らしい淡いイエローが目を惹く、ふんわりしたワンピース。ピンクのスニーカーとの相性も抜群!可愛すぎない大人っぽい上品なワンピーススタイルに仕上がっています。デートやちょっとしたお出掛けにぴったり!個性爆発!カラーで魅せる淡いパステルカラーを大胆に組み合わせたカジュアルスタイル。暑い夏にぴったりの涼しげな雰囲気が、まだまだ暑い日本の夏にもぴったり!インナーやサンダルはあえてブラックで統一して引き締めて、落ち着かせる部分はしっかりポイントで押さえています。参考になります!ピンクがお洒落なセットスタイル1960年代を感じさせる雰囲気あるデザインに、ピンクの柄が可愛らしいセットスタイル。パールジュエリーを合わせて完璧なスタイルを作っています。キルト風のズボンとジャケットが、よりアンティークな雰囲気を楽しませてくれてます。ホワイトとピンクを上手に組み合わせて今すぐ真似できそうなお洒落スタイル。なかなか使いにくそうなシルキーの淡いピンクスカートに、雰囲気の異なるカジュアルなデニムを持ってくることによって、普段使いできるスカートスタイルに。オーバーサイズのデニムジャケットは、どんなファッションにも合わせやすいので、ひとつ持っていると重宝しますよ!いかがでしたでしょうか?海外では比較的カラフルな色を見かけることが多いのですが、こうして淡いカラーも上手に着こなしているのを見ると、どんなスタイルも上手に着こなすファッショニスタに圧巻です。今後も参考になるスタイルをアップしていきたいと思います。写真・文 平野秀美
2023年09月02日東京都現代美術館で、5人の作家による展覧会「あ、共感とかじゃなくて。」が開かれています。ユニークなタイトルですが、いったいどんな展覧会なのでしょう?作家さんたちのお話を聴いてきましたので、レポートします!共感しなくてもいい展覧会「あ、共感とかじゃなくて。」展示室入り口※本記事の写真はプレス内覧会で許可を得て撮影しています。【女子的アートナビ】vol. 310東京都現代美術館では、例年夏休みの子どもたちに向けてさまざまな展覧会を開催しています。現在開かれている「あ、共感とかじゃなくて。」は、少し大きくなった子どもたちを対象にした企画。東京都現代美術館学芸員の八巻香澄さんは、本展の趣旨について次のように教えてくれました。八巻さん友だちや家族との関係に息苦しさを感じはじめている子どもたちに向けて、共感しなくてもいいんだよ、あなたの気持ちを大事にしていいんだよ、という想いをこめて作った展覧会です。大人のみなさんも、ご覧になって元気になっていただけたらと思います。答えが見つからない作品有川滋男さん本展は、5人の作家による展覧会です。お一人ずつ、ご自分の作品について解説してくれましたので、ご紹介していきます。まずは、映像作家の有川滋男さん。有川さんの展示コーナーでは、おもに映像作品を見ることができます。例えば、《ディープリバー》という作品では、何かの仕事をする女性たちの様子が流れていますが、何をしているのか、映像を見続けていてもよく理解できません。今回の作品について、有川さんは次のように説明されています。有川さん今回の展示は、「架空の仕事シリーズ」から出しています。この名前のとおり、実際にはありえない、非現実的、非合理的な職業や仕事、そこで働く人に関する作品で、映像を最初から最後まで見ても、どんな仕事なのか、なんの目的なのか、どんな人が働いているのか、わからないようになっています。私は、目の前にある作品を人々がどう見るか、どう解釈して、どう捉えるかに興味関心があります。見る人によって捉えかたは千差万別。見る人の社会的背景、年収、言葉、性別、宗教、見るときの気分によっても見方は変わります。自分がもつ固定観念により判断し、答えを出そうとするはずです。私の作品では、「答えが見つからない・判断できない・解釈しづらい」という状態で見続けてもらうことを促しています。想像力を働かせてもらえるような作品を目指して制作しています。コロナ禍で情報が加速度的に錯綜し、ステレオタイプで判断し、偏見をもって物事をとらえることも増えてきました。それを回避するためには想像力が必要不可欠です。この展示で、想像力を喚起できればうれしいです。巨人伝説に魅了され…山本麻紀子さん次にご紹介するのは、アーティストの山本麻紀子さん。落とし物をひろうのが得意という山本さんは、巨人の落とし物の大きな歯をつくったり、植物を染料として絵を描いたりされています。靴を脱いで入ることができる展示室で、山本さんが作品について語ってくれました。山本さんこの展示室の空間は、アトリエのある滋賀県の家を再現しています。私のなかには、「巨人・落とし物・植物」という3つのテーマがあります。巨人というのは、2012年から巨人伝説に魅了され、それから私は巨人を追いかけています。また、ふだん活動しているのは、京都駅のすぐ近くにある被差別の歴史をもつ地域です。そこのコミュニティに入り、外国籍の方なども含めた地域の方々と関わり、そのなかで感じたり思ったりしていることなどを作品にしています。そこでは植物にも出合えて、観察したり描いたりしています。展示室の空気感、モノとモノの関係性など、何かしら感じていただけたらうれしいです。美術館に来られる人は特権性がある渡辺篤さん(アイムヒア プロジェクト)の作品《Your moon》2021年続いての展示室では、かなり暗い空間に作品が展示されています。現代美術家で「アイムヒア プロジェクト」を主宰している渡辺篤さんが、作品について解説してくれました。渡辺さん私のキャリアは特徴的で、足掛け3年引きこもりして、そこから社会復帰しました。今回の展示室では、実際に引きこもりをしている人たちが自身の部屋を撮影した作品や、コロナ禍のときに開始した、同じ月を見て写真を撮るプロジェクトの作品などを紹介しています。月の写真は、引きこもりに限らず、「孤立を感じている人々」という条件で参加者を募集して、国内外さまざまな方にスマホにつける望遠鏡を送り、写真を撮ってもらいました。約50名のメンバーたちが日々送ってくれた写真をライトボックスにして展示しています。私がいくつかのプロジェクトをとおして大事にしているのは、美術館に来られる人と作品を共有し、喜びを分かち合い、楽しむということ。そして、ここにいない人のことを常に忘れないこと。ここに来られる人は、特権性があります。コロナを通じて私たちが知ったのは、ここに来られない人、出られない人がいるということ。コロナが終わっても、引きこもりや障害をもっていて、ずっと出られない人もいます。その人たちがいる同じ社会で我々は生きているということを、この場所で、作品を通して一緒に考えてもらえたらと思っています。教科書カフェ武田力さん次の展示室では、演出家で民俗芸能アーカイバーの武田力さんの作品を見ることができます。武田さんの作品は、《朽木古屋六斎念仏踊り継承プロジェクト》と、《教科書カフェ》の二つ。武田さん日本の集落には、何百年も前から伝わる芸能があります。お盆の時期、集落に帰ってくる祖霊たちに向けた儀式として行われている民俗芸能などですが、地域の人口が年々減少して継承が難しくなり、どうやって継いでいくことができるのか、というのが問題になっています。なんとか、この芸能を継承してほしいということで、ぼくらアーティストに声がかかりました。会場では、2016年に継承が復活したときの映像を流しています。また、《教科書カフェ》という移動図書館のような車には、戦後から平成までの小学校のときの教科書が置いてあります。寄贈いただいたもので、名前が書いてあったりもします。実際に教科書を手にとって、ここに座って読んでみてください。ぼくも、毎日ではないですが、ときどきここに来ていますので、みなさんと交流できたらと思っています。壁を鑑賞!?中島伽耶子さんの作品《we are talking through the yellow wall》展示風景最後は、アーティストの中島伽耶子(なかしまかやこ)さんの作品《we are talking through the yellow wall》。黄色い大きな壁が、明るい部屋と暗い部屋を隔てています。中島さんこの壁は石の壁を突き抜けて、隣の小さな展示室を明るい部屋と暗い部屋に分断しています。この壁を鑑賞してみてください。壁や境界、こちら側と向こう側の違いというのは、目には見えなくても人と人がコミュニケーションする時には必ず存在しています。また、すれ違いや意識のずれなどもあります。それを実際に壁を立てることで表そうとしています。展示室にあるリアルな壁にはスイッチや穴があり、壁の向こう側を想像できます。誰かいそうな感じがして、こちらのリアクションが相手に伝わるような、クリアではないけど向こう側を意識できる状態を作品にしてみました。でも、壁のこちら側と向こう側で受けとれる情報が違うことを体感できると思います。11月5日まで開催不思議な映像を見たり、巨人の落とし物を触ったり、月の写真や昔の教科書、壁を眺めたりと、ひとつの展覧会でさまざまな体験ができます。共感も理解も求められていないので、気楽に楽しめると思いますが、私の場合、全体を見終わったあと、何かいつもと違う部分の感覚が刺激を受け、フシギな感覚に陥りました。何回か足を運んでみたくなる、そんな展覧会です。本展は11月5日まで開催。Information会 期:~11月5日(日)会 場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)休 館 日:月曜日(7/17、9/18、10/9は開館)、7/18、9/19、10/10観覧料:一般¥1,300大学・専門学生・65歳以上¥900中高生¥500小学生以下無料
2023年09月01日幅広い層から人気を誇り、シリーズ累計発行部数55万部を超える汐見夏衛のベストセラー小説「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」。“純度100%”とも言われるラブストーリーがついに実写化され、話題を呼んでいます。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。酒井麻衣監督 & 箭内夢菜さん【映画、ときどき私】 vol. 598マスクが手放せず、周囲の空気ばかり読んでしまう「優等生」の女子高生・茜と、自由奔放で学校でも人気者の青磁を中心に描いている本作。映画『劇場版 美しい彼~eternal~』やなにわ男子『初心LOVE(うぶらぶ)』のMVなどを手掛け、気鋭のクリエイターとして注目を集めている酒井麻衣監督(写真・左)が監督と脚本を務めています。そして、主人公・茜の親友である沙耶香を演じているのが、ドラマ『チアダン』や『だが、情熱はある』などの話題作に出演が続いている箭内さん(右)です。今回は、おふたりに現場での様子や作品を通して気づいたいまの心境、そして最近ときめいたことなどについて語っていただきました。―原作は女性から絶大な人気を誇っていますが、おふたりはどこに魅力を感じていますか?箭内さん茜はマスクをしていないと安心できない子ですが、そういう繊細な人はたくさんいると思うので、そこが共感を呼んでいるのかなと。共感というのは、心の支えにもなりますからね。私は先に拝見させていただきましたが、映像が本当にキレイで、泣けてきました。青磁くんの絵も素敵なので、たくさんの魅力が詰まっている作品だと思います。監督人の顔色をうかがったり、気を遣ったりして、何も言えなくなるのは大人になるにつれて多くなってくることだと思うので、そのあたりが描かれているのが魅力だと感じています。言いたいことを言いたいときにどうしたらいいのかという気持ちに寄り添った映画になっているといいなと思っています。あとは、箭内さんが言ってくださったように、キレイなものをみると心に響くものがあると思うので、ぜひそういうところも観ていただきたいです。自分に自信を持つことが大事だと感じている―マスクを手放せない茜に自分を重ねる人は多いと思いますが、実際にマスク着用が自由になったいま、ご自身の心境にも変化はありましたか?箭内さん最初はマスクが苦しくて嫌だったんですけど、いざ外していいと言われたら、マスクをしていたほうが安心できていた自分がいることに気がつきました。それはつまり自分を閉ざしている部分があるからでもあるので、いまは自分に自信を持つことが大事だと感じているところです。監督この作品を映画化すると決まったときに、実は原作にあるマスクの設定を生かすか生かさないかという議論が最初にあったんです。私としてはそのままにしたいと伝えました。実際、マスクがお守りみたいな存在になっている子たちもいるので、映画にするうえでもそこは否定したくないなと。その部分は、真摯に繊細に描くように意識しました。―なるほど。ちなみに、茜のマスクのようにおふたりにもなくてはならないアイテムがあれば教えてください。箭内さんやっぱり携帯ですね(笑)。監督わかります!箭内さん私は中学生で初めてガラケー、高校生でスマホデビューなので、そんなに早くから持っていたわけではないのですが、いまではないと何もできなくなってしまいました…。特に、東京ではスマホがないとどこにも行けません。完全に依存していますね。充電が切れたりしたら、大変です!監督私も同じくスマホです。というのも、いつも寝る前に何かしらの動画を見ながらじゃないと寝られなくなってしまったので…。スマホで音楽を聴いたり、小説を読んだりする場合もありますけど、本当に便利ですよね。私もないと不安です。箭内さんから純度の高い気持ちが伝わってきた―大半の読者が共感していると思います。では、現場での様子についておうかがいしますが、監督は演出をする際に「どうしたらご自身が俳優たちの着火装置になれるか」を考えているとか。そんななか、監督が心を動かされたシーンはありましたか?監督それはつねにあった気がしています。今回は青春映画ということもあって、「まっすぐな気持ちって本当に素敵!」という瞬間がいっぱいありました。たとえば、箭内さん演じる沙耶香が茜と仲直りするシーンでは、友達を思うからこその雑味のない純度の高い気持ちが伝わってきました。「友達っていいよね」という言葉はよく聞きますが、それを改めて体感できたと思います。―監督から箭内さんに、具体的な指示などもされていたのでしょうか。監督箭内さんとは、ドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』のオーディションで出逢っていて、そのときから本当に素敵な女優さんだなと思っていたので今回もお願いしました。箭内さんは脚本を読み込む力がすごくありますし、人物の感情をしっかりと繊細に自分のなかに落とし込める方。だからこそ、心からにじみ出るお芝居に胸を打たれます。ご一緒するのは2度目ですが、「お任せしても大丈夫」という信頼感があったので、特にリクエストすることもありませんでした。そういった安心感は役の人物像にも通じていたと思います。白岩さんは、カリスマ性があるけど親近感もある人―箭内さんから見た酒井監督の現場ならではの光景や思い出に残っていることなどがあれば、お聞かせください。箭内さん任せてくださっていたという言葉を聞いて、すごくうれしいです。でも、それができたのは、監督が演じる側の近くにいてくださったおかげだと思います。というのも、酒井監督の現場では自分が想像していた役のイメージ通りでいられるので、すごく演じやすい環境。部屋の雰囲気ひとつとっても言えることですが、映像に映るものすべてにこだわっていますし、どんな小さなことも見逃さないので、そういうところがすごいなと感じています。―本作で主演を務めた青磁役の白岩瑠姫さんについてもお聞きしたいのですが、監督から見てどのような印象でしたか?監督私は白岩さんについては、「儚くて強い」と言う言葉で表現していますが、あとは本当に優しい方だなと思いました。実際、みんなのことをいつも優しいまなざしで見てましたからね。あとは、現場のムードを上げなければいけないときには、おちゃらけて盛り上げてくれるので、カリスマ性もあると感じました。箭内さん私も今回が初めてでしたが、会った瞬間にオーラを感じたので、本当に青磁くんみたいだなというのが第一印象でした。あと、クラスみんなで踊るダンスシーンでは、撮影の待ち時間にご自身が所属されているJO1のダンスを披露してくださったこともありましたね。そのおかげで場が和んで盛り上がったので、アイドル感はありつつも親近感があり、かわいらしさとさわやかさも持ち合わせている魅力的な方だと思いました。仲良しのりんくまの新しい表情が見られた―劇中と同じく、まさにクラスの人気者を地で行くタイプですね。監督サービス精神があるんでしょうね。いま話していたダンスシーンの撮影では、見ている人たちの反応を撮るときに、わざわざ踊ってくださっていたほどです。本来は俳優たちの表現力だけでも撮ることもできますし、カメラに映っていないので踊らなくても大丈夫なのに、それを全力で踊るんですよ。私としては、「まだ撮影あるから休んでてください!」と心配になってしまいました(笑)。―映画初主演ながら、座長としてみなさんをしっかりと引っ張っていたんですね。また、茜を演じられた久間田琳加さんもとても素敵でした。箭内さん私は雑誌『Seventeen』で一緒にモデルをしていたこともあり、今回の現場でもたくさん話をしました。普段は「りんくま」と呼んでいるほど仲良くしているのですが、茜として不安を感じていたり、恋していたり、喜んでいたりする姿を見て、見たことのない新しい表情を見ることができたと思います。りんくまはつねに笑顔でかわいらしいので、茜にぴったりだなと感じました。誰かが好きな人に対して向けるまなざしを見るのが好き―本作では大人でも思わずときめいてしまうようなシーンがいくつもありましたが、最近おふたりがときめいた瞬間といえば?箭内さん少し種類が違いますが、最近は動物の赤ちゃんの動画をずっと見ています。ついにSNSのオススメにもそれしか出てこなくなりました(笑)。癒されますし、いつまでも見ていられます。監督この前、実写版の『リトル・マーメイド』を映画館で観ましたが、ときめいたのはやっぱりエリック王子です(笑)。私が好きなのはエリック王子がアリエルを見つめるまなざし。それを見るだけで「君のことを愛している」という気持ちが伝わってきますから。それが自分に向けられなくてもいいので、誰かが好きな人に対して向けるまなざしを見つめるのが好きです。―そういう部分は、本作でも生かされたのではないかなと。監督そうですね。今回は特に、茜の目の描き方にこだわりました。たとえば、青磁に会う前や部屋でリップを塗っているとき、沙耶香から「好きなの?」と聞かれたときなど、甘酸っぱい恋をしているときの目をしてもらっています。疲れて家に帰りたくないときは、映画館に寄ってほしい―それでは、最後にananweb読者に向けてメッセージをお願いします。箭内さんこの作品では茜に共感できる方が多いと思いますが、それだけではなくて茜を思う家族のシーンもすごく素敵で私は大好きです。学生の方はもちろんですが、青春映画を観る機会があまりない大人の方でも楽しんでいただけると思います。母娘で観に行くというのもいいなと思うので、ぜひ劇場でご覧ください。監督私は1日の生活をするだけでも大変なので、洗濯や掃除、人によっては子育てをしながら仕事をしているみなさんは本当にすごいと思っています。ただ、そのなかで落ち込むときもありますし、気にしすぎてモヤモヤすることもあるのではと思っています。そういう気持ちはまさに茜や青磁の感情と近いと思うので、ボロボロになって寄り道をしたくなったときも、そうではないときも映画館に寄って観ていただきたいです。インタビューを終えてみて…。和気あいあいとした撮影にはじまり、終始楽しそうにお話をする酒井監督と箭内さん。その様子からも、現場でいかにいい関係だったのかが垣間見ることができました。「絶対に映画館で観てほしい!」と繰り返しお話されていましたが、スクリーンでしか味わえない体験があるはずなので、おふたりの言葉通り劇場での鑑賞をオススメします。代わり映えのしない日常が色づきはじめる!相手を想うピュアな気持ちと自分の本心を解き放つ大切さを思い出させてくれる本作。珠玉のストーリーを見事に再現した吸い込まれるような美しい映像にも、爽やかな感動と癒しをもらえる1本です。写真・園山友基(酒井麻衣、箭内夢菜)取材、文・志村昌美箭内夢菜 ヘアメイク・エムズアップ 伊藤遥香スタイリスト・髙橋美咲(Sadalsuud)ワンピース(オルタデザインズ/株式会社オルタデザインズ TEL:03-6383-3782)、ジャケット(JUN OKAMOTO TEL:03-6455-3466)、アクセサリーすべて(ブランイリス/ブランイリス トーキョー TEL:03-6434-0210)ストーリーマスクが手放せず、周囲の空気ばかり読んでしまう「優等生」の茜。いっぽう、絵を描くことを愛する銀髪のクラスメイト・青磁は、自由奔放に過ごしていた。茜は何もかもが自分とは正反対の青磁のことが苦手だったが、 彼が描く絵とまっすぐな性格に惹かれはじめる。そして、次第に茜の世界はカラフルに色づいていくのだった。そんななか、徐々に距離を縮めていくふたりの過去が重なりあい、誰にも言えなかった想いがあふれ出す…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』9月1日(金)より全国ロードショー出演:白岩瑠姫(JO1)久間田琳加箭内夢菜吉田ウーロン太今井隆文/上杉柊平鶴田真由監督:酒井麻衣原作:汐見夏衛「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」(スターツ出版 刊)脚本:イ・ナウォン酒井麻衣音楽:横山克濱田菜月主題歌:JO1「Gradation」(LAPONE Entertainment)製作:『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会制作プロダクション:C&Iエンタテインメント、アスミック・エース配給:アスミック・エース(C)2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会写真・園山友基(酒井麻衣、箭内夢菜)
2023年08月31日女性の活躍や権利のために、世界中で巻き起こっているさまざまなムーブメント。そんな動きが盛んななかで誕生したのは、各国の女性を主人公にした7つのショートストーリーで構成された映画『私たちの声』です。そこで、ジェニファー・ハドソンやカーラ・デルヴィーニュといった豪華なキャスト陣が揃う本プロジェクトで、日本代表を務めたこちらの方々にお話をうかがってきました。呉美保監督 & 杏さん【映画、ときどき私】 vol. 597アメリカ、イタリア、インドなどさまざまな国を舞台に描いた作品が並ぶなか、日本のパートを託されたのは国内外で評価の高い呉監督。そして、2人の子どもを育てながら働くシングルマザーを描いた短編『私の一週間』で主演に指名されたのは、本作で世界デビューを果たした杏さんです。今回は、仕事と育児の両立で意識していることやジェンダーギャップを改善する難しさなどについて語っていただきました。―まずは、本作の主人公に杏さんを起用された理由から教えてください。監督子を持つ母親を描くにあたって、杏さんは実際に3人のお子さんがいらっしゃいますし、大変な育児をしながら仕事をされている姿を見て、「どうやって両立しているんだろう?」と以前から気になっていたんです。しかも、テレビ番組などで「完璧にはできていません」みたいな等身大の発言もされていたので、面識がない頃からいつかお話を聞いてみたいなと。そんなふうに考えていたときに、今回のテーマとちょうど一致したので、「いまだ!」と思ってオファーさせていただきました。育児ではあらゆる可能性を想定している―杏さんは、監督に対してどういった印象をお持ちでしたか?杏さんすごくパワフルで、描きたいことに対する情熱がすごくある方だと思いました。淡々とした口調ではありますが、そのなかにしっかりとした意志があるので、熱く語り合うことができる方です。いまでは、ママ友としての交流もあるので、とてもいい出会いになりました。―本作で一緒にお仕事をされるなかで、監督が抱いていた育児と仕事の両立に関する悩みは解消される部分もあったのでしょうか。監督子育ても仕事も段取りが大切だと思いますが、杏さんはそれを淡々と効率よくこなしている方だと感じました。そして、子どもとの時間や仕事だけでなく、自分の趣味など、さまざまなことに取り組むタフさも持っている。といっても、おそらくそれは本人がしたいからそうしているだけで、ものすごくがんばっているわけでもない。そういうところに憧れますし、私も同じようにいろんなことにチャレンジしたいなと思っています。―実際、杏さんは両立をするうえで意識されていることはありますか?杏さん考えすぎてガチガチになってしまうのはよくないですが、あらゆる可能性を想定しておくようにしています。つねにプランBやプランCを持つようにしたり、突然なくなることもあるからイベントごとを楽しみにし過ぎないようにしたり、といった感じです。自分の気持ちこそが、日本におけるジェンダーギャップ―なるほど。とはいえ、育児では予想を超えたことが起きることもあると思いますが、劇中で“あるサプライズ”をしてくれる子どもたちのようにご自身のお子さんたちに驚かされることもあるのでは?杏さんたまに手紙を急にくれたり、笑顔の絵を描いてくれたりすることはあります。しかも、そのなかに「大好き」と書いてあったりするので、そういうのはやっぱりうれしいですね。―監督にとっては8年ぶりの新作となりますが、出産を経験したあとにこの企画で復帰を決めた理由についてお聞かせください。監督2021年の3月頃に、プロデューサーから「ジェンダーギャップをテーマに短編映画を作ってみませんか?」と声をかけていただいたのがきっかけでした。ただ、そのときは上の子が5歳で下の子が0歳という時期だったので、最初は時間も体力も余裕がないなと。でも、「自分はもう一生映画は撮れないのではないか…」と毎日モヤモヤした思いを抱えて過ごしていたときでもあったので、話を聞いて私のこの気持ちこそがまさに日本におけるジェンダーギャップのひとつだと気がついたんです。そこで、「いまここで動かなければ、私は二度と映画は撮れない」と自分に言い聞かせて、お受けすることにしました。いまの夢は現場にいいサイクルを確立すること―現在、日本の映画界では出産をした女性の離職率が高いことが問題視されていて、監督と同じような思いを抱えている女性は多いと思います。監督そうですね。実際、私も本当の意味で復帰できたとは思っていません。今回は短編だからできましたが、もし私が出産前と同じサイクルに戻して長編を作ろうとしたら、育児をしながらでは不可能。ほかにも映画業界で働く仲間たちに話を聞くと、子どもを産んだあとに現役でバリバリ働けている人はほとんどいません。―映画業界は代表的な例ですが、ほかの業界でもまだまだ働く女性の置かれている立場は厳しい状態と言わざるを得ないかもしれません。監督もちろん、ベビーシッターさんに預けたりすればできるとは思います。でも、そういうことではなく、ちゃんと子どもとの時間を持ちながら仕事ができてはじめて、自分の場合は復帰できたと言えるのかなと考えています。そのためには、予算のことなど課題はたくさんありますが、次に新作を撮るときにはいいサイクルを確立するのが夢です。それが実現すれば、子どもを持つ人だけでなく、現場にいるみんなが自分の時間を持てるようになるので、そういう環境を作りたいと思っています。母親の焦燥感や孤独を客観的に見つめることは大事―ただ、2023年のジェンダーギャップ指数で、日本は146か国中125位という過去最低の結果で、先進国のなかでも最下位という厳しい状況です。おふたりも、改善したほうがいいと感じることはありますか?杏さん育児に関して言うと、ここまで見過ごされてしまう理由のひとつは、ときが経つとみんな育児から卒業してしまうので、当事者が声を上げ続ける難しさがあると感じています。大変な時期を過ぎると、「もう楽になったから…」となりますよね。監督しかも、思い出って美化されますから(笑)。杏さんそうなんですよ。「私はできてたよ!」みたいになることもあるくらいですからね。でも、本当につらい人は声を上げる時間も余裕もなく、負のスパイラルに陥っているのが現実だと思います。―まさに、劇中で描かれている母親の姿と重なりますね。杏さん本作では育児をしている人の焦燥感や孤独みたいなものを淡々と描いていますが、そういう姿を客観的に見つめることは大切だと感じました。かといって、この作品では育児に関する問題提起をしたり、大変さを声高に訴えたりすることはありません。逆に、そういうメッセージは入れ込まないようにしようと監督と話していたくらいでした。そういった部分も、これまであまり受けてこなかった直球の母親役を今回は演じたいと思った理由かなと。そこから何を受け取るかは、観る方に選択の余地があるようになっているので、男女問わずいろんな世代の人に観ていただきたいです。もっと作品や中身を見てもらえる映画制作者になりたい―そのあたりは興味深いところですね。ちなみに、杏さんは現在フランスで育児をされていますが、日本とはどんな違いを感じていますか?杏さん社会全体が子どもに合わせることに対して、疑問に思っていない国だなと思います。日本だと、子どもがいることで謝らなければいけない状況が多いですからね…。そういう価値観の違いを感じているところです。―育児以外にも、ジェンダーギャップや女性ならではの苦労をした経験があれば教えてください。監督「女性監督として大変だったことはありますか?」とよく聞かれるんですが、私の場合はあまりそれが思い浮かばないんですよね。といっても、私は女性であることに加えて在日韓国籍でもあるので、いろんな偏見の対象とされることが多いですが、監督になってからの15年間ですごく大変だったことは特にありません。むしろ、それが個性となって逆に覚えてもらえたところはあるかなと。ただ、それも裏を返せば「覚えてもらえてラッキー」としている自分がいるので、そういうところを手放さないとこれ以上の成長はできないと考えるようになりました。もっと作品や中身をしっかりと見てもらえるような映画制作者になりたいと思っています。休みも遊びも“必要な仕事”としてとらえていい―それでは最後に、ananweb読者に向けてアドバイスがあればお願いします。杏さん映画はもちろん、小説や漫画でも言えることですが、エンターテインメントを通していろんな人生に触れられると、そこで救いになる何かと出会えることがあります。そういった時間を積み重ねていくことで、新たな気づきや癒しを得られると思うので、行き詰ったときはそんなふうに楽しむようにしてください。私は、休みも遊びも“必要な仕事”としてとらえてもいいと考えているほどです。監督生きているといろんな感情に出くわすと思いますが、それはつまり「生きている証拠」なのかなと。つらいときにはその瞬間だけで考えてしまいがちですが、点でとらえないことも必要です。しんどくなったら、杏さんがおっしゃっているように休むのも大事ですし、何かを手放してみたり、点で考えずに「生きているんだな」と感じていけたらいいですね。インタビューを終えてみて…。ご自身の経験に基づいていることもあり、言葉に力強さと説得力のある呉監督と杏さん。そんなふうに共鳴し合っているおふたりだからこそ、現代を生きる女性たちのリアルに迫る作品を生み出せたのもうなずけます。今後も、おふたりのタッグが見られるのを楽しみにしたいところです。どんな小さな声でも、世界を変える力がある実話からアニメーションまで、さまざまなジャンルで女性たちが抱える葛藤や立ちはだかる困難を描いている本作。どんな局面にも、勇敢に立ち向かおうとする女性たちの姿は、言葉や文化の違いを飛び越えて共感を呼び、観る者の心を大きく揺さぶるはずです。写真・園山友基(呉美保、杏)取材、文・志村昌美杏 ヘアメイク・犬木愛(agee)スタイリスト・杉本学子(WHITNEY)ブラウス¥29,700、パンツ¥24,200(ともにLE PHIL)、ネックレス¥25,300(SASKIA DIEZ)リング¥37,400(GABRIELA ARTIGAS)、ピアス¥12,000(MOUNIR)/すべてLE PHIL NEWoMan 新宿店 TEL:03-6380-1960ストーリー「映画、芸術、メディアを通して女性を勇気づける」をスローガンとして掲げる非営利映画製作会社<We Do It Together>協力のもと、世界の映画界で活躍する女性監督と女優が集結して紡ぎ出したのは、女性を主人公にした7つの物語。幼い娘のために重度の薬物中毒を克服しようとリハビリに取り組む女性や、コロナ禍に若い女性のホームレスを救い出そうとする女医、毎日多忙なルーティンをこなしながら2人の子どもを育てているシングルマザーなど。さまざまな状況に置かれた女性たちが、力強く生きて行く様子が描かれている。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『私たちの声』9月1日(金)新宿ピカデリーほか 全国ロードショー配給:ショウゲート(C)2022 ILBE SpA. All Rights Reserved.(C)WOWOW写真・園山友基(呉美保、杏)
2023年08月30日静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で「あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―」が開かれています。本展では、静嘉堂文庫美術館が所蔵する仏教美術の名品を一挙に公開。冥界や地獄の様子などを描いた作品が展示されています。“あの世”に行く前に、ぜひ見ておきたい展覧会をご紹介!「地獄の十王」をイッキ見!「あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―」展示室入り口※本記事の写真はプレス内覧会で許可を得て撮影しています。【女子的アートナビ】vol. 309「あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―」では、静嘉堂文庫美術館が所蔵するコレクションのなかから、仏教美術の名品を紹介。「十王図・二使者図」と「地蔵菩薩十王図」全13幅を一挙に展示するほか、江戸絵画の人気作品や円山応挙の《江口君図》、おなじみの国宝《曜変天目(稲葉天目)》も出品。重要文化財や重要美術品なども含まれた、見ごたえある展覧会です。企画を担当された静嘉堂文庫美術館学芸員の吉田恵理さんは、次のように解説してくれました。吉田さん当館が所蔵する仏画は、質が高く珍しい作品があるのが特徴です。静嘉堂の創設者・岩﨑彌之助は、明治時代、廃仏毀釈などによる文化財の海外流出や、散逸を憂い、仏教美術も集めていました。中国や朝鮮半島、そして日本の仏画もコレクションに含まれています。本展では、今回はじめて十王図をまとめて展示しましたので、ぜひ味わってみてください。意外に楽しい!?冥界ツアー河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》より「田鶴の臨終」明治2年(1869)では、各展示室の見どころをいくつかご紹介。第一章「極楽浄土への招待」では、中国、朝鮮半島、日本のさまざまな仏画などを展示。ここでの見どころは、河鍋暁斎の作品《地獄極楽めぐり図》のうち「田鶴の臨終」です。この作品は、日本橋の小間物問屋である勝田五兵衛の娘・田鶴を供養するため、暁斎が描いたもの。勝田は暁斎のパトロンでした。展示されている場面は、14歳で亡くなった田鶴を、阿弥陀三尊が迎えにきたところ。この後、田鶴は地蔵や弘法大師をお供にして冥界ツアーに出かけます。地獄を見物したり、閻魔大王と宴会したりとさまざまな場面が登場。作品の隣に複製が置いてあるので、暁斎が描いた冥界ツアーを自分の手でめくりながら楽しめます。石臼で砕かれる残酷場面も…!「あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―」展示風景第二章「地獄の十王ここにあり」では、本展のハイライトである十王図が勢ぞろい!十王とは、人が亡くなったあとに行く冥界にいる裁判官のこと。亡くなった人は、冥界の十王によって現世の罪を裁かれ、その後どこに行くのか、何に生まれ変わるのかが決まります。有名な閻魔大王も十王のひとりです。「十王図」の見どころについて、吉田さんは次のように解説してくれました。吉田さん十王図では、王が堂々と大きく配置され、手前には、裁きを受ける亡くなった人が描かれています。亡くなった人が、少しでも良い場所に行けるよう、縁者が王に仏像や掛け軸などを持参する様子もたくさん描かれています。功徳を積んでください、とアピールをする意味も含まれていると思います。また、石臼で砕かれる人を描いた残酷な場面もあり、細かく見ていくと非常におもしろい作品です。応挙の大人気作品が登場!「あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―」展示風景第三章「昇天した遊女―円山応挙筆『江口君図』の謎に迫る」では、重要文化財の「普賢菩薩像」と、円山応挙の「江口君図」を並べて展示。さらに、応挙型の幽霊を写した「幽霊図」や、重要文化財の「西行物語」、さらに国宝の「建窯 曜変天目(稲葉天目)」も同室にあり、貴重な作品が集まるゴージャスな展示空間になっています。応挙の《江口君図》は、遊女・江口君の亡霊を普賢菩薩に見立てて描いた作品です。吉田さん描かれている江口君は、遊女の面影もありますが、普賢菩薩でもあり、幽霊画であるとも考えられ、いくつもの意味がこめられています。本展では、極楽世界から展示がはじまります。冥界のなかの「あの世」をぜひ探検してみてください。会期は9月24日まで!この展覧会は、9月24日まで開催。功徳を積めば地獄行きを免れるなど、将来、役に立つコトも作品から学べるかもしれません。ぜひ、美術館で“あの世”を探検してみてください。Information会 期:~9月 24 日(日)会 場:静嘉堂@丸の内開館時間:10:00~17:00 ※金曜は 18:00 閉館。※入館は閉館時間の 30 分前まで休 館 日:月曜日、9 月 19 日(火) ※9 月 18 日(月・祝)は開館観覧料:一般¥1,500大学・高校生¥1,000中学生以下無料
2023年08月30日気になる話題の映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第8回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりがお届けします。【テレビっ子の窓】vol. 8夏はアウトドアでのアクティビティに出かけた方もいるかもしれませんが、ちょっとひと息つきたいときや、おうちでリラックスしながら、いま話題のドラマや映画をじっくり鑑賞するのもオススメです。今回は、いま話題の最新ドラマと映画を3作ご紹介します。爽快ゾンビコメディ『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』Netflixにて独占配信中。©️麻生羽呂・高田康太郎・小学館/ROBOT小学館「月刊サンデーGX」連載中の麻生羽呂原作、高田康太郎作画による同名コミックを、赤楚衛二主演で実写化した爽快ゾンビコメディのNetflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』。ブラック企業に勤める天道輝(てんどうあきら/赤楚衛二)は、上司からのいびりと連日の残業で憔悴していたある朝、突然ゾンビであふれる街を見て「もう、今日から会社に行かなくてもいいんじゃね!?やったー!」と、歓喜。Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』Netflixにて独占配信中。©️麻生羽呂・高田康太郎・小学館/ROBOTその後、憧れの先輩までゾンビ化し、ゾンビになるぐらいならやりたいことをしようと一大決心。「ゾンビになるまでにしたいこと」リストを作り、絶体絶命の状況のなか、ひとつずつ夢を実現して人生を謳歌するアキラの運命とは?ゾンビ化するというネガティブな状況下で、逆にいきいきとポジティブに活動するアキラの姿に、スリルと笑いと勇気をもらえるはずです!復讐ミステリー「御手洗家、炎上する」Netflixシリーズ「御手洗家、炎上する」Netflixにて独占配信中。Netflixの週間グローバルトップ10(テレビ・非英語部門)に3週連続ランクインし、世界から注目されたNetflixシリーズ「御手洗家、炎上する」。藤沢もやしの同名コミックを原作に、病院を経営する裕福な御手洗家が全焼するという、不幸な炎上事件からすべてが始まる復讐サスペンスです。Netflixシリーズ「御手洗家、炎上する」Netflixにて独占配信中。炎上事件から13年後、家事代行業の村田杏子(永野芽郁)は、新規顧客となる御手洗家へ。美しくも凄味のある御手洗家の後妻、真希子(鈴木京香)が出迎え、無事に採用されて働くことになった杏子。でも、彼女が御手洗家に潜入したのには、ある目的があって…。過去の謎が解き明かされ、すべてが白日の下に晒されたとき、驚愕の事実が! ハラハラする展開に息をのむはず。純愛ラブストーリー『SEE HEAR LOVE見えなくても聞こえなくても愛してる』『SEE HEAR LOVE見えなくても聞こえなくても愛してる』 Prime Videoにて独占配信中。©2023「SHL」partnersウェブ漫画家NASTY CATの『見えなくても聞こえなくても愛してる』を原作に、韓国映画『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督が実写映画化した純愛ラブストーリー『SEE HEAR LOVE見えなくても聞こえなくても愛してる』。漫画に心血を注ぐ漫画家の泉本真治(山下智久)は、ある日、自分の作品が映画化されると聞き、アシスタントの中村沙織(山本舞香)と喜んでいました。『SEE HEAR LOVE見えなくても聞こえなくても愛してる』 Prime Videoにて独占配信中。©2023「SHL」partnersしかし、その喜びも束の間、次第に視力を失い、連載漫画も休載。一緒に暮らす祖母(夏木マリ)の面倒も見られないなか、衝動的にある行動を取り、真治の漫画のファンで、耳が聞こえない相田響(新木優子)に助けられ、不思議な共同生活を始めることに…。真治と響が貫く純愛に胸を揺さぶられます。一風変わったゾンビコメディから純愛物語まで、この機会に、気になった作品をぜひチェックしてみてくださいね。きっと時間を忘れて見入ってしまう、あなたにマッチする作品があるはずです。文・かわむらあみり文・かわむらあみり
2023年08月29日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第152回は、彼の浮気が発覚した女性のお話をお届けします。1.サプライズで彼の家に行くと女がいた【結婚引き寄せ隊】vol. 152せっかく恋人ができても、相手がみんな誠実な人ばかりだとは限りません。なかには、彼がコッソリ浮気していることも…。そんな不届き者の行為に彼女が気づくのは、どういうパターンがあるのでしょうか。今回、これまで見聞きしたなかで印象的だったり多かったりしたパターンをご紹介します。同い年の彼と付き合っていた20代のAさんは、なかなかの美人。彼も整った顔立ちで、美男美女のカップルとして有名でした。そんなふたりが付き合って1年ほど経った頃のこと。もともとサプライズ好きな彼女は、とくにデートの約束をしていなかった日曜日の昼下がり、急に思い立って「何してるかな?」と、あえて連絡を入れずに彼の家に出向いたのです。ピーンポーン。アパートの玄関のベルが勢いよくなりましたが、彼は出てきません。そっとドアに耳をあてたAさんは、彼の部屋の中からガサゴソとする音が聞こえたそうです。思わず、もう一度ベルを押し、ピーンポーンと鳴らすと、慌てた様子で彼が出てきましたが…。連絡しなかったが来てしまったことを話すと、アタフタしながら「急に来られても困るし、今日は無理」と言って、なぜか玄関のドアを少ししか開けない彼の様子に、通常とは違う状態だとピンと来たというAさん。玄関にさえ入れない、部屋の様子がわからないようにチェーンをかけたままドアをちょっとだけ開けるなど、あまりにも不自然な彼の様子に、「部屋に女がいる」と察知。Aさんは、浮気を疑って彼の家にアポ無し訪問したわけではなかったものの、思い返せば「なんとなく虫の知らせがあった気がする」とか。あとからわかったのは、やはり彼は最近知り合った女性と彼女との二股をかけていたということ。バレないように二股していた彼だったけれど、いつもはしない彼女の行動で一気に最終局面に突入したのでした。何も問題ないふたりならそのまま家に行っても受け入れるワケですし、問題があるなら何かしら発見するワケで、いつもと明らかに異なる彼の様子をチェックしておくべし!2.共通の友人から聞かされた30代のBさんは、少し年下の彼と付き合い始めて、数か月。ワイルドで精悍な彼は、恋も仕事も精力的で、知り合ったときから惹かれていたBさんの気持ちを知ってか知らずか、彼のほうからがんがんアプローチされて付き合ったのだとか。仕事を通して出会ったふたりは、共通の知り合いも多かったものの、まだ付き合っていることをオープンにはしていなかったそうです。そんなある日のこと、彼の行きつけのバーに「連れていきたい」と言われたそうで、もしかしてそこでやっと付き合っていることをお披露目するのかと思っていたというBさん。もともと引っ込み思案で、あまり夜の街に繰り出すこともなかった彼女でしたが、ウキウキしながら洋服選びをしたそうです。そして夜。彼とレストランで食事をしたあと、行きつけのバーに連れていかれた彼女。慣れた様子で「どうも!」と店に入る彼に続いて、彼に促されてバーカウンターに座ると、あちこちで彼の顔見知りと思われる男性にチラチラと見られるBさん。突然、髭面の男性が横に座り、「あいつと一緒に来たの?彼女いるよ」と半笑いで言われたそうで…。頭がパニックになったBさんは、急に恥ずかしさとみじめさでいっぱいになって店を飛び出したそうです。それから彼と音信不通にしたというBさんでしたが、結局のところ、それまでの彼女と乗り換えようとしていた時期だったのか、逆に遊ばれただけだったのか、考えたくもないそう。でも、ワイルド系の彼のようにパワーがありあまっている男性の場合、ほかの女性関係はクリーンなのか?本気で自分のことを思っているのか?という点は少なくともチェックしておきたいところだと言えます。3.自分でもなんとなく気づいている30代半ばのCさんは、同世代の彼と出会ったばかり。大人の恋ということもあって、最初から結婚観についても話す機会があるなど、落ち着いた恋愛がスタートしたと思っていたのですが…。デート中だというのに、ときどき彼がコソコソと携帯電話を見ていたり、誰かと電話していたりすることがあったそうです。せっかくふたりで一緒にいる時間だというのに、誰からの連絡なのかと問うと、「仕事の電話だよ」と言う彼。もともと彼が多忙だということはわかっていたCさんなので、はじめのうちは素直にその言葉を信じていたCさん。ですが、休みの日にまで頻繁に連絡があるなんてなんだろうなと、次第に浮気を疑いはじめたCさんは、あるときストレートに「もしかして他に女がいるんじゃないの?」と切り込むと、しばらく無言が続いた後に観念したようにうなずいたのだそう。いや、そこは隠し通すか、すぐにバレるような行動を取るなよ、と思ったCさん。でも、結婚を考えると「時間がない」と浮気男をバッサリと切ったのでした。この元カレのように単純なタイプだと、怪しい行動をチェックするに越したことはありません。もしも不実に気づいたら、今すぐその恋を捨てて、新しい恋を考えるのも手です。たとえ恋人同士になったとしても、不誠実な男性なら、サッサと捨ててしまいましょう。そして本当に自分を愛してくれる男性と素敵な恋をしてくださいね。文・かわむらあみり©YuriF/Getty Images文・かわむらあみり
2023年08月27日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は先週コペンハーゲンで行われたファッションウィークで、北欧ならではの夏ファッションをピックアップ。今回は北欧サマーファッションをクローズアップいたします。大胆さを忘れないかっこよさ二人とも夏らしく肌を露出する部分は出しながらも、比較的寒い夏の北欧らしく、ジャケットやブーツなどを愛用しています。確か、この日の気温は8月でも18度前後だったと思うので、けっこう寒いかも!?大人クールファッション夏らしく、そして清潔感もありかっこいいスタイル。ベストをトップスとして着ている、こちらも大胆なファッション。長めのベストに長めのパンツが、より大人っぽく見せてくれているようです。見せるブラトップを上手に愛用やはり寒いこの日も、トレンチコートは人気のジャケット。しかし、やはり8月はまだ夏ということで、上手にブラトップを愛用しながら、寒い夏を楽しんでいるようです。寒い夏はジャケット必須こちらも、大胆でいて寒い夏にぴったりなスタイル。日本と違って、今年の北欧はかなり寒い夏なので、どこへ行くにもジャケットは必須。日本の場合もクーラーの効き過ぎでジャケットやカーディガンが必須かもしれませんね。ヘソ出しルックがなんともキュート!上下お揃いのスーツスタイルだけど、ヘソ出しすることで、夏らしさも出て可愛い!全体的に淡い色で統一している点も、夏らしくて魅力的!ただし、やはり寒い北欧の夏には、長袖がベストですね。日本と北欧の夏はだいぶ違いますが、寒くても夏らしさを忘れないファッションには共感がもてそう。参考になる点があれば幸いです!写真・文 平野秀美
2023年08月27日袖ありのトップスに比べて肉感が目立ちやすく、アイテム選びに困ってしまうのがノースリーブトップス。「肌を露出させたくないから、ノースリーブは絶対に着ない!」と、決めている方も少なくないほどです。ですが、もしかするとそう決めつけるのはもったいないことかも...!というのも、ご自身の体型・骨格に合ったデザインを選べばオシャレに可愛く着こなせるからです。そこで今回は、肩幅・首の長さで選ぶ、ノースリーブトップスの着こなし方についてご紹介します。肩幅広めさんが似合うノースリーブトップス肩幅が広い方にとってNGとされるノースリーブトップスはキャミソールのようにストラップが細く、襟ぐりが大きく開いたデザイン。鎖骨・肩のラインが目立つほどに露出されているデザインは避けるようにすると良いでしょう。では、似合うデザインはどのようなものか。それはまた首の長さによっても変わります。首が短く、肩幅が広い方はカウルネックといわれる襟にドレープが入ったデザインのトップスがおすすめ。ドレープが大きく取られていると肩幅と首の短さへの視線が分散されます。反対に首が長い肩幅広めさんは、アメリカンスリーブトップスがおすすめ。アメリカンスリーブは、首のつけ根から脇下に向かって斜めにカットされた袖ぐりのことを指します。本来、肩幅が広い方には似合いにくいとされていますが、首が長い肩幅広めさんにとっては逆に首から肩のラインが美しく表現されるのでおすすめのアイテムとなります。なで肩さんに似合うノースリーブトップスなで肩さんは、肩の丸みが目立つと肉感が出やすいので、シンプルなデザインほど注意が必要です。例えば至って普通のストラップ幅でラウンドネックのタンクトップなど。合わないわけではありませんが、肉感が強くなるので実際よりも太って見えやすくなります。なので肩まわりを立体的に見せてくれるデザイン性のあるストラップや胸元が隠れているタイプのほうがより似合いやすいですね。首が短めのなで肩さんは、鎖骨は適度に露出させつつもだらしなく見えないスクエアネックのノースリーブトップスがおすすめです。また、ストラップはやや太め幅、タックやギャザーの入ったデザインだと肩の落ち感をカバーできます。首が長めの方は首から鎖骨、肩の起点にかけてが間延びして見えやすいです。そのため、胸元を隠すハイネックタイプのノースリーブトップスで露出を抑えると頼りない印象がなくなります。真夏で暑苦しさを感じる場合はシアー素材のノースリーブトップスを採用してもOK。ネックライン、ストラップのデザインに注目ノースリーブトップスといっても、そのデザインは非常にバリエーションが豊富です。二の腕の太さも、身につけるノースリーブトップスのネックラインやストラップの幅感によっては気にならなくなるケースもあります。ぜひ、今回ご紹介したポイントを参考に、自分に似合うノースリーブトップスを探してみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年08月27日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は先日コペンハーゲンで行われたファッションウィークで、ファッショニスタがどんなブランドバッグを愛用しているかチェックしてみようと思います。FENDIのロゴが大胆!大きめの革バッグに書かれたFENDIのロゴバッグ。ちょっぴりビジネスマンを思わせてくれるスマートでクールな彼女のスタイルにぴったりなハンドバッグ。目を惹く大胆なバッグは、荷物が多い人にもおすすめ。やっぱりどこでも見かけるLOEWE!ミニチュアサイズのロエベバッグは、ファッションにぴったりなカーキ色で。携帯やリップグロスなど、必要最低限なもの以外は持ち歩かない派にはぴったりの、最近人気のサイズ。可愛いLOEWEのショルダーバッグ一瞬でロエベと変わるデザインに、可愛らしいカラーが目を奪う!デートなどにぴったりの、手ぶら好きにおすすめのショルダーバッグ。シンプルで使いやすいPRADAプラダの三角ブランドロゴの付いた、真っ白なハンドバッグ。スタイリッシュで彼女の服装にぴったり。定番の形なので、どんなシーンにも使える優秀バッグです。個性的なJW Andersonハンドバッグユニークな形と色が大人気のJW Andersonのマイクロ バンパー ハンドバッグ。丸いフォルムが印象的で、フォーマルな印象よりカジュアルな服装に似合いそうなデザイン。人と異なるものが好きな方に愛されています。DIORは世界中で愛されているディオールのバッグは数多く発売されていますが、やっぱり荷物が多い女性には、こちらのようなしっかりと荷物が入るタイプのバッグがおすすめ。ディオールのチャームがとっても可愛い!海外で人気爆発!BOYYバッグBOYYのバッグは数多く見てきましたが、こんなミニチュアバッグは初めてというほど、可愛らしくファッション小物として使えそうなバッグ。荷物はほとんど入らないと思いますが、ファッションの一部として楽しめそう!王道!LOUIS VUITTONのバッグ日本でも知らない人がいないほど大人気のルイヴィトン。なかでもスピーディは数十年にわたって人気ですよね。荷物も入るし持っていても可愛いし!さらにこちらのバッグは目を惹く可愛いチェリーがたくさん。普通のヴィトンではないものをお探しの方にはぴったりのバッグです。今回は、コペンハーゲンのインフルエンサーやファッショニスタが愛用しているハイブランドバッグをご紹介しました。比較的日本と似たブランドが好きなんですね!写真・文 平野秀美
2023年08月26日真夏シーズンから秋口まで長く活躍できるカットソーワンピース。動きやすくて、お手入れも簡単。何より一枚でコーディネイトが完結する手軽さが魅力ですよね。しかし、そのいっぽうで着こなしがワンパターン化、カジュアル過ぎて上品さが損なわれるというデメリットも...。そこで今回はカットソーワンピースに“コレ“をプラスすれば一気にオシャレ見えする!カットソーワンピの格上げコーデテクニックをご紹介します。“メッシュニット”をプラス!秋対応の上品コーデ形のキレイなノースリーブのカットソーワンピースは、ファストファッションで気軽に手に入るアイテム。とはいえ、どんなにシルエットが美しくても一枚で着ると、どうにもパジャマみたいな印象が拭えません。その原因はカットソーワンピースの“素材”です。使用している素材がパジャマや部屋着に使われるような生地だと、デザインのシンプルさも相まってオシャレ要素がなくなってしまうのです。そこでプラスしたいのが編み目の粗いメッシュニット。素肌が透けて見えれば夏に重ね着をしてもそんなに暑苦しい印象にはなりません。メッシュ素材という複雑なデザインがカットソーワンピースに加わることで、コーデ全体に程よい厚みと立体感が生まれて、ただのワンピースからオシャレなワンピースに仕上がるのです。晩夏を迎えるこれからの時期に取り入れる場合は、オールブラックもしくはオールホワイトなど季節を問わないモノトーンで配色構成を。すると、宵が深まる秋の季節まで楽しめます。“ジレ”をプラス!体型カバーにも役立つ夏コーデに半袖、Iラインシルエットのカットソーワンピースをお持ちの方は、ジレをプラスすると一気にコーデが格上げされます。ジレはミドル丈、ややオーバーサイズのものを合わせるとコーデが今っぽいシルエットに。トレンドを意識するならツイード(もしくはサマーツイード)素材のジレを取り入れると手っ取り早く旬なオシャレコーデが完成!カットソーワンピースは薄くて柔らかい素材なので、一枚で着るとのっぺりと間延びした印象になりやすいです。なので、メッシュニットと同じく、コーデに立体感が生まれるジレをプラスするとカットソーワンピースの野暮ったさが軽減されます。バケットハットや厚底サンダルなど、トレンドの夏小物を加えればより完成度の高い着こなしへと昇華されます。一枚だと単調に見える服こそ重ね着を楽しむ暑いからこそ一枚で着られるワンピースへの需要が高まるのはもっともです。しかし、やはり楽ちんさを追求し過ぎると、オシャレな着こなしからほど遠くなってしまいます。もちろん、猛暑日に重ね着は難しいかもしれませんが、カットソーワンピースでもオシャレさを損いたくない!そんな時は、今回ご紹介したようなアイテムをプラスしてみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年08月26日沢木耕太郎さんが手掛けた作品のなかでも、幅広い読者から人気の高い小説「春に散る」がついに映画化。ボクシングの世界で命をかけて再起を誓った2人の男を主人公に描いた本作は、リアルを追求した白熱のボクシングシーンが繰り広げられていることでも注目が集まっています。そこで、重要な役どころを託されたこちらの方にお話をうかがってきました。坂東龍汰さん【映画、ときどき私】 vol. 596ドラマ『王様に捧ぐ薬指』や映画『スパイの妻』など話題作への出演が続き、昨年には『フタリノセカイ』で映画初主演も果たした坂東さん。主演を務めた横浜流星さんにとって、最初のライバルとなるボクサーの大塚に抜擢され、見事に演じ切っています。今回は、激しいボクシングシーンの裏側や豪華共演者の方々とのエピソード、そして自身にとって最高のご褒美などについて語っていただきました。―脚本を読んで心が震えたそうですが、どういったところに魅力を感じましたか?坂東さん今回のオファーをいただく前に、『未来への10カウント』というボクシングを題材にしたドラマに出演していたことがあり、自分もボクシングの練習をしていたのでいろいろとリアルに想像してしまったのだと思います。しかも、本作でボクシング指導をされている松浦慎一郎さんと実際にプロの試合を何度か観に行く機会があったこともあり、戦っている方々が抱えている人生と重なるような感覚もありました。―横浜流星さんとのボクシングシーンについては脚本のト書きを読みながら、自分の演じ方次第ですごいシーンになると感じていたとか。それだけに相当プレッシャーもあったのではないかなと思うのですが。坂東さん求められているレベルが高いこともあって、確かに最初はプレッシャーのほうが大きかったかもしれないですね。しかも、僕がボクシングを始めたのは撮影に入る1年くらい前のこと。その状況で大塚という大事な役を任せていただけることが、最初は信じられませんでした。でも、そんなことを言っている暇があるなら、練習しようと。なるべくジムに通って、黙々とサンドバッグやパンチングボールを打つようにしていました。脚本にはとにかく細かく生々しく試合のシーンが描かれていましたが、それを松浦さんがどういうふうに組み立てていくのかを考えているうちにワクワクしていった感じです。ボクシングシーンは、みんなで一緒に作ることができた―松浦さんは坂東さんに対して「最初は1ラウンドももたなかったのに、陰ですごく努力しているのを感じた」とおっしゃっていますが、実際にどのような準備をされて挑みましたか?坂東さん多いときで週4日くらいジムに行き、長くて5~6時間は汗を流していました。でも、できないことができるようになるのが実感できるので、本当に楽しかったです。二重跳びも気がついたら100回もできるようになっていました。そんなふうに何も考えず、ひたすら取り組んでいました。そのうえで、たまに練習を見に来てくださった瀬々敬久監督からも的確なアドバイスをいただけたのはありがたかったです。「もっと何かに憑りつかれたように動いて」とか「顔が優しすぎる」とか。普段の練習では役と切り離していた部分がありましたが、練習の段階から大塚という役を自分のなかに落とし込んでいく作業がいかに大切かを知ることができました。―それほど入念な役作りがあったからこそ、真に迫る演技であったのもうなずけます。ボクシングシーンでは、どのくらい細かく動きは決められていたのでしょうか。坂東さん基本的には事前にすべて決められていますが、「アドリブ」とされた時間だけはお互いに好きなように動いています。ボクシングでは殴り合っている時間よりも、相手の感情を探っている時間のほうが意外と長かったりするので、僕たちを信用してくださっている松浦さんだからこそそういう時間を設けてくださったんだと思っています。そのほかは、かっこよく見える動きや得意な動きを松浦さんが組み込んでくださいましたが、みんなでとことん話し合い、意見を出し合ったので、一緒に作っている感覚は強かったかなと。あとは、流星くんとあうんの呼吸で動けていたような気がします。先輩方の現場でのメリハリはすごかった―そういう意味では、流星さんとコミュニケーションを普段からどのように取るかも大切だったかなと。共演してみて、印象に残っていることはありますか?坂東さん流星くんとはたくさん話をしましたが、とにかく優しいですし、周りがすごく見えていて引っ張っていく力がすごくある方だなという印象でした。あと、練習中に楽しんでいるときもありますが、ふと見たときにガチの格闘家の目をしているときもありましたね…。なので、実は流星くんとはスパーリングしたくないなと思っていました(笑)。おそらく流星くんが本気になったら、僕なんて足元にも及ばないですから。ただ、練習のときからそういう雰囲気をバシバシ出してくれていたからこそ、僕も「この人と互角に戦っているさまを映画として残さなきゃいけない」という気持ちになりました。流星くんの気迫を感じたり、集中した顔を見たりするだけで目標がしっかりと見える感覚はあったと思います。―坂東さんといえば、ほかの現場ではムードメーカーと呼ばれていることが多い印象ですが、本作では錚々たる先輩方が揃っているなかで、どのようにして現場では過ごされていましたか?坂東さん今回も僕は普段のまま、マイペースでいることができました。佐藤浩市さんや片岡鶴太郎さん、哀川翔さんなど、みなさんとても気さくでおもしろい方々で、撮影の合間も、みんなで輪になってお茶を飲みながら昔の話を聞かせてもらったりしました。本当に和気あいあいとしたなごやかな雰囲気でしたが、いざ本番になるとピリッとした空気感になるので、そのメリハリはすごかったです。30歳まではどんなことも果敢にトライしたい―本作では、どのキャラクターも闘志をむき出しに、自分のやりたいことへと情熱を燃やしている姿が映し出されていましたが、ご自身にもそういう瞬間はありますか?坂東さんやっぱりボクシングの試合を観に行ったときは、アドレナリンが半端じゃないくらい出ているので、気がついたら号泣していたことはよくありました(笑)。会場の歓声やリングの上にいる人に感情移入して、熱くなりすぎてしまうんでしょうね。―そんななか、20代も折り返しましたが、いまのうちにしたいことなどがあれば教えてください。坂東さん30歳という節目までに経験できることは逃さず、果敢にトライしていきたいなと思っています。自分がサボったらサボっただけ恥をかきますし、がんばったらがんばっただけ映像にも残りますから。いくつになってもいろんなことにがむしゃらに挑めるので、おもしろい職業だなと改めて思っています。いまは時代劇にもすごく興味があるので、殺陣や乗馬などにも挑戦して、幅広く活躍できる俳優になりたいと考えているところです。自然のなかにいると、心が満たされる―忙しい日々が続いていると思いますが、いま坂東さんが癒しを感じる瞬間といえば?坂東さんこの前、北海道の実家に1週間ほど帰省しましたが、「実家が北海道でよかったなぁ」と思いました。近くはないので、なかなか行けないというのはありますが、だからこそ行ったときの回復できる感じがすごくあるなと。そんなふうに、ゆっくり充電できる時間を過ごすためにがんばろうと思いますし、本当にいいリフレッシュになりました。―確かに、自然があったり、おいしい食べ物があったりするのはいいですよね。がんばっている自分に対して、ご褒美にしたこともあったのでは?坂東さん6000円くらいする海鮮丼を食べました。「めちゃくちゃ高い!」と思いましたが、そのぶんすごくおいしかったです。あとは、回転寿司に行ったり、星空の下でバーベキューをしたり、湖で泳いでみたり。北海道をかなり満喫しましたね。実家に住んでいた15年間では当たり前のことでしたが、北海道から離れて10年くらい経って久しぶりにするとこんなにも心が満たされるのかと感じました。別に東京が嫌いというわけではありませんが、自分は単純に自然が好きなんだなというのを再認識したところです。負けることも悪いことじゃない坂東さん僕もつねに悩んでいますし、壁にぶち当たることも多いですが、そういうときはみなさんもぜひ自然のなかに飛び込んだり、好きなものをたくさん食べたりしてリフレッシュしてください。そして、この作品を観ていただければ、「負けることも悪いことじゃない」と感じていただけると思っています。なので、うまくいかなくて落ち込んでいる人がいたら、ぜひ僕が演じる大塚から何かを受け取ってもらえたらうれしいです。インタビューを終えてみて…。とても気さくで、笑顔が似合う坂東さん。「おしゃべりをするのが好きだから聞き上手な女性にグッとくる」とも教えてくれましたが、終始楽しそうに話す姿に現場でも先輩たちから愛されている様子が目に浮かぶようでした。それだけに、普段のお茶目な坂東さんとはまったく別の表情を見せる渾身のボクシングシーンは必見です。戦いのゴングに胸が熱くなる!生きていれば挫折やどん底を味わうことはあるけれど、誰でもふたたび立ち上がることができると感じさせてくれる本作。人生という名のリングで最後まで戦うことの意味、そしていまを生きる尊さに、込み上げてくる思いを止められなくなるはずです。写真・園山友基(坂東龍汰)取材、文・志村昌美スタイリスト・李靖華ヘアメイク・原みさとジャケット¥73,700、パンツ¥37,400(ともにsuzuki takayuki TEL:03-6821-6701)、その他スタイリスト私物ストーリー40年ぶりに故郷に戻ってきた元ボクサーの広岡仁一。引退後はアメリカで興した事業で成功を収めたが、不完全燃焼の心を抱えて突然帰国したのだった。かつて所属したジムを訪れたのち、広岡はすっかり落ちぶれた二人の仲間に会いに行く。そんな広岡の前に現れたのは、不公平な判定負けに怒り、一度はボクシングをやめた黒木翔吾。広岡の指導を受けたいと懇願する黒木に広岡の姪である佳菜子も加わり、不思議な共同生活が始まる。やがて翔吾をチャンピオンにするという広岡の情熱は、夢を諦めた周りの人々を巻き込んでいく。果たして、それぞれが命がけで歩き出した新たな人生の行方は…。気持ちが高ぶる予告編はこちら!作品情報『春に散る』8月25日(金)全国ロードショー配給:ギャガ(C)2023映画『春に散る』製作委員会写真・園山友基(坂東龍汰)
2023年08月24日連日続く暑さによって心身ともに疲れがたまってくる時期ですが、そんなときにオススメの1本は、親子の愛に心が温まると話題の映画『高野豆腐店の春』です。今回は、現在公開中の注目作についてこちらの方々にお話をうかがってきました。藤竜也さん & 麻生久美子さん【映画、ときどき私】 vol. 595豆腐屋を舞台に描かれている本作で、職人気質の頑固な父・高野辰雄を演じる藤さんと、明るくて気立てのいい娘・春を演じている麻生さん。日本映画界に欠かせないおふたりが共演するのは、実に26年ぶりとなります。そこで、お互いに現場で感じていたことや役作りのこだわり、そして長年のキャリアにおけるそれぞれの転機などについて語っていただきました。―今回、藤さんは三原光尋監督からシナリオが送られてきた際、その2日後には監督のもとに届くように速達でお戻しされたほど出演を即決されたそうですね。藤さん三原監督とは三度目になりますが、20年ほどかけて3本も主演作を作ってくれるなんてありがたいことですし、お礼は早いほうがいいですから(笑)。最初はいつ撮れるかわからないということでしたが、それでも「待ちます」と伝えました。―麻生さんにとって、出演の決め手となったものは何ですか?麻生さんそれは、藤さんです。もちろん脚本もすごくおもしろかったですが、私はいつも誰とお仕事ができるかで選ばせていただいているので、今回は藤さんとご一緒できるからお受けしました。藤さんいやー、うれしいですね!麻生さんとは一緒にいるだけで呼応し合えた―藤さんも「麻生さんの演じる春だから心が動いた」とおっしゃっていますが、現場で麻生さんとのやりとりで忘れられない瞬間といえば?藤さんたくさんありますよ。やっぱり人には合う合わないがありますが、麻生さんとは一緒にいるだけで呼応し合うことができました。「娘がいたらこんな感じなんだろうな」と思ったくらいです。―26年ぶりの共演で、麻生さんは藤さんの背中から学ぶこともあったのではないでしょうか。麻生さん今回は、改めて「初めまして」の気持ちでご一緒させていただきましたが、藤さんがとにかくかっこよくて…。ご本人の前で言うのは恥ずかしいですが、それでいてとてもチャーミングな方でもあるんですよね。本当にすごい役者さんだと思いましたし、いろんな藤さんを見せていただきました。―本物の親子のような息の合ったやりとりが印象的でしたが、アドリブなどもありましたか?麻生さん基本は台本通りですが、ときには藤さんがご自身のアイディアやアドリブを入れていることもありました。藤さんたとえば、商店街を2人で歩いているシーンでは鼻歌を用意していきましたが、はじめは「どんぐりころころ」だったのを「ずいずいずっころばし」に変えてみたことも。自分でもなんでそうなったのかはわからないけど、何となくそれがいいかなと思ったんです。演じるなかで、辰雄が春といる時間をどれだけ大切にしているのかをひしひしと感じていました。麻生さん私は、そういうところもすごく好きでしたね。想像とは違った藤さんのお芝居が見られて楽しかった―親子の関係性を象徴する素敵なシーンですよね。藤さんは職人の役を演じるのがお好きということで、これまでにさまざまな職人を演じられてきましたが、本作の豆腐屋に関してはどのような準備をされましたか?藤さん今回はあまり時間がなかったので、ある豆腐屋のお店を借りてそこのお父さんに2日間ほど教えてもらいました。麻生さんそれだけで長年やっているような空気感を出せるのが、本当にすごいですよね。私もお豆腐屋さんで作業を見せていただきましたが、大きな鍋のかき混ぜ方やにがりを入れるタイミングなど、思っていた以上に大変だということがよくわかりました。―藤さんはいつも脚本にはないキャラクターの背景もご自身でかなり細かく考えられるそうですが、辰雄はどんな人物として分析されましたか?藤さん今回も、これまでと同じように役のプロファイリングを自分なりにしました。脚本には豆腐屋さんになる前に造船所で働いていたと書かれていましたが、そのほかに思い浮かんだのは、「この人はきっと橋の工事などをしていて、高いところで働いていたんだろうな」とか「小学校はここに通っていたかな」とか。若いときに奥さんとどんな話をしていたかまで想像してドキドキしていましたが、そんなふうに物語と関係ないことで遊ぶなかでいろいろと思いついてしまうんですよね。麻生さん本当にすごいことです。そういうお話を聞くと、私は何もしていないんじゃないかと思ってしまいますが、私が一番大事にしているのは脚本から何を感じ取るか。そのうえで、現場に行ったときに自分がどう感じるかを大切にしたいなといつも考えています。―そういう意味では、藤さんとご一緒されることで予想しない感情が出てくることもあったのでは?麻生さんはい、いっぱいありました。というのも、藤さんは私が想像していたお父ちゃんとは違うお芝居をされることが多かったので。でも、それがすごく魅力的だと感じました。思っていたよりも可愛かったり、怖かったりするので、楽しかったです。「春が来た!」と感じる瞬間とは?―本作のタイトルにある「春」は、親子2人に恋が訪れる意味の春であり、監督にとってはまた映画を撮るチャンスを得られたという意味の春でもあるそうですが、最近おふたりにとって「春が来た!」と感じるほどうれしかった出来事はありましたか?麻生さん6歳になった下の子が剣道をしていますが、3歳で始めた頃は体育館で寝転がっているだけでほとんど何もしていなかったのに、最近すっかり形になってきたので、いまはそれがとにかくうれしいです。「春が来た」と言えるほど大きなことではないかもしれないですが、もうすぐ試合もあるので感慨深いなと思って見ています。藤さん私は、毎朝起きるたびに春ですよ!ちゃんと目覚められるだけでありがたいです(笑)。―以前、ananwebでお話をおうかがいした際に、奥さまと寝る前に握手するのが習慣だとおっしゃっていましたが、それも続けていらっしゃいますか?藤さんコロナ禍前は握手でしたが、最近はグータッチになりました。麻生さんいいですね!―もともとは奥さまに触れたいというお気持ちから始められたそうですが、いまでは毎日しないと寝つきが悪くなってしまうほどだとか。藤さん年齢的に、翌日どちらかが目覚めない可能性もありますからね(笑)。なので、「おやすみ」と言ってグータッチをしています。―本当に奥さまを大切にしていらっしゃるのが伝わってきます。藤さん年を取ると自然とそうなりますよ。若いときはよそ見もしますが、そういう時間はもう終わりました(笑)。いまは、妻一筋です。麻生さんあはは!素敵すぎます。役者をやめたいと思ったことはない―今年は藤さんにとってデビューから60周年となりますが、これまでを振り返ってみて、苦しかった時期などもありましたか?藤さんやめたいと思ったことは、ありません。というのも、飽きちゃいけないと思って、あえてそんなにたくさん仕事してこなかったんですよ。―若いときから作品の数をご自身でコントロールするというのは、なかなかできないことだと思いますが…。藤さんあんまりやりすぎると、当たり前になってありがたみを感じられなくなってしまいますから。それに、そのほうがつねに新鮮なんですよ。待ちに待ってから脚本をもらうと、読むだけで「ありがたい!」と興奮してきます。麻生さんいま、すごくいいヒントをいただいた気がします!藤さんいやいや、そんなに仕事がこなかっただけですよ。それに、若いときは遊びやよそ見で忙しかったので…。麻生さん(笑)。『時効警察』で新しい世界があると知った―麻生さんもデビューから30周年が近づいてきましたが、これまでご自身が大切にしてきたことは?麻生さんもうそんなになるんですね。何十周年とか考えたことないですし、いままで自分が何本の作品に出たかもわかっていないくらいなんです。なので、気がついたらここまで来た感じではありますが、これからも1本1本大切にやっていきたいなとは思っています。―ここまで続けてこれた原動力になっていたものといえば?麻生さん実は、私は20代半ばにやめたいと思っていた時期がありました。それを乗り越えてのいまですが、そんなときにドラマ『時効警察』に出会って、「こんな新しい世界がまだあったのか!」と知ることができたのが大きかったなと。そこでお芝居の奥深さや難しさ、そしてワクワクする気持ちを改めて感じられたので、「自分の限界を勝手に決めてはいけない」と反省して、そこから改めてスタートした感じです。藤さん僕も同じく20代半ばくらいの頃、行き詰っていて何をやっていいのかわからなかったことがありますよ。―そこで突破口になった出来事などがあったのでしょうか。藤さん「このままじゃダメだな」と思っていたときに、周りで評価されていた監督に「僕を使ってください」とお願いしたんです。そしたら「君には使いたいと思わせるものがないんだよな」と。でも、自分でもわかっていたので、そこから「“ない”ってなんだろう」「“ある”ってなんだろう」と役者っぽく悩み始めたのがきっかけです。生きていく楽しさを感じてもらえるはず―本作では「甘くてちょっと苦みがある豆腐は人生に似ている」としていますが、もしご自身の人生を何かに例えるとしたら?藤さん自分でもはっきりとわかっているのは、僕はサラブレッドではないということ。どちらかというと駄馬やロバみたいに輝かしくはないけれど、のんびりゆっくりと前に進んで行く感じですね。麻生さんうーん、なかなか難しいですね…。じゃあ、私も映画と同じお豆腐でお願いします(笑)。―最後に、仕事や恋愛に悩むananwebの女性読者に向けてメッセージをお願いします。藤さん『高野豆腐店の春』を観ていただければ、きっとわかっていただけるのではないかなと思っています。ぜひ、ご覧ください。麻生さん年齢層高めの方々がターゲットの作品に見えるかもしれませんが、30代の女性たちにとっても親の問題や人間関係などこれから先の人生で起こるであろうことが描かれています。そして、「生きていくっていいな」とも感じられるはずです。それから私がよくしているのは、ネガティブをポジティブに変換すること。実は、私はみなさんが思うよりもダメダメで、いろんなことを心配しすぎてしまうほうなんです。でも、それが取り越し苦労に終わると、逆に「いまの自分って何て幸せなんだろう」と気づかされるんですよね。みなさんもネガティブになってしまうときは、そんなふうに考えてもらうといいかなと思っています。インタビューを終えてみて…。劇中同様に、本当の親子のような空気感を醸し出していた藤さんと麻生さん。相手に対する信頼感の高さはもちろんですが、お互いのことが大好きな気持ちがひしひしと伝わってきました。いつまでも見ていたいと思わせるチャーミングなおふたりのやりとりは、ぜひスクリーンでも堪能してください。誰の人生にも、春は必ずやってくる!純白の愛情を持つ父と柔らかくて優しい娘が繰り広げる甘くて少し苦い人生を描いた本作は、シンプルでありながら奥が深い豆腐のような味わいのある1本。お互いを大切に思うからこそ、ときにはぶつかってしまうこともある親子の姿に、共感するとともに心がじんわりと温かくなるのを感じるはずです。写真・園山友基(藤竜也、麻生久美子)取材、文・志村昌美麻生久美子 ヘアメイク・ナライユミスタイリスト・井阪恵(dynamic)ドレス¥59,400(ルーム エイト ブラック/オットデザイン TEL:03-6824-4059)他アクセ(スタイリスト私物)ストーリー尾道の風情ある下町の一角に店を構えている高野豆腐店。そこで働く父の辰雄と娘の春は、陽が昇る前から工場に入り、二人三脚で毎日おいしい豆腐を作っていた。ところがある日、辰雄はもともと患っている心臓の具合が良くないことを医師から告げられてしまう。そこで、出戻りの一人娘である春のことを心配した辰雄は、昔ながらの仲間たちに協力を依頼。春の再婚相手を探すため、本人には内緒でお見合い作戦を企てることに。そんななか、辰雄は偶然が重なって知り合ったスーパーの清掃員として働くふみえと言葉を交わすようになるのだった…。優しさに包まれている予告編はこちら!作品情報『高野豆腐店の春』シネ・リーブル池袋、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開中配給:東京テアトル(C)2023「高野豆腐店の春」製作委員会写真・園山友基(藤竜也、麻生久美子)
2023年08月23日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第151回は、出会った女性に揺らぎそうになりつつも、男性から「こういうタイプは苦手…」と恋に結びつかない女性の特徴をご紹介します。1.身なりにばかり気を遣う女性【結婚引き寄せ隊】vol. 151出会いを探していろいろなところに顔を出していると、たとえ気になる男性がいなくても、相手の男性と友達のようになったり、違う飲み会があると誘い合ったりと交流が広がっていくことがあります。そんなおたがいに異性としては意識しない婚活仲間になっていると、男性から「こんな女性はちょっとね…」というタイプを耳にすることもあるなか、「身なりにばかり気を遣う女性は厳しい」という話がありました。どの年代の女性も恋活や婚活の場にくるときはきれいにメイクしてファッションにも気を遣っている人が多いのですが、ルックスがいい女性ほど“男性から何かをしてもらって当然”という態度が垣間見えたり、“妙に自信満々で接してくる”ような女性も少なくないのだとか。外見がよければよいぶんだけ、クセが強いところのギャップで萎えてしまうというのですが…。外見を着飾ることはできても、内面を偽ることは意外と難しいということでしょうか。きっとどの女性も出会いの場にはきちんとした装いで行くはずですが、ちょっとした言動がアダとなり、相手の男性から内心、マイナス査定されていることがあるのかもしれません。2.すぐにか弱さを出す女性続いての敬遠されがちな女性は、すぐにか弱さを出してくるタイプ。男性に甘えたい気持ちがある女性が自然と困っていて頼るのであればいいらしいのですが、「ここで甘えるとカワイイかも」とか、本当は勝ち気なところがあるにも関わらずそれを隠してあえてしおらしく振る舞うといった、わざとらしいか弱さをちょっとでも感じさせると、テンションが下がってしまうようです。でも、女性に頼られると「守ってあげたい」という気持ちになる男性もいるのではと思いながらも、たとえば「あまり働きすぎると疲れてしまって」といったカラダが弱いアピールや、一緒に食事をする機会があってもあまりご飯に手をつけず「普段からあまり食べないんですよ」といった小食アピールをするなど、それってか弱さの演出なのか…?というようなアピールをしてくる女性は思いのほかいるのだとか。いまは女性をグイグイと「俺が引っ張っていく!」という男性よりも、一緒に歩きたいと考える男性も多く、か弱いことが可愛さに結びつくわけでもないですよね。もちろん個人の性格によるので、どういったタイプを気に入るかは人それぞれですが、出会いの演出をしてもいずれはバレてしまうものですから、それならばなるべく自然体でいることが一番安全な方法なのかも。3.オープンすぎる女性さらに、男性から「これはNGだよ」と思われるのは、オープンすぎる女性です。婚活をしていると、いろいろな場所で知り合いが増えるため、自分と同じように女性の婚活友達も増えて、女性同士ではけっこうあけすけに恋愛事情をおしゃべりする女性は多いですよね。でも、男性の前でも、なんでもオープンに話してしまう女性がときどきいるようで…。ある男性は、聞いてもいないのに別の男性との婚活の話をしてきたとか、前カレはこういう人だったからイヤだった、というような愚痴や別の男性の情報をペラペラと話してくる女性にびっくりしたのだとか。へんに隠しごとをされるよりも、以前の恋人の話や現在の婚活情報を聞いて、相手がどんな人なのかを知るきっかけにしようという前向きな考えの男性ならいいですが、だいたいにおいて、聞かれるならまだしも、聞かれてもいないのにオープンに過去の恋愛について話すのはタブー。うっかり情報過多にならないよう、気をつけたいものです。出会いを探していると、知らない間に異性から見てNG行動をしてしまっていることもあるかもしれません。人のフリ見て我がフリなおしつつ、素敵な人との恋をぜひつかんでくださいね!©standret/Getty Images文・かわむらあみり
2023年08月18日田村淳さんが2020年に亡くなったお母さまの死やお葬式について動画を配信し話題となっています。田村さんの母・久仁子さんは、余命宣告を受けてから、自分のお葬式にきてくれる方を自分らしくもてなせるような準備や遺書動画などを遺していったと田村さんは語ります。このように自分らしいお葬式をプロデュースする人も増え、お葬式のスタイルが大きく変わりつつあります。今回は最近のお葬式のスタイルやマナーついて、全日本葬祭業協同組合連合会 松本さんにうかがいました。誰もが迎える死だからこそ、どうやって終わりを迎えたいか、家族や周りの死と向き合うきっかけになるかもしれません。母親が生と死をセットで考えさせてくれていた田村さんのお母さまは癌を患い、約2年くらいかけて死の準備をしてきました。「お坊さんはこの人の声が好きだからこの人にしてほしい。お弁当はいいもの食べさせてあげたいからこのランク、BGMもこの曲にしてほしい」と自分で決定。その姿に対して田村さんは、動画内で次のように話しています。「母ちゃんは最後の時間の使い方がうまかったんです。母ちゃんは食卓で『淳、人間はね、いつかは絶対、死ぬんよ』と言っていたし、親戚が葬儀屋でもあったこともあり、死が身近にあった。母ちゃんは誕生日は生まれた日でもあるけれど、死ぬことを意識する日としていて、自分がどう死にたいかというのを伝えてくれていました。生と死をセットで考えさせてくれていたんです。そういう考えをもっていた母ちゃんだったこともあり、自分の死をプロデュースし、準備もしてくれていたのでしっかりお別れもできました。そのため、母ちゃんが亡くなった時もぽっかり穴が空いて何もできないという状況にはならなかったんです」少しずつ変わりつつあるお葬式のスタイル、マナー田村さんのお母さまのように自分自身でプロデュースするお葬式は新しいスタイルと言えます。今回のお話をベースに、全日本葬祭業協同組合連合会 専務理事 松本勇輝さんに変わりつつあるお葬式のマナー、スタイルについて聞いてみました。最近のお葬式のスタイル・傾向・インターネットでの葬儀社検索、葬儀社を紹介する、葬儀仲介サイトの出現・親族を中心としたお葬式「家族葬」・通夜などを行わず一日で完結させる葬儀形式「一日葬」・故人が生前に好きだった音楽や選曲した音楽を流したり、バンドやアーティストを呼んで生演奏してもらう葬儀形式「音楽葬」・しきたりに捉われず、自由な形式で行う葬儀形式・お葬式のオンライン配信、オンライン参列・時間に制限をつけない事前焼香松本さん葬儀社やお葬式の形態、費用面を決めておくことで送る側の負担が軽減され、故人としっかりお別れできるということにつながり、事前に故人が準備をするスタイルも増えています。 一方で、一部の仲介サイトの中には表示価格とは違い多くの追加の費用が請求されるようなことや、希望する葬儀社とは違うところを紹介されるなど、消費者トラブルも起こっているのでしっかりと信頼できる葬儀社を選ぶことが大切です。また、親族など人数を限った葬儀だと後日、多くの弔問者があり対応に追われるようなこともあるのでその点も念頭に入れておくことをおすすめしてます。田村さんのお母さまのように事前に準備した好きな音楽を流すスタイル「音楽葬」も最近では見かけます。また、コロナ禍では、時間を制限しないかたちで、弔問することができる事前焼香や、どうしても参列できない方に対し、オンライン配信ができるようになったことも新しい取り組みのひとつなのかもしれません。オンラインなどでの参列者のマナーとはコロナ禍でのお葬式のオンライン配信は新しい取り組みですよね。それにあたり参列者のマナーも松本さんに聞いてみました。ーー喪服は着るべきでしょうか?松本さん双方向のオンライン葬儀の形態もありますので、通常の参列と同等の対応をされた方がよろしいかと思われます。ーーお香典はどうするのでしょうか?松本さん事前に現金書留で郵送する場合もあれば、最近ではオンライン(クレジット決済)でお香典をお送りできるサービスをご利用いただいている場合もございます。ーーオンライン参列を気をつけることはありますか?松本さん通常の参列と同様に、故人ならびにご遺族へ弔意をしめすことが大切です。双方向のオンラインの際は、服装だけでなく、オンライン参列される側の音声や背景にも配慮することが大切です。これからのお葬式の形で重要なこと松本さん事前にお葬式の準備や生前整理、遺書動画撮影等をされることは、遺される家族への気遣い、愛情を感じます。また、田村さんのお母さまのように葬儀で流れた明るい音楽の選曲は、悲しみを和らげるための優しさや、故人自身もご家族に涙ではなく、笑顔で見送ってもらいたいという想いがあったのかもしれません。お葬式はやり直しができません。生前のうちから、どのようなお別れ方をしたいか、家族で話し合う等、機会づくりが重要だと感じております。お葬式を自分でプロデュースすることやオンラインでの参加など、今後も少しずつ変わっていきそうなお葬式のスタイルやマナー。昔よりも双方にとって選択肢が広がっている印象です。生も死も誰にでも存在する身近なことだからこそ、考えさせられるお話を聞けました。(C)Yuuji/Getty Images
2023年08月15日猛暑続く夏。この時期に新しい服を買うとなると、とにかく手頃な価格で楽ちんな服が欲しい。そして、秋まで着られる服なら文句なし!...ですよね。そこで今回は、秋まで着られる美人見え確実なUNIQLO&GUトップスをご紹介します。【UNIQLO】リブボートネックノースリーブTノースリーブは襟の開き具合やアームホール(袖を通す部分の穴)の大きさなど、ディティールへの配慮がないアイテムを着ると安っぽく見えてしまいます。この手のデイリーに着られる服は安い価格で手に入れたくなるのですが、洗濯するとすぐヨレたり、だらしなく見えたりもするのでデザイン・耐久性ともに優れたアイテム選びが重要です。その点をクリアしているのが、この夏にUNIQLOから登場した「リブボートネックノースリーブT」です。なんと、1枚1000円(税込)という驚きの安さ...!それでいて、どんな骨格にも対応してくれる美シルエットなんです。特筆すべきは襟が開きすぎないボートネックライン。鎖骨の肌みせがラウンドネックよりも少ないので肩幅が広いかたやバストが大きい方が着ると、いつも以上にすっきりと美しい印象を作り出します。袖と襟にはパイピングが施されているので、洗濯機で洗ってもヨレにくさを実現。秋にはジャケットやシャツのインナーに使えるので、これこそ色違いで何着か大人買いしても良さそうです。【GU】フレンチスリーブプルオーバーシャツ夏トップスだけど、秋まで着られるシルエットの美しいプルオーバー。GUはUNIQLOよりもややトレンドを意識したデザイン性の高いアイテムが豊富です。そのなかでも、大人が着て高見えするような上品さとほんの少しのトレンドが相まったアイテムを選ぶと長く着続けられること間違いなし!なかでもこの夏登場したアイテムでおすすめなのが「フレンチスリーブプルオーバーシャツ」。フレンチスリーブは肩先が少し尖っている立体的なフォルムで二の腕を細く見せます。素材はポロシャツに似た生地ですが、形の美しさとシンプルなデザイン。ボトムスの組み合わせをキレイめなパンツにすれば通勤時にも使えそうですね。秋はジャケットを羽織って着こなして。上半身をコンパクトに見せてくれるので、ハイウエストのタックワイドパンツで脚長効果を出すと背丈アップ&スタイル良く見えるコーデが完成します。クリーンなトップスは秋に持ち越せる今回ご紹介した2アイテムのように、シンプルでシルエットが美しいデザインのトップスは汎用性が高いので秋コーデにも対応できます。また、8月からは秋色・夏素材の新作アイテムが続々登場するので、グレーやブラウンなど秋に似合うような深みのある色のトップスをゲットするのもおすすめです。ぜひ、新しいアイテムの購入を検討している方は今から活躍できて秋まで持ち越せるトップスを探してみてくださいね!Information・商品紹介UNIQLO リブボートネックノースリーブT ¥1,000(税込)GU フレンチスリーブプルオーバーシャツ+E ¥1,990(税込)
2023年08月14日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はファッションウィークでおなじみのイケメン達のメガネ&サングラス姿をピックアップしてみました!トレンディなキャットアイメガネ全体のスタイルを見ただけで、とんでもないお洒落さんだなとわかりますよね。コートのディテールも、スーツも個性的な柄。そんな彼の愛用メガネは今でも大人気のキャットアイ型メガネ。丸みを帯びたデザインなので、優しい印象を与えてくれます。個性爆発!ラウンドメガネ一瞬メガネをしていないように見えるほど小さめのメガネは、縁が透明なデザイン!なかなか似合う人はいなさそうですが、この方とっても似合ってますよね。さらにまん丸の形がよりお洒落度を高めているようです。全体のスタイルにもピッタリ!定番サングラスはいつでも優等生やっぱりボストン型サングラスはメンズにも人気!全身を黒でまとめた彼のスタイルにピッタリあった形。カッコ良すぎる形のサングラスだと、それなりに尖って見えますが、あえて丸みのあるボストン型だと、お洒落度が増すんですね。彼の愛用サングラスはアビエーター / Aviatorいつもサングラスを愛用している彼、いつだってアビエーター / Aviator愛用者。それにこのかたのスタイルにピッタリなじんでますよね!もう顔の一部のような印象です。それにしても、なかなか似合う人がいないのに、こんなに似合うなんてうらやましい限りです。ラウンドサングラスでお洒落度マックス全体をブラウンでまとめた、ビーガンレザージャケットが決まってる彼、ここに小さめラウンドサングラス!最後のファッションの決め手となるようなピックアップの仕方。もう本当にお洒落さんだと一目でわかりますよね。ラウンドサングラスは、着用するだけで一瞬でお洒落に見えちゃうから、ファッショニスタには大人気!彼しか似合わない!もう何型というんでしょうか。彼が他の形のサングラスをしているイメージが湧かないくらい、このサングラスがピッタリ似合っています。全体的にクールでかっこいい印象が強いので、サングラスがビシッと決まってます。今回はファッションウィークで発見したメンズのお洒落メガネ&サングラスの着用スタイルをスナップしてみました。お洒落さんは選ぶメガネ&サングラスも独特なのがわかりますよね。ファッションの重要なアクセサリーのひとつなので、ぜひ今後の参考になれば幸いです。写真、文・平野秀美
2023年08月13日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。ビシッと決めたい日には、レッドスタイルが人気!インフルエンサーのレッドスタイルを参考にしてみましょう!素材違いを上手に組み合わせるお洒落なシルキー素材のプリーツスカートに、ニット系で少しカジュアル感を出したスタイル。素材を上手に変えて、雰囲気を楽しんでいるようです。またこちらのニットがふんわりしたスタイルなので、より女性らしい印象を与えてくれます。アウターでレッド使い全身を赤にするには勇気がいる…という場合は、まずはアウターだけをレッドにするのもいいかもしれません。こちらのアウターは長めタイプですが、ショートタイプの赤でも目立ってお勧め!スーツでビシッと決めたい!実は海外でよく見かけるのが、この上下レッドスーツスタイル。目立つだけでなくかっこいいですよね!しっかりと主張する場面ではファッションはとても重要なので、大切なイベントなどにはレッドスーツが人気のようです。上品なワンピーススタイルどんな色でも可愛らしい襟付きのプリーツワンピース。ブーツやベルトなどの小物の色に対しても、主張するレッドが、インパクトあって魅力的!どんな柄ものよりも目を引くカラーで印象深いスタイルにしてくれます。ハーフパンツでカジュアル感出してこちらはなかなか難しいハーフパンツスタイル。さらにレッドスタイルでもお洋服に当たるライト次第で、ツートーンに見せてくれるお洒落なデザイン。うっすら見え隠れする柄が上品で、パーティなどにもってこい!今回は、とても人気の高いレッドスタイルをピックアップしてみました。目を引くレッドはパーティなど重要な時に印象深く存在感を感じさせてくれるので、TPOに合わせて使ってみるといいですね。写真、文・平野秀美
2023年08月12日サントリー美術館で、「虫めづる日本の人々」が開かれています。本展では、古くから日本の美術作品に描かれてきた「虫」たちに注目。和歌や物語にも登場し、日本で愛されてきた虫の文化に触れられる展覧会です。美術館で「虫」探し!「虫めづる日本の人々」会場入り口風景【女子的アートナビ】vol. 308「虫めづる日本の人々」では、古くから物語や和歌、美術作品のなかで季節感や人の心を表すものとして描かれてきた虫に焦点をあて、中世から近現代までの絵画や工芸、着物などさまざまな作品が紹介されています。サントリー美術館学芸員の宮田悠衣さんは、本展について次のように教えてくれました。宮田さん近年、雑誌『ブルータス』で昆虫の特集があったり、虫の展覧会が開かれたりと虫に注目が集まっています。とはいえ、展覧会は花鳥画に比べると少なく、当館でもはじめての取り組みとなります。虫は古来の日本美術において重要なモチーフであり、例えば『源氏物語』や『伊勢物語』など古典文学のなかでは鈴虫や松虫などの鳴く虫や蛍が登場人物の心情を表す重要な役割を果たしています。絵のなかで、いろいろな虫を探してみてください。きりぎりすの恋バナ!「虫めづる日本の人々」展示風景手前:住吉如慶《きりぎりす絵巻》二巻 江戸時代 17世紀 細見美術館蔵(全期間展示・場面替えがあります)では、いくつか見どころをピックアップしてご紹介。まず第一章「虫めづる国にようこそ」では、江戸時代の絵巻や硯箱などを展示。虫をめでる文化は宮廷を中心に発展し、鳴く虫を捕まえて宮中に献上する虫撰(むしえらみ)も行われていました。また、虫の音を楽しむ虫聴(むしきき)や蛍狩(ほたるがり)などの娯楽も宮廷を中心に育まれたそうです。この章での見どころは、美しい玉虫姫をめぐる虫たちの恋物語を描いた《きりぎりす絵巻》。宮田さん場面の展示替えがありますが、前期では上巻のクライマックス場面が展示されています。セミの右衛門督(うえもんのかみ)が恋の争いに勝ち、玉虫姫と一夜の逢瀬をしたあと、玉虫姫に後朝(きぬぎぬ)の文を届け、その返歌を玉虫姫がしたためている場面です。擬人化した虫たちが、さまざまに活躍する様子を楽しめます。夫婦円満のデザインとは?《梅樹熨斗蝶模様振袖》江戸時代 19世紀女子美術大学美術館蔵(展示期間7/22-8/21)続く第二章「生活の道具を彩る虫たち」では、酒器や染織品などの身近な道具にデザインされた虫たちに注目。華やかな蝶の模様が入った打掛や生活道具などが展示されています。宮田さん熨斗蝶(のしちょう)とは、夫婦円満の印として認識されていた蝶の文様です。2羽の蝶が仲睦まじく飛ぶ様子が夫婦円満を意味する文様となるなど、蝶は昔から縁起が良いものとされてきました。婚礼の衣裳にも蝶がデザインされています。江戸末期になると、裕福な町人階級も婚礼をするようになり、さまざまな階層の人たちに婚礼衣装が広がり、同時に熨斗蝶の意味も広がり、縁起の良い文様として広く認識されるようになりました。「秘めたる恋心」を表す虫とは?喜多川歌麿《夏姿美人図》江戸時代寛政6-7年(1794-95)頃遠山記念館蔵(展示期間:7/22-8/21)第三章「草と虫の楽園―草虫図の受容について―」では、中国から伝わった「草虫図」がどのように日本で愛されたのかについて紹介。会場では、重要文化財に指定されている草虫図などを見ることができます。さらに、3階の展示室にある第四章「虫と暮らす江戸の人々」では、庶民の娯楽として広まった虫聴や蛍狩について紹介。虫をめでる文化は宮廷を中心に育まれていましたが、江戸時代中頃になると庶民も楽しむようになっていきました。町には虫売りが増え、虫聴や蛍狩の名所も登場。そんな虫に親しむ人々の様子を描いた浮世絵などが展示されています。宮田さん喜多川歌麿の《夏姿美人図》では、足元に蛍籠が描かれています。この女性は、身支度を整えていて、これから夜の蛍狩りに恋人と行くところです。さらに踏み込むと、蛍は「秘めたる恋心」を象徴する虫として古くから和歌に盛り込まれてきたものです。蛍という虫が持つ文化的な側面が絵の中にこめられています。ユルッとした若冲の大人気作品!重要文化財伊藤若冲《菜蟲譜》江戸時代寛政2年(1790)頃佐野市立吉澤記念美術館蔵(展示期間:8/9-9/18※場面替えがあります)次の第五章「展開する江戸時代の草虫図―見つめる、知る、喜び―」では、江戸時代に制作された多彩な虫の絵を展示。伊藤若冲の大人気作品《菜蟲譜(さいちゅうふ)》も、この章で楽しめます。東京では7年ぶりの公開となる本作品について、宮田さんが見どころを教えてくれました。宮田さんこの作品には、56種類ほどの虫たちが登場します。9月4日までの前半期間では、葛の葉で遊ぶ虫たちの様子を描いた場面を展示しています。たくさんの虫たちの特徴をしっかりと捉えながらも、生き生きとユーモラスに描かれている点が見どころです。例えば、キリギリスは顔をこちらに向けて視線を投げかけているので、目が合ったりします。表情などもおもしろく、ユルッとしたところも魅力です。西洋人が驚いた!満田晴穂左:《自在精霊蝗虫》令和4年(2022)、中央:《自在鬼蜻蜓》令和4年(2022)、右:《自在大蟷螂》令和5年(2023)すべて作家蔵全期間展示最後の第六章「これからも見つめ続ける―受け継がれる虫めづる精神―」では、明治以降から現代までの虫モチーフ作品を展示。絵画や屏風、自在置物などを見ることができます。明治期には、西洋から影響を受け、新たな技法や表現が盛り込まれた虫作品が生み出されていきました。また、江戸時代に親しまれた虫聴や蛍狩もさらに人々の間に広がり、その様子を見た小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)など西洋の人たちを大変驚かせたそうです。昔から現代まで続く虫に対する人々の気持ちを、さまざまな美術作品をとおして楽しめる展覧会は9月18日まで開催。なお、作品保護のため、会期中に展示替えがあります。詳しくは、公式サイトでご確認ください。Information会期:~9月18日(月・祝)休館日:火曜日※9月12日は18時まで開館会場:サントリー美術館時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)※8月10日(木)、9月17日(日)は20時まで開館※いずれも入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥1,500大学・高校生¥1,000中学生以下無料
2023年08月12日人形業界に革命を起こし、「世界でもっとも有名なファッション・ドール」と呼ばれるバービー。その世界観を初めて実写化した映画『バービー』が、いよいよ日本でも公開を迎えました。そこで、日本版吹き替えを担当したこちらの方にお話をうかがってきました。高畑充希さん【映画、ときどき私】 vol. 594本作で、マーゴット・ロビー演じる主人公バービーの声を演じた高畑さん。舞台やミュージカル、映画、ドラマなどで幅広く活躍されている高畑さんですが、洋画作品で吹き替えを担当するのは2015年の『シンデレラ』以来、2回目となります。今回は、映画を通して感じたことやハッピーになる瞬間、そして完璧よりも大切なものについて語っていただきました。―久しぶりのアフレコでかなり緊張されたそうですが、どのような意識で挑まれたのかを教えてください。高畑さん私は声優さんと違って普段生身でお芝居をしているので、慣れない声での表現はどうしたらいいんだろうと思い、ほかの吹き替え作品やマーゴット・ロビーさんの出演作を観たりして準備をしました。それと同時に、映画のなかでキャラクターがどういう感情になるのかにも寄り添えたらいいなと思ったので、そのあたりも手探りで演じました。―実際、苦労したシーンなどはありましたか?高畑さん「Hi, Ken」というセリフがものすごく多いんですが、そこで最初につまずきました。というのも、「ハーイ」と言うとどうしても「ケン」まで英語の発音になってしまうのですが、そこも日本語っぽくしゃべってほしいと言われたので。「健康の『健』みたいな感じです」と何度も注意されました(笑)。―逆に、気分が上がったシーンといえば?高畑さんバービーたちは、ガールズナイトやパーティを毎晩していてハイテンションなので、ブースのなかで私も1人で絶叫していました。そんなときは、自分で「何してるんだろう」と思ったことも(笑)。でも、普段ではないようなテンションだったので、すごく楽しかったです。ダメな自分のほうが好きだと思えるようになった―完成した作品を観たときの感想についても、お聞かせください。高畑さん私はもともとグレタ・ガーウィグ監督が大好きですが、彼女がバービーを実写化するというのが最初は全然つながりませんでした。でも、ポップな世界観が見事に完成されているうえに、ストーリー性もある。こんなふうにかけ合わせられることに感動しましたし、当初思い描いていたより何倍も大人向けの作品になっていると思いました。観る方によってかなり印象が変わる作品ですし、見どころを説明するのも難しいので、「とりあえず観てください!」という感じです。―そのなかでも、共感するところはありましたか?高畑さんあるシーンで「あなた変わったわね」とバービーが言われるんですが、そこで「いまの私は完璧じゃないから」と答えるところは響きましたね。というのも、私が10代だったころ、自信に溢れていて完璧だと思っていましたが、大人になるにつれて、それが崩れ始めて動揺したことがあったからです。でも、そのときに「ダメなところがいいね」と言ってくださる人がいて、自分でも「こっちの私のほうが好きだな」と思えたので、そういうところはわかるなと。10代は無敵でしたけど、人生は崩れてからのほうがおもしろいなと感じています。アクシデントがあるほうが、テンションが上がる―つまり、完璧でいるよりも大切なものがあることに気づいたと。高畑さんといっても、そもそも私は完璧であることを求めたことがないのかもしれません。それは小さい頃からずっと舞台に立つなかで、お客さんのテンションや共演者によって毎日すべてが変わり、完璧を目指してもなかなかそうならないことを感じていたからです。でも、それによって100点じゃなくて120点が出る日もあったので、自分が完璧にするよりも、一緒に演じている人たちのことを完璧に信頼したいという気持ちのほうが強くなりました。もちろん、バービーみたいに完璧であるがゆえの美しさもありますが、私自身は完璧ってワクワクできないんじゃないかなと。―なるほど。劇中にはさまざまなタイプのバービーが登場しますが、なれるとしたらどのバービーになりたいですか?高畑さん私は、腕を上げると胸が大きくなるバービーです(笑)。大きくしたいときは膨らませて、洋服によってはへこませられたら最高だなと。女性の夢じゃないですかね。―確かに、それは最高ですね!バービーだけでなく、恋人のケンも魅力的なキャラクターでしたが、どういう印象を受けましたか?高畑さんバービーのことが大好きだけど、それがなかなかうまくいかないので強がってしまうときもありますが、単純でかわいくて憎めないですよね。私は穏やかで柔らかい仕草をする男性が好きなので、ケンみたいに素直でチャーミングな人はいいなと思います。「生きているだけで偉い」と感じるようになった―本作ではキラキラした要素だけでなく「男女とは?」「生きるとは?」というところまで描かれていると感じたそうですが、ご自身のなかで新たな発見もあったのでしょうか。高畑さん「女だから」とか「男だから」というテーマも描かれていますが、最終的には所属や出身に関係なく「個人としてどう生きるか」という部分にたどりつくので、それがいまの時代には合っている作品だなと感じました。あと、最近は「生きているだけで偉いんじゃない?」と思っています(笑)。私もめちゃくちゃ落ち込む日はありますが、その翌日にめっちゃハッピーになることもあるので、まだまだ生きてみないとわからないなと。これから先の人生も、いっぱい発見があるのかなと考えると楽しみです。―ちなみに、落ち込んだときの対処方法やハッピーになるために心がけていることがあれば教えてください。高畑さんそういうときは何もしません。落ちるときは落ちますし、ネガティブなときはすべての思考がネガティブに傾きますから。ただ嵐が通りすぎるのを待ちます。でも、私は洋服が大好きで、毎朝何を着て出かけるかを考える時間が幸せなので、それが人生の楽しみになっているのかなと。もし全人類が裸で生活するようになったら、私の楽しみはすごく少なくなってしまうと思います(笑)。限られた時間を大切に使いたい―また、現代はSNSなどもあり、多くの人がバービーのように完璧であることを目指そうとしていますが、こういった環境のなかで生きづらさや窮屈さを感じたことはありますか?高畑さん何をやっても何かを言われるような世の中ですし、完全に賛同されることはおそらく1つも存在しないとも感じています。でも、そこに引っ張られてしまうのではなく、それを切り離して、自分の周りにいる人を大事にするほうが有意義ではないでしょうか。時間は限られているので、大切にしたいですね。―そういうふうに考えられるようになったきっかけなどもあったのでしょうか。高畑さん経験を積み重ねるなかで少しずつではありますが、そのなかでも大きかったのは20代前半に舞台に出演していたときのこと。内容がけっこう過激だったので、途中で帰ってしまうお客さんもいたのですが、最後まで見てくださる方にはものすごく楽しんでいただけた作品でした。そのときに賛否両論であることには意味があるんだと実感したので、みんなが何となくいいと思うものよりも、私はそういう作品にこそ価値があると感じています。よくなるかもしれないし、空振るかもしれないような作品でも、怖がらずに受けてみようという精神になったのはその頃からです。どん底まで落ちたら、あとは上がるだけ―それでは最後に、同世代のananweb読者に向けてメッセージをお願いします。高畑さん私もみなさんと同じで、いい日もあれば悪い日もあるので、どん底まで落ちたときは上がるだけだと思うようにしています。それにそういう時期がずっと続くことはなかなかありませんし、あとで「ああいう時期もあったな」と思える日が来る。落ち込むよりも、そのときのよかったことを見つけるほうが大事だと伝えたいです。実際、私も29歳で謎の焦りがありましたが、それを超えたら何もなくなって、毎日が俄然おもしろくなりました。旅行をしたり、仕事をしたり、新しい人と出会ったり、30代のほうが楽しいです。繰り返しになりますが、本当に生きているだけで偉いので、悩める女子たちにはぜひこの映画を観てほしいと思います。インタビューを終えてみて…。バービーのカウガールファッションを彷彿とさせるかわいらしい姿で登場した高畑さん。ユーモアを交えつつ、核心をついた言葉の数々にたくさんの元気をいただく取材となりました。30代を満喫し、公私ともに充実している高畑さんのさらなる飛躍が楽しみなところです。悩みも吹き飛び、気分はピンク一色!オシャレでかわいいだけじゃなく、自分にとってハッピーな生き方とは何かを教えてくれるドリームファンタジー。夢のようなバービーランドで、みんなと一緒に笑って泣いたら、もっと輝く明日にきっと出会えるはずです。写真・園山友基(高畑充希)取材、文・志村昌美ジャケット¥89,000、ブラウス¥89,000、スカート¥58,000(すべてMARANT ETOILE)、ピアス¥75,000、ブーツ¥194,000(ともにISABEL MARANT/すべてISABEL MARANT AOYAMA STORE TEL: 03-6427-3443ストーリーすべてが完璧で、毎日がハッピーで夢のような世界が広がっているバービーランド。そこで暮らすバービーとボーイフレンドのケンは、連日繰り広げるパーティやドライブ、サーフィン、デートを楽しんでいた。ところがある日、突然バービーのカラダに異変が起きる。原因を探るために2人が向かったのは、悩みの尽きない人間の世界。しかし、そこはバービーランドとはすべてが違う現実の世界だった。行く先々で大騒動を巻き起こすなか、バービーが最後に選んだ道とは…。キュートでパワフルな予告編はこちら!作品情報『バービー』8月11日(金)全国ロードショー配給:ワーナー・ブラザース映画(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.写真・園山友基(高畑充希)
2023年08月11日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第150回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その51をお届けします。1.面接官のような男【結婚引き寄せ隊】vol. 150それは30代から40代の大人の男女が集まる婚活パーティに参加したときのこと。最初の自己紹介タイムでは、パーティが始まる前に記入したプロフィールカードと飲み物を持って、女性が座っている席に男性が順番に動いていくというローテーションで進行していました。あるとき、目の前にメガネをかけた40代後半の男性がまわってきて、「こんにちは」とペコリ。穏やかな話し方をする人で、外見はちょっと地味な印象ながら、ガツガツしていないぶん落ち着いて話せるのは安心できると思っていたら…。「おやすみの日は何してるんですか?」と聞かれて、「おいしいものを食べに行ったりしますね」と、いたって普通のことしか答えていなくても、何やら持参してきたらしい小さなメモ帳に何かを書いています。何か質問されて、ひとつ答えると、すぐにメモを走らせる男性。え?もしかしてこっちの話をメモってるの?と「何してるんですか?」とたずねると、「気にしないで!」という返事が…。いや、婚活の席で、しかも初対面で会話の途中で何度もメモされたら気になるわ、面接官か! と、心の中でひとりでツッコんでいたら、「ハイ、男性の方は次の席へ〜」とスタッフの方の合図で席移動になり、「では!」と隣の席へその男性は移動。あっけに取られながらも、もちろんその後また話すことはなかったのでした。2.ずっと会えない男それは婚活サイトで出会いを探していたときのこと。希望の条件に近い30代後半の男性がいたので、軽いあいさつから始まり、趣味の話などをメールでやりとりするようになりました。すると、その男性は絵を観に行くのが好きで、ときどきは展覧会にひとりで行くこともあるらしく、アートも好きな私としてもそれなら、「今度美術館へ行こう」ということに。いつなら行けそうか、という話になると、その男性のほうから「来週の土曜日は何も予定がありません」とメールが来たので、「じゃあ土曜日に」と待ち合わせ場所と時間を決めて、だんだんと約束の日が近づいてきたある日のこと。あさってが約束の日、というときに「すみません、土曜がちょっと難しくなって……」というメールが来ました。なぜなのか理由が書いていないものの、事前に連絡が来たということもあり、「急がないので、また空いている日教えてくださいね」とメール。後日、「今週末はいけそうです」と連絡が来て、ちょうどこちらもいけそうだったので、「今度こそ会いましょうね」とメールしていたのですが…。今度は前日の夜になって、「すみません、明日が難しくて」というメール。ええ?と、さすがに2度目の直前のキャンセル連絡にテンションがダダ下がりになってしまい、しばらく放置していると、「日なら空いているんですが…」とメールがきたので、でもまた直前NGじゃないかと疑っていること、気分がよくはないことなどを正直にメール。さすがに怒っていることが伝わったのか、その後はパタリと連絡は途絶えました。うーん。ものすごく人見知りなのか、それともただの暇つぶしなのか、謎。いろんな人がいるよね……と、無理矢理自分を納得させた夜なのでした。3.人の話を聞かない男それは20代から40代までの男女が集まる合コンに参加したときのこと。ちょっと遅れて到着した私は、たまたま空いていた席に座ったところ、横に座る男性から「おつかれさまー」とビールジョッキを渡されて、そのテーブルの男女と乾杯しました。遅ればせながら軽く自己紹介を済ませ、同じテーブルの参加者は30代の男女だということがわかり、仕事の話を始めると、さっき「おつかれ」と言ってきた男性が、どれだけいまの仕事が大変か力説。何やら営業職で毎日疲れるという話のようで、最初は普通に話を聞いていたものの、とにかく話が長い…。20分置きぐらいに、他の参加者の女性が「ちょっとトイレ」と言って席を立つと、しばらくして戻ってきたかと思いきや、違うテーブルに潜り込んでこのテーブルには戻ってきません。そんな調子で、2人の女性は違うテーブルへ移動し、ひとり語りが長いこの男性に呆れて移動しているの!?と気づいたときには、なかなか逃げにくい状態に。とはいえ、さすがにその男性の話だけを聞く担当でもないわけで、他の女性たちと同じく「トイレ行きます〜」と言って脱出。酔うとおしゃべりが好きなタイプもいるでしょうけど、限度があるよねえとゲッソリしたのでした。出会いを探していると、思いがけないタイプと遭遇することもあるものです。たとえヘコむ日があっても、絶対に笑顔の日もあるはず! みなさんの恋愛がうまくいきますように。文・かわむらあみり©GaudiLab/Getty Images文・かわむらあみり
2023年08月09日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は、職場でもおすすめなお洒落でかっこいいパンツスタイルをご紹介します。落ち着いたカラーの組み合わせこちらは異なる色を上手に組み合わせたパンツスタイル。グレーのパンツとブラウンのジャケットは似合わないのではと思っていましたが、こうしてみると、ネイビーのシャツがとってもバランスよくカラーの組み合わせを保っているようです。上級者の組み合わせでとっても参考になります。レザー系パンツスタイルこちらのトレンディなレザーパンツは、かっこよさが増す印象!ジャケット選びをうまくすれば、オフィスにだって着用していける万能パンツ。お洒落度はグンと上がりますよね!ホワイトで清楚な雰囲気にやっぱり全身ホワイトは清潔感あふれる品のあるファッション。パンツスタイルで、カジュアルにもオフィスにも合わせていけそうです。日本のようにかなり暑い夏には、ホワイト系スーツスタイルは見ている人も、着ている人にも爽やかな印象があって本当におすすめ!定番のグレースーツ!グレーのスーツは、ネイビーやブラック系のスーツよりも柔らかな印象なので、女性に人気!カジュアルにTシャツと組み合わせるのもいいかもしれません。重要な仕事時にはシャツで、通常のオフィスワークにはTシャツで、なんてインナーを変えるだけでファッションを楽しませてくれますよ!温かみのあるブラウンスーツこちらは素材が夏にも人気の麻を使用したお洒落なスーツ。特に暖かな印象のブラウン系は1年中使える人気のカラー。海外ではスーツスタイルにもスニーカーで合わせたりしているのがいいですよね。この方は珍しいシルバー系のシューズに合わせて自己流の組み合わせを楽しんでいるようです。いかがでしたでしょうか?本日はパンツスタイルでも、特にオフィスにも着用できるファッションをピックアップしてみました。会社によってルールがあると思いますが、お洒落でかっこいいスタイルをぜひ参考にしてくだされば幸いです。写真、文・平野秀美
2023年08月06日