ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は着たら瞬時にお洒落さんに見えちゃう柄パンツ、そんな目を引く柄パンツのストリートスナップをご紹介します。小花が可愛らしいパンツ上下でお揃いの柄をチョイスされていますが、ズボンだけでもTシャツやブラックトップスなどに合わせるだけでお洒落に見える!小花柄は、特に夏に人気がある柄なので、いまの時期に小花柄パンツを選ぶなら種類も多く探しやすそう。男性にも人気!大きな花柄ピンクのシャツが映える花柄ズボン。異次元のかっこよさですが、男性にだって大きな花柄は似合います。もちろん女性にも人気。スーツ風に柄を合わせてもOK柄パンツは、シンプルな一色のパンツに比べると、個性的なスタイルを演出することができるうえ、上下で合わせてスーツスタイルに着こなしてもかっこいい!このかたの着こなし方は上級者向け!中のトップスまでかなり個性的で、お洒落に着こなすには難しそうなところを、上手に彼女スタイルにしています。実はスタイリングの方向性は広い柄パンツはさまざまなスタイリングに合わせることができるという、模範的なスタイル。ワイドなズボンがリラックスした雰囲気を演出していているなか、ブラウスやジャケットと合わせてちょっとフォーマルな雰囲気も見せてくれているのがポイント。チェック柄は合わせやすい!柄パンツの良さは、自分の個性や好みに合わせて自分らしいスタイルにしやすいこと。さらに自分が好きな柄だと気持ちも上がって雰囲気もよし。こちらの柄はチェック柄で比較的合わせやすく、色も柄も全く異なるトップスを合わせて、彼女らしいファッションを楽しんでいます。大胆な大ぶりチェック!チェック柄にも色々あるんですね、かなり大きめのチェック柄が、より個性的で存在感がありますね。それでいて、シンプルな印象もあるので、写真のように同じような色で合わせてスーツのように見せてもかっこいい!小さい柄より柄が大きめのほうが、どんな服にも比較的合わせやすいのが特徴。今回は柄パンツのスナップをご紹介しました。柄パンツは個性的でおしゃれなスタイルを楽しむための良いチョイスだと思います。しかし、自分のスタイルやシーンに合わせて適切な柄やデザインを選ぶ目利きも重要なポイントかもしれません。どんどん自分ファッションを楽しんでみてください。写真・文 平野秀美
2023年07月09日東京国立博物館で、特別展「古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」が開かれています。本展のナビゲーターは、俳優の上白石萌音さん。メキシコで暮らしたことのある上白石さんが、展覧会の感想やメキシコの思い出などを語ってくれました!上白石萌音さんがナビゲーター!上白石萌音さん【女子的アートナビ】vol. 301特別展「古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」では、メキシコにある古代都市の遺跡群から、代表的な3つの文明「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」に関する至宝を展示。土偶や土器、石彫、首飾りや壁画など、さまざまな出土品約140件が紹介されています。メキシコは、16世紀初頭にスペインが侵略するまで、3千年以上も高度な文明が栄えていました。前1500年頃にオルメカ文明が興り、野生の動植物で暮らしを支え、暦を生み出し、さらに神への祈りなど捧げる儀礼の場やピラミッド、居住地などもつくられるようになりました。現在、メキシコの古代遺跡や歴史地区の多くは、世界遺産にも登録されています。そんなメキシコに3年間暮らしたことのある俳優の上白石萌音さんが、本展のプレス内覧会に登壇。展覧会の感想やメキシコの魅力を語ってくれました。ふわっと頬がゆるみました特別展「古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」会場風景――展示全体をご覧になって、いかがでしたか?上白石さん本当にいろいろな気持ちになりました。ワクワクしたり、おそれの気持ちを抱いたり、ふわっと頬がゆるむ瞬間があったり、精密な技術に驚いたり。すごく充実した楽しい時間でした。大昔の文明の品々なのに、その向こうに暮らしや作った人の存在、現代とのつながりを感じる瞬間もあり、フシギな気持ちになりました。また、私はメキシコで暮らしたこともあるので、すごく懐かしさも感じながら堪能させていただきました。――頬がゆるんだ作品とは、どのようなものですか?上白石さんふわっとした気持ちになる作品は、たくさんありました。出土品に描かれている生き物や人などの表情が、とても愛らしいのです。また、造形が絶妙でシュールなものもあり、そんなところにもメキシコの愛嬌を感じる瞬間がありました。小さい装飾品から大きい像まで、とても丁寧に装飾が施されていて、神や自然へのおそれ、祈りの切実さがにじみ出ているような気がしました。一番圧倒されたのは、「赤の女王」のマスクです。その展示室に差し掛かったときは、なんともいえない気持ちになりました。学芸員さんのお話によると、これを逃したら今後見ることができないかもしれないくらい貴重なモノということでしたので、ぜひこの機会を逃さずに見て、感じていただきたいと思います。ある者を憑依させて…《赤の女王のマスク・冠・首飾り》展示風景――音声ガイドの収録は、いかがでしたか?難しいところなどありましたか?上白石さん私は、音声ガイドを録るのが大好きなので、とても楽しみながらやらせていただきました。メキシコは住んでいましたが知らないことがたくさんあって、本当に勉強になることばかりでした。いろいろ学んだので、友だちに知識をひけらかしているところです(笑)。収録では、ある者を憑依させて読むところが台本にあり、そこが難しく感じました。ある者、というのは、展示されている「赤の女王」で、その女王を憑依させて読む場面があり、難しかったのですが、がんばりました。この部分は、ぜひ聴いてほしいです。――今回のお話がきたときは、いかがでしたか?上白石さん本当にうれしかったです。絶対にやりたいと思いました。メキシコへの恩返しになればいいな、と思い、日本とメキシコをちょっとでもつなぐことができたらと思いました。心をいっぱい動かした――メキシコでは、どんな思い出がありますか?上白石さん最初に思い出すのは、テオティワカンというメキシコシティにあるピラミッドです。住んでいたところからも車で少し行けば着くような場所にある大きな遺跡で、この展覧会でもフォーカスされています。そこに何度も父に連れられて行きました。当時は、まだピラミッドに登ることもできたので、汗をかきながら頂上まで登ったり、その大きさに驚いたり、幼いながらも心をいっぱい動かしながら歴史に触れたことを思い出します。父は社会科の教師なので、歴史のこともいろいろ教えてもらったりしました。――古代メキシコでは、豊穣を願って、生贄や食べ物をお供えしていました。今、上白石さんが祈りをささげて叶えてほしい願い事はありますか?上白石さん長年の念願は、両親と妹と四人でメキシコに里帰りすることです。なので、長期の休みがほしいです(笑)。まだ、一度も里帰りができていないのです。せっかく行くなら家族みんなで行って、長めに滞在したいので、いろいろなところにお願いをして、お祈りをしようかと思います。この展覧会を見て、さらにメキシコ里帰りのモチベーションが上がりました。――最後に、メッセージをお願いします。上白石さん本当に貴重な品がたくさんあるので、お子さんから大人まで、みなさん楽しんでいただけると思います。夏休みもきますし、ぜひ壮大な歴史に触れて、ワクワクしていただきたいです。そして興味が出たら、ぜひメキシコも訪れていただきたいです。もしよければ、音声ガイドもレンタルしてほしいです。よろしくお願いいたします。9月3日まで開催!音声ガイドは、上白石さんのほか、声優・杉田智和さんも担当されています。「赤の女王」や「雨の神」も出てきたり、クイズもあったりして、楽しみながら作品解説を聴くことができます。会場レンタルは¥650。アプリ配信版は¥700でダウンロード可能です。展覧会は9月3日まで開催。その後、福岡と大阪に巡回予定です。Information会期:~9月3日(日)※休館日は月曜日、7月18日(火)※ただし、7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館会場:東京国立博物館平成館開場時間:9時30分~17時00分※入館は各閉館時間の30分前まで※土曜日は19時00分まで開館※6月30日(金)~7月2日(日)、7月7日(金)~9日(日)は20時00分まで開館※いずれも総合文化展は17時00分閉館観覧料:一般¥2,200、大学生¥1,400、高校生 ¥1,000
2023年07月09日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。年に数回あるかないかの重要なパーティや結婚式の招待。どんな服装で行けばいいか悩むことも多いですよね。今回は派手すぎず目立ちすぎない、普段のスタイルにもできそうな上品な着こなしをピックアップしました。シンプルだけどデザインにこだわる結婚式だと、あまり目立ちすぎない格好のほうが好まれそうですが、でもオシャレには気を遣っているように見せたいですよね。そういう場合は、できるだけシンプルなデザインを選びながら、ちょっとしたポイントがあるドレスを選ぶと、お洒落さんに見えますよ。このドレスの場合ですと、袖部分がラッパのように大きく広がっているとか、腰下部分が広がったデザインがポイント。また、全身真っ黒になりすぎないよう、シューズで反対の色をチョイスしているのも個性が出て素敵!女性らしさ全開のワンピースプリーツスカートは、いつだって上品度をアップしてくれます。そんな中でもシルキー素材でより品格よく。さらには首元に巻かれたスカーフはワンピースとお揃い。首に巻いてもベルトとして巻いてもお洒落です。女性にも男性にもモテるワンピース。シックなスーツスタイルで賢く!私のお勧めスタイルは、この賢く見える上品なスーツスタイル。ハイウエストのパンツにトップスもこだわりのあるものをチョイス。全体的に硬めの印象ですが、実は手の平にペイントしているという、遊び心がチラリと見えたりするんですね。こちらのスタイルは、会社にだって、パーティにだって着ていける優秀スタイル。プリーツスカートで上品度アップ情熱的なレッドのスカートにサンダルが目を引く、大胆なパーティスタイル。スカートの長さやプリーツが、より上品に見せてくれます。シャツからチラリと見え隠れする大胆なチェーン風ネックレスが、かっこよさをチラつかせてます。スーツみたいでスーツじゃないスタイルあまりファッションに取り入れることが少ない色、パープル。でも実は合わせやすく、小物選びが簡単だったりします。こちらの上下セットはジャケットスーツにも見えるけど、かしこまった印象にならないので、結婚式やパーティなどにお勧めのセットアップ。動きやすいのも魅力的。かっこいい女性のパンツスタイルブラックでカッコよく統一させたこちらは、蛇柄っぽいボトムスが雰囲気をより特別なものに。なんといっても、こちらのスタイルはパンツが特徴的。少し短めのものなので、夏にもぴったり。素足の足元を見せることですっきりとした印象になりますし、サンダルのチョイス次第で女性らしさもアップ。またシンプルなネックレスにブラックのバッグと、あまり色を使わない代わりに、差し色でネイルはド派手な蛍光ピンク。全体的には落ち着いているけど、パーティにもってこいのコーデ!いかがでしたでしょうか?今回はかしこまりすぎず、ある程度上品なスタイルをご紹介しました。結婚式やちょっとしたパーティには、これくらいのスタイルがちょうどいい!という参考になれば幸いです。著者情報平野秀美ひらの・ひでみヨーロッパ在住で、ヨーロッパ各地のファッションウイークなどを取材しているファッションジャーナリスト。写真・文 平野秀美
2023年07月08日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第147回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その50をお届けします。1.美容にうるさい男【結婚引き寄せ隊】vol. 147それは30代から40代が集まる婚活パーティに参加したときのこと。参加条件は30代から、となってはいたものの、この日の婚活パーティには、主に40代以上の男女が多いように感じました。そんななか、自己紹介タイムがスタート。大人の男女が集まっているだけあって、落ち着いてしっかりと相手の話を聞いて話せるようなタイプばかりで、安心しながら挑んでいました。そのうち何人目かの自己紹介のときに、40代半ばの渋い色のスーツを着た男性と対面。最初はふつうに名前や仕事について話していました。すると、急にじっとこちらの顔を見て、「ちょっと疲れてます?」と言う男性。確かに仕事が忙しくて完全に疲れが抜けきっていないけれど、一応婚活の場に行くんだからと、ちゃんとメイクしてきたつもりだったんですが…。とまどう私を目の前に、「なんかクマができていますね。肌が疲れているみたいだから、そういうときはしっかりと保湿するといいみたいですよ(ニッコリ)」というのです!まったく悪気なく、親切心からのアイドバイスといったふうに、「前にパーティで会った女性がそう言ってました」と、別の婚活女性が言っていた美容ネタをぶっ込んできてビックリ。良かれと思っての発言でも、初対面でクマがあるとかなんとか、失礼ですからー!と、心の中で叫ぶ私。もちろん、その男性とはその後一切目も合わせないで終了したのでした。2.海外帰りをアピールする男それは20代から30代が集まる大人数の婚活パーティに参加したときのこと。参加人数が多いと活気が出てくるもので、会場はにぎやかでした。まずは自己紹介ということで、大人数のパーティでは、女性が座る椅子のところへ男性陣だけが次から次へと横にずれていく、いわゆる回転寿司スタイルでスタート。ひとり数分しか持ち時間がないため、顔と名前を覚えたと思ったらすぐ次の人に。ああ、あわただしい…と思いながらも、自己紹介がやっと最後のほうになってきて、ホッとしそうになったそのとき。「こんにちはっ!」と白い歯を見せた笑顔の男性が、ハキハキとした元気な挨拶とともに、右手を差し出してきました。えっ? と思いながらも、しぶしぶ軽い握手をかわし、挨拶。短い時間に自己紹介する文言を考えてきたのか、それともいつも簡潔に話すことができるタイプだからなのか、名前、仕事、結婚願望についてを一気に話す男性。ひたすら聞いていたら、「あなたは?」と聞かれ、こちらは名前ぐらいしか言う時間が無く、その男性は時間配分はあまり考えていないようでした。しかも、ほんの数分の会話の中で、「先月まで海外で働いてたんで」とか「海外帰りなんで」とか、海外帰りアピールがスゴい。ツッコんで聞いて話を広げるほど持ち時間が無いため、ほぼ聴き手で自己紹介タイムが終了。たった数分なのに、ドッと疲れが…。その後はもちろんその男性には近づかなかったのでした。3.追わせてほしい男それは30代から40代までの男女が集まる婚活飲み会に参加したときのこと。その飲み会には、ただ飲むことが好きなだけで来ている人、出会いを探しに来ている人とさまざまなタイプがいたため、婚活だからとガツガツしていないゆるい感じがあってのんびり時間が過ぎていきました。飲み会も中盤ぐらいになってくると、だんだんと恋バナになってきて、それぞれの元カノや元カレ、結婚についてどう思っているかなどをざっくばらんに意見交換。たまたま同じテーブルを囲んで向かいに座っていた30代半ばの男性と、たわいのない話をしていると、酒の勢いも借りてなのか「俺は追わせてほしいんだよ!」と突然、熱弁をふるいはじめました。その男性いわく「すぐになびく女はダメ」だと。とにかく男性側に追わせてくれたら、どんどん夢中になるのに、そんな相手が見つからないとボヤいていて…「追わせてくれる?」とニヤリと笑いかけてきたので、正直に「ムリ!」と即答しました! ああ、追うとか追わせるとか、そういう駆け引きよりも安泰な家庭が欲しい、とグッタリしてしまったのでした。婚活していると、理想のタイプとばかり出会えるわけではありません。でも、そのうちきっと運命の相手に巡り合うはず! みなさんの恋がうまくいきますように。文・かわむらあみり©Johnce/Getty Images©FXQuadro/Getty Images©Estradaanton/Getty Images文・かわむらあみり
2023年07月06日シリーズ累計65万部を突破し、女性たちから高い支持を得ている青春小説「交換ウソ日記」がついに実写映画化。勘違いから始まった交換日記を中心に、学校イチのモテ男子・瀬戸山とつい空気を読みすぎてしまう不器用な女子高生・希美による切ないすれ違いラブストーリーが描かれています。そこで、本作で重要な役割を果たしているこちらの方にお話をうかがってきました。板垣瑞生さん【映画、ときどき私】 vol. 590映画『HiGH&LOW THE WORST X』や大河ドラマ「麒麟がくる」、「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」など、ネクストブレイクの筆頭として幅広いフィールドで活躍中の板垣さん。劇中では、希美の先輩で元カレでもある矢野を演じて、複雑な三角関係を繰り広げています。今回は、共演者たちと過ごした現場の思い出や胸がキュンとする瞬間、そして今後の目標などについて語ってもらいました。―まずは、作品に対してどのような印象をお持ちでしたか?板垣さんお話をいただいたときにウソから始まる恋愛というのがいいなと感じました。というのも、僕の感覚ですと恋愛作品ではウソに対してネガティブなイメージがありますが、この作品では真正面から向き合っているので、そういうところがおもしろいなと感じました。また、ここでのウソは相手に対しての優しさからくるもの。たとえ交換日記がウソだとしても、そこに愛があるのは真実なので、そういうストーリーをみなさんにも伝えたくて、今回出演させていただけることになりうれしいです。年齢や性別に関係なく、リスペクトしている―ということは、物語の内容が出演の決め手になったと。板垣さん希美役の桜田ひよりさんとまたお仕事をしたいと思っていたので、桜田さんの存在も大きかったです。―今回で3度目の共演ですが、板垣さんから見た桜田さんの魅力といえば?板垣さんお芝居が上手で、愛嬌があり、トークも上手で、安心して一緒に仕事ができる安定感もあるので、とにかくいい俳優さんです。作品への取り組み方はもちろん、周りのために一生懸命になれるところも人として素敵だなと思います。年齢や性別に関係なく、リスペクトしています。「欠点なんてないんじゃないかな?」と思っているくらいです(笑)。―では、初共演となった瀬戸山役の高橋文哉さんの印象についてもお聞かせください。板垣さん文哉くんと同じシーンはあまりなかったんですが、会ってすぐに仲良くなりました。一緒になったときには、一番話をしていたんじゃないかな。タイプは全然違うかもしれませんが、根本の部分が似ているのかなと感じました。―おふたりがどんな話で盛り上がっていたのか気になるところです。板垣さん共通の友達がけっこういて、「え!?知ってるの?」みたいなことが何回もありました。いまは、「今度一緒にご飯に行こう!」と誘っているところです。お芝居ができることに幸せを感じる―今回は久しぶりの高校生役でしたが、いかがでしたか?板垣さん高校は実生活で卒業したからもういいかなと思っていましたが、懐かしいし、やっぱりうれしいものですね。でも、それよりもこうしてお芝居ができることが幸せだなと感じています。―ちなみに、ご自身はどんな高校生でしたか?板垣さん僕の学校は私服だったんですが、シャイだったこともあって1年目はずっとフードを被って過ごしていました(笑)。しゃべりたくてもしゃべれないみたいなところがあったので、最初は馴染むまでけっこう苦労した覚えがあります。でも、そのあとは次第にみんなと仲良くなりました。友達とタピオカを飲みに行ったり、ダーツやビリヤードをしたりというのが、青春真っ只中の思い出です。他人に優しくできる女性はカッコイイと思う―本作のように、学生時代のキュンとしたエピソードがあれば、教えていただきたいのですが…。板垣さん僕は、お芝居でそういうシチュエーションを生み出すのは得意なほうですから。やっぱり男ならキュンキュンさせないとね!といいつつ、思い当たらないので「キュン!」と書いておいてください(笑)。―(笑)。ちなみに、瀬戸山のように思っていることを素直に言えるタイプですか?板垣さんはい、伝えたいと思っていることなら言えます。―では、ウソをつくのは得意なほう?板垣さんそんなについたことはないですけど、もしウソをつくなら自分が明かすまでは、絶対にバレないようにウソをつき通すと思います。逆の立場でも、中途半端なのはやめてほしいので、ウソをつくならちゃんとついてほしいです(笑)。―板垣さんが女性に対していいなと思う瞬間があれば、教えてください。板垣さん僕以外の人にも優しくしている姿を見たときです。もし自分と付き合っていたら、優しくしてくれると思うので、そうではない他人にも優しくできる人だとカッコイイなと思います。共通の趣味があったら、一緒に楽しみたい―劇中には、不器用で大人しい希美、生徒会長も務めるしっかり者の江里乃、元気でキャピキャピしている優子というタイプの違う女子が3人登場します。もし、全員と同じ学校だったら気になるのは?板垣さんうーん、僕は希美ちゃんがいいかな。というのも、希美ちゃんと同じように僕も音楽が好きなので、一緒に音楽を聴きながら騒げたら楽しそうかなと思います。共通の趣味があるというのはいいことだと思います。―確かに盛り上がりそうですね。希美は恋愛だけでなく、進路にも悩んでいる女の子でしたが、板垣さんは10代前半からお仕事をするなかで、進路に迷ったことはありませんでしたか?板垣さん僕はないですね。―さすがですね。つまり、子どもの頃からこの道で行くと決めていたと。板垣さんいやいや、そんなすごいことではないです。最初はハリー・ポッターになって、ホグワーツ魔法魔術学校に入りたかったくらいですから(笑)。でも、シリーズが終わってしまったので、行くところがなくなっちゃったんだとがっかりしていました。そのときに「これは俳優さんが演じているんだよ」と教えられ、「俳優って何だろう?」と。そう考えていたときにいまの事務所さんに声をかけていただいたので、「俳優になればホグワーツに入れるんだ!」と思っていました(笑)。それが始まりです。自分の気持ちにウソをつかずに行動してほしい―かわいいですね。では、いま目標としていることはありますか?板垣さん海外の作品に出てみたいなと考えています。『ハリー・ポッター』みたいなファンタジーでも、リアリズムな作品でも、何でもやってみたいです。あとは、逆に日本で出演した作品について海外の方から「自分の人生で一番いい作品。何回も観ているよ」と言ってもらえたら最高ですね。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。板垣さん真実から始まる恋愛もあれば、ウソから始まる恋愛もあるくらい、恋愛はいろいろあるので、これが正しい方法というのはないんじゃないかなと思います。なので、もし本当に相手のことが好きで付き合いたいと考えているなら、その愛は本物なので、その気持ちにウソをつかずに行動へと移したほうがいいと思います。インタビューを終えてみて…。端正な顔立ちと大人っぽい雰囲気が漂っていたのでクールな方かなと思いきや、話し始めるとお茶目でとても気さくな板垣さん。「高校生役はもうしないかも…」と明かしていたので、最後になるかもしれない板垣さんの高校生姿をぜひ堪能してください。切なさとワクワクの波が押し寄せる!共感と胸キュンが止まらない展開が次々と巻き起こる青春ラブストーリー。特に、最近トキメキ不足だと感じている人にとっては、恋愛でしか味わえないドキドキ感を思い出させてくれること間違いなしの1本です。写真・園山友基(板垣瑞生)取材、文・志村昌美ストーリー高校二年生の希美は、移動教室の机のなかに「好きだ!」とひと言だけ書かれた手紙を見つける。送り主は、なんと学校イチのモテ男子・瀬戸山だった。イタズラかなと戸惑いつつも、返事を靴箱に入れたことをきっかけに、ふたりのヒミツの交換日記が始まる。ところが、実はその手紙と交換日記は希美の親友宛てのものだと判明。勘違いから始まった交換日記だったが、本当のことが言い出せないまま、ついやりとり続けてしまう。そして、希美は自分とは真逆の性格の瀬戸山に少しずつ惹かれていき、事態は思わぬ方向へと進んでいく。ウソから始まった切ない恋の行方は…。一喜一憂しちゃう予告編はこちら!作品情報『交換ウソ日記』7月7日(金)全国公開配給:松竹(C)2023「交換ウソ日記」製作委員会写真・園山友基(板垣瑞生)
2023年07月05日夏は露出が増えてスタイルがバレやすい季節。気になるパーツをあちこち隠そうと思うと、暑さに耐えられない着こなしになってしまいますよね。ですが、実は薄着でも工夫を凝らせばいつも以上にスタイルがスッキリして見えることは可能なんです。今回は、Tシャツにパンツやスカートといったシンプルなコーディネイトなのに着痩せして見える方法をご紹介します。Tシャツ×ラップパンツTシャツ×パンツのシンプルなコーデはトップス、ボトムスどちらもシルエットの美しいデザインのアイテムを選ぶことが大切です。Tシャツはタックの入ったフレンチスリーブTシャツだと二の腕のラインもスッキリして見えやすいです。肩のつけ根部分にタックが入ることで脇肉のラインを拾わず、バストまわりと一緒に二の腕のカバーもしてくれます。ボトムスはラップパンツがおすすめ。ラップパンツとはカラダに巻きつけるようにして履くパンツのことを指します。留め具がカラダの中心にないぶん、下腹部周辺がスッキリとした印象になるのでスタイルアップに最適なアイテムです。布生地が斜めに打ち合わさっているので直線的なシルエットが脚全体をシャープに見せるという効果も期待できますね。ハイウエストタイプはさらに脚長効果とくびれ効果の両方も兼ね備えるので美脚見え間違いなし!Tシャツ×太めストラップのジャンスカ快適かつスタイルが良く見えるフェミニンコーデを狙うなら、選ぶべきはジャンパースカートです。夏といえばキャミソールワンピースを選ぶ方も多いですが、キャミソールワンピースはストラップが華奢なので、アイテムによっては二の腕や脇肉、肩周りの肉感を拾ってしまうので要注意。その点、ジャンパースカートは基本的にストラップがやや太めなので肩のラインをスッキリ見せてくれます。ジャンパースカートはAラインタイプ、Iラインタイプの2種類が定番ですが、着痩せを目的とする場合はIラインタイプがおすすめです。余計な広がりを見せずストンとしたシルエットは高身長に見える効果も。Tシャツはシンプルな半袖か、袖が大きく広がりすぎないパフスリーブなどで甘く可愛く着こなしてもOKです。Tシャツはミニマルなデザインを選ぶ昨今、パフスリーブやランタンスリーブなど袖にボリュームのあるデザインTシャツが増えていますが、身長が低く、スタイルがぽっちゃりしている方が着ると横に幅広い印象を与えかねないので要注意。Tシャツはできるだけ余計なデザインのないミニマルなシルエットを選ぶと良いですね。生地は薄すぎるよりも2枚仕立てなど、厚みと立体感のあるものがスッキリ見えの秘訣。ぜひ、これらのポイントを参考におしゃれでスタイルアップする着こなしに挑戦してみてくださいね!イラスト・文 角 佑宇子
2023年07月01日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は夏に思い切ったファッションを楽しみたい方にぜひ見てほしい、カラフルなストリートファッションをご紹介します。レッドやオレンジはパワーカラー!それぞれ着こなしがとても似ているけど、自己流ファッションを楽しんでいるかたたちです。真っ赤なスーツや、赤で統一したデニムスタイルもかっこいいし、ベルベット調のダークオレンジで緩めにまとめたファッションも魅力的。かなり派手な見た目になるはずが、それぞれの個性に合わせてしっくり着こなせています。ポイントカラーを楽しむ!目立つ色はシューズのピンクですが、全体的に色が入ったコートやハットを合わせて、全体のバランスがとれたお洒落な着こなしになってます。ピンクのシューズっていうのもかなり目立ちますが、シューズが浮かないくらい、全体的に色を散りばめてるところがファッション上級者!こんなスーツ楽しい!見たことのないお洒落で可愛らしい色が魅力的なスーツ。淡く柔らかい色が派手すぎず、大人の可愛いファッションを後押ししてくれているよう。なかなか着こなしが難しそうですが、固くならないようにシューズなはんとビーチサンダル!スーツをビーチサンダルで合わせちゃうところが、さすが海外ファッション!蛍光オレンジがお洒落!遠くにいても一発で見つけられそうな、蛍光オレンジのワンピース。こちらはプラダのもの。一時プラダが蛍光カラーを使ったファッションを推していましたね。シンプルなデザインだけど、動きやすそうな素材で、ディテールもしっかりとしています。なかなか着こなすには勇気がいりそうな色ですが、せっかくなら夏に試してみたいかも!?グッチらしいレッド&ブルーがイケてる大きめのバッグにグッチらしいスカートと、全体的に1970年代のような雰囲気を楽しめるデザインとカラーを、上手に今時っぽく着こなしています。レッドとブルーが一際目立つけど、不思議と落ち着いて見えるものですね。鮮やかブルーが魅惑的!大人らしいシルエットのワンピース、あまり見かけない鮮やかなブルーカラー。どんな柄や色よりも、目を引くワンピーススタイルに仕上がってます。ワンピースのデザインもユニークで、サンダルとの相性も抜群!長袖なので、秋まで愛用できそう。蛍光イエローが抜群に眩しい!人と被る心配のいらない、珍しいカラー!派手目な色だけど、実は柄や他の色とも合わせやすく、最近ではファッションの小物やアイテムでよく使われるカラーでもあります。ワンピースが蛍光イエローってなかなかないですよね。着こなせてる彼女がすごい!いかがでしたでしょうか?夏に負けないカラフルでお洒落な着こなしの参考になりましたでしょうか。海外のかたたちは色の使い方がとても斬新で上手。今後もカラーを取り入れたファッションをご紹介します。写真・文 平野秀美
2023年07月01日気になる話題の映像作品をおすすめする【テレビっ子の窓】第6回は、番外編。お笑いネタ本『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』(世界文化社)を発売した、韓国ドラマやK-POPに詳しい、お笑いコンビ「スクールゾーン」の橋本稜(通称はしも)さんに、おすすめの韓国作品や本のお話をうかがいました!スクールゾーン橋本さん登場【テレビっ子の窓 番外編】vol. 6世界中から注目を集めている韓国作品は、現在さまざまな動画配信サービスから視聴できるということもあって、何から観ようか迷う方もいるかもしれませんね。そこで、韓国通のスクールゾーン橋本さんに、著書でも紹介しているネタの韓国ドラマや楽しみ方、最新作からここ数年で印象深い韓国作品についてインタビューさせていただきました。――2023年3月30日に初の著書『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』を発売されましたね。韓流愛の詰まったネタを披露されている橋本さんですが、そもそも“韓流あるある”を始めたきっかけや、今回書籍化された理由はなんですか?韓国ドラマを観ていると、「え? こんなときに記憶喪失になるの!?」とか、「また交通事故?」という、突然の展開なのにある程度パターン化している部分もあるなと気づいたときがあって。いろいろなドラマを再確認していくと「またこれやってる!」「毎回、シャワーシーンがあるのはなんだろう」といった疑問をインスタグラムで発信したら、共感してくださる方が多くて、それならばと“韓流あるある”ネタをやりはじめました。『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』より。インスタをやり始めた4年前ぐらいから、“韓国ドラマあるある”を400本ぐらい動画で出しているので一度まとめた形にしようと、今回の書籍は“あるあるの集大成”といったものになります。文字で見ても面白くて、インスタにも載せていないようなネタも集めて、紹介しています。『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』 U-NEXT配信中 (C) STUDIO DRAGON CORPORATION――書籍の「当たり前のように人間以外の相手に恋をする」というページで紹介された韓国ドラマの中に、私も大好きなコン・ユさんの『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016年)の名前も。“900年以上生き続けるトッケビ(鬼のようなもの)”が登場しますが、未見の方も「トッケビ」を楽しめるコツはありますか。まだ観てない方にとっては「トッケビ」の、900年も生きた鬼と人間が恋愛するという設定がちょっと飛んでいるように感じるかもしれませんし、ほかに『愛の不時着』(2019年)にしても北朝鮮にパラシュートが不時着するなんてちょっとよくわからないな……と、すんなりドラマに入っていけない設定だなと思う人がいる場合もあるとしても、その気持ちもよくわかるんです。でも、そんな思いをいったん置いて観てみると、いつの間にかどんどんのめり込んでいく作品のひとつが「トッケビ」なんですよね。『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』 U-NEXT配信中 (C) STUDIO DRAGON CORPORATIONもし1話からのめり込めない場合、6話ぐらいから観てもいいかなと。韓国ドラマって、だいたい6話からちょうど面白くなってくる作品が多いように感じるので、6話から最終話まで観て、また1話から5話を観るという、スターウォーズみたいな視聴の仕方でもアリ。さらに「トッケビ」は、OSTというドラマのサウンドトラックが15曲以上もたくさん収録されているのがかなり珍しくて、観終わってロスになったらOSTを聴きながらロスを解消すると、何通りもドラマの世界観を楽しめます。橋本さんおすすめの韓国作品Netflixシリーズ『椿の花咲く頃』独占配信中――昨年、anan本誌でも「イチ押し韓流作品3選」をご紹介してくださっていますが、いまおすすめの韓国ドラマといえばなんでしょう?ここ数年で面白いと思ったラブコメだと『椿の花咲く頃』(2019年)ですね。最近だと、『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』(2022年)は展開がはやくて観やすいんじゃないかなと。もうひとつ、ドラマではなく未配信のユン・ダンビという女性監督の韓国映画『夏時間』(2021年)も良かった。単館上映していたので、東京の下高井戸シネマに観に行きました。Netflixシリーズ『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』独占配信中――ジャンルの違う3作ですね。私も『椿の花咲く頃』はシングルマザー役のコン・ヒョジンさんとカン・ハヌルさんの恋の行方に見入りましたし、「ザ・グローリー」は壮絶な場面もありつつスカッとする復讐劇でした。『夏時間』はまだ観られていないのですが、いかがでしたか。この2作の韓国ドラマは、やっぱりおすすめになりますね。映画は、子どもたちがおじいちゃんの家に遊びに行って、ただ時が流れていくだけで派手な展開は何もないんですが、子どもたちが成長していく雰囲気が良かった。――いまあらためて日本で推したい韓国俳優といえば誰が思い浮かびますか?若手俳優よりは、渋い俳優さんの波が来てほしいですね。演技派のファン・ジョンミンさんは個人的にいいなあと思いますし。あとはチ・チャンウクさんかな。いい演技を見せてくれるから、日本でもさらに人気が出ても良さそうなのになって。『冬のソナタ』 U-NEXT配信中 Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved――橋本さんは、中学生のときにお母様の横で『冬のソナタ』(2002年)を観ていたことが韓流好きになる原体験となっているんですよね。そうです。主演のペ・ヨンジュンさんにもハマって出演作を観るようになると、『太王四神記』(2007年)という韓国ドラマの主演もやっていて、その主題歌が東方神起だったので、そこからK-POPにハマっていって……という感じで韓流好きになっていきました。――男性で中学生ぐらいから興味を持つのは、珍しいですね。韓流話を話せる友達がいなかったので、妹と一緒に東方神起のライブに行ったり、よく母と一緒にドラマを観たり。母はファンクラブに入るほどのヒョンビンさんのファンなので、いまでも情報交換していると、「ヒョンビンのオフ会に行ってくる」というLINEが来ることも(笑)。韓国作品はポイントや演出を作るのが上手映画『告白、あるいは完璧な弁護』2023年6月23日より全国公開中。(C)2022 LOTTE ENTERTAINMENT & REALIES PICTURES All Rights Reserved.――ヒロインでいま注目している韓国の女優さんはいますか?この間、試写会で観させていただいたソ・ジソブさん主演のサスペンス韓国映画『告白、あるいは完璧な弁護』に、ガールズグループ「AFTERSCHOOL」のナナさんが出ていて、お上手だなと。K-POPアイドル出身の女優さんは、お芝居が上手な方が多いんだなと注目しています。お芝居はまだですが、今後は「aespa(エスパ)」のウィンターちゃんの演技も観てみたいな。――確かにK-POPグループ出身の方も映像作品でご活躍されている方は多いですよね。それだと私は、少女時代のユナさんが好きです。K-POPといえば、橋本さんの書籍では“韓流あるある”の度合いをBTSのキム・ナムジュン(RM)さんに扮して表現していますね。BTSもずっと追っていて、ナムさんが口角をよく上げていることに気づいて、まねしてみたら意外と似せられるかなとやらせてもらうようになりました。書籍では、ナムさんの口角の上がり具合で、あるある度を三段階で表現しています。『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』より。――では最後に、韓国作品の良さはなんだと思いますか?たとえ結果がわかっていても、そこまで行く足かせがすごく面白いところでしょうか。韓国ドラマや韓国映画を観ていると、「なんで!?」とツッコミたくなる、ぼやきたくなるようなポイントを作るのはとても上手ですよね。韓国ドラマの最後の終わり方ひとつとっても、毎回続きが気になる演出も上手ですし、結局、ベタが素敵だなと思います。ベタなところは変わらないでいてほしいですね。――では今後も、韓国作品をいろいろとご覧になっていくとネタも増えて、「韓国あるある本」の第2弾が発売されることも?そうですね。韓国ドラマが進化していくと思うので、またそれに合わせた“韓ドラあるある”を新しい形でもやっていけたらいいなと思います。Information『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』(世界文化社)発売中¥1,650(税込)教えてくれた人スクールゾーン橋本稜(はしもとりょう)1992年1月10日、埼玉県生まれ。NSC(吉本総合芸能学院)東京校16期卒業。2011年、俵山峻(たわらやましゅん)と「スクールゾーン」を結成。幼少期より慣れ親しんだ韓国ドラマやK-POPの知識、特技である韓国語を生かした「韓国あるある」をSNSで発信中。スクールゾーン はしも 公式SNSInstagram「スクールゾーンChannel」YouTube取材・文:かわむらあみり取材・文:かわむらあみり
2023年06月29日ニューヨークで映画を学んだあと、世界各地の映画祭などで国際的に評価されて注目を集めている福永壮志監督。柳田國男の「遠野物語」から着想を得て作られた最新作『山女』では、初めてプロの俳優を主人公に起用し、閉鎖的な村社会や同調圧力、格差といったものを臆することなく描いています。そこで、本作で主演に抜擢されたこちらの方にお話をうかがってきました。山田杏奈さん【映画、ときどき私】 vol. 589『樹海村』や『ひらいて』、『17才の帝国』など、話題の映画やドラマに多数出演し、若手の注目株としてさらなる活躍が期待されている山田さん。本作では、先代の罪を背負い、人々から蔑まれながらもたくましく生きる主人公の凛を見事に演じてきっています。今回は、役作りへのこだわりや現場の様子、そして自身が思い描くこれからに語っていただきました。―最初にお話があったとき、どのようなお気持ちでしたか?山田さん台本を読んだだけでも、自然の力強さみたいなものをすごく感じました。そして、そのなかでひたむきに生きている凛という女性の人生を描いているので、そういう作品で大きな役を演じさせてもらえることがうれしかったです。―役作りは難しいところもあったと思いますが、どういったところからアプローチを始めましたか?山田さんまずは、方言の練習から始めました。あとはわらじを編むシーンのために、家にわらを持って帰ってわらじを編んだこともありますが、そのときは家のなかがわらだらけになってしまって大変だったことも(笑)。でも、そんなふうに少しでも凛の生活に触れられるようにしたいと思って取り組みました。ほかにもリップクリームを塗らずに唇をガサガサにさせたり、髪の毛をボサボサのままにしたり、あえてあまりキレイにしないようにもしています。森山未來さんの佇まいと能力の高さはすごかった―劇中では役柄的に追い込まれるシーンが多かったので、精神的にきつい部分もあったのではないでしょうか。山田さん私自身は、もともとあまり引きずるタイプではありません。ただ、ずっと山形に行きっぱなしだったので、そういう意味で家に帰りたいなと思ったことはあったかなと。でも、気分転換に散歩をしたり、道の駅に行ったり、地元のおいしいご飯を食べたりしていたので、山形をすごく堪能させていただきました。―けっこう切り替えが得意なタイプでいらっしゃるんですね。山田さんそうですね、私はわりとすぐに戻れます。ただ、どこかで我慢しているところはあったので、撮影が終わってからはネイルをしたり、髪の毛や眉毛を染めたり、服を買いに行ったり、現代人に戻れることを一通りして、「終わった!」という気分にして役から抜けました。―今回は、山男として森山未來さんが出演されていますが、セリフがないにもかかわらず見事な存在感を放っています。ご一緒されてみていかがでしたか?山田さん本番以外では世間話をしたりと普段の森山さんなんですが、いざ始まると歩き方が変わり、まるで1匹の動物がいるかのような空気感と佇まいになるので、その様子はすごかったです。以前から素敵な役者さんだとは思っていましたが、山男としてその場にいる能力の高さに圧倒されました。みなさんに支えられたおかげで、安心してお芝居ができた―休憩中には、木の上で寝ていたこともあったとか。山田さんただ眠くて寝ていただけなのか、役作りだったのかはわからないのですが、いい意味でいろんなことを気にせずに役へ飛び込んでいける方なのかなと思いました。そういうことをしてしまうマインドは、もはや究極だなと。だからこそ説得力を生んでいるので、森山さんの山男の姿を見ているだけで凛の気持ちになれるだろうと思い、「ついていかせてください!」という感じでした。―そのほかも、若手からベテランまで素晴らしい方々が集結していましたが、印象に残っていることはありますか?山田さん父親役の永瀬正敏さんは、役としてはかなり厳しかったですが、実際はとにかく優しかったので、「大丈夫?」といつも気にしてくださいました。クランクアップのときには映像を撮って、わざわざ送ってくださったりもしたので、本当のお父さんみたいでしたね(笑)。今回はほかにも大ベテランの方々ばかりだったこともあり、背中を見せてもらいつつ、安心してお芝居をさせていただきました。本当に優しくしていただいたので、みなさんに支えられていたと思います。自分のことを評価できるのは、結局自分しかいない―凛を演じるなかで諦めの精神みたいなものを感じられていたそうですが、そこは野望みたいなものを持っていない“さとり世代”であるご自身の感覚と近いものがあったとか。そんななかで、今後についてはどうなりたいというのはありますか?山田さん世代とひとくくりにしていいのかわかりませんが、私は遠い先の目標や夢というのをあまり抱いたことがありません。おそらくそれは、「実現できなかったときが怖い」という気持ちが漠然とあるからではないかなと。だから、目先のことだけを考えてしまうのだと思います。でも、いま22歳になって、少しずつ10年後の計画をふわっとでも立てなきゃいけないのかなと考えることも…。しっかりと自立していたいという目標はありますが、まずは目の前のことをがむしゃらにするしかないとも感じています。若いうちにしかできないこともあるので、とりあえず25歳くらいまでは「まだ若いので!」と言いながらいろんなところに飛び込んでいきたいです。―ある信念を持って生きている凛のように、山田さんにとって支えとなっている思いとは?山田さん自分のことを評価できるのは結局自分しかいないので、何か失敗したとしても、「あのときの自分ができることはすべてやった」と思えるようにしたいなとは考えています。なので、まずはあとで後悔しないようにそのときのベストを尽くすというのはいつも意識していることです。1つの価値観に当てはめようとするのはナンセンス―素晴らしいですね。また、本作では女性差別や同調圧力などについても描かれていますが、ご自身もこれまでにそういう経験をされたことはありますか?山田さん私はそういう場面に出くわしたときは、わりとその場で思っていることを言ってしまうほうですね。いろんな人がいますが、「男女関係なく、各々の考えを大事にしましょう」という風潮のなかで、相手を1つの価値観に当てはめようとするのはナンセンスじゃないかなと。ただ、ケンカはしたくないので、そもそもそういう人とは距離を置くようにしています。―なるほど。ちなみに、落ち込んだりしているときには、どのようにして元気を取り戻していますか?山田さん私の場合は、「とにかく食べて寝る」です(笑)。自分でがんばったなと思ったときは、何もしない日を1日作って、好きなものをいろいろと出前してサボります。「これだけ毎日ちゃんとやったんだから今日くらいいいよね」と。でも、その日が終わると罪悪感が生まれるので、それでまたがんばるというのを繰り返しています。自分も強さのある人になるのが目標―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。山田さん私自身も生きていると悩みごとが多いなと感じています。だからこそ、決して恵まれた環境に生まれたわけではないけれど、自分の幸せのために生きようとする凛の姿をこの映画を通して感じていただきたいです。時代背景は違いますが、私もそういう強さのある人でありたいというのが目標なので、ぜひみなさんにもそういう部分を見ていただけたらと思っています。インタビューを終えてみて…。吸い込まれそうな瞳が印象的な山田さん。柔らかいオーラのなかにも、芯の強さが伝わってきて、劇中の凛とつながっているようにも感じました。これからも幅広い役どころで、さまざまな表情を見せてくれるのが楽しみです。雷に打たれるような衝撃が走る!社会にはびこる理不尽さや息苦しさなど、現代にも通じる感情に訴えかける本作。圧倒的な自然の美しさと俳優陣から放たれる熱量、そして過酷な運命に見舞われながらもそのなかで自分らしさを見つけていく女性のたくましさに心を激しく揺さぶられる必見作です。写真・園山友基(山田杏奈)取材、文・志村昌美ヘアメイク・菅長ふみ(Lila)スタイリスト・武久真理江ブラウス、スカート 参考商品(ともにNATSUMI OKUMURA/)、イヤーカフ(左耳)¥3,600、ブレスレット(左腕)¥6,000、リング(右手人差し指)¥3,000(すべてgraey/)、イヤーカフ(右耳)¥20,900、リング(右手中指)¥52,800(ともにSARARTH/SARARTH カスタマーサポート )ストーリー18世紀後半、冷害による食糧難に苦しむ東北の村で、父と弟と暮らしていた17歳の凛。誰もが忌み嫌う仕事を引き受け、人々から蔑まされながらもひたむきに生きていた。そんな彼女の心の救いは、盗人の女神様が宿ると言われる早池峰山だった。ある日、飢えに耐え切れなくなった凛の父親・伊兵衛は、村の蔵から米を盗んでしまう。家を守るため、村人たちから責められる父をかばった凛は、罪を背負って自ら村を去る。そして、決して越えてはいけないと言い伝えられる山奥の神聖な森へと進んだ凛の前に、伝説の存在として恐れられる“山男”が現れることに…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『山女』6月30日(金)ユーロスペース、シネスイッチ銀座、7月1日(土)新宿K’s cinemaほか全国順次公開配給:アニモプロデュース(C)YAMAONNA FILM COMMITTEE
2023年06月29日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はファッションウィーク後のモデルさんのファッションをチェック。なかでもデニムがかなり人気なので、デニムスタイルをピックアップしてご紹介します。グレーの細めデニムが合わせやすい!さすがモデルと言わんばかりの細身デニムで、その脚の長さがが際立ってます。グレーデニムだと他のいろんな色との相性も良いんです。定番カラーに飽きてきたら、今年はグレーがおすすめ!ビーガンレザーと合わせてクールに落ち着いた深めのインディゴブルーがぴったり合うビーガンレザージャケット。厚底アンクルブーツとヘソ出しで、脚の長さがとんでもないことになってますが、インディゴブルーはブラックカラーとの相性抜群!かっこよく着こなしたい時はぜひ真似てみて下さい。懐かしいブーツカット風デニム明るめブルーが似合うブーツカットを、カラー染めされたトレーナーにさらりと合わせたカジュアルスタイル。ブーツカットはスタイルを作り出すのが難しいのに、このカジュアル感はさすが!ワイドパンツが今年も熱い!人気中のワイドデニムパンツを履く時は、できるだけトップスは短めがいいかも?!上下のメリハリができ、ワイドデニムでもぼたつき感なくすっきりと着こなせます。ボーイズ風デニム一番人気のこのシンプルな程よいワイド感が今どきっぽい。カラーも明るめブルーが夏らしく、ホワイトTシャツに合わせるだけで可愛いかも!写真のようにカラフルなトップスでももちろん、なんでも合うので、一本は持っていたい定番デニムです。ライトカラーは夏向け!できるなら夏は明るい色で過ごしたいという方には、ライトブルーが素敵なデニムがおすすめ。冬よりも夏によく見かける色でもあります。柄ありデニムで個性発揮!デニムは種類や色が数あれど、なんとなく雰囲気は同じに見えるというかたには、思い切って柄があるデニムもおすすめ。滅多に見かけないので、人と被ることもなく、自分なりのファッションを楽しめます!いかがでしたでしょうか?モデルのみならず普段着として一般的に普及しているデニムパンツは、着こなしの自由度が本当に高い。夏らしいスタイルでこれからもデニムパンツを愛用してくださいね。著者情報平野秀美ひらの・ひでみヨーロッパ在住で、ヨーロッパ各地のファッションウイークなどを取材しているファッションジャーナリスト。写真・文 平野秀美
2023年06月25日現在、社会的にも大きな関心が寄せられている問題といえば、認知症や介護について。そんななか、まもなく公開を迎える注目作『オレンジ・ランプ』では、39歳で若年性認知症と診断された夫とその妻の9年にわたる道のりを実話に基づいて描いています。そこで、主演を務めたこちらの方に、お話をうかがってきました。貫地谷しほりさん【映画、ときどき私】 vol. 588映画『サバカン SABAKAN』やドラマ「大奥」など、幅広い作品で活躍を続けている貫地谷さん。劇中では、若くして認知症を発症してしまう夫を前向きに支え続ける妻の真央を演じています。そこで、本作を通じて感じたことや夫婦として大切にしたい思い、そして笑顔の秘訣について語っていただきました。―最初にオファーがあったときのお気持ちはいかがでしたか?貫地谷さんいま、私の母が認知症の祖母を介護しているというのもきっかけの1つとしてありましたが、この作品はとても明るいお話だったので、それをみなさんにも伝えたいという思いで受けました。というのも、以前流行った韓国映画『私の頭の中の消しゴム』の影響もあり、若年性認知症には私自身も悲しいイメージがあったからです。―実際、台本を読まれてみてどういう印象を受けましたか?貫地谷さん正直に言うと、この作品ではあまりにみんながいい人すぎたので、「本当にこんなファンタジーみたいな世界があるのかな?」と疑うような気持ちがあったのも確かです。でも、作品が出来上がって試写をしたときに、主人公のモデルである丹野智文さんが号泣しながら「そのまんまです」とおっしゃっていたので、現実にこんな優しい世界があるんだなと驚きました。この話が奇跡ではなく、当たり前の世界になってほしい―確かに、まさに映画のようなお話ですよね。貫地谷さん家族も友達も会社の人たちみんながすごく理解のある方々なので、私も最初は奇跡だと思っていました。ただ、実際にあったことなので、奇跡ではなくてこれが当たり前になる世の中になってほしいなと。この話が本当だという事実が私にとっては励みになっています。―とはいえ、認知症に対する世間のイメージはまだまだ厳しいものが多いのが現実です。本作で描かれているような優しい世界が当たり前になるためには、どうすればいいと思われますか?貫地谷さんまずはこの映画を観ていただきたいですが、私が思ったのは、知っているのと知らないのとでは、大きな違いがあるということです。たとえば、認知症の方が食事のあとに「まだご飯を食べていない」と言ったとして、「さっき食べましたよ」と否定するのは自尊心が傷つけられてしまうので言ってはいけないとされています。でも、これも知らないと普通に言ってしまいますよね。それから、いまは行政の支援もいろいろと増えてきたそうなので、相談できる場所があるということを頭のなかに留めておくことも大事なこと。これは認知症に限ったことではないと思いますが、介護ではつい我慢したり、1人で抱え込んだりしがちなので、そういう仕組みを知っておくことの大切さを私も今回学びました。夫のように相性のいい人と出会えてラッキーだった―演じるうえで、「もし自分だったらどうするか?」というのが頭をよぎったこともあったのではないかなと。貫地谷さんそうですね。丹野さんのようにさまざまな機能をうまく活用していけばいいのかなとか、支えてくれる家族のことなど、いろいろと考えました。本当にいつ何が起こるかわからないですからね。以前なら「後でやればいいかな」と考えていたことも、「いますぐやったほうがいい」という意識に変わったのはこの作品の影響だと思います。―また、本作は夫婦の物語でもありますが、丹野さん夫妻の生き方に触れたことでご自身の夫婦観にも変化はありましたか?貫地谷さん「夫のことを大切にしよう」と改めて思いました。ときには自分の価値観やペースを押し付けそうになってしまうことがありますが、もっと夫の考えを尊重しなきゃいけないなと。私は本当に何でも夫に話してしまうので、秘密がなさすぎて逆に大丈夫かなと思うこともあるくらいです(笑)。一番の親友でもあります。―では、夫婦円満の秘訣として意識していることは?貫地谷さん付き合っているときも、結婚してからもまったく関係が変わらないので、単純に相性がいいんでしょうね。そういう人と出会えてラッキーですし、ありがたいことだなと感じています。お互いの両親も仲良くしていて、お正月には両家揃ってみんなで過ごすほど。何かあっても、家族の存在は心強いなと思えます。人と健康は財産だと感じている―素敵なご関係ですね。また、本作では、つらいときは大丈夫ではないと周りを頼ってもいいんだと教えてくれますが、ご自身は悩みがあるときはどのようにされているのでしょうか。貫地谷さん私は自分の悩みは自分で解決するほうであまり人に言わないタイプなので、周りが良かれと思ってかけてくれた言葉がまっすぐ届かないこともありました。でも、何気なく聞いた言葉からヒントを得られることもあるので、やっぱりいろんなことに耳を傾けるのは大事だなと。この作品で周りの人たちがこんなにも力になってくれることに気づかされたので、本当に人と健康は財産だなと思います。―ちなみに、これまで貫地谷さんがかけられた言葉によって救われた経験があればお聞かせください。貫地谷さんたくさんありますが、渡瀬恒彦さんと最後にご一緒させていただいたときのこと。渡瀬さんからお手紙をいただいたのですが、そこに「貫地谷がこれからすることは、愛に惑うことです」と書かれていました。迷っているときやつらいとき、答えが見つからないときがあっても、その言葉を思い出すと「この瞬間が大事なんだ」と思えるのですごく救われています。言葉の通じないところで、本当の冒険がしてみたい―30代前半でananwebにご登場いただいた際、「30代はきちんと生活をすることを意識している」「もっと冒険して好きなものを突き詰めたい」とお話されていましたが、30代も後半に差し掛かってきて心境に変化は?貫地谷さんいまも考えていることは同じですし、その通りにやってこれている気がしています。しかも、夫がすごく好奇心旺盛なタイプなので、おかげで私もいろいろと見ることができたり、知ることができたりしているので楽しいですね。食事のことをちゃんと考えるのも当たり前になってきたので、そういったこともうれしいです。―してみたい冒険については、「苦手意識があるが、色っぽいお芝居にも挑戦してみたい」ともおっしゃっていましたが…。貫地谷さんそこに関してはまだしてないですし、いまだに苦手ですね(笑)。それよりも本当の冒険がしたいですね。というのも、私は旅行をしたり、漫画を読んだりして異世界に思いをはせることが好きなので、言葉が通じないようなところでがんばってコミュニケーションを取るような経験ができたらいいなと。最近は、旅に出ることが私のモチベーションとなっています。―では、いま行きたいところといえば?貫地谷さん暖かくて、海がある場所でゆっくりできたらいいですね。ちなみに、つい最近もビーチがある海外に1週間くらい旅行したんですが、東京に帰ってきてしばらくしたらスマホに「先週より使用時間が38%増えています」という表示が出ました。そのときに気づいたのは、旅行をしたことでこんなにもデジタルデトックスもできていたんだということ。心が波立つこともなかったので、こういう時間は必要だと改めて感じました。自分の気持ちがどこにあるのかを知るのは大切なこと―貫地谷さんと言えば、いつも笑顔が素敵ですが、意識されていることがあれば教えてください。貫地谷さん以前、「自分に嘘をついていると、本当の気持ちがわからなくなっちゃうよ」と言われたことがありますが、まさにその通り。私の場合は夫に愚痴ったり、友達に話をしたりしますが、自分にとって何がつらいのか、何が悲しいのか、何が楽しいのか、というのを明確にするのは大事なことではないでしょうか。自分や人に嘘をつくというのはすごく体力を使いますし、つじつまを合わせるのも面倒くさいので、正直に生きることがストレスを溜めない秘訣であり心が一番健やかになる方法だと思います。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。貫地谷さんまずは、自分の気持ちがどこにあるのかというのを知るのはすごく大切なことだと思います。私は20代前半に悲しかったり、つらかったり、悔しかったりすることが多かったですが、30歳頃に同じような波が来たときにちゃんと向き合ってみたら前よりも少し自分に優しくなれました。周りに流されないことも大事ですが、そんなふうに受け入れてみる瞬間も必要だと考えています。ぜひ、無理せずに自分が心地いいと感じるペースでやってみてください。インタビューを終えてみて…。ananwebの連載にご登場いただくのは、3回目となった貫地谷さん。お会いするたびに魅力が増しているように感じていましたが、ご夫婦の素敵なエピソードを聞いて思わず納得してしまいました。明るさと芯の強さを兼ね備えた真央は、貫地谷さんのハマり役でもあるので、ぜひそのあたりも注目してご覧ください。諦めなければ、希望の灯りは見つけられる!家族だけでなく、周囲の人たちにどれだけ支えられて生きているのかを改めて感じさせられる本作。人生は思いがけないことの連続ではあるものの、向き合い方によっては新たな発見や可能性に出会うこともできるのだと気づかせてくれるはずです。写真・安田光優(貫地谷しほり)取材、文・志村昌美ヘアメイク・ICHIKI KITA(Permanent)ジャケット¥69,300、ベスト¥42,900(ともにsuzuki takayuki/03-6821-6701) 、パンツ¥25,300(MEYAME/ソークロニクル 03-5486-8009)、ピアス¥6,600(AMOR/ )、シューズ(スタイリスト私物)ストーリー妻の真央と2人の娘と暮らしていた39歳の只野晃一。カーディーラーのトップ営業マンとしても、充実した日々を送っていた。ところが、顧客の名前を忘れるなど、晃一に異変が出始める。そんななか、下された診断は「若年性アルツハイマー型認知症」だった。驚き、戸惑い、不安に押しつぶされていく晃一は、退社を決意する。心配のあまり何でもしてあげようとする真央だったが、ある出会いがきっかけで2人の意識が変わる。そして、「人生を諦めなくていい」と気づいた彼らを取り巻く世界が変わっていくことに…優しさに満ちた予告編はこちら!作品情報『オレンジ・ランプ』6月30日(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー配給:ギャガ(C)2022「オレンジ・ランプ」製作委員会写真・安田光優(貫地谷しほり)
2023年06月24日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は海外で出会ったイケメンの夏服スナップをご紹介いたします。基本コーディネイトでもお洒落に見える何度も記事に登場しているマーク・ゲーリング(Marc Goehring)ですが、コーディネイトの天才!夏らしいキャップにデニム、Tシャツと至ってシンプルな着こなしですが、サングラスだったりネイルだったりと、何気なく彼らしいプラスアルファがあることで、彼流の着こなしが完成しています。ファッションにも思いきりの良さが必要?!誰でも真似できるようなスタイルではありませんが、かなり思いっきりのいい柄のオールインワン。男性のオールインワンはシンプルなデザインは何度か見たことがありますが、それでも女性に比べると着用されるかたは多くないかも?そんななかでかなり派手目の柄で登場したこちらの彼、しかも似合ってて素敵!超個性的なデニムが目を引くこんなデザイン見たことがない!というくらい個性的な形をしたデニムが強烈なインパクトを残してくれます。また、彼の醸し出すお洒落な雰囲気が、さらにデニムと調和してスタイリッシュに決まってます。ポイントに誰にも負けない個性的なパーツを持ってくるだけで、ファッションの上級者に見えるかも?!全身ホワイトで統一したクールダンディ夏らしいホワイトスーツに身を包んだこちらのかた、足元は実はスニーカーなのですがカジュアルすぎずビシッと決まっています。また夏のスーツでも暑苦しく見えないのがポイント!足首を見せるだけでより涼しげに見えます。ファッション上級者の着こなしスタイル!こちらも先ほどと同じ方ですが、全く雰囲気が異なるのに、どちらとも素敵ですよね。男性の豹柄はあまり見かけないので、このスタイルは参考になります。豹柄に負けじと、時計の2個使いだったり、ネックレスの重ね付けなど、お洒落なポイントがいくつもある、必見スタイルです。デニムを思いっきり楽しむ!良く見かけるのはデニムジャケットにズボンですが、こちらのようにデニムシャツだと夏でも上下デニムスタイルを楽しめちゃう!日本のような蒸し暑い夏ではないヨーロッパでは、夏でも重ね着をすることも多いので、このようにTシャツの上から軽めのシャツを着る人も多いんです。デニムだと雰囲気あって素敵!いかがでしたでしょうか?夏でもシンプルすぎず、自分らしい着こなしを楽しんでいるイケメンたちのスタイルをご紹介しました。真似できるポイントがいくつもあるので、夫や彼氏のコーディネイトの参考になれば嬉しいです。筆者情報平野秀美ひらの・ひでみヨーロッパ在住で、ヨーロッパ各地のファッションウイークなどを取材しているファッションジャーナリスト。写真・文 平野秀美
2023年06月24日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第146回は、彼氏を募集中なのにもかかわらず、男性からは恋愛対象外にされがちな“残念女性”の特徴をお届けします。1.自然な出会いを待っている【結婚引き寄せ隊】vol. 146恋活や婚活をしていると、すぐに付き合うことにならなくとも、異性はもちろん、同性の友人も増えていくという人も多いです。そんななかで、出会いを探していながらも、男性から見て「この子はムリそう」と思われてしまう残念な女性がいるようです。彼女がほしいと出会いの場に顔を出したある男性は、自然な出会いを待っている女性は避ける、と言っていました。それはなぜなのかとたずねると、「受け身すぎて引く」というのです。いや、確かに受け身かもしれませんが、なにも引くことはないだろうと思いきや、意外と同じような意見の男性は少なくありません。でも、自然な出会いって、そもそも何を指すのでしょうね。職場の同僚とか、習い事で出会うとか、いわゆる普段身を置く場所で無理のない知り合い方をする、というところでしょうか。確かに、そういった出会いを望んでいると、お互いにタイミングよくシングルで好意を寄せ合って、気づけば恋人になっていた…というような展開は現実にはいつまでたっても訪れにくいものです。積極的に出会いを探している女性たちの間でも、自然な出会いにこだわりすぎると縁を逃す、と言う人も。日常生活のなかでひたすら自然な出会いを待つか、自ら縁をつかみにいくかは、そのときどきの環境や考え方によっても変わるでしょうが、待ち続けても変化はないだろうと感じたのでした。2.どうせ…と卑下しがちひたすら受け身なわけでもなく、ときどき合コンにも参加するし、メイクやファッションにも気を遣うというようなタイプでも、なぜかご縁がつながらない女性がいます。実際、そういったタイプの女性と出会ってアプローチしても「うわ、付き合えないな」と思ってしまったという男性に、なぜなのかとたずねると「自分を卑下しがちな女性だったから」ということでした。「かわいいね」と男性が言ったときに、私なんてと謙遜ではなく、「どうせお世辞で誰にでも言ってるんでしょ」と、褒めたつもりがちょっと感じ悪く切り返されたことがあるのだとか。卑下するということは、ちょっとネガティブにとらえがちな女性とも思われて、ふつうに会話をしていても雰囲気が悪くなり、男性はつまらなくなってしまうそうです。もしも女友達といるときに卑下しても、そんなことないよとなぐさめてもらったり、逆にネガティブワードを指摘されたりと、女性そのものの印象は変わらないはず。そういった普段から知っている関係性ならまだしも、合コンのような初対面同士が集まる場所では、ちょっとしたひとことが相手に大きなインパクトを与えてしまうことがあるので、せめて会話中ぐらいはおたがい気持ちよい時間になるよう配慮したいものです。3.すぐに運命を感じる最後に、すぐに運命を感じてしまう女性も、男性からすると残念に思うそうです。シングルが集まる飲み会に参加していたある男性は、ひとまずそばに座っていた女性と交流をはかろうと会話をしていくと、感じもよく、清楚な雰囲気を感じて気に入ったのだとか。ですが、より深くおたがいのことを知りたくなって、いつまで恋人がいたのかなど恋愛観の話をしたら、「ダメだった」と言います。なぜそう思ったのかとたずねたら、どんなささいなことにも必ず「運命だったりして!?」と言う女性だったそう。たとえば、好きな食べ物が偶然同じだっただけでも「運命かも?」と言い、「今日ここで出会ったのも運命」とまで言い出したり。食の好みが似ているのはいいことですが、彼女の説だとその飲み会に参加した人全員が「運命の出会い」になってしまうわけで、何かとドラマチックにとらえようとする女性は、男性からすると近寄りがたく感じてしまうようです。せっかく出会いがあっても、どちらかがNGだと思えば、ご縁はつながらないですよね。そんな困難を乗り越えて、将来へとつながるご縁がみなさまにつながりますように。文・かわむらあみり©Prostock-Studio/Getty Images©Artem Peretiatko/Getty Images©Morsa Images/Getty Images文・かわむらあみり
2023年06月22日誰もが興味のあるトピックのひとつといえば、お金のうまい使い方について。そこでオススメするのは、100億円もの借金返済をするための節約大作戦を描いている注目作『大名倒産』です。その見どころについて、こちらの方にお話をうかがってきました。桜田通さん【映画、ときどき私】 vol. 587ある日突然、庶民から一国の殿様になったと同時に大きな借金を抱えてしまう主人公・小四郎が繰り広げる人生逆転エンターテインメントを描いた本作。そのなかで、病弱だが聡明な兄の喜三郎を演じているのが桜田さん。Netflix「今際の国のアリス」シリーズやテレビ東京「クールドジ男子」など、話題作への出演が続いています。今回は、親交の深い主演の神木隆之介さんとの現場で感じたことや役作りの裏側、そしてピンチの乗り越え方などについて語っていただきました。―まずは、本作の出演にあたって決め手となったものを教えてください。桜田さんその理由のすべてに、神木隆之介という存在が関わっています。もちろん物語自体も素晴らしいですが、僕にとってはこの作品に彼がいないことは考えられませんでした。僕は神木さんとはもともと仲良くさせてもらっていますが、がっつり共演したことはあまりなかったので、そういう意味でも一緒に出たいという気持ちは強かったです。―実際に兄弟役として共演してみて、印象に残っていることはありますか?桜田さん友達としての時間がすごく長いこともあって、僕のなかでは面白くて少年のような神木隆之介のイメージしかありませんでした。現場ではいい意味で普段と差がないように感じたのですが、撮影が始まるとしっかりと小四郎になっていたので、そういう部分は僕のいまの技量では測れないところなのかなと。僕がどうこう言えない次元にいるようにも感じたので、それを間近に見ることができていい経験になったと思います。いつもは友達としてふざけてばかりですが、そんな僕でもまだ踏み入れていない領域があるというのはすごく刺激的でした。普段抱いている感情が役の関係性にも活かせた―とはいえ、仲が良いからこそ、できたこともあったのでは?桜田さんそうですね。たとえば、普段から神木さんに対して抱いている尊敬やかわいらしいなと感じている気持ちは、小四郎と喜三郎の関係性にも活かせたと思っています。特に、僕が背中をさすりながら元気づけるシーンでは、本番前から心のなかで温めていた思いを込めて言うことができました。―もうひとりの兄弟役を務めた松山ケンイチさんも強烈なキャラクターを見事に演じ切っていましたが、現場で印象的なことがあればお聞かせください。桜田さんそれまでお会いしたことがなかったので、松山さんは寡黙な方というイメージを持っていたんです。でも、実際はすごくたくさんお話をしてくださったこともあって、一気に印象が変わりました。あとは、物事をすごく自由に考えていらっしゃいますし、僕にはできないようなやりとりを監督ともされていたので、その姿を見てカッコイイ先輩だなと。アドリブの入れ方や演じるときの思い切りの良さも、「ここまで激しくやるのか」と驚きましたが、完成した作品を観たときにすべてがつながっていたので、改めて松山さんのすごさを実感しました。前田監督の姿は、ロックでカッコイイ―ご自身の役どころもセリフの言い回しなどが普段とは違っていたので大変だったと思いますが、前田哲監督からはどんな演出がありましたか?桜田さん最初に台本を読んだときに、セリフを普通に言うのか、それとも歌いながら言うのか、恥ずかしながら初めは自分のなかで構築できていませんでした。そんななか、現場では監督自らどうするのかを見せてくださったので、ボイトレみたいに僕がそれを自分のカラダに落とし込んでいくという作業をしました。僕もあそこまで歌うキャラになるとは思ってもいなかったです。―なるほど。監督と一緒に作っていくような感じだったのですね。桜田さん正直に言うと、完成した映像を見るまでは自分のなかで不安もありました。でも、ちゃんとそれが成立していたので、初めからこれが見えていたのかと思うと監督は本当にすごいなと。前田監督はわかりやすく愛情を表現する方ではないのでクールなところもありますが、魅力的な方ですし、それにすごく変人だなとも思いました(笑)。―(笑)。それはどういった点においてですか?桜田さんもちろんマイナスな意味ではなくて、僕ではまだ及ばないような前田監督にしか見えていない世界があるんだろうなというのを感じました。そういう監督のオリジナリティが面白くてすごく好きです。年齢を重ねるにつれて、いろんな雑念が入ったり、周りの意見にブレてしまいそうになったりする瞬間ってありますよね?それでも監督はやり遂げているので、そういう姿がロックでカッコイイなと思いました。もともと無駄なことはしない節約タイプ―また、劇中ではお金に関するさまざまなことが描かれていましたが、ご自身も勉強になったことはありましたか?桜田さん本作を観て、僕も自分のお金をだまし取られないように気を付けようと思いました。特に、題材のひとつとして描かれている「中抜き」は、現代でも社会問題になっていることですからね。お金は生きていくうえでは大事なことです。あと、節約に関して言うなら、僕はもともと無駄なことはしないタイプ。お水を飲んだらちゃんと冷蔵庫に入れて翌日も飲めるようにしようとか、髪を洗っている間もシャワーの水は止めるようにしています。ただ、自分がほしいものは買ってしまうほうなので、すべてにおいて節約しているとは言えないかもしれませんが…。―ちなみに、最近浪費してしまったものはありますか?桜田さんついこの前、洋服をたくさん買いました。1年に1回くらいドーンとまとめて買うことがありますが、逆に僕がお金を使うのは洋服ぐらいじゃないかな。普段は、あまり使わないほうだと思います。ピンチの状況でも、楽しむように意識している―では、小四郎のように自分の人生が逆転したなと思った瞬間は?桜田さんどちらかと言うと、僕はまだ逆転前の身ですが、先月音楽でデビューをさせていただきました。それによって新しく出会えた人がいたり、よくなった部分もあったりするので、そこは決めてよかったなと思っています。―ちなみに、人生最大のピンチもありましたか?桜田さんいや、ピンチだらけですよ(笑)。振り返ればいろんな苦難もありましたから。ベタな言葉ではありますが、やっぱり「ピンチはチャンス」なので、それを乗り越えた先に何かがあったことが多かったなと感じています。ピンチのほうが気持ち的には上がるというか、その状況も楽しむように意識しているので、自分のなかではすべてが大切な経験です。―ピンチのときはどうやって克服されているのでしょうか。桜田さんこれは僕だけではないと思いますが、問題があったときは何か意味があることなんだなと考えるようにしています。実際、あとでそれが“武器”になることもあるので、ハプニングも自分を高めてくれる要素というイメージで生きています。仲間を大切にしながら、明るく前向きに生きて行きたい―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。桜田さんまずは、「元気でポジティブに生きる」というのが大事だと思っています。まさにギャルマインドですよね(笑)。本来、人間はご飯と水さえ確保していれば生きていけますが、そのほかに価値があるものといえば、周りにいてくれる人たちの存在。そういった仲間たちを大切にしながら、「死ななきゃ人生プラス!」くらいの明るさと前向きな気持ちで僕も生きて行こうと考えています。そういうマインドがもっと広がっていけばいいなと思っているところです。それから、自分のことを大切にしている人は性別に関係なく素敵だなと感じるので、周りに迷惑をかけるのはよくないですが、自分のやりたいことや自分がやりたくないことを意識することも必要かなと。そんなふうに、毎日を楽しく生きていってほしいです。インタビューを終えてみて…。取材前はクールなイメージがありましたが、とても明るくていい意味で期待を裏切ってくださった桜田さん。神木さんのことや現場の話をしているときがとにかく楽しそうだったので、スクリーンを通してでもその雰囲気が伝わってきた理由がわかりました。今後は俳優としてだけでなく、アーティストとしてもどんな活躍されるのかに期待が高まるところです。どんな問題も痛快にぶった斬る!現代にも通じるお金の問題も学べるだけでなく、ピンチのときこそ発想の転換で大逆転も可能だと教えてくれる本作。時代劇とは思えないテンポ感とコメディ要素を堪能しつつ、家族や仲間の大切さも身に染みる必見作です。写真・園山友基(桜田通)取材、文・志村昌美スタイリング・柴田圭(辻事務所)ヘアメイク・和田しづかストーリー越後・丹生山(にぶやま)藩の鮭売り・小四郎はある日突然、父・間垣作兵衛から衝撃の事実を告げられる。なんと自分は、〈松平〉小四郎—徳川家康の血を引く、大名の跡継ぎだと!庶民から一国の殿様へと、華麗なる転身…と思ったのもつかの間、実は借金100億円を抱えるワケありビンボー藩だった!?先代藩主・一狐斎は藩を救う策として「大名倒産」すなわち藩の計画倒産を小四郎に命じるが、実はすべての責任を押し付け、切腹させようとしていた…!残された道は、100億返済か切腹のみ!小四郎は幼馴染のさよや、兄の新次郎・喜三郎、家臣の平八郎らとともに節約プロジェクトを始める。不要な武具や家具をリサイクル、屋敷を売り払い、兄弟ひとつ屋根の下でシェアハウス、果ては殿の下肥まで肥料として売るなど、知恵と工夫で藩の財政を立て直そうとするが、そんななか、江戸幕府に倒産を疑われてしまい大ピンチ!果たして小四郎は100億を完済し、自らの命と、藩を救うことが出来るのか…!?まさかの予告編はこちら!作品情報『大名倒産』6月23日(金)より、全国公開配給:松竹(C) 2023映画『大名倒産』製作委員会写真・園山友基(桜田通)
2023年06月22日アメリカ国内では単館での公開から始まったにもかかわらず、アカデミー賞を騒がすほど大きな反響を呼んだ話題作がいよいよ日本にも上陸。今回オススメするのは、実話を基にどん底のシングルマザーの姿をリアルにとらえた感動作です。『To Leslieトゥ・レスリー』【映画、ときどき私】 vol. 586テキサス州西部で、息子とともに暮らしていたシングルマザーのレスリー。宝くじに高額当選するものの、数年でアルコールにすべてのお金を使い果たしてしまい、失意の日々を送っていた。それから6年が経ち、行き場を失ったレスリーは、息子やかつての友人たちのもとへ向かうが、やはり酒に溺れて見放されてしまう。そんななか、知り合ったのはスウィーニーという孤独なモーテル従業員。その出会いをきっかけに、レスリーは後悔だらけの過去を見つめ直そうとする。そして、母親に失望した息子のためにも、人生を立て直すセカンドチャンスに手を伸ばし始めることに…。圧巻の演技を見せたのは、主人公のレスリーを演じたアンドレア・ライズボロー。本作は、アカデミー賞の主演女優賞に奇跡のノミネートを果たしたことでも注目を集めています。そこで、その裏側についてこちらの方にお話をうかがってきました。マイケル・モリス監督「13の理由」や「ハウス・オブ・カード 野望の階段」といった重厚なドラマシリーズで、いくつものエピソードを手掛けてきたイギリス出身のモリス監督。長編映画デビューとなった本作について、現場の様子や描くうえでのこだわり、そして日本にまつわる自身の夢などについて語っていただきました。―今回は、現場で監督が細かく演出されたのか、それともアンドレアさんに任せた部分が多かったのか、どのように撮影を進めていったのでしょうか。監督どこまで細かく演出するかについては、シーンによっても差がありました。というのも、今回はとにかく時間がなくて、撮影も19日間という限られた期間しかありませんでしたから。多いときには、1日で10シーンほど撮ることもあったほどです。こういう状況下では、監督と俳優の間に強固な信頼関係がないとうまくいかないものですが、僕とアンドレアの間には実際そういう関係性があったので、「ちょっと違うからやり直そう」みたいなことは一度たりともありませんでした。それくらい彼女は信頼のおける俳優なので、非常にいいコラボレーションができたと思っています。僕たちのことをたとえるなら、ブレーンストーミングによってどんどん可能性を広げていく指揮者とコンサートマスターのような関係だったと言えるかもしれませんね。アンドレアの素晴らしいところは、挙げたらきりがない―そんなアンドレアさんの演技について、ケイト・ウィンスレットさんやケイト・ブランシェットさんなどハリウッドを代表するトップの俳優たちがみな絶賛しています。自身の出演作でもない作品にここまで熱狂するというのはあまりないことだと思いますが、監督がアンドレアさんのすごさを実感した瞬間はありましたか?監督アンドレアの素晴らしいところを挙げたらきりがないくらいですが、今回の映画ではそんな彼女の素晴らしさを余すところなくすべてとらえられたと自負しています。1つエピソードをお話すると、編集担当と作業をしていたときのこと。今回はデジタルではなくフィルムで撮影していることもあり、カメラを無駄に回しっぱなしにするようなことがなかったので、撮った映像にはそれぞれのシーンしか映っていませんでした。そういったこともあり、編集担当にとってアンドレアは“いつもよっぱらっているテキサスの女性”にしか見えていなかったのです。ところが、あるシーンだけ「カット!」といったあとも少しカメラが回っていて、素のアンドレアが映っていました。すると、彼女は「紅茶をもらってもいいかしら?」と出身地であるイギリス北部のアクセントで話していたので、その映像を見た編集担当が「この人、誰?」と僕に聞いてきたんです(笑)。それくらい彼女が信憑性のあるお芝居を見せていたということだと思います。―確かに、それはすごいギャップですね。監督そして、何よりも彼女が素晴らしいのは、とにかく全力投球でベストを尽くすところ。そういう姿を見ると、周りのみんなも襟を正さなきゃと思いますし、自分も集中して同じようにベストを尽くそうとなりますから。自然と現場全体の士気も上がっていったので、そういうところにも助けられました。キャラクターの感情的な真実を描きたかった―本作は脚本のライアン・ビナコさんの実話がベースということですが、どのくらい忠実に描いているのでしょうか。監督物語はライアンと母親の関係をベースにしているので、彼が13歳のときに母親が宝くじを当てたこと。それがきっかけでアルコール中毒になり、真夜中に息子を置き去りにしていなくなってしまったこと。そして、町の人たちが彼を育てたことも、数年後に再会したときに母親がホームレスになっていたこともすべて彼が経験したことです。作品がリアルに感じられるのも、それらが実際の話だからこそだと思います。そのほかに僕が意識したのは、キャラクターたちの感情的な部分において真実を描きたいということでした。そういった部分も、本物の人物に忠実にありたいと考えたところです。―ちなみに、ご本人にも会われましたか?監督撮影が始まる頃には、あまり体調がよくなかったので、ライアンのお母さんに会うことはできませんでした。ただ、その代わりにライアンがすごく詳細に教えてくれたので、そのあたりは作品に反映しています。具体的に彼女が実際にしていたことで映画に取り入れたのは、口紅の使い方。劇中のアンドレアは基本的にノーメイクで演じていますが、外出するときだけは真っ赤な口紅をつけています。それはまさに彼の母親がしていたことだったようなので、そういうところも同じようにしました。計算しすぎず、自分自身に正直に生きてほしい―話は変わりますが、まもなく公開を迎える日本についての印象や興味のあることなどはありますか?監督実は、残念なことにまだ日本には行ったことがなく、いつか訪れてみたいとずっと考えています。ただ、影響は受けていることは多くて、なかでも黒澤明監督の『生きる』は何回も観てるほど。自分で言うのはおこがましいですが、大きな社会システムのなかで周りに支えられていない人に焦点を当てて内面を描くという意味では、この作品にも共通する部分があると感じています。それから、2本立てで観たらおもしろいかなと考えているのは、『ドライブ・マイ・カー』。物語の展開にひっぱられることなく、その状況に観客を連れていくような感覚がどちらにもあると思っています。あとは、まったく別のことですが、日本に関しては個人的な夢もあるんですよ。―もしよければどういったことか、教えていただけますか?監督実は、ある日本の作家が書いている小説を脚色したいと考えています。その方とは、東野圭吾さんです。僕はガリレオシリーズのファンであり、彼の文体が非常に好きなので、いつかできたらいいですね。―楽しみにしています。それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督僕はみなさんに何かアドバイスをできるような立場ではないのですが、娘が3人いて、そのうち1人が18歳なので、最近は20代や30代の年代の女性についてよく考えるようになりました。そのうえで言えることがあるとすれば、まずは「自分自身に正直に生きましょう」ということです。いろんなことがうまくいかなかったり、さまざまなハンデがあったり、人によって状況は違うかもしれませんが、あまり先のことを計算しすぎずに自分に対して正直になってほしいです。そうすれば、起こるべきことは起こるものなので、それを信じてほしいなと思います。ラストの瞬間まで、目が離せない!たとえすべてを失ったとしても、何度でも立ち上がる力だけは誰にも奪えないのだと感じさせてくれる本作。自由奔放で痛々しくもあるレスリーの生き方は、決して褒められるものではないかもしれないけれど、それ以上に観る者の心に大きな贈り物をくれるはずです。取材、文・志村昌美引き込まれる予告編はこちら!作品情報『To Leslieトゥ・レスリー』6月23日(金)全国ロードショー配給:KADOKAWA️(C)2022 To Leslie Productions, Inc. All rights reserved
2023年06月21日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第145回は、勢いでチャンスをものにした恋のエピソードをお届けします。1.ここぞという時に勇気が出る女性【結婚引き寄せ隊】vol.145恋を探していると、しょっちゅうではないにしても、たまにはピンとくる男性に出会うこともあります。そんなとき、次の機会にと思っていると、機を逸してしまうことも少なくありません。でも、恋のチャンスをつかんだ女性は勢いがあるものです。婚活に励んでいた30代半ばのAさんは、「いい人が全然いない」が口グセになってしまうほど、時間があるときはいろいろな婚活パーティに出かけていました。出会いの場にいけば必ず誰かには出会うものの、おたがいに好意を持つとは限らず、ちょっとしたタイミングでうまくいかないこともしばしばあります。とくにAさんは自分からアピールすることがニガテ。なんとかがんばって自己紹介をしたあとは、いつも聞き役にまわるか、相手から質問されれば話すという状態だったそうで、相手の男性からは気が乗らないように見えてしまうことも縁がつながらなかった原因のひとつだったかもしれません。そんな出会いを繰り返しているうちに、ある婚活パーティで容姿も性格も「わっ! この人好み」と感じた男性に遭遇。いつもは静かなAさんが、思い切ってその日は自分からアピールして話が弾みます。さらに、もともと相手の話を聞くことが好きなため、男性の話をより熱心に聞いていたら「ぜひこのあとふたりでもっと話しましょう」と、カップリングが成功。ここぞという時に勇気を出したことが功を奏しました。2.積極的にいける女性出会いを探していると、実にさまざまなタイプの女性が意外にもシングルでいると気づくことがあります。絶対に彼がいないといけないわけではなく、ひとりで充実した生活を送っているなら、無理にパートナーを探す必要はありません。少し前までそんなシングルライフを謳歌していた30代前半のBさんでしたが、仲の良かった友達が結婚したことをきっかけに、自身の結婚についても考えるようになったそうです。すると、それまで誘われても気が向かず行かなかった飲み会などにも参加するようになりました。もともと仕事にも趣味にも能動的なBさんは、初めて出会った飲み会の人たちとも、うまくコミュニケーションを取ってすんなりと和気あいあいに。その場で出会った男性とはとくに恋愛に発展しませんでしたが、「彼氏募集中だから何かあったら声かけてね!」と積極的に頼んでいたところ、後日、参加者が開いた飲み会で同世代の男性と意気投合して付き合うことになったそうです。1度目の場で出会いがなくても、勢いよく積極的にアピールして、次の出会いを自力で結びつけたBさん。まさに力技というか、彼女の「彼を作るぞ!」という積極的な姿勢でうまくいきました。3.偶然が重なり勢いの出た女性男女問わず恋人の切れ目がない人や、そもそも恋愛より仕事や趣味などに目が向く人などいろいろなタイプの人がいますが、30代後半のCさんはひとつの恋が終わると自分をクールダウンさせたくなるタイプでした。1年ほど付き合った彼と別れたばかりのCさんは、女友達が恋活や婚活の場に誘っても、「しばらく恋愛とか考えたくない」と断っていたそうです。そうこうするうちに、より打ち込むようになった仕事も軌道に乗り、気持ちが明るくなってきた頃のこと。駅で元カレに似た人とすれ違ったり、掃除をしていたら元カレにもらったプレゼントが出てきたり、前の恋を思い出すことがありました。嫌いになって別れたのではなく、お互いの仕事が忙しくてすれ違いが多くなり別れたため、懐かしい思いでいっぱいになったそうです。そんなあるとき、以前ふたりでよく行っていたカフェの前を通ると、なんと元カレがひとりでお茶を飲んでいたのだとか。思い起こせば、ちょっとしたこととはいえ元カレを思い出すような出来事が重なってます。そこで自然と店に入り声をかけたところ、実は別れたことを元カレが後悔していてヨリを戻すことになりました。偶然が重なっただけとはいえ、実際に相手を見かけて勢いに乗って話しかけにいったからこそ、スムーズに再会できたのかもしれませんね。人それぞれ、出会いの時期は違います。みなさんにとっての幸せな恋愛がよいタイミングで訪れますように!文・かわむらあみり©FatCamera/Getty Images©SDI Productions/Getty Images©gpointstudio/Getty Images文・かわむらあみり
2023年06月18日ジメジメとした湿気のある梅雨は、汗蒸れ回避のワンピースコーデが人気に。ですが、ワンピースとひと口に言ってもデザインによって見える印象もさまざまです。おしゃれに着こなせれば良いのですが、体型カバーを意識するあまり逆に着膨れして見えるという失敗ケースも少なくありません。そこで今回は、こんなアイテムには要注意!太って見えやすいワンピースの特徴と対策コーデをご紹介します。身幅がゆったり!胸下切り替えのAラインワンピース体を締めつけないゆったりした身幅のワンピースは肌離れが良く、着心地は抜群です。ですが、そのぶん見た目は大きく見えてしまいやすいというのが最大の難点。とくに注意が必要なのは、胸下切り替えのAラインワンピースです。ウエストではなく胸の下から切り替えラインがあるため、ウエストの細さを強調させることができません。さらに夏のワンピースはコットンやリネン混など薄くて軽い素材を使用していることが多いので、風に吹かれてより大きく膨らんで見えるという一面も…。同じAラインシルエットのワンピースでも、上半身はボディにフィットしたシルエットのものを選ぶだけで見え方は大きく変わります。着心地が良いからという点だけでなく、見た目のシルエットの美しさも重視してアイテムを選んでいきましょう。着膨れちゃったワンピースは小物使いでカバーアップ!手持ち服のワンピースがまさに着膨れて見える...。けれど、まだ購入したばかりだったり、デザインがお気に入りだったりするのなら、どうにかオシャレに活用できる道を探したいところですよね。もちろん、あります!身幅がゆったりしたワンピースはまず第一に上半身をシャープに見せることが大事。そこで役立つのが今トレンドのミドル丈ジレです。ジレは横に広がりやすいワンピースをコンパクトに収めてくれます。なおかつジレの直線的なシルエットは、目の錯覚により上半身を細く見せるという嬉しい効果も期待できるのです。ジレはできればワンピースよりもワントーンほど暗い色みのもを採用しましょう。そうすると色の効果により引き締まった印象に映ります。そして細かい部分ではありますが、足元を華奢なストラップサンダルにする。髪の毛をまとめ髪にしてコンパクトに見せる…といった、トータルコーディネイトのバランスまでをも考慮すると、単体では着膨れて見えるワンピースも細くスマートな着こなしに早変わり!ほんの少しの差ですが、全体で見える印象は大きく変わるのでぜひこれらのポイントを意識してワンピースの良さを最大限に引き出していきましょう。ノースリーブワンピースはカーディガンを肩掛けAラインのノースリーブワンピースの場合は、ジレではなくカーディガンを肩掛けする着こなしのほうがバランスが取れておすすめです。半袖の場合は、袖があるぶんジレの重量感とのバランスが取れますが、ノースリーブワンピースにジレの組み合わせは二の腕に視線が集中しやすいです。二の腕もしっかりカバーアップしたいという方は、やや肉厚なカーディガンを肩掛けするだけで二の腕と着太り対策のどちらも実現できるので、ぜひカーディガンの組み合わせにも挑戦してみてくださいね。イラスト、文・角佑宇子
2023年06月18日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は夏ファッションらしいショートパンツスタイルのストリートスナップを紹介します。男女ともカッコイイ着こなし!爽やかなカラーでより涼しげに!長身の彼がチョイスしたショートパンツは、ちょい丈のある縦シマの清々しいカラー。暑い夏にはもってこいのカラーとデザイン。身長が高い方にはちょっと長めのショートパンツがいいかも!定番ショートパンツは脚長効果あり!女性に人気なのが、こちらの丈の長さ。この丈だと、脚長効果もあり、さらに涼しいから嬉しいですよね。カーキは大人の女性に人気のカラーで、夏に明るめな傾向になりがちな服装のバランスを整えてくれます。暗くなりすぎない色なので、夏には特に人気のあるのがカーキ色です。ショートパンツもホワイトカラーで上品にこちらも割と長めのショートパンツ。柄もデザインもない、至ってシンプルなホワイトですが、上品に見えるおすすめカラー。ボトムスがホワイトだと、なんだかお洒落に見える気がしませんか?!夏といえば外せないデニム!夏といえば、外せない超ショートデニム。特にビーチやフェスなどに行くと、必ずかなりの確率で多くの女性が着用しているくらい、大人気ですよね。日本だけではなく海外でも大人気。シルキー素材でゴージャスに素材を変えるだけで印象もだいぶ変わります。こちらはシルキーな素材で、上品度がかなりアップ!見た目の印象だけでなく、シルク素材は肌触りでもかなり涼しいので、着用しやすく夏にはもってこい!お値段は少し張りますが、湿気の多い暑い夏には試す価値ありそう。いかがでしたでしょうか?夏になれば夏のコーディネイトを楽しむべく、この時期に思いっきり着られるショートパンツ。今年はどの種類がお気に入りでしたか?男女ともに人気なので見逃せません。写真・文 平野秀美
2023年06月18日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は海外で人気の夏のトップス6選を紹介いたします。夏といえばメッシュが大活躍着ている方も見ている方も涼しい印象を受けるのがこちらのメッシュタイプ。今回は爽やかな白タイプですが、海外で良く見かけるのは実はブラック。ダーク系がより人気があるようです。胸元を開けて印象深く写真のトップスは胸元がぱっくり空いたTシャツタイプ。このタイプが種類豊富なのは人気だから!セクシーに見えるだけではなく、機能的にも涼しくて嬉しい。肩出しタートルネック?!最近海外でも良く見かけるのが、こちらの肩出しタートルネック。COSや& Other Storiesといった、シンプルだけど個性がきらりと光るブランドでも人気のあるデザイン。冬はシャツなどに合わせて、夏はTシャツなどに合わせることもできる、重ね着上級者には嬉しいアイテムです。レースや刺繍などのトップス日本でも大人気なのが、刺繍やレースなどの可愛らしい雰囲気になるトップス。スカートにもズボンにも合うし涼し気なので、一枚あれば可愛いコーディネイトが完成。幅広い年齢層の方に人気です!シャツも着方次第でお洒落に変身こちらの写真の着方は本当に面白い!よく見ると一般的なシャツなのですが、ボタンを外したり、通常絞らないところで絞ったりするだけで、こんなに雰囲気が変わるんですね!丈が長めのシャツでやっていますが、短めでも面白いかも!スカーフのようなトップススカーフを胸元に巻いたようなデザインのトップスは、海外では比較的よく街中で見かけますが、日本ではビーチなどの場所で人気かも?!肌の露出が多いので、日焼け止め効果としてサマーカーディガンなどを羽織ってもいいかも。いかがでしたでしょうか?スナップのように、季節にぴったりなお洒落で涼しげなトップススタイルをお楽しみください。写真・文 平野秀美
2023年06月17日2020年から現在までに世界90 カ国以上で放送・配信され、人気を博している海外ドラマ「THE HEAD」。辺境の地にある南極の科学研究基地で起こった惨殺事件の真相に迫ったSeason1から3年、ついにSeason2が幕を開けます。そこで、唯一の日本人キャストとして参加したこちらの方にお話をうかがってきました。福士蒼汰さん【映画、ときどき私】 vol. 585太平洋に浮かぶ巨大貨物船を装った秘密研究基地を舞台に繰り広げられる本作で、優秀なコンピューター・エンジニアのユウトを演じている福士さん。2か月に及ぶスペインでの撮影では、国際色豊かなキャストとスタッフのもとで、英語のセリフにも挑んでいます。長年の夢だった海外作品に初出演した思いや独学で身につけたという英語の勉強法、そして30歳を迎えたいまの心境などについて語っていただきました。―以前から海外に進出したいと考えていたそうですが、そう思うようになったのはいつ頃からですか?福士さん最初は小学校中学年くらいのときに地球儀を見ていて、日本がすごく小さいことに気がつき、子どもながらに外に出てみたいなと思ったんです。その後、中学校で英語の授業を受けながら「この言語が話せたら世界中の人と話せるんじゃないか」と考えていました。そんなふうに過ごしているうちに高校生で俳優になり、「俳優という仕事を通せば、すべての夢が叶うのでは?」と思うようになったのがきっかけです。―なるほど。今回は事前にどなたかに相談したり、アドバイスを求めたりしましたか?福士さん出演が決まったとき、Season1に出られていた山下智久さんに報告させていただきました。「すごく温かい現場だし、福士くんなら大丈夫だよ」という言葉をかけていただき、安心しました。大変だったけど、いい時間を過ごすことができた―オファーがあってからは、特別な準備などもされたのでしょうか。福士さんお話をいただいてから撮影までの期間は約1か月半。ちょうど舞台中だったので、どちらもがんばらなければという思いでした。まずは上演後や休演日を使ってアクティングコーチとレッスンを始めました。アメリカでよくあるメソッドなども体験させていただいて、面白かったです。―実際に、英語で演技をしてみていいかがでしたか?福士さん十分な準備をしていったので、悔いのないお芝居ができたと思います。でも、アーサー役のジョン(・リンチ)がアドリブやセリフを入れ替えることがものすごく多いので、彼と初めて撮影を終えた日には「これはもっと準備しないとまずいな」と。そこで、次のシーンでは前もって彼のセリフも覚えていきました。ジョンはその場で湧き出てくる感情によってセリフが変わる方だったので大変でしたが、おかげでライブ感がある生き生きとしたシーンになってよかったです。英語のアドリブは想定していなかったので、いい刺激を受けられました。―そこに対応できたということは、福士さんもアドリブをけっこう入れていると。福士さんそうですね。といっても、自分のセリフのなかからチョイスしたり、リアクションを取ったり。大変でしたけど、楽しくていい時間だったなと思います。英語の勉強は、好きだから毎日続けられた―英語に関しては中学のときから独学で勉強されているそうですが、続けるというのが一番難しいと感じている人も多いと思います。モチベーションはどのようにして維持していますか?福士さん僕の場合は、英語が好きだから。好き以外の理由はないんです。―具体的にはどのような勉強法をされているのでしょうか。福士さん一番初めは単語を勉強していましたが、だんだんゲームや映画とか、自分が好きなものを英語で楽しむようになりました。でも、何をするにも最初は苦痛ですよね。僕の場合は、好きだから乗り切ることができますが、まずは1日5分でもいいから続けることじゃないでしょうか。たとえば、1時間の勉強を1週間に1回だけするのと、1日10分を7日間にわけて勉強するのとでは、毎日続けるほうが身になると思います。僕は時間がないときでも、スキマ時間を見つけて本やアプリを使って勉強していました。―すごいですね。ちなみに、今回の作品に携わったなかで一番苦労したことは?福士さんすべてを振り返って言うなら、プレスカンファレンスに参加したときに、インタビューに英語で答えなければいけなかったことです。それが一番大変でした。お芝居はセリフがあるので準備さえすれば怖くないのですが、インタビューは全部その場で自分の言葉で言わないといけないですから…。―ということは、通訳もつけずにご自身で対応されたと。福士さん通訳の方はいたのですが、スペイン語で質問されたものをすべて英語に通訳されるという状況でした(笑)。―それはかなり大変でしたね。そのほかに、さまざまな国のキャストやスタッフが集まるなかで、カルチャーショックなどもあったのではないでしょうか。福士さん一番印象に残っているのは、スペインの方はみんな踊ることが好きだということです。音楽が流れてくると、たとえ仕事中でも手を止めてみんな踊り出すんです(笑)。国民性の違いを感じて、面白いなと感じました。日本文化のおかげで、コミュニケーションがうまく取れた―では、そんななかでご自身の支えになっていたものは?福士さん乗り越えられた助けのひとつは、日本の文化です。というのも、アニメや漫画など日本にはこれまで培ってきた独特な文化があり、世界中の人たちからすると「日本と言えばこれだよね」というものがたくさんあります。それがコミュニケーションを取るうえですごく役に立ちました。実際、僕が合流した初日の夜にみんなから「日本語でしゃべってよ!」とお願いされ、少し話してみただけでものすごい盛り上がってくれました。―現場で流行った日本語などもあったのでしょうか。福士さんありました。「それぞれの国で乾杯は何て言うのか」という話になったときに、みんなが気に入ってくれたのが日本語の「カンパーイ」。第1話を見ていただければわかりますが、なんと劇中でも使われたほどです。―注目してほしいですね。では、今回の撮影を通してご自身が学んだことといえば?福士さん一番は日本人以外の方とのコミュニケーション能力。どれだけ英語力があったとしても、コミュニケーション能力がないと自分の持っている力を半分も発揮することができません。この現場でいかにリラックスしてコミュニケーションを取ることが大事かを痛感しました。今回で新しい物差しができたというか、こういう自分でいいんだなと思えるようにもなりました。そのおかげで、「THE HEAD」の撮影のあとにニューヨークに行ったら、以前と英語力は変わっていないはずなのに、いろんなことがわかるようになり、不思議なことに前よりも話せるようになってたんです。それはこの2か月間の撮影で自分らしさや自分なりのコミュニケーション方法が見つけられたからだと思っています。少しずつ続けてきた積み重ねが役に立っている―ということはかなり収穫の多い現場だったんですね。福士さんそうですね、達成感がありました。やはり気を張っていましたし、緊張もしていたので、終わった後は解放感もありました。でも、もっと自分の能力を発揮できるようになりたいので、もう1回やりたいという気持ちもあります。今回ありがたいことに第一歩を踏み出せたので、二歩目、三歩目に繋げられるようにがんばりたいです。―そのなかでも、こういう部分をもっと強化したいと感じたこともありましたか?福士さん本当に課題しかないです。コミュニケーション能力はもっと経験を重ねる必要がありますが、自分でできる勉強に関しては今後も続けていきます。いまはアドリブにもついていくのが精一杯ですが、いかにそれ以上のものを出せるかが大事だと感じているので。とはいえ、今回は全力を尽くして悔いはないので、自分を褒めてあげたい気持ちもあります(笑)。―福士さんは「20代のうちに海外進出する」という目標を見事に達成されましたが、夢をつかんだ秘訣は?福士さんやっぱり継続だと思います。中学校で英語の勉強を始めてからいままで、どんなに忙しいときでも英語の勉強をしなかった日は1日もありません。僕はネイティブでも帰国子女でもありませんが、少しずつ続けてきた積み重ねが自分の役に立っていることは間違いないと思います。―そんななかで、次の夢があれば教えてください。福士さん今後も海外作品に挑戦していきたいと思っています。いまのレベルだとまだまだ足りないと感じているので、もう少し自分を磨いていきたいです。あとは、筋トレや格闘技、武術などもしているので、アクションもやってみたいなと思っています。自分の個性をわかっている人に魅力を感じる―それだけお忙しいなかで、どうやって息抜きされているのでしょうか。福士さん僕はこの仕事が好きでやっているので、自分へのご褒美みたいなものも特に考えたことがなく…。でも、友達や家族といるときは素に戻れる時間です。―先月で30歳になられたばかりですが、心境の変化はありますか?福士さん周りからの見られ方は変わるのかもしれないですが、僕自身はあまり意識していなくて。ただ、20代で見つけたことを継続しながら30代でも新しい挑戦や開拓をしていきたいなとは思っています。―最後にananweb読者に向けて、メッセージをお願いします。福士さん同世代の女性が多いかと思いますが、内側も外側も磨きをかけて、より充実した30代、40代を迎えてもらえたらいいなと思っています。僕も一緒にがんばりますので!あと、僕は自分の個性や魅力をちゃんとわかっている人がステキだと思うので、自分なりの軸のようなものも意識してもらえるといいのかなと。僕自身がそう感じるようになったのは、ここ1~2年くらいのことですが、自分の軸ができてから楽しくなったので。そういうところも大事にしてほしいなと思います。インタビューを終えてみて…。英語や俳優という仕事が本当に好きであることが伝わってきましたが、その裏で相当な努力をされていることも感じずにはいられなかった福士さん。現場の話をするときの楽しそうな表情からも、いかに充実した日々を送っていたのかがわかりました。今後さらに海外へと羽ばたいていく福士さんが、次回はどのような役どころで世界に挑んでいくのかが楽しみです。まずは、本作で見せる福士さんの堂々とした英語での演技から注目してください。物語も舞台も、さらにスケールアップ!次々と起こる不可解な出来事に緊張感が高まり、どんどん引き込まれていく極限の心理サバイバル・スリラー。それぞれの欲望と因縁が渦巻くなかで繰り広げられる究極の心理戦と、その先に待ち受ける衝撃の真実をお見逃しなく!写真・園山友基(福⼠蒼汰)取材、文・志村昌美ヘアメイク・佐鳥麻子(VITAMINS)スタイリスト・オクトシヒロストーリー陸から約2700km離れた太平洋のど真ん中に浮かぶ巨大な船・アレクサンドリア号。実は、それは貨物船を装った秘密研究基地だった。集結していたのは、天才生物学者のアーサーと彼が率いる優秀な化学チーム。彼らは気候変動から全人類を救い、世界を変えるという崇高な目的のもとに集っていた。ところがある日、共同研究員の一人が、首<THE HEAD>のない死体として見つかる。海のど真ん中で逃げ場はなく、助けも来ない状況のなか、研究員や乗組員たちは極限状態に追い詰められていくのだった…。目が離せない予告編はこちら!作品情報Hulu オリジナル「THE HEAD」Season26月17日(土)Huluにて独占配信スタート(C)Hulu Japan写真・園山友基(福⼠蒼汰)
2023年06月16日上野の森美術館で、特別展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』が開かれています。本展のナビゲーターは、俳優の南沙良さん。恐竜が大好きという南さんに、展覧会の見どころや恐竜の推しポイントについて、お聞きしてきました!南沙良さんがナビゲート南沙良さん【女子的アートナビ】vol. 300特別展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』では、恐竜や古代生物を描いた「パレオアート(古生物美術)」にフォーカスし、19世紀から現代までに制作された復元図や漫画、フィギュア、ファインアートなど、世界各国から集められた約150点の作品を展示。失われた古代世界を、アートで巡ることができる展覧会です。本展を企画された神戸芸術工科大学の岡本弘毅教授によると、恐竜が知られるようになったのは、19世紀前半。イギリスで巨大な爬虫類の化石が見つかり、未知の生物と判明したそうです。恐竜の「発見」から200年たち、その姿や形がどんなふうに変化していったのか、作家と研究者のイマジネーションによってつくられた古生物の姿を楽しめる展示になっています。プレス内覧会では、展覧会ナビゲーターで無料音声ガイドのナレーションも務めた俳優の南沙良さんが登壇。その後、インタビューも実施しましたので、まとめてご紹介します。巨大な生物が好き――まず、なぜ恐竜がお好きなのですか?南さん昔から、巨大生物が大好きなんです。恐竜やゴジラなど、大きいものに憧れていました。映画『ジュラシック・パーク』は全作品見ていますし、図鑑も昔からすごく好きで、飛び出す図鑑などもよく見ていました。恐竜のなかでは、肉食恐竜が好きです。強くて大きくて、自分がいかに小さいか、想像できるのがいいですね。――巨大生物ですと、例えばキングコングのようなものもお好きなのですか?南さん好きですね(笑)。大きくて凶暴なものが好きです。だから、恐竜も肉食がよくて。音声ガイドに「よし来た!」――音声ガイドのナレーションも初挑戦されています。恐竜好きなので、このお仕事は「よし来た!」という感じでしたか?南さんはい(笑)。恐竜に関わる仕事ははじめてなので、「よし来た!」と思いました。私は博物館や美術館も好きなので、うれしい気持ちになりましたね。――音声ガイドのナレーションはいかがでしたか。南さんふだん使わない難しい言葉やカタカナが多く、特に恐竜の名前が難しかったです。事前にいただいた資料を読み込んでから行き、私なりに一生懸命がんばったので、心地よく聴いていただけたらうれしいです。――音声ガイドには、恐竜の解説だけが吹き込まれているのですか?おもしろい聴きどころはありますか?南さん恐竜の解説だけでなく、画家や作品の解説もあります。解説があると、より深く楽しく見られるのではないかなと思います。私が印象に残ったのは、ウォーターハウス・ホーキンズの《イグアノドン晩餐会へのオリジナル招待状、1853年12月31日》についての解説。ホーキンズがロンドンの公園に製作した実物大のイグアノドンの模型の中で晩餐会が開かれたそうなのですが、私も、この晩餐会に参加したいと思いながら読みました。夢があっていいですよね。恐竜同士の戦いに惹かれる…――恐竜の博物館に行くのがお好きとのことですが、本展は美術館で開かれていて、恐竜や古生物を描いた絵画、パレオアートが見どころになっています。この点はいかがですか?南さん確かに、博物館の恐竜展は化石展示が多いですが、本展はパレオアートなので、珍しいと思いました。恐竜の絵には200年の歴史があり、昔はこんなふうに描かれていたとか、進化の過程を見られるのは楽しいです。また、画家によって作風に違いがあり、ポップなものがあったり、精緻なものであったり、いろいろありましたね。個人的には、恐竜の皮膚などが細やかに描写されている部分が好きです。――お気に入りの作品は?南さんチャールズ・R・ナイトの《白亜紀―モンタナ》です。ティラノサウルスとトリケラトプスの対決シーンを淡い色彩で描いた作品で、夢の中に出てきそうな幻想的なところがお気に入りです。私がイメージする通りの太古の恐竜です。恐竜同士の戦いにも惹かれますね。実際に見てみたいですし、想像するとすごく楽しいです。――恐竜にお詳しい南さんが、この展覧会で新たに知ったことはありましたか?南さん200年前にはイグアノドンの角だと考えられていたものが、実は鋭くとがった前足の親指だったというのはすごく驚きましたね。おもしろいなと思いました。フィギュアは何十体も!――コレクター気質があるそうで、恐竜グッズも集めているそうですね。南さんはい、たくさんもっています。パジャマやスリッパ、洋服などいろいろあり、家の中は恐竜グッズであふれかえっています。今日の私服も、ティラノサウルスのニットでした。――リアルにつくられた恐竜のフィギュアも集められているそうですが、どんなふうに楽しむのですか?南さん棚に飾って、眺めて楽しんでいます。恐竜を見て、ロマンを感じながらお酒を飲んだり(笑)。フィギュアは、家のインテリアにはあまり合わず浮いていますが、すごくお気に入りです。――フィギュアはどのくらいお持ちですか?南さん何十体かはありますね。高校生ぐらいから、ちょこちょこ集めて、だんだん増えていきました。――本展でも、コレクターの方が集めたリアルなフィギュアが展示されていましたね。南さんあれは、すごくよかったですね。欲しいです(笑)――最後に、あまり恐竜のことを知らないお友だちをこの展覧会に誘う場合、どんなふうに声をかけますか?南さん150作品もあるから、お互いの好きなものを探しに行こうという感じで誘いたいです。――お話を聞かせていただき、ありがとうございました。取材を終えて…恐竜の話を楽しそうに語ってくれた南さん。小さいころから、アート好きのご両親に連れられ、原美術館などの美術館や上野の博物館にも通っていたそうで、想像力や感受性が豊かな方でした。恐竜愛にあふれる南さんが語る音声ガイドは、ご自身のスマートフォンがあれば無料で利用できます。ぜひ、ガイドを聴きながら恐竜アートの世界を楽しんでみてください。Information会期:~7月22日(土)会期中無休会場:上野の森美術館開場時間:10:00 ~ 17:00(土日祝は 9:30 ~ 17:00)※入場は閉館の 30 分前まで観覧料:一般¥2,300、大学・専門学校生¥1,600、高校生・中学生・小学生 ¥1,000
2023年06月14日東京都美術館で、『マティス展』が開かれています。本展では、20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス(1869-1954年)の代表的な作品が集結。日本で約20年ぶりとなる大規模回顧展の会場風景や、音声ガイドナビゲーターを務める上白石萌歌さんのコメント、キュレーターの方のお話などをご紹介します。上白石萌歌さんが音声ガイドナビゲーター!『マティス展』音声ガイドナビゲーターの上白石萌歌さん【女子的アートナビ】vol. 299『マティス展』では、世界最大規模のマティスコレクションを所蔵するパリのポンピドゥー・センターから、名品が約150点も来日。絵画を中心に、彫刻や素描、版画、切り紙絵、さらには晩年の傑作であるロザリオ礼拝堂に関する資料や映像など、代表的な作品が紹介されています。パリのポンピドゥー・センターに行っても、常にマティスの作品がたくさん展示されているわけではないので、これほど多くの作品を見られる機会はかなり貴重。しかも、本展は世界各都市でも巡回されています。そんな注目の展覧会で音声ガイドナビゲーターを担当されるのは、俳優の上白石萌歌さん。本展に寄せた上白石さんのコメントをご紹介します。この度、マティス展の音声ガイドナビゲーターを務めさせていただくことになりました、上白石萌歌です。これまで、好きな画家をたずねられた時、マティスです!と即答していた私。お話をいただいた時、こんな夢のようなことがあっていいのだろうかと震えました。マティスだけに描ける、艶やかで大胆な曲線、そして鮮烈な色彩。強くも柔らかい彼の絵は、いつもわたしを朗らかな気持ちにさせてくれます。今から展示が心から楽しみです!いちファンとして嬉しさを噛み締めながら、足を運ぶみなさまの気持ちに寄り添えるよう、精一杯努めます。なお、アプリ版の音声ガイドを購入すると、アプリ限定の話を聴くことができます。大学で芸術論なども学んでいた上白石さんが語る「わたしとマティス」や、東京都美術館学芸員の藪前知子さんとの対談など、アプリでしか聴けない話が収録されています。キュレーターも絶賛!『マティス展』会場風景開幕前日に行われたプレス内覧会では、ポンピドゥー・センターのチーフキュレーターであるオレリー・ヴェルディエさんが登壇。今回の展覧会について、次のように語りました。ヴェルディエさんこの展覧会は、本当に例外的です。まず、画家マティスのキャリア全体、人生全体を見ることができます。マティスは、ギュスターヴ・モローのアトリエで学んでいましたが、その学生時代の作品もあれば、死の直前に手がけていたロザリオ礼拝堂の資料もあります。また、絵画や彫刻、デッサン、彼がデザインした書籍、切り紙絵まで、彼の持つすべての技術も見られます。さらに、もうひとつの例外は、マティスの傑作が含まれている点です。彼の転機となった初期のすばらしい傑作《豪奢、静寂、逸楽》が公開されていますし、晩年の大作《赤の大きな室内》もご覧いただけます。マティスは鑑賞者に、心を動かす色彩の持つエネルギーを感じてほしいと願っていました。日本初公開の貴重な傑作!アンリ・マティス《豪奢、静寂、逸楽》1904年秋~冬オルセー美術館寄託では、いくつか作品をピックアップしてご紹介します。まずは、ヴェルディエさんが、「マティス初期の傑作」と絶賛されていた《豪奢、静寂、逸楽》。日本初公開の作品です。1904年、マティスは点描画で知られる新印象派の画家、ポール・シニャックに招かれて南仏を訪れ、その後、本作品を仕上げました。この絵を仕上げたすぐ後に、彼はフォービズム(野獣派)と後に呼ばれる斬新な様式で描いた作品を発表し、アート界にスキャンダルを巻き起こしました。『マティス展』会場風景《豪奢、静寂、逸楽》の3年後に描かれたのが《豪奢Ⅰ》。この作品も、発表されたあとに、抽象や未完成とみなされ、批評家たちを混乱させたそうです。マティスの生み出したフォービズムは、絵画の革新を進め、やがてモダン・アートの誕生に大きな役割を果たします。『マティス展』会場風景彫刻も見どころのひとつ。色彩の画家、というイメージのあるマティスですが、彫刻作品も多く残しています。本展の図録解説によると、マティスは「感覚を整理し、自身の絵画に役立つ方法を発見するために彫刻を用いた」とのこと。会場では、小さなものから大きなサイズまで、多彩な彫刻を楽しめます。マティスは世界をひっくり返した左:藪前知子さん、右:オレリー・ヴェルディエさん 『マティス展』《赤の大きな室内》の前にて撮影もうひとつの傑作は、展覧会のキーヴィジュアルにも使われている《赤の大きな室内》。この作品について、東京都美術館学芸員の藪前知子さんが解説してくれました。藪前さん本作品はマティスが79歳のときに描いたものです。彼の人生は、ことさら大きな事件があったわけではなく、彼の実験はすべてアトリエで作品を制作するなかで、「世界をひっくり返す大きな冒険」が行われました。マティスにとって、初期から晩年まで、アトリエは重要なモチーフです。アンリ・マティス《黄色と青の室内》1946年藪前さんマティスは、晩年に過ごしたランスで最後の連作を描きました。そのうち、最初の作品は、黄色と青が基調の作品《黄色と青の室内》。最後は、《赤の大きな室内》です。同時並行で、切り紙絵も制作していました。マティスにとって、世界は調和に満ちていて、その世界で彼が受けた感覚を絵画のなかで表現しています。《赤の大きな室内》にはいろいろな世界、要素が調和を持って存在しています。マティスは初期から晩年まで、一貫した営みのなかにいて、最後まで画家としての歩みを止めませんでした。《赤の大きな室内》は、マティスを象徴する作品ともいえます。ここでしか買えないグッズも!また、ミュージアムショップでは、マティスの切り紙絵などをモチーフにしたオリジナルグッズが勢ぞろい。おしゃれなデザインのトートバッグやアクセサリー、スカーフなど、ここでしか手に入らないものも多く集められています。本展は8月20日まで開催。日時指定予約制です。Information会期:~8月20日(日)日時指定予約制休館日:月曜日、7月18日(火)※ただし、7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開室会場:東京都美術館開室時間:9:30~17:30※金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)観覧料:一般¥2,200、大学・専門学校生¥1,300、65歳以上 ¥1,500、高校生以下無料
2023年06月11日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第144回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その49をお届けします。1.主夫アピールの男【結婚引き寄せ隊】vol. 144それは20代から30代がおもに集まる婚活パーティに参加したときのこと。いつもなら20代も参加する場にはそれほど進んで行かないものの、すでに40代前後が集まる婚活パーティで空振りが続いていたため、久しぶりにそれまでより年齢層が低い場所にも足を運んでみました。会場に着くと、男性参加者は30代が多そうなのに、女性参加者は20代が多そう。どちらかというと男性は若い女性を好む場合が多いため、ちょっと失敗したかなあと思っていたのですが、せっかく来たんだからと気持ちを切り替えていざ婚活パーティがスタート。いつものように自己紹介タイムから始まり、手応えのないまま、次から次へと入れ替わる男性陣と「はじめまして」と挨拶していると、20代後半の男性がとてもリアクションがよく対応してくれます。おたがいの仕事について話していると、「自立してお仕事がんばってスゴいですね〜!」と、褒めてくる男性。それがお世辞ではなく、本当に好意を持っている感じで接してくるので、印象に残りました。その後、フリータイムで再度ふたりで話す機会ができました。すると、開口一番、「僕、主夫になってもいいかなって思うんですよね」とアピール。え? と思って聞き返すと、仕事もうまくいかなくて転職を考えているうちに、結婚して主夫をするのも選択肢に入っている、というような話でした。いや、確かに仕事は好きだけど、最初から養ってほしいモードで来る男性に惹かれるワケないでしょ、とソッコー心の扉を閉めたのでした。それにしても、あえて自分より年上の女性に的を絞って年下だから許されると思って言ってきたのか、最初から堂々とアピールするなんて世の中も変わったなあと思ったのでした。2.貧乏ゆすりの男それはシングル同士が集まる婚活飲み会に参加したときのこと。おしゃれなレストランの一角に、30代から40代の男女が集まっていました。それぞれ仕事帰りに参加しているということもあって、男性はスーツ姿で仕事の様子も垣間見えるようなところがあり、女性もみんな身ぎれいな人ばかり。大人が集まる飲み会だし、ゆっくり落ち着いて過ごせるなと思っていたとき、ふと目の前に座っている40代の男性が、貧乏ゆすりをしていることに気づきました。とはいえ、人それぞれクセはあるだろうし、緊張しているときに貧乏ゆすりをすることもあるので、とりあえずスルー。でも、前に座っているのと、けっこう長い時間貧乏ゆすりが止まらない男性。その間、まわりと会話をしながらも、一度気になったその男性のクセについつい目がいってしまいます。お酒も入って、くだけた雰囲気になってきたので、やんわりと貧乏ゆすりのことを言ってみようかな…と思った矢先、その男性はトイレへ。戻ってくると、めでたく(?)貧乏ゆすりはもうしなくなっていました。緊張が解けたのか、それとも…?飲み会はあっという間におひらきの時間になり、解散。結局、その男性のクセに気をとられてしまい、なんの収穫もなくその日も終わってしまったのでした。3.退会しない男それは婚活サイトで出会いを探していたときのこと。性格や年収など、ある程度の条件を入れて、何人かの男性に絞っていき、それぞれとメッセージのやりとりもしながら、しっくりくる人がわかってきました。ある30代後半の男性とやりとりしていたところ、「今度お茶でもしませんか?」とお誘いされ、さっそく会うことに。いざ会ってみると、事前にメッセージで話していたときとなんの違和感もなく、清潔感のあるよさそうな男性という印象。その日も意気投合して、また会う約束をしました。次に会うと、男性から「このままおたがい真剣に付き合いませんか?」と言われ、少し時間をくださいと伝えて、しばらく経ったあるとき。「僕はもう決めたので婚活サイトは退会します」と断言する男性。そこまで私ひとりに決めてくれたのであれば、そろそろ次に会う約束をしてもいいかなと思いながらも、ちょうど仕事が忙しくなり、少しの間連絡が来てもなかなか対応できませんでした。仕事が一段落して、久しぶりにサイトを覗くと、あれ?まだ続けている。その男性は、退会していませんでした。連絡がとれて話を聞くと、「忘れてた」と言うのですが…あるとき、サイトを見ると、いないのです。退会していたうえ、連絡もつかなくなりました…。きっと同じように話していたもうひとりとうまくいったか、待てなくて消えたか。いずれにしても、タイミングが合わないのも、縁がないのだなと思ったのでした。婚活していると、いろいろな出来事を体験することもあるかもしれません。みなさんの恋愛は、うまくいきますように!文・かわむらあみり©visualspace/Getty Images©ferrantraite/Getty Images©Vasyl Dolmatov/Getty Images文・かわむらあみり
2023年06月10日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は夏に向けてちょっと雰囲気を変えたいなという方に、ぜひお勧めしたいヘアカラー。色次第でかなりイメージチェンジします。オレンジでパッと目を引くくるくると巻いたヘアスタイルも個性的ですが、何よりも明るいオレンジカラーがとっても印象的。これからの夏にはぴったりな元気の出るビタミンカラーです!思いっきりブルー!日本ではあまり見かけることのない鮮やかなブルーですが、実はヨーロッパでは比較的よく見かけるきれいなブルーカラー。外国人の髪質で色がつきやすいのかもしれませんが、ここまで発色がきれいに出るなら、一度はやってみたいかも。夏はやっぱりピンク!!夏によく見かけるのがピンクヘア!可愛いだけではなく、どんな服にも合わせやすかったりするようです。きれいにピンクを出したい場合は、脱色を何度もしないと出ないかもしれませんが、ほんのりピンクっぽい感じなら、比較的日本人の髪質でもできそうですよね。憧れの淡いグリーンほんのりイエローがかったグラデーションがさらに魅力的な、こちらのグリーンカラー。濃い色ではなく淡いところがポイント。数日しかもたないかもしれませんが、人と被ることが滅多にない淡いグリーンは一度はやってみたい憧れの色。ホワイト系ブロンドカラー海外では本当によく見かけます。元々ブロンドヘアの方が超絶白に近い色にするとかっこいいんです!もう、こればかりは髪質次第なのかもしれませんが、永遠の憧れカラーです。優しいベージュ系もいかが!?季節問わず、スタイル関係なくお勧めしたいのは、こちらのベージュっぽい色み。柔らかな雰囲気がとても優しい。ブロンドヘアとはちょっと違う温かみを感じる色。こちらも真似しにくいきれいな色ですが、髪質次第で可能な方にはぜひお勧め!やっぱり黒髪美人はかっこいい!真っ赤なリップが映える黒髪は、アジア人として自慢のカラー。黒髪は逆に外国人が憧れる色だったりもするので、自信をもって地の色を楽しんでもいいかも。夏になるとついついカラフルなヘアカラーにしたくなりますが、ブラックヘアもぜひ楽しんで!いかがでしたでしょうか?ヘアカラー次第で雰囲気がだいぶ異なりますが、外国でよく見かける色と、日本で見かける色が違うのは、単に髪質で色が入りやすかったり入れにくかったりという問題もありそうです。だからこそ、きれいな明るい色を見ると、余計に憧れてしまうのかもしれません。今年の夏はどんな色をで過ごしたいですか?ぜひ参考になれば嬉しいです。写真、文・平野秀美
2023年06月10日誰にでもあるものといえば、子ども時代の忘れられない思い出。そこで今回ご紹介するオススメの最新作は、50年以上前にフランスで誕生し、世界中の子どもたちから愛されている児童書を初めてアニメーション化した注目作です。『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』【映画、ときどき私】 vol. 584パリの街並みを望む小さなアトリエにいるのは、イラストレーターのサンペと作家のゴシニ。2人は試行錯誤しながら、いたずら好きのやんちゃな男の子のキャラクター・ニコラに命を吹き込んでいた。そこには、大好きなママのおやつ、校庭での仲間たちとの喧嘩、先生もお手上げの臨海学校の大騒ぎといった数々のエピソードが並ぶ。サンペは、ニコラを描くことで望んでも得られなかった幸せな子ども時代を追体験していた。そして、ある悲劇を胸に秘めるゴシニは、物語に最高の楽しさを与えていくことに。児童書『プチ・ニコラ』の心躍らせる世界を創造しながら、激動の人生を振り返る2人。いつしかニコラの存在は、そんな彼らの友情を永遠のものにしていくのだった…。世界最古にして最大規模のアニメ映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭」で、最高賞となるクリスタル賞を昨年受賞した本作。国内外で高い評価を得ているなか、こちらの方々にお話をうかがってきました。バンジャマン・マスブル監督 & アマンディーヌ・フルドン監督監督を務めたのは、美術を学んだあとアニメーション業界に入り、テレビアニメシリーズのディレクターとして活躍してきたフルドン監督(写真・右)。そして、アカデミー賞にノミネートされた『失くした体』をはじめ数々の映画賞を受賞した作品に編集として携わり、本作で監督デビューを飾ったマスブル監督(左)の2人です。そこで、原作が愛される理由や制作秘話、そして現在の日本のアニメ界について語っていただきました。―『プチ・ニコラ』はフランスでは国民的な児童書ですが、どういったところがそれだけの人気を博した理由だと思われていますか?マスブル監督まず、この作品がいまもこれだけ愛されている大きな理由のひとつは、子どもの視点で描かれているところ。1950年代のフランス社会をはじめ、すべてをニコラの目を通して描いていますが、そうすることで詩的な部分やコミカルな要素が生まれるのです。そして、それにサンペの無邪気な子どもたちのイラストが相まって普遍的な作品になったのではないかなと。あとは、戦後のフランスが復興に向けて活気のあった時代の雰囲気を体現しているというのも要因だと思います。フルドン監督それから、作家であるゴシニが人物造形と合わせて人間関係をきちんと描いているのも大きいのではないでしょうか。ニコラという子どもには両親と祖父母がいて、さらに友人や教師もいるので、そういう普遍的な人間関係が共感を得ているように感じています。2人だったからこそ、野心的な作品にできた―『プチ・ニコラ』はサンペとゴシニの2人が組んだからこそ生まれた作品ですが、初のアニメーション化を実現したおふたりも、2人だったからこそできた部分もあったのではないかなと。マスブル監督そうですね。実は僕たちも彼らのように、似ているようで全然違うところがある2人なんです。たとえば、彼女はアート学校でちゃんとイラストを学んできたバックグラウンドがありますが、僕はどちらかというと映画の編集や脚本を学んできたタイプ。なので、彼女がサンペで僕がゴシニっぽいと言えるのかもしれませんね。そんなふうに僕たちは自分にはないものを相手が持っているので、お互いに補い合う関係。だからこそ、ストーリーテリングにしてもアートディレクションにしても、違う方向から持ち寄って作っていけたので、おかげですごく豊かなものになりました。しかも、男性と女性両方の視点を入れられたのもよかったと思います。フルドン監督確かに、だからこそ創作においてこれだけ野心的な作品にできたのかもしれません。なぜなら、この作品では『プチ・ニコラ』をアニメにするだけでなく、実在する2人の作者の世界と融合させることに挑んでいるからです。幸いにも私たちは同じ方向性に向いていたので、問題なく進めることができました。制作の前に本人と会えたことは、本当にラッキーだった―制作の過程では実際にサンペさんと会われたそうですが、印象的なやりとりやインスピレーションをもらった部分はありましたか?フルドン監督映画を作る前にご本人とお会いすることができたことは、本当にラッキーなことでした。実際に私たちが作った景色やキャラクターを見てもらい、彼からの承認を得たうえで作業に入れたので、そのおかげで絆も生まれたと感じています。彼からのOKサインをもらえたからこそ制作を進めることができたので、私たちは彼にオマージュを捧げる作品にしたいと強く思うようになりました。マスブル監督サンペは「僕のデッサンは音楽なんだ」と言っていたので、そこは映画にも生かしたいと考えました。アマチュアではありますが、彼もピアノを弾いていましたし、ジャズやクラシック音楽が大好きな人でしたから。そういう彼のスピリットを大切にしたかったので、音楽担当と相談をして劇中にジャズ・オーケストラの場面をあえて作ったりしています。―そのあたりのこだわりも、ぜひ注目してもらいたいですね。では、来日をされてみて日本に対してどのような印象をお持ちかを教えてください。フルドン監督私は今回が初めてということもあって、来る前からワクワクしていました。特に日本の文化はフランスの文化とまったく違うので、いろんな発見や体験からインスピレーションをもらっています。マスブル監督僕は15年前に観光で15日間滞在したことがあり、東京、大阪、広島を訪れました。小さい頃から思春期、青年期まで『AKIRA』や今敏監督の作品をはじめとする日本のアニメをずっと見ていたので、その本拠地である日本にまた戻って来れたというのは非常に感動的なことです。あとは、細田守監督が大好きで、『おおかみこどもの雨と雪』や『未来のミライ』などに夢中になって見ていました。日本のアニメ界も、次の世代にちゃんと受け継がれている―ちなみに、いまの日本のアニメ界はどのようにご覧になっていますか?マスブル監督アメリカのコミックスが席巻しているようにも見えますが、映画業界においては日本のアニメ作品が非常に大きな部分を占めていると言えるのではないでしょうか。いまの日本のアニメ界は、本当にバラエティ豊かで、優秀な作家たちが多く存在していると思っています。一時は、「スタジオジブリの宮崎駿監督のあとがいないのではないか」と危惧したこともありましたが、なんてことはない。すでに新しい世代にちゃんと受け継がれているんだなと感じます。―日本の作品で影響を受けているものはありますか?フルドン監督アニメではないのですが、私は河瀨直美監督の『あん』。日本特有の感性というか、まるで時間が止まっているかのような独特な時間軸があっていいなと感じています。幸せは待っていて手に入るものではない―原題には、「幸せになるために何を待っている?」という副題が付けられていますが、おふたりが幸せになるためにしていることがあればお聞かせください。マスブル監督僕は「幸せというのは待っていて手に入るものではない」と考えているので、幸せは探しに行けなければいけないし、そうなるように努力も必要だと思っています。そして、重要なのはさまざまな経験をしたあとに、それを人とシェアすること。本作でもトラウマ的な幼少期を過ごしたサンペが見事に回復した様子を描いていますが、その経験を共有することでそこに幸せが生まれるのです。そういう部分がユニバーサルなメッセージとなって人々に届けばいいなと考えています。フルドン監督サンペとゴシニの2人は、紛れもなく天才的なアーティストでしたが、その裏には本当に膨大な努力と忍耐があったと感じています。だからこそ、彼らが勝ち取った幸せというのは、彼らにふさわしいものなのです。言い換えれば、「いまがつらくてもそれを乗り越えさえすれば幸せに到達できるんだ」ということ。いまは私もそんなふうに思っています。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。フルドン監督この作品には悲しい部分も少しありますが、それよりも気持ちが明るくなるはずなので、映画館を出たときに笑顔になっていただけたらいいなと。きっといい時間を過ごしていただけると思うので、映画のなかで聴いた音楽を口ずさんだり、陽気な気分を味わったりしていただきたいです。マスブル監督観客のみなさんには、ぜひポジティブなところを感じてもらいたいなと願っています。特に、いまはコロナ禍がようやく明けてきたところで、改めて人のありがたみを実感しているところではないかなと思うので。私たちは、太陽のような温かさと輝きを届けたいと考えていたので、みなさんにはそれを受け取っていただき、心が温かくなるのを感じていただけたらうれしいです。子どもから大人まで、誰もが好きにならずにいられない!思わず笑みがこぼれる『プチ・ニコラ』の世界観に没頭できるとともに、作家たちの隠された苦悩にも心が動かされる本作。繊細で優しいタッチにぬくもりを感じながら、懐かしさも込み上げてくる珠玉の1本です。取材、文・志村昌美温かさに包まれた予告編はこちら!作品情報『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』6月9日(金) 新宿武蔵野館、ユーロスペース他全国順次公開配給:オープンセサミ、フルモテルモ️(C)2022 Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2
2023年06月08日「このマンガがすごい!2021」や「第 24 回手塚治虫文化賞新生賞」を受賞し、幅広い層から支持されている田島列島さんの漫画『水は海に向かって流れる』がついに実写映画化。「恋愛はしない」と宣言した26歳の女性会社員と10歳年下の男子高校生が繰り広げる物語が、大きな共感を呼んでいる人気作です。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。高良健吾さん & 大西利空さん【映画、ときどき私】 vol. 583主人公の榊さんに淡い想いを寄せる高校1年生の直達に抜擢されたのは、約400人のなかから選ばれた大西さん。生後5ヶ月で芸能活動を始め、『キングダム』シリーズでは主人公・信の幼少時代を演じるなど、すでに芸歴17年の若手の注目株です。そして、直達の叔父・茂道役には、『横道世之介』や『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』など数々の話題作に出演している高良さん。劇中では、脱サラした漫画家をユーモアたっぷりに演じています。今回は、現場での裏話や恋とは何かなどについて、語っていただきました。―大西さんは2015年の『悼む人』で、高良さんの子ども時代を演じられていますが、お会いするのはそのとき以来でしたか?大西さん前回は重なるシーンがなかったので、お会いするのは今回が初めてでした。高良さん現場で会ったときに「高良さんの幼少期を演じたことがあります」と言われて、こんなご縁はあまりないので大切にしたいなと思いました。しかも、まだ10代半ばの大西くんがメインを務める作品でもあるので、そこに自分が関われるのも楽しみでした。大西さん『悼む人』とは作品の内容も役柄もまったく違うというのもありましたが、撮影はとても楽しかったです。高良さんはすごく優しくていろんな話もしてくださるので、助けていただきました。現場では大西くんと楽しく話しながら過ごしていた―現場では、どんなお話をされていたのでしょうか。高良さん大西くんと楽しく世間話していただけじゃなかったかな。野球や漫画の話をしてみたり、「いまは何が流行っているの?」と聞いてみたり。どちらかというと、僕のほうがいろいろ気になって聞いていた記憶があります。大西さんあと、僕が一番覚えているのは焼肉屋さんの話です。僕の家の近所にあるおいしい焼肉屋さんに行った話をしました。高良さんそうそう。僕が一度は行ってみたいと思っている焼肉のお店に大西くんは行ってるんだよね。―ほかにも高良さんからアドバイスがあったり、大西さんが何かを相談したり、みたいなこともありましたか?大西さん涙を流しながら話すシーンがどうしてもうまくいかないということがあったんですが、そのときに高良さんといろいろお話をさせていただきました。でも、その内容については聞かれても答えていません(笑)。高良さんそういうことを自然にできるのって、すごいですよね。もし僕が高校生で、大西くんの立場だったら普通に言っちゃうと思うので…。広瀬さんのすごさを現場で痛感した―ご自身が10代のときにもそういうことはありましたか?高良さんそうですね。実際、僕は18歳のときにご一緒した廣木隆一監督から言われた言葉をその当時ガンガン言ってしまっていましたから(笑)。いまは自分がいただいた大切な言葉は簡単に出したくないなと感じるようになったので、そこからは言わなくなりましたけど、大西くんの年齢で「自分のなかで大切にしたいから言わない」という選択はなかなかできないんじゃないかなと。僕もうれしいですし、そういうふうに思える大西くんは素敵だなと思います。―本当にそうですね。では、主演の広瀬すずさんについてもおうかがいしますが、共演された印象をお聞かせください。大西さんこれまでテレビや映画を見ていて、演技や表現力がすごいというのはわかっていましたが、現場ではそれを痛感しました。特に、広瀬さん演じる榊さんが長年疎遠だったお母さんに会いに行って感情をぶつけるシーンを真横で聞いていて、こちらまで衝撃を受けたというか、とにかく圧倒される感じだったなと。でも、撮影以外はとても気さくな方でした。高良さん僕は、広瀬さんに対しては「かっこいいな」という印象がありました。一瞬で役に入るのですが、そのスピードもすごかったですし、いいバランスで現場にいる方なんだなと。あとは、大西くんが言っていたみたいに、オーラがあって圧倒されるようなところもありました。前田監督が作品を料理している様子に感動した―本作では個性豊かなキャストの方も揃っていましたが、現場で楽しかったエピソードは?大西さんみんなで集まってバーベキューしていたシーンでは、たくさん話していた記憶があります。高良さんでも、何を話していたのかまったく思い出せないくらい、本当にくだらない話をしてたよね(笑)。―そういう楽しそうな様子は、スクリーンからも伝わってきました。前田哲監督の演出はいかがでしたか?高良さん今作は長回しが多かったのもあるかもしれませんが、「映画の現場にいるんだな」というのを強く感じる現場だったと思います。しかも、前田監督が作品を料理しているような印象もあったので、そこに感動したというか、映画ならではのすごさを見た気がしました。大西さん先に話したうまくいかなかったシーンのときには、監督から「次の日でもいいよ」と声をかけていただき、高良さんともお話をできたからこそ落ち着いてできました。周りの方からの助けがなかったら、乗り越えられなかったなと思います。恋愛は自分のためというよりも、相手のことを考えている―本作では、恋の持つ力を改めて感じさせてくれるようなところがありましたが、おふたりにとって恋とは?高良さんうーん、恋ですか…。大西さん僕が先に答えてもいいですか?高良さんぜひ教えて!いや、頼もしいなあ。大西さんというのも、僕が演じた直達がそういう感情を持っていたキャラクターだったので。これは直達を通して感じたことですが、いろいろなことがあっても相手に思いを伝えるというのはやっぱりすごいことだなと思いました。恋心があるからこそ、その人のために何かしたい気持ちになるんじゃないかなと。今回の作品で、そういったことを感じました。高良さん確かに、恋愛というのは自分のためというよりも、相手のことを考えるので、誰かのために何かしたいという気持ちになるよね。榊さんが「一生恋愛しない」となるまでには相当の絶望があったと思いますが、直達のドストレートなピュアさがあったからそんな気持ちも溶かすことができたんだろうなと。そういうところは、自分自身もわかるなと思いましたし、感動しました。1週間を乗り切るのに欠かせないのはサウナ―そのあたりは、ぜひ作品でも楽しんでほしいところですね。おふたりとも、お忙しい日々をお過ごしだと思いますが、何か癒しになっているものがあれば、教えてください。大西さん最近ハマっているのは、サウナです!部活でフェンシングをしているんですが、疲れが溜まった週末にサウナに行くと、身も心もスッキリするんですよ。高良さんなんかサラリーマンみたいだね(笑)。大西さんまだ高校生ですが、それが1週間を乗り切るモチベーションになっています。高良さん僕は、旅行しかないかな。コロナ禍で行けていなかったですが、できれば年に1~2回は海外に行きたいなと思っています。「自分ならできる!」と何事にも自信を持ってほしい―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。大西さん仕事も恋愛もうまくいかないときがあるかもしれませんが、何事にも自信を持って、「自分ならできる!」という気持ちがあれば、へし折れることはないのではないかなと思っています。なので、ぜひ強い意志を持ってがんばってください。高良さん本当にその通りだよね。自分に対して厳しくしたり、責めたりしすぎずに自分のことを信じてあげてください。インタビューを終えてみて…。どことなく雰囲気が似ていることもあり、本当の親戚のような空気感が漂っていた高良さんと大西さん。2人だけの言葉を大切にしたいというやりとりには、こちらまで気持ちが温かくなりました。次回の共演も、楽しみにしたいところです。爽やかな感動が胸のなかに流れ込む!恋愛に対してつい臆病になってしまうときもあるけれど、恋が起こす奇跡と人を好きになる気持ちの尊さを思い出させてくれる本作。直達のまっすぐな想いに、心がときめくのを誰もが感じるはずです。写真・園山友基(高良健吾、大西利空)取材、文・志村昌美高良健吾 ヘアメイク・森田康平スタイリスト・渡辺慎也(Koa Hole)ジャケット¥53,900(UNUSED)、ニットポロ¥25,300(YASHIKI)問い合わせはすべてalpha PR 03-5413-3546大西利空 ヘアメイク・Emiyスタイリスト・MASAYAストーリー高校生の直達は、通学のために叔父・茂道の家に居候することになる。どしゃぶりの雨のなか、最寄りの駅に迎えとして現れたのは見知らぬ大人の女性、榊さん。茂道はシェアハウスに暮らしていたのだった。同居人は、いつも不機嫌そうにしているが、気まぐれに美味しいご飯を振る舞う26 歳の会社員・榊さんと脱サラしたマンガ家の茂道のほかに、女装の占い師や海外を放浪する大学教授といういずれもクセ者揃い。そこに直達の同級生・楓も混ざり、想定外の共同生活が始まっていく。いつしか榊さんに淡い想いを抱き始める直達だったが、「恋愛はしない」と宣言する彼女との間には、過去に思いもよらぬ因縁があった。榊さんが恋愛をやめた本当の理由とは…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『水は海に向かって流れる』6月9日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー配給:ハピネットファントム・スタジオ(C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 (C)田島列島/講談社写真・園山友基(高良健吾、大西利空)
2023年06月07日動画配信サービスの普及に伴い、いまや世界各国のさまざまなドラマが気軽に楽しめるようになっていますが、それだけにどの作品を観たらいいのか迷っている人も多いのでは?そんななかでオススメするのは、“映画界の美しき天才”がテレビドラマに初挑戦した話題のシリーズ 『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』です。現在、監督業から引退の噂もささやかれているこちらの方に、お話をうかがってきました。グザヴィエ・ドランさん(C) Shayne Laverdière【映画、ときどき私】 vol. 5822009年に19歳で映画監督デビューを果たし、映画界の新星として一躍脚光を浴びたドランさん。その後も『Mommy/マミー』や『たかが世界の終わり』など、作品を発表するたびに業界のみならず世界中の映画ファンたちから大きな注目を集めてきました。そんななか、念願のテレビシリーズでは、監督・脚本・製作だけでなく、ドラッグのリハビリ施設から出てきたばかりのエリオットという難しい役どころで出演もしています。今回は、自身が影響を受けたドラマや今後のこと、そして日本への思いについて語っていただきました。―最近、「実は映画よりもテレビのほうが好き」と明かしていますが、テレビドラマを好きになったきっかけについて教えてください。ドランさん僕はもともといろんなものに執着するタイプなので、テレビに対してものすごい執着心がありました。小さい頃は、『バフィー 〜恋する十字架〜』のサラ・ミシェル・ゲラーや『チャームド 魔女3姉妹』のホリー・マリー・コームズに手紙を書いていたこともあったくらい。しかも、エージェントに電話までして「僕の手紙は届きましたか?いつ本人の元に渡りますか?」と聞いていたほどです(笑)。たいていはすぐ切られましたが、なかには優しいアシスタントがいて、「グザヴィエ、元気?手紙は来週彼女が寄ったときに渡すから心配しないでね」と言ってくれたこともありました。そんなふうに、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、僕はテレビのアイドルたちの大ファンだったんです。テレビは、自分の子ども時代の一部だった―そのなかでも、ご自身に影響を与えているシリーズはありますか?ドランさんさっきも触れた『バフィー 〜恋する十字架〜』や『チャームド 魔女3姉妹』、あとは『ヤング・スーパーマン』、『ロズウェル/星の恋人たち』。このなかだと特に『ロズウェル/星の恋人たち』には完全にやられてしまい、とにかく夢中でした。それくらいテレビに対しては大きな愛を持っているし、自分の子ども時代の一部になっていたのです。少し大人になってからは、HBOの作品を観るようになりましたが、なかでも『シックス・フィート・アンダー』なんかは信じられないほどパワフルだったなと。「あれはオリジナルじゃない」と言う人もいますが、ほかにはない新しさがあり、現代的でもあったので本当に素晴らしい作品だと思います。決して忘れられない存在だし、僕の長年にわたる映画づくりにもインスピレーションを与えてくれている作品です。―テレビドラマがドランさんのクリエイティビティにここまで深く浸透しているとは思いませんでした。ドランさん映画がテレビに刺激を与えるように、僕はテレビも映画を触発できると感じています。あくまでもストーリーテリングはどちらも同じであって、映画とテレビでは方法やフォーマットが違うだけ。『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』はテレビということもあり、そこに付随するルールがあるのもわかっていたので、今回は映画的なアプローチは一切しませんでした。といっても、「監督をする」という意味では、映画なのかテレビなのかは特に関係ありません。そこにあるのは物語だけなので、それをとらえて相対するだけです。今回の自分の演技を誇りに思っている―ananwebでは、俳優として出演された『幻滅』で主演を務めたバンジャマン・ヴォワザンさんに取材を行っていますが、「ドランさんとの共演は最高だった」と。その理由は、監督と俳優を両方している方のなかには、自分の現場でなくても監督としての目線を捨てられない人がいるが、ドランさんは100%俳優としていてくれて助けられたからとのことでした。ご自身ではどのように感じていますか?ドランさん確かに僕はほかの監督の現場にいるときは、自分も監督であることや演出については、考えることは一切ありません。あくまでも、役者としているだけ。なぜなら、それは僕の仕事ではないし、そこに踏み入れるべきではないからです。もちろん、とんでもない撮られ方をしたくはないですよ!でも、だからといってそこに自意識を持ち込みたくはないので、まずはきちんと役者をケアしてくれる監督と現場であることは確認したいと思っています。―ちなみに、ご自身が俳優として心がけていることはありますか?ドランさん自分の頭やカラダのなかに入り込み、ほかの役者たちと演技することに集中したいといつも考えています。特に、ほかの監督と仕事をしているときは、自分が監督しているときとは違ってさらに先に行けることがありますから。そういう場面で役者としての成長を感じることができるのです。もちろんいつでもベストは尽くしていて、今回の自分の演技もとても誇りに思っています。でも、もしこの作品でほかの監督が僕を演出していたらまったく違う演技になっていたかもしれないですね。自分を嫌うことも、愛することも抵抗がない―では、今回のように監督と出演を兼ねている作品の場合、現場で意識していることはあるのでしょうか。ドランさん監督と役者の両方をしているときは、まず監督としてあちこちにいなければいけない大変さはありますね。そんななかで自分のシーンを演じている瞬間は、自分を見失ってしまうことも…。そういうときは、僕に対してつねに正直でいてくれる信頼できる仲間がそばにいて言葉をかけてくれるので、「自分は1人じゃない」と感じられています。あと、僕は自分の演技を見て「あそこの自分は嫌だな」とか「もっとシンプルでいいのにやりすぎてるな」と思うことにまったく抵抗がありません。なぜなら、僕は自分を嫌うことに何の問題もないんですよ(笑)。と同時に、僕は自分を肯定して愛することにも抵抗がない。ちゃんとできていれば、自分に対して「これでいいんだよ。まさに必要な演技だった」と言えるんです。―そういった葛藤がドランさんの演技に深みを与えているようにさえ感じます。ドランさん僕は自分の現場でも、ほかの監督の現場でも演じているときはつねにいろんなことを考えていて、それが止まることはありません。なぜなら、その場面に入り込みたいと思っても、そこには照明があり、多くの人がいて、床には自分の位置を示す印があることも全部わかっているので、完全に自分を忘れることは不可能だからです。しかもクリエイターとして、演者として、また一人の人間としてもさまざまな感情を持っていますからね。いまは仕事を離れてゆっくりしたい―つまり役に没頭しつつも、どこか客観的な視点がなくなることはないと。ドランさんだから瞬間的に何もかも忘れて完全に入り込むのは、僕にとっては自分に嘘をついているような気さえしてしまうのです。もちろん努力はしますし、できる限りのことはします。でも、つねにどこかで「やってはいけないこと」と「やらなければいけないこと」に対する意識が残っているのかなと。かといって、ただ実行すればいいわけでもなく、その瞬間を生きて、そこに存在しなければなりません。それが役者の仕事ですから。そのうえで僕が言えるのは、「演じることがとにかく好き」ということです。―今後はどのような作品を手掛けたいとお考えですか?ドランさん今回のドラマの準備や撮影は、人生でもっとも心躍る豊かな経験となりました。と同時に、この作品に全身全霊を捧げ、僕のすべてを語り尽くしてしまったことでむなしさを覚えているところも…。とはいえ、また作品は作りたいと考えていて、実現するかはわかりませんが、実はすでに2つの企画があります。ただ、いまのところその2つ以外は映画もドラマも撮るつもりはありません。それよりも、いまはこの仕事を離れてゆっくり休みたいなと。休息、睡眠、家族、遊び、建築、旅行、グルメ、そして心の健康とセラピーのための時間が必要だと感じています。ずっと休まずに走り続けてきましたから。日本に行ってすべてのことに触れたい―確かにそうですよね…。日本にはドランさんのファンが非常に多いですが、日本に対してはどのような印象をお持ちですか?ドランさん実は日本に行くのは前からの夢で、本作のプロモーションで行くはずだったんですが、直前にいろいろとあって来日する機会を逃してしまいました。これまでも、僕の過去作はほかの主要な国と比べると日本は1年半~2年遅れてリリースされていたこともあって、なかなか訪れることができなかったんです。というのも、場合によっては、日本での公開時期にその2つ先の作品に取り掛かっていたこともありましたから。なので、いまどこかに行けるなら、一番に駆け付けたい場所が日本です。日本の美しさや美学、建築、文化、風景などすべてに触れたいですね。東京はもちろん、電車に乗って京都や大阪にも行きたいなと思っています。僕はアジアに行ったことがないので、来年こそはパーソナルな形でもいいので行けたらいいなと考えているところです。―もし、日本人の監督や俳優、アーティストなどで一緒に仕事をしてみたい方がいたら教えてください。ドランさん日本の文化は僕の世界や生活に長年浸透していて、いろんな日本映画も観てきました。ただ、いますぐに具体的な例が思いつかなくて…準備しておけばよかったな(笑)。でも、是枝裕和監督の作品はほとんど全部観ているほど大ファンです。あと、アニメの場合、もし僕が声優を務めたら一緒に仕事ができるかもしれないですね!―ぜひ、日本とのコラボレーションも期待しています。最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。ドランさんこの作品は素晴らしいスタッフとキャストが心を込めて作ったシリーズで、大きな喜びとやる気を感じながら、精密さを大事に僕ら自身のすべてを捧げて完成させました。それくらい物語やキャラクター造形には、僕らの愛と情熱と興奮が詰まっているのです。僕にとってはいままでで一番誇らしく思っている作品でもあるので、みなさんにも響くことを心から願っています。ぜひ、楽しんで気に入ってもらえたらうれしいです。インタビューを終えてみて…。どんな質問にも一生懸命答えてくださる姿に感銘を受けましたが、ときおりお茶目な表情を覗かせていたのも印象的だったドランさん。今後については気になる発言もありましたが、作品づくりや演技の話をしているときの姿が何よりも楽しそうだったこともあり、クリエイティブに対する溢れる思いを内に秘めていることはひしひしと伝わってきました。いちファンとしては長い目で見守りつつ、これからの展開にも注目していきたいと思います。ドラン作品を語るうえで見逃せない意欲作!ホラーとスリラーの要素を織り交ぜたサスペンスでありながら、同時に人間ドラマの側面も見事に描いている究極のテレビシリーズ。細部にまでこだわり抜き、予想を超えたラストへと突き進んでいく本作は、観る者に新たな衝撃と刺激を与えてくれるはずです。取材、文・志村昌美ストーリー1991年、ケベック州の郊外に暮らすラルーシュ家の長男ジュリアンと妹のミレイユは、向かいに住むゴドロー家のロリエと仲良し3人組だった。ところが、ある夜の事件を境に3人の人生は一変してしまい、ミレイユは秘密を抱えたまま町を離れて家族と距離を置くことに。それから約30年。母が危篤という連絡を受けて、ミレイユが故郷へと帰ってきた。ジュリアンとパートナー、次男のドゥニ、ドラッグのリハビリ施設から出てきたばかりの末っ子エリオットら家族が再び集結。しかし、母が残した予想外の遺言が引き金となり、葬り去られていた嘘と秘密が明かされるのだった。はたして、“あの夜”の真実とは…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』<字幕版>全話独占配信中配信:Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX」(C) Fred Gervais
2023年06月06日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はファッションには欠かせないアクセサリーのなかでも、顔に一番近く、印象を左右するピアスのデザインをスナップ!どんなスタイルにピアスを合わせているのか、参考になります。フープピアスは世界中で大人気のようです!こちらは世界的に人気の高いインフルエンサーYOYOさん。太めのフープを、個性的で型破りな上下セットアップで上品に合わせています。シューズやグローブをオレンジのポイントカラーで決めており、全体のバランスがオリジナルティ溢れるスタイルになっています。小さめフープも可愛い!UKシンガーソングライターのエリー・ゴールディング(Ellie Goulding)もフープを上手に愛用していました。小さめのフープとゴリゴリのブレスレットのバランスも面白い!全体的にロックでカジュアルなスタイルのこのときは、小さめのフープピアスをTシャツスタイルに合わせています。ジャラジャラピアスも種類豊富!ビーズのような粒が連なったジャラジャラピアス。ここまで長いと存在感がすごいです!シンプルなオールブラックスタイルだからこそ、ピアスで遊んでいるようです。短めのジャラジャラピアスシルバー系のジャラジャラピアスはよく見かけますよね!全体がピンクスタイルなので、あえてシンプルな色のピアスにしていますが、全身がかなり派手なので、ピアスも存在感をなくさないデザインをチョイスしているようです。胸元に目線を集中させたい時は…こちらのセクシーでスタイリッシュな着こなしは、胸元に視線を集中させるためにピアスはあえて1粒ダイヤモンドで。ぱっくりと開いた胸元にはネックレスが連なっていて、ピアスがシンプルでもダイヤが輝き、ゴージャス感半端ないです。小物使いの天才的スタイルこちらはもう全てが個性的!個性的すぎるサングラスに目が先に行きますが、派手なラメ系スカートの組み合わせがすごい!そんな中でピアスは左右の長さやデザインが異なるアシンメトリーピアスをチョイス。全体的にまとまっているのは、ピアスで使用している色が、サングラスやスカートと同じ系統なので、全体のアクセントになりつつ邪魔になっていないという、最強の組み合わせです。メンズも愛用の揺れるピアス最近ではメンズだって揺れるピアスを愛用している方が多い!こちらはパンクテイストなシルバーピアスですが、ちょい長めで揺れるところがポイント。丸いメガネのキュートなフェイスに辛口ピアスがぴったりです。厚みが重要!?シンプルで大きいシルバーピアス最近はいろんな種類のピアスがありますが、至ってシンプルなシルバーピアスも、厚みがあればかなり目立つ!シルバー系はデニムとの相性もいいので、カジュアルに着こなしたい時はかなり重宝します。いかがでしたでしょうか?本日は海外で見かけたピアスのスナップを紹介しました。日本やアジアでは華奢なデザインが人気ですが、海外はやはりどれだけ目立つかがポイントになるくらい、ピアスの存在感が大きいものが目立ちました。これから新しいアクセサリーをご検討の方には、ぜひ存在感あるピアスもおすすめしたいところです。写真・文 平野秀美
2023年06月03日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第143回は、好意を寄せてきた男性が「嫌な人」とわかり回避した体験談をご紹介します。1.やたらとスキンシップしてきて拒否【結婚引き寄せ隊】vol.143いろいろな出会いがあるなかで、とくにはたらきかけたわけではなくても、相手から気に入られてアプローチされることもあります。でも対応するうちに、だんだん「最低男だった」とわかって断った女性の「イヤな男性を回避できた話」をご紹介します。ひとりでは行けないからと、どうしてもと友達に誘われた合コンに、なんの気なしに参加したAさん。もともと、恋愛したいという気持ちがまったくなかった20代後半のAさんは、いわゆる推し活が充実していて、お気に入りのアーティストのスケジュールのほうが気になっていました。合コンでもふつうに推し活の話をするなど、男性に気に入られようとはしなかったものの、そんなナチュラルさが逆に良かったのか、合コンで出会った男性に好意を寄せられたAさん。相手はなかなかのイケメンで紳士的だったそうで、最初はまんざらでもなかったそう。ですが、その様子を見た男性が調子に乗ってだんだんとダイタンになっていき、やたらとAさんにぴったりくっつこうとしてきたり、肩を抱き寄せてきたりと、密着。いくら合コンの席だからといって、初対面なのに度を超えたスキンシップに怒り心頭のAさんは、「やめてください!」とキッパリと相手を拒否したそうです。まわりからも注目され、相手もちょっとビックリしていたらしいですが、密着してくるような男性なんて、拒否されて当然ですよね。紳士的に見せていただけで、実はただの節操なしなんて、お断りなのも納得です。2.やたらと結婚話をチラつかせて拒否30代半ばのBさんは、映画好きという同じ趣味の友人たちと、ちょくちょく集まっていました。趣味の話はもちろん、仕事の悩みまで話せる男女の友人たちとの時間は、いつもリラックスできる場所として、大事にしていたそうです。そんな知人たちとの場に、あるとき、新しい男性が参加。Bさんと同世代で、偶然住んでいる場所も近く、近所のローカルな話題をして盛り上がっていました。だからなのか、最初からほかの人たちよりもBさんに親しみを覚えて、その日以降、毎日男性は連絡をしてくるのだとか。はじめは趣味が同じということもあって話題も尽きなかったふたりですが、毎日どうでもいいことでも連絡してくる男性が、Bさんにとってちょっとずつ負担になってきたそうで、もちろん相手もそんなテンションの低い状態を把握していたのですが…。次に連絡をよこしてきたときから、「実は早く結婚して落ち着きたいんだよね」とか、「もし付き合ってくれるなら結婚前提がいい」などと、結婚話をチラつかせて口説いてくるようになりました。ふつうに聞けば想いを寄せられて良い話ではと思いつつも、当の本人は、まったくタイプではない男性に1ミリも心が動きません。そんななかで結婚がどうという男性の押しの強さに、うんざりしてしまったBさん。ハッキリと気がないことを伝えて、連絡は途絶えました。後日、別の友人から、「今度はアイツ別の女性を口説いてるよ」と耳にしたBさん。誰でもいいのだなと実感し、断って良かったと思ったそうです。3.くさいセリフを言いすぎて拒否30代前半のCさんは、やっと仕事が楽しくなってきた時期でした。家と会社の往復だけの生活でしたが、仕事だけしている状態をよく“つまらないことの代名詞”のようにたとえられることもありますが、Cさんはむしろそんな生活がスキ。いきいきとしていました。あるとき、職場で人が辞めることがあり、送別会が開かれたので参加。そこに、普段はあまり接点のない部署の男性もいて、話す機会があったそうです。違う部署の先輩にあたる男性から、ひと目で気に入られたCさん。どうやら先輩の好みだったそうで、ぐいぐいアピールしてきたのだとか。送別したくて参加しているのに、アピールしてくる先輩にドン引きし、さらには「こんなに理想の女性が社内にいたなんて」とか、「僕にとっての女神かも」などと、歯の浮くようなくさいセリフを言われたCさん。会が終わるまでは耐えたそうですが、終わるや否や一目散に帰宅したのだとか。後日、社内の人から「大丈夫だった?」と労われたCさんは、実はその先輩が彼女持ちだと知らされ、つくづく逃げて良かったと思ったそうです。相手から気に入られるのはうれしいことに違いありませんが、それが望まない人だったら、しんどいですよね。おたがいに納得できる相手と、みなさんが結ばれますように!文・かわむらあみり©Estradaanton/Getty Images©Three Spots/Getty Images©HD91239130/Getty Images文・かわむらあみり
2023年05月31日近年、国内外の映画界で活躍が目覚ましい存在といえば女性監督。そこで今回オススメするのは、フランス映画界で“ジェンダーニュートラルの時代に突如現れた新星”として注目を集めている次世代の女性監督が手掛けた話題作です。『Rodeo ロデオ』【映画、ときどき私】 vol. 581短気で独立心の強いジュリアは、バイクにまたがるために生まれてきたような人物だった。ある夏の日、彼女は「クロスビトゥーム」というヘルメットを装着せずに、アクロバティックな技を操りながら公道を全速力で疾走するバイカーたちに出会う。そして、ある事件をきっかけに、彼らが組織する秘密結社の一員となった彼女は、超男性的な集団のなかで自分の存在を証明しようとする。しかし、次第にエスカレートする彼らの要求に直面し、コミュニティでの自分の居場所に疑問を持ち始めるのだった…。2022年にカンヌ国際映画祭のある視点部門で上映された際には、審査員たちの絶大な支持を受け、本作のために特別に設けられた “審査員の心を射抜いた”という意味のクープ・ド・クール・デュ・ジュリー賞を受賞。そこで、本作の見どころについてこちらの方々にお話をうかがってきました。ローラ・キヴォロン監督 & アントニア・ブレジさん本作で長編映画監督デビューを果たして大きな注目を集めているローラ監督(写真・左)と、共同脚本を務めるかたわら主人公のジュリアが心を許す女性オフェリーも演じた俳優のアントニアさん(右)。公私ともにパートナーでもあるおふたりに、作品が完成するまでの裏側やお互いへの思い、そして東洋思想から影響を受けていることなどについて語っていただきました。―ローラ監督は子どもの頃から近所で若者がモトクロスをしている環境で育ったそうですが、そのときから興味を持たれていたのでしょうか。ローラ監督以前からバイクには力強さとスピード、そして激しさを凝縮したような一面があると感じていましたが、何よりも自由を象徴する存在だと思っていました。そんななか、2015年にSNS上で目にしたのがクロスビトゥームの映像。彼らのやっていることの華々しさと情熱に加えて、どこかポエティックなものに魅了されて会いに行きました。彼らの強い連帯感や楽しんで練習している姿が純粋に美しかったのもありますが、彼らのなかにパリ郊外で生まれ育った頃の自分を思い出す部分もあったので、そういう意味でも惹かれたんだと思います。―今回は共同脚本ということですが、おふたりでどのように作業されていたのかを教えてください。アントニアさん私たちは仕事でもプライベートでもパートナーということもあり、以前から1つのことを一緒にすることでお互いの結びつきを強くできたらいいなと考えていました。そこでまずは「ローラの無意識のなかにはどんなことがあるのか?」といったことを中心に探りながらシナリオを書くことにしたのです。そういった流れのなかでキャラクターやストーリーについて考えていったわけですが、私はシナリオライターではないので、方法としては伝統的なシナリオの作り方ではありませんでした。それよりも自分たちが日々感じていることから自然と何かをくみ取り、新しいものを作っていくような感じだったかなと思います。あと、私が主に担当したのは、自分が演じたオフェリーのセリフや物事の見方について。これまでの俳優としての経験を踏まえたうえで、私のほうが理解できると思ったので、彼女の会話部分は私が中心に手がけました。アントニアのおかげで自分を見失わずにいられた―ローラ監督にとって、アントニアさんはどんな存在ですか?ローラ監督私にとってアントニアは、言わば“灯台の光”。なぜなら、彼女を見ればつねに自分の居場所がわかるからです。私の場合、シナリオを書くというのは意識と無意識のバランスを取る作業であり、その動きのなかから物語が生まれます。無意識の部分は謎めいていてはっきり見えないこともありますが、それを形にしてくれるのがアントニアです。シナリオを書くうえで、一旦自分を見失うというのも私にとっては大事なことですが、そればかりだとどこかに流れていってしまうことがあります。でも、彼女は海に浮かぶブイのようにそばにいてくれたので、私は完全に自分を見失うことなく、バランスを保つことができました。―素敵な関係性ですね。ジュリアについてもおうかがいしますが、シーンによっては女性性が強調されているときもあれば、男性性が表に出てきているときもあり、非常に興味深いキャラクターだと感じました。セクシャリティについてはあえて明確にしていませんが、どのようにして人物像を完成していったのでしょうか。ローラ監督ジュリアは誰にも止められない川の流れのような強い力を持った特異な存在ですが、同時にとても自由な人物にしたいと考えました。彼女を男性性と女性性の間を揺れ動いているように見せたのは、2つの間で絶え間なく動いているイメージを持たせるためです。ほかにも、劇中の彼女には「生と死」や「夢と現実」の間を行き来させました。そうすることで、ジュリアを誰にも定義することができないカメレオンのような存在にできたと感じています。いっぽうで彼女は他者のカラダに入り込み、相手に変化を起こしながら自分も変異していくウイルスのようなところもあるのかなと。そういう部分が観る人たちの考え方を変える力も持っているのだと思っています。本物の信頼関係がリアルなリアクションを生む―ジュリアを演じたジュリーさんの存在感も圧倒的でしたが、アントニアさんは一緒に演じてみてどうでしたか?アントニアさん彼女と出会ったのは、撮影が始まる3年ほど前のこと。そのときからお互いの経験について話し合ったりしていたので、現場に入る前から親密な関係性ができあがっていたと思います。今回、私の役割というのは、ジュリーと一緒にリハを重ねたり、演劇的なやり方で役作りをする方法を教えたりすることでしたが、彼女はそれらをすぐに自分のものにしてくれました。撮影では競技に挑むアスリートのように精神的にも身体的にも集中力が求められるので、かなり綿密な準備もしましたが、そのおかげで私たちの間に不自然さやぎこちなさというのがまったくない状態にまで持っていくことができたと思っています。―それぐらいの信頼関係がなければ、ヘルメットをしない状態で一緒にバイクに乗るシーンの撮影もできなかったのではないかと感じました。アントニアさん確かに、お互いへの信頼がなければああいうことは不可能だったかもしれません。それに私は役になりきるために、撮影中は自分である意識をなくすような状態にするのですが、そこで信頼関係がなければ、そもそもそういう状況に自分を置くこともできなかったと思います。これはほかの俳優と演じるときにも言えることですが、本物の信頼関係を成立させたうえでさまざまなリスクを取るからこそ、リアルなリアクションやさまざまな思いつきが生まれるのです。決められた枠組みから逃れることをいつも考えている―劇中では男性社会のなかに飛び込んでいくジュリアの姿が描かれていますが、いまだに映画界も男性社会とされています。監督はノンバイナリーであることを公言されてはいますが、女性監督として難しさを感じることも多いのではないでしょうか。ローラ監督映画界はもちろん、世界中がまだ男性中心なので、そのなかで女性が居場所を求めようとすれば、必然的に戦わなければいけません。そういう意味では、私はジュリアと似ているところがあるかもしれないですね。というのも、私は決められた枠組みから逃れ、他人からの期待を裏切ることをいつも考えているからです。そういったこともあって、私の作る映画というのは決してスタンダードになることなく、つねに自由なのかなと。実際、ジュリアもカメラのフレームには収まりきらない存在として描きました。―また、本作に関しては、コロナ禍で読んだ道教や神道の本から影響を受けているところがあるとか。ローラ監督そうなんですよ。そもそも私は昔から東洋思想に興味がありました。なかでも、「生と死はつながっているものであって同じサイクルにすぎない」というような考え方に魅了されています。そして、東洋思想によく見られる水、火、地といった自然に関わるエレメントにも親近感を抱いていたので、この映画でもそこを突き詰めてみたいなと。なので、たとえばジュリアの怒りは真っ赤に燃え盛る火で表してみたり、ブルーを基調にした静かなシーンでは水をイメージしたりしています。そのほかにも、死んだ人間が亡霊として再び姿を現すところなどは、生と死の循環や東洋の死生観を意識しました。撮影現場でも、スタッフやキャストに対して、「私たちは祖先や亡くなった人たちと一緒に映画を作っているんだよ」といった話をよくしたほどです。そういったこともあって、たとえ死んでしまっても残された人たちのなかでより存在感が増していくような様子を作品のなかでも描きました。美的感覚が優れている日本文化は“洗練の極み”―ちなみに、日本に対しても何か興味をお持ちのことはありますか?ローラ監督日本は美的感覚が優れているので、グラフィックや漫画、ホラー映画などにおいて素晴らしい印象が強いです。そして、日本文化といえば細部にまでこだわっているので、“洗練の極み”だと思っています。あとは、日本の人々が持っている恥じらいの気質も素敵ですよね。アントニアさん私がフランスやヨーロッパとまったく違うと感じているのは、日本に流れている時間や季節の感覚。そういう部分も私たちにとっては、非常に魅力的なところです。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。ローラ監督女性というのは社会の規範に当てはめられ、周囲からステレオタイプな眼差しで見られがちですが、ジュリアというキャラクターと出会うことで、みなさんにも彼女の自由に生きる力を感じていただけると期待しています。そして、人と違うことは決して悲しむべきことでも、悪いことでもありません。むしろそういう自分に対して自信を持ってほしいですし、周りと違う何かが力となって自由が生まれると私は信じています。アントニアさんいまはさまざまなカテゴリーに区別されてしまう時代ではありますが、逆にこれまでなかったハイブリッドなものを作ることができる余地がある時代のようにも感じています。なので、女性たちには決められた枠の外にもっと出てもらえたらいいなと。抑圧から解放され、世界に向けて新しいものや言葉を生み出してほしいです。止まることなく、自由に向かって走り抜ける!圧倒的な疾走感と迫力に心を撃ち抜かれ、アドレナリンも全開になること間違いなしの本作。ギリギリを突っ走る恐れ知らずのジュリアの姿に抑えていた欲望が沸々とわき上がり、全力でアクセルを踏み込む怖さも吹き飛んでしまうはず。取材、文・志村昌美衝撃が走る予告編はこちら!作品情報『Rodeo ロデオ』6月2日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかロードショー配給:リアリーライクフィルムズ + ムービー・アクト・プロジェクト️(C) 2022 CG Cinéma / ReallyLikeFilms
2023年05月31日