連日続く暑さによって心身ともに疲れがたまってくる時期ですが、そんなときにオススメの1本は、親子の愛に心が温まると話題の映画『高野豆腐店の春』です。今回は、現在公開中の注目作についてこちらの方々にお話をうかがってきました。藤竜也さん & 麻生久美子さん【映画、ときどき私】 vol. 595豆腐屋を舞台に描かれている本作で、職人気質の頑固な父・高野辰雄を演じる藤さんと、明るくて気立てのいい娘・春を演じている麻生さん。日本映画界に欠かせないおふたりが共演するのは、実に26年ぶりとなります。そこで、お互いに現場で感じていたことや役作りのこだわり、そして長年のキャリアにおけるそれぞれの転機などについて語っていただきました。―今回、藤さんは三原光尋監督からシナリオが送られてきた際、その2日後には監督のもとに届くように速達でお戻しされたほど出演を即決されたそうですね。藤さん三原監督とは三度目になりますが、20年ほどかけて3本も主演作を作ってくれるなんてありがたいことですし、お礼は早いほうがいいですから(笑)。最初はいつ撮れるかわからないということでしたが、それでも「待ちます」と伝えました。―麻生さんにとって、出演の決め手となったものは何ですか?麻生さんそれは、藤さんです。もちろん脚本もすごくおもしろかったですが、私はいつも誰とお仕事ができるかで選ばせていただいているので、今回は藤さんとご一緒できるからお受けしました。藤さんいやー、うれしいですね!麻生さんとは一緒にいるだけで呼応し合えた―藤さんも「麻生さんの演じる春だから心が動いた」とおっしゃっていますが、現場で麻生さんとのやりとりで忘れられない瞬間といえば?藤さんたくさんありますよ。やっぱり人には合う合わないがありますが、麻生さんとは一緒にいるだけで呼応し合うことができました。「娘がいたらこんな感じなんだろうな」と思ったくらいです。―26年ぶりの共演で、麻生さんは藤さんの背中から学ぶこともあったのではないでしょうか。麻生さん今回は、改めて「初めまして」の気持ちでご一緒させていただきましたが、藤さんがとにかくかっこよくて…。ご本人の前で言うのは恥ずかしいですが、それでいてとてもチャーミングな方でもあるんですよね。本当にすごい役者さんだと思いましたし、いろんな藤さんを見せていただきました。―本物の親子のような息の合ったやりとりが印象的でしたが、アドリブなどもありましたか?麻生さん基本は台本通りですが、ときには藤さんがご自身のアイディアやアドリブを入れていることもありました。藤さんたとえば、商店街を2人で歩いているシーンでは鼻歌を用意していきましたが、はじめは「どんぐりころころ」だったのを「ずいずいずっころばし」に変えてみたことも。自分でもなんでそうなったのかはわからないけど、何となくそれがいいかなと思ったんです。演じるなかで、辰雄が春といる時間をどれだけ大切にしているのかをひしひしと感じていました。麻生さん私は、そういうところもすごく好きでしたね。想像とは違った藤さんのお芝居が見られて楽しかった―親子の関係性を象徴する素敵なシーンですよね。藤さんは職人の役を演じるのがお好きということで、これまでにさまざまな職人を演じられてきましたが、本作の豆腐屋に関してはどのような準備をされましたか?藤さん今回はあまり時間がなかったので、ある豆腐屋のお店を借りてそこのお父さんに2日間ほど教えてもらいました。麻生さんそれだけで長年やっているような空気感を出せるのが、本当にすごいですよね。私もお豆腐屋さんで作業を見せていただきましたが、大きな鍋のかき混ぜ方やにがりを入れるタイミングなど、思っていた以上に大変だということがよくわかりました。―藤さんはいつも脚本にはないキャラクターの背景もご自身でかなり細かく考えられるそうですが、辰雄はどんな人物として分析されましたか?藤さん今回も、これまでと同じように役のプロファイリングを自分なりにしました。脚本には豆腐屋さんになる前に造船所で働いていたと書かれていましたが、そのほかに思い浮かんだのは、「この人はきっと橋の工事などをしていて、高いところで働いていたんだろうな」とか「小学校はここに通っていたかな」とか。若いときに奥さんとどんな話をしていたかまで想像してドキドキしていましたが、そんなふうに物語と関係ないことで遊ぶなかでいろいろと思いついてしまうんですよね。麻生さん本当にすごいことです。そういうお話を聞くと、私は何もしていないんじゃないかと思ってしまいますが、私が一番大事にしているのは脚本から何を感じ取るか。そのうえで、現場に行ったときに自分がどう感じるかを大切にしたいなといつも考えています。―そういう意味では、藤さんとご一緒されることで予想しない感情が出てくることもあったのでは?麻生さんはい、いっぱいありました。というのも、藤さんは私が想像していたお父ちゃんとは違うお芝居をされることが多かったので。でも、それがすごく魅力的だと感じました。思っていたよりも可愛かったり、怖かったりするので、楽しかったです。「春が来た!」と感じる瞬間とは?―本作のタイトルにある「春」は、親子2人に恋が訪れる意味の春であり、監督にとってはまた映画を撮るチャンスを得られたという意味の春でもあるそうですが、最近おふたりにとって「春が来た!」と感じるほどうれしかった出来事はありましたか?麻生さん6歳になった下の子が剣道をしていますが、3歳で始めた頃は体育館で寝転がっているだけでほとんど何もしていなかったのに、最近すっかり形になってきたので、いまはそれがとにかくうれしいです。「春が来た」と言えるほど大きなことではないかもしれないですが、もうすぐ試合もあるので感慨深いなと思って見ています。藤さん私は、毎朝起きるたびに春ですよ!ちゃんと目覚められるだけでありがたいです(笑)。―以前、ananwebでお話をおうかがいした際に、奥さまと寝る前に握手するのが習慣だとおっしゃっていましたが、それも続けていらっしゃいますか?藤さんコロナ禍前は握手でしたが、最近はグータッチになりました。麻生さんいいですね!―もともとは奥さまに触れたいというお気持ちから始められたそうですが、いまでは毎日しないと寝つきが悪くなってしまうほどだとか。藤さん年齢的に、翌日どちらかが目覚めない可能性もありますからね(笑)。なので、「おやすみ」と言ってグータッチをしています。―本当に奥さまを大切にしていらっしゃるのが伝わってきます。藤さん年を取ると自然とそうなりますよ。若いときはよそ見もしますが、そういう時間はもう終わりました(笑)。いまは、妻一筋です。麻生さんあはは!素敵すぎます。役者をやめたいと思ったことはない―今年は藤さんにとってデビューから60周年となりますが、これまでを振り返ってみて、苦しかった時期などもありましたか?藤さんやめたいと思ったことは、ありません。というのも、飽きちゃいけないと思って、あえてそんなにたくさん仕事してこなかったんですよ。―若いときから作品の数をご自身でコントロールするというのは、なかなかできないことだと思いますが…。藤さんあんまりやりすぎると、当たり前になってありがたみを感じられなくなってしまいますから。それに、そのほうがつねに新鮮なんですよ。待ちに待ってから脚本をもらうと、読むだけで「ありがたい!」と興奮してきます。麻生さんいま、すごくいいヒントをいただいた気がします!藤さんいやいや、そんなに仕事がこなかっただけですよ。それに、若いときは遊びやよそ見で忙しかったので…。麻生さん(笑)。『時効警察』で新しい世界があると知った―麻生さんもデビューから30周年が近づいてきましたが、これまでご自身が大切にしてきたことは?麻生さんもうそんなになるんですね。何十周年とか考えたことないですし、いままで自分が何本の作品に出たかもわかっていないくらいなんです。なので、気がついたらここまで来た感じではありますが、これからも1本1本大切にやっていきたいなとは思っています。―ここまで続けてこれた原動力になっていたものといえば?麻生さん実は、私は20代半ばにやめたいと思っていた時期がありました。それを乗り越えてのいまですが、そんなときにドラマ『時効警察』に出会って、「こんな新しい世界がまだあったのか!」と知ることができたのが大きかったなと。そこでお芝居の奥深さや難しさ、そしてワクワクする気持ちを改めて感じられたので、「自分の限界を勝手に決めてはいけない」と反省して、そこから改めてスタートした感じです。藤さん僕も同じく20代半ばくらいの頃、行き詰っていて何をやっていいのかわからなかったことがありますよ。―そこで突破口になった出来事などがあったのでしょうか。藤さん「このままじゃダメだな」と思っていたときに、周りで評価されていた監督に「僕を使ってください」とお願いしたんです。そしたら「君には使いたいと思わせるものがないんだよな」と。でも、自分でもわかっていたので、そこから「“ない”ってなんだろう」「“ある”ってなんだろう」と役者っぽく悩み始めたのがきっかけです。生きていく楽しさを感じてもらえるはず―本作では「甘くてちょっと苦みがある豆腐は人生に似ている」としていますが、もしご自身の人生を何かに例えるとしたら?藤さん自分でもはっきりとわかっているのは、僕はサラブレッドではないということ。どちらかというと駄馬やロバみたいに輝かしくはないけれど、のんびりゆっくりと前に進んで行く感じですね。麻生さんうーん、なかなか難しいですね…。じゃあ、私も映画と同じお豆腐でお願いします(笑)。―最後に、仕事や恋愛に悩むananwebの女性読者に向けてメッセージをお願いします。藤さん『高野豆腐店の春』を観ていただければ、きっとわかっていただけるのではないかなと思っています。ぜひ、ご覧ください。麻生さん年齢層高めの方々がターゲットの作品に見えるかもしれませんが、30代の女性たちにとっても親の問題や人間関係などこれから先の人生で起こるであろうことが描かれています。そして、「生きていくっていいな」とも感じられるはずです。それから私がよくしているのは、ネガティブをポジティブに変換すること。実は、私はみなさんが思うよりもダメダメで、いろんなことを心配しすぎてしまうほうなんです。でも、それが取り越し苦労に終わると、逆に「いまの自分って何て幸せなんだろう」と気づかされるんですよね。みなさんもネガティブになってしまうときは、そんなふうに考えてもらうといいかなと思っています。インタビューを終えてみて…。劇中同様に、本当の親子のような空気感を醸し出していた藤さんと麻生さん。相手に対する信頼感の高さはもちろんですが、お互いのことが大好きな気持ちがひしひしと伝わってきました。いつまでも見ていたいと思わせるチャーミングなおふたりのやりとりは、ぜひスクリーンでも堪能してください。誰の人生にも、春は必ずやってくる!純白の愛情を持つ父と柔らかくて優しい娘が繰り広げる甘くて少し苦い人生を描いた本作は、シンプルでありながら奥が深い豆腐のような味わいのある1本。お互いを大切に思うからこそ、ときにはぶつかってしまうこともある親子の姿に、共感するとともに心がじんわりと温かくなるのを感じるはずです。写真・園山友基(藤竜也、麻生久美子)取材、文・志村昌美麻生久美子 ヘアメイク・ナライユミスタイリスト・井阪恵(dynamic)ドレス¥59,400(ルーム エイト ブラック/オットデザイン TEL:03-6824-4059)他アクセ(スタイリスト私物)ストーリー尾道の風情ある下町の一角に店を構えている高野豆腐店。そこで働く父の辰雄と娘の春は、陽が昇る前から工場に入り、二人三脚で毎日おいしい豆腐を作っていた。ところがある日、辰雄はもともと患っている心臓の具合が良くないことを医師から告げられてしまう。そこで、出戻りの一人娘である春のことを心配した辰雄は、昔ながらの仲間たちに協力を依頼。春の再婚相手を探すため、本人には内緒でお見合い作戦を企てることに。そんななか、辰雄は偶然が重なって知り合ったスーパーの清掃員として働くふみえと言葉を交わすようになるのだった…。優しさに包まれている予告編はこちら!作品情報『高野豆腐店の春』シネ・リーブル池袋、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開中配給:東京テアトル(C)2023「高野豆腐店の春」製作委員会写真・園山友基(藤竜也、麻生久美子)
2023年08月23日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第151回は、出会った女性に揺らぎそうになりつつも、男性から「こういうタイプは苦手…」と恋に結びつかない女性の特徴をご紹介します。1.身なりにばかり気を遣う女性【結婚引き寄せ隊】vol. 151出会いを探していろいろなところに顔を出していると、たとえ気になる男性がいなくても、相手の男性と友達のようになったり、違う飲み会があると誘い合ったりと交流が広がっていくことがあります。そんなおたがいに異性としては意識しない婚活仲間になっていると、男性から「こんな女性はちょっとね…」というタイプを耳にすることもあるなか、「身なりにばかり気を遣う女性は厳しい」という話がありました。どの年代の女性も恋活や婚活の場にくるときはきれいにメイクしてファッションにも気を遣っている人が多いのですが、ルックスがいい女性ほど“男性から何かをしてもらって当然”という態度が垣間見えたり、“妙に自信満々で接してくる”ような女性も少なくないのだとか。外見がよければよいぶんだけ、クセが強いところのギャップで萎えてしまうというのですが…。外見を着飾ることはできても、内面を偽ることは意外と難しいということでしょうか。きっとどの女性も出会いの場にはきちんとした装いで行くはずですが、ちょっとした言動がアダとなり、相手の男性から内心、マイナス査定されていることがあるのかもしれません。2.すぐにか弱さを出す女性続いての敬遠されがちな女性は、すぐにか弱さを出してくるタイプ。男性に甘えたい気持ちがある女性が自然と困っていて頼るのであればいいらしいのですが、「ここで甘えるとカワイイかも」とか、本当は勝ち気なところがあるにも関わらずそれを隠してあえてしおらしく振る舞うといった、わざとらしいか弱さをちょっとでも感じさせると、テンションが下がってしまうようです。でも、女性に頼られると「守ってあげたい」という気持ちになる男性もいるのではと思いながらも、たとえば「あまり働きすぎると疲れてしまって」といったカラダが弱いアピールや、一緒に食事をする機会があってもあまりご飯に手をつけず「普段からあまり食べないんですよ」といった小食アピールをするなど、それってか弱さの演出なのか…?というようなアピールをしてくる女性は思いのほかいるのだとか。いまは女性をグイグイと「俺が引っ張っていく!」という男性よりも、一緒に歩きたいと考える男性も多く、か弱いことが可愛さに結びつくわけでもないですよね。もちろん個人の性格によるので、どういったタイプを気に入るかは人それぞれですが、出会いの演出をしてもいずれはバレてしまうものですから、それならばなるべく自然体でいることが一番安全な方法なのかも。3.オープンすぎる女性さらに、男性から「これはNGだよ」と思われるのは、オープンすぎる女性です。婚活をしていると、いろいろな場所で知り合いが増えるため、自分と同じように女性の婚活友達も増えて、女性同士ではけっこうあけすけに恋愛事情をおしゃべりする女性は多いですよね。でも、男性の前でも、なんでもオープンに話してしまう女性がときどきいるようで…。ある男性は、聞いてもいないのに別の男性との婚活の話をしてきたとか、前カレはこういう人だったからイヤだった、というような愚痴や別の男性の情報をペラペラと話してくる女性にびっくりしたのだとか。へんに隠しごとをされるよりも、以前の恋人の話や現在の婚活情報を聞いて、相手がどんな人なのかを知るきっかけにしようという前向きな考えの男性ならいいですが、だいたいにおいて、聞かれるならまだしも、聞かれてもいないのにオープンに過去の恋愛について話すのはタブー。うっかり情報過多にならないよう、気をつけたいものです。出会いを探していると、知らない間に異性から見てNG行動をしてしまっていることもあるかもしれません。人のフリ見て我がフリなおしつつ、素敵な人との恋をぜひつかんでくださいね!©standret/Getty Images文・かわむらあみり
2023年08月18日田村淳さんが2020年に亡くなったお母さまの死やお葬式について動画を配信し話題となっています。田村さんの母・久仁子さんは、余命宣告を受けてから、自分のお葬式にきてくれる方を自分らしくもてなせるような準備や遺書動画などを遺していったと田村さんは語ります。このように自分らしいお葬式をプロデュースする人も増え、お葬式のスタイルが大きく変わりつつあります。今回は最近のお葬式のスタイルやマナーついて、全日本葬祭業協同組合連合会 松本さんにうかがいました。誰もが迎える死だからこそ、どうやって終わりを迎えたいか、家族や周りの死と向き合うきっかけになるかもしれません。母親が生と死をセットで考えさせてくれていた田村さんのお母さまは癌を患い、約2年くらいかけて死の準備をしてきました。「お坊さんはこの人の声が好きだからこの人にしてほしい。お弁当はいいもの食べさせてあげたいからこのランク、BGMもこの曲にしてほしい」と自分で決定。その姿に対して田村さんは、動画内で次のように話しています。「母ちゃんは最後の時間の使い方がうまかったんです。母ちゃんは食卓で『淳、人間はね、いつかは絶対、死ぬんよ』と言っていたし、親戚が葬儀屋でもあったこともあり、死が身近にあった。母ちゃんは誕生日は生まれた日でもあるけれど、死ぬことを意識する日としていて、自分がどう死にたいかというのを伝えてくれていました。生と死をセットで考えさせてくれていたんです。そういう考えをもっていた母ちゃんだったこともあり、自分の死をプロデュースし、準備もしてくれていたのでしっかりお別れもできました。そのため、母ちゃんが亡くなった時もぽっかり穴が空いて何もできないという状況にはならなかったんです」少しずつ変わりつつあるお葬式のスタイル、マナー田村さんのお母さまのように自分自身でプロデュースするお葬式は新しいスタイルと言えます。今回のお話をベースに、全日本葬祭業協同組合連合会 専務理事 松本勇輝さんに変わりつつあるお葬式のマナー、スタイルについて聞いてみました。最近のお葬式のスタイル・傾向・インターネットでの葬儀社検索、葬儀社を紹介する、葬儀仲介サイトの出現・親族を中心としたお葬式「家族葬」・通夜などを行わず一日で完結させる葬儀形式「一日葬」・故人が生前に好きだった音楽や選曲した音楽を流したり、バンドやアーティストを呼んで生演奏してもらう葬儀形式「音楽葬」・しきたりに捉われず、自由な形式で行う葬儀形式・お葬式のオンライン配信、オンライン参列・時間に制限をつけない事前焼香松本さん葬儀社やお葬式の形態、費用面を決めておくことで送る側の負担が軽減され、故人としっかりお別れできるということにつながり、事前に故人が準備をするスタイルも増えています。 一方で、一部の仲介サイトの中には表示価格とは違い多くの追加の費用が請求されるようなことや、希望する葬儀社とは違うところを紹介されるなど、消費者トラブルも起こっているのでしっかりと信頼できる葬儀社を選ぶことが大切です。また、親族など人数を限った葬儀だと後日、多くの弔問者があり対応に追われるようなこともあるのでその点も念頭に入れておくことをおすすめしてます。田村さんのお母さまのように事前に準備した好きな音楽を流すスタイル「音楽葬」も最近では見かけます。また、コロナ禍では、時間を制限しないかたちで、弔問することができる事前焼香や、どうしても参列できない方に対し、オンライン配信ができるようになったことも新しい取り組みのひとつなのかもしれません。オンラインなどでの参列者のマナーとはコロナ禍でのお葬式のオンライン配信は新しい取り組みですよね。それにあたり参列者のマナーも松本さんに聞いてみました。ーー喪服は着るべきでしょうか?松本さん双方向のオンライン葬儀の形態もありますので、通常の参列と同等の対応をされた方がよろしいかと思われます。ーーお香典はどうするのでしょうか?松本さん事前に現金書留で郵送する場合もあれば、最近ではオンライン(クレジット決済)でお香典をお送りできるサービスをご利用いただいている場合もございます。ーーオンライン参列を気をつけることはありますか?松本さん通常の参列と同様に、故人ならびにご遺族へ弔意をしめすことが大切です。双方向のオンラインの際は、服装だけでなく、オンライン参列される側の音声や背景にも配慮することが大切です。これからのお葬式の形で重要なこと松本さん事前にお葬式の準備や生前整理、遺書動画撮影等をされることは、遺される家族への気遣い、愛情を感じます。また、田村さんのお母さまのように葬儀で流れた明るい音楽の選曲は、悲しみを和らげるための優しさや、故人自身もご家族に涙ではなく、笑顔で見送ってもらいたいという想いがあったのかもしれません。お葬式はやり直しができません。生前のうちから、どのようなお別れ方をしたいか、家族で話し合う等、機会づくりが重要だと感じております。お葬式を自分でプロデュースすることやオンラインでの参加など、今後も少しずつ変わっていきそうなお葬式のスタイルやマナー。昔よりも双方にとって選択肢が広がっている印象です。生も死も誰にでも存在する身近なことだからこそ、考えさせられるお話を聞けました。(C)Yuuji/Getty Images
2023年08月15日猛暑続く夏。この時期に新しい服を買うとなると、とにかく手頃な価格で楽ちんな服が欲しい。そして、秋まで着られる服なら文句なし!...ですよね。そこで今回は、秋まで着られる美人見え確実なUNIQLO&GUトップスをご紹介します。【UNIQLO】リブボートネックノースリーブTノースリーブは襟の開き具合やアームホール(袖を通す部分の穴)の大きさなど、ディティールへの配慮がないアイテムを着ると安っぽく見えてしまいます。この手のデイリーに着られる服は安い価格で手に入れたくなるのですが、洗濯するとすぐヨレたり、だらしなく見えたりもするのでデザイン・耐久性ともに優れたアイテム選びが重要です。その点をクリアしているのが、この夏にUNIQLOから登場した「リブボートネックノースリーブT」です。なんと、1枚1000円(税込)という驚きの安さ...!それでいて、どんな骨格にも対応してくれる美シルエットなんです。特筆すべきは襟が開きすぎないボートネックライン。鎖骨の肌みせがラウンドネックよりも少ないので肩幅が広いかたやバストが大きい方が着ると、いつも以上にすっきりと美しい印象を作り出します。袖と襟にはパイピングが施されているので、洗濯機で洗ってもヨレにくさを実現。秋にはジャケットやシャツのインナーに使えるので、これこそ色違いで何着か大人買いしても良さそうです。【GU】フレンチスリーブプルオーバーシャツ夏トップスだけど、秋まで着られるシルエットの美しいプルオーバー。GUはUNIQLOよりもややトレンドを意識したデザイン性の高いアイテムが豊富です。そのなかでも、大人が着て高見えするような上品さとほんの少しのトレンドが相まったアイテムを選ぶと長く着続けられること間違いなし!なかでもこの夏登場したアイテムでおすすめなのが「フレンチスリーブプルオーバーシャツ」。フレンチスリーブは肩先が少し尖っている立体的なフォルムで二の腕を細く見せます。素材はポロシャツに似た生地ですが、形の美しさとシンプルなデザイン。ボトムスの組み合わせをキレイめなパンツにすれば通勤時にも使えそうですね。秋はジャケットを羽織って着こなして。上半身をコンパクトに見せてくれるので、ハイウエストのタックワイドパンツで脚長効果を出すと背丈アップ&スタイル良く見えるコーデが完成します。クリーンなトップスは秋に持ち越せる今回ご紹介した2アイテムのように、シンプルでシルエットが美しいデザインのトップスは汎用性が高いので秋コーデにも対応できます。また、8月からは秋色・夏素材の新作アイテムが続々登場するので、グレーやブラウンなど秋に似合うような深みのある色のトップスをゲットするのもおすすめです。ぜひ、新しいアイテムの購入を検討している方は今から活躍できて秋まで持ち越せるトップスを探してみてくださいね!Information・商品紹介UNIQLO リブボートネックノースリーブT ¥1,000(税込)GU フレンチスリーブプルオーバーシャツ+E ¥1,990(税込)
2023年08月14日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はファッションウィークでおなじみのイケメン達のメガネ&サングラス姿をピックアップしてみました!トレンディなキャットアイメガネ全体のスタイルを見ただけで、とんでもないお洒落さんだなとわかりますよね。コートのディテールも、スーツも個性的な柄。そんな彼の愛用メガネは今でも大人気のキャットアイ型メガネ。丸みを帯びたデザインなので、優しい印象を与えてくれます。個性爆発!ラウンドメガネ一瞬メガネをしていないように見えるほど小さめのメガネは、縁が透明なデザイン!なかなか似合う人はいなさそうですが、この方とっても似合ってますよね。さらにまん丸の形がよりお洒落度を高めているようです。全体のスタイルにもピッタリ!定番サングラスはいつでも優等生やっぱりボストン型サングラスはメンズにも人気!全身を黒でまとめた彼のスタイルにピッタリあった形。カッコ良すぎる形のサングラスだと、それなりに尖って見えますが、あえて丸みのあるボストン型だと、お洒落度が増すんですね。彼の愛用サングラスはアビエーター / Aviatorいつもサングラスを愛用している彼、いつだってアビエーター / Aviator愛用者。それにこのかたのスタイルにピッタリなじんでますよね!もう顔の一部のような印象です。それにしても、なかなか似合う人がいないのに、こんなに似合うなんてうらやましい限りです。ラウンドサングラスでお洒落度マックス全体をブラウンでまとめた、ビーガンレザージャケットが決まってる彼、ここに小さめラウンドサングラス!最後のファッションの決め手となるようなピックアップの仕方。もう本当にお洒落さんだと一目でわかりますよね。ラウンドサングラスは、着用するだけで一瞬でお洒落に見えちゃうから、ファッショニスタには大人気!彼しか似合わない!もう何型というんでしょうか。彼が他の形のサングラスをしているイメージが湧かないくらい、このサングラスがピッタリ似合っています。全体的にクールでかっこいい印象が強いので、サングラスがビシッと決まってます。今回はファッションウィークで発見したメンズのお洒落メガネ&サングラスの着用スタイルをスナップしてみました。お洒落さんは選ぶメガネ&サングラスも独特なのがわかりますよね。ファッションの重要なアクセサリーのひとつなので、ぜひ今後の参考になれば幸いです。写真、文・平野秀美
2023年08月13日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。ビシッと決めたい日には、レッドスタイルが人気!インフルエンサーのレッドスタイルを参考にしてみましょう!素材違いを上手に組み合わせるお洒落なシルキー素材のプリーツスカートに、ニット系で少しカジュアル感を出したスタイル。素材を上手に変えて、雰囲気を楽しんでいるようです。またこちらのニットがふんわりしたスタイルなので、より女性らしい印象を与えてくれます。アウターでレッド使い全身を赤にするには勇気がいる…という場合は、まずはアウターだけをレッドにするのもいいかもしれません。こちらのアウターは長めタイプですが、ショートタイプの赤でも目立ってお勧め!スーツでビシッと決めたい!実は海外でよく見かけるのが、この上下レッドスーツスタイル。目立つだけでなくかっこいいですよね!しっかりと主張する場面ではファッションはとても重要なので、大切なイベントなどにはレッドスーツが人気のようです。上品なワンピーススタイルどんな色でも可愛らしい襟付きのプリーツワンピース。ブーツやベルトなどの小物の色に対しても、主張するレッドが、インパクトあって魅力的!どんな柄ものよりも目を引くカラーで印象深いスタイルにしてくれます。ハーフパンツでカジュアル感出してこちらはなかなか難しいハーフパンツスタイル。さらにレッドスタイルでもお洋服に当たるライト次第で、ツートーンに見せてくれるお洒落なデザイン。うっすら見え隠れする柄が上品で、パーティなどにもってこい!今回は、とても人気の高いレッドスタイルをピックアップしてみました。目を引くレッドはパーティなど重要な時に印象深く存在感を感じさせてくれるので、TPOに合わせて使ってみるといいですね。写真、文・平野秀美
2023年08月12日サントリー美術館で、「虫めづる日本の人々」が開かれています。本展では、古くから日本の美術作品に描かれてきた「虫」たちに注目。和歌や物語にも登場し、日本で愛されてきた虫の文化に触れられる展覧会です。美術館で「虫」探し!「虫めづる日本の人々」会場入り口風景【女子的アートナビ】vol. 308「虫めづる日本の人々」では、古くから物語や和歌、美術作品のなかで季節感や人の心を表すものとして描かれてきた虫に焦点をあて、中世から近現代までの絵画や工芸、着物などさまざまな作品が紹介されています。サントリー美術館学芸員の宮田悠衣さんは、本展について次のように教えてくれました。宮田さん近年、雑誌『ブルータス』で昆虫の特集があったり、虫の展覧会が開かれたりと虫に注目が集まっています。とはいえ、展覧会は花鳥画に比べると少なく、当館でもはじめての取り組みとなります。虫は古来の日本美術において重要なモチーフであり、例えば『源氏物語』や『伊勢物語』など古典文学のなかでは鈴虫や松虫などの鳴く虫や蛍が登場人物の心情を表す重要な役割を果たしています。絵のなかで、いろいろな虫を探してみてください。きりぎりすの恋バナ!「虫めづる日本の人々」展示風景手前:住吉如慶《きりぎりす絵巻》二巻 江戸時代 17世紀 細見美術館蔵(全期間展示・場面替えがあります)では、いくつか見どころをピックアップしてご紹介。まず第一章「虫めづる国にようこそ」では、江戸時代の絵巻や硯箱などを展示。虫をめでる文化は宮廷を中心に発展し、鳴く虫を捕まえて宮中に献上する虫撰(むしえらみ)も行われていました。また、虫の音を楽しむ虫聴(むしきき)や蛍狩(ほたるがり)などの娯楽も宮廷を中心に育まれたそうです。この章での見どころは、美しい玉虫姫をめぐる虫たちの恋物語を描いた《きりぎりす絵巻》。宮田さん場面の展示替えがありますが、前期では上巻のクライマックス場面が展示されています。セミの右衛門督(うえもんのかみ)が恋の争いに勝ち、玉虫姫と一夜の逢瀬をしたあと、玉虫姫に後朝(きぬぎぬ)の文を届け、その返歌を玉虫姫がしたためている場面です。擬人化した虫たちが、さまざまに活躍する様子を楽しめます。夫婦円満のデザインとは?《梅樹熨斗蝶模様振袖》江戸時代 19世紀女子美術大学美術館蔵(展示期間7/22-8/21)続く第二章「生活の道具を彩る虫たち」では、酒器や染織品などの身近な道具にデザインされた虫たちに注目。華やかな蝶の模様が入った打掛や生活道具などが展示されています。宮田さん熨斗蝶(のしちょう)とは、夫婦円満の印として認識されていた蝶の文様です。2羽の蝶が仲睦まじく飛ぶ様子が夫婦円満を意味する文様となるなど、蝶は昔から縁起が良いものとされてきました。婚礼の衣裳にも蝶がデザインされています。江戸末期になると、裕福な町人階級も婚礼をするようになり、さまざまな階層の人たちに婚礼衣装が広がり、同時に熨斗蝶の意味も広がり、縁起の良い文様として広く認識されるようになりました。「秘めたる恋心」を表す虫とは?喜多川歌麿《夏姿美人図》江戸時代寛政6-7年(1794-95)頃遠山記念館蔵(展示期間:7/22-8/21)第三章「草と虫の楽園―草虫図の受容について―」では、中国から伝わった「草虫図」がどのように日本で愛されたのかについて紹介。会場では、重要文化財に指定されている草虫図などを見ることができます。さらに、3階の展示室にある第四章「虫と暮らす江戸の人々」では、庶民の娯楽として広まった虫聴や蛍狩について紹介。虫をめでる文化は宮廷を中心に育まれていましたが、江戸時代中頃になると庶民も楽しむようになっていきました。町には虫売りが増え、虫聴や蛍狩の名所も登場。そんな虫に親しむ人々の様子を描いた浮世絵などが展示されています。宮田さん喜多川歌麿の《夏姿美人図》では、足元に蛍籠が描かれています。この女性は、身支度を整えていて、これから夜の蛍狩りに恋人と行くところです。さらに踏み込むと、蛍は「秘めたる恋心」を象徴する虫として古くから和歌に盛り込まれてきたものです。蛍という虫が持つ文化的な側面が絵の中にこめられています。ユルッとした若冲の大人気作品!重要文化財伊藤若冲《菜蟲譜》江戸時代寛政2年(1790)頃佐野市立吉澤記念美術館蔵(展示期間:8/9-9/18※場面替えがあります)次の第五章「展開する江戸時代の草虫図―見つめる、知る、喜び―」では、江戸時代に制作された多彩な虫の絵を展示。伊藤若冲の大人気作品《菜蟲譜(さいちゅうふ)》も、この章で楽しめます。東京では7年ぶりの公開となる本作品について、宮田さんが見どころを教えてくれました。宮田さんこの作品には、56種類ほどの虫たちが登場します。9月4日までの前半期間では、葛の葉で遊ぶ虫たちの様子を描いた場面を展示しています。たくさんの虫たちの特徴をしっかりと捉えながらも、生き生きとユーモラスに描かれている点が見どころです。例えば、キリギリスは顔をこちらに向けて視線を投げかけているので、目が合ったりします。表情などもおもしろく、ユルッとしたところも魅力です。西洋人が驚いた!満田晴穂左:《自在精霊蝗虫》令和4年(2022)、中央:《自在鬼蜻蜓》令和4年(2022)、右:《自在大蟷螂》令和5年(2023)すべて作家蔵全期間展示最後の第六章「これからも見つめ続ける―受け継がれる虫めづる精神―」では、明治以降から現代までの虫モチーフ作品を展示。絵画や屏風、自在置物などを見ることができます。明治期には、西洋から影響を受け、新たな技法や表現が盛り込まれた虫作品が生み出されていきました。また、江戸時代に親しまれた虫聴や蛍狩もさらに人々の間に広がり、その様子を見た小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)など西洋の人たちを大変驚かせたそうです。昔から現代まで続く虫に対する人々の気持ちを、さまざまな美術作品をとおして楽しめる展覧会は9月18日まで開催。なお、作品保護のため、会期中に展示替えがあります。詳しくは、公式サイトでご確認ください。Information会期:~9月18日(月・祝)休館日:火曜日※9月12日は18時まで開館会場:サントリー美術館時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)※8月10日(木)、9月17日(日)は20時まで開館※いずれも入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥1,500大学・高校生¥1,000中学生以下無料
2023年08月12日人形業界に革命を起こし、「世界でもっとも有名なファッション・ドール」と呼ばれるバービー。その世界観を初めて実写化した映画『バービー』が、いよいよ日本でも公開を迎えました。そこで、日本版吹き替えを担当したこちらの方にお話をうかがってきました。高畑充希さん【映画、ときどき私】 vol. 594本作で、マーゴット・ロビー演じる主人公バービーの声を演じた高畑さん。舞台やミュージカル、映画、ドラマなどで幅広く活躍されている高畑さんですが、洋画作品で吹き替えを担当するのは2015年の『シンデレラ』以来、2回目となります。今回は、映画を通して感じたことやハッピーになる瞬間、そして完璧よりも大切なものについて語っていただきました。―久しぶりのアフレコでかなり緊張されたそうですが、どのような意識で挑まれたのかを教えてください。高畑さん私は声優さんと違って普段生身でお芝居をしているので、慣れない声での表現はどうしたらいいんだろうと思い、ほかの吹き替え作品やマーゴット・ロビーさんの出演作を観たりして準備をしました。それと同時に、映画のなかでキャラクターがどういう感情になるのかにも寄り添えたらいいなと思ったので、そのあたりも手探りで演じました。―実際、苦労したシーンなどはありましたか?高畑さん「Hi, Ken」というセリフがものすごく多いんですが、そこで最初につまずきました。というのも、「ハーイ」と言うとどうしても「ケン」まで英語の発音になってしまうのですが、そこも日本語っぽくしゃべってほしいと言われたので。「健康の『健』みたいな感じです」と何度も注意されました(笑)。―逆に、気分が上がったシーンといえば?高畑さんバービーたちは、ガールズナイトやパーティを毎晩していてハイテンションなので、ブースのなかで私も1人で絶叫していました。そんなときは、自分で「何してるんだろう」と思ったことも(笑)。でも、普段ではないようなテンションだったので、すごく楽しかったです。ダメな自分のほうが好きだと思えるようになった―完成した作品を観たときの感想についても、お聞かせください。高畑さん私はもともとグレタ・ガーウィグ監督が大好きですが、彼女がバービーを実写化するというのが最初は全然つながりませんでした。でも、ポップな世界観が見事に完成されているうえに、ストーリー性もある。こんなふうにかけ合わせられることに感動しましたし、当初思い描いていたより何倍も大人向けの作品になっていると思いました。観る方によってかなり印象が変わる作品ですし、見どころを説明するのも難しいので、「とりあえず観てください!」という感じです。―そのなかでも、共感するところはありましたか?高畑さんあるシーンで「あなた変わったわね」とバービーが言われるんですが、そこで「いまの私は完璧じゃないから」と答えるところは響きましたね。というのも、私が10代だったころ、自信に溢れていて完璧だと思っていましたが、大人になるにつれて、それが崩れ始めて動揺したことがあったからです。でも、そのときに「ダメなところがいいね」と言ってくださる人がいて、自分でも「こっちの私のほうが好きだな」と思えたので、そういうところはわかるなと。10代は無敵でしたけど、人生は崩れてからのほうがおもしろいなと感じています。アクシデントがあるほうが、テンションが上がる―つまり、完璧でいるよりも大切なものがあることに気づいたと。高畑さんといっても、そもそも私は完璧であることを求めたことがないのかもしれません。それは小さい頃からずっと舞台に立つなかで、お客さんのテンションや共演者によって毎日すべてが変わり、完璧を目指してもなかなかそうならないことを感じていたからです。でも、それによって100点じゃなくて120点が出る日もあったので、自分が完璧にするよりも、一緒に演じている人たちのことを完璧に信頼したいという気持ちのほうが強くなりました。もちろん、バービーみたいに完璧であるがゆえの美しさもありますが、私自身は完璧ってワクワクできないんじゃないかなと。―なるほど。劇中にはさまざまなタイプのバービーが登場しますが、なれるとしたらどのバービーになりたいですか?高畑さん私は、腕を上げると胸が大きくなるバービーです(笑)。大きくしたいときは膨らませて、洋服によってはへこませられたら最高だなと。女性の夢じゃないですかね。―確かに、それは最高ですね!バービーだけでなく、恋人のケンも魅力的なキャラクターでしたが、どういう印象を受けましたか?高畑さんバービーのことが大好きだけど、それがなかなかうまくいかないので強がってしまうときもありますが、単純でかわいくて憎めないですよね。私は穏やかで柔らかい仕草をする男性が好きなので、ケンみたいに素直でチャーミングな人はいいなと思います。「生きているだけで偉い」と感じるようになった―本作ではキラキラした要素だけでなく「男女とは?」「生きるとは?」というところまで描かれていると感じたそうですが、ご自身のなかで新たな発見もあったのでしょうか。高畑さん「女だから」とか「男だから」というテーマも描かれていますが、最終的には所属や出身に関係なく「個人としてどう生きるか」という部分にたどりつくので、それがいまの時代には合っている作品だなと感じました。あと、最近は「生きているだけで偉いんじゃない?」と思っています(笑)。私もめちゃくちゃ落ち込む日はありますが、その翌日にめっちゃハッピーになることもあるので、まだまだ生きてみないとわからないなと。これから先の人生も、いっぱい発見があるのかなと考えると楽しみです。―ちなみに、落ち込んだときの対処方法やハッピーになるために心がけていることがあれば教えてください。高畑さんそういうときは何もしません。落ちるときは落ちますし、ネガティブなときはすべての思考がネガティブに傾きますから。ただ嵐が通りすぎるのを待ちます。でも、私は洋服が大好きで、毎朝何を着て出かけるかを考える時間が幸せなので、それが人生の楽しみになっているのかなと。もし全人類が裸で生活するようになったら、私の楽しみはすごく少なくなってしまうと思います(笑)。限られた時間を大切に使いたい―また、現代はSNSなどもあり、多くの人がバービーのように完璧であることを目指そうとしていますが、こういった環境のなかで生きづらさや窮屈さを感じたことはありますか?高畑さん何をやっても何かを言われるような世の中ですし、完全に賛同されることはおそらく1つも存在しないとも感じています。でも、そこに引っ張られてしまうのではなく、それを切り離して、自分の周りにいる人を大事にするほうが有意義ではないでしょうか。時間は限られているので、大切にしたいですね。―そういうふうに考えられるようになったきっかけなどもあったのでしょうか。高畑さん経験を積み重ねるなかで少しずつではありますが、そのなかでも大きかったのは20代前半に舞台に出演していたときのこと。内容がけっこう過激だったので、途中で帰ってしまうお客さんもいたのですが、最後まで見てくださる方にはものすごく楽しんでいただけた作品でした。そのときに賛否両論であることには意味があるんだと実感したので、みんなが何となくいいと思うものよりも、私はそういう作品にこそ価値があると感じています。よくなるかもしれないし、空振るかもしれないような作品でも、怖がらずに受けてみようという精神になったのはその頃からです。どん底まで落ちたら、あとは上がるだけ―それでは最後に、同世代のananweb読者に向けてメッセージをお願いします。高畑さん私もみなさんと同じで、いい日もあれば悪い日もあるので、どん底まで落ちたときは上がるだけだと思うようにしています。それにそういう時期がずっと続くことはなかなかありませんし、あとで「ああいう時期もあったな」と思える日が来る。落ち込むよりも、そのときのよかったことを見つけるほうが大事だと伝えたいです。実際、私も29歳で謎の焦りがありましたが、それを超えたら何もなくなって、毎日が俄然おもしろくなりました。旅行をしたり、仕事をしたり、新しい人と出会ったり、30代のほうが楽しいです。繰り返しになりますが、本当に生きているだけで偉いので、悩める女子たちにはぜひこの映画を観てほしいと思います。インタビューを終えてみて…。バービーのカウガールファッションを彷彿とさせるかわいらしい姿で登場した高畑さん。ユーモアを交えつつ、核心をついた言葉の数々にたくさんの元気をいただく取材となりました。30代を満喫し、公私ともに充実している高畑さんのさらなる飛躍が楽しみなところです。悩みも吹き飛び、気分はピンク一色!オシャレでかわいいだけじゃなく、自分にとってハッピーな生き方とは何かを教えてくれるドリームファンタジー。夢のようなバービーランドで、みんなと一緒に笑って泣いたら、もっと輝く明日にきっと出会えるはずです。写真・園山友基(高畑充希)取材、文・志村昌美ジャケット¥89,000、ブラウス¥89,000、スカート¥58,000(すべてMARANT ETOILE)、ピアス¥75,000、ブーツ¥194,000(ともにISABEL MARANT/すべてISABEL MARANT AOYAMA STORE TEL: 03-6427-3443ストーリーすべてが完璧で、毎日がハッピーで夢のような世界が広がっているバービーランド。そこで暮らすバービーとボーイフレンドのケンは、連日繰り広げるパーティやドライブ、サーフィン、デートを楽しんでいた。ところがある日、突然バービーのカラダに異変が起きる。原因を探るために2人が向かったのは、悩みの尽きない人間の世界。しかし、そこはバービーランドとはすべてが違う現実の世界だった。行く先々で大騒動を巻き起こすなか、バービーが最後に選んだ道とは…。キュートでパワフルな予告編はこちら!作品情報『バービー』8月11日(金)全国ロードショー配給:ワーナー・ブラザース映画(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.写真・園山友基(高畑充希)
2023年08月11日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第150回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その51をお届けします。1.面接官のような男【結婚引き寄せ隊】vol. 150それは30代から40代の大人の男女が集まる婚活パーティに参加したときのこと。最初の自己紹介タイムでは、パーティが始まる前に記入したプロフィールカードと飲み物を持って、女性が座っている席に男性が順番に動いていくというローテーションで進行していました。あるとき、目の前にメガネをかけた40代後半の男性がまわってきて、「こんにちは」とペコリ。穏やかな話し方をする人で、外見はちょっと地味な印象ながら、ガツガツしていないぶん落ち着いて話せるのは安心できると思っていたら…。「おやすみの日は何してるんですか?」と聞かれて、「おいしいものを食べに行ったりしますね」と、いたって普通のことしか答えていなくても、何やら持参してきたらしい小さなメモ帳に何かを書いています。何か質問されて、ひとつ答えると、すぐにメモを走らせる男性。え?もしかしてこっちの話をメモってるの?と「何してるんですか?」とたずねると、「気にしないで!」という返事が…。いや、婚活の席で、しかも初対面で会話の途中で何度もメモされたら気になるわ、面接官か! と、心の中でひとりでツッコんでいたら、「ハイ、男性の方は次の席へ〜」とスタッフの方の合図で席移動になり、「では!」と隣の席へその男性は移動。あっけに取られながらも、もちろんその後また話すことはなかったのでした。2.ずっと会えない男それは婚活サイトで出会いを探していたときのこと。希望の条件に近い30代後半の男性がいたので、軽いあいさつから始まり、趣味の話などをメールでやりとりするようになりました。すると、その男性は絵を観に行くのが好きで、ときどきは展覧会にひとりで行くこともあるらしく、アートも好きな私としてもそれなら、「今度美術館へ行こう」ということに。いつなら行けそうか、という話になると、その男性のほうから「来週の土曜日は何も予定がありません」とメールが来たので、「じゃあ土曜日に」と待ち合わせ場所と時間を決めて、だんだんと約束の日が近づいてきたある日のこと。あさってが約束の日、というときに「すみません、土曜がちょっと難しくなって……」というメールが来ました。なぜなのか理由が書いていないものの、事前に連絡が来たということもあり、「急がないので、また空いている日教えてくださいね」とメール。後日、「今週末はいけそうです」と連絡が来て、ちょうどこちらもいけそうだったので、「今度こそ会いましょうね」とメールしていたのですが…。今度は前日の夜になって、「すみません、明日が難しくて」というメール。ええ?と、さすがに2度目の直前のキャンセル連絡にテンションがダダ下がりになってしまい、しばらく放置していると、「日なら空いているんですが…」とメールがきたので、でもまた直前NGじゃないかと疑っていること、気分がよくはないことなどを正直にメール。さすがに怒っていることが伝わったのか、その後はパタリと連絡は途絶えました。うーん。ものすごく人見知りなのか、それともただの暇つぶしなのか、謎。いろんな人がいるよね……と、無理矢理自分を納得させた夜なのでした。3.人の話を聞かない男それは20代から40代までの男女が集まる合コンに参加したときのこと。ちょっと遅れて到着した私は、たまたま空いていた席に座ったところ、横に座る男性から「おつかれさまー」とビールジョッキを渡されて、そのテーブルの男女と乾杯しました。遅ればせながら軽く自己紹介を済ませ、同じテーブルの参加者は30代の男女だということがわかり、仕事の話を始めると、さっき「おつかれ」と言ってきた男性が、どれだけいまの仕事が大変か力説。何やら営業職で毎日疲れるという話のようで、最初は普通に話を聞いていたものの、とにかく話が長い…。20分置きぐらいに、他の参加者の女性が「ちょっとトイレ」と言って席を立つと、しばらくして戻ってきたかと思いきや、違うテーブルに潜り込んでこのテーブルには戻ってきません。そんな調子で、2人の女性は違うテーブルへ移動し、ひとり語りが長いこの男性に呆れて移動しているの!?と気づいたときには、なかなか逃げにくい状態に。とはいえ、さすがにその男性の話だけを聞く担当でもないわけで、他の女性たちと同じく「トイレ行きます〜」と言って脱出。酔うとおしゃべりが好きなタイプもいるでしょうけど、限度があるよねえとゲッソリしたのでした。出会いを探していると、思いがけないタイプと遭遇することもあるものです。たとえヘコむ日があっても、絶対に笑顔の日もあるはず! みなさんの恋愛がうまくいきますように。文・かわむらあみり©GaudiLab/Getty Images文・かわむらあみり
2023年08月09日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は、職場でもおすすめなお洒落でかっこいいパンツスタイルをご紹介します。落ち着いたカラーの組み合わせこちらは異なる色を上手に組み合わせたパンツスタイル。グレーのパンツとブラウンのジャケットは似合わないのではと思っていましたが、こうしてみると、ネイビーのシャツがとってもバランスよくカラーの組み合わせを保っているようです。上級者の組み合わせでとっても参考になります。レザー系パンツスタイルこちらのトレンディなレザーパンツは、かっこよさが増す印象!ジャケット選びをうまくすれば、オフィスにだって着用していける万能パンツ。お洒落度はグンと上がりますよね!ホワイトで清楚な雰囲気にやっぱり全身ホワイトは清潔感あふれる品のあるファッション。パンツスタイルで、カジュアルにもオフィスにも合わせていけそうです。日本のようにかなり暑い夏には、ホワイト系スーツスタイルは見ている人も、着ている人にも爽やかな印象があって本当におすすめ!定番のグレースーツ!グレーのスーツは、ネイビーやブラック系のスーツよりも柔らかな印象なので、女性に人気!カジュアルにTシャツと組み合わせるのもいいかもしれません。重要な仕事時にはシャツで、通常のオフィスワークにはTシャツで、なんてインナーを変えるだけでファッションを楽しませてくれますよ!温かみのあるブラウンスーツこちらは素材が夏にも人気の麻を使用したお洒落なスーツ。特に暖かな印象のブラウン系は1年中使える人気のカラー。海外ではスーツスタイルにもスニーカーで合わせたりしているのがいいですよね。この方は珍しいシルバー系のシューズに合わせて自己流の組み合わせを楽しんでいるようです。いかがでしたでしょうか?本日はパンツスタイルでも、特にオフィスにも着用できるファッションをピックアップしてみました。会社によってルールがあると思いますが、お洒落でかっこいいスタイルをぜひ参考にしてくだされば幸いです。写真、文・平野秀美
2023年08月06日東京国立近代美術館で、「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が開かれています。本展では、スペインの建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)が建設に携わったサグラダ・ファミリア聖堂にフォーカス。日本人が愛するガウディ建築の魅力に迫る展覧会です。日本人彫刻家も活躍!サグラダ・ファミリア聖堂外尾悦郎さん【女子的アートナビ】vol. 307「ガウディとサグラダ・ファミリア展」では、完成の時期が視野におさまってきたスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア聖堂に焦点をあて、建築家ガウディの創造の源泉や、進行中の建設プロジェクトについても紹介。図面や模型、彫刻、写真など多彩な作品や資料に加え、最新映像も見ながら、サグラダ・ファミリア聖堂の魅力にたっぷりと触れられる展覧会です。本展の開幕前日に開かれたプレス内覧会では、彫刻家の外尾悦郎さんが登壇。外尾さんは、サグラダ・ファミリア聖堂の彫刻家として現地で長年活躍され、ミケランジェロ賞や文化庁長官表彰など国内外で多くの賞を受賞されている方です。外尾さんは、次のようにコメントされました。外尾さん私は1978年にヨーロッパに渡り、3か月で日本に帰る予定でしたが、サグラダ・ファミリアに出合い、45年、仕事をさせていただくことになりました。なぜ、45年間もいたのか。サグラダ・ファミリアをはじめとするガウディ作品に魅力があるからです。魅力どころではない、いま我々人類が必要としている大切なヒントが、ガウディにはありました。それが私を惹きつけているのです。その一端を、今回の展覧会で見ていただければ、明るいヒントが見つかるのではないかと期待しています。サグラダ・ファミリア聖堂とは?「ガウディとサグラダ・ファミリア展」展示風景まず、本展の主役であるサグラダ・ファミリア聖堂について、ざっくりとご紹介。サグラダ・ファミリア聖堂は、1882年に起工式が開かれ、ガウディは1883年に二代目の建築家として就任。聖堂は献金で建設資金を得ていたため、彼は設計や建設に携わるだけでなく、資金集めなどにも奔走しました。聖堂は未完のまま、ガウディは73歳のとき路面電車にはねられて亡くなってしまいます。その後、スペイン内戦時にはガウディの模型などが破壊され、またフランコ独裁政権時代には建設資金も集まらず、聖堂は何度も建設中止の危機に陥ります。スペイン王政復古後には経済も上向き、2005年には聖堂が世界遺産に登録されて観光客も増加。その入場料などで資金も増えて工事が進み、コロナ禍で中断しながらも少しずつ完成に近づいています。サグラダ・ファミリアは総合芸術!「ガウディとサグラダ・ファミリア展」展示風景では、展覧会の見どころについて、ピックアップしてご紹介していきます。1章「ガウディとその時代」では、図版やガウディの愛読書などを展示。学生時代のガウディがどのようにして建築家になっていったのか、その形跡をたどれるようになっています。東京国立近代美術館 企画課長の鈴木勝雄さんは、ガウディについて次のように教えてくれました。鈴木さんいかに天才ガウディといえども、彼独自の世界を築くにあたり、古今東西さまざまな建築やイメージソースを吸収し、そこから理論や造形をつくりだしていきました。前半の章では、ガウディの頭の中をのぞくことができます。そこで見えてきたガウディの独創性が、サグラダ・ファミリアへとつながります。ガウディが生きた時代は万国博覧会の時代で、世界各地の文化や技術、さまざまな様式の建築が見られました。そこから異文化を吸収しつつ、彼は自分の世界をつくっていきました。サグラダ・ファミリアは、まさに総合芸術なのです。自然や植物も好きだった「ガウディとサグラダ・ファミリア展」展示風景2章「ガウディの創造の源泉」では、歴史・自然・幾何学に注目。ガウディのスケッチや模型、彼がデザインした椅子などが展示されています。ガウディは、スペインのイスラム建築の歴史に関心もち、くだいたタイルで建物を彩る多彩色建築に取り組み、独自のスタイルを生み出しました。鈴木さんガウディは、自然や植物を丁寧に研究し、自分の装飾パターンに入れていきました。また、当時は洞窟や浸食された大地の奇妙な形に人々が関心を持ちロマンを抱く時代で、ガウディも洞窟にロマンを感じていました。洞窟を思わせるものが、彼の建築の随所に出てきます。さらに、彼は造形を自由に展開するだけでなく、幾何学にも長けており、建築構造に深い知識を持っていました。放物線の形をした超高層ビルの模型もつくり、その形が後のサグラダ・ファミリアの構造にもつながっていきます。聖堂を飾っていた石膏が登場!外尾悦郎《サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面:歌う天使たち》サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面に1990-2000年に設置作家蔵3章「サグラダ・ファミリアの軌跡」では、ガウディ独自の制作方法などを紹介。彼は、図面だけでなく多くの模型をつくって自分の構想を練り上げていきました。会場では、大小さまざまな模型や、聖堂を飾った彫刻も展示されています。鈴木さんガウディは、彫刻をつくる際、実際のモデルから型を取っていました。モデルは、バルセロナの市民たちでした。彼が亡くなったあとは後世の人たちに受け継がれていき、外尾悦郎さんは聖堂の「降誕の正面」に設置されている「歌う天使たち」の石膏像をつくられました。会場にある作品は、10年間、聖堂に設置されていたものです。ぜひ、天使の表情や所作などをじっくりご覧ください。4K画像で空中散歩も!《サグラダ・ファミリア聖堂、身廊部模型》2001-02年制作:サグラダ・ファミリア聖堂模型室西武文理大学3章の最後では、NHKが最新技術を使って撮影したサグラダ・ファミリア聖堂の美しい映像を楽しむことができます。また、4章「ガウディの遺伝子」では、ガウディ建築が現代に与えている影響や意義を探り、インタビュー映像なども紹介。最後は、ガウディの言葉が映像で映し出されて展示が終わります。なお、この展覧会は連日大盛況で、会場内は混雑しています。公式サイトに混雑状況も載っていますので、チェックしてからお出かけください。Information会期:~9月10日(日)休館日:月曜日(8月28日、9月4日は開館)会場:東京国立近代美術館時間:10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥2,200大学生¥1,200高校生¥700中学生以下無料※熱中症対策及び混雑緩和のため8月3日以降は日時予約推奨(8月25日以降は休まず夜間開館を実施)。詳細は展覧会公式サイトへ。巡回情報:滋賀会場:2023年9月30日(土)~12月3日(日)佐川美術館愛知会場:2023年12月19日(火)~2024年3月10日(日)名古屋市美術館
2023年08月06日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はやっぱり大人気のデニムファッションについて、最新スタイルをご紹介します。オーバーサイズのデニムジャケット!数多くのブランドがオーバーサイズのデニムジャケットを販売している通り、ストリートスタイルでも多くの方が愛用しているのが伺えます。また、オーバーサイズはやっぱり今も人気。着るだけでトレンディなスタイルになるのもいいですよね。こちらの写真のデニムは、さらにロゴが柄になったお洒落デニム。全体のスタイルにピッタリ合っててかっこいい!デニムベストは男女共に人気キラキラとした飾りがついているデニムベストは、カッコ良さにきれいがプラスされて強調されたような印象。この方はブラトップスを着用していますが、Tシャツだったりワンピースを合わせても可愛く着こなせそうです。手ぶらでOK!実用も兼ねてこちらの男性のベストは、仕事でも使用できちゃいそうなポケットだらけの使い勝手がよさそうなベスト。男性の全体のスタイルにピッタリ合っていて、さすがお洒落さんという感じ。ロングジャケットにもワンピースにも大きめデニムシャツのいいところは、実はこのようにジャケットとしてもワンピースとしても使えちゃうところ。この日はワンピースのように使用していますが、前を開けてアウターとしても使える万能タイプ。またデザインはシンプルながらも色がタイダイ風なので、お洒落度はよりアップ!上下お揃いのホワイトデニム上下お揃いでデニム着用は今や定番スタイル。今回はホワイトデニムというところがポイント!ラインやフリンジが入った小洒落たデザインも珍しく、飽きのこないスタイリッシュさがポイント。夏でも涼しげに見えて素敵!穴あきデニムはいつだって使える!私も持っていますが、穴あきデニムはちょっとスタイルを崩したい時にもってこい。この方のようにビシッと決めたジャケットスタイルにも似合ってしまう不思議な存在なんですよね。もしこれが普通のデニムならインパクトは少ないと思いますが、穴あきデニムのお陰で全体がより遊び心を感じるスタイルになっています。いかがでしたでしょうか?デニムといってもズボンだけではなく、今はほとんどのファッションアイテムで使われています。使い方次第で、いろんなスタイルを楽しめるのがわかりますよね。今後のスタイルの参考になりましたら幸いです。写真、文・平野秀美
2023年08月05日ペットランキングや数多く配信されている動物動画のなかでも、幅広い層からつねに高い人気を誇っている猫。そこで、オススメの1本としてご紹介するのは、猫好きにはたまらないと話題のドキュメンタリーです。『猫と、とうさん』【映画、ときどき私】 vol. 593俳優兼インフルエンサー、ベイエリアの技術者、路上で暮らす男性、消防士、スタントマン、トラック運転手など、一見何のつながりもない男性たち。それぞれ異なる背景を持つ彼らだが、その共通点は家や職場でともに生活する猫たちをこのうえなく愛していることだった。そんな彼らに立ちはだかったのは、誰にとっても経験したことのない試練となった2020年。9人の男性たちは、コロナ禍で愛猫とともにさまざまな困難を乗り越えようとしていた…。ダラス国際映画祭2021やサンフランシスコインディーフェスト2022などで観客賞に輝き、各地で好評を博している本作。そこで、見どころなどについてこちらの方にお話をうかがってきました。マイ・ホン監督手がけたのは、ロサンゼルスを拠点に活動しているマイ・ホン監督。自身も、6匹の猫と暮らす愛猫家でもあります。今回は、キャリアにおいて初の長編ドキュメンタリー映画となる本作が誕生したきっかけや猫が男性たちに与える影響、そしてアメリカの猫事情などについて語っていただきました。―本作は、猫好きではなかった監督のパートナーが猫を飼い始めたことによって変わっていく様子を目の当たりにしたことが制作のきっかけだったとか。実際、どういう変化があったのかを教えてください。監督私は彼のことを長年知っていますが、優しい人ではあっても、動物に関心があるタイプではないと思っていました。なので、猫との強いつながりを見たときに「こんなにも思いやりがあって、動物を愛せるキャパがある人だったのか」と私も周りの人たちもみんな驚いたんです。あと、夫は仕事人間で働きすぎなところがありましたが、以前よりもゆったりとした暮らしをするようになったことで、自分の時間を大切にするようにもなりました。そんなふうに、猫とかかわることによって変わっていく姿を見て感動しましたし、重要な意味を持つことでもあると感じたのです。男性が猫を飼うことは、まだあまり一般的ではない―ただ、アメリカでは「猫を飼う男性は変わっている」と見られてしまう傾向があるそうですね。監督SNSに猫を飼う男性の投稿が増えていることによって、少しずつ変わってきたとは思いますが、それでも男性が猫を飼うことはまだあまり一般的とは言えないかもしれません。実際、飼っていたとしても、そのことを男性がオープンに話さないこともあるくらいですからね。私の兄がいい例ですが、実は彼が猫を飼っていることも、猫をかわいがっていることも知らなかったんです。でも、この映画によって彼はそのことを話してくれるようになりましたし、猫との写真をSNSに載せるようにもなりました。そんなふうに、身内にも猫のことを言わない男性もいるほどです。―驚きのエピソードですが、その背景には「猫を飼っていることを知られるとモテない」と男性が思い込んでいる部分もあるのかなと。監督それもありますね。おそらく、テレビや映画が与える影響が大きいと思いますが、男性には猫ではなく、犬がキャスティングされることが大半です。そうなると、男性と猫というのは見慣れない光景になるので、それが彼らにとっては恥ずかしさにつながってしまうのかもしれません。あと、アメリカでは猫好きの女性を「クレイジーキャットレディ」と呼び、非常識な描かれ方をされることがよくあるので、そういうイメージが広まってしまったことも原因だと感じています。最近は、有害な男らしさも改善されつつある―ちなみに、日本でも「猫を飼う女性は結婚できない」と言われていたこともあるので、猫好き女性に対する偏見は似ている部分があるのかもしれないです。監督そうですね。アメリカでも猫好きの女性は、1人で猫と住んでいるように思われたり、少し哀れみを持って見られたりする部分もありますから…。でも、私としては、猫の面倒もちゃんと見ることができる自立した女性で、より解放されている人として捉えています。―そう思います。また、本作では男性と猫を通して、“現代における男性らしさ”について探求したいという意図もあったそうですが、制作過程で新たな発見などもあったのでしょうか。監督いわゆる「トキシック・マスキュリニティ(有害な男らしさ)」については、だいぶ改善されているように感じました。それは、MeToo運動のように女性が声を上げられるようになり、男女平等を求めるようになったことも大きいのではないでしょうか。ただ、進化した部分があるのと同時に、伝統的な男らしさとされるマッチョイムズについては、まだまだかなと思うところも…。その1つの例が銃規制ですが、そういったところは、もっと改善すべきだと考えています。とはいえ、なかなか打破するのが難しい分野ではありますね。日本には、共通の“猫愛”があると感じている―なるほど。ただ、本作に登場する男性たちを見ていると、猫にはそれを変える可能性があるのではないかとさえ感じるところもありました。監督確かに、そうですね。男性と猫というイメージが広がることによって、もっと男性のソフトな面が出てほしいですし、もっとそこを評価してほしいと思っています。そうすれば、男性もマッチョでいることよりも、動物や人に対して愛情を持って接することに価値を見い出せるようになるからです。そして、それが有害な男らしさによるいじめなどを減らしていくきっかけになったらいいなと考えています。それから、男性が問題を解決する際のアプローチ方法においても、そういった変化は重要だと言えるのではないでしょうか。映画のなかに、野良猫の問題に取り組む男性が出てきますが、その姿から問題解決においても男らしさではなく、愛情や優しさを持って向き合う大切さを知ってほしいです。―日本についてもおうかがいしますが、これまでたびたび来日されているということなので、どのような印象をお持ちかをお聞かせください。監督日本人は勤勉で職人気質ですし、食をはじめとする文化の発信の仕方も素晴らしいので、私も映画という分野で同じように極められたらいいなと考えています。それと、猫が文化の一部に入り込んでいる国だなという印象です。ロゴや広告など、いたるところに猫がいるので、共通の“猫愛”を感じられて、猫好きの私としてはとても落ち着きます。楽しみながら仕事をする大事さを伝えたい―そういった共通点から、今後日本のアーティストと仕事をしてみたいと思うこともあるのでは?監督美的感覚が優れた方が多いので、機会があればぜひコラボレーションしてみたいですね。好きな方がいっぱいいすぎて困るのですが、映画監督であれば三池崇史監督のファンです。以前、私はアジア映画祭のプログラマーをしていたこともありますが、そのときにも三池監督の作品は多くかけていましたし、私の周りにも好きな人はたくさんいます。なので、アメリカでも監督の作品は愛されていることを伝えたいです。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。監督言い尽くされた表現ではありますが、やっぱり大切なのは「ネバーギブアップ」の精神。私自身も諦めそうになったことはありましたが、40代半ばでジャンルをドキュメンタリーに変更したことでやっと自分に合うものに出会うことができた経験があるからです。「気づくまでにどうしてこんなに時間がかかったんだろう」と思うこともありました。でも、そんなふうにちょっとした調整をしただけで答えが見えてくることもあると知れたので、いまはよかったなと感じています。この作品も自分の楽しみのために撮り始めたものなので、成功しても失敗しても関係ないという気持ちでしたが、いつの間にか多くの人が共感してくれました。そうやって輪が広がっていき、同時に評価されていることもうれしいですが、その源にあるのは何かというと、自分自身が楽しむこと。キャリアを築くうえではそういうこともつい忘れがちですが、楽しみながら仕事をする大事さをみなさんにも伝えたいです。“ニャン”とも言えない幸せな気持ちに満たされる!猫好きはもちろん、まだ猫の魅力に気づいていない人も虜になること間違いなしの本作。思わず釘付けになってしまうかわいさに癒されるだけでなく、個性豊かな猫たちが起こす奇跡の瞬間にも心を奪われる珠玉のドキュメンタリーです取材、文・志村昌美目が離せない予告編はこちら!作品情報『猫と、とうさん』YEBISU GARDEN CINEMA、シネ・リーブル池袋、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて公開中配給:ファインフィルムズ️(C) Gray Hat Productions LLC 2021.
2023年08月03日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。この夏に欲しい珍しいサングラスから定番デザインまで一挙にご紹介します。フェスやイベントに!ハート型のサングラスが可愛い!ブラックだと意外と普通の時でも使えそうなくらい、ファッションアイテムとして定着しそう。特にフェスやイベントなどではいつも人気の変形サングラス。ハート型はやっぱり可愛いですね。定番スクエアサングラス最近は一風変わったサングラスが人気ではありますが、やはり定番のスクエアタイプはちょっとお出かけの時に主張しすぎずにバランスが取れるので、愛用する人も多いのところ。1つ持っていたら、本当に重宝します。大きめのフレームは小顔効果抜群!今も人気の大きめフレームは、やはり小顔効果抜群ですね。また目が大きく見える印象があるので、ファッションアイテムとしては持ってて損なし!ラウンドサングラスは今年再注目!こちらのサングラスは、完全なるラウンドタイプではないけれど、こういう丸タイプのサングラスは本当に最近よく見かけます。比較的お洒落さんがかけている感じが強いので、ぜひ真似してみたいですね。細長タイプのサングラス目尻あたりが細くなったタイプのサングラスも、ここ最近人気のようです。多くのファッションショップで見かけますよ!また甘辛な印象なのも魅力的。個性的すぎないのでどんなファッションにも合わせやすく、毎日でも愛用できちゃいそう!フレームが透明系のサングラス形はよく見かけるタイプですが、フレームが透けたタイプのサングラスやメガネが人気急上昇中。印象も重くなりすぎず、夏にはぴったりな印象です。キャットアイサングラス今でも大人気のキャットアイサングラス。特に最近は目尻部分がより上がったものが流行っている模様。カラフルなフレームを選ぶのも今年の特徴です。ファッションを選ぶ印象なので、印象づけたい時にはもってこいです!いかがでしたでしょうか?今回は今年の夏にぜひお勧めしたいサングラスをご紹介しました。数ある中でどんなサングラスを選べばいいかわからない場合は、上記を参考にしてみてください。写真・文 平野秀美
2023年07月30日気になる話題の映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第7回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりがお届けします。【テレビっ子の窓】vol. 7春が過ぎ夏を迎え、暑い日が続くようになると、クーラーのきいた涼しい部屋でゆっくりしたくなる方もいるはず。そんなときにオススメしたい、2023年発表の注目の韓国ドラマと韓国映画をご紹介します。ときめく王道ラブストーリー『キング・ザ・ランド』Netflixシリーズ『キング・ザ・ランド』独占配信中作り笑いが苦手なキンググループの御曹司ク・ウォン(イ・ジュノ)は、いつも笑顔をふりまくホテル従業員のチョン・サラン(ユナ)と最悪な出会いをして険悪な関係に。ある日、2年連続で親切社員&優秀社員に選ばれるほどの逸材であるサランは、従業員の憧れの部署「キング・ザ・ランド」に配属され、上司となるウォンと衝突しながらも次第に惹かれあっていくという、王道のラブストーリー『キング・ザ・ランド』。Netflixシリーズ『キング・ザ・ランド』独占配信中御曹司と従業員という立場の違いがあるなかで、ウォンとサランの距離がどんどん縮まっていく様子がなんともロマンチック。そもそもK-POPスターの2PM ジュノと少女時代のユナという、容姿端麗なふたりが恋に落ちるさまは、観ているだけでも目の保養になって、ときめきスイッチがオン! いま現在ドラマが配信途中ということで、結末がどうなるのか、今後の展開が待ち遠しいです。ラブコメディ『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』Amazon Original『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』 Prime Videoで独占配信中。©KT StudioGenie恋愛コラムニストで恋愛コーチとして知られるボラ(ユ・インナ)とともに、恋愛にうとく無愛想な出版社のスヒョク(ユン・ヒョンミン)がボラの担当企画者となって、ふたりで恋愛指南書を作ることに。恋愛には戦略が必要だと世間にアピールしていたボラは、実生活では浮気者の恋人ジュワン(チャンソン)と別れの危機が訪れます。その一方でボラとスヒョクは、だんだんと恋愛の駆け引きをするようになるというラブコメディ『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』。Amazon Original『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』 Prime Videoで独占配信中。©KT StudioGenieボラを演じるユ・インナといえば、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016年)で死神と切ない恋をしたサニー役で魅力を開花させた印象。主演作となる今回は、自立した女性ながら恋愛にとまどうボラ役を好演していて、恋をしている女性は共感できる部分が多いかも。ボラの妹の彼氏役として登場し、初めて演技に挑戦したK-POPグループ「iKON」のジュネや、ジュワン役の2PMチャンソンらにも注目です。ファンタジーロマンス『ハートビート』Amazon Original『ハートビート』 Prime Videoで独占配信中©KBS「人間になって、心躍る恋がしたい」と願うヴァンパイアのウヒョル(オク・テギョン)は、サンザシで作った棺の中で100年間眠ると人間になれる秘術を知り実行したものの、あと1日の99日目に人間の女性イネ(ウォン・ジアン)に棺を開けられて“半人ヴァンパイア”になってしまいます。イネは血の通わないようなドライな女性でウヒョルとは折り合わないものの、ひょんなことから同居して心が通い合っていくという、ファンタジーロマンス『ハートビート』。Amazon Original『ハートビート』 Prime Videoで独占配信中©KBSウヒョルとイネが、どんなふうに恋愛関係になっていくのか? 現在配信途中ということもあって、今後のなりゆきに期待大。以前『ヴィンチェンツォ』で魅せた悪役での怪演が鮮烈で印象深いテギョン。今作では、人間になる秘術を教えてくれた1000年生きる猫のコ・ヤンナムのことを「コ先生〜」と呼んで探す姿、100年前と現代とのギャップに驚く古風なウヒョルをテギョンが演じ、コメディとの相性もバッチリです。青春コメディ『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』Netflix映画『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』7月26日(水)より独占配信中常識のないサッカー選手のユン・ホンデ(パク・ソジュン)は、相手チームの選手に暴行し、選手生命の危機に陥ることに。その罰として、ホームレスのワールドカップの監督を任されます。そんなサッカー未経験者を寄せ集めたチームのドキュメンタリー制作が決まり、放送局のプロデューサーである、情熱のないイ・ソミン(IU)は、彼らに密着。果たして、彼らは世界大会に出場できるのか?Netflix映画『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』7月26日(水)より独占配信中最弱チームが人生を逆転させるために次第に結束していく様子、ホンデとソミンもだんだんと本気で夢を叶える彼らとともに変化してく姿が見どころの青春コメディ『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』。初共演となるIUの愛らしさとパク・ソジュンがサッカーをプレーする姿も必見で、さらに、ふたりとそれぞれ共演経験のあるカン・ハヌルの特別出演も見逃せません。ラブストーリーから青春物語まで、涼しい部屋でゆったりと、気になる作品をチェックしてみてくださいね。きっとあなたにぴったりの韓国作品があるはずです!文・かわむらあみり文・かわむらあみり
2023年07月30日国立西洋美術館の常設展示室で、小企画展「美術館の悪(わる)ものたち」が開かれています。本展では、国立西洋美術館が所蔵する膨大なコレクションのなかから、「悪ものたち」が登場する作品を展示。まがまがしい悪魔から、心惹かれる魅力的なキャラクターまで、さまざまな悪党が登場します。このユニークな展覧会を担当された研究員さんに、展示の見どころなどお聞きしてきました!西洋の「悪ものたち」が勢ぞろい!「美術館の悪ものたち」展示風景【女子的アートナビ】vol. 306「美術館の悪(わる)ものたち」では、国立西洋美術館が所蔵するコレクションからセレクトされた作品を49件展示。デューラーやルーベンス、クラーナハ、ドーミエ、ゴヤなど、ルネサンス期から20世紀までの名作版画のほか、油彩画も紹介されています。描かれている「悪もの」は、悪魔や怪物だけではありません。怠惰や大食い、嫉妬、貪欲、淫欲などもキリスト教会では「大罪(悪徳)」とされ、それらを描いた作品も展示。また、「死」をイメージ化した不気味な版画や、悪徳政治家を揶揄した風刺画もあり、多彩な西洋の悪ものたちが勢ぞろいしています。この楽しい展覧会を企画された国立西洋美術館 学芸課長の渡辺晋輔さんに、見どころや版画の楽しみ方をお聞きしてきました。悩みに悩んで「悪ものたち」に…――まず、本展開催の経緯について教えてください。渡辺さん国立西洋美術館の版画素描展示室では、大きい展覧会を開催するたびに、当館の所蔵作品を使った小さい展覧会をしています。今回、企画展示室では学術的なスペイン版画の展覧会をしているので、その裏番組として、この小企画展ではやわらかめのテーマで版画などを出すことにしました。――「美術館の悪ものたち」というタイトルにとても惹かれます。なぜ、「悪もの」をテーマにされたのですか?渡辺さん夏休みの期間とも重なるので、子どもが楽しめるものにしようと思いました。テーマは悩みに悩み、「悪魔と魔女」も考えましたが、それだけで作品を集めるのは難しく、もう少し広めのテーマとして出てきたのが「悪ものたち」でした。「悪い奴ら」にしようかとも思いましたが、最終的には「悪ものたち」となりました。「悪もの」は自由に描ける!――作品には、悪魔や怪物などキャラクターたちがたくさん登場しています。今のように簡単に情報が得られない当時の芸術家たちは、どんな風に個性的なキャラクターを生み出したのでしょうか?渡辺さん当時も、少ないながらも情報は得られました。その役割を果たしたのが版画です。ルネサンス期は、版画により情報の伝達が進み、各地で描かれている変わった怪物などを知ることができました。例えば、ユニークな怪物を描いたヒエロニムス・ボスの版画を見た画家が、それをもとに工夫を重ねて発展させて描いたりしています。また、16世紀はローマ時代の壁画などが発掘され、古代の変わった装飾模様が見つかった時期でもあるので、そのデザインを発達させたという可能性もあります。――西洋文化のなかで「悪ものたち」のイメージが受け継がれ、発展していったのですね。渡辺さん悪いものや醜いものは、「こう描かなければならない」という制約がありません。例えばキリストや聖人は、描き方が厳密に決まっています。また、美しい人の描き方もある程度決まっています。「悪ものたち」はそれらと正反対にあり自由なので、画家たちは創意工夫を発揮しやすく、自分の能力を示すきっかけにもしていました。不倫の濡れ衣を着せられた人妻の絵…スケッジャ(本名ジョヴァンニ・ディ・セル・ジョヴァンニ・グイーディ)《スザンナ伝》15世紀――本展の構成を教えていただけますか?渡辺さん会場では、セクションにわけながら、ルネサンス期から20世紀へと時代が下がるように展示していますが、時代の流れは厳密ではありません。また、本展では、当館コレクションのなかでもかなり良い版画を選んであります。テーマを設けていますが、名品展にもなっていて、基本的にどれを見ても良い作品です。――どれも名品とのことで、そこからセレクトするのは難しいと思いますが、各セクションのおすすめ作品を教えていただけますか?渡辺さん最初のセクション「罪深い人々」では、一番目に展示してあるテンペラ画が見どころです。描かれている「スザンナ伝」は、当時とてもメジャーな話です。旧約聖書に題材をとったもので、長老たちに言い寄られ、不倫の濡れ衣を着せられた人妻スザンナの様子などが描かれています。その長老たちが、典型的な悪人とわかるようになっているので、おもしろい作品です。――この絵は、部屋に飾って楽しむためにつくられたのですか?渡辺さん本作品は、もとは「カッソーネ」と呼ばれる、衣服などを入れる長持ちの前面を飾る装飾パネルでした。これは嫁入り道具です。スザンナは貞節を守った女性なので、花嫁のお手本のようなイメージとして、当時の花嫁道具に好んで描かれました。版画史に残る名品!アルブレヒト・デューラー《騎士と死と悪魔》1513年エングレーヴィング――次のセクション「悪魔と魔女」のおすすめ作品を教えていただけますか?渡辺さんデューラーの《騎士と死と悪魔》は、版画のなかで最高峰作品という位置づけで、版画史に残る重要な作品です。技法も優れていますし、「死」をデューラーが工夫して発展させ、あのような版画に仕上げた点もすばらしいです。右側に、ブタの鼻をもつ悪魔も描かれています。「美術館の悪ものたち」展示風景渡辺さんまた、このセクションでは、版画によってイメージがイタリアからドイツへ、そしてドイツからイタリアに伝わったことがわかる作品も3点展示しています。イタリアのマントヴァで制作されたマンテーニャの版画がドイツに運ばれ、それをデューラーが入手し、あるイメージを引用して「魔女」を描きます。その版画が、今度はローマに流通し、ヴェネツィアーノという画家が魔女の作品を描きました。会場では、パネルで詳しく解説してありますので、そちらもご覧ください。ずっと見ていて飽きないイチオシ版画ジョルジョ・ギージ《人生の寓意》1561年 エングレーヴィング――続いて、「魔物」のセクションについて、見どころを教えてください。渡辺さんギージの作品は、16世紀の版画のなかでは非常に有名で、とても魅力的だと思います。作者の空想がすごく発揮され、画面が謎めいていて、今でも何が描かれているのかよくわからない部分もあります。技術力も高く、細かなところまで描き込まれていて、見ていて飽きませんし、純粋に楽しいです。また、本作品は自分が購入を担当したものでもあり、ぜひ見ていただきたかったという思い入れもあります。――この作品は、大きなパネルにもされて、描かれている「生き物」を探すというクイズも出されていますね。渡辺さん動物や怪物だけでなく、よく見ると、「ラファエロ作」という文字も書いてあります。モチーフをラファエロから引用しているところもあり、いろいろな解釈が盛り込まれています。当館ホームページの作品検索ページでも本作品を拡大して見ることができますので、ゆっくり動物など探してみてください。男の醜さを際立たせた作品ウィレム・ファン・スワーネンブルフ、マールテン・ファン・ヘームスケルク の原画に基づく《『世俗財産の悪用についての寓意』より、男に矢を放とうとする死》1609年エングレーヴィング――「死」のセクションのおすすめ作品も教えてください。渡辺さんスワーネンブルフの作品は、世俗財産の悪用を寓意として表しているところがおもしろい作品です。「死」の訪れで財産が崩れ去り、結局死んでしまえば何も残らないという教訓がこめられています。――このような版画は、当時の人たちは飾って楽しんでいたのですか?渡辺さん版画は、本来は手元に置いて、見て楽しむものです。例えば、16世紀に入ると素描のコレクションをする人たちが出てきますが、これは一点ものでなかなか手に入らないので、その代わりに版画をコレクションしていました。今の切手帳みたいに帳面に版画を貼って、鑑賞するというやり方です。裕福な人の趣味ですが、安い物もありました。フェリシアン・ロップス《ポルノクラテスあるいは豚を連れた女》1881年エッチング、アクアティント――最後のセクション「近代都市の悪ものたち」の見どころを教えてください。渡辺さんロップスの作品はインパクトがあります。裸の女性が目隠しをしてブタを連れて歩いている版画です。「ポルノクラテス」とは「娼婦政治家」のことで、自分の利益しか見ていない政治家を風刺している作品です。近代都市の堕落したところを見せつけているように思います。左:フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス《『ロス・カプリーチョス』より、何たる犠牲か》1799年エッチング、アクアティント(一部掻き落とし)、ドライポイント右:オノレ・ドーミエ《『表情のクロッキー』より、(39)なあ、いいだろう…ご主人様に接吻しておくれ…今すぐに…》1838年リトグラフ渡辺さんゴヤやドーミエが描いた、中年男性が若い女性を口説く作品もおもしろいです。「不釣り合いなカップル」という主題は歴史が長く、ルネサンスのころからあります。年寄りの男性と若い女性、醜い男性と美しい女性など、いろいろなところが対比となっています。醜い男性を描くとき、いかにして醜さを際立たせるかが画家に求められていました。ゴヤもドーミエも、その部分をうまく表現していると思います。深く考えずに楽しんで!――最後に、版画の鑑賞法について教えてください。版画は、木版やエングレーヴィング、エッチングなどさまざまな技法があり、少し難しいイメージがあります。初心者は、どんなふうに見ればよいのでしょうか?渡辺さんあまり深く考えずに見ていいと思います。技法がわからないと作品がわからない、ということではないと思います。見ていると、素描とは違うというのはわかると思いますので、何か違うなという感じを楽しんでいただければ、それで十分だと思います。例えばデューラーの版画は、純粋に画像が醸し出す雰囲気がすごいと思います。風格があり、見ていると圧倒されます。その魅力を、会場で見て感じていただけたらうれしいです。――詳しく解説していただき、ありがとうございました。クビーンのポスターも見てください!渡辺さんのお話、いかがでしたか。モノトーンの版画は、一見すると地味ですが、描かれているテーマやストーリーを知ると、大変おもしろいアートだと思いました。本展は、タイトルもユニークですが、ポスターも非常にインパクトがあります。アルフレート・クビーンという画家が制作した、不敵な笑みを浮かべた骸骨の版画がデザインされているのですが、残念ながら本作品は著作権の関係で、ポスターも含めて写真を掲載できません。クビーンの作品はネットでも話題になっていて、「あの版画のグッズが欲しい」というコメントもちらほら。間違いなく、本展で一番キャラ立ちのスゴい「悪もの」です。会場で、クビーンの版画は最後に登場するので、ぜひ直接美術館でご覧になってみてください。「美術館の悪ものたち」は9月3日まで開催。Information会期:~9月3日(日)休館日:月曜日※8月14日(月)は開館会場:国立西洋美術館新館2階版画素描展示室時間:9:30~17:30※毎週金・土曜日:9:30~20:00※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥500大学生¥250※本展は常設展の観覧券または企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」(7月4日(火)~9月3日(日))観覧当日に限り、同展観覧券でご覧いただけます。
2023年07月30日国立新美術館で、「テート美術館展光— ターナー、印象派から現代へ」が開かれています。本展のアンバサダーは、俳優の板垣李光人(いたがきりひと)さん。ご自身でもデジタルアートを手がけるなど、アートが大好きな板垣さんに、展覧会の感想や楽しみ方について、語っていただきました!板垣李光人さんがアンバサダー!板垣李光人さん【女子的アートナビ】vol. 305「テート美術館展光— ターナー、印象派から現代へ」では、英国・テート美術館から「光」をテーマにセレクトされた作品が来日。イギリスが誇る風景画家のターナーやコンスタブル、印象派のモネ、室内の淡い光を描いたハマスホイなどの油彩画や、近代の写真作品、現代アートのインスタレーションなど多彩な作品をとおして、光とアートをめぐる200年の流れを体感することができます。今回、テート美術館から来日する約120点の作品のうち、およそ100点が日本初出品です。本展は、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドをめぐってきた世界巡回展。最終会場の日本では、大人気のロスコやリヒターの作品も特別に出品されます。そんな注目の展覧会でアンバサダーと音声ガイドを務めるのが、NHK大河ドラマ『どうする家康』でモテモテの井伊直政役を演じている俳優の板垣李光人さん。ドイツ語で「光」を意味する「Licht(リヒト)」という名をもつご縁でアンバサダーに選ばれた板垣さんが、プレス内覧会に登場。その後、インタビューも実施しましたので、まとめてご紹介します。すごく不思議な感じ――展覧会のアンバサダーになられて、いかがでしたか?板垣さんすごく不思議な感じです。アートが好きなので、美術館はプライベートでもよく来ている場所です。そこでこうしてお仕事をさせてもらってるというのが不思議な感じですし、本当に光栄で嬉しいです。国立新美術館もよく来ていて、展示室で作品を見たあとは、余韻に浸りながら館内のカフェでお茶しています。そこでケーキを食べたりもしています(笑)。――音声ガイドも担当されています。特に、収録で心がけたことなどありましたか?板垣さん音声ガイドは、作品を鑑賞するための手助けで、作品が主役という意識はありました。また、自分で美術館に来たときにもいつも聴いていたので、どういうテンポがいいのか、どんな感じがいいのか、ある程度はわかっているつもりでいましたので、割とスムーズにできました。完成したものはまだ聴いていないので、また来て聴いてみたいです。――音声ガイドの収録で、特に印象に残った作品解説はありましたか?板垣さん原稿を読んでいて興味深かったのは、草間彌生さんの鏡の作品《去ってゆく冬》です。草間さんの作品は、有名な水玉の絵や立体かぼちゃのイメージでしたが、今回の作品ははじめて知りました。無限を表している作品で、彼女が水玉を描く理由も原稿で触れられいて、興味深かったです。――その作品を実際にご覧になってみて、いかがでしたか?板垣さん会場で作品を見てみると、鏡の奥に続く水玉が、直線で続くのではなく曲線を描くことで、その先が円になるように想像できました。それにより、輪廻というか循環を連想できて、おもしろかったです。あの作品は、写真で見るよりも、やはり実際に本物を見ないとわからないと思いました。解脱したような感じ…――展覧会の全体をご覧になって、いかがでしたか?板垣さんとにかく幅が広いな、と思いました。時代の幅もそうですけど、油絵から現代アートまであり、いろいろな世代の方に楽しんでいただけるのではないかと思います。――お気に入りの作品を教えていただけますか?板垣さんいろいろあるのですが、まずジェームズ・タレルの《レイマー、ブルー》という作品はよかったです。見る人によって解釈や感じ方が全然違うと思うのですけど、ぼくはすごく高尚なもののように感じました。白い無垢な空間に青い光が映し出されるのですが、それがあの世への入り口のような感じで……。安らかで清らかで、煩悩がなくなり、解脱したというか、解脱の入り口にいるような感じがしました。――解脱できるような作品というのはすごいですね。ほかには、どんな作品がよかったですか。板垣さんジョン・ブレットの《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》も好きでした。海に光が降り注ぐ絵で、画家自身が航海に出て見た海の風景を描いたそうで、陸や港から見る海の景色とはまた違う力強さがありました。海の美しさだけでなく、航海に出ているからこそ海の恐ろしさ、厳しさ、力強さみたいなものがわかり、そのうえで描いている絵なので印象的です。波の質感や、光が降り注いで光が波に反射している様子など、ディテールを近くで見るのもいいし、少し離れて全体の力強さを楽しむのもいいです。――鑑賞方法が本格的ですね!板垣さん自分も絵を描いたりするので、ディテールとか見てしまいます。――絵を描かれる立場からご覧になって、すごいと思った作品はありましたか?板垣さんゲルハルト・リヒターの《アブストラクト・ペインティング(726)》はおもしろいと思いました。キャンバスを2個つなげている作品で、アナログで描いているので筆の跡もあるのですが、その筆の動きがデジタルな電子的なものにも思えました。解説を聴いたら、専用のスキージーで描いているそうで、機械的な動きによりその質感が出ているとのこと。油彩的なアプローチによるインクの飛び方とか筆の運び方とかのバランスがおもしろいと感じました。画家自身で自分の色も確立されていますよね。――本展をご覧になり、ご自身のアート制作などでトライしてみたいことなど出てきましたか?板垣さんぼくはデジタルアートを描いているのですが、キャンバスに描きたいなと思いました。リヒターを見たらいいな、と(笑)。専用の部屋を借りてアトリエみたいにして、壁をブルーシートで覆って汚れてもいいようにして、そんな環境が欲しいな、と思いました。衝撃を受けたアートは…――板垣さんは、デジタルアートで現代仏画をお描きになってNFTでリリースされていました。なぜ仏画というジャンルにされたのですか?板垣さんもともと仏教だけでなく宗教画が好きなんです。キリスト教絵画は、印象派などと違う質感があり、おもしろいと感じます。例えば、人物のバランスが、概念的な偉大さや存在の大きさにより描かれるサイズが決まったりして、そのめちゃくちゃ大胆な感じがおもしろいです。色の使い方も、絵の具の発達により変わってきますが、古いものは、その描かれた当時の独特の色の出し方があり、そんな色使いも好きです。ヨーロッパだけでなく、アジアの曼荼羅などもおもしろいですね。だから、もともと宗教画に興味があり、デジタルでイラストを描いていて、さらにファッションも好きなので、その自分の好きなものを組み合わせて紹介したいと思い、たどりついたのが現代仏画でした。――では、お寺などにも行かれたりするのですか?板垣さんお寺も仏像も好きです。お寺や神社にもいろいろ様式があり、例えば仏像でも攻めている感じのものもあったりして、見ていておもしろいです。――アートは、描くのも見るのも好きとのことですが、いつからアートに興味があったのですか?板垣さん絵は、覚えていないくらいのころから描いていました。アーティスティックなものが好きだと自覚したのは、ティム・バートンの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を見てから。この映画がとても好きでした。小さいころからティム・バートンの作品が好きで、それが今にも通じてくるのかなと思いました。――これまでに見た展覧会で、印象に残っているものはありますか?板垣さん以前、森美術館で開催されていた「塩田千春展:魂がふるえる」。あれは衝撃的でした。今回のテート美術館展でも、大きな卵のような作品《イシーの光》(アニッシュ・カプーア作)がありましたが、あのような生命とかエロティシズムを感じるような作品もすごく好きで、塩田さんの作品も血のような肉体的なものを感じ、そんな作品が好きで強烈だったので覚えています。――たくさん美術展に行かれていますが、アートの楽しみ方を教えていただけますか?板垣さん例えば今回のターナーの作品など、百数十年以上も前に描かれたものです。その時代に生きていた人たちが感じていたもの、考えていたこと、におい、五感などすべて表現されているのが絵なので、その時代にタイムスリップできる感覚を味わえるのが美術だと思います。来たことがない方は、とにかく一回来てみると、自分なりの楽しみ方が絶対に見つかると思います。――では、最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします。板垣さんこの展覧会には、はじめて日本にくる作品もたくさんあり、絵だけでなく立体作品もあります。ふだん絵や美術に興味がない方や、美術館に来る機会がない方でも、すごく楽しみやすいと思います。いろいろな時代のものがあり、何か自分のなかにビビッとくる、心惹かれる作品が絶対にあると思うので、いろいろなテートの光を感じに来ていただけたらと思います。――ありがとうございました!取材を終えて…アートについて、非常に造詣の深い板垣さん。作品についての感想も、ひとつひとつがとても深く、でもわかりやすい言葉で話してくださり、聴き惚れてしまいました。容姿だけでなくお声も優しく美しいので、音声ガイドも心地よく聴くことができます。ぜひ、板垣さんのガイドを聴きながら、作品をご覧になってみてください。Information会期:〜10月2日(月)休館日:毎週火曜日会場:国立新美術館企画展示室2E時間:10:00〜18:00※毎週金・土曜日は20:00まで※入場は閉館の30分前まで観覧料:一般¥2,200大学生¥1,400高校生¥1,000
2023年07月30日東京駅周辺の便利なエリアには、ステキな美術館がいくつか集まっています。今回は、そのなかから夏のおでかけにおすすめしたい「ゾクゾクする」アートが見られる展覧会を2つご紹介!あやしい絵にゾクゾク!「甲斐荘楠音の全貌」東京ステーションギャラリー【女子的アートナビ】vol. 303まずは、東京駅直結の美術館、東京ステーションギャラリーで開催中の「甲斐荘楠音の全貌」。大正から昭和にかけて活躍した日本画家、甲斐荘楠音(かいのしょうただおと/1894-1978)の代表作が集まる過去最大規模の展覧会です。甲斐荘は、京都生まれ。御所近くの裕福な家庭で育ち、幼少のころから歌舞伎好きで劇場に通うような子どもでした。その後、京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)に進学。ルネサンス美術にも関心をもち、《モナリザ》の模写などもしていました。卒業後は、革新的な日本画を次々と発表し、注目を集めます。《幻覚(踊る女)》1920年頃、京都国立近代美術館彼が描く「あやしい」雰囲気の作品は、おもに大正時代に制作されました。女性の姿が独特な色彩やタッチで表現され、かなりのインパクト。ちょっと官能的でもあり、ゾクゾク鳥肌が立ちます。《春宵(花びら)》1921年頃、京都国立近代美術館ゾクゾクを通り越して、ギョッとする作品もあります。白粉をたっぷり塗った顔がやや不気味にも思える《春宵(花びら)》は、花魁を描いた作品。描きかけの部分もあるので、未完作といわれています。この花魁と似たような姿をした画家自身の写真も、参考資料として展示されています。太夫に扮する楠音、京都国立近代美術館芝居好きの甲斐荘は、ときどき女形として素人歌舞伎の舞台に出ることもありました。さらに、異性装で「女性」として振る舞うこともあり、彼が遊女や女形に扮した写真も多く残っています。《春》1929年、メトロポリタン美術館、ニューヨークPurchase, Brooke Russell Astor Bequest and Mary Livingston Griggs and Mary Griggs Burke Foundation Fund, 2019 / 2019.366また、本展には海外からの出品作もあります。展覧会のメインヴィジュアルにも使われている《春》は、アメリカのメトロポリタン美術館から来日。本作品は、甲斐荘が所属した絵画団体「新樹社」の第1回に出品された作品です。描かれている女性の顔は、以前の画風にあったあやしい雰囲気が薄まり、優しく微笑んでいます。本作は、新しい画風を切り拓いたといわれる作品で、2019年にメトロポリタン美術館所蔵となりました。映画衣裳の世界でも活躍!『旗本退屈男 謎の南蛮太鼓』衣裳、東映京都撮影所 ©東映(映画公開:1959年、監督:佐々木康、製作・配給元:東映株式会社、衣裳着用者:市川右太衛門)あやしい絵のイメージが強い画家ですが、本展では知られざる後半生についても紹介しています。甲斐荘は、風俗の考証家として、時代劇映画の衣裳制作にも携わっていました。会場では、「旗本退屈男」シリーズの豪華衣裳を多数展示。甲斐荘が映画『雨月物語』(溝口健二監督)のために考案した衣裳は、アカデミー賞衣裳デザイン賞にもノミネートされました。世界も認めたデザインセンスをもつ甲斐荘の着物は必見です。《虹のかけ橋(七妍)》1915-76年、京都国立近代美術館最終章では、画家が60年もかけて描き続けた大作《虹のかけ橋》を展示。21歳のときに構想した作品で、少しずつ手を入れたり、顔を描き直したりしながら、最後まで女性の美を追求していたようです。まさに、甲斐荘の「全貌」を見ることができる展覧会は、8月27日まで開催。クールな絵にゾクゾク!「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」アーティゾン美術館外観続いてご紹介するのは、東京駅から徒歩圏内にあるアーティゾン美術館で開催中の「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」。本展では、印象派から1960年代ごろまでのアート作品をとおして抽象絵画の歴史を紹介しています。展示されている作品は、ヨーロッパやアメリカ、アジアの作家など多岐にわたります。各作品は、ポンピドゥー・センターやフィリップス・コレクションなど、海外の美術館や個人コレクションから30点も来日。国内からも、国公立、私立美術館、個人コレクションもあわせて約70点が出品されています。さらに、アーティゾン美術館が新収蔵した作品95点を一挙に公開。あわせて約250点ものクールな抽象絵画を楽しめる大規模展覧会です。ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904-06年頃石橋財団アーティゾン美術館展示構成は、12のセクションに分かれています。最初のセクション「抽象芸術の源泉」では、マネ、ゴッホ、モネなどの印象派作品を展示。まず1作品目は、セザンヌの作品が紹介されています。セザンヌは印象派を代表する画家のひとりですが、やがて印象派の仲間から離れて独自の革新的な絵画を制作します。彼の作品は、その後キュビスムやフォービスム、抽象絵画へと影響を与えることになりました。抽象絵画の創始者は…フランティセック・クプカ《赤い背景のエチュード》1919年頃石橋財団アーティゾン美術館【新収蔵作品】セクション3「抽象絵画の覚醒」では、抽象絵画の世界を切り拓いた代表的な画家カンディンスキーやモンドリアン、ドローネーなど、巨匠たちの作品が多数登場。なかでも必見作は、展覧会のメインビジュアルにも使われているクプカの作品です。抽象絵画の創始者のひとりといわれるクプカは、当初、挿絵画家として生計を立てながら絵画のスタイルを模索。構図を単純化してしき、やがて作品は抽象絵画へと変化していきました。ほかにも、古賀春江や岡本太郎、ミロ、デュシャン、草間彌生、白髪一雄、瀧口修造など、巨匠たちの作品や、現在活躍している作家の絵画も展示されています。なお、各フロアへの入り口にもぜひ注目してみてください。ポロックやアルトゥングの作品が大きくデザインされ、展示への期待感がグッと高まります。抽象絵画を心ゆくまで楽しめる展覧会は、8月20日まで開催。Information展覧会名:甲斐荘楠音の全貌絵画、演劇、映画を越境する個性会期:~8月27日(日) ※会期中、展示替え有[前期7/1~7/30、後期8/1~8/27]休館日:月曜日[7/17,8/14,8/21は開館]、7/18(火)会場:東京ステーションギャラリー時間:10:00~18:00(金曜日~20:00) *入館は閉館30分前まで観覧料:一般¥1,400高校・大学生¥1,200中学生以下無料展覧会名:「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」会期:~ 8月20日(日)休館日:月曜日、7月18日(火)※ただし、7月17日(月・祝)は開館会場:アーティゾン美術館時間:10:00~18:00(8月11日を除く金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで観覧料:日時指定予約制ウェブ予約チケット ¥1,800 、窓口販売チケット¥ 2,000 、学生無料(要ウェブ予約)*予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケットを購入可能*中学生以下の方はウェブ予約不要
2023年07月30日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はお洒落さん必見の、ネックレスやペンダントの身につけ方をピックアップ!長めペンダントを重ねづけ!こちらは大人気のイニシャルペンダントに、チャーム付きのペンダントの重ねづけ!比較的長いチェーンなのも印象的ですね。Tシャツにも似合いそうな重ねづけです。極太チェーンネックレス彼女のファッションにも目が行ってしまいますが、極太のネックレスの重ねづけもかなりインパクト大!雰囲気にぴったり合った重ねづけスタイル。リング以外の他のジュエリーはあえて身につけていないのは、あまりゴツゴツとしたジュエリーを重ねると、雰囲気が変わってしまうからかもしれません。とてもバランスの取れたジュエリーの選択だと思います。男性にも人気のパールネックレスヨーロッパでは、パールネックレスをしている男性もたまに見かけます。最近ジュエリーだって男女関係なくどんなデザインも身につけている感じがトレンディです。特にパールネックレスや揺れるタイプのピアスなど、本当によく見かけるようになりました。時代の変化でしょうか。とても素敵です!華奢ネックレスはヨーロッパでも人気胸元が大きくあいたロエベのニットワンピースに、華奢なネックレスを合わせているのは、ファッションウィークの常連エミリー。ちょっぴり物足りない感もありますが、あえて華奢なネックレスを選んだのは、ニットを強調したいからかも!?その日のファッションにあったジュエリーの選択って大切なんですね。個性的なパールネックレス全体的に上品でシックなスタイルにぴったり合ったパールネックレスは、デザインが一般的なものとは異なるロザリオタイプのようなネックレス。黒のワンピースにぴったり!色の組み合わせも素敵です。今回は海外のインフルエンサー達が愛用するネックレスの身につけ方をご紹介しました。次回は他のジュエリーも見てみたいと思います。写真・文 平野秀美
2023年07月29日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第149回は、ふとしたことで男性を意識させてしまう女性の特徴をご紹介します。1.体調を気遣ってくれる【結婚引き寄せ隊】vol. 149たとえば、たまたま友人たちと食事する場で会う知り合い程度の異性や、好みのタイプではなくてノーマークだった同僚など、まったく意識していない存在に、ふとしたことで「ドキッ」とさせられてしまことがあります。どんなときに男性は“恋愛スイッチ”が入るのか、ご紹介しましょう。Aくんは、運動神経バツグンのスポーツマンで、時間があるときは仕事帰りのジム通いを欠かさないような男性。もともとあまり恋愛に興味がないらしく、デートをしている時間があったら筋トレしたい、というぐらいにそれほど女性にも興味がなさそうでした。そんなAくんは健康体に見えていたのですが、だんだんと仕事が忙しくなってきて、心身ともに疲れがたまっていきました。あるとき、仕事中にふらふらしてデスクでグッタリしていたら、たまたま通りかかった他部署の同僚の女性がAくんに気づいて、「どうしたの? 元気ないね」と声をかけてきたのだとか。同僚でよく知った仲の女性のうえ、それまでも何度も職場の飲み会などで一緒になる機会があっても、なんとも思わなかった相手だったのに、声をかけてくれたときにドキッとしたAくん。さらに、いつも元気なのに珍しく体調が悪そうだからと、栄養ドリンクを差し入れてくれたそうで、その日を境に“ただの同僚”から“気になる同僚”に一気に変化。弱っているときに、体調を気遣ってくれる相手に、ときめいてしまうこともあるようです。2.帰り際にそっとボディタッチインドア派のBくんは、プラモデル作りやDIYが趣味で、話を聞いていても興味深く、人生を楽しんでいる感じが伝わってくるような男性。趣味の友達も多いらしく、誰かの家に集まっては、何人かで何かを作っているのが楽しいようでした。そんなBくんですが、趣味にしか興味がないというわけではなく、たまに「彼女が欲しいなあ」ともらしていることもあり、男友達に飲み会に誘ってもらうこともしばしばあったようです。あるとき誘われた飲み会にシングルの女性が何人か参加していたそうで、フレンドリーな場ということもあって、すぐ仲良くなりました。でも、なんとなく彼女が欲しいと思っていても、恋愛にガツガツしているタイプではないBくんは、たとえ女性から気に入られても相手のアピールに気づきません。恋愛の機微にうといところがあるため、BくんさえOKであればうまくまとまりそうなのに……という出会いもいくつかあったようです。そんななか、久しぶりに参加した飲み会がお開きの時間になり、そそくさと支度をし始めたBくんに帰り際、「また絶対Bくんに会いたいな」と、同席していた女性がそっと腕をつかんだそうです。すると、不意打ちだったことと、そっとボディタッチされたこと、そして明確ながら帰り際のひとことが効いたのか、突然異性として相手を意識したBくん。その後ふたりはうまくいったようで、きっと最初からベタベタとあからさまなボディタッチをせず、帰り際のさりげないアピールが功を奏したのでしょう。3.落ち込んだときになぐさめてくれた30代前半のCくんは押しに弱いタイプで、だいたいの恋愛では相手から告白されて、断る理由もないから…ということでなんとなく付き合っては、手応えがないからかフラれるという繰り返しだったそうです。Cくんは1年ほど同棲していた彼女がいましたが、好きな人ができたとフラれて、彼女は荷物をまとめて出ていきました。ふたりで暮らしていた部屋はひとりだとよけいに広く感じるらしく、日に日に暗い表情になっていくCくんを見かねて、友人たちは「恋を癒すのは新しい恋だ」と、気弱なCくんを包みこんでくれるような女性を紹介。別れてからそれほど日が経っていないから、新しい恋なんてできないと思っていたCくんでしたが、その女性を含めて友人たちと何度か食事や飲みに行っていると、ふと「いつも落ち込んでいるボクをなぐさめてくれている」と、相手の優しさに気づいたのだそう。それからはとんとん拍子にうまくいったふたりなのでした。自分の性格に合う相手と出会い、弱っているときに変わらず優しさを示してくれる相手なら、心を開いてみようと思うものですよね。それに、自分がどん底にいるとまわりの優しさに気づきづらいこともありますが、ふと人の善意がわかるぐらい少し余裕ができると、恋をする余裕も生まれるのかもしれません。いつ恋愛スイッチが入るのかわからないからこそ、気になる相手の状況に合わせた言動を心がけると、ご縁がつながりやすいのかも。みなさんの恋も、うまくいきますように!文・かわむらあみり©Prostock-Studio/Getty Images©PeopleImages/Getty Images©zoranm/Getty Images文・かわむらあみり
2023年07月25日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。本日は海外インフルエンザーが選ぶ夏シューズをご紹介します。やっぱりビーチサンダル!海外ではビーチサンダルをドレスやかっちりした服に合わせている人をたまに見かけます。こちらもベルベットでしっくりとした雰囲気のドレスにビーチサンダルと、一見似合わないように感じますが、足元がすっきりしていい感じ!紐付きサンダル本当によく見かけるのが、この紐のついたサンダル!紐の巻き方は自由自在、足首に巻いてもよし、ズボンの外から巻いてもよし。特にズボンの外から紐を巻く方法は、最近人気です。種類も増えてきているので、今後さらに人気が高くなること必須!厚底サンダルは夏の必需品夏らしいサンダルに、さらに脚長効果抜群の厚底タイプが人気!特にビーチなどでも砂がかかりにくかったり、クッション性が高いものも多いので、脚長効果以外でもベネフィット多数!夏でも欠かせないドクターマーチン!やっぱり海外では1年中人気のあるドクターマーチン!特にアンクルブーツがやはり人気ですよね。日本の夏はヨーロッパよりジメジメしているので、ブーツは避けた方が無難かもしれませんが、写真のように紐を大きく開けておくと通気性がよく、ルーズ感があってかっこいいですね。ヒールありのアンクルブーツレザー、またはビーガンレザーでできたアンクルブーツは、ドクターマーチンのようにヨーロッパでは1年中人気。ズボンとの相性がよく、特にデニムにはぴったり!キレイめに着こなしたい時は、いつだってアンクルブーツは正しい選択です。革ペタンコサンダル夏の時期にだけ愛用できるのが、このタイプのサンダル。マキシワンピースにだってズボンにだって合わせやすく、トレンド関係なしに長く愛用できるのも嬉しいですよね。また素材的にも長く愛用すればするほど味が出て、毎年履くのが楽しみになるんですよね。高めのピンヒールサンダル石畳が多いヨーロッパでは、比較的見ることは少ないのですが、やっぱりピンヒールのサンダルは凛とした雰囲気に見せてくれてかっこいい!1つあればパーティや特別な日に使用できていいかもしれません。今回は夏の足元ファッションスナップをご紹介しました。ヨーロッパと日本の気温や湿度事情もありますが、真似できる点が多いので、新しいシューズが欲しい方にはぜひ参考にしてみてください。写真、文・平野秀美
2023年07月23日渋谷区立松濤美術館で、「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」が開かれています。本展では、平安時代から現代までの日本のさまざまな人形を紹介。なじみのあるお雛さまやマネキン、リアルな生人形、さらに性を扱う人形など多彩な造形物が展示されています。会場の様子や学芸員さんのお話など、詳しくレポートします!ボーダーラインを飛び越えた人形が集結!「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」会場入り口【女子的アートナビ】vol. 304「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」では、民俗や考古、玩具、芸術など各ジャンルのボーダーラインを飛び越えた日本のさまざまな人形を展示。多様性をもつ人形をとおして、日本の立体造形表現の変遷を知ることができる展覧会です。本展を担当された松濤美術館学芸員の野城今日子さんは、本展の趣旨について次のように解説。野城さん人形にはさまざまな分野があり、表現方法も役割もすべて違います。ふだん、美術や芸術という枠組みで私たちは考えていますが、美術館に人形を並べてみると、「何が芸術なのか」と概念が揺さぶられるのではないでしょうか。人形の造形表現をとおして、カテゴライズできないところにも日本のモノづくり精神が宿るということをお伝えできればと思います。衝撃的な呪詛人形からスタート!《人形代[男・女]》平安京跡出土平安時代前期京都市指定文化財京都市蔵本展は10章構成。いくつか見どころをピックアップして、ご紹介していきます。第1会場(2階展示室)にある第1章では、考古や民俗資料としての人形を中心に展示。平安時代につくられた《人形代(ひとかたしろ)[男・女]》は、京都で出土したもので、人を呪い殺すためにつくられた人形です。本展のポスターにも使われています。野城さん人形代は、薄い木に顔を描いたシンプルなものが京都などでたくさんつくられ、儀式などで使われていました。約10年前に平安京跡の井戸から出土した人形代は、立体的で肉感もあり、精巧につくられ体に名前も書かれています。リアルにつくることにより、より強く呪いをかけられると当時の人は思っていたようです。大きなお雛さま!末吉石舟《古今雛》文政10(1827)年東京国立博物館蔵続く第2章では、おなじみの雛人形や五月人形を展示。雛人形は、貴族や公家社会の行事で、子どもの健康を願うため、また社会の規範を子どもに教えるためにも使われました。野城さんお雛さまは、小さなものや、子どもの健康を願うものなど、いろいろな種類があります。例えば、「古式立雛」は、今のドールハウスのように、子どもたちがお雛さまで遊んでいたルーツもあるようです。「古今雛」のような大きなお雛さまなどのバリエーションもあり、サイズや表現を変化させながら人々の生活に根づいていきました。彫刻と人形の違いは…小島与一 《三人舞妓》 1924年アトリエ一隻眼蔵前章は江戸時代までの人形でしたが、第3章からは明治に入り、西洋化を推し進める日本でつくられた人形が展示されています。野城さん江戸時代まで、彫刻的なものであった人形は、近代に西洋から彫刻の概念が入ると変化が生じていきます。例えば、展示されている博多人形はどこから見ても破綻のない形で、彩色も美しく、彫刻といっても人形といってもいい存在です。彫刻と人形の差はどう区別するのか、と感じていただきたいです。ギョッとする生人形「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」展示風景第2会場(地下1階展示室)に入ると、生人形(いきにんぎょう)が登場。生人形とは、幕末から明治にかけて流行したリアルな人形で、ギョッとするほど精巧につくられています。野城さん生人形は、見世物として架空の物語や歴史の物語のひとつの場面を表したりしているエンタメのひとつでした。お祭りなどのためにつくられた生人形もあれば、地域伝承に使われるものもあります。例えば、《生人形松江の処刑》は、松山市三津浜地区に伝わるものです。松江さんという女性が地域の乱暴な男に襲われそうになり、男性を殺めてしまいます。それで自分も処刑してほしいと父親に頼み、首を切られる場面を生人形で表しています。松江さんのお墓の横にこの人形を置き、供養のためにみなで踊ったりしていました。マネキンや現代アートも!「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」展示風景第8章では、商業で活躍した「人形」としてマネキンを紹介。さらに、最後の10章では、現代美術家、村上隆さんのアート作品とフィギュアが展示されています。野城さん初期の洋装マネキンは、実は彫刻家がつくっていました。向井良吉は彫刻家で、七彩というマネキンをつくる会社の創業者でもあります。会場では、彼のつくったマネキンと彫刻を並べて展示しています。また、最後の章では、村上隆さんのアート作品とフィギュアを展示。人形に対する思いは、いろいろな分野に分散しながら日本の根底に流れていき、今は現代アートとして世界に発信されています。大人の展示コーナー「私たちは何者?ボーダレス・ドールズ」展示風景第9章は、1階の特別エリアに作品が展示され、大人だけが入場できます。この展示室では、多くの人の心身に寄り添ってきたラブドールなど、性愛を対象にした人形が紹介されています。(18歳未満の方は、ご覧になれません)野城さんラブドールは、性行為をする相手としてつくられた人形で、生きているような血色、肉感がわかり、どこかリアルな感じがあります。生人形から流れている「人をつくりたい」という気持ちが現代にも受け継がれています。役割も表現の仕方も分野もすべて違いますが、人形は私たちと近い距離にあります。美術や芸術という枠組みでカテゴライズできないところにも造形精神が宿る、というのをこの展覧会で感じていただければうれしいです。展覧会は8月27日まで!本展は、前期と後期にわかれ、一部展示替えがあります。また、担当学芸員さんによるトークイベントなども予定されています。ぜひ、多様な人形の世界を楽しんでみてください。Information会期:~8月27日(日) ※前期:7月1日(土)~7月30日(日)後期:8月1日(火)~8月27日(日)※会期中、一部展示替えがあります休館日:月曜日[7/17は開館]、7/18(火)会場:渋谷区立松濤美術館時間:10:00~18:00(金曜日~20:00) *入館は閉館30分前まで観覧料:一般¥1,000大学生¥800高校生・60歳以上¥500※土・日曜日、祝休日及び夏休み期間は小中学生無料※毎週金曜日は渋谷区民無料
2023年07月23日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は大人可愛いワンピースの着こなしスタイルをご紹介します。ゆったりとした柔らかさこちらの淡いピンクのマキシワンピースは、色も含め全体的にふんわりと柔らかな印象。さらにゆったりとしたデザインは着やすさも抜群なので、暑い夏はかなり重宝しそう!プリーツスカートになってる!襟がついたこちらのワンピースは、スカート部分がプリーツになっていて、よりキレイで上品な印象に仕上がってます。よく見ると、なんとも個性的な柄ですが、そんな柄をも合わせたサングラスやバッグとバッチリ似合ってます。お洒落に着こなしている上級者向けワンピース。レースと透け感がドキドキしちゃう可愛いを代表するようなワンピースはこちら!全体レースという意外と難しいワンピースをカジュアルにキレイに着こなしているのは、ビーチサンダルに合わせているからかも!?こんな上品なドレスをビーチサンダルに合わせてしまうあたり、海外らしいですよね!こちらのワンピースはレースのみならず、さらに透け感があるタイプなので、程よい肌見せが大人っぽさを強調してくれているようです。夏の定番シャツワンピース!シャツを上手に大胆な短さのワンピースに仕立てているこちらのスタイル。足元はサンダルだと露出度が高すぎるので、こういう時はブーツなどを合わせることが多いのが海外流。チェーンベルトを使ってシャツのシルエットにメリハリをつけている点もポイント。ワンピース+ベストですっきり!着こなしの勉強になるのがこちら!ブラックのふんわりとしたワンピースに、ちょっと柄のあるニットベストを重ねて、腰あたりをすっきりとさせているメリハリが効いた上級者の着こなし術です。日本の夏は暑すぎるので、そこまで暑くない日に真似してみたいですね!大胆に胸元が開いたワンピース鎖骨がキレイに見える、ビーチやデートに最適なタイプのワンピース。すっきりとした印象なので、暑い夏にぴったり!真夏に欠かせないハットやスニーカーでカジュアルにボーイッシュに決めると、甘すぎずお洒落に見えます。一風変わった柄で差をつけるこちらの超ロングワンピースは、絶対に柄が被ることのなさそうな個性に溢れた柄。最近は肩の部分や袖部分にこだわったワンピースが多いですが、こちらも丸い感じのデザイン。柔かで落ち着いた印象です。いかがでしたでしょうか?ワンピースは種類も形も多いので、どんなデザインが人気か、自分に合っているかなかなか探すのも難しいですが、最近のトレンドとして上記のようなワンピースがファッショニスタに人気のようです。参考になれば幸いです。写真、文・平野秀美
2023年07月22日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はすぐ垢抜ける方法が知りたいという方におすすめの、インフルエンサーのお洒落な着こなし方法をピックアップしてみました。色使いと大胆さが特徴全体的に印象的なスタイル!何よりも超ミニスカートが蛍光ピンクだなんて、一瞬で眼を奪われてしまう。ピンクに合わせた大きめのシャツトップスは、ミニスカートとは反対に大きめで長めなのも今時っぽい。さらに、脚長効果も抜群な紐付きピンサンダルなんて、大胆すぎる!思い切ったファッションが、自分スタイルの確立に不可欠なのかも知れません。スポーティにお洒落にこちらはパーカータイプのトップスにショートパンツ。しかしスポーティタイプは合わせる小物次第で、カッコよくも部屋着っぽくもなるので気をつける必要あり。こちらはスポーティな服装でありながら、しっかりメイクとジュエリーで高級感も出しています。ワンピースとシャツの合わせ方が最高!さすが世界的インフルエンサーのエミリー。超ショートワンピースに合わせたのは、トレンディなふんわりしたトップス。さらに合わせたシューズはサンダルなどフェミニンで上品な物ではなく、厚底ブーツでかっこよく。この甘辛スタイルを上手にバランス取れるセンスが素晴らしい!ビキニトップの使い方ビキニトップは、中に来ても外で重ね着してもいいんだ!という参考スタイルの1つ。トップスだけが浮かないように、サングラスと色を統一している点がポイント。全体のバランスを保っています。緩めワンピースの着こなし方大好きなワンピースでも、大きすぎたり胸元が大胆すぎるデザインってありますよね。私はそういう場合、なかなか上手に着こなせなかったのですが、このように中にトップスを着るだけで問題解決!色は淡いグレーをチョイスしている点も見習いたいポイント。個性的なカラーのピックアップ海外の人の色選びは本当に勉強になるんですが、この2つの色はどちらもなかなか見かけない色ですよね。その2つをあえて一緒に着こなすなんてすごい!しかもお洒落に見える。洋服がかなりインパクトの強いカラーなので、あえて小物にはあまり差し色を使わないのがポイント。シャツと同じ色のバッグはレッドのパンツに映えて素敵!いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した6選は、本当に参考になると思ったスナップなので、自分の新スタイルとしてトレンドを楽しんでみてはいかがでしょうか。今後もインフルエンサーのお洒落な着こなし方法をピックアップしていきます。お楽しみに!写真、文・平野秀美
2023年07月16日今年もジリジリと焼けるような暑さを感じる季節になりましたね。うっかり油断すると熱中症にもなりかねないこの時期は帽子が必須!今回は、オシャレさと熱中症対策どちらも兼ね備えたおすすめのハットアイテムと帽子に合わせたヘアアレンジのポイントをご紹介します。キャペリンハット×S字カールアレンジ近年のファッショントレンドはツイード素材やボウタイブラウスなどトラッド&クラシカルテイスト傾向にあります。その傾向は帽子トレンドにも影響しており、今年は定番のバケットハット以外にキャペリンやベルハットなどクラシカルで女性らしいデザインが新たに登場しています。とくにポイントとなるのが両サイドに太めのリボンがついたデザインです。アゴの下で結んで可愛く着けても良いですが、そのままリボンを結ばずに垂らした被り方もオシャレ。ヘアアレンジは、キャペリンの可愛いらしい印象に合わせて韓国風のS字カール巻きでコンサバに仕上げてみては?ベースボールキャップ×たまねぎヘアバケットハットと同じくらい長く定番化しているベースボールキャップ。2023年は昨年から続くY2Kブームの影響もあって再度ベースボールキャップへの注目度が上がってきている様子です。ストリートカジュアルの代表であるベースボールキャップに、あえてかっちりした襟シャツやシルエットの美しいカットソーを合わせてキレイめカジュアルにスタイリングするのが大人に似合う着こなし。ヘアアレンジはラフなポニーテールもOKですが、もう少しひと手間加えて玉ねぎヘアにするとオシャレさがアップします。キャップを被ったときのヘアアレンジの鉄則は両サイドの後れ毛を残すこと。前髪とサイドの毛束を全て帽子のなかに入れ込んでしまうと顔まわりが大きく目立ってしまうので気をつけましょう。夏の帽子は通気性の良い素材を選んで熱中症対策に帽子を被ることは効果的ですが、いっぽうで通気性の低い帽子を長時間被り続けていると頭部に熱がこもってしまい逆に暑さを感じやすくなるので、素材選びはとくに意識をして選んでください。ラフィアなどのストローハットは通気性に優れていておすすめです。ベースボールキャップは通気性効果の高い製品を意識して良いアイテムを選んでくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2023年07月15日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はこれから持っておくと便利な人気バッグをご紹介いたします。今も大人気!超ミニバッグシリーズこちらの超ミニショルダーバッグ。本当に必要最低限のものしか入らない、またはカードやリップケースくらいしか入らない小さなバッグは、ファッションの邪魔にもならないし、アクセントとして意外と使えるんです。最近はこの超ミニバッグは人気ですよね。今後も人気は継続していきそう。かなり重宝するボディバッグ/ウエストポーチ私も複数持っていますが、本当に手ぶらで過ごせるので重宝するのが、このタイプのバッグ。一見昔のバッグという印象があるかも知れませんが、最近はまたトレンド入り。腰にかけてもよし、肩に斜め掛けしてもよし。好きなように使って楽しめます!バケット風ハンドバッグ偶然同じホワイトカラーですが、このバケットタイプは、開閉がしっかりしているものが多いのが特徴。中の荷物が落ちる心配もなく安全に保たれるだけでなく、開閉が容易に行えるため、利便性が高いんです。また、小さめタイプなら、お洒落感もアップしてファッションアイテムとしてもおすすめ!キラキラのパーティバッグ一見派手でパーティバッグのようですが、実はこういうバッグでも普段で使っちゃうのがインフルエンサー!もちろんどんなスタイルに合わせてもいいとは言えませんが、キラキラ派手目のバッグは、ブラックなどトーンダウンした色と合わせると、より目立って素敵!クラッチも今や普段使いに!クラッチバッグは、どこかパーティやお洒落したい時に使うという印象が強かったのですが、今では普段愛用する方も増えています。ただ、常に手に持っている必要があるので、お買い物時などにはおすすめできないかも…ちょっとしたお食事やデートにはぴったり!編み編みバッグは今も大人気荷物が多い女性には、やっぱりたっぷり入る、こちらのタイプがおすすめ。日本では本革が人気ですが、最近ヨーロッパでは本革に見えるビーガンレザーを使用しているケースが多いのが特徴。編み編みタイプは素敵なデザインが多いので、1つ持っていたら重宝します!今回は最近も人気のバッグをいくつかピックアップしてみました。今後新しいバッグが欲しい方は、ぜひ参考にしてみてください。写真、文・平野秀美
2023年07月15日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第148回は、恋を探しているときに出会った相手との第一印象についてお届けします。1.写真よりも直感を優先【結婚引き寄せ隊】vol. 148恋活や婚活など出会いを探しているときでは、初対面の相手とおたがいのことを手探りでうかがうような場面が出てくるものですよね。そういった場所で受けた相手の第一印象が、その後の展開にもやっぱり影響してしまうというエピソードをご紹介します。出会いの場でよく言われるのは、とくに婚活は写真が大事ということ。いまは恋活でもアプリなどで出会い探しをする方にとっては、まずは相手がどんな人なのか、掲載されている写真をチェックすること、ありますよね。必ずしも本人の写真が出ているとは限らないものの、どんな写真なのかでだいたいの人柄を予測することはできるのではないでしょうか。ある婚活サイトに登録していたAさんは、自分好みの男性がいないか探していたところ、ある程度条件に合った男性を何人かキープ。婚活では、正式にお付き合いをすることになるまでは、並行して何人かとやりとりすることは普通なので、それぞれの男性と最初はメールで連絡を取り合うことにしたそうです。キープしている男性の中には、しっかりと写真館で撮影したようなものから、テキトーに自宅で自撮りした写真、風景を載せている人といろいろ。Aさんは、やっぱり写真の出し方にも性格が出るのかな?と写真を見ると、気合が入っていそうな男性よりも、なぜか風景写真を乗せている人が気になったのだとか。婚活サイトできちんと顔出ししていないのは、遊び人かとあやしまれてしまうこともあるのですが、Aさんは写真以外の面でその男性が理想の条件だったため、ひとまずやりとりをやめませんでした。実際に会う前になって、「顔写真を見せてもらえますか」と男性に依頼したら、ちゃんと出してくれて、Aさん好みのさわやかなタイプでその後はとんとん拍子に進展。彼は出会いがないから婚活サイトに登録したものの、知り合いも同じ婚活サイトを使っているから、恥ずかしいのでバレないように顔写真は出さなかったということでした。安心したAさんでしたが、もしも最初から風景写真だからと落としていたら、その後の展開がなかったため、最初に気になった気持ちを信じてよかったなあと思ったそうです。2.気合が入りすぎてもよくない恋愛経験の少ないBさんは、親しみやすいキャラクターの女性。男女問わず、誰とでもフレンドリーに接することができるタイプなので、実は彼がいないということが意外なほどでした。あるとき、シングルの女性何人かで合コンに参加しようという話になり、もしもいい出会いがあればと、いいタイミングで誘われたことに喜んで、Bさんも参加することになりました。友達同士なら、その場に男性がいても緊張する様子が見えないBさんなのに、いざ合コンとなり、「いい男性いるかなあ」という会話になると、だんだんとガチガチに肩に力が入るようになっていきました。はたから見ていてもいつもと違うBさんは、合コンが始まってからも、いつもと違って口数も少なく、笑顔もぎこちない…。結果、ほかの参加者には気の合う男性を見つけた女性もいましたが、Bさんはあまりその場には馴染めなかったようで、とりあえずみんなで、と交換した連絡先がわずかにあるぐらい。参加していた男性のなかには、好きなタイプもいたようなのですが、異性を意識しすぎて気合が入りすぎてしまったそうです。Bさんが意識していた男性に、あとから参加女性たちの印象を聞いたところ、Bさんのことは「控えめな女性だな」と感じたのだとか。見た目自体は男性のタイプで仲良くなりたいなと思ったけれど、Bさんに話しかけてもそっけなかったことから、勝手に脈無しと判断されて別の女性と仲良くなってしまったことが判明。つかめそうだったご縁を逃してしまったBさんですが、気合が入りすぎてもよくないなと実感したのでした。3.いつもと違うギャップがある「とにかくひとりになるのはイヤ」だという、寂しがり屋のCさんは、多忙を理由に彼にフラれたばかりでした。忙しいから恋愛できない、という元カレの話に納得できず、半ば強制的に別れてシングルになったCさんに、まわりの女友達たちが寄り添っていました。いつもはハツラツとしているCさんなのに、フラれたダメージで毎日メソメソしていたところ、友人のひとりは「痛手を癒すのは新しい恋しかない!」と、さっそく知り合いを紹介しようと何人かシングルの男性の候補を考えていたそうです。とはいえ、そんなにすぐ立ち直ることができなかったCさんは、すでに別れてから月日が経っていても、飲みの席でふと元カレを思い出して涙ぐむことがあったようで…。たまたま会社の飲み会で、Cさんのそんな姿を見てしまった同僚の男性は、いつもの元気な姿とは違うギャップに心をつかまれ、その後Cさんにアプローチ。同じ職場ということもあって、ふたりの距離は縮まっていきました。あとからわかったことですが、男性はもともと快活なCさんに第一印象から好感を持っていたそうで、そこにいつもと違う様子を見てギャップ萌え。一気に関係を進展させたいと気持ちを後押ししたようです。出会いを探していると、いろんな可能性から恋が進んでいくことがありますよね。みなさんも素敵な恋を謳歌してくださいね。文・かわむらあみり©Jose carlos Cerdeno/Getty Images©South_agency/Getty Images©Paperkites/Getty Images
2023年07月14日長年にわたって、世界中の人たちから愛され続けている児童書『アルプスの少女ハイジ』。日本ではテレビアニメ版が絶大な支持を誇っていますが、今回ご紹介するのは、本国スイスで誕生したB級エログロバイオレンスバージョンにアレンジされた18禁の実写版です。『マッド・ハイジ』【映画、ときどき私】 vol. 592チーズ製造会社のワンマン社長で、スイスの大統領でもある強欲なマイリ。自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定し、スイス全土を掌握すると、恐怖の独裁者として君臨する。それから20年が経ち、アルプスに暮らすハイジは年頃の女性になっていた。ところが、恋人のペーターが禁制のヤギのチーズを闇で売りさばいていたことが発覚し、ハイジの眼前で処刑。さらに、唯一の身寄りであるおじいさんもマイリの手下によって爆死してしまう。愛するペーターと家族を失ったハイジは、血塗られた戦士へと変貌を遂げ、復讐の鬼と化すのだった。はたして、ハイジは邪悪な独裁者を血祭りにあげ、母国を解放することができるのか…。世界19か国538人の映画ファンによるクラウドファンディングで、約2億9000万円もの資金を集めたことでも話題となった本作。今回は、制作の裏側についてこちらの方々にお話をうかがってきました。ヨハネス・ハートマン監督 & サンドロ・クロプシュタイン監督ともにスイスのベルンに在住し、幼馴染でもあるヨハネス監督(写真・左)とサンドロ監督(右)。2007年以来、一緒にショート映画やミュージック・ビデオを手掛けてきた2人ですが、本作が初の長編映画となります。そこで、完成までに起きたさまざまなトラブルや日本から受けている影響、仕事をしてみたい日本人俳優などについて語っていただきました。―日本では『アルプスの少女ハイジ』に対してピュアなイメージを持っている方が多いので、本作で描かれているようなバイオレンスやエログロとはまさに対極の題材だと思いますが、それらを結び付けようとしたのはなぜですか?ヨハネス監督僕たちもハイジに対する印象は、日本のみなさんとまったく同じです。だからこそ、無垢なハイジとキレイなスイスのイメージをあえて真逆なものにしたらおもしろいし、バカげているのではないかなと。そして、みなさんが予想もできないものを作りたいと考えました。あとは、ハイジも成長したってことですよね(笑)。―とはいえ、それらのイメージをここまで覆すような作品を出すことに対して、周りからの反響が心配になることはなかったのでしょうか。サンドロ監督そこに対しての懸念はありませんでした。もちろん、いろいろな感想があり、ネガティブな反応があったのも事実です。でも、それも考えようによっては宣伝効果になりますからね!ただ、そのなかでも厳しかったのは、映画に反対した人たちが伝統的な衣装を売るお店に対して僕たちに衣装を一切売らないようにとメールを送ったこと。なぜなら、彼らにとって伝統衣装をアレンジするということは、ある意味伝統を冒涜していることになるからです。そういった批判はありました。それから、ティザー映像のなかでアーミーナイフを使って人の目をえぐる場面が映っていたのを見たスイスのアーミーナイフで有名な某会社が、僕たちのことを訴えようとしたことも…。そういったこともあったので、アーミーナイフではなく、日本の刀に変更しました。人によって、まったく異なる見方がある作品―映画作り以外のところでも、大変なことがそんなにいろいろとあったとは…。サンドロ監督あと、共同脚本を担当してくれたグレゴリー・ヴィトマーの話もまだありますよ。彼は普段チューリッヒの空港で税関の警官として働いていて、副業として空き時間を使って脚本を手伝ってくれましたが、この作品を観た彼の上司から「警察の仕事にふさわしくない」という理由で突然解雇されてしまったのです。でも、これにもめげることなく、裁判を起こして最高裁判所で勝訴しました。そのほかにも僕たちの作品に対して、「人種差別だ!」「女性蔑視だ!」とか「暴力を美化している」といった声が上がったこともありましたね。ただ、いっぽうで「これはフェミニストの映画だ」というふうに称賛してくれた方もいたので、別の人が観れば、まったく異なる見方がある作品と言えるのかもしれません。―完成までは、まさに波乱の道のりですね。ちなみに、おふたりは高畑勲監督と宮崎駿監督による 1974 年の テレビアニメ版はご覧になっていましたか?サンドロ監督はい、子どもの頃に観ていました。もう30年近く前ですが、とてもいい思い出です。ヨハネス監督おそらくほとんどのスイス人が、ほかの作品よりも先にまずこのアニメを観て育っている気がします。ただ、ドイツ語で吹き替えられていたので、ドイツのアニメだと思っている人も多いんじゃないかなと…。実際、僕もこの作品が日本のアニメだと知ったのは、かなりあとになってからでしたからね。日本のアニメからインスピレーションを受けている―スイスでもそれほど親しまれている作品なんですね。そういったこともあって、本作には日本の要素も随所に取り込まれていたのでしょうか。ヨハネス監督そうですね。たとえば、今回だとキャラクターの名前を日本風に発音してみたり、クララを日本人という設定にしてみたりしました。ほかにも、日本のアニメからインスピレーションを受けている部分もあるので、気がつく方にはわかるようなネタも入れています。サンドロ監督本作の衣装に関しても、スイスの伝統衣装に侍の鎧を組み合わせているので、そのあたりもインスパイアされていますよ。―いま名前が挙がったクララに関しては、日系の俳優であるアルマル・G・佐藤さんを起用し、さらに劇中で役名を日本語で表記しているほどなので、特に日本への強いこだわりを感じさせるキャラクターとなっています。サンドロ監督最初からそうしたいと思っていたわけではなく、みんなでセッションを重ねていくなかで、この作品自体が日本の影響を直に受けているのでクララを日本人にしてみようとなりました。ヨハネス監督それに、僕たち自身も映画に関する思考においては、日本から大きな影響を受けていますから。いまになってみると、アニメのなかにも日本人のキャラクターがいてもよかったんじゃないかと思っているくらいです(笑)。ありがちなスイスのイメージを壊したかった―そのあたりはぜひ日本の観客には楽しんでいただきたいところですね。それ以外にも、注目してほしいポイントなどがあれば、教えてください。ヨハネス監督脚本を書くにあたってはかなり話し合いをして、いろんなアイディアが出ましたが、そのなかでありがちなスイスのイメージを壊したいというのもありました。たとえば、「人を殺せる食べ物は何か?」というのに対して「スイスで有名な三角の山が付いているトブラローネチョコレートにしよう」とか「大量のチーズフォンデュにしよう」とか(笑)。あとは、ダイナマイトの仕掛けに鳩時計を使っているのもその一つ。ただ、これに関して付け加えると、本当はドイツの発明品なのに、多くの人が鳩時計はスイスのものだと思い込んでいるので、そういった部分も入れたらおもしろいかなと思って入れました。―先ほど、日本から影響を受けているということでしたが、具体的な作品や好きなアーティストを挙げるとすれば?サンドロ監督僕は、『修羅雪姫』『女囚さそりシリーズ』『殺し屋1』といった作品が好きです。ヨハネス監督作品で言えばまず『バトル・ロワイアル』ですが、三池崇史監督や黒澤明監督の手掛けた一連の作品からも僕たちは多大なる影響を受けています。―ちなみに、一緒にお仕事してみたい方はいらっしゃいますか?サンドロ監督それは、梶芽衣子さんです!ヨハネス監督僕も同感ですね。次回は、ハイジとクララをもっと展開させたい―おもしろい組み合わせなので、ぜひ見てみたいです。本作については、続編の期待もたかまりますが、すでに進行しているのでしょうか。ヨハネス監督これに関しては、もう少し時間が必要かなと思っています。というのも、今回は個人投資家の方々がサポートしてくれた作品ということもあり、日本とアメリカの成績次第かなと。そこでお金が回収できれば、次に取り掛かれるかもしれませんが、まだ現時点では何とも言えないところですね。―なるほど。とはいえ、ストーリーはすでに浮かんでいらっしゃるのでは?サンドロ監督まだ固まっているわけではないですが、ハイジの冒険は出発点に差し掛かったばかりということもあり、その先が描けたらいいかなと。特に、クララ役のアルマルがすごくよくて、また一緒に仕事したいと考えているので、次回はより彼女にスポットライトを当てて、ハイジとクララの話が展開できたらおもしろいかなと思っています。―ぜひ楽しみにしています。それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。ヨハネス監督ハイジのアニメで育った日本の方々が、この作品をどのように観るのかがとても楽しみですね。もし気に入っていただけたら、友達やたくさんの人に広めてもらえるとうれしいです。サンドロ監督まもなく日本で開催されるプレミアにも参加しますので、日本でみなさんと会えることを楽しみにしています。スイス映画の概念をぶっ壊す!想像の斜め上をさらに超えてくるような展開の連続に、誰もが衝撃を受けずにはいられない本作。美しいスイスの景色を舞台に、オトナな一面を見せるハイジにドキドキしつつ、見事な暴れっぷりにはアドレナリン全開になること間違いなし!取材、文・志村昌美驚愕の予告編はこちら!作品情報『マッド・ハイジ』7月14日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー配給:ハーク/S・D・P️(C)SWISSPLOITATION FILMS/MADHEIDI.COM
2023年07月13日この夏も注目の映画が並ぶなか、異色作として話題を呼ぶ1本といえば、広告やCDジャケット、CMなどさまざまなジャンルで活躍するアートディレクター・千原徹也さんの映画監督デビュー作『アイスクリームフィーバー』。川上未映子さんの短編『アイスクリーム熱』を原案に、いまを生きる女性たちの姿を描いています。そこで、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。吉岡里帆さん【映画、ときどき私】 vol. 591クリエイターとしての夢を諦めるか悩みながら、アイスクリーム屋でアルバイトをしている主人公の常田菜摘を演じている吉岡さん。自身のカレンダーを手掛けてもらうなど、千原監督とは長年にわたって一緒に仕事をしてきた間柄でもあります。今回は、ほかとは違う現場の様子や本作の魅力、30歳を迎えた心境などについて語っていただきました。―はじめに千原監督から映画化のお話があったときは、どのように思われましたか?吉岡さん千原さんはいつもファッションや広告のお仕事をされている方なので、映画自体もいままでの映画とはひと味違うかわいさやビジュアルが楽しめる映画になるだろうなという期待値がすごく高かったです。しかも、川上未映子さんが描く女性像はとても魅力的なので、それも合わさってぜひお受けしたいと思いました。―ご自身が演じられた役に対しては、共感するようなところもあったのでしょうか。吉岡さん夢を諦めるのが早すぎるのではないかと初めは共感できない部分もあったのですが、自分を確立するのがどれだけ難しいのかというのは菜摘だけでなく普遍的な悩みでもあると感じていました。そのほかに実感したのは、自分の欠けている部分を埋めてくれる最愛の人と出会ったとき、人はこんなにも心が揺れ動くのかということ。そういうロマンチックな部分はこの映画のなかでとくにお気に入りですし、それをモトーラ世理奈ちゃんと一緒に演じられてうれしかったです。あまり体験したことのない現場だった―現場の様子についても、教えてください。吉岡さん今回は、撮影の仕方が本当に変わっているなと思いました。いままで私が参加してきた現場だと、通常初めに段取りやテストをしてからやっと本番という流れですが、千原さんは芝居を作りすぎずに瞬発的に出る“生っぽいもの”を拾っていくようなスタイル。段取りをしないまま進んでいくこともあったので、自分でも意識していないところを撮られているような恥ずかしさと不安を感じたこともありました。あとは、スタイリストさんやメイクさんがハッピーで楽しい方々だったので、「かわいい!オッケー!」という言葉が飛び交っていたり(笑)。そういう意味でも、あまり体験したことのない現場だったなと思います。―なるほど。そんななかで、刺激を受けたことや新たな気づきもあったのではないかなと。吉岡さんそうですね。たとえば、いま世の中に出ている映画やファッション、アートにはトレンドがあり、それを先取りしていくのが重要と考えられている部分があると思うんです。でも、この作品からはどこかレトロなものを感じました。それは多分、目新しいものをバンバン入れることよりも、千原さんが自分自身の歴史を大切にしていることが伝わってきたからかなと思います。これはキャストにもスタッフにも言えることですが、本作には千原さんとずっと一緒に仕事してきた人たちばかりが揃っています。そういうところにも「新しいものもいいけど、長年愛したものほどきらめくものはない」というメッセージを受け取りました。千原監督は、人の10倍働くプロフェッショナルな方―吉岡さんにとって、千原監督はどんな存在ですか?吉岡さんいつも余裕があって飄々としていますが、私が抱いている千原さんのイメージは、いままで出会った人のなかで一番眠そうな人(笑)。それはなぜかというと、千原さんは、自分の睡眠時間を削ってでも自分がしたいことに時間を使っているプロフェッショナルな方だから。人の10倍以上働いていらっしゃるんじゃないかな。大人になっても夢を追いかけ続けてるからこそ、こんなにもバイタリティが溢れ出ているんじゃないかなと。―また、本作には個性豊かなキャストが揃っていますが、ご一緒されてみていかがでしたか?吉岡さん共演者の方々は前からすごく好きな方たちばかりでしたが、会ってより好きになりました。特に同じパートに出演しているモトーラ世理奈ちゃんには本当に恋に落ちてしまいそうなほどでしたし、水曜日のカンパネラの詩羽ちゃんはかわいい妹のような存在。キラキラしているみんなと共演できてうれしかったです。意気込みや夢をちゃんと持っている子たちなので、これからも心から応援したいと思っています。―劇中ではラブストーリーも描かれていますが、演じられてみて感じたことがあればお聞かせください。吉岡さん改めて、人が人に惹かれるのに男も女も関係ないなと。そういう部分がすごくピュアに描かれていると感じました。最初はもう少し恋愛の要素が強くなるのかなと思っていましたが、蓋を開けてみたらそれよりも、人と出会うことで成長をしていくという普遍的なテーマが描かれているので、そういうところもすごく好きです。どんなに大変なときでも、ライブや舞台は観に行く―なかでも運命の出会いを感じた菜摘が、仕事中にもかかわらず衝動的に相手を追いかけるシーンが印象的でした。ご自身にもそういう経験はありますか?吉岡さん「まだ勤務中ですよ!」と思わずツッコんでしまうくらい私はつまらない人間なんです(笑)。ただ、私にもそういう“衝動”みたいなものはありますよ。たとえば、どんなに忙しいタイミングでも、その瞬間を見逃したくなくてライブや舞台には意地でも観に行きます。それくらい大好きです。―そのなかでも、最近吉岡さんの心が動かされた瞬間といえば?吉岡さんBLACKPINKとTWICEのライブに立て続けに行きましたが、この世のものとは思えないくらいかわいかったです。元気をたくさんもらって目の保養にもなりましたし、とにかく感動しっぱなしでした。あとは、椎名林檎さまですね。まさに「神降臨!」という感じだったなと。演出などすべてにおいて拝みたくなるくらい、その場にいられて幸せでした。これからは、経験からくるエネルギーを見せていきたい―本作に登場している女性たちは、アイスクリームを愛するいっぽうで「I scream(私は叫ぶ)」の言葉のように自分の思いを叫びたい女性たちにも見えました。では、吉岡さんがいま叫びたいことは?吉岡さん「ちょうどいい量の休みがほしい!」ですかね(笑)。というのも、これだけ長いことお仕事をさせてもらっているのに、いまだにうまい休みの過ごし方がわからないので…。できれば1か月に1週間くらいまとめて休日があったらいいですね。そうすれば友達と小旅行もできますし、ダラダラしたり、お買い物に行ったり、自分をメンテナンスしたりもできますから。休む日と外に出る日の両方に使える日数があるのが理想です。―今年で30歳になられましたが、一つの節目を迎えたことで新たな思いを抱いているのではないでしょうか。吉岡さんこの10年は心もカラダもトレーニングをしてきたので、ここで鍛えてきたことを30代でどう生かしていくのかが重要だと思っています。いままで真面目にがんばってきたぶん、培ってきたものをステップアップのために使っていけたらと。これからは若さではなく、経験からくるエネルギーを作品で見せていきたいと考えています。とはいえ、20代は仕事ばかりで、趣味もすべて仕事につながるものをしてきたので、これからは仕事に関係ない趣味を持つべきかなと思うことも。そうしないと休まらないような気がしているところです。一生懸命してきた人は、その過程にも輝きがある―いま、挑戦してみたいことは?吉岡さん先日、共演させていただいた黒木瞳さんが本当に美しかったのでヒントをいただきたいと思って、いろいろとお話をうかがいました。そのときに「ダンスがいいですよ」と教えていただいたので、そういうのを参考にできたらいいなと。―ステキですね。ちなみに、吉岡さんが美容のために続けていることがあれば、教えてください。吉岡さん私は柑橘類が大好きなので、毎日カットレモンを2つか3つ食べるというのをずっと習慣にしています。レモンは美容にもいいし、代謝にもいいですからね。ただ、私の場合はそのまま食べるので、すっぱすぎてオススメしづらいですが、苦手な人は白湯に絞ったり、はちみつをかけたりするのがいいかなと思います。―最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。吉岡さんお仕事にプライベートにと日々邁進するみなさん!一生懸命してきた人には、その過程に輝きがあると感じているので、これからも“気高き戦士”として、一緒に社会を生き延びていきましょう!インタビューを終えてみて…。いるだけでその場を明るくし、取材部屋も癒しの空間に変えてしまう吉岡さん。ふわっとした柔らかい笑顔も印象的でしたが、その裏には仕事に対する意識の高さを感じずにはいられませんでした。ますます魅力が増していく30代をどのように過ごしていかれるのか、これからも楽しみなところです。スタイリッシュで、エモーショナルな映像美に釘付け!映画という概念にとらわれていない斬新さと、アートディレクターならではの美術や音楽へのこだわりを堪能できる本作。アイスクリームのように甘くてとろけるような想いも味わえる夏にぴったりのラブストーリーです。写真・園山友基(吉岡里帆)取材、文・志村昌美ヘアメイク・﨑 沙世子(io)スタイリスト・遠藤リカシャツ¥99,000、スカート¥121,000(すべて MARNI╱マルニ ジャパン クライアントサービスTEL:0120-374-708)、ピアス(セットで/右耳)¥29,700、ネ ッ ク レ ス ¥69,300(ともに SWAROVSKI JEWELRY╱SWAROVSKI JAPAN)、アイスクリームのピアス(左耳)¥14,850(ohrora╱ロードス TEL: 03-6416-1995)、ブルートパーズのリング(右手人差し指)¥23,100(Hiromi.A╱ロードス TEL:03-6416-1995)ストーリーデザイン会社に就職するもうまくなじめず、アイスクリーム店でアルバイトをしている常田菜摘。デザイン業界に戻るか、このままアイス屋を続けるのか、今後の身の振り方について思い悩んでいた。そんなある日、店を訪れたミステリアスな客・橋本佐保に運命的なものを感じた菜摘は、衝動的にその後を追いかけてしまう。いっぽう、アイスクリーム店の近所に暮らす高嶋優の家には、疎遠になっていた姉の娘・美和が急に訪ねてくる。数年前に出て行った父親を探しに来たという美和との突然の共同生活に戸惑う優だったが、心を占める不安はそれだけではなかった…。かわいさの詰まった予告編はこちら!作品情報『アイスクリームフィーバー』7月14日(金)TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開配給:パルコ(C)2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会写真・園山友基(吉岡里帆)
2023年07月12日静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で、「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」が開かれています。昔のサムライたちが身につけていた装身具は、実は日本を代表する美術品のひとつ。世界の愛好家たちも憧れた、クールなサムライアイテムをご紹介します!世界でも高評価!サムライアイテムが勢ぞろい「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」会場入り口【女子的アートナビ】vol. 302「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」では、静嘉堂文庫美術館が所蔵するコレクションのなかから、サムライたちの装身具である印籠や刀装具などのアイテムを展示。江戸時代の美術工芸品は、浮世絵と同じように海外でも高く評価され、世界の愛好家たちに蒐集されてきました。印籠などは小さな作品ですが、そのなかに花鳥風月や故事などが金銀漆で美しく表現され、世界のコレクターからも愛されています。本展では、そんなサムライアイテムのほか、おしゃれな江戸の人々を描いた風俗画も紹介。武士や遊女たちが華やかに着飾るようすも楽しむことができます。※本記事の写真はプレス内覧会で許可を得て撮影しています。サムライのおしゃれとは?《黒蝋色塗鞘桐紋金具打刀拵》江戸時代(17世紀)では、会場の展示作品とともに見どころをご紹介。まず1章は「サムライのおしゃれ」として鎌倉武士たちの華やかな鎧兜姿を描いた絵巻や、江戸の武士が登城するときに身につけた礼装の拵(こしらえ)などが展示されています。サムライや展示作品について、展覧会を担当した静嘉堂文庫美術館学芸員の山田正樹さんは、次のように解説してくれました。山田さんサムライの誕生については諸説ありますが、一説には京都の平安貴族に上級貴族と下級貴族がいて、下級貴族が軍事専門化した家系がのちの平氏や源氏のサムライといわれています。その平安鎌倉の武士たちが身につけていた戦の装束から「サムライのおしゃれ」を解いていくのが第1章です。江戸時代の武士は、腰に大小の刀を二本差していますが、長い刀を収めた打刀拵(うちがたなごしらえ)と、短い刀を入れた脇差拵の二点セットになっています。江戸時代初期、徳川幕府が制定した武士の礼装は裃、袴をつけて二本差しにして、殿中では脇差のみで、右側が空くので印籠を提げる。この三点セットが武士の礼装の基本でした。《蒙古襲来絵巻摸本巻二》明治2年(1869)山田さん《蒙古襲来絵巻》のオリジナルは鎌倉時代・13世紀に描かれたもの。静嘉堂の展示品はその摸本で、明治2年に描かれたものです。鎌倉時代の元寇がテーマの作品で、13世紀後半の武士たちの装束を知ることができます。この絵巻は、元寇の戦に参加して戦功をあげた竹崎季長自身が絵師に依頼したもので、細かく注文をつけて描かせたので武家風俗の考証が的確といわれています。人気のコレクターズアイテムが勢ぞろい!「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」会場風景続く2章「将軍・大名が好んだ印籠」では、静嘉堂が所蔵する276点の印籠コレクションから、40点を精選して紹介。将軍家や大名家につかえた蒔絵師ごとに、作品が展示されています。将軍や大名たちは、印籠を注文製作し、季節ごとに取りかえておしゃれを楽しんだり、贈答に使ったりしていたそうです。趣味で印籠を集めるお殿様もいて、コレクターズアイテムとなっていました。職人たちも技術やデザインを磨き、全国のサムライが集まる大都市・江戸には、腕の良い印籠蒔絵師たちが集まりました。数ある印籠のなかでも山田さんが注目する逸品は、尾張徳川家の御用蒔絵師、吉村寸斎の作品。山田さん作例が少なく、幻の蒔絵師と呼ばれています。木目のように見える背景は、実は黒漆地に金の研ぎ出し蒔絵で木目を繊細に表しています。そこに墨絵で描いた馬の図をそのままに螺鈿の輝く貝に置き換えて表しています。明治になると超絶技巧がはやりますが、寸斎の印籠はその走りとなるような作品です。海外が憧れた黒いモノとは?「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」会場風景3章「江戸の風俗画にみる武士のよそおい」では、江戸時代の江戸や京都の街のにぎわいなどを描いた屏風や、サムライのおしゃれアイテムである刀剣の拵(外装)や装飾金具などを展示。重要文化財の《四条河原遊楽図屏風》では、当時のファッションリーダーだった「かぶき者」や遊女、若衆たちが生き生きと描かれています。川之辺一朝ほか《藤丸写合口拵(長船兼光脇指付属)》明治時代(19世紀)また、江戸から明治にかけてつくられた刀剣の拵は、黒漆塗が大変美しく、海外の人たちも憧れました。ピアノの黒塗は、日本刀の鞘塗りに触発されたといわれているそうです。最後の4章「貴人のおしゃれ」では、重要文化財で世界的にも貴重な「密陀絵」の屏風と国宝の曜変天目(「稲葉天目」)を楽しめます。新発見のサーベルも必見!C.SMITH&SON《サーベル形儀仗刀 後藤象二郎拝領》(1868)本展では、NHKテレビでも報道された新発見のサーベルも展示されています。このサーベルは、後藤象二郎が英国ヴィクトリア女王から拝領したもので、長い間行方不明とされていましたが、世田谷の静嘉堂で発見されました。なぜ後藤にサーベルが贈られたのかというと、幕末に英国公使パークスを襲撃した刺客を、後藤象二郎と中井弘が撃退。その感謝の印として、サーベルが英国から下賜されました。その後、静嘉堂文庫創設者の岩﨑彌之助と、後藤の長女が結婚したことで、サーベルが岩﨑家に継承されたそうです。このサーベルは最初の展示室に展示されています。大変貴重な歴史的資料なので、ぜひこちらもお見逃しなく!Information会期:~7月30日(日)休館日:月曜日、7月18日(火)※ただし、7月17日(月・祝)は開館会場:静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階)開館時間:10:00 – 17:00 (入館は16:30まで)※金曜日は18:00 (入館は17:30)まで。観覧料:一般¥1,500、大高生¥1,000、中学生以下無料
2023年07月11日